JP2021510532A - グアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法 - Google Patents

グアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法 Download PDF

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Abstract

グアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法であって、所定量(G2)(g)の上記バイオマスを、所定量(G1)(g)の水と、少なくとも1つの有機酸と、任意に少なくとも1つの無機酸とに接触させて、混合物を得ることを含み、上記少なくとも1つの有機酸及び任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸が、上記混合物に含まれる、上記少なくとも1つの有機酸及び任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸の総モル数(mTOT)が下記式(1):mTOT=m1+m2(1)(式中、m1及びm2は、それぞれ下記式(2)及び式(3):m1=R1・G1(2)、m2=R2・G2(3)に従って定義される)に従って計算される量で使用され、ここで、R1(mmol/g)は、上記少なくとも1つの有機酸の第1の量(mmol)及び任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸の第1の量(mmol)と、水の使用量G1(g)との比であり、R1は0.06mmol/g〜0.25mmol/g、好ましくは0.09mmol/g〜0.18mmol/gであり、上記少なくとも1つの有機酸の上記第1の量(mmol)、及び任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸の上記第1の量(mmol)が、水の量G1(g)に依存し、R2(mmol/g)は、上記少なくとも1つの無機酸がない場合、上記少なくとも1つの有機酸の第2の量(mmol)と、バイオマスの使用量G2(g)との比であるか、又は上記少なくとも1つの無機酸が存在する場合、上記少なくとも1つの有機酸の上記第2の量(mmol)及び上記少なくとも1つの無機酸の第2の量(mmol)の合計と、バイオマスの使用量G2(g)との比であるか、又は上記第2の量(mmol)の上記少なくとも1つの無機酸の存在下であって、かつ上記第2の量(mmol)の上記少なくとも1つの有機酸の非存在下では、上記少なくとも1つの無機酸の上記第2の量(mmol)と上記バイオマスの使用量G2(g)との比であって、上記少なくとも1つの有機酸の上記第2の量(mmol)及び上記少なくとも1つの無機酸の上記第2の量(mmol)は、バイオマスの量G2(g)に依存し、R2は、0.90R(mmol/g)〜1.10R(mmol/g)、好ましくは0.95R(mmol/g)〜1.05R(mmol/g)であり、Rは、以下のアルゴリズム(4)によって決定され、上記アルゴリズム(4)は下記基本操作:(i)容量V(l)の上記少なくとも1つの有機酸、及び任意に存在する上記少なくとも1つの第1の量(mmol)の上記少なくとも1つの無機酸の水溶液を調製することであって、上記水溶液が7未満、好ましくは0.7〜3のpH(1)を有すること、(ii)(i)で得られた水溶液に、120℃で15時間乾燥した所定量Q(g)のバイオマスを加えることであって、上記バイオマスの量が、得られた混合物の総重量に対して、好ましくは60重量%以下、より好ましくは2重量%〜40重量%であること、(iii)(ii)で得られた混合物のpHを測定することであって、上記pHを以下pH(2)と称すること、及び(iv)以下のアルゴリズム(4):R=(10−pH(1)−10−pH(2))・1000・V/Q)(4)(式中、pH(1)、pH(2)、V、及びQは上記と同じ意味を持つ)に従ってRを決定することによって得られ、上記の基本操作を室温で行い、但し、下記式(5):R最小=m有機酸/G2(5)(式中、m有機酸は、存在する有機酸のmmolであり、G2は上記と同じ意味を持つ)に従って定義されるR最小比(mmol/g)が、0.20mmol/g以上、好ましくは0.25mmol/g以上であるような量で上記少なくとも1つの有機酸が存在することを条件とし、上記少なくとも1つの無機酸が存在する場合、上記有機酸のmmol(m有機酸)は、2つの酸の量の合計、すなわち、無機酸の量(mmol)と有機酸の量(mmol)との和よりも少ない量で存在し、上記合計は、上記の式(1)で定義される総モル数mTOT(mmol)に対応する、方法。このように得られた糖は、アルコール(例えば、エタノール、ブタノール)、脂質、ジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール)の製造のための発酵プロセス、又はその他の中間体若しくは化学物質の製造のための化学合成プロセスにおいて炭素供給源として有利に使用され得る。上記アルコール及び脂質は、それ自体で又は他の自動車燃料とのブレンドで使用することができるバイオ燃料(例えば、バイオディーゼル又は「グリーンディーゼル」)の製造に有利に使用され得て、また一方で、上記ジオールは、例えばゴム(例えば、ポリブタジエン又はその共重合体)の製造に使用され得るバイオブタジエン等の生成物の製造に使用することができる。バイオ精製所の場合、上記用途は特に重要である。【選択図】なし

Description

本発明は、グアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法に関する。
より具体的には、本発明は、グアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法であって、或る特定の量の上記バイオマスを、或る特定の量の水と、少なくとも1つの有機酸と、任意に少なくとも1つの無機酸とに接触させて、混合物を得ることを含み、上記混合物に含まれる上記少なくとも1つの有機酸及び任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸の総モル数が、下記に報告される特定の式及び特定のアルゴリズムに従って計算される量で、上記少なくとも1つの有機酸及び任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸を使用する、方法に関する。
このように得られた糖は、アルコール(例えば、エタノール、ブタノール)、脂質、ジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール)の製造のための発酵プロセス、又はその他の中間体若しくは化学物質の製造のための化学合成プロセスにおいて炭素供給源として有利に使用され得る。上記アルコール及び脂質は、それ自体で又は他の自動車燃料とのブレンドで使用することができるバイオ燃料(例えば、バイオディーゼル又は「グリーンディーゼル」)の製造に有利に使用され得て、また一方で、上記ジオールは、例えばゴム(例えば、ポリブタジエン又はその共重合体)の製造に使用され得るバイオブタジエン等の生成物の製造に使用することができる。バイオ精製所の場合、上記用途は特に重要である。
バイオマスから、特にリグノセルロース系バイオマスからの糖の製造が、当該技術分野で知られている。
天然ゴムは、通常、ラテックスと呼ばれる水性エマルジョンの形態で何百もの植物種に存在する炭化水素ポリマー(cis−1,4−ポリイソプレン)である。天然ゴムの主な供給源は、アマゾン原産の樹木、ヘベア・ブラジリエンシス(Hevea brasiliensis)であり、19世紀の間は、南米が、必要とされる限られた量のラテックスの主な供給源となっていた。現在、アメリカのプランテーションは、害虫及び病気のためにほぼ完全に放棄されてしまい、天然ゴムの生産はほぼ完全に東南アジアに集中している。
常に病気及び寄生虫による攻撃に曝されている生産の欠点を克服するため、合成ゴムの製造方法が幾つか20世紀中に開発され、イソプレンを非常に高い領域選択性及び立体選択性で重合させ、植物起源のポリイソプレンとほとんど区別ができないcis−1,4合成ポリイソプレンを得ることができるツィーグラー・ナッタ触媒の発見で全盛を極めた。しかしながら、天然ゴムは、実際には、主に天然ゴムの機械的特性の一部が、天然ゴムに存在する少量の脂質及びタンパク質の結果であることから、完全には置き換えられていない。したがって、2013年の時点でゴムの総生産量(27.5Mt)には、なおも12Mt(43%)の天然ゴムが含まれている。
しかしながら、ヘベア・ブラジリエンシスからのゴムの製造は、幾つかの技術的及び倫理的な問題をもたらす。実際、アメリカのプランテーションを破壊したのと同じ病気及び寄生虫が、東南アジアのプランテーションにも影響を及ぼす可能性が常にある。さらに、ラテックスの収穫には多大な労働力が必要であり、その労働力に極めて低い賃金が支払われることで利益が出るにすぎない。これらの理由から、天然ゴムの代替供給源が求められている。これらの中で、グアユール(パルテニウム・アルジェンタツム:Parthenium argentatum)は間違いなく最も有望なものの1つである。
グアユール(パルテニウム・アルジェンタツム)は、米国南西部(特にテキサス)及びメキシコ北部の半砂漠地帯原産の多年生低木である。この植物は、特に枝及び茎の皮にラテックス(乳白色の懸濁液又は水中の分散物)の形態で、主にcis−1,4−ポリイソプレンエラストマーからなる天然ゴムを蓄積する。天然ゴムの含有量は、様々な環境、栽培、及び保存の要因に依存し得て、乾燥植物の総重量の5%〜20%である。
グアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)と並んで、例えば、キク科(Asteraceae)、トウダイグサ科(Euphorbiaceae)、キキョウ科(Campanulaceae)、シソ科(Labiatae)及びクワ科(Moraceae)に属するその他の非へベア植物、例えば、ユーフォルビア・ラシリス(Euphorbia lathyris)、パルテニウム・インカヌム(Parthenium incanum)、クリソタムヌス・ナウセオサス(Chrysothamnus nauseosus)、ペディランタス・マクロカルプス(Pedilanthus macrocarpus)、クリプトステギア・グランディフローラ(Cryptostegia grandiflora)、アスクレピアス・シリアカ(Asclepias syriaca)、アスクレピアス・スペシオサ(Asclepias speciosa)、アスクレピアス・サブラタ(Asclepias subulata)、ソリダゴ・アルティッシマ(Solidago altissima)、ソリダゴ・グラムニフォリア(Solidago gramnifolia)、ソリダゴ・リギダ(Solidago rigida)、ソンクス・アルベンシス(Sonchus arvensis)、シルフィウム属の複数種(Silphium spp.)、カカリア・アトリプリシフォリア(Cacalia atriplicifolia)、タラクサクム・コク−サギツ(Taraxacum kok-saghyz)、ピクナンテマム・インカヌム(Pycnanthemum incanum)、テウクリウム・カナデンス(Teucreum canadense)、カンパニュラ・アメリカーナ(Campanula americana)等(「グアユール類(guayule type)」という用語によって簡潔に示される)からの天然ゴムの抽出は、特にヘベアを攻撃する病原体に対する上記種の高い抵抗性、植物起源の原料の輸入コストの低下の観点から、また、へベア由来のものと比べて、上記植物から抽出されたゴムにおけるI型(又はIgEに媒介される)ラテックスアレルギーの原因となる多くのタンパク質汚染物質の含有量が低くなることから、ヘベア・ブラジリエンシスからの天然ゴムの抽出の重要な代替である。
しかしながら、グアユールからの天然ゴムの生産は、植物を構成する他の全ての画分、主に樹脂(ゴムと同等の量で存在する)及びリグノセルロース画分だけでなく、少量の精油及びワックスも利用されている場合にのみ有益である。特に、科学文献及び特許文献に広く記載されているように、ゴム及び樹脂の抽出後、リグニン及び多糖を含むリグノセルロース系残留物(バガス)は、多糖の加水分解からなる糖化のプロセスを経なければならず(そのようにして多糖が、得られる加水分解産物中に溶解した5個の炭素原子(C5)及び6個の炭素原子(C6)を有する糖に変換される)、リグニンを含む固体残留物を残す。このようにして得られた糖は、発酵によって有機中間体を製造するプロセスにおいて供給原料として使用することができ、リグニンは燃料として又は他の方法で利用することができる。
ヘベア・ブラジリエンシスから得られる天然ゴムは、樹皮の乳管に切れ込みを入れて樹皮に沿って乳管に存在するラテックスを収集することで得られるが、グアユールの天然ゴムは、植物(茎、葉及び根)の細胞の内部に蓄積し、植物性素材を砕いて、物理的及び/又は化学的な方法を用いて細胞成分を収集することによって得ることができることに留意することが重要である。
