JP2021196341A - パワーサイクル試験装置およびパワーサイクル試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パワーオン時に発生する内部応力の発生部位を自在に制御できるパワーサイクル試験装置およびパワーサイクル試験方法を提供する。【解決手段】熱ストレスを付与することで、パワー半導体装置1のパワーサイクル試験を行うパワーサイクル試験装置50である。パワー半導体装置1を発熱させる発熱用電源2と、発熱用電源2がパワー半導体装置1に電流を流しているパワーオン期間中に、パワー半導体装置1を冷却するための冷却液が流れる第1冷却液循環経路21と、発熱用電源2がパワー半導体装置1に電流を流していないパワーオフ期間中に、冷却液が流れる、パワー半導体装置1を経由して冷却液が流れる箇所が前記第1冷却液循環経路21とは異なる、第2冷却液循環経路20と、を備える。【選択図】図1

Description

この発明は、パワーサイクル試験装置およびパワーサイクル試験方法に関する。
パワーエレクトロニクス機器に搭載されるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)やMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)等のパワー半導体素子を搭載したパワー半導体モジュールは、大電流の制御を行うことによって発熱量が多いため、熱的耐久性が求められる。パワーエレクトロニクス機器を使用している間、パワー半導体モジュールには、電気的な負荷および熱的な負荷が繰り返し加わる。この場合、パワー半導体モジュールにおいて熱ストレスが最も集中する実装部分、具体的には、パワー半導体素子のワイヤボンディング部分およびはんだ接合部分に熱ストレスによる亀裂が発生することがある。このような亀裂の発生は、パワー半導体モジュールの動作寿命が短くなる一因である。
そこで、パワー半導体モジュールの信頼性の評価試験として、パワー半導体モジュールに電流を流す状態と流さない状態とを繰り返すことにより、パワー半導体モジュールの温度を予め定められた範囲内において繰り返し昇温および降温させるパワーサイクル試験が行われ、パワー半導体モジュールが熱ストレスによって故障に至る推移が評価される。
図7は、従来のパワーサイクル試験装置の構成図である。パワーサイクル試験を行うパワーサイクル試験装置150は、発熱用電源102、冷却液パイプ103、熱交換機104、冷却装置105、冷媒循環ポンプ107、弁109、タンク140を備えている。パワーサイクル試験では、パワー半導体モジュール101、例えば、IGBTを搭載したIGBTモジュールに発熱用電源102から電流を流し、パワーオンさせ発熱させた後、電流を止め、パワーオフさせ、パワー半導体モジュール101に熱ストレスを与えて、故障寿命の評価を行っている。パワーオンおよびパワーオフの間、冷却液パイプ103中に冷却液を冷媒循環ポンプ107で循環させ、パワー半導体モジュール101を冷却し、また、パワー半導体モジュール101により、加熱された冷却液を、熱交換機104を通して冷却装置105で冷却している。冷却液は、冷却液循環路(符号120で示す矢印が連続する経路)を経由するようになる。
この際、実際に使用されている間に発生する故障モードによる寿命を評価することが必要であり、使用状況を再現した負荷状態をパワー半導体モジュール101に与えることによって、その評価を行うことが可能となる。このため、従来のパワーサイクル試験装置では、温度変化をごく短い周期で繰り返すことによって短時間で使用状況を再現した故障を発生させ、問題の摘出から解決までの時間短縮を図ることが行われている。
また、チラーと、試験ユニットと、制御ラックとを有し、チラーは、水温管理部と循環水パイプとを具備し、水温管理部により循環水パイプ内の水を水温−10〜100℃に制御して試験ユニットに供給し、定電流源により、試験ユニットの試験用IGBTのコレクタ−エミッタ間に測定用電流を流し、チラーを制御して水冷プレートにより、試験用IGBTを加熱・冷却するパワーサイクル試験装置が知られている(下記、特許文献1参照)。
特開2014−20892号公報
ここで、パワーサイクル試験での評価期間短縮のためには早期に故障させる必要があり、そのためには加熱のためにパワー半導体チップに大きな電流を流したり、冷媒の供給を制限したりする方法がある。しかし、これらの条件の違いによってパワー半導体モジュール内部に発生する熱歪みの分布が変化することで、故障部位が実際の使用で発生するものと異なってしまったり、寿命が正しく評価できないケースが発生することがある。
一例として、直接水冷式パワー半導体モジュールのパワーサイクル試験において、一定の水冷を行いながら試験を実施すると半導体チップの発熱だけではパワー半導体モジュール全体に十分に温度変化を与えることができず、半導体チップから離れた接合部の疲労破壊が生じにくいため半導体チップやチップ周辺の封止樹脂が先に破壊してしまうという問題がある。また、温度変化を与えるために冷却液を止めたり抜いたりすると、冷却器が先に破壊してしまうため、パワー半導体モジュールの疲労破壊に至らないという問題がある。
図8は、従来のパワーサイクル試験装置によるIGBTモジュール各部の温度変化を示すグラフである。図8において、Tjは、IGBTチップの温度であり、Tc1は、IGBTチップ直下のベースプレートの位置での温度であり、Tc2は、キャリアコーナー部での温度である。また、ΔTc1、ΔTc2は、それぞれIGBTチップを発熱させた前後での、IGBTチップ直下のベースプレートの位置、キャリアコーナー部での温度差を示している。
