本出願は、米国特許法第119条の下で、2017年10月31日出願の米国仮特許出願第62/579,614号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は依拠され、その全体が参照により本出願に援用される。
本明細書中で使用される場合、用語「レーザビーム(laser beam)」は、ガウシアン強度プロファイル(ガウシアンプロファイル)を有し、またその横磁場及び電場振幅プロファイルがガウス関数によって与えられる、単色電磁放射のビームを指す。ガウシアンレーザビームは、軸対称又は非軸対称であってよく、即ちガウシアンレーザビームは、軸対称ビーム断面、又は長軸及び短軸を有する非軸対称ビームスポットを形成する非軸対称ビーム断面を有してよい。本明細書中で使用される用語「ベッセルレーザビーム(Bessel laser beam)」は、第1種のベッセル関数で記述される振幅(プロファイル)を有する単色電磁放射のビームを指す。ベッセルレーザビーム又はガウシアン‐ベッセルビームは、軸対称又は非軸対称であってよく、即ちベッセルレーザ又はガウシアン‐ベッセルビームは、軸対称ビーム断面、又は長軸及び短軸を有する非軸対称ビームスポットを形成する非軸対称ビーム断面を有してよい。本明細書中で使用される場合、用語「ハイブリッドガウシアン‐ベッセルレーザビーム」(又は「ハイブリッド」ガウシアン‐ベッセルレーザビーム)は、ガウシアンプロファイル及びベッセルプロファイルの組み合わせを有する電磁放射のビームを指す。
本明細書中で使用される場合、用語「無回折」ビームは、非回折ビーム及び例えばベッセルビーム等の準非回折ビームを指す。
用語「マイクロメートル(micrometer、micron)」及び「μm」は、本明細書中では相互交換可能なものとして使用される。
本明細書中で使用される場合、用語「透明被加工物(transparent workpiece)」は、透明なガラス、ガラスセラミック、サファイア又は他の材料から形成された被加工物を意味し、本明細書中で使用される場合、用語「透明(transparent)」は、材料が、指定されたパルスレーザ波長に関して材料深さ1mmあたり約20%未満の光吸収率、例えば材料深さ1mmあたり約10%未満の光吸収率、又は例えば指定されたパルスレーザ波長に関して材料深さ1mmあたり約1%未満の光吸収率を有することを意味する。1つ以上の実施形態によると、透明被加工物の厚さは約50マイクロメートル〜約10mm(例えば約100マイクロメートル〜約5mm、又は約0.5mm〜約3mm)であってよい。
以下の用語法を、本明細書に記載の光ファイバと共に使用する。
本明細書中で使用される場合、用語「屈折率プロファイル(refractive index profile)」又は「相対屈折率プロファイル(relative refractive index profile)」は、ファイバの屈折率又は相対屈折率と半径R(又はr)との間の関係である。
本明細書中で使用される場合、用語「相対屈折率」は:
として定義され、ここでn(r)は、特段の記載がない限り、光ファイバの半径r(又はR)における屈折率であり、r=0はファイバの軸中心線に対応する。特段の記載がない限り、相対屈折率は1550nmにおいて定義される。本明細書に記載の実施形態では、基準屈折率nREFは外側クラッドの屈折率である。本明細書中で使用される場合、相対屈折率はΔで表され、その値は、特段の記載がない限り、「%」を単位として与えられる。ある領域の屈折率が基準屈折率nREF未満である場合、相対屈折率パーセントは負であり、低減領域(depressed region)、被低減屈折率(depressed‐index)、又は低屈折率を有すると呼ばれる。ある領域の屈折率が基準屈折率nREFより大きい場合、相対屈折率パーセントは正であり、この領域は、屈折率が増大している(be raised)、又は正の屈折率を有すると呼ぶことができる。
特段の記載がない限り、文字「R」、「T」、及び「V」はそれぞれ、光ファイバの第1のセグメントに関する半径、半径方向厚さ、及び(以下に記載される)体積を指して使用され、文字「r」、「t」、及び「v」はそれぞれ、光ファイバの第2のセグメントに関する半径、半径方向厚さ、及び(以下に記載される)体積を指して使用される。下付き文字「CH」は、光ファイバの第1のセグメントの「チャネル(channel)を指す。下付き文字「AC」及び「ac」はそれぞれ、光ファイバの第1のセグメント及び第2のセグメントの「環状コア領域(annular core region)」を指す。下付き文字「C」及び「c」はそれぞれ、光ファイバの第1のセグメント及び第2のセグメントの「コア部分(core portion)」を指す。下付き文字「CL」及び「cl」はそれぞれ、光ファイバの第1のセグメント及び第2のセグメントの「クラッド部分(cladding potion)」を指す。下付き文字「OCL」及び「ocl」はそれぞれ、光ファイバの第1のセグメント及び第2のセグメントの「外側クラッド部分(outer cladding portion)」を指す。下付き文字「ICL」及び「icl」はそれぞれ、光ファイバの第1のセグメント及び第2のセグメントの「内側クラッド部分(inner cladding portion)」を指す。下付き文字「LIT」及び「lit」はそれぞれ、光ファイバの第1のセグメント及び第2のセグメントの「低屈折率トレンチ(low‐index trench)」を指す。下付き文字「LIC」及び「lic」はそれぞれ、光ファイバの第1のセグメント及び第2のセグメントの「低屈折率コア領域(low‐index core region)」を指す。下付き文字「CC」及び「cc」はそれぞれ、光ファイバの第1のセグメント及び第2のセグメントの「中央コア領域(central core region)」を指す。
本明細書中で使用される場合、用語「トレンチ(trench)」は、半径方向断面において、屈折率が相対的に高い領域によって取り囲まれた、光ファイバの領域を指す。
本明細書中で使用される場合、用語「アップドーパント(up‐dopant)」は、純粋なドープされていないシリカガラス(SiO2)に対して、ガラスの屈折率を上昇させるドーパントを指す。用語「ダウンドーパント(down‐dopant)」は、純粋なドープされていないSiO2に対して、ガラスの屈折率を低下させる傾向を有するドーパントである。アップドーパントは、アップドーパントではない1つ以上の他のドーパント(例えばダウンドーパント)を伴う場合に負の相対屈折率を有する光ファイバの領域に存在し得る。同様に、アップドーパントではない1つ以上の他のドーパントは、正の相対屈折率を有する光ファイバの領域に存在し得る。ダウンドーパントは、ダウンドーパントではない1つ以上の他のドーパント(例えばアップドーパント)を伴う場合に正の相対屈折率を有する光ファイバの領域に存在し得る。同様に、ダウンドーパントではない1つ以上の他のドーパントは、負の相対屈折率を有する光ファイバの領域に存在し得る。
本明細書に記載の光ファイバは、従来のガウシアンレーザビームを、非回折ビーム又は弱回折ビームに、例えばベッセルレーザビーム又はガウシアン‐ベッセルビームに変換するために利用できる。より具体的には、ベッセルビーム又はガウシアン‐ベッセルビームは、非回折ビーム又は弱回折ビーム(本明細書中では準非回折ビームとも呼ばれる)、即ち以下で数学的に定義される小さなビーム発散を有するビームの1つの形態である。集束した非回折ビーム又は準非回折ビームは、レーザ焦線を形成する。レーザ焦線の形成については、以下でも更に詳細に説明する。本明細書に記載されているように、得られるレーザ焦線は、透明被加工物を加工するため(例えば損傷領域若しくは孔を作製するため、又はこのような被加工物を異なる若しくは別個の部品へと切断するため)に利用できる。
準非回折ビームの非対称性の測定は、より伝統的なガウシアンビームの非対称性の測定ほど簡単には実施できないことに留意されたい。例えば、準非回折ビームは典型的には、単調に減少するガウシアンビームに比べて、振動性の横方向プロファイルを有する。ガウシアンビームの直径は典型的には、強度の1/e2の低下によって定義される。対照的に、準非回折ビームの強度は、径方向距離の関数として、1/e2の強度閾値の上下に複数回変動する場合がある。従って、径方向に対称な準非回折ビームであっても、そのサイズを定義するのは困難となり得る。
更に、非対称ガウシアンビームは当該技術分野において公知であるものの、これらはほとんどの場合単一スポットとして議論され、ここではガウシアンビームは、例えばy方向よりx方向が大きな直径を有することができる。しかしながら、準非回折ビームに関して、ビームの断面は、単一の単調に減少するコア又はスポットを有しない場合がある。このような状況では、ビームの「長い(long)」又は「短い(short)」断面軸は容易には明らかでなく、これにより、非回折又は準非回折ビームの非対称性の測定方法の定義が更に困難となる。
理論によって制限されることを望むものではないが、上述の動機から、準非回折ビーム、及び準非回折の非対称性の測定方法の両方を定義するために以下の議論が行われる。この議論は、単調な強度プロファイルを有する単純な低次ガウシアンビームであるか、又は複数のスポットを投射する若しくは振動挙動を示す更に複雑な準非回折ビームであるかにかかわらず、全ての形態のレーザビームに広く適用可能である。ガウシアンビームの場合、結果は、スポットサイズ及びレイリー範囲の定義に関するガウシアンビームの文献から知られている比較的簡単な形式に縮減される。
レーザビーム発散は、ビーム伝播方向(即ちZ方向)におけるビーム断面の拡大率を指す。本明細書中で使用される場合、句「ビーム断面(beam cross section)」は、レーザビームの伝播に対して垂直な平面に沿った、例えばX‐Y平面に沿った、レーザビームの断面を指す。本明細書で議論されるビーム断面の一例は、X‐Y平面内にある表面上に、(以下で説明される)上記光ファイバと少なくとも1つの集束要素又は集束面とによって形成された、集束レーザビームのビームスポット(例えば非軸対称ビームスポット)(レーザビーム焦線のX‐Y断面に対応するビームスポット)である。断面平面内でのレーザビームの強度分布は、断面強度分布と呼ばれる場合がある。
回折は、レーザビームの発散につながる1つの因子である。他の因子としては、それを通ってレーザビームが伝播する光学系によって引き起こされる集束若しくはデフォーカス、又は界面における屈折及び散乱が挙げられる。本明細書に記載の光ファイバ100’、200’、300’、100、200、300によって提供されて、集束によってレーザ焦線13を形成する、レーザビーム12は、発散が小さく回折が弱い、小さな非軸対称ビームスポット14(小さな非軸対称X‐Yビーム断面)を有することができる(例えば図1A、1B、及び2を参照)。レーザビーム12の発散はレイリー範囲ZRによって特性決定され、これは、レーザビーム12の強度分布の分散σ2及びビーム伝播係数M2に関連する。以下の議論では、式は直交座標系を用いて提示される。他の座標系に関する対応する式は、当業者に公知の数学的技法を用いて得ることができる。ビーム発散に関する更なる情報は、A.E. Siegman「New Developments in Laser Resonators」(SPIE Symposium Series Vol. 1224, p. 2 (1990))、並びにR. Borghi及びM. Santarsiero「M2 factor of Bessel‐Gauss beams」 (Optics Letters, Vol. 22(5), 262 (1997))に見出すことができ、これらの開示はその全体が参照により本出願に援用される。更なる情報は、国際規格ISO 11146‐1:2005(E)「Lasers and laser‐related equipment ‐ Test methods for laser beam widths, divergence angles and beam propagation ratios ‐ Part 1: Stigmatic and simple astigmatic beams」、ISO 11146‐2:2005(E)「Lasers and laser‐related equipment ‐ Test methods for laser beam widths, divergence angles and beam propagation ratios ‐ Part 2: General astigmatic beams」、及びISO 11146‐3:2004(E)「Lasers and laser‐related equipment ‐ Test methods for laser beam widths, divergence angles and beam propagation ratios ‐ Part 3: Intrinsic and geometrical laser beam classification, propagation and details of test methods」にも見出すことができ、これらの開示はその全体が参照により本出願に援用される。
時間平均強度プロファイルI(x,y,z)を有するレーザビーム12の強度プロファイルの重心の空間座標は、以下の式で与えられる:
これらはウィグナー分布の最初の瞬間としても知られており、ISO 11146‐2:2005(E)の第3.5節に記載されている。その測定については、ISO 11146‐2:2005(E)の第7節に記載されている。
分散は、ビーム伝播方向における位置zの関数としての、レーザビーム12の強度分布の断面(X‐Y)平面における幅の測定値である。
任意のレーザビームに関して、X方向の分散はY方向の分散とは異なり得る。σx 2(z)及びσy 2(z)をそれぞれX方向及びY方向の分散とする。特に関心の対象となるのは、近接場及び遠距離場の極限における分散である。σ0x 2(z)及びσ0y 2(z)をそれぞれ、近接場の極限におけるX方向及びY方向の分散とし、σ∞x 2(z)及びσ∞y 2(z)をそれぞれ、遠距離場の極限におけるX方向及びY方向の分散とする。時間平均強度プロファイルI(x,y,z)を有するレーザビームに関して、フーリエ変換
(ここでνx及びνyはそれぞれX方向及びY方向の空間周波数である)を用いると、
x方向及びy方向の近接場及び遠距離場分散は、以下の式によって与えられる:
分散量σ0x 2(z)、σ0y 2(z)、σ∞x 2(z)及びσ∞y 2(z)は、ウィグナー分布の対角要素としても知られている(ISO 11146‐2:2005(E)を参照)。これらの分散は、ISO 11146‐2:2005(E)の第7節に記載の測定技法を用いて、実験用レーザビームに関して定量化できる。簡潔に述べると、この測定は、線形不飽和ピクセル化検出器を用いて、分散及び重心座標を定義する積分方程式の無限積分領域を近似する有限空間領域にわたって、I(x,y)を測定する。測定領域の適切な範囲、バックグラウンドの減算、及び検出器のピクセル分解能は、ISO 11146‐2:2005(E)の第7節に記載されている反復測定手順の収束によって決定される。等式1〜6によって与えられる以上の式の数値は、ピクセル化検出器によって測定される一連の複数の強度値から数値的に計算される。
任意の光ビームに関する横方向振幅プロファイル
(ここで
と、任意の光ビームに関する空間周波数分布
(ここで
との間のフーリエ変換関係により、以下を示すことができる:
等式(7)及び(8)において、σ0x 2(z0x)及びσ0y 2(z0y)はσ0x 2(z)及びσ0y 2(z)の最小値であり、これらはそれぞれx方向及びy方向におけるウエスト位置z0x及びz0yにおいて発生し、またλはビームの波長である。等式(7)及び(8)は、σx 2(z)及びσy 2(z)が、ビームのウエスト位置に関連付けられた最小値から各方向に、zの2次式として増加することを示している。ビーム伝播軸Zに関して回転対称であるガウシアンビームでは、σ0x 2(z)=σ0y 2(z)であり、またウエスト位置z0x=z0yである。
等式(7)及び(8)は、ビーム伝播係数M2に関して書き換えることができ、ここでx方向及びy方向に関して別個のビーム伝播係数M2 x及びM2 yが以下のように定義される:
M2 x=4πσ0xσ∞x (9)
M2 y=4πσ0yσ∞y (10)
式(9)及び(10)の再編成及び式(7)及び(8)への代入により:
が得られ、これらは:
として書き換えることができ、ここでx方向及びy方向それぞれのレイリー範囲ZRx及びZRyは、以下によって与えられる:
レーザビームがビーム伝播軸に関して回転対称である場合、これらのレイリー範囲は等しく、即ちZRx=ZRyである。レーザビームがビーム伝播軸に関して回転対称でない場合、これらのレイリー範囲ZRx及びZRyは等しくなく、即ちZRx≠ZRyである。
上記レイリー範囲は、レーザビームの分散が(ビームのウエストの位置における分散に対して)2倍になる、(ISO 11146‐1:2005(E)の第3.12節で定義されるようなビームのウエストの位置に対する)距離に対応し、レーザビームの断面積の発散の尺度となる。レイリー範囲はまた、光強度がビームのウエスト位置(最大強度位置)において観察される値の1/2まで減少する、ビーム軸に沿った距離としても観察できる。大きなレイリー範囲を有するレーザビームは発散が少なく、伝播方向における距離と共に、レイリー範囲が小さいレーザビームよりもゆっくりと拡散される。
上述の式は、レーザビームを説明する強度プロファイルI(x,y,z)を用いることにより、(ガウシアンビームだけではない)いずれのレーザビームに適用できる。ガウシアンビームのTEM00モードでは、強度プロファイルは:
によって与えられ、ここでw0は、(ビーム強度がビームのウエスト位置z0における該ビームのピークビーム強度の1/e2まで低下する半径として定義される)半径である。等式(17)及び上述の式から、TEM00ガウシアンビームに関して以下の結果が得られる:
上述のように、レーザビームがビーム伝播軸に関して回転対称である場合、これらのレイリー範囲は、ZR=ZRx=ZRyである。また、典型的な回転対称ガウシアンビームに関して、M2=M2 x=M2 y=1であることに更に留意されたい。
ビーム断面は、形状及び寸法によって特性決定される。上述のように、非軸対称ビームスポット14であるビームスポットを生成することが望ましい場合が多い。例示的な非軸対称断面としては、楕円形断面が挙げられる。ビーム断面の寸法は、ビームのスポットサイズによって特性決定される。例えば、ガウシアンビームに関して、スポットサイズは多くの場合、等式(17)でw0として表されるように、ビームの強度がその最大値の1/e2まで低下する径方向範囲として定義される。ガウシアンビームの最大強度は、強度分布の中央(x=0及びy=0(直交座標系)又はr=0(円柱座標系))において発生し、スポットサイズの決定に使用される径方向範囲は、この中央に対して測定される。
軸対称の(即ちビーム伝播軸Zに関して回転対称の)断面を有するビームは、ISO 11146‐1:2005(E)の第3.12節に明記されているように、ビームのウエスト位置において測定される単一の寸法又はスポットサイズによって特性決定できる。ガウシアンビームに関して、等式(17)は、スポットサイズがw0に等しいことを示しており、これは等式(18)から、2σ0x又は2σ0yに対応する。軸対称(円対称)ガウシアンビームに関して、σ0x=σ0yである。
スポットサイズは、軸対称ビームと違ってσ0x≠σ0yである非軸対称ビーム断面に関しても同様に定義できる。従って、非軸対称ビームの断面寸法を、それぞれx方向及びy方向のw0x及びw0yという2つのスポットサイズパラメータを用いて特性決定することが必要となり、ここで:
w0x=2σ0x (25)
w0y=2σ0y (26)
である。
非軸対称ビームに関して、軸対称性(即ち任意の回転角度での対称性)が欠如していることは、σ0x及びσ0yの計算結果がx軸及びy軸の配向の選択に左右されることを意味する。いくつかの実施形態では、x軸は非軸対称ビームスポット14の長軸16であってよく、y軸は短軸15であってよい。他の実施形態では、x軸は短軸15であってよく、y軸は長軸16であってよい。ISO 11146‐1:2005(E)はこれらの基準軸を力密度分布の主軸と呼んでおり(第3.3〜3.5節)、以下の議論において、x及びy軸はこれらの主軸と整列されていると仮定する。更に、断面平面においてx軸及びy軸が回転する角度φ(例えばx軸及びy軸それぞれに関する基準位置に対する、x軸及びy軸の角度)を用いて、非軸対称ビームに関するスポットサイズパラメータの最小値(w0,min)及び最大値(w0,max):
w0,min=2σ0,min (27)
w0,max=2σ0,max (28)
を定義してよく、ここで2σ0,min=2σ0x(φmin,x)=2σ0y(φmin,y)、かつ2σ0,max=2σ0x(φmax,x)=2σ0y(φmax,y)である。ビーム断面の軸対称性の強さは、アスペクト比によって定量化でき、ここでアスペクト比は、w0,minに対するw0,maxの比として定義される。非軸対称ビーム断面のアスペクト比は1.0であり、楕円形及び他の非軸対称ビーム断面のアスペクト比は、1.0超、例えば1.1超、1.2超、1.3超、1.4超、1.5超、1.6超、1.7超、1.8超、1.9超、2.0超等である。
本明細書に記載の光ファイバ100、200、300、100’、200’、300’によって(1つ以上の光ファイバのみによって、又は1つ以上の光ファイバと他の光学部品とによって)生成されるパルスレーザビーム12のビーム断面のアスペクト比(例えば非軸対称ビームスポット14のアスペクト比):
は、1.1超、1.3超、1.5超、2.0超、2.5超、3.0超、3.5超、4.0超、5.0超、7.5超、10.0超、1.1〜20.0、1.2〜15.0、1.3〜10.0、1.3〜7.5、1.3〜5.0、1.5〜7.5、1.5〜5.0、1.5〜3.0、1.75〜5.0、2.0〜4.0等であってよい。レーザビームの小さな発散を達成するために、光ファイバ100、200、300、100’、200’、300’によって生成されるレーザビームの強度分布を制御又は最適化することによって、回折を低減することが望ましい。本明細書に記載の光ファイバ100、200、300、100’、200’、300’によって生成されるレーザビームは、非回折性又は弱回折性であり、また1つ以上の焦線13’を形成するベッセルビーム、ガウシアン‐ベッセルビームを含み、小さなスポットサイズへと集束できる。このようなビームスポット14のスポットサイズは、例えば数ミクロンの範囲内であり、また例えば、集束レーザビームの断面距離(即ちスポット幅)は、約0.5〜10マイクロメートル、0.5〜5マイクロメートル、0.5〜3マイクロメートル、1〜5マイクロメートル、又は1〜10マイクロメートルである。
上述のように、レーザビーム発散はレイリー範囲によって特性決定できる。小さな発散は、レイリー範囲の大きな値及びレーザビームの弱い回折に相関する。
対称ビームに関して、レイリー範囲はX方向及びY方向において同一であり、ガウス強度分布を有するビームに関して等式(22)又は等式(23)によって表される。軸対称ビームに関して、レイリー範囲ZRx及びZRyは等しい。非軸対称ビームに関して、レイリー範囲ZRx及びZRyは等しくない。等式(15)及び(16)は、ZRx及びZRyがそれぞれσ0x及びσ0yに依存することを示しており、また上述のように、σ0x及びσ0yの値は、X軸及びY軸の配向に左右される。従って、非軸対称ビームに関して、ZRx及びZRyの値は変動することになり、これらはそれぞれ、上記主軸に対応する最小値及び最大値を有することになり、ZRxの最小値はZRx,minとして表され、ZRyの最小値はZRy,minとして表される。任意のビームプロファイルZRx,min及びZRy,minに関して、軸対称ガウシアンビームのレイリー範囲を特性決定する式(等式(22)又は等式(23)は:
及び
によって与えられることを示すことができる。
なお、軸対称ガウシアンビームに関しては、ZR、min=ZRx、min=ZRy、minである。
レーザビームの発散は、最小のレイリー範囲を有する方向において比較的短い距離にわたって発生するため、レーザの強度分布を好ましく制御することにより、ZRx及び/又はZRyの最小値を可能な限り大きくすることができる。ZRxの最小値ZRx,min及びZRyの最小値ZRy,minは、非軸対称ビームに関しては異なるため、本明細書に記載の例示的実施形態によると、ZRx,min及びZRy,minのうちの小さい方を用いて、ある強度分布を有するレーザビームを生成してよい。他の例示的実施形態では、レーザビームは、ZRx,min及びZRy,minのうちの小さい方を可能な限り大きくしてよい。
異なる実施形態では、ZRx,min及びZRy,minのうちの小さい方は、50μm以上、100μm以上、200μm以上、300μm以上、500μm以上、1mm以上、2mm以上、3mm以上、5mm以上、50μm〜20mm、50μm〜10mm、100μm〜5mm、200μm〜4mm、300μm〜2mm等である。
本明細書に記載の実施形態によると、非軸対称レーザビーム12は、被加工物160(例えばガラス、ガラスセラミック、サファイア等)の上に非軸対称スポットを形成し、被加工物160内に損傷領域(欠陥172)を形成する(例えば図1Aを参照)。本明細書で明記したZRx,min及びZRy,minのうちの小さい方の値及び範囲は、等式(27)で定義されたスポットサイズパラメータw0,minの調整によって、上記被加工物がそれに対して透明となるような様々な波長に関して達成できる。異なる実施形態では、スポットサイズパラメータw0,minは、0.25μm以上、0.50μm以上、0.75μm以上、1.0μm以上、2.0μm以上、3.0μm以上、5.0μm以上、0.25μm〜10μm、0.25μm〜5.0μm、0.25μm〜2.5μm、0.50μm〜10μm、0.50μm〜5.0μm、0.50μm〜2.5μm、0.75μm〜10μm、0.75μm〜5.0μm、0.75μm〜2.5μm等である。
損傷領域の形成に使用されるレーザビームのレイリー範囲は、同一波長を有するガウシアンビームのレイリー範囲より大きくなり得る。従って、共通の波長λにおける、(等式(22)又は(23)において明記されているような)ガウシアンビームのレイリー範囲ZRに対するZRx,min及びZRy,minのうちの小さい方の比は、2以上、5以上、10以上、25以上、50以上、100以上、250以上、500以上、1000以上、2〜1500、5〜1250、10〜1000、25〜1000、100〜1000等であってよい。
非回折又は準非回折ビームは一般に、半径に対して非単調減少するもの等の、複雑な強度プロファイルを有する。ガウシアンビームと同様に、有効スポットサイズWo,effは、非軸対称ビームに関して、最大強度の径方向位置(r=0)からの、強度が最大強度の1/e2まで低下するいずれの方向における最短径方向距離として定義できる。有効スポットサイズWo,effに基づくレイリー範囲に関する基準は、損傷領域の形成のための非回折又は準非回折ビームに関して:
のように具体化でき、ここでFDは、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、10〜2000、50〜1500、100〜1000の値を有する無次元発散係数である。等式(31)を等式(22)又は(23)と比較することにより、非回折又は準非回折ビームに関して、有効ビームサイズが2倍になる距離、即ち式(31)中の「ZRx,min、ZRy,minのうちの小さい方」が、仮に典型的なガウシアンビームを使用する場合に予想される距離のFD倍となることを確認できる。
無次元発散係数FDは、レーザビームが準非回折性であるかどうかを決定するための基準を提供する。本明細書中で使用される場合、「レーザビーム(laser beam)」は、該レーザビームが、FDの値≧10において式(31)を満たす場合に、準非回折性とみなされる。FDの値が増加するに従って、レーザビームは、非回折状態に更に完璧に近づく。いくつかの実施形態によると、FD≧10、例えばFD≧20、FD≧50、FD≧100、FD≧200、FD≧300、FD≧400、FD≧500、又はFD≧1000である。例えばいくつかの実施形態では、10000≧FD≧10、又は1500≧FD≧50である。
ガウス強度プロファイルを有するビームは、十分に小さいスポットサイズ(例えば約1〜5マイクロメートル又は約1〜10マイクロメートルといった、数マイクロメートル範囲のスポットサイズ)に集束させた場合、強く回折して、短い伝播距離にわたって強く発散する。低発散を達成するために、レーザビームの強度分布を制御又は最適化することにより、回折を低減することが望ましい。レーザビームは、非回折性又は準非回折性、例えばベッセルビーム又はガウシアン‐ベッセルビームとすることができる。
これより、光ファイバ及び上記光ファイバを備えるレーザ送達システムの実施形態について詳細に言及する。これらの実施形態の例は添付の図面に図示されている。
1つ以上の実施形態によると、本開示は被加工物を加工するための方法を提供する。本明細書中で使用される場合、「レーザ加工(laser processing)」は、被加工物内に輪郭線を形成するステップ、被加工物を分割するステップ、又はこれらの組み合わせを含んでよい。透明被加工物160は、ボロシリケートガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、アルカリ土類アルミノシリケートガラス、アルカリ土類ボロアルミノシリケートガラス、溶融シリカ、又はサファイア、ケイ素、ガリウムヒ素若しくはこれらの組み合わせといった結晶質材料等の、ガラス組成物から形成された、ガラス被加工物を含んでよい。いくつかの実施形態では、ガラスをイオン交換してよく、これによりガラス組成物は、上記透明被加工物のレーザ加工前又は後に、機械的強化のためのイオン交換を受けることができる。例えば上記透明被加工物は、イオン交換済み及びイオン交換性ガラス、例えばCorning Incorporated(ニューヨーク州コーニング)から入手可能なCorning Gorilla(登録商標)ガラス(例えばコード2318、コード2319及びコード2320)を含んでよい。更にこれらのイオン交換済みガラスは、約6ppm/℃〜約10ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を有してよい。いくつかの実施形態では、上記透明被加工物のガラス組成物は、約1.0モル%超のホウ素、及び/又は限定するものではないがB2O3を含むホウ素含有化合物を含んでよい。別の実施形態では、上記透明被加工物を形成するガラス組成物は、約1.0モル%以下の、ホウ素及び/又はホウ素含有化合物の酸化物を含む。更に上記透明被加工物は、レーザの波長に対して透明である他の成分、例えばサファイア又はセレン化亜鉛等の結晶を含んでよい。
いくつかの透明被加工物を、ディスプレイ及び/又はTFT(薄膜トランジスタ)基板として利用してよい。ディスプレイ又はTFTの用途に好適なこのようなガラス又はガラス組成物のいくつかの例は、Corning Incorporated(ニューヨーク州コーニング)から入手可能なEAGLE XG(登録商標)、CONTEGO、及びCORNING LOTUS(商標)である。アルカリ土類ボロアルミノシリケートガラス組成物は、TFT用基板を含むがこれに限定されない、電子工学用途のための基板としての使用に好適となるように配合できる。TFTと組み合わせて使用されるガラス組成物は典型的には、ケイ素と同様のCTE(例えば5×10−6/K未満、又は更には4×10−6/K未満、例えばおよそ3×10−6/K、又は約2.5×10−6/K〜約3.5×10−6/K)を有し、またガラス内に低レベルのアルカリを有する。TFT用途において低レベルのアルカリ(例えば約0重量%〜2重量%、例えば1重量%未満、例えば0.5重量%未満といった微量)しか使用できないが、これは、いくつかの条件下において、アルカリドーパントがガラスから漏出してTFTを汚染する又は「害する(poison)」、場合によってはTFTを動作不能にするためである。実施形態によると、本明細書に記載のレーザ切断プロセスを用いて、無視できる程度のデブリ、最小の欠陥、及び縁部に対する小さな表面下損傷しか伴わずに、被加工物の完全性及び強度を保持して、透明被加工物を制御下で分割できる。
本明細書中で使用される場合、句「輪郭線(contour line)」は、透明被加工物の表面上の所望の分割線に沿って形成される線(例えば直線、曲線等)を指し、透明被加工物は、適当な加工条件への曝露時に、上記分割線に沿って複数の部分に分割されることになる。上記輪郭線は一般に、様々な技法を用いて上記透明被加工物内に導入された1つ以上の欠陥からなる。本明細書中で使用される場合、「欠陥(defect)」は、上記透明被加工物内の、(バルク材料に対して)修正された材料の領域、空所、擦過傷、傷、孔、又は他の変形を含んでよく、これらにより、更なる加工によって、例えばレーザ加工、機械的応力又は他の分割プロセスによって、分割を実施できる。更に各欠陥は、中央欠陥領域と、上記透明被加工物の結像表面に沿って上記中央欠陥領域から外向きに延在する1つ以上の径方向アームとを備えてよい。本明細書中で使用される場合、上記透明被加工物の「結像表面(imaging surface)」は、上記パルスレーザビームが上記透明被加工物に初めて接触する、上記透明被加工物の表面である。以下で更に詳細に説明するように、1つ以上の径方向アームの径方向長さは、パルスレーザビームによって上記透明被加工物上に投射されるビームスポットの形状によって制御できる。一例として、一般に長軸及び短軸を備える非軸対称ビームスポットを備えるパルスレーザビームを、上記透明被加工物の結像平面に照射することにより、上記非軸対称ビームスポットの上記長軸及び上記短軸の交点に形成された中央欠陥領域と、上記非軸対称ビームスポットの上記長軸の方向に形成された1つ以上の径方向アームとを備える、欠陥を生成できる。
