JP2021197669A - 画像読取装置、画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿台に入射する外乱光によって原稿領域の判定精度が悪化することを抑制すること。【解決手段】第1光検出部33aは、複数の第1受光素子331を有し、第1検出信号を出力する。第2光検出部33bは、複数の第2受光素子332を有し、前記第1光検出部33aよりも低い感度で検出した光の検出強度を表す第2検出信号を出力する。投光制御部83bは、投光部31に予め定められた基準光量の光を出射させる第1投光制御および前記投光部31に前記基準光量よりも大きな光量の光を出射させる第2投光制御を実行可能である。領域判定部83dは、前記第2投光制御が実行されるときに得られる前記第2検出信号のレベルを表すサブデータに基づいて原稿領域を判定する。【選択図】図4

Description

本発明は、原稿領域を判定可能な画像読取装置および画像形成装置に関する。
画像読取装置が、原稿台上の原稿を覆う原稿カバーが閉じられる直前に原稿領域を判定する処理を実行する場合がある。前記原稿領域は、透明な前記原稿台に載置された前記原稿が主走査方向において占める領域である。
例えば、信号処理部が、光走査部によって得られる画像信号から予め前記原稿が前記原稿台上に存在しないときに前記光走査部によって得られた外乱信号を差し引くことにより、前記原稿の位置およびサイズを判定することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−135330号公報
ところで、太陽光または電灯などの外乱光が前記原稿台上に入射する場合がある。前記外乱光の状況は、前記画像読取装置の設置環境に応じて大きく異なる。
前記外乱光が強い場合、前記原稿台に対向して配置されたラインセンサーの検出信号において、前記原稿領域とその他の領域との境界が不明瞭となり、前記原稿領域の判定精度が悪化するおそれがある。
本発明の目的は、原稿台に入射する外乱光によって原稿領域の判定精度が悪化することを抑制可能な画像読取装置および画像形成装置を提供することにある。
本発明の一の局面に係る画像読取装置は、投光部と、第1光検出部と、第2光検出部と、投光制御部と、領域判定部と、画像抽出部と、を備える。前記投光部は、原稿台に載置された原稿へ向けて光を出射する。前記第1光検出部は、主走査方向に沿って配列され、前記原稿で反射した光を受光する複数の第1受光素子を有し、前記複数の第1受光素子による光の検出強度を表す第1検出信号を出力する。前記第2光検出部は、前記主走査方向に沿って配列され、前記原稿で反射した光を受光する複数の第2受光素子を有し、前記第1光検出部よりも低い感度で検出した光の検出強度を表す第2検出信号を出力する。前記投光制御部は、前記投光部に予め定められた基準光量の光を出射させる第1投光制御および前記投光部に前記基準光量よりも大きな光量の光を出射させる第2投光制御を実行可能である。前記領域判定部は、前記第2投光制御が実行されるときに得られる前記第2検出信号のレベルを表すサブデータに基づいて前記主走査方向における原稿領域を判定する。前記画像抽出部は、前記第1投光制御が実行されるときに得られる前記第1検出信号のレベルを表すメインデータから前記領域判定部により判定された前記原稿領域に対応するデータを前記原稿の画像を表す原稿画像データとして抽出する。
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記画像読取装置と、前記画像読取装置によって得られる前記原稿画像データに基づく画像をシートに形成するプリント装置と、を備える。
本発明によれば、原稿台に入射する外乱光によって原稿領域の判定精度が悪化することを抑制可能な画像読取装置および画像形成装置を提供することが可能になる。
