JP2021511895A - 高い唇側引張強度を有するセラミック自己結紮式ブラケット - Google Patents

高い唇側引張強度を有するセラミック自己結紮式ブラケット Download PDF

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Abstract

歯科矯正的に望ましい寸法を有する、高強度の自己結紮式装具である。本装具は、本体内のチャネルに摺動可能に係合されたドアを組み込み、このドアは、ドア上の一体的突出部の平衡位置に応じて開閉することができる。本体及びドアの溝及びレールを協働させて、開位置と閉位置との間でドアを誘導し、意図しない離脱を軽減することができる。改善された唇側引張強度をもたらすレールを含む装具が開示される。

Description

歯科矯正は、歯列不正の専門的な管理、指導及び矯正に関連する歯科分野である。歯科矯正治療の利益としては、適正な咬合機能の達成及び維持、顔の審美性の向上、及び歯科衛生の改善が挙げられる。これらの目標を達成するために、歯科矯正専門家は、患者の歯に係合し、穏やかな治療力を加えて歯を適切な位置に向かって移動させる矯正装具を使用することがよくある。
ある一般的な種類の治療では、歯科矯正ブラケットと呼ばれる、スロットを有する小さな装具が使用され、この装具は、患者の歯の前側又は裏側のいずれかの表面に接着剤により装着される。治療を開始するには、弾性のアーチ形ワイヤ(「アーチワイヤ」)が各ブラケットのスロットに受け入れられる。アーチワイヤの端部は、一般に、患者の大臼歯に接合される、大臼歯チューブと呼ばれる装具内に捕捉される。アーチワイヤは、その元の形状へと緩徐に戻るため、歯の移動を所望の位置に向けて誘導する、軌道としての役割を果たす。これらのブラケット、チューブ、及びアーチワイヤは、まとめて「ブレース」として知られる。
歯科矯正ブラケットにアーチワイヤを係合させて有効にするために使用される手順は、結紮として知られている。従来のブラケットは、互いに対向する一対以上のタイウィング、又はブラケット本体上のクリート状の突起部に補助されてアーチワイヤに結紮される。アーチワイヤをアーチワイヤスロット内に配置し、一般的に、小さなエラストマー製の「O」リング状結紮具、又は代替的に、金属製結紮ワイヤを、アーチワイヤの上方、及びアーチワイヤスロットの対向する側面上に位置するタイウィングのアンダーカット部分の下方に締め付ける。したがって、結紮によって、各ブラケットのアーチワイヤスロット内にアーチワイヤを固定し、これらの本体間の正確な機械的結合をもたらす。
結紮は多数の欠点を有する。例えば、エラストマー製結紮具は経時的に弾性を喪失する傾向があり、アーチワイヤの摺動機構が不整合になる。これらの結紮具は治療の審美性ために半透明にすることができるが、汚れ易いという傾向もある。一方で、結紮ワイヤを用いた結紮は、極めて煩雑で時間がかかることもある。結紮ワイヤはまた、金属で作製されているため、一般に非審美的とも見なされる。
自己結紮式ブラケットは、上記の問題に対して、解決策を提示する。これらの装具は、スロット内にアーチワイヤを保持するために、一般的には、クリップ、ばね部材、ドア、シャッター、ベイル、又は、ブラケット自体に組み込まれた他の結紮機構を使用することにより、別個の結紮具の使用が不要となる。自己結紮式ブラケットを使用することから、幾つかの利点を導き出すことができる。例えば、これらの装具は、エラストマー製結紮具を使用して結紮されるブラケットと比較して、アーチワイヤとブラケットとの間の摩擦を減少させることができ、治療の初期段階においてより速い歯のレベリング及びアライニングを提供し得る。結紮機構次第で、これらの装具はまた、アーチワイヤの装着及び除去を簡略化し、治療を行う専門家のチェアタイムを大幅に短縮することもできる。最後に、自己結紮式ブラケットはまた、食品及び歯垢が詰まる恐れのある、エラストマー製結紮具及び結紮ワイヤを使用する従来のブラケットよりも、良好な衛生状態を提供することもできる。
結合面を有するベースと、ベースから外向きに延在する本体であって、本体は、近心−遠心方向に延在するアーチワイヤスロットを含み、アーチワイヤスロットは、底壁と、ワイヤスロットに対して略垂直に方向付けられたチャネルとを有する、本体と、
本体に摺動可能に連結されたドアであって、アーチワイヤスロット内でアーチワイヤを結紮することができる開状態と、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持することができる閉状態との間で移動可能であるドアと、を備える歯科矯正装具が提供され、ドアは舌側面から延びた支柱を含み、支柱はチャネルに摺動可能に受け入れられており、支柱は第1のレールを含み、第1のレールは、0.0254mm〜0.200mmの第1のレール高さhを有し、第1のレールは、支柱の近心側又は遠心側に沿って延びており、チャネルは第1の凹部を含み、第1のレールは第1の凹部に摺動可能に係合されている。
本開示の特徴及び利点は、詳細な説明並びに添付の特許請求の範囲を考察することによって更に理解されるであろう。
一実施形態による歯科矯正装具の顔面側、歯肉側、及び遠心側の方を見た斜視図である。 図1の装具の顔面側の方を見た平面図である。 図1、図2の装具の歯肉側、顔面側、及び遠心側の方を見た分解斜視図である。 図1〜図3の装具の遠心側の方を見た側面図である。 図1〜図4の装具の遠心側の方を見た側面図である。 アーチワイヤスロットへのアクセスを可能にするためにドアが開いた状態の図1〜5の装具の遠心側の方を見た断面図である。 アーチワイヤスロットへのアクセスを制限するためにドアが閉じた状態の図1〜5の装具の遠心側の方を見た断面図である。 装具の隠れた特徴を露出させるためにドアが取り外された状態の図1〜5の装具の斜視図である。 図7の装具の顔面側の方を見た平面図である。 図1〜図6の装具のドアの歯肉側、舌側、及び遠心側の方を見た斜視図である。 図1〜図6の装具の咬合側の方を見た平面図である。 アーチワイヤスロット内にワイヤを含む、図10の装具の斜視図である。 最大レール高さが0.200mm超のレールを含む、図10の装具の断面斜視図である。 最大レール高さが0.200mm未満のレールを含む、図10の装具の断面斜視図である。 レール高さ「h」がどのように決定されるかを示す印を含む、図10の装具のドアの斜視図である。 凹部深さ「d」がどのように決定されるかを示す印を含む、ドアが取り外された状態の図1〜図5の装具の咬合側の方を見た平面図である。
方向の定義
本明細書において使用される場合、
「近心」とは、患者の湾曲した歯列弓の中心に向かう方向を意味する。
「遠心」とは、患者の湾曲した歯列弓の中心から離れる方向を意味する。
「咬合側」とは、患者の歯の外側先端部に向かう方向を意味する。
「歯肉側」とは、患者の歯茎又は歯肉に向かう方向を意味する。