図8に示すように、パワーオン時、IGBTチップは発熱により、140℃近くにまで加熱され、IGBTチップ直下のベースプレートの位置では80℃近く加熱されているのに対して、キャリアコーナー部では25℃程度しか加熱されていない。このように、従来のパワーサイクル試験では、試験中は冷却液により、IGBTモジュールを常に冷却しているため、パワーオン時に半導体チップは加熱されるが、半導体チップから離れたキャリアコーナー部等では、十分に加熱されない。このため、半導体チップから離れたキャリアコーナー部等の温度変化が十分ではなく、半導体チップ下部に設けられたキャリア下のはんだの寿命評価が難しいという問題がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、パワーオン時に発生する内部応力の発生部位を自在に制御して実際の使用状況を再現して試験できるパワーサイクル試験装置およびパワーサイクル試験方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかるパワーサイクル試験装置は、次の特徴を有する。熱ストレスを付与することで、パワー半導体装置のパワーサイクル試験を行うパワーサイクル試験装置である。パワーサイクル試験装置は、前記パワー半導体装置を発熱させる発熱用電源と、前記発熱用電源が前記パワー半導体装置に電流を流しているパワーオン期間中に、前記パワー半導体装置を冷却するための冷却液が流れる第1冷却液循環経路と、前記発熱用電源が前記パワー半導体装置に電流を流していないパワーオフ期間中に前記冷却液が流れる、前記パワー半導体装置を経由して前記冷却液が流れる箇所が前記第1冷却液循環経路とは異なる、第2冷却液循環経路と、を備える。
また、この発明にかかるパワーサイクル試験装置は、上述した発明において、前記冷却液を冷却する冷却装置を備え、前記第1冷却液循環経路では、前記冷却液が前記冷却装置を経由せずに流れ、前記第2冷却液循環経路では、前記冷却液が前記冷却装置を経由して流れることを特徴とする。
また、この発明にかかるパワーサイクル試験装置は、上述した発明において、前記第1冷却液循環経路内を流れる前記冷却液の液量は、前記第2冷却液循環経路内を流れる前記冷却液の液量より少ないことを特徴とする。
また、この発明にかかるパワーサイクル試験装置は、上述した発明において、前記パワーオン期間に、前記第1冷却液循環経路内を流れる前記冷却液の液量を調整する液量調整装置をさらに備えることを特徴とする。
また、この発明にかかるパワーサイクル試験装置は、上述した発明において、前記第2冷却液循環経路と前記冷却装置を経由して前記冷却液が流れる箇所が共通している、第3冷却液循環経路を備え、前記パワーオフ期間の初期から一定期間中、前記冷却液が前記第3冷却液循環経路内を流れ、前記第2冷却液循環経路の前記パワー半導体装置を経由する前記冷却液の流量が、前記冷却液が前記第3冷却液循環経路内を流れない時より少ないことを特徴とする。
また、この発明にかかるパワーサイクル試験装置は、上述した発明において、前記第1冷却液循環経路には、前記冷却装置を経由しない経路に第1切替弁を有し、前記第2冷却液循環経路には、前記冷却装置を経由する経路に第2切替弁を有することを特徴とする。
また、この発明にかかるパワーサイクル試験装置は、前記第1冷却液循環経路と前記第2冷却液循環経路とに共通する経路に循環ポンプを備えたことを特徴とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかるパワーサイクル試験方法は、次の特徴を有する。熱ストレスを付与することで、パワー半導体装置のパワーサイクル試験を行うパワーサイクル試験方法である。まず、前記パワー半導体装置に電流を流しているパワーオン期間中に、前記パワー半導体装置を冷却するための冷却液を第1冷却液循環経路に流す第1ステップを行う。次に、前記パワー半導体装置に電流を流していないパワーオフ期間中に、前記パワー半導体装置を経由して前記冷却液が流れる箇所が前記第1冷却液循環経路とは異なる、第2冷却液循環経路に、前記冷却液を流す第2ステップを行う。
また、この発明にかかるパワーサイクル試験方法は、上述した発明において、前記第1冷却液循環経路内を流れる前記冷却液の液量は、前記第2冷却液循環経路内を流れる前記冷却液の液量より少ないことを特徴とする。
また、この発明にかかるパワーサイクル試験方法は、上述した発明において、前記第1ステップでは、前記冷却液を冷却する冷却装置を経由せずに前記冷却液を流し、前記第2ステップでは、前記冷却装置を経由して前記冷却液を流すことを特徴とする。
また、この発明にかかるパワーサイクル試験方法は、上述した発明において、前記第1ステップでは、前記第1冷却液循環経路内を流れる前記冷却液の液量を調整する液量調整装置により、前記パワーオン期間に前記冷却液の液量を調整することを特徴とする。
また、この発明にかかるパワーサイクル試験方法は、上述した発明において、前記第2ステップでは、前記パワーオフ期間の初期から一定期間中、前記冷却装置を経由して前記冷却液が流れる箇所が前記第2冷却液循環経路と共通している第3冷却液循環経路に前記冷却液を流すことで、前記第2冷却液循環経路の前記パワー半導体装置を経由する前記冷却液の流量を、前記第3冷却液循環経路内に前記冷却液を流さない時に比べて少なくすることを特徴とする。