ガラス基板等の透明被加工物は、まず上記被加工物の表面に輪郭線を形成し、その後、例えば赤外線レーザを用いて、上記被加工物の上記表面を上記輪郭線上において加熱することによって、熱応力等の応力を上記被加工物内に生成することによって、複数の部分に分割できる。上記応力は最終的には、上記輪郭線に沿った上記被加工物の自発的な分割をもたらす。更に、ビームの長軸が所望の分割線に沿って延在するように配向された、非軸対称ビームスポットを有するパルスレーザビームを用いて、各欠陥を形成すると、上記輪郭線に沿って上記透明被加工物内の欠陥に応力を印加することによって引き起こされた割れの伝播が、上記所望の分割線の方向に延在し得る。上記所望の分割線の方向に延在する径方向アームを有する欠陥を形成することにより、上記欠陥を、ランダムに延在する径方向アームを有する又は径方向アームを有しない欠陥よりも大きな間隔距離で離間させることができ、分割後の透明被加工物の縁部(分割前にはここに上記輪郭線が存在していた)に対して損傷が生じない。更に、上記所望の分割線の方向に延在する径方向アームを有する欠陥を形成することにより、上記被加工物に印加されるエネルギ、例えば熱エネルギをより少なくして、割れの伝播を生成でき、分割後の透明被加工物の縁部(分割前にはここに上記輪郭線が存在していた)の損傷が限定される。対照的に、欠陥が、ランダムに延在する径方向アームを含む又は径方向アームを含まない場合、割れは、分割後の縁部から、分割後の透明被加工物の縁部に対して概ね垂直な(即ち上記輪郭線によって示される、意図した分割線に対して概ね垂直な)方向に伝播し得、これにより、分割後の透明被加工物の縁部が弱くなる。
ここで例として図1A及び1Bを参照すると、本明細書に記載の方法による加工を受ける、ガラス被加工物又はガラスセラミック被加工物等の透明被加工物160が、概略図で示されている。図1A及び1Bは、透明被加工物160内の輪郭線170の形成を示し、これは上記透明被加工物に対してパルスレーザビーム12を並進移動方向101に並進移動させることによって形成できる。図1A及び1Bは、(以下で説明されるように、光ファイバ100、200、300とエンドキャップとによって、又は光ファイバ100’、200’、300’によって供給される)ビーム方向/経路11に沿ったパルスレーザビーム12を示し、これは、このパルスレーザビーム12を、レンズ(例えば以下で説明されるレンズ部品130I)によって、透明被加工物160内の焦線13’を形成する集束パルスレーザビーム13へと集束させることができるように配向される。更に、パルスレーザビーム焦線13’は、以下で更に詳細に定義されるような、準非回折ビームの一部分である。図1A及び1Bは、パルスレーザビーム12が、透明被加工物160の結像表面162上に投射された非軸対称ビームスポット14を形成する様子を示す。更に、パルスレーザビーム焦線13’は、パルスレーザビーム12の伝播軸に対して垂直な(例えばビーム経路11に対して垂直な)パルスレーザビーム焦線13’の断面において、非軸対称である。本明細書中で使用される場合、「軸対称(axisymmetric)」は、中心軸の周囲に作製されたいずれの任意の回転角度に関して対称である、即ち同一に見える形状を指し、「非軸対称(non‐axisymmetric)」は、中心軸の周囲に作製されたいずれの任意の回転角度に関して対称でない形状を指す。回転軸(例えば中心軸)はほとんどの場合、上記レーザビームの伝播軸として理解される。また本明細書中で使用される場合、「ビームスポット(beam spot)」は、あるレーザビーム(例えばパルスレーザビーム12)の、ある被加工物(例えば透明被加工物160)と最初に接触する点における断面を指す。
また図2を参照すると、輪郭線170は所望の分割線165に沿って延在し、意図した分割線を描き、上記意図した分割線の周辺において、透明被加工物160を2つ以上の部分に分割できる。輪郭線170は複数の欠陥172を含み、これらは、透明被加工物160の表面内へと延在して、透明被加工物160を輪郭線170に沿った複数の分割部分に分割するための割れの伝播のための経路を確立する。図1A及び図2では、輪郭線170は略直線として図示されているが、曲線、パターン、規則的な幾何学的形状、不規則形状を含むがこれらに限定されない他の構成が考えられ、またこれら他の構成が可能であることを理解されたい。再び図1A〜2を参照すると、欠陥172の形成に使用されるパルスレーザビーム12は、強度分布I(X,Y,Z)を更に有し、ここで、これらの図面に図示されているように、Zはパルスレーザビーム12の伝播の方向であり、X及びYは上記伝播の方向に対して垂直な方向である。X方向及びY方向は断面方向と呼ばれる場合もあり、X‐Y平面は断面平面と呼ばれる場合がある。断面平面におけるパルスレーザビーム12の強度分布を、断面強度分布と呼ぶことができる。
引き続き図2を参照すると、非軸対称ビームスポット14は、非軸対称の断面強度分布を有する。例えば非軸対称ビームスポット14は、非軸対称ビームスポット14の短軸15に沿った領域よりも、非軸対称ビームスポット14の長軸16に沿った領域において、パルスレーザビーム12からの累積エネルギの強度が高く、従って分布が大きくなり得る。即ち非軸対称ビームスポット14の長軸16が所望の分割線165と整列している場合、パルスレーザビーム12は、所望の分割線165に隣接する領域に対してよりも、所望の分割線165に沿って多くのエネルギを伝達でき、所望の分割線165に沿っていない方向に延在する径方向アーム176よりも、所望の分割線165に沿って延在する径方向アーム176が長い、欠陥172が形成される。本明細書中で使用される場合、「累積エネルギ(cumulated energy)」は、パルスレーザビーム12を透明被加工物160に照射したときにパルスレーザビーム12が透明被加工物160の特定の領域に伝達する全てのエネルギを指す。
図2に示すように、この実施形態では、各欠陥172は、中央欠陥領域174と、ビーム伝播方向又は経路11に対して略垂直な方向に(例えば図1A、1B及び2に示されているX及び/又はY方向に)外向きに延在する1つ以上の径方向アーム176とを含む。動作時、例えば本明細書に記載の方法及びシステムを用いて輪郭線170の欠陥172が形成された後、欠陥172は更に、後続の分割ステップにおいて機能して、輪郭線170に沿った透明被加工物160の自発的な分割を誘発できる。この後続の分割ステップは、透明被加工物160のタイプ、厚さ及び構造に応じて、機械的な力、熱応力を誘発する力、又は透明被加工物内に存在する応力によって発生する自発的な破壊を使用するステップを含んでよい。例えば、透明被加工物160内に応力が存在する場合があり、この応力が、更なる加熱又は機械的分割ステップを要することなく、自発的な分割を引き起こす場合がある。
図1A、1B、及び2を参照すると、本明細書に記載の実施形態では、(透明被加工物160上に投射される非軸対称ビームスポット14を有する)パルスレーザビーム12を、透明被加工物160に向けることができる(例えば透明被加工物160の厚さの少なくとも一部分を貫通する高アスペクト比の線状焦点へと集光できる)。これは、非軸対称ビームスポット14と相関する非軸対称断面を有するパルスレーザビーム焦線13’を形成する。特に、非軸対称ビームスポット14は、パルスレーザビーム焦線13’の例示的な断面であり、パルスレーザビーム焦線13’は、パルスレーザビーム焦線13’が透明被加工物160の少なくとも一部分を貫通する際、非軸対称のままである。更にパルスレーザビーム12を透明被加工物160に対して(例えば並進移動方向101に)並進移動させることによって、輪郭線170の複数の欠陥172を形成できる。パルスレーザビーム12を透明被加工物160内へと向けることにより、透明被加工物160の複数の部分の破断を引き起こし、例えば所望の分割線165に沿った複数の離間した場所に、透明被加工物160内の化学結合を破壊するために十分なエネルギを投入して、欠陥172を形成する。1つ以上の実施形態によると、透明被加工物160の運動(例えば透明被加工物160に連結された並進移動ステージ190の運動)、上記パルスレーザビームの運動(例えばパルスレーザビーム焦線13’の運動)、又は透明被加工物160及びパルスレーザビーム焦線13’両方の運動によって、上記パルスレーザビームを、透明被加工物160を横断するように並進移動させることができる。パルスレーザビーム焦線13’を透明被加工物160に対して並進移動させることにより、透明被加工物160内に複数の欠陥172を形成できる。
図2に示すように、非軸対称ビームスポット14は、長軸16、短軸15、非軸対称ビームスポット14の中央に位置決めされ得る軸交点18、及びビームスポット外周19を備える。実施形態によると、長軸16は、非軸対称ビームスポット14内の中央から最長の距離を有する、非軸対称ビームスポット14の軸として定義され、短軸15は、非軸対称ビームスポット14内の中央から最短の距離を有する、非軸対称ビームスポット14の軸として定義される。図2では、非軸対称ビームスポット14は楕円として図示されているが、例えば非楕円形状等のいずれの非軸対称形状が考えられることを理解されたい。更に、非軸対称ビームスポット14は、複数のビームスポットの集合を含んでよい。更に、本明細書中では非軸対称ビームスポット14について実質的に議論するが、透明被加工物160内のパルスレーザビーム焦線13’の他の断面も非軸対称であり、非軸対称ビームスポット14に関して上述したように短軸及び長軸を備えることを理解されたい。
例として、上記長軸に沿った非軸対称ビームスポット14の中央からの距離は、約0.25μm〜約20μm、例えば約1μm〜約10μm、約2μm〜約8μm、又は約3μm〜約6μmであってよい。更に、上記短軸に沿った非軸対称ビームスポット14の中央からの距離は、約0.01μm〜約10μm、約0.1μm〜約10μm、又は約0.7μm〜約3μmであってよい。例えば、上記短軸に沿った非軸対称ビームスポット14の中央からの距離は、上記長軸に沿った非軸対称ビームスポット14の中央からの距離の約5%〜約95%、例えば上記長軸に沿った非軸対称ビームスポット14の中央からの距離の約10%〜約50%、約20%〜約45%、又は約30%〜約40%であってよい。ビームスポットサイズを決定するための方法は以下で開示される。
図3A〜3Fは、準非回折性であるパルスレーザビーム12を生成するための光学アセンブリ10の概略図を示す。より具体的には、図3A〜3Fの実施形態は、非軸対称(非円対称)ガウシアン‐ベッセルビームを生成する。この光学アセンブリは、(本明細書中ではビーム源とも呼ばれる)光源10A、光ファイバ100、200、300、100’、200’、300’、及び1つ以上の光学部品を含む。これらの実施形態では、上記光学アセンブリは、透明被加工物160において非軸対称ビームスポット14を生成する。
例えば、図3Aは、光ファイバ100、200、300によって準非回折性であるパルスレーザビーム12を生成するパルスレーザ加工のための、光学アセンブリ10を示す。図3Aの光学アセンブリ10は、例えばレンズ5Aを介して光ファイバ100、200、300に光学的に結合されたビーム源10Aを備える。更に、透明被加工物160は、ビーム源10Aからの光ビームによる出力が光ファイバ100、200、300及びエンドキャップ1000を横断し(エンドキャップが、ファイバ100、200、300を通って伝播するリング状ビームを、非軸対称レーザビームに(即ち円対称性を有しないレーザビームに)変換し)、透明被加工物160において小さな非軸対称ビーム断面14を形成する焦線13’を生成するように集束した後で、パルスレーザビーム12が透明被加工物160を照射するように、位置決めしてよい。ファイバ100、200、300は、少なくとも2つのファイバセグメント:ガウシアンビームの伝播をサポートするファイバセグメントG(本明細書中ではGセグメントとも呼ばれる)と、エンドキャップ1000による非軸対称ビームへの変換前に、非ガウシアンビームの、例えばリング状レーザビームの伝播をサポートする、別のセグメントR(Rセグメント)とを有する。
図3Bは、光ファイバ100’、200’、300’によって準非回折性であるパルスレーザビーム12を生成するパルスレーザ加工のための、光学アセンブリ10を示す。図3Bの光学アセンブリ10は、例えばレンズ5Aを介して光ファイバ100、200、300に光学的に結合されたビーム源10Aを備える。更に、透明被加工物160は、ビーム源10Aからの光ビームによる出力が光ファイバ100’、200’、300’を横断し、透明被加工物160において小さな非軸対称ビーム断面14を形成する焦線13’を生成するように集束した後で、パルスレーザビーム12が透明被加工物160を照射するように、位置決めしてよい。ファイバ100’、200’、300’は、少なくとも2つのファイバセグメント:ガウシアンビームの伝播をサポートするファイバセグメントG(Gセグメント)と、非軸対称非ガウシアンビームの、例えば非軸対称レーザビームの伝播をサポートする、別のセグメントR(Rセグメント)とを有する。
光源10Aは、ファイバ100、200、300、100’、200’、300’のGセグメントに結合され、ファイバ100、200、300、100’、200’、300’によって非ガウシアンビームに変換される。ファイバ100、200、300のRセグメント又はファイバ100’、200’、300’のRセグメントの端面に位置するエンドキャップ1000を出た非ガウシアンレーザビーム(例えば「分割又は破壊されたリング(split or broken ring)」状のビーム)は、1つ以上の光学部品130I(例えば図3A〜3Dに示すレンズ130A)を備える光学系によって集束させられて、集束非軸対称ベッセルビームを生成し、透明被加工物160上に非軸対称ビームスポット14を形成する。あるいは図3Eに示すように、いくつかの実施形態によると、光学部品130Bが、エンドキャップ1000の出力端部に直接形成されていてよく、又はエンドキャップ1000の出力端部に取り付けられていてよい。図3Fに示すように、光学部品130Cが、光ファイバ100’、200’、300’のRセグメントの出力端部に直接形成されていてよく、又は光ファイバ100’、200’、300’のRセグメントの出力端部に取り付けられていてよい。
上述のように、また図3A及び3Bに示すように、いくつかの実施形態では、光源(ビーム源10A)からの光(レーザビーム)を、例えばレンズ5Aである光学部品を介して、光ファイバ100、200、300、100’、200’、300’のGセグメントのコアに結合できる。他の実施形態では、光源(ビーム源10A)を光ファイバ100、200、300、100’、200’、300’に突き合わせ結合(図示せず)することによって、光ファイバ100、200、300、100’、200’、300’のGセグメントのコアに光を供給してよい。更に他の実施形態では、図3C〜3Fに示すように、光源10Aからの光を、別の(ブリッジ)ファイバ10A’に接続されたファイバ結合器6によって、光ファイバ100、200、300、100’、200’、300’のGセグメントに結合してよい。本明細書に記載の実施形態のうちの少なくともいくつかによると、ビーム源10Aによって供給されたガウシアンビームは、光ファイバ100、200、300、100’、200’、300’のGセグメントを通って伝播し、続いて該ビームの大半(例えばその強度の60%超、70%超、80%超、85%超、90%超、その強度の95%超、又は98%超を有する部分)が、ファイバのRセグメントによって非ガウシアンビームに変換される。本明細書に記載の実施形態のうちの少なくともいくつかによると、ビーム源10Aによって供給されたガウシアンビームは、光ファイバ100、200、300、100’、200’、300’のGセグメントを通って伝播し、ファイバのRセグメントによって非ガウシアンビームに変換される。
いくつかの実施形態によると、例えば図3A、3C、及び3Eに示すように、光ファイバ100、200、300は、光ファイバのGセグメントのファイバコアを通って伝播したガウシアンビームを、ファイバのRセグメントを通って伝播する軸対称リング状ビームへと変換でき、ファイバエンドキャップ1000は、このリング状ビームを非軸対称ビーム形状へと成形でき、これは、集束すると焦線13’を生成することになり、この焦線13’は、透明被加工物160に小さな非軸対称ビーム断面14を生成する。ファイバエンドキャップ1000については、本明細書中で後に説明する。他の例示的実施形態によると、以下で説明するように、光ファイバ100’、200’、300’のRセグメントの断面対称性を破壊することによって、光ファイバ100’、200’、300’は、光ファイバのGセグメントのファイバコアを通って伝播したガウシアンビームを、ファイバのRセグメントを通って伝播する非軸対称リング状ビームへと直接変換できる。(図3B、3D、及び3Fに示す)このような例示的実施形態では、エンドキャップは不要となる。
例えば、図4A、4Bは、ガウシアンビーム形状(ガウシアンレーザビーム、GLB)をサポートする一方のセグメント(Gセグメント、G)と、非ガウシアンビーム形状NGBS(図4Aに示すようにエンドキャップを共に使用しなければならない軸対称RSB、又は図4Bの実施形態に対応する非軸対称RSB)をサポートする別のセグメント(Rセグメント、R)とを含む、ファイバ100、200、100’、200’の概略側面図を示す。非軸対称非ガウス形状ビームNGBS(例えばファイバ100’、200’、300’を通って伝播するレーザビーム)は、「破壊されたリング(broken ring)」形状(本明細書中では分割リング形状又は部分リング形状PRSとも呼ばれる)を有してよく、即ち円対称の連続したリング形状を形成せず、この場合にはエンドキャップは不要となる。
図4Aの実施形態で示すように、ガウシアンビーム形状のレーザビームは、ファイバコアのGセグメントに結合され、ファイバテーパ加工セクションFTにおいてリング状ビームへと変換された後、ファイバ100、200のRセグメントにおいてリング状ビームRSBとして伝播する。そして、ビーム強度プロファイルは、図4Aに示されているエンドキャップ1000と呼ばれるファイバの短い長さによって、再成形される。エンドキャップ1000は円対称ジオメトリを有しない。エンドキャップ1000は、リング状ビームを「部分(partial)」リング状(例えばリングの半分、リングの3/4、中にブロックされたセクションを有するリング、又は分離した2つの半リング)ビームへと変換することによって、リング状ビームの対称性を破壊し、従って、出射したレーザビームは、1つ以上の光学部品によって集束させられたときに、楕円形ベッセルビームを形成できる。エンドキャップの長さは、例えば数マイクロメートルから数十ミリメートルである。エンドキャップ1000は、従来の溶融接合技法又は他の手段によって、光ファイバ100、200、300のセグメントRに取り付けることができる。光ファイバ100、200のGセグメントへの光の結合は、例えばレンズ5Aによって提供され、Rセグメントからのリング状ビームは、例えば図3A、3C、及び3Dに示すように、レーザ加工のために1つ以上の光学部品によって透明被加工物160上に集束させられる。あるいは、ファイバレーザをビーム源10Aとして使用する場合、レーザは、図3Cに示すように、直接の突き合わせ結合によって、又は溶融接合によって、ファイバのGセグメントに結合できる。エンドキャップ1000の構造については、本明細書中の更に後で更に詳細に説明する。
図4Bは、エンドキャップ1000を利用しない代替実施形態を示す。より具体的には、図4Bは、ガウシアンビーム形状(ガウシアンレーザビーム、GLB)をサポートする一方のセグメント(Gセグメント、G)と、非軸対称である非ガウシアンビーム形状をサポートする別のセグメント(Rセグメント、R)とを含む、ファイバ100’、200’の概略側面図を示す。図4Bの実施形態の光ファイバ100’、200’は図4Aと同様であるが、以下で説明するように、非軸対称レーザビームNGBS(例えば非ガウシアンレーザビーム、例えば「破壊されたリング」の形状又は「部分」リング形状を有するレーザビーム)の伝播をサポートする、ファイバ100’、200’のRセグメントのファイバコアの導波リングセクションが、破壊されている(即ち連続していない)。これは例えば、上述のような光ファイバ100、200のためのファイバプリフォームを作製し、コアのリング部分に対応するプリフォームの一部分を切削又は切除し、(i)クラッド(又は純シリカ)の屈折率と同様の屈折率を有する材料で、リングの破壊されたセクションを充填し、光ファイバ100’のRセグメントをそこからドロー加工することによって、Rセグメントのコアのリング部分を非軸対称とすること、あるいは(ii)切削したファイバプリフォームを、ファイバのリング部分を非軸対称とする1つ以上の空洞を有する光ファイバへとドロー加工することによって、達成できる。あるいは、光ファイバ100、200のための光ファイバプリフォームを軸に沿って半分に切断して、(いずれもD字型断面を有する)2つの半円筒上部分を作製し、これらの間に純シリカガラスを挿入し、純シリカガラスで隔てられた2つの円筒状部分にオーバクラッドを施してプリフォームアセンブリを形成した後、そこから光ファイバ100’、200’をドロー加工できる。別の実施形態では、光ファイバ100、200のための光ファイバプリフォームを軸に沿って半分に切断して、(いずれもD字型断面を有する)2つの半円筒上部分を作製し、このプリフォームの半体のうちの一方を、シリカ系ガラス管内の、D字型断面を有する純シリカロッドに隣接させて配置して、2つの半体からなるファイバプリフォームアセンブリを形成し(図21Fを参照)、そこから光ファイバ200’をドロー加工できる。別の実施形態では、光ファイバ100、200のための光ファイバプリフォームを軸に沿って半分に切断して、(いずれもD字型断面を有する)2つの半円筒上部分を作製することにより、D字型断面を有する最終プリフォームを形成し、この最終プリフォームから、略D字型の光ファイバ100’、200’をドロー加工できる。
図4Cは、従来のガウシアンレーザビームをベッセルレーザビームに変換するための光ファイバの別の実施形態の概略側面図を示す。光ファイバ300は一般に、移行領域で別のセグメントに結合される1つのセグメントを備える。図4Cの実施形態で示すように、ガウシアンビーム形状のレーザビームは、ファイバコアのGセグメントに結合され、ファイバテーパ加工セクションFTにおいてリング状ビームへと変換された後、ファイバ300のRセグメントにおいてリング状ビームRSBとして伝播する。そして、ビーム強度プロファイルは、図4Cに示すように、エンドキャップ1000と呼ばれるファイバの短い長さによって、再成形される。エンドキャップ1000は円対称ジオメトリを有しない。エンドキャップ1000は、リング状ビームを、分割された、又は「部分」リング状(例えばリングの半分、リングの3/4、中にブロックされたセクションを有するリング、又は分離した2つの半リング)ビームへと変換することによって、リング状ビームの対称性を破壊し、従って、出射したレーザビームは、光学系によって集束させられたときに、非軸対称ベッセルビーム(例えば楕円形断面を有するベッセルビーム)を形成できる。Gセグメントはガウシアンレーザビームの伝播をサポートし、Rセグメントはベッセルレーザビームの伝播をサポートする。Gセグメントを通って伝播するガウシアンレーザビームは、ファイバのRセグメント内に向かって移行領域を通過する際に、ベッセルレーザビームに変換され、エンドキャップ1000はレーザビームの対称性を破壊して、レーザビームを非軸対称とする。ガウシアンレーザビームをベッセルレーザビームに変換する光ファイバの様々な実施形態の構造及び組成は、添付の図面を参照して、本明細書中で更に詳細に説明される。
図4Dは、エンドキャップ1000を利用しない代替実施形態を示す。より具体的には、図4Dは、ガウシアンビーム形状(ガウシアンレーザビーム、GLB)をサポートする一方のセグメント(Gセグメント、G)と、非軸対称である非ガウシアンビーム形状(ベッセルビーム)をサポートする別のセグメント(Rセグメント、R)とを含む、ファイバ300’の概略側面図を示す。図4Dの実施形態の光ファイバ300’は図4Cと同様であるが、以下で説明するように、非軸対称レーザビームNGBS(例えば非ガウシアンレーザビーム、例えば「破壊されたリング」の形状又は「部分」リング形状を有するレーザビーム)の伝播をサポートする、ファイバ300’のRセグメントのファイバコアの導波リングセクションが、破壊されている(即ち連続していない)。
引き続き図3A〜3Fを参照すると、ビーム源10Aは、例えばパルスレーザビームであるレーザビームを出力するよう構成された、いずれの公知の又はまだ開発されていないビーム源10Aを備えてよい。動作時、レーザビームからの光が光ファイバ100、200、300、100’、200’、300’のセグメントG及びRを通って伝播して、光学部品130I(例えば130A、130B、又は130C)によって集束させられた後、輪郭線170の欠陥172が、透明被加工物160と、ビーム源10Aが出力したパルスレーザビームとの相互作用によって製造される。いくつかの実施形態では、ビーム源10Aは、例えば1064nm、1030nm、532nm、530nm、355nm、343nm、又は266nm、又は215nmの波長を備えるパルスレーザビーム12を出力してよい。更に、透明被加工物160内に欠陥172を形成するために使用されるパルスレーザビーム12は、選択されたパルスレーザ波長に対して透明である材料に対して十分に好適となり得る。
欠陥172の形成に好適なレーザ波長は、透明被加工物160による吸収及び散乱を合わせた損失が十分に小さい波長である。実施形態では、該波長における、透明被加工物160による吸収及び散乱を合わせた損失は、20%/mm未満、又は15%/mm未満、又は10%/mm未満、又は5%/mm未満、又は1%/mm未満であり、ここで寸法「/mm」は、パルスレーザビーム12の伝播の方向(例えばZ方向)における透明被加工物160内の距離1ミリメートルあたりを意味する。多くのガラス被加工物に関する代表的な波長としては、Nd3+(例えば1064nm付近の基本波長並びに532nm、355nm及び266nm付近の高次高調波長を有するNd3+:YAG又はNd3+:YVO4)の基本波長及び高調波長が挙げられる。所与の基板材料に関して吸収及び散乱を合わせた損失の要件を満たす、スペクトルの紫外部分、可視部分及び赤外部分の他の波長も、使用できる。
動作時、集束したパルスレーザビーム12は、透明被加工物160内に多光子吸収(multi‐photon absorption:MPA)を生成できる。MPAは、分子をある状態(通常はグランド状態)からより高いエネルギの電子的状態(即ちイオン化)に励起する、同一の又は異なる周波数の2つ以上の光子の同時吸収である。これに関与する分子の低エネルギ状態と高エネルギ状態との間のエネルギの差は、関与する光子のエネルギの合計に等しい。誘起吸収とも呼ばれるMPAは、2次又は3次(又はより高次)プロセスであってよく、これは例えば、線形吸収よりも数桁弱い。これは、2次誘起吸収の強度が光強度の2乗に比例し得、従って非線形光学プロセスであるという点で、線形吸収とは異なる。
輪郭線170を形成する穿孔ステップは、ビーム源10A(例えば超短パルスレーザ)を、ファイバ、並びに図3A〜3F及び17A〜20に図示され以下で説明される光学素子と組み合わせて利用して、透明被加工物160上に非軸対称ビームスポット14を投射し、図1Bのパルスレーザビーム焦線13’を生成できる。パルスレーザビーム焦線13’は、上で定義したような非軸対称ガウシアン‐ベッセルビーム等の準非回折ビームを含み、これにより、透明被加工物160を完全に穿孔して、透明被加工物160内に一連の欠陥172を形成する。いくつかの実施形態では、個々のレーザパルスのパルス持続時間は、約1ピコ秒〜約100ピコ秒、例えば約5ピコ秒〜約20ピコ秒であり、また個々のパルスの繰り返し数は、約1kHz〜4MHz、例えば約10kHz〜約3MHz、又は約10kHz〜約650kHzであってよい。
再び図4Aを参照すると、図4Aは、光ファイバ100、200の一実施形態の概略側面図を示す。本明細書に記載の光ファイバは、従来のガウシアンレーザビームをベッセルレーザビームに変換するために使用できる。光ファイバは一般に、移行領域で第2のセグメント(G)に結合された第1のセグメント(R)を備える。この実施形態では、第1のセグメント(R)は第2のセグメント(G)よりも大きな直径Doを有する。実施形態では、上記第1のセグメントは、光ファイバの軸中心線を中央とする第1の環状コア領域を有する、第1のコア部分と、上記第1のコア部分の周りに延在する第1のクラッド部分とを含む。第1の環状コア領域は、第1のクラッド部分よりも高い相対屈折率を有する。第2のセグメント(G)は、第2のコア部分、及び上記第2のコア部分の周りに延在する第2のクラッド部分を有する。第2のセグメントの第2のコア部分の少なくとも一部分は、第1の環状コア領域に光学的に結合され、また第2のクラッド部分よりも高い相対屈折率を有する。第2のセグメント(G)はガウシアンレーザビームの伝播をサポートし、第1のセグメント(R)はベッセル(又はガウシアン‐ベッセル)レーザビームの伝播をサポートする。第2のセグメントを通って伝播するガウシアンレーザビームは、ファイバの第1のセグメント(R)内に向かって移行領域を通過する際に、ベッセル(又はガウシアン‐ベッセル)レーザビームに変換される。例えば、ガウシアンプロファイルを有する出力ビームを放出するレーザ光源は、光ファイバの第2のセグメントに光学的に結合でき、出力ビームのガウシアンプロファイルは、出力ビームが移行領域を通って第1のセグメント内へと伝播する際に、ベッセルプロファイルに変換される。ガウシアンレーザビームをベッセルレーザビームに変換する光ファイバの様々な実施形態の構造及び組成は、添付の図面を参照して、本明細書中で更に詳細に説明される。
図4A及び5A〜8Aを参照すると、移行領域150で第2のセグメント130(Gセグメント、G)に光学的に結合された第1のセグメント110(Rセグメント、R)を有する光ファイバ100の一実施形態が図示されている。光ファイバ100の少なくとも一部分の側面図が図4Aに示されており、光ファイバ100の第1のセグメント110及び第2のセグメント130の半径方向断面が、それぞれ図5A及び7Aに示されており、第1のセグメント110及び第2のセグメント130の対応する相対屈折率プロファイルが、それぞれ図6A及び8Aに示されている。第1のセグメント110(Rセグメント)は第1の外径「D0」を有し、第2のセグメント130(Gセグメント)は第2の外径「d0」を有する(図4A)。(直径D0及びd0は、ファイバのクラッドの外径である)。第1の外径D0は第2の外径d0より大きい。例示的実施形態では、第1の外径D0は約0.2ミリメートル(mm)〜約5.0mmであってよく、第2の外径d0は約0.1〜約4.5mmであってよく、移行領域150の長さは約0.5mm〜約20mmであってよい。実施形態では、第1の外径D0は約0.4mm〜約1.0mmであり、第2の外径d0は約0.2mm〜約0.9mmであり、移行領域150の長さは約1mm〜約10mmである。他の実施形態では、第1の外径D0は約150μm〜約250μmであり、第2の外径d0は約75μm〜約225μmであり、移行領域150の長さは10mm超である。第2のセグメント130に結合されて第2のセグメント130を通って伝播するガウシアンレーザビーム「GLB」は、第1のセグメント110を通って伝播するリング状ビームRSB(又はベッセルビームの近接場バージョン)に変換され、これは、エンドキャップ1000(本明細書中ではエンドキャップ部分と呼ばれる場合もある)によって非軸対称形状に改変され、集束して、非軸対称ビームスポット14を提供する非軸対称ベッセルレーザビーム「BLB」を形成する。(本明細書に記載の実施形態によると、リング状ビームは、光学的に「近接場(near field)」として知られる位置にあり、従ってベッセルビームの近接場バージョンである。1つ以上の集束レンズは、この改変されたリング状ビームを、光学的な「遠距離場(far field)」に変換し、これはベッセルプロファイル又はベッセルレーザビーム「BLB」を生成する)。実施形態では、第1のセグメント110(Rセグメント)、第2のセグメント130(Gセグメント)、及び移行領域150は互いに一体として形成され、光ファイバ100のテーパ比(d0/D0)は、約0.2以上約0.9以下である。他の実施形態では、光ファイバ100のテーパ比は、約0.3以上約0.9以下である。更に他の実施形態では、光ファイバ100のテーパ比は、約0.3以上約0.8以下(例えば0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、又はこれらの間)である。いくつかの実施形態によると、移行領域150の長さは、例えば1mm〜10mm、又は1〜5mmである(例えば1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、又はこれらの間;ファイバのドロー加工中にテーパが形成される場合、テーパ加工領域150を比較的長くする(例えば長さ10mm〜5m)ことができる)。いくつかの実施形態では、テーパ加工領域は150断熱形状を有する。より具体的には、テーパ加工領域150は、GセグメントからRセグメントへの結合損失を最小化する、断熱性移行部分(ジオメトリ)を有する。例えば移行部分による結合損失は、1dB未満、0.5dB未満、0.25dB未満、又は0.1dB未満でさえある。光ファイバ100のRセグメント(第1のセグメント110、図5A及び6A)は、光ファイバ100の軸中心線2を中央とする第1のコア部分112を有する。第1のコア部分112は、第1の環状コア領域113を含んでよい。第1のクラッド部分122は、第1のコア部分112の周りに延在してよい。光ファイバ100の第2のセグメント130(Gセグメント(図7A及び8A))は、第2のコア部分132を有してよく、第2のコア部分132の少なくとも一部分は、第1のコア部分112に光学的に結合される。第2のクラッド部分142は、第2のコア部分132の周りに延在してよい。
