JP2021520234A - 歯科用フライス工具 - Google Patents
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Abstract
本発明は、歯科補綴物の製造において歯科材料をフライス加工するための歯科用フライス工具を提供する。歯科用フライス工具は3つの螺旋状溝を有するボールノーズエンドミルであり、各溝は切れ刃に関連付けられ、各切れ刃は、ボールの湾曲した縁に沿ったチップブレーカを有している。歯科用フライス工具は、炭化物系材料、セラミック、サーメット、多結晶ダイヤモンド(PCD)および立方晶窒化ホウ素(CBN)を含む超硬質材料、ならびにダイヤモンド複合材料などの硬質材料から形成されてもよい。あるいは、歯科用フライス工具は、ダイヤモンドコーティング、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、チタンアルミニウムナイトライド(TiAlN)、アルミニウムチタンナイトライド(AlTiN)、窒化チタン(TiN)などの窒化物系コーティング、およびセラミックコーティングなどの硬質コーティングで被覆することができる。
Description
本発明は、歯科用フライス工具に関し、特に、ジルコニア(予備焼結状態)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、および樹脂マトリックス歯科材料などの歯科用材料をフライス加工できる歯科用フライス工具に関する。
歯科においては、歯が部分的に取り外された後には、その歯の一部を交換するか、歯が修復できない場合は、取り外された歯を交換することがしばしば必要である。部分的な交換には、クラウン、インレー、オンレーが含まれ、可能な限り歯の元の形状に一致させる必要がある。交換歯全体は、通常、顎の骨に埋め込まれたインプラントに取り付けられ、可能な限りインプラントにぴったりとはまる必要がある。これらの代替品(部分的および全体)は、以降「歯科補綴物」と呼ばれる。
歴史的に、そのような歯科補綴物は歯科技工士によって手で作られた。歯科補綴物の製作には時間がかかるので、通常、1回の歯科予約で歯の一部を交換することはできなかった。代わりに、最初の予約時に、必要な歯科補綴物の形状に関する情報が収集される(通常、歯科医が患者の歯の印象を採得する必要がある)。その後、歯科補綴物が作成され、2回目の予約時に装着される。全体のプロセスには時間がかかった。
最近では、このプロセスは、コンピューター支援設計(CAD)およびコンピューター支援製造(CAM)技術を使用して改善されている。患者の歯列は口腔内スキャナーを使用してスキャンされ、デジタルモデルが生成される。その後、デジタルモデルを使用して、設計および作成される必要のある歯科補綴物の仕様が決定される。次いで、歯科補綴物は、歯科的に許容可能な材料(ジルコニアなど)から作成することができる。歯科補綴物を作成するこのステップでは、通常、歯科用コンピューター数値制御(CNC)機械の歯科用フライス工具(日本のRoland DGが提供するものなど)を使用して、設計されたCADデジタルモデルに歯科補綴物をフライス加工または研削する。歯科補綴物がジルコニアから機械加工されている場合、粉砕された歯科補綴物は焼結されて完全な密度を達成する。
ジルコニアなどの歯科的に許容される材料は研磨性を有するので、歯科補綴物の機械加工に使用される歯科用フライス工具は摩耗しやすい。機械スピンドル、工具ホルダ、プログラム、フライス工具など、多くの要因が歯科補綴物の精度に影響を与える可能性がある。フライス工具に関して、製造された歯科補綴物の精度は、歯科材料を機械加工するときの工具の耐摩耗性(特に研磨摩耗)だけでなく、工具精度にも大きく依存する。耐摩耗性の高い歯科用フライス工具は工具寿命が長く、耐摩耗性の低い歯科用フライス工具ほど頻繁に交換する必要はない。
