様々な図面内で、同様の参照記号は同様の要素を示している。
家庭でユーザの呼吸及び鼾をモニタリング(監視)及び/または制御するために、2人の睡眠者が眠るベッドに、音響及び圧力センシングが使用され得る。例えば、「キング」及び「クイーン」等の名前で販売されているような大型のベッドは、しばしば2人で使用される。2人の睡眠者の鼾及び呼吸を同時に感知するために、音響センサと圧力センサとが、ベッドまたは2人のユーザの睡眠環境に組み込まれ得る。2人のユーザの物理的な近接のため、一方の睡眠者によって作成される音響現象を感知するために配置されるセンサが、他方の睡眠者によって作成される音響現象をピックアップしてしまう可能性が高い。すなわち、左側の音響センサが、右側のユーザによって作成される鼾/呼吸の音響をピックアップしてしまう可能性がある。従って、2人のユーザの睡眠パラメータが正確に判定され得るように、センサデータストリーム内に作成されたクロストークを解きほぐすべく、センサデータ分析エンジンが使用され得る。
[例示的なエアベッドハードウェア]
図1は、ベッド112を含む例示的なエアベッドシステム100を示している。ベッド112は、弾性境界116によって取り囲まれ、ベッド用丈夫綿生地118によってカプセル化された、少なくとも1つのエアチャンバ114を含む。弾性境界116は、発泡体などの、任意の適切な材料を含み得る。
図1に示すように、ベッド112は、第1エアチャンバ114A及び第2エアチャンバ114B等の、第1及び第2流体チャンバを有する2チャンバ設計であり得る。代替の実施形態では、ベッド112は、用途に適した空気以外の流体と共に使用するためのチャンバを含み得る。シングルベッドまたはキッズベッドなどの幾つかの実施形態では、ベッド112は、単一のエアチャンバ114Aまたは114B、あるいは、複数のエアチャンバ114A及び114B、を含み得る。第1及び第2エアチャンバ114A及び114Bは、ポンプ120と流体連通し得る。ポンプ120は、制御ボックス124を介して、リモートコントロール(リモコン)122と電気的に通信し得る。制御ボックス124は、リモートコントロール122を含む1または複数のデバイスと通信するための有線または無線通信インタフェースを含み得る。制御ボックス124は、ユーザがリモートコントロール122を使用することで入力されるコマンドに基づいて第1及び第2エアチャンバ114A及び114Bの流体圧力を増減させるように、ポンプ120を作動させるように構成され得る。幾つかの実装形態では、制御ボックス124は、ポンプ120のハウジングに一体化(統合)されている。
リモートコントロール122は、ディスプレイ126、出力選択機構128、圧力増加ボタン129、及び圧力減少ボタン130、を含み得る。出力選択機構128は、ユーザがポンプ120によって生成される空気流を第1及び第2エアチャンバ114A、114B間で切り替えることを許容し得て、これにより、単一のリモートコントロール122及び単一のポンプ120で複数のエアチャンバの制御を可能にする。例えば、出力選択機構128は、物理的制御部(例えば、スイッチまたはボタン)あるいはディスプレイ126上に表示される入力制御部により可能である。あるいは、別々のリモートコントロールユニットが、各エアチャンバに提供され得て、各々が複数のエアチャンバを制御する能力を含み得る。圧力増加ボタン129及び圧力減少ボタン130は、ユーザが、出力選択機構128で選択されたエアチャンバ内の圧力を、それぞれ、増加または減少させることを許容し得る。選択されたエアチャンバ内の圧力を調整すると、それぞれのエアチャンバの硬度(硬さ)に対する対応する調整がもたらされ得る。幾つかの実施形態では、リモートコントロール122は、用途に応じて適切に、省略され得るし、または、修正され得る。例えば、幾つかの実施形態では、ベッド112は、当該ベッド112と有線または無線通信するコンピュータ、タブレット、スマートフォン、または他のデバイス、によって制御され得る。
図2は、エアベッドシステムの様々な構成要素(コンポーネント)の一例のブロック図である。例えば、これらの構成要素は、例示的なエアベッドシステム100において使用され得る。図2に示すように、制御ボックス124は、電源部134、プロセッサ136、メモリ137、スイッチング機構138、及び、アナログデジタル(A/D)変換器140を含み得る。スイッチング機構138は、例えば、リレーまたはソリッドステートスイッチであり得る。幾つかの実装形態では、スイッチング機構138は、制御ボックス124内ではなくポンプ120内に配置され得る。
ポンプ120及びリモートコントロール122は、制御ボックス124と双方向通信し得る。ポンプ120は、モータ142、ポンプマニホルド143、リリーフバルブ144、第1制御バルブ145A、第2制御バルブ145B、及び、圧力トランスデューサ146を含む。ポンプ120は、第1管148A及び第2管148Bを介して、それぞれ、第1エアチャンバ114A及び第2エアチャンバ114Bと流体接続されている。第1及び第2制御バルブ145A、145Bが、スイッチング機構138によって制御され得て、ポンプ120と第1及び第2エアチャンバ114A、114Bとの間の流体の流れをそれぞれ調整するように動作可能である。
幾つかの実装形態では、ポンプ120及び制御ボックス124は、単一のユニットとして提供され及びパッケージ化され得る。幾つかの代替の実装では、ポンプ120及び制御ボックス124は、物理的に離れたユニットとして提供され得る。幾つかの実装形態では、制御ボックス124、ポンプ120、またはそれらの両方は、ベッド112を支持するベッドフレームまたはベッド支持構造の内部に一体化されるか、あるいは、その内部に含まれる。幾つかの実施態様では、制御ボックス124、ポンプ120、またはそれらの両方は、(図1の例に示されているように)ベッドフレームまたはベッド支持構造の外側に配置される。
図2に示される例示的なエアベッドシステム100は、2つのエアチャンバ114A、114Bと単一のポンプ120とを含む。もっとも、他の実施は、2以上のエアチャンバと、当該エアチャンバを制御するためにエアベッドシステム内に組み込まれた1または複数のポンプと、を有するエアベッドシステムを含み得る。例えば、別個のポンプが、エアベッドシステムの各エアチャンバに付随(関連付け)され得て、あるいは、1つのポンプが、エアベッドシステムの複数のチャンバに付随(関連付け)され得る。別個のポンプは、各エアチャンバが独立且つ同時に膨張または収縮され得ることを許容し得る。更に、追加の圧力トランスデューサも、例えば別個の圧力トランスデューサが各エアチャンバに付随(関連付け)され得るとように、エアベッドシステム内に組み込まれ得る。
使用時、プロセッサ136は、例えば、エアチャンバ114A、114Bの1つに減圧コマンドを送信し得て、スイッチング機構138が、プロセッサ136によって送られた低電圧のコマンド信号を、ポンプ120のリリーフバルブ(安全弁)144を作動させて制御バルブ145A、145Bを開放するのに十分なより高い動作電圧に変換するために、利用され得る。リリーフバルブ144を開放することが、空気がそれぞれの空気管148Aまたは148Bを通ってエアチャンバ114Aまたは114Bから逃げることを許容し得る。収縮中、圧力トランスデューサ146が、A/Dコンバータ140を介して、圧力読取値をプロセッサ136に送信し得る。A/Dコンバータ140は、圧力トランスデューサ146からアナログ情報を受信し得て、当該アナログ情報をプロセッサ136によって使用可能なデジタル情報に変換し得る。プロセッサ136は、圧力情報をユーザに伝えるために、当該デジタル信号をリモートコントロール122に送信してディスプレイ126を更新し得る。
別の例として、プロセッサ136は、圧力増加コマンドを送信し得る。ポンプモータ142が、当該圧力増加コマンドに応答して通電され得て、対応するバルブ145A、145Bを電子的に作動させることにより、空気管148A、148Bを介して、エアチャンバ114A、114Bの指定された一方に空気を送給し得る。チャンバの硬さ(堅さ)を増加させるために指定されたエアチャンバ114Aまたは114Bに空気が送られている間、圧力トランスデューサ146がポンプマニホルド143内の圧力を感知し得る。この場合も、圧力トランスデューサ146は、A/Dコンバータ140を介して、圧力読取値をプロセッサ136に送信し得る。プロセッサ136は、A/Dコンバータ140から受け取った情報を使用して、エアチャンバ114Aまたは114B内の実際の圧力と所望の圧力との間の差を判定し得る。プロセッサ136は、圧力情報をユーザに伝えるために、当該デジタル信号をリモートコントロール122に送信してディスプレイ126を更新し得る。
一般的に言えば、膨張または収縮のプロセス中、ポンプマニホルド143内で感知される圧力が、ポンプマニホルド143と流体連通しているそれぞれのエアチャンバ内の圧力の近似を提供し得る。エアチャンバ内の実際の圧力と実質的に等しいポンプマニホルド圧力の読取値を取得する例示的な方法は、ポンプ120をオフにする工程と、エアチャンバ114Aまたは114B及びポンプマニホルド143内の圧力が等しくなることを許容する工程と、次いで、圧力トランスデューサ146を用いてポンプマニホルド143内の圧力を感知する工程と、を備える。これにより、ポンプマニホルド143及びチャンバ114Aまたは114B内の圧力が等しくなることを許容するのに十分な時間を提供することは、エアチャンバ114Aまたは114B内の実際の圧力の正確な近似である圧力読取値をもたらし得る。幾つかの実装形態では、エアチャンバ114A及び/または114Bの圧力は、複数の圧力センサ(図示せず)を用いて、連続的にモニタリング(監視)され得る。
幾つかの実装形態では、圧力トランスデューサ146によって収集される情報は、ベッド112に横たわっている人の様々な状態を判定するために分析され得る。例えば、プロセッサ136は、圧力トランスデューサ146によって収集される情報を使用して、ベッド112に横たわっている人の心拍数または呼吸数を判定し得る。例えば、ユーザは、チャンバ114Aを含むベッド112の一側に横たわっていてもよい。圧力トランスデューサ146は、チャンバ114Aの圧力の変動をモニタリング(監視)し得て、この情報が、ユーザの心拍数及び/または呼吸数を判定するために使用され得る。別の例として、収集されるデータを使用して人の睡眠状態(例えば、覚醒、浅い睡眠、深い睡眠)を判定するために、付加的な処理が実施され得る。例えば、プロセッサ136は、人が眠りに落ちる時、眠っている間であること、人の様々な睡眠状態、を判定し得る。
圧力トランスデューサ146によって収集される情報を使用して判定され得るエアベッドシステム100のユーザに関連する付加的な情報は、ユーザの動き、ベッド112の表面上のユーザの存在、ユーザの体重、ユーザの心臓不整脈、一時的無呼吸、を含む。ユーザの存在の検知を例にとると、圧力トランスデューサ146が使用され得て、例えば、総圧力の変化の判定を介して、並びに/または、呼吸数信号、心拍数信号及び/若しくは他の生体特徴信号の1または複数を介して、ベッド112上のユーザの存在を検知し得る。例えば、単純な圧力検知プロセスが、圧力の増加を、ユーザがベッド112上に存在することを示すものとして、識別し得る。別の例として、プロセッサ136は、検知された圧力が特定の閾値(特定の体重を超える人ないし他の物体がベッド112上に配置されていることを示すための閾値)を超えて増加した場合、ユーザがベッド112上に存在する、と判定し得る。更に別の例として、プロセッサ136は、ユーザがベッド112上に存在することに対応するものとして、圧力の検知された僅かなリズミカルな変動との組合せで、圧力の増加を識別し得る。リズミカルな変動の存在は、ユーザの呼吸または心臓(心拍)のリズム(またはそれらの両方)に起因するものとして、識別され得る。呼吸または心拍の検知により、ベッド上に存在するユーザとベッド上に置かれている他の物体(スーツケースなど)とが、区別され得る。
幾つかの実装形態では、圧力の変動が、ポンプ120で測定され得る。例えば、ポンプ120内の圧力の変動を検知するために、1または複数の圧力センサが、ポンプ120の1または複数の内部空洞内に配置され得る。ポンプ120で検知される圧力の変動は、チャンバ114A及び114Bの一方または両方の圧力の変動を示し得る。ポンプ120に配置された1または複数のセンサは、チャンバ114A及び114Bの一方または両方と流体連通することができ、当該センサは、チャンバ114A及び114B内の圧力を判定するように動作し得る。制御ボックス124は、チャンバ114Aまたはチャンバ114B内の圧力に基づいて、少なくとも1つのバイタルサイン(例えば、心拍数、呼吸数)を決定するように構成され得る。
幾つかの実装形態では、制御ボックス124は、1または複数の圧力センサによって検知される圧力信号を分析し得て、チャンバ114Aまたはチャンバ114B上に横たわっているまたは座っているユーザの心拍数、呼吸数、及び/または他のバイタルサイン、を判定し得る。より具体的には、ユーザがチャンバ114Aの上方に配置されたベッド112上に横になる時、当該ユーザの心拍、呼吸、及び他の動きの各々が、チャンバ114Aに伝達されるベッド112上の力を生じさせ得る。ユーザの動きに起因するチャンバ114Aへの力の入力の結果として、波が、チャンバ114Aを通って、ポンプ120内へと伝播し得る。ポンプ120に配置された圧力センサが、当該波を検知し得て、これにより、センサによって出力される圧力信号は、心拍数、呼吸数、またはユーザに関する他の情報、を示し得る。
睡眠状態に関して、エアベッドシステム100は、心拍数、呼吸、及び/またはユーザの動きなどの、様々な生体特徴信号を使用することにより、ユーザの睡眠状態を判定し得る。ユーザが眠っている間に、プロセッサ136は、ユーザの生体特徴信号(例えば、心拍数、呼吸、及び動き)の1または複数を受信し得て、当該受信した生体特徴信号に基づいてユーザの現在の睡眠状態を判定し得る。幾つかの実装形態では、チャンバ114A及び114Bの一方または両方の圧力の変動を示す信号が増幅及び/またはフィルタリングされ得て、心拍数及び呼吸数のより正確な検知を許容し得る。
制御ボックス124は、増幅及びフィルタリングされた圧力信号に基づいて、パターン認識アルゴリズムまたは他の計算法を実行し得て、ユーザの心拍数及び呼吸数を判定し得る。例えば、当該アルゴリズムまたは計算法は、信号の心拍数部分が0.5〜4.0Hzの範囲の周波数を有し、信号の呼吸数部分が1Hz未満の範囲の周波数を有する、という仮定に基づき得る。制御ボックス124は、また、受信された圧力信号に基づいて、血圧、寝返り(揺れ及び回転)運動、ローリング運動、四肢の運動、体重、ユーザの存在ないし不在、及び/またはユーザのアイデンティティ(個性)、などのユーザの他の特性を判定するように構成され得る。心拍数情報、呼吸数情報、及び他のユーザ情報、を使用してユーザの睡眠をモニタリング(監視)するための技術は、「バイタルサインをモニタリング(監視)するための装置」という名称のスティーブン・J・ヤング等による米国特許出願公開公報第2010/0170043号に開示されている。当該公開公報の全内容が、当該参照により本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
例えば、ベッド112のチャンバ114A及び114B内の空気圧をモニタリング(監視)するために、圧力トランスデューサ146が使用され得る。ベッド112上のユーザが動いていない場合、エアチャンバ114Aまたは114B内の空気圧の変化は、比較的最小であり得て、呼吸及び/または心拍に起因し得る。しかしながら、ベッド112上のユーザが動いている時、マットレス内の空気圧は、はるかに大きな量で変動し得る。従って、圧力トランスデューサ146によって生成され、プロセッサ136によって受信される圧力信号は、動き、心拍、または呼吸に対応するものとして、フィルタリングされて示され得る。
幾つかの実装形態では、プロセッサ136で制御ボックス124内でデータ分析を実行するのではなく、圧力トランスデューサ146によって収集されるデータを分析するためにデジタル信号プロセッサ(DSP)が提供され得る。あるいは、圧力トランスデューサ146によって収集されるデータは、遠隔分析のためにクラウドベースのコンピューティングシステムに送信され得る。
幾つかの実装態様では、例示的なエアベッドシステム100は、例えば、ユーザの快適さのために、ベッドの温度を上昇、下降、または維持するように構成された温度コントローラを更に備える。例えば、パッドが、ベッド112の頂部上に載置され得る、または、その一部であり得る、あるいは、チャンバ114A及び114Bの一方または両方の頂部上に載置され得る、または、その一部であり得る。当該パッドを通して空気が押し出され得て、ベッドのユーザを冷やすために通気され得る。逆に、当該パッドは、ユーザを暖かく保つために使用され得る加熱要素を含み得る。幾つかの実装形態では、温度コントローラは、パッドから温度読取値を受信し得る。幾つかの実装形態では、ベッドの異なる側に異なる温度制御を提供するために、(例えば、チャンバ114A及び114Bの位置に対応する)ベッド112の異なる側に、別個のパッドが使用される。
幾つかの実装形態では、エアベッドシステム100のユーザは、ベッド112の表面(またはベッド112の表面の一部)の所望の温度を入力するために、リモートコントロール122などの入力デバイスを使用し得る。所望の温度は、当該所望の温度を含み温度コントローラを所望の制御対象のコンポーネント(構成要素)として識別するコマンドデータ構造にカプセル化され得る。次に、当該コマンドデータ構造は、ブルートゥース(登録商標)または他の適切な通信プロトコルを介してプロセッサ136に送信され得る。様々な例において、コマンドデータ構造は、送信される前に暗号化され得る。次に、温度コントローラは、ユーザによってリモートコントロール122に入力された温度に応じてパッドの温度を増減するように、その要素を構成(制御)し得る。
幾つかの実装形態では、データは、あるコンポーネントからプロセッサ136に送り返され得るし、あるいは、ディスプレイ126などの1または複数のディスプレイデバイスに送信され得る。例えば、温度コントローラのセンサ要素によって判定される現在の温度、ベッドの圧力、土台(基礎部)の現在の位置、または他の情報が、制御ボックス124に送信され得る。次に、制御ボックス124は、受信した情報をリモートコントロール122に送信し得る。それは、そこで、(例えば、ディスプレイ126上で)ユーザに表示され得る。
幾つかの実装形態では、例示的なエアベッドシステム100は、調整可能な土台と、ベッドを支持する当該調整可能な土台を調整することによってベッド(例えばベッド112)の位置を調整するように構成された関節運動コントローラと、を更に備える。例えば、関節運動コントローラは、ベッド112を、平坦な位置から、ベッドのマットレスのヘッド部分が上向きに傾斜する位置にまで(例えば、ユーザがベッドに座る及び/またはテレビを見ることを容易にするために)、調整し得る。幾つかの実装形態では、ベッド112は、複数の別々に関節運動可能なセクションを含む。例えば、チャンバ114A及び114Bの位置に対応するベッドの部分が、互いに独立して関節運動され得て、ベッド112の表面上に配置された1人が第1位置(例えば、平坦な位置)で休みながら、2人目が第2位置(例えば、頭を腰から斜めに上げたリクライニング位置)で休むことを許容する。幾つかの実装形態では、2つの異なるベッド(例えば、互いに隣り合って配置された2つのツインベッド)に、別々の位置が設定され得る。ベッド112の土台は、独立して調整され得る2以上のゾーンを含み得る。関節運動コントローラはまた、ベッド112上の1または複数のユーザに異なるレベルのマッサージを提供するように構成され得る。
[寝室環境におけるベッドの例]
図3は、家庭内及び家庭周囲にある複数のデバイスと通信するベッド302を含む例示的な環境300を示している。図示の例では、ベッド302は、2つのエアチャンバ306a及び306b内の空気圧を制御するためのポンプ304を含む(エアチャンバ114A〜114Bに関して前述されたように)。ポンプ304は更に、当該ポンプ304によって実施される膨張機能及び収縮機能を制御するための回路を含む。当該回路は、更に、エアチャンバ306a〜bの空気圧の変動を検知するようにプログラムされており、当該検知された空気圧の変動を利用して、ユーザ308のベッドでの存在、ユーザ308の睡眠状態、ユーザ308の動き、及び、心拍数や呼吸数などのユーザ308の生体特徴信号、を識別する。図示の例では、ポンプ304は、ベッド302の支持構造内に配置され、ポンプ304を制御するための制御回路334は、ポンプ304と一体化されている。幾つかの実装形態では、制御回路334は、ポンプ304から物理的に離れており、ポンプ304と無線または有線で通信する。幾つかの実装形態では、ポンプ304及び/または制御回路334は、ベッド302の外側に配置される。幾つかの実装形態では、様々な物理的位置にあるシステムによって、様々な制御機能が実施され得る。例えば、ポンプ304の動作を制御するための回路が、ポンプ304のポンプケーシング内に配置され得て、ベッド302に関連する他の機能を実施するための制御回路334が、ベッド302の別の部分内、またはベッド302の外部、に配置され得る。別の例として、ポンプ304内に配置された制御回路334は、LANまたはWAN(例えばインターネット)を介して、遠隔地にある制御回路334と通信し得る。更に別の例として、制御回路334は、図1及び図2の制御ボックス124に含められ得る。
幾つかの実装形態では、ユーザのベッドでの存在、睡眠状態、動き、及び生体特徴信号を識別するために、ポンプ304及び制御回路334以外の、またはそれらに加えての、1または複数の装置が使用され得る。例えば、ベッド302は、ポンプ304に加えて第2のポンプを含み得て、2つのポンプの各々は、エアチャンバ306a〜bのそれぞれ1つに接続され得る。例えば、ポンプ304は、エアチャンバ306bと流体連通し得て、エアチャンバ306bの膨張及び収縮を制御し得て、ベッドでの存在、睡眠状態、動き、生体特徴信号などの、エアチャンバ306b上に位置するユーザのユーザ信号を検知し得る。一方で、第2のポンプが、エアチャンバ306aと流体連通し得て、エアチャンバ306aの膨張及び収縮を制御し得るとともに、エアチャンバ306a上に位置するユーザのユーザ信号を検知し得る。
別の例として、ベッド302は、ユーザの存在、ユーザの動き、呼吸、及び心拍数を含む、動きを検知するように動作可能な1または複数の感圧パッドまたは感圧表面部分を含み得る。例えば、第1感圧パッドが、第1ユーザが通常睡眠中に位置するベッド302の左側部分上でベッド302の表面内に組み込まれ得て、第2感圧パッドが、第2ユーザが通常睡眠中に位置するベッド302の右側部分上でベッド302の表面内に組み込まれ得る。当該1または複数の感圧パッドまたは感圧表面部分によって検知される動きは、ユーザの睡眠状態、ベッドでの存在、または生体特徴信号、を識別するために、制御回路334によって使用され得る。
幾つかの実装形態では、ベッドによって検知される情報(例えば運動情報)は、制御回路334(例えば、ポンプ304と一体化された制御回路334)によって処理され、ユーザデバイス310などの1または複数のユーザデバイスに提供されて、ユーザ308または他のユーザへ提示される。図3に示す例では、ユーザデバイス310はタブレットデバイスである。しかしながら、幾つかの実装形態では、ユーザデバイス310は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、スマートテレビ(例えば、テレビ312)、または、制御回路334との有線または無線通信が可能な他のユーザデバイス、であり得る。ユーザデバイス310は、ネットワークを介して、または直接のポイントトゥーポイント通信を介して、ベッド302の制御回路334と通信し得る。例えば、制御回路334は、(例えば、Wi-Fiルータを介して)LANに接続され得て、当該LANを介してユーザデバイス310と通信し得る。別の例として、制御回路334及びユーザデバイス310は、両方ともインターネットに接続し得て、当該インターネットを介して通信し得る。例えば、制御回路334は、WiFiルータを介してインターネットに接続し得て、ユーザデバイス310は、セルラー通信システムとの通信を介してインターネットに接続し得る。別の例として、制御回路334は、ブルートゥース(登録商標)などの無線通信プロトコルを介して、ユーザデバイス310と直接通信し得る。更に別の例として、制御回路334は、ZigBee、Z−Wave、赤外線、または用途に適した他の無線通信プロトコル、などの無線通信プロトコルを介して、ユーザデバイス310と通信し得る。別の例として、制御回路334は、例えば、USBコネクタ、シリアル/RS232、または用途に適した他の有線接続、などの有線接続を介して、ユーザデバイス310と通信し得る。
