本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8542USNP/170755号、
・「CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8543USNP/170760号、
・「SYSTEMS FOR ADJUSTING END EFFECTOR PARAMETERS BASED ON PERIOPERATIVE INFORMATION」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8543USNP1/170760−1号、
・「SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLING」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8543USNP2/170760−2号、
・「SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLING」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8543USNP3/170760−3号、
・「SURGICAL SYSTEMS FOR DETECTING END EFFECTOR TISSUE DISTRIBUTION IRREGULARITIES」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8543USNP4/170760−4、
・「SYSTEMS FOR DETECTING PROXIMITY OF SURGICAL END EFFECTOR TO CANCEROUS TISSUE」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8543USNP5/170760−5号、
・「SURGICAL INSTRUMENT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLIES」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8543USNP6/170760−6、
・「VARIABLE OUTPUT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLY」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8543USNP7/170760−7号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODE」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8544USNP/170761号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE CIRCUIT」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8544USNP1/170761−1号、
・「SURGICAL INSTRUMENT WITH A TISSUE MARKING ASSEMBLY」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8544USNP2/170761−2号、
・「SURGICAL SYSTEMS WITH PRIORITIZED DATA TRANSMISSION CAPABILITIES」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8544USNP3/170761−3号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8545USNP/170762号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSOR ARRANGEMENTS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8545USNP1/170762−1号、
・「SURGICAL EVACUATION FLOW PATHS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8545USNP2/170762−2号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND GENERATOR CONTROL」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8545USNP3/170762−3号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND DISPLAY」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8545USNP4/170762−4号、
・「SMOKE EVACUATION SYSTEM INCLUDING A SEGMENTED CONTROL CIRCUIT FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8546USNP1/170763−1号、
・「SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号END8547USNP/170764号、及び
・「DUAL IN−SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERS」と題する米国特許出願第__________号、代理人整理番号第END8548USNP/170765号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「A METHOD OF USING REINFORCED FLEX CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS WITH ELECTROSURGICAL DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/691,228号、
・「CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERS」と題する米国仮特許出願第62/691,227号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODE」と題する米国仮特許出願第62/691,230号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する米国仮特許出願第62/691,219号、
・「COMMUNICATION OF SMOKE EVACUATION SYSTEM PARAMETERS TO HUB OR CLOUD IN SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/691,257号、
・「SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」と題する米国仮特許出願第62/691,262号、及び
・「DUAL IN−SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERS」と題する米国仮特許出願第62/691,251号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年4月19日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する米国仮特許出願第62/659,900号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国特許出願第15/940,641号、
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH CONDITION HANDLING OF DEVICES AND DATA CAPABILITIES」と題する米国特許出願第15/940,648号、
・「SURGICAL HUB COORDINATION OF CONTROL AND COMMUNICATION OF OPERATING ROOM DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,656号、
・「SPATIAL AWARENESS OF SURGICAL HUBS IN OPERATING ROOMS」と題する米国特許出願第15/940,666号、
・「COOPERATIVE UTILIZATION OF DATA DERIVED FROM SECONDARY SOURCES BY INTELLIGENT SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第15/940,670号、
・「SURGICAL HUB CONTROL ARRANGEMENTS」と題する米国特許出願第15/940,677号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国特許出願第15/940,632号、
・「COMMUNICATION HUB AND STORAGE DEVICE FOR STORING PARAMETERS AND STATUS OF A SURGICAL DEVICE TO BE SHARED WITH CLOUD BASED ANALYTICS SYSTEMS」と題する米国特許出願第15/940,640号、
・「SELF DESCRIBING DATA PACKETS GENERATED AT AN ISSUING INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/940,645号、
・「DATA PAIRING TO INTERCONNECT A DEVICE MEASURED PARAMETER WITH AN OUTCOME」と題する米国特許出願第15/940,649号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許出願第15/940,654号、
・「SURGICAL SYSTEM DISTRIBUTED PROCESSING」と題する米国特許出願第15/940,663号、
・「AGGREGATION AND REPORTING OF SURGICAL HUB DATA」と題する米国特許出願第15/940,668号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国特許出願第15/940,671号、
・「DISPLAY OF ALIGNMENT OF STAPLE CARTRIDGE TO PRIOR LINEAR STAPLE LINE」と題する米国特許出願第15/940,686号、
・「STERILE FIELD INTERACTIVE CONTROL DISPLAYS」と題する米国特許出願第15/940,700号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許出願第15/940,629号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED−GREEN−BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国特許出願第15/940,704号、
・「CHARACTERIZATION OF TISSUE IRREGULARITIES THROUGH THE USE OF MONO−CHROMATIC LIGHT REFRACTIVITY」と題する米国特許出願第15/940,722号、及び
・「DUAL CMOS ARRAY IMAGING」と題する米国特許出願第15/940,742号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,636号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第15/940,653号、
・「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国特許出願第15/940,660号、
・「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS FOR LINKING OF LOCAL USAGE TRENDS WITH THE RESOURCE ACQUISITION BEHAVIORS OF LARGER DATA SET」と題する米国特許出願第15/940,679号、
・「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS FOR MEDICAL FACILITY SEGMENTED INDIVIDUALIZATION OF INSTRUMENT FUNCTION」と題する米国特許出願第15/940,694号、
・「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国特許出願第15/940,634号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国特許出願第15/940,706号、及び
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,675号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,627号、
・「COMMUNICATION ARRANGEMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,637号、
・「CONTROLS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,642号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,676号、
・「CONTROLLERS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,680号、
「COOPERATIVE SURGICAL ACTIONS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,683号、
・「DISPLAY ARRANGEMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,690号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,711号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国仮特許出願第62/649,302号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国仮特許出願第62/649,294号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国仮特許出願第62/649,300号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国仮特許出願第62/649,309号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国仮特許出願第62/649,310号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED−GREEN−BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国仮特許出願第62/649,291号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/649,296号、
・「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国仮特許出願第62/649,333号、
・「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国仮特許出願第62/649,327号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国仮特許出願第62/649,315号、
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/649,313号、
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国仮特許出願第62/649,320号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国仮特許出願第62/649,307号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT−ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国仮特許出願第62/649,323号。
外科用デバイス及び発生器の様々な態様を詳細に説明する前に、例示される実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な実施例は、他の態様、変形形態、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち1つ又は2つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち任意の1つ又は2つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
エネルギーデバイス及び排煙
本開示は、手術部位から煙及び/又は他の流体及び/又は微粒子を排出するためのエネルギーデバイス及びインテリジェントな外科用排出システムに関する。煙は、1つ又は2つ以上のエネルギーデバイスを利用する外科処置中に発生することが多い。エネルギーデバイスは、エネルギーを使用して、組織に影響を及ぼす。エネルギーデバイスでは、エネルギーは、発生器によって供給される。エネルギーデバイスとしては、1つ又は2つ以上の高周波(RF)電極を有する電気外科用デバイスなどの組織接触電極を有するデバイス、及び超音波ブレードを有する超音波デバイスなどの振動表面を有するデバイスが挙げられる。電気外科用デバイスでは、発生器は、振動電流を発生させて電極に通電するように構成されている。超音波デバイスの場合、発生器は、超音波ブレードに通電する超音波振動を発生させるように構成されている。発生器は、本明細書に更に記載される。
超音波エネルギーは、組織を凝固及び切断するために利用され得る。超音波エネルギーは、組織と接触するエネルギー送達表面(例えば、超音波ブレード)を振動させることによって組織を凝固及び切断する。超音波ブレードは、振動エネルギーを超音波トランスデューサから伝達する導波管に連結することができ、この導波管は機械的振動を発生させ、発生器によって電力供給される。高周波(例えば、毎秒55,500回)で振動することで、超音波ブレードは、ブレードと組織との間、すなわち、組織内のタンパク質を変性させて粘着性の凝塊を形成する、ブレード−組織界面で、ブレードと組織との間に摩擦及び熱を発生させる。ブレード表面が組織に及ぼす圧力により血管が崩壊され、凝塊が止血封鎖を形成することを可能にする。切断及び凝固の精度は、例えば、臨床医の技術、並びに電力レベル、ブレードの刃、組織牽引、及びブレード圧力の調整によって制御され得る。
超音波外科用器具は、このような器具の特殊な性能特性によって、外科処置におけるますます広範囲にわたる用途が見出されている。特定の器具構成及び操作パラメータに応じて、超音波外科用器具は、組織の切断及び凝固による止血を実質的に同時に提供することができ、望ましくは、患者の外傷を最小限に抑えることができる。切断動作は、典型的には、超音波器具の遠位端においてエンドエフェクタ又はブレード先端部によって実現される。超音波エンドエフェクタは、超音波エネルギーをエンドエフェクタと接触させた組織に伝達する。このような超音波外科用器具は、例えば、ロボット支援手術を含む切開手術、腹腔鏡手術使用、又は内視鏡外科手術のために構成することができる。
電気エネルギーもまた、凝固及び/又は切断のために利用され得る。電気外科用デバイスは、典型的に、ハンドピースと、遠位端に取り付けられたエンドエフェクタ(例えば、1つ又は2つ以上の電極)を有する器具と、を含み得る。エンドエフェクタは、電流が組織内に導入されるように、組織に対して、かつ/又は組織に隣接して位置付けることができる。電気外科手術は広く使用され、凝固及び切断の両方のための単一外科用器具の使用を含む、多くの利点をもたらす。
電気外科用デバイスの電極又は先端部は、焼灼によって組織を凝固させ、かつ/又は切断する外科的効果を生み出すために、高度な電流密度を有する高周波電流を発生させるように、患者との接触点においては小さいものとなっている。戻り電極は、患者を通過した後、同じRF信号を電気外科用発生器に戻して搬送し、このようにしてRF信号の戻り経路を提供する。
電気外科用デバイスは、双極又は単極動作用に構成することができる。双極動作中、電流はそれぞれ、エンドエフェクタの作動電極によって組織に導入され、エンドエフェクタの戻り電極によって組織から戻される。単極動作中、電流は、エンドエフェクタの活性電極によって組織内に導入され、患者の体の上又は患者の体に対して別個に位置している戻り電極(例えば、接地パッド)を通じて戻される。組織を流れる電流によって発生する熱は、組織内及び/又は組織間の止血封止を形成する場合があり、したがって、例えば、血管を封止するために特に有用であり得る。電気外科用デバイスのエンドエフェクタは、組織を離断するための、組織及び電極に対して移動可能な切断部材も含み得る。
印加中、電気外科用デバイスは、組織を通じて低周波数RF電流を伝達することができ、これはイオン撹拌又は摩擦、すなわち抵抗加熱を生じさせ、これによって組織の温度を上昇させる。罹患組織と周囲組織との間に境界が生成されるため、臨床医は、隣接する非標的組織を犠牲にすることなく、高レベルの正確性及び制御で手術することができる。RFエネルギーの低動作温度は、軟組織を除去、収縮、又は成形しながら、同時に血管を封止するために有用である。RFエネルギーは、主にコラーゲンから構成され、かつ熱に接触した際に収縮する、結合組織に対して特に良好に作用することができる。他の電気外科用器具としては、限定はしないが、とりわけ、不可逆性及び/若しくは可逆性電気穿孔法、並びに/又はマイクロ波技術が挙げられる。したがって、本明細書に開示される技術は、とりわけ、超音波、双極、及び/若しくは単極RF(電気外科的)、不可逆性及び/若しくは可逆性電気穿孔、並びに/又はマイクロ波に基づく外科用器具に適用可能である。
電気外科用デバイスによって印加された電気エネルギーは、発生器から器具に伝達され得る。発生器は、組織に影響を及ぼすために電極に伝達される振動電流からなる高周波波形に電気を変換するように構成されている。電流は、組織を通過して、組織(組織の上の電流アークが組織炭化を生成する凝固の形態)、乾燥剤(細胞の水を押し出す直接エネルギー印加)、及び/又は切断(細胞液を気化させて細胞爆発を引き起こす間接エネルギー印加)組織を放電治療する。電流に対する組織の応答は、組織の抵抗、組織を通過する電流密度、電力出力、及び電流印加の持続時間の関数である。特定の例では、本明細書に更に記載されるように、電流波形は、異なる外科的機能に影響を及ぼすように、かつ/又は異なる特性の組織に適応するように調整することができる。例えば、異なる種類の組織−血管組織、神経組織、筋肉、皮膚、脂肪、及び/又は骨は、同じ波形に異なって応答することができる。
電気エネルギーは、EN60601−2−2:2009+A11:2011,Definition201.3.218−HIGH FREQUENCYに記載される周波数範囲内であり得るRFエネルギーの形態であってもよい。例えば、単極RF用途における周波数は、典型的には、高周波漏出電流に関連付けられた問題を最小限に抑えるために、5MHz未満に制限される。200kHz超の周波数は、典型的には、低周波数の電流の使用から生じる神経及び筋肉の不必要な刺激を回避するために、単極用途に使用され得る。
双極RF用途において、周波数は、ほぼどのような周波数であってもよい。リスク分析が、神経筋刺激の可能性が許容可能なレベルにまで緩和されたと示す場合などの特定の例では、より低い周波数を双極技術に使用することができる。一般に、10mAが、組織への熱効果の下側閾値であると認識されている。より高い周波数はまた、双極技術の場合にも使用され得る。
特定の例では、発生器は、デジタル的に出力波形を発生させて外科用デバイスに提供し、その結果、外科用デバイスは、様々な組織効果のために波形を利用することができるように構成されてもよい。発生器は、単極発生器、双極発生器、及び/又は超音波発生器であり得る。例えば、単一の発生器は、単極デバイス、双極デバイス、超音波デバイス、又は組み合わせ電気外科/超音波デバイスにエネルギーを供給することができる。発生器は、波形成形による組織特異的効果を促進することができ、かつ/又はRFエネルギー及び超音波エネルギーを単一の外科用器具又は複数の外科用器具に同時に及び/又は順次押し出すことができる。
一例では、外科用システムは、発生器と、超音波外科用器具、RF電気外科用器具、及び超音波/RF電気外科用器具の組み合わせを含む、共に使用可能な様々な外科用器具を含むことができる。発生器は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR OPERATING GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS AND SURGICAL INSTRUMENTS」と題する2016年9月14日出願の米国特許出願第15/265,279号(現在の米国特許出願公開第2017/0086914号)に更に記載されているように、様々な外科用器具と共に使用するように構成可能であり得る。
本明細書に記載されるように、組織を切断し、かつ/又は血管を焼灼する医療処置は、多くの場合、RF電気エネルギーを利用することによって実施され、RF電気エネルギーは、発生器によって生成され、臨床医によって動作される電極を通じて患者の組織に伝達される。電極は、電極に隣接した患者の体の細胞物質に放電を送達する。この放電が細胞質を加熱させて、組織を切断する、及び/又は血管を焼灼する。
電気外科手術に伴う高温は、電極に隣接した組織の熱壊死を引き起こし得る。電気外科手術に伴う高温に組織が曝露される時間が長いほど、組織が熱壊死を起こす可能性が高くなる。特定の例では、組織の熱壊死は、組織を切断する速度を低下させ、切断部位から離れて位置付けられている組織への熱損傷の発生率を増加させるだけでなく、術後の合併症、焼痂生成及び治癒時間を増加させる可能性がある。
RFエネルギー放電の濃度は、電極が組織を切断することが可能な効率と、切断部位から離れた組織損傷の可能性との両方に影響を及ぼす。標準的な電極の形状では、RFエネルギーは、意図される切開部位に隣接する比較的大きい領域にわたって均一に分布する傾向がある。RFエネルギー放電の概ね均一な分布は、周囲組織内への外来電荷損失の可能性を増加させ、これは、周囲組織における望ましくない組織損傷の可能性を増加させ得る。
典型的な電気外科用発生器は、RF電気エネルギー及び出力電力レベルの様々な動作周波数を発生させる。発生器の特定の動作周波数及び電力出力は、使用される特定の電気外科用発生器及び電気外科処置中の医師の必要性に基づいて変化する。特定の動作周波数及び電力出力レベルは、臨床医又は他の手術室人員によって発生器上で手動で調整することができる。これらの様々な設定を適切に調整するには、臨床医又は他の人員の膨大な知識、スキル、及び注意を要する。臨床医が発生器上の様々な設定に対して所望の調整を行うと、発生器は、電気外科手術中にそれらの出力パラメータを維持することができる。一般に、電気手術に使用される波発生器は、切断モードで1〜300W、及び凝固モードで1〜120Wの範囲出力電力、並びに300〜600kHzの範囲の周波数を有するRF波を生成するように適合されている。典型的な波発生器は、電気外科手術中に選択された設定を維持するように適合される。例えば、臨床医が発生器の出力電力レベルを50Wに設定し、次いで、電極を患者に接触させて電気外科手術を実施した場合、発生器の電力レベルは、急速に上昇して50Wに維持される。電力レベルを50Wなどの特定の設定に設定すると、臨床医が患者の組織を切断することを可能にし、そのような高電力レベルを維持することは、患者の組織の熱壊死の可能性を増加させる。
いくつかの形態では、発生器は、RFエネルギー放電の濃度を増加させる電極に関連して電気外科手術を効果的に実施するのに十分な電力を提供するように構成され、同時に、望ましくない組織損傷を制限し、術後合併症を減少し、より迅速な治癒を促進するように構成されている。例えば、発生器からの波形は、外科処置全体を通して制御回路によって最適化することができる。しかしながら、本明細書において特許請求される主題は、いずれかの不利益を解消するか、又は上述されたような環境においてのみ動作する態様に限定されるものではない。むしろ、この背景技術は単に、本明細書に記載されるいくつかの態様が実施され得る、技術分野の一例を例示するために提供される。
本明細書で提供されるように、エネルギーデバイスは、組織を治療するために(例えば、組織を切断し、血管を焼灼し、かつ/又は標的組織の中及び/若しくは付近で組織を凝固させるために)標的組織に機械的及び/又は電気的エネルギーを送達する。組織の切断、焼灼、及び/又は凝固により、流体及び/又は微粒子が空気中に放出され得る。外科処置中に放出されるこのような流体及び/又は微粒子は、例えば、空気中に懸濁された炭素粒子及び/又は他の粒子を含み得る煙を含み得る。換言すれば、流体は、煙及び/又は他の流体物質を含み得る。内視鏡及び開放外科処置の約90%は、ある程度の煙を発生させる。煙は、臨床医(複数可)、アシスタント(複数可)、及び/又は患者(複数可)の嗅覚にとって不快であり得、手術部位の臨床医(複数可)の視界を遮る場合があり、特定の例では吸い込むことが不健康である可能性がある。例えば、電気外科処置中に発生した煙は、アクロレイン、アセトニトリル、アクリロニトリル、アセチレン、アルキルベンゼン、ベンゼン、ブタジエン、ブテン、一酸化炭素、クレオゾル、エタン、エチレン、ホルムアルデヒド、遊離ラジカル、水素シアニド、イソブテン、メタン、フェノール、多環芳香族炭化水素、プロペン、プロピレン、ピリデン、ピロール、スチレン、トルエン、及びキシレン、並びに死及び生細胞材料(血液断片を含む)、及びウイルスが挙げられる。外科的煙中に識別された特定の材料は、既知の発癌物質として識別されている。電気外科処置中に焼灼された1グラムの組織は、無濾過タバコ6本分の毒素及び発癌因子に相当し得ると推定されている。更に、電気外科処置中に放出された煙への曝露は、眼及び肺刺激を医療従事者に引き起こすことが報告されている。
外科的煙中の材料に関連付けられた毒性及び臭気に加えて、外科的煙中の粒子状物質のサイズは、臨床医(複数可)、アシスタント(複数可)、及び/又は患者(複数可)の呼吸器系に有害であり得る。特定の例では、微粒子は非常に小さいことがある。非常に小さな粒子状物質を繰り返し吸入すると、特定の例では、急性及び慢性の呼吸器疾患につながる場合がある。
多くの電気外科用システムは、外科処置から生じる煙を捕捉し、捕捉された煙をフィルタ及び排気ポートを通じて臨床医(複数可)及び/又は患者(複数可)から離れる方向に方向付ける外科用排出システムを用いる。例えば、排出システムは、電気外科処置中に発生する煙を排出するように構成され得る。読者は、このような排出システムを「排煙システム」と呼ぶことができるが、そのような排出システムは、手術部位から単に煙を排出するだけではなく、それ以外のものも排出するように構成され得ることを理解するであろう。本開示全体を通して、排出システムによって排出される「煙」は、単に煙に限定されない。むしろ、本明細書に開示される排煙システムは、液体、気体、蒸気(vapor)、煙、蒸気(steam)、又はこれらの組み合わせを含む様々な流体を排出するために使用することができる。流体は、元来生物学的であり得、かつ/又は処置中に外部源から手術部位に導入することができる。流体としては、例えば、水、生理食塩水、リンパ液、血液、滲出液、及び/又は化膿性排出物を挙げることができる。更に、流体は、排出システムによって排出される微粒子又は他の物質(例えば、細胞物質又は破片)を含むことができる。例えば、このような微粒子は、流体中に懸濁していてもよい。
排出システムは、しばしば、ポンプとフィルタとを含む。ポンプは、フィルタ内に煙を引き込む吸引を生成する。例えば、吸引は、手術部位から導管開口部へと排出導管を通して、排出システムの排出器筐体内に煙を引き込むように構成することができる。外科用排出システム50000の排出器筐体50018が、図1に示されている。本開示の一態様では、ポンプ及びフィルタは、排出器筐体50018内に位置付けられる。排出器筐体50018内に引き込まれた煙は、吸引導管50036を介してフィルタに移動し、有害な毒素及び不快な臭いは、フィルタを通って移動する際に煙から濾過される。吸引導管はまた、例えば、真空及び/又は排出導管及び/又は管と呼ぶこともできる。次いで、濾過された空気は、排気として外科用排出システムから出てもよい。特定の例では、本明細書に開示される様々な排出システムはまた、手術部位などの所望の位置に流体を送達するように構成することもできる。
ここで図2を参照すると、排出器筐体50018(図1)からの吸引導管50036は、ハンドピース50032などのハンドピースで終端してもよい。ハンドピース50032は、電極先端部50034、及び電極先端部50034の付近及び/又はそれに隣接する排出導管開口部を含む電気外科用器具を備える。排出導管開口部は、外科処置中に放出される流体及び/又は微粒子を捕捉するように構成されている。このような例では、排出システム50000は、電気外科用器具50032に一体化される。更に図2を参照すると、煙Sは吸引導管50036内に引き込まれている。
特定の例では、排出システム50000は、導管開口部を備え、かつシステム内に煙を吸引するように構成された別個の外科用ツールを含むことができる。更に他の例では、排出導管及び開口部を備えるツールは、図3に示されるような電気外科用ツール上にスナップ嵌めされ得る。例えば、吸引導管51036の一部分は、電極先端部51034の周りに(又はそれに隣接して)位置付けられ得る。一例では、吸引導管51036は、クリップ又は他の締結具を有する電極先端部51034を備える電気外科用ツールのハンドピース51032に解放可能に固定することができる。
排出器筐体50518の様々な内部構成要素が図4に示されている。様々な例では、図4の内部構成要素はまた、図1の排出器筐体50018に組み込むこともできる。主に図4を参照すると、排出システム50500は、排出器筐体50518と、フィルタ50502と、排気機構50520と、ポンプ50506と、を含む。排出システム50500は、入口ポート50522及び出口ポート50524を有する排出器筐体50518を通る流路50504を画定する。フィルタ50502、排気機構50520、及びポンプ50506は、入口ポート50522と出口ポート50524との間の排出器筐体50518を通って流路50504と一列に連続して配置されている。入口ポート50522は、例えば、図1の吸引導管50036などの吸引導管に流体連結することができ、この吸引導管は、手術部位に位置付け可能な遠位導管開口部を備えることができる。
ポンプ50506は、機械的動作によって流路50504内に圧力差を生成するように構成されている。圧力差は、手術部位から入口ポート50522内へ、及び流路50504に沿って煙50508を引き込むように構成されている。煙50508がフィルタ50502を通って移動した後、煙50508は、濾過された煙、又は空気50510であると見なすことができ、煙又は空気は、流路50504を通って進むことができ、出口ポート50524を通って押し出される。流路50504は、第1のゾーン50514と、第2のゾーン50516と、を含む。第1のゾーン50514は、ポンプ50506の上流にある。第2のゾーン50516は、ポンプ50506の下流にある。ポンプ50506は、第2のゾーン50516内の流体が第1のゾーン50514内の流体よりも高い圧力を有するように、流路50504内の流体を加圧するように構成されている。モータ50512が、ポンプ50506を駆動する。様々な好適なモータが、本明細書に更に記載される。排気機構50520は、出口ポート50524において、排出システム50500を出る濾過された煙50510の速度、方向、及び/又は他の特性を制御することができる機構である。
排出システム50500を通る流路50504は、流路50504を通って移動する流体を実質的に収容し、かつ/又は流路50504の外側の流体から分離する管又は他の導管から構成することができる。例えば、流路50504の第1のゾーン50514は、流路50504がフィルタ50502とポンプ50506との間に延在する管を備えることができる。流路50504の第2のゾーン50516はまた、流路50504がポンプ50506と排気機構50520との間に延在する管も備えることができる。流路50504はまた、流路50504が入口ポート50522から出口ポート50524まで連続的に延在するように、フィルタ50502、ポンプ50506、及び排気機構50520を通って延在する。
動作中、煙50508は、入口ポート50522においてフィルタ50502に流入することができ、煙50508がフィルタ50502内に引き込まれるように、ポンプ50506によって流路50504を通って圧送され得る。次いで、濾過された煙50510は、排気機構50520を通って、排出システム50500の出口ポート50524の外へ圧送され得る。出口ポート50524において排出システム50500から出る濾過された煙50510は排気であり、排出システム50500を通過した濾過気体から構成され得る。
様々な例では、本明細書に開示される排出システム(例えば、排出システム50000及び排出システム50500)は、例えば、システム100(図39)又はシステム200(図47)などの、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムに組み込むことができる。本開示の一態様では、例えば、コンピュータ実装外科用システム100は、少なくとも1つのハブ106と、クラウド104と、を含むことができる。主に図41を参照すると、ハブ106は、排煙モジュール126を含む。排煙モジュール126の動作は、その状況認識かつ/若しくはその構成要素からのフィードバックに基づいて、及び/又はクラウド104からの情報に基づいて、ハブ106によって制御することができる。コンピュータ実装外科用システム100及び200、並びにそのための状況認識は、本明細書に更に記載される。
状況認識は、データベース及び/又は器具から受信したデータから外科処置に関連する情報を判定又は推定するための、外科用システムのいくつかの態様の能力を包含する。情報は、実行される処置の種類、手術される組織の種類、又は処置の対象となる体腔を含むことができる。外科処置に関連するコンテキスト情報により、外科用システムは、例えば、それが接続されて外科処置の過程で臨床医にコンテキスト上の情報又は提案を提供する、モジュール式デバイス(例えば、排煙システム)を制御する方法を改善することができる。状況認識については、本明細書、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号に更に記載されている。
様々な例では、本明細書に開示される外科用システム及び/又は排出システムは、プロセッサを含むことができる。プロセッサは、例えば、感知及び/若しくは集約されたデータ並びに/又は1つ又は2つ以上のユーザ入力に基づいて、外科用システム及び/又は排出システムのうちの1つ又は2つ以上の動作パラメータを制御するようにプログラムされ得る。図5は、プロセッサ50308を含む電気外科用システム50300の概略図である。電気外科用システム50300は、120V又は240Vの交流のいずれかを提供するAC電源50302によって電力供給される。AC電源50302によって供給される電圧は、120V又は240Vの交流を360Vの直流に変換するAC/DC変換器50304に方向付けられる。次いで、360Vの直流は、電力変換器50306(例えば、降圧変換器)に方向付けられる。電力変換器50306は、逓降DC/DC変換器である。電力変換器50306は、入力360Vを0〜150Vの範囲内の所望のレベルまで逓減させるように適合されている。
プロセッサ50308は、電気外科用システム50300の様々な態様、機能、及びパラメータを調整するようにプログラムされ得る。例えば、プロセッサ50308は、例えば、図2の電極先端部50034及び/又は図3の電極先端部51034と多くの点で類似し得る電極先端部50334における所望の出力電力レベルを判定し、所望の出力電力を提供するために電圧を指定されたレベルまで逓降するように、電力変換器50306を指示することができる。プロセッサ50308は、電気外科用システム50300及び/又はそのサブシステムを動作させる機械実行可能命令を記憶するように構成されたメモリ50310に連結されている。
プロセッサ50308と電力変換器50306との間には、デジタル−アナログ変換器(「DAC」)50312が接続されている。DAC50312は、プロセッサ50308によって生成されたデジタルコードをアナログ信号(電流、電圧、又は電荷)に変換するように適合されており、このアナログ信号は、電力変換器50306によって実施される電圧逓降を統制する。電力変換器50306が360Vをプロセッサ50308が所望の出力電力レベルを提供すると判定したレベルまで逓降すると、逓降された電圧は、患者の組織の電気外科治療を達成するために電極先端部50334に方向付けられ、次いで、戻り電極又は接地電極50335に方向付けられる。電圧センサ50314及び電流センサ50316は、電気外科用回路内に存在する電圧及び電流を検出し、プロセッサ50308が出力電力レベルを調整するかどうかを判定できるように、検出されたパラメータをプロセッサ50308に通信するように適合されている。本明細書に記載されるように、典型的な波発生器は、選択された設定を電気外科処置全体にわたって維持するように適合されている。他の例では、発生器の動作パラメータは、例えば、本明細書に更に記載されるように、外科用ハブ、クラウド、及び/又は状況認識モジュールからの入力などの、プロセッサ5308への1つ又は2つ以上の入力に基づいて、外科処置中に最適化することができる。
プロセッサ50308は、ネットワークを介して通信するために通信デバイス50318に連結されている。通信デバイスは、物理的有線又は無線で通信するように構成された送受信機50320を含む。通信デバイス50318は、1つ又は2つ以上の追加の送受信機を更に含んでもよい。送受信機としては、セルラーモデム、無線メッシュネットワーク送受信機、Wi−Fi(登録商標)送受信機、低電力ワイドエリア(LPWA)送受信機、及び/又は近接場通信送受信機(NFC)を挙げることができるが、これらに限定されない。通信デバイス50318としては、携帯電話、センサシステム(例えば、環境、位置、動きなど)及び/又はセンサネットワーク(有線及び/又は無線)、コンピューティングシステム(例えば、サーバ、ワークステーションコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ(例えば、iPad(登録商標)及びGalaxyTab(登録商標)など)、超携帯型コンピュータ、超モバイルコンピュータ、ネットブックコンピュータ、及び/又はサブノートコンピュータなどを挙げることができるか、又はこれらと通信するように構成することができる。本開示の少なくとも1つの態様では、デバイスのうちの1つはコーディネータノードであってもよい。
送受信機50320は、それぞれのUARTを介してプロセッサ50308からシリアル送信データを受信して、シリアル送信データをRF搬送波上に変調して送信RF信号を生成し、それぞれのアンテナを介して、送信RF信号を送信するように構成されてもよい。送受信機(複数可)は、それぞれのアンテナを介して、シリアル受信データで変調されたRF搬送波を含む受信RF信号を受信して、受信RF信号を復調してシリアル受信データを抽出し、シリアル受信データをそれぞれのUARTに提供してプロセッサに提供するように更に構成されている。各RF信号は、関連する搬送波周波数及び関連するチャネル帯域幅を有する。チャネル帯域幅は、搬送波周波数、送信データ、及び/又は受信データに関連付けられている。各RF搬送波周波数及びチャネル帯域幅は、送受信機(複数可)50320の動作周波数範囲(複数可)に関連する。各チャネル帯域幅は、送受信機(複数可)50320が順守し得る無線通信規格及び/又はプロトコルに更に関連する。換言すれば、各送受信機50320は、選択された無線通信規格及び/又はプロトコル、例えば、Wi−Fi(登録商標)のためのIEEE 802.11a/b/g/n及び/又はZigbeeルーティングを使用する無線メッシュネットワークのためのIEEE 802.15.4の実装に対応していてもよい。
プロセッサ50308は、排煙器50326に連結された感知及びインテリジェント制御デバイス50324に連結されている。排煙器50326は、1つ又は2つ以上のセンサ50327を含むことができ、また、ポンプ及びモータドライバ50328によって制御されるポンプモータも含むことができる。モータドライバ50328は、プロセッサ50308及び排煙器50326内のポンプモータに通信可能に連結されている。感知及びインテリジェント制御デバイス50324は、排煙器50326と他のデバイスとの間の通信を容易にして、それらの制御プログラムを適合させるセンサアルゴリズム50321及び通信アルゴリズム50322を含む。感知及びインテリジェント制御デバイス50324は、排出導管50336を介して抽出された流体、微粒子、及び気体を評価して、例えば、本明細書に更に記載されるように、煙抽出効率を改善するように、かつ/又はユーザ煙出力を減少するように構成されている。特定の例では、感知及びインテリジェント制御デバイス50324は、排煙器50326内の1つ若しくは2つ以上のセンサ50327、電気外科用システム50300の1つ若しくは2つ以上の内部センサ50330、及び/又は電気外科用システム50300の1つ若しくは2つ以上の外部センサ50332に通信可能に連結されている。
