JP2021512853A - ファーバー病を処置するための方法 - Google Patents

ファーバー病を処置するための方法 Download PDF

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Abstract

特定の用量および薬物動態プロファイルを使用してファーバー病を処置する方法を開示する。
【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年2月2日に提出された米国仮出願第62/625,763号の利益と優先権を主張し、その主題は参照により本明細書に組み込まれる。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる配列表を含む。2019年1月17日に作成された上記のASCIIコピーの名称は、RVT−801−006WO_SL.txtとであり、サイズは11,363バイトである。
リソソーム蓄積障害(LSD)であるファーバー病は、1952年に14ヶ月の乳児で最初に記述された病態で、複数の関節に肉芽腫性病変があり、脂質蓄積の証拠が見られる。その後の10年間にわたり、他の同様の症例が記述されたが、その全てが同様の病変を示し、喉頭に病変が存在するために特徴的な「かすれた」泣き声または声を示すことが多かった。これらの患者の一部には、肺、肝臓、脾臓、および中枢神経系(CNS)を含む他の臓器系の関与も着目された。
以前は、ファーバー病患者の処置は対症療法であり、主に痛みを軽減することを目的としていた。造血幹細胞移植(HSCT)は限られた数の患者で行われており、移植手順自体が成功したとの条件において、全体として結果は良好である。移植に成功した患者は、痛みの大幅な軽減、運動性および可動性の増加を示し、いくつかの場合では、皮下結節の縮小および完全な解消を示す。しかしながら、移植を成功させるには組織適合性のドナー細胞が必要であり、患者を侵襲的かつ潜在的に危険な免疫抑制レジメンに曝露させる。HSCTの1つの代替物は、自己ドナー細胞に、治療用タンパク質を発現するベクターを形質導入し、組織適合性ドナーの必要性を排除する遺伝子治療である。この手法は、ファーバー病のノックインマウスモデルで評価されており、組織セラミドの減少およびマクロファージの浸潤をもたらした。しかしながら、ファーバー病を処置するための改善された処置法が引き続き必要とされている。
重度のファーバー病のマウスモデルの以前の研究では、組換えヒト酸性セラミダーゼ(「rhAC」)の幅広い治療用量範囲が確立されており、蓄積した組織セラミドの減少および炎症性サイトカインの減少に基づき、効果が特徴付けられた。2018年1月12日に提出された国際出願第PCT/US18/13509号(2018年7月18日にWO2018/132667として公開)およびHe et al.,2017(Feb.),“Enzyme replacement therapy for Farber disProof−of−concept studies in cells and mice,”BBA Clin.13(7):85−96は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
しかしながら、これらの研究は曝露目標を確立しなかった。重度のファーバー病のマウスモデルでの非臨床試験中に決定された治療用量からヒト等価用量(HED)を予測するには、酵素の薬物動態(「PK」)および組織分布(「TD」)の理解が必要である。本主題は、本明細書で論じるようにそのようなニーズを満たす。
幼若で健康なCD−1マウスは、ファーバーマウス(本説明および実施例で使用されるファーバー病マウスモデル)の親系統とみなされる。図3は、幼若CD−1マウスrhAC(RVT−801)の薬物動態プロファイルが、循環中のファーバーマウス実験rhAC活性プロファイルと同様であることを示している。これは、幼若CD−1マウスが、ファーバーマウスPKの適切な近似を提供することを示しており、したがって、ファーバーマウスは脆弱であり、交配が難しく、十分なPK評価を行うのに十分な数がないので、RVT−801のマウス薬物動態を特徴付けるためにCD−1マウスを使用した。
したがって、少数のファーバーマウスに基づき、かつ、系統間の限られた重複データポイントを用いて、本明細書の説明および実施例で報告されるデータにより、CD−1マウスにおける全身rhAC(例えば、RVT−801)曝露が、ファーバーマウスにおける曝露と近似しており、RVT−801の単回用量を腹腔内投与した後にファーバーマウスにおけるrhACの最小全身レベルを表し得ることが示唆される。
本説明および実施例には、組換えヒトAC(例えば、RVT−801)が、ファーバー病マウスモデル(例えば、肝臓、脾臓、および肺)においてセラミド蓄積に関連する組織に広く分布することが示されている。したがって、組換えヒトAC(例えば、RVT−801)の全身レベルの測定は、ファーバー病に罹患しているヒト対象の関連組織における曝露を過小評価し得る。したがって、非臨床種での用量をヒトに対してスケール調整する(scale)ために単純なアロメトリーに依存することは、有効性を与えるための組織曝露を適切に推定することができない場合がある。
非臨床種とヒトとの間の投与量のスケール調整についての米国食品医薬品局(「FDA」)のガイダンスに基づくヒト等価用量(HED)推定値は、体表面積(「BSA」)に基づいており(U.S.Dept.of Health and Human Services,Food and Drug Administration,Center for Drug Evaluation and Research(CDER),2005,“Guidance for Industry.Estimating the Maximum Safe Starting Dose in Initial Clinical Trials for Therapeutics in Adult Healthy Volunteers.”pp.1−30)、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。しかしながら、本明細書に記載のHED推定値手法は、血管系から組織への主要な除去メカニズムを含むがこれに限定されない、生理学的要因も考慮に入れる。
本明細書で報告されるマウスにおけるデータは、肝臓および脾臓が全身投与後のRVT−801の取り込みの主要な標的組織であることを示している。
HEDは、BSAスケール調整ならびにマウスおよびヒトにおける組織質量と体重(「BW」)との比率を組み合わせることによって導出されてもよい。このようにして、各種における組換えヒトAC(RVT−801)分布の各区画の相対的サイズを説明する、用量スケール調整係数(dose scaling factor)を得ることが可能である。BSAおよび組織:BW戦略を使用した組み合わせのHED推定値を表1に示す。
Figure 2021512853
本説明および実施例に従い、一実施形態では、ファーバー病を有するヒト成人対象を処置する方法であって、約0.8mg/kgの用量の組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)をヒト対象に投与することを含む、方法が提供される。
一実施形態では、ファーバー病を有するヒト小児を処置する方法であって、約1.2mg/kgの用量の組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を小児に投与することを含む、方法がまた提供される。
一実施形態では、ファーバー病を有するヒト小児を処置する方法であって、約2mg/kgの用量の組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を小児に投与することを含む、方法がまた提供される。
一実施形態では、ファーバー病を有するヒト小児を処置する方法であって、約5mg/kgの用量の組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を小児に投与することを含む、方法がまた提供される。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量の組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)をヒト対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、本明細書に開示されるように、約0.25〜1.0時間のTmax、約1.23〜約2.17μg/mLのCmax、または約1.37時間*μg/mL〜約1.49時間*μg/mL(または約1時間*μg/mL〜約2時間*μg/mL)の曲線下面積(AUC)のうちの1つ以上を生じさせる。ファーバーマウスでの最大有効用量(MED)は、ボーラスIP注射により送達された10mg/kgと決定された。同齢の野生型CD−1マウスへの10mg/kgの単回投与後に決定されるAUClastの値は、1.37μg.h/mLであり、Cmaxは1.23μg/mLであり得る。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、AUC肝臓:AUC血清、AUC脾臓:AUC血清、AUC:AUC血清、AUC腎臓:AUC血清、AUC心臓:AUC血清について1より大きい比率を生じさせる。理論に束縛されることなく、これらの組織へのrhAC(RVT−801)の分布は、薬物処置の全般的有効性に関して重要であると考えられる。RVT−801のグリコシル化が、これらの疾患に罹患した組織への薬物の取り込みにおける役割を果たし、したがって、rhAC処置の有効性にプラスの影響を与える可能性がある。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、約92.9のAUC肝臓:AUC血清比、約47.6のAUC脾臓:AUC血清比、約5.64のAUC:AUC血清比、約17.3のAUC腎臓:AUC血清比、約2.69のAUC心臓:AUC血清比、約0.575のAUC全血:AUC血清比、約0.0281のAUC:AUC血清、または約0.000165のAUCBALF:AUC血清比(BALFは気管支肺胞洗浄液である)のうちの1つ以上を生じさせる。いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、AUC肝臓:AUC血清、AUC脾臓:AUC血清、AUC:AUC血清、AUC腎臓:AUC血清、AUC心臓:AUC血清について1より大きい比率を生じさせる。
理論に束縛されることなく、これらの組織へのrhAC(RVT−801)の分布は、薬物処置の全般的有効性に関して重要であると考えられる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、約0.25〜1.0時間のTmaxを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、約1.23μg/mL〜2.17μg/mLのCmaxを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、約1.37〜1.49*μg/mLのAUCを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACをヒト対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、図7に示されている値に従った、組織またはマトリックスでのCmaxまたはAUC0〜lastもしくはAUC組織/AUC血清を生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、肝臓組織での約138時間*μg/mLのAUC0〜lastを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、肝臓組織での13μg/mLの薬物に対するCmaxを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、脾臓組織での約70.9時間*μg/mLのAUC0〜lastを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、脾臓での約7.58μg/mLの薬物に対するCmaxを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、腎臓組織での約25.8時間*μg/mLのAUC0〜lastを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量の(rhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、腎臓組織での約2.61μg/mLの薬物に対するCmaxを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、心臓組織での約4.01時間*μg/mLのAUC0〜lastを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、心臓組織での約0.362μg/mLの薬物に対するCmaxを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、脳組織での約0.0419時間*μg/mLのAUC0〜lastを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、脳での約0.147μg/mLのCmaxを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、血液での約0.858時間*μg/mLのAUC0〜lastを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、脳での約1.23μg/mLの薬物に対するCmaxを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量の組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)をヒト対象に投与することを含み得、rhACは、BALFでの約0.000245時間*μg/mLのAUC0〜lastを提供する。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、BALFでの約0.00196μg/mLの薬物に対するCmaxを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、肺組織での約8.4時間*μg/mLのAUC0〜lastを生じさせる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhAC(すなわち、RVT−801)を腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られる薬物動態プロファイルに基づいて決定され得る、治療有効用量のrhACを対象に投与することを含み得、rhACは、健康なCD−1マウスにおいて、肺組織での約1.42μg/mLの薬物に対するCmaxを生じさせる。
追加の目的および利点は、一部は以下の説明に記載されており、一部は該説明から明らかであるか、または実施することによって知り得る。目的および利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘される構成要素および組み合わせによって実現および達成される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示および説明だけのものであり、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する付随する図面は、1つ(いくつか)の実施形態(複数可)を例示し、本説明とともに、本明細書で記載される原理を説明するのに役立つ。
実施例1に従って、1、3、および10mg/kgの用量のRVT−801を単回注射した後の、RVT−801で処置されたファーバー病マウスと同齢の健康な幼若CD−1マウスにおける血清RVT−801レベルの経時変化を示す。 実施例1に従って、1、3および10mg/kgの用量でRVT−801の単回注射した後の健康な幼若CD−1マウスにおける血清RVT−801の薬物動態測定基準を列挙する。 実施例1に従って、10mg/kgの用量のRVT−801を単回注射した後の、健康な同齢のCD−1マウス血清中のRVT−801濃度およびファーバー病マウスの血漿中のrhAC活性を示し、ファーバーマウスと同齢の親CD−1系統マウスの薬物動態プロファイとの間で同等であることを示している。 実施例2に従って、10mg/kgの用量の血清RVT−801を単回注射した後の、健康な幼若CD−1マウスの血清および様々な組織(肝臓、脾臓、腎臓、心臓、肺、および脳)におけるRVT−801濃度の経時変化を示す。 実施例2に従って、1、3、および10mg/kgの用量のRVT−801を単回注射した後の、健康な幼若CD−1マウスの肝臓組織におけるRVT−801濃度の時間経過を示す。 実施例2に従って、1、3、および10mg/kgの用量のRVT−801を単回注射した後の、健康な幼若CD−1マウスの脾臓組織におけるRVT−801濃度の時間経過を示す。 実施例2に従って、1、3、および10mg/kgの用量のRVT−801を単回注射した後の、健康な幼若CD−1マウスの血清、全血、肝臓組織抽出物、および脾臓組織におけるAUC0〜lastを比較する。 実施例2に従って、1、3、および10mg/kgの用量のRVT−801を単回注射した後の、健康な幼若CD−1マウスの血清ならびに肝臓および脾臓組織におけるRVT−801濃度から計算されたAUC組織/AUC血清 AUC比を示す。 実施例2に従って、10mg/kgの用量のRVT−801を単回注射した後の、健康な幼若CD−1マウスの血清、全血、および様々な組織抽出物(肝臓、脾臓、腎臓、肺、心臓、脳、および気管支肺胞洗浄液(BALF)におけるRVT−801濃度から計算したCmax、AUC0〜last、およびAUC組織/AUC血清を示す。 実施例2に従って、10mg/kgの用量のRVT−801を単回注射した後の、健康な幼若CD−1マウスの様々な組織におけるAUC組織/AUC 血清の組織分布および比較を示す。 実施例3に従って、ファーバーマウスの肝臓および脾臓における蓄積されたセラミドの減少に関する、10mg/kgのMEDから推定される体表面積(BSA)によってスケール調整された推定ヒト等価用量(HED)を示す。 実施例3に従って、肝臓および脾臓における蓄積されたセラミドの減少に関して、ファーバーマウスでの10mg/kgのMEDから推定される組織対体重比によりスケール調整された組織特異的HEDを示す。 実施例3に従って、(1)BSAに基づくHED計算、および(2)組織対体重比に基づくHED計算の両方の結果を示す。 本出願におけるRVT−801のHEDの実施形態と承認された酵素補充療法(ERT)の投与との比較を示す。 RVT−801を単回または毎週反復で10mg/kg投与した後の、ファーバーマウスの肝臓、脾臓、および腎臓における平均rhAC濃度−時間データを示す。 RVT−801を単回10mg/kg投与した後の、健康な同齢CD−1マウスにおけるrhAC血清濃度およびファーバーマウスにおける酸性セラミダーゼ血漿活性に関するデータを示す。 RVT−801を単回10mg/kg投与した後の、健康な幼若CD−1マウスにおける最終rhAC組織:血清AUC比を示す。 CD−1およびファーバーマウスにRVT−801の単回10mg/kgIPボーラス注射した後の循環中のrhACを示す。 CD−1およびファーバーマウスにRVT−801を単回10mg/kgボーラスIP注射した後の循環中および主要組織におけるrhAC濃度を示す。 RVT−801を単回10mg/kgボーラスIP注射した後の、(ファーバー(白抜きの記号)および同齢CD−1(黒塗りの記号))マウスの肝臓(図18A)、脾臓(図18B)、腎臓(図18C)、肺(図18D)、および心臓(図18E)における、個々のrhAC濃度−時間データを示す(1時点あたりn=3)。 実施例5に従って、ボーラスIP注射により投与されたRVT−801の単回10mg/kg投与後または10mg/kg/投与での週1回の複数回投与後のいずれかのファーバーマウス(白抜きの記号)および同齢CD−1マウス(黒塗りの記号)の循環(図19A)、肝臓(図19B)、脾臓(図19C)、腎臓(図19D)、心臓(図19E)、肺(図19F)、およびの脳(図19G)組織における平均rhAC濃度を示す。 それぞれ、RVT−801−9013パートBにおける幼若CD−1マウスへのIP投与後の平均rhAC組織濃度−時間プロファイルを示す(線形図20Aおよび対数線形図20B)。 幼若CD−1マウスに1mg/kg、3mg/kg、および10mg/kgのRVT−801を単回投与した後の、AUClastに基づくBALF、血液、脳、心臓、腎臓、肝臓、肺、および脾臓におけるRVT−801組織:血清曝露比を示す。 幼若CD−1マウスに1mg/kg、3mg/kg、および10mg/kgの用量のRVT−801をIP投与した後の様々な組織について、投与レベルに対してプロットされた用量正規化AUCを示す。
