JP2021196999A - 制御装置、上位コントローラ、制御方法、及び制御プログラム - Google Patents

制御装置、上位コントローラ、制御方法、及び制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】予測モデルを用いた制御対象装置の動作制御の安定性の向上を図る。【解決手段】本発明の一側面に係る制御装置は、制御対象装置の状態に関する測定値を取得し、予測モデルを使用して、取得された測定値から未来の動作又は状態に関する予測を行い、予測の結果を利用して、制御対象装置に対する制御指令を決定することで、予測制御を実施可能に構成される。更に、制御装置は、予測モデルの使用条件が信頼性条件を満たすか否かを判定し、信頼性条件を満たさないと判定される場合に、予測の結果の利用を停止することで、予測制御の実施を回避可能に構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、制御装置、上位コントローラ、制御方法、及び制御プログラムに関する。
制御対象装置の動作を制御するために、PLC(programmable logic controller)等のコントローラが一般的に利用されている。従来、コントローラの計算能力が限られていたため、コントローラは、PID(Proportional-Integral-Differential)制御等の演算の比較的に簡単な制御方法により、制御対象装置の動作を制御するように構成されていた。しかしながら、近年、コントローラの計算能力が向上したことにより、予測モデルを利用した高度な制御方法の実装が可能となった。
例えば、特許文献1では、化学プラント、製油所等の工場プロセスの制御に利用するPLCに予測モデルを実装する方法が提案されている。具体的には、システムプロセスの動作結果を示すデータを収集し、得られたデータに基づいて、システムの状態を予測する予測モデルを生成し、生成した予測モデルを利用して、システムの制御を最適化することが提案されている。この方法によれば、予測モデルを利用することで、生産ラインのプロセスを最適化し、品質の悪い製品が製造される確率を低減することができる。また、予測モデルを利用することで、生産ラインの立ち上げ又は段取り替えにかかる時間の短縮化を図ることができる。
しかしながら、予測モデルによりシステムの状態を予測する際に、ノイズ等に起因する異常値(外れ値)を利用すると、制御対象装置の動作が不安定になってしまう可能性がある。そこで、特許文献2では、予測モデルの生成及び使用の際に異常値を除外することが提案されている。具体的には、特許文献2で提案される機械学習装置は、入力データを取得する状態観測部と、入力データにおける異常を検出し、安全な入力データを出力する入力安全回路と、安全な入力データに基づいて、学習モデルの学習及び学習モデルを用いた推論を実行し、推論結果としての推論データを出力する機械学習部と、推論データにおける異常を検出し、安全な推論データを出力する出力安全回路と、安全な推論データに基づく出力データを出力する出力部と、を備える。この装置によれば、異常値を用いないことにより、制御対象装置の動作制御の安定性を確保することができる。
米国特許出願公開第2014/0297002号明細書 特開2019−086928号公報
本件発明者らは、予測モデルを利用した制御方法には、上記異常値の問題以外に、次のような問題があることを見出した。すなわち、予測モデルの性能は、予測モデルの生成に使用された学習データに依存する。また、予測モデルの内部的な振る舞いは隠蔽されることが多く、異常値を除外しても、予測モデルによる予測には誤りが生じ得る。誤った予測の結果をそのまま利用した場合には、適切でない制御指令を生成してしまう可能性があり、これに起因して、制御対象装置の動作制御が不安定になってしまうという問題が生じてしまう。
本発明は、一側面では、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、予測モデルを用いた制御対象装置の動作制御の安定性の向上を図る技術を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係る制御装置は、制御対象装置の状態に関する測定値を取得する取得部と、予測モデルを使用して、取得された前記測定値から、前記制御対象装置の未来の動作又は状態に関する予測を行う予測部と、前記予測の結果を利用して、前記制御対象装置に対する制御指令を決定し、かつ決定された制御指令に基づいて、前記制御対象装置の動作を制御する動作制御部と、前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かを判定する評価部と、を備える。そして、前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たさないと判定された場合に、前記動作制御部は、前記予測の結果の利用を停止する。
当該構成によれば、予測モデルを利用することで、制御対象装置のプロセスを最適化することができる。例えば、制御対象装置が生産装置である場合、品質の悪い製品が製造される確率を低減することができる。また、予測モデルを利用することで、制御対象装置の立ち上げ又は段取り替えにかかる時間の短縮化を期待することができる。更には、当該構成では、予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かを判定し、満たさないと判定された場合には、予測結果の利用を停止する。これにより、予測モデルによる予測が誤りやすい場面において、その予測結果を利用した動作制御が実施されないようにすることができる。すなわち、制御対象装置の動作制御が不安定になりやすい場面において、予測モデルによる予測制御の実施を停止することができる。したがって、本実施形態によれば、予測モデルを用いた制御対象装置の動作制御の安定性の向上を図ることができる。
上記一側面に係る制御装置において、前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かは、前記予測モデルの生成に使用された学習データの範囲に取得された前記測定値が属するか否かに基づいて判定されてよい。一般的に、予測モデルの性能は、学習データに依存する。予測モデルの生成に使用された学習データの範囲から説明変数の値が逸脱する(すなわち、未知である)ほど、その説明変数の値に対する予測モデルの予測精度は低くなる可能性が高い。一方で、説明変数の値が学習データの範囲に属する場合には、予測モデルの予測精度が高くなるのは当然である。当該構成によれば、この観点に基づいて、予測モデルを使用する条件の信頼性を適切に評価することができ、これによって、予測モデルを用いた制御対象装置の動作制御の安定性の向上を図ることができる。
上記一側面に係る制御装置において、前記学習データの範囲はデータ分布により表現されてよく、前記学習データの範囲に前記測定値が属するか否かは、前記データ分布に前記測定値が含まれるか否かに基づいて判定されてよい。当該構成によれば、学習データの範囲をデータ分布により表現することで、学習データの範囲に測定値が属するか否かの演算を容易化することができる。これにより、予測モデルの信頼性を評価する情報処理の負荷の低減及び高速化を期待することができる。
上記一側面に係る制御装置において、前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かは、動作を制御する際の前記制御対象装置の動作条件が、前記予測モデルの生成に使用された学習データを収集した際の制御対象装置の動作条件の範囲に属するか否かに基づいて判定されてよい。予測モデルを使用する環境が学習環境から乖離するほど、予測モデルの生成の際に考慮されていない事象が生じやすく、これに起因して、予測モデルの予測精度は低くなる可能性が高い。一方で、予測モデルを使用する環境が学習環境の範疇であれば、そのような事象は生じ難く、予測モデルの予測精度が高くなるのは当然である。当該構成によれば、この観点に基づいて、予測モデルを使用する条件の信頼性を適切に評価することができ、これによって、予測モデルを用いた制御対象装置の動作制御の安定性の向上を図ることができる。
上記一側面に係る制御装置において、前記制御対象装置の状態に関する前記測定値は、前記制御対象装置の制御量の測定値であってよい。当該構成によれば、制御対象装置の未来の動作又は状態に関する予測を制御量の測定値から行う形態において、予測モデルを用いた制御対象装置の動作制御の安定性の向上を図ることができる。
上記一側面に係る制御装置において、前記制御対象装置の未来の動作又は状態に関する予測の結果は、前記制御対象装置の制御量の予測値、制御量の目標値に対する補正値、前記制御対象装置に対する操作量の予測値、及び操作量に対する補正値のいずれかにより構成されてよい。当該構成によれば、制御対象装置の制御量の予測値、制御量の目標値に対する補正値、制御対象装置に対する操作量の予測値、及び操作量に対する補正値のいずれかに基づいて予測制御を行う形態において、予測モデルを用いた制御対象装置の動作制御の安定性の向上を図ることができる。
上記各形態に係る制御装置は、制御対象装置の動作を制御する動作制御部を備えている。しかしながら、本発明は、このような形態に限られなくてよい。本発明の一側面は、上記いずれかの形態に係る制御装置の動作制御部を、制御指令を下位コントローラに出力する動作決定部に置き換えることで構成されてよい。例えば、本発明の一側面に係る上位コントローラは、制御対象装置の状態に関する測定値を取得する取得部と、予測モデルを使用して、取得された前記測定値から、前記制御対象装置の未来の動作又は状態に関する予測を行う予測部と、前記予測の結果を利用して、前記制御対象装置に対する制御指令を決定し、かつ決定された制御指令を下位コントローラに出力する動作決定部と、前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かを判定する評価部と、を備える。前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たさないと判定された場合に、前記動作決定部は、前記予測の結果の利用を停止する。
また、上記各形態に係る制御装置及び上位コントローラの別の態様として、本発明の一側面は、以上の各構成を実現する情報処理方法であってもよいし、プログラムであってもよいし、このようなプログラムを記憶した、コンピュータ等が読み取り可能な記憶媒体であってもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記憶媒体とは、プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的、又は、化学的作用によって蓄積する媒体である。
例えば、本発明の一側面に係る制御方法は、コンピュータが、制御対象装置の状態に関する測定値を取得するステップと、予測モデルを使用して、取得された前記測定値から、前記制御対象装置の未来の動作又は状態に関する予測を行うステップと、前記予測の結果を利用して、前記制御対象装置に対する制御指令を決定するステップと、決定された制御指令に基づいて、前記制御対象装置の動作を制御するステップと、前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かを判定するステップと、を実行する情報処理方法であって、前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たさないと判定された場合に、前記コンピュータは、前記予測の結果の利用を停止する、情報処理方法である。
また、例えば、本発明の一側面に係る制御プログラムは、コンピュータに、制御対象装置の状態に関する測定値を取得するステップと、予測モデルを使用して、取得された前記測定値から、前記制御対象装置の未来の動作又は状態に関する予測を行うステップと、前記予測の結果を利用して、前記制御対象装置に対する制御指令を決定するステップと、決定された制御指令に基づいて、前記制御対象装置の動作を制御するステップと、前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かを判定するステップと、を実行させるためのプログラムであって、前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たさないと判定された場合に、前記コンピュータに、前記予測の結果の利用を停止させる、プログラムである。
本発明によれば、予測モデルを用いた制御対象装置の動作制御の安定性の向上を図ることができる。
