JP2021510900A - 開放型x線管用の透過型ターゲット、開放型x線管、透過型ターゲットを識別する方法、及び該透過型ターゲットの特性を設定する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、開放型X線管、特に開放型マイクロフォーカスX線管の透過型ターゲットに関し、該透過型ターゲットは、キャリア材料で作製されたキャリア層(1)とターゲット材料で作製されたターゲット層(2)とを有し、キャリア層(1)の同定領域(10)における前記X線管の電子源に対向する側に該透過型ターゲットが載置された状態で、同定材料(9)がキャリア層(1)に適用されている。本発明はさらに、開放型X線管、特に開放型マイクロフォーカスX線管に関し、該X線管は、ターゲット層(2)とターゲット電流測定デバイス(5)に接続されたキャリア層(1)と電子捕獲スリーブ(3)とを有し、該電子捕獲スリーブ(3)が、前記透過型ターゲットから電気的に絶縁され且つ後方散乱電子流測定デバイス(4)に接続されている。本発明はさらに、本発明に係るX線管に組み込まれた特定の透過型ターゲットを識別する方法に関する。本発明はさらに、本発明に係るX線管における本発明に係る透過型ターゲットの特性を自動的に調節するための別の方法に関する。【選択図】図1
Description
本発明は、透過型ターゲット、開放型X線管、前記透過型ターゲットを識別する2つの方法、及び、前記透過型ターゲットの特性を設定する方法に関する。特に、本発明は、開放型マイクロフォーカスX線管に関して良好な結果を提供するものである。
X線源は、技術水準から知られているように、おおまかに2つのグループ、すなわち、密閉型X線管と開放型X線管とに分類することができる。
密閉型X線管のパラメータ及び特性は、製造の際に固定され、すなわち、製造中に真空が生成されて、製造後には該X線管に変更が加えられることは不可能となる。
開放型X線管は、異なる機能がある。開放型X線管では、該X線管の真空は、動作状態にされるまで生成されず、必要の際には(該X線管の開放によって)該真空は再び解除され得る。このように、開放型X線管は、いくつかの重要な利点を有している。欠陥のある部品を取り換えることが可能となり、より重要なことは、構成要素の置き換えによって、該X線管の特性を変更することが可能となる。
詳細には、高分解能のX線管の分野では、例えば、適用事例に応じて焦点サイズや出力を変更することが必要となり得る。これは、適切なターゲット、特に、透過型ターゲットの使用によって達成され得る。
従って、オペレータは、適用/検査作業に適切なターゲットを種々のターゲットから自由に選択することができる。
これらのターゲットのそれぞれには、X線管とターゲットとの最適且つ安全な操作を保証する管制御における適切なパラメータセット(以下では特性と呼ぶ)がある。誤ったパラメータセットは、必然的に、検査不良をもたらし、ターゲットの破壊という問題をもたらす。
オペレータは、管制御に必要となるターゲットに対するパラメータを適切に選択し設定する必要がある。システムにおけるこの手動的な介入は、X線管の設置状況が原因となってターゲットの自動的な識別が不可能になるという事実から生じる。
いくつかのターゲット、例えば、いわゆる高出力ターゲットは、15Wまではデフォーカスなしに操作され得るが、他のターゲットは、その表面にダメージが生じることを防止するために、3W程度の低出力にてすでにデフォーカスされる必要がある。低出力しか耐えられないターゲットがオペレータによって組み込まれているが、ソフトウェアにおいて異なるターゲットが設定された場合、該ターゲットは、負荷が高くなり過ぎて破壊され得る。システム自体は、このエラーを認識しない。さらなる問題は、放射線防護の分野における安全性のリスクである。ターゲットが、機器が予定していない線量を発生させるのに使用される場合、格納容器の放射線不透過性は保証されない。
透過型ターゲットは、光学的に容易には区別がつかないため、上記のような問題が生じ得る。