「顔面側」とは、患者の唇又は頬に向かう方向を意味する。
「舌側」とは、患者の舌に向かう方向を意味する。
以下のセクションでは、自己結紮式歯科矯正装具及びそれに関連する方法を目的とする、例示的実施形態を説明する。これらの実施形態は、例示的なものであり、したがって、本発明を過度に制限するものとして解釈されるべきではない。例えば、当業者は、開示される装具及び方法を、歯の唇側面若しくは舌側面のいずれかへの取り付けに適合させるか、同じ歯列弓内の異なる歯への取り付けに適合させる(例えば、その歯列弓の近心側半体及び遠心側半体上の対応する装具)か、又は、上歯列弓若しくは下歯列弓のいずれかに位置する歯への取り付けに適合させることができる点を理解されたい。
本明細書で説明される装具及び方法は、任意選択的に、治療を受けている個々の患者に合わせてカスタマイズすることができる。材料及び寸法上の仕様もまた、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示されるものから変更することができる。別段の指定がない限り、提供される装具及び構成要素は、当業者には既知の、様々な金属材料、セラミック材料、ポリマー材料、及び複合材料のうちのいずれかで構築することが可能である。更には、別段の指示がない限り、これらの装具及びそれらの構成要素に関連付けられる寸法は、決定的なものではなく、添付図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているものではない。
数字100で指定された一実施形態による歯科矯正装具が、図1及び図2に組み立てられた形態及び図3に分解された形態で示される。装具100は、ベース102と、ベース102から外向きに延在する本体104とを有する。ベース102の底部は、装具100が結合されるそれぞれの歯の表面に概ね近似した凹状の三次元表面輪郭を有する結合面106を有する。特定の実施形態では、結合面106は、近心−遠心方向及び咬合側−歯肉側方向の双方で湾曲を有する、複合輪郭を特徴とし得る。
結合面106は、任意選択で、ベース102と下に存在する歯との間の接着剤結合を強化するために、メッシュ、孔、隆起部、凹部、アンダーカット、マイクロエッチング表面、ガラスグリット、結合粒子、オルガノシラン処理表面、又は任意の他の既知の機械的若しくは化学的改質を含み得る。あるいは、ベース102はまた、バンド状構成を有することも可能であり、この構成では、ベース102が歯を完全に取り囲む。他の実現では、ベース102は、ベース102と歯牙構造との間の間隙を埋めることを支援する、固定式の圧縮性材料を含み得る。好適な圧縮性材料は、米国特許公開第2009/0233252号(Cinader)で説明されている。
この実施形態の歯科矯正装具100、及び他の実施形態の歯科矯正装具は、別段の指示がない限り、本明細書では、上顎又は下顎上の歯の唇側面に付随する、基準フレームを使用して説明される。したがって、歯科矯正装具100を説明するために使用される、唇側、舌側、近心、遠心、咬合側、及び歯肉側などの用語は、その選択された基準座標に対するものである。しかしながら、歯科矯正装具100は、口腔内部で、他の歯上及び他の向きで使用することができるため、それらの実施形態は、選択された基準座標及び記述用語に限定されるものではない。例えば、歯科矯正装具100は、歯の舌側面に結合させることもできる。基準フレームに変更がある場合、本明細書で使用される記述用語を直接適用することができない点が、当業者には認識されるであろう。それにもかかわらず、これらの実施形態は、口腔内部での場所及び向きとは無関係であることが意図され、歯科矯正ブラケットの実施形態を説明するために使用される、これらの相対的用語は、図面内の実施形態の明確な説明を単に提供するためのものに過ぎない。
略直線状の形状を有するアーチワイヤスロット108は、本体104の概して顔面側に面した面を略近心−遠心方向に横切って延びている。特に図4の遠心図を参照すると、アーチワイヤスロット108は、歯肉側の側壁111及び咬合側の側壁112と共に、底部の舌側壁110を含む。咬合側壁111は、本体104の歯肉側のドア支持部114の表面によって、少なくとも部分的に画定される(図3及び図8を参照)。アーチワイヤ(図示せず)は、アーチワイヤスロット108内に受け入れられ、典型的には、アーチワイヤスロット108の壁110、111、112と実質的に一致する、概して矩形の断面を有する。アーチワイヤの寸法とアーチワイヤスロット108の寸法との厳密な一致は、アーチワイヤと装具100との間の正確な結合をもたらし、治療を行う施術者に、歯の移動に対する高度な制御を与えることができる。しかし、スロット壁の寸法に厳密に近似しない、他のアーチワイヤ幾何学形状を使用することができることが理解されるであろう。
装具100は、トルク及びアンギュレーションに関して、予め調節することができる。歯のアンギュレーションは、Dr.Lawrence F.Andrewsの教示に従って、咬合平面に垂直な線に対する、臨床歯冠の顔面軸線(「FACC」)の近心遠心傾斜として定義することができる(例えば、Lawrence F.Andrews著「Straight Wire,The Concept and Appliance」(L.A.Wells Co.,(著作権)1989年)を参照)。ブラケットのアンギュレーションは、歯のアンギュレーションを提供するための、ブラケットのベースに対する、ブラケットのアーチワイヤスロットの特定の角度方向として定義することができる。歯のトルクは、咬合平面に垂直な線から測定される場合の、FACCの頬唇側−舌側傾斜として定義することができる。したがって、ブラケットのトルクは、所望の歯のトルクが得られるような、ブラケットのベースに対するアーチワイヤスロットの向きとして定義することができる。ブラケットのトルクは、典型的には、アーチワイヤスロット若しくはアーチワイヤ通路の指定された角度、すなわち「スロットでのトルク」、又はブラケットの歯装着表面で形成される角度、すなわち「ベースでのトルク」を介して提供される。いずれの構成の下でも、装具100には、図4内の文字「T」によって指定される、特定のトルクを提供することができる。このトルク、又は角度Tは、アーチワイヤスロット108の底壁110を含む基準面175と基準線177との間の角度に相当する。基準線177は、咬合側−歯肉側方向に延びており、アーチワイヤスロット108の近心−遠心中心及び咬合側−歯肉側中心の下の、舌側方向に位置する点で、ベース104に接する。基準線177は、したがって、装具100のトルク面の範囲内に存在する。
