JP2021180953A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遊技の制御を好適に実行可能な遊技機を提供する。【解決手段】 パチンコ機には、第1特別図柄に係る大当り種別として、通常遊技状態中における当選によって短期時短遊技状態へ遷移する第1大当り2,5と、短期時短遊技状態中における当選によって長期時短遊技状態へ遷移する第1大当り1〜5とが設けられ、第2特別図柄に係る大当り種別として、通常遊技状態及び短期時短遊技状態のいずれにおいても長期時短遊技状態へ遷移する第2大当り1,2が設けられている。このため、複数回の下側中始動入賞装置431への遊技球の進入による複数回の大当りによって長期時短遊技状態へ段階的に遷移する遊技性と、右始動入賞装置432への遊技球の進入による1回の大当りによって第2有利遊技状態へ遷移する遊技性とを付加することができる。【選択図】 図29

Description

本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。
かかる従来の遊技機において、遊技の興趣を向上させるために様々な工夫がなされている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−254955号公報
しかしながら、遊技機における遊技の制御に関する構成について改良の余地がある可能性があった。
本発明は、上述した課題等を解決するためになされたものであり、遊技の制御を好適に実行可能な遊技機を提供することを目的としている。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技機であって、
第1所定条件または第2所定条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段と、
前記第1所定条件または第2所定条件が成立した場合に変動表示を行い、該変動表示の後に前記所定の抽選の結果に対応した結果情報を表示可能な表示装置と、
該表示装置による前記変動表示の実行中に他の所定条件が成立した場合に、当該他の所定条件の成立に対する変動表示の実行を所定の最大回数まで保留可能な保留手段と、
遊技球が進入した場合に前記第1所定条件が成立する第1始動部と、
遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に前記第2所定条件が成立する第2始動部と、
遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値を遊技者に付与する可変入賞部と、
前記第2始動部における遊技球の進入し易さと、前記可変入賞部における遊技球の進入し易さとを少なくとも制御して複数種類の遊技状態を発生させる遊技状態制御手段と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技の制御を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 中央構造体の分解斜視図 図13における領域E1の拡大図 天板飾り、左上前飾り、および右上前飾りを裏側から見た斜視図 中央構造体の部分断面図 図16の部分断面図を正面から見た図 中央構造体の正面図 流下通路の形状を説明する図 図17における領域E2の拡大図 上下のステージを説明する図 遊技盤の分解斜視図 可動体の正面図 可動体が初期位置に配置された場合を示す図 可動体が変動表示位置に配置された場合を示す図 可動体が中間位置に配置された場合を示す図 可動体が照射位置に配置された場合を示す図 特別図柄の抽選内容と、遷移する遊技状態の関係を示す図 遊技状態の進行制御を示すフローチャート 短期時短遊技状態開始時における主制御基板の制御を示すタイミングチャート 副制御基板による操作報知制御処理を示すフローチャート 第2実施形態の中央構造体の斜視図 第2実施形態のパチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 上側始動入賞装置を構成する各始動入賞装置の動作パターンを説明する図 上側始動入賞装置等に進入した遊技球の排出経路を説明する図 第3実施形態の中央構造体における特徴的な下部を抽出した正面図 図36と同部分の斜視図 左ワープ通路における出口付近の通路形状を説明するための図
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。なお、図7では、後述する可動体710(図22参照)の図示を省略している。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、下側中始動入賞装置431)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下流側に配置された大入賞装置433,434(具体的には、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上流側に配置された役連作動装置435と、中央大入賞装置434の左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。また、遊技盤400は、上側中始動入賞装置632に配置された、第2特別図柄に係る始動装置として右始動入賞装置432と同様に機能する上側中始動入賞装置632と、中央構造体420の左側に配置された、一般入賞装置439A,439Bと同様に機能する一般入賞装置639とを備えている。
また、遊技盤400には、上記した下側中始動入賞装置431等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、下側中始動入賞装置431に進入した遊技球を検出する第1始動入賞スイッチ(第1始動入賞スイッチ441)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する第2始動入賞スイッチ(第2始動入賞スイッチ442)、上側中始動入賞装置632に進入した遊技球を検出する第2始動入賞スイッチ(第2始動入賞スイッチ642)、右大入賞装置433に進入した遊技球を検出する右大入賞スイッチ443、中央大入賞装置434に進入した遊技球を検出する中央大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、右大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、右大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B、一般入賞装置639に進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ649等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、下側中始動入賞装置431、右始動入賞装置432、上側中始動入賞装置632、右大入賞装置433、中央大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439B,639の遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図7には図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、下側中始動入賞装置431及び上側中始動入賞装置632)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、下側中始動入賞装置431等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る下側中始動入賞装置431及び第2特別図柄に係る上側中始動入賞装置632、並びに、一般入賞装置439A、一般入賞装置439B、及び一般入賞装置639の各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439B,639のいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、可動片が進入口(入賞口)を閉鎖する配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、可動片が進入口内に遊技球を誘導する配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
右大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する右進入規制機構453と、右進入規制機構453の姿勢を変化させる右進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、右大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。右大入賞装置433の右進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、右進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は右大入賞装置433に進入できないが、右進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、右進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は右大入賞装置433に進入できるようになる。また、右大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
中央大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する中央進入規制機構454と、中央進入規制機構454の姿勢を変化させる中央進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。中央進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、中央進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は中央大入賞装置434に進入できないが、中央進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、中央進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は中央大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
右大入賞装置433及び中央大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る下側中始動入賞装置431へ進入した遊技球が第1始動入賞スイッチ441で検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432若しくは上側中始動入賞装置632へ進入した遊技球が第2始動入賞スイッチ442若しくは第2始動入賞スイッチ642で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、右進入規制ソレノイド463又は中央進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ右進入規制機構453又は中央進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、右進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、右大入賞装置433又は中央大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、右大入賞装置433又は中央大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により右大入賞装置433又は中央大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、下側中始動入賞装置431に進入した遊技球が第1始動入賞スイッチ441(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432若しくは上側中始動入賞装置632に進入した遊技球が第2始動入賞スイッチ442若しくは第2始動入賞スイッチ642(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選は、略同一の確率で大当りに当選する設定とされ、例えば、略23分の1で大当りに当選する。第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選のいずれかで大当りに当選した場合には、右大入賞装置433又は中央大入賞装置434のいずれかが作動を開始して、遊技者にとって入賞口への入賞による賞球を獲得し易い特別遊技状態が発生する。1回の大当りで獲得可能な賞球数は、第1特別図柄抽選の当選か、第2特別図柄抽選の当選かによって異なる設定とされている。例えば、第1特別図柄抽選に当選した場合、略77%の確率で一定の賞球(例えば、略150個)を獲得可能であり、残り23%の確率で入賞が発生せず賞球を獲得できない。第2特別図柄抽選に当選した場合には、第1特別図柄抽選の当選よりも多数の賞球を獲得し易く設定され、略25%の確率で多数の賞球(例えば、略250個)を獲得可能であり、残り75%の確率で少数の賞球(例えば、略150個)を獲得可能とされている。
また、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選のいずれかで大当りに当選した場合には、予め設定した確率で時短遊技状態へ移行する。時短遊技状態へ移行する確率は、第1特別図柄抽選の当選か、第2特別図柄抽選の当選かによって異なる設定とされ、また、当選が発生した遊技状態によって異なる設定とされている。例えば、第1特別図柄抽選に当選した場合、通常遊技状態中の当選であれば略30%、時短遊技状態中であれば100%で時短遊技状態へ移行し、第2特別図柄抽選に当選した場合には、第1特別図柄抽選の当選より遊技者にとって有利な遊技状態へ移行し易く設定され、遊技状態に関わらず100%で時短遊技状態へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である。また、時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、1回または87回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。時短遊技状態が継続する単位遊技の総数(以下、時短回数ともいう)は、第1特別図柄抽選の当選か、第2特別図柄抽選の当選かによって設定される条件が異なり、また、当選が発生した遊技状態によっても異なる設定とされている。例えば、第1特別図柄抽選に当選した場合、通常遊技状態中の当選であれば、略70%の確率で1回の時短回数が選択され、略30%の確率で1回の時短回数が選択される。また、時短遊技状態中における第1特別図柄抽選に当選した場合、並びに、通常遊技状態及び時短遊技状態中において第2特別図柄抽選に当選した場合には、通常遊技状態中に第1特別図柄抽選に当選した場合よりも長い時短回数が選択され易く設定され、100%の確率で87回の時短回数が選択される。なお、遊技状態の移行制御に関する設定の詳細については、図28等を参照して後述する。
第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選には、大当りとは別に小当りの抽選も実行される。大当りに当選しなかった場合には小当りに当選する場合があり、小当りに当選した場合には、右大入賞装置433が、僅かの時間(例えば、略0.1秒)だけ作動して進入許容姿勢をとる。右大入賞装置433が、小当りの当選に基づいて作動している期間中に遊技球が特定通路(右大入賞装置433の内部に設けられる通路の一部)へ進入するか否かに対応して、遊技者にとって有利な遊技状態を付与するか否かが異なる。例えば、特定通路へ遊技球が進入した場合には、有利な遊技状態として、再度、右大入賞装置433が作動を開始し、一定の時間(例えば、略1.8秒)、進入許容姿勢をとる。小当りに当選して2回目以降の右大入賞装置433の作動において特定通路へ遊技球が進入した場合には、更に、再度の右大入賞装置433の作動の権利が付与され、この作動が予め定めた上限回数(例えば、3回)に達するまで継続する。
ここで、特定通路へ遊技球が進入した場合の有利な遊技状態としては、再度の右大入賞装置433の作動による構成に限らず、それに代えて、又は、それに加えて、他の有利な遊技状態を付与しても良い。例えば、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行し、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、1回または87回)となるまで維持される構成としても良い。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る下側中始動入賞装置431に進入した遊技球が第1始動入賞スイッチ441(図10参照)によって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、右進入規制機構453又は中央進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、3ラウンド、4ラウンド及び5ラウンドの3種類の設定)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、右大入賞装置433の右進入規制機構453及び中央大入賞装置434の中央進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。例えば、中央進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合に1ラウンドの終了となって、中央進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、中央進入規制機構454が進入許容姿勢に復帰する。
右進入規制機構453及び中央進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432若しくは上側中始動入賞装置632に進入した遊技球が第2始動入賞スイッチ442若しくは第2始動入賞スイッチ642によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略2.4秒)に亘って間欠的に(例えば、2回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、1個)の遊技球が第2始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。右始動入賞装置432に係る第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略2.4秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、右始動入賞装置432に係る第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に右始動入賞装置432に係る第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の右側を遊技球が流下しない範囲内で遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側を経由して遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434は、中央構造体420に対して右側を流下した遊技球が進入可能な位置に配置され、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
また、中央構造体420の上部に位置する第2特別図柄に係る上側中始動入賞装置632には、左打ち遊技手法にて遊技球を流下させている状況で遊技球が進入可能となっている。上側中始動入賞装置632は、下側中始動入賞装置431と比べて、非常に低い確率(例えば、略60分の1の確率)で遊技球が進入する設定とされている。上側中始動入賞装置632への遊技球の進入によって受けられる第2特別図柄抽選は、第1特別図柄抽選に比べて遊技者が遊技をする上での価値(遊技価値)を獲得し易く、大当りに当選した場合に時短遊技状態へ移行する確率が高く、特別遊技状態において獲得可能な賞球数も多い。このため、通常遊技状態において左打ち遊技手法による遊技を行う期間中に、下側中始動入賞装置431への第1特別図柄抽選による大当りの期待だけでなく、稀に発生する上側中始動入賞装置632への遊技球の進入によって第2特別図柄抽選が実行されることで遊技価値を多量に獲得するチャンスを常時期待させることができる。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための貯留球スイッチ591(図10参照)が取着されている。貯留球スイッチ591は、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、右進入規制ソレノイド463、中央進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、第1始動入賞スイッチ441、第2始動入賞スイッチ442,642、右大入賞スイッチ443、中央大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449B,649の各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による右大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、下側中始動入賞装置431、右始動入賞装置432、上側中始動入賞装置632、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、第1始動入賞スイッチ441(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、第1始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、第2始動入賞スイッチ442,642(図10参照)による遊技球の検出に基づいて第2始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、右大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、中央大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて中央大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<中央構造体420によってなされる遊技球の移動方向の変化>
次に、図13から図16を主に参照して、遊技領域を流下する遊技球の移動方向が中央構造体420によって変化される構成について説明する。図13は、中央構造体420の分解斜視図である。より詳細には、図13は、中央構造体420において、遊技者に対向する側(すなわち、表側)の面である前面側上部に装着された一部の部材(天板飾り611、左上前飾り612、右上前飾り613)を、その他の部材に対して分解した斜視図である。
図13に示すように、天板飾り611は、遊技者から視認される飾り本体611Aの裏面に、上端より内側となる位置から突出する屋根611Bを備えている。屋根611Bは、天板飾り611の略中央を頂点とする上向きに凸の滑らかに湾曲した形状に構成される。屋根611Bにおける、飾り本体611Aとの接合部に対して反対側となる端辺は、中央構造体420の本体側前面に接し、これにより、屋根611Bは、飾り本体611Aの裏面と中央構造体420の本体側前面とともに、上方が開放された球通路として構成される。
よって、発射装置330から発射され、中央構造体420に対して上側の遊技領域(以下において「上側遊技領域」とも称す)に進入した遊技球の一部は、上側遊技領域を流下した後に屋根611Bに到達し得る。上述した通り、屋根611Bは、上向きに凸の湾曲形状に構成されるので、屋根611Bに到達した遊技球は、その到達位置や、到達時における遊技球の移動方向などの条件に応じて、屋根611B上を左方向(矢印Q1方向)または右方向(矢印Q2方向)に転動する。
また、屋根611Bの略中央(つまり、略頂上)には、遊技球を中央構造体420の本体側に誘導する凹部611Cが設けられている。凹部611Cの先には通過口621が設けられている。これにより、屋根611Bに到達した遊技球は、左または右方向に転動することで屋根611Bの左端または右端から排出される以外に、凹部611Cを経て通過口621に案内され得る。つまり、屋根611Bは、屋根611B上に到達した遊技球を左右または通過口621内に振り分ける振分部(第1振分部)として機能する。
中央構造体420の本体側右上上部には、左打ち遊技手法によって流下する遊技領域と、右打ち遊技手法によって流下する遊技領域とを区画する区画部624が設けられている。区画部624は、遊技領域の外形を形成する外レール402(図7参照)に対して下側に遊技球を通過可能な一定の隙間を隔てて右下方に傾斜する傾斜面を有する板状に形成され、区画部624の上側を経由する遊技球は、右打ち遊技手法によって流下する遊技球となる。一方、区画部624の下側を経由する遊技球は、左打ち遊技手法によって流下する遊技球となる。
よって、本実施形態のパチンコ機100において、左打ち遊技手法によって流下する遊技球は、中央構造体420に対して左側から下側に連続する遊技領域(以下において「左側遊技領域」とも称す)だけでなく、左側遊技領域と上側遊技領域との間に位置する中央上部遊技領域を経由する。中央上部遊技領域は、中央構造体420の内部領域を含む領域であって、中央構造体420の上部において、遊技球が屋根611Bの左右を流下する領域に相当し、上側中始動入賞装置632を含む。このため、上側中始動入賞装置632は、左側遊技領域に対しては上流側に配置されている。一方、下側中始動入賞装置431は、左側遊技領域の一部に設けられ、中央上部遊技領域に対して下流側に配置されている。
屋根611Bによって左右に振り分けられた遊技球の移動経路については、図15および図16を参照して後述する。一方、通過口621に案内された遊技球は、通過口621に連設される振分装置622に案内される。振分装置622は、第2振分部として機能する装置であり、案内された遊技球を、上側中始動入賞装置632または当該始動入賞装置632の外に振り分ける。
振分装置622の下方には、流下規制部623が設けられている。流下規制部623は、その上面が右から左へと下降傾斜する傾斜面として構成される。流下規制部623の傾斜面は、その長手方向の各端辺が、各飾り611,612,613の裏面と中央構造体420の本体側前面とにそれぞれ接している。これにより、振分装置622によって上側中始動入賞装置632の外に振り分けられた遊技球は、流下規制部623上に落下し、流下規制部623の傾斜面上を自重で左方向(矢印Q3方向)に転動する。その結果、遊技球は、左側遊技領域(すなわち、中央構造体420に対して左側からの遊技領域)に進入する。
ここで、図14を参照して、振分装置622について説明する。図14は、図13における領域E1の拡大図である。図14に示すように、振分装置622は、左振分通路622Aと、右振分通路622Bと、ステージ622Cとを主に備えている。左振分通路622Aは、通過口621から進入した遊技球を左側に案内する通路である。一方、右振分通路622Bは、通過口621から進入した遊技球を右側に案内する通路である。
