JP2021193119A - N−アセチルシステインアミドによる網膜色素変性症の治療 - Google Patents

N−アセチルシステインアミドによる網膜色素変性症の治療 Download PDF

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Abstract

【課題】網膜色素変性症を治療するための新たな組成物及び方法を提供する。【解決手段】ほ乳類に治療有効量のN−アセチルシステインアミド(NACA)を投与するステップを含む、ほ乳類における網膜色素変性症の治療のための方法による。【選択図】なし

Description

網膜色素変性症(RP)は、遺伝的に不均一なグループの遺伝性網膜変性症のために使用される用語である。所見は目に限定されることも、又は目の所見が症候群の一部であることもあり、症候群として最も一般的なのは、聴覚消失が網膜疾患を伴うアッシャー症候群である。それぞれの障害において、原因となる現象は、杆体光受容器の死滅を招き、最初に夜盲症を引き起こす変異である。杆体は、網膜における主な酸素消費体であり、杆体の欠損は網膜の外側における組織酸素レベルの増加を引き起こす。これはNADPHオキシダーゼを活性化し、細胞基質におけるスーパーオキシドラジカルの蓄積を引き起こし、錐体のミトコンドリアにおけるスーパーオキシドラジカルの生成も増加させる。過剰なスーパーオキシドラジカルはスーパーオキシドジスムターゼ1及び2(SOD1及びSOD2)を圧倒し、ヒドロキシラジカル及びペルオキシナイトライトなどのスーパーオキシドラジカルよりもさらにいっそう損傷を与えるものを含むその他のフリーラジカルを生成させることによって連鎖反応を引き起こす。フリーラジカルはタンパク質、脂質及びDNAを攻撃し、酸化的損傷が生じたことを示す特定の変化を引き起こす。脂質に対する酸化的損傷は、分解して4−ヒドロキシノネナール、マロンジアルデヒド(MDA)及びアクロレインを形成する脂質ヒドロペルオキシドを生じる。酸化的損傷によるタンパク質の最も一般的な変化は、カルボニル付加物の形成である。MDA又はカルボニル付加物などの酸化的損傷のこれらのマーカーを測定することによって、組織で生じる酸化的損傷の量は定量的に評価される。これらの変化は高分子の機能を損ない、内在性の修復方法はあるもののそれらは過酷な酸化的ストレスによって圧倒されて、細胞機能の低下、最終的にはアポトーシスを引き起こす。杆体が光受容体層から消失した後、網膜の外側における酸化的ストレスは過酷で、錐体細胞のゆっくりした死滅を引き起こし、これは錐体密度が低い中間周辺部で通常開始し、その後末梢及び後極部に広がる。錐体死の後極部への広がりは、視野狭窄、最終的に視力のセントラルアイランド化を引き起こし、その消失は失明の原因となる。
RPの臨床徴候には、血管周辺に多く、「骨小体様色素沈着」が特徴の網膜の色素変化、網膜血管の狭窄及び視神経乳頭蒼白が含まれる。スペクトル領域光干渉断層撮影は、光受容体細胞欠損領域における網膜の菲薄化を示すことができ、セグメンテーションでは欠損は外顆粒層に見られる。
視野試験は視野狭窄を示し、網膜電図はa及びb波の振幅低下を示す。
現在、疾患の進行を止める、又は視力を回復する療法は承認されていない。治療的アプローチは、日光の防御及びビタミンA補給による変性プロセスの遅延、合併症(白内障及び黄斑浮腫)の治療並びに失明の社会的及び心理的影響に対処するための患者の支援に限られている。人工網膜システムArgis IIは、数種のRPの成人を治療するための埋植デバイスとして2013年にFDAによって承認されたが、光感覚を生成して、それによって患者が物体及び人の位置又は動きを確認するのを助けるのみで、このデバイスは疾患を変更しない。以下に述べた動物モデルにおける研究に基づいて、NACAはRPをインビボにおいて治療することができる。
本発明者らは、よく知られているチオール抗酸化物質、N−アセチルシステイン(NAC)がRPのモデルにおいて錐体細胞死を低下させ、錐体機能を維持することを以前に発見したことがある。N−アセチル−L−システイン(NAC)は、アセトアミノフェン中毒症の解毒剤としてFDAに承認されたチオール含有抗酸化物質としてよく知られており
、過剰な及び/又は濃厚な粘液が産生される呼吸状態のための粘液溶解薬療法、造影剤誘発性腎毒性の予防、シクロホスファミド誘発性出血性膀胱炎の治療並びに統合失調症及び双極性疾患の両方の症状の軽減を含む適応のために、50年にわたって臨床で使用されてきた。NACの有効性は主に、細胞外システインをシステインに還元する能力及びスルフヒドリル基の供給源としての能力に起因する。しかし、NACの使用はいくつかの欠点によって制限されており、最も重要なのは膜浸透性の低さ及び経口製剤としての全身生物学的利用率が10%未満であることである。おそらくタンパク質へのジスルフィド結合及び腸管粘膜及び内腔におけるNACの脱アセチル化が、NACの低い経口生物学的利用率の最も大きな要因であろう。
したがって、網膜色素変性症を治療するための新たな組成物及び方法の必要性が依然として存在している。
一実施形態では、本発明は、動物に治療有効量のN−アセチルシステインアミド(NACA)を投与するステップを含む、動物における網膜色素変性症の治療のための方法を提供する。一態様では、NACAを、薬学的に許容される担体中において、又は薬学的に許容される担体と共に提供する。別の態様では、NACAを、眼内、網膜下、硝子体内、経口、静脈内、筋肉内、髄内、クモ膜下腔内、心室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、経腸、局所、舌下又は直腸内に投与する。別の態様では、NACAを1日用量約0.5〜150mg/Kgで投与する。別の態様では、NACEを1日2回又は3回投与する。別の態様では、NACAを、アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロール、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸又はリン酸のうちの少なくとも1つから選択される第2の活性薬剤と共に投与する。別の態様では、投与の用量は、1回当たり100、150、300、333、400、500、600、700、750、800、900、1,000、2,500、5,000、7,500又は10,000mgである。別の態様では、投与の用量は、1回当たり0.1〜0.25、0.1〜0.4、0.35〜0.5、0.5〜1、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜2.5、2.5〜3.5、4〜6、5〜8、6〜9、7〜10グラムである。別の態様では、NACAは、ミニ錠剤、カプセル、錠剤、発泡剤、2段階放出、混合放出、サシェ、粉末又は液剤を介して経口的に送達される。別の態様では、NACAを網膜色素変性症を予防するために予防的に投与する。別の態様では、動物はヒトである。
