JP2021183075A - カテーテル - Google Patents

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亮 中島
Ryo Nakajima
果奈 増渕
Kana Masubuchi
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【課題】初期及び長期間での潤滑性が良好であるカテーテルを提供する。【解決手段】シリコーンゴムからなるカテーテルチューブ11を備えるカテーテル10であって、カテーテルチューブ11の表面に、エチレンオキサイド含有ポリオール、ポリイソシアネート、水溶性高分子、及び有機溶媒を含む組成物を架橋及び乾燥させてなる架橋ポリウレタン網状体を備えるカテーテルである。エチレンオキサイド含有ポリオールとしては、ポリエチレングリコールが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、カテーテルに関する。
医療分野において、例えば、排尿が困難な患者の導尿、手術や絶対安静時の導尿、残尿量の測定等の目的で、フォーリーカテーテルが使用されている。フォーリーカテーテルは、柔軟なチューブ部分を尿道に通し、挿入後は膀胱内で先端のバルーンを膨張させて留置して使用される。フォーリーカテーテルは、通常シリコーン等からなり、尿道を傷つけないように、表面部分の摩擦が低いことが求められている。このような要求に対して、カテーテルの表面に潤滑性を付与する水溶性高分子を含むコーティングを形成する方法が知られている。例えば、特許文献1には、ポリビニルピロリドンとポリウレタンとのインターポリマーを表面に形成する方法が開示されている。
特開平5−156203号公報
しかしながら、カテーテル表面の潤滑性は、未だ十分とはいえない。また、フォーリーカテーテルは体内に設置されてから一定期間経過した後に抜去されるため、潤滑性が失われ、抜去時に痛みを感じるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、初期及び長期間での潤滑性が良好であるカテーテルを提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子とポリウレタン鎖との分子間相互作用が弱いと水溶性高分子の脱落が生じて潤滑性が失われていることに着目した。そして、ポリウレタンを構成するポリオールとして親水性のエチレンオキサイド含有ポリオールを用いることによって、初期及び長期間での潤滑性を良好にできることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、シリコーンゴムからなるカテーテルチューブを備えるカテーテルであって、カテーテルチューブの表面に、水溶性高分子、及び、水溶性高分子の存在下でポリイソシアネートとエチレンオキサイド含有ポリオールとの反応から生成した架橋ポリウレタン網状体を備えるカテーテルである。
水溶性高分子は、ポリビニルピロリドンであることが好ましい。
エチレンオキサイド含有ポリオールは、ポリエチレングリコールであることが好ましい。
架橋ポリウレタン網状体の厚さは、5μm以下であることが好ましい。
本発明のカテーテルは、バルーン部を有するものであってもよい。
本発明のカテーテルによれば、初期及び長期間での潤滑性が良好である。
本発明の一実施形態のバルーンカテーテルを示す平面図である。 図1のA−A断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態は例示の目的で提示するものであり、本発明は、以下に示す実施形態に何ら限定されるものではない。
[カテーテル]
本発明の一実施形態としてのフォーリーカテーテル10について図1及び図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、フォーリーカテーテル10は、カテーテルチューブ11とバルーン部20とを有する。また、カテーテルチューブ11の先端部には、尿を取り入れる側孔12が形成されている。
カテーテルチューブ11は、図2に示すように、内部に第1ルーメン14と第2ルーメン15を有する。第1ルーメン14は、側孔12と連通する内部導通孔である。側孔12から取り入れられた膀胱内の尿は、排尿用ファネル17を介して採尿バッグ(不図示)に排出される。第2ルーメン15は、バルーンチューブ21を膨らませるための媒体、例えば、生理食塩水、殺菌精製水、空気等が送排出される内部導通孔である。第2ルーメン15は、第2ルーメン15内部からカテーテルチューブ11の外壁に至る貫通孔13を有する。第2ルーメン15には、バルブ18によって、例えば空気が第2ルーメン15に圧入される。圧入された空気は、第2ルーメン15から貫通孔13を通ってカテーテルチューブ11とバルーンチューブ21との間に供給される。これにより、バルーンチューブ21が拡張するとともに、空気が内部に滞留することでバルーンが形成される。
