JP2021190528A - 気化器 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に記載された、過酸化水素水を気化させて酸化性ガスを発生させる気化器は、過酸化水素水の入ったフラスコに似た中空球状容器の気化器の下半分を外からヒータで覆うもので、中空球状容器は100〜130℃に加熱され、気化した過酸化水素ガスの含有された水蒸気が、ガス供給管を経て反応炉に流れ込むようになっている。この装置は過酸化水素水を単に加熱して気化させているもので、気化器内での過酸化水素水の蒸発と共に、過酸化水素の濃度が変化するだけでなく、気化効率が悪いことが欠点である。
特許文献2に記載された気化器は、液体原料を霧化して吹き出すアトマイザと、このアトマイザの噴霧口が接続された中空のアウターチューブと、アウターチューブ内に収納され、前記アトマイザの噴霧出口とその先端部分との間に霧化空間が形成されたインナーチューブと、アウターチューブの外側に設けられ、アウターヒータが内蔵されたアウターヒータブロックと、インナーチューブの内側に設けられ、インナーヒータが内蔵されたインナーヒータブロックとで構成されている。そして、アウターチューブの内周面とインナーチューブの外側面との間に前記霧化空間に連通し、この隙間を通過する間に加熱されてガス化された気化ガスを次工程に送出する気化用間隙が設けられている。
液体原料Lを霧化して吹き出すアトマイザ7と、
前記アトマイザ7の、噴霧口73が形成されている基部7kに接続され、石英ガラス又は耐熱性ガラスで形成されている中空のアウターチューブ1と、
前記アウターチューブ1内に収納され、石英ガラス又は耐熱性ガラスで形成されているインナーチューブ2と、
前記インナーチューブ2の内側に設けられ、インナーヒータ9を内蔵するインナーヒータブロック8とを含む気化器Aであって、
前記インナーチューブ2の挿入側の先端頭部2aは前記噴霧口73方向に向くように配置され、前記噴霧口73が形成されている前記基部7kと前記挿入側の先端頭部2aとの間に霧化空間Mが設けられ、
前記アウターチューブ1の内周面とインナーチューブ2の外周面との間に前記霧化空間Mに連通する気化用間隙3が設けられ、
前記インナーチューブ2の内周面と前記インナーヒータブロック8の外周面との間にグラファイト粉末が充填されたインナー充填層10が形成されていることを特徴とする。
前記アウターチューブ1の外側に設けられ、アウターヒータ4が装着されたアウターヒータブロック5が更に設けられ、
前記アウターチューブ1の外周面と前記アウターヒータブロック5の内周面との間にグラファイト粉末が充填されたアウター充填層6が形成されていることを特徴とする。
気化器Aに適用される液体原料Lは気化して使用されるもの(半導体製造に供される例えば各種の液体原料)であればどのようなものでもよいが、ここではその代表例として過酸化水素水とする。
気化器Aが、過酸化水素水の気化用で、且つ、半導体製造装置のように極めて高純度な過酸化水素含有水蒸気G2が必要な場合、高温環境において、過酸化水素含有水蒸気G2に侵されないような石英ガラスでアウターチューブ1及びインナーチューブ2が作られる。
アトマイザ7も過酸化水素水に接触するため、石英ガラスで形成することが好ましいが、複雑な形状のものは例えば四フッ化エチレン樹脂で形成される。
液体原料Lに対する条件が合えば、パイレックス(登録商標)ガラスのような耐熱性ガラスの使用も可能である。
基部7kは円板状で、アウターチューブ1の一方の端部が気密的に当接されるようになっている。
噴霧ガス管7aは、基部7kの中央に突設され、その中心には気化用のキャリアガスG1が通過する主供給孔7cが穿設されている。主供給孔7cの先端は円錐状に絞られ、噴霧口73が設けられている。
そして、噴霧ガス管7aの側面には液体原料導入管7bが設けられ、液体原料導入管7bには主供給孔7cに連通する副供給孔7dが穿設されている。