配列の説明
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本明細書で使用する場合「a」または「an」という用語は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する。
本明細書で使用する場合「約」という用語は、数値が概算であり、小さな変動が開示された実施形態の実施に大きな影響を及ぼさないことを意味する。数値の限定が使用される場合、文脈によってそうでないことが示されない限り、「約」は、数値が±10%変動し、開示された実施形態の範囲内に留まり得ることを意味する。
本明細書で使用する場合「酸性スフィンゴミエリナーゼ活性」または「ASM活性」は、ACに強く結合し、該ACと共精製する、関連する脂質ヒドロラーゼを指す(Bernardo,K.,R.Hurwitz,T.Zenk,R.J.Desnick,K.Ferlinz,E.H.Schuchman,and K.Sandhoff,1995,“Purification,characterization,and biosynthesis of human acid ceramidase,”J Biol Chem,270:11098−11102)。
本明細書で使用する場合「動物」という用語は、ヒト、ならびに野生動物、家畜(domestic animal)、および家畜(farm animal)などの非ヒト脊椎動物を含むが、これらに限定されない。動物は「対象」とも称し得る。
本明細書で使用する場合「担体」という用語は、化合物と共に投与される希釈剤、補助剤(adjuvant)、または賦形剤を意味する。薬学的担体は、水および油などの液体であり得、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などの石油、動物、植物または合成起源のものを含む。薬学的担体はまた、生理食塩水、アカシアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイドシリカ、尿素などであり得る。さらに、補助剤(auxiliary)、安定剤、増粘剤、潤滑剤、および着色剤を使用することができる。
本明細書で使用する場合「小児」とは、新生児から18歳までの年齢を指す。
本明細書で使用する場合、「含む(comprising)」(ならびに「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含まれる(comprised)」などの任意の形式の含む(comprising))、「有する(having)」(ならびに「有する(have)」および「有する(has)」などの任意の形式の有する(having))、「含む(including)」(ならびに「含む(includes)」や「含む(include)」などの任意の形式の含む(including))、または「含む(containing)」(ならびに「含む(contains)」や「含む(contain)」などの任意の形式の包む(containing))は、包括的またはオープンエンドであり、追加の示されていない要素または方法工程を除外しない。さらに、「含む(comprising)」という用語と併せて使用される用語は、「からなる」または「本質的にからなる」という用語と併せて使用できることが理解される。
本明細書で使用する場合「接触させる」という用語は、インビトロ系またはインビボ系において2つの要素を引き合わせることを意味する。例えば、個体、対象、または細胞へrhACポリペプチドを「接触させる」ことは、ポリペプチドをヒトなどの個体または患者に投与すること、ならびに例えば、化合物をポリペプチドを含む細胞または精製された調製物を含む試料に導入することを含む。さらに、接触させることは、ポリペプチドをコードする核酸分子で細胞をトランスフェクトすることまたは感染させることを指し得る。
本明細書で使用する場合、「ファーバーマウス(Farber mouse)」、「ファーバーマウス(Farber mice)」、「ファーバー病マウス(Farber disease mice)」、および「ファーバー病マウス(Farber disease mouse)」は、重度のファーバー病マウスモデル(Asah1P361R/P31R6)を意味する。ファーバーマウスは、重度のファーバー病患者の遺伝子型に基づくマウスモデルである。前述されているようにして(Alayoubi,A.M.,J.C.Wang,B.C.Au,S.Carpentier,V.Garcia,S.Dworski,S.El−Ghamrasni,K.N.Kirouac,M.J.Exertier,Z.J.Xiong,G.G.Prive,C.M.Simonaro,J.Casas,G.Fabrias,E.H.Schuchman,P.V.Turner,R.Hakem,T.Levade,and J.A.Medin,2013,Systemic ceramide accumulation leads to severe and varied pathological consequences,EMBO Mol Med,5:827−842)、重度のファーバー病患者の遺伝子型に基づき、単一ヌクレオチドAsah1P361R/P361R変異についてホモ接合であるノックインマウスは、重度のファーバー病のマウスモデルを確立するために混合した遺伝的背景のコロニー(W4/129Sv/CD−1)(「CD−1マウス」)から導出された。ファーバーマウスは、Asah1遺伝子での単一ヌクレオチド変異についてホモ接合であるノックインマウスで確立されている。ファーバー(Asah1P361R/P31R6)マウスは、セラミドをそれらのスフィンゴシンおよび脂肪酸成分に加水分解できない、変更されたACを生成する。これらのファーバーマウスは、野生型(Asah1WT/WT)またはヘテロ接合(Asah1WT/P361R)同腹子と比較して有意に阻害された発育速度および短い寿命と共に、骨形成破壊および関節内組織の形態変化(morphology)、脂質担持マクロファージの存在、ならびに全身性炎症を含む、臨床的なファーバー病に特徴的な特性を示す。
対象に送達される酵素の「有効量」は、ファーバー病の臨床経過を改善するのに十分な量であり、臨床的改善は、当業者に周知の様々な定義されたパラメータのいずれかによって測定される。
本明細書で使用する場合、「対象」、「個体」、または「患者」という用語は、互換的に使用され、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、またはヒトなどの霊長類などの哺乳動物を含む、任意の動物を意味する。
本明細書で使用する場合「それを必要とする」という語句は、対象が特定の方法または処置を必要としていると同定されることを意味する。いくつかの実施形態では、同定は、任意の診断手段によるものであり得る。本明細書に記載の方法および処置のいずれかにおいて、対象はそれを必要とし得る。
本明細書で使用する場合「X〜Yの整数」という語句は、端点を含む任意の整数を意味する。例えば、「1〜5の整数」という語句は、1、2、3、4、または5を意味する。
本明細書で使用する場合「単離された」という用語は、本明細書に記載の化合物が、従来の技術などによって、(a)植物もしくは細胞などの天然供給源、または(b)合成有機化学反応混合物のいずれかの他の成分から分離されることを意味する。
本明細書で使用する場合「哺乳動物」という用語は、げっ歯類(すなわち、マウス、ラット、またはモルモット)、サル、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、またはヒトを意味する。いくつかの実施形態では、哺乳動物はヒトである。
本明細書で使用する場合「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織との接触での使用に好適な化合物、材料、組成物、および/または剤形を意味する。いくつかの実施形態では、「薬学的に許容される」は、動物、より具体的にはヒトでの使用のために、連邦政府もしくは州政府の規制機関によって承認されているか、または米国薬局方もしくは他の一般的に認められている薬局方に列挙されていることを意味する。
本明細書で使用する場合「血清」という用語は、「血清」、「血漿」、または「全血」を含むがこれらに限定されない、任意の血液由来のマトリックスを意味する。
本明細書で使用する場合「実質的に単離された」という語句は、化合物が形成または検出される環境から少なくとも部分的または実質的に分離されている化合物を意味する。
本明細書で使用する場合「治療有効量」という語句は、研究者、獣医、医師、または他の臨床医によって組織、系、動物、個体、またはヒトにおいて求められている生物学的または医学的応答を生じさせる活性化合物または医薬品の量を意味する。治療効果は、処置される障害または所望の生物学的効果に依存する。したがって、治療効果は、障害に関連する症状の重症度の低下および/もしくは障害の進行阻害(部分的もしくは完全)、または障害もしくは副作用効果の改善された処置、治癒、予防、もしくは排除であり得る。治療応答を生じさせるために必要な量は、対象の年齢、健康状態、サイズ、および性別に基づいて決定することができる。最適な量はまた、処置に対する対象の応答のモニタリングに基づいて決定することができる。
当業者に既知の任意の方法を使用して、疾患状態および治療の有効性をモニタリングしてもよい。疾患状態の臨床モニターには、セラミドレベル、体重、関節の長さ、炎症、またはファーバー病に関連することが既知である任意の他の臨床表現型が含まれてもよいが、これらに限定されない。
本明細書で使用される、「処置する(treat)」、「処置された(treated)」、または「処置する(treating)」という用語は、目的が望ましくない生理学的状態、障害、もしくは疾患を抑制する(軽減する)か、または有益もしくは所望の臨床的結果を得ることである、治療的処置および予防的手段の両方を意味する。例えば、有益なまたは所望の臨床結果には、症状の緩和;状態、障害、もしくは疾患の程度の減少;状態、障害、もしくは疾患状態の安定(すなわち悪化していない)状態;状態、障害、もしくは疾患の進行の開始遅延または減速;検出可能かもしくは検出不能かに関わらず、状態、障害、もしくは疾患状態の緩和、または寛解(部分的または全体的のいずれでも);必ずしも患者が認識できるとは限らない、少なくとも1つの測定可能な物理的パラメータの改善;あるいは状態、障害、もしくは疾患の改善増強または改善が含まれるが、これに限定されない。したがって、「ファーバー病の処置」または「ファーバー病を処置すること」は、ファーバー病または本明細書に記載の他の状態に関連する一次事象または二次症状のいずれかを緩和または改善する活動を意味する。
さらに、明確にするために別々の実施形態の文脈で記載されている本明細書に記載の特定の特徴は、組み合わせて単一の実施形態で提供することもできることを理解されたい。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている様々な特徴は、別々に、または任意の好適なサブコンビネーションで提供することもできる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。いくつかの実施形態では、それを必要とする対象は、ファーバー病と診断されている。いくつかの実施形態では、対象はまた、以下を有すると同定される:1)皮下結節、2)白血球、培養皮膚線維芽細胞、または対照値の30%未満の他の生物学的供給源(例えば血漿)の酸性セラミダーゼ活性値、ならびに/または3)バイオインフォマティクス、遺伝子発現研究、および/または他の方法を介して、酸性セラミダーゼタンパク質の機能喪失の可能性を示す、酸性セラミダーゼ遺伝子(ASAH1)の両方の対立遺伝子内のヌクレオチド変化。いくつかの実施形態では、方法は、約0.1mg/kg〜約50mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約0.8mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト成人対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1.2mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト小児に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg〜約5mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するかまたは有している疑いのある対象において脂肪肉芽腫を軽減する方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。いくつかの実施形態では、方法は、約0.1mg/kg〜約50mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約0.8mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト成人対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1.2mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト小児に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg〜約5mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有しているかまたは有している疑いのある対象において絶対的または正規化脾臓重量を低下させる方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。いくつかの実施形態では、方法は、約0.1mg/kg〜約50mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約0.8mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト成人対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1.2mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト小児に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg〜約5mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するかまたは有している疑いのある対象においてセラミドレベルを低下させる方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。いくつかの実施形態では、方法は、約0.1mg/kg〜約50mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約0.8mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト成人対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1.2mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト小児に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg〜約5mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
セラミドの低下は、セラミドの減少、またはセラミドレベルの低下をもたらすセラミドの代謝の増加を指すこともできる。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有するかまたは有している疑いのある対象においてスフィンゴシンレベルを増加させる方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。いくつかの実施形態では、方法は、約0.1mg/kg〜約50mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約0.8mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト成人対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1.2mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト小児に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg〜約5mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
