JP2021183681A - 量子ドット、量子ドット前駆体、及び、量子ドットの製造方法 - Google Patents

量子ドット、量子ドット前駆体、及び、量子ドットの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021183681A
JP2021183681A JP2020089822A JP2020089822A JP2021183681A JP 2021183681 A JP2021183681 A JP 2021183681A JP 2020089822 A JP2020089822 A JP 2020089822A JP 2020089822 A JP2020089822 A JP 2020089822A JP 2021183681 A JP2021183681 A JP 2021183681A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cadmium
zinc
quantum dot
quantum dots
copper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020089822A
Other languages
English (en)
Inventor
惣一朗 荷方
Soichiro Nikata
雅典 田中
Masanori Tanaka
佑子 小椋
Yuko Ogura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NS Materials Inc
Original Assignee
NS Materials Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NS Materials Inc filed Critical NS Materials Inc
Priority to JP2020089822A priority Critical patent/JP2021183681A/ja
Publication of JP2021183681A publication Critical patent/JP2021183681A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Abstract

【課題】低温で合成することができる金属交換法を用いて、安全かつ量産可能な狭い蛍光半値幅を有する青〜赤色蛍光を発する量子ドットを提供すること。【解決手段】本発明の量子ドット(1)は、カドミウム(Cd)とセレン(Se)、或いは、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)とセレン(Se)、又は、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)とセレン(Se)と硫黄(S)、又は、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)と硫黄(S)を含有し、蛍光半値幅が、35nm以下であることを特徴とする。前記量子ドットの平均粒径が、2nm以上10nm以下の範囲であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、量子ドット、量子ドット前駆体、及び、量子ドットの製造方法に関する。
量子ドットは、数百〜数千個程度の原子から構成された、粒径が数nm〜数十nm程度のナノ粒子である。量子ドットは、蛍光ナノ粒子、半導体ナノ粒子、又はナノクリスタルとも呼ばれる。量子ドットは、ナノ粒子の粒径や組成によって、発光波長を種々変更することができるという特徴を有する。
量子ドットの性能を表すものとして、蛍光量子収率(Quantum Yield:QY)や蛍光半値幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)が挙げられる。量子ドットを可視光領域の波長変換材料として用いる場合、その最も大きな特徴として、表現可能な色の範囲が広いこと、すなわち高色域化が挙げられる。量子ドットを用いて高色域化を達成するためには、蛍光半値幅を狭くすることが重要である。
この高い蛍光量子収率及び狭い蛍光半値幅をもつ緑または赤色の量子ドットとしては、カドミウム(Cd)を用いたセレン化カドミウム(CdSe)系の量子ドット、又はこの量子ドットに亜鉛(Zn)もしくは硫黄(S)を固溶させた4元素から成るZnCdSeS等が代表的な材料である。
例えば、非特許文献1では、銅(Cu)とセレン(Se)化合物から成るCuSeの量子ドットを合成した後、亜鉛(Zn)又はカドミウム(Cd)で金属交換することでZnSe又はCdSeの量子ドットを得ることに成功している。しかし、金属交換方法で良好な発光特性を示す報告については記載されていない。
J.Am.Chem.Soc.(2015)137 29 9315−9323
以上のように、Cd系量子ドットの研究開発は進んでいるものの、金属交換法(カチオン交換法)を用いて、蛍光波長400〜800nm、且つ蛍光半値幅35nm以下の発光特性を有するCd系量子ドットは報告されていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、蛍光半値幅の狭いCd系量子ドット、量子ドット前駆体、及び、低温で合成することができる金属交換法を用いて、量産が可能で、安全性が高いCd系量子ドットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明における量子ドットは、カドミウム(Cd)とセレン(Se)、或いは、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)とセレン(Se)、又は、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)とセレン(Se)と硫黄(S)、又は、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)と硫黄(S)を含有し、蛍光半値幅が、35nm以下であることを特徴とする。
本発明における量子ドット前駆体は、量子ドットの前駆体であって、前記前駆体は、銅カルコゲニドであり、前記銅カルコゲニドの粒径が、平均粒径の±2nmの範囲であることを特徴とする。本発明の量子ドットは、上記に記載の前駆体を用いて生成され、前記前駆体の残留物としての銅(Cu)を含むことを特徴とする。
本発明における量子ドットの製造方法は、有機銅化合物、或いは、無機銅化合物と、有機カルコゲン化合物とから、前駆体としての銅カルコゲニドを合成し、銅カルコゲニド前駆体を用いて、カドミウム(Cd)とセレン(Se)、或いは、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)とセレン(Se)、又は、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)とセレン(Se)と硫黄(S)、又は、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)と硫黄(S)を含有し、蛍光半値幅が32nm以下である量子ドットを合成することを特徴とする。
本発明のCd系量子ドットによれば、蛍光半値幅を狭くでき、高色域化の向上を図ることができる。
