A:第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る通信システム100の構成を例示するブロック図である。通信システム100は、例えばインターネット等の通信網300を介して複数の端末装置10の各々と通信可能なコンピュータシステムである。複数の端末装置10の各々は、例えば携帯電話機,スマートフォン,タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の情報端末である。各利用者Uは自身の端末装置10を利用する。
通信システム100は、収録システム21aと収録システム21bと配信システム22aと配信システム22bと再生システム23と制御システム30とを具備する。なお、以下の説明においては、収録システム21aと収録システム21bとを区別する必要がない場合には単に「収録システム21」と表記する。同様に、配信システム22aと配信システム22bとを区別する必要がない場合には単に「配信システム22」と表記する。
収録システム21aと収録システム21bと再生システム23とは、各種のイベントが実施される施設200内に設置される。具体的には、施設200は、複数の出場者が特定のスポーツにより競技するイベント(以下「競技イベント」という)が実施される競技場である。なお、例えば感染症の蔓延の防止等の種々の事情により、施設200内に観客が存在しない状況で競技イベント(すなわち無観客試合)が実施される場合がある。
再生システム23は、施設200内に設置された音響設備により構成される音響システムであり、施設200内に音響を再生する。再生システム23は、例えば、施設200内の相異なる場所に設置された複数の放音装置(例えばスピーカ装置)を具備する。なお、再生システム23と制御システム30とを単体の装置として構成してもよい。
制御システム30は、再生システム23による音響の再生を制御するコンピュータシステムである。具体的には、制御システム30は、再生システム23に各種の効果音を再生させる。効果音は、例えば、多数の観客が発声する歓声、多数の観客による拍手で発音される拍手音、または観客の指笛により発音される指笛音、打楽器または管楽器等の楽器の演奏により発音される楽器音等の各種の演出音である。競技イベントの出場者は、再生システム23が再生する効果音を聴取可能である。以上のように放音システムが効果音を再生することで、施設200内に観客が存在しない状況または観客が少ない状況でも、恰も多数の観客が競技イベントを観覧しているかのような雰囲気を施設200内に生成できる。
収録システム21は、施設200内で実施される競技イベントの動画を収録する。具体的には、各収録システム21は、競技イベントの映像を撮像する撮像装置と、競技イベントの音響を収音する収音装置とを具備する。収音装置が収音する音響は、施設200内に所在する出場者または観客が発音した音響に加えて再生システム23による再生音を含む。撮像装置が撮像する映像と収音装置が収音する音響とで構成される動画が収録システム21により生成される。収録システム21aと収録システム21bとは、施設200内で実施される共通の競技イベントの動画を並列に収録する。
配信システム22aは、収録システム21aが収録した動画を含むコンテンツCaを端末装置10に配信する。具体的には、配信システム22aは、競技イベントの進行に並行してコンテンツCaを配信(すなわちライブ配信)する。同様に、配信システム22bは、収録システム21bが収録した動画を含むコンテンツCbを端末装置10に配信する。具体的には、配信システム22bは、競技イベントの進行に並行してコンテンツCbを配信する。配信システム22aによるコンテンツCaの配信と配信システム22bによるコンテンツCbの配信とは並列に実行される。以上の説明から理解される通り、コンテンツCaとコンテンツCbとは、施設200内で実施される共通の競技イベントを対象とするが、配信元(配信システム22a/配信システム22b)が相違する。なお、以下の説明において、コンテンツCaとコンテンツCbとを区別する必要がない場合には単に「コンテンツC」と表記する。
図2に例示される通り、複数の端末装置10の各々は、コンテンツCaおよびコンテンツCbの何れかを受信することが可能である。以下の説明においては、収録システム21aによる収録で生成されるコンテンツCaが配信システム22aにより端末装置10に配信される環境を「第1配信環境」と表記する。同様に、収録システム21bによる収録で生成されるコンテンツCbが配信システム22bにより端末装置10に配信される環境を「第2配信環境」と表記する。第1配信環境および第2配信環境の何れかが端末装置10毎に選択される。以下の説明においては、第1配信環境によりコンテンツCaを受信する端末装置10を「端末装置10a」と表記し、第2配信環境によりコンテンツCbを受信する端末装置10を「端末装置10b」と表記する場合がある。端末装置10aの利用者Uは、当該端末装置10aが再生するコンテンツCaを視聴する。端末装置10bの利用者Uは、当該端末装置10bが再生するコンテンツCbを視聴する。各利用者Uは、施設200の外側(例えば自宅)に位置する。
第1配信環境と第2配信環境との間では配信遅延が相違する。配信遅延は、競技イベントの進行に対するコンテンツCの再生の遅延である。例えば、競技イベントにおいて特定の事象が発生した時点から、コンテンツCにおける当該事象を端末装置10が再生する時点までの時間長が、配信遅延に相当する。配信遅延は、例えば、収録システム21と配信システム22との間の通信状況、配信システム22がコンテンツCを配信する端末装置10の総数、または、配信システム22がコンテンツCを生成する画像処理の所要時間等の種々の要因に依存する。
具体的には、第2配信環境は、第1配信環境と比較して配信遅延が大きい。したがって、コンテンツCbの再生の進行は、コンテンツCaの再生の進行に対して遅延した関係にある。例えば、コンテンツCbを視聴する利用者Uが競技イベント内の特定の事象(例えば試合内の得点シーン)を認識する時点は、コンテンツCaを視聴する利用者Uが当該事象を認識する時点に対して遅延した関係にある。なお、第1配信環境における配信遅延は充分に小さい。すなわち、コンテンツCaは、施設200内の競技イベントの進行に対して殆ど遅延なく再生される。
図3は、各端末装置10の構成を例示するブロック図である。端末装置10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13と再生装置14と操作装置15とを具備する。なお、端末装置10は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合としても実現される。
制御装置11は、端末装置10の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。例えば、制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより構成される。
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置12は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体により構成される。なお、複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置12を構成してもよい。また、端末装置10に着脱される可搬型の記録媒体、または端末装置10が通信網300を介して書込および読出を実行できる記録媒体(例えばクラウドストレージ)を、記憶装置12として利用してもよい。
