JP2021187397A - 走行支援方法及び走行支援装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、車両の旋回時における不安定な車両挙動の誘発を抑制することを目的とする。
図1を参照する。自車両1は、自車両1の走行支援を行う走行支援装置10を備える。走行支援装置10による走行支援には、自車両1の周辺の走行環境に基づいて、運転者が関与せずに自車両1を自動で運転する自動運転制御や、運転者による自車両1の運転を支援する運転支援制御を含んでよい。
運転支援制御には、自動操舵、自動ブレーキ、定速走行制御、車線維持制御、合流支援制御など、自車両1の操舵装置、駆動装置、制動装置の少なくとも一つを制御する走行制御を含んでよい。
物体センサ11は、自車両の周囲の物体を検出する。物体センサ11は、自車両1に搭載されたレーザレーダやミリ波レーダ、カメラ、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)など、自車両1の周辺の物体を検出する複数の異なる種類の物体検出センサを備える。
車線ノードの情報は、その車線ノードの識別番号、位置座標、接続される車線リンク数、接続される車線リンクの識別番号を含む。車線リンクの情報は、その車線リンクの識別番号、車線の幅員、車線境界線の種類、車線の形状、車線区分線の形状、車線基準線の形状を含む。
通信装置16は、自車両1の外部の通信装置との間で無線通信を行う。通信装置16による通信方式は、例えば公衆携帯電話網による無線通信や、車車間通信、路車間通信、又は衛星通信であってよい。
記憶装置は、半導体記憶装置や、磁気記憶装置、光学記憶装置等を備えてよい。記憶装置は、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含んでよい。
コントローラ17のプロセッサが、記憶装置に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、コントローラ17は、自動運転制御部20、入力仲裁部21及び車両制御部22として機能する。自動運転制御部20、入力仲裁部21及び車両制御部22の機能については後述する。
例えば、コントローラは、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路を備えてもよい。例えばコントローラはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)等のプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)等を有していてもよい。
操舵アクチュエータは、自車両1の操向輪の操舵方向及び操舵量を制御する。
アクセル開度アクチュエータは、自車両1の駆動力を発生させる動力源である駆動装置(例えばエンジン、電動機)のアクセル開度を制御する。ブレーキ制御アクチュエータは、自車両1の制動装置の制動動作を制御する。
自動運転レイヤ30は、自車両1の目的地を設定し、自車両1の現在位置から目的地までの走行経路を設定する。
仲裁部31は、運転者によるステアリングホイール、アクセル及びブレーキの操作入力である手動運転入力(MD入力)と、自動運転レイヤ30からの自動運転入力とを仲裁し、自車両1が行うべき車両運動を設定する。
車体挙動制御部33は、規範モデル部32によって設定された車両運動モデルに基づいて、仲裁部31が設定した車両運動を実現するための車体挙動(例えば、車速、加減速、ヨーレイト、ヨー角加速度、ヨーモーメント等)を算出する。
例えば、自動運転レイヤ30の機能は、図1に示す自動運転制御部20が担い、仲裁部31の機能は入力仲裁部21が担い、規範モデル部32、車体挙動制御部33及び車輪挙動制御部34の機能は、車両制御部22が担ってよい。
また、周囲環境の認識結果に基づいて、自車両1の周囲環境のモデルであるローカルモデル(Local Model)47が生成される。さらに、ローカルモデル47と、高精度地図と、ナビゲーション装置15の道路情報や交通情報とを融合することによって、ワールドモデル(World Model)46が生成される。
経路計画部42は、ナビゲーション装置15の道路情報に基づいて、現在位置から目的地までの予定走行経路を演算する。
行動決定部43は、周囲環境の認識結果と、自車両1の現在位置と、ワールドモデル46と、予定走行経路とに基づいて、走行支援装置10により実行する自車両1の運転行動計画を決定する。