また本発明の量子ドットの製造方法によれば、蛍光半値幅が狭いCd系量子ドットを、安全に、且つ、量産可能な方法で製造することが可能である。
図1Aは、本発明の実施形態における量子ドットの模式図である。図1Bは、図1Aとは異なる本発明の実施形態における量子ドットの模式図である。 実施例1におけるCdSeの蛍光(Photoluminescence:PL)スペクトルである。 実施例2におけるZnCdSeのPLスペクトルである。 実施例3におけるZnCdSeのPLスペクトルである。 実施例4におけるZnCdSeのPLスペクトルである。 実施例5におけるZnCdSeSのPLスペクトルである。 実施例1におけるCdSeのX線回折(Xray Diffraction:XRDスペクトル)である。 実施例2におけるZnCdSeのXRDスペクトルである。 実施例3におけるZnCdSeのXRDスペクトルである。 実施例4におけるZnCdSeのXRDスペクトルである。 実施例5におけるZnCdSeSのXRDスペクトルである。 実施例1におけるCdSeの走査線電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy:SEM)写真である。 実施例2におけるZnCdSeのSEM写真である。 実施例3におけるZnCdSeのSEM写真である。 実施例4におけるZnCdSeのSEM写真である。 実施例5におけるZnCdSeSのSEM写真である。
近年において、Cd系量子ドットの研究開発が進んでいる。従来においては、各原料を直接反応させている合成が多い。直接合成法では、高温下で合成、又は、反応性を高めるために、例えば、ジエチル亜鉛(EtZn)などの有機亜鉛化合物を使用する合成方法がある。しかしながら、高温下で合成又はジエチル亜鉛等の反応性が高い試薬を使用する場合においても、反応時に発熱、又は発火等の危険を伴う。そのため、安全面においても量産には不向きである。
そこで本発明者らは、低温で合成することができるカチオン交換法を用いて、狭い蛍光半値幅を有し、青〜赤色蛍光を発するCd系量子ドットを開発するに至った。また、量子ドットの製造の際、量産可能な方法で且つ高い安全性にて合成することを可能とした。
以下、本発明の一実施形態(以下、「実施形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、「〜」の表記は、下限値及び上限値の双方を範囲として含む。
図1A及び図1Bは、本実施形態における量子ドットの模式図である。
図1Aに示す量子ドット1は、カドミウム(Cd)とセレン(Se)、或いは、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)とセレン(Se)、又は、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)とセレン(Se)と硫黄(S)、又は、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)と硫黄(S)とを含有するナノクリスタルである。
量子ドット1は、バンド端発光による蛍光特性を有し、その粒子がナノサイズであることより量子サイズ効果を発現する。
ここで「ナノクリスタル」とは、数nm〜数十nm程度の粒径を有するナノ粒子を指す。本実施形態では、多数の量子ドット1を、略均一の粒径にて生成することができる。
量子ドット1に含まれる、CdとZn、CdとZnとSe、或いは、CdとZnとSeとS、又は、CdとZnとSは主成分であるが、これら元素以外の元素が含まれていてもよい。
本実施形態の量子ドット1は、蛍光半値幅が35nm以下である。「蛍光半値幅」とは、蛍光スペクトルにおける蛍光強度のピーク値の半分の強度での蛍光波長の広がりを示す半値全幅(Full Width at Half Maximum)を指す。また、蛍光半値幅は、32nm以下であることが好ましい。また、蛍光半値幅は、30nm以下であることがより好ましい。また、蛍光半値幅は、25nm以下であることが更に好ましい。また、蛍光半値幅は、20nm以下であることが更により好ましい。このように、本実施形態では蛍光半値幅を狭くすることができるため、高色域化の向上を図ることができる。
本実施形態では、後述するように、量子ドット1を合成する反応系として、銅カルコゲニドを前駆体として合成した後に、前駆体に対して金属交換反応(カチオン交換反応)を行う。このような間接的な合成反応に基づいて量子ドット1を製造することで、蛍光半値幅を狭くすることができ、具体的には、35nm以下の蛍光半値幅を達成することができる。
量子ドット1の表面には、多数の有機配位子2が配位していることが好ましい。これにより、量子ドット1同士の凝集を抑制でき、目的とする光学特性が発現する。反応に用いることのできる配位子は特に限定されないが、例えば、以下の配位子が、代表的なものとして挙げられる。
(1)脂肪族1級アミン系
オレイルアミン:C1835NH、ステアリル(オクタデシル)アミン:C1837NH、ドデシル(ラウリル)アミン:C1225NH、デシルアミン:C1021NH、オクチルアミン:C17NH
(2)脂肪酸系
オレイン酸:C1733COOH、ステアリン酸:C1735COOH、パルミチン酸:C1531COOH、ミリスチン酸:C1327COOH、ラウリル(ドデカン)酸:C1123COOH、デカン酸:C19COOH、オクタン酸:C15COOH
(3)チオール系
オクタデカンチオール:C1837SH、ヘキサンデカンチオール:C1633SH、テトラデカンチオール:C1429SH、ドデカンチオール:C1225SH、デカンチオール:C1021SH、オクタンチオール:C17SH
(4)ホスフィン系
トリオクチルホスフィン:(C17P、トリフェニルホスフィン:(CP、トリブチルホスフィン:(C
(5)ホスフィンオキシド系
トリオクチルホスフィンオキシド:(C17P=O、トリフェニルホスフィンオキシド:(CP=O、トリブチルホスフィンオキシドf:(CP=O
本実施形態における量子ドット1の蛍光量子収率(Quantum Yield)は、10%以上である。また、蛍光量子収率は、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましい。このように、本実施形態では、量子ドット1の蛍光量子収率を高めることができる。
本実施の形態における量子ドット1の平均粒径は、2nm以上10nm以下である。また、量子ドット1の平均粒径は、3nm以上9nm以下であることが好ましく、4nm以上8nm以下であることが更に好ましい。「平均粒径」は、10個以上(200個以上が好ましい)の全ての粒子の直径を円相当径にて算出し、その平均値を粒径とする。
また、本実施の形態における量子ドット1の粒径は、平均粒径の±2nmの範囲であることが好ましい。このように、本実施の形態では、多数の量子ドット1の粒径を、非常に均一に生成することができる。
本実施形態では、蛍光波長を、400nm以上700nm以下程度にまで自由に制御することができる。本実施形態における量子ドット1は、カルコゲン元素を用いたZnCdSeSをベースとする固溶体である。本実施形態では、量子ドット1の粒径及び、量子ドット1の組成を調整することによって、蛍光波長を制御することが可能である。本実施の形態では、蛍光波長を、450nm以上とすることができる。なお、本実施形態では、蛍光波長を青〜赤色に制御することが可能である。
図1Bに示す量子ドット1は、コア1aと、コア1aの表面に被覆されたシェル1bと、を有するコアシェル構造である。図1Bに示すように、量子ドット1の表面には多数の有機配位子2が配位していることが好ましい。