図1は、第1実施形態に係る画像読取装置を含む画像形成装置の構成図である。 図2は、第1実施形態に係る画像読取装置におけるイメージセンサーユニットおよびその周辺部の構成図である。 図3は、第1実施形態に係る画像読取装置におけるラインセンサーの構成図である。 図4は、第1実施形態に係る画像読取装置における第2受光素子およびフィルターを示す図である。 図5は、第1実施形態に係る画像読取装置における制御装置の構成を示すブロック図である。 図6は、第2実施形態に係る画像読取装置におけるラインセンサーの構成図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る画像読取装置1は、画像形成装置10の一部を構成している。画像形成装置10は、画像読取装置1およびプリント装置2を備える。
画像読取装置1は、画像読取処理を実行する。前記画像読取処理は、原稿9から画像を読み取り、読み取った画像を表す原稿画像データを生成する処理である。前記原稿画像データは、原稿9の画像を表すデータである。
図1に示されるように、画像読取装置1は、プラテンガラス11、原稿カバー12および画像走査部13を備える。さらに、画像読取装置1は、原稿カバー12に設けられたADF(Automatic Document Feeder)14も備える。
プラテンガラス11は、透明な原稿台である。原稿9は、プラテンガラス11上に載置される。原稿カバー12は、プラテンガラス11上に載置された原稿9を覆う。原稿カバー12は、プラテンガラス11上を覆う閉位置とプラテンガラス11上を開放する開位置との間で変位可能に支持されている。
原稿カバー12は、原稿トレイ121および排出トレイ122を有する。ADF14は、原稿トレイ121に載置された1枚以上の原稿9を1枚ずつ原稿搬送路140へ送り出し、さらに、原稿9を原稿搬送路140に沿って搬送する。
画像読取装置1は、原稿搬送路140の読取位置P0に対向して配置されたコンタクトガラス11aをさらに備える。
画像走査部13は、ラインセンサーユニット3および走査機構30を備える。ラインセンサーユニット3は、プラテンガラス11上に載置された原稿9から主走査方向D1に沿う1ライン分の画像を読み取り、前記1ライン分の画像を表すライン画像信号Ia1を出力する。ラインセンサーユニット3は、その長手方向が主走査方向D1に沿う状態で配置されている。
走査機構30は、プラテンガラス11の下方に配置されている。走査機構30は、ラインセンサーユニット3を副走査方向D2に沿って移動させる。
走査機構30は、キャリッジ30aおよびキャリッジ移動機構30bを備える。キャリッジ30aは、ラインセンサーユニット3をプラテンガラス11に対向させる状態で支持する。キャリッジ30aは、プラテンガラス11の下方において、副走査方向D2に沿って移動可能に支持されている。キャリッジ移動機構30bは、キャリッジ30aを副走査方向D2に移動させる。
本実施形態において、ラインセンサーユニット3はCIS(Contact Image Sensor)ユニットである。
図2に示されるように、ラインセンサーユニット3は、投光部31、レンズ32およびラインセンサー33などを含む。投光部31は、赤の光を出射する赤光源31R、緑の光を出射する緑光源31Gおよび青の光を出射する青光源31Bを含む。
投光部31、レンズ32およびラインセンサー33は、主走査方向D1に沿って延びて形成されている。
投光部31は、プラテンガラス11に載置された原稿9、または、ADF14によって搬送される原稿9へ向けて光を出射する。投光部31は、原稿9における主走査方向D1に沿うライン領域へ3色の光を出射する。
前記3色の光は、赤色光、緑色光および青色光である。具体的には、投光部31は、赤光源31R、緑光源31Gおよび青光源31Bを含む。例えば、赤光源31R、緑光源31Gおよび青光源31Bが、それぞれ主走査方向D1に沿って配列された複数の発光ダイオードを含むLEDアレイであることが考えられる。
レンズ32は、原稿9の前記ライン領域で反射した光をラインセンサー33の受光部へ集光する。例えば、レンズ32が、主走査方向D1に沿って配列された複数の単位レンズからなるレンズアレイであることが考えられる。
ラインセンサー33は、原稿9の前記ライン領域で拡散反射した反射光の強度を検出するセンサーである。ラインセンサー33は、前記反射光の検出強度を表すアナログのライン画像信号Ia1を出力する。ライン画像信号Ia1は、原稿9の前記ライン領域の画像であるライン画像の濃度を表す信号である。