図4A、5A及び6Aを参照すると、図4Aの光ファイバ100の第1のセグメント110の半径方向断面が、図5Aに概略図で示されており、断面の中心線に対するこの半径方向断面の相対屈折率プロファイルが、図6Aにグラフで示されている。第1のセグメント110(Rセグメント)は一般に、第1のコア部分112及び第1のクラッド部分122を含む。第1のコア部分112は、第1のクラッド部分122内に位置決めされ、第1のクラッド部分122は第1のコア部分112の周りに延在する。第1のコア部分112及び第1のクラッド部分122は概ね同心であってよく、従って、光ファイバ100の第1のセグメント110の断面は、光ファイバ100の第1のコア部分112の中心に関して概ね円対称である。また、第1のコア部分112及び第1のクラッド部分122は、光ファイバ100の第1のコア部分112の中心に関して概ね軸対称であってよい。図4A、5A、及び6Aに示す実施形態では、第1のコア部分112は、第1の環状コア領域113及びチャネル114を含んでよい。チャネル114は、例えば空洞であってよい。チャネル114は第1の環状コア領域113内に位置決めされ、またチャネル114は、第1の環状コア領域113のすぐ横で、第1の環状コア領域113に直接接触する。
いくつかの実施形態では、第1のクラッド部分122は任意に、第1の低屈折率トレンチ124及び第1の外側クラッド部分123を含んでよい。この任意の第1の低屈折率トレンチ124は、第1の外側クラッド部分123内に位置決めされ、また第1の低屈折率トレンチ124は、第1の外側クラッド部分123のすぐ横で、第1の外側クラッド部分123に直接接触してよい。第1の低屈折率トレンチ124が含まれている場合、これは、光ファイバ100の曲げ性能を改善する。即ち、第1の低屈折率トレンチ124は、光ファイバ100をコイル状に巻いた場合に、光ファイバ100内で伝播する光の減衰を低減するため、第1の低屈折率トレンチ124を備えない同様の構造を有する光ファイバに比べて、光ファイバ100を、光ファイバ100内で伝播する光の減衰を増大させることなく、より小さな半径へとコイル状に巻くことが可能となる。
いくつかの実施形態(図示せず)では、第1の低屈折率トレンチ124は、第1のコア部分112のすぐ横で、第1のコア部分112に直接接触してよい。図5A及び6Aに示す実施形態のような他のいくつかの実施形態では、第1の低屈折率トレンチ124は、第1の内側クラッド部分125によって第1のコア部分112から隔てられていてよく、即ち第1の内側クラッド部分125は、第1の低屈折率トレンチ124内において、第1の低屈折率トレンチ124と第1のコア部分112との間に位置決めされる。実施形態では、第1の内側クラッド部分125は、第1の低屈折率トレンチ124及び第1の環状コア領域113のすぐ横で、第1の低屈折率トレンチ124及び第1の環状コア領域113に直接接触する。
第1のセグメント110は、光ファイバ100の軸中心線2からの半径R4を有する。第1のコア部分112は、半径R4より小さな半径R1を有する。第1のコア部分112のチャネル114は、半径R1より小さな半径R0を有する。第1の環状コア領域113は、内半径R0、外半径R1、及び半径方向厚さTAC=R1−R0を有する。第1のコア部分112及び第1の環状コア領域113それぞれの半径R0及びR1は、第1のコア部分112及び第1の環状コア領域113それぞれの相対屈折率プロファイルの最大勾配に対する接線(図6A)が、以下で更に詳細に説明する基準相対屈折率線ΔOCL%と交差する点において定義される。第1のクラッド部分122は、内半径R1、外半径R4、及び半径方向厚さTCL=R4−R1を有する。第1のクラッド部分122が第1の低屈折率トレンチ124及び第1の外側クラッド部分123を含む実施形態では、第1の低屈折率トレンチ124は、内半径R2、外半径R3、及び半径方向厚さTLIT=R3−R2を有する。第1の外側クラッド部分123は、内半径R3、外半径R4、及び半径方向厚さTOCL=R4−R3を有する。第1の低屈折率トレンチ124が第1のコア部分112のすぐ横で第1のコア部分112に直接接触する実施形態(図示せず)では、第1の低屈折率トレンチ124の内半径R2は、第1のコア部分112の半径R1と等しくなり得る。第1の低屈折率トレンチ124が第1の内側クラッド部分125によって第1のコア部分112から隔てられている実施形態では、第1の内側クラッド部分125は、内半径R1、外半径R2、及び半径方向厚さTICL=R2−R1を有する。
第1のセグメント110(Rセグメント)のクラッドの半径R4は、約50μm〜約250μmである。いくつかの実施形態では、第1のセグメント110の半径R4は約60μm〜約150μmである。第1のコア部分112の半径R1は約5μm〜約55μmである。いくつかの実施形態では、半径R1は約10μm〜約50μmである。チャネル114の半径R0は約2μm〜約40μmである。いくつかの実施形態では、チャネル114の半径R0は約5μm〜約35μmである。第1の環状コア領域113の半径方向厚さTAC(R1−R0)は約1μm〜約20μmである。いくつかの実施形態では、半径方向厚さTACは約2μm〜約15μmである。第1のクラッド部分122の半径方向厚さTCL(R4−R1)は約20μm〜約150μmである。いくつかの実施形態では、半径方向厚さTCLは約25μm〜約125μmである。第1のクラッド部分122が第1の低屈折率トレンチ124及び第1の外側クラッド部分123を含む実施形態では、第1の低屈折率トレンチ124の内半径R2は約10μm〜約60μmであり、外半径R3は約20μm〜約75μmであり、半径方向厚さTLIT(R3−R2)は約1.0μm〜約15μmである。実施形態では、内半径R2は約15μm〜約55μmであり、外半径R3は約25μm〜約65μmであり、半径方向厚さTLITは約1.0μm〜約10μmである。第1の外側クラッド部分123の内半径R3は約20μm〜約75μmであり、外半径R4は約50μm〜約250μmであり、半径方向厚さTOCL(R4−R3)は約25μm〜約150μmである。実施形態では、内半径R3は約25μm〜約55μmであり、外半径R4は約60μm〜約150μmであり、半径方向厚さTOCLは約30μm〜約125μmである。第1の低屈折率トレンチ124が第1の内側クラッド部分125によって第1のコア部分112から隔てられている実施形態では、第1の内側クラッド部分125の内半径R1は約5μm〜約55μmであり、外半径R2は約10μm〜約60μmであり、半径方向厚さTICL(R2−R1)は約1.0μm〜約20μmである。実施形態では、内半径R1は約10μm〜約50μmであり、外半径R2は約15μm〜約55μmであり、半径方向厚さTICLは約1.0μm〜約15μmである。
図4A、7A及び8Aを参照すると、図4Aの光ファイバ100の第2のセグメント130(Gセグメント)の半径方向断面が、図7Aに概略図で示されており、断面の中心線に対するこの半径方向断面の相対屈折率プロファイルが、図8Aにグラフで示されている。第2のセグメント130は一般に、第2のコア部分132及び第2のクラッド部分142を含む。第2のコア部分132は、第2のクラッド部分142内に位置決めされ、第2のクラッド部分142は第2のコア部分132の周りに延在する。第2のコア部分132及び第2のクラッド部分142は概ね同心であってよく、従って、光ファイバ100の第2のセグメント130の断面は、光ファイバ100の第2のコア部分132の中心に関して概ね円対称である。第2のコア部分132及び第2のクラッド部分142は、光ファイバ100の第2のコア部分132の中心に関して概ね軸対称であってよい。
いくつかの実施形態では、第2のクラッド部分142は任意に、第2の低屈折率トレンチ144及び第2の外側クラッド部分143を含んでよい。第2の低屈折率トレンチ144は、第2の外側クラッド部分143内に位置決めされ、また第2の低屈折率トレンチ144は、第2の外側クラッド部分143のすぐ横で、第2の外側クラッド部分143に直接接触してよい。第2の低屈折率トレンチ144が含まれている場合、これは、光ファイバ100の曲げ性能を改善する。即ち、第2の低屈折率トレンチ144は、光ファイバ100をコイル状に巻いた場合に、光ファイバ100内で伝播する光の減衰を低減するため、第2の低屈折率トレンチ144を備えない同様の構造を有する光ファイバに比べて、光ファイバ100を、光ファイバ100内で伝播する光の減衰を増大させることなく、より小さな半径へとコイル状に巻くことが可能となる。光ファイバ100の第1のセグメント110が第1の低屈折率トレンチ124を含む場合、光ファイバ100の第2のセグメント130は第2の低屈折率トレンチ144を含むことになり、またその逆でもあることを理解されたい。
いくつかの実施形態(図示せず)では、第2の低屈折率トレンチ144は、第2のコア部分132のすぐ横で、第2のコア部分132に直接接触してよい。他のいくつかの実施形態では、第2の低屈折率トレンチ144は、図7A及び8Aに示すように、第2の内側クラッド部分145によって第2のコア部分132から隔てられていてよい。即ち第2の内側クラッド部分145は、第2の低屈折率トレンチ144内に位置決めされ、また第2の低屈折率トレンチ144と第2のコア部分132との間に位置決めされる。実施形態では、第2の内側クラッド部分145は、第2の低屈折率トレンチ144及び第2のコア部分132のすぐ横で、第2の低屈折率トレンチ144及び第2のコア部分132に直接接触する。
第2のセグメント130は、光ファイバ100の軸中心線2からの半径r4を有する。第2のコア部分132は、半径r4より小さな半径r1を有する。第2のコア部分132の半径r1は、第2のコア部分132の相対屈折率プロファイルの最大勾配に対する接線(図8A)が、基準相対屈折率線Δocl%と交差する点において定義される。第2のクラッド部分142は、内半径r1、外半径r4、及び半径方向厚さtcl=r4−r1を有する。第2のクラッド部分142が第2の低屈折率トレンチ144及び第2の外側クラッド部分143を含む実施形態では、第2の低屈折率トレンチ144は、内半径r2、外半径r3、及び半径方向厚さtlit=r3−r2を有する。第2の外側クラッド部分143は、内半径r3、外半径r4、及び半径方向厚さtocl=r4−r3を有する。第2の低屈折率トレンチ144が第2のコア部分132のすぐ横で第2のコア部分132に直接接触する実施形態(図示せず)では、第2の低屈折率トレンチ144の内半径r2は、第2のコア部分132の半径r1と等しくなり得る。第2の低屈折率トレンチ144が第2の内側クラッド部分145によって第2のコア部分132から隔てられている実施形態では、第2の内側クラッド部分145は、内半径r1、外半径r2、及び半径方向厚さticl=r2−r1を有する。
第2のセグメント130の半径r4は、約25μm〜約80μmである。いくつかの実施形態では、第2のセグメント130の半径r4は約35μm〜約70μmである。第2のコア部分132の半径r1は約2μm〜約35μmである。いくつかの実施形態では、半径r1は約4μm〜約30μmである。第2のクラッド部分142の半径方向厚さtcl(r4−r1)は約20μm〜約75μmである。いくつかの実施形態では、半径方向厚さtclは約25μm〜約65μmである。第2のクラッド部分142が第2の低屈折率トレンチ144及び第2の外側クラッド部分143を含む実施形態では、第2の低屈折率トレンチ144の内半径r2は約4μm〜約35μmであり、外半径r3は約5μm〜約40μmであり、半径方向厚さtlit(r3−r2)は約1.0μm〜約15μmである。実施形態では、内半径r2は約5μm〜約30μmであり、外半径r3は約10μm〜約35μmであり、半径方向厚さtlitは約1.0μm〜約12.5μmである。第2の外側クラッド部分143の内半径r3は約5μm〜約40μmであり、外半径r4は約25μm〜約80μmであり、半径方向厚さtocl(r4−r3)は約15μm〜約75μmである。実施形態では、内半径r3は約10μm〜約35μmであり、外半径r4は約35μm〜約70μmであり、半径方向厚さtoclは約20μm〜約60μmである。第2の低屈折率トレンチ144が第2の内側クラッド部分145によって第2のコア部分132から隔てられている実施形態では、第2の内側クラッド部分145の内半径r1は約2μm〜約35μmであり、外半径r2は約4μm〜約35μmであり、半径方向厚さticl(r2−r1)は約1.0μm〜約20μmである。実施形態では、内半径r1は約4μm〜約30μmであり、外半径r2は約5μm〜約30μmであり、半径方向厚さticlは約1.0μm〜約15μmである。
図4A及び5A〜8Aを参照すると、第1のセグメント110及び第2のセグメント130はいずれもコア部分及びクラッド部分を有するが、第1のセグメント110の第1のコア部分112は第1の環状コア領域113を含み、チャネル114が第1の環状コア領域113内に位置決めされるが、第2のコア部分132はチャネル又は環状コア領域を含まないことを理解されたい。また、移行領域150を介して、第1のコア部分112は第2のコア部分132に光学的に結合され、第1のクラッド部分122は第2のクラッド部分142に光学的に結合されることを理解されたい。特に、移行領域150を介して、第1の環状コア領域113は第2のコア部分132に光学的に結合され、第1の外側クラッド部分123は第2の外側クラッド部分143に光学的に結合され、第1の低屈折率トレンチ124は第2の低屈折率トレンチ144に光学的に結合され、第1の内側クラッド部分125は第2の内側クラッド部分145に光学的に結合される。
第1のセグメント110のチャネル114は、第1のセグメント110の軸中心線2に沿って延在する空間であってよい。実施形態では、チャネル114は、例えば空気又は別の気体等の気体で充填されていてよい。チャネル114は、光ファイバ100の他の部分及び領域よりもはるかに低い相対屈折率を有する。具体的には、チャネル114は、屈折率nCH、及び第1の外側クラッド部分123に対する相対屈折率ΔCH%を有する。屈折率nCHは約1.0であり、相対屈折率ΔCH%は約−26%である。第1の環状コア領域113は屈折率nAC及び相対屈折率ΔAC%を有し、第2のコア部分132は屈折率nc及び相対屈折率Δc%を有する。実施形態では、第1の環状コア領域113及び第2のコア部分132は同一の材料から作製され、相対屈折率ΔAC%は相対屈折率Δc%に略等しい(即ちΔAC%=Δc%)。相対屈折率ΔAC%及び相対屈折率Δc%は、相対屈折率ΔCH%よりもはるかに大きい(即ちΔAC%>>ΔCH%、Δc%>>ΔCH%)。相対屈折率ΔAC%及び相対屈折率Δc%は、約0.2%〜約1.0%である。実施形態では、相対屈折率ΔAC%及び相対屈折率Δc%は、約0.3%〜約0.75%である。
第1のクラッド部分122は、屈折率nCLと、純シリカガラスに対する相対屈折率ΔCL%とを有する。第1のクラッド部分122の屈折率nCLは、光ファイバ100の第1のセグメント110の他のガラス部分の相対屈折率のための基準として使用される。第1のクラッド部分122が第1の外側クラッド部分123、第1の低屈折率トレンチ124、及び(任意に)第1の内側クラッド部分125を含む実施形態では、光ファイバ100の第1のセグメント110の他のガラス部分の相対屈折率は、本明細書中で更に詳細に説明するように、第1の外側クラッド部分123に対して決定される。
第1のクラッド部分122が第1の内側クラッド部分125及び第1の低屈折率トレンチ124を含む実施形態では、第1の内側クラッド部分125は屈折率nICL及び相対屈折率ΔICL%を有し、第1の低屈折率トレンチ124は屈折率nLIT及び相対屈折率ΔLIT%を有する。図6Aに概略的に図示されているように、相対屈折率ΔICL%は一般に相対屈折率ΔLIT%より大きく、一般に相対屈折率ΔAC%より小さい(即ちΔAC%>ΔICL%>ΔLIT%)。相対屈折率ΔICL%は約−0.1%〜約0.1%であり、相対屈折率ΔLIT%は約−0.1%〜約−1.0%である。実施形態では、相対屈折率ΔICL%は約−0.05%〜約0.05%であり、相対屈折率ΔLIT%は約−0.3%〜約−0.5%である。
第2のクラッド部分142は、屈折率nclと、純シリカガラスに対する相対屈折率Δcl%とを有する。第2のクラッド部分142の屈折率nclは、光ファイバ100の第2のセグメント130の他のガラス部分の相対屈折率のための基準として使用でき、従ってそれ自体に対して決定される。第2のクラッド部分142が第2の外側クラッド部分143、第2の低屈折率トレンチ144、及び(任意に)第2の内側クラッド部分145を含む実施形態では、光ファイバ100の第2のセグメント130の他のガラス部分の相対屈折率は、本明細書中で更に詳細に説明するように、第2の外側クラッド部分143に対して決定される。
第2のクラッド部分142が第2の内側クラッド部分145及び第2の低屈折率トレンチ144を含む実施形態では、第2の内側クラッド部分145は屈折率nicl及び相対屈折率Δicl%を有し、第2の低屈折率トレンチ144は屈折率nlit及び相対屈折率Δlit%を有する。図8Aに概略的に図示されているように、相対屈折率Δicl%は一般に相対屈折率Δlit%より大きく、一般に相対屈折率相対屈折率Δc%より小さい(即ちΔc%>Δicl%>Δlit%)。実施形態では、第2の内側クラッド部分145は第1の内側クラッド部分125と同一の材料から作製され、第2の低屈折率トレンチ144は第1の低屈折率トレンチ124と同一の材料から作製される。従って、相対屈折率nicl及び相対屈折率nlitはそれぞれ、相対屈折率nICL及び相対屈折率nLITに略等しくなり得(即ちnicl=nICL;nlit=nLIT)、また相対屈折率Δicl%及び相対屈折率Δlit%はそれぞれ、相対屈折率ΔICL%及び相対屈折率ΔLIT%に略等しくなり得る(即ちΔicl%=ΔICL%;Δlit%=ΔLIT%)。例えば、相対屈折率Δicl%は約−0.1%〜約0.1%であってよく、相対屈折率Δlit%は約−0.1%〜約−1.0%であってよい。実施形態では、相対屈折率Δicl%は約−0.05%〜約0.05%であってよく、相対屈折率Δlit%は約−0.3%〜約−0.5%であってよい。
第1のクラッド部分122が第1の外側クラッド部分123を含む実施形態では、第1の外側クラッド部分123は屈折率nOCL及び相対屈折率ΔOCL%を有する。これらの実施形態では、相対屈折率ΔOCL%は、光ファイバ100の第1のセグメント110の他のガラス部分の相対屈折率を決定するための基準として使用できる。本明細書に記載の実施形態では、第1の外側クラッド部分123の相対屈折率ΔOCL%は、第1の低屈折率トレンチ124の相対屈折率ΔLIT%より大きい(即ちΔOCL%>ΔLIT%)。いくつかの実施形態では、第1の内側クラッド部分125が、第1の内側クラッド部分125の屈折率nICLを第1の外側クラッド部分123の屈折率nOCLに対して低下させる1つ以上のダウンドーパントでドープされたシリカガラスを含む場合等には、第1の外側クラッド部分123の相対屈折率ΔOCL%は、第1の内側クラッド部分125の相対屈折率ΔICL%より大きくなり得る。他の実施形態では、第1の外側クラッド部分123の相対屈折率ΔOCL%は、第1の内側クラッド部分125の相対屈折率ΔICL%と略等しくてよい。このような実施形態では、第1の外側クラッド部分123の組成は、ΔOCL%=ΔICL%でありさえすれば、第1の内側クラッド部分125の組成と同一であっても、第1の内側クラッド部分125の組成と異なっていてもよい。以上に基づいて、第1の外側クラッド部分123の相対屈折率ΔOCL%が、第1の内側クラッド部分125の相対屈折率ΔICL%より大きいか、又はこれに略等しいことを理解されたい。
第2のクラッド部分142が第2の外側クラッド部分143を含む実施形態では、第2の外側クラッド部分143は屈折率nocl及び相対屈折率Δocl%を有する。従って相対屈折率Δocl%は、光ファイバ100の第2のセグメント130の他のガラス部分の相対屈折率のための基準として使用できる。本明細書に記載の実施形態では、第2の外側クラッド部分143の相対屈折率Δocl%は、第2の低屈折率トレンチ144の相対屈折率Δlit%より大きい(即ちΔocl%>Δlit%)。いくつかの実施形態では、第2の内側クラッド部分145が、第2の内側クラッド部分145の屈折率niclを第2の外側クラッド部分143の屈折率noclに対して低下させる1つ以上のダウンドーパントでダウンドープされたシリカガラスを含む場合等には、第2の外側クラッド部分143の相対屈折率Δocl%は、第2の内側クラッド部分145の相対屈折率Δicl%より大きくてよい。他の実施形態では、第2の外側クラッド部分143の相対屈折率Δocl%は、第2の内側クラッド部分145の相対屈折率Δicl%と略等しくてよい。このような実施形態では、第2の外側クラッド部分143の組成は、Δocl%=Δicl%でありさえすれば、第2の内側クラッド部分145の組成と同一であっても、第2の内側クラッド部分145の組成と異なっていてもよい。以上に基づいて、第2の外側クラッド部分143の相対屈折率Δocl%が、第2の内側クラッド部分145の相対屈折率Δicl%より大きいか、又はこれに略等しいことを理解されたい。実施形態では、第2の外側クラッド部分143は第1の外側クラッド部分123と同一の材料から作製され、従って第2の外側クラッド部分143の屈折率noclは、第1の外側クラッド部分123の屈折率nOCLと略等しくなり得(即ちnocl=nOCL)、また第2の外側クラッド部分143の相対屈折率Δocl%は、第1の外側クラッド部分123の相対屈折率ΔOCL%と略等しくなり得る(即ちΔocl%=ΔOCL%=0)。
第1のセグメント110の第1の環状コア領域113、及び第2のセグメント130の第2のコア部分132は、シリカガラスの屈折率を上昇させる1つ以上のアップドーパントを含むシリカガラスを含む。好適なアップドーパントとしては例えば、限定するものではないが、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、塩素(Cl)、リン(P)、二酸化ゲルマニウム(例えばGeO2)、二酸化チタン(例えばTiO2)、五酸化二リン(例えばP2O5)、及びこれらの様々な組み合わせが挙げられる。実施形態では、第1の環状コア領域113及び第2のコア部分132のうちの少なくとも一方は、約3重量%〜約17重量%のGeO2を含有する。他のいくつかの実施形態では、第1の環状コア領域113及び第2のコア部分132のうちの少なくとも一方は、約5重量%〜約13重量%のGeO2を含有する。実施形態では、第1の環状コア領域113及び第2のコア部分132は同一の材料から作製され、第1の環状コア領域113中のドーパント濃度は、第2のコア部分132中のドーパント濃度と略等しい。
第1のセグメント110の第1の内側クラッド部分125、及び第2のセグメント130の第2の内側クラッド部分145は、純シリカガラス、シリカガラスの屈折率を上昇させる1つ以上のアップドーパントを含むシリカガラス、又はシリカガラスの屈折率を低下させる1つ以上のダウンドーパントを含むシリカガラスを含んでよい。好適なアップドーパントの非限定的な例としては、Ge、Ti、Al、Cl、P、GeO2、TiO2、P2O5、これらの組み合わせ等が挙げられる。実施形態では、第1の内側クラッド部分125及び第2の内側クラッド部分145のうちの少なくとも一方は、アップドーパントとしてClを含有する。好適なダウンドーパントの非限定的な例としては、フッ素(F)、ホウ素(B)等が挙げられる。実施形態では、第1の内側クラッド部分125及び第2の内側クラッド部分145のうちの少なくとも一方は、ダウンドーパントとしてFを含有する。本明細書中で使用される場合、句「純シリカガラス(pure silica glass)」は、シリカガラスがSiO2からなり、他の元素を1000重量ppm未満しか含まないことを意味する。
光ファイバの特定のガラス部分の半径方向厚さは、この特定のガラス部分の相対屈折率と相関し得る。具体的には、相対屈折率Δi%、内半径Rin、及び外半径Routを有するガラス部分「i」は:
として定義されるトレンチ容積Viを有してよく、これは:
Vi=Δi%(Rout 2−Rin 2) (33)
のように書き換えることができる。従って、第1の低屈折率トレンチ124はトレンチ容積VLIT:
VLIT=ΔLIT%(R3 2−R2 2) (34)
を有することができ、また第2の低屈折率トレンチ144はトレンチ容積vlit:
vlit=Δlit%(r3 2−r2 2) (35)
を有することができる。
本明細書に記載の実施形態では、第1の低屈折率トレンチ124のトレンチ容積VLITは、約80%‐μm2以上、例えば約100%‐μm2以上であってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積VLITは約110%‐μm2以上、又は約120%‐μm2以上でさえあってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積VLITは約80%‐μm2かつ約220%‐μm2以下であってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積VLITは約100%‐μm2以上かつ約200%‐μm2以下であってよい。更に他の実施形態では、トレンチ容積プロファイルVLITは約110%‐μm2以上かつ約180%‐μm2以下であってよい。
本明細書に記載の実施形態では、第2の低屈折率トレンチ144のトレンチ容積vlitは、約40%‐μm2以上、例えば約50%‐μm2以上であってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積vlitは約55%‐μm2以上、又は約60%‐μm2以上でさえあってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積vlitは約40%‐μm2以上かつ約110%‐μm2以下であってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積vlitは約50%‐μm2以上かつ約100%‐μm2以下であってよい。更に他の実施形態では、トレンチ容積プロファイルvlitは約55%‐μm2以上かつ約90%‐μm2以下であってよい。
本明細書に記載の光ファイバの実施形態では、第1の低屈折率トレンチ124、第2の低屈折率トレンチ144、又は第1の低屈折率トレンチ124及び第2の低屈折率トレンチ144の両方は、シリカガラスの屈折率を低下させる1つ以上のダウンドーパントを含むシリカガラスを含む。ダウンドーパントの非限定的な例としては、F、B等が挙げられる。第1の低屈折率トレンチ124、第2の低屈折率トレンチ144、又は第1の低屈折率トレンチ124及び第2の低屈折率トレンチ144の両方は、Fを約0.1重量%〜約2.5重量%の濃度で含んでよい。実施形態では、第1の低屈折率トレンチ124及び第2の低屈折率トレンチ144のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。いくつかの実施形態では、第1の低屈折率トレンチ124及び第2の低屈折率トレンチ144のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約1.5重量%の濃度で含む。更に他の実施形態では、第1の低屈折率トレンチ124及び第2の低屈折率トレンチ144のうちの少なくとも一方は、Fを約0.5重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。また更に他の実施形態では、第1の低屈折率トレンチ124及び第2の低屈折率トレンチ144のうちの少なくとも一方は、Fを約0.7重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。
いくつかの実施形態では、第1の低屈折率トレンチ124の相対屈折率ΔLIT%及び第2の低屈折率トレンチ144の相対屈折率Δlit%のうちの少なくとも一方は、第1の低屈折率トレンチ124及び第2の低屈折率トレンチ144のうちの対応する少なくとも一方のシリカガラスを、シリカガラス全体に非周期的に配置された、又は周期的に配置された、又はその両方である空所を有するように形成することによって達成される。本明細書中で使用される場合、句「非周期的に配置された(non‐periodically disposed)」又は「非周期的分布(non‐periodic distribution)」は、光ファイバ100の断面(例えば長手方向軸に対して垂直な断面)に関して、非周期的に配置された空所が、シリカガラスにわたってランダムに、即ち非周期的に分布していることを指す。ファイバの長さに沿った異なる地点で得られる同様の断面は、異なる断面空所パターンを有することになる。即ち、様々な複数の断面が異なる空所パターンを有することになり、これらの断面を互いに比較した場合に、空所の分布及び空所のサイズは一致しない。従って、空所はファイバの構造内に非周期的に配置される。これらの空所は光ファイバ100の長さに沿って(即ち長手方向軸に対して平行に)引き伸ばされる(伸長する)が、ファイバ全体の全長に延在することはない。理論によって束縛されることを望むものではないが、空所は、光ファイバの長さに沿って数メートル未満、多くの場合は1メートル未満だけ延在する。本明細書で開示される光ファイバは、固化したガラスブランク中にかなりの量の気体が閉じ込められることにより、固化したガラスの光ファイバプリフォーム中に空所が形成されるようにするために効果的なプリフォーム固化条件を利用する方法によって作製できる。これらの空所を除去するためのステップを実施するのではなく、得られたプリフォームを用いて、中に空所を有する光ファイバを形成する。いくつかの実施形態では、これらの空所は、アルゴン、クリプトン、CO2、SO2、O2、又はこれらの混合物といった1つ以上の気体を内包してよい。他のいくつかの実施形態では、空所は気体を実質的に含まない。気体の存在又は不在にかかわらず、第1の低屈折率トレンチ124の屈折率nLIT、第2の低屈折率トレンチ144の屈折率nlit、又は屈折率nLIT及びnlitの両方は、空所の存在によって低下する。あるいは、又は更に第1の低屈折率トレンチ124の屈折率nLIT、第2の低屈折率トレンチ144の屈折率nlit、又は屈折率nLIT及びnlitの両方は、空所の非周期的な分布、周期的な分布、又は非周期的な分布及び周期的な分布の両方を伴うダウンドープシリカガラスを形成することによって、低下する。
第1の低屈折率トレンチ124の相対屈折率ΔLIT%は、第1の内側クラッド部分125の相対屈折率ΔICL%未満であり(即ちΔLIT%<ΔICL%)、また第1の外側クラッド部分123の相対屈折率ΔOCL%未満である(即ちΔLIT%<ΔOCL%)。いくつかの実施形態では、相対屈折率ΔICL%は相対屈折率ΔOCL%に略等しく、またΔLIT%<ΔICL%=ΔOCL%である。他の実施形態では、相対屈折率ΔICL%は相対屈折率ΔOCL%未満であり、またΔLIT%<ΔICL%<ΔOCL%である。
第2の低屈折率トレンチ144の相対屈折率Δlit%は、第2の内側クラッド部分145の相対屈折率Δicl%未満であり(即ちΔlit%<Δicl%)、また第2の外側クラッド部分143の相対屈折率Δocl%未満である(即ちΔlit%<Δocl%)。いくつかの実施形態では、相対屈折率Δicl%は相対屈折率Δocl%に略等しく、またΔlit%<Δicl%=Δocl%である。他の実施形態では、相対屈折率Δicl%は相対屈折率Δocl%未満であり、またΔlit%<Δicl%<Δocl%である。第2の低屈折率トレンチ144、第2の内側クラッド部分145、及び第2の外側クラッド部分143が、それぞれ第1の低屈折率トレンチ124、第1の内側クラッド部分125、及び第1の外側クラッド部分123と同一の材料から作製される実施形態では、相対屈折率Δlit%は相対屈折率ΔLIT%に略等しくなり得(即ちΔlit%=ΔLIT%)、相対屈折率Δicl%は相対屈折率ΔICL%に略等しくなり得(即ちΔicl%=ΔICL%)、相対屈折率Δocl%は相対屈折率ΔOCL%に略等しくなり得る(即ちΔocl%=ΔOCL%)ことを理解されたい。また、相対屈折率ΔICL%が相対屈折率ΔOCL%に略等しい実施形態では、Δlit%<ΔICL%=ΔOCL%及びΔLIT%<Δicl%=Δocl%である。相対屈折率ΔICL%が相対屈折率ΔOCL%未満である実施形態では、Δlit%<ΔICL%<ΔOCL%及びΔLIT%<Δicl%<Δocl%である。
第1のセグメント110の第1の外側クラッド部分123、及び第2のセグメント130の第2の外側クラッド部分143は、純シリカガラス、シリカガラスの屈折率を上昇させる1つ以上のアップドーパントを含むシリカガラス、又はシリカガラスの屈折率を低下させる1つ以上のダウンドーパントを含むシリカガラスを含んでよい。好適なアップドーパントの非限定的な例としては、Ge、Ti、Al、Cl、P、GeO2、TiO2、P2O5、これらの組み合わせ等が挙げられる。実施形態では、第1の外側クラッド部分123及び第2の外側クラッド部分143のうちの少なくとも一方は、アップドーパントとしてClを含有する。好適なダウンドーパントの非限定的な例としては、F、B、これらの組み合わせ等が挙げられる。実施形態では、第1の外側クラッド部分123及び第2の外側クラッド部分143のうちの少なくとも一方は、ダウンドーパントとしてFを含有する。
本明細書に記載の光ファイバ100の様々な実施形態は、第1の低屈折率トレンチ124を第1のクラッド部分122内に組み込み、また第2の低屈折率トレンチ144を第2のクラッド部分142内に組み込むことによって、曲げ性能が改善されている。光ファイバ100のマクロ曲げ性能は、FOTP‐62(JEC‐60793‐1‐47)に従って、直径15mm及び/又は30mmのマンドレルの周りに光ファイバを2周巻き付けて、曲げによる減衰の増大を測定することによって決定できる。