本体104内に摺動可能に受け入れられたドア130は、アーチワイヤスロット108へのアクセスを制御し、図1、図2、及び図4では閉位置で示されている。ドア130の一部は、アーチワイヤスロット108の中心部分を横切って延び、これによって、装具100のスロット108に対するアーチワイヤ(図示せず)の出入りを防止する。図1に示される構成では、アーチワイヤは、患者の口内で実施される、通常の咀嚼及びブラッシング活動の結果としてアーチワイヤが過って脱落するようなことがないように、装具100に確実に結紮されることになる。ドア130は、アーチワイヤスロット108(図3及び図5に図示する)へのアクセスを可能にする開位置と閉位置との間で切り替わるように咬合方向及び歯肉方向の両方に摺動することができる。上歯列弓又は下歯列弓に取り付けられた装具100の場合、ドア130は、咬合方向又は歯肉方向のいずれかに摺動して開き、反対方向に摺動して閉じることができる。アーチワイヤは、アーチワイヤスロット108の長さに沿って摺動可能とすることができ、また典型的には摺動可能とするべきであり、これによって、アーチワイヤは、不正咬合歯の移動を誘導する、軌道として機能することが可能となる。そのような摺動は、治療のレベリング段階及びアライニング段階の間、歯がほぐれるため、特に顕著である。
ほとんどの状況下では、ドア130はそのままで、アーチワイヤを装具100に結紮するのに十分である。しかしながら、必要に応じて、治療を行う専門家は、本体104上に位置するアンダーカット116、117及びタイウィング118を用いて、アーチワイヤを手動で結紮することを選択することができる。結紮は、例えば、エラストマーOリング又は結紮ワイヤを、アンダーカット116、117の下、スロット108内に受け入れられたアーチワイヤの上、及びタイウィング118の下に固定することによって、達成することができる。アンダーカット116、117及びタイウィング118はまた、所望の場合には、パワーチェーンを2つ以上の歯に固定するために用いられてもよい。
図7及び図8を参照すると、この実施形態において、本体104は、本体104の顔面側面の咬合部分に一対のガイドレール115を有する。各ガイドレール115は、チャネル120の近心側及び遠心側のうちの一方で、略咬合側−歯肉側方向に沿って延びている。ドア130は、以下に更に説明するように、略咬合側−歯肉側方向でドアに力が加えられるときに、ガイドレール115に沿って摺動する相補的溝138、139(図9及び図10参照)を含む。当業者であれば分かるように、ドア130の摺動を容易にし、締め付けを回避するために、ガイドレール115と溝138、139との間に適切な公差が存在してもよい。
複合縦チャネル120は、本体104の歯肉側から咬合側に向かって延びている。チャネル120は、タイウィング118とガイドレール115との間を通っており、本体104を近心側半体及び遠心側半体に本質的に分岐させる。チャネル120は、図示されたように、アーチワイヤスロット108より歯肉側において狭い近心−遠心厚さを含み得る。アーチワイヤスロット108に対して咬合側にある本体104側で、チャネル120は、主チャネル部121、及びその長さの一部に沿ってチャネル120へ延びる対向する凹部123、124を含む。図示された実施形態では、凹部123、124は、チャネル120の底壁122の上方の本体104のドア支持部114に形成され、各凹部と底壁122との間には壁部125、126が残されている。凹部123、124は、凹部として図示されているが、所与のドア130構成を収容するために、別の断面形状(例えば、長方形、台形、正方形など)を含むことができる。しかし、現在の好ましい状況では、凹部は、開位置と閉位置との間でのドア130の摺動を容易にするために凹状である。いくつかの実施形態では、凹部123、124は、図15の文字「d」によって指定される最大凹部深さを有する。凹部深さdは、図15に示すように測定値「X」及び「Y」を記録し、次いで、これらの測定値を式Iに代入することによって計算することができる。
d=(Y−X)/2 (I)
いくつかの実施形態では、dは、0.200mm以下、0.199mm以下、又は0.198mm以下(例えば、0.197mm)であってもよい。いくつかの実施形態では、dは、0.0254mm以上、0.0508mm以上、0.0762mm以上、0.102mm以上、0.110mm以上、又は0.120mm以上(例えば、0.121mm)であってもよい。いくつかの実施形態では、hは、0.0254mm〜0.200mm、0.0508mm〜0.200mm、0.0762mm〜0.199mm、0.102mm〜0.199mm、0.110mm〜0.198mm、又は0.120mm〜0.198mm(例えば、0.121mm〜0.197mm)であってもよい。凹部123、124は、チャネル120の咬合側端に開放されており、ドア130上の相補的レール141を受け入れるように寸法決めされている。チャネル120及び凹部123、124の双方の開放された咬合側端は、ドア130を略歯肉側方向に本体104内へ摺動させることによって装具100を組み立てることを可能にし、ドア130を略咬合側方向に摺動させることによって装具100を分解することを可能にする。凹部123、124が少なくとも部分的にアーチワイヤスロット108内に開放されているという点で、凹部123、124は、それぞれの歯肉側端に向かって開放されている。特定の実現では、図示されているように、装具アセンブリが、ドア130の本体104に対する望ましくない摺動を制限する、以下に記載したビームなどの別の手段に依拠した状態で、凹部123、124は、それぞれの咬合側端及び歯肉側端の両方で開放することができる。あるいは、凹部123、124は、それぞれの歯肉側端に向かって閉じられ、壁112で終端することができる。
いくつかの実施形態では、チャネル120は、底壁122と結合面106との間に位置する脆弱ウェブを少なくとも部分的に画定し、脆弱ウェブを破砕して装具100の近心側半体及び遠心側半体を互いに向かって枢動させることによって、装具を簡便に圧搾剥離させることができる。更なる選択肢及び利点については、発行済み米国特許第5,366,372号(Hansenら)に記載されている。
ドア130を、別々の位置の間、例えば、開位置と閉位置との間で切り替えるための様々な機構をチャネル120内に実現することができる。ドア130のための局所平衡位置を提供する一時的ラッチ機構は、有利に、治療を行う専門家がスロット108内にアーチワイヤを配置しているときにドア130が自然に閉じる、又は逆に、ドア130が治療過程で自然に開くのを防ぐことができる。図示された実施形態では、ラッチは、ドア130の摺動方向に略垂直な、チャネル120の一部を横切って近心−遠心方向に延びる撓み可能なビーム160である。ドア130の位置を一時的に拘束するための機構の更なる例は、国際公開第2014/018095号(Laiら)に見ることができる。