本明細書には様々な医薬組成物が記載されており、患者および医師の好みに基づいて使用することができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、医薬組成物は溶液である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、rhACを含む細胞馴化培地を含む。本明細書で使用する場合「細胞馴化培地」という用語は、rhACを発現する細胞を培養するために使用される細胞培養培地を指し、タンパク質が培地に分泌され、次いでタンパク質が培地から単離または精製される。いくつかの実施形態では、対象を処置するために、培地が使用される。培地は、例えば、本明細書に記載の状態、症状、または障害のいずれかを処置するために対象の皮膚に適用することができる。
本明細書に記載の投与経路に加えて、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、対象の皮膚に接触させることにより投与される。いくつかの実施形態では、投与は、非経口投与である。いくつかの実施形態では、投与は、医薬組成物を対象に注射することを含む。いくつかの実施形態では、投与は、腹腔内注射または静脈内注射である。いくつかの実施形態では、投与は、経口投与である。
いくつかの実施形態では、ファーバー病の処置を必要とする対象においてファーバー病を処置する方法が提供され、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させること、発現rhACを細胞から単離すること、および約0.1mg/kg〜約50mg/kgの有効量の単離された発現rhACを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約0.8mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト成人対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1.2mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト小児に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg〜約5mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有しているかまたは有している疑いのある対象において脂肪肉芽腫を低減させる方法が提供され、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させること、発現rhACを細胞から単離すること、および約0.1mg/kg〜約50mg/kgの有効量の単離された発現rhACを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約0.8mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト成人対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1.2mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト小児に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg〜約5mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有しているかまたは有している疑いのある対象において脂肪肉芽腫症(現在、ファーバー病)を処置することを含む方法が提供され、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させること、発現rhACを細胞から単離すること、および約0.1mg/kg〜約50mg/kgの有効量の単離された発現rhACを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約0.8mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト成人対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1.2mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト小児に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg〜約5mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、ファーバー病に有しているかまたは有している疑いのある対象において脾臓重量(絶対的または体重に対して正規化)を低下する方法が提供され、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させること、発現rhACを細胞から単離すること、および約0.1mg/kg〜約50mg/kgの有効量の単離された発現rhACを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約0.8mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト成人対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1.2mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト小児に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg〜約5mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、ファーバー病に有しているかまたは有している疑いのある対象においてセラミドを低下させる方法が提供され、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させること、発現rhACを細胞から単離すること、および約0.1mg/kg〜約50mg/kgの有効量の単離された発現rhACを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約0.8mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト成人対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1.2mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト小児に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg〜約5mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、ファーバー病を有しているかまたは有している疑いのある対象においてスフィンゴシンを増加させる方法であって、該方法は、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させること、発現rhACを細胞から単離すること、および約0.1mg/kg〜約50mg/kgの有効量の単離された発現rhACを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約0.8mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト成人対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1.2mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物をヒト小児に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約1mg/kg〜約5mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を細胞中で発現させることは、rhACをコードするベクターを細胞に移入することを含む。いくつかの実施形態では、ベクターは、rhACをコードする核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、本明細書に記載の分子、または本明細書により詳細に記載されているrhACポリペプチドもしくはそのホモログをコードする任意の他の核酸分子である。いくつかの実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。例えば、ベクターは、レトロウイルスベクター、またはアデノウイルス、AAVなどのDNAウイルスベクターであり得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、プラスミドである。いくつかの実施形態では、ベクターは、rhACに作動可能に連結されたプロモーターを含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは、構成的プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは、SV40プロモーター、CMVプロモーター、EF1αプロモーター、もしくはそれらの任意の組み合わせ、または哺乳動物細胞において活性である任意の他のプロモーターである。
いくつかの実施形態では、ベクターは、細胞にトランスフェクトするかまたは感染させる。ベクターを細胞に導入する方法は重要ではなく、細胞中でrhACポリペプチドの十分な発現を提供するために任意の方法を使用することができる。
いくつかの実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞はヒト細胞ではない。いくつかの実施形態では、細胞はハムスター細胞である。いくつかの実施形態では、細胞はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、無血清または実質的に無血清環境で増殖させることができる。いくつかの実施形態では、細胞はCHO−K1細胞に由来する。いくつかの実施形態では、細胞はマウス細胞である。いくつかの実施形態では、細胞はマウス骨髄腫細胞である。いくつかの実施形態では、細胞はNS0細胞である。いくつかの実施形態では、投与される有効量は、本明細書の上記および下記に記載される通りである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載のように投与される。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、対象に、経口、吸入、鼻腔内注入、局所、経皮、非経口、皮下、静脈内注射、動脈内注射、筋肉内注射、胸腔内、腹腔内、髄腔内、または粘膜への適用により投与される。
本明細書で使用する場合、「rhAC」または「AC」という用語は、ASAH1遺伝子(NCBI UniGene GeneID No.427)によってコードされる組換えヒト酸性セラミダーゼを指す。ACは、脂質セラミドのスフィンゴシンおよび脂肪酸部分を連結するアミド結合を加水分解する(Park,J.−H.,Schuchman E.H.,2006,“Acid ceramidase and human disease,”Biochim.Biophys.Acta.1758(12):2133−2138;Nikolova−Karakashian et al.,2000,“Ceramidases,”Methods Enzymol.311:194−201(2000);Hassler et al.,1993,“Ceramidase:Enzymology and metabolic roles,”Adv.Lipid Res.26:49−57)。両方のASAH1対立遺伝子の変異により、ファーバー病が生じ得る。
現在までに記述されているセラミダーゼには3つの型がある(Nikolova−Karakashian、2000)。これらは、酵素活性の最適pHに従って、酸性、中性、およびアルカリ性セラミダーゼとして分類される。ACは、pH<5で最適な酵素活性を有する。ヒトACは、クローン化された最初のセラミダーゼであった(Koch et al.,1996,“Molecular Cloning and Characterization of a Full−length Complementary DNA Encoding Human Acid Ceramidase:Identification Of The First Molecular Lesion Causing Farber Disease,”J.Biol.Chem.271:33110−33115)。これはリソソームに局在し、主にセラミドの異化に関与している。遺伝的欠陥に因るこの酵素の機能不全は、脂肪肉芽腫症またはファーバー病と呼ばれるスフィンゴ脂質症を生じさせる(Koch et al.,1996,“Molecular Cloning and Characterization of a Full−length Complementary DNA Encoding Human Acid Ceramidase:Identification Of The First Molecular Lesion Causing Farber Disease,”J.Biol.Chem.271:33110−33115,Young et al.,2013,“Sphingolipids:regulators of crosstalk between apotosis and autophagy,”J.Lipid.Res.54:5−19)。
AC(N−アシルスフィンゴシンデアシラーゼ、IUBMB酵素番号EC3.5.1.23)タンパク質は、いくつかの供給源から精製されており、ヒトおよびマウスcDNAおよび遺伝子が取得されている。Bernardo et al.,J.Biol.Chem.270:11098−102(1995);Koch et al.,J.Biol.Chem.2711:33110−5(1996);Li et al.,Genomics 50:267−74(1998);Li et al.,Genomics 62:223−31(1999)を参照のこと。これは、ASAH1遺伝子(NCBI UniGene GeneID No.427)の産物であるAC前駆体タンパク質の切断を介して生成される(Ferlinz et al.,J.Biol.Chem.276(38):35352−60(2001)を参照のこと)。ACタンパク質[ホモサピエンス](NCBIアクセッション番号AAC50907)を配列番号1に示す。
ACのαサブユニットは、22位のアミノ酸で始まり、142位まで続く(配列表の配列番号1において太字で示されている)。ACのβサブユニットは、143位のアミノ酸で始まり、395位まで続く(配列番号1において斜体で示されている)。
本明細書で使用する場合、「活性酸性セラミダーゼ」、「活性AC」または「活性化形態のAC」、または同様の語句は、活性形態(α−およびβ−サブユニットからなる)への自己タンパク質分解切断を受けた、AC前駆体タンパク質を指す。ヒトACの切断および活性化のメカニズムは、(Shtraizent,N.,E.Eliyahu,J.H.Park,X.He,R.Shalgi and E.H.Schuchman,2008,“Autoproteolytic cleavage and activation of human acid ceramidase,”J Biol Chem,283(17):11253−11259)で報告されている。活性化は、細胞内環境によっても促進され、種にわたってセラミダーゼ前駆体タンパク質の切断部位における高度に保存された配列に基づき、全てではないにしても、ほとんどの細胞型で発生すると予想される。
本明細書で使用する場合、「不活性酸性セラミダーゼ」、「不活性AC」、または「不活性酸性セラミダーゼ前駆体」、「不活性AC前駆体」、または(ACプレタンパク質)は、活性型への自己タンパク質分解切断を受けていないAC前駆体タンパク質を指す。本発明のこの態様および全ての態様の組換え酸性セラミダーゼでの使用に好適な不活性AC前駆体および活性ACは、組織、細胞、および/または処置される対象に対して同種(すなわち、同じ種に由来する)または異種(すなわち、異なる種に由来する)であり得る。酸性セラミダーゼ(例えばAC)前駆体タンパク質は、自己タンパク質分解により切断されて活性型(αサブユニットおよびβサブユニットからなる)となる。ヒトAC切断および活性化のメカニズムは、(Shtraizent,2008)で報告されている。活性化は、細胞内環境によっても促進され、種にわたってセラミダーゼ前駆体タンパク質の切断部位における高度に保存された配列に基づき、全てではないにしても、ほとんどの細胞型で発生すると予想される。したがって、本明細書で使用されるセラミダーゼは、活性セラミダーゼおよびセラミダーゼ前駆体タンパク質の両方を含み、セラミダーゼ前駆体タンパク質は、自己タンパク質分解切断によって活性セラミダーゼタンパク質に変換される。前駆体タンパク質が目的の細胞によって取り込まれ、それによって活性セラミダーゼに変換される実施形態、および前駆体タンパク質が異なる細胞または作用物質(例えば、培養物中に存在する)によって活性セラミダーゼに変換される実施形態の両方が企図される。
本発明のこの態様および全ての態様で使用することができる活性ACおよび不活性AC前駆体タンパク質には、US 2016/0038574の表1に記載されているものが含まれるが、それらに限定されず、その内容は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
Figure 2021512853
いくつかの実施形態では、rhACは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。
「RVT−801」は、ファーバー病の処置のための活性化形態の組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)である。活性化rhACのαおよびβサブユニットは、ジスルフィド結合によって結合される。この分子は、rhACを発現するDNAプラスミドベクターでトランスフェクトされたCHO−M細胞に由来する組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)である。RVT−801は、UniProtKBコード:Q13510に基づく。
RVT−801rhACの治療効果は、重度のファーバー病のマウスモデルで確立されており(He,et al,2017)、複数の研究で特徴付けられ、評価項目は、蓄積されたセラミドの減少を伴って、組織病理学的および免疫学的転帰に対するプラスの影響を記述している。