ステージ622Cは、左振分通路622Aおよび右振分通路622Bの各下流側に設けられる。これにより、遊技球が左振分通路622Aを通過した場合、遊技球Pは、例えば図13に示すように、ステージ622Cの左側から進入し、ステージ622C上を転動する。一方、右振分通路622Bを通過した遊技球は、ステージ622Cの右側から進入し、ステージ622C上を転動する。なお、左振分通路622Aおよび右振分通路622Bの通路上には、それぞれ、接触センサ662(図10参照)が設置されているので、ステージ622Cへの遊技球の進入は、接触センサ662からの接触センサ信号に基づいて検知される。
ステージ622Cには、その略中央に凹部622Dが設けられている。凹部622Dの左側および右側には、それぞれ、凹部622Eおよび凹部622Fが設けられている。各凹部622D,622E,622Fは、いずれも、その前側(すなわち、遊技機正面となる側)から遊技球を落下可能に構成される。これにより、ステージ622C上を転動する遊技球は、凹部622D,622E,622Fのいずれかを経てステージ622Cから前方に落下する。
ステージ622Cの前方には、上側中始動入賞装置632が設けられている。上側中始動入賞装置632は、駆動装置(図示せず)により左右方向に往復移動可能に構成される。よって、遊技球が凹部622D,622E,622Fのいずれかを経てステージ622Cから落下するタイミングで、往復移動する上側中始動入賞装置632が適切な位置にあった場合、上側中始動入賞装置632はステージ622Cから落下する遊技球を受け、それにより、遊技球が上側中始動入賞装置632に進入する。上述のように、上側中始動入賞装置632は、右始動入賞装置432と同様、第2特別図柄に係る始動装置である。よって、上側中始動入賞装置632へ進入した遊技球が第2始動入賞スイッチ642により検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。
一方、上側中始動入賞装置632が適切な位置になく、ステージ622Cから落下した遊技球が上側中始動入賞装置632に進入できなかった場合、当該遊技球は、上述のように、流下規制部623上に落下する、これにより、遊技球は、流下規制部623の傾斜面上を左方向(矢印Q3方向)に転動し、左側遊技領域へと排出される。
次に、図15および図16を参照して、屋根611Bによって左または右方向(矢印Q1または矢印Q2方向)に振り分けられた遊技球の移動経路について説明する。図15は、天板飾り611、左上前飾り612、および右上前飾り613を裏側から見た斜視図である。図16は、各飾り611,612,613における飾り本体611A,612A,613Aを取り外したことによる、中央構造体420の部分断面図である。なお、飾り本体611A,612A,613Aは、天板飾り611、左上前飾り612、および右上前飾り613において遊技者に視認される装飾手段として機能する部位である。
図15に示すように、左上前飾り612の飾り本体612Aの裏面には、下方に延びる通路壁612B,612Cが所定幅だけ離間されて立設される。これにより、上下方向に連続する左流下通路652が通路壁612Bと通路壁612Cとの間に形成される。つまり、左流下通路652は、中央構造体420の内部に形成されたワープ経路として機能する。よって、屋根611B上を矢印Q1方向に転動する遊技球(すなわち、屋根611Bによって左側に振り分けられた遊技球)は、ワープ経路である流下通路652に案内され、左流下通路652を流下する。
図16に示すように、左流下通路652の下流には、流下規制部623が設けられている。よって、左流下通路652を流下する遊技球は、流下規制部623上に落下する。これにより、遊技球は、流下規制部623の傾斜面上を左方向(矢印Q3方向)に転動する。つまり、屋根611Bにより左側に振り分けられた遊技球は、左流下通路652を流下した後、流下規制部623の傾斜面を左方向に転動し、左側遊技領域へと排出される。
一方、図15に示すように、右上前飾り613の飾り本体613Aの裏面には、下方に延びる通路壁613B,613Cが所定幅だけ離間されて立設される。これにより、上下方向に連続する右流下通路653が通路壁613Bと通路壁613Cとの間に形成される。つまり、右流下通路653もまた、中央構造体420の内部に形成されたワープ経路として機能する。よって、屋根611B上を矢印Q2方向に転動する遊技球(すなわち、屋根611Bによって右側に振り分けられた遊技球)は、ワープ経路である右流下通路653に案内され、右流下通路653を流下する。
そして、右流下通路653を流下する遊技球は、流下規制部623上に落下し、当該傾斜面上を左方向(矢印Q3方向)に転動する。つまり、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球は、右流下通路653を流下した後、流下規制部623の傾斜面を左方向に転動し、左側遊技領域へと排出される。
このように、本実施形態のパチンコ機100によれば、屋根611Bによって右側に振り分けられた遊技球であっても、右流下通路653および流下規制部623を通過させることで左側遊技領域に進入させることができる。
また、図15に示すように、パチンコ機100において、通路壁612Bと通路壁612Cとの間には、飾り本体612Aの裏面から突出する板状の突起部612Dが、通路壁612Bおよび通路壁612Cの壁面に対して略平行に設けられている。
突起部612Dは、底面(飾り本体612Aの裏面に接する面)が、左流下通路652の連続方向(すなわち、上下方向)に延びる略矩形に形成されるとともに、当該底面における長手方向の辺に隣接する側面(すなわち、通路壁612Bおよび通路壁612Cの壁面に対して略平行となる面)が、飾り本体612Aの裏面から離れるにつれてその幅が狭くなる略台形に形成される。換言すれば、突起部612Dは、飾り本体612Aに対する設置面である底面からの高さが、底面の長手方向の端部から内側に向けて徐々に高くなる形状に構成される。突起部612Dは、左流下通路652の連続方向に対して交差する方向に複数(図15に示す例では、5つ)並べて配置されている。
図16に示すように、左流下通路652において、突起部612Dに対向する面には、突起部612Dの形状に応じた凹部652Aが形成されている。よって、左流下通路652を流下する遊技球は、垂直落下ではなく、突起部612Dと凹部652Aとにより形成される経路、すなわち、一旦奥側(凹部652Aの底側)に向かった後に手前側に戻される経路を通過する。
右上前飾り613の飾り本体613Aの裏面にも、図15に示すように、突起部612Dと同様の突起部613Dが、通路壁613Bと通路壁613Cとの間に複数設けられている。また、図16に示すように、右流下通路653において、突起部613Dに対向する面には、突起部613Dの形状に応じた凹部653Aが形成されている。よって、右流下通路653についても、遊技球は、左流下通路652と同様に、突起部613Dと凹部653Aとにより形成される、一旦奥側(凹部653Aの底側)に向かった後に手前側に戻される経路を通過する。
また、図15に示すように、飾り本体612Aの裏面には、左流下通路652の下流側に、左流下通路652の連続方向に対して交差する向きに細長く延びる突起部612Eが形成されている。一方、図16に示すように、中央構造体420の本体側前面には、突起部612Eの下流となる位置に、突起部612Eと同様の、左流下通路652の連続方向に対して交差する向きに細長く延びる突起部652Bが形成されている。これにより、遊技球は、突起部612E,652Bに衝突しながら左流下通路652を流下する。突起部612E,652Bとの衝突によって遊技球の力学的エネルギーは減少するので、遊技球と流下規制部623との衝突を和らげることができる。
屋根611Bの湾曲形状は、遊技球の左右への振り分けを平滑化する目的で略左右対称に構成される。その一方で、流下規制部623の傾斜面は右から左へと下降傾斜する形状に構成されている。よって、必然的に、屋根611Bの左端から排出されて左流下通路652を流下する遊技球が流下規制部623に達するまでの距離は、屋根611Bの右端から排出されて右流下通路653遊技球が流下規制部623に達するまでの距離に比べて長くなる。そのため、遊技球が屋根611Bの左端から排出された場合と、遊技球が屋根611Bの右端から排出された場合とで、遊技球が流下規制部623に落下する(衝突する)際のエネルギーに違いが生じるため、それが原因となって、流下規制部623に落下した遊技球の挙動が不均質となる虞がある。
これに対し、上述のように、右流下通路653に比べて遊技球の流下距離が長い左流下通路652の下流には、右流下通路653の下流にはない突起部612E,652Bが設けられているので、遊技球が屋根611Bの左右いずれに振り分けられた場合であっても、流下規制部623に落下した遊技球の挙動を平滑化することができる。
なお、図16に示すように、中央構造体420において、その中央付近に設けられた開口420Aの下方には、ステージ625が設けられている。ステージ625には、中央構造体420の左側の内部に形成された左ワープ通路628(図17参照)を通過した遊技球が進入する。なお、左ワープ通路628の通路上には、接触センサ665(図10参照)が設置されているので、ステージ625への遊技球の進入は、接触センサ665からの接触センサ信号に基づいて検知される。
ステージ625には、3つの凹部625A,625B,625Cが設けられており、ステージ625内に進入した遊技球は、これらの凹部625A〜625Cのいずれかに振り分けられる。遊技球が、3つの凹部625A〜625Cのうち、左端の凹部625Bまたは右端の凹部625Cに振り分けられた場合、その遊技球は、ステージ625の前方(遊技機正面側)から落下する。
一方、中央の凹部625Aに振り分けられた遊技球は、ステージ625の後方(遊技機裏面側)の端辺に立設されたステージ裏カバー615に形成された進入口626に進入する。進入口626に進入した遊技球は、中央構造体420の内部に形成された、進入口626に連通する通路(図示せず)を通過し、ステージ625の下側に形成された排出口627から排出される。かかるステージ625の機能については後述する。
次に、パチンコ機100において、中央構造体420によってなされる遊技球の移動方向の変化に係る作用及び効果を説明する。
パチンコ機100においては、上述のように、屋根611Bによって右側に振り分けられた遊技球を、右流下通路653および流下規制部623を通過させることで左側遊技領域に進入させることができる。
従来の典型的な遊技機では、中央構造体の上部に設けた振分部によって右側に振り分けられた遊技球はそのまま右側を流下し、左側に振り分けられた遊技球はそのまま左側を流下するよう構成されており、振分部による振り分けられた遊技球の挙動が下流側への遊技球の流下位置にも影響していた。そのため、従来の遊技機において、中央構造体に対して左側の遊技領域(すなわち、左側遊技領域)に、下側中始動入賞装置431のような始動入賞装置が設けられている場合、遊技者は、左側遊技領域を直接狙う(左打ち遊技手法)、または、振分部にて左側に遊技球が振り分けられるように狙うよう、遊技球の発射操作を行う。このように、従来の遊技機では、遊技者が狙う遊技球の流下開始位置が画一的となり、始動入賞装置など、遊技に関する特典が付与され易い一方側を多数の遊技球が流下するように遊技者の発射操作が限定され易く、意外性に欠けていた。
これに対し、パチンコ機100によれば、遊技者は、遊技領域の入口(すなわち、発射通路401Bの出口)から遠い右側を狙って遊技球を発射しても、その遊技球を左側遊技領域にて流下させることができる。よって、遊技者が発射操作により狙う位置を多様化することができ、意外性を持たせることができる。これにより、遊技の興趣を好適に向上させることができる。
また、遊技領域における右側に遊技球が多く流下するように発射操作をしても、右流下通路653および流下規制部623によって左側遊技領域へと遊技球を戻すことができるので、遊技者には、中央構造体420における通過口621への遊技球の進入を左側から狙うだけでなく、右側から通過口621への進入を狙って多くの遊技球を流下させても、遊技球が左側遊技領域に案内されたことによって遊技に関する特典を付与することができる。この点においても、遊技の興趣を好適に向上させることができる。
また、パチンコ機100においては、中央構造体420における通過口621に遊技球が進入したことを条件として、上側中始動入賞装置632に進入することが可能となる。換言すれば、遊技球は、通過口621に進入することなく、上側中始動入賞装置632に進入することはない。よって、右側から通過口621への進入を狙うように遊技球を発射した場合に、遊技球が通過口621に進入せず、上側中始動入賞装置632への進入機会が失われた場合であっても、その遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられることで、下側中始動入賞装置431への通過可能性が発生する。これにより、上側中始動入賞装置632への進入機会が失われたことによる遊技者の失望感を軽減させることができ、その点においても、遊技の興趣を向上させることができる。
また、パチンコ機100においては、中央構造体420は、パチンコ機100の正面視において、下側中始動入賞装置431の上方に設けられている(図7参照)。これにより、天板飾り611の屋根611Bが下側中始動入賞装置431に対して上下方向に重なって位置することになるので、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球は、流下規制部623を通過して左側に移動することで、略S字の移動経路を通って下側中始動入賞装置431に到達する。よって、遊技者は、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球が下側中始動入賞装置431に至るまでの移動経路が、単純に流下する経路とは異なるものであることから、その移動経路を明確に意識できる。これにより、遊技者は、左側遊技領域から離れた側(すなわち、右側)を狙って遊技球を発射したとしても、その遊技球が下側中始動入賞装置431を通過する可能性があることを明確に把握しながら発射操作を行うことができるので、右側を狙って発射操作を行う遊技を好適に楽しむことができる。
ここで、第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選、または、第2特別図柄の始動入賞に基づく第2特別図柄抽選の結果に応じた装飾図柄を表示する装飾図柄表示装置479が、パチンコ機100の正面視において、屋根611Bと下側中始動入賞装置431との間に設けられている。つまり、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の結果に応じた装飾図柄は、屋根611Bと下側中始動入賞装置431との間に表示される。これにより、遊技者は、屋根611Bにより遊技球が右側に振り分けられた場合に、その遊技球の移動経路を追いつつ、当該遊技球が下側中始動入賞装置431に進入した場合には、視線を下側中始動入賞装置431の位置から上方に上げることで、遊技球が下側中始動入賞装置431に進入したことに基づく抽選(すなわち、第1特別図柄抽選)の結果に応じた装飾図柄を視認することができる。遊技者は、装飾図柄表示装置479の様子を確認した後、さらに視線を上げることで、装飾図柄表示装置479より上方に位置する屋根611Bにて遊技球が振り分けられる様子を再度視認することができるので、遊技者の視線が散漫に振り回されることを抑制できる。
また、パチンコ機100においては、中央構造体420における通過口621に遊技球が進入した場合、当該遊技球は、ステージ622Cに案内され、ステージ622Cにより、上側中始動入賞装置632または当該始動入賞装置632の外に振り分けられる。遊技球が通過口621に進入したにもかかわらず、上側中始動入賞装置632に振り分けられなかった場合、その遊技球は、流下規制部623上に落下し、左側遊技領域へと排出される。これにより、遊技者は、上側中始動入賞装置632に遊技球を進入させることができなかったとしても、その遊技球が左側遊技領域内の下側中始動入賞装置431に進入させることができるかもしれないことを期待できる。
特に、遊技球が、左右方向に往復移動する上側中始動入賞装置632の位置に対して右側となる凹部(凹部622Dまたは凹部622F)から落下した場合であっても、遊技球を左側遊技領域に案内できるので、遊技者は、遊技球の移動経路に対して意外性を抱きつつ、その意外な経路により移動する遊技球に対し、その遊技球が下側中始動入賞装置431に進入するかもしれないという期待を抱くことができる。
また、従来の典型的な遊技機では、通過口621のような進入部に進入した遊技球が、上側中始動入賞装置632のような有利領域を通過しなかった場合、その遊技球はパチンコ機100の外部へ排出されていた。これに対し、パチンコ機100においては、通過口621に進入した遊技球が上側中始動入賞装置632に進入しなかったとしても、その遊技球は、パチンコ機100の外部へ排出されることなく、再度、下側中始動入賞装置431に進入するチャンスが与えられる。よって、通過口621に進入した遊技球が上側中始動入賞装置632に進入しなかったことによる遊技者の失望感を軽減させることができ、その点においても、遊技の興趣を向上させることができる。
<流下規制部623への落下位置に応じた遊技球の挙動>
次に、図17を主に参照して、流下規制部623への落下位置に応じた遊技球の挙動について説明する。図17は、図16の部分断面図を正面から見た図である。なお、図17では、左側遊技領域(すなわち、中央構造体420に対して左側からの遊技領域)に配置された一般入賞装置639を合わせて図示している。
上述のように、屋根611Bにより左側または右側に振り分けられた遊技球は、左流下通路652または右流下通路653を流下した後、流下規制部623の傾斜面上を左方向(矢印Q3方向:図16参照)に転動して、左側遊技領域へと排出される。ここで、図17に示すように、流下規制部623は、その上面に設けられた傾斜面の長手方向が、屋根611Bの左右方向の幅より長く構成される。よって、遊技球が屋根611Bによって左側に振り分けられた場合(すなわち、遊技球が左流下通路652を流下する場合)と、遊技球が屋根611Bによって右側に振り分けられた場合(すなわち、遊技球が左流下通路652を流下する場合)とで、流下規制部623への遊技球の落下位置が相違する。
具体的に、遊技球が屋根611Bによって左側に振り分けられた場合には、流下規制部623の左端である出口623Aに近い側が遊技球の落下位置となる。一方、遊技球が屋根611Bによって右側に振り分けられた場合には、出口623Aから遠い側(すなわち、流下規制部623の右端に近い側)が遊技球の落下位置となる。
流下規制部623の傾斜面は、右から左へと下降傾斜する構成であるので、出口623A(すなわち、傾斜面の左端)から離れるほど、出口623Aの位置に対する高さ(上下方向長さ)が高くなる。よって、流下規制部623への遊技球の落下位置が流下規制部623の出口623Aの位置から遠くなるほど、出口623Aに対する当該落下位置の高さは高い。
つまり、遊技球が屋根611Bにより振り分けられた方向に応じて、落下位置の、出口623Aに対する高さが異なる。例えば、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球は、左側に振り分けられた場合に比べ、出口623Aに対してより高い位置に落下する。よって、流下規制部623の出口623Aから排出される遊技球の加速態様を、屋根611Bによる遊技球の振り分け方向に応じて異ならせることができる。
具体的に、遊技球が屋根611Bにより左側に振り分けられて左流下通路652を流下する場合には、流下規制部623への落下地点が出口623Aに近い側となり、出口623Aに対する高さは比較的低い。そのため、かかる場合に出口623Aから排出される遊技球は、その加速が比較的小さい傾向となる。これに対し、遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられて右流下通路653を流下する場合には、流下規制部623への落下地点が出口623Aから遠い側となり、出口623Aに対する高さは比較的高い。そのため、かかる場合に出口623Aから排出される遊技球の加速が比較的大きくなる傾向となる。
よって、遊技球が屋根611Bにより左側に振り分けられた場合、流下規制部623の出口623Aから排出された遊技球は、中央構造体420に対して近い側を流下する軌道J1を取り易い。一方、遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられた場合、流下規制部623の出口623Aから排出された遊技球は、中央構造体420に対して遠い側(すなわち、軌道J1より遠い側)を流下する軌道J2を取り易い。
流下規制部623の出口623Aから排出された遊技球は、左側遊技領域に進入する。左側遊技領域の上方には、一般入賞装置639が配置されている(図7参照)。より詳細には、一般入賞装置639は、左側遊技領域における、流下規制部623の出口623A付近の、出口623Aに対してやや左側に寄った位置に配置される。
一般入賞装置639を、出口623Aに対してやや左側に寄った位置に配置したことで、流下規制部623から排出された遊技球が一般入賞装置639に進入する可能性は、軌道J2を通った場合に、軌道J1を通った場合に比べて高くなる。よって、流下規制部623への落下地点が出口623Aから遠くなるほど、一般入賞装置639への遊技球の進入可能性は高い。つまり、本実施形態のパチンコ機100の場合、一般入賞装置639へ進入可能性は、遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられた場合の方が高い。
また、中央構造体420の左側方には、左ワープ通路628の入口となる開口628Aが設けられている。開口628Aから進入した遊技球は、中央構造体420の内部に形成された左ワープ通路628を通過し、ステージ625に進入する。上述のように、ステージ625に進入した遊技球は、ステージ625上を転動して、凹部625A〜625C(図16参照)のいずれかに振り分けられる。このとき、遊技球が中央の凹部625Aに振り分けられると、その遊技球は、進入口626に進入し、排出口627から排出される。
排出口627は、下側中始動入賞装置431(図7参照)の真上に位置するため、排出口627から排出された遊技球は、下側中始動入賞装置431に高確率で進入する。つまり、ステージ625により凹部625Aに振り分けられた遊技球は、排出口620の真下に位置する下側中始動入賞装置431に進入し易い。つまり、左側遊技領域を流下する遊技球が開口628Aに進入することで、下側中始動入賞装置431への遊技球の進入が高確率で生じる可能性が生じる。
開口628Aは、中央構造体420の左側方に設けられているので、流下規制部623から排出された遊技球が開口628Aに進入する可能性は、上述した一般入賞装置639の場合とは異なり、中央構造体420により近い側を通る軌道J1を通った場合に、軌道J2を通った場合に比べて高くなる。よって、流下規制部623への落下地点が出口623Aから近いほど、開口628Aへの遊技球の進入可能性は高い。つまり、本実施形態のパチンコ機100の場合、開口628Aへ進入可能性は、遊技球が屋根611Bにより左側に振り分けられた場合の方が高い。
次に、パチンコ機100において、流下規制部623への落下位置に応じた遊技球の挙動に係る作用及び効果を説明する。
パチンコ機100においては、流下規制部623は、遊技球を受けた位置に応じて、当該流下規制部623から左側遊技領域へ排出される遊技球の加速態様が異なるように構成される。例えば、遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられたか、左側に振り分けられたかに応じて、左側遊技領域へ排出される遊技球の加速態様が異なる。その一方で、一般入賞装置639は、流下規制部623が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設けられている。左ワープ通路628の入口となる開口628Aについても、一般入賞装置639と同様、流下規制部623が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設けられている。これにより、流下規制部623が受けた遊技球の位置に応じて、遊技者が遊技に関する特典を受けることができる可能性を変化させ得る。
一般的に、一般入賞装置639などの有利領域への遊技球の進入は、その有利領域付近に設けられる釘等の流下変化部材の配置により定まり易く、有利領域から離れた位置での遊技球の挙動は有利領域への進入に影響することが少ない。そのため、遊技者が遊技領域の一部における遊技球の挙動にしか、興味を抱き難いという問題点があったが、パチンコ機100においては、上述のように、流下規制部623が受けた遊技球の位置に応じて、遊技者が遊技に関する特典を受けることができる可能性を変化させ得るので、遊技者は、流下規制部623にて遊技球を移動させる遊技を楽しむことができる、それにより、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。また、屋根611Bによる遊技球の振り分け方向に応じて、遊技者が遊技に関する特典を受けることができる可能性を変化させ得るので、屋根611Bによって遊技球を振り分ける遊技の興趣を向上させることができる。
また、パチンコ機100においては、一般入賞装置639は、流下規制部623の出口623Aに対してやや左側に寄った位置に配置されている。つまり、一般入賞装置639への進入可能性は、遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられた場合の方が高い。よって、屋根611Bにより右側に振り分けられるよう位置など、所定位置を狙って遊技球を発射することに対する興趣を向上させることができる。
また、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球と、ステージ622Cにより振り分けられた遊技球の一部は、共に流下規制部623を通過する。このため、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球は、軌道J2を通る可能性があるものの、ステージ622Cにより振り分けられた遊技球によって阻止されることがある。ステージ622Cから遊技球が排出されるタイミングは変動して予測し難いので、軌道J2による遊技球の進行を遊技者が狙ったとしても、一部の遊技球の進行がステージ622Cから排出された遊技球によって阻止される状況が発生する。よって、中央上部遊技領域の右側部分が左側部分に比べて極端に有利にはならないようにすることができる。
<突起部612D,613Dの機能>
次に、図18から図20を主に参照して、突起部612D,613Dの機能について説明する。図18は、中央構造体420の正面図である。図18に示すように、中央構造体420の前面側上部には、その左右に左上前飾り612および右上前飾り613が設けられている。
左上前飾り612において、その表側が遊技者から視認される飾り本体612Aは、表面が透明または半透明と光透過可能な材質から構成される。飾り本体612Aの裏面側には、盤面発光装置490(図10参照)として発光体が配設され、その発光体を発光させることで、飾り本体612Aの表面側に透過する光が遊技盤400を装飾する。つまり、左上前飾り612は、遊技盤400に装飾を施す装飾手段としての機能を有している。
一方、右上前飾り613の飾り本体613Aもまた、飾り本体612Aと同様、表面が透明または半透明と光透過可能な材質からなる中空体として構成される。よって、右上前飾り613もまた、左上前飾り612と同様、遊技盤400に装飾を施す装飾手段として機能する。