また、この発明にかかるパワーサイクル試験方法は、上述した発明において、前記第1ステップでは、前記冷却液を冷却する冷却装置を経由しない経路上の第1切替弁を開け、前記冷却装置を経由する経路上の第2切替弁を閉め、前記第2ステップでは、前記第1切替弁を閉め、前記第2切替弁を開けることを特徴とする。
本発明にかかるパワーサイクル試験装置およびパワーサイクル試験方法によれば、パワーオン時に発生する内部応力の発生部位を自在に制御できるという効果を奏する。
実施の形態1にかかるパワーサイクル試験装置の構成図である。 パワー半導体モジュールの構成を示す断面図である。 実施の形態1にかかるパワーサイクル試験装置の加熱冷却制御タイムチャートである。 実施の形態1にかかるパワーサイクル試験装置によるIGBTモジュール各部の温度変化を示すグラフである(その1)。 実施の形態1にかかるパワーサイクル試験装置によるIGBTモジュール各部の温度変化を示すグラフである(その2)。 実施の形態2にかかるパワーサイクル試験装置の構成図である。 従来のパワーサイクル試験装置の構成図である。 従来のパワーサイクル試験装置によるIGBTモジュール各部の温度変化を示すグラフである。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるパワーサイクル試験装置およびパワーサイクル試験方法の好適な実施の形態1を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかるパワーサイクル試験装置の構成図である。図1に示すパワーサイクル試験装置50は、試験対象であるパワー半導体モジュール1を加熱するための発熱用電源2と、パワー半導体モジュール1を冷却するための冷却液が循環する冷却液パイプ3と、冷却液の熱を移動させる熱交換機4と、熱交換機4を介して冷却液を冷却する冷却装置5と、冷却液を循環させる複数の冷媒循環ポンプ7、8と、冷却液の循環を開始、終了、または、冷却液の循環経路を変更するための複数の弁9〜12、15と、タンク40と、を備えている。図1では、パワー半導体モジュール1が2台の場合を示す。冷却液の循環経路は、2台のパワー半導体モジュール1に並列に冷却液が流れるように設けられているが、並列でなくてもよい。1台のパワー半導体モジュール1に1台の発熱用電源2が設けられているが、2台のパワー半導体モジュール1に1台の発熱用電源2を設けてもよい。また、試験対象であるパワー半導体モジュール1は2台以外であってもよい。タンク40に貯槽された冷却液は、冷却液循環ポンプ7によりタンク40底部より冷却パイプ3に引き込まれ冷却装置5で冷却後にタンク40へ戻る。
図2は、パワー半導体モジュールの構成を示す断面図である。パワー半導体モジュール1は、パワー半導体チップ30と、絶縁基板33と、導電性板32と、ベースプレート34と、冷却フィン35と、を備える。パワー半導体チップ30は、IGBTまたはMOSFET等のパワー半導体チップであり、銅(Cu)などの導電性板32上に搭載される。SiN等の絶縁基板33のおもて面および裏面に導電性板32が備えられる。パワー半導体チップ30は、絶縁基板33のおもて面にはんだ等の接合材31で接合される。パワー半導体チップ30は、絶縁基板33のおもて面に導電性板32を介して接合されている。絶縁基板33の裏面にはベースプレート34が接合材31で接合され、ベースプレート34には、放熱用の冷却フィン35が設けられている。ベースプレート34は、絶縁基板33の裏面に導電性板32を介して接合されている。
発熱用電源2は、例えば、パワー半導体チップ30がIGBTの場合、ゲート電位を高電位に設定して、ゲートをオンの状態にして、コレクタ−エミッタ間に電流を流して、パワー半導体チップ30を発熱させる装置である。パワーサイクル試験中は、ゲートを常にオンの状態にしておく。熱交換機4は、温度の高い流体から低い流体へ熱エネルギーを移動させる装置である。冷却装置5は、パワー半導体モジュール1により加熱された冷却液について熱交換機4を介して冷却する装置である。例えば、水(液)を循環させて目的の試料や装置(装置の一部)を冷却または加熱、温度制御するチラー(冷却液循環装置)である。この場合、冷却液パイプ3の冷却液の熱エネルギーを熱交換機4でチラー内の冷却液へ移動させ、冷却液パイプ3の冷却液を冷却する。放熱用の冷却フィン35は、冷却液パイプ3の冷却液に浸漬しており、この冷却液により、パワー半導体モジュール1が冷却される。
また、冷媒循環ポンプ7、8は、冷却液パイプ3内に冷却液を循環させるためのポンプであり、パワーサイクル試験中、冷媒循環ポンプ7、8により、冷却液パイプ3は常に冷却液が循環している。また、1台用切替調節弁9は、閉めることにより冷却液の流れを遮断して、開けることにより冷却液の流れを通過させることができ、さらに、冷却液の液量を調節することも可能である。また、加熱冷却切替弁10は、三方弁となっており、冷却液の流れる方向を変更することができる。例えば、加熱冷却切替弁10は、弁を切り替えることにより、冷却液を図1のA方向(パワー半導体モジュール1から熱交換機4の方向)のみに流すこと、または、B方向(対向する加熱冷却切替弁10から熱交換機4の方向)のみに流すことが可能になっている。初期冷却強度切替調節弁11および1台用切替調節弁12は、1台用切替調節弁9と同様の機能を有している。1台用切替調節弁9、初期冷却強度切替調節弁11および1台用切替調節弁12は、電磁弁であることが好ましい。
実施の形態1のパワーサイクル試験装置50では、パワー半導体チップ30に発熱用電源2から電流を流しているパワーオンによる加熱時と、パワー半導体チップ30に発熱用電源2から電流を流さないパワーオフ時とでは、パワー半導体モジュール1の冷却に寄与する冷却液の循環経路を異なる経路に切り替えている。