特定の例では、プロセッサは、外科用排出システムの排出器筐体内に位置することができる。例えば、図6を参照すると、プロセッサ50408及びそのためのメモリ50410は、外科用排出システム50400の排出器筐体50440内に位置付けられる。プロセッサ50408は、モータドライバ50428、様々な内部センサ50430、ディスプレイ50442、メモリ50410、及び通信デバイス50418と信号通信する。通信デバイス50418は、図5に関連して上述された通信デバイス50318と多くの点で類似している。通信デバイス50418は、外科用排出システム50400内のプロセッサ50408が外科用システム内の他のデバイスと通信することを可能にすることができる。例えば、通信デバイス50418は、1つ又は2つ以上の外部センサ50432、1つ又は2つ以上の外科用デバイス50444、1つ又は2つ以上のハブ50448、1つ又は2つ以上のクラウド50446、並びに/あるいは1つ又は2つ以上の追加の外科用システム及び/又はツールへの有線及び/又は無線通信を可能にすることができる。読者は、図6の外科用排出システム50400が、特定の例において図5の電気外科用システム50300に組み込まれ得ることを容易に理解するであろう。外科用排出システム50400はまた、そのポンプモータ50451を含むポンプ50450と、排出導管50436と、排気口50452と、も含む。様々なポンプ、排気導管、及び排気口が、本明細書に更に記載される。外科用排出システム50400はまた、例えば、感知及びインテリジェント制御デバイス50324と多くの点で類似し得る感知及びインテリジェント制御デバイスも含むことができる。例えば、このような感知及びインテリジェント制御デバイスは、プロセッサ50408並びに/又はセンサ50430及び/又は外部センサ50432のうちの1つ又は2つ以上と信号通信することができる。
電気外科用システム50300(図5)及び/又は外科用排出システム50400(図6)は、外科用システムの1つ又は2つ以上のパラメータを監視するようにプログラムすることができ、プロセッサ50308及び/又は50408と信号通信するメモリに記憶された1つ又は2つ以上のアルゴリズムに基づいて、外科的機能に影響を及ぼし得る。本明細書に開示される様々な例示的な態様は、例えば、そのようなアルゴリズムによって実装することができる。
本開示の一態様では、プロセッサ及びセンサシステム、例えば、プロセッサ50308及び50408並びにそれらと通信するそれぞれのセンサシステム(図5及び図6)は、例えば、電気外科用システム、エネルギーデバイス、及び/又は発生器などの、排煙システム並びに/又は排煙システムと直列で使用される外部デバイス及び/若しくはシステムのパラメータを調整するために、真空源を通る空気流れを感知するように構成されている。本開示の一態様では、センサシステムは、外科用排出システムの空気経路に沿って位置付けられた複数のセンサを含んでもよい。センサは、センサ間のシステムの状態又はステータスを検出するために、排出システム内の圧力差を測定することができる。例えば、2つのセンサ間のシステムはフィルタであってもよく、圧力差は、システムを通る流量を維持するために、フィルタを通る流量が減少するにつれてポンプモータの回転数を増加させるために使用することができる。別の例として、システムは、排出システムの流体トラップであってもよく、排出システムを通る空気流経路を決判定するために圧力差を使用することができる。更に別の例では、システムは、排出システムの入口及び出口(又は排気口)であってもよく、圧力差は、最大吸引負荷を閾値を下回るように維持するために、排出システム内の最大吸引負荷を判定するために使用することができる。
本開示の一態様では、プロセッサ及びセンサシステム、例えば、プロセッサ50308及び50408並びにそれらと通信するそれぞれのセンサシステム(図5及び図6)は、手術部位から抽出された流体中のエアロゾル又は炭化微粒子、すなわち煙の比率を検出するように構成されている。例えば、感知システムは、排出システムを通る空気流経路を選択するために使用される粒子のサイズ及び/又は組成を検出するセンサを含んでもよい。このような例では、排出システムは、第1の濾過経路、又は第1の濾過状態、及び第2の濾過経路、又は第2の濾過状態を含むことができ、これらは異なる特性を有することができる。一例では、第1の経路は微粒子フィルタのみを含み、第2の経路は、流体フィルタと微粒子フィルタとの両方を含む。特定の例では、第1の経路は微粒子フィルタを含み、第2の経路は、微粒子フィルタと、直列に配置されたより細かい微粒子フィルタと、を含む。追加的及び/又は代替的な濾過経路もまた想定される。
本開示の一態様では、プロセッサ及びセンサシステム、例えば、プロセッサ50308及び50408並びにそれらと通信するそれぞれのセンサシステム(図5及び図6)は、患者の腹部空洞内から排出された粒子に対して化学分析を実施するように構成されている。例えば、感知及びインテリジェント制御デバイス50324は、より少ない煙を発生させるように超音波ブレードを誘導するために、超音波発生器の電力レベルを調整するために、粒子カウント及び種類を感知してもよい。別の実施例では、センサシステムは、粒子カウント、温度、流体含有量、及び/又は排出された流体の汚染割合を検出するためのセンサを含んでもよく、検出された特性(複数可)を発生器に通信して、その出力を調整することができる。例えば、排煙器50326及び/又はそのための感知及びインテリジェント制御デバイス50324は、排出流量及び/又はポンプのモータ速度を調整するように構成することができ、既定の微粒子レベルでは、エンドエフェクタによって発生した煙を低下させるために発生器の出力電力又は波形に動作可能に影響し得る。
本開示の一態様では、プロセッサ及びセンサシステム、例えば、プロセッサ50308及び50408並びにそれらと通信するそれぞれのセンサシステム(図5及び図6)は、周囲空気及び/又は排出器筐体からの排気の1つ又は2つ以上の特性を評価することによって、手術室における粒子カウント及び汚染を評価するように構成されている。粒子カウント及び/又は空気品質は、例えば、情報を臨床医に通信するために、かつ/又はその排煙システム及びフィルタ(複数可)の有効性を確立するために、排出器筐体上などの排煙システム上に表示することができる。
本開示の一態様では、プロセッサ、例えば、プロセッサ50308又はプロセッサ50408(図5及び図6)は、例えば、相関関係を判定するために、及び/又はポンプの回転毎分(RPM)の速度を調整するために、内視鏡から取得されたサンプル速度画像と感知システム(例えば、感知及びインテリジェント制御デバイス50324)からの排出器粒子カウントとを比較するように構成されている。一例では、発生器の起動は、予想される必要な排煙速度を実装することができるように、排煙器に通信され得る。発生器の起動は、例えば、外科用ハブ、クラウド通信システム、及び/又は直接接続を通じて、外科用排出システムに通信され得る。
本開示の一態様では、排煙システムのセンサシステム及びアルゴリズム(例えば、図5及び図6を参照)は、排煙器を制御するように構成することができ、所与の時間における手術野の必要性に基づいて、排煙器の濾過効率を調整するために、そのモータパラメータを適合させることができる。一例では、排煙器の入口への及び/又は排煙器の出口若しくは排気口からの感知された微粒子に基づいてモータポンプ速度を自動的に変更するために、適応的な空気流ポンプ速度アルゴリズムが提供される。例えば、感知及びインテリジェント制御デバイス50324(図5)は、例えば、ユーザ選択可能速度及び自動モード速度を含むことができる。自動モード速度では、排出システムを通る空気流は、排出システムへの煙及び/又は排煙システムからの濾過された粒子の欠如に基づいて、拡張可能であり得る。自動モード速度は、特定の例では、腹腔鏡モードの自動感知及び補償を提供することができる。
本開示の一態様では、排出システムは、外科用ハブ及びクラウドとのインタラクティブ性を改善するために、データ収集及び通信機能を提供する電気的及び通信アーキテクチャ(例えば、図5及び図6を参照)を含むことができる。一実施例では、外科用排出システム及び/又はプロセッサ、例えば、プロセッサ50308(図5)及びプロセッサ50408(図6)は、例えば、システムのエラー、短絡、及び/又は安全チェックをチェックするために段階的方法で通電されるセグメント化された制御回路を含むことができる。セグメント化された制御回路はまた、通電された部分と、通電された部分が第1の機能を実施するまでの通電されない一部分を有するように構成されてもよい。セグメント化された制御回路は、取り付けられた構成要素のユーザにステータス更新を識別及び表示するための回路要素を含むことができる。セグメント化された制御回路はまた、モータがユーザによって起動される第1の状態でモータを動作させるための回路要素と、モータがユーザによって起動されていないが、ポンプをより静かに、より遅い速度で動作させる第2の状態でモータを動作させるための回路要素と、も含む。セグメント化された制御回路は、例えば、排煙器が段階的に通電されることを可能にすることができる。
排出システムの電気的及び通信アーキテクチャ(例えば、図5及び図6を参照)はまた、インタラクションのための外科用ハブ内の他の構成要素との排煙器の相互接続、並びにクラウドとのデータの通信も提供することができる。外科用排出システムパラメータの外科用ハブ及び/又はクラウドへの通信は、他の取り付けられたデバイスの出力又は動作に影響を及ぼすために提供され得る。パラメータは、動作可能であるか、又は感知され得る。動作パラメータとしては、空気流、圧力差、及び空気品質が挙げられる。感知されるパラメータとしては、微粒子濃度、エアロゾルの割合、及び化学分析が挙げられる。
本開示の一態様では、外科用排出システム50400などの排出システムは、例えば、エンクロージャ並びに交換可能な構成要素、制御部、及びディスプレイを含むことができる。このような交換可能な構成要素間でセキュリティ識別子(ID)を通信するための回路要素が提供される。例えば、フィルタと排煙電子機器との間の通信は、構成要素の信頼性、残存寿命を検証するために、構成要素内のパラメータを更新するために、エラーをロギングするために、かつ/又はシステムによって識別され得る構成要素の数及び/若しくは種類を制限するために提供され得る。様々な例では、通信回路は、構成パラメータを有効化及び/又は無効化するための機能を認証することができる。通信回路は、構成要素と排煙電子機器との間のセキュリティ及び独自の関係を管理するために、暗号化及び/又はエラー処理スキームを用いることができる。使い捨て/再使用可能な構成要素は、特定の例に含まれる。
本開示の一態様では、排出システムは、流体管理並びに抽出フィルタ及び空気流構成を提供することができる。例えば、流体捕捉機構を含む外科用排出システムが提供され、流体捕捉機構は、第1及び第2の組の抽出又は空気流制御機能を有し、これらは、大流体液滴及び小流体液滴をそれぞれ抽出するために互いに直列に配置される。特定の例では、空気流路は、主流体管理チャンバの排気ポートの下流から一次貯留部に戻る再循環チャネル又は二次流体チャネルを収容することができる。
本開示の一態様では、電気外科用システムに前進パッドを連結することができる。例えば、電気外科用システム50300(図5)の接地電極50335は、容量結合を維持しながらパッドに一体化された局所的な感知を有する前進パッドを含むことができる。例えば、容量結合戻り経路パッドは、単極先端部の神経束への近接を検出するために、神経制御信号及び/又は選択解剖学的位置の移動を感知するために使用することができる、小さい分離可能なアレイ要素を有することができる。
電気外科用システムは、信号発生器、電気外科用器具、戻り電極、及び外科用排出システムを含むことができる。発生器は、RF電気エネルギーを生成するRF波発生器であってもよい。電気外科用器具に接続されるのは、ユーティリティ導管である。ユーティリティ導管は、信号発生器から電気外科用器具に電気エネルギーを通信するケーブルを含む。ユーティリティ導管はまた、捕捉及び/又は収集された煙及び/又は流体を手術部位から離れる方向に搬送する真空ホースを含む。そのような例示的な電気外科用システム50601は、図7に示されている。より具体的には、電気外科用システム50601は、発生器50640と、電気外科用器具50630と、戻り電極50646と、排出システム50600と、を含む。電気外科用器具50630は、ハンドル50632と、排出システム50600の吸引ホース50636に流体連結された遠位導管開口部50634と、を含む。電気外科用器具50630はまた、発生器50640によって電力供給される電極も含む。第1の電気接続部50642、例えば、ワイヤは、電気外科用器具50630から発生器50640まで延在している。第2の電気接続部50644、例えば、ワイヤは、電気外科用器具50630から電極、すなわち戻り電極50646まで延在している。他の例では、電気外科用器具50630は、双極電気外科用器具であってもよい。電気外科用器具50630上の遠位導管開口部50634は、排出システム50600の排出器筐体50618内に設置されたフィルタのフィルタ端部キャップ50603に延在する吸引ホース50636に流体連結されている。
他の例では、排出システム50600の遠位導管開口部50634は、電気外科用器具50630とは別個のハンドピース又はツール上にあってもよい。例えば、排出システム50600は、発生器50640に連結されていない、かつ/又は組織通電表面を含まない外科用ツールを含むことができる。特定の例では、排出システム50600の遠位導管開口部50634は、電気外科用ツールに解放可能に取り付けることができる。例えば、排出システム50600は、遠位導管開口部で終端するクリップオン又はスナップオン導管を含むことができ、これは外科用ツールに解放可能に取り付けることができる(例えば、図3を参照)。
電気外科用器具50630は、本明細書に記載されるように、患者の標的組織に電気エネルギーを送達して、標的組織を切断し、かつ/又は標的組織の中/若しくは付近の血管を焼灼するように構成されている。具体的には、電極先端部に密着又は隣接した患者の細胞物質の加熱を引き起こすために、放電が電極先端によって患者に提供される。組織の加熱は、電気外科用器具50630を使用して電気外科手術を実施することが可能となるように、適度に高い温度で生じる。回路を完成させ、かつ患者の身体に進入するエネルギーのための発生器50640への戻り電気経路を提供するために、戻り電極50646が、(戻り電極の種類に応じて)患者に適用されるか、又は患者に近接して配置される。
電極先端部による患者の細胞物質の加熱、又は出血を防止するための血管の焼灼は、結果として、本明細書に更に記載されるように、焼灼が行われる場所に煙が放出されることになることが多い。そのような例では、排出導管開口部50634が電極先端部付近にあるため、排出システム50600は、外科処置中に放出される煙を捕捉するように構成されている。真空吸引によって、煙は、電気外科用器具50630を通じて導管開口部50634内に、また排煙システム50600の排出器筐体50618に向かって真空ホース50636内に引き込まれ得る。
ここで図8を参照すると、排出システム50600(図7)の排出器筐体50618が示されている。排出器筐体50618は、フィルタを受容するように寸法決めされて構造化されたソケット50620を含む。排出器筐体50618は、排出器筐体50618の内部構成要素を完全に又は部分的に包囲することができる。ソケット50620は、第1のレセプタクル50622と、第2のレセプタクル50624と、を含む。遷移表面50626は、第1のレセプタクル50622と第2のレセプタクル50624との間に延在している。
ここで主に図9を参照すると、ソケット50620は、図8に示される断面平面に沿って描かれている。ソケット50620は、フィルタを受容するように開放している第1の端部50621と、排出器筐体50618を通る流路50699と連通する第2の端部50623と、を含む。フィルタ50670(図10及び図11)は、ソケット50620と共に取り外し可能に位置付けられてもよい。例えば、フィルタ50670は、ソケット50620の第1の端部50621に挿入され、またそれから除去され得る。第2のレセプタクル50624は、フィルタ50670の接続ニップルを受容するように構成されている。
外科用排出システムは、煙が排気として放出される前に、煙から不要な汚染物質を除去するためにフィルタを使用する。特定の例では、フィルタは交換可能であり得る。読者は、図10及び図11に示されるフィルタ50670が、本明細書に開示される様々な排出システムで用いることができることを理解するであろう。フィルタ50670は、交換可能な及び/又は使い捨てフィルタであり得る。
フィルタ50670は、前部キャップ50672と、後部キャップ50674と、それらの間に配設されたフィルタ本体50676と、を含む。前部キャップ50672は、特定の例では、吸引ホース50636(図7)又は他の煙源から直接煙を受容するように構成されたフィルタ入口50678を含む。本開示のいくつかの態様では、前部キャップ50672は、煙源から直接煙を方向付け、そこから流体の少なくとも一部分を除去した後、部分的に処理された煙を、更なる処理のためにフィルタ本体50676内に移す流体トラップ(例えば、図14〜図17に示される流体トラップ50760)によって置換することができる。例えば、フィルタ入口50678は、部分的に処理された煙をフィルタ50670内に伝達するために、流体トラップ50760(図14〜図17)のポート50766などの流体トラップ排気ポートを介して煙を受容するように構成することができる。
煙がフィルタ50670に入ると、フィルタ本体50676内に収容された構成要素によって煙を濾過することができる。濾過された煙は、次いで、フィルタ50670の後部キャップ50674内に画定されたフィルタ排気口50680を通ってフィルタ50670から出ることができる。フィルタ50670が排出システムに関連付けられている場合、排出システム50600の排出器筐体50618内で発生した吸引は、フィルタ排気口50680を通じてフィルタ50670に伝達されて、フィルタ50670の内部濾過構成要素を通して煙を引きこむことができる。フィルタは、多くの場合、微粒子フィルタ及び炭フィルタを含む。微粒子フィルタは、例えば、高効率粒子状空気(HEPA)フィルタ又は超低浸透空気(ultra-low penetration air、ULPA)フィルタであり得る。ULPA濾過は、迷路と同様の深さフィルタを利用する。微粒子は、直接インターセプト(1.0ミクロンを超える粒子は大きすぎて媒体フィルタの繊維を通過することができないので捕捉される)、慣性インパクション(0.5〜1.0ミクロンの粒子が繊維と衝突してそこに留まる、及び拡散インターセプト(0.5ミクロン未満の粒子が、粒子が繊維を「探し出して」繊維に付着するようにブラウンランダム熱運動の効果によって捕捉される)のうちの少なくとも1つを使用して濾過することができる。
炭フィルタは、外科的煙によって発生した毒性気体及び/又は臭気を除去するように構成されている。様々な例では、炭は、活性吸収部位を露出させるために加熱プロセスで処理されていることを意味する「活性化」されたものであり得る。炭は、例えば、活性化バージンココナツ殻から得ることができる。
ここで図11を参照すると、フィルタ50670は、粗い媒体フィルタ層50684に続いて細かい微粒子フィルタ層50686を含む。他の例では、フィルタ50670は、単一の種類のフィルタから構成されてもよい。更に他の例では、フィルタ50670は、3つ以上のフィルタ層、及び/又は3つ以上の異なる種類のフィルタ層を含むことができる。粒子状物質がフィルタ層50684及び50686によって除去された後、煙は、フィルタ50670内の炭素貯留部50688を通して引き込まれ、例えば、揮発性有機化合物などの煙中の気体状汚染物質を除去する。様々な例では、炭素貯留部50688は、炭フィルタを含むことができる。濾過された煙は、粒子状物質及び気体状汚染物質を実質的に含まなくなり、フィルタ排気口50680を通って排出システム50600内に更なる処理及び/又は排出のために引き込まれる。
フィルタ50670は、フィルタ本体50676の構成要素間に複数のダムを含む。例えば、第1のダム50690は、フィルタ入口50678(図10)と、例えば、粗い媒体フィルタ50684などの第1の微粒子フィルタとの中間に位置付けられている。第2のダム50692は、例えば、細かい微粒子フィルタ50686などの第2の微粒子フィルタと炭素貯留部50688との中間に位置付けられている。更に、第3のダム50694は、炭素貯留部50688とフィルタ排気口50680との中間に位置付けられている。ダム50690、50692、及び50694は、ガスケット又はOリングを含むことができ、これは、フィルタ本体50676内の構成要素の移動を防止するように構成されている。様々な例では、ダム50690、50692、及び50694のサイズ及び形状は、適用された吸引の方向におけるフィルタ構成要素の拡張を防止するように選択することができる。
粗い媒体フィルタ50684は、例えば、大部分の10μmよりも大きい粒子状物質を除去するように構成された、繊維ガラス、ポリエステル、及び/又はプリーツ加工されたフィルタなどの低空気抵抗フィルタ材料を含むことができる。本開示のいくつかの態様では、これは、少なくとも85%の10μmよりも大きい粒子状物質、少なくとも90%の10μmよりも大きい粒子状物質、少なくとも95%の10μmよりも大きい特定の物質、少なくとも99%の10μmよりも大きい特定の物質の、少なくとも99.9%の10μmよりも大きい特定の物質、又は少なくとも99.99%の10μmよりも大きい特定の物質を除去するように構成されたフィルタを含む。
追加的に又は代替的に、粗い媒体フィルタ50684は、大部分の1μmよりも大きい粒子状物質を除去する低空気耐性フィルタを含むことができる。本開示のいくつかの態様では、これは、少なくとも85%の1μmよりも大きい粒子状物質、少なくとも90%の1μmよりも大きい粒子状物質、少なくとも95%の1μmよりも大きい特定の物質、少なくとも99%の1μmよりも大きい特定の物質、少なくとも99.9%の1μmよりも大きい特定の物質、又は少なくとも99.99%の1μmよりも大きい特定の物質を除去するフィルタを含む。
細かい微粒子フィルタ50686は、粗い媒体フィルタ50684よりも高い効率の任意のフィルタを含むことができる。これは、例えば、粗い媒体フィルタ50684と同じサイズの粒子をより高い割合で濾過することができるフィルタ、及び/又は粗い媒体フィルタ50684よりも小さいサイズの粒子を濾過することができるフィルタを含む。本開示のいくつかの態様では、細かい微粒子フィルタ50686は、HEPAフィルタ又はULPAフィルタを含むことができる。追加的に又は代替的に、細かい微粒子フィルタ50686は、その表面積を増加させるためにプリーツ加工され得る。本開示のいくつかの態様では、粗い媒体フィルタ50684は、プリーツ加工されたHEPAフィルタを含み、細かい微粒子フィルタ50686は、プリーツ加工されたULPAフィルタを含む。
微粒子濾過後、煙は、炭素貯留部50688を含むフィルタ50670の下流部分に入る。炭素貯留部50688は、中間及び末端ダム50692及び50694間にそれぞれ配設された多孔質仕切り50696及び50698によって境界される。本開示のいくつかの態様では、多孔質仕切り50696及び50698は、剛性及び/又は非可撓性であり、炭素貯留部50688の一定の空間堆積を画定する。
炭素貯留部50688は、気体状汚染物質を除去するために、炭素粒子と共に、又は炭素粒子から独立して機能する追加の吸着剤を含むことができる。追加の吸着剤としては、例えば、酸化マグネシウム及び/又は酸化銅などの吸着剤を挙げることができ、これは、例えば一酸化炭素、エチレンオキシド、及び/又はオゾンなどの気体状汚染物質を吸着するように機能することができる。本開示のいくつかの態様では、追加の吸着剤は、貯留部50688全体に分散され、及び/又は貯留部50688の上方、下方、若しくは内部の別個の層に位置付けられる。
再び図4を参照すると、排出システム50500は、排出器筐体50518内にポンプ50506を含む。同様に、図7に示される排出システム50600は、排出器筐体50618内に位置しているポンプを含むことができ、これは、吸引ホース50636を通って、かつフィルタ50670(図10及び図11)を通って手術部位から煙を引き出す吸引を発生させることができる。動作中、ポンプは、煙がフィルタ50670内に移動し、流路の出口で排気機構(例えば、図4の排気機構50520)を出るようにする、排出器筐体50618内に圧力差を生成することができる。フィルタ50670は、煙から有害、汚染、又は別の不要な微粒子を抽出するように構成されている。
ポンプは、排出器筐体50618を流れる気体が一方の端部でポンプに入り、他方の端部でポンプから出るように、排出器筐体50618を通る流路と一列に配設することができる。ポンプは、封止された容積式流路を提供することができる。様々な例では、ポンプは、気体がポンプを通って移動する際に、第1の体積の気体を捕まえ(封止し)、その体積を第2のよりも小さい体積に減少させることによって、封止された容積式流路を生成することができる。捕まえられた気体の体積を減少させることにより、気体の圧力が増加する。第2の加圧された体積の気体は、ポンプ出口でポンプから放出され得る。例えば、ポンプは、圧縮機であり得る。より具体的には、ポンプは、ハイブリッド回生送風機、クローポンプ、ローブ圧縮機、及び/又はスクロール圧縮機を備えることができる。容積式圧縮機は、排出システム50600によって発生する振動及び騒音を制限しながら、改善された圧縮比及び動作圧力を提供することができる。追加的に又は代替的に、排出システム50600は、そこを通って流体を移動させるためのファンを含むことができる。
容積式圧縮機、例えば、スクロール圧縮機ポンプ50650の一例が図12に示される。スクロール圧縮機ポンプ50650は、固定子スクロール50652と、移動スクロール50654と、を含む。固定子スクロール50652は、移動スクロール50654が偏心的に軌道運動する間、定位置に固定され得る。例えば、移動スクロール50654は、固定子スクロール50652の中心長手方向軸の周りを回転するように偏心的に軌道運動することができる。図12に示されるように、固定子スクロール50652の中心長手方向軸及び移動スクロール50654は、スクロール50652、50654の視野平面に対して直角に延在している。固定子スクロール50652と移動スクロール50654とは、互いに交互に配置されて、個別の封止された圧縮チャンバ50656を形成する。
使用中、気体は、入口50658でスクロール圧縮機ポンプ50650に入ることができる。移動スクロール50654が固定子スクロール50652に対して軌道運動するときに、入口気体は、まず圧縮チャンバ50656内に捕まえられる。圧縮チャンバ50656は、スクロール50652及び50654の螺旋状の輪郭に沿って、スクロール圧縮機ポンプ50650の中心に向かって個別の体積の気体を移動させるように構成されている。圧縮チャンバ50656は、気体が存在する封止空間を画定する。また、移動スクロール50654が固定子スクロール50652の中心に向かって捕捉された気体を移動させると、圧縮チャンバ50656の体積が減少する。この体積の減少は、圧縮チャンバ50656の内部の気体の圧力を増加させる。封止された圧縮チャンバ50656内の気体は、体積が減少している間に捕まえられ、これにより気体を加圧する。加圧された気体がスクロール圧縮機ポンプ50650の中心に到達すると、加圧された気体は、出口50659を通って放出される。
ここで図13を参照すると、排出システム50700の一部分が示されている。排出システム50700は、排出システム50600(図7)に多くの点で類似し得る。例えば、排出システム50700は、排出器筐体50618と、吸引ホース50636と、を含む。再び図7を参照すると、排出システム50600は、吸引を生成し、それによって吸引ホース50636の遠位端から排出器筐体50618内に煙を処理のために引き込むように構成されている。特に、吸引ホース50636は、図13のフィルタ端部キャップ50603を通じて排出器筐体50618に接続されていない。むしろ、吸引ホース50636は、流体トラップ50760を通じて排出器筐体50618に接続されている。フィルタ50670と同様のフィルタが、流体トラップ50760の背後の排出器筐体50618のソケット内に位置付けられてもよい。
流体トラップ50760は、部分的に処理された煙を、更なる処理及び濾過のために排出システム50700に中継する前に、煙から流体(例えば、液体)の少なくとも一部分を抽出して保持する第1の処理ポイントである。排出システム50700は、本明細書に記載されるように、手術室(又は他の手術環境)における煙発生に関連付けられた不快な臭気又は他の問題を減少又は排除するために、煙を処理、濾過、及び別の方法で洗浄するように構成されている。排出システム50700によって更に処理される前に、液体液滴及び/又はエアロゾルを煙から抽出することによって、流体トラップ50760は、とりわけ特定の例では、排出システム50700の効率を増加させ、かつ/又は排出システム50700と関連付けられたフィルタの寿命を延長させることができる。
主に図14〜図17を参照すると、流体トラップ50760は、排出器筐体50618(図13)から取り外されて示されている。流体トラップ50760は、流体トラップ50760の前部カバー又は表面50764に画定された入口ポート50762を含む。入口ポート50762は、吸引ホース50636(図13)を解放可能に受容するように構成され得る。例えば、吸引ホース50636の端部は、入口ポート50762内に少なくとも部分的に挿入することができ、それらの間に締まり嵌めで固定することができる。様々な例では、締まり嵌めは、吸引ホース50636を通過する煙の実質的に全てが流体トラップ50760内に移送されるように、液密及び/又は気密嵌合であり得る。いくつかの例では、吸引ホース50636を入口ポート50762に連結又は接合するための他の機構、例えば、ラッチベースの圧縮嵌合部、Oリング、吸引ホース50636の入口ポート50762にねじ式連結、及び/又は他の連結機構を用いることができる。
様々な例では、吸引ホース50636と流体トラップ50760との間の液密及び/又は気密嵌合は、これらの構成要素の接合部又はその付近で、排出された煙中の流体及び/又は他の材料が漏出するのを防止するように構成されている。いくつかの例では、例えば、吸引ホース50636は、吸引ホース50636と流体トラップ50760との間の気密及び/又は液密接続を更に確実にするために、Oリング及び/又はアダプタなどの中間連結デバイスを通じて入口ポート50762と関連付けることができる。
上述されたように、流体トラップ50760は、排気ポート50766を含む。排気ポートは、流体トラップ50760の裏カバー又は表面50768から離れる方向に延在している。排気ポート50766は、流体トラップ50760の内部チャンバ50770と外部環境との間に開放チャネルを画定する。いくつかの例では、排気ポート50766は、外科用排出システム又はその構成要素と緊密に関連付けられるようなサイズ及び形状である。例えば、排気ポート50766は、流体トラップ50760からの少なくとも部分的に処理された煙と、排出器筐体50618内に収容されたフィルタ(図13)に関連付けられ、かつこれと通信するようなサイズ及び形状にすることができる。特定の例では、排気ポート50766は、流体トラップ50760の前部プレート、上面、又は側面から離れる方向に延在し得る。
特定の例では、排気ポート50766は、排気ポート50766を排出器筐体50618から離間させる膜を含む。このような膜は、空気、水、及び/又は蒸気が排出器筐体50618内を自由に通過することを可能にしながら、流体トラップ50760内に収集された水又は他の液体が排気ポート50766を通過して排出器筐体50618に入るのを防止するように機能することができる。例えば、高流量微多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、排気ポート50766の下流及びポンプの上流に位置付けられて、排出システム50700のポンプ又は他の構成要素を損傷及び/又は汚染から保護することができる。
流体トラップ50760はまた、ユーザが流体トラップ50760を取り扱うのを支援するように、かつ/又は流体トラップ50760を吸引ホース50636及び/若しくは排出器筐体50618と接続するのを支援するように位置付けられて寸法決めされた把持領域50772を含む。把持領域50772は、細長い凹部であるように示されている。しかしながら、読者は、把持領域50772が、例えば、少なくとも1つの凹部、溝、突出部、たるみ、及び/又はリングを含んでもよく、これらは、ユーザの指に対応するようなサイズ及び形状であってもよく、又は別の方法で把持表面を提供することができることを容易に理解するであろう。
ここで主に主に図16及び図17を参照すると、流体トラップ50760の内部チャンバ50770が示されている。入口ポート50762及び排気ポート50766の相対的な位置付けは、流体トラップ50760内を通過するときの煙からの流体の抽出及び保持を促進するように構成されている。特定の例では、入口ポート50762は、切り欠きのある円筒形状を備えることができ、これは、煙及び付随する流体を、流体トラップ50760の流体貯留部50774に向けて、又は別の方法で排気ポート50766から離れる方向に一方向に方向付けることができる。このような流体の流れの一実施例が、図17の矢印A、B、C、D、及びEで示されている。
図示されるように、煙は、入口ポート50762(矢印Aで示される)を通って流体トラップ50760に入り、排気ポート50766を通って流体トラップ50760を出る(矢印Eで示される)。少なくとも部分的には、入口ポートの形状(例えば、より長い上側側壁50761及びより短い下部側壁50763)に起因して、入口ポート50762に入る煙は、最初に流体トラップ50760の流体貯留部50774内へと主に下向きに方向付けられる(矢印Bで示される)。煙が矢印A及びBに沿って流体トラップ50760内へと下方に引き込まれ続けると、最初に下向きに方向付けられた煙は下向きに回転し、流体トラップ50760の上側部分に向かって、かつ排気ポート50766の外へと(矢印D及びEによって示される)、実質的に反対であるが平行である経路で移動するように、煙源から横方向に離れる方向に方向付けられる。
流体トラップ50760を通る煙の一方向の流れは、煙中の液体が流体トラップ50760の下側部分(例えば、流体貯留部50774)内に抽出されて保持されることを確実にすることができる。更に、流体トラップ50760が直立位置にあるときに、入口ポート50762の垂直上方への排気ポート50766の相対的な位置付けは、流体トラップ50760の内外への流体の流れを実質的に妨げない一方で、液体が煙の流れによって排出ポート50766を通って不注意に搬送されることを抑制するように構成されている。更に、特定の例では、入口ポート50762及び出口ポート50766の構成、並びに/又は流体トラップ50760自体のサイズ及び形状は、流体トラップ50760が流出耐性を有することを可能にすることができる。
様々な例では、排出システムは、例えば、図5及び図6に関連して本明細書に更に記載されるように、複数のセンサ及びインテリジェント制御部を含むことができる。本開示の一態様では、排出システムは、1つ又は2つ以上の温度センサ、1つ又は2つ以上の流体検出センサ、1つ又は2つ以上の圧力センサ、1つ又は2つ以上の粒子センサ、及び/又は1つ又は2つ以上の化学センサを含むことができる。温度センサは、外科用排出システムを通って移動し、かつ/又は外科用排出システムから手術室内に排気される、手術部位における流体の温度を検出するように位置付けることができる。圧力センサは、排出器筐体内などの排出システム内の圧力を検出するように位置付けることができる。例えば、圧力センサは、フィルタの上流、フィルタとポンプとの間、及び/又はポンプの下流に位置付けることができる。特定の例では、圧力センサは、排出システムの外側の周囲環境内の圧力を検出するように位置付けることができる。同様に、粒子センサは、排出器筐体内などの排出システム内の粒子を検出するように位置付けることができる。粒子センサは、例えば、フィルタの上流、フィルタとポンプとの間、及び/又はポンプの下流に位置付けることができる。様々な例では、粒子センサは、例えば、手術室内の空気品質を判定するために、周囲環境内の粒子を検出するように位置付けることができる。
排出システム50800の排出器筐体50818は、図18に概略的に示されている。排出器筐体50818は、例えば、排出器筐体50018及び/若しくは50618と多くの点で類似していてもよく、かつ/又は本明細書に開示される様々な排出システムに組み込むことができる。排出器筐体50818は、本明細書に更に記載される多数のセンサを含む。読者は、特定の排出器筐体が、図18に示される各センサを含まなくてもよく、かつ/又は追加のセンサ(複数可)を含んでもよいことを理解するであろう。本明細書に開示される排出器筐体50018及び50618と同様に、図18の排出器筐体50818は、入口50822及び出口50824を含む。流体トラップ50860、フィルタ50870、及びポンプ50806は、入口50822と出口50824との間の排出器筐体50818を通って流路50804に沿って順次整列される。
排出器筐体は、本明細書に更に記載されるように、モジュール式及び/又は交換可能な構成要素を含むことができる。例えば、排出器筐体は、モジュール式流体トラップ及び/又は交換可能なフィルタを受容するように寸法決めされたソケット又はレセプタクル50871を含むことができる。特定の例では、図18に示されるように、流体トラップ及びフィルタを単一の相互交換可能なモジュール50859に組み込むことができる。より具体的には、流体トラップ50860及びフィルタ50870は、モジュール式及び/又は交換可能であり得る相互交換可能なモジュール50859を形成し、排出器筐体50818内のレセプタクル50871内に取り外し可能に設置することができる。他の例では、流体トラップ50860及びフィルタ50870は、別個かつ個別のモジュール式構成要素とすることができ、これは、排出器筐体50818内に一緒に組み立てられ、かつ/又は別個に設置され得る。
排出器筐体50818を更に参照すると、排出器筐体50818は、内部の様々なパラメータ及び/又は周囲環境のパラメータを検出するための複数のセンサを含む。追加的に又は代替的に、排出器筐体50818内に設置される1つ又は2つ以上のモジュール式構成要素は、1つ又は2つ以上のセンサを含むことができる。例えば、図18を更に参照すると、相互交換可能なモジュール50859は、内部の様々なパラメータを検出するための複数のセンサを含む。
様々な例では、排出器筐体50818及び/又は排出器筐体50818と互換性のあるモジュール式構成要素(複数可)は、プロセッサ50308及び50408(それぞれ図5及びず6)などのプロセッサを含むことができ、これは、1つ又は2つ以上のセンサからの入力を受信するように、かつ/又は1つ又は2つ以上のシステム及び/若しくはドライバに出力を通信するように構成されている。排出器筐体50818と共に使用するための様々なプロセッサが、本明細書に更に記載される。
動作中、手術部位からの煙は、流体トラップ50860を介して排出器筐体50818へと入口50822内に引き込まれ得る。図18の排出器筐体50818を通る流路50804は、様々な一列の構成要素間に延在する封止された導管又は管50805を備えることができる。様々な例では、煙は、流体検出センサ50830及び化学センサ50832を通過して、本明細書に更に記載される分岐弁50834に流れることができる。センサ50830などの流体検出センサは、煙中の流体粒子を検出することができる。一例では、流体検出センサ50830は、連続性センサであり得る。例えば、流体検出センサ50830は、2つの離間した電極と、それらの間の連続性の程度を検出するためのセンサとを含むことができる。流体が存在しない場合、連続性は、例えば、ゼロ又は実質的にゼロであり得る。化学センサ50832は、煙の化学的特性を検出することができる。
分岐弁50834において、流体は、流体トラップ50860の凝縮器50835内に方向付けられ得、煙は、フィルタ50870に向かって進むことができる。バッフル50864は、凝縮器50835内に位置付けられて、流体トラップ50860内の流体液滴の煙から貯留部への凝縮を促進する。流体検出センサ50836は、排出器筐体内の任意の流体が完全に、又は少なくとも実質的に流体トラップ50860内に捕捉されることを確実にすることができる。
更に図18を参照すると、煙は、次いで、相互交換可能なモジュール50859のフィルタ50870に流入するように方向付けられ得る。フィルタ50870への入口において、煙は、粒子センサ50838及び圧力センサ50840を通過して流れることができる。一形態では、粒子センサ50838は、本明細書に更に記載されるように、レーザ粒子カウンタを含むことができる。煙は、図18に示されるように、プリーツ加工された超低浸透空気(ULPA)フィルタ50842及び炭フィルタ50844を介して濾過することができる。
フィルタを出ると、濾過された煙は、圧力センサ50846を通過して流れることができ、次いで、排出器筐体50818内の流路50804に沿ってポンプ50806に向かって進むことができる。ポンプ50806を通って移動すると、濾過された煙は、粒子センサ50848及び出口の圧力センサ50850を通過して、排出器筐体50818に流れることができる。一形態では、粒子センサ50848は、本明細書に更に記載されるように、レーザ粒子カウンタを含むことができる。図18の排出器筐体50818はまた、手術室内の環境などの周囲環境の様々な特性を検出するために、空気品質粒子センサ50852及び周囲圧力センサ50854も含む。空気品質粒子センサ、又は外部/周囲空気粒子センサ50852は、少なくとも1つの形態のレーザ粒子カウンタを備えることができる。図18に示される様々なセンサは、本明細書に更に記載される。更に、様々な例では、代替的な感知手段を、本明細書に開示される排煙システムにおいて利用することができる。例えば、粒子を計数するための、及び/又は流体中の粒子濃度を判定するための代替的なセンサが、本明細書に更に開示される。
様々な例では、図18に示される流体トラップ50860は、捕捉された流体の流出及び/又は漏出を防止するように構成することができる。例えば、流体トラップ50860の形状は、捕捉された流体が流出及び/又は漏出するのを防止するように選択することができる。特定の例では、流体トラップ50860は、捕捉された流体が流体トラップ50860から飛び散るのを防止するためのスクリーン50862などのバッフル及び/又はスプラッタスクリーンを含むことができる。1つ又は2つ以上の例では、流体トラップ50860は、流体トラップ内の流体の体積を検出し、かつ/又は流体トラップ50860が容量まで充填されているかどうかを判定するためのセンサを含むことができる。流体トラップ50860は、流体をそこから空にするための弁を含んでもよい。読者は、様々な代替的な流体トラップ配置及び形状が、排出器筐体50818内に引き込まれた流体を捕捉するために用いられ得ることを容易に理解するであろう。
特定の例では、フィルタ50870は、追加の及び/又はより少ない濾過レベルを含むことができる。例えば、フィルタ50870は、次のフィルタ群:コース媒体フィルタ、細かい媒体フィルタ、及び吸着剤ベースのフィルタから選択される1つ又は2つ以上の濾過層を含むことができる。コース媒体フィルタは、例えば、繊維ガラス、ポリエステル、及び/又はプリーツ加工されたフィルタで構成され得る低空気抵抗フィルタであり得る。細かい媒体フィルタは、高効率微粒子空気(high efficiency particulate air、HEPA)フィルタ及び/又はULPAフィルタであり得る。吸着剤ベースのフィルタは、例えば、活性炭フィルタであり得る。読者は、様々な代替的なフィルタ配置及び形状が、排出器筐体50818を通る流路に沿って引き込まれた煙を濾過するために用いられ得ることを容易に理解するであろう。
1つ又は2つ以上の例では、図18に示されるポンプ50806は、例えば、ハイブリッド回生送風機、クローポンプ、及び/又はローブ圧縮機などの別の圧縮機及び/又はポンプと置換して、かつ/又はこれらと組み合わせて使用することができる。読者は、様々な代替的なポンプ配置及び形状が、流路50804内に吸引を発生させて、煙を排出器筐体50818内に引き込むために用いられ得ることを容易に理解するであろう。
図18に示されるセンサなどの、排出システム内の様々なセンサは、プロセッサと通信することができる。プロセッサは、排出システムに組み込むことができ、かつ/又は別の外科用器具及び/又は外科用ハブの構成要素であり得る。様々なプロセッサが、本明細書に更に記載される。オンボードプロセッサは、センサ(複数可)からの入力に基づいて、排出器システム(例えば、ポンプ50806のためのモータ)の1つ又は2つ以上の動作パラメータを調整するように構成することができる。追加的に又は代替的に、オンボードプロセッサは、センサ(複数可)からの入力に基づいて、電気外科用ツール及び/又は撮像デバイスなどの別のデバイスの1つ又は2つ以上の動作パラメータを調整するように構成することができる。
ここで図19を参照すると、排出システム50900用の別の排出器筐体50918が示されている。図19の排出器筐体50918は、図18の排出器筐体50818と多くの点で類似し得る。例えば、排出器筐体50918は、排出器筐体50918への入口50922と排出器筐体50918への出口50924との間の流路50904を画定する。入口50922と出口50924との中間に、流体トラップ50960、フィルタ50970、ポンプ50906が順次配置されている。排出器筐体50918は、例えば、レセプタクル50871と同様に、モジュール式流体トラップ及び/又は交換可能なフィルタを受容するように寸法決めされたソケット又はレセプタクル50971を含むことができる。分岐弁50934において、流体は、流体トラップ50960の凝縮器50935内に方向付けられ得、煙は、フィルタ50970に向かって進むことができる。特定の例では、流体トラップ50960は、捕捉された流体が流体トラップ50960から飛び散るのを防止するために、例えば、スクリーン50962などのバッフル50964及び/又はスプラッタスクリーンなどのバッフルを含むことができる。フィルタ50970は、プリーツ加工された超低浸透空気(ULPA)フィルタ50942及び炭フィルタ50944を含む。封止された導管又は管50905は、様々な一列の構成要素間に延在している。排出器筐体50918はまた、本明細書に更に記載され、図18及び図19に示されるセンサ50830、50832、50836、50838、50840、50846、50848、50850、50852、及び50854も含む。