プリント装置2は、シート収容部21、シート搬送機構22およびプリント部23を備える。シート搬送機構22は、シート収容部21に収容された1枚以上のシートを1枚ずつシート搬送路20へ送り出し、さらに、前記シートをシート搬送路20に沿って搬送する。
プリント部23は、シート搬送路20に沿って搬送される前記シートに画像を形成するプリント処理を実行する。図1に示される例において、プリント部23は、電子写真方式でカラープリント処理を実行することが可能な装置である。なお、プリント部23が、インクジェット方式などの他の方式で前記プリント処理を実行する装置であってもよい。
例えば、プリント部23は、画像読取装置1によって得られる前記原稿画像データに基づく前記プリント処理を実行する。
画像形成装置10は、画像読取装置1およびプリント装置2に共有される制御装置8および操作表示部8xをさらに備える。また、画像読取装置1は、カバーセンサー801および原稿センサー802をさらに備える。
操作表示部8xは、表示部と操作部とを含むマンマシンインターフェイス装置である。前記表示部は、情報を表示可能な装置であり、例えばパネルディスプレーなどを含む。前記操作部は、ユーザーの操作を受け付ける装置であり、例えばタッチパネルおよび操作ボタンなどを含む。
カバーセンサー801は、原稿カバー12がプラテンガラス11に対して予め定められた近接範囲内に存在する状態である閉状態を検出する。原稿センサー802は、原稿トレイ121上に載置された原稿9を検出する。
制御装置8は、各種の信号処理およびデータ処理を実行する。前記信号処理は、画像読取装置1により得られる前記ライン画像信号に基づいて前記原稿画像データを生成する処理を含む。また、前記データ処理は、前記原稿画像データを前記プリント処理に用いられるプリントデータへ変換する処理およびその他の画像処理などを含む。
さらに、制御装置8は、操作表示部8xを通じて入力される入力情報および各種センサーの検出結果に基づいて、画像形成装置10が備える各種の電気機器および前記表示部を制御する。
図5に示されるように、制御装置8は、AFE(Analog Front End)81、フレームメモリー82、CPU(Central Processing Unit)83、二次記憶装置84、RAM(Random Access Memory)85、タイミング信号生成回路86および光源制御回路87を備える。
AFE81は、ライン画像信号Ia1をデジタルのライン画像データId1へ変換する。より具体的には、AFE81は、ライン画像信号Ia1にオフセット調整を施し、さらにそのオフセット調整が施された信号を増幅する。
さらに、AFE81は、増幅された信号をデジタル変換することによってライン画像データId1を生成する。ライン画像データId1は、前記ライン画像を構成する複数の画素の濃度を表す複数の画素データを含む。
フレームメモリー82は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)などのようにコンピューター読み取り可能な記憶装置である。フレームメモリー82は、ライン画像データId1を記憶する。
CPU83は、コンピュータープログラムを実行することにより、ライン画像データId1に対する画像処理およびその他のデータ処理を実行する。
二次記憶装置84は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。例えば、二次記憶装置84はフラッシュメモリーなどである。二次記憶装置84は、前記コンピュータープログラムおよびその他のデータを記憶する。
RAM85は、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM85は、CPU83が実行中の前記コンピュータープログラムおよびCPU83が各種の処理を実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する。
タイミング信号生成回路86は、例えば画素クロック、サンプルホールド信号、ライン同期信号および発光制御信号などを含むタイミング信号を生成して出力する。ラインセンサー33、AFE81、フレームメモリー82およびCPU83は、タイミング信号生成回路86が出力する各種の前記タイミング信号に同期してそれぞれの処理を実行する。