別の実施形態では、本発明は、網膜色素変性症の治療を必要とするヒトを同定するステップ、及びヒトに、網膜色素変性症を治療するのに十分な治療有効量のN−アセチルシステインアミド(NACA)を投与するステップを含む、網膜色素変性症の治療のための方法を含む。一態様では、NACAを、薬学的に許容される担体中において、又は薬学的に許容される担体と共に提供する。別の態様では、NACAを、眼内、網膜下、硝子体内、経口、静脈内、筋肉内、髄内、クモ膜下腔内、心室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、経腸、局所、舌下又は直腸内に投与する。別の態様では、NACAを1日用量約0.5〜150mg/Kgで投与する。別の態様では、NACEを1日2回又は3回投与する。別の態様では、NACAを、アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロール、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソル
ビトール、酒石酸又はリン酸のうちの少なくとも1つから選択される第2の活性薬剤と共に投与する。別の態様では、投与の用量は、1回当たり100、150、300、333、400、500、600、700、750、800、900、1,000、2,500、5,000、7,500又は10,000mgである。別の態様では、投与の用量は、1回当たり0.1〜0.25、0.1〜0.4、0.35〜0.5、0.5〜1、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜2.5、2.5〜3.5、4〜6、5〜8、6〜9、7〜10グラムである。別の態様では、NACAは、ミニ錠剤、カプセル、錠剤、発泡剤、2段階放出、混合放出、サシェ、粉末又は液剤を介して経口的に送達される。別の態様では、NACAを網膜色素変性症を予防するために予防的に投与する。
すなわち、本発明は以下に関する。
1.ほ乳類に治療有効量のN−アセチルシステインアミド(NACA)を投与するステップを含む、ほ乳類における網膜色素変性症の治療のための方法、
2.NACAが、薬学的に許容される担体中、又は薬学的に許容される担体と共に提供される、上記1に記載の方法、
3.NACAが、眼内、網膜下、硝子体内、経口、静脈内、筋肉内、髄内、クモ膜下腔内、心室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、経腸、局所、舌下、又は直腸内に投与される、上記1に記載の方法、
4.NACAが、1日用量約0.5〜150mg/Kgで投与される、上記1に記載の方法、
5.NACAが、1日2回又は3回投与される、上記1に記載の方法、
6.NACAが、第2の活性薬剤と共に投与される、上記1に記載の方法、
7.NACAが、アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロール、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、又はリン酸のうちの少なくとも1つから選択される第2の活性薬剤と共に投与される、上記1に記載の方法、
8.投与の用量が、1回当たり100、150、300、333、400、500、600、700、750、800、900、1,000、2,500、5,000、7,500、又は10,000mgである、上記1に記載の方法、
9.NACAが、ミニ錠剤、カプセル、錠剤、発泡剤、2段階放出、混合放出、サシェ、粉末、又は液剤を介して経口的に送達される、上記1に記載の方法、
10.NACAが、網膜色素変性症を予防するために、予防的に投与される、上記1に記載の方法、
11.治療有効量が、好ましくは、夜間視力の欠損、全体的な視力の欠損、視野の欠損のうちの少なくとも1つを、2週間、1カ月、2カ月、3カ月、6カ月、1年、2年、又は5年のうちの少なくとも1つから選択される規定された期間にわたり、未治療の対照対象と比較して少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又はそれ以上減少させる治療薬の量を意味する、上記1に記載の方法、
12.ほ乳類がヒトである、上記1に記載の方法、
13.以下のステップを含む、網膜色素変性症の治療のための方法、
網膜色素変性症の治療を必要とするヒトを同定するステップ;及び
前記ヒトに、網膜色素変性症を治療するのに十分な治療有効量のN−アセチルシステインアミド(NACA)を投与するステップ;
14.NACAが、薬学的に許容される担体中、又は薬学的に許容される担体と共に提供される、上記13に記載の方法、
15.NACAが、眼内、網膜下、硝子体内、経口、静脈内、筋肉内、髄内、クモ膜下腔
内、心室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、経腸、局所、舌下、又は直腸内に投与される、上記13に記載の方法、
16.NACAが、1日用量約0.5〜150mg/Kgで投与される、上記13に記載の方法、
17.NACAが、1日2回又は3回投与される、上記13に記載の方法、
18.NACAが、アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロール、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、又はリン酸のうちの少なくとも1つから選択される第2の活性薬剤と共に投与される、上記13に記載の方法、
19.投与の用量が、1回当たり100、150、300、333、400、500、600、700、750、800、900、1,000、2,500、5,000、7,500、又は10,000mgである、上記13に記載の方法、
20.NACAが、ミニ錠剤、カプセル、錠剤、発泡剤、2段階放出、混合放出、サシェ、粉末、又は液剤を介して経口的に送達される、上記13に記載の方法、
21.NACAが、網膜色素変性症を予防するために、予防的に投与される、上記13に記載の方法、
22.治療有効量が、好ましくは、夜間視力の欠損、全体的な視力の欠損、視野の欠損のうちの少なくとも1つを、2週間、1カ月、2カ月、3カ月、6カ月、1年、2年、又は5年のうちの少なくとも1つから選択される規定された期間にわたり、未治療の対照対象と比較して少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又はそれ以上減少させる治療薬の量を意味する、上記13に記載の方法。
本発明の特色及び利点をより完全に理解するために、添付した図面に沿って本発明の詳細な説明をここに参照する。
網膜機能の保護において、7mg/mlのNACAは、7mg/mlのNACよりも良好な効果を提供することを示す図である。 錐体細胞生存の保護において、7mg/mlのNACAは、7mg/mlのNACよりも良好な効果を提供することを示す顕微鏡写真である。 錐体細胞生存を示す図である。 網膜機能の保護において、7mg/mlのNACAは、20mg/mlのNACよりも良好な効果を提供することを示す図である。 錐体細胞生存の保護において、7mg/mlのNACAは、20mg/mlのNACよりも良好な効果を有することを示す顕微鏡写真である。 錐体生存を示す図である。