ユーザデバイス310は、睡眠またはユーザ308のベッド302に対する相互作用に関連する様々な情報及び統計を表示し得る。例えば、ユーザデバイス310によって表示されるユーザインタフェースが、ある期間(例えば、一晩、一週間、一ヶ月など)のユーザ308の睡眠の量、深い睡眠の量、深い睡眠の落ち着かない睡眠に対する比、ベッドに入るユーザ308と眠りに落ちるユーザ308との間の時間経過、所定の期間においてベッド302で費やされた合計時間、ある期間のユーザ308の心拍数、ある期間のユーザ308の呼吸数、あるいは、ユーザ308またはベッド302の1または複数の他のユーザによるベッド302に対するユーザ相互作用に関連する他の情報、を含む情報を提示し得る。幾つかの実装形態では、複数のユーザの情報がユーザデバイス310に提示され得て、例えば、エアチャンバ306a上に位置する第1ユーザの情報が、エアチャンバ306b上に位置する第2ユーザの情報とともに、提示され得る。幾つかの実装形態では、ユーザデバイス310上に提示される情報は、ユーザ308の年齢に応じて変化し得る。例えば、ユーザデバイス310上に提示される情報は、ユーザ308の年齢と共に進化し得て、ユーザ308が子供としてまたは大人として加齢するにつれて異なる情報がユーザデバイス310上に提示され得る。
ユーザデバイス310はまた、ユーザ302が情報を入力することを許容するために、ベッド302の制御回路334のためのインタフェースとして使用され得る。ユーザに、または、ベッド302または他の装置の機能を制御するための様々な制御信号に、より良い情報を提供するために、ユーザ308によって入力される情報は、制御回路334によって使用され得る。例えば、ユーザ308は、体重、身長、年齢などの情報を入力し得て、制御回路334はこの情報を使用し得て、当該ユーザの追跡された睡眠情報と、当該ユーザと同様の体重、身長及び/または年齢を有する他の人々の睡眠情報と、の比較を当該ユーザに提供し得る。別の例として、ユーザ308は、ユーザデバイス310を、エアチャンバ306a及び306bの空気圧を制御するため、ベッド302の様々なリクライニングまたは傾斜位置を制御するため、ベッド302の1または複数の表面温度制御装置の温度を制御するため、または、制御回路334が他の装置のための制御信号を生成することを許容するため(以下でより詳細に説明されるように)、のインタフェースとして使用し得る。
幾つかの実装形態では、ベッド302の制御回路334(例えば、ポンプ304内に一体化された制御回路334)は、ユーザデバイス310に加えて、またはその代わりに、他の第1、第2または第3者の装置またはシステムと通信し得る。例えば、制御回路334は、テレビ312、照明システム314、サーモスタット316、セキュリティシステム318、あるいは、オーブン322、コーヒーメーカー324、ランプ326及び常夜灯328のような他の家庭用機器、と通信し得る。制御回路334が通信し得る装置及び/またはシステムの他の例は、ブラインド330を制御するためのシステム、1または複数のドア332の状態を検知または制御する(例えばドアが開いているか否かを検知する、ドアがロックされているか否かを検知する、または、ドアを自動的にロックする)ための1または複数の装置、及び、ガレージドア320を制御するためのシステム(例えば、ガレージドア320の開閉状態を識別し、ガレージドアオープナーにガレージドア320を開閉させるため、ガレージドアオープナーと一体化された制御回路334)、を含む。ベッド302の制御回路334と他の装置との間の通信は、ネットワーク(例えば、LANまたはインターネット)を介して、または、ポイントトゥーポイント通信(例えば、ブルートゥース(登録商標)、無線通信、または有線接続)として、生じ得る。幾つかの実装形態では、異なるベッド302の制御回路334が、異なるセットの装置と通信し得る。例えば、キッズベッド(子供用ベッド)は、大人用ベッドと同じ装置と通信しない及び/または制御しない場合がある。幾つかの実施形態では、ベッド302は、当該ベッド302の制御回路334がユーザの年齢の関数として異なる装置と通信するように、ユーザの年齢とともに進化し得る。
制御回路334は、他の装置/システムから情報及び入力を受信し得て、ベッド302または他の装置の動作を制御するために、当該受信した情報及び入力を使用し得る。例えば、制御回路334は、ベッド302が配置されている家または部屋の現在の環境温度を示すサーモスタット316からの情報を受信し得る。制御回路334は、ベッド302の表面の全部または一部の温度を上げるべきか下げるべきかを決定(判定)するために、当該受信した情報を(他の情報とともに)使用し得る。次に、制御回路334は、ベッド302の加熱機構または冷却機構に、ベッド302の表面の温度を上昇または下降させ得る。例えば、ユーザ308は、華氏74度の所望の睡眠温度を示し得て、一方、ベッド302の第2のユーザは、華氏72度の所望の睡眠温度を示し得る。サーモスタット316は、寝室の現在の温度が華氏72度であることを、制御回路334に示し得る。制御回路334は、ユーザ308が華氏74度の所望の睡眠温度を示したことを識別し得て、ベッド302の表面の一部の温度を上げるために、制御信号をベッドのユーザ308の側にある加熱パッドに送信し得る。それは、当該ユーザ308の睡眠面の温度を所望の温度に上げるために配置されている。
制御回路334は、また、他の装置を制御する制御信号を生成し得て、当該制御信号を当該他の装置に伝搬し得る。幾つかの実装形態では、制御信号は、ユーザ308及び/または1人以上の他のユーザによるベッド302とのユーザ相互作用に関する情報を含む、制御回路334によって収集された情報に基づいて、生成される。幾つかの実装形態では、ベッド302以外の1または複数の他の装置から収集される情報が、制御信号を生成する時に使用される。例えば、ベッド302の制御回路334と通信する様々な装置の制御信号を生成する時に、環境発生に関する情報(例えば、環境温度、環境ノイズレベル、環境光レベルなど)、時刻、年、曜日、または他の情報が、使用され得る。例えば、時刻に関する情報が、照明システム314のための制御信号を生成するために、ユーザ308の動き及びベッドでの存在に関する情報と組み合わされ得る。幾つかの実装形態では、1または複数の他の装置に制御信号を提供するのではなく、またはそれに加えて、制御回路334は、収集された情報(例えば、ユーザの動き、ベッドでの存在、睡眠状態またはユーザ308の生体特徴信号、に関連する情報)を1または複数の他の装置に送信し得て、当該1または複数の他の装置が制御信号を生成する時に当該収集された情報を利用することを許容し得る。例えば、ベッド302の制御回路334は、中央コントローラ(図示せず)に、ユーザ308によるベッド302とのユーザ相互作用に関する情報を提供し得る。当該中央コントローラは、ベッド302を含む様々な装置の制御信号を生成するために、当該提供された情報を利用し得る。
引き続き図3を参照して、ベッド302の制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在、ユーザの睡眠状態308、及び他の要因を含む、制御回路334によって収集される情報に応答して、他の装置の動作を制御するための制御信号を生成し得て、当該他の装置に当該制御信号を送信し得る。例えば、ポンプ304と一体化された制御回路334は、エアチャンバ306b内の圧力の増加などの、ベッド302のマットレスの特徴を検知し得て、この検知された空気圧の増加を、ユーザ308がベッド302上にいることを判定するために利用する。幾つかの実装形態では、制御回路334は、圧力の増加が、無生物(スーツケースなど)がベッド上に置かれているのではなく、人がベッド302上に座っている、横たわっている、または休んでいるためである、ことを識別するために、ユーザ308の心拍数または呼吸数を識別し得る。幾つかの実装形態では、ユーザのベッドでの存在を示す情報は、他の情報と組み合わされて、ユーザ308の現在または将来の可能性ある状態を識別する。例えば、午前11時00分に検知されたユーザのベッドでの存在は、ユーザがベッド上に座っていて(例えば、靴紐を結ぶため、または、本を読むため)、寝ようとはしていない、ことを示し得る。一方、午後10時00分に検知されたユーザのベッドでの存在は、ユーザ308がベッドに入っていて、まもなく寝るつもりである、ことを示し得る。別の例として、制御回路334が、午前6時30分にユーザ308がベッド302を去ったことを検知し(例えば、ユーザ308がその日に目覚めたことを示す)、その後、午前7時30分にユーザ308のベッドでの存在を検知した場合、制御回路334は、ユーザ308が延長された期間ベッド上に留まるつもりである、ということの表示ではなく、新しく検知されたユーザのベッドでの存在は、一時的である可能性が高い(例えば、ユーザ308が仕事に向かう前に靴紐を結んでいる間である)、というように、この情報を使用(理解)し得る。
幾つかの実装形態では、制御回路334は、収集された情報(ユーザ308によるベッド302とのユーザ相互作用に関連する情報、環境情報、時間情報、及び、ユーザから受け取った入力、を含む)を使用して、ユーザ308の使用パターンを識別し得る。例えば、制御回路334は、ある期間にわたって収集されたユーザ308のベッドでの存在及び睡眠状態を示す情報を使用して、当該ユーザの睡眠パターンを識別し得る。例えば、制御回路334は、1週間にわたって収集されたユーザの存在を示す情報とユーザ308の生体特徴信号とに基づいて、ユーザ308が概して午後9時30分と午後10時00分との間にベッドに行き、概して午後10時00分と午後11時00分との間に入眠し、概して午前6時30分と午前6時45分との間に目覚める、ということを識別し得る。制御回路334は、ユーザ308によるベッド302とのユーザ相互作用をより良好に処理して識別するために、当該ユーザの識別パターンを使用し得る。
例えば、前記の例のユーザ308のベッドでの存在、睡眠、及び目覚めのパターンが与えられた場合において、ユーザ308が午後3時00分にベッド上にいると検知される場合、制御回路334は、ベッド上のユーザの存在が単に一時的である、と判定し得て、当該判定を使用して、ユーザ308が夕方にベッドにいると制御回路334が判定した場合に生成されるであろうものとは異なる制御信号を生成し得る。別の例として、制御回路334が、ユーザ308が午前3時00分にベッドから出たことを検知した場合、制御回路334は、当該ユーザ308の識別パターンを使用して、当該ユーザが一時的に起きただけであって(例えば、トイレを使用するため、または、コップ一杯の水を得るため)、その日の起床をしたわけではない、と判定し得る。対照的に、制御回路334が、ユーザ308が午前6時40分にベッド302から出たことを識別する場合、制御回路334は、ユーザがその日の起床をしたと判定し得て、(ユーザ308が午前3時00分にベッド302を出る場合のように)ユーザ308が一時的にベッドを出ただけであると判定された場合に生成されるであろうものとは異なる制御信号のセットを生成し得る。他のユーザ308については、午前3時00分にベッド302から出ることは、通常の目覚めの時間であり得るので、制御回路334は、これに応じて、学習及び応答し得る。
前述のように、ベッド302の制御回路334は、様々な他の装置の制御機能のための制御信号を生成し得る。制御信号は、少なくとも部分的に、ユーザ308によるベッド302との検知された相互作用と、時間、日付、温度などを含む他の情報と、に基づいて生成され得る。例えば、制御回路334は、テレビ312と通信し得て、テレビ312から情報を受信し得て、テレビ312の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、制御回路334は、テレビ312が現在オンであるというテレビ312からの標示を、受信し得る。テレビ312がベッド302とは異なる部屋に配置されている場合、制御回路334は、ユーザ308が夜に就寝したと判定する時、テレビ312をオフにする制御信号を生成し得る。例えば、ベッド302上のユーザ308の存在が特定の時間範囲(例えば午後8時00分と午前7時00分との間)に検知され、閾値時間(例えば10分)より長く続く場合、制御回路334は、この情報を使用して、ユーザ308が就寝のためにベッドにいると判定し得る。テレビ312がオンである場合(テレビ312からベッド302の制御回路334によって受信される通信によって示される)、制御回路334は、テレビ312をオフにする制御信号を生成し得る。次に、制御信号が、テレビに送信され得る(例えば、テレビ312と制御回路334との間の有向通信リンクを介して、または、ネットワークを介して)。別の例として、ユーザのベッドでの存在の検知に応答してテレビ312をオフにするのではなく、制御回路334は、テレビ312の音量を予め指定された量だけ下げるようにする制御信号を生成し得る。
別の例として、指定された時間範囲(例えば、午前6時00分から午前8時00分の間)にユーザ308がベッド302を離れたことを検知する時、制御回路334は、テレビ312をオンにし、予め指定されたチャンネルに同調させるための制御信号を生成し得る(例えば、ユーザ308は、朝にベッドから出る時に朝のニュースを見るという好みを示す)。制御回路334は、制御信号を生成し、当該信号をテレビ312に送信して、テレビ312をオンにし得て、所望の局(制御回路334、テレビ312、または別の場所、に保存され得る)に同調させ得る。別の例として、ユーザ308がその日に起床したことを検知する時、制御回路334は、制御信号を生成及び送信して、テレビ312をオンにし得て、テレビ312と通信しているデジタルビデオレコーダー(DVR)から以前に録画された番組の再生を開始し得る。
別の例として、テレビ312がベッド302と同じ部屋にある場合、制御回路334は、ユーザのベッドでの存在の検知に応答しては、テレビ312をオフにしない。むしろ、制御回路334は、ユーザ308が眠っているとの判定に応答して、制御信号を生成及び送信して、テレビ312をオフにし得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308の生体特徴信号(例えば、動き、心拍数、呼吸数)をモニタリング(監視)して、ユーザ308が眠りに落ちたことを判定し得る。ユーザ308が眠っていることを検知する時、制御回路334は、テレビ312をオフにする制御信号を生成して送信する。別の例として、制御回路334は、ユーザ308が眠りに落ちた後の閾値時間の経過後(例えば、ユーザが眠りに落ちた後10分後)に、テレビ312をオフにする制御信号を生成し得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308が眠っていると判定した後、テレビ312の音量を下げる制御信号を生成する。更に別の例として、制御回路334は、ユーザ308が眠っているとの決定に応答して、制御信号を生成及び送信して、テレビの音量をある期間にわたって徐々に下げ、その後にテレビをオフにする。
幾つかの実装形態では、制御回路334は、コンピュータ、タブレット、スマートフォン、ステレオシステムなど、の他のメディアデバイスと、同様に相互作用し得る。
例えば、ユーザ308が眠っていることを検知する時、制御回路334は、制御信号を生成してユーザデバイス310に送信し、ユーザデバイス310をオフにし得る、または、ユーザデバイス310で再生されているビデオまたはオーディオファイルの音量を下げ得る。
制御回路334は更に、照明システム314と通信し得て、当該照明システム314から情報を受信し得て、当該照明システム314の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、特定の時間枠(例えば午後8時00分から午前7時00分の間)で閾値時間(例えば10分)より長く続くベッド302上のユーザの存在を検知する時、ベッド302の制御回路334は、ユーザ308が就寝のためにベッドにいると判定し得る。この判定に応答して、制御回路334は、ベッド302が配置されている部屋以外の1または複数の部屋の照明を消灯する制御信号を生成し得る。次に、制御信号が照明システム314に送信され得て、当該照明システム314によって実行され得て、示された部屋の照明を消灯させ得る。例えば、制御回路334は、制御信号を生成及び送信して、他の寝室ではなく、全ての一般的な部屋の照明を消灯し得る。別の例として、ユーザ308が就寝のためにベッドにいるとの判定に応答して、制御回路334によって生成される制御信号は、ベッド302が配置されている部屋以外の全ての部屋の照明が消灯されるべきであり、ベッド302を含む家屋の外側に配置された1または複数の照明も消灯されるべきである、ことを示し得る。更に、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在またはユーザ308が眠っていることの判定に応答して、常夜灯328を点灯させる制御信号を生成及び送信し得る。別の例として、制御回路334は、ユーザのベッドでの存在の検知に応答して第1セットの照明(例えば、一般の部屋の照明)を消灯するための第1制御信号と、ユーザ308が眠っていることの検知に応答して第2セットの照明(例えば、ベッド302が配置されている部屋の照明)を消灯するための第2制御信号と、を生成し得る。
幾つかの実装形態では、ユーザ308が就寝のためにベッドにいるとの判定に応答して、ベッド302の制御回路334は、ベッド302が配置されている部屋で日没照明様式を照明システム314に実施させる制御信号を生成し得る。日没照明様式は、例えば、寝室の照明に琥珀色の色調を追加するなど寝室環境の照明の色を変更することとの組み合わせで、照明を(時間をかけて徐々に、または一気に)落とすこと、を含み得る。日没照明様式は、ユーザ308が就寝のためにベッドにいると制御回路334が判定した時、ユーザ308を入眠させることを助け得る。
制御回路334は、また、ユーザ308が朝に目覚める時に、日出照明様式を実施するように構成され得る。制御回路334は、例えば、指定された時間枠(例えば午前6時00分と午前8時00分との間)の間にユーザ308がベッド302から出た(すなわち、もはやベッド302上に存在しない)ことを検知することによって、ユーザ308がその日に起床したことを判定し得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308がベッドから出ていなくてもユーザ308が目覚めていることを判定するために、ユーザ308の動き、心拍数、呼吸数、または他の生体特徴信号を、モニタリング(監視)し得る。制御回路334が、指定された時間枠の間にユーザが目覚めていることを検知した場合、制御回路334は、ユーザ308がその日に起床したと判定し得る。指定された時間枠は、例えば、一定期間(例えば2週間)にわたって収集された以前に記録されたユーザのベッドでの存在情報に基づき得る。それは、ユーザ308が通常午前6時30分と午前7時30分との間に目覚めることを示し得る。ユーザ308が目覚めていると制御回路334が判定することに応答して、当該制御回路334は、制御信号を生成して、照明システム314に、ベッド302が配置されている寝室で日出照明様式を実施させ得る。日出照明様式は、例えば、照明(例えば、ランプ326、または寝室の他の照明)を点灯させることを含み得る。日出照明様式は、ベッド302が配置されている部屋(または1または複数の他の部屋)の照明のレベルを徐々に上げることを更に含み得る。日出照明様式は、指定された色の照明のみを点灯させることも含み得る。例えば、日出照明様式は、ユーザ308が目覚めて活動的になるのを穏やかに支援するため、寝室を青色光で照明することを含み得る。
幾つかの実装形態では、制御回路334は、ベッド302とのユーザ相互作用が検出された時刻に応じて、照明システム314などの1または複数の構成要素の動作を制御するための異なる制御信号を生成し得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308とベッド302との間の相互作用についての履歴ユーザ相互作用情報を使用して、ユーザ308が通常午後10時00分と午後11時00分との間で入眠し、通常午前6時30分と午前7時30分との間で目覚める、ということを判定し得る。制御回路334は、この情報を使用して、午前3時00分にユーザ308がベッドから出たと検知される場合に、照明システム314を制御するための制御信号の第1セットを生成し得て、午前6時30分より後にユーザ308がベッドから出たと検知される場合に、照明システム314を制御するための制御信号の第2セットを生成し得る。例えば、ユーザ308が午前6時30分より前にベッドから出る場合、制御回路334は、ユーザ308のトイレへの経路を案内する照明を点灯させ得る。別の例として、ユーザ308が午前6時30分より前にベッドから出る場合、制御回路334は、ユーザ308のキッチンへの経路を案内する照明を点灯させ得る(それは、例えば、常夜灯328を点灯すること、ベッド下の照明を点灯すること、または、ランプ326を点灯すること、を含み得る)。
別の例として、ユーザ308が午前6時30分より後にベッドから出る場合、制御回路334は、制御信号を生成して、照明システム314に日出照明様式を開始させ得る、あるいは、寝室または他の部屋の1または複数の照明を点灯させ得る。幾つかの実装形態では、当該ユーザ308について指定された朝の起床時間より前にユーザ308がベッドから出たと検知される場合、制御回路334は、照明システム314に、当該指定された朝の起床時間より後にユーザ308がベッドから出たと検知される場合に照明システム314によって点灯される光よりも弱い(暗い)光を、点灯させる。ユーザ308が夜間に(すなわち、当該ユーザ308の通常の起床時間より前に)ベッドから出る時に弱い(薄暗い)照明のみを点灯させることは、その家の他の居住者が照明によって目覚めてしまうことを防げる一方で、ユーザ308が家内でトイレ、キッチン、または別の目的地に到達するために見ることを許容し得る(視界を提供し得る)。
ユーザ308とベッド302との間の相互作用に関する履歴ユーザ相互作用情報は、ユーザの睡眠時間枠及び覚醒時間枠を識別するために使用され得る。例えば、ユーザのベッドでの存在時間及び睡眠時間が、設定された期間(例えば、2週間、1ヶ月など)について判定され得る。次に、制御回路334は、ユーザ308が就寝する典型的な時間範囲すなわち時間枠、ユーザ308が入眠する典型的な時間枠、及び、ユーザ308が目覚める典型的な時間枠、を識別し得る(場合によっては、ユーザ308が目覚める時間枠とユーザ308が実際にベッドから出る時間枠とは異なる)。幾つかの実装形態では、これらの時間枠に、バッファ時間が追加され得る。例えば、ユーザが、典型的には午後10時00分と午後10時30分との間に就寝すると識別される場合、各方向に30分のバッファが当該時間枠に追加され得て、午後9時30分と午後11時00分との間にユーザがベッドに着くことの検知が、ユーザ308が夜に就寝することと解釈され得る。別の例として、ユーザ308が就寝する最も早い典型的な時間の30分前から始まって当該ユーザの典型的な目覚めの時間(例えば午前6時30分)まで延長される時間帯内での、ユーザ308のベッドでの存在の検知が、ユーザ308が夜に就寝することと解釈され得る。例えば、ユーザが典型的には午後10時00分と午後10時30分との間に就寝する場合、ユーザのベッドでの存在がある夜の午前12時30分(0時30分)に検知されると、それは、ユーザの就寝の典型的な時間枠を超えてはいるが、ユーザの通常の目覚め時間の前に生じているため、当該ユーザ308が夜に就寝したと解釈され得る。幾つかの実装形態では、1年の異なる時期(例えば、夏よりも冬には就寝時間が早まる)または1週間の異なる曜日(例えば、ユーザは週末より平日により早く目覚める)について、異なる時間枠が識別される。
制御回路334は、ユーザ308の存在の持続時間を感知することによって、短時間ベッド302上に存在すること(昼寝など)に対して、ユーザ308が長時間就寝すること(夜など)を区別し得る。幾つかの例では、制御回路334は、ユーザ308の睡眠の持続時間を感知することによって、短時間の就寝(昼寝など)に対して、ユーザ308が長時間就寝すること(夜など)を区別し得る。例えば、制御回路334は、時間閾値を設定し得て、それにより、ユーザ308がベッド302上で当該閾値より長く感知される場合、ユーザ308が夜に就寝したと見なされる。幾つかの例では、当該閾値は約2時間であり得て、それにより、ユーザ308がベッド302上で2時間を超えて感知される場合、制御回路334は、それを長時間睡眠事象として登録する。他の例では、当該閾値は、2時間より長かったり短かったりし得る。
制御回路334は、ユーザ308が就寝時間範囲を入力する必要なく、ユーザ308の典型的な就寝時間範囲を自動的に判定するべく、繰り返される長時間睡眠事象を検知し得る。これにより、制御回路334は、ユーザ308が伝統的な睡眠スケジュールを使用して典型的に就寝するのか非伝統的な睡眠スケジュールを使用して典型的に就寝するのかとは無関係に、ユーザ308が長時間睡眠事象のために就寝する可能性が高い時刻を、正確に推定できる。次に、制御回路334は、ユーザ308の就寝時間範囲の知識を使用して、就寝時間範囲中または就寝時間範囲外にベッドで存在することの感知に基づいて、1または複数の構成要素(ベッド302及び/または非ベッドの周辺機器を含む)を、異なって制御し得る。
幾つかの例では、制御回路334は、ユーザ入力を必要とすることなく、ユーザ308の就寝時間範囲を自動的に判定し得る。幾つかの例では、制御回路334は、自動的に、且つ、ユーザ入力との組み合わせで、ユーザ308の就寝時間範囲を判定し得る。幾つかの例では、制御回路334は、ユーザ入力に従って、就寝時間範囲を直接的に設定し得る。幾つかの例では、制御回路334は、異なる就寝時刻を異なる曜日に関連付け得る。これらの例の各々において、制御回路334は、検知されたベッドでの存在及び就寝時間範囲の関数として、1または複数の構成要素(照明システム314、サーモスタット316、セキュリティシステム318、オーブン322、コーヒーメーカー324、ランプ326、及び常夜灯328など)を制御し得る