特に、飾り本体612A,613Aの表面は、いずれも、遊技者に対向する側(すなわち、表側)が起伏面(装飾起伏面)として構成されるので、左上前飾り612および右上前飾り613による各装飾機能を高めている。
飾り本体612A,613Aの各裏面もまた、表面と同様、透明または半透明と光透過可能な材質から構成される。よって、遊技者は、左上前飾り612および右上前飾り613を表側から見た場合に、その裏側(すなわち、飾り本体612A,613Aの裏面における裏側)まで視認することができる。
上述のように、飾り本体612A,613Aの各裏側には、流下通路652,653が設けられている(図15,16参照)ので、遊技者は、飾り本体612A,613Aを介して、ワープ経路として中央構造体420に配設された流下通路652,653を流下する遊技球を視認することが可能である。よって、遊技者は、屋根611Bにより右側または左側のいずれかに振り分けられた遊技球がワープ経路を移動する様子を、飾り本体612A,613Aを介して視認することで把握できる。
しかしながら、各前飾り612,613は、上述のように、装飾手段としての機能を有し、必要に応じて発光するので、その光によって、飾り本体612A,613Aの各裏側の視認性が悪化し、遊技者は流下通路652,653の位置を特定し難くなる。それに伴い、遊技者は、屋根611Bにより振り分けられた遊技球の行方も把握し難くなる。特に、飾り本体612A,613Aの表面は起伏面として構成されるので、発光する光が起伏面において散乱し、飾り本体612A,613Aの各裏側の視認性の悪化が著しい。
これに対し、飾り本体612A,613Aの各裏面(より詳細には、各裏面の裏側)には、各流下通路652,653内に、流下通路652,653の連続方向に延びる突起部612D,613Dが設けられている(図15参照)。そのため、飾り本体612A,613Aは、突起部612D,613Dが設けられている部分においてその他の部分に比べて光が透過し難くなる。飾り本体612A,613Aは、その裏面側に設けられる発光体により発光するものであり、突起部612D,613Dにおける前後方向の厚みが他の部分に比べて大きいために光が透過し難く、また、突起部612D,613Dの後側の面が前後方向に傾斜する形状のため、後方側からの光が突起部612D,613Dの内部に進入し難いためである。よって、各前飾り612,613が発光する場合であっても、遊技者は、突起部612D,613Dが設けられている部分が他の部分に比べて暗い部分として視認することができる。
上述のように、突起部612D,613Dの底面(飾り本体612Aの,613Aの裏面に接する面)は、各流下通路652,653の連続方向に延びる略矩形に形成されるため、遊技者は、暗部分を各流下通路652,653の連続方向に延びる筋として視認することになる。よって、遊技者は、かかる暗部分に基づき流下通路652,653の位置を特定できる。このように、突起部612D,613Dは、流下通路652,653を表示する通路表示手段として機能する。
特に、上述のように、飾り本体612A,613Aの表面は起伏面として構成されており、光による装飾効果を高める一方で、飾り本体612A,613Aの各裏側の視認性を悪化させるが、裏側には、流下通路652,653を表示する通路表示手段として機能する突起部612D,613Dが設けられているので、遊技者に興趣を与える高度な装飾性を行いつつ、裏側に形成されたワープ経路(流下通路652,653)の視認性を良好に確保できる。
また、突起部612D,613Dは、各流下通路652,653の連続方向に対して交差する方向に複数設けられているので、遊技者は、複数の筋を暗部分として視認することができ、流下通路652,653の位置を特定し易い。
図19は、流下通路の形状を説明する図である。より詳細には、図19は、図18のXA−XA矢視断面図において右流下通路653の部分を抽出した図である。図19に示すように、右流下通路653は、突起部613Dと、突起部613Dに対向する面に形成された凹部653Aとによって蛇行する経路として構成される。
これにより、右流下通路653を流下する遊技球は、垂直落下ではなく、中央構造体420の奥側(すなわち、凹部652Aの底側)に蛇行する経路で流下する。遊技球を蛇行させて流下させることで、遊技球は右流下通路653に衝突しながら流下し、それにより、遊技球の流下速度を減速させることができる。つまり、突起部613Dは、減速手段としての機能を有する。なお、左流下通路652もまた図19と同様の蛇行する経路として構成される。よって、突起部612Dもまた、突起部613Dと同様の減速手段として機能する。
図20は、図17における領域E2の拡大図である。右流下通路653は、左右方向の通路幅W1、すなわち、通路壁613Bと通路壁613Cとの離間距離は、2つの遊技球を同時に通過可能な距離とされる。かかる幅を採用することで、右流下通路653における球詰まりを抑制することができる。
一方、右流下通路653において、突起部613Dにより区画された各区画の幅(右流下通路653の連続方向に対して交差する方向の長さ)W2は、遊技球の直径(遊技球の幅)より狭い距離とされる。これにより、右流下通路653を流下する遊技球は、隣接する突起部613Dによって整流される。つまり、突起部613Dは、整流手段としての機能を有する。
このように、流下する遊技球が突起部613Dによって整流されるので、2つの遊技球がほぼ同時に右流下通路653を通過する状況であっても、それらの遊技球による球詰まりを抑制することができる。なお、左流下通路652もまた図20と同様に構成される。よって、突起部612Dもまた、突起部613Dと同様の整流手段として機能する。
次に、パチンコ機100において、突起部612D,613Dを配設したことに係る作用及び効果を説明する。
パチンコ機100においては、飾り本体612A,613Aの各裏面に通路表示手段として機能する突起部612D,613Dが設けられているので、飾り本体612A,613Aが、発光によって遊技盤400に装飾を施すものであったとしても、左右の流下通路652,653の存在を、遊技の開始前(すなわち、遊技球が下側中始動入賞装置431を含む左側遊技領域に進入する前)に把握し易い。よって、遊技球通路に進入した遊技球に対する不信感や苛立ちなどを遊技者に感じさせることを抑制できるので、遊技者は、遊技球通路に遊技球を進入させることで開始される遊技を楽しむことができる。これにより、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
また、左右の流下通路652,653は、屋根611Bにより左右に振り分けられた遊技球をそれぞれ通過させる通路であり、流下通路652,653の各下流には、流下規制部623が設けられており、流下通路652,653を通過した遊技球は、流下規制部623上を転動して、左側遊技領域へと排出される。このとき、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球は、右流下通路653を通過した後、流下規制部623の右端に近い側から出口623Aへと転動する。よって、遊技球が屋根611Bにより右側に振り分けられた場合、左側遊技領域に進入するまでに、比較的長い経路を通過することになる。パチンコ機100においては、上述のように、右流下通路653の存在を、遊技の開始前に把握し易いので、かかる比較的長い経路に進入した遊技球に対する不信感などを遊技者に感じさせることを好適に抑制できる。
また、パチンコ機100においては、突起部612D,613Dが、凹部652Aとともに形成される蛇行部分における減速手段として機能する一方で、突起部612D,613Dが整流手段として機能するので、当該蛇行部分における遊技球の詰まりを抑制できる。
<ステージ622C,625>
次に、図21を主に参照して、中央構造体420に設けられた2つのステージ622C,625について説明する。図21は、上下のステージ622C,625を説明する図である。より詳細には、図21は、一部構成を省略した遊技盤400の正面図である。
なお、図21において、ステージ622C,625の各転動面における遊技機正面視の形状を特に太線で示す。また、図21において、流下規制部623と左ワープ通路628の位置を破線で示すとともに、流下規制部623から排出された遊技球が取り得る上述した軌道J1,J2についても図示する。
ステージ622Cは、装飾図柄表示装置479に対して遊技機正面視における上方に設けられている。ステージ622Cにおいて、遊技球が転動する転動面は、遊技機正面視における左右方向に延びる波状の流線形状とされる。具体的に、ステージ622Cの転動面は、中央付近に上方に凸に形成された凸面と、当該凸面の左右に下方に凹んで形成された凹面とからなる凹凸面を主に含んで構成される。当該凹凸面は、凸面の略中心に対して略対称に形成される。また、ステージ622Cの転動面の左右両端は、凸面における頂部より上方とされる。これにより、ステージ622Cの転動面上を転動する遊技球が左右に往復される。
ステージ625は、装飾図柄表示装置479に対して遊技機正面視における下方に設けられている。つまり、ステージ622Cとステージ625は、装飾図柄表示装置479を挟んで上下に配設されている。
下側のステージ625において、遊技球が転動する転動面は、ステージ622Cと同様、遊技機正面視における左右方向に延びる波状の流線形状とされる。具体的に、ステージ625の転動面は、中央付近に上方に凸に形成された凸面と、当該凸面の左右に下方に凹んで形成された凹面とからなる凹凸面を主に含んで構成される。当該凹凸面は、凸面の略中心に対して略対称に形成される。また、ステージ625の転動面の左右両端は、凸面における頂部より上方とされる。これにより、ステージ625の転動面上を転動する遊技球が左右に往復される。
ステージ622C,625の各転動面は、いずれも、凸面とその左右に形成された凹面とからなる凹凸面を主に含む構成であるので、ステージ622C,625に進入した遊技球は、いずれも、凸面と凹面に沿う滑らかな軌道で遊技機正面視において上下しながら各転動面上を左右に転動する。つまり、本実施形態のパチンコ機100では、上側のステージ622Cの転動面上を転動する遊技球の挙動と、下側のステージ625の転動面上を転動する遊技球の挙動とが互いに類似している。
上側のステージ622Cの転動面における凸面の頂部には、凹部622D(図14参照)が設けられている。一方、左側の凹面の底部には、凹部622E(図14参照)が設けられている。また、右側の凹面の底部には、凹部622F(図14参照)が設けられている。
これらの凹部622D,622E,622Fは、いずれも、前方(遊技機正面側)に向けて下方に傾斜する形状とされ、それにより、ステージ622Cに進入した遊技球が、3箇所の凹部622D,622E,622Fのうち、いずれの凹部に振り分けられた場合であっても、遊技球は、各凹部622D,622E,622Fに沿って前方に案内され、ステージ622Cの前方から落下する。
上述のように、ステージ622Cの前方に設けられた上側中始動入賞装置632は、左右方向に往復移動可能に構成される。そのため、凹部622D,622E,622Fのいずれかを経てステージ622Cの前方から落下した遊技球は、その落下タイミングにおいて上側中始動入賞装置632が適切な位置にあることを条件として、上側中始動入賞装置632に進入する。
一方、下側のステージ625の転動面における凸面の頂部には、凹部625A(図16参照)が設けられている。一方、左側の凹面の底部には、凹部625B(図16参照)が設けられている。また、右側の凹面の底部には、凹部625C(図16参照)が設けられている。
これらの凹部625A,625B,625Cのうち、左右の凹部625B,625Cは、前方(遊技機正面側)に向けて下方に傾斜する形状とされ、それにより、ステージ625に進入した遊技球が、これらの凹部625B,625Cに振り分けられた場合、遊技球は、各凹部625B,625Cに沿って前方に案内され、ステージ625の前方から落下する。
これに対し、中央の凹部625Aは、後方(遊技機裏面側)に向けて下方に傾斜する形状とされ、凹部624Aに振り分けられた遊技球は、後方に案内され、凹部624Aの遊技機裏面側の端部に連設される進入口626に進入する。進入口626に進入した遊技球は、下側中始動入賞装置431の上流側に位置する排出口627から排出される。
ステージ625にて凹部625Aに振り分けられた遊技球は、排出口620の下流側に位置する下側中始動入賞装置431に高確率で進入する。一方、その他の凹部(すなわち、凹部625B,625C)は、下側中始動入賞装置431に対して左右方向に外れた位置となるため、これらの凹部625B,625Cに振り分けられた遊技球は、下側中始動入賞装置431に進入し難い。
次に、パチンコ機100において、ステージ622C,625の形状に係る作用及び効果を説明する。
パチンコ機100において、上側中始動入賞装置632および下側中始動入賞装置431のそれぞれに向けて遊技球を振り分けることが可能な2つのステージ622C,625が設けられている。これにより、遊技者は、上側中始動入賞装置632および下側中始動入賞装置431の両方について、それぞれ、ステージ622Cまたはステージ625による振り分けの遊技性を享受できるので、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
特に、これらのステージ622C,625は、遊技球の転動挙動に関して類似する形状に構成された転動面を有しているので、当該転動面上での遊技球の転動挙動が両ステージ622C,625において類似したものとなる。これにより、遊技者は、各ステージ622C,625による遊技球の振り分けを見た目上で同様に楽しむことができる。
ステージ622Cおよびステージ625は、いずれも、転動面が遊技機正面視における左右方向に延びる波状の流線形状に構成される。かかる形状のステージ622Cおよびステージ625が、遊技領域の略中央に形成される装飾図柄表示装置479を介して上下に設けられることで、装飾図柄表示装置479の左右方向に遊技球を流下させるための遊技領域を好適な大きさで確保することが可能となる。
このとき、装飾図柄表示装置479の左側方には、左ワープ通路628が設けられているので、左側遊技領域を流下する遊技球は、左ワープ通路628を通過することで、装飾図柄表示装置479の下方に設けたステージ625に案内される。よって、装飾図柄表示装置479の周囲の遊技領域を有効活用できる。
また、パチンコ機100において、ステージ622Cによる振り分けの結果、遊技球が上側中始動入賞装置632に進入しなかったとしても、その場合、遊技球は、流下規制部623を経由することで、左側遊技領域に放出される。このとき、例えば、流下規制部623から放出された遊技球が、中央構造体420に対し、軌道J2より近い側を流下する軌道J1で流下した場合には、その遊技球が、左ワープ通路628に進入して、ステージ625に案内される可能性が生じる。
このように、ステージ622Cによる振り分けの結果、遊技球が上側中始動入賞装置632に進入しなかったとしても、その遊技球をステージ625に案内する経路が存在するので、遊技者には、下側中始動入賞装置431に進入するチャンス(第1特別図柄抽選がなされるチャンス)が再度与えられる。よって、ステージ622Cにより振り分けられた遊技球が上側中始動入賞装置632に進入せず、第2特別図柄抽選がなされなかったことに対する遊技者の失望感を軽減できる。
また、ステージ622Cによる振り分けられた遊技球が、ステージ625にて再度振り分けられる場合、両ステージ622C,625における転動挙動は類似しているので、遊技者は、互いに類似する転動挙動から、ステージ625において、ステージ622Cによる振り分けと同様の、特別図柄抽選を得る可能性がある振り分けが行われていること直感的に認識できる。よって、その点においても、特別図柄抽選(より詳細には、第1特別図柄抽選)がなされる再度のチャンスが得られたと遊技者に感じさせることができる。
また、パチンコ機100において、上述のように、上下のステージ622C,625は、転動面が遊技球の転動挙動に関して類似する形状に構成される一方で、真ん中に形成された凹部622D,625A(図16参照)が、遊技球の排出方向が互いに異なる形状に構成されている。これにより、上下のステージ622C,625の相違を、凹部622D,625Aから排出される遊技球の排出方向の違いによって区別させることができる。よって、ステージ622Cとステージ625とで遊技球の転動挙動が似ていることで感じるかもしれない遊技の単調さを回避できる。
また、パチンコ機100において、下側中始動入賞装置431が固定的に設けられている一方で、上側中始動入賞装置632は左右方向に往復移動可能に構成される。よって、上側のステージ622Cにより振り分けられた遊技球が上側中始動入賞装置632に進入する確率は、下側のステージ625により振り分けられた遊技球が下側中始動入賞装置431に進入する確率に比べて低くなる。この点においても、ステージ622Cとステージ625とで遊技球の転動挙動が似ていることで感じるかもしれない遊技の単調さを回避できる。
また、本実施形態のパチンコ機100によれば、上側中始動入賞装置632に遊技球が進入した場合には、下側中始動入賞装置431に遊技球が進入した場合に比べて高い価値(遊技価値)の獲得を期待できる。つまり、上側中始動入賞装置632に遊技球が進入した場合と、下側中始動入賞装置431に遊技球が進入した場合とで期待される価値が異なる。よって、この点においても、ステージ622Cとステージ625とで遊技球の転動挙動が似ていることで感じるかもしれない遊技の単調さを回避できる。
<可動体710>
次に、図22から図27を主に参照して、可動体710について説明する。図22は、遊技盤400の分解斜視図である。図22に示すように、基体401の裏面には、収容ケース701が配設されている。収容ケース701には、装飾図柄表示装置479や後述する可動体710などの表示用の各種装置が収容される。また、収容ケース701には、遊技領域から排出された遊技球を回収する回収排出通路が形成されている。
可動体710は、収容ケース700において装飾図柄表示装置479より中央構造体420に近い側に配置される。つまり、可動体710は、装飾図柄表示装置497と中央構造体420との間に配置される。可動体710は、モータ等から構成される可動体駆動装置721(図10参照)に接続される。可動体駆動装置721は、パチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により動作し、それにより、可動体710は、遊技機正面視における上下方向に動作する。
可動体710は、遊技機正面視において装飾図柄表示装置479より下方の所定位置を初期位置とする(図24参照)。つまり、初期位置の可動体710は、装飾図柄表示装置479に重ならない。そして、後述する各種の作動条件が成立した場合に、可動体710は初期位置より上方の各位置に移動される。よって、遊技者は、所定の作動条件が成立した場合に、装飾図柄表示装置479の画面に重なる位置にて可動体710を視認する。
図23は、可動体710の正面図である。本実施形態において、可動体710は、クジラのキャラクタの外観に構成されるが、その外観としては種々の形状を採用可能である。可動体710は、本体711と、本体711における遊技機正面側に設けられた装飾図柄表示装置779とから主に構成される。装飾図柄表示装置779は、円形の発光部779Aを遊技機正面視における左右方向に複数並べたものとして構成される。
各発光部779Aには、それぞれLED等の発光体が内包されており、各発光体を個別に発光制御することで、複数の発光部779Aを個別に点灯させることができる。複数の発光部779Aのうち、中央の発光部779Aは、他の発光部779Aに比べて大きく、かつ、華美に装飾されている。中央の発光部779Aの表面には、第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りであることを示す「当」という文字779Bが固定的に形成されている。
装飾図柄表示装置779は、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入、または、所定の条件下における下側中始動入賞装置431への遊技球の進入に基づく第1特別図柄に係る単位遊技、若しくは、右始動入賞装置432への遊技球の進入に基づく第2特別図柄に係る単位遊技において、変動表示や確定表示を行う装置である。
具体的に、装飾図柄表示装置779は、複数の発光部779Aを所定の点灯パターン(例えば、発光する発光部779Aを左から右へ1つずつ移動させる点灯パターンや、全ての発光部779Aを所定のリズムに合わせて点灯させる点灯パターン)で点灯させることで変動表示を行う。
そして、その変動表示に対応する第2特別図柄抽選において大当りに当選している場合、中央の発光部779Aの点灯で停止表示を行うことで、大当りを示す確定表示が行われる。中央の発光部779Aの表面には、文字779Bが形成されているので、遊技者は、中央の発光部779Aでの停止表示に対し、第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りであったことを認識する。一方、それ以外の場合には、中央以外の発光部779Aの点灯で停止表示を行うことで大当りでないことを示す確定表示が行われる。
なお、複数の発光部779Aの点灯パターンを、大当りの期待度に応じて異ならせる構成としてもよい。例えば、全ての発光部779Aを所定のリズム(例えば、3,3,7拍子)に合わせて点灯させる点灯パターンを、発光する発光部779Aを左から右へ1つずつ移動させる点灯パターンに比べて高い期待度を示す点灯パターンとしてもよい。また、特定の点灯パターンが大当りの確定を示すものであってもよい。
また、図23に示すように、可動体710の本体711における遊技機正面側には、可動体発光装置771,772が設けられている。本実施形態では、可動体発光装置771は、クジラの目を模した2つの円形の発光装置から構成される。一方、可動体発光装置772は、クジラの口を模した曲線形状の発光装置から構成される。可動体発光装置771,772には、いずれも、LED等の発光体が内包され、各発光体を発光制御することで、可動体発光装置771または可動体発光装置772を各々独立して所定の発光態様で発光させることができる。
図24から図27は、可動体710が各種位置に配置された場合を示す図である。なお、図24から図27では、遊技盤400の一部、より詳細には、装飾図柄表示装置479の周辺領域を抽出して表示している。
図24は、可動体710が初期位置に配置された場合を示す図である。可動体710は、常態において、図24に示す初期位置に配置される。具体的に、初期位置は、可動体710が、遊技機正面視において装飾図柄表示装置479の下方に配置される位置である。中央構造体420のステージ裏カバー615は、その大部分が透明(光透過)に構成されるため、初期位置に配置された可動体710は、その一部を、ステージ裏カバー615を介して視認できる。
領域E3の拡大図を図24の下段に示す。可動体710が初期位置に配置される場合、排出口627に接続され遊技機正面視において前後方向に延びる通路を、排出口627から臨んで視認した場合、装飾図柄表示装置779における中央の発光部779Aに形成された「当」の文字779B(図23参照)の一部が視認される。つまり、排出口627が文字779Bの大きさより小さく、当該排出口627に接続された通路が透明に構成され、排出口627の周囲は不透明(光不透過)に構成されているので、遊技者は、可動体710が初期位置に配置される場合に、排出口627を介して、「当」の文字779Bの全体でなく、その一部を視認することになる。
図25は、可動体710が変動表示位置に配置された場合を示す図である。可動体710は、装飾図柄表示装置779による変動表示および確定表示を行う場合に、図25に示す変動表示位置に配置される。変動表示位置は、可動体710が、遊技機正面視において装飾図柄表示装置479の大部分に重なり、装飾図柄表示装置779がステージ裏カバー615の上方にて露出する位置である。なお、装飾図柄表示装置779による変動表示は、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入、または、所定の条件下における右始動入賞装置432への遊技球の進入に基づいて行われる。
装飾図柄表示装置779による変動表示を開始するタイミングで、可動体駆動装置721(図10参照)の動作が制御され、それにより、可動体710は変動表示位置に配置される。よって、初期位置に配置されていた可動体710は、初期位置から上方へと移動して(つまり、上昇して)変動表示位置に配置される。このとき、変動表示位置へと上昇する可動体710の移動パターンを、大当りの期待度に応じて異ならせる構成としてもよい。例えば、可動体710が左右に揺れながら上昇する移動パターンを、可動体710が直線的に上昇する移動パターンに比べて高い期待度を示す移動パターンとしてもよい。
変動表示位置に配置された可動体710は、装飾図柄表示装置779による確定表示の実行後など、その配置を解除する所定のタイミングで、初期位置または後述する中間位置など、そのときの遊技状態に応じた位置に移動される。
図26は、可動体710が中間位置に配置された場合を示す図である。中間位置は、初期位置(図24参照)と変動表示位置(図25参照)との間の位置である。よって、中間位置に配置された可動体710が装飾図柄表示装置479に対して重なる領域は、変動表示位置に配置された可動体710が装飾図柄表示装置479に対して重なる領域に比べて小さい。
上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合に、可動体駆動装置721(図10参照)の動作が制御され、それにより、可動体710は中間位置に配置される。よって、初期位置に配置されていた可動体710は、初期位置から上方へと移動して中間位置に配置される。なお、本実施形態では、振分装置622の左振分通路622Aおよび右振分通路622Bの通路上に設けられた接触センサ662(図10参照)が、遊技球の通過を検出した場合に、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じたとする。
中間位置に配置された可動体710は、中間位置に移動してから所定時間(例えば、1秒)の経過後など、その配置を解除する所定のタイミングで、初期位置または変動表示位置など、そのときの遊技状態に応じた位置に移動される。
図27は、可動体710が照射位置に配置された場合を示す図である。可動体710は、遊技球が下側のステージ625に進入した場合に、図27に示す照射位置に配置される。照射位置は、可動体710の装飾図柄表示装置779が、ステージ625の転動面を照らすことが可能な位置である。装飾図柄表示装置779における複数の発光部779Aは、ステージ625の転動面における遊技機正面視の形状にほぼ沿って配列されているので、可動体710を照射位置に配置することで、ステージ625の転動面を好適に照らすことができる。
ステージ625による遊技球の振り分けが行われる場合に、可動体駆動装置721(図10参照)の動作が制御され、それにより、可動体710は照射位置に配置される。よって、初期位置に配置されていた可動体710は、初期位置から上方へと移動して照射位置に配置される。なお、本実施形態では、左ワープ通路628の出口付近の通路上に設けられた接触センサ665(図10参照)が、遊技球の通過を検出した場合に、ステージ625による遊技球の振り分けが行われるとする。
照射位置に配置された可動体710は、ステージ625による遊技球の振り分けが完了するなど、その配置を解除する所定のタイミングで、初期位置または変動表示位置など、そのときの遊技状態に応じた位置に移動される。
領域E4の拡大図を図27の下段に示す。可動体710が照射位置に配置される場合、進入口626に接続され遊技機正面視において前後方向に延びる通路を、進入口626から臨んで視認した場合、装飾図柄表示装置779における中央の発光部779Aに形成された「当」の文字779B(図23参照)の一部が視認される。