図1Bに示す量子ドット1のコア1aは、図1Aに示すナノクリスタルである。したがって、コア1aは、CdとSe、CdとZnとSe、或いは、CdとZnとSeとS、又は、CdとZnとSで形成されることが好ましい。シェル1bは、特に材質を問うものではないが、例えば、硫化亜鉛(ZnS)等で形成される。
なお、シェル1bは、コア1aの表面に固溶化した状態であってもよい。図1Bでは、コア1aとシェル1bとの境界を点線で示したが、これは、コア1aとシェル1bとの境界を分析により確認できてもできなくてもどちらでもよいことを指す。なお、本実施形態では、CdとSe、CdとZnとSe、或いは、CdとZnとSeとS、又は、CdとZnとSを有するコアのみでも蛍光を発する特徴を有する。
図1Bに示す量子ドット1も、図1Aと同様に、蛍光半値幅を32nm以下にすることができる。また、蛍光半値幅は、25nm以下であることがより好ましい。また、蛍光波長を、400nm以上で700nm以下程度にまで自由に制御することができる。そして、本実施形態では、蛍光波長を青色に制御することが可能である。
続いて、本実施形態の量子ドット1の製造方法について説明する。まず、本実施形態では、有機銅化合物、或いは、無機銅化合物と、有機カルコゲン化合物とから銅カルコゲニド(前駆体)を合成する。具体的には、前駆体としては、セレン化銅:CuSe、或いは、セレン化硫化銅:CuSeSであることが好ましい。
ここで、本実施形態では、CuSeのCu原料を、特に限定はしないが、例えば、下記の有機銅試薬や無機銅試薬を用いることができる。すなわち、酢酸塩として酢酸銅(I)Cu(OAc)、酢酸銅(II):Cu(OAc)、脂肪酸塩として、ステアリン酸銅:Cu(OC(=O)C1735、オレイン酸銅:Cu(OC(=O)C1733、ミリスチン酸銅:Cu(OC(=O)C1327、ドデカン酸銅:Cu(OC(=O)C1123、銅アセチルアセトネート:Cu(acac)、ハロゲン化物として1価、又は2価の両方の化合物が使用可能であり、塩化銅(I):CuCl、塩化銅(II):CuCl、臭化銅(I):CuBr、臭化銅(II):CuBr、ヨウ化銅(I):CuI、ヨウ化銅(II):CuIなどを用いることができる。
本実施形態では、セレンは、有機セレン化合物(有機カルコゲニド)を原料として用いる。特に、オレイルアミンとドデカンチオールの混合物に溶解させた溶液(Se−DDT/OLAm)は、カチオン交換後に良好な発光特性を示す。他にも、トリオクチルホスフィンのような長鎖のホスフィン系炭化水素である高沸点溶媒に硫黄を溶解させたトリオクチルホスフィンセレニド:(C17P=Se、或いは、トリブチルホスフィンにセレンを溶解させたトリブチルホスフィンセレニド:(CP=Se等を用いることができる。又は、オクタデセンのような長鎖の炭化水素である高沸点溶媒に、セレンを高温で溶解させた溶液(Se−ODE)などを用いることができる。
本実施形態では、有機銅化合物、或いは、無機銅化合物と、有機カルコゲン化合物とを混合し溶解させる。溶媒としては、高沸点の飽和炭化水素、又は不飽和炭化水素として、オクタデセンを用いることができる。これ以外にも芳香族系の高沸点溶媒として、t−ブチルベンゼン:t−butylbenzene、高沸点のエステル系の溶媒として、ブチルブチレート:CCOOC、ベンジルブチレート:CCHCOOCなどを用いることが可能であるが、脂肪族アミン系、又は脂肪酸系の化合物や脂肪族リン系の化合物、又はこれらの混合物を溶媒として用いることも可能である。
このとき、反応温度を120℃以上で250℃以下の範囲に設定し、銅カルコゲニド(前駆体)を合成する。なお、反応温度は、より低温の、120℃以上で200℃以下であることが好ましく、更に低温の、120℃以上で150℃以下であることがより好ましい。
本実施形態では、反応法に特に限定はないが、蛍光半値幅の狭い量子ドットを得るために、粒径の揃ったCuSe、CuSeSを合成することが重要である。例えば、本実施形態では、銅カルコゲニド(前駆体)の粒径が、平均粒径の±2nmの範囲で均一であることが好ましい。平均粒径の定義は、上記した通りである。
CuSeSの合成に用いる硫黄(S)は、チオール、又はトリオクチルホスフィンのような長鎖のホスフィン系炭化水素である高沸点溶媒に硫黄を溶解させた溶液(S−TOP)や、オクタデセンのような長鎖の炭化水素である高沸点溶媒に硫黄を溶解させた溶液(S−ODE)や、又はオレイルアミンとドデカンチオールの混合物に溶解させた溶液(S−DDT/OLAm)などを用いることができる。特に、チオールを限定するものでないが、例えば、オクタデカンチオール:C1837SH、ヘキサンデカンチオール:C1633SH、テトラデカンチオール:C1429SH、ドデカンチオール:C1225SH、デカンチオール:C1021SH、オクタンチオール:C17SH、ベンゼンチオール:C6H5SH等である。
また本実施形態では、銅カルコゲニドの前駆体合成時に使用するアニオン種であるセレンと硫黄の添加比率を変化させることで、量子ドットの32nm以下の蛍光半値幅を維持したまま、400nm〜700nmの範囲にて自由に蛍光波長を制御することができる。粒子サイズ、及びカチオン種(Zn又はCd)が同じでも前駆体のS比率が高い場合は短波長になる。具体的には、セレンに対する硫黄のモル比(S/Se)を制御することで目的波長を狙うこともできる。本実施形態は450〜550nmを主に目的波長としており、その際はS/Se<0.2で調整することで良好な結果を得られている。ここで、モル比は0も含み、この場合、量子ドットに硫黄は含まない。セレンに対する硫黄のモル比を、0より大きく0.2以下の範囲で調整することで、量子ドットにセレン及び硫黄の双方を含むことができる。
次に、ZnCdSe、又は、ZnCdSeSの原料として、有機亜鉛化合物や無機亜鉛化合物を用意する。有機亜鉛化合物や無機亜鉛化合物は、空気中でも安定で取り扱い容易な原料である。有機亜鉛化合物や無機亜鉛化合物の構造を特に限定するものではないが、金属交換反応を効率よく行うためには、イオン性の高い亜鉛化合物を使用するのが好ましい。例えば、以下に示す有機亜鉛化合物及び無機亜鉛化合物を用いることができる。
亜鉛原料は、酢酸塩として酢酸亜鉛:Zn(OAc)、硝酸亜鉛:Zn(NO、脂肪酸塩として、ステアリン酸亜鉛:Zn(OC(=O)C1735、オレイン酸亜鉛:Zn(OC(=O)C1733、パルミチン酸亜鉛:Zn(OC(=O)C1531、ミリスチン酸亜鉛:Zn(OC(=O)C1327、ドデカン酸亜鉛:Zn(OC(=O)C1123、亜鉛アセチルアセトネート:Zn(acac)、ハロゲン化物として、塩化亜鉛:ZnCl、臭化亜鉛:ZnBr、ヨウ化亜鉛:ZnI、カルバミン酸亜鉛としてジエチルジチオカルバミン酸亜鉛:Zn(SC(=S)N(C、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛:Zn(SC(=S)N(CH、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛:Zn(SC(=S)N(C等を用いることができる。