制御回路334は、更に、サーモスタット316と通信し得て、当該サーモスタット316からの情報を受信し得て、当該サーモスタット316の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、ユーザ308は、ユーザ308の睡眠状態またはベッドでの存在に応じて、異なる時間の異なる温度のユーザの好みを示し得る。例えば、ユーザ308は、ベッドから出るとき華氏72度、ベッドにいるが目覚めているとき華氏70度、及び、眠っているとき華氏68度、の環境温度を好み得る。ベッド302の制御回路334は、夜のユーザ308のベッドでの存在を検知し得て、ユーザ308が就寝中であると判定し得る。この判定に応答して、制御回路334は、サーモスタットをして温度を華氏70度に変化させる制御信号を生成し得る。次に、制御回路334は、当該制御信号をサーモスタット316に送信し得る。ユーザ308が就寝時間範囲中に就寝している、または眠っている、ことを検知すると、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、サーモスタット316をして温度を華氏68度に変化させ得る。翌朝、ユーザがその日の起床をした(例えば、ユーザ308が午前6時30分より後にベッドから出た)、ことを判定すると、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、サーモスタット316をして温度を華氏72度に変化させ得る。
幾つかの実装形態では、制御回路334は、同様に制御信号を生成し得て、ベッド302とのユーザ相互作用に応答して、あるいは様々な予めプログラムされた時間に、ベッド302の表面上の1または複数の加熱要素または冷却要素をして、様々な時点で温度を変化させ得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308が入眠したことが検知されると、加熱要素を作動させ得て、ベッド302の表面の片側の温度を華氏73度にまで上昇させ得る。別の例として、ユーザ308がその日に起床したと判定すると、制御回路334は、加熱要素または冷却要素を電源オフにし得る。更に別の例として、ユーザ308は、ベッドの表面の温度が上昇または下降されるべき様々な時間を、予めプログラムし得る。例えば、ユーザは、午後10時00分に表面温度を華氏76度に上げ、午後11時30分に表面温度を華氏68度に下げるように、ベッド302をプログラムし得る。
幾つかの実装形態では、ユーザ308のベッドでの存在の検知及び/またはユーザ308が眠っていることの検知に応答して、制御回路334は、サーモスタット316をして、異なる部屋の温度を異なる値に変化させ得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいるとの判定に応答して、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、サーモスタット316をして家の1または複数の寝室の温度を華氏72度に設定し得て、且つ、他の部屋の温度を華氏67度に設定し得る。
制御回路334は、また、サーモスタット316から温度情報を受信し得て、この温度情報を使用して、ベッド302または他の装置の機能を制御し得る。例えば、前述のように、制御回路334は、サーモスタット316から受信した温度情報に応答して、ベッド302に含まれる加熱要素の温度を調整し得る。
幾つかの実装形態では、制御回路334は、他の温度制御システムを制御するための制御信号を生成及び送信し得る。例えば、ユーザ308がその日に目覚めたとの判定に応答して、制御回路334は、床暖房要素を作動させるための制御信号を生成及び送信し得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308がその日に目覚めたとの判定に応答して、主寝室の床暖房システムをオンにすることができる。
制御回路334は、更に、セキュリティシステム318と通信し得て、当該セキュリティシステム318から情報を受信し得て、当該セキュリティシステム318の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、ユーザ308が夜に就寝したとの検知に応答して、制御回路334は、セキュリティシステムをしてセキュリティ機能を作動または作動解除させる制御信号を生成し得る。その後、制御回路334は、当該制御信号をセキュリティシステム318に送信し得て、当該セキュリティシステム318を作動させ得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308がその日に目覚めた(例えば、ユーザ308が午前6時00分より後にベッド302上にもはや存在しない)との判定に応答して、制御信号を生成及び送信し得て、セキュリティシステム318を不能にさせ得る。幾つかの実装形態では、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在の検知に応答して、セキュリティシステム318に第1セットのセキュリティ機能を作動させるための制御信号の第1セットを生成及び送信し得て、ユーザ308が入眠したことの検知に応答して、セキュリティシステム318に第2セットのセキュリティ機能を作動させるための制御信号の第2セットを生成及び送信し得る。
幾つかの実装形態では、制御回路334は、セキュリティシステム318(及び/または、セキュリティシステム318に関連付けられたクラウドサービス)からアラート(警告)を受信し得て、当該アラートをユーザ308に示し得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308が夜にベッドにいることを検知し得て、それに応答して、制御信号を生成及び送信し得て、セキュリティシステム318をして作動または作動解除させ得る。その後、セキュリティシステムは、セキュリティ違反(例えば、誰かがセキュリティコードを入力せずにドア332を開けた、または、セキュリティシステム318が作動している時に誰かが窓を開けた)を検知し得る。セキュリティシステム318は、セキュリティ違反を、ベッド302の制御回路334に通信し得る。セキュリティシステム318からの通信の受信に応答して、制御回路334は、セキュリティ違反についてユーザ308に警告するための制御信号を生成し得る。例えば、制御回路334は、ベッド302を振動させ得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308を目覚めさせて、セキュリティ違反についてユーザに警告するために、ベッド302の一部を関節運動させ得る(例えば、ヘッドセクションを上昇または下降させ得る)。別の例として、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、ユーザ308にセキュリティ違反を警告するために、ランプ326を規則的な間隔で点滅させ得る。別の例として、制御回路334は、子供用の寝室の開いた窓など、別のベッドの寝室のセキュリティ違反について、あるベッド302のユーザ308に警告し得る。別の例として、制御回路334は、(例えば、ドアを閉じてロックするために)ガレージドアコントローラに警告を送信し得る。別の例として、制御回路334は、セキュリティが作動解除されるように警告を送信し得る。
制御回路334は、更に、ガレージドア320を制御するための制御信号を生成及び送信し得て、ガレージドア320の状態(すなわち、開いているかまたは閉じているか)を示す情報を受信し得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいるとの判定に応答して、制御回路334は、ガレージドアオープナーまたはガレージドア320が開いているか否かを感知可能な他の装置に、要求(リクエスト)を生成及び送信し得る。制御回路334は、ガレージドア320の現在の状態に関する情報を要求し得る。制御回路334が、ガレージドア320が開いていることを示す応答を(例えば、ガレージドアオープナーから)受信した場合、制御回路334は、ガレージドアが開いていることをユーザ308に通知し得るか、または、制御信号を生成して、ガレージドアオープナーをしてガレージドア320を閉じさせ得る。例えば、制御回路334は、ガレージドアが開いていることを示すメッセージを、ユーザデバイス310に送信し得る。別の例として、制御回路334は、ベッド302を振動させ得る。更に別の例として、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、照明システム314をして寝室の1または複数の照明を点滅させ得て、警告についてユーザデバイス310をチェックするようにユーザ308に警告し得る(この例では、ガレージドア320が開いていることに関する警告)。代替的に、あるいは付加的に、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、ユーザ308が夜にベッドにいること、及び、ガレージドア320が開いていることの識別に応答して、ガレージドアオープナーをしてガレージドア320を閉じさせ得る。幾つかの実装形態では、制御信号は、ユーザ308の年齢に応じて異なり得る。
制御回路334は、同様に、ドア332またはオーブン322に関連する状態情報を制御または受信するための通信を送信及び受信し得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいることを検知すると、制御回路334は、ドア332の状態を検知するための装置またはシステムに、要求を生成して送信し得る。当該要求に応答して返される情報は、ドア332の様々な状態、例えば、開いている、閉じているがロックされていない、または、閉じていてロックされている、を示し得る。ドア332が開いているか、または、閉じているがロックされていない場合、制御回路334は、例えばガレージドア320について前述された態様のように、ドアの状態についてユーザ308に警告し得る。ユーザ308への警告に対して代替的に、または付加的に、制御回路334は、ドア332をしてロックするか、または閉じてロックするように、制御信号を生成及び送信し得る。ドア332が閉じていてロックされている場合、制御回路334は、更なる動作は必要ないと判定し得る。
同様に、ユーザ308が夜にベッドにいることを検知すると、制御回路334は、オーブン322の状態(例えば、オンまたはオフ)を要求するためのオーブン322への要求を生成及び送信し得る。オーブン322がオンである場合、制御回路334は、ユーザ308に警告し得て、及び/または、制御信号を生成及び送信し得て、オーブン322をオフにし得る。オーブンが既にオフである場合、制御回路334は、更なる動作が必要ではないと判定し得る。幾つかの実装形態では、様々な事象(イベント)に対して、様々な警告(アラート)が生成され得る。例えば、制御回路334は、セキュリティシステム318が違反を検知した場合、ランプ326(または照明システム314を介して1または複数の他の照明)を第1パターンで点滅させ得て、ガレージドア320が開いている場合、第2パターンで点滅させ得て、ドア332が開いている場合、第3パターンで点滅させ得て、オーブン322がオンの場合、第4パターンで点滅させ得て、別のベッドが当該ベッドのユーザが起きたことを検知する場合(例えば、ユーザ308の子供が夜中にベッドから出たことが子供のベッド302内のセンサによって感知される時)、第5パターンで点滅させ得る。ベッド302の制御回路334によって処理されてユーザに通信され得る警告の他の例は、煙を検知する(及び当該煙の検知を制御回路334に通信する)煙検知器、一酸化炭素を検知する一酸化炭素テスタ、ヒータ誤動作、または、制御回路334と通信可能でユーザ308の注意を喚起すべき事象発生の検知が可能な任意の他の装置からの警告、を含む。
制御回路334はまた、ブラインド330の状態を制御するためのシステムまたは装置と通信し得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいるとの判定に応答して、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、ブラインド330を閉じさせ得る。別の例として、ユーザ308がその日に起床した(例えば、ユーザが午前6時30分より後にベッドから出た)との判定に応答して、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、ブラインド330を開かせ得る。対照的に、ユーザ308が当該ユーザ308の通常の起床時間より前にベッドから出た場合、制御回路334は、ユーザ308がその日まだ起床していないと判定し得て、ブラインド330を開かせるための制御信号を生成しない。更に別の例として、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在の検知に応答して、第1セットのブラインドを閉じさせ、ユーザが眠っていることの検知に応答して、第2セットのブラインドを閉じさせる、という制御信号を生成及び送信し得る。
制御回路334は、ベッド302とのユーザ相互作用の検知に応答して、他の家庭用装置の機能を制御するための制御信号を生成及び送信し得る。例えば、ユーザ308がその日に起床したとの判定に応答して、制御回路334は、コーヒーメーカー324に対する制御信号を生成及び送信し得て、当該コーヒーメーカー324をしてコーヒーの淹出を開始させ得る。別の例として、制御回路334は、オーブン322に対する制御信号を生成及び送信し得て、当該オーブンをして(朝に焼きたてパンが好きなユーザのために)予熱を開始させ得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308がその日に目覚めたことを示す情報を、1年のうちの時期が現在冬であること、及び/または、外気温が閾値を下回っていること、を示す情報と共に使用し得て、制御信号を生成及び送信し得て、車のエンジンブロックヒーターをオンにし得る。
別の例として、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在の検知に応答して、または、ユーザ308が眠っていることの検知に応答して、制御信号を生成及び送信し得て、1または複数の装置をスリープモードに入らせ得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308の携帯電話をスリープモードへと切り替えさせるための制御信号を生成し得る。その後、制御回路334は、当該制御信号を携帯電話に送信し得る。更にその後、ユーザ308がその日に起床したと判定すると、制御回路334は、携帯電話をスリープモードから(通常モードに)切り替えさせる制御信号を生成及び送信し得る。
幾つかの実装形態では、制御回路334は、1または複数のノイズ制御装置と通信し得る。例えば、ユーザ308が夜にベッドにいる、または、ユーザ308が眠っていると判定すると、制御回路334は、制御信号を生成及び送信し得て、1または複数のノイズキャンセレーション装置を作動させ得る。ノイズキャンセレーション装置は、例えば、ベッド302の一部として含まれ得るか、あるいは、ベッド302のある寝室内に配置され得る。別の例として、ユーザ308が夜にベッドにいる、または、ユーザ308が眠っていると判定すると、制御回路334は、ステレオシステムラジオ、コンピュータ、タブレットなど、1または複数の音響生成装置について、ボリュームをオンにしたり、オフにしたり、アップしたり、ダウンしたりするための制御信号を生成及び送信し得る。
更に、ベッド302の機能が、ベッド302とのユーザ相互作用に応答して、制御回路334によって制御される。例えば、ベッド302は、調節可能な土台と、ベッドを支持する当該調節可能な土台を調整することによってベッド302の1または複数の部分の位置を調整するように構成された関節運動コントローラと、を含み得る。例えば、関節運動コントローラは、ベッド302を、平坦な位置から、ベッド302のマットレスのヘッド部分が上向きに傾斜する位置にまで、調整し得る(例えば、ユーザがベッドに座ったり、及び/または、テレビを見たりするのを容易にするため)。幾つかの実装形態では、ベッド302は、複数の別々に関節運動可能なセクションを含む。例えば、エアチャンバ306a及び306bの位置に対応するベッドの部分が、互いに独立して関節運動され得て、ベッド302の表面上に配置された1人が第1位置(例えば、平坦な位置)で休みながら、2人目が第2位置(例えば、頭を腰から斜めに上げたリクライニング位置)で休むことを許容する。幾つかの実装形態では、2つの異なるベッド(例えば、互いに隣り合って配置された2つのツインベッド)に、別々の位置が設定され得る。ベッド302の土台は、独立して調整され得る2以上のゾーンを含み得る。関節運動コントローラはまた、ベッド302上の1または複数のユーザに異なるレベルのマッサージを提供するように、または、前述のようにユーザ308に警告を伝えるためにベッドを振動させるように、構成され得る。
制御回路334は、ベッド302とのユーザ相互作用に応答して、位置(例えば、ユーザ308及び/またはベッド302の追加ユーザのための傾斜及び下降位置)を調整し得る。例えば、制御回路334は、関節運動コントローラをして、ユーザ308のベッドでの存在の感知に応答して、ベッド302をユーザ308の第1リクライニング位置に調整させ得る。制御回路334は、ユーザ308が眠っているとの判定に応答して、関節運動コントローラをして、ベッド302を第2リクライニング位置(例えば、リクライニングの程度が小さいか、平坦な位置)に調整させ得る。別の例として、制御回路334は、ユーザ308がテレビ312をオフにしたことを示すテレビ312からの通信を受信し得て、それに応答して、制御回路334は、関節運動コントローラをして、ベッド302の位置を好ましいユーザ睡眠位置に調整し得る(例えば、ユーザ308がベッドにいる間にユーザがテレビ312をオフにしたことにより、ユーザ308が入眠を望んでいることが示される)。
幾つかの実装形態では、制御回路334は、ベッド302の別のユーザを目覚めさせることなく、ベッド302の1人のユーザを目覚めさせるように、関節運動コントローラを制御し得る。例えば、ユーザ308及びベッド302の第2ユーザは、各々、異なる目覚め時間を設定し得る(例えば、それぞれ、午前6時30分及び午前7時15分)。ユーザ308の目覚め時間になると、制御回路334は、関節運動コントローラをしてユーザ308が配置されているベッドの一側のみ振動させるか、または、その位置を変更させて、第2ユーザを妨げることなく、ユーザ308を目覚めさせ得る。第2ユーザの目覚め時間になると、制御回路334は、関節運動コントローラをして、第2ユーザが配置されているベッドの側のみを振動させるか、またはその位置を変化させ得る。あるいは、第2ユーザの目覚め時間になると、制御回路334は、他の方法(例えば、オーディオアラームや照明の点灯など)を利用して、第2ユーザを目覚めさせ得る。なぜなら、制御回路334が第2ユーザを目覚めさせることを試みる時、ユーザ308は既に目覚めていて、妨げられないからである。
引き続き図3を参照して、ベッド302の制御回路334は、複数のユーザによるベッド302との相互作用についての情報を利用して、様々な他の装置の機能を制御するための制御信号を生成し得る。例えば、制御回路334は、ユーザ308と第2ユーザとの両方がベッド302上に存在していると検知されるまで、例えばセキュリティシステム318を作動させたり、あるいは、照明システム314に様々な部屋の照明を消灯するよう命令したりするための制御信号を生成することを、待つことができる。別の例として、制御回路334は、ユーザ308のベッドでの存在を検知すると、照明システム314をして第1セットの照明を消灯させるための第1セットの制御信号を生成し得て、第2ユーザのベッドでの存在の検知に応答して、第2セットの照明を消灯させるための第2セットの制御信号を生成し得る。別の例として、制御回路334は、ブラインド330を開けるための制御信号を生成することを、ユーザ308と第2ユーザとの両方がその日に目覚めたと判定されるまで、待つことができる。更に別の例として、ユーザ308はその日ベッドを出て目覚めているが、第2ユーザは未だ眠っているという判定に応答して、制御回路334は、第1セットの制御信号を生成及び送信し得て、コーヒーメーカー324をしてコーヒーの淹出を開始させ得て、セキュリティシステム318をして非アクティブにさせ得て、ランプ326を点灯し得て、常夜灯328を消灯し得て、サーモスタット316をして1または複数の部屋の温度を華氏72度に上昇させ得て、ベッド302が配置されている寝室以外の部屋のブラインド(例えば、ブラインド330)を開け得る。その後、第2ユーザがベッド上にもはや存在しない(または第2ユーザが目覚めている)ことの検知に応答して、制御回路334は、第2セットの制御信号を生成及び送信し得て、例えば照明システム314をして寝室の1または複数の照明を点灯させ得て、寝室のブラインドを開けさせ得て、テレビ312を予め指定されたチャンネルでオンにし得る。
[ベッドに関連付けられたデータ処理システムの例]
ここで、例えばベッドに関連付けられているデータ処理タスクのために使用され得るシステム及び構成要素の例が説明される。幾つかの場合、特定の1つの構成要素または構成要素群の複数の例が提示される。これらの例の幾つかは、冗長性がある、及び/または、相互に排他的な代替物である。構成要素間の接続は、構成要素間の通信を許容するための可能性あるネットワーク形態を例示する例として示される。技術的に必要とされるまたは所望される通りに、様々な様式の接続が使用され得る。当該接続は、一般的に、任意の技術的に実現可能な様式で作成され得る論理接続を示す。例えば、マザーボード上のネットワークは、プリント回路基板、ワイヤレスデータ接続、及び/または、他のタイプのネットワーク接続、で創成され得る。幾つかの論理接続は、明瞭化のため、図示されない。例えば、特定の構成要素の多くのまたは全てのエレメントが電源及び/またはコンピュータ可読メモリに接続される必要があり得るが、明瞭化のため、電源及び/またはコンピュータ可読メモリとの接続は、図示されない場合がある。
図4Aは、ベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システム400の一例のブロック図である。それは、図1乃至図3に関して前述されたものを含んでいる。当該システム400は、ポンプマザーボード402及びポンプドーターボード404を含んでいる。当該システム400は、センサアレイ406を含み、それは、環境及び/またはベッドの物理的現象を感知し、そのような感知を、例えば分析のために、ポンプマザーボード402に報告する、ように構成された1または複数のセンサを含み得る。当該システム400は、また、コントローラアレイ408も含み、それは、ベッド及び/または環境の論理制御デバイスを制御するように構成された、1または複数のコントローラを含み得る。ポンプマザーボード400は、ローカルネットワークを介して、インターネット412を介して、または技術的に適切な他の態様を介して、1または複数のコンピューティングデバイス414及び1または複数のクラウドサービス410と通信状態であり得る。これらの構成要素の各々が、以下において、複数の例示的形態と共に、より詳細に説明される。
この例では、ポンプマザーボード402とポンプドーターボード404とが通信可能に結合されている。それらは、概念的にシステム400の中心ないしハブとして説明され得て、他の構成要素は、概念的にシステム400のスポークとして説明され得る。幾つかの形態では、これは、スポーク構成要素の各々が、主としてまたは排他的にポンプマザーボード402と通信することを意味し得る。例えば、センサアレイのセンサは、対応するコントローラと直接的に通信するように構成されていないか、または通信できない場合がある。代わりに、各スポーク構成要素は、マザーボード402と通信し得る。センサアレイ406のセンサは、センサ読取値をマザーボード402に報告し得て、マザーボード402は、それに応答して、コントローラアレイ408のコントローラが論理制御デバイスの幾つかのパラメータを調整すべきであるか、あるいは、1または複数の周辺装置の状態を修正すべきであるか、を判定し得る。ある場合に、ベッドの温度が高すぎると判定されるならば、ポンプマザーボード402は、温度コントローラがベッドを冷却すべきである、と判定し得る。
ハブ−スポークのネットワーク形態(星形ネットワークと呼ばれることもある)の1つの利点は、例えば動的ルーティングを使用するメッシュネットワークと比較して、ネットワークトラフィックが減少することである。特定のセンサが、大きな連続的なストリームのトラフィックを生成する場合でも、当該トラフィックは、ネットワークの1つのスポークを介してマザーボード402に送信されるのみであり得る。マザーボード402は、例えば、当該データをマーシャリングし、それをより小さなデータフォーマットに凝縮して、クラウドサービス410に格納するために再送信し得る。追加的または代替的に、マザーボード402は、大きなストリームに応答して、ネットワークの異なるスポークを介して送信される単一の小さなコマンドメッセージを生成し得る。例えば、大量のデータストリームが、センサアレイ406から1秒あたり数回送信される圧力読取値である場合、マザーボード402は、コントローラアレイに単一のコマンドメッセージで応答して、エアチャンバ内の圧力を増加させ得る。この場合、単一のコマンドメッセージは、圧力読取値のストリームよりも、桁違いに小さい場合があり得る。