いくつかの実施形態では、rhACは、配列番号1のホモログであるタンパク質である。いくつかの実施形態では、rhACは、配列番号2の核酸分子によってコードされる。いくつかの実施形態では、rhACは、配列番号3の核酸分子によってコードされる。いくつかの実施形態では、rhACは、配列番号4の核酸分子によってコードされる。いくつかの実施形態では、配列は、GenBankアクセッション番号NM_177924.3またはNM_177924.4で定義される通りであり、それらの各々は、その全体が参照により組み込まれる。タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、配列番号2、配列番号3、または配列番号4に示される完全な配列であるか、または単に配列のコード領域であり得る。コード領域は、例えば、配列番号2のヌクレオチド313〜1500、または配列番号3もしくは配列番号4に見出される対応するコード領域であり得る。しかしながら、当業者に周知のように、遺伝暗号は縮重し、したがって、開示されているものの範囲外になることなく、他のコドンを使用して同じタンパク質をコードすることができる。アミノ酸配列は既知であるため、アミノ酸配列をコードする任意のヌクレオチド配列が許容される。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列はシグナルペプチドを含む。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号2のヌクレオチド313〜375によってコードされるアミノ酸配列である。いくつかの実施形態では、生成されるタンパク質は、配列番号1のアミノ酸残基1〜21のシグナルペプチドを含む。いくつかの実施形態では、生成されるタンパク質は、配列番号1のアミノ酸残基1〜21のシグナルペプチドなどのシグナルペプチドを含まない。いくつかの実施形態では、シグナルペプチドは、酵素が異なるサブユニットに処理される翻訳後処理中に除去される。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド配列は、タンパク質が発現される細胞に対して最適化されたコドンである。いくつかの実施形態では、タンパク質は、αサブユニット、βサブユニットなどを含む。いくつかの実施形態では、生成されるタンパク質は、配列番号1のアミノ酸残基22〜142、45〜139、134〜379、143〜395、または1〜395のペプチドを含む。ペプチドは、単一のタンパク質または酵素を形成するための異なる配列のポリペプチドであり得る。いくつかの実施形態では、タンパク質はアミノ酸残基1〜21を含まない。これらの領域は、単一のヌクレオチド配列もしくは別々のヌクレオチド配列またはヌクレオチド配列の組み合わせによってコードされ得る。本明細書で論じるように、タンパク質をコードする任意のヌクレオチド配列を使用することができ、配列番号2、配列番号3、または配列番号4として本明細書に記載されている配列に限定されない。
いくつかの実施形態では、rhACは、酸性セラミダーゼ(AC)活性を有するが、以下の実施例1および2で生成されるrhACなどの検出可能な酸性スフィンゴミエリナーゼ活性を有しない。酸性スフィンゴミエリナーゼ活性は、例えば、熱不活化により除去してもよい。熱不活化により、rhAC調製物から他の汚染タンパク質が除去されてもよい。例えば、その全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20160038574号を参照のこと。
「ホモログ」という用語は、参照配列に対して80%〜100%の配列同一性を有するタンパク質配列を指す。2つのペプチド鎖間の同一性パーセントは、Vector NTI v.9.0.0(Invitrogen Corp.,カールスバッド、カリフォルニア州)のAlignXモジュールのデフォルト設定を使用したペアワイズアラインメント(pair wise alignment)によって決定することができる。いくつかの実施形態では、ホモログは、本明細書に記載の配列、例えば、配列番号1と、少なくとも80、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%、または約80、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%の同一性を有する。
いくつかの実施形態では、対象に送達されるタンパク質は、本明細書に記載の配列と比較して保存的置換。表3に示される非限定的な例示的保存的置換は、開示された主題の範囲内に含まれる。酵素の機能、例えば安定性または酵素活性を改善するために、置換してもよい。保存的置換により、そのような改変がなされる分子と同様の機能的および化学的特徴を有する分子が生成される。例示的なアミノ酸置換を以下の表3に示す。
Figure 2021512853
本明細書で使用される場合「と組み合わせて」という用語は、記載された薬剤を、単一の薬剤として同時に、または任意の順序で単一の薬剤として逐次、混合物中で一緒に対象に投与することができることを意味する。
本明細書に記載のように、いくつかの実施形態では、タンパク質は細胞から生成される。いくつかの実施形態では、細胞は、チャイニーズハムスター卵巣細胞である「CHO細胞」である。本明細書に記載のタンパク質をコードする核酸配列は、本明細書に記載のタンパク質の少なくとも1つをコードするゲノムDNAもしくはcDNAまたはRNA(例えば、mRNA)であり得る。cDNAの使用は、所望のタンパク質の合成を達成するために、宿主細胞に適切な遺伝子発現要素が遺伝子と組み合わされることを必要とする。cDNA配列は、適切なRNAスプライシングシステムを欠く細菌中または他の宿主中で発現され得るという点で、cDNA配列の使用はゲノム配列(イントロンを含む)よりも有利であり得る。当業者は、タンパク質を発現するための最良のシステムを決定することができる。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、その全体が参照により組み込まれる米国特許出願公開第20160038574号に従って生成される。
遺伝暗号は縮重するため、特定のアミノ酸をコードするために2つ以上のコドンを使用することができる。遺伝暗号を使用して、1つ以上の異なるオリゴヌクレオチドを同定することができ、それらの各々は、本明細書に記載のアミノ酸配列をコードすることができるであろう。
ファーバー病またはそれに関連する状態を処置するために対象に投与される酵素は、精製され得る。タンパク質に関して「精製された」という用語は、その自然環境において分子と関連する他の物質を実質的に含まないタンパク質を指す。例えば、精製されたタンパク質は、該タンパク質が由来する細胞または組織由来の細胞物質または他のタンパク質を実質的に含まない。この用語は、単離されたタンパク質が分析するのに十分な純度であるか、または少なくとも70%〜80%(w/w)の純度、少なくとも80%〜90%(w/w)の純度、90〜95%の純度、および少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%(w/w)の純度の調製物を指す。いくつかの実施形態では、タンパク質は、限定するものではないがCHO細胞などの細胞から精製される。
タンパク質を含む投与、組成物、およびキット
本明細書に記載のように、本明細書に提供される実施形態は、ファーバー病を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、治療または予防有効量の、本明細書に記載の1つ以上のタンパク質をファーバー病を有する患者またはファーバー病を有している疑いのある対象に投与することを含む。
対象の処置は、治療有効量の本明細書に記載のタンパク質の投与を含んでもよい。
タンパク質は、本明細書に記載のキットで提供され得る。
タンパク質は、単独で、または追加の治療剤と混合して使用または投与することができる。追加の治療剤の例には、酸性スフィンゴミエリナーゼ阻害剤(例えば、アミトリプチリン(Becker et al.,|2010,“Acid Sphingomyelinase Inhibitors Normalize Pulmonary Ceramide and Inflammation in Cystic Fibrosis,”Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.,42:716−724、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)およびセラミドシンターゼ阻害剤(例えば、Shiffmann,S.,Hartmann,D.,Birod,K.,Ferreiros,N.,Schreiber,Y.,Zivkovic,A.,Geisslinger,G.,Grosch,S.,and Stark,H.,2012,“Inhibitors of Specific Ceramide Synthases,”Biochimie,94(2):558−565、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)が含まれるが、これらに限定されない。追加の治療剤は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20160038574号に記載のセラミダーゼ混合物であり得る。
セラミド蓄積の低下を実証したファーバー病の本発明者らの現在の研究で示されているように、酵素補充療法(ERT)は効果的であり得るが、薬物、すなわち、その効力を低下し得る補充酵素に対する抗体が生じ得る。ここで、本発明者らは、反復投与は忍容性が良好であることを示し、これは、疾患の症状の軽減をもたらす、補充酵素、特に本明細書および例えば米国特許出願公開第20160038574号に記載の方法に従って生成される酵素を反復投与する処置レジメンを支持する。
いくつかの実施形態では、ファーバー病の処置を必要とする対象においてファーバー病を処置する方法は、約1週間に1回間、2週間、3週間、もしくは4週に1回、または1ヶ月、約10週間、約20週間、もしくは約30週間、1年、5年、10年、または25年、もしくは患者の寿命に1回の、有効量の組換えヒト酸性セラミダーゼを含む医薬組成物を対象に投与することを含む。
好適なビヒクルならびにその製剤化およびパッケージングは、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(21st ed.,Troy,D.ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,Md.2005)Chapters 40 and 41)に記載されている。作用の持続時間を制御するために、追加の薬学的方法を使用してもよい。制御放出製剤は、化合物を錯化または吸収するためのポリマーの使用により達成してもよい。制御放出製剤によって作用の持続時間を制御する別の可能な方法は、ポリエステル、ポリアミノ酸、ヒドロゲル、ポリ(乳酸)、またはエチレン酢酸ビニルコポリマーなどのポリマー材料の粒子に、化合物を組み込むことである。あるいは、これらの薬剤をポリマー粒子に組み込む代わりに、これらの物質を、例えば界面重合で調製されたマイクロカプセル中に、例えば、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中に封入し、またはコロイド状薬剤送達システム中に、例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子、およびナノカプセル、またはマクロエマルション中に封入することがきる。
一般に、全身用量のタンパク質を投与する場合、約1ngkg〜100ng/kg、100ng/kg〜500ng/kg、500ng/kg〜1μg/kg、1μg/kg〜100μg/kg、100μg/kg〜500μg/kg、500μg/kg〜1mg/kg、1mg/kg〜50mg/kg、50mg/kg〜100mg/kg、100mg/kg〜500mg/kg(レシピエントの体重)の範囲であるタンパク質の投与量をレシピエントに提供することが望ましいが、より低いまたはより高い投与量を投与してもよい。
いくつかの実施形態では、ヒト成人におけるrhACの用量は、約0.8mg/kgである。いくつかの実施形態では、ヒト小児におけるrhACの用量は、約1.2mg/kgである。
いくつかの実施形態では、投与されるrhACの有効量は、約0.1mg/kg〜約10mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、約1mg/kg〜約5mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、約10mg/kg〜約50mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、約10mg/kg〜約20mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、約20mg/kg〜約30mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、約30mg/kg〜約40mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、約40mg/kg〜約50mg/kgである。いくつかの実施形態では、有効量は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10mg/kgである。
投与量は、1日に1回、1日に2回、1日に3回、1日に4回、1週間に1回、1週間に2回、2週間に1回、または1ヶ月に1回投与され得る。いくつかの実施形態では、用量は1週間に1回投与される。いくつかの実施形態では、用量は2週間に1回投与される。処置はまた、単回投与スケジュールで与えられてもよいし、または処置の主な経過が、1〜10回の別々の投与を伴い、続いて、応答を維持および/または増強するために必要な後続の時間間隔で他の投与が与えられ、例えば、2回目の投与については1週間に1回、1〜4ヶ月間であり、必要に応じて数ヶ月後にその後の投与(複数可)とする、複数回投与スケジュールで与えられてもよい。好適な処置スケジュールの例には、(i)0、1ヶ月、および6ヶ月、(ii)0、7日、および1ヶ月、(iii)0、および1ヶ月、(iv)0および6ヶ月、または疾患の症状を軽減するか、もしくは疾患の重症度を軽減することが予想される所望の応答を生じさせるのに十分な他のスケジュールが含まれる。上記のものなどであるがこれらに限定されない他の処置スケジュールも使用することができる。
本開示の特定の態様では、処置は、対象が新生児の場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10歳未満で、または1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜25、1〜50、1〜60、1〜70、もしくは1〜80歳(例えば、1〜2歳、1〜3歳など)で開始される。いくつかの実施形態では、対象は16〜61歳である。いくつかの実施形態では、対象は16歳で処置を開始する。いくつかの実施形態では、対象は12〜69歳である。いくつかの実施形態では、対象は12歳で処置を開始する。いくつかの実施形態では、対象は19〜74歳である。いくつかの実施形態では、対象は19歳で処置を開始する。いくつかの実施形態では、対象は4〜62歳である。いくつかの実施形態では、対象は4歳で処置を開始する。いくつかの実施形態では、対象は7〜42歳である。いくつかの実施形態では、対象は7歳で処置を開始する。いくつかの実施形態では、対象は新生児である。いくつかの実施形態では、対象は1〜6ヶ月である。いくつかの実施形態では、対象は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、または6ヶ月で処置を開始する。いくつかの実施形態では、対象は6〜43歳である。いくつかの実施形態では、対象は6歳で処置を開始する。いくつかの実施形態では、対象は5〜31歳である。いくつかの実施形態では、対象は5歳で処置を開始する。いくつかの実施形態では、対象は5〜57歳である。いくつかの実施形態では、対象は5〜29歳である。いくつかの実施形態では、対象は1〜3歳である。いくつかの実施形態では、対象は1歳で処置を開始する。いくつかの実施形態では、対象は10〜70歳である。いくつかの実施形態では、対象は10歳で処置を開始する。いくつかの実施形態では、対象は、5〜80歳、10〜70歳、20〜75歳、5〜60歳、または5〜30歳である。
いくつかの実施形態では、ファーバー病と診断された対象に、2週間ごとに、約1mg/kg〜約5mg/kgのrhACまたは約1mg/kg〜約5mg/kgのrhACを投与する。一実施形態では、投与量は、4週目に1mg/kgまたは2mg/kgから5mg/kgに増加させる。投与レベルが個々の対象によって忍容されない場合、その対象についての用量は、必要に応じて、2mg/kgから1mg/kgに減らすか、または5mg/kgから2mg/kgに減らしてもよい。rhACは、少なくとも10、20、もしくは30週間または対象の生存期間中、2週間ごとに投与してもよい。一実施形態では、対象はファーバー病と診断され、以下を有するとして同定される:1)皮下結節、および/もしくは2)対照値の30%未満である、白血球、培養皮膚線維芽細胞、または他の生物学的供給源(例えば、血漿)の酸性セラミダーゼ活性値、ならびに/または3)バイオインフォマティクス、遺伝子発現研究、および/または他の方法により、酸性セラミダーゼタンパク質の機能喪失の可能性を示す、酸性セラミダーゼ遺伝子(ASAH1)の両方の対立遺伝子内のヌクレオチド変化。いくつかの実施形態では、対象に、2週間ごとに28週間、rhACを投与する。いくつかの実施形態では、rhACの送達は、静脈内注入(例えば、生理食塩水注入)による。いくつかの実施形態では、約1mg/kgで開始し、約5mg/kgのrhACに増加させる(例えば、4週目で5mg/kgに増加させる)。
いくつかの実施形態では、静脈内注入は、時間の経過とともに(一般的には3.5〜4時間)、3mL/時間であってもよい。いくつかの実施形態では、用量は、第1の時間で全容積の3%の割合で注入され、用量の残りは、その後の2.5時間にわたって注入してもよい(すなわち、第2の時間の注入は、用量が投与されるまで、1時間あたり約40%の公称容積であってもよい)。個々の許容性にケースバイケースで対処できるようにするために、注入の最大時間を確立しない。注入は、インライン(in−line)の低タンパク質結合0.2ミクロンフィルターを介して投与される。用量は、前回の研究来院時に収集された体重に基づいて、各投与間隔で決定される体重(kg)に正規化される。
例えば、部位特異的投与は、関節内、気管支内、腹腔内、嚢内、軟骨内、腔内(intracavitary)、腔内(intracelial)、脳内、脳室内、結腸内、子宮頸内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、脊髄内、滑膜内、胸内圧、子宮内、膀胱内、病変内、膣内、直腸、経口、口腔内、舌下、鼻腔内、または経皮の手段などの体の区画または腔に対するものであってもよい。