カテーテルチューブ11の側面には、長手方向Xに沿って線状に造影剤が配合された造影部分16が設けられていてもよい。
(カテーテルチューブ)
カテーテルチューブ11は、シリコーンゴムからなるものである。カテーテルチューブ11のゴム硬度(JIS K 6253−3)は、体内挿入時の痛みを軽減する観点から、A30以上A80以下であることが好ましく、A40以上A70以下であることがより好ましい。
カテーテルチューブ11の製造方法の詳細は、後述するが、公知の付加硬化型のミラブル型シリコーンゴム組成物を用いて、押出成形で作製することができる。
(架橋ポリウレタン網状体)
本発明の一実施形態であるフォーリーカテーテル10は、図1に示すように、カテーテルチューブ11及びバルーン部20の表面に、架橋ポリウレタン網状体30(図2参照)を備える。
架橋ポリウレタン網状体30は、カテーテルチューブ11の外周に、エチレンオキサイド含有ポリオール、ポリイソシアネート、水溶性高分子、及び有機溶媒を含む組成物(以下、架橋ポリウレタン網状体形成用組成物と記載する)を塗布した後、架橋及び乾燥させて形成される。
架橋ポリウレタン網状体30の厚さは、長期間に亘って潤滑性を保持する観点から、5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましい。
以下、架橋ポリウレタン網状体形成用組成物の各構成成分について記載する。
−エチレンオキサイド含有ポリオール−
エチレンオキサイド含有ポリオールは、下記一般式1の構成単位を有するポリオールである。
Figure 2021183075
nは2以上150以下が好ましい。
上記構成単位のポリオール中の含有量は、10質量%以上100質量%以下であることが好ましく、20質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。
エチレンオキサイド含有ポリオールとしては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールが好ましい。
ポリエチレングリコールの分子量は、200〜6,000であることが好ましく、200〜4,000がより好ましい。
−ポリイソシアネート−
ポリイソシアネートは、ポリウレタンの調製に通常使用される各種イソシアネートであればよく、例えば、脂肪族イソシアネート、芳香族イソシアネート及びこれらの誘導体等が挙げられる。イソシアネートは、貯蔵安定性に優れ、反応速度を制御しやすい点で、脂肪族イソシアネートであるのが好ましい。
芳香族イソシアネートとしては、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(トリレンジイソシアネートとも称する。TDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、メタフェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、オルトトルイジンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネートメチル、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート等が挙げられる。
誘導体としては、ポリイソシアネートの多核体、ポリオール等で変性したウレタン変性物(ウレタンプレポリマーを含む)、ウレチジオン形成による二量体、イソシアヌレート変性物、カルボジイミド変性物、ウレトンイミン変性物、アロハネート変性物、ウレア変性物、ビュレット変性物等が挙げられる。ポリイソシアネートは、1種単独で又は2種以上を用いることができる。ポリイソシアネートは、500〜2000の分子量を有するのが好ましく、700〜1500の分子量を有するのがより好ましい。
ポリイソシアネート1分子中のイソシアネート基の数は、2以上であり、2.5以上であることが好ましく、3以上がより好ましい。
エチレンオキサイド含有ポリオールとポリイソシアネートとの混合物における混合は、特に限定されないが、通常、ポリオールに含まれる水酸基(OH)と、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基(NCO)とのモル比(NCO/OH)が0.7以上1.15以下であるのが好ましい。なお、実際には、作業環境、作業上の誤差を考慮して適正モル比の3倍から4倍相当量を配合してもよい。