代替的には、国際公開第2015/058853号に記載されているように、ターゲットに同定素子を取り付けることが知られており、該ターゲットは、X線管における対応するデバイスによって光学的、機械的、又は電気的に識別され、該ターゲットに関連する特性が自動的に設定される。しかしながら、この目的のために、X線管における該ターゲットの領域に識別のための追加的なデバイスを設ける必要があり、ある追加的なデバイスに対してはスペースが必要となり、別の追加的なデバイス、特に電気的識別の場合には、必要となる電子デバイスが高放射線負荷のある領域に取り付けられる必要があり、これらの電子デバイスは、通常は耐放射線の耐久性がない。
X線管は、透過型エミッタとして形成されるか(この場合、電子ビームがターゲットに垂直に衝突し、X線がターゲットを透過する)、直接エミッタ(direct emitter)として形成される(この場合、電子ビームがある角度にてターゲットに衝突する)。生成したX線は、定義された角度範囲においてのみ利用される。
さらなる説明及び観察が、透過型エミッタ(以下では透過型ターゲットとも呼ばれる)を例に用いて示されているが、これらは直接エミッタに類似的に転換可能であり、全ての開放型管に適用される。
本発明の目的は、起こり得る操作エラーを排除し、操作上の安全性及びX線管の寿命の有意な向上を達成することである。その結果として、このようなX線管が使用される機械では、プロセスの信頼性が向上することも部分的な目的として生じる。
前記目的は、請求項1の特徴を備えた透過型ターゲットによって達成される。X線管の電子源に対向したキャリア層の側に同定材料が配されるため、X線管が操作される前において、いずれのタイプの透過型ターゲットが設置されているかに関する予備的検査が効果的なものとなる。これは、透過型ターゲットのタイプに使用されている同定材料の明確な割り当てがある場合、同定材料により後方散乱された電子であって同定領域への電子ビームの偏向により電子捕獲スリーブにおいて以下でさらに説明される本発明に係る同定方法により測定される電子によって、決定され得る。これによって、透過型ターゲットに取り付けられるターゲット材料それぞれに最適な特性が設定され得ることを保証し、特性の誤った設定による透過型ターゲットの過負荷がなくなる。電子捕獲スリーブは、電子ビームが透過型ターゲットに衝突する際に形成する後方散乱電子を吸収するデバイスを意味する。これは、透過型ターゲット上に第2の焦点が生成することを防止するために必要となる。技術水準から知られている電子捕獲スリーブの実施例は、キャリア層の表面に載置され、電気が伝導するように該キャリア層に接続されており、後方散乱電子を直接的に放出することを可能にするためにアース電位がとられている。対照的に、本発明に係るX線管の場合、以下でさらに説明されるように、電子捕獲スリーブが透過型ターゲットから絶縁されている。
本発明のさらに有利な発展形は、前記同定材料が前記キャリア層の縁領域に取り付けられていることを提供する。これによって、中央領域全体を、前記キャリア層上の前記ターゲット材料のために使用することができる。
本発明のさらに有利な発展形は、前記透過型ターゲットが円形であり、且つ、前記同定材料が前記キャリア層の中心に対して同心円状に配されていることを提供する。通常の透過型ターゲットは円形であるため、本発明の範囲の前記透過型ターゲットは、通常のX線管の中に設置することができ、前記透過型ターゲットの中心軸まわりにおいて前記同定材料が回転対称となるため、ターゲットは、この中心軸まわりにおける任意の所望の角度位置で前記X線管に設置されることができ、以下により詳細に説明する同定モードにおいて、電子ビームは必ず前記同定材料に衝突する。
前記目的は、請求項4の特徴を備える開放型X線管によっても達成される。本発明に係るX線管は、前記キャリア層に接続されたターゲット電流測定デバイス、並びに、前記電子捕獲スリーブに接続された後方散乱電子流測定デバイスを有しており、前記電子捕獲スリーブが前記透過型ターゲットから電気的に絶縁されているため、2つの電流を独立して測定することができ、電子ビームのエネルギーが既知であれば、電子ビームが衝突する材料について、これら2つの電流の関係から結論を導き出すことができる。従って、使用される透過型ターゲットのタイプを決定することができる。