通信装置13は、通信網300を介して通信システム100(配信システム22a,配信システム22bおよび制御システム30)と通信する。例えば、通信装置13は、配信システム22aから配信されるコンテンツCaまたは配信システム22bから配信されるコンテンツCbを受信する。
再生装置14は、制御装置11による制御のもとで、映像と音響とを含む動画を再生する。例えば、再生装置14は、通信装置13が受信するコンテンツCを再生する。再生装置14は、表示装置141と放音装置142とを具備する。表示装置141は、制御装置11による制御のもとで画像を表示する。表示装置141は、例えば液晶パネルまたは有機EL(ElectroLuminescence)パネル等の表示パネルで構成される。例えば、表示装置141はコンテンツCの映像を表示する。放音装置142は、制御装置11による制御のもとで音響を再生する。例えば、放音装置142はコンテンツCの音響を再生する。
操作装置15は、利用者Uからの指示を受付ける入力機器である。操作装置15は、例えば、利用者Uが操作する複数の操作子、または、表示装置141と一体に構成されたタッチパネルである。利用者Uは、操作装置15を操作することで、再生システム23が施設200内に再生する所望の効果音を複数の効果音から選択できる。
図4は、制御装置11が実行する処理(以下「受付処理」という)Saの具体的な手順を例示するフローチャートである。受付処理Saは、再生システム23が施設200内に放音する効果音の指示を利用者Uから受付ける処理である。再生装置14によるコンテンツCの再生に並行して受付処理Saが実行される。すなわち、競技イベントの進行に並行して受付処理Saが実行される。
制御装置11は、再生装置14が再生しているコンテンツCの配信環境(第1配信環境/第2配信環境)を特定する(Sa1)。再生装置14によるコンテンツCaの再生中には第1配信環境が特定され、コンテンツCbの再生中には第2配信環境が特定される。配信環境の特定には、例えば以下に例示する方法1から方法3が採用される。
[方法1]
配信システム22が配信するコンテンツCには、配信環境を表す識別情報Dが含まれる。例えば配信環境の識別情報Dを表すQRコード(登録商標)等の図像がコンテンツCの映像内に配置される。制御装置11は、当該コンテンツCの映像を解析することで配信環境の識別情報Dを抽出可能である。また、例えば配信環境の識別情報Dを表す音響成分がコンテンツCの音響に含有される。制御装置11は、当該コンテンツCの音響を解析することで配信環境の識別情報Dを抽出可能である。なお、配信環境の識別情報Dの音響成分は、例えば、利用者Uが聴取し難い周波数帯域の音響成分である。
[方法2]
利用者Uは、操作装置15を操作することで、再生装置14による再生中のコンテンツCの配信環境を指示する。制御装置11は、操作装置15に対する利用者Uからの指示に応じて配信環境を特定する。
[方法3]
制御装置11は、再生装置14による再生中のコンテンツCのうち配信環境に応じて相違する特定の区間(以下「参照区間」という)の映像を、通信網300に接続された照合装置(図示略)に照会する。照合装置は、配信環境毎にコンテンツCの参照区間の映像を記憶する。照合装置は、相異なる配信環境に対応する複数の映像のうち端末装置10から照会された映像を特定し、当該映像に対応する配信環境の識別情報Dを照会元の端末装置10に送信する。制御装置11は、照合装置から送信された識別情報Dを通信装置13により受信することで配信環境を特定する。
なお、以上の説明においては映像を照合したが、コンテンツCの音響を配信環境の特定に利用してもよい。例えば、制御装置11は、再生中のコンテンツCのうち配信環境に応じて相違する参照区間の音響を照合装置に照会する。照合装置は、配信環境毎にコンテンツCの参照区間の音響を記憶する。照合装置は、相異なる配信環境に対応する複数の音響のうち端末装置10から照会された音響を特定し、当該音響に対応する配信環境の識別情報Dを照会元の端末装置10に送信する。制御装置11は、照合装置から送信された識別情報Dを通信装置13により受信することで配信環境を特定する。なお、参照区間の音響に対する音声認識で推定された文字列を、照合装置に照会してもよい。
以上の手順により配信環境を特定すると、制御装置11は、図5に例示される選択画面Gを表示装置141に表示させる(Sa2)。例えばコンテンツCの映像とともに選択画面Gが表示される。選択画面Gは、利用者Uが選択可能な複数の効果音を利用者Uに提示する画像である。具体的には、選択画面Gには、相異なる効果音に対応する複数の操作画像gが表示される。各操作画像gは、操作装置15を利用して利用者Uが操作可能なソフトウェアボタンである。図5の「歓声」は、観客が発声する歓声を意味する。「拍手」は、観客による拍手で発音される拍手音を意味する。「指笛」は、指笛により発音される指笛音を意味する。また、「落胆」は、観客が落胆したときに発音する溜息音を意味する。
利用者Uは、競技イベントのコンテンツCを視聴しながら選択画面Gを操作することで、選択画面G内の複数の効果音の何れかを選択可能である。制御装置11は、効果音の選択を利用者Uから受付けるまで待機する(Sa3:NO)。以上の説明から理解される通り、制御装置11は、複数の効果音の何れかの指示を利用者Uから受付ける要素として機能する。
効果音の選択を受付けた場合(Sa3:YES)、制御装置11は、利用者Uによる指示に応じた指示データQを通信装置13により制御システム30に送信する(Sa4)。指示データQは、端末装置10の配信環境(第1配信環境/第2配信環境)を表す識別情報Dと、利用者Uが指定した効果音の識別情報Eとを含む。識別情報Eは、効果音を識別するための符号列である。なお、選択画面Gに対する利用者Uの操作は、所定長(例えば1秒間)の期間毎に1回だけ有効な操作として受付けられる。すなわち、利用者Uが短い間隔で選択画面Gを何度も操作した場合、当該期間内における最初の操作のみが有効に受付けられ、以後の操作は無視される。
指示データQを送信すると(Sa4)、制御装置11は、利用者Uから終了が指示されたか否かを判定する(Sa5)。終了が指示されていない場合(Sa5:NO)、制御装置11は、利用者Uによる効果音の選択を待機する(Sa3)。利用者Uから終了が指示された場合(Sa5:YES)、制御装置11は受付処理Saを終了する。以上の説明から理解される通り、再生装置14によるコンテンツCの再生に並行して、利用者Uによる効果音の指示毎に、当該効果音の指定(識別情報E)を含む指示データQが制御システム30に送信される。各端末装置10が以上の処理を実行することで、相異なる端末装置10から送信された複数の指示データQが制御システム30に送信される。
なお、利用者Uによる効果音の選択を受付けた場合に(Sa3:YES)、制御装置11は、当該効果音を放音装置142に再生させてもよい。例えば、相異なる効果音の波形を表す音響信号が記憶装置12に記憶される。制御装置11は、利用者Uが選択した効果音に対応する音響信号を放音装置142に供給することで当該効果音を再生させる。なお、音高または音質が相違する複数の音響信号を効果音毎に記憶装置12に記憶し、制御装置11は、利用者Uが選択した効果音に対応する複数の音響信号の何れかを放音装置142に供給してもよい。例えば、制御装置11は、効果音に対応する複数の音響信号の何れかをランダムに選択して放音装置142に供給する。
図6は、制御システム30の構成を例示するブロック図である。制御システム30は、制御装置31と記憶装置32と通信装置33とを具備する。なお、制御システム30は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合としても実現される。