例えば、特許文献1は、グアユール植物を採取して、大部分の葉状部分を除去し、植物性素材を部分的に乾燥させることを含む、非ヘベア植物から天然ゴムを抽出する方法を記載している。破砕及び粉砕の後、植物性素材を、極性有機溶媒(例えば、アセトン)及び非極性有機溶媒(例えば、ヘキサン)の存在下で懸濁する。バガスを懸濁液から分離した後、ゴム及び樹脂を含む懸濁液、すなわちミセラ(miscella)が得られる。さらに極性有機溶媒を上記ミセラに添加すると、ゴムが粒子へと凝固し、これを沈降により分離する。
したがって、グアユール植物の加工は、主に木質画分に分散した、ほとんどがテルペン化合物のみからなる樹脂を生じる。グアユール樹脂は、例えば接着剤の製造及び耐虫性木材パネルの生産を含む様々な目的に長く使用されてきた。このため、既知の技術分野で説明されている幾つかのプロセスでは、上記樹脂の単離も重要とされている。
例えば、特許文献2は、ゴム、樹脂、水溶性化合物、及びバガスを抽出する方法を記載している。特に、上記方法は、(a)植物性素材を5重量%〜25重量%の水分含量まで部分的に乾燥させる段階と、(b)本質的に無水の酸素化有機溶媒(例えば、無水アセトン)で樹脂を抽出する段階と、(c)ゴム材料の浮選によってゴム、水溶性化合物、及びバガスを回収する段階とを含む。上記特許では、抽出溶媒中に存在する水の量が少ないほど、樹脂抽出がより効率的であることが指摘されており、さらに、予想外なことに、植物性素材から樹脂を抽出するためには、新しい溶媒を使用するよりも、濃縮樹脂を含むミセラを使用する方が有利であるとわかった。
特許文献3は、後にバガスから分離される樹脂を可溶化することができる媒質の存在下で植物性素材を部分的に均質化する第1の段階と、後にバガスから分離されるゴムを可溶化することができる溶媒の存在下でバガスを部分的に均質化する第2の段階と、例えば、薄膜蒸発装置(thin-film evaporator)(「ワイプドフィルム蒸発装置(wiped-film evaporator)」)での溶媒の蒸発、及びゴムの押出しを含む場合がある、ゴム及びバガスを乾燥させる最終段階とを含む、ゴム、樹脂、及びバガスを分離する方法を記載している。また、上記特許出願は、ゴム及び樹脂を可溶化することができる「粉砕溶媒」の存在下で植物性素材を均質化し、分画溶媒を用いて後の精製段階でゴム及び樹脂を分離する方法も記載している。
グアユール植物からラテックス及び樹脂を抽出した後に得られるリグノセルロース系残渣(バガス)は、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンの3つの主要成分を含む複雑な構造である。
当該技術分野で知られているように、糖を製造するために使用することができるリグノセルロース系バイオマスにおける上記3成分の相対量は、使用されるリグノセルロース系バイオマスの種類によって異なる。例えば、上記量は、種及び植物の年齢によって異なる。
セルロースは、リグノセルロース系バイオマスの最大成分であり、リグノセルロース系バイオマスの総重量に対して、一般的に30重量%〜60重量%の量で存在する。セルロースは、グルコース分子(約500単位〜10000単位)をβ−1,4−グルコシド結合でつないで構成されている。鎖間の水素結合の形成は、植物繊維に強度及び弾性を付与する結晶ドメインの形成をもたらす。自然界では、セルロースは、綿及び亜麻等の一年生植物でのみ純粋な状態で見られるが、木質植物では常にヘミセルロース及びリグニンを伴う。
リグノセルロース系バイオマスの総重量に対して、一般的には10重量%〜40重量%の量で存在するヘミセルロースは、比較的短く(10分子〜200分子)、分岐した混合ポリマーであり、6個の炭素原子を有する糖(グルコース、マンノース、ガラクトース)及び5個の炭素原子を有する糖(キシロース、アラビノース)の両方から形成される。植物繊維の幾つかの重要な特性の主なものの1つは、水が存在すると上記植物繊維の吸水を促進して膨張することであり、これはヘミセルロースの存在に起因する。ヘミセルロースはまた、接着特性を有するため、硬化しやすく又は粘り気が高く(horny consistency)なる傾向があり、その結果、上記植物繊維は硬くなって、よりゆっくりと吸水する。
リグニンは、一般的には、リグノセルロース系バイオマスの総重量に対して10重量%〜30重量%の量で存在する。リグニンの主な機能は、植物にコンパクト性(compactness)及び強度を与えるために様々な植物繊維を結合し、接着させることであり、また昆虫、病原体、病変、及び紫外線に対する保護も提供する。リグニンは主に燃料として使用されるが、プラスチックラミネート、カートン、及びゴム製品の分散剤、硬化剤、乳化剤としても現在、業界で広く使用されている。また、リグニンを化学的処理してバニリン、シリングアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド等の芳香族化合物を製造することもでき、これらの化合物を医薬品化学、又は化粧品産業及び食品産業で用いることができる。
リグノセルロース系バイオマスのエネルギー利用のための生成物への変換を最適化するため、リグニンを分離し、セルロース及びヘミセルロースを例えばグルコース及びキシロース等の単純な糖に加水分解するために上記バイオマスを前処理に供することが知られており、これらの糖はその後、発酵プロセスを経ることができる。
通常、上記目的に使用されるプロセスは、酸加水分解であり、希釈された又は濃縮された強酸の存在下で実施され得る。
例えば、特許文献4は、リグノセルロース系材料に、希酸単独の存在下で得られるものよりも高い発酵糖の収率を提供するような量の希酸触媒(例えば、硫酸、塩酸、硝酸、二酸化硫黄、又はおよそ3未満のpH値を提供することができる任意の他の強酸)、及び金属塩に基づく触媒(例えば、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム)を含む混合物を含浸させることと、含浸したリグノセルロース系材料をリアクターに供給し、十分な時間(例えば、1分間〜30分間)加熱して(例えば、120℃〜240℃の温度まで)、実質的に全てのヘミセルロース及び45%超のセルロースを水溶性糖に加水分解することと、水溶性糖を回収することとを含む、リグノセルロース系バイオマスを加水分解して大量の発酵糖を得る方法を記載している。
特許文献5は、バイオマスを前処理に送る前に処理(例えば、望ましくない材料の除去、粉砕)に供する段階と、約130℃〜約170℃の温度で約8分間〜約12分間、約0.8重量%〜約1.1重量%の濃度の希酸(例えば、硫酸)を適用することにより、バイオマスを前処理に供する段階とを含み、前処理したバイオマスを、キシロースを含む液体成分及びグルコースを利用可能なようにし得る固形成分に分離し、発酵のためのキシロースを回収することで発酵生成物を得ることができ、バイオマスはリグノセルロース系材料を含み、該リグノセルロース系材料にはトウモロコシ穂軸、トウモロコシ植物の外皮、トウモロコシ植物の葉及びトウモロコシ植物の茎が含まれる、発酵生成物を得るためにバイオ精製所で使用されるバイオマスの前処理の方法を記載している。
特許文献6は、リグノセルロース系材料を低シビアリティ(low severity)の操作条件下で行われる第1の前処理に曝露して、第1の生成物を得ることと、上記第1の生成物を希酸水溶液(例えば、硫酸、亜硫酸、二酸化硫黄、リン酸、炭酸)に接触させて第2の生成物を得ることとを含む、リグノセルロース系材料を前処理する方法を記載している。上記2段階方法は、バイオエタノールの製造に有用な生成物を提供することができる。
特許文献7は、第1の成分を発酵システムに供給する段階と、エタノールを産生することができる生物(「エタノローゲン(ethanologen)」)を発酵システムに提供する段階と、第1の成分及びエタノールを産生することができる生物(エタノローゲン)を、発酵システムにおいて18時間以上に亘り温度約26℃〜約37℃、pH約4.5〜約6.0で維持する段階と、発酵システムから発酵生成物を回収する段階とを含み、エタノールを産生することができる生物(「エタノローゲン」)は、第1の成分1リットル当たりエタノールを産生することができる生物(「エタノローゲン」)150グラム未満の量(乾燥重量)で発酵システムに供給され、バイオマスには、リグノセルロース系材料が含まれており、該リグノセルロース系材料は、トウモロコシ穂軸、トウモロコシ植物の外皮、トウモロコシ植物の葉及びトウモロコシ植物の茎のうち少なくとも1つを含み、第1の成分はペントースを含み、ペントースはキシロースを含み、エタノールを産生することができる生物(「エタノローゲン」)は、キシロースをエタノールに発酵させることができる、前処理されて第1の成分及び第2の成分に分離された、バイオマス発酵システムにおける発酵生成物の製造方法を記載している。バイオマスは、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸、又はそれらの混合物等の酸とバイオマスとを接触させることによって前処理されることが好ましい。
特許文献8は、リグノセルロース系材料から加水分解物を作製する方法であって、a)上記リグノセルロース系材料を、水の存在下で、硫酸、アルカリ、ペルオキシジスルフェート、過酸化カリウム、及びそれらの混合物からなる群より選択される化合物で前処理して水相を得ることと、b)水相を除去し、得られた生成物を洗浄した後、水の存在下で加水分解に有用な酵素で上記生成物を処理して加水分解物を得ることとを含み、上記加水分解物を発酵のための炭素供給源として使用することができる、方法を記載している。
非特許文献1においてTsoutsos, T. et al.は、リグノセルロース系バイオマスからバイオエタノールを製造するための発酵糖溶液の製造の最適化を記載している。これについては、リグノセルロース系バイオマスを、希酸の存在下で2段階の加水分解プロセスに供する。特に、3%〜4%の濃度まで希釈した100℃〜240℃の温度の酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸)の存在下で試験を実施した。110℃〜140℃の温度ではヘミセルロースの加水分解が起こるが、結晶性セルロースは170℃まで実質的に変化せず、240℃で加水分解される。
非特許文献2においてGonzales-Hernandez, J. C. et al.は、タマリンド種子由来の多糖の加水分解を記載している。特に、タマリンド種子を種々の操作条件下、すなわち、温度86℃〜130.2℃、濃度0.32%〜3.68%(体積/体積)の硝酸又は硫酸、接触時間13.2分間〜40分間の条件下で加水分解した。温度及び時間が糖の加水分解に最も影響する要因であることがわかり、特に、両方の酸にとって最適な操作条件は、温度130.2℃、濃度2%(体積/体積)、接触時間30分間であり、糖の収量は約110g/lであった。
非特許文献3においてShatalov, A. A. et al.は、アザミ(シナラ・カルズンクルスL.:Cynara cardunculus L.)からの一段階の低温で希硫酸の存在下での加水分解によるキシロースの製造を記載している。特に、最適条件、すなわち温度138.5℃、時間51.7分、酸濃度1.28%で操作すると、キシロース回収率86%を達成し、セルロースの分解がほとんどなく、フルフラールの生成も少なかった(アザミ100g当たりそれぞれ、グルコース=2.3g、及びフルフラール(F)=1.04g)。
しかしながら、上記の方法には幾つかの欠点がある。
例えば、高温、例えば140℃超で酸加水分解を行う場合、例えばフルフラール(F)、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)、及びフェノール化合物等の反応副生成物が糖脱水及びリグニンの部分脱重合から形成される可能性があり、これらは、その後の糖発酵プロセスで通常使用される微生物の増殖の阻害物質として作用して、上記プロセスの効率及び生産性が著しく低下する。
逆に、例えば140℃未満の低温で酸加水分解を行うと、リグノセルロース系バイオマスの破壊が不十分となる可能性があり、破壊は、後続の酵素加水分解の段階で有利に使用され得るように、セルロース繊維がそれらを覆っているリグニンネットワークから解放されるのに必要である。実際、リグニンに覆われたセルロース繊維は、酵素加水分解で通常使用される酵素(例えば、セルラーゼ)が到達しにくい。
したがって、上記の課題を克服するための努力が当該技術分野で行われている。
例えば、特許文献9は、160℃以上、好ましくは160℃〜230℃の温度で、少なくとも1つの有機酸、好ましくはp−トルエン−スルホン酸、2−ナフタレン−スルホン酸、1,5−ナフタレン−ジスルホン酸の水溶液とバイオマスを接触させることを含む、少なくとも1つの多糖を含むバイオマスから1つ以上の糖を製造する方法を記載している。上記特許出願はまた、4個〜16個の炭素原子、好ましくは8個〜12個の炭素原子を有するアルキルスルホン酸、更に好ましくはオクチルスルホン酸及びドデシルスルホン酸についても言及している。しかしながら、報告される加水分解の唯一の実施例は、2−ナフタレン−スルホン酸の使用に関するものである。
特許文献10は、80℃〜140℃、好ましくは100℃〜125℃の温度で、7個〜20個の炭素原子、好ましくは9個〜15個の炭素原子を有する少なくとも1つの有機酸、より好ましくはp−トルエンスルホン酸、2−ナフタレン−スルホン酸、1,5−ナフタレン−ジスルホン酸の水溶液とバイオマスを接触させることを含む、少なくとも1つの多糖を含むバイオマスから糖を製造する方法を記載している。