行動決定部43は、自車両1の現在位置及び姿勢と、自車両1の周囲環境と、ワールドモデル46とに基づいて、自車両1の運転行動計画を生成する。
軌道生成部45は、運転ゾーン計画部44が算出した運転ゾーン内を自車両1が走行するように、自車両1の目標走行軌道と目標速度プロファイルを生成する。
車両制御部22は、入力仲裁部21により設定された車両運動を実現するように自車両1の挙動を制御する。
一般に、不安定になり易い制御対象の特徴として、以下の特徴(1)及び特徴(2)が挙げられる。
(2)遮断周波数が低すぎて、位相遅れが発生しやすい。
なお、目標ヨーレイトとは、特定の目標走行軌道に追従して走行するために自車両1に発生させるヨーレイトの目標値をいう。実ヨーレイトとは、目標ヨーレイトを実現する旋回制御を行った結果、実際に自車両1に発生するヨーレイトをいう。
具体的には、自車両1の目標ヨーモーメントの算出に使用される車両運動モデルのパラメータであるヨー慣性モーメントIz *の値を調整することによりピークゲインGpを抑制する。
具体的には、ヨー慣性モーメントIz *の値を調整することにより周波数ωκ付近における位相遅れを抑制する。
一方で、自車両1がこれから走行する予定の道路の道路形状が、曲率が変化する形状(以下「過渡形状」と表記する)である場合には、位相遅れがあると目標走行軌道への追従性能が低下する。
また、車両制御部22は、自車両1がこれから走行する予定の道路の道路形状が過渡領域であるか否かを判定し、道路形状が過渡形状である場合には、位相遅れを抑制する位相遅れ抑制ヨー慣性モーメントIzp *を算出する。
これにより、自車両1の旋回時における不安定な車両挙動の誘発を抑制することができる。
なお、ピークゲイン抑制ヨー慣性モーメントIzg *及び位相遅れ抑制ヨー慣性モーメントIzp *は、それぞれ特許請求の範囲に記載の「第1ヨー慣性モーメント」及び「第2ヨー慣性モーメント」の一例である。
目標ヨー角加速度算出部50と、目標ヨーレイト算出部51は、目標横力Fyに基づいて、自車両1に発生させるヨー角加速度の目標値である目標ヨー角加速度γ’tと、ヨーレイトの目標値である目標ヨーレイトγtとを算出する。
いま、四輪操舵が行われる場合(すなわち後輪操舵が行われる場合)の目標ヨーレイトγtに対する実ヨーレイトγrの伝達関数は次式(1)により与えられる。
記号lは自車両1のホイールベースであり、記号Aはスタビリティファクターであり、記号sはラプラス変数である。
記号Trはヨーレイトのリード時定数であり、次式(2)により与えられる。
また、式(1)の関数D(s)は次式(3)により与えられる。
周波数ωにおける位相遅れは、次式(12)について得られる。
θmin<θ(ωκ)<θmax …(13)
但し、θmax=+κ|θ(ωn)|、θmin=−κ|θ(ωn)|であり、θ(ωn)は共振周波数での位相遅れであり、κは1未満の定数である。例えば、κが0.1である場合には、旋回制御が行われる周波数ωκにおける位相遅れθ(ωκ)を、共振周波数における位相遅れθ(ωn)の10分の1程度に抑制する。
道路形状判定部54は、道路形状が定常形状である度合いを表す定常形状係数Ksと道路形状が過渡形状である度合いを表す過渡形状係数Ktとを算出する。定常形状係数Ks及び過渡形状係数Ktは、0〜1の範囲の値を有する正規化された係数であり、Ks=(1−Kt)の関係を有する。
左最大曲率RhoMaxは、自車両1がこれから走行する予定の道路の左カーブの最大曲率である。右最大曲率RhoMinは、自車両1がこれから走行する予定の道路の右カーブの最大曲率である。
歪度は、曲率分布が正規分布からどれだけ逸脱しているかを表し、歪度が大きいほど道路形状が過渡形状に近くなり、歪度が小さいほど道路形状が定常形状に近くなる。
道路形状判定部54は、基準曲率算出部70と、有次元化71と、曲率成分変換部72と、係数演算部73を備える。
RhoRef=KPTC・Gmax・g/V2 …(17)
記号KPTCは、ベースゲインであり、記号Gmaxは自動運転レイヤ30に設定された最大許容横加速度であり、記号gは重力加速度である。
RhoSQNL=3・RhoStd・|sign(RhoMax)|・max(SQN,0) …(18)
RhoSQNR=3・RhoStd・|sign(RhoMin)|・min(SQN,0) …(19)
RhoSQN=RhoSQNL+RhoSQNR …(20)