図19を更に参照すると、排出器筐体50918はまた、遠心送風機機構50980と、再循環弁50990と、も含む。再循環弁50990は、流体トラップ50960を通って流体を再循環させるために選択的に開放及び閉鎖することができる。例えば、流体検出センサ50836が流体を検出する場合、再循環弁50990は、流体がフィルタ50970から離れる方向に方向付けられて流体トラップ50960内に戻るように開放することができる。流体検出センサ50836が流体を検出しない場合、弁50990は、煙がフィルタ50970内に方向付けられるように閉鎖することができる。再循環弁50990を介して流体が再循環されるときに、流体は、再循環導管50982を通って引き込まれ得る。遠心送風機機構50980は、再循環導管50982と係合して、再循環導管50982内に再循環吸引力を発生させる。より具体的には、再循環弁50990が開放され、ポンプ50906が起動されると、フィルタ50970の下流のポンプ50906によって発生した吸引力は、第1の遠心送風機、又は回転かご50984の回転を発生させることができ、これは、再循環流体を再循環弁50990を通って流体トラップ50960に引き込む第2の遠心送風機、又は回転かご50986内に移送され得る。
本開示の様々な態様では、図5及び図6の制御概略図は、図18及び図19の様々なセンサシステム及び排出器筐体と共に利用することができる。
Communication Of Smoke Evacuation System Parameters to Surgical Hub Or Cloud To Effect The Output Or Operation Of Other Attached Devices END8546USNP(M−1/164469)
電気外科用器具が使用されている外科処置の過程において、外科的煙中の粒子の種類、粒子濃度、及び粒子サイズなどのパラメータは、以前は監視されていなかった。外科処置中の煙監視のこの欠如は、外科処置の過程でパラメータが変化すること(例えば、排出されている煙中のより高い粒子濃度など)を補償するために、手術部位に存在する排煙デバイスが、煙をより慎重に排出するための動作を調節できなかったことを示唆している。
図20〜図22及び図25〜図35を参照すると、本明細書に記載されるような例示的なスマート排煙システム56100は、検出又は感知されたパラメータを、外科用ハブ206又はクラウド分析コンピューティング環境204(以下、クラウド204)に通信することができ、これにより、外科用ハブ206又はクラウド204と通信する他のデバイスの出力及び動作に影響を与える。例えば、様々な粒子濃度が検出される場合、この様々なパラメータは、外科用ハブ206又はクラウド204通信され、外科用ハブ206又はクラウド204は、様々なパラメータを補償するために、電気外科用器具に印加される電力レベルなど、スマート排煙システム56100内の別の構成要素の動作を調節してもよい。
スマート排煙システムによって検出されたパラメータに起因して、他のデバイスの動作を自動的に調節することによって、電気外科用器具の動作によって生成された煙がより効果的に除去され、外科処置中に存在する医師及び他の人員の危険が低減される。
図20は、本開示の少なくとも1つの態様による、様々なモジュール及びデバイスが互いに通信している排煙システム56100を示す。排煙システム56100で識別されたモジュールとデバイスとの間の通信は、外科用ハブ204及び/又はクラウド204を通じた接続を介して直接又は間接的に生じ得る。排煙システム56100は、例えば、図25〜図35に記載されるように、外科用ハブ206及び/又はクラウド204に能動的に連結され得る。このようにして、排煙モジュール226によって感知又は検出されたパラメータは、図32〜図24に示されるものなどのコンピュータ実装外科用システム内の他のモジュール、デバイス、又は構成要素の機能に影響を及ぼし得る。図20は、例えば、クラウド204と、外科用ハブ206と、排煙モジュール226と、モジュールA 56108と、モジュールB 56106と、モジュールC 56104と、を備えるコンピュータ実装排煙システム56100を示す。モジュールA 56108、B 56106、及びC 56104は、外科用ハブ206と通信するか、又はその一部であるモジュール又はデバイスのいずれかであってもよい。例えば、モジュールA 56108、B 56106、及びC 56104は、可視化システム208の構成要素、ロボットシステム222の構成要素、インテリジェント器具235、撮像モジュール238、発生器モジュール240、吸引/灌漑モジュール228、通信モジュール230、プロセッサモジュール232、ストレージアレイ234、手術室マッピングモジュール242などであってもよい。これらの様々な種類のモジュール及び構成要素の例及び記載は、例えば、図25〜図35の説明に見出すことができる。
排煙モジュール226は、少なくとも1つのセンサを備える。このセンサは、例えば、周囲圧力センサ、空気品質粒子センサなどの動作パラメータを検出するセンサを含む、任意の種類のセンサであり得る。更に、センサは、例えば、圧力センサ、流体検出センサ、化学センサ、レーザ粒子カウンタなどの内部センサであり得る。更に、排煙モジュール226の様々な部分にわたる圧力差を判定するために、排煙モジュール226に2つ以上の圧力センサが含まれてもよい。排煙システム56100のコンテキストで使用されるセンサの説明は、例えば、図4〜図6、図18、及び図19に関連して見出すことができる。
様々な態様では、排煙モジュール226及びモジュールA 56108、B 56106、及びC 56104は、例えば、外科用ハブ206及び/又はクラウド204と直接又は間接的に通信してもよい。図20を再び参照すると、排煙モジュール206及びモジュールA 56108、B 56106、及びC 56104は、外科用ハブ206と双方向通信で係合するように示されている。この双方向通信は、矢印56112などの二方向の矢印によって示される。この二方向通信は、一例では、排煙モジュール226のモジュール式筐体又はモジュールA 56108、B 56106、及びC 56104を、内部コネクタコンソールを含むモジュール式バックプレーンに接続することによって達成され得る。モジュール式バックプレーンは、外科用ハブ206を有する排煙モジュール226又はモジュールA 56108、B56106、及びC 56104のモジュール式筐体に横方向又は垂直方向に接続するように構成されている。この一実施例は、図27〜図31に示されている。代替の実施例では、排煙モジュール226の筐体又はモジュールA 56108、B 56106、及びC 56104が、外科用ハブ206とのインターフェースを可能にするようなデバイスの背面に有線接続アタッチメントを有するスタンドアロン筐体であることによって、双方向通信が確立されてもよい。代替的に、別の実施例では、排煙モジュール226及びモジュールA 56108、B 56106、及びC 56104は、互いに直接接続されてもよい。またの別の実施例では、排煙モジュール226及びモジュールA 56108、B 56106、及びC 56104は、直接又は間接的に、外科用ハブ206及び/又はクラウド204と通信するための無線通信モジュールを備えてもよい。図20に例示される実施例では、外科用ハブ206は、クラウド204と双方向通信しているものとして示されている。代替的に、別の実施例では、破線56110によって示されるような排煙モジュール226、並びにモジュールA 56108、B 56106、及びC 56104のいずれか1つ又は全ては、外科用ハブ206を通って進むことなく、クラウドから直接命令又は情報を受信するために、クラウド204と直接通信してもよい。
図21は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブ206、クラウド204、排煙モジュール226、及び/又は様々な他のモジュールA 56108、B 56106、及びC 56104の間の相互接続の例示的な方法の流れ図56200を示している。例示的な方法56200は、図21に示す流れ図を参照して記載されるが、この方法と関連付けられた動作を実施する他の多くの方法も使用され得ることが理解されるであろう。例えば、ブロックのいくつかの順序を変更してもよく、特定のブロックを他のブロックと組み合わせてもよく、記載したブロックのいくつかは任意である。
また図25〜図35も参照すると、最初に、排煙モジュール226によって、パラメータが取得される(56202)。例えば、空気品質粒子センサなどの排煙モジュール226のセンサ構成要素が、パラメータを検出することになる。このパラメータは、例えば、手術室の空気品質など、手術室の周囲環境に関連する任意のパラメータであってもよい。本実施例では、1つのみの感知されたパラメータが存在するが、本開示はそのような方法で限定されるべきではない。代替の実施例では、任意の数の異なるセンサによって、多くの感知されたパラメータが存在し得る。パラメータがどの程度頻繁に感知されるか、及び排煙モジュール226がどの程度頻繁に起動されるかは、排気されている煙の量によって異なる。例えば、煙がほとんど排出されていない場合、排煙モジュール226は、よりゆっくりと動作し、かつ/又はパラメータを感知する頻度がより少ないことがある。代替的に、排煙モジュール226が急速に発生している煙を排出するように能動的に作用している場合、機器が適切に機能していることを確実にするために、排煙モジュール226がより高い速度及び/又は感知パラメータで作動することが有用であり得る。これは、手術室に存在する全ての外科医、人員、及び医療機器の安全な環境を提供することができる。感知され得る他のパラメータとしては、例えば、微粒子濃度、エアロゾル割合、又は化学分析などの内部センサによって感知されるものが挙げられる。代替的に、排煙モジュール226の筐体上のセンサによって感知される動作パラメータとしては、例えば、空気流、圧力差、又は空気品質が挙げられる。排煙システム56100のコンテキストで使用されるセンサの記載は、例えば、図4〜図6、図18、及び図19に見出すことができる。
次に、排煙モジュール226は、この取得したパラメータの値を、外科用ハブ206又はクラウド204に送信する(56204)。例えば、手術室の空気品質の値が取得された場合、値は、排煙モジュール226によって外科用ハブ206に送られてもよい。外科用ハブ206は、パラメータを処理されてもよく、かつ/又は、受信した空気品質パラメータをクラウド204に通信してもよい。これは、ネットワークルータ211、ネットワークハブ207、ネットワークスイッチ209、又はこれらの任意の組み合わせを介して達成され得る。代替の実施例では、排煙モジュール226は、有線又は無線通信技術を使用して、空気品質パラメータをクラウド204に直接通信してもよい。
次に、パラメータの値が処理され(56206)、パラメータの値が外科用排出システム56100又は別のモジュール式デバイスが動作すべき方法に影響を及ぼすかどうかが判定される(56208)。この処理は、クラウド204内の外科用ハブ206、又は外科用ハブ206とクラウド204との組み合わせで生じ得る。感知されたパラメータに対して実施される処理は、検出されたパラメータの値を補償するために、排煙モジュール226又はモジュールA 56108、B 56106、及びC 56104のうちのいずれかの動作が自動的に調節されるべきかどうかを判定するために、感知されたパラメータの値を様々なアルゴリズム及び学習ソフトウェアで使用することを含む。パラメータの値は、排煙変数である。アルゴリズム及び学習ソフトウェアは、処理前にクラウド204(ストレージ105)又は外科用ハブ206(ストレージ248)に記憶されてもよく、必要に応じてリモートで更新されてもよい。
例えば、感知された空気品質パラメータの値が空気中の大量の煙粒子を示す場合、クラウド204は、空気品質パラメータの値を使用して、手術室の周囲の空気品質を改善するために、排煙モジュール又はモジュールA 56108、B 56106、及びC 56104の動作をどのように変更できるかを判定するソフトウェアアルゴリズムを含んでもよい。この実施例では、クラウド204は、インテリジェント器具235の動作を修正すべきであると判定してもよく、この動作は、発生器の出力をインテリジェント器具235に供給するように調節することによって最適に調節される。発生器モジュール240は、組織に影響を及ぼすために電極に伝達される振動電流からなる高周波波形に電気を変換する。代替の実施例では、クラウド204は、モジュールA 56108、B 56106、及びC 56104のいずれも調節しなければならないが、排煙モジュール226の動作を調節しなければならないと判定してもよい。この代替の実施例では、クラウド204は、空気品質パラメータの値が、手術室からの煙をより迅速に排出するために、排煙モジュール226の動作を調節する場合、排煙モジュール226がより安全な環境を提供する可能性があることを示していると判定してもよい。
次に、外科用排出システム56100又はモジュール式デバイスに、動作を調節するための命令を送る(56210)。例えば、クラウド204は、感知された空気品質パラメータの値に基づいて、インテリジェント器具235の動作を調節すべきであると判定することができる。このことは、この実施例では、発生器モジュール240の出力を修正することによって、最も効果的であるとクラウド204によって以前に判定されていた。したがって、この実施例の工程56210では、クラウド204は、発生器モジュール240(例えば、モジュールA 56108)に命令を送る。実施例では、インテリジェントな器具235の動作を変更するために、発生器モジュール240の出力を修正するように指示する命令を発生器モジュール240に送る。
最後に、外科用排出システム56100又はモジュール式デバイスの動作は、命令に基づいて調節される(56212)。例えば、発生器モジュール240は、クラウド204から受信した命令に準拠し、インテリジェント器具235への波形出力の形状を変化させる。この調節により、インテリジェント器具235は、組織に所望の方法で影響を及ぼす。一実施例では、様々なモジュールに対する命令は、クラウド204又は外科用ハブ206に予め記憶されているが、必要に応じて、リモートで更新されてもよい。代替的に、これらの命令は、必要に応じて、クラウド204又は外科用ハブ206によって動的に発生する。
図22は、本開示の少なくとも1つの態様による、様々な他のモジュール及びデバイスと通信する排煙システム56300を示す。図22に例示される実施例は、図20に示されるコンピュータ実装外科用システムの代替の実施例を開示している。引き続き図25〜図35及び図22を参照すると、クラウド204及び外科用ハブ206が示されている。例示される実施例は、1つのクラウド204及び1つの外科用ハブ206を代替の実施例に示しているが、コンピュータ実装外科用システム内に、2つ以上のクラウド204及び/又は外科用ハブ206が存在してもよい。
図22では、外科用ハブ206は、吸引/灌注モジュール228、排煙モジュール226、及び発生器モジュール240などの様々なモジュールを含んでもよい。排煙モジュール226は、異なるパラメータを検出する第1のセンサ56302及び第2のセンサ56304を含んでもよい。例えば、第1のセンサ56302は、手術室から排出されている煙に化学分析を実施する化学センサであってもよく、第2のセンサ56304は、手術室から排出されている煙の粒子濃度を判定するレーザ粒子カウンタであってもよい。代替の実施例では、排煙モジュール226内に2つ以上のセンサが存在してもよい。
実施例では、第1のセンサ56302は、第1のパラメータ56306、例えば、手術室から排出されている煙のpHを感知する。第2のセンサ56304は、第2のパラメータ56308、例えば、手術室から排出されている煙の粒子数(百万分率)を感知する。排煙モジュール226は、外科用ハブ206に接続されてもよく、又は外科用ハブ206の一部であってもよく、したがって、第1のパラメータ56306及び第2のパラメータ56308は、感知された後に自動的に外科用ハブ206に提供されてもよい。代替の実施例では、外科用ハブ206は、排煙モジュール226から、又は感知されたパラメータ情報のユーザ要求により、任意の感知されたパラメータを定期的に要求してもよく、排煙モジュール226は、要求に応じて、感知されたパラメータの値を提供することになる。代替的に、排煙モジュール226は、要求されることなく、感知された値を外科用ハブ206に定期的に提供してもよい。
一実施例では、外科用ハブ206は、第1のパラメータ56306及び第2のパラメータ56308を処理、修正、又は操作して、第1の処理されたパラメータ56306’及び第2の処理されたパラメータ56308’になることができる。代替の実施例では、外科用ハブ206は、第1のパラメータ56306及び第2のパラメータ56308の任意の処理を実施しなくてもよい。外科用ハブ206は、感知されたパラメータの値に基づいて、様々なモジュールの動作が調節されるべきかどうかを判定するために、第1の処理されたパラメータ56306’及び第2の処理されたパラメータ56308’を更なる処理のためにクラウド204に送ってもよい。クラウド204は、様々なアルゴリズムを実行して、第1の処理パラメータ56306’及び第2の処理されたパラメータ56308’の値が、排煙モジュール226,を含む他のモジュール及びデバイスのいずれかが、手術室内でより理想的な手術環境を生成するために動作が調節されるべきかどうかを示すかどうかを判定することができる。クラウド204は、この実施例では、第1の処理されたパラメータ56306’及び第2の処理されたパラメータ56308’の値が許容可能な閾値を上回るか又は下回るか、及び、したがって、他のモジュールの動作は、第1の処理されたパラメータ56306’及び第2の処理されたパラメータ56308’の感知/検出された値を補償するように調節されるべきであると判定することができる。
図22に示される実施例では、クラウド204は、可視化システム208のディスプレイが、手術部位を正確に描写するように調節されるべきであると判定してもよい。この場合、クラウド204は、命令A 56312を可視化システム208に送って、その手術部位の表示を調節してもよい。可視化システム208は、外科用ハブ206に通信可能に連結されている。
更に、実施例では、クラウド204は、様々なアルゴリズムを実行した後に、吸引/灌漑モジュール228の動作も、第1の処理パラメータ56306’又は第2の処理パラメータ56308’のいずれかの値に基づいて調節されるべきであると判定してもよい。実施例では、命令B 56310は、クラウド204から外科用ハブ206に送られてもよい。外科用ハブ206は、命令B 56310を吸引/灌注モジュール228に送信してもよい。代替の実施例では、外科用ハブ206は、外科用ハブ206内に位置しているプロセッサ244に、吸引/灌注モジュール228の動作を調節させてもよい。別の代替の実施例では、クラウド204は、命令B 56310を、外科用ハブ206を通じて最初に送ることなく、吸引/灌注モジュール228に命令B 56310を直接送ってもよい。
クラウド204は、様々なアルゴリズムを実行した後に、発生器モジュール240が動作中の調節の恩恵を受けないかもしれないこと、又は感知されたパラメータが発生器モジュール240の動作中の調節から効果的に影響を受けないかもしれないことを判定してもよい。したがって、図22に例示される実施例では、クラウド204は、発生器モジュール240に命令を送らなくてもよい。代替的に、クラウド204は、動作の修正が必要でないという指示を発生器モジュール240に送ってもよい。
Smoke Evacuation System Containing a Segmented Control Circuit Where the Circuit is Energized in a Staged Method to Check for Errors,Shorts,and Safety Checks of the System END8546USNP1(M−7/162220)
排煙システム内の障害が検出されない場合、排煙システムが適切に機能していないときには、排煙システムは、外科的コンテキストで知らず知らずのうちに動作される可能性がある。これにより、危険な又は発癌性の煙が手術室から適切に濾過されていない、安全でない手術環境を引き起こすことがある。代替的に、排煙システムの部分は適切に機能している場合でも、他の部分が適切に機能していない場合がある。これにより、排煙システムは、一般に、通電及び動作させるには危険である可能性がある。
例えば、図20〜図22を参照して記載されたように、外科用ハブ206及び/又はクラウド204に連結された排煙モジュール226を備える排煙システム56100、56300は、図23を参照して記載されたように、セグメント化された制御回路57100を更に備えてもよい。セグメント化された制御回路57100は、段階的に通電されて、障害、エラー、短絡をチェックし、排煙モジュール226を起動している間に様々な安全チェックを実行して、排煙モジュール226が動作するのに安全であると判定するのに役立ち得る。
排煙モジュール226を段階的な方法で開始することによって、排煙モジュール226を動作させることを試みる前に、障害及びエラーを識別することができる。これにより、排煙システムが修理されてもよく、又は必要に応じて、置換排煙モジュールと交換されてもよいため、外科手術の全体的な安全性を改善することができる。
一態様では、図20〜図22に記載された排煙モジュール226は、セグメント化された制御回路を備え、ここで回路は、エラー、短絡をチェックし、システムの安全チェックを実施するために、段階的な方法で通電されてもよい。図23は、本開示の少なくとも1つの態様による、セグメント化された制御回路57100の一態様を示す。特定の特徴、モジュール、プロセッサ、モータなどは、図23に示される様々なセグメントにグループ化されているが、本開示はこの例に限定されるべきではないことに留意されたい。代替の実施例では、セグメントは、図23に開示されるものよりも多く、それよりも少なく、又はそれとは異なる構成要素を含んでもよい。更に、別の代替の実施例では、セグメント化された回路の例におけるセグメントの数は、3つよりも多いか又は3つ未満のセグメントであってもよい。
図23の実施例では、セグメント化された制御回路57100は、第1のセグメント57102、第2のセグメント57104、及び第3のセグメント57106を含む。一実施例では、第1のセグメント57102は、メインプロセッサ57108と、安全プロセッサ57110と、を含む。メインプロセッサ57108は、電源ボタン又はスイッチ57120に直接有線接続されていてもよい。したがって、この実施例では、第1のセグメント57102、具体的にはメインプロセッサ57108は、第1のセグメント57102及び構成要素57108を起動する。
安全プロセッサ57110及び/又はメインプロセッサ57108は、感知回路57112及びディスプレイ回路57114を含み得る第2のセグメント57104、並びにモータ制御回路57116及びモータ57118を含み得る第3のセグメント57106などの、1つ又は2つ以上の追加の回路セグメント及びそれらの構成要素とインタラクトするように構成されてもよい。回路セグメント及びそれらの構成要素の各々は、安全プロセッサ57110及び/又はメインプロセッサ57108に連結されていてもよく、又はそれと通信していてもよい。メインプロセッサ57108及び/又は安全プロセッサ57110はまた、内部メモリに連結されてもよく、又は内部メモリを含んでもよい。メインプロセッサ57108及び/又は安全プロセッサ57110はまた、外科用ハブ206及び/又はクラウド204などのネットワークを介した通信を可能にするであろう通信デバイスに連結されてもよく、又はそれと有線若しくは無線で通信してもよい。
メインプロセッサ57108は、例えば、1つ若しくは2つ以上の回路セグメント、電池、及び/又は複数のスイッチに連結された、複数の入力を備えていてもよい。セグメント化された制御回路57100は、例えば、排煙モジュール226内のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)などの、任意の好適な回路によって実装されてもよい。プロセッサという用語は、本明細書で使用するとき、任意のマイクロプロセッサ、プロセッサ、1つ若しくは複数のコントローラ、又は、コンピュータの中央処理ユニット(central processing unit、CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上に組み込んだ、他の基本コンピューティングデバイスを含むと理解されるべきである。メインプロセッサ57108及び安全プロセッサ57110は、デジタルデータを入力として受け入れ、そのモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラム可能デバイスである。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。安全プロセッサ57110は、拡張性がある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全特性を提供するために、中でも特に、安全限界用途向けに特異的に構成されてもよい。
図23に示される実施例では、第2のセグメント57104は、メインプロセッサ57108に共に連結されるか、又はそれと信号通信する、感知回路57112及びディスプレイ回路57114を備えてもよい。本明細書に一般に記載される排煙モジュール226の感知回路57112は、様々なセンサを含み、いくつかは、排煙モジュール226の内部にあり、いくつかは、外部にあり、排煙モジュール226の筐体上に位置している。これらのセンサとしては、様々な圧力センサ、流体センサ、化学センサ、レーザ粒子カウンタ、又は他のレーザセンサ、及び空気品質センサが挙げられる。排煙システム56100のコンテキストで使用されるセンサの記載は、例えば、図4〜図6、図18、及び図19に見出すことができる。
代替の態様では、感知回路57112は、排煙モジュール226の外部筐体上に位置しているいくつかのセンサが、通信デバイスを介して、感知回路57112、メインプロセッサ57108及び/又は安全プロセッサ57102との通信及び/又は接続を含んでもよい。ディスプレイ回路57114は、排煙モジュール226又は排煙モジュール226又は外科用ハブ206と通信する別のデバイスによって取得されたテキスト、画像、グラフ、チャートなどを表示することができるスクリーン又は他のディスプレイを含んでもよい。例えば、ディスプレイ回路57114は、撮像モジュール238、デバイス/器具235、及び/又は他の可視化システム208から受信した画像又はデータを表示及び重ね合わせることができるモニタ又はスクリーン(例えば、ディスプレイ210、217又はモニタ135)を含んでもよい。このディスプレイ又はスクリーンは、セグメント化された制御回路57100内の各セグメントのステータス、又は各セグメント内の各構成要素のステータスをユーザに提示してもよい。各セグメントのステータス、又は各セグメントの各構成要素のステータスは、各構成要素又はセグメントを識別すること、各構成要素又はセグメントのステータスを受信又は判定すること、及び各構成要素又はセグメントのステータスをユーザに表示することによって、セグメント化された制御回路57100によって識別されてもよい。構成要素又はセグメントは、例えば、一意のデータパケットフォーマット、認証情報、暗号化、ID番号、パスワード、信号通信、フラグなどを使用して識別されてもよい。構成要素又はセグメントのステータスは、フラグ、指示、感知されたパラメータの値、測定値などを使用して判定されてもよい。
これらの機能(識別、判定、及び表示)は、例えば、Wi−Fi、有線接続、信号通信、Thread、Bluetooth、RFID、又はNFCを使用して実施されてもよい。例えば、セグメント化された制御回路57100の構成要素は、ネットワークを介して通信するための通信デバイスを含んでもよく、又はネットワークを介した通信を可能にする外部通信デバイスに連結されてもよい。通信デバイスは、物理的有線又は無線で通信するように構成された送受信機を含んでもよい。デバイスは、1つ又は2つ以上の追加の送受信機を更に含んでもよい。送受信機としては、セルラーモデム、無線メッシュネットワーク送受信機、Wi−Fi(登録商標)送受信機、低電力ワイドエリア(LPWA)送受信機、及び/又は近接場通信送受信機(NFC)を挙げることができるが、これらに限定されない。通信デバイスは、メインプロセッサ57108、安全プロセッサ57110、ディスプレイ回路57114、外科用ハブ206、若しくはクラウド204を含んでもよく、又はこれらと通信するように構成されてもよく、これらは、構成要素及びそれらの関連するステータスの識別情報を検証してもよく、又はそれらの識別情報を受信してもよい。送受信機は、それぞれのUARTを介してプロセッサからシリアル送信データを受信して、シリアル送信データをRF搬送波上に変調して送信RF信号を生成し、それぞれのアンテナを介して、RF信号を送信するように構成されてもよい。各送受信機は、選択された無線通信規格及び/又はプロトコル、例えば、Wi−Fi(登録商標)のためのIEEE 802.11a/b/g/n及び/又は本明細書に記載されるようなZigbeeルーティングを使用する無線メッシュネットワークのためのIEEE 802.15.4の実装に対応していてもよい。代替の態様では、ディスプレイ回路は、煙検出器のステータス、オン/オフ動作、フィルタの残存寿命などを示すために、音声で信号を送る小型のスピーカ、又は小型のライト/表示を含んでもよい。各構成要素及びそれらのステータスの識別は、各構成要素によって任意に提供され、規則的又は不規則な時間間隔でそのような情報を送るか又は送信してもよい。不規則な時間間隔の例は、例えば、ユーザが送るべき情報を指示する場合であってもよい。代替の実施例では、各構成要素又はセグメントの識別情報及びステータス情報は、規則的又は不規則な時間間隔で要求されてもよい。例えば、モータ制御回路57116の識別情報及びステータスは、1分、20分、40分、1時間、3時間、24時間などごとに要求されてもよい。
別の態様では、セグメント化された制御回路57100は、排煙モジュール226が全ての取り付けられた構成要素に照会又はポーリングすることを可能にするステータス回路の通電を可能にする。ステータス回路は、セグメントのうちのいずれかに位置していてもよいが、この実施例は第1のセグメント57102内に位置していてもよい。このステータス回路は、第1のセグメント57102、第2のセグメント57104、第3のセグメント57106、及び図25〜図35に描かれているものなどの任意の他の追加の構成要素を含む、全ての構成要素を照会/ポーリングすることが可能であってもよい。取り付けられた構成要素のポーリング/照会は、互換性、すなわち、構成要素又はセグメントが排煙システム又はハブと互換性があり得ること、信頼性、すなわち、構成要素又はセグメントが正しい構成要素であり得、信頼できること、使用されたステータス、又はフィルタなどの使用に基づく寿命を有する任意のセグメント若しくは構成要素のステータス、及びモータ及びモータに接続されたポンプに通電する前にフィルタを正確に挿入するなど、セグメント又は構成要素の正しい挿入を検証するために行われてもよい。一実施例では、インテリジェント器具235などのインテリジェント器具は、適切な器具が使用されていること、及び排煙器システムがポーリング/照会されたインテリジェント器具で機能することができること、又は機能する方法を知っていることを確認するために、更に照会/ポーリングされてもよい。例えば、ポーリング又は照会されるインテリジェント器具235は、Zip Pen(登録商標)であってもよい。Zip Pen(登録商標)が使用されていることを知ることは、排煙システムがどのように機能するかを判定するのに役立ち得る。未確認のインテリジェント器具が使用されている場合、排煙システムは、モータの通電が不適切であるか、又は安全でないと判定してもよく、エラーがディスプレイ回路57114によって表示されてもよい。これは、単にインテリジェント器具235に限らず、スマート手術環境の任意の構成要素に対して行われてもよい。代替的に、未確認のインテリジェント器具が使用されている場合、排煙システムは、デバイスが普遍的に安全な動作モードで使用され得ると判定してもよい。
上記のように、排煙モジュール226が他の構成要素を照会/ポーリングすることを可能にするステータス回路に通電することはまた、照会/ポーリングされた構成要素のための独自の識別、認証、及びステータステキスト文字列を提供することができる。これにより、擬態デバイスがセキュリティデバイスを騙すことがないようにするために、排煙モジュール226及び排煙モジュール226の下位構成要素の制御された識別が可能になる。例えば、セキュリティ装置を騙す例示的な試みは、一意の接続を行うための「スキマー」を構築することによって行われる。システムが騙されることを防止するために、各構成要素を認証するための動作を実施することができる。排煙システムに取り付けられた各構成要素は、記憶されたデータ、セキュリティ暗号化、認証、パラメータ、又はこれらのいくつかの組み合わせに基づいて認証されてもよい。記憶されたデータは、識別番号又は別の識別子、製品名、及び製品タイプ、一意のデバイス識別子、企業の商標、シリアル番号、及び/又は他の製造データ、構成パラメータ、使用情報、有効化若しくは無効化された特徴、又は取り付けられた構成要素の使用方法に関するアルゴリズム/命令を含んでもよい。
図23に示される例では、第3のセグメント57106は、モータ制御回路57116及びモータ57118を含み得る。モータ制御回路57116及び/又はモータ57118は、メインプロセッサ57108及び/又は安全プロセッサ57110に連結されるか、又はそれと信号通信してもよい。メインプロセッサ57108は、モータ57118の速度を減少又は増加させるように、モータ制御回路57116に指示してもよい。代替の実施例では、モータ制御回路57116及びモータ57118は、安全プロセッサ57110に連結されてもよく、又は安全プロセッサ57110と信号通信してもよい。モータ57118は、排煙モジュール226(図4及び図6〜図19参照)内のポンプに連結されてもよく、モータ57118の動作は、ポンプを機能させてもよい。具体的には、一実施例では、モータ57118は2つの異なる状態で動作してもよい。第1の状態は、モータ57118がユーザによって起動されるときであってもよい。この第1の状態では、モータ57118は、第2の状態よりも高い速度で動作してもよい。第2の状態では、モータ57118、モータ制御回路57116、メインプロセッサ57108、又は安全プロセッサ57110は、ユーザ活動の欠如を感知してもよく、又はメインプロセッサ57108、安全プロセッサ57110、外科用ハブ204、クラウド206、若しくは外科用ハブ206内に位置している別のモジュール(例えば、プロセッサモジュール232)から、モータ57118の動作速度を遅くするための命令を受信してもよい。
モータ57118が動作してもよい異なる状態の数は、2つに限定されない。モータ57118は、パラメータの様々な測定値に基づいて、その動作状態を変更又は選択してもよい。別の態様では、モータ57118は、特定の閾値に入るか、それを上回るか、又はそれを下回るユーザ活動レベルに基づいて、その動作状態を判定又は設定してもよい。更に、これらの閾値は、排煙モジュール226の他のモジュール又は構成要素の閾値に関連するか、又はそれと相互に関連し得る。
代替の実施例では、モータ57118は、任意にスリープモードと呼ばれるモードを有してもよい。この例では、スリープモードが起動されてもよく、又はモータ57118は、所定の時間量の間使用されないときに、スリープモード(かなりのモード、又は低電力モード)にシャットダウンされてもよい。スリープモードに入る前の活動の閾値時間量は、外科処置の種類、処置を実施する特定の外科医、又は他の要因を含む多数の要因に応じて変化し得る。したがって、所定の時間量は予め設定されてもよいが、容易に調節されてもよい。例えば、例示的なアクティブ状態からスリープモードにスイッチングしてからの閾値は、10分であってもよい。この実施例では、10分を超えてインテリジェント器具235が外科医によって使用されない場合、モータ制御回路5716又はモータ5718は、スリープモードに入るための命令を受信してもよい。代替の実施例では、インテリジェント器具235が10分を超える外科医によって使用されない場合、インテリジェント機器235は、モータ57118をスリープモード状態に減速させることによって自動的にスリープモードを起動してもよい。更に、排煙モジュール226又はインテリジェント器具235が再び使用されるか、又はユーザインタラクションを感知したときに、排煙モジュール226は、セグメント化された回路57100に再通電するウェイクアップシーケンスを受けてもよい。このウェイクアップシーケンスは、エラー又は障害をチェックしながら、セグメント化された回路57100に通電するために使用される始動シーケンスと同じであってもよい。代替的に、ウェイクアップシーケンスは、ユーザインタラクションが感知されたときに、セグメント化された回路57100に迅速に再通電するための始動シーケンスの短縮されたバージョンであってもよい。
図24に示される実施例は、本開示の少なくとも1つの態様による、セグメント化された制御回路57100に段階的に通電するように、排煙モジュール226の制御回路部分を動作させる方法57200を開示している。このようにして、制御回路の様々な部分は、後続のセグメントに通電する前に安全チェックを実施することができ、安全な電気起動回路方法を提供することができる。例示的な方法57200は、図24に示す流れ図を参照して記載されるが、この方法と関連付けられた動作を実施する他の多くの方法も使用され得ることが理解されるであろう。例えば、ブロックのいくつかの順序を変更してよく、特定のブロックを他のブロックと組み合わせてよく、記載したブロックのいくつかは任意である。
方法57200によれば、制御回路57100は、最初に第1のセグメント57102を起動する(57202)。例えば、図23に前述されたように、第1のセグメント57102は、メインプロセッサ57108及び安全プロセッサ57110を含んでもよい。代替の実施例では、他の構成要素もまた、第1のセグメント57102に含まれてもよく、又は第1のセグメント57102は、メインプロセッサ57108及び/又は安全プロセッサ57110を含まなくてもよい。
次に、第1のセグメント57102は、第1の機能57204を実施する。この第1の機能は、例えば、制御回路57100及び/又は排煙モジュール226の安全性を検証することに関連し得る。例えば、メインプロセッサ57108又は安全プロセッサ57110は、セグメント化された制御回路57100の高電力部分に係合する前に、短絡及び他のエラーのためのセグメントの各セグメント又は構成要素をチェックしてもよい。メインプロセッサ57108及び/又は安全プロセッサ57110は、各構成要素又は各セグメントに対して安全チェックを実施して、それらが適切に機能していることを判定してもよい。更に、別の実施例では、メインプロセッサ57108又は安全プロセッサ57110は、排煙モジュール226内の構成要素が正しい構成要素であることを確実にするために検証機能を実施してもよい。例えば、メインプロセッサ57108又は安全プロセッサ57110は、Trusted Platform Module(TPM)を含んでもよく、又はTPMは、排煙器システム56100、56300の構成要素が正しい構成要素であることを確実にするためのセグメント化された制御回路57100内の別個の構成要素であってもよい。この検証は、様々な方法で行うことができる。例えば、1つの例示的な方法は、TPM内に、各構成要素又はセグメントの鍵を記憶することである。接続された構成要素が比較され、各構成要素又はセグメントの鍵がTPM内に見出されない場合、排煙モジュール226は、それらのモジュールを有効化又は電力供給しない場合がある。更なる例では、説明される鍵は、暗号化を組み込んでもよく、又は代替的に、メインプロセッサ57108又は安全プロセッサ57110などの排煙モジュール226の構成要素による認証を必要としてもよい。
更に、例えば、メインプロセッサ57108及び/又は安全プロセッサ57110は、特定の安全条件が満たされない場合に、セグメント化された制御回路57100が回路の一部を起動することを防止するための、メモリに記憶されたスイッチング論理を含んでもよい。例えば、論理スイッチ又は複数の論理スイッチと関連する安全プロセッサ57118内に記憶された様々な条件が存在し得る。例えば、保護筐体が完全に閉鎖されていない場合、フィルタモジュールが完全に又は適切に挿入されていない場合、流体貯留部が完全に又は適切に挿入されていない場合、ホースが適切に又は完全に挿入されていない場合、及び流体貯留部が十分に充填されていない場合、論理スイッチがトリガされ、セグメント化された制御回路57100又は排煙モジュール226の関連部分が起動されないことがある。
代替の実施例では、排煙モジュール226又は様々なセグメントのうちの1つを起動又は動作させることを可能にする前に、筐体が完全かつ適切に閉鎖されていることを確認するための別個の筐体回路が存在してもよい。例えば、筐体が完全に閉鎖されていない場合、回路は完全でなくてもよい。したがって、セグメント化された制御回路57100の残りのセグメント又は構成要素は起動されなくてもよい。このエンクロージャ回路の概念は、不正な保守を防止するために、改ざん回路内で使用されてもよい。例えば、改ざん回路は確認回路を含んでもよい。開放されるべきではない筐体が開放される場合、確認回路は、電気的又は機械的に恒久的に破壊されてもよい。この破壊可能な確認回路は、2つの堅固に固定された電気的接続ブロックをブリッジすることができる内部接続ストリップを有し、1つのブロックは、エンクロージャのシェル上に位置してもよく、他のブロックは、エンクロージャのベースフレーム上に位置してもよい。内部接続部は、それぞれの接続ブロックに係止することができる剛性の挿入可能な電気コネクタを有し、この電気コネクタは、シェル及びベースフレームの各々の上にラッチ機構を有する。破壊されたとき、筐体が開放されているか又は改ざんされていることが明らかになり得る。いったん破壊されると、電気コネクタは、交換のために筐体が開放されると、容易に解放及び交換され得る。代替の態様では、ブロック及びラッチ機構は、異なる部分に位置してもよく、各セグメントは、別個のブロック及びラッチ機構を含んでもよい。例えば、第1のセグメント57102、第2のセグメント57104、及び第3のセグメント57106は、各々別個の確認回路を有してもよい。第1のセグメント57102が改ざんされているか又は開放されている場合、確認回路は、剛性の内部接続ストリップが破壊されてもよく、したがって、改ざんされたと識別され、及び/又は確認回路が交換されてもよい。別個の確認回路を有することによって、セグメント化された制御回路57100の様々なセグメント又は構成要素のいずれかが改ざんされたかどうかを容易に検出可能であり得る。
代替的に、エンクロージャ回路は、セグメント化されたセキュリティデバイスとして使用されてもよい。例えば、システムの一部分が保守を必要とする場合、エンクロージャ回路は、システムの一部分が開放されて保守されることを可能にし得るが、セグメント化された制御回路57100の無許可の別個の部分が開放され、解体され、又は修正された後に、セグメント化された制御回路57100又は排煙モジュール226の使用を防止することができる。例えば、排煙システム226のセグメント化された制御回路57100が保守されるべきであるが、ディスプレイ回路57114のみに保守を提供する必要がある場合、保守技術者又は他の人員が第3のセグメント57106又は第1のセグメント57102を保守する理由はない場合がある。したがって、第3のセグメント57106及び第1のセグメント57102は、単一の使用ヒューズ若しくは他の機械的/電気機械的デバイス、又は同様のもののデジタルバージョンを含む別個のエンクロージャ回路を含んでもよい。第3のセグメント57106及び第1のセグメント57102が開放、修正、又は解体されると、ヒューズが溶断して、第3のセグメント57106及び第1のセグメント57102に電力が到達しないようにしてもよい。
エラー、短絡、障害、又は他の問題が検出された場合、セグメント化された制御回路57100は、セグメント化された制御回路57100の少なくとも1つのセグメントを動作させる一方で、他のセグメントを動作させなくてもよい。セグメント化された制御回路57100の安全を確保するために、セグメント化された制御回路57100の部分、及びそれらの間の接続は、物理的にスイッチ、ヒューズ、又は遮断器であってもよく、これにより、スイッチ、ヒューズ、及び遮断器は、安全でない状態が存在する場合にトリップし、通電を防止することができる。任意の好適な機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、又は固体スイッチを用いて、複数のスイッチを実装してよい。例えば、メインプロセッサ57108とモータ制御回路57116との間に存在する、単回使用ヒューズ、リセット可能ヒューズ、又はソリッドステートスイッチングデバイスが存在し得る。一般に、ヒューズは、電気回路の過電流保護を提供するように動作する電気安全デバイスである。ヒューズは、過度に多くの電流がそれを通って流れるときに溶融する金属ワイヤ又はストリップを含んでもよく、それによって電流を遮断する。一般に、再設定可能なヒューズは、電子回路内の過電流障害から保護するために使用される受動電子部品である、ポリマー正温度係数(PPTC)デバイスである。デバイスはまた、ポリヒューズ又はポリスイッチとしても知られることがある。一般に、ソリッドステートスイッチは、とりわけホール効果装置、磁気抵抗性(MR)デバイス、巨大磁気抵抗性(GMR)デバイス、磁力計などの、磁場の影響下にて動作する、固体スイッチであってもよい。他の実装形態では、スイッチは、とりわけ光センサ、赤外線センサ、及び紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、例えばトランジスタ(例えば、FET、接合FET、金属酸化物半導体FET(MOSFET)、バイポーラなど)などの固体装置であってもよい。他のスイッチは、とりわけ、無線スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、及び慣性センサを含んでもよい。
次に、第2のセグメントが起動されてもよい(57206)。例えば、感知回路57112及びディスプレイ回路57114を含む第2のセグメント57104が、通電されてもよい。次に、第3のセグメントが起動されてもよい(57208)。例えば、モータ制御回路57116及びモータ57118を含む第3のセグメント57106が、通電されてもよい。この例示的な態様は、第2のセグメント57102の前に第1のセグメント57102を起動し、第3のセグメント57106の前に第2のセグメント57104を起動することが開示しているが、セグメントの起動の順序は、適切であると考えられる場合には修正されてもよい。更に、代替の実施例では、第2のセグメント57104及び第3のセグメント57106に通電する間に、様々なエラーチェック、検証などが実施されてもよい。