本発明に係るX線管の有利な発展形は、本発明に係る透過型ターゲットが使用されるか、追加的な材料が前記キャリア層において前記透過型ターゲット上の前記キャリア層に取り付けられていないことを提供する。前記透過型ターゲットに取り付けられた前記同定材料の明確な割り当て、又は、前記同定領域に追加の材料が取り付けられていない場合の前記キャリア材料の明確な割り当ての場合に、透過型ターゲットのタイプに対して、識別を行うことができる。このような設計では、前記X線管の操作中に電子ビームが前記透過型ターゲットに衝突する領域、及び、前記同定領域の両方において、前記キャリア材料の表面全体を前記ターゲット材料で覆う必要がない。
前記目的は、請求項6の特徴を備える方法によっても達成される。前記偏向ユニットによる同定モード中における前記同定領域への前記電子ビームの方向づけによって、デバイスが測定する前記ターゲット電流及び前記後方散乱電子流の関係から、前記電子ビームが現に衝突している前記材料が決定されることによって、該材料が使用されている透過型ターゲットのタイプに対して固定された相関性を有する場合、設置されている透過型ターゲットのタイプが決定される。これによって、使用されている前記透過型ターゲットの誤った特性が前記X線管に不注意により設定されることが防止され、前記透過型ターゲットが損傷し破壊され得ることが防止される。
代わりに、前記目的は、請求項7の特徴を備える方法によっても達成される。本発明によれば、種々異なる透過型ターゲットの同定が、前記ターゲット材料の種々異なる層厚みによって実現する。極薄い材料層の場合、前記電子の後方散乱は、材料及び前記電子ビームの後方散乱する角度に依存することに加えて、前記層厚み及び前記電子ビームの電子のエネルギーに依存する。このため、例えば、層厚み6μmのタングステンを備えるターゲットは、層厚み1μmのタングステンを備えるターゲットとは区別される。例えば、該ターゲットの同定のために、前記電子ビームのエネルギーは、40keVから開始され、例えば160keVのエネルギーに到達するまで5keV刻みで上昇される。前記後方散乱電子は、各エネルギー段階で測定され、エネルギー関数としてプロットされる。グラフの形状及び位置によって、前記ターゲットを同定可能となる。
前記目的は、請求項8の特徴を備える方法によっても達成される。先述の識別方法の下流において、使用されている前記透過型ターゲットの前記同定に基づいて、前記X線管に組み込まれた前記透過型ターゲットの(データベースに格納された)特性を設定する方法は、各特性を設定するためのデバイスにこれらの特性を伝送し、それによって、組み込まれた前記透過型ターゲットが、前記X線管が誤った特性により操作されることで損傷することを防止する。
本発明のさらなる利点及び詳細は、図面に例示された実施例を参照することにより説明される。
ターゲットの識別は困難である。本発明に係るX線管のその透過型ターゲットの領域における第1の実施例の構造は、図1を参照して概説される。
前記透過型ターゲットは、キャリア層1を有し、キャリア層1にターゲット層2が適用されている。キャリア層1は、その上面視において(図1を下から見ると)円形に形成されており、上面視において同様の円形のディスクのように形成されたターゲット層2が、キャリア層1の中心軸のまわりに同心円状に形成されている。キャリア層1の縁の領域には、同定材料9が、前記中心軸のまわりに同心円状に且つターゲット層2から離れるようにキャリア層1に取り付けられている。さらに、ターゲット電流測定デバイス5が、キャリア層1に接続されており、それによって、電子ビーム7が前記透過型ターゲットに衝突することで生成する電流を測定することができる。
電子ビーム7は、偏向ユニット6(電子コイル)によって前記透過型ターゲットにおける異なる領域に方向づけられ得る。電子スリーブ3によって吸収される後方散乱電子8が、電子ビーム7が同定領域9に衝突する際に発生する(原則的には、ターゲット層2のターゲット材料に衝突するときにも同じことが当てはまる)。電子スリーブ3に衝突する後方散乱電流8の電流を測定する後方散乱電子流測定デバイス4が、電子スリーブ3に接続されている。
