JP2021501597A - コード化粒子を使用したデジタル核酸増幅 - Google Patents

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Abstract

【課題】デジタルアッセイを行うための方法、デバイス、およびシステムを提供する。【解決手段】ある特定の態様では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、核酸およびタンパク質の検出に使用され得る。コード化プローブを使用した標的分子の改善された検出および定量化のための方法、デバイス、システム、および組成物も提供される。ある特定の態様では、本明細書に提供される方法、デバイス、およびシステムは、多重化デジタルアッセイに有用である。ある特定の態様では、これらの方法、デバイス、およびシステムは、ある体積における区画化された体積の認識、検出、およびサイズ決定に使用され得る。本開示の方法およびデバイスとの使用に好適な組成物およびキットも提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、全ての目的のために参照により全体が本明細書に組み込まれる、2017年11月3日に出願された米国仮出願第62/581,429号の利益を主張する。
デジタル測定は、所与のアッセイの感度、精度、およびロバスト性を増加させることができるため、ある特定の生物学的アッセイにおいて重要な役割を果たし得る。さらに、アナログ測定が較正標準の追加分析による較正を必要とし得る一方で、二進値の作表に基づき得るデジタル測定は、所与の生物学的アッセイを行う際の技術的複雑性を低減することができる。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等の増幅法を使用して、試料中の核酸等の標的分子(例えば、DNA分子またはRNA分子)を検出することができる。PCRの場合、DNA分子等の標的分子は、DNA重合酵素によって触媒される温度感受性反応において増幅される。プライマー核酸分子およびヌクレオシド三リン酸分子の存在下で、各温度で規定の時間にわたって一連の温度(多くの場合、約60℃〜約95℃の範囲である)を経てDNAを循環させることにより、DNAのコピー数が増加する。PCRは、基礎生物学、臨床診断、遺伝子操作、および法医学を含む広範な科学分野で有用である。
区画化された体積およびコード化粒子を含むプローブを使用してデジタルアッセイを行うための方法およびシステムが本明細書に記載される。具体的には、本開示は、複数の区画化された体積を含むシステムにおける目的とする分子の改善されたデジタル分析のための方法、システム、およびデバイスについて記載する。例えば、本明細書に記載の方法およびシステムを使用して、検出可能なシグナルまたはコードが検出され得る区画化された体積の体積および区画化された体積の数を測定することができ、その後、これらを使用して、試料の濃度を決定することができる。本発明は、伝統的なアッセイ(例えば、アナログアッセイ)と比較して、標的分子の分子レベルの照会の速度、ダイナミックレンジ、および再現性を改善し、かつ単一のアッセイで分析され得る標的分子種の数量(例えば、異なるタイプの標的分子の数)を増加させることができる方法、システム、およびデバイスについてさらに記載する。具体的には、本明細書に記載の方法、システム、およびデバイスは、デジタル分析の従来の方法およびシステムと比較して、速度、精度、および計算効率を改善することができ、これらを用いて、標的分子の存在、不在、同一性、または濃度が決定される。これは、標的分子の存在と相関している区画化された体積中の標的分子の増幅によって達成される。加えて、目的とする分子の増幅を使用して、デジタルアッセイにおける検出可能なシグナルまたはコードの検出を調節し、それにより、デジタルアッセイの速度、精度、および信頼性を改善することができる。
様々な態様では、本明細書に記載の方法は、デジタルアッセイを行う方法であって、複数の区画化された体積を含み、複数の区画化された体積における各区画化された体積がプローブを含み、各プローブが、コード化粒子と、標的分子またはその標的分子の存在と相関している分子に結合することができる結合領域とを含み、コード化粒子が、3nmを超える少なくとも1つの寸法を有し、複数の区画化された体積における区画化された体積のうちの少なくともいくつかが標的分子を含む、方法を含む。標的分子を増幅し、区画化された体積中のコード化粒子によって放出された光学的に検出可能なコードを検出するための方法であって、光学的に検出可能なコードの検出が、標的分子がその区画化された体積中に存在することを示す、方法も本明細書に記載される。
様々な態様では、本明細書に記載の方法は、複数の区画化された体積を提供することであって、複数の区画化された体積における各区画化された体積がプローブを含み、各プローブが、コード化粒子と、標的分子またはその標的分子の存在と相関している分子に結合することができる結合領域とを含み、コード化粒子が、3nmを超える少なくとも1つの寸法を有し、複数の区画化された体積における区画化された体積のうちの少なくともいくつかが標的分子を含む、提供することと、標的分子の存在と相関している分子を増幅することと、区画化された体積中のコード化粒子によって放出された光学的に検出可能なコードを検出することであって、光学的に検出可能なコードの検出が、その標的分子が区画化された体積中に存在することを示す、検出することと、を含む、方法を含む。
様々な態様では、デジタルアッセイを行うための方法およびシステムは、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも1つを含む光学的に検出可能なコードを含む。他の態様では、光学的に検出可能なコードは、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも2つを含む。他の態様では、光学的に検出可能なコードは、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも3つを含む。いくつかの態様では、光学的に検出可能なコードは、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10個を含む。様々な態様では、光学的に検出可能なコードは、(i)、(ii)、(iii)、(iv)、もしくは(v)から選択される単一タイプの光学的に検出可能なコード、または(i)、(ii)、(iii)、(iv)、および(v)から選択される組み合わせタイプの光学的に検出可能なコードであり得る。
本発明の様々な態様では、光学的に検出可能なコードは、少なくとも2個の発光ピーク、少なくとも3個の発光ピーク、少なくとも4個の発光ピーク、少なくとも5個の発光ピーク、少なくとも6個の発光ピーク、少なくとも7個の発光ピーク、少なくとも8個の発光ピーク、少なくとも9個の発光ピーク、または少なくとも10個の発光ピークを有する。
本発明の様々な態様では、本明細書に記載の方法およびシステムは、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも1つによって特徴付けられるコード化粒子を含む。他の態様では、コード化粒子は、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも2つによって特徴付けられる。他の態様では、コード化粒子は、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも3つによって特徴付けられる。他の態様では、コード化粒子は、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10個によって特徴付けられる。
様々な態様では、コード化粒子は、(i)、(ii)、(iii)、(iv)、もしくは(v)から選択される単一タイプの特性、または(i)、(ii)、(iii)、(iv)、および(v)から選択される組み合わせタイプの特性によって特徴付けられる。他の態様では、コード化粒子は、少なくとも2個の発光ピーク、少なくとも3個の発光ピーク、少なくとも4個の発光ピーク、少なくとも5個の発光ピーク、少なくとも6個の発光ピーク、少なくとも7個の発光ピーク、少なくとも8個の発光ピーク、少なくとも9個の発光ピーク、または少なくとも10個の発光ピークによって特徴付けられる。
様々な態様では、各プローブの光学的に検出可能なコードは、検出可能なコードのスペクトル強度を測定することを含む。いくつかの態様では、区画化された体積は、複数の区画化された体積中に存在する少なくとも1つの他のコード化粒子とは別個の光学的に検出可能なコードを含む少なくとも1つのコード化粒子を含む。いくつかの態様では、区画化された体積は、複数の区画化された体積中に存在する少なくとも1つの他のコード化粒子とは別個の光学的に検出可能なコードを各々含む複数のコード化粒子を含む。
様々な態様では、区画化された体積中の標的分子の存在を検出することは、光学的に検出可能なコードのスペクトル強度に基づき得る。
様々な態様では、検出された発光ピーク強度は、複数の発光波長を検出することを含み得る。いくつかの態様では、発光ピーク強度は、発光ピークのピーク最大値で測定される。
本発明の様々な態様では、検出可能なコードのスペクトル強度は、0.01〜100、0.05〜50、0.1〜10、1〜100、1〜50、1〜40、1〜30、1〜20、1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2、0〜10、0〜9、0〜8、0〜7、0〜6、0〜5、0〜4、0〜3、0〜2、または0〜1の異なる発光波長範囲で発光強度の比率を測定することを含む。
いくつかの態様では、光学的に検出可能なコードは、発光シグナルまたは蛍光シグナルを含み得る。
様々な態様では、複数の区画化された体積は、複数のプローブを含み、各区画化された体積は、少なくとも1つのプローブを含み、複数のプローブの第1の別個のプローブは、複数のプローブの第2の別個のプローブの結合領域とは別個の結合領域を含み、複数のプローブの第1の別個のプローブは、複数のプローブの第2の別個のプローブの光学的に検出可能なコードとは別個の光学的に検出可能なコードを放出することができるコード化粒子を含む。いくつかの態様では、各別個のプローブの光学的に検出可能なコードは、発光ピークスペクトル強度、発光ピーク波長、吸収ピーク波長、励起ピーク波長、発光寿命、またはそれらの組み合わせの特有の組を含む。いくつかの態様では、複数の別個の標的分子が検出され得る。いくつかの態様では、複数の区画化された体積は、少なくとも2、5、10、20、50、100、200、500、1000個の別個のプローブを含む。
様々な態様では、コード化粒子は、マトリックスを含み得る。いくつかの態様では、コード化粒子は、発色団を含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、複数の発色団を含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、少なくとも3つの色素単位を含む。ある特定の態様では、コード化粒子は、ポリマードットを含む。いくつかの態様では、コード化粒子のマトリックスは、1つの発色団または複数の発色団である。いくつかの態様では、コード化粒子のマトリックスは、無機材料、有機材料、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様では、マトリックスは、シリカ、ケイ酸塩、二酸化チタン、リン酸塩、ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。
様々な態様では、マトリックスは、半導体ポリマーを含む。いくつかの態様では、マトリックスは、ポリスチレン(PS)またはポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)を含む。
様々な事例では、発色団は、無機材料、有機材料、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、有機材料と無機材料との相互貫入網状組織を含む。
様々な態様では、発色団は、色素、小分子色素、ポリマー、金属錯体、半導体ナノ結晶、半導体ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの事例では、発色団は、蛍光発色団または発光発色団である。
様々な事例では、コード化粒子は、3nm〜1000nm、10nm〜500nm、25nm〜250nm、50nm〜100nm、10nm〜50nm、10nm〜30nm、10nm〜20nm、または5nm〜15nmの少なくとも1つの寸法を有する。
様々な態様では、プローブは、クエンチャーをさらに含み、クエンチャーは、標的分子の不在下で、または標的分子の増幅前に、光学的に検出可能なコードの強度を低減する。いくつかの態様では、クエンチャーは、プローブの結合領域に結合される。いくつかの態様では、クエンチャーは、プローブの結合領域に結合することができる。いくつかの態様では、増幅中または増幅後のコード化粒子とクエンチャーとの間の距離が増加され得る。いくつかの態様では、コード化粒子とクエンチャーとの間の距離は、クエンチャーとコード化粒子との間の結合を切断することによって増加され得る。
様々な態様では、増幅することは、プローブの結合領域を切断することを含むか、またはそれを伴う。いくつかの態様では、増幅することは、複数のコピーを生成することを含む。いくつかの態様では、増幅することは、標的分子の存在と相関している分子の複数のコピーを生成することを含む。いくつかの態様では、増幅することは、増幅産物を作製することを含む。いくつかの態様では、増幅することは、プローブの結合領域を切断することを含むか、またはそれを伴う。
様々な態様では、結合領域は、標的分子またはその標的分子の存在と相関している分子にハイブリダイズするように構成された核酸を含む。いくつかの態様では、結合領域の第1の部分は、結合領域の第2の部分とハイブリダイズすることができる。
様々な態様では、複数の区画化された体積における各区画化された体積は、複数のプローブを含み、少なくとも1つのプローブは、区画化された体積中の少なくとも1つの他のプローブと同じ別個の標的分子または同じ別個の標的分子の存在と相関している分子に結合するように構成された結合領域と、区画化された体積中の少なくとも1つの他のプローブと同じ光学的に検出可能なコードを放出することができるコード化粒子とを含む。いくつかの態様では、複数の区画化された体積における各区画化された体積は、複数のプローブを含み、各プローブは、区画化された体積中の少なくとも1つの他のプローブとは異なる別個の標的分子または異なる別個の標的分子の存在と相関している分子に結合するように構成された結合領域と、区画化された体積中の少なくとも1つの他のプローブとは異なる光学的に検出可能なコードを放出することができるコード化粒子とを含む。
様々な態様では、本明細書に記載の方法およびシステムは、プローブの第1の結合領域を伸長することを含み、第1の結合領域を伸長することが、プローブが同じプローブの第2の結合領域にハイブリダイズすることを可能にする。いくつかの態様では、結合領域を伸長することは、第1のプローブが第2のプローブの結合領域に結合することを可能にし、第1のプローブおよび第2のプローブが同じ検出可能な光学的コードを生成することができる。
様々な態様では、本明細書に記載の方法およびシステムは、結合領域を酵素の活性によって伸長することを含み、複数の区画化された体積の各区画化された体積が酵素を含む。いくつかの態様では、酵素の活性によって伸長された結合領域は、同じプローブの結合領域または異なるプローブの結合領域に結合することができ、別のプローブに結合した各プローブは、それが結合したプローブと同じ光学的に検出可能なコードを生成することができる。いくつかの態様では、酵素は、ポリメラーゼである。
様々な態様では、本明細書に記載の方法およびシステムは、増幅中または増幅後に複数のプローブの1つのプローブを複数のプローブの別のプローブと連結して、プローブ網状組織を形成することを含み、連結することは、標的分子の存在下またはその標的分子の存在と相関している分子の存在下でのみ生じる。
様々な態様では、各プローブは、複数の異なる結合領域を含む。いくつかの態様では、第1のプローブ上の第1の結合領域の第2の結合領域に対する比率は、同じタイプの第2のプローブ上の第1の結合領域の第2の結合領域に対する比率の1.0倍、1.05倍、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9、times、2倍、2.5倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、または100倍である。
様々な態様では、複数の区画化された体積の各区画化された体積は、標的分子またはその標的分子の存在と相関している分子に結合することができる領域を含む環状化核酸を含み、クエンチャーは、環状化核酸の増幅産物とハイブリダイズすることができる。いくつかの態様では、環状化核酸は、ローリングサークル増幅によって増幅される。
様々な態様では、デジタルアッセイは、デジタル核酸分析である。いくつかの態様では、デジタル核酸分析は、デジタルPCRを含む。様々な態様では、デジタルアッセイは、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、または少なくとも45回の温度サイクルを含む。いくつかの態様では、デジタルアッセイは、等温アッセイである。いくつかの態様では、等温アッセイは、等温核酸増幅を含む。いくつかの態様では、区画化された体積は、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、または75℃で維持される。いくつかの態様では、区画化された体積は各々、20pL未満、15pL未満、10pL未満、5pL未満、4pL未満、3pL未満、2pL未満、または1pL未満の体積を有する。
様々な態様では、本明細書に記載の方法およびシステムは、デジタルアッセイシステムであって、複数の区画化された体積であって、複数の区画化された体積における各区画化された体積が、増幅試薬と、コード化粒子と、標的分子またはその標的分子の存在と相関している分子に結合することができる結合領域とを含むプローブと、を含み、コード化粒子が、3nmを超える少なくとも1つの寸法を有し、複数の区画化された体積における区画化された体積のうちの少なくともいくつかが標的分子を含む、複数の区画化された体積と、1つ以上の区画化された体積中のコード化粒子によって生成された光学的に検出可能なコードを光学的に検出するように構成された検出器と、プロセッサと、実行可能命令が記憶されたメモリデバイスとを備えるコンピュータであって、命令が、実行されると、プロセッサに、検出器を作動させて、光学的に検出可能なコードを測定させ、測定された光学的に検出可能なコードを記憶させ、かつ測定された光学的に検出可能なコードを分析させる、コンピュータと、を備える、デジタルアッセイシステムを含む。いくつかの態様では、光学的に検出可能なコードは、発光波長、発光スペクトル、発光寿命、発光強度、発光強度範囲、発光波長範囲、吸収スペクトル、吸収波長範囲、励起スペクトル、および励起波長範囲、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様では、光学的に検出可能なコードは、スペクトル強度を含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、ポリマードットを含む。
様々な態様では、試料保持器は、光学的に検出可能なコードの検出中に複数の区画化された体積を保持することができる。
様々な態様では、本明細書に記載のシステムおよび方法は、電磁放射線源をさらに備える。いくつかの態様では、本システムおよび方法は、複数の区画化された体積の少なくとも1つの区画化された体積の温度を制御することができる加熱要素をさらに備える。
様々な態様では、本明細書に記載の方法およびシステムは、デジタル融解曲線アッセイを行う方法であって、複数の容器内に分布した複数の区画化された体積を提供することであって、複数の区画化された体積における区画化された体積のうちの少なくともいくつかが標的分子を含む、提供することと、熱エネルギー勾配を複数の区画化された体積に適用して、面積とともに変化する複数のアッセイ温度をもたらすことと、標的分子またはその標的分子の存在と相関している分子の融解温度を、温度勾配の存在下で標的分子またはその標的分子の存在と相関している分子のデジタル融解曲線アッセイを行うことによって決定することと、を含む、方法を含む。いくつかの態様では、可変熱エネルギーが複数の区画化された体積に適用されて、時間とともに変化する複数のアッセイ温度がもたらされる。いくつかの態様では、複数の容器は、マルチチャンバ自己デジタル化チップ、複数の液滴、マルチウェルマイクロ流体チップ、またはマルチウェルプレートを含む。
様々な態様では、本明細書に記載の方法およびシステムは、デジタル融解曲線アッセイを行う方法であって、複数の区画化された体積を提供することであって、複数の区画化された体積における各区画化された体積が、標的分子またはその標的分子の存在と相関している分子にハイブリダイズすることができる核酸を含み、複数の区画化された体積における区画化された体積のうちの少なくともいくつかが標的分子を含む、体積を提供することと、標的分子を増幅して、増幅された分子を生成することと、熱エネルギー勾配を複数の区画化された体積に適用して、面積とともに変化する複数のアッセイ温度をもたらすことであって、それにより、各区画化された体積におけるアッセイ温度が、標的分子または増幅された分子の融解温度未満の場合、標的分子または増幅された分子の少なくとも50%がハイブリダイズされ、標的分子または増幅された分子の融解温度を超える場合、標的分子または増幅された分子の50%未満がハイブリダイズされるようになる、アッセイ温度をもたらすことと、ハイブリダイズされた標的分子または増幅された分子と会合している発色団によって生成された光学的に検出可能なシグナルを検出することであって、発色団がハイブリダイズされた標的分子または増幅された分子と会合しているときに光学的に検出可能なシグナルが検出される、シグナルを検出することと、複数のアッセイ温度のアッセイ温度の各々での光学的に検出可能なシグナルの存在または不在または規模に基づいて標的分子または増幅された分子の融解温度を決定することと、を含む、方法を含む。いくつかの態様では、標的分子は、核酸である。いくつかの態様では、可変熱エネルギーを適用することは、熱エネルギーを時間とともに変化させることを含む。いくつかの態様では、可変熱エネルギーは、時間とともに周期的に変化する。いくつかの態様では、可変熱エネルギーは、複数の個別の温度変化を含む。いくつかの態様では、可変熱エネルギーは、連続的な温度変化を含む。いくつかの態様では、アッセイ温度は、複数の区画化された体積の区画化された体積に存在する温度である。いくつかの態様では、可変熱エネルギーを複数の区画化された体積に適用することは、1分間〜90分間、5分間〜60分間、10分間〜30分間、または10分間〜20分間の時間にわたって行われる。
様々な態様では、アッセイ温度は、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、80℃、81℃、82℃、83℃、84℃、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、または90℃から選択される。
様々な態様では、発色団は、蛍光発色団である。いくつかの態様では、発色団は、インターカレート色素を含む。
様々な態様では、各区画化された体積は、100nL以下、50nL以下、25nL以下、10nL以下、9nL以下、8nL以下、7nL以下、6nL以下、5nL以下、4nL以下、3nL以下、2nL以下、または1nL以下の体積を有する。
様々な態様では、標的分子中の突然変異の存在は、標的分子の融解温度に基づいて特定され得る。様々な態様では、患者は、標的分子の融解温度に基づいて診断され得る。
参照による組み込み
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が各々参照により組み込まれると具体的かつ個別に示された場合と同じ程度に参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の新規の特徴は、特に添付の特許請求の範囲に記載される。本発明の特徴および利点のさらなる理解は、本発明の原理が利用される例証的実施形態について記載する以下の発明を実施するための形態および添付の図面を参照することによって得られるであろう。
実施形態による、コード化粒子を用いたデジタルPCR等のデジタル核酸増幅法の概略図を示す。 実施形態による、スペクトル強度に関してコード化された粒子を用いたデジタルPCR等のデジタル核酸増幅法の概略図を示す。 実施形態による、スペクトル強度に関してコード化されたポリマードットを用いたデジタルPCR等のデジタル核酸増幅法の概略図を示す。 実施形態による、1つ以上のクエンチャーを含むスペクトル強度に関してコード化された粒子を用いたデジタルPCR等のデジタル核酸増幅法の概略図を示す。 実施形態による、SiO/ポリマー−Pdotを含むデジタルPCR等のデジタル核酸増幅法の概略図を示す。 実施形態による、プローブの結合領域のポリメラーゼ誘導切断(例えば、ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性による)を含む、デジタルPCR等のデジタル核酸増幅におけるステップの概略図を示す。 実施形態による、増幅およびハイブリダイゼーションによってプローブのコード化粒子とクエンチャーとの間の距離を増加させることを含む、デジタルPCR等のデジタル核酸増幅におけるステップの概略図を示す。 実施形態による、増幅および競合的ハイブリダイゼーションによってクエンチャーとプローブとの間の距離を増加させることを含む、デジタルPCR等のデジタル核酸増幅におけるステップの概略図を示す。 実施形態による、増幅および競合的ハイブリダイゼーションによってクエンチャーとプローブのコード化粒子との間の距離を増加させることを含む、デジタルPCR等のデジタル核酸増幅におけるステップの概略図を示す。 実施形態による、プローブ内増幅およびハイブリダイゼーションを伴う増幅および競合的ハイブリダイゼーションによってクエンチャーとプローブとの間の距離を増加させることを含む、デジタルPCR等のデジタル核酸増幅におけるステップの概略図を示す。 実施形態による、プローブ内およびプローブ間増幅およびハイブリダイゼーションを伴う増幅および競合的ハイブリダイゼーションによってクエンチャーとプローブとの間の距離を増加させることを含む、デジタルPCR等のデジタル核酸増幅におけるステップの概略図を示す。 実施形態による、遊離プライマーからのブースト増幅、ならびにプローブ内増幅およびハイブリダイゼーションを伴う増幅および競合的ハイブリダイゼーションによってクエンチャーとプローブとの間の距離を増加させることを含む、デジタルPCR等のデジタル核酸増幅におけるステップの概略図を示す。 実施形態による、遊離プライマーからのブースト増幅、ならびにプローブ内およびプローブ間増幅およびハイブリダイゼーションを伴う増幅および競合的ハイブリダイゼーションによってクエンチャーとプローブとの間の距離を増加させることを含む、デジタルPCR等のデジタル核酸増幅におけるステップの概略図を示す。 実施形態による、ポリメラーゼ誘導分子切断によってプローブと光剤との間の距離を増加させることを含む、デジタルPCR等のデジタル核酸増幅におけるステップの概略図を示す。 実施形態による、プローブ間ハイブリダイゼーションを伴う増幅および競合的ハイブリダイゼーションによってクエンチャーとプローブとの間の距離を増加させることを含む、デジタルPCR等のデジタル核酸増幅におけるステップの概略図を示す。 実施形態による、遊離プライマーからのブースト増幅、ならびにプローブ内およびプローブ間増幅およびハイブリダイゼーションを伴う増幅および競合的ハイブリダイゼーションによってクエンチャーとプローブとの間の距離を増加させることを含む、デジタルPCR等のデジタル核酸増幅におけるステップの概略図を示す。 実施形態による、複数のプローブの結合領域のハイブリダイゼーションを含むデジタルPCR等のデジタル核酸増幅におけるステップの概略図を示す。 実施形態による、ローリングサークル増幅を含むデジタルPCR等のデジタル核酸増幅におけるステップの概略図を示す。 実施形態による、SiO/ポリマー−Pdot(実線)およびSiO/ポリマー−Pdot−DNA(破線)の吸収スペクトルを示す。 実施形態による、SiO/ポリマー−Pdot(実線)およびSiO/ポリマー−Pdot−DNA(破線)の発光スペクトルを示す。 実施形態による、検出された蛍光発光に対するSiO/ポリマー−Pdot−DNAナノ粒子あたりのハイブリダイズされた色素コンジュゲートDNA(TAMRA−DNA)濃度の関係を示す。 実施形態による、検出された蛍光発光に対するSiO/ポリマー−Pdot−DNAナノ粒子あたりのハイブリダイズされた色素コンジュゲートDNA(TAMRA−DNA)濃度の関係を説明する計算値を示す。 実施形態による、増幅前のPCRアッセイの区画化された体積を示す。 実施形態による、増幅後のPCRアッセイの区画化された体積を示す。 実施形態による、PCRアッセイ中に記録した生データを示す。 実施形態による、PCRアッセイから分析したデータを示す。 実施形態による、PCRアッセイからの試料を充填した1%アガロースゲルの蛍光画像を示す。 実施形態による、増幅前のデジタルPCRアッセイの区画化された体積を示す。 実施形態による、増幅後のデジタルPCRアッセイの区画化された体積を示す。 実施形態による、デジタル融解曲線アッセイを行うためのシステムの要素を示す。 実施形態による、デジタル空間的融解曲線アッセイからの模擬結果を示す。 実施形態による、HPV(ヒト乳頭腫ウイルス)45、HPV16、およびHPV18を検出するための3つのタイプのSiO/ポリマー−Pdot−DNAの吸収スペクトルを示す。 実施形態による、HPV(ヒト乳頭腫ウイルス)45、HPV16、およびHPV18を検出するための3つのタイプのSiO/ポリマー−Pdot−DNAの発光スペクトルを示す。 実施形態による、3つのタイプのSiO/ポリマー−Pdot−DNAについてのそれぞれのPdot(Pdot540、Pdot610、Pdot450)にコンジュゲートしたそれぞれの核酸(HPV45または単に45、HPV16または単に16、HPV18または単に18)の数のゲル電気泳動特徴付けを示す。 実施形態による、高レベルのクエンチング、ひいてはデジタル核酸増幅後に高い信号対雑音比を生成するそれらの能力を示す、3つのタイプのSiO/ポリマー−Pdot−DNAのBHQ−DNAによるクエンチングの特徴付けを示す。 実施形態による、HPV16、HPV18、およびHPV45の検出において高い信号対雑音を示す、3つのタイプのSiO/ポリマー−Pdot−DNAのPCRアッセイ中に記録した生データを示す。 HPV16、HPV18、およびHPV45の検出における3つのタイプのSiO/ポリマー−Pdot−DNAの増幅前および増幅後のPCRアッセイの区画化された体積(紫外線照射下)を、それぞれの増幅産物の存在を示すゲル電気泳動結果とともに示す。 実施形態による、HPV18の検出時にPdot610−HPV18 SiO/ポリマー−Pdot−DNAを使用し、かつ473nmで励起した区画化された体積におけるデジタルPCR実験の結果を示す。 実施形態による、個々のPdotの画像化およびデコード化を示す(Ex:使用した励起光、Em:使用した発光フィルター)。 対照条件および架橋条件下で行ったプローブ間ハイブリダイゼーション実験中の3つの蛍光色チャネルから得たデータの個々の画像および統合した画像を示す。 Pdot−DNAプローブのペアワイズプローブ間ハイブリダイゼーションを示す。 およそ39℃の温度でのPCR増幅デバイスからの蛍光シグナルを示す。 およそ55℃の温度でのPCR増幅デバイスからの蛍光シグナルを示す。 およそ72℃の温度でのPCR増幅デバイスからの蛍光シグナルを示す。 空間的融解曲線実験中に得たデータの定量化を示す。 それぞれ、(上から下に)およそ23℃、39℃、50℃、59℃、および73℃でのPCR増幅デバイスの一区分からの蛍光シグナルを示す。 図16Aからの温度プロファイル画像のライン走査のオーバーレイを示す。
本開示は、区画化された体積およびコード化粒子を含むプローブを使用してデジタルアッセイを行うための方法およびシステムに関する。具体的には、本開示は、同一のサイズ、ほぼ同一のサイズ、または異なるサイズを有する複数の区画化された体積(例えば、液滴、アリコート等)を含むシステムにおける標的分子の改善されたデジタル分析のための(例えば、目的とする分子または分析物の存在、同一性、または濃度を決定するための)方法、システム、およびデバイスについて記載する。例えば、本方法およびシステムを使用して、(1)区画化された体積の体積、および(2)検出可能なシグナルまたはコードが検出され得る区画化された体積の数を決定することができ、その後、これを使用して試料の濃度を決定することができる。伝統的なアッセイ(例えば、アナログアッセイ)と比較して、標的分子の分子レベルの照会の速度、ダイナミックレンジ、および再現性を改善し、かつ単一のアッセイで分析され得る標的分子種の数量(例えば、異なるタイプの標的分子の数)を増加させることができるデジタル分析のための方法、システム、およびデバイスが本明細書に記載される。具体的には、本方法、システム、およびデバイスは、デジタル分析の従来の方法およびシステムと比較して、標的分子または区画化された体積中の標的分子の存在と相関している分子の増幅により、速度、精度、および計算効率を改善することができ、これらを用いて、標的分子の存在、不在、同一性、または濃度が決定される。本明細書に記載されるように、標的分子(または区画化された体積中の標的分子の存在と相関している分子、例えば、標的分子の増幅産物)の増幅を使用して、デジタルアッセイにおいて検出可能なシグナルまたはコード(例えば、光学的に検出可能なシグナルまたはコード)の検出を調節し、それにより、デジタルアッセイの速度、精度、および信頼性を改善することができる。
本明細書に記載のデジタルアッセイは、試料(またはその誘導体)を複数の区画化された体積に区分化、アリコート、または別様に分けることと、検出可能なシグナルまたはコードの存在または不在について複数の区画化された体積を個別に評価することと(例えば、発色団またはプローブのコード化粒子によって生成された検出可能なシグナルまたはコードを検出することと)、二進値を評価された区画化された体積の各々に割り当てることとを含み得る。いくつかの事例では、値は、区画化された体積中の検出可能なシグナルまたはコード(またはその一部)の存在、不在、波長、強度、および/または寿命に基づいて区画化された体積に割り当てられ得る。評価された区画化された体積に割り当てられた値を使用して、各区画化された体積中の標的分子の特性を決定することができる。例えば、区画化された体積中の検出可能なシグナル(例えば、検出可能なコードまたはその態様)の検出または検出失敗は、区画化された体積中の標的分子の存在または不在を示すことができ、これを使用して、試料中の標的分子の濃度を決定することができる。いくつかの事例では、区画化された体積中の検出可能なシグナルの検出または検出失敗は、区画化された体積中の標的分子の核酸配列を決定するために使用され得る。
本明細書に記載の検出可能なシグナルまたはコードは、区画化された体積中のプローブ(またはその一部)によって生成され得、様々な態様、例えば、発光強度(例えば、発光ピーク強度もしくは発光強度範囲)、発光波長(例えば、発光ピーク波長もしくは発光波長範囲)、発光寿命、励起波長(例えば、励起ピーク波長もしくは励起波長範囲)、吸収波長(例えば、吸収ピーク波長もしくは吸収波長範囲)、またはスペクトル強度を含み得る。したがって、検出可能なシグナルまたはコード(例えば、光学的に検出可能なシグナルまたはコード)を検出することは、発光強度(例えば、発光ピーク強度もしくは発光強度範囲)、発光波長(例えば、発光ピーク波長もしくは発光波長範囲)、発光寿命、励起波長(例えば、励起ピーク波長もしくは励起波長範囲)、吸収波長(例えば、吸収ピーク波長もしくは吸収波長範囲)、スペクトル強度、またはそれらの任意の組み合わせを測定することを含み得る。いくつかの事例では、スペクトル強度は、例えば、複数の発光ピーク強度、発光ピーク波長、発光強度範囲、発光波長範囲、発光波長スペクトル、励起ピーク波長、励起波長範囲、吸収ピーク波長、または吸収波長範囲の比率を含み得る。例えば、2つの発色団を含むプローブのスペクトル強度を検出または決定することは、2つ以上の波長(例えば、2つ以上の波長範囲内)でプローブによって生成された検出可能なコードの発光強度を検出または測定することと、任意に、強度が検出または測定される2つ以上の波長で強度(例えば、強度範囲)の比率を計算することとを含み得る。検出可能なシグナルまたはコードは、光学的に検出可能なシグナルまたはコード(例えば、発光または蛍光検出可能なシグナルまたはコード)であり得る。いくつかの事例では、検出可能なシグナルまたはコードは、200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1000nm、2000nmのうちの少なくとも1つの波長を含むか、またはそれらのいずれか2つの値によって定義される範囲内の波長または波長範囲を含み得る。デジタルアッセイにおいてプローブの検出可能なシグナルまたはコードを変調する新規の方法およびシステムが本明細書に開示される。いくつかの事例では、本明細書に記載の検出可能なシグナルまたはコードの変調は、標的分子がプローブを含有する区画化された体積中に存在するかに依存し得る。例えば、区画化された体積中のプローブのコード化粒子の検出可能なコードまたはシグナルを変調することができる増幅事象は、いくつかの事例では、標的分子が区画化された体積中に存在することを必要とし得る。したがって、検出可能なコードまたはシグナルまたはそれらの任意の態様(例えば、発光ピーク強度、発光強度範囲、発光ピーク波長、発光波長範囲、励起ピーク波長、励起波長範囲、吸収ピーク波長、吸収波長範囲、発光寿命、またはスペクトル強度)が、標的分子の存在または不在を決定するために使用され得る。結果として、本明細書に記載の方法およびシステムは、例えば、区画化された体積中に存在するプローブのコード化粒子によって放出された検出可能なシグナルまたはコードの変調により、区画化された体積中の1つ以上の別個の標的分子の存在または不在を決定するか、またはそれを示す手段として、デジタルアッセイを容易にするために使用され得る。
本開示の方法およびシステムは、例えば、デジタルアッセイにおける、区画化された体積(例えば、デジタル化された体積)の使用による試料のハイスループット分析の実行を有利に可能にする。PCR等の増幅に基づく検出法が同時に生じる個々の反応間のクロストーク(例えば、競合)の影響を受け得るため、区画化された体積(デジタルPCRにおけるもの等)の使用により、アッセイ試薬を分離し、かつデジタル形式を使用して反応間のクロストークを制限することによって増幅に基づくアッセイの効率が改善され得る。複数の区画化された体積のハイスループット分析を用いることにより(例えば、デジタル化された体積の多重化により)、反応効率を犠牲にすることなく試料中の標的分子濃度に関して統計的にロバストな計算が行われ得る(例えば、反応間のクロストークの結果として)。アッセイ試薬および/または標的分子の分離によるクロストークのこの最小化は、非常に少ない区画化された体積、すなわち、20pL未満、15pL未満、10pL未満、5pL未満、4pL未満、3pL未満、2pL未満、または1pL未満の体積を利用することによってさらに増強される。
本明細書に記載の多重化システムの使用を含み得るハイスループット分析を使用して、患者試料由来の複数の別個の標的分子(例えば、複数の異なるタイプの標的分子)を迅速に照会することもできる。いくつかの事例では、複数の別個の標的分子の各別個の標的分子は、複数の別個の分子の他の全ての別個の分子とは異なり得る(例えば、それとは異なる核酸配列を含み得る)。
患者由来の標的分子のかかるハイスループットスクリーニングは、試料毎に照会され得る標的分子の数および試験された標的分子の一般パネルにわたって比較され得る対象の数の両方に関する臨床スクリーニング(例えば、ウイルス感染、遺伝子状態、または臨床的に関連する代謝物の数値定量化について)の効率の改善に有用であり得る。したがって、本明細書に記載の方法およびシステムは、1つ以上の標的分子が患者試料中に存在するかの決定および(存在する場合)患者試料中の標的分子の濃度の決定による患者の診断および/または治療に有用であり得る。
本明細書で使用されるとき、「別個の」という用語は、同一ではないシグナル、コード、測定基準、分子、構造、成分、またはそれらの一部を指す。例えば、デジタルアッセイは、2つの別個の標的分子(例えば、第2の標的分子とは構造的に同一ではない第1の標的分子)の分析を含み得る。すなわち、2つの別個の分子(またはそれらの断片)は、異なるタイプの分子または異なる種の分子であり得る。対照的に、単一タイプまたは種の分子の追加のインスタンスまたはコピーは、必ずしも別個の分子ではない。
[標的分子を検出するための方法]
本明細書に記載されるように、試料の標的分子(または試料の複数の別個の標的分子)に関連する様々な特性は、試料から作製された複数の区画化された体積のデジタル分析によって決定され得、区画化された体積のうちの少なくともいくつかが標的分子を含む。例えば、複数の区画化された体積の各区画化された体積中の各別個の標的分子の存在または不在を決定することにより、試料中の各別個の標的分子の濃度の効率的かつ正確な計算が可能になり得る。いくつかの事例では、区画化された体積中の標的分子の存在または不在の決定は、区画化された体積中に含有されるプローブの検出可能なシグナルまたはコードを検出することを含み得る。いくつかの事例では、プローブによって生成された(例えば、放出された)検出可能なシグナルまたはコードは、変調可能である(例えば、区画化された体積中に含有されるクエンチャーによる検出可能なシグナルまたはコードの条件付きクエンチングによる)。言い換えれば、試料またはその一部(例えば、標的分子を含む試料から得られた区画化された体積)中の標的分子の検出は、試料またはその一部中に存在するプローブによって生成された変調可能な検出可能なシグナルまたはコードを検出することを含み得る。
本明細書に記載されるように、プローブは、コード化粒子および結合領域を含み得る。コード化粒子は、発色団を含み得、コード化粒子の発色団は、本明細書にさらに記載されるように、検出可能なシグナルまたはコードを放出することができる。いくつかの事例では、コード化粒子の検出可能なシグナルまたはコードが変調され得る。いくつかの事例では、コード化粒子の検出可能なシグナルまたはコードを検出する検出器の能力が低減または排除され得る。例えば、クエンチャーがコード化粒子に隣接しているか、またはそれにごく近接している場合、クエンチャーは、クエンチャーが存在しないか、またはコード化粒子にごく近接していない状況と比較して、(例えば、動的クエンチング機構を介して)検出器によって検出され得る検出可能なシグナルまたはコードの強度を低減し得る。結果として、クエンチャーと、プローブ、コード化粒子、または発色団との間の距離を調節することによって、検出可能なシグナルまたはコードが区画化された体積中のプローブ、コード化粒子、または発色団から検出され得る程度を調節することが可能である。例えば、クエンチャーが、検出可能なシグナルまたはコードを生成することができるプローブの結合領域とハイブリダイズするか、またはそれに結合することができる場合、検出可能なシグナルまたはコードを検出または測定する検出器の能力が低減または排除され得る。
いくつかの事例では、プローブは、クエンチャーを含み得る。クエンチャーは、プローブの結合領域、標的分子、標的分子の増幅産物、またはそれらの一部とハイブリダイズすることができる核酸配列を含み得る。いくつかの事例では、クエンチャーは、プローブの結合領域に結合し得るか、またはそれとハイブリダイズされ得る。いくつかの事例では、クエンチャーのプローブまたはその一部(例えば、プローブまたはその一部の結合領域)へのハイブリダイゼーションにより、クエンチャーがプローブまたはその一部(例えば、プローブのコード化粒子)に十分にごく近接して固定されて、プローブまたはその一部の検出可能なシグナルまたはコード(例えば、コード化粒子の検出可能なシグナルまたはコード)を検出または測定する検出器の能力が低減または排除され得る。
試料の標的分子を含む区画化された体積中のクエンチャーと検出可能なシグナルまたはコード源(例えば、プローブ、コード化粒子、または発色団)との間の距離の調節に有用な方法およびシステムが本明細書に記載される。いくつかの事例では、区画化された体積中のクエンチャーと同じ区画化された体積中の検出可能なシグナルまたはコード源との間の距離の調節は、区画化された体積中の標的分子(または標的分子の存在と相関している分子)の存在または不在に依存し得る。例えば、いくつかの事例では、クエンチャーおよび標的分子は各々、プローブの同じ結合領域またはプローブの同じ結合領域の一部とハイブリダイズし得るか、またはそれに結合し得る。そのような場合、標的分子は、プローブの結合領域に結合またはハイブリダイズする機会についてクエンチャーと競合し得る。各区画化された体積中の標的分子の濃度に応じて、各区画化された体積由来の検出可能なシグナルまたはコードの強度は、所与の区画化された体積中の標的分子の存在に依存し得る。本明細書で使用されるとき、標的分子の存在と相関している分子は、標的分子もしくはその一部、標的分子の断片、標的分子によって安定化される分子もしくは複合体、または形成もしくは発現される標的分子の存在を必要とする分子の増幅産物であり得る。
本明細書に記載されるように、クエンチャー媒介シグナル変調が、(例えば、競合的結合により)プローブ、コード化粒子、または発色団付近からクエンチャーを移動させることができる分子の増幅と相まった場合、クエンチャー媒介標的分子依存的シグナル変調の効率が著しく改善され得る。例えば、熱サイクル増幅または等温増幅を使用して、プローブの結合領域、コード化粒子、または発色団とのクエンチャーの会合を競合的に阻害することができる部分の数を増加させることができる。本明細書に記載されるように、プローブの結合領域、コード化粒子、または発色団とのクエンチャーの会合を競合的に阻害することができる部分は、標的分子、標的分子から作製された増幅産物(例えば、標的分子の核酸配列に相補的な核酸配列を含み得る)、ローリングサークル増幅産物、または標的分子の存在と相関している他の分子を含み得る。増幅の鋳型分子またはトリガー分子が標的分子または標的分子の存在と相関している分子である場合、クエンチャーと結合領域との会合の競合的阻害が達成される速度を大幅に高めることが可能である。したがって、標的分子の増幅は、プローブの結合領域、コード化粒子、または発色団とのクエンチャーの会合を競合的に阻害することができる区画化された体積中の分子の数を効率的に増加させることができる。標的分子を含有しない区画化された体積は、プローブの結合領域、コード化粒子、または発色団とのクエンチャーの会合を同じ程度にまたは同じ効率で阻害するとは予想されないであろう。
結果として、クエンチャーと、検出可能なシグナルまたはコードを放出することができるプローブ、コード化粒子、または発色団との間の距離を増加させるための標的分子依存的増幅の使用により、デジタルアッセイの区画化された体積中の標的分子の存在または不在を検出する能力が著しく改善され得る。したがって、本明細書に記載の方法およびシステムを使用して、標的分子依存的増幅のための手段を組み込むことによってデジタルアッセイの効率および精度を改善することが可能である。
デジタルアッセイの効率およびロバスト性は、プローブまたはコード化粒子の網状組織を形成することによっても増加し得る。複数の同様の検出可能なシグナルまたはコードの空間的集中度を高めることにより、デジタルアッセイにおける検出可能なシグナルまたはコードが検出され得る効率が改善され得る。例えば、プローブ網状組織(網状組織の複数のプローブが各々互いに同じ検出可能なシグナルまたはコードを放出することができるコード化粒子を含む)は、コード化粒子を含む単一プローブからの検出可能なシグナルまたはコードよりも区画化された体積中でより容易に検出され得る。いくつかの事例では、プローブ網状組織は、プローブの1つ以上の結合領域の、1つ以上の他のプローブの結合領域との会合またはハイブリダイゼーションによって形成され得る(例えば、図6F、図6G、図6H、図6J、図6K、または図6Lに図解される)。区画化された体積中のシグナルを検出する効率を増加させることにより、いくつかの事例では、複数の区画化された体積が検出可能なシグナルまたはコードの存在について照会され得る速度が高まり得る。結果として、複数の同様または同一の検出可能なシグナルまたはコードが、例えば、複数のプローブの凝集または会合の結果として、区画化された体積中で空間的に集中した場合に、区画化された体積中の標的分子の存在の評価がより効率的に行われ得る(例えば、図6F、図6G、図6H、図6J、図6K、または図6Lに見られるように)。
いくつかの事例では、プローブまたはコード化粒子の網状組織を形成することは、複数のプローブまたはコード化粒子を互いに会合させることを含み得る。いくつかの事例では、コード化粒子の網状組織を形成することは、本明細書に記載の標的分子依存的増幅ステップを含み得る。いくつかの事例では、プローブまたはコード化粒子の網状組織を形成することは、プローブの第1の結合領域の、第2のプローブの結合領域との会合、結合、またはハイブリダイゼーション(例えば、プローブ間ハイブリダイゼーション)を含み得る。
<クエンチャー>
デジタルアッセイは、クエンチャーを含み得る。いくつかの事例では、プローブの検出可能なコード(例えば、光学的に検出可能なコード)は、クエンチャーへの近接性によって変調され得る。クエンチャーは、(例えば、動的クエンチング機構または双極子−双極子機構を介して)別の分子によって生成された電磁放出物を吸収することができる分子を含み得る。例えば、クエンチャーは、蛍光灯スペクトル中の放出されたエネルギーを吸収することができる化学シグナルクエンチャー、例えば、Black Hole Quencher(登録商標)(例えば、Sigma−Aldrich製のBHQ−1、BHQ−2、またはBHQ−3)を含み得る。いくつかの事例では、クエンチャーは、広範囲の波長の検出を阻止し得る。例えば、クエンチャーは、いくつかの事例では、コード化粒子または発色団によって放出された波長ピークの全ての検出を阻止し得る。いくつかの事例では、クエンチャーは、コード化粒子または発色団によって生成された発光波長ピークの一部のみの検出を阻止し得る。いくつかの事例では、クエンチャーは、プローブの発色団またはコード化粒子によって放出されたいずれの波長も阻止することができない。例えば、プローブは、複数の発色団を含み得、クエンチャーは、プローブを含む各発色団の検出を阻止し得ない。
クエンチャーは、ポリヌクレオチド配列(例えば、核酸鎖)を含み得る。いくつかの事例では、クエンチャーを含む核酸(例えば、クエンチャープライマーまたはクエンチャー鎖)は、別の分子、例えば、標的分子、増幅産物(例えば、アンプリコンもしくは増幅産物、例えば、核酸PCR産物)、またはプローブの結合領域とハイブリダイズすることができる場合がある。クエンチャーは、ポリペプチド配列も含み得る。いくつかの事例では、クエンチャーを含むポリペプチド(例えば、クエンチャー抗体)は、別の分子、例えば、標的分子、増幅産物、またはプローブの結合領域(例えば、プローブの結合領域の一部)ととハイブリダイズすることができる。
いくつかの事例では、クエンチャーは、プローブの結合領域の一部と会合し得る(例えば、それに結合し得るか、またはそれとハイブリダイズし得る)。核酸配列を含むクエンチャーは、プローブの結合領域の一部とハイブリダイズすることができる(例えば、それに相補的である)場合があり、この結合領域は、核酸配列を含む。いくつかの事例では、クエンチャーとプローブの結合領域との会合により、プローブ、コード化粒子、または発色団の検出可能なシグナルまたは検出可能なコードの検出が阻止され得る。
いくつかの事例では、プローブの結合領域の一部と会合している(例えば、それとハイブリダイズされているか、またはそれに結合している)クエンチャーは、デジタルアッセイの増幅ステップ中に伸長され得る。いくつかの事例では、プローブの結合領域の一部と会合している(例えば、それとハイブリダイズされているか、またはそれに結合している)クエンチャーは、デジタルアッセイの増幅ステップ中に伸長されない。
クエンチャーは、コード化粒子に結合または連結され得る。例えば、クエンチャーは、核酸分子、結合領域、リンカー、アプタマー、または他のかかる分子を介してコード化粒子に結合(例えば、係留)され得る。いくつかの事例では、クエンチャーは、核酸分子、結合領域、リンカー、アプタマー、または別のかかる分子を介してコード化粒子に共有結合し得る。PCR増幅ステップ中、酵素のエキソヌクレアーゼ活性によりポリメラーゼ酵素(例えば、TaqMan(登録商標)ポリメラーゼ)によってクエンチャーがコード化粒子から解離されることが可能である。例えば、ポリメラーゼ媒介機構を介してクエンチャーをプローブに結合する結合領域の一部を切断または破壊することが可能である(例えば、図6Aに図解される)。
クエンチャーがコード化粒子に隣接しているか、それと会合しているか、またはさもなければそれにごく近接している場合、クエンチャーがコード化粒子によって放出されたエネルギーの少なくとも一部(例えば、コード化粒子によって生成された光学的に検出可能なコード)を吸収することが可能である。プローブの結合領域にハイブリダイズまたは結合することができる核酸クエンチャーを含むクエンチャーは、コード化粒子の検出可能なコードをデジタルアッセイシステムの検出限界未満またはデジタルアッセイ分析に使用される閾値未満に低減することができる。例えば、コード化粒子にごく近接しているクエンチャーは、光学的に検出可能なコードのスペクトル強度をデジタルアッセイに使用される閾値未満に低減して、区画化された体積中の標的分子の存在を示すことができる。
いくつかの事例では、クエンチャーとコード化粒子との間の距離は、プローブの結合領域と会合する機会についてクエンチャーと競合することができる別の分子を生成することによって増加し得る(例えば、クエンチャーは、コード化粒子の近傍から除去され得る)。例えば、区画化された体積中の分子の増幅は、プローブの結合領域と会合するクエンチャーの能力を阻害し得る。いくつかの事例では、区画化された体積中の分子の増幅は、プローブの結合領域についての競合的結合(例えば、競合的ハイブリダイゼーション)を増加させることによってクエンチャーとコード化粒子との間の距離を増加させ得る(例えば、クエンチャーが結合することができるプローブの一部に結合する増幅産物の結果として)。区画化された体積を複数の熱サイクルに供することを含むPCR関連増幅は、例えば、競合的ハイブリダイゼーションにより、プローブまたはコード化粒子とクエンチャーとの間の距離を増加させるために使用され得る。等温増幅も、例えば、競合的ハイブリダイゼーションにより、プローブまたはコード化粒子とクエンチャーとの間の距離を増加させるために使用され得る。