撓み可能なビーム160は、チャネル120への咬合側入口から離れており、本体104の近心及び遠心ドア支持部114の少なくとも1つを通って延びる横チャネル162に内に受け入れられる。いくつかの実施形態では、横チャネル162は、近心ドア支持部114及び遠心ドア支持部114の両方を通って延び、それによって当該チャネルを2つのチャネル部(すなわち、近心及び遠心)に分割するが、これはこの場合に当てはまらなくてもよい。ビーム160は、各チャネル162部の全部又は一部を通って延びることができる。ある特に有利な実現では、ビームは、近心ドア支持部114及び遠心ドア支持部114の両方における横チャネル162の一部を通って延びている。ビーム160の一端は、接着剤などを用いてチャネル162の近心部又は遠心部に固定し、他端は反対側のチャネル部において自由にしておくことができる。このビーム160の保持構造では、発行済み米国特許第5,366,372号(Hansenら)に記載されているような脆弱ウェブの破砕などによる剥離中、ビーム160の固定端のみが典型的にはチャネル162内に残ることになるので、不注意による分解が防止される。
ドア130の組み立てにおいて、ビーム160は、チャネル120の底壁122に向かって弾性的に撓むことによってラッチとして機能し、ドア130が歯肉側方向においてビーム160に付勢されるときにドア130の通過を可能にする。したがって、ビーム160は、不注意によるドアの咬合側−歯肉側移動、特に、開閉位置間での移動を防止するように作用する。ドア130とビーム160との間の相互作用の更なる態様を以下に詳細に論じる。
図示されたビーム160は略円形の断面を含むが、矩形又は楕円形などの他の断面形状も可能である。更なる適切なビーム幾何学的形状は、例えば、国際公開番号2014/018095号の図20〜図25に関して記載されている。ビーム160は、好ましくは、ステンレス鋼、チタン、コバルトクロム合金などの弾性金属合金(Elgiloy Specialty Metals(Elgin、IL)製のものなど)、又はニッケルとチタンの合金などの形状記憶合金(例えば、ニチノール)から作製される。現在の好ましい実現では、弛緩時のビーム160の形状が治療過程の間に著しく変化しないように、ビーム160は十分に弾性である。
ドア130は、顔面側面132の反対側に、舌側面131を含む。ドアは、装具100の近心−遠心全幅と実質的に一致する近心−遠心幅を有する。ドア130は、ドア130が閉位置にあるときに、アーチワイヤスロット108の上に延びる、歯肉側縁部領域133を含む(図2及び図4を参照)。したがって、縁部領域133の下の舌側面131の一部は、アーチワイヤスロット108内にアーチワイヤが受け入れられている場合、そのアーチワイヤと接触することになる(そのような接触が規定のものである場合)。再び図2を参照して理解することができるように、縁部領域133は、アーチワイヤスロット108の本質的に近心−遠心の全長に延びている。縁部領域133の一部は、ドアが閉位置にあるときにアーチワイヤスロット108の歯肉側壁111に隣接する、本体の壁面113に当接し得る。
歯肉側縁部領域133は、ドアが閉位置にあるときにアーチワイヤスロット108の近心端及び遠心端に配置される、近心及び遠心アーチワイヤ接触面134を含む。各接触面134は、アーチワイヤスロット108(及び平面175)の底壁110に少なくとも実質的に平行な平面(図4に「O」で示される)を画定する。この関連で使用される場合、接触面は、平行からの偏差が5度以下であるときに底壁に対して実質的に平行である。現在の好ましい実施形態では、接触面134は、少なくとも典型的な製造公差内(すなわち、当該表面を画定する面同士の間の角度が2度以下である)で、底壁110と平行である。しかしながら、以下に更に説明するように、接触面134は、咬合側本体102の一部に接触するドア130の滑り面137とは必ずしも平行ではない。更に、接触面134を画定する平面Oは、トルク面(例えば、基準線177)に対して鋭角に方向付けることができる。いくつかの実施形態では、基準線177でのトルク面と基準面Pとの間に形成される角度αは、−30度〜+30度である。
接触面134は、部分的にスロット108長さに延び、スロット108の端部で顔面側−舌側スロット高さ109を効果的に制御する。図示された実施形態では、接触面134によって、スロット108の近心−遠心中心に隣接する領域におけるスロット高さ109よりも、近心端及び遠心端における有効スロット高さ109が短くなっている。スロットの近心端及び遠心端で高さ109を減少させることにより、組み立て後の装具は、ブラケット本体102の強度を犠牲にすることなく、所与の装具及びアーチワイヤ規定の一方又は両方をより良く表現することができる。ドア130は、近心−遠心方向に沿って互いに隔置された2つの箇所で、アーチワイヤと係合することができるため、単一の箇所でアーチワイヤと係合することによって達成可能な他の方式よりも、アーチワイヤの角度的溢出を低減して、より優れた回転制御を達成することが可能である。更に、接触面134は、不必要にドア130を開けることなくアーチワイヤが装具100に実質的なトルク(すなわち、ねじり力)を加えることを可能にすることによって、より確実な結紮を提供することができる。当業者によって理解され得るように、ドア130の縁部領域133の近心−遠心幅は、同様にアーチワイヤスロットの長さに及ぶように延び得る。
縁部領域133は、特定の実施形態では、アーチワイヤスロット108内にアーチワイヤを誘導するための、押圧要素としての役割を果たすように、接触面134より歯肉側に少なくとも1つの面取り部又は他の表面構成を含み得る。押圧要素の更なる属性及び構成は、米国特許第8,469,704号(Odaら)に見ることができる。
歯肉側縁部領域133より咬合側にある近心縁部135及び遠心縁部136は、ドアの幅にわたって隔置された略平面状の滑り面137を含む。滑り面137同士の間の幅は、ガイドレール115の外縁部同士間の距離に概ね相当する。滑り面137は、ドア130がチャネル120に受け入れられたときに、本体104のドア支持面114から概ねオフセットされており、ドア130が開閉するときに、滑り面137が本体104上を移動するものの、本体104に接触しないようになっている。滑り面137は、本開示の特定の実現では、装具のトルク面に少なくとも実質的に平行な基準面(図4の「P」)に存在し得る。トルク面に平行又は実質的に平行な滑り面を提供することは、規定の位置又はそうでなければ所望の位置にブラケットを確実に着座させることに役立ち、更に、患者の快適性を高めるために装具の顔面側−舌側高さを低減する。
図示された実施形態では、滑り面137基準面Pは、アーチワイヤスロット108の底壁110及びアーチワイヤ接触面134を含む平面Oに対して鈍角βで方向付けられている。いくつかの実施形態では、滑り面平面Pと接触面平面Oとの間に形成される角度βは、少なくとも約140度、少なくとも約150度、又は少なくとも約160度である。いくつかの実施形態では、平面Oと平面Pの間に形成される角度βは、最大約175度、最大約170度、又は最大約165度である。