本明細書に記載の実施形態では、光ファイバ100は、所望の構造及び組成を有するファイバプリフォームを作製するための従来のファイバ製造プロセスを用いて製造される。ファイバプリフォームを作製するために使用されるプロセスの非限定的な例としては、外側蒸着(outside vapor deposition:OVD)、改良型化学蒸着(modified chemical vapor deposition:MCVD)、物理化学蒸着(physical chemical vapor deposition:PCVD)等が挙げられる。ファイバプリフォームの形成後、ファイバプリフォームを、第1のセグメント110の寸法を有するファイバへとドロー加工する。第1のセグメント110の寸法を有するファイバをクランプで把持して、ファイバの一部分を、第2のセグメント130の寸法へと更に下向きにドロー加工し、ここで第1のセグメント110と第2のセグメント130との間には移行領域150が位置決めされる。
例えば一実施形態では、まず、光ファイバ100がチャネル114、第1の環状コア領域113、第1の内側クラッド部分125、第1の低屈折率トレンチ124、及び第1の外側クラッド部分123を最初に有するように、光ファイバ100を形成してよい。次に光ファイバ100をクランプで把持して、ファイバの一部分を加熱して更にドロー加工することにより、チャネル114、第1の環状コア領域113、第1の内側クラッド部分125、第1の低屈折率トレンチ124、及び第1の外側クラッド部分123を有する第1のセグメント110と、第2のコア部分132、第2の内側クラッド部分145、第2の低屈折率トレンチ144、及び第2の外側クラッド部分143を有する第2のセグメント130とを有する、光ファイバを形成する。この手順において、光ファイバを更にドロー加工することでチャネル114が潰されることにより、光ファイバ100の第2のセグメント130の(チャネルを有しない)第2のコア部分132が形成され、同時に光ファイバ100の第2のセグメント130の寸法が、第1のセグメント110に比べて低減される。別の実施形態では、光ファイバ100は、第1のセグメント110及び第2のセグメント130を一体に接合することによって形成できる。このような実施形態では、第1のセグメント110の外径D0及び第2のセグメント130の外径d0は、第1のコア部分112、第2のコア部分132、第1のクラッド部分122及び第2のクラッド部分142が上述の属性及び特性を有する限り、互いに概ね等しくすることができる。
図4A、6A、及び8Aを参照すると、光ファイバ100は、ガウシアンレーザビームをベッセルレーザビームに変換するために使用できる。具体的には、ガウシアンレーザビームGLBは、光ファイバ100の入口端部131に光学的に結合されてよく、また光ファイバ100の第2のセグメント130を通り、第1のセグメント110に向かって伝播する。ガウシアンレーザビームGLBは、第2のセグメント130を通って伝播する間、第2のコア部分132内に概ね閉じ込められる。第2のセグメント130が第1のセグメント110へと移行するに従って、第2のコア部分132は第1の環状コア領域113へと移行し、即ち第2のコア部分132は、光ファイバ100の第1のセグメント110の長さに沿ったチャネル114の周りに位置決めされた第1の環状コア領域113へと移行する。第2のセグメント130を通って伝播したガウシアンレーザビームGLBは、高屈折率コア部分を通って伝播しようとし、これにより、第2のコア部分132が第1の環状コア領域113へと移行するに従って、第1の環状コア領域113へと伝播する、即ち第2のコア部分132に「追従する(follow)」。これにより、ガウシアンレーザビームGLBは、第1のセグメント110を通って伝播するリング状ビームRSBへと変換され、第1のコア部分112及び第2のコア部分132の相対的なジオメトリ及び相対屈折率により、第1の環状コア領域113内に概ね閉じ込められる。リング状ビームRSBは集束するとベッセルレーザビームBLBを形成する。出口端部111が平面である(集束力を有しない)場合、ガウシアンレーザビームからリング状レーザビーム(RSB)への変換を経たリング状ビームレーザビームが出力端部111から光ファイバ100を出る。エンドキャップ1000は、(軸対称でないため)リング状レーザビーム(RSB)の円対称性を破壊し、リング状レーザビーム(RSB)を、破壊された又は部分リング状ビームへと変換する。エンドキャップの出口端部が湾曲している、及び/又は集束レンズ面を形成する場合、レーザビームは非軸対称(非円対称)ベッセルレーザビームBLBを形成し、ガウシアンレーザビームから非軸対称ベッセルレーザビームへの変換を経たベッセルレーザビームBLBがエンドキャップ1000を出る。実施形態では、ガウシアンレーザビームGLBは、レンズ系を通して、直接の突き合わせ結合によって、又は溶融接合によって、光ファイバ100の入口端部131に結合できる。光ファイバ100の出口端部111に供給され、エンドキャップ1000によって改変されたリング状ビームは例えば、自由空間のかさばる光学素子(図3A、3Cを参照)、又はエンドキャップ1000の出口端部に直接形成された(図示せず)、若しくはエンドキャップの出口端部に取り付けられた(図3E)、エンドキャップレンズを用いて、集束させることができる。
図4B、5B、6B、6C、7B、及び8Bを参照すると、移行領域150’で第2のセグメント130’(Gセグメント)に光学的に結合された第1のセグメント110’(Rセグメント)を有する光ファイバ100’の一実施形態が示されている。ファイバ100’はファイバ100と同様であるが、光ファイバ100’のコアは、以下で更に詳細に説明される1つ以上の領域Rを含む。
この実施形態の光ファイバ100’の例示的なRセグメント(セグメント110’)は、図5B、6B、及び6Cに図示されており、光ファイバ100のRセグメント(セグメント110)と同様である。しかしながら、ファイバ100’のコア部分112’の第1のコア領域113’は、完全な環状ではなく(即ち連続しておらず)、隣接する領域113’(例えば純シリカ、ダウンドープシリカ、又は図5B、6Bに示す実施形態では1つ以上の空洞H)よりも屈折率が低い1つ以上の領域Rを含む。コア領域113’は、破壊された又は分割されたリングの形状である。より具体的には、ある断面(A‐A)において、ファイバセグメント110’(即ちRセグメント)は、図6Bに示されている屈折率プロファイル(ここでは、第1の(不連続な)コア領域113’はクラッドよりも高い相対屈折率ΔAC%を有する)を有し、別の断面(B‐B)では、図6Cに示されている屈折率プロファイルを有する。領域R(例えば図5Bに示すような1つ以上の空洞H)は、コア領域113’の対称性を破壊することにより、コアを通って伝播するレーザビームの対称性を破壊する。
図7B、8B、8Cに示す実施形態の光ファイバ100’の例示的なGセグメント(第2のセグメント130’)は、ファイバのGセグメント(第2のセグメント130’)を通って伝播するガウシアンビームを非円対称にする。中央のチャネル114’が潰れた後、この実施形態のコア部分132’は楕円形になる。第2のセグメント130’を通って伝播したガウシアンレーザビームGLBは、高屈折率コア部分を通って伝播しようとし、これにより、コア部分132’の高屈折率部分が第1の環状コア領域113’へと移行するに従って、第1の環状コア領域113’へと伝播し、即ちコア部分132’の高屈折率部分に「追従し」、低屈折率材料の領域Rを通る、又はファイバセグメント110’の1つ以上の空洞Hを通る伝播はあまり発生しない。
上述のように、ファイバセグメント110’のコア内の1つ以上の低屈折率領域(例えば1つ以上の空洞H)は、リング状レーザビーム(RSB)の対称性を破壊するため、セグメント110’を通って伝播するビームの形状は、「破壊された」又は「部分リング」形状のビームである。光ファイバ100’の出口端部111’が湾曲している、及び/又は集束レンズ面を形成する場合、光ファイバ100’は非軸対称(非円対称)ベッセルレーザビームBLBを形成し、ガウシアンレーザビームから非軸対称ベッセルレーザビームへの変換を経たベッセルレーザビームBLBが光ファイバ100’を出る。光ファイバ100’の出口端部111’に供給された非軸対称レーザビームは例えば、自由空間のかさばる光学素子(図3B、3Dを参照)、又は光ファイバの出口端部111’に直接形成された(図示せず)、若しくは光ファイバの出口端部111’に取り付けられた(図3F)、レンズを用いて、集束させることができる。
光ファイバ100’ではなく光ファイバ100を使用する場合、図5B、6B、6Cに示されているジオメトリ及び屈折率プロファイルを有する小さなファイバセグメントを、光ファイバ100のセグメント110(Rセグメント)の端面に取り付けて(例えば接合して)、光ファイバ100のセグメント110(Rセグメント)を通って伝播する軸対称リング状レーザビームを非軸対称のレーザビームへと変換するためのエンドキャップ1000として利用できることに留意されたい。本明細書で開示される他のエンドキャップ1000を利用してもよい。
エンドキャップ1000又はファイバ100’を通って伝播した非軸対称ビームは、集束すると非軸対称レーザビームを形成し、これは非軸対称スポット14をもたらす。
図4A及び9A〜12Aを参照すると、移行領域250で第2のセグメント230に光学的に結合された第1のセグメント210を有する光ファイバ200の一実施形態が図示されている。光ファイバ200は、第1のセグメント210(Rセグメント)が、空気チャネルの代わりに、第1の環状コア領域213内に位置決めされた第1の低屈折率コア領域214を有する、第1のコア部分212を含んでよく、また第2のセグメント230(Gセグメント)が、第2の環状コア領域233内に位置決めされた第2の低屈折率コア領域234を有する、第2のコア部分を含んでよいことを除いて、光ファイバ100と同様であってよい。第1の低屈折率コア領域214は、第1の内側クラッド部分225の屈折率以下の屈折率を有してよい。例えば、コア領域214は、純シリカガラス、Fドープシリカガラス、又はホウ素ドープシリカガラス製であってよい。光ファイバ200の少なくとも一部分の側面図が図4Aに示されており、光ファイバ200の第1のセグメント210及び第2のセグメント230の半径方向断面が、それぞれ図9A及び11Aに示されており、第1のセグメント210及び第2のセグメント230の対応する相対屈折率プロファイルが、それぞれ図10A及び12Aに示されている。第1のセグメント210は第1の外径「D0」を有し、第2のセグメント230は第2の外径「d0」を有する(図4A)。第1の外径D0は第2の外径d0より大きい。実施形態では、第1の外径D0は約0.2ミリメートル(mm)〜約5.0mmであってよく、第2の外径d0は約0.1〜約4.5mmであってよく、移行領域250の長さは約0.5mm〜約20mmであってよい。実施形態では、第1の外径D0は約0.4mm〜約1.0mmであり、第2の外径d0は約0.2mm〜約0.9mmであり、移行領域250の長さは約1mm〜約10mmである。他の実施形態では、第1の外径D0は約150μm〜約250μmであり、第2の外径d0は約75μm〜約225μmであり、移行領域250の長さは10mm超である。第2のセグメント230を通って伝播するガウシアンレーザビーム「GLB」は、第1のセグメント210を通って伝播するリング状ビームに変換される。実施形態では、第1のセグメント210、第2のセグメント230、及び移行領域250は互いに一体として形成され、光ファイバ200のテーパ比(d0/D0)は、約0.2以上約0.9以下(例えば0.2、0.3、0.4、0.5、0.7、0.8、0.9又はこれらの間)である。例えばいくつかの実施形態では、光ファイバ200のテーパ比は、約0.3以上約0.9以下である。更に他の実施形態では、光ファイバ200のテーパ比は、約0.3以上約0.8以下である。光ファイバ200の第1のセグメント210(図9A及び10A)は、光ファイバ200の軸中心線2を中央とする第1のコア部分212を有する。第1のコア部分212は、第1の環状コア領域213を含んでよい。第1のクラッド部分222は、第1のコア部分212の周りに延在してよい。光ファイバ200の第2のセグメント230(図11A及び12A)は、第2のコア部分232を有してよく、第2のコア部分232の少なくとも一部分は、第1のコア部分212に光学的に結合される。第2のクラッド部分242は、第2のコア部分232の周りに延在してよい。
図4A、9A及び10Aを参照すると、図4Aの光ファイバ200の第1のセグメント210の半径方向断面が、図9Aに概略図で示されており、断面の中心線に対するこの半径方向断面の相対屈折率が、図10Aにグラフで示されている。第1のセグメント210は一般に、第1のコア部分212及び第1のクラッド部分222を含む。第1のコア部分212は、第1のクラッド部分222内に位置決めされ、第1のクラッド部分222は第1のコア部分212の周りに延在する。第1のコア部分212及び第1のクラッド部分222は概ね同心であってよく、従って、光ファイバ200の第1のセグメント210の断面は、光ファイバ200の第1のコア部分212の中心に関して概ね円対称である。また、第1のコア部分212及び第1のクラッド部分222は、光ファイバ200の第1のコア部分212の中心に関して概ね軸対称であってよい。実施形態では、第1のコア部分212は、第1の環状コア領域213及び第1の低屈折率コア領域214を含んでよい。第1の低屈折率コア領域214は第1の環状コア領域213内に位置決めされ、また第1の低屈折率コア領域214は、第1の環状コア領域213のすぐ横で、第1の環状コア領域213に直接接触する。
いくつかの実施形態では、第1のクラッド部分222は任意に、第1の低屈折率トレンチ224及び第1の外側クラッド部分223を含んでよい。この第1の低屈折率トレンチ224は、第1の外側クラッド部分223内に位置決めされ、また第1の低屈折率トレンチ224は、第1の外側クラッド部分223のすぐ横で、第1の外側クラッド部分223に直接接触してよい。第1の低屈折率トレンチ224が含まれている場合、これは、光ファイバ200の曲げ性能を改善する。即ち、第1の低屈折率トレンチ224は、光ファイバ200をコイル状に巻いた場合に、光ファイバ200内で伝播する光の減衰を低減するため、第1の低屈折率トレンチ224を備えない同様の構造を有する光ファイバに比べて、光ファイバ200を、光ファイバ200内で伝播する光の減衰を増大させることなく、より小さな半径へとコイル状に巻くことが可能となる。
いくつかの実施形態(図示せず)では、第1の低屈折率トレンチ224は、第1のコア部分212のすぐ横で、第1のコア部分212に直接接触してよい。図9A及び10Aに示す実施形態のような他のいくつかの実施形態では、第1の低屈折率トレンチ224は、第1の内側クラッド部分225によって第1のコア部分212から隔てられていてよく、即ち第1の内側クラッド部分225は、第1の低屈折率トレンチ224内において、第1の低屈折率トレンチ224と第1のコア部分212との間に位置決めされる。実施形態では、第1の内側クラッド部分225は、第1の低屈折率トレンチ224及び第1の環状コア領域213のすぐ横で、第1の低屈折率トレンチ224及び第1の環状コア領域213に直接接触する。
第1のセグメント210は、光ファイバ200の軸中心線2からの半径R4を有する。第1のコア部分212は、半径R4より小さな半径R1を有する。第1のコア部分212の第1の低屈折率コア領域214は、半径R1より小さな半径R0を有する。第1の環状コア領域213は、内半径R0、外半径R1、及び半径方向厚さTAC=R1−R0を有する。第1の低屈折率コア領域214及び第1の環状コア領域213それぞれの半径R0及びR1は、第1の低屈折率コア領域214及び第1の環状コア領域213それぞれの相対屈折率プロファイルの最大勾配に対する接線(図10A)が、基準相対屈折率線ΔOCL%と交差する点において定義される。第1のクラッド部分222は、内半径R1、外半径R4、及び半径方向厚さTCL=R4−R1を有する。第1のクラッド部分222が第1の低屈折率トレンチ224及び第1の外側クラッド部分223を含む実施形態では、第1の低屈折率トレンチ224は、内半径R2、外半径R3、及び半径方向厚さTLIT=R3−R2を有する。第1の外側クラッド部分223は、内半径R3、外半径R4、及び半径方向厚さTOCL=R4−R3を有する。第1の低屈折率トレンチ224が第1のコア部分212のすぐ横で第1のコア部分212に直接接触する実施形態(図示せず)では、第1の低屈折率トレンチ224の内半径R2は、第1のコア部分212の半径R1と等しくなり得る。第1の低屈折率トレンチ224が第1の内側クラッド部分225によって第1のコア部分212から隔てられている実施形態では、第1の内側クラッド部分225は、内半径R1、外半径R2、及び半径方向厚さTICL=R2−R1を有する。
第1のセグメント210の半径R4は、約50μm〜約250μmである。いくつかの実施形態では、第1のセグメント210の半径R4は約100μm〜約150μmである。第1のコア部分212の半径R1は約5μm〜約25μmである。いくつかの実施形態では、半径R1は約7.5μm〜約15μmである。第1の低屈折率コア領域214の半径R0は約1μm〜約10μmである。いくつかの実施形態では、第1の低屈折率コア領域214の半径R0は約2μm〜約7μmである。第1の環状コア領域213の半径方向厚さTAC(R1−R0)は約2μm〜約15μmである。いくつかの実施形態では、半径方向厚さTACは約5μm〜約10μmである。第1のクラッド部分222の半径方向厚さTCL(R4−R1)は約75μm〜約175μmである。いくつかの実施形態では、半径方向厚さTCLは約90μm〜約125μmである。第1のクラッド部分222が第1の低屈折率トレンチ224及び第1の外側クラッド部分223を含む実施形態では、第1の低屈折率トレンチ224の内半径R2は約5μm〜約50μmであり、外半径R3は約7μm〜約50μmであり、半径方向厚さTLIT(R3−R2)は約1μm〜約20μmである。実施形態では、内半径R2は約10μm〜約30μmであり、外半径R3は約10μm〜約40μmであり、半径方向厚さTLITは約1μm〜約15μmである。第1の外側クラッド部分223の内半径R3は約7μm〜約50μmであり、外半径R4は約50μm〜約250μmであり、半径方向厚さTOCL(R4−R3)は約75μm〜約150μmである。実施形態では、内半径R3は約10μm〜約40μmであり、外半径R4は約100μm〜約150μmであり、半径方向厚さTOCLは約85μm〜約125μmである。第1の低屈折率トレンチ224が第1の内側クラッド部分225によって第1のコア部分212から隔てられている実施形態では、第1の内側クラッド部分225の内半径R1は約5μm〜約25μmであり、外半径R2は約5μm〜約50μmであり、半径方向厚さTICL(R2−R1)は約1μm〜約15.0μmである。実施形態では、内半径R1は約7.5μm〜約15μmであり、外半径R2は約10μm〜約30μmであり、半径方向厚さTICLは約1μm〜約10μmである。
図4A、11A及び12Aを参照すると、図4Aの光ファイバ200の第2のセグメント230の半径方向断面が、図11Aに概略図で示されており、断面の中心線に対するこの半径方向断面の相対屈折率が、図12Aにグラフで示されている。第2のセグメント230は一般に、第2のコア部分232及び第2のクラッド部分242を含む。第2のコア部分232は、第2のクラッド部分242内に位置決めされ、第2のクラッド部分242は第2のコア部分232の周りに延在する。第2のコア部分232及び第2のクラッド部分242は概ね同心であってよく、従って、光ファイバ200の第2のセグメント230の断面は、光ファイバ200の第2のコア部分232の中心に関して概ね円対称である。また、第2のコア部分232及び第2のクラッド部分242は、光ファイバ200の第2のコア部分232の中心に関して概ね軸対称であってよい。実施形態では、第2のコア部分232は、第2の環状コア領域233及び第2の低屈折率コア領域234を含んでよい。第2の低屈折率コア領域234は第2の環状コア領域233内に位置決めされ、また第2の低屈折率コア領域234は、第2の環状コア領域233のすぐ横で、第2の環状コア領域233に直接接触する。
いくつかの実施形態では、第2のクラッド部分242は任意に、第2の低屈折率トレンチ244及び第2の外側クラッド部分243を含んでよい。第2の低屈折率トレンチ244は、第2の外側クラッド部分243内に位置決めされ、また第2の低屈折率トレンチ244は、第2の外側クラッド部分243のすぐ横で、第2の外側クラッド部分243に直接接触してよい。第2の低屈折率トレンチ244が含まれている場合、これは、光ファイバ200の曲げ性能を改善する。即ち、第2の低屈折率トレンチ244は、光ファイバ200をコイル状に巻いた場合に、光ファイバ200内で伝播する光の減衰を低減するため、第2の低屈折率トレンチ244を備えない同様の構造を有する光ファイバに比べて、光ファイバ200を、光ファイバ200内で伝播する光の減衰を増大させることなく、より小さな半径へとコイル状に巻くことが可能となる。光ファイバ200の第1のセグメント210が第1の低屈折率トレンチ224を含む場合、光ファイバ200の第2のセグメント230は第2の低屈折率トレンチ244を含むことになり、またその逆でもあることを理解されたい。
いくつかの実施形態(図示せず)では、第2の低屈折率トレンチ244は、第2のコア部分232のすぐ横で、第2のコア部分232に直接接触してよい。他のいくつかの実施形態では、第2の低屈折率トレンチ244は、図11A及び12Aに示すように、第2の内側クラッド部分245によって第2のコア部分232から隔てられていてよい。即ち第2の内側クラッド部分245は、第2の低屈折率トレンチ244内に位置決めされ、また第2の低屈折率トレンチ244と第2のコア部分232との間に位置決めされる。実施形態では、第2の内側クラッド部分245は、第2の低屈折率トレンチ244及び第2の環状コア領域233のすぐ横で、第2の低屈折率トレンチ244及び第2の環状コア領域233に直接接触する。
図4A及び9A〜12Aを参照して、移行領域250を介して、第1のコア部分212は第2のコア部分232に光学的に結合され、第1のクラッド部分222は第2のクラッド部分242に光学的に結合されることを理解されたい。特に、移行領域250を介して、第1の低屈折率コア領域214は第2の低屈折率コア領域234に光学的に結合され、第1の環状コア領域213は第2の環状コア領域233に光学的に結合され、第1の外側クラッド部分223は第2の外側クラッド部分243に光学的に結合され、第1の低屈折率トレンチ224は第2の低屈折率トレンチ244に光学的に結合され、第1の内側クラッド部分225は第2の内側クラッド部分245に光学的に結合される。
第2のセグメント230は、光ファイバ200の軸中心線2からの半径r4を有する。第2のコア部分232は、半径r4より小さな半径r1を有する。第2のコア部分232の第2の低屈折率コア領域234は、半径r1より小さな半径r0を有する。第2の環状コア領域233は、内半径r0、外半径r1、及び半径方向厚さtac=r1−r0を有する。第2の低屈折率コア領域234及び第2の環状コア領域233の半径r0及びr1は、それぞれ第2の低屈折率コア領域234及び第2の環状コア領域233の相対屈折率プロファイルの最大勾配に対する接線(図12A)が、基準相対屈折率線Δocl%と交差する点において定義される。第2のクラッド部分242は、内半径r1、外半径r4、及び半径方向厚さtcl=r4−r1を有する。第2のクラッド部分242が第2の低屈折率トレンチ244及び第2の外側クラッド部分243を含む実施形態では、第2の低屈折率トレンチ244は、内半径r2、外半径r3、及び半径方向厚さtlit=r3−r2を有する。第2の外側クラッド部分243は、内半径r3、外半径r4、及び半径方向厚さtocl=r4−r3を有する。第2の低屈折率トレンチ244が第2のコア部分232のすぐ横で第2のコア部分232に直接接触する実施形態(図示せず)では、第2の低屈折率トレンチ244の内半径r2は、第2のコア部分232の半径r1と等しくなり得る。第2の低屈折率トレンチ244が第2の内側クラッド部分245によって第2のコア部分232から隔てられている実施形態では、第2の内側クラッド部分245は、内半径r1、外半径r2、及び半径方向厚さticl=r2−r1を有する。
第2のセグメント230の半径r4は、約20μm〜約100μmである。いくつかの実施形態では、第2のセグメント230の半径r4は約30μm〜約70μmである。第2のコア部分232の半径r1は約1μm〜約10μmである。いくつかの実施形態では、半径r1は約2.5μm〜約7.5μmである。第2のクラッド部分242の半径方向厚さtcl(r4−r1)は約20μm〜約80μmである。いくつかの実施形態では、半径方向厚さtclは約35μm〜約60μmである。第2のクラッド部分242が第2の低屈折率トレンチ244及び第2の外側クラッド部分243を含む実施形態では、第2の低屈折率トレンチ244の内半径r2は約2μm〜約15μmであり、外半径r3は約2μm〜約25μmであり、半径方向厚さtlit(r3−r2)は約1μm〜約10μmである。実施形態では、内半径r2は約3μm〜約10μmであり、外半径r3は約3μm〜約20μmであり、半径方向厚さtlitは約1μm〜約8μmである。第2の外側クラッド部分243の内半径r3は約2μm〜約25μmであり、外半径r4は約20μm〜約100μmであり、半径方向厚さtocl(r4−r3)は約25μm〜約75μmである。実施形態では、内半径r3は約3μm〜約20μmであり、外半径r4は約30μm〜約70μmであり、半径方向厚さtoclは約30μm〜約50μmである。第2の低屈折率トレンチ244が第2の内側クラッド部分245によって第2のコア部分232から隔てられている実施形態では、第2の内側クラッド部分245の内半径r1は約1μm〜約10μmであり、外半径r2は約2μm〜約15μmであり、半径方向厚さticl(r2−r1)は約1μm〜約8μmである。実施形態では、内半径r1は約2.5μm〜約7.5μmであり、外半径r2は約3μm〜約10μmであり、半径方向厚さticlは約1μm〜約4μmである。
第1のセグメント210の第1の低屈折率コア領域214は、屈折率nLIC及び相対屈折率ΔLIC%を有し、第2のセグメント230の第2の低屈折率コア領域234は、屈折率nlic及び相対屈折率Δlic%を有する。実施形態では、第1の低屈折率コア領域214及び第2の低屈折率コア領域234は同一の材料から作製され、相対屈折率ΔLIC%は相対屈折率Δlic%に略等しい(即ちΔLIC%=Δlic%)。相対屈折率ΔLIC%及び相対屈折率Δlic%は約0.2%〜約−1.0%である。実施形態では、相対屈折率ΔLIC%及び相対屈折率Δlic%は約0.1%〜約−0.5%である。
第1の環状コア領域213は屈折率nAC及び相対屈折率ΔAC%を有し、第2の環状コア領域233は屈折率nac及び相対屈折率Δac%を有する。実施形態では、第1の環状コア領域213及び第2の環状コア領域233は同一の材料から作製され、相対屈折率ΔAC%は相対屈折率Δac%に略等しい(即ちΔAC%=Δac%)。相対屈折率ΔAC%及び相対屈折率Δac%は、それぞれ相対屈折率ΔLIC%及び相対屈折率Δlic%よりも大きい(即ちΔAC%>ΔLIC%;Δac%>Δlic%)。第1の低屈折率コア領域214及び第2の低屈折率コア領域234が同一の材料から作製される実施形態では、第1の環状コア領域213及び第2の環状コア領域233は同一の材料から作製され、ΔAC%>Δlic%及びΔac%>ΔLIC%となる。相対屈折率ΔAC%及び相対屈折率Δac%は、約0.2%〜約1.0%である。実施形態では、相対屈折率ΔAC%及び相対屈折率Δac%は、約0.3%〜約0.75%である。
第1のクラッド部分222は、屈折率nCLと、純シリカガラスに対する相対屈折率ΔCL%とを有する。第1のクラッド部分222の屈折率nCLは、光ファイバ200の第1のセグメント210の他のガラス部分の相対屈折率のための基準として使用できる。第1のクラッド部分222が第1の外側クラッド部分223、第1の低屈折率トレンチ224、及び(任意に)第1の内側クラッド部分225を含む実施形態では、光ファイバ200の第1のセグメント210の他のガラス部分の相対屈折率は、本明細書中で更に詳細に説明するように、第1の外側クラッド部分223に対して決定される。
第1のクラッド部分222が第1の内側クラッド部分225及び第1の低屈折率トレンチ224を含む実施形態では、第1の内側クラッド部分225は屈折率nICL及び相対屈折率ΔICL%を有し、第1の低屈折率トレンチ224は屈折率nLIT及び相対屈折率ΔLIT%を有する。図10Aに概略的に図示されているように、相対屈折率ΔICL%は一般に相対屈折率ΔLIT%より大きく、一般に相対屈折率ΔAC%より小さい(即ちΔAC%>ΔICL%>ΔLIT%)。相対屈折率ΔICL%は約−0.1%〜約0.1%であり、相対屈折率ΔLIT%は約−0.1%〜約−1.0%である。実施形態では、相対屈折率ΔICL%は約−0.05%〜約0.05%であり、相対屈折率ΔLIT%は約−0.3%〜約−0.5%である。
第2のクラッド部分242は、屈折率nclと、純シリカガラスに対する相対屈折率Δcl%とを有する。第2のクラッド部分242の屈折率nclは、光ファイバ200の第2のセグメント230の他のガラス部分の相対屈折率のための基準として使用できる。第2のクラッド部分242が第2の外側クラッド部分243、第2の低屈折率トレンチ244、及び(任意に)第2の内側クラッド部分245を含む実施形態では、光ファイバ200の第2のセグメント230の他のガラス部分の相対屈折率は、本明細書中で更に詳細に説明するように、第2の外側クラッド部分243に対して決定される。
第2のクラッド部分242が第2の内側クラッド部分245及び第2の低屈折率トレンチ244を含む実施形態では、第2の内側クラッド部分245は屈折率nicl及び相対屈折率Δicl%を有し、第2の低屈折率トレンチ244は屈折率nlit及び相対屈折率Δlit%を有する。図12Aに概略的に図示されているように、相対屈折率Δicl%は一般に相対屈折率Δlit%より大きく、一般に相対屈折率相対屈折率Δac%より小さい(即ちΔac%>Δicl%>Δlit%)。実施形態では、第2の内側クラッド部分245は第1の内側クラッド部分225と同一の材料から作製され、第2の低屈折率トレンチ244は第1の低屈折率トレンチ224と同一の材料から作製される。従って、相対屈折率nicl及び相対屈折率nlitはそれぞれ、相対屈折率nICL及び相対屈折率nLITに略等しくなり得(即ちnicl=nICL;nlit=nLIT)、また相対屈折率Δicl%及び相対屈折率Δlit%はそれぞれ、相対屈折率ΔICL%及び相対屈折率ΔLIT%に略等しくなり得る(即ちΔicl%=ΔICL%;Δlit%=ΔLIT%)。例えば、相対屈折率Δicl%は約−0.1%〜約0.1%であってよく、相対屈折率Δlit%は約−0.1%〜約−1.0%であってよい。実施形態では、相対屈折率Δicl%は約−0.05%〜約0.05%であってよく、相対屈折率Δlit%は約−0.3%〜約−0.5%であってよい。
第1のクラッド部分222が第1の外側クラッド部分223を含む実施形態では、第1の外側クラッド部分223は屈折率nOCL及び相対屈折率ΔOCL%を有する。これらの実施形態では、相対屈折率ΔOCL%は、光ファイバ200の第1のセグメント210の他のガラス部分の相対屈折率を決定するための基準として使用できる。本明細書に記載の実施形態では、第1の外側クラッド部分223の相対屈折率ΔOCL%は、第1の低屈折率トレンチ224の相対屈折率ΔLIT%より大きい(即ちΔOCL%>ΔLIT%)。いくつかの実施形態では、第1の内側クラッド部分225が、第1の内側クラッド部分225の屈折率nICLを第1の外側クラッド部分223の屈折率nOCLに対して低下させる1つ以上のダウンドーパントでドープされたシリカガラスを含む場合等には、第1の外側クラッド部分223の相対屈折率ΔOCL%は、第1の内側クラッド部分225の相対屈折率ΔICL%より大きくなり得る。他の実施形態では、第1の外側クラッド部分223の相対屈折率ΔOCL%は、第1の内側クラッド部分225の相対屈折率ΔICL%と略等しくてよい。このような実施形態では、第1の外側クラッド部分223の組成は、ΔOCL%=ΔICL%でありさえすれば、第1の内側クラッド部分225の組成と同一であっても、第1の内側クラッド部分225の組成と異なっていてもよい。以上に基づいて、第1の外側クラッド部分223の相対屈折率ΔOCL%が、第1の内側クラッド部分225の相対屈折率ΔICL%より大きいか、又はこれに略等しいことを理解されたい。
第2のクラッド部分242が第2の外側クラッド部分243を含む実施形態では、第2の外側クラッド部分243は屈折率nocl及び相対屈折率Δocl%を有する。従って相対屈折率Δocl%は、光ファイバ200の第2のセグメント230の他のガラス部分の相対屈折率のための基準として使用できる。本明細書に記載の実施形態では、第2の外側クラッド部分243の相対屈折率Δocl%は、第2の低屈折率トレンチ244の相対屈折率Δlit%より大きい(即ちΔocl%>Δlit%)。いくつかの実施形態では、第2の内側クラッド部分245が、第2の内側クラッド部分245の屈折率niclを第2の外側クラッド部分243の屈折率noclに対して低下させる1つ以上のダウンドーパントでダウンドープされたシリカガラスを含む場合等には、第2の外側クラッド部分243の相対屈折率Δocl%は、第2の内側クラッド部分245の相対屈折率Δicl%より大きくてよい。他の実施形態では、第2の外側クラッド部分243の相対屈折率Δocl%は、第2の内側クラッド部分245の相対屈折率Δicl%と略等しくてよい。このような実施形態では、第2の外側クラッド部分243の組成は、Δocl%=Δicl%でありさえすれば、第2の内側クラッド部分245の組成と同一であっても、第2の内側クラッド部分245の組成と異なっていてもよい。以上に基づいて、第2の外側クラッド部分243の相対屈折率Δocl%が、第2の内側クラッド部分245の相対屈折率Δicl%より大きいか、又はこれに略等しいことを理解されたい。実施形態では、第2の外側クラッド部分243は第1の外側クラッド部分223と同一の材料から作製され、従って第2の外側クラッド部分243の屈折率noclは、第1の外側クラッド部分223の屈折率nOCLと略等しくなり得(即ちnocl=nOCL)、また第2の外側クラッド部分243の相対屈折率Δocl%は、第1の外側クラッド部分223の相対屈折率ΔOCL%と略等しくなり得る(即ちΔocl%=ΔOCL%=0)。
