JP2021515771A - Hiv療法に有用な化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)【化1】[式中、R1は、式(Ia)及び(Ib)【化2】からなる群から選択される]の化合物、及び対象におけるHIVを治療又は予防する方法に関する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年3月7日に出願された米国仮出願第62/639,667号(その開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる)に対する優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、化合物、医薬組成物、及びHIVに感染した個体に関するその使用方法に関する。
ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)感染症は、後天性免疫不全疾患(AIDS)の罹患を引き起こす。HIVの症例数は増加を続けており、現在世界中で推定3500万人を超える個体がHIV感染症に罹患している(例えば、http://www.sciencedirect.com/science/article /pii/S235230181630087X? via%3Dihub)。
現在、抗レトロウイルス薬を用いるウイルス複製の長期抑制が、HIV-1感染症治療の唯一の選択肢である。実際、米国食品医薬品局は、6種の異なる阻害剤分類にわたり25種の薬物を承認しており、それらは患者の生存率及び生活の質を大幅に高めることが示されている。しかし、望ましくない薬物-薬物相互作用; 薬物-食品相互作用; 療法に対する不遵守; 酵素標的の突然変異による薬物抵抗性; 及びHIV感染症によって引き起こされる免疫学的損傷に関連する炎症を含むが、これらに限定されないいくつかの問題のため、さらなる療法が依然として必要であると考えられている。
現在、ほとんど全てのHIV陽性患者は、高活性抗レトロウイルス療法(「HAART」)と称される抗レトロウイルス薬組み合わせの治療レジメンを用いて治療される。しかし、薬物抵抗性HIV-1変異体の急速な出現を回避するために、患者に対して異なる薬物の組み合わせを毎日投与しなければならないことが多いことから、HAART療法は、しばしば複雑である。患者生存率に対するHAARTの良好な効果にもかかわらず、薬物抵抗性は、依然として生じる可能性があり、生存率及び生活の質は、感染していない人と比較して正常化されない[Lohse Ann Intern Med 2007 146;87-95]。実際、心血管疾患、虚弱、及び神経認知障害などのいくつかの非AIDS病的状態及び死亡の発生率は、HAART抑制、HIV感染対象で増加している[Deeks Annu Rev Med 2011; 62:141-155]。この非AIDS病的状態/死亡の発生率の増加は、HIV感染症によって引き起こされる免疫学的損傷に関連した全身性炎症の増加に関連して発生するか、又はそれによって潜在的に引き起こされる[Hunt J Infect Dis 2014][Byakagwa J Infect Dis 2014][Tenorio J Infect Dis 2014]。
現代の抗レトロウイルス療法(ART)は、HIV複製を効果的に抑制し、HIV感染者の健康転帰を改善する能力を有するが、個体内のHIVウイルスリザーバーを完全に排除することはできないと考えられている。HIVゲノムは、感染した個体におけるほとんどの免疫細胞内に潜伏したままであることができ、いつでも再活性化する可能性があり、ARTの中断後、ウイルス複製は、典型的には数週間以内に再開する。少数の個体では、このウイルスリザーバーのサイズは、大幅に低減されており、ARTの停止時に、ウイルス複製のぶり返しが遅延した[Henrich TJ J Infect Dis 2013][Henrich TJ Ann Intern Med 2014]。1つのケースでは、ウイルスリザーバーは、白血病の治療中に排除され、数年間の追跡期間中にウイルスのぶり返しは観察されなかった[Hutter G N Engl J Med 2009]。これらの例は、ウイルスリザーバーの低減又は排除が可能であり、ウイルスの寛解又は治癒につながる可能性があるという概念を示唆する。したがって、CRISPR/Cas9システムでのウイルスゲノムの切除を含む、直接的な分子手段によって、ウイルスリザーバーを排除する方法、又はART中に潜伏性リザーバーの再活性化を誘導して潜伏細胞を排除する方法が追求されてきた。潜伏性リザーバーの誘導は、典型的には、ウイルスが可視化された後、潜伏性に感染した細胞の直接的な死、又は免疫系による誘導された細胞の殺滅のいずれかをもたらす。これはART中に行われるため、生成されたウイルスゲノムは、新しい細胞の感染をもたらさないと考えられており、リザーバーのサイズは、減少する可能性がある。
薬物抵抗性HIV-1変異体の急速な出現を回避するために、患者に対して異なる薬物の組み合わせを毎日投与しなければならないことが多いことから、HAART療法は、しばしば複雑である。患者生存率に対するHAARTの良好な効果にもかかわらず、薬物抵抗性は、依然として生じる可能性がある。
現行のガイドラインは、療法が3種の十分に活性のある薬物を含むことを推奨している。例えば、https://aidsinfo.nih.gov/guidelinesを参照されたい。
典型的には、一次療法は、ウイルス酵素である逆転写酵素及びインテグラーゼを標的とする2〜3種の薬物を組み合わせる。抗レトロウイルス薬によるHIV-1感染患者の持続した成功した治療は、承認された薬物に対する抵抗性を形成したHIV株に対して有効な新たな改善された薬物の継続的な開発を用いると考えられる。例えば、3TC/FTCを含有するレジメンにおける個体は、これらの薬物に対する感受性を>100倍低減するM184V変異について選択し得る。例えば、https://hivdb.stanford.edu/dr-summary/resistance-notes/NRTIを参照されたい。
変異の形成防止に潜在的に対処する別の方法は、薬物レジメンへの患者アドヒアランスを高めることである。これを達成し得る1つの方法は、投与頻度を低減することによる。非経口投与の場合、溶解度を低減し、間質液内の放出速度を制限するために、高い親油性を有する薬物物質を有することが有利であると考えられている。しかし、ほとんどのヌクレオシド逆転写酵素阻害剤は、親水性であり、それにより、長期作用性非経口剤としてのそれらの使用を潜在的に制限する。
上記の欠点を克服し得る化合物に対する必要性が依然としてある。
発明の概要
一態様では、本発明は、式(I):
Figure 2021515771
[式中、
R1は、以下:
Figure 2021515771
(式中、
Xは、NH2、F及びClからなる群から選択される)
からなる群から選択され;
Yは、結合、(C1-C10)アルキル、及びCR3R3'(式中、R3及びR3'は、独立して、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C10)アルケニル、(C1-C10)アルキニル及び(C3-C14)シクロアルキルからなる群から選択され; R3及びR3'のそれぞれは、独立して場合により、(C1-C6)アルキル、Cl、F、オキソ、又は(C1-C6)アルコキシによって置換されていてもよい)からなる群から選択され、
R2は、H、(C1-C10)アルキル、(C2-C10)アルケニル、(C2-C10)アルキニル、(C1-C10)アルコキシ及び(C1-C10)ハロアルキルからなる群から選択され; R2のそれぞれは、場合により、(C1-C6)アルキル、Cl、F、オキソ、又は(C1-C6)アルコキシによって置換されていてもよい]
の化合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する。
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、並びに賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を対象に投与するステップを含む、HIV感染症を発症するリスクを有する対象におけるHIV感染症を治療又は予防する方法を提供する。
別の態様では、療法に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
別の態様では、HIV感染症の治療又は予防に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
別の態様では、HIV感染症の治療又は予防のための医薬の製造における、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
これら及び他の態様は、本明細書に記載される本発明によって包含される。
図1Aは、EFdAについてのt=0からt=48hへのIC50曲線シフトを示す。 図1Bは、本発明の実施例5についてのt=0からt=48hへのIC50曲線シフトを示す。
代表的な実施形態の詳細な説明
本出願を通して、化合物、組成物及び方法に関する様々な実施形態について言及する。記載される様々な実施形態は、多様な例示的な例を提供することが意図され、代替種の記載と解釈されるべきではない。むしろ、本明細書に提供される様々な実施形態の記載は、重複する範囲のものである可能性があることに留意すべきである。本明細書に論じられる実施形態は、単に例示的なものであり、本発明の範囲を限定することが意図されるものではない。
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的としたものであり、本発明の範囲を限定することが意図されるものではないことが理解されるべきである。本明細書及び以下の特許請求の範囲では、以下の意味を有するものと定義されるいくつかの用語について言及する。
本明細書で使用する場合、別段指定しない限り、「アルキル」は、1〜14個の炭素原子、いくつかの実施形態では1〜6個の炭素原子を有する一価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。「(Cx-Cy)アルキル」は、x〜y個の炭素原子を有するアルキル基を指す。用語「アルキル」は、例えば、直鎖及び分岐鎖ヒドロカルビル基、例えば、メチル(CH3-)、エチル(CH3CH2-)、n-プロピル(CH3CH2CH2-)、イソプロピル((CH3)2CH-)、n-ブチル(CH3CH2CH2CH2-)、イソブチル((CH3)2CHCH2-)、sec-ブチル((CH3)(CH3CH2)CH-)、t-ブチル((CH3)3C-)、n-ペンチル(CH3CH2CH2CH2CH2-)、及びネオペンチル((CH3)3CCH2-)を含む。本発明の目的のために、アルキルは、本明細書で定義されるアルキレン基を包含すると解釈し得る。
本明細書に記載される実施形態では、「アルキレン(Alkylene)」又は「アルキレン(alkylene)」は、例えば1〜6個の炭素原子を有する二価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。アルキレン基は、分岐鎖及び直鎖ヒドロカルビル基を含む。例えば、「(C1-C6)アルキレン」は、メチレン、エチレン、プロピレン、2-メチルプロピレン、ジメチルエチレン、ペンチレンなどを含むことが意図される。したがって、用語「プロピレン」は、以下の構造:
Figure 2021515771
によって例示することができる。同様に、用語「ジメチルブチレン」は、以下の3種の構造又はより多く:
Figure 2021515771
、p、又は
Figure 2021515771
のいずれかによって例示することができる。さらに、用語「(C1-C6)アルキレン」は、シクロプロピルメチレンなどの分岐鎖ヒドロカルビル基を含むことが意図され、これは以下の構造:
Figure 2021515771
によって例示することができる。
「アルケニル」は、例えば、2〜10個の炭素原子、いくつかの実施形態では2〜6個の炭素原子又は2〜4個の炭素原子を有し、且つ少なくとも1つのビニル不飽和部位(>C=C<)を有する直鎖又は分岐鎖ヒドロカルビル基を指す。例えば、(Cx-Cy)アルケニルは、x〜y個の炭素原子を有するアルケニル基を指し、例えば、エテニル、プロペニル、イソプロピレン、1,3-ブタジエニルなどを含むことが意図される。
「アルキニル」は、少なくとも1個の三重結合を含有する直鎖一価炭化水素基又は分岐鎖一価炭化水素基を指す。用語「アルキニル」はまた、1個の三重結合及び1個の二重結合を有するヒドロカルビル基を含むことも意図される。例えば、(C2-C6)アルキニルは、エチニル、プロピニルなどを含むことが意図される。
「アルコキシ」は、基-O-アルキルを指し、アルキルは本明細書で定義され、例えば、C1〜C6アルコキシがある。アルコキシとしては、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、sec-ブトキシ、及びn-ペントキシが挙げられる。
「アリール」は、5〜6個の炭素原子の芳香族基であって、環ヘテロ原子を有さず、単環(例えば、フェニル)又は複数の縮合した(縮合)環(例えば、ナフチル又はアントリル)を有する芳香族基を指す。環ヘテロ原子を有しない芳香環及び非芳香環を有する縮合、架橋及びスピロ環系をはじめとする多環系の場合、用語「アリール」又は「Ar」は、結合箇所が芳香族炭素原子におけるものである場合に当てはまる(例えば、5,6,7,8テトラヒドロナフタレン-2-イルは、結合箇所が芳香族フェニル環の2位におけるものであるアリール基である)。
「AUC」は、薬物投与後の時間に対する薬物の血漿濃度(濃度の対数ではない)のプロット下の面積を指す。
「シクロアルキル」は、3〜14個の炭素原子の飽和又は部分飽和環状基であって、環ヘテロ原子を有さず、単環又は多環、例えば、縮合、架橋、及びスピロ環系を有する環状基を指す。環ヘテロ原子を有しない芳香環及び非芳香環を有する多環系の場合、用語「シクロアルキル」は、結合箇所が非芳香族炭素原子におけるものである場合に当てはまる(例えば、5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-5-イル)。用語「シクロアルキル」は、シクロアルケニル基、例えば、シクロヘキセニルを含む。シクロアルキル基の例としては、例えば、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、及びシクロヘキセニルが挙げられる。ビシクロアルキル多環系を含むシクロアルキル基の例は、ビシクロヘキシル、ビシクロペンチル、ビシクロオクチルなどである。2種のそのようなビシクロアルキル多環構造を以下に例示し、名称を記載する:
Figure 2021515771
ビシクロヘキシル、及び
Figure 2021515771
ビシクロヘキシル。
「(Cu-Cv)シクロアルキル」は、u〜v個の炭素原子を有するシクロアルキル基を指す。
「EC50」は、最大半量の応答を与える薬物の濃度を指す。
「IC50」は、薬物の最大半量の阻害濃度を指す。時には、IC50はまた、pIC50スケール(-logIC50)に変換され、より高い値は、指数関数的により大きい効力を示す。
「ハロアルキル」は、1〜3個のハロ基によるアルキル基の置換を指す(例えば、ビフルオロメチル又はトリフルオロメチル)。
「ヘテロアリール」は、1〜14個の炭素原子、例えば、酸素、窒素及び硫黄から選択される5〜6個のヘテロ原子の芳香族基を指し、単環(例えば、イミダゾリル)及び(例えば、ベンゾイミダゾール-2-イル及びベンゾイミダゾール-6-イル)を含む。芳香環及び非芳香環を有する縮合、架橋及びスピロ環系をはじめとする多環系の場合、用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の環ヘテロ原子があり、且つ結合箇所が芳香環の原子におけるものである場合に当てはまる(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-6-イル及び5,6,7,8-テトラヒドロキノリン-3-イル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基の窒素及び/又は硫黄環原子(複数可)は、場合により酸化されて、N-オキシド(N→O)、スルフィニル、又はスルホニル部分をもたらす。より具体的には、用語ヘテロアリールは、限定するものではないが、ピリジル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イソオキサゾリル、ピロリル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、プリニル、フタラジル、ナフチルピリジル(naphthylpryidyl)、ベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ジヒドロインドリル、インダゾリル、インドリニル、ベンゾオキサゾリル、キノリル、イソキノリル、キノリジル、キナゾリル(quianazolyl)、キノキサリル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリル、キナゾリノニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾピリダジニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、及びフタルイミジルを含む。
ヘテロアリール基の例としては、限定するものではないが、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピリドン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリン、チオモルホリン(チアモルホリンとも称される)、ピペリジン、ピロリジン、及びテトラヒドロフラニルが挙げられる。
「化合物」(単数又は複数)、及び「化学物質」(単数又は複数)は、本明細書で用いる場合、本明細書に開示される一般式、それら一般式の任意の亜属によって包含される化合物、並びに一般式及び亜属式の範囲内の化合物の任意の形態、例えば、化合物(単数又は複数)のラセミ体、立体異性体、及び互変異性体を指す。