ドア130は、支柱140、及び舌側面138の少なくとも一部に咬合側−歯肉側方向に延びる一対の溝138、139を更に含む。図9及び図10に最も良く図示されるように、一対の溝138、139は、各溝が滑り面137と支柱140との間に配置された状態でドアの舌側面131に形成される。溝138、139は、寸法及び相対位置が、本体104の顔面側面のガイドレール115に対応している。上述したように、溝138、139は、一対のガイドレール115に沿って摺動し、したがって、組み立てが容易になるように開放端になっている。ガイドレール115及び溝138、139が全体として、ドア130の作動的摺動運動を誘導する。溝138、139は、図示されたようにドア130の咬合側−歯肉側全長に延びることができ、又は歯肉側縁部領域133に隣接して終端してもよい。上述のように、有効スロット高さ109は、ドア130が閉位置にあるときに、溝138、139の両方によって覆われるアーチワイヤスロット108領域で大きくなることになる。
舌側面131で溝138、139を使用することにより、ドア130、ひいては装具100の顔面側−舌側プロファイルを低減することが可能になる。溝から舌側方向に離されたアーチワイヤ接触面134を組み入れることによって、ドア130又は本体104のいずれかの構造的完全性を犠牲にすることなく、所望のアーチワイヤスロット高さ109を維持することができる。構造的完全性は、高い応力及び故障が生じるまでドアが耐えることができる唇側引張力の量を増加させる。結合、治療、アーチワイヤ交換、及び歯科矯正治療の間に高い力に遭遇することが多い自己結紮ブラケットにとっては、より高い唇側引張力は特に望ましいものである。
拡大した支柱140が、ドア130の舌側面131から外向きに延びている。組み立て時に、支柱140は、装具本体のドア支持部114同士の間のチャネル120内に受け入れられる(例えば、図4参照)。支柱は、チャネル120の底部122に向かって各々延びている歯肉側前縁部142及び咬合側後縁部143を含む。1本の支柱140が図示されているが、代替的装具構成では、組み立て時にチャネル120内へ延びる2本の支柱を含むこともできる。支柱140は、滑り面137基準面Pに略垂直な軸線Sに沿ってドア130の近心−遠心中心領域から舌側方向に延びている。しかしながら、ドア130の所望の回転によっては、支柱140は、滑り面137基準面Pに対して斜角で延びる軸線Sに沿って突出していてもよい。
支柱140は一対のレール141を含み、これらのレールは、舌側面131からオフセットされ、対向する近心側面及び遠心側面に沿って延びている。各レール141は、チャネル120内の対応する近心側凹部123及び遠心側凹部124に摺動可能に受け入れられるように寸法決めされている。レール141は、略凸部として図示されているが、所与の凹部123、124構成に適応するために、別の断面形状(例えば、長方形、台形、正方形など)を含むこともできる。現在の好ましい実現は、近心側レール及び遠心側レールの両方を特徴とするが、本開示による他の装具構成は、単一レール又はレール無しを特徴とすることもできる。しかし、好ましい実現では、対向するレール141同士が、ドア構造に強度を加え、着座したアーチワイヤからの顔面側方向の力によるドアの望ましくない回転を防止する。レール141は、図14の文字「h」によって指定される最大レール高さを有する。レール高さhは、図14に示すように測定値「A」及び「B」を記録し、次いで、これらの測定値を式IIに代入することによって計算することができる。
h=(B−A)/2 (II)
0.200mm未満のレール高さhを有するブラケットについて、唇側引張強度試験(以下の実施例を参照)によって決定される平均引張強度値が、驚くべきことに、類似しているがレール高さhが0.200mmを超える装具(すなわち、ブラケット)の平均力値よりも、約10%〜50%以下高いことが判明した。いくつかの実施形態では、hは、0.200mm以下、0.199mm以下、0.198mm以下、0.197mm以下、0.196mm以下、又は0.0.195mm以下(例えば、0.195mm)であってもよい。いくつかの実施形態では、hは、0.0254mm以上、0.0508mm以上、0.0762mm以上、0.102mm以上、又は0.127mm以上(例えば、0.140mm)であってもよい。いくつかの実施形態では、hは、0.0254mm〜0.200mm、0.0508mm〜0.199mm、0.0762mm〜0.198mm、0.102mm〜0.197mm、0.127mm〜0.196mm、0.130mm〜0.195mm、又は0.140mm〜0.195mmであってもよい。いくつかの実施形態では、0.200mm以下、0.199mm以下、0.198mm以下、0.197mm以下、0.196mm以下、又は0.195mm以下のレール高さを有するブラケットが、唇側引張強度試験(以下の実施例を参照)によって決定される平均引張強度値を有し得、この平均引張強度値は、類似しているが0.200mm超のレール高さhを有するブラケットの平均引張強度値よりも、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも16%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%大きい。いくつかの実施形態では、第1のレールは、第1のレール高さh(例えば、0.160mm)を有してもよく、第2のレールは、第1のレール高さhよりも大きい第2のレール高さh(例えば、0.185mm)を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1のレールは、第1のレール高さh(例えば、0.160mm)を有してもよく、第2のレールは、第1のレール高さhよりも小さい第2のレール高さh(例えば、0.155mm)を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1のレール高さh及び第2のレール高さhは、同じであってもよい(例えば、h=h=0.170mm)。
図6A、図6B、及び図9に更に示すように、支柱140の舌側部分は、歯肉側前縁部142と咬合側後縁部143との間にドア140の移動方向に沿って互いに隔置された一対の略凹状の窪み部144、145を含む。突出部146は、窪み部144、145の間に配置され、略舌側方向に外向きに延びている。突出部146と突出壁部142a、143aとが協働して、ビーム160を窪み部144、145内に捕捉して保持し、ドア110が本体104から外れるのを防止する。ドア110が能動的に開閉中でない限り、ビーム160は、ドア110の開閉位置にそれぞれ対応する窪み部144、145によって画定される2つの位置のうちの1つを一般にとる。ドア140は、図6A及び図6Bに示すように、撓み可能なビーム160の咬合側領域と歯肉側領域との間で突出部146を前後に摺動させることによって、可逆的に開閉することができる。