読者は、本明細書に記載される様々な外科用排出システム及び構成要素が、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム、外科用ハブ、及び/又はロボットシステムに組み込まれ得ることを容易に理解するであろう。例えば、外科用排出システムは、外科用ハブ、ロボットシステム、及び/又はコンピュータ実装インタラクティブ外科用システムにデータを通信することができ、かつ/又は、外科用ハブ、ロボットシステム、及び/又はコンピュータ実装インタラクティブ外科用システムからデータを受信することができる。コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム、ロボットシステム、及び外科用ハブの様々な例が、以下に更に記載される。
コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム
図25を参照すると、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム100は、1つ又は2つ以上の外科用システム102と、クラウドベースのシステム(例えば、ストレージデバイス105に連結されたリモートサーバ113を含み得るクラウド104)と、を含む。各外科用システム102は、リモートサーバ113を含み得るクラウド104と通信する少なくとも1つの外科用ハブ106を含む。一実施例では、図25に示されるように、外科用システム102は、互いに、及び/又はハブ106と通信するように構成された、可視化システム108と、ロボットシステム110と、ハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含む。いくつかの態様では、外科用システム102は、M個のハブ106と、N個の可視化システム108と、O個のロボットシステム110と、P個のハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含んでもよく、ここでM、N、O、及びPは1以上の整数である。
図27は、外科手術室116内の手術台114上に横たわる患者に対して外科処置を実施するために使用される外科用システム102の一実施例を示す。ロボットシステム110は、外科処置において外科用システム102の一部として使用される。ロボットシステム110は、外科医のコンソール118と、患者側カート120(外科用ロボット)と、外科用ロボットハブ122と、を含む。患者側カート120は、患者の身体の低侵襲切開中に、外科医が外科医のコンソール118を介して手術部位を見る間、少なくとも1つの取り外し可能に連結された外科用ツール117を操作することができる。手術部位の画像は医療用撮像デバイス124によって得ることができ、医療用撮像デバイス124は撮像デバイス124を配向するために患者側カート120によって操作され得る。ロボットハブ122は、外科医のコンソール118を介して外科医に対するその後の表示のために、手術部位の画像を処理するよう用いることができる。
他のタイプのロボットシステムを、外科用システム102と共に使用するために容易に適合させることができる。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,339号に記載されている。
クラウド104によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析の様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「CLOUD−BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国仮特許出願第62/611,340号に記載されている。
様々な態様では、撮像デバイス124は、少なくとも1つの画像センサと1つ又は2つ以上の光学構成要素とを含む。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサが挙げられるが、これらに限定されない。
撮像デバイス124の光学構成要素は、1つ若しくは2つ以上の照明光源及び/又は1つ若しくは2つ以上のレンズを含んでもよい。1つ又は2つ以上の照明光源は、手術野の一部を照明するように方向付けられてもよい。1つ又は2つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、手術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
1つ又は2つ以上の照明光源は、可視スペクトル及び不可視スペクトル内の電磁エネルギーを放射するように構成され得る。光学スペクトル又は発光スペクトルと呼ばれることもある可視スペクトルは、人間の目に可視の(すなわち、人間の目で検出可能な)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と呼ばれることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm〜約750nmの波長に反応する。
不可視スペクトル(すなわち、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する電磁スペクトルの一部分である(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長)。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(IR)、マイクロ波、及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線、及びガンマ線電磁放射線になる。
様々な態様では、撮像デバイス124は、低侵襲性手術で使用するように構成されている。本開示と共に使用するのに好適な撮像デバイスの例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉−腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
一態様では、撮像デバイスは、トポグラフィーと下層構造とを区別するためにマルチスペクトルモニタリングを用いる。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトルにわたって特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR及び紫外光を含む特定の波長からの光に感受性の器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像法は、人間の目がその赤色、緑色、及び青色の受容体で捕捉することのできない追加情報の抽出を可能にすることができる。マルチスペクトル撮像法の使用は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で詳細に説明されている。マルチスペクトルモニタリングは、1つの手術作業が完了した後に、処置された組織上で上述の試験の1つ又は2つ以上を実施するために手術野を再配置するのに有用なツールであり得る。
いかなる外科手術においても手術室及び外科用機器の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場(surgical theater)」、すなわち手術室又は処置室に必要とされる厳格な衛生及び滅菌条件は、全ての医療デバイス及び機器の最大級の滅菌性を必要とする。その滅菌プロセスの一部は、撮像デバイス124並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性である。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの、微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、又は滅菌野は、外科処置のために準備された患者のすぐ周囲の領域と見なされ得ることは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
様々な態様では、可視化システム108は、図26に示されるように、滅菌野に対して戦略的に配置された1つ又は2つ以上の撮像センサと、1つ又は2つ以上の画像処理ユニットと、1つ又は2つ以上のストレージアレイと、1つ又は2つ以上のディスプレイと、を含む。一態様では、可視化システム108は、HL7、PACS、及びEMRのインターフェースを含む。可視化システム108の様々な構成要素については、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で説明されている。
図26に示されるように、一次ディスプレイ119は、手術台114に位置する操作者に可視であるように、滅菌野内に位置付けられる。加えて、可視化タワー111は、滅菌野の外に位置付けられる。可視化タワー111は、互いに離れる方に面する第1の非滅菌ディスプレイ107及び第2の非滅菌ディスプレイ109を含む。ハブ106によって誘導される可視化システム108は、ディスプレイ107、109、及び119を使用して、滅菌野の内側及び外部の操作者に対する情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ106は、可視化システム108に、一次ディスプレイ119上の手術部位のライブ映像を維持させながら、撮像デバイス124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示させることができる。非滅菌ディスプレイ107又は109上のスナップショットは、例えば、非滅菌操作者が外科処置に関連する診断工程を実施することを可能にすることができる。
一態様では、ハブ106は、滅菌野内で、可視化タワー111に位置する非滅菌操作者によって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌領域内の一次ディスプレイ119に送り、これを手術台に位置する滅菌操作者が見ることができるようにも構成される。一実施例では、入力は、ハブ106によって一次ディスプレイ119に送ることのできる、非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示されるスナップショットに対する修正の形態であってもよい。
図26を参照すると、外科用器具112は、外科処置において外科用システム102の一部として使用されている。ハブ106はまた、外科用器具112のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成されている。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号における。可視化タワー111の位置で非滅菌操作者によって入力される診断入力又はフィードバックは、滅菌野内でハブ106によって外科用器具ディスプレイ115に送られてもよく、ここで診断入力又はフィードバックは外科用器具112の操作者によって見られてもよい。外科用システム102と共に用いるのに好適な例示的外科用器具については、例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Surgical Instrument Hardware」の項目、及び「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号で説明されている。
ここで図27を参照すると、ハブ106が、可視化システム108、ロボットシステム110、及びハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と通信している状態で示されている。ハブ106は、ハブディスプレイ135、撮像モジュール138、発生器モジュール140、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、及びストレージアレイ134を含む。特定の態様では、図27に示されるように、ハブ106は、排煙モジュール126及び/又は吸引/灌注モジュール128を更に含む。
外科処置中、封止及び/又は切断のため組織へのエネルギー印加は、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注を伴う。異なる供給源からの流体、電力、及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式筐体136は、電力、データ、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。
本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科処置において使用するための外科用ハブを提示する。外科用ハブは、ハブ筐体と、ハブ筐体のドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールは、更に、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体、及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。
一態様では、流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブ筐体内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延在する。一態様では、ハブ筐体は、流体インターフェースを備える。
特定の外科処置は、2つ以上のエネルギータイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式筐体136が様々な発生器を収容して、これらの間の双方向通信を容易にするように構成される解決法を提示する。ハブのモジュール式筐体136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。
本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用筐体を提示する。モジュール式外科用筐体は、組織に印加するための第1のエネルギーを発生させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
上記に加えて、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ及び電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を更に含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
更に、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成された、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを更に含む。
図3〜図7を参照すると、発生器モジュール140と、排煙モジュール126と、吸引/灌注モジュール128と、のモジュール式統合を可能にするハブのモジュール式筐体136に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128間の双方向通信を更に容易にする。図29に示されるように、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136に摺動可能に挿入可能な単一の筐体ユニット139内に支持される、一体化された単極、双極、及び超音波構成要素を備える発生器モジュールであってもよい。図29に示されるように、発生器モジュール140は、単極デバイス146、双極デバイス147、及び超音波デバイス148に接続するように構成され得る。代替的に、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136を介して相互作用する一連の単極、双極、及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。ハブのモジュール式筐体136は、複数の発生器が単一の発生器として機能するように、複数の発生器の挿入と、ハブのモジュール式筐体136にドッキングされた発生器間の双方向通信と、を容易にするように構成されてもよい。
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128の取り外し可能な取り付け及びそれらの間の双方向通信を可能にするために、外部及び無線通信ヘッダを備えるモジュール式電力及び通信バックプレーン149を備える。
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128を摺動可能に受容するように構成されている、本明細書ではドロアとも称されるドッキングステーション又はドロア151を含む。図28は、外科用ハブ筐体136、及び外科用ハブ筐体136のドッキングステーション151に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュール145の部分斜視図を示す。組み合わせ発生器モジュール145の後側に電力及びデータ接点を有するドッキングポート152は、組み合わせ発生器モジュール145がハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151内の位置へと摺動されると、対応するドッキングポート150をハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の電力及びデータ接点と係合するように構成される。一態様では、組み合わせ発生器モジュール145は、図29に示されるように、双極、超音波、及び単極モジュールと、単一の筐体ユニット139と共に一体化された排煙モジュールと、を含む。
様々な態様では、排煙モジュール126は、捕捉/回収された煙及び/又は流体を手術部位から遠ざけて、例えば、排煙モジュール126へと搬送する流体ライン154を含む。排煙モジュール126から発生する真空吸引は、煙を手術部位のユーティリティ導管の開口部に引き込むことができる。流体ラインに連結されたユーティリティ導管は、排煙モジュール126で終端する可撓管の形態であってもよい。ユーティリティ導管及び流体ラインは、ハブ筐体136内に受容される排煙モジュール126に向かって延在する流体経路を画定する。
様々な態様では、吸引/灌注モジュール128は、吸い込み(aspiration)流体ライン及び吸引(suction)流体ラインを含む外科用ツールに連結される。一実施例では、吸い込み及び吸引流体ラインは、手術部位から吸引/灌注モジュール128に向かって延在する可撓管の形態である。1つ又は2つ以上の駆動システムは、手術部位への、及び手術部位からの流体の灌注及び吸い込みを引き起こすように構成され得る。
一態様では、外科用ツールは、その遠位端にエンドエフェクタを有するシャフトと、エンドエフェクタに関連付けられた少なくとも1つのエネルギー処置部と、吸い込み管と、灌注管と、を含む。吸い込み管は、その遠位端に入口ポートを有することができ、吸い込み管はシャフトを通って延在する。同様に、灌注管はシャフトを通って延在することができ、かつ、エネルギー送達器具に近接した入口ポートを有することができる。エネルギー送達器具は、超音波及び/又はRFエネルギーを手術部位に送達するように構成され、最初にシャフトを通って延在するケーブルによって発生器モジュール140に連結される。
灌注管は流体源と流体連通することができ、吸い込み管は真空源と流体連通することができる。流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128内に収容され得る。一実施例では、流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128とは別にハブ筐体136内に収容され得る。このような実施例では、流体インターフェースは、吸引/灌注モジュール128を流体源及び/又は真空源に接続するように構成され得る。
一態様では、モジュール140、126、128及び/又はハブのモジュール式筐体136上のそれらの対応するドッキングステーションは、モジュールのドッキングポートを位置合わせして、ハブのモジュール式筐体136のドッキングステーション内でこれらの対応部品と係合させるように構成された位置合わせ機構を含み得る。例えば、図28に示されるように、組み合わせ発生器モジュール145は、ハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の対応するブラケット156と摺動可能に係合するように構成された側部ブラケット155を含む。ブラケットは、協働して、組み合わせ発生器モジュール145のドッキングポート接点をハブのモジュール式筐体136のドッキングポート接点と電気係合させるように誘導する。
いくつかの態様では、ハブのモジュール式筐体136のドロア151は、同じ又は実質的に同じサイズであり、モジュールは、ドロア151内に受容されるサイズに調整される。例えば、側部ブラケット155及び/又は156は、モジュールのサイズに応じてより大きくなっても小さくなってもよい。他の態様では、ドロア151は、サイズが異なり、特定のモジュールを収容するように各々設計される。
更に、適合しない接点を備えるドロアにモジュールを挿入することを回避するために、特定のモジュールの接点を、特定のドロアの接点と係合するように鍵付きにしてもよい。
図28に示されるように、1つのドロア151のドッキングポート150は、通信リンク157を介して別のドロア151のドッキングポート150に連結されて、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の双方向通信を容易にすることができる。ハブのモジュール式筐体136のドッキングポート150は、代替的に又は更に、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の無線双方向通信を容易にし得る。例えば、Air Titan−Bluetoothなどの任意の好適な無線通信を用いてもよい。
図30は、外科用ハブ206の複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式筐体160の複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。横方向モジュール式筐体160は、モジュール161を横方向に受容して相互接続するように構成される。モジュール161は、モジュール161を相互接続するためのバックプレーンを含む横方向モジュール式筐体160のドッキングステーション162内に摺動可能に挿入される。図30に示されるように、モジュール161は、横方向モジュール式筐体160内で横方向に配置される。代替的に、モジュール161は、横方向モジュール式筐体内で垂直方向に配置されてもよい。
図31は、外科用ハブ106の複数のモジュール165を受容するように構成された垂直モジュール式筐体164を示す。モジュール165は、モジュール165を相互接続するためのバックプレーンを含む垂直モジュール式筐体164のドッキングステーション又はドロア167内に摺動可能に挿入される。垂直モジュール式筐体164のドロア167は垂直方向に配置されているが、特定の場合では、垂直モジュール式筐体164は、横方向に配置されたドロアを含んでもよい。更に、モジュール165は、垂直モジュール式筐体164のドッキングポートを介して互いに相互作用し得る。図31の実施例では、モジュール165の動作に関連するデータを表示するためのディスプレイ177が提供される。加えて、垂直モジュール式筐体164は、マスタモジュール178内に摺動可能に受容される複数のサブモジュールを収容するマスタモジュール178を含む。
様々な態様では、撮像モジュール138は、内蔵型のビデオプロセッサ及びモジュール式光源を備え、様々な撮像デバイスと共に使用するように適合されている。一態様では、撮像デバイスは、光源モジュール及びカメラモジュールと共に組み立てることが可能なモジュール式筐体で構成される。筐体は、使い捨て式筐体であってもよい。少なくとも1つの実施例では、使い捨て式筐体は、再利用可能なコントローラ、光源モジュール、及びカメラモジュールと取り外し可能に連結される。光源モジュール及び/又はカメラモジュールは、外科処置の種類に応じて選択的に選択することができる。一態様では、カメラモジュールはCCDセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはCMOSセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールは走査されたビームの撮像用に構成される。同様に、光源モジュールは、外科処置に応じて白色光又は異なる光を送達するように構成することができる。
外科処置中に、手術野から外科用デバイスを除去して異なるカメラ又は異なる光源を含む別の外科用デバイスと交換することは非効率的であり得る。手術野の視野を一時的に喪失することは、望ましくない結果をもたらし得る。本開示のモジュール撮像デバイスは、手術野から撮像デバイスを除去する必要なく、外科処置中に光源モジュール又はカメラモジュール中間体(midstream)の交換を可能にするように構成される。
一態様では、撮像デバイスは、複数のチャネルを含む管状筐体を備える。第1のチャネルは、第1のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得るカメラモジュールを摺動可能に受容するように構成されている。第2のチャネルは、第2のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得る光源モジュールを摺動可能に受容するように構成されている。別の実施例では、カメラモジュール及び/又は光源モジュールは、これらの対応するチャネル内の最終位置へと回転させることができる。スナップ嵌め係合の代わりにねじ係合が採用されてもよい。
様々な実施例で、複数の撮像デバイスが、複数の視野を提供するために手術野内の様々な位置に位置決めされる。撮像モジュール138は、最適な視野を提供するために撮像デバイス間を切り替えるように構成することができる。様々な態様では、撮像モジュール138は、異なる撮像デバイスからの画像を統合するように構成することができる。
本開示と共に使用するのに好適な様々な画像プロセッサ及び撮像デバイスは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「COMBINED SBI AND CONVENTIONAL IMAGE PROCESSOR」と題する2011年8月9日発行の米国特許第7,995,045号に記載されている。更に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SBI MOTION ARTIFACT REMOVAL APPARATUS AND METHOD」と題する2011年7月19日発行の米国特許第7,982,776号は、画像データからモーションアーチファクトを除去するための様々なシステムについて記載している。こうしたシステムは、撮像モジュール138と一体化され得る。更に、「CONTROLLABLE MAGNETIC SOURCE TO FIXTURE INTRACORPOREAL APPARATUS」と題する2011年12月15日公開の米国特許出願公開第2011/0306840号、及び「SYSTEM FOR PERFORMING A MINIMALLY INVASIVE SURGICAL PROCEDURE」と題する2014年8月28日公開の米国特許出願公開第2014/0243597号は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図32は、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に位置しているモジュール式デバイスをクラウドベースのシステム(例えばストレージデバイス205に連結されたリモートサーバ213を含み得るクラウド204)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ203を備える外科用データネットワーク201を示す。一態様では、モジュール式通信ハブ203は、ネットワークルータと通信するネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209を備える。モジュール式通信ハブ203は更に、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供するために、ローカルコンピュータシステム210に連結することができる。外科用データネットワーク201は、受動的、インテリジェント、又は切り替え式として構成されてもよい。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つのデバイス(又はセグメント)から別のデバイス(又はセグメント)に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェントな外科用データネットワークは、トラフィックが監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ207又はネットワークスイッチ209内の各ポートを構成する追加の機構を含む。インテリジェントな外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
手術室に配置されるモジュール式デバイス1a〜1nは、モジュール式通信ハブ203に連結されてもよい。ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、ネットワークルータ211に連結されて、デバイス1a〜1nをクラウド204又はローカルコンピュータシステム210に接続することができる。デバイス1a〜1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。デバイス1a〜1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。同じ手術室に位置するモジュール式デバイス2a〜2mもまた、ネットワークスイッチ209に連結されてもよい。ネットワークスイッチ209は、ネットワークハブ207及び/又はネットワークルータ211に連結されて、デバイス2a〜2mをクラウド204に接続することができる。デバイス2a〜2nに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ211を介してクラウド204に転送されてもよい。デバイス2a〜2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。
複数のネットワークハブ207及び/又は複数のネットワークスイッチ209を複数のネットワークルータ211と相互接続することによって、外科用データネットワーク201が拡張され得ることが理解されるであろう。モジュール式通信ハブ203は、複数のデバイス1a〜1n/2a〜2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム210もまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、ディスプレイ212に接続されて、例えば外科処置中に、デバイス1a〜1n/2a〜2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示する。様々な態様では、デバイス1a〜1n/2a〜2mとしては、外科用データネットワーク201のモジュール式通信ハブ203に接続され得るモジュール式デバイスの中でもとりわけ、例えば、内視鏡に連結された撮像モジュール138、エネルギーベースの外科用デバイスに連結された発生器モジュール140、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、ストレージアレイ134、ディスプレイに連結された外科用デバイス、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールが挙げられ得る。
一態様では、外科用データネットワーク201は、デバイス1a〜1n/2a〜2mをクラウドに接続する、ネットワークハブ(複数可)、ネットワークスイッチ(複数可)、及びネットワークルータ(複数可)との組み合わせを含んでもよい。ネットワークハブ又はネットワークスイッチに連結されたデバイス1a〜1n/2a〜2mのいずれか1つ又は全ては、リアルタイムでデータを収集し、データ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナルデバイスを有するのではなく、共有コンピューティングリソースに依存することは理解されるであろう。用語「クラウド」は「インターネット」の隠喩として用いられ得るが、この用語はそのように限定はされない。したがって、用語「クラウドコンピューティング」は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために用いることができ、この場合、サーバ、ストレージ、及びアプリケーションなどの様々なサービスは、手術現場(例えば、固定式、移動式、一時的、又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に、かつインターネットを介してモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に接続されたデバイスに送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ又は2つ以上の手術室内に位置するデバイス1a〜1n/2a〜2mの使用及び制御を調整する事業体であり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化デバイスによって収集されたデータに基づいて、多数の計算を実行することができる。ハブハードウェアは、複数のデバイス又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及びストレージと通信するコンピュータに接続することを可能にする。
デバイス1a〜1n/2a〜2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科的成果の改善、コスト低減、及び患者満足度の改善を提供する。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、デバイス1a〜1n/2a〜2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織の試料の画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病状を特定するために、デバイス1a〜1n/2a〜2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。これは、組織及び表現型の位置特定及びマージン確認を含む。撮像デバイスと一体化された様々なセンサ、及び複数の撮像デバイスによってキャプチャされた画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を特定するために、デバイス1a〜1n/2a〜2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、デバイス1a〜1n/2a〜2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウド204若しくはローカルコンピュータシステム210又はその両方に転送されてもよい。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入、及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科処置の結果を改善するために分析することができる。こうしたデータ分析は、予後分析処理を更に採用してもよく、標準化されたアプローチを使用することは、外科治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
一実装態様では、手術室デバイス1a〜1nは、ネットワークハブに対するデバイス1a〜1nの構成に応じて、有線チャネル又は無線チャネルを介してモジュール式通信ハブ203に接続されてもよい。ネットワークハブ207は、一態様では、開放型システム間相互接続(OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャストデバイスとして実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に位置するデバイス1a〜1nに接続性を提供する。ネットワークハブ207は、パケット形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信する。ネットワークハブ207は、デバイスデータを転送するための任意の媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(MAC/IP)は記憶しない。デバイス1a〜1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ207を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ207は、情報の送信先に関する経路選択テーブル又はインテリジェンスを有さず、全てのネットワークデータを各コネクション全体、及びクラウド204上のリモートサーバ213(図33)にブロードキャストする。ネットワークハブ207は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
別の実装形態では、手術室デバイス2a〜2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ209に接続されてもよい。ネットワークスイッチ209は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ209は、同じ手術室内に位置するデバイス2a〜2mをネットワークに接続するためのマルチキャストデバイスである。ネットワークスイッチ209は、フレームの形態のデータをネットワークルータ211に送信し、全二重モードで機能する。複数のデバイス2a〜2mは、ネットワークスイッチ209を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ209は、データを転送するためにデバイス2a〜2mのMACアドレスを記憶かつ使用する。
ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、クラウド204に接続するためにネットワークルータ211に連結される。ネットワークルータ211は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ211は、デバイス1a〜1n/2a〜2mのいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ211から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに送信するための経路を作成する。ネットワークルータ211は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室、又は異なる医療施設の異なる手術室に位置する異なるネットワークなどの、異なる位置に位置する2つ以上の異なるネットワークを接続するために用いられてもよい。ネットワークルータ211は、パケット形態のデータをクラウド204に送信し、全二重モードで機能する。複数のデバイスが同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ211は、データを転送するためにIPアドレスを使用する。
一実施例では、ネットワークハブ207は、複数のUSBデバイスをホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、デバイスをホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ207は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線又は無線能力を含むことができる。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術室内に位置するデバイス1a〜1nとデバイス2a〜2mとの間の通信のために使用されてもよい。
他の実施例では、手術室デバイス1a〜1n/2a〜2mは、固定及びモバイルデバイスから短距離にわたってデータを交換し(2.4〜2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。他の態様では、手術室デバイス1a〜1n/2a〜2mは、Wi−Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、並びにEv−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、及びこれらのイーサネット派生物、のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi−Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev−DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
モジュール式通信ハブ203は、手術室デバイス1a〜1n/2a〜2mの1つ又は全ての中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱う。フレームは、デバイス1a〜1n/2a〜2mによって生成されたデータを搬送する。フレームがモジュール式通信ハブ203によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ211へ送信され、ネットワークルータ211は本明細書に記載される数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによってこのデータをクラウドコンピューティングリソースに転送する。
モジュール式通信ハブ203は、スタンドアロンのデバイスとして使用されてもよく、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ及びネットワークスイッチに接続されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であるため、モジュール式通信ハブ203は手術室デバイス1a〜1n/2a〜2mをネットワーク接続するための良好な選択肢となる。
図33は、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム200を示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム200は、多くの点で、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム100と類似している。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム200は、多くの点で外科用システム102と類似する1つ又は2つ以上の外科用システム202を含む。各外科用システム202は、リモートサーバ213を含み得るクラウド204と通信する少なくとも1つの外科用ハブ206を含む。一態様では、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム200は、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化デバイスなどの複数の手術室デバイスに接続されたモジュール式制御タワー236を備える。図34に示されるように、モジュール式制御タワー236は、コンピュータシステム210に連結されたモジュール式通信ハブ203を備える。図33の実施例に示されるように、モジュール式制御タワー236は、内視鏡239に連結された撮像モジュール238、エネルギーデバイス241に連結された発生器モジュール240、排煙器モジュール226、吸引/灌注モジュール228、通信モジュール230、プロセッサモジュール232、ストレージアレイ234、任意でディスプレイ237に連結されたスマートデバイス/器具235、及び非接触センサモジュール242に連結されている。手術室デバイスは、モジュール式制御タワー236を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータストレージに連結される。ロボットハブ222もまた、モジュール式制御タワー236及びクラウドコンピューティングリソースに接続されてもよい。中でもとりわけ、デバイス/器具235、可視化システム208が、本明細書に記載される有線又は無線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式制御タワー236に連結されてもよい。モジュール式制御タワー236は、撮像モジュール、デバイス/器具ディスプレイ、及び/又は他の可視化システム208から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ215(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されてもよい。ハブディスプレイはまた、画像及びオーバーレイ画像と共にモジュール式制御タワーに接続されたデバイスから受信したデータを表示してもよい。
図34は、モジュール式制御タワー236に連結された複数のモジュールを備える外科用ハブ206を示す。モジュール式制御タワー236は、例えばネットワーク接続デバイスなどのモジュール式通信ハブ203と、例えば局所処理、可視化、及び撮像を提供するためのコンピュータシステム210と、を備える。図34に示されるように、モジュール式通信ハブ203は、モジュール式通信ハブ203に接続できるモジュール(例えば、デバイス)の数を拡張するために階層化構成で接続されて、モジュールに関連付けられたデータをコンピュータシステム210、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送することができる。図34に示されるように、モジュール式通信ハブ203内のネットワークハブ/スイッチの各々は、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含む。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ217への通信接続を提供するためにプロセッサに接続される。クラウド204への通信は、有線又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