本出願人名義の特許文献11は、少なくとも1つの多糖を含むバイオマスから糖を製造する方法であって、1個〜6個の炭素原子、好ましくは1個〜3個の炭素原子を有する少なくとも1つの有機酸の水溶液と上記バイオマスを接触させることを含み、上記水溶液のpHが0.6〜1.6、好ましくは0.9〜1.3である、方法を記載している。好ましくは、上記少なくとも1つの有機酸は、一般式(I):
R−SOH (I)
(式中、Rは直鎖又は分岐鎖のC〜Cアルキル基を表す)を有するアルキルスルホン酸の中から選択され得る。
本出願人名義の特許文献12は、グアユール植物のあらゆる部分の加工及び利用のための統合プロセスに関連しており、
機械的処理により、上記植物の葉から茎及び枝を分離する工程、
葉を処理してワックス及び精油、並びにセルロース、ヘミセルロース及びより少ない塩、有機化合物及びリグニンを含む画分を製造する工程、
茎及び枝から液相を抽出することで、バガスと称される第1の固形木質残留物を形成する工程、
上記第1の固形木質残留物を処理して、糖、セルロース、ヘミセルロース、及びリグニンを形成する工程、
を順に含む。
上記の統合プロセスは、ラテックス、ゴム、樹脂、及びバガスの製造と発酵糖の製造とを組み合わせることで、グアユール植物を更に活用することができると言われている。発酵糖は、得られたバガスを2段階の糖化処理に供することによって製造され、第1段階では、例えば、アルキルホスホン酸又はアルキルスルホン酸等の有機酸の存在下で酸加水分解を行って、5個の炭素原子(C5)を有する単糖へとヘミセルロースを変換するのに対し、第2段階では、酵素的、化学的又は熱化学的な加水分解を行って、6個の炭素原子(C6)を有する単糖を得る。
しかしながら、本出願人は、グアユール植物に由来するバイオマスそれ自体を使用する場合、又は、例えば本出願人名義の特許文献12若しくは特許文献13、若しくは特許文献2に記載される当該技術分野で知られている、グアユール植物が供された可能性がある抽出プロセスから生じたバガス、例えば、
参照として本明細書に含まれる特許文献2の実施例2に記載されるプロセスに従って操作して得られるバガス(上記特許ではGR−2として識別されるサンプルであって、下記実施例では「バガス(1)」と称する)、又は、
参照として本明細書に含まれる、本出願人名義の特許文献13の実施例1〜実施例3に記載されるプロセスに従って操作することで得られるバガス(ラテックス、樹脂及びゴムの抽出後に得られるサンプルであって、下記実施例では「バガス(2)」と称する)、
を使用する場合、一般式(I)を有する上記の有機酸の使用が、特に糖収率及び副生成物の生成の観点から、必ずしも望ましい結果を得ることを可能にしないことに気づいた。
さらに、グアユール植物に由来するバイオマスからの発酵糖の製造は特に注目され続けていることから、特に糖収率及び副生成物の生成の観点で所望の結果をもたらすことができる上記製造をもたらすための新たなプロセスの開発にも強い関心がよせられている。
国際公開第2013/134430号 米国特許第4,435,337号 米国特許出願公開第2014/0288255号 米国特許第6,423,145号 国際公開第2010/102060号 国際公開第2010/071805号 米国特許出願公開第2010/0227369号 米国特許出願公開第2008/0274509号 国際公開第2010/069583号 国際公開第2010/015404号 国際公開第2015/087254号 米国特許出願公開第2017/218094号 国際公開第2017/103769号
"Energies" (2011), Vol. 4, pg. 1601-1623 "Journal of the Mexican Chemical Society" (2011), Vol. 56 (4), pg. 395-401 "Chemical Engineering & Process Technology" (2011), Vol. 2, Issue 5, pg. 1-8
したがって、本出願人は、前述の欠点を克服することができる、グアユール植物に由来するバイオマスから、特に、上記グアユール植物が供される抽出プロセスに由来するバガスから糖を製造する方法を特定する課題を課した。特に、本出願人は、高いヘミセルロース成分の変換を与えることができ、その結果、5個の炭素原子(C5)及び6個の炭素原子(C6)を有する糖、特にキシロース、アラビノース等の5個の炭素原子を有する糖の高い収率(すなわち、5個の炭素原子(C5)及び6個の炭素原子(C6)の糖の収率が95%以上であり、上記収率は、開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して計算される)、並びに少量の副生成物(例えば、フルフラール(F)、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF))(すなわち、副生成物の量が5%以下であり、上記量は後述するように計算される)を与えることができる、グアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法を特定するという課題を課した。
本出願人は、現在、グアユール植物に由来するバイオマス、特に上記グアユール植物が供される抽出プロセスから生じるバガスからの糖の製造が、或る特定の量の上記バイオマスを、或る特定の量の水と、少なくとも1つの有機酸と、任意に少なくとも1つの無機酸とに接触させて混合物を得ることを含み、上記少なくとも1つの有機酸及び任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸が、上記混合物に含まれる、上記少なくとも1つの有機酸及び任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸の総モル数が以下に報告される特定の式及び特定のアルゴリズムに従って計算される量で使用される方法によって有利に行われ得ることを見出した。
上記方法を通じて得られる多くの利点がある。例えば、上記方法は、ヘミセルロース成分の高い変換の結果、グアユール植物に由来する上記バイオマスの酸加水分解に由来する、5個の炭素原子(C5)及び6個の炭素原子(C6)を有する糖、特に、キシロース、アラビノース等の5個の炭素原子(C5)を有する糖の高い収率(すなわち、5個の炭素原子(C5)及び6個の炭素原子(C6)の糖の収率が95%以上であり、上記収率は、グアユール植物に由来する開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して計算される)を提供するものであり、これらの糖はその後、アルコール(例えば、エタノール、ブタノール)、脂質、ジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール)の製造のための発酵プロセス、又はその他の中間体若しくは化学物質の製造のための化学合成プロセスにおいて炭素供給源として使用することができる。上記アルコール及び脂質は、それ自体で又は他の自動車燃料とのブレンドで使用することができるバイオ燃料(例えば、バイオディーゼル又は「グリーンディーゼル」)の製造に有利に使用され得て、また一方で、上記ジオールは、例えばゴム(例えば、ポリブタジエン又はその共重合体)の製造に使用され得るバイオブタジエン等の生成物の製造に使用することができる。バイオ精製所の場合、上記用途は特に重要である。
さらに、ヘミセルロース成分の広範な変換を得ることが可能であり、その結果、5個の炭素原子(C5)及び6個の炭素原子(C6)を有する糖、特にキシロース、アラビノース等の5個の炭素原子(C5)を有する糖の収率が高いことは、5個の炭素原子(C5)を有する糖が特に豊富な糖の溶液、又は5個の炭素原子(C5)を有する糖が特に豊富な上記糖の溶液と、6個の炭素原子(C6)を有する糖が特に豊富な溶液との混合物(例えば、セルロースの酵素加水分解に由来する糖の溶液)を、その後の発酵に送り、その結果、上記発酵プロセスを最適化することを可能にする。実際に、発酵に使用される微生物は、供給原料に提供される糖に応じて、例えば中間生成物及び不要な代謝生成物の蓄積(build-up)の点で異なる特徴を有する発酵バイオマスを生じることが知られている。また、発酵プロセスで使用される微生物は、それらの食物の影響を受けやすいことが知られており、例えば、幾つかの微生物株は、過剰量の5個の炭素原子(C5)を有する糖に耐容性を示さない。したがって、2つの異なるタイプの糖溶液、すなわち、5個の炭素原子(C5)を有する糖が特に豊富な糖溶液及び6個の炭素原子(C6)を有する糖が特に豊富な糖溶液の両方を、これらの糖溶液が異なる発酵プロセスの対象となるようにすることが非常に有利であり、その結果、異なる微生物株の栄養要求(food needs)とより良く一致するおかげで、上記発酵プロセスを最適化する。
また、ヘミセルロースの加水分解から得られる5個の炭素原子(C5)及び6個の炭素原子(C6)を有する糖の量は、出発グアユールバガスの性質に依存することにも留意すべきであり、実際には、上で言及したように、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンの成分量はバイオマスの種類によって異なることが知られている。
さらに、上記方法により、幅広い温度範囲(すなわち、100℃〜180℃の温度範囲)、更には高温(すなわち、140℃以上の温度)でも機能し、上で言及したように、その後の糖発酵プロセスで通常使用される微生物の増殖の阻害剤として作用する副生成物(例えば、フルフラール(F)、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF))を少量にすることが可能になる。
さらに、バイオマスを水と、少なくとも1つの有機酸と、任意に少なくとも1つの無機酸とに接触させるリアクターにおいて、予期せぬ温度上昇が、既知の技術のプロセスで一般的である、副生成物(例えば、フルフラール(F)、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF))の生成を増加させないことから、上記幅広い温度範囲に亘って機能する可能性は、工業的な観点からかなりの利点である。
さらに、上記少なくとも1つの有機酸の幾つかを少なくとも1つの無機酸に置き換える可能性は、コスト削減を可能にし、したがって、経済的利点を得ることを可能にする。
このため、本発明の対象は、グアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法であって、所定量(G)(g)の上記バイオマスを、所定量(G)(g)の水と、少なくとも1つの有機酸と、任意に少なくとも1つの無機酸とに接触させて、混合物を得ることを含み、上記少なくとも1つの有機酸及び任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸が、上記混合物に含まれる、上記少なくとも1つの有機酸及び任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸の総モル数(mTOT)が下記式(1):
TOT=m+m(1)
(式中、m及びmは、それぞれ下記式(2)及び式(3):
=R・G(2)
=R・G(3)
に従って定義される)に従って計算される量で使用され、
ここで、
(mmol/g)は、上記少なくとも1つの有機酸の第1の量(mmol)及び任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸の第1の量(mmol)と、水の使用量G(g)との比であり、Rは0.06mmol/g〜0.25mmol/g、好ましくは0.09mmol/g〜0.18mmol/gであり、上記少なくとも1つの有機酸の上記第1の量(mmol)、及び任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸の上記第1の量(mmol)が、水の量G(g)に依存し、
(mmol/g)は、
上記少なくとも1つの無機酸がない場合、上記少なくとも1つの有機酸の第2の量(mmol)と、バイオマスの使用量G(g)との比であるか、又は、
上記少なくとも1つの無機酸が存在する場合、上記少なくとも1つの有機酸の上記第2の量(mmol)及び上記少なくとも1つの無機酸の第2の量(mmol)の合計と、バイオマスの使用量G(g)との比であるか、又は、
上記第2の量(mmol)の上記少なくとも1つの無機酸の存在下であって、かつ上記第2の量(mmol)の上記少なくとも1つの有機酸の非存在下では、上記少なくとも1つの無機酸の上記第2の量(mmol)とバイオマスの使用量G(g)との比であって、上記少なくとも1つの有機酸の上記第2の量(mmol)及び上記少なくとも1つの無機酸の上記第2の量(mmol)は、バイオマスの量G(g)に依存し、
は、0.90R(mmol/g)〜1.10R(mmol/g)、好ましくは0.95R(mmol/g)〜1.05R(mmol/g)であり、Rは、以下のアルゴリズム(4)によって決定され、上記アルゴリズム(4)は下記基本操作:
(i)容量V(l)の上記少なくとも1つの有機酸、及び任意に存在する上記少なくとも1つの第1の量(mmol)の上記少なくとも1つの無機酸の水溶液を調製することであって、上記水溶液が7未満、好ましくは0.7〜3のpH(1)を有すること、
(ii)(i)で得られた水溶液に、120℃で15時間乾燥した所定量Q(g)のバイオマスを加えることであって、上記バイオマスの量が、得られた混合物の総重量に対して、好ましくは60重量%以下、より好ましくは2重量%〜40重量%であること、