前縁突起部142aは、正の停止面として作用し、ドア130の咬合側移動及び十分な所望の力なしでの分解を防止する。前縁突起部142aの咬合側面147は、ビーム160に対して凸状湾曲を含むことができ、特定の好ましい実施形態では、複合凸状湾曲を含む。複合湾曲を有する実現では、凸状咬合側面147は、連続的に湾曲した表面を呈してもよいし、近心−遠心中心に隣接した平坦地領域を含んでもよい。このような実現において、咬合側面147の近心縁部及び遠心縁部は、典型的には、咬合側面147の他の領域に対してより大きい曲率半径を含むことになる。ドア130が開いているとき、咬合側面147がビーム160の歯肉側面に直接近接して配置されることになる。この表面147上の湾曲の存在は、ドアが咬合側方向に引っ張られた場合に、縁突起部142a上のビーム160から力を分散させる働きをすることができる。湾曲した咬合側面147にわたる力の伝達は、前縁突起部142aが破損して、ドアの動作を実質的に中断し、結果として患者の治療を中断することを防止することができる。
この構成から、ドア130に歯肉側方向の付加的な力を加え、ドア130を閉じてアーチワイヤスロット108への顔面側アクセスを制限することができる。閾値量の力に達すると、ビーム160は弾性的に撓み、突出部146が第2の位置へ移動することが可能になる。この位置では、ビーム160は咬合側凹部145の下に配置され、突出部146はビーム160の歯肉側に位置する(図6B参照)。ここで、ビーム160を、突出部146と後縁突起部143aとの間の第2の平衡位置に拘束することができる。突出部146がビーム160より歯肉側になると、ドア130は閉じる。ビーム160は、チャネル120内でその元の向きに向かって撓んで戻り、咬合側凹部145と係合し、ドア130が自然に開くのを防止することができる。咬合側後縁突起部143aは、食品又は他の材料が装具100に入るのを防止する。
いくつかの実施形態では、突出部146の幾何学形状を適合させることにより、ドア130の開閉に必要とされる力を調整することもできる。例えば、略台形の輪郭(近心方向又は遠心方向から見て)を有し、適切な側壁角度を有する突出部146を使用することによって、開閉力を一般に低減することができる。いくつかの実施形態では、側壁角度は、約45度未満、約35度未満、又は約30度未満である。反対に、約45度超、約55度超、又は約60度超の側壁角度を使用することによって、開閉力を増大させることができる。所望の場合、実質的に異なる側壁角度(すなわち、図6Aのγ及びγ)を有する台形突出部146を使用することによって、非対称の開閉力を実現することができる。例えば、突出部146の前(又は歯肉側に面する)縁は、この突出部のベースに対して、40度の側壁角度γを有することができ、一方、突出部146の後(又は咬合側に面する)縁は、60度の側壁角度γを有することができる。このような構成により、開放力閾値を意図的に増加させることができ、咀嚼中にドア130が誤って開くのを防止する。
繰り返しになるが、ドア130を開閉するプロセスは、ビーム160の弾力性により可逆的とすることができる。治療を行う専門家が、ドア130を開閉するために咬合側の力及び歯肉側の力を付与すると、ビーム160はチャネル120の底壁122に向かって撓み可能であり、それによって、突出部146がビーム160よりそれぞれ歯肉側及び咬合側になるように切り替えることが可能になる。
ドア開閉力は、特に、ビーム160の材料特性、突出寸法、及び断面寸法によって決定される。現在の好ましい実現では、ビーム160は、超弾性ニッケル−チタン合金製のワイヤセグメントである。一つの例示的な実施形態では、ビーム160は、0.18ミリメートル(0.007インチ)の直径を有する円形断面構成を有する。他の実施形態では、少なくとも0.13ミリメートル(0.005インチ)かつ0.38ミリメートル(0.015インチ)以下の直径を有するビームを特徴とすることができる。突出部146は、0.20ミリメートル(0.008インチ)の高さ、及び0.356ミリメートル×0.25ミリメートル(0.014インチ×0.010インチ)の面積を有することができる。装具100が組み立てられた後、過渡期にない場合、ビーム160の頂部と突出部146の底部との間の干渉(例えば、重複)は、典型的には少なくとも0.127ミリメートル(0.0005インチ)であり、典型的には、0.381ミリメートル(0.015インチ)以下であり、この干渉を用いて、ドア130の偶発的又は望ましくない開放に対抗する更なる確実さをもたらす。ドア130の他の表面と本体104との間の隙間は、両体が組み立てられたときに、平均で約19マイクロメートル(0.00075インチ)である。
ドア130が閉位置にあるとき、アーチワイヤスロット108は、4つの実質的に剛性の壁によって取り囲まれている。任意選択で、スロット108は、本体104上に位置する部分咬合側壁111及び支柱140の歯肉側前縁部142に対応する部分底壁面の両方によって集合的に画定された咬合側壁を有する。部分咬合側壁112は、スロット108の近心及び遠心部分に沿って延び、ドアが閉位置にあるときに、スロット108の中央部分に沿って延びる前縁部142によって画定される部分壁面を跨いでいる。この特定の実施形態では、スロット108は、ドア130の接触面134によってのみ画定される顔面側壁、及び本体104によってのみ画定される歯肉側壁111を有する。
上記の構成の1つの利点は、レールとそれぞれの溝との間の境界面が長くなることである。これらの合わせ面が互いに係合するときに沿う咬合側−歯肉側長さを増加させることによって、この構成は、ドア130が本体104に沿って摺動して開閉する際の安定性を高め、ぐらつきを低減する。これは、患者の快適性のために装具100をできるだけ小さく作製し、本体104上のスペースが限られている場合に、特に有用である。
例示的な実施形態では、ベース102、本体104、及びドア110の一部又は全部は、透光性セラミック材料から作製される。本開示の実施形態において有用なセラミック材料としては、発行済み米国特許第6,648,638号(Castroら)に記載の微粒子多結晶性アルミナ材料が挙げられる。これらのセラミック材料は、強度が高いことで知られており、また、光線を透過して下にある歯面の色と視覚的に融合することができることから、金属材料と比較して美観にも優れている。本開示の実施形態において有用な他のセラミック材料としては、米国特許第9,657,152号(Kolbら)に記載されている半透明ジルコニア材料、国際公開第2012/125885号(Schechnerら)に記載されているZrO及びAlを含む着色セラミック材料、並びに国際公開第2014/022643号(Hauptmannら)に記載の予備焼結多孔質ジルコニア材料が挙げられる。いくつかの実施形態では、セラミック材料が、微粒子多結晶性アルミナ材料、半透明ジルコニア材料、ZrO及びAlを含む着色セラミック材料、予備焼結多孔質ジルコニア、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