別の利点として、ハブ−スポークのネットワーク形態は、構成要素の追加、削除、障害などに対応できる拡張可能なネットワークを許容し得る。これは、例えば、センサアレイ406内のより多い、より少ない、または異なるセンサ、コントローラアレイ408内のより多い、より少ない、または異なるコントローラ、より多い、より少ない、または異なるコンピューティングデバイス414、及び/または、より多い、より少ない、または異なるクラウドサービス410、を許容し得る。例えば、特定のセンサが故障するか、または、当該センサのより新しいバージョンによって廃止される場合、システム400は、マザーボード402のみが交換用センサについて更新される必要がある、というように構成され得る。これは、例えば、同一のマザーボード402が、より少ないセンサ及びコントローラを備えたエントリーレベルの製品、より多いセンサ及びコントローラを備えたより価値の高い製品、及び、顧客が独自に選択した構成要素をシステム400に追加し得る顧客パーソナライゼーション、を支援できる、という製品差別化を許容し得る。
更に、一連のエアベッド製品が、様々な構成要素を備えたシステム400を使用し得る。製品ライン内の全てのエアベッドが中央論理ユニットとポンプとの両方を含む応用では、マザーボード402(及び任意選択的にドーターボード404)は、単一のユニバーサルハウジング内に収まるように設計され得る。その後、製品ライン内での製品のアップグレード毎に、付加的なセンサ、コントローラ、クラウドサービスなどが、追加され得る。各製品が特注の論理制御システムを備えている製品ラインと比較して、このようなベースから製品ラインの全ての製品を設計することにより、設計、製造、及び試験の時間が短縮され得る。
前述の構成要素の各々は、様々な技術及び形態で実現され得る。以下、各構成要素の幾つかの例が、更に説明される。幾つかの代替案では、システム400の2以上の構成要素が、単一の代替構成要素で実現され得て、幾つかの構成要素は、複数の個別の構成要素で実現され得て、及び/または、幾つかの機能は、異なる構成要素によって提供され得る。
図4Bは、データ処理システム400の幾つかの通信経路を示すブロック図である。前述のように、マザーボード402及びポンプドーターボード404は、システム400の周辺装置及びクラウドサービスのためのハブとして機能し得る。ポンプドーターボード404がクラウドサービスまたは他の構成要素と通信する場合、ポンプドーターボード404からの通信は、ポンプマザーボード402を介してルーティングされ得る。これは、例えば、ベッドがインターネット412との単一の接続のみを有することを許容し得る。コンピューティングデバイス414は、また、場合によってベッドによって使用される同一のゲートウェイを介して、及び/または、場合によって異なるゲートウェイ(例えば、セルサービスプロバイダ)を介して、インターネット412への接続を有し得る。
以前から、幾つかのクラウドサービス410が説明されていた。図4Bに示すように、クラウドサービス4l0d及び4l0eなど、幾つかのクラウドサービスは、ポンプマザーボード402が当該クラウドサービスと直接的に通信できるように、構成され得る。−すなわち、マザーボード402は、仲介者として別のクラウドサービス410を使用する必要なしで、クラウドサービス410と通信し得る。追加的または代替的に、幾つかのクラウドサービス410、例えばクラウドサービス410fは、仲介クラウドサービス、例えばクラウドサービス410e、を介してのみ、ポンプマザーボード402によって到達可能であり得る。ここでは図示されていないが、幾つかのクラウドサービス410は、ポンプマザーボード402によって直接的または間接的に到達可能であり得る。
更に、クラウドサービス410の一部または全ては、他のクラウドサービスと通信するように構成され得る。この通信は、任意の技術的に適切な様式に従って、データ及び/またはリモートファンクションコールの転送を含み得る。例えば、1つのクラウドサービス410が、例えばバックアップ、協調、移行の目的で、あるいは、計算やデータマイニングの実施のため、別のクラウドサービスの410データの複写を要求し得る。別の例では、多くのクラウドサービス410が、ユーザアカウントクラウド410c及び/またはベッドデータクラウド410aによって追跡される特定のユーザに従って索引付けされるデータを含み得る。これらのクラウドサービス410は、特定のユーザまたはベッドに固有のデータにアクセスする時、当該ユーザアカウントクラウド410c及び/またはベッドデータクラウド410aと通信し得る。
図5は、図1乃至図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得るマザーボード402の一例のブロック図である。この例では、以下で説明される他の例と比較して、マザーボード402が比較的少ない部品で構成され、比較的限定された特徴セットを提供するように制限され得る。
マザーボードは、電源部500、プロセッサ502、及び、コンピュータメモリ512を含む。一般に、電源部は、外部電源から電力を受け取って、それをマザーボード402の構成要素に供給するために使用されるハードウェアを含む。電源部は、例えば、バッテリーパック及び/または壁コンセントアダプタ(プラグ)、AC−DCコンバータ、DC−ACコンバータ、電力調整器、コンデンサーバンク、及び/または、マザーボード402の他の構成要素によって必要とされる電流タイプ、電圧などで電力を提供するための1または複数のインタフェース、を含み得る。
プロセッサ502は、一般に、入力を受け取り、論理決定を実行し、出力を提供するための装置である。プロセッサ502は、中央処理装置、マイクロプロセッサ、汎用論理回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、これらの組み合わせ、及び/または、必要な機能を実行するための他のハードウェア、であり得る。
メモリ512は、一般に、データを格納するための1または複数の装置である。メモリ512は、長期安定データ記憶(例えば、ハードディスク上)、短期不安定データ記憶(例えば、ランダムアクセスメモリ上)、または、任意の他の技術的に適切な構成、を含み得る。
マザーボード402は、ポンプコントローラ504及びポンプモータ506を含む。ポンプコントローラ504は、プロセッサ502からコマンドを受信し得て、それに応答して、ポンプモータ506の機能を制御し得る。例えば、ポンプコントローラ504は、プロセッサ502から、エアチャンバの圧力を1平方インチあたり0.3ポンド(PSI)だけ増加させるコマンドを受信し得る。ポンプコントローラ504は、それに応答して、ポンプモータ506が選択されたエアチャンバ内に空気を送り込むような構成とされるように、弁を作動させ、0.3PSIに対応する時間、または、圧力が0.3PSIだけ増加されたことをセンサが示すまで、ポンプモータ506を作動させ得る。代替的形態では、メッセージが、チャンバが目標PSIまで膨張されるべきであるということを指定し得て、ポンプコントローラ504は、当該目標PSIが到達されるまでポンプモータ506を作動させ得る。
バルブソレノイド508は、どのエアチャンバにポンプが接続されるかを制御し得る。場合によっては、ソレノイド508は、プロセッサ502によって直接的に制御され得る。場合によっては、ソレノイド508は、ポンプコントローラ504によって制御され得る。
マザーボード402のリモートインタフェース510は、マザーボード402がデータ処理システムの他の構成要素と通信することを許容し得る。例えば、マザーボード402は、リモートインタフェース510を介して、1または複数のドーターボード、周辺センサ、及び/または、周辺コントローラと通信することが可能であり得る。リモートインタフェース510は、WiFi、ブルートゥース(登録商標)及び銅有線ネットワークなどの、複数の通信インタフェースを含むがこれらに限定されない、任意の技術的に適切な通信インタフェースを提供し得る。
図6は、図1乃至図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得るマザーボード402の一例のブロック図である。図5を参照して説明されたマザーボード402と比較すると、図6のマザーボードは、より多くの構成要素を含み得て、幾つかの用途においてより多くの機能を提供し得る。
電源部500、プロセッサ502、ポンプコントローラ504、ポンプモータ506及びバルブソレノイド508に加えて、当該マザーボード402は、バルブコントローラ600、圧力センサ602、ユニバーサルシリアルバス(USB)スタック604、WiFi無線器606、ブルートゥース(登録商標)低エネルギ(BLE)無線器608、ZigBee無線器610、ブルートゥース(登録商標)無線器612、及び、コンピュータメモリ512、と共に示されている。
ポンプコントローラ504がプロセッサ502からのコマンドをポンプモータ506のための制御信号に変換する方法と同様に、バルブコントローラ600は、プロセッサ502からのコマンドをバルブソレノイド508のための制御信号に変換し得る。一例では、プロセッサ502は、エアベッド内の一群のエアチャンバのうちの1つの特定のエアチャンバにポンプを接続するようにバルブコントローラ600にコマンドを発行し得る。バルブコントローラ600は、ポンプが指示されたエアチャンバに接続されるように、バルブソレノイド508の位置を制御し得る。
圧力センサ602は、エアベッドの1または複数のエアチャンバからの圧力読取値を読み取ることができる。圧力センサ602はまた、デジタルセンサ調整を行うこともできる。
マザーボード402は、ここで図示されるものを含むがそれに限定されない、一組のネットワークインタフェースを含み得る。これらのネットワークインタフェースは、マザーボードが、有線または無線ネットワークを介して、周辺センサ、周辺コントローラ、コンピューティングデバイス、及び、インターネット412に接続された装置及びサービス、を含むがこれらに限定されない、任意の数の装置と通信することを、許容し得る。
図7は、図1乃至図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得るドーターボード404の一例のブロック図である。幾つかの形態では、1または複数のドーターボード404がマザーボード402に接続され得る。幾つかのドーターボード404は、特定のタスク及び/または区画化されたタスクをマザーボード402から解放(オフロード)するように設計され得る。これは、例えば、特定のタスクが、計算集約型であるか、独占的(proprietary)であるか、または将来の改訂の対象である、という場合に有利であり得る。例えば、特定の睡眠データメトリックを計算するために、ドーターボード404が使用され得る。このメトリックは、計算集約的であり得て、ドーターボード404で当該睡眠メトリックを計算すれば、当該メトリックが計算されている間、マザーボード402のリソースが解放され得る。追加的及び/または代替的に、当該睡眠メトリックは、将来の改訂の対象となり得る。システム400を新しい睡眠メトリックで更新するために、当該メトリックを計算するドーターボード404のみが交換される必要がある、ということが可能である。この場合、同一のマザーボード402及び他の構成要素が使用され得るため、ドーターボード404だけでなく追加の構成要素のユニット試験を実行する、という必要がない。
ドーターボード404は、電源部700、プロセッサ702、コンピュータ可読メモリ704、圧力センサ706、及び、WiFi無線器708、と共に図示されている。プロセッサは、圧力センサ706を使用して、エアベッドの1または複数のエアチャンバの圧力に関する情報を収集し得る。このデータから、プロセッサ702は、睡眠メトリックを計算するためのアルゴリズムを実行し得る。幾つかの例では、睡眠メトリックは、エアチャンバの圧力のみから計算され得る。他の例では、睡眠メトリックは、1または複数の他のセンサから計算され得る。様々なデータが必要とされる例では、プロセッサ702は、適切な1または複数のセンサから当該データを受信し得る。これらのセンサは、ドーターボード404の内部にあり得る、WiFi無線器708を介してアクセス可能であり得る、あるいは、プロセッサ702と通信中であり得る。睡眠メトリックが計算されると、プロセッサ702は、当該睡眠メトリックを例えばマザーボード402に報告し得る。
図8は、図1乃至図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、ドーターボード無しのマザーボード800の一例のブロック図である。この例では、マザーボード800は、図6のマザーボード402及び図7のドーターボード404を参照して説明された機能の、ほとんど、全て、またはより多く、を実行し得る。
図9は、図1乃至図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、センサアレイ406の一例のブロック図である。一般に、センサアレイ406は、マザーボード402と通信するがマザーボード402に対してネイティブではない周辺センサの一部または全ての概念的なグループである。
センサアレイ406の周辺センサは、特定のセンサの形態にとって適切であるように、USBスタック604、WiFi無線器606、ブルートゥース(登録商標)低エネルギ(BLE)無線器608、ZigBee無線器610、及び、ブルートゥース(登録商標)無線器612を含むがこれらに限定されないマザーボードの1または複数のネットワークインタフェースを介して、マザーボード402と通信し得る。例えば、USBケーブルを介して読取値を出力するセンサは、USBスタック604を介して通信し得る。
センサアレイ406の周辺センサ900の幾つかは、ベッドに取り付けられ得る。これらのセンサは、例えば、ベッドの構造内に埋め込まれ得て、ベッドと一緒に販売され得るか、あるいは、後にベッドの構造に取り付けられ得る。他の周辺センサ902、904は、マザーボード402と通信し得るが、選択的にベッドに取り付けられない場合がある。場合によっては、ベッドに取り付けられたセンサ900及び/または周辺センサ902、904の一部または全てが、ネットワーク用ハードウェアを共有し得る。それは、マザーボード402に取り付けられる時、関連するセンサの全てをマザーボード402と接続する、各センサからのワイヤ、マルチワイヤケーブル、または、プラグを含む導体(導線)を含む。幾つかの実施形態では、センサ902、904、906、908、910のうちの、1つ、幾つか、または全てが、圧力、温度、光、音、及び/または、マットレスの1または複数の他の特徴などの、マットレスの1または複数の特徴を感知可能である。幾つかの実施形態では、センサ902、904、906、908、910のうちの、1つ、幾つか、または全てが、マットレスの外部の1または複数の特徴を感知可能である。幾つかの実施形態では、センサ902、904、906、908、910のうちの、幾つか、または全てが、マットレスの1または複数の特徴、及び/または、マットレスの外部の1または複数の特徴を感知可能である一方で、圧力センサ902が、マットレスの圧力を感知可能である。
図10は、図1乃至図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、コントローラアレイ408の一例のブロック図である。一般に、コントローラアレイ408は、マザーボード402と通信するがマザーボード402に対してネイティブではない周辺コントローラの一部または全ての概念的なグループである。
コントローラアレイ408の周辺コントローラは、特定のセンサの形態にとって適切であるように、USBスタック604、WiFi無線器606、ブルートゥース(登録商標)低エネルギ(BLE)無線器608、ZigBee無線器610、及び、ブルートゥース(登録商標)無線器612を含むがこれらに限定されないマザーボードの1または複数のネットワークインタフェースを介して、マザーボード402と通信し得る。例えば、USBケーブルを介してコマンドを受信するコントローラは、USBスタック604を介して通信し得る。
コントローラアレイ408のコントローラの幾つか1000は、ベッドに取り付けられ得る。これは、温度コントローラ1006、照明コントローラ1008及び/またはスピーカコントローラ1010を含むが、これらに限定されない。これらのコントローラは、例えば、ベッドの構造内に埋め込まれ得て、ベッドと一緒に販売され得るか、あるいは、後にベッドの構造に取り付けられ得る。他の周辺コントローラ1002、1004は、マザーボード402と通信し得るが、選択的にベッドに取り付けられない場合がある。場合によっては、ベッドに取り付けられたコントローラ1000及び/または周辺コントローラ1002、1004の一部または全てが、ネットワーク用ハードウェアを共有し得る。それは、マザーボード402に取り付けられる時、関連するコントローラの全てをマザーボード402と接続する、各コントローラのためのワイヤ、マルチワイヤケーブル、または、プラグを含む導体(導線)を含む。
図11は、図1乃至図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、コンピューティングデバイス414の一例のブロック図である。コンピューティングデバイス414は、例えば、ベッドのユーザによって使用されるコンピューティングデバイスを含み得る。例示的なコンピューティングデバイス414は、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップ)及びデスクトップコンピュータを含むが、これらに限定されない。
コンピューティングデバイス414は、電源部1100、プロセッサ1102及びコンピュータ可読メモリ1104を含む。ユーザ入力及び出力が、例えば、スピーカ1106、タッチスクリーン1108、または、ポインティングデバイス若しくはキーボードなどの他の不図示の構成要素、によって送信され得る。コンピューティングデバイス414は、1または複数のアプリケーション1110を実行し得る。これらのアプリケーションは、例えば、ユーザがシステム400と相互作用することを許容するアプリケーションを含み得る。これらのアプリケーションは、ユーザが、ベッドに関する情報(センサの読取値、睡眠メトリックなど)を視認したり、システム400の動作を構成したり(例えば、ベッドに所望の堅さを設定したり、周辺装置に所望の動作を設定したり)することを許容し得る。場合によっては、コンピューティングデバイス414は、前述のリモートコントロール122に加えて、またはそれに置換するために、使用され得る。
図12は、図1乃至図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、ベッドデータクラウドサービス410aの一例のブロック図である。この例では、ベッドデータクラウドサービス410aは、特定のベッドからセンサデータ及び睡眠データを収集し、当該センサデータ及び睡眠データが生成された時にベッドを使用している1または複数のユーザと当該センサデータ及び睡眠データとを照合する、ように構成されている。
ベッドデータクラウドサービス410aは、ネットワークインタフェース1200、通信マネージャ1202、サーバハードウェア1204、及び、サーバシステムソフトウェア1206、と共に示されている。更に、ベッドデータクラウドサービス410aは、ユーザ識別モジュール1208、デバイス管理モジュール1210、センサデータモジュール1212、及び、高度睡眠データモジュール1214、と共に示されている。
ネットワークインタフェース1200は、一般に、1または複数のハードウェア装置がネットワークを介して通信することを許容するために使用される、ハードウェア及び低レベルソフトウェアを含む。例えば、ネットワークインタフェース1200は、ベッドデータクラウドサービス410aの構成要素が例えばインターネット412を介して互いに及び他の宛先と通信する、ことを許容するために必要とされる、ネットワークカード、ルータ、モデム、及び、他のハードウェア、を含み得る。通信マネージャ1202は、一般に、ネットワークインタフェース1200上で動作する、ハードウェア及びソフトウェアを含む。これは、ベッドデータクラウドサービス4l0aによって使用されるネットワーク通信を開始、維持、及び破棄するためのソフトウェアを含む。これは、例えば、TCP/IP、SSLまたはTLS、トレント(Torrent)、及び、ローカルまたはワイドエリアネットワークを介した他の通信セッション、を含む。通信マネージャ1202は、また、ベッドデータクラウドサービス410aの他の要素に、ロードバランシング及び他のサービスを提供し得る。
サーバハードウェア1204は、一般に、ベッドデータクラウドサービス410aをインスタンス化して維持するために使用される物理処理装置を含む。このハードウェアは、プロセッサ(例えば、中央処理装置、ASIC、グラフィックプロセッサ)及びコンピュータ可読メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ、安定したハードディスク、テープバックアップ)を含むが、これらに限定されない。1または複数のサーバが、地理的に離れ得る乃至接続され得る、クラスター、マルチコンピュータ、または、データセンター、に構成され得る。
サーバシステムソフトウェア1206は、一般に、アプリケーション及びサービスに動作環境を提供するためにサーバハードウェア1204上で実行されるソフトウェアを含む。サーバシステムソフトウェア1206は、実サーバで実行されるオペレーティングシステム、実サーバでインスタンス化されて多くの仮想サーバを生成する仮想マシン、データ移行や冗長性やバックアップなどのサーバレベルの動作、を含み得る。
ユーザ識別モジュール1208は、関連付けられたデータ処理システムを備えたベッドのユーザに関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、ユーザは、ベッドデータクラウドサービス410aまたは他のサービスに登録された、顧客、所有者、または、他のユーザ、を含み得る。各ユーザは、例えば、固有の識別子、ユーザ資格情報、連絡先情報、請求書情報、人口統計情報、または、他の技術的に適切な情報、を有し得る。
デバイス管理モジュール1210は、データ処理システムに関連付けられたベッドまたは他の製品に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、ベッドは、ベッドデータクラウドサービス410aに関連付けられたシステムで販売または登録された製品(製品情報)を含み得る。各ベッドは、例えば、固有の識別子、モデル及び/またはシリアル番号、販売情報、地理的情報、配送情報、関連付けられたセンサ及び周辺制御装置のリスト、などを有し得る。更に、ベッドデータクラウドサービス410aによって記憶される1または複数の索引(インデックス)が、ベッドに関連付けられているユーザを識別し得る。例えば、この索引(インデックス)は、ベッド等で眠る1または複数のユーザに対してのベッドの売上を記録し得る。
センサデータモジュール1212は、関連付けられたデータ処理システムを備えたベッドによって記録される生の(未加工の)センサデータまたは圧縮された(処理された)センサデータを記録し得る。例えば、ベッドのデータ処理システムは、温度センサ、圧力センサ及び光センサを有し得る。これらのセンサからの読取値が、センサの生の形態でまたは生のデータから生成された様式(例えば、睡眠メトリック)で、ベッドのデータ処理システムによってベッドデータクラウドサービス410aに通信され得て、センサデータモジュール1212に保存され得る。更に、ベッドデータクラウドサービス410aによって記憶された1または複数の索引(インデックス)が、センサデータモジュール1212に関連付けられたユーザ及び/またはベッドを識別し得る。
ベッドデータクラウドサービス410aは、その利用可能なデータのいずれかを使用して、高度睡眠データ1214を生成し得る。一般に、高度睡眠データ1214は、センサ読取値から生成される睡眠メトリック及び他のデータを含む。これらの計算の幾つかは、例えば、計算が複雑であるか、ベッドのデータ処理システムでは利用できない大量のメモリ領域またはプロセッサ能力を必要とする場合、ベッドのデータ処理システムにおいてローカルに実行される代わりに、ベッドデータクラウドサービス410aで実行され得る。これは、ベッドシステムが、比較的簡単なコントローラで動作することを許容する一方、依然として比較的複雑なタスク及び計算を実行するシステムの一部である、ということに役立ち得る。
図13は、図1乃至図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、睡眠データクラウドサービス410bの一例のブロック図である。この例では、睡眠データクラウドサービス410bは、ユーザの睡眠体験に関連するデータを記録するように構成されている。