図1は、本発明が適用される場面の一例を模式的に例示する。 図2は、実施の形態に係る制御装置のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。 図3Aは、実施の形態に係る制御対象装置の一例を模式的に例示する。 図3Bは、実施の形態に係る制御対象装置の一例を模式的に例示する。 図4は、実施の形態に係るモデル生成装置のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。 図5は、実施の形態に係る制御装置のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。 図6は、実施の形態に係るモデル生成装置のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。 図7は、実施の形態に係るモデル生成装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図8Aは、実施の形態に係る実績データの一例を模式的に例示する。 図8Bは、実施の形態に係る学習データの一例を模式的に例示する。 図8Cは、実施の形態に係るデータ分布情報の一例を模式的に例示する。 図8Dは、実施の形態に係る収集条件情報の一例を模式的に例示する。 図9は、実施の形態に係る制御装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図10Aは、実施の形態に係る予測モデルによる予測の結果を利用して制御指令を決定する方法の一例を模式的に例示する。 図10Bは、実施の形態に係る予測モデルによる予測の結果を利用して制御指令を決定する方法の一例を模式的に例示する。 図10Cは、実施の形態に係る予測モデルによる予測の結果を利用して制御指令を決定する方法の一例を模式的に例示する。 図10Dは、実施の形態に係る予測モデルによる予測の結果を利用して制御指令を決定する方法の一例を模式的に例示する。 図11は、他の形態に係るデータ分布の識別モデルを生成する方法の一例を模式的に例示する。 図12Aは、他の形態に係るエンコーダを生成する方法の一例を模式的に例示する。 図12Bは、他の形態に係るエンコーダを生成する方法の一例を模式的に例示する。 図13Aは、他の形態に係るエンコーダにより写像される特徴量空間におけるデータ分布の一例を模式的に例示する。 図13Bは、他の形態に係る信頼性条件を満たすか否か判定する処理過程の一例を模式的に例示する。 図14は、他の形態に係る上位コントローラのソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、本実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメータ、マシン語等で指定される。
§1 適用例
図1は、本実施形態に係る制御システムの適用場面の一例を模式的に例示する。図1に示されるとおり、本実施形態に係る制御システムは、制御装置1及びモデル生成装置2を備えている。
本実施形態に係る制御装置1は、予測モデルMを用いて、制御対象装置6の予測制御を実施するように構成されたコンピュータである。まず、制御装置1は、制御対象装置6の状態に関する測定値40を取得する。続いて、制御装置1は、予測モデルMを使用して、取得された測定値40から、制御対象装置6の未来の動作又は状態に関する予測を行う。そして、制御装置1は、予測モデルMによる予測の結果45を利用して、制御対象装置6に対する制御指令50を決定し、決定された制御指令50に基づいて、制御対象装置6の動作を制御する。これらの一連の処理により、本実施形態に係る制御装置1は、予測モデルMを用いて、制御対象装置6の予測制御を実施する。
更に、本実施形態に係る制御装置1は、上記制御対象装置6の予測制御を実施する際に、予測モデルMを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かを判定する。信頼性条件は、予測モデルMが正しく予測を実行可能か否か(すなわち、予測モデルMの予測精度が著しく低下しないかどうか)、予測モデルMを使用する条件から評価するように適宜規定されてよい。予測モデルMを使用する条件が信頼性条件を満たさないと判定された場合、制御装置1は、上記制御対象装置6の動作制御における予測の結果45の利用を停止する。
なお、制御対象装置6は、コンピュータにより動作を制御可能であれば、その種類は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。制御対象装置6は、例えば、ウェブ搬送装置、プレス機、射出成形機、NC旋盤、放電加工機、包装機等の生産ラインで利用される比較的に小規模な生産装置であってもよい。測定値40は、制御対象装置6の未来の動作又は状態に関する予測に説明変数として利用可能であれば、その種類及び形式は、特に限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。測定値40は、例えば、制御量の測定値であってよい。測定値40は、特徴量に変換されたものを含んでもよい。予測の結果45は、制御対象装置6の予測制御に利用可能であれば、その種類及び形式は、特に限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。予測の結果45は、例えば、制御対象装置6の制御量の予測値、制御量の目標値に対する補正値、制御対象装置6に対する操作量の予測値、及び操作量に対する補正値のいずれかにより構成されてよい。制御量は、例えば、モータの回転角度、回転速度等の制御の対象となる量である。操作量は、例えば、モータの電圧等の制御対象装置に与える量である。以下では、説明の便宜上、本実施形態の一例として、ウェブ搬送装置を制御対象装置6に採用し、ウェブの幅方向の位置を予測制御する事例を説明する。詳細は後述する。
一方、モデル生成装置2は、上記予測制御に利用可能な予測モデルMを生成するように構成されたコンピュータである。モデル生成装置2は、学習データ31を収集する。モデル生成装置2は、得られた学習データ31を使用して、予測モデルMを生成する。予測モデルMは、学習データ31に基づいて、制御対象装置6の未来の動作又は状態に関する予測を行う能力を獲得するように生成される。当該能力を獲得可能であれば、予測モデルMの構成は、特に限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。予測モデルMは、例えば、データテーブル、関数式、ルール等により構成されてよい。予測モデルMは、1つ以上の演算パラメータを備える機械学習モデルにより構成されてよい。機械学習モデルの種類は、任意に選択されてよい。機械学習モデルの一例として、例えば、回帰モデル、ニューラルネットワーク、決定木モデル、サポートベクタマシン等を挙げることができる。予測モデルMを生成する方法は、予測モデルMの構成に応じて適宜選択されてよい。予測モデルMは、例えば、人手によるルール化、機械学習等の方法により生成されてよい。これにより、上記予測制御に利用可能な予測モデルMが生成される。
以上のとおり、本実施形態では、制御装置1は、予測モデルMを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かを判定する。そして、予測モデルMを使用する条件が信頼性条件を満たさないと判定した場合には、制御装置1は、制御指令50を決定するのに予測の結果45を利用することを停止する。これにより、本実施形態に係る制御装置1は、予測モデルMによる予測が誤ることで制御対象装置6の動作制御が不安定になりやすい場面において、予測モデルMによる予測制御の実施を停止することができる。したがって、本実施形態によれば、制御装置1において、予測モデルMを用いた制御対象装置6の動作制御の安定性の向上を図ることができる。
なお、図1の例では、制御装置1及びモデル生成装置2は、ネットワークを介して互いに接続されている。ネットワークの種類は、例えば、インターネット、無線通信網、移動通信網、電話網、専用網等から適宜選択されてよい。ただし、制御装置1及びモデル生成装置2の間でデータをやりとりする方法は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、制御装置1及びモデル生成装置2の間では、記憶媒体を利用して、データがやりとりされてよい。
また、図1の例では、制御装置1及びモデル生成装置2は、それぞれ別個のコンピュータにより構成されている。しかしながら、本実施形態に係る制御システムの構成は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。たとえば、制御装置1及びモデル生成装置2は一体のコンピュータであってもよい。また、例えば、制御装置1及びモデル生成装置2のうちの少なくとも一方は、複数台のコンピュータにより構成されてもよい。
§2 構成例
[ハードウェア構成]
<制御装置>
図2は、本実施形態に係る制御装置1のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。図2に示されるとおり、本実施形態に係る制御装置1は、制御部11、記憶部12、通信インタフェース13、外部インタフェース14、入力装置15、出力装置16、及びドライブ17が電気的に接続されたコンピュータである。なお、図2では、通信インタフェース及び外部インタフェースを「通信I/F」及び「外部I/F」と記載している。以降の図でも同様の表記を用いている。
制御部11は、ハードウェアプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、プログラム及び各種データに基づいて情報処理を実行するように構成される。記憶部12は、メモリの一例であり、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等で構成される。本実施形態では、記憶部12は、制御プログラム81、学習結果データ225、データ分布情報33、収集条件情報35等の各種情報を記憶する。
制御プログラム81は、制御対象装置6の動作制御に関する後述の情報処理(図9)を制御装置1に実行させるためのプログラムである。制御プログラム81は、当該情報処理の一連の命令を含む。学習結果データ225は、予測モデルMに関する情報を示す。データ分布情報33は、学習データ31の範囲に関する情報を示す。収集条件情報35は、予測モデルMの生成に使用された学習データ31を収集した際の制御対象装置6の動作条件に関する情報を示す。詳細は後述する。
通信インタフェース13は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、ネットワークを介した有線又は無線通信を行うためのインタフェースである。制御装置1は、通信インタフェース13を利用して、他の情報処理装置との間で、ネットワークを介したデータ通信を実行することができる。
外部インタフェース14は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、専用ポート等であり、外部装置と接続するためのインタフェースである。外部インタフェース14の種類及び数は任意に選択されてよい。図2の例では、制御装置1は、外部インタフェース14を介して、制御対象装置6に接続される。これにより、制御装置1は、制御対象装置6に制御指令50を送信することで、制御対象装置6の動作を制御することができる。なお、制御装置1及び制御対象装置6の間の接続方法は、このような例に限定されなくてもよい。他の一例として、制御装置1は、通信インタフェース13等を介して、制御対象装置6に接続されてもよい。
入力装置15は、例えば、マウス、キーボード等の入力を行うための装置である。また、出力装置16は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等の出力を行うための装置である。ユーザ等のオペレータは、入力装置15及び出力装置16を利用することで、制御装置1を操作することができる。
ドライブ17は、例えば、CDドライブ、DVDドライブ等であり、記憶媒体91に記憶されたプログラム等の各種情報を読み込むためのドライブ装置である。記憶媒体91は、コンピュータその他装置、機械等が、記憶されたプログラム等の各種情報を読み取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。上記制御プログラム81、学習結果データ225、データ分布情報33及び収集条件情報35の少なくともいずれかは、記憶媒体91に記憶されていてもよい。制御装置1は、この記憶媒体91から、上記制御プログラム81、学習結果データ225、データ分布情報33及び収集条件情報35の少なくともいずれかを取得してもよい。なお、図2では、記憶媒体91の一例として、CD、DVD等のディスク型の記憶媒体を例示している。しかしながら、記憶媒体91の種類は、ディスク型に限られなくてもよく、ディスク型以外であってもよい。ディスク型以外の記憶媒体として、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリを挙げることができる。ドライブ17の種類は、記憶媒体91の種類に応じて任意に選択されてよい。