本明細書に記載の治療用組成物は、非経口(皮下、筋肉内、もしくは静脈内)、または特に液体溶液もしくは懸濁液の形態での任意の他の投与の使用のために調製することができる。製剤はまた、注射可能な製剤に好適であり得る。いくつかの実施形態では、注射可能な製剤は無菌である。いくつかの実施形態では、注射可能な製剤は発熱物質を含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、本明細書に記載の抗原以外の他の抗原に結合する他の抗体を含まない。
ファーバー病もしくはrhAC活性に関連する他の状態を処置することができるrhACのタンパク質またはrhAに関連する病状を処置するための使用は、関連する症状または病状の軽減、解消、または改善に影響を与えるのに十分な量で対象に提供されることを意図している。そのような病状には、対象における本明細書に記載のファーバー病の症状が含まれる。薬剤の投与量、投与経路、および投与スケジュールがそのような応答に影響を与えるのに十分である場合、量は、症状の軽減に「影響を与える」のに十分または「治療有効量」であると言う。タンパク質に対する応答は、画像化技術または組織試料のエクスビボ分析などによる、対象の影響を受けた組織、臓器、または細胞の分析によって測定することができる。薬剤は、その存在がレシピエント患者の生理機能に検出可能な変化をもたらす場合、生理学的に重要である。いくつかの実施形態では、量は、対象が受けているファーバー病の症状を処置、改善、または抑制するために使用することができる量である場合、治療有効量である。そのような量の非限定的な例が本明細書に提供されているが、文脈が別の量を指示す場合、そのような量に限定されることは意図されていない。
いくつかの実施形態では、処置の有効性は、以下の手段のいずれかによって評価される:
●rhACによる28週間の処置後の正味結節(≧5mm)数のベースラインからの変化率。
●正味結節(≧10mm)数のベースラインからの変化率およびrhACによる28週間の処置後のプラセボとの比較。
●結節の総数(サイズに関係なく)のベースラインからの変化率、およびrhACによる28週間の処置後のプラセボとの比較。
●選択した関節の関節可動域のベースラインからの変化および変化率、ならびにrhACによる28週間の処置後のプラセボとの比較。
●6分間の歩行距離のベースラインからの変化および変化率、ならびにrhACによる28週間の処置後のプラセボとの比較。
●肺機能検査のベースラインからの変化および変化率、ならびにrhACによる28週間の処置後のプラセボとの比較。
●FDTスコアのベースラインからの変化および変化率、ならびにrhACによる28週間の処置後のプラセボとの比較。
●28週間にわたるrhACまたはプラセボによる処置中の年齢に対する体重および身長のZスコアのベースラインからの変化および変化率。
いくつかの実施形態では、ファーバーマウスまたは健康なマウスに異なる用量で投与した後のRVT−801の薬物動態は、非コンパートメント法に基づいて評価される。非コンパートメント薬物動態法は、特に、当該技術分野で既知の以下の測定基準を用いて、濃度−時間グラフの曲線下の面積を推定することにより、薬物への曝露を推定する。
Figure 2021512853
いくつかの実施形態では、処置の組織特異的有効性は、上記の非コンパートメント薬物動態法に基づいてRVT−801の組織特異的薬物動態を決定することによって評価される。
いくつかの実施形態では、ファーバー病マウスの有効用量に対応するRVT−801のヒト等価用量(HED)が推定される。本明細書でのHEDの非臨床評価は2つの方法に基づく:1)体表面積(BSA)による非臨床種とヒトとの間のスケール調整に関するFDAガイダンス、および2)臓器:セラミド蓄積の主要組織としてのおよびRVT−801の取り込みが優勢な肝臓および脾臓についての種間の体重比。
体表面積によるスケール調整:ファーバーマウスMED(最大有効用量)に対するベンチマークであり、ヒト成人または小児のBSAおよび体重に基づく、HED(ここで、HED=動物の用量*(動物の体重/ヒト体重)0.33は、60kgの成人では約0.81mg/kg、および15kgの小児では約1.2mg/kgの用量であることを示す。
臓器:体重比によるスケール調整:PK研究により、血管系からのクリアランスメカニズムが組織への取り込みおよび/または分布に関連していることが示されたため、組織重量対体重比が用量に影響を及ぼし、BSAモデルがそれ自体では十分に予測できない場合がある。HED=MED*(組織ヒト/BWヒト)/(組織マウス/BWマウス)を使用すると、マウスでの10mg/kgの用量は、ヒト成人および小児の肝臓および脾臓に基づき、ヒト成人での約3〜5mg/kgの用量に相当し、または15kgの小児では約4〜5mg/kgの用量に相当する。
いくつかの実施形態では、HEDは、上記の2つのスケール調整手法を組み合わせることによって決定してもよい。
タンパク質は、薬学的に有用な組成物を調製するために既知の方法に従って製剤化することができ、それにより、これらの材料またはそれらの機能的誘導体は、薬学的に許容される担体ビヒクルと混合して組み合わされる。
本明細書に記載の実施形態を実施するのに有用である、本明細書および以下に記載されるキットも提供される。いくつかの実施形態では、キットは、上記のポリペプチドを含むか、または該ポリペプチドに関連してパッケージ化された、第1の容器を含む。キットはまた、実施形態を実施するのに必要または便利な溶液を含むか、または該溶液に関連してパッケージ化された、別の容器を含んでもよい。容器はガラス、プラスチック、またはホイルで作ることができ、バイアル、ボトル、ポーチ、チューブ、バッグなどとすることができる。キットはまた、実施形態を実施するための手順などの書面の情報、または第1の容器手段に含まれる試薬量などの分析情報を含んでもよい。容器は、書面の情報と一緒に、別の容器装置、例えば箱または袋に入っていてもよい。
本明細書で提供されるさらに別の態様は、ファーバー病を処置するためのキットである。いくつかの実施形態では、キットは、rhACポリペプチドまたはこれをコードする核酸分子を含む少なくとも1つの容器を含む。いくつかの実施形態では、キットは、rhACを発現するように構成された細胞を含む容器を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、CHO細胞である。いくつかの実施形態では、キットは、rhACを発現する細胞由来の馴化培地を含む。いくつかの実施形態では、馴化培地は、CHO細胞に由来する。
次に、以下の実施例を参照して主題を説明する。これらの実施例は、例示のみを目的として提供され、特許請求の範囲は、これらの実施例に限定されると決して解釈されるべきではなく、本明細書で提供される教示の結果として明らかとなる全ての変形を包含すると解釈されるべきである。当業者は、本質的に同様の結果をもたらすために変更または改変され得る様々な重要でないパラメータを容易に認識するであろう。
本実施例は、後続の薬物動態学および組織分布モデリングを可能にするために、有効用量範囲にわたる投与後の重要な組織区画におけるrhACの配置を提供し、有効用量および組織曝露に基づいて、体表面積または臓器重量:体重比によってスケール調整されたヒト等価用量(HED)の予測をさらに提供する。
実施例1
有効用量範囲の腹腔内(i.p.)注射によるRVT−801の投与後のrhAC(RVT−801)の血清薬物動態プロファイルを、健康な幼若野生型CD−1マウス(Asah1P361R/P361Rマウスの親系統、(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、He et al.,2017を参照のこと))で評価した。rhAC(RVT−801)の生成および特性評価は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年9月24日に提出されたPCT/2018/052463(まだ未公開である)に従って行った。
生存中のプロトコル
約3.5週齢(幼若)の雄CD−1マウスに、1、3、または10mg/kgの単回ボーラスIP注射としてRVT−801を投与した。薬物動態分析用の血液試料は、心臓穿刺または各マウスから最大容積の血液試料を生成するための他の承認された手段により、各投与群において時点ごとに(投与前、注射後0.5、1、2、3、4、6)、3匹の動物から収集された。ELISAによるRVT−801濃度分析のために、各血液試料をその全体について直ちに処理して血清とした。
ELISAによるRVT−801バイオ分析
サンドイッチ酵素結合免疫吸着測定(ELISA)は、マウス血清中のRVT−801の定量に適している。この方法は、アフィニティ精製されたウサギ抗組換えヒトAC(rhAC、RVT−801)ポリクローナル抗体を捕捉用に使用し、アフィニティ精製された西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合ウサギ抗rhACポリクローナル抗体を検出用に使用する。RVT−801を使用して、標準曲線および制御範囲を確立する。生成されるシグナルは、アッセイの定義された範囲内の試料中のRVT−801の濃度に比例する。
詳細な2日間のアッセイ手順は次の通りである:1日目に、96ウェルの透明なポリスチレンプレートを100μLのCapture Reagent(PBS中の1μg/mLウサギ抗rhAC)でコーティングし、2〜8℃で一晩インキュベートした。他の全てのステップは2日目に行った。2日目の全てのインキュベーションは、振とうしながら(約300〜400rpm)、室温(RT)で行った。簡単に言えば、プレートを300μLの洗浄緩衝液(0.05%Tween−20を含む1×PBS、PBST)で3回洗浄し、最終洗浄後にペーパータオルで軽くたたいた。次に、プレートを1ウェルあたり300μLのアッセイ緩衝液(0.05%Tween20を含むカゼイン/TBS)で少なくとも1時間ブロッキングし、上記のように洗浄した。洗浄後、MRDに希釈した(アッセイ緩衝液中で50倍)100μLの校正標準、対照、および試料を各ウェルに添加し、プレートを約2時間インキュベートして、上記のように洗浄した。次に、100μLの検出試薬(アッセイ緩衝液中の0.2μg/mLのHRP結合ウサギ抗rhAC)を各ウェルに添加し、プレートを約1時間インキュベートし、上記のように洗浄した。洗浄後、100μLの冷基質溶液を各ウェルに添加し、プレートを暗所で最大30分間インキュベートした。650nm(A650)での吸光度を測定することにより、発色をモ二タリングした。A650が最高標準の0.9〜1.2になったとき、または必要に応じて、発色に基づいて反応を停止した。発色を停止するために、100μLの停止溶液を各ウェルに添加し、プレートを450nmで読み取り、波長補正を650nmに設定した。
非コンパートメント薬物動態分析
非コンパートメント薬物動態分析は、Certara WinNonlin Phoenixバージョン7.0により行った。曝露比およびグラフは、Microsoft ExcelおよびGraphPad Prismを使用して生成された。
結果
インビボでの酵素の薬物動態プロファイルを評価するために、健康な幼若CD−1マウスは、1、3、および10mg/kgの用量のrhAC(RVT−801)単回注射を受け、注射後0.5、1、2、3、4、および6時間での血清中のRVT−801濃度を決定した(図1)。図2に示すように、1、3、および10mg/kgのRVT−801の単回IP投与後、血清曝露(AUC、Cmax)は用量に比例して増加した。
RVT−801についての幼若CD−1マウスPKデータを以下に論じる。10mg/kgのRVT−801を投与した幼若CD−1マウスでの2つの研究を行った:
RVT−801−9013A−血清PKの特徴付けに焦点を当てた。以下のPKパラメータが観察された。
AUC1.37時間*μg/mL
max1.23時間*μg/mL
max1.0時間
RVT−801−9013B−RVT−801の組織分布および組織:血清曝露比に焦点を当てた。以下のPKパラメータが観察された。
AUC1.49時間*μg/mL
max2.17時間*μg/mL
max0.25時間
さらに、図3に示すように、野生型CD−1マウスの血清におけるRVT−801(腹腔内注射、10mg/kg)曝露の期間は、ファーバー病マウスにおける全身酸性セラミダーゼ(AC)活性と密接に相関した(黒丸の実線;国際出願第PCT/US18/13509号(その開示は参照によりその全体が組み込まれる)から複製)。この発見に基づいて、RVT−801薬物動態および組織特異的分布のさらなる評価を、有効性研究で使用した幼若ファーバーマウスと同齢の野生型CD−1マウスで行った。
実施例2
さらに、RVT−801の薬物動態および組織特異的分布を、野生型CD−1マウスの様々な臓器組織で評価した。
分析前の組織処理
組織ホモジネートは、プロテアーゼ阻害剤カクテルを添加して、Qiagen TissueLyser II(30Hzの周波数で各3分の3サイクル)で試料を処理することにより、CHAPS緩衝液中で調製した。ELISA検出の前に、組織ホモジネートを標準的な1mg/mL総タンパク質濃度に希釈した。タンパク質含有量が低いため、タンパク質濃度ではなく容積に基づき、検出用にBALF試料を処理した。
改変ELISAによる組織抽出物中のRVT−801の定量
RVT−801マウス血清の定量に適したELISA法を、マウス組織(血液、肝臓、脾臓、腎臓、心臓、肺、および脳)での定量に適合させた。
改変された方法には、組織溶解物の調製、ビシンコニン酸(BCA)アッセイを使用した総タンパク質の定量、および溶解緩衝液のRVT−801標準曲線の調製が含まれた。適合方法では、マウス血清品質制御試料のみの場合の最小必要希釈率(MRD)が50倍であった。標準試料および研究試料にはMRDを享受させなかった。生成された信号は、試料中のRVT−801の濃度に比例した。適合させたアッセイの定量化の下限および上限は、それぞれ0.400ng/mLおよび24.5ng/mLであった。測定されたRVT−801濃度は、必要に応じて、組織の均質化および溶解物希釈について補正した。
ELISAを行う前に、実現可能性(feasibility)研究を行った。実現可能性研究は以下を含んだ:1)RIPA緩衝液(150mM塩化ナトリウム、50mM Tris−HCl、pH 7.5、0.25%(w/v)デオキシコール酸、1%(v/v)NP−40)、CHAPS緩衝液(150mM塩化ナトリウム、50mM Tris−HCl、pH7.5、2%(w/v)CHAPS)、およびマウス血清で調製されたRVT−801標準曲線の比較、2)RIPAおよびCHAPS緩衝液中で調製されたRVT−801標準曲線に対する、マウス血清対照試料の回収率の比較、3)異なる溶解緩衝液(PBS、RIPA、およびCHAPS)を使用した異なる組織ホモジナイゼーション方法(氷上でのインキュベーション、30Hzでの3つのTissueLyserサイクル、30 Hzでの5つのTissueLyserサイクル、および超音波処理)後の、酸性ホスファターゼアッセイキット(Sigma CS0740)を使用した、リソソーム破壊の比較、4)CHAPS緩衝液での均質化後の、β−ガラクトシダーゼキット(Pierce75705)を使用したリソソーム破壊の確認、および5)CHAPS標準曲線に対する、異なる濃度レベルのRVT−801が入った組織溶解物の回収率の分析。均質化前に、AMペレットを除く全ての固体試料をチューブ中で計量した。空のチューブを各バッチの開始時に計量し、この重量を使用して各チューブの組織の重量を計算した。マウス肝密度(hepatic density)は文献より既知であるため、肝臓組織の溶解補正係数の計算のために、この値(1.051g/mL)を使用した。しかしながら、他の全ての組織は、1g/mLの密度であると推定された(図7を参照)。肺胞上皮粘液(ELF)濃度は、尿素含有量に基づく補正係数を気管支肺胞洗浄液(BALF)データに適用して、洗浄および収集時に試料の希釈を補正することにより、決定することができる。
薬物動態分析
実施例1と同様に、Certara WinNonlin Phoenixバージョン7.0を使用して、非コンパートメントPK分析を行った。
結果
循環からのRVT−801の主なクリアランスメカニズムは、セラミド蓄積に関係する重要な組織への取り込みである。図4に示すように、RVT−801は、様々な臓器組織(肝臓、脾臓、腎臓、肺、および心臓)にわたって広範囲に分布する。重要な組織におけるRVT−801の曝露は、血清よりも著しく高く、RVT−801が全身循環中で測定不能になった後も長期間持続する。この発見は、血清曝露に基づいて示されるよりも少ない頻度投与を支持し得る。急性RVT−801処置後の重要な臓器組織(肝臓、脾臓)での曝露期間の延長は、全身曝露の期間を超えて発生する組織セラミドの最大の減少と相関している。
肝臓および脾臓は、実施例1で上述したように、ファーバーマウスにおけるセラミド蓄積およびRVT−801取り込みの2つの重要な臓器である。図5Aおよび図5Bは、肝臓および脾臓組織抽出物中のRVT−801用量応答の経時変化をそれぞれ示し、組織におけるRVT−801曝露が用量(1、3、および10mg/kg)とともに増加したことを示している。RVT−801の最高濃度は、投与後約4時間で肝臓で達成され、血清レベルが検出不能であった最終のサンプリング時点(24時間)を超えても上昇したままであった。サンプリング時点間の変動は、おそらく幼若マウスの投与の複雑さ(約16gの体重)が原因で観察された。
さらに、RVT−801の薬物動態は、これら2つの重要臓器で評価された。図6Aに示すように、血清および全血のRVT−801と比較して、AUC0〜lastは、各々の有効用量で肝臓および脾臓について増加した。図6Bに示すように、組織:血清比(AUC組織:AUC血清)は、有効用量範囲にわたる全身曝露に対して、臓器あたりの曝露が著しく高いことを示した。肝臓:血清比は図6Bに示す。
さらに、これら2つの臓器におけるRVT−801の薬物動態を、様々な他の臓器における薬物動態と比較して評価した。図7に示すように、RVT−801は、実施例1で上述したように、ファーバーマウスにおけるセラミド蓄積に関連する組織に広範囲に分布する。他の組織にわたり、10mg/kgのRVT−801によって、図8に示すような組織:血清比が達成された。
検討:これらの結果は、rhAC RVT−801がファーバー病マウスでの組織セラミドの低下における最大の有効性評価項目を達成するために必要な血清および組織曝露の目標を確立する。セラミド蓄積に関連する重要な組織(肝臓、脾臓)において達成される著しく高くかつ長期にわたる曝露は、血清中の酵素の検出可能なレベルを上回る、RVT−801による組織中のセラミド減少の期間延長を支持する。
実施例3
RVT−801のヒトでの等価で治療上有意義な用量(HED:ヒト等価用量)を、体表面積または臓器組織重量:体重比を使用して上で論じたスケール調整戦略を適用することによって評価した。
図9に示すように、RVT−801の10mg/kg用量を体表面積(BSA)によってスケール調整して、次式に基づいて種間の一般的な生理学的傾向を説明した:HED=動物用量x(動物の体重/ヒト体重)0.33(式中、動物用量は10mg/kgである)。10mg/kgのマウス用量に基づいて、成人のHEDは約0.8mg/kgであり、小児のHEDは約1.2mg/kgであった。