したがって、クエンチャーは、標的分子または標的分子の存在と相関している分子の不在下でプローブ(例えば、コード化粒子)の光学的に検出可能なコードの検出を低減するために使用され得る。さらに、本明細書に記載の組成物および方法を特色とするデジタルアッセイの実施形態を使用して、標的分子の存在下でクエンチャーとコード化粒子との間の距離を直接または間接的に増加させることができる(例えば、1つ以上のプローブ、クエンチャー、および標的分子が各々区画化された体積中に含有されている場合)。
<デジタルアッセイにおける増幅>
増幅ステップは、デジタルアッセイの区画化された体積中の検出可能なシグナルまたはコードの検出の調節に有用であり得る。本明細書に記載されるように、増幅(例えば、増幅ステップ)は、核酸合成、核酸の伸長(例えば、ポリメラーゼ活性による核酸の伸長)、核酸の別の分子(例えば、別の核酸)へのアニーリング、または融解(例えば、温度調節により互いに結合またはハイブリダイズされた第1の核酸の第2の核酸からの分離)を含み得る。いくつかの事例では、増幅(または増幅ステップ)は、区画化された体積中に存在する分子の1つ以上のコピーまたは分子の一部の1つ以上のコピーを生成することを含み得る。いくつかの事例では、増幅は、標的分子の1つ以上のコピーを生成することを含み得る。いくつかの事例では、増幅は、標的分子の一部の1つ以上のコピーを生成することを含み得る。いくつかの事例では、増幅は、標的分子の増幅産物等の標的分子と相関している分子の1つ以上のコピーを生成することを含み得る。例えば、核酸の増幅は、標的分子またはその一部(例えば、標的分子の増幅産物)に相補的な配列を有する1つ以上の分子を生成することを含み得る。
デジタルアッセイにおける標的分子依存的増幅ステップまたは増幅事象(例えば、ポリメラーゼによるポリヌクレオチドの伸長)は、クエンチャーと、プローブの結合領域、コード化粒子、または発色団との間の距離を増加させ得る。いくつかの事例では、クエンチャーと、プローブの結合領域、コード化粒子、または発色団との間の距離を増加させることにより、コード化粒子または発色団の検出可能なシグナルまたはコードを検出する検出器の能力が増加し得る(例えば、シグナルまたはコードのクエンチングを低減することによって)。本明細書に記載されるように、様々な方法および組成物を使用して、デジタルアッセイにおけるクエンチャーおよびコード化粒子または発色団の標的分子依存的増幅および分離を引き起こすことができる。
増幅は、区画化された体積中の分子の修飾も含み得る。例えば、増幅(または増幅ステップ)は、区画化された体積中の分子を伸長することを含み得る。いくつかの事例では、分子を伸長することにより、区画化された体積中の別の分子とハイブリダイズするか、それに結合するか、またはそれと会合する分子の能力に影響が及ぼされ得る。例えば、増幅は、伸長された結合領域が別のプローブの結合領域(例えば、伸長された結合領域)に結合するか、またはそれとハイブリダイズすることができるように、プローブの1つ以上の結合領域を伸長することを含み得る。いくつかの事例では、プローブの第1の結合領域と第2のプローブの結合領域との間の結合またはハイブリダイゼーションは、第1のプローブおよび第2のプローブを互いに会合させ得る(例えば、一緒に係留させ得るか、または互いに空間的に会合させ得る)。いくつかの事例では、複数のプローブの1つ以上の結合領域を伸長することにより、複数のプローブがこの様式で互いに会合して(例えば、相互ハイブリダイズまたは格子形成されて)、プローブ網状組織が形成され得る。
<ポリメラーゼ媒介切断を含む増幅>
いくつかの事例では、増幅(または増幅ステップ)は、区画化された体積中の分子の切断または破壊を含み得る。いくつかの事例では、区画化された体積中の分子の切断または破壊により、区画化された体積中の別の分子とハイブリダイズするか、それに結合するか、またはそれと会合する分子の能力に影響が及ぼされ得る。例えば、図6Aに図解されるように、プローブ(例えば、蛍光プローブ)は、コード化粒子(例えば、ポリマードット(Pdot))に結合される(すなわち、共有結合により共役される)クエンチャーを含み得る。いくつかの事例では、プローブおよびクエンチャーは各々、同じDNA配列に共有結合し得る。いくつかの事例では、クエンチャーは、DNA配列の5’末端に結合し、プローブは、DNA配列の3’末端に結合し得る。いくつかの事例では、クエンチャーは、DNA配列の3’末端に結合し得、プローブは、DNA配列の5’末端に結合し得る。いくつかの事例では、コード化粒子は、1つ以上の同一のDNA配列を介して1つ以上のクエンチャーに結合し得る(例えば、これは、プローブの結合領域の一部を含み得る)。いくつかの事例では、DNA配列は、同一でない場合があり、1つより多くのDNA配列の使用は、例えば、2因子認証を必要とすることによって偽陽性を最小限に抑えるために使用され得るか、または多重化を助けるために使用され得る。いくつかの事例では、1つ以上のクエンチャーは、コード化粒子から放出された検出可能なシグナルまたはコードのかなりの部分をクエンチするのに十分にコード化粒子にごく近接している場合がある(例えば、1つ以上のクエンチャーがコード化粒子に共有結合している場合)。いくつかの事例では、1つ以上のクエンチャーは、同じ吸収スペクトルを有する同じタイプのものであり得る。いくつかの事例では、1つ以上のクエンチャーは、異なる吸収スペクトルを有する異なるタイプのものであり得る。異なるタイプのクエンチャーの使用は、蛍光プローブからの発光が広範囲の発光波長を網羅する場合、蛍光発光のより良好なクエンチングを助けるのに有効であり得る。クエンチャーとコード化粒子を連結するDNA配列は、標的分子の一部(または標的分子の増幅産物)に相補的であり得る。いくつかの事例では、標的分子(または標的分子の増幅産物)の相補的な配列は、増幅(例えば、PCR関連増幅)中にプローブにハイブリダイズし得る。ポリメラーゼがエキソヌクレアーゼ活性を有する場合(例えば、Taqman(登録商標)ポリメラーゼ)、ポリメラーゼは、標的分子の異なる領域にも相補的なプライマーから核酸(例えば、DNAまたはRNA)を複製(例えば、増幅)するため、クエンチャーをコード化粒子に連結するDNA配列を切断または分解し得る。結果として、エキソヌクレアーゼ切断プロセスにより、クエンチャーがコード化粒子から分離され得る。溶液中に遊離すると、クエンチャーは、プローブのコード化粒子の検出可能なコード(例えば、蛍光シグナル)を効率的にクエンチするには十分にコード化粒子にごく近接していない場合がある。クエンチャーが増幅中にコード化粒子から切断されると、コード化粒子の検出可能なコードまたはシグナルの1つ以上の態様(例えば、発光波長、発光寿命、発光強度、または強度比範囲、例えば、スペクトル強度コードによって表されるもの)は、検出器にとって十分に検出可能になり、標的分子の存在を示す閾値レベルを上回るようになり得る。
いくつかの事例では、クエンチャーとプローブのコード化粒子との分離は、クエンチャーとコード化粒子またはプローブの任意の他の部分との間の直接共有結合の不在下であっても、切断を含み得る。例えば、図6Iに図解されるように、コード化粒子およびクエンチャーは、相補的なDNA配列を含む(例えば、クエンチャー(またはその一部)のDNA配列がプローブ(またはその一部)の結合領域のDNA配列とハイブリダイズすることができる)。クエンチャーのDNA配列と結合領域のDNA配列とのハイブリダイゼーションにより、クエンチャーが、コード化粒子の検出可能なコード(例えば、蛍光シグナル)の低減(例えば、クエンチング)を誘導するのに十分にコード化粒子にごく近接するようになり得る。いくつかの事例では、結合領域のDNA配列、クエンチャー、またはこれらのいずれも、標的分子の一部(または標的分子の増幅産物の一部)に相補的であり得る。いくつかの事例では、結合領域のDNA配列は、標的分子(または標的分子の増幅産物)の第1の部分、標的分子の一本鎖、または標的分子の増幅産物の一本鎖とハイブリダイズし得、クエンチャーのDNA配列は、標的分子の相補鎖の第1の部分、または増幅産物の相補鎖とハイブリダイズし得る。いくつかの事例では、結合領域のDNA配列は、標的分子の第1の部分と重複する標的分子(もしくは標的分子の増幅産物)の一部、または標的分子(もしくは標的分子の増幅産物)の第1の部分での分子のハイブリダイゼーションの立体阻害を引き起こすのに十分に標的分子(もしくは標的分子の増幅産物)の第1の部分に近接している標的分子(もしくは標的分子の増幅産物)の一部とハイブリダイズし得る。いくつかの事例では、区画化された体積は、標的分子(または標的分子の増幅産物)の第2の部分とハイブリダイズすることができる第1のプライマー分子(例えば、第1のオリゴヌクレオチドPCRプライマー、例えば、図6Iの「P1」)を含み得、第2の部分は、結合領域に相補的な標的分子の第1の部分の下流(すなわち、3’末端を過ぎた位置)に位置し得る。いくつかの事例では、標的分子の第2の部分は、標的分子の5’末端付近に位置し得る。いくつかの事例では、標的分子の第2の部分は、標的分子の3’末端付近に位置し得る。いくつかの事例では、標的分子の第2の部分は、標的分子の5’末端と3’末端との間の中心50%付近に位置し得る。いくつかの事例では、プライマーは、プローブの結合領域またはクエンチャーに相補的な領域の下流の(すなわち、3’末端上の)標的分子または増幅産物の領域に相補的であり得る。区画化された体積は、標的分子(または標的分子の増幅産物)の第2の部分とハイブリダイズすることができる第2のプライマー分子(例えば、第2のオリゴヌクレオチドPCRプライマー、例えば、図6Iの「P2」)も含み得、第2の部分は、クエンチャーのDNA配列に相補的な標的分子の第1の部分の下流(すなわち、3’末端を過ぎた位置)に位置し得る。いくつかの事例では、第1のプライマー分子および第2のプライマー分子は、ポリメラーゼ酵素を使用した核酸増幅(例えば、PCR増幅等)による標的分子および標的分子の増幅産物の複製を容易にし得る。いくつかの事例では、酵素は、エキソヌクレアーゼ活性を有し得る(例えば、Taqman(登録商標)ポリメラーゼ)。いくつかの事例では、(例えば、標的分子または増幅産物の第1の領域で)プローブの結合領域またはクエンチャーのDNA配列とハイブリダイズされる標的分子または増幅産物の増幅により、結合領域またはクエンチャーのDNA配列またはその一部のポリメラーゼ媒介切断または分解が引き起こされ得る。結合領域またはクエンチャーのDNA配列またはその一部の切断または破壊(例えば、ポリメラーゼ媒介切断または分解による)により、コード化粒子と会合するクエンチャーの能力が阻害され、次いで、クエンチャーがコード化粒子の検出可能なコードまたはシグナルを阻害することができる効率が制限され得る。クエンチャーとコード化粒子との間の会合の崩壊がコード化粒子の検出可能なコードまたはシグナルを検出する検出器の能力を高め得るため、結合領域のポリメラーゼ媒介切断または分解を含む増幅は、区画化された体積中の標的分子の存在を示し得る。結果として、クエンチャーとプローブのコード化粒子または発色団との間の距離がデジタルアッセイにおける標的分子依存的増幅ステップにより増加し得る。当業者であれば理解するであろうように、この機構について記載される(かつ図6Iに図解される)標的分子および標的分子の増幅産物の役割および結合特異性は、同じ趣旨で切り替えられ得る。さらに、当業者であれば理解するであろうように、増幅中のクエンチャーの核酸部分(例えば、プローブの結合領域に相補的なクエンチャーの核酸部分)のポリメラーゼ媒介切断は、クエンチャーとコード化粒子との会合も低減し得る。
<結合領域の自己会合の阻害を含む増幅>
いくつかの事例では、リンカーの切断/分解を必要とすることなく可逆的様式でクエンチャーとコード化粒子との間の距離を増加させることが可能である。これは、クエンチャーとコード化粒子を結合するリンカーの可逆的立体構造変化により行われ得る。いくつかの事例では、クエンチャーは、プローブの結合領域に共有結合し得、これはプローブのコード化粒子にも共有結合し得る。いくつかの事例では、プローブの結合領域の第1の部分は、結合領域の第2の部分とハイブリダイズすることができる。いくつかの事例では、結合領域の第1の部分の結合領域の第2の部分とのハイブリダイゼーション(例えば、結合領域の自己会合または自己ハイブリダイゼーション)により、クエンチャーがコード化粒子に十分にごく近接して、クエンチャーがコード化粒子の検出可能なコードまたはシグナルを部分的または完全にクエンチするようになり得る(例えば、図6Bに図解される)。いくつかの事例では、互いにハイブリダイズすることができる結合領域の第1の部分および/または第2の部分は、およそ6塩基対長であり得る。いくつかの事例では、互いにハイブリダイズすることができる結合領域の第1の部分および第2の部分は、結合領域の近位端および遠位端(すなわち、5’末端および3’末端)に位置し得るか、または逆もまた同様であり得る。結合領域の第1の部分と第2の部分との間に位置し得る核酸結合領域の第3の部分は、標的分子(または標的分子の増幅産物)に相補的であり得、標的分子(または標的分子の増幅産物)とのハイブリダイゼーション時に、結合領域の(例えば、ヘアピン構造への)自己ハイブリダイズを阻止することができる二重らせん構造を形成し得る。いくつかの事例では、プローブの結合領域の第3の部分は、結合領域の第1の部分または第2の部分よりも十分に長くあり得る(例えば、それにより、標的分子と結合領域の第3の部分との間のハイブリダイゼーションが、結合領域の第1の部分および結合領域の第2の部分のハイブリダイゼーションよりも熱力学的に好ましくなる)。いくつかの事例では、結合領域の第3の部分は、第1の部分および/または第2の部分と重複し得る。増幅中、区画化された体積中に存在する標的分子が増幅され得、標的分子の増幅産物がさらに増幅されて、標的分子の核酸配列と同一の核酸配列を含む分子を生成することができる。したがって、プローブの結合領域の伸長を引き起こし、かつクエンチャーをコード化粒子から分離するのに十分な数量の標的分子および/または標的分子の増幅産物を生成することが可能である。結果として、核酸増幅によりクエンチャーをコード化粒子に結合するプローブの結合領域におけるヘアピン構造の開放を促進して、クエンチャーをコード化粒子から分離することが可能である。いくつかの事例では、結合領域のこの標的分子依存的伸長は、クエンチャーがもはやプローブの検出可能なコードまたはシグナルを阻害することができない十分な距離で、クエンチャーとプローブのコード化粒子(または発色団)を分離することができる。いくつかの事例では、その後、検出可能なコードまたはシグナルが検出され得、標的分子の存在を反映する二進値が区画化された体積に割り当てられ得る。
いくつかの事例では、結合領域のヘアピン立体構造を阻害するために、不斉増幅を使用して、プローブの結合領域の第1の部分または第2の部分に相補的な圧倒的多数の一本鎖核酸分子を生成することができる。結合領域の自己ハイブリダイゼーションを阻害するために、他の増幅法を使用して、一本鎖RNA(NASBA等)を生成することもできる。
<クエンチャーハイブリダイゼーションの競合的阻害を含む増幅>
クエンチャーとコード化粒子との会合は、クエンチャーの配列に相補的な配列を有するプローブの結合領域の核酸配列間のハイブリダイゼーションの競合的阻害によって阻害され得る。例えば、図6C〜6Eおよび6Gに図解されるように、プローブは、クエンチャーのDNA配列に相補的なDNA配列を有する1つ以上の結合領域に共有結合しているコード化粒子を含み得る。いくつかの事例では、クエンチャーおよび結合領域の相補的なDNA配列が互いにハイブリダイズすると、クエンチャーおよびコード化粒子は、コード化粒子によって生成された検出可能なコードまたはシグナル(例えば、蛍光シグナル)の部分的または完全なクエンチングを可能にするのに十分に互いにごく近接するようになり得る。いくつかの事例では、コード化粒子は、クエンチャーのDNA配列とハイブリダイズすることができる複数の結合領域に共有結合し得、これにより、コード化粒子にごく近接しているクエンチャーの数が増加し、クエンチング効率が改善され得る。いくつかの実施形態では、プローブの結合領域(またはその一部)は、標的分子(または標的分子の増幅産物)の一部とハイブリダイズし、かつ/または標的分子(または標的分子の増幅産物)のPCRに基づく増幅のためのプライマーとしての機能を果たし得る。例えば、図6Cに図解されるように、増幅ステップ前の標的分子(または標的分子の増幅産物)への結合領域(この結合領域は、PCRプライマー(例えば、P1)を含む)のハイブリダイゼーションにより、プライマーの伸長および/または標的分子(または標的分子の増幅産物)の増幅がもたらされ得る。伸長された結合領域は、いくつかの事例では、結合領域の伸長中に合成された結合領域のある位置(例えば、プローブの伸長されていない結合領域に結合することができる部分として標的分子の反対の末端に位置する標的分子の一部に相補的な伸長された結合領域の一部)で、区画化された体積中に存在する第2のプライマー(例えば、図6Cに図解される「P2」等のオリゴヌクレオチドPCRプライマー)とハイブリダイズすることができ、それ故に、P2が伸長されて、クエンチャーの核酸配列よりもはるかに長く、ひいてはハイブリダイゼーション中により安定した伸長された結合領域に相補的な配列が作製され得る。いくつかの事例では、P1として機能する結合領域の全てまたはほぼ全てが伸長され、標的分子または増幅産物の相補的な部分にハイブリダイズされ得る。いくつかの事例では、デジタルアッセイで生成される増幅産物(例えば、標的分子の一部と同一のまたはそれに相補的なDNA配列を含む分子)の数量は、区画化された体積中のクエンチャーの数をはるかに上回り得る。増幅産物が、プローブの伸長されていない結合領域またはクエンチャーの核酸配列のいずれかよりも著しく長いハイブリダイゼーション領域を含み得るため、クエンチャーは、プローブの結合領域から優先的に移動させられ、それ故に、クエンチャーとコード化粒子との会合を阻害し、蛍光クエンチングを阻害し得る。結果として、プローブの結合領域の標的分子依存的伸長および標的分子(および/または標的分子の増幅産物)の増幅により、コード化粒子の検出可能なコードまたはシグナルのクエンチングの減少がもたらされ得る。
いくつかの事例では(例えば、図6Eに図解されるように)、プローブは、各々がPCRプライマー分子(例えば、P1およびP2)であり得る複数の別個の結合領域(例えば、伸長されていない結合領域)を含み得る。いくつかの事例では、結合領域のうちの1つ以上は、クエンチャーのDNA配列に相補的な配列を含み得る。プローブの各別個の結合領域は、標的分子(または標的分子の増幅産物)の一部に相補的な核酸配列も含み得、これは、標的分子(またはその増幅産物)とのハイブリダイゼーション時に、プライマーとして機能し、伸長される(例えば、デジタルアッセイの増幅ステップ中に)。いくつかの事例では、伸長された結合領域(例えば、P1から伸長されたもの)は、他のタイプの結合領域(例えば、P2)に相補的な配列を有するようになり得る。ハイブリダイゼーション時、P2結合領域も伸長され得る。異なる結合領域がごく近接しているため、このプローブ内ハイブリダイゼーションは効率的であり、指数関数的プローブ内結合領域伸長および増幅をもたらし得る。結果として、増幅ステップ中伸長された結合領域は、標的分子または標的分子の増幅産物の一部(例えば、領域または全体)と同一またはそれに相補的な核酸配列を含み得る。したがって、プローブの伸長された結合領域は、クエンチャーの核酸配列に相補的な結合領域の核酸配列よりも長い標的分子(または標的分子の増幅産物)に相補的な核酸配列を含み得る。結果として、プローブの伸長された結合領域が標的分子(または標的分子の増幅産物)とハイブリダイズすることができ、これにより、クエンチャーとコード化粒子との会合が阻害され得る(例えば、競合的阻害により)。このようにして、標的分子またはその増幅産物をPCR鋳型として使用して結合領域を伸長することによってクエンチャーとプローブのコード化粒子または発色団との間の距離を増加させることが可能である。
いくつかの事例では、プライマーとして機能する結合領域は、それらのプライマーの唯一の源であり得る(例えば、図6Cおよび6E)。いくつかの事例では、プローブに共有結合していないプライマーの余分なコピーも溶液中に存在し得る(例えば、図6G)。この場合、余分なプライマーは、全てのプローブ分子が標的分子またはその増幅産物に効率的に曝露され得るように増幅を容易にすることができる。
いくつかの事例では、プローブの結合領域と会合することができるクエンチャーは、オリゴヌクレオチドプライマー(例えば、PCRプライマー)を含み得る。例えば、図6Dに図解されるように、クエンチャーは、区画化された体積中のプローブの結合領域と会合することができる。区画化された体積は、標的分子(またはその増幅産物)も含み得、標的分子(またはその増幅産物)の第1の末端の一部は、クエンチャーのDNA配列と会合することができる。いくつかの事例では、区画化された体積は、標的分子(またはその増幅産物)も含み得、標的分子(またはその増幅産物)の第1の末端の一部は、プローブの結合領域と会合することができる。いくつかの事例では、図6Dにさらに図解されるように、標的分子(またはその増幅産物)の第2の末端と会合することができるオリゴヌクレオチドプライマー(例えば、PCRプライマー)を使用して、標的分子の増幅を容易にすることができる。このようにして、クエンチャーと会合することができる増幅産物がデジタルアッセイの増幅ステップ中に作製され得る。多数のかかる増幅産物がデジタルアッセイ中にこのようにして作製されるため、区画化された体積中のクエンチャーをプローブの結合領域ではなく増幅産物と会合させることが可能である(例えば、化学量論的競合により)。クエンチャー自体がPCRプライマーであり得るため、デジタルアッセイの増幅ステップは、増幅産物を鋳型として使用して増幅産物と会合しているクエンチャーを伸長させることができる。増幅産物を鋳型として使用してクエンチャーを伸長することにより、プローブの結合領域と会合しているクエンチャーと比較して、増幅産物と会合しているクエンチャーの割合をさらに増加させることが可能である。したがって、標的分子依存的様式でクエンチャーとプローブのコード化粒子または発色団との間の距離を増加させることが可能である。いくつかの事例では、検出可能なシグナルまたはコードのこの標的分子依存的変調法の利用は、区画化された体積中の過剰なクエンチャーを提供して、検出可能なシグナルまたはコードが標的分子の不在下でまたは増幅前に完全にクエンチされることを確実にすることを含み得る。
いくつかの事例では、区画化された体積中のクエンチャー、プローブの結合領域の一部、または遊離オリゴヌクレオチドの核酸配列は、デジタルアッセイにおける核酸増幅のためのPCRプライマーを含み得る。いくつかの事例では、これらのプライマータイプのうちのいずれかまたは全ては、同じ区画化された体積中に存在し得、互いに同一のまたは相補的な核酸配列を含み得る。
<プローブ内ハイブリダイゼーションまたはプローブ間ハイブリダイゼーションを含む増幅>
クエンチャーとプローブのコード化粒子または発色団との間の距離は、第1の結合領域の一部を同じプローブの第2の結合領域の一部と会合することによって増加し得る。いくつかの事例では、第1の結合領域は、第2の結合領域とは異なる核酸配列を有し得る(例えば、プローブは、2つの別個の結合領域を含み得る)。本明細書に記載されるように、プローブの結合領域(例えば、第1の別個の結合領域、第2の別個の結合領域、第3の別個の結合領域等)は、PCRプライマーを含み得る。例えば、図6Eおよび図6Fに図解されるように、プローブは、2つの別個の結合領域(例えば、2つの異なるタイプの結合領域)を含み得る。いくつかの事例では、プローブを含有する区画化された体積は、複数のクエンチャーも含み得る。区画化された体積の複数のクエンチャーは、プローブの各結合領域と会合することができる1つ以上のクエンチャーを含み得る。いくつかの事例では、複数のクエンチャーは、複数の別個のクエンチャーを含み得る。いくつかの事例では、区画化された体積は、プローブの各別個の結合領域と会合することができる別個のクエンチャーを含み得る。いくつかの事例では、標的分子の一部は、プローブの第1の結合領域と会合することができる。標的分子の増幅産物の一部は、プローブの第2の結合領域と会合することができる。いくつかの事例では、標的分子(または標的分子の増幅産物)の第1の部分は、プローブの第1の結合領域と会合することができ、標的分子(または標的分子の増幅産物)の第2の部分は、プローブの第2の結合領域と会合することができる。いくつかの事例では、標的分子または標的分子の増幅産物とプローブの結合領域との会合により、クエンチャーと結合領域との会合が阻止され得る。図6Eおよび図6Fに図解されるように、プローブの結合領域と会合している標的分子または標的分子の増幅産物は、鋳型(例えば、PCR鋳型)としての機能を果たすことができ、この結合領域は、プライマーとして機能することができ、この結合領域の伸長が生じ得る。いくつかの事例では、増幅ステップ中に伸長された結合領域の一部(例えば、標的分子または標的分子の増幅産物が結合領域伸長のための鋳型として使用される)は、同じプローブの別の結合領域と会合することができ(例えば、図6Eに図解される)、プローブ内ハイブリダイゼーションおよび増幅をもたらす。いくつかの事例では、増幅ステップ中に伸長された結合領域の一部は、別のプローブの結合領域または伸長された結合領域と会合することができ(例えば、図6Fに図解される)、プローブ間ハイブリダイゼーションをもたらす。図6Fにさらに図解されるように、第1のプローブの複数の結合領域の第1の部分は、第1のプローブの複数の結合領域の第2の部分と会合し得、第1のプローブの複数の結合領域の第3の部分は、第2のプローブの結合領域の一部と会合し得る。いくつかの事例では、プローブの結合領域は、複数の他の同一のプローブまたは複数の他の別個のプローブと会合し得る(例えば、それとハイブリダイズし得るか、またはそれに結合し得る)。図6Eおよび図6Fの両方で例示される標的分子依存的増幅の機構において、標的分子(またはその増幅産物)を使用した結合領域の伸長は、競合的ハイブリダイゼーションによりクエンチャーとプローブのコード化粒子または発色団との間の距離を増加させ得る。
いくつかの実施形態では、プローブ間ハイブリダイゼーションは、自発的に生じ得る。例えば、6Eおよび6Gに図解される上述の条件により、プローブ間ハイブリダイゼーション(例えば、それぞれ、6Fおよび6Hに図解される)がもたらされ得る。これは、各コード化粒子に連結している各プライマーの正確な数の確率的変動のため、かつ/または単一のコード化粒子中の増幅産物の内部ハイブリダイゼーションの正確なパターンおよび共有結合している増幅産物のうちのいくつかが同じコード化粒子中の相補的な増幅産物と対合することができない可能性に関する確率的変動のため生じ得る。
いくつかの事例では、標的分子を認識および増幅することができる追加の順方向PCRプライマーおよび逆方向PCRプライマーが区画化された体積中に提供されて、標的分子が増幅され、かつ標的分子の増幅産物が生成される効率を高めることができる(例えば、図6Gおよび図6Hに図解される)。いくつかの事例では、標的分子の濃度は、プローブの結合領域との会合前の等温もしくは熱サイクル増幅および/または結合領域伸長における鋳型としての使用により増加し得る。標的分子または標的分子の増幅産物のコピーが生成される効率を改善することにより、結合領域伸長がより迅速に進み得、これは、結合領域伸長のための鋳型が区画化された体積中により効率的に提供されるためである。したがって、PCRプライマーの濃度を増加させることおよび/または標的分子を事前に増幅することによる結合領域伸長鋳型(例えば、標的分子および標的分子の増幅産物のコピー)の生成の「ブースト」により、プローブの結合領域が互いにまたは1つ以上の追加のプローブの結合領域と会合する効率がさらに改善され得る。
プローブ間ハイブリダイゼーションが生じるとき、シグナルの生成は、蛍光シグナルの一般的な増加、蛍光シグナルを生成するスポットのサイズの増加、またはそれらの組み合わせに基づき得る。個々のプローブが可視化され得るいくつかの事例では、プローブ間ハイブリダイゼーションは、個々のプローブ分子から生成される多くの小シグナルの代わりに、1個または数個の大凝集シグナルを生成し得る。
いくつかの事例では、デジタルアッセイの区画化された体積は、2つの別個のプローブ(例えば、第1の別個のプローブおよび第2の別個のプローブ)を含み得る。第1の別個のプローブは、第2の別個のプローブの結合領域とは別個の結合領域(例えば、第1の別個の結合領域および第2の別個の結合領域)を含み得る。いくつかの事例では、プローブの結合領域は、増幅プライマー(例えば、PCRプライマー)を含み得る。いくつかの事例では、標的分子の一部は、第1の別個の結合領域と会合する(例えば、それに結合するか、またはそれとハイブリダイズする)ことができる。標的分子の増幅産物は、核酸配列を含み得、その一部は、第2の別個の結合領域と会合することができ得る。いずれの状況下でも、標的分子またはその増幅産物は、図6Jに図解されるように、第1の別個のプローブおよび第2の別個のプローブの第1の別個の結合領域および/または第2の別個の結合領域の伸長のための増幅鋳型としての機能を果たし得る。したがって、デジタルアッセイの増幅ステップは、第1の別個のプローブの第1の別個の結合領域の伸長および/または第2の別個のプローブの第2の別個の結合領域の伸長を含み得る。いくつかの事例では、第1の別個のプローブの結合領域伸長中に合成された第1の別個の結合領域の一部は、第2の別個の結合領域の一部と会合し得る。第2の別個のプローブの結合領域伸長中に合成された第2の別個の結合領域の一部は、いくつかの事例では、第1の別個の結合領域の一部と会合し得る。区画化された体積が第1の別個の結合領域と会合することができる第1のクエンチャーおよび/または第2の結合領域と会合することができる第2のクエンチャー(例えば、図6Jに図解される)(標的分子依存的結合領域伸長後の第1のプローブの第1の別個の結合領域と第2のプローブの第2の別個の結合領域との会合)も含む場合、第1のクエンチャーおよび/または第2のクエンチャーは、第1の別個の結合領域および/または第2の別個の結合領域から移動し得る。したがって、第1のクエンチャーと第1の別個のプローブのコード化粒子との間の距離または第2のクエンチャーと第2の別個のプローブのコード化粒子または発色団との間の距離が、標的分子依存的増幅ステップにより増加し得る。いくつかの事例では、第1のクエンチャーまたは第2のクエンチャーは、標的分子または標的分子の増幅産物と第1の別個の結合領域または第2の別個の結合領域との会合によっても移動し得る。
いくつかの実施形態では、プローブ間ハイブリダイゼーション(例えば、複数のプローブまたはコード化粒子の会合またはクラスター形成)の機構は、陽性シグナルを生成するのに十分であり得る。この場合、図6Lに図解されるように、クエンチング分子に結合した相補的な配列は必要とされない。個々のプローブが画像化され得るいくつかの事例では、プローブ間ハイブリダイゼーションによるプローブの凝集により、目的とするプローブの別個のクラスター形成がもたらされる。多くの単一プローブ間、および1つまたは数個の大クラスター/凝集体間のサイズの差異は、いくつかの事例では、陽性シグナルを生成するのに十分な区別を提供することができ、クエンチングは必要とされない。
いくつかの事例では、プローブ間ハイブリダイゼーションは、区画化された体積中の1つ以上のプローブに存在する結合領域の数およびタイプを厳選することによって優先的に誘導され得る(例えば、図6Kに図解される)。本明細書に記載されるように、区画化された体積は、複数の別個のプローブを含み得、プローブは、複数の別個の結合領域を含み得る。いくつかの事例では、第1の別個のプローブは、図6Kに図解されるように、各別個のプローブを含む別個の結合領域の比率の点で第2の別個のプローブとは異なり得る。例えば、第1の別個のプローブが、第1の別個の結合領域の第2の別個の結合領域に対する比率60:40を含み得る一方で、第2の別個のプローブは、第1の別個の結合領域の第2の別個の結合領域に対する比率40:60を含み得る。いくつかの事例では、プローブ上の第1の別個の結合領域の第2の別個の結合領域に対する比率は、約1:1000〜約1:100、約1:100〜約1:10、約1:10〜約1:5、約1:5〜約1:4(例えば、20:80)、約1:4〜約1:3(例えば、25:75)、約1:3〜約1:1(例えば、50:50)、約2:3(例えば、40:60)〜約3:2(例えば、60:40)、約1:1〜約3:1(例えば、75:25)、約3:1〜約4:1(例えば、80:20)、約4:1〜約5:1、約5:1〜約10:1、約10:1〜約100:1、または約100:1〜約1000:1であり得る。ある特定の態様では、第1の別個のプローブ上の第1の結合領域の第2の結合領域に対する比率は、第2の別個のプローブ上の第1の結合領域の第2の結合領域に対する比率の約1倍、約1.05倍、約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、または約100倍である。本明細書に記載されるように、クエンチャー、標的分子(もしくはその一部)、または標的分子の増幅産物(もしくはその一部)は、プローブの結合領域と会合し得る。いくつかの事例では、標的分子または標的分子の増幅産物は、デジタルアッセイの増幅ステップ中の結合領域伸長においてPCR増幅鋳型として機能し得る。いくつかの事例では、プローブの伸長された結合領域は、図6Jおよび図6Kに図解されるように、同じプローブまたは異なるプローブの結合領域と会合し得る。いくつかの事例では、第1のプローブの伸長された結合領域と第2のプローブの結合領域との会合は、プローブ網状組織の形成を容易にし得る。例えば、第1の別個のプローブが、第1の別個の結合領域および第2の別個の結合領域を60:40の比率で含み、第2の別個のプローブが、第1の別個の結合領域および第2の別個の結合領域を40:60の比率で含む場合、区画化された体積は、デジタルアッセイにおける増幅後に、第1の別個の結合領域の第2の別個の結合領域に対する比率50:50を含む複数のプローブと比較して、プローブ間により多くの結合領域会合(例えば、同じプローブの結合領域の会合に対して)を含み得る。すなわち、プローブにおける別個の結合領域の比率を制御することによってデジタルアッセイにおいてプローブ−プローブ結合領域を含まないプローブの数を制限することが可能である。したがって、区画化された体積の2つのプローブ上の第1の別個の結合領域の第2の別個の結合領域に対する比率は、デジタルアッセイの区画化された体積中の検出可能なシグナルまたはコードの検出された強度および空間分布に影響を及ぼし得る(例えば、異なる程度のプローブ間会合の結果として)。
いくつかの事例では、プローブは、第1の別個の結合領域および第2の別個の結合領域を含み得る。いくつかの事例では、第1の別個の結合領域は、第2の別個の結合領域と会合することができない。例えば、第1の別個の結合領域は、第2の結合領域のいずれの部分とも会合することができない場合がある。すなわち、第1の別個の結合領域は、第2の別個の結合領域のいずれの部分にも相補的ではない核酸配列を含み得る。しかしながら、いくつかの事例では、標的分子、標的分子の増幅産物、またはこれらのいずれも、第1の別個の結合領域の一部と会合することができる場合がある。すなわち、標的分子、標的分子の増幅産物、またはこれらのいずれも、第1の別個の結合領域の一部に相補的な核酸配列を含み得る。標的分子、標的分子の増幅産物、またはこれらのいずれも、第2の別個の結合領域の一部と会合することができる場合がある。すなわち、標的分子、標的分子の増幅産物、またはこれらのいずれも、第2の別個の結合領域の一部に相補的な核酸配列を含み得る。いくつかの事例では、標的分子、標的分子の増幅産物、またはこれらの両方の複数の領域は、第1の別個の結合領域と会合する(例えば、それに結合するか、またはそれとハイブリダイズする)ことができる場合がある。いくつかの事例では、標的分子、標的分子の増幅産物、またはこれらの両方の複数の領域は、第2の別個の結合領域と会合する(例えば、それに結合するか、またはそれとハイブリダイズする)ことができる場合がある。したがって、標的分子、標的分子の増幅産物、またはこれらのいずれも、複数の別個の結合領域を含む2つの同一のプローブの第1の別個の結合領域、複数の別個の結合領域を含む2つの同一のプローブの第2の別個の結合領域、または第1のプローブの第1の別個の結合領域および第1のプローブと同一の第2のプローブの第2の別個の結合領域と会合することによって、プローブ網状組織の形成を容易にし得る。かかる標的分子依存的プローブ網状組織形成は、区画化された体積中の標的分子の存在を反映し得、シグナルもしくはコードの強度の増加またはシグナルもしくはコードの空間サイズの増加によって測定または決定され得る。いくつかの事例では、区画化された体積中の標的分子の増幅は、かかるプローブ網状組織の形成を容易にし得る。いくつかの事例では、第1の結合領域の一部は、第2の結合領域の核酸配列に相補的な核酸配列を含み得る。いくつかの事例では、形成されたプローブ網状組織は、クエンチャー分子を含有せず、またはこの機構は、クエンチャー分子を伴わない(例えば、図6L)。
プローブ網状組織の形成(例えば、プローブ間ハイブリダイゼーション、例えば、図6F、図6H、図6J、図6K、および図6Lに図解されるもの等)により、デジタルアッセイにおけるシグナル検出の効率も改善され得る。例えば、プローブ間ハイブリダイゼーションにより、区画化された体積中のプローブのクラスター形成または空間濃縮(ひいてはプローブの検出可能なコードまたはシグナル)がもたらされ得る。区画化された体積中の検出可能なコードまたはシグナルのクラスター形成または空間濃縮は、(例えば、全体として区画化された体積中の検出可能なコードまたはシグナルの全体的な見かけの強度を増加させることにより)区画化された体積中の検出可能なコードまたはシグナルを検出する検出器の能力を高めることができる。結果として、多重化デジタルアッセイアプローチを伴う用途において本明細書に記載のプローブ間ハイブリダイゼーションを用いる標的分子依存的増幅法を用いることが有利であり得る。
いくつかの事例では、核酸増幅を含むデジタルアッセイは、プローブ内ハイブリダイゼーション(例えば、プローブの第1の別個の結合領域のプローブの第2の別個の結合領域とのハイブリダイゼーション)およびプローブ間ハイブリダイゼーション(例えば、第1の別個のプローブの結合領域の第2の別個のプローブの結合領域とのハイブリダイゼーション)の両方を含み得る。
<ローリングサークル増幅を含む増幅>
区画化された体積は、環状化核酸分子を含み得る。いくつかの事例では、複数の区画化された体積の各区画化された体積は、環状化核酸分子を含む。いくつかの事例では、環状化核酸分子は、クエンチャーの核酸配列と同一であり、かつプローブの結合領域またはその一部の核酸配列に相補的な核酸配列を含み得る。この実施形態等の実施形態では、プローブの結合領域の一部に相補的な核酸配列も有するクエンチャーは、プローブの結合領域と会合し得る。いくつかの事例では、プローブの検出可能なコードまたはシグナルの検出は、クエンチャーがプローブの結合領域と会合したとき(例えば、それに結合したとき、またはそれとハイブリダイズされたとき)に阻害され得る。いくつかの事例では、環状化核酸分子の一部とハイブリダイズすることができるPCRプライマーを含み得るトリガー分子も、区画化された体積中に提供され得る。このトリガー分子は、標的分子またはその一部、標的分子の増幅産物またはその一部、または標的分子の存在に関連した別の分子であり得る。デジタルアッセイの増幅ステップ中、トリガー分子は、環状化核酸分子のローリングサークル増幅を容易にすることができる。ローリングサークル増幅の増幅産物は、クエンチャーに相補的な核酸配列を含み得る。ローリングサークル増幅の増幅産物は、クエンチャーに相補的な複数の核酸配列を含み得る。結果として、クエンチャーは、プローブの結合領域の代わりにローリングサークル増幅反応の増幅産物と会合して、クエンチャーとプローブのコード化粒子または発色団との間の距離を増加させ得る。ローリングサークル増幅反応の増幅産物は、プローブの結合領域と会合して、クエンチャーとプローブの結合領域との会合を競合的に阻害することもできる。したがって、図6Mに図解されるように、標的分子依存的ローリングサークル増幅反応をデジタルアッセイに使用して、クエンチャーとプローブのコード化粒子または発色団との間の距離を増加させることができる。したがって、標的分子依存的ローリングサークル増幅を使用して、区画化された体積中の標的分子の存在または不在を示すことができる。
デジタルアッセイは、区画化された体積の温度を上昇させること、低下させること、または維持することを含み得る。いくつかの事例では、デジタルアッセイの増幅ステップは、区画化された体積の温度を上昇させることおよび低下させること、上昇させることおよび維持すること、または低下させることおよび維持することを含み得る。例えば、デジタルアッセイの増幅ステップは、区画化された体積を室温から約95℃の温度または約68℃の温度から約95℃の温度に加熱することを含み得る。増幅ステップは、区画化された体積の温度を約95℃から約45℃〜約68℃の範囲内の温度に低下させることも含み得る。増幅ステップは、区画化された体積の温度を約45℃〜約68℃の範囲内の温度から約95℃の温度まで上昇させることも含み得る。
いくつかの事例では、区画化された体積の温度を上昇させるステップ、低下させるステップ、または維持するステップは、1回以上繰り返され得る。すなわち、デジタルアッセイは、1つ以上の熱サイクルシーケンス(例えば、温度サイクル)を含み得、熱サイクルシーケンスは、区画化された体積の温度を上昇させるか、低下させるか、または維持するシーケンス(またはそれらの任意の組み合わせの任意のシーケンス)を含む。いくつかの事例では、デジタルアッセイは、複数の別個の熱サイクルを含み得る。すなわち、デジタルアッセイは、第1の熱サイクルシーケンスの1つ以上のインスタンスおよび第2の熱サイクルシーケンスの1つ以上のインスタンスを含み得る。いくつかの事例では、デジタルアッセイは、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、または少なくとも45回の温度サイクルを含み得る。いくつかの事例では、デジタルアッセイは、2〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、または40〜45回の温度サイクルを含み得る。
増幅ステップを含むいずれのデジタルアッセイも、複数の体積の各区画化された体積中にPCR試薬を提供することを含み得る。いくつかの事例では、複数の区画化された体積の区画化された体積の一部のみがPCR試薬を含む。区画化された体積中に提供されたPCR試薬は、プライマー、ヌクレオチド、ポリメラーゼ、および/または緩衝液を含み得る。
デジタルアッセイは、様々なデジタル核酸分析方法を含み得る。様々な態様では、本開示は、デジタル核酸増幅を行うことによる増幅のための方法、デバイス、およびシステムを提供する。様々な態様では、本開示は、デジタルPCR(dPCR)を行うことによる増幅のための方法、デバイス、およびシステムを提供する。デジタルPCRは、1つ以上の標的配列のPCR増幅前に試料中に存在する個々の核酸分子が多くの別個の反応体積(例えば、マイクロ流体チップまたはマルチウェルプレートのチャンバまたはウェルまたは液滴中に位置し得る区画化された体積)に分配される方法である。試料中の個々の分子の濃度は、反応体積のうちの少なくともいくつかが標的分子を含有せず、反応体積のうちの少なくともいくつかが少なくとも1つの標的分子を含有するように調整される。標的配列の増幅により、各チャンバが対応する標的配列の存在を示すPCR産物を含有するものまたはPCR産物を含有しないもののいずれかとして特定される二進デジタル出力がもたらされる。検出可能なレベルのPCR最終産物を含有する反応体積の計数は、核酸の絶対量の直接尺度である。本開示の様々な態様では、核酸試料は、それらを別個の反応体積(例えば、区画化された体積)に区分化することによって分配される。いくつかの事例では、デジタル化された試料は、その後、PCR試薬の存在下で熱サイクル化され(例えば、熱エネルギーの循環適用に供され)、それにより、核酸試料の増幅を容易にすることができる。
いくつかの態様では、本開示の装置、デバイス、方法、およびシステムは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写酵素PCR(RT−PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ループ媒介増幅(LAMP)、逆転写ループ媒介増幅(RT−LAMP)、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)、逆転写ヘリカーゼ依存性増幅(RT−HDA)、組換えポリメラーゼ増幅(RPA)、逆転写組換えポリメラーゼ増幅(RT−RPA)、触媒ヘアピンアセンブリ反応(CHA)、ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)、エントロピー駆動触媒、鎖置換増幅(SDA)、および/または逆転写鎖置換増幅(RT−SDA)を用いて、ポリヌクレオチド試料を増幅するために使用され得る。ある特定の態様では、本開示の装置、デバイス、方法、およびシステムは、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、転写媒介増幅(TMA)、自家持続配列複製(3SR)、および単一プライマー等温増幅(SPIA)に使用され得る。使用され得る他の技法としては、例えば、RNA技術のシグナル媒介増幅(SMART)、ローリングサークル増幅(RCA)、超分岐ローリングサークル増幅(HRCA)、指数関数的増幅反応(EXPAR)、スマート増幅(SmartAmp)、等温およびキメラプライマーにより開始される核酸増幅(ICANS)、および多置換増幅(MDA)が挙げられる。他の態様、本開示の装置、デバイス、方法、およびシステムは、細胞(例えば、希少細胞または単細胞)の操作および/または分析、他の生物学的粒子(例えば、単離されたミトコンドリア、細菌、ウイルス粒子)、または他の生物学的成分もしくは化学成分の操作および/または分析を含み得る。
<等温アッセイ>
いくつかの事例では、デジタルアッセイまたはその一部は、等温ステップ、反応、またはアッセイを含み得る。等温ステップ、反応、またはアッセイは、複数の区画化された体積の1つ以上の区画化された体積を、ある特定の温度で、ある特定の温度を超えて、またはある特定の温度未満で維持することを含み得る。
本開示のさらなる態様では、本明細書に記載の方法、システム、およびデバイスは、等温増幅技法、例えば、デジタル核酸配列に基づく増幅(NASBA)およびループ媒介等温増幅(LAMP)に適用され得る。NASBAおよびLAMPは、PCRを補完するために開発された等温増幅スキームである。
等温増幅において、温度サイクルは、必要とされないか、または許可されない場合がある。等温増幅は、等温核酸増幅を含み得る。転写媒介増幅、核酸配列に基づく増幅、RNA技術のシグナル媒介増幅、鎖置換増幅、ローリングサークル増幅、DNAのループ媒介等温増幅、等温多置換増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、単一プライマー等温増幅、および環状ヘリカーゼ依存性増幅等のいくつかのタイプの等温核酸増幅法が存在する。
核酸配列に基づく増幅(NASBA)は、例えば、約40℃で行われ得る等温増幅法である。NASBAは、1000倍超の増幅が1時間または2時間以内に達成され得る高い増幅効率および高速の増幅反応速度、低い偽陽性率、およびPCRと比較して温度を制御する必要性およびフィードバック必要性の低減を含み得る。NASBAが等温方法であるという事実により、複数の試料を温度制御されたオーブンの使用と同時に実行することが可能になり、これは、多くの用途における重要な実用的利点である。
ループ媒介等温増幅(LAMP)は、高い特異度、効率、および迅速性で(例えば、約60℃で)DNAを増幅することができる等温増幅アッセイである。その増幅反応の特性のため、LAMPは、増幅中に単一ヌクレオチド相違の区別を可能にし得る。結果として、LAMPは、遺伝子検査用途等の標的分子に非常に類似しているが、それとは異なる分子を含む試料を区別することができる。LAMPは、ウイルス検出においてRT−PCRよりも約10倍高い感度を有することも示されている。一態様では、本開示は、試料のデジタルリープ媒介増幅を行うための方法を提供する。この方法は、マイクロ流体デバイス上で試料の複数の区画化された体積を生成することであって、複数の区画化された体積における少なくとも1つの区画化された体積が核酸分子(例えば、DNAおよび/またはRNA分子)を含む、生成することと、少なくとも1つの区画化された体積においてループ媒介増幅を行って、核酸分子の増幅産物を生成することとを含み得る。この方法は、増幅産物を検出することも含み得る。いくつかの態様では、この方法は、増幅産物を含む複数の区画化された体積における区画化された体積の数を決定することと、複数の区画化された体積における区画化された体積の個々の体積および核酸分子を含有する複数の区画化された体積における区画化された体積の数を使用して試料中の核酸分子の濃度を計算することとを含む。マイクロ流体デバイスは、複数の区画化された体積を形成するように構成された複数のチャンバを含み得る。
ローリングサークル増幅(RCA)は、等温核酸増幅法であり得る。RCAは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および他の核酸増幅スキームとはいくつかの点で異なり得る。標的分子は、ローリングサークル増幅反応のトリガー分子および/またはプライマーとしての機能を果たし得る。トリガー分子またはその一部は、小さい環状DNA鋳型にアニーリングし得、DNAポリメラーゼが付加されてプライマーを伸長し得る。DNAポリメラーゼは、環状DNA鋳型の周囲でプライマーを連続して伸長し、その環の多くの繰り返しコピーからなり得る長いDNA産物を生成し得る。反応を終えるまでに、ポリメラーゼは、環状鋳型の何千ものコピーを生成ことができる。
異なるサイズの区画化された体積のアレイを使用することにより、NASBA、LAMP、および/またはRCAを用いたデジタル測定のダイナミックレンジが増加し得る。本明細書に記載の方法およびシステムは、これらの増幅スキームを利用して、区画化された試料(例えば、区画化された体積に分けられた試料)中のRNAおよびDNAの存在を測定および定量化することができる。別の態様では、本方法は、特定の分子の認識に基づく増幅に適用され得る。
<融解曲線分析>
本開示の別の態様は、融解曲線分析により標的分子間の遺伝的変異の存在を決定するための方法およびシステムを含む。遺伝的変異は、2つの分子間(例えば、対照分子と標的分子との間)の遺伝的突然変異、遺伝的多型、または後成的差異を含み得る。いくつかの事例では、融解曲線分析を使用して、操作されたまたはデノボ突然変異を検出、検証、もしくは特定するか、接合性について試験するか、核酸分子の後成的状態を試験するか、または遺伝配列の存在に基づいて患者の状態を診断することができる。例えば、融解曲線分析試験を使用して、患者が感染していると疑われているウイルスの種、株、または亜型を迅速に特定することができる。患者の診断は、融解曲線分析によって決定されるか、または本明細書に記載の任意の他の方法もしくはシステムを使用して決定される標的分子の存在、不在、同一性、または配列に基づき得る。融解曲線分析は、時間的融解曲線分析または空間的融解曲線分析であり得る。
融解曲線分析の原理は、2つの二本鎖核酸対間の融解曲線動態の差にある。PCRサイクリングで見られるように、ハイブリダイズされた核酸対は、それらが融解曲線分析で加熱されると、融解し始めるか、または互いに解離するであろう。核酸が互いに解離する速度は、例えば、ハイブリダイズされた核酸対を含むアデニン−チミン(A−T)対およびグアニン−シトシン(G−C)対の相対含有量に依存し得る。G−C対がA−T対よりも多くの水素結合を共有するため、時間的融解曲線分析中に観察されるように、G−C対は、融解が高分解能およびリアルタイムで監視されたときに、A−T対よりもわずかに長い融解時間を要し得る。空間的融解曲線分析の場合、区画化された体積のアレイ(例えば、ウェル、空洞、チャンバ、デジタル化された体積、またはチップもしくは一連の管上の液滴)にわたる静的温度勾配(例えば、空間温度勾配)が確立され得る。複数の区画化された体積にわたる温度勾配により、区画化された体積において温度の線形または非線形分布(例えば、アッセイ温度の線形または非線形分布)がもたらされ得る。このようにして、融解曲線の動態または空間的マップに基づいて2つのハイブリダイズされた核酸対の遺伝配列を比較することが可能である。
融解曲線アッセイにおけるいずれか2つの区画化された体積の温度は、所与の時点で同じであり得る。融解曲線アッセイにおけるいずれか2つの区画化された体積の温度は、所与の時点で異なり得る。
いくつかの事例では、区画化された体積の温度(例えば、アッセイ温度)は、時間とともに変化し得る。熱エネルギーの経時的な可変適用により、区画化された体積の温度の経時的な変化がもたらされ得る。いくつかの事例では、区画化された体積の温度は、時間とともに周期的に変化し得る。区画化された体積の温度の周期的変化は、いくつかの事例では、(例えば、区画化された体積中の)標的分子または標的分子の存在と相関している分子の増幅を引き起こし得る。
時間的融解曲線分析および空間的融解曲線分析の両方において、ハイブリダイズされた核酸対の融解は、区画化された体積から放出されたスペクトル強度シグナルを監視することによって観察され得る。例えば、ハイブリダイズされた核酸対の融解は、核酸対の鎖間から検出可能な薬剤(例えば、インターカレート色素またはフルオロフォア等の発色団)を放出し得る。融解中の検出可能な薬剤の放出により、スペクトル強度シグナルの低減がもたらされ得る。スペクトル強度シグナルは、検出可能な薬剤、例えば、プローブのコード化粒子(例えば、ポリマードット等)、粒子(例えば、ポリマードット等の発色団粒子)、インターカレート色素、またはフルオロフォアによって生成され得る。スペクトル強度は、蛍光シグナル(例えば、蛍光発光シグネチャー(例えば、発光波長を含み得る))であり得る。融解曲線分析中に生成される時間的または時間的融解曲線は、融解曲線シグネチャーとも称され得る。融解曲線シグネチャーは、標的分子の組成(例えば、核酸配列)(例えば、第2の標的または分析物分子と比較した)を示し得る。したがって、融解曲線シグネチャーは、標的分子の組成に基づいて患者を診断するために使用され得る。
融解曲線分析等のデジタルアッセイ中、スペクトル強度シグナルは、一度に1〜約100,000、100〜約100,000、500〜約50,000、1,000〜約30,000、5および約7,500、約10〜約5,000、約25〜約4,000、約50〜約3,000、約10〜約100、約50〜約200、約100〜約2,000、約250〜約1,000、または約500〜約800個の区画化された体積から検出され得る。