なお、制御装置1の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部11は、複数のハードウェアプロセッサを含んでもよい。ハードウェアプロセッサは、マイクロプロセッサ、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(digital signal processor)等で構成されてよい。記憶部12は、制御部11に含まれるRAM及びROMにより構成されてもよい。通信インタフェース13、外部インタフェース14、入力装置15、出力装置16及びドライブ17の少なくともいずれかは省略されてもよい。制御装置1は、複数台のコンピュータで構成されてもよい。この場合、各コンピュータのハードウェア構成は、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。また、制御装置1は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、PLC(programmable logic controller)、デスクトップPC(Personal Computer)、タブレットPC等であってよい。
<制御対象装置>
図3A及び図3Bは、本実施形態に係るウェブ搬送装置60のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。ウェブ搬送装置60は、制御対象装置6の一例である。本実施形態では、ウェブ搬送装置60は、ウェブ69の幅方向における端部の位置を調節しながら、ウェブ69を搬送するように構成される。
具体的には、図3Aに示されるとおり、本実施形態に係るウェブ搬送装置60は、ウェブ69を供給する供給ロール61、及び供給されたウェブ69を回収する回収ロール66を備えている。ウェブ69の種類は任意に選択されてよい。ウェブ69は、例えば、ポリエチレンフィルム等の樹脂フィルムであってよい。供給ロール61及び回収ロール66の回転軸にはそれぞれサーボモータ(611、661)が取り付けられている。これにより、各サーボモータ(611、661)を駆動することで、供給ロール61からウェブ69が繰り出され、供給されたウェブ69が回収ロール66に巻き取られる。供給ロール61及び回収ロール66の間には、3つの従動ローラ(62、63、641)が配置されている。これらのうち従動ローラ641において、ウェブ69の端部の位置を修正する(すなわち、変位させる)ように構成された修正機構64が設けられている。
図3Bに示されるとおり、修正機構64は、従動ローラ641及びアクチュエータ643を備えている。従動ローラ641は、軸642を有し、ウェブ69を搬送するように軸642の周りに回転可能に構成されている。また、軸642にはアクチュエータ643が取り付けられており、従動ローラ641は、このアクチュエータ643の駆動により、軸方向にスライド可能に構成されている。この修正機構64によれば、アクチュエータ643の駆動により、従動ローラ641を軸方向にスライドさせることで、ウェブ69の端部の位置を修正することができる。従動ローラ641をスライドさせた方向に、そのスライドさせた分に応じて、ウェブ69の端部の位置を変位させることができる。
修正機構64付近には、エッジセンサ65が配置されている。本実施形態では、エッジセンサ65は、ウェブ69の搬送方向に対して、修正機構64を備える従動ローラ641より回収ロール66側(下流側)に配置されている。エッジセンサ65は、搬送されるウェブ69の端部の位置を検出するように構成される。図3Bの例では、エッジセンサ65は、光学センサであり、コの字型の間を通過するウェブ69の端部の位置を測定可能に構成されている。ただし、エッジセンサ65の種類は、このような例に限定されなくてよく、任意に選択されてよい。
以上のとおり、本実施形態に係るウェブ搬送装置60は、修正機構64及びエッジセンサ65を備えていることで、ウェブ69の幅方向における端部の位置を測定し、その端部の位置を調節しながら、ウェブ69を搬送するように構成される。本実施形態に係る制御装置1は、予測制御の一例として、ウェブ69の端部の位置が一定に保たれるようにウェブ69の端部の位置を調節する。このウェブ69の端部の位置を調節する動作は、予測制御の対象となる動作の一例である。ウェブ69の幅方向における端部の位置が制御量の一例であり、アクチュエータ643の駆動量(例えば、電圧)が操作量の一例である。ウェブ69の端部の位置は、蛇行量(すなわち、所定の位置に対する端部のずれの量)で表現されてもよい。
なお、ウェブ搬送装置60の構成は、このような例に限定されなくてもよい。ウェブ搬送装置60の構成に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。予測制御の対象となる動作は、このウェブ69の幅方向における端部の位置の調節に限られなくてよく、制御対象装置に応じて適宜選択されてよい。また、制御対象装置としてウェブ搬送装置が選択される場合であっても、予測制御の対象となる動作は、ウェブ69の幅方向における端部の位置の調節に限られなくてよい。その他の一例として、予測制御の対象となる動作は、例えば、各サーボモータ(611、661)を操作することによるウェブ69の搬送速度の調節であってもよい。
<モデル生成装置>
図4は、本実施形態に係るモデル生成装置2のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。図4に示されるとおり、本実施形態に係るモデル生成装置2は、制御部21、記憶部22、通信インタフェース23、外部インタフェース24、入力装置25、出力装置26、及びドライブ27が電気的に接続されたコンピュータである。
モデル生成装置2の制御部21〜ドライブ27及び記憶媒体92はそれぞれ、上記制御装置1の制御部11〜ドライブ17及び記憶媒体91それぞれと同様に構成されてよい。制御部21は、ハードウェアプロセッサであるCPU、RAM、ROM等を含み、プログラム及びデータに基づいて各種情報処理を実行するように構成される。記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等で構成される。本実施形態では、記憶部22は、モデル生成プログラム82、学習データ31、学習結果データ225、データ分布情報33、収集条件情報35等の各種情報を記憶する。
モデル生成プログラム82は、予測モデルMの生成に関する後述の情報処理(図7)をモデル生成装置2に実行させるためのプログラムである。モデル生成プログラム82は、当該情報処理の一連の命令を含む。学習データ31は、予測モデルMの生成に使用される。学習結果データ225は、モデル生成プログラム82を実行した結果として生成されてよい。データ分布情報33及び収集条件情報35は、予測モデルMを生成する過程における任意のタイミングで生成されてよい。モデル生成プログラム82及び学習データ31の少なくとも一方は、記憶媒体92に記憶されていてもよい。また、モデル生成装置2は、モデル生成プログラム82及び学習データ31の少なくとも一方を記憶媒体92から取得してもよい。
なお、モデル生成装置2の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が可能である。例えば、制御部21は、複数のハードウェアプロセッサを含んでもよい。ハードウェアプロセッサは、マイクロプロセッサ、FPGA、DSP等で構成されてよい。記憶部22は、制御部21に含まれるRAM及びROMにより構成されてもよい。通信インタフェース23、外部インタフェース24、入力装置25、出力装置26、及びドライブ27の少なくともいずれかは省略されてもよい。モデル生成装置2は、複数台のコンピュータで構成されてもよい。この場合、各コンピュータのハードウェア構成は、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。また、モデル生成装置2は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、汎用のサーバ装置、汎用のPC等であってもよい。
[ソフトウェア構成]
<制御装置>
図5は、本実施形態に係る制御装置1のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。制御装置1の制御部11は、記憶部12に記憶された制御プログラム81をRAMに展開する。そして、制御部11は、RAMに展開された制御プログラム81に含まれる命令をCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これにより、図5に示されるとおり、本実施形態に係る制御装置1は、取得部111、予測部112、動作制御部113、及び評価部114をソフトウェアモジュールとして備えるコンピュータとして動作する。すなわち、本実施形態では、制御装置1の各ソフトウェアモジュールは、制御部11(CPU)により実現される。
取得部111は、制御対象装置6の状態に関する測定値40を取得する。予測部112は、学習結果データ225を保持することで、予測モデルMを備えている。予測部112は、予測モデルMを使用して、取得された測定値40から、制御対象装置6の未来の動作又は状態に関する予測を行う。動作制御部113は、予測の結果45を利用して、制御対象装置6に対する制御指令50を決定する。そして、動作制御部113は、決定された制御指令50に基づいて、制御対象装置6の動作を制御する。
評価部114は、予測モデルMを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かを判定する。信頼性条件は、ある程度の信頼性をもって予測モデルMが予測を遂行可能である基準を与えるように適宜規定されてよい。
一般的に、予測モデルの性能は、学習データに依存し得る。そこで、一例として、信頼性条件は、予測モデルMの生成に使用された学習データ31の範囲を基準に規定されてよい。すなわち、予測モデルMを使用する条件が信頼性を満たすか否かは、予測モデルMの生成に使用された学習データ31の範囲に測定値40が属するか否かに基づいて判定されてよい。この判定には、データ分布情報33が利用されてよい。
また、一般的に、予測モデルの性能は、使用する環境にも依存し得る。予測モデルを使用する環境が学習環境から乖離するほど、予測モデルの生成の際に考慮されていない事象が生じやすく、これに起因して、予測モデルの予測精度は低くなる可能性が高い。そこで、その他の一例として、信頼性条件は、学習環境(すなわち、学習データ31を収集した際の条件)を基準に規定されてよい。すなわち、予測モデルMを使用する条件が信頼性を満たすか否かは、動作を制御する際の制御対象装置6の動作条件が、予測モデルMの生成に使用された学習データ31を収集した際の制御対象装置6の動作条件の範囲に属するか否かに基づいて判定されてよい。この判定には、収集条件情報35が利用されてよい。
予測モデルMを使用する条件が信頼性条件を満たすと判定された場合、動作制御部113は、上記予測の結果45を利用した制御対象装置6の動作制御を実行する。一方、予測モデルMを使用する条件が信頼性条件を満たさないと判定された場合、動作制御部113は、上記動作制御において予測の結果45を利用することを停止する。本実施形態では、動作制御部113は、予測の結果45を利用せずに制御指令50を決定し、決定された制御指令50に基づいて、制御対象装置6の動作を制御する。
<モデル生成装置>
図6は、本実施形態に係るモデル生成装置2のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。モデル生成装置2の制御部21は、記憶部22に記憶されたモデル生成プログラム82をRAMに展開する。そして、制御部21は、RAMに展開されたモデル生成プログラム82に含まれる命令をCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これにより、図6に示されるとおり、本実施形態に係るモデル生成装置2は、データ収集部211、データ生成部212、学習処理部213、情報生成部214、及び保存処理部215をソフトウェアモジュールとして備えるコンピュータとして動作する。すなわち、本実施形態では、モデル生成装置2の各ソフトウェアモジュールも、制御装置1と同様に、制御部21(CPU)により実現される。
データ収集部211は、制御対象装置6の動作を制御した結果に関する実績データ30を収集する。データ生成部212は、予測モデルMの生成に使用する学習データ31を実績データ30から生成する。学習処理部213は、学習データ31を使用して、予測モデルMを生成する。予測モデルMが、例えば、回帰モデル、ニューラルネットワーク、決定木モデル等の機械学習モデルにより構成される場合、学習処理部213は、学習データ31を使用して、機械学習を実施する。これにより、学習処理部213は、制御対象装置6の未来の動作又は状態に関する予測を行う能力を獲得した訓練済みの予測モデルMを生成することができる。学習処理部213は、生成された予測モデルMを再生するための学習結果データ225を生成する。