つまり、進入口626が文字779Bの大きさより小さく、当該進入口626に接続された通路が透明に構成されるとともに、ステージ裏カバー615における進入口626の周囲に形成された領域615A(斜線のハッチングで示した領域)が不透明に構成されているので、遊技者は、可動体710が照射位置に配置される場合に、排出口627を介して、「当」の文字779Bの全体でなく、その一部を視認することになる。特に、本実施形態では、遊技者は、「当」の文字779Bのうち、下向きの矢印(すなわち、「↓」)であるかのような上部分を、進入口626を介して視認することになる。
次に、パチンコ機100において、可動体710の動作に係る作用及び効果を説明する。
パチンコ機100において、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合には、可動体710が初期位置(図24参照)より上方に移動するので、遊技者は、可動体710の移動方向(本実施形態では、上方)から、当該進入可能性の発生を認知することができる。
上述のように、本実施形態のパチンコ機100によれば、上側中始動入賞装置632に遊技球が進入することで、遊技者は遊技価値を多量に獲得するチャンスを得ることができる。しかしながら、上側中始動入賞装置632は、下側中始動入賞装置431に比べ、遊技球が進入する確率が低く設定されているので、遊技者の視線は遊技球が進入し易い下側中始動入賞装置431に向き易く、遊技者は上側中始動入賞装置632への遊技球の進入を見逃し易いという状況が生じる。特に、上側中始動入賞装置632と下側中始動入賞装置431との間には、装飾図柄表示装置479が介在されるので、進入する確率が低い上側中始動入賞装置632に対する遊技者の意識はより一層薄れ易くなる。
これに対し、本実施形態のパチンコ機100によれば、遊技者は、可動体710の移動方向から、当該進入可能性の発生を認知できるので、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入(すなわち、遊技者が第2特別図柄抽選に対する始動条件の成立)を見逃すことを抑制できる。つまり、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入を、遊技者が目撃し易くできる。これにより、上側中始動入賞装置632への遊技球を進入させる遊技の興趣を好適に得ることができる。
また、上側中始動入賞装置632に遊技球が進入した場合には、下側中始動入賞装置431に遊技球が進入した場合に比べて高い価値(遊技価値)の獲得を期待できるので、その点においても、上側中始動入賞装置632への遊技球の通過を目撃させ易くしたことで、上側中始動入賞装置632への遊技球を進入させる遊技の興趣を好適に得ることができる。
装飾図柄表示装置779が配設された可動体710が、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じたことを示唆する部品として流用されるので、それを示唆するための専用の部品を設ける必要がなく、製造コストの増大を抑制できる。
また、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合における可動体710の移動方向は、可動体710が、初期位置から、装飾図柄表示装置779を用いて第2特別図柄に係る単位遊技の変動表示および確定表示を行う位置(すなわち、図25に示す変動表示位置)へ向かう方向であるので、遊技者は、可動体710の上方への移動が、第2特別図柄抽選に対する始動条件の成立(すなわち、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入)に関連するものであることを直感的に認識できる。
特に、かかる場合における可動体710の移動方向は、上側中始動入賞装置632が位置する側(すなわち、上方)であるので、遊技者の視線を可動体710の動きに合わせて上側中始動入賞装置632へと自然に向けさせることができる。これにより、遊技者は、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入を好適な確率で目撃することができる。
また、振分装置622の左振分通路622Aまたは右振分通路622Bを通過する遊技球が接触センサ662によって検出された場合に、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じたとして可動体710の移動が行われるので、遊技球が上側中始動入賞装置632を通過するか否かに関わるステージ622C(振分装置622)による遊技球の振り分けを、遊技者に注目させることができる。これにより、ステージ622Cにより遊技球を振り分ける遊技を遊技者に楽しませることができる。
また、本実施形態では、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合、可動体710を、変動表示位置とは異なる中間位置(図26参照)に位置させるので、可動体710の位置に応じて、可動体710の移動が、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性の発生に基づき行われたか、装飾図柄表示装置779による変動表示を行うために行われたかを、遊技者に区別させることができる。よって、遊技者は、当該進入可能性の発生を好適に認知することができる。
かかる中間位置は、可動体710が、遊技者が注目し易い位置の1つである装飾図柄表示装置479の前方に重なる位置であるので、遊技者は、装飾図柄表示装置479に重なる位置にて移動する可動体710を認識し易く、それにより、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じたことを好適に認識できる。
また、パチンコ機100において、ステージ625により遊技球が振り分けられる場合には、可動体710を照射位置(図27参照)に配置し、装飾図柄表示装置779の発光部779Aを発光させることで、ステージ625の転動面が照らされる。よって、ステージ625による振り分け対象の遊技球は発光部779Aにより照らされた転動面上を転動する。
ステージ625による遊技球の振り分けは、第1特別図柄抽選に対する始動条件の成立(すなわち、下側中始動入賞装置431への遊技球の進入)に関わるので、遊技者は、下側中始動入賞装置431への遊技球の進入を期待しながらステージ625による遊技球の振り分けに注目する。よって、発光部779Aにより照らされた転動面上を遊技球が転動することで、転動面を照らす光が下側中始動入賞装置431への遊技球の進入を遊技者に期待させる演出として機能する。これにより、遊技者の期待感が煽られ、ステージ625により遊技球を振り分ける遊技の興趣を好適に向上できる。
次に、パチンコ機100において、上述した可動体710に配設された装飾図柄表示装置779に係る作用及び効果を説明する。
パチンコ機100において、第2特別図柄に係る単位遊技の変動表示と確定表示(第2特別図柄抽選の抽選結果を示す停止表示)とが、可動体710に配設された装飾図柄表示装置779を用いて表示されるので、特別図柄に係る単位遊技の変動表示および確定表示が、装飾図柄表示装置479のような画面に表示される従来の典型的な遊技機に比べて高い興趣を遊技者に与えることができる。
また、可動体710が初期位置または照射位置に配置される場合、遊技者は、排出口627または進入口626を介して、「当」の文字779Bの全体でなく、その一部を視認する。よって、可動体710がこれらの位置に配置された場合には、遊技者は、中央の発光部779Aの表面に形成された文字779Bを、本来の、第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りであることを示す「当」の文字であると認識し難い。
このように、本実施形態のパチンコ機100によれば、可動体710が、初期位置や照射位置といった変動表示位置(すなわち、装飾図柄表示装置779を用いて第2特別図柄に係る単位遊技の変動表示および確定表示を行う位置)とは異なる位置に配置された場合に、排出口627または進入口626を介して視認される文字779Bが、大当りであることを示さない内容として視認されるので、装飾図柄表示装置779が第2特別図柄抽選の抽選結果を表示する状況にないにもかかわらず、遊技者が装飾図柄表示装置779を見て大当りが得られたと誤認することを抑制できる。これにより、遊技者が抽選結果を誤認したことによって無意味に落胆することを抑制できるので、そのような誤認によって遊技の興趣が低下することを抑制できる。
文字779Bを大当りであることを示さない内容として視認させることは、文字779Bを制御的に異なる文字に変化させるのではなく、排出口627または進入口626を介して視認させるといった比較的簡易な構成で実現できる。特に、本実施形態のパチンコ機100では、文字779Bを大当りであることを示さない内容として視認させるために、排出口627や進入口626といった、遊技球の通路に接続される遊技機正面側の開口を利用するので、専用の開口(窓部)を設ける必要がなく、製造コストの増大を抑制できる。
また、進入口626および排出口627は、ステージ625を転動する遊技球を下側中始動入賞装置431の上流側に排出するための通路の入口と出口であるので、進入口626または排出口627から視認される文字799Bは、大当りであることを示さない内容として視認されるものの、当該文字799Bの一部が進入口626または排出口627から視認されることで、進入口626または排出口627を遊技球が通過することの優位性を遊技者に注目させることができる。
特に、可動体710が照射位置にある場合に、進入口626を介してその一部が視認される文字779Bは、下向きの矢印(すなわち、「↓」)であるかのように視認されるので、遊技者は、進入口626と、進入口626の下側に位置する下側中始動入賞装置431とを関連付けることができる。よって、進入口626に進入した遊技球に対し、第1特別図柄抽選の権利に関する大きな期待感を遊技者に抱かせることができる。
<可動体710の位置に応じた装飾図柄の表示位置の変化>
次に、図24から図27を再度参照して、可動体710の位置に応じた装飾図柄の表示位置の変化について説明する。
本実施形態のパチンコ機100において、装飾図柄表示装置479の画面には、装飾図柄Zとして、左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(例えば、数字)によって構成される。装飾図柄Zは、これらの図柄が、例えば、図柄列毎にスクロールされることで、装飾図柄表示装置479にて変動表示される。
なお、装飾図柄Zは、3列以上の図柄から構成されてもよいし、各図柄列が並ぶ方向は左右方向に限らない。また、各図柄列の図柄は、数字であることに限らず、例えば、数字が描かれたカード形態であったり、キャラクタであってもよい。また、装飾図柄の変動表示としては、図柄が図柄列毎にスクロールされる形態に限らず、例えば、図柄がその場で裏表に回転し、回転によって裏表が切り替わる毎に図柄の内容が切り替わる形態であってもよい。
図24に示すように、初期位置に配置された可動体710は、装飾図柄表示装置479の下方に位置し、装飾図柄表示装置479には重ならない。よって、可動体710が初期位置に配置される場合、装飾図柄Zによる変動表示または確定表示は、デフォルトのサイズ(最大サイズ)で装飾図柄表示装置479における略中央のデフォルト位置に表示される。
また、図27に示すように、可動体710の照射位置は、当該照射位置に配置された可動体710が、デフォルトのサイズで装飾図柄表示装置479におけるデフォルト位置に表示される装飾図柄Zに重ならない位置とされる。つまり、可動体710が初期位置に配置される場合もまた、装飾図柄Zによる変動表示または確定表示は、デフォルトのサイズで装飾図柄表示装置479におけるデフォルト位置に表示される。
一方、図25に示すように、変動表示位置に配置された可動体710は、遊技機正面視において装飾図柄表示装置479の大部分に重なるため、装飾図柄表示装置479が遊技者に対して露出する領域が限られる。よって、可動体710が変動表示位置に配置される場合、パチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により、縮小サイズの装飾図柄Zを、装飾図柄表示装置479における露出領域(図25に示す例では、右上領域)に表示する。これにより、可動体710が変動表示位置に配置される場合に、装飾図柄Zの確定表示が可動体710に隠れて視認できなくなることを防止できる。
図26に示すように、可動体710が中間位置に配置された場合、装飾図柄表示装置479の上側が露出されるものの、下側には可動体710が重なる。よって、可動体710が中間位置に配置される場合、パチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により、縮小サイズの装飾図柄Zを、装飾図柄表示装置479の上側に残された露出領域に表示する。そのため、例えば、初期位置に配置されていた可動体710が、中間位置に移動した場合、当該移動に伴い、装飾図柄Zもまた上方へと移動する。
上述のように、可動体710は、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合に中間位置に配置される。よって、装飾図柄Zが、可動体710が中間位置に配置されたことに応じて上方へと移動したことで、上方にある上側中始動入賞装置632を遊技者に注目させることができる。
例えば、第1特別図柄に係る単位遊技における装飾図柄Zの変動表示が装飾図柄表示装置479に表示されている場合、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じたことに応じて、実行中の変動表示は、装飾図柄表示装置479における上方の位置にて、縮小サイズの装飾図柄Zにより継続される。つまり、かかる場合、装飾図柄表示装置479における上方の位置にて、縮小サイズの装飾図柄Zによる変動表示が行われる。装飾図柄表示装置479または装飾図柄表示装置779による変動表示がいずれも実行されていない状態(所謂、客待ち待機状態)において、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合に、縮小サイズの装飾図柄Zを装飾図柄表示装置479における上方の位置に表示させてもよい。
また、図26に示すように、可動体710が中間位置に配置された場合、装飾図柄表示装置479の上側には、パチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により、装飾図柄Zとともに、上方を指し示す矢印731,732が表示される。これにより、上側中始動入賞装置632に対する遊技者の注目度をより高めることができる。
また、矢印731,732が上方を指し示していることで、装飾図柄Zが上方に移動していることを遊技者に意識させることができる。その点においても、上側中始動入賞装置632に対する遊技者の注目度をより高めることができる。特に、図26に示す例では、左側の矢印731が右上を指し示し、右側の矢印732が左上を指し示しており、これらの矢印731,732の間に表示される装飾図柄Zに対する注目度をより好適に高めている。
次に、パチンコ機100において、可動体710の位置に応じて装飾図柄の表示位置が変化することに係る作用及び効果を説明する。
パチンコ機100において、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合、装飾図柄表示装置479に表示される装飾図柄Zが上方に移動するので、遊技者は、装飾図柄Zの移動とその移動方向とから、当該進入可能性の発生を認知することができる。よって、遊技者が、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入(すなわち、遊技者が第2特別図柄抽選に対する始動条件の成立)を見逃すことを抑制できる。つまり、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入を、遊技者が目撃し易くできる。これにより、上側中始動入賞装置632への遊技球を進入させる遊技の興趣を好適に得ることができる。
また、下側中始動入賞装置431に比べて遊技球が進入する確率が低く設定されている上側中始動入賞装置632は、遊技者が遊技球の進入を見逃し易い箇所であるが、上述のように、装飾図柄Zの移動によって、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入を好適な確率で遊技者に目撃させることができるので、上側中始動入賞装置632への遊技球を進入させる遊技の興趣をより好適に向上させることができる。
特に、装飾図柄表示装置479に表示される装飾図柄Zは、第1特別図柄抽選の抽選結果を示すものであるので、遊技者が最も意識を傾け易い箇所の1つである。よって、遊技者は装飾図柄Zの移動を高確率で捕らえることができるので、装飾図柄Zを移動させることで、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じたことをより好適に遊技者に認知させることができる。
また、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性の発生は、第1特別図柄抽選の抽選結果を示す装飾図柄Zを用いて遊技者に示唆されるので、第2特別図柄抽選に関わる始動入賞装置(上側中始動入賞装置632)への遊技球の進入に対する期待感を、第2特別図柄抽選とは関連しない第1特別図柄抽選の抽選結果に対する期待感と同時に遊技者に与えることができる。
また、装飾図柄Zの移動方向は、上側中始動入賞装置632が位置する側(すなわち、上方)であるので、遊技者の視線を装飾図柄Zの移動方向に合わせて上側中始動入賞装置632へと自然に向けさせることができる。これにより、遊技者は、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入を好適な確率で目撃することができる。
上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じたことで、装飾図柄Zを装飾図柄表示装置479に表示する場合、縮小サイズの装飾図柄Zを表示させるので、装飾図柄表示装置479における下側を装飾図柄Zが表示されない領域として大きく確保できる。本実施形態のパチンコ機100では、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合、装飾図柄Zを上方移動させるだけでなく、上述のように可動体710も中間位置に移動させるので、遊技者の意識を上側中始動入賞装置632が配置された上方により強く向けさせることができる。これにより、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じたことをより好適に遊技者に認知させることができる。
<遊技状態の移行制御>
次に、図28から図30を参照して、本発明に係るパチンコ機100における遊技状態の移行制御の一例について更に詳しく説明する。図28は、特別図柄の抽選内容と、遷移する遊技状態の関係を示す図である。
遊技状態の移行制御は、主制御基板920(図10参照)の制御によって行われ、当選確率や振分確率など各遊技状態の移行に関連する数値データや制御プログラムは、主制御基板920のROMに記憶されている。主制御基板920は、パチンコ機100の遊技状態として、通常遊技状態と、特別遊技状態と、時短遊技状態とを発生させる。通常遊技状態から他の遊技状態への移行は、特別図柄に係る大当り抽選の当選を契機として実行され、通常遊技状態において大当り抽選に当選した場合には、特別遊技状態を経由して、時短遊技状態となるか、又は、通常遊技状態に戻る。
パチンコ機100においては、特別図柄に係る抽選として、第1特別図柄に係る抽選と、第2特別図柄に係る抽選が実行される。図28に示すように、特別図柄に係る抽選は、図柄種別に関わらず、同一の当選確率(略23分の1)に従って実行され、当選乱数カウンタが値を取り得る範囲(例えば、「0〜65535」)に対して予め当選値(例えば、「0〜2859」)が定められており、この範囲と当選値との比率によって大当りの当選確率が定められている。
特別図柄に係る大当り抽選に当選した場合には、図28に示すように、第1大当り1〜5及び第2大当り1,2の合計7種類に設定された大当り種別から1つの大当り種別が選定される。大当り種別は、特別図柄の種別毎に定められ、各特別図柄に係る抽選に当選した場合における大当り種別の選定は、予め定めた選定条件に従って実行され、具体的には、始動入賞に基づいて取得された大当り図柄乱数カウンタの値に対応して選定される。
第1特別図柄に係る大当り種別は、図28に示すように、第1大当り1〜5の5種類が設定されている。第1大当り1〜5は、予め定めた振分確率に従うように、大当り図柄乱数カウンタの値を用いた抽選によって選定される。各振分確率としては、例えば、第1大当り1が「18.85%」、第1大当り2が「4.15%」、第1大当り3が「0.05%」、第1大当り4が「51.30%」、第1大当り5が「25.65%」に設定されている。
第1特別図柄に係る抽選に当選した場合に発生する特別遊技状態としては、獲得可能な平均球数(以下、獲得球数ともいう)が異なる2種類の特別遊技状態が設定されている。獲得球数が少ない特別遊技状態は、複数回(4回)のラウンドによって構成され、各ラウンドにおいて、中央大入賞装置434が短時間作動した進入許容姿勢をとって入賞口が開放され、遊技球がほとんど進入し得ない短時間(略0.05秒)の開放(短開放)を1ラウンドの終了として進入禁止姿勢へ移行し、入賞口が閉鎖される。このため、短開放のラウンドが複数回繰り返されても中央大入賞装置434に遊技球が進入せず、特別遊技状態において遊技球を発射した球数分が消費されることとなる。
獲得球数の多い特別遊技状態は、複数回(3回)のラウンドによって構成され、各ラウンドにおいて、中央大入賞装置434は、短開放の特別遊技状態におけるラウンドより長時間、進入許容姿勢をとって入賞口が開放される。長開放の特別遊技状態においては、中央大入賞装置434の入賞口が開放されてラウンド開始となり、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過するか、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443によって検出された場合に1ラウンドの終了として進入禁止姿勢へ移行し、入賞口が閉鎖される。このため、長開放のラウンドが複数回繰り返された場合には、そのラウンド数に比例して中央大入賞装置434に遊技球が進入し、特別遊技状態において遊技者が略一定の球数(147個)の遊技球を獲得する。
第1特別図柄に係る抽選に当選した場合には、特別遊技状態の後に、時短遊技状態が発生する場合と、時短遊技状態が発生しない場合(すなわち、時短回数が0回の場合)とが設定されている。また、時短遊技状態が発生するか否か及び時短回数は、時短遊技状態を発生させるか否かを判定した遊技状態に対応し、非時短状態において大当りに当選した場合より、時短状態において大当りに当選した場合の方が時短遊技状態が発生し易い条件に設定されている。
具体的には、非時短状態における第1特別図柄に係る抽選に当選し、第1大当り1,4が選定された場合には、時短回数は、「0回」に設定され、特別遊技状態の後に通常遊技状態が開始される。非時短状態における第1特別図柄に係る抽選に当選し、第1大当り2,3,5が選定された場合には、時短遊技状態へ遷移し、時短回数として第1大当り2,5の場合には「1回」、第1大当り3の場合には「87回」の時短遊技状態へ遷移する。時短回数は、特別遊技状態の後に遷移した時短遊技状態において特別図柄に係る抽選が連続して実行される上限回数であり、特別図柄に係る抽選に連続して非当選となることが可能な上限回数と一致している。時短回数に到達するまで、特別図柄に係る抽選に連続して非当選となると、時短遊技状態は終了し、通常遊技状態に戻る。非時短状態における第1特別図柄に係る抽選に当選した場合に付加される時短回数の平均値としては、各第1大当りにおける振分確率と、非時短状態における時短回数とを乗じた値の合計によって表すことができ、略0.34回となっている。
時短状態における第1特別図柄に係る抽選に当選した場合には、非時短状態における第1特別図柄に係る抽選に当選した場合より長い時短回数が選択され易く、いずれの第1大当り1〜5が選定された場合でも、時短回数は、「87回」に設定される。時短状態における第1特別図柄に係る抽選に当選した場合に付加される時短回数の平均値としても、各第1大当りにおける振分確率と、時短状態における時短回数とを乗じた値の合計によって表すことができ、87回となる。
第1特別図柄に係る大当り種別の比率として時短回数別に大別すると、「0回」に対応する第1大当り1,4の振分比率は「18.85%」と「51.30%」とを加えた「70.15%」、「1回」に対応する第1大当り2,5の振分比率は「4.15%」と「25.65%」とを加えた「29.8%」、「87回」に対応する第1大当り3の振分比率は「0.05%」とされている。このため、第1特別図柄に係る抽選に当選すると、「0回」が選定されて時短遊技状態へ遷移しない場合が最も多く略70%を占め、それより低確率の略30%で「1回」の時短遊技状態が発生し、「87回」は稀に発生する特別有利な遊技状態とされている。
第2特別図柄に係る抽選に当選した場合に発生する特別遊技状態は、第1特別図柄に係る抽選に当選した場合より遊技者が有利な設定とされている。第2特別図柄に係る大当り種別は、図28に示すように、第2大当り1,2の2種類が設定され、第2大当り1,2は、予め定めた振分確率に従うように、大当り図柄乱数カウンタの値を用いた抽選によって選定される。各振分確率としては、第2大当り1が「75.00%」、第2大当り2が「25.00%」に設定されている。
第2特別図柄に係る抽選に当選した場合に発生する特別遊技状態としては、獲得可能な球数(獲得球数)が異なる2種類の特別遊技状態が設定されている。各特別遊技状態は、回数の異なる複数回のラウンドによって構成され、各ラウンドにおいて、中央大入賞装置434は、遊技球が一定個数進入可能な長開放の進入許容姿勢をとって入賞口が開放される。長開放のラウンド数は、5ラウンド(5R)と、3ラウンド(3R)との複数回に設定され、5ラウンドの場合には「245個」、3ラウンドの場合には、「147個」の獲得球数に設定されている。第2特別図柄に係る長開放の特別遊技状態を構成する各ラウンドは、第1特別図柄に係る長開放の特別遊技状態を構成するラウンドと同一の開放及び閉鎖条件に設定され、共通の制御が使用されている。また、第2特別図柄に係る3ラウンドの長開放の特別遊技状態は、第1特別図柄に係る長開放の特別遊技状態と同一のラウンド回数に設定され、同一の制御が使用可能とされている。
第2特別図柄に係る抽選に当選した場合には、特別遊技状態の後に、時短遊技状態へ遷移する条件についても、第1特別図柄に係る抽選に当選した場合より遊技者が有利な設定とされている。具体的には、第2特別図柄に係る抽選に当選した場合、非時短状態中であるか、時短状態中であるかに関わらず、時短遊技状態に遷移する設定とされ、特別図柄に係る抽選に当選した場合に時短遊技状態へ遷移する確率が高確率に設定されている。
時短回数についても、第2特別図柄に係る抽選に当選した場合には、第1特別図柄に係る抽選に当選した場合より遊技者が有利な設定とされている。具体的には第2特別図柄に係る抽選に当選した場合には、時短回数及びその平均値は、「87回」に設定され、第1特別図柄に係る抽選に当選した場合より継続回数の多い時短遊技状態が選定され易い設定とされている。
次に、図29を参照して、遊技状態の進行制御について説明する。図29は、遊技状態の進行制御を示すフローチャートである。ここで、図29には、各遊技状態における主要な条件の成立と、その条件が成立した場合に実行される装置の制御を模式的に示し、各遊技状態において遊技者にとって必要な遊技手法を併せて示している。