融解曲線分析は、約1分間〜約90分間、約5分間〜約60分間、約10分間〜約30分間、約10分間〜約20分間、または約1分間〜約10分間行われ得る。
時間的融解曲線分析中のハイブリダイズされた核酸対の加熱は、核酸対の各部分が融解したときにより良好な分解能を提供するために段階的に行われ得る。融解曲線分析の各温度ステップは、約0.01℃〜約1.0℃、約0.05℃〜約0.5℃、約0.1℃〜約0.25℃、または約0.15℃〜約0.3℃であり得る。時間的融解曲線アッセイは、例えば、融解曲線シグネチャーにおけるスペクトル強度シグナルの変化をより明確に区別するために、いずれかの温度ステップの前または後に小休止を含み得る。時間的融解曲線アッセイは、約25℃〜約100℃、約40℃〜約95℃、約48℃〜約90℃、または約60℃〜約76℃の温度範囲にわたって行われ得る。いくつかの事例では、時間的融解曲線アッセイは、区画化された体積を、約35℃、約36℃、約37℃、約38℃、約39℃、約40℃、約41℃、約42℃、約43℃、約44℃、約45℃、約46℃、約47℃、約48℃、約49℃、約50℃、約51℃、約52℃、約53℃、約54℃、約55℃、約56℃、約57℃、約58℃、約59℃、約60℃、約61℃、約62℃、約63℃、約64℃、約65℃、約66℃、約67℃、約68℃、約69℃、約70℃、約71℃、約72℃、約73℃、約74℃、約75℃、約76℃、約77℃、約78℃、約79℃、約80℃、約81℃、約82℃、約83℃、約84℃、約85℃、約86℃、約87℃、約88℃、約89℃、約90℃、またはそれらの値のうちのいずれか2つによって定義される範囲内の温度に加熱すること、またはその温度で維持することを含み得る。
時間的融解曲線アッセイは、可変熱エネルギー(例えば、可変量の熱エネルギー)を複数の区画化された体積にわたって経時的に適用することによって行われ得る。可変熱エネルギーの複数の区画化された体積への経時的な適用は、複数の個別の温度ステップまたは連続的な温度変化を含み得る。
空間的融解曲線アッセイ(例えば、静的融解曲線アッセイ)は、区画化された体積上で行われ得る。区画化された体積を使用した空間的融解曲線アッセイは、約25℃〜約100℃、約40℃〜約95℃、約48℃〜約90℃、または約60℃〜約76℃の範囲内の温度で行われ得る。いくつかの事例では、静的融解曲線アッセイは、区画化された体積を、約35℃、約36℃、約37℃、約38℃、約39℃、約40℃、約41℃、約42℃、約43℃、約44℃、約45℃、約46℃、約47℃、約48℃、約49℃、約50℃、約51℃、約52℃、約53℃、約54℃、約55℃、約56℃、約57℃、約58℃、約59℃、約60℃、約61℃、約62℃、約63℃、約64℃、約65℃、約66℃、約67℃、約68℃、約69℃、約70℃、約71℃、約72℃、約73℃、約74℃、約75℃、約76℃、約77℃、約78℃、約79℃、約80℃、約81℃、約82℃、約83℃、約84℃、約85℃、約86℃、約87℃、約88℃、約89℃、約90℃、またはそれらの値のうちのいずれか2つによって定義される範囲内の温度に加熱すること、またはその温度で維持することを含み得る。
いくつかの事例では、空間的融解曲線は、二次元アレイ(例えば、マイクロ流体もしくは自己デジタル化チップのチャンバまたはマルチウェルプレートのウェル等)内に配置された複数の区画化された体積上で行われ得る。いくつかの事例では、空間融解曲線(またはその一部)の二次元アレイの第1の軸(例えば、垂直列)は、(例えば、正規化または統計的分析中の平均化ための)実験的繰り返しを表す一連の区画化された体積を含み得る。いくつかの事例では、空間融解曲線(またはその一部)の二次元アレイの第2の軸(例えば、水平行)は、異なる量の熱エネルギーの適用に供される一連の区画化された体積を含み得る。いくつかの事例では、第1の区画化された体積に適用される熱エネルギーの量は、区画化された体積における温度を、第2の区画化された体積における温度よりも0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1℃、0.2℃、0.3℃、0.4℃、0.5℃、0.6℃、0.7℃、0.8℃、0.9℃、1.0℃、1.5℃、2.0℃(またはそれらの値のうちのいずれか2つによって定義される範囲)高い温度にさせ得る。
いくつかの事例では、静的融解曲線分析は、区画化された体積または他の区画化された体積にわたる温度勾配を作り出し、単一の区画化された体積内の空間的融解曲線を特徴付けることによって、単一の区画化された体積または他の区画化された体積上で行われ得る。
[デジタルアッセイで使用するためのプローブ]
プローブを使用して、デジタルアッセイにおいて標的分子を検出、特定、または定量化することができる。本明細書に記載の方法およびシステムによれば、デジタルアッセイの区画化された体積は、1つのプローブまたは複数のプローブを含み得る。区画化された体積は、複数の別個のプローブも含み得る。いくつかの事例では、区画化された体積は、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも500、または少なくとも1000個の別個のプローブを含み得る。いくつかの事例では、区画化された体積は、約2個の別個のプローブ、約5個の別個のプローブ、約10個の別個のプローブ、約20個の別個のプローブ、約50個の別個のプローブ、約100個の別個のプローブ、約200個の別個のプローブ、約500個の別個のプローブ、約1000個の別個のプローブ、またはプローブの前述の数量のうちのいずれか2つによって定義される範囲内のプローブ数を含み得る。
いくつかの事例では、プローブは、標的分子を含む区画化された体積中に位置し得る。いくつかの事例では、プローブは、標的分子を含まない区画化された体積中に位置し得る。
いくつかの態様では、本明細書に記載の方法は、標的分子を含む試料をプローブ懸濁液と接触させることを含む。いくつかの事例では、プローブを用いた標的分子の検出、特定、および/または定量化は、標的分子をプローブと接触させることを含み得る。いくつかの事例では、プローブを用いた標的分子の検出、特定、および/または定量化は、標的分子の存在と相関している分子を接触させることを含み得る。
プローブは、検出可能なシグナルまたはコードを放出することができる発色団またはコード化粒子(例えば、コード化発色団ポリマードット等のポリマードット)を含み得る。いくつかの事例では、プローブは、複数の発色団またはコード化粒子(例えば、ポリマードット)を含み得る。例えば、プローブは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10〜20、20〜50、50〜100、または100個を超える異なる発色団またはコード化粒子を含み得る。いくつかの事例では、プローブの第1の発色団またはコード化粒子は、プローブの第2の発色団またはコード化粒子のものとは異なる検出可能なコードまたはシグナルを生成することができる。例えば、プローブの第1の発色団またはコード化粒子は、プローブの第2の発色団またはコード化粒子によって生成されたシグナルとは異なる発光強度を有するが、同じ波長または同じ波長範囲内のシグナルを生成することができる。いくつかの事例では、プローブの第1の発色団またはコード化粒子は、プローブの第2の発色団またはコード化粒子が閾値を超える発光強度を有するシグナルを生成することができる波長または波長範囲とは異なる波長または波長範囲で閾値を超える発光強度を有するシグナルを生成することができ得る。
いくつかの事例では、プローブの発色団またはコード化粒子の検出可能なシグナルまたはコードは、光学的に検出可能なシグナルであり得る。発色団またはコード化粒子の検出可能なコードまたはシグナルは、蛍光シグナルであり得る。例えば、ポリマードットを含むプローブの検出可能なコードまたはシグナルは、ポリマードットによって放出された蛍光シグナルを含み得る。
プローブが生成することができる検出可能なコードまたはシグナルは、プローブを含む1つ以上の発色団またはコード化粒子の検出可能なコード(複数可)またはシグナル(複数可)(例えば、光学的に検出可能なコード(複数可)またはシグナル(複数可))を含み得る。いくつかの事例では、プローブが生成することができる検出可能なコードまたはシグナルは、プローブを含む発色団またはコード化粒子の数およびタイプに依存し得る。いくつかの事例では、第1のプローブが生成することができる検出可能なコードまたはシグナルは、第2のプローブが生成することができる検出可能なコードまたはシグナルとは異なり得る。いくつかの事例では、第1のプローブが第2のプローブとは異なる組の発色団またはコード化粒子を含むため、第1のプローブが生成することができる検出可能なコードまたはシグナルは、第2のプローブが生成することができる検出可能なコードまたはシグナルとは異なり得る。例えば、第1および第2のタイプの発色団(例えば、第1および第2の光学的に検出可能なコードまたはシグナルを生成することができる第1および第2の発色団)を含む第1のプローブによって生成された検出可能なコードまたはシグナルは、第3および第4のタイプの発色団(例えば、それぞれ、第3および第4の光学的に検出可能なコードまたはシグナルを生成することができる第3および第4の発色団)を含む第2のプローブによって生成された検出可能なコードまたはシグナルとは異なり得る。
いくつかの事例では、第1の検出可能なコードまたはシグナルを生成することができる第1のプローブは、第2の検出可能なコードまたはシグナルを生成することができる第2のプローブと区別され得る。例えば、第1のプローブによって生成された検出可能なコードが第2のプローブによって生成された検出可能なコードとは異なる場合、第1のプローブは、いくつかの事例では、第2のプローブと区別され得る。いくつかの事例では、第1のプローブが第1の検出可能なコードまたはシグナルを生成することができ、第2のプローブが第1の検出可能なコードまたはシグナルとは異なる第2の検出可能なコードまたはシグナルを生成することができるという事実をデジタルアッセイで使用して、区画化された体積中の第1の標的分子の存在と第2の標的分子の存在とを区別することができる。
プローブのコード化粒子または発色団によって放出された検出可能なシグナルまたはコードは、クエンチャーによって変調され得る。いくつかの事例では、クエンチャーによる検出可能なシグナルまたはコードの変調は、クエンチャーの、検出可能なコードまたはシグナルを放出することができるコード化粒子または発色団への近接性に依存し得る。
プローブは、コード化粒子または他の発色団によって生成された検出可能なシグナルまたはコードの強度を低減することができるクエンチャーも含み得る。クエンチャーは、核酸配列を含み得る。いくつかの事例では、核酸配列は、i)プローブの結合領域(もしくはその一部)、ii)標的分子(もしくはその一部)、またはiii)標的分子の増幅産物(もしくはその一部)のうちの1つ以上に相補的であり得る(例えば、それとハイブリダイズするか、それに結合するか、またはそれと会合することができ得る)。いくつかの事例では、クエンチャーは、プローブのコード化粒子に直接共有結合し得る。いくつかの事例では、クエンチャーは、リンカー分子を介してプローブのコード化粒子に共有結合し得る。
プローブは、結合領域も含み得る。プローブは、核酸(例えば、ポリヌクレオチド)、ポリペプチド、またはそれらの組み合わせを含み得る。プローブは、標的分子を認識するように構成された結合領域を含み得る。すなわち、プローブの結合領域は、標的分子に結合するか、それとハイブリダイズするか、またはさもなければそれと会合するように構成され得る。プローブは、1〜約5、約5〜約20、約20〜約50、約50〜約75、約75〜約100、約100〜約150、約150〜約200、約200〜約250個の結合領域、約250〜約300個の結合領域、約300〜約350個の結合領域、約350〜約400個の結合領域、約400〜約450個の結合領域、約450〜約500個の結合領域、または約500〜約1,000個の結合領域を含み得る。プローブの結合領域は、ポリヌクレオチド、Taqman(登録商標)配列、プライマー核酸分子、鋳型核酸分子、タンパク質、リンカー、またはアプタマーを含み得る。プローブの結合領域は、別の分子に(例えば、共有的または非共有的に)結合され得る。いくつかの事例では、プローブの結合領域は、クエンチャーに共有的または非共有的に結合され得る。結合領域(またはその一部)は、PCRプライマー、標的分子、または増幅産物(例えば、標的分子の増幅産物)とも会合し得る(例えば、それに結合し得るか、またはそれとハイブリダイズされ得る)。いくつかの事例では、プローブの結合領域は、PCRプライマーまたはPCRプライマーの一部であり得る。いくつかの事例では、プローブの結合領域は、PCR鋳型またはPCR鋳型の一部であり得る。いくつかの事例では、結合領域の第1の領域は、同じ結合領域の第2の領域と会合し得る(例えば、それに結合し得るか、またはそれとハイブリダイズされ得る)。いくつかの事例では、第1の結合領域は、同じプローブの第2の結合領域と会合し得る(例えば、それに結合し得るか、またはそれとハイブリダイズされ得る)。いくつかの事例では、プローブの2つの別個の結合領域(例えば、第1の別個の結合領域および第2の別個の結合領域)は、互いに会合し得る。いくつかの事例では、第1のタイプのプローブの結合領域(例えば、第1の別個のプローブまたは第1の種のプローブ)は、第2のタイプのプローブの結合領域(例えば、第2の別個のプローブまたは第2の種のプローブ)と会合し得る(例えば、それに結合し得るか、またはハイブリダイズされ得る)。いくつかの事例では、第1のプローブの第1の別個の結合領域は、第2のプローブの第2の別個の結合領域と会合し得る。
プローブを使用して、標的分子を直接または間接的に検出、特定、または定量化することができる。例えば、dPCRにおいて、プローブは、標的分子の増幅産物(例えば、アンプリコン)とのハイブリダイゼーションにより標的分子の存在を間接的に示し得る。
本開示は、本明細書に記載のコード化粒子を使用する方法をさらに提供する。例えば、本開示は、コード化粒子をあるクラスの蛍光プローブおよびそれらのバイオコンジュゲートとして様々な用途に使用した蛍光に基づく検出法を提供する。これらには、免疫蛍光、免疫組織化学、蛍光多重化、DNAおよび遺伝子分析、タンパク質分析、代謝物分析、脂質分析、Forster共鳴エネルギー移動(FRET)に基づくセンサ、ハイスループットスクリーニング、細胞検出、細菌検出、ウイルス検出、バイオマーカー検出、細胞画像化、インビボ画像化、生体直交型標識、蛍光に基づく生物学的アッセイ、例えば、免疫アッセイおよび酵素に基づくアッセイ、ならびに生物学的アッセイおよび測定における様々な蛍光技法が含まれるが、これらに限定されない。ある特定の態様では、本明細書におけるコード化粒子は、例えば、免疫アッセイ分析の過程で、検出剤、例えば、タンパク質またはペプチドを検出するための検出剤としての使用にいくつかの利点を有する。本開示によるコード化粒子は、タンパク質またはペプチドの検出、特にタンパク質の検出を可能にする任意の好適なポリマーサブユニット(複数可)を含み得る。
<検出可能な薬剤>
様々な態様では、デジタルアッセイは、検出可能な薬剤を含み得る。検出可能な薬剤は、蛍光分子または発光分子等の発色団を含み得る。
ある特定の態様では、検出可能な薬剤は、検出のための標的分子と会合し得る。例えば、検出可能な薬剤は、試料中に存在する核酸分子(例えば、DNAまたはRNA)、ペプチド、タンパク質、脂質、代謝物、薬物、または他の分子(例えば、生体分子)と会合し得る。本明細書で定義される場合、検出可能な薬剤との関連で「会合している」とは、共有的および/または非共有的相互作用による分子との相互作用を含む。例えば、検出可能な薬剤は、標的分子とのハイブリダイゼーションにより標的分子と会合し得る。あるいは、検出可能な薬剤は、例えば、インターカレーション剤または発色団であり得る。様々な態様では、検出可能な薬剤は、蛍光分子を含み得る。さらなる態様では、検出可能な薬剤は、発光性である。ある特定の態様では、検出可能な薬剤は、フルオレセイン、フルオレセイン誘導体、ローダミン、ローダミン誘導体、ボロンジピロメテン(BODIPY)、BODIPY誘導体、半導体ポリマー、半導体高分子電解質、半導体ポリマードット、または発色団ポリマードットであり得る。いくつかの事例では、発色団は、インターカレート色素を含み得る。
使用される検出可能な薬剤は、用いられるデジタルアッセイのタイプに依存し得る。一態様では、検出可能なシグナルまたはコードは、フルオロフォアが溶液中にある場合にクエンチされるが、はるかにより明るい蛍光を呈する二本鎖DNAにインターカレートし得る、EvaGreenまたはSYBRgreen等の非配列特異的フルオロフォアによって生成され得る。したがって、PCR中に生成された大量の二本鎖DNAは、例えば、融解曲線アッセイにおいて、検出可能なレベルの蛍光をもたらし得る。区画化された体積の試料の温度をある特定のヌクレオチド対または配列の融点でまたはその融点を超えて上昇させるか、または維持することにより、二本鎖DNA分子が完全にまたは部分的にのみ分離し、それにより、インターカレート色素が放出され得る。このように放出され、融解曲線アッセイにおける区画化された体積からの検出可能なシグナルまたはコードの強度は、インターカレート色素が区画化された体積中に分散するにつれて低減し得る。
別の態様では、配列特異的蛍光プローブが使用され得る。一態様では、これは、蛍光がその閉鎖立体構造で高度にクエンチされ、かつそれが標的分子または標的分子の存在と相関している分子とハイブリダイズすると強度が増加するヘアピン構造等の分子ビーコンからなり得る。別の態様では、特異的蛍光プローブは、クエンチャーとハイブリダイズすることができるプローブを含み得、プローブに結合するか、またはそれとハイブリダイズすることができるクエンチャーの一部は、結合領域の伸長を含む増幅ステップ中にポリメラーゼ媒介切断を経る。
<コード化粒子>
本開示によれば、プローブは、コード化粒子を含み得る。コード化粒子は、化学的または物理的に区別可能な特徴(複数可)でコード化され得る。本開示によるコード化粒子は、特徴的な検出可能なシグナルまたはコードによって検出および特定されるか、またはそれを生成することができる。いくつかの態様では、コード化粒子は、2つ以上の区別可能な特徴を有する化合物を含む。ある特定の態様では、コード化粒子は、分子の凝集体を含み、コード化粒子は、2つ以上の区別可能な特徴を有する。
コード化粒子は、発色団を含み得る。いくつかの事例では、コード化粒子は、複数の発色団を含み得る。コード化粒子は、複数の別個の発色団を含み得る。コード化粒子の発色団は、発光性、蛍光性、またはそれらの組み合わせであり得る。本明細書に記載されるように、コード化粒子またはその発色団は、無機材料、有機材料、またはそれらの組み合わせを含み得る。例えば、コード化粒子の発色団は、金属錯体を含み得る。いくつかの事例では、コード化粒子またはその発色団は、有機材料と無機材料との相互貫入網状組織を含み得る。いくつかの事例では、コード化粒子またはその発色団は、量子ドット等の半導体ナノ結晶を含み得る。他の事例では、コード化粒子またはその発色団は、半導体ポリマーを含み得る。いくつかの事例では、コード化粒子またはその発色団は、ポリマードットを含み得る。いくつかの事例では、コード化粒子の発色団は、色素または小分子色素を含み得る。いくつかの態様では、コード化粒子は、2つ以上の色素単位、3つ以上の色素単位、4つ以上の色素単位、または5つ以上の色素単位を有する伸長された分子を含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、2つ以上の別個のタイプの検出可能な成分を含み、例えば、コード化粒子は、色素分子および非色素フルオロフォアを含み得る。さらなる態様では、コード化粒子は、3つ以上の別個のタイプの検出可能な成分を含み、例えば、コード化粒子は、色素および2つの追加の非色素フルオロフォアを含み得る。
コード化粒子は、マトリックスを含み得る。コード化粒子のマトリックスは、有機材料を含み得る。例えば、コード化粒子のマトリックスは、1つ以上のポリマーを含み得る。いくつかの事例では、コード化粒子のマトリックスは、1つ以上の半導体ポリマーを含み得る。いくつかの事例では、コード化粒子のマトリックスは、1つ以上の非半導体ポリマーまたは分子を含み得る。例えば、コード化粒子のマトリックスは、ポリスチレン(PS)またはポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)を含み得る。いくつかの事例では、コード化ポリマーのマトリックスは、発色団を含み得る。例えば、コード化粒子のマトリックスは、ポリマードット等の発色団半導体ポリマーを含み得る。いくつかの事例では、コード化粒子のマトリックスは、複数の発色団半導体ポリマー(例えば、同じタイプまたは異なるタイプの複数のポリマー鎖)を含み得る。コード化粒子のマトリックスは、無機材料も含み得る。いくつかの事例では、コード化粒子のマトリックスは、シリカ、ケイ酸塩、二酸化チタン、リン酸塩、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの事例では、コード化粒子のマトリックスは、無機材料と有機材料との組み合わせ(例えば、有機−無機ハイブリッドコード化粒子)を含み得る。
いくつかの点で、コード化粒子は、ナノ粒子であり得る。コード化粒子は、ほぼ球形であり得る。粒子の粒径の測定は、粒子の「限界寸法」とも称される粒子の最小寸法で表され得る。例えば、コード化粒子がナノ球体からなる場合、コード化粒子の限界寸法は、粒子の直径であり得る。球体および立方体等のいくつかのコード化粒子は、全ての寸法に関してナノスケールであり得る。いくつかのコード化粒子は、いくつかの寸法においてナノスケールであり、他の寸法においてはナノスケールを超える。例えば、ナノシリンダーは、ナノスケールの直径を有し得るが、マイクロスケールの長さを有し得る(例えば、長さ1000ナノメートルを超えるナノシリンダー)。いくつかの事例では、コード化粒子は、付加構造(例えば、核酸)を含み得るか、または付加構造と会合し得(例えば、ナノ粒子の核酸またはポリマー鎖は核酸プライマーと会合し得、次いで、クエンチャーに連結され得る)、付加構造(複数可)はナノスケールではないが、コード化粒子はナノスケールの直径を有する。
プローブまたはコード化粒子の限界寸法(例えば、コード化粒子の直径)は、3ナノメートル〜1000ナノメートル、1ナノメートル〜500ナノメートル、1ナノメートル〜400ナノメートル、1ナノメートル〜300ナノメートル、1ナノメートル〜200ナノメートル、1ナノメートル〜100ナノメートル、1ナノメートル〜50ナノメートル、1ナノメートル〜40ナノメートル、1ナノメートル〜30ナノメートル、1ナノメートル〜20ナノメートル、1ナノメートル〜10ナノメートル、10ナノメートル〜500ナノメートル、50ナノメートル〜400ナノメートル、100ナノメートル〜300ナノメートル、約25ナノメートル〜約250ナノメートル、約50ナノメートル〜約100ナノメートル、約10ナノメートル〜約50ナノメートル、約10ナノメートル〜約30ナノメートル、約10ナノメートル〜約20ナノメートル、または約5ナノメートル〜約15ナノメートルであり得る。いくつかの事例では、プローブまたはコード化粒子の限界寸法は、流体力学的直径であり得る。
コード化粒子は、3ナノメートルを超える少なくとも1つの寸法を有し得る。コード化粒子は、4ナノメートル、5ナノメートル、10ナノメートル、15ナノメートル、20ナノメートル、25ナノメートル、30ナノメートル、35ナノメートル、40ナノメートル、45ナノメートル、または50ナノメートルを超える少なくとも1つの寸法も有し得る。例えば、コード化粒子は、ポリマードット等の発色団ナノ粒子を含み得る。他の態様では、コード化粒子は、4nm未満の少なくとも1つの寸法または3ナノメートル未満の少なくとも1つの寸法を有し得る。ある特定の態様では、コード化粒子は、3nm未満の少なくとも1つの寸法、および3ナノメートル、4ナノメートル、5ナノメートル、10ナノメートル、15ナノメートル、20ナノメートル、25ナノメートル、30ナノメートル、35ナノメートル、40ナノメートル、45ナノメートル、または50ナノメートルを超える少なくとも1つの寸法を有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、3ナノメートル未満の少なくとも1つの寸法および3ナノメートルを超える少なくとも1つの寸法を有する。
いくつかの事例では、コード化粒子の粒径は、コード化粒子の機能に影響を及ぼし得る。例えば、コード化粒子の粒径は、ナノ粒子の発光強度またはコード化粒子の発光スペクトルに影響を及ぼし得る。いくつかの事例では、発色団ポリマーコード化粒子の凝集は、コード化粒子の発光強度の低減またはコード化粒子の発光スペクトルの変化を引き起こし得る。
本開示のコード化粒子は、様々な形態または形状であり得る。例えば、コード化粒子の形状は、球体、円柱、楕円、多面体、角柱、ロッド、立方体、シート、ピラミッド、またはワイヤであり得る。ナノ粒子の形状は、ナノ粒子の機能に寄与し得る。例えば、ナノ粒子の形状は、ナノ粒子の光学的特性に寄与し得る(例えば、ナノロッドは、ナノ球体とは異なる光学的特性を有し得る)。
コード化粒子は、検出可能な薬剤および他の材料を含む複数の材料を含み得る。例えば、コード化粒子は、プラスチック、セラミック、ガラス、ポリスチレン、メチルスチレン、アクリルポリマー、金属、常磁性材料、トリアゾル、黒鉛状炭素、二酸化チタン、ラテックス、または架橋デキストラン、例えば、セファロース、セルロース、ナイロン、架橋ミセル、およびテフロン(登録商標)を含み得る。
<コード化粒子の発色団ポリマー組成>
様々なタイプの発色団ポリマー粒子は、本開示の光学的コード化および/または生体分子コード化アプローチのプラットホームとしての使用に好適である。発色団ポリマー粒子に関する本明細書におけるいずれの記述も本開示のコード化粒子に適用可能であることを理解されたい。コード化粒子は、均一の同種組成を有するモノリシックポリマー粒子または別個のコアおよびキャップ構造を有するポリマー粒子を含むが、これらに限定されない様々な構成を採用し得る。本明細書に提供されるコード化粒子は、沈殿に依存する方法、エマルジョン(例えば、ミニエマルジョンまたはマイクロエマルジョン)の形成に依存する方法、および凝縮に依存する方法を含むが、これらに限定されない当該技術分野で既知のいずれかの方法によって形成され得る。本明細書に記載の技法との使用に好適なさらなるコード化粒子組成物(例えば、発色団ポリマー粒子組成物)の例は、例えば、各々が参照により本明細書に組み込まれる、PCT出願第PCT/US2010/056079号、同第PCT/US2012/071767号、同第PCT/US2011/056768号、同第PCT/US2013/024300号、および同第PCT/US2013/063917号、同第PCT/US2014/067471号、および米国特許出願第13/687,813号で見つけることができる。
1個以上の発色団ポリマー、2個以上の発色団ポリマー、3個以上の発色団ポリマー、4個以上の発色団ポリマー、5個以上の発色団ポリマー、6個以上の発色団ポリマー、7個以上の発色団ポリマー、8個以上の発色団ポリマー、9個以上の発色団ポリマー、10個以上の発色団ポリマー、50個以上の発色団ポリマー、または100個以上の発色団ポリマー等の任意の好適な数および組み合わせの発色団ポリマータイプが、本明細書に記載のコード化粒子中に組み込まれ得る。全コード化粒子質量に対する発色団ポリマーの質量濃度は、1%から100%まで異なり得、より好ましくは10%〜99%、より好ましくは20%〜99%、より好ましくは30%〜99%、より好ましくは40%〜99%、およびより好ましくは50%〜99%であり得る。
いくつかの態様では、本明細書に記載のコード化粒子は、1つ以上の発色団ポリマーから形成されたポリマーマトリックスを含む。発色団ポリマーは、ホモポリマーまたはヘテロポリマーであり得る。様々な態様では、発色団ポリマーは、半導体ポリマー、非半導体ポリマー、またはそれらの組み合わせであり得る。例えば、いくつかの半導体ポリマーが、本開示によるコード化粒子における使用に好適である。半導体ポリマーは、全可視スペクトルを含む紫外線から赤外線に及ぶ発光波長で開発されている。半導体ポリマーの例としては、ポリフルオレンポリマー(ポリ(9,9−ジヘキシルフルオレニル−2,7−ジイル)(PDHF)系ポリマーおよびポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)(PFO))系ポリマーを含むが、これらに限定されない)、フルオレン系コポリマー(ポリ[{9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレン−フルオレニレン}−アルト−コ−{2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン}](PFPV)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−コ−(1,4−ベンゾ−{2,1,3}−チアジアゾール)](PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−コ−(4,7−ジ−2−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール)](PFTBT)、およびポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−コ−(4,7−ジ−2−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール)](PF−0.1TBT)を含むが、これらに限定されない)、フェニレンビニレン系ポリマー(ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)およびポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−(1−シアノビニレン−1,4−フェニレン)](CN−PPV)を含むが、これらに限定されない)、フェニレンエチニレンポリマー(ポリ(2,5−ジ(3’,7’−ジメチルオクチル)フェニレン−1,4−エチニレン(PPE)を含むが、これに限定されない)、BODIPY(ボロンジピロメテン)系ポリマー、スクアライン系ポリマー、PVK(ポリビニルカルバゾール)系ポリマー、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
多種多様の発色団ポリマー構造が、本開示の様々な態様による使用に好適である。いくつかの態様では、発色団ポリマーは、直鎖状ポリマーであり得る。他の態様では、発色団ポリマーは、分岐状ポリマーであり得る。ある特定の態様では、発色団ポリマーは、デンドリマーであり得る。ある特定の態様では、発色団ポリマーは、ブラシポリマーであり得る。ある特定の態様では、発色団ポリマーは、スターポリマーであり得る。
いくつかの態様では、ポリスチレン系櫛様ポリマーを含有するコード化粒子が使用され得る。ポリスチレン系櫛様ポリマーの非限定的な例としては、ポリスチレングラフトアクリル酸、ポリスチレングラフトエチレンオキシド、ポリスチレングラフトブチルアルコール等が挙げられる。
いくつかの態様では、ポリ(メチルメタクリレート)系櫛様ポリマーを含有するコード化粒子が使用され得る。ポリ(メチルメタクリレート)系櫛様ポリマーの非限定的な例としては、ポリ(メチルメタクリレート)グラフトアクリル酸、ポリ(メチルメタクリレート)グラフトエチレンオキシド等が挙げられる。
いくつかの態様では、カルボキシル基、アミン基、チオール基、エステル基、スクシンイミジルエステル基、アジド基、アルキン基、シクロオクチン基、またはホスフィン基を含む櫛様ポリマーを含有するコード化粒子が使用され得る。
いくつかの態様では、末端モノマー単位上で、例えば、カルボキシル、アミン、チオール、エステル、スクシンイミジルエステル、アジド、アルキン、シクロオクチン、ホスフィン、または同様の官能基で官能化されたポリマーを含有するコード化粒子が使用され得る。使用され得るポリマーの例としては、ポリ(メタ)アクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、ポリイソブチレン、ポリジエン、ポリフェニレン、ポリエチレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリウレタン、それらのブロックコポリマー、それらのランダムまたは交互コポリマー等が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの態様では、ポリ((メタ)アクリル酸)系コポリマー(例えば、ポリ(アクリル酸−b−アクリルアミド)、ポリ(アクリル酸−b−メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸−b−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(アクリル酸n−ブチル−b−アクリル酸)、ポリ(アクリル酸ナトリウム−b−メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸−b−メタクリル酸ネオペンチル)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−メタクリル酸)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−アクリル酸ナトリウム)、ポリ(メタクリル酸メチル−b−メタクリル酸ナトリウム)、ポリ(メタクリル酸ネオペンチル−b−メタクリル酸)、ポリ(メタクリル酸t−ブチル−b−エチレンオキシド)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸−b−アクリル酸))、ポリジエン系コポリマー(例えば、ポリ(ブタジエン(1,2付加)−b−エチレンオキシド)、ポリ(ブタジエン(1,2付加)−b−メチルアクリル酸、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−アクリル酸)、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−エチレンオキシド、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−アクリル酸ナトリウム)、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−N−メチル4−ビニルピリジニウムヨウ化物)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド)、およびポリ(イソプレン−b−N−メチル2−ビニルピリジニウムヨウ化物))、ポリ(エチレンオキシド)系コポリマー(例えば、ポリ(エチレンオキシド−b−アクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド−b−アクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド−b−ブチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド−b−c−カプロラクトン)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド−b−アクリル酸メチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸メチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸ニトロベンジル)、ポリ(エチレンオキシド−b−N,N−メタクリル酸ジメチルアミノエチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−プロピレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド−b−アクリル酸t−ブチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸t−ブチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸テトラヒドロフルフリル)、ポリ(エチレンオキシド−b−2−エチルオキサゾリン)、ポリ(エチレンオキシド−b−2−メタクリル酸ヒドロキシエチル)、ポリ(エチレンオキシド−b−2−メチルオキサゾリン))、ポリイソブチレン系コポリマー(例えば、ポリ(イソブチレン−b−アクリル酸)、ポリ(イソブチレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(イソブチレン−b−メタクリル酸))、ポリスチレン系コポリマー(例えば、ポリ(スチレン−b−アクリルアミド)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸セシウム)、ポリ(スチレン−b−エチレンオキシド)、ブロック接合部で酸開裂のポリ(スチレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−メタクリル酸)、ポリ(4−スチレンスルホン酸−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレンスルホン酸−b−メチルブチレン)、ポリ(スチレン−b−N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−b−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−b−N−メチル2−ビニルピリジニウムヨウ化物)、ポリ(スチレン−b−N−メチル−4−ビニルピリジニウムヨウ化物)、ポリ(スチレン−b−プロピルアクリル酸)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸ナトリウム)、ポリ(スチレン−b−メタクリル酸ナトリウム)、ポリp−クロロメチルスチレン−b−アクリルアミド)、ポリ(スチレン−コ−p−クロロメチルスチレン−b−アクリルアミド)、ポリ(スチレン−コ−p−クロロメチルスチレン−b−アクリル酸)、ポリ(スチレン−b−メチルブチレン−コ−スルホン酸イソプレン))、ポリシロキサン系コポリマー(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン−b−アクリル酸)、ポリ(ジメチルシロキサン−b−エチレンオキシド)、ポリ(ジメチルシロキサン−b−メタクリル酸))、ポリ(フェロセニルジメチルシラン)系コポリマー(例えば、ポリ(フェロセニルジメチルシラン−b−エチレンオキシド))、ポリ(2−ビニルナフタレン)系コポリマー(例えば、ポリ(2−ビニルナフタレン−b−アクリル酸)、ポリ(ビニルピリジン)、およびN−メチルビニルピリジニウムヨウ化物)系コポリマー(例えば、ポリ(2−ビニルピリジン−b−エチレンオキシド)、ポリ(2−ビニルピリジン−b−メチルアクリル酸)、ポリ(N−メチル2−ビニルピリジニウムヨウ化物−b−エチレンオキシド)、ポリ(N−メチル4−ビニルピリジニウムヨウ化物−b−メタクリル酸メチル)、ポリ(4−ビニルピリジン−b−エチレンオキシド)PEO末端官能性OH)、およびポリ(ビニルピロリドン)系コポリマー(例えば、ポリ(ビニルピロリドン−b−D/L−ラクチド)等を含むが、これらに限定されない、1つ以上の官能化モノマー単位を有するコポリマー、例えば、両親媒性ポリマーを含有するコード化粒子が使用され得る。
いくつかの態様では、核酸、タンパク質、またはペプチドの検出に使用されるコード化粒子は、少なくとも2つの異なる発色団単位を有する半導体コポリマーを含み得る。例えば、コンジュゲートコポリマーは、所与の比率で存在するフルオレン発色団単位およびベンゾチアゾール発色団単位の両方を含有し得る。半導体コポリマーを合成するために使用される典型的な発色団単位には、フルオレン単位、フェニレンビニレン単位、フェニレン単位、フェニレンエチニレン単位、ベンゾチアゾール単位、チオフェン単位、カルバゾールフルオレン単位、ビニルカルバゾール単位、ホウ素−ジピロメテン単位、スクアライン単位、ランタニドを含む単位、およびそれらの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。異なる発色団単位は、ブロックコポリマーで見られるように分離され得るか、または混ぜられ得る。いくつかの態様では、発色団コポリマーは、主要な発色団種の同一性を記すことによって表される。例えば、PFBTは、フルオレン単位およびベンゾチアゾール単位をある特定の比率で含有する発色団ポリマーである。いくつかの事例では、ダッシュ記号が、非主要な発色団種のパーセンテージ、ひいては非主要な発色団種の同一性を示すために使用される。例えば、PF−0.1 BTは、90%のPFおよび10%のBTを含有する発色団コポリマーである。
ある特定の態様では、コード化粒子は、半導体ポリマーのブレンドを含み得る。ブレンドは、ホモポリマー、コポリマー、およびオリゴマーの任意の組み合わせを含み得る。コード化粒子を形成するために使用されるポリマーブレンドは、結果として生じたポリマー粒子の特性を調節するために、例えば、ポリマー粒子の所望の励起または発光スペクトルを達成するために選択され得る。
いくつかのアッセイにおいて、半導体コード化粒子は改善された検出感度を提供し、一つにはそれらが他の蛍光レポーターよりも高い量子収率を呈するためである。いくつかの態様では、使用される発色団ポリマー粒子の量子収率は、10%を超えるか、20%を超えるか、30%を超えるか、40%を超えるか、50%を超えるか、60%を超えるか、70%を超えるか、80%を超えるか、または90%を超える。
いくつかのアッセイにおいて、半導体コード化粒子は改善された検出感度を提供し、一つにはそれらが他の蛍光レポーターよりも速い発光速度を呈するためである。ある特定の態様では、使用されるコード化粒子の発光速度は、約100ピコ秒〜約50ナノ秒である。
いくつかの態様では、使用されるコード化粒子は、小有機色素分子、金属錯体、フォトクロミック色素、およびそれらの任意の組み合わせの単位を有するポリマー、例えば、小有機色素、金属錯体、フォトクロミック色素、およびそれらの任意の組み合わせと共有結合またはグラフトしているポリスチレン等の光学的に不活性のポリマーを含む。これらの色素または金属錯体は、タンパク質感知能力を有し得る。
いくつかの態様では、コード化粒子は、発光性単位として、小有機色素分子、金属錯体、フォトクロミック色素、およびそれらの任意の組み合わせと共有結合している半導体ポリマーを含む。かかる発光性単位は、発光色を調節し、量子収率を増加させ、発色団ポリマー粒子の光安定性を改善することができる。
いくつかの態様では、小有機色素または金属錯体は感知機能を有し、それ故に、タンパク質感知能力等の追加の機能性をコード化粒子に追加し得る。
いくつかの態様では、コード化粒子は、感知等の追加の機能性を有するために、小有機色素、金属錯体、フォトクロミック色素、およびそれらの任意の組み合わせと共有結合またはグラフトしている光学的に不活性のポリマー等の他の発色団ポリマーと物理的に混合されるか、または化学的に架橋された半導体ポリマーを含み得る。
いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、発光色を調節し、量子収率および/もしくは光安定性を改善し、かつ/または磁性機能およびプラズモン共鳴機能等の追加の機能を提供するために、蛍光色素、無機発光材料、磁性材料、および金属材料等の他の成分と物理的に混合されるか、または化学的に架橋された半導体ポリマーを含み得る。
所与の発色団ポリマー粒子の吸収波長等の光学的特性は、その組成および形状を修飾することによって調節され得る。半導体ポリマーは、全可視スペクトルを含む紫外線から赤外線に及ぶ吸収波長で開発されている。いくつかの態様では、約200ナノメートル〜約300ナノメートル、約250ナノメートル〜約350ナノメートル、約300ナノメートル〜約400ナノメートル、約350ナノメートル〜約450ナノメートル、約400ナノメートル〜約500ナノメートル、約450ナノメートル〜約550ナノメートル、約500ナノメートル〜約600ナノメートル、約550ナノメートル〜約650ナノメートル、約600ナノメートル〜約700ナノメートル、約650ナノメートル〜約750ナノメートル、約700ナノメートル〜約800ナノメートル、約750ナノメートル〜約850ナノメートル、約800ナノメートル〜約900ナノメートル、約850ナノメートル〜約950ナノメートル、または約900ナノメートル〜約1000ナノメートルのピーク吸収波長を有するコード化粒子が使用される。
半導体ポリマーは、全可視スペクトルを含む紫外線から赤外線に及ぶ発光波長で開発されている。いくつかの態様では、約200ナノメートル〜約300ナノメートル、約250ナノメートル〜約350ナノメートル、約300ナノメートル〜約400ナノメートル、約350ナノメートル〜約450ナノメートル、約400ナノメートル〜約500ナノメートル、約450ナノメートル〜約550ナノメートル、約500ナノメートル〜約600ナノメートル、約550ナノメートル〜約650ナノメートル、約600ナノメートル〜約700ナノメートル、約650ナノメートル〜約750ナノメートル、約700ナノメートル〜約800ナノメートル、約750ナノメートル〜約850ナノメートル、約800ナノメートル〜約900ナノメートル、約850ナノメートル〜約950ナノメートル、約900ナノメートル〜約1000ナノメートル、約950ナノメートル〜約1050ナノメートル、約1000ナノメートル〜約1100ナノメートル、約1150ナノメートル〜約1250ナノメートル、または約1200ナノメートル〜約1300ナノメートルのピーク発光波長を有するコード化粒子が使用される。
いくつかの態様では、本開示は、狭帯域発光を有するコード化粒子を提供する。狭帯域発光は、多重化用途を含むが、これに限定されないある特定の用途に有利である。ポリマー粒子の発光波長は、紫外線領域から近赤外線領域まで異なり得る。いくつかの態様では、発光帯域の半値全幅(FWHM)は、70ナノメートル未満である。いくつかの態様では、FWHMは、約65ナノメートル未満である。いくつかの態様では、FWHMは、約60ナノメートル未満である。いくつかの態様では、FWHMは、約55ナノメートル未満である。いくつかの態様では、FWHMは、約50ナノメートル未満である。いくつかの態様では、FWHMは、約45ナノメートル未満である。いくつかの態様では、FWHMは、約40ナノメートル未満である。いくつかの態様では、FWHMは、約35ナノメートル未満である。いくつかの態様では、FWHMは、約30ナノメートル未満である。いくつかの態様では、FWHMは、約25ナノメートル未満である。いくつかの態様では、FWHMは、約20ナノメートル未満である。いくつかの態様では、FWHMは、約10ナノメートル未満である。いくつかの態様では、本明細書に記載のポリマー粒子のFWHMは、約5ナノメートル〜約70ナノメートル、約10ナノメートル〜約60ナノメートル、約20ナノメートル〜約50ナノメートル、または約30ナノメートル〜約45ナノメートルの範囲であり得る。
多種多様の発色団ポリマー粒子は、本明細書に記載の実施例、ならびに例えば、各々が参照により全体が本明細書組み込まれる、PCT/US2010/056079およびPCT/US2012/071767に開示される他のもの、具体的には、それらに開示される特定の発色団ポリマー粒子組成物およびそれらを作製するそれぞれの方法に関して開示される他のもの等のコード化に使用され得る。例えば、PCT/US2010/056079に提供されるように、発色団ポリマー粒子中のポリマーは、物理的にブレンドされ得るか、または化学的に結合され得る(または化学的に架橋され得る)。例えば、物理的にブレンドされたポリマー粒子は、発色団ポリマー粒子中でブレンドされて非共有結合的相互作用によって一緒に結合されたポリマーを含み得る。化学的に結合された発色団ポリマー粒子は、ポリマー粒子中で互いに共有結合しているポリマーを含み得る。化学的に結合されたポリマーは、ポリマー粒子の形成前に互いに共有結合している場合がある。
<有機−無機コード化粒子>
コード化粒子は、有機材料または無機材料またはそれらの組み合わせを含み得る。例えば、コード化粒子は、有機−無機ハイブリッドを含み得る。いくつかの事例では、コード化粒子は、有機材料と無機材料との相互貫入網状組織を含み得る。本開示は、本明細書で「ハイブリッドコード化粒子」とも称される有機−無機ハイブリッドコード化粒子の様々な実施形態を提供する。いくつかの事例では、ハイブリッドコード化粒子は、ポリマードット(例えば、ハイブリッドポリマードット)であり得る。いくつかの実施形態では、有機−無機ハイブリッドコード化粒子は、有機網状組織および無機網状組織を含み得る。ある特定の実施形態では、有機網状組織は、少なくとも1つの有機種、例えば、本明細書に記載の発色団ポリマーのうちの1つ以上を含む。いくつかの事例では、無機網状組織は、少なくとも1つの無機種、例えば、シロキサン、アルミノ−シロキサン、チタン−シロキサン、酸化チタン、またはそれらの組み合わせを含み得る。ある特定の実施形態では、無機網状組織は、シロキサン網状組織(例えば、Si−O−Si結合を含む)、アルミノ−シロキサン網状組織(例えば、Al−O−Si結合を含む)、チタン−シロキサン網状組織(例えば、Ti−O−Si結合を含む)、酸化チタン網状組織(例えば、Ti−O−Ti結合を含む)、またはそれらの組み合わせであり得る。「シロキサン網状組織」および「シリカ(SiO)網状組織」という用語は、本明細書において同義語として扱われる。本明細書に記載の方法、組成物、およびシステムとともに使用され得るシリカおよびハイブリッドコード化粒子(例えば、ハイブリッドポリマードット)のさらなる例は、全体が本明細書に組み込まれるPCT/US2017/037260で見つけることができる。
いくつかの実施形態では、有機網状組織と無機網状組織は、有機−無機相互貫入網状組織を形成するように互いに相互貫入している。例えば、シロキサン網状組織は、発色団ポリマーと相互貫入網状組織を形成することができる。本明細書で使用されるとき、「有機−無機相互貫入網状組織」とは、一緒になって相互貫入網状組織を形成する少なくとも2つの網状組織を含むコード化粒子を指す。いくつかの事例では、有機−無機相互貫入網状組織は、メッシュ様および/またはポリマーと相互貫入した無機網状組織の噛合(interlocking)構造であり得る。いくつかの事例では、相互貫入は、相互貫入網状組織を形成するように、主に少なくとも2つの網状組織の物理的会合(例えば、疎水性相互作用)により生じ得る。ある特定の事例では、相互貫入は、いずれの化学結合も伴わない(例えば、2つの網状組織間の共有結合を伴わない)少なくとも2つの網状組織の物理的会合により生じ得る。ある特定の事例では、相互貫入は、相互貫入網状組織を形成するように、主に2つの網状組織の互いへの化学結合(例えば、共有結合)により生じ得る。有機−無機相互貫入網状組織を形成するために、有機網状組織と無機網状組織との間の共有結合が物理的会合の代わりにまたはそれと組み合わせて使用され得る。
ある特定の実施形態では、本開示は、ブレンドによって形成されたコード化粒子(例えば、両親媒性ポリマーとブレンドされたコード化粒子)および無機網状組織を有しないコード化粒子を含むが、これらに限定されない、他のタイプのコード化粒子およびポリマードットとは構造的に別個であり得る有機−無機ハイブリッドコード化粒子(例えば、ハイブリッドポリマードット)を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のハイブリッドコード化粒子の有機−無機相互貫入網状組織は、他のタイプのコード化粒子中に見られ得るコア−キャップまたはコア−シェル構造とは別個である。ある特定の実施形態では、本明細書の有機−無機ハイブリッドコード化粒子は、コア−キャップまたはコア−シェル構造を含まない。
本明細書でさらに詳細に記載されるように、いくつかの実施形態では、有機−無機相互貫入網状組織は、有機−無機ハイブリッドコード化粒子の形成中に形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、有機−無機ハイブリッドコード化粒子の形成は、有機シラン分子の加水分解中にシロキサン網状組織を形成することを伴う。いくつかの事例では、1つ以上のポリマーは、一緒になって有機−無機相互貫入網状組織を形成する有機網状組織および無機網状組織を同時に形成するために、有機シラン分子の加水分解および架橋と同時に崩壊され得るか、沈殿し得るか、または凝縮され得る。
本開示のハイブリッドコード化粒子は、例えば、生物学的分子に官能化および/またはバイオコンジュゲートされ得る。いくつかの実施形態では、ハイブリッドコード化粒子は、有機網状組織(例えば、半導体発色団ポリマー)、無機網状組織(例えば、シロキサン網状組織)、およびXを含み、ここで、Xは、バイオコンジュゲーションに好適な官能基である。本開示によるバイオコンジュゲーションに好適な官能基および/またはリンカーの例が以下にさらに提供される。官能基Xは、無機網状組織、有機網状組織、またはそれらの組み合わせに結合し得る。
いくつかの実施形態では、ハイブリッドコード化粒子は、少なくとも2つの直交反応性化学基を含む。ある特定の実施形態では、直交反応性化学基は、その指定された化学反応基のみと反応し、存在し得る別の化学反応基とは反応しない化学基である。例えば、反応基AとBは、互いに反応する指定された対を形成することができ、反応基YとZは、互いに反応する別の指定された対を形成することができる。かかる実施形態では、反応基Aは、AがZと反応しないため、Yに対して直交であるとみなされ、反応基Yは、YがBと反応しないため、Aに対して直交である。いくつかの実施形態では、反応基Aは、互いにまたは反応基Bと反応して、シロキサン網状組織を形成することができ、反応基Yは、AおよびYならびに/またはBおよびYが直交反応基であるとみなされるように、AともBとも反応しない。
<シロキサン網状組織を有する有機−無機ハイブリッドコード化粒子>
本明細書に記載のコード化粒子は、シロキサン網状組織、例えば、複数のSi−O−Si結合を含む網状組織を含み得る。シロキサン網状組織は、1つ以上のシランおよび/またはシロキサン種の完全または部分的加水分解によって形成され得る。