図3は、実施の形態1にかかるパワーサイクル試験装置の加熱冷却制御タイムチャートである。パワーサイクル試験開始前は、初期冷却強度切替調節弁11、1台用切替調節弁9および1台用切替調節弁12は閉じたままであり、加熱冷却切替弁10は、冷却液はA方向に流れるようになっている。パワーサイクル試験方法では、まず、冷媒循環ポンプ7で冷却液パイプ3中に冷却液を循環させる。なお、後で説明する初期冷却強度切替調節弁11、1台用切替調節弁9および1台用切替調節弁12は、閉じたままにしている。この際、加熱時循環ポンプ8も冷却液を循環していてよい。
次に、パワーサイクル試験の加熱開始時に、2台の加熱冷却切替弁10を冷却液が図1のB方向に流れるように同時に開いた状態となり、冷媒循環ポンプ7および加熱時循環ポンプ8で冷却液を循環させる。この状態では、加熱冷却切替弁10により、冷却液の循環が分断されるため、パワー半導体モジュール1を通過する冷却液は、加熱中循環路(第1冷却液循環経路、符号21で示す矢印が連続する経路、以下加熱中循環路21とする)を経由して、パワー半導体モジュール1を通過しない冷却液は、加熱中循環路(符号21’で示す矢印が連続する経路、以下加熱中循環路21’とする)を経由するようになる。この時の加熱中循環路21および加熱中循環路21’の冷却液の流量は、例えば、1〜50リットル/分である。加熱中循環路21の冷却液の流量と加熱中循環路21’の冷却液の流量は異なっていてよい。
次に、パワーサイクル試験の加熱期間中、パワー半導体モジュール1に、発熱用電源2から電流を流してパワーオンすることにより、パワー半導体モジュール1を加熱する。この加熱を、所定期間、例えば、60秒間続ける。
次に、所定期間後、発熱用電源2からの電流を止めパワーオフしパワー半導体モジュール1を冷却する。パワー半導体モジュール1の冷却は、2台の加熱冷却切替弁10を冷却液が図1のA方向に流れるように同時に開き、冷媒循環ポンプ7で冷却液を循環させる。この際、加熱時循環ポンプ8も冷却液を循環していてもよい。この状態では、冷却液はパワー半導体モジュール1から熱交換機4に行くことができ、冷却液は冷却中循環路(第2冷却液循環経路、符号20で示す矢印が連続する経路、以下冷却中循環路20とする)を経由するようになる。この時の冷却中循環路20の冷却液の流量は、例えば、1〜50リットル/分である。
パワーオフからの一定期間中には、初期冷却強度切替調節弁11を開いてもよい。パワーオフからの一定期間とは、例えば20秒間である。この状態では、パワー半導体モジュール1が存在する経路に加え、初期冷却強度切替調節弁11が存在する経路にも冷却液が流れることができるため、パワー半導体モジュール1が存在する経路を通過する冷却液の流量を減らすことができる。これによって、急激な温度変化によって故障モードが変わってしまうのを防ぐことができる。初期冷却強度切替調節弁11を通過する冷却液は、初期冷却時循環路(第3冷却液循環経路、符号22で示す矢印が連続する経路、以下初期冷却時循環路22とする)を経由するようになる。
この後、上記の発熱用電源2によりパワー半導体モジュール1のパワーオン、パワーオフを行い、上記した加熱と冷却を繰り返す。パワーオンおよびパワーオフは、パワー半導体モジュール1が故障するまで繰り返す。パワー半導体モジュール1の故障を検出したら、発熱用電源2によりパワーオフを行い、試験を終了する。図3の例では、最初の加熱から、270秒後にパワー半導体モジュール1が故障して、試験が終了している。ここで、パワー半導体モジュール1の故障は、例えば、パワー半導体モジュール1にかかる電圧が急激に変化する、パワー半導体モジュール1の温度が変化しなくなる等により後述する制御装置で検出することができる。
図1に示すように、加熱中循環路21の経路は、冷却中循環路20の経路および初期冷却時循環路22の経路より短い。このため、発熱用電源2によるパワーオン中に冷却液が流れる加熱中循環路21は、冷却中循環路20および初期冷却時循環路22より、循環路中の冷却液の液量が少なくなっている。
このように、実施の形態1では、発熱用電源2によるパワーオン中と、発熱用電源2によるパワーオフ中では、冷却液の流れる経路を変更している。このため、発熱用電源2によるパワーオン中は、パワー半導体チップ30の発熱によって冷却液を含めたパワー半導体モジュール1の温度が所定の時間で所定の温度まで上昇するのに見合う冷却液を循環させることができる。図1の例は、発熱用電源2によるパワーオン中、パワー半導体モジュール1を通過する冷却液は、加熱中循環路21を経由して、冷却装置5を経由していない。一方、パワー半導体モジュール1を通過しない冷却液は、加熱中循環路21’を経由して、冷却装置5を経由している。これにより、パワー半導体モジュール1を通過する冷却液は、冷却装置5により冷却液が冷却されることがないため、パワー半導体モジュール1の温度を所定の温度まで上昇させる時間を短くすることができる。
発熱用電源2によるパワーオフ中には、パワー半導体モジュール1の温度が所定の時間で所定の温度まで低下するのに見合う冷却液の液量を循環させることができる。図1の例では、冷却中循環路20で、冷却装置5により冷却された冷却液を循環させることで、また加熱中循環路21より冷却液の液量を多くすることで、パワー半導体モジュール1の温度を所定の時間で所定の温度に下げることができる。所定の温度は、例えば22℃である。この際、冷却強度調整弁15に流れる冷却液の量を調節し、冷却の強さを調節してもよい。冷却強度調整弁15に流れる冷却液の量を多くすると、冷却装置5に流れる冷却液の量が少なくなり、冷却が弱くなり、冷却強度調整弁15に流れる冷却液の量を少なくすると、冷却装置5に流れる冷却液の量が多くなり、冷却が強くなる。