本発明の様々な実施形態の作製及び使用を以下に詳細に論じるが、本発明は、多種多様な具体的状況において実施することができる多くの応用可能な本発明の概念を提供することを理解されたい。本明細書で論じた具体的な実施形態は、本発明を実現し、使用するための具体的な方法を例示するのみであり、本発明の範囲を限定しない。
網膜色素変性症(「RP」)は、網膜の光受容体細胞の欠損進行の原因となり、重篤な視力障害及びしばしば不治の失明を引き起こす遺伝性視覚障害の大きなグループを含む。RPの最も一般的な形態は、杆体−錐体ジストロフィーで、第1の症状は夜盲症で、それ
に続いて日中の周辺視野の進行性欠損、最終的に数十年後に失明が引き起こされる。一般的な病理として、杆体光受容器は早期に死滅するが、光非感受性が形態学的に変化した錐体光受容体はより長く持続する。
N−アセチル−L−システインアミド(NACA)は(R)−2−(アセチルアミノ)−3−メルカプト−プロパンアミド、N−アセチル−L−システインアミド、又はアセチルシステインアミドとしても知られており、
Figure 2021193119
の構造を有し、N−アセチルシステインアミド(NACA)、N−アセチル−L−システイン(NAC)のアミド型はNACの担体として作用する。
現在、疾患の進行を止める、又は視力を回復する療法は承認されていない。治療的アプローチは、日光の防御及びビタミンA補給による変性プロセスの遅延、合併症(白内障及び黄斑浮腫)の治療並びに失明の社会的及び心理的影響に対処するための患者の支援に限られている。人工網膜システムArgis IIは、重篤なRPの成人を治療するための埋植デバイスとして2013年にFDAによって承認されたが、光感覚を生成し、それによって患者が物体及び人の位置又は動きを確認するのを助けるのみで、このデバイスは疾患を変更しない。以下に述べた動物モデルにおける研究に基づいて、NACAはRPをインビボにおいて治療することができる。
グルタチオン(GSH)は、全ほ乳類組織に見いだされるトリペプチド、c−L−グルタミル−L−システニル−グリシンである。これには、求電子試薬の解毒、ROSの捕捉、タンパク質のチオール状態の維持並びにビタミンC及びEの還元型の再生を含むいくつかの重要な機能がある。GSHは、ほ乳類細胞における優性非タンパク質チオールなので、細胞内酸化還元バランス及びタンパク質の必須チオール状態の維持に不可欠である。また、グルタチオンペルオキシダーゼなどのいくつかの抗酸化酵素の機能に不可欠である。
細胞内GSHレベルは、産生と損失との間のバランスによって決定される。産生は、デノボ合成及びGSSGレダクターゼによるGSSGからのGSHの再生によって生じる。一般的に、GSSGレダクターゼ系には還元状態の細胞内GSH全てを維持するのに十分な能力があるので、この経路を強化してもほとんど上昇させることはできない。細胞内GSHの損失の主な原因は細胞からの送出である。細胞内GSHレベルは1〜8mMの範囲である一方、細胞外レベルはほんの数μΜであり、この大きな濃度勾配が基本的にGSHの細胞内への輸送を妨げ、一旦細胞外に送出されるとγ−グルタミルトランスペプチダーゼによって迅速に分解される。GSH輸送体の阻害は、理論的には細胞内GSHレベルを増加させることができるが、この輸送体はGSH特異的ではなく、それらを抑制するとその他のアミノ酸及びペプチドの不平衡が生じ得るので問題となる恐れがある。したがって、細胞内GSHレベルは、合成の変化によって主に調整される。
GSHは、ほとんど全ての細胞の細胞基質中において、ATPを必要とする2つの酵素段階:L−グルタミン酸+L−システイン+ATP[→]γ−グルタミル−L−システイン+ADP+Pi及びγ−グルタミル−L−システイン+L−グリシン+ATP[→]GSH+ADP+Piによって合成される。第1の反応は律速で、グルタミン酸システイン
リガーゼ(GCL、EC6.3.2.2)によって触媒される。GCLは、異なる遺伝子によってコードされる73Kdの重い触媒サブユニット(GCLC)及び30Kdの変更サブユニット(GCLM)から構成される。GCCLは、GSHの非アロステリック競合阻害(Ki=2.3mM)及びL−システインの利用性によって調節される。グルタミン酸に対するGLCの見かけ上のKmは1.8mMで、細胞内グルタミン酸濃度はおよそ10倍高く、したがってグルタミン酸に制限はないが、システインに対するKmは0.1〜0.3mMで、細胞内濃度に近い。第2の反応は、2つの同じサブユニットから構成される118KdのGSH合成酵素(GS、EC6.3.2.3)によって触媒される。GSは、通常の条件下でGSH合成の調節に重要であるとは思われないが、外科手術による外傷に応答してGSHレベル及びGS活性は低下するもののGCL活性は不変なので、ストレス条件下では役割を担う可能性がある。さらに、GCLCのみの発現増加と比較して、GCLC及びGS両方の発現増加は、GSHレベルの上昇を引き起こした。合成酵素増加の効果を最大限にするために、システインレベルの増加を実現することが必要である。培養したニューロンでは、システイン摂取の90%がナトリウム依存性興奮性アミノ酸輸送体(EAAT)系によって生じる。5つのEAATがあり、ニューロンによるシステイン摂取は、より一般的には興奮性アミノ酸担体−1(EAAC1)として知られているEAAT3によって主に生じる。通常の環境下では、ほとんどのEAAC1はER中にあり、活性化されたときにのみ細胞膜に移動する。この移動は、グルタミン酸輸送体関連タンパク質3−18(GTRAP3−18)によって負に調節されており、GTRAP3−18の抑制はニューロン中のGSHレベルを増加させた。したがって、システインの内部移行は、GSH合成経路にとって問題となるが、幸運なことに活性化したEAAC1の非存在下でも容易に細胞に入るN−アセチルシステイン(NAC)によって迂回することができる。全身投与されたNACはCNSに入り、GSHレベルを増加させ、酸化的ストレスが病理の重要な部分である神経変性障害において利益をもたらす。本発明者らは、NACの経口投与がRPのモデルにおける錐体の長期生存を促進することを明らかにした。
細胞質、ミトコンドリア及び核を含む全細胞内小器官は酸化的損傷から保護されていなければならない。本発明者らは以前に、活性酸素種を解毒する酵素の遺伝子移入を実施したが、このアプローチは、細胞質中における2つの酵素及びミトコンドリア中における2つの酵素の発現を必要とする。対照的に、本発明は、GSHは細胞全体にわたってどこにでも拡散させることができるので、細胞基質中においてたった2つの酵素の発現があれば全細胞内小器官の保護をもたらす。
NACは、負荷量として140mg/kgを1回、続いてこの投与の4時間後から開始して4時間毎に70mg/kgを17回投与したアセトアミノフェン過剰投与の治療のために使用される。臨床研究では、NACは毎日1回400〜1000mg及び1日3回200〜600mgを経口投与した。しかし、ヒトに600mgを1回経口投与した後、NACは迅速に吸収され、その後迅速に除去される。NACの血漿半減期は、2.5時間と報告されており、投与後10〜12時間でNACを検出することはできなくなる。吸収の間、NACは、グルタチオンの直接の前駆体であるシステインに迅速に代謝される。この証拠に基づき、NACAはNACの前駆体及び/又は担体であることを含め、NACAはインビボにおいてNACと同様に作用すると予期された。しかし、本発明者らは、NACAはRPの治療に関してNACとは非常に異なる作用をすることを明らかにする。