制御装置31は、制御システム30の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。例えば、制御装置31は、CPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより構成される。通信装置33は、通信網300を介して各端末装置10と通信する。
記憶装置32は、制御装置31が実行するプログラムと制御装置31が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置32は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体により構成される。複数種の記録媒体の組合せにより記憶装置32を構成してもよい。なお、制御システム30に着脱される可搬型の記録媒体、または制御システム30が通信網300を介して書込および読出を実行できる記録媒体(例えばクラウドストレージ)を、記憶装置32として利用してもよい。
記憶装置32は、相異なる効果音に対応する複数の音響信号Xを記憶する。各効果音に対応する音響信号Xは、当該効果音の波形を表すデータである。各音響信号Xは、事前に収録または合成されたうえで記憶装置32に記憶される。音響信号Xは、例えばMP3(MPEG-1 Audio Layer-3)等の任意の形式で表現される。
具体的には、記憶装置32は、図7に例示される通り、指示数M(Ma,Mb)に関する複数の数値範囲R1〜R5の各々に対応する音響信号X(X1〜X5)を、効果音毎に記憶する。指示数Maは、第1配信環境にある端末装置10aから指示データQを受信した回数である。指示数Maは、端末装置10aに対して効果音を指示した利用者Uの人数とも換言される。5個の数値範囲R1〜R5の各々は、指示数Maの値域を相互に重複しないように区分した範囲である。例えば、数値範囲R1は指示数Maの数値「1」に対応する。数値範囲R2は、指示数Maの値域のうち2以上かつ10未満の範囲である。数値範囲R3は、指示数Maの値域のうち10以上かつ50未満の範囲であり、数値範囲R4は、指示数Maの値域のうち50以上かつ100未満の範囲である。また、数値範囲R5は、指示数Maの値域のうち100以上の範囲である。
各数値範囲Rn(n=1〜5)に対応する音響信号Xは、当該数値範囲Rnに相当する規模の観客により発音される効果音を表す。例えば、「歓声」の効果音に対応する5個の音響信号Xのうち数値範囲R1に対応する1個の音響信号Xは、1人の観客が発音する歓声を表す。他方、「歓声」の効果音に対応する5個の音響信号Xのうち数値範囲R5に対応する1個の音響信号Xは、100人以上の観客が発音する歓声を表す。以上の例示の通り、相異なる複数の効果音が記憶装置32に登録される。
図8は、制御装置31の機能的な構成を例示するブロック図である。図8に例示される通り、制御装置31は、記憶装置32に記憶されたプログラムを実行することで受信制御部51および出力制御部52として機能する。受信制御部51は、各端末装置10から送信された指示データQを通信装置33により受信する。受信制御部51は、競技イベントの進行に並行して複数の端末装置10の各々から指示データQを受信する。
出力制御部52は、受信制御部51が受信した指示データQに応じて再生システム23による効果音の再生を制御する。例えば、出力制御部52は、記憶装置32に記憶された音響信号Xを再生システム23に供給することで、当該音響信号Xが表す効果音を再生システム23に再生させる。
図9は、出力制御部52が実行する処理(以下「制御処理」という)Sbの具体的な手順を例示するフローチャートである。制御処理Sbは、複数の端末装置10から送信された指示データQに応じて再生システム23による効果音の再生を制御する処理である。制御処理Sbは、競技イベントの進行に並行して所定の周期(例えば数秒毎)で反復される。すなわち、各端末装置10の利用者UによるコンテンツCの視聴に並行して制御処理Sbが反復される。
制御処理Sbが開始されると、制御装置31は、第1配信環境の端末装置10aから送信された指示データQを受信制御部51が受信したか否かを判定する(Sb1)。すなわち、第1配信環境の識別情報Dを含む1以上の指示データQを受信制御部51が受信したか否かが判定される。端末装置10aから指示データQを受信した場合(Sb1:YES)、出力制御部52は、再生システム23に効果音を再生させる第1処理Sb2を実行する。他方、端末装置10aから指示データQを受信していない場合(Sb1:NO)、出力制御部52は第1処理Sb2を実行しない。なお、端末装置10aから受信した指示データQの個数が所定の閾値を上回る場合に出力制御部52が第1処理Sb2を実行し(Sb1:YES)、当該個数が閾値を下回る場合に出力制御部52が第1処理Sb2を実行しない(Sb1:NO)構成も想定される。
第1処理Sb2は、集計処理Sb21と再生処理Sb22とを含む。集計処理Sb21は、直前の制御処理Sbの実行後に端末装置10aから指示データQを受信した回数(指示数Ma)を、効果音毎に計数する処理である。具体的には、出力制御部52は、複数の効果音の各々について、第1配信環境の識別情報Dと当該効果音の識別情報Eとを含む指示データQの受信の回数を指示数Maとして計数する。
再生処理Sb22は、複数の効果音の何れかを施設200の再生システム23に再生させる処理である。具体的には、複数の効果音のうち集計処理Sb21の結果に応じた効果音が再生処理Sb22により施設200内に再生される。具体的には、出力制御部52は、記憶装置32に登録された複数の効果音のうち指示数Maが最大である1種類の効果音を選択し、当該効果音に対応する複数の音響信号Xのうち指示数Maが属する数値範囲Rnに対応する音響信号Xを再生システム23に供給する。すなわち、記憶装置32に登録された複数の効果音のうち、端末装置10aの利用者Uによる指示数Maが最大である効果音が、再生システム23により再生される。ただし、端末装置10aの利用者Uにより指示された2種類以上の効果音を再生システム23に再生させてもよい。
以上に説明した通り、第1実施形態においては、第1配信環境によりコンテンツCaが配信される端末装置10aから指示データQを受信した場合に、効果音を再生する第1処理Sb2が実行される。したがって、施設200内に所在する観客だけでなく、施設200外に所在する利用者Uも、競技イベントの雰囲気を盛上げることに寄与できる。すなわち、第1実施形態によれば、競技イベントに寄与できる利用者Uを増加させることが可能である。
図9に例示される通り、制御装置31は、第2配信環境の端末装置10bから送信された指示データQを受信制御部51が受信したか否かを判定する(Sb3)。すなわち、第2配信環境の識別情報Dを含む指示データQを受信制御部51が受信したか否かが判定される。端末装置10bから指示データQを受信した場合(Sb3:YES)、出力制御部52は第2処理Sb4を実行する。第2処理Sb4は、第1処理Sb2により施設200内に再生されている効果音の音量を変化させる処理である。他方、端末装置10bから指示データQを受信していない場合(Sb3:NO)、出力制御部52は第2処理Sb4を実行しない。なお、端末装置10bから受信した指示データQの個数が所定の閾値を上回る場合に出力制御部52が第2処理Sb4を実行し(Sb3:YES)、当該個数が閾値を下回る場合に出力制御部52が第2処理Sb4を実行しない(Sb3:NO)構成も想定される。
第2処理Sb4は、集計処理Sb41と調整処理Sb42とを含む。集計処理Sb41は、直前の制御処理Sbの実行後に端末装置10bから指示データQを受信した回数(指示数Mb)を、効果音毎に計数する処理である。指示数Mbは、端末装置10bに対して効果音を指示した利用者Uの人数とも換言される。