外科用ハブ206は、非接触センサモジュール242を使用して、手術室の寸法を測定し、また超音波又はレーザ型非接触測定デバイスのいずれかを使用して手術現場のマップを生成する。開示全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の項に記載されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術室の外壁に反射したときのエコーを受信することによって手術室を走査し、ここでセンサモジュールが、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成される。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信し、手術室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリング距離限界を調整することによって手術室を走査する。
コンピュータシステム210は、プロセッサ244とネットワークインターフェース245とを備える。プロセッサ244は、システムバスを介して、通信モジュール247、ストレージ248、メモリ249、不揮発性メモリ250、及び入力/出力インターフェース251に連結される。システムバスは、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、周辺デバイス相互接続(PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(PCMCIA)、小型計算機システム・インターフェース(SCSI)、又は任意の他の独自バス(proprietary bus)が挙げられるがこれらに限定されない任意の様々なバスアーキテクチャを用いる、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造(複数可)のうちのいずれかであっってもよい。
プロセッサ244は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、及び/又は、1つ若しくは2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ若しくは2つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットアナログ−デジタル変換器(ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex−M4Fプロセッサコアであってもよい。
一態様では、プロセッサ244は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが挙げられる。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、EEPROM、又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、及びダイレクトランバスRAM(DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
コンピュータシステム210はまた、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性コンピュータストレージ媒体、例えばディスクストレージなどを含む。ディスクストレージとしては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS−60ドライブ、フラッシュメモリカード、又はメモリスティックのようなデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ディスクストレージは、ストレージ媒体を、独立して、又はコンパクトディスクROMデバイス(CD−ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(CD−Rドライブ)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(CD−RWドライブ)、若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD−ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない他のストレージ媒体との組み合わせで含むことができる。ディスクストレージデバイスのシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
コンピュータシステム210は、好適な動作環境で説明されるユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含むことを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムが挙げられる。ディスクストレージ上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能する。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスクストレージ上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用する。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
ユーザは、I/Oインターフェース251に連結された入力デバイス(複数可)を介してコンピュータシステム210にコマンド又は情報を入力する。入力デバイスとしては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティングデバイス、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライト・ディッシュ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどが挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他の入力デバイスは、インターフェースポート(複数可)を介し、システムバスを通してプロセッサに接続する。インターフェースポート(複数可)としては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、及びUSBが挙げられる。出力デバイス(複数可)は、入力デバイス(複数可)と同じ種類のポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステムに入力を提供し、またコンピュータシステムからの情報を出力デバイスに出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とする出力デバイスの中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ、及びプリンタなどのいくつかの出力デバイスが存在することを示すために提供される。出力アダプタとしては、例示としてのものであり限定するものではないが、出力デバイスとシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードが挙げられる。遠隔コンピュータ(複数可)などの他のデバイス及び/又はデバイスのシステムは、入力及び出力機能の両方を提供することに留意されたい。
コンピュータシステム210は、クラウドコンピュータ(複数可)などの1つ若しくは2つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータ(複数可)は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピアデバイス、又は他の一般的なネットワークノードなどであり得、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、遠隔コンピュータ(複数可)と共にメモリストレージデバイスのみが示される。遠隔コンピュータ(複数可)は、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続を介して物理的に接続される。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)などの通信ネットワークを包含する。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、銅線分散データインターフェース(CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などが挙げられる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク、並びにデジタル加入者回線(DSL)が挙げられるがこれらに限定されない。
様々な態様では、図34のコンピュータシステム210、図9〜図10の撮像モジュール238、及び/又は可視化システム208、及び/又はプロセッサモジュール232は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、媒体プロセッサ、又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(DSP)を含んでもよい。画像プロセッサは、単一命令複数データ(SIMD)、又は複数命令複数データ(MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを使用して速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実施することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
通信接続(複数可)とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。例示の明瞭さのために通信接続はコンピュータシステム内部に示されているが、通信接続はコンピュータシステム210の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術が挙げられる。
図35は、本開示の一態様による、USBネットワークハブ300デバイスの一態様の機能ブロック図を示す。図示した態様では、USBネットワークハブデバイス300は、Texas Instruments製TUSB2036集積回路ハブを採用する。USBネットワークハブ300は、USB2.0規格に準拠する、上流USB送受信ポート302及び最大3つの下流USB送受信ポート304、306、308を提供するCMOSデバイスである。上流USB送受信ポート302は、差動データプラス(DP0)入力とペアリングされた差動データマイナス(DM0)入力を含む差動ルートデータポートである。3つの下流USB送受信ポート304、306、308は、各ポートが差動データマイナス(DM1〜DM3)出力とペアリングした差動データプラス(DP1〜DP3)出力を含む差動データポートである。
USBネットワークハブ300デバイスは、マイクロコントローラの代わりにデジタル状態機械を備えて実装され、ファームウェアのプログラミングを必要としない。完全準拠したUSB送受信機が、上流USB送受信ポート302及び全ての下流USB送受信ポート304、306、308の回路に統合される。下流USB送受信ポート304、306、308は、ポートに取り付けられたデバイスの速度に応じてスルーレートを自動的に設定することによって、最高速度及び低速のデバイスの両方をサポートする。USBネットワークハブ300デバイスは、バスパワーモード又はセルフパワーモードのいずれかで構成されてもよく、電力を管理するためのハブパワー論理312を含む。
USBネットワークハブ300デバイスは、シリアルインターフェースエンジン310(SIE)を含む。SIE310は、USBネットワークハブ300ハードウェアのフロントエンドであり、USB仕様書の第8章に記載されているプロトコルの大部分を取り扱う。SIE310は、典型的には、トランザクションレベルまでのシグナリングを理解する。これが取り扱う機能としては、パケット認識、トランザクションの並べ替え、SOP、EOP、RESET、及びRESUME信号の検出/生成、クロック/データ分離、非ゼロ復帰逆転(NRZI)データ符号化/復号化及びビットスタッフィング、CRC生成及びチェック(トークン及びデータ)、パケットID(PID)の生成、及びチェック/復号化、並びに/又はシリアル・パラレル/パラレル・シリアル変換が挙げられ得る。310はクロック入力314を受信し、ポート論理回路320、322、324を介して上流USB送受信ポート302と下流USB送受信ポート304、306、308との間の通信を制御するためにサスペンド/レジューム論理並びにフレームタイマ316回路及びハブリピータ回路318に連結される。SIE310は、シリアルEEPROMインターフェース330を介してシリアルEEPROMからコマンドを制御するためのインターフェース論理を介してコマンドデコーダ326に連結される。
様々な態様では、USBネットワークハブ300は、最大6つの論理層(階層)内に構成された127個の機能を単一のコンピュータに接続することができる。更に、USBネットワークハブ300は、通信及び電力分配の両方を提供する標準化された4本のワイヤケーブルを使用して全ての周辺機器に接続することができる。電力構成は、バスパワーモード及びセルフパワーモードである。USBネットワークハブ300は、個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるバスパワーハブ、及び個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるセルフパワーハブの、電力管理の4つのモードをサポートするように構成されてもよい。一態様では、USBケーブル、USBネットワークハブ300を使用して、上流USB送受信ポート302はUSBホストコントローラにプラグ接続され、下流USB送受信ポート304、306、308はUSBに互換性のあるデバイスを接続するために露出される、といった具合である。
外科用器具のハードウェア
図36は、本開示の1つ又は2つ以上の態様による、外科用器具又はツールの制御システム470の論理図を示す。システム470は制御回路を備える。制御回路は、プロセッサ462及びメモリ468を備えるマイクロコントローラ461を含む。例えば、センサ472、474、476のうちの1つ又は2つ以上が、プロセッサ462にリアルタイムなフィードバックを提供する。モータドライバ492によって駆動されるモータ482は、長手方向に移動可能な変位部材を動作可能に連結して、Iビームナイフ要素を駆動する。追跡システム480は、長手方向に移動可能な変位部材の位置を判定するように構成されている。位置情報は、長手方向に移動可能な駆動部材の位置、並びに発射部材、発射バー、及びIビームナイフ要素の位置を判定するようにプログラム又は構成され得るプロセッサ462に提供される。追加のモータが、Iビームの発射、閉鎖管の移動、シャフトの回転、及び関節運動を制御するために、ツールドライバインターフェースに提供されてもよい。ディスプレイ473は、器具の様々な動作条件を表示し、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含んでもよい。ディスプレイ473上に表示された情報は、内視鏡撮像モジュールを介して取得された画像とオーバーレイさせることができる。
一態様では、マイクロコントローラ461は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、主マイクロコントローラ461は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ若しくは2つ以上のPWMモジュール、1つ若しくは2つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex−M4Fプロセッサコアであってもよい。
一態様では、マイクロコントローラ461は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
マイクロコントローラ461は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密制御など、様々な機能を実施するようにプログラムされてもよい。一態様では、マイクロコントローラ461は、プロセッサ462及びメモリ468を含む。電動モータ482は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムへの機械的連結部を備えたブラシ付き直流(DC)モータであってもよい。一態様では、モータドライバ492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。他のモータドライバを、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480で使用するために容易に置き換えることができる。絶対位置決めシステムの詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年10月19日公開の米国特許出願公開第2017/0296213号に記載されている。
マイクロコントローラ461は、変位部材及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされてもよい。マイクロコントローラ461は、マイクロコントローラ461のソフトウェア内で応答を計算するように構成されてもよい。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答が得られ、これが実際のフィードバックの判定に用いられる。観測された応答は、シミュレーションによる応答の滑らかで連続的な性質と、測定による応答とのバランスを取る好適な調整された値であり、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
一態様では、モータ482は、モータドライバ492によって制御されてもよく、外科用器具又はツールの発射システムによって使用され得る。様々な形態において、モータ482は、例えば、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。別の構成において、モータ482はブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッピングモータ、又は任意の他の好適な電気モータを含んでよい。モータドライバ492は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を含むHブリッジドライバを備えてもよい。モータ482は、外科用器具又はツールに制御電力を供給するために、ハンドルアセンブリ又はツール筐体に解除可能に装着された電源アセンブリによって給電され得る。電源アセンブリは、外科用器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池セルを含み得る電池を含んでもよい。特定の状況下では、電源アセンブリの電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源アセンブリに連結可能かつ電源アセンブリから分離可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
モータドライバ492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。A3941 492は、特にブラシ付きDCモータなどの誘導負荷を目的として設計された外部Nチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と共に使用するためのフルブリッジコントローラである。ドライバ492は、固有の電荷ポンプレギュレータを備え、これは、完全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に提供し、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を与えるために、ブートストラップコンデンサが用いられてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を用いて高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードにおいて、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、レジスタで調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護される。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を指示するものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータドライバを、絶対位置決めシステムを備えた追跡システム480で使用するために容易に置換することができる。
追跡システム480は、本開示の一態様による位置センサ472を備える制御されたモータ駆動回路構成を備える。絶対位置決めシステム用の位置センサ472は、変位部材の位置に対応する固有の位置信号を提供する。一態様では、変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するための駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。他の態様では、変位部材は、駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る発射部材を表す。更に別の態様では、変位部材は、発射バー又はIビームを表し、それらの各々は、駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る。それに応じて、本明細書で使用されるとき、変位部材という用語は、駆動部材、発射部材、発射バー、Iビーム、又は変位され得る任意の要素など、外科用器具又はツールの任意の移動可能な部材を総称して指すために使用される。一態様では、長手方向に移動可能な駆動部材は、発射部材、発射バー、及びIビームに連結される。したがって、絶対位置決めシステムは、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材の直線変位を追跡することによって、Iビームの直線変位を追跡することができる。様々な他の態様では、変位部材は、直線変位を測定するのに好適な任意の位置センサ472に連結されてもよい。したがって、長手方向移動可能な駆動部材、発射部材、発射バー、若しくはIビーム、又はこれらの組み合わせは、任意の好適な線形変位センサに連結され得る。直線変位センサは、接触式又は非接触式変位センサを含んでよい。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(linear variable differential transformers、LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(differential variable reluctance transducers、DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
電動モータ482は、変位部材上の駆動歯のセット又はラックと噛合係合で装着されるギアアセンブリと動作可能にインターフェースする回転式シャフトを含んでもよい。センサ素子は、位置センサ472素子の1回転が、変位部材のいくらかの直線長手方向並進に対応するように、ギアアセンブリに動作可能に連結されてもよい。ギアリング及びセンサ機構を、ラックピニオン機構によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示することができる。変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するために、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。変位部材は、長手方向に移動可能な発射部材、発射バー、Iビーム、又はこれらの組み合わせを表す。
位置センサ472に関連付けられたセンサ素子の1回転は、変位部材の長手方向直線変位d1に相当し、d1は、変位部材に連結したセンサ素子の1回転した後で、変位部材が点「a」から点「b」まで移動する長手方向の直線距離である。センサ機構は、位置センサ472が変位部材のフルストロークに対して1回以上の回転を完了する結果をもたらすギアの減速を介して接続されてもよい。位置センサ472は、変位部材のフルストロークに対して複数回の回転を完了することができる。
位置センサ472の2回以上の回転に対する固有の位置信号を提供するために、一連のスイッチ(ここでnは1より大きい整数である)が、単独で用いられても、ギアの減速との組み合わせで用いられてもよい。スイッチの状態はマイクロコントローラ461にフィードバックされ、マイクロコントローラ461は論理を適用して、変位部材の長手方向の直線変位d1+d2+...dnに対応する一意の位置信号を判定する。位置センサ472の出力はマイクロコントローラ461に提供される。センサ機構の位置センサ472は、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、又はアナログホール効果素子のアレイを備えてもよい。
位置センサ472は、例えば、磁界の全磁界又はベクトル成分を測定するか否かに基づいて分類される磁気センサなどの、任意の数の磁気感知素子を備えてもよい。両タイプの磁気センサを生産するために用いられる技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含んでいる。磁界の感知に用いられる技術としては、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、磁気光学、及び微小電気機械システムベースの磁気センサが挙げられる。
一態様では、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480の位置センサ472は、磁気回転絶対位置決めシステムを備える。位置センサ472は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ472は、マイクロコントローラ461と連携して絶対位置決めシステムを提供する。位置センサ472は、低電圧低電力の構成要素であり、磁石の上方に位置する位置センサ472の領域に、4つのホール効果素子を含む。更に、高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラがチップ上に設けられている。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法(digit-by-digit method)及びボルダーアルゴリズム(Volder's algorithm)としても知られる、座標回転デジタルコンピュータ(CORDIC)プロセッサが設けられる。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、シリアル周辺インターフェース(SPI)インターフェースなどの標準的なシリアル通信インターフェースを介してマイクロコントローラ461に伝送される。位置センサ472は、12ビット又は14ビットの解像度を提供する。位置センサ472は、小型のQFN16ピン4×4×0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
絶対位置決めシステムを備える追跡システム480は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、かつ/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源が、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のPWMが挙げられる。位置センサ472によって測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサ(複数可)が設けられてもよい。いくつかの態様では、他のセンサ(複数可)としては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2016年5月24日発行の米国特許第9,345,481号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2014年9月18日公開の米国特許出願公開第2014/0263552号、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年6月20日出願の米国特許出願第15/628,175号に記載されているものなどのセンサ機構を挙げることができる。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステムはデジタルデータ取得システムに連結され、ここで絶対位置決めシステムの出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを用いて、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れる。
絶対位置決めシステムは、モータ482が単に前方又は後方に経た工程の数をカウントしてデバイスアクチュエータ、駆動バー、ナイフなどの位置を推定する従来の回転エンコーダで必要となり得るような、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなしに、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供する。
例えば歪みゲージ又は微小歪みゲージなどのセンサ474は、例えば、アンビルに適用される閉鎖力を示すことができる、クランプ動作中にアンビルに及ぼされる歪みの振幅などのエンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成される。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。センサ474の代わりに、又はこれに加えて、例えば、負荷センサなどのセンサ476が、閉鎖駆動システムによってアンビルに印加される閉鎖力を測定することができる。例えば、負荷センサなどのセンサ476は、外科用器具又はツールの発射ストローク中にIビームに印加される発射力を測定することができる。Iビームは、楔形スレッドと係合するように構成されており、楔形スレッドは、ステープルドライバを上向きにカム作用して、ステープルを押し出してアンビルと変形接触させるように構成されている。Iビームはまた、Iビームを発射バーによって遠位に前進させる際に組織を切断するために使用することができる、鋭利な切刃を含む。代替的に、モータ482による電流引き込みを測定するために、電流センサ478を用いることができる。発射部材を前進させるのに必要な力は、例えば、モータ482によって引き込まれる電流に相当し得る。測定された力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。
一形態では、歪みゲージセンサ474を使用して、エンドエフェクタによって組織に加えられる力を測定することができる。治療される組織に対するエンドエフェクタによる力を測定するために、歪みゲージをエンドエフェクタに連結することができる。エンドエフェクタによって把持された組織に印加される力を測定するためのシステムは、例えば、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成された微小歪みゲージなどの歪みゲージセンサ474を備える。一態様では、歪みゲージセンサ474は、クランプ動作中にエンドエフェクタのジョー部材に及ぼされる歪みの振幅又は大きさを測定することができ、これは組織の圧縮を示すことができる。測定された歪みはデジタル信号に変換されて、マイクロコントローラ461のプロセッサ462に提供される。負荷センサ476は、例えば、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織を切断するために、ナイフ要素を操作するのに用いられる力を測定することができる。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために用いることができる。磁界センサの測定値もデジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供され得る。
センサ474、476によってそれぞれ測定される、組織の圧縮、組織の厚さ、及び/又はエンドエフェクタを組織上で閉鎖するのに必要な力の測定値は、発射部材の選択された位置、及び/又は発射部材の速度の対応する値を特性決定するために、マイクロコントローラ461によって使用することができる。一例では、メモリ468は、評価の際にマイクロコントローラ461によって用いることができる技術、等式及び/又はルックアップテーブルを記憶することができる。
外科用器具又はツールの制御システム470はまた、図8〜図11に示されるようにモジュール式通信ハブと通信するための有線又は無線通信回路を備えてもよい。
図37は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された制御回路500を示す。制御回路500は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。制御回路500は、少なくとも1つのメモリ回路504に連結された1つ又は2つ以上のプロセッサ502(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ)を備えるマイクロコントローラを備えることができる。メモリ回路504は、プロセッサ502によって実行されると、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するための機械命令をプロセッサ502に実行させる、機械実行可能命令を記憶する。プロセッサ502は、当該技術分野で既知の多数のシングル又はマルチコアプロセッサのうち任意の1つであってもよい。メモリ回路504は、揮発性及び不揮発性のストレージ媒体を含むことができる。プロセッサ502は、命令処理ユニット506及び演算ユニット508を含んでもよい。命令処理ユニットは、本開示のメモリ回路504から命令を受信するように構成されてもよい。
図38は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された組み合わせ論理回路510を示す。組み合わせ論理回路510は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。組み合わせ論理回路510は、入力514で外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理512によってデータを処理し、出力516を提供するように構成された組み合わせ論理512を含む有限状態機械を含み得る。
図39は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された順序論理回路520を示す。順序論理回路520又は組み合わせ論理522は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。順序論理回路520は有限状態機械を含んでもよい。順序論理回路520は、例えば、組み合わせ論理522、少なくとも1つのメモリ回路524、及びクロック529を含んでもよい。少なくとも1つのメモリ回路524は、有限状態機械の現在の状態を記憶することができる。特定の例では、順序論理回路520は、同期式又は非同期式であってもよい。組み合わせ論理522は、入力526から外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理522によってデータを処理し、出力528を提供するように構成される。他の態様では、回路は、プロセッサ(例えば、図37のプロセッサ502)と、本明細書の様々なプロセスを実装する有限状態機械と、の組み合わせを含んでもよい。他の態様では、有限状態機械は、組み合わせ論理回路(例えば図38の組み合わせ論理回路510)と順序論理回路520の組み合わせを含むことができる。
図40は、様々な機能を実施するために起動され得る複数のモータを備える外科用器具又はツールを示す。特定の例では、第1のモータを起動させて第1の機能を実行することができ、第2のモータを起動させて第2の機能を実行することができ、第3のモータを起動させて第3の機能を実行することができ、第4のモータを起動させて第4の機能を実行することができる、といった具合である。特定の例では、ロボット外科用器具600の複数のモータは個々に起動されて、エンドエフェクタにおいて発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動を生じさせることができる。発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動は、例えばシャフトアセンブリを介してエンドエフェクタに伝達することができる。
特定の例では、外科用器具システム又はツールは発射モータ602を含んでもよい。発射モータ602は、具体的にはIビーム要素を変位させるために、モータ602によって発生した発射運動をエンドエフェクタに伝達するように構成することができる、発射モータ駆動アセンブリ604に動作可能に連結されてもよい。特定の例では、モータ602によって発生する発射運動によって、例えば、ステープルをステープルカートリッジから、エンドエフェクタによって捕捉された組織内へと配備し、かつ/又はIビーム要素の切刃を前進させて、捕捉された組織を切断してもよい。Iビーム要素は、モータ602の方向を逆転させることによって後退させられ得る。
特定の例では、外科用器具又はツールは閉鎖モータ603を含んでもよい。閉鎖モータ603は、具体的には閉鎖管を変位させてアンビルを閉鎖し、アンビルとステープルカートリッジとの間で組織を圧縮するためにモータ603によって生成された閉鎖運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、閉鎖モータ駆動アセンブリ605と動作可能に連結されてもよい。閉鎖運動によって、例えば、エンドエフェクタが開放構成から接近構成へと遷移して組織を捕捉することができる。エンドエフェクタは、モータ603の方向を逆転させることによって開放位置に遷移され得る。
特定の例では、外科用器具又はツールは、例えば、1つ又は2つ以上の関節運動モータ606a、606bを含んでもよい。モータ606a、606bは、モータ606a、606bによって生成された関節運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、対応する関節運動モータ駆動アセンブリ608a、608bに動作可能に連結され得る。特定の例では、関節運動によって、例えば、エンドエフェクタがシャフトに対して関節運動することができる。
上述したように、外科用器具又はツールは、様々な独立した機能を実施するように構成され得る複数のモータを含んでもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、他のモータが停止した状態を維持している間に、独立して又は別個に起動させて、1つ又は2つ以上の機能を実施することができる。例えば、関節運動モータ606a、606bを起動させて、発射モータ602が停止した状態を維持している間に、エンドエフェクタを関節運動させることができる。代替的に、発射モータ602を起動させて、関節運動モータ606が停止している間に、複数のステープルを発射させ、及び/又は刃先を前進させることができる。更に、閉鎖モータ603は、本明細書の以下により詳細に記載されるように、閉鎖管及びIビーム要素を遠位に前進させるために、発射モータ602と同時に起動されてもよい。
特定の例では、外科用器具又はツールは、外科用器具又はツールの複数のモータと共に用いることができる、共通の制御モジュール610を含んでもよい。特定の例では、共通の制御モジュール610は、一度に複数のモータのうちの1つに対応することができる。例えば、共通の制御モジュール610は、ロボット外科用器具の複数のモータ対して個々に連結及び分離が可能であってもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610などの1つ又は2つ以上の共通の制御モジュールを共有してもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610に独立してかつ選択的に係合することができる。特定の例では、共通の制御モジュール610は、外科用器具又はツールの複数のモータのうち一方との連携から、外科用器具又はツールの複数のモータのうちもう一方との連携へと選択的に切り替えることができる。
少なくとも1つの例では、共通の制御モジュール610は、関節運動モータ606a、606bとの動作可能な係合と、発射モータ602又は閉鎖モータ603のいずれかとの動作可能な係合と、の間で選択的に切り替えることができる。少なくとも1つの実施例では、図40に示されるように、スイッチ614は、複数の位置及び/又は状態間を移動又は遷移させることができる。例えば、第1の位置616では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を発射モータ602と電気的に連結してもよく、第2の位置617では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を閉鎖モータ603と電気的に連結してもよく、第3の位置618aでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第1の関節運動モータ606aと電気的に連結してもよく、第4の位置618bでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第2の関節運動モータ606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、同時に、別個の共通の制御モジュール610を、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、スイッチ614は、機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、固体スイッチ、又は任意の好適な切り替え機構であってもよい。
モータ602、603、606a、606bのそれぞれは、モータのシャフト上の出力トルクを測定するためのトルクセンサを備えてもよい。エンドエフェクタ上の力は、ジョーの外側の力センサによって、又はジョーを作動させるモータのトルクセンサなどによって、任意の従来の方法で感知されてもよい。
様々な例では、図40に示されるように、共通の制御モジュール610は、1つ又は2つ以上のHブリッジFETを備え得るモータドライバ626を備えてもよい。モータドライバ626は、例えば、マイクロコントローラ620(「コントローラ」)からの入力に基づいて、電源628から共通の制御モジュール610に連結されたモータへと伝達された電力を変調してもよい。特定の例では、上述したように、例えば、モータが共通の制御モジュール610に連結されている間にマイクロコントローラ620を用いて、モータによって引き込まれる電流を判定することができる。
特定の例では、マイクロコントローラ620は、マイクロプロセッサ622(「プロセッサ」)と、1つ又は2つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体又はメモリユニット624(「メモリ」)と、を含んでもよい。特定の例では、メモリ624は、様々なプログラム命令を記憶することができ、それが実行されると、プロセッサ622に、本明細書に記載される複数の機能及び/又は計算を実施させることができる。特定の例では、メモリユニット624のうちの1つ又は2つ以上が、例えば、プロセッサ622に連結されてもよい。
特定の例では、電源628を用いて、例えばマイクロコントローラ620に電力を供給してもよい。特定の例では、電源628は、例えばリチウムイオン電池などの電池(又は「電池パック」若しくは「パワーパック」)を含んでもよい。特定の例では、電池パックは、外科用器具600に電力を供給するため、ハンドルに解除可能に装着されるように構成されてもよい。直列で接続された多数の電池セルを、電源628として使用してもよい。特定の例では、電源628は、例えば、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
様々な例では、プロセッサ622は、モータドライバ626を制御して、共通の制御モジュール610に連結されたモータの位置、回転方向、及び/又は速度を制御することができる。特定の例では、プロセッサ622は、モータドライバ626に信号伝達して、共通の制御モジュール610に連結されたモータを停止及び/又は無効化することができる。用語「プロセッサ」は、本明細書で使用されるとき、任意の好適なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理デバイス(CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上で統合した他の基本コンピューティングデバイスを含むと理解されるべきである。プロセッサは、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラマブルデバイスである。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作する。