前記画素クロックは、ライン画像データId1に含まれる前記複数の画素データ各々を処理するタイミングを制御する信号である。前記サンプルホールド信号は、AFE81が、ライン画像信号Ia1をライン画像データId1へ変換するタイミングを制御する信号である。
前記ライン同期信号は、ラインセンサー33が光電変換処理を開始するタイミングおよびライン画像信号Ia1を出力するタイミングを制御する信号である。前記ライン同期信号は、チャージアンプ34が電荷Q1を蓄積する時間を制御する信号でもある。
前記発光制御信号は、赤光源31R、緑光源31Gおよび青光源31Bそれぞれを発光させるタイミングを制御する信号である。光源制御回路87は、光源制御回路87は、前記発光制御信号に従って赤光源31R、緑光源31Gおよび青光源31Bそれぞれを発光させる。
AFE81、タイミング信号生成回路86および光源制御回路87は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはその他の回路によって実現される。
後述するように、制御装置8のCPU83は、原稿領域を判定する処理を実行可能である。以下、この処理のことを領域判定処理と称する。前記原稿領域は、プラテンガラス11上に載置された原稿9が主走査方向D1において占める領域である。
例えば、CPU83は、カバーセンサー801が前記閉状態を検出しない状態から前記閉状態を検出する状態へ変化したときに前記領域判定処理を実行する。
ところで、太陽光または電灯などの外乱光がプラテンガラス11上に入射する場合がある。前記外乱光の状況は、画像読取装置1の設置環境に応じて大きく異なる。
前記外乱光が強い場合、プラテンガラス11に対向して配置されたラインセンサー33の検出信号において、前記原稿領域とその他の領域との境界が不明瞭となり、前記原稿領域の判定精度が悪化するおそれがある。
画像読取装置1のラインセンサー33は、プラテンガラス11に入射する前記外乱光によって前記原稿領域の判定精度が悪化することを抑制可能な構成を備える。以下、その構成について説明する。
図3に示されるように、ラインセンサー33は、主走査方向D1に沿って配列された複数の第1受光素子331と、主走査方向D1に沿って配列された複数の第2受光素子332とを備える。第1受光素子331各々、および、第2受光素子332は、光電変換素子である。本実施形態において、ラインセンサー33はCMOSイメージセンサーである。
複数の第1受光素子331および複数の第2受光素子332は、複数のセンサーチップ33xとしてチップ化されている。センサーチップ33x各々は、複数の第1受光素子331のうちの一部と、複数の第2受光素子332のうちの一部とを含むウエハである。複数のセンサーチップ33xは、センサー基板330に実装されている。
第1受光素子331各々、および、第2受光素子332各々は、それぞれ原稿9で反射した前記反射光を受光し、受光した光の強度に応じた電荷Q1を出力する(図5参照)。
図5に示されるように、ラインセンサー33は、チャージアンプ34をさらに備える。チャージアンプ34は、第1受光素子331各々、および、第2受光素子332各々から出力される電荷Q1を蓄積し、蓄積した電荷Q1の量を表すライン画像信号Ia1を出力する。ライン画像信号Ia1は、第1受光素子331各々、および、第2受光素子332各々における前記反射光の検出強度を表す。
以下の説明において、複数の第1受光素子331およびチャージアンプ34における複数の第1受光素子331に対応する部分のことを第1光検出部33aと称する(図5参照)。
また、複数の第2受光素子332およびチャージアンプ34における複数の第2受光素子332に対応する部分のことを第2光検出部33bと称する。
また、ライン画像信号Ia1のうち第1光検出部33aが出力する信号のことを第1検出信号Ia11と称し、ライン画像信号Ia1のうち第2光検出部33bが出力する信号のことを第2検出信号Ia12と称する(図5参照)。