(iii)(ii)で得られた上記混合物のpHを測定することであって、上記pHを以下pH(2)と示すこと、及び、
(iv)以下のアルゴリズム(4):
R=(10−pH (1)−10−pH (2))・1000・V/Q)(4)
(式中、pH(1)、pH(2)、V、及びQは上記と同じ意味を持つ)に従ってRを決定すること、
によって得られ、上記の基本操作を室温で行い、
但し、下記式(5):
最小=m有機酸/G(5)
(式中、m有機酸は、存在する有機酸のmmolであり、Gは上記と同じ意味を持つ)に従って定義されるR最小比(mmol/g)が、0.20mmol/g以上、好ましくは0.25mmol/g以上であるような量で上記少なくとも1つの有機酸が存在することを条件とし、上記少なくとも1つの無機酸が存在する場合、上記有機酸のmmol(m有機酸)は、2つの酸の量の合計、すなわち、無機酸の量(mmol)と有機酸の量(mmol)との和よりも少ない量で存在し、上記合計は、上記の式(1)で定義される総モル数mTOT(mmol)に対応する、方法である。
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的では、上記アルゴリズムは、有限時間内で所与の結果につながる基本操作の順序付けされた有限の系列によって表されることが理解される。特に、アルゴリズムを構成する操作は「基本」であり、すなわちそれ以上分けることができず、アルゴリズムを構成する基本操作は、ヒトであろうと人工物であろうとオペレーターによって直接的で一義的な方法で、すなわち明確に解釈することができ、アルゴリズムは有限数の基本操作で構成されていて、有限量の入力データを必要とし、実行は有限時間の後に終了し、実行は明白な結果をもたらす。
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的では、別段の指定がない限り、数値範囲の定義には常に極値が含まれる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的では、「含む、含んでいる」という用語には、「実質的に〜のみからなる」又は「〜のみからなる」という用語も含まれる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的では、「グアユール植物」という用語は、パルテニウム・アルジェンタツム種及び上に列挙される種のグアユール植物の両方を総称的に指す。
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的では、「5個の炭素原子(C5)を有する糖」という用語は、化学式C10を有する5個の炭素原子で構成される単糖炭水化物であるペントース糖、又はより簡潔にはペントースを意味する。同様に、本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的では、「6個の炭素原子(C6)を有する糖」という用語は、化学式C12を有する6個の炭素原子で構成される単糖炭水化物であるヘキソース糖、又はより簡潔にはヘキソースを意味する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的では、「グアユール植物に由来するバイオマス」という用語は、任意の形態(例えば、植物全体、根、枝及び/又は茎、葉、存在する場合には樹皮を含む植物の部分、細断、粉砕等によって得られる植物片、植物片を圧縮して得られるブリケット及びペレット)を意味し、グアユール植物は、化学的方法及び/又は物理的方法によってラテックス、ゴム、樹脂、バガス、糖、及び植物自体に存在するその他の成分を得るために使用される。
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的では、「バガス」とは、グアユール植物が供され得る抽出プロセスから生じる残量の植物性素材を意味する。リグニン及び多糖(例えば、セルロース及びヘミセルロース)に加えて、バガスは、典型的には植物の根に関連し、成長培地に由来する少量の非植物性材料(例えば、培養土、砂等)も含むことがある。
本明細書及び添付の特許請求の範囲の目的では、「室温」という用語は、15℃〜30℃の温度を意味する。
本発明の目的では、(i)で調製される上記少なくとも1つの有機酸と、任意に存在する上記少なくとも1つの第1の量の上記少なくとも1つの無機酸との水溶液のpH、すなわち、pH(1)と、(ii)で得られる混合物のpH、すなわちpH(2)との両方を、当該技術分野で知られている手法を用いてモニターすることができることに留意すべきである。本発明の目的では、pHをpHメーターによって継続的にモニターすることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記グアユール植物に由来するバイオマスは、上記グアユール植物が供される抽出プロセスに由来するバガスである。
上で言及されるように、バガスを得るためのグアユール植物が供され得る抽出プロセスは、例えば、上で言及される本出願人名義の特許文献12若しくは特許文献13、又は上で言及される特許文献2に記載されるように、当該技術分野で知られている。本発明の目的では、上記バガスは、好ましくは上記のように操作することによって得ることができ、すなわち、
参照として本明細書に含まれる特許文献2の実施例2に記載されるプロセスに従って操作して得られるバガス(上記特許ではGR−2として識別されるサンプルであって、下記実施例では「バガス(1)」と称する)、又は、
参照として本明細書に含まれる、本出願人名義の特許文献13の実施例1〜実施例3に記載されるプロセスに従って操作することで得られるバガス(ラテックス、樹脂及びゴムの抽出後に得られるサンプルであって、下記実施例では「バガス(2)」と称する)、
である。
本発明の好ましい実施形態によれば、かかるバイオマスを水と、上記少なくとも1つの有機酸と、任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸とに接触させる前に、予備粉砕プロセスに供してもよい。好ましくは、上記バイオマスは、0.1mm〜10mm、より好ましくは0.5mm〜4mmの直径を有する粒子に粉砕され得る。直径が2mm未満の粒子が特に好ましい。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記少なくとも1つの有機酸は、例えば、一般式(I):
R−SOH(I)
(式中、Rは直鎖又は分岐鎖のC〜C、好ましくはC〜Cのアルキル基を表す)を有するアルキルスルホン酸から選択され得る。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、上記少なくとも1つの有機酸は、メタンスルホン酸(CH−SOH)である。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記少なくとも1つの無機酸は、例えば、塩酸(HCl)、硝酸(HNO)、硫酸(HSO)、又はそれらの混合物等の強無機酸から選択され得る。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、上記少なくとも1つの無機酸は、硫酸(HSO)である。
本発明の対象である方法の目的では、少なくとも1つの有機酸の存在が不可欠であることに留意すべきである。実際、下記実施例からもわかるように、無機酸の使用だけでは、グアユール植物に由来するバイオマス中に存在する、特にバガスにおけるヘミセルロースの変換、及び糖の選択性の観点から所望される高い性能は得られない。実際、無機酸の使用だけでは、ヘミセルロースの変換及び糖の選択性の点で性能が劣ることにつながる。上記観察に従えば、有機酸を無機酸で部分的に置き換えても方法の性能に影響を与えないことも驚くべきことであり、実際には全体として有機酸のみを用いて得られるものに匹敵する。上で言及したように、有機酸を無機酸で部分的に置き換えることは、コスト削減につながり、したがって経済的利点をもたらす。
本発明の好ましい実施形態によれば、グアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する上記方法は、
(a)所定量(G)(g)の上記バイオマスを、所定量(G)(g)の水と、少なくとも1つの有機酸と、任意に少なくとも1つの無機酸とに、リアクター内で接触させて、第1の反応混合物を得ることと、
(b)リアクターを、20分間〜2時間、好ましくは40分間〜1時間に亘って、所望の温度、好ましくは100℃〜180℃、より好ましくは130℃〜150℃に加熱して、第1の固相及び第1の水相を含む第2の反応混合物を得ることと、
(c)任意に、第1の固相及び第1の水相を含む上記第2の反応混合物を30秒間〜1時間、好ましくは5分間〜20分間に亘って、上記所望の温度に保持することと、
(d)上記リアクターから上記第2の反応混合物を回収することと、
を含む。
本発明の目的では、段階(a)において、成分、すなわちバイオマス、水、有機酸、及び任意に無機酸を接触させる順序は、本発明の目的には無関係であることに留意すべきである。特に、上記成分を接触させる任意の順序は、本発明の実施形態を構成する。上記少なくとも1つの有機酸及び任意に少なくとも1つの無機酸の量は、上に定義されるR、R、及びR最小の値に準拠しなければならない。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記バイオマスは、上記第1の反応混合物の総重量に対して、1重量%〜60重量%、好ましくは5重量%〜45重量%、更により好ましくは10重量%〜30重量%の量で上記第1の反応混合物中に存在し得る。
本発明の目的では、上記リアクターは、例えば、オートクレーブ、固定床型リアクター、連続バイオマスフィードを備えるスラリーリアクター(CSTR−連続攪拌タンクリアクター)、押出機等の当該技術分野で知られているリアクターから選択され得る。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記リアクターは、連続バイオマスフィードを備えるスラリーリアクター(CSTR−連続攪拌タンクリアクター)から選択される。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記第1の固相はリグニン及びセルロースを含み、上記第1の水相は5個の炭素原子(C5)を有する少なくとも1つの糖、及び任意に6個の炭素原子(C6)を有する少なくとも1つの糖と、上記少なくとも1つの有機酸、及び任意に上記少なくとも1つの無機酸とを含む。上記少なくとも1つの有機酸及び任意に上記少なくとも1つの無機酸は、バイオマスと接触させる有機酸及び任意に無機酸である。上記少なくとも1つの糖は、特に、キシロースである。上記キシロースはヘミセルロースの酸加水分解に由来する。アラビノース、マンノース、ガラクトース、グルコースもまた、上記第1の水相に存在し得る。
上記第1の固相及び上記第1の水相は、例えば、濾過、遠心分離等の当該技術分野で知られている手法を用いて分離され得る。上記相は濾過によって分離されることが好ましい。
5個の炭素原子(C5)を有する上記糖、任意に存在する6個の炭素原子(C6)を有する上記糖、及び上記少なくとも1つの有機酸を上記第1の水相から回収するため、上記第1の水相を、当該技術分野で知られている処理に供することができる。例えば、上記第1の水相を、例えば米国特許第5,726,046号及び米国特許第5,820,687号に記載される樹脂を用いる分離段階に供してもよい。上記段階の終わりに、上記有機酸及び任意に上記少なくとも1つの無機酸を含む更なる水相と、5個の炭素原子(C5)を有する少なくとも1つの糖及び任意に6個の炭素原子(C6)を含む少なくとも1つの糖を含む第2の水相とが得られる。
次いで、上記有機酸及び任意に存在する上記少なくとも1つの無機酸を、その後、本発明の対象である方法に従って再利用することができる。
5個の炭素原子(C5)を有する少なくとも1つの糖、及び任意に6個の炭素原子(C6)を有する少なくとも1つの糖を含む上記第2の水相を、アルコール(例えば、エタノール、ブタノール)、脂質、ジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール)の製造のための発酵プロセスにおいて、又は他の中間体若しくは化学物質の製造のための化学合成プロセスにおいて、それ自体で、又は特に6個の炭素原子(C6)を有する糖に富む溶液との混合物で使用することができる。上記アルコール及び脂質は、それ自体で又は他の自動車燃料とのブレンドで使用することができるバイオ燃料(例えば、バイオディーゼル又は「グリーンディーゼル」)の製造に有利に使用され得て、また一方で、上記ジオールは、例えば、ゴム(例えば、ポリブタジエン又はその共重合体)の製造に使用され得るバイオブタジエン等の生成物の製造に使用され得る。バイオ精製所の場合、上記用途は特に重要である。
上で言及するように、本発明の対象である方法は、5個の炭素原子(C5)を有する少なくとも1つの糖、及び任意に6個の炭素原子(C6)を有する少なくとも1つの糖、特にキシロース、アラビノース等の5個の炭素原子(C5)を有する少なくとも1つの糖を、ヘミセルロースの酸加水分解から高収率で得ることを可能にする。より具体的には、上記方法は、5個の炭素原子(C5)を有する糖及び6個の炭素原子(C6)を有する糖の95%以上の収率を得ることを可能にし、上記収率は、開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して計算される。これに加えて、本発明の対象である方法は、70%以上の5個の炭素原子(C5)を有する糖の含有量(%)を得ることを可能にし、上記含有量は以下に記載されるとおりに計算される。