用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素、又は硫黄を意味し、窒素の任意の酸化形態、例えば、N(O){N+-O-}、及び硫黄の任意の酸化形態、例えば、S(O)及びS(O)2、及び任意の塩基性窒素の4級化形態を含む。
「オキソ」は、(=O)基を指す。
「多型」は、2種以上の明らかに異なる表現型が、複数の形態又は異形態(morph)が発生する種の同じ集団中に存在する場合を指す。そのように分類されるためには、異形態は、同時に同じ生息場所を占め、且つ任意交配集団(ランダム交配によるもの)に属するものでなければならない。
「タンパク質結合」は、血漿、組織膜、赤血球及び血液の他の構成要素中のタンパク質への薬物の結合を指す。
「タンパク質シフト」は、ヒト血清の非存在下及び存在下で決定されるEC50値を比較することによって、結合性シフトを決定することを指す。
「ラセミ体」は、エナンチオマーの混合物を指す。本発明の一実施形態では、式I若しくはIIの化合物又はその薬学的に許容される塩は、言及される全てのキラル炭素が1つの立体配置にある1つのエナンチオマーについてエナンチオマー的に富化されている。一般に、エナンチオマー的に富化された化合物又は塩についての言及は、指定されたエナンチオマーが、化合物又は塩の全てのエナンチオマーの総重量の50重量%超を構成することを示すことが意図される。
化合物の「溶媒和物」(単数又は複数)は、化学量論量又は非化学量論量の溶媒に結合している、上に定義される化合物を指す。化合物の溶媒和物は、化合物のあらゆる形態の溶媒和物を含む。特定の実施形態では、溶媒は、揮発性、非毒性であり、及び/又は微量でのヒトへの投与に関して許容可能である。好適な溶媒和物は、水を含む。
「立体異性体」(単数又は複数)は、1つ以上の立体中心のキラリティが異なる化合物を指す。立体異性体は、エナンチオマー及びジアステレオマーを含む。
「互変異性体」は、エノール-ケト及びイミン-エナミン互変異性体などの、プロトンの位置が異なる化合物の別形態、又はピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、及びテトラゾールなどの、環-NH-部分及び環=N-部分の両方に結合した環原子を含有するヘテロアリール基の互変異性型を指す。
用語「アトロプ異性体」は、非対称軸から生じる立体異性体を指す。これは、単結合周囲の制限された回転のために生じる可能性があり、その回転障害は、安定な相互変換性のないジアステレオマー種又はエナンチオマー種の完全な単離まで及びそれを含む異性体種の区別を可能にするのに十分に高い。当業者は、非対称Rxをコアに導入すると、アトロプ異性体の形成が可能になることを認識する。さらに、第2のキラル中心を、アトロプ異性体を含有する所定の分子に導入すると、2つのキラル要素が一緒になって、ジアステレオマー及びエナンチオマー立体化学種を生成し得る。Cx軸周囲での置換に応じて、アトロプ異性体間の相互変換は可能であるか又は可能でない可能性があり、これは温度に依存し得る。いくつかの場合には、アトロプ異性体は、室温で急速に相互変換し得るが、周囲条件下では分割しない可能性がある。他の状況は分割及び単離を可能にし得るが、相互変換は、数秒間から数時間又はさらには数日間又は数ヶ月間の期間をかけて起こる可能性があるため、光学純度は経時的に測定可能な程度低下する。さらに他の種は、周囲温度下及び/又は高温下での相互変換が完全に制限されている可能性があるため、分割及び単離が可能であり、安定な種をもたらす。公知である場合は、らせん命名法を用いて、分割されたアトロプ異性体を命名した。この命名では、軸の前及び後での優先度が最も高い2個の配位子のみを考慮する。前側の配位子1から後側の配位子1への回転優先度が時計回りである場合、立体配置はPであり、反時計回りである場合はMである。
「薬学的に許容される塩」は、当技術分野で周知の種々の有機及び無機対イオンから誘導される薬学的に許容される塩を指し、例示のみを目的として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム及びテトラアルキルアンモニウムが挙げられ、分子が塩基性官能基を含有する場合、有機又は無機酸の塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、及びシュウ酸塩が挙げられる。好適な塩としては、P. Heinrich Stahl, Camille G. Wermuth (編), Handbook of Pharmaceutical Salts Properties, Selection, and Use; 2002に記載のものが挙げられる。
「患者」又は「対象」は、哺乳動物を指し、ヒト及び非ヒト哺乳動物を含む。
患者における疾患を「治療すること」又は「治療」は、1)素因があるか若しくは疾患の症状をまだ示していない患者で疾患が生じるのを予防すること; 2)疾患を阻害するか若しくはその発症を停止させること; 又は3)疾患を改善するか若しくは退行を引き起こすことを指す。
アリール環又はヘテロアリール環などの、芳香環を有する特定の化合物又は一般式が描かれている場合、いずれかの二重結合の特定の芳香族的位置が、たとえそれらが化合物ごとに又は式ごとに異なる位置で描かれていたとしても、等価な位置の混合であることが、当業者によって理解される。例えば、以下の2つのピリジン環(A及びB)では、二重結合は異なる位置に描かれているが、それらは同じ構造及び化合物であることが知られている:
Figure 2021515771
本発明は、化合物並びにそれらの薬学的に許容される塩を含む。したがって、「化合物又はその薬学的に許容される塩」の文脈での「又は」という単語は、1)化合物単独若しくは化合物とその薬学的に許容される塩(選択的)、又は2)化合物及びその薬学的に許容される塩(組み合わせ)のいずれかを指すものと理解される。
別段示さない限り、本明細書で明示的に定義されていない置換基の命名法は、官能基の末端部分とそれに続いて結合箇所に向かって隣接する官能基を命名することで得られる。例えば、置換基「アリールアルキルオキシカルボニル」は、基(アリール)-(アルキル)-O-C(O)-を指す。「-C(Rx)2」などの用語では、2個のRx基は同一であってよく、又はRxが2種以上の考えられるアイデンティティを有すると定義されている場合は、それらは異なっていてよいことが理解されるべきである。加えて、特定の置換基は、-RxRyと描かれるが、この場合、「-」は、親分子に隣接した結合を示し、Ryは官能基の末端部分である。同様に、上の定義が、許容できない置換パターン(例えば、5個のフルオロ基で置換されたメチル)を含むことを意図しないことは理解される。そのような許容できない置換パターンは、当業者には周知である。
一態様では、式(I):
Figure 2021515771
[式中、
R1は、以下:
Figure 2021515771
(式中、
Xは、NH2、F及びClからなる群から選択される)
からなる群から選択され;
Yは、結合、(C1-C10)アルキル、及びCR3R3'(式中、R3及びR3'は、独立して、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C10)アルケニル、(C1-C10)アルキニル及び(C3-C14)シクロアルキルからなる群から選択され; R3及びR3'のそれぞれは、独立して場合により、(C1-C6)アルキル、Cl、F、オキソ、又は(C1-C6)アルコキシによって置換されていてもよい)からなる群から選択され、
R2は、H、(C1-C10)アルキル、(C2-C10)アルケニル、(C2-C10)アルキニル、(C1-C10)アルコキシ及び(C1-C10)ハロアルキルからなる群から選択され; R2のそれぞれは、場合により、(C1-C6)アルキル、Cl、F、オキソ、又は(C1-C6)アルコキシによって置換されていてもよい]
の化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供される。
本発明の一実施形態では、式(I)[式中、Yは結合であり、R2はHである]の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、式(I)[式中、Yは(C1-C10)アルキルであり、R2は(C1-C10)アルキルである]の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、式(I)[式中、Yは(C1-C10)アルキルであり、R2は(C1-C10)アルケニルである]の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、式(I)[式中、R2は(C1-C10)アルキルである]の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、式(I)[式中、XはF又はClである]の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。一実施形態では、XはFである。別の実施形態では、XはClである。
本発明の一実施形態では、式(I)[式中、R3及びR4は、独立して、(C1-C6)アルキルから選択される]の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
本発明の一実施形態では、式(I)[式中、YはCR3R3'であり、R3は(C1-C6)アルキルであり、R3'はHである]の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
本発明の一実施形態では、式(I)[式中、R1は、以下:
Figure 2021515771
である]の化合物又はその薬学的に許容される塩が提供される。
式(Ib)の本実施形態において好ましくは、XはFである。
式(Ib)[式中、XはFである]の本実施形態において好ましくは、Yは結合であり、R2はHである。
式(Ib)[式中、XはFである]の本実施形態において好ましくは、Yは(C1-C10)アルキルであり、R2は(C1-C10)アルキルである。
式(Ib)[式中、XはFである]の本実施形態において好ましくは、Yは(C1-C10)アルキルであり、R2は(C1-C10)アルケニルである。
式(Ib)の本実施形態において好ましくは、XはFであり、Y及びR2は一緒になって、アルキル鎖:
Figure 2021515771
が(C10〜C25)アルキルに及ぶように選択される。
別の態様では、本発明は、式(II):
Figure 2021515771
[式中、
R1'は、以下:
Figure 2021515771
(式中、
Xは、NH2、F及びClからなる群から選択される)
であり;
Y'は、(C1-C7)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C6)アルケニル、(C1-C6)アルキニルからなる群から選択され、但し、Y'がC6アルキルである場合、それは分岐鎖アルキルとして存在することを条件とし; Y'は、場合により、Cl、F、オキソ、アルコキシ、又はヒドロキシによって置換されていてもよい]
の化合物、又はその薬学的に許容される塩に関する。
本発明の一実施形態では、式(II)[式中、Y'は、(C1-C6)アルキル、より好ましくは(C1-C5)アルキル、最も好ましくは(C1-C4)アルキルである]の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、式(II)[式中、Y'がC7アルキルである場合、それは、直鎖アルキル又は式:
Figure 2021515771
の分岐鎖アルキルであり得る]の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、式(II)[式中、XはF又はClである]の化合物が提供される。一実施形態では、XはFである。別の実施形態では、XはClである。
本発明の一実施形態では、式(II)[式中、Y'はC1アルキルである]の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、式(II)[式中、Y'はC2アルキルである]の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、式(II)[式中、Y'はC3アルキルである]の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、式(II)[式中、Y'はC4アルキルである]の化合物が提供される。好ましい実施形態では、C4アルキルは、直鎖アルキルとして存在する。好ましい実施形態では、C4アルキルは、分岐鎖アルキルとして存在する。
別の態様では、本発明は、式(III):
Figure 2021515771
[式中、
R1''は、以下:
Figure 2021515771
であり、
及びY''は、(C10〜C25)アルキルからなる群から選択される]
の化合物に関する。
本発明の別の態様では、本発明は、様々な個々の化合物を包含し得る。一例として、そのような具体的な化合物は、(表1及び2)からなる群から選択し得る:
Figure 2021515771
Figure 2021515771
Figure 2021515771
Figure 2021515771
一実施形態では、本発明は、上の表1及び2に列挙される各個々の化合物、又はその薬学的に許容される塩を包含する。
好ましくは、本発明は、化合物:
((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルテトラデカノエート
Figure 2021515771
及びその薬学的に許容される塩を提供する。
好ましくは、本発明は、化合物:
((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルイコサノエート
Figure 2021515771
及びその薬学的に許容される塩を提供する。
好ましくは、本発明は、化合物:
((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルヘプタデカノエート
Figure 2021515771
及びその薬学的に許容される塩を提供する。
好ましくは、本発明は、化合物:
((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルテトラコサノエート
Figure 2021515771
及びその薬学的に許容される塩を提供する。
好ましくは、本発明は、以下からなる群から選択される化合物及びその薬学的に許容される塩を提供する:
a. ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルテトラデカノエート
Figure 2021515771
b. ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルイコサノエート
Figure 2021515771
c. ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルヘプタデカノエート
Figure 2021515771
d. ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルテトラコサノエート
Figure 2021515771
様々な実施形態では、本明細書に記載される式(I)、(II)及び(III)の化合物のいずれかのプロドラッグも、本発明の範囲内である。
本発明の一実施形態によれば、式(I)、(II)及び(III)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、並びに薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。
さらなる実施形態では、化合物は、非晶質形態で存在する。さらなる実施形態では、医薬組成物は、錠剤の形態である。さらなる実施形態では、医薬組成物は、非経口形態である。さらなる実施形態では、化合物は、噴霧乾燥分散体として存在する。
本発明の一実施形態によれば、式(I)、(II)及び(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩を対象に投与するステップを含む、対象におけるHIV感染症を治療する方法が提供される。
本発明の一実施形態によれば、本明細書に記載される医薬組成物を対象に投与するステップを含む、対象におけるHIV感染症を治療する方法が提供される。
本発明の一実施形態によれば、式(I)、(II)及び(III)の化合物又はその薬学的に許容される塩を対象に投与するステップを含む、HIV感染症を発症するリスクを有する対象におけるHIV感染症を予防する方法が提供される。
本発明の一実施形態によれば、HIV感染症を治療するための医薬の製造における、式(I)、(II)及び(III)の化合物の使用が提供される。
本発明の一実施形態によれば、HIV感染症を予防するための医薬の製造における、式(I)、(II)及び(III)の化合物の使用が提供される。
本発明の一実施形態によれば、HIV感染症の治療に使用するための、式(I)、(II)及び(III)による化合物が提供される。
本発明の一実施形態によれば、HIV感染症の予防に使用するための、式(I)、(II)及び(III)による化合物が提供される。
本発明の一実施形態によれば、本明細書に記載される医薬組成物を対象に投与するステップを含む、HIV感染症を発症するリスクを有する対象におけるHIV感染症を予防する方法が提供される。
さらに、本発明の化合物は、特定の幾何学的又は立体異性形態で存在することができる。本発明は、本発明の範囲に含まれるものとして、シス(cis)-及びトランス(trans)-異性体、(-)-及び(+)-エナンチオマー、(R)-及び(S)-エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、それらのラセミ混合物、及びそれらの他の混合物、例えばエナンチオマー的若しくはジアステレオマー的に富化された混合物をはじめとする、全てのそのような化合物を企図する。追加の不斉炭素原子が、アルキル基などの置換基中に存在することができる。全てのそのような異性体及びそれらの混合物は、本発明に含まれることが意図される。