カドミウム原料は、酢酸塩として酢酸カドミウム:Cd(OAc)、硝酸カドミウム:Cd(NO、脂肪酸塩として、ステアリン酸カドミウム:Cd(OC(=O)C1735、オレイン酸カドミウム:Cd(OC(=O)C1733、パルミチン酸カドミウム:Cd(OC(=O)C1531、ミリスチン酸カドミウム:Cd(OC(=O)C1327、ドデカン酸カドミウム:Cd(OC(=O)C1123、カドミウムアセチルアセトネート:Cd(acac)、ハロゲン化物として、塩化カドミウム:CdCl、臭化カドミウム:CdBr、ヨウ化カドミウム:CdI、カルバミン酸カドミウムとしてジエチルジチオカルバミン酸カドミウム:Cd(SC(=S)N(C、ジメチルジチオカルバミン酸カドミウム:Cd(SC(=S)N(CH、ジブチルジチオカルバミン酸カドミウム:Cd(SC(=S)N(C等を用いることができる。
続いて、上記の有機亜鉛化合物や無機亜鉛化合物を、銅カルコゲニドの前駆体が合成された反応溶液に添加する。これにより、銅カルコゲニドの銅(Cu)と、亜鉛(Zn)及びカドミウム(Cd)との金属交換反応が生じる。金属交換反応を、140℃以上300℃以下で生じさせることが好ましい。また、金属交換反応を、より低温の、140℃以上240℃以下で生じさせることがより好ましく、更に低温の、140℃以上で180℃以下であることがより好ましい。
本実施形態では、CuとZn及びCdの金属交換反応は、定量的に進行する。ナノクリスタルにおいて、前駆体のCuが残留すると、Cuがドーパントとして働き、別の発光機構で発光して蛍光半値幅が広がってしまうため、ナノクリスタルには前駆体のCuが含有されないことが好ましいが、CuSe等の前駆体を使用することで、従来の直接合成したZnCdSeよりも形状が良く、粒子サイズが均一な粒子ができる。また、Cu残留の確認をすることで本手法を用いたか否かの判断をすることができる。Cuの残存量は、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析法で測定される。
また、上記では、CuとZn及びCdの金属交換反応について説明したが、CuとCdを金属交換させることで、CdとSeを含有する量子ドット1を生成することが可能である。
また、本実施形態では、金属交換を行う際に、前駆体の金属を配位又はキレートなどにより反応溶液中に遊離させる補助的な役割をもつ化合物が必要である。
上述の役割を有する化合物としては、Cuと錯形成可能なリガンドが挙げられる。例えば、リン系リガンド、アミン系リガンド、硫黄系リガンドが好ましく、その中でも、その効率の高さからリン系リガンドが更に好ましい。
これにより、CuとCdとの金属交換、又は、CuとCd及びZnとの金属交換が適切に行われ、CdとSe、ZnとCdとSe、又は、ZnとCdとSeとS、又は、CdとZnとSをベースとする蛍光半値幅の狭い量子ドットを、高い安全性にて量産することができる。
また、金属交換反応は、2種類以上の金属種を同時に交換することで良好な特性を得ることができる。金属種を特に限定はしないが、主に、Zn、Cd、Mg、Mn、Ag、In、Ga、Al等の中から2種類以上を選択して用いることができる。ただし、本実施形態において、Cdは、必須元素である。例えば、本実施形態では、銅カルコゲニドの前駆体に、Cdだけを金属交換して、CdSeを合成した後に、Znを添加すると良好な発光特性を得ることはできない(比較例1)。よって、本実施形態のように、同時に2種類以上のカチオン種(本実施形態では、Zn及びCd)を添加することが好ましい(実施例2〜5)。
また本実施形態では、金属交換時に使用するカチオン種である亜鉛及び、カドミウムの添加比率を変化させることで、32nm以下の蛍光半値幅を維持したまま、400nm以上700nm以下の範囲で蛍光波長を自由に制御することができる。例えば、本実施形態では、亜鉛化合物とカドミウム化合物の添加量において、カドミウム物質量に対して亜鉛物質量の比が、10以上20以下の範囲で、ZnCdSeを合成した場合、35nm以下の蛍光半値幅を維持しながら、蛍光波長を、450nm以上600nm以下の範囲で制御することが可能である。
本実施形態では、亜鉛化合物とカドミウム化合物の添加量において、カドミウム物質量に対する亜鉛物質量のモル比(Zn/Cd)を、30以下の範囲で調整することが好ましい。本実施の形態では、モル比=0も含む。この場合は、亜鉛を、量子ドットに含まない。また、カドミウムと亜鉛の双方を量子ドットに含む場合、モル比は、5〜25であることが好ましく、10〜20であることがより好ましい(実施例2〜5)。
本実施形態では、有機銅化合物、或いは、無機銅化合物と、有機カルコゲン化合物から、銅カルコゲニドを前駆体として合成し、前駆体を用いて金属交換することによって量子ドットを合成する。このように、本実施形態では、まず、前駆体の合成を経て量子ドットを合成しており、直接合成していない。このような間接的な合成により、直接合成と異なって、反応速度のコントロールが容易となり、均一な粒径にするために、困難な反応制御が必要とされない。また、間接合成により、直接合成のように、反応性が高過ぎて取り扱いが危険な試薬を使う必要もない。そのため、直接合成に比べて、製造時において反応が制御しやすいため、蛍光半値幅の狭いCdSe、ZnCdSe、ZnCdS、又はZnCdSeS系量子ドットを、安全かつ安定的に合成することが可能である。
また、本実施形態では、前駆体を単離・精製することなく、ワンポットで、Cu−Zn及びCdの金属交換を行い、所望の量子ドットを得ることが可能である。一方、前駆体の銅カルコゲニドを一度、単離・精製してから使用してもよい。
また、本実施形態では、合成した量子ドットは、洗浄、単離精製、被覆処理やリガンド交換などの各種処理を行わずとも蛍光特性を発現する。
ただし、図1Bに示すように、CdSe、ZnCdSe、ZnCdS、或いは、ZnCdSeS等のナノクリスタルからなるコア1aをZnS等のシェル1bで被覆することによって、蛍光量子収率を更に増大させることができる。
また、本実施形態では、コア/シェル構造を前駆体の段階で合成することが可能である。例えば、前駆体の銅カルコゲニドで、CuSe/CuSを合成し、引き続き、Cu−Zn及びCdの金属交換を行うことによって、ZnCdSe/ZnCdSを得ることが可能である。
また、本実施形態では、シェル構造に用いるS原料としては、特に限定するものではないが、以下の原料が代表的なものとして挙げられる。
チオール類:オクタデカンチオール:C1837SH、ヘキサンデカンチオール:C1633SH、テトラデカンチオール:C1429SH、ドデカンチオール:C1225SH、デカンチオール:C1021SH、オクタンチオール:C17SH、ベンゼンチオール:CSH、又は、トリオクチルホスフィンのような長鎖のホスフィン系炭化水素である高沸点溶媒に硫黄を溶解させた溶液(S−TOP)や、オクタデセンのような長鎖の炭化水素である高沸点溶媒に硫黄を溶解させた溶液(S−ODE)や、又はオレイルアミンとドデカンチオールの混合物に溶解させた溶液(S−DDT/OLAm)などを用いることができる。
図1A、図1Bに示す量子ドット1の用途を、特に限定するものでないが、例えば、青色蛍光を発する本実施形態の量子ドット1を、波長変換部材、照明部材、バックライト装置、及び、表示装置等に適用することができる。
本実施形態の量子ドット1を波長変換部材、照明部材、バックライト装置、及び、表示装置等の一部に適用し、例えば、フォトルミネッセンス(Photoluminescence:PL)を発光原理として採用する場合、光源からのUV照射により、青色蛍光を発することを可能とする。或いは、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence:EL)を発光原理として採用する場合、或いは、他の方法で3原色すべてを量子ドットで発光させる場合、本実施形態の量子ドット1を用いた青色蛍光を発する発光素子とすることができる。本実施形態では、緑色蛍光を発する量子ドット、赤色蛍光を発する量子ドットとともに、青色蛍光を発する本実施形態の量子ドット1を含む発光素子(フルカラーLED)とすることで、白色を発光させることが可能になる。