第1のセグメント210の第1の低屈折率コア領域214及び第2のセグメント230の第2の低屈折率コア領域234は、シリカガラスの屈折率を低下させる、限定するものではないが例えばF、B、これらの組み合わせ等の1つ以上のダウンドーパントを含むシリカガラスを含む。実施形態では、第1の低屈折率コア領域214及び第2の低屈折率コア領域234のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約2.5重量%の濃度で含んでよい。いくつかの実施形態では、第1の低屈折率コア領域214及び第2の低屈折率コア領域234のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。他のいくつかの実施形態では、第1の低屈折率コア領域214及び第2の低屈折率コア領域234のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約1.5重量%の濃度で含む。更に他の実施形態では、第1の低屈折率コア領域214及び第2の低屈折率コア領域234のうちの少なくとも一方は、Fを約0.5重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。また更に他の実施形態では、第1の低屈折率コア領域214及び第2の低屈折率コア領域234のうちの少なくとも一方は、Fを約0.7重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。
第1のセグメント210の第1の環状コア領域213、及び第2のセグメント230の第2の環状コア領域233は、シリカガラスの屈折率を上昇させる1つ以上のアップドーパントを含むシリカガラスを含む。好適なアップドーパントとしては例えば、限定するものではないが、Ge、Ti、Al、Cl、P、GeO2、例えTiO2、P2O5、及びこれらの様々な組み合わせが挙げられる。実施形態では、第1の環状コア領域213及び第2の環状コア領域233のうちの少なくとも一方は、約3重量%〜約17重量%のGeO2を含有する。他のいくつかの実施形態では、第1の環状コア領域213及び第2の環状コア領域233のうちの少なくとも一方は、約5重量%〜約13重量%のGeO2を含有する。実施形態では、第1の環状コア領域213及び第2の環状コア領域233は同一の材料から作製され、第1の環状コア領域213中のドーパント濃度は、第2の環状コア領域233中のドーパント濃度と略等しい。
第1のセグメント210の第1の内側クラッド部分225、及び第2のセグメント230の第2の内側クラッド部分245は、純シリカガラス、シリカガラスの屈折率を上昇させる1つ以上のアップドーパントを含むシリカガラス、又はシリカガラスの屈折率を低下させる1つ以上のダウンドーパントを含むシリカガラスを含んでよい。好適なアップドーパントの非限定的な例としては、Ge、Ti、Al、Cl、P、GeO2、TiO2、P2O5、これらの組み合わせ等が挙げられる。実施形態では、第1の内側クラッド部分225及び第2の内側クラッド部分245のうちの少なくとも一方は、アップドーパントとしてClを含有する。好適なダウンドーパントの非限定的な例としては、F、B、これらの組み合わせ等が挙げられる。実施形態では、第1の内側クラッド部分225及び第2の内側クラッド部分245のうちの少なくとも一方は、ダウンドーパントとしてFを含有する。
式(32)及び(33)に関連して上述したように、光ファイバの特定のガラス部分の半径方向厚さは、この特定のガラス部分の相対屈折率と相関し得る。本明細書に記載の実施形態では、第1の低屈折率トレンチ224のトレンチ容積VLITは、約80%‐μm2以上、例えば約100%‐μm2以上であってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積VLITは約110%‐μm2以上、又は約120%‐μm2以上でさえあってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積VLITは約80%‐μm2かつ約220%‐μm2以下であってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積VLITは約100%‐μm2以上かつ約200%‐μm2以下であってよい。更に他の実施形態では、トレンチ容積プロファイルVLITは約110%‐μm2以上かつ約180%‐μm2以下であってよい。
本明細書に記載の実施形態では、第2の低屈折率トレンチ244のトレンチ容積vlitは、約40%‐μm2以上、例えば約50%‐μm2以上であってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積vlitは約55%‐μm2以上、又は約60%‐μm2以上でさえあってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積vlitは約40%‐μm2以上かつ約110%‐μm2以下であってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積vlitは約50%‐μm2以上かつ約100%‐μm2以下であってよい。更に他の実施形態では、トレンチ容積プロファイルvlitは約55%‐μm2以上かつ約90%‐μm2以下であってよい。
本明細書に記載の光ファイバの実施形態では、第1の低屈折率トレンチ224、第2の低屈折率トレンチ244、又は第1の低屈折率トレンチ224及び第2の低屈折率トレンチ244の両方は、シリカガラスの屈折率を低下させる1つ以上のダウンドーパントを含むシリカガラスを含む。ダウンドーパントの非限定的な例としては、F、B、これらの組み合わせ等が挙げられる。実施形態では、第1の低屈折率トレンチ224及び第2の低屈折率トレンチ244のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約2.5重量%の濃度で含む。いくつかの実施形態では、第1の低屈折率トレンチ224及び第2の低屈折率トレンチ244のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。他の実施形態では、第1の低屈折率トレンチ224及び第2の低屈折率トレンチ244のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約1.5重量%の濃度で含む。更に他の実施形態では、第1の低屈折率トレンチ224及び第2の低屈折率トレンチ244のうちの少なくとも一方は、Fを約0.5重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。また更に他の実施形態では、第1の低屈折率トレンチ224及び第2の低屈折率トレンチ244のうちの少なくとも一方は、Fを約0.7重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。
いくつかの実施形態では、第1の低屈折率コア領域214の相対屈折率ΔLIC%、第1の低屈折率トレンチ224の相対屈折率ΔLIT%、第2の低屈折率コア領域234の相対屈折率Δlic%、及び第2の低屈折率トレンチ244の相対屈折率Δlit%のうちの少なくとも一方は、第1の低屈折率コア領域214、第1の低屈折率トレンチ224、第2の低屈折率コア領域234、及び第2の低屈折率トレンチ244のうちの対応する少なくとも一方のシリカガラスを、シリカガラス全体に非周期的に配置された、又は周期的に配置された、又はその両方である空所を有するように形成することによって達成される。これらの空所は光ファイバ200の長さに沿って(即ち長手方向軸に対して平行に)引き伸ばされる(伸長する)が、ファイバ全体の全長に延在することはない。理論によって束縛されることを望むものではないが、空所は、光ファイバの長さに沿って数メートル未満、多くの場合は1メートル未満だけ延在する。本明細書で開示される光ファイバは、固化したガラスブランク中にかなりの量の気体が閉じ込められることにより、固化したガラスの光ファイバプリフォーム中に空所が形成されるようにするために効果的なプリフォーム固化条件を利用する方法によって作製できる。これらの空所を除去するためのステップを実施するのではなく、得られたプリフォームを用いて、中に空所を有する光ファイバを形成する。いくつかの実施形態では、これらの空所は、アルゴン、クリプトン、CO2、SO2、O2、又はこれらの混合物といった1つ以上の気体を内包してよい。他のいくつかの実施形態では、空所は気体を実質的に含まない。気体の存在又は不在にかかわらず、第1の低屈折率コア領域214の屈折率nLIC、第1の低屈折率トレンチ224の屈折率nLIT、第2の低屈折率コア領域234の屈折率nlic、及び第2の低屈折率トレンチ244の屈折率nlitのうちの少なくとも1つは、空所の存在によって低下する。あるいは、又は更に、第1の低屈折率コア領域214の屈折率nLIC、第1の低屈折率トレンチ224の屈折率nLIT、第2の低屈折率コア領域234の屈折率nlic、及び第2の低屈折率トレンチ244の屈折率nlitのうちの少なくとも1つは、空所の非周期的な分布、周期的な分布、又は非周期的な分布及び周期的な分布の両方を伴うダウンドープシリカガラスを形成することによって、低下する。
第1の低屈折率トレンチ224の相対屈折率ΔLIT%は、第1の内側クラッド部分225の相対屈折率ΔICL%未満であり(即ちΔLIT%<ΔICL%)、また第1の外側クラッド部分223の相対屈折率ΔOCL%未満である(即ちΔLIT%<ΔOCL%)。いくつかの実施形態では、相対屈折率ΔICL%は相対屈折率ΔOCL%に略等しく、またΔLIT%<ΔICL%=ΔOCL%である。他の実施形態では、相対屈折率ΔICL%は相対屈折率ΔOCL%未満であり、またΔLIT%<ΔICL%<ΔOCL%である。
第2の低屈折率トレンチ244の相対屈折率Δlit%は、第2の内側クラッド部分245の相対屈折率Δicl%未満であり(即ちΔlit%<Δicl%)、また第2の外側クラッド部分243の相対屈折率Δocl%未満である(即ちΔlit%<Δocl%)。いくつかの実施形態では、相対屈折率Δicl%は相対屈折率Δocl%に略等しく、またΔlit%<Δicl%=Δocl%である。他の実施形態では、相対屈折率Δicl%は相対屈折率Δocl%未満であり、またΔlit%<Δicl%<Δocl%である。第2の低屈折率トレンチ244、第2の内側クラッド部分245、及び第2の外側クラッド部分243が、それぞれ第1の低屈折率トレンチ224、第1の内側クラッド部分225、及び第1の外側クラッド部分223と同一の材料から作製される実施形態では、相対屈折率Δlit%は相対屈折率ΔLIT%に略等しくなり得(即ちΔlit%=ΔLIT%)、相対屈折率Δicl%は相対屈折率ΔICL%に略等しくなり得(即ちΔicl%=ΔICL%)、相対屈折率Δocl%は相対屈折率ΔOCL%に略等しくなり得る(即ちΔocl%=ΔOCL%)ことを理解されたい。また、相対屈折率ΔICL%が相対屈折率ΔOCL%に略等しい実施形態では、Δlit%<ΔICL%=ΔOCL%及びΔLIT%<Δicl%=Δocl%である。相対屈折率ΔICL%が相対屈折率ΔOCL%未満である実施形態では、Δlit%<ΔICL%<ΔOCL%及びΔLIT%<Δicl%<Δocl%である。
第1のセグメント210の第1の外側クラッド部分223、及び第2のセグメント230の第2の外側クラッド部分243は、純シリカガラス、シリカガラスの屈折率を上昇させる1つ以上のアップドーパントを含むシリカガラス、又はシリカガラスの屈折率を低下させる1つ以上のダウンドーパントを含むシリカガラスを含んでよい。好適なアップドーパントの非限定的な例としては、Ge、Ti、Al、Cl、P、GeO2、TiO2、P2O5、これらの組み合わせ等が挙げられる。実施形態では、第1の外側クラッド部分223及び第2の外側クラッド部分243のうちの少なくとも一方は、アップドーパントとしてClを含有する。好適なダウンドーパントの非限定的な例としては、F、B、これらの組み合わせ等が挙げられる。実施形態では、第1の外側クラッド部分223及び第2の外側クラッド部分243のうちの少なくとも一方は、ダウンドーパントとしてFを含有する。
本明細書に記載の光ファイバ200の様々な実施形態は、第1の低屈折率トレンチ224を第1のクラッド部分222内に組み込み、また第2の低屈折率トレンチ244を第2のクラッド部分242内に組み込むことによって、曲げ性能が改善されている。光ファイバ200のマクロ曲げ性能は、上述のようにFOTP‐62(JEC‐60793‐1‐47)に従って決定できる。
本明細書に記載の実施形態では、光ファイバ200は、所望の構造を有するファイバプリフォームを作製するための従来のファイバ製造プロセスを用いて製造される。ファイバプリフォームを作製するために使用されるプロセスの非限定的な例としては、外側蒸着(outside vapor deposition:OVD)、改良型化学蒸着(modified chemical vapor deposition:MCVD)、物理化学蒸着(physical chemical vapor deposition:PCVD)等が挙げられる。ファイバプリフォームの形成後、ファイバプリフォームを、第1のセグメント210(Rセグメント)の寸法を有するファイバへとドロー加工する。第1のセグメント210の寸法を有するファイバをクランプで把持して、ファイバの一部分を、第2のセグメント230(Gセグメント)の寸法へと更に下向きにドロー加工し、ここで第1のセグメント210と第2のセグメント230との間には移行領域250が位置決めされる。
例えば一実施形態では、まず、光ファイバ200が第1の低屈折率コア領域214、第1の環状コア領域213、第1の内側クラッド部分225、第1の低屈折率トレンチ224、及び第1の外側クラッド部分223を最初に有するように、光ファイバ200を形成してよい。次に光ファイバ200をクランプで把持して、ファイバの一部分を加熱して更にドロー加工することにより、第1の低屈折率コア領域214、第1の環状コア領域213、第1の内側クラッド部分225、第1の低屈折率トレンチ224、及び第1の外側クラッド部分223を有する第1のセグメント210と、第2の低屈折率コア領域234、第2の環状コア領域233、第2の内側クラッド部分245、第2の低屈折率トレンチ244、及び第2の外側クラッド部分243を有する第2のセグメント230とを有する、光ファイバを形成する。この手順において、光ファイバを更にドロー加工することで、光ファイバ200の第2のセグメント230の寸法が、第1のセグメント210に比べて低減される。特に、第2の低屈折率コア領域234の寸法は第1の低屈折率コア領域214に対して大幅に小さい。別の実施形態では、光ファイバ200は、第1のセグメント210及び第2のセグメント230を一体に接合することによって形成できる。このような実施形態では、第1のセグメント210の外径D0及び第2のセグメント230の外径d0は、第1のコア部分212、第2のコア部分232、第1のクラッド部分222及び第2のクラッド部分242が上述の属性及び特性を有する限り、互いに概ね等しくすることができる。
再び図4A、10A、及び12Aを参照すると、光ファイバ200を用いて、ガウシアンレーザビームをリング状ビームRSBに変換でき、これは続いてエンドキャップ1000で再成形され、集束すると非円対称ベッセルレーザビームBLBを形成する。これらの実施形態では、ベッセルレーザビームBLBのFD値は少なくとも10である。例えば、FD値は少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、10〜2000、50〜1500、又は100〜1000である。
具体的には、ガウシアンレーザビームGLBは、光ファイバ200の入口端部231に光学的に結合され、また第2のセグメント230を通り、第1のセグメント210に向かって伝播する。ガウシアンレーザビームGLBは、第2の低屈折率コア領域234に入射できる。ガウシアンレーザビームGLBは、低屈折率領域よりも高屈折率領域を通って伝播しようとすることが理解される。また、第2の低屈折率コア領域234が第1の低屈折率コア領域214へと移行するに従って、第2の低屈折率コア領域234の半径が増大するため、第1の低屈折率コア領域214内を伝播するガウシアンレーザビームGLBの強度は低下する。ガウシアンレーザビームGLBが高屈折率領域を通って伝播しようとすることと、第1の低屈折率コア領域214を通って伝播する際にその強度が低下することとによって、ガウシアンレーザビームGLBは第1の低屈折率コア領域214を貫通し、第1の環状コア領域213を通って伝播し、これによってリング状ビームRSBが形成され、光がリング状ビームとして出口端部211を通って光ファイバ200を出る。続いてこのリング状ビームは、出口端部211に隣接するように配置されたエンドキャップ1000に入射して(図3A、3C、3Eを参照)、非軸対称の非ガウシアンレーザビームへと変換される。エンドキャップ1000が、湾曲した出力面、又は集束レンズを形成する出力面を有する場合、あるいはこのようなレンズ(130I、130C)がエンドキャップ1000の出口端部上に直接形成されている、又は取り付けられている場合(図3Eを参照)、非軸対称、非ガウシアンレーザビームは、収束又は集束した非軸対称ベッセルビームへと変換される。より具体的には、エンドキャップ1000は、(軸対称でないため)リング状レーザビーム(RSB)の円対称性を破壊し、リング状レーザビーム(RSB)を、「破壊されたリング」状のビームへと、又は「部分リング」形状のビームへと変換する。いくつかの実施形態では、光ファイバ200の出口端部211を出たリング状レーザビーム(RSB)は、エンドキャップ1000に結合され、続いてエンドキャップ1000によって改変されて非軸対称レーザビームとなり、その後、エンドキャップから出て、自由空間のかさばる光学素子(例えば図3A、3Cに示すような130I、130A)によって集束させられて、非軸対称ベッセルレーザビームBLBを形成する。ガウシアンレーザビームGLBは、レンズ部品を通して(図3A)、直接の突き合わせ結合によって(図示せず)、又は溶融接合によって、光ファイバ200の入口端部231に結合できる。
図4B、9B、10B、10C、11B、12B、及び12Cを参照すると、光ファイバ200’の一実施形態は、移行領域250’で第2のセグメント230’(Gセグメント)に光学的に結合された第1のセグメント210’(Rセグメント)を備える。光ファイバ200’は光ファイバ200と同様であるが、光ファイバ200’のコアは、以下で更に詳細に説明される1つ以上の低屈折率領域Rを含む。
光ファイバ200’のRセグメント(即ちセグメント210’)が図9B、10B、及び10Cに示されている。これはファイバ200のRセグメント(セグメント210)と同様であるが、コア部分212’の第1のコア領域213’は完全な環状ではなく、領域213’の屈折率より低い屈折率を有する材料(例えば純シリカ)の1つ以上の低屈折率領域Rによって、「分割」されている。あるいは、1つ以上の領域Rは、1つ以上の空洞Hである。従って、コア部分部分212’が、隣接する領域113’の屈折率より低い屈折率を有する1つ以上の領域R(例えば純シリカ、又は空洞H)を含むため、第1のコア領域213’は完全な環状ではない。このような実施形態では、第1のコア領域213’はクラッドより高い相対屈折率ΔAC%を有し、「破壊されたリング形状」又は「部分リング」形状を有する。従って、ある断面(A‐A)では、光ファイバ200’のファイバセグメント210’は、図10Bに示す屈折率プロファイルを有し、別の断面(B‐B)では、図10Cに示す屈折率プロファイルを有する。領域R(例えば空洞H)は、コア領域213’の対称性を破壊することにより、ファイバコアを通って伝播するレーザビームの対称性を破壊する。
この実施形態の光ファイバ200’の例示的なGセグメント(セグメント230’)は、図11B、12B、及び12Cに示されており、これらもまた、好ましくは、ファイバ200’のGセグメント(第2のセグメント230’)を通って伝播するガウシアンビームを非円対称とするために、隣接する領域の屈折率より低い屈折率を有する1つ以上の領域R(例えば純シリカ、ダウンドープシリカ、又は空洞H)を含む。よって、ある断面(A‐A)では、光ファイバ200’のファイバセグメント210’は図12Bに示す屈折率プロファイルを有し、別の断面(B‐B)では、図12Cに示す屈折率プロファイルを有する。第2のセグメント230’を通って伝播した非円対称ガウシアンレーザビームGLBは、高屈折率コア部分を通って伝播しようとし、これにより、コア部分232’の高屈折率部分が第1の環状コア領域213’へと移行するに従って、第1の環状コア領域213’へと伝播し、即ちコア部分232’の高屈折率部分に「追従し」、低屈折率材料の領域Rを通る、又はファイバセグメント210’の1つ以上の空洞Hを通る伝播はあまり発生しない。
具体的には、ガウシアンレーザビームGLBは、光ファイバ200’の入口端部231に光学的に結合され、また第2のセグメント230’(Rセグメント)を通り、第1のセグメント210’(Gセグメント)に向かって伝播する。ガウシアンレーザビームGLBは、第2の低屈折率コア領域234’に入射できる。ガウシアンレーザビームGLBは、低屈折率領域よりも高屈折率領域を通って伝播しようとすることが理解される。また、第2の低屈折率コア領域234’が第1の低屈折率コア領域214’へと移行するに従って、第2の低屈折率コア領域234’の半径が増大するため、第1の低屈折率コア領域214’内を伝播するガウシアンレーザビームGLBの一部分の強度は低下する。ガウシアンレーザビームGLBが高屈折率領域を通って伝播しようとすることと、第1の低屈折率コア領域214’を通って伝播する際にその強度が低下することとによって、ガウシアンレーザビームGLBは第1の低屈折率コア領域214’を貫通し、第1のコア領域213’を通って伝播し、これによって非軸対称比ガウシアンレーザビーム(例えば破壊されたリング状のビーム)が形成され、このビームが出口端部211’を通って光ファイバ200’を出る。光ファイバ200’の出口端部211’が湾曲している、及び/又は集束レンズ面を形成する場合、光ファイバ200’は非軸対称(非円対称)ベッセルレーザビームBLBを形成し、ガウシアンレーザビームから非軸対称ベッセルレーザビームへの変換を経たベッセルレーザビームBLBが光ファイバ200’を出る。光ファイバ200’の出口端部211’に供給された非軸対称レーザビームは例えば、自由空間のかさばる光学素子130I、130A(図3Bを参照)、又は光ファイバの出口端部211’に直接形成された(図示せず)、若しくは光ファイバの出口端部211’に取り付けられた(図3F)、レンズを用いて、集束させることができる。
ガウシアンレーザビームGLBは、光ファイバ200’、例えばレンズ部品5Aによって(図3Bを参照)、直接の突き合わせ接合によって、又は溶融接合によって(図3Dを参照)、光ファイバ200’の入口端部231’に結合できる。
しかしながら、いくつかの実施形態では、例えばファイバセグメント210’を移行領域250に接合することによって、ファイバセグメント210’を光ファイバ200のファイバセグメント230に結合してよい。このような実施形態では、ファイバセグメント210’は図9B及び10B、10Cに示されているものと同様であり、一方でファイバセグメント230は、図11A及び12Aに示されているものである。
光ファイバ200’ではなく光ファイバ200を使用する場合、図9B、10B、及び10Cに示されているジオメトリ及び屈折率プロファイルを有する小さなファイバセグメントを、光ファイバ200のセグメント210の端面に取り付けて、光ファイバ200のセグメント210(Rセグメント)を通って伝播する軸対称リング状レーザビームを非軸対称のレーザビームへと変換するためのエンドキャップ1000として利用できることに留意されたい。光ファイバ200又は100を通って伝播するリング状ビームに非対称性を導入する他のエンドキャップ1000を利用してもよい。上述のように、ファイバ200と共に使用されるエンドキャップ1000を通って(又はファイバ200’を通って)伝播した非軸対称ビームは、集束すると非軸対称レーザビーム(例えば非軸対称ベッセルビーム)を形成し、これは非軸対称スポット14をもたらす。
図4C、及び13A〜16Aを参照すると、移行領域350で第2のセグメント330に光学的に結合された第1のセグメント310を有する光ファイバ300の実施形態が示されている。光ファイバ300は、第1のセグメント310の第1のコア部分及び第2のセグメント330の第2のコア部分が、「二重コア(double core)」構成を有することを除いて、光ファイバ200と同様であってよい。特に、第1のセグメント310の第1のコア部分及び第2のセグメント330の第2のコア部分は、環状コア領域内に位置決めされ、かつ低屈折率コア領域によって環状コア領域から隔てられた、中央コア領域を含んでよい。光ファイバ300の少なくとも一部分の側面図が図4Cに示されており、光ファイバ300の第1のセグメント310及び第2のセグメント330の半径方向断面が、それぞれ図13A及び15Aに示されており、第1のセグメント310及び第2のセグメント330に関する対応する相対屈折率プロファイルが、それぞれ図14A及び16Aに示されている。第1のセグメント310(Gセグメント)は第1の外径「D0」を有し、第2のセグメント330(Rセグメント)は第2の外径「d0」を有する(図4C)。第1の外径D0は第2の外径d0より大きい。実施形態では、第1の外径D0は約0.2ミリメートル(mm)〜約5.0mmであってよく、第2の外径d0は約0.1〜約4.5mmであってよく、移行領域350の長さは約0.5mm〜約20mmであってよい。実施形態では、第1の外径D0は約0.4mm〜約1.0mmであり、第2の外径d0は約0.2mm〜約0.9mmであり、移行領域350の長さは約1mm〜約10mmである。他の実施形態では、第1の外径D0は約150μm〜約350μmであり、第2の外径d0は約75μm〜約225μmであり、移行領域350の長さは10mm超である。第2のセグメント330を通って伝播するガウシアンレーザビームGLBは、第1のセグメント310を通って伝播するリング状ビームRSBへと変換される。実施形態では、第1のセグメント310(Gセグメント)、第2のセグメント330(Rセグメント)、及び移行領域350は互いに一体として形成され、光ファイバ300のテーパ比(d0/D0)は、約0.2以上約0.9以下である。他の実施形態では、光ファイバ300のテーパ比は約0.3以上0.9以下である。更に他の実施形態では、光ファイバ300のテーパ比は0.3以上0.8以下である。光ファイバ300の第1のセグメント310(図13A及び14A)は、光ファイバ300の軸中心線2を中央とする第1のコア部分312を有する。第1のコア部分312は第1の環状コア領域313を含んでよい。第1のクラッド部分322は第1のコア部分312の周りに延在してよい。光ファイバ300の第2のセグメント330(図15A及び16A)は、第2のコア部分332を有してよく、第2のコア部分332の少なくとも一部分は、第1のコア部分312に光学的に結合される。第2のクラッド部分342は第2のコア部分332の周りに延在してよい。
図4C、13A、及び14Aを参照すると、図4Cの光ファイバ300の第1のセグメント310(Gセグメント)の半径方向断面が、図13Aに概略図で示されており、断面の中心線に対するこの半径方向断面の相対屈折率が、図14Aにグラフで示されている。第1のセグメント310は一般に、第1のコア部分312及び第1のクラッド部分322を含む。第1のコア部分312は、第1のクラッド部分322内に位置決めされ、第1のクラッド部分322は第1のコア部分312の周りに延在する。第1のコア部分312及び第1のクラッド部分322は概ね同心であってよく、従って、光ファイバ300の第1のセグメント310の断面は、光ファイバ300の第1のコア部分312の中心に関して概ね円対称である。また、第1のコア部分312及び第1のクラッド部分322は、光ファイバ300の第1のコア部分312の中心に関して概ね軸対称であってよい。実施形態では、第1のコア部分312は、第1の環状コア領域313、第1の低屈折率コア領域314、及び第1の中央コア領域315を含んでよい。第1の中央コア領域315は、図14Aに示すように、第1の低屈折率コア領域314によって第1の環状コア領域313から隔てられる。実施形態では、第1の低屈折率コア領域314は、第1の環状コア領域313のすぐ横で第1の環状コア領域313に直接隣接し、第1の中央コア領域315は、第1の低屈折率コア領域314のすぐ横で第1の低屈折率コア領域314に直接隣接する。
いくつかの実施形態では、第1のクラッド部分322は任意に、第1の低屈折率トレンチ324及び第1の外側クラッド部分323を含んでよい。この第1の低屈折率トレンチ324は、第1の外側クラッド部分323内に位置決めされ、また第1の低屈折率トレンチ324は、第1の外側クラッド部分323のすぐ横で、第1の外側クラッド部分323に直接接触してよい。第1の低屈折率トレンチ324が含まれている場合、これは、光ファイバ300の曲げ性能を改善する。即ち、第1の低屈折率トレンチ324は、光ファイバ300をコイル状に巻いた場合に、光ファイバ300内で伝播する光の減衰を低減するため、第1の低屈折率トレンチ324を備えない同様の構造を有する光ファイバに比べて、光ファイバ300を、光ファイバ300内で伝播する光の減衰を増大させることなく、より小さな半径へとコイル状に巻くことが可能となる。
いくつかの実施形態(図示せず)では、第1の低屈折率トレンチ324は、第1のコア部分312のすぐ横で、第1のコア部分312に直接接触してよい。図13A及び14Aに示す実施形態のような他のいくつかの実施形態では、第1の低屈折率トレンチ324は、第1の内側クラッド部分325によって第1のコア部分312から隔てられていてよく、即ち第1の内側クラッド部分325は、第1の低屈折率トレンチ324内において、第1の低屈折率トレンチ324と第1のコア部分312との間に位置決めされる。実施形態では、第1の内側クラッド部分325は、第1の低屈折率トレンチ324及び第1の環状コア領域313のすぐ横で、第1の低屈折率トレンチ324及び第1の環状コア領域313に直接接触する。
第1のセグメント310は、光ファイバ300の軸中心線2からの半径R4を有する。第1のコア部分312は、半径R4より小さな半径R1を有する。第1の中央コア領域315は、半径R00を有する。第1の低屈折率コア領域314は、内半径R00、外半径R0、及び半径方向厚さTLIC=R0−R00を有する。第1の環状コア領域313は、内半径R0、外半径R1、及び半径方向厚さTAC=R1−R0を有する。第1の中央コア領域315、第1の低屈折率コア領域314及び第1の環状コア領域313それぞれの半径R00、R0及びR1は、第1の中央コア領域315、第1の低屈折率コア領域314及び第1の環状コア領域313それぞれの相対屈折率プロファイルの最大勾配に対する接線(図14A)が、基準相対屈折率線ΔOCL%と交差する点において定義される。第1のクラッド部分322は、内半径R1、外半径R4、及び半径方向厚さTCL=R4−R1を有する。第1のクラッド部分322が第1の低屈折率トレンチ324及び第1の外側クラッド部分323を含む実施形態では、第1の低屈折率トレンチ324は、内半径R2、外半径R3、及び半径方向厚さTLIT=R3−R2を有する。第1の外側クラッド部分323は、内半径R3、外半径R4、及び半径方向厚さTOCL=R4−R3を有する。第1の低屈折率トレンチ324が第1のコア部分312のすぐ横で第1のコア部分312に直接接触する実施形態(図示せず)では、第1の低屈折率トレンチ324の内半径R2は、第1のコア部分312の半径R1と等しくなり得る。第1の低屈折率トレンチ324が第1の内側クラッド部分325によって第1のコア部分312から隔てられている実施形態では、第1の内側クラッド部分325は、内半径R1、外半径R2、及び半径方向厚さTICL=R2−R1を有する。