調整処理Sb42は、集計処理Sb41の結果に応じて効果音の音量を変化させる処理である。具体的には、出力制御部52は、第1処理Sb2により再生された各効果音の音量を、当該効果音の指示数Mbに応じた増加量だけ増加させる。例えば、指示数Mbが大きいほど音量の増加量は増加する。音量の変化の軌跡は任意であるが、例えば所定の時間をかけて音量を経時的に増加させる構成が想定される。なお、端末装置10aの利用者Uが指示した効果音が施設200内に再生されていない場合、当該効果音に関する音量の調整は実行されない。
前述の通り、第2配信環境の配信遅延は第1配信環境の配信遅延よりも大きい。したがって、端末装置10bの利用者Uが競技イベントのコンテンツCbにおいて特定の事象(例えば試合内の得点シーン)を認識する時点は、端末装置10aの利用者UがコンテンツCaにおいて当該事象を認識する時点に対して遅延する。すなわち、端末装置10aの利用者Uと端末装置10bの利用者Uとが競技イベントの共通の事象を契機として効果音を指示した場合でも、端末装置10bの利用者Uによる指示の時点は、端末装置10aの利用者Uによる指示の時点に対して、配信遅延に対応する時間だけ遅延する。したがって、制御処理Sbの第1処理Sb2により再生が開始された効果音は、第2配信環境の配信遅延に対応する時間の経過後に実行される制御処理Sbの第2処理Sb4により音量が変化する。
以上に説明した通り、第1実施形態においては、第1配信環境よりも配信遅延が大きい第2配信環境によりコンテンツCbが配信される端末装置10bから指示データQを受信した場合に、第1処理Sb2とは相違する第2処理Sb4が実行される。したがって、配信遅延が大きい第2配信環境に好適な第2処理Sb4を実行できるという利点がある。また、第1処理Sb2により再生される効果音の音量を第2処理Sb4により変化させることで、利用者Uの総数を効果音に反映させることができる。
第1配信環境の端末装置10aが送信する指示データQと第2配信環境の端末装置10bが送信する指示データQとを区別せず、制御システム30による指示データQの受信を契機として効果音の再生を開始する構成(以下「対比例」という)を想定する。前述の通り、端末装置10bの利用者Uによる指示の時点は、端末装置10aの利用者Uによる指示の時点に対して遅延する。したがって、対比例においては、端末装置10aからの指示データQに応じた効果音の再生が開始されてから遅延した時点で、当該効果音とは別個の効果音の再生が端末装置10bの利用者Uからの指示に応じて開始される。以上の状況では、端末装置10bからの指示データQに応じた効果音の遅延が顕著に知覚される可能性がある。
対比例とは対照的に、第1実施形態においては、第2配信環境にある端末装置10bから指示データQを受信した場合に、再生中の効果音の音量が増加する。すなわち、端末装置10bの利用者Uから効果音が指示された場合に、当該指示に応じた個別の効果音の再生が新たに開始されるわけではない。したがって、端末装置10bから指示データQを受信した場合に既存の効果音とは別個の効果音の再生が開始される対比例と比較すると、配信遅延に起因した効果音の違和感を低減できるという利点がある。
B:第2実施形態
第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各態様において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号と同様の符号を使用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図10は、第2実施形態における制御処理Sbの具体的な手順を例示するフローチャートである。第2実施形態においては、第1実施形態における第2処理Sb4の調整処理Sb42が再生処理Sb43に置換される。再生処理Sb43は、第2配信環境にある端末装置10bからの指示データQに応じた効果音を途中の時点から再生システム23に再生させる処理である。再生処理Sb43以外の動作は第1実施形態と同様である。
図11は、第2実施形態における制御処理Sbの説明図である。第1処理Sb2の再生処理Sb22において、出力制御部52は、第1実施形態と同様に、端末装置10aから受信した指示データQに応じて記憶装置32から選択した音響信号Xを、始点P1から再生システム23に供給することで、当該音響信号Xが表す効果音を始点P1から再生させる。したがって、第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
第2処理Sb4の再生処理Sb43において、出力制御部52は、音響信号Xを途中の時点P2から再生システム23に供給することで、当該音響信号Xが表す効果音を途中から再生させる。具体的には、出力制御部52は、記憶装置32に登録された複数の効果音のうち指示数Mbが最大である1種類の効果音を選択し、当該効果音に対応する複数の音響信号Xのうち指示数Mbが属する数値範囲Rnに対応する音響信号Xを特定する。そして、出力制御部52は、当該音響信号Xのうち時点P2以降の区間を再生システム23に供給する。すなわち、音響信号Xのうち時点P2から終点P3までの区間が効果音の再生に利用され、始点P1から時点P2までの区間は利用されない。
時点P2は、第2配信環境の配信遅延に応じた可変の時点である。具体的には、端末装置10aの利用者Uの指示に応じて効果音の再生が開始されてから、端末装置10bにより送信された指示データQが受信されるまでの時間長だけ、音響信号Xの始点P1に対して後方の時点が、時点P2の典型例である。ただし、音響信号Xのうち始点P1から所定の時間が経過した時点を時点P2として再生処理Sb43を実行してもよい。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。なお、端末装置10bからの指示データQの受信を契機として効果音が始点P1から再生される対比例においては、端末装置10bからの指示データQに応じた効果音の遅延が顕著に知覚される可能性がある。第2実施形態においては、端末装置10aからの指示データQに応じて効果音が始点P1から再生される一方、端末装置10bからの指示データQに応じて効果音が途中の時点P2から再生される。したがって、端末装置10bからの指示データQに応じて効果音が始点P1から再生される対比例と比較して、配信遅延に起因した効果音の違和感が低減される。
C:第3実施形態
図12は、第3実施形態における制御処理Sbの具体的な手順を例示するフローチャートである。第3実施形態においては、第1実施形態における第2処理Sb4の調整処理Sb42が付加処理Sb44に置換される。付加処理Sb44は、第2配信環境にある端末装置10bからの指示データQに応じた効果音を、当該第2配信環境で配信されるコンテンツCbに付加する処理である。
なお、付加処理Sb44以外の動作は第1実施形態と同様である。例えば、第1処理Sb2の再生処理Sb22において、出力制御部52は、第1実施形態と同様に、端末装置10aから受信した指示データQに応じた音響信号Xを再生システム23に供給することで、当該音響信号Xが表す効果音を施設200内に再生させる。したがって、第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
