JP2021196509A - 拡散シート、バックライトユニット、液晶表示装置、及び、情報機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示パネル上での指紋認証を可能とする液晶表示装置用の拡散シートを提供する。【解決手段】拡散シート20は、液晶表示パネルの上側に指の腹が置かれたときに当該指の腹の指紋を赤外線によって読み取ることが可能な液晶表示装置に用いられる。拡散シート20は、透明基材層10と、透明基材層10の第1面上に形成された光拡散層15とを備える。光拡散層15は、マトリックス樹脂12の100質量部に対して、拡散剤となるメラミン粒子11を10質量部以上40質量部以下含有する。【選択図】図4
Description
本開示は、液晶表示装置に用いられる拡散シート、その拡散シートを備えるバックライトユニット、そのバックライトユニットを備える液晶表示装置、及び、その液晶表示装置を備える情報機器に関するものである。
近年、スマートフォンやタブレット端末などの各種情報機器において、セキュリティーを高めるために、指紋を利用して個人認証を行う指紋認証システムが搭載されているものが増えてきた。この指紋認証システムとしては、色々な形式のものがあるが、近赤外線を用いた光学式システムが比較的安価である。
光学式指紋認証装置においては、認証対象に光を照射する光源としてLEDが用いられ、指紋面からの反射光の読み取りにイメージセンサが用いられる。
指紋認証システムが搭載された情報機器においては、表示画面と指紋認証領域とが分離されていることが一般的であったが、表示画面の大型化に伴って、有機ELディスプレイを用いたスマートフォンにおいては指紋認証領域を表示画面中に組み込むことが行われている。
現在、液晶表示装置を採用する情報機器、例えば、液晶表示パネルを用いたスマートフォンにおいても、指紋認証システムを搭載できるようにしたいとの要望がある。すなわち、液晶表示パネル上の所定の位置に指の腹が置かれたときに当該指の腹の指紋を読み取り、読み取られた指紋が事前に登録された指紋と同一の場合(又は一定の誤差範囲に含まれる場合)、スマートフォンのロックを解除できるようにしたいという技術要望がある。
従来の液晶表示装置のバックライトユニットでは、光源から発せられる可視光領域の光を均一に拡散させるために、樹脂バインダー中に粒径1〜50μm程度の樹脂ビーズを含有させた光拡散層を備えた拡散シートが用いられている(例えば特許文献1参照)。
このような液晶表示装置を用いた情報機器では、液晶表示パネルの下方に赤外線光源を配置し、この赤外線光源から液晶表示パネル上に置かれた指の腹に光を照射し、指の腹からの反射光の情報を赤外線検出器で検出することによって指紋を読み取ることが検討されている。
従来の液晶表示装置においては、光源から発せられる可視光領域の光の均一性を確保するために、拡散シートが必須の部材である。しかしながら、この拡散シートが原因となって、赤外線を用いた指紋検出ができないことが分かった。すなわち、従来の液晶表示装置においては、指紋認証を液晶表示パネル上で行うことは不可能であった。
以上の状況ではあるものの、ディスプレイ上で指紋認証する技術が確立されている有機ELディスプレイを用いた情報機器に対する競争力を確保するべく、液晶表示装置を採用する情報機器でも液晶表示パネル上で指紋認証を実現したいという技術課題がある。
そこで、本開示は、液晶表示パネル上での指紋認証を可能とする液晶表示装置用の拡散シートを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本願発明者らが、従来の液晶表示装置において、液晶表示パネル上で赤外線を用いた指紋認証ができない原因を検討したところ、以下のような知見を得た。すなわち、従来の液晶表示装置用の拡散シートでは、可視光領域の光は良好に拡散されるものの、それに伴って赤外線領域の光も拡散されてしまう現象も発生し、この赤外線領域の光の拡散が、液晶表示パネル上で赤外線を用いた指紋認証ができない原因であることが分かった。本願発明者らは、さらに鋭意検討したところ、拡散シートの光拡散層を構成するマトリックス樹脂に対して、拡散剤としてメラミン粒子を所定割合添加することによって、可視光領域の光を良好に拡散しつつ、赤外線領域の光の拡散を抑制できる拡散シートを実現できることを見出した。本開示は、以上の知見に基づきなされたものである。
本開示に係る拡散シートは、液晶表示パネルの上側に指の腹が置かれたときに当該指の腹の指紋を赤外線によって読み取ることが可能に構成された液晶表示装置に用いられる拡散シートであって、透明基材層と、透明基材層の第1面上に形成された光拡散層とを備え、光拡散層は、当該光拡散層を構成するマトリックス樹脂100質量部に対して、拡散剤となるメラミン粒子を10質量部以上40質量部以下含有する。
本開示に係る拡散シートによると、透明基材層上に形成された光拡散層が、マトリックス樹脂100質量部に対して、拡散剤となるメラミン粒子を10質量部以上40質量部以下含有する。このため、光拡散層によって、可視光領域の光を良好に拡散しつつ、赤外線領域の光の拡散を抑制することができる。例えば、拡散シートにおいて、波長550nmの可視光に対するヘーズ値を60%程度以上にして可視光の拡散性を維持しながら、波長940nmの赤外線に対する平行光線透過率を50%程度以上にすることができる。このため、通常の拡散シートの利点(可視光の均一な拡散)を損なうことなく赤外線の平行透過性を向上させることができるので、液晶表示パネルの上側に置かれた指の腹の指紋を赤外線によって読み取ることができる。従って、液晶表示パネル上での指紋認証を可能とする液晶表示装置用の拡散シートを提供することができる。
尚、本開示に係る拡散シートにおいて、メラミン粒子は、メラミンのみからなる粒子であってもよいし、或いは、例えばメラミン樹脂等のメラミン含有材料からなる粒子であってもよい。また、光拡散層は、メラミン粒子に加えて、アクリルや酸化チタン(TiO2 )等からなる拡散剤を含んでいてもよい。
また、本開示に係る拡散シートにおいて、光拡散層は、マトリックス樹脂100質量部に対して、メラミン粒子を20質量部以上30質量部以下含有してもよい。
このようにすると、可視光の拡散性をより向上させつつ、赤外線の平行透過性をより向上させることができる。
また、本開示に係る拡散シートにおいて、マトリクス樹脂は、アクリル樹脂であってもよい。
このようにすると、アクリル樹脂からなるマトリクス樹脂と、メラミン粒子からなる拡散剤との間の屈折率差を十分に確保できる。このため、長波長の赤外線に対するヘーズ値の増大を抑制しながら、短波長の可視光に対するヘーズ値を増大させることができる。