一実施形態では、本発明は、対象の組織で発現したグルタチオンの量を増加させるために治療有効量のNACAの投与を含む、対象における酸化的ストレスに関連した疾患又は病気の予防、改善又は治療のための方法を提供する。
本明細書で使用される場合、「活性酸素種(active oxygen species)」又は「反応性
酸素種(reactive oxygen species)」は、1つ又は2つの電子の輸送がスーパーオキシ
ド、O”の形態のアニオン又は式O 2−”を有するペルオキシドアニオン又はO−O一重結合を含有する化合物、例えば、過酸化水素及び脂質ペルオキシドを生じると理解される。このようなスーパーオキシド及びペルオキシドは反応性が高く、タンパク質、核酸及び脂質を含む細胞成分への損傷を引き起こすことがある。
「薬剤」は、治療上活性のある化合物又は治療活性の可能性がある化合物、例えば、抗酸化物質を含むものと本明細書では理解される。薬剤は以前に知られている又は知られていない化合物であってもよい。本明細書で使用される場合、薬剤は通常、細胞をベースにしたものではない化合物であるが、薬剤は生物学的治療薬、例えば、ペプチド又は核酸治療薬、例えば、siRNA、shRNA、サイトカイン、抗体などを含むことができる。
本明細書で使用される場合、「改善」又は「治療」は、特定の疾患又は病気の少なくとも1つの徴候、症状、指標又は影響を軽減又は減少させることを意味するものと理解される。例えば、網膜色素変性症(RP)の改善又は治療は、限定はしないが、夜間視力の低下、全体的な視力の低下、視野の縮小、網膜の1又は2以上の四分円における錐体密度の低下、網膜、特に外顆粒層の菲薄化、暗順応若しくは明順応網膜電図(ERG)におけるa若しくはb波振幅の低下又は病状若しくは疾患進行のいかなるその他の臨床的に許容される指標を含むRPの1又は2以上の徴候又は症状の、軽減、遅延又は消失であってもよい。改善及び治療には、単独又はその他の治療薬及び治療的介入と組み合わせた1薬剤の2回以上の投与を必要としてもよい。改善又は治療は疾患又は病気を治癒させる必要はない。
本明細書で使用される場合、「抗酸化物質」は、その他の分子の酸化を減速又は妨害する分子と理解される。酸化は、電子を物質から酸化剤に移す化学反応である。このような反応は、スーパーオキシドアニオン又はペルオキシドの生成によって促進され得る。酸化反応はフリーラジカルを生成することができ、フリーラジカルは、細胞を損傷させる連鎖反応を開始する。抗酸化物質は、フリーラジカル中間体を除去することによってこれらの連鎖反応を終結させ、それら自身を酸化することによってその他の酸化反応を阻害する。結果として、抗酸化物質はチオール、アスコルビン酸又はポリフェノールなどの還元剤であることが多い。抗酸化物質には、限定はしないが、α−トコフェロール、アスコルビン酸、Mn(III)テトラキス(4−安息香酸)ポルフィリン、α−リポ酸及びn−アセチ
ルシステインが含まれる。
「同時投与(Co-administration)」とは、本明細書で使用される場合、薬剤が対象に
おいて同時に存在し、活性があるように、1又は2以上の薬剤を対象に投与することと理解される。同時投与は、薬剤の混合物の調製又は薬剤の一斉投与を必要としない。
「有効量」又は「有効用量」という用語は、企図した薬理学的、治療的又は予防的結果を生じる薬剤の量を意味する。薬理学的有効量は、疾患若しくは病気又は疾患若しくは病気の進行の1又は2以上の徴候又は症状の改善を生じ、疾患若しくは病気の退縮を引き起こす。例えば、治療有効量は、好ましくは、夜間視力の欠損、全体的な視力の欠損、視野の欠損を、未治療の対照対象と比較して少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又はそれ以上、規定された期間にわたり、例えば、2週間、1カ月、2カ月、3カ月、6カ月、1年、2年、5年又はそれ以上減少させる治療薬の量を意味する。有効用量を提供するために2回以上の投与を必要としてもよい。
本明細書で使用される場合、「有効な」及び「有効性」という用語には、薬理学的有効性及び生理学的安全性の両方が含まれる。薬理学的有効性とは、患者において所望する生物学的効果を生じる治療の能力を意味する。生理学的安全性とは、治療の投与によって生じる細胞、器官及び/又は生物レベルでの毒性又はその他の有害な生理学的効果(しばしば副作用と呼ばれる)のレベルを意味する。他方では、用語「無効な」は、少なくとも層化されていない母集団において、有害作用が非存在であっても、治療が治療上有用であるために十分な薬理学的効果を提供しないことを示す。(例えば、治療は発現プロファイル(複数可)によって同定することができる亜集団において無効であってもよい)。「有効性が低い」とは、治療が治療上有意に低レベルの薬理学的有効性及び/又は治療上高レベルの有害な生理学的効果、例えば、高い肝毒性を生じることを意味する。
したがって、薬物の投与に関連して、疾患又は病気「に対して有効な」薬物とは、臨床上適切な形の投与が患者の少なくとも統計学的に有意な割合に対して、症状の改善、治癒、疾患徴候若しくは症状の軽減、寿命の延長、生活の質の向上又は疾患若しくは病気の特定の種類の治療に精通した医師によって好ましいと一般的に認識されるその他の効果などの有益な効果を生じることを示す。
本明細書で使用される場合、「酸化的ストレスに関連した眼疾患」には、限定はされないが、網膜色素変性症、浸出型及び萎縮型両方の加齢性黄斑変性症(AMD)を含む黄斑変性症、糖尿病性網膜症、レーベル視神経症及び視神経炎が含まれる。
「ペルオキシダーゼ」又は「ペルオキシド代謝酵素」は、
ROOR+電子ドナー(2e−)+2H+→ROH+ROHの形態の反応を通常触媒する酵素の大きなファミリーである。これらの酵素の多くでは、最適な基質は各RがHである過酸化水素であるが、その他は脂質ペルオキシドなどの有機ヒドロペルオキシドでより活性がある。ペルオキシダーゼは、活性部位におけるヘム補因子又は酸化還元活性システイン又はセレノシステイン残基を含有することができる。