また、パワーオフからの一定期間中に、初期冷却強度切替調節弁11を開いて、初期冷却時循環路22で冷却液の一部を循環させ、一時的にパワー半導体モジュール1を流れる冷却液の流量を制限してもよい。この場合、冷却装置5および熱交換器4により冷却された冷却液が流れる量を少なくできるため、パワー半導体モジュール1の温度を急激に低下させることを防止することができる。
また、冷却中循環路20より少ない冷却液が加熱中循環路21を循環することで、パワー半導体モジュール1の温度が上昇しやすくなり、パワー半導体チップ30以外の部分でも温度を上昇させることができる。ここで、冷却液の量を少量として温度変化しやすくするとパワー半導体モジュール1全体で温度が上昇する一方、冷却液の量を多量とするとパワー半導体チップ30にごく近い部分だけが大きく温度上昇する。このため、冷却液の液量の多少と付加する熱量によって、パワー半導体モジュール1内部の熱応力の発生する部位を制御することが可能である。
また、実施の形態1にかかるパワーサイクル試験装置50は、液量調節容器6を備えていてもよい。液量調節容器6の内容量を変更することにより、パワーオン中の冷却液の循環路中の液量を変更できるようになる。この液量変更によって冷却液の温度の変化レートを調節することでパワー半導体モジュール1内部での熱広がりを調節して、内部応力の発生状況をコントロールすることが可能になる。
例えば、液量調節容器(液量調整装置)6は、加熱中循環路21中に適当な容量の容器(フィルターハウジング等)を接続することで実現できる。0.3〜1リットル程度の間の容量の異なる複数の容器を用意しておいて、冷却液の温度の変化レートに適切な容量を選択することができる。また、容器中に樹脂製の玉を入れ、容量を小さくして冷却液の温度の変化レートを微調整することもできる。また、液量調節容器6は、加熱中循環路21中に適当な長さのホースを接続することでも実現できる。ホースの太さ・長さで液量調節容器6の容量を調節することができる。
図4および図5は、実施の形態1にかかるパワーサイクル試験装置によるIGBTモジュール各部の温度変化を示すグラフである。図4は、パワーオンによる加熱中の冷却液の循環量が少ない場合の温度変化を示し、図5は、パワーオンによる加熱中の冷却液の循環量が図4より多い場合の温度変化を示す。図4および図5では、パワー半導体モジュール1として、IGBTモジュールを用いて、接合材31として、はんだを用いた場合の例である。
図4および図5で、横軸は、パワーサイクル試験開始からの時間を示し、単位は秒である。縦軸は、冷却液およびパワー半導体モジュール1の各部の温度を示し、単位は℃である。パワー半導体モジュール1の各部の温度は、パワー半導体チップ30の温度Tj、パワー半導体モジュール1直下のベースプレート34の温度Tc1、キャリアコーナー部の温度Tc2を示す。ここで、半導体モジュール1直下のベースプレート34は、図2のAで示す位置であり、キャリアコーナー部とは、半導体モジュール1を搭載した絶縁基板33の端部であり、例えば、絶縁基板33の裏面に設けられた接合材31の端部であり、図2のBで示す位置である。パワー半導体モジュール1直下のベースプレート34の温度Tc1の加熱開始時から加熱終了時までの温度変化をΔTc1で示し、キャリアコーナー部の温度Tc2の加熱開始時から加熱終了時までの温度変化をΔTc2で示す。パワー半導体モジュール1を加熱する発熱用電源2から流れる電流は、評価したい部位が所望の温度になるよう適宜調整してもよい。例えば、発熱用電源2から流れる電流は、パワー半導体モジュール1のパワー半導体チップ30の温度Tjが140℃以下になるよう調整する。
図4に示すように、パワーオンによる加熱中の冷却液は熱交換機4を経由しないため、冷却液の液量を少なくすると冷却液温度が上昇して冷却液温度の変動幅が大きくなり、パワー半導体チップ30から離れたキャリアコーナー部等の温度変化量も大きくなる。図4の例では、キャリアコーナー部の温度変化ΔTc2は、50℃と大きくなっている。このため、キャリア下接合部への熱ストレスを十分に与えることが可能となり、接合材31のはんだ寿命の評価に適した試験条件が得られる。
図5に示すように、パワーオンによる加熱中の冷却液の循環量を調節することにより、パワー半導体モジュール1内の特定の部位に絞って温度変化量を調節することができる。例えば、液量調節容器6の容量を大きくして、冷却液の液量を増やすことで温度変化量を調節することができる。図5の例では、キャリアコーナー部の温度変化ΔTc2は、30℃と図4の場合より小さくなっている。このため、キャリアコーナー部以外の他の部位にストレスを十分に与え、この部位の試験を行うことができる。
上述の例では、キャリアコーナー部のはんだ寿命の評価を行っていたが、パワーサイクル試験では、他の部分のはんだ寿命の評価も行うことができる。例えば、パワー半導体チップ30と導電性板32との間の接合材31のはんだ寿命の評価も行うことができる。また、図2には記載されていないが、パワー半導体チップ30とリードフレーム(不図示)とを接合するはんだの寿命の評価も行うことができる。