また、本開示に係る拡散シートにおいて、指紋の読み取りに用いる赤外線のピーク波長は、近赤外線域の波長であってもよい。
このようにすると、指紋認証を低コストで行うことができる。
また、本開示に係る拡散シートにおいて、メラミン粒子の平均粒径は、近赤外線域の波長以下であってもよい。
このようにすると、赤外線に対するヘーズ値をより一層抑制することができる。
また、本開示に係る拡散シートにおいて、光拡散層の厚さは、10μm以上15μm以下あってもよい。
このようにすると、可視光の拡散性を十分に確保しながら、赤外線に対する平行光線透過率の減衰を抑制することができる。
また、本開示に係る拡散シートにおいて、透明基材層の可視光に対するヘーズ値は、1%以下であり、透明基材層の赤外線に対する平行光線透過率は、85%以上であってもよい。
このようにすると、光拡散層が設けられる透明基材層に起因して、赤外線の平行透過性が低下する事態を回避することができる。
尚、本開示において、可視光に対するヘーズ値は、例えば、液晶表示装置のバックライトユニットが有する光源の可視光域のピーク波長又はその近傍の波長でのヘーズ値であってもよい。或いは、可視光に対するヘーズ値は、例えば、可視光域の中心波長(550nm程度)又はその近傍の波長でのヘーズ値であってもよい。また、赤外線に対するヘーズ値は、例えば、指紋認証用の赤外線光源のピーク波長又はその近傍の波長でのヘーズ値であってもよい。或いは、赤外線に対するヘーズ値は、例えば、近赤外線域の波長でのヘーズ値であってもよい。
また、本開示に係る拡散シートにおいて、透明基材層の第2面上に形成されたスティッキング防止層をさらに備え、スティッキング防止層の可視光に対するヘーズ値は、10%以下であり、スティッキング防止層の赤外線に対する平行光線透過率は、80%以上であってもよい。
このようにすると、拡散シートにスティッキング防止層を設ける場合にも、スティッキング防止層に起因して、赤外線の平行透過性が低下する事態を回避することができる。
また、本開示に係るバックライトユニットは、液晶表示パネルの上側に指の腹が置かれたときに当該指の腹の指紋を赤外線によって読み取ることが可能に構成された液晶表示装置に組み込まれ、且つ、可視光域のピーク波長を持つ光源から発せられた光を液晶表示装置のディスプレイ面に導くバックライトユニットであって、本開示に係る拡散シートを備える。
本開示に係るバックライトユニットによると、本開示に係る拡散シートを備えるため、本開示に係るバックライトユニットを備える液晶表示装置の液晶表示パネル上で赤外線を用いて指紋認証を行うことができる。
本開示に係る液晶表示装置は、本開示に係るバックライトユニットと、液晶表示パネルとを備える。
本開示に係る液晶表示装置によると、本開示に係るバックライトユニットを備えるため、液晶表示パネル上で赤外線を用いて指紋認証を行うことができる。
本開示に係る情報機器は、本開示に係る液晶表示装置を備える。
本開示に係る情報機器によると、本開示に係る液晶表示装置を備えるため、当該液晶表示装置の液晶表示パネル上で赤外線を用いて指紋認証を行うことができる。
本開示によると、液晶表示パネル上での指紋認証を可能とする液晶表示装置用の拡散シートを提供することができる。また、当該拡散シートを用いて、液晶表示パネル上での指紋認証を可能とする液晶表示装置に用いるのに好適なバックライトユニットを提供することができると共に、当該バックライトユニットを備える液晶表示装置、及び、当該液晶表示装置を備える情報機器をそれぞれ提供することができる。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
図1〜図4は、本開示に係る拡散シート、バックライトユニット及び液晶表示装置の実施形態の一例を示している。具体的には、図1は、本実施形態の液晶表示装置50の断面図である。図2は、液晶表示装置50による指紋認証原理を示す図である。図3は、液晶表示装置50を構成するバックライトユニット40の一例の断面図である。図4は、バックライトユニット40を構成する拡散シート20の一例の断面図である。
<液晶表示装置>
図1に示すように、液晶表示装置50は、液晶表示パネル5と、液晶表示パネル5の図中下側の表面に貼付された第1偏光板6と、液晶表示パネル5の図中上側の表面に貼付された第2偏光板7と、液晶表示パネル5の背面側(図中下側)に第1偏光板6を挟んで設けられたバックライトユニット40と、バックライトユニット40の背面側(図中下側)に設けられた指紋認証装置60とを備える。
図1に示すように、液晶表示装置50は、液晶表示パネル5と、液晶表示パネル5の図中下側の表面に貼付された第1偏光板6と、液晶表示パネル5の図中上側の表面に貼付された第2偏光板7と、液晶表示パネル5の背面側(図中下側)に第1偏光板6を挟んで設けられたバックライトユニット40と、バックライトユニット40の背面側(図中下側)に設けられた指紋認証装置60とを備える。
液晶表示パネル5は、互いに対向するように設けられたTFT基板1及びCF基板2と、TFT基板1及びCF基板2の間に設けられた液晶層3と、TFT基板1及びCF基板2の間に液晶層3を封入するために枠状に設けられたシール材(不図示)とを備える。
TFT基板1は、例えば、ガラス基板上にマトリクス状に設けられた複数のTFTと、各TFTを覆うように設けられた層間絶縁膜と、層間絶縁膜上にマトリクス状に設けられ且つ複数のTFTにそれぞれ接続された複数の画素電極と、各画素電極を覆うように設けられた配向膜とを備える。各TFTは、例えば、ガラス基板上に互いに平行に延びるように設けられた複数のゲート線のうちの対応するゲート線に電気的に接続される。また、各TFTは、例えば、ゲート線を覆うゲート絶縁膜上にゲート線と直交する方向に互いに平行に延びるように設けられた複数のソース線のうちの対応するソース線に電気的に接続される。
CF基板2は、例えば、ガラス基板上に格子状に設けられたブラックマトリクスと、ブラックマトリクスの各格子間にそれぞれ設けられた赤色層、緑色層及び青色層を含むカラーフィルターと、ブラックマトリクス及びカラーフィルターを覆うように設けられた共通電極と、共通電極を覆うように設けられた配向膜とを備える。
液晶層3は、電気光学特性を有する液晶分子を含むネマチック液晶材料等により構成される。
第1偏光板6及び第2偏光板7はそれぞれ、例えば、一方向の偏光軸を有する偏光子層と、偏光子層を挟持するように設けられた一対の保護層とを備える。偏光子層は、例えば、ヨウ素等を吸着させて延伸させたポリビニルアルコールフィルム等により構成される。各保護層は、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等により構成される。