密な材料の場合、後方散乱電子8(前記透過型ターゲットによって後方散乱される電子ビーム7の電子)の割合は、基本的には、該材料及び電子ビーム7の電子が該材料に衝突する角度に依存する。例えば、これらの電子がタングステンに衝突する場合、該電子の約20%が後方散乱電子8として後方に散乱する。ベリリウムの場合、この割合は約5%のみである。薄い材料層の場合、後方散乱電子8の量は、材料層の厚み及び電子ビーム7の電子のエネルギーにさらに依存する。
電子捕獲スリーブ3が、前記透過型ターゲット、特にキャリア層1から電気的に絶縁されているため、後方散乱電子8の電流(後方散乱された電子の電流)及び前記透過型ターゲット(ターゲット層2及び同定材料9がキャリア層1に電気が伝導するように接続された透過型ターゲット)に衝突する電子ビーム7の電子の電流を測定することができる。前者の電流は、電子捕獲スリーブ3に接続された後方散乱電子流測定デバイス4によって測定され、後者の電流は、キャリア層1に接続されたターゲット電流測定デバイス5によって測定される。
2つの測定された電流の関係は、電子ビーム7が衝突する材料及び/又は層厚みについての情報を提供し、該材料とは、図1の実施例における同定材料9のことである。透過型ターゲットのタイプに対して同定材料9の明確な割り当てがある場合、組み込まれた透過型ターゲットのタイプに関して、識別された同定材料9から結論が速やかに導き出される。検出された透過型ターゲットのタイプに適切な特性の設定が自動的に実行され得る。従って、低出力用にのみ設計された透過型ターゲットが、不注意に高出力に曝され、破壊されることはなくなる。後方散乱電子8の割合の値及び透過型ターゲットの特定のタイプへのそれぞれの割り当てがデータベースに記録され、その結果、透過型ターゲットのタイプの識別が自動的に行われる。使用されている透過型ターゲットの同定されたタイプに割り当てられた特性が同じデータベースに格納され、これらの特性がそれぞれの特性を設定するためのデバイスに伝送される。従って、前記透過型ターゲットが、これにより設定された特性によって損傷を受ける可能性はない。
識別方法は、操作開始時に誤って設定された可能性のある特性が原因となる前記透過型ターゲットへの損傷を防止するために、前記透過型ターゲットが操作状態にされる前に実行される。この目的のために、電子ビーム7が、操作の上流における同定モード中に、偏向デバイス6によって前記透過型ターゲットの縁領域上に偏向され、該縁領域に配された同定材料9を備える同定領域10に衝突する。この同定材料9に対する、透過型ターゲットのタイプの先に言及した明確な割り当てのため、偏向デバイス6が切り替えられ又はオフにされることによって電子ビーム7がターゲット層2の領域における前記ターゲット材料に方向づけられる前に、前記ターゲット材料に割り当てられた特性が設定される。
図2の第2の実施例は、図1で示された第1の実施例とは1点だけ異なっている。すなわち、キャリア層1のキャリア材料が透過型ターゲットのタイプの同定に用いられる代わりに、追加的な同定材料9が同定領域10においてキャリア層1に全く適用されていない。この識別及び下流における前記特性の自動的な設定は、図1に示されるとおりに行われる。透過型ターゲットのタイプを明確に識別することを可能にするために、図2の第2の実施例では、各ケースにおいて異なるタイプの透過型ターゲットが異なるキャリア層1を有することが必須である。
図3の左側には、右側の同様の図よりも厚いターゲット層2を備えた透過型ターゲットが示されている。ターゲット層2の厚みは、例えば、左側では6μmであり、右側では1μmほどである。両方のケースにおいて、ターゲット層2は、同じ材料からなり、例えば、該材料はタングステンである。両方のケースにおいて、電子ビーム7は、選択可能な入射角にてターゲット層2の表面に衝突する。この入射角は、本発明のターゲット識別方法の全てが実行される間、変更されないままとなる。