本発明の第1の態様に従えば、歯科用補綴物の製造において歯科材料をフライス加工するための歯科用フライス工具が提供され、歯科用フライス工具は、3つの螺旋状溝を有するボールノーズエンドミルであり、各溝は、切れ刃に関連づけられ、各切れ刃は、ボールの湾曲した縁に沿ったチップブレーカを有しており、歯科用フライス工具は、炭化物系材料、セラミック、サーメット、多結晶ダイヤモンド(PCD)と立方晶窒化ホウ素(CBN)とを含む超硬質材料、およびダイヤモンド複合材料などの硬質材料から形成されている。
工具の形状と工具の材料とのこのような組み合わせにより、工具の工具寿命が長くなることがわかっている。さらに、切れ刃にチップブレーカを使用すると、切削力が低下し(したがって、工具寿命が長くなる)、工具の性能の一貫性も向上する。
工具にハードコーティングを使用すると、工具の寿命を向上させることも可能である。したがって、本発明の第2の態様に従えば、歯科用補綴物の製造において、歯科材料をフライス加工するための歯科用フライス工具が提供され、歯科用フライス工具は、3つの螺旋状溝を有するボールノーズエンドミルであり、各溝は、切れ刃に関連付けられ、各切れ刃は、ボールの湾曲した縁に沿ったチップブレーカを有しており、歯科用フライス工具は、ダイヤモンドコーティング、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、チタンアルミニウムナイトライド(TiAlN)、アルミニウムチタンナイトライド(AlTiN)および窒化チタン(TiN)などの窒化物系コーティング、ならびにセラミックコーティングなどの硬質コーティングで被覆されている。
螺旋状溝の螺旋角は、任意の値にすることが可能である。しかし、10°〜50°の螺旋角が、歯科用フライス工具に特に適していることがわかり、好ましい形態では、螺旋状溝は10°〜50°の螺旋角を有する。特に好ましい形態では、螺旋角は35°である。
螺旋角は溝に沿って変化してもよく、溝に沿って一定であってもよい。
性能を向上させるために、工具にはすくい角があってもよく、好ましい形態では、すくい角は5°〜20°の間である。
同様に、工具は逃げ角を有してもよく、好ましい形態では、逃げ角は10°〜25°の間である。
チップブレーカは、任意の適切な方法で提供できる。好ましい形態では、チップブレーカは、ボールの湾曲した切れ刃に沿ったノッチとして形成される。
ここで、本発明の好ましい実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して説明する。
図1〜図3に示される歯科用フライス工具10は、CAD/CAM歯科での使用に適している。特に、ジルコニアを焼結して歯科補綴物を製造する前に、工具を使用して、ジルコニア歯科材料をCADモデルに基づいて歯科補綴物に適した形状に製粉することができる。工具はボールノーズエンドミルであり、ボールノーズのヘッド直径は0.3mm〜8mmの範囲とすればよい。歯科用フライス加工で最も一般的に使用される工具のヘッド直径は、0.3mm、0.6mm、0.7mm、1mm、2mm、および2.5mmである。
複数の螺旋状溝20が設けられて、溝に関連する切れ刃によってワークピースから除去された材料のチップがワークピースから離れるように移動できるようにされている。本発明では、図3に示されるように、3つの溝20(したがって3つの切れ刃)がある。螺旋角θは、切削中に生成される切削力に影響し、歯科用フライス工具の場合、螺旋角θは10°〜50°の間とすべきである。35°の螺旋角が特に好ましい。螺旋角θは、溝に沿って一定であっても、変化してもよい。溝の螺旋は左回りでも、右回りでもよい。
図3に示すように、切れ刃での工具のすくい角γは5°〜20°である。各切れ刃は、図3に示すように、好ましくは10°〜25°の逃げ角αも有している。この工具には複数のレリーフがある。
歯科用フライス工具は、チップブレーカ30も使用する(図2に最も明確に示されている)。チップブレーカは、切削工具で使用され、ワークピースから除去された材料が1つの連続したピースではなく、小さなピースとして除去されるようにする(「チップ」と呼ばれる)。このチップは、チップブレーカがない状態でPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)材料をフライス加工するときによく見られる。長い切りくずは、ときどき問題を引き起こす可能性がある(たとえば、切削工具またはワークピースを包むことによって)。そのため、このような問題を回避するために連続した切りくずを分割することが望ましい。