他の実施形態では、ベース102及び本体104は、例えば、米国特許第4,536,154号(Gartonら)で開示されているようなポリマー材料、あるいは、米国特許第5,078,596号(Carberryら)及び同第5,254,002号(Reherら)で開示されているようなガラス繊維強化ポリマー複合材料などのポリマー−セラミック複合材料から、機械加工又は成型によって、一体的に作製することができる。他の適当な材料としては、例えば、金属材料(ステンレス鋼、チタン、及びコバルトクロム合金など)、プラスチック材料(繊維強化ポリカーボネートなど)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一例として、装具は、セラミック材料から作製されたベース102及び本体104、並びにポリマー複合材料から作製されたドア110を含むことができる。その他の材料の繰り返し及び組み合わせも可能である。いくつかの実施形態において、
上記で具体化された装具のドアは、好ましくは、治療を行う専門家が、歯科矯正用探針などの一般的な歯科矯正用手用器械を使用してドアを容易に開閉することを可能にする力特性を有する。任意選択で、専用の手用器械を使用してドアの滑り運動を制限することができる。例えば、ドアの前縁部と本体との間の継ぎ目に平坦なプローブを挿入し、捻ってドアを開けることができる。これは偶発的な剥離のリスクを低減するのに役立ち得る。現在の好ましい状況では、ドアを開閉するために必要とされる力は、施術者による容易な操作が可能となるように十分に弱いものであるが、また、咀嚼及び歯磨きなどの、治療の間に実施される通常の患者の活動中に、ドアが自然に解放することがないように、十分に強いものでもある。好ましくは、ドアを開放するために加えられる力の閾値量は、少なくとも約0.45ニュートン(0.1lbf)、少なくとも約0.9ニュートン(0.2lbf)、少なくとも約2.2ニュートン(0.5lbf)、又は少なくとも約4.4ニュートン(1lbf)である。この閾値力は、最大約25.8ニュートン(5.8lbf)、最大約11.6ニュートン(2.5lbf)、又は最大約8.9ニュートン(2lbf)とすることができる。
有限要素解析(FEA)を使用して唇側引張力を受けたときの装具の強度を検査することができ、唇側引張力とは、ドアを破損するまで唇方向に(例えば、スロットの底壁から反対側に)引っ張るのに要する力として定義される。ANSYSエンジニアリングシミュレーションソフトウェア(バージョン15、Canonsburg,PAのANSYS製)を用いて、装具構成について有限要素解析(FEA)を実行することができる。例えば、装具100は、高応力又は故障が生じるまで最大15.4lbの唇側引張力に耐えることが示された。この唇側引張力は、0.021インチ×0.021インチの正方形のステンレス鋼ワイヤセグメントを使用して試験した。
上記装具のキット及びアセンブリもまた本明細書では意図される。例えば、本明細書に記載された1つ以上の装具は、例えば、米国特許第4,978,007号(Jacobsら)、同第5,015,180号(Randklev)、同第5,429,229号(Chesterら)、同第6,183,249号(Brennanら)、及び米国特許出願公開第2008/0286710号(Cinaderら)に記載されているように、適切な歯科矯正用接着剤で予めコーティングし、1つの容器又は一連の容器に包装することができる。別の選択肢として、米国特許第7,137,812号(Clearyら)に記載されているように、これらの装具はいずれも、患者への間接的結合を可能にする配置装置と組み合わせて使用することもできる。
更なる選択肢として、上記装具はいずれも、国際公開第2013/055529号(Yickら)に記載されているように、トルク強度を高めるためにテーパ状の対向側壁を有するアーチワイヤスロットを含むことができる。
特に記載のない限り、実施例及び本明細書のその他の箇所における全ての部、百分率、比などは、重量によるものである。
方法
唇側引張強度試験:0.021インチ×0.021インチのステンレス鋼ワイヤである251−121(3M Company(Saint Paul,MN))を、ドアを閉じる前にブラケットのアーチワイヤスロット内に置く(図11を参照)。ブラケットベースは、3M ESPE RELYX Ceramic Primer,2721(3M Company(Saint Paul,MN))でプライミングし、TRANSBOND XT Light Cure Adhesive Primer,712−034(3M Company(Saint Paul,MN))及びTRANSBOND XT Light Cure Adhesive Paste,712−036(3M Company(Saint Paul,MN))を用いて、固定された直径0.9インチのローレットステンレス鋼リングに結合する。ワイヤの2つの端部は、破損するまで、100Nロードセル(MTS Systems Corporation(Eden Prairie,MN))を有するMTS RENEW Upgrade Packageを含むInstron 4204フレーム(Instron(Norwood,MA))によって唇側方向に引っ張られ、その負荷がブラケットの唇側引張強度として記録される。
実施例1:
図1〜図10に概ね示されかつ上記された上中切歯のための左右歯科矯正ブラケットを、米国特許第6,648,638号(Castroら)に記載された微粒子多結晶性アルミナ材料から、SPT Roth AG(Lyss,Switzerland)での射出成形及び焼結によって調製した。表1において3つの寸法D1、D2、及びD3を記録し、ブラケットデザイン1については、その断面を図12に示し、ブラケットデザイン2については、その断面を図13に示す。
デザイン1及びデザイン2の左右のブラケットには、唇側引張強度試験が施された。ブラケットデザイン1及び2の唇側引張強度試験結果を表2に示す。
Figure 2021511895
Figure 2021511895
表2のデータを参照すると、デザイン2の平均引張強度値は、デザイン1のものよりも約12%〜約20%高いことが観察され、デザイン2の標準偏差はデザイン1のものよりもはるかに低かったことが観察された。
表1のデータが示すように、2つのデザインのブラケット本体の近心−遠心全幅は、同じ、すなわち、3.505mmである。ただし、デザイン2のレール高さ「D1」0.195mmは、デザイン1のレール高さ「D1」0.297mmよりも大幅に低くなっている。驚くべきことに、表2のデータに示されているように、レールの高さが小さいほど、ブラケットの亀裂発生と亀裂伝播に対する耐性が向上した。
実施例2.