コード化粒子中のシロキサン網状組織および/またはその成分(例えば、ケイ素)の重量パーセントを所望通りに変化させることができる。いくつかの実施形態では、シロキサン網状組織および/またはその成分(例えば、ケイ素)の重量パーセントは、結果として生じたハイブリッドコード化粒子中でのコア−シェル構造の形成を回避するように選択される。ある特定の実施形態では、ハイブリッドコード化粒子中のシロキサン網状組織由来のケイ素の重量パーセントは、約1%以下、約5%以下、約10%以下、約15%以下、約20%以下、約25%以下、約30%以下、約35%以下、約40%以下、約45%以下、または約47%以下である。ある特定の実施形態では、ハイブリッドコード化粒子中のシロキサン網状組織由来のケイ素の重量パーセントは、約1%以上、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約25%以上、約30%以上、約35%以上、約40%以上、または約45%以上である。ある特定の実施形態では、ハイブリッドコード化粒子中のシロキサン網状組織由来のケイ素の重量パーセントは、約1%〜約45%の範囲内、または約1%〜約47%の範囲内である。
有機−無機ハイブリッドコード化粒子は、少なくとも2つのシラン種を含み得、これらは各々、それら自体のそれぞれの機能を有する。ハイブリッドコード化粒子は、有機−無機相互貫入網状組織を形成するためにシロキサン網状組織および少なくとも1つの他の網状組織を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、半導体発色団ポリマーおよびシロキサン網状組織を含む有機−無機ハイブリッドコード化粒子を提供し、半導体発色団ポリマーとシロキサン網状組織が有機−無機相互貫入網状組織を形成する。相互貫入網状組織は、(例えば、コア−キャップまたはコア−シェル構造を形成することなく)発色団ポリマーと相互貫入したシロキサン網状組織のメッシュ様および/または噛合構造であり得る。
シロキサン網状組織を有する有機−無機ハイブリッドコード化粒子は、様々な方法で形成され得る。ある特定の実施形態では、ハイブリッドコード化粒子は、相互貫入網状組織を形成するように、シロキサン網状組織と発色団ポリマーとの物理的会合により形成される。あるいはまたは組み合わせで、シロキサン網状組織と発色団ポリマーは、互いに化学的に結合されて(例えば、共有結合されて)、相互貫入網状組織を形成することができる。
<シロキサン網状組織と半導体発色団ポリマーとの間の物理的会合を有するハイブリッドコード化粒子>
いくつかの実施形態では、本開示は、シロキサン網状組織が疎水性相互作用等により半導体発色団ポリマーと物理的に会合しているハイブリッドコード化粒子を提供する。いくつかの実施形態では、シロキサン網状組織は、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、アルキニレン、アルキルアミン、シクロアルキル、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルキレンを含む。
いくつかの実施形態では、シロキサン網状組織は、1つ以上の直交架橋単位を含む。ある特定の実施形態では、直交架橋単位は、その指定された反応基のみと架橋し、同様に存在し得る別の反応基とは架橋しない反応基を含む。
いくつかの実施形態では、シロキサン網状組織は、複数の相互接続単位を含み得る。
いくつかの実施形態では、発色団ポリマーは、シロキサン網状組織と物理的に会合しているが、それに共有結合していない。例えば、様々な実施形態では、発色団ポリマーは、シラン官能化されておらず、ハイブリッドコード化粒子の相互貫入網状組織の官能化および形成は、発色団ポリマーのシロキサン網状組織のみとの物理的会合(例えば、疎水性相互作用)によって達成される。代替の実施形態では、発色団ポリマーは、本明細書の以下でより詳細に論じられるように、シロキサン網状組織にも共有結合し得る。
<ハイブリッドコード化粒子に使用するための発色団ポリマー>
本明細書に記載のコード化粒子は、本明細書に記載の発色団ポリマータイプのうちの1つ以上等の様々なタイプの発色団ポリマーを含み得る。コード化粒子は、安定したサブミクロンサイズの粒子に崩壊された1つ以上の発色団ポリマー(例えば、半導体発色団ポリマー)を含み得る。
いくつかの実施形態では、本開示のハイブリッドコード化粒子は、複数のポリマーを含む。例えば、ハイブリッドコード化粒子は、発色団ポリマーのブレンドを含み得る。ある特定の実施形態では、ハイブリッドコード化粒子は、半導体発色団ポリマーのブレンドを含む。ブレンドは、ホモポリマー、コポリマー、およびオリゴマーの任意の組み合わせを含み得る。ハイブリッドコード化粒子を形成するために使用されるポリマーブレンドは、結果として生じたポリマー粒子の特性を調節するために、例えば、ハイブリッドコード化粒子所望の励起または発光スペクトルを達成するために選択され得る。
ハイブリッドコード化粒子は、固定された、規則正しい、またはランダムな構成および比率で組み合わせられ得る1つ以上の繰り返し単位を有するポリマーを含み得る。繰り返し単位は、芳香族単位または複素環単位等のポリマー全体に生じるモノマーまたは化学モチーフであり得る。ポリマーは、ハロゲン化、例えば、フッ素化、塩素化、臭素化、またはヨウ素化され得る。ポリマー、繰り返し単位、またはモノマーは、1つまたは複数の部位でハロゲン化され得る。ハロゲン化されたポリマー、例えば、フッ素化されたポリマーは、ハロゲン化されていない類似ポリマーが提供することができるレベルよりも高いレベルの蛍光を提供し得る。
1個以上の発色団ポリマー、2個以上の発色団ポリマー、3個以上の発色団ポリマー、4個以上の発色団ポリマー、5個以上の発色団ポリマー、6個以上の発色団ポリマー、7個以上の発色団ポリマー、8個以上の発色団ポリマー、9個以上の発色団ポリマー、10個以上の発色団ポリマー、50個以上の発色団ポリマー、または100個以上の発色団ポリマー等の任意の好適な数および組み合わせの発色団ポリマータイプが、本明細書に記載のハイブリッドコード化粒子中に組み込まれ得る。
発色団ポリマーは、ホモポリマーまたはヘテロポリマーであり得る。様々な実施形態では、発色団ポリマーは、半導体ポリマー、非半導体ポリマー、またはそれらの組み合わせであり得る。例えば、いくつかの半導体ポリマーが、本開示によるハイブリッドコード化粒子における使用に好適である。半導体ポリマーは、全可視スペクトルを含む紫外線から赤外線に及ぶ発光波長で開発されている。多種多様の発色団ポリマー構造は、様々な実施形態および本開示の実施形態による使用に好適である。いくつかの実施形態では、発色団ポリマーは、直鎖状ポリマーである。他の実施形態では、発色団ポリマーは、分岐状ポリマーである。ある特定の実施形態では、発色団ポリマーは、デンドリマーである。ある特定の実施形態では、発色団ポリマーは、ブラシポリマーである。ある特定の実施形態では、発色団ポリマーは、スターポリマーである。
いくつかの実施形態では、発色団ポリマーは、末端モノマー単位上で、例えば、カルボキシル、アミン、チオール、エステル、スクシンイミジルエステル、アジド、アルキン、シクロオクチン、ホスフィン、または同様の官能基で官能化されたポリマーを含有する。
本開示のいくつかの実施形態では、本明細書に提供されるハイブリッドコード化粒子は、ポリマーCN−PPV、別名、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−(1−シアノビニレン−1,4−フェニレン)]を含み、これは、明るい小型のオレンジ色発光半導体ポリマー粒子である。ある特定の実施形態では、CN−PPVは、大きい吸収断面積、高い量子収率、および速い発光速度等の優れた蛍光特性を有する。いくつかの実施形態では、ハイブリッドコード化粒子は、CN−PPVから本質的になるポリマーを含む。いくつかの実施形態では、粒子は、CN−PPVおよび少なくとも1つの他の材料を含む。例えば、CN−PPVは、コポリマーの一部を形成することができるか、または追加の官能性を提供するコポリマーまたは他の材料と混合され得る。
いくつかの実施形態では、本開示のハイブリッドコード化粒子は、少なくとも2つの異なる発色団単位を有する半導体コポリマーを含む。例えば、コンジュゲートまたは半導体コポリマーは、所与の比率で存在するフルオレン発色団単位およびベンゾチアゾール発色団単位の両方を含有し得る。半導体コポリマーを合成するために使用される典型的な発色団単位には、フルオレン単位、フェニレンビニレン単位、フェニレン単位、フェニレンエチニレン単位、ベンゾチアゾール単位、チオフェン単位、カルバゾールフルオレン単位、ビニルカルバゾール単位、ホウ素−ジピロメテン単位、スクアライン単位、ランタニド含有単位、およびそれらの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。異なる発色団単位は、ブロックコポリマーで見られるように分離され得るか、または混ぜられ得る。いくつかの実施形態では、発色団コポリマーは、主要な発色団種の同一性を記すことによって表される。例えば、PFBTは、フルオレン単位およびベンゾチアゾール単位をある特定の比率で含有する発色団ポリマーである。いくつかの実施形態では、ダッシュ記号が、非主要な発色団種のパーセンテージ、ひいては非主要な発色団種の同一性を示すために使用される。例えば、PF−0.1 BTは、90%のPFおよび10%のBTを含有する発色団コポリマーである。
<コード化粒子のランタニド組成物>
本開示のいくつかの態様では、本明細書に記載のコード化粒子は、1つ以上のランタニド材料を含む。ランタニド材料は、ランタニドイオン、ランタニド錯体、またはランタニドナノ粒子であり得る。ある特定の態様では、ランタニド材料は、ランタニド発色団である。いくつかの態様では、本開示は、ランタニドイオンの特有の発光特性、例えば、環境によって容易に影響されないそれらの狭い発光帯域幅、長い寿命、および安定したf−f遷移を利用する。したがって、コンジュゲートポリマーナノ粒子または他のタイプの発色団ポリマー粒子中に組み込まれると、ランタニドイオンはそれらの個々の発光を維持し、それらの発光強度が独立してまたは半独立して調節され得る。これらの特有の特性に基づいて、本開示は、ハイスループット生物分析のための改善されたコード化技術を提供する。
ある特定の態様では、本明細書に記載のランタニド発色団は、有機フルオロフォアと比較して、狭い発光特性、長い発光寿命、および別個の発光機構を有する。例えば、ランタニド(III)イオン(Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Eu(III)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、またはYb(III)等)(それらの4f殻が空ではなく、電子で完全に充填されていない)の主要な発光機構において、f殻内での遷移により、紫外線領域から近赤外線領域に及ぶ発光がもたらされ得る。いくつかの態様では、内殻f軌道電子が充填された5s5p副殻によって環境から遮断されているため、それらの発光は環境によってほとんど変化しない。いくつかの態様では、ランタニドイオンは、ストークス発光を呈し、すなわち、短波長光子励起が長波長光子放出を発生させる。ある特定の態様では、1つの光子励起が2つ以上の光子放出(量子切断)を発生させることができ、例えば、1つの光子のエネルギーが分割されて、2つ以上の光子放出を有することができる。いくつかの態様では、ランタニドイオンは、反ストークス発光(アップコンバージョン発光)を呈し、例えば、2つ以上の長波長光子励起が短波長光子放出を発生させる。
様々なタイプのランタニド発色団が本開示との使用に好適である。ランタニド発色団は、任意の好適なタイプのランタニド材料、例えば、ランタニドイオン、ランタニド錯体、ランタニドナノ粒子、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの態様では、ランタニド発色団は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)、Lu(III)、またはそれらの組み合わせから選択されるランタニドを含む。いくつかの態様では、本開示のランタニド発色団は、ランタニド誘導体、例えば、アルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体、それらの拡張系、またはそれらの類似体から選択されるランタニド誘導体である。ある特定の態様では、ランタニド発色団は、無機ホスト材料、例えば、ランタニド酸化物、ランタニドフッ化物、および関連材料中にドープされる。ランタニドイオンが有機発色団と協調して、ランタニド発色団複合体を形成することもできる。
いくつかの態様では、ランタニド発色団は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、またはそれらの組み合わせから選択される希土類金属を含む。ある特定の態様では、ランタニド発色団は、非発光性ホスト材料(例えば、Sc、Y、La、Gd、Lu、またはそれらの組み合わせ)およびそのホスト中にドープされる1つ以上の発光性希土類金属イオン(例えば、Eu(III)、Tb(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、またはそれらの組み合わせ)として使用される希土類金属(例えば、希土類金属イオン)を含む。様々な態様では、ランタニド発色団は、ダウンコンバージョン発光に好ましい少なくとも1つのドープされたランタニドイオン、例えば、Pr(III)、Sm(III)、Eu(III)、Tb(III)、Dy(III)、Yb(III)、またはそれらの組み合わせを含む。様々な態様では、ランタニド発色団は、アップコンバージョン発光に好ましい少なくとも1つのドープされたランタニドイオン、例えば、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、またはそれらの組み合わせを含む。2個以上のイオン、3個以上のイオン、4個以上のイオン、5個以上のイオン、6個以上のイオン、7個以上のイオン、8個以上のイオン、9個以上のイオン、または10個以上のイオン等の任意の好適な数および組み合わせのイオンが単一のホスト材料中に同時にドープされ得る。
ある特定の態様では、本開示のコード化粒子は、本明細書に記載の少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーおよび少なくとも1つのタイプのランタニド発色団、例えば、ランタニドイオン、ランタニド錯体、またはランタニドナノ粒子を含み得る。発色団ポリマーおよび/またはランタニド発色団の光学的特性を所望通りに変化させることができる。いくつかの態様では、発色団ポリマーは蛍光性であり、それにより、ポリマー蛍光およびランタニド発色団発光の両方がコード化に使用されるようになり得る。いくつかの態様では、発色団ポリマーは、弱蛍光性であるか、または著しくクエンチされ、それにより、ランタニド材料のみがコード化に使用されるようになる。ある特定の態様では、ランタニド発色団のピーク発光波長は、発色団ポリマーのピーク発光波長よりも長い。他の態様では、ランタニド発色団のピーク発光波長は、発色団ポリマーのピーク発光波長よりも短い。
いくつかの態様では、コード化粒子は、ランタニド材料を収容することができる可塑性ポリマーマトリックス(例えば、1つ以上の発色団ポリマーから形成されたもの)を提供する。したがって、ある特定の態様では、コード化粒子は、ポリマーマトリックスと、そのポリマーマトリックス中に組み込まれた少なくとも1つのランタニド発色団とを含む。1個以上のランタニド発色団、2個以上のランタニド発色団、3個以上のランタニド発色団、4個以上のランタニド発色団、5個以上のランタニド発色団、6個以上のランタニド発色団、7個以上のランタニド発色団、8個以上のランタニド発色団、9個以上のランタニド発色団、10個以上のランタニド発色団、50個以上のランタニド発色団、または100個以上のランタニド発色団等の任意の好適な数および組み合わせのランタニド発色団タイプが、ポリマーマトリックス中に組み込まれ得る。全コード化粒子質量に対するランタニド材料の質量濃度は、1%から99%まで異なり得、より好ましくは10%〜99%、より好ましくは20%〜99%、より好ましくは30%〜99%、より好ましくは40%〜99%、およびより好ましくは50%〜99%であり得る。
ある特定の態様では、ランタニド発色団のうちの少なくともいくつかは、別個のランタニド発色団(例えば、異なる構造、組成、および/または特性を有するもの)である。例えば、ランタニド発色団のうちのいくつかまたは全てが、互いに区別可能な光学的特性(例えば、発光スペクトル、発光波長、発光強度、発光寿命)を有し得る。コード化粒子中のランタニド発色団の濃度を所望通りに変化させることができる。いくつかの態様では、コード化粒子は、第1の濃度の第1のランタニド発色団および第2の濃度の第2のランタニド発色団を含む。ある特定の態様では、コード化粒子は、互いに固定された比率(例えば、固定質量比)で2つ以上のランタニド発色団を含む。
様々な態様では、ポリマーマトリックスおよびポリマーマトリックス中に組み込まれる1つ以上のランタニド発色団の光学的特性は、発色団ポリマー粒子の所望の光学的コード化をもたらすように設計される。いくつかの態様では、ポリマーマトリックスおよび1つ以上のランタニド発色団の光学的特性(例えば、発光スペクトル)は、互いに区別可能である。例えば、ある特定の態様では、1つ以上のランタニド発色団の発光ピーク(複数可)は、ポリマーマトリックスの発光ピーク(複数可)よりも長い波長を有する。他の態様では、1つ以上のランタニド発色団の発光ピーク(複数可)は、ポリマーマトリックスの発光ピーク(複数可)よりも短い波長を有する。様々な態様では、1つ以上のランタニド発色団およびポリマーマトリックスの発光ピークの強度は、独立してまたは半独立して制御可能である。ある特定の態様では、ポリマーマトリックスと1つ以上のランタニド発色団との間にエネルギー伝達が存在する。代替の態様では、ポリマーマトリックスと1つ以上のランタニド発色団との間にエネルギー伝達は実質的に存在しない。
いくつかの態様では、ポリマーマトリックス中に組み込まれたランタニド発色団は、ポリマーマトリックス中に物理的に包埋または統合される。いくつかの態様では、ランタニド発色団は、ポリマーマトリックスと化学的に架橋および/または物理的にブレンドされる。いくつかの態様では、第1のランタニド発色団は、第1の濃度でポリマーマトリックスに架橋され、第2のランタニド発色団は、第1の濃度とは異なる第2の濃度でポリマーマトリックスに架橋される。いくつかの態様では、第1のランタニド発色団は、第1の濃度でポリマーマトリックスと物理的にブレンドされ、第2のランタニド発色団は、第1の濃度とは異なる第2の濃度でポリマーマトリックスと物理的にブレンドされる。
いくつかの態様では、コード化粒子は、発光性ランタニド錯体等のランタニド発色団と物理的にブレンドされるか、それと化学的に架橋されるか、またはそれに共有結合している少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーを含む。例示的な発光性ランタニド(III)錯体としては、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)、またはLu(III)錯体が挙げられる。ランタニド錯体の大半が有機リガンドによって感作されたf−f遷移からの発光を示すため、発色団ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー伝達は、ポリマーおよび/またはランタニド錯体の構造および/または組成を変化させることによって制御され得る。いくつかの態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー伝達が阻止され得るか、または最小限に抑えられ得る。いくつかの態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー伝達が許容され得る。粒子の各組の発光ピーク光学的特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)は、独立してまたは半独立して調節および調整され得る。
いくつかの態様では、コード化粒子は、テルビウム(Tb)錯体等の少なくとも1つのタイプの発光性ランタニド錯体と物理的にブレンドまたは化学的に架橋された1つのタイプの発色団ポリマーを含む。いくつかの態様では、Tb錯体は、一般に、明るい緑色の発光を示す。発色団ポリマーからTb錯体へのエネルギー伝達は、ポリマーおよび/またはTb錯体の構造および/または組成を変化させることによって制御され得る。いくつかの態様では、ポリマーからTb錯体へのエネルギー伝達が阻止されるか、または最小限に抑えられる。いくつかの態様では、ポリマーからTb錯体へのエネルギー伝達が許容される。したがって、粒子中のTbおよび発色団ポリマーの光学的特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)は、独立してまたは半独立して調節および調整され得る。
いくつかの態様では、コード化粒子は、ユーロピウム(Eu)錯体等の1つのタイプの発光性ランタニド錯体と物理的にブレンドまたは化学的に架橋された少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーを含む。いくつかの態様では、Eu錯体は、一般に、明るい赤色の発光を示す。ポリマーからEu錯体へのエネルギー伝達発色団は、ポリマーおよび/またはEu錯体の構造および/または組成を変化させることによって制御され得る。いくつかの態様では、ポリマーからEu錯体へのエネルギー伝達が阻止されるか、または最小限に抑えられる。いくつかの態様では、ポリマーからEu錯体へのエネルギー伝達が許容される。したがって、粒子中のEuおよび発色団ポリマーの光学的特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)は、独立してまたは半独立して調節および調整され得る。
いくつかの態様では、コード化粒子は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)、またはLu(III)イオンから選択されるランタニドイオンと会合している少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーを含む。ランタニドイオンは、発色団ポリマーの骨格、側鎖、または末端基と協調し得る。その結果として生じたコード化粒子は、発光イオンを含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、1つのタイプのランタニドイオンを含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、2つのタイプのランタニドイオンを含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、3つのタイプのランタニドイオンを含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、3つのタイプのランタニドイオンを含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、4つのタイプのランタニドイオンを含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、5つのタイプのランタニドイオンを含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、6つより多くのタイプのランタニドイオンを含む。発色団ポリマーからランタニドイオンへのエネルギー伝達は、ポリマーおよびランタニドイオンの構造および組成を変化させることによって制御され得る。いくつかの態様では、ポリマーからランタニドイオンへのエネルギー伝達が阻止されるか、または最小限に抑えられる。いくつかの態様では、ポリマーからランタニドイオンへのエネルギー伝達が許容される。したがって、粒子中の各種の光学的特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)は、独立してまたは半独立して調節および調整され得る。
いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、少なくとも1つのタイプのランタニドナノ粒子と物理的にブレンドまたは化学的に架橋された少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーを含む。ある特定の態様では、ランタニドナノ粒子は、1つ以上のランタニド発色団を含むナノ粒子である。本開示のランタニドナノ粒子は、ランタニドイオンでドープされた無機ナノ粒子、例えば、酸化物、フッ化物、硫化物、アルミン酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、チタン酸塩、ビスマス酸塩、他の金属塩、またはそれらの組み合わせであり得る。いくつかの態様では、ランタニドイオンでドープされた無機ナノ粒子は、1つ以上の金属塩を含む。
一態様では、ランタニドナノ粒子は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)、またはLu(III)イオンから選択される1つのタイプのランタニドイオンでドープされる。いくつかの態様では、ランタニドナノ粒子は、2つ以上のタイプのランタニドイオンによって共ドープされ、それ故に、結果として生じた発色団ポリマー粒子は、2つ以上のタイプの発光イオンを含む。ドープされたランタニドイオンは、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)、またはLu(III)イオンから選択される任意の組み合わせであり得る。発色団ポリマーからランタニドナノ粒子へのエネルギー伝達は、ポリマーおよびランタニドナノ粒子の構造および組成を変化させることによって制御され得る。いくつかの態様では、ポリマーからランタニドナノ粒子へのエネルギー伝達が阻止され得るか、または最小限に抑えられ得る。いくつかの態様では、ポリマーからランタニドナノ粒子へのエネルギー伝達が許容され得る。したがって、粒子中の各種の光学的特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)は、独立してまたは半独立して調節および調整され得る。
いくつかの態様では、コード化粒子は、少なくとも1つのタイプのランタニドアップコンバージョンナノ粒子と物理的にブレンドまたは化学的に架橋された少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーを含む。ランタニドアップコンバージョンナノ粒子は、長波長多光子励起により短波長発光放出を呈するナノ粒子を説明する。ランタニドアップコンバージョンナノ粒子は、ランタニドイオンでドープされた無機ナノ粒子、例えば、酸化物、フッ化物、硫化物、アルミン酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、チタン酸塩、ビスマス酸塩、他の金属塩、またはそれらの組み合わせであり得る。
<コード化粒子の発色団色素組成物>
様々な態様では、本開示のコード化粒子は、1つ以上の発色団色素、例えば、蛍光色素、発光色素、またはそれらの組み合わせを含む。発色団色素は、小分子色素であり得る。ある特定の態様では、本開示のコード化粒子は、本明細書に記載の少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーおよび少なくとも1つのタイプの発色団色素を含み得る。発色団ポリマーおよび/または発色団色素の光学的特性を所望通りに変化させることができる。いくつかの態様では、発色団ポリマーは蛍光性であり、それにより、ポリマー蛍光および発色団色素発光の両方がコード化に使用されるようになり得る。いくつかの態様では、発色団ポリマーは、弱蛍光性であるか、または著しくクエンチされ、それにより、ランタニド材料のみがコード化に使用されるようになる。ある特定の態様では、発色団色素のピーク発光波長は、発色団ポリマーのピーク発光波長よりも長い。他の態様では、発色団色素のピーク発光波長は、発色団ポリマーのピーク発光波長よりも短い。
いくつかの態様では、コード化粒子は、発色団色素を収容することができる可塑性ポリマーマトリックス(例えば、1つ以上の発色団ポリマーから形成されたもの)を提供する。したがって、ある特定の態様では、コード化粒子は、ポリマーマトリックスと、そのポリマーマトリックス中に組み込まれた少なくとも1つの発色団色素とを含む。1個以上の発色団色素、2個以上の発色団色素、3個以上の発色団色素、4個以上の発色団色素、5個以上の発色団色素、6個以上の発色団色素、7個以上の発色団色素、8個以上の発色団色素、9個以上の発色団色素、10個以上の発色団色素、50個以上の発色団色素、または100個以上の発色団色素等の任意の好適な数および組み合わせの発色団色素タイプが、ポリマーマトリックス中に組み込まれ得る。全コード化粒子質量に対する発色団色素の質量濃度は、1%から99%まで異なり得、より好ましくは10%〜99%、より好ましくは20%〜99%、より好ましくは30%〜99%、より好ましくは40%〜99%、およびより好ましくは50%〜99%であり得る。
ある特定の態様では、発色団色素のうちの少なくともいくつかは、別個の発色団色素(例えば、異なる構造、組成、および/または特性を有するもの)である。例えば、発色団色素のうちのいくつかまたは全てが、互いに区別可能な光学的特性(例えば、発光スペクトル、発光波長、発光強度、発光寿命)を有し得る。コード化粒子中の発色団色素の濃度を所望通りに変化させることができる。いくつかの態様では、コード化粒子は、第1の濃度の第1の発色団色素および第2の濃度の第2の発色団色素を含む。ある特定の態様では、コード化粒子は、互いに固定された比率(例えば、固定質量比)で2つ以上の発色団色素を含む。
様々な態様では、ポリマーマトリックスおよびポリマーマトリックス中に組み込まれた1つ以上の発色団色素の光学的特性は、発色団ポリマー粒子の所望の光学的コード化をもたらすように設計される。いくつかの態様では、ポリマーマトリックスおよび1つ以上の発色団色素の光学的特性(例えば、発光スペクトル)は、互いに区別可能である。例えば、ある特定の態様では、1つ以上の発色団色素の発光ピーク(複数可)は、ポリマーマトリックスの発光ピーク(複数可)よりも長い波長を有する。他の態様では、1つ以上の発色団色素の発光ピーク(複数可)は、ポリマーマトリックスの発光ピーク(複数可)よりも短い波長を有する。様々な態様では、1つ以上の発色団色素およびポリマーマトリックスの発光ピークの強度は、独立してまたは半独立して制御可能である。ある特定の態様では、ポリマーマトリックスと1つ以上の発色団色素との間にエネルギー伝達が存在する。代替の態様では、ポリマーマトリックスと1つ以上のランタニド発色団との間にエネルギー伝達は実質的に存在しない。
いくつかの態様では、ポリマーマトリックス中に組み込まれた発色団色素は、ポリマーマトリックス中に物理的に包埋または統合される。いくつかの態様では、発色団色素は、ポリマーマトリックスと化学的に架橋および/または物理的にブレンドされる。いくつかの態様では、第1の発色団色素は、第1の濃度でポリマーマトリックスに架橋され、第2の発色団色素は、第1の濃度とは異なる第2の濃度でポリマーマトリックスに架橋される。いくつかの態様では、第1の発色団色素は、第1の濃度でポリマーマトリックスと物理的にブレンドされ、第2の発色団色素は、第1の濃度とは異なる第2の濃度でポリマーマトリックスと物理的にブレンドされる。ある特定の態様では、発色団色素は、発色団ポリマー(例えば、ポリマーマトリックスを形成する発色団ポリマー)と化学的に架橋および/または物理的にブレンドされる。
多種多様の発色団色素が本明細書に記載のコード化粒子との使用に好適である。ある特定の態様では、発色団色素は、蛍光色素である。様々な態様では、発色団色素は、小分子有機色素である。蛍光色素の例としては、BODIPYおよび/もしくはBODIPY誘導体、スクアラインおよび/もしくはスクアライン誘導体、金属錯体および/もしくは金属錯体誘導体、ポルフィリンおよび/もしくはポルフィリン誘導体、金属ポルフィリンおよび/もしくは金属ポルフィリン誘導体、フタロシアニンおよび/もしくはフタロシアニン誘導体、金属フタロシアニンおよび/もしくは金属フタロシアニン誘導体、ランタニド錯体および/もしくはランタニド錯体誘導体、ペリレンおよび/もしくはペリレン誘導体、シアニンおよび/もしくはシアニン誘導体、ローダミンおよび/もしくはローダミン誘導体、クマリンおよび/もしくクマリン誘導体、ならびに/またはキサンテンおよび/もしくはキサンテン誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、誘導体は、アルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体、またはそれらの類似体から選択される。
<高分子電解質でコーティングされたコード化粒子>
いくつかの態様では、本明細書に提供されるコード化粒子は、高分子電解質コーティングを有し得る。有利に、高分子電解質コーティングは、例えば、高いイオン強度を有するか、二価金属イオンを含有するか、またはそれらの両方である溶液中のポリマー粒子のコロイド安定性を改善することができる。高分子電解質コーティングを有しないいくつかのポリマー粒子と比較して改善されたコロイド安定性は、例えば、ポリマー粒子がそれらの官能性を失うことなくアッセイに使用されることを可能にする。ある特定の態様では、高分子電解質コーティングの組成構成は、溶液、例えば、高イオン強度溶液中のポリマー粒子の凝集を低減または排除するように調整され得る。加えて、ある特定の条件下で、溶液中のイオン(例えば、二価イオン)は、ポリマー粒子の表面上のキレート基であり得、それにより、凝集特性に影響を及ぼし得る。いくつかの態様では、高分子電解質コーティングは、溶液中のポリマー粒子の凝集を低減または排除するために使用される。
高分子電解質コーティングは、約2〜4ナノメートルの範囲の層厚さを有し得、それにより、ポリマー粒子および高分子電解質コーティングを含むナノ粒子の直径に約4〜8ナノメートル追加し得る。
コーティング中の高分子電解質は、様々な方法でポリマー粒子の表面に生じ得る。例えば、1つのタイプの高分子電解質が使用される場合、高分子電解質ポリマー分子が一緒に物理的にブレンドしてコーティングを形成し得る。2つ以上のタイプの高分子電解質が使用される場合、高分子電解質ポリマー分子が一緒に物理的にブレンドしてコーティングを形成し得るか、またはいくつかの態様では、異なる高分子電解質がナノ粒子の表面上に領域(またはラフト)を形成し得る。いくつかの態様では、高分子電解質は、化学的に架橋され得る。例えば、コーティング中の高分子電解質のうちのいくつかまたは全てが、当該技術分野で一般に周知のいずれかの架橋反応を使用して化学的に架橋され得る。高分子電解質は、ポリマー粒子を形成する縮合ポリマー(複数可)とも化学的に架橋され得る。いくつかの態様では、コーティングは、1つより多くの高分子電解質層を含み得る。例えば、コーティングは、2つの高分子電解質層、3つの高分子電解質層、またはそれ以上の高分子電解質層を含み得る。層中の高分子電解質は、同じまたは異なるタイプの高分子電解質を含み得る。
いくつかの態様では、「高分子電解質」は、例えば、繰り返し単位が電荷を有する電解質基を有するポリマーを含み得る。いくつかの態様では、高分子電解質は、ポリマーに沿って全ての繰り返し単位が電解質基を有するポリマーを含み得る。ある特定の態様では、ポリマーの繰り返し単位のうちのいくつかが電解質基を有する。例えば、本開示の高分子電解質は、ポリマー中の繰り返し単位の少なくとも99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、または1%が電解質基を有するポリマーを含み得る。いくつかの態様では、本開示の高分子電解質は、ポリマー中の繰り返し単位の少なくとも99%、95%、90%、85%、または80%が電解質基を有するポリマーを含み得る。
いくつかの態様では、高分子電解質は、少なくとも1つのタイプの電解質基を含み得る。例えば、高分子電解質は、1つのみのタイプの電解質基、または2つ以上のタイプの電解質基を含み得る。本明細書に記載の様々な電解質基が様々な異なるタイプの高分子電解質中に含まれ得る。本開示における高分子電解質の例としては、ポリ(スチレンスルホン酸塩)、ポリリン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリアクリル酸塩−コ−マレイン酸塩、ポリアクリルアミド、キトサン、多糖、ポリジン、ポリヒスチジン、およびポリペプチドが挙げられ得るが、これらに限定されない。本明細書に記載の電解質基は、ポリマー骨格に含まれ得、ポリマー骨格に結合した側鎖に含まれ得、かつ/またはポリマーの側鎖に結合した基に含まれ得る。
多種多様の電解質基が本開示に使用され得る。一般に、ある特定の条件下で電荷を発生させるいずれかの基が高分子電解質に使用され得る。例えば、電解質基は、アニオンまたはカチオンを含み得る。いくつかの態様では、電解質基は、1つのアニオンまたは1つのカチオンを含み得る。あるいは、電解質基は、電解質基が全負または正電荷を含むように、1つより多くのアニオンおよび/またはカチオンを含み得る。電解質基上の電荷は、永久電荷または溶液の特定のpHに従って発生した電荷であり得る(例えば、水素が解離して荷電電解質基を形成することができる)。いくつかの態様では、電解質基は、水溶液中に溶解する前の塩(例えば、対イオンで中和されたもの)であり得る。いくつかの態様では、電解質基には、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ、ヒドロキシル基、およびメルカプト基が含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの態様では、電解質基の電荷は、酸性または塩基性溶液の特性に応じて発生し得る。例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸塩基、ヒドロキシル基、またはメルカプト基は、例えば、溶液のpHおよびそれぞれの電解質基のpKaに従って、負に荷電され得る。水溶液中で、ポリマー上の電解質基が解離して荷電基を形成し、それにより、ポリマーを荷電させ、高分子電解質を形成することができる。いくつかの態様では、電解質基が置換基で置換されて、電解質基上に永久電荷を配置することができる。例えば、アミノ基は、永久正電荷を有する第四級アンモニウムカチオンを含み得る。電解質基の置換基は、アルキル、アリール、CN、アミノ、硫化物、アルデヒド、エステル、エーテル、酸、ヒドロキシル、またはハロゲン化物等、様々であり得る。ある特定の態様では、電解質基上の置換基は、電解質に電荷を供給し得る。
本開示の一態様は、高分子電解質コーティングを提供することによってポリマー粒子のゼータ電位を変更することを含む。このコーティングを使用して、例えば、ナノ粒子の表面電荷を変更し、溶液中の凝集を阻止することができる。溶液に応じて、ゼータ電位が調整されて、凝集を阻止することができる。いくつかの態様では、ゼータ電位は、溶液中に分散した粒子が凝集に抵抗するかを評価するためのパラメータである。例えば、粒子(例えば、高分子電解質でコーティングされたポリマー粒子)は、粒子が+30mVよりも正のゼータ電位または−30mVよりも負のゼータ電位を有する場合、安定している(例えば、凝集に抵抗する)であろう。より高い値のゼータ電位が凝集に対してより高い安定性を提供し得る。例えば、+/−60mVでの粒子の分散により、優れた安定性が提供され得る。本明細書に記載の選択された高分子電解質(複数可)に応じて、本開示は、約+30mVよりも正の、約+40mVよりも正の、約+50mVよりも正の、または約+60mVよりも正のゼータ電位を有する粒子分散(例えば、高分子電解質コーティングを有するポリマー粒子)を含む。本開示は、約−30mVよりも負の、約−40mVよりも負の、約−50mVよりも負の、または約−60mVよりも負のゼータ電位を有する粒子分散(例えば、高分子電解質コーティングを有するポリマー粒子)を含む。高分子電解質コーティングを有するポリマー粒子を有する粒子は、多種多様の高分子電解質のための本明細書に記載の方法を使用して調製され得る。その後、粒子分散のゼータ電位が、ゼータ電位を測定するように設計された機器を使用して、例えば、Malvern Zetasizerによって等、様々な技法を使用して決定され得る。
ある特定の態様では、本開示は、1つより多くの高分子電解質ポリマーを含むコーティングを有するポリマー粒子を含むナノ粒子を含む。例えば、コーティングは、2つの異なる高分子電解質、3つの異なる高分子電解質、4つの異なる高分子電解質、またはそれ以上の高分子電解質を任意の所望の比率で含み得る。
<コード化粒子の官能化およびバイオコンジュゲート>
いくつかの態様では、本開示は、生体分子コード化のための官能化されたコード化粒子を提供する。官能化された粒子は、コード化粒子と、その粒子に物理的または化学的に結合した官能基とを含む。
いくつかの態様では、本発明は、官能基で官能化されたコード化粒子を提供する。いくつかの態様では、「官能基」という用語は、任意の安定した物理的または化学的会合等によりコード化粒子に結合し、それにより、発色団ポリマー粒子の表面をコンジュゲーションまたはバイオコンジュゲーションに利用可能なものにすることができる任意の化学的単位を指す。いくつかの態様では、官能基は、疎水性官能基であり得る。疎水性官能基の例としては、アルキン、歪みアルキン、アジド、ジエン、アルケン、シクロオクチン、およびホスフィン基(クリック化学のため)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、官能基は、親水性官能基であり得る。親水性官能基の例としては、カルボン酸またはその塩、アミノ、メルカプト、アジド、ジアゾ、アルデヒド、エステル、ヒドロキシル、カルボニル、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、シアン酸塩、スクシンイミジルエステル、それらの置換誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。当業者であれば、かかる官能基を、例えば、Bioconjugate Techniques(Academic Press,New York,1996またはそれ以降のバージョン)で見つけることができ、その内容は、全ての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。官能化法および本明細書に記載の方法およびシステムとの使用のためのバイオコンジュゲーションに好適な部分の例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるPCT出願第WO2015/081126号で見つけることができる。
<コード化粒子を調製するための方法>
いくつかの態様では、コード化粒子を調製する方法が開示される。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、ナノ沈殿を使用して形成され得る。ナノ沈殿法は、溶解度の変化によりポリマーが崩壊されて粒子形態になる、良溶媒中のポリマー溶液の貧溶媒中への導入を伴う。ある特定の態様では、発色団ポリマー粒子は、ミニエマルジョン法、溶媒混合法、エマルジョンを使用する方法、または沈殿法を使用して調製され得る。本明細書に記載の方法およびシステムとの使用のためのコード化粒子を調製するためのこれらおよび他の方法の例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるPCT出願第WO2015/081126号で見つけることができる。
[検出可能なコードおよびシグナル]
本明細書で使用されるとき、「検出可能なコード」とは、分子(例えば、コード化粒子または発色団)によって独力でまたは電磁放射線源による励起等の刺激に応答して生成された特定可能または定量化可能なシグナルを指し得る。コード化粒子によって生成された検出可能なコードは、光学的に検出可能なコードを含み得る。いくつかの事例では、光学的に検出可能なコードは、蛍光シグナル(例えば、ポリマードット、量子ドット、またはフルオロフォア等の蛍光分子によって生成されたもの)であり得る。いくつかの事例では、光学的に検出可能なコードは、発光シグナルであり得る。いくつかの事例では、検出可能なコードは、比色シグナル、例えば、酵素色素によって生成され得るものであり得る。
検出可能なコードの1つ以上の態様(例えば、発光波長、発光寿命、発光強度、スペクトル強度、またはそれらの任意の組み合わせ)が、デジタルアッセイ中に測定および/または定量化され得る。検出可能なコードのいずれかの態様(またはそれらの組み合わせ)を使用して、区画化された体積に値を割り当てることができる。例えば、標的分子を含有する区画化された体積中のプローブのコード化粒子によって生成されたスペクトル強度シグナルの検出、測定、または決定(例えば、計算)を使用して、区画化された体積に値を割り当てることができる。
いくつかの事例では、検出可能なコードまたはシグナルを検出することは、ある波長でまたはある範囲もしくはスペクトルの波長にわたって発色団またはコード化粒子によって放出された放射線の強度を検出することを含み得る。例えば、検出可能なコードまたはシグナルを検出することは、閾値よりも高い強度を有するか、またはある波長範囲内の定義された強度範囲内の蛍光シグナルを検出することを含み得る。検出可能なコードを検出する非限定的な例としては、帯域通過フィルターによって定義されたある波長範囲内の蛍光シグナルを検出するための検出器および帯域通過フィルターの使用が挙げられる。いくつかの事例では、検出可能なコードまたはシグナルを検出することは、発色団もしくはコード化粒子の発光ピーク波長で、または発色団もしくはコード化粒子の発光ピーク波長を含む範囲内のシグナル強度を検出することを含み得る。
いくつかの事例では、検出可能なコードまたはシグナルを検出することは、スペクトル強度を検出することを含み得る。プローブによって生成された検出可能なコードまたはシグナルのスペクトル強度を検出、測定、または計算することは、複数の発光波長で、または複数の発光波長範囲内の発光強度を検出または測定することを含み得る。いくつかの事例では、スペクトル強度を検出、測定、または計算することは、複数の検出された発光強度間の比率を決定または計算することを含み得る。例えば、検出可能なコードまたはシグナルのスペクトル強度は、第1の発光強度が検出される第1の波長または第1の波長範囲(例えば、閾値以上または定義された強度範囲内の発光強度)の、第2の発光強度が検出される第2の波長または第2の波長範囲(例えば、閾値以上または定義された強度範囲内の第2の発光強度)に対する比率であり得る。いくつかの事例では、スペクトル強度を含む比率は、区画化された体積中のプローブのタイプを一意的に特定することができる。例えば、シグナル波長の第1の比率でスペクトル強度を生成することができる第1のプローブは、シグナル波長の第2の比率でスペクトル強度を生成することができる第2のプローブとは区別され得る。結果として、それぞれ、第1のプローブおよび第2のプローブによって生成された第1のスペクトル強度および第2のスペクトル強度を検出、測定、および/または計算することによって、区画化された体積中の第1の標的分子および第2の標的分子の存在を検出し、第1の標的分子と第2の標的分子とを区別する(例えば、本明細書に記載の標的分子依存的増幅ステップを含む方法により)ことが可能であり、第1のプローブおよび第2のプローブは、それぞれ、第1の標的分子および第2の標的分子の存在下で第1のスペクトル強度および第2のスペクトル強度を生成することができる。
複数の別個のプローブ(例えば、異なる組の発色団またはコード化粒子を含む複数のプローブ)がデジタルアッセイに使用されるいくつかの事例では、各別個のプローブの光学的に検出可能なコードは、その発光ピーク強度、発光ピーク波長、発光強度範囲、その別個のプローブタイプの特徴を示す発光波長範囲もしくはスペクトル、発光寿命、スペクトル強度、またはそれらの組み合わせに関して別の別個のプローブとは異なり得る。すなわち、複数の別個のプローブ、別個のコード化粒子、または別個の発色団を含むデジタルアッセイでは、各別個のプローブ、別個のコード化粒子、または別個の発色団は、異なる組の発光ピーク強度、発光ピーク波長、発光寿命、スペクトル強度、またはそれらの組み合わせを有し得る。
光学的に検出可能なコードは、コード化粒子の見かけの空間的サイズの提示を含み得る。すなわち、一例として、光学的に検出可能なコードシグナルの直径の差は、標的分子の存在を示し得る。例えば、図6Lに示されるように、PCR関連増幅事象により複数のプローブが互いに会合するようになり、シグナルの見かけの空間的サイズが増加し得る。シグナルの見かけの空間的サイズの増加は、放出された蛍光または発光シグナルの増加(例えば、コード化粒子の数の増加)によって引き起こされ得る。例えば、単一粒子の直径610から会合された(例えば、凝集、相互ハイブリダイズ、または格子形成された)粒子の直径620までの発色団粒子の直径の差。凝集、相互ハイブリダイズ、または格子形成された粒子がより多くのエミッターを含有するため、凝集、相互ハイブリダイズ、または格子形成された粒子は、より明るいか、またはより明るく見える場合がある(例えば、検出器によって測定される)。しかしながら、プローブを結合する結合領域の長さに応じて、コード化粒子から検出された最大シグナル強度のわずかな低減が、光学的に検出可能なコードシグナルの見かけのサイズの増加(例えば、コード化ポリマードットの互いへの近接性の増加の結果として)も伴い得ることに留意されたい。さらに、互いに会合しているプローブのコード化粒子は、それらがこの様式で会合している他のコード化粒子と比較して同一のまたは同一ではない光学的に検出可能なコードを生成し得る。
<コード化粒子の光学的特性>
いくつかの態様では、本開示は、光学的コード化系を提供する。ある特定の態様では、光学的コード化系は、互いに区別可能な光学的に検出可能なコードを有する第1のコード化粒子および第2のコード化粒子を含む。ある特定の態様では、この系は、複数のコード化粒子を含み、これらのうちの少なくともいくつかは、互いに区別可能な光学的に検出可能なコードを有する。
本開示のある特定の態様は、コード化プラットホームとしての使用に好適な発色団ポリマー粒子を提供する。いくつかの態様では、本開示は、光学的コード化および/または生体分子コード化の能力を有する、本明細書で「コード化粒子」または「コード化ポリマー粒子」とも称される発色団ポリマー粒子を提供する。いくつかの態様では、コード化粒子は、粒子が異なるコードを有する粒子とは光学的に区別されることを可能にする、本明細書で「光学的コード」または「光学的コード化」とも称される光学的に検出可能なコードを有する。様々なタイプの光学的コード化スキームが本明細書に記載のコード化粒子との使用に好適である。ある特定の態様では、光学的に検出可能なコードは、ポリマー粒子の1つ以上の光学的特性、例えば、ポリマー粒子の所定の発光スペクトル(例えば、発光波長、発光強度)、ポリマー粒子の所定の発光寿命、所定の発光速度、所定の吸収波長、またはそれらの組み合わせを含む。したがって、コード化粒子は、対応するコードを決定するためにその光学的特性を測定することによって一意的に特定され得る。
本開示の様々な態様では、光学的に検出可能なコードは、コード化粒子の発色団によって定義される。コード化粒子は、任意の好適な数および組み合わせの本明細書に提供される様々な発色団組成物を含み得る。例えば、本開示との使用に好適な例示的な発色団としては、本明細書にさらに記載される、発色団ポリマー(例えば、狭帯域発色団ポリマー等の粒子のポリマーマトリックスを形成する1つ以上の発色団ポリマー)、ランタニド発色団(例えば、ランタニドイオン、ランタニド錯体、ランタニドナノ粒子、もしくは他のランタニド材料)、または発色団色素(例えば、蛍光色素、発光色素)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの態様では、発色団ポリマーがポリマーマトリックスとして使用されるという特有の特徴のため、本開示は、全粒子が発色団(例えば、発色団ポリマー、ランタニド発色団、または発色団色素等の蛍光および/または発光材料)で構成されるコード化のための発色団粒子を提供する。いくつかの態様では、各粒子の質量の最大90%が発色団で構成される。いくつかの態様では、各粒子の質量の最大80%が発色団で構成される。いくつかの態様では、各粒子の質量の最大70%が発色団で構成される。いくつかの態様では、各粒子の質量の最大60%が発色団で構成される。いくつかの態様では、各粒子の質量の最大50%が発色団で構成される。いくつかの態様では、各粒子の質量の最大40%が発色団で構成される。いくつかの態様では、各粒子の質量の最大30%が発色団で構成される。いくつかの態様では、各粒子の質量の最大20%が発色団で構成される。いくつかの態様では、各粒子の質量の最大10%が発色団で構成される。いくつかの態様では、コード化粒子は、複数の別個の発色団を含み、複数の別個の発色団の組み合わせ質量は、ポリマー粒子の総質量の1%〜99%、10%〜99%、20%〜99%、30%〜99%、40%〜99%、または50%〜99%である。ある特定の態様では、発色団は、発色団ポリマーのみであり得る。他の態様では、発色団は、他の発色団タイプ、例えば、ランタニドイオン、ランタニド錯体、ランタニドナノ粒子等のランタニド材料、蛍光色素等の発色団色素、またはそれらの組み合わせと物理的にブレンドまたは化学的に架橋された発色団ポリマーを含み得る。
いくつかの態様では、コード化粒子は、光学的に検出可能なコードを定義するために使用される1つ以上の別個の発色団(例えば、異なる構造、組成、および/または特性を有する発色団)を含む。コード化粒子は、1個のみの別個の発色団、2個以上の別個の発色団、3個以上の別個の発色団、4個以上の別個の発色団、5個以上の別個の発色団、6個以上の別個の発色団、7個以上の別個の発色団、8個以上の別個の発色団、9個以上の別個の発色団、10個以上の別個の発色団、20個以上の別個の発色団、50個以上の別個の発色団、または100個以上の別個の発色団等の任意の好適な数および組み合わせの別個の発色団タイプを含み得る。いくつかの態様では、コード化粒子は、複数の別個の発色団における別個の発色団のうちのいずれかの間で固定された質量比、例えば、2個以上の別個の発色団、3個以上の別個の発色団、4個以上の別個の発色団、5個以上の別個の発色団、6個以上の別個の発色団、7個以上の別個の発色団、8個以上の別個の発色団、9個以上の別個の発色団、10個以上の別個の発色団、20個以上の別個の発色団、50個以上の別個の発色団、または100個以上の別個の発色団の間で固定された質量比を含む。