ジルコニアのフライス加工は、通常、連続チップではなく、むしろダストを生成するので、ジルコニアを切削するときに歯科用フライス工具でチップブレーカを使用しても、メリットはほとんどないと考えられる。しかし、驚くべきことに、チップブレーカを使用すると、少なくともジルコニアの切断中に、切断方向の切削力を減らすことができることがわかった。切削力の減少とは、ワークピースの切削に対する抵抗が少ないことを意味し、この抵抗の減少は、工具の摩耗率の低下につながる。したがって、工具が許容できないレベルまで摩耗するのにより長い時間がかかり、工具の工具寿命が長くなる。
図1〜図3の工具では、チップブレーカ30は、図2に最もよく示されているように、ボールの湾曲した切れ刃に沿って配置された一連のノッチ(幅w、深さd、ねじ山の角φ)として形成されている。
特定の例では、ジルコニア歯科材料を粉砕するために、図1〜図3に示された歯科用フライス工具(3つの溝とチップブレーカ、および2mmのボールノーズ直径を有する)を使用した。歯科用フライス工具は、コーティングされていない炭化物系材料から形成された。ジルコニア歯科材料を粉砕するために、2つの溝を持ち、チップブレーカがなく、ボールノーズの直径が2mmで、コーティングされていない炭化物系材料から形成された同様の従来技術の歯科用フライス工具も使用した。切削方向の切削力を測定し、比較した。
各工具は5軸スピナU5−620切断機を使用して試験され、切削力はキスラダイナモメータを使用して測定された。切削条件は次のとおりである。
速度:毎分19,900回転
送り速度:2,100ミリメートル/分
軸方向切込み:1.0ミリメートル
半径方向切込み:0.71ミリメートル
速度:毎分19,900回転
送り速度:2,100ミリメートル/分
軸方向切込み:1.0ミリメートル
半径方向切込み:0.71ミリメートル
これらの条件下で、図1〜図3に示された歯科用フライス工具で測定された平均切削力は、従来技術の歯科用フライス工具で測定された切削力よりも46%低かった(0.80Nと比較して0.43N)。このような性質の切削力の減少は、工具の形状、および特にチップブレーカを設けた結果として達成され、工具の寿命を延ばすことに寄与する。
チップブレーカを使用することのさらに有利な効果は、測定された切削力が工具間でより一貫していることである。つまり、チップブレーカを使用すると、工具ごとの切削力の変動が少なくなる。
このことを説明するために、3つの異なるタイプの工具を、5軸スピナU5−620切断機を用いて試験し、前回のようにキスラダイナモメータを用いて測定した。試験された3タイプの工具は、以下の通りであった。(i)図1〜図3に示した歯科用フライス工具であって、3つの溝およびチップブレーカと、2mmのボールノーズ直径と、ダイヤモンドコーティングとを備えた歯科用フライス工具。(ii)2つの溝を備え、チップブレーカがなく、ボールノーズの直径が2mmで、ダイヤモンドコーティングが施された従来の歯科用フライス工具。(iii)3つの溝を備え、チップブレーカがなく、2mmのボールノーズ直径、およびダイヤモンドコーティングを備えた従来の歯科用フライス工具。
各タイプの工具のいくつかが試験され、各タイプの工具について測定された最大および最小切削力が記録された。次に、これらの最大および最小切削力を使用して、各工具タイプの力偏差(つまり、各工具タイプで記録された最大切削力と各工具タイプで記録された最小切削力の差)を計算した。
測定された力の偏差は次のとおりである。
タイプ(i):0.56N
タイプ(ii):0.71N
タイプ(iii):0.77N
タイプ(i):0.56N
タイプ(ii):0.71N
タイプ(iii):0.77N
したがって、チップブレーカを装備すると、工具間の力の偏差が減少し、工具のパフォーマンスがより一貫し、そしてより予測可能なものになる。