以上に説明した液晶表示装置50では、各画素電極に対応する各サブ画素において、液晶層3に所定の大きさの電圧を印加し、液晶層3の配向状態を変えることにより、バックライトユニット40から第1偏光板6を介して入射する光の透過率が調整される。透過率が調整された光が第2偏光板7を介して出射されることにより、画像が表示される。
−指紋認証装置−
液晶表示装置50に設けられる指紋認証装置60は、赤外線光源61及び赤外線検出器62を有する。赤外線光源61は、認証対象に光を照射する。赤外線検出器62は、認証対象からの反射光を受光する。赤外線光源61としては、例えば、750〜950nmの範囲で一定の波長分布(広がり)を有し且つ波長のピークが850nmとなる近赤外線光源や、或いは、850〜1050nmの範囲で一定の波長分布(広がり)を有し且つ波長のピークが940nmとなる近赤外線光源等を使用してもよい。尚、水に対する吸光度は中赤外線及び遠赤外線において高く、その結果、生体組織の浅い部分で中赤外線及び遠赤外線の多くが吸収されてしまう。このため、赤外線光源61のピーク波長が、近赤外線域の波長であると、指紋認証に必要な反射光量を十分に得ることができる。赤外線検出器62としては、例えば、CCD方式やCMOS方式等のイメ一ジセンサ一を用いてもよい。
液晶表示装置50に設けられる指紋認証装置60は、赤外線光源61及び赤外線検出器62を有する。赤外線光源61は、認証対象に光を照射する。赤外線検出器62は、認証対象からの反射光を受光する。赤外線光源61としては、例えば、750〜950nmの範囲で一定の波長分布(広がり)を有し且つ波長のピークが850nmとなる近赤外線光源や、或いは、850〜1050nmの範囲で一定の波長分布(広がり)を有し且つ波長のピークが940nmとなる近赤外線光源等を使用してもよい。尚、水に対する吸光度は中赤外線及び遠赤外線において高く、その結果、生体組織の浅い部分で中赤外線及び遠赤外線の多くが吸収されてしまう。このため、赤外線光源61のピーク波長が、近赤外線域の波長であると、指紋認証に必要な反射光量を十分に得ることができる。赤外線検出器62としては、例えば、CCD方式やCMOS方式等のイメ一ジセンサ一を用いてもよい。
図2に示すように、指紋認証装置60においては、液晶表示パネル5上(液晶表示装置50のディスプレイ面50a)に人の指(指の腹)70が触れると、赤外線光源61からの照射光81が、指の腹70が接触するディスプレイ面50aで反射され、反射光82が赤外線検出器62に受光される。このとき、指の腹70の指紋の凹部(ディスプレイ面50aと非接触)では全反射が起こり、反射光82の光量は照射光81と同程度である。一方、指の腹70の指紋の凸部(ディスプレイ面50aと接触)では乱反射が起こり、反射光82の光量は照射光81よりも少なくなる。このように赤外線検出器62に受光される反射光82には、指の腹70の指紋の形状に応じた陰影83が生じる。指紋認証装置60は、図示しない処理回路を用いて、この陰影83を記録し、予め登録されている指紋とマッチングすることによって、指紋認証を行う。
以上のように、赤外線を用いた指紋認証装置60によって、液晶表示装置50は、液晶表示パネル5上に指の腹が置かれたときに当該指の腹の指紋を読み取ることができる。液晶表示装置50は、例えばスマートフォンやタブレット端末などの各種情報機器に搭載可能で、当該情報機器においては表示画面での指紋認証によりロックやその解除などを行うことができる。
<バックライトユニット>
バックライトユニット40は、例えば図3に示すように、拡散シート20と、拡散シート20の図中上側に順に設けられた第1プリズムシート31及び第2プリズムシート32と、拡散シート20の図中下側に設けられた導光板25と、導光板25の側方に設けられた光源26と、導光板25の図中下側に設けられた反射シート28とを備える。拡散シート20の詳細については後述する。
バックライトユニット40は、例えば図3に示すように、拡散シート20と、拡散シート20の図中上側に順に設けられた第1プリズムシート31及び第2プリズムシート32と、拡散シート20の図中下側に設けられた導光板25と、導光板25の側方に設けられた光源26と、導光板25の図中下側に設けられた反射シート28とを備える。拡散シート20の詳細については後述する。
第1プリズムシート31及び第2プリズムシート32はそれぞれ、例えば、アクリル樹脂等により構成されたフィルムである。第1プリズムシート31及び第2プリズムシート32にはそれぞれ、横断面が二等辺三角形の複数の溝条が互いに隣り合うように形成されており、隣り合う一対の溝条に挟まれたプリズムの頂角は90°程度である。第1プリズムシート31に形成された各溝条と、第2プリズムシート32に形成された各溝条とは、互いに直交するように配置される。尚、図3では、互いに独立して形成された第1プリズムシート31及び第2プリズムシート32が積み重なった構成を例示したが、第1プリズムシート31及び第2プリズムシート32は、一体に形成されていてもよい。
導光板25は、長方形の矩形板状に形成され、例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明樹脂により構成される。導光板25における反射シート28側の表面には、面全体を均一に発光させるための白色のドットパターンが印刷される。
光源26は、例えば、点状光源となる複数のLED(Light Emitting Diode)から構成される。複数のLEDは、導光板25の一短辺の側面に沿って1列に並ぶように設けられる。各LEDは、可視光域のピーク波長を持つ。
反射シート28は、例えば、白色のポリエチレンテレフタレート樹脂製のフィルム、又は銀蒸着フィルム等により構成される。指紋認証装置60を構成する赤外線光源61及び赤外線検出器62の配置領域では、反射シート28を一部切り欠いてもよい。
<拡散シート>
拡散シート20は、例えば図4に示すように、透明基材層10と、透明基材層10の図中上側の表面(第1面)上に設けられた光拡散層15と、透明基材層10の図中下側の表面(第2面)上に設けられたスティッキング防止層16とを備える。拡散シート20は、求められる機能に応じた複数の層で構成される。具体的には、透明基材層10は、ベースフィルムとして拡散シート20に剛性や透明性等を確保する機能を有する。光拡散層15は、本開示で求められる、可視光領域の光の拡散性を確保しつつ赤外線領域の光の拡散性は抑制する機能を有する。スティッキング防止層16は、拡散シート20と他の部材との間でスティッキングやスクラッチが発生することを防止する機能を有する。