また、図1では、パワー半導体モジュール1が2台の場合のパワーサイクル試験装置50を示している。しかしながら、パワー半導体モジュール1が1台のパワーサイクル試験を行うことも可能である。例えば、パワー半導体モジュール1が1台の場合は、2台並列に接続した場合よりも冷却液の流量が大きくなるため、冷却時に1台用切替調節弁9を閉じて1台用切替調節弁12を開いて、加熱時に1台用切替調節弁9を開いて1台用切替調節弁12を閉じることで、パワー半導体モジュール1に流れる冷却液の流量を減らし、パワー半導体モジュール1が2台の場合の冷却液の流量とほぼ同じにすることにより試験精度をより向上できる。
また、パワーサイクル試験装置50は、コンピュータが搭載された制御装置(不図示)を備え、制御装置により発熱用電源2を制御して、パワー半導体モジュール1をパワーオン、パワーオフすることができる。また、制御装置により、冷媒循環ポンプ7、加熱時循環ポンプ8、1台用切替調節弁9、加熱冷却切替弁10、および初期冷却強度切替調節弁11等を制御することもできる。また、制御装置は、パワー半導体モジュール1の電圧等を監視して、パワー半導体チップ30が故障したことを検出することもできる。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、パワーオンによる加熱時とパワーオフによる冷却時とで、冷却液の流れる経路を変更している。これにより、パワーオン時のパワー半導体モジュールの加熱が効率的に行える。また、パワー半導体モジュールを通過する冷却液の液量を変更し、パワーオンにより加熱中に、パワー半導体チップの発熱によって冷却液を含めたパワー半導体モジュールの温度が所定の時間で所定の温度まで上昇するのに見合う冷却液を循環させることができる。このため、液量の調節により熱応力が発生する部位を選択することができ、任意の部位の故障耐量を評価することができる。実際の使用状況でモジュール内部に発生する熱応力の分布状態を適切に模擬することができるため、使用状況毎の正確な寿命予測が可能となる。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2にかかるパワーサイクル試験装置の構成図である。図6に示すパワーサイクル試験装置50は、試験対象であるパワー半導体モジュール1を加熱するための発熱用電源2と、パワー半導体モジュール1を冷却するための冷却液が循環する冷却液パイプ3と、冷却液の熱を移動させる熱交換機4と、熱交換機4を介して冷却液を冷却する冷却装置5と、冷却液を循環させる循環ポンプ42と、冷却液の循環経路を変更するための複数の弁13〜15と、を備えている。図6では、パワー半導体モジュール1が2台の場合を示す。冷却液の循環経路は、2台のパワー半導体モジュール1に並列に冷却液が流れるように設けられているが、並列でなくてもよい。1台のパワー半導体モジュール1に1台の発熱用電源2が設けられているが、2台のパワー半導体モジュール1に1台の発熱用電源2を設けてもよい。また、試験対象であるパワー半導体モジュール1は2台以外であってもよい。
パワー半導体チップ30の構成、発熱用電源2、熱交換機4および冷却装置5は、実施の形態1と同じであるため、詳細な説明は省略する。第1加熱冷却切替弁13および第2加熱冷却切替弁14は、閉めることにより冷却液の流れを遮断して、開けることにより冷却液の流れを通過させることができる。これらの弁は、電磁弁であることが好ましい。第1加熱冷却切替弁13は、冷却装置5を経由しない経路上に設けられ、第2加熱冷却切替弁14は、冷却装置5を経由する経路上に設けられる。循環ポンプ42は、冷却中循環経路20と加熱中循環経路21とに共通する経路に配置され、冷却液をタンク40の底部からパイプ3に引き込み、第1加熱冷却切替弁13もしくは第2加熱冷却切替弁14を経由してタンク40へ戻す。
実施の形態2のパワーサイクル試験装置50では、実施の形態1と同様に、パワー半導体チップ30に発熱用電源2から電流を流しているパワーオンによる加熱時と、パワー半導体チップ30に発熱用電源2から電流を流さないパワーオフ時とでは、パワー半導体モジュール1の冷却に寄与する冷却液の循環経路を異なる経路に切り替えている。
実施の形態2では、パワーサイクル試験開始前は、第1加熱冷却切替弁13は閉じたままであり、第2加熱冷却切替弁14は開けたままであり、冷却液は冷却中循環路20を流れるようになっている。パワーサイクル試験方法では、まず、循環ポンプ42で冷却液パイプ3中に冷却液を循環させる。冷却中循環路20の冷却液の流量は、例えば、2〜20リットル/分である。なお、後で説明する冷却強度調整弁15は、閉じたままにしている。
次に、パワーサイクル試験の加熱開始時に、第1加熱冷却切替弁13を開き、第2加熱冷却切替弁14を閉じる。これにより、冷却液は加熱中循環路21を循環する。加熱中循環路21を冷却液が循環する際も循環ポンプ42により循環させる。
次に、パワーサイクル試験の加熱期間中、パワー半導体モジュール1に、発熱用電源2から電流を流してパワーオンすることにより、パワー半導体モジュール1を加熱する。この加熱を、所定期間、例えば、60秒間続ける。
次に、所定期間後、発熱用電源2からの電流を止めパワーオフしパワー半導体モジュール1を冷却する。パワー半導体モジュール1の冷却は、第1加熱冷却切替弁13を閉め、第2加熱冷却切替弁14を開けることにより、循環ポンプ42で冷却液を冷却中循環路20に循環させる。この際、冷却強度調整弁15に流れる冷却液の量を調節し、冷却の強さを調節してもよい。冷却強度調整弁15に流れる冷却液の量を多くすると、冷却装置5に流れる冷却液の量が少なくなり、冷却が弱くなり、冷却強度調整弁15に流れる冷却液の量を少なくすると、冷却装置5に流れる冷却液の量が多くなり、冷却が強くなる。