第1のセグメント310の半径R4は、約50μm〜約250μmである。いくつかの実施形態では、第1のセグメント310の半径R4は約100μm〜約150μmである。第1のコア部分312の半径R1は約5μm〜約40μmである。いくつかの実施形態では、半径R1は約10μm〜約35μmである。第1のクラッド部分322の半径方向厚さTCL(R4−R1)は約75μm〜約175μmである。いくつかの実施形態では、半径方向厚さTCLは約85μm〜約150μmである。第1の中央コア領域315の半径R00は約1μm〜約15μmである。いくつかの実施形態では、第1の中央コア領域315の半径R00は約2μm〜約10μmである。第1の低屈折率コア領域314の内半径R00は約1μm〜約15μmであり、外半径R0は約2μm〜約30μmであり、半径方向厚さTLICは約1μm〜約20μmである。いくつかの実施形態では、内半径R00は約2μm〜約10μmであり、外半径R0は約5μm〜約25μmであり、半径方向厚さTLICは約2.5μm〜約17.5μmである。第1の環状コア領域313内半径R0は約2μm〜約30μmであり、外半径R1は約5μm〜約40μmであり、第1の環状コア領域313の半径方向厚さTACは約2μm〜約20μmである。実施形態では、内半径R0は約5μm〜約25μmであり、外半径R1は約10μm〜約35μmであり、半径方向厚さTACは約2.5μm〜約15μmである。第1のクラッド部分322が第1の低屈折率トレンチ324及び第1の外側クラッド部分323を含む実施形態では、第1の低屈折率トレンチ324の内半径R2は約10μm〜約50μmであり、外半径R3は約15μm〜約65μmであり、半径方向厚さTLIT(R3−R2)は約1μm〜約40μmである。実施形態では、内半径R2は約15μm〜約40μmであり、外半径R3は約25μm〜約55μmであり、半径方向厚さTLITは約1μm〜約35μmである。第1の外側クラッド部分323の内半径R3は約15μm〜約65μmであり、外半径R4は約50μm〜約250μmであり、半径方向厚さTOCL(R4−R3)は約50μm〜約150μmである。実施形態では、内半径R3は約25μm〜約55μmであり、外半径R4は約100μm〜約150μmであり、半径方向厚さTOCLは約60μm〜約125μmである。第1の低屈折率トレンチ324が第1の内側クラッド部分325によって第1のコア部分312から隔てられている実施形態では、第1の内側クラッド部分325の内半径R1は約5μm〜約40μmであり、外半径R2は約10μm〜約50μmであり、半径方向厚さTICL(R2−R1)は約1μm〜約15μmである。実施形態では、内半径R1は約10μm〜約35μmであり、外半径R2は約15μm〜約40μmであり、半径方向厚さTICLは約1μm〜約10μmである。
図4C、15A、及び16Aを参照すると、図4Cの光ファイバ300の第2のセグメント330(Rセグメント)の半径方向断面が、図15Aに概略図で示されており、断面の中心線に対するこの半径方向断面の相対屈折率が、図16Aにグラフで示されている。第2のセグメント330は一般に、第2のコア部分332及び第2のクラッド部分342を含む。第2のコア部分332は、第2のクラッド部分342内に位置決めされ、第2のクラッド部分342は第2のコア部分332の周りに延在する。第2のコア部分332及び第2のクラッド部分342は概ね同心であってよく、従って、光ファイバ300の第2のセグメント330の断面は、光ファイバ300の第2のコア部分332の中心に関して概ね円対称である。また、第2のコア部分332及び第2のクラッド部分342は、光ファイバ300の第2のコア部分332の中心に関して概ね軸対称であってよい。いくつかの実施形態では、第2のコア部分332は、第2の環状コア領域333、第2の低屈折率コア領域334、及び第2の中央コア領域335を含んでよい。第2の低屈折率コア領域334は第2の環状コア領域333内に位置決めされ、第2の中央コア領域335は第2の低屈折率コア領域334内に位置決めされる。第2の中央コア領域335は、図15Aに示すように、第2の低屈折率コア領域334によって第2の環状コア領域333から隔てられる。いくつかの実施形態では、第2の低屈折率コア領域334は、第2の環状コア領域333のすぐ横で第2の環状コア領域333に直接接触し、第2の中央コア領域335は、第2の低屈折率コア領域334のすぐ横で第2の低屈折率コア領域334に直接接触する。
いくつかの実施形態では、第2のクラッド部分342は任意に、第2の低屈折率トレンチ344及び第2の外側クラッド部分343を含んでよい。第2の低屈折率トレンチ344は、第2の外側クラッド部分343内に位置決めされ、また第2の低屈折率トレンチ344は、第2の外側クラッド部分343のすぐ横で、第2の外側クラッド部分343に直接接触してよい。第2の低屈折率トレンチ344が含まれている場合、これは、光ファイバ300の曲げ性能を改善する。即ち、第2の低屈折率トレンチ344は、光ファイバ300をコイル状に巻いた場合に、光ファイバ300内で伝播する光の減衰を低減するため、第2の低屈折率トレンチ344を備えない同様の構造を有する光ファイバに比べて、光ファイバ300を、光ファイバ300内で伝播する光の減衰を増大させることなく、より小さな半径へとコイル状に巻くことが可能となる。光ファイバ300の第1のセグメント310が第1の低屈折率トレンチ324を含む場合、光ファイバ300の第2のセグメント330は第2の低屈折率トレンチ344を含むことになり、またその逆でもあることを理解されたい。
いくつかの実施形態(図示せず)では、第2の低屈折率トレンチ344は、第2のコア部分332のすぐ横で、第2のコア部分332に直接接触してよい。他のいくつかの実施形態では、第2の低屈折率トレンチ344は、図15A及び16Aに示すように、第2の内側クラッド部分345によって第2のコア部分332から隔てられていてよい。即ち第2の内側クラッド部分345は、第2の低屈折率トレンチ344内に位置決めされ、また第2の低屈折率トレンチ344と第2のコア部分332との間に位置決めされる。実施形態では、第2の内側クラッド部分345は、第2の低屈折率トレンチ344及び第2のコア部分333のすぐ横で、第2の低屈折率トレンチ344及び第2の環状コア領域333に直接接触する。
図4C及び13A〜16Aを参照して、移行領域350を介して、第1のコア部分312は第2のコア部分332に光学的に結合され、第1のクラッド部分322は第2のクラッド部分342に光学的に結合されることを理解されたい。特に、移行領域350を介して、第1の中央コア領域315は第2の中央コア領域335に光学的に結合され、第1の低屈折率コア領域314は第2の低屈折率コア領域334に光学的に結合され、第1の環状コア領域313は第2の環状コア領域333に光学的に結合され、第1の外側クラッド部分323は第2の外側クラッド部分343に光学的に結合され、第1の低屈折率トレンチ324は第2の低屈折率トレンチ344に光学的に結合され、第1の内側クラッド部分325は第2の内側クラッド部分345に光学的に結合される。
第2のセグメント330は、光ファイバ300の軸中心線2からの半径r4を有する。第2のコア部分332は、半径r4より小さな半径r1を有する。第2の中央コア領域335は半径r00を有する第2の低屈折率コア領域334は、内半径r00、外半径r0、及び半径方向厚さtlic=r0−R00を有する。第2の環状コア領域333は、内半径r0、外半径r1、及び半径方向厚さtac=r1−r0を有する。第2の中央コア領域335、第2の低屈折率コア領域334及び第2の環状コア領域333の半径r00、r0及びr1は、それぞれ第2の中央コア領域335、第2の低屈折率コア領域334及び第2の環状コア領域333の相対屈折率プロファイルの最大勾配に対する接線(図16A)が、基準相対屈折率線Δocl%と交差する点において定義される。第2のクラッド部分342は、内半径r1、外半径r4、及び半径方向厚さtcl=r4−r1を有する。第2のクラッド部分342が第2の低屈折率トレンチ344及び第2の外側クラッド部分343を含む実施形態では、第2の低屈折率トレンチ344は、内半径r2、外半径r3、及び半径方向厚さtlit=r3−r2を有する。第2の外側クラッド部分343は、内半径r3、外半径r4、及び半径方向厚さtocl=r4−r3を有する。第2の低屈折率トレンチ344が第2のコア部分332のすぐ横で第2のコア部分332に直接接触する実施形態(図示せず)では、第2の低屈折率トレンチ344の内半径r2は、第2のコア部分332の半径r1と等しくなり得る。第2の低屈折率トレンチ344が第2の内側クラッド部分345によって第2のコア部分332から隔てられている実施形態では、第2の内側クラッド部分345は、内半径r1、外半径r2、及び半径方向厚さticl=r2−r1を有する。
第2のセグメント330の半径r4は、約30μm〜約80μmである。いくつかの実施形態では、第2のセグメント330の半径r4は約40μm〜約70μmである。第2のコア部分332の半径r1は約3μm〜約20μmである。いくつかの実施形態では、半径r1は約5μm〜約17.5μmである。第2のクラッド部分342の半径方向厚さtcl(r4−r1)は約25μm〜約70μmである。いくつかの実施形態では、半径方向厚さtclは約35μm〜約60μmである。第2の中央コア領域335の半径r00は約0.5μm〜約7.5μmである。いくつかの実施形態では、第2の中央コア領域335の半径r00は約1μm〜約5μmである。第2の低屈折率コア領域334の内半径r00は約0.5μm〜約7.5μmであり、外半径r0は約2μm〜約15μmであり、半径方向厚さtlicは約1μm〜約10μmである。いくつかの実施形態では、内半径r00は約1μm〜約5μmであり、外半径r0は約3μm〜約12μmであり、半径方向厚さtlicは約2μm〜約7.5μmである。第2の環状コア領域333の内半径r0は約2μm〜約15μmであり、外半径r1は約3μm〜約20μmであり、第2の環状コア領域333の半径方向厚さtacは約1μm〜約10μmである。いくつかの実施形態では、内半径r0は約3μm〜約12μmであり、外半径r1は約5μm〜約17.5μmであり、半径方向厚さtacは約2μm〜約7μmである。第2のクラッド部分342が第2の低屈折率トレンチ344及び第2の外側クラッド部分343を含む実施形態では、第2の低屈折率トレンチ344の内半径r2は約5μm〜約25μmであり、外半径r3は約7μm〜約30μmであり、半径方向厚さtlit(r3−r2)は約1μm〜約20μmである。いくつかの実施形態では、内半径r2は約7μm〜約20μmであり、外半径r3は約10μm〜約25μmであり、半径方向厚さtlitは約1μm〜約15μmである。第2の外側クラッド部分343の内半径r3は約7μm〜約30μmであり、外半径r4は約30μm〜約80μmであり、半径方向厚さtocl(r4−r3)は約20μm〜約70μmである。いくつかの実施形態では、内半径r3は約10μm〜約25μmであり、外半径r4は約40μm〜約70μmであり、半径方向厚さtoclは約25μm〜約65μmである。第2の低屈折率トレンチ344が第2の内側クラッド部分345によって第2のコア部分332から隔てられている実施形態では、第2の内側クラッド部分345の内半径r1は約3μm〜約20μmであり、外半径r2は約5μm〜約25μmであり、半径方向厚さticl(r2−r1)は約1μm〜約7.5μmである。実施形態では、内半径r1は約5μm〜約17.5μmであり、外半径r2は約7μm〜約20μmであり、半径方向厚さticlは約1μm〜約5μmである。
第1のセグメント310の第1の中央コア領域315は屈折率nCC及び相対屈折率ΔCC%を有し、第2のセグメント330の第2の中央コア領域335は屈折率ncc及び相対屈折率Δcc%を有する。実施形態では、第1の中央コア領域315及び第2の中央コア領域335は同一の材料から作製され、相対屈折率ΔCC%は相対屈折率Δcc%に略等しい(即ちΔCC%=Δcc%)。相対屈折率ΔCC%及び相対屈折率Δcc%は約0.0%〜約0.5%である。実施形態では、相対屈折率ΔCC%及び相対屈折率Δcc%は約0.1%〜約0.4%である。
第1のセグメント310の第1の低屈折率コア領域314は、屈折率nLIC及び相対屈折率ΔLIC%を有し、第2のセグメント330の第2の低屈折率コア領域334は、屈折率nlic及び相対屈折率Δlic%を有する。実施形態では、第1の低屈折率コア領域314及び第2の低屈折率コア領域334は同一の材料から作製され、相対屈折率ΔLIC%は相対屈折率Δlic%に略等しい(即ちΔLIC%=Δlic%)。相対屈折率ΔLIC%及び相対屈折率Δlic%は約0.2%〜約−1.0%である。実施形態では、相対屈折率ΔLIC%及び相対屈折率Δlic%は約0.1%〜約−0.5%である。
第1の環状コア領域313は屈折率nAC及び相対屈折率ΔAC%を有し、第2の環状コア領域333は屈折率nac及び相対屈折率Δac%を有する。実施形態では、第1の環状コア領域313及び第2の環状コア領域333は同一の材料から作製され、相対屈折率ΔAC%は相対屈折率Δac%に略等しい(即ちΔAC%=Δac%)。相対屈折率ΔAC%及び相対屈折率Δac%は、それぞれ相対屈折率ΔLIC%及び相対屈折率Δlic%よりも大きい(即ちΔAC%>ΔLIC%;Δac%>Δlic%)。いくつかの実施形態では、相対屈折率ΔAC%は相対屈折率ΔCC%より大きく(即ちΔAC%>ΔCC%)、相対屈折率Δac%は相対屈折率Δcc%より大きい(即ちΔac%>Δcc%)。他の実施形態では、相対屈折率ΔAC%は相対屈折率ΔCC%に略等しく(即ちΔAC%=ΔCC%)、相対屈折率Δac%は相対屈折率Δcc%に略等しい(即ちΔac%=Δcc%)。第1の低屈折率コア領域314及び第2の低屈折率コア領域334が同一の材料から作製される実施形態では、第1の環状コア領域313及び第2の環状コア領域333は同一の材料から作製され、ΔAC%>Δlic%及びΔac%>ΔLIC%となる。相対屈折率ΔAC%及び相対屈折率Δac%は、約0.2%〜約2.0%である。実施形態では、相対屈折率ΔAC%及び相対屈折率Δac%は、約0.3%〜約0.75%である。
第1のクラッド部分322は、屈折率nCLと、純シリカガラスに対する相対屈折率ΔCL%とを有する。第1のクラッド部分322の屈折率nCLは、光ファイバ300の第1のセグメント310の他のガラス部分の相対屈折率のための基準として使用できる。第1のクラッド部分322が第1の外側クラッド部分323、第1の低屈折率トレンチ324、及び(任意に)第1の内側クラッド部分325を含む実施形態では、光ファイバ300の第1のセグメント310の他のガラス部分の相対屈折率は、本明細書中で更に詳細に説明するように、第1の外側クラッド部分323に対して決定される。
第1のクラッド部分322が第1の内側クラッド部分325及び第1の低屈折率トレンチ324を含む実施形態では、第1の内側クラッド部分325は屈折率nICL及び相対屈折率ΔICL%を有し、第1の低屈折率トレンチ324は屈折率nLIT及び相対屈折率ΔLIT%を有する。図14Aに概略的に図示されているように、相対屈折率ΔICL%は一般に相対屈折率ΔLIT%より大きく、一般に相対屈折率ΔAC%より小さい(即ちΔAC%>ΔICL%>ΔLIT%)。相対屈折率ΔICL%は約−0.1%〜約0.1%であり、相対屈折率ΔLIT%は約−0.1%〜約−1.0%である。実施形態では、相対屈折率ΔICL%は約−0.05%〜約0.05%であり、相対屈折率ΔLIT%は約−0.3%〜約−0.5%である。
第2のクラッド部分342は、屈折率nclと、純シリカガラスに対する相対屈折率Δcl%とを有する。第2のクラッド部分342の屈折率nclは、光ファイバ300の第2のセグメント330の他のガラス部分の相対屈折率のための基準として使用できる。第2のクラッド部分342が第2の外側クラッド部分343、第2の低屈折率トレンチ344、及び(任意に)第2の内側クラッド部分345を含む実施形態では、光ファイバ300の第2のセグメント330の他のガラス部分の相対屈折率は、本明細書中で更に詳細に説明するように、第2の外側クラッド部分343に対して決定される。
第2のクラッド部分342が第2の内側クラッド部分345及び第2の低屈折率トレンチ344を含む実施形態では、第2の内側クラッド部分345は屈折率nicl及び相対屈折率Δicl%を有し、第2の低屈折率トレンチ344は屈折率nlit及び相対屈折率Δlit%を有する。図16Aに概略的に図示されているように、相対屈折率Δicl%は一般に相対屈折率Δlit%より大きく、一般に相対屈折率相対屈折率Δac%より小さい(即ちΔac%>Δicl%>Δlit%)。実施形態では、第2の内側クラッド部分345は第1の内側クラッド部分325と同一の材料から作製され、第2の低屈折率トレンチ344は第1の低屈折率トレンチ324と同一の材料から作製される。従って、相対屈折率nicl及び相対屈折率nlitはそれぞれ、相対屈折率nICL及び相対屈折率nLITに略等しくなり得(即ちnicl=nICL;nlit=nLIT)、また相対屈折率Δicl%及び相対屈折率Δlit%はそれぞれ、相対屈折率ΔICL%及び相対屈折率ΔLIT%に略等しくなり得る(即ちΔicl%=ΔICL%;Δlit%=ΔLIT%)。例えば、相対屈折率Δicl%は約−0.1%〜約0.1%であってよく、相対屈折率Δlit%は約−0.1%〜約−1.0%であってよい。実施形態では、相対屈折率Δicl%は約−0.05%〜約0.05%であってよく、相対屈折率Δlit%は約−0.3%〜約−0.5%であってよい。
第1のクラッド部分322が第1の外側クラッド部分323を含む実施形態では、第1の外側クラッド部分323は屈折率nOCL及び相対屈折率ΔOCL%を有する。これらの実施形態では、相対屈折率ΔOCL%は、光ファイバ300の第1のセグメント310の他のガラス部分の相対屈折率を決定するための基準として使用できる。本明細書に記載の実施形態では、第1の外側クラッド部分323の相対屈折率ΔOCL%は、第1の低屈折率トレンチ324の相対屈折率ΔLIT%より大きい(即ちΔOCL%>ΔLIT%)。いくつかの実施形態では、第1の内側クラッド部分325が、第1の内側クラッド部分325の屈折率nICLを第1の外側クラッド部分323の屈折率nOCLに対して低下させる1つ以上のダウンドーパントでドープされたシリカガラスを含む場合等には、第1の外側クラッド部分323の相対屈折率ΔOCL%は、第1の内側クラッド部分325の相対屈折率ΔICL%より大きくなり得る。他の実施形態では、第1の外側クラッド部分323の相対屈折率ΔOCL%は、第1の内側クラッド部分325の相対屈折率ΔICL%と略等しくてよい。このような実施形態では、第1の外側クラッド部分323の組成は、ΔOCL%=ΔICL%でありさえすれば、第1の内側クラッド部分325の組成と同一であっても、第1の内側クラッド部分325の組成と異なっていてもよい。以上に基づいて、第1の外側クラッド部分323の相対屈折率ΔOCL%が、第1の内側クラッド部分325の相対屈折率ΔICL%より大きいか、又はこれに略等しいことを理解されたい。
第2のクラッド部分342が第2の外側クラッド部分343を含む実施形態では、第2の外側クラッド部分343は屈折率nocl及び相対屈折率Δocl%を有する。従って相対屈折率Δocl%は、光ファイバ300の第2のセグメント330の他のガラス部分の相対屈折率のための基準として使用できる。本明細書に記載の実施形態では、第2の外側クラッド部分343の相対屈折率Δocl%は、第2の低屈折率トレンチ344の相対屈折率Δlit%より大きい(即ちΔocl%>Δlit%)。いくつかの実施形態では、第2の内側クラッド部分345が、第2の内側クラッド部分345の屈折率niclを第2の外側クラッド部分343の屈折率noclに対して低下させる1つ以上のダウンドーパントでダウンドープされたシリカガラスを含む場合等には、第2の外側クラッド部分343の相対屈折率Δocl%は、第2の内側クラッド部分345の相対屈折率Δicl%より大きくてよい。他の実施形態では、第2の外側クラッド部分343の相対屈折率Δocl%は、第2の内側クラッド部分345の相対屈折率Δicl%と略等しくてよい。このような実施形態では、第2の外側クラッド部分343の組成は、Δocl%=Δicl%でありさえすれば、第2の内側クラッド部分345の組成と同一であっても、第2の内側クラッド部分345の組成と異なっていてもよい。以上に基づいて、第2の外側クラッド部分343の相対屈折率Δocl%が、第2の内側クラッド部分345の相対屈折率Δicl%より大きいか、又はこれに略等しいことを理解されたい。実施形態では、第2の外側クラッド部分343は第1の外側クラッド部分323と同一の材料から作製され、従って第2の外側クラッド部分343の屈折率noclは、第1の外側クラッド部分323の屈折率nOCLと略等しくなり得(即ちnocl=nOCL)、また第2の外側クラッド部分343の相対屈折率Δocl%は、第1の外側クラッド部分323の相対屈折率ΔOCL%と略等しくなり得る(即ちΔocl%=ΔOCL%=0)。
第1のセグメント310の第1の中央コア領域315、及び第2のセグメント330の第2の中央コア領域335は、シリカガラスの屈折率を上昇させる1つ以上のアップドーパント、例えば限定するものではないが、Ge、Ti、Al、Cl、P、GeO2、例えTiO2、P2O5、これらの組み合わせ等を含む、シリカガラスを含む実施形態では、第1の中央コア領域315及び第2の中央コア領域335のうちの少なくとも一方は、約3重量%〜約17重量%のGeO2を含有する。他のいくつかの実施形態では、第1の中央コア領域315及び第2の中央コア領域335のうちの少なくとも一方は、約5重量%〜約13重量%のGeO2を含有する。実施形態では、第1の中央コア領域315及び第2の中央コア領域335は同一の材料から作製され、第1の中央コア領域315中のドーパント濃度は、第2の中央コア領域335中のドーパント濃度と略等しい。
第1のセグメント310の第1の低屈折率コア領域314及び第2のセグメント330の第2の低屈折率コア領域334は、シリカガラスの屈折率を低下させる、限定するものではないが例えばF、B、これらの組み合わせ等の1つ以上のダウンドーパントを含むシリカガラスを含む。実施形態では、第1の低屈折率コア領域314及び第2の低屈折率コア領域334のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約2.5重量%の濃度で含む。いくつかの実施形態では、第1の低屈折率コア領域314及び第2の低屈折率コア領域334のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。他のいくつかの実施形態では、第1の低屈折率コア領域314及び第2の低屈折率コア領域334のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約1.5重量%の濃度で含む。更に他の実施形態では、第1の低屈折率コア領域314及び第2の低屈折率コア領域334のうちの少なくとも一方は、Fを約0.5重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。また更に他の実施形態では、第1の低屈折率コア領域314及び第2の低屈折率コア領域334のうちの少なくとも一方は、Fを約0.7重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。
第1のセグメント310の第1の環状コア領域313、及び第2のセグメント330の第2の環状コア領域333は、シリカガラスの屈折率を上昇させる1つ以上のアップドーパント、例えば限定するものではないが、Ge、Ti、Al、Cl、P、GeO2、例えTiO2、P2O5、これらの組み合わせ等を含む、シリカガラスを含む。実施形態では、第1の環状コア領域313及び第2の環状コア領域333のうちの少なくとも一方は、約3重量%〜約17重量%のGeO2を含有する。他のいくつかの実施形態では、第1の環状コア領域313及び第2の環状コア領域333のうちの少なくとも一方は、約5重量%〜約13重量%のGeO2を含有する。実施形態では、第1の環状コア領域313及び第2の環状コア領域333は同一の材料から作製され、第1の環状コア領域313中のドーパント濃度は、第2の環状コア領域333中のドーパント濃度と略等しい。
第1のセグメント310の第1の内側クラッド部分325、及び第2のセグメント330の第2の内側クラッド部分345は、純シリカガラス、シリカガラスの屈折率を上昇させる1つ以上のアップドーパントを含むシリカガラス、又はシリカガラスの屈折率を低下させる1つ以上のダウンドーパントを含むシリカガラスを含んでよい。好適なアップドーパントの非限定的な例としては、Ge、Ti、Al、Cl、P、GeO2、TiO2、P2O5、これらの組み合わせ等が挙げられる。実施形態では、第1の内側クラッド部分325及び第2の内側クラッド部分345のうちの少なくとも一方は、アップドーパントとしてClを含有する。好適なダウンドーパントの非限定的な例としては、F、B、これらの組み合わせ等が挙げられる。実施形態では、第1の内側クラッド部分325及び第2の内側クラッド部分345のうちの少なくとも一方は、ダウンドーパントとしてFを含有する。
式(32)及び(33)に関連して上述したように、光ファイバの特定のガラス部分の半径方向厚さは、この特定のガラス部分の相対屈折率と相関し得る。本明細書に記載の実施形態では、第1の低屈折率トレンチ324のトレンチ容積VLITは、約80%‐μm2以上、例えば約100%‐μm2以上であってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積VLITは約110%‐μm2以上、又は約120%‐μm2以上でさえあってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積VLITは約80%‐μm2かつ約220%‐μm2以下であってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積VLITは約100%‐μm2以上かつ約200%‐μm2以下であってよい。更に他の実施形態では、トレンチ容積プロファイルVLITは約110%‐μm2以上かつ約180%‐μm2以下であってよい。
本明細書に記載の実施形態では、第2の低屈折率トレンチ344のトレンチ容積vlitは、約40%‐μm2以上、例えば約50%‐μm2以上であってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積vlitは約55%‐μm2以上、又は約60%‐μm2以上でさえあってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積vlitは約40%‐μm2以上かつ約110%‐μm2以下であってよい。いくつかの実施形態では、トレンチ容積vlitは約50%‐μm2以上かつ約100%‐μm2以下であってよい。更に他の実施形態では、トレンチ容積プロファイルvlitは約55%‐μm2以上かつ約90%‐μm2以下であってよい。
本明細書に記載の光ファイバの実施形態では、第1の低屈折率トレンチ324、第2の低屈折率トレンチ344、又は第1の低屈折率トレンチ324及び第2の低屈折率トレンチ344の両方は、シリカガラスの屈折率を低下させる1つ以上のダウンドーパントを含むシリカガラスを含む。ダウンドーパントの非限定的な例としては、F、B、これらの組み合わせ等が挙げられる。実施形態では、第1の低屈折率トレンチ324及び第2の低屈折率トレンチ344のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約2.5重量%の濃度で含む。いくつかの実施形態では、第1の低屈折率トレンチ324及び第2の低屈折率トレンチ344のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。他の実施形態では、第1の低屈折率トレンチ324及び第2の低屈折率トレンチ344のうちの少なくとも一方は、Fを約0.1重量%〜約1.5重量%の濃度で含む。更に他の実施形態では、第1の低屈折率トレンチ324及び第2の低屈折率トレンチ344のうちの少なくとも一方は、Fを約0.5重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。また更に他の実施形態では、第1の低屈折率トレンチ324及び第2の低屈折率トレンチ344のうちの少なくとも一方は、Fを約0.7重量%〜約1.8重量%の濃度で含む。
いくつかの実施形態では、第1の低屈折率コア領域314の相対屈折率ΔLIC%、第1の低屈折率トレンチ324の相対屈折率ΔLIT%、第2の低屈折率コア領域334の相対屈折率Δlic%、及び第2の低屈折率トレンチ344の相対屈折率Δlit%のうちの少なくとも一方は、第1の低屈折率コア領域314、第1の低屈折率トレンチ324、第2の低屈折率コア領域334、及び第2の低屈折率トレンチ344のうちの対応する少なくとも一方のシリカガラスを、シリカガラス全体に非周期的に配置された、又は周期的に配置された、又はその両方である空所を有するように形成することによって達成される。これらの空所は光ファイバ300の長さに沿って(即ち長手方向軸に対して平行に)引き伸ばされる(伸長する)が、ファイバ全体の全長に延在することはない。理論によって束縛されることを望むものではないが、空所は、光ファイバの長さに沿って数メートル未満、多くの場合は1メートル未満だけ延在する。本明細書で開示される光ファイバは、固化したガラスブランク中にかなりの量の気体が閉じ込められることにより、固化したガラスの光ファイバプリフォーム中に空所が形成されるようにするために効果的なプリフォーム固化条件を利用する方法によって作製できる。これらの空所を除去するためのステップを実施するのではなく、得られたプリフォームを用いて、中に空所を有する光ファイバを形成する。いくつかの実施形態では、これらの空所は、アルゴン、クリプトン、CO2、SO2、O2、又はこれらの混合物といった1つ以上の気体を内包してよい。他のいくつかの実施形態では、空所は気体を実質的に含まない。気体の存在又は不在にかかわらず、第1の低屈折率コア領域314の屈折率nLIC、第1の低屈折率トレンチ324の屈折率nLIT、第2の低屈折率コア領域334の屈折率nlic、及び第2の低屈折率トレンチ344の屈折率nlitのうちの少なくとも1つは、空所の存在によって低下する。あるいは、又は更に、第1の低屈折率コア領域314の屈折率nLIC、第1の低屈折率トレンチ324の屈折率nLIT、第2の低屈折率コア領域334の屈折率nlic、及び第2の低屈折率トレンチ344の屈折率nlitのうちの少なくとも1つは、空所の非周期的な分布、周期的な分布、又は非周期的な分布及び周期的な分布の両方を伴うダウンドープシリカガラスを形成することによって、低下する。
第1の低屈折率トレンチ324の相対屈折率ΔLIT%は、第1の内側クラッド部分325の相対屈折率ΔICL%未満であり(即ちΔLIT%<ΔICL%)、また第1の外側クラッド部分323の相対屈折率ΔOCL%未満である(即ちΔLIT%<ΔOCL%)。いくつかの実施形態では、相対屈折率ΔICL%は相対屈折率ΔOCL%に略等しく、またΔLIT%<ΔICL%=ΔOCL%である。他の実施形態では、相対屈折率ΔICL%は相対屈折率ΔOCL%未満であり、またΔLIT%<ΔICL%<ΔOCL%である。
第2の低屈折率トレンチ344の相対屈折率Δlit%は、第2の内側クラッド部分345の相対屈折率Δicl%未満であり(即ちΔlit%<Δicl%)、また第2の外側クラッド部分343の相対屈折率Δocl%未満である(即ちΔlit%<Δocl%)。いくつかの実施形態では、相対屈折率Δicl%は相対屈折率Δocl%に略等しく、またΔlit%<Δicl%=Δocl%である。他の実施形態では、相対屈折率Δicl%は相対屈折率Δocl%未満であり、またΔlit%<Δicl%<Δocl%である。第2の低屈折率トレンチ344、第2の内側クラッド部分345、及び第2の外側クラッド部分343が、それぞれ第1の低屈折率トレンチ324、第1の内側クラッド部分325、及び第1の外側クラッド部分323と同一の材料から作製される実施形態では、相対屈折率Δlit%は相対屈折率ΔLIT%に略等しくなり得(即ちΔlit%=ΔLIT%)、相対屈折率Δicl%は相対屈折率ΔICL%に略等しくなり得(即ちΔicl%=ΔICL%)、相対屈折率Δocl%は相対屈折率ΔOCL%に略等しくなり得る(即ちΔocl%=ΔOCL%)ことを理解されたい。
第1のセグメント310の第1の外側クラッド部分323、及び第2のセグメント330の第2の外側クラッド部分343は、純シリカガラス、シリカガラスの屈折率を上昇させる1つ以上のアップドーパントを含むシリカガラス、又はシリカガラスの屈折率を低下させる1つ以上のダウンドーパントを含むシリカガラスを含んでよい。好適なアップドーパントの非限定的な例としては、Ge、Ti、Al、Cl、P、GeO2、TiO2、P2O5、これらの組み合わせ等が挙げられる。実施形態では、第1の外側クラッド部分323及び第2の外側クラッド部分343のうちの少なくとも一方は、アップドーパントとしてClを含有する。好適なダウンドーパントの非限定的な例としては、F、B、これらの組み合わせ等が挙げられる。実施形態では、第1の外側クラッド部分323及び第2の外側クラッド部分343のうちの少なくとも一方は、ダウンドーパントとしてFを含有する。
本明細書に記載の光ファイバ300の様々な実施形態は、第1の低屈折率トレンチ324を第1のクラッド部分322内に組み込み、また第2の低屈折率トレンチ344を第2のクラッド部分342内に組み込むことによって、曲げ性能が改善されている。光ファイバ300のマクロ曲げ性能は、上述のようにFOTP‐62(JEC‐60793‐1‐47)に従って決定できる。
本明細書に記載の実施形態では、光ファイバ300は、所望の構造を有するファイバプリフォームを作製するための従来のファイバ製造プロセスを用いて製造される。ファイバプリフォームを作製するために使用されるプロセスの非限定的な例としては、外側蒸着(outside vapor deposition:OVD)、改良型化学蒸着(modified chemical vapor deposition:MCVD)、物理化学蒸着(physical chemical vapor deposition:PCVD)等が挙げられる。ファイバプリフォームの形成後、ファイバプリフォームを、第1のセグメント310(Gセグメント)の寸法を有するファイバへとドロー加工する。第1のセグメント310の寸法を有するファイバをクランプで把持して、ファイバの一部分を、第2のセグメント330(Rセグメント)の寸法へと更に下向きにドロー加工し、ここで第1のセグメント310と第2のセグメント330との間には移行領域350が位置決めされる。