パチンコ機100の電源がオンされた場合には、通常遊技状態に設定される。通常遊技状態は、左打ち遊技手法によって遊技が行われ、下側中始動入賞装置431か、又は、第2特別図柄に係る上側中始動入賞装置632に遊技球が進入することによって特別図柄に係る始動入賞が発生し、大当り抽選が行われる。
下側中始動入賞装置431に遊技球が進入した場合には、第1特別図柄の始動入賞(第1始動入賞)となり、単位遊技の権利が発生して第1特別図柄に係る抽選が行われ、その抽選結果に対応した停止図柄で確定表示される変動表示が行われる。主制御基板920は、副制御基板940に変動表示の内容に対応した制御コマンドを送信し、副制御基板940は、装飾図柄表示装置479(図24参照)の画面を制御して、通常の数字図柄(1〜9)を用いて、左・中・右の3つの数字の組合せを停止図柄とする変動表示による演出(通常図柄変動演出)を実行する。第1特別図柄に係る大当り抽選は、略23分の1で当選し、大当り抽選に当選した場合には、特別遊技状態へ遷移する。
第1特別図柄に係る大当り抽選に当選した場合には、短開放と長開放の2種類の特別遊技状態のいずれかが発生する。主制御基板920は、下中央大入賞装置434(図7参照)を、各特別遊技状態の種別に対応した条件で姿勢変化させる制御を行う。この主制御基板920の制御によって、短開放の特別遊技状態では遊技者が遊技球をほぼ獲得し得ず、パチンコ機100から遊技球が払い出される出球がほとんどない一方、長開放の特別遊技状態では遊技者が右打ち遊技手法によって遊技を行うことで一定数以上の賞球を獲得し得る。
ここで、主制御基板920から副制御基板940へは、各特別遊技状態が発生する前の変動表示を実行させるタイミングと、特別遊技状態が開始するタイミングとの少なくともいずれかにて、大当り種別に対応した制御コマンドが送信され、副制御基板940は、制御コマンドに基づいて大当り種別を認識し、遊技者に必要な操作に関する情報を出力する操作報知制御を行う。この操作報知制御の詳細については、図31を参照して後述する。
特別遊技状態の後には、第1特別図柄に係る抽選に当選した場合に選定された大当り種別によって遷移する遊技状態が異なり、第1大当り1,4であれば通常遊技状態に戻る。一方、第1大当り2,5であれば、1回の変動開始のタイミングまで時短状態が継続する短期時短遊技状態へ遷移し、第1大当り3であれば「87回」を上限遊技回数として時短状態が継続する長期時短遊技状態へ遷移する。
短期時短遊技状態は、時短状態と非時短状態とを組合せて構成されている。短期時短遊技状態においては、1回目の変動が開始されるまで時短状態となり、1回目の変動が開始されると時短状態から非時短状態へ遷移する。
短期時短遊技状態へ遷移した場合、短期時短遊技状態の開始タイミングにおいて特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されているか否かで遊技手法が異なる。特別図柄に係る単位遊技の権利が1回でも保留されていれば、短期時短遊技状態の開始直後に、最初に保留された単位遊技の権利について特別図柄に係る大当り判定が実行され、大当りに当選していれば大当り種別選定についても行われる。また、その保留された単位遊技に対する変動表示の内容(変動時間及び停止図柄)の選定についても行われる。主制御基板920は、副制御基板940に対して、短期時短遊技状態中に開始された変動表示の内容に対応した制御コマンドを送信し、副制御基板940は、装飾図柄表示装置779を制御し、複数の発光部779Aが順に発光し、最終的に中央の発光部779Aが発光することで特別図柄に係る抽選の当選を示し、最終的に中央からずれたいずれかの発光部779Aが発光することで非当選を示す演出(以下、クジラルーレット変動演出ともいう)を実行する。
クジラルーレット変動演出は、短期時短遊技状態中に開始された変動表示の回数に相当する1回のみ実行される。クジラルーレット変動演出に当選した場合には大当りとなって、特別遊技状態へ移行し、非当選(ハズレ)となった場合には左打ち遊技手法による遊技(以下、左打ち遊技ともいう)を行う通常遊技状態へ戻る。特別図柄に係る大当り抽選は、略23分の1で当選するので、クジラルーレット変動演出が発生した場合には、略23分の1で特別遊技状態へ遷移する。短期時短遊技状態中における大当りの種別選定は、時短状態中に実行されているので、第1特別図柄に係るいずれの大当り種別が選定された場合であっても特別遊技状態の後に長期時短遊技状態へ移行する。
短期時短遊技状態に遷移した場合、特別図柄に係る単位遊技の権利が1回分も保留されていなければ、短期時短遊技状態が開始された後に特別図柄に係る1回の単位遊技の権利を成立させる必要がある。この1回の単位遊技は、長期時短遊技状態に遷移する確率が略23分の1であり、通常遊技状態において主として始動入賞が発生する第1特別図柄に係る大当り抽選にて長期時短遊技状態に遷移する確率より大幅に高くなっている。このため、遊技者は、早く単位遊技の権利を獲得することを望んで遊技を行うこととなる。この場合において、1回の変動表示の実行が開始されるまでは、右始動入賞装置432が進入許容姿勢をとり易い時短状態が継続している。従って、遊技者は、右始動入賞装置432及び、右始動入賞装置432を作動させるための始動装置436が配置された中央構造体420より右側の遊技領域(遊技球が流下する領域であって流下領域ともいう、図7参照)に遊技球を流下させる右打ち遊技手法によって、容易に1回の変動表示の実行に対しての始動入賞を発生させ、単位遊技の権利を成立させることができる。
短期時短遊技状態に遷移して右始動入賞装置432に遊技球が進入すると、第2特別図柄の始動入賞(第2始動入賞)となり、第2特別図柄に係る大当り判定が実行され、大当りに当選していれば大当り種別選定についても行われ、変動表示の内容(変動時間及び停止図柄)の選定についても行われる。主制御基板920は、副制御基板940に対して、短期時短遊技状態中に開始された変動表示の内容に対応した制御コマンドを送信し、副制御基板940は、装飾図柄表示装置779を制御して、クジラルーレット変動演出を実行する。この場合に、短期時短遊技状態において開始された第1特別図柄に係る抽選の当選確率と、第2特別図柄に係る抽選の当選確率とは、同一の確率(略23分の1)に設定され、当選後に長期時短遊技状態に遷移する確率も同一に設定されている。このため、クジラルーレット変動演出が実行される場合には、第1特別図柄に係る単位遊技であるか、第2特別図柄に係る単位遊技であるかに関わらず、同一の期待感をもって長期時短遊技状態への遷移を期待することができ、特別図柄の種別が異なっても共通のクジラルーレット変動演出によって抽選結果を表示することで遊技の進行を遊技者に判り易く示すことができる。
クジラルーレット変動演出中は、時短状態でなく非時短状態となっており、時短状態に比べて右始動入賞装置432が進入許容姿勢をとり難い遊技状態となっている。短期時短遊技状態の発生後に1球でも右始動入賞装置432への入賞が発生し、第2始動入賞スイッチ442(図10参照)に遊技球の入賞が検出されると、主制御基板920は時短状態から非時短状態に対応した右始動入賞装置432の制御に切り換える。このため、右打ち遊技手法による遊技(以下、右打ち遊技ともいう)によって遊技球を発射し続けても遊技球が消費され易い状況であり、遊技者にとって発射操作が不要な状態となる。
クジラルーレット変動演出にて特別図柄に係る抽選の当選を示す結果が表示されると、特別遊技状態が発生する。この特別遊技状態は、第1大当り1〜5及び第2大当り1,2の合計7種類のいずれかに対応し、獲得球数が「0」である短開放の特別遊技状態では、遊技者による遊技球の発射は不要であり、獲得球数が一定数以上存在する長開放の特別遊技状態では、右打ち遊技によって賞球を獲得し得る。
クジラルーレット変動演出にて特別図柄に係る抽選に当選して発生した特別遊技状態の後には、長期時短遊技状態となる。長期時短遊技状態は、87回目の変動表示の実行が開始されるか、特別図柄に係る抽選に当選して特別遊技状態に遷移するまで、右始動入賞装置432が進入許容姿勢をとり易い時短状態が継続する。遊技者は、右打ち遊技によって右始動入賞装置432に容易に遊技球を進入させることができる。
長期時短遊技状態にて右始動入賞装置432に遊技球が進入すると、第2特別図柄の始動入賞(第2始動入賞)となり、単位遊技の権利が発生して第2特別図柄に係る抽選が行われ、その抽選結果に対応した停止図柄で確定表示される変動表示が行われる。主制御基板920は、副制御基板940に変動表示の内容に対応した制御コマンドを送信し、副制御基板940は、装飾図柄表示装置479(図24参照)を制御して、通常遊技状態とは異なる数字図柄(例えば、通常赤色で表示される数字を黄色で表示した図柄)を用いて、左・中・右の3つの数字の組合せを停止図柄とする変動表示による演出(時短中図柄変動演出)を実行する。第2特別図柄に係る大当り抽選は、略23分の1で当選し、大当り抽選に当選した場合には、特別遊技状態へ遷移し、その後に再び長期時短遊技状態が開始される。
長期時短遊技状態においては、第2特別図柄の始動入賞が主に発生する。このため、大当り抽選に当選すると、第2大当り1,2による長開放の特別遊技状態へ遷移し易く、右打ち遊技を継続することで賞球を獲得し得る。
長期時短遊技状態の開始から86回の特別図柄に係る変動表示にて非当選の結果に対応した停止図柄が確定表示され、その後に87回目の変動表示が開始されると、主制御基板920は右始動入賞装置432の制御を時短遊技状態から通常遊技状態に対応した制御に切り換える。このため、87回目の変動表示が開始された後は、右打ち遊技によって遊技球を発射し続けても遊技球が消費され易い状況であり、遊技者にとって発射操作が不要な状態となる。そして、87回目の変動表示にて非当選の結果に対応した停止図柄が確定表示されると、長期時短遊技状態の終了となって、通常遊技状態へ戻る。
以上、長期時短遊技状態への遷移パターンとして、左打ち遊技による通常遊技状態中の第1特別図柄の始動入賞を契機として発生する通常の遷移パターンについて説明したが、パチンコ機100には、他の遷移パターンによっても通常遊技状態から長期時短遊技状態へ遷移する。
他の遷移パターンとして、第1に、左打ち遊技による通常遊技状態中に上側中始動入賞装置632へ遊技球が進入した場合を契機とする遷移パターンが設定されている。この遷移パターンは、通常遊技状態中に上側中始動入賞装置632へ遊技球が進入して第2特別図柄の始動入賞(第2始動入賞)となる。この第2始動入賞に係る単位遊技において、第2特別図柄に係る大当り判定が実行され、大当りに当選していれば大当り種別選定についても行われ、変動表示の内容(変動時間及び停止図柄)の選定についても行われる。主制御基板920は、副制御基板940に対して、第2特別図柄に係る通常遊技状態中の変動表示の内容に対応した制御コマンドを送信し、副制御基板940は、装飾図柄表示装置779を制御して、クジラルーレット変動演出を実行する。このように、クジラルーレット変動演出は、短期時短遊技状態において右始動入賞装置432への遊技球の進入によって第2特別図柄の始動入賞が発生した場合と、通常遊技状態中において上側中始動入賞装置632への遊技球の進入によって第2特別図柄の始動入賞が発生した場合とで同一の演出が実行される設定とされている。
ここで、第2特別図柄に係る抽選において、その当選後に長期時短遊技状態に遷移する確率は、非時短状態中でも時短状態中でも同一に設定されている(図28参照)。このため、クジラルーレット変動演出が実行される場合には、第2特別図柄に係る単位遊技として、第2特別図柄に係る2つの始動入賞装置432,632のいずれに対する遊技球の進入であるかに関わらず、同一の期待感をもって長期時短遊技状態への遷移を期待することができる。よって、第2特別図柄の変動表示が実行される遊技状態が異なっても共通のクジラルーレット変動演出によって抽選結果を表示することで、長期時短遊技状態への遷移確率が同等であることを遊技者に判り易く示すことができる。
また、長期時短遊技状態への他の遷移パターンとして、左打ち遊技による通常遊技状態中に下側中始動入賞装置431に遊技球が進入して第1特別図柄に係る抽選に当選し、その当選において選定された大当り種別として第1大当り3が選定された場合が設定されている。この遷移パターンの場合には、他の遷移パターンとは異なり、クジラルーレット変動演出を経由しないで長期時短遊技状態へ遷移する。このため、遊技者は、長期時短遊技状態に対して必ずしもクジラルーレット変動演出による当選を視認させるだけでなく、意外な遷移パターンを期待させる遊技性を提供することができる。
このように、パチンコ機100には、第1特別図柄に係る大当り種別として、通常遊技状態中に対応する非時短状態における選定条件によって短期時短遊技状態へ遷移する第1大当り2,5と、短期時短遊技状態に対応する時短状態における選定条件によって長期時短遊技状態へ遷移する第1大当り1〜5とが設けられ、第2特別図柄に係る大当り種別として、通常遊技状態及び短期時短遊技状態のいずれにおいても長期時短遊技状態へ遷移する大当り(第2大当り1,2)が設けられている。このため、第1特別図柄の始動入賞として複数回の下側中始動入賞装置431への遊技球の進入によって短期時短遊技状態を経由して長期時短遊技状態へ段階的に遷移する遊技性を備えつつ、右始動入賞装置432への遊技球の進入によって1回の抽選結果によって長期時短遊技状態へ遷移する遊技性を付加することができる。
次に、短期時短遊技状態開始時における主制御基板920の制御について、図30を参照して更に詳しく説明する。
図30は、短期時短遊技状態開始時における主制御基板920の制御を示すタイミングチャートである。この短期時短遊技状態開始時における制御は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図12参照)の一部の処理として実行される。短期時短遊技状態の制御は、特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されているか否かに応じて異なり、短期時短遊技状態の開始時に単位遊技の権利が保留されている場合について図30(A)を主に参照して説明してから、単位遊技の権利保留が無い場合について図30(B)を主に参照して説明する。
主制御基板920には、進行中の遊技状態を記憶する複数の記憶手段としてのフラグ(主制御基板920のRAMの一部)が設けられ、そのフラグの一部として、特別遊技状態の実行中にオンされる特別遊技状態フラグと、時短状態中にオンとなる時短状態フラグとが設けられている。短期時短遊技状態は、第1特別図柄の始動入賞に基づいて大当りに当選した場合の一部において遷移する遊技状態である。
大当りの当選に対応する特別遊技状態を構成する各ラウンドが全て終了し、その後のエンディング期間が終了すると、特別遊技状態を終了させるタイミングとなる。主制御基板920は、図30(A)に示すように、特別遊技状態フラグをオフし、短期時短遊技状態を開始させるために時短状態フラグをオンする。
短期時短遊技状態の開始時に単位遊技の権利が保留されている場合、特別遊技状態が終了することで特別図柄に係る変動表示が開始可能となる。主制御基板920は、保留された単位遊技の権利に対して時短状態中に対応する大当り判定・種別選定及び変動表示の内容設定を実行し、特別図柄表示装置471(図7参照)における特別図柄の変動状態を停止中から変動中に切り替える(図30(A)参照)。この変動状態を切り替えるタイミングにおいて、主制御基板920は、副制御基板940(図10参照)に制御コマンドを送信し、装飾図柄表示装置779においても変動状態が停止中から変動中に切り替わる。
短期時短遊技状態における1回目の変動表示が開始されると、主制御基板920は、時短状態フラグをオフし(図30(A)参照)、右始動入賞装置432への遊技球の進入し易さが時短状態より困難な非時短状態に対応する制御を開始する。この1回目の変動表示を開始させる設定の処理と、時短状態フラグがオンとなってからオフになるまでの設定の処理は、右始動入賞装置432が進入許容姿勢をとって遊技球が右始動入賞装置432に進入し得ない程度に短時間で実行されることが好ましく、主制御基板920の1回のタイマ割込み処理において実行されることが好適である。
時短状態フラグがオフの状態中で普通図柄に係る始動装置436(図7参照)に遊技球が進入すると、図30(A)に示すように、始動スイッチ446(図10参照)が一時的にオンとなって始動装置436への遊技球の進入が主制御基板920に検出される。始動スイッチ446がオンとなると、普通図柄に係る変動表示が実行され、普通図柄に係る抽選に当選していれば右進入規制ソレノイド463(図10参照)がオンとなり、右始動入賞装置432(図7参照)が非時短状態に対応する進入許容姿勢をとる。
ここで、非時短状態において普通図柄に係る1回の変動表示の時間(変動時間)は、時短状態における変動時間と同一の選定条件に設定して普通図柄に係る制御を簡略化することが好ましい。また、普通図柄に係る変動時間として時短状態における変動時間は、略1.0秒未満、好ましくは、0.1秒未満に設定することが、短期時短遊技状態における1回目の特別図柄に係る遊技の開始を早くすることが好ましく、これにより、遊技をスムースに進行し、始動入賞の発生までに多くの時間を費やすことによる遊技者の気分の落ち込みを抑制することができる。
次いで、短期時短遊技状態の開始時に単位遊技の権利が保留されていない場合について説明する。特別遊技状態のエンディング期間が終了すると、主制御基板920は、図30(B)に示すように、特別遊技状態フラグをオフし、短期時短遊技状態を開始させるために時短状態フラグをオンする。短期時短遊技状態が開始されると特別図柄に係る変動表示は開始可能となるが、主制御基板920は、保留された単位遊技の権利が無いため、始動入賞の発生を待機する。
時短状態フラグがオンとなって時短状態が継続している状況にて、遊技者が右打ち遊技を行うと、始動装置436及び右始動入賞装置432が配置された流下領域(図7参照)を遊技球が流下する。時短状態中に始動装置436に遊技球が進入すると、図30(B)に示すように、始動スイッチ446が一時的にオンとなって始動装置436への遊技球の進入が主制御基板920に検出される。始動スイッチ446がオンとなると、普通図柄に係る変動表示が実行され、普通図柄に係る抽選に当選していれば右進入規制ソレノイド463がオンとなり、右始動入賞装置432が時短状態に対応する進入許容姿勢をとる。
時短状態における1回の当選に対しての進入許容姿勢は、遊技球の発射時間間隔(略0.6秒)より十分に長い時間(略2.4秒)に設定されている。このため、右始動入賞装置432に遊技球が進入し易く、その遊技球の進入が第2始動入賞スイッチ442に検出される。第2始動入賞スイッチ442に遊技球の入賞が検出されると、第2特別図柄の始動入賞となり、主制御基板920は、その始動入賞によって発生した単位遊技の権利に対して時短状態中に対応する大当り判定・種別選定及び変動表示の内容設定を実行し、特別図柄表示装置472(図10参照)における特別図柄の変動状態を停止中から変動中に切り替える(図30(B)参照)。
また、第2始動入賞スイッチ442に遊技球の入賞が検出されると、主制御基板920は、時短状態フラグをオフし、時短状態から非時短状態に対応した右始動入賞装置432の制御に切り換える。これにより、その後の普通図柄に係る抽選に当選しても、右始動入賞装置432が非時短状態に対応する進入許容姿勢をとり、短期時短遊技状態における第2特別図柄の始動入賞が1回の変動表示が実行されるまでに限定し易くなっている。
また、短期時短遊技状態の開始時に単位遊技の権利が保留されていない場合には、第2特別図柄の始動入賞が1回のみに限定され易くする構成となっている。具体的には、主制御基板920による右進入規制ソレノイド463の制御として、時短状態中に進入許容姿勢をとっている状況で右始動入賞装置432への1個の遊技球の進入が第2始動入賞スイッチ442によって検出されると、主制御基板920は、最大進入許容時間を経過する前であっても進入許容姿勢を進入禁止姿勢に移行するように右進入規制ソレノイド463をオフする。すなわち、時短状態における右始動入賞装置432への最大進入許容個数が、短期時短遊技状態の変動表示の実行回数に必要な数(1個)に設定され、その必要な数より多い右始動入賞装置432への遊技球の進入を阻止し易い構成とされている。
このように、短期時短遊技状態が発生する場合において、その開始時に時短回数の上限(上限遊技回数)に達する1回の変動表示が保留されている場合には、短期時短遊技状態の開始後即座に変動表示が開始され、その変動表示の実行を開始するタイミングで時短状態フラグがオフされ、右始動入賞装置432の制御が時短状態に対応する制御(進入容易制御)から非時短状態に対応する制御(進入通常制御)に変更される。また、短期時短遊技状態中に変動表示が開始された場合にも、時短状態フラグがオフされ、右始動入賞装置432の制御が進入容易制御から進入通常制御に変更される。このため、短期時短遊技状態中に時短回数の上限(上限遊技回数)に達する1回目の変動表示が実行されている場合に、進入通常制御によって右始動入賞装置432遊技球が進入し易い状態を発生させることとなり、遊技者が右打ち遊技を実行しても右始動入賞装置432へ遊技球はほぼ進入しない。よって、短期時短遊技状態において、遊技者には、遊技領域への遊技球の進入操作をなしにして、その意識を実行中の変動表示と結果情報の表示に集中させることができる。従って、その変動表示の結果情報として当選に対応する表示がなされ、長期時短遊技状態への遷移の期待感を高め易くすることができる。
なお、上記短期時短遊技状態における上限遊技回数に相当する回の時短状態フラグをオフするタイミングと、始動入賞装置432の制御が進入容易制御から進入通常制御に変更される制御は、長期時短遊技状態における上下遊技回数に相当する87回目の処理と同一の制御であって同様の効果を奏するものであり、その説明は省略する。
<操作指示情報の報知制御>
次に、副制御基板940による操作報知制御について、図31を参照して説明する。図31は、副制御基板940による操作報知制御処理を示すフローチャートである。
副制御基板940における制御処理は、主制御基板920と同様、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、主制御基板920からのコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、定期的に(本形態では10ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成される。操作報知制御処理は、タイマ割込み処理の一部の処理として構成され、主制御基板920から実行中の各遊技状態に対応した制御コマンドや、単位遊技の実行に関して送信される変動表示の内容に関する制御コマンドに基づいて実行される。
操作報知制御処理は、経験の多少に関わらず、遊技者が獲得可能となった遊技価値を獲得し易く、また、余分な遊技球の消費を抑制するために設けられた処理である。この操作報知制御処理では、発射操作の要否や、左打ち遊技と右打ち遊技とのいずれによる遊技が必要な状況かを遊技者に報知する。
まず、副制御基板940の操作報知制御による操作報知の種類について説明する。操作報知としては、左打ち情報出力、右打ち情報出力及び発射不要情報出力の3種類が設定されている。
左打ち情報出力は、遊技者にとって左打ち遊技を指示する情報の出力によって実行される。具体的には、装飾図柄表示装置479の画面の一部(例えば、左端)に「左打ちに戻してください」など、左打ち遊技を指示する文字の表示が例示される。また、中央構造体420の上部(図7参照)に設けられる天板飾り611、左上前飾り612、右上前飾り613(図13参照)を含む左打ち遊技によって遊技球が流下する通路を形成する部材に設けられた発光体が点灯して、遊技球の流下領域を示しても良い。また、右打ち遊技による遊技球の流下領域に配置される始動装置436、右始動入賞装置432、右大入賞装置433に設けられた発光体を減光或いは消灯した状態として、遊技球を流下させる領域を示しても良い。
また、左打ち情報の出力は、音響装置281,282(図10参照)による音声の出力によって実行しても良い。具体的には、左打ち遊技が遊技者にとって有利な状況で、右打ち遊技が行われた状況が主制御基板920を通じて副制御基板940が検出した場合(例えば、始動装置436へ遊技球が進入した場合)、「左打ちに戻してください」や「左側を狙って発射してください」などの音声出力を、一定回数(例えば、2回)又は、左打ち遊技の実行が検出されるまで繰り返し、遊技者に左打ち遊技の実行を指示しても良い。
右打ち情報の出力についても、左打ち情報出力と同様、右打ち遊技を指示する情報の出力によって実行される。例えば、装飾図柄表示装置479(図7参照)の画面の一部(例えば、右端)に「右打ちしてください」などの文字を表示する、右打ち遊技による遊技球の流下領域に配置される始動装置436、右始動入賞装置432、右大入賞装置433(図7参照)に設けられた発光体が、左打ち情報出力の状態より発光し、左打ち遊技による遊技球の流下領域に重なって設けられる発光体が減光或いは消灯する、又は、音響装置281,282(図10参照)によって右打ち情報出力の音声を出力する等の少なくともいずれかの情報出力により実行する。
発射不要情報の出力は、遊技者に対して発射不要であることを示唆する状態を発生させることによって実行される。例えば、装飾図柄表示装置479(図7参照)の画面の一部(例えば、左右の端)に「発射不要」などの文字を表示する、左打ち遊技と右打ち遊技との双方の流下領域に重なって設けられる発光体が全て減光或いは消灯する、又は、「発射不要です」の音声を音響装置281,282(図10参照)によって出力する等の少なくともいずれかの情報出力により実行する。
操作報知制御処理では、図31に示すように、まず、特別遊技状態または時短状態中であるか否かを判定し(S2001)、特別遊技状態中でも時短状態中でもなければ(S2001:N)、クジラルーレット変動演出中(図31にはルーレット変動演出中と略記)であるか判定する(S2002)。
S2002の処理においてクジラルーレット変動演出中であれば(S2002:Y)、発射不要報知処理S2003に移行する。発射不要報知処理S2003では、発射不要な状態に対応する発射不要情報出力が実行される。クジラルーレット変動演出中は、非時短遊技状態であるため右打ち遊技を行っても右始動入賞装置432への遊技球の進入は困難で始動条件はほぼ成立せず、賞球の獲得も困難である。しかも、略23分の1の確率で大当りとなって特別遊技状態を経由して長期時短遊技状態に遷移し得るので、遊技者には、発射操作を停止して抽選結果が表示されるまでクジラルーレット変動演出を注目させ、その結果表示までの過程にて期待感を高揚させ得る遊技性を提供することができる。
S2002の処理において、クジラルーレット変動演出中でないと判定された場合には(S2002:N)、長期時短遊技状態中であって、最終回に相当する87回目の変動中であるか否かを判定し(S2004)、87回目の変動中であれば(S2004:Y)、発射不要報知処理S2003を実行する。また、長期時短遊技状態中の最終回の変動表示の実行中は、非時短状態中であり、右打ち遊技を行っても右始動入賞装置432へ遊技球は進入困難で始動条件はほぼ成立せず、賞球の獲得も困難である。また、長期時短遊技状態の最終回は、第2特別図柄に係る条件に従って大当り種別が選定されるので、当該変動表示で非当選となって通常遊技状態に遷移したあとよりも遊技者にとって有利な長期時短遊技状態に移行し易い。このため、遊技者には、発射操作を停止して抽選結果が表示されるまで時短中図柄変動演出を注目させ、その結果表示までの過程にて期待感を高揚させ得る遊技性を提供することができる。
また、クジラルーレット変動演出中と、長期時短遊技状態中の最終回の変動表示中は、非時短状態になったからといって左打ち情報出力が実行されると、あたかも最終回の変動表示が非当選の結果となることを、その結果表示前に示唆しているかの印象を遊技者に与えて遊技者に悪印象を与え兼ねない。しかも、最終回の変動表示が当選となった場合には再び右打ち遊技をしなければならないので、左打ち情報出力が実行されると左右の遊技手法の切り替え操作が頻繁になり、この点においても、無駄な操作を促したとして遊技者に悪印象を与え兼ねない。このため、非時短状態中の一部において発射不要報知処理S2003を実行することは好ましい。