図10および図11に示すように、10mg/kg用量のRVT−801を組織重量:体重比によってスケール調整して、次式を使用して、各々の種内のRVT−801分布の各区画についての相対サイズを説明した:HED=動物用量x(組織質量ヒト/BWヒト)/(組織質量マウス/BWマウス)(式中、動物用量は10mg/kgである)。
図12に示すように、体表面積および臓器対体重比に基づく2つのスケール調整係数を組み合わせることにより、1投与あたり約1〜5mg/kgの保存的ヒト等価投与量(HED)範囲が提供される。このHED範囲は、他の市販の酵素補充療法(ERT)の承認された投与量と一致している。(図12)。図12の表に纏められている他のERTの全ての投薬情報は、製品のそれぞれのラベルからのものである。
実施例4
本研究の目的は、ボーラスIP注射として投与された1、3、または10mg/kgの幼若雄CD−1マウスへの単回投与処置後のRVT−801の血清および組織薬物動態を決定することであった。
幼若マウスへのIP投与後、平均血清RVT−801濃度は、全ての投与群について用量投与後0.25〜1時間で最も高く、そして急速に減少し、推定半減期は1時間であった。血清RVT−801は、用量の増加に伴って増加し、CmaxおよびAUClastは、用量に関する比例を上回って増加した。Vz/F(血管外投与後の見かけの分布容積)は、体内全水分量を上回り、CL/F(血管外投与後の見かけのクリアランス)は、肝臓の血流を上回った。用量が3mg/kgから10mg/kgに増加すると、Vz/FおよびCL/Fが低下する傾向があり、これは、組織の分布およびクリアランスが飽和していることを示唆している。
ファーバーマウスにおける最大有効用量(MED)は、ボーラスIP注射により送達された10mg/kgであり、現在の研究と一致した。AUClast、Cmax、およびTmaxの値は、同齢の野生型CD−1マウスへの10mg/kgの単回投与後に決定され、上記の通りであった:
RVT−801−9013A−血清PKの特徴付けに焦点を当てた:
AUC1.37時間*μg/mL
max1.23時間*μg/mL
max1.0時間
RVT−801−9013B−RVT−801の組織分布および組織:血清曝露比に焦点を当てた
AUC1.49時間*μg/mL
max2.17時間*μg/mL
max0.25時間
本研究は2つのパートで行った。本研究のパートAの目的は、ボーラス腹腔内注射として投与された1、3、または10mg/kgの幼若雄CD−1マウスへの単回投与後のRVT−801の血清薬物動態を決定することであった。研究のパートBの目的は、幼若雄CD−1マウスへのボーラス腹腔内注射として投与された1、3、または10mg/kgの単回投与後のファーバーマウスモデルにおけるセラミド蓄積に関与する重要な組織におけるRVT−801の配置を特徴付けることであった。
RVT−801薬物原料753−01−16−002を本研究で使用した。IP投与に使用したビヒクル製剤は、滅菌生理食塩水であった。
約3.5週齢の雄CD−1マウスにボーラス腹腔内注射により、RVT−801を投与した。本研究のパートAでは、合計108匹のマウスを使用し、本研究のパートBでは、102匹のマウスを使用した。NeoSomeは、動物の出荷および供給の日付を供給業者(Charles River Laboratories)と調整して、投与前に動物舎で子(pup)を十分に順化させた。
表5に従って、提供されたRVT−801のストック溶液を滅菌PBSで希釈することにより、投与物質を調製した。
個々の用量は、用量投与日に記録された体重に基づいて計算された。表6に詳述するように、ボーラスIP注射により、動物にRVT−801を投与した。
Figure 2021512853
Figure 2021512853
薬物動態学的試料を表7に詳述されるスケジュールで収集し、全血を1投与群あたり、1時点あたり、3匹の動物から収集した。各動物から収集した全血の全容積を血清に処理した。
Figure 2021512853
†完全に血清に処理された血液収集。
パートBでは、提供されたRVT−801のストック溶液を表8に従って滅菌PBSで希釈することにより、投与物質を調製した。
Figure 2021512853
薬物動態試料を表9に詳述されているスケジュールで収集した。
Figure 2021512853
血液収集物を分け、各動物の全血および血清試料(示された場合)を提供した。
血清PK試料を約−70℃で保存し、ドライアイス上で翌日配達便によりBioAgilytix(生物分析ベンダー)へ出荷され、RVT−801濃度の決定をサンドイッチ酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって行った。
肝臓および脾臓は、適切な時点で血液収集の直後に、全ての投与群から収集した。組織を穏やかに吸い取って乾かし、事前にラベル付けした(事前に計量した)バイアルに入れた。組織を含む各バイアルの重量を記録し、試料を出荷まで−70℃で保存した。緩衝液、防腐剤、または抗生物質を組織に添加せず、研究のどの段階でも組織灌流は行わなかった。10mg/kgの投与群では、脳、腎臓、心臓、および肺を収集し、肝臓および脾臓について記載したように処理した。さらに、適切な時点で血液収集した直後の10mg/kgの投与群から、0.5mLのリン酸緩衝生理食塩水を肺に注入する肺洗浄技術によって、気管支肺胞洗浄液(BALF)を収集し、その後に約0.35mLのBALFを収集した。BALF試料を好適な容器に入れ、遠心分離して上澄みおよび肺胞マクロファージペレットを生成した。上澄みを除去し、別々のバイアルに入れた。上澄みおよび細胞ペレットを出荷まで−70℃で保存した。
薬物を含まないマトリックスを提供するために、さらに3匹のマウスを使用した。対照マトリックス試料を、各投与群についての投与前試料として使用した。試料の収集、処理、および保存は、上記のように行った。血清中のRVT−801の濃度を、適格なサンドイッチELISA法(BioAgilytix BAL−17−333−036.01−REP)を使用して決定した。血清アッセイのLLOQは20ng/mLであり、アッセイのULOQは1224ng/mLであった。
血清方法を、血液、肝臓、脾臓、腎臓、心臓、肺、および脳での定量化のために適合させた。改変された方法には、組織溶解物の調製、ビシンコニン酸(BCA)アッセイを使用した総タンパク質の定量、および溶解緩衝液中1mg/mLの総タンパク質濃度への希釈、ならびに溶解緩衝液中のRVT−801標準曲線の調製が含まれた。タンパク質含有量が低いため、標準化されたタンパク質濃度に基づくのではなく、容積に基づいて、BALF試料を処理した。適合させた方法では、マウス血清品質制御試料のみの場合の最小必要希釈率(MRD)が50倍であった。標準試料および研究試料にはMRDを享受させなかった。生成された信号は、試料中のRVT−801の濃度に比例した。適合させたアッセイのLLOQは0.400ng/mLであり、アッセイのULOQは24.5ng/mLであった。測定されたRVT−801濃度を、組織の均質化および溶解液の希釈に関して補正した。生物分析方法および結果の記載は、最終生物分析報告で提供されている。
表10の薬物動態パラメータは、Phoenix WinNonlin(登録商標)バージョン7.0(Certara、プリンストン、ニュージャージー州)を使用して、血清および組織の濃度−時間複合データを使用する非コンパートメント法を使用して導出された。ゼロ時間(投与前)から最終の非ゼロ時点までの濃度−時間曲線下の面積は、線形法および対数台形法(logarithmic trapezoidal method)の組み合わせによって計算された。線形台形法は、濃度の増加から生じる全ての増分台形に使用され、対数台形法は、濃度の低下から生じるものに使用された(線形アップ/ログダウン法(linear up/log down method))。公称血液サンプリングおよび組織収集時間を分析において使用した。
Figure 2021512853
RVT−801濃度値は、ng/mLの単位で生物分析ラボから受信され、PK分析および報告のためにμg/mLの単位に変換された。濃度データおよびPKパラメータは、小数点以下2桁で報告されたTmaxおよびTlastの値を除いて、有効数字3桁で報告された。
定量限界(BLQ)未満の全ての濃度をゼロに設定し、各時点の各投与量群の平均濃度を計算して、濃度時間の要約統計と平均濃度時間の数値を報告した。BLQである平均濃度を調整せずに非コンパートメント分析で使用した。
0に等しい任意の平均濃度(全ての値BLQ)はBLQとみなされ、NCAでは次のように処理された。
BLQ値がプロファイル内の測定可能な濃度の後に発生し、その後に定量化可能な値が続く場合、欠落データとして扱われました。
BLQ値が収集間隔の最後に発生した場合(最終の定量可能な濃度の後)、欠落データとして扱われた。
maxの後に2つのBLQ値が連続して発生した場合、プロファイルは最初のBLQ値で終了したとみなされ、任意の後続の濃度はPK計算から除外された。
結果。
パートBのPK分析で使用されたRVT−801についての個々のマウスの血清および組織濃度−時間データを表11に示す。
Figure 2021512853
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組織および用量によって群分けされた複合平均RVT−801濃度−時間データを表12に示す。
Figure 2021512853
Figure 2021512853
Figure 2021512853

10mg/kg投与群の平均RVT−801濃度−時間データが、図20において直線軸に重ねられた組織を伴って表示される。
図20Aおよび図20Bは、それぞれパートBにおける幼若マウスへのIP投与後の平均RVT−801組織濃度−時間プロファイル(線形および対数線形)を示す。
幼若マウスへのIP投与後、平均血清RVT−801濃度は、全ての投与群について用量投与後0.25時間で最も高かった。血清RVT−801濃度は急速に低下した。最終の非ゼロ平均濃度は、1mg/kg用量の場合は3時間、3mg/kg用量の場合は投与後4時間、および10mg/kg用量の場合は投与後4時間で生じた。投与群にわたって血清濃度の変動は大きかった。研究のパートBの血清濃度は、パートAの血清濃度と一般に一致した。
10mg/kgの投与後、組織中のRVT−801濃度は投与後の最初の時点で定量化でき、肺では投与後0.5時間、肝臓、脾臓、腎臓、および心臓では投与後1時間で最高であった。RVT−801の濃度は、一般に、投与後18時間まで組織で定量化可能であった。
用量によって群分けされたパートAおよびパートBの複合平均RVT−801血清濃度−時間データを、それぞれ表13および14に纏めた。
Figure 2021512853
Figure 2021512853
マトリックスによるRVT−801の複合平均非コンパートメントPKパラメータを表15に示す。
Figure 2021512853
組織と血清曝露との比を表16に示し、図21に図示する。図21は、AUClastに基づくRVT−801組織:血清曝露比を示す。
BALF、脳、心臓、腎臓、および肺は、10mg/kg投与群についてのみ収集された。
Figure 2021512853
ELFの濃度を反映するには、希釈を考慮した補正係数が必要である。
様々な組織の投与レベルに対してプロットされた用量正規化PKパラメータを図22A〜図22Dに示す。
図22Aは、1mg/kg、3mg/kg、および10mg/kgのRVT−801の投与後の血液における用量正規化曲線下面積(DNAUC)データを示す。
図22Bは、1mg/kg、3mg/kg、および10mg/kgのRVT−801の投与後の血清における用量正規化曲線下面積(DNAUC)データを示す。
図22Cは、1mg/kg、3mg/kg、および10mg/kgのRVT−801の投与後の肝臓組織における用量正規化曲線下面積(DNAUC)データを示す。
図22Dは、1mg/kg、3mg/kg、および10mg/kgのRVT−801の投与後の脾臓における用量正規化曲線下面積(DNAUC)データを示している。
RVT−801への全身血清曝露は短期間であり、血清中の濃度は、組織濃度よりもはるかに短い期間にわたり定量可能であり、血清で4時間であるのに対して、組織で18〜24時間であった。Tmaxは、投与後1時間以内に発生し、組織への化合物の急速な分布と一致している。
RVT−801は組織に広く分布し、組織と血清曝露(AUClast)との比は、0.000165(BALF:血清)〜92.9(肝臓:血清)の範囲であった。最高値の曝露は、肝臓>脾臓>腎臓>肺>心臓>全血>BALFで観察され、Tmaxは、投与後0.25時間〜2時間の範囲であった。肝臓、脾臓、腎臓、心臓、および肺における曝露は、投与後18〜24時間定量可能であった。
BALF試料は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)注入液で希釈したELF(肺胞上皮粘液)からなる。BALF収集の直後に遠心分離により細胞を除去したため、肺胞細胞集団はアッセイ試料中に存在しなかった。PBS中の天然肺液の希釈を反映する補正係数は、BALFにおけるRVT−801濃度をELFにおけるレベルに変換するために必要である。絶対希釈係数の決定は、この探索的研究の一部として行わなかった。補正係数は、BALFにおける尿素含有量を同じ動物由来の血漿中の尿素含有量と比較することによって決定することができるが、それは、上皮液中の天然尿素レベルが、血漿尿素含有量を反映すると一般的に認められているからである(Rennard SI,Basset G,Lecossier D,O’Donnell KM,Pinkston P,Martin PG,Crystal RG,1986,“Estimation of volume of epithelial lining fluid recovered by lavage using urea as marker of dilution,”J of Applied Physiology.1986,60(2):532−538)。同様の収集方法を使用してBerkhoutらによって決定される補正係数(Berkhout J,Melchers MJ,van Mil AC,Seyedmousavi S,Lagarde CM,Nichols WW,Mouton JW,2015 “Pharmacokinetics and penetration of ceftazidime and avibactam into epithelial lining fluid in thigh−and lung−infected mice,”.Antimicrob Agents Chemother.,59(4):2299−2304)は変動性が高く(平均、11.6倍;範囲、2mLの総注入容積の場合には4.3〜144.2倍)、本研究(0.5mLの注入容積)での希釈は、最大36倍になる可能性があることを示している。
RVT−801の濃度は、血清中よりも血中で低く、血中:血清比は、0.127〜0.584の範囲であり、これは、RVT−801が優先的に赤血球と関連しないことを示唆している。表17を参照のこと。
Figure 2021512853
本研究の目的は、ボーラスIP注射として投与された1、3、または10mg/kgの幼若雄CD−1マウスへの単回投与処置後のRVT−801の血清および組織薬物動態を決定することであった。幼若マウスへのIP投与後、平均血清RVT−801濃度は、全ての投与群について用量投与後0.25〜1時間で最も高く、そして急速に減少し、推定半減期は1時間であった。血清RVT−801は用量の増加に伴って増加し、CmaxおよびAUClastは、用量に関して比例するよりも大きく増加した。Vz/Fは体内全水分量を上回り、CL/Fは肝臓の血流を上回った。用量が3mg/kgから10mg/kgに増加すると、Vz/FおよびCL/Fが低下する傾向があり、これは、組織の分布およびクリアランスが飽和していることを示唆している。ファーバーマウスにおける最大有効用量(MED)は、ボーラスIP注射により送達された10mg/kgであり、本研究と一致した。同齢の野生型CD−1マウスへの10mg/kgの単回用量の後に決定されるAUClastの値は、1.37μg.h/mLであり、Cmaxは1.23μg/mLであった。
RVT−801は、血清から他の組織への広範な分布と一致して、全身循環から迅速なクリアランスを受けた。RVT−801の最も高い曝露は、肝臓>脾臓>腎臓>肺>心臓>全血>BALFで観察された。AUClastに基づく組織と血清との曝露比は、0.000165(BALF:血清)〜92.9(肝臓:血清)の範囲であった。組織曝露は、一般に、投与後18〜24時間持続した。RVT−801の濃度は、血清中よりも血中で低く、血液:血清比は、0.127〜0.584の範囲であり、これは、RVT−801が赤血球と優先的に関連しないことを示唆している。
実施例5
投与時に4〜5週齢のファーバーマウスでの組織分布研究は、合計12匹のファーバーマウスを利用して行った(研究RVT−801−9021;パートA)。6匹の動物にそれぞれ、10mg/kgのRVT−801の単回用量、または3回の、10mg/kg/投与のRVT−801の週1回用量のいずれかを投与した。Asah1P361R/P361R動物の供給が制限され、rhACの性別特異的な影響がこれらの動物で観察されなかったため、投与群はどちらかの性別の動物からなるものとした。研究の投与段階の概要を表18に示す。
Figure 2021512853
投与開始時に4〜5週齢の雄および雌のファーバーマウスに、ボーラス腹腔内(IP)注射により、RVT−801を単回投与するか、または週1回の反復投与をした。表19に示すように、投与物質を調製した。個々の用量は、用量投与の日に記録された体重に基づいて計算した。RVT−801を滅菌生理食塩水で希釈し、投与物質を各投与日に新しく調製した。
Figure 2021512853
実験は、ファーバーマウスへのRVT−801の単回投与または反復投与後の選択された時点で循環中および組織中のrhACの濃度を決定するため、およびCD−1マウスにおいて確立された薬物動態に関する、重要組織に対するRVT−801分布の範囲および程度を評価するために設計された。
実施例6
未処理および処理ファーバーマウスでの免疫型研究を行った。未処理ファーバーマウスおよび野生型(WT)マウスに4、6、8週間目で投与した。処置ファーバーマウスには約4週間目で投与した。11匹の(雄/雌)未処理ファーバーマウス、8匹の(雄/雌)未処理WTマウス、および7匹の(雄/雌)処理ファーバーマウスを利用して、研究を行った。RVT−801を週1回投与した。研究のこの部門をRVT−801−9025パートBとして命名した。
実施例5および6で投与したrhACは、pH7.4のrhACの10mg/ml(実際には9.91mg/ml)溶液から構成された。
RVT−801の投与後、標準的操作手順に従ってマウスを安楽死させ、PK試料を投与後6時間および24時間で収集した(試料の収集を、反復投与群でのRVT−801の3回目の週1回注射後に行った)。ファーバーマウスの試料入手が限られるため、薬物動態試料の収集をこれら2つの時点に制限した。全血は、心臓穿刺によってリチウムヘパリンバイアルに収集され、全体が血漿に処理された。無傷の肝臓、脾臓、腎臓、肺、心臓、脳、および胸腺組織を各動物から収集し、穏やかに吸い取って乾燥させ、個々のバイアルに入れた。組織は固定されておらず、どの段階でも緩衝液で灌流せず、緩衝液、防腐剤、プロテアーゼ阻害剤、または抗生物質を添加せずに試料を凍結した。血漿および組織試料を約−70℃で保存し、分析のために生物分析施設にドライアイス上で出荷した。PK試料収集を表20に詳細に示す。