第2処理Sb4の付加処理Sb44において、出力制御部52は、音響信号Xを配信システム22bに送信することで、当該配信システム22bが各端末装置10bに配信するコンテンツCbに当該音響信号Xの効果音を付加する。具体的には、出力制御部52は、記憶装置32に登録された複数の効果音のうち指示数Mbが最大である1種類の効果音を選択し、当該効果音に対応する複数の音響信号Xのうち指示数Mbが属する数値範囲Rnに対応する音響信号Xを特定する。そして、出力制御部52は、当該音響信号Xを配信システム22bに送信する。配信システム22bは、制御システム30から受信した音響信号XをコンテンツCbに合成する。すなわち、音響信号Xが表す効果音がコンテンツCbの音響に混合される。以上の説明から理解される通り、端末装置10bからの指示データQに応じた効果音は、コンテンツCbの音響として各端末装置10bにより再生される一方、施設200内の再生システム23によっては再生されない。また、端末装置10bから受信した指示データQに応じた効果音は、第1配信環境で配信されるコンテンツCaには付加されない。なお、端末装置10bからの指示データQに応じた効果音を施設200内に再生してもよい。
前述の通り、対比例においては、端末装置10bからの指示データQに応じた効果音の遅延が顕著に知覚される可能性がある。第3実施形態においては、端末装置10bからの指示データQに応じた効果音が、当該端末装置10bに配信されるコンテンツCbに付加される。したがって、端末装置10bからの指示データQに応じて施設200内に効果音が再生される対比例と比較して、配信遅延に起因した効果音の違和感が低減される。
D:第4実施形態
図13は、第4実施形態における通信システム100の構成を例示するブロック図である。第4実施形態の通信システム100は、第1実施形態の通信システム100に管理装置60を追加した構成である。管理装置60は、例えば携帯電話機,スマートフォン,タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の情報端末である。管理装置60は、制御システム30と通信可能である。制御システム30と管理装置60との間の通信は、通信網300を介した有線通信、または通信網300を使用しない近距離無線通信である。施設200内に所在する管理者Aが管理装置60を使用する。管理者Aは、例えば競技イベントを運営する組織の従業員である。管理者Aは、競技イベントを施設200内で観覧しながら管理装置60を操作することが可能である。
管理者Aは、競技イベントにおいて効果音が再生されるべき時点において管理装置60を操作する。例えば、競技イベントにおける得点の場面等、効果音の再生に好適な時点または効果音を再生して問題ない時点において、管理者Aは管理装置60を操作する。管理者Aからの指示を受付けた場合、管理装置60は、出力要求Rを制御システム30に送信する。制御システム30の通信装置33は、管理装置60から出力要求Rを受信する。なお、管理者Aは、配信遅延が小さい第1配信環境により配信されるコンテンツCaを視聴しながら管理装置60を操作してもよい。
図14は、第4実施形態における制御処理Sbの具体的な手順を例示するフローチャートである。第4実施形態においては、第1実施形態における第2処理Sb4の調整処理Sb42が再生処理Sb45に置換される。再生処理Sb45は、第2配信環境にある端末装置10bからの指示データQに応じた効果音を、出力要求Rの受信を契機として再生システム23に再生させる処理である。
なお、再生処理Sb45以外の動作は第1実施形態と同様である。例えば、第1処理Sb2の再生処理Sb22において、出力制御部52は、第1実施形態と同様に、端末装置10aから受信した指示データQに応じた効果音を施設200内に再生させる。したがって、第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
第2処理Sb4の再生処理Sb45において、出力制御部52は、出力要求Rを受信したか否かを判定する。出力制御部52は、出力要求Rを受信した場合に、端末装置10bから受信した指示データQに応じた効果音を再生システム23に再生させる。具体的には、出力制御部52は、記憶装置32に登録された複数の効果音のうち指示数Mbが最大である1種類の効果音を選択し、当該効果音に対応する複数の音響信号Xのうち指示数Mbが属する数値範囲Rnに対応する音響信号Xを特定する。そして、出力制御部52は、通信装置33が出力要求Rを受信した場合に当該音響信号Xを再生システム23に供給する。
以上の説明から理解される通り、第4実施形態においては、端末装置10bからの指示データQに応じた効果音が、管理者Aによる指示を契機として施設200内に再生される。したがって、受信制御部51が端末装置10bから指示データQを受信したと判定された(Sb3:YES)直後に効果音を再生システム23に再生させる対比例と比較すると、競技イベントにおいて配信遅延に起因した不自然な時点で効果音が再生される可能性を低減できる。
E:第5実施形態
図15は、第5実施形態において端末装置10から制御システム30に送信される指示データQの模式図である。第5実施形態の指示データQは、配信環境の識別情報Dと効果音の識別情報Eとに加えて利用者Uの属性Zを含む。属性Zは、例えば年齢または性別等の利用者Uに関する情報であり、例えば端末装置10の記憶装置12に記憶されている。以下の説明においては、年齢と性別との組合せを属性Zとして例示する。利用者Uによる効果音の指示毎に各端末装置10から指示データQが送信される点は第1実施形態と同様である。
図16は、制御システム30の記憶装置32に記憶される音響信号Xの模式図である。第5実施形態の記憶装置32は、複数の属性Z(Z1〜Z5)の各々に対応する音響信号X(X1〜X5)を効果音毎に記憶する。各属性Zに対応する音響信号Xは、当該属性Zの観客により発音される効果音を表す。例えば、「歓声」の効果音に対応する5個の音響信号Xのうち、年齢「20代」および性別「男性」の属性Zに対応する1個の音響信号Xは、20代の男性が発音する歓声を表す。
第5実施形態における制御処理Sbの第1処理Sb2は、第1実施形態と同様に集計処理Sb21と再生処理Sb22とを含む。集計処理Sb21において、出力制御部52は、端末装置10aから受信した指示データQが示す効果音(識別情報E)と属性Zとの組合せ毎に、指示数Maを計数する。すなわち、1種類の効果音と1種類の属性Zとの組合せに対応する指示数Maは、当該効果音の識別情報Dと当該属性Zとを含む指示データQを端末装置10aから受信した回数である。指示数Maは、端末装置10aの選択画面Gにおいて当該効果音を選択した当該属性Zの利用者Uの人数とも換言される。
再生処理Sb22において、出力制御部52は、複数の指示数Maのうち最大の指示数Maに対応する効果音と属性Zとの組合せについて記憶装置32に記憶された音響信号Xを、再生システム23に供給する。すなわち、第5実施形態の出力制御部52は、属性Z毎の指示数Maに応じた効果音を再生システム23に再生させる。なお、以上の説明においては、1種類の属性Zに対応する効果音を再生する場合を例示したが、例えば指示数Maの降順で選択された2種類以上の効果音を再生システム23に再生させてもよい。
第5実施形態における制御処理Sbの第2処理Sb4は、第4実施形態と同様に集計処理Sb41と再生処理Sb45とを含む。集計処理Sb41において、出力制御部52は、端末装置10bから受信した指示データQが示す効果音(識別情報E)と属性Zとの組合せ毎に、指示数Mbを計数する。すなわち、1種類の効果音と1種類の属性Zとの組合せに対応する指示数Mbは、当該効果音の識別情報Dと当該属性Zとを含む指示データQを端末装置10bから受信した回数である。指示数Mbは、端末装置10bの選択画面Gにおいて当該効果音を選択した当該属性Zの利用者Uの人数とも換言される。