拡散シート20は、例えば図4に示すように、透明基材層10と、透明基材層10の図中上側の表面(第1面)上に設けられた光拡散層15と、透明基材層10の図中下側の表面(第2面)上に設けられたスティッキング防止層16とを備える。拡散シート20は、求められる機能に応じた複数の層で構成される。具体的には、透明基材層10は、ベースフィルムとして拡散シート20に剛性や透明性等を確保する機能を有する。光拡散層15は、本開示で求められる、可視光領域の光の拡散性を確保しつつ赤外線領域の光の拡散性は抑制する機能を有する。スティッキング防止層16は、拡散シート20と他の部材との間でスティッキングやスクラッチが発生することを防止する機能を有する。
−透明基材層−
透明基材層10は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロースアセテート樹脂、耐光性ポリ塩化ビニル樹脂などからなる厚さ20μm〜50μm程度のフィルムにより構成される。透明基材層10は、光透過性を有し、透明基材層10の可視光に対するヘーズ値は、例えば1%程度以下であり、透明基材層10の赤外線に対する平行光線透過率は、例えば85%以上である。
透明基材層10は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、セルロースアセテート樹脂、耐光性ポリ塩化ビニル樹脂などからなる厚さ20μm〜50μm程度のフィルムにより構成される。透明基材層10は、光透過性を有し、透明基材層10の可視光に対するヘーズ値は、例えば1%程度以下であり、透明基材層10の赤外線に対する平行光線透過率は、例えば85%以上である。
尚、本実施形態において、可視光に対するヘーズ値は、例えば、バックライトユニット40が有する光源26の可視光域のピーク波長又はその近傍の波長でのヘーズ値であってもよい。或いは、可視光に対するヘーズ値は、例えば、可視光域の中心波長(550nm程度)又はその近傍の波長でのヘーズ値であってもよい。また、赤外線に対するヘーズ値は、例えば、指紋認証装置60の赤外線光源61のピーク波長又はその近傍の波長でのヘーズ値であってもよい。或いは、赤外線に対するヘーズ値は、例えば、近赤外線域の波長(800〜2500nm程度)でのヘーズ値であってもよい。
−光拡散層−
光拡散層15は、例えば、厚さ5〜20μm程度、より好ましくは、厚さ10〜15μm程度であり、メラミン粒子11と、マトリクス樹脂(バインダー樹脂)12とを含む。光拡散層15は、メラミン粒子11がマトリクス樹脂12により透明基材層10の表面に固定されて構成される。メラミン粒子11は、メラミンのみからなる粒子であってもよいし、或いは、例えばメラミン樹脂等のメラミン含有材料からなる粒子であってもよい。
光拡散層15は、例えば、厚さ5〜20μm程度、より好ましくは、厚さ10〜15μm程度であり、メラミン粒子11と、マトリクス樹脂(バインダー樹脂)12とを含む。光拡散層15は、メラミン粒子11がマトリクス樹脂12により透明基材層10の表面に固定されて構成される。メラミン粒子11は、メラミンのみからなる粒子であってもよいし、或いは、例えばメラミン樹脂等のメラミン含有材料からなる粒子であってもよい。
光拡散層15は、マトリックス樹脂12の100質量部に対して、拡散剤となるメラミン粒子11を、例えば10質量部以上40質量部以下含有し、好ましくは、20質量部以上30質量部以下含有する。すなわち、マトリクス樹脂12に対するメラミン粒子11の質量百分率は、例えば10〜40質量%であり、好ましくは、20〜30質量%である。また、光拡散層15の単位面積当たりの質量は、例えば、10.0〜15.0g/m2 程度、より好ましくは、12.0〜13.5g/m2 程度である。
メラミン粒子11の平均粒径は、指紋認証装置60の赤外線光源61のピーク波長又は波長分布に応じて設定される。具体的には、赤外線光源61のピーク波長が近赤外線域の波長であれば、メラミン粒子11の平均粒径を赤外線光源61のピーク波長程度以下(つまり近赤外線域の波長程度以下)、例えば0.8μm程度以下に設定し、好ましくは、0.02〜0.7μm程度に設定してもよい。メラミン粒子11は、一次粒子がマトリクス樹脂12中に個々に分散していてもよいし、一次粒子が凝集して二次粒子を形成し、この二次粒子がマトリックス樹脂12中に個々に分散していてもよい。
尚、本実施形態において、平均粒径の算出は、以下のように行う。まず、ミクロトーム等で測定サンプルの断面を作り、当該断面を走査型電子顕微鏡で観察・分析し、粒子領域を特定する。次に、粒子領域と特定された箇所の粒径を画像から算出し、これを50箇所繰り返して得た50個の粒径の平均値を平均粒径とする。
マトリクス樹脂12は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、アミド官能性共重合体樹脂、ウレタン樹脂、メチルメタクリレート・スチレン共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等により構成される。マトリクス樹脂12としては、特に、メラミンとの屈折率差を大きくできる樹脂、例えば、アクリル樹脂等が好ましい。
尚、拡散シート20と第1プリズムシート31との密着を防止するために、光拡散層15に、可視光拡散性や赤外線平行透過性を阻害しない程度の少量の樹脂ビーズを含有させてもよい。樹脂ビーズは、例えば、平均粒径3〜12μm程度のアクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等により構成された粒子である。或いは、拡散シート20の可視光拡散性や赤外線平行透過性を調整するために、光拡散層15に、メラミン粒子11に加えて、アクリルや酸化チタン(TiO2 )等からなる他の粒子を拡散剤としてさらに添加してもよい。これらの他の粒子の平均粒径も、メラミン粒子11の平均粒径と同様に、指紋認証装置60の赤外線光源61のピーク波長又は波長分布に応じて設定される。
−スティッキング防止層−
スティッキング防止層16は、光透過性を有し、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、アミド官能性共重合体樹脂、ウレタン樹脂などからなる厚さ3〜15μm程度のフィルムにより構成される。スティッキング防止層16は、凹凸表面16aを有し、これにより、導光板25の表面との間でスティッキングやスクラッチが発生することを防止する。スティッキング防止層16は、光透過性を有し、スティッキング防止層16の可視光に対するヘーズ値は、例えば10%以下であり、スティッキング防止層16の赤外線に対する平行光線透過率は、例えば80%以上である。