波長変換部材は、シート状、フィルム状、或いは成形体で形成される。例えば、量子ドットが樹脂に分散されてなる成形体は、収納空間を有する容器に圧入等により収納される。このとき、成形体の屈折率は、容器の屈折率より小さいことが好ましい。これにより、成形体に進入した光の一部が、容器の内壁で全反射する。したがって、容器の側方から外部に漏れる光の量を減らすことができる。本実施の形態における蛍光半値幅の狭い量子ドットを、波長変換部材、照明部材、バックライト装置、及び、表示装置等に適用することで、発光特性を効果的に向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施例及び比較例により本発明の効果を説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
<原料>
本発明では、量子ドットを合成するにあたり以下の原料を用いた。
<溶媒>
オクタデセン:出光興産株式会社製:リニアレン(登録商標)18
オレイルアミン:花王株式会社製:ファーミン(登録商標)O−V
トリオクチルホスフィン:北興化学株式会社製
ドデカンチオール:花王株式会社製:チオカルコール(登録商標)、又はAldrich株式会社製
<金属>
無水酢酸銅(II):富士フィルム和光純薬株式会社製
塩化亜鉛:キシダ化学株式会社製
酢酸カドミウム2水和物:生駒化学株式会社製
セレン(4N:99.99%):新興化学工業株式会社製
硫黄:キシダ化学株式会社製
<測定機器>
蛍光分光計:日本分光株式会社製 F−2700
紫外−可視光分光光度計:日立株式会社製 V−770
量子収率測定装置:大塚電子株式会社製 QE−1100
X線回折装置(XRD):Bruker社製 D2 PHASER
走査線電子顕微鏡(SEM):日立株式会社製 SU9000
[実施例1]
100mLの反応容器に、無水酢酸銅(Cu(OAc))91mgと、オレイルアミン(OLAm)4.8mLと、オクタデセン(ODE)7.75mLを入れた。そして、不活性ガス(N)雰囲気下で、150℃で5分間、攪拌しながら加熱し、原料を溶解させた。
この溶液に、セレン(Se)粉をドデカンチオール(DDT)及びオレイルアミン(OLAm)に溶解させて得られた0.285Mの溶液を1.4mL添加し、150℃で10分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
その後、酢酸カドミウム二水和物(Cd(OAc)・2HO)986mgと、トリオクチルホスフィン(TOP)10mLと、オレイルアミン(OLAm)0.4mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で10分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
この反応溶液に、トルエン及びエタノールを加えて沈殿を発生させ、遠心分離を施して沈殿を回収し、その沈殿に、オクタデセン(ODE)12mLを加えて分散させた。
その後、酢酸カドミウム二水和物(Cd(OAc)・2HO)986mgと、トリオクチルホスフィン(TOP)5mLと、オレイルアミン(OLAm)0.5mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で10分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。これにより、反応溶液中に、CdSeの量子ドットを得ることができた。
得られた反応溶液を、蛍光分光計、及び量子効率測定システムで測定した。その結果、図2に示すように、蛍光波長が約670nm、蛍光半値幅が約32nmである光学特性が得られた。
また、得られた反応溶液をXRD装置にて測定した。その結果を図7に示す。また、図12に得られた反応溶液の走査線電子顕微鏡(SEM)写真を示す。これより、平均粒径は6.1nmであった。
[実施例2]
100mLの反応容器に、無水酢酸銅(Cu(OAc))91mgと、オレイルアミン(OLAm)4.8mLと、オクタデセン(ODE)7.75mLを入れた。そして、不活性ガス(N)雰囲気下で、150℃で5分間、攪拌しながら加熱し、原料を溶解させた。
この溶液に、セレン(Se)粉をドデカンチオール(DDT)及びオレイルアミン(OLAm)に溶解させて得られた0.285Mの溶液を、1.4mL添加し、150℃で10分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
その後、塩化亜鉛(ZnCl)504mgと、酢酸カドミウム二水和物(Cd(OAc)・2HO)98.6mgと、トリオクチルホスフィン(TOP)10mLと、オレイルアミン(OLAm)0.4mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
この反応溶液に、トルエン及びエタノールを加えて沈殿を発生させ、遠心分離を施して沈殿を回収し、その沈殿にオクタデセン(ODE)12mlを加えて分散させた。
その後、塩化亜鉛(ZnCl)504mgとトリオクチルホスフィン(TOP)5mLと、オレイルアミン(OLAm)0.5mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。これにより、反応溶液中に、ZnCdSeの量子ドットを得ることができた。
得られた反応溶液を、蛍光分光計及び量子効率測定システムで測定した。その結果、図3に示すように、蛍光波長が約490nm、蛍光半値幅が約20nm、量子収率が53%である光学特性が得られた。また、亜鉛化合物とカドミウム化合物の添加量において、カドミウム物質量に対する亜鉛物質量のモル比(Zn/Cd比)が、20であった。
また、得られた反応溶液をXRD装置にて測定した。その結果を図8に示す。また、図13に得られた反応溶液の走査線電子顕微鏡(SEM)写真を示す。これより平均粒径は、5.8nmであった。実施例1と実施例2の平均粒径は、同程度であるが、蛍光波長が異なっていることがわかった。このことから、組成によって蛍光波長が変化していることが考えられる。
[実施例3]
100mLの反応容器に、無水酢酸銅(Cu(OAc))91mgと、オレイルアミン(OLAm)4.8mLと、オクタデセン(ODE)7.75mLを入れた。そして、不活性ガス(N)雰囲気下で、150℃で5分間、攪拌しながら加熱し、原料を溶解させた。
この溶液に、セレン(Se)粉をドデカンチオール(DDT)及びオレイルアミン(OLAm)に溶解させて得られた0.285Mの溶液を、1.4mL添加し、150℃で10分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
その後、塩化亜鉛(ZnCl)504mgと、酢酸カドミウム二水和物(Cd(OAc)・2HO)147.9mgと、トリオクチルホスフィン(TOP)10mLと、オレイルアミン(OLAm)0.4mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
この反応溶液に、トルエン及びエタノールを加えて沈殿を発生させ、遠心分離を施して沈殿を回収し、その沈殿にオクタデセン(ODE)12mlを加えて分散させた。