情報生成部214は、予測モデルMを使用する際の信頼性条件を示す情報を生成する。一例として、情報生成部214は、予測モデルMの生成に使用された学習データ31からデータ分布情報33を生成してもよい。データ分布情報33は、学習データ31の範囲を示すように適宜生成されてよい。その他の一例として、情報生成部214は、実績データ30から収集条件情報35を生成してもよい。収集条件情報35は、予測モデルMの生成に使用された学習データ31を実績データ30として収集した際の制御対象装置6の動作条件の範囲を示すように適宜生成されてよい。保存処理部215は、学習結果データ225、データ分布情報33、収集条件情報35等の生成された各種情報を所定の記憶領域に保存する。
<その他>
制御装置1及びモデル生成装置2の各ソフトウェアモジュールに関しては後述する動作例で詳細に説明する。なお、本実施形態では、制御装置1及びモデル生成装置2の各ソフトウェアモジュールがいずれも汎用のCPUによって実現される例について説明している。しかしながら、上記ソフトウェアモジュールの一部又は全部が、1又は複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。すなわち、上記各モジュールは、ハードウェアモジュールとして実現されてもよい。また、制御装置1及びモデル生成装置2それぞれのソフトウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、ソフトウェアモジュールの省略、置換及び追加が行われてもよい。
§3 動作例
[モデル生成装置]
図7は、本実施形態に係るモデル生成装置2による予測モデルMの生成に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。ただし、モデル生成装置2の処理手順は、一例に過ぎず、各ステップは可能な限り変更されてよい。また、以下のモデル生成装置2の処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
(ステップS201)
ステップS201では、制御部21は、データ収集部211として動作し、制御対象装置6の動作を制御した結果に関する実績データ30を収集する。
実績データ30として収集するデータの項目は、学習データ31を生成可能なように(すなわち、予測の説明変数及び目的変数に関するデータを含むように)適宜選択されてよい。収集するデータは、例えば、制御対象装置6の動作を制御する際の制御量の測定値、制御量の目標値、操作量の指令値、動作を制御した後の制御量の測定値等を含んでよい。
予測制御を実施している場合又は予測制御を想定して、収集するデータは、例えば、制御量の目標値に対する補正値、操作量に対する補正値等の補正に関するデータを含んでよい。補正に関するデータは、実機又はシミュレーションにより適宜決定されてよい。
また、収集条件情報35を生成する形態では、実績データ30は、上記各項目のデータの他に、各項目のデータを得た際の制御対象装置6の動作条件(プロファイル情報)に関するデータを含んでよい。動作条件は、例えば、制御対象装置6の属性、外乱条件等により規定されてよい。制御対象装置6の属性は、例えば、識別子(ID)、型番、種類、動作パラメータ等を含んでよい。制御対象装置6の動作に関連するワークが存在する場合、制御対象装置6の属性は、ワークの属性を含んでもよい。上記ウェブ搬送装置60の場合、制御対象装置6の属性は、例えば、ウェブ69の種類、搬送速度等を含んでよい。
実績データ30の収集方法は、特に限定されなくてよい。一例として、制御対象装置6がモデル生成装置2に接続されている場合には、制御部21は、制御対象装置6を直接的に駆動することで、実績データ30を収集してもよい。その他の一例として、他のコンピュータが、制御対象装置6を駆動することで、実績データ30を生成してもよい。この場合、制御部21は、ネットワーク、記憶媒体92等を介して、他のコンピュータから実績データ30を収集してもよい。実績データ30を収集すると、制御部21は、次のステップS202に処理を進める。
(ステップS202及びステップS203)
ステップS202では、制御部21は、データ生成部212として動作し、収集された実績データ30から学習データ31として利用するデータを選定する。利用するデータは、任意の方法で選定されてよい。例えば、制御部21は、入力装置25を介したオペレータの指定に応じて、実績データ30から利用するデータを選定してもよい。また、例えば、制御部21は、所定の基準に従って、実績データ30から利用するデータを自動的に選定してもよい。一例として、制御部21は、例えば、外れ値を含む、異常な動作を行った等、学習データとして使用するには望ましくない条件に該当するデータを除外することで、利用するデータを選定してもよい。
次のステップS203では、制御部21は、データ生成部212として動作し、選定されたデータの各項目のうちから予測モデルMの説明変数及び目的変数を決定する。一例として、制御部21は、オペレータの指定に応じて、説明変数及び目的変数を決定してよい。各変数の数は、任意に選択されてよい。ステップS203までの処理により、学習データ31を生成することができる。説明変数及び目的変数を決定すると、制御部21は、次のステップS204に処理を進める。なお、説明変数及び目的変数が予め定められている場合、ステップS203の処理は省略されてよい。
(ステップS204及びステップS205)
ステップS204及びステップS205では、制御部21は、情報生成部214として動作し、予測モデルMを使用する際の信頼性条件を示す情報を生成する。
まず、ステップS204では、制御部21は、学習データ31(実績データ30)を収集した際の制御対象装置6の動作条件を示す収集条件情報35を生成する。本実施形態では、収集条件情報35は、実績データ30のうちの選定されたデータの該当部分から適宜生成されてよい。なお、ステップS204の処理は、任意のタイミングで実行されてよい。また、収集条件情報35を利用しない形態では、ステップS204の処理は省略されてよい。
ステップS205では、制御部21は、生成された学習データ31の範囲を示すデータ分布情報33を生成する。本実施形態では、データ分布情報33は、生成された学習データ31の説明変数の数値範囲を示すように適宜生成されてよい。なお、ステップS205の処理は、学習データ31が生成された後の任意のタイミングで実行されてよい。ステップS205の処理は、ステップS204の処理よりも前に実行されてもよい。また、データ分布情報33を利用しない形態では、ステップS205の処理は省略されてよい。
(各種情報の一例)
図8A〜図8Dは、上記ウェブ搬送装置60の場合に得られる各種情報(実績データ30、学習データ31、収集条件情報35及びデータ分布情報33)の一例を模式的に例示する。なお、以下で説明する各種情報のデータ形式は、あくまで一例に過ぎない。各種情報のデータ形式は、以下の例に限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。
図8Aの例では、実績データ30は、テーブル形式で構成されている。1つのレコード(行データ)は、1回以上の制御サイクルで得られる動作実績の時系列データに対応する。各レコードは、予測の説明変数又は目的変数に関連する情報(例えば、蛇行量、時間等)、及び動作条件に関連する情報(例えば、装置ID、搬送速度、ワークの種類等)それぞれを格納するフィールドを有している。ステップS202及びステップS203の処理をこの実績データ30に対して実行することで、図8Bに例示される学習データ31を生成することができる。
図8Bの例では、学習データ31は、実績データ30と同様に、テーブル形式で構成されている。1つのレコード(行データ)は、1つの学習データセットに対応し、各変数の値を格納するフィールドを有する。機械学習により予測モデルMを生成する場合には、説明変数の各値は、訓練データ(入力データ)に対応し、目的変数の各値は、正解データ(教師信号、ラベル)に対応する。上記ウェブ搬送装置60の場合、説明変数は、例えば、現在又は過去の蛇行量(ウェブ69の幅方向における端部の位置)により構成されてよい。説明変数は、現在又は過去の複数サイクル分の蛇行量により構成されてよい。説明変数は、蛇行量から算出された特徴量により構成されてもよい。目的変数は、例えば、未来の蛇行量、未来の蛇行量の目標値に対する補正値、アクチュエータ643に対する未来の駆動量、及び未来の駆動量に対する補正値のいずれかにより構成されてよい。学習データ31は、このような訓練データ及び正解データの組み合わせによりそれぞれ構成される複数の学習データセットを備えるように構成されてよい。
上記ステップS205では、制御部21は、得られた学習データ31からデータ分布情報33を生成してもよい。このとき、制御部21は、学習データ31の範囲(説明変数の数値範囲)をデータ分布により表現するようにデータ分布情報33を生成してもよい。生成方法の一例として、まず、制御部21は、説明変数の集合を表現するデータ空間を複数の区画に分割する。区画の分割方法及び大きさ(分割の粗さ)は任意に決定されてよい。次に、制御部21は、各区画をリスト化し、各区画の属性情報を初期化する。例えば、制御部21は、区画リストにおいて、学習データ31が存在していないことを示す値を各区画のフィールドに格納する。続いて、制御部21は、複数の区画に分割されたデータ空間上に学習データ31をプロットする。そして、制御部21は、区画リストにおいて、学習データ31のプロットされた区画のフィールドに学習データ31が存在することを示す値を格納する(すなわち、該当区画のフィールドの値を変更する)。制御部21は、これらの一連の処理により生成された区画リストの情報をデータ分布情報33として発行することができる。図8Cに例示されるとおり、生成されたデータ分布情報33は、学習データ31の範囲(データ分布)を区画単位で示すことができる。なお、図8Cの例では、ハッチングされた範囲が、学習データ31の範囲に属すると判定される範囲に該当する。
上記ステップS204では、制御部21は、実績データ30のうちの学習データ31として選定されたデータの該当部分から収集条件情報35を生成してもよい。一例として、制御部21は、テーブル形式で構成された実績データ30から信頼性条件の判定に利用する該当部分のデータを抽出する。これにより、制御部21は、図8Dに例示されるテーブル形式で構成された収集条件情報35を生成することができる(図8Dは、搬送速度、ワークの種類等が判定項目として選択された場面を例示する)。なお、収集条件情報35のデータ構成は、このような例に限定されなくてよい。収集条件情報35は、上記データ分布情報33と同様の形式で、データ収集の際の制御対象装置6の動作条件の範囲を示すように構成されてよい。
以上により、データ分布情報33及び収集条件情報35を生成することができる。データ分布情報33及び収集条件情報35を生成すると、制御部21は、次のステップS206に処理を進める。
(ステップS206)
ステップS206では、制御部21は、保存処理部215として動作し、生成されたデータ分布情報33及び収集条件情報35を所定の記憶領域に保存する。
所定の記憶領域は、例えば、制御部21内のRAM、記憶部22、外部記憶装置、記憶メディア又はこれらの組み合わせであってよい。記憶メディアは、例えば、CD、DVD等であってよく、制御部21は、ドライブ27を介して記憶メディアにデータ分布情報33及び収集条件情報35を格納してもよい。外部記憶装置は、例えば、NAS(Network Attached Storage)等のデータサーバであってよい。この場合、制御部21は、通信インタフェース23を利用して、ネットワークを介してデータサーバにデータ分布情報33及び収集条件情報35を格納してもよい。また、外部記憶装置は、例えば、外部インタフェース24を介してモデル生成装置2に接続された外付けの記憶装置であってもよい。データ分布情報33及び収集条件情報35の保存先は互いに同一であってもよいし、或いは異なっていてもよい。
データ分布情報33及び収集条件情報35の保存が完了すると、制御部21は、次のステップS207に処理を進める。なお、ステップS206の処理タイミングは、このような例に限定されなくてよい。データ分布情報33を保存する処理は、ステップS205の処理によりデータ分布情報33を生成した後の任意のタイミングで実行されてよい。同様に、収集条件情報35を保存する処理は、ステップS204の処理により収集条件情報35を生成した後の任意のタイミングで実行されてよい。
(ステップS207)
ステップS207では、制御部21は、学習処理部213として動作し、上記の処理により得られた学習データ31を使用して、予測モデルMを生成する。予測モデルMは、学習データ31に基づいて、制御対象装置6の未来の動作又は状態に関する予測を行う、すなわち、各学習データセットの説明変数の各値から目的変数の各値を導出する能力を獲得するように適宜生成されてよい。
予測モデルMを生成する方法は、特に限定されなくてよい。例えば、予測モデルMは、オペレータの手作業により生成されてよい。この場合、予測モデルMは、例えば、データテーブル、関数式、ルール等により構成されてよい。或いは、予測モデルMは、機械学習により生成されてよい。この場合、予測モデルMは、機械学習により調整される1つ以上の演算パラメータを備える機械学習モデルにより構成されてよい。機械学習モデルは、例えば、回帰モデル、ニューラルネットワーク、決定木モデル、サポートベクタマシン等により構成されてよい。機械学習の方法は、機械学習モデルの構成に応じて適宜選択されてよい。