再生処理Sb45において、出力制御部52は、管理装置60から出力要求Rを受信した場合に、端末装置10bから受信した指示データQに応じた効果音を再生システム23に再生させる。具体的には、出力制御部52は、複数の指示数Mbのうち最大の指示数Mbに対応する効果音と属性Zとの組合せについて記憶装置32に記憶された音響信号Xを、再生システム23に供給する。すなわち、第5実施形態の出力制御部52は、属性Z毎に指示数Mbに応じた効果音を再生システム23に再生させる。なお、以上の説明においては、1種類の属性Zに対応する効果音を再生する場合を例示したが、例えば指示数Mbの降順で選択された2種類以上の効果音を再生システム23に再生させてもよい。
以上に説明した通り、第5実施形態においては、各端末装置10の利用者Uの属性Zに応じた効果音が再生される。したがって、コンテンツCを視聴する利用者Uの属性Zに対して適切な音響特性の効果音を再生できる。
F:変形例
以上に例示した各態様に付加される具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された複数の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
(1)第1実施形態から第4実施形態においては、各数値範囲Rnについて1個の音響信号Xを記憶装置32に記憶したが、図17に例示される通り、複数の数値範囲R1〜R5の各々について複数の音響信号Xを記憶装置32に記憶してもよい。各数値範囲Rnに対応する複数の音響信号Xは、効果音の種類(「歓声」「拍手音」等)および観客の規模(指示数Mの範囲)は共通するが、音高または音質等の音響特性が相違する。なお、各数値範囲Rnに対応する音響信号Xの個数を相違させてもよい。
第1実施形態から第4実施形態における第1処理Sb2の再生処理Sb22において、出力制御部52は、指示数Maが属する数値範囲Rnに対応する複数の音響信号Xの何れかを選択して再生システム23に供給する。例えば、1個の数値範囲Rnに対応する複数の音響信号Xの何れかがランダムに選択される。
第2実施形態の再生処理Sb43において、出力制御部52は、指示数Mbが属する数値範囲Rnに対応する複数の音響信号Xの何れかを例えばランダムに選択し、当該音響信号Xのうち時点P2以降の区間を再生システム23に供給する。第3実施形態の付加処理Sb44において、出力制御部52は、指示数Mbが属する数値範囲Rnに対応する複数の音響信号Xの何れかを例えばランダムに選択し、当該音響信号Xを配信システム22bに送信する。第4実施形態の再生処理Sb45において、出力制御部52は、指示数Mbが属する数値範囲Rnに対応する複数の音響信号Xの何れかを例えばランダムに選択し、出力要求Rの受信を契機として当該音響信号Xを再生システム23に供給する。
以上のように各数値範囲Rnに対応する複数の音響信号Xが選択的に使用される構成によれば、指示数Maまたは指示数Mbが共通する場合でも、効果音の音響特性を相違させることができる。すなわち、多様な音響特性の効果音を再生できるという利点がある。
(2)第5実施形態においては、各属性Zについて1個の音響信号Xを記憶装置32に記憶したが、図18に例示される通り、複数の属性Zの各々について複数の音響信号Xを記憶装置32に記憶してもよい。各属性Zに対応する複数の音響信号Xは、効果音の種類(「歓声」「拍手音」等)は共通するが、音高または音質等の音響特性が相違する。なお、各属性Zに対応する音響信号Xの個数を相違させてもよい。
第5実施形態における第1処理Sb2の再生処理Sb22において、出力制御部52は、指示数Maの最大値に対応する効果音と属性Zとの組合せについて記憶装置32に記憶された複数の音響信号Xの何れかを選択して再生システム23に供給する。例えば、1個の属性Zに対応する複数の音響信号Xの何れかがランダムに選択される。
また、第5実施形態の出力制御部52は、第2処理Sb4の再生処理Sb45において、指示数Mbの最大値に対応する効果音と属性Zとの組合せについて記憶された複数の音響信号Xの何れかを例えばランダムに選択して再生システム23に供給する。
以上のように各属性Zに対応する複数の音響信号Xが選択的に使用される構成によれば、指示数Maまたは指示数Mbが共通する場合でも、効果音の音響特性を相違させることができる。すなわち、多様な音響特性の効果音を再生できるという利点がある。
(3)前述の各形態においては、端末装置10を利用してコンテンツCを視聴する利用者Uが施設200外に所在する場合を例示したが、各端末装置10の利用者Uは施設200内に所在してもよい。また、前述の各形態においては、第1配信環境にある端末装置10aを利用して利用者UがコンテンツCaを視聴する場合を例示したが、端末装置10aの利用者Uは、施設200内で競技イベントを直接に観覧してもよい。すなわち、第1配信環境にある端末装置10aに対するコンテンツCaの配信は省略される。第2配信環境にある端末装置10bの利用者Uが視聴するコンテンツCbは、端末装置10aの利用者Uが施設200内で観覧する競技イベントの進行に対して遅延する。したがって、端末装置10aの利用者Uが施設200内で効果音を指示する場合にも、前述の各形態と同様に、第2配信遅延の配信遅延に起因した効果音の違和感を低減できるという前述の各形態と同様の効果が実現される。端末装置10aの利用者Uが施設200内に所在する場合を想定すると、制御装置11は、図4のステップSa1において、当該端末装置10aの位置情報を参照することで、利用者Uが施設200内に所在することを特定できる。端末装置10aの位置情報は、例えばGPS(Global Positioning System)またはIP(Internet Protocol)アドレスを利用して生成される。
(4)前述の各形態においては、コンテンツCの受信および再生と、利用者Uによる効果音の指示の受付との双方を、端末装置10が実行する構成を例示したが、図19に例示される通り、端末装置10とは別個の再生機器70によりコンテンツCを再生してもよい。
再生機器70は、配信システム22により配信されるコンテンツCを再生する。例えば、配信システム22が通信網300を介してコンテンツCを配信する構成においては、通信網300を介した通信が可能な情報端末(携帯電話機,スマートフォン,タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等)が再生機器70として利用される。また、配信システム22がテレビ放送システムである構成においては、例えばテレビジョン受像機が再生機器70として利用される。なお、テレビ放送システムによる配信遅延は充分に小さい。したがって、テレビ放送システムは、第1配信環境によりコンテンツCを配信する配信システム22aとして利用される。利用者Uは、再生機器70により再生されるコンテンツCを視聴しながら、端末装置10を操作することで効果音を指示する。なお、再生機器70の操作に利用されるリモコン装置を端末装置10として利用してもよい。リモコン装置に設置された複数の操作子の何れかを操作することで、利用者Uは複数の効果音の何れかを選択できる。
なお、端末装置10とは別個の再生機器70がコンテンツCを再生する構成においては、配信環境を特定するために以下の方法(前述の方法1の変形)を利用できる。
再生機器70は、配信環境の識別情報Dを表すQRコード(登録商標)等の図像をコンテンツCの映像とともに表示する。端末装置10の制御装置11は、当該端末装置10に搭載された撮像装置により当該図像を撮像し、撮像結果を解析することで配信環境の識別情報Dを特定する。また、再生機器70は、配信環境の識別情報Dを表す音響成分をコンテンツCの音響とともに再生する。端末装置10の制御装置11は、当該端末装置10に搭載された収音装置により再生機器70による再生音を収音し、当該再生音を解析することで配信環境の識別情報Dを特定する。