Figure 2021512853
組織に基づくELISA
RVT−801投与後のファーバーマウス組織におけるrhACの濃度を、BioAgilytix(ダーラム、ノースカロライナ州)により行わるELISAによって測定した。
組織試料は、血清試料または緩衝液に基づく品質管理(QC)試料のいずれかを含む均質化緩衝液中で調製された校正標準に対して行った。
生じた組織試料を、プロテアーゼ阻害剤カクテル(HALT、Thermo Scientific)を含む緩衝液(150mMの塩化ナトリウム、50mMのTris−HCl、pH 7.5、2%(w/v)CHAPS、Thermo Scientific)中で均質化した。TissueLyser II(Qiagen)を使用し、それぞれ3分間の3サイクルとし、30Hzでの単一の5mmステンレス鋼ビーズを用いて、試料を処理した。試料温度を制御するために、ホモジネートをサイクル間で2〜8℃とした。各組織ホモジネートの総タンパク質濃度を比色ビシンコニン酸(BCA)タンパク質定量キット(Pierce)で決定し、ELISAで分析する前に、試料を緩衝液を用いて1mg/mLの公称総タンパク質濃度に希釈した。
捕捉抗体(ウサギ抗rhAC)をマイクロタイタープレート上にコーティングした。プレートをタンパク質性緩衝液でブロッキングし、洗浄して、過剰の捕捉試薬およびブロッキング試薬を除去した。希釈した組織ホモジネートを校正標準およびQCと一緒にプレートに添加し、インキュベートして、試料および対照中のrhACをプレートをコーティングしている抗体と結合させた。プレートを洗浄して、未結合のrhACを除去し、検出抗体(ウサギ抗rhAC−HRP)と共にインキュベートした。プレートを洗浄して、未結合の検出抗体を除去し、比色基質(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB))を添加してインキュベートし、検出抗体と結合したrhACを可視化した。停止溶液を添加した後、試料の吸光度を読み取った。アッセイは、表21に概説されるパラメータを使用して、試料中のrhACの濃度に比例する信号を生成した。組織ホモジネートにおけるRVT−801濃度を標準曲線から内挿し、希釈係数を適用することにより補正して、天然組織における濃度を計算した。
Figure 2021512853
ファーバーマウス血漿中のrhACの含有量は、適格なELISA分析によって決定された。簡単に言うと、マイクロタイタープレートを捕捉試薬(ウサギ抗rhAC)でコーティングし、ブロッキングし、洗浄し、生じた血漿試料およびマトリックス一致(matrix−matched)校正標準およびQCと共にインキュベートした。インキュベーション後、プレートを洗浄して未結合のrhACを除去し、次いで検出試薬(ウサギ抗rhAC−HRP)と共にインキュベートした。さらに洗浄することにより、過剰な(非結合の)検出試薬を除去し、比色基質(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB))をプレートに添加した。最後に、停止溶液を添加し、比色の発色を停止し、試料の吸光度を読み取った。アッセイで生成された比色シグナルの強度は、試料中のrhACの濃度に比例した。アッセイパラメータの概要については、表22を参照のこと。ファーバーマウス血漿試料中のRVT−801濃度を標準曲線から逆算した。
Figure 2021512853
RVT−801濃度−時間曲線下面積は、利用可能なAsah1P361R/P361R動物の限られた数の関数である、投与後の期間にわたるデータポイントの量および時間密度が不十分であるため、ファーバーマウスでは計算されなかった。同様の理由で、半減期もクリアランスも計算されなかった。
RVT−801濃度データは有効数字3桁まで報告され、Tmax値は小数点第2位まで報告された。
定量限界(BLQ)未満で報告された全ての生じた試料濃度は、平均濃度−時間データを計算するときにゼロに等しい値を有するものとして処置された。
結果
血漿中の平均rhAC濃度−時間データ、および10mg/kg/投与のRVT−801の単回投与または毎週の反復投与を受けたファーバーマウス由来の選択された組織を表6に示し、表7に個々のデータを詳細に示す。
RVT−801の単回投与後、ファーバーマウスから収集された全ての生物学的マトリックスにわたって、投与後6時間(投与後の最初の時点)でrhACの最高濃度が測定された。しかしながら、これらのデータは、実行可能なサンプリング時点の限られた数によって偏りがあり得る。
10mg/kg/投与のRVT−801を反復投与した後、循環中および投与後6時間および24時間に収集された組織にわたるrhACレベルは、CD−1マウス(RVT−801−9021)では、一般に、10mg/kgのRVT−801の単回投与後の値よりも低く、複数の24時間反復投与試料が定量限界未満であった。この傾向は、ファーバーマウスへのRVT−801投与後のrhAC全含有量が最も高い3つの組織(肝臓、脾臓、腎臓)間で容易に理解でき、平均単回投与の24時間濃度が、反復投与後の濃度よりも1桁大きい(図13)。この一般的な傾向の1つの例外は脳であり、定量可能なrhAC濃度を有する試料は、RVT−801の複数回投与を受けた2匹のマウス由来の試料のみであった。
図21は、幼若CD−1マウスに1mg/kg、3mg/kg、および10mg/kgのRVT−801を単回投与した後の、AUClastに基づくBALF、血液、脳、心臓、腎臓、肝臓、肺、および脾臓におけるRVT−801組織:血清曝露比を示す。
Figure 2021512853
表23:10mg/kg/投与のRVT−801を単回投与または週1回反復投与のいずれかをボーラスIP注射により受けた後の、ファーバー(Asah1P361R/P361R)マウスの選択された生体マトリックスにわたる平均rhAC濃度。RVT−801−9025パートBの動物は、RVT−801を週1回、4回投与を受け、RVT−801−9021において複数回投与を受けたマウスには、RVT−801を週1回、3回注射した。サンドイッチELISAによって決定されたRVT−801試料濃度。ELISA校正範囲:20.0〜1224ng/mL(血清)、0.400〜24.5ng/mL(組織)、20.0〜1280ng/mL(血漿)。
BLQ:定量限界未満
NC:収集なし
研究RVT−801−9021のデータ
研究RVT−801−9025パートBのデータ
Figure 2021512853
表24は、10mg/kg/投与のRVT−801を単回投与または週1回反復投与のいずれかをボーラスIP注射により受けた後の、ファーバー(Asah1P361R/P361R)マウスの選択された生体マトリックスにわたる平均rhAC濃度を示している。RVT−801−9025パートBの動物は、RVT−801を週1回、4回投与を受け、RVT−801−9021において複数回投与を受けたマウスには、RVT−801を週1回、3回注射した。サンドイッチELISAによって決定されたRVT−801試料濃度。ELISA校正範囲:20.0〜1224ng/mL(血清)、0.400〜24.5ng/mL(組織)、20.0〜1280ng/mL(血漿)。
BLQ:定量限界未満
NC:収集なし
結果。
RVT−801のマウス薬物動態は、健康な幼若雄CD−1マウス(約3.5週齢)において、以前に特徴付けした(RVT−801−9013パートA)。離乳直後にマウスに投与し、重度のファーバーモデルで行われた有効性試験の開始時のファーバーマウスのサイズおよびそれらの年齢に近づけた。一般的なADME研究のためにCD−1マウスを使用するという決定は、投与されたRVT−801の十分な濃度−時間経過を説明するための好適性および利用可能性に影響を及ぼす、重度のファーバーマウスの悪液質の性質および特徴的な脆弱性と共に、一般的な遺伝的背景(ファーバーマウスの親系統)に基づいた。
健康な幼若雄CD−1マウスへの単回IPボーラス注射として1、3、または10mg/kgで投与した場合、RVT−801の全身曝露は、一般に、CmaxおよびAUCの両方に関して、用量に関する比例を上回って増加し、投与後1時間以内に血清中濃度がピークに達した。循環で比較的短命(半減期<1時間)であるが、見かけの分布容積および見かけのクリアランスは、これらの値が体内全水分量および肝臓の血流をそれぞれ上回ったため、血管系を上回るRVT−801の急速かつ広範囲な分布と一致した(表25)。
Figure 2021512853
表25.健康な幼若雄CD−1マウスへの単回IPボーラス注射後のRVT−801の血清薬物動態;投与後24時間までに収集されたPK試料、1時点あたりn=3。
max:最大観測濃度
max:最大観測濃度の時間
last:最終的な定量可能な時点の時間
AUClast:0から最終の定量可能な時点までの濃度−時間曲線下面積
1/2:終末相半減期
Vz/F:血管外投与後の見かけの分布容積
CL/F:血管外投与後の見かけのクリアランス
CD−1マウスにおけるRVT−801の曝露時間および一般的な排泄動態は、いずれかの系統にrhACを10mg/kgで単回投与した後のファーバーマウスにおいて測定された酸性セラミダーゼ活性の持続時間および半減期と密接に相関していた(図14)。この観察は、CD−1マウスを使用してRVT−801のマウス薬物動態を特徴付けし、一般的なADME特性を疾患モデルに外挿する手法に対してさらなる信頼を与えた。
図15は、RVT−801の単回10mg/kg投与後の健康な幼若CD−1マウスにおける最終的なrhAC組織:血清AUC比を示す。
幼若雄CD−1マウスに単回IPボーラス注射として1、3、または10mg/kgで投与した場合、RVT−801は、選択された組織および臓器の範囲に広範囲に分布した(RVT−801−9013パートB)。組織を曝露順に順位付けすると、AUCに基づいて、肝臓>脾臓>腎臓>肺>心臓>血清>血液が示される(図15、表9)。
インビボ血液分布分析は、RVT−801が優先的に赤血球と関連しないことを示唆した。血清と比較して組織における曝露期間が大幅に延長されたことが観察された。RVT−801は、投与後最大4〜6時間まで血清中で定量可能であったが、組織曝露は、一般に、投与後少なくとも18〜24時間持続した。
肝臓および脾臓での蓄積されたセラミドレベルの低下に基づいてファーバーマウスモデルにおける最大有効用量(MED)と相関する、CD−1マウスへの10mg/kgのRVT−801の用量では、分析のために選択された組織での定量化可能なrhACの大部分は、肝臓、脾臓、および腎臓に分布していた。
Figure 2021512853
表26.健康な幼若雄CD−1マウスへの単回IPボーラス注射後のRVT−801の全身および組織薬物動態;投与後24時間までに収集されたPK試料、1時点あたりn=3。
max:最大観測濃度
max:最大観測濃度の時間
last:最終の定量可能な時点の時間
AUClast:0から最終の定量可能な時点までの濃度−時間曲線下面積
ファーバーマウスにおけるRVT−801の単回投与薬物動態(投与後2つの時点に限定する)を、CD−1マウスにおいて特徴付けられた曝露プロファイルと比較することにより、いずれかの系統へのRVT−801の単回10mg/kgボーラスIP注射後の分析された時点において、ファーバーマウスにおけるrhAC曝露が高く、rhACの全身レベルが著しく増加し、組織にわたってより一般的には高い曝露であることが示唆された(表26)。
Figure 2021512853
表27.RVT−801の単回10mg/kgボーラスIP注射後の約3.5週齢の健康な雄CD−1マウスならびに4〜5週齢の雄および雌のファーバーマウス(Asah1P361R/P361R)のRVT−801薬物動態パラメータ。合計33匹のCD−1マウスおよび合計6匹のファーバーマウスを使用した(各系統について1時点あたりn=3);平均データを報告。サンドイッチELISAによって決定されたRVT−801試料濃度。ELISA校正範囲:20.0〜1224ng/mL(血清)、0.400〜24.5ng/mL(組織)、20.0〜1280ng/mL(血漿)。RVT−801の脳曝露は、CD−1マウスでは限定され、単回投与のファーバーマウスでは定量可能ではなかったため、示していない。
利用可能なAsah1P361R/P361R動物の限定された数の関数である、投与後の期間にわたる濃度−時間データポイントが不十分であったなため、ファーバーマウスについてAUCは計算されなかった。
最大RVT−801濃度は、ファーバーマウスから収集された全ての生物学的マトリックスにわたって、投与後6時間で測定された(以前の投与後評価)。これらのデータは、限られた数の実行可能なサンプリング時点によって偏りがあり得る。
利用可能なファーバーマウスが限られているため、薬物動態試料の収集を投与後6時間および24時間に制限した。
RVT−801の単回10mg/kgのIP投与後のファーバー血漿およびCD−1血清で測定された全身rhACレベルは、ファーバーマウスが、投与後6時間におけるより高いレベルによって示されるように、CD−1マウスよりも高い全身rhAC曝露を経験し、循環中に存在を維持し、ファーバー血漿では24時間の濃度時点まで定量可能であったが、rhACは、CD−1マウス血清中では6時間超では検出できず/定量限界未満であったことを示唆している。(図16)。
ファーバーマウスでは、最高濃度のRVT−801が、分析された全ての生物学的マトリックスにわたって、投与後6時間で生じた。ファーバーの研究はCmaxを明確に定義するように設計されておらず、ファーバーでの投与後6時間におけるrhAC濃度をCD−1マウスと直接比較することは、その特定の時点でのCD−1データの不足に照らしてしなかったが、6時間において、ファーバーの肝臓、脾臓、肺、および心臓の濃度は、対応するCD−1組織で観察されたCmaxよりも高かった。例外は腎臓であり、CD−1マウスはわずかに高い濃度を示した。投与後24時間において、CD−1組織中のrhACレベルは、定量限界未満であるか、または急速に低下したが、ファーバーマウス組織での濃度は、LLOQを大幅に上回り、CD−1マウスにおけるTlast血清データと比較して高いままであった。
RVT−801の単回投与後の循環中および曝露の主要組織中のrhACの比較を図17に示す。個々のデータポイントの広がりの比較を図18に示し、RVT−801の単回投与後の所与の時点でのrhAC濃度の変動は、分析した組織にわたって理解することができる。繰り返すが、投与後24時間でのCD−1マウスと比較したファーバーでの曝露の増加は容易に理解できる。
図17は、RVT−801の単回10mg/kgボーラスIP注射後のファーバー(白抜きの記号)およびCD−1(黒塗りの記号)マウスにおける循環中および3つの主要な曝露組織中のrhACの濃度を示している。1時点あたりの動物n=3。試料を収集し、投与後24時間まで分析した。ファーバーマウスの試料を、投与後6時間および24時間でのみ収集した。6時間のCD−1脾臓データは、単一の定量化可能な値によって駆動される。
図18は、RVT−801の単回10mg/kgボーラスIP注射後のファーバー(白抜きの記号)およびCD−1(黒塗りの記号)マウスの肝臓(図18A)、脾臓(図18B)、腎臓(図18C)、肺(図18D)、および心臓(図18E)での個々のrhAC濃度−時間データを示している。1時点あたりn=3。試料を収集し、投与後24時間まで分析した。
幼若で健康なCD−1マウスは、ファーバー病マウスモデルの親系統とみなされる。図3は、幼若CD−1マウスのRVT−801薬物動態プロファイルが、ファーバーマウスの血中の実験的rhAC活性プロファイルと同様であることを示しており、幼若CD−1マウスがファーバーマウスのPKを適切に近似していることを示している(ファーバーマウスが脆弱であり、交配が難しく、PK評価を行うのに十分な数ではないためである)。
少数のファーバーマウスに基づき、系統間で重複するデータポイントが限られているが、データは、RVT−801の単回10mg/kg投与後のCD−1マウスと比較して、ファーバーでは、全身rhAC曝露が有意に高いことを示唆している。生じた全身PK試料は、潜在的に重要な多くの点で異なっていた。ファーバーマウスは、混合性別(mixed−sex)であり、健康で同齢のCD−1よりも大幅に小さく、深刻な病理を示し、血漿試料を生成したが、血清は幼若な雄CD−1マウスから収集した。
RVT−801曝露で観察された違いは、血清および血漿のタンパク質含有量(凝固因子を除いて)がほぼ同じであるため、系統間で異なるマトリックスを分析した結果ではない可能性がある。さらに、測定されたファーバー血漿曝露の増加は、血清でのELISA感度と比較して増加した血漿ELISA感度、および/または方法の感度の違いに起因してCD−1血清で検出不能であった追加のデータポイント(すなわち投与後24時間)を報告する能力の結果ではなかった。報告されたファーバー血漿データはLLOQを大きく上回り、血漿および血清方法を同様に行った(表27)。
Figure 2021512853
投与後の組織中のRhAC濃度は、ファーバーマウスの組織重量と体重の比に依存していないようであった
RVT−801−9025での反復投与ファーバー動物に基づく;RVT−801−9021では、性別および体重は記録していない。
野生型マウスとファーバーマウスとの間の顕著な免疫学的差異が示されているが、RVT−801の薬物動態に対するそれらの影響は不明である。抗薬物抗体(ADA)は、薬物抗体複合体の循環を延長させることができるが、目下検討中のPKの違いが、RVT−801の単回用量投与後24時間以内に観察され、これらの試料ではADAは検出されなかった。
CD−1マウスと比較してファーバーマウスで観察された曝露の差異は、ファーバー疾患マウスモデルの多臓器生理学的変化の結果であった可能性がある。
ファーバーマウスとCD−1マウスとの間の、腹腔から血管系へのRVT−801の分布割合の違い、および/または循環からの組織へのrhACの取り込みの違いは、系統間で観察されたPKの差異を説明し得る。しかしながら、これらの潜在的な傾向は、限られた利用可能なデータの著しく過度な解釈を行わなければ、本研究から評価することはできない。
RVT−801−9021における投与群と比較すると、RVT−801の毎週反復投与時において、rhACの明らかな蓄積はなかった。むしろ、データは、限られたものであるが、同じ投与レベル(10mg/kg/投与)での単回注射と比較して、RVT−801を週1回で複数回投与した場合には、循環中および分析した組織にわたってrhAC濃度がより低かったことを示唆している。脳を除く全てのマトリックスにわたり、投与後6時間および24時間での単回投与の濃度−時間データは、RVT−801の単回投与後は、3回の毎週投与後よりも高かった(図19A〜図19G)。さらに、データは、RVT−801の複数回投与後の絶対rhAC濃度がより低いことおよびクリアランス率がより高いことの両方に起因する、より低い曝露のシナリオと一致している。これらの明らかな傾向を調査し、データが、反復投与時のRVT−801の一般的なマウス薬物動態と一致するかどうか、またはファーバー病マウスモデルに固有の病状の特徴が、rhACの取り込み、性質、およびクリアランスに影響を及ぼすかどうかを確立するために、さらなる研究が必要であろう。