一例では、プロセッサ622は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。特定の例では、マイクロコントローラ620は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも1つの実施例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートで容易に利用可能な特性の中でもとりわけ、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ又は2つ以上のPWMモジュール、1つ又は2つ以上のQEIアナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットADCを含むARM Cortex−M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、モジュール4410と共に使用するのに容易に代用されてもよい。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
特定の例では、メモリ624は、共通の制御モジュール610に連結可能な外科用器具600のモータをそれぞれ制御するためのプログラム命令を含んでもよい。例えば、メモリ624は、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bを制御するためのプログラム命令を含んでもよい。このようなプログラム命令は、プロセッサ622に、外科用器具又はツールのアルゴリズム又は制御プログラムからの入力に従って、発射機能、閉鎖機能、及び関節運動機能を制御させることができる。
特定の例では、例えば、センサ630などの1つ又は2つ以上の機構及び/又はセンサを用いて、特定の設定で使用すべきプログラム命令をプロセッサ622に警告することができる。例えば、センサ630は、エンドエフェクタの発射、閉鎖、及び関節運動に関連するプログラム命令を使用するようにプロセッサ622に警告することができる。特定の例では、センサ630は、例えば、スイッチ614の位置を感知するために用いることができる位置センサを備えてもよい。したがって、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第1の位置616にあることを検出すると、エンドエフェクタのIビームの発射と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第2の位置617にあることを検出すると、アンビルの閉鎖と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第3の位置618a又は第4の位置618bにあることを検出すると、エンドエフェクタの関節運動と関連付けられたプログラム命令を使用することができる。
図41は、本開示の一態様による、本明細書に記載される外科用ツールを操作するように構成されたロボット外科用器具700の概略図である。ロボット外科用器具700は、単一又は複数の関節運動駆動連結部のいずれかを用いて、変位部材の遠位/近位並進、閉鎖管の遠位/近位変位、シャフトの回転、及び関節運動を制御するようにプログラム又は構成されてもよい。一態様では、外科用器具700は、発射部材、閉鎖部材、シャフト部材、又は1つ若しくは2つ以上の関節運動部材を個別に制御するようにプログラム又は構成されてもよい。外科用器具700は、モータ駆動式の発射部材、閉鎖部材、シャフト部材、又は1つ若しくは2つ以上の関節運動部材を制御するように構成された制御回路710を備える。
一態様では、ロボット外科用器具700は、複数のモータ704a〜704eを介して、エンドエフェクタ702のアンビル716及びIビーム714(鋭い切刃を含む)部分、取り外し可能なステープルカートリッジ718、シャフト740、並びに1つ又は2つ以上の関節運動部材742a、742bを制御するように構成された制御回路710を備える。位置センサ734は、Iビーム714の位置フィードバックを制御回路710に提供するように構成されてもよい。他のセンサ738は、制御回路710にフィードバックを提供するように構成されてもよい。タイマ/カウンタ731は、制御回路710にタイミング及びカウント情報を提供する。モータ704a〜704eを動作させるためにエネルギー源712が設けられてもよく、電流センサ736はモータ電流フィードバックを制御回路710に提供する。モータ704a〜704eは、開ループ又は閉ループフィードバック制御において制御回路710によって個別に操作することができる。
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに1つ又は2つ以上のタスクを実施させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマ/カウンタ731は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路710に提供して位置センサ734によって判定されたIビーム714の位置をタイマ/カウンタ731の出力と相関させ、その結果、制御回路710は、Iビーム714が開始位置に対して特定の位置にあるときの、開始位置又は時間(t)に対する特定の時間(t)におけるIビーム714の位置を判定することができる。タイマ/カウンタ731は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上の組織状態に基づいてエンドエフェクタ702の機能を制御するようにプログラムされてもよい。制御回路710は、本明細書に記載されるように、直接的又は間接的のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされてもよい。制御回路710は、組織状態に基づいて発射制御プログラム又は閉鎖制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより低速で、かつ/又はより低電力で並進させるようにプログラムされてもよい。より薄い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより高速で、かつ/又はより高電力で並進させるようにプログラムされてもよい。閉鎖制御プログラムは、アンビル716によって組織に印加される閉鎖力を制御し得る。他の制御プログラムは、シャフト740及び関節運動部材742a、742bの回転を制御する。
一態様では、制御回路710は、モータ設定点信号を発生させることができる。モータ設定値信号は、様々なモータコントローラ708a〜708eに提供されてもよい。モータコントローラ708a〜708eは、本明細書で説明するように、モータ704a〜704eにモータ駆動信号を提供してモータ704a〜704eを駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ704a〜704eはブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ704a〜704eの速度は、それぞれのモータ駆動信号に比例してもよい。いくつかの実施例では、モータ704a〜704eはブラシレスDC電動モータであってもよく、それぞれのモータ駆動信号は、モータ704a〜704eの1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ708a〜708eは省略されてもよく、制御回路710がモータ駆動信号を直接生成してもよい。
一態様では、制御回路710は、最初に、モータ704a〜704eのそれぞれを、変位部材のストロークの第1の開ループ部分では開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間のロボット外科用器具700の応答に基づいて、制御回路710は、閉ループ構成の発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ704a〜704eのうちの1つに提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などが挙げられ得る。開ループ部分の後で、制御回路710は、変位部材ストロークの第2の部分に対して選択された発射制御プログラムを実施してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路710は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ704a〜704eのうちの1つを閉ループ式に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。
一態様では、モータ704a〜704eは、エネルギー源712から電力を受け取ることができる。エネルギー源712は、主交流電源、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源によって駆動されるDC電源であってもよい。モータ704a〜704eは、それぞれの伝達装置706a〜706eを介して、Iビーム714、アンビル716、シャフト740、関節運動742a、及び関節運動742bなどの個々の移動可能な機械的要素に機械的に連結されてもよい。伝達装置706a〜706eは、モータ704a〜704eを可動機械的要素に連結するための1つ又は2つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ734は、Iビーム714の位置を感知し得る。位置センサ734は、Iビーム714の位置を示す位置データを発生させることができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの実施例では、位置センサ734は、Iビーム714が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路710に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路710は、パルスを追跡してIビーム714の位置を判定してもよい。例えば、近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム714の運動を示す他の信号を提供することができる。また、いくつかの実施例では、位置センサ734は省略されてもよい。モータ704a〜704eのいずれかがステッパモータである場合、制御回路710は、モータ704が実行するように指示された工程の数及び方向を合計することによって、Iビーム714の位置を追跡することができる。位置センサ734は、エンドエフェクタ702内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。モータ704a〜704eのそれぞれの出力は、力を感知するためのトルクセンサ744a〜744eを含み、駆動シャフトの回転を感知するエンコーダを有する。
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702のIビーム714部分などの発射部材を駆動するように構成されている。制御回路710はモータ制御部708aにモータ設定値を提供し、モータ制御部708aはモータ704aに駆動信号を提供する。モータ704aの出力シャフトは、トルクセンサ744aに連結される。トルクセンサ744aは、Iビーム714に連結された伝達装置706aに連結される。伝達装置706aは、エンドエフェクタ702の長手方向軸線に沿って遠位及び近位へのIビーム714の移動を制御するための回転要素及び発射部材などの移動可能な機械的要素を備える。一態様では、モータ704aは、第1のナイフ駆動ギア及び第2のナイフ駆動ギアを含むナイフギア減速セットを含むナイフギアアセンブリに連結されてもよい。トルクセンサ744aは、制御回路710に発射力フィードバック信号を提供する。発射力信号は、Iビーム714を発射又は変位させるために必要な力を表す。位置センサ734は、発射ストロークに沿ったIビーム714の位置又は発射部材の位置を、フィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。エンドエフェクタ702は、制御回路710にフィードバック信号を提供するように構成された追加のセンサ738を含んでもよい。使用準備が整ったら、制御回路710は、モータ制御部708aに発射信号を提供することができる。発射信号に応答して、モータ704aは、発射部材をエンドエフェクタ702の長手方向軸線に沿って、近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位方向に駆動することができる。発射部材が遠位に並進すると、遠位端に位置付けられた切断要素を備えるIビーム714は、遠位に前進して、ステープルカートリッジ718とアンビル716との間に位置する組織を切断する。
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702のアンビル716部分などの閉鎖部材を駆動するように構成されている。制御回路710は、モータ704bに駆動信号を提供するモータ制御部708bにモータ設定点を提供する。モータ704bの出力シャフトは、トルクセンサ744bに連結される。トルクセンサ744bは、アンビル716に連結された伝達装置706bに連結される。伝達装置706bは、開放位置及び閉鎖位置からのアンビル716の移動を制御するための回転要素及び閉鎖部材などの移動可能な機械的要素を含む。一態様では、モータ704bは、閉鎖スパーギアと噛合係合して支持される閉鎖減速ギアセットを含む閉鎖ギアアセンブリに連結される。トルクセンサ744bは、制御回路710に閉鎖力フィードバック信号を提供する。閉鎖力フィードバック信号は、アンビル716に印加される閉鎖力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。エンドエフェクタ702内の追加のセンサ738は、閉鎖力フィードバック信号を制御回路710に提供することができる。枢動可能なアンビル716は、ステープルカートリッジ718の反対側に位置付けられる。使用準備が整うと、制御回路710は、モータ制御部708bに閉鎖信号を提供することができる。閉鎖信号に応答して、モータ704bは、閉鎖部材を前進させて、アンビル716とステープルカートリッジ718との間で組織を把持する。
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を回転させるためにシャフト740などのシャフト部材を回転させるように構成されている。制御回路710は、モータ704cに駆動信号を提供するモータ制御部708cにモータ設定点を提供する。モータ704cの出力シャフトは、トルクセンサ744cに連結される。トルクセンサ744cは、シャフト740に連結された伝達装置706cに連結される。伝達装置706cは、シャフト740の時計回り又は反時計回りの回転を360度まで及びそれを超えて制御するために回転要素などの移動可能な機械的要素を備える。一態様では、モータ704cは、ツール装着プレート上に動作可能に支持された回転ギアアセンブリによって動作可能に係合されるように、近位閉鎖管の近位端上に形成された(又はこれに取り付けられた)管状ギアセグメントを含む回転伝達装置アセンブリに連結される。トルクセンサ744cは、制御回路710に回転力フィードバック信号を提供する。回転力フィードバック信号は、シャフト740に印加される回転力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。シャフトエンコーダなどの追加のセンサ738が、シャフト740の回転位置を制御回路710に提供してもよい。
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を関節運動させるように構成されている。制御回路710は、モータ704dに駆動信号を提供するモータ制御部708dにモータ設定点を提供する。モータ704dの出力シャフトは、トルクセンサ744dに連結される。トルクセンサ744dは、関節運動部材742aに連結された伝達装置706dに連結される。伝達装置706dは、エンドエフェクタ702の±65°の関節運動を制御するための関節運動要素などの移動可能な機械的要素を備える。一態様では、モータ704dは、関節運動ナットに連結され、関節運動ナットは、遠位スパイン部分の近位端部分上で回転可能に軸支され、遠位スパイン部分の近位端部分上で関節運動ギアアセンブリによって回転可能に駆動される。トルクセンサ744dは、制御回路710に関節運動力フィードバック信号を提供する。関節運動力フィードバック信号は、エンドエフェクタ702に適用される関節運動力を表す。関節運動エンコーダなどのセンサ738は、エンドエフェクタ702の関節運動位置を制御回路710に提供してもよい。
別の態様では、ロボット外科用システム700の関節運動機能は、2つの関節運動部材、又は連結部742a、742bを含んでもよい。これらの関節運動部材742a、742bは、2つのモータ708d、708eによって駆動されるロボットインターフェース(ラック)上の個別のディスクによって駆動される。個別の発射モータ704aが提供されると、ヘッドが運動していないときにヘッドに抵抗保持運動及び負荷を提供するために、かつヘッドが関節運動しているときに関節運動を提供するために、関節運動連結部742a、742bのそれぞれは他の連結部に対して拮抗的に駆動され得る。関節運動部材742a、742bは、ヘッドが回転するときに固定された半径でヘッドに取り付けられる。したがって、ヘッドが回転すると、プッシュプル連結部の機械効率は変化する。この機械効率の変化は、他の関節運動連結部の駆動システムでより顕著であり得る。
一態様では、1つ又は2つ以上のモータ704a〜704eは、ギアボックス、及び発射部材、閉鎖部材、又は関節運動部材への機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータを備えてもよい。別の例としては、変位部材、関節運動連結部、閉鎖管、及びシャフトなどの可動機械的要素を動作させる電動モータ704a〜704eが挙げられる。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電動モータ704a〜704eの1つに反して作用する障害(drag)と呼ばれることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
一態様では、位置センサ734は、絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。一態様では、位置センサ734は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備えてもよい。位置センサ734は、制御回路710と連係して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられた、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに連結された、複数のホール効果素子を含み得る。
一態様では、制御回路710は、1つ又は2つ以上のセンサ738と通信してもよい。センサ738は、エンドエフェクタ702上に位置付けられ、ロボット外科用器具700と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ738は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、ロードセル、圧力センサ、力センサ、トルクセンサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ702の1つ又は2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ738は、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。センサ738は、セグメント化された電極を使用して組織の位置を判定するために、ステープルカートリッジ718のデッキ上に位置していてもよい。トルクセンサ744a〜744eは、とりわけ、発射力、閉鎖力、及び/又は関節運動力などの力を感知するように構成されてもよい。したがって、制御回路710は、(1)遠位閉鎖管によって経験される閉鎖負荷及びその位置、(2)ラックにある発射部材及びその位置、(3)ステープルカートリッジ718のどの部分がその上に組織を有しているか、及び(4)両方の関節運動ロッド上の負荷及び位置を感知することができる。
一態様では、1つ又は2つ以上のセンサ738は、把持状態の間のアンビル716における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ738は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間で圧縮された組織の存在によって発生した圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ738は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
一態様では、センサ738は、とりわけ、1つ又は2つ以上のリミットスイッチ、電気機械デバイス、固体スイッチ、ホール効果デバイス、磁気抵抗(MR)デバイス、巨大磁気抵抗(GMR)デバイス、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチとして実装されてもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体デバイスであってもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、及び慣性センサを含んでもよい。
一態様では、センサ738は、閉鎖駆動システムによってアンビル716に及ぼされる力を測定するように構成され得る。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ738は、閉鎖管によってアンビル716に印加される閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル716との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル716に対して及ぼされる力は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ738を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に位置付けて、閉鎖駆動システムによりアンビル716に印加される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ738は、制御回路710のプロセッサによるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路710は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル716に印加される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
一態様では、電流センサ736を用いて、モータ704a〜704eのそれぞれによって引き込まれる電流を測定することができる。Iビーム714などの移動可能な機械的要素のいずれかを前進させるのに必要な力は、モータ704a〜704eのうちの1つによって引き込まれる電流に対応する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路710に提供される。制御回路710は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成され得る。変位部材を作動させて、エンドエフェクタ702内のIビーム714を目標速度又はその付近で移動させることができる。ロボット外科用器具700は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、線形二次(LQR)、及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。ロボット外科用器具700は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク、及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月29日出願の「CLOSED LOOP VELOCITY CONTROL TECHNIQUES FOR ROBOTIC SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/636,829号に開示されている。
図42は、本開示の一態様による、変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた外科用器具750のブロック図を示す。一態様では、外科用器具750は、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具750は、アンビル766、Iビーム764(鋭い切断縁部を含む)、及び取り外し可能なステープルカートリッジ768を備え得るエンドエフェクタ752を備える。
Iビーム764などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ機構、及び位置センサ784によって測定することができる。Iビーム764が長手方向に移動可能な駆動部材に連結されているため、Iビーム764の位置は、位置センサ784を用いる長手方向に移動可能な駆動部材の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、Iビーム764の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書に記載される位置センサ784によって達成され得る。制御回路760は、Iビーム764などの変位部材の並進を制御するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施例では、制御回路760は、1つ若しくは2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに、記載される方法で変位部材、例えばIビーム764を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマ/カウンタ781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路760に提供して、位置センサ784によって判定されたIビーム764の位置をタイマ/カウンタ781の出力と相関させ、その結果、制御回路760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム764の位置を判定することができる。タイマ/カウンタ781は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
制御回路760は、モータ設定値信号772を発生させてもよい。モータ設定値信号772は、モータコントローラ758に提供されてもよい。モータコントローラ758は、本明細書に記載されるように、モータ754にモータ駆動信号774を提供してモータ754を駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ754は、ブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ754の速度は、モータ駆動信号774に比例してもよい。いくつかの例では、モータ754はブラシレスDC電動モータであってもよく、モータ駆動信号774は、モータ754の1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ758は省略されてもよく、制御回路760がモータ駆動信号774を直接生成してもよい。
モータ754は、エネルギー源762から電力を受信することができる。エネルギー源762は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。モータ754は、伝達装置756を介してIビーム764に機械的に連結され得る。伝達装置756は、モータ754をIビーム764に連結するための1つ若しくは2つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ784は、Iビーム764の位置を感知し得る。位置センサ784は、Iビーム764の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの実施例では、位置センサ784は、Iビーム764が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路760に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路760は、パルスを追跡してIビーム764の位置を判定してもよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム764の運動を示す他の信号を提供することができる。また、いくつかの実施例では、位置センサ784は省略されてもよい。モータ754がステッパモータである場合、制御回路760は、モータ754が実行するように指示された工程の数及び方向を合計することによって、Iビーム764の位置を追跡することができる。位置センサ784は、エンドエフェクタ752内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。
制御回路760は、1つ又は2つ以上のセンサ788と通信することができる。センサ788は、エンドエフェクタ752上に位置付けられ、外科用器具750と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合され得る。センサ788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ752の1つ若しくは2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備え得る。センサ788は、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。
1つ又は2つ以上のセンサ788は、クランプ状態の間のアンビル766における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間で圧縮された組織の存在によって発生した圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
センサ788は、閉鎖駆動システムによりにより、アンビル766上に及ぼされる力を測定するように構成されてよい。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ788は、閉鎖管によってアンビル766に印加される閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル766との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル766に対して及ぼされる力は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ788を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に位置付けて、閉鎖駆動システムによりアンビル766に印加される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ788は、制御回路760のプロセッサによるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル766に印加される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
モータ754によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ786を用いることができる。Iビーム764を前進させるのに必要な力は、モータ754によって引き込まれる電流に相当する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路760に提供される。
制御回路760は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成され得る。変位部材を作動させて、エンドエフェクタ752内のIビーム764を目標速度又はその付近で移動させることができる。外科用器具750は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、LQR、及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。外科用器具750は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク、及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。
外科用器具750の実際の駆動システムは、ギアボックス、並びに関節運動及び/又はナイフシステムへの機械的リンクを備えるブラシ付きDCモータによって、変位部材、切断部材、又はIビーム764を駆動するように構成されている。別の例は、相互交換可能なシャフトアセンブリの、例えば変位部材及び関節運動ドライバを動作させる電気モータ754である。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電気モータ754に反して機能する障害と呼ばれることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
様々な例示的な態様は、モータ駆動の外科用ステープル留め及び切断器具を有するエンドエフェクタ752を備える外科用器具750を対象とする。例えば、モータ754は、エンドエフェクタ752の長手方向軸線に沿って遠位及び近位に変位部材を駆動してもよい。エンドエフェクタ752は、枢動可能なアンビル766と、使用のために構成される場合は、アンビル766の反対側に位置付けられたステープルカートリッジ768とを備えてもよい。臨床医は、本明細書に記載されるように、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に組織を把持してもよい。器具750を使用する準備が整った場合、臨床医は、例えば器具750のトリガを押すことによって発射信号を提供してもよい。発射信号に応答して、モータ754は、変位部材をエンドエフェクタ752の長手方向軸線に沿って、近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位に駆動することができる。変位部材が遠位に並進するにつれて、遠位端に位置付けられた切断要素を有するIビーム764は、ステープルカートリッジ768とアンビル766との間の組織を切断することができる。
様々な実施例で、外科用器具750は、1つ又は2つ以上の組織状態に基づいて、例えば、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた制御回路760を備えてもよい。制御回路760は、本明細書に記載されるように、直接的又は間接的のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされてもよい。制御回路760は、組織状態に基づいて発射制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより低速で、かつ/又はより低電力で並進させるようにプログラムされてもよい。より薄い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより高速で、かつ/又はより高電力で並進させるようにプログラムされてもよい。
いつくかの実施例では、制御回路760は、最初に、モータ754を、変位部材のストロークの第1の開ループ部分に対する開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間の器具750の応答に基づいて、制御回路760は、発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ754に提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などが挙げられ得る。開ループ部分の後、制御回路760は、変位部材ストロークの第2の部分に対して、選択された発射制御プログラムを実施してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路760は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ754を閉ループ式に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月29日出願の「SYSTEM AND METHODS FOR CONTROLLING A DISPLAY OF A SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/720,852号に開示されている。
図43は、本開示の一態様による、様々な機能を制御するように構成された外科用器具790の概略図である。一態様では、外科用器具790は、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具790は、アンビル766と、Iビーム764と、RFカートリッジ796(破線で示す)と交換することができる着脱可能なステープルカートリッジ768と、を備え得るエンドエフェクタ792を備える。
一態様では、センサ788は、とりわけ、リミットスイッチ、電気機械デバイス、固体スイッチ、ホール効果デバイス、MRデバイス、GMRデバイス、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ638は、とりわけ光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体デバイスであってもよい。他の実装形態では、センサ788は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、及び慣性センサを含んでもよい。
一態様では、位置センサ784は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備える絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。位置センサ784は、制御回路760と連係して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられた、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに連結された、複数のホール効果素子を含み得る。
一態様では、Iビーム764は、上に組織切断刃を動作可能に支持するナイフ本体を備えるナイフ部材として実装されてもよく、アンビル係合タブ又は特徴部及びチャネル係合特徴部又は足部を更に含んでよい。一態様では、ステープルカートリッジ768は、標準的な(機械式)外科用締結具カートリッジとして実装されてもよい。一態様では、RFカートリッジ796は、RFカートリッジとして実装されてもよい。これら、及び他のセンサ機構は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年6月20日出願の同一出願の米国特許出願第15/628,175号に記載されている。
Iビーム764などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ機構、及び位置センサ784として表される位置センサにより、測定可能である。Iビーム764が長手方向に移動可能な駆動部材に連結されているため、Iビーム764の位置は、位置センサ784を用いる長手方向に移動可能な駆動部材の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、Iビーム764の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書に記載される位置センサ784によって達成され得る。制御回路760は、本明細書に記載されるように、閉鎖部材764などの変位部材の並進を制御するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施例では、制御回路760は、1つ若しくは2つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに、記載される方法で変位部材、例えばIビーム764を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマ/カウンタ781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路760に提供して、位置センサ784によって判定されたIビーム764の位置をタイマ/カウンタ781の出力と相関させ、その結果、制御回路760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム764の位置を判定することができる。タイマ/カウンタ781は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
制御回路760は、モータ設定値信号772を生成してもよい。モータ設定値信号772は、モータコントローラ758に提供されてもよい。モータコントローラ758は、本明細書に記載するように、モータ754にモータ駆動信号774を提供してモータ754を駆動するように構成された1つ又は2つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ754は、ブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ754の速度は、モータ駆動信号774に比例してもよい。いくつかの例では、モータ754はブラシレスDC電動モータであってもよく、モータ駆動信号774は、モータ754の1つ又は2つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ758は省略されてもよく、制御回路760がモータ駆動信号774を直接生成してもよい。
モータ754は、エネルギー源762から電力を受信することができる。エネルギー源762は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。モータ754は、伝達装置756を介してIビーム764に機械的に連結され得る。伝達装置756は、モータ754をIビーム764に連結するための1つ若しくは2つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ784は、Iビーム764の位置を感知し得る。位置センサ784は、Iビーム764の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの実施例では、位置センサ784は、Iビーム764が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路760に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路760は、パルスを追跡してIビーム764の位置を判定してもよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム764の運動を示す他の信号を提供することができる。また、いくつかの実施例では、位置センサ784は省略されてもよい。モータ754がステッパモータである場合、制御回路760は、モータが実行するように指示された工程の数及び方向を合計することによって、Iビーム764の位置を追跡することができる。位置センサ784は、エンドエフェクタ792内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。
制御回路760は、1つ又は2つ以上のセンサ788と通信することができる。センサ788は、エンドエフェクタ792上に位置付けられ、外科用器具790と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合され得る。センサ788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ792の1つ若しくは2つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備え得る。センサ788は、1つ又は2つ以上のセンサを含み得る。
1つ又は2つ以上のセンサ788は、クランプ状態の間のアンビル766における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間で圧縮された組織の存在によって発生した圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
センサ788は、閉鎖駆動システムにより、アンビル766上に及ぼされる力を測定するように構成されてよい。例えば、1つ又は2つ以上のセンサ788は、閉鎖管によってアンビル766に印加される閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル766との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル766に対して及ぼされる力は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ又は2つ以上のセンサ788を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に位置付けて、閉鎖駆動システムによりアンビル766に印加される閉鎖力を検出することができる。1つ又は2つ以上のセンサ788は、制御回路760のプロセッサ部分によるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、クランプアーム766に印加される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