(5)前述の各形態においては、第2配信環境の端末装置10bから送信される指示データQを効果音の再生に反映させたが、端末装置10bから送信された指示データQを効果音の再生に反映させなくてもよい。すなわち、端末装置10bから送信された指示データQを制御システム30が無視してもよい。
(6)第1実施形態から第4実施形態の第1処理Sb2および第2処理Sb4においては、指示数Mが属する数値範囲Rnに対応する音響信号Xを選択した。第5実施形態の第1処理Sb2および第2処理Sb4においては、効果音を指示した利用者Uの属性Zに応じた音響信号Xを選択した。数値範囲Rnに対応する音響信号Xの選択と属性Zに応じた音響信号Xの選択とを併合してもよい。
(7)前述の各形態においては、相異なる数値範囲Rnに対応する複数の音響信号X(X1〜X5)を事前に記憶装置32に格納したが、指示数M(Ma,Mb)に対応する音響信号Xを、指示データQの受信毎に制御装置31(出力制御部52)が生成してもよい。例えば、前述の各形態における第1処理Sb2の再生処理Sb22において、出力制御部52は、効果音毎に事前に用意された参照信号を加工することで、指示数Maに応じた音響信号Xを生成する。各効果音の参照信号は、単数の観客が発音した当該効果音の波形を表す信号である。出力制御部52は、指示数Mに対応する個数の中間信号を参照信号から生成する。複数の中間信号は、例えば音高または音質等の音響特性が相違する。出力制御部52は、複数の中間信号を混合することで音響信号Xを生成する。以上の構成によれば、多数の音響信号Xを記憶装置32に格納する必要がないという利点がある。
(8)前述の各形態においては、再生システム23に効果音を再生させたが、施設200内に出力される演出効果は、効果音の再生(すなわち音響効果)に限定されない。例えば、施設200内に設置された照明装置を利用した照明効果を、制御システム30が制御してもよい。例えば、制御システム30は、各端末装置10から受信した指示データQに応じた発光パターンにより照明システムを制御する。発光パターンは、発光量または発光色の時間的な変化のパターンである。
例えば、第1実施形態の出力制御部52は、第1処理Sb2において、端末装置10aから受信した指示データQに応じた発光パターンにより照明システムを制御する。また、端末装置10bから指示データQを受信した場合、出力制御部52は、第2処理Sb4において、第1処理Sb2により制御されている照明システムの発光特性を変化させる。例えば、出力制御部52は、端末装置10bから指示データQを受信した場合に、照明システムの発光量を増加させる。
第4実施形態または第5実施形態の出力制御部52は、端末装置10bから指示データQを受信した場合に実行する第2処理Sb4において、管理者Aによる指示(出力要求R)を契機として、当該指示データQに応じた発光パターンにより照明システムを制御する。
また、例えば施設200内に設置された演出用の発煙システムを利用した演出効果を、制御システム30が制御してもよい。例えば、制御システム30は、各端末装置10から受信した指示データQに応じた発煙パターンにより発煙システムを制御する。発煙パターンは、発煙料または煙色の時間的な変化のパターンである。
例えば、第1実施形態の出力制御部52は、第1処理Sb2において、端末装置10aから受信した指示データQに応じた発煙パターンにより発煙システムを制御する。また、端末装置10bから指示データQを受信した場合、出力制御部52は、第2処理Sb4において、第1処理Sb2により制御されている発煙システムの発煙特性を変化させる。例えば、出力制御部52は、端末装置10bから指示データQを受信した場合に、発煙システムの発煙量を増加させる。
第4実施形態または第5実施形態の出力制御部52は、端末装置10bから指示データQを受信した場合に実行する第2処理Sb4において、管理者Aによる指示(出力要求R)を契機として、当該指示データQに応じた発煙パターンにより発煙システムを制御する。
以上の例示から理解される通り、「演出効果」は、施設200内で出力される任意の効果を意味する。再生システム23による効果音の再生、照明システムによる発光、および発煙システムによる発煙は、「演出効果の出力」の例示である。また、制御システム30は、イベントにおける演出効果の出力を制御するためのコンピュータシステムとして表現される。
(9)前述の各形態においては、第1配信環境と第2配信環境とでコンテンツCの配信元(配信システム22a,配信システム22b)が別個である構成を例示したが、共通の配信システム22からコンテンツCが配信される状況でも、各端末装置10に対する配信遅延が端末装置10毎に相違する場合がある。すなわち、共通の配信システム22からコンテンツCが配信される状況でも、端末装置10に対する配信遅延が小さい環境は第1配信環境に相当し、端末装置10に対する配信遅延が大きい環境は第2配信環境に相当する。
配信システム22は、コンテンツCの送信時刻を表す時刻データ(タイムスタンプ)を当該コンテンツCとともに各端末装置10に送信する。端末装置10の制御装置11は、配信システム22から受信される時刻データが表す送信時刻を現在時刻とを比較することで、配信遅延を特定することが可能である。図4のステップSa1において、制御装置11は、以上の方法で特定した配信遅延から配信環境(第1配信環境/第2配信環境)を特定してもよい。
(10)第1実施形態の調整処理Sb42においては効果音の音量を増加させたが、端末装置10bから指示データQを受信した場合に調整される効果音の音響特性は音量に限定されない。例えば、調整処理Sb42において効果音の音高、音質または残響特性等の各種の音響特性を変化させてもよい。
(11)前述の各形態においては、複数の出場者がスポーツで競技する競技イベントを例示したが、演出効果が出力されるイベントの種類は以上の例示に限定されない。例えば、歌手またはダンサー等の実演者が実演する実演イベント(ライブ)、各種の物品を展示する展示イベント、または、学校や学習塾等の各種の教育機関が生徒に授業を提供する教育イベント、または専門家等の講演者が各種の題材について講演する講演イベント等、特定の目的で開催される各種の行事が「イベント」の概念に包含される。また、動画配信サイトにより配信される動画の作成者が自宅等の施設200内で自身の活動を実時間的に収録および配信(すなわち生放送)する場面を想定すると、当該活動も「イベント」の概念には包含される。以上の例示から理解される通り、イベントは、演出効果が出力される各種の興行を意味する。
(12)以上の例示した端末装置10の機能(例えば受付処理Sa)は、前述の通り、制御装置11を構成する単数または複数のプロセッサと、記憶装置12に記憶されたプログラムとの協働により実現される。また、制御システム30の機能は、前述の通り、制御装置31を構成する単数または複数のプロセッサと、記憶装置32に記憶されたプログラムとの協働により実現される。
以上に例示したプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記録媒体が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
G:付記
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
本開示の第1態様に係る制御方法は、イベントの収録により生成および配信されるコンテンツを当該イベントの進行に並行して視聴する複数の利用者がそれぞれ使用する複数の端末装置から、前記各利用者による指示に応じた指示データを受信し、前記複数の端末装置のうち第1配信環境により配信される第1コンテンツを視聴する利用者の第1端末装置から前記指示データを受信した場合に、前記イベントが実施される施設に演出効果を出力する第1処理を実行し、前記第1配信環境よりも配信遅延が大きい第2配信環境により配信される第2コンテンツを視聴する利用者の第2端末装置から前記指示データを受信した場合に、前記第1処理とは相違する第2処理を実行する。