一例として、予測モデルMは、例えば、自己回帰モデル等の回帰モデルにより構成されてよい。回帰モデルは、回帰係数を含む1又は複数の項を総和する回帰式により構成されてよい。各項における回帰係数等が、演算パラメータの一例である。この場合、制御部21は、学習データ31を使用して、最小二乗法等の回帰分析を実行する。これにより、上記能力を獲得した訓練済みの予測モデルMを生成することができる。
その他の一例として、予測モデルMは、ニューラルネットワークにより構成されてよい。ニューラルネットワークを構成する層の数及び種類は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。基本的には、ニューラルネットワークは、1又は複数のニューロン(ノード)を含む1又は複数の層を備える。複数の層を備える場合、典型的には、入力側から出力側に各層は配置され、隣接する層に含まれるニューロン同士は適宜結合される。各結合には重み(結合荷重)が設定される。各ニューロンには閾値が設定されており、各入力と各重みとの積の和が閾値を超えているか否かによって各ニューロンの出力が決定される。閾値は、活性化関数により表現されてよい。このニューラルネットワークの構成要素のうち、各ニューロン間の結合の重み、各ニューロンの閾値等が、演算パラメータの一例である。この場合、制御部21は、各学習データセットについて、説明変数の各値をニューラルネットワークに入力し、ニューラルネットワークの順伝播の演算処理を実行する。この演算処理の結果、制御部21は、説明変数の各値に対する出力値(すなわち、予測結果)を取得する。続いて、制御部21は、得られた出力値と対応する目的変数の値との誤差を算出し、算出された誤差の勾配を更に算出する。そして、制御部21は、誤差逆伝播法により、算出された誤差の勾配を逆伝播することで、各ニューロン間の結合の重み、各ニューロンの閾値等の演算パラメータの値を調整する。制御部21は、算出される誤差の値が小さくなるように演算パラメータの値の調整を繰り返す(例えば、所定回数繰り返す、誤差の値が閾値以下になるまで繰り返す)。これにより、上記能力を獲得した訓練済みの予測モデルMを生成することができる。
予測モデルMの生成が完了すると、制御部21は、生成された予測モデルMを示す学習結果データ225を生成する。上記予測の演算を実行するための情報を保持可能であれば、学習結果データ225の構成は、特に限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。一例として、予測モデルMが回帰モデルにより構成される場合、学習結果データ225は、上記機械学習により導出された回帰係数等の演算パラメータの値を示す情報により構成されてよい。その他の一例として、予測モデルMがニューラルネットワークにより構成される場合、学習結果データ225は、演算パラメータ(例えば、各ニューロン間の結合の重み、各ニューロンの閾値等)の値、及びニューラルネットワークの構造(例えば、層の数、各層の種類、各層に含まれるニューロンの数、隣接する層のニューロン同士の結合関係等)を示す情報により構成されてよい。ニューラルネットワークの構造が共通化される場合には、ニューラルネットワークの構造を示す情報は学習結果データ225から省略されてよい。学習結果データ225の生成が完了すると、制御部21は、次のステップS208に処理を進める。
(ステップS208)
ステップS208では、制御部21は、保存処理部215として動作し、予測モデルMを生成した結果、すなわち、学習結果データ225を所定の記憶領域に保存する。上記のとおり、所定の記憶領域は、例えば、制御部21内のRAM、記憶部22、外部記憶装置、記憶メディア又はこれらの組み合わせであってよい。学習結果データ225の保存先は、データ分布情報33又は収集条件情報35の保存先と同一であってもよいし、或いは異なっていてもよい。学習結果データ225の保存が完了すると、制御部21は、本動作例に係る処理手順を終了する。
なお、生成されたデータ分布情報33、収集条件情報35及び学習結果データ225は、任意のタイミングで制御装置1に提供されてよい。例えば、制御部21は、ステップS206及びステップS208の処理として又はこれらの処理とは別に、データ分布情報33、収集条件情報35及び学習結果データ225を制御装置1に転送してもよい。制御装置1は、この転送を受信することで、それぞれのデータを取得してもよい。また、例えば、制御装置1は、通信インタフェース13を利用して、モデル生成装置2又はデータサーバにネットワークを介してアクセスすることで、それぞれのデータを取得してもよい。また、例えば、制御装置1は、記憶媒体91を介して、それぞれのデータを取得してもよい。また、例えば、それぞれのデータは、制御装置1に予め組み込まれてもよい。データ分布情報33、収集条件情報35及び学習結果データ225の提供方法は互いに同一であってもよいし、或いは異なっていてもよい。
更に、制御部21は、上記ステップS201〜ステップS208の処理を定期又は不定期に繰り返すことで、データ分布情報33、収集条件情報35及び学習結果データ225を更新又は新たに生成してもよい。この繰り返しの際に、実績データ30及び学習データ31の少なくとも一部の変更、修正、追加、削除等が適宜実行されてよい。そして、制御部21は、更新した又は新たに生成したデータ分布情報33、収集条件情報35及び学習結果データ225を任意の方法で制御装置1に提供してもよい。これにより、制御装置1の保持するそれぞれのデータを更新してもよい。
[制御装置]
図9は、本実施形態に係る制御装置1による制御対象装置6の動作制御に関する処理手順の一例を示すフローチャートである。以下の制御装置1の処理手順は、制御方法の一例である。ただし、以下の制御装置1の処理手順は、一例に過ぎず、各ステップは可能な限り変更されてよい。また、以下の制御装置1の処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。なお、制御装置1により動作を制御される制御対象装置6は、上記学習データ31(実績データ30)の収集に利用された制御対象装置6と個体として一致していてもよいし、或いは一致していなくてもよい。
(ステップS101)
ステップS101では、制御部11は、取得部111として動作し、制御対象装置6の状態に関する測定値40を取得する。
測定値40の種類及び形式は、使用する予測モデルMの説明変数に応じて適宜決定されてよい。測定値40は、例えば、制御量の測定値である。測定値40の取得には、センサ(不図示)が適宜用いられてよい。制御部11は、センサから直接的又は間接的に測定値40を取得してもよい。上記ウェブ搬送装置60の例では、測定値40は、エッジセンサ65により測定されるウェブ69の幅方向における端部の位置(蛇行量)の値であってよい。この場合、制御部11は、エッジセンサ65から測定値40を取得することができる。なお、上記のとおり、測定値40は、現在又は過去の複数サイクル分の制御量の測定値により構成されてよい。測定値40は、得られた制御量の測定値から算出された特徴量により構成されてよい。測定値40を取得すると、制御部11は、次のステップS102に処理を進める。
(ステップS102)
ステップS102では、制御部11は、評価部114として動作し、予測モデルMを使用する条件(以下、「使用条件」とも記載する)が信頼性条件を満たすか否かを判定する。本実施形態では、制御部11は、データ分布情報33及び収集条件情報35の少なくともいずれかを利用することにより、当該判定を実施することができる。
データ分布情報33を利用する場合、制御部11は、データ分布情報33を参照して、予測モデルMの生成に使用された学習データ31の範囲に測定値40が属するか否かに基づいて、予測モデルMの使用条件が信頼性条件を満たすか否かを判定する。学習データ31の範囲がデータ分布により表現される場合、学習データ31の範囲に測定値40が属するか否かは、当該データ分布に測定値40が含まれるか否かに基づいて判定されてよい。学習データ31の範囲に測定値40が属する場合、制御部11は、予測モデルMの使用条件が信頼性条件を満たすと判定する。一方、学習データ31の範囲に測定値40が属さない場合、制御部11は、予測モデルMの使用条件が信頼性条件を満たさないと判定する。
上記図8Cの例では、学習データ31の範囲は、区画化されたデータ分布により表現されている。この場合、制御部11は、測定値40の属する区画を特定し、データ分布情報33の特定された該当区画のフィールドを参照する。学習データ31が存在することを示す値が参照フィールドに格納されている場合、制御部11は、学習データ31の範囲に測定値40が属する(すなわち、予測モデルMの使用条件が信頼性条件を満たす)と判定する。一方、学習データ31が存在していないことを示す値が参照フィールドに格納されている場合、制御部11は、学習データ31の範囲に測定値40が属さない(すなわち、予測モデルMの使用条件が信頼性条件を満たさない)と判定する。
本実施形態では、このように学習データ31の範囲がデータ分布により表現されてよいことで、学習データ31の範囲に測定値40が属するか否かの判定の演算を容易化することができる。特に、図8Cに示される区画化によれば、区画リストの対応するフィールドを参照するだけで、当該判定の演算を達成することができる。したがって、判定の演算に本形態を採用することにより、ステップS102の情報処理の負荷の低減及び高速化を期待することができる。
収集条件情報35を利用する場合、制御部11は、データ分布情報33を参照して、動作を制御する際の制御対象装置6の動作条件が、予測モデルMの生成に使用された学習データ31を収集した際の制御対象装置6の動作条件の範囲に属するか否かに基づいて、予測モデルMの使用条件が信頼性条件を満たすか否かを判定する。以下、動作を制御する際の動作条件を「制御時の動作条件」とも記載し、予測モデルMの生成に使用された学習データ31を収集した際の動作条件を「学習時の動作条件」とも記載する。制御時の動作条件を示す情報は適宜取得されてよい。制御時の動作条件を示す情報の取得にはセンサ(不図示)が適宜用いられてよい。制御時の動作条件が学習時の動作条件の範囲に属する場合、制御部11は、予測モデルMの使用条件が信頼性条件を満たすと判定する。一方、制御時の動作条件が学習時の動作条件の範囲に属さない場合、制御部11は、予測モデルMの使用条件が信頼性条件を満たさないと判定する。
予測モデルMの使用条件が信頼性条件を満たすか否かの判定が完了すると、制御部11は、次のステップS103に処理を進める。
(ステップS103)
ステップS103では、制御部11は、ステップS102の判定の結果に応じて、処理の分岐先を決定する。予測モデルMの使用条件が信頼性条件を満たすと判定した場合、制御部11は、ステップS104に処理を進めて、予測モデルMによる予測の結果45を利用した動作制御の処理を実行する。他方、予測モデルMの使用条件が信頼性条件を満たさないと判定した場合、制御部11は、ステップS106に処理を進めることで、予測の結果45を利用しない動作制御の処理を実行する。
(ステップS104及びステップS105)
ステップS104では、制御部11は、予測部112として動作し、学習結果データ225を参照して、予測モデルMの設定を行う。そして、制御部11は、予測モデルMに測定値40を入力し、予測モデルMの演算処理を実行する。
演算処理は、予測モデルMの構成に応じて適宜実行されてよい。一例として、予測モデルMが回帰モデルにより構成される場合、制御部11は、回帰式の対応する項に測定値40を代入し、回帰式の演算を実行する。その他の一例として、予測モデルMがニューラルネットワークにより構成される場合、制御部11は、ニューラルネットワークの入力層に測定値40を入力し、ニューラルネットワークの順伝播の演算処理を実行する。
この演算処理の実行により、制御部11は、予測モデルMを使用して、制御対象装置6の未来の動作又は状態に関する予測を行うことができる。すなわち、制御部11は、予測の結果45に対応する出力値を予測モデルMから取得することができる。予測の結果45は、未来の制御サイクルにおける制御対象装置6の制御量の予測値、制御量の目標値に対する補正値、制御対象装置6に対する操作量の予測値、及び操作量に対する補正値のいずれかにより構成されてよい。
ステップS105では、制御部11は、動作制御部113として動作し、予測の結果45を利用して、制御指令50を決定する。制御指令50を決定する方法は、予測の結果45の構成に応じて適宜選択されてよい。以下、制御指令50を決定する方法として本実施形態で採用可能な4つの方法を例示する。
(1)第1の方法
図10Aは、予測の結果45が制御量の予測値451で構成される場合における制御指令50の決定方法の一例を模式的に例示する。予測モデルM1は、現在又は過去の制御量の測定値から未来の制御サイクルにおける制御量の値を予測するように構成される。この予測モデルM1は、予測モデルMの一例である。