例えば、曲率成分変換部72は、次式(21)及び(22)に基づいて、歪度RhoSQNを正規化した正規化歪度NormRhoSQNと標準偏差RhoStdを正規化した正規化標準偏差NormRhoStdを算出する。
NormRhoSQN=RhoSQN/RhoRef …(21)
NormRhoStd=RhoStd/RhoRef …(22)
Kt=max(NormRhoSQN,NormRhoStd)…(23)
Ks=1−Kt …(24)
Iz *=Ks×Izg *+Kt×Izp *
目標横力算出部59は、目標横力Fyと目標ヨーモーメントMtとを自車両1に付与するのに要する目標前輪横力Fyf及び目標後輪横力Fyrを算出する。例えば、自車両1の車両運動モデルに基づいて、目標前輪横力Fyf及び目標後輪横力Fyrを算出してよい。
なお、前輪及び後輪を操舵するのに加えて又は変えて、目標前輪横力Fyf及び目標後輪横力Fyrをそれぞれ発生させる前輪及び後輪の制動力及び/駆動力を算出してもよい。アクチュエータ18に含まれるブレーキ制御アクチュエータ及び/又はアクセル開度アクチュエータは、目標前輪横力Fyf及び目標後輪横力Fyrをそれぞれ発生させるように制動装置及び駆動装置を制御してもよい。
次に、図7を参照して、実施形態の車両走行支援方法の一例を説明する。
ステップS1において目標ヨー角加速度算出部50は、自車両1に発生させる目標ヨー角加速度γ’tを設定する。
ステップS2においてピークゲイン抑制ヨー慣性モーメント算出部52は、ピークゲインGpを抑制するためのピークゲイン抑制ヨー慣性モーメントIzg *を算出する。
ステップS4において道路形状判定部54は、自車両1が走行する予定の道路の道路形状の情報を取得する。
ステップS6において道路形状判定部54は、道路形状が過渡形状である度合いを表す過渡形状係数Ktを算出する。
ステップS7において乗算器55及び56と加算器57は、定常形状係数Ks及び過渡形状係数Ktとで、ピークゲイン抑制ヨー慣性モーメントIzg *と位相遅れ抑制ヨー慣性モーメントIzp *とをそれぞれ重み付けした重み付け和を、ヨー慣性モーメントIz *として算出する。
ステップS9において目標横力算出部59と操舵角算出部60とアクチュエータ18は、目標ヨーモーメントMtに基づいて自車両1を旋回させる。
その後に処理は終了する。
(1)目標ヨー角加速度算出部50は、自車両1に発生させる目標ヨー角加速度γ’tを設定する。ピークゲイン抑制ヨー慣性モーメント算出部52は、自車両1に発生させる目標ヨーレイトγtに対して自車両1に実際に生じる実ヨーレイトγrの周波数応答のピークゲインを抑制するピークゲイン抑制ヨー慣性モーメントIzg *を算出する。
道路形状判定部54は、自車両1が走行する予定の道路の道路形状の情報を取得して、道路形状が、曲率が変化しない定常形状であるか否かを判定する。
目標横力算出部59と操舵角算出部60とアクチュエータ18は、目標ヨーモーメントMtに基づいて自車両1を旋回させる。
またピークゲインが大きいと入力に対する出力が大きくなり、曲率が一定で比較的安定して走行できる状況でも挙動が変化してしまうことがある。本発明によれば、道路形状が定常形状である場合に、ピークゲインを抑制することができるため、不安定な車両挙動の誘発を抑制することができる。
車両挙動が不安定になりやすいのは自車両1の車速が上昇した場合や、スリップ角に対するコーナリングフォースの非線形性が増加した場合である。車速とコーナリングスティフネスに応じてピークゲインを抑制することにより、車両挙動が不安定になるのを抑制できる。
後輪操舵を実行している場合には、車速の上昇やスリップ角に対するコーナリングフォースの非線形性によって更に車両挙動が不安定になりやすい。後輪操舵の有無に応じてピークゲインを抑制することにより、車両挙動が不安定になるのを抑制できる。
これにより、地図データベース14の地図情報や、物体センサ11で得られた道路形状の曲率情報により、道路形状が定常形状であるか否かを判定できる。
これにより、道路形状が定常形状である度合いに応じてピークゲインを抑制できる。
これにより、地図データベース14の地図情報や、物体センサ11で得られた道路形状の曲率情報により、定常形状係数Ksを算出できる。
道路形状判定部54は、道路形状が、曲率が変化する過渡形状であるか否かを判定してもよい。