その後、塩化亜鉛(ZnCl)504mgとトリオクチルホスフィン(TOP)5mLと、オレイルアミン(OLAm)0.5mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。これにより、反応溶液中に、ZnCdSeの量子ドットを得ることができた。
得られた反応溶液を、蛍光分光計及び量子効率測定システムで測定した。その結果、図4に示すように、蛍光波長が約510nm、蛍光半値幅が約22nm、量子収率が56%である光学特性が得られた。また、亜鉛化合物とカドミウム化合物の添加量において、カドミウム物質量に対する亜鉛物質量のモル比(Zn/Cd比)が、13であった。
また、得られた反応溶液をXRD装置にて測定した。その結果を図9に示す。また、図14に得られた反応溶液の走査線電子顕微鏡(SEM)写真を示す。これより平均粒径は、5.8nmであった。実施例3の平均粒径は、実施例1〜実施例2の平均粒径と同程度であることから、組成によって蛍光波長が変化していることが考えられる。
[実施例4]
100mLの反応容器に、無水酢酸銅(Cu(OAc))91mgと、オレイルアミン(OLAm)4.8mLと、オクタデセン(ODE)7.75mLを入れた。そして、不活性ガス(N)雰囲気下で、150℃で5分間、攪拌しながら加熱し、原料を溶解させた。
この溶液に、セレン(Se)粉をドデカンチオール(DDT)及びオレイルアミン(OLAm)に溶解させて得られた0.285Mの溶液を、1.4mL添加し、150℃で60分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
その後、塩化亜鉛(ZnCl)504mgと、酢酸カドミウム二水和物(Cd(OAc)・2HO)197.2mgと、トリオクチルホスフィン(TOP)10mLと、オレイルアミン(OLAm)0.4mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
この反応溶液に、トルエン及びエタノールを加えて沈殿を発生させ、遠心分離を施して沈殿を回収し、その沈殿にオクタデセン(ODE)12mlを加えて分散させた。
その後、塩化亜鉛(ZnCl)504mgとトリオクチルホスフィン(TOP)5mLと、オレイルアミン(OLAm)0.5mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。これにより、反応溶液中に、ZnCdSeの量子ドットを得ることができた。
得られた反応溶液を、蛍光分光計及び量子効率測定システムで測定した。その結果、図5に示すように、蛍光波長が約532nm、蛍光半値幅が約23nm、量子収率が52%である光学特性が得られた。また、亜鉛化合物とカドミウム化合物の添加量において、カドミウム物質量に対する亜鉛物質量のモル比(Zn/Cd比)が、10であった。
また、得られた反応溶液をXRD装置にて測定した。その結果を図10に示す。また、図15に得られた反応溶液の走査線電子顕微鏡(SEM)写真を示す。これより平均粒径は、7.3nmであった。実施例4の平均粒径は、実施例1〜実施例3の平均粒径と同程度であることから、組成によって蛍光波長が変化していることが考えられる。
[実施例5]
100mLの反応容器に、無水酢酸銅(Cu(OAc))91mgと、オレイルアミン(OLAm)4.8mLと、オクタデセン(ODE)7.75mLを入れた。そして、不活性ガス(N)雰囲気下で、150℃で5分間、攪拌しながら加熱し、原料を溶解させた。
この溶液に、セレン(Se)粉をドデカンチオール(DDT)及びオレイルアミン(OLAm)に溶解させて得られた0.285Mの溶液を、1.4mL添加し、150℃で10分間、攪拌しつつ加熱した。その後、硫黄(S)紛をドデカンチオール(DDT)及びオレイルアミン(OLAm)に溶解させて得られた0.1Mの溶液を、0.5mL添加し、150℃で5分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
その後、塩化亜鉛(ZnCl)504mgと、酢酸カドミウム二水和物(Cd(OAc)・2HO)147.9mgと、トリオクチルホスフィン(TOP)10mLと、オレイルアミン(OLAm)0.4mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
この反応溶液に、トルエン及びエタノールを加え沈殿を発生させ、遠心分離を施して沈殿を回収し、その沈殿にオクタデセン(ODE)12mlを加えて分散させた。
その後、塩化亜鉛(ZnCl)504mgとトリオクチルホスフィン(TOP)5mLと、オレイルアミン(OLAm)0.5mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。これにより、反応溶液中に、ZnCdSeSの量子ドットを得ることができた。
得られた反応溶液を、蛍光分光計及び量子効率測定システムで測定した。その結果、図6に示すように、蛍光波長が約477nm、蛍光半値幅が約22nmである光学特性が得られた。
また、実施例5では、銅カルコゲニド前駆体を合成する際、アニオン種がセレンと硫黄の2種類存在しており、セレン物質量に対する硫黄物質量のモル比(S/Se比)が、0.125であった。
また、亜鉛化合物とカドミウム化合物の添加量において、カドミウム物質量に対する亜鉛物質量のモル比(Zn/Cd比)が、13であった。
また、得られた反応溶液をXRD装置にて測定した。その結果を図11に示す。また、図16に得られた反応溶液の走査線電子顕微鏡(SEM)写真を示す。これより平均粒径は、5.5nmであった。実施例5の平均粒径は、実施例1〜実施例5の平均粒径と同程度であることから、組成によって蛍光波長が変化していることが考えられる。
[比較例1]
100mLの反応容器に、無水酢酸銅(Cu(OAc))91mgと、オレイルアミン(OLAm)4.8mLと、オクタデセン(ODE)7.75mLを入れた。そして、不活性ガス(N)雰囲気下で、150℃で5分間、攪拌しながら加熱し、原料を溶解させた。
この溶液に、セレン(Se)粉をドデカンチオール(DDT)及びオレイルアミン(OLAm)に溶解させて得られた0.285Mの溶液を1.4mL添加し、150℃で10分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
その後、酢酸カドミウム二水和物(Cd(OAc)・2HO)98.6mgと、トリオクチルホスフィン(TOP)10mLと、オレイルアミン(OLAm)0.4mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
この反応溶液に、トルエン及びエタノールを加えて沈殿を発生させ、遠心分離を施して沈殿を回収し、その沈殿にオクタデセン(ODE)12mlを加えて分散させた。
その後、塩化亜鉛(ZnCl)504mgとトリオクチルホスフィン(TOP)5mLと、オレイルアミン(OLAm)0.5mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
得られた反応溶液を、蛍光分光計で測定したが、発光は確認できなかった。
[比較例2]
100mLの反応容器に、酢酸カドミウム二水和物(Cd(OAc)・2HO)98.6mgと、オレイルアミン(OLAm)4.8mLと、オクタデセン(ODE)7.75mLを入れた。そして、不活性ガス(N)雰囲気下で、150℃で5分間、攪拌しながら加熱し、原料を溶解させた。