睡眠データクラウドサービス410bは、ネットワークインタフェース1300、通信マネージャ1302、サーバハードウェア1304、及び、サーバシステムソフトウェア1306、と共に示されている。更に、睡眠データクラウドサービス410bは、ユーザ識別モジュール1308、圧力センサ管理モジュール1310、圧力ベースの睡眠データモジュール1312、生の圧力センサデータモジュール1314、及び、非圧力の睡眠データモジュール1316、と共に示されている。
圧力センサ管理モジュール1310は、ベッド内の圧力センサの構成及び動作に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、このデータは、特定のベッドのセンサの種類の識別子、それらの設定及び較正のデータ、などを含み得る。
圧力ベースの睡眠データ1312は、生の圧力センサデータ1314を使用して、特に圧力センサデータに関連付けられた睡眠メトリックを計算し得る。例えば、ユーザの存在、動き、体重変化、心拍数、及び、呼吸数は、全て、生の圧力センサデータ1314から判定(決定)され得る。更に、睡眠データクラウドサービス410bによって記憶される1または複数のインデックスが、圧力センサ、生の圧力センサデータ、及び/または、圧力ベースの睡眠データ、に関連するユーザを識別し得る。
非圧力の睡眠データ1316は、他のデータソースを使用して、睡眠メトリックを計算し得る。例えば、ユーザが入力した好み、光センサの読取値、及び、音響センサの読取値が、全て、睡眠データの追跡に利用され得る。更に、睡眠データクラウドサービス410bによって記憶される1または複数のインデックスが、他のセンサ及び/または非圧力の睡眠データ1316、に関連するユーザを識別し得る。
図14は、図1乃至図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、ユーザアカウントクラウドサービス410cの一例のブロック図である。この例では、ユーザアカウントクラウドサービス4l0cは、ユーザのリストを記録し、それらのユーザに関連する他のデータを識別するように構成されている。
ユーザアカウントクラウドサービス410cは、ネットワークインタフェース1400、通信マネージャ1402、サーバハードウェア1404、及び、サーバシステムソフトウェア1406、と共に示されている。更に、ユーザアカウントクラウドサービス410cは、ユーザ識別モジュール1408、購入履歴モジュール1410、関与(エンゲージメント)モジュール1412、及び、アプリケーション使用履歴モジュール1414、と共に示されている。
ユーザ識別モジュール1408は、関連付けられたデータ処理システムを備えたベッドのユーザに関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、ユーザは、ユーザアカウントクラウドサービス410cまたは他のサービスに登録された、顧客、所有者、または、他のユーザ、を含み得る。各ユーザは、例えば、固有の識別子、ユーザ資格情報、人口統計情報、または、他の技術的に適切な情報、を有し得る。
購入履歴モジュール1410は、ユーザによる購入に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。例えば、購入データは、販売の連絡先情報、請求書情報、及び、営業担当者情報を含み得る。更に、ユーザアカウントクラウドサービス410cによって記憶される1または複数のインデックスが、購入に関連付けられたユーザを識別し得る。
関与(エンゲージメント)モジュール1412は、ベッド及び/またはクラウドサービスの製造者、ベンダー、及び/または、管理者、に対するユーザの相互作用(遣り取り)を追跡し得る。この関与データは、通信(例えば、eメール、サービスコールなど)、販売データ(例えば、領収書、コンフィグレーションログ)、及び、ソーシャルネットワークの相互作用(遣り取り)、を含み得る。
使用履歴モジュール1414は、ベッドの1または複数のアプリケーション及び/またはリモートコントロールとのユーザ相互作用(遣り取り)に関するデータを含み得る。例えば、モニタリング及びコンフィグレーションアプリケーションが、例えば複数のコンピューティングデバイス412上で実行するように分散され得る。このアプリケーションは、アプリケーション使用履歴モジュール1414に記憶するために、ユーザ相互作用をログに記録して報告し得る。更に、ユーザアカウントクラウドサービス410cによって記憶される1または複数のインデックスが、各ログエントリに関連付けられたユーザを識別し得る。
図15は、図1乃至図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、販売時点管理(POS)クラウドサービス1500の一例のブロック図である。この例では、販売時点管理クラウドサービス1500は、ユーザの購入に関連するデータを記録するように構成されている。
販売時点管理クラウドサービス1500は、ネットワークインタフェース1502、通信マネージャ1504、サーバハードウェア1506、及び、サーバシステムソフトウェア1508、と共に示されている。更に、販売時点管理クラウドサービス1500は、ユーザ識別モジュール1510、購入履歴モジュール1512、及び、セットアップモジュール1514、と共に示されている。
購入履歴モジュール1512は、ユーザ識別モジュール1510で識別されるユーザによって行われた購入に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。購入情報は、例えば、販売、価格、販売場所、配送先住所、及び、販売時にユーザによって選択されたコンフィグレーション(設定)オプション、のデータを含み得る。これらのコンフィグレーションオプションは、新しく購入したベッドがどのようにセットアップされることを希望するかについてユーザが行った選択を含み得て、且つ、例えば、予想される睡眠スケジュール、ユーザが有するまたは設置するであろう周辺センサ及びコントローラのリスト、等を含み得る。
ベッドセットアップモジュール1514は、ユーザが購入したベッドの設置に関連するデータを、含み得る、または、参照し得る。ベッセットアップデータは、例えば、ベッドが配送される日付と住所、配送を受け取る人、配送時にベッドに適用されているコンフィグレーション(設定)、当該ベッド上で眠るであろう1または複数の人の名前、各々の人がベッドのどちら側を使用するか、等を含み得る。
販売時点管理クラウドサービス1500に記録されたデータは、後日、ユーザのベッドシステムによって参照され得て、当該販売時点管理クラウドサービス1500に記録されたデータに従って、ベッドシステムの機能を制御したり、及び/または、周辺構成要素に制御信号を送信したりできる。これは、販売員が販売時点でユーザから情報を収集することを許容し得て、それは、後でベッドシステムの自動化を容易にする。幾つかの例では、ベッドシステムの幾つかまたは全ての特徴が自動化され得て、販売時点の後、ユーザ入力のデータはほとんど乃至全く要求されない。他の例では、販売時点管理クラウドサービス1500に記録されるデータが、ユーザ入力のデータから収集される様々な追加データに関連して、使用され得る。
図16は、図1乃至図3に関して前述されたものを含むベッドシステムに関連付けられ得るデータ処理システムで使用され得る、環境クラウドサービス1600の一例のブロック図である。この例では、環境クラウドサービス1600は、ユーザの家内環境に関連するデータを記録するように構成されている。
環境クラウドサービス1600は、ネットワークインタフェース1602、通信マネージャ1604、サーバハードウェア1606、及び、サーバシステムソフトウェア1608、と共に示されている。更に、環境クラウドサービス1600は、ユーザ識別モジュール1610、環境センサモジュール1612、及び、環境要因モジュール1614、と共に示されている。
環境センサモジュール1612は、ユーザ識別モジュール1610のユーザがベッド内に設置したセンサのリストを含み得る。これらのセンサは、光センサ、ノイズセンサ、振動センサ、サーモスタットなど、環境変数を検出可能な任意のセンサを含む。更に、環境センサモジュール1612は、それらのセンサからの過去の読取値または報告(レポート)を記憶し得る。
環境要因モジュール1614は、環境センサモジュール1612のデータに基づいて生成された報告を含み得る。例えば、環境センサモジュール1612のデータについて光センサを有するユーザの場合、環境要因モジュール1614は、ユーザが眠っているときに増加した照明のインスタンスの頻度及び持続時間を示す報告を保持し得る。
ここで説明される例では、各クラウドサービス410が、同一の構成要素の幾つかと共に示されている。様々な形態で、これらの同一の構成要素は、部分的にまたは完全に、サービス間で共有されてもよいし、あるいは、それらは別々であってもよい。幾つかの形態では、各サービスは、幾つかの点で同じまたは異なる構成要素の一部または全ての別個のコピーを有し得る。更に、これらの構成要素は、説明のための例としてのみ提供されている。他の例では、各クラウドサービスは、技術的に可能な、構成要素の異なる数、タイプ、及びスタイルを有し得る。
図17は、ベッド(本明細書に記載されたベッドシステムのベッドなど)に関連付けられ得るデータ処理システムを使用して、ベッドの周りの周辺機器を自動化する一例のブロック図である。ここに示されているのは、ポンプマザーボード402上で実行される行動分析モジュール1700である。例えば、行動分析モジュール1700は、コンピュータメモリ512に記憶され、プロセッサ502によって実行される1または複数のソフトウェアコンポーネントであり得る。一般に、行動分析モジュール1700は、多種多様なソース(例えば、センサ、非センサローカルソース、クラウドデータサービス)からデータを収集し得て、行動アルゴリズム1702を使用し得て、取られるべき1または複数の動作(例えば、周辺コントローラに送信するコマンド、クラウドサービスに送信するデータ)を生成し得る。これは、例えば、ユーザの行動を追跡したり、ユーザのベッドと通信する装置を自動化したりするのに、有用であり得る。
行動分析モジュール1700は、例えば、ベッドの特徴、ベッドの環境、及び/または、ベッドのユーザ、に関するデータを収集するために、任意の技術的に適切なソースからデータを収集し得る。幾つかのそのようなソースは、センサアレイ406のセンサのいずれかを含む。例えば、このデータは、行動分析モジュール1700に、ベッドの周囲の環境の現在の状態に関する情報を提供し得る。例えば、行動分析モジュール1700は、圧力センサ902からの読取値にアクセスし得て、ベッド内のエアチャンバの圧力を判定し得る。この読取値と、場合によっては他のデータとから、ベッドでのユーザの存在が判定され得る。別の例では、行動分析モジュール1700は、光センサ908にアクセスし得て、ベッドの環境における光の量を検出し得る。
同様に、行動分析モジュール1700は、クラウドサービスからのデータにアクセスし得る。例えば、行動分析モジュール1700は、ベッドクラウドサービス410aにアクセスし得て、履歴センサデータ1212及び/または高度睡眠データ1214にアクセスし得る。以前に記載されていないものを含む他のクラウドサービス410が、行動分析モジュール1700によってアクセスされ得る。例えば、行動分析モジュール1700は、気象レポーティングサービス、第三者データプロバイダー(例えば、交通及びニュースデータ、緊急放送データ、ユーザ旅行データ)、及び/または、時計及びカレンダサービス、にアクセスし得る。
同様に、行動分析モジュール1700は、非センサソース1704からのデータにアクセスし得る。例えば、行動分析モジュール1700は、ローカルな時計及びカレンダサービス(例えば、マザーボード402またはプロセッサ502の構成要素)にアクセスし得る。
行動分析モジュール1700は、1または複数の行動アルゴリズム1702による使用のためにこのデータを集約及び準備し得る。ユーザの行動を学習したり、並びに/または、アクセスしたデータの状態及び/若しくは予測されるユーザの行動に基づいて幾つかの動作を実行したりするために、行動アルゴリズム1702が使用され得る。例えば、行動アルゴリズム1702は、利用可能なデータ(例えば、圧力センサ、非センサデータ、時計及びカレンダーデータ)を使用して、ユーザが毎晩就寝する時のモデルを作成し得る。その後、同一または異なる動作アルゴリズム1702が使用され得て、エアチャンバ圧力の増加がユーザの就寝を示している可能性が高いか否かを判定し得て、そうであれば、幾つかのデータを第三者クラウドサービス410に送信し得て、及び/または、ポンプコントローラ504、土台アクチュエータ1706、温度コントローラ1008、ベッド下照明1010、周辺コントローラ1002、若しくは、周辺コントローラ1004、等の装置を作動させ得る。
図示の例では、行動分析モジュール1700及び行動アルゴリズム1702は、マザーボード402の構成要素として示されている。もっとも、他の構成も可能である。例えば、同一または同様の行動分析モジュール及び/または行動アルゴリズムが、1または複数のクラウドサービスで実行され得て、結果の出力が、マザーボード402、コントローラアレイ408のコントローラ、または、任意の他の技術的に適切な受容者、に送信され得る。
図18は、本明細書で説明される技法を実装するために使用され得る、コンピューティングデバイス1800の一例及びモバイルコンピューティングデバイスの一例を示す。コンピューティングデバイス1800とは、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、個人情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、及び、他の適切なコンピュータなど、様々な形態のデジタルコンピュータを表すことが意図されている。モバイルコンピューティングデバイスとは、個人情報端末、携帯電話、スマートフォン、及び、他の同様のコンピューティングデバイスなど、様々な形態のモバイルデバイスを表すことが意図されている。ここに示されている構成要素、それらの接続と関係、及び、それらの機能は、例示のみを意図しており、本願書類において説明及び/または請求される本発明の実装を制限することは意図されていない。
コンピューティングデバイス1800は、プロセッサ1802、メモリ1804、記憶装置(ストレージデバイス)1806、メモリ1804及び複数の高速拡張ポート1810に接続する高速インタフェース1808、及び、低速拡張ポート1814及び記憶装置1806に接続する低速インタフェース1812、を含む。プロセッサ1802、メモリ1804、記憶装置1806、高速インタフェース1808、高速拡張ポート1810、及び、低速インタフェース1812、の各々は、様々なバスを使用して相互接続され、一般的なマザーボード上に、または必要に応じた他の態様で、搭載され得る。プロセッサ1802は、メモリ1804内または記憶装置1806上に記憶(格納)された命令を含む、コンピューティングデバイス1800内で実行するための命令を処理して得て、高速インタフェース1808に結合されたディスプレイ1816のような外部入出力装置上に、GUIのためのグラフィック情報を表示し得る。他の実装形態では、複数のプロセッサ及び/または複数のバスが、複数のメモリ及びメモリのタイプと共に、必要に応じて、使用され得る。また、各コンピューティングデバイスが必要な動作の一部を提供するように、複数のコンピューティングデバイスが接続され得る(例えば、サーババンクとして、ブレードサーバの一群として、または、マルチプロセッサシステムとして)。
メモリ1804は、コンピューティングデバイス1800内の情報を記憶する。幾つかの実装形態では、メモリ1804は、1または複数の揮発性メモリユニットである。幾つかの実装形態では、メモリ1804は、1または複数の不揮発性メモリユニットである。メモリ1804は、磁気ディスクまたは光ディスクなどの、コンピュータ可読媒体の別の形態であってもよい。
記憶装置1806は、コンピューティングデバイス1800に大容量ストレージを提供可能である。幾つかの実装形態では、記憶装置1806は、フロッピーディスク装置、ハードディスク装置、光ディスク装置、テープ装置、フラッシュメモリ、若しくは、他の同様のソリッドステートメモリ装置、などのコンピュータ可読媒体、または、ストレージエリアネットワークまたは他の形態の複数の装置を含む複数の装置の配列、であり得るか、それらを含み得る。コンピュータプログラム製品は、情報キャリア(担体)内に有体的に具体化され得る。コンピュータプログラム製品はまた、実行される時に前述の方法のような1または複数の方法を実施する命令、を含み得る。コンピュータプログラム製品はまた、メモリ1804、記憶装置1806、またはプロセッサ1802上のメモリ、などのコンピュータ可読媒体内または機械可読媒体内に有体的に具体化され得る。
高速インタフェース1808は、コンピューティングデバイス1800のための帯域幅消費型(bandwidth−intensive)動作を管理し、低速インタフェース1812は、より低い帯域幅消費型動作を管理する。このような機能の割り当ては、単なる例示である。幾つかの実装形態では、高速インタフェース1808は、メモリ1804、ディスプレイ1816(例えば、グラフィックプロセッサまたはアクセラレータを介して)、及び、様々な拡張カード(不図示)を受け入れ可能な高速拡張ポート1810、に結合される。当該実装では、低速インタフェース1812は、記憶装置1806及び低速拡張ポート1814に結合される。低速拡張ポート1814は、様々な通信ポート(例えば、USB、ブルートゥース(登録商標)、イーサネット、ワイヤレスイーサネット)を含み得て、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナー、または、例えばネットワークアダプタを介してのスイッチやルータなどのネットワーク装置、などの1または複数の入出力装置に結合され得る。
コンピューティングデバイス1800は、図に示されているように、幾つかの異なる形態で実装され得る。例えば、それは、標準的なサーバ1820として、または、そのようなサーバの一群(グループ)において複数回、実装され得る。更に、それは、ラップトップコンピュータ1822などのパーソナルコンピュータで実装され得る。また、それは、ラックサーバシステム1824の一部として実装され得る。あるいは、コンピューティングデバイス1800からの構成要素は、モバイルコンピューティングデバイス1850などのモバイルデバイス(図示せず)の他の構成要素と組み合わせられ得る。そのようなデバイスの各々は、コンピューティングデバイス1800及びモバイルコンピューティングデバイス1850のうちの1または複数を含み得て、システム全体が、互いに通信する複数のコンピューティングデバイスで構成され得る。
モバイルコンピューティングデバイス1850は、とりわけ、プロセッサ1852、メモリ1864、ディスプレイ1854などの入出力装置、通信インタフェース1866、及び、トランシーバ1868を含む。モバイルコンピューティングデバイス1850は、また、追加のストレージ(記録装置)を提供するために、マイクロドライブまたは他の装置などの記憶装置が設けられ得る。プロセッサ1852、メモリ1864、ディスプレイ1854、通信インタフェース1866、及び、トランシーバ1868の各々は、様々なバスを使用して相互接続され、当該構成要素の幾つかは、共通のマザーボード上に、または、必要に応じた他の態様で、搭載され得る。
プロセッサ1852は、メモリ1864内に記憶された命令を含む、モバイルコンピューティングデバイス1850内の命令を実行し得る。プロセッサ1852は、別個の複数のアナログ及びデジタルプロセッサを含むチップのチップセットとして実装され得る。プロセッサ1852は、例えば、ユーザインタフェースの制御、モバイルコンピューティングデバイス1850によって実行されるアプリケーション、及び、モバイルコンピューティングデバイス1850による無線通信など、モバイルコンピューティングデバイス1850の他の構成要素の調整(coordination)を提供し得る。
プロセッサ1852は、ディスプレイ1854に結合された制御インタフェース1858及びディスプレイインタフェース1856を介して、ユーザと通信し得る。ディスプレイ1854は、例えば、TFTディスプレイ(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、または、他の適切なディスプレイ技術、であり得る。ディスプレイインタフェース1856は、ディスプレイ1854を駆動してグラフィック情報及び他の情報をユーザに提示するための適切な回路を有し得る。制御インタフェース1858は、ユーザからコマンドを受け取り、それらをプロセッサ1852に提示するために変換し得る。更に、外部インタフェース1862が、プロセッサ1852との通信を提供し得て、モバイルコンピューティングデバイス1850の他のデバイスとの近距離通信を可能にし得る。外部インタフェース1862は、例えば、幾つかの実装における有線通信、または、他の実装における無線通信、を提供し得て、複数のインタフェースが使用されてもよい。
メモリ1864は、モバイルコンピューティングデバイス1850内の情報を記憶する。メモリ1864は、1または複数のコンピュータ可読媒体、1または複数の揮発性メモリユニット、または、1または複数の不揮発性メモリユニット、として実装され得る。拡張メモリ1874も、提供され得て、例えばSIMM(シングルインラインメモリモジュール)カードインタフェースを含み得る拡張インタフェース1872を介して、モバイルコンピューティングデバイス1850に接続され得る。拡張メモリ1874は、モバイルコンピューティングデバイス1850のための追加の記憶空間を提供し得る、または、モバイルコンピューティングデバイス1850のためのアプリケーションまたは他の情報を記憶し得る。具体的には、拡張メモリ1874は、前述のプロセスを実行または補足するための命令を含み得て、また、安全情報をも含み得る。従って、例えば、拡張メモリ1874は、モバイルコンピューティングデバイス1850のためのセキュリティモジュールとして提供され得て、モバイルコンピューティングデバイス1850の安全な使用を許容する命令でプログラムされ得る。更に、ハッキングできない態様でSIMMカード上に識別情報を配置するなど、追加情報と共に、SIMMカードを介して安全なアプリケーションが提供され得る。
メモリは、以下に説明されるように、例えば、フラッシュメモリ及び/またはNVRAMメモリ(不揮発性ランダムアクセスメモリ)を含み得る。幾つかの実装形態では、コンピュータプログラム製品が、情報キャリア(担体)内に有体的に具体化される。コンピュータプログラム製品は、実行される時に前述の方法のような1または複数の方法を実施する命令、を含む。コンピュータプログラム製品は、メモリ1864、拡張メモリ1874、またはプロセッサ1852上のメモリ、などのコンピュータ可読媒体または機械可読媒体であり得る。幾つかの実装形態では、コンピュータプログラム製品は、例えばトランシーバ1868または外部インタフェース1862を介して、伝播信号で受信され得る。
モバイルコンピューティングデバイス1850は、通信インタフェース1866を介して、無線通信し得る。通信インタフェース1866は、必要に応じて、デジタル信号処理回路を含み得る、通信インタフェース1866は、とりわけ、GSM音声通話(モバイル通信用グローバルシステム)、SMS(ショートメッセージサービス)、EMS(拡張メッセージングサービス)、MMSメッセージング(マルチメディアメッセージングサービス)、CDMA(コード分割多重アクセス)、TDMA(時分割多重アクセス)、PDC(パーソナルデジタルセルラー)、WCDMA(登録商標)(広帯域コード分割多重アクセス)、CDMA2000、または、GPRS(汎用パケット無線サービス)、等の様々なモードまたはプロトコルの下で通信を提供し得る。そのような通信は、例えば、無線周波数を使用してトランシーバ1868を介して発生し得る。更に、ブルートゥース(登録商標)、WiFi、または、他のそのようなトランシーバ(不図示)を使用するなどして、短距離通信が発生し得る。更に、GPS(全地球測位システム)受信モジュール1870が、モバイルコンピューティングデバイス1850に、追加のナビゲーション及び位置関連無線データを提供し得る。それは、モバイルコンピューティングデバイス1850上で実行されるアプリケーションによって適切に使用され得る。
モバイルコンピューティングデバイス1850はまた、オーディオコーデック1860を使用して可聴的に通信し得る。オーディオコーデック1860は、ユーザからの話された情報を受信し得て、それを使用可能なデジタル情報に変換し得る。同様に、オーディオコーデック1860は、例えばモバイルコンピューティングデバイス1850のハンドセット内のスピーカを介するなどして、ユーザにとっての可聴音を生成し得る。そのような音は、音声通話からの音を含み得て、録音された音(例えば、音声メッセージ、音楽ファイルなど)を含み得て、及び、モバイルコンピューティングデバイス1850上で動作するアプリケーションによって生成される音をも含み得る。
モバイルコンピューティングデバイス1850は、図に示されるように、幾つかの異なる形態で実装され得る。例えば、それは、携帯電話1880として実装され得る。また、それは、スマートフォン1882、個人情報端末、または、他の同様のモバイルデバイス、の一部として実装され得る。