ある特定の態様では、別個の発色団は、互いに区別可能な1つ以上の光学的特性(例えば、発光スペクトル、発光強度、発光波長、発光寿命、発光速度、吸光度波長等)を有する。例えば、コード化粒子は、ポリマーマトリックス(例えば、少なくとも1つの発色団ポリマーから形成されたもの)と、ポリマーマトリックスの光学的特性とは区別可能な光学的特性を有する1つ以上の発色団(例えば、ランタニド発色団)とを含み得る。いくつかの態様では、コード化粒子は、互いに区別可能な発光スペクトルを有する2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個以上の別個の発色団を含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、互いに区別可能な発光強度を有する2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個以上の別個の発色団を含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、互いに区別可能な発光波長を有する2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個以上の別個の発色団を含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、互いに区別可能な発光寿命を有する2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個以上の別個の発色団を含む。
ある特定の態様では、別個の発色団は、独立してまたは半独立して制御可能な1つ以上の光学的特性(例えば、発光スペクトル、発光強度、発光波長、発光寿命等)を有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、独立してまたは半独立して制御可能な発光スペクトルを有する2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個以上の別個の発色団を含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、独立してまたは半独立して制御可能な発光強度を有する2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個以上の別個の発色団を含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、独立してまたは半独立して制御可能な発光波長を有する2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個以上の別個の発色団を含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、独立してまたは半独立して制御可能な発光寿命を有する2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、または10個以上の別個の発色団を含む。
ある特定の態様では、本明細書で「光学的コード化パラメータ」と称され得る発色団の様々な光学的特性は、複数の別個の光学的コード(例えば、互いに光学的に区別可能な光学的コード)を可能にするように調節可能である。本明細書にさらに記載されるように、発色団の調節可能な光学的コード化パラメータは、発色団の1つ以上の光学的特性、例えば、発光ピーク強度、発光ピーク強度範囲、発光ピーク波長(例えば、発光ピーク波長または発光波長範囲)、発光寿命、発光速度、吸収波長(例えば、吸収ピーク波長または吸収波長範囲)、またはそれらの組み合わせを含み得る。ある特定の態様では、各別個の発色団の調節可能な光学的コード化パラメータは、ポリマー粒子についての定義された光学的に検出可能なコードを提供するために予め決定されている(例えば、発色団の構造および/または組成に基づいて予め決定された値、プロファイル、特徴等を有する)。
様々な数および組み合わせの調節可能な光学的コード化パラメータが本明細書に記載のアプローチとの使用に好適である。いくつかの態様では、発色団の一組の調節可能な光学的コード化パラメータは、調整可能な光学的コード化パラメータを1つのみ含む。他の態様では、一組の調節可能な光学的コード化パラメータは、少なくとも2個の特有の調節可能な光学的コード化パラメータ、少なくとも3個の特有の調節可能な光学的コード化パラメータ、少なくとも4個の特有の調節可能な光学的コード化パラメータ、少なくとも5個の特有の調節可能な光学的コード化パラメータ、少なくとも6個の特有の調節可能な光学的コード化パラメータ、少なくとも7個の特有の調節可能な光学的コード化パラメータ、少なくとも8個の特有の調節可能な光学的コード化パラメータ、少なくとも9個の特有の調節可能な光学的コード化パラメータ、少なくとも10個の特有の調節可能な光学的コード化パラメータ、少なくとも20個の特有の調節可能な光学的コード化パラメータ、少なくとも50個の特有の調節可能な光学的コード化パラメータ、または少なくとも100個の特有の調節可能な光学的コード化パラメータを含む。
ある特定の態様では、各別個の発色団は、一組の調節可能な光学的コード化パラメータと関連付けられており、少なくともいくつかの組の調節可能な光学的コード化パラメータは、独立してまたは半独立して調節可能または変調可能である。いくつかの態様では、「独立して調節される」とは、1つの調節可能な光学的コード化パラメータが別の調節可能な光学的コード化パラメータによって影響されない(例えば、一組の発光ピークが別の組の発光ピークによって影響されない)ことを意味する。いくつかの態様では、「半独立して調節される」とは、1つの調節可能な光学的コード化パラメータが別の調節可能な光学的コード化パラメータによって影響され得る(例えば、一組の発光ピークが別の組発光ピークによって影響され得る)ことを意味する。「半独立して調節される」光学的コード化パラメータの例としては、エネルギー伝達がポリマー粒子の発光強度を調整および調節するために用いられる事例が挙げられ、ポリマー粒子は、ドナー分子およびアクセプター分子を含む。例えば、いくつかの態様では、2個以上の別個の発色団、3個以上の別個の発色団、4個以上の別個の発色団、5個以上の別個の発色団、6個以上の別個の発色団、7個以上の別個の発色団、8個以上の別個の発色団、9個以上の別個の発色団、10個以上の別個の発色団、20個以上の別個の発色団、50個以上の別個の発色団、または100個以上の別個の発色団の複数の組の調節可能な光学的コード化パラメータが、独立してまたは半独立して調節可能または変調可能である。
コード化粒子の光学的に検出可能なコードは、任意の好適な数および組み合わせの調節可能な光学的コード化パラメータに基づいて定義され得る。いくつかの態様では、光学的に検出可能なコードは、単一の調節可能な光学的コード化パラメータ(例えば、発光ピーク波長(「波長コード化」)、発光ピーク強度(「強度コード化」)、発光寿命(「寿命コード化」)等)に従って定義される。発光ピークは、一般にピーク最大値を中心とする波長範囲にわたって様々なピーク強度を含む。光学的に検出可能なコードが発光ピーク強度を含む場合、それは、対応する発光ピークの最大発光強度点またはより小さい発光強度点であり得る。したがって、発光ピーク強度は、発光ピークのいずれかの部分の所与の波長での発光強度に相当する。
いくつかの態様では、光学的に検出可能なコードは、2つの調節可能な光学的コード化パラメータ(例えば、発光ピーク波長および発光ピーク強度(「波長強度コード化」)または発光ピーク波長および発光寿命(「波長寿命コード化」))に従って定義される。代替の態様では、光学的に検出可能なコードは、3つの調節可能な光学的コード化パラメータ(例えば、発光ピーク波長、発光ピーク強度、および発光寿命(「波長強度−寿命コード化」)に従って定義される。いくつかの態様では、光学的に検出可能なコードは、4個の調節可能な光学的コード化パラメータ、5個の調節可能な光学的コード化パラメータ、6個の調節可能な光学的コード化パラメータ、7個の調節可能な光学的コード化パラメータ、8個の調節可能な光学的コード化パラメータ、9個の調節可能な光学的コード化パラメータ、10個の調節可能な光学的コード化パラメータ、または10個を超える調節可能な光学的コード化パラメータに従って定義される。
ある特定の態様では、光学的に検出可能なコードは、コード化粒子の所定の組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、コード化発色団粒子の化学組成および構造は、ポリマー粒子についての少なくとも2つの組の発光ピークを得るために調節される少なくとも2つの別個の発色団(例えば、少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーおよび1つのタイプのランタニド発色団、少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーおよび1つのタイプの蛍光色素)を含む。いくつかの態様では、コード化粒子は、対応する数の発色団を調節することによって生成された少なくとも2個の組、少なくとも3個の組、少なくとも4個の組、少なくとも5個の組、少なくとも6個の組、少なくとも7個の組、少なくとも8個の組、少なくとも9個の組、または少なくとも10個の組の発光ピークを有する。
好ましい一態様では、発色団ポリマー粒子は、いずれか2つの隣接する発光ピークがスペクトル重複を有しない、複数の、例えば、2〜10個の組の十分に分解された発光ピークを有し得る。各発光ピークの強度レベルは、粒子組成および/またはポリマー構造を調整することによって独立して調節され得る。しかしながら、ある特定の態様では、発色団ポリマー粒子は、複数の発光ピークを有し得、2つの隣接する発光ピーク間にいくつかのスペクトル重複が存在し得る。いくつかの態様では、重複面積は、2つの隣接するピークのうちのいずれか1つの統合面積の1%未満である。いくつかの態様では、重複面積は、2つの隣接するピークのうちのいずれか1つの統合面積の5%未満である。いくつかの態様では、重複面積は、2つの隣接するピークのうちのいずれか1つの統合面積の10%未満である。いくつかの態様では、重複面積は、2つの隣接するピークのうちのいずれか1つの統合面積の20%未満である。いくつかの態様では、重複面積は、2つの隣接するピークのうちのいずれか1つの統合面積の30%未満である。いくつかの態様では、重複面積は、2つの隣接するピークのうちのいずれか1つの統合面積の40%未満である。
別の好ましい態様では、コード化粒子は、複数の、例えば、2〜10個の組の発光ピークを有し得、各ピークは、粒子中の1つの発色団(例えば、蛍光種)に由来する。ある特定の態様では、各発光ピークの強度レベルは、例えば、粒子組成および/またはポリマー構造を調整することによって独立して調節され得る。ある特定の態様では、発色団ポリマー粒子は、複数の発光ピークを有し得るが、2つまたは2つより多くの発光ピークは1つの発色団種に由来し得、他の発光ピークは異なる種に由来する。1つの発色団種由来の発光ピークの強度レベルは、粒子組成およびポリマー構造を調整することによって相関および調節され得る。
いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、1つの波長励起下で複数の、例えば、2〜10個の組の発光ピークを示す。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、2つの波長励起下で複数の組の発光ピークを示す。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、3つの波長励起下で複数の組の発光ピークを示す。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、4つまたはそれ以上の波長励起下で複数の組の発光ピークを示す。しかしながら、各組の発光ピークの発光強度は、粒子組成およびポリマー構造を変化させることによって独立してまたは半独立して調節され得、例えば、他のピークのうちのいずれかに対する一組の発光ピーク(複数可)の相対強度は、独立してまたは半独立して変更され得る。
ある特定の態様では、コード化粒子のその組の発光ピーク発光強度および/または発光波長が変調され得、それにより、ピーク波長および/または強度に基づくコード化を可能にし得る。例えば、いくつかの態様では、波長コード化スキームは、コード化粒子の発光ピークの発光波長を変化させることによって定義される複数の光学的に検出可能なコードを提供する。ポリマー粒子の発光波長は、紫外線領域から近赤外線領域まで異なり得る。いくつかの態様では、ポリマー粒子の各組の発光ピーク(複数可)発光波長は、独立してまたは半独立して変調され得る。粒子の各組の発光ピーク(複数可)の発光強度は、独立してまたは半独立して調節および調整され得る。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、波長が独立してまたは半独立して調節され得る2つの組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、波長が独立してまたは半独立して調節され得る3つの組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、波長が独立してまたは半独立して調節され得る4つの組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、波長が独立してまたは半独立して調節され得る5つの組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、波長が独立してまたは半独立して調節され得る6つの組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、波長が独立してまたは半独立して調節され得る6つより多くの組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、波長が独立してまたは半独立して調節され得る最大10個の組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、波長が独立してまたは半独立して調節され得る10個より多くの組の発光ピークを含む。
いくつかの態様では、強度コード化スキームは、コード化粒子の発光ピークの発光強度レベルを変化させることによって定義される複数の光学的に検出可能なコードを提供する。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、強度レベルが独立してまたは半独立して調節され得る2つの組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、強度レベルが独立してまたは半独立して調節され得る3つの組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、強度レベルが独立してまたは半独立して調節され得る4つの組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、強度レベルが独立してまたは半独立して調節され得る5つの組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、強度レベルが独立してまたは半独立して調節され得る6つの組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、強度レベルが独立してまたは半独立して調節され得る6つより多くの組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、強度レベルが独立してまたは半独立して調節され得る最大10個の組の発光ピークを含む。いくつかの態様では、発色団ポリマー粒子は、強度レベルが独立してまたは半独立して調節され得る10個より多くの発光ピークを含む。
いくつかの態様では、波長強度コード化スキームは、コード化粒子の発光ピークの発光波長および発光強度レベルを変化させることによって複数の光学的に検出可能なコードを提供する。波長強度コード化スキームは、本明細書に提供される波長コード化スキームおよび強度コード化スキームの任意の好適な組み合わせであり得る。
いくつかの態様では、本開示は、寿命コード化の能力を有する、例えば、ポリマー粒子の発光寿命に基づいて定義される光学的に検出可能なコードを有するコード化粒子を提供する。いくつかの態様では、蛍光寿命は、光子を放出する前に分子(または粒子)がその励起状態に留まる平均時間として定義される。蛍光寿命は、フルオロフォアの単一指数関数的減衰関数の時定数または多指数関数的減衰関数の平均時定数から実験的に決定され得る。ある特定の態様では、コード化粒子は、波長−強度−寿命コード化、別名、波長−強度−寿命多重化の能力を有する。色および強度コード化がスペクトル重複およびバックグラウンド干渉によって制限され得るため、寿命コード化は、追加のコード化寸法を提供する。区別可能な寿命コードは、コード化粒子の組成を変化させることによって生成され得る。単一色発光帯域毎に多数のコード化粒子が生成され、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の別個の寿命を有する寿命コードとして使用され得る。
いくつかの態様では、コード化粒子は、複数の、例えば、2〜10個の組の発光ピークを有し、各組の発光ピーク(複数可)は、他とは異なる蛍光または発光寿命を有する。寿命は、10ピコ秒から1ミリ秒まで異なり得る。いくつかの態様では、寿命は、10ピコ秒から100ピコ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100ピコ秒から1ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、1ナノ秒から10ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、10ナノ秒から100ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100ナノ秒から1マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、1マイクロ秒から10マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、10マイクロ秒から100マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100マイクロ秒から1ミリ秒まで異なる。
いくつかの態様では、コード化粒子は、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の別個の寿命を有する少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーを含み得る。いくつかの態様では、コード化粒子は、少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーおよび少なくとも1つのタイプの色素分子を含み得、発色団ポリマーまたは色素分子のいずれかが10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の別個の寿命を有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーおよび少なくとも2つのタイプの色素分子を含み得、発色団ポリマーまたは色素分子のいずれかが10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の別個の寿命を有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーおよび少なくとも1つのタイプのランタニド材料(例えば、ランタニド発色団)を含み得、発色団ポリマーまたはランタニド材料のいずれかが10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の別個の寿命を有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、少なくとも1つのタイプの発色団ポリマー、少なくとも1つのタイプの色素分子、および少なくとも1つのタイプのランタニド材料を含み得る。発色団ポリマー、色素分子、およびランタニド材料のうちのいずれかが、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の別個の寿命を有し得る。
いくつかの態様では、コード化粒子は、寿命コード化のための少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーを含み得る。モノマー構造、モノマー種、および濃度を変化させて、コード化粒子の寿命を調節することができる。コード化粒子は、複数の発光色を生成するために2つ以上のタイプの発色団ポリマーを含み得、各発光色を独立して使用して、寿命コードを生成することができる。発色団ポリマー間のエネルギー伝達を使用して、コード化粒子の寿命を調節することができる。
いくつかの態様では、コード化粒子は、寿命コード化のための少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーおよび少なくとも1つのタイプの発色団色素を含み得る。ポリマーの発光または色素の発光のいずれかを独立して使用して、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の寿命コードを生成することができる。発色団ポリマーと色素分子との間のエネルギー伝達を使用して、コード化粒子の寿命を調節することができる。色素分子は、発色団ポリマーと物理的に会合または化学的に結合し得る。色素およびポリマーの構造、組成、および濃度を変化させて、コード化粒子の寿命を調節することができる。コード化粒子は、複数の発光色を生成するために2つ以上のタイプの色素分子を含み得、各発光色を独立して使用して、寿命コードを生成することができる。
単一色発光帯域毎にいくつかの発色団ポリマー粒子が生成され、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の別個の寿命を有する寿命コードとして使用され得る。いくつかの態様では、寿命は、10ピコ秒から100ピコ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100ピコ秒から1ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、1ナノ秒から10ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、10ナノ秒から100ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100ナノ秒から1マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、1マイクロ秒から10マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、10マイクロ秒から100マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100マイクロ秒から1ミリ秒まで異なる。色素ドープされた発色団ポリマー粒子を使用して、いくつかの寿命コードを生成することができる。
さらに別の態様では、本開示は、粒子間エネルギー伝達が制御されたコード化粒子を提供する。各粒子が異なる蛍光または発光材料由来の複数の組の発光ピークを有するため、いくつかの態様では、各ピークまたは一組のピークの強度レベルが調節され得るように粒子間エネルギー伝達を制御することが望ましい。いくつかの態様では、粒子間エネルギー伝達は、各組の発光ピークが独立して調節され得るように完全に阻止される。いくつかの態様では、粒子間エネルギー伝達は、異なる発光色および強度レベルを生成するために部分的に許容される。
いくつかの態様では、コード化粒子の2つ以上の別個の発色団間に50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満のエネルギー伝達が存在する。いくつかの態様では、コード化発色団ポリマー粒子の2つ以上の別個の発色団間にエネルギー伝達が実質的に存在しない。いくつかの態様では、存在する発色団のうちのいずれか間に50%パーセント未満のエネルギー伝達が存在する。いくつかの態様では、存在する発色団のうちのいずれか間に40%パーセント未満のエネルギー伝達が存在する。いくつかの態様では、存在する発色団のうちのいずれか間に30%パーセント未満のエネルギー伝達が存在する。いくつかの態様では、存在する発色団のうちのいずれか間に20%パーセント未満のエネルギー伝達が存在する。いくつかの態様では、存在する発色団のうちのいずれか間に10%パーセント未満のエネルギー伝達が存在する。いくつかの態様では、存在する発色団のうちのいずれか間に5%パーセント未満のエネルギー伝達が存在する。いくつかの態様では、存在する発色団のうちのいずれか間に4%パーセント未満のエネルギー伝達が存在する。いくつかの態様では、存在する発色団のうちのいずれか間に3%パーセント未満のエネルギー伝達が存在する。いくつかの態様では、存在する発色団のうちのいずれか間に2%パーセント未満のエネルギー伝達が存在する。いくつかの態様では、存在する発色団のうちのいずれか間に1%パーセント未満のエネルギー伝達が存在する。いくつかの態様では、存在する発色団のうちのいずれか間にエネルギー伝達が実質的に存在しない。いくつかの態様では、検出可能な存在する発色団のうちのいずれか間にエネルギー伝達が存在しない。
いくつかの態様では、コード化粒子は、生体分子コード化のための少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーを含む。コード化粒子は、1つ以上のタイプのコンジュゲートポリマー(例えば、半導体ポリマー)を含み得る。コード化粒子は、少なくとも2つの組の発光ピークを有する。ポリマー粒子の発光波長は、紫外線領域から近赤外線領域まで異なり得る。粒子の各組の発光ピーク(複数可)の発光強度は、独立してまたは半独立して調節および調整され得る。例示的な発色団ポリマー組成物が本明細書にさらに記載される。
いくつかの態様では、コード化粒子は、2つの組の発光ピークを含み、一方の組の発光ピークはエネルギードナー由来であり、他方の組の発光ピークはエネルギーアクセプターであり、それらの強度レベルはエネルギー伝達によって半独立して調節され得る。いくつかの態様では、ドナーの発光強度は、アクセプターの発光強度よりも高い。いくつかの態様では、ドナーの発光強度は、アクセプターの発光強度よりも低い。
ある特定の態様では、コード化粒子は、それらの安定性を特徴とし得る。光学的特性(例えば、特定の波長での発光スペクトル、発光帯域幅、蛍光または発光量子収率、蛍光または発光寿命、発光強度)は、1日、または1週間、または2週間、または1ヶ月、または2ヶ月、または3ヶ月、または6ヶ月、または1年、またはそれ以上の期間にわたって安定している。安定した蛍光または発光量子収率とは、粒子の蛍光または発光量子収率が5%超、または10%超、または20%超、または50%超、またはそれ以上変化しないことを意味する。安定した発光スペクトルとは、各ピークの他の発光ピークに対する強度比が5%超、または10%超、または20%超、または50%超、またはそれ以上変化しないことを意味する。
いくつかの態様では、コード化粒子は、以下の特性:(1)最小限のスペクトル重複を有する、複数の組の、例えば、2〜10組の十分に分解された発光ピーク、(2)各組の発光ピークの強度レベルが粒子組成およびポリマー構造を調整することによって調節されること、(3)5%超、好ましくは10%超、好ましくは20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、または90%超の高い蛍光または発光量子収率、(3)各組の発光ピークが他とは異なる蛍光または発光寿命を有すること、(4)少なくとも2週間、好ましくは1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、またはそれ以上にわたって高い安定性を有することのうちのいくつかまたは全てを有する。
本明細書にさらに記載されるように、コード化粒子は、それらの発光強度がポリマーおよびランタニド材料(ランタニドイオン、ランタニド錯体、またはランタニドナノ粒子)の組成を変化させることによって独立してまたは半独立して調節された複数の組の発光ピークを呈する。いくつかの態様では、全粒子質量に対するランタニド材料の質量濃度は、10%超である。いくつかの態様では、ランタニド材料の質量濃度は、20%超である。いくつかの態様では、ランタニド材料の質量濃度は、30%超である。いくつかの態様では、ランタニド材料の質量濃度は、40%超である。いくつかの態様では、ランタニド材料の質量濃度は、50%超である。いくつかの態様では、ランタニド材料の質量濃度は、60%超である。いくつかの態様では、ランタニド材料の質量濃度は、70%超である。いくつかの態様では、ランタニド材料の質量濃度は、80%超である。いくつかの態様では、ランタニド材料の質量濃度は、90%超である。
いくつかの態様では、1つ以上のランタニド発色団の発光ピーク(複数可)は、ポリマーマトリックスの発光ピーク(複数可)よりも短い波長を有する。いくつかの態様では、1つ以上のランタニド発色団の発光ピーク(複数可)は、ポリマーマトリックスの発光ピーク(複数可)よりも長い波長を有する。
いくつかの態様では、コード化粒子は、それらの発光寿命(例えば、蛍光または発光放出寿命またはスペクトル強度寿命)を有する複数の組の発光ピークを呈する。いくつかの事例では、発光寿命は、ポリマーおよびランタニド材料(ランタニドイオン、ランタニド錯体、またはランタニドナノ粒子)の組成を変化させることによって独立してまたは半独立して調節される。各組の発光ピーク(複数可)は、他とは異なる発光寿命を有する。寿命は、10ピコ秒から1ミリ秒まで異なり得る。いくつかの態様では、寿命は、10ピコ秒から100ピコ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100ピコ秒から1ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、1ナノ秒から10ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、10ナノ秒から100ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100ナノ秒から1マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、1マイクロ秒から10マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、10マイクロ秒から100マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100マイクロ秒から1ミリ秒まで異なる。これらの特性に基づいて、コード化粒子は、波長強度−寿命コード化に使用され得る。例えば、我々は、時間ゲート検出または画像化を用いて発色団ポリマーの蛍光とランタニドの発光とを区別することができる。
いくつかの態様では、コード化粒子は、寿命コード化のための少なくとも1つのタイプの発色団ポリマーおよび少なくとも1つのタイプのランタニド材料を含み得る。ランタニド材料は、ランタニド錯体、ランタニドイオン、およびランタニドナノ粒子を含む。ポリマーの発光またはランタニドの発光のいずれかを独立して使用して、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の寿命コードを生成することができる。発色団ポリマーとランタニド材料との間のエネルギー伝達を使用して、コード化粒子の寿命を調節することができる。異なるランタニドイオン間のエネルギー伝達を使用して、コード化粒子の寿命を調節することもできる。ランタニドナノ粒子中のエネルギー伝達を使用して、コード化粒子の寿命を調節することもできる。ランタニド材料は、発色団ポリマーと物理的に会合または化学的に結合し得る。ランタニド材料およびポリマーの構造、組成、および濃度を変化させて、コード化粒子の寿命を調節することができる。コード化粒子は、複数の発光色を生成するために2つ以上のタイプのランタニド材料を含み得、各発光色を独立して使用して、寿命コードを生成することができる。単一色発光帯域毎にいくつかの発色団ポリマー粒子が生成され、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の別個の寿命を有する寿命コードとして使用され得る。
いくつかの態様では、寿命は、10ピコ秒から100ピコ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100ピコ秒から1ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、1ナノ秒から10ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、10ナノ秒から100ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100ナノ秒から1マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、1マイクロ秒から10マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、10マイクロ秒から100マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100マイクロ秒から1ミリ秒まで異なる。
いくつかの態様では、コード化粒子は、寿命コード化のための少なくとも1つのタイプの発色団ポリマー、少なくとも1つのタイプの色素分子、および少なくとも1つのタイプのランタニド材料を含み得る。ランタニド材料は、ランタニド錯体、ランタニドイオン、およびランタニドナノ粒子を含む。ポリマーの発光、または色素の発光、またはランタニドの発光のいずれかを独立して使用して、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の寿命コードを生成することができる。発色団ポリマーとランタニド材料との間のエネルギー伝達を使用して、コード化粒子の寿命を調節することができる。ポリマーと色素との間のエネルギー伝達を使用して、コード化粒子の寿命を調節することもできる。ランタニド材料と色素との間のエネルギー伝達を使用して、コード化粒子の寿命を調節することもできる。ランタニドナノ粒子中のエネルギー伝達を使用して、コード化粒子の寿命を調節することもできる。色素分子、ランタニド材料、および発色団ポリマーは、互いに物理的に会合または化学的に結合し得る。ポリマー、色素、およびランタニド材料の構造、組成、および濃度を変化させて、コード化粒子の寿命を調節することができる。コード化粒子は、複数の発光色を生成するために2つ以上のタイプのランタニド材料および2つ以上のタイプの色素を含み得、各発光色を独立して使用して、寿命コードを生成することができる。
単一色発光帯域毎にいくつかの発色団ポリマー粒子が生成され、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の別個の寿命を有する寿命コードとして使用され得る。いくつかの態様では、寿命は、10ピコ秒から100ピコ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100ピコ秒から1ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、1ナノ秒から10ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、10ナノ秒から100ナノ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100ナノ秒から1マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、1マイクロ秒から10マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、10マイクロ秒から100マイクロ秒まで異なる。いくつかの態様では、寿命は、100マイクロ秒から1ミリ秒まで異なる。色素分子およびランタニド錯体を含むコード化粒子を使用して、いくつかの寿命コードを生成することができる。
いくつかの態様では、コード化粒子の他の調節可能な光学的特性が光学的コード化の基礎として使用され得る。例えば、光学的に検出可能なコードは、ポリマー粒子の全蛍光または発光量子収率に基づき得る。所与の励起波長でのコード化粒子の全蛍光または発光量子収率は、100%から1%まで異なり得る。いくつかの態様では、量子収率は、約90%超である。いくつかの態様では、量子収率は、約80%超である。いくつかの態様では、量子収率は、約70%超である。いくつかの態様では、量子収率は、約60%超である。いくつかの態様では、量子収率は、約50%超である。いくつかの態様では、量子収率は、約40%超である。いくつかの態様では、量子収率は、約30%超である。いくつかの態様では、量子収率は、約20%超である。いくつかの態様では、量子収率は、約10%超である。いくつかの態様では、量子収率は、約5%超である。いくつかの態様では、量子収率は、約1%超である。
他の態様では、光学的に検出可能なコードは、コード化粒子の発色団の発光速度に基づき得る。ある特定の態様では、発色団の発光速度は、約10ピコ秒〜約100ピコ秒、約100ピコ秒〜約1ナノ秒、約1ナノ秒〜約10ナノ秒、または約10ナノ秒〜約100ナノ秒の範囲である。
他の態様では、光学的に検出可能なコードは、コード化粒子の吸収特性に基づき得る。吸収ピークは、紫外線領域から近赤外線領域までシフトし得る。いくつかの態様では、コード化粒子は、1つの吸収ピークを有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、2つの吸収ピークを有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、3つの吸収ピークを有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、3つより多くの吸収ピークを有する。コード化粒子の吸収ピークは、ある特定のレーザー波長に調節され得る。いくつかの態様では、例えば、吸収ピークは、約266ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約355ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約405ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約450ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約488ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約532ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約560ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約635ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約655ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約700ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約750ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約800ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約900ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約980ナノメートルである。いくつかの態様では、吸収ピークは、約1064ナノメートルである。
いくつかの態様では、コード化粒子は、約200ナノメートル〜約300ナノメートルの吸収ピークを有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、約300ナノメートル〜約400ナノメートルの吸収ピークを有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、約400ナノメートル〜約500ナノメートルの吸収ピークを有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、約500ナノメートル〜約600ナノメートルの吸収ピークを有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、約600ナノメートル〜約700ナノメートルの吸収ピークを有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、約700ナノメートル〜約800ナノメートルの吸収ピークを有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、約800ナノメートル〜約900ナノメートルの吸収ピークを有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、約900ナノメートル〜約1000ナノメートルの吸収ピークを有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、約1000ナノメートル〜約1100ナノメートルの吸収ピークを有する。いくつかの態様では、コード化粒子は、約1100ナノメートル〜約1200ナノメートルの吸収ピークを有する。
[試料のデジタル分析]
<区画化された体積>
ある特定の態様では、本方法およびシステムを使用して、区画化された体積中の試料を分析することができる。「デジタル化された体積」という用語は、アッセイのための調製において初期試料を得てこれを物理的に別個のより小さい体積に分類する前に生成された体積を指す。
本明細書で使用されるとき、「区画化された体積」という用語は、2つの区画化された体積の内容物が容易に混合しないように空間的境界によって定義された液体の体積を指す。区画化された体積は、デジタル化された体積であり得る。区画化された体積の空間的境界の非限定的な例としては、固体構造(例えば、試験管のウェルまたはマイクロタイタープレートのウェル)、不溶性液体の界面(例えば、油水界面)、または気液界面(例えば、平面上の液体区画化された体積)が挙げられる。ウェルまたはチャンバ内の区画化された体積、アリコート、デジタル化された体積、および液体は全て、区画化された体積であり得る。区画化された体積は、同じサイズ(単分散)であり得るか、または異なるサイズ(多分散)であり得る。
本開示は、区画化された体積の生成、操作、分析、およびモデル化に使用され得るデバイス、システム、および装置を提供する。関連方法も提供される。本開示は、デジタル定量化プラットホームを使用した区画化された体積のハイスループット分析のための方法およびシステムも含む。多分散システムを使用したデジタルアッセイを可能にする一方で、本開示は、単分散システムを使用したデジタルアッセイにも適用され得る。本開示は、エマルジョン分布モデル化、データ取得、およびエマルジョン生成のための方法も含む。
本発明のいくつかの実施形態は、非混和性流体中に区画化された体積を生成することを含む。当該技術分野で周知のように、多種多様の非混和性流体が組み合わせられて、様々な体積の区画化された体積を生成することができる。本明細書にさらに記載されるように、流体は、様々な方法によって、例えば、乳化によって組み合わせられ得る。例えば、水溶液(例えば、水)が非水性流体(例えば、油)と組み合わせられて、マイクロ流体チップ等の容器中に区画化された体積を生成することができる。本発明での使用に好適な水溶液には、PCR等の検出アッセイに使用されることで一般に既知の緩衝液、塩、および他の成分をさらに含み得る水性溶液が含まれ得る。したがって、本明細書に記載の水溶液は、例えば、プライマー、ヌクレオチド、およびプローブを含み得る。好適な非水性流体には、有機相流体、例えば、鉱油(例えば、軽油)、シリコーン油、フッ素化油もしくは流体(例えば、フッ素化アルコールもしくはFluorinert)、他の市販の材料(例えば、Tegosoft(登録商標))、ポリブテン、またはそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
水溶液および非水性流体に加えて、例えば、区画化された体積の安定性を改善し、かつ/または区画化された体積の形成を容易にするために、界面活性剤も含まれ得る。好適な界面活性剤には、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素化界面活性剤、またはそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤には、例えば、モノステアリン酸ソルビタン(Span 60)、オクチルフェノキシエトキシエタノール(Triton X−100)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween 80)、およびモノオレイン酸ソルビタン(Span 80)が含まれ得る。シリコーン系界面活性剤には、例えば、ABIL WE 09界面活性剤が含まれ得る。当該技術分野で一般に周知の他のタイプの界面活性剤が同様に使用され得る。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、およそ0.01重量%、0.1重量%、0.25重量%、0.5重量%、1重量%、5重量%、または10重量%等の様々な濃度または濃度範囲で存在し得る。
<デジタルアッセイのための区画化された体積の形成>
区画化された体積は、無作為にまたはマイクロ流体の制御された適用のいずれかにより、様々な方法で作製され得る。いくつかの事例では、区画化された体積は、チャネルと区画との網状組織を含み得るマイクロ流体デバイスを通して流体(例えば、水相)を流すことによって生成され得る。例えば、区画化された体積を生成する方法は、油相が予充填された自己デジタル化デバイス(例えば、チャンバまたはウェルのアレイを含むマイクロ流体チップ等)を備えるマイクロ流体デバイスを通して水相を流し、その後、そのデバイスを通して追加の油相を流すことを含み得る。水相を流すことにより、油相が区画から移動し得る。いくつかの事例では、デバイスを通して追加の油相を流すことにより、残りの水相がチャネルから移動し得る。いくつかの事例では、デバイスを通して水相を流した後にデバイスを通して追加の油相を流すことにより、水相がデバイスの1つ以上のチャンバ内に「キャップ」および区画化され得る。例えば、デバイスを通して水相を流した後にデバイスを通して追加の油相を流すことにより、水相がデバイスのチャンバの一部内に捕捉され得る。
いくつかの事例では、区画化された体積は、開口またはチャネルのアレイを備え得るマイクロ流体デバイスを通して流体(例えば、水相)を流すことによって生成され得る。例えば、区画化された体積を生成する方法は、開口またはチャネルのアレイとは異なる高さを有するチャンバに接続されたいずれも油相が予充填された開口またはチャネルのアレイを備えるマイクロ流体デバイスを通して水相を流すことを含み得る。開口またはチャネルのアレイを通して水相を流すことにより、開口/チャネルとチャンバとの間の界面にまたはその付近に液滴が形成されるであろう。形成された液滴は、多分散サイズであり、すなわち、体積が2倍超または100%超異なる。形成された液滴は、単分散サイズであり、すなわち、体積が0.3倍未満または30%未満異なる。
区画化された体積は、流れ接合部(例えば、水相と油相が出会う場所)で生成され得る。例えば、区画化された体積は、第1の流体(例えば、水相等)がマイクロ流体デバイスの第1のチャネル(例えば、側チャネル)から流れて、第2の流体(例えば、油相)が位置し得るか、または第2の流体が流れ得るマイクロ流体デバイスの第2のチャネル(例えば、主チャネル)内に入るT字接合部で、マイクロ流体デバイス内に形成され得る。いくつかの事例では、接合部での収束流(例えば、接合流)により、第2の流体中に第1の流体の区画化された体積(例えば、液滴またはプラグ)が生成され得る。いくつかの事例では、第1の流体(例えば、水相)は、マイクロ流体デバイスの接合部で複数の流体と接触または収束し得る。第1の流体が接合部で接触または収束される複数の流体のうちの1つ以上は、油相であり得る。例えば、区画化された体積は、水性流体が十字接合部(例えば、プラス形または十字形接合部)で2つの油相と(例えば、「流れ収束(flow focusing)」様式で)接触または収束したときに形成され得る。
いくつかの事例では、第1の流体および第2の流体(例えば、水相および油相)は、第1のチャネル(例えば、内側チャネル)からの第1の流体が第2のチャネル(例えば、第1のチャネルを取り囲む外側チャネル)からの第2の流体(例えば、油相)のシース流によって取り囲まれた界面であり得る同軸接合部で出会い、複数の区画化された体積(例えば、複数の液滴)の形成がもたらされ得る。
第1の流体(例えば、水相等)は、例えば、穴またはチャネルを通して第1の流体を第2の流体に流し入れることによって、第2の流体(例えば、油相)中に分散し、それにより、第2の流体中に第1の流体を含む複数の区画化された体積が形成され得る。いくつかの事例では、複数の区画化された体積(例えば、液滴)は、複数の穴またはチャネルを通して第1の流体を第2の流体中に流し入れることによって同時に生成され得る。例えば、複数の区画化された体積は、多孔質膜またはマイクロ流体フィルターを通して第1の流体を第2の流体に流し入れることによって形成され得る。いくつかの事例では、複数の区画化された体積は、平行階段接合部または分割チャネルを通して第1の流体を第2の流体に流し入れることによって形成され得る。
いくつかの事例では、容器(例えば、管、微小管、または微小遠心管)内に収容された第1の流体(例えば、水相)および第2の流体(例えば、油相)は、せん断力に供されて(例えば、撹拌またはボルテックスにより)、容器内に複数の区画化された体積(例えば、油相中に水相の複数の液滴を含むエマルジョン)を生成し得る。いくつかの事例では、せん断力は、超音波処理により第1の流体および/または第2の流体中に導入され得る。いくつかの事例では、エマルジョン(例えば、第2の流体中の第1の流体の複数の液滴)は、収縮により(例えば、第1の流体と第2の流体との混合物を迅速におよび/または繰り返してピペット操作することによって)第1の流体および第2の流体の流れを強制することによって形成され得る。区画化された体積は、物体または構造体(ステンレス鋼ボール)を第1の流体および第2の流体を含む容器内で移動させることによっても形成され得る。容器のかき混ぜ、振動磁力、物理的振盪/撹拌、または本明細書に記載の任意の他の方法等の様々な方法を使用して容器内の物体または構造体を移動させて、区画化された体積の形成をもたらすことができる。
いくつかの実施形態では、デバイス(例えば、マイクロ流体デバイス)内またはそれを通る流体流は、デバイスの入口または近位端末端とデバイスの出口または遠位端との間に圧力差を作り出すことによって誘導され得る。圧力差は、入口に陽圧を加え、かつ/または出口に真空圧を加えることによって作り出され得る。いくつかの事例では、デバイスは、遠心力に供されて(例えば、デバイスの全てまたは一部を、例えば、回転ローター上で回転させることによって)、流体流の誘導を助けることができる。流体流を誘導する方法等の方法を使用して、デバイス内より密度の高い流体をより密度の低い流体に通すことができる。いくつかの事例では、より密度の高い流体は、水相であり得る。いくつかの事例では、より密度の低い流体は、油相であり得る。
様々な方法を使用して、異なるサイズ(例えば、直径、体積等)の区画化された体積が生成され得る。いくつかの態様では、区画化された体積は、バルブ、ウェル、またはチャンバを使用して作製され得る。定義されたサイズの区画化された体積が、マイクロ流体を使用して(例えば、当該技術分野で周知のT字チャネルまたは流れ収束を用いて)生成され得る。いくつかの事例では、異なるサイズの区画化された体積は、せん断速度またはチャネル寸法を変化させることによって形成され得る。異なるサイズの区画化された体積は、異なる界面活性剤を用いた乳化によっても生成され得る。いくつかの事例では、異なる体積の区画化された体積は、異なる界面活性剤を使用して安定化および制御され得る。
様々な方法を使用して、連続体積分布を有する複数の区画化された体積を生成することができる。例えば、本明細書における方法は、体積分布を有する複数の区画化された体積を生成することを含み得る。いくつかの態様では、試料の複数の区画化された体積は、本明細書にさらに記載されるように、非混和性流体を組み合わせることを含むエマルジョン中に生成され得る。一例では、試料は、目的とする分子(例えば、核酸分子)を含む水溶液を含み得る。試料が油と混合されて、油中に懸濁された試料の区画化された体積を形成することができる。使用される方法に応じて、エマルジョン中の複数の区画化された体積の体積は、連続体積分布に沿ってランダムに分布し得る。さらに、体積の範囲は、エマルジョンを形成するために使用される方法によって制御され得る。例えば、ボルテックス、振盪、超音波処理、および/または押出の強度は、所望の体積分布を生成するために、または界面活性剤および/もしくは油の組成を変化させることによって制御され得る。
一定体積の区画化された体積のマイクロ流体生成は、T字接合部または流れ収束デバイスを使用して達成され得る。これらのシステムでは、区画化された体積のサイズは、せん断速度およびチャネル寸法によって制御され得る。所与のT字接合部形状の場合、せん断速度が連続して変化する場合、異なる体積の区画化された体積が生成され得る。これらの方法は、例えば、水相および油担体流体の相対流速を調整するコンピュータ制御されたシリンジポンプまたは調節された空気圧によって実現され得る。
デジタルアッセイは、複数の区画化された体積を含み得る。いくつかの事例では、複数の区画化された体積は、2、3、4、5、6、10、100、200、250、300、384、500、1000、5000、10,000、20,000、30,000、50,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、1,000,000、または10,000,000個の区画化された体積を含み得る。デジタルアッセイにおける区画化された体積の数は、2〜約96、約100〜約5,000、約5,000〜約15,000、約15,000〜約30,000、約30,000〜約50,000、約50,000〜約100,000、約100,000〜約500,000、約500,000〜約1,000,000、約1,000,000〜約10,000,000個、または10,000,000個を超える区画化された体積でもあり得る。
本明細書にさらに記載されるように、デジタル測定に使用される体積は、様々な方法によって生成および分析され得る。区画化された体積の内容物がさらに処理および/または分析され得るように、容器(例えば、試料保持器)を使用して、区画化された体積を保持することができる。容器には、試験管、微小遠心管、標準のマルチウェルプレート内のウェルのアレイ、マイクロアレイ上またはマイクロ流体チップ(区画化された体積を生成するように構成されたもの)中のウェルまたはチャンバのアレイ、ならびに試料の個別の体積を保持することができる他のデバイス(例えば、ウェル、チャンバ、または管)が含まれ得る。