スティッキング防止層16は、光透過性を有し、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、アミド官能性共重合体樹脂、ウレタン樹脂などからなる厚さ3〜15μm程度のフィルムにより構成される。スティッキング防止層16は、凹凸表面16aを有し、これにより、導光板25の表面との間でスティッキングやスクラッチが発生することを防止する。スティッキング防止層16は、光透過性を有し、スティッキング防止層16の可視光に対するヘーズ値は、例えば10%以下であり、スティッキング防止層16の赤外線に対する平行光線透過率は、例えば80%以上である。
<実施形態の効果>
以上に説明した本実施形態によると、拡散シート20において、透明基材層10上に形成された光拡散層15が、マトリックス樹脂12の100質量部に対して、拡散剤となるメラミン粒子11を10質量部以上40質量部以下含有する。このため、光拡散層15によって、可視光領域の光を良好に拡散しつつ、赤外線領域の光の拡散を抑制することができる。例えば、拡散シート20において、波長550nmの可視光に対するヘーズ値を60%程度以上にして可視光の拡散性を維持しながら、波長940nmの赤外線に対する平行光線透過率を50%程度以上にすることができる。このため、通常の拡散シートの利点(可視光の均一な拡散)を損なうことなく拡散シート20の赤外線の平行透過性を向上させることができる。従って、液晶表示パネル5の上側に置かれた指の腹70の指紋を赤外線によって読み取ることができるので、液晶表示装置50において指紋認証を行うことが可能となる。
以上に説明した本実施形態によると、拡散シート20において、透明基材層10上に形成された光拡散層15が、マトリックス樹脂12の100質量部に対して、拡散剤となるメラミン粒子11を10質量部以上40質量部以下含有する。このため、光拡散層15によって、可視光領域の光を良好に拡散しつつ、赤外線領域の光の拡散を抑制することができる。例えば、拡散シート20において、波長550nmの可視光に対するヘーズ値を60%程度以上にして可視光の拡散性を維持しながら、波長940nmの赤外線に対する平行光線透過率を50%程度以上にすることができる。このため、通常の拡散シートの利点(可視光の均一な拡散)を損なうことなく拡散シート20の赤外線の平行透過性を向上させることができる。従って、液晶表示パネル5の上側に置かれた指の腹70の指紋を赤外線によって読み取ることができるので、液晶表示装置50において指紋認証を行うことが可能となる。
また、本実施形態の拡散シート20において、光拡散層15が、マトリックス樹脂12の100質量部に対して、メラミン粒子11を20質量部以上30質量部以下含有すると、可視光の拡散性をより向上させつつ、赤外線の平行透過性をより向上させることができる。
また、本実施形態の拡散シート20において、マトリクス樹脂12がアクリル樹脂であると、アクリル樹脂からなるマトリクス樹脂12と、メラミン粒子11からなる拡散剤との間の屈折率差を十分に確保できる。従って、長波長の赤外線に対するヘーズ値の増大を抑制しながら、短波長の可視光に対するヘーズ値を増大させることができる。
また、本実施形態の拡散シート20において、指紋の読み取りに用いる赤外線のピーク波長が近赤外線域の波長であると、指紋認証を低コストで行うことができる。
また、本実施形態の拡散シート20において、メラミン粒子11の平均粒径が近赤外線域の波長以下であると、赤外線に対するヘーズ値をより一層抑制することができる。
また、本実施形態の拡散シート20において、光拡散層15の厚さが10μm以上15μm以下であると、可視光の拡散性を十分に確保しながら、赤外線に対する平行光線透過率の減衰を抑制することができる。
また、本実施形態の拡散シート20において、透明基材層10の可視光に対するヘーズ値が1%以下であり、透明基材層10の赤外線に対する平行光線透過率が85%以上であると、透明基材層10に起因して、赤外線の平行透過性が低下する事態を回避することができる。
また、本実施形態の拡散シート20において、スティッキング防止層16の可視光に対するヘーズ値が10%以下であり、スティッキング防止層16の赤外線に対する平行光線透過率が80%以上であると、スティッキング防止層16に起因して、赤外線の平行透過性が低下する事態を回避することができる。
また、本実施形態のバックライトユニット40によると、本実施形態の拡散シート20を備えるため、バックライトユニット40を備える液晶表示装置50の液晶表示パネル5上で赤外線を用いて指紋認証を行うことができる。
また、本実施形態の液晶表示装置50によると、本実施形態のバックライトユニット40を備えるため、液晶表示パネル5上で赤外線を用いて指紋認証を行うことができる。
また、本実施形態の液晶表示装置50を備える情報機器(例えばスマートフォンやタブレット端末など)によると、液晶表示装置50の液晶表示パネル5上で赤外線を用いて指紋認証を行うことができる。
(実施例)
以下、実施例について説明する。尚、比較例を含む各実施例に係る拡散シートにおける可視光に対するヘーズ値及び赤外線に対する平行光線透過率の算出は、以下のように行った。まず、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社 V-760)を用いて波長500〜1000nmの全光線透過率及び拡散透過率を測定する。次に、可視光に対するヘーズ値を、波長550nmで「拡散透過率/全光線透過率×100=ヘーズ値」の計算式に従って算出する。また、赤外線に対する平行光線透過率を、波長940nmで「全光線透過率−拡散透過率=平行光線透過率」の計算式に従い算出する。
以下、実施例について説明する。尚、比較例を含む各実施例に係る拡散シートにおける可視光に対するヘーズ値及び赤外線に対する平行光線透過率の算出は、以下のように行った。まず、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社 V-760)を用いて波長500〜1000nmの全光線透過率及び拡散透過率を測定する。次に、可視光に対するヘーズ値を、波長550nmで「拡散透過率/全光線透過率×100=ヘーズ値」の計算式に従って算出する。また、赤外線に対する平行光線透過率を、波長940nmで「全光線透過率−拡散透過率=平行光線透過率」の計算式に従い算出する。
<比較例1>