光学活性(R)-及び(S)-異性体並びにd及びl異性体は、キラルシントン又はキラル試薬を用いて調製することができ、又は慣用の技術を用いて分割することができる。例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが望まれる場合、それは不斉合成によって、又はキラル補助剤による誘導体化によって調製することができ、その場合、得られたジアステレオマー混合物は分離され、補助基は切断されて、純粋な所望のエナンチオマーが得られる。あるいは、分子がアミノ基などの塩基性官能基又はカルボキシル基などの酸性官能基を含有する場合、適切な光学活性酸又は塩基を用いてジアステレオマー塩を形成させ、次にそうして形成されたジアステレオマーを当技術分野で公知の分別結晶法又はクロマトグラフィー手段によって分割し、その後、純粋なエナンチオマーを回収することができる。さらに、エナンチオマー及びジアステレオマーの分離は、しばしば、場合により化学的誘導体化(例えば、アミンからのカルバメートの形成)と組み合わせて、キラル固定相を用いるクロマトグラフィーを用いて達成される。
本発明の別の実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の化合物であって、化合物又は化合物の塩は、ヒトにおけるHIV感染症の治療に使用するための医薬の製造において使用される、化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の化合物であって、化合物又は化合物の塩は、ヒトにおけるHIV感染症の予防に使用するための医薬の製造において使用される、化合物が提供される。
一実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の化合物又はその塩を含有する医薬製剤は、非経口投与に適合した製剤である。別の実施形態では、製剤は、長期作用性非経口製剤である。さらなる実施形態では、製剤は、ナノ粒子製剤である。
本発明の化合物及びそれらの塩、溶媒和物、又は他の薬学的に許容される誘導体は、単独で、又は他の治療剤と組み合わせて使用してもよい。したがって、他の実施形態では、対象におけるHIV感染症を治療及び/又は予防する方法は、式(I)、(II)及び(III)の化合物の投与に加えて、HIVに対して活性な1つ以上の追加の医薬品の投与をさらに含んでもよい。
そのような実施形態では、HIVに対して活性な1つ以上の追加の薬剤は、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)、ラミブジン(lamivudine)、ザルシタビン(zalcitabine)、アバカビル(abacavir)、スタブジン(stavudine)、アデホビル(adefovir)、アデホビルジピボキシル(adefovir dipivoxil)、ホジブジン(fozivudine)、トドキシル(todoxil)、エムトリシタビン(emtricitabine)、アロブジン(alovudine)、アムドキソビル(amdoxovir)、エルブシタビン(elvucitabine)、ネビラピン(nevirapine)、デラビルジン(delavirdine)、エファビレンツ(efavirenz)、ロビリド(loviride)、イムノカル(immunocal)、オルチプラズ(oltipraz)、カプラビリン(capravirine)、レルシビリン(lersivirine)、GSK2248761、TMC-278、TMC-125、エトラビリン(etravirine)、サキナビル(saquinavir)、リトナビル(ritonavir)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、アンプレナビル(amprenavir)、ホスアンプレナビル(fosamprenavir)、ブレカナビル(brecanavir)、ダルナビル(darunavir)、アタザナビル(atazanavir)、チプラナビル(tipranavir)、パリナビル(palinavir)、ラシナビル(lasinavir)、エンフビルチド(enfuvirtide)、T-20、T-1249、PRO-542、PRO-140、TNX-355、BMS-806、BMS-663068及びBMS-626529、5-へリックス(5-Helix)、ラルテグラビル(raltegravir)、エルビテグラビル(elvitegravir)、ドルテグラビル(dolutegravir)、カボテグラビル(cabotegravir)、ビクリビロク(vicriviroc)(Sch-C)、Sch-D、TAK779、マラビロク(maraviroc)、TAK449、ジダノシン(didanosine)、テノホビル(tenofovir)、ロピナビル(lopinavir)、及びダルナビル(darunavir)からなる群から選択される。
したがって、式(I)、(II)及び(III)の本発明の化合物、及び任意の他の医薬活性剤(複数可)は、一緒に又は別々に投与してもよく、別々に投与する場合、投与は同時に又は任意の順序で順次に行ってもよい。本発明の式(I)、(II)及び(III)の化合物、及び他の医薬活性剤(複数可)の量、及び投与の相対的タイミングは、所望の併用治療効果を達成するために選択される。式(I)、(II)及び(III)の本発明の化合物並びにその塩、溶媒和物若しくは他の薬学的に許容される誘導体と、他の治療剤との組み合わせにおける投与は、(1)両方の化合物を含む単一の医薬組成物; 又は(2)化合物のうちの一方をそれぞれ含む別々の医薬組成物における同時投与による組み合わせにおけるものであってよい。あるいは、組み合わせは、順次に別々に投与してもよく、一方の治療剤は最初に投与され、他方は2番目に投与されるか、その逆とする。そのような順次投与は、時間的に近くてもよく、又は時間的に離れていてもよい。式(I)、(II)及び(III)の化合物(複数可)、又はその塩、及び他の医薬活性剤(複数可)の量、及び投与の相対的タイミングは、所望の併用治療効果を達成するために選択される。
さらに、式(I)、(II)及び(III)の本発明の化合物は、HIVの予防又は治療で有用であり得る1つ以上の他の薬剤と組み合わせて使用してもよい。そのような薬剤の例としては、以下のものが挙げられる:
ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、例えば、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)、ラミブジン(lamivudine)、ザルシタビン(zalcitabine)、アバカビル(abacavir)、スタブジン(stavudine)、アデホビル(adefovir)、アデホビルジピボキシル(adefovir dipivoxil)、ホジブジン(fozivudine)、トドキシル(todoxil)、エムトリシタビン(emtricitabine)、アロブジン(alovudine)、アムドキソビル(amdoxovir)、エルブシタビン(elvucitabine)、及び同様の薬剤;
非ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(イムノカル(immunocal)、オルチプラズ(oltipraz)などの抗酸化活性を有する薬剤を含む)、例えば、ネビラピン(nevirapine)、デラビルジン(delavirdine)、エファビレンツ(efavirenz)、ロビリド(loviride)、イムノカル(immunocal)、オルチプラズ(oltipraz)、カプラビリン(capravirine)、レルシビリン(lersivirine)、GSK2248761、TMC-278、TMC-125、エトラビリン(etravirine)、及び同様の薬剤;
プロテアーゼ阻害剤、例えば、サキナビル(saquinavir)、リトナビル(ritonavir)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、アンプレナビル(amprenavir)、ホスアンプレナビル(fosamprenavir)、ブレカナビル(brecanavir)、ダルナビル(darunavir)、アタザナビル(atazanavir)、チプラナビル(tipranavir)、パリナビル(palinavir)、ラシナビル(lasinavir)、及び同様の薬剤;
侵入、付着及び融合阻害剤、例えば、エンフビルチド(enfuvirtide)(T-20)、T-1249、PRO-542、PRO-140、TNX-355、BMS-806、BMS-663068、BMS-626529、5-へリックス及び同様の薬剤;
インテグラーゼ阻害剤、例えば、ラルテグラビル(raltegravir)、エルビテグラビル(elvitegravir)、ドルテグラビル(dolutegravir)、ビクテグラビル(bictegravir)、カボテグラビル(cabotegravir)及び同様の薬剤;
成熟阻害剤、例えば、PA-344及びPA-457、及び同様の薬剤; 及び
CXCR4及び/又はCCR5阻害剤、例えば、ビクリビロク(vicriviroc)(Sch-C)、Sch-D、TAK779、マラビロク(maraviroc)(UK 427,857)、TAK449、並びにWO 02/74769、PCT/US03/39644、PCT/US03/39975、PCT/US03/39619、PCT/US03/39618、PCT/US03/39740、及びPCT/US03/39732に開示されているもの、及び同様の薬剤。
本発明の化合物を、HIVの予防又は治療に有用な1つ以上の薬剤と組み合わせて使用し得るさらなる例は、表3に見出される。
Figure 2021515771
Figure 2021515771
Figure 2021515771
本発明の化合物とHIV剤との組み合わせの範囲は、上で挙げたものに限定されることなく、原則として、HIVの治療及び/又は予防に有用な任意の医薬組成物との任意の組み合わせを含む。記載の通り、そのような組み合わせでは、本発明の化合物及び他のHIV剤は、別々に又は一緒に投与してもよい。さらに、1つの薬剤は、他の薬剤(複数可)の投与の前、同時又は後であってもよい。
本発明は、薬理的促進剤として有用な1つ以上の薬剤と組み合わせて、並びにHIVの予防若しくは治療のための追加の化合物と共に又はそれを伴わずに使用してもよい。そのような薬理的促進剤(又は薬物動態強化剤)の例としては、限定するものではないが、リトナビル(ritonavir)、GS-9350、及びSPI-452が挙げられる。
リトナビル(ritonavir)は、10-ヒドロキシ-2-メチル-5-(1-メチルエチル)-1-1[2-(1-メチルエチル)-4-チアゾリル]-3,6-ジオキソ-8,11-ビス(フェニルメチル)-2,4,7,12-テトラアザトリデカン-13-オン酸、5-チアゾリルメチルエステル、[5S-(5S*,8R*,10R*,11R*)]であり、ノービア(Norvir)としてAbbott Laboratories社(Abbott park, Illinois)から入手可能である。リトナビル(ritonavir)は、HIV感染症治療のための他の抗レトロウイルス剤と共に適応とされるHIVプロテアーゼ阻害剤である。リトナビル(ritonavir)はまた、P450媒介の薬物代謝、並びにP-糖タンパク質(Pgp)細胞輸送系を阻害し、それによって、生物体内での活性化合物の濃度上昇を生じる。
GS-9350は、薬理的促進剤としてGilead Sciences(Foster City California)によって開発されている化合物である。
SPI-452は、薬理的促進剤としてSequoia Pharmaceuticals(Gaithersburg, Maryland)によって開発されている化合物である。
本発明の一実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の化合物は、リトナビル(ritonavir)と組み合わせて使用される。一実施形態では、組み合わせは、経口固定用量組み合わせである。別の実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の化合物は、長期作用性非経口注射剤として製剤化され、リトナビル(ritonavir)は、経口組成物として製剤化される。一実施形態では、長期作用性非経口注射剤として製剤化された式(I)、(II)及び(III)の化合物、並びに経口組成物として製剤化されたリトナビル(ritonavir)を含有するキットがある。別の実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の化合物は、長期作用性非経口注射剤として製剤化され、リトナビル(ritonavir)は、注射用組成物として製剤化される。一実施形態では、長期作用性非経口注射剤として製剤化された式(I)、(II)及び(III)の化合物、並びに注射用組成物として製剤化されたリトナビル(ritonavir)を含有するキットがある。
本発明の別の実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の化合物は、GS-9350と組み合わせて使用される。一実施形態では、組み合わせは、経口固定用量組み合わせである。別の実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の化合物は、長期作用性非経口注射剤として製剤化され、GS-9350は、経口組成物として製剤化される。一実施形態では、長期作用性非経口注射剤として製剤化された式(I)、(II)及び(III)の化合物、並びに経口組成物として製剤化されたGS-9350を含有するキットが提供される。別の実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の化合物は、長期作用性非経口注射剤として製剤化され、GS-9350は、注射用組成物として製剤化される。一実施形態では、長期作用性非経口注射剤として製剤化された式(I)、(II)及び(III)の化合物、並びに注射用組成物として製剤化されたGS-9350を含有するキットがある。
本発明の一実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の化合物は、SPI-452と組み合わせて使用される。一実施形態では、組み合わせは、経口固定用量組み合わせである。別の実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の化合物は、長期作用性非経口注射剤として製剤化され、SPI-452は、経口組成物として製剤化される。一実施形態では、長期作用性非経口注射剤として製剤化された式(I)、(II)及び(III)の化合物、並びに経口組成物として製剤化されたSPI-452を含有するキットが提供される。別の実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の化合物は、長期作用性非経口注射剤として製剤化され、SPI-452は、注射用組成物として製剤化される。一実施形態では、長期作用性非経口注射剤として製剤化された式(I)、(II)及び(III)の化合物、並びに注射用組成物として製剤化されたSPI-452を含有するキットが提供される。
本発明の一実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の化合物は、以前に出願されたPCT/CN2011/0013021(参照により本明細書に組み込まれる)に見出される化合物と組み合わせて使用される。
上記の他の治療剤は、本明細書に記載される化学物質と組み合わせて使用される場合、例えば、米国医薬品便覧(Physicians' Desk Reference、PDR)に示された量で、又は当業者が他の形で決定した量で使用してもよい。
本発明の別の実施形態では、レトロウイルスファミリーのウイルスにおけるウイルスによって少なくとも部分的に媒介される哺乳動物におけるウイルス感染症を治療する方法であって、前記ウイルス感染症と診断された哺乳動物、又は前記ウイルス感染症を発症するリスクを有する哺乳動物に、式(I)、(II)及び(III)の化合物を投与するステップを含む、方法が提供される。
本発明の別の実施形態では、レトロウイルスファミリーのウイルスにおけるウイルスによって少なくとも部分的に媒介される哺乳動物におけるウイルス感染症を治療する方法であって、該方法は、前記ウイルス感染症と診断された哺乳動物、又は前記ウイルス感染症を発症するリスクを有する哺乳動物に、式(I)、(II)及び(III)の化合物を投与するステップを含み、前記ウイルスは、HIVウイルスである、方法が提供される。いくつかの実施形態では、HIVウイルスは、HIV-1ウイルスである。
本発明の別の実施形態では、レトロウイルスファミリーのウイルスにおけるウイルスによって少なくとも部分的に媒介される哺乳動物におけるウイルス感染症を治療する方法であって、前記ウイルス感染症と診断された哺乳動物、又は前記ウイルス感染症を発症するリスクを有する哺乳動物に、式(I)、(II)及び(III)の化合物を投与するステップを含み、治療上有効量のHIVウイルスに対して活性な1つ以上の薬剤の投与をさらに含む、方法が提供される。
本発明の別の実施形態では、レトロウイルスファミリーのウイルスにおけるウイルスによって少なくとも部分的に媒介される哺乳動物におけるウイルス感染症を治療する方法であって、該方法は、前記ウイルス感染症と診断された哺乳動物、又は前記ウイルス感染症を発症するリスクを有する哺乳動物に、式(I)、(II)及び(III)の化合物を投与するステップを含み、治療上有効量のHIVウイルスに対して活性な1つ以上の薬剤の投与をさらに含み、HIVウイルスに対して活性な前記薬剤は、ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤; 非ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤; プロテアーゼ阻害剤; 侵入、付着及び融合阻害剤; インテグラーゼ阻害剤; 成熟阻害剤; CXCR4阻害剤; 及びCCR5阻害剤から選択される、方法が提供される。
本発明の別の実施形態では、レトロウイルスファミリーのウイルスにおけるウイルスによって少なくとも部分的に媒介される哺乳動物におけるウイルス感染症を予防する方法であって、前記ウイルス感染症と診断された哺乳動物、又は前記ウイルス感染症を発症するリスクを有する哺乳動物に、式(I)、(II)及び(III)の化合物を投与するステップを含む、方法が提供される。