本発明の対象である方法はまた、高収率のセルロース及びリグニンを得ることを可能にする。
本発明の対象である方法に従って得られたセルロース及びリグニンを含む上記第1の固相を、セルロースをグルコースに加水分解する酵素加水分解プロセスで使用することができる。酵素加水分解プロセスは、例えば、米国特許第5,628,830号、米国特許第5,916,780号及び米国特許第6,090,595号に記載される当該技術分野で知られている手法に従い、個別に又はそれらの混合物で使用されるCelluclast 1.5L(Novozymes)、Econase CE(Rohm Enzymes)、Spezyme(Genecor)、Novozym 188(Novozymes)等の市販の酵素を用いて行われ得る。
上記第1の固相の酵素加水分解から、リグニンを含む第2の固相、及びセルロースの加水分解に由来するグルコースを含む第3の水相が得られる。
上記第2の固相及び上記第3の液相は、例えば、濾過又は遠心分離等の当該技術分野で知られている手法によって分離され得る。上記相は濾過によって分離されることが好ましい。
グルコースを含む上記第3の水相を、アルコール(例えば、エタノール、ブタノール)、脂質、ジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール)の発酵プロセスにおいて、又は他の中間体若しくは化学物質の製造のための化学合成プロセスにおいて、それ自体で、又は特に5個の炭素原子(C5)を有する糖に富む溶液との混合物で原料として使用することができる。上記アルコール及び脂質は、それ自体で又は他の自動車燃料とのブレンドで使用することができるバイオ燃料(例えば、バイオディーゼル又は「グリーンディーゼル」)の製造に有利に使用され得て、また一方で、上記ジオールは、例えば、ゴム(例えば、ポリブタジエン又はその共重合体)の製造に使用され得るバイオブタジエン等の生成物の製造に使用され得る。バイオ精製所の場合、上記用途は特に重要である。
リグニンを含む上記第2の固相は、燃料として、例えばバイオマス処理プロセスを支援するために必要なエネルギーを生成する燃料として使用することができる。発酵プロセスは、当該技術分野、例えば、米国特許出願公開第2013/0224333号及び国際公開第2008/141317号(酵母の存在下での発酵)、又は米国特許出願公開第2010/0305341号及び国際公開第2011/051977号(遺伝子改変された含油性酵母(oleaginous yeasts)の存在下での発酵)、又は国際公開第2010/127319号(遺伝改変された微生物の存在下での発酵)に記載されている。
本発明をよりよく理解し、実施するため、幾つかの実例及び非限定的な例を以下に説明する。
分析及び特性評価の方法
以下に挙げる分析及び特性評価の方法を使用した。
開始バイオマスの分析
開始バイオマスは、例えばVan Soest, P. J. and Wine, R. H. "Use of detergents in the analysis of fibrous feeds. IV. Determination of plant cell-wall constituents", Journal of Association of Official Analytical Chemistry (1967), Vol. 50, pg. 50-55に記載されるとおり、Van Soestの繊維分画システム(Van Soest's fibrous fraction system)を用いて分析し、細胞壁の構成要素、特にヘミセルロース、セルロース、及びリグニンを定量した。
第1の水相に存在する化合物の分析
第1の水相に存在する糖をイオンクロマトグラフィーで以下の操作条件を用いて分析した。
機器:Dionex IC3000、PA100カラム;
溶離液:水酸化ナトリウム(NaOH)(100mM)−水酸化ナトリウム(NaOH)200mM中の酢酸ナトリウム(CHCOONa)0.6M;
溶出プログラム:勾配、電気化学検出器。
第1の水相に存在する副生成物、すなわちフルフラール(F)及びヒドロキシメチルフルフラール(HMF)を、以下の操作条件を用いて液体クロマトグラフィーによって分析した。
機器:HP 1100、Inertsil C18カラム;
溶離液:0.01Mリン酸−アセトニトリル(CHCN);
溶出プログラム:勾配、UV−DAD検出器。
5個の炭素原子(C5)を有する糖の収率、含有量、及び副生成物の生成量の計算
収率は、下記式に従って、上記第1の水相中に存在する5個の炭素原子(C5)及び6個の炭素原子(C6)を有する糖(すなわち、それぞれペントース(C5)及びヘキソース(C6))と、開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量とのパーセント比として、分析結果(すなわち、上記のとおりに実施された第1の水相に存在する化合物の分析)に基づいて表した:
収率=(mC5+mC6)/mヘミセルロース×100
(式中、
C5は、溶液中に存在するペントースであり、
C6は、溶液中に存在するヘキソースであり、
mは、化合物の重量であり、
ヘミセルロースは、開始バイオマス中に存在するヘミセルロースである)。
各実施例について、第1の水相に存在する5個の炭素原子(C5)を有する糖(すなわちペントース)の含有量(%)も下記式に従って決定した:
含有量C5=mC5/(mC5+mC6)×100
(式中、C5、C6、及びmは上記と同じ意味を持つ)。
副生成物、すなわちヒドロキシメチルフルフラール(HMF)及びフルフラール(F)の生成量を効果的に表すため、分解率を下記式に従って計算した:
C6分解率=mHMF/(mC6+mHMF)×100
C5分解率=mF/(mC5+mF)×100
(式中、C5、C6及びmは上記と同じ意味を持ち、
Fは、フルフラールであり、
HMFは、ヒドロキシメチルフルフラールである)。
アルゴリズム(4)によるRの決定
バガス(1)及びバガス(2)の両方に対して同じプロセスを行った。詳細には、メタンスルホン酸(CH−SOH)の溶液を室温で水100mlに適量のメタンスルホン酸(CH−SOH)を添加することによりpH=0.9で調製し、200mlのビーカーで磁気スターラーを用いて600rpmで激しく攪拌を続けた。溶液に接触させたpHメーター(Metrohm 781 pH/イオンメーター)の電極によって作業をモニターした。上記溶液にバイオマス(それぞれ、バガス(1)又はバガス(2))21gを加えた。得られた混合物を、添加作業中に絶えず激しく攪拌し(600rpm)、その後、pHが安定するまで保持し、一連の作業を通して、pHメーター電極(Metrohm 781、pH/イオンメーター)を得られた混合物と接触させて保持した。上記pH安定性を添加の15分後、pH2.02で達成した。次いで、便宜上、以下に示すアルゴリズム(4):
R=(10−pH (1)−10−pH (2))・1000・V/Q
(式中、
pH(1)=0.9;
pH(2)=2.02;
V(l)=0.1;
Q(g)=21である)を使用してRの値を決定し、バガス(1)及びバガス(2)の両方について、R=0.55mmol/gの値を得た。
実施例1(比較)
水885g及びメタンスルホン酸(CH−SOH)10.7g(111.3mmol)(第1の量の有機酸)をオープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた(R=0.13mmol/g)。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(1)135g(2mm未満まで篩過)を加えた(R=0.00mmol/g、R最小=0.82mmol/g)。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース42.3重量%、ヘミセルロース18.2重量%、リグニン24.1重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、無機塩、樹脂、並びに残留ゴムで構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表1に示す):
収率:80.3%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:0.7%、
C5含有量:79.4%。
実施例2(比較)
水885g及び硫酸(HSO)10.7g(109.1mmol)(第1の量の無機酸)をオープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた(R=0.12mmol/g)。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(1)135g(2mm未満まで篩過)を加えた(R=0.00mmol/g、R最小=0.00mmol/g)。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース42.3重量%、ヘミセルロース18.2重量%、リグニン24.1重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、無機塩、樹脂、並びに残留ゴムで構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表1に示す):
収率:69.1%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:1.7%、
C5分解:3.2%、
C5含有量:72.6%。
実施例3(発明)
水885g及びメタンスルホン酸(CH−SOH)10.7g(111.3mmol)(第1の量の有機酸)をオープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた(R=0.13mmol/g)。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(1)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定されたメタンスルホン酸(CH−SOH)7.1g(73.9mmol)(第2の量の有機酸)を加え(R=0.55mmol/g、R最小=1.37mmol/g)、合計mTOT=185.2mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース42.3重量%、ヘミセルロース18.2重量%、リグニン24.1重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、無機塩、樹脂、並びに残留ゴムで構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表1に示す):
収率:95.0%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:4.6%、
C5含有量:80.5%。
実施例4(比較)
水885g及びメタンスルホン酸(CH−SOH)10.7g(111.3mmol)(第1の量の有機酸)をオープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた(R=0.13mmol/g)。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(2)135g(2mm未満まで篩過)を加えた(R=0.00mmol/g、R最小=0.82mmol/g)。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース47.0重量%、ヘミセルロース20.2重量%、リグニン26.8重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、並びに無機塩で構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表2に示す):
収率:79.9%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:0.6%、
C5含有量:80.4%。
実施例5(比較)
水885g及び硫酸(HSO)10.7g(109.1mmol)(第1の量の無機酸)をオープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた(R=0.12mmol/g)。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(2)135g(2mm未満まで篩過)を加えた(R=0.00mmol/g、R最小=0.00mmol/g)。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース47.0重量%、ヘミセルロース20.2重量%、リグニン26.8重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、並びに無機塩で構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表2に示す):