いくつかの態様では、様々なサイズの区画化された体積は、容器(例えば、試験管)中での乳化によってランダムに、またはマイクロ流体デバイス中での押出によって半ランダムに生成され得る。区画化された体積のエマルジョンは、2つ以上の非混和性流体間に生成され得る。本明細書で使用されるとき、「非混和性流体」という用語は、互いに物理的に接触しているときでさえも、所与の組の実験条件下で適切な程度に混合またはブレンドを経ても均一な混合物を形成しない2つ以上の流体を意味する。
区画化された体積のランダムさ(または半ランダムさ)は、区画化された体積のサイズを制御するのに必要な労力を軽減または排除することによってデジタルアッセイを単純化することができる。乳化中、異なる体積の区画化された体積は、任意の好適な界面活性剤を使用して安定化され得る。乳化アプローチは、(1)この方法が全ての生物医学研究所に見られる基本的な機器類と互換性がある、(2)区画化された体積の生成が単純であり、流れ制御のために複雑なチップ設計または精巧な設備を必要としない、(3)区画化された体積が必ずしも個々のウェルまたはチャンバ内に閉じ込められることを必要とせず、それにより、多数の区画化された体積を収容するのに必要な空間が最小限に抑えられる、および(4)同じ容器が増幅中の区画化された体積の生成および区画化された体積の保管に使用され得るため、このアッセイが単純であり得るといういくつかの理由により、特に有用である。有利に、この方法を使用して、区画化された体積の生成と増幅反応との間の試料移動が不要になる。
本開示のいくつかの態様は、非混和性流体中に区画化された体積を生成することを含む。当該技術分野で周知のように、多種多様の非混和性流体が組み合わせられて、様々な体積の区画化された体積を生成することができる。本明細書にさらに記載されるように、流体は、様々な方法によって、例えば、乳化によって組み合わせられ得る。例えば、水溶液(例えば、水)が非水性流体(例えば、油)と組み合わせられて、マイクロ流体チップ等の容器内に区画化された体積を生成することができる。本開示での使用に好適な水溶液には、PCR等の検出アッセイに使用されることで一般に既知の緩衝液、塩、および他の成分をさらに含み得る水性溶液が含まれ得る。したがって、本明細書に記載の水溶液は、例えば、プライマー、ヌクレオチド、およびプローブを含み得る。好適な非水性流体には、有機相流体、例えば、鉱油(例えば、軽油)、シリコーン油、フッ素化油もしくは流体(例えば、フッ素化アルコールもしくはFluorinert)、他の市販の材料(例えば、Tegosoft)、ポリブテン、またはそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
エマルジョンは、様々な方法で生成され得る。本開示のある特定の態様によれば、エマルジョンは、典型的には物理的撹拌である撹拌によって生成され得る。エマルジョン生成のためのいくつかの物理的撹拌法には、他の方法の中でもとりわけ、振盪、ボルテックス(個々の管または全ウェルプレートまたは他のデバイスのボルテックスを含み得る)、超音波処理、磁石との混合、迅速なピペット操作もしくは他の押出法、またはマイクロ流体デバイス内での流れ収束が含まれるが、これらに限定されない。本開示に従って使用される撹拌は、エマルジョンを生じさせるのに十分な任意の好適な撹拌手段であり得る。例えば、ボルテックス、超音波処理、ピペット操作、押出、または他の撹拌法に使用される速度、程度、および時間は、それが本開示のエマルジョン系を生じさせるのに十分であるように容易に調整され得る。エマルジョンの特定の特性は、エマルジョン系中の化学成分およびエマルジョン系が供される撹拌条件を調整することによって調節され得る。エマルジョンは、押出によって、例えば、微細構造の開口によっても生成され得る。
いくつかの態様では、区画化された体積は、複数のエマルジョンを含む。ある特定の態様では、複数のエマルジョンは、3つ以上の非混和性流体を組み合わせることによって調製される。
様々な流体または液体を使用して、本開示によるエマルジョンを調製することができる。いくつかの態様では、この系は、適切な条件下で混合されると、分散した区画化された体積層および連続担体相に分離する2つ以上の非混和性流体を含む。例えば、分散した区画化された体積相になるであろう第1の流体は、試料を含有し得る。いくつかの態様では、この第1の流体は、水溶液であろう。いくつかの態様では、この第1の流体は、液体のままであり、他の態様では、ゲルまたは固体であり得るか、またはそれになり得る。
区画化された体積エマルジョンの1つの相として使用され得る可能な水性流体には、数ある中でもとりわけ、様々なPCRおよびRT−PCR溶液、LAMPまたはNASBA等のための等温増幅溶液、血液試料、血漿試料、血清試料、細胞溶解物もしくは分泌物または細菌溶解物もしくは分泌物を含有する溶液、ならびにタンパク質、細菌、ウイルス粒子、および/または細胞(真核細胞、原核細胞、またはそれらの粒子)を含有する他の生物学的試料が含まれるが、これらに限定されない。ある特定の態様では、水性流体は、非混和性流体および/またはそれらが接触し得る他の材料もしくは界面との所望の相互作用および/または相溶性を容易にする界面活性剤または他の薬剤も含有し得る。ある特定の態様では、デバイスに充填される水溶液は、末梢血またはリンパ系または髄液流体もしくは他の体液中に循環する、悪性表現型を発現する細胞、胎児細胞、循環内皮細胞、腫瘍細胞、ウイルスに感染した細胞、目的とする遺伝子でトランスフェクトされた細胞、または自己免疫障害もしくは自己反応性障害に罹患した対象の末梢血中に存在するT細胞もしくはB細胞、または免疫細胞、または希少な細胞もしくは生物学的粒子(例えば、エキソソーム、ミトコンドリア)の他の亜型を有し得る。これらの細胞または生物学的粒子は、ある状況下では、試料中で希少であり得、離散化を使用して、例えば、細胞を空間的に単離し、それにより、細胞または生物学的粒子の検出を可能にし得る。
いくつかの態様では、連続相になるであろう第2の流体は、第1の流体と非混和性の流体であろう。第2の流体は油と称されることもあるが、油でなくてもよい。第2の流体としての機能を果たし得る潜在的な流体には、フッ化炭素系油、ケイ素化合物系油、炭化水素系油(鉱油およびヘキサデカン等)、ポリブテン、植物系油、イオン性液体、第1の水相と非混和性であるか、または第1の相との物理的障壁を形成する水相、超臨界流体、空気、または他の気相が含まれるが、これらに限定されない。
本開示のある特定の態様では、区画化された体積は、流体界面修飾を含み得る。流体界面修飾要素は、界面活性剤、脂質、リン脂質、糖脂質、タンパク質、ペプチド、ナノ粒子、ポリマー、沈殿剤、微小粒子、疎水性部分および親水性部分を有する分子、または他の成分等であるが、これらに限定されない界面安定化または修飾分子を含む。いくつかの態様では、1つ以上の流体界面修飾要素は、分散した区画化された体積相流体中に含まれるであろう流体中に存在し得る。他の態様では、1つ以上の流体界面修飾要素は、連続担体相流体中に含まれるであろう流体中に存在し得る。なお他の態様では、1つ以上の流体界面修飾要素は、分散した区画化された体積相流体中および連続担体相流体中の両方に存在し得る。エマルジョンの1つの相中に含まれるであろう流体中に存在する流体界面修飾要素は、エマルジョンの別の相中に含まれるであろう流体中に存在する流体界面修飾要素と同じまたは異なり得る。
本開示のいくつかの態様では、流体界面修飾要素を使用して、隣接するエマルジョン区画化された体積の合体を阻止し、長期エマルジョン安定性をもたらすことができる。いくつかの態様では、流体界面修飾要素は、エマルジョン安定性に寄与する場合もしない場合もある区画化された体積中に生体適合性表面を提供すること等の他のまたは追加の重要な役割を有し得る。いくつかの態様では、この成分は、流体間または区画化された体積間の成分の輸送を制御する役割を果たし得る。流体界面修飾要素のいくつかの非限定的な例としては、数ある中でもとりわけ、ABIL WE 09、ABIL EM90、TEGOSOFT DEC、ウシ血清アルブミン(BSA)、ソルビタン(例えば、Span 80)、ポリソルベート(例えば、TWEEN 20およびTWEEN 80等のPEG化ソルビタン)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1H,1H,2H,2H−ペルフルオロオクタノール(PFO)、Triton−X 100、モノオレイン、オレイン酸、リン脂質、およびPico−Surf、ならびに様々なフッ素化界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの態様では、エマルジョン系は、連続油相によって取り囲まれた目的とする試料を含有する分散水相からなるであろう。他の態様は、この系の変異もしくは修飾であり得るか、または完全に異なる組成もしくは構築のエマルジョンであり得る。代替のエマルジョン系には、水中油中水(水/油/水もしくはw/o/w)エマルジョンまたは油中水中油(油/水/油もしくはo/w/o)エマルジョン等の複数のエマルジョンが含まれる。それ故に、これらの複数のエマルジョン系は、内相、中間相、および外相を有する。いくつかの態様では、内相および外相は、同じ組成を有し得る。他の態様では、内相および外相は同様であり得、例えば、いずれも水性であり得るか、またはいずれも同じ油であり得るが、異なる小成分を有し得る。他の態様では、3つ全てのエマルジョン相は、異なる組成、時には非常に異なる組成を有し得る。
ある特定の態様では、エマルジョン系は、いずれも水性であるか、またはいずれも非水性である2つの非混和性流体を含み得る。さらなる態様では、これらの両方のエマルジョン流体は、油が互いに非混和性である油系であり得る。例えば、油の一方が、炭化水素系油であり得、他方の油が、フッ化炭素系油であり得る。他のエマルジョン系では、これらの両方の流体は、主に水性であり得るが、依然として互いに非混和性であり得る。いくつかの態様では、これは、水溶液が互いに相分離する成分を含有するときに生じる。使用され得る溶質のいくつかの例としては、デキストラン、フィコール、メチルセルロース、様々な長さのポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマー、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、Reppal PES、KPO、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、NaHPO、およびKPOを含有する系が挙げられるが、これらに限定されない。
水溶液および非水性流体に加えて、例えば、区画化された体積の安定性を改善し、かつ/または区画化された体積の形成を容易にするために、界面活性剤も含まれ得る。好適な界面活性剤には、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素化界面活性剤、またはそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤には、例えば、モノステアリン酸ソルビタン(Span 60)、オクチルフェノキシエトキシエタノール(Triton X−100)、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween 80)、およびモノオレイン酸ソルビタン(Span 80)が含まれ得る。シリコーン系界面活性剤には、例えば、ABIL WE 09界面活性剤が含まれ得る。当該技術分野で一般に周知の他のタイプの界面活性剤が同様に使用され得る。いくつかの態様では、界面活性剤は、およそ0.01重量%、0.1重量%、0.25重量%、0.5重量%、1重量%、5重量%、または10重量%等の様々な濃度または濃度範囲で存在し得る。
本開示のある特定の態様によれば、区画化された体積は、チップ中に形成され、チップ中でアッセイされ得る。さらなる態様によれば、増幅およびデジタル測定は、デジタル化チップ中で行われ得る。
例示的な一態様によれば、本開示は、異なるサイズの区画化された体積のアレイを提供し、パターン化された表面が異なるサイズの体積のアレイを作製するために使用される。この態様によれば、各アレイが900個の区画化された体積(30×30)を含有する、7つの組のアレイが作製される。アレイは、疎水性表面の背景に親水性円形パッチを作製することによって形成される。結果として、表面が水溶液および油に曝露されると、親水性パッチは、油によって取り囲まれた水性液滴によって被覆されるであろう。区画化された体積は半球形であり得るが、この形状は、我々が使用する的確な表面ならびに使用される油および水溶液に応じて変化し得る(よりパンケーキ形になるか、またはより丸みを帯びるかのいずれかである)。一態様では、重質油が使用され、油が液滴を押すため、液滴はよりパンケーキ形である。
900個の親水性パッチの各組を定義する円は、直径1μm〜5μm、10μm、50μm、100μm、500μm、および最終的に直径1mmの範囲の異なるサイズを有する。液滴の体積が液滴の直径のおよそ3乗としてスケーリングするため、パッチの直径を10倍増加させることにより、体積が約1,000倍増加する。結果として、様々なサイズの区画化された体積を使用することは、単により多くの同じサイズの区画化された体積を使用するよりも空間および読み出しの観点で効率的である。一態様では、900という数が統計的にロバストなデジタル読み出しに到達するのに好適であるため、アレイの各組の900個の区画化された体積が使用される。しかしながら、読み出しの特定の用途および必要とされるロバスト性に応じて、各組のアレイ中により多くの区画化された体積またはより少ない区画化された体積のいずれかが設計され得る。この態様によれば、異なるサイズの親水性パッチの表面パターン化の容易さのため、様々なサイズを有する区画化された体積の大規模アレイが生成され得る。この態様は、広ダイナミックレンジが所望されることが多いデジタルPCR等の用途に有用であり得、パターン化された表面を使用して作製される液滴中でPCRを行うことは非常に有益である。
[デジタル測定を行うためのデバイスおよび方法]
本開示の別の態様は、本開示の方法を行うためのデバイスを含む。この態様によれば、本開示は、体積分布を有する複数の区画化された体積を生成するための手法、複数の区画化された体積における所与の区画化された体積の体積を測定するための手法、区画化された体積中の試料の存在または不在を決定するための手法、および複数の区画化された体積中の試料の濃度を決定するための手法を提供する。本方法は、広ダイナミックレンジにわたるデジタル測定の実行、ならびにダイナミックレンジを増大させるための方法およびシステムの実行を可能にする。具体的には、本デバイスは、とりわけ、異なるサイズの試料体積を作製することによって試料のデジタル測定のダイナミックレンジを増大させる。
いくつかの態様では、本方法は、複数の区画化された体積上で同時に行われる。さらなる態様では、複数の区画化された体積は、区画化された体積のアレイを含む。なおさらなる態様では、区画化された体積のアレイは、マルチウェルプレート内に配置される。
いくつかの態様では、検出可能な薬剤の濃度は、少なくとも3桁のダイナミックレンジにわたって、または少なくとも6桁のダイナミックレンジにわたって決定される。
いくつかの態様では、複数の区画化された体積は、第1の流体および第2の流体を含み、第1の流体は第2の流体中に非混和性である。ある特定の態様では、区画化された体積のエマルジョンは、第1の流体および第2の流体を含む溶液を撹拌することによって形成され、第1の流体は第2の流体中に非混和性である。さらなる態様では、撹拌は、ボルテックスを含む。
様々な態様では、本開示は、第1の流体および第2の流体を含む溶液を撹拌することによって区画化された体積のエマルジョンを形成することであって、第1の流体が第2の流体中に非混和性である、形成することと、第3の流体中でエマルジョンを撹拌することであって、第3の流体が第2の流体中に非混和性である、撹拌することにより、二重エマルジョンを形成することと、を含む方法を提供する。
いくつかの態様では、本開示は、流体撹拌を含む方法を提供し、撹拌が、振盪、ボルテックス、超音波処理、磁石との混合、押出、流れ収束、またはそれらの組み合わせであり得る。さらなる態様では、撹拌は、エマルジョンを形成するのに十分である。さらなる態様では、押出は、流体をピペット操作することを含み、ピペット操作はエマルジョンを生成するのに十分である。ある特定の態様では、撹拌は、マイクロ流体デバイス内で生じる。
様々な態様では、第1の流体は水を含み、第2の流体は油を含み、第3の流体は水を含む。
様々な態様では、区画化された体積は、複数のエマルジョンを含む。さらなる態様では、複数のエマルジョンは、3つ以上の非混和性流体を組み合わせることによって調製される。
いくつかの態様では、第1の流体は、水性である。ある特定の態様では、第1の流体は、試料を含む。さらなる態様では、第2の流体は、油である。ある特定の態様では、第2の流体は油であり、第2の流体は、第1の流体および第3の流体と非混和性である。いくつかの態様では、第1の流体は、第3の流体とは異なる。ある特定の態様では、第3の流体は油であり、第3の流体は、第1の流体および第2の流体と非混和性である。
いくつかの態様では、エマルジョンは、水相および非水相を含む。さらなる態様では、第1の流体は水を含み、第2の流体は油を含む。
ある特定の態様では、複数の区画化された体積は、流体界面修飾要素をさらに含む。さらなる態様では、流体界面修飾要素は、界面活性剤である。なおさらなる態様では、流体界面修飾要素は、脂質、リン脂質、糖脂質、タンパク質、ペプチド、ナノ粒子、ポリマー、沈殿剤、微小粒子、疎水性部分および親水性部分を有する分子、またはそれらの組み合わせから選択される。
いくつかの態様では、本方法は、非混和性流体のうちの1つ以上をゲルまたは固体に変換することをさらに含む。ある特定の態様では、非混和性流体は、試料の増幅前に、試料の増幅中に、または試料の増幅後に、ゲルまたは固体に変換される。
本明細書で使用されるとき、「ダイナミックレンジ」という用語は、変化可能な数量の可能な最大値と可能な最小値との比率として定義される。
「デジタルアッセイ」という用語は、より小さい測定値の計数に基づいて測定が行われるアッセイを意味し、より小さい測定値は各々二進であり、それに割り当てられ得る正確に2つの可能な値の一方である値を有する。本明細書に記載のデジタルアッセイは、流体の個々の体積から得られた二進測定値の計数に基づいて流体中に存在する試料の測定を含む。
体積の分析前または分析中に反応(例えば、増幅)が異なるサイズを有する体積で行われて、どの体積が反応を経た(例えば、増幅産物を有する)かを決定することができる。ある特定の例では、体積(例えば、区画化された体積)がサイズ決定され、占有された区画化された体積(例えば、検出可能な薬剤を含有する区画化された体積)の数が計数される。区画化された体積のうちの全てまたはいくつかのみが分析され得る。分析は、例えば、フローサイトメーターまたは同様のデバイスを通して区画化された体積を一列に流すことによって達成され得、区画化された体積のサイズが決定され得、増幅の存在が検出され得る。区画化された体積のサイズは、例えば、区画化された体積からの散乱シグナルに基づいて決定され得、増幅の存在が区画化された体積からの蛍光シグナルによって示され得る。あるいは、区画化された体積の直径は、顕微鏡法によって決定され得る。区画化された体積は、容器(例えば、試料保持器)から抽出され(反応、例えば、増幅の前、増幅の最中、または増幅の完了後)、CCDカメラを用いて広視野で画像化され得る。区画化された体積は、例えば、スライドガラスの表面上に拡散されるか、または2つのスライドガラス間に包埋され、広視野顕微鏡下に置かれ得る。適切な励起フィルターおよび発光フィルターを使用することにより、区画化された体積中の蛍光が定量化されて、増幅の存在または不在を明らかにすることができる。区画化された体積のサイズおよび各区画化された体積中の増幅産物の存在または不在の両方に留意することにより、十分な数の異なるサイズの区画化された体積を照会した後に試料中に存在する分析物の初期濃度を逆算することが可能である。区画化された体積が異なるサイズであるため、所与のダイナミックレンジについて、この分析は、区画化された体積が全て同様のサイズである場合よりもはるかに速い。いくつかの態様では、本明細書における方法は、複数の区画化された体積における区画化された体積の数および複数の区画化された体積における区画化された体積の個々の体積を使用して、デジタル測定を行うことをさらに含む。例えば、目的とする分子の試料濃度は、複数の区画化された体積における区画化された体積の数、1つ以上の目的とする分子を有する複数の区画化された体積における区画化された体積の数を使用して、かつ複数の区画化された体積における区画化された体積のうちのいくつかまたは全ての体積を測定することによって決定され得る。
いくつかの態様では、本開示は、デジタルアッセイを行うための方法であって、複数の区画化された体積を生成することであって、区画化された体積のうちの少なくともいくつかが試料を含む、生成することと、試料を増幅することと、試料を検出可能な薬剤で標識することと、フローサイトメトリーチャネルを通して複数の区画化された体積を流すことと、区画化された体積がフローサイトメトリーチャネルを通して流れるときにその体積を決定することと、区画化された体積中の検出可能な薬剤の存在または不在を決定することと、複数の区画化された体積中の検出可能な薬剤の存在または不在に基づいて複数の区画化された体積中の試料の濃度を決定することと、を含む、方法を提供する。
ある特定の態様では、試料の濃度を決定することは、区画化された体積から散乱した光を検出することを含む。
本開示は、デジタル測定が試料についての有用な情報を提供する任意の技法に使用され得る。したがって、本明細書に提供される方法、システム、およびデバイスは、検出可能な薬剤を含有する体積を含み得る。ある特定の態様では、体積は、検出可能な薬剤を含有するマイクロ流体チップ内のウェルもしくはチャンバまたは区画化された体積(例えば、エマルジョン中またはチップの表面上に形成された水区画化された体積)であり得る。検出可能な薬剤が単一の検出可能な分子または複数の検出可能な分子を含み得ることが一般に理解されるであろう。他のタイプの検出可能な薬剤、例えば、ビーズ、量子ドット、およびナノ粒子等が使用され得る。さらに、検出可能な薬剤は、例えば、分析される試料中に存在する目的とする分子(例えば、血液、血清、唾液、または他の溶液中の核酸分子)であり得る。あるいは、検出可能な薬剤は、試料中の目的とする分子(例えば、核酸分子)と会合する分子であり得、それにより、分子の検出が可能になり得る。いくつかの態様では、本開示の方法およびシステムは、デジタル測定を伴う増幅関連技法(例えば、デジタルPCR)に使用され得る。増幅測定について、体積(例えば、区画化された体積)は、例えば、単一DNA分子を含み得るが、体積は、増幅および検出に使用されることで一般に周知の必要な成分も含有するであろう。いくつかの態様では、検出可能な薬剤は蛍光性であり、それ故に、当該技術分野で既知の蛍光に基づく検出法によって検出され得る。しかしながら、他の検出法(例えば、吸光度、化学発光、濁度、および/または散乱)を使用して、体積の内容物を分析することができる。本開示に好適な様々な検出可能な薬剤が当該技術分野で一般に周知であり、例えば、The Molecular Probes Handbook,11th Edition(2010)で見つけることができる。
いくつかの態様では、本開示の方法は、区画化された体積が試料を含む場合にのみ、区画化された体積の体積を測定することを含む。さらなる態様では、本方法は、試料を含まないと決定されたいずれの区画化された体積も測定結果から排除することを含む。いくつかの態様では、試料濃度は、試料を含むと決定された区画化された体積のみを特定、サイズ決定、または列挙することによって、本明細書に開示される方法に従って決定される。いくつかの態様では、試料濃度は、試料の総体積を測定または知ることによって、かつ試料を含むと決定された区画化された体積のみを特定、サイズ決定、および列挙することによって決定される。さらなる態様では、試料中の分析物の濃度は、試料の総体積を測定または知ることによって、かつ全ての正の区画化された体積を列挙し、各正の区画化された体積の体積を決定することによって決定される。この方法の利点には、走査される区画化された体積の数を減少させること、それにより、試料濃度を決定するための分析時間を短縮することが含まれる。
本明細書にさらに記載されるように、本開示は、既存の方法およびシステムでは達成することができないデジタル測定のための様々な態様を提供する。例えば、本開示は、広ダイナミックレンジにわたって試料濃度を測定する能力を提供し得る。いくつかの態様では、ダイナミックレンジは、少なくとも3桁、少なくとも4桁、少なくとも5桁、または少なくとも6桁であり得る。いくつかの態様では、ダイナミックレンジは、約10〜1010分子/mL、約10〜10分子/mL、約10〜1010分子/mL、約10〜10分子/mLであり得る。ある特定の態様では、ダイナミックレンジ内の試料濃度を決定することは、試料中の目的とする分子と会合している検出可能な薬剤を検出することによって行われ得る。ダイナミックレンジは、エマルジョン中に生成される体積の範囲および/または分析および検出される体積の範囲等の様々な要因に依存し得る。ある特定の態様では、体積分布は、連続的に変化する区画化された体積サイズを含む。
いくつかの態様では、本方法は、濃度勾配を使用してチップ上で行われる。dPCRをオンチップ勾配生成と統合することにより、または様々なサイズの区画化された体積を使用することにより、またはこれらの両方の方法の組み合わせにより、本開示は、我々のdPCRチップのダイナミックレンジを1桁〜6桁効果的に増大させ、これは、RT−PCRによって提供されるダイナミックレンジに匹敵する。より広範囲の濃度勾配またはより大きいサイズ差を有する区画化された体積のアレイを使用することにより、所望の場合、ダイナミックレンジがさらに増大し得る。定量的PCR(qPCR)を行うためのこの方法は、(1)それがより正確であること、(2)それがRT−PCRに必要な較正試料のタイプを実施する必要性を未然に防ぎ、それ故に、ハイスループットがより高くなること、および(3)それがリアルタイム高感度蛍光検出の必要性(標準のPCRデバイスに対してRT−PCRの比較的高いコスト(約10倍)の原因である)を取り除くという既存の技術に優るいくつかの主要な利点を提供する。
本開示の別の態様は、本開示の方法を行うためのデバイスを含み、このデバイスは、異なるサイズのデジタル化された個別の体積のアレイを作製する。別の態様では、このデバイスは、試料濃度勾配を作り出すことと、異なるサイズの試料体積を作製することとを含む、試料のデジタル測定のダイナミックレンジを増大させるための方法を行う。
いくつかの態様では、本開示は、デジタル測定を使用して試料の濃度を決定するための方法を提供する。この方法は、体積分布を有する複数の区画化された体積を生成することであって、複数の区画化された体積の区画化された体積のうちの少なくとも1つが試料由来の内容物を含有する、生成することと、区画化された体積の体積を決定することと、区画化された体積中の試料の存在不在を決定することと、区画化された体積の体積および検出可能な薬剤を含有することが見出された区画化された体積の数を使用して、試料の濃度を決定することとを含み得る。
いくつかの態様では、本開示は、様々なサイズ(すなわち、体積)のデジタル化された個別の体積のアレイの作製に基づくデジタル測定のダイナミックレンジを増大させる方法を含む。この方法は、ダイナミックレンジを増大させるように単に区画化された体積の数を相かさせるよりも良好である。これは、単に区画化された体積の数を増加させることにより、体積が占有する面積が増加し、いくつかの区画化された体積が適切に生じないか、または他の欠陥を有するチップ上に欠陥を有する可能性も高まるためである。単に区画化された体積の数を増加させることは、全ての区画化された体積を分析するのに必要な時間を増加させることによってスループットも低減する。ある特定の態様では、ダイナミックレンジは、単に区画化された体積の数を増加させるよりも異なるサイズの区画化された体積のアレイを作製することによって増大し得る。異なるサイズの区画化された体積のアレイは、ランダムアレイ(例えば、全て容器内に存在し、かつランダムに分布している異なる直径の区画化された体積)であり得るか、または規則的なアレイであり得る。
ある特定の態様では、区画化された体積は、その後、区画化された体積のサイズが決定され得、かつ区画化された体積からの蛍光が照会され得るフローサイトメーターまたは他の同様のデバイスを通して一列に流され得る。フローサイトメトリーまたは他の貫流方法を使用する場合、各区画化された体積中の増幅産物の存在が蛍光に基づいて決定され、各区画化された体積のサイズ(体積)が区画化された体積からの散乱シグナルに基づいて決定される。あるいは、サイズは、区画化された体積が装置を通過するときに画像ベースのフローサイトメトリーと同様の様式で画像を撮影することによって決定され得る。このようにして、各区画化された体積のサイズおよび所与のサイズの各区画化された体積中の増幅産物の存在または不在の両方に留意することにより、十分な数の異なるサイズの区画化された体積を照会した後に試料中に存在する分析物の初期濃度を逆算することが可能である。区画化された体積が異なるサイズであるため、所与のダイナミックレンジについて、この分析は、上述の理由により、区画化された体積が全て同様のサイズである場合よりもはるかに速い。
さらに、区画化された体積のエマルジョンは、第1の流体および第2の流体を含む溶液を撹拌することによって形成され得る。第1の流体は、第2の流体中に非混和性であり得る。エマルジョンは、第3の流体中で撹拌され得る。第3の流体は、第2の流体に非混和性であり、それにより、二重エマルジョンを形成し得る。第1の流体は水を含み得、第2の流体は油を含み得、第3の流体は水を含み得る。流体(複数可)は、多くの方法で、例えば、振盪、ボルテックス、超音波処理、磁石との混合、押出、流れ収束、またはそれらの組み合わせによって撹拌され得る。撹拌は、エマルジョンを形成するのに十分であり得る。例えば、押出は、流体をピペット操作することを含み得、ピペット操作はエマルジョンを生成するのに十分である。撹拌は、マイクロ流体デバイス内で生じ得る。
エマルジョンは、水相および非水相を含み得る。区画化された体積は、複数のエマルジョンを含み得る。区画化された体積は、複数のエマルジョンを含み得る。複数のエマルジョンは、3つ以上の非混和性流体を組み合わせることによって調製され得る。3つ以上の非混和性流体は、第1の流体、第2の流体、および第3の流体を含み得る。第1の流体は、水性であり得る。第2の流体は、油を含み得る。第2の流体は、第1の流体および第3の流体と非混和性であり得る。非混和性の第1の流体、第2の流体、および/または第3の流体(複数可)は、ゲルまたは固体に変換され得る。第1の流体は、第3の流体とは異なり得る。第3の流体は、油を含み得る。第3の流体は、第1の流体および第2の流体と非混和性であり得る。非混和性の第3の流体は、固体またはゲルに変換され得る。第1の流体は、検出用の試料を含み得る。第1の流体の屈折率は、第2の流体の屈折率と200%未満、100%未満、60%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、19%未満、18%未満、17%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満異なり得る。
本開示のシステムは、複数の区画化された体積中の試料の体積および存在または不在を分析するように構成された検出システムをさらに含む。この検出システムは、体積の内容物を分析し、区画化された体積の体積および/または目的とする他の特性を決定するための検出器を含み得る。本明細書に記載の方法は、一般に、体積(例えば、区画化された体積および/またはウェル)を検出および分析することができる任意の既知のシステムと互換性がある。
[デジタルアッセイシステム]
本明細書に記載のシステムは、複数の区画化された体積を収容する容器(例えば、試料保持器)、試料、標的分子、複数の区画化された体積のうちの少なくとも1つの区画化された体積中に含有されるコード化粒子もしくは指標、またはメモリデバイスを備えるコンピュータを含み得る。任意に、本システムは、区画化された体積のサイズ(すなわち、区画化された体積の体積)を検出するための検出器も含み得る。デジタルアッセイを行うためのシステムは、熱エネルギーを1つ以上の区画化された体積に適用するように構成された加熱要素も含み得る。
<デジタルアッセイの試料>
本明細書で使用される試料は、デジタルアッセイの成分であり得る。試料またはその一部は、区画化された体積(例えば、デジタル化された体積)にアリコート、分割、または別様に分けられ得る。試料は、均一溶液または不均一混合物を含み得る。試料は、対象(例えば、動物、植物、または単細胞生物)由来の組織、細胞、流体、標的分子、またはそれらの組み合わせを含み得る。例えば、試料は、血液、血清、血漿、尿、便、リンパ液、唾液、または脳脊髄液を含み得る。いくつかの事例では、試料は、処理(例えば、濾過、精製、均質化、濃縮、希釈、または区画化)され得るか、または増大され得る(例えば、分子、酵素、クエンチャー、プローブ、内部標準、検出可能な薬剤、または増幅試薬等の他の試薬の添加により)。
試料は、1つ以上の標的分子(例えば、複数の標的分子、目的とする分子、または分析物等)を含み得る。試料は、1つより多くのタイプの標的分子(例えば、1つより多くの別個の標的分子、1つより多くの種の標的分子、または1つより多くの組の標的分子)、複数のタイプの標的分子(例えば、複数の別個の標的分子、複数の種の標的分子、または複数の組の標的分子)も含み得る。いくつかの事例では、試料は、標的分子を含まない場合がある。標的分子の非限定的な例としては、ポリペプチド、ポリヌクレオチド(例えば、ゲノムDNA、相補的DNA、組換えDNA、無細胞DNA、オリゴヌクレオチド、RNA分子、例えば、メッセンジャーRNA、リボソームRNA、転移RNA、非コードRNA、核内低分子RNA、核小体低分子RNA、ガイドRNA、マイクロRNA、CRISPR RNA、piwi相互作用RNA、低分子干渉RNA、ウイルスRNA、もしくはそれらの断片)、細胞、希少細胞、細胞画分、細胞小器官、ウイルス、薬物、毒素、炭水化物、糖、脂質、脂肪酸、代謝物、またはそれらの断片もしくは誘導体が挙げられる。試料は、増幅され得る。試料の分子(例えば、標的分子)は、コード化粒子または他の発色団等の検出可能な薬剤で標識され得る。
試料またはその一部は、標的分子またはタイプの標的分子を欠き得る(例えば、試料の一部は、複数の別個の分子のうちの1つ以上の別個の分子を欠き得る)。試料は、1つの区画化された体積または複数の区画化された体積が試料の一部を含有するが、試料を区画化された体積に分ける前に試料中に見られる標的分子を含有しないように、区画化された体積にアリコート、区分化、または別様に分けられる。いくつかの事例では、全試料が標的分子を欠く。例えば、試料は、ブランク試料(例えば、対照試料)を含み得る。ブランク試料は、患者試料と化学的または物理的特性を共有するが、患者試料中に存在する標的分子を欠く流体であり得る。
いくつかの態様では、標的分子は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、細胞、ウイルス、小分子、薬物、毒素、炭水化物、糖、脂質、または脂肪酸であり得る。いくつかの態様では、標的分子は、タンパク質等のポリペプチドであり得、プローブの結合領域は、標的分子に結合するか、またはそれとハイブリダイズするように構成され得る。他の態様では、標的分子は、目的とするビオチン化タンパク質であり得、プローブの結合領域は、ビオチン化タンパク質に特異的に結合するアビジン(例えば、ストレプトアビジン)である。
<区画化された体積用の容器>
区画化された体積は、容器内に位置し得る。容器(container)は、区画化された体積を個別の体積として維持することができる容器(vessel)を含み得る。容器は、(例えば、検出可能なシグナルまたはコードの検出中に)区画化された体積または複数の区画化された体積を保持するように構成され得る。例えば、容器は、試験管、試料管、毛細管、ピペットもしくはピペットチップ、マルチウェルプレート(例えば、マイクロタイタープレート)のウェル、またはマイクロ流体チップであり得る自己デジタル化チップ内のチャンバを含み得る。いくつかの事例では、容器は、複数の区画化された体積を収容する。例えば、自己デジタル化チップまたはマイクロ流体チップは、各チャンバが区画化された体積を含み得る複数のチャンバを含み得る。マルチウェルプレートも、各ウェルが区画化された体積を含み得る複数のウェルを含み得る。管、チャネル、または管類の長さは、例えば、疎水性力によって分離される複数の区画化された体積を収容し得る。いくつかの点で、容器は、チップを含み得るか、または、チップ内のチャンバ等のチップのある領域を含み得る。チップは、自己デジタル化チップを含み得る。本明細書に記載の方法およびシステムと使用され得る自己デジタル化チップ等の容器の例は、参照により全体が組み込まれるWO2012/100198で見つけることができる。
<温度制御装置>
本開示の方法およびシステムは、区画化された体積のおよび/または本明細書に記載の方法およびシステムに使用される任意の分子もしくは試薬の温度を制御するための温度制御装置(温度制御デバイスを含み得る)を含み得る。したがって、制御された(例えば、調節された)温度は、標的温度または温度設定点を定義することによって区画化された体積および/またはその内容物に適用され得る。区画化された体積(例えば、細胞、分子、または検出可能な薬剤)の温度を制御することにより、増幅の程度および効率(例えば、核酸の合成、伸長、アニーリング、または融解を含むデジタルプロセスの任意のステップまたはプロセス)が改善または最適化され得る。
いくつかの実施形態では、複数の温度制御デバイスを使用して、例えば、デジタルアッセイの個々の区画化された体積(例えば、マルチウェルプレートまたはマイクロ流体チップ等の容器のウェルまたはチャンバ)にわたる温度の均一性を改善することができる。温度制御デバイスを使用して、試料、群、アッセイ、および実験間で一貫した実験条件を維持することができる。増幅または伸長プロセス中に区画化された体積またはその中に含有される分子の温度を上昇させることにより、区画化された体積中の分子の増幅または伸長を引き起こすか、調節するか、または停止することが可能である。
温度制御デバイスは、区画化された体積中またはその付近の温度を上昇させるための加熱要素を含み得る。加熱要素は、電気加熱要素、対流加熱要素、空気加熱要素、ペルチェ加熱要素、抵抗加熱要素、燃焼加熱要素、誘導加熱要素(誘導コイル等を備える容器とともに使用され得る)、化学的加熱要素、または光加熱要素(例えば、赤外光)を含み得る。加熱要素機構の選択は、近傍に生み出される印加電圧または電場への影響、変化またはノイズをほとんどまたは全く伴うことなく区画化された体積(またはその内容物)中の規定の温度を精密かつ正確に誘導する能力、および所与の適用のための適合性に関する考慮事項に基づいて行われ得る。温度制御デバイスは、区画化された体積(またはその内容物)付近の温度を低下させるための冷却要素も含み得る。例えば、冷却要素は、ペルチェデバイスを含み得る。
温度制御デバイスは、温度を経時的に変化させることができるシステムを含み得る。この温度制御デバイスまたは複数の温度制御デバイスは、独立してまたは他の実験条件と協働して、区画化された体積、区画化された体積(またはその内容物)の一部、容器、または容器の一部の温度を経時的に変化させるように(手動またはデジタルで)規定され得る。このようにして、区画化された体積またはその内容物(例えば、プローブまたは標的分子)の加熱および/または冷却が周期性になり得る。
温度制御デバイスは、ヒートシンクまたは冷蔵装置等の冷却要素も備え得る。
温度制御デバイスは、熱電対および/またはペルチェヒートポンプを備え得る。温度制御デバイスは、温度制御デバイス(温度を上昇させる手段、温度を検出する手段、および/または温度を低下させる手段を含み得る)を容器内に組み込むことによって、または温度制御デバイスを区画化された体積に近接して位置付けることによって、または容器または区画化された体積周辺の温度を制御することによって、区画化された体積またはその内容物(例えば、プローブまたは標的分子)の温度を制御するために(例えば、手動でまたはコンピュータプロセッサで実行可能なプログラムによって)使用され得る。コンピュータプロセッサの制御フィードバックループ、熱電対等の温度検出要素、および加熱要素または冷却要素を介して、区画化された体積またはその内容物の温度は、温度設定点に対して測定され得る、0.25℃以下、0.5℃以下、0.75℃以下、1℃以下、2℃以下、3℃以下、4℃以下、または5℃以下の変動で制御され得る。
温度設定点は、実験(例えば、本明細書に記載の増幅または伸長)が行われる標的温度であり得る。温度設定点は、コンピュータのメモリに記憶されたプログラム化プロトコルによって規定され得るか、または(例えば、タッチスクリーンまたはキーボード等の入力インターフェースにより)ユーザーによって手動で規定され得る。
本明細書に記載のデジタルアッセイを行うためのシステムは、複数の区画化された体積のうちの少なくとも1つの区画化された体積の温度を制御することができる加熱要素を含み得る。本明細書に記載のデジタルアッセイを行うためのシステムは、複数の区画化された体積またはその一部を個別にまたは協働して加熱することができる加熱要素を含み得る。加熱要素は、区画化された体積の温度が標的温度または一連の事前選択された温度に順に上昇または低下し得る熱サイクリング法を含むデジタルアッセイに使用され得る。いくつかの事例では、加熱要素は、熱エネルギーを1つ以上の区画化された体積に個別の温度ステップで適用し得る。加熱要素は、熱エネルギーを区画化された体積にある増加率で経時的に適用するように構成される場合もある。いくつかの事例では、デジタルアッセイシステムの加熱要素は、熱エネルギーを複数の区画化された体積に協働して適用し得る。加熱要素は、複数の区画化された体積(またはその一部)の温度が標的温度に上昇してその温度で維持される等温デジタルアッセイ法にも使用され得る。例えば、加熱要素を使用して、区画化された体積の温度を、約35℃、約36℃、約37℃、約38℃、約39℃、約40℃、約41℃、約42℃、約43℃、約44℃、約45℃、約46℃、約47℃、約48℃、約49℃、約50℃、約51℃、約52℃、約53℃、約54℃、約55℃、約56℃、約57℃、約58℃、約59℃、約60℃、約61℃、約62℃、約63℃、約64℃、約65℃、約66℃、約67℃、約68℃、約69℃、約70℃、約71℃、約72℃、約73℃、約74℃、約75℃、約76℃、約77℃、約78℃、約79℃、約80℃、約81℃、約82℃、約83℃、約84℃、約85℃、約86℃、約87℃、約88℃、約89℃、約90℃、約91℃、約92℃、約93℃、約94℃、約95℃、約96℃、約970℃、またはそれらの値のうちのいずれか2つによって定義される範囲内の温度に上昇もしくは低下させるか、またはその温度で維持することができる。いくつかの事例では、加熱要素は、複数の区画化された体積を複数の標的温度に個別にまたは群で加熱することができる。いくつかの事例では、加熱要素は、区画化された体積のアレイ内等の複数の区画化された体積にわたる連続温度勾配を提供するように構成され得る。
<画像化源>
画像化源は、本明細書に記載の画像化デバイスおよび画像化源のうちのいずれかを含み得る。画像化源は、例えば、光学的画像化源を含み得る。画像化源は、共焦点顕微鏡法、線共焦点顕微鏡法、デコンボリューション顕微鏡法、スピニングディスク顕微鏡法、多光子顕微鏡法、平面照明顕微鏡法、ベッセルビーム顕微鏡法、微分干渉コントラスト顕微鏡法、位相コントラスト顕微鏡法、落射蛍光顕微鏡法、明視野画像化、暗視野画像化、斜照明、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を行うように構成され得る。
本明細書に記載のシステムおよび方法は、コード化粒子または分子を画像化または検出するための放射線源を含み得る。放射線源は、可視光、赤外線光、紫外線光、マイクロ波、またはX線(X線回折に使用するため)等の任意の波長の放射線源を含み得る。いくつかの事例では、デジタルアッセイに使用される放射線源を使用して、フルオロフォアまたは発色団を励起することができる。区画化された体積の内容物(例えば、プローブ、コード化粒子、色素、フルオロフォア、発色団、指標、標的分子等)を刺激することにより、検出可能なコードまたはシグナルを生成することが可能であり、これを使用して、区画化された体積にデジタル値を割り当てることができる。
いくつかの態様では、電磁放射線源は、レーザー、ランプ、LED、またはそれらの組み合わせを備える。いくつかの態様では、本システムは、スペクトルフィルター、多色ミラー、またはそれらの組み合わせをさらに備える。いくつかの態様では、検出器は、顕微鏡を備える。いくつかの態様では、検出器は、カメラを備える。いくつかの態様では、検出器は、フローサイトメーターを備える。いくつかの態様では、プロセッサは、測定された発光特性に基づいて分析物をフローサイトメーターまたはマイクロ流体デバイスのフローセルに方向付けることができる。
いくつかの態様では、本システムは、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の異なる分析物等の複数の異なる分析物を含む。いくつかの態様では、本システムは、例えば、各々が2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の異なる分析物のうちの1つに対する結合親和性を有する、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の異なる生体分子に結合した、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の異なるコード化発色団ポリマー粒子等の複数の異なるコード化発色団ポリマー粒子を含む。
いくつかの態様では、本システムは、コード化発色団ポリマー粒子を含有する懸濁液および試料に励起源としての機能を果たすように構成された電磁放射線源を提供する。いくつかの態様では、電磁放射線源は、レーザーを備える。いくつかの態様では、レーザーによって放出されたピーク波長は、約200nm〜約300nm、約250nm〜約350nm、約300nm〜約400nm、約350nm〜約450nm、約400nm〜約500nm、約450nm〜約550nm、約500nm〜約600nm、約550nm〜約650nm、約600nm〜約700nm、約650nm〜約750nm、約700nm〜約800nm、約750nm〜約850nm、約800nm〜約900nm、約850nm〜約950nm、または約900nm〜約1000nmである。いくつかの態様では、別個のピーク波長を有する2つ以上のレーザーが使用され得る。
いくつかの態様では、電磁放射線源は、発光ダイオード(LED)を含む。LEDは、半導体光源である。いくつかの態様では、LEDのアノードリードがそのカソードリードよりも少なくともLEDの順方向電圧降下分だけ正の電圧を有する場合、電流が流れる。電子は、デバイス内の正孔と再結合することができ、光子の形態でエネルギーを放出する。光の色(光子のエネルギーに対応する)は、半導のエネルギー帯ギャップによって決定される。
いくつかの態様では、LEDによって放出されたピーク波長は、約200ナノメートル〜約300nm、約250nm〜約350nm、約300nm〜約400nm、約350nm〜約450nm、約400nm〜約500nm、約450nm〜約550nm、約500nm〜約600nm、約550nm〜約650nm、約600nm〜約700nm、約650nm〜約750nm、約700nm〜約800nm、約750nm〜約850nm、約800nm〜約900nm、約850nm〜約950nm、または約900nm〜約1000nmである。いくつかの態様では、別個のピーク波長を有する2つ以上のLEDが使用され得る。
<検出システム>
本明細書で論じられるように、本開示は、複数の区画化された体積のうちの1つの区画化された体積中の体積および標的分子の存在または不在を分析するように構成された検出システムを含む。検出システムは、ユーザーによって操作されるように構成されたコンピューティングデバイス、コンピューティングデバイスによって操作されるように構成された画像化源、および画像化プラットホームまたは源によって画像化されるように構成されており、かつ画像化および分析される区画化された体積系またはエマルジョン系を含有し得るマルチウェルプレートを備え得る。検出システムは、ユーザーによって操作されるように構成されたコンピューティングデバイス、コンピューティングデバイスによって操作されるように構成された画像化源、および画像化プラットホームまたは源によって画像化されるように構成されており、かつ画像化および分析される区画化された体積系またはエマルジョン系を含有し得るマイクロ流体チップを備え得る。
本開示のいくつかの態様では、区画化された体積中の1つ以上の標的分子の存在は、特定の波長範囲の蛍光の増加によって示される。いくつかの態様では、PCR反応産物は、特定の波長範囲の蛍光(指標蛍光)の増加により標的分子の存在を示す。いくつかの態様では、参照薬剤が標的分子と並行して利用され得る。この態様によれば、区画化された体積は、標的分子が存在するかにかかわらず、標的分子の波長範囲とは別の波長範囲で蛍光(すなわち、参照蛍光)を放出する。所与の組の区画化された体積の場合、指標蛍光および参照蛍光の別個の組の画像が取得され、各々における区画化された体積が特定および測定される。所与の区画化された体積からの指標蛍光および参照蛍光が比較され得る。いくつかの態様では、指標蛍光の参照蛍光に対する比率を使用して、その特定の区画化された体積が標的分子を含有するかを示すことができる。他の態様では、指標蛍光の絶対強度は、区画化された体積が標的を含有したかを示すのに十分であろう。いくつかの態様では、背景画素またはその複数の平均値が、指標の蛍光強度および参照強度が比較される前に区画化された体積内の画素強度から差し引かれ得る。この分析を行うことにより、区画化された体積直径のリストが得られ、各々の測定された区画化された体積について、区画化された体積が占有されている(1つ以上の標的分子を含有する)か否かを定義する二進尺度が得られる。その後、区画化された体積サイズのリストおよび占有された区画化された体積の総数を使用して、試料の標的濃度を得ることができる。
本開示の方法を適用すると同時に、エマルジョン中の区画化された体積のサイズ、内容物、および/または他の態様を測定する多くの可能な方法が存在する。いくつかの態様では、区画化された体積は、フローサイトメーターを備える光学検出器によって光学的に測定され得る。この態様によれば、区画化された体積は、区画化された体積の形状が歪められない大流量の流路を貫流し得、それらの体積は、区画化された体積が光励起源を通過したときに光電子増倍管等の光学検出器によって取得される光散乱パターンの測定に基づいてコンピュータソフトウェアによって決定され得る。他の態様では、区画化された体積は、区画化された体積が流路幅と一致する狭い流路を通過することができる。この態様によれば、分散した区画化された体積の体積は、流路内の個々の区画化された体積の流路幅および長さを使用してそれらの体積を定義することによって決定され得る。
本開示による様々なシグナル検出法が使用され得る。様々な態様では、本方法およびシステムは、光学検出および光学検出器を使用して区画化された体積態様の検出を提供する。いくつかの態様では、エマルジョン系は、蛍光顕微鏡およびその関連構成要素を備える光学検出器によって光学的に測定され得る。画像は、例えば、複数の焦点深度からデータを取得するためにミラーのプログラマブルアレイまたは空間光変調器を使用する、共焦点レーザー走査顕微鏡、スピニングディスク(Nipkowディスク)共焦点顕微鏡、または顕微鏡を用いて取得され得る。他の態様では、画像は、落射蛍光顕微鏡を用いて取得され得る。いくつかの態様では、その後、落射蛍光顕微鏡を用いて取得された画像は、コンピュータソフトウェアによって行われる三次元デコンボリューションアルゴリズムを使用して処理され得る。他の態様では、画像は、二光子顕微鏡等の多光子顕微鏡を用いて取得され得る。他の態様では、画像は、平面照明顕微鏡法、ベッセルビーム顕微鏡法、微分干渉コントラスト顕微鏡法、位相コントラスト顕微鏡法、明視野画像化、暗視野画像化、または斜照明を使用して取得され得る。いくつかの態様では、画像は、本明細書に列記される画像化デバイスおよび画像化法の組み合わせ、または本方法に合理的に適用され得る任意の他の好適な画像化デバイスおよび画像化法を使用して取得され得る。
デジタルアッセイシステムの検出器は、区画化された体積またはその内容物の様々な態様を検出するように構成され得る。例えば、検出器は、(例えば、画像化源または電磁放射線源によって励起または照射された結果として)区画化された体積内で散乱した光を検出するように構成され得る。いくつかの事例では、検出器は、発色団を含むプローブ、コード化粒子、または別の粒子からの検出可能なシグナルまたはコードを検出することができる。いくつかの事例では、検出器は、光学的に検出可能なシグナルまたはコードを検出するように構成され得る。
いくつかの事例では、検出器は、発光強度(例えば、発光ピーク強度)、発光波長(例えば、発光ピーク波長)、発光寿命、またはそれらの組み合わせを検出または測定するように構成され得る。例えば、検出器は、発光強度(例えば、発光ピーク強度)、発光波長(例えば、発光ピーク波長)、または発光寿命を含む群から選択される検出可能なシグナルまたはコードの2つ以上の態様を検出または測定するように構成され得る。検出器は、検出可能なシグナルまたはコードのスペクトル強度を検出または測定するようにも構成され得る。いくつかの事例では、検出可能なシグナルまたはコード(例えば、発光ピーク強度、発光強度範囲、発光ピーク波長、発光波長範囲もしくはスペクトル、発光寿命、吸収ピーク波長、励起ピーク波長、および/またはスペクトル強度)のうちの1つ以上の態様の検出は、区画化された体積中の標的分子の存在を示し得る。いくつかの事例では、検出可能なシグナルまたはコードの検出は、複数の発光ピーク強度、発光ピーク波長、発光寿命、吸収ピーク波長、励起ピーク波長、またはスペクトル強度を検出することを含み得る。結果として、検出器は、複数の発光ピーク強度、発光強度範囲、発光ピーク波長、発光波長範囲もしくはスペクトル、発光寿命、吸収ピーク波長、励起ピーク波長、またはスペクトル強度を検出するように構成され得る。
いくつかの事例では、検出器は、区画化された体積の態様を測定するように構成され得る。本開示のシステムは、コード化粒子によって放出されたシグナルを分析するように構成された検出器およびコンピュータをさらに含む。検出器は、シグナル強度、信号対雑音比、および/または目的とする他の特性を分析するための検出器を含み得る。本明細書に記載の方法は、一般に、画像等の光学情報を検出および分析することができる任意の既知のシステムと互換性がある。