道路形状が過渡形状である場合に、乗算器55、56及び58と加算器57とは、目標ヨー角加速度γ’tと位相遅れ抑制ヨー慣性モーメントIzp *とに応じて目標ヨーモーメントMtを算出してもよい。
これにより、走行支援制御系の制御周期での位相遅れを抑制できるため、上流の走行支援系である自動運転レイヤ30が立案した計画、戦略(軌跡等)に対して、誤差や遅れを抑制した制御ができるようになる。
これにより、道路形状が過渡形状である度合いに応じて位相遅れを抑制できる。
Claims (9)
- 自車両の運転者の操作入力と前記自車両の自動運転制御からの指示入力との少なくとも一方に基づいた前記自車両の車両運動となるように旋回制御を実行するコントローラの走行制御方法において、前記コントローラは、
前記自車両の車両運動モデルに基づいて前記旋回制御の前記自車両に発生させる目標ヨーレイトに対して前記自車両に実際に発生する実ヨーレイトの周波数応答のピークゲインを抑制する第1ヨー慣性モーメントを算出し、
前記自車両が走行する予定の道路の道路形状の情報を取得し、
前記道路形状が、曲率が変化しない定常形状であるか否かを判定し、
前記道路形状が定常形状である場合に、前記旋回制御の目標ヨー角加速度と前記第1ヨー慣性モーメントとに応じて前記自車両に発生させる目標ヨーモーメントを算出し、
前記自車両を前記目標ヨーモーメントに基づいて旋回制御する、
ことを特徴とする走行支援方法。 - 前記自車両の車速と、前記自車両の車輪のコーナリングスティフネスと、に応じて前記第1ヨー慣性モーメントを算出することを特徴とする請求項1に記載の走行支援方法。
- 前記自車両の後輪操舵の有無に応じて前記第1ヨー慣性モーメントを算出することを特徴とする請求項2に記載の走行支援方法。
- 前記道路形状の曲率分布の歪度に応じて、前記道路形状が定常形状であるか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の走行支援方法。
- 前記道路形状が定常形状である度合いを表す定常形状係数を算出し、
前記定常形状係数により重み付けされた前記第1ヨー慣性モーメントに応じて、前記目標ヨーモーメントを算出する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の走行支援方法。 - 前記道路形状の曲率分布の歪度に応じて、前記定常形状係数を算出する、ことを特徴とする請求項5に記載の走行支援方法。
- 前記旋回制御の前記目標ヨーレイトに対する前記実ヨーレイトの位相遅れを抑制する第2ヨー慣性モーメントを算出し、
前記道路形状が、曲率が変化する過渡形状であるか否かを判定し、
前記道路形状が過渡形状である場合に、前記旋回制御の目標ヨー角加速度と前記第2ヨー慣性モーメントとに応じて前記目標ヨーモーメントを算出する、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の走行支援方法。 - 前記道路形状が過渡形状である度合いを表す過渡形状係数を算出し、
前記過渡形状係数により重み付けされた前記第2ヨー慣性モーメントに応じて、前記目標ヨーモーメントを算出する、
ことを特徴とする請求項7に記載の走行支援方法。 - 自車両の操向輪を操舵する操舵装置と、
前記自車両の車輪に駆動力を付与する駆動装置と、
前記車輪に制動力を付与する制動装置と、
前記自車両の運転者の操作入力と前記自車両の自動運転制御からの指示入力との少なくとも一方に基づいた 前記自車両の車両運動となるように旋回制御を実行するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記自車両の車両運動モデルに基づいて前記旋回制御の前記自車両に発生させる目標ヨーレイトに対して前記自車両に実際に発生する実ヨーレイトの周波数応答のピークゲインを抑制する第1ヨー慣性モーメントを算出し、前記自車両が走行する予定の道路の道路形状の情報を取得し、前記道路形状が、曲率が変化しない定常形状であるか否かを判定し、前記道路形状が定常形状である場合に、前記旋回制御の目標ヨー角加速度と第1ヨー慣性モーメントとに応じて前記自車両に発生させる目標ヨーモーメントを算出し、前記自車両を前記目標ヨーモーメントに基づいて、前記操舵装置による前記操向輪の操舵、前記駆動装置により前記車輪に付与する駆動力、又は前記制動装置により前記車輪に付与する制動力を制御して旋回制御することを特徴とする走行支援装置。
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