また、ライン画像データId1のうち第1検出信号Ia11に対応するデータのことをメインデータId11と称し、ライン画像データId1のうち第2検出信号Ia12に対応するデータのことをサブデータId12と称する。メインデータId11は、第1検出信号Ia11のレベルを表し、サブデータId12は、第2検出信号Ia12のレベルを表す。
第1光検出部33aは、第1受光素子331各々により生成される電荷Q1を予め設定される蓄積時間ずつ蓄積し、さらに蓄積された電荷量に対応する第1検出信号Ia11を出力する。即ち、第1光検出部33aは、複数の第1受光素子331による光の検出強度を表す第1検出信号Ia1を出力する。
第2光検出部33bは、第2受光素子332各々により生成される電荷Q1を予め設定される蓄積時間ずつ蓄積し、さらに蓄積された電荷量に対応する第2検出信号Ia12を出力する。即ち、第2光検出部33bは、複数の第2受光素子332による光の検出強度を表す第2検出信号Ia2を出力する。
第2光検出部33bは、第1光検出部33aよりも低い感度で検出した光の検出強度を表す第2検出信号Ia12を出力する。即ち、第2光検出部33bの1画素あたりの予め定めれた基準強度の光の受光に対する第2検出信号Ia12のレベルが、第1光検出部33aの1画素あたりの前記基準強度の光の受光に対する第1検出信号Ia11のレベルよりも小さい。
本実施形態において、第2光検出部33bは、複数の第2受光素子332への前記反射光の入射経路に配置された光フィルター333を備える。光フィルター333は、複数の第1受光素子331への前記反射光の入射経路よりも光の透過率が低い減衰フィルターである。
なお、第2光検出部33bの光の検出感度を第1光検出部33aの光の検出感度よりも低くするために、第2受光素子332各々が、第1受光素子331各々よりも受光面積が小さな素子であってもよい。
また、第2光検出部33bにおけるチャージアンプ34の信号増幅のゲインが、第1光検出部33aにおけるチャージアンプ34の信号増幅のゲインよりも小さく設定されてもよい。
本実施形態において、複数の第2受光素子332は、複数の第1受光素子331の列に対して並列に配列されている(図3参照)。さらに、複数の第2受光素子332は、複数の第1受光素子331のピッチよりも大きなピッチで配列されている。
CPU83は、前記コンピュータープログラムを実行することにより複数の処理モジュールとして動作する。即ち、CPU83は、前記複数の処理モジュールを含む。前記複数の処理モジュールは、主処理部83a、投光制御部83b、駆動制御部83c、領域判定部83d、画像抽出部83eおよびデータ変換部83fなどを含む。
本実施形態において、主処理部83a、投光制御部83b、駆動制御部83c、領域判定部83d、画像抽出部83eおよびデータ変換部83fは、画像読取装置1の一部を構成している。
主処理部83aは、操作表示部8xに対する操作に応じて各種の処理を開始させる制御、および、操作表示部8xに各種の情報を表示させる制御などを実行する。
投光制御部83bは、タイミング信号生成回路86を制御することにより、タイミング信号生成回路86を通じて光源制御回路87を制御する。これにより、投光制御部83bは、投光部31の点灯および消灯を制御する。
本実施形態において、投光制御部83bは、第1投光制御および第2投光制御を実行可能である。投光制御部83bは、前記第1投光制御において、投光部31に予め定められた基準光量の光を出射させる。一方、投光制御部83bは、前記第2投光制御において、投光部31に前記基準光量よりも大きな光量の光を出射させる。
具体的には、投光制御部83bは、前記第1投光制御において、赤光源31R、緑光源31Gおよび青光源31Bをそれぞれ前記基準光量で順次点灯させる。一方、投光制御部83bは、前記第2投光制御において、赤光源31R、緑光源31Gおよび青光源31Bのうちの2つまたは3つをそれぞれ前記基準光量または最大光量で同時に点灯させる。
駆動制御部83cは、走査機構30およびADF14を制御する。具体的には、駆動制御部83cは、第1センサー移動制御、第2センサー移動制御、第3センサー移動制御および原稿搬送制御を実行可能である。