本発明の別の実施形態では、レトロウイルスファミリーのウイルスにおけるウイルスによって少なくとも部分的に媒介される哺乳動物におけるウイルス感染症を予防する方法であって、該方法は、前記ウイルス感染症と診断された哺乳動物、又は前記ウイルス感染症を発症するリスクを有する哺乳動物に、式(I)、(II)及び(III)の化合物を投与するステップを含み、前記ウイルスは、HIVウイルスである、方法が提供される。いくつかの実施形態では、HIVウイルスは、HIV-1ウイルスである。
本発明の別の実施形態では、レトロウイルスファミリーのウイルスにおけるウイルスによって少なくとも部分的に媒介される哺乳動物におけるウイルス感染症を予防する方法であって、前記ウイルス感染症と診断された哺乳動物、又は前記ウイルス感染症を発症するリスクを有する哺乳動物に、式(I)、(II)及び(III)の化合物を投与するステップを含み、治療上有効量のHIVウイルスに対して活性な1つ以上の薬剤の投与をさらに含む、方法が提供される。
本発明の別の実施形態では、レトロウイルスファミリーのウイルスにおけるウイルスによって少なくとも部分的に媒介される哺乳動物におけるウイルス感染症を予防する方法であって、該方法は、前記ウイルス感染症と診断された哺乳動物、又は前記ウイルス感染症を発症するリスクを有する哺乳動物に、式(I)、(II)及び(III)の化合物を投与するステップを含み、治療上有効量のHIVウイルスに対して活性な1つ以上の薬剤の投与をさらに含み、HIVウイルスに対して活性な前記薬剤は、ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤; 非ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤; プロテアーゼ阻害剤; 侵入、付着及び融合阻害剤; インテグラーゼ阻害剤; 成熟阻害剤; CXCR4阻害剤; 及びCCR5阻害剤から選択される、方法が提供される。
さらなる実施形態では、式(I)、(II)及び(III)の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、上の表1及び2に記載される化合物の群から選択される。
表1及び2の化合物は、以下に記載される合成方法、一般スキーム、及び実施例に従って合成された。
別の実施形態では、薬学的に許容される希釈剤、並びに治療上有効量の式(I)、(II)及び(III)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物が提供される。
特定の実施形態では、本発明の化合物(複数可)、又はその薬学的に許容される塩は、表1及び2に記載される化合物から選択される。本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で供給することができる。用語「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容される無機及び有機の酸及び塩基から調製された塩を指す。したがって、「化合物又はその薬学的に許容される塩」の文脈での単語「又は」は、化合物若しくはその薬学的に許容される塩(選択的)、又は化合物及びその薬学的に許容される塩(組み合わせ)を指すものと理解される。
本明細書で用いる場合、用語「薬学的に許容される」は、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、又は他の問題若しくは合併症なしに、ヒト及び動物の組織と接触する使用に対して好適である化合物、材料、組成物、及び剤型を指す。当業者は、式(I)、(II)及び(III)による化合物の薬学的に許容される塩を調製することができることを理解する。これらの薬学的に許容される塩は、化合物の最終的な単離及び精製の間にその場(in situ)で、又は遊離酸若しくは遊離塩基の形態の精製された化合物と、それぞれ好適な塩基若しくは酸とを別々に反応させることによって、調製してもよい。
本発明の化合物の例示的な薬学的に許容される酸塩は、以下の酸、例えば、限定するものではないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、硝酸(nitic)、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、イソクエン酸、トリフルオロ酢酸、パモ酸、プロピオン酸、アントラニル酸、メシル酸、オキサル酢酸、オレイン酸、ステアリン酸、サリチル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、ニコチン酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、リン酸、ホスホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、硫酸、サリチル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルギン酸(algenic)、β-ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸及びガラクツロン酸から調製することができる。好ましい薬学的に許容される塩としては、塩酸及びトリフルオロ酢酸の塩が挙げられる。
本発明の化合物の例示的な薬学的に許容される無機塩基塩としては、金属イオンが挙げられる。より好ましい金属イオンとしては、限定するものではないが、適切なアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及び他の生理的に許容される金属イオンが挙げられる。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、三価鉄、二価鉄、リチウム、マグネシウム、三価マンガン塩、二価マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛など及びその通常の価数のものが挙げられる。例示的な塩基塩としては、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛が挙げられる。他の例示的な塩基塩としては、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、及びナトリウム塩が挙げられる。さらに他の例示的な塩基塩としては、例えば、水酸化物、炭酸塩、水素化物、及びアルコキシド、例えば、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、NaH、及びカリウム-t-ブトキシドが挙げられる。
薬学的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩としては、第1級、第2級、及び第3級アミンの塩、例えば、一部には、トリメチルアミン、ジエチルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)及びプロカイン; 置換アミン、例えば、天然に存在する置換アミン; 環状アミン; 第4級アンモニウムカチオン; 及び塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが挙げられる。
上記の塩の全ては、本発明の対応する化合物から慣用の手段によって、当業者によって調製することができる。例えば、本発明の薬学的に許容される塩は、慣用の化学的方法により、塩基性又は酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩は、遊離酸又は塩基形態のこれらの化合物と、水若しくは有機溶媒中、又はそれら2つの混合物中の化学量論量の適切な塩基若しくは酸とを反応させることによって、調製することができ; 一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルなどの非水性媒体が好ましい。塩は、溶液から沈降させて、濾過により収集するか、又は溶媒の蒸発により回収してもよい。塩でのイオン化の程度は、完全にイオン化されたものからほとんどイオン化されていないものまで様々であってよい。好適な塩の一覧は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第17版, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985, p.1418(その開示は、好適な塩の一覧に関してのみ、参照により本明細書に組み込まれる)に見出される。
本発明の式(I)、(II)及び(III)の化合物は、非溶媒和形態及び溶媒和形態の両方で存在してよい。用語「溶媒和物」は、本発明の化合物及び1つ以上の薬学的に許容される溶媒分子、例えば、エタノールを含む。用語「水和物」は、前記溶媒が水である場合に用いられる。薬学的に許容される溶媒和物としては、水和物、及び結晶化の溶媒が同位体で置換されていてもよい(例えば、D2O、d6-アセトン、d6-DMSO)他の溶媒和物が挙げられる。
1つ以上の不斉炭素原子を含有する式(I)、(II)及び(III)の化合物は、2つ以上の立体異性体として存在することができる。式(I)、(II)及び(III)の化合物が、アルケニル若しくはアルケニレン基又はシクロアルキル基を含有する場合、幾何シス/トランス(又はZ/E)異性体が可能である。化合物が、例えば、ケト若しくはオキシム基又は芳香族部分を含有する場合、互変異性性(「互変異性」)が生じ得る。単一の化合物が2つ以上の型の異性性を示し得ることになる。
特許請求される本発明の化合物の範囲内に含まれるのは、式(I)、(II)及び(III)の化合物の全ての立体異性体、幾何異性体及び互変異性体形態、例えば、2つ以上の型の異性性を示す化合物、及びその1つ以上の混合物である。また、対イオンが光学的に活性である酸付加塩又は塩基塩、例えば、D-乳酸塩若しくはL-リジン、又はラセミ体、例えば、DL-酒石酸塩又はDL-アルギニンも含まれる。
シス/トランス異性体は、当業者に周知の慣用の技術、例えば、クロマトグラフィー及び分別結晶法により分離し得る。
個々のエナンチオマーの調製/単離のための慣用の技術としては、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、又は、例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いるラセミ体(又は塩若しくは誘導体のラセミ体)の分割が挙げられる。
あるいは、ラセミ体(又はラセミ前駆体)を、好適な光学的に活性な化合物、例えば、アルコール、又は式(I)、(II)及び(III)の化合物が酸性若しくは塩基性部分を含有する場合は、酒石酸若しくは1-フェニルエチルアミンなどの酸若しくは塩基と反応させてもよい。得られるジアステレオマー混合物を、クロマトグラフィー及び/又は分別結晶法により分離し、ジアステレオ異性体の一方又は両方を、当業者に周知の手段によって対応する純粋なエナンチオマー(複数可)に変換してもよい。
本発明のキラル化合物(及びそのキラル前駆体)は、不斉固定相と、0〜50%のイソプロパノール、典型的には2〜20%、及び0〜5%のアルキルアミン、典型的には0.1%のジエチルアミンを含有する炭化水素、典型的にはヘプタン又はヘキサンからなる移動相とを有する樹脂上でのクロマトグラフィー、典型的にはHPLCを用いて、エナンチオマー的に富化された形態で取得してもよい。溶離液の濃縮は、富化された混合物をもたらす。
立体異性体の混合物は、当業者に公知の慣用の技術によって分離してもよい[例えば、E L Elielによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley, New York, 1994)を参照されたい]。
本発明は、1つ以上の原子が、同じ原子番号であるが、天然で通常見出される原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子により置き換えられている、式(I)、(II)及び(III)の全ての薬学的に許容される同位体標識された化合物を含む。
本発明の化合物へ含めるのに好適な同位体の例としては、水素の同位体、例えば、2H及び3H、炭素の同位体、例えば、11C、13C及び14C、塩素の同位体、例えば、36Cl、フッ素の同位体、例えば、18F、ヨウ素の同位体、例えば、123I及び125I、窒素の同位体、例えば、13N及び15N、酸素の同位体、例えば、15O、17O及び18O、リンの同位体、例えば、32P、並びに硫黄の同位体、例えば、35Sが挙げられる。
式(I)、(II)及び(III)の特定の同位体標識された化合物、例えば、放射性同位体を組み込んだものは、薬物及び/又は基質の組織分布研究に有用である。放射性同位体トリチウム、すなわち、3H及び炭素-14、すなわち、14Cは、その組み込みの容易性及び準備のできた検出手段を考慮すると、この目的にとって特に有用である。
重水素、すなわち、2Hなどのより重い同位体による置換は、より高い代謝安定性から生じる特定の治療的利益、例えば、インビボ(in vivo)での半減期の増大又は投与量要求の低減を提供する可能性があり、したがって、いくつかの環境では好ましい可能性がある。
式(I)、(II)及び(III)の同位体標識された化合物は、一般に、当業者に公知の慣用の技術によって、又は以前に用いられた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を用いる、本明細書に記載されるプロセスに類似のプロセスによって、調製することができる。
本発明の化合物は、プロドラッグとして投与してもよい。したがって、それ自体は薬理活性をほとんど有しないか、又は全く有しない可能性がある式(I)、(II)及び(III)の化合物の特定の誘導体を、体内又は身体上に投与した場合に、「プロドラッグ」として式(I)、(II)及び(III)の化合物に変換することができる。そのようなプロドラッグが包含し得る化合物の一例は、例えば米国特許第7,339,053号に開示されている4'-エチニル-2-フルオロ-2'-デオキシアデノシン(EFdA)である。本発明の化合物は、プロドラッグとして投与してもよい。一実施形態では、本発明の化合物は、例えば米国特許第7,339,053号に開示されている4'-エチニル-2-フルオロ-2'-デオキシアデノシン(EFdA)のプロドラッグであり、これは以下の式のヌクレオシド逆転写酵素阻害剤である:
Figure 2021515771
プロドラッグは、物理化学的特性を調整し、複数の投与パラダイムを促進し、活性な親(EfdA)の薬物動態及び/又は薬力学的プロファイルを改善することができる点で有用である。例えば、プロドラッグは、EFdAと比較して、長期作用性非経口投与様式、及び/又は抗ウイルス持続性プロファイルにおける改善を促進し得る。
本明細書に記載される化学物質及び物質の組み合わせの投与は、限定するものではないが、経口、舌下、皮下、静脈内、鼻内、局所、経皮、腹腔内、筋肉内、肺内、経膣、直腸、又は眼内をはじめとする、類似する有用性を有する薬剤のための許容される投与様式のうちのいずれかを介するものであり得る。いくつかの実施形態では、経口又は非経口投与が使用される。投与の例としては、限定するものではないが、経口の場合は7日ごとに1回、筋肉内の場合は8週間ごとに1回、又は皮下の場合は6ヶ月ごとに1回を含む。
医薬組成物又は製剤としては、固体、半固体、液体及びエアロゾル剤型、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、液剤、懸濁液剤、坐剤、エアロゾル剤などが挙げられる。また、化学物質を、所定の速度での延長された及び/又は時限式のパルス状投与のために、デポー注射、浸透圧ポンプ、丸剤、経皮(例えば電気輸送)パッチなどをはじめとする、持続又は制御放出剤型で投与することもできる。特定の実施形態では、組成物は、正確な用量の単回投与にとって好適な単位剤型において提供される。
本明細書に記載される化学物質は、単独で、又はより典型的には、慣用の医薬担体、賦形剤など(例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、スクロース、炭酸マグネシウムなど)と組み合わせて投与することができる。所望の場合、医薬組成物はまた、少量の非毒性補助物質、例えば、湿潤化剤、乳化剤、可溶化剤、pH緩衝剤など(例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、モノラウリン酸ソルビタン、酢酸トリエタノールアミン、オレイン酸トリエタノールアミンなど)も含有することができる。一般に、意図される投与様式に応じて、医薬組成物は、約0.005重量%〜95重量%; 特定の実施形態では、約0.5重量%〜50重量%の化学物質を含有する。そのような剤型を調製する実際の方法は、当業者には公知であるか、又は明らかである; 例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvaniaを参照されたい。
特定の実施形態では、組成物は、丸剤又は錠剤の形態をとり、したがって、組成物は、活性成分と共に、希釈剤、例えば、ラクトース、スクロース、リン酸二カルシウムなど; 滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムなど; 及び結合剤、例えば、デンプン、アラビアゴム、ポリビニルピロリジン(polyvinylpyrrolidine)、ゼラチン、セルロース、セルロース誘導体などを含有する。別の固体剤型では、粉末、マルメ(marume)、溶液又は懸濁液(例えば、炭酸プロピレン、植物油又はトリグリセリド中)を、ゼラチンカプセル中に封入する。
液体の薬学的に投与可能な組成物は、例えば、少なくとも1つの化学物質及び任意選択の医薬アジュバントを担体(例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、グリコール、エタノールなど)中に溶解、分散などして、溶液又は懸濁液を形成させることによって、調製することができる。注射剤は、液体溶液若しくは懸濁液として、エマルジョンとして、又は注射前の液体中への溶解若しくは懸濁にとって好適な固体形態で、慣用の形態で調製することができる。そのような非経口組成物中に含有される化学物質の割合は、その具体的な性質、並びに化学物質の活性、及び対象の必要性に高度に依存する。しかし、溶液中の0.01%〜10%の活性成分の割合を用いることができ、組成物が上記割合にその後希釈される固体である場合、それはより高いものとなる。特定の実施形態では、組成物は、溶液中に約0.2〜2%の活性薬剤を含んでもよい。