架橋ポリウレタン網状体形成用組成物には、エチレンオキサイド含有ポリオールとイソシアネートとの反応に通常使用される助剤、例えば、鎖延長剤、架橋剤等を併用してもよい。鎖延長剤、架橋剤としては、例えば、グリコール類、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、アミン類等が挙げられる。
−水溶性高分子−
水溶性高分子としては、限定するものではないが、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、多糖類、ヒアルロン酸及びその塩と誘導体、アルギン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸、セルロース、キチン、キトサン、アガロース、キサンタン、デルマタン硫酸、ケラチン硫酸、エミルザン、ジェラン、カードラン、アミロース、カラギーナン、アミロペクチン、デキストラン、グリコーゲン、デンプン、ヘパリン硫酸、及び限界デキストリンならびにそれらの断片、合成親水性ポリマー、ポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。本発明での使用に好ましい水溶性高分子はポリビニルピロリドンである。
架橋ポリウレタン網状体30に含まれる水溶性高分子の種類は1種類でもよいし、2種類以上でもよい。上記範囲であると、潤滑性及び耐久性をより向上させることができる。
−有機溶媒−
有機溶媒は、エチレンオキサイド含有ポリオール、ポリイソシアネート及び水溶性高分子と反応しないが、全てを溶解することができる必要がある。有機溶媒は、反応性アミン、ヒドロキシル及びカルボキシル基を含まないことが好ましい。具体的には、臭化メチレン、塩化メチレン、二臭化メタン、クロロホルム、二塩化エタン、臭化n−プロピル、アセトニトリル、二臭化エタン、メチルベンキソエート、酢酸ベンジル、臭化n−プロピル、シクロヘキサノン、ジクロエチレン、1,3−ジオキソラン及びN−メチルピロリドンからなる群から選択される。
架橋ポリウレタン網状体形成用組成物は、エチレンオキサイド含有ポリオール、ポリイソシアネート、水溶性高分子及び有機溶媒以外の他の成分を含んでもよい。他の成分としては、例えば、触媒、酸化防止剤、抗菌剤等が挙げられる。
−触媒−
好適な触媒の非限定的な例として、第3級アミン、例えば、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチル−シクロヘキサミン−ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−エチルモルホリン、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチル−ジエチレン−トリアミン、及び1−2(ヒドロキシプロピル)イミダゾール、並びに金属触媒、例えば、スズ、オクタン酸スズ、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズメルカプチド、アセチルアセトン第二鉄、オクタン酸鉛、ジブチルスズジリシノレエート及びジブチルスズジリシノレエートが挙げられる。炭酸カルシウム、鉄(III)アセチルアセトネート、好ましい触媒はスズである。最も好ましい触媒は、ジオクチルスズジラウレートである。触媒は、ポリオールとポリイソシアネート中0.05質量%以上0.5質量%以下の範囲であることが好ましい。
−酸化防止剤−
酸化防止剤は、硬化被覆の酸化安定性改善に効果的である。酸化防止剤としては、ビタミンE、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,2’−メチレンビス(4メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ブチルヒドロキシトルエン、オクタデシル3,5,ジ−t−ブチル4−ヒドロキシヒドロシンナメート、4,4’メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタンが挙げられるが、これらに限定されない。酸化防止剤は、ポリオールとポリイソシアネート中0.01質量%以上1質量%以下であることが好ましい。
カテーテルチューブ11と架橋ポリウレタン網状体30との間に、接着強度を向上させるために接着層、又はシランカップリング剤からなるプライマー層を設けてもよい。また、プライマー層を設ける前に、カテーテルチューブ11の表面とプライマー層との接着性を向上させるために、カテーテルチューブ11の表面に表面改質処理を行ってもよい。さらに、架橋ポリウレタン網状体形成用組成物には、架橋ポリウレタン網状体30との接着を向上させる観点からシランカップリング剤を含有してもよい。