図19A〜図19Gは、実施例5(RVT−801−9021)に従って、ボーラスIP注射による10mg/kgの単回投与後のCD−1マウスおよび10mg/kgの単回投与または10mg/kg/投与の週1回の複数回投与後のいずれかのファーバーマウスでの平均rhAC濃度を示す。
図20Aおよび図20Bは、それぞれ、RVT−801−9013パートBにおける幼若CD−1マウスへのIP投与後の平均rhAC組織濃度−時間プロファイルを示す(線形図20Aおよび対数線形図20B)。
図21は、CD−1マウスにおける1mg/kg、3mg/kg、および10mg/kgのRVT−801の単回投与に基づくAUClastに基づく、BALF、血液、脳、心臓、腎臓、肝臓、肺および脾臓におけるRVT−801組織:血清曝露比を示す。
図22A〜図22Dは、CD−1マウスにおける1mg/kg、3mg/kg、および10mg/kgの用量でのRVT−801のIP投与後の様々な組織について、投与レベルに対してプロットされた用量正規化PKパラメータを示す。
図19Aは、RVT−801のボーラスIP注射による10mg/kg/投与の単回投与後の血清中の全身rhAC濃度のプロットを示す。図19Aはまた、RVT−801のボーラスIP注射による10mg/kg/投与の用量投与後のファーバーマウスにおける血漿濃度を示す。さらに、図19Aは、RVT−80の注射による反復用量投与後の血漿濃度を示す。RVT−801のボーラスIP注射により10mg/kg/投与を単回投与されたCD−1マウスにおける血清濃度も示す。
図19Bは、RVT−801のボーラスIP注射による10mg/kg/投与の単回投与後のCD−1マウスの肝臓組織におけるRVT−801の濃度を示す。図19Bはまた、RVT−801のボーラスIP注射による10mg/kg/投与の単回投与で処置されたファーバーマウスの肝臓組織におけるRVT−801の濃度を示す。図19Bは、RVT−801のボーラスIP注射による10mg/kg/投与の反復投与で処置されたファーバーマウスの肝臓組織におけるRVT−801の濃度をさらに示す。
図19Cは、RVT−801のボーラスIP注射による単回10mg/kg/投与後のCD−1マウスの脾臓組織におけるRVT−801の濃度を表す。図19Cはまた、RVT−801のボーラスIP注射による単回10mg/kg/投与で処置されたファーバーマウスの脾臓組織におけるRVT−801の濃度を示す。図19Cは、RVT−801のボーラスIP注射による10mg/kg/投与の反復投与で処置されたファーバーマウスの肝臓組織におけるRVT−801の濃度をさらに示す。
図19Dは、RVT−801のボーラスIP注射による10mg/kg/投与の単回投与後のCD−1マウスの腎臓組織におけるRVT−801の濃度を表す。図19Dはまた、RVT−801のボーラスIP注射による10mg/kg/投与の単回投与で処置されたファーバーマウスの腎臓組織におけるRVT−801の濃度を示す。図19Cは、RVT−801のボーラスIP注射による10mg/kg/投与の反復投与で処置されたファーバーマウスの腎臓組織におけるRVT−801の濃度をさらに示す。
図19Eは、RVT−801のボーラスIP注射による単回10mg/kg/投与後のCD−1マウスの心臓組織におけるRVT−801の濃度を示す。図19Eはまた、RVT−801のボーラスIP注射による単回10mg/kg/投与で処置されたファーバーマウスの心臓組織におけるRVT−801の濃度を示す。図19Eは、RVT−801のボーラスIP注射による10mg/kg/投与の反復投与で処置されたファーバーマウスの心臓組織におけるRVT−801の濃度をさらに示す。
図19Fは、RVT−801のボーラスIP注射による単回10mg/kg/投与後のCD−1マウスの肺組織におけるRVT−801の濃度を表す。図19Fはまた、RVT−801のボーラスIP注射による単回10mg/kg/投与で処置されたファーバーマウスの肺組織におけるRVT−801の濃度を示す。図19Fは、RVT−801のボーラスIP注射による10mg/kg/投与の反復投与で処置されたファーバーマウスの肺組織におけるRVT−801の濃度をさらに示す。
図19Gは、RVT−801のボーラスIP注射による10mg/kg/投与の単回投与後のCD−1マウスの脳組織におけるRVT−801の濃度を示す。図19Gは、RVT−801のボーラスIP注射による10mg/kg/投与の反復投与で処理されたファーバーマウスの脳組織におけるRVT−801の濃度をさらに示す。
略語。
ASAH1=酸性セラミダーゼ遺伝子。
AUC=濃度−時間曲線下面積。
AUC(0−∞)=ゼロ時間から無限時間まで外挿される血漿濃度−時間曲線下面積。
AUC(0〜t)=ゼロ時間から最終のサンプリング時間までの血漿中濃度−時間曲線下面積。
BMI=体格指数。
BW=体重。
cDNA=相補的デオキシリボ核酸。
CFR=連邦規則コード。
CI=信頼区間。
CL=クリアランス。
Cmax=最高濃度。
CNS=中枢神経系。
FDA=食品医薬品局。
HED=ヒト等価用量。
HSCT=造血幹細胞移植。
IP=腹腔内。
IV=静脈内。
MCP−1=単球走化性タンパク質1。
PD=薬力学(複数可)。
PK=薬物動態(複数可)。
PRN=必要な場合。
rhAC=組換えヒト酸性セラミダーゼ。
SD=標準偏差。
SMA−PME=進行性ミオクローヌス癲癇を伴う脊髄性筋萎縮症。
max=最高濃度までの時間。
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本明細書に引用される全ての特許、特許出願、公開物、およびアクセッション番号の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は様々な実施形態を参照して開示されてきたが、本開示の真の精神および範囲から逸脱することなく、他の実施形態およびこれらの変形が当業者によって考案され得ることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような実施形態および同等の変形を含むと解釈されることを意図している。
同等
前述の明細書は、当業者が実施形態を実施できるようにするのに十分であると考えられる。前述の説明および実施例は、特定の実施形態を詳述し、発明者らによって企図された最良の形態を説明している。しかしながら、前述の内容がいかに詳細にテキストに現れても、実施形態は多くの方法で実施され得、添付の特許請求の範囲およびその均等物に従って解釈されるべきであることが理解される。
本明細書で使用する場合約という用語は、明示的に示されているかどうかに関係なく、例えば、整数、分数、およびパーセンテージを含む数値を指す。約という用語は、当業者が列挙された値と同等であると考える(例えば、同じ関数または結果を有する)数値の範囲(例えば、列挙された範囲の+/−5〜10%)を指す。数値や範囲の列挙の前に少なくともおよび約などの用語が使用されている場合、その用語は、列挙に提供されている全ての値または範囲を改変する。場合によっては、約という用語には、最も近い有効数字に四捨五入された数値が含まれる場合がある。

Claims (46)

  1. ファーバー病の処置を必要とするヒト対象においてファーバー病を処置する方法であって、活性化形態の精製された組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を、約1mg/kg〜約10mg/kgの用量で、前記ヒト対象に投与することを含む、方法。
  2. 前記用量が、約1mg/kg〜約5mg/kgである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記用量が、約1mg/kgである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記用量が、約2mg/kgである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記用量が、約2.5mg/kgである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記用量が、約5mg/kgである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記用量が、約10mg/kgである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記活性化形態の精製された組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)が、RVT−801であり、RVT−801が、組換えにより生成された酸性セラミダーゼをi)陽イオン交換クロマトグラフィー、ii)疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、およびiii)陰イオン交換クロマトグラフィーから選択される少なくとも2つのクロマトグラフィー工程に供する工程と、溶液中の前記rhACを1つ以上のウイルス不活化工程にさらに供する工程であって、前記1つ以上のウイルス不活化工程において、前記rhAC溶液が、3.7以下のpHに調整される、工程と、を含むプロセスにより、少なくとも95%の活性化形態の純度に精製された前記組換えにより生成された酸性セラミダーゼ(rhAC)を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記組換えにより生成された酸性セラミダーゼを、i)陽イオン交換クロマトグラフィー、ii)疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、およびiii)陰イオン交換クロマトグラフィーから本質的になる3つのクロマトグラフィー工程に供する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記1つ以上のウイルス不活化工程が、前記クロマトグラフィー工程の前に行われる、請求項8に記載の方法。
  11. 前記1つ以上のウイルス不活化工程が、前記少なくとも2つのクロマトグラフィー工程のうちの1つの前に行われる、請求項8に記載の方法。
  12. 前記1つ以上のウイルス不活化工程が、前記少なくとも2つのクロマトグラフィー工程のうちの少なくとも2つの前に行われる、請求項8に記載の方法。
  13. 前記pH3.7への調整が、クエン酸を用いて行われる、請求項8に記載の方法。
  14. 前記pH3.7への調整が、クエン酸を用いて行われる、請求項9に記載の方法。
  15. 前記pH3.7への調整が、クエン酸を用いて行われる、請求項10に記載の方法。
  16. 前記活性化形態の精製された組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)の前記純度が、少なくとも95重量%である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記活性化形態の精製された組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)の前記純度が、少なくとも96重量%である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記活性化形態の精製された組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)の前記純度が、少なくとも97重量%である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記活性化形態の精製された組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)の前記純度が、少なくとも98重量%である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記活性化形態の精製された組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)の前記純度が、少なくとも99重量%である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記活性化形態の精製された組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)の前記純度が、実質的に100重量%である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. ヒト成人対象における前記用量が、約0.8mg/kgである、請求項1に記載の方法。
  23. ヒト小児における前記用量が、約1.2mg/kgである、請求項1に記載の方法。
  24. ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法であって、治療有効用量の組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)を前記ヒト対象に投与することを含み、前記治療有効用量は、単回かつ10mg/kgの最大有効用量のrhACを腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られた薬物動態プロファイルに基づいて決定され得、前記rhACは、前記健康なCD−1マウスにおいて、約0.25〜1.0時間のTmax、約1.23〜約2.17μg/mLのCmax、または約1時間*μg/mL〜約2時間*μg/mLの曲線下面積(AUC)のうちの1つ以上を生じさせる、方法。
  25. 前記AUCが、約1.37時間*μg/mL〜約1.49時間*μg/mLである、請求項24に記載の方法。
  26. 前記AUCが、約1.37時間*μg/mL〜約1.49時間*μg/mLであり、前記Cmaxが、約1.23〜約2.17μg/mLである、請求項24に記載の方法。
  27. 前記Tmaxが、約0.25〜1.0時間である、請求項24に記載の方法。
  28. 前記Cmaxが、約1.23μg/mL〜2.17μg/mLである、請求項24に記載の方法。
  29. 約1.37〜1.49時間*μg/mLのAUCである、請求項24に記載の方法。
  30. 前記活性化形態の精製された組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)が、RVT−801である、請求項24〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. ファーバー病を有するヒト対象を処置する方法であって、治療有効用量のrhACを前記対象に投与することを含み、前記治療有効用量は、単一かつ10mg/kgの最大有効用量(「MED」)のrhACを腹腔内に受けた幼若で健康なCD−1マウスにおいて得られた薬物動態プロファイルに基づいて決定され得、前記rhACは、前記健康なCD−1マウスにおいて、図7に示される値に従ったCmax、AUC0〜last、またはAUC組織/AUC血清を生じさせる、方法。
  32. 前記rhACが、前記健康なCD−1マウスにおいて、肝臓組織における約138時間*μg/mLのAUC0〜last、および/または肝臓組織における約13μg/mLの薬物のCmaxを生じさせる、請求項31に記載の方法。
  33. 前記rhACが、前記健康なCD−1マウスにおいて、脾臓組織における約70.9時間*μg/mLのAUC0〜last、および/または脾臓組織における約7.58μg/mLの薬物のCmaxを生じさせる、請求項31に記載の方法。
  34. 前記rhACが、前記健康なCD−1マウスにおいて、腎臓組織における約25.8時間*μg/mLのAUC0〜last、および/または腎臓組織における約2.61μg/mLの薬物のCmaxを生じさせる、請求項31に記載の方法。
  35. 前記rhACが、前記健康なCD−1マウスにおいて、心臓組織における約4時間*μg/mLのAUC0〜last、および/または心臓組織における約0.362μg/mLの薬物のCmaxを生じさせる、請求項31に記載の方法。
  36. 前記rhACが、前記健康なCD−1マウスにおいて、肝臓組織における約0.0419時間*μg/mLのAUC0〜last、および/または肝臓組織における約0.147μg/mLの薬物のCmaxを生じさせる、請求項31に記載の方法。
  37. 前記rhACが、前記健康なCD−1マウスにおいて、血液における約0.858時間*μg/mLのAUC0〜last、および/または血液組織における約1.23μg/mLの薬物のCmaxを生じさせる、請求項31に記載の方法。
  38. 前記rhACが、前記健康なCD−1マウスにおいて、BALFにおける約0.000245時間*μg/mLのAUC0〜last、および/またはBALFにおける約0.00196μg/mLの薬物のCmaxを生じさせる、請求項31に記載の方法。
  39. 前記rhACが、前記健康なCD−1マウスにおいて、肺組織における約8.4時間*μg/mLのAUC0〜last、および/または肺組織における約1.42μg/mLの薬物のCmaxを生じさせる、請求項31に記載の方法。
  40. 前記活性化形態の精製された組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)が、RVT−801である、請求項31〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記精製された、組換えにより生成された酸性セラミダーゼが、検出可能な酸性スフィンゴミエリナーゼ活性を有しない、請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記活性化形態の精製された組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)の投与前、投与と同時、または投与後に、解熱剤、抗ヒスタミン剤、コルチコステロイド、またはそれらの任意の組み合わせを前記ヒト対象に投与することをさらに含む、請求項1〜41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記活性化形態の精製された組換えヒト酸性セラミダーゼ(rhAC)が、治療用組成物中で投与される、請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記治療用組成物が、経口、吸入、鼻腔内注入、局所、経皮、非経口、皮下、静脈内注射、動脈内注射、筋肉内注射、胸腔内、腹腔内、髄腔内、または粘膜への適用により投与される、請求項43に記載の方法。
  45. 前記治療用組成物の1回以上の反復投与をさらに含む、請求項43または44に記載の方法。
  46. セラミドレベルを低下させる1つ以上の追加の薬剤を投与することをさらに含む、請求項1〜45のいずれか一項に記載の方法。

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