前記第1センサー移動制御は、走査機構30を制御することにより、ラインセンサーユニット3を、予め定められた起点位置と終点位置との間で往復移動させる制御である。前記起点位置および前記終点位置は、それぞれ原稿9がプラテンガラス11上に載置された状態で実行される前記画像読取処理の開始位置および終了位置である。
前記第2センサー移動制御は、走査機構30を制御することにより、ラインセンサーユニット3を、予め定められた判定位置へ移動させる制御である。前記判定位置は、前記起点位置と前記終点位置との間における前記起点位置寄りの位置である。前記第2センサー移動制御は、前記領域判定処理の前に実行される。
なお、前記起点位置、前記終点位置および前記判定位置は、それぞれプラテンガラス11に対向する位置である。
前記第3センサー移動制御は、走査機構30を制御することにより、ラインセンサーユニット3を読取位置P0に対向する位置へ移動させた後に、ラインセンサーユニット3を読取位置P0に対向する位置に保持する制御である。
主処理部83aは、予め定められた判定開始条件が成立したときに、前記領域判定処理を開始させる。例えば、前記判定開始条件は、後述する第1判定開始条件および第2判定開始条件を含む。
前記第1判定開始条件は、カバーセンサー801が前記閉状態を検出しない状態から前記閉状態を検出する状態へ変化したという条件である。通常、前記第1判定開始条件は、原稿カバー12が閉じられた状態での前記画像読取処理が開始される前に成立する。
前記第2判定開始条件は、原稿センサー802が原稿9を検出しておらず、かつ、カバーセンサー801が前記閉状態を検出していない状況下で、操作表示部8xに対して予め定められた読み取り開始操作が行われたという条件である。通常、前記第2判定条件は、本などの大きな厚みの原稿9がプラテンガラス11上に載置された状態で、原稿カバー12が閉じられないまま前記画像読取処理が開始されるときに成立する。
前記領域判定処理において、駆動制御部83cが前記第2センサー移動制御を実行する。さらに、ラインセンサーユニット3が前記判定位置へ移動したときに、投光制御部83bが前記第2投光制御を実行するとともに、主処理部83aがラインセンサー33を動作させる。
即ち、前記第2投光制御が実行されるときにラインセンサー33が動作する。これにより、前記第2投光制御に対応する第2検出信号Ia12がチャージアンプ34から出力され、さらに、第2検出信号Ia12に対応するサブデータId12がフレームメモリー82に記憶される。
領域判定部83dは、前記第2投光制御が実行されるときに得られる第2検出信号Ia12のレベルを表すサブデータId12に基づいて、主走査方向D1における前記原稿領域を判定する。
例えば、領域判定部83dは、サブデータId12に対するエッジ検出処理により、主走査方向D1において画素濃度の変化が最も大きな2箇所の間の領域が前記原稿領域であると判定する。
前述したように、複数の第2受光素子332は、複数の第1受光素子331のピッチよりも大きなピッチで配列されている。即ち、第2受光素子332は第1受光素子331の数よりも少ない。
前記原稿領域の判定の分解能は、原稿9の画像の読み取りの分解能よりも低くても十分である。従って、複数の第2受光素子332の配列ピッチが複数の第1受光素子331の配列ピッチよりも大きくても、前記原稿領域の判定の精度において特に問題は生じない。
また、主処理部83aは、原稿センサー802が原稿9を検出しておらず、かつ、カバーセンサー801が前記閉状態を検出している状況下で操作表示部8xに対して前記読み取り開始操作が行われたときに、第1読取制御を実行する。
主処理部83aは、前記第1読取制御において、駆動制御部83cに前記第1センサー移動制御を実行させ、さらに投光制御部83bに前記第1投光制御を実行させるとともにラインセンサー33を動作させる。
前記第1読取制御が実行されることにより、投光部31の出射光がプラテンガラス11上の原稿9の表面に対し副走査方向D2に沿って走査される状況下で、ラインセンサー33が原稿9から前記ライン画像を読み取る。これにより、プラテンガラス11上に載置された原稿9についての前記画像読取処理が実行される。
また、主処理部83aは、前記第2判定開始条件の成立に応じて前記原稿判定処理が実行されたときにも、前記第1読取制御を実行する。