語句「薬学的に許容される担体」は、当技術分野で認識されており、ほ乳類に本発明の化合物を投与するために適した薬学的に許容される物質、組成物又は媒体を含む。担体には、対象薬剤を1器官、又は体の一部から別の器官又は体の一部に運搬又は輸送することに関連する液体若しくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒又は封入物質が含まれる。各担体は、製剤のその他の成分に適合し、患者に対して有害ではないという意味で「許容」されていなければならない。例えば、細胞の投与のための薬学的に許容される担体は通常、注射によって送達するために許容される担体であり、界面活性剤又は送達する細胞に損傷を与え得るその他の化合物などの薬剤を含まない。薬学的に許容される担体として役立ち得る物質のいくつかの例には、乳糖、グルコース及びスクロースなどの糖類、コーンスターチ及び馬鈴薯デンプンなどのデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロース並びにその誘導体、粉末トラガカント、麦芽、ゼラチン、タルク、カカオ脂及び座剤用ワックスなどの賦形剤、ピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油などの油、プロピレングリコールなどのグリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル、寒天、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、アルギン酸、発熱物質除去水、等張生理食塩水、リンゲル溶液、エチルアルコール、リン酸緩衝溶液並びに医薬製剤で使用されるその他の非毒性適合物質、特に眼内送達に好ましいリン酸緩衝生理食塩水溶液が含まれる。
ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤及び滑沢剤並びに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、矯臭剤及び香料、保存剤及び抗酸化
物質も組成物に存在することができる。
薬学的に許容される抗酸化物質の例には、アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化物質、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなどの油溶性抗酸化物質及びクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤が含まれる。
本発明の製剤には、経口、鼻腔、局所、経皮、頬側、舌下、筋肉内、腹腔内、眼内、硝子体内、網膜下及び/又はその他の非経口投与経路に適したものが含まれる。投与の特定の経路は特に、標的とする特定の細胞に依存する。製剤は、単位投与形態で便利に提示することができ、製薬業界では周知のいかなる方法によっても調製することができる。単回投与形態を製造するために、担体物質と一緒にすることができる活性成分の量は、一般的に治療効果を生じる化合物の量である。
本明細書で使用される場合、「複数」は、2つ以上を意味するものと理解される。例えば、複数とは、少なくとも2、3、4、5又はそれ以上を意味する。
本明細書で使用される場合「ポリペプチド」又は「ペプチド」は、共有結合(例えば、ペプチド結合)によって結合した2以上の独立して選択される天然又は非天然アミノ酸と理解される。ペプチドには、ペプチド結合によって結合した2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個又はそれ以上の天然又は非天然アミノ酸を含めることができる。本明細書で記載したポリペプチドには、完全長タンパク質(例えば、完全にプロセシングされたタンパク質)並びに短いアミノ酸配列(例えば、天然に生じるタンパク質の断片又は合成ポリペプチド断片)が含まれる。
本明細書で使用される場合、「予防」とは、特に疾患又は障害を発症する傾向がある対象における疾患又は病気の少なくとも1つの徴候又は症状の制限、発生速度又は程度の低下、或いは発症の阻害と理解される。例えば、オプシン遺伝子などの遺伝子に変異を有する対象はRPを発症しやすい。疾患の1又は2以上の症状の発生年齢はときどき、特定の変異によって決定されることがある。予防には、RPの1又は2以上の徴候又は症状の発生の遅延を含んでいてもよく、対象の生涯を通じて疾患の少なくとも1つの徴候又は症状の出現を予防する必要はない。予防は、薬剤又は治療薬の2回以上の投与を必要としてもよい。
本明細書で使用される場合「低分子」は、約1500Da、1000Da、750Da又は500Da以下の分子量を有する化合物、通常は有機化合物と理解される。一実施形態では、低分子には、天然のアミノ酸及び/又はヌクレオチドのみを含むポリペプチド又は核酸は含まれない。
本明細書で使用される場合「対象」とは、生きた生物を意味する。ある特定の実施形態では、生きた生物は動物で、ある特定の好ましい実施形態では、対象はほ乳類で、ある特定の実施形態では、対象は家畜化されたほ乳類又は非ヒト霊長類を含む霊長類である。対象の例には、ヒト、サル、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヤギ及びヒツジが含まれる。ヒト対象はまた、患者と呼ばれることもある。
特定の疾患、病気又は症候群を「罹患しているか、又は罹患していることが疑われる」対象は、十分な数の危険因子を有するか、或いは疾患、病気又は症候群の徴候又は症状の
十分な数又は組合せを提示しており、したがって、判断能力のある個体は、対象が疾患、病気又は症候群に罹患していると診断するか、又は疑うだろう。RP及び加齢性黄斑変性症(AMD)などの病気を罹患している、又は罹患していることが疑われる対象の確認方法は、当業者の能力の範囲内である。特定の疾患、病気又は症候群に罹患している、及び罹患していることが疑われる対象は、2つの別個の群である必要はない。
本明細書で使用される場合、「スーパーオキシドジスムターゼ」は、スーパーオキシドを酸素及び過酸化水素に不均化する酵素と理解される。例には、限定はしないが、SOD1、SOD2及びSOD3が含まれる。Sod1及びSOD3は、ほ乳類に存在するCu−Zn含有スーパーオキシドジスムターゼ酵素の2つのアイソフォームである。Cu−Zn−SOD又はSOD1は、細胞内の空間に見いだされ、細胞外SOD(ECSOD又はSOD3)は主にほとんどの組織の細胞外マトリックスに見いだされる。
本明細書で使用される場合「治療有効量」とは、細胞又は対象に単回又は複数回投与すると、このような障害を有する患者の生存の延長、障害の1又は2以上の徴候又は症状の軽減、このような治療の非存在で予測されるものを上回る予防又は遅延などにおいて有効な薬剤の量を意味する。
薬剤又はその他の治療的介入は、単独で、或いは1又は2以上の追加的治療薬又は治療的介入と組み合わせて、従来の賦形剤、例えば、薬学的に許容される担体と混合した医薬組成物又は治療的処置として対象に投与することができる。
医薬品は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences (MackPub.Co., Easton, PA, 1985) に記載されたように、単位投与形態で適宜投与することができ、製薬業界で周
知の方法のいずれかによって調製することができる。非経口投与用の製剤は、滅菌水又は生理食塩水、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、植物由来の油、水素化ナフタレンなどのような一般的な賦形剤を含有することができる。特に、生体適合性、生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー又はポリエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーは、特定の薬剤の放出を制御するために有用な賦形剤であり得る。