本明細書に記載される化学物質の医薬組成物はまた、ネブライザー用のエアロゾル若しくは溶液として、又は吹送用の超微粒粉末として、単独で、又はラクトースなどの不活性担体と組み合わせて、気道に投与してもよい。そのような場合、医薬組成物の粒子は、50μm未満、特定の実施形態においては、10μm未満の直径を有する。
一般に、提供される化学物質は、類似する有用性を有する薬剤のための許容される投与様式のうちのいずれかにより、治療上有効量で投与される。化学物質、すなわち、活性成分の実際の量は、処置されるべき疾患の重症度、対象の年齢及び相対的健康状態、使用される化学物質の効力、投与の経路及び形式、並びに他の因子などの多数の因子に依存する。薬物は、1日1回を超えて、例えば、1日1回又は2回投与することができる。
一般に、化学物質は、以下の経路のいずれか1つ: 経口、全身(例えば、経皮、鼻内若しくは坐剤による)、又は非経口(例えば、筋肉内、静脈内若しくは皮下)投与により医薬組成物として投与される。特定の実施形態では、苦痛の程度に応じて調整することができる都合の良い一日投与量レジメンを用いる経口投与を使用してもよい。組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、半固体剤、散剤、持続放出製剤、溶液剤、懸濁液剤、エリキシル剤、エアロゾル剤、又はいずれかの他の適切な組成物の形態をとることができる。提供される化学物質を投与するための別の様式は、吸入である。
製剤の選択は、薬物投与の様式及び薬物物質のバイオアベイラビリティなどの様々な因子に依存する。吸入による送達の場合、化学物質は、液体溶液、懸濁液、エアロゾル推進剤又は乾燥粉末として製剤化し、投与用の好適な分配装置中に充填することができる。いくつかのタイプの医薬吸入デバイス-ネブライザー吸入器、定量吸入器(MDI)及び乾燥粉末吸入器(DPI)がある。ネブライザーデバイスは、治療剤(液体形態で製剤化される)を患者の気道に運搬されるミストとして噴霧させる高速の空気流をもたらす。MDIは、典型的には、圧縮ガスと共に包装された製剤である。作動時に、デバイスは、圧縮ガスにより、測定された量の治療剤を放出し、したがって、設定された量の薬剤を投与する信頼できる方法を提供する。DPIは、自由流動粉末の形態で治療剤を分配し、これは、デバイスによって呼吸の間に患者の吸気流中に分散させることができる。自由流動粉末を達成するために、治療剤は、ラクトースなどの賦形剤と共に製剤化される。測定された量の治療剤は、カプセル形態で保存され、各回の作動で分配される。
近年、表面積を増大させること、すなわち、粒径を低下させることによってバイオアベイラビリティを増大させることができるという原理に基づいて、不十分なバイオアベイラビリティを示す薬物のための医薬組成物が開発された。例えば、米国特許第4,107,288号は、活性材料が高分子の架橋マトリックス上に支持された10〜1,000nmのサイズ範囲の粒子を有する医薬製剤を記載する。米国特許第5,145,684号は、薬物物質を表面改質剤の存在下でナノ粒子(400nmの平均粒径)に粉砕し、次いで、液体媒体中に分散させて、顕著に高いバイオアベイラビリティを示す医薬製剤を得る、医薬製剤の製造を記載する。
組成物は、一般に、本明細書に記載される少なくとも1つの化学物質を、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて構成される。許容される賦形剤は、非毒性であり、投与を補助し、本明細書に記載される少なくとも1つの化学物質の治療利益に有害に作用しない。そのような賦形剤は、いずれかの固体、液体、半固体、又はエアロゾル組成物の場合には、当業者にとって一般に利用可能である気体賦形剤であってよい。
固体医薬賦形剤としては、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、コメ、小麦粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルクなどが挙げられる。液体及び半固体賦形剤は、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール及び様々な油、例えば、石油、動物油、植物油又は合成由来の油、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などから選択してもよい。注射用溶液剤のための液体担体としては、水、生理食塩水、水性デキストロース、及びグリコールが挙げられる。
圧縮ガスを使用して、本明細書に記載される化学物質をエアロゾル形態で分散させてもよい。この目的のために好適な不活性ガスは、窒素、二酸化炭素などである。他の好適な医薬賦形剤及びその製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, E. W. Martin編(Mack Publishing Company, 第18版, 1990)に記載されている。
組成物中の化学物質の量は、当業者によって用いられる全範囲内で変動し得る。典型的には、組成物は、重量パーセント(wt%)ベースで、総組成物に基づいて約0.01〜99.99wt%の本明細書に記載される少なくとも1つの化学物質を含有し、その残余は1つ以上の好適な医薬賦形剤である。特定の実施形態では、本明細書に記載される少なくとも1つの化学物質は、約1〜80wt%のレベルで存在する。
様々な実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)、(II)及び(III)の化合物、その塩、及び上記の組み合わせを包含する。
合成方法
合成方法は、以下の一般的な方法及び手順を用いて、容易に入手可能な出発材料を用いてもよい。典型的な又は好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられている場合、別段記載しない限り、他のプロセス条件も使用可能であることが理解される。最適な反応条件は、使用される特定の反応物又は溶媒によって変動し得るが、そのような条件は、通常の最適化手順によって当業者が決定することができる。
さらに、本発明の方法は、ある種の官能基が望ましくない反応を受けるのを防止する保護基を用いてもよい。様々な官能基に対して好適な保護基、並びに特定の官能基の保護及び脱保護に対して好適な条件は、当技術分野で周知である。例えば、多数の保護基が、T. W. Greene and G. M. Wuts, Protecting Groups in Organic Synthesis, 第3版, Wiley, New York, 1999及びそこで引用されている参考文献に記載されている。
さらに、提供される化学物質は、1つ以上のキラル中心を含有してもよく、そのような化合物は、純粋な立体異性体として、すなわち個々のエナンチオマー若しくはジアステレオマーとして、又は立体異性体富化混合物として調製又は単離することができる。全てのそのような立体異性体(及び富化混合物)は、別段示さない限り本明細書の範囲内に包含される。純粋な立体異性体(又は富化混合物)は、例えば当技術分野で周知の光学活性出発材料又は立体選択的試薬を用いて調製してもよい。あるいは、そのような化合物のラセミ混合物は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィー、キラル分割剤などを用いて分離することができる。
以下の反応についての出発材料は、一般に公知の化合物であるか、又は公知の手順若しくはその自明な変法によって調製することができる。例えば、出発材料の多くが、Aldrich Chemical社(Milwaukee, Wisconsin, USA)、Bachem社(Torrance, California, USA)、Ernka-Chemce社又はSigma社(St. Louis, Missouri, USA)などの商業的供給元から入手可能である。他のものは、Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis、第1〜15巻(John Wiley and Sons, 1991)、Rodd's Chemistry of Carbon Compounds、第1〜5巻及び補遺(Elsevier Science Publishers, 1989)、Organic Reactions、第1〜40巻(John Wiley and Sons, 1991)、March's Advanced Organic Chemistry(John Wiley and Sons, 第4版)、及びLarock's Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc., 1989)などの標準的な参考書に記載されている手順又はその自明な変法によって調製することができる。
逆の内容が記載されていない限り、本明細書に記載される反応は、大気圧下で、一般に-78℃〜200℃の温度範囲内で行ってもよい。さらに、実施例で使用されるか、又は別段の指定がある場合を除き、反応時間及び条件は、近似的なものであることが意図され、例えば、概ね大気圧下で、約-78℃〜約110℃の温度範囲内で、約1〜約24時間の期間にわたって行い、反応は平均で約16時間である一晩にわたって行う。
「溶媒」、「有機溶媒」及び「不活性溶媒」という用語はそれぞれ、それと共に記載されている反応の条件下で不活性である溶媒を意味し、例えばベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラニル(「THF」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム、塩化メチレン(又はジクロロメタン)、ジエチルエーテル、メタノール、N-メチルピロリドン(「NMP」)、ピリジンなどが挙げられる。
本明細書に記載される化学物質及び中間体の単離及び精製は、所望の場合、例えば濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー若しくは厚層クロマトグラフィー、又はこれら手順の組み合わせなどのいずれかの好適な分離若しくは精製手順によって行うことができる。好適な分離及び単離手順の具体的な説明は、本明細書中、以下の実施例を参照することで得られる。しかし、他の同等な分離又は単離手順もまた使用することができる。
所望の場合、(R)-及び(S)-異性体を、当業者に公知の方法によって、例を挙げると、例えば結晶化によって分離可能であるジアステレオ異性体塩若しくは錯体の形成により; 例えば結晶化、ガス液体クロマトグラフィー若しくは液体クロマトグラフィーによって分離可能であるジアステレオ異性体誘導体の形成を介して; 一方のエナンチオマーのエナンチオマー特異的試薬との選択的反応、例えば酵素的酸化若しくは還元とそれに続く修飾されたエナンチオマーと修飾されていないエナンチオマーとの分離により; 又は例えば結合キラル配位子を有するシリカなどのキラル支持体上又はキラル溶媒存在下などのキラル環境下でのガス液体クロマトグラフィー若しくは液体クロマトグラフィーにより分割することができる。あるいは、光学活性な試薬、基質、触媒若しくは溶媒を用いる不斉合成により、又は不斉変換によって一方のエナンチオマーを他方のエナンチオマーに変換することにより、特定のエナンチオマーを合成することができる。
実施例及び一般的な合成
以下の実施例及び予言的合成方法は、上記の発明を製造及び使用する方法をより完全に説明するのに役立つ。これは決して本発明の真の範囲を限定するのに役立つのではなく、むしろ例示目的で提示されることが理解される。別段指定しない限り、以下の略語は、以下の意味を有する。略語が定義されていない場合、それはその一般に受け入れられている意味を有する。
Figure 2021515771
Figure 2021515771
さらに、本発明の様々な化合物は、一実施形態では、以下に記載される一般合成経路によって製造してもよい:
Figure 2021515771
[式中、X、Y及びR2は、本明細書に定義される。]
スキーム2
Figure 2021515771
[式中、Y'は、本明細書中、上に定義される。]
機器の説明
1H NMRスペクトルは、Varian又はBruker分光計で記録した。化学シフトは、百万分率(ppm、δ単位)で表わされる。結合定数はヘルツ(Hz)単位におけるものである。分裂パターンは、見かけの多重性を示しており、s(シングレット(一重線))、d(ダブレット(二重線))、t(トリプレット(三重線))、q(カルテット(四重線))、quint(クインテット(五重線))、m(マルチプレット(多重線))、br(ブロード(広幅))と表わされる。
分析的低分解能LCMSを得るための代表的な機器及び条件は、以下に記載される。
機器:
SQ検出器を備えたWaters Acquity UPLC-MSシステム
MS条件:
走査モード: 交互のポジティブ/ネガティブエレクトロスプレー
走査範囲: 125〜1200 amu
走査時間: 150 msec
走査間遅延: 50 msec
LC条件:
UPLC分析は、Phenomenex Kinetex 1.7um 2.1×50mm XB-C18カラムで40℃で実施した。
0.2uLのサンプルを、PLNO(ニードルオーバーフィルを用いた部分ループ(partial loop with needle overfill))注入モードを使用して注入した。
用いた勾配は以下であった:
移動相A: 水+0.2%v/vギ酸
移動相B: アセトニトリル+0.15%v/vギ酸
時間 %A %B 流速
0.00分 95 5 1ml/分
1.1分 1 99 1ml/分
1.5分 1 99 1ml/分
UV検出は、40Hzにおける210〜350nm走査からの合計吸光度シグナルによって提供された。
機器の説明
1H NMRスペクトルは、Varian分光計で記録した。化学シフトは、百万分率(ppm、δ単位)で表わされる。結合定数はヘルツ(Hz)単位におけるものである。分裂パターンは、見かけの多重性を示しており、s(シングレット(一重線))、d(ダブレット(二重線))、t(トリプレット(三重線))、q(カルテット(四重線))、quint(クインテット(五重線))、m(マルチプレット(多重線))、br(ブロード(広幅))と表わされる。
分析的低分解能質量スペクトル(MS)は、Waters(Acquity)で記録した。以下に記載される条件を用いた。
MS条件:
機器: Waters SQD
シリアルナンバー: F06SQD018N
走査モード: 交互のポジティブ/ネガティブエレクトロスプレー
走査範囲: 125〜1200 amu
走査時間: 150msec
走査間遅延: 50msec
LC条件:
UPLC分析は、Phenomenex Kinetex 1.7um 2.1×50mm XB-C18カラムで40℃で実施した。
0.2uLのサンプルを、PLNO(ニードルオーバーフィルを用いた部分ループ(partial loop with needle overfill))注入モードを使用して注入した。
用いた勾配は以下であった:
移動相A: 水+0.2%v/vギ酸
移動相B: アセトニトリル+0.15%v/vギ酸
時間 %A %B 流速
0.00分 95 5 1ml/分
1.1分 1 99 1ml/分
1.5分 1 99 1ml/分
UV検出は、40Hzにおける210〜350nm走査からの合計吸光度シグナルによって提供された。
実施例1: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルテトラデカノエート
Figure 2021515771
ステップA: (2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-イルアセテート。窒素雰囲気下のねじ蓋式ガラス圧力容器中の無水MeCN(10mL)中の2-フルオロ-9H-プリン-6-アミン(0.545g、3.56mmol)の懸濁液を、トリメチルシリル2,2,2-トリフルオロ-N-(トリメチルシリル)アセトイミデート(1.89ml、7.12mmol)で処理し、油浴中で撹拌しながら80℃まで加熱した。45分後、固体の大部分が溶解した。溶液を、MeCN(9mL)中に溶解した(4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニルテトラヒドロフラン-2,4-ジイルジアセテート(1.14g、2.37mmol、Org. Lett., Vol. 13, No. 19, 2011に従って調製)で処理し、続いて、新たに調製した0.2Mトリフルオロメタンスルホン酸/MeCN(2.37ml、0.474mmol)(2.5mLのMeCN中に44μLのトリフル酸を溶解することによって調製)で処理した。温度を80℃で維持した。80℃で1.5時間後、LCMSは、完全な反応を示した。溶液を室温まで冷却し、1M HCl水溶液(3mL)の添加によってクエンチした。混合物を短時間撹拌した後、飽和NaHCO3水溶液とEtOAcとの間で分配し、相を分離した。水相をEtOAc(2×)で抽出した。合わせたEtOAc溶液を、Na2SO4で乾燥させ、減圧で濃縮して、黄褐色の固体を得た。この材料をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜100%EtOAc/DCM)に供し、より高いRf成分を単離して、表題化合物(0.63g、46%)を白色の固体として得た。C30H32FN5O4SiについてのLCMS (ESI) m/z計算値: 573.2. 実測値: 574.4 (M+1)+.1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.10 (s, 1H), 7.59 - 7.67 (m, 4H), 7.26 - 7.45 (m, 6H), 6.39 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 5.91 (dd, J = 7.0, 5.5 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.86 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 3.05 - 3.18 (m, 2H), 2.64 - 2.74 (m, 1H), 2.14 (s, 3H), 0.97 - 1.04 (m, 9H).