ここで説明されるシステム及び技術の様々な実装は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/または、それらの組み合わせ、で実現され得る。これらの様々な実装は、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステム上で実行可能及び/または解釈可能な1または複数のコンピュータプログラムでの実装を含み得る。それは、特別の目的または一般的な目的で、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス、及び、少なくとも1つの出力デバイス、からのデータ及び命令を受信し、且つ、それらへデータ及び命令を送信する、ように結合され得る。
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、または、コードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサのための機械語命令を含み、高レベルのプロシージャ型及び/またはオブジェクト指向型のプログラミング言語で、及び/または、アセンブリ/機械語で、実装され得る。本明細書で使用される場合、機械可読媒体及びコンピュータ可読媒体という用語は、機械命令及び/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意のコンピュータプログラム製品、装置及び/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指す。これは、機械可読信号として機械命令を受け取る機械可読媒体を含む。機械可読信号という用語は、機械命令及び/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。
ユーザとの相互作用を提供するために、ここで説明されるシステム及び技術は、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(ブラウン管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニター)と、ユーザが当該コンピュータに入力を提供できるキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウスやトラックボール)と、を備えたコンピュータで実装され得る。他の種類のデバイスもまた、ユーザとの相互作用を提供するために使用され得る。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態のセンサフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または、触覚フィードバック)であり得る。ユーザからの入力は、音響、音声、または、触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
ここで説明されるシステム及び技術は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバ)を含む、またはミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)を含む、またはフロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザがそれを介してここで説明されるシステム及び技術の実装と相互作用できるグラフィカルユーザインタフェースまたはウェブブラウザを備えたクライアントコンピュータ)を含む、またはそのようなバックエンド、ミドルウェアないしフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステム内に実装され得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態または媒体(例えば、通信ネットワーク)で相互接続され得る。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、を含む。
コンピューティングシステムは、クライアントとサーバとを含み得る。クライアントとサーバは、一般的には互いから離れていて、典型的には通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行されて互いにクライアント−サーバの関係を有するコンピュータプログラムによって、生じる。
図19A及び図19Bは、2つの圧力センサ及び2つの音響センサを備えた例示的なシステム1900のブロック図、及び、そのようなシステムから集められるデータのブロック図である。システム1900では、2人のユーザが単一のマットレス上に眠っている。音響及び圧力センサが、2人の睡眠者によって作成(生成)される物理現象の音響及び圧力信号を収集している。鼾/呼吸分析エンジン1916が、どちらのユーザの動作がデータストリームの情報に貢献しているか、を判定可能であり、また、2人のユーザの鼾/呼吸パラメータを生成可能である。
ベッド1902は、例えば、左側の睡眠者及び右側の睡眠者を支持するための左側睡眠部及び右側睡眠部を備えたエアベッドである。2人のユーザが眠っている時、彼らの体が、彼らの周囲の環境に影響を与える現象を生成する。例えば、呼吸は、ベッド1902内で音響及び圧力波を生成し、鼾は、一般に、空気中により強い音響と幾らかの圧力波を生成する。心臓の動作は、圧力波等を生成する。
右側音響センサ1904及び左側音響センサ1905は、2人のユーザの周囲の音響を感知するために位置決めされ得る。センサ1904及び1905は、左側音響センサ1905が左側ユーザからより強い信号を受信する可能性がより高く、右側音響センサ1904が右側ユーザからより強い信号を受信する可能性がより高い、というように構成ないし位置決めされ得る。例えば、センサ1904及び1905は、マットレスの外側壁内に埋め込まれ得る。幾つかの例では、センサ1904及び1905は、指向性があり得て、すなわち、ある方向において他の方向より感受性が高く、センサ1904及び1905の当該指向性は、それぞれのユーザを標的とするように位置決めされ得る。
信号調整器1906が、生のセンサデータをシステム1900にとってより有用とするように、生のセンサ信号を修正して生のセンサデータを変更する。例えば、信号調整器1906は、増幅器(アンプ)及びフィルタの使用を介して、興味のある周波数帯域の音響を増幅し得る。
デジタイザ1908が、調整されたアナログ音響信号をデジタル音響信号ストリームに変換し得る。例えば、デジタイザ1908は、それがマイクロプロセッサやコンピュータ等のデジタル論理回路によって記憶または処理され得るように、アナログ音響信号をデジタル表記(例えば数値)に変換し得る。例えば、デジタイザは、特定の形状の波を有するアナログ音響ストリームを受信し得て、所定の変換アルゴリズムに従って当該波を記述するデジタル値のストリームを生成し得る。このデジタルストリームは、幾つかの実装形態において、特定のサンプルレートでの入力波の値に比例する2の補数のバイナリ値(二進数)である。
鼾及び呼吸は、右側圧力センサ1911及び左側圧力センサ1910によって更にモニタリング(監視)され、ベッド1902の右側部及び左側部の瞬間的な空気圧が感知され、電気信号に変換される。明確のため、2つの別個の物理的センサが示されているが、他の構成が可能であることは理解されるであろう。例えば、前述のように、単一の圧力トランスデューサが2以上のエア袋に接続され得て、1または複数のスイッチによって当該単一のトランスデューサが各エア袋にとっての別個の圧力信号として機能し得る。
信号調整器1912が、生のセンサデータをシステム1900にとってより有用とするように、生のセンサ信号を修正して生のセンサデータを変更する。例えば、信号調整器1912は、増幅器(アンプ)及びフィルタの使用を介して、興味のある周波数帯域の圧力信号を増幅し得る。
デジタイザ1914が、調整されたアナログ圧力信号をデジタル圧力信号ストリームに変換し得る。例えば、デジタイザ1914は、それがデジタル論理回路によって記憶または処理され得るように、アナログ圧力信号をデジタル表記(例えば数値)に変換し得る。例えば、デジタイザ1914は、特定の形状の波を有するアナログ圧力ストリームの1つを受信し得て、所定の変換アルゴリズムに従って当該波を記述するデジタル値のストリームを生成し得る。このデジタルストリームは、幾つかの実装形態において、特定のサンプルレートでの入力波の値に比例する2の補数のバイナリ値(二進数)である。
プロセッサユニットが、入ってくる音響データストリーム及び圧力データストリームを同時に受信してバッファリングし、バッファリングされたデータエポックを、当該プロセッサユニット上で実行されベッド上の2人のユーザの鼾/呼吸パラメータを生成可能な鼾/呼吸分析アルゴリズム1916に、提供する。例えば、鼾/呼吸分析エンジン1916が、(ベッドにとってローカルまたはリモートのいずれかで)プロセッサユニット上で実行され得て、ベッドの右側のユーザの鼾/呼吸パラメータ1918、及び、ベッドの左側のユーザの鼾/呼吸パラメータ1920、を決定し得る。鼾/呼吸パラメータ1918及び1920は、鼾の状態及び重症度、鼾の存在(例えばブール値1または0)、例えば音圧レベル(SPL)での鼾強度(例えば60dB)、例えば臨床等級で使用されるような鼾の重症度レベル(例えば、軽度と大声との間)、無呼吸の存在(例えば0または1)及び重症度スケール(例えば0と5との間の数値)、などを表すパラメータを含み得る。これらのパラメータは、例えば整数や浮動小数点数など、標準データ形式を含む適切なデジタル回路表現であり得て、拡張マークアップ言語(XML)などの様々な異なる形式で保存され得る。この例では、鼾/呼吸分析エンジン1916が、音響信号及び圧力信号の受信されたエポックごとに1組の鼾/呼吸パラメータ1918及び1920を生成しており、鼾/呼吸パラメータ1918は右側のユーザ用であり、鼾/呼吸パラメータ1920は左側のユーザ用である。
鼾/呼吸分析エンジン1916は、音響信号及び圧力信号を処理して、独立成分分析(ICA)などの音源分離プロセスを介して、左側のユーザ及び右側の睡眠者の音響を分離し得る。各ユーザの鼾/呼吸パラメータは、各睡眠者の音響信号及び圧力信号内に存在する鼾/呼吸情報を融合することによって見出だされ得る。デュアルモダリティ(すなわち、音響と圧力)の融合は、以下の例を含むがこれに限定されない、様々なデータ融合技術を使用して達成され得る。
一例では、モダリティ間信号融合プロセスは、各ユーザの音響及び圧力のデータエポックについての前処理されスケーリングされたバージョンを1つのジョイント信号に結合する。これは、2人のユーザを表す2つのジョイント信号を作成する結果を有し得る。この時、プロセスは、各個人の鼾及び呼吸の状態及びパラメータを識別するために、2つのジョイント信号の各々を含み得る。
一例では、モダリティ間信号融合プロセスは、各ユーザの音響及び圧力のエポックセットに関連付けられた特徴及び/またはパラメータのセットを生成する。音響及び圧力のエポックからの特徴及び/またはパラメータの組み合わせの全てまたは幾つかに基づいて、プロセスは、教師あり機械学習分類器を利用して、鼾/呼吸パラメータ1918及び1920を決定し得る。
一例では、モダリティ間信号融合プロセスは、1つのモダリティで鼾/呼吸パラメータを検出すること、及び、第2のモダリティで当該鼾/呼吸パラメータを検証及び/または有効化すること、を含み得る。例えば、鼾/呼吸分析エンジン1916は、例えば前述のように各ユーザごとに分離された音響信号を処理することに基づいて、鼾イベントを検出し得る。次に、より正確及び/または効率的な処理が利用されることを保証するために、音響信号のパラメータが圧力信号から得られたパラメータと比較され得る。
一例では、モダリティ間融合プロセスは、圧力信号をフィルタリングすることによって圧力信号を処理することに基づいて鼾イベントを検出することを含み得る。例えば、圧力信号において鼾が誘発した成分を取得するために、カットオフ周波数が60Hzであるハイパスフィルターが使用され得る。次に、より正確及び/または効率的な処理を行うために、プロセスは、圧力ベースの呼吸信号のパラメータ(例えば、周期性、基本周波数)を、睡眠者の音響によって取得されたそれらと比較し得る。
一例では、モダリティ間融合プロセスは、鼾/呼吸分析エンジン1918が、ベッド1902内のユーザの存在及びユーザの睡眠状態に基づいて活性化または非活性化され得る、ということを含み得る。例えば、鼾/呼吸分析エンジン1918は、音響信号及び/または圧力信号の分析によって判定されるように、少なくとも1人のユーザがベッドにいる時、及び/または、少なくとも1人のユーザが入眠した時、活性化(起動)され得る。
図19Bは、音響センサ1904及び1905並びに圧力センサ1911及び1910によって収集され得るデータを示している。
パネルAでは、左側の圧力が青色で示され、推定された呼吸信号が黒色で示されている。
パネルBでは、右側の圧力がシアン色で示され、推定された呼吸信号が黒色で示されている。
パネルCでは、左側の音響センサ信号の記録が赤色で示されている。
パネルDでは、右側の音響センサ信号の記録がマゼンタ色で示されている。
パネルEでは、左側の音響信号と右側の音響信号から回復された鼾を掻いている人1の音響が、黒色で示されている。このデータは、ブラインド音源分離プロセス、例えばICA、を使用して作成された。
パネルFでは、左側の音響信号と右側の音響信号から回復された鼾を掻いている人2の音響が、黒色で示されている。このデータは、ブラインド音源分離プロセス、例えばICA、を使用して作成された。
図20A及び図20Bは、2つの圧力センサ及び1つの音響センサを備えた例示的なシステム2000のブロック図、及び、そのようなシステムから集められたデータのブロック図である。システム1900とは異なり、システム2000は、単一の音響センサ2004を含む。音響センサ2004は、左側のユーザ及び右側のユーザの両方を記録するように構成されている。システム2000は、圧力センサ2010及び2011、信号調整器2006及び2012、デジタイザ2008及び2014、鼾/呼吸分析エンジン2016、及び、鼾/呼吸パラメータ2018及び2020、をも含んでいる。
音響センサ2004は、例えば、ベッド2002内(例えば、ヘッドボード内、マットレス側壁内)に配置され得る。幾つかの場合、音響センサ2004は、2人のユーザに対して等距離に配置され得る。これは、2人のユーザの音響を等しい感度で捉えることに帰結し得る。1つの音響センサ2004と2つの圧力センサ2010及び2011とを備えた当該システム2000が使用されて、少なくとも1人のユーザがベッドの指定された側にいる期間中、または、少なくとも1人の睡眠者が鼾を掻いている期間中、鼾/呼吸状態が信頼性をもってモニタリング(監視)され得る。
一例では、モダリティ間融合プロセスは、各ユーザの圧力データエポックについての前処理されスケーリングされたバージョンを共通の音響データのそれに結合し得る。これは、2人のユーザを表す2つのジョイント信号に帰結し得る。プロセスは、当該2つのジョイント信号を使用して、鼾を掻いているユーザ及び当該ユーザの鼾/呼吸パラメータ2018または2020を識別し得る。
一例では、モダリティ間融合プロセスは、共通の音響及び個人の圧力のエポックセットに関連付けられた特徴及び/またはパラメータのセットを生成し得る。音響及び圧力のエポックからの特徴及び/またはパラメータの組み合わせの全てまたは幾つかに基づいて、プロセスは、教師あり機械学習分類器を利用して、鼾/呼吸パラメータ2018及2020を決定し得る。
一例では、モダリティ間信号融合プロセスは、1つのモダリティで鼾/呼吸パラメータを検出すること、及び、第2のモダリティで当該鼾/呼吸パラメータを検証及び/または有効化すること、を含み得る。このプロセスは、各ユーザの音響及び圧力のエポックセットに関連付けられた特徴及び/またはパラメータのセットを生成することを含み得る。共通の音響信号からの特徴及び/またはパラメータの組み合わせの全てまたは幾つかに基づく。共通の音響信号が少なくとも1人の睡眠者または正確に1人の睡眠者による鼾イベントを示している場合、アクティブな鼾を掻いている人を識別するために、当該信号のパラメータが、各圧力信号のパラメータと比較され得る。
例えば、鼾/呼吸分析エンジン2016は、共通の音響信号を処理することに基づいて、鼾イベントを検出し得る。次に、より正確及び/または効率的な処理が利用されることを保証するために、音響信号のパラメータが圧力信号から得られたパラメータと比較され得る。
一例では、モダリティ間融合プロセスは、鼾/呼吸分析エンジン2016が、ベッド2002内のユーザの存在及びユーザの睡眠状態に基づいて活性化または非活性化され得る、ということを含み得る。例えば、鼾/呼吸分析エンジン2016は、音響信号及び/または圧力信号の分析によって判定されるように、少なくとも1人のユーザがベッドにいる時、及び/または、少なくとも1人のユーザが入眠した時、活性化(起動)され得る。
図20Bは、音響センサ2004並びに圧力センサ2011及び2010によって収集され得るデータを示している。
パネルAでは、左側の圧力が青色で示され、推定された呼吸信号が黒色で示されている。
パネルBでは、右側の圧力がシアン色で示され、推定された呼吸信号が黒色で示されている。
パネルCでは、共通のセンサからの音響記録が赤色で示されている。
図21は、1つの圧力センサ及び2つの音響センサを備えた例示的なシステム2100のブロック図である。システム1900とは異なり、システム2100は、単一の圧力センサ2110を使用する。圧力センサ2110は、左側のユーザ及び右側のユーザの両方を記録するように構成されている。システム2100は、音響センサ2104及び2105、信号調整器2016及び2112、デジタイザ2108及び2114、鼾/呼吸分析エンジン2116、及び、鼾/呼吸パラメータ2118及び2120、をも含んでいる。
図22は、ホームオートメーション装置を作動させるための例示的なプロセス2200のフローチャートである。例えば、プロセス2200は、システム1900、2000、または2100のいずれかで利用され得る。
存在が判定される(2202)。例えば、プロセス2200は、圧力及び/または音響読取値を使用して、1人または2人のユーザがベッドにいるか否かを判定することを含み得る。存在が検出されない場合、プロセス2200は、存在が検出されるまで待機し得る。存在が検出される場合、プロセス2200は、進行し得る。
睡眠が判定される(2204)。例えば、プロセス2200は、圧力及び/または音響読取値を使用して、ベッド上の2人のユーザのうちの両方または一方が眠っているか否かを判定することを含み得る。睡眠が検出されない場合、プロセス2200は、睡眠が検出されるまで待機し得る。睡眠が検出される場合、プロセス2200は、進行し得る。
左側の鼾/呼吸パラメータが判定され(2208)、右側の鼾/呼吸パラメータが判定される(2206)。例えば、プロセス2200は、圧力及び/または音響読取値を使用して、左側のユーザの鼾/呼吸パラメータを判定することを含み得る。実質的に同時に、プロセス2200は、同一の圧力及び/または音響読取値を使用して、右側のユーザの鼾/呼吸パラメータを判定することを含み得る。
理解されるように、左側のユーザ及び右側のユーザの環境内における音響エネルギの一部は、左側のユーザによって生成され、左側のユーザ及び右側のユーザの環境内における音響エネルギの少なくとも一部は、右側のユーザによって作成される。このクロストークのため、左側の鼾/呼吸パラメータ(2208)と右側の鼾/呼吸パラメータ(2206)とを作成する一部として、右側のユーザ及び左側のユーザの信号が解きほぐされ得る。
ここに示されるように、パラメータの判定(2206及び2208)は、睡眠の判定(2204)の後、及び/または、睡眠の判定(2204)に応答して、実施される。この構成は、システムの使用を削減できるため、有利であり得る。パラメータの判定(2206及び2208)は、人が鼾を掻いている可能性がある時にのみ、すなわち、眠っている時にのみ、行われ得る。
もっとも、他の構成も可能である。例えば、パラメータの判定(2206及び2208)は、睡眠の判定(2204)の代わりに、ベッドにおける1人のユーザの存在の後、及び/または、ベッドにおける1人のユーザの存在に応答して、実施され得る。これは、ユーザが眠っているか否かに関わらず、ユーザがベッドにいることに応答して作動ないし反応するシステムによってプロセス200が利用され得るため、有利であり得る。例えば、ホームセキュリティを改善するシステムが、ユーザがベッドに横になる時、全ての外部ドアがロックされていることを確認し得て、ロックが解除されているドアについて当該ユーザに警告するように構成され得る。この通知は、ユーザがベッドにいる時であって当該ユーザが入眠する前に、当該ユーザに警告するように構成され得る。別の形態では、プロセス2200は、睡眠または存在の検出(2202及び2204)なしで、パラメータの判定(2206及び2208)を実施し得る。これは、存在及び鼾の検出が不可能または望ましくない状況で、有益であり得る。例えば、睡眠障害(夢遊病と呼ばれることもある)を治療する睡眠クリニックは、睡眠障害のためにユーザがベッドにいない場合でさえ鼾をモニタリング(監視)するように、有利に構成され得る。
鼾/呼吸パラメータがあるルールに合致する場合、ある装置が作動される(2212)。例えば、ユーザの1人は、ユーザの1人の特定の睡眠パターンまたは鼾パターンの検出時に起動(トリガ)されるべき1または複数のホームオートメーションルールを設定し得る。一例では、ユーザは、鼾/呼吸パラメータの特定のセットが、当該ユーザであるアレルギーを患う人が僅かな呼吸困難に苦しんでいることを示す場合に、ヒータ及び加湿器を作動させる、というルールを作成しておくことができる。別の例では、ユーザは、鼾が検出される場合、鼾を軽減または排除するという企てのために、ベッドの頭部を上昇させる、というルールを設定しておくことができる。実行条件を満たすあるルールに応答して、コントローラは、ある制御可能装置に命令を送信し得る。当該制御可能装置は、当該制御可能装置を駆動するための命令を受信する。例えば、HVACは、温度及び湿度を上げるための命令を受信し得て、あるいは、ベッドの土台は、ベッドの頭部を上昇させるための命令を受信し得る。
図23は、ホームオートメーション用に音響読取値及び圧力読取値を収集するために使用され得るパイプライン(論理回路連鎖)2300の一例のパイプライン図である。当該パイプライン2300は、ベッド上のユーザによる鼾の検出に応答してホームオートメーション装置に制御信号を送信する機能を含むベッドシステムによって使用され得る。例えば、パイプライン2300は、ベッドの堅さ及び高さをも制御するエアベッドのコントローラに含まれ得る。幾つかの例では、パイプライン2300は、他のデータ処理システムによって使用され得る。例えば、音響センサ2302は、ベッドシステムと通信しているホームオートメーションシステムの異なる要素に一体化(統合)され得る。例として、パイプライン2300は、システム2300、2000、2100によって、信号調整器2306、2312、2006、2012、2106及び2112;デジタイザ2308、2314、2008、2014、2108及び2114、鼾/呼吸分析エンジン2316、2016及び2116、等と共に使用され得る。
音響センサ2302は、環境内の音響エネルギに応答してデータストリームを生成するように構成されたハードウェア及びソフトウェアを含み得る。音響センサ2302は、例えば、ベッドフレームまたはベッド上のマットレスに内蔵された1または複数のマイクロフォンを含み得る。音響センサ2302は、例えば、家または病院などの建物を通して配置された複数のセンサを含み得る。幾つかの場合、音響センサ2302は、異なるソースからの異なるタイプのセンサを含み得る。例えば、ベッドに内蔵されたセンサと電話のセンサとが連携し得て、それら個々のセンシングから1または複数のデータストリームを生成し得る。
音響センサ2302は、アナログ音響ストリーム2304を生成し得る。幾つかの音響センサ2302は、当該センサ2302によって受信された音響エネルギに比例するアナログ電気信号であるアナログ信号を生成する。例えば、音響エネルギが特定の形状を有する圧力波である場合、センサ2302は、同一の特定の形状を有する電波を有するアナログ音響ストリーム2304を生成し得る。
デジタイザ2306は、アナログ音響ストリーム2304を受信し得て、デジタル音響ストリーム2308を生成し得る。例えば、デジタイザ2306は、特定の形状の波を有するアナログ音響ストリーム2304を受信し得て、所定の変換アルゴリズムに従って当該波を記述するデジタル値のストリームを生成し得る。このデジタルストリームは、幾つかの実装形態では、特定のサンプルレートでの入力波の値に比例する2の補数のバイナリ値(二進数)です。
幾つかの実装形態では、センサ2302は、アナログ音響ストリーム2304を生成せず、代わりに、デジタル音響ストリーム2308を生成する。幾つかの場合、デジタルであるかアナログであるかに関わりなく、2以上の音響ストリームが使用される。明確のため、以下の説明は、単一のアナログ音響ストリーム2304を生成する単一のセンサ2302を使用するパイプライン2300を参照してなされるが、他の形態も可能である。