この後、上記の発熱用電源2によりパワー半導体モジュール1のパワーオン、パワーオフを行い、上記した加熱と冷却を繰り返す。パワーオンおよびパワーオフは、パワー半導体モジュール1が故障するまで繰り返す。パワー半導体モジュール1の故障を検出したら、発熱用電源2によりパワーオフを行い、試験を終了する。
図6に示すように、加熱中循環路21の経路は、冷却中循環路20の経路より短い。このため、発熱用電源2によるパワーオン中に冷却液が流れる加熱中循環路21は、冷却中循環路20より、循環路中の冷却液の液量が少なくなっている。
このように、実施の形態2では、パワーオンによる加熱時とパワーオフによる冷却時とで、冷却液の流れる経路を変更している。このため、発熱用電源2によるパワーオン中は、パワー半導体チップ30の発熱によって冷却液を含めたパワー半導体モジュール1の温度が所定の時間で所定の温度まで上昇するのに見合う冷却液を循環させることができる。図6の例は、発熱用電源2によるパワーオン中、パワー半導体モジュール1を通過する冷却液は、加熱中循環路21を経由して、冷却装置5を経由していない。これにより、パワー半導体モジュール1を通過する冷却液は、冷却装置5により冷却されることがないため、パワー半導体モジュール1の温度を所定の温度まで上昇させる時間を短くすることができる。
また、冷却中循環路20より少ない冷却液が加熱中循環路21を循環することで、パワー半導体モジュール1の温度が上昇しやすくなり、パワー半導体チップ30以外の部分でも温度を上昇させることができる。
ここで、冷却液の量を少量として温度変化しやすくするとパワー半導体モジュール1全体で温度が上昇する一方、冷却液の量を多量とするとパワー半導体チップ30にごく近い部分だけが大きく温度上昇する。このため、冷却液の液量の多少と付加する熱量によって、パワー半導体モジュール1内部の熱応力の発生する部位を制御することが可能である。
発熱用電源2によるパワーオフ中には、パワー半導体モジュール1の温度が所定の時間で所定の温度まで低下するのに見合う冷却液の液量を循環させることができる。図6の例では、冷却中循環路20で、冷却装置5により冷却された冷却液を循環させることで、また、加熱中循環路21より冷却液の液量を多くすることで、パワー半導体モジュール1の温度を所定の時間で所定の温度に下げることができる。所定の温度は、例えば22℃である。
また、実施の形態2にかかるパワーサイクル試験装置50は、液量調節容器6を備えていてもよい。液量調節容器6の内容量を変更することにより、パワーオン中の冷却液の循環路中の液量を変更できるようになる。この液量変更によって冷却液の温度の変化レートを調節することでパワー半導体モジュール1内部での熱広がりを調節して、内部応力の発生状況をコントロールすることが可能になる。
例えば、液量調節容器(液量調整装置)6は、加熱中循環路21中に適当な容量の容器(フィルターハウジング等)を接続することで実現できる。0.3〜1リットル程度の間の容量の異なる複数の容器を用意しておいて、冷却液の温度の変化レートに適切な容量を選択することができる。また、容器中に樹脂製の玉を入れ、容量を小さくして冷却液の温度の変化レートを微調整することもできる。また、液量調節容器6は、加熱中循環路21中に適当な長さのホースを接続することでも実現できる。ホースの太さ・長さで液量調節容器6の容量を調節することができる。
また、パワーサイクル試験装置50は、コンピュータが搭載された制御装置(不図示)を備え、制御装置により発熱用電源2を制御して、パワー半導体モジュール1をパワーオン、パワーオフすることができる。また、制御装置により、循環ポンプ42、第1加熱冷却切替弁13、第2加熱冷却切替弁14および冷却強度調整弁15等を制御することもできる。また、制御装置は、パワー半導体モジュール1の電圧等を監視して、パワー半導体チップ30が故障したことを検出することもできる。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、パワーオンによる加熱時とパワーオフによる冷却時とで、冷却液の流れる経路を変更している。これにより、実施の形態1と同様の効果を有する。実施の形態2にかかるパワーサイクル試験装置は、従来のパワーサイクル試験装置に第1加熱冷却切替弁を追加することで、実現できる。このため、実施の形態1よりも低コストで実現することができる。また、実施の形態1では、ポンプを2台使用していたが、実施の形態2では、ポンプが1台であるため、低コストで実現することができる。以上の実施の形態では、加熱中循環路20と冷却中循環路21で液量を変えるものについて説明したが、加熱中循環路20と冷却中循環路21で液量が同じであってもよい。
以上において本発明は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であり、上述した各実施の形態において、例えば各部の寸法や不純物濃度等は要求される仕様等に応じて種々設定される。また、上述した各実施の形態では、IGBTを例に説明しているが、MOSFET等の他の半導体装置にも適用可能である。
以上のように、本発明にかかるパワーサイクル試験装置およびパワーサイクル試験方法は、インバータなどの電力変換装置や種々の産業用機械などの電源装置や自動車のイグナイタなどに使用されるパワー半導体装置に有用である。
1、101 パワー半導体モジュール
2、102 発熱用電源
3、103 冷却液パイプ
4、104 熱交換機
5、105 冷却装置
6 液量調節容器
7、107 冷媒循環ポンプ
8 加熱時循環ポンプ