S2004の処理において長期時短遊技状態の87回目の変動中でもないと判定された場合には(S2004:N)、通常遊技状態であって左打ち遊技を実行する必要がある。この場合には、右打ち遊技が実行されたか否かを判定し(S2005)、右打ち遊技が実行されていれば(S2005:Y)、左打ち指示の音声出力として左打ち指示音声出力処理を実行し(S2006)、処理をS2007へ移行する。これにより、遊技領域を注視せずに、携帯電話を触るなど遊技以外に興味を注いだ遊技者に対して、遊技が適切に行われていないことを判り易く示すことができる。一方、S2005の処理において、右打ち遊技が実行されていなければ(S2005N)、左打ち報知処理S2007を実行してから、操作報知制御処理を終了する。
左打ち報知処理S2007では、左打ち情報出力として遊技者の視覚で認識可能な報知を行う。このため、音声出力による指示に比べて遊技盤400(図7参照)を視認していなければ左打ち情報出力を認識できないものの、遊技者には、左打ち遊技が必要な状況であることは示唆することができる。
S2001の処理において、特別遊技状態または時短状態中であると判定された場合には(S2001:Y)、短期時短遊技状態中であるか判定し(S2011)、短期時短遊技状態中であれば(S2011:Y)、右打ち情報出力の一部として右打ち指示音声出力処理S2012を実行し、その後に、右打ち情報出力として遊技者の視覚で認識可能な報知を行う右打ち報知処理S2013を実行してから、操作報知制御処理を終了する。これにより、短期時短遊技状態中には、音声出力と表示による情報出力とによって右打ち遊技の実行が指示される。
S2011の処理において、短期時短遊技状態中でないと判定された場合には(S2011:N)、特別遊技状態中であるか否か判定し(S2021)、特別遊技状態中であれば(S2021:Y)、第1大当り2,5のエンディング期間中であるか否かを判定し(S2022)、第1大当り2,5のエンディング期間中でなければ(S2022:N)、特別遊技状態が第1大当り1〜3によるものか判定する(S2023)。
S2023の処理において第1大当り1〜3による特別遊技状態でないと判定された場合(S2023:N)、長開放の特別遊技状態4,5の実行中であって右打ち遊技によって遊技者が中央大入賞装置434に遊技球を進入させて遊技球を獲得し得る状況である。この場合には、左打ち遊技が実行されているか判定し(S2024)、左打ち遊技の実行が検出された場合には(S2024:Y)、右打ち指示音声出力処理S2012と、右打ち報知処理S2013とを実行して、右打ち遊技の実行が指示される。S2024の処理において、左打ち遊技の実行が検出されなければ(S2024:N)、右打ち指示音声出力処理S2012をスキップして、右打ち報知処理S2013が実行される。
ここで、左打ち指示音声出力処理S2006は、左打ち遊技の実行を、左打ち遊技の実行によって遊技球が検出され得る一般入賞装置639や、左ワープ通路628の接触センサ665等によって遊技球の通過が検出された場合に、一定時間の音声出力の設定が行われる処理であり、一旦音声出力の設定が行われた場合には、タイマ割込み処理における別の制御処理によって一定時間の音声出力が実行される。右打ち指示音声出力処理S2012についても、同様とする。
S2023の処理において、第1大当り1〜3の特別遊技状態中であると判定された場合には(S2023:Y)、発射不要報知処理S2003が実行される。第1大当り1〜3の特別遊技状態は、獲得球数が0個であるので、遊技者は、発射不要報知処理S2003による発射不要の情報出力に基づいて遊技球の発射を控え、余分な遊技球の消費を抑制することができる。
S2021の処理において、特別遊技状態中でないと判定された場合(S2021:N)、特別図柄に係る単位遊技の実行を保留する回数(保留回数)が残時短回数以上であるか否かを判定する(S2025)。
ここで、副制御基板940は、装飾図柄表示装置479とその左右両側に、特別図柄の種別毎に、保留上限回数に対応する点灯部のうち保留回数分の点灯部を点灯表示する。この保留回数の点灯表示の制御は、主制御基板920から送信される保留回数と図柄種別を識別可能な制御コマンドに基づいてよって副制御基板940が保留回数を認識し、その保留回数に対応して点灯表示の数を更新制御する。保留回数と図柄種別を識別可能な制御コマンドは、特別図柄の始動入賞に基づいて保留回数が増加するタイミングと、変動表示が開始されるタイミングにおいて主制御基板920から副制御基板940へ送信される。
また、残時短回数は、時短遊技状態において変動表示が実行可能な残り回数である。短期時短遊技状態および長期時短遊技状態が開始される場合には、その開始タイミングで、主制御基板920から、時短遊技状態の開始と、時短遊技状態において変動表示が実行可能な残り回数とを識別可能な制御コマンドが副制御基板940に送信され、副制御基板940は、時短遊技状態の開始と、時短遊技状態が短期時短遊技状態であるか、長期時短遊技状態であるかが認識可能とされている。時短遊技状態が開始された後には、変動表示が開始されるタイミングで、主制御基板920は、変動表示の実行によって1回減算される残時短回数を識別可能な制御コマンドを送信し、副制御基板940は、変動表示の実行による更新後の残時短回数を認識可能とされている。
S2025の処理において、保留回数が残時短回数未満と判定された場合には(S2025:N)、S2024の処理へ移行し、S2024、S2012及びS2013の処理によって右打ち遊技を指示する。保留回数が残時短回数より少ない場合、時短遊技状態における変動表示の実行のために右始動入賞装置432へ遊技球を進入させる必要があり、時短状態中であって右始動入賞装置432へ遊技球を進入させ易い状況のために、右打ち遊技の速やかな実行が促される。
一方、S2025の処理において、保留回数が残時短回数以上であると判定された場合には(S2025:Y)、S2003の処理へ移行し、発射不要報知処理S2003が実行される。保留回数が残時短回数以上であれば、既に時短遊技状態において実行が必要な始動入賞は発生している状況であり、この場合には、発射不要報知処理S2003による発射不要の情報出力に基づいて遊技球の発射を控えさせる。これにより、時短遊技状態として予め設定した実行可能回数に近い回数で、時短遊技状態を終了させ易くすることができる。従って、時短遊技状態としての変動表示の実行が余分に行われる状況を少なくすることができ、遊技者に対しては時短遊技状態に必要な期間中に限定して右打ち遊技を促し、遊技場にとっては設定された時短遊技状態における当選確率に近い形でパチンコ機100を動作させ易くすることができる。
S2022の処理において、第1大当り2,5のエンディング期間中と判定された場合(S2022:Y)にも、S2025の処理によって保留回数が残時短回数以上であるか否かを判定し(S2025)、保留回数が残時短回数以上であれば(S2025:Y)、発射不要報知処理S2003が実行される。第1大当り2,5は、特別遊技状態の後に短期時短遊技状態へ遷移するので、その短期時短遊技状態に実行される残時短回数に相当する1以上に保留回数が更新されていれば、右打ち遊技を継続してエンディング期間中に遊技球を消費する必要はないので、発射不要の情報出力によって遊技球の消費を控えさせることができる。なお、第1大当り4のエンディング期間中である場合には、保留回数が残時短回数以上であるか否かに関わらず、発射不要報知処理S2003を実行しても良く、これにより、特別遊技状態の後に通常遊技状態へ遷移する状況においても、遊技球の消費を控えさせることができる。
S2022の処理において、第1大当り2,5のエンディング期間中と判定された場合(S2022:Y)であって、S2025の処理によって保留回数が残時短回数未満であると判定された場合には(S2025:N)、S2024の処理へ移行し、S2024、S2012及びS2013及びの処理によって右打ち遊技を指示する。これにより、短期時短遊技状態の開始直後に、短期時短遊技状態の実行に必要な特別図柄の始動入賞を発生させ易くすることができる。
ここで、通常図柄変動演出を経由して1回目の大当りが発生した後、クジラルーレット変動演出による2回目の変動表示が実行されるまでの期間が長くなると、変動表示が停止している時間が長くなり、1回目の大当りによって2回目の大当り発生による長期時短遊技状態への遷移に対する期待感が一旦増大しても、その期待感が低減してしまう可能性がある。これに対して、S2022及びS2025の処理によって、短期時短遊技状態の開始前のエンディング期間中から右打ち遊技を継続させる判定を行うことにより、短期時短遊技状態の実行に必要な特別図柄の始動入賞を早期に発生させ易くすることができ、2回目の変動表示における期待感を維持し易くすることができる。
このように、副制御基板940は、操作報知制御処理として、通常遊技状態中において左打ち遊技の実行に対応する左打ち情報の出力として遊技者の視覚で認識可能な報知を行う左打ち報知処理S2007と、特別遊技状態中及び時短遊技状態中において、右打ち遊技の実行に対応する右打ち情報として遊技者の視覚で認識可能な報知を行う右打ち報知処理S2013と、第1大当り2,5のエンディング中に相当する特別遊技状態の終了前、又は長期時短遊技状態の終了前においては、その後に遷移する短期時短遊技状態又は長期時短遊技状態にて時短回数の上限(上限遊技回数)に達するまでに必要な残り回数分以上の変動表示の実行が保留されている場合(S2025:Y)に、右打ち情報を出力しないで発射不要報知処理S2003を実行する期間を発生させる判定処理(S2025)を備えている。
<第2実施形態のパチンコ機>
次に、図32から図35を参照して、第2実施形態のパチンコ機100について説明する。なお、第2実施形態のパチンコ機100において、上述した実施形態(第1実施形態)と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、第2実施形態のパチンコ機100の遊技性は、上側始動入賞装置832への遊技球の進入確率など、本実施形態での変更点に関わる一部の遊技性を除き、第1実施形態にて前述した遊技性と同様に構成される。
上述した第1実施形態のパチンコ機100では、上側のステージ622Cから落下する遊技球を受ける始動入賞装置として、左右方向に往復移動可能に構成される上側中始動入賞装置632が設けられていた。これに対し、第2実施形態のパチンコ機100では、上側中始動入賞装置632に代えて、上側始動入賞装置832が設けられている。
まず、図32から図34を参照して、かかる上側始動入賞装置832について説明する。図32は、第2実施形態のパチンコ機100における中央構造体420の斜視図である。また、図33は、第2実施形態のパチンコ機100の電気的な構成を示すブロック図である。
図32に示すように、本実施形態の中央構造体420において、ステージ622Cの下方には、上側中始動入賞装置632と同様に第2特別図柄に係る始動装置として機能する上側始動入賞装置832が設けられている。上側始動入賞装置832は、遊技機正面視において左右方向に並ぶ3つの始動入賞装置、すなわち、上側左始動入賞装置832Aと上側中始動入賞装置832Bと上側右始動入賞装置832Cから構成される。
より詳細には、上側始動入賞装置832は、ステージ622Cの凹部622E(図14参照)の下方に位置する上側左始動入賞装置832Aと、凹部622D(図14参照)の下方に位置する上側中始動入賞装置832Bと、凹部622F(図14参照)の下方に位置する上側右始動入賞装置832Cとから構成される。
これら3つの始動入賞装置832A〜832Cは、それぞれ、上側左駆動ソレノイド861、上側中駆動ソレノイド862、および上側右駆動ソレノイド863(いずれも図33参照)により各々独立して駆動され、それにより、遊技機正面視において前後方向に動作する。なお、各駆動ソレノイド861〜863は、パチンコ機100の制御(例えば、主制御基板920(図33参照)の制御)により駆動される。
このように前後方向に動作する始動入賞装置832A〜832Cは、ステージ622Cより前方に突出する進入許容姿勢、または、ステージ622Cの下方に収納された進入禁止姿勢のいずれかに配置される。なお、図32では、各始動入賞装置832A〜832Cがいずれも進入許容姿勢に配置された場合を図示する。
各始動入賞装置832A〜832Cは、進入許容姿勢において、入口がステージ622Cの前方に露出するため、ステージ622Cから落下する遊技球を受け入れる(進入させる)ことが可能である。一方、各始動入賞装置832A〜832Cは、進入禁止姿勢において、入口がステージ622Cの前方に露出しないため、ステージ622Cから落下する遊技球を受け入れる(進入させる)ことができない。
つまり、凹部622D〜622Fから落下した遊技球は、始動入賞装置832A〜832Cのうち、遊技球が落下した凹部に対応する始動入賞装置が進入許容姿勢に配置される場合には当該始動入賞装置に進入するが、進入禁止姿勢に配置される場合には当該始動入賞装置に進入することなく流下規制部623(図14参照)まで落下する。
なお、第1実施形態にて前述したように、遊技球が流下規制部623に落下した場合、当該遊技球は、左側遊技領域へと排出されるので、本実施形態においても、第1実施形態と同様、遊技者は、上側始動入賞装置832(すなわち、始動入賞装置832A〜832Cのいずれか)に遊技球を進入させることができなかった遊技球に対し、左側遊技領域内の下側中始動入賞装置431に進入させることができるかもしれないと期待できる。
本実施形態のパチンコ機100は、左右方向に並ぶ各始動入賞装置832A〜832Cのうち、進入許容姿勢となる始動入賞装置の数が所定パターンで定期的に変動する。図34は、各始動入賞装置832A〜832Cの動作パターンを説明する図である。
図34の上側には、上側始動入賞装置832を構成する各始動入賞装置832A〜832Cの動作パターンを示す。なお、当該動作パターンにおいて、白丸および黒丸は、それぞれ、対応する始動入賞装置832A〜832Cが進入許容姿勢および進入禁止姿勢にあることを示す。
図34に示すように、上側始動入賞装置832は、「1」から「10」の各数字が示す10回の動作回を1サイクルとして、始動入賞装置832A〜832Cのうち、進入許容姿勢となる始動入賞装置の数およびその組み合わせが変動する。なお、上側始動入賞装置832は、電源スイッチ909の切り替えに基づきパチンコ機100に電源が投入されたことに応じて、当該1サイクルの動作を開始し、各動作回は所定時間(例えば、15秒程度や、数時間程度)毎に切り替わる。
一方、図34の下側には、パチンコ機100の制御(例えば、主制御基板920の制御)により駆動される各駆動ソレノイド861〜863の状態を示すタイミングチャートを示す。つまり、各動作回において、進入許容姿勢となる始動入賞装置832A〜832Cに対応する駆動ソレノイド861〜863がオンとなり、進入禁止姿勢となる始動入賞装置832A〜832Cに対応する駆動ソレノイド861〜863がオフとなる。
進入許容姿勢となる始動入賞装置832A〜832Cの数を定期的に変動させることで、上側始動入賞装置832に遊技球を進入させる入口領域の表面積の広さを都度変動させることができる。つまり、3つの始動入賞装置832A〜832Cの全てが進入許容姿勢とされた場合、上側始動入賞装置832における入口領域の表面積は最も広く、始動入賞装置832A〜832Cのうち、1つの始動入賞装置が進入許容姿勢とされた場合、上側始動入賞装置832における入口領域の表面積は最も狭い。これに対し、始動入賞装置832A〜832Cのうち、2つの始動入賞装置が進入許容姿勢とされた場合、上側始動入賞装置832における入口領域の表面積の広さは、上述した二態様の広さ(最大および最小の広さ)の中間となる。
本実施形態においても、上述した第1実施形態と同様、可動体710は、遊技球がステージ622Cに進入することで、上側始動入賞装置832への遊技球の進入可能性が生じたことに基づいて動作し、中間位置に配置される。なお、本実施形態では、振分装置622に設けられた接触センサ662が遊技球の通過を検出した場合に、ステージ622Cに遊技球が進入したとして、ステージ622Cへの遊技球の進入可能性が生じたと判断する。
本実施形態では、中間位置に配置された可動体710の可動体発光装置772を用い、接触センサ662に検出された場合に、その検出タイミングでの上側始動入賞装置832における入口領域の広さを遊技者に報知する。具体的に、可動体発光装置772が、接触センサ662に検出されたタイミングにおける上側始動入賞装置832における入口領域の広さに応じた発光態様で発光される。当該発光制御は、パチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図33参照)の制御)により行われる。
「上側始動入賞装置832における入口領域の広さに応じた発光態様」としては、例えば、入口領域の広さに応じた発光強度、発光色、点滅パターンなどが例示される。また、可動体発光装置772が、複数の領域(例えば、複数の歯を表す複数領域)に分割され、個々の領域が各々独立して発光制御可能に構成される場合には、発光させる領域の数を上側始動入賞装置832における入口領域の広さに応じて変化させることで、「上側始動入賞装置832における入口領域の広さに応じた発光態様」を実現させてもよい。
なお、副制御基板940には、各始動入賞装置832A〜832Cが進入許容姿勢にあるか否かを示す記憶手段としてのフラグ(副制御基板940のRAMの一部)が設けられており、主制御基板920から送信される制御コマンドに基づいて、当該フラグを適宜更新することで、副制御基板940は、始動入賞装置832A〜832Cのうち進入許容姿勢とされた始動入賞装置の数(すなわち、上側始動入賞装置832における入口領域の広さ)を判断できる。
ここで、上述した第2実施形態のパチンコ機100において、進入許容姿勢となる始動入賞装置832A〜832Cの数を定期的に変動させる構成に係る作用及び効果を説明する。
パチンコ機100において、進入許容姿勢となる始動入賞装置832A〜832Cの数を変動させることで、上側始動入賞装置832における入口領域の広さが都度変動し、それにより、遊技球が上側始動入賞装置832(すなわち、始動入賞装置832A〜832Cのいずれか)に進入する確率を都度変動させることができる。これにより、上側始動入賞装置832に遊技球を進入させる遊技に減り張りが与えられるので、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
さらには、始動入賞装置832A〜832Cの上方には、ステージ622Cが設けられており、始動入賞装置832A〜832Cが進入許容姿勢である場合に、ステージ622Cの凹部622E〜622Fから落下する遊技球を受け入れることができる。よって、ステージ622Cによる振り分けによって遊技球が上側始動入賞装置832(始動入賞装置832A〜832C)に進入する確率が画一的とならず、その点においても、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
また、第2実施形態のパチンコ機100において、ステージ622Cに進入する遊技球が接触センサ662により検出された場合に、可動体710に設けられた可動体発光装置772が、当該検出のタイミングにおける上側始動入賞装置832における入口領域の広さに応じた発光態様で発光される。よって、遊技者は、可動体発光装置772の発光態様に基づいて、上側始動入賞装置832における入口領域の広さを把握することができ、そのように把握した広さに応じて、遊技球が有利領域に進入する確率の程度を期待することができる。
特に、可動体710は、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に関連して動作するものであるので、かかる可動体710上の可動体発光装置772を発光させることで、上側始動入賞装置832に関連する報知であると遊技者に直感的に認識させることができる。
次に、図35を参照して、上側始動入賞装置832等に進入した遊技球の排出経路について説明する。第2実施形態のパチンコ機100では、本実施形態のパチンコ機100は、遊技盤400の基体401(所謂、盤面)や中央構造体420などが、透明または半透明などの光透過性の(光透過可能な)材質から形成され、それにより、回収排出通路を通過する遊技球を表側(すなわち、遊技者が視認する側)から視認可能に構成される。よって、本実施形態のパチンコ機100によれば、遊技者は、上側始動入賞装置832等に進入した遊技球の通過経路を視認することができる。
また、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機100では、上側始動入賞装置832または始動装置836に進入した遊技球が、当該進入に基づく抽選の結果に応じて異なる通路(回収排出通路の一部)を通過するよう構成されているので、遊技者は、上側始動入賞装置832や始動装置836に進入した遊技球が、当該進入に基づく抽選の結果に応じていずれの経路を通るかを視認できる。
図35は、上側始動入賞装置832等に進入した遊技球の排出経路を説明する図である。なお、図35では、上側始動入賞装置832に進入した遊技球を排出するための排出通路801Aなど、基体401の裏面側に形成された回収排出通路の一部を実線で示す一方で、当該回収排出通路との位置関係を補足する目的で、遊技盤400における一部構成を一点鎖線で示す。
図35に示すように、上側始動入賞装置832を構成する3つの始動入賞装置832A〜832Cのいずれかに進入した遊技球は、回収排出通路の一部である排出通路871に案内され、排出通路871を流下する。排出通路871における上流側には、第2始動入賞スイッチ642が設けられている。上側始動入賞装置832(すなわち、始動入賞装置832A〜832Cのいずれか)に進入した遊技球が第2始動入賞スイッチ642によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となり、当該始動入賞に基づく第2特別図柄抽選が行われる。
このように、本実施形態のパチンコ機100では、始動入賞装置832A〜832Cのいずれに進入した場合も、当該遊技球は共通する第2始動入賞スイッチ642により検出されるので、各始動入賞装置832A〜832Cに対しそれぞれ検出スイッチを設ける必要がなく、製造コストの増大を抑制できる。
また、図35に示すように、上側始動入賞装置832の下方には、基体401を前後方向に貫通する貫通孔である開口821,822が設けられている。開口821,822から遊技球が進入した場合、当該遊技球は、上側始動入賞装置832に進入した遊技球と同様、排出通路871に案内され、第2始動入賞スイッチ642により検出される。なお、開口821,822を設けない構成としてもよい。
排出通路871には、第2始動入賞スイッチ642より下流側に排出通路872(回収排出通路の一部)が接続されるとともに、排出通路872との分岐より下流側に排出通路873(回収排出通路の一部)が接続される。排出通路871と排出通路872との分岐、より詳細には、排出通路872の入口部分には板状のシャッタ881が設けられている。また、排出通路871と排出通路873との分岐、より詳細には、排出通路873の入口部分には板状のシャッタ882が設けられている。
シャッタ881は、排出通路872への遊技球の進入を許容する進入許容姿勢と、排出通路872への遊技球の進入を許容しない進入禁止姿勢とを切り替え可能に構成される。一方、シャッタ882は、排出通路873への遊技球の進入を許容する進入許容姿勢と、排出通路873への遊技球の進入を許容しない進入禁止姿勢とを切り替え可能に構成される。シャッタ881およびシャッタ882は、それぞれ、パチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940の制御)による、各シャッタ881,882に対応する切替ソレノイド(図示せず)の駆動により動作し、進入許容姿勢と進入禁止姿勢とが切り替えられる。
シャッタ881は、通常は進入禁止姿勢とされており、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく第2特別図柄抽選の抽選結果が小当りである場合に所定期間だけ進入許容姿勢とされる。一方、シャッタ882は、通常は進入禁止姿勢とされており、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りである場合に所定期間だけ進入許容姿勢とされる。
上側始動入賞装置832に遊技球が進入した場合、当該遊技球は、シャッタ881およびシャッタ882の各姿勢に応じて、排出通路872に進入するか、排出通路873に進入するか、排出通路872または排出通路873のいずれにも進入することなく排出通路871を流下する。
具体的に、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りである場合、シャッタ881が進入禁止姿勢をとり、シャッタ882が進入許容姿勢をとるので、上側始動入賞装置832に進入したことで排出通路871に案内された遊技球は、排出通路873との分岐まで排出通路871を流下した後、排出通路873に進入する。
一方、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく第2特別図柄抽選の抽選結果が小当りである場合、シャッタ881が進入許容姿勢をとるので、上側始動入賞装置832に進入したことで排出通路871に案内された遊技球は、排出通路872との分岐まで排出通路871を流下した後、排出通路872に進入する。
また、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りでも小当りでもない場合、シャッタ881およびシャッタ882がいずれも進入禁止姿勢をとるので、上側始動入賞装置832に進入したことで排出通路871に案内された遊技球は、排出通路872または排出通路873のいずれにも進入することなく排出通路871を流下する。
図35に示すように、排出通路873は、中央大入賞装置434における開口434Aの方へ向かって近づいていき、その裏側を通る通路として形成される。上述のように、本実施形態のパチンコ機100は、遊技盤400の基体401や中央構造体420が光透過可能な材質から形成されているので、遊技者は、排出通路873を通過する遊技球を表側から視認することができる。
そのため、遊技球が排出通路873に進入した場合、遊技者には、その遊技球が排出通路873を通って中央大入賞装置434の開口434Aに向かって流れていくように(近づいていくように)見える。よって、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りである場合、遊技者は、中央大入賞装置434の開口434Aに向かって流れていく遊技球を表側から視認することになる。
排出通路872は、右大入賞装置433における開口433Aの方へ向かって近づいていき、その裏側を通る通路として形成される。排出通路872を通過する遊技球もまた、遊技者が表側から視認できるので、遊技球が排出通路872に進入した場合、遊技者には、その遊技球が排出通路872を通って右大入賞装置433の開口433Aに向かって流れていくように見える。よって、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく第2特別図柄抽選の抽選結果が小当りである場合、遊技者は、右大入賞装置433の開口433Aに向かって流れていく遊技球を表側から視認することになる。