比較例1の拡散シートは、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる厚さ38μmの基材フィルム(前記実施形態の透明基材層10に相当)の上面に、アクリル系樹脂からなるマトリクス樹脂にメラミン粒子を含有させてなる厚さ12μmのコーティング層(前記実施形態の光拡散層15に相当)が形成され、且つ、当該基材フィルムの下面に、アクリル系樹脂からなるマトリクス樹脂に若干量のアクリル粒子を含有させてなる厚さ7μmのスティッキング防止層が形成された、総厚み57μmのシートである。メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比は5%であり、メラミン粒子の平均粒径(一次粒子)は、0.588μm(標準偏差:0.300μm、最大粒径:1.653μm、最小粒径:0.174μm)である。すなわち、メラミン粒子の平均粒径は、指紋認証装置の赤外線光源に主として用いられる近赤外線域の波長以下である。
比較例1の拡散シートは、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる厚さ38μmの基材フィルム(前記実施形態の透明基材層10に相当)の上面に、アクリル系樹脂からなるマトリクス樹脂にメラミン粒子を含有させてなる厚さ12μmのコーティング層(前記実施形態の光拡散層15に相当)が形成され、且つ、当該基材フィルムの下面に、アクリル系樹脂からなるマトリクス樹脂に若干量のアクリル粒子を含有させてなる厚さ7μmのスティッキング防止層が形成された、総厚み57μmのシートである。メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比は5%であり、メラミン粒子の平均粒径(一次粒子)は、0.588μm(標準偏差:0.300μm、最大粒径:1.653μm、最小粒径:0.174μm)である。すなわち、メラミン粒子の平均粒径は、指紋認証装置の赤外線光源に主として用いられる近赤外線域の波長以下である。
比較例1の拡散シートのコーティング層形成方法は、以下の通りである。まず、メラミン粒子をバインダーのマトリックス樹脂にブレンドする。このとき、粘度調整用に希釈溶剤もブレンドする。次に、ブレンドされた材料を攪拌した後、基材フィルム上に塗工し、その後、80℃の温度で当該材料を硬化させ、コーティング層を形成する。
比較例1の拡散シートにおいて、可視光に対するヘーズ値は43.6%であり、赤外線に対する平行光線透過率は76.8%であった。
<実施例1>
実施例1の拡散シートの構成は、メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比を10%としたことを除いて、前述の比較例1と同様である。
実施例1の拡散シートの構成は、メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比を10%としたことを除いて、前述の比較例1と同様である。
実施例1の拡散シートにおいて、可視光に対するヘーズ値は60.7%であり、赤外線に対する平行光線透過率は69.4%であった。
<実施例2>
実施例2の拡散シートの構成は、メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比を20%としたことを除いて、前述の比較例1と同様である。
実施例2の拡散シートの構成は、メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比を20%としたことを除いて、前述の比較例1と同様である。
実施例2の拡散シートにおいて、可視光に対するヘーズ値は79.5%であり、赤外線に対する平行光線透過率は57.7%であった。
<実施例3>
実施例3の拡散シートの構成は、メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比を30%としたことを除いて、前述の比較例1と同様である。
実施例3の拡散シートの構成は、メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比を30%としたことを除いて、前述の比較例1と同様である。
実施例3の拡散シートにおいて、可視光に対するヘーズ値は84.4%であり、赤外線に対する平行光線透過率は53.7%であった。
<実施例4>
実施例4の拡散シートの構成は、メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比を40%としたことを除いて、前述の比較例1と同様である。
実施例4の拡散シートの構成は、メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比を40%としたことを除いて、前述の比較例1と同様である。
実施例4の拡散シートにおいて、可視光に対するヘーズ値は87.0%であり、赤外線に対する平行光線透過率は50.8%であった。
<実施例1〜4の評価>
図5は、比較例1及び実施例1〜4の拡散シートにおける光拡散層のメラミン添加量(メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比)と可視光に対するヘーズ値との関係を示す図である。また、図6は、比較例1及び実施例1〜4の拡散シートにおける光拡散層のメラミン添加量(メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比)と赤外線に対する平行光線透過率との関係を示す図である。
図5は、比較例1及び実施例1〜4の拡散シートにおける光拡散層のメラミン添加量(メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比)と可視光に対するヘーズ値との関係を示す図である。また、図6は、比較例1及び実施例1〜4の拡散シートにおける光拡散層のメラミン添加量(メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比)と赤外線に対する平行光線透過率との関係を示す図である。
図5及び図6に示すように、メラミン添加量を10%以上とすることによって、実施例1〜4の拡散シートのように、可視光に対するヘーズ値が60%程度以上となり、液晶表示装置において光源から発せられる可視光領域の光の均一性を確保することができる。特に、メラミン添加量を20%以上とすることによって、実施例2〜4の拡散シートのように、可視光に対するヘーズ値が80%程度以上となり、可視光領域の光の均一性をより一層向上させることができる。