実施例1に記載されるように、バージョン1及びバージョン2の2組の歯科矯正ブラケットを調製した。各組は、上部中央ブラケット、上部側部ブラケット、上部犬歯ブラケット、及び上部小臼歯ブラケット(歯ごとに10個の左ブラケット及び10個の右ブラケット)を含む。図14は、「A」及び「B」の寸法がデバイスごとにどのように測定されたかを示す。図15は、寸法「X」及び「Y」がデバイスごとにどのように測定されたかを示す。ブラケットのバージョン1の組及びブラケットのバージョン2の組の寸法を表3に列挙する。
バージョン1及びバージョン2のブラケットに、上述のように唇側引張強度試験を施した。ブラケットバージョン1及び2についての唇側引張強度試験結果並びに関連する標準偏差を表3に示す。
Figure 2021511895
表3を参照すると、最大レール高さが0.200mm未満のバージョン2のブラケットの試験結果は、最大レール高さが0.200mm超のバージョン1のブラケットと比較して、平均引張強度が約10%〜約54%高く、標準偏差が低いことを示した。データは、バージョン2のブラケットが、バージョン1のブラケットよりも歯科矯正治療中に発生し得る侵襲性の口腔環境を乗り越える可能性が高いはずであることを示唆している。
上述の特許及び特許出願の全ては、本明細書により明示的に本明細書に組み込まれる。上述の発明は、明瞭性及び理解の目的のために、図及び実施例によって、ある程度詳細に説明されている。しかしながら、様々な代替案、修正案、及び等価物を使用することができ、上記の説明は、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物によって定義される、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (17)

  1. 結合面を有するベースと、
    前記ベースから外向きに延在する本体であって、前記本体は、近心−遠心方向に延在するアーチワイヤスロットを含み、前記アーチワイヤスロットは、底壁と、前記ワイヤスロットに対して略垂直に方向付けられたチャネルとを有する、本体と、
    前記本体に摺動可能に連結されたドアであって、前記アーチワイヤスロット内でアーチワイヤを結紮することができる開状態と、前記アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持することができる閉状態との間で移動可能であるドアと、を備える歯科矯正装具であって、
    前記ドアは、舌側面から延びた支柱を含み、前記支柱は前記チャネルに摺動可能に受け入れられており、前記支柱は第1のレールを含み、前記第1のレールは、0.0254mm〜0.200mmの第1のレール高さhを有し、前記第1のレールは、前記支柱の近心側又は遠心側に沿って延びており、前記チャネルは第1の凹部を含み、前記第1のレールは前記第1の凹部に摺動可能に係合されている、歯科矯正装具。
  2. 前記第1のレール高さhは、0.0508mm〜0.199mm、0.0762mm〜0.198mm、0.102mm〜0.197mm、0.127mm〜0.196mm、0.130mm〜0.195mm、又は0.140mm〜0.195mmである、請求項1に記載の歯科矯正装具。
  3. 前記第1の凹部は、0.0254mm〜0.200mm、0.0508mm〜0.200mm、0.0762mm〜0.199mm、0.102mm〜0.199mm、0.110mm〜0.198mm、又は0.120mm〜0.198mmの第1の凹部深さdを有する、請求項1又は2に記載の歯科矯正装具。
  4. 前記装具は、セラミック材料を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯科矯正装具。
  5. 前記セラミック材料は、微粒子多結晶性アルミナ材料、半透明ジルコニア材料、ZrO及びAlを含む着色セラミック材料、予備焼結多孔質ジルコニア、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の歯科矯正装具。
  6. 前記装具は、唇側引張強度試験によって決定される平均引張強度値を有し、前記平均引張強度値は、類似しているが、0.200超のレール高さhを有する装具の前記唇側引張強度試験によって決定される平均引張強度値よりも、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも14%、少なくとも16%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%大きい、請求項1〜5のいずれか一項に記載の歯科矯正装具。
  7. 前記支柱は第2のレールを含み、前記第2のレールは、0.0254mm〜0.200mmの第2のレール高さhを有し、前記第2のレールは、前記第1のレールの反対側で前記支柱の近心側又は遠心側に沿って延びており、
    前記チャネルは第2の凹部を含み、前記第2のレールは、前記第2の凹部に摺動可能に係合されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の歯科矯正装具。
  8. 前記第2のレール高さhは、前記第1のレール高さhよりも小さい、請求項7に記載の歯科矯正装具。
  9. 前記ドアは、共面の近心面及び遠心面を含む舌側面を有し、
    前記底壁は、前記近心面及び前記遠心面と鋭角を形成し、
    前記舌側面は、前記底壁に対して実質的に平行な平面接触面を含む前縁部領域を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の歯科矯正装具。
  10. 前記チャネルは、前記ドアの摺動方向に対して略垂直に方向付けられたラッチを更に備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の歯科矯正装具。
  11. 前記ラッチは、前記チャネルを横切って近心−遠心方向に延び、かつ前記チャネルの底部からオフセットされたビームを備える、請求項10に記載の歯科矯正装具。
  12. 前記ドアが前記開状態と前記閉状態との間で移動することを可能にするために、前記ビームは、前記チャネルの底部に向かう方向に撓み可能である、請求項11に記載の歯科矯正装具。
  13. 前記ドアの前記舌側面は、前記ドアの咬合側−歯肉側高さの少なくとも一部を通って延びた少なくとも1つの溝を含み、前記閉状態において、前記溝の一部が前記底壁の上方に配置される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の歯科矯正装具。
  14. 前記舌側面は、前記支柱の両側に2つの溝を含む、請求項13に記載の歯科矯正装具。
  15. 前記本体は、顔面上に1つ以上のガイドレールを更に備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載の歯科矯正装具。
  16. 各ガイドレールは、前記ドアの前記舌側面の溝内に受け入れられている、請求項15に記載の歯科矯正装具。
  17. 前記歯科矯正装具はブラケットである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の歯科矯正装具。
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