排出通路871は、排出口401Aに向かう通路として形成される。よって、遊技球が排出通路872にも排出通路873にも進入することなく排出通路871を流下した場合、遊技者には、その遊技球が排出口401Aに向かって流れていくように見える。つまり、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りでも小当りでもない場合、遊技者は、中央大入賞装置434でも右大入賞装置433でもなく、排出口401Aに向かって流れていく遊技球を表側から視認することになる。
中央大入賞装置434は、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りである場合に作動する大入賞装置であり、右大入賞装置433は、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく第2特別図柄抽選の抽選結果が小当りである場合に作動する大入賞装置である。よって、本実施形態のパチンコ機100によれば、上側始動入賞装置832に遊技球が進入した場合、当該進入に基づく第2特別図柄抽選の抽選結果に応じた経路を通って排出される遊技球を視認することができる。
ここで、遊技球が上側始動入賞装置832に進入し、第2始動入賞スイッチ642により検出されてから、中央大入賞装置434の開口434A付近、または、右大入賞装置433の開口433A付近に到達するまでの時間(通路経由時間)は、遊技球が第2始動入賞スイッチ642により検出されてから、当該進入に基づき各大入賞装置433,434が進入許容姿勢となるまでに要する時間(入賞装置作動時間)より短く設定されることが好ましい。入賞装置作動時間中には、第2特別図柄の変動表示が実行されるため、この変動時間の設定と、排出通路の傾斜角度や長さに基づく通路経由時間の設定とによって、通路経由時間を入賞装置作動時間より短く設定することができる。すなわち、通路経由時間より入賞装置作動時間が長くなるように第2特別図柄の変動時間を長く設定することが好ましく、これにより、大入賞装置433,434が進入許容姿勢となる前に、その抽選対象となった遊技球の進行によって大入賞装置433,434の作動を示唆することができる。
また、通路経由時間に対して、第2特別図柄の変動表示が開始されてから抽選結果が表示されるまでの時間が長くなるように第2特別図柄の変動時間が設定されることが好ましい。これにより、大入賞装置433,434が進入許容姿勢となることが示唆される前に、その抽選対象となった遊技球の進行によって大入賞装置433,434の作動を示唆することができる。
また、排出通路871〜873は、装飾図柄表示装置479の右側を経由する通路であり、遊技領域のうち中央構造体420(図7参照)に対して右側を流下する遊技領域(以下において「右側遊技領域」とも称す)に対して後側に重なる位置に設けられている。上側始動入賞装置832への遊技球の進入を狙う通常遊技状態中には左打ち遊技手法によって遊技が行われているため、排出通路871〜873は、遊技領域を流下する遊技球に重なりにくい。よって、排出通路871〜873を流下する遊技球を遊技者に視認し易くすることができる。
また、大入賞装置433,434へ遊技球を進入させるためには、右側遊技領域を遊技球が流下するように右打ち遊技手法によって遊技を行う必要がある。このため、遊技者に対しては、通常遊技状態中において遊技球が流下しない右側遊技領域における実際の遊技球の挙動によって大入賞装置433,434の作動を示唆し、その作動の際に遊技球を流下させる遊技領域を変更する必要のあることを併せて示すことができる。よって、右打ち遊技手法への変更が必要なことを前もって判り易く示し、遊技者にその準備をさせることができる。
この場合において、第2特別図柄抽選の抽選結果が大当り又は小当りである場合に遊技球が通過する排出通路872,873の少なくとも一部は、右側遊技領域において遊技球が流下する通路の後側に重なり且つ遊技球が流下する方向が一致することが好適である。
なお、排出通路872に進入した遊技球は、開口433Aから右大入賞装置433に進入した遊技球を排出する図示されない排出通路(回収排出通路の一部)に合流する。一方、排出通路873に進入した遊技球は、開口434Aから中央大入賞装置434に進入した遊技球を排出する図示されない排出通路(回収排出通路の一部)に合流する。また、排出通路872にも排出通路873にも進入することなく排出通路871を流下した遊技球は、排出口401Aに進入した遊技球を排出する図示されない排出通路(回収排出通路の一部)に合流する。
図35に示すように、第2実施形態のパチンコ機100には、第1実施形態のパチンコ機100が備える始動装置436(図7参照)に代えて、始動装置836が設けられている。始動装置436がゲートであり、始動装置436を通過した遊技球がそのまま遊技領域を流下する構成であったのに対し、始動装置836は、入賞装置として機能し、進入した遊技球を基体401の裏面側に形成された排出通路874(回収排出通路の一部)に案内する。つまり、始動装置836に進入した遊技球は、基体401の裏側を通り、パチンコ機100の外部へと排出される。
始動装置836に進入した遊技球は、排出通路874に案内され、排出通路874を流下する。排出通路874の上流側には、始動スイッチ446と同様に機能する始動スイッチ846が設けられている。始動装置836に進入した遊技球が始動スイッチ846によって検出された場合、当該検出に基づく普通図柄抽選が行われる。また、始動装置836に進入した遊技球が始動スイッチ846によって検出された場合には、当該検出に基づいて所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。
排出通路874には、始動スイッチ846より下流側に排出通路875(回収排出通路の一部)が接続される。排出通路874と排出通路875との分岐、より詳細には、排出通路875の入口部分には板状のシャッタ883が設けられている。シャッタ883は、排出通路875への遊技球の進入を許容する進入許容姿勢と、排出通路875への遊技球の進入を許容しない進入禁止姿勢とを切り替え可能に構成される。
シャッタ883は、シャッタ881およびシャッタ882と同様、パチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940の制御)によるシャッタ883に対応する切替ソレノイド(図示せず)の駆動により動作し、進入許容姿勢と進入禁止姿勢とが切り替えられる。シャッタ883は、通常は進入禁止姿勢とされており、始動装置836への遊技球の進入に基づく普通図柄抽選の抽選が当選である場合に所定期間だけ進入許容姿勢とされる。
始動装置836に進入した遊技球は、シャッタ883の姿勢に応じて、排出通路875に進入するか、排出通路875に進入することなく排出通路874を流下する。具体的に、始動装置836への遊技球の進入に基づく普通図柄抽選の抽選結果が当選である場合、シャッタ883が進入許容姿勢をとるので、排出通路874に案内された遊技球は、排出通路875との分岐まで流下した後、排出通路875に進入する。一方、始動装置836への遊技球の進入に基づく普通図柄抽選の抽選結果が当選でない場合、シャッタ883が進入禁止姿勢をとるので、排出通路874に案内された遊技球は、排出通路875に進入することなく排出通路874を流下する。
図35に示すように、排出通路875は、右始動入賞装置432における開口432Aの方へ向かって近づいていき、その裏側を通る通路として形成される。遊技者は、排出通路874および排出通路875を通過する遊技球を表側から視認できるので、遊技球が排出通路875に進入した場合、遊技者には、その遊技球が排出通路875を通って右始動入賞装置432の開口432Aに向かって流れていくように(近づいていくように)見える。
よって、始動装置836への遊技球の進入に基づく普通図柄抽選の抽選結果が当選である場合、遊技者は、右始動入賞装置432における開口432Aに向かって流れていく遊技球を表側から視認することになる。なお、排出通路875に進入した遊技球は、開口432Aから右始動入賞装置432に進入した遊技球を排出する図示されない排出通路(回収排出通路の一部)に合流する。
一方、排出通路874は、排出通路875との分岐より下流側において排出通路871に合流する。よって、遊技球が排出通路875に進入することなく排出通路874を流下した場合、遊技者には、その遊技球が排出口401Aに向かって流れていくように見える。つまり、始動装置836への遊技球の進入に基づく普通図柄抽選の抽選結果が当選でない場合、遊技者は、右始動入賞装置432ではなく、排出口401Aに向かって流れていく遊技球を表側から視認することになる。
右始動入賞装置432は、普通図柄抽選の抽選結果が当選である場合に遊技球の進入が許容される始動入賞装置である。よって、遊技者は、始動装置836に遊技球が進入した場合もまた、上側始動入賞装置832に遊技球が進入した場合と同様、当該進入に基づく普通図柄抽選の抽選結果に応じた経路を通って排出される遊技球を視認することができる。
ここで、遊技球が始動装置836に進入し、始動スイッチ846により検出されてから、右始動入賞装置432の開口432A付近に到達するまでの時間(通路経由時間)は、遊技球が始動スイッチ846により検出されてから、当該進入に基づき右始動入賞装置432が進入許容姿勢となるまでに要する時間(入賞装置作動時間)より短く設定されることが好ましい。入賞装置作動時間中には、普通図柄の変動表示が実行されるため、この変動時間の設定と、排出通路の傾斜角度や長さに基づく通路経由時間の設定とによって、通路経由時間を入賞装置作動時間より短く設定することができる。すなわち、通路経由時間より入賞装置作動時間が長くなるように普通図柄の変動時間を長く設定することが好ましく、これにより、右始動入賞装置432が進入許容姿勢となる前に、その抽選対象となった遊技球の進行によって右始動入賞装置432の作動を示唆することができる。
また、通路経由時間に対して、普通図柄の変動表示が開始されてから抽選結果が表示されるまでの時間が長くなるように普通図柄の変動時間が設定されることが好ましい。これにより、右始動入賞装置432が進入許容姿勢となることが示唆される前に、その抽選対象となった遊技球の進行によって右始動入賞装置432の作動を示唆することができる。
以上のように、第2実施形態のパチンコ機100において、排出通路871〜875が表側から視認可能に構成したことに係る作用及び効果を説明する。
第2実施形態のパチンコ機100において、上側始動入賞装置832または始動装置836への遊技球の進入に基づく抽選結果に応じて、排出通路871〜875のうち、遊技球が通過する通路が切り替えられるので、遊技者は、排出通路871〜875のうち、遊技球がどの排出通路を通過したかに基づき、対応する抽選結果を認識することができる。
特に、上側始動入賞装置832または始動装置836への遊技球の進入に基づく抽選の結果が好ましい結果である場合に通過する排出通路(すなわち、排出通路872,873,875)が、中央大入賞装置434や、右大入賞装置433や、右始動入賞装置432など、当該抽選結果に関連する箇所に近づくように延びる通路として構成されるので、遊技者は、遊技球がどの装置に近づいていくかに基づいて直感的に進入許容姿勢となる大入賞装置または入賞装置を判別することができる。よって、抽選結果の表示後に遊技球を流下させる必要のある位置を遊技者に前もって判り易く示し、遊技手法の変更が必要な場合には、遊技者にその準備をさせることができる。
また、上側始動入賞装置832や始動装置836に遊技球が進入した場合に、当該進入(入賞)に基づく単位遊技の権利が保留される状況においては、当該保留が解除されるまでに比較的長い時間を要することになるが、そのような状況であっても、遊技者は、上側始動入賞装置832または始動装置836への遊技球の進入に基づく抽選結果を、当該進入したタイミングから早急に認識できる。これにより、遊技者の気分をいち早く盛り上げさせることができるので、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
第2実施形態のパチンコ機100もまた、上述した第1実施形態と同様、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づき行われる第2特別図柄抽選が大当りである場合、時短遊技状態へ移行する確率が高い。よって、上側始動入賞装置832に遊技球が進入した場合に、当該遊技球の排出経路によって第2特別図柄抽選の抽選結果を遊技者に示すことで、その後に時短遊技状態となって右打ち遊技手法による遊技を行う可能性があることを遊技者に示唆することができる。
また、パチンコ機100において、排出通路871〜875は、上側始動入賞装置832または始動装置836に進入した遊技球が、中央大入賞装置434、右大入賞装置433、右始動入賞装置432、または排出口401Aに向かう比較的長い通路として構成されるので、遊技者は、上側始動入賞装置832または始動装置836に進入した遊技球が排出される経路を目で追い易い。また、遊技者は、排出通路871または排出通路874を流下する遊技球を目で追う際に、分岐位置において遊技球がどのように流れるか、すなわち、抽選結果がいずれであるかを期待しながら遊技球の行方を楽しむことができる。
特に、装飾図柄表示装置479が介在される分だけ長い経路となる排出通路871〜873はその点において好ましい。また、上側始動入賞装置832に進入した遊技球が第2始動入賞スイッチ642により検出されてから、シャッタ881,882に到達するまでの時間も確保できるので、シャッタ881,882の姿勢変化が遅れて、遊技球が抽選結果とは異なる排出通路を通過することを抑制できる。また、排出通路871や排出通路874のように、曲がり角(方向転換部)を複数設けることでも、遊技球の通過経路を長くすることができる。
<第3実施形態のパチンコ機>
次に、図36から図38を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態のパチンコ機100には、上述した中央構造体420に代えて、下部の形状に特徴を有する中央構造体820が設けられている。なお、第3実施形態において、上述した実施形態(第1および第2実施形態)と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図36は、第3実施形態の中央構造体820における特徴的な下部を抽出した正面図である。図37は、図36と同部分の斜視図である。図38は、左ワープ通路828における出口付近の通路形状を説明するための図である。なお、図36および図37では、遊技盤400に設けられる構成のうち、下側中始動入賞装置431や釘811など、中央構造体820の下部に関連する一部の構成を、説明の必要に応じて図示している。
図36に示すように、第3実施形態の中央構造体820は、遊技者に対向する側(すなわち、表側)の右下部に「V」の字を模したV飾り829が設けられている。第3実施形態の中央構造体820の下部には、左ワープ通路828を通過して進入した遊技球を転動させるステージ825が設けられている。なお、図36では、ステージ825の形状を太線で示している。
上述した第1実施形態において、中央構造体820の下部に設けられたステージ625は、例えば、図21に示すように、下側中始動入賞装置431を通る上下方向の軸に対して略左右対称に、中央構造体820の左右方向に大きく広がって形成されている。これに対し、第3実施形態では、中央構造体820の右下側にV飾り829が設けられているので、下側中始動入賞装置431を通る上下方向の軸に対して略左右対称なステージ825を構成するには、その分だけステージ825の左右方向の長さが短くなる。
ステージ825は、ステージ625と同様、中央付近に上方に凸に形成された凸面と、当該凸面の左右に下方に凹んで形成された凹面とからなる凹凸面を主に含む転動面を有するステージとして構成される。よって、左ワープ通路828を通過してステージ825に進入した遊技球は、ステージ825の転動面上を転動しながら左右に往復する。
図37に示すように、ステージ825には、3つの凹部825A,825B,825Cが設けられており、ステージ825に進入した遊技球は、ステージ825上を転動しながら、これらの凹部825A〜825Cのいずれかに振り分けられる。本実施形態のステージ825では、凹部825A〜825Cは、いずれも、遊技球をステージ825の前方(遊技機正面側)に案内するよう構成されている。
よって、本実施形態では、ステージ825上を転動する遊技球が凹部825A〜825Cのいずれに振り分けられた場合であっても、ステージ825の前方から落下する。下側中始動入賞装置431は、中央の凹部825Aの真下に位置している。そのため、凹部825Aに振り分けられてステージ825の前方に落下した遊技球は、下側中始動入賞装置431に進入し易い。一方、その他の凹部(すなわち、凹部825B,825C)は、下側中始動入賞装置431に対して左右方向に外れた位置となるため、これらの凹部825B,825Cに振り分けられた遊技球は、下側中始動入賞装置431に進入し難い。
図36に戻って説明する。中央構造体820の下方には、左または右側からそれぞれ下側中始動入賞装置431のほぼ真上まで下降傾斜するよう配列された釘811が設けられている。なお、本実施形態のパチンコ機100の遊技盤400は、第1実施形態における釘411と同様の、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与えるための釘が多数配設されており、釘811はそれら多数の釘の一部である。
上述のように、釘811は下側中始動入賞装置431のほぼ真上まで配列されているので、これらの釘811の配列により形成される経路によれば、中央構造体820を迂回して流下する(つまり、左ワープ通路828を経て中央構造体820に進入しない)遊技球を、下側中始動入賞装置431のほぼ真上まで案内することが可能である。遊技球が釘811の配列により形成される経路を経て下側中始動入賞装置431のほぼ真上まで案内された場合、当該遊技球は下側中始動入賞装置431に入賞し易い。
遊技球が釘811の配列により形成される経路に進入した場合、当該遊技球の一部は、釘811によって跳ね上げられる。そして、釘811の配列により形成される経路に進入した遊技球は、釘811によって跳ね上げられたことで、下側中始動入賞装置431のほぼ真上に至る前に、ステージ825や後述する飛び込み部815(図37参照)など、中央構造体820に進入することがある。
左下または右下方向に並ぶ釘811は、全区間において均等に配置されておらず、一部区間に釘811を設けない領域(以下、この領域を「除外領域」と称す)が設けられている。例えば、右下がりとなる釘811の配列には、当該配列により形成される経路において最も上流側(すなわち、左側)の釘811の配列群からなる第1の配列領域853Aと、第1の配列領域853Aに対して右側の配列群からなる第2の配列領域853Bとの間の区間に、除外領域854が設けられている。
除外領域854などの各除外領域は、転動方向と別の方向に球を進行させることができ、その転動方向の長さが、遊技球が通過可能な長さに構成される。このため、釘811の配列により形成される経路に進入した遊技球は、下側中始動入賞装置431のほぼ真上に至る前に除外領域から落下することがある。また、除外領域854などの各除外領域は、上述のように、釘811が設けられない領域であるので、除外領域にて遊技球が跳ね上げられることもない。そのため、中央構造体820には、釘811の配列により跳ね上げられた遊技球が進入し易い箇所と、そのような跳ね上げによる遊技球の進入が起こり難い箇所とが存在する。
左ワープ通路828は、上述した左ワープ通路628(図17参照)と同様、中央構造体820の左側の内部に形成された、遊技球1つ分が通過できる程度の内周を有する通路である。中央構造体820の左側方には、開口628A(図17参照)と同様の図示しない開口が入口(進入口)として設けられており、左側遊技領域を流下する遊技球を左ワープ通路828の内部に案内する。
図37に、左ワープ通路828を流下する遊技球の概略経路Q4を示す。図37に示すように、入口を介して左ワープ通路828に進入した遊技球は、下方に案内された後、ステージ825の左側に飛び込み部815を形成可能な程度の奥行きで奥側へと案内される。次いで、奥側に案内された遊技球は、ステージ825に向かう側(すなわち、右側)へと案内された後、奥側から手前側へと案内されて出口(排出口)828Bから排出される。
つまり、本実施形態の左ワープ通路828は、入口から下方に案内された遊技球を、ステージ825の転動面が延びる向きと同方向に排出するのでなく、中央構造体820の奥側および右側に蛇行させることで、ステージ825の転動面が延びる向きに対して角度をつけて後方側から排出する通路として構成される。このように、左ワープ通路828を蛇行した通路として構成することで、左ワープ通路828を通過する(流下する)遊技球の流下速度を、方向転換による内壁との衝突によって好適に減速させることができる。
図38に示すように、左ワープ通路828において、奥側にて左側から右側に案内された遊技球を奥側から手前側へと案内する通路部分828Cは、右側(すなわち、ステージ825に向かう側)に向かいつつ遊技機の手前側に向かう経路として構成される。通路部分828Cは、出口828Bの近傍における右側(ステージ825側)の壁として、ステージ825が延びる方向(すなわち、遊技機正面視における左右方向)に対して略直交する壁部828Dを有している。図38では、ステージ825が延びる方向を矢印Rにより示す。
壁部828Dは、遊技機正面視における前後方向の長さが、図38に示すように、遊技球Pを通路部分828Cの奥側に接触させた状態において、遊技球Pが壁部828Dに接触可能な長さとされる。これにより、左ワープ通路828を通過する遊技球は、出口828Bから排出される前に壁部828Dに衝突し得る。壁部828Dに遊技球を衝突させることで、遊技球における右側(つまり、ステージ825に向かう側)の速度成分を失わせることができる。
また、壁部828Dの前後方向の長さは、遊技球Pが、通路部分828Cの奥側に接触しつつ壁部828Dに接触した状態において出口828Bからやや飛び出す程度の長さとされる。これにより、左ワープ通路828を通過する遊技球が壁部828Dに衝突した場合に、当該衝突によって左側に反発した遊技球が通路部分828Cを逆流することを抑制できる。
左ワープ通路828の出口828B近傍には、上記壁部828Dが設けられているので、左ワープ通路828を通って壁部828Dに衝突した遊技球は、ステージ825に向かう側の速度成分が好適に失われた状態で出口828Bから排出される。また、壁部828Dの手前側には、手前かつ右側に遊技球を緩やかに誘導し得るカーブ状の誘導部828Eが連設されているので、壁部828Dに衝突したことで右側の速度成分が失われた遊技球を、出口828Bからスムースに排出させることができる。
図37に戻って説明する。左ワープ通路828において、遊技球を奥側にて右側へ案内する通路部分の遊技機正面側の壁となる壁部828Fの手前側には、飛び込み部815が形成される。飛び込み部815は、左ワープ通路828の出口828Bから排出された遊技球が流れ込む領域(以下、この領域を「排出領域」と称す)の左側に位置する。飛び込み部815は、少なくとも1つの遊技球が進入可能な大きさの領域に構成される。例えば、飛び込み部815は、遊技球1つ分程度の奥行き(すなわち、遊技機正面視における前後方向の幅)と、遊技球1つ分以上の左右方向長さとを有する領域として構成される。
右下がりに配列される釘811のうち、第1の配列領域853Aは、飛び込み部815の直下およびやや上流側に位置する。なお、図37では、第1の配列領域853Aおよび第2の配列領域853Bについて、その全体形状を概略的に図示するに止めており、各配列領域853A,853Bを構成する個々の釘811の図示は省略している。
右下がりの釘811の配列により形成される経路を転動する遊技球は、右方向の成分を持って跳ね上げられることになるので、飛び込み部815の直下およびやや上流側に設けられた第1の配列領域853Aにて跳ね上げられた遊技球は、飛び込み部815に進入し得る。遊技球が飛び込み部815に進入した(飛び込んだ)場合、当該遊技球は、飛び込み部815および出口828B手前の排出領域を右方向に転動して、ステージ825へと進入する。よって、本実施形態によれば、中央構造体820を迂回して流下する(つまり、左ワープ通路828を経て中央構造体820に進入しない)遊技球であっても、釘811の配列により形成される経路(より詳細には、第1の配列領域853A)から飛び込み部815に飛び込むことで、ステージ825による振り分けに供することができる。
飛び込み部815は、出口828B手前の排出領域の左側に別領域として設けられているので、第1の配列領域853Aから飛び込み部815に飛び込んだ遊技球が、出口828Bから排出された別の遊技球と衝突することが抑制される。よって、飛び込み部815に飛び込んだ遊技球が、出口828Bから排出された遊技球との衝突によって弾き飛ばされて、ステージ825による振り分けに供することができなくなる事象を抑制できる。
第1の配列領域853Aと第2の配列領域853Bとの間に設けられる除外領域854は、左ワープ通路828の出口828Bの直下よりやや上流側に位置する。上述のように、釘811が設けられない除外領域854では、遊技球が跳ね上げられることがない。よって、除外領域854を設けることで、例えば、遊技球が点線の矢印に示す軌道で出口828B手前の排出領域に飛び込むことを抑制できる。これにより、出口828Bから排出された遊技球が、出口828B手前の排出領域に飛び込んできた遊技球に衝突して弾き飛ばされて、ステージ825に進入できなくなる事象が抑制される。
ここで、ステージ825、排出領域、および飛び込み部815の手前側には、凹部825A〜825Cの部分を除いて、各部位を通過する遊技球が手前側に落下しないようにするための突出部分が設けられている。この突出部分は、ステージ825等の上面より僅かに高く突出し、その高さは、例えば、略0.5mm〜略3.0mmに設定されている。
なお、第1の配列領域853Aを含む釘811の配列は、左から右へと右下方向に下降傾斜しているので、これらの釘811の配列により形成される経路を転動する遊技球は、上述のように、右方向の成分を持って跳ね上げられる。よって、除外領域854は、出口828Bの直下よりやや上流側に少なくとも設けられることが好ましいが、出口828Bの直下よりやや上流側に加えて、出口828Bの直下に設けてもよい。
図37に示すように、ステージ825は、左側、すなわち、出口828B手前の排出領域や飛び込み部815がある側の転動面825Dが、右から左に向かって転動しながら上る遊技球がステージ825を超えない程度に大きな勾配(例えば、最も勾配の大きな部分が70度程度)の傾斜面として構成される。なお、転動面825Dの勾配は、右から左に向かって転動しながら上った遊技球が、そのまま転動面825Dに沿って自然に下ることが可能な程度の勾配であることが好ましい。
このように、転動面825Dが、右から左に向かって転動しながら上る遊技球がステージ825を超えない程度に勾配の大きな傾斜面として構成されるので、ステージ825に一旦進入した遊技球が、ステージ825を超えて、出口828B手前の排出領域の側に再度進入することを抑制できる。よって、ステージ825を超えて排出領域の側に再度進入した遊技球が、出口828Bから排出された別の遊技球に衝突し、一方が他方によって弾き飛ばされてステージ825による振り分けに供することができなくなる事象が抑制される。
また、右下がりに並ぶ釘811の配列が直線的であるのに対し、ステージ825の左側の転動面825Dが大きく傾斜しているので、ステージ825の左端近くでは、釘811に対する転動面の高さが比較的高くなる。これにより、ステージ825の左端近くには、釘811により跳ね上げられた遊技球が進入し難くなるため、ステージ825の左端近くにて、ステージ825上の遊技球(転動面825Dを上る遊技球、左側からステージ825に進入する遊技球)が、釘811により跳ね上げられた遊技球によって弾き飛ばされる事象を抑制できる。
次に、第3実施形態のパチンコ機100において、左ワープ通路828の形状に係る作用及び効果を説明する。