この溶液に、セレン(Se)粉をドデカンチオール(DDT)及びオレイルアミン(OLAm)に溶解させて得られた0.285Mの溶液を1.4mL添加し、150℃で10分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
その後、塩化亜鉛(ZnCl)504mgと、トリオクチルホスフィン(TOP)10mLと、オレイルアミン(OLAm)0.4mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
この反応溶液に、トルエン、エタノール及びメタノールを加え沈殿を発生させ、遠心分離を施して沈殿を回収し、その沈殿にオクタデセン(ODE)12mlを加えて分散させた。
その後、塩化亜鉛(ZnCl)504mgとトリオクチルホスフィン(TOP)5mLと、オレイルアミン(OLAm)0.5mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
得られた反応溶液を、蛍光分光計で測定した。その結果、蛍光波長が約512nm、蛍光半値幅が約40nmである光学特性が得られた。
[比較例3]
100mLの反応容器に、無水酢酸銅(Cu(OAc))91mgと、酢酸カドミウム二水和物(Cd(OAc)・2HO)197.2mgと、オレイルアミン(OLAm)4.8mLと、オクタデセン(ODE)7.75mLを入れた。そして、不活性ガス(N)雰囲気下で、150℃で5分間、攪拌しながら加熱し、原料を溶解させた。
この溶液に、セレン(Se)粉をドデカンチオール(DDT)及びオレイルアミン(OLAm)に溶解させて得られた0.285Mの溶液を1.4mL添加し、150℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
その後、塩化亜鉛(ZnCl)504mgと、トリオクチルホスフィン(TOP)10mLと、オレイルアミン(OLAm)0.4mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
この反応溶液に、トルエン、エタノール及びメタノールを加え沈殿を発生させ、遠心分離を施して沈殿を回収し、その沈殿にオクタデセン(ODE)12mlを加えて分散させた。
その後、塩化亜鉛(ZnCl)504mgとトリオクチルホスフィン(TOP)5mLと、オレイルアミン(OLAm)0.5mLを入れ、不活性ガス(N)雰囲気下にて、180℃で30分間、攪拌しつつ加熱した。得られた反応溶液を、室温まで冷却した。
得られた反応溶液を、蛍光分光計で測定した。その結果、蛍光波長が約542.5nm、蛍光半値幅が約52nmである光学特性が得られた。
上記した実施例1〜実施例5、及び、比較例1〜比較例3における、組成、平均粒径、蛍光波長、蛍光半値幅、及び蛍光量子収率(QY)を以下の表1にまとめた。組成の数値は、いずれもmmolである。
Figure 2021183681
表1に示すように、本実施例では、いずれも蛍光半値幅が35nm以下であった。また、蛍光半値幅を32nm以下にすることができ、また、ZnCdSe系量子ドット、或いは、ZnCdSeS系量子ドットでは、蛍光半値幅を、25nm以下にすることができ、更に、20nm以下に制御することが可能であるとわかった。一方、比較例では、蛍光を示した比較例2及び比較例3では、蛍光半値幅が40nm以上となり、狭い蛍光半値幅を得られないことがわかった。
また、表1に示すように、実施例では、蛍光波長を、400nm〜700nmの範囲内で調整することが可能であるとわかった。また、蛍光波長を、450nm〜700nmの範囲で調整することが可能であるとわかった。
また、表1に示すように、実施例では、量子ドットの平均粒径を、2nm以上10nm以下の範囲内で調整できることがわかった。また、量子ドットの95%以上の粒径は、平均粒径の±2nmの範囲内に含まれており、多数の量子ドットの粒径を非常に均一に生成できたことがわかった。
また、実施例1〜実施例5の量子ドット粒子の分散溶液を、X線回折(XRD)装置、及び走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定した。図7〜11が、X線回折(XRD)装置の測定結果であり、図12〜16が、走査型電子顕微鏡(SEM)の測定結果である。
図7には、実施例1(CdSe系量子ドット)のみならず、参考として、カチオン交換後の量子ドットとしてのZnSe粒子のXRDスペクトルも合わせて掲載した。図7に示すように、実施例1とZnSeのピーク値が異なっていることが確認できた。
また、図8〜図10に示すZnCdSe系量子ドットのXRDスペクトルのピーク値より、Cdの使用量に伴ってXRDスペクトルのピーク値が異なっていることが確認できた。すなわち、表1に示すように、実施例2〜実施例4では、カチオン種であるZnとCdの組成比が異なることで、XRDスペクトルのピーク値が異なることがわかった。また、実施例3の図9に示すXRDスペクトルのピーク値と、実施例3に硫黄(S)を追加した実施例5の図11に示すXRDスペクトルのピーク値とが異なっており、これにより、硫黄(S)を追加したことによってXRDスペクトルのピーク値が異なることを確認できた。
各実施例に示すように、金属置換法でのカチオン種としてのカドミウムと亜鉛との添加比率を調整することで、量子ドットの蛍光半値幅を35nm以下に維持しつつ、前記蛍光波長を、400nm以上700nm以下の範囲にて制御可能であることがわかった。
具体的には、本実施例では、カドミウムに対する亜鉛のモル比を、30以下の範囲で調整することで、量子ドットの蛍光半値幅を35nm以下に維持しつつ、前記蛍光波長を、400nm以上700nm以下の範囲にて自由に調整できることがわかった。
また、各実施例に示すように、銅カルコゲニド前駆体を合成する際のアニオン種としてのセレンと硫黄との添加比率を調整することで、量子ドットの蛍光半値幅を32nm以下に維持しつつ、蛍光波長を、400nm以上700nm以下の範囲にて制御可能であることがわかった。
具体的には、本実施例では、セレンに対する硫黄のモル比を、0.2以下の範囲で調整することで、量子ドットの蛍光半値幅を35nm以下に維持しつつ、前記蛍光波長を、400nm以上700nm以下の範囲にて自由に調整できることがわかった。
本発明によれば、青〜赤色蛍光を発するCd系量子ドットを安定して得ることができる。そして本発明の量子ドットを、LEDやバックライト装置、表示装置等に適用することで、各装置において優れた発光特性を得ることができる。
1 :量子ドット
1a :コア
1b :シェル
2 :有機配位子

Claims (18)

  1. カドミウム(Cd)とセレン(Se)、或いは、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)とセレン(Se)、又は、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)とセレン(Se)と硫黄(S)、又は、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)と硫黄(S)を含有し、蛍光半値幅が、35nm以下であることを特徴とする量子ドット。
  2. 前記量子ドットの平均粒径が、2nm以上10nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の量子ドット。