フレーマ2310が、デジタル音響ストリーム2308からデジタル音響フレーム2312を生成する。例えば、デジタル音響ストリーム2308がバイナリディジットのストリームである場合、フレーマ2310は、固定時間ウィンドウ内のバイナリディジットの全てを含むデジタル音響フレーム2312を生成し得る。
幾つかの実装形態では、デジタル音響フレーム2312は、重複し得る。例えば、各フレームが、100msの長さであり得て、前のデジタル音響フレームと50msだけ重複し得て、次のデジタル音響フレームと50msだけ重複し得る。別の例では、各フレームが、200msの長さであり得て、2つの隣接するデジタル音響フレームと各々10msだけ重複し得る。別の例では、各フレームが、20sの長さであり得て、2つの隣接するデジタル音響フレームと各々1sだけ重複し得る。
パイプライン2300は、圧力センサ2314をも含み得る。例えば、圧力センサ2314は、エアベッドなどのベッド内に含まれ得て、ベッド上にいる1または複数のユーザによってベッドに加えられる圧力に応答してデータストリームを生成するように構成されたハードウェア及びソフトウェアを含み得る。圧力センサ2314は、例えば、ホースによってエア袋に流体的に結合されたトランスデューサまたは可撓性膜を含み得る。幾つかの場合、圧力センサ2314は、例えば、ベッドのマットレスの上または下に配置され得るパッド、ストリップ、パック、またはシートの形態で、ベッドから分離可能であり得る。
圧力センサ2314は、アナログ圧力ストリーム2316を生成し得る。幾つかの圧力センサ2314は、当該センサ2314によって受信された圧力に比例するアナログ電気信号であるアナログ信号を生成する。例えば、圧力が特定の形状を有する圧力波である場合、センサ2314は、同一の特定の形状を有する電波を有するアナログ圧力ストリーム2316を生成し得る。
デジタイザ2318は、アナログ圧力ストリーム2316を受信し得て、デジタル圧力ストリーム2320を生成し得る。例えば、デジタイザ2318は、特定の形状の波を有するアナログ圧力ストリーム2316を受信し得て、所定の変換アルゴリズムに従って当該波を記述するデジタル値のストリームを生成し得る。このデジタルストリームは、幾つかの実装形態では、特定のサンプルレートでの入力波の値に比例する2の補数のバイナリ値(二進数)です。幾つかの場合、デジタイザ2306及び2318は、同一のサンプリングレートを使用し得る。幾つかの場合、デジタイザ2306及び2318は、異なるサンプリングレートを使用し得る。
幾つかの実装形態では、センサ2314は、アナログ圧力ストリーム2316を生成せず、代わりに、デジタル圧力ストリーム2320を生成する。幾つかの場合、デジタルであるかアナログであるかに関わりなく、2以上の圧力ストリームが使用される。明確のため、以下の説明は、単一のアナログ圧力ストリーム2316を生成する単一のセンサ2314を使用するパイプライン2300を参照してなされるが、他の形態も可能である。
フレーマ2322が、デジタル圧力ストリーム2320からデジタル圧力フレーム2324を生成する。例えば、デジタル圧力ストリーム2320がバイナリディジットのストリームである場合、フレーマ2322は、固定時間ウィンドウ内のバイナリディジットの全てを含むデジタル圧力フレーム2324を生成し得る。
幾つかの実装形態では、デジタル圧力フレーム2324は、重複し得る。例えば、各フレームが、100msの長さであり得て、前のデジタル圧フレームと50msだけ重複し得て、次のデジタル圧力フレームと50msだけ重複し得る。別の例では、各フレームが、200msの長さであり得て、2つの隣接するデジタル圧力フレームと各々10msだけ重複し得る。別の例では、各フレームが、30秒の長さであり得て、前及び次のデジタル圧力フレームと各々1秒だけ重複し得る。
デジタル音響フレーム2312及びデジタル圧力フレーム2324は、当該デジタル音響フレーム2312及びデジタル圧力フレーム2324を記憶用に準備するべく、暗号化/圧縮化エンジン2332によって使用され得る。暗号化/圧縮化エンジン2332は、暗号化された/圧縮化された読取値2334を作成し得て、それは、確実に暗号化されて圧縮されたデータを含む。それは、復号されて圧縮解凍される時、デジタル音響フレーム2312及びデジタル圧力フレーム2324を生成する。暗号化/圧縮化エンジン2332は、暗号化された/圧縮化された読取値2334を、クラウドストレージなどのオフサイトまたはローカルのストレージ2336に送信し得る。
鼾分析器2326も、ベッド上のユーザの鼾状態に関する判定(決定)を行うために、デジタル音響フレーム2312及びデジタル圧力フレーム2324を使用し得る。以下に示されるように、例えば、1または複数の機械学習プロセスが使用され得て、鼾分析器2326は、その鼾状態の判定に基づいて、対応する制御信号2328を生成し得る。コントローラアレイ2330が、当該制御信号を受信し得て、当該制御信号に従って制御可能装置を作動させ得て、ユーザの環境を変更し得る。
鼾分析器2326は、鼾、呼吸、または他の生体特徴パラメータを、ローカルのまたは1若しくは複数のクラウドベースのサービスに報告し得る。例えば、履歴ユーザ情報が、鼾分析器2030にとってローカルなコンピュータメモリ(例えば、コンピュータメモリ512)内に、長期記憶、集約、分析、等のために記憶され得る。追加的または代替的に、履歴ユーザ情報は、鼾分析器2030から離れたコンピュータメモリ内に、長期記憶、集約、分析、等のために記憶され得る(例えば、圧力ベースの睡眠データ1312)。
鼾分析器2326は、1の計算または複数の計算の組み合わせを使用して、鼾状態に関する決定を行うことができる。例えば、各フレーム内で、音響読取値の時間的特性及びスペクトル的特性に対応する特徴が生成され得る。そのような特徴の例は、
エポック内のオーディオ信号の、最小、最大、平均、中央値、標準偏差、並びに、ピークの振幅、幅及び位置の関数、
エポック内のオーディオ信号のエンヴェロープ(包絡線)の、最小、最大、平均、中央値、標準偏差、並びに、ピークの振幅、幅及び位置の関数、
エポック内のオーディオ信号のスペクトルの、最小、最大、平均、中央値、標準偏差、並びに、ピークの振幅、幅及び位置の関数、
エポック内のオーディオ信号のエンヴェロープ(包絡線)のスペクトルの、最小、最大、平均、中央値、標準偏差、並びに、ピークの振幅、幅及び位置の関数、
エポック内のオーディオ信号のスペクトルから、異なるスペクトルサブバンドのレシオメトリックな測定値として計算される音響鼾指数、
エポック内のオーディオ信号のスペクトルからのメル周波数係数、
を含むが、これらに限定されない。
例えば、各フレーム内で、圧力読取値の時間的特性及びスペクトル的特性に対応する特徴が生成され得る。そのような特徴の例は、
圧力変動から測定される呼吸の数(速度)の関数、
圧力変動から測定される呼吸の振幅の関数、
圧力変動から測定される呼吸の持続時間の関数、
エポック内の圧力信号の、最小、最大、平均、中央値、標準偏差、並びに、ピークの振幅、幅及び位置の関数、
エポック内の圧力信号のスペクトルの、最小、最大、平均、中央値、標準偏差、並びに、ピークの振幅、幅及び位置の関数、
エポック内の圧力信号のスペクトルから、異なるスペクトルサブバンドのレシオメトリックな測定値として計算される圧力鼾指数、
を含むが、これらに限定されない。
図24A及び図24Bは、鼾/呼吸パラメータを判定(決定)するための例示的なプロセスのフローチャートである。例えば、プロセス2400及び2450は、システム1900、2000、または2100のいずれかで、使用され得る。明確のため、以下の説明は、システム1900を使用するが、他の1または複数のシステムが同一または類似のプロセスを実行するために使用され得る。
プロセス2400においては、データストリームを分類するために、集団レベルの訓練データで訓練されることにより、機械学習分類器が生成されている。この訓練データは、収集され得て、ガイド付きまたはガイド無しのタグ付けプロセスによってタグ付けされ、機械学習訓練器(トレーナー)に提示され得る。訓練器(トレーナー)は、タグ付けされた訓練データを使用して、様々な鼾状態を区別する分類器を作成し得る。
データストリームが受信される(2402)。例えば、デジタイザ1908及び1914は、信号調整器1906及び1912からデータを受信し得る。鼾/呼吸分析器1916は、音響センサ1905、1904、1910及び1911によって実行されたセンシングの情報を含む、デジタイザ1908及び1914からのデジタル化されたデータを受信し得る。従って、この例では、4つのデータストリームが受信される。もっとも、他の構成では、他の数のデータストリームが使用され得る。
データストリームが、鼾分類器に提供される(2404)。例えば、受信されると、鼾/呼吸分析器1916は、4つのデータストリームを、各々が当該4つのデータストリームを受信して当該データストリームが鼾を含むか含まないかについての分類を提供するように構成された1または複数の鼾分類器に提供し得る。これらの分類は、任意の技術的に適切な形式を取り得る。これは、分類器テストが正しい分類を作成したという信頼度を測定する(例えば、0〜1のスケール)信頼値の形式を含む。
分類は、集約(集計)され得る。1つの例示的な集約(集計)は、最も高い信頼値スコアを有する分類を選択することである。別の1つの例示的な集約(集計)は、閾値より大きい信頼度から投票を収集し、最も多くの票数を獲得した分類(鼾/鼾なし)を選択することである。他の集約(集計)も可能である。
鼾が検出される場合(2406)、データストリームは、左/右分類器に提供される(2408)。左/右分類器は、同一のデータストリームについて動作し得て、信頼値と共に、2つ(左または右)または3つ(左、右、または両方)の可能性ある分類のうちの1つを生成し得る。
当該構成では、左/右分類器は、左または右に分類するようにのみ構成されている。当該例のこれらの分類器は、鼾を示さないという分類を生成するように構成されてはいない。換言すれば、これらの左/右分類器は、鼾の存在が前提であるものとして動作する。
この構成は、鼾を前提として動作する左/右鼾サイド分類器を使用することで、1または複数の可能性ある利点を提供し得る。例えば、分類器が前提の現象を分類する(すなわち鼾サイド)必要があるだけで、当該現象が存在するか否か(すなわち鼾の有無)を判定する必要がない場合、当該分類器を生成するための多くの機械学習プロセス(例えば、特徴学習)が、より正確な分類器を生成し得る。従って、これらの種類の機械学習技術を使用する時、プロセス2400は、特定の価値があり得る。単一の分類プロセスにおいて鼾が存在するか否かを判定して当該鼾を分類するような分類器が設計される時には、異なるプロセスであるプロセス2450が使用され得る。
鼾/呼吸パラメータが生成される(2410)。例えば、鼾/呼吸分析エンジン1916は、分類(2404及び2408)の結果を反映するべく、鼾/呼吸パラメータ内の鼾パラメータを生成し得る。また、鼾/呼吸分析エンジン1916は、感知された他の呼吸特徴(例えば、呼吸数、変動性など)を記録するべく、他のパラメータを生成し得る。鼾/呼吸分析エンジン1916は、これらの呼吸パラメータに対して分類器を使用し得て、これらの分類器は、機械学習技術、非機械学習技術、または両方の混合、から作成され得る。
プロセス2450においては、データストリームを分類するために、集団レベルの訓練データで訓練されることにより、機械語分類器が生成されている。この訓練データは、収集され得て、ガイド付きまたはガイド無しのタグ付けプロセスによってタグ付けされ、機械学習訓練器(トレーナー)に提示され得る。訓練器(トレーナー)は、タグ付けされた訓練データを使用して、様々な鼾状態を区別する分類器を作成し得る。
データストリームが受信され(2452)、鼾が検出される場合(2456)、左の鼾及び右の鼾の結果が収集される(2458)。例えば、デジタイザ1908及び1914は、信号調整器1906及び1912からデータを受信し得る。鼾/呼吸分析器1916は、音響センサ1905、1904、1910及び1911によって実行されたセンシングの情報を含む、デジタイザ1908及び1914からのデジタル化されたデータを受信し得る。従って、この例では、4つのデータストリームが受信される。もっとも、他の構成では、他の数のデータストリームが使用され得る。
データストリームが、左/右/無し鼾分類器に提供される(2454)。例えば、受信されると、鼾/呼吸分析器1916は、4つのデータストリームを、当該4つのデータストリームを受信して単一の動作で鼾状態についての分類を提供するように構成された1または複数の左/右/無し鼾分類器に提供し得る。この分類は、鼾が存在しているか否かを含む(例えば、左側鼾、右側鼾、両側鼾、鼾無し)。
この構成は、鼾を前提としないで動作する左/右/無し鼾分類器を使用することで、1または複数の可能性ある利点を提供し得る。例えば、全ての未知の分類(鼾の存在、鼾サイド)が単一の訓練に含まれている場合、分類器を生成するための多くの機械学習プロセス(例えば、ディープニューラルネットワーク)が、より正確な分類器を生成し得る。従って、これらの種類の機械学習技術を使用する時、プロセス2450は、特定の価値があり得る。単一のプロセスにおいて鼾が存在するか否かのみを判定するように、及び/または、単一のプロセスにおいて鼾が存在するサイドがどちらであるかのみを判定するように、分類器が設計される時には、異なるプロセスが使用され得る。
鼾/呼吸パラメータが生成される(2460)。例えば、鼾/呼吸分析エンジン1916は、分類(2454−2458)の結果及び鼾の特性(例えば、鼾の強度)を反映するべく、鼾/呼吸パラメータ内の鼾パラメータを生成し得る。また、鼾/呼吸分析エンジン1916は、感知された他の呼吸特徴(例えば、呼吸数、変動性など)を記録するべく、他のパラメータを生成し得る。鼾/呼吸分析エンジン1916は、これらの呼吸パラメータに対して分類器を使用し得て、これらの分類器は、機械学習技術、非機械学習技術、または両方の混合、から作成され得る。
図25は、ベッドにおける鼾イベントを判定及び分類するための機械学習分類器を訓練及び使用するための例示的なプロセス2500のスイムレーン図である。明確のため、プロセス2500は、特定の構成要素のセットを参照しながら記載されている。もっとも、同一または類似のプロセスを実施するために、他の1または複数のシステムも使用され得る。
プロセス2500では、ベッドシステムが、圧力/音響センサ2502の読取値を使用して、ユーザが鼾を掻いている時または掻いていない時に、ユーザがベッドの圧力にどのような影響を与えるのか、及び、ユーザがどのような音響を生成するのか、を学習する。ベッドシステムは、ユーザの鼾状態を複数の可能性ある鼾状態の1つに分類する判定エンジンのための信号として、これらの読取値を使用することができる。鼾状態は、別の例では2つの状態(例えば、鼾の有無)を含み得て、または、以下の状態のいずれかを含み得る:鼾を掻いているか掻いていないか、左側のみの鼾か右側のみの鼾か両側での鼾か、若しくは、ユーザの鼾をより細かく記述(説明)する他のより多数の鼾状態(例えば、左側の鼾が大きくて右側の鼾が穏やかである、等)。
動作中、ベッドは、ユーザの鼾状態を判定し得て、当該鼾状態に従って動作し得る。例えば、ユーザは、彼らが鼾を掻いている時に、彼らの鼾を最小化するように圧力を変えるように、ベッドシステムを構成し得る。ベッドは、圧力/音響センサ2502からの一連のライブ読取値に基づいて、鼾状態を反復的にまたは連続的に判定するように動作し得る。鼾状態が、例えば「鼾なし」から「鼾あり」に移行する時、ベッドシステムは、ユーザの下方のマットレスの圧力を変更するようにポンプに指示し得る。
圧力/音響センサ2502が、圧力を感知する(2512)。例えば、圧力センサは、ベッドシステム内のエア袋の内部圧力を反映する圧力読取値のライブストリームを作成し得る。この圧力読取値のライブストリームは、実質的に定常的にアナログまたはデジタル情報の形でベッドコントローラ2504に提供され得る。これにより、ベッドシステム上のユーザ(または他の物体)に起因する、または、ベッドが空である時の、エア袋内の圧力が反映され得る。
同時に、音響センサは、ベッドシステムのユーザの周囲の環境内の音響エネルギを反映する音響読取値のライブストリームを作成し得る。この音響読取値のライブストリームは、実質的に定常的にアナログまたはデジタル情報の形でベッドコントローラ2504に提供され得る。これにより、鼾や発話等によりユーザによって作成された音響に起因する、ユーザの周囲の音響状態が反映され得る。
ベッドコントローラ2504は、圧力/音響読取値を受信する(2514)。例えば、ベッドコントローラ2504は、最新のN個の読取値をベッドコントローラにとって利用可能にするローリングバッファなどのコンピュータメモリ構造内に、圧力/音響読取値を留め置くことができる。ベッドコントローラ2504は、これらの圧力/音響読取値を集約し得て、当該読取値をサブサンプリングし得て、あるいは、それら全てを個別に記憶し得る。
ベッドコントローラ2504は、圧力/音響読取値を送信し(2516)、クラウドレポーティングサービス2506が、当該圧力/音響読取値を受信する(2518)。例えば、ベッドコントローラ2504は、全ての圧力/音響読取値をクラウドレポーティングサービス2506に送信し得る、あるいは、幾つかの圧力/音響読取値のみ(他は含まない)がクラウドレポーティングサービス2506に送信されるべきであると判定し得る。クラウドレポーティングサービス2506は、圧力/音響読取値を受信するように構成され、場合によっては、他のタイプのデータを受信するように構成される。クラウドレポーティングサービス2506に送信される圧力/音響読取値は、ベッドコントローラ2504によって変更されていなくてもよいし、集約(例えば、平均、最大及び最小など)されていてもよいし、あるいは、他の態様でベッドコントローラ2504によって変更されていてもよい。
分類器ファクトリ2508が、圧力/音響読取値2520から分類器を生成する。例えば、分類器ファクトリ2508は、分類器を生成するために、特徴学習型機械学習を実行し得る。分類器ファクトリ2508は、予備分類される読取値変動パターンの大きなセットを最初に取得することで、分類器を訓練し得る。例えば、1つのベッドまたは多くのベッドが、読取値データをクラウドレポーティングサービス2506に報告し得る。この読取値データは、ベッドコントローラ2504及び/または他のベッドコントローラによって使用されるための圧力分類器の作成における分析のために、タグ付けされ、記録され、及び、記憶され得る。
分類器ファクトリ2508は、読取値から特徴を生成し得る。例えば、圧力信号のストリーム及び音響信号のストリームは、例えば1秒、2.125秒、3秒、または25秒、の複数のバッファに分割され得て、時間または頻度の領域での特徴を生成し得る。これらの特徴は、これらのバッファ内の圧力/音響の直接の測定値であり得る。例えば、そのような特徴は、最大、最小、またはランダムな圧力/音響値を含み得る。これらの特徴は、これらのバッファ内の読取値から導出され得る。例えば、そのような特徴は、平均読取値、標準偏差、または、当該バッファ内の経時的な増加または減少を示す勾配値、を含み得る。特徴ベクトルの値は、バイナリ形式または数値形式であり得る。各バッファについて、複数の値が所定の順序で記憶され得て、一連のフィールドで構成されるベクトルを作成し得る。各ベクトルは、同一の一連のフィールドとそれらのフィールド内のデータとを有する。幾つかの他の特徴は、フーリエ変換またはウェーブレット変換の係数など、圧力及び音響信号の変換領域表現から計算され得る。
別の例として、分類器ファクトリは、読取値があるパターンまたはあるパターンのための規則に合致するという、読取値内のインスタンスを識別し得る。一例において、繰り返しパターンが、圧力または音響ストリームの正弦波形状または鋸歯形状として定義され得て、それは、顕著な増大や急激な変動を含む。そのようなパターンが識別され得て、時間または周波数における当該パターンに関する対応する合成情報(例えば、タイムスタンプ、持続時間、最大エンヴェロープ振幅、スペクトルピーク)が、圧力及び音響信号及び/または他の外部情報(例えば、実時間クロック)から合成され得る。
分類器ファクトリ2508は、特徴を組み合わせ、または、減らすことができる。例えば、抽出された特徴は、主成分分析を使用して組み合わされ得る。特徴の主成分分析のために、分類器ファクトリ2508は、ユーザの鼾状態を区分(判別)する全ての特徴のサブセットを決定し得る。すなわち、分類器ファクトリ2508は、特徴を、鼾状態を決定するのに有用な特徴と、有用性の低い特徴と、に分類し得て、より有用な特徴が保持され得る。このプロセスは、試行錯誤ベースに行われ得て、特徴のランダムな組み合わせが試験されてもよい。このプロセスは、1または複数の体系的なプロセスを使用して実行されてもよい。例えば、線形判別分析または一般化判別分析が使用され得る。
幾つかの場合、全ての使用可能な特徴のセットから、特徴の適切なサブセットが選択され得る。複数の分類器が作成されている場合、当該選択は、分類器ごとに1回、行われ得る。あるいは、当該選択は、複数の分類器が作成されている場合、複数または全ての分類器に対して1回、行われ得る。
例えば、ランダムな(または疑似ランダムな)数が生成され得て、当該数の特徴が削除され得る。幾つかの場合、複数の特徴が1つの集約特徴に集約され得る。例えば、圧力または音響読取値で複数の繰り返しパターンが識別される場合、当該繰り返しパターン及び/または当該繰り返しパターンに関連する合成データが集約され得る。例えば、全ての鼾パターンの持続時間が、平均、標準偏差、最小、及び/または、最大の持続時間に集約され得る。
分類器ファクトリ2508は、特徴を処理し得る。例えば、残りの特徴は、それらの値を合理化するように処理され得て、各特徴は、当該特徴がどれほど判別性があるのか、に対応する重みで処理される。ある特徴について、判別性が非常に高く、状態の分類に非常に有用である、と見出された場合、当該特徴には、他の特徴よりも大きな重みが与えられ得る。2番目の特徴について、他の特徴よりも判別性が低いと見出された場合、当該2番目の特徴には、より低い重みが与えられ得る。
カーネル空間にマッピングされると、特徴が標準化され得て、データポイントを所定の平均に集中させ得て、単位標準偏差を有するように当該特徴をスケーリングし得る。これは、特徴が全て、例えば、0の平均値と1の標準偏差とを有することを許容し得る。抽出された特徴は、その後、前述されたのと同一のベクトル形式を使用したベクトル形式に変換される。
幾つかの場合、入力データをカーネル空間にマッピングするために、残りの特徴がカーネル関数を適用することによって処理され得る。カーネル空間は、異なるクラスターが異なる状態を表し得るように、高次元空間(例えば、特徴データのベクトルが入力されたベクトル空間)がクラスター化されることを許容する。カーネル関数は、線形、二次式、多項式、動径基底、多層パーセプトロン、または、カスタム、を含む任意の適切な形式であり得る。
分類器ファクトリ2508は、分類器を訓練し得る。例えば、パターン認識アルゴリズムが、それによって新しい圧力読取値が分類され得る分類器を訓練するために、抽出された特徴のベクトルと、それらに対応する存在状態ラベルとを、データセットとして使用し得る。幾つかの場合、これは、後の使用のために訓練データと共に分類器を記憶することを含み得る。
分類器ファクトリ2508は、分類器を送信し得て(2522)、ベッドコントローラ2504は、分類器を受信し得る(2524)。例えば、分類器ファクトリ2508によって作成された1または複数の分類器は、ベッドコントローラ2504及び/または他のベッドコントローラに送信され得る。幾つかの場合、分類器は、データネットワークを介して送信され得る。幾つかの場合、分類器は、コンパクトディスク(CD)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、または、他のデバイス、などの非一時的なコンピュータ可読媒体で送信(提供)され得る。分類器は、ソフトウェアインストールの一部として、ソフトウェア更新の一部として、または、別のプロセスの一部として、ベッドコントローラ2504及び/または他のベッドコントローラにロード(搭載)され得る。幾つかの場合、分類器ファクトリ2508は、ベッドコントローラ2504及び/または他のベッドコントローラにメッセージを送信し得て、当該メッセージは、圧力読取値のストリーム及び/または音響読取値のストリームを使用してベッドを複数の鼾状態のうちの1つに分類する1または複数の分類器を規定するデータを含み得る。幾つかの構成では、分類器ファクトリ2508は、1つのメッセージまたは時間的に互いに近い一連のメッセージのいずれかで、分類器を一度に送信し得る。幾つかの構成では、分類器ファクトリ2508は、時間的に分離された分類器を送信し得る。例えば、分類器ファクトリ2508は、分類器を生成及び送信し得る。その後、より多くの圧力センサデータが利用可能になると、分類器ファクトリ2508は、既に作成されたものとは異なる、更新された分類器または新しい分類器を生成し得る。