本発明は、RPの治療のためのNACAの使用を対象とする。一実施形態では、本発明は、ヒトに、治療有効量のNACAを投与するステップを含む、ヒトにおける網膜色素変性症の治療のための方法を含む。一部の実施形態では、NACAを、薬学的に許容される担体中において、又は薬学的に許容される担体と共に提供する。その他の実施形態では、NACAを、眼内、網膜下、硝子体内、経口、静脈内、筋肉内、髄内、クモ膜下腔内、心室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、経腸、局所、舌下又は直腸内に投与する。
所与の療法で使用される活性化合物の実際に好ましい量は、例えば、利用する特定の化合物、製剤した特定の組成物、投与様式及び対象の特徴、例えば、対象の種、性別、体重、全身の健康状態及び年齢によって変化することは理解されたい。投与の所与のプロトコールに最適な投与速度は、前記の指針に関して実施した従来の投薬量決定試験を使用して当業者によって容易に確認することができる。
本明細書で規定した範囲は、範囲内の値全てを簡略に示したものと理解される。
本明細書で使用される場合、本発明の実施形態は、それらの薬学的に許容される誘導体を含むものと定義される。「薬学的に許容される誘導体」とは、レシピエントへの投与時に、本発明の化合物を(直接又は間接的に)提供することができる本発明の化合物のいかなる薬学的な塩、エステル、エステルの塩又はその他の誘導体を意味する。特に好ましい
誘導体は、このような化合物をほ乳類に投与したとき、(例えば、経口投与化合物を血液中により容易に吸収させるか、化合物の血清安定性を増大させるか、又は化合物のクリアランス速度を減少させることによって)本発明の化合物の生物学的利用率を増加させる誘導体か、或いは親種と比べて生物学的区画(例えば、脳又はリンパ系)への親化合物の送達を増強する誘導体である。誘導体には、水性溶解性又は腸管膜からの能動輸送を増強する基が本明細書で記載した式の構造に追加されている誘導体が含まれる。
本発明の実施形態は、選択的生物学的特性を増強するために適切な機能性を追加することによって変更してもよい。このような変更は当技術分野では公知で、所与の生物学的区画(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透を増加させるもの、経口利用性を増加させるもの、注射による投与を可能にするために溶解性を増加させるもの、代謝を変化させるもの及び排泄速度を変化させるものが含まれる。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、薬学的に許容される無機及び有機酸及び塩基から得られたものが含まれる。適切な酸塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩及びウンデカン酸塩が含まれる。適切な塩基から得られた塩には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウム及びN−(アルキル)4+塩が含まれる。本発明はまた、本明細書で開示した化合物のいかなる塩基性窒素含有基の4級化も想定する。水又は油溶性又は分散性の生成物は、このような4級化によって得ることができる。
本発明の実施形態は、例えば、注射、眼内、硝子体内、網膜下、静脈内、動脈内、真皮下、腹腔内、筋肉内若しくは皮下又は経口、頬側、経鼻、経粘膜によって、カテーテルによって直接疾患器官に、局所的に、又は眼科用調製物で、体重1kg当たり約0.001〜約100mgの範囲の投薬量で、又は特定の薬物の必要条件に従って、より好ましくは体重1kg当たり0.5〜10mgで投与することができる。化合物を直接目に送達するとき、体重などの考慮はあまり用量と関係がないと理解される。
投与の頻度は、投与した薬剤、対象における疾患又は病気の進行及び当業者に公知のその他の考慮すべき事項に左右される。例えば、目に送達する組成物は、眼内の区画に送達する組成物であっても、薬物動態及び薬力学的考慮は異なっており、例えば、網膜下空間でのクリアランスは非常に低い。したがって、投与は、月1回、3カ月に1回、6カ月に1回、1年に1回、5年に1回又はそれより少ない頻度であってもよい。抗酸化物質の全身投与を、網膜下空間への発現コンストラクトの投与と併用して実施するならば、抗酸化物質の投与頻度は、発現コンストラクトよりも多く、例えば、1日1又は2回以上、週に1又は2回以上であることが予測される。
投与は、疾患の1又は2以上の徴候又は症状、例えば、視力、視野、夜間視力などのモニタリングと併用して決定することができる。単回投与形態を生成するために担体物質と一緒にすることができる活性成分の量は、治療された宿主(host treated)及び特定の投与様式に応じて変化するだろう。典型的な調製物は、約1%〜約95%の活性化合物(w/w)を含有する。或いは、このような調製物は、約20%〜約80%の活性化合物を含有する。上に列挙したものよりも低い又は高い用量を必要とすることもある。いかなる特定の患者についても特定の投薬及び治療計画は、使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、全身的な健康状態、性別、食事内容、投与時間、排泄速度、薬物の組合せ、疾患、病気又は症状の重症度及び経過、疾患、病気又は症状に対する患者の素質及び担当医師の判
断を含む様々な要素に左右される。
医薬組成物は、滅菌した注射可能な調製物の形態、例えば、滅菌した注射可能な水性又は油性懸濁液であってよい。この懸濁液は、適切な分散剤又は湿潤剤(例えば、TWEEN(
登録商標)80など)及び懸濁剤を使用して当技術分野で公知の技術に従って製剤化することができる。滅菌した注射可能な調製物はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の滅菌した注射可能な溶液又は懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオールの溶液としてであってもよい。許容される媒体及び溶媒の中でも使用できるのは、マンニトール、水、リンゲル溶液及び等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌した不揮発性油は溶媒又は懸濁媒として以前から使用されている。このために、合成モノ若しくはジグリセリドを含むいかなる無刺激性の不揮発性油も使用することができる。オレイン酸及びそのグリセリド誘導体などの脂肪酸、特にそれらのポリオキシエチレン化種は、オリーブ油又はヒマシ油などの天然の薬学的に許容される油であるので、注射可能な調製物において有用である。これらの油溶液又は懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤又は分散剤又はカルボキシメチルセルロース又はエマルジョン及び/若しくは懸濁液などの薬学的に許容される投与形態の製剤において通常使用される類似の分散剤を含有していてもよい。TWEEN(登録商標)若しくはSPAN(登録商標)などのその他の一般的に使用される界面活性剤