このインナーヒータブロック8はアルミニウム又は固形のグラファイト(黒鉛)製でその外面形状はインナーチューブ2の内面形状より一回り小さい相似形である。従って、このインナーヒータブロック8の外面とインナーチューブ2の内面の間に極く僅かな隙間が発生し、この隙間にグラファイト粉末が充填されてここにインナー充填層10が形成される。なお、インナー充填層10及び後述するアウター充填層6の充填グラファイト粉末は、充填具合や後述するように重力の関係で粗密が生じるので、熱伝導性に優れていることだけでなく潤滑性に優れていることも重要であり、形状的には鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛、人造黒鉛、高純度黒鉛、薄片化黒鉛、球状黒鉛などから選定される。
また、アルミニウム、グラファイト(黒鉛)、ステンレス及び従来使用していた伝熱ペーストの熱伝導率を比較すると、アルミニウムは210W/m・K、グラファイトは50W/m・K、ステンレスは20W/m・K、伝熱ペーストは0.96W/m・Kであり、グラファイトはアルミニウムより劣るが従来例の伝熱ペーストよりは遥かに優れている。
そして、アウターチューブ1の側面に設けられた出口ノズル11がアウターヒータブロック5の側面に設けられた通孔5hから外に引き出されている。なお、アウターヒータブロック5が固形グラファイトで形成されている場合は、図示しないケーシング内に収納される。
図5は本発明の気化器Aを使用した半導体製造装置の装置構成の一例で、液体原料L(本実施例では過酸化水素水)が貯蔵され、加圧ガスG0により液体原料Lが送り出される原料タンクT、前記原料タンクTに接続され、供給された液体原料Lを一定流量だけ送り出す液体流量制御器E、窒素ガスや酸素ガスなどの霧化ガス供給源に接続され、これらキャリアとして働く霧化ガスG1を質量流量だけ送り出す質量流量制御器S、前記液体流量制御器Eから送り出された液体原料Lを受け取る液体原料導入管7bと質量流量制御器Sからの霧化ガスG1を受け取る噴霧ガス管7aとを含むアトマイザ7がその入口部分に装備され、例えばシリコン基板酸化用の反応炉Hに気化ガスG2(本実施例では過酸化水素含有水蒸気)を一定量安定的に供給する気化器Aとで構成されている。
従来の伝熱ペーストでは熱伝導率が悪いので、アウターヒータ4及びインナーヒータ9の温度を高くせざるを得ないが、熱伝導率の優れたグラファイト粉末をアウター充填層6、インナー充填層10として用いることで必要とされる熱量をアウターヒータ4やインナーヒータ9から素早く供給でき、これによってアウターヒータ4やインナーヒータ9の温度を従来に比べて低く抑えることができる。
Claims (3)
- 液体原料を霧化して吹き出すアトマイザと、
前記アトマイザの、噴霧口が形成されている基部に接続され、石英ガラス又は耐熱性ガラスで形成されている中空のアウターチューブと、
前記アウターチューブ内に収納され、石英ガラス又は耐熱性ガラスで形成されているインナーチューブと、
前記インナーチューブの内側に設けられ、インナーヒータを内蔵するインナーヒータブロックとを含む気化器において、
前記インナーチューブの挿入側の先端頭部は前記噴霧口方向に向くように配置され、前記噴霧口が形成されている前記基部と前記挿入側の先端頭部との間に霧化空間が設けられ、
前記アウターチューブの内周面とインナーチューブの外周面との間に前記霧化空間に連通する気化用間隙が設けられ、
前記インナーチューブの内周面と前記インナーヒータブロックの外周面との間にグラファイト粉末が充填されたインナー充填層が形成されていることを特徴とする気化器。 - 前記アウターチューブの外側に設けられ、アウターヒータが装着されたアウターヒータブロックが更に設けられ、
前記アウターチューブの外周面と前記アウターヒータブロックの内周面との間にグラファイト粉末が充填されたアウター充填層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の気化器。 - インナーヒータブロック8がグラファイトブロックで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の気化器。
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JP6769645B1 JP6769645B1 (ja) | 2020-10-14 |
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