また、主処理部83aは、原稿センサー802が原稿9を検出している状況下で操作表示部8xに対して前記読み取り開始操作が行われたときに、第2読取制御を実行する。
主処理部83aは、前記第2読取制御において、駆動制御部83cに前記第3センサー移動制御を実行させ、さらにADF14に原稿9を搬送する処理を実行させる、さらに投光制御部83bに前記第1投光制御を実行させるとともに、ラインセンサー33を動作させる。これにより、ADF14によって搬送される原稿9についての前記画像読取処理が実行される。
画像抽出部83eは、前記第1投光制御が実行されるときに得られる第1検出信号Ia11のレベルを表すメインデータId11から、領域判定部83dにより判定された前記原稿領域に対応するデータを原稿画像データとして抽出する。前記原稿画像データは、原稿9の画像を表すデータである。
データ変換部83fは、前記原稿画像データを前記プリント処理に用いられるデータ、または、データ転送のために予め指定されるフォーマットのデータへ変換する。
本実施形態によれば、前記第2投光制御が実行されるときに、投光部31から通常よりも強い光が出射されるため、比較的強い前記反射光が第2受光素子332に入射する。この場合、第2受光素子332に入射する光における、前記外乱光の強度に対する前記反射光の強度の比であるSN比が大きい。
また、第2光検出部33bの光の検出感度が低いため、強い前記反射光が第2受光素子332に入射しても、第2検出信号Ia12のサチュレーションが生じることを回避できる。
従って、本実施形態によれば、プラテンガラス11に入射する前記外乱光によって前記原稿領域の判定精度が悪化することが抑制される。
また、本実施形態において、主処理部83aは、操作表示部8xに対して予め定められた調整開始操作が行われた後に前記第1判定開始条件が成立したときに、感度調整処理を実行する。前記調整開始操作は、原稿9がプラテンガラス11上に載置されていない状態で行われる。
主処理部83aは、前記感度調整処理において、駆動制御部83cに前記第2センサー移動制御を実行させ、さらに、投光制御部83bに前記第2投光制御を実行させるとともにラインセンサー33を動作させる。
さらに、主処理部83aは、前記第2投光制御が実行されるときに得られるサブデータId12に基づいて、新たに前記第2投光制御が実行されるときの前記ライン同期信号の出力周期を設定する。
前記ライン同期信号の出力周期は、第2光検出部33bにおけるチャージアンプ34による第2受光素子332各々の電荷Q1の蓄積時間に相当する。即ち前記ライン同期信号の出力周期が短いことは、前記蓄積時間が短いことに相当し、前記ライン同期信号の出力周期が長いことは、前記蓄積時間が長いことに相当する。
例えば、主処理部83aは、前記第2投光制御が実行されるときに得られるサブデータId12の代表値がと予め定められた基準範囲との比較に基づいて前記ライン同期信号の出力周期を設定する。この場合、主処理部83aは、前記代表値が前記基準範囲を上回る場合に、前記ライン同期信号の出力周期を予め定められた基準周期よりも短い時間に設定し、前記代表値が前記基準範囲を下回る場合に、前記ライン同期信号の出力周期を前記基準周期よりも長い時間に設定する。
なお、サブデータId12における画素値が大きいことは、第2受光素子332各々に強い光が入射したことを表す。また、前記代表値は、例えば平均値、中央値または最大値などである。
前記感度調整処理を実行する主処理部83aは、新たに前記第2投光制御が実行されるときの第2光検出部33bにおける前記蓄積時間を設定する蓄積時間調整部の一例である。
前記感度調整処理が実行されることにより、第2光検出部33bの光の検出感度が、画像読取装置1の設置環境に応じて適切に調整される。
[第2実施形態]
次に、図6を参照しつつ、画像形成装置10に適用可能な第2実施形態に係る画像読取装置1Xについて説明する。図6において、図1〜5に示される構成要素と同じ構成要素には同じ参照符号が付されている。
画像読取装置1Xは、画像読取装置1におけるラインセンサー33がラインセンサー33Xに置き換えられた構成を備える。