及び/又は薬学的に許容される固形物、液体若しくはその他の投与形態の製造において一般的に使用されるその他の類似の乳化剤又は生物学的利用率増強剤も製剤のために使用することができる。
1又は2以上の実施形態では、NACAを約0.5〜150mg/Kgの1日用量で投与する。その他の実施形態では、NACAを1日2又は3回投与する。別の態様では、NACAを、アスコルビン酸、システイン塩酸塩、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなどの油溶性抗酸化物質、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤から選択される第2の活性薬剤(second active agent)と共に投与する。
一部の実施形態では、投与のためのNACAの用量は、1回当たり100、150、300、333、400、500、600、700、750、800、900、1,000、2,500、5,000、7,500又は10,000mgである。別の態様では、投与の用量は、1回当たり0.1〜0.25、0.1〜0.4、0.35〜0.5、0.5〜1、102、1〜3、1〜4、1〜5、1〜2.5、2.5〜3.5、4〜6、5〜8、6〜9、7〜10グラムである。別の態様では、NACAは、ミニ錠剤、カプセル、錠剤、発泡剤、2段階放出、混合放出、サシェ、粉末又は液剤を介して経口的に送達される。別の態様では、NACAをRPを予防するために予防的に投与する。
別の実施形態では、本発明は、網膜色素変性症の治療を必要とするヒトを同定するステップ、及びヒトにRPを治療するために十分な治療有効量のNACAを投与するステップを含む、RPの治療のための方法を含む。前記で定義したその他の実施形態と同様に、NACAを約0.5〜150mg/Kgの1日用量で投与することが理解されるだろう。別の態様では、NACAを1日2回又は3回投与する。別の態様では、NACAを上で開示したような第2の活性薬剤と共に投与する。
別の態様では、投与のためのNACAの用量は、1回当たり100、150、300、333、400、500、600、700、750、800、900、1,000、2,500、5,000、7,500又は10,000mgである。別の態様では、投与の用量は、1回当たり0.1〜0.25、0.1〜0.4、0.35〜0.5、0.5〜1、
102、1〜3、1〜4、1〜5、1〜2.5、2.5〜3.5、4〜6、5〜8、6〜9、7〜10グラムである。別の態様では、NACAは、ミニ錠剤、カプセル、錠剤、発泡剤、2段階放出、混合放出、サシェ、粉末又は液剤を介して経口的に送達される。別の態様では、NACAをRPを予防するために予防的に投与する。
本明細書で使用される場合、特定の疾患又は病気などに「感受性のある」又は「傾向がある」又は「罹りやすい」とは、遺伝、環境、健康状態及び/又はその他の危険因子に基づいて、一般集団よりも疾患又は病気を発症しやすい個体を意味する。疾患を発症する可能性の増加は、約10%、20%、50%、100%、150%、200%又はそれ以上の増加であってもよい。
生後(P)14日目から開始して、rd10マウスに通常の飲用水(n=6)又は7mg/mlのNACA若しくは7mg/mlのNAC若しくは20mg/mlのNACを含有する水(各群についてn=8)を与えた。暗順応及び明順応網膜電図(ERG)をP35に記録した。暗順応、明順応及び低バックグラウンド明順応ERGをP50に記録した。
錐体密度は、フルオレセイン標識ピーナッツアグルチニン(PNA)で染色した網膜フラットマウントにおける視神経の中心の0.5mm上方、側方、下方及び鼻側に位置する4つの230mm×230mm(512×512ピクセル)領域においてP50に測定した。
P35において、7mg/mlのNACAで治療したrd10マウスにおいて平均ピーク暗順応ERG b波振幅及び平均5ピーク明順応b波振幅の両方が、7mg/mlのNACで治療したrd10マウスのものよりも2倍大きく、対照rd10マウスのものよりも3倍大きいことが見いだされた。P50において、NACA治療マウスにおける暗順応及び明順応ERG b波は、7mg/mlのNACで治療したrd10マウス又は対照rd10マウスよりも3倍大きい振幅を示した。図1A〜1Eは、網膜機能の保護において、7mg/mlのNACAが7mg/mlのNACよりも良好な効果を提供することを示す図である。図1A〜1Eで示したように、以下を測定した:暗順応b波振幅(図1A、1C)、明順応b波振幅(図1B、1D)及び低バックグラウンド明順応b波(図1E)。錐体細胞密度は、NAC治療マウスと比較してNACA治療マウスにおいて4四分円の3つにおいて有意に大きく、多重比較のためのダネット補正を施したANOVAによるとp<0.0001であった。図2A〜2Lは、錐体細胞生存の保護において、7mg/mlのNACAが7mg/mlのNACよりも良好な効果を提供することを示す顕微鏡写真である。図2Mは、上方、下方、側方及び鼻領域の錐体密度によって測定した錐体細胞生存を示す図である。
20mg/mlのNACで治療したものと比較して、7mg/mlのNACAで治療したrd10マウスは、P35において類似の平均ピーク暗順応ERG b波振幅を示す。平均ピーク明順応20b波振幅は、NACA治療マウスではNAC治療マウスよりも41%高く(p=0.024)、いずれも対照より3倍高かった。P50において、NAC20mg/ml治療マウス又はNACA7mg/ml治療マウスの平均ピーク暗順応ERG b波振幅は、対照のものよりも持続して高い振幅を示し、平均b波振幅は、11の刺激強度のうち10についてNAC治療マウスと比較してNACA治療マウスで有意に大きかった。平均明順応ERG b波振幅は、NACA治療マウス対NAC治療マウスでは、3つの刺激強度全てにおいて50%高く(p=0.001)、対照より4倍高かった。図3A〜3Eは、網膜機能の保護において、7mg/mlのNACAが20mg/mlのNACよりも良好な効果を提供することを示す図である。図3A〜3Eで示したように
、以下を測定した:暗順応b波振幅(図3A、3C)、明順応b波振幅(図3B、3D)及び低バックグラウンド明順応b波(図3E)。錐体細胞密度は、NAC治療マウスと比較してNACA治療マウスにおいて4四分円の2つにおいて有意に大きかった(図4A〜4L)。図4A〜4Lは、錐体細胞生存の保護において、7mg/mlのNACAが20mg/mlのNACよりも良好な効果を有することを示す顕微鏡写真である。図4Mは、上方、下方、側方及び鼻領域の錐体密度によって測定した錐体生存を示す図である。
驚くべきことに、同じ経口用量では、又は実質的に低用量であっても、rd10マウスにおいてNACA5はNACと比較して有意に大きな錐体細胞機能の維持及び錐体生存を示した。これは、NACAがNACの前駆体であり、前駆体が著しく異なるインビボ効果を導くことは予測されなかったはずなので、驚くべきことである。
本明細書で論じたいかなる実施形態も本発明のいかなる方法、キット、試薬又は組成物に関して実施することができ、逆の場合も同じであると考えられる。さらに、本発明の組成物は、本発明の方法を実現するために使用することができる。