収率:68.4%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:2.4%、
C5分解:3.6%、
C5含有量:70.1%。
実施例6(発明)
水885g及びメタンスルホン酸(CH−SOH)10.7g(111.3mmol)(第1の量の有機酸)をオープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた(R=0.13mmol/g)。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(2)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定されたメタンスルホン酸(CH−SOH)7.1g(73.9mmol)(第2の量の有機酸)を加え(R=0.55mmol/g、R最小=1.37mmol/g)、合計mTOT=185.2mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース47.0重量%、ヘミセルロース20.2重量%、リグニン26.8重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、並びに無機塩で構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表2に示す):
収率:95.2%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:4.4%、
C5含有量:80.7%。
実施例7(発明)
水885g及びメタンスルホン酸(CH−SOH)10.7g(111.3mmol)(第1の量の有機酸)をオープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた(R=0.13mmol/g)。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(1)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定された硫酸(HSO)7.1g(72.4mmol)(第2の量の無機酸)を加え(R=0.54mmol/g、R最小=0.82mmol/g)、合計mTOT=183.7mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース42.3重量%、ヘミセルロース18.2重量%、リグニン24.1重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、無機塩、樹脂、並びに残留ゴムで構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表1及び表3に示す):
収率:95.1%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:4.5%、
C5含有量:80.1%。
実施例8(発明)
水885g及びメタンスルホン酸(CH−SOH)10.7g(111.3mmol)(第1の量の有機酸)をオープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた(R=0.13mmol/g)。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(2)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定された硫酸(HSO)7.1g(72.4mmol)(第2の量の無機酸)を加え(R=0.54mmol/g、R最小=0.82mmol/g)、合計mTOT=183.7mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース47.0重量%、ヘミセルロース20.2重量%、リグニン26.8重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、並びに無機塩で構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表2及び表4に示す):
収率:95.4%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:4.5%、
C5含有量:80.3%。
実施例9(比較)
水885g及びメタンスルホン酸(CH−SOH)10.7g(111.3mmol)(第1の量の有機酸)をオープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた(R=0.13mmol/g)。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(1)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定されるよりも少ない硫酸(HSO)3.0g(30.6mmol)(第2の量の無機酸)を加え(R=0.23mmol/g、R最小=0.82mmol/g)、合計mTOT=141.9mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース42.3重量%、ヘミセルロース18.2重量%、リグニン24.1重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、無機塩、樹脂、並びに残留ゴムで構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表3に示す):
収率:87.8%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:3.9%、
C5含有量:80.1%。
実施例10(比較)
水885g及びメタンスルホン酸(CH−SOH)10.7g(111.3mmol)(第1の量の有機酸)をオープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた(R=0.13mmol/g)。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(1)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定されるよりも多い硫酸(HSO)11.0g(112.2mmol)(第2の量の無機酸)を加え(R=0.82mmol/g、R最小=0.82mmol/g)、合計mTOT=223.5mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース42.3重量%、ヘミセルロース18.2重量%、リグニン24.1重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、無機塩、樹脂、並びに残留ゴムで構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表3に示す):
収率:86.1%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:7.2%、
C5含有量:74.3%。
実施例11(比較)
水885g及びメタンスルホン酸(CH−SOH)10.7g(111.3mmol)(第1の量の有機酸)をオープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた(R=0.13mmol/g)。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(2)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定されるよりも少ない硫酸(HSO)3.0g(30.6mmol)(第2の量の無機酸)を加え(R=0.23mmol/g、R最小=0.82mmol/g)、合計mTOT=141.9mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース47.0重量%、ヘミセルロース20.2重量%、リグニン26.8重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、並びに無機塩で構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表4に示す):
収率:84.7%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:3.2%、
C5含有量:80.5%。
実施例12(比較)
水885g及びメタンスルホン酸(CH−SOH)10.7g(111.3mmol)(第1の量の有機酸)をオープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた(R=0.13mmol/g)。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(2)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定されるよりも多い硫酸(HSO)11.0g(112.2mmol)(第2の量の無機酸)を加え(R=0.82mmol/g、R最小=0.82mmol/g)、合計mTOT=223.5mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース47.0重量%、ヘミセルロース20.2重量%、リグニン26.8重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、並びに無機塩で構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表4に示す):
収率:86.3%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:4.3%、
C5分解:7.4%、
C5含有量:71.3%。
実施例13(発明)
水885g、メタンスルホン酸(CH−SOH)5.3g(55.14mmol)(第1の量の有機酸)、及び硫酸(HSO)5.5g(56.2mmol)(第1の量の無機酸)(R=0.13mmol/g)を、オープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(1)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定される硫酸(HSO)を更に7.0g(71.4mmol)(第2の量の無機酸)加え(R=0.53mmol/g、R最小=0.41mmol/g)、合計mTOT=182.7mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース42.3重量%、ヘミセルロース18.2重量%、リグニン24.1重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、無機塩、樹脂、並びに残留ゴムで構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表5に示す):
収率:96.0%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:4.6%、
C5含有量:81.2%。
実施例14(発明)
水885g、メタンスルホン酸(CH−SOH)3.3g(34.3mmol)(第1の量の有機酸)、及び硫酸(HSO)7.6g(77.5mmol)(第1の量の無機酸)(R=0.13mmol/g)を、オープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(1)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定される硫酸(HSO)を更に7.0g(71.4mmol)(第2の量の無機酸)加え(R=0.53mmol/g、R最小=0.25mmol/g)、合計mTOT=183.2mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース42.3重量%、ヘミセルロース18.2重量%、リグニン24.1重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、無機塩、樹脂、並びに残留ゴムで構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表5に示す):
収率:95.4%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:4.2%、
C5含有量:79.8%。
実施例15(比較)
水885g、メタンスルホン酸(CH−SOH)2.1g(21.8mmol)(第1の量の有機酸)、及び硫酸(HSO)8.7g(88.7mmol)(第1の量の無機酸)(R=0.13mmol/g)を、オープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(1)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定される硫酸(HSO)を更に7.0g(71.4mmol)(第2の量の無機酸)加え(R=0.53mmol/g、R最小=0.16mmol/g)、合計mTOT=181.9mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース42.3重量%、ヘミセルロース18.2重量%、リグニン24.1重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、無機塩、樹脂、並びに残留ゴムで構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表5に示す):