モータ754によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ786を用いることができる。Iビーム764を前進させるのに必要な力は、モータ754によって引き込まれる電流に相当する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路760に提供される。
RFエネルギー源794はエンドエフェクタ792に連結され、RFカートリッジ796が、ステープルカートリッジ768の代わりにエンドエフェクタ792にロードされるときに、RFカートリッジ796に適用される。制御回路760は、RFエネルギーのRFカートリッジ796への送達を制御する。
更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月28日出願の「SURGICAL SYSTEM COUPLABLE WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND METHOD OF USING SAME」と題する米国特許出願第15/636,096号に開示されている。
発生器ハードウェア
図44は、他の利点の中でも、インダクタの同調を提供するように構成された発生器800の簡略ブロック図である。発生器800の追加の詳細は、その開示がその全体が参考として本明細書に組み込まれる、「SURGICAL GENERATOR FOR ULTRASONIC AND ELECTROSURGICAL DEVICES」と題する2015年6月23日出願の米国特許第9,060,775号に記載されている。発生器800は、電力変圧器806を介して非絶縁段階804と通信する患者絶縁段階802を備えてもよい。電力変圧器806の二次巻線808は、絶縁段階802内に収容され、例えば、超音波外科用器具、RF電気外科用器具、並びに単独又は同時に送達可能な超音波及びRFエネルギーモードを含む多機能外科用器具などの異なる外科用器具に駆動信号を送達するために駆動信号出力部810a、810b、810Cを画定するためのタップ構成(例えば、センタタップ又は非センタタップ構成)を備え得る。具体的には、駆動信号出力部810a、810Cは、超音波駆動信号(例えば、420Vの二乗平均根(root−mean−square、RMS)駆動信号)を超音波外科用器具に出力してもよく、駆動信号出力部810b、810Cは、電力変圧器806のセンタタップに対応する駆動出力部810bにより、RF電気外科用駆動信号(例えば、100VのRMS駆動信号)をRF電気外科用器具に出力してもよい。
特定の形態では、超音波及び電気外科用の駆動信号は、別個の外科用器具に、及び/又は超音波エネルギー及び電気外科用エネルギーの両方を組織に送達する能力を有する多機能外科用器具などの単一の外科用器具に、同時に提供されてもよい。専用の電気外科用器具及び/又は複合多機能超音波/電気外科用器具のどちらかへと提供される電気外科用信号は、治療用又は治療量以下のレベルの信号のどちらかであり、治療量以下の信号は、例えば、組織又は器具状態をモニタリングして、発生器へとフィードバックを提供することに使用され得る、と理解されよう。例えば、超音波及びRF信号は、以下でより詳細に論じられるように、所望の出力信号を外科用器具に提供するために、単一の出力ポートを有する発生器から別個に又は同時に送達され得る。したがって、発生器は、超音波エネルギー及び電気外科用RFエネルギーを組み合わせて、複合エネルギーを多機能超音波/電気外科用器具に送達することができる。双極電極は、エンドエフェクタの一方又は両方のジョーの上に配置することができる。一方のジョーは、同時に働く、電気外科用RFエネルギーに加えて超音波エネルギーによって駆動されてもよい。超音波エネルギーが組織を切開するために用いられてもよい一方で、電気外科用RFエネルギーは、血管封止に用いられてもよい。
非絶縁段階804は、電力変圧器806の一次巻線814に接続された出力部を有する電力増幅器812を備えてもよい。ある特定の形態では、電力増幅器812は、プッシュプル増幅器を備えてもよい。例えば、非絶縁段階804は、対応するアナログ信号を電力増幅器812の入力に続いて供給するデジタル−アナログ変換器(digital-to-analog converter、DAC)回路818に、デジタル出力を供給するための論理デバイス816を更に備えてもよい。特定の形態では、論理デバイス816は、数ある論理回路の中で、例えば、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、FPGA、プログラマブル論理デバイス(PLD)を備えてもよい。したがって、論理デバイス816は、DAC回路818を介して電力増幅器812の入力を制御することにより、駆動信号出力部810a、810b、810Cで出現する駆動信号の多くのパラメータ(例えば、周波数、波形、波形振幅)のうちのいずれかを、制御することができる。特定の形態では、また以下で説明されるように、論理デバイス816、プロセッサ(例えば、以下で説明されるDSP)と共に、多くのDSPベースの及び/又は他の制御アルゴリズムを実施して、発生器800によって出力される駆動信号のパラメータを制御することができる。
電力は、スイッチモードレギュレータ820、例えば電力変換器によって、電力増幅器812の電力レールに供給され得る。ある特定の形態では、スイッチモードレギュレータ820は、例えば、調整可能なバックレギュレータを備えてもよい。非絶縁段階804は、第1のプロセッサ822を更に備えてもよく、この第1のプロセッサは、一形態では、例えば、Analog Devices(Norwood,MA)から入手可能なAnalog Devices ADSP−21469 SHARC DSPなどのDSPプロセッサを備えてもよいが、様々な形態において、任意の好適なプロセッサが用いられてもよい。特定の形態では、DSPプロセッサ822は、電力増幅器812からDSPプロセッサ822がADC回路824を介して受信する、電圧フィードバックデータに応答するスイッチ−モードレギュレータ820の動作を制御し得る。一形態では、例えば、DSPプロセッサ822は、電力増幅器812によって増幅された信号(例えば、RF信号)の波形エンベロープを、ADC回路824を介して入力として受信し得る。次いで、DSPプロセッサ822は、電力増幅器812に供給されるレール電圧が、増幅された信号の波形エンベロープを追跡するように、スイッチ−モードレギュレータ820(例えば、PWM出力)を制御し得る。波形エンベロープに基づいて、電力増幅器812のレール電圧を動的に変調することにより、電力増幅器812の効率は、固定レール電圧増幅器スキームに対して顕著に改善され得る。
特定の形態では、論理デバイス816は、DSPプロセッサ822と共に、直接デジタルシンセサイザ制御スキームなどのデジタル合成回路を実装して、発生器800によって出力される駆動信号の波形形状、周波数及び/又は振幅を制御してもよい。一形態では、例えば、論理デバイス816は、FPGA内に埋め込まれてもよいRAM LUTなどの、動的に更新されるルックアップテーブル(LUT)内に記憶された波形サンプルを呼び出すことによって、DDS制御アルゴリズムを実装してもよい。この制御アルゴリズムは、超音波変換器などの超音波変換器が、その共振周波数における明瞭な正弦波電流によって駆動され得る超音波用途で特に有用である。他の周波数が寄生共振を励起し得るため、動作分岐電流の全歪みの最小化又は低減は、これに対応して望ましくない共振効果を最小化又は低減することができる。発生器800よって出力される駆動信号の波形は、出力駆動回路内に存在する様々な歪み源(例えば、電力変圧器806、電力増幅器812)によって影響されるため、駆動信号に基づく電圧及び電流フィードバックデータは、DSPプロセッサ822によって実行されるエラー制御アルゴリズムなどのアルゴリズムに入力されることができ、これは動的な、進行に応じたベース(例えば、リアルタイム)で、LUTに記憶された波形サンプルを好適に事前に歪ませる又は修正することによって、歪みを補償する。一形態では、LUTサンプルに加えられる予歪みの量又は程度は、計算された動作分岐電流と所望の電流波形との間の誤差に基づいてもよく、誤差は、サンプルごとに決定される。このようにして、予め歪ませたLUTサンプルは、駆動回路により処理される場合、超音波変換器を最適に駆動するために、所望の波形形状(例えば、正弦波)を有する動作ブランチ駆動信号を生じ得る。そのような形態では、LUT波形サンプルは、したがって、駆動信号の所望の波形を表すのではなく、歪み効果を考慮した際の、動作分岐駆動信号の所望の波形を最終的に生成するために必要な波形を表す。
非絶縁段階804は、発生器800によって出力される駆動信号の電圧及び電流をそれぞれサンプリングするために、それぞれの絶縁変圧器830、832を介して電力変圧器806の出力部に連結された第1のADC回路826及び第2のADC回路828を更に備え得る。特定の形態では、ADC回路826、828は、駆動信号のオーバーサンプリングを可能にするために、高速(例えば、毎秒80メガサンプル(MSPS))でサンプリングするように構成され得る。一形態では、例えば、ADC回路826、828のサンプリング速度は、駆動信号のおよそ200x(周波数による)のオーバーサンプリングを可能にし得る。特定の形態では、ADC回路826、828のサンプリング動作は、双方向マルチプレクサを介し、入力電圧及び電流信号を受信する単一のADC回路によって実施され得る。発生器800の形態での高速サンプリングの使用は、とりわけ、動作ブランチを通って流れる複素電流の計算(これは、上述のDDSベースの波形形状制御を実施するために、特定の形態で使用され得る)、サンプリングされた信号の正確なデジタルフィルタリング、及び高精度での実電力消費の計算を可能にし得る。ADC回路826、828によって出力される電圧及び電流フィードバックデータは、論理デバイス816によって受信かつ処理され得(例えば、先着順処理方式(FIFO)バッファ、マルチプレクサなど)、例えば、DSPプロセッサ822による、以後の読み出しのために、データメモリに格納されてもよい。上記のように、電圧及び電流のフィードバックデータは、動的及び進行に応じたベースで、LUT波形サンプルを予め歪ませるか又は修正するための、アルゴリズムへの入力として使用され得る。特定の形態では、これは、電圧及び電流のフィードバックデータ対が得られる場合に、論理デバイス816によって出力された対応するLUTサンプルに基づき、又は別の方法でこれに関連して、記憶された各電圧及び電流のフィードバックデータ対が索引されることを必要とし得る。この方法によるLUTサンプルと電圧及び電流のフィードバックデータとの同期は、予歪みアルゴリズムの正確なタイミング及び安定性に寄与する。
特定の形態では、電圧及び電流のフィードバックデータは、駆動信号の周波数及び/又は振幅(例えば、電流振幅)を制御するために使用されてもよい。例えば、一形態では、電圧及び電流のフィードバックデータは、インピーダンス相を決定するために使用されてもよい。続いて、駆動信号の周波数を制御して、判定されたインピーダンス位相とインピーダンス位相設定値(例えば、0°)との間の差を最小化又は低減し、それによって高調波歪みの影響を最小化又は低減し、それに対応してインピーダンス位相の測定精度を向上させることができる。相インピーダンス及び周波数制御信号の決定は、例えば、DSPプロセッサ822に実装されてもよく、周波数制御信号は、論理デバイス816によって実装されるDDS制御アルゴリズムへの入力として供給される。
別の形態では、例えば、電流のフィードバックデータは、駆動信号の電流振幅を電流振幅設定点で維持するために監視されてもよい。電流振幅設定値は、直接指定されてもよく、又は指定された電圧振幅及び電力設定値に基づいて間接的に判定されてもよい。特定の形態では、電流振幅の制御は、例えば、DSPプロセッサ822内の比例−積分−微分(PID)制御アルゴリズムといった、制御アルゴリズムによって実行され得る。駆動信号の電流振幅を好適に制御するために、制御アルゴリズムにより制御される変数には、例えば、論理デバイス816に記憶されるLUT波形サンプルのスケーリング、及び/又はDAC回路834を介したDAC回路818(これは電力増幅器812に入力を供給する)のフルスケール出力電圧が挙げられ得る。
非絶縁段階804は、とりわけユーザインターフェース(UI)機能性を提供するために、第2のプロセッサ836を更に含んでもよい。一形態では、UIプロセッサ836は、例えば、Atmel Corporation(San Jose,California)から入手可能な、ARM 926EJ−Sコアを有するAtmel AT91SAM9263プロセッサを含んでもよい。プロセッサ836によってサポートされるUI機能の例としては、聴覚的及び視覚的なユーザフィードバック、周辺デバイスとの通信(例えば、USBインターフェースを介して)、フットスイッチとの通信、入力デバイス(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)との通信、並びに出力デバイス(例えば、スピーカ)との通信を挙げることができる。UIプロセッサ836は、DSPプロセッサ822及び論理デバイス816(例えば、SPIバス)と通信し得る。UIプロセッサ836は、UI機能性を主にサポートしてもよいが、特定の形態では、UIプロセッサ836はまた、DSPプロセッサ822と協調して、危険の緩和を実現してもよい。例えば、UIプロセッサ836は、ユーザ入力及び/又は他の入力(例えば、タッチスクリーン入力、フットスイッチ入力、温度サンサ入力)の様々な態様を監視するようにプログラムされてもよく、かつ誤った状態が検出される際に、発生器800の駆動出力を無効化することができる。
特定の形態では、DSPプロセッサ822及びUIプロセッサ836の両方は、例えば、発生器800の動作状態を判定かつ監視してもよい。DSPプロセッサ822に関し、発生器800の動作状態は、例えば、どの制御及び/又は診断プロセスがDSPプロセッサ822によって実装されるかを表してもよい。UIプロセッサ836に関し、発生器800の動作状態は、例えば、UI(例えば、ディスプレイスクリーン、音)のどの要素がユーザに提供されるかを表し得る。DSPプロセッサ822及びUIプロセッサ836はそれぞれ、発生器800の現在の動作状態を別個に維持し、現在の動作状態からの可能な遷移を、認識かつ評価してもよい。DSPプロセッサ822は、この関係におけるマスタとして機能し、動作状態間の遷移が生じるときを判定してもよい。UIプロセッサ836は、動作状態間の有効な遷移を認識してもよく、また特定の遷移が適切であるかを確認してもよい。例えば、DSPプロセッサ822が、UIプロセッサ836に特定の状態へと遷移するように命令すると、UIプロセッサ836は、要求される遷移が有効であることを検証してもよい。要求される状態間の遷移がUIプロセッサ836によって無効であると判定される場合、UIプロセッサ836は、発生器800を故障モードにしてもよい。
非絶縁段階804は、入力デバイスを監視するためのコントローラ838(例えば、発生器800をオン及びオフするために使用される容量タッチセンサ、容量タッチスクリーン)を更に含むことができる。特定の形態では、コントローラ838は、少なくとも1つのプロセッサ及び/又はUIプロセッサ836と通信する他のコントローラデバイスを含んでもよい。一形態では、例えば、コントローラ838は、1つ又は2つ以上の容量タッチセンサを介して提供されるユーザ入力を監視するように構成されたプロセッサ(例えば、Atmelから入手可能なMeg168 8ビットコントローラ)を含み得る。一形態では、コントローラ838は、容量タッチスクリーンからのタッチデータの獲得を制御及び管理するための、タッチスクリーンコントローラ(例えば、Atmelから入手可能なQT5480タッチスクリーンコントローラ)を含み得る。
特定の形態では、発生器800が「電力オフ」状態にあるとき、コントローラ838は、(例えば、後述の電源854などの、発生器800の電源からのラインを介して)動作電力を受信し続けてもよい。このようにして、コントローラ838は、発生器800をオン及びオフにするための入力デバイス(例えば、発生器800の前側パネルに配置された容量タッチセンサ)を監視し続けることができる。発生器800が電源オフ状態にあるとき、コントローラ838は、ユーザによる「オン/オフ」入力デバイスの起動が検出されれば、電源を起動することができる(例えば、電源854の1つ又は2つ以上のDC/DC電圧変換器856の動作を有効化する)。その結果、コントローラ838は、発生器800を「電源オン」状態に遷移させるためのシーケンスを開始することができる。逆に、発生器800が電源オン状態にあるときに「オン/オフ」入力デバイスの起動が検出されれば、コントローラ838は発生器800を電源オフ状態に遷移させるためのシーケンスを開始することができる。例えば、特定の形態では、コントローラ838は、「オン/オフ」入力デバイスの起動をUIプロセッサ836に報告してもよく、これは、順次、発生器800の電源オフ状態への遷移のために必要なプロセスシーケンスを実行する。この形態では、コントローラ838は、発生器800の電源オン状態が確立された後に、発生器800から電力を除去するための別個の能力を有さないことがある。
特定の形態では、コントローラ838は、ユーザに電源オン又は電源オフシーケンスが開始されたことを警告するために、発生器800に可聴又は他の感覚的フィードバックを提供させてもよい。そのような警告は、電源オン又は電源オフシーケンスの開始時、及びシーケンスと関連する他のプロセスの開始前に提供されてもよい。
特定の形態では、絶縁段階802は、例えば、外科用器具の制御回路(例えば、ハンドピーススイッチを含む制御回路)と、例えば論理デバイス816、DSPプロセッサ822及び/又はUIプロセッサ836などの非絶縁段階804の構成要素との間の、通信インターフェースを提供するために、器具インターフェース回路840を含んでもよい。器具インターフェース回路840は、例えば、IRベースの通信リンクなどの、段階802と804との間の好適な度合いの電気的絶縁を維持する通信リンクを介し、非絶縁段階804の構成要素と情報を交換し得る。例えば、非絶縁段階804から駆動される絶縁変圧器によって電力供給される低ドロップアウト電圧レギュレータを使用して、器具インターフェース回路840に電力を供給することができる。
一形態では、器具インターフェース回路840は、信号調整回路844と通信している論理デバイス842(例えば、論理回路、プログラマブル論理回路、PGA、FPGA、PLD)を含み得る。信号調整回路844は、同一の周波数を有する双極呼掛け信号を生成するために、論理回路842から周期信号(例えば、2kHz方形波)を受信するように構成されてもよい。呼掛け信号は、例えば、差動増幅器によって供給される双極電流源を使用して発生させることができる。呼掛け信号は、(例えば、発生器800を外科用器具に接続するケーブル内の導電ペアを使用して)外科用器具制御回路に通信され、制御回路の状態又は構成を判定するために監視されてもよい。制御回路は、多数のスイッチ、レジスタ、及び/又はダイオードを備えてもよく、制御回路の状態又は構成が1つ又は2つ以上の特性に基づいて個別に識別可能であるように、呼掛け信号の1つ又は2つ以上の特性(例えば、振幅、整流)を修正してもよい。例えば、一形態では、信号調整回路844は、呼掛け信号が通過する経路から生じる制御回路の入力にわたって出現する電圧信号のサンプルを生成するため、ADC回路を備えてもよい。論理回路842(又は、非絶縁段階804の構成要素)はその後、ADC回路サンプルに基づく制御回路の状態又は構成を判定し得る。
一形態では、器具インターフェース回路840は、第1のデータ回路インターフェース846を含んで、論理回路842(又は器具インターフェース回路840の他の要素)と、外科用器具内に配設されるか又は別の方法で関連付けられた第1のデータ回路と、の間の情報交換を可能にしてもよい。特定の形態では、例えば、第1のデータ回路は、発生器800を有する特定の外科用器具種類又はモデルとインターフェース接続させるために、外科用器具ハンドピースに一体的に取り付けられたケーブル内、又はアダプタ内に配設されてもよい。第1のデータ回路は、任意の好適な方法で実装されてもよく、例えば、第1のデータ回路に関して本明細書に記載されたものを含む任意の好適なプロトコルに従って、発生器と通信してもよい。特定の形態では、第1のデータ回路は、EEPROMデバイスなどの、不揮発性記憶デバイスを含み得る。特定の形態では、第1のデータ回路インターフェース846は、論理回路842とは別個に実施されてもよく、また好適な回路(例えば、個別の論理デバイス、プロセッサ)を備え、論理回路842と第1のデータ回路との間の通信を可能にし得る。他の形態では、第1のデータ回路インターフェース846は、論理回路842と一体であり得る。
特定の形態では、第1のデータ回路は、第1のデータ回路が関連している特定の外科用器具に関する情報を記憶し得る。そのような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数、及び/又は任意の他のタイプの情報を含むことができる。この情報は、器具インターフェース回路840によって(例えば、論理回路842によって)読み取られ、出力デバイスを介したユーザへの提供のため、及び/又は発生器800の機能又は動作の制御のために、非絶縁段階804の構成要素(例えば、論理デバイス816、DSPプロセッサ822、及び/又はUIプロセッサ836)に転送され得る。更に、任意の種類の情報が、第1のデータ回路インターフェース846を介して内部に記憶させるために、(例えば、論理回路842を使用して)第1のデータ回路に通信され得る。そのような情報は、例えば、外科用器具が使用された最新の手術数並びに/又はその使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。
前述されたように、外科用器具は、器具の互換性及び/又は廃棄性を促進するために、ハンドピースから取り外し可能であり得る(例えば、多機能外科用器具は、ハンドピースから取り外し可能であり得る)。そのような場合、従来の発生器は、使用されている特定の器具構成を認識し、これに対応して制御及び診断プロセスを最適化する能力が制限されている場合がある。しかし、この問題に対処するために、外科用器具に読み取り可能なデータ回路を追加することは、適合性の観点から問題がある。例えば、必要なデータ読み取り機能性を欠く発生器との後方互換性を保つように外科用器具を設計することは、例えば、異なる信号スキーム、設計複雑性及び費用のために、実用的でない場合がある。本明細書で論じられる器具の形態は、既存の外科用器具に実装されてもよいデータ回路を経済的に使用し、外科用器具と最新の発生器プラットフォームとの適合性を維持するための設計変更を最小限にすることによってこれらの懸念に対処する。
更に、発生器800の形態は、器具ベースのデータ回路との通信を可能にしてもよい。例えば、発生器800は、器具(例えば、多機能外科用器具)内に収容される第2のデータ回路と通信するように構成することができる。いくつかの形態では、第2のデータ回路は、本明細書に記載される第1のデータ回路のものと類似した多くのものに実装される。器具インターフェース回路840は、この通信を可能にする第2のデータ回路インターフェース848を含むことができる。一形態では、第2のデータ回路インターフェース848は、トライステートデジタルインターフェースを含んでもよいが、他のインターフェースも使用されてもよい。ある特定の形態では、第2のデータ回路は、一般にデータを送信及び/又は受信するための任意の回路であってもよい。一形態では、例えば、第2のデータ回路は、第2のデータ回路が関連付けられた特定の外科用器具に関する情報を記憶してもよい。そのような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数、及び/又は任意の他のタイプの情報を含むことができる。
いくつかの形態では、第2のデータ回路は、関連する超音波トランスデューサ、エンドエフェクタ、又は超音波駆動システムの電気的及び/又は超音波的特性に関する情報を記憶してもよい。例えば、第1のデータ回路は、本明細書に記載されたように、バーンイン周波数スロープを示してもよい。追加的に又は代替的に、第2のデータ回路インターフェース848を介して内部に記憶させるために、第2のデータ回路に任意の種類の情報を通信してもよい(例えば、論理回路842を使用して)。そのような情報は例えば、器具が使用された最新の動作数、並びに/又は、その使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。ある特定の形態では、第2のデータ回路は、1つ又は2つ以上のセンサ(例えば、器具ベースの温度センサ)によって取得されたデータを送信してもよい。特定の形態では、第2のデータ回路は、発生器800からデータを受信し、その受信したデータに基づいてユーザに指標(例えば、発光ダイオード指標又は他の可視指標)を提供し得る。
特定の形態では、第2のデータ回路及び第2のデータ回路インターフェース848は、論理回路842と第2のデータ回路との間の通信が、この目的のための追加的な導体(例えば、ハンドピースを発生器800に接続するケーブルの専用導体)の提供を必要とせずにもたらされ得るように、構成され得る。一形態では、例えば、使用される導体のうちの1つが、信号調整回路844からハンドピース内の制御回路へ呼掛け信号を送信するなど、既存のケーブル配線上に実装されたワンワイヤバス通信方式を使用して、第2のデータ回路との間で情報を通信することができる。このようにして、元来必要とされる場合がある外科用器具への設計変更又は修正は、最小化されるか又は低減される。更に、一般的な物理的チャネル上で実施される異なる種類の通信を周波数帯域分離することができるため、第2のデータ回路の存在は、必要なデータ読み取り機能を有しない発生器にとって「不可視」であり、したがって、外科用器具の後方互換性を可能にする。
特定の形態では、絶縁段階802は、DC電流が患者を通るのを防止するために、駆動信号出力部810bに接続された、少なくとも1つのブロッキングコンデンサ850−1を含んでもよい。単一のブロッキングコンデンサは、例えば、医学的規制又は基準に準拠することが必要とされる場合がある。単一コンデンサ設計における故障は比較的稀であるが、それでもなおそのような故障は否定的な結果をもたらす恐れがある。一形態では、第2のブロッキングコンデンサ850−2は、ブロッキングコンデンサ850−1と直列で提供され得、例えば、ブロッキングコンデンサ850−1と850−2との間の点からの電流漏洩が、漏洩電流により誘発される電圧をサンプリングするために、ADC回路852によって監視される。サンプルは、例えば、論理回路842によって受信されてもよい。(電圧サンプルによって示されるような)漏出電流の変化に基づいて、発生器800は、ブロッキングコンデンサ850−1、850−2のうちの少なくとも1つが故障したときを判定してもよく、したがって、単一の故障点を有する単一コンデンサ設計に勝る利益を提供する。
特定の形態では、非絶縁段階804、好適な電圧及び電流でDC電力を送達するための電源854を含み得る。電源は、例えば、48VDCシステム電圧を送達するための、400W電源を含み得る。電源854は、電源の出力を受信して発生器800の様々な構成要素によって必要とされる電圧及び電流でDC出力を発生させるための1つ又は2つ以上のDC/DC電圧変換器856を更に備えることができる。コントローラ838と関連して上述されたように、DC/DC電圧変換器856のうちの1つ又は2つ以上は、ユーザによる「オン/オフ」入力デバイスの起動がコントローラ838によって検出されたときにコントローラ838から入力を受信し、DC/DC電圧変換器856の動作又は起動を有効化してもよい。
図45は、発生器800(図44)の一形態である発生器900の一例を示す。発生器900は、複数のエネルギーモダリティを外科用器具に送達するように構成されている。発生器900は、エネルギーを外科用器具に送達するためのRF信号及び超音波信号を単独で又は同時にのいずれかで提供する。RF信号及び超音波信号は、単独で、又は組み合わせて提供されてもよく、また同時に提供されてもよい。上述したように、少なくとも1つの発生器出力部は、単一のポートを通して複数のエネルギーモダリティ(例えば、とりわけ超音波、双極若しくは単極RF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法、並びに/又はマイクロ波エネルギー)を送達することができ、これらの信号は、組織を治療するために個別に又は同時にエンドエフェクタに送達することができる。
発生器900は、波形発生器904に連結されたプロセッサ902を備える。プロセッサ902及び波形発生器904は、プロセッサ902に連結されたメモリに記憶された情報(開示を明瞭にするために示されず)に基づいて、様々な信号波形を発生するように構成されている。波形に関連するデジタル情報は、デジタル入力をアナログ出力に変換するために1つ又は2つ以上のDAC回路を含む波形発生器904に提供される。アナログ出力は、信号調節及び増幅のために、増幅器1106に供給される。増幅器906の調節され増幅された出力は、電力変圧器908に連結される。信号は、電力変圧器908を横断して患者絶縁側にある二次側に連結される。第1のエネルギーモダリティの第1の信号は、ENERGY1及びRETURNとラベルされた端子間の外科用器具に提供される。第2のエネルギーモダリティの第2の信号は、コンデンサ910にわたって連結され、ENERGY2及びRETURNとラベルされた端子間の外科用器具に提供される。2つを超えるエネルギーモダリティが出力されてもよく、したがって添え字「n」は、最大n個のENERGYn端子が提供され得ることを表示するために使用することができ、このnは、1超の正の整数であることが理解されよう。最大「n」個のリターンパス(RETURNn)が、本開示の範囲から逸脱することなく提供されてもよいことも理解されよう。
第1の電圧感知回路912は、ENERGY1及びRETURN経路とラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。第2の電圧感知回路924は、ENERGY2及びRETURN経路とラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。電流感知回路914は、いずれかのエネルギーモダリティの出力電流を測定するために、図示される電力変圧器908の二次側のRETURN区間と直列に配設される。異なるリターンパスが各エネルギーモダリティに対して提供される場合、別個の電流感知回路が、各リターン区間で提供されねばならない。第1の電圧感知回路912及び第2の電圧感知回路924の出力が対応の絶縁変圧器916、922に提供され、電流感知回路914の出力は、別の絶縁変圧器918に提供される。電力変圧器908の一次側(非患者絶縁側)上における絶縁変圧器916、928、922の出力は、1つ又は2つ以上のADC回路926に提供される。ADC回路926のデジタル化された出力は、更なる処理及び計算のためにプロセッサ902に提供される。出力電圧及び出力電流のフィードバック情報は、外科用器具に提供される出力電圧及び電流を調整するために、またいくつかあるパラメータの中で出力インピーダンスを計算するために使用することができる。プロセッサ902と患者絶縁回路との間の入力/出力通信は、インターフェース回路920を通して提供される。センサもまた、インターフェース回路920を介してプロセッサ902と電気通信してもよい。
一態様では、インピーダンスは、ENERGY1/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第1の電圧感知回路912又はENERGY2/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第2の電圧感知回路924を、電力変圧器908の二次側のRETURN区間と直列に配設された電流感知回路914の出力で割ることによって、プロセッサ902により判定されてもよい。第1の電圧感知回路912及び第2の電圧感知回路924の出力は、個別の絶縁変圧器916、922に提供され、電流感知回路914の出力は、別の絶縁変圧器916に提供される。ADC回路926からのデジタル化された電圧及び電流感知測定値は、インピーダンスを計算するためにプロセッサ902に提供される。一例として、第1のエネルギーモダリティENERGY1は、超音波エネルギーであってもよく、第2のエネルギーモダリティENERGY2は、RFエネルギーであってもよい。それでも、超音波エネルギーモダリティ及び双極又は単極RFエネルギーモダリティに加えて、他のエネルギーモダリティには、数ある中でも不可逆並びに/又は可逆電気穿孔法及び/若しくはマイクロ波エネルギーが挙げられる。また、図45に例示された例は、単一のリターンパス(RETURN)が2つ以上のエネルギーモダリティに提供され得ることを示しているが、他の態様では、複数のリターンパスRETURNnが、各エネルギーモダリティENERGYnに提供されてもよい。したがって、本明細書に記載されるように、超音波変換器のインピーダンスは、第1の電圧感知回路912の出力を電流感知回路914で割ることによって測定されてもよく、組織のインピーダンスは、第2の電圧感知回路924の出力を電流感知回路914で割ることによって測定されてもよい。
図45に示されるように、少なくとも1つの出力ポートを含む発生器900は、実施される組織の処置の種類に応じて、電力を、例えば、とりわけ、超音波、双極若しくは単極RF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法、並びに/又はマイクロ波エネルギーなどの1つ又は2つ以上のエネルギーモダリティの形態でエンドエフェクタに提供するために単一の出力部を有し、かつ複数のタップを有する電力変圧器908を備えることができる。例えば、発生器900は、単極又は双極RF電気外科用電極のいずれかを用いて、超音波変換器を駆動するために高電圧かつ低電流で、組織封止のためのRF電極を駆動するために低電圧かつ高電流で、又はスポット凝固のための凝固波形で、エネルギーを送達することができる。発生器900からの出力波形は、周波数を外科用器具のエンドエフェクタに提供するために、誘導、切り替え、又はフィルタリングされ得る。超音波トランスデューサの発生器900の出力部への接続部は、好ましくは、図45に示したENERGY1とラベルされた出力部とRETURNとラベルされた出力部との間に位置するであろう。一実施例では、RF双極電極の発生器900の出力部への接続部は、好ましくは、ENERGY2とラベルされた出力部とRETURNとラベルされた出力部との間に位置するであろう。単極出力の場合、好ましい接続部は、ENERGY2出力部及びRETURN出力部に接続された好適なリターンパッドへの活性電極(例えば、ペンシル型又は他のプローブ)であろう。
更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR OPERATING GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS AND SURGICAL INSTRUMENTS」と題する2017年3月30日公開の米国特許出願公開第2017/0086914号に開示されている。
本説明全体で使用される用語「無線」及びその派生語は、非固体媒体を介して変調電磁放射線の使用を通じてデータを通信し得る回路、デバイス、システム、方法、技術、通信チャネルなどを説明するために使用されてもよい。この用語は、関連するデバイスがいかなる有線も含まないことを意味するものではないが、一部の態様では、それらは存在しない可能性がある。通信モジュールは、Wi−Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、Ev−DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、これらのイーサネット派生物、のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない多数の無線又は有線通信規格又はプロトコルのうちのいずれかを実装してもよい。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi−Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev−DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
本明細書で使用するとき、プロセッサ又は処理ユニットは、いくつかの外部データソース、通常はメモリ又は何らかの他のデータストリーム上で動作を実行する電子回路である。この用語は、本明細書では、多くの専用「プロセッサ」を組み合わせたシステム又はコンピュータシステム(特にシステムオンチップ(SoC))内の中央プロセッサ(中央処理ユニット)を指すために使用される。
本明細書で使用するとき、チップ上のシステム又はシステムオンチップ(SoC又はSOC)は、コンピュータ又は他の電子システムの全ての構成要素を統合する集積回路(「IC」又は「チップ」としても知られる)である。これは、デジタル、アナログ、混合信号、及び多くの場合は高周波数機能を、全て単一の基材上に含むことができる。SoCは、マイクロコントローラ(又はマイクロプロセッサ)を、グラフィックス処理ユニット(GPU)、Wi−Fiモジュール、又はコプロセッサなどの最新の周辺デバイスと統合する。SoCは、内蔵メモリを含んでもよく、含まなくてもよい。
本明細書で使用するとき、マイクロコントローラ又はコントローラは、マイクロプロセッサを周辺回路及びメモリと統合するシステムである。マイクロコントローラ(又はマイクロコントローラユニットのMCU)は、単一の集積回路上の小型コンピュータとして実装されてもよい。これはSoCと同様であってもよく、SoCは、その構成要素の1つとしてマイクロコントローラを含み得る。マイクロコントローラは、1つ又は2つ以上のコア処理ユニット(CPU)と共にメモリ及びプログラム可能な入力/出力周辺機器を収容することができる。強誘電性のRAM、NORフラッシュ、又はOTP ROMの形態のプログラムメモリ、及び少量のRAMもまた、チップ上にしばしば含まれる。マイクロコントローラは、パーソナルコンピュータ又は様々な個別のチップで構成された他の汎用用途で使用されるマイクロプロセッサとは対照的に、組み込み型用途用に採用され得る。
本明細書で使用するとき、コントローラ又はマイクロコントローラという用語は、周辺デバイスとインターフェースするスタンドアロンIC又はチップデバイスであってもよい。これは、そのデバイスの動作(及びデバイスとの接続)を管理する外部デバイス上のコンピュータ又はコントローラの2つの部分間の連結部であってもよい。
本明細書で説明されるプロセッサ又はマイクロコントローラはいずれも、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、1つ又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ又は2つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットアナログ−デジタル変換器(ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex−M4Fプロセッサコアであってもよい。
一態様では、プロセッサは、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
モジュール式デバイスは、外科用ハブ内に受容可能な(例えば図3及び図9に関連して説明される)モジュールと、対応する外科用ハブと接続又はペアリングするために様々なモジュールに接続され得る外科用デバイス又は器具と、を含む。モジュール式デバイスとしては、例えば、インテリジェント外科用器具、医療用撮像デバイス、吸引/灌注デバイス、排煙器、エネルギー発生器、ベンチレータ、吸入器、及びディスプレイが挙げられる。本明細書に記載されるモジュール式デバイスは、制御アルゴリズムによって制御することができる。制御アルゴリズムは、モジュール式デバイス自体上で、特定のモジュール式デバイスがペアリングされる外科用ハブ上で、又はモジュール式デバイス及び外科用ハブの両方の上で(例えば、分散コンピューティングアーキテクチャを介して)、実行され得る。いくつかの例示では、モジュール式デバイスの制御アルゴリズムは、モジュール式デバイス自体によって(すなわち、モジュール式デバイス内の、モジュール式デバイス上の、又はモジュール式デバイスに接続されたセンサによって)感知されたデータに基づいてデバイスを制御する。このデータは、手術中の患者(例えば、組織特性又は注入圧)又はモジュール式デバイス自体(例えば、前進するナイフの速度、モータ電流、又はエネルギーレベル)に関連し得る。例えば、外科用ステープル留め及び切断器具の制御アルゴリズムは、ナイフが前進する際にナイフが遭遇する抵抗に基づき、器具のモータが組織を貫いてそのナイフを駆動させる速度を制御することができる。
状況認識
状況認識は、データベース及び/又は器具から受信したデータから外科処置に関連する情報を判定又は推定するための、外科用システムのいくつかの態様の能力である。情報は、実行される処置の種類、手術される組織の種類、又は処置の対象である体腔を含むことができる。外科処置に関連するコンテキスト情報により、外科用システムは、例えば、それが接続されて外科処置の過程で外科医にコンテキスト上の情報又は提案を提供する、モジュール式デバイス(例えば、ロボットアーム及び/又はロボット外科用ツール)を制御する方法を改善することができる。
ここで図46を参照すると、例えば、外科用ハブ106又は206などのハブの状況認識を示す時間線5200が示されている。時間線5200は例示的な外科処置、及び外科用ハブ106、206が、外科処置の各工程でデータソースから受信したデータから導き出すことができるコンテキスト情報である。時間線5200は、手術室を設置することから開始し、患者を術後回復室に移送することで終了する肺区域切除手術の過程で、看護師、外科医、及び他の医療関係者によって取られるであろう典型的な工程を示す。
状況認識外科用ハブ106、206は、外科処置の過程全体にわたって、医療関係者が外科用ハブ106、206とペアリングされたモジュール式デバイスを使用する度に生成されるデータを含むデータをデータソースから受信する。外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式デバイス及び他のデータソースからこのデータを受信して、任意の所与の時間に処置のどの工程が実施されているかなどの新しいデータが受信されると、進行中の処置に関する推定(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出することができる。外科用ハブ106、206の状況認識システムは、例えば、レポートを生成するために処置に関するデータを記録する、医療関係者によって取られている工程を検証する、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、ディスプレイスクリーンを介して)提供する、コンテキストに基づいてモジュール式デバイスを調節する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像デバイスの視界(FOV)を調節する、又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具のエネルギーレベルを変更するなど)、及び上記の任意の他のこうした動作を行うことが可能である。
この例示的な処置における第1の工程5202として、病院職員は、病院の電子医療記録(Electronic Medical Record、EMR)データベースから患者のEMRを読み出す。EMRにおける選択された患者データに基づいて、外科用ハブ106、206は、実行される処置が胸郭処置であることを判定する。
第2の工程5204では、職員は、処置のために入来する医療用品をスキャンする。外科用ハブ106、206は、スキャンされた用品を様々な種類の処置で利用される用品のリストと相互参照し、用品の組み合わせ(mix of supplies)が胸郭処置に対応することを確認する。更に、外科用ハブ106、206はまた、処置が楔形処置ではないと判定することができる(入来する用品が、胸郭楔形処置に必要な特定の用品を含まないか、又は別の点で胸郭楔形処置に対応していないかのいずれかであるため)。
第3の工程5206では、医療関係者は、外科用ハブ106、206に通信可能に接続されたスキャナを介して患者のバンドをスキャンする。続いて、外科用ハブ106、206は、スキャンされたデータに基づいて患者の識別情報を確認することができる。
第4の工程5208では、医療スタッフが補助機器をオンにする。利用される補助機器は、外科処置の種類及び外科医によって使用される技術に従って変わり得るが、この例示的な場合では、これらとしては、排煙器、吸入器、及び医療用撮像デバイスが挙げられる。起動されると、モジュール式デバイスである補助機器は、その初期化プロセスの一部として、モジュール式デバイスの特定の近傍内に位置する外科用ハブ106、206と自動的にペアリングすることができる。続いて、外科用ハブ106、206は、この術前又は初期化段階中にそれとペアリングされるモジュール式デバイスの種類を検出することによって、外科処置に関するコンテキスト情報を導出することができる。この特定の実施例では、外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式デバイスのこの特定の組み合わせに基づいて、外科処置がVATS手術であると判定する。患者のEMRからのデータの組み合わせ、手術に用いられる医療用品のリスト、及びハブに接続するモジュール式デバイスの種類に基づいて、外科用ハブ106、206は、外科チームが実施する特定の処置を概ね推定することができる。外科用ハブ106、206が、何の特定の処置が実施されているかを知ると、続いて外科用ハブ106、206は、メモリから、又はクラウドからその処置の工程を読み出して、次に接続されたデータソース(例えば、モジュール式デバイス及び患者監視デバイス)からその後受信したデータを相互参照して、外科処置のどの工程を外科チームが実行しているかを推定することができる。
第5の工程5210では、職員は、EKG電極及び他の患者監視デバイスを患者に取り付ける。EKG電極及び他の患者監視デバイスは、外科用ハブ106、206とペアリングすることができる。外科用ハブ106、206が患者監視デバイスからデータの受信を開始すると、外科用ハブ106、206は患者が手術室にいることを確認する。
第6の工程5212では、医療関係者は患者に麻酔を誘発する。外科用ハブ106、206は、例えば、EKGデータ、血圧データ、ベンチレータデータ、又はこれらの組み合わせを含む、モジュール式デバイス及び/又は患者監視デバイスからのデータに基づいて、患者が麻酔下にあることを推定することができる。第6の工程5212が完了すると、肺区域切除手術の術前部分が完了し、手術部分が開始する。