図3に係るターゲット識別方法は、前述の方法とは、基本的に1つの点において異なる。すなわち、電子ビーム7が、別個の同定材料9を備える同定領域10上に誘導される必要がない。前記透過型ターゲットを同定するために、電子ビーム7の電子のエネルギーが変化される。例えば、40keVのエネルギーを用いて開始し、160keVのエネルギーに到達するまで5keV刻みで上昇させる。そして、測定された後方散乱電子8を電子ビーム7の電子のエネルギーの関数としてプロットすることができる。機能の進歩、既存の情報、及び潜在的に設定可能なターゲット(使用される全てのキャリア材料、ターゲット材料及び層厚み)は、実際に取り込まれているターゲットについての情報を提供する。
1:キャリア層
2:ターゲット層
3:電子捕獲スリーブ
4:後方散乱電子流測定デバイス
5:ターゲット電流測定デバイス
6:偏向ユニット
7:電子ビーム
8:後方散乱電子
9:同定材料
10:同定領域
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Claims (8)
- 開放型X線管、特に開放型マイクロフォーカスX線管の透過型ターゲットであって、
キャリア材料で作製されたキャリア層(1)と、ターゲット材料で作製されたターゲット層(2)とを備え、
前記X線管の電子源に対向する側に前記透過型ターゲットが設置された状態で、同定材料(9)が前記キャリア層(1)の同定領域(10)において前記キャリア層(1)に取り付けられている、透過型ターゲット。 - 前記同定材料(9)が、前記キャリア層(1)の縁領域に取り付けられている、請求項1に記載の透過型ターゲット。
- 前記透過型ターゲットが円形であり、且つ、前記同定材料(9)が前記キャリア層(1)の中心に対して同心円状に配されている、請求項2に記載の透過型ターゲット。
- 開放型X線管、特に、開放型マイクロフォーカスX線管であって、
ターゲット層(2)と、ターゲット電流測定デバイス(5)に接続されたキャリア層(1)とを有する透過型ターゲットを備え、
さらに、前記透過型ターゲットから電気的に絶縁され且つ後方散乱電子流測定デバイス(4)に接続された電子捕獲スリーブ(3)を備える、開放型X線管。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の前記透過型ターゲットが設計されるか、又は、追加的な材料が前記透過型ターゲットの同定領域(10)において前記キャリア層(1)に取り付けられていない、請求項4に記載のX線管。
- 請求項4又は5に記載のX線管に設置された特定の透過型ターゲットを識別する方法であって、
同定モードにおいて、偏向ユニット(6)によって前記電子ビーム(7)が前記透過型ターゲットの前記同定領域(10)に方向づけられ、前記ターゲット電流測定デバイス(5)によってターゲット電流が測定され、且つ、前記後方散乱電子流測定デバイス(4)によって後方散乱電子流が測定され、
前記電子ビーム(7)が現に衝突している前記同定領域(10)における材料又は該材料層の厚みが、これら2つの電流の関係から決定され、
該材料又は該材料層の厚みの情報から、使用されている透過型ターゲットのタイプに関して、結論が導き出される、方法。 - 請求項4又は5に記載のX線管に設置された特定の透過型ターゲットを識別する方法であって、
同定モードにおいて、偏向ユニット(6)によって前記電子ビーム(7)が前記透過型ターゲットの前記ターゲット層(2)に方向づけられ、前記電子ビーム(7)の電子のエネルギーが予め決められた複数の値に設定され、前記後方散乱電子流測定装置(4)によってこれらのエネルギー値のそれぞれに対して後方散乱電子流が測定され、
前記電子ビーム(7)の電子のエネルギーと、該エネルギーのそれぞれに関連付けられた前記後方散乱電子流の値との関係から、前記透過型ターゲットにおける前記ターゲット層(2)の材料及び層厚みに関して、結論が導き出される、方法。 - 請求項6又は7に記載の識別方法が実行された後に、請求項4又は5に記載のX線管に設置された透過型ターゲットの特性を自動的に設定する方法であって、
使用されている透過型ターゲットの同定されたタイプに割り当てられた複数の特性がデータベースに格納され、これら複数の特性が各特性を設定するための複数のデバイスに伝送され、これら複数の特性の設定がこれらの設定デバイスによって行われる、方法。
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