ステップB: (2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-オール。1:1のTHF/MeOH(4mL)中の(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-イルアセテート(0.62g、1.08mmol)の撹拌溶液に、25%NaOMe/MeOH(3滴)を添加した。得られた溶液を室温で撹拌した。30分後、LCMSは完全な反応を示した。溶液を氷酢酸(5滴)で処理し、減圧で乾燥するまで濃縮した。残渣を8:2のクロロホルム/iPrOHと半飽和NaHCO3水溶液との間で分配し、相を分離させた。水相を、8:2のクロロホルム/iPrOHの2回の追加部分で抽出した。合わせた有機溶液をNa2SO4で乾燥させ、減圧で乾燥するまで濃縮して、表題化合物(0.52g、91%)を白色の固体として得た。C28H30FN5O3SiについてのLCMS (ESI) m/z計算値: 531.2. 実測値: 532.3 (M+1)+. 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.17 (s, 1H), 7.53 - 7.66 (m, 4H), 7.22 - 7.45 (m, 6H), 6.32 (dd, J = 7.8, 3.1 Hz, 1H), 5.01 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 3.87 (q, J = 11.3 Hz, 2H), 3.05 (s, 1H), 2.90 - 2.99 (m, 1 H), 2.63 - 2.72 (m, 1H), 0.94 (s, 9H).
ステップC: 9-((2R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニル-4-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-N-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)-9H-プリン-6-アミン。DCM(8mL)中の(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-2-エチニルテトラヒドロフラン-3-オール(0.510g、0.959mmol)の撹拌懸濁液に、硝酸銀(0.489g、2.88mmol)、2,4,6-トリメチルピリジン(0.766ml、5.76mmol)、及び(クロロ(4-メトキシフェニル)メチレン)ジベンゼン(0.889g、2.88mmol)を添加した。得られたオレンジ色の懸濁液を室温で撹拌した。2時間後、LCMSは完全な反応を示した。混合物をEtOAcで希釈し、セライトで濾過して固体を除去した。濾液を10%クエン酸水溶液(2×)、飽和NaHCO3水溶液(2×)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧で濃縮して、淡黄色の泡状物を得た。この材料をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜100%EtOAc/ヘキサン)に供して、表題化合物(1.00g、97%)を白色の泡状物として得た。C68H62FN5O5SiについてのLCMS (ESI) m/z計算値: 1075.5. 実測値: 1076.7 (M+1)+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.12 - 7.62 (m, 35H), 6.98 (s, 1H), 6.74 - 6.82 (m, 4H), 6.22 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 4.75 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 3.93 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.86 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 2.77 (s, 1H), 1.71 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 0.87 (s, 9H).
ステップD: ((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール。THF(8mL)中の9-((2R,4S,5R)-5-(((tert-ブチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)-5-エチニル-4-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)-2-フルオロ-N-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)-9H-プリン-6-アミン(0.99g、0.92mmol)の撹拌溶液に、1M TBAF/THF(1.38ml、1.38mmol)を滴下添加によって添加した。得られた溶液を室温で撹拌した。1時間後、LCMSは完全な反応を示した。溶液を氷酢酸(0.10mL)で処理し、減圧で濃縮した。残渣をMeOH/DCMに溶解し、乾燥するまで再び濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜100%EtOAc/ヘキサン)に供し、表題化合物(0.623g、81%)を白色の固体として得た。C52H44FN5O5についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 837.3. 実測値: 838.6 (M+1)+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.04 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.47 - 7.54 m, 4H), 7.12 - 7.38 (m, 20H), 6.79 - 6.88 (m, 4H), 6.04 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 5.15 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 4.47 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 3.84 (s, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 3.49 - 3.57 (m, 1H), 3.38 - 3.47 (m, 1H), 1.63 - 1.72 (m, 1H), 1.49 - 1.58 (m, 1H).
ステップE: ((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルテトラデカノエート。0℃の無水DCM(1mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(25mg、0.030mmol)及びDMAP(1.8mg、0.015mmol)の撹拌溶液に、TEA(12.5μl、0.090mmol)、続いてDCM(0.10mL)中のテトラデカノイルクロリド(8.1mg、0.033mmol)の溶液を添加した。得られた溶液を0℃で10分間撹拌し、次いで、室温まで温めた。反応の進行をTLC(シリカゲル、8:2EtOAc/ヘキサン)によってモニターした。3つ全ての試薬(上と同じ量)の2つの追加部分を、t=30分及びt=1時間に添加した。これにより、出発材料は、新しいより高いRf成分へ完全に変換された。溶液を減圧で乾燥するまで濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜100%EtOAc/ヘキサン)に供して、表題化合物(30mg、96%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.12 - 7.64 (m, 25H), 7.02 (br s, 1H), 6.79 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.02 - 6.13 (m, 1H), 4.60 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.31 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 4.05 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 3.78 (s, 3H), 3.72 - 3.74 (m, 3H), 2.82 (s, 1H), 2.15 - 2.27 (m, 1H), 1.92 - 2.12 (m, 2H), 0.58 - 1.80 (m, 26H).
ステップF: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルテトラデカノエート。0℃の無水DCM(1.2mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルテトラデカノエート(29mg、0.028mmol)の撹拌溶液に、ギ酸(106μl、2.77mmol)を添加した。得られた溶液を0℃で10分間撹拌し、次いで、室温まで温めた。反応の進行をHPLCによってモニターした。2時間後、LCMSは、所望の生成物の、両方のモノMMTr誘導体との混合物を示した。溶液を、追加の0.20mLのギ酸で処理した。さらに1時間後、LCMSは、完全な反応を示した。溶液をMeOHで希釈し、次いで、減圧で乾燥するまで濃縮した。残渣をRP-HPLC精製(C18、0.1%FAを含む50〜100%MeCN/水)に供して、表題化合物(9.7mg、70%)を白色の固体として得た。C26H38FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 503.3. 実測値: 504.4 (M+1)+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.25 (s, 1H), 7.72 - 7.95 (m, 2H), 6.21 (dd, J = 7.6, 3.7 Hz, 1H), 5.78 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.62 - 4.72 (m, 1H), 4.39 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.06 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 3.61 (s, 1H), 2.69 - 2.81 (m, 1H), 2.40-2.46 (m, 1H, 重複するDMSOピーク), 2.05 - 2.27 (m, 2H), 1.04 - 1.44 (m, 22H), 0.82 (t, J = 6.4 Hz, 3H).
実施例2: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルヘプタノエート
Figure 2021515771
ステップA: ((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルヘプタノエート。DCM(0.6mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(38mg、0.045mmol)、ヘプタン酸(0.013mL、0.091mmol)及びDMAP(5.54mg、0.045mmol)の撹拌溶液に、周囲温度で、EDC(26.1mg、0.136mmol)、続いてDIPEA(0.040mL、0.227mmol)を添加した。45分後のLCMSは、完全な反応を示した。混合物を濃縮し、次いで、シリカゲル(4gのカラム、0〜100%ヘキサン/EtOAc)で精製して、無色の残渣を得た。C59H56FN5O6についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 949.4. 実測値: 950.6 (M+1)+.
ステップB: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルヘプタノエート。DCM(1.0mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルヘプタノエート(37.5mg、0.039mmol、87%収率)の撹拌溶液に、ギ酸(1.0mL)を添加した。得られたオレンジ色の溶液を、1時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣をシリカゲル(0〜10%DCM/MeOH)で精製して、表題化合物(12.9mg、70%)を白色の残渣として得た。C19H24FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 405.2. 実測値: 406.3 (M+1)+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.27 (s, 1H), 8.00 - 7.74 (m, 2H), 6.23 (dd, J=3.9, 8.2 Hz, 1H), 5.80 (d, J=5.5 Hz, 1H), 4.76 - 4.66 (m, 1H), 4.42 (d, J=11.7 Hz, 1H), 4.08 (d, J=11.7 Hz, 1H), 3.64 (s, 1H), 2.84 - 2.74 (m, 1H), 2.56 - 2.42 (m, 1H, 重複するDMSOピーク), 2.28 - 2.05 (m, 2H), 1.49 - 1.32 (m, 2H), 1.27 - 1.10 (m, 6H), 0.81 (t, J=6.8 Hz, 3H).
実施例3: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルデカノエート
ステップAでデカン酸を使用することを除いて、実施例2と同様の方法で表題化合物を製造した。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.16 (s, 1H), 6.30 (dd, J=3.3, 8.0 Hz, 1H), 4.96 - 4.81 (m, 1H, 重複する水ピーク), 4.48 (d, J=11.7 Hz, 1H), 4.25 (d, J=11.7 Hz, 1H), 3.17 (s, 1H), 2.96 - 2.87 (m, 1H), 2.72 - 2.62 (m, 1H), 2.31 - 2.14 (m, 2H), 1.55 - 1.40 (m, 2H), 1.35 - 1.16 (m, 12H), 0.89 (t, J=7.0 Hz, 3H). C22H30FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 447.2. 実測値: 448.3 (M+1)+.
実施例4: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチル2-プロピルペンタノエート
ステップAで2-プロピルペンタン酸を使用することを除いて、実施例2と同様の方法で表題化合物を製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.28 (s, 1H), 7.99 - 7.73 (m, 2H), 6.25 (dd, J=4.1, 8.0 Hz, 1H), 5.81 (d, J=4.7 Hz, 1H), 4.73 - 4.63 (m, 1H), 4.39 (d, J=11.7 Hz, 1H), 4.08 (d, J=11.7 Hz, 1H), 3.63 (s, 1H), 2.88 - 2.80 (m, 1H), 2.54 - 2.42 (m, 1H, 重複するDMSOピーク), 2.27 - 2.17 (m, 1H), 1.45 - 1.21 (m, 4H), 1.20 - 0.99 (m, 4H), 0.79 - 0.69 (m, 6H). C20H26FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 419.2. 実測値: 420.3 (M+1)+.
実施例5: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルイコサノエート
ステップAでイコサン酸を使用することを除いて、実施例2と同様の方法で表題化合物を製造した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.26 (s, 1H), 7.97 - 7.74 (m, 2H), 6.23 (dd, J=3.9, 7.8 Hz, 1H), 5.79 (d, J=5.5 Hz, 1H), 4.75 - 4.66 (m, 1H), 4.41 (d, J=11.7 Hz, 1H), 4.08 (d, J=12.1 Hz, 1H), 3.63 (s, 1H), 2.82 - 2.74 (m, 1H), 2.54 - 2.41 (m, 1H, 重複するDMSOピーク), 2.28 - 2.09 (m, 2H), 1.46 - 1.08 (m, 34H), 0.89 - 0.82 (m, 3H). C32H50FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 587.4. 実測値: 588.5 (M+1)+.
実施例6: (9Z,12Z,15Z)-((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルオクタデカ-9,12,15-トリエノエート
ステップAでリノレン酸を使用することを除いて、実施例2と同様の方法で表題化合物を製造した。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.15 (s, 1H), 6.30 (dd, J=3.5, 7.8 Hz, 1H), 5.43 - 5.22 (m, 6H), 4.95 - 4.81 (m, 1H, 重複する水ピーク), 4.48 (d, J=12.1 Hz, 1H), 4.26 (d, J=12.1 Hz, 1H), 3.17 (s, 1H), 2.95 - 2.87 (m, 1H), 2.83 - 2.77 (m, 4H), 2.71 - 2.62 (m, 1H), 2.31 - 2.14 (m, 2H), 2.12 - 2.00 (m, 4H), 1.56 - 1.41 (m, 2H), 1.37 - 1.15 (m, 8H), 0.96 (t, J=7.6 Hz, 3H). C30H40FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 553.3. 実測値: 554.4 (M+1)+.
実施例7: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルアセテート
Figure 2021515771
ステップA: ((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルアセテート。室温で窒素下で撹拌したTHF(2mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(150mg、0.179mmol)及びAc2O(0.034mL、0.358mmol)の溶液に、DIEA(0.063mL、0.358mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。反応混合物を真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(PE:EA=1:1)に供して、所望の生成物(92mg、76%)を白色の固体として得た。C54H46FN5O6についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 879. 実測値: 880 (M+1)+.1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.09 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.51 (dt, J = 8.2, 1.4 Hz, 4H), 7.33 - 7.16 (m, 20H), 6.89 - 6.83 (m, 4H), 6.15 (dd, J = 7.9, 3.6 Hz, 1H), 4.72 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 4.10 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 3.95 (s, 1H), 3.71 (d, J = 12.3 Hz, 6H), 3.65 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 2.10 - 2.06 (m, 1H), 2.00 - 1.95 (m, 1H), 1.91 (s, 3H).