また、図5及び図6に示すように、メラミン添加量を40%以下とすることによって、実施例1〜4の拡散シートのように、赤外線に対する平行光線透過率が50%程度以上となり、液晶表示装置において赤外線を用いた指紋検出が可能となる。特に、メラミン添加量を30%以下とすることによって、実施例1〜3の拡散シートのように、赤外線に対する平行光線透過率が50%を十分に上回り、赤外線を用いた指紋検出をより一層確実に行うことができる。
一方、比較例1では、メラミン添加量が5%と少ないため、可視光に対するヘーズ値が50%を下回り、液晶表示装置において光源から発せられる可視光領域の光の均一性を確保することができない。
<比較例2>
比較例2の拡散シートは、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる厚さ38μmの基材フィルムの上面に、アクリル系樹脂であるマトリクス樹脂にスチレン粒子を含有させてなる厚さ5μmのコーティング層が形成され、且つ、当該基材フィルムの下面に、アクリル系樹脂からなるマトリクス樹脂に若干量のアクリル粒子を含有させてなる厚さ7μmのスティッキング防止層が形成された、総厚み50μmのシートである。スチレン粒子/マトリクス樹脂の質量比は220%であり、スチレン粒子の平均粒径(一次粒子)は3μmである。
比較例2の拡散シートは、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる厚さ38μmの基材フィルムの上面に、アクリル系樹脂であるマトリクス樹脂にスチレン粒子を含有させてなる厚さ5μmのコーティング層が形成され、且つ、当該基材フィルムの下面に、アクリル系樹脂からなるマトリクス樹脂に若干量のアクリル粒子を含有させてなる厚さ7μmのスティッキング防止層が形成された、総厚み50μmのシートである。スチレン粒子/マトリクス樹脂の質量比は220%であり、スチレン粒子の平均粒径(一次粒子)は3μmである。
比較例2の拡散シートのコーティング層形成方法は、以下の通りである。まず、スチレン粒子をバインダーのマトリックス樹脂にブレンドする。このとき、粘度調整用に希釈溶剤もブレンドする。次に、ブレンドされた材料を攪拌した後、基材フィルム上に塗工し、その後、80℃の温度で当該材料を硬化させ、コーティング層を形成する。
比較例2の拡散シートにおいて、可視光に対するヘーズ値は80.7%であり、赤外線に対する平行光線透過率は21.1%であった。
図7は、比較例2に係る拡散シートを用いた液晶表示装置において液晶表示パネルの上側に置かれた指の腹の指紋を赤外線によって読み取った様子を示す画像である。図7に示すように、比較例2の拡散シートにおいて、赤外線に対する平行光線透過率は21.1%と低いため、赤外線画像中の指紋は不鮮明であり、指紋認証は行えなかった。
<実施例5>
実施例5の拡散シートは、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる厚さ38μmの基材フィルム(前記実施形態の透明基材層10に相当)の上面に、アクリル系樹脂からなるマトリクス樹脂にメラミン粒子を含有させてなる厚さ12μmのコーティング層(前記実施形態の光拡散層15に相当)が形成され、且つ、当該基材フィルムの下面に、アクリル系樹脂からなるマトリクス樹脂に若干量のアクリル粒子を含有させてなる厚さ7μmのスティッキング防止層が形成された、総厚み57μmのシートである。メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比は16.8%であり、メラミン粒子の平均粒径(一次粒子)は、0.588μm(標準偏差:0.300μm、最大粒径:1.653μm、最小粒径:0.174μm)である。すなわち、メラミン粒子の平均粒径は、指紋認証装置の赤外線光源に用いられる近赤外線域の波長以下である。尚、コーティング層には、可視光拡散性や赤外線平行透過性を調整するために、メラミン粒子に加えて、アクリルや酸化チタン(TiO2 )からなる他の粒子を拡散剤として微量添加した。
実施例5の拡散シートは、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる厚さ38μmの基材フィルム(前記実施形態の透明基材層10に相当)の上面に、アクリル系樹脂からなるマトリクス樹脂にメラミン粒子を含有させてなる厚さ12μmのコーティング層(前記実施形態の光拡散層15に相当)が形成され、且つ、当該基材フィルムの下面に、アクリル系樹脂からなるマトリクス樹脂に若干量のアクリル粒子を含有させてなる厚さ7μmのスティッキング防止層が形成された、総厚み57μmのシートである。メラミン粒子/マトリクス樹脂の質量比は16.8%であり、メラミン粒子の平均粒径(一次粒子)は、0.588μm(標準偏差:0.300μm、最大粒径:1.653μm、最小粒径:0.174μm)である。すなわち、メラミン粒子の平均粒径は、指紋認証装置の赤外線光源に用いられる近赤外線域の波長以下である。尚、コーティング層には、可視光拡散性や赤外線平行透過性を調整するために、メラミン粒子に加えて、アクリルや酸化チタン(TiO2 )からなる他の粒子を拡散剤として微量添加した。
実施例5の拡散シートのコーティング層形成方法は、以下の通りである。まず、メラミン粒子及び他の粒子をバインダーのマトリックス樹脂にブレンドする。このとき、粘度調整用に希釈溶剤もブレンドする。次に、ブレンドされた材料を攪拌した後、基材フィルム上に塗工し、その後、80℃の温度で当該材料を硬化させ、コーティング層を形成する。
実施例5の拡散シートにおいて、可視光に対するヘーズ値は83.7%であり、赤外線に対する平行光線透過率は51.7%であった。
図8は、実施例5に係る拡散シートを用いた液晶表示装置において液晶表示パネルの上側に置かれた指の腹の指紋を赤外線によって読み取った様子を示す画像である。図8に示すように、実施例5の拡散シートにおいて、赤外線に対する平行光線透過率は51.7%と高いため、赤外線画像中の指紋は鮮明であり、指紋認証を行うことができた。
<実施例6>
実施例6の拡散シートの構成は、コーティング層の厚さを15μmとし、総厚みを60μmとしたことを除いて、前述の実施例5と同様である。
実施例6の拡散シートの構成は、コーティング層の厚さを15μmとし、総厚みを60μmとしたことを除いて、前述の実施例5と同様である。
実施例6の拡散シートにおいて、可視光に対するヘーズ値は87.4%であり、赤外線に対する平行光線透過率は47.7%であった。
図9は、実施例6に係る拡散シートを用いた液晶表示装置において液晶表示パネルの上側に置かれた指の腹の指紋を赤外線によって読み取った様子を示す画像である。図9に示すように、実施例6の拡散シートにおいて、赤外線に対する平行光線透過率は47.7%と比較的高いため、赤外線画像中の指紋は鮮明であり、指紋認証を行うことができた。