いくつかの態様では、本システムは、コード化粒子によって放出された1つ以上のシグナルを検出する検出器を提供する。いくつかの態様では、検出器は、共焦点顕微鏡、スピニングディスク顕微鏡、多光子顕微鏡、平面照明顕微鏡、ベッセルビーム顕微鏡、微分干渉コントラスト顕微鏡、位相コントラスト顕微鏡、落射蛍光顕微鏡、またはそれらの組み合わせ等の顕微鏡を含む。いくつかの態様では、検出器は、電荷結合デバイスカメラ、またはデジタルチップ上でシグナルを統合して画像にすることができるCMOSカメラ等のカメラを含む。いくつかの態様では、検出器は、光電子増倍管を含む。いくつかの態様では、検出器は、フローサイトメーターを含む。いくつかの事例では、検出器は、区画化された体積が検出器を流れ過ぎたときにその体積を測定または決定するように構成され得る。
いくつかの態様では、検出器および電磁放射線源は、多重分析を行うために最適化される。いくつかの態様では、検出器および電磁放射線源は、コード化粒子を励起し、放出されたシグナル(例えば、光学的に検出可能なコード)を迅速に検出するように構成される。いくつかの態様では、検出器および電磁放射線源は、コード化粒子を励起し、1つ以上の放出されたシグナルを1ナノ秒未満、10ナノ秒未満、100ナノ秒未満、1マイクロ秒未満、10マイクロ秒未満、100マイクロ秒未満、1ミリ秒未満、10ミリ秒未満、100ミリ秒未満、1秒未満、10秒未満、または100秒未満以内に検出するように構成される。いくつかの態様では、検出器および電磁放射線源は、コード化発色団ポリマー粒子を励起し、2つ以上の放出されたシグナルを同時に検出するように構成される。
複数の区画化された体積の区画化された体積の寸法または数は、光学検出によって検出され得る。区画化された体積からの検出可能なシグナルまたはコードの検出も、光学検出を使用して行われ得る。光の存在等の測定可能な光学的特性を検出することによって動作する任意の検出器またはその構成要素は、光学検出器を含み得る。光学検出器の例としては、カメラ、光電子増倍管、フォトダイオードおよびフォトダイオードアレイ、および顕微鏡、ならびにそれらの関連構成要素、例えば、対物レンズ、光学フィルター、ミラー等が挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の態様では、光学検出器または他の好適な検出器によって検出されたシグナルは、検出器によって測定されるシグナルを解明するために処理される。ある特定の態様では、測定された情報は、例えば、光学検出器等の検出器によって取得された情報を記憶および/または処理するデバイス、装置、またはそれらの構成要素によって処理される。情報プロセッサの例としては、検出器によって取得された情報を記憶するパーソナルコンピューティングデバイス、および情報を処理するパーソナルコンピューティングデバイス上で起動するソフトウェアが挙げられるが、これらに限定されない。他の態様では、情報プロセッサまたはその構成要素は、検出器内に、例えば、カメラによって取得された光学情報を記憶するカメラ内に埋め込まれたチップに恒久的または一時的のいずれかで埋め込まれ得る。他の態様では、情報プロセッサおよび検出器は、いずれも光学情報を取得および処理してデジタルアッセイを行う完全に統合されたデバイスの構成要素であり得る。
別の態様では、体積を分析して所与の区画化された体積の情報を検出および計算するためのシステムが提供される。例えば、スペクトル強度は、複数の発光ピーク強度、または発光強度範囲、発光ピーク波長、または発光波長範囲もしくはスペクトルの比率を含み得、デジタルアッセイのためのシステムは、複数の発光ピーク強度、または強度範囲、発光ピーク波長、または発光波長範囲もしくはスペクトルの比率を計算することができ得る。本システムは、1つ以上のプロセッサ、および1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令を含むメモリデバイスを含み得る。命令が1つ以上のプロセッサによって実行されると、本システムは、少なくとも、ユーザー入力を受け取って、体積(例えば、複数の区画化された体積)を分析することができる。命令は、プロセッサに検出器を動作させて、検出可能なシグナルまたはコードを測定し、測定された検出可能なシグナルまたはコードを(例えば、非一時的メモリに)記憶し、かつ/または測定された検出可能なシグナルまたはコードを分析することができる。本システムは、体積(例えば、区画化された体積)の数を計数すること、体積分布における複数の区画化された体積の体積を決定すること、および1つ以上の検出可能な薬剤を含有する区画化された体積の数を使用して試料中の検出可能な薬剤の濃度を決定すること等の本開示の方法の態様を行うように構成され得る。本システムは、ユーザーにデータを提供することもできる。ユーザーに提供されたデータは、試料中の検出可能な薬剤の濃度または試料濃度を含み得る。
<画像分析>
様々な態様では、本開示は、本明細書に記載のライン走査法、単純境界法、逆流域法、円検出法、逆流域と円検出との組み合わせ法、またはそれらの組み合わせ等の区画化された体積を特定、選択、または分析する(例えば、区画化された体積の寸法またはサイズを決定する)ための多くの方法を提供する。いくつかの態様では、区画化された体積を検出または認識する方法は、試料濃度を決定するための方法に非依存的であり得る。すなわち、区画化された体積を検出または認識する方法は、本明細書に記載のデジタルアッセイを行う以外の多くの目的に使用され得る。本明細書に記載のシステムおよび方法と使用するための画像検出法および画像分析法の例は、全体が本明細書に組み込まれるWO2015/157369およびWO2012/100198で見つけることができる。
いくつかの事例では、光学的画像化は、共焦点顕微鏡法、線共焦点顕微鏡法、デコンボリューション顕微鏡法、スピニングディスク顕微鏡法、多光子顕微鏡法、平面照明顕微鏡法、ベッセルビーム顕微鏡法、微分干渉コントラスト顕微鏡法、位相コントラスト顕微鏡法、落射蛍光顕微鏡法、明視野画像化、暗視野画像化、斜照明、またはそれらの組み合わせによって行われ得る。
一組の命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、複数の区画化された体積のうちの少なくともいくつか中の検出可能な薬剤の存在または不在を決定させ得る。一組の命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、複数の区画化された体積中の検出可能な薬剤の存在または不在および複数の区画化された体積の決定された複数の体積に基づいて複数の区画化された体積中の試料の濃度をさらに決定させ得る。
<占有の決定>
いくつかの態様では、区画化された体積が特定され、それらのサイズが決定された後、検出可能なシグナルまたはコード(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命、またはスペクトル強度)を使用して、標的分子が区画化された体積中に存在するか、または存在したかを決定することができる。
区画化された体積中の標的分子の存在により、区画化された体積中のプローブの検出可能なシグナルまたはコードの1つ以上の態様の検出の増大がもたらされ得る。そのような場合、強度カットオフまたは閾値標準が課され得、強度がカットオフまたは閾値を超える区画化された体積が標的分子によって占有されているとみなされ得る。検出可能なシグナルまたはコードのいずれの測定された態様もカットオフまたは閾値に達しない区画化された体積は、いくつかの事例では、空であるとみなされ得る。カットオフまたは閾値と比較される区画化された体積から測定された値の非限定的なリストには、区画化された体積中の平均強度、区画化された体積中のピーク強度、シグナルもしくは検出可能なコードの寿命、区画化された体積中のスペクトル強度、または区画化された体積中の測定された検出可能なシグナルまたはコード(またはそれらの欠如)の任意のユーザー選択機能(例えば、いずれの測定された値の中央値または測定された値の百分位が使用され得る)が含まれ得る。
いくつかの事例では、デジタルアッセイにおける測定値は、既知の値または相対値に正規化され得る。例えば、増幅後に行われる区画化された体積中の検出可能なシグナルまたはコードの測定値は、増幅前の同じ区画化された体積の測定値と比較され得る。いくつかの事例では、区画化された体積からの検出可能なシグナルまたはコードの測定値は、ブランク試料または対照試料を含有する区画化された体積から測定された検出可能なシグナルまたはコード等の既知の値と比較され得る。
<コンピューティングデバイス>
コンピューティングデバイスは、本明細書に記載の方法のうちの1つ以上を実装するようにプログラミングされ得る。コンピューティングデバイスは、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、またはサーバーを備え得る。コンピューティングデバイスは、プロセッサ、コンピュータプロセッサ、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサであり得る中央処理装置もしくはCPU、または並列処理のための複数のプロセッサを含む。
コンピューティングデバイスは、メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フラッシュメモリ、ハードディスク等)も含み得る。メモリは、画像化源によって撮影されるコンピュータ可読画像ファイル等のファイルを記憶することができる。コンピューティングデバイスは、いくつかの事例では、コンピューティングデバイスの外部にある、例えば、1つ以上のネットワークを介してコンピューティングデバイスと通信しているリモートサーバー上に位置する1つ以上の追加のデータ記憶装置を含み得る。
コンピューティングデバイスは、ユーザーUS、1つ以上の他のコンピューティングデバイスもしくはシステム、1つ以上のネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、エクストラネット、イントラネット、インターネット、電気通信ネットワーク、データネットワーク、セルラーデータネットワーク等)、または1つ以上の周辺デバイス(画像化源、外部メモリ、様々なアダプター等を含む)のうちの1つ以上と通信するためにコンピューティングデバイスによって使用され得る入力/出力またはI/Oシステムをさらに備え得る。I/Oシステムは、ディスプレイ、ユーザーインターフェース、および通信インターフェースを備え得る。ディスプレイは、例えば、ユーザーインターフェースがユーザーUSに投影されるタッチスクリーンディスプレイを含み得る。通信インターフェースは、1つ以上のネットワークに接続するためのコンピューティングデバイス用のネットワークアダプターを備え得る。ユーザーUSは、例えば、1つ以上のネットワークを介してコンピューティングデバイスを遠隔操作することができる。例えば、コンピューティングデバイスは、ユーザーUSに対してローカルであり得る画像化源を操作する分散コンピューティングシステム等のクラウドベースのコンピューティングシステムを備え得る。コンピューティングデバイスは、1つ以上のネットワークを介してまたは直通通信によって画像化源と通信している場合がある。
本明細書に記載の方法は、コンピューティングデバイスの電子記憶場所、例えば、メモリまたは他の電子記憶装置等に記憶された機械(またはコンピュータプロセッサ)実行可能コード(またはソフトウェア)によって実装され得る。使用中、コードはプロセッサによって実行され得る。
さらに別の態様では、本システムは、デジタル測定を行うためのコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータの1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンピュータに、体積分布を有する複数の区画化された体積を分析させて、検出可能な薬剤を含有する複数の区画化された体積中の区画化された体積の数を決定し、複数の区画化された体積における区画化された体積の数、複数の区画化された体積における区画化された体積のうちのいくつかまたは全ての体積、および1つ以上の検出可能な薬剤を含有する第2の複数の区画化された体積における区画化された体積の数を使用させて、試料中の検出可能な薬剤の濃度を決定する、コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令を有し得る。
コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータの1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンピュータに、本明細書に記載の機能または方法のうちのいずれかを動作させる、コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令を有し得る。例えば、命令は、1つ以上の区画化された体積の温度を調節する際に(例えば、増幅ステップ中に)加熱要素を動作させることができる。命令は、流体ハンドリングシステム、基板ハンドリングシステム(例えば、マルチウェルプレートまたはチップ等の容器の位置付けまたは再位置付け)、画像化源の動作、検出システム、または画像分析のためのソフトウェアも動作させることができる。
コンピューティングデバイス等の本明細書に提供されるシステムおよび方法の態様は、プログラミングで具現化され得る。この技術の様々な態様は、あるタイプの機械可読媒体で行われるか、または具現化される典型的には機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連データの形態で「製品」または「製造品」と考えられ得る。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスク等の電子記憶装置に記憶され得る。「記憶」型媒体は、ソフトウェアプログラミングのためにいかなる時点でも非一時的記憶を提供し得る、コンピュータまたはプロセッサ等の有形メモリ、またはそれらの関連モジュール、例えば、様々な半導体メモリ、テープドライブ、およびディスクドライブ等のうちのいずれかまたは全てを含み得る。ソフトウェアの全てまたは一部は、時折、インターネットまたは様々な他の電気通信ネットワークを介して通信され得る。かかる通信により、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサに、例えば、管理サーバーまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバーのコンピュータプラットホームにソフトウェアをロードすることが可能になり得る。したがって、ソフトウェア要素を有し得る別のタイプの媒体は、例えば、ローカルデバイス間の物理的インターフェースにわたって、有線および光学地上線ネットワークを介して、かつ様々なエアリンク上で使用される、光波、電波、および電磁波を含む。有線リンクもしくは無線リンクまたは光学リンク等のかかる波を有する物理的要素は、ソフトウェアを有する媒体ともみなされ得る。本明細書で使用されるとき、非一時的有形「記憶」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」等の用語は、実行のための命令のプロセッサへの提供に関与する任意の媒体を指す。
[多重化および自動化]
本明細書に記載の方法、システム、キット、およびデバイスは、多重化および自動化戦略の使用により、速度および効率に関してさらに改善され得る。多重化アプローチにおいて、複数の容器(例えば、試験管、マイクロタイタープレート、デジタルアッセイチップ等)は、矢継早に処理され得る(例えば、本明細書に記載されるように、試薬および標的分子が充填され、撹拌されて区画化された体積を形成し、増幅ラウンドが周期的に繰り返され、融解曲線加熱プロトコルに供され、スペクトル強度の差について監視され、液滴毎に測定および計数され、液滴毎に値が割り当てられ得る)。多重化を容易にするために、基板が積み重ねられ、各ステップのために基板を個別に適所に移動させることができる移動可能な試料トレイを介して増幅および画像化プロセス(例えば、充填、撹拌、加熱、標識、検出、定量化等)の個々のステップのために適所に移動し得る。この各ステップのための基板の適所への移動は、試料トレイを動作させるギアを含み得、このギアは、事前に確立されたプログラムの一部としてコンピュータプロセッサによって動作し得、これは、次いで、実験に使用される個々のプロトコルまたは検出可能な薬剤のためにカスタマイズされ得る。いくつかの実施形態では、所与のデジタルアッセイプロトコルにおける複数のステップは、ステップ間で基板の移動を必要とすることなく同じ場所で起こり得る。
フローセル(複数可)(例えば、試薬および試料の混合および充填を容易にするため)、放射線源(複数可)(例えば、光学的に検出可能なコードの画像化、測定、意図的な光退色、および/または検出可能な薬剤の刺激のため)、温度制御デバイス(複数可)、顕微鏡ステージ(複数可)およびフィルターキューブ(複数可)の移動、ならびに検出器(複数可)を起動および起動停止するプロセスは、本明細書に記載の方法のステップのうちの全て、いくつか、または1つがユーザーのさらなる介入なしで行われ得るように自動化され得る。これらのプロセスが本明細書に記載のアッセイに従って周期的に行われ得るため、複数の組のプローブまたは検出可能な薬剤は、本明細書に記載の方法およびシステムを用いることによって短時間で検出され得る。したがって、いくつかの実施形態では、本システムは、ユーザーがプログラム(例えば、行われる本明細書に記載の方法ステップのうちのいずれかを指令することができる、プロセッサによって実行可能であり、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶可能である、予めプログラミングされたまたはユーザー定義されたプログラム)を開始することができる開放または閉鎖システムを含み得、プログラムの全ての他のステップは、本システムによって自動的に行われる。いくつかの実施形態では、ユーザー介入は、実験の最初(例えば、基質および/または細胞および/または検出可能な試薬を挿入するとき、プログラムまたはコンピュータプロセッサを開始するとき)および最後(例えば、コンピュータプロセッサから結果を得るときおよび試薬/使い捨て器具を本システムから取り除くとき)にのみ必要とされる。いくつかの事例では、本明細書に記載のデジタルアッセイを行うための多重化または自動化システムは、ユーザー入力またはユーザー介入のための小休止するように設計され得る。
コード化粒子を利用する多重化デジタル分析アッセイを使用して、区画化された体積あたり(例えば、ウェル、区画化された体積、空洞、またはパッチあたり)1〜約1,000、5〜約500、約10〜約200、約10〜約150、約5〜約125、約6〜約100、約7〜約90、約8〜約80、約9〜約75、約10〜約60、約15〜約50、約20〜約45、約25〜約40、または約10〜約30個の標的分子を照会することができる。
いくつかの事例では、容器は、1、10、100、500、1,000、5,000、10,000、15,000、20,000、30,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000、2,000,000、5,000,000、もしくは10,000,000個の区画化された体積、またはこのリストからのいずれか2つの値によって定義される範囲内の数を含み得る。いくつかの事例では、1、10、100、500、1,000、5,000、10,000、15,000、20,000、30,000、50,000、100,000、200,000、500,000、1,000,000個の区画化された体積(またはこのリストからのいずれか2つの値によって定義される範囲内の数)が、多重化デジタル分析アッセイ中に一度に分析(例えば、アッセイまたは画像化)され得る。
<多重化中の検出可能なシグナルおよびコードの検出>
多重化デジタルアッセイの効率は、検出可能なシグナルまたはコードについて区画化された体積中に位置する各プローブまたはコード化粒子を個別に評価するのではなく、検出可能なシグナルまたはコードの存在について各区画化された体積を全体として評価することによって改善され得る。区画化された体積中の複数の検出可能なコードまたはシグナルを粒子(または粒子のクラスターもしくは粒子の凝集体)数に基づいて解像する(例えば、検出する)ことができる画像化レンズ(例えば、顕微鏡対物レンズ)が、本明細書に記載されるように、デジタルアッセイの検出ステップ中に使用され得る。ハイスループット多重化ワークフローが本明細書に記載されるようにデジタルアッセイに使用される場合、各区画化された体積を全体として評価するように設計または最適化された検出スキームを用いることが有利であり得る。すなわち、区画化された体積中の複数の検出可能なコードまたはシグナルを個別に解像するのに必要な方法およびシステムを用いる(例えば、金銭的に、コンピュータ的に、または時間的に費用のかかるものであり得る、個々のプローブの検出可能なシグナルを解像および/または定量化することができる高倍率対物レンズおよび/またはソフトウェアを使用する)のではなく、区画化された体積を全体として画像化および評価(例えば、検出および分析)するように設計された方法およびシステムが使用され得る。したがって、個々の区画化された体積は、全体として評価され、区画化された体積中の検出可能なコードまたはシグナルが閾値を満たすか、またはそれを超える(例えば、増幅ステップ前に区画化された体積を検出することによって確立されたベースライン値と比較して)かに基づいて二進値が割り当てられ得る。いくつかの事例では、複数の区画化された体積は、同時に検出および/または分析され得る。結果として、多重化デジタルアッセイの全体的な効率が、各区画化された体積を全体として評価することによって複数の区画化された体積中の検出可能なコードまたはシグナルを検出することによって改善され得る。
いくつかの事例では、複数の検出可能なシグナルまたは検出可能なコード(例えば、本明細書に記載されるように標的分子を含む区画化された体積中の複数のプローブによって生成されたもの)は、複数の検出可能なシグナルまたはコード(またはその一部)が互いにごく近接して位置する(例えば、空間的に集中している)場合により容易に検出され得る。複数の検出可能なシグナルまたはコードの空間的集中度は、(例えば、本明細書に記載されるように、クロスハイブリダイゼーション、交差結合、格子形成、または複数のプローブを網状組織に形成することによって)複数の検出可能なシグナルまたはコードを生成する複数のプローブを会合、凝集、または空間的に集中させることによって達成され得る。いくつかの事例では、区画化された体積中の複数の検出可能なシグナルまたはコードの空間的集中により、区画化された体積中に生成される全体の検出可能なシグナルまたはコードの見かけの強度が増加し得る。区画化された体積中に生成される全体の検出可能なシグナルまたはコードの見かけの強度を増加させることにより、より低い倍率の対物レンズが使用され得、かつ/または区画化された体積中(例えば、デジタル化された体積)の標的分子の存在を検出するのにかかる必要な時間がより短くなり得る。結果として、(例えば、本明細書に記載され、かつ図6F、図6H、図6J、図6K、および図6Lに図解されるように)プローブが標的分子の存在下で各区画化された体積中に空間的に集中している場合に、複数の区画化された体積中の標的分子の存在または不在をより効率的に決定することが可能である。
[デジタルアッセイを行うための組成物およびキット]
本開示は、本明細書に記載のデジタルアッセイを行うための組成物およびキットを提供する。ある特定の態様では、デジタル核酸分析、デジタルPCR、融解曲線、または等温アッセイ等のデジタルアッセイを行うためのキットおよびアッセイが提供される。
様々な態様では、本開示は、第1の流体、第2の流体(第1の流体と第2の流体が互いに非混和性であり、撹拌されるとエマルジョンを形成することができる)、界面活性剤、および増幅試薬を含む、デジタルアッセイを行うための組成物およびキットを提供する。
いくつかの態様では、本開示は、デジタルアッセイを行うための組成物およびキットを提供する。デジタルアッセイの組成物またはキットは、第1の流体および第2の流体を含み得、第1の流体と第2の流体は、互いに非混和性であり、物理的に撹拌されるとエマルジョンを形成することができる。キットまたは組成物は、界面活性剤およびデジタルアッセイ試薬も含み得る。さらなる態様では、デジタルアッセイ試薬は、ポリメラーゼ(例えば、熱安定性DNAポリメラーゼ)または核酸の伸長に好適な他の酵素、ヌクレオチド、環状化核酸、クエンチャー、プライマー、プローブ、コード化粒子、結合領域、蛍光標識、もしくは検出可能な薬剤(例えば、インターカレート色素)、またはそれらの組み合わせを含み得る。
さらなる態様では、組成物およびキットは、PCR増幅と互換性がある好適な緩衝剤および安定化剤をさらに含み得る。
ある範囲の値が本明細書に提供される場合、文脈が別途明確に指示しない限り、その範囲の上限値と下限値との間の下限値の単位の10分の1までの各介在値、およびその提示された範囲内の任意の他の提示された値または介在値が、本明細書に提供される本開示に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限値および下限値は、より小さい範囲内に独立して含まれ得、提示された範囲内の任意の明確に除外された限界値を前提として、これらも本開示に包含される。提示された範囲がこれらの限界値の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界値のいずれかまたは両方を除外する範囲も本明細書に提供される本開示に含まれる。
本開示の装置、デバイス、システム、およびそれらの構成要素のうちのいずれかのとくていの寸法は、当業者に明らかであるように、本明細書における本開示を考慮して、意図される用途に応じて容易に変化し得る。さらに、本明細書に記載の実施例および態様が、例証目的のみのためであり、それを考慮して様々な修正または変更が当業者に提案されてもよく、本出願の趣旨および範囲内ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることが理解される。本明細書に記載の態様の多数の異なる組み合わせが可能であり、かかる組み合わせは本開示の一部とみなされる。加えて、本明細書におけるいずれか1つの態様に関連して論じられる全ての特徴は、本明細書における他の態様に使用するために容易に適合され得る。異なる態様における同様の特徴についての異なる用語または参照番号の使用は、明確に記載されるもの以外の相違点を必ずしも暗示しない。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲を参照することにより単独で説明されるよう意図されており、本明細書に開示される態様に限定されない。
別途特定されない限り、本明細書に記載の方法およびプロセスは、任意の順序で行われ得る。例えば、ステップ(a)、(b)、および(c)を説明する方法は、最初にステップ(a)、続いてステップ(b)、その後ステップ(c)の順序で行われ得る。または、この方法は、例えば、最初にステップ(b)、続いてステップ(c)、その後ステップ(a)等の異なる順序で行われ得る。さらに、これらのステップは、別途具体的に特定されない限り、同時にまたは別個に行われ得る。
本開示の好ましい態様が本明細書に示され記載されているが、本開示が以下に記載の本開示の特定の態様に限定されず、特定の態様の変形がなされてもよく、依然として添付の特許請求の範囲内に入ることを理解されたい。用いられる専門用語が本開示の特定の態様を説明するためのものであり、限定するようには意図されていないことも理解されたい。その代わりに、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって確立される。本出願および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数指示対象を含む。
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が各々参照により組み込まれると具体的かつ個別に示された場合と同じ程度に参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の装置、デバイス、システム、およびそれらの構成要素のうちのいずれかのとくていの寸法は、当業者に明らかであるように、本明細書における本開示を考慮して、意図される用途に応じて容易に変化し得る。さらに、本明細書に記載の実施例および態様が、例証目的のみのためであり、それを考慮して様々な修正または変更が当業者に提案されてもよく、本出願の趣旨および範囲内ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることが理解される。本明細書に記載の態様の多数の異なる組み合わせが可能であり、かかる組み合わせは本開示の一部とみなされる。加えて、本明細書におけるいずれか1つの態様に関連して論じられる全ての特徴は、本明細書における他の態様に使用するために容易に適合され得る。異なる態様における同様の特徴についての異なる用語または参照番号の使用は、明確に記載されるもの以外の相違点を必ずしも暗示しない。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲を参照することにより単独で説明されるよう意図されており、本明細書に開示される態様に限定されない。
<実施例1>
デジタルPCRにおけるコード化粒子を有する標的分子を検出するための方法
本実施例は、本開示の一態様による、デジタルPCRを使用して標的分子の標的配列を検出する際にコード化ポリマードットナノ粒子を使用するための例示的な方法を提供する。
図4は、コード化ポリマードットナノ粒子に結合した結合領域を含むプローブを示す。各々3つの個々のタイプの蛍光発色団を含むコード化ポリマードットプローブを、自己デジタル化(SD)チップの各デジタル化された体積(例えば、チャンバ)中の1ナノリットルの反応混合物中に提供する。増幅前に、各々核酸結合領域を含むコード化ポリマードットプローブを、3つのタイプの提供されたクエンチャーの核酸分子領域とハイブリダイズさせる。各別個のクエンチャー(例えば、クエンチャーのタイプまたはクエンチャーの各種)は、コード化ポリマードットプローブの核酸結合領域の特定の配列とハイブリダイズすることができる同一の核酸配列に結合し、組み合わせられたクエンチャーは、コード化ポリマードットの一部である3つ組の蛍光発色団の蛍光をクエンチすることができる。反応混合物は、TaqMan Fast Advanced Master Mix、標的核酸分子(例えば、鋳型)を含有する試料、TaqManポリメラーゼ、反応緩衝液、コード化ポリマー分子を含有する溶液、および標的分子を認識するように設計された残りのカスタムPCRプライマーを含有する溶液を含む。
増幅前に、クエンチャーとハイブリダイズさせたコード化ポリマードットプローブを蛍光発色団のピーク励起周波数範囲内のレーザー光で刺激し、チャンバからのそのスペクトル強度発光をバックグラウンドレベルで確認する。
デジタルPCR反応を、サーマルサイクラーを使用してチップの各デジタル化された体積中で行い、95℃で3分間のホットスタート、その後、各サイクル95℃で30秒間、54℃で30秒間、および72℃で30秒間を35サイクル行う。クエンチャー結合プライマーを、PCRに基づく増幅中に増幅産物に組み込み、コード化ポリマードットナノ粒子の結合領域の代わりに相補的増幅産物にハイブリダイズさせる。チャンバを励起レーザー光で再度刺激し、コード化ポリマードットプローブの発光に起因する光学的に検出可能なコードを検出する。
各チャンバから検出されたスペクトル強度測定値に基づいてチャンバにデジタル値を割り当て、ポアソン統計、ならびに標的分子の存在を示すチャンバの数(コード化ポリマードットの光学的に検出可能なコードの検出可能な発光により)、標的分子の不在を示すチャンバの数(コード化ポリマードットの光学的に検出可能なコードの検出失敗により)、および各反応体積の体積を使用して試料中の標的分子の濃度を逆算する。
<実施例2>
クエンチャーコンジュゲートポリマードットプローブを使用したデジタルPCRのための方法
本実施例は、本開示の一態様による、デジタルPCRおよびクエンチャーコンジュゲートポリマードットを使用して標的分子を検出するための方法を提供する。
水相および油相を小さいステンレス鋼ビーズを含有する小収集微小管に添加することによって区画化された体積を生成し、水相は、TaqMan Fast Advanced Master Mix、標的核酸分子(例えば、鋳型)を含有する試料、TaqManポリメラーゼ、反応緩衝液、標的分子を認識するように設計されたカスタムPCRプライマー対、および標的分子の相補鎖の一部とハイブリダイズすることができる核酸配列によって約200個のクエンチャーに係留されたコード化発色団ポリマードットプローブを含む反応混合物を含有する。クエンチャーは核酸配列の遠位端に共有結合しており、核酸配の近位端はポリマードットに共有結合している。その後、管を15〜17Hzで20秒間振盪して、複数の区画化された体積を含むエマルジョンを生成する。区画化された体積の数量および個々のサイズを光学的に決定する。
区画化された体積を、95℃で3分間のホットスタート、その後、各サイクル95℃で30秒間、54℃で30秒間、および72℃で30秒間の35サイクルに供す。アンプリコン(例えば、鋳型から作製された増幅産物)の増幅中、アンプリコンの一部にアニーリングされたプローブのクエンチャー係留核酸配列がTaqManポリメラーゼによって消費される。それをプローブに係留する核酸がTaqManポリメラーゼによって消費された後、クエンチャーをプローブから放出する(図6Aに図解される)。熱サイクリング後、区画化された体積を450nmのレーザーで励起する。遊離クエンチャーとポリマードットとの間の距離の増大により、コード化ポリマードットの光学的に検出可能なコードの検出が可能になる。発光スペクトルを各区画化された体積から光学的に検出し、ポリマードットプローブに対する発光スペクトル特性がウェル内で検出されるかに基づいてデジタル値を各区画化された体積に割り当てる。標的分子を欠く区画化された体積中、アンプリコンは熱サイクリング中に生成されず、クエンチャーの核酸配列は消費されず、クエンチャーを依然としてポリマードットにハイブリダイズしたままにし、ごく近接した状態に留まり、ポリマードットの光学的に検出可能なコードをクエンチし続ける。増幅および光学的に検出可能なコードに対して陰性の区画化された体積に値「ゼロ」を割り当てる。デジタル値を対応する測定された区画化された体積サイズと一致させて、区画化された体積サイズ分布と割り当てられた値との間の関係を作り出す。その後、標的分子の濃度を、測定されたデータおよび計算されたデータをポアソン分布曲線に当てはめることによって逆算する。
<実施例3>
自己アニーリング結合領域を有するクエンチャーコンジュゲートポリマードットプローブを使用したデジタルPCR法
本実施例は、本開示の一態様による、デジタルPCRおよび自己アニーリング結合領域を有するクエンチャーコンジュゲートポリマードットを使用して標的分子の濃度を決定するための方法を提供する。
水相を、油相を予充填した自己デジタル化デバイスを構成するチャネルと区画との網状組織からなるマイクロ流体デバイスに流し、その後、追加の油相をデバイスに流すことによって区画化された体積を生成する。各区画化された体積中のコード化ポリマードットを、DNA配列を介してクエンチャーにコンジュゲートする。各配列は3つの結合領域を有する。DNAの近位端および遠位端での短い領域(例えば、6塩基対長)は相補的であり、それ故に、互いに結合してヘアピン構造を形成する(図6Bに図解される)。中間領域は、アンプリコン(例えば、標的分子の増幅産物)とハイブリダイズすることができる。標的核酸分子(例えば、鋳型)、TaqManポリメラーゼ、反応緩衝液、ならびに第1および第2のオリゴヌクレオチドプライマーも区画化された体積中に提供し、鋳型とハイブリダイズすることができ、鋳型の増幅の開始点としての機能を果たす第2のオリゴヌクレオチドプライマーを、アンプリコンとハイブリダイズすることができ、アンプリコンの増幅の開始点としての機能を果たす第1のオリゴヌクレオチドプライマーよりも高い濃度で提供する(例えば、標的分子の追加のコピーを生成するため)。
区画化された体積を、95℃で3分間のホットスタート、その後、各サイクル95℃で30秒間、54℃で30秒間、および72℃で30秒間の30サイクルに供す。第2のオリゴヌクレオチドプライマーの相対濃度がより高いため、標的分子のコピーよりも多くのアンプリコンのコピーが生成される。これにより一本鎖DNAが生成され、これがポリマードットプローブの中間結合領域にハイブリダイズして、結合領域をポリマードットから伸長させ、ポリマードットの光学的に検出可能なコードがクエンチャーによってもはやクエンチされず、それを検出することができない程度にクエンチャーとポリマードットとの間の距離を増加させることができる。上に記載されるように、光学的に検出可能なコードを検出し、標的分子を含む区画化された体積に値「1」を割り当てる。標的分子を欠く区画化された体積はアンプリコンを生成することができず、自己アニーリング核酸結合領域が伸長されず、クエンチャーがポリマードットの光学的に検出可能なコードをクエンチし続けることを許容する(図6Bに示されない)。ポリマードットからのシグナルが検出不能である区画化された体積に値「ゼロ」を割り当てる。
デジタル値を対応する測定された区画化された体積サイズと一致させる。その後、標的分子の濃度を、測定されたデータおよび計算されたデータをポアソン分布曲線に当てはめることによって逆算する。
<実施例4>
増幅媒介クエンチャー競合を使用したデジタルPCRのための方法
本実施例は、本開示の一態様による、増幅媒介クエンチャー競合を伴うデジタルPCR法を使用して標的分子を検出および定量化するための方法を提供する。
水相が側チャネルから油が流れている主チャネル内に流れ、この共同流が油相中に水相の液滴またはプラグに基づく区画を生成するマイクロ流体デバイス内のT字接合部で区画化された体積を生成する。各区画化された体積中のコード化ポリマードットを核酸結合領域にコンジュゲートする。これらの結合領域はいずれも、クエンチャーに結合した核酸結合領域、およびそれらがプライマーとしての機能を果たすことができる標的分子に相補的である。クエンチャーは、それがポリマードットの核酸結合領域にハイブリダイズされたときにポリマードットによって生成された光学的に検出可能なコードを吸収することができる。ポリマードットに結合した核酸結合領域は、標的分子の末端付近の領域とハイブリダイズすることができ、かつPCR試薬の存在下で熱サイクリング中に標的分子の増幅の開始点としての機能を果たすことができるプライマーを含む。PCR試薬(例えば、PCR反応緩衝液、Taqポリメラーゼ、および標的分子)は、区画化された体積中に存在する。標的分子のアンプリコン(例えば、標的分子のPCR増幅産物)とハイブリダイズすることができ、かつPCR試薬の存在下で熱サイクリング中にアンプリコンの増幅の開始点としての機能を果たすことができるプライマーのコピーも区画化された体積中に提供する。
区画化された体積を、95℃で3分間のホットスタート、その後、各サイクル95℃で40秒間、54℃で30秒間、および72℃で30秒間の35サイクルに供す。サイクリング中、標的分子(例えば、鋳型)のコピーおよびアンプリコンのコピーの両方がPCR反応により生成される。より多くの標的分子のコピーが生成されるため、標的分子のコピーは、ポリマードットの核酸結合領域とのハイブリダイゼーションに関してクエンチャーよりも化学量論的に優位である。サイクリング中、標的分子がポリマードットの核酸結合領域とハイブリダイズして、クエンチャーを移動させ、ポリマードットとクエンチャーとの間の距離を増加させ、ポリマードットの光学的に検出可能なコードの検出を可能にする。
上に記載されるように、光学的に検出可能なコードを検出し、標的分子を含む区画化された体積に値「1」を割り当てる。標的分子を欠く区画化された体積はアンプリコンおよび標的分子の追加のコピーを生成することができず、クエンチャーはポリマードットの核酸結合領域とのハイブリダイゼーションから移動せず、クエンチャーがポリマードットの光学的に検出可能なコードをクエンチし続けることを許容する(図6Cに示されない)。ポリマードットからのシグナルが検出不能である区画化された体積に値「ゼロ」を割り当てる。
デジタル値を対応する測定された区画化された体積サイズと一致させて、区画化された体積サイズ分布と割り当てられた値との間の関係を作り出す。その後、標的分子の濃度を、測定されたデータおよび計算されたデータをポアソン分布曲線に当てはめることによって逆算する。
<実施例5>
競合的ハイブリダイゼーションを使用したデジタルPCRのための方法
本実施例は、本開示の一態様による、デコイ媒介競合的ハイブリダイゼーションを使用したデジタルPCRを使用して標的分子を検出および定量化するための方法を提供する。
水相が「流れ収束」様式で2つの収束油相とプラス形(または十字形)接合部で出会って液滴区画を生成するマイクロ流体デバイス内の接合部で区画化された体積を生成する。各区画化された体積中のコード化ポリマードットを、クエンチャーを含む核酸プライマー配列とハイブリダイズすることができる核酸結合領域にコンジュゲートする。ポリマードットによって生成された光学的に検出可能なコードを吸収することができるクエンチャーおよび核酸プライマー配列を含むクエンチャーを、区画化された体積中に過度に提供する。プライマー自体として、クエンチャーの核酸プライマー配列をPCR増幅ステップ中に伸長することができる。核酸結合領域は、標的分子の末端付近の領域とハイブリダイズすることができ、かつPCR試薬の存在下で熱サイクリング中に標的分子の増幅の開始点としての機能を果たすことができるプライマーを含む。PCR試薬(例えば、PCR反応緩衝液、Taqポリメラーゼ、および標的分子)は、区画化された体積中に存在する。標的分子のアンプリコン(例えば、標的分子のPCR増幅産物)とハイブリダイズすることができ、かつPCR試薬の存在下で熱サイクリング中にアンプリコンの増幅の開始点としての機能を果たすことができるプライマーのコピーも区画化された体積中に提供する。
区画化された体積を、95℃で3分間のホットスタート、その後、各サイクル95℃で30秒間、54℃で30秒間、および72℃で30秒間の35サイクルに供す。サイクリング中、標的分子(例えば、鋳型)のコピーおよびアンプリコンのコピーの両方がPCR反応により生成される。さらに、クエンチャープライマーが増幅中に伸長されて、それが標的分子の全長とハイブリダイズすることを可能にする。より多くの標的分子のコピーが生成され、クエンチャープライマー配列が増幅中に伸長されるため、クエンチャープライマー配列は、ポリマードットの核酸結合領域ではなく標的のコピーと会合し始める。伸長されたクエンチャープライマー配列と標的分子のコピーとの会合の結果としてポリマードットとクエンチャーとの間の距離が増加し、光学的に検出可能なコードの検出が可能になる。
上に記載されるように、光学的に検出可能なコードを検出し、標的分子を含む区画化された体積に値「1」を割り当てる。標的分子を欠く区画化された体積はアンプリコンおよび標的分子の追加のコピーを生成することができず、クエンチャープライマーはポリマードットの核酸結合領域とのハイブリダイゼーションから伸長または移動せず、クエンチャーがポリマードットの光学的に検出可能なコードをクエンチし続けることを許容する(図6Dに示されない)。ポリマードットからのシグナルが検出不能である区画化された体積に値「ゼロ」を割り当てる。
デジタル値を測定された区画化された体積サイズと一致させる。その後、標的分子の濃度を、測定されたデータおよび計算されたデータをポアソン分布曲線に当てはめることによって逆算する。
<実施例6>
プローブ内および/またはプローブ間増幅ならびにハイブリダイゼーションを使用したデジタルPCRのための方法
本実施例は、本開示の一態様による、デジタルPCRおよび一致したプライマー組にコンジュゲートしたポリマードットを使用して標的分子を検出および定量化するための方法を提供する。
区画化された体積を、内側チャネルからの水相が外側チャネルからの油相のシース流中に取り囲まれており、かつ液滴区画が形成される同軸接合部で水相と油相が出会うデバイス内で生成する。各区画化された体積中のコード化ポリマードットを、プライマーであり、アンプリコンの5’末端で標的分子のアンプリコンの一部(例えば、標的分子のPCR増幅産物)とハイブリダイズすることができる第1の組の核酸結合領域にコンジュゲートする。ポリマードットを、プライマーであり、標的分子の5’末端で標的分子の一部とハイブリダイズすることができる第2の組の核酸結合領域にもコンジュゲートする。第1の組の核酸結合領域の核酸結合領域とハイブリダイズすることができるクエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドを、標的分子、PCR反応緩衝液、ヌクレオチド、およびTaqポリメラーゼに加えて区画化された体積中に提供する。
区画化された体積を、95℃で3分間のホットスタート、その後、各サイクル95℃で30秒間、54℃で30秒間、および72℃で30秒間の35サイクルに供す。サイクリング中、標的分子およびそのPCR増幅生成アンプリコンのコピーは、第2の組および第1の組の核酸結合領域とハイブリダイズして、各組の核酸結合領域のメンバーの長さを伸長する(図6Eに見られるように)。各ラウンドで標的分子およびアンプリコンの両方の数を増幅して、ポリマードットの核酸結合領域への結合に関してクエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドに対する化学量論的優位性をもたらす。第1の組または第2の組のいずれかのPCRで伸長した核酸結合領域が、その後のPCR増幅ラウンド中に、それぞれ、第2の組または第1の組の伸長されていないプライマー領域とハイブリダイズすることができる。図6Eに示されるように、第1の組のPCRで伸長した核酸結合領域が、第2の組のPCRで伸長した核酸結合領域とハイブリダイズすることができる。図6Fに示されるように、いずれかの組のPCRで伸長した核酸結合領域が、隣接するポリマードットプローブの核酸結合領域および標的分子またはそのアンプリコンのコピーとハイブリダイズすることもできる。図6Eおよび図6Fに図解される機構はいずれも同じ区画化された体積中で起こり、各々クエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドがポリマードットプローブの核酸結合領域とハイブリダイズするのを競合的に阻害するに十分である。クエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドの解離により、ポリマードットによって生成された光学的に検出可能なコードの検出が可能になる。
上記の記載にわずかに変形を加える際に、2つの結合領域の比率は、1:1の比率である必要はない。実際には、同じポリマードットの2つの集団が存在し得る。図6Kに図解されるように、一方は、例えば、第1の結合領域および第2の結合領域を6:4の比率で有し、他方は、第1の結合領域および第2の結合領域を4:6の比率で有する。さらなる詳細については、実施例11を参照されたい。
上に記載されるように、光学的に検出可能なコードを検出し、標的分子を含む区画化された体積に値「1」を割り当てる。標的分子を欠く区画化された体積において、いずれの組の核酸結合領域も伸長するもの上に鋳型を有さず、クエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドがポリマードットと密接に会合したままである。結果として、区画化された体積中の光学的に検出可能なコードがクエンチされたままであり、光学的に検出可能なコードが検出されない。ポリマードットからのシグナルが検出不能である区画化された体積に値「ゼロ」を割り当てる。
デジタル値を対応する測定された区画化された体積サイズと一致させて、区画化された体積サイズ分布と割り当てられた値との間の関係を作り出す。その後、標的分子の濃度を、測定されたデータおよび計算されたデータをポアソン分布曲線に当てはめることによって逆算する。
標的分子の濃度を決定するためにデジタルPCRを行う方法にわずかに変形を加える際に、図6Gおよび図6Hに示されるように、第1および第2の核酸結合領域と同じ配列を有する遊離オリゴヌクレオチドプライマーを区画化された体積中に提供する。標的分子およびアンプリコンを増幅することができる遊離プライマーの添加により、PCR増幅サイクルの初期に核酸結合領域伸長用の鋳型がより多く提供され、クエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドの競合的阻害を加速する。上に記載されるように、かつ図6Gおよび図6Hに示されるように、PCRで伸長した核酸結合領域は、同じポリマードット上(図6Gに示されるように)、区画化された体積中の他のポリマードット上(図6Hに示されるように)、または標的分子またはそのアンプリコンのコピー上(図6Hに示されるように)の相補的結合領域に結合する。これらの異型機構の検出および分析を本実施例の最初に記載した様式と同じ様式で行う。
<実施例7>
ポリメラーゼ誘導分子切断を使用したデジタルPCRのための方法
本実施例は、本開示の一態様による、デジタルPCRおよびクエンチャーコンジュゲートポリマードットを使用して標的分子を検出および定量化するための方法を提供する。
水相が多くの並列穴またはチャネルを通って油相中に出現し、多くの液滴を同時に生成するマイクロ流体デバイス内で区画化された体積を生成する。各区画化された体積中のコード化ポリマードットを核酸結合領域にコンジュゲートする。核酸結合領域は、図6Iに示されるように、アンプリコン(例えば、標的分子の増幅産物)の一部とハイブリダイズすることができる。標的核酸分子(例えば、鋳型)、TaqMan(登録商標)ポリメラーゼ、および反応緩衝液も区画化された体積中に提供する。ポリマードットの核酸結合領域および標的分子の一部とハイブリダイズすることができるクエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドも各区画化された体積中に提供する。第1および第2のオリゴヌクレオチドプライマーを各区画化された体積中にさらに提供し、第2のオリゴヌクレオチドプライマーは、標的分子の5’末端とハイブリダイズすることができ、標的分子の増幅の開始点としての機能を果たすことができる。第1のオリゴヌクレオチドプライマーは、アンプリコンの5’末端とハイブリダイズすることができ、アンプリコンの増幅の開始点としての機能を果たすことができる(例えば、標的分子の追加のコピーを生成するため)。
区画化された体積を、95℃で3分間のホットスタート、その後、各サイクル95℃で30秒間、54℃で30秒間、および72℃で30秒間の30サイクルに供す。図6Iに示されるように、TaqMan(登録商標)ポリメラーゼによる増幅を経たアンプリコンが核酸結合領域と同時に会合している場合、ポリマードットの核酸結合領域がPCRサイクルの伸長段階中に破壊される。同様に、クエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドがTaqManポリメラーゼによる増幅を同時に経ている標的分子および第2のオリゴヌクレオチドプライマーとハイブリダイズする場合、クエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドのオリゴヌクレオチド領域がPCRサイクルの伸長段階中に破壊される。TaqMan(登録商標)媒介PCR増幅中のポリマードットの核酸結合領域の破壊およびクエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドのオリゴヌクレオチド領域の破壊の両方の結果として、クエンチャーはポリマードットと会合する能力を有さず、光学的に検出可能なコードを検出することができる。上に記載されるように、光学的に検出可能なコードを検出し、標的分子を含む区画化された体積に値「1」を割り当てる。標的分子を欠く区画化された体積はアンプリコンを生成することができず、クエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドのオリゴヌクレオチド領域もポリマードットの核酸結合領域もいずれも破壊されない。したがって、クエンチャーは、標的分子を欠く区画化された体積中のポリマードットの光学的に検出可能なコードをクエンチすることができる。ポリマードットからのシグナルが検出不能である区画化された体積に値「ゼロ」を割り当てる。
デジタル値を対応する測定された区画化された体積サイズと一致させて、区画化された体積サイズ分布と割り当てられた値との間の関係を作り出す。その後、標的分子の濃度を、測定されたデータおよび計算されたデータをポアソン分布曲線に当てはめることによって逆算する。
<実施例8>
プローブ間ハイブリダイゼーションを使用したデジタルPCRのための方法
本実施例は、本開示の一態様による、デジタルPCRおよび相補的ポリマードットプローブを使用して標的分子を検出および定量化するための方法を提供する。
水相が多孔質膜を通って油相中に出現し、多くの液滴を同時に生成するデバイス内で区画化された体積を生成する。各区画化された体積中の第1の組のコード化発色団ポリマードットを、プライマーであり、アンプリコンの5’末端で標的分子のアンプリコン(例えば、標的分子のPCR増幅産物)の一部とハイブリダイズすることができる第1の組の核酸結合領域にコンジュゲートする。第2の組のコード化発色団ポリマードットを、プライマーであり、標的分子の5’末端で標的分子の一部とハイブリダイズすることができる第2の組の核酸結合領域にコンジュゲートする。
第1の組の核酸結合領域の核酸結合領域とハイブリダイズすることができる第1の組のクエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドおよび第2の組の核酸結合領域の核酸結合領域とハイブリダイズすることができる第2の組のクエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドを、標的分子、PCR反応緩衝液、ヌクレオチド、プライマー、およびTaqポリメラーゼに加えて区画化された体積中に提供する。
区画化された体積を、95℃で3分間のホットスタート、その後、各サイクル95℃で30秒間、54℃で30秒間、および72℃で30秒間の35サイクルに供す。サイクリング中、標的分子およびそのPCR増幅生成アンプリコンのコピーは、第2の組および第1の組の核酸結合領域とハイブリダイズして、各組の核酸結合領域のメンバーの長さを伸長する(図6Jに見られるように)。各ラウンドで標的分子およびアンプリコンの両方の数も増幅する。第1のタイプのポリマードット上の第1の組のPCRで伸長した核酸結合領域は、第2のタイプのポリマードット上の第2の組のPCRで伸長した核酸結合領域とハイブリダイズすることができ、凝集構造を形成し、ポリマードットの核酸結合領域からクエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドを解離する。