制御部11は、上記ステップS104の処理により、予測モデルM1を使用して、現在又は過去の制御量の測定値40から、未来の制御サイクルにおける制御量の予測値451を算出する。また、制御部11は、制御量の目標値51を取得する。目標値51を取得する方法は、特に限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。一例として、目標値51は、例えば、記憶部12、記憶媒体91等の所定の記憶領域に保存されていてよい。この場合、制御部11は、所定の記憶領域から目標値51を取得することができる。その他の一例として、目標値51はオペレータにより指定されてもよい。目標値51は、制御サイクル毎に与えられてもよい。
次に、制御部11は、予測値451に応じて目標値51を補正する。予測値451及び目標値51に対する補正量の関係は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。予測モデルM1により得られた予測値451が目標値51から乖離することは、目標値51に基づいて制御対象装置6をそのまま制御しても、目標値51からずれた挙動で制御対象装置6が動作することが予測されたことに対応する。そこで、一例として、予測値451及び目標値51に対する補正量の関係は、目標値51よりも予測値451が小さい場合に目標値51をより大きな値に修正し、目標値51よりも予測値451が大きい場合に目標値51をより小さい値に修正するように適宜決定されてよい。これにより、本来の目標値51により所望される挙動で制御対象装置6を動作させるように、目標値51を補正することができる。以下の式1は、このような補正量を算出するための計算式の一例を示す。
Figure 2021196999
なお、R(t)は、時刻tにおける補正量の値(補正値521)を示す。rは、比例定数を示す。E(t)は、時刻tにおける目標値51を示す。P(t)は、時刻tにおける予測値451を示す。sは、定数項を示す。この計算式では、比例定数r及び定数項sの値により、補正の度合いが決定される。比例定数r及び定数項sはそれぞれ補正の重みの一例である。比例定数r及び定数項sそれぞれの値は、適宜与えられてよい。例えば、比例定数r及び定数項sそれぞれの値は、オペレータの指定により与えられてよい。また、例えば、比例定数r及び定数項sそれぞれの値は、実機又はシミュレーションによりウェブ搬送装置60を駆動した結果に基づいて決定されてよい。比例定数r及び定数項sの値は、制御サイクル毎に与えられてもよい。
制御部11は、取得された予測値451(P(t))及び目標値51(E(t))を式1の各項に代入し、式1の計算式を演算することで、補正値521(R(t))を算出する。すなわち、制御部11は、予測値451及び目標値51の間の差分を算出し、算出された差分と比例定数rとの積を算出し、算出された積に定数項sを加えることにより、補正値521を算出する。そして、制御部11は、算出された補正値521を目標値51に加えることで、補正された目標値523を算出する。この加算処理は、減算処理に置き換えられてよい。
次に、制御部11は、補正された目標値523及び測定値40に応じて、制御対象装置6に対する制御指令50を決定する。一例として、制御部11は、補正された目標値523及び測定値40の間の差分を算出し、算出された差分に応じて操作量の指令値501を決定する。この指令値501を決定する方法には、例えば、PID制御、PI制御等の公知の方法が採用されてよい。指令値501は、制御指令50の一例である。第1の方法では、これらの一連の処理により、予測の結果45を利用して、制御指令50を決定することができる。
なお、この第1の方法を採用する場合に、制御指令50の構成は、このような例に限定されなくてよい。その他の一例として、制御対象装置6が制御量の目標値に応じて動作を実行するように構成される場合、制御指令50は、補正された目標値523により構成されてよい。
(2)第2の方法
図10Bは、予測の結果45が制御量の目標値51に対する補正値452で構成される場合における制御指令50の決定方法の一例を模式的に例示する。予測モデルM2は、現在又は過去の制御量の測定値から未来の制御サイクルにおける制御量の目標値の補正量を予測するように構成される。この予測モデルM2は、予測モデルMの一例である。すなわち、第2の方法は、第1の方法では予測モデルM1の予測結果から間接的に算出された補正値521を直接的に導出する形態に相当する。
制御部11は、上記ステップS104の処理により、予測モデルM2を使用して、現在又は過去の制御量の測定値40から、未来の制御サイクルにおける制御量の目標値51に対する補正値452を算出する。また、制御部11は、上記第1の方法と同様に、制御量の目標値51を適宜取得する。以降の処理は、上記第1の方法の補正値521を得た後の処理と同様であってよい。すなわち、制御部11は、算出された補正値452を目標値51に加えることで、補正された目標値525を算出する。この加算処理は、減算処理に置き換えられてよい。次に、制御部11は、補正された目標値626及び測定値40に応じて、制御対象装置6に対する制御指令50を決定する。一例として、制御部11は、補正された目標値525及び測定値40の間の差分を算出し、算出された差分に応じて操作量の指令値501を決定する。第2の方法では、これらの一連の処理により、予測の結果45を利用して、制御指令50を決定することができる。なお、制御指令50の構成の他の一例として、第2の方法においても、第1の方法と同様に、制御指令50は、補正された目標値525により構成されてよい。
(3)第3の方法
図10Cは、予測の結果45が操作量の予測値453で構成される場合における制御指令50の決定方法の一例を模式的に例示する。予測モデルM3は、現在又は過去の制御量の測定値から未来の制御サイクルにおける操作量の値を予測するように構成される。この予測モデルM3は、予測モデルMの一例である。
制御部11は、上記ステップS104の処理により、予測モデルM3を使用して、現在又は過去の制御量の測定値40から、未来の制御サイクルにおける操作量の予測値453を算出する。また、制御部11は、上記第1の方法等と同様に、制御量の目標値51を適宜取得する。続いて、制御部11は、測定値40及び目標値51に応じて、制御対象装置6に対する操作量の基準値53を決定する。一例として、制御部11は、目標値51及び測定値40の間の差分を算出し、算出された差分に応じて操作量の基準値53を決定する。この基準値53を決定する方法には、上記第1の方法等と同様に、例えば、PID制御、PI制御等の公知の方法が採用されてよい。
次に、制御部11は、得られた予測値453に応じて、基準値53を補正することにより、操作量の指令値501を決定する。予測値453及び基準値53に対する補正量の関係は、実施の形態に応じて適宜決定されてよい。例えば、基準値53に対する補正量の値(補正値541)は、予測値453及び基準値53の間の乖離を減らすように決定されてよい。演算処理の一例として、制御部11は、予測値453及び基準値53の間の差分を算出し、算出された差分に比例定数を掛け算してもよい。続いて、制御部11は、得られた積に定数項を加算することで、補正値541を算出してもよい。そして、制御部11は、算出された補正値541を基準値53に加算することで、操作量の指令値501(補正された指令値)を算出することができる。なお、この加算処理は、減算処理に置き換えられてよい。第3の方法では、これらの一連の処理により、予測の結果45を利用して、制御指令50を決定することができる。
(4)第4の方法
図10Dは、予測の結果45が操作量に対する補正値454で構成される場合における制御指令50の決定方法の一例を模式的に例示する。予測モデルM4は、現在又は過去の制御量の測定値から未来の制御サイクルにおける操作量の補正量を予測するように構成される。この予測モデルM4は、予測モデルMの一例である。すなわち、第4の方法は、第3の方法で予測モデルM3の予測結果から間接的に算出された補正値541を直接的に導出する形態に相当する。
制御部11は、上記ステップS104の処理により、予測モデルM4を使用して、現在又は過去の制御量の測定値40から、未来の制御サイクルにおける操作量の基準値53に対する補正値454を算出する。基準値53は、上記第3の方法と同様に、目標値51及び測定値40から適宜算出されてよい。以降の処理は、上記第3の方法の補正値541を得た後の処理と同様であってよい。すなわち、制御部11は、算出された補正値454を基準値53に加算することで、操作量の指令値501(補正された指令値)を算出することができる。なお、この加算処理は、減算処理に置き換えられてよい。第4の方法では、これらの一連の処理により、予測の結果45を利用して、制御指令50を決定することができる。
以上のとおり、本実施形態では、制御部11は、上記4つの方法のいずれかの方法を採用することで、予測の結果45を利用して、制御指令50を決定することができる。制御指令50を決定すると、制御部11は、次のステップS107に処理を進める。
(ステップS106)
ステップS106では、制御部11は、動作制御部113として動作し、予測モデルMによる予測の結果45を使用せずに、制御指令50を決定する。
この場合、制御指令50は任意の方法で決定されてよい。一例として、上記基準値53を決定した方法と同様の方法により、制御指令50を決定してもよい。すなわち、制御部11は、制御量の目標値を適宜取得してよい。そして、制御部11は、測定値40及び目標値の間の差分を算出し、算出された差分に応じて操作量の指令値を決定してもよい。この指令値を決定する方法には、例えば、PID制御、PI制御等の公知の方法が採用されてよい。操作量の指令値は、制御指令50の一例である。その他の一例として、制御部11は、取得された制御量の目標値により制御指令50を構成してもよい。制御指令50を決定すると、制御部11は、次のステップS107に処理を進める。
(ステップS107)
ステップS107では、制御部11は、動作制御部113として動作し、決定された制御指令50に基づいて、制御対象装置6の動作を制御する。
本実施形態では、制御部11は、制御指令50を制御対象装置6に送信する。これに応じて、制御対象装置6は、制御指令50を受信し、受信した制御指令50に従って動作する。例えば、制御指令50が操作量の指令値により構成される場合、制御対象装置6は、与えられた指令値に従って、モータ等の操作要素(操作部)を駆動してもよい。また、例えば、制御指令50が制御量の目標値により構成される場合、制御対象装置6は、上記と同様の方法により、制御量の測定値及び与えられた目標値に応じて操作量の指令値を決定してもよい。そして、制御対象装置6は、決定された指令値に従って操作要素を駆動してもよい。これによって、制御対象装置6の動作を制御することができる。上記ウェブ搬送装置60の例では、制御指令50に基づいて修正機構64のアクチュエータ643を駆動することにより、ウェブ69の幅方向における端部の位置(蛇行量)を制御することができる。制御対象装置6の動作の制御が完了すると、制御部11は、本動作例に係る処理手順を終了する。
なお、制御部11は、ステップS101〜ステップS107の処理の実行を繰り返してもよい。これにより、制御装置1は、制御対象装置6の動作を継続的に制御することができる。
[特徴]
以上のとおり、本実施形態では、制御装置1は、ステップS102の処理により、予測モデルMの使用条件が信頼性条件を満たすか否かを判定する。そして、予測モデルMの使用条件が信頼性条件を満たさないと判定した場合には、制御装置1は、ステップS104及びステップS105の処理の実行を回避することで、予測モデルMによる予測の結果45の利用を停止する。これにより、本実施形態に係る制御装置1は、予測モデルMによる予測が誤ることで制御対象装置6の動作制御が不安定になりやすい場面において、予測モデルMによる予測制御の実施を停止することができる。したがって、本実施形態によれば、制御装置1において、予測モデルMを用いた制御対象装置6の動作制御の安定性の向上を図ることができる。
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
<4.1>
上記実施形態では、制御量の測定値が予測モデルMに入力されている。しかしながら、予測モデルMの入力は、このような例に限定されなくてもよい。予測モデルMには、制御量の測定値以外の他の情報が更に入力されてよい。一例として、予測モデルMは、制御量の測定値の他、動作条件に関する情報の入力を更に受け付けるように構成されてよい。これにより、予測モデルMの予測精度の向上を期待することができる。
<4.2>
上記実施形態では、データ分布情報33は、区画化されたデータ分布により学習データ31の範囲を示している。しかしながら、学習データ31の範囲を表現する方法は、このような例に限定されなくてよい。その他の一例として、学習データ31の範囲を表現する方法には、例えば、k-means法、k近傍法、LOF(local outlier factor)法等の方法が採用されてよい。