収率:81.4%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:1.1%、
C5含有量:79.2%。
実施例16(発明)
水885g、メタンスルホン酸(CH−SOH)5.3g(55.14mmol)(第1の量の有機酸)、及び硫酸(HSO)5.5g(56.2mmol)(第1の量の無機酸)(R=0.13mmol/g)を、オープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(2)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定される硫酸(HSO)を更に7.0g(71.4mmol)(第2の量の無機酸)加え(R=0.53mmol/g、R最小=0.41mmol/g)、合計mTOT=182.7mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース47.0重量%、ヘミセルロース20.2重量%、リグニン26.8重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、並びに無機塩で構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表6に示す):
収率:95.2%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:4.3%、
C5含有量:80.7%。
実施例17(発明)
水885g、メタンスルホン酸(CH−SOH)3.3g(34.3mmol)(第1の量の有機酸)、及び硫酸(HSO)7.6g(77.5mmol)(第1の量の無機酸)(R=0.13mmol/g)を、オープンエアで2l容のBrignoleオートクレーブに入れた。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(2)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定される硫酸(HSO)を更に7.0g(71.4mmol)(第2の量の無機酸)加え(R=0.53mmol/g、R最小=0.25mmol/g)、合計mTOT=183.2mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース47.0重量%、ヘミセルロース20.2重量%、リグニン26.8重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、並びに無機塩で構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表6に示す):
収率:95.0%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:4.6%、
C5含有量:81.2%。
実施例18(比較)
水885g、メタンスルホン酸(CH−SOH)2.1g(21.8mmol)(第1の量の有機酸)、及び硫酸(HSO)8.7g(88.7mmol)(第1の量の無機酸)(R=0.13mmol/g)を、オープンエアで2lのBrignoleオートクレーブに入れた。その後、予め粉砕しておいたグアユール植物(パルテニウム・アルジェンタツム)に由来するバガス(1)135g(2mm未満まで篩過)を加えた。最後に、式(1)及び後続する式に従って決定される硫酸(HSO)を更に7.0g(71.4mmol)(第2の量の無機酸)加え(R=0.53mmol/g、R最小=0.16mmol/g)、合計mTOT=181.9mmolを加えた。
このようにして得られた第1の反応混合物を、45分以内に140℃の温度に達するまで激しく攪拌し続け(600rpm)、リグニン及びセルロースを含む第1の固相と、ヘミセルロースに由来する糖を含む第1の水相とを含む第2の反応混合物を得た。
オートクレーブを室温まで冷却させた後、上記相を濾過によって分離した。
上記のように特定された開始バイオマスの組成は次のとおりであった:開始バイオマスの総重量に対して、セルロース47.0重量%、ヘミセルロース20.2重量%、リグニン26.8重量%。残部は、有機酸、タンパク質及び非タンパク質窒素物質、脂質、並びに無機塩で構成されていた。
上記のように第1の水相を分析したところ、次の結果が得られた(表6に示す):
収率:79.4%(開始バイオマス中に存在するヘミセルロースの総量に対して)、
C6分解:0.0%、
C5分解:1.5%、
C5含有量:78.8%。
Figure 2021510532
Figure 2021510532
Figure 2021510532
Figure 2021510532
Figure 2021510532
Figure 2021510532
表1(バガス(1))に示すデータは、以下を示している:
式(1)及び後続する式に従って決定される量m(mmol)の有機酸又は無機酸を更に添加することなく、水の使用量(G)に対して、量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用した実施例1(比較)は、糖の収率が低く(収率(%))(80.3%)、さらに、R=0.13mmol/g、R=0.00mmol/g、及びR最小=0.82mmol/gのパラメーターの検討より、Rの値が本発明に従わないことは明らかである。
式(1)及び後続する式に従って決定される量m(mmol)の有機酸又は無機酸を更に添加することなく、水の使用量(G)に対して、量m(mmol)の硫酸(HSO)を使用した実施例2(比較)は、糖の収率が低く(収率(%))(69.1%)(実施例1(比較)よりも低い)、さらに、実施例1(比較)と比べて、フルフラール(F)への分解の著しい増加(3.2%に等しい分解率)を伴って、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)はわずかとはいえない量(1.7%に等しい分解率)で形成されることが観察され、さらに、R=0.12mmol/g、R=0.00mmol/g及びR最小=0.00mmol/gのパラメーターの検討より、R及びR最小の値が本発明に従わないことは明らかである。
水の使用量(G)に対して、量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用し、バイオマスの使用量(G)に対して、式(1)及び後続する式に従って決定される量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用した実施例3(発明)は、糖の収率が高く(収率(%))(95.0%)、また、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の形成は観察されず(分解率は0.0%に等しい)、さらに、R=0.13mmol/g、R=0.55mmol/g及びR最小=1.37mmol/gのパラメーターの検討より、R、R及びR最小の値が本発明に従うことは明らかである。
水の使用量(G)に対して、量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用し、バイオマスの使用量(G)に対して、式(1)及び後続する式に従って決定される量m(mmol)の硫酸(HSO)を使用した実施例7(発明)は、糖の収率が高く(収率(%))(95.1%)(実施例3(発明)と同等)、最後に、実施例3(発明)で得られたものと同等のフルフラール(F)への分解(4.5%に等しい分解率)が観察され、したがって、硫酸(HSO)の使用が糖の収率にもフルフラールへの分解にも悪影響を及ぼさないことを確認し、さらに、R=0.13mmol/g、R=0.54mmol/g及びR最小=0.82mmol/gのパラメーターの検討より、R、R及びR最小の値が本発明に従うことは明らかである。
表2(バガス(2))に示すデータは、以下を示している:
式(1)及び後続する式に従って決定される量m(mmol)の有機酸又は無機酸を更に添加することなく、水の使用量Gに対して、量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用した実施例4(比較)は、糖の収率が低く(収率(%))(79.9%)、さらに、R=0.13mmol/g、R=0.00mmol/g、及びR最小=0.82mmol/gのパラメーターの検討より、Rの値が本発明に従わないことは明らかである。
式(1)及び後続する式に従って決定される量m(mmol)の有機酸又は無機酸を更に添加することなく、水の使用量(G)に対して、量m(mmol)の硫酸(HSO)を使用した実施例5(比較)は、糖の収率が低く(収率(%))(68.4%)(実施例5(比較)よりも低い)、さらに、実施例5(比較)と比べて、フルフラール(F)への分解の著しい増加(3.6%に等しい分解率)を伴って、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)は無視することができない量(2.4%に等しい分解率)で形成されることが観察され、さらに、R=0.12mmol/g、R=0.00mmol/g及びR最小=0.00mmol/gのパラメーターの検討より、R及びR最小の値が本発明に従わないことは明らかである。
水の使用量(G)に対して、量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用し、バイオマスの使用量(G)に対して、式(1)及び後続する式に従って決定される量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用した実施例6(発明)は、糖の収率が高く(収率(%))(95.2%)、さらに、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の形成は観察されず(分解率は0.0%に等しい)、さらに、R=0.13mmol/g、R=0.55mmol/g及びR最小=1.37mmol/gのパラメーターの検討より、R、R及びR最小の値が本発明に従うことは明らかである。
水の使用量(G)に対して、量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用し、バイオマスの使用量(G)に対して、式(1)及び後続する式に従って決定される量m(mmol)の硫酸(HSO)を使用した実施例8(発明)は、糖の収率が高く(収率(%))(95.4%)(実施例6(発明)と同等)、最後に、実施例6(発明)と同等のフルフラール(F)への分解(4.5%に等しい分解率)が見られ、したがって、硫酸(HSO)の使用が糖の収率にもフルフラールへの分解にも悪影響を及ぼさないことを確認し、さらに、R=0.13mmol/g、R=0.54mmol/g及びR最小=0.82mmol/gのパラメーターの検討より、R、R及びR最小の値が本発明に従うことは明らかである。
表3(バガス(1))に示すデータは、以下を示している。
水の使用量Gに対して、量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用し、バイオマスの使用量(G)に対して、式(1)及び後続する式に従って決定される量m(mmol)の硫酸(HSO)を使用した実施例7(発明)は、糖の収率が高く(収率(%))(95.1%)、さらに、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の形成は観察されず(分解率は0.0%に等しい)、さらに、R=0.13mmol/g、R=0.54mmol/g及びR最小=0.82mmol/gのパラメーターの検討より、R、R及びR最小の値が本発明に従うことは明らかである。
水の使用量(G)に対して、量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用し、バイオマスの使用量(G)に対して、式(1)及び後続する式に従って決定されるよりも少ない量m(mmol)の硫酸(HSO)を使用した実施例9(比較)は、実施例7(発明)のものよりも糖の収率が低く(収率(%))(87.8%)、さらに、R=0.13mmol/g、R=0.23mmol/g、及びR最小=0.82mmol/gのパラメーターの検討より、Rの値が本発明に従わないことは明らかである。
水の使用量(G)に対して、量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用し、バイオマスの使用量(G)に対して、式(1)及び後続する式に従って決定されるよりも多い量m(mmol)の硫酸(HSO)を使用した実施例10(比較)は、実施例7(発明)のものよりも糖の収率が低く(収率(%))(86.1%)、また、フルフラール(F)への分解に著しい増加が見られ(分解率は7.2%に等しい)、さらに、R=0.13mmol/g、R=0.82mmol/g及びR最小=0.82mmol/gのパラメーターの検討より、Rの値が本発明に従わないことは明らかである。
表4(バガス(2))に示すデータは、以下を示している。