例えば一実施形態では、まず、光ファイバ300が第1の中央コア領域315、第1の低屈折率コア領域314、第1の環状コア領域313、第1の内側クラッド部分325、第1の低屈折率トレンチ324、及び第1の外側クラッド部分323を最初に有するように、光ファイバ300を形成してよい。次に光ファイバ300をクランプで把持して、ファイバの一部分を加熱して更にドロー加工することにより、第1の中央コア領域315、第1の低屈折率コア領域314、第1の環状コア領域313、第1の内側クラッド部分325、第1の低屈折率トレンチ324、及び第1の外側クラッド部分323を有する第1のセグメント310と、第2の中央コア領域335、第2の低屈折率コア領域334、第2の環状コア領域333、第2の内側クラッド部分345、第2の低屈折率トレンチ344、及び第2の外側クラッド部分343を有する第2のセグメント330とを有する、光ファイバを形成する。この手順において、光ファイバを更にドロー加工することで、光ファイバ300の第2のセグメント330の寸法が、第1のセグメント310に比べて低減される。特に、第2の中央コア領域335の寸法は第1の中央コア領域315に対して大幅に小さい。
図4C、14A、及び16Aを参照すると、ガウシアンレーザビームGLBは、光ファイバ300の入口端部311に光学的に結合され、第1のセグメント310を通って第2のセグメント330に向かって伝播する。具体的には、ガウシアンレーザビームGLBは第1の中央コア領域315に導入され、第1のセグメント310を通って移行領域350内へと伝播する。ガウシアンレーザビームGLBが移行領域350を通って第2のセグメント330内へと伝播する際、第2の中央コア領域335の低減されたサイズでは、ガウシアンレーザビームGLBの伝播をサポートできず、ガウシアンレーザビームGLBはその代わりに第2の環状コア領域333内を伝播し、これによってガウシアンレーザビームGLBはリング状レーザビーム(RSB)に変換される。リング状レーザビームは、第2のセグメント330を通って第2の環状コア領域333内に伝播する。実施形態では、図14Aに示すように、ガウシアンレーザビームGLBの光パワーの一部分は、第2のセグメント330の第2の中央コア領域335内に維持される。第2の中央コア領域335内に維持されたガウシアンレーザビームGLBの一部分は、第1のセグメント310の第1の中央コア領域315を通って伝播したガウシアンレーザビームGLBの10%未満であってよい。実施形態では、第2の中央コア領域335内に維持されたガウシアンレーザビームGLBの一部分は、第1のセグメント310の第1の中央コア領域315を通って伝播したガウシアンレーザビームGLBの10%未満であってよい。リング状レーザビームRSBは、出口端部331を通って光ファイバ300を出る。ガウシアンレーザビームGLBは、レンズ系を通して(図示せず)、直接の突き合わせ結合によって(図示せず)、又は溶融接合によって(図示せず)、光ファイバ300の入口端部311に結合できる。光ファイバ300の出口端部331に入射したリング状レーザビームは、自由空間のかさばる光学素子(図示せず)、又は出口端部331に直接形成された若しくは取り付けられたファイバレンズ(図示せず)を用いて、集束させることができる。実施形態では、第2の中央コア領域335内に維持されたガウシアンレーザビームGLBの一部分は、塗料を用いて出口端部331において第2の中央コア領域335を被覆すること、出口端部331において第2の中央コア領域335にアパーチャを形成すること等によって、出口端部331を出ないようにブロックできる。
図4D、並びに13B、14B、14C、15B、16B、及び16Cを参照すると、移行領域350’で第2のセグメント330’(Rセグメント)に光学的に結合された第1のセグメント310’(Gセグメント)を有する光ファイバ300’の一実施形態が図示されている。光ファイバ300’は上述の光ファイバ300と同様であるが、光ファイバ300’のコアは、以下で更に詳細に説明するように、1つ以上の低屈折率領域Rを(例えば第2のコア領域333’内に)含む。第2のセグメント330’を通って第2の環状コア領域333’内を伝播するレーザビームは円対称でないため、光ファイバ300の第2のセグメント330を通って第2の環状コア領域333内を伝播するリング状ビームとは形状が異なる。
光ファイバ300’のRセグメント(セグメント330’)が図15B、16B、及び16Cに示されている。光ファイバ300’のRセグメント(セグメント330’)は、上述のようなファイバ300のRセグメント(セグメント330)と同様であるが、ファイバ300’のコア部分332’は円対称でない。より具体的には、コア部分332’は、領域333’の屈折率より低い屈折率を有する1つ以上の領域R(例えば純シリカ、ダウンドープシリカ、又は1つ以上の空洞H)によって中断されている。このような実施形態では、第1のコア領域333’はクラッドより高い相対屈折率ΔAC%を有するが、不連続であり、即ち「破壊されたリング形状」又は「部分リング」形状を有する。よって、ある断面(A‐A)では、ファイバセグメント330’は図16Bに示す屈折率プロファイルを有し、別の断面(断面(B‐B))では、図16Cに示す屈折率プロファイルを有する。空洞H又は領域Rは、コア領域332’の対称性を破壊して、ファイバコアを通って伝播するレーザビームの対称性を破壊する。
光ファイバ300’の一実施形態は、移行領域350’で第2のセグメント230’(Rセグメント)に光学的に結合された第1のセグメント310’(Gセグメント)を備える。この実施形態の光ファイバ300’の例示的なGセグメント(第1のセグメント310’)は、図13B、14B、及び14Cに図示されており、これもまた、好ましくは、隣接する第1のコア領域313’の屈折率より低い屈折率を有する(即ちクラッドに対する相対屈折率がΔAC%より低い)1つ以上の領域R(例えば純シリカ、ダウンドープシリカ、又は空洞H)を含む。第1のセグメント310’のある断面(A‐A)における屈折率プロファイルが図14Bに示されており、別の断面(B‐B)における屈折率プロファイルが図14Cに示されている。第1のセグメント310’を通って伝播したガウシアンレーザビームGLBは、高屈折率コア部分を通って伝播しようとし、これにより、コア部分332’が第1のコア領域333’へと移行するに従って、コア部分332’へと伝播し、即ちコア部分332’の第2の高屈折率部分に「追従し」、コア領域333’の対称性を破壊する、ファイバセグメントの低屈折率材料の領域Rを通る、又は1つ以上の空洞Hを通る伝播はあまり発生しない。
具体的には、ガウシアンレーザビームGLBは、光ファイバ300’の入口端部311’に光学的に結合され、第1のセグメント310’を通って第2のセグメント330’に向かって伝播する。ガウシアンレーザビームGLBは、第1のセグメント310’の第1の中央コア領域315’を通って第2のセグメント330’に向かって伝播する。具体的には、ガウシアンレーザビームGLBは第1の中央コア領域315’に導入され、第1のセグメント310’を通って移行領域350’内へと伝播する。ガウシアンレーザビームGLBが移行領域350’を通って第2のセグメント330’内へと伝播する際、第2の中央コア領域335’の低減されたサイズでは、ガウシアンレーザビームGLBの伝播を十分にサポートできず、ガウシアンレーザビームGLBはその代わりに第2の環状コア領域333’内を伝播し、これによってガウシアンレーザビームGLBは非対称形状のレーザビーム(例えば破壊されたリング又は部分リングの形状のビーム)に変換される。非対称形状のレーザビームは、第2のセグメント330’を通って第2の非軸対称コア領域333’内に伝播する。
非軸対称レーザビームは、出口端部331’を通って光ファイバ300’を出る。ガウシアンレーザビームGLBは、レンズ系を通して(図3Bを参照)、直接の突き合わせ結合によって(図3Dを参照)、又は溶融接合によって(図示せず)、光ファイバ300’の入口端部311’に結合できる。光ファイバ300’の出口端部331’に入射した非軸対称レーザビームは、自由空間のかさばる光学素子(図3Bを参照)、又は出口端部331’に直接形成された若しくは取り付けられたファイバレンズ(図3Fを参照)を用いて、集束させることができる。いくつかの実施形態では、第2の中央コア領域335’内に維持されたガウシアンレーザビームGLBの一部分は、第1のセグメント310’の第1の中央コア領域315’を通って伝播したガウシアンレーザビームGLBの10%未満であってよい。いくつかの実施形態では、第2の中央コア領域335内に維持されたガウシアンレーザビームGLBの一部分は、塗料を用いて出口端部331’において第2の中央コア領域335’を被覆すること、出口端部331’において第2の中央コア領域335’にアパーチャを形成すること等によって、出口端部331’を出ないようにブロックできる。
光ファイバ300’の出口端部331’が湾曲している、及び/又は集束レンズ面を形成する場合、光ファイバ300’は非軸対称(非円対称)ベッセルレーザビームBLBを形成し、ガウシアンレーザビームから非軸対称(集束)ベッセルレーザビームへの変換を経たベッセルレーザビームBLBが光ファイバ300’を出る。光ファイバ300’の出口端部331’に供給された非軸対称レーザビームは例えば、自由空間のかさばる光学素子130I、130A(図3Dを参照)、又は光ファイバの出口端部331’に直接形成された(図示せず)、若しくは光ファイバの出口端部331’に取り付けられた(図3F)、レンズを用いて、集束させることができる。
光ファイバ300’ではなく光ファイバ300を使用して非軸対称ベッセルビームを生成する場合、図14B、16B、及び16Cに示されているジオメトリ及び屈折率プロファイルを有する小さなファイバセグメントを、光ファイバ300のセグメント330の端面に取り付けて、光ファイバ300のセグメント330(Rセグメント)を通って伝播する軸対称リング状レーザビームを非軸対称のレーザビームへと変換するためのエンドキャップ1000として利用できることに留意されたい。光ファイバ300を通って伝播するリング状ビームに非対称性を導入する他のエンドキャップ(例えば上述のもの)を利用してもよい。ファイバ300と共に使用されるエンドキャップ1000を通って(又はファイバ300’を通って)伝播した非軸対称ビームは、集束すると非軸対称レーザビーム(例えば非軸対称ベッセルビーム)を形成し、これは非軸対称スポット14をもたらす。
図4A及び17Aは、非回折及び/又は準非回折レーザビームを生成するための光学系400の概略図を示す。光学系400は、図4A及び5A〜8Aに関して上述したように、移行領域150で第2のセグメント130に光学的に結合された第1のセグメント110を有する光ファイバ100を含む。図17Aに示すように、この実施形態では、エンドキャップ1000が光ファイバ100の出口端部111に配置される。光学系400は、図4A及び9A〜12Aに関して上述した光ファイバ200、又は図4D及び13A〜16Aに関して上述した光ファイバ300を、光ファイバ100の代わりに含んでもよいことを理解されたい。分かりやすくするために、第1のセグメント110の出口端部111の第1の環状コア領域113のみが図17Aに図示されており、即ち第1のクラッド部分122は図示されていない。出口端部111は、エンドキャップ1000を介して端面レンズ103に結合される。端面レンズ103は、エンドキャップ1000の出口端部(図示せず)に直接形成してよく、あるいは端面レンズ103は、エンドキャップ1000に取り付けられていてもよい。例えば、端面レンズ103は、エンドキャップ1000の出口端部を成形する従来の研磨若しくはレーザベースのプロセスによって、又は別個の溶融シリカロッド上に所望の表面形状を形成した後、エンドキャップ1000に溶融接合することによって、作製できる。
あるいは、光ファイバ100の代わりに光ファイバ100’を用いる場合、図17Bに示すように、エンドキャップは不要となる。これらの実施形態では、光学系400は代わりに、上述のように、移行領域150’で第2のセグメント130’に光学的に結合された第1のセグメント110’を有する光ファイバ100’を用いる。光学系400は、図4B並びに9B、10B、10C、11B、12B、及び12Cに関して上述した光ファイバ200’、又は図4D、並びに13B、14B、14C、15B、16B、及び16Cに関して上述した光ファイバ300’を、光ファイバ100’の代わりに含んでもよいことを理解されたい。分かりやすくするために、第1のセグメント110’の出口端部111’の第1の環状コア領域113’のみが図17Bに図示されており、即ち第1のクラッド部分122’は図示されていない。出口端部111’は端面レンズ103を有し、これは、入射するリング状レーザビーム(RSB)の高い強度によって発生する可能性がある出口端部111’の表面損傷を軽減するために、光ファイバ100’の出口端部111’の表面上のベッセルレーザビームBLBのビームサイズを大幅に増大させることができる。端面レンズ103’は、光ファイバ100’の出口端部111’(図示せず)に直接形成してよく、あるいは端面レンズ103’は、光ファイバ100’の出口端部111’に取り付けられていてもよい。例えば、端面レンズ103’は、光ファイバ100’の出口端部111’を成形する従来の研磨若しくはレーザベースのプロセスによって、又は別個の溶融シリカロッド上に所望の表面形状を形成した後、光ファイバ100’の出口端部111’に溶融接合することによって、作製できる。
図17A、17Bに示す実施形態では、元のガウシアンレーザビームGLBから変換されたベッセルレーザビームBLBは、端面レンズ103、103’によって結像し、アキシコンプリズム410上に投射される。これらの実施形態では、端面レンズ103,103’の焦点距離は10ミリメートル(mm)未満である。ベッセルレーザビームBLBはアキシコンプリズム410を通過し、これはベッセルレーザビームBLBを点ではなく線(レーザビーム焦線)へと再集束させて、ベッセルレーザビームBLBを「無回折」ビーム420へと(即ち準非回折ビームへと)再成形する。これらの実施形態では、ベッセルレーザビームBLBのFD値は、少なくとも10である。例えば、ベッセルレーザビームBLBのFD値は、10〜5000であってよい。FD値は少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、10〜2000、50〜1500、又は100〜1000である。
図17Cは、図17A又は17Bの光学系400を用いて提供されるビーム強度プロファイルを示す。非軸対称ビームは、上述のアキシコンプリズム410を通過して、図17Cに示すビーム強度プロファイルを有する所望の無回折楕円形ビームを形成できるように、再成形される。
図4A及び18Aは、「無回折」ビームを生成するための光学系500の別の実施形態を示す。光学系500は、移行領域150(図示せず)で第2のセグメント130(図示せず)に光学的に結合された第1のセグメント110を有する光ファイバ100を含む。分かりやすくするために、第1のセグメント110の出口端部111の第1の環状コア領域113のみが図18Aに図示されており、即ち第1のクラッド部分122は図示されていない。光学系500は、図4A及び9A〜12Aに関して上述した光ファイバ200、又は図4C及び13A〜15Aに関して上述した光ファイバ300を、光ファイバ100の代わりに含んでもよいことを理解されたい。図18Aの光学系500は更に、光ファイバ100(又は200若しくは300)の出力端部に配置されたエンドキャップ1000を含み、このエンドキャップ1000は、レンズ505に隣接してこれに対面するように配置される。ガウシアンレーザビームGLBからリング状ビームRSBに変換されたレーザビームは、光ファイバ100によって放出され、エンドキャップ1000によって非軸対称ビームに変換され、例えば球面レンズ、球若しくは円筒の一部を含まない表面プロファイルを有する非球面レンズ等であってよいレンズ505によって結像する。いくつかの実施形態では、非球面レンズは、アキシコンレンズ、例えば負屈折アキシコンレンズ、正屈折アキシコンレンズ、反射アキシコンレンズ、回折アキシコンレンズ、プログラマブル空間光変調器アキシコンレンズ(例えば位相アキシコン)等の、円錐波面生成光学素子を含んでよい。いくつかの実施形態によると、非球面レンズは例えば、屈折アキシコン、反射アキシコン、ワキシコン、空間光変調器、回折光学素子、又は立方体光学素子(図示せず)である。実施形態では、軸対称ベッセルレーザビームは、光ファイバ100から伝播して、(例えばエンドキャップを通って伝播するビームの一部分をブロックすることによって)ベッセルビームを非軸対称にするエンドキャップ1000に入り、レンズ505は、エンドキャップ1000によって供給された非軸対称ベッセルレーザビームBLBを、ベッセルレーザビームBLBの幅が光ファイバ100の直径D0より少なくとも10倍大きくなるように再結像させる。結像した非軸対称ベッセルレーザビームBLBは、アキシコンプリズム510に入射し、アキシコンプリズム510はこのベッセルレーザビームBLBを(点ではなく)線に集束させて、ベッセルレーザビームBLBを、非軸対称(例えば楕円形)断面を有するレーザ焦線を形成する所望の「無回折」ビーム520へと(この実施形態では準非回折ビームへと)再成形する。
図4D及び18Bを参照すると、「無回折」ビームを生成するための光学系500の別の実施形態が示されている。光学系500は、移行領域150’(図示せず)で第2のセグメント130’(図示せず)に光学的に結合された第1のセグメント110’を有する光ファイバ100’を含む。分かりやすくするために、第1のセグメント110’の出口端部111’の第1の環状コア領域113’のみが図18Bに図示されており、即ち第1のクラッド部分122’は図示されていない。光学系500は、図4B及び9B、10B、10C、11B、12B、12Cに関して上述した光ファイバ200’、又は図4D並びに13B、14B、14C、15B、16B、及び16Cに関して上述した光ファイバ300’を、光ファイバ100の代わりに含んでもよいことを理解されたい。ガウシアンレーザビームGLBから非軸対称形状のビーム(例えば破壊されたリングの形状のビーム又は部分リング形状のビーム)に変換されたレーザビームは、光ファイバ100’によって放出され、例えば球面レンズ、球若しくは円筒の一部を含まない表面プロファイルを有する非球面レンズ等であってよいレンズ505によって結像する。いくつかの実施形態では、非球面レンズは、アキシコンレンズ、例えば負屈折アキシコンレンズ、正屈折アキシコンレンズ、反射アキシコンレンズ、回折アキシコンレンズ、プログラマブル空間光変調器アキシコンレンズ(例えば位相アキシコン)等の、円錐波面生成光学素子を含んでよい。非球面光学素子は例えば、屈折アキシコン、反射アキシコン、ワキシコン、空間光変調器、回折光学素子、又は立方体光学素子(図示せず)であってよい。実施形態では、非軸対称ベッセルレーザビームBLBは光ファイバ100’から伝播し、レンズ505は、このベッセルレーザビームBLBを、ベッセルレーザビームBLBの幅が光ファイバ100’の直径D0より少なくとも10倍大きくなるように再結像させる。結像した非軸対称ベッセルレーザビームBLBは、アキシコンプリズム510に入射し、アキシコンプリズム510はこのベッセルレーザビームBLBを(点ではなく)線に集束させて、ベッセルレーザビームBLBを、非軸対称(例えば楕円形)断面を有するレーザ焦線を形成する所望の「無回折」ビーム520へと(この実施形態では準非回折ビームへと)再成形する。
ベッセルレーザビームBLBが図17A、17Bに示すアキシコンプリズム410及び図18A、18Bに示すアキシコンプリズム510に到達すると、ベッセルレーザビームBLBの中央領域内の光信号が最小化されることを理解されたい。その結果、光学系400、500の構成は、アキシコンプリズム410、510の中央の頂点領域の形状の影響を受けにくくなる。これは、アキシコンプリズムを使用する光学系の構成に関して特に有益である。というのは、ほとんどのアキシコンプリズムは、製造プロセスの限界によって、頂点領域付近における品質制御の問題を有しており、この中央頂点領域は、「無回折」ビームのビーム品質を大幅に劣化させる従来のレンズのように作用する場合があるためである。従って、図17A、17B、18A、及び18Bに示す光学系の構成は、アキシコンプリズムの中央頂点領域に関する問題を効果的に回避して、非円形断面を有する高品質な「無回折」ビーム(即ち準非回折ビーム)を生成する。この実施形態によると、レーザビームのFD値は少なくとも10である。例えば、FD値は少なくとも50、少なくとも100、少なくとも250、少なくとも500、少なくとも1000、又は例えば10〜2000、50〜1500、若しくは100〜1000である。
図4C、13A〜16A、及び19Aを参照すると、「無回折」特性及びガウシアン特性の両方を有する「ハイブリッド」ガウシアン‐ベッセルレーザビームを生成するための光学系600が示されている。光学系600は、移行領域350で第2のセグメント330に光学的に結合された第1のセグメント310を有する光ファイバ300を含む。光学系600は、少なくとも1つのレンズ605、及び二重焦点レンズも含む。光ファイバ300の第2のセグメント330を出たビームは、本明細書に記載されているように、リング状部分及びガウシアンレーザビームGLB部分を有する。光ファイバ300が放出したリング状ビーム(RSB)部分は、エンドキャップ1000によって非軸対称ビーム部分(例えば破壊されたリング状のビーム、又は部分リング状ビーム)に変換され、例えば球面レンズ、非球面レンズ等であってよい少なくとも1つのレンズ605によって再結像する。実施形態では、リング状ビームRSB部分は光ファイバ300から伝播し、レンズ605は、ベッセルレーザビームBLB部分の外幅(即ち外径)が光ファイバ300の直径D0の少なくとも10倍大きくなるように、ベッセルレーザビームBLBを形成する。レンズ605によって形成されたベッセルレーザビームBLBは、二重焦点レンズ610の外側部分に入射し、この二重焦点レンズ610は、ベッセルレーザビームBLBを所望の「無回折」ビームへと(即ちこの実施形態では準非回折ビームへと)再成形する。同時に、光ファイバ300の第2のセグメント330を出たビームのガウシアンレーザビームGLB部分は、少なくとも1つのレンズを通過し、二重焦点レンズ610の中央部分によって再結像する。二重焦点レンズ610は、ベッセルレーザビームBLB部分とガウシアンレーザビームGLB部分とを効果的に組み合わせて、ハイブリッドビーム620を形成し、このハイブリッドビーム620の大半は「無回折」である。また、ガウシアンレーザビームGLBが望まれていない又は必要でない場合、ガウシアンレーザビームGLBを、塗料、アパーチャ等によってブロックできる。
図4D、13B、14B、14C、15B、16B、16C、及び19Bを参照すると、「無回折」特性及びガウシアン特性の両方を有する「ハイブリッド」ガウシアン‐ベッセルレーザビームを生成するための別の光学系600が示されている。図19Bの光学系600は、移行領域350’で第2のセグメント330’に光学的に結合された第1のセグメント310’を有し、かつエンドキャップ1000を必要としない、光ファイバ300’を含む。図19Bの光学系600は、少なくとも1つのレンズ605、及び二重焦点レンズ610も含む。この実施形態では、光ファイバ300’の第2のセグメント330’を出たビームは、本明細書に記載されているように、非軸対称部分(例えば破壊されたリングの形状の部分)及びガウシアンレーザビームGLB部分を有する。従って、光ファイバ300’が放出した、破壊されたリングの形状のビーム(破壊されたRSB)部分は、非軸対称であり、この非軸対称ビームは、例えば球面レンズ、非球面レンズ等であってよい少なくとも1つのレンズ605によって再結像する。いくつかの実施形態によると、本明細書で使用される非球面レンズ(又は非球面部品)は、例えば屈折アキシコン、反射アキシコン、ワキシコン、空間光変調器、回折光学素子、又は立方体光学素子(図示せず)を含んでよい。実施形態では、破壊されたリングの形状のビーム(破壊されたRSB)部分は光ファイバ300’から伝播し、レンズ605は、ベッセルレーザビームBLB部分の外幅が光ファイバ300の直径D0の少なくとも10倍大きくなるように、非軸対称ベッセルレーザビームBLBを形成する。レンズ605によって形成されたベッセルレーザビームBLBは、二重焦点レンズ610の外側部分に入射し、この二重焦点レンズ610は、非軸対称ベッセルレーザビームBLBを、非軸対称(例えば楕円形断面)を有する所望の「無回折」ビームへと(即ちこの実施形態では準非回折ビームへと)再成形する。同時に、光ファイバ300の第2のセグメント330を出たビームのガウシアンレーザビームGLB部分は、少なくとも1つのレンズを通過し、二重焦点レンズ610の中央部分によって再結像する。二重焦点レンズ610は、ベッセルレーザビームBLB部分とガウシアンレーザビームGLB部分とを効果的に組み合わせて、ハイブリッドビーム620を形成し、このハイブリッドビーム620の大半は「無回折」である。また、ガウシアンレーザビームGLBが望まれていない又は必要でない場合、ガウシアンレーザビームGLBを、塗料、アパーチャ等によってブロックできる。
図1A、1B、10〜13、及び20を参照すると、「無回折」特性及びガウシアン特性の両方を有する「ハイブリッド」ガウシアン‐ベッセルレーザビームを生成するための別の光学系700が示されている。光学系700は、移行領域350’で第2のセグメント330’に光学的に結合された第1のセグメント310’を有し、かつエンドキャップ1000を必要としない、光ファイバ300’を含む。第2のセグメント330’は、テーパ加工された表面部分304’及び平坦なコア領域305’を有する端面303’を有し、従って、光ファイバ300の端面303から出る非軸対称ベッセルレーザビームBLB部分及びガウシアンレーザビームGLB部分は異なる光路及び焦点を有し、これにより、ベッセルレーザビームBLB部分及びガウシアンレーザビームGLB部分を収束させて組み合わせ、「無回折」の単一のビームとするのを支援する。光学系700は、少なくとも1つのレンズ705、及び二重焦点レンズ710も含む。光ファイバ300’の第2のセグメント330’を出たビームは、本明細書に記載されているように、非軸対称ベッセルレーザビームBLB部分及びガウシアンレーザビームGLB部分を有する。光ファイバ300’が放出したベッセルレーザビームBLB部分は、まず光ファイバ300’の端面303’によって再結像し、続いて、例えば球面レンズ、非球面レンズ等であってよい少なくとも1つのレンズ705によって再結像する。実施形態では、レンズ705は、ベッセルレーザビームBLB部分の幅(少なくとも1つの外径)が光ファイバ300’の直径D0の少なくとも10倍大きくなるように、ベッセルレーザビームBLBを再結像する。再結像されたベッセルレーザビームBLBは、二重焦点レンズ710の外側部分に入射し、この二重焦点レンズ710は、ベッセルレーザビームBLBを、所望の非回折ビーム又は準非回折ビームへと再成形する。同時に、光ファイバ300’の第2のセグメント330’を出たビームのガウシアンレーザビームGLB部分は、まず平坦なコア領域305’によって再結像し、その後少なくとも1つのレンズ705を通過して、二重焦点レンズ710の中央部分によって再結像する。二重焦点レンズ710は、ベッセルレーザビームBLB部分とガウシアンレーザビームGLB部分とを効果的に組み合わせて、ハイブリッドビーム720を形成し、このハイブリッドビーム720の大半は「無回折」ビーム(準非回折ビーム)である。また、ガウシアンレーザビームGLBが望まれていない又は必要でない実施形態では、ガウシアンレーザビームGLBを、塗料、アパーチャ等によってブロックできる。第2のセグメント330の端面303は、光ファイバ300から放出されたビームを集束させるために使用されるレンズの構成を簡略化できることを理解されたい。実施形態では、端面303’を用いて、少なくとも1つのレンズ705及び二重焦点レンズ710を完全に排除できる。
以下の実施例によって、本明細書に記載の実施形態を更に明らかにする。
図1A及び5A〜8Aに示す光ファイバ100の5つの実施例(実施例1〜5)に関する半径及び相対屈折率の概要を、以下の表1Aに示す。
表1Aに示すように、実施例1〜5について、チャネル114に関する相対屈折率ΔCH%は−26%であった。第1の環状コア領域113に関する相対屈折率ΔAC%は0.12%〜1%であり、第1の低屈折率トレンチ124に関する相対屈折率ΔLIT%は0%〜−0.6%であった。半径R0は10μm〜30μmであり、半径R1は15μm〜40μmであり、半径R2は20μm〜40μmであり、半径R3は28μm〜42.5μmであり、半径R4は73.5μm〜125μmであった。第1の環状コア領域113の半径方向厚さTACは2.5μm〜10μmであり、第1の内側クラッド部分125の半径方向厚さTICLは0.0μm〜12.5μmであり、第1の低屈折率トレンチ124の半径方向厚さTLICは0.0μm〜8.5μmであり、第1の外側クラッド部分123の半径方向厚さTOCLは33.5μm〜100μmであった。
第1のセグメント110と第2のセグメント130との間のテーパ比は0.5〜0.85であった。第2のコア部分132に関する相対屈折率Δc%及び第2の低屈折率トレンチ144に関する相対屈折率Δlit%は、それぞれ第1の環状コア領域113の相対屈折率ΔAC%及び第1の低屈折率トレンチ124の相対屈折率ΔLIT%に略等しかった。半径r1は5.7μm〜24.6μmであり、半径r2は8.8μm〜24.6μmであり、半径r3は3.2μm〜30.2μmであり、半径r4は40μm〜62.5μmであった。第2の内側クラッド部分145の半径方向厚さticlは0.0μm〜13.9μmであり、第2の低屈折率トレンチ144の半径方向厚さtlicは0.0μm〜8.9μmであり、第2の外側クラッド部分143の半径方向厚さtoclは24.6μm〜49.3μmであった。
光ファイバ100’の実施形態(実施例1’〜5’)が表1Bに示されており、これらは表1を参照して上述した光ファイバ100と同様であり、断面A‐Aにおいて、実施例1〜5の屈折率プロファイルを有する。例えばコア領域113’は、表1に示したような相対屈折率ΔAC%を有する。しかしながら、光ファイバ100’は1つ以上の領域R(例えば図5B、7Bに示すように純シリカ、ダウンドープシリカ、又は空気を含む)1つ以上の領域Rを使用するため、ファイバ100’は、軸対称(円対称)である第1の環状コア領域113を有する代わりに、分割若しくは破壊されたリング、又は部分リングの形状の第1のコア領域113’を使用する(領域Rがコア領域113’を中断させるため)。表1Bの例示的実施形態では、領域Rはダウンドープシリカ、純シリカ、又は空気を含み、幅w=2R0を有する。
図4A及び9A〜12Aに示す光ファイバ200の3つの実施例(実施例6〜8)に関する半径及び相対屈折率の概要を、以下の表2Aに示す。
表2Aに示すように、第1の低屈折率コア領域214に関する相対屈折率ΔLIC%は0%〜−0.5%であり、第1の環状コア領域213に関する相対屈折率ΔAC%は0.34%〜1%であり、第1の低屈折率トレンチ224に関する相対屈折率ΔLIT%は0%〜−0.5%であった。実施例6〜8について、半径R0は3μm〜5μmであり、半径R1は10μm〜12μmであり、半径R2は10μm〜18μmであり、半径R3は10μm〜30μmであり、半径R4は125μmであった。第1の環状コア領域213の半径方向厚さTACは6μm〜7μmであり、第1の内側クラッド部分225の半径方向厚さTICLは0.0μm〜8μmであり、第1の低屈折率トレンチ224の半径方向厚さTLICは0.0μm〜12μmであり、第1の外側クラッド部分223の半径方向厚さTOCLは95μm〜115μmであった。
第1のセグメント210と第2のセグメント230との間のテーパ比は0.32〜0.5であった。第2の低屈折率コア領域234に関する相対屈折率Δlic%、第2の環状コア領域233に関する相対屈折率Δac%、及び第2の低屈折率トレンチ244に関する相対屈折率Δlit%は、それぞれ第1の低屈折率コア領域214に関する相対屈折率ΔLIC%、第1の環状コア領域213に関する相対屈折率ΔAC%、及び第1の低屈折率トレンチ224に関する相対屈折率ΔLIT%に略等しかった。半径r0は1.3μm〜2μmであり、半径r1は3.2μm〜5μmであり、半径r2は3.2μm〜9μmであり、半径r3は3.2μm〜15μmであり、半径r4は40μm〜62.5μmであった。第2の環状コア領域233の半径方向厚さtacは1.9μm〜3.5μmであり、第2の内側クラッド部分245の半径方向厚さticlは0.0μm〜4μmであり、第2の低屈折率トレンチ244の半径方向厚さtlicは0.0μm〜6μmであり、第2の外側クラッド部分243の半径方向厚さtoclは36.8μm〜47.5μmであった。
光ファイバ200’の実施形態(実施例6’〜8’)が表2Bに示されており、これらは表2Aを参照して上述した光ファイバ200と同様であり、断面A‐Aにおいて、実施例6〜8の屈折率プロファイルを有する。例えばコア領域213’は、表2Bに示したような相対屈折率ΔAC%を有し、コア領域233’は相対屈折率Δac%を有する。しかしながら、光ファイバ200’は1つ以上の領域R(例えば図9B、10B、10C、11B、12B、及び12Cに示すように純シリカ、ダウンドープシリカ、又は空気を含む)1つ以上の領域Rを使用するため、光ファイバ200’は、軸対称である第1の環状コア領域213を有する代わりに、破壊されたリング又は部分リングの形状の第1のコア領域213’を使用する(領域Rがコア領域213’を中断させるため)。表2Bの例示的実施形態では、領域Rは純シリカであり(ただし代替実施形態ではダウンドープシリカ又は空気であり)、幅w=2R0を有する。
図4C及び13A〜16Aに示す光ファイバ300の3つの実施例(実施例9〜11)に関する半径及び相対屈折率の概要を、以下の表3Aに示す。