工具の摩耗速度、特に研磨摩耗は、工具基材の硬度を上げるか、基材より硬いコーティングで工具を被覆することにより、さらに低減できる(したがって、工具寿命がさらに長くなる)。これは、工具の形成に、硬質材料または超硬質材料を使用することによって実行することが可能であり(「硬質基材」工具)、または、硬質または超硬質コーティングで工具を被覆する(「硬質コーティング」工具)ことによって実行できる。
適切な工具基材材料は、限定されるわけではないが、硬質材料、たとえば、炭化物系材料、セラミック、サーメット、ならびに多結晶ダイヤモンド(PCD)および立方晶窒化ホウ素(CBN)などの超硬材料などを含む。
適切な工具コーティングは、限定されるわけではないが、たとえば、ダイヤモンドコーティング、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、チタンアルミニウムナイトライド(TiAlN)、アルミニウムチタンナイトライド(AlTiN)および窒化チタン(TiN)などの窒化物系コーティング、ならびにセラミックコーティングなどを含む。工具基材へのコーティングの接着は、コーティングされた工具の工具寿命に影響する重要な要素であるので、コーティングが工具にしっかりと接着することが非常に重要である。したがって、工具の基材とコーティングとの選択は非常に重要である。
したがって、工具形状と硬質工具基材の組み合わせ、または工具形状と硬質工具コーティングの組み合わせにより、工具寿命が向上する。
改善された工具寿命の一例として、本発明の歯科用フライス工具を従来技術の歯科用フライス工具と比較するための試験が実施された。
具体的には、図1〜図3に示した歯科用フライス工具を使用して2つの試験を実行した。第1の試験は、硬質工具基材の使用が工具寿命を延ばす証拠を提供することであった。第2の試験は、適切な工具基材と組み合わせたハードコーティング(工具基材よりも硬い)の使用が、工具寿命をさらに改善するという証拠を提供することであった。
両方の試験は、ローランドDWX52DC歯科用フライス盤を使用して実行された。ローランドの歯科用フライス盤は、最も広く使用されているタイプの歯科用フライス盤であるので、この機械を使用して試験を実行すると、歯科技工所の実際の操作を可能な限り精密に模倣することができる。
試験では、3つの溝、チップブレーカ、ならびに1mmおよび2mmのヘッド直径を備えた本発明による歯科用フライス工具を使用した。この試験では、2つの溝を持ち、チップブレーカがなく、ヘッド直径が0.6mmの歯科用フライス工具も使用した。ヘッド直径が2mm、1mm、0.6mmの歯科用フライス工具は、通常、補綴物を製造するために、歯科技工所におけるセットとして一緒に使用されている。
試験の目的は、歯科補綴物、特に補綴物の縁部の機械加工の品質を評価することであった。補綴物の縁部において欠けが見つかったときには、試験を停止し、作製した補綴物(または「修復」)の数を数えた。補綴物の縁部は、ヘッドの直径が2mmおよび1mmの工具によって作製され、ヘッドの直径が0.6mmの工具は、縁部には使用されない。したがって、この試験は、本発明におけるような、3つの溝とチップブレーカを備えるボールノーズエンドミルの性能評価に適している。
第1の試験では、加工を、3つの溝、チップブレーカ、ヘッド直径1mmおよび2mmを有する、本発明に従った被覆されていない歯科用フライス工具、および2つの溝を有し、チップブレーカがなく、0.6mmのヘッド直径を有する、コーティングなしの歯科用フライス工具を用いて行った。加工は、同じ歯科用フライス盤と切削条件であるが、ボールノーズ直径が2mm、1mm、0.6mmの従来技術のコーティングされていない歯科用フライス工具(2つの溝およびチップブレーカなし)で、でも行った。さらに、本発明に従った歯科用フライス工具は、従来技術の歯科用フライス工具の材料よりも少なくとも14%硬い工具基材材料から形成された。
第1の試験の結果、従来の歯科用フライス工具は、98個の修復を完了できることがわかった。上記の図1〜図3のコーティングされていない歯科用フライス工具は、126個の修復を完了することができた(29%以上)。