分類器は、1または複数のデータ構造で定義され得る。例えば、分類器ファクトリ2508は、ソフトウェアライブラリ、実行可能ファイル、または、オブジェクトファイル、などの実行可能または解釈可能なファイルに分類器を記録し得る。分類器は、拡張可能マークアップ言語(XML)ドキュメントや、ジャバスクリプトオブジェクト表記(JSON)オブジェクトなどの、構造化データオブジェクトとして記憶、使用、または、送信され得る。幾つかの例では、分類器は、ベッドコントローラ2504が実行できる(例えば、実行または解釈できる)バイナリ形式またはスクリプト形式で作成され得る。幾つかの例では、分類器は、直接的には実行されないフォーマットで作成され得るが、ベッドコントローラ2504が当該データに従って分類器を構築することを許容するデータを伴うフォーマットで作成され得る。
ベッドコントローラ2504はまた、圧力読取値のストリーム及び音響読取値のストリームを使用して、鼾を分類し得る(2526)。例えば、ベッドコントローラ2504は、圧力読取値のストリーム及び音響読取値のストリームからのデータを使用して、1または複数の分類器を実行し得る。分類器は、当該データを複数の状態(例えば、鼾なし、軽い鼾、等)のうちの1つに分類し得る。例えば、分類器は、データストリームを前記のベクトル形式に変換し得る。次に、分類器は、当該ベクトルを審査して、当該ベクトルが、ある状態としてラベル付けされた訓練データに似ているか、別の状態としてラベル付けされた訓練データに似ているか、を数学的に判定する。この類似性が計算されると、カテゴライザは、当該状態を示す応答を戻し得る。
鼾分析器は、1または複数の機械学習分類器を使用して、圧力及び/または音響読取値のフレームを鼾強度レベルに分類する。一例では、分類器は、エポックを2クラスに分類する:鼾なし、鼾あり。別の例では、分類器は、エポックを3クラスに分類する:鼾なし、間欠的鼾、連続的鼾。別の例では、分類器は、エポックを4クラスに分類する:鼾なし、軽い鼾、穏やかな鼾、大きな鼾。別の例では、分類器は、エポックを5クラスに分類する:鼾なし、軽い鼾、穏やかな鼾、中程度の鼾、大きな鼾。別の例では、分類器は、エポックを6クラスに分類する:鼾なし、軽い鼾、穏やかな鼾、中程度の鼾、中程度から大きな鼾、大きな鼾。このような分類は、臨床グレードの鼾分類に従ったものである。
ベッドコントローラ2504は、2つ以上の分類器を使用し得る。すなわち、ベッドコントローラ2504は、各々が異なるように機能し、及び/または、分類を成立させるために異なる訓練データを使用する、複数の分類器へのアクセスを有し得る。このような場合、分類器の判定は、投票として扱われ得て、投票の集計が、鼾の存在または不在の判定のために使用され得る。分類器が1つだけ使用されている場合、当該分類器の投票が唯一の投票であり、当該投票が鼾状態の検知として使用される。複数の分類器がある場合、異なる分類器は、相反する投票を生成する可能性があり、ベッドコントローラは、投票を獲得した1つの鼾状態を選択し得る。分類器は、様々な機械学習技術及び非機械学習技術で作成され得る。例えば、ここで説明される特徴学習に加えて、分類器は、他の機械学習技術を使用して作成され得る。ディープラーニング(深層学習)を使用して分類器を作成する例が、後に説明される。他の分類器が、分類の生成のため、ヒューリスティックまたはパターンマッチングを使用して作成され得る。
様々な投票カウント方式が可能である。幾つかの場合、ベッドコントローラ2504は、各鼾状態の投票をカウントし得て、最も投票数が多い鼾状態が判定される鼾状態である。幾つかの場合、ベッドコントローラ2504は、他の投票カウント方式を使用し得る。例えば、異なる分類器からの投票が、分類器の履歴上の正確さに基づいて重み付けされ得る。そのような方式では、より正確であると履歴上示されている分類器に、より大きな重みが与えられ得る一方で、より低い履歴上の精度を伴う分類器には、より小さな重みが与えられ得る。この精度は、集団レベルまたは特定のユーザレベルで追跡され得る。
幾つかの場合、機械学習システム以外のシステムによって、票が投じられ得て、それらの投票が投票総数に組み込まれ得て、投票判定の結果に影響を与え得る。例えば、非機械学習の圧力分類アルゴリズムが、例えば閾値との比較に基づいて、票を投じ得る。
幾つかの場合、システムは、異なる動作モードを有し得て、モードに応じて異なるように投票を集計し得る。例えば、ベッドが調整処理中である時、または、調整可能な土台(基礎)が動いている乃至ベッドの一部が上昇されている時、異なる投票戦略が使用され得る。幾つかのモードでは、幾つかの他のモードと比較して、幾つかの分類器により大きな重みまたはより小さな重みが与えられ得るか、重みが全く与えられない。これは、例えば、ある分類器が、あるモード(例えば、ベッドが平らなモード)で別のモード(例えば、ベッドの頭部が土台によって上昇されているモード)に対して正確であることが示されている時、有用であり得る。
幾つかの場合、ベッドコントローラ2504は、鼾状態を判定する前に、ユーザがベッドにいる及び/または眠っている、ことを保証し得る。例えば、圧力及び/または音響読取値の一方または両方を使用して、ベッドコントローラは、ユーザがベッドにいるか、あるいは、ベッドが空であるか、を最初に判定し得る。ユーザがベッドにいると判定される場合、ベッドコントローラ2504は、ユーザがベッドで眠っているか否か、を判定し得る。構成に依存するが、ユーザの存在及び睡眠が確認されると、ベッドコントローラ2504は、鼾を判定し得る(2526)。
ベッドコントローラ2504は、デバイス動作を選択する(2528)。例えば、ユーザが鼾を掻いていないという判定に応答して、または、ユーザが鼾を掻いているという判定に応答して、ベッドコントローラ2504は、処理されるべきデバイス動作を選択し得る。例えばローカルにまたはリモートマシン上で、コンピュータ可読ストレージに記憶されているルールセットが、鼾状態に基づいてユーザまたは別のシステムが要求する動作を識別し得る。例えば、ユーザは、グラフィカルユーザインタフェースを介して、鼾を掻いている時に騒音中(while−noise)機械が作動することを望む旨、を記録(文書化)し得る。すなわち、鼾を掻いている時だけであるが、パートナーを悩ませないように、ホワイトノイズが鼾を覆い隠すようにすべきである。
ルールセット及び鼾判定に基づいて、ベッドコントローラ2504は、要求された周辺機器またはベッドシステム要素を作動させるために、適切なデバイスコントローラ2510にメッセージを送信し得る。例えば、鼾判定に基づいて、ベッドコントローラ2504は、頭部または足部の角度を調整するためにベッドの土台にメッセージを送信し得て、ホワイトノイズを発し始めるためにスピーカにメッセージを送信し得て、ベッドシステムの堅さを調整するためにポンプにメッセージを送信し得て、フットヒータを作動させるために足加温コントローラにメッセージを送信し得て、及び、ホワイトノイズを調整するためにホワイトノイズコントローラにメッセージを送信し得る。
デバイスコントローラ2510は、周辺デバイスを制御し得る(2530)。例えば、ホワイトノイズコントローラは、ベッド周りの部屋のホワイトノイズ用のスクリプトを開始し得て、ホワイトノイズを発し始め得る。
一般に、プロセス2500は、訓練時間と作動時間に編成され得る。訓練時間は、鼾分類器を作成するために一般的に使用される動作を含み得る一方、作動時間は、分類器を使用して鼾状態を判定するために一般的に使用される動作を含み得る。ベッドシステムの構成に応じて、前記時間の片方または両方の動作が作動または停止され得る。例えば、ユーザが新しくベッドを購入する時、当該ベッドは、ユーザが当該ベッド上で引き起こす圧力の読取値へのアクセス、及び、鼾を掻いているユーザによって生成される音響の読取値へのアクセス、を有しない場合がある。ユーザが最初の数晩当該ベッドを使用し始める時、重要な読取値の塊(集合)が収集されると(例えば、特定の数の読取値、特定の数の夜、異なる試験またはヒューリスティックに基づく特定の数の予想される出入りイベント)、ベッドシステムはそれらの圧力及び音響読取値を収集し得て、それらをクラウドレポーティングサービス2506に提供し得る。
ベッドシステムは、分類器を更新または拡張するために、訓練時間で動作し得る。ベッドコントローラ2504は、分類器の受信後、訓練時間の動作を継続し得る。例えば、ベッドコントローラ2504は、計算リソースが空いている時、ユーザの指示などで、定期的に圧力及び音響読取値をクラウドレポーティングサービス2506に送信し得る。分類器ファクトリ2508は、新しい分類器または更新された分類器を生成及び送信し得て、または、ベッドコントローラ2504上の1または複数の分類器が廃止されるべきであることを示すメッセージを送信し得る。
ベッドコントローラ2504は、ベッドシステムに接続されたホームオートメーションがどのように動作すべきか、を定義するルール及び設定を受信し得る。分類器を使用して、ベッドシステムは、ホームオートメーションをルール及び設定に従って実行させるために、作動時間の動作を実行し得る。
ベッドシステムは、圧力センサ2502からの同一の圧力読取値及び音響センサ2502からの同一の音響読取値を使用して、訓練時間と動作時間とで同時に動作し得る。例えば、ベッドシステムは、圧力読取値及び音響読取値のストリームを使用して、現在使用中の鼾カテゴライザに基づいて、鼾状態を判定し得て、環境を制御し得る。更に、ベッドシステムは、訓練時間の動作で、圧力/音響読取値のストリームからの同一の圧力/音響読取値を使用して、カテゴライザを改善し得る。このように、圧力及び音響読取値の単一のストリームが、ベッドシステムの機能を改善するため及び自動化イベントを駆動するための両方に、使用され得る。
幾つかの場合、パーソナライズされた分類器の代わりに、またはそれと組み合わせて、分類器の一般的なセットが使用され得る。例えば、ベッドが新たに購入されたり、工場出荷時の設定にリセットされたりする時、ベッドシステムは、個人レベルではなく集団レベルの圧力及び音響読取値に基づいて作成された汎用ないしデフォルトの鼾分類器で動作し得る。すなわち、ベッドシステムが特定のユーザに関連する特定の圧力読取値について学習する機会を得る前に、一般的な分類器が、ベッドシステムでの使用のために作成され得る。これらの一般的な分類器は、集団レベルの訓練データについて、例えば本明細書に説明されているもののような機械学習技術を使用して生成され得る。これらの一般的な分類器は、追加的または代替的に、非機械学習の技術を使用して生成され得る。例えば、分類器は、閾値(例えば、圧力、経時的な圧力変化)を含み得て、当該閾値を上回る音響読取値が、1つの鼾状態を判定するために使用され得て、当該閾値を下回る音響読取値が、別の鼾状態を判定するために使用され得る。
要素の特定の数、順序、及び配置がここで説明されているが、他の代替案も可能である。例えば、分類器2520の生成は、分類器ファクトリ2508で実施されるものとして説明されているが、分類器は、代わりにまたは追加的に、ベッドコントローラ2506によって生成され得て、圧力及び音響データをクラウドサービスに報告しないこともあり得る。
幾つかの実装形態では、ベッドシステムは、2人のユーザに対応し得る。そのような場合、プロセス2500は、2人のユーザに対応するように1または複数の態様で適合され得る。例えば、各ユーザに対して、ベッドシステムは、2セットの分類器を使用し得る(幾つかの分類器が両方のセットに同時に存在する場合と、同時に存在しない場合と、がある)。例えば、ベッドの一方側が占有されている時、1つのセットが使用され得て、ベッドの反対側が占有されている時、もう1つのセットが使用され得る。これは、例えば、2人目のユーザの存在または不在が、ベッドの1人目のユーザ側の圧力読取値に影響を有する時、有用であり得る。
幾つかの場合、ユーザは、両方のユーザの鼾状態に応じてホームオートメーション環境を制御したい場合がある。例えば、あるルールは、両方のユーザがベッドで鼾を掻いている時でなく、一方のユーザのみがベッドで鼾を掻いている時にのみ、ホワイトノイズが作動されるべきである、ということを指定し得る。
この例は、圧力/音響を提供し(2516)、その後に分類器を受信する(2524)、単一のベッドコントローラ2504について示されている。しかしながら、このシステムは、多くの更なるベッド及びベッドコントローラに適用可能であることが理解されよう。例えば、圧力/音響が、多くのベッドコントローラ(例えば、数十万個)から受信され得て、訓練データは、これらの多くのベッドから合成され得て、多くのユーザによるベッド使用に関するデータを提供し得る。次に、分類器は、訓練データを提供したベッドの一部、全く無し、または、全て、に分配され得る。例えば、幾つかのベッドは、新しい分類器で更新されたソフトウェアを受信し得る。あるいは、別の例として、新しい分類器は、新しく製造されたベッドにのみ含まれ得る。あるいは、別の例として、各ベッドは、当該特定のベッドのユーザに特に合わせて仕立てられた分類器を受信し得る。
図26は、圧力及び/または音響信号について分類器を訓練するための例示的なプロセス2600のフローチャートである。当該プロセス2600は、例えば、分類器を生成するプロセス(2520)の一部として使用され得る。
ある特徴セットが、決定される(2602)。例えば、生の圧力データが、圧力データのローリングウィンドウに分離され得て、生の音響データが、音響データのローリングウィンドウに分離され得る。一例では、各ウィンドウは、1秒のデータを表し、100個の読取値の各々を伴う。一例では、圧力データが第1の長さのウィンドウを使用し、音響データが第2の異なる長さのウィンドウを使用する。ベクトルが、作成され得て、当該ベクトルの最初の100個のフィールドが、100個の読取値の各々を順番に記憶するように使用され得る。ベクトルの追加フィールドが、100個の読取値から計算されるデータを記憶するために使用される。例えば、あるフィールドが、圧力/音響データストリームに対応するスペクトルピークの振幅を記憶するように使用され得る。この値は、鼾存在の近似プロキシとして利用され得て、高い振幅は鼾の存在状態を示す。別のフィールドが、圧力/音響データストリームの値間の最大差を記憶するように使用され得る。これは、読取値の安定レベルを示し得る。更に、幾つかの特徴が、それらの数学的決定の外に、明確なまたは論理的な説明を有しないで、作成され得る。例えば、奇数値または偶数値での読取値のカウントが、ベクトルの1つのフィールドに記憶され得る。これらのフィールドは、人間の設計によって定義され得るし、または、プログラムで生成され得る。
訓練データが、カーネル空間にマッピングされる(2604)。例えば、ベクトルは、高次元空間にマッピングされ得る。この高次元空間は、ベクトルが有するフィールドと同じ数の次元を有し得る、または、ベクトルのN個のフィールドのサブセットが使用され得て、当該ベクトルがN次元空間にマッピングされ得る。各々がベクトルの1つのクラスターを有するような複数のパーティションに空間を分割可能なカーネル関数が、見出だされ得る。例えば、ある2D空間で、ベクトルは、座標[1,1]周りの1つのクラスターと、座標[100,100]周りの別のクラスターと、にマッピングし得る。判定境界 y=l00−x が、1つのクラスターが全体的に当該関数の線の上方にあり、1つのクラスターが全体的に当該関数の線の下方にある、というように空間を分割し得る。
カーネル関数を見出だすことは、自動化されたプロセスであり得るし、人間の相互作用を伴ってもよい。例えば、モンテカルロプロセスが使用されて、自動化されたプロセスでカーネル関数を検索してもよい。人間が関与するプロセスでは、コンピュータが人間にベクトルの一連の2次元ビューを提示し得て、人間は2次元空間を分割するための2次元関数を作成し得て、コンピュータシステムがこれらの2次元関数からより高次元の関数を構成し得る。
分類器は、マッピングされた特徴セットで訓練される(2606)。今やクラスター化された特徴セットを使用して、ある特定の状態をどのクラスターが示すか、を識別するために訓練データが訓練され得る。幾つかの場合、これは、教師あり訓練であり得る。教師あり訓練では、人間がクラスターを識別し得て、各クラスターにラベルを付し得る。例えば、各時間ウィンドウが、当該時間ウィンドウの圧力及び音響読取値が生成された時の鼾状態を識別するために、異なるプロセスによってタグ付けされ得る。幾つかの場合、明示的なテストが、データを生成するために実行され得る。既知の鼾の記録がサンプリング(標本抽出)され得て、また、鼾を掻きながらベッドに横たわっている人間が測定され得る。このテストセッションからの記録(ログ)は、様々な鼾状態についてアノテーション(注釈付け)され得て、圧力データ及び音響データが適切にラベル付けされ得る。
幾つかの場合、他の状態識別プロセスが使用され得る。例えば、信頼性のある状態アノテーション(注釈)を生成するために、閾値分析が使用され得るが、そのような分析は、有意に長い圧力及び音響データを必要とし得る(数分から数時間)。そのような場合、圧力及び音響データの鼾状態にラベル付けするために、閾値分析が履歴上の圧力及び音響データに対して実行され得る。この履歴分析は、事後的に実行され得るため、ホームオートメーションなどの目的でのリアルタイムでの鼾状態判定には有用でないか然程に有用でなくとも、当該目的には有用であり得る。すなわち、判定をなすのに30分のデータを要する分析が、ベッドの堅さを調整したり調整可能な土台の頭部を上昇させたりするのに許容できない30分の遅れを生じてしまっても、ここでは使用され得る。
幾つかの場合、訓練は、教師なし訓練であり得る。例えば、訓練は、圧力または音響データの分析のみで実施され得て、外部のインテリジェンスは提供されない。これは、データの教師なしクラスタリングを含み得る。クラスタリング技術は、k−平均クラスタリング、混合モデリング、階層的クラスタリング、自己組織化マッピング、及び、隠れマルコフモデリング、を含むが、これらに限定されない。これは、追加的にまたは代替的に、データの教師なしラベル付けを含み得る。例えば、所定の数の状態の所定のセットでデータを訓練する代わりに、教師(supervision)は、幾つかのクラスターを生成し得て、可能性ある状態の数を判定するために当該数のクラスターを使用し得る。これらの状態には、特定の意味を有しない固有の識別子が与えられ得る(例えば、クラスター1、クラスター2、状態A、状態B)。次に、教師(supervision)が終了されると、人間が状態情報を分析し得て、状態に対して意味のあるラベルを決定し得る。
図27は、ベッドにおける鼾イベントを判定及び分類するための機械学習分類器を訓練及び使用するための例示的なプロセス2700のスイムレーン図である。プロセス2500とは異なり、プロセス2700は、機械学習のディープラーニング(深層学習)スタイルを使用して分類器2702を生成する工程を含む。図示されている例では、(有機的な脳ではなく)コンピュータモデルであるディープニューラルネットワーク(DNN)が記述されている。もっとも、理解されるように、他のタイプの人工ニューラルネットワーク及び/または他のタイプのディープラーニング(例えば、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、長・短期記憶−LSTMなど)も、プロセス2700で使用され得る。更に、分類器を生成する(2520、2702)ために、他のタイプの機械学習もプロセス2500、2700で使用され得る、ということが理解されよう。
一般に、分類器生成(2702)では、分類器ファクトリ2508は、クラウドレポーティングサービスからラベル付けされた訓練データを受信する。もっとも、プロセス2500とは異なり、明示的な特徴はスタンドアロンのプロセスとして作成されない。代わりに、分類器の訓練は、ラベル付き訓練データから作成された特徴ではなく、ラベル付き訓練データに直接的に作用する。
分類子ファクトリ2508は、圧力/音響読取値2702から分類器を生成する。例えば、分類器ファクトリ2508は、分類器を生成するために、人工ニューラルネットワーク型機械学習を実施し得る。分類器ファクトリ2508は、予備分類された読取値の変動パターンの大きなセットを最初に取得することにより、分類器を訓練し得る。例えば、1つのベッドまたは多くのベッドが、クラウドレポーティングサービス2506に読取データを報告し得る。この読取データは、ベッドコントローラ2504及び/または他のベッドコントローラによって使用されるための圧力分類器の作成における分析のために、ラベル付けされ、記録され、及び、記憶され得る。
タグ付けされたデータは、1または複数のDNN訓練器(トレーナー)に提供される。DNN訓練器は、人工ニューロンのグループを層(レイヤー)状に配置し、1つの層の出力を別のレイヤーの入力に接続することによって、初期DNNを生成する。一般的に言えば、これらの人工ニューロンは、幾つかの入力を取り、それらの機能を実施し、出力を生成する、コンピュータ動作可能な関数である。多くの場合、これらの関数は、2部構成の数学的関数に基づいて定義される−最初に幾つかの線形結合が実施され、次に非線形関数(アクティベーション関数とも呼ばれる)が実施される。もっとも、理解され得るように、任意の技術的に適切な関数が使用され得る。
1つの層のニューロンは、全てグループ化され、当該層の各ニューロンの出力は、次の層のニューロンへの入力として提供される。各層間の接続の数は、当該層内の各ニューロンの入力の数の関数である。例えば、各層が10個のニューロンを有し、各ニューロンが3個の入力を有するネットワークの場合、当該ネットワークは1つの層と次の層との間に30(つまり10×3)の接続を有し得る。層の数、層ごとのニューロンの数、及び、ニューロンごとの入力の数は、各々、分類器ファクトリ2508がDNNを初期化するプロセスで調整し得るパラメータである。例えば、ネットワークは、数十の層を有し得て、各層は数百のニューロンを有し得て、各ニューロンは数十の入力を有し得る。より多いまたはより少ない複雑さ(層、ニューロン、及び/または、入力の数)が可能である。
1つのニューロンの出力から次のニューロンの入力までの各接続には、重み値が与えられる。この重み値は、例えばランダム(または疑似乱数)の数値に初期化され、または、可能性ある重みのリストから選択することによって初期化される。1つのニューロンの出力が次のニューロンの入力に渡される時、その値は当該重み値によって調整される。例えば、重み値は、0から1の範囲の数値であり得て、渡される値は、当該重み値によって乗算される。
このような初期DNNが生成されると、訓練データを受信し、当該訓練データで作動することが可能である。すなわち、バイナリデータの順序付けされたシーケンスとしてディスク上に記憶された訓練データは、DNNのヘッド(すなわち、DNNの最初の層の元の入力ニューロン)への入力として提供され得る。理解され得るように、入力をDNNの最初の層に提供すると、DNNは、当該DNNの層のニューロンを実行し、バイナリデータの2番目の順序付けされたシーケンスの形式で出力を生成する。ここで、バイナリデータの2番目の順序付けされたシーケンスは、信頼スコア付きの分類として解釈され得る−すなわち、当該出力は、DNNが当該データをどの状態(例えば、鼾なし、左側ユーザの鼾、右側ユーザの鼾)に分類したのかを、0〜1の信頼値と共に、リーダに伝える。
生成された初期DNNを使用して、分類器ファクトリ2508は、当該DNNによって作成される分類結果を改善するように当該DNNを精練し得る。そうするために、分類器ファクトリ2508は、損失関数を計算し得て、例えば閾値を下回る、または、反復精練による改善に失敗している、といった試験をDNNの当該損失関数が通過する(満たす)まで、DNNを反復的に修正し得る。
タグ付けされた訓練データのサンプルをDNNがどの程度良好に分類したか、を定義するように、損失関数が選択され得る。値が0〜1である信頼度の例では、不正確な分類に損失値1を割り当て、正しい分類に損失値(l−信頼度)を割り当てる、という損失関数が使用され得る。このように、不正確な分類は、最大の損失値を提供し、正しい分類は、信頼度が高い時、小さな損失を提供する。
分類器ファクトリ2508は、DNNの損失値を低減するように、DNNの精練を開始する。例えば、分類器ファクトリ2508は、i)DNNを調整する工程、ii)DNNに訓練データを提供する工程、及び、iii)DNNの損失値を計算する工程、を反復的に実施し得る。
DNNを調整するために、分類器ファクトリは、1または複数の最適化アルゴリズムを選択し得る。一般に、これらのアルゴリズムの多くは、ニューロン出力とニューロン入力との間の接続の重みを調整することによって、作動する。そうする際に、それらは、DNNのニューロンによって使用される実際の重み付けされた入力を調整する。それは、DNNにとっての異なる結果をもたらす。
これらのアルゴリズムの1つは、勾配降下アルゴリズムと呼ばれている。勾配降下法は、損失関数の最小値を見出だすための1次反復最適化アルゴリズムである。勾配降下法の各反復において、ニューロン間の接続の現在の重みが考慮され、DNNの損失値を少なくとも少量だけ低減するように修正される。これらの修正を行うために、分類器ファクトリ2508は、DNNの重みの全てに関して、DNNの損失関数の勾配を決定し得る。当該勾配を使用して、学習率によって損失関数を低減し得る新しい重みが計算される。勾配降下アルゴリズムは、極小値にトラップされることを回避するための要素をも組み込み得る。例示的な要素は、確率的勾配降下法、バッチ勾配降下法、及び、ミニバッチ勾配降下法、を含む。
DNNが調整されると、分類器ファクトリ2508は、DNNから1または複数の分類器を生成し得る。例えば、分類器ファクトリ2508は、DNNで実施される分類に寄与しないという理由で、全ての入力重みがゼロであるニューロンを識別し、それらを除去し得る。