図6に示されるように、ラインセンサー33Xにおいて、複数の第2受光素子332は、複数の第1受光素子331の間に配置されている。さらに、複数の第2受光素子332は、複数の第1受光素子331のピッチよりも大きなピッチで配列されている。
画像読取装置1Xが採用される場合も、画像読取装置1が採用される場合と同様の効果が得られる。
1 :画像読取装置
1X :画像読取装置
2 :プリント装置
3 :ラインセンサーユニット
8 :制御装置
10 :画像形成装置
11 :プラテンガラス
11a :コンタクトガラス
12 :原稿カバー
13 :画像走査部
30 :走査機構
30a :キャリッジ
30b :キャリッジ移動機構
31 :投光部
31B :青光源
31G :緑光源
31R :赤光源
32 :レンズ
33 :ラインセンサー
33X :ラインセンサー
33a :第1光検出部
33b :第2光検出部
33x :センサーチップ
34 :チャージアンプ
82 :フレームメモリー
83 :CPU
83a :主処理部
83b :投光制御部
83c :駆動制御部
83d :領域判定部
83e :画像抽出部
83f :データ変換部
86 :タイミング信号生成回路
87 :光源制御回路
330 :センサー基板
331 :第1受光素子
332 :第2受光素子
333 :光フィルター
801 :カバーセンサー
802 :原稿センサー

Claims (7)

  1. 原稿台に載置された原稿へ向けて光を出射する投光部と、
    主走査方向に沿って配列され、前記原稿で反射した光を受光する複数の第1受光素子を有し、前記複数の第1受光素子による光の検出強度を表す第1検出信号を出力する第1光検出部と、
    前記主走査方向に沿って配列され、前記原稿で反射した光を受光する複数の第2受光素子を有し、前記第1光検出部よりも低い感度で検出した光の検出強度を表す第2検出信号を出力する第2光検出部と、
    前記投光部に予め定められた基準光量の光を出射させる第1投光制御および前記投光部に前記基準光量よりも大きな光量の光を出射させる第2投光制御を実行可能な投光制御部と、
    前記第2投光制御が実行されるときに得られる前記第2検出信号のレベルを表すサブデータに基づいて前記主走査方向における原稿領域を判定する領域判定部と、
    前記第1投光制御が実行されるときに得られる前記第1検出信号のレベルを表すメインデータから前記領域判定部により判定された前記原稿領域に対応するデータを前記原稿の画像を表す原稿画像データとして抽出する画像抽出部と、を備える、画像読取装置。
  2. 前記複数の第2受光素子は、前記複数の第1受光素子の列に対して並列に配列されている、請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記複数の第2受光素子は、前記複数の第1受光素子の間に配列されている、請求項1に記載の画像読取装置。
  4. 前記第2光検出部は、前記複数の第2受光素子への光の入射経路に配置され、前記複数の第1受光素子への光の入射経路よりも光の透過率が低い光フィルターを備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  5. 前記第2光検出部が、前記第2受光素子各々により生成される電荷を予め設定される蓄積時間ずつ蓄積し、さらに蓄積された電荷量に対応する前記第2検出信号を出力する場合に、前記第2投光制御が実行されるときに得られる前記サブデータに基づいて、新たに前記第2投光制御が実行されるときの前記第2光検出部における前記蓄積時間を設定する蓄積時間調整部をさらに備える、請求項4に記載の画像読取装置。
  6. 前記投光部は、赤、緑および青の光をそれぞれ出射する3つの光源を含み、
    前記投光制御部は、前記第1投光制御において前記3つの光源を順次点灯させ、前記第2投光制御において前記3つの光源のうち少なくとも2つを同時に点灯させる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像読取装置と、
    前記画像読取装置によって得られる前記原稿画像データに基づく画像をシートに形成するプリント装置と、を備える画像形成装置。
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