上記実施形態では、フォーリーカテーテルについて記載したが、本発明のカテーテルは、フォーリーカテーテルに限られない。また、本発明は、バルーン部20を有しないカテーテルであってもよい。
本発明のカテーテルは、ウレタンを形成するポリオール成分として、エチレンオキサイド含有ポリオールを用いている。エチレンオキサイド含有ポリオールを用いることにより、初期の潤滑性が良好であり、かつ長期間に亘って潤滑性を有するカテーテルを得ることができる。これは、エチレンオキサイド含有ポリオールの親水性によって、水溶性高分子とポリウレタン鎖の分子間相互作用が大きくなり、水溶性高分子の脱落を防止できたためと推測される。
[カテーテルの製造方法]
本発明のカテーテルの製造方法は、シリコーンゴム組成物を用いて少なくとも1つのルーメンを有するカテーテルチューブを作製する工程と、カテーテルチューブの外周に、エチレンオキサイド含有ポリオール、ポリイソシアネート、水溶性高分子、及び有機溶媒を含む組成物を塗布した後、架橋及び乾燥させて架橋ポリウレタン網状体を形成する工程と、を有する。
以下、本発明のカテーテルの製造方法の一実施形態であるフォーリーカテーテルの製造方法について説明する。本実施形態で説明するフォーリーカテーテルは、上記フォーリーカテーテル10と同様の構成であり、同じ要素には同じ符号を付して説明する。
(カテーテルチューブの作製)
カテーテルチューブ11は、シリコーンゴム組成物を、一次押出成形及び加硫処理により作製することができる。一次押出成形は、公知の水平型押出成形機及び垂直型押出成形機で行うことができる。本発明の第一チューブの押出成形及び加硫処理では、垂直型押出機と加硫機を使用することが好ましい。垂直型押出機と加硫機を使用することにより、チューブの表面に微細な接触痕跡が残らないため、バルーンの膨脹時に偏心が発生せず、又はバルーンの破裂を防止できる。
シリコーンゴム組成物としては、例えば、オルガノポリシロキサン、及び充填材を含有する付加硬化型のミラブル型シリコーンゴム組成物が挙げられる。付加硬化型のミラブル型シリコーンゴム組成物は、添加剤としては、例えば、抗菌剤、助剤(鎖延長剤、架橋剤等)、触媒、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が添加されていてもよい。
(架橋ポリウレタン網状体の形成)
架橋ポリウレタン網状体形成用組成物の塗布は、ロールコート法、ディッピング法等により可能である。本実施形態のように、バルーン部20を有するカテーテルの場合は、カテーテルチューブ11にバルーン部20を構成するバルーンチューブ21を取付け、架橋ポリウレタン網状体形成用組成物を塗布した後、架橋及び乾燥させて架橋ポリウレタン網状体30を形成する。
本実施形態では、バルーン部20を有するフォーリーカテーテル10について説明したが、バルーン部20を有しないカテーテルであってもよく、その場合は、カテーテルチューブ11の外周に架橋ポリウレタン網状体30を形成する。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(カテーテルチューブの作製)
以下の原料でカテーテルチューブ用のシリコーンゴム組成物を調製した。
・シリコーンゴム(商品名「KE−561(U)」、信越化学工業株式会社製)
100質量部
・加硫剤(商品名「C−25A」、信越化学工業株式会社製) 0.5質量部
・加硫剤(商品名「C−25B」、信越化学工業株式会社製) 2.0質量部
次に、上記シリコーンゴム組成物を用いて押出成形により、第1ルーメン及び第2ルーメンを有するカテーテルチューブを作製した。カテーテルチューブのバルーンが形成される領域において、第2ルーメンからカテーテルチューブのチューブの外壁に至る側孔を鉗子で形成した。カテーテルチューブの硬度(JIS K 6253−3)はA60であった。
最後に、カテーテルチューブの先端に、接着剤として、一液型室温硬化性シリコーンゴム組成物(例えば、商品名「KE−45RTV」、信越化学工業株式会社製)を用い、先端封止部を装着し、カテーテルを完成させた。
(架橋ポリウレタン網状体の形成)
以下の原料で架橋ポリウレタン網状体形成用組成物を調製した。
(1)ポリエチレングリコール(分子量1000) 100質量部
(2)ポリイソシアネート(商品名「ミリオネートMR−200」、東ソー株式会社製) 30質量部
(3)ポリビニルピロリドン(商品名「K−90」、株式会社日本触媒社製)
300質量部
(4)触媒ジブチルスズラウレート 0.6質量部
(5)溶媒ジブロモメタン 20000質量部
ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基(NCO)とポリエチレングリコールに含まれる水酸基(OH)とのモル比[NCO/OH]=1.1/1であった。
ディッピング法によりカテーテルチューブの表面に組成物を塗布し、架橋及び乾燥させて架橋ポリウレタン網状体を形成した。
[実施例2]
実施例1と同様のカテーテルを作成し、以下の原料で架橋ポリウレタン網状体形成用組成物を調整した。
(1)ポリエチレングリコール(分子量2000) 100質量部
(2)ポリイソシアネート(商品名「ミリオネートMR−200」、東ソー株式会社製) 15質量部
(3)ポリビニルピロリドン(商品名「K−90」、株式会社日本触媒社製)
300質量部
(4)触媒ジブチルスズラウレート 0.6質量部
(5)溶媒ジブロモメタン 20000質量部
ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基(NCO)とポリエチレングリコールに含まれる水酸基(OH)とのモル比[NCO/OH]=1.1/1であった。
ディッピング法によりカテーテルチューブの表面に組成物を塗布し、架橋及び乾燥させて架橋ポリウレタン網状体を形成した。
[実施例3]
実施例1と同様のカテーテルを作成し、以下の原料で架橋ポリウレタン網状体形成用組成物を調整した。
(1)エチレンオキサイド含有ポリオール(商品名「PR−3007」、株式会社ADEKA製) 100質量部
(2)ポリイソシアネート(商品名「ミリオネートMR−200」、東ソー株式会社製) 10質量部
(3)ポリビニルピロリドン(商品名「K−90」、株式会社日本触媒社製)
275質量部
(4)触媒ジブチルスズラウレート 0.6質量部
(5)溶媒ジブロモメタン 20000質量部
ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基(NCO)とポリオールに含まれる水酸基(OH)とのモル比[NCO/OH]=1.1/1であった。
ディッピング法によりカテーテルチューブの表面に組成物を塗布し、架橋及び乾燥して架橋ポリウレタン網状体を形成した。
[比較例1]
ポリエチレングリコールの代わりに、ポリプロピレングリコール(商品名「ユニオール D−2000」、日油株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にカテーテルを作製した。
[比較例2]
ポリエチレングリコールの代わりに、ポリエステルポリオール(商品名「クラレポリオール P−2010」、株式会社クラレ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にカテーテルを作製した。
[評価]
上記実施例及び比較例について、潤滑性の評価として静摩擦係数を測定した。
(静摩擦係数の測定)
実施例及び比較例で作製したカテーテルを60℃の温水に30秒間浸漬した後、温水から取り出し、新東科学社製のポータブル摩擦計(TYPE:94i−II)を用いて、静摩擦係数を測定した。またその後、流水中において強い指圧で測定箇所を50回擦り、再び60℃の温水に30秒間浸漬した後、温水から取り出し、再び同箇所の静摩擦係数を測定した。
Figure 2021183075
表1から、本発明のカテーテルは、摺動50回後も静摩擦係数が小さく、初期及び長期間での潤滑性が良好であることがわかる。
10 フォーリーカテーテル
11 カテーテルチューブ
12 側孔
13 貫通孔
14 第1ルーメン
15 第2ルーメン
16 造影部分
17 排尿用ファネル
18 バルブ
20 バルーン部
21 バルーンチューブ
30 架橋ポリウレタン網状体

Claims (5)

  1. シリコーンゴムからなるカテーテルチューブを備えるカテーテルであって、
    前記カテーテルチューブの表面に、水溶性高分子、及び、前記水溶性高分子の存在下でポリイソシアネートとエチレンオキサイド含有ポリオールとの反応から生成した架橋ポリウレタン網状体を備えるカテーテル。
  2. 前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドンである請求項1記載のカテーテル。
  3. 前記エチレンオキサイド含有ポリオールが、ポリエチレングリコールである請求項1又は2記載のカテーテル。
  4. 前記架橋ポリウレタン網状体の厚さが、5μm以下である請求項1から3いずれか1項記載のカテーテル。
  5. バルーン部を有する請求項1から4いずれか1項記載のカテーテル。
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