上に記載されるように、光学的に検出可能なコードを検出し、標的分子を含む区画化された体積に値「1」を割り当てる。標的分子を欠く区画化された体積において、第1および第2のタイプのポリマードット上の第1および第2のタイプの核酸結合領域の自発的ハイブリダイゼーションが低レベルでのみ生じる。バックグラウンドレベルの検出が全ての区画化された体積中に存在し、区画化された体積に値「1」を割り当てるための閾値がシステムプロセッサによって評価され、自動的に調整される。シグナル閾値を手動で調整するための選択肢もシステムソフトウェアに提供される。結果として、光学的に検出可能なコードの低レベルの検出であっても、システムを動作不能にしない。その代わりに、十分なスペクトル強度で検出可能なコードを生成することができない区画化された体積に値「ゼロ」を割り当てる。
デジタル値を対応する測定された区画化された体積サイズと一致させて、区画化された体積サイズ分布と割り当てられた値との間の関係を作り出す。その後、標的分子の濃度を、測定されたデータおよび計算されたデータをポアソン分布曲線に当てはめることによって逆算する。
実施例6にあるように、ポリマードットに結合した第1および第2の組の核酸結合領域と同じ配列を有する第1および第2の組のオリゴヌクレオチドプライマーを提供することによって、反応の効率を高める(例えば、「ブーストする」)ことができる。
<実施例9>
不均衡プローブ間ハイブリダイゼーションを使用したデジタルPCRのための方法
本実施例は、本開示の一態様による、不均衡結合領域の組を有するデジタルPCRおよびクエンチャーコンジュゲートポリマードットを使用して標的分子を検出および定量化するための方法を提供する。
水相がマイクロ流体フィルターまたは分割チャネルを通って油相中に出現し、それにより、多くの液滴を同時に生成するデバイス内で区画化された体積を生成する。各区画化された体積中のコード化ポリマードットを、プライマーであり、アンプリコンの5’末端で標的分子のアンプリコンの一部(例えば、標的分子のPCR増幅産物)とハイブリダイズすることができる第1の組の核酸結合領域にコンジュゲートする。ポリマードットを、プライマーであり、標的分子の5’末端で標的分子の一部とハイブリダイズすることができる第2の組の核酸結合領域にもコンジュゲートする。各ポリマードット上の第1の組の結合領域の第2の組の結合領域に対する比率は、各区画化された体積中に提供される第1の群のポリマードット上で60:40であり、各区画化された体積中に提供される第2の群のポリマードット上で40:60である。あるいは、60:40ではなく70:30の比率も使用することができる。第1の組の核酸結合領域の核酸結合領域とハイブリダイズすることができるクエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドを、標的分子、PCR反応緩衝液、ヌクレオチド、およびTaqポリメラーゼに加えて区画化された体積中に提供する。
区画化された体積を、95℃で3分間のホットスタート、その後、各サイクル95℃で30秒間、54℃で30秒間、および72℃で30秒間の35サイクルに供す。サイクリング中、標的分子およびそのPCR増幅生成アンプリコンのコピーは、第2の組および第1の組の核酸結合領域とハイブリダイズして、各組の核酸結合領域のメンバーの長さを伸長する(実施例8に見られるように)。各ラウンドで標的分子およびアンプリコンの両方の数を増幅して、ポリマードットの核酸結合領域への結合に関してクエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドに対する化学量論的優位性をもたらす。第1の組または第2の組のいずれかのPCRで伸長した核酸結合領域が、その後のPCR増幅ラウンド中に、それぞれ、第2の組または第1の組の伸長されていないプライマー領域とハイブリダイズすることができる。第1の組のPCRで伸長した核酸結合領域が、第2の組のPCRで伸長した核酸結合領域とハイブリダイズすることができる。しかしながら、いずれかの群のポリマードットのPCRで伸長した核酸結合領域は、各ポリマードット上の結合領域の不均衡比率のため、図6Kに示されるように、同じポリマードットの結合領域よりも隣接するポリマードットプローブの核酸結合領域と頻繁にハイブリダイズする。ポリマードットとの粒子間ハイブリダイゼーションにより、クエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドが解離される。クエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドの解離により、ポリマードットによって生成された光学的に検出可能なコードの検出が可能になる。ポリマードットが画素分解能および/または回折限界分解能よりも小さいため、クラスター中で、単一画素の明度は、単離されたポリマードットよりもクラスター化されたポリマードットに対して著しく明るいはずである。これには、より明るい個々のポリマードットの全体のスポットサイズが加えられる。
実施例6にあるように、ポリマードットに結合した第1および第2の組の核酸結合領域と同じ配列を有する第1および第2の組のオリゴヌクレオチドプライマーを提供することによって、反応の効率を高める(例えば、「ブーストする」)ことができる。
上にさらに記載されるように、光学的に検出可能なコードを検出し、標的分子を含む区画化された体積に値「1」を割り当てる。標的分子を欠く区画化された体積において、いずれの組の核酸結合領域も伸長するもの上に鋳型を有さず、クエンチャーコンジュゲートオリゴヌクレオチドがポリマードットと密接に会合したままでる。結果として、区画化された体積中の光学的に検出可能なコードがクエンチされたままであり、光学的に検出可能なコードが検出されない。ポリマードットからのシグナルが検出不能である区画化された体積に値「ゼロ」を割り当てる。
デジタル値を対応する測定された区画化された体積サイズと一致させて、区画化された体積サイズ分布と割り当てられた値との間の関係を作り出す。その後、標的分子の濃度を、測定されたデータおよび計算されたデータをポアソン分布曲線に当てはめることによって逆算する。
<実施例10>
ローリングサークル増幅を使用したデジタルPCRのための方法
本実施例は、本開示の一態様による、デジタルPCRおよびクエンチャーコンジュゲートポリマードットを使用して標的分子を検出するための方法を提供する。
水相が並列段階接合部を通って油相中に出現し、それにより、多くの液滴を同時に生成するデバイス内で区画化された体積を生成する。オリゴヌクレオチドにコンジュゲートしたポリマードット、クエンチャーおよびポリマードットのオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドを有する過度のクエンチャープライマー、相補体がクエンチャープライマーのオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができる配列を含むように設計された環状化一本鎖DNA配列、環状化DNAの配列とハイブリダイズすることができ、プライマーおよび増幅の開始剤としての機能を果たす標的分子(例えば、トリガー分子)、反応緩衝液(TrisHCl、pH8.5、MgCl、KCl、DTT、ジメチルスルホキシド)、dNTP、およびBstポリメラーゼを各区画化された体積中に提供する。
区画化された体積を60℃で等温条件に供す。RCA等温増幅中、トリガー分子が環状化DNAとハイブリダイズし、その後、環状化DNAが増幅される。環状化DNAが増幅されると、クエンチャープライマーオリゴヌクレオチド配列に相補的なハイブリダイゼーション部位が生成される。ローリングサークル増幅によって生成されたハイブリダイゼーション部位の数が、ポリマードットのオリゴヌクレオチドに対する化学量論的優位性を生み出し、クエンチャープライマーは、ポリマードットオリゴヌクレオチドの代わりにローリングサークル増幅産物と会合し、ポリマードットからクエンチャーを分離し、ポリマードットの光学的に検出可能なコードの検出を可能にする。上に記載されるように、光学的に検出可能なコードを検出し、標的分子を含有する区画化された体積に値「1」を割り当てる。標的分子を欠く区画化された体積はローリングサークル増幅を開始することができず、クエンチャーがポリマードットの光学的に検出可能なコードをクエンチし続けることが許容される。ポリマードットからのシグナルが検出不能である区画化された体積に値「ゼロ」を割り当てる。
デジタル値を対応する測定された区画化された体積サイズと一致させて、区画化された体積サイズ分布と割り当てられた値との間の関係を作り出す。その後、標的分子の濃度を、測定されたデータおよび計算されたデータをポアソン分布曲線に当てはめることによって逆算する。
<実施例11>
空間的融解曲線分析のための方法
本実施例は、本開示の一態様による、デジタル空間的融解曲線分析を使用して標的分子の配列を決定するための方法を提供する。
核酸標的分子を含有する試料を、TrisHCl、pH8.5、MgCl、KCl、DTT、およびジメチルスルホキシドを含有する作業緩衝液中に移す。その後、試料と作業緩衝液との混合物を、KCl、MgCl、DTT、およびヌクレオシド三リン酸を含有する試薬再水和緩衝液中に希釈する。逆転写酵素、T7 RNAポリメラーゼ、RNase H、増幅プライマー、コード化ポリマードット(Pdot)ナノ粒子および結合領域を含むプローブ、ならびにプローブの結合領域および標的分子の両方に相補的な配列を有し、かつそれらとハイブリダイズすることができるクエンチャープライマー核酸を、標的分子を含有する混合物に添加し、その後、溶液を反応チャンバの規則的な二次元アレイの入口に送り込む。チャンバの二次元アレイを、アレイの垂直軸が同一の複製物を含み、水平軸の連続するチャンバが、融解曲線分析中の熱エネルギーの適用中に温度を一方の端から他方の端まで(例えば、図11Aおよび図11Bにおいて「a」から「a’」まで)漸増的に増加させる実験条件を表すように組織化する。
反応チャンバを増幅前に470nmの波長を有する励起レーザー光で刺激し、各反応チャンバから放出された光を収集および分析する。
図11Aおよび図11Bに図解されるように、加熱要素を、標的分子および等温増幅試薬を収容するチャンバと接触した状態でまたはそれにごく近接して設置し、反応チャンバの区画化された体積を41℃に加熱し、等温増幅中その温度を維持するように較正する。
増幅後、0.25℃/区画列の温度ステップをもたらす50℃から90℃までのデバイスにわたる温度勾配を作り出す。プローブは、それらの特定の融解温度(Tm)に応じて、増幅産物とハイブリダイズまたは脱ハイブリダイズして、配列特異的融解曲線フィンガープリントをもたらすであろう。反応チャンバを470nmの波長を有する励起光で刺激し、反応チャンバから放出された光を500nm〜700nmの範囲にわたって検出する。
相対蛍光値を空間融解曲線として記録し、アレイの各水平位置で放出された正規化蛍光をアレイのその位置での温度と関連付ける。その後、試料中の標的分子の配列を、蛍光の変化の規模、蛍光変化が生じる水平位置の絶対温度、または蛍光の最後の変化を検出した以降のアレイ内の水平空間間隔に基づいて、空間的融解曲線上での蛍光の変化をアデニン−チミン(A−T)塩基対またはグアニン−シトシン(G−C)塩基対の個々のまたは複数の出現の存在と関連付けることによって決定する。
<実施例12>
区画化された体積中の複数の検出可能なシグナルを個別に検出するための方法
本実施例は、本開示の一態様による、複数の検出可能なコードを個別に検出することによって標的分子を定量化するための例示的な方法を提供する。
蛍光ポリマードットを含むコード化プローブ、複数の核酸結合領域、およびプローブの結合領域とハイブリダイズすることができる複数のクエンチャーを、自己デジタル化チップの複数のチャンバ内に位置する複数の区画化された体積の各々中の1ナノリットル(nL)の反応混合物中に提供する。反応混合物は、TaqMan Fast Advanced Master Mix、TaqManポリメラーゼ、反応緩衝液、コード化プローブ、および試料の一部を含み、試料は、未知の濃度の標的核酸分子(例えば、鋳型)を含有する。PCR増幅前に、クエンチャーの核酸領域を核酸結合領域とハイブリダイズさせる。
増幅前に、各区画化された体積の内容物を蛍光ポリマードットのピーク励起周波数範囲内のレーザー光で刺激し、各プローブによって放出された検出可能なコードのバックグラウンド蛍光またはスペクトル強度を測定する。増幅前に、クエンチャーの存在がプローブを効率的に非蛍光性にする(図12D)。
デジタルPCR反応を、サーマルサイクラーを使用してチップの各区画化された体積中で行い、95℃で3分間のホットスタート、その後、各サイクル95℃で30秒間、54℃で30秒間、および72℃で30秒間を35サイクル行う。増幅中にクエンチャーが実施例1〜12のうちのいずれかに記載の機構によってプローブの結合領域と解離する。
増幅後、各区画化された体積の内容物を蛍光ポリマードットのピーク励起周波数範囲内のレーザー光で再度刺激し、各プローブによって放出された検出可能なコードのスペクトル強度を測定する。PCR増幅後、標的核酸の存在により、検出可能なコードからの蛍光が著しく増加する(図12E)。各プローブについて測定したスペクトル強度を記録し、所定の閾値または値範囲と比較する。閾値未満の値を有する検出可能なコードを有する区画化された体積を含有するチップのチャンバにそのコードに対する値「ゼロ」を割り当て、閾値以上または所定の値範囲内の値を有する検出可能なコードを有する区画化された体積のチャンバに値「1」を割り当てる。デジタル値を対応する測定された区画化された体積サイズと一致させて、区画化された体積サイズ分布と異なる検出可能なコードに割り当てられた値との間の関係を作り出す。その後、検出可能なコードに対応する標的分子の濃度を、測定されたデータおよび計算されたデータをポアソン分布曲線に当てはめることによって逆算する。
<実施例13>
区画化された体積中の検出可能なシグナルの存在を決定するための方法
本実施例は、本開示の一態様による、1区画化された体積あたりの自己デジタル化チップの複数のチャンバ内の検出可能なコードを検出することによって標的分子を定量化するための例示的な方法を提供する。
複数のコード化粒子を、1ナノリットル(nL)の反応混合物中のチップの複数のチャンバ(例えば、区画体積)の各々に提供する。各コード化粒子は、蛍光ポリマードット、複数の核酸結合領域、およびプローブの結合領域とハイブリダイズすることができる複数のクエンチャーを含み、反応混合物は、TaqMan Fast Advanced Master Mix、TaqManポリメラーゼ、反応緩衝液、コード化プローブ、および試料の一部を含み、試料は、未知の濃度の標的核酸分子(例えば、鋳型)を含有する。PCR増幅前に、クエンチャーの核酸領域を核酸結合領域とハイブリダイズさせる。
増幅前に、各区画化された体積の内容物を蛍光ポリマードットのピーク励起周波数範囲内のレーザー光で刺激する。自己デジタル化チップの各区画化された体積のスペクトル強度値を検出する。各区画化された体積中の各ポリマードットによって生成された全体のスペクトル強度を単一値として測定して、区画化された体積中の各ポリマードットのバックグラウンドスペクトル強度値を確立する。
デジタルPCR反応を、サーマルサイクラーを使用してチップの各区画化された体積中で行い、95℃で3分間のホットスタート、その後、各サイクル95℃で30秒間、54℃で30秒間、および72℃で30秒間を35サイクル行う。増幅中にクエンチャーが実施例1〜12のうちのいずれかに記載の機構によってプローブの結合領域と解離する。
増幅後、各区画化された体積の内容物を蛍光ポリマードットのピーク励起周波数範囲内のレーザー光で再度刺激し、区画化された体積中の各コード化ポリマードットによって生成されたスペクトル強度を測定する。チップの各区画化された体積中の各ポリマードットのスペクトル強度値を検出および記録する。増幅後に測定したスペクトル強度値を所定の閾値または値範囲と比較する。閾値未満のスペクトル強度値を有する区画化された体積を含有するチップのチャンバ内のPdotに値「ゼロ」を割り当て、閾値以上または所定の値範囲内のスペクトル強度値を有する区画化された体積中のPdotに値「1」を割り当てる。デジタル値を対応する測定された区画化された体積サイズと一致させて、区画化された体積サイズ分布と異なるコード化Pdotに割り当てられた値との間の関係を作り出す。その後、標的分子の濃度を、測定されたデータおよび計算されたデータをポアソン分布曲線に当てはめることによって逆算する。
<実施例14>
ハイブリッド相互貫入SiO−Pdotに基づいてプローブを生成するための方法
本実施例は、ハイブリッド相互貫入SiO−Pdotを使用してプローブを生成するための例示的な方法を提供する。
異なる吸収スペクトルおよび発光スペクトルを有する3つの異なるタイプのPdot、Pdot450、Pdot540、Pdot610(図12A、12B)を各々、HPV16、18、および45の検出のために設計された3つの異なる核酸配列にコンジュゲートする。その後、核酸にコンジュゲートした3つのそれぞれのPdot、Pdot450−HPV45(またはPdot450−45)、Pdot540−HPV16(またはPdot540−16)、Pdot610−HPV18(またはPdot610−18)を、約30〜40nmの流体力学的直径を示す動的光散乱、ゼータ電位測定値、および量子収率(QY)を使用して特徴付けた(以下の表1を参照のこと)。
それぞれのPdot−核酸を特徴付けて、各Pdotにコンジュゲートした核酸分子の数を定量化した。図12Cは、Pdot450−45、Pdot540−16、およびPdot610−18における1PdotあたりのハイブリダイズされたDNAの数の定量化のための電気泳動結果を示す。異なる濃度(0.1〜1μM)のTAMRA−DNAおよび相補的TAMRA−DNA(1uM)とPdot−DNA(Pdot450−45、Pdot540−16、またはPdot610−18、2.8nM)との混合物を1重量%のアガロースゲル中に充填した。異なる濃度での色素TAMARの蛍光強度(532nmのLED励起)から、蛍光強度に対するTAMRA−DNA濃度の関数を得た。この関数から、約平均106個のDNA分子が1つのPdot450−45でハイブリダイズし、約81個のDNA分子が1つのPdot540−16でハイブリダイズし、約69個のDNA分子が1つのPdot610−18でハイブリダイズしたと計算することができた。
デジタルPCRのために3つの異なるタイプのPdot−DNプローブをさらに調製するために、これらをそれらのそれぞれの相補的BHQ−DNAクエンチャーにハイブリダイズした。図12Dは、2ppmのPdot450−45(A)、Pdot540−16(B)、およびPdot610−18(C)、ならびにそれぞれのPdot−DNAにハイブリダイズした様々な濃度の相補的BHQ−DNA(100nM、200nM)を有するPdotの蛍光を示す。標的核酸(HPV16、18、45)の存在下でのPCRまたはデジタルPCR時、それぞれのPdot−DNAの各々が蛍光性になり(図12E)、増幅中クエンチャーが上の実施例に記載の機構によってそれぞれのプローブの結合領域と解離したためである。ゲル電気泳動により、標的核酸由来の増幅産物の存在をさらに確認した(図12F)。
<実施例15>
デジタルPCRおよび単一プローブ画像化およびデコード化のための方法
本実施例は、ハイブリッド相互貫入SiO−Pdotを使用してデジタルPCRを行うための、かつ個々のハイブリッド相互貫入SiO−Pdotの単一粒子画像化およびデコード化のための例示的な方法を提供する。
各々HPV16、18、および45の検出のために設計された3つの異なる核酸配列にコンジュゲートした3つの異なるタイプのPdot(Pdot450、Pdot540、Pdot610)を、前述の実施例に従って調製した。3つのそれぞれのPdotは、Pdot450−HPV45(またはPdot450−45)、Pdot540−HPV16(またはPdot540−16)、Pdot610−HPV18(またはPdot610−18)であった。その後、これらのPdotを使用してデジタルPCRを行い、このデジタルPCRでは、区画化された体積を自己デジタル化(SD)チップ上に生成した後に、区画化された体積を前述の実施例に記載されるように熱サイクリングした。熱サイクリング後、SDチップを473nmの励起光で照射し、画像化し、より色の濃い体積が標的増幅を示した(図12G)。加えて、それぞれの3つの異なるタイプのPdot(Pdot450−45、Pdot540−16、Pdot610−18)の各個々のPdotを単一粒子レベルで画像化し、デコード化した(図12H)。
<実施例16>
プローブ間ハイブリダイゼーションを使用した多重化デジタルPCRのための方法
本実施例は、Pdot−DNプローブのプローブ間ハイブリダイゼーションを使用してデジタルPCRを行うための例示的な方法を提供する。
3つの異なるタイプのPdot(Pdot450、Pdot540、Pdot610)(各々異なるDNA配列にコンジュゲートした(Pdot450はDNA 5’−ACA TGT ATT ACA C−3’にコンジュゲートし、Pdot540はDNA 5’−TACTAACCGGTTTCG−3’にコンジュゲートし、Pdot610はDNA 5’−ACA TGT ATT ACA C−3’にコンジュゲートした))を実証として利用した。PdotにコンジュゲートしたDNA配列の各々に存在する核酸配列に相補的な、分析物核酸配列の増幅の結果として存在する架橋DNA配列(すなわち、5’−ACA TGT ATT ACA CTA CTA ACC GGT TTC GAC ATG TAT TAC AC−3’)の存在下で、Pdotを共局在させてクラスターを形成させた。Pdotクラスターを容易に画像化して、架橋DNA配列の存在を検出した。
プローブ間ハイブリダイゼーションを示すために、以下に記載されるように広視野蛍光顕微鏡を使用して単一粒子画像化を行った。405nmのダイオードレーザーを励起源として使用した。ガウスレーザープロファイルが試料平面で観察され、半値全幅は54μmであった。電力計を使用してレーザースポットの中心の励起電力密度が約100W/cmであると推定した。Pdot−DNプローブをスライドガラス上に固定化し、10Hzのフレームレートを使用して画像化した。3つの異なる色Pdotからの蛍光発光を、それぞれ、455±50nm、550±60nm、650±50nmの帯域通過フィルターによってフィルタリングした。1カウントあたり0.48電子の利得係数を有するCMOSカメラ(Hamamatsu、ORCA−Flash 4.0)を検出器として使用した。
対照試料中、3つの色Pdot−DNプローブ(濃度0.1ppm)を架橋DNAの不在下でPBS緩衝液中に混合し、結果として、それらは偶然よりも高い率で共局在しなかった(図13の上列、表題「対照」)。
分析物DNA分子の増幅の結果として生成された架橋DNA(配列:DNA 5’−ACA TGT ATT ACA CTA CTA ACC GGT TTC GAC ATG TAT TAC AC−3’)の存在下で、3つの色Pdot−DNプローブ(濃度0.1ppm)は、非常に高い率で共局在した(図13の下列、表題「架橋」)。同じ場所で全ての3つの色チャネルにおいてシグナルを示したクラスターを示すために、共局在したPdot−DNプローブまたは事象を統合した画像内で円を使用して強調する。したがって、プローブ間ハイブリダイゼーションの存在が容易に検出され、多重化デジタルPCRの単純読み出しとしての機能を果たした。
多重化デジタルPCRのプローブ間ハイブリダイゼーションによって提供された柔軟性のさらなる例証として、我々は、Pdot−DNAの多重ペアワイズプローブ間ハイブリダイゼーションを使用した実験も行った。全ての実験条件は前述の実験条件と同じであったが、ここでは、単一のDNA配列を使用して3つの異なる色Pdot−DNプローブのプローブ間ハイブリダイゼーションを引き起こす(図13)のではなく、我々は、架橋のために特有の核酸配列を必要とするPdot−DNプローブの対を各々設計した。この実験は、分析物核酸分子の存在の増幅の結果として生成されたPdot−DNプローブの各ペアワイズ組み合わせが標的核酸配列の存在下でのみ架橋した(具体的には、Pdot450プローブおよびPdot610プローブが5’−ACA TGT ATT ACA CACA TGT ATT ACA C−3’によって架橋し、Pdot450プローブおよびPdot540プローブが5’−ACA TGT ATT ACA CTA CTA ACC GGT TTC G−3’によって架橋し、Pdot540プローブおよびPdot610プローブがDNA 5’−TA CTA ACC GGT TTC G ACA TGT ATT ACAC−3’によって架橋した)ことを示した。これらの画像(図14)は、各色チャネルおよび統合した画像における共局在を示す。別個の対照実験では、図13の対照と同様に、ペアワイズPdot−DNプローブは標的核酸配列の不在下で共局在しなかった。
<実施例17>
空間的融解曲線分析のためにSDチップの温度を変化させるための方法
本実施例は、空間的融解曲線分析のためにSDチップの温度を制御するための例示的な方法を提供する。
PCR試薬、Evagreenフルオロフォア、配列特異的プライマー、および標的鋳型を、ウェルのうちのいくつかが標的鋳型分子を含有し、それらのうちのいくつかが含有しない濃度で含有する試料を有するSDチップデバイスをデジタル化した。SDデバイスを95℃と58℃との間で40サイクル増幅し、その後、SDチップを加熱要素上に置き、温度をいくつかの異なる点に調整した。デバイス表面温度を熱赤外線センサで測定し、その後、470nmでのLED投光照明を使用して画像化し、525/25nmの帯域通過発光フィルターを備えたカメラで検出した。画像を約39℃、55℃、および72℃の赤外線温度読み取りで撮影した(図15)。ライン走査を使用して処理した画像をさらに分析して、シグナル変化を温度の関数として検出した(図15D)。
さらなる例として、図16Aは、23℃(上)から、39℃(上から2番目)、50℃(真ん中)、52℃(下から2番目)、および73℃(下)までのデジタルPCR増幅後のSDチップの温度プロファイルを示す。ライン走査を使用して画像を分析して、シグナル変化を温度の関数として定量化した(図16B)。
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、記載されているが、かかる実施形態が単に例として提供されていることは当業者には明らかである。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多数の変形、変更、および置き換えを思い付くであろう。本明細書に記載の本発明の実施形態の様々な代替案が本発明を実施する際に用いられ得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの等価物がそれに包含されるよう意図されている。

Claims (96)

  1. デジタルアッセイを行う方法であって、前記方法は、
    複数の区画化された体積を提供することであって、
    前記複数の区画化された体積における各区画化された体積がプローブを含み、各プローブが、コード化粒子と、標的分子または前記標的分子の存在と相関している分子に結合することができる結合領域とを含み、前記コード化粒子が、3nmを超える少なくとも1つの寸法を有し、
    前記複数の区画化された体積における前記区画化された体積のうちの少なくともいくつかが前記標的分子を含む、提供することと、
    前記標的分子を増幅することと、
    前記区画化された体積中のコード化粒子によって放出された光学的に検出可能なコードを検出することであって、前記光学的に検出可能なコードの前記検出が、前記標的分子が前記区画化された体積中に存在することを示す、検出することと、を含む、方法。
  2. デジタルアッセイを行う方法であって、前記方法は、
    複数の区画化された体積を提供することであって、
    前記複数の区画化された体積における各区画化された体積がプローブを含み、各プローブが、コード化粒子と、標的分子または前記標的分子の存在と相関している分子に結合することができる結合領域とを含み、前記コード化粒子が、3nmを超える少なくとも1つの寸法を有し、
    前記複数の区画化された体積における前記区画化された体積のうちの少なくともいくつかが前記標的分子を含む、提供することと、
    前記標的分子の存在と相関している分子を増幅することと、
    前記区画化された体積中のコード化粒子によって放出された光学的に検出可能なコードを検出することであって、前記光学的に検出可能なコードの前記検出が、前記標的分子が前記区画化された体積中に存在することを示す、検出することと、を含む、方法。
  3. 前記光学的に検出可能なコードが、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記光学的に検出可能なコードが、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも2つを含む、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記光学的に検出可能なコードが、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも3つを含む、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記光学的に検出可能なコードが、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10個を含む、請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記光学的に検出可能なコードが、(i)、(ii)、(iii)、(iv)、もしくは(v)から選択される単一タイプの光学的に検出可能なコード、または(i)、(ii)、(iii)、(iv)、および(v)から選択される組み合わせタイプの光学的に検出可能なコードであり得る、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記光学的に検出可能なコードが、少なくとも2個の発光ピーク、少なくとも3個の発光ピーク、少なくとも4個の発光ピーク、少なくとも5個の発光ピーク、少なくとも6個の発光ピーク、少なくとも7個の発光ピーク、少なくとも8個の発光ピーク、少なくとも9個の発光ピーク、または少なくとも10個の発光ピークを有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記コード化粒子が、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記コード化粒子が、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも2つによって特徴付けられる、請求項1または2に記載の方法。
  11. 前記コード化粒子が、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも3つによって特徴付けられる、請求項1または2に記載の方法。
  12. 前記コード化粒子が、(i)発光ピーク波長、(ii)所与の波長での発光ピーク強度、(iii)発光ピークスペクトル強度、(iv)発光寿命、および(v)吸光度ピーク波長のうちの少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10個によって特徴付けられる、請求項1または2に記載の方法。
  13. 前記コード化粒子が、(i)、(ii)、(iii)、(iv)、もしくは(v)から選択される単一タイプの特性、または(i)、(ii)、(iii)、(iv)、および(v)から選択される組み合わせタイプの特性によって特徴付けられる、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記コード化粒子が、少なくとも2個の発光ピーク、少なくとも3個の発光ピーク、少なくとも4個の発光ピーク、少なくとも5個の発光ピーク、少なくとも6個の発光ピーク、少なくとも7個の発光ピーク、少なくとも8個の発光ピーク、少なくとも9個の発光ピーク、または少なくとも10個の発光ピークによって特徴付けられる、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 各プローブの前記光学的に検出可能なコードを検出することが、前記検出可能なコードのスペクトル強度を測定することを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記区画化された体積が、前記複数の区画化された体積中に存在する少なくとも1つの他のコード化粒子とは別個の光学的に検出可能なコードを含む少なくとも1つのコード化粒子を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記区画化された体積が、前記複数の区画化された体積中に存在する少なくとも1つの他のコード化粒子とは別個の光学的に検出可能なコードを各々含む複数のコード化粒子を含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記光学的に検出可能なコードの前記スペクトル強度に基づいて前記区画化された体積中の前記標的分子の存在を決定することをさらに含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記発光ピーク強度を検出することが、複数の発光波長を検出することを含む、請求項3〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記発光ピーク強度が、前記発光ピークのピーク最大値で測定される、請求項3〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記検出可能なコードのスペクトル強度を測定することが、0.01〜100、0.05〜50、0.1〜10、1〜100、1〜50、1〜40、1〜30、1〜20、1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5、1〜4、1〜3、1〜2、0〜10、0〜9、0〜8、0〜7、0〜6、0〜5、0〜4、0〜3、0〜2、または0〜1の異なる発光波長範囲で発光強度の比率を測定することを含む、請求項3〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記光学的に検出可能なコードが、発光シグナルまたは蛍光シグナルを含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記複数の区画化された体積が、複数のプローブを含み、
    各区画化された体積が、少なくとも1つのプローブを含み、
    前記複数のプローブの第1の別個のプローブが、前記複数のプローブの第2の別個のプローブの結合領域とは別個の結合領域を含み、
    前記複数のプローブの前記第1の別個のプローブが、前記複数のプローブの前記第2の別個のプローブの光学的に検出可能なコードとは別個の光学的に検出可能なコードを放出することができるコード化粒子を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 各別個のプローブの前記光学的に検出可能なコードが、発光ピークスペクトル強度、発光ピーク波長、吸収ピーク波長、励起ピーク波長、発光寿命、またはそれらの組み合わせの特有の組を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 複数の別個の標的分子の存在を検出することをさらに含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記複数の区画化された体積のうちの1つの区画化された体積が、少なくとも2、5、10、20、50、100、200、500、1000個の別個のプローブを含む、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. コード化粒子がマトリックスを含む、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. コード化粒子が発色団を含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. コード化粒子が複数の発色団を含む、請求項28に記載の方法。
  30. コード化粒子が少なくとも3つの色素単位を含む、請求項29に記載の方法。
  31. コード化粒子がポリマードットを含む、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記コード化粒子の前記マトリックスが、1つの発色団または複数の発色団である、請求項27〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記コード化粒子の前記マトリックスが、無機材料、有機材料、またはそれらの組み合わせを含む、請求項27〜32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記マトリックスが、シリカ、ケイ酸塩、二酸化チタン、リン酸塩、ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む、請求項27〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記マトリックスが半導体ポリマーを含む、請求項34に記載の方法。
  36. 前記マトリックスが、ポリスチレン(PS)またはポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)を含む、請求項34または35に記載の方法。
  37. 前記発色団が、無機材料、有機材料、またはそれらの組み合わせを含む、請求項28〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記コード化粒子が、有機材料と無機材料との相互貫入網状組織を含む、請求項1〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記発色団が、色素、小分子色素、ポリマー、金属錯体、半導体ナノ結晶、半導体ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む、請求項28〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記発色団が、蛍光発色団または発光発色団である、請求項28〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記コード化粒子が、3nm〜1000nm、10nm〜500nm、25nm〜250nm、50nm〜100nm、10nm〜50nm、10nm〜30nm、10nm〜20nm、または5nm〜15nmの少なくとも1つの寸法を有する、請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. プローブがクエンチャーをさらに含み、前記クエンチャーが、前記標的分子の不在下で、または前記標的分子の増幅前に、前記光学的に検出可能なコードの強度を低減する、請求項1〜41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記クエンチャーが、前記プローブの結合領域に結合される、請求項42に記載の方法。
  44. 前記クエンチャーが、前記プローブの結合領域に結合することができる、請求項42または請求項43に記載の方法。
  45. 前記増幅中または前記増幅後に前記コード化粒子と前記クエンチャーとの間の距離を増加させることをさらに含む、請求項42〜44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記クエンチャーと前記コード化粒子との間の結合を切断することによって前記コード化粒子と前記クエンチャーとの間の距離を増加させることをさらに含む、請求項42〜45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記増幅することが、前記プローブの前記結合領域を切断することを含むか、またはそれを伴う、請求項1〜46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記増幅することが、複数のコピーを生成することを含む、請求項1〜47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記増幅することが、前記標的分子の存在と相関している前記分子の複数のコピーを生成することを含む、請求項48に記載の方法。
  50. 増幅することが、増幅産物を作製することを含む、請求項1〜49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記増幅することが、前記プローブの前記結合領域を切断することを含むか、またはそれを伴う、請求項1〜50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記結合領域が、前記標的分子または前記標的分子の存在と相関している前記分子にハイブリダイズするように構成された核酸を含む、請求項1〜51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記結合領域の第1の部分が、前記結合領域の第2の部分とハイブリダイズすることができる、請求項1〜52のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記複数の区画化された体積における各区画化された体積が、複数のプローブを含み、少なくとも1つのプローブが、
    前記区画化された体積中の少なくとも1つの他のプローブと同じ別個の標的分子または同じ別個の標的分子の存在と相関している前記分子に結合するように構成された結合領域と、
    前記区画化された体積中の前記少なくとも1つの他のプローブと同じ光学的に検出可能なコードを放出することができるコード化粒子と、を含む、請求項1〜53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記複数の区画化された体積における各区画化された体積が、複数のプローブを含み、各プローブが、
    前記区画化された体積中の少なくとも1つの他のプローブとは異なる別個の標的分子または異なる別個の標的分子の存在と相関している前記分子に結合するように構成された結合領域と、
    前記区画化された体積中の前記少なくとも1つの他のプローブとは異なる光学的に検出可能なコードを放出することができるコード化粒子と、を含む、請求項1〜54のいずれか一項に記載の方法。
  56. プローブの第1の結合領域を伸長することをさらに含み、前記第1の結合領域を伸長することは、前記プローブが同じプローブの第2の結合領域にハイブリダイズすることを可能にする、請求項1〜55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 結合領域を伸長することをさらに含み、前記結合領域を伸長することは、第1のプローブが第2のプローブの結合領域に結合することを可能にし、前記第1のプローブおよび前記第2のプローブが、同じ検出可能な光学的コードを生成することができる、請求項1〜56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 結合領域を酵素の活性によって伸長することをさらに含み、前記複数の区画化された体積の各区画化された体積が前記酵素を含む、請求項1〜57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 酵素の活性によって伸長された前記結合領域が、同じプローブの結合領域または異なるプローブの結合領域に結合することができ、別のプローブに結合した各プローブが、それが結合したプローブと同じ光学的に検出可能なコードを生成することができる、請求項58に記載の方法。
  60. 前記酵素がポリメラーゼである、請求項58または59に記載の方法。
  61. 前記増幅中または前記増幅後に前記複数のプローブの1つのプローブを前記複数のプローブの別のプローブと連結して、プローブ網状組織を形成することをさらに含み、前記連結することが、前記標的分子の存在下または前記標的分子の存在と相関している前記分子の存在下でのみ生じる、請求項1〜60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 各プローブが、複数の異なる結合領域を含む、請求項1〜60のいずれか一項に記載の方法。
  63. 第1のプローブ上の第1の結合領域の第2の結合領域に対する比率が、同じタイプの第2のプローブ上の前記第1の結合領域の前記第2の結合領域に対する比率の1.0倍、1.05倍、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9、times、2倍、2.5倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、または100倍である、請求項1〜62のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記複数の区画化された体積の各区画化された体積が、前記標的分子または前記標的分子の存在と相関している前記分子に結合することができる領域を含む環状化核酸を含み、
    前記クエンチャーが、前記環状化核酸の増幅産物とハイブリダイズすることができる、請求項1〜63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記環状化核酸をローリングサークル増幅によって増幅することをさらに含む、請求項64に記載の方法。
  66. 前記デジタルアッセイがデジタル核酸分析である、請求項1〜65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記デジタル核酸分析がデジタルPCRを含む、請求項66に記載の方法。
  68. 前記デジタルアッセイが、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、または少なくとも45回の温度サイクルを含む、請求項1〜67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記デジタルアッセイが等温アッセイである、請求項1〜68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記等温アッセイが等温核酸増幅を含む、請求項69に記載の方法。
  71. 前記区画化された体積が、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、または75℃で維持される、請求項69または請求項70に記載の方法。
  72. 前記区画化された体積が各々、20pL未満、15pL未満、10pL未満、5pL未満、4pL未満、3pL未満、2pL未満、または1pL未満の体積を有する、請求項1〜71のいずれか一項に記載の方法。
  73. デジタルアッセイシステムであって、前記デジタルアッセイシステムは、
    複数の区画化された体積であって、
    前記複数の区画化された体積における各区画化された体積が、
    増幅試薬と、
    コード化粒子と、標的分子または前記標的分子の存在と相関している分子に結合することができる結合領域とを含むプローブであって、前記コード化粒子が、3nmを超える少なくとも1つの寸法を有し、
    前記複数の区画化された体積における前記区画化された体積のうちの少なくともいくつかが前記標的分子を含む、プローブと、を含む、複数の区画化された体積と、
    1つ以上の区画化された体積中の前記コード化粒子によって生成された光学的に検出可能なコードを光学的に検出するように構成された検出器と、
    プロセッサと、実行可能命令が記憶されたメモリデバイスとを備えるコンピュータであって、前記命令が、実行されると、前記プロセッサに、
    前記検出器を動作させて、前記光学的に検出可能なコードを測定させ、
    前記測定された光学的に検出可能なコードを記憶させ、かつ
    前記測定された光学的に検出可能なコードを分析させる、コンピュータと、を備える、デジタルアッセイシステム。
  74. 前記光学的に検出可能なコードが、発光波長、発光スペクトル、発光寿命、発光強度、発光強度範囲、発光波長範囲、吸収スペクトル、吸収波長範囲、励起スペクトル、および励起波長範囲、またはそれらの組み合わせを含む、請求項73に記載のシステム。
  75. 前記光学的に検出可能なコードが、スペクトル強度を含む、請求項73または請求項74に記載のシステム。
  76. 前記コード化粒子がポリマードットを含む、請求項73〜75のいずれか一項に記載のシステム。
  77. 試料保持器が、前記光学的に検出可能なコードの前記検出中に前記複数の区画化された体積を保持することができる、請求項73〜76のいずれか一項に記載のシステム。
  78. 電磁放射線源をさらに備える、請求項73〜77のいずれか一項に記載のシステム。
  79. 前記複数の区画化された体積のうちの少なくとも1つの区画化された体積の温度を制御することができる加熱要素をさらに備える、請求項73〜78のいずれか一項に記載のシステム。
  80. デジタル融解曲線アッセイを行う方法であって、前記方法は、
    複数の容器内に分布した複数の区画化された体積を提供することであって、前記複数の前記区画化された体積における前記区画化された体積のうちの少なくともいくつかが標的分子を含む、提供することと、
    熱エネルギー勾配を前記複数の区画化された体積に適用して、面積とともに変化する複数のアッセイ温度をもたらすことと、
    前記標的分子または前記標的分子の存在と相関している分子の融解温度を、温度勾配の存在下で前記標的分子または前記標的分子の存在と相関している前記分子の前記デジタル融解曲線アッセイを行うことによって決定することと、を含む、方法。
  81. 可変熱エネルギーを前記複数の区画化された体積に適用して、時間とともに変化する複数のアッセイ温度をもたらすことをさらに含む、請求項80に記載の方法。
  82. 前記複数の容器が、マルチチャンバ自己デジタル化チップ、複数の液滴、マルチウェルマイクロ流体チップ、またはマルチウェルプレートを含む、請求項80に記載の方法。
  83. デジタル融解曲線アッセイを行う方法であって、前記方法は、
    複数の区画化された体積を提供することであって、
    前記複数の区画化された体積における各区画化された体積が、標的分子または前記標的分子の存在と相関している分子にハイブリダイズすることができる核酸を含み、
    前記複数の前記区画化された体積における前記区画化された体積のうちの少なくともいくつかが前記標的分子を含む、提供することと、
    前記標的分子を増幅して、増幅された分子を生成することと、
    熱エネルギー勾配を前記複数の区画化された体積に適用して、面積とともに変化する複数のアッセイ温度をもたらすことであって、それにより、各区画化された体積における前記アッセイ温度が、
    標的分子または増幅された分子の融解温度未満である場合、前記標的分子または前記増幅された分子の少なくとも50%がハイブリダイズされ、
    前記標的分子または前記増幅された分子の融解温度を超える場合、前記標的分子または前記増幅された分子の50%未満がハイブリダイズされるようになる、もたらすことと、
    前記ハイブリダイズされた標的分子または前記増幅された分子と会合している発色団によって生成された光学的に検出可能なシグナルを検出することであって、前記発色団が前記ハイブリダイズされた標的分子または前記増幅された分子と会合しているときに前記光学的に検出可能なシグナルが検出される、検出することと、
    前記複数のアッセイ温度の前記アッセイ温度の各々での前記光学的に検出可能なシグナルの存在または不在または規模に基づいて前記標的分子または前記増幅された分子の融解温度を決定することと、を含む、方法。
  84. 前記標的分子が核酸である、請求項80〜83のいずれか一項に記載の方法。
  85. 可変熱エネルギーを前記適用することが、前記熱エネルギーを時間とともに変化させることを含む、請求項83に記載の方法。
  86. 前記可変熱エネルギーが時間とともに周期的に変化する、請求項81または85に記載の方法。
  87. 前記可変熱エネルギーが複数の個別の温度変化を含む、請求項81、85、または86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記可変熱エネルギーが連続的な温度変化を含む、請求項81、85、または86のいずれか一項に記載の方法。
  89. 前記アッセイ温度が、前記複数の区画化された体積の前記区画化された体積に存在する温度である、請求項81〜88のいずれか一項に記載の方法。
  90. 可変熱エネルギーを前記複数の区画化された体積に前記適用することが、1分間〜90分間、5分間〜60分間、10分間〜30分間、または10分間〜20分間の時間にわたって行われる、請求項81〜89のいずれか一項に記載の方法。
  91. 前記アッセイ温度が、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、50℃、51℃、52℃、53℃、54℃、55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃、66℃、67℃、68℃、69℃、70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、80℃、81℃、82℃、83℃、84℃、85℃、86℃、87℃、88℃、89℃、または90℃から選択される、請求項81〜90のいずれか一項に記載の方法。
  92. 前記発色団が蛍光発色団である、請求項80〜91のいずれか一項に記載の方法。
  93. 前記発色団がインターカレート色素を含む、請求項92に記載の方法。
  94. 各区画化された体積が、100nL以下、50nL以下、25nL以下、10nL以下、9nL以下、8nL以下、7nL以下、6nL以下、5nL以下、4nL以下、3nL以下、2nL以下、または1nL以下の体積を有する、請求項80〜93のいずれか一項に記載の方法。
  95. 前記標的分子の融解温度に基づいて前記標的分子中の突然変異の存在を特定することをさらに含む、請求項80〜94のいずれか一項に記載の方法。
  96. 前記標的分子の融解温度に基づいて患者を診断することをさらに含む、請求項80〜95のいずれか一項に記載の方法。
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