9 1台用切替調節弁
10 加熱冷却切替弁
11 初期冷却強度切替調節弁
12 1台用切替調節弁
13 第1加熱冷却切替弁
14 第2加熱冷却切替弁
15 冷却強度調整弁
20 冷却中循環路
21、21’ 加熱中循環路
22 初期冷却時循環路
30 パワー半導体チップ
31 接合材
32 導電性板
33 絶縁基板
34 ベースプレート
35 冷却フィン
40、140 タンク
42 循環ポンプ
50、150 パワーサイクル試験装置
109 弁
120 冷却液循環路

Claims (13)

  1. 熱ストレスを付与することで、パワー半導体装置のパワーサイクル試験を行うパワーサイクル試験装置であって、
    前記パワー半導体装置を発熱させる発熱用電源と、
    前記発熱用電源が前記パワー半導体装置に電流を流しているパワーオン期間中に、前記パワー半導体装置を冷却するための冷却液が流れる第1冷却液循環経路と、
    前記発熱用電源が前記パワー半導体装置に電流を流していないパワーオフ期間中に前記冷却液が流れる、前記パワー半導体装置を経由して前記冷却液が流れる箇所が前記第1冷却液循環経路とは異なる、第2冷却液循環経路と、
    を備えることを特徴とするパワーサイクル試験装置。
  2. 前記冷却液を冷却する冷却装置を備え、
    前記第1冷却液循環経路では、前記冷却液が前記冷却装置を経由せずに流れ、
    前記第2冷却液循環経路では、前記冷却液が前記冷却装置を経由して流れることを特徴とする請求項1に記載のパワーサイクル試験装置。
  3. 前記第1冷却液循環経路内を流れる前記冷却液の液量は、前記第2冷却液循環経路内を流れる前記冷却液の液量より少ないことを特徴とする請求項1または2に記載のパワーサイクル試験装置。
  4. 前記パワーオン期間に、前記第1冷却液循環経路内を流れる前記冷却液の液量を調整する液量調整装置をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のパワーサイクル試験装置。
  5. 前記第2冷却液循環経路と前記冷却装置を経由して前記冷却液が流れる箇所が共通している、第3冷却液循環経路を備え、
    前記パワーオフ期間の初期から一定期間中、前記冷却液が前記第3冷却液循環経路内を流れ、
    前記第2冷却液循環経路の前記パワー半導体装置を経由する前記冷却液の流量が、前記冷却液が前記第3冷却液循環経路内を流れない時より少ないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のパワーサイクル試験装置。
  6. 前記第1冷却液循環経路には、前記冷却装置を経由しない経路に第1切替弁を有し、
    前記第2冷却液循環経路には、前記冷却装置を経由する経路に第2切替弁を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のパワーサイクル試験装置。
  7. 前記第1冷却液循環経路と前記第2冷却液循環経路とに共通する経路に循環ポンプを備えたことを特徴とする請求項1〜4、6のいずれか一つに記載のパワーサイクル試験装置。
  8. 熱ストレスを付与することで、パワー半導体装置のパワーサイクル試験を行うパワーサイクル試験方法であって、
    前記パワー半導体装置に電流を流しているパワーオン期間中に、前記パワー半導体装置を冷却するための冷却液を第1冷却液循環経路に流す第1ステップと、
    前記パワー半導体装置に電流を流していないパワーオフ期間中に、前記パワー半導体装置を経由して前記冷却液が流れる箇所が前記第1冷却液循環経路とは異なる、第2冷却液循環経路に、前記冷却液を流す第2ステップと、
    を含むことを特徴とするパワーサイクル試験方法。
  9. 前記第1冷却液循環経路内を流れる前記冷却液の液量は、前記第2冷却液循環経路内を流れる前記冷却液の液量より少ないことを特徴とする請求項8に記載のパワーサイクル試験方法。
  10. 前記第1ステップでは、前記冷却液を冷却する冷却装置を経由せずに前記冷却液を流し、
    前記第2ステップでは、前記冷却装置を経由して前記冷却液を流すことを特徴とする請求項8または9に記載のパワーサイクル試験方法。
  11. 前記第1ステップでは、前記第1冷却液循環経路内を流れる前記冷却液の液量を調整する液量調整装置により、前記パワーオン期間に前記冷却液の液量を調整することを特徴とする請求項8〜10のいずれか一つに記載のパワーサイクル試験方法。
  12. 前記第2ステップでは、前記パワーオフ期間の初期から一定期間中、前記冷却装置を経由して前記冷却液が流れる箇所が前記第2冷却液循環経路と共通している第3冷却液循環経路に前記冷却液を流すことで、前記第2冷却液循環経路の前記パワー半導体装置を経由する前記冷却液の流量を、前記第3冷却液循環経路内に前記冷却液を流さない時に比べて少なくすることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一つに記載のパワーサイクル試験方法。
  13. 前記第1ステップでは、前記冷却液を冷却する冷却装置を経由しない経路上の第1切替弁を開け、前記冷却装置を経由する経路上の第2切替弁を閉め、
    前記第2ステップでは、前記第1切替弁を閉め、前記第2切替弁を開けることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一つに記載のパワーサイクル試験方法。
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