表3Aに示すように、第1の中央コア領域315に関する相対屈折率ΔCC%は0.1%〜0.34%であり、第1の低屈折率コア領域314に関する相対屈折率ΔLIC%は0%〜−0.2%であり、第1の環状コア領域313に関する相対屈折率ΔAC%は0.5%〜1%であり、第1の低屈折率トレンチ324に関する相対屈折率ΔLIT%は0%〜−0.5%であった。実施例9〜11について、半径R00は4μm〜7μmであり、半径R0は9μm〜20μmであり、半径R1は15μm〜30μmであり、半径R2は20μm〜30μmであり、半径R3は30μm〜50μmであり、半径R4は125μmであった。第1の低屈折率コア領域314の半径方向厚さTLICは5μm〜13μmであり、第1の環状コア領域313の半径方向厚さTACは6μm〜10μmであり、第1の内側クラッド部分325の半径方向厚さTICLは0.0μm〜5μmであり、第1の低屈折率トレンチ324の半径方向厚さTLICは0.0μm〜28μmであり、第1の外側クラッド部分323の半径方向厚さTOCLは75μm〜95μmであった。
第1のセグメント310と第2のセグメント330との間のテーパ比は0.4〜0.5であった。第2の中央コア領域335に関する相対屈折率Δcc%、第2の低屈折率コア領域334に関する相対屈折率Δlic%、第2の環状コア領域333に関する相対屈折率Δac%、及び第2の低屈折率トレンチ344に関する相対屈折率Δlit%はそれぞれ、第1の中央コア領域315に関する相対屈折率ΔCC%、第1の低屈折率コア領域314に関する相対屈折率ΔLIC%、第1の環状コア領域313に関する相対屈折率ΔAC%、及び第1の低屈折率トレンチ324に関する相対屈折率ΔLIT%に略等しかった。半径r00は2μm〜3.5μmであり、半径r0は4.5μm〜10μmであり、半径r1は7.5μm〜15μmであり、半径r2は8.8μm〜15μmであり、半径r3は15μm〜20μmであり、半径r4は50μm〜62.5μmであった。第2の低屈折率コア領域334の半径方向厚さtlicは2.4μm〜6.5μmであり、第2の環状コア領域333の半径方向厚さtacは3μm〜5μmであり、第2の内側クラッド部分345の半径方向厚さticlは0.0μm〜2.5μmであり、第2の低屈折率トレンチ344の半径方向厚さtlicは0.0μm〜11.2μmであり、第2の外側クラッド部分343の半径方向厚さtoclは30μm〜47.5μmであった。
光ファイバ300’の実施形態(実施例9’〜11’)が表3Bに示されており、これらは表3Aを参照して上述した光ファイバ300と同様であり、断面A‐Aにおいて、実施例9〜11の屈折率プロファイルと同様の屈折率プロファイルを有する。例えばコア領域313’は、表3Aに示したような相対屈折率ΔAC%を有し、コア領域333’は相対屈折率Δac%を有する。しかしながら、光ファイバ300’は1つ以上の領域R(例えば図13B、14B、14C、15B、及び15C)に示すように純シリカ、ダウンドープシリカ、又は空気を含む)1つ以上の領域Rを使用するため、光ファイバ300’は、軸対称である第1の環状コア領域313、333を有する代わりに、破壊されたリング又は部分リングの形状のコア領域313’、333’を使用する(領域Rがコア領域313’、333’を中断させるため)。表3Bの例示的実施形態では、領域Rは空気であり(ただしダウンドープシリカ又は純シリカも利用可能であり)、幅w=2R0を有する。
光ファイバ100’、200’、300’は例えば、上述のようにして非円対称光ファイバプリフォームを作製した後、上記ファイバを上記非円対称プリフォームからドロー加工することによって、製造できる。いくつかの実施形態によると、光ファイバ100’、200’、300’を作製するための非円対称プリフォームは例えば:A)光ファイバ100、200、300のためのプリフォームを作製した後で空洞を切削して、このようなプリフォーム内に領域Rを形成すること;又はB)光ファイバ100、200、300のためのプリフォームを作製した後で孔を切削し、これを純シリカロッドで若しくはダウンドープシリカによって充填して、このようなプリフォーム内に領域Rを形成すること;又はC)の光ファイバ100、200、300のためのプリフォームの一部分を切除してD字型プリフォームを形成し、これを異なるD字型プリフォーム(例えばダウンドープ若しくは純シリカD字型プリフォーム)と共にガラス系の管に入れて溶融し、円形外周を有する光ファイバプリフォームを作製すること;又はD)光ファイバ100、200、300のためのプリフォームの一部分を切除してD字型プリフォームを形成することによって、製造できる。
例えば、いくつかの実施形態によると、ガウシアンビームを楕円形ベッセルビームに変換するために、光ファイバ100’、200’、300’は、アップドープされたリング状領域(例えば113、213、313)を備えた円対称コアを有する代わりに、2つの「D字型」ファイバ部分D1、D2を備える。図21A〜21Dは、分割されたリング(本明細書中では「破壊されたリング」とも呼ばれる)の形状のファイバ、即ち分割されたリングの形状のアップドープ領域、例えばコア領域113’、213’、313’を有するファイバの、断面図を示す。例えば、光ファイバは、例えばスロット又は2つの孔によって2つのD字型コアに分割されたリング状コアを有してよい。リング状コアの分割に使用できる構造又はスペーサは際限なく存在し、限定するものではないが、円形の孔、正方形の孔、又は不規則な構造が含まれる。コアの2つの部分を隔てる構造Rの幅gは好ましくは、2つのD字型コアの電場が結合しないよう、数マイクロメートルから数十マイクロメートルの範囲内である。いくつかの実施形態によると、これらのD字型コア構造は、寸法又は屈折率がわずかに異なり、これにより、これら2つのD字型コア部分を通って伝播した2つのビーム部分は、異なる位相及び強度を有する。2つのD字型構造の幅の比wr1/wr2は0.8〜1.3であり、又は2つのD字型構造の長さの比L1/L2は、好ましくは0.8〜1.3である。同様に、破壊されたリング(コア領域)113’、213’、313’の2つの部分の屈折率比は0.8〜1.3であり、これにより、コアを通って伝播した2つのレーザビーム部分は、異なる位相及び強度を有する。図21E及び21Fに示すように、1つのD字型の「破壊されたリング」の形状のコアを用いて、楕円形ベッセルビームを生成することもできる。
より具体的には、図21A〜21Fは、光ファイバ200’、300’の(又はその代わりにエンドキャップ1000の)更なる実施形態の断面を示す。図21A及び21Bでは、分かりやすくするために、第1のセグメント210’の(第1の領域213’を含む)コア部分212’及びクラッド部分225’のみが図示されており、即ち第1のクラッド部分222’の残りの部分は図示されていない。図21A及び21Bに対応するファイバ200’のこれらの例示的実施形態では、領域Rは、領域214’及び225’と同一の屈折率を有する。図21C及び21Dでは、分かりやすくするために、ファイバセグメント330’の(アップドープされた第1の領域333’を含む)コア部分332’及び第1のクラッド領域345’のみが図示されており、即ち第1のクラッド部分342’の残りの部分は図示されていない。図21C及び21Dに対応するファイバ300’のこれらの例示的実施形態では、領域Rは、領域334’及び345’と同一の屈折率を有する。
図21Eは、光ファイバ200’の別の実施形態を示す。この実施形態の光ファイバ200’は2つのD字型部分を備え、そのうちの一方(右側)は、コア部分212’(半円として成形された第1の領域213’を含む)、及びクラッド部分245’を備える。左側の部分は、コア部分212’及びクラッド部分245’を含むが、高屈折率部分である第1の領域213’は含まない。ここでも分かりやすくするために、(ファイバ200’の右側に位置する第1の領域213’を含む)コア部分212’及びクラッド部分225’のみを図21Eに示す。即ち、第1のクラッド部分222’の残りの部分は図示されていない。図21Fは、光ファイバ300’の別の実施形態を示す。この実施形態の光ファイバ300’は2つのD字型部分D1、D2を備え、そのうちの一方(右側D2)は:中央コア領域315’、ダウンドープ領域である第1の領域334’、及びリングの半体として成形されたアップドープ領域333’を含むコア部分332’;並びにクラッド部分345’を備える。左側の部分は、中央コア領域335’及びクラッド部分345’を含むが、高屈折率部分である第1の領域333’は含まない。ここでも分かりやすくするために、(ファイバ300’の右側に位置する第1の領域333’を含む)コア部分332’及びクラッド部分345’のみを図21Eに示し、即ち第1のクラッド部分342’の残りの部分は図示されていない。図21Gは、非軸対称ガウシアンビームを作製するためのファイバ(ファイバ100’)の別の実施形態を示す。
分割されたリング状のコア又はD字型リング状のコアファイバ100’、200’、300’のセグメントを、エンドキャップとして、リング状コアファイバ1000、200、300と共に使用し、リング状ビームから非軸対称形状ビームへのビーム変換を実施できる。エンドキャップファイバ1000を(リング状ファイバとも呼ばれる)ファイバ100、200、300に取り付けると、コアが円対称でなくなるようにコアの対称性を分割することにより、従来のベッセルビームを2つのD字型ビームへと変換できる。
上述のように、ここで提案されるD字型リング状コアファイバは、いくつかの方法で作製できる。図22A〜22Cは、分割されたリング状のコアファイバを作製するためのある方法を示す。まず、外側にリングコア213’を備えるリング状コアプリフォーム(即ち高屈折率リングを有する光ファイバプリフォーム)を、例えばOVDプロセスによって作製する(図22Aを参照)。続いて、リング状コアの2つの領域のガラスを除去することによって2つのスロットを作製し、領域Rを形成する(図22Bを参照)。その後、OVDを用いてプリフォームにオーバクラッドを施し、最終的な光ファイバプリフォームを作製する。プリフォームはファイバへとドロー加工される(図22Cを参照)。
図23A〜23Bは、分割されたリング状のコアファイバを作製するための別の方法を示す。まず、リング状コア及びクラッドを備えるリング状コアプリフォームを、OVDプロセスによって作製する(図23Aを参照)。続いて、リング状コアに2つの孔を作製する(図23Bを参照)。プリフォームは、上記孔を開放状態に維持したまま、ファイバへとドロー加工される。
図23C〜23Dは、D字型リング状コアファイバプリフォームを作製するための方法を示す。まず、リング状コア及びクラッドを備える第1のリング状コアプリフォームを、OVDプロセスによって作製する(図23Cを参照)。続いて、クラッド及びリング状コアの一部を除去して、D字型光ファイバプリフォームを作製する(図23Dを参照)。光ファイバプリフォームは、D字型ファイバへとドロー加工される。
以上に基づいて、本明細書に記載の光ファイバは、ガウシアンレーザビームを、例えば非軸対称ベッセルレーザビームであるベッセルビームに変換することを理解されたい。また、上記光ファイバは、比較的低い曲げ損失を有することを理解されたい。上記光ファイバは特に、レーザ検査技法、レーザ加工技法等といった、大きな焦点深さが必要となる用途に好適である。また、以上に基づいて、本明細書に記載の光ファイバの一部は、エンドキャップと共に使用した場合に、ガウシアンレーザを非軸対称ベッセルレーザビームに変換することも理解されたい。
請求対象の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態に対して様々な修正及び変形を実施できることは、当業者には理解されるだろう。よって本明細書は、本明細書に記載の様々な実施形態に対する上記修正及び変形が、添付の請求項及びその均等物の範囲内である限りにおいて、上記修正及び変形を包含することを意図している。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
透明被加工物をレーザ加工するための方法であって、
上記方法は、上記透明被加工物内に輪郭線を形成するステップを含み、上記輪郭線は、上記透明被加工物内の欠陥を含み、
上記輪郭線を形成する上記ステップは:
ビーム源によって供給されたパルスレーザビームを:
(a)非軸対称パルスレーザビームを形成する、非軸対称屈折率プロファイルを有する少なくとも1つのセグメントを備えた光ファイバ;又は
(b)リング状ビームを生成する光ファイバ、及び非軸対称屈折率プロファイルを有するエンドキャップであって、上記エンドキャップが非軸対称パルスレーザビームを形成するように、リング状ビームを生成する上記光ファイバに結合された、エンドキャップ
を通して、上記透明被加工物内へと向けるステップ
を含み、
上記非軸対称パルスレーザビームの、上記透明被加工物内へと向けられた部分は、上記透明被加工物内で誘起吸収を生成し、上記誘起吸収は、上記透明被加工物内に欠陥を生成し、また上記パルスレーザビームの、上記透明被加工物内へと向けられた上記部分は:
波長λ;
有効スポットサイズWo,eff;及び
非軸対称ビーム断面
を含み、上記非軸対称ビーム断面は、断面x方向の最小レイリー範囲ZRx,min及び断面y方向の最小レイリー範囲ZRy,minを含み、
ZRx,min及びZRy,minのうちの小さい方は、
より大きく、ここでFDは10以上の値を有する無次元発散係数である、方法。
実施形態2
上記透明被加工物及び上記非軸対称パルスレーザビームを上記輪郭線に沿って互いに対して並進移動させることにより、上記透明被加工物内に、上記輪郭線に沿った複数の欠陥をレーザ形成するステップを更に含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態3
上記無次元発散係数FDの値は約50〜約1500である、実施形態1に記載の方法。
実施形態4
赤外線レーザビームを、上記輪郭線に沿って又は上記輪郭線付近において、上記透明被加工物上へと向けることにより、上記透明被加工物を上記輪郭線に沿って分割するステップを更に含む、実施形態2に記載の方法。
実施形態5
上記ビーム源は、パルスバーストあたり約1パルス〜パルスバーストあたり約30パルスのパルスバーストを生成するパルスビーム源を含み、パルスバーストエネルギは、パルスバーストあたり約100μJ〜約600μJである、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6
上記非軸対称パルスレーザビームの、上記透明被加工物内へと向けられた上記部分の上記非軸対称ビーム断面は、スポットサイズパラメータWo,maxを有する長軸と、スポットサイズパラメータWo,minを有する短軸とを備え、Wo,maxはWo,minより長く、Wo,minに対するWo,maxのアスペクト比は1.3超である、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7
集束用光学部品を更に備える、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8
上記集束用光学部品は、少なくとも1つの凸面を備えるレンズである、実施形態7に記載の方法。
実施形態9
非球面光学素子を更に備え、
上記非球面光学素子は、屈折アキシコン、反射アキシコン、ワキシコン、負屈折アキシコン、空間光変調器、回折光学素子、又は立方体光学素子である、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10
非球面光学素子を更に備え、
上記非球面光学素子は、屈折アキシコン、反射アキシコン、ワキシコン、負屈折アキシコン、空間光変調器、回折光学素子、又は立方体光学素子である、実施形態7に記載の方法。
実施形態11
透明被加工物をレーザ加工するための光学系であって、
上記光学系は:
パルスレーザビームを供給するためのレーザビーム源;
上記源から供給された上記レーザビームを、非軸対称断面を有するレーザビームに変換する構造の、光ファイバ部品
を備え、上記光ファイバ部品は:
(i)互いに対して光学的に結合された少なくとも2つのファイバセグメントを備える光ファイバであって、ある上記セグメントは、上記レーザビーム源に光学的に結合され、実質的にガウシアンレーザビームであるレーザビームを伝播させる構造であり、別の上記ファイバセグメントは、上記ガウシアンレーザビームをリング状非ガウシアンレーザビームに変換する構造である、光ファイバ、及び上記別のファイバセグメントに隣接するエンドキャップであって、上記エンドキャップは、上記リング状非ガウシアンビームを非軸対称レーザビームに変換する構造であり、また上記エンドキャップは非軸対称屈折率プロファイルを有する、エンドキャップ;又は
(ii)互いに対して光学的に結合された少なくとも2つのファイバセグメントを備える光ファイバであって、ある上記セグメントは、上記レーザビーム源に光学的に結合され、実質的にガウシアンビームであるビームを伝播させる構造であり、別の上記ファイバセグメントは、上記ガウシアンレーザビームを非軸対称レーザビームに変換する構造であり、上記別のファイバセグメントは非軸対称屈折率プロファイルを有する、光ファイバ
を備え、
上記非軸対称レーザビームは:
波長λ;
最大ビーム強度;
有効スポットサイズWo,eff(上記有効スポットサイズは、ビーム強度が上記最大ビーム強度の1/e2まで低下する、ビーム伝播経路zからいずれの方向の最短径方向距離として定義される);
透明被加工物の損傷閾値を超えることによって、上記透明被加工物内に上記輪郭線を形成する(ここで上記輪郭線は上記透明被加工物内の欠陥を含む)ために、十分なパルスエネルギ及びパルス持続時間
を有し、
上記非軸対称ビーム断面は、x方向の最小レイリー範囲ZRx,min及びy方向の最小レイリー範囲ZRy,minを有し、
ZRx,min及びZRy,minのうちの小さい方は、
より大きく、ここでFDは10以上の値を有する無次元発散係数であり、上記x及びy方向の上記最小レイリー範囲のうちの小さい方は、上記ビームの光学強度が上記最大ビーム強度の1/2まで減少する、上記ビーム経路に沿った距離である、光学系。
実施形態12
上記被加工物に入射する上記非軸対称レーザビームは、準非回折レーザビームである、実施形態11に記載の光学系。
実施形態13
FDは50〜1500である、実施形態11又は12に記載の光学系。
実施形態14
上記非軸対称レーザビームを、非軸対称断面を有するレーザ焦線へと集束させるように配置された、集束用部品を更に備える、実施形態11〜13のいずれか1つに記載の光学系。
実施形態15
非球面光学素子を更に備え、
上記非球面光学素子は、屈折アキシコン、反射アキシコン、ワキシコン、負屈折アキシコン、空間光変調器、回折光学素子、又は立方体光学素子である、実施形態11〜14のいずれか1つに記載の光学系。
実施形態16
光ファイバ部品であって、
上記光ファイバ部品は:
(I)光ファイバであって、上記光ファイバは:
(i)第1のセグメントであって:
上記光ファイバの軸中心線からの半径R1を有する第1のコア部分であって、上記第1のコア部分は、上記光ファイバの上記軸中心線を中央とし、かつ内半径R0及び第1の半径方向厚さTAC=R1−R0を有する、第1の環状コア領域を備える、第1のコア部分;並びに
上記第1のコア部分の周りに延在する第1のクラッド部分であって、上記第1のクラッド部分は半径方向厚さTCLを有し、上記第1の環状コア領域は上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率ΔAC%を有する、第1のクラッド部分
を備える、第1のセグメント;
(ii)第2のセグメントであって:
上記光ファイバの上記軸中心線からの半径r1を有する第2のコア部分であって、上記第2のコア部分の少なくとも一部分は、上記第1の環状コア領域に光学的に結合され、上記半径R1は上記半径r1より大きい、第2のコア部分;並びに
上記第2のコア部分の周りに延在する第2のクラッド部分であって、上記第2のクラッド部分は、上記第1のクラッド部分の上記半径方向厚さTCLより小さな半径方向厚さtclを有する、第2のクラッド部分
を備える、第2のセグメント
を備える、光ファイバと;
(II)上記光ファイバの上記第1のセグメントに隣接して接触するよう配置されたエンドキャップであって、上記エンドキャップは、上記非円対称屈折率プロファイルを有する、エンドキャップと
を備える、光ファイバ部品。
実施形態17
上記第2のコア部分は、上記第2のクラッド部分に対する相対屈折率Δc%を有し、
ΔAC%はΔc%に略等しい、実施形態16に記載の光ファイバ部品。
実施形態18
上記エンドキャップは少なくとも1つの領域Rを有するコア領域を備え、上記第1のセグメントの上記第1の環状コア領域は、上記エンドキャップの上記コア領域に隣接して上記コア領域に略重なり、これにより、上記第1のセグメントの上記第1の環状コア領域から伝播した光を上記エンドキャップの上記コア領域に結合させ、かつ上記エンドキャップを通して非円対称に伝播させることができる、実施形態16に記載の光ファイバ部品。
実施形態19
上記エンドキャップの上記コア領域の上記領域Rは:空洞、ダウンドープシリカ領域、及び純シリカ領域のうちの少なくとも1つを含む、実施形態18に記載の光ファイバ部品。
実施形態20
上記エンドキャップの上記コア領域の上記領域Rの屈折率は、上記第1の環状コア領域の屈折率より小さい、実施形態19に記載の光ファイバ部品。
実施形態21
上記エンドキャップは、部分リング形状のコア領域を備える、実施形態16に記載の光ファイバ部品。
実施形態22
光ファイバであって、
上記光ファイバは:
第1のセグメントであって:
上記光ファイバの軸中心線からの半径R1を有する第1のコア部分であって、上記第1のコア部分は、上記光ファイバの上記軸中心線を中央とし、かつ内半径R0及び第1の半径方向厚さTAC=R1−R0を有する、第1のコア領域を備える、第1のコア部分;並びに
上記第1のコア部分の周りに延在する第1のクラッド部分であって、上記第1のクラッド部分は半径方向厚さTCLを有し、上記第1のコア領域は上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率ΔAC%を有する、第1のクラッド部分
を備え、上記第1のコア領域は非円対称屈折率プロファイルを有する、第1のセグメント;
第2のセグメントであって:
上記光ファイバの上記軸中心線からの半径r1を有する第2のコア部分であって、上記第2のコア部分の少なくとも一部分は、上記第1のコア領域に光学的に結合され、上記半径R1は上記半径r1より大きい、第2のコア部分;並びに
上記第2のコア部分の周りに延在する第2のクラッド部分であって、上記第2のクラッド部分は、上記第1のクラッド部分の上記半径方向厚さTCLより小さな半径方向厚さtclを有する、第2のクラッド部分
を備える、第2のセグメント
を備える、光ファイバ。
実施形態23
上記第2のコア部分は、上記第2のクラッド部分に対する相対屈折率Δc%を有し、
ΔAC%はΔc%に略等しい、実施形態22に記載の光ファイバ。
実施形態24
上記第1のコア部分は、空洞、ダウンドープシリカ、純シリカのうちの少なくとも1つを含む、実施形態22に記載の光ファイバ。
実施形態25
上記第1のセグメントの上記第1のコア領域は、上記第1のセグメントの残りの部分とは屈折率が異なる領域Rを有する、実施形態22に記載の光ファイバ。
実施形態26
上記第1のコア領域はリングの一部として成形される、実施形態22に記載の光ファイバ。
実施形態27
上記第1のコア部分は少なくとも1つの領域Rを含み、上記領域Rは初め、ΔAC%より小さい上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率を有する、実施形態22に記載の光ファイバ。
実施形態28
光ファイバ部品であって、
上記光ファイバ部品は:
(I)光ファイバであって:
(a)第1のセグメントであって:
第1の中央コア領域、第1の環状コア領域、及び第1の低屈折率コア領域を備える、第1のコア部分であって、上記第1の中央コア領域は、上記第1の環状コア領域内に配置され、かつ上記第1の低屈折率コア領域によって上記第1の環状コア領域から隔てられる、第1のコア部分;並びに
上記第1のコア部分の周りに延在する第1のクラッド部分であって、上記第1の中央コア領域は、上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率ΔCC%を有し、上記第1の環状コア領域は、上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率ΔAC%を有し、上記第1の低屈折率コア領域は、上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率ΔLIC%を有し、ΔLIC%はΔCC%及びΔAC%より小さい、第1のクラッド部分
を備える、第1のセグメント;
(b)第2のセグメントであって:
第2の中央コア領域、第2の環状コア領域、及び第2の低屈折率コア領域を備える、第2のコア部分であって、上記第2の中央コア領域は、上記第2の環状コア領域内に配置され、かつ上記第2の低屈折率コア領域によって上記第2の環状コア領域から隔てられ、少なくとも上記第2の中央コア領域が上記第1の環状コア領域に光学的に結合される、第2のコア部分;並びに
上記第2のコア部分の周りに延在する第2のクラッド部分であって、上記第2の中央コア領域は、上記第2のクラッド部分に対する相対屈折率Δcc%を有し、上記第2の環状コア領域は、上記2のクラッド部分に対する相対屈折率Δac%を有し、上記第2の低屈折率コア領域は、上記第2のクラッド部分に対する相対屈折率Δlic%を有し、Δlic%はΔcc%及びΔac%より小さい、第2のクラッド部分
を備える、第2のセグメント
を備える、光ファイバと;
(II)上記光ファイバの上記第1のセグメントに隣接して接触するよう配置されたエンドキャップであって、上記エンドキャップは、上記非円対称屈折率プロファイルを有する、エンドキャップと
を備える、光ファイバ部品。
実施形態29
上記第1のセグメントは、移行領域によって上記第2のセグメントに光学的に結合され、上記第1のセグメントは第1の外径D0を有し、上記第2のセグメントは第2の外径d0を有し、上記第1の外径D0は上記第2の外径d0より大きい、実施形態28に記載の光ファイバ部品。
実施形態30
光ファイバであって、
上記光ファイバは:
第1のセグメントであって:
非円対称屈折率プロファイルを有し、かつ第1の中央コア領域、第1のコア領域、及び第1の低屈折率コア領域を備える、第1のコア部分であって、上記第1の中央コア領域は、上記第1のコア領域内に配置され、かつ上記第1の低屈折率コア領域によって上記第1のコア領域から隔てられる、第1のコア部分;並びに
上記第1のコア部分の周りに延在する第1のクラッド部分であって、上記第1の中央コア領域は、上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率ΔCC%を有し、上記第1のコア領域は、上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率ΔAC%を有し、上記第1の低屈折率コア領域は、上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率ΔLIC%を有し、ΔLIC%はΔCC%及びΔAC%より小さい、第1のクラッド部分
を備える、第1のセグメント;
第2のセグメントであって:
第2の中央コア領域、第2のコア領域、及び第2の低屈折率コア領域を備える、第2のコア部分であって、上記第2の中央コア領域は、上記第2のコア領域内に配置され、かつ上記第2の低屈折率コア領域によって上記第2のコア領域から隔てられ、少なくとも上記第2の中央コア領域が上記第1のコア領域に光学的に結合される、第2のコア部分;並びに
上記第2のコア部分の周りに延在する第2のクラッド部分であって、上記第2の中央コア領域は、上記第2のクラッド部分に対する相対屈折率Δcc%を有し、上記第2のコア領域は、上記2のクラッド部分に対する相対屈折率Δac%を有し、上記第2の低屈折率コア領域は、上記第2のクラッド部分に対する相対屈折率Δlic%を有し、Δlic%はΔcc%及びΔac%より小さい、第2のクラッド部分
を備える、第2のセグメント
を備える、光ファイバ。
実施形態31
上記第1のコア領域はリングの一部として成形される、実施形態30に記載の光ファイバ。
実施形態32
上記第1のセグメントは、移行領域によって上記第2のセグメントに光学的に結合され、上記第1のセグメントは第1の外径D0を有し、上記第2のセグメントは第2の外径d0を有し、上記第1の外径D0は上記第2の外径d0より大きい、実施形態30に記載の光ファイバ。
実施形態33
光学系であって、
上記光学系は:
ガウシアンプロファイルを有する出力ビームを放出する、レーザ光源と;
上記レーザ光源の上記出力ビームに結合される光ファイバであって、上記光ファイバは:
第1の外径D0を有する第1のセグメント;
第2の外径d0を有する第2のセグメントであって、上記第1の外径D0は上記第2の外径d0より大きく、上記第1の外径D0に対する上記第2の外径d0の比は、0.2以上0.9以下である、第2のセグメント;並びに
上記第1のセグメント及び上記第2のセグメントと一体形成されて光学的に結合された、移行領域
を備え、上記第1のセグメントは、上記第2のセグメントの第2のコア部分に光学的に結合された第1の環状コア領域を有する、第1のコア部分を備え、上記光ファイバは、上記レーザ光源の上記出力ビームを、上記ガウシアンプロファイルからベッセルプロファイルへと変換する、光ファイバと
を備える、光学系。
実施形態34
上記第1のセグメントは、上記第1のコア部分の周りに延在する第1のクラッド部分を更に備え、
上記第1のコア部分は、上記第1の環状コア領域内に配置された第1の低屈折率コア領域を備え、上記第1の環状コア領域は、上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率ΔAC%を有し、上記第1の低屈折率コア領域は、上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率ΔLIC%を有し、ΔLIC%はΔAC%より小さく;
上記第2のセグメントは、上記第2のコア部分の周りに延在する第2のクラッド部分を更に備え;
上記第2のコア部分は、第2の環状コア領域と、上記第2の環状コア領域内に配置された第2の低屈折率コア領域とを備え、上記第2の環状コア領域は、上記第2のクラッド部分に対する相対屈折率Δac%を有し、上記第2の低屈折率コア領域は、上記第2のクラッド部分に対する相対屈折率Δlic%を有し、Δlic%はΔac%より小さく、ΔAC%はΔac%と略同一である、実施形態33に記載の光学系。
実施形態35
上記第1のクラッド部分は、第1の外側クラッド領域と、上記第1の外側クラッド領域内に配置され、第1の内側クラッド部分によって上記第1のコア部分から隔てられた、第1の低屈折率トレンチとを更に備え、上記第1の低屈折率トレンチは、上記第1の外側クラッド領域に対する相対屈折率ΔLIT%を有し、上記第1の内側クラッド部分は、上記第1の外側クラッド領域に対する相対屈折率ΔICL%を有し、ΔAC%はΔICL%より大きく、ΔICL%はΔLIT%より大きく、
上記第2のクラッド部分は、第2の外側クラッド領域と、上記第2の外側クラッド領域内に配置され、第2の内側クラッド部分によって上記第2のコア部分から隔てられた、第2の低屈折率トレンチとを更に備え、上記第2の低屈折率トレンチは、上記第2の外側クラッド領域に対する相対屈折率Δlit%を有し、上記第2の内側クラッド部分は、上記第2の外側クラッド領域に対する相対屈折率Δicl%を有し、Δac%はΔicl%より大きく、Δicl%はΔlit%より大きい、実施形態34に記載の光学系。
実施形態36
上記第1のセグメントは、上記第1のコア部分の周りに延在する第1のクラッド部分を更に備え、
上記第1のコア部分は、上記第1の環状コア領域内に配置された第1の中央コア領域を備え、
上記第1の環状コア領域は、第1の低屈折率コア領域によって上記第1の中央コア領域から隔てられ、上記第1の環状コア領域は、上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率ΔCC%を有し、上記第1の環状コア領域は、上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率ΔAC%を有し、上記第1の低屈折率コア領域は、上記第1のクラッド部分に対する相対屈折率ΔLIC%を有し、ΔAC%はΔCC%より大きいか又は略等しく、ΔCC%はΔLIT%より大きく、
上記第2のセグメントは、上記第2のコア部分の周りに延在する第2のクラッド部分を更に備え;
上記第2のコア部分は、第2の環状コア領域内に配置された第2の中央コア領域を備え、上記第2の環状コア領域は、第2の低屈折率コア領域によって上記第2の中央コア領域から隔てられ、上記第2の中央コア領域は、上記第2のクラッド部分に対する相対屈折率Δcc%を有し、上記第2の環状コア領域は、上記第2のクラッド部分に対する相対屈折率Δac%を有し、上記第2の低屈折率コア領域は、上記第2のクラッド部分に対する相対屈折率Δlic%を有し、Δac%はΔcc%より大きいか又は略等しく、Δcc%はΔlic%より大きい、実施形態33に記載の光学系。
実施形態37
光学系であって、
上記光学系は:
ガウシアンプロファイルを有する出力ビームを放出する、レーザ光源と;
上記レーザ光源の上記出力ビームに結合される光ファイバであって、上記光ファイバは:
第1の外径D0を有する第1のセグメント;
第2の外径d0を有する第2のセグメントであって、上記第1の外径D0は上記第2の外径d0より大きく、上記第1の外径D0に対する上記第2の外径d0の比は、0.2以上0.9以下である、第2のセグメント;並びに
上記第1のセグメント及び上記第2のセグメントと一体形成されて光学的に結合された、移行領域
を備え、上記第1のセグメントは、上記第2のセグメントの第2のコア部分に光学的に結合された第1の環状コア領域を有する、第1のコア部分を備え、上記光ファイバは、上記レーザ光源の上記出力ビームを、上記ガウシアンプロファイルからベッセルプロファイルへと変換する、光ファイバと
を備える、光学系。