(その他の実施形態)
以上、本開示についての実施形態(実施例を含む。以下同じ。)を説明したが、本開示は前述の実施形態のみに限定されず、開示の範囲内で種々の変更が可能である。すなわち、前述の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
以上、本開示についての実施形態(実施例を含む。以下同じ。)を説明したが、本開示は前述の実施形態のみに限定されず、開示の範囲内で種々の変更が可能である。すなわち、前述の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
例えば、前述の実施形態においては、バックライトユニット40の拡散シート20の全体に、本開示に係る拡散シートを適用した。しかし、これに代えて、指紋認証装置60を構成する赤外線検出器62の配置位置に対応する拡散シート領域、言い換えると、液晶表示パネル5の上側において指の腹が置かれる所定の位置に対応する拡散シート領域のみに、本開示に係る拡散シートを適用してもよい。
また、前述の実施形態においては、拡散シート20として、透明基材層10と光拡散層15とスティッキング防止層16とを備える三層構造のシートを用いた。しかし、透明基材層と光拡散層とを備えていれば、本開示に係る拡散シートの積層構造は、特に限定されるものではない。例えば、前述の実施形態の拡散シート20において、スティッキング防止層16を設けなくてもよい。
また、本開示の拡散シートの適用対象となるバックライトユニットや液晶表示装置も、図3に示すバックライトユニット40(サイドライト方式)や図1に示す液晶表示装置50に限定されないことは言うまでもない。例えば、直下ライト方式のバックライトユニットに、本開示の拡散シートを適用してもよい。この場合、隣り合うバックライト光源の間の領域に指紋認証用の赤外線光源を配置してもよい。
本開示は、液晶表示パネル上での指紋認証を可能とする液晶表示装置用の拡散シートについて有用である。
1 TFT基板
2 CF基板
3 液晶層
5 液晶表示パネル
6 第1偏光板
7 第2偏光板
10 透明基材層
11 メラミン粒子
12 マトリクス樹脂
15 光拡散層
16 スティッキング防止層
16a 凹凸表面
20 拡散シート
25 導光板
26 光源
28 反射シート
31 第1プリズムシート
32 第2プリズムシート
40 バックライトユニット
50 液晶表示装置
50a ディスプレイ面
60 指紋認証装置
61 赤外線光源
62 赤外線検出器
70 指の腹
81 照射光
82 反射光
83 陰影
2 CF基板
3 液晶層
5 液晶表示パネル
6 第1偏光板
7 第2偏光板
10 透明基材層
11 メラミン粒子
12 マトリクス樹脂
15 光拡散層
16 スティッキング防止層
16a 凹凸表面
20 拡散シート
25 導光板
26 光源
28 反射シート
31 第1プリズムシート
32 第2プリズムシート
40 バックライトユニット
50 液晶表示装置
50a ディスプレイ面
60 指紋認証装置
61 赤外線光源
62 赤外線検出器
70 指の腹
81 照射光
82 反射光
83 陰影
Claims (11)
- 液晶表示パネルの上側に指の腹が置かれたときに当該指の腹の指紋を赤外線によって読み取ることが可能に構成された液晶表示装置に用いられる拡散シートであって、
透明基材層と、
前記透明基材層の第1面上に形成された光拡散層とを備え、
前記光拡散層は、当該光拡散層を構成するマトリックス樹脂100質量部に対して、拡散剤となるメラミン粒子を10質量部以上40質量部以下含有する、
拡散シート。 - 前記光拡散層は、前記マトリックス樹脂100質量部に対して、前記メラミン粒子を20質量部以上30質量部以下含有する、
請求項1に記載の拡散シート。 - 前記マトリクス樹脂は、アクリル樹脂である、
請求項1又は2に記載の拡散シート。 - 前記赤外線のピーク波長は、近赤外線域の波長である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の拡散シート。 - 前記メラミン粒子の平均粒径は、近赤外線域の波長以下である、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の拡散シート。 - 前記光拡散層の厚さは、10μm以上15μm以下である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の拡散シート。 - 前記透明基材層の可視光に対するヘーズ値は、1%以下であり、
前記透明基材層の前記赤外線に対する平行光線透過率は、85%以上である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の拡散シート。 - 前記透明基材層の第2面上に形成されたスティッキング防止層をさらに備え、
前記スティッキング防止層の可視光に対するヘーズ値は、10%以下であり、
前記スティッキング防止層の前記赤外線に対する平行光線透過率は、80%以上である、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の拡散シート。 - 液晶表示パネルの上側に指の腹が置かれたときに当該指の腹の指紋を赤外線によって読み取ることが可能に構成された液晶表示装置に組み込まれ、且つ、可視光域のピーク波長を持つ光源から発せられた光を前記液晶表示装置のディスプレイ面に導くバックライトユニットであって、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の拡散シートを備える、
バックライトユニット。 - 請求項9に記載のバックライトユニットと、
液晶表示パネルとを備える、
液晶表示装置。 - 請求項10に記載の液晶表示装置を備える、
情報機器。
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Cited By (1)
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CN114764988A (zh) * | 2021-01-11 | 2022-07-19 | 群创光电股份有限公司 | 背光模块及其适用的显示装置 |
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2020
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