その他の一例として、k-means法を採用する場合、上記ステップS205では、制御部21は、まず、学習データ31をデータ空間上にプロットする。次に、制御部21は、学習データ31を任意数(k個)のクラスタに分割し、各クラスタの妥当な代表点を各プロット点から探索する。そして、制御部21は、各クラスタの範囲を規定するために、各代表点からの距離(以下、「閾値距離」と記載する)を決定する。クラスタの数、代表点及び閾値距離は適宜決定されてよい。制御部21は、各クラスタの範囲を示す情報、すなわち、各代表点の座標及び閾値距離を示す情報をデータ分布情報33として発行する。この場合、上記ステップS102では、制御部11は、各クラスタの代表点と測定値40に対応する点との間の距離を算出し、算出された距離を各クラスタの閾値距離と比較する。算出された距離がいずれかのクラスタの閾値距離以下である場合、制御部11は、学習データ31の範囲に測定値40が属すると判定することができる。一方、算出された距離がいずれのクラスタの閾値距離よりも大きい場合、制御部11は、学習データ31の範囲に測定値40は属さないと判定することができる。
更にその他の一例として、LOF法を採用する場合、上記ステップS205では、制御部21は、まず、学習データ31をデータ空間上にプロットする。次に、制御部21は、外れ値スコアの算出に利用する最近傍点の個数(k個)を決定する。また、制御部21は、疑似的な入力を適宜生成する。そして、制御部21は、生成された疑似的な入力の点及びその入力点に最近傍のk個のプロット点から外れ値スコアを算出し、算出された外れ値スコアに基づいて、学習データ31の範囲を規定する閾値(以下、「スコア閾値」と記載する)を決定する。最近傍点の個数及びスコア閾値は適宜決定されてよい。制御部21は、学習データ31の各プロット点の座標、最近傍点の個数(k個)及びスコア閾値を示す情報をデータ分布情報33として発行する。この場合、上記ステップS102では、制御部11は、学習データ31の各プロット点から測定値40に対応する点に最近傍のk個のプロット点を抽出する。制御部11は、抽出されたk個のプロット点及び測定値40に対応する点から測定値40の外れ値スコアを算出する。そして、制御部11は、算出された外れ値スコアをスコア閾値と比較する。算出された外れ値スコアがスコア閾値以下である場合、制御部11は、学習データ31の範囲に測定値40が属すると判定することができる。一方、算出された外れ値スコアがスコア閾値より大きい場合、制御部11は、学習データ31の範囲に測定値40は属さないと判定することができる。
<4.3>
上記実施形態において、予測モデルMの生成に使用された学習データ31の範囲に測定値40が属するか否かを判定する処理には、機械学習により生成された訓練済みモデルが使用されてもよい。モデル生成装置2は、学習データ31(具体的には、予測モデル5の機械学習において訓練データとして使用されるデータ)を使用して、例えば、1クラスサポートベクタマシン等の1クラス識別器を生成してもよい。この場合、データ分布情報33は、生成された1クラス識別器を再生するための情報を含んでよい。上記ステップS102において、制御装置1は、この1クラス識別器を使用して、予測モデルMの生成に使用された学習データ31の範囲に測定値40が属するか否かを判定してもよい。
図11は、1クラス識別器として利用可能な訓練済みモデルを生成する方法の一例を模式的に例示する。生成モデル331は、ノイズ(潜在変数)から疑似データを生成するように構成される。識別モデル332は、入力データの由来(入力データが学習データ31から疑似データか)を識別するように構成される。この一例では、モデル生成装置2は、生成モデル331により生成される疑似データ及び学習データ31を入力データとして使用して、入力データを識別した結果の誤差が小さくなるように識別モデル332を訓練する。また、モデル生成装置2は、識別モデル332が識別を誤るような疑似データを生成する(すなわち、疑似データに対する識別誤差が大きくなる)ように生成モデル331を訓練する。生成モデル331及び識別モデル332は、ニューラルネットワーク等の任意の機械学習モデルにより構成されてよい。機械学習モデルは、1つ以上の演算パラメータを備える。各訓練では、所望の出力が得られるように演算パラメータの値が調整される。各訓練の方法として、誤差逆伝播法等の公知の方法が採用されてよい。
識別モデル332は、生成モデル331の疑似データを生成する能力に応じて、入力データが学習データ31に属するデータか否かを識別する能力を獲得する。一方、生成モデル331は、識別モデル332の識別能力に応じて、学習データ31に類似する疑似データを生成する能力を獲得する。モデル生成装置2は、この識別モデル332及び生成モデル331の訓練を交互に繰り返し実行する。すなわち、モデル生成装置2は、生成モデル331及び識別モデル332の間で敵対的学習を実行する。これにより、生成モデル331は、学習データ31に極めて近い疑似データを生成する能力を獲得するのに応じて、識別モデル332は、入力データが学習データ31に属するデータか否かを精度よく識別する能力を獲得する。この訓練済みの識別モデル332を1クラス識別器として使用することができる。すなわち、モデル生成装置2は、訓練済みの識別モデル332を再生するための情報を含むデータ分布情報33を発行してもよい。上記ステップS102において、制御装置1は、訓練済みの識別モデル332に測定値40を入力し、訓練済みの識別モデル332の演算処理を実行する。制御装置1は、この演算処理により得られる訓練済みの識別モデル332の出力に基づいて、予測モデルMの生成に使用された学習データ31の範囲に測定値40が属するか否かを判定してもよい。
また、上記実施形態では、学習データ31の範囲に属するか否かの判定に測定値40が直接的に使用されている。しかしながら、学習データ31の範囲に測定値40が属するか否かを判定する方法は、このような例に限定されなくてよい。学習データ31及び測定値40は特徴量空間に写像されてよい。この場合、特徴量空間において、学習データ31の範囲に測定値40が属するか否かの判定が行われてよい。
図12A及び図12Bは、特徴量空間に写像するためのエンコーダ334を機械学習により生成する方法の一例を模式的に例示する。この機械学習の一例では、エンコーダ334と共に、デコーダ335及び識別モデル336も訓練される。エンコーダ334は、入力データを特徴量に変換するように構成される。デコーダ335は、エンコーダ334により得られた特徴量から元の入力データを復号化するように構成される。識別モデル336は、エンコーダ334により得られた特徴量に基づいて入力データを識別するように構成される。
まず、図12Aに示されるとおり、モデル生成装置2は、学習データ31(具体的には、予測モデル5の機械学習において訓練データとして使用されるデータ)を使用して、エンコーダ334及びデコーダ335の自己教師あり学習を実行する。すなわち、モデル生成装置2は、学習データ31をエンコーダ334に与えることで、学習データ31を特徴量に変換する。モデル生成装置2は、得られた特徴量をデコーダ335に与えることで、復号化データを生成する。モデル生成装置2は、生成された復号化データ及び学習データ31の間の誤差(すなわち、再構成誤差)が小さくなるようにエンコーダ334及びデコーダ335を訓練する。
次に、図12Bに示されるとおり、モデル生成装置2は、学習データ31を使用して、エンコーダ334及び識別モデル336の敵対的学習を実行する。具体的に、モデル生成装置2は、訓練データをエンコーダ334に与えることで、訓練データを特徴量に変換する。モデル生成装置2は、得られた特徴量を識別モデル336に与えることで、訓練データを識別した結果を取得する。モデル生成装置2は、エンコーダ334の演算パラメータの値を固定した上で、識別結果と正解との間の誤差が小さくなるように、識別モデル336を訓練する。識別モデル336の識別内容は、特に限定されなくてよく、適宜選択されてよい。識別モデル336は、例えば、目的変数、収集条件、その他の環境(例えば、データを取得した日時、場所等)等を識別するように構成されてよく、その正解を示す情報(正解データ、ラベル、教師信号等と称されてよい)は、訓練データに適宜関連付けられてよい。
また、モデル生成装置2は、訓練データをエンコーダ334に与えることで、訓練データを特徴量に変換する。モデル生成装置2は、得られた特徴量を識別モデル336に与えることで、訓練データを識別した結果を取得する。モデル生成装置2は、識別モデル336の演算パラメータの値を固定した上で、識別結果が誤るようにエンコーダ334を訓練する。この訓練方法の一例として、正解情報とは異なるダミー情報が適宜与えられてよい。ダミー情報は、例えば、異なるデータセットの正解情報、任意の情報(例えば、ランダムに生成された数値情報)等により構成されてよい。この場合、モデル生成装置2は、識別結果とダミー情報との間の誤差が小さくなるように、エンコーダ334を訓練してもよい。ただし、エンコーダ334の訓練方法は、このような例に限定されなくてよい。その他の一例として、モデル生成装置2は、識別結果と正解との間の誤差が大きくなるように、エンコーダ334を訓練してもよい。
モデル生成装置2は、識別モデル336の訓練及びエンコーダ334の訓練を交互に繰り返し実行する。これにより、モデル生成装置2は、学習データ31を使用して、エンコーダ334及び識別モデル336の敵対的学習を実行する。
エンコーダ334、デコーダ335及び識別モデル336は、例えば、ニューラルネットワーク等の任意の機械学習モデルにより構成されてよい。機械学習モデルは、1つ以上の演算パラメータを備える。各訓練では、所望の出力が得られるように演算パラメータの値が調整される。各訓練の方法として、誤差逆伝播法等の公知の方法が採用されてよい。エンコーダ334、デコーダ335及び識別モデル336の各訓練の順番は任意でよい。各訓練の処理は少なくとも部分的に同時に実行されてよい。各訓練は繰り返し実行されてよい。
上記エンコーダ334及びデコーダ335の訓練により、特徴量から学習データ31(訓練データ)を復号化する能力をデコーダ335が獲得するのに応じて、学習データ31(訓練データ)の復号に有益な情報が特徴量に含まれるように入力データを特徴量に変換する能力をエンコーダ334が獲得する。一方、エンコーダ334及び識別モデル336の敵対的学習により、エンコーダ334により得られる特徴量には、識別モデル336の識別に有益な情報が含まれ難くなる。例えば、識別モデル336が入力データの環境を識別するように構成される場合、エンコーダ334により得られる特徴量には、その環境に関する情報が含まれ難くなる。そのため、識別モデル336の識別内容には、特徴量から取り除くバイアスに関するものが選択されるのが好ましい。
図13Aは、訓練済みのエンコーダ334により写像される特徴量空間の一例を模式的に例示する。エンコーダ334により得られる特徴量が識別モデル336の識別超平面上に位置すると、その特徴量に基づく識別が困難になるため、識別モデル336の識別が誤る可能性が高くなる。つまり、上記識別モデル336の識別が誤るようにエンコーダ334を訓練した結果、訓練済みのエンコーダ334により学習データ31を変換することで得られる特徴量は、識別モデル336の識別超平面付近に分布するようになる。その結果、訓練済みのエンコーダ334により、学習データ31に属するデータは、識別超平面に近い位置(例えば、図の点s1)に写像されるのに対して、学習データ31に属さない未知のデータは、識別超平面から離れた位置(例えば、図の点s2)に写像される。したがって、訓練済みのエンコーダ334により得られる特徴量によれば、識別超平面又は学習データ31から得られる特徴量の分布と対象データ(測定値40)から得られる特徴量との間の距離に基づいて、対象データが学習データ31に属するか否かを判定することができる。閾値は、適宜決定されてよい。
上記各訓練が完了した後、モデル生成装置2は、訓練済みのエンコーダ334、特徴量空間における学習データ31の分布又は訓練済みの識別モデル336の識別超平面、及び閾値を示す情報を含むデータ分布情報33を発行してよい。なお、図13Aの例では、特徴量空間は、2次元(x1及びx2は、特徴量の次元を示す)で表現され、訓練済みの識別モデル336の識別超平面は円弧で表現されている。しかしながら、これらは、説明の便宜のための一例に過ぎない。特徴量空間の次元は適宜選択されてよい。識別超平面は、上記訓練の結果として適宜決定されてよい。