本明細書で記載した特定の実施形態は例示のために示されており、本発明を限定するものではないことを理解されたい。本発明の主要な特色は、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な実施形態で使用することができる。当業者であれば、日常操作的な実験のみを使用して、本明細書で記載した特定の手順には数多くの同等物があることを認識するか、又は確認することができるであろう。このような同等物は、本発明の範囲内であると考えられ、特許請求の範囲の対象となる。
本明細書で言及した刊行物及び特許出願は全て、本発明が関係する当業者の技術レベルの指標となる。刊行物及び特許出願は全て、それぞれ個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個々に示されるのと同程度に、本明細書に参照により組み込まれる。
特許請求の範囲及び/又は明細書において「含む(comprising)」という用語と併用して使用するとき、「a」又は「an」という語の使用は、「1つ(one)」を意味してもよいが、「1又は2以上(one or more)」、「少なくとも1つの(at least one)」及び「
1又は1より多い(one or more thanone)」の意味とも合致する。特許請求の範囲にお
ける「又は」という用語の使用は、開示が選択肢のみ及び「及び/又は」を意味する定義を支持していても、選択肢のみを意味しているか、又は選択肢が互いに排他的であることが明示的に示されていなければ、「及び/又は」を意味するために使用される。本明細書全体にわたって、「約」という用語は、値の測定に使用されたデバイス、方法に本来備わっている誤差の変動、又は研究対象間に存在する変動が値に含まれることを示すために使用される。
本明細書及び特許請求の範囲で使用したように、「含む(comprising)」(及び「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」などの含む(comprising)のいかなる形態)
、「有する(having)」(及び「有する(have)」及び「有する(has)」などの有する
(having)のいかなる形態)、「含む(including)」(及び「含む(includes)」及び
「含む(include)」などの含む(including)のいかなる形態)又は「含有する(containing)」(及び「含有する(contains)」及び「含有する(contain)」などの含有する
(containing)のいかなる形態)の用語は包括的又はオープンエンドであり、列挙されていない付加的な要素又は方法ステップを排除しない。本明細書で規定した組成物及び方法のいずれかの実施形態において、「含む(comprising)」は、「から本質的になる(consisting essentially of)」又は「からなる(consisting of)」と置換することができる
。本明細書で使用される場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」と
いう語句は、特定の整数又はステップ並びに特許請求された発明の特質又は機能に実質的に影響を及ぼさないものを必要とする。本明細書で使用される場合、用語「からなる」は、引用した整数(例えば、特色、要素、特徴、特性、方法/方法ステップ又は制限)又は整数の群(例えば、特色、要素、特徴、特性、方法/方法ステップ又は制限)のみの存在を示すために用いられた。
本明細書で使用される場合「又はそれらの組合せ(or combinations thereof)」とい
う用語は、用語の前に挙げた事項の配列及び組合せ全てを意味する。例えば、「A、B、C又はそれらの組合せ」は、A、B、C、AB、AC、BC又はABCのうちの少なくとも1つを含むことを意図しており、特定の文脈において順番が重要ならば、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC又はCABも含むことを意図する。この例に続いて、BB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどの1又は2以上の事項又は用語の反復を含有する組合せも明らかに含まれる。当業者であれば、文脈から明らかでない限り、通常、いかなる組合せにおいても事項又は用語の数には制限がないことが理解されよう。
本明細書で使用される場合、限定はしないが、「約(about)」、「実質的(substantial)」又は「実質的に(substantially)」などの近似を示す語は、そのように修飾され
たとき絶対的又は完全である必要はないと思われるが、提示したような条件を指定することが正当であると当業者にとってほぼ考えられる条件を意味する。記載の変動可能な範囲は、変化がどのような大きさで起こり得るかに左右され、変更された特徴が変更していない特徴の必要な特徴及び能力をまだ備えていることをまだ当業者が認識できる範囲である。一般的に、しかし前述の考察次第で、「約(about)」などの近似の語によって修飾さ
れた本明細書の数値は、提示された値から少なくとも±1、2、3、4、5、6、7、10、12又は15%変化していてもよい。
さらに、本明細書の項目の見出しは、米国特許法施行規則第1.77条の提案との整合性を保つために提供されるか、又はその他の組織的な手がかりを提供する。これらの見出しは、本開示から生じ得るいかなる請求項においても記載される本発明を限定又は特徴付けるものではない。特に例としては、見出しが「技術分野」を意味していても、このような特許請求の範囲は、この見出しの下におけるいわゆる技術分野を説明するための言葉によって限定されるべきではない。さらに、「背景技術」の項目における技術の記載は、技術が本開示のいかなる発明に対しても先行技術であることを承認すると解釈されるものではない。「概要」も、提示された特許請求の範囲に記載した本発明を特徴付けるものと見なされるものではない。さらに、本開示において単数形の「発明」のいかなる参照も、本開示における新規な点が1つのみであることを主張するために使用するべきではない。本開示による複数の請求項の制限に従って複数の発明を記載することができ、したがってこのような請求項はそれによって保護される本発明及びその同等物を規定する。いかなる場合においても、このような請求項の範囲は、本開示を考慮してそれらの長所に関して検討されるが、本明細書で記載した見出しによって制約されるべきではない。
本明細書で開示し、請求した組成物及び/又は方法は全て、本開示に関して不必要な実験を行うことなく作製し、実行することができる。本発明の組成物及び方法は好ましい実施形態を用いて記載したが、当業者であれば、本発明の概念、精神及び範囲を逸脱することなく、本明細書で記載した組成物及び/又は方法及びステップ又は方法のステップの順番に変更を加えることができることを理解するだろう。添付の特許請求の範囲によって定義したように、当業者に明らかなこのような類似の置換及び改変は全て、本発明の精神、範囲及び概念内にあると見なされる。

Claims (1)

  1. 明細書または図面に記載の発明。
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