以上の態様においては、第1配信環境により配信される第1コンテンツを視聴する利用者の第1端末装置から指示データを受信した場合に、イベントが実施される施設に演出効果を出力する第1処理が実行される。したがって、イベントに寄与できる利用者を増加させることができる。他方、第1配信環境よりも配信遅延が大きい第2配信環境により配信される第2コンテンツを視聴する利用者の第2端末装置から指示データを受信した場合に、第1処理とは相違する第2処理が実行される。したがって、配信遅延が大きい環境に好適な第2処理を実行できる。
「コンテンツ」は、端末装置の利用者に提供される情報(デジタルコンテンツ)である。例えば映像および音響の少なくとも一方を含む任意のコンテンツを利用者は視聴する。なお、「第1コンテンツ」と「第2コンテンツ」との異同は不問である。例えば、「第1コンテンツ」と「第2コンテンツ」とは、共通の収録システムにより収録されたコンテンツでもよいし、相異なる収録システムにより収録された別個のコンテンツでもよい。また、「第1コンテンツ」と「第2コンテンツ」とは、共通の収録システムによる収録後に相異なる処理で生成された別個のコンテンツでもよい。ただし、第1コンテンツと第2コンテンツとの間において、収録対象のイベントは共通する。
「配信環境」は、コンテンツの生成(収録)から再生までの処理または通信が実行される環境を意味する。例えば、第1配信環境は、第1配信システム(例えばテレビジョン放送システム)から第1コンテンツが配信される環境であり、第2配信環境は、第1配信システムとは別個の第2配信システム(例えば動画配信システム)から第2コンテンツが配信される環境である。第2配信環境は第1配信環境よりも配信遅延が大きい環境である。したがって、例えば配信システムが共通する環境でも、端末装置がコンテンツを第1遅延量で受信できる環境は第1配信環境に相当し、端末装置によるコンテンツの受信に第1遅延量よりも大きい第2遅延量が必要である環境は第2配信環境に相当する。
「配信遅延」は、イベントに対するコンテンツの再生の遅延を意味する。すなわち、イベントにおいて特定の事象が発生した時点から、コンテンツにおける当該事象が端末装置において再生される時点までの時間長が「配信遅延」の具体例である。
「演出効果」は、イベントにおける演出的な効果である。例えば、イベントが実施される施設の音響設備を利用した音響効果、当該施設の表示設備を利用した映像効果、または当該施設の照明設備を利用した照明効果等、例えば施設内に所在する利用者が知覚可能な各種の効果(典型的には視覚効果または音響効果)が「演出効果」の概念に包含される。
「第2処理」は、「第1処理」とは相違する任意の処理である。「第1処理」と「第2処理」との関係は、全部が相違する関係(共通する処理がない関係)でもよいし、部分的に共通する関係でもよい。
第1態様の具体例(第2態様)において、前記第1処理は、前記施設の再生システムに効果音を再生させる処理(例えば再生処理Sb22)を含み、前記第2処理は、前記効果音の音響特性を変化させる処理(例えば調整処理Sb42)を含む。以上の態様によれば、第1処理により再生される効果音の音響特性を第2処理により変化させることで、第2端末装置の利用者による指示が効果音に反映される。なお、第1端末装置から受信する指示データと第2端末装置から受信する指示データとを区別せずに指示データに応じて効果音の再生を開始する構成では、第1端末装置からの指示データに応じた効果音の再生が開始されてから遅延した時点で、当該効果音とは別個の効果音の再生が第2端末装置の利用者からの指示に応じて開始される。したがって、効果音の受聴者に遅延が顕著に知覚される可能性がある。前述の態様によれば、第1処理により再生が開始された効果音の音響特性が第2処理により変化するから、配信遅延に起因した効果音の違和感を低減できる。
第1態様の具体例(第3態様)において、前記第1処理は、前記施設の再生システムに、効果音を表す音響信号を始点から供給する処理(例えば再生処理Sb22)を含み、前記第2処理は、前記音響信号を途中の時点から前記再生システムに供給する処理(例えば再生処理Sb43)を含む。以上の態様によれば、第1処理および第2処理の各々において音響信号を再生システムに供給することで、第1端末装置および第2端末装置の各々の利用者による指示に応じた効果音が再生される。なお、第1端末装置から受信する指示データと第2端末装置から受信する指示データとを区別せずに指示データに応じて効果音の再生を開始する構成では、第1端末装置からの指示データに応じた効果音の再生が開始されてから遅延した時点で、当該効果音とは別個の効果音の再生が第2端末装置の利用者からの指示に応じて開始される。したがって、効果音の受聴者に遅延が顕著に知覚される可能性がある。前述の態様によれば、第2処理においては音響信号が途中の時点から再生システムに供給されるから、配信遅延に起因した効果音の違和感を低減できる。
第1態様の具体例(第4態様)において、前記第1処理は、前記施設の再生システムに効果音を再生させる処理(例えば再生処理Sb22)を含み、前記第2処理は、前記効果音を前記第2コンテンツに付加する処理(例えば付加処理Sb44)を含む。第2配信環境により配信される第2コンテンツを視聴する利用者の第2端末装置から指示データを受信した場合に、第1処理と同様に効果音を再生する構成では、イベントの進行に対して遅延した時点で効果音の再生が開始される。したがって、効果音の受聴者に遅延が顕著に知覚される可能性がある。前述の態様によれば、第2コンテンツに効果音が付加されるから、配信遅延に起因した効果音の違和感を低減できる。
第1態様の具体例(第5態様)において、前記第2処理は、管理者による指示を契機として前記施設に演出効果を出力する処理(例えば再生処理Sb45)を含む。以上の態様によれば、第2端末装置から指示データを受信した場合に、管理者による指示を契機として演出効果が出力される。したがって、第2配信環境における配信遅延に起因した不自然な時点で演出効果が出力される可能性を低減できる。
第1態様の具体例(第6態様)において、前記第2処理は、前記第2端末装置から指示データを受信した回数を、前記第2端末装置の利用者の属性毎に計数する処理(例えば集計処理Sb41)と、前記属性毎の回数に応じた演出効果を出力する処理(例えば再生処理Sb45)とを含む。以上の態様においては、端末装置の利用者の属性に応じた演出効果が出力される。したがって、コンテンツを視聴する利用者の属性に対して適切な演出効果を出力できる。
第1態様から第6態様の何れかの具体例(第7態様)において、前記第1端末装置から指示データを受信した回数に関する複数の数値範囲の各々について相異なる複数の効果音が登録され、前記第1処理は、前記第1端末装置から指示データを受信した回数を計数する処理と、前記複数の数値範囲のうち当該回数を含む数値範囲に対応する前記複数の効果音の何れかを選択的に前記施設の再生システムに再生させる処理とを含む。以上の構成によれば、第1端末装置から指示データを受信した回数を含む数値範囲に対応する複数の効果音の何れかが再生システムにより再生される。したがって、数値範囲毎に1種類の効果音のみが用意された構成と比較して、再生システムにより多様な効果音を再生できるという利点がある。
なお、本開示は、前述の各態様(態様1から態様7の何れか)に係る制御方法を実現する制御システム、または、当該制御方法をコンピュータに実行させるプログラム、としても実現される。