第7の工程5214では、操作されている患者の肺が虚脱される(換気が対側肺に切り替えられる間に)。外科用ハブ106、206は、例えば、患者の肺が虚脱されたことをベンチレータデータから推定することができる。外科用ハブ106、206は、患者の肺が虚脱したのを検出したことを、処置の予期される工程(事前にアクセス又は読み出すことができる)と比較することができるため、処置の手術部分が開始したことを推定して、それによって肺を虚脱させることがこの特定の処置における第1の手術工程であると判定することができる。
第8の工程5216では、医療用撮像デバイス(例えば、スコープ)が挿入され、医療用撮像デバイスからのビデオ映像が開始される。外科用ハブ106、206は、医療用撮像デバイスへの接続を通じて医療用撮像デバイスデータ(すなわち、ビデオ又は画像データ)を受信する。医療用撮像デバイスデータを受信すると、外科用ハブ106、206は、外科処置の腹腔鏡部分が開始したことを判定することができる。更に、外科用ハブ106、206は、実施されている特定の処置が、肺葉切除とは対照的に区域切除術であると判定することができる(処置の第2の工程5204で受信したデータに基づいて、楔形処置は外科用ハブ106、206によって既に割り引かれていることに留意されたい)。医療用撮像デバイス124(図26)からのデータは、患者の解剖学的構造の可視化に関して配向されている医療用撮像デバイスの角度を判定することによる、利用されている(すなわち、起動されており、外科用ハブ106、206とペアリングされている)数又は医療用撮像デバイスを監視することによる、及び利用されている可視化デバイスの種類を監視することによる、ことを含む多くの異なる方法の中から実施されている処置の種類に関するコンテキスト情報を判定するために利用され得る。例えば、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は、カメラを患者の胸腔の前下方角部の横隔膜上方に配置し、一方、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、カメラを、区域裂に対して前肋間位置に配置する。例えば、パターン認識又は機械学習技術を使用して、状況認識システムは、患者の解剖学的構造の可視化に基づいて、医療用撮像デバイスの位置を認識するように訓練され得る。別の例として、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は単一の医療用撮像デバイスを利用するが、VATS区域切除術を実施するための別の技術は複数のカメラを利用する。更に別の例として、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、区域裂を可視化するために赤外線光源(可視化システムの一部として外科用ハブに通信可能に連結され得る)を使用し、これはVATS肺葉切除術では使用されない。医療用撮像デバイスからのこのデータのいずれか又は全てを追跡することによって、外科用ハブ106、206は、実行中の特定の種類の外科処置、及び/又は特定の種類の外科処置に使用されている技術を判定することができる。
第9の工程5218で、外科チームは、処置の切開工程を開始する。外科用ハブ106、206は、エネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器からのデータを受信するため、外科医が患者の肺を切開して分離するプロセスにあると推定することができる。外科用ハブ106、206は、受信されたデータを外科処置の読み出しされた工程と相互参照して、プロセスのこの時点(すなわち、上述された処置の工程が完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると判定することができる。特定の例では、エネルギー器具は、ロボット外科用システムのロボットアームに取り付けられたエネルギーツールであり得る。
第10の工程5220で、外科チームは、処置の結紮工程に進む。外科用ハブ106、206は、器具が発射されていることを示す外科用ステープル留め及び切断器具からのデータを受信するため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推定することができる。前工程と同様に、外科用ハブ106、206は、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、読み出しされたプロセス内の工程と相互参照することによって、この推定を導出することができる。特定の例では、外科用器具は、ロボット外科用システムのロボットアームに取り付けられた外科用ツールであり得る。
第11の工程5222では、処置の区域切除部分が実施される。外科用ハブ106、206は、そのカートリッジからのデータを含む外科用ステープル留め及び切断器具からのデータに基づいて、外科医が実質組織を横切開していると推定することができる。カートリッジのデータは、例えば、器具によって発射されるステープルのサイズ又は種類に対応することができる。異なる種類のステープルが異なる種類の組織に利用されているため、カートリッジのデータは、ステープル留め及び/又は横切開されている組織の種類を示すことができる。この場合、発射されるステープルの種類は実質組織(又は他の同様の組織種)に用いられ、これにより、外科用ハブ106、206は、処置の区域切除部分が実行されていると推定することができる。
続いて第12の工程5224で、結節切開工程が実行される。外科用ハブ106、206は、RF又は超音波器具が発射されていることを示す発生器から受信したデータに基づいて、外科チームが結節を切開し、漏れ試験を実施していると推定することができる。この特定の処置の場合、実質組織が横切開された後に用いられるRF又は超音波器具は結節切開工程に対応しており、この結節切開工程により外科用ハブ106、206がこの推定を行うことが可能となる。異なる器具が特定の作業に対してより良好に適合するため、外科医は、処置中の特定の工程に応じて、定期的に外科用ステープル留め/切断器具と外科用エネルギー(すなわち、RF又は超音波)器具との間で交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープル留め/切断器具及び外科用エネルギー器具が使用される特定のシーケンスは、外科医が処置のどの工程を実施中であるかを示すことができる。更に、特定の例では、外科処置中の1つ又は2つ以上の工程にロボットツールを使用することができ、かつ/又は外科処置中の1つ又は2つ以上の工程にハンドヘルド外科用器具を使用することができる。外科医(複数可)は、例えば、ロボットツールとハンドヘルド外科用器具とを順に交代させることができ、かつ/又は、例えば、デバイスを同時に使用することができる。第12の工程5224が完了すると、切開部が閉鎖され、処置の術後部分が開始する。
第13の工程5226では、患者の麻酔が逆転される。外科用ハブ106、206は、例えば、ベンチレータデータに基づいて(すなわち、患者の呼吸速度が増加し始める)、患者が麻酔から覚醒しつつあると推定することができる。
最後に、第14の工程5228は、医療関係者が患者から様々な患者監視デバイスを除去することである。したがって、外科用ハブ106、206は、ハブがEKG、BP、及び患者監視デバイスからの他のデータを喪失したとき、患者が回復室に移送されていると推定することができる。この例示的な処置の説明から分かるように、外科用ハブ106、206と通信可能に連結された各種データソースから受信されたデータに基づいて、外科用ハブ106、206は、所与の外科処置の各工程が発生しているときを判定又は推定することができる。
状況認識については、開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号で更に記載されている。特定の例では、例えば本明細書で開示される様々なロボット外科用システムを含むロボット外科用システムの動作は、その状況認識、及び/若しくはその構成要素からのフィードバックに基づいて、並びに/又はクラウド104からの情報に基づいて、ハブ106、206によって制御され得る。
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において記載される。
実施例1.方法であって、外科用排出システムによって、パラメータの値を取得することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つに、パラメータの値を送信することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つによって、パラメータの値を処理することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つによって、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対するパラメータの値の影響を判定することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つから、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送ることと、命令に基づいて、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つによって動作を調節することと、を含む、方法。
実施例2.パラメータが、外科用排出システム内の内部センサによって感知される、実施例1に記載の方法。
実施例3.パラメータが、微粒子濃度、エアロゾル割合、又は化学分析、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例2に記載の方法。
実施例4.外科用排出システム内の内部センサが、流体センサ、化学センサ、レーザ粒子カウンタ、又は圧力センサ、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例1〜3のいずれか1つに記載の方法。
実施例5.パラメータが、動作パラメータである、実施例1〜4のいずれか1つに記載の方法。
実施例6.動作パラメータが、空気流、圧力差、又は空気品質、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例5に記載の方法。
実施例7.動作パラメータが、空気品質粒子センサ又は周囲圧力センサ、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つによって感知される、実施例1〜6のいずれか1つに記載の方法。
実施例8.外科用ハブからクラウドコンピューティングネットワークにパラメータの値を送信することを更に含む、実施例1〜7のいずれか1つに記載の方法。
実施例9.クラウドコンピューティングネットワークにパラメータの値を送信する前に、パラメータの値が、外科用ハブによって操作される、実施例8に記載の方法。
実施例10.パラメータの値が、ネットワークルータを介して外科用ハブからクラウドコンピューティングネットワークに送信される、実施例1〜9のいずれか1つに記載の方法。
実施例11.クラウドコンピューティングネットワークから外科用ハブに、動作を調節するための命令を送ることを更に含む、実施例1〜10のいずれか1つに記載の方法。
実施例12.外科用ハブが、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送る、実施例11に記載の方法。
実施例13.外科用排出システムが、少なくとも2つのパラメータの値を取得する、実施例1〜12のいずれか1つに記載の方法。
実施例14.モジュール式デバイスが、可視化回路、ロボット回路、インテリジェント通信回路、撮像回路、発生器、吸引/灌注回路、通信装置、プロセッサ、ストレージアレイ、及び手術室マッピング回路のうちの少なくとも1つである、実施例1〜13のいずれか1つに記載の方法。
実施例15.クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つが、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つと双方向通信する、実施例1〜14のいずれか1つに記載の方法。
実施例16.クラウドコンピューティングネットワークが、外科用ハブと双方向通信する、実施例1〜15のいずれか1つに記載の方法。
実施例17.クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つが、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対するパラメータの値の影響を判定するために、メモリに含まれるアルゴリズムを含む、実施例1〜16のいずれか1つに記載の方法。
実施例18.クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つが、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対するパラメータの値の影響を判定するために、メモリに含まれる学習ソフトウェアを含む、実施例1〜17のいずれか1つに記載の方法。
実施例19.コンピュータ実装外科用システムであって、外科用ハブであって、プロセッサ及びメモリを含む、外科用ハブと、外科用ハブと通信する排煙モジュールと、を備え、排煙モジュールが、パラメータの値を取得することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つに、パラメータの値を送信することと、を行うように構成されており、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つが、パラメータの値を処理することと、排煙モジュール及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対するパラメータの値の影響を判定することと、排煙モジュール及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送ることと、を行うように構成されており、排煙モジュール及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つが、命令に基づいて動作を調節するように構成されている、コンピュータ実装外科用システム。
実施例20.コンピュータ可読命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、実行されたときに、機械に、外科用排出システムによってパラメータの値を取得することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つに、パラメータの値を送信することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つによって、パラメータの値を処理することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つによって、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対するパラメータの値の影響を判定することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つから、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送ることと、命令に基づいて、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つによって動作を調節することと、を行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
実施例21.方法であって、外科用排出システムによって、パラメータの値を取得することと、ネットワークルータを介してクラウドコンピューティングネットワークにパラメータの値を送信することと、クラウドコンピューティングネットワークによって、パラメータの値を処理することと、クラウドコンピューティングネットワークによって、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対するパラメータの値の影響を判定することと、ネットワークルータを介して、クラウドコンピューティングネットワークから外科用排出システム及びモジュール装置のうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送ることと、命令に基づいて、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つによって動作を調節することと、を含む、方法。
実施例22.パラメータが、外科用排出システム内の内部センサによって感知される、実施例21に記載の方法。
実施例23.パラメータが、微粒子濃度、エアロゾル割合、又は化学分析、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例21又は22に記載の方法。
実施例24.外科用排出システム内の内部センサが、流体センサ、化学センサ、レーザ粒子カウンタ、又は圧力センサ、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例21〜23のいずれか1つに記載の方法。
実施例25.パラメータが、動作パラメータである、実施例21〜24のいずれか1つに記載の方法。
実施例26.動作パラメータが、空気流、圧力差、又は空気品質、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例25に記載の方法。
実施例27.動作パラメータが、空気品質粒子センサ又は周囲圧力センサ、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つによって感知される、実施例25又は26のいずれか1つに記載の方法。
実施例28.方法であって、外科用排出システムによって、パラメータの値を取得することと、外科用ハブにパラメータの値を送信することと、ネットワークルータを介して外科用ハブからクラウドコンピューティングネットワークに、パラメータの値を送信することと、クラウドコンピューティングネットワークによって、パラメータの値を処理することと、クラウドコンピューティングネットワークによって、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対するパラメータの値の影響を判定することと、ネットワークルータを介して、クラウドコンピューティングネットワークから外科用排出システム及びモジュールデバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送ることと、命令に基づいて、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つによって動作を調節することと、を含む、方法。
実施例29.パラメータが、外科用排出システム内の内部センサによって感知される、実施例28に記載の方法。
実施例30.外科用排出システム内の内部センサが、流体センサ、化学センサ、レーザ粒子カウンタ、又は圧力センサ、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例29に記載の方法。
実施例31.パラメータが、微粒子濃度、エアロゾル割合、又は化学分析、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例28〜30のいずれか1つに記載の方法。
実施例32.パラメータが、動作パラメータである、実施例28〜31のいずれか1つに記載の方法。
実施例33.動作パラメータが、空気流、圧力差、又は空気品質、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例32に記載の方法。
実施例34.動作パラメータが、空気品質粒子センサ又は周囲圧力センサ、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つによって感知される、実施例32又は33のいずれか1つに記載の方法。
実施例35.方法であって、外科用排出システムによって、パラメータの値を取得することと、外科用ハブにパラメータの値を送信することと、外科用ハブによってパラメータの値を処理することと、外科用ハブによって、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対するパラメータの値の影響を判定することと、外科用ハブから外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送ることと、命令に基づいて、外科用排出システム及びモジュール式装デバイスのうちの少なくとも1つによって動作を調節することと、を含む、方法。
実施例36.パラメータが、外科用排出システム内の内部センサによって感知される、実施例35に記載の方法。
実施例37.パラメータが、微粒子濃度、エアロゾル割合、又は化学分析、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例35又は36に記載の方法。
実施例38.外科用排出システム内の内部センサが、流体センサ、化学センサ、レーザ粒子カウンタ、又は圧力センサ、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例35〜37のいずれか1つに記載の方法。
実施例39.パラメータが、動作パラメータである、実施例35〜38のいずれか1つに記載の方法。
実施例40.動作パラメータが、空気流、圧力差、又は空気品質、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例35〜39のいずれか1つに記載の方法。
実施例41.動作パラメータが、空気品質粒子センサ及び周囲圧力センサのうちの少なくとも1つによって感知される、実施例35〜40のいずれか1つに記載の方法。
実施例42.コンピュータ実装外科用システムであって、外科用ハブと、外科用ハブ内に位置している排煙モジュールと、を備え、排煙モジュールが、センサによって、パラメータを感知することと、外科用ハブにパラメータを送信することと、を行うように構成されており、外科用ハブが、パラメータを分析することと、パラメータの分析に基づいて、排煙モジュール及び外科用ハブと通信する第2のモジュールのうちの少なくとも1つの動作を修正することと、を行うように構成されている、コンピュータ実装外科用システム。
実施例43.プロセッサと、プロセッサに連結されたメモリと、を備える外科用ハブであって、メモリが、実施例21〜31のいずれか1つに記載の方法を実施するためにプロセッサによって実行可能な命令を記憶している、外科用ハブ。
実施例44.コンピュータ可読命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、実行されると、機械に、実施例21〜31のいずれか1つに記載の方法を実施させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
実施例45.方法であって、外科用排出システムによって、パラメータの値を取得することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つに、パラメータの値を送信することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つによって、パラメータの値を処理することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つによって、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対するパラメータの値の影響を判定することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つから、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送ることと、命令に基づいて、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つによって動作を調節することと、を含む、方法。
実施例46.パラメータが、外科用排出システム内の内部センサによって感知される、実施例45に記載の方法。
実施例47.パラメータが、微粒子濃度、エアロゾル割合、又は化学分析、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例45又は46に記載の方法。
実施例48.外科用排出システム内の内部センサが、流体センサ、化学センサ、レーザ粒子カウンタ、又は圧力センサ、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例45〜47のいずれか1つに記載の方法。
実施例49.パラメータが、動作パラメータである、実施例45〜48のいずれか1つに記載の方法。
実施例50.動作パラメータが、空気流、圧力差、又は空気品質、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施例45〜49のいずれか1つに記載の方法。
実施例51.動作パラメータが、空気品質粒子センサ又は周囲圧力センサ、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つによって感知される、実施例45〜50のいずれか1つに記載の方法。
実施例52.外科用ハブからクラウドコンピューティングネットワークにパラメータの値を送信することを更に含む、実施例45〜51のいずれか1つに記載の方法。
実施例53.クラウドコンピューティングネットワークにパラメータの値を送信する前に、パラメータの値が、外科用ハブによって操作される、実施例45〜52いずれか1つに記載の方法。
実施例54.パラメータの値が、ネットワークルータを介して外科用ハブからクラウドコンピューティングネットワークに送信される、実施例45〜53のいずれか1つに記載の方法。
実施例55.クラウドコンピューティングネットワークから外科用ハブに、動作を調節するための命令を送ることを更に含む、実施例45〜54のいずれか1つに記載の方法。
実施例56.外科用ハブが、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送る、実施例45〜55のいずれか1つに記載の方法。
実施例57.外科用排出システムが、少なくとも2つのパラメータの値を取得する、実施例45〜56のいずれか1つに記載の方法。
実施例58.モジュール式デバイスが、可視化回路、ロボット回路、インテリジェント通信回路、撮像回路、発生器、吸引/灌注回路、通信装置、プロセッサ、ストレージアレイ、及び手術室マッピング回路のうちの少なくとも1つである、実施例45〜57のいずれか1つに記載の方法。
実施例59.クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つが、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つと双方向通信する、実施例45〜58のいずれか1つに記載の方法。
実施例60.クラウドコンピューティングネットワークが、外科用ハブと双方向通信する、実施例45〜59のいずれか1つに記載の方法。
実施例61.クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つが、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対するパラメータの値の影響を判定するために、メモリに含まれるアルゴリズムを含む、実施例45〜60のいずれか1つに記載の方法。
実施例62.クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つが、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対するパラメータの値の影響を判定するために、メモリに含まれる学習ソフトウェアを含む、実施例45〜61のいずれか1つに記載の方法。
実施例63.コンピュータ実装外科用システムであって、外科用ハブであって、プロセッサ及びメモリを含む、外科用ハブと、外科用ハブと通信する排煙モジュールと、を備え、排煙モジュールが、パラメータの値を取得することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つに、パラメータの値を送信することと、を行うように構成されており、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つが、パラメータの値を処理することと、排煙モジュール及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対するパラメータの値の影響を判定することと、排煙モジュール及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送ることと、を行うように構成されており、排煙モジュール及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つが、命令に基づいて動作を調節するように構成されている、コンピュータ実装外科用システム。
実施例64.コンピュータ可読命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、実行されたときに、機械に、外科用排出システムによってパラメータの値を取得することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つに、パラメータの値を送信することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つによって、パラメータの値を処理することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つによって、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対するパラメータの値の影響を判定することと、クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つから、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送ることと、命令に基づいて、外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つによって動作を調節することと、を行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の「特許請求の範囲」をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多数の修正、変形、変化、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって行われる機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変化、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例を用いてデバイス及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例が1つ若しくは2つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ又は2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、1つ又は2つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして(例えば、1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実現することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。更に、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形式で1つ又は2つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず用いられる。
様々な開示された態様を実行するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ、又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって分配され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD−ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ、又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意の種類の有形機械可読媒体が挙げられる。
本明細書の任意の態様で使用されるとき、用語「制御回路」は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ又は2つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理機構(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用するとき、「制御回路」としては、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリデバイス(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路、及び/又は通信デバイス(例えばモデム、通信スイッチ、又は光−電気機器)を形成する電気回路が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ若しくはデジタルの形式又はこれらのいくつかの組み合わせで実現されてもよいことを認識するであろう。
本明細書の任意の態様で使用される場合、用語「論理」は、前述の動作のいずれかを実行するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリデバイス内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
本明細書の任意の態様で使用するとき、用語「構成要素」、「システム」、「モジュール」などは、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのどちらかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
本明細書の任意の態様で使用するとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、結合、比較、及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をなすことができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利なラベルである。
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信デバイスは、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信デバイスは、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union−Telecommunication Standardization Sector(ITU−T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信デバイスは、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM−MPLS Network Interworking2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「決定する」、「表示する」などの用語を使用する議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はそのような情報記憶、伝送、若しくは表示デバイス内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算デバイスの動作及び処理を指していることが理解されよう。
1つ又は2つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンドバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「〜を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「〜を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「〜を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は2つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ若しくは2つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ若しくは2つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
更に、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ若しくは3つ以上の選択的な用語を表わすあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンス(複数可)で示されているが、様々な動作は、例示されたもの以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆、又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「〜に応答する」、「〜に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機構、構造、又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」、及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考として本明細書に組み込まれているあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ又は2つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ又は2つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
〔実施の態様〕
(1) 方法であって、
外科用排出システムによって、パラメータの値を取得することと、
クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つに、前記パラメータの前記値を送信することと、
前記クラウドコンピューティングネットワーク及び前記外科用ハブのうちの少なくとも1つによって、前記パラメータの前記値を処理することと、
前記クラウドコンピューティングネットワーク及び前記外科用ハブのうちの少なくとも1つによって、前記外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対する前記パラメータの前記値の影響を判定することと、
前記クラウドコンピューティングネットワーク及び前記外科用ハブのうちの少なくとも1つから、前記外科用排出システム及び前記モジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送ることと、
前記命令に基づいて、前記外科用排出システム及び前記モジュール式デバイスのうちの少なくとも1つによって動作を調節することと、を含む、方法。
(2) 前記パラメータが、前記外科用排出システム内の内部センサによって感知される、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記パラメータが、微粒子濃度、エアロゾル割合、又は化学分析、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記外科用排出システム内の前記内部センサが、流体センサ、化学センサ、レーザ粒子カウンタ、又は圧力センサ、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施態様2に記載の方法。
(5) 前記パラメータが、動作パラメータである、実施態様1に記載の方法。
(6) 前記動作パラメータが、空気流、圧力差、又は空気品質、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つである、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記動作パラメータが、空気品質粒子センサ又は周囲圧力センサ、及びこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つによって感知される、実施態様5に記載の方法。
(8) 前記外科用ハブから前記クラウドコンピューティングネットワークに前記パラメータの前記値を送信することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記クラウドコンピューティングネットワークに前記パラメータの前記値を送信する前に、前記パラメータの前記値が、前記外科用ハブによって操作される、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記パラメータの前記値が、ネットワークルータを介して、前記外科用ハブから前記クラウドコンピューティングネットワークに送信される、実施態様8に記載の方法。
(11) 前記クラウドコンピューティングネットワークから前記外科用ハブに、動作を調節するための前記命令を送ることを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記外科用ハブが、前記外科用排出システム及び前記モジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための前記命令を送る、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記外科用排出システムが、少なくとも2つのパラメータの値を取得する、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記モジュール式デバイスが、可視化回路、ロボット回路、インテリジェント通信回路、撮像回路、発生器、吸引/灌注回路、通信装置、プロセッサ、ストレージアレイ、及び手術室マッピング回路のうちの少なくとも1つである、実施態様1に記載の方法。
(15) 前記クラウドコンピューティングネットワーク及び前記外科用ハブのうちの少なくとも1つが、前記外科用排出システム及び前記モジュール式デバイスのうちの少なくとも1つと双方向通信する、実施態様1に記載の方法。
(16) 前記クラウドコンピューティングネットワークが、前記外科用ハブと双方向通信する、実施態様1に記載の方法。
(17) 前記クラウドコンピューティングネットワーク及び前記外科用ハブのうちの少なくとも1つが、前記外科用排出システム及び前記モジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対する前記パラメータの前記値の影響を判定するために、メモリに含まれるアルゴリズムを含む、実施態様1に記載の方法。
(18) 前記クラウドコンピューティングネットワーク及び前記外科用ハブのうちの少なくとも1つが、前記外科用排出システム及び前記モジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対する前記パラメータの前記値の影響を判定するために、メモリに含まれる学習ソフトウェアを含む、実施態様1に記載の方法。
(19) コンピュータ実装外科用システムであって、
外科用ハブであって、プロセッサ及びメモリを含む、外科用ハブと、
前記外科用ハブと通信する排煙モジュールと、を備え、前記排煙モジュールが、
パラメータの値を取得することと、
クラウドコンピューティングネットワーク及び前記外科用ハブのうちの少なくとも1つに、前記パラメータの前記値を送信することと、を行うように構成されており、
前記クラウドコンピューティングネットワーク及び前記外科用ハブのうちの少なくとも1つが、
前記パラメータの前記値を処理することと、
前記排煙モジュール及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対する前記パラメータの前記値の影響を判定することと、
前記排煙モジュール及び前記モジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送ることと、を行うように構成されており、
前記排煙モジュール及び前記モジュール式デバイスのうちの少なくとも1つが、
前記命令に基づいて動作を調節することを行うように構成されている、コンピュータ実装外科用システム。
(20) コンピュータ可読命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されたときに、機械に、
外科用排出システムによってパラメータの値を取得することと、
クラウドコンピューティングネットワーク及び外科用ハブのうちの少なくとも1つに、前記パラメータの前記値を送信することと、
前記クラウドコンピューティングネットワーク及び前記外科用ハブのうちの少なくとも1つによって、前記パラメータの前記値を処理することと、
前記クラウドコンピューティングネットワーク及び前記外科用ハブのうちの少なくとも1つによって、前記外科用排出システム及びモジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに対する前記パラメータの前記値の影響を判定することと、
前記クラウドコンピューティングネットワーク及び前記外科用ハブのうちの少なくとも1つから、前記外科用排出システム及び前記モジュール式デバイスのうちの少なくとも1つに、動作を調節するための命令を送ることと、
前記命令に基づいて、前記外科用排出システム及び前記モジュール式デバイスのうちの少なくとも1つによって動作を調節することと、を行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。