ステップB: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルアセテート。DCM(2mL)及びTFA(0.200mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルアセテート(92mg、0.105mmol)の溶液を、室温で窒素下で撹拌した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。反応をMeOH(5mL)でクエンチし、真空下で濃縮した。残渣をRP-HPLC(C18、0.1%ギ酸を含むMeCN/水)によって精製して、所望の生成物(11.4mg、32%)を得た。C14H14FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 335. 実測値: 336 (M+1)+, 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.16 (s, 1H), 6.31(dd, J = 7.9, 3.7 Hz, 1H), 4.87 - 4.85 (m, 1H), 4.46 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.27 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.17 (s, 1H), 2.91 - 2.85 (m, 1H), 2.69 - 2.62 (m, 1H),1.97 (s, 3H).
実施例8: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルプロピオネート
Figure 2021515771
ステップA: ((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルプロピオネート。((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(200mg、0.239mmol)を、DCM(5mL)に溶解した。TEA(0.100mL、0.716mmol)及びDMAP(14.6mg、0.119mmol)を添加し、次いで、塩化プロピオニル(24.3mg、0.263mmol)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で一晩撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。溶媒を真空下で除去した。残渣を分取TLC(PE:EtOAc=2:1)に供して、所望の生成物(200mg、89%)を黄色の油状物として得た。C55H48FN5O6についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 893. 実測値: 894 (M+1)+.
ステップB: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルプロピオネート。((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルプロピオネート(200mg、0.224mmol)を、DCM(2mL)及びTFA(0.200mL)に溶解し、室温で0.5時間撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。反応混合物をMeOH(5mL)で希釈し、真空下で濃縮した。残渣をRP-HPLC(C18、0.1%ギ酸を含むMeCN/水)によって精製して、生成物(37.4mg、48%)を得た。C15H16FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 349. 実測値: 350 (M+1)+.1H NMR (400 MHz, メタノール-d4): 8.16 (s, 1H), 6.32 - 6.29 (m, 1H), 4.88 - 4.85 (m, 1H), 4.48 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.26 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.17 (s, 1H), 2.90 - 2.87 (m, 1H), 2.67-2.64 (m, 1H), 2.34 - 2.21 (m, 2H), 1.02 (t, J = 8.0 Hz, 3H).
実施例9: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルブチレート
Figure 2021515771
ステップAで塩化プロピオニルの代わりに塩化ブチリルを用いて、実施例8に従って表題化合物を調製した。C16H18FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 363. 実測値: 364 (M+1)+.1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.15 (s, 1H), 6.30 (dd, J = 8.0, 3.6 Hz, 1H), 4.89 - 4.88 (m, 1H), 4.48 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.24(d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.17 (s, 1H), 2.97 - 2.94 (m, 1H), 2.67 - 2.63 (m, 1H), 2.30 - 2.12 (m, 2H), 1.53 - 1.50 (m, 2H), 0.86 (t, J = 7.4 Hz, 3H).
実施例10: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルペンタノエート
Figure 2021515771
ステップAで塩化プロピオニルの代わりに塩化ペンタノイルを用いて、実施例8に従って表題化合物を調製した。C17H20FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 377. 実測値: 378(M+1)+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.28 (s, 1H), 7.87 (br, 2H), 6.24 (dd, J = 8.0, 3.9 Hz, 1H), 5.80 (d, J = 5.4Hz, 1H), 4.74 - 4.69 (m, 1H), 4.43 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.09 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.64 (s, 1H), 2.83 - 2.78 (m, 1H), 2.49 - 2.44 (m, 1H), 2.27 - 2.08 (m, 2H), 1.45 - 1.33 (m, 2H), 1.24 - 1.14 (m, 2H), 0.80 (t, J = 7.3Hz, 3H).
実施例11: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルノナノエート
Figure 2021515771
ステップAで塩化プロピオニルの代わりに塩化ノナノイルを用いて、実施例8に従って表題化合物を調製した。C21H28FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 433. 実測値: 434 (M+1)+,1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.15 (s, 1H), 6.30 (dd, J = 8.0, 3.5 Hz, 1H), 4.88 - 4.86 (m, 1H), 4.47 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.25 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.17 (s, 1H), 2.90 - 2.88 (m, 1H), 2.69 - 2.64 (m, 1H), 2.24 - 2.20 (m, 2H), 1.48 - 1.46 (m, 2H), 1.30 - 1.22 (m, 10H), 0.88 (t, J = 6.9 Hz, 3H).
実施例12: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルウンデカノエート
Figure 2021515771
ステップAで塩化プロピオニルの代わりに塩化ウンデカノイルを用いて、実施例8に従って表題化合物を調製した。C23H32FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 461. 実測値: 462 (M+1)+.1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.92 (s, 1H), 6.33 - 6.30 (m, 1H), 6.03 (br, 2H), 4.77 (t, J = 6.9 Hz, 1H), 4.45 (s, 2H), 2.99 - 2.93 (m, 1H), 2.71 (s, 1H), 2.69 - 2.64 (m, 1H), 2.41 - 2.28 (m, 2H), 1.60 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.32 - 1.19 (m, 14H), 0.88 (t, J = 6.8 Hz, 3H).
実施例13: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルトリデカノエート
Figure 2021515771
ステップA: ((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルトリデカノエート。
室温で撹拌したDMF(5mL)中のトリデカン酸(77mg、0.358mmol)の溶液に、DMAP(109mg、0.895mmol)及びEDC(172mg、0.895mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(150mg、0.179mmol)を添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。反応混合物をEtOAcで希釈し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(EtOAc:PE=1:1)に供して、所望の生成物(120mg、64%)を白色の固体として得た。C65H68FN5O6についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 1033. 実測値: 1035 (M+1)+.1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.67 (s, 1H), 7.65 - 7.48 (m, 3H), 7.44 - 7.27 (m, 23H), 6.81 (dd, J = 2.6, 9.0 Hz, 3H), 6.11 (dd, J = 3.0, 7.9 Hz, 1H), 4.59 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 4.34 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 4.19 - 4.04 (m, 1H), 3.79 - 3.70 (m, 6H), 2.85 (s, 1H), 2.27 - 2.24 (m, 1H), 2.05 - 1.95 (m, 1H), 1.76 - 1.63 (m, 2H), 1.49 - 1.38 (m, 2H),1.30 - 1.18 (m, 18H), 0.90 (t, J = 6.8 Hz, 3H).
ステップB: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルトリデカノエート。
DCM(5mL)及びTFA(0.5mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルトリデカノエート(100mg、0.097mmol)の溶液を、室温で3時間撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。反応混合物をメタノール(5mL)で希釈し、真空下で濃縮した。残渣をRP-HPLC(C18、0.1%ギ酸を含むMeCN/水)によって精製して、所望の生成物(27mg、56%)を白色の固体として得た。C25H36FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 489. 実測値: 490 (M+1)+.1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.15 (s, 1H), 6.30 (dd, J = 3.6, 8.0 Hz, 1H), 4.97 - 4.85 (m, 1H), 4.70 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.25 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.16 (s, 1H), 2.93 - 2.87 (m, 1H), 2.70 - 2.62 (m, 1H), 2.30 - 2.14 (m, 2H), 1.54 - 1.16 (m, 20H), 0.91 - 0.87 (m, 3H).
実施例14: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルペンタデカノエート
Figure 2021515771
ステップAでトリデカン酸の代わりにペンタデカン酸を用いて、実施例13に従って表題化合物を調製した。C27H40FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 517. 実測値: 518 (M+1)+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.26 (s, 1H), 7.85 (br, 2H), 6.24 (dd, J = 3.6, 8.0 Hz, 1H), 5.79 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 4.73 - 4.67 (m, 1H), 4.41 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.08 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.63 (s, 1H), 2.81 - 2.75 (m, 1H), 2.48 - 2.43 (m, 1H), 2.27 - 2.10 (m, 2H), 1.40 - 1.16 (m, 24H), 0.87 - 0.83 (m, 3H).
実施例15: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルヘプタデカノエート
Figure 2021515771
ステップAでトリデカン酸の代わりにヘプタデカン酸を用いて、実施例13に従って表題化合物を調製した。C29H44FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 545. 実測値: 546 (M+1)+.1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.15 (s, 1H), 6.31 - 6.29 (m, 1H), 4.89 - 4.87 (m, 1H), 4.47 (d, J = 12.0 Hz,1H), 4.25 (d, J = 12.0 Hz,1H), 3.17 (s, 1H), 2.94 - 2.88 (m, 1H), 2.70 - 2.62 (m, 1H), 2.30 - 2.15 (m, 2H), 1.53 - 1.47 (m, 2H), 1.34 - 1.24 (m, 26H), 0.91 - 0.88 (m, 3H).
実施例16: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルテトラコサノエート
Figure 2021515771
ステップAで塩化プロピオニルの代わりに塩化テトラコサノイルを用いて、実施例8に従って表題化合物を調製した。C76H90FN5O6についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 1188. 実測値: 1189 (M+1)+.1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.65 (s, 1H), 7.66 - 7.48 (m, 3H), 7.44 - 7.21 (m, 23H), 6.85 - 6.78 (m, 3H), 6.11 (dd, J = 3.1, 7.9 Hz, 1H), 4.60 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 4.34 (d, J = 12.3 Hz, 1H), 4.13 - 4.06 (m, 1H), 3.86 - 3.72 (m, 6 H), 2.85 (s, 1H), 2.45 - 2.34 (m, 1H), 2.29 - 2.22 (m, 1H), 1.68 - 1.58 (m, 2H), 1.47 - 1.40 (m, 2H),1.35 - 1.27 (m, 40H), 0.91 (t, J = 6.7 Hz, 3H).
実施例17: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルウンデカ-9-イノエート
Figure 2021515771
ステップA: 10,11-ジブロモウンデカン酸。0℃で撹拌したCHCl3(7mL)中のウンデカ-10-エン酸(2.00g、10.9mmol)の溶液に、CHCl3(9mL)中の臭素の溶液(0.590mL、11.4mmol)を5℃未満で添加し、混合物を0℃で1時間撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。反応混合物を飽和Na2S2O3(2×)、飽和NaCl(1×)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、所望の生成物(3.6g、94%)を黄色の油状物として得た(4℃で保存すると、油は凝固する)。C11H20Br2O2についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 342. 実測値: 341 (M-1)-. 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 11.39 (br, 1H), 4.32 - 4.01 (m, 1H), 3.87 (dd, J = 10.2, 4.4 Hz, 1H), 3.64 (t, J = 10.0 Hz, 1H), 2.37 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.24 - 2.04 (m, 1H), 1.93 - 1.74 (m, 1H), 1.74 - 1.50 (m, 3H), 1.50 -1.25 (m, 9H).
ステップB: ウンデカ-9-イン酸。105℃で窒素下で撹拌したジメチルスルホキシド(1.5mL)中の10,11-ジブロモウンデカン酸(500mg、1.45mmol)の溶液に、KOH(424mg、7.56mmol)を添加した。反応混合物を105℃で3.5時間撹拌した。TLCは、反応が完了したことを示した。混合物をMTBEで希釈し、1M HCl水溶液で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、所望の生成物(310mg、粗製)を黒色の油状物として得た。C11H18O2についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 182. 実測値: 181 (M-1)-. 1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 2.38 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 2.14 (m, 2H), 1.80 (t, J = 2.6 Hz, 2H), 1.51 - 1.44 (m, 2H), 1.36 (s, 8H).
ステップC: ((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルウンデカ-9-イノエート。
室温で撹拌したDMF(3mL)中のウンデカ-9-イン酸(174mg、0.960mmol)の溶液に、EDC(229mg、1.19mmol)、及びDMAP(146mg、1.19mmol)を添加した。反応混合物を30℃で2時間撹拌した。((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メタノール(200mg、0.240mmol)を、混合物に添加した。混合物を30℃で一晩撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。ブラインを添加し、混合物をEtOAc(4×)で抽出した。有機相を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣を分取TLC(PE/EtOAc=1:1)に供して、所望の生成物(130mg、48%)を黄色の固体として得た。C63H60FN5O6についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 1001. 実測値: 1002 (M+1)+.1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 7.86 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.54 (d, J = 7.5 Hz, 3H), 7.35 - 7.30 (m, 16H), 7.26 - 7.24 (m, 2H), 6.90 - 6.77 (m, 7H), 6.16 - 6.08 (m, 1H), 4.82 - 4.73 (m, 1H), 4.63 - 4.55 (m, 1H), 4.34 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 3.83 - 3.80 (m, 6H), 3.76 (s, 1H), 3.00 - 2.93 (m, 1H), 2.69 - 2.60 (m, 1H), 2.39 - 2.35 (m, 2H), 2.17 - 2.11 (m, 2H), 1.83 - 1.79 (m, 3H), 1.69 - 1.63 (m, 4H),1.51 - 1.46 (m, 4H), 1.34 - 1.32 (m, 2H).
ステップD: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルウンデカ-9-イノエート。DCM(2mL)及びTFA(0.200mL)中の((2R,3S,5R)-2-エチニル-5-(2-フルオロ-6-(((4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル)アミノ)-9H-プリン-9-イル)-3-((4-メトキシフェニル)ジフェニルメトキシ)テトラヒドロフラン-2-イル)メチルウンデカ-9-イノエート(200mg、0.200mmol)の溶液を、室温で30分間撹拌した。LCMSは完全な反応を示した。混合物をメタノール(5ml)で希釈し、真空下で濃縮した。残渣をRP-HPLC(C18、0.1%ギ酸を含むMeCN/水)によって精製して、所望の生成物(21.2mg、23%)を白色の固体として得た。C23H28FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 457. 実測値: 458(M+1)+.1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.15 (s, 1H), 6.29 (dd, J = 8.0, 3.5 Hz, 1H), 4.88 - 4.86 (m, 1H), 4.68 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.24 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.17 (s, 1H), 2.96 - 2.88 (m, 1H), 2.68 - 2.64 (m, 1H), 2.26 - 2.18 (m, 2H), 2.08-2.04 (m, 2H), 1.71 (t, J = 2.6 Hz, 3H), 1.71-1.40 (m, 6H), 1.26-1.18 (m, 4H).