水の使用量(G)に対して、量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用し、バイオマスの使用量(G)に対して、式(1)及び後続する式に従って決定される量m(mmol)の硫酸(HSO)を使用した実施例8(発明)は、糖の収率が高く(収率(%))(95.4%)、さらに、ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の形成は観察されず(分解率は0.0%に等しい)、さらに、R=0.13mmol/g、R=0.54mmol/g及びR最小=0.82mmol/gのパラメーターの検討より、R、R及びR最小の値が本発明に従うことが示される。
水の使用量(G)に対して、量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用し、バイオマスの使用量(G)に対して、式(1)及び後続する式に従って決定されるよりも少ない量m(mmol)の硫酸(HSO)を使用した実施例11(比較)は、実施例8(発明)のものよりも糖の収率が低く(収率(%))(84.7%)、さらに、R=0.13mmol/g、R=0.23mmol/g、及びR最小=0.82mmol/gのパラメーターの検討より、Rの値が本発明に従わないことが示される。
水の使用量(G)に対して、量m(mmol)のメタンスルホン酸(CH−SOH)を使用し、バイオマスの使用量Gに対して、式(1)及び後続する式に従って決定されるよりも多い量m(mmol)の硫酸(HSO)を使用した実施例12(比較)は、実施例8(発明)のものよりも糖の収率が低く(収率(%)86.3%)、また、フルフラール(F)への分解に著しい増加が見られ(分解率は7.4%に等しい)、さらに、R=0.13mmol/g、R=0.82mmol/g及びR最小=0.82mmol/gのパラメーターの検討より、Rの値が本発明に従わないことが示される。
表5(バガス(1))に示すデータは、以下を示している。
メタンスルホン酸(CH−SOH)及び硫酸(HSO)を使用した実施例13(発明)は、実施例3、実施例6、実施例7及び実施例8(発明)で得られたものと同等の高い糖の収率(収率(%))(95.1%)及びフルフラール(F)への分解(4.6%に等しい分解率)を有し、したがって、硫酸(HSO)の使用が糖の収率にもフルフラールへの分解にも悪影響を及ぼさないことを確認し、特に、R=0.13mmol/g、R=0.53mmol/g及びR最小=0.41mmol/gのパラメーターの検討より、R、R及びR最小の値が本発明に従うことを示している。
メタンスルホン酸(CH−SOH)及び硫酸(HSO)を使用した実施例14(発明)は、実施例3、実施例6、実施例7及び実施例8(発明)で得られたものと同等の高い糖の収率(収率(%))(95.4%)及びフルフラール(F)への分解(4.2%に等しい分解率)を有し、したがって、硫酸(HSO)の使用が糖の収率にもフルフラールへの分解にも悪影響を及ぼさないことを確認し、特に、R=0.13mmol/g、R=0.53mmol/g及びR最小=0.25mmol/gのパラメーターの検討より、R、R及びR最小の値が本発明に従うことを示している。
メタンスルホン酸(CH−SOH)及び硫酸(HSO)を使用した実施例15(比較)は、糖の収率が低く(収率(%))(81.4%)、特に、R=0.13mmol/g、R=0.53mmol/g及びR最小=0.16mmol/gのパラメーターの検討より、R最小の値が本発明に従わないことを示している(すなわち、有機酸が十分な量存在していない)。
表6(バガス(2))に示すデータは、以下を示している。
メタンスルホン酸(CH−SOH)及び硫酸(HSO)を使用した実施例16(発明)は、実施例3、実施例6、実施例7及び実施例8(発明)で得られたものと同等の高い糖の収率(収率(%))(95.2%)及びフルフラール(F)への分解(4.3%に等しい分解率)を有し、したがって、硫酸(HSO)の使用が糖の収率にもフルフラールへの分解にも悪影響を及ぼさないことを確認し、特に、R=0.13mmol/g、R=0.53mmol/g及びR最小=0.41mmol/gのパラメーターの検討より、R、R及びR最小の値が本発明に従うことを示している。
メタンスルホン酸(CH−SOH)及び硫酸(HSO)を使用した実施例17(発明)は、実施例3、実施例6、実施例7及び実施例8(発明)で得られたものと同等の高い糖の収率(収率(%)95.0%)及びフルフラール(F)への分解(4.6%に等しい分解率)を有し、したがって、硫酸(HSO)の使用が糖の収率にもフルフラールへの分解にも悪影響を及ぼさないことを確認し、特に、R=0.13mmol/g、R=0.53mmol/g及びR最小=0.25mmol/gのパラメーターの検討より、R、R及びR最小の値が本発明に従うことを示している。
メタンスルホン酸(CH−SOH)及び硫酸(HSO)を使用した実施例18(比較)は、糖の収率が低く(収率(%))(79.4%)、特に、R=0.13mmol/g、R=0.53mmol/g及びR最小=0.16mmol/gのパラメーターの検討より、R最小の値が本発明に従わないことを示している(すなわち、有機酸が十分な量存在していない)。
また、バガス(1)又はバガス(2)を使用することは、同等の結果をもたらし、バガスを得るプロセスが本発明の目的とは無関係であるという事実を支持していることにも留意すべきである。

Claims (8)

  1. グアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法であって、所定量(G)(g)の前記バイオマスを、所定量(G)(g)の水と、少なくとも1つの有機酸と、任意に少なくとも1つの無機酸とに接触させて、混合物を得ることを含み、前記少なくとも1つの有機酸及び任意に存在する前記少なくとも1つの無機酸が、前記混合物に含まれる、前記少なくとも1つの有機酸及び任意に存在する前記少なくとも1つの無機酸の総モル数(mTOT)が下記式(1):
    TOT=m+m(1)
    (式中、m及びmは、それぞれ下記式(2)及び式(3):
    =R・G(2)
    =R・G(3)
    に従って定義される)に従って計算される量で使用され、
    ここで、
    (mmol/g)は、前記少なくとも1つの有機酸の第1の量(mmol)及び任意に存在する前記少なくとも1つの無機酸の第1の量(mmol)と、水の使用量G(g)との比であり、Rは0.06mmol/g〜0.25mmol/g、好ましくは0.09mmol/g〜0.18mmol/gであり、前記少なくとも1つの有機酸の前記第1の量(mmol)、及び任意に存在する前記少なくとも1つの無機酸の前記第1の量(mmol)が、前記水の量G(g)に依存し、
    (mmol/g)は、
    前記少なくとも1つの無機酸がない場合、前記少なくとも1つの有機酸の第2の量(mmol)と、前記バイオマスの使用量G(g)との比であるか、又は、
    前記少なくとも1つの無機酸が存在する場合、前記少なくとも1つの有機酸の前記第2の量(mmol)及び前記少なくとも1つの無機酸の第2の量(mmol)の合計と、前記バイオマスの使用量G(g)との比であるか、又は、
    前記第2の量(mmol)の前記少なくとも1つの無機酸の存在下であって、かつ前記第2の量(mmol)の前記少なくとも1つの有機酸の非存在下では、前記少なくとも1つの無機酸の前記第2の量(mmol)と前記バイオマスの使用量G(g)との比であって、前記少なくとも1つの有機酸の前記第2の量(mmol)及び前記少なくとも1つの無機酸の前記第2の量(mmol)は、前記バイオマスの量G(g)に依存し、
    は、0.90R(mmol/g)〜1.10R(mmol/g)、好ましくは0.95R(mmol/g)〜1.05R(mmol/g)であり、Rは、以下のアルゴリズム(4)によって決定され、前記アルゴリズム(4)は下記基本操作:
    (i)容量V(l)の前記少なくとも1つの有機酸、及び任意に存在する前記少なくとも1つの第1の量(mmol)の前記少なくとも1つの無機酸の水溶液を調製することであって、前記水溶液が7未満、好ましくは0.7〜3のpH(1)を有すること、
    (ii)(i)で得られた前記水溶液に、120℃で15時間乾燥した所定量Q(g)のバイオマスを加えることであって、前記バイオマスの量が、得られた混合物の総重量に対して、好ましくは60重量%以下、より好ましくは2重量%〜40重量%であること、
    (iii)(ii)で得られた前記混合物のpHを測定することであって、前記pHを以下pH(2)と称すること、及び、
    (iv)以下のアルゴリズム(4):
    R=(10−pH (1)−10−pH (2))・1000・V/Q)(4)
    (式中、pH(1)、pH(2)、V、及びQは上記と同じ意味を持つ)に従ってRを決定すること、
    によって得られ、上記の基本操作を室温で行い、
    但し、下記式(5):
    最小=m有機酸/G(5)
    (式中、m有機酸は、存在する有機酸のmmolであり、(G)は上記と同じ意味を持つ)に従って定義されるR最小比(mmol/g)が、0.20mmol/g以上、好ましくは0.25mmol/g以上であるような量で前記少なくとも1つの有機酸が存在することを条件とし、前記少なくとも1つの無機酸が存在する場合、前記有機酸のmmol(m有機酸)は、2つの酸の量の合計、すなわち、前記無機酸の量(mmol)と前記有機酸の量(mmol)との和よりも少ない量で存在し、前記合計は、上記の式(1)で定義される総モル数mTOT(mmol)に対応する、方法。
  2. 前記グアユール植物に由来するバイオマスが、前記グアユール植物が供される抽出プロセスに由来するバガスである、請求項1に記載のグアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法。
  3. 前記バイオマスを、水と、前記少なくとも1つの有機酸と、任意に少なくとも1つの無機酸とに接触させる前に、予備粉砕プロセスに供し、好ましくは、前記バイオマスを粉砕して、0.1mm〜10mm、より好ましくは0.5mm〜4mm、更により好ましくは2mm未満の直径を有する粒子を得る、請求項1又は2に記載のグアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法。
  4. 前記少なくとも1つの有機酸が、一般式(I):
    R−SOH(I)
    (式中、Rは直鎖又は分岐鎖のC〜C、好ましくはC〜Cのアルキル基を表す)を有するアルキルスルホン酸から選択され、好ましくはメタンスルホン酸(CH−SOH)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法。
  5. 前記少なくとも1つの無機酸が、塩酸(HCl)、硝酸(HNO)、硫酸(HSO)、又はそれらの混合物等の強無機酸から選択され、好ましくは硫酸(HSO)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のグアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法。
  6. 前記方法が、
    (a)所定量(G)(g)の前記バイオマスを、所定量(G)(g)の水と、少なくとも1つの有機酸と、任意に少なくとも1つの無機酸とに、リアクター内で接触させて、第1の反応混合物を得ることと、
    (b)前記リアクターを、20分間〜2時間、好ましくは40分間〜1時間に亘って、所望の温度、好ましくは100℃〜180℃、より好ましくは130℃〜150℃に加熱して、第1の固相及び第1の水相を含む第2の反応混合物を得ることと、
    (c)任意に、第1の固相及び第1の水相を含む前記第2の反応混合物を30秒間〜1時間、好ましくは5分間〜20分間に亘って、前記所望の温度に保持することと、
    (d)前記リアクターから前記第2の反応混合物を回収することと、
    を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のグアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法。
  7. 前記バイオマスが、前記第1の反応混合物の総重量に対して、1重量%〜60重量%、好ましくは5重量%〜45重量%、更により好ましくは10重量%〜30重量%の量で前記第1の反応混合物中に存在する、及び/又は、
    前記リアクターが、連続バイオマス供給(CSTR−連続攪拌タンクリアクター)を備えるスラリーリアクターから選択される、及び/又は、
    前記第1の固相がリグニン及びセルロースを含み、前記第1の水相が5個の炭素原子(C5)を有する少なくとも1つの糖、及び任意に6個の炭素原子(C6)を有する少なくとも1つの糖と、前記少なくとも1つの有機酸、及び任意に前記少なくとも1つの無機酸とを含む、
    請求項6に記載のグアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法。
  8. 前記グアユール植物がパルテニウム・アルジェンタツム種のものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のグアユール植物に由来するバイオマスから糖を製造する方法。
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