図13Bは、上記ステップS102において、制御装置1が、訓練済みのエンコーダ334を使用して、予測モデルMの生成に使用された学習データ31の範囲に測定値40が属するか否かを判定する処理過程の一例を模式的に例示する。制御部11は、訓練済みのエンコーダ334に測定値40を与えることで、測定値40を特徴量に変換する。そして、制御部11は、判定器337として動作し、得られた特徴量と上記識別超平面又は学習データ31の分布との間の距離を算出し、算出された距離と閾値とを比較する。制御部11は、この比較の結果に応じて、学習データ31の範囲に測定値40が属するか否かを判定する。すなわち、算出された距離が閾値以下である場合、制御部11は、学習データ31の範囲に測定値40が属すると判定することができる。一方、算出された距離が閾値より大きい場合、制御部11は、学習データ31の範囲に測定値40は属さないと判定することができる。なお、学習データ31の分布との間の距離を算出する場合、当該判定には、例えば、k-means法、k近傍法、LOF(local outlier factor)法等の上記方法が用いられてよい。また、判定器337は、例えば、1クラスサポートベクタマシン等の1クラス識別器により構成されてよい。この場合、モデル生成装置2は、訓練済みのエンコーダ334の生成と共に判定器337を生成してもよい。判定器337は、任意の機械学習モデルにより構成されてよい。データ分布情報33は、訓練済みのエンコーダ334及び判定器337を再生するための情報を含むように構成されてよい。
<4.4>
上記実施形態において、制御対象装置6は、ウェブ搬送装置60に限定されなくてよく、制御対象は、ウェブ69の幅方向における端部の位置に限定されなくてよく、操作要素は、修正機構64のアクチュエータ643に限定されなくてもよい。他の一例として、制御対象装置6は、サーボモータにより駆動されるプレス機であってもよい。この場合、操作量は、サーボモータによる金型の位置(スライダ位置)であってよく、制御量は、圧縮加工による製品の厚みであってよい。
<4.5>
上記実施形態では、ステップS102において、予測モデルMを使用する条件が信頼性条件を満たさないと判定した場合、制御装置1は、ステップS106の処理により、予測の結果45を利用せずに制御指令50を決定している。しかしながら、予測の結果45の利用を停止する形態は、このような例に限定されなくてもよい。その他の一例として、制御装置1は、ステップS106及びステップS107の処理を省略し、制御対象装置6の動作を制御する処理そのものを停止してもよい。なお、予測モデルMを使用する条件が信頼性条件を満たさないことにより予測の結果45を利用しないと判定された場合でも、予測モデルMの演算処理は実行されてもよい。ただし、情報処理の負荷を軽減する観点からは、この予測モデルMの演算処理は省略されることが好ましい。
<4.6>
上記実施形態では、制御装置1は、制御指令50を決定し、かつ決定された制御指令50に基づいて、制御対象装置6の動作を制御するように構成されている。しかしながら、制御装置1の構成は、このような例に限定されなくてよい。制御指令50を決定する処理及び制御対象装置6の動作を制御する処理は別々のコンピュータで実行されてよい。例えば、制御装置1は、制御指令50を決定するように構成された上位コントローラ及び決定された制御指令50に応じて制御対象装置6の動作を制御するように構成された下位コントローラにより構成されてよい。各コントローラは、1又は複数台のコンピュータにより構成されてよい。
図14は、本変形例に係る上位コントローラ1Aのソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。本変形例では、上位コントローラ1Aは、下位コントローラ101に接続され、下位コントローラ101は、制御対象装置6に接続される。上位コントローラ1A及び下位コントローラ101のハードウェア構成は、上記実施形態に係る制御装置1と同様であってよい。上位コントローラ1Aのソフトウェア構成は、動作制御部113が動作決定部113Aに置き換わる点を除き、上記実施形態に係る制御装置1と同様であってよい。
動作決定部113Aは、制御対象装置6の動作を制御する動作制御部113の処理に代えて、決定された制御指令50を下位コントローラ101に出力するように構成される。この点を除いて、動作決定部113Aは、動作制御部113と同様の処理を実行するように構成される。つまり、動作決定部113Aは、予測の結果45を利用して、制御対象装置6に対する制御指令50を決定するように構成される。一方、下位コントローラ101は、制御対象装置6の動作を制御する動作制御部113の処理を実行するように構成される。すなわち、下位コントローラ101は、上位コントローラ1Aから制御指令50を受信し、かつ制御指令50に基づいて、制御対象装置6の動作を制御するように構成される。
本変形例では、上位コントローラ1Aは、上記実施形態と同様に、ステップS101〜ステップS106の処理を実行する。ステップS105及びステップS106では、上位コントローラ1Aの制御部は、動作決定部113Aとして動作し、制御指令50を決定する。そして、上位コントローラ1Aの制御部は、ステップS107の処理に代えて、決定された制御指令50を下位コントローラ101に出力する。これに応じて、下位コントローラ101の制御部は、上位コントローラ1Aから制御指令50を取得し、取得された制御指令50に基づいて、制御対象装置6の動作を制御する。当該変形例によれば、下位コントローラ101に従来のコントローラを利用することができる。そのため、本発明の導入コストを抑えることができる。
1…制御装置、
11…制御部、12…記憶部、13…通信インタフェース、
14…外部インタフェース、
15…入力装置、16…出力装置、17…ドライブ、
81…制御プログラム、91…記憶媒体、
111…取得部、112…予測部、
113…動作制御部、114…評価部、
2…モデル生成装置、
21…制御部、22…記憶部、23…通信インタフェース、
24…外部インタフェース、
25…入力装置、26…出力装置、27…ドライブ、
82…モデル生成プログラム、92…記憶媒体、
211…データ収集部、212…データ生成部、
213…学習処理部、214…情報生成部、
215…保存処理部、
225…学習結果データ、
30…実績データ、31…学習データ、
33…データ分布情報、35…収集条件情報、
40…測定値、45…(予測の)結果、
50…制御指令、
6…制御対象装置、M…予測モデル

Claims (15)

  1. 制御対象装置の状態に関する測定値を取得する取得部と、
    予測モデルを使用して、取得された前記測定値から、前記制御対象装置の未来の動作又は状態に関する予測を行う予測部と、
    前記予測の結果を利用して、前記制御対象装置に対する制御指令を決定し、かつ決定された制御指令に基づいて、前記制御対象装置の動作を制御する動作制御部と、
    前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かを判定する評価部と、
    を備える制御装置であって、
    前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たさないと判定された場合に、前記動作制御部は、前記予測の結果の利用を停止する、
    制御装置。
  2. 前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かは、前記予測モデルの生成に使用された学習データの範囲に取得された前記測定値が属するか否かに基づいて判定される、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記学習データの範囲はデータ分布により表現され、
    前記学習データの範囲に前記測定値が属するか否かは、前記データ分布に前記測定値が含まれるか否かに基づいて判定される、
    請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かは、動作を制御する際の前記制御対象装置の動作条件が、前記予測モデルの生成に使用された学習データを収集した際の制御対象装置の動作条件の範囲に属するか否かに基づいて判定される、
    請求項1に記載の制御装置。
  5. 前記制御対象装置の状態に関する前記測定値は、前記制御対象装置の制御量の測定値である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
  6. 前記制御対象装置の未来の動作又は状態に関する予測の結果は、前記制御対象装置の制御量の予測値、制御量の目標値に対する補正値、前記制御対象装置に対する操作量の予測値、及び操作量に対する補正値のいずれかにより構成される、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置。
  7. 制御対象装置の状態に関する測定値を取得する取得部と、
    予測モデルを使用して、取得された前記測定値から、前記制御対象装置の未来の動作又は状態に関する予測を行う予測部と、
    前記予測の結果を利用して、前記制御対象装置に対する制御指令を決定し、かつ決定された制御指令を下位コントローラに出力する動作決定部と、
    前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かを判定する評価部と、
    を備える上位コントローラであって、
    前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たさないと判定された場合に、前記動作決定部は、前記予測の結果の利用を停止する、
    上位コントローラ。
  8. 前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かは、前記予測モデルの生成に使用された学習データの範囲に取得された前記測定値が属するか否かに基づいて判定される、
    請求項7に記載の上位コントローラ。
  9. 前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かは、動作を制御する際の前記制御対象装置の動作条件が、前記予測モデルの生成に使用された学習データを収集した際の制御対象装置の動作条件の範囲に属するか否かに基づいて判定される、
    請求項7に記載の上位コントローラ。
  10. コンピュータが、
    制御対象装置の状態に関する測定値を取得するステップと、
    予測モデルを使用して、取得された前記測定値から、前記制御対象装置の未来の動作又は状態に関する予測を行うステップと、
    前記予測の結果を利用して、前記制御対象装置に対する制御指令を決定するステップと、
    決定された制御指令に基づいて、前記制御対象装置の動作を制御するステップと、
    前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かを判定するステップと、
    を実行する制御方法であって、
    前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たさないと判定された場合に、前記コンピュータは、前記予測の結果の利用を停止する、
    制御方法。
  11. 前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かは、前記予測モデルの生成に使用された学習データの範囲に取得された前記測定値が属するか否かに基づいて判定される、
    請求項10に記載の制御方法。
  12. 前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かは、動作を制御する際の前記制御対象装置の動作条件が、前記予測モデルの生成に使用された学習データを収集した際の制御対象装置の動作条件の範囲に属するか否かに基づいて判定される、
    請求項10に記載の制御方法。
  13. コンピュータに、
    制御対象装置の状態に関する測定値を取得するステップと、
    予測モデルを使用して、取得された前記測定値から、前記制御対象装置の未来の動作又は状態に関する予測を行うステップと、
    前記予測の結果を利用して、前記制御対象装置に対する制御指令を決定するステップと、
    決定された制御指令に基づいて、前記制御対象装置の動作を制御するステップと、
    前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かを判定するステップと、
    を実行させるための制御プログラムであって、
    前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たさないと判定された場合に、前記コンピュータに、前記予測の結果の利用を停止させる、
    制御プログラム。
  14. 前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かは、前記予測モデルの生成に使用された学習データの範囲に取得された前記測定値が属するか否かに基づいて判定される、
    請求項13に記載の制御プログラム。
  15. 前記予測モデルを使用する条件が信頼性条件を満たすか否かは、動作を制御する際の前記制御対象装置の動作条件が、前記予測モデルの生成に使用された学習データを収集した際の制御対象装置の動作条件の範囲に属するか否かに基づいて判定される、
    請求項13に記載の制御プログラム。
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