実施例18: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルオクタデカ-9-イノエート
Figure 2021515771
ステップAでトリデカン酸の代わりにオクタデカ-9-イン酸を用いて、実施例13に従って表題化合物を調製した。C30H42FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 555. 実測値: 556 (M+1)+. 1H NMR (400 MHz, CD3OD): 8.15 (s, 1H), 6.32 - 6.29 (m, 1H), 4.87 - 4.86 (m, 1H), 4.48 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.25 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.17 (s, 1H), 2.91 - 2.88 (m, 1H), 2.68 - 2.64 (m, 1H), 2.31 - 2.14 (m, 2H), 2.10-2.09 (m, 4H), 1.49 - 1.23 (m, 22H), 0.90 - 0.87 (m, 3H).
実施例19: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチルピバレート
Figure 2021515771
ステップAでヘプタン酸の代わりにピバル酸を用いて、実施例2に従って表題化合物を調製した。C17H20FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 377.2. 実測値: 378.2 (M+1)+. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 8.28 (s, 1H), 8.02 - 7.68 (m, 2H), 6.25 (dd, J = 4.1, 8.0 Hz, 1H), 5.82 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 4.72 - 4.63 (m, 1H), 4.38 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 4.07 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 3.64 (s, 1H), 2.87 - 2.78 (m, 1H), 2.53 - 2.39 (m, 1H, 重複するDMSOピーク), 1.06 (s, 9H).
実施例20: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチル2,2-ジメチルペンタノエート
Figure 2021515771
ステップAでヘプタン酸の代わりに2,2-ジメチルペンタン酸を用いて、実施例2に従って表題化合物を調製した。C19H24FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 405.4. 実測値: 406.6 (M+1)+. 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 8.14 (s, 1H), 6.32 (dd, J = 3.8, 8.1 Hz, 1H), 4.88 - 4.82 (m, 1H), 4.39 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 4.24 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 3.15 (s, 1H), 3.05 - 2.97 (m, 1H), 2.71 - 2.96 (m, 1H), 1.46 - 1.30 (m, 2H), 1.18 - 1.06 (m, 8H), 0.81 - 0.71 (m, 3H).
実施例21: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチル2-ブチルオクタノエート
Figure 2021515771
ステップAでヘプタン酸の代わりに2-ブチルオクタン酸を用いて、実施例2に従って表題化合物を調製した。C24H34FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 475.6. 実測値: 476.4 (M+1)+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.25 (s, 1H), 7.80 (br s, 2H), 6.25 (dd, J = 4.1, 7.9 Hz, 1H), 5.76 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.74 - 4.63 (m, 1H), 4.37 (dd, J = 2.7, 11.8 Hz, 1H), 4.11 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 3.60 - 3.58 (m, 1H), 2.88 - 2.76 (m, 1H), 2.56 - 2.41 (m, 1H, 重複するDMSOピーク), 2.27 - 2.13 (m, 1H), 1.50 - 0.97 (m, 16H), 0.86 - 0.69 (m, 6H).
実施例22: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチル2-ヘキシルデカノエート
Figure 2021515771
ステップAでヘプタン酸の代わりに2-ヘキシルデカン酸を用いて、実施例2に従って表題化合物を調製した。C28H42FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 531.7. 実測値:532.5 (M+1)+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.24 (s, 1H), 7.79 (br s, 2H), 6.24 (dd, J = 4.2, 8.0 Hz, 1H), 5.76 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 4.72 - 4.61 (m, 1H), 4.36 (dd, J = 1.5, 11.8 Hz, 1H), 4.12 (dd, J = 1.2, 11.7 Hz, 1H), 3.58 - 3.57 (m, 1H), 2.86 - 2.73 (m, 1H), 2.57 - 2.43 (m, 1H, 重複するDMSOピーク), 2.27 - 2.14 (m, 1H), 1.48 - 0.97 (m, 24H), 0.88 - 0.77 (m, 6H).
実施例23: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチル2-メチルヘプタノエート
Figure 2021515771
ステップAでヘプタン酸の代わりに2-メチルヘプタン酸を用いて、実施例2に従って表題化合物を調製した。C20H26FN5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 419.4. 実測値: 420.3 (M+1)+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.27 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.82 (br s, 2H), 6.25 (dd, J = 4.1, 7.9 Hz, 1H), 5.78 (dd, J = 1.2, 5.5 Hz, 1H), 4.77 - 4.61 (m, 1H), 4.41 (dd, J = 4.9, 11.8 Hz, 1H), 4.10 (dd, J = 1.5, 11.8 Hz, 1H), 3.62 - 3.61 (m, 1H), 2.87 - 2.77 (m, 1H), 2.54 - 2.44 (m, 1H, 重複するDMSOピーク), 2.38 - 2.24 (m, 1H), 1.50 - 1.39 (m, 1H), 1.31 - 1.06 (m, 7H), 1.04 - 0.92 (m, 3H), 0.86 - 0.71 (m, 3H).
実施例24: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチル3,3,3-トリフルオロプロパノエート
Figure 2021515771
ステップAで塩化プロピオニルの代わりに3,3,3-トリフルオロプロパノイルクロリドを用いて、実施例8に従って表題化合物を調製した。C15H13F4N5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 403. 実測値: 404 (M+1)+.1H NMR (300 MHz, メタノール-d4): 8.14 (s, 1H), 6.33 - 6.30 (m, 1H), 4.87 - 4.85 (m, 1H), 4.58 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.38 - 3.30 (m, 2H), 3.20 (s, 1H), 2.90 - 2.87 (m, 1H), 2.68 - 2.63 (m, 1H).
実施例25: ((2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチル3,3,3-トリフルオロ-2,2-ジメチルプロパノエート
Figure 2021515771
ステップAでトリデカン酸の代わりに3,3,3-トリフルオロ-2,2-ジメチルプロパン酸を用いて、実施例13に従って表題化合物を調製した。C17H17F4N5O4についてのLCMS (ESI) m/z計算値: 431. 実測値: 432 (M+1)+.1H NMR (400 MHz, メタノール-d4): 8.14 (s, 1H), 6.34 - 6.31 (m, 1H), 4.82 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 4.54 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.35 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.19 (s, 1H), 3.99 - 2.95 (m, 1H), 2.69 - 2.62 (m, 1H), 1.35 (d, J = 4.0 Hz, 6H).
抗HIV活性
PSVアッセイ
偽型ウイルスアッセイ(PSV)を使用して、化合物の効力を評価した。NL4-3プロウイルス[エンベロープのオープンリーディングフレーム(ORF)における変異、及びnef ORFの代わりにルシフェラーゼレポーター遺伝子を含有する]を含有するプラスミド、及び様々なHIV gp160エンベロープクローンについてのORFを含有するCMVプロモーター発現プラスミドの同時トランスフェクションによって、複製欠損ウイルスを生成した。採取したウイルスを少量のアリコートにおいて-80℃で保存し、ウイルスの力価を測定して、抗ウイルスアッセイのための頑強なシグナルを生成した。
HIV侵入のための主要な受容体であるヒトCD4、並びに感染のための標的細胞としてHIV侵入に必要とされる共受容体であるヒトCXCR4若しくはヒトCCR5のいずれかを発現するように安定して形質転換されたU373細胞を使用することによって、PSVアッセイを実施した。目的分子(HIVの小分子阻害剤、HIVの中和抗体、HIVの抗体-薬物コンジュゲート阻害剤、HIVのペプチド阻害剤、及び様々な対照を含むが、これらに限定されない)を、組織培養培地に希釈し、段階希釈によって希釈して、濃度の用量範囲を生成することができ、これは実施例1について実施した。この用量範囲をU373細胞に適用し、事前に製造された偽型ウイルスを添加した。培養の3日後に生成されたルシフェラーゼシグナルの量を使用して、偽型ウイルス感染のレベルを反映した。IC50、すなわち、阻害剤を含有しない感染からPSV感染を50%低減するのに必要とされる阻害剤の濃度(実施例1)を計算した。細胞毒性を測定するアッセイを並行して実施して、確実に、阻害剤について観察された抗ウイルス活性が、標的細胞の生存率の低減と識別可能であるようにした。IC50値は、各化合物について3〜4倍段階希釈を使用した10点の用量反応曲線から決定し、これは、>1000倍の濃度範囲に及ぶ。
これらの値は、標準の4パラメーターロジスティック方程式を使用して、モル化合物濃度に対してプロットされる:
y=((Vmax*x^n)/(K^n+x^n))+Y2
[式中、
Y2=最小のy n=勾配係数
Vmax=最大のy x=化合物濃度[M]
K=EC50]
得られたデータを表4及び5に示す。実施例1〜6について表5に示されるIC50値は、表5に示される平均値を計算するために使用されるデータ複製の数がより多いため、表4における類似した値とわずかに異なると考えられる。
Figure 2021515771
Figure 2021515771
抗ウイルス持続性アッセイ
PSVアッセイは、各化合物の抗ウイルス持続性を決定するように適合させた。このアッセイは、細胞において2日間活性を残存する、すなわち、化合物の除去から48時間後に、用量依存的に細胞のPSV感染を防止する各化合物の能力を評価する。U373細胞の二重のプレートを、37℃で6時間、小分子阻害剤の段階希釈で処理した。1×PBSで細胞を2回洗浄することによって、化合物を細胞から除去した。ベースライン群(すなわち、洗浄直後又は0時間)について、調製したPSVで細胞を感染させ、3日間培養した。実験群(48時間)について、培養培地を、洗浄した細胞に添加し、プレートを37℃で48時間インキュベートする。培養の2日後、調製したPSVを細胞に添加し、混合物を3日間培養した。培養後に生成されたルシフェラーゼシグナルの量を使用して、各化合物についてベースライン群(0時間)及び実験群(48時間)における偽型ウイルス感染のレベルを反映した。IC50、すなわち、阻害剤を含有しない感染からPSV感染を50%低減するのに必要とされる阻害剤の濃度を計算した。48及び0時間で決定されたIC50の比である持続性指数、及びEFdA[(2R,3S,5R)-5-(6-アミノ-2-フルオロ-9H-プリン-9-イル)-2-エチニル-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-オール]と比較した持続性指数の倍率変化を、表2に示す。
データの統計分析及びグラフ化は、JMP 13.2.1(SAS Institute, Cary, NC)で実施した。4パラメーターロジスティックヒルモデル(four-parameter logistic Hill Model)を、それぞれの化合物、時点及び実行(run)について別々に、%阻害及びlog10濃度値に適合させた。パイロット実験は、2つの独立した実験実行を含み、後のフォローアップ実験は4つの実行を含んだ。R2に基づく品質管理基準、及び4つ全てのパラメーター推定値の95%信頼区間範囲を使用して、不十分な適合度の曲線を除外した。逆予測(inverse prediction)を使用して、50%阻害に対応するlog10濃度(log10IC50*)を得て、以下の式を使用して、それぞれの化合物及び実行について、log10持続性指数を計算した: log10持続性指数=log10IC50*48時間-log10IC50*0時間。次に、化合物についての固定効果及び実験実行についての変量効果を用いて、線形混合効果モデルをlog10持続性指数値に適合させ、その後、陽性対照EFdAのlog10持続性指数を他の試験化合物のlog10持続性指数と比較する事後対比を行った。次いで、推定されたLS平均及び差を、10推定値を介して元のスケールに逆変換し、持続性指数及び倍率変化としてそれぞれ報告した。未処理p値を報告した。実施例1、4、5、6及びEFdAについての抗ウイルス持続性データを表6に示す。EFdA及び実施例5についてのt=0からt=48時間へのIC50曲線シフトを、図1A及び1Bに示す。図1A及び1Bにおける曲線は、上記のようにそれぞれの実行について別々の適合ではなく、反復実行にわたる単一曲線適合から得た。
Figure 2021515771

Claims (20)

  1. 式(I):
    Figure 2021515771
    [式中、
    R1は、以下:
    Figure 2021515771
    (式中、
    Xは、NH2、F及びClからなる群から選択される)
    からなる群から選択され;
    Yは、結合、(C1-C10)アルキル、及びCR3R3'(式中、R3及びR3'は、独立して、H、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)ハロアルキル、(C2-C10)アルケニル、(C1-C10)アルキニル及び(C3-C14)シクロアルキルからなる群から選択され; R3及びR3'のそれぞれは、独立して場合により、(C1-C6)アルキル、Cl、F、オキソ、又は(C1-C6)アルコキシによって置換されていてもよい)からなる群から選択され、
    R2は、H、(C1-C10)アルキル、(C2-C10)アルケニル、(C2-C10)アルキニル、(C1-C10)アルコキシ及び(C1-C10)ハロアルキルからなる群から選択され; R2のそれぞれは、場合により、(C1-C6)アルキル、Cl、F、オキソ、又は(C1-C6)アルコキシによって置換されていてもよい]
    の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  2. R1が、以下:
    Figure 2021515771
    である、請求項1に記載の化合物。
  3. XがFである、請求項1〜2のいずれか一項に記載の化合物。
  4. Yが結合であり、R2がHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. Yが(C1-C10)アルキルであり、R2が(C1-C10)アルキルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  6. Yが(C1-C10)アルキルであり、R2が(C1-C10)アルケニルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  7. R2が(C1-C10)アルキルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 式:
    Figure 2021515771
    の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
  9. 以下からなる群から選択される化合物、及びその薬学的に許容される塩。
    Figure 2021515771
    Figure 2021515771
    Figure 2021515771
    Figure 2021515771
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、並びに薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
  11. 非経口形態で存在する、請求項10に記載の組成物。
  12. 錠剤の形態である、請求項10に記載の組成物。
  13. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を対象に投与するステップを含む、対象におけるHIV感染症を治療する方法。
  14. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物を対象に投与するステップを含む、対象におけるHIV感染症を治療する方法。
  15. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を対象に投与するステップを含む、HIV感染症を発症するリスクを有する対象におけるHIV感染症を予防する方法。
  16. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物を対象に投与するステップを含む、HIV感染症を発症するリスクを有する対象におけるHIV感染症を予防する方法。
  17. HIV感染症の治療に使用するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
  18. HIV感染症の予防に使用するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
  19. HIV感染症を治療するための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  20. HIV感染症を予防するための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物の使用。
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