  3. 前記量子ドットの粒径が、平均粒径の±2nmの範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の量子ドット。
  4. 蛍光波長が、400nm以上700nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の量子ドット。
  5. 量子ドットの前駆体であって、
    前記前駆体は、銅カルコゲニドであり、
    前記銅カルコゲニドの粒径が、平均粒径の±2nmの範囲であることを特徴とする量子ドット前駆体。
  6. 請求項5に記載の前駆体を用いて生成され、前記前駆体の残留物としての銅(Cu)を含むことを特徴とする量子ドット。
  7. 有機銅化合物、或いは、無機銅化合物と、有機カルコゲン化合物とから、前駆体としての銅カルコゲニドを合成し、銅カルコゲニド前駆体を用いて、カドミウム(Cd)とセレン(Se)、或いは、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)とセレン(Se)、又は、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)とセレン(Se)と硫黄(S)、又は、カドミウム(Cd)と亜鉛(Zn)と硫黄(S)を含有し、蛍光半値幅が32nm以下である量子ドットを合成することを特徴とする量子ドットの製造方法。
  8. 前記銅カルコゲニド前駆体の銅と、2種類以上の金属種を同時に金属交換することを特徴とする請求項7に記載の量子ドットの製造方法。
  9. 前記銅カルコゲニド前駆体の粒径が、平均粒径の±2nmの範囲であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の量子ドットの製造方法。
  10. 前記銅カルコゲニド前駆体の銅と、カドミウム、或いは、カドミウムと亜鉛を、金属交換することを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の量子ドットの製造方法。
  11. 亜鉛化合物とカドミウム化合物を、同時に添加して、銅と、カドミウム及び亜鉛とを金属交換し、カドミウムと亜鉛とセレン、或いは、カドミウムと亜鉛とセレンと硫黄、又は、カドミウムと亜鉛と硫黄を含有する前記量子ドットを合成することを特徴とする請求項10に記載の量子ドットの製造方法。
  12. 金属置換法でのカチオン種としてのカドミウムと亜鉛との添加比率を調整して、前記量子ドットの蛍光半値幅を35nm以下に維持しつつ、前記蛍光波長を、400nm以上700nm以下の範囲内に制御することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の量子ドットの製造方法。
  13. カドミウムに対する亜鉛のモル比(Zn/Cd)を、30以下の範囲で調整することを特徴とする請求項12に記載の量子ドットの製造方法。
  14. 銅カルコゲニド前駆体を合成する際のアニオン種としてのセレンと硫黄との添加比率を調整して、前記量子ドットの蛍光半値幅を35nm以下に維持しつつ、前記蛍光波長を、400nm以上700nm以下の範囲内に制御することを特徴とする請求項10から請求項13のいずれかに記載の量子ドットの製造方法。
  15. セレンに対する硫黄のモル比(S/Se)を、0.2以下の範囲で調整することを特徴とする請求項14に記載の量子ドットの製造方法。
  16. 金属交換反応を、140℃以上300℃以下で行うことを特徴とする請求項8から請求項15のいずれかに記載の量子ドットの製造方法。
  17. 前記銅カルコゲニド前駆体の粒径を、平均粒径の±2nmの範囲内に制御することを特徴とする請求項7から請求項16のいずれかに記載の量子ドットの製造方法。
  18. 前記銅カルコゲニド前駆体を、120℃以上250℃以下の反応温度で合成することを特徴とする請求項7から請求項17のいずれかに記載の量子ドットの製造方法。

JP2020089822A 2020-05-22 2020-05-22 量子ドット、量子ドット前駆体、及び、量子ドットの製造方法 Pending JP2021183681A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020089822A JP2021183681A (ja) 2020-05-22 2020-05-22 量子ドット、量子ドット前駆体、及び、量子ドットの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020089822A JP2021183681A (ja) 2020-05-22 2020-05-22 量子ドット、量子ドット前駆体、及び、量子ドットの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021183681A true JP2021183681A (ja) 2021-12-02

Family

ID=78767139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020089822A Pending JP2021183681A (ja) 2020-05-22 2020-05-22 量子ドット、量子ドット前駆体、及び、量子ドットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021183681A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024039174A1 (ko) * 2022-08-16 2024-02-22 (주)디씨티 조명 장치용 양자점 필름 및 이를 이용한 조명 장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024039174A1 (ko) * 2022-08-16 2024-02-22 (주)디씨티 조명 장치용 양자점 필름 및 이를 이용한 조명 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7283733B2 (ja) 量子ドット、量子ドットを用いた波長変換部材、照明部材、バックライト装置、並びに、表示装置
JP7394278B2 (ja) 量子ドット及び、量子ドットを用いた波長変換部材、照明部材、バックライト装置、表示装置、並びに、量子ドットの製造方法
WO2021054355A1 (ja) 量子ドット及び、その製造方法
JP2021183681A (ja) 量子ドット、量子ドット前駆体、及び、量子ドットの製造方法
KR20230125272A (ko) 양자점의 제조 방법, 및, 양자점
WO2022181752A1 (ja) 量子ドットの製造方法、及び、量子ドット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230519

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20230928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240319

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240806

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20241003