第2の試験は第1の試験に対応していたが、ダイヤモンドコーティングされた工具を使用して実行された。本発明の歯科用フライス工具は、4%〜12%のコバルト含有量を有する炭化タングステンから形成され、ダイヤモンドコーティングで被覆された。基材とコーティングとのこの組み合わせによって、コーティングの接着性が向上する。従来技術の歯科用フライス工具は、ダイヤモンド被覆炭化タングステンから形成されていた。第2の試験では、2つの異なるメーカーの、2セットの従来の歯科用フライス工具を使用した。
第2の試験の結果は、第1のメーカーの、従来技術の被覆された歯科用フライス工具が644個の修復を完了することができることがわかった。第2のメーカーの、従来技術の被覆された歯科用フライス工具の1つは、28個の修復後に切れ刃が欠けた(図4に示されている)。一旦工具が欠けると、修復物の品質に悪影響を及ぼし、フライス盤のスピンドルが損傷する可能性があるので、それ以上使用すべきではない。そのため、第2のメーカーの工具の試験は中止された。
上記のように、本発明の被覆された歯科用フライス工具は、少なくとも854個の修復を完了することができるであろう。この時点で試験は中止されたが、工具を使用してさらに修復を行うこともできた。
単一形式のチップブレーカに関して本発明を具体的に説明したが、他の形式のチップブレーカも使用できることは理解されるであろう(ただし、使用するチップブレーカの最も効果的な形式を決定するには、いくつかの実験が必要な場合がある)。さらに、特定の材料のみが工具基材またはコーティングとして使用することが提案されているが、高硬度の他の材料、または高速度鋼などの低コストの材料も使用できることが理解されよう。
Claims (9)
- 歯科補綴物の製造において、歯科材料をフライス加工するための歯科用フライス工具であって、
歯科用フライス工具は、3つの螺旋状溝を有するボールノーズエンドミルであり、各溝は、切れ刃に関連付けられ、各切れ刃はボールの湾曲した縁に沿ったチップブレーカを有しており、
歯科用フライス工具は、炭化物系材料、セラミック、サーメット、多結晶ダイヤモンド(PCD)と立方晶窒化ホウ素(CBN)とを含む超硬質材料、およびダイヤモンド複合体などの硬質材料から形成されていることを特徴とする歯科用フライス工具。 - 歯科補綴物の製造において、歯科材料をフライス加工するための歯科用フライス工具であって、
歯科用フライス工具は、3つの螺旋状溝を有するボールノーズエンドミルであり、各溝は、切れ刃に関連付けられ、各切れ刃は、ボールの湾曲した縁に沿ったチップブレーカを有しており、
歯科用フライス工具は、ダイヤモンドコーティング、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、チタンアルミニウムナイトライド(TiAlN)、アルミニウムチタンナイトライド(AlTiN)および窒化チタン(TiN)などの窒化物系コーティング、ならびにセラミックコーティングなどの硬質コーティングで被覆されていることを特徴とする歯科用フライス工具。 - 螺旋状溝は、10°〜50°の螺旋角を有する、請求項1または2に記載の歯科用フライス工具。
- 螺旋角は35°であることを特徴とする、請求項3に記載の歯科用フライス工具。
- 螺旋角が、溝に沿って一定であることを特徴とする、請求項3または4に記載の歯科用フライス工具。
- 螺旋角が、溝に沿って変化することを特徴とする、請求項3または4に記載の歯科用フライス工具。
- 5°〜20°のすくい角を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯科用フライス工具。
- 10°〜25°の逃げ角を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の歯科用フライス工具。
- チップブレーカは、ボールの湾曲した切れ刃に沿ったノッチとして形成されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯科用フライス工具。
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