第3実施形態のパチンコ機100によれば、左ワープ通路828に進入した遊技球は、奥側に向かった後、当該奥側にてステージ825に向かう側(すなわち、右側)へ向かい、そして、奥側から手前側に向かう蛇行通路を経て、排出口である出口828Bから排出されるので、蛇行時における方向転換による内壁との衝突などによって遊技球の流下速度を好適に減速させることができる。これにより、左ワープ通路828を流下する遊技球は、十分に減速された速度で出口828Bから排出されるので、当該遊技球が持つ運動エネルギーによって排出領域やステージ825などが破損されることを抑制できる。よって、ステージ825などの破損によって遊技者が遊技を続行できず、遊技の興趣を享受できなくなる事象を抑制できる。
また、左ワープ通路828を流下する間に十分に減速されたことで、出口828Bから排出されてステージ825に進入した遊技球が、遊技球の勢いでステージ825から飛び出したり、右側から戻ってきたステージ825の左側を越えて左ワープ通路828から排出された別の遊技球に衝突して弾き飛ばされたり等の各事象を抑制できる。
つまり、遊技球がステージ825に一旦進入したにもかかわらず、ステージ825による振り分けに供されることなく(すなわち、凹部825A〜825Cのいずれかを経て手前側に落下することなく)ステージ825から離脱する各事象を抑制できる。これにより、振り分けに供されるべき遊技球が振り分けに供されなかったことによる遊技者の苛立ちなどを防ぐことができるので、遊技球が振分部により振り分けられる遊技の興趣を遊技者に好適に享受させることができる。
本実施形態のパチンコ機100のように、中央構造体820の左右にV飾り829や飛び込み部815が形成されたことで、ステージ825における左右方向の長さが比較的短くなるので、左ワープ通路828から排出される遊技球の速度が上述のように十分に減速されて、ステージ825に進入する遊技球の勢いが殺されることは非常に好ましい。
特に、左ワープ通路828には、遊技球を、奥側に案内した後、当該奥側にて右側に案内してから、奥側から手前側に案内する蛇行経路が設けられているので、左ワープ通路828における経路長を、入口から出口828Bまでの高さに対して好適に長く確保することができる。かかる点においても、左ワープ通路828における遊技球の減速効果を好適に高めることができる。
また、左ワープ通路828の出口828Bの近傍には、ステージ825側の壁として、ステージ825が延びる方向に対して略直交する壁部828Dが設けられており、左ワープ通路828を通過する遊技球の多くは壁部828Dに衝突した後に出口828Bから排出される。かかる点においても、左ワープ通路828における遊技球の減速効果を好適に高めることができる。また、遊技球は壁部828Dに衝突したことで右側の速度成分が好適に失われた状態で出口828Bから排出されるので、ステージ825に進入する遊技球の進入速度を十分に抑制できる。これにより、出口828Bから排出されてステージ825に進入した遊技球が、遊技球の勢いでステージ825から飛び出したり、ステージ825の左側を越えて左ワープ通路828から排出された別の遊技球に弾き飛ばされたり等の各事象を抑制できる。
また、左ワープ通路828において、遊技球を奥側にて右側へ案内する通路部分が構成されたことで、釘811(より詳細には、第1の配列領域853A)により跳ね上げられた遊技球が進入可能な飛び込み部815を、左ワープ通路828の出口828B手前の排出領域に対して上流側に相当する左側(すなわち、ステージ825が設けられている側とは反対側)に形成することができる。この場合において、左ワープ通路828の下流側が飛び込み部815を囲うように迂回しているので、この迂回部による遊技球の減速機能と、飛び込み部815による遊技球の飛び込み機能とを小さなスペースで構成できる。
次に、第3実施形態のパチンコ機100において、上記飛び込み部815が設けられたことに係る作用及び効果を説明する。
飛び込み部815が、排出領域に対して上流側であって、左ワープ通路828とは別に設けられたことで、第1の配列領域853Aから飛び込み部815に飛び込んだ遊技球が、出口828Bから排出された別の遊技球に衝突して弾き飛ばされる事象が抑制される。これにより、第1の配列領域853Aから飛び込み部815に飛び込んだ遊技球がステージ825に進入する機会の損失を抑制できる。よって、飛び込み部815が設けられたことによっても、飛び込み部815に飛び込んだことで振り分けに供されるべき遊技球(すなわち、凹部825A〜825Cのいずれかから手前側に落下すべき遊技球)が振り分けに供されなかったことによる遊技者の苛立ちなどを防ぐことができる。
また、左ワープ通路828の出口828Bの直下よりやや上流側には、釘811を設けない除外領域854が設けられるので、出口828Bから排出された遊技球が、出口828B手前の排出領域に飛び込んできた遊技球に衝突して弾き飛ばされて、ステージ825に進入できなくなる事象が抑制される。かかる点においても、振り分けに供されるべき遊技球が振り分けに供されなかったことによる遊技者の苛立ちなどを防ぐことができる。
次に、第3実施形態のパチンコ機100において、ステージ825における左側の転動面825Dの勾配が大きく構成されること係る作用及び効果を説明する。
転動面825Dが、右から左に向かって転動しながら上る遊技球がステージ825を超えない程度に勾配の大きな傾斜面として構成されるので、ステージ825に一旦進入した遊技球が、ステージ825を超えて排出領域の側に再度進入することを抑制できる。これにより、ステージ825を超えて排出領域の側に再度進入した遊技球が、出口828Bから排出された別の遊技球に衝突し、一方が他方によって弾き飛ばされることを抑制できる。よって、かかる点においても、凹部825A〜825Cのいずれかに振り分けられるべき遊技球(ステージ825に一旦進入した遊技球、出口828Bから排出された別の遊技球)が振り分けに供されなかったことによる遊技者の苛立ちなどを防ぐことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
(1)上記実施形態においては、流下規制部623は、屋根611Bや振分装置622により振り分けられた遊技球を受ける構成としたが、必ずしも、流下規制部623が、屋根611Bや振分装置622により振り分けられた遊技球を受ける構成である必要はない。例えば、上側遊技領域を流下する遊技球を直接受ける構成としてもよい。
(2)上記実施形態においては、屋根611Bにより左側または右側に振り分けられた遊技球は、いずれも流下規制部623を経て左側遊技領域に排出される構成としたが、右側に振り分けられた遊技球については、必ずしも、流下規制部623を通過させる必要はない。例えば、屋根611Bにより右側に振り分けられた遊技球が、パチンコ機100の外部に排出される構成としてもよい。
なお、近年において、中央構造体の大型化などにより、遊技領域において遊技球を流下させる領域の大きさや配置が制限される傾向にあるが、上記実施形態のパチンコ機100のように、屋根611Bによって左右のいずれに振り分けられた遊技球も、共通する遊技領域(すなわち、左側遊技領域)に案内されるので、限りある遊技領域を有効に活用できる。
(3)上記実施形態では、屋根611B(第1振分部)および振分装置622(第2振分部)の各々で遊技球を振り分ける構成としたが、必ずしも、これら両方の振分部を設ける必要はない。例えば、振分部を屋根611Bのみとしてもよい。かかる場合、遊技球が通過口621に進入したことに基づき第2特別図柄の始動入賞が成立するように構成してもよい。
(4)上記実施形態では、上側遊技領域を流下する遊技球を振り分ける第1振分部として、上向きに凸の湾曲形状を有する屋根611Bを採用する構成としたが、第1振分部の形状は、必ずしも、上向きに凸の湾曲形状に限る必要はない。例えば、第1振分部を、左側、右側、または、通過口のいずれかに振り分けるステージやクルーンなどであってもよい。あるいは、所定の方向に移動する可動物を用いて、可動物の動きによって、遊技球を左側、右側、または、通過口のいずれかに振り分ける構成としてもよい。
(5)上記実施形態では、屋根611Bによって左右のいずれに振り分けられた遊技球も、流下規制部623により左側遊技領域に案内する構成としたが、流下規制部623により案内される先は、必ずしも、遊技領域の入口(すなわち、発射通路401Bの出口)に近い側の遊技領域、すなわち、中央構造体420に対して左側からの遊技領域である左側遊技領域に限る必要はない。
例えば、遊技領域の入口が右側に設けられている場合、すなわち、遊技球が右側から発射される場合には、流下規制部623が、屋根611Bによって振り分けられた遊技球を中央構造体420に対して右側からの遊技領域(すなわち、右側遊技領域)に案内する構成としてもよい。かかる変形例においても、上記実施形態のパチンコ機100と同様に、遊技領域の入口から遠い側(すなわち、左側)に振り分けられた遊技球を、当該入口に近い側の遊技領域である右側遊技領域に進入させることができる。
(6)上記実施形態では、屋根611Bによって左右のいずれに振り分けられた遊技球も、共通する流下規制部623によって左側遊技領域に案内する構成としたが、必ずしもこれに限る必要はない。例えば、遊技球が屋根611により左側に振り分けられた場合と、右側に振り分けられた場合とで、それぞれ異なる流下規制部に遊技球が落下する構成としてもよい。
なお、本変形例において、左側に振り分けられた遊技球が落下する流下規制部と、右側に振り分けられた遊技球が落下する流下規制部とは、その傾斜面が同じ傾斜角であっても、異なる傾斜角であってもよい。流下規制部の傾斜面の傾斜角を異なる角度にすることで、各流下規制部の出口から排出される遊技球の加速態様を異ならせることができる。
また、左側に振り分けられた遊技球が落下する流下規制部と、右側に振り分けられた遊技球が落下する流下規制部とを、パチンコ機100の正面視において略ハの字に配置する構成としてもよい。かかる場合、振り分けの方向に応じて、左側遊技領域または右側遊技領域に排出されることになる。
(7)上記実施形態では、流下規制部623を、その傾斜面が右から左へと下降傾斜する構成としたが、遊技球が流下規制部623上を自重で左側に移動できる形状であれば、必ずしも、右から左への下降傾斜に限る必要はない。例えば、流下規制部623の斜面が、遊技球が流下規制部623上を自重で左側に移動できる程度の曲線や波状などの形状であってもよい。また、可動体の移動によって遊技球を左側遊技領域に運ぶ構成としてもよい。
(8)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632が左右方向に往復移動する構成としたが、必ずしも、上側中始動入賞装置632を移動可能に構成する必要はない。例えば、上側中始動入賞装置632を所定位置で固定的に設ける(すなわち、移動しない)構成としてもよい。
(9)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632に進入した遊技球は、パチンコ機100の外部に排出される構成としたが、必ずしもこれに限る必要はない。例えば、上側中始動入賞装置632を進入口から臨む向きに貫通する構成とし、上側中始動入賞装置632に進入した遊技球が流下規制部623上に落下する構成としてもよい。かかる変形例によれば、上側中始動入賞装置632に進入するだけでなく、左側遊技領域にて下側中始動入賞装置431に進入させることも可能となる。
(10)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632を、第2特別図柄に係る始動装置として構成したが、必ずしもこれに限る必要はない、例えば、上側中始動入賞装置632を、単に賞球の付与に係る一般入賞装置として構成してもよい。
(11)上記実施形態では、突起部612D,613Dを、左右の各流下通路652,653の連続方向に対して交差する方向に複数設ける構成としたが、必ずしも、設置数が複数であることに限る必要はない。例えば、突起部612D,613Dを各流下通路652,653に1つ設ける構成としてもよい。なお、図15に示す例では、各流下通路652,653に設ける突起部612D,613Dの数を5つとしたが、少なくとも1つが設けられていれば、その数は限定されない。
(12)上記実施形態では、飾り本体612A,613Aの各裏側に突起部612D,613Dを立設し、突起部612D,613Dの底面に相当する部分が暗部分として視認させることで通路表示部として機能させる構成としたが、通路表示部としての機能は、必ずしも、暗部分として視認させることに限る必要はない。例えば、飾り本体612A,613Aの各裏側に光透過性が低い着色料で流下通路652,653の連続方向に延びる筋を描く構成としてもよい。あるいは、飾り本体612A,613Aを装飾する光と区別可能に発光させることで、流下通路652,653の連続方向に延びる筋を遊技者に視認させる構成としてもよい。
(13)上記実施形態では、突起部612D,613Dの底面に起因する連続的に延びる(すなわち、一連の)筋を、通路表示部として遊技者に視認させる構成としたが、必ずしも、これに限る必要はない。例えば、通路表示部を、流下通路652,653の連続方向に間欠的(すなわち、点線状)に延びる筋を、通路表示部として遊技者に視認させる構成としてもよい。
(14)上記実施形態では、中央構造体420の内部、より詳細には、左上前飾り612および右上前飾り613の裏側に設けられた左右の流下通路652,653について、突起部612D,613Dを用いた通路表示を行う構成としたが、通路表示部による通路表示を行う通路は、必ずしも、中央構造体420の内部に設けられた通路に限る必要はない。例えば、中央構造体420以外の構造体の裏側を通る通路について、突起部などの通路表示部による通路表示を行う構成としてもよい。
(15)上記実施形態では、パチンコ機100の正面視において上下方向に延びる流下通路652,653に対し、突起部612D,613Dを用いた通路表示を行う構成としたが、通路表示を行う通路としては、必ずしも、上下方向に延びる通路に限る必要はない。例えば、左上から右下に延びる通路など、遊技球を自重で出口に到達させることができる形状の通路について、突起部などの通路表示部による通路表示を行う構成としてもよい。
(16)上記実施形態では、飾り本体612A,613Aの表面を起伏面として構成したが、必ずしもこれに限る必要はない。例えば、飾り本体612A,613Aの表面を起伏のない滑らかな面としてもよい。
(17)上記実施形態では、装飾図柄表示装置479が、第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選、または、第2特別図柄の始動入賞に基づく第2特別図柄抽選の結果に応じた装飾図柄を表示するものとして構成したが、必ずしもこれに限る必要はない。例えば、装飾図柄表示装置479は、第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選の結果に応じた装飾図柄を表示するものとし、第2特別図柄の始動入賞に基づく第2特別図柄抽選の結果については、別の装飾図柄表示装置779に表示する構成としてもよい。
(18)上記実施形態では、一般入賞装置639を、流下規制部623が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設ける構成としたが、流下規制部623が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設ける装置は、必ずしも、一般入賞装置に限る必要はない。例えば、下側中始動入賞装置431のような、進入したことに基づき抽選の権利が与えられる始動入賞装置(すなわち、特別図柄に係る始動装置)を、流下規制部623が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設ける構成としてもよい。
(19)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632の進入口(通過口621)は、屋根611Bによる振分部(第1振分部)の上側に設けられる場合について説明したが、必ずしもその位置に設ける必要はなく、屋根611Bによる振分部の下流側に相当する上側中始動入賞装置632の側方(右側または左側)に設けられる構成としてもよく、進入口の数は1つに限らず2以上であってもよい。
(20)上記実施形態では、2つのステージ622C,625が、上下に配置される構成としたが、これらのステージの配置は、必ずしも上下に限る必要はなく、ステージの下流側に当該ステージに対応して配置される始動入賞装置など各種入賞装置の位置に応じて適宜の配置を取り得る。なお、ステージ622C,625が上下に配置されない場合であっても、一方のステージにより振り分けられた遊技球が当該ステージの下流側に配置された対応する入賞装置に進入しなかった場合に、当該遊技球を他方のステージに案内可能な経路を設けておくことが好ましい。
また、上記実施形態では、これらのステージ622C,625の間に、装飾図柄表示装置479が介在される構成としたが、それに限らず、ステージ622Cとステージ625とが、装飾図柄表示装置479を挟むことなく配置されていてもよい。
(21)上記実施形態では、2つのステージ622C,625が、遊技球の転動挙動に関して類似する形状に構成された転動面を有する構成としたが、各ステージ622C,625における転動面の形状は、遊技球の転動挙動に関して類似する形状でなくてもよい。
(22)上記実施形態では、上下のステージ622C,625は、いずれも、その転動面が、凸面と当該凸面の左右に配置された凹面とからなる凹凸面を含む構成としたが、ステージ622C,625における転動面の形状は必ずしも上記凹凸面を含んでいる必要はなく、遊技球が左右に往復しながら転動するステージとして機能する転動面であれば種々の形状の転動面を採用できる。
(23)上記実施形態では、上側のステージ622Cにより振り分けられた遊技球が上側中始動入賞装置632に進入しなかった場合に、当該遊技球が、流下規制部623、左側遊技領域、および左ワープ通路628を自重によって下流側に移動することで、下側のステージ625に案内される構成としたが、上側のステージ622Cにより振り分けられた遊技球を下側ステージ625へ案内する経路としては、遊技球の自重を利用した経路に必ずしも限られず、遊技球を受けることができる可動体を利用した経路であってもよい。
(24)上記実施形態では、上下のステージ622C,625に形成された凹部のうち、真ん中の凹部622D,625Aにおける遊技球の排出方向が異なる構成としたが、各ステージ622C,625に形成される凹部の排出方向が全て同じである構成であってもよい。なお、上下のステージ622C,625にそれぞれ形成される凹部の数は、上記実施形態にて例示された3つに限らず、2以下または4以上など、適宜の数を採用できる。また、上下のステージ622C,625において排出方向が互いに異なる凹部は、上記実施形態にて例示された1箇所(凹部622D,625A)に限らず、2箇所以上であってもよい。また、ステージ825についても同様に、形成される凹部の数は、上記実施形態にて例示された3つに限らず、2以下または4以上など、適宜の数を採用できる。
(25)上記実施形態では、ステージ625の下流側に配置された下側中始動入賞装置431が固定的に設けられるのに対し、ステージ622Cの下流側に配置された上側中始動入賞装置632は左右方向に往復移動する構成としたが、これらの中始動入賞装置431,632がいずれも固定的に設けられている構成や、いずれも左右方向に往復移動する構成であってもよい。
(26)上記実施形態では、左振分通路622Aおよび右振分通路622Bを通過する遊技球を検出するセンサとして接触センサ662を例示したが、遊技球を検出可能なセンサであれば、接触センサに限らず、光学センサや磁気センサ等、種々のセンサを採用できる。接触センサ665についても同様に、遊技球を検出可能なセンサであれば、接触センサに限らず、光学センサや磁気センサ等、種々のセンサを採用できる。
(27)上記実施形態では、左振分通路622Aおよび右振分通路622Bの各通路上に接触センサ662を配設する構成としたが、ステージ622Cに進入する遊技球が検出できる位置であれば、上記実施形態にて例示した位置に限らず、適宜の位置を接触センサ662の配設位置として採用できる。例えば、通過口621から、左振分通路622Aまたは右振分通路622Bに分岐する前の通路上に接触センサ662を設けてもよい。かかる変形例によれば、設置する接触センサ662は1つであってもよい。また、ステージ622C上に接触センサを設け、通過口621から進入してステージ622Cに到達した遊技球を検出する構成としてもよい。
同様に、下のステージ625についても、上記実施形態では、左ワープ通路628の出口付近の通路上に接触センサ665を配設する構成としたが、ステージ625に進入する遊技球が検出できる位置であれば、上記実施形態にて例示した位置に限らず、適宜の位置を接触センサ665の配設位置として採用できる。例えば、左ワープ通路628の入口に接触センサや光学センサなどを設け、左ワープ通路628に進入する遊技球を検出する構成としてもよい。また、ステージ625上に接触センサを設け、左ワープ通路628を経てステージ625に進入した遊技球を検出する構成としてもよい。
(28)上記実施形態では、遊技球がステージ625に進入する場合には、左ワープ通路628を通過する必要があったが、ステージ622Cにより振り分けられた遊技球が上側中始動入賞装置632に進入しなかった場合、当該遊技球は、左ワープ通路628でない別の経路によってステージ622Cに案内される構成であってもよい。
(29)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合に、可動体710の移動と、装飾図柄表示装置479に表示される装飾図柄Zの移動とを行うことで、当該進入可能性の発生を示唆する構成としたが、可動体710と装飾図柄Zの両方を移動させることなく、いずれか一方を移動させることで当該進入可能性の発生を示唆する構成としてもよい。
(30)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合に、可動体710を、上側中始動入賞装置632が位置する側である上方に移動させる構成としたが、可動体710の移動方向は、必ずしも、上側中始動入賞装置632が位置する側であることに限らない。例えば、かかる進入可能性が生じた場合に、可動体710を、その旨を示唆するために予め決められた方向に移動させる構成であってもよい。装飾図柄Zの移動方向についても同様である。
(31)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合における可動体710の移動方向を、初期位置から変動表示位置に向かう方向としたが、これに限らず、初期位置から変動表示位置に向かう方向と異なる方向であってもよい。
(32)上記実施形態では、装飾図柄表示装置779を有し、第2特別図柄の変動表示を行うことができる可動体710を、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合に移動させる可動体として流用した。これに代えて、当該進入可能性が生じた場合に移動させる可動体として、かかる場合に移動させる専用の可動体を設ける構成としてもよい。
また、上記実施形態では、中間位置などに位置する可動体710が装飾図柄表示装置479に重なる構成としたが、可動体710の移動範囲において装飾図柄表示装置479に重ならない構成であってもよい。つまり、可動体710は、装飾図柄表示装置479に重なることなく移動される構成であってもよい。
(33)上記実施形態では,上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合と、装飾図柄表示装置779を用いた第2特別図柄の変動表示を行う場合とで、可動体710が異なる位置(すなわち、中間位置と変動表示位置)に配置される構成としたが、いずれの場合にも可動体710が同じ位置に配置される構成としてもよい。かかる変形例では、例えば、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じたことで、可動体710が所定位置(例えば、変動表示位置に相当する位置)に位置した後、当該進入可能性が生じた結果として上側中始動入賞装置632に進入したことで行われた第2特別図柄抽選が大当りであり、かつ、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合に、可動体710を移動させることなく、当該所定位置にて装飾図柄表示装置779を用いた変動表示を行う構成としてもよい。
(34)上記実施形態では,上記実施形態では,上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合と、ステージ625により遊技球が振り分けられる場合(下側中始動入賞装置431への遊技球の進入可能性が生じた場合)とで、可動体710が異なる位置(すなわち、中間位置と照射位置)に配置される構成としたが、いずれの場合にも可動体710が同じ位置に配置される構成としてもよい。
(35)上記実施形態では,装飾図柄表示装置779は、左右方向に並ぶ複数の発光部779Aから構成されるものとしたが、かかる構成に必ずしも限定されない。例えば、装飾図柄表示装置779が、複数の発光体を内包し左右方向に延びる形状の1の発光部から構成されていてもよい。あるいは、装飾図柄表示装置779は、1または複数の発光部779Aが種々の態様で配置される構成であってもよい。なお、複数の発光部779A、または、左右方向に延びる形状の1の発光部は、その少なくとも一部が、ステージ625の転動面における遊技機正面視の形状に沿っていることが好ましい。
(36)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合に、装飾図柄Zを縮小させて移動させる構成としたが、装飾図柄Zを縮小させることなく移動させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合に、装飾図柄表示装置479における、中間位置に配置された可動体710が重ならない上方の位置に装飾図柄Zを表示させる構成とした。中間位置に配置された可動体710と、移動後の装飾図柄Zとが重ならないようにする必要は必ずしもなく、可動体710が装飾図柄Zに重なることがあってもよい。
(37)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合に、装飾図柄Zを縮小させて移動させるとともに、上側中始動入賞装置632が位置する側(すなわち、上方)を指し示す矢印731,732を表示させる構成としたが、上方を指し示すキャラクタであれば、矢印731,732でなく種々のキャラクタ(例えば、上方を指す手や上方を向く目玉など)を採用できる。
また、上記実施形態では、左上または右上を指し示す矢印731,732を表示させる構成としたが、上側中始動入賞装置632が位置する側(すなわち、上方)を指し示す矢印であれば、真上を指し示す矢印であってもよい。また、上記実施形態では、装飾図柄Zの左右に矢印731,732を表示する構成としたが、上側中始動入賞装置632が位置する側を指し示すことが可能な位置であれば、適宜の位置を矢印731,732の表示位置として採用できる。
(38)上記実施形態では、上側中始動入賞装置632への遊技球の進入可能性が生じた場合、縮小サイズの装飾図柄Zを上方に移動させることで、装飾図柄表示装置479における下側に装飾図柄Zが表示されない領域を形成し、当該領域に中間位置の可動体710を重ねる構成とした。これに代えて、かかる場合、装飾図柄表示装置479における下側に装飾図柄Zが表示されない領域に、上側中始動入賞装置632が位置する側を指し示す矢印などを表示する構成としてもよい。
(39)上記実施形態では、文字779Bの内容を、大当りであることを報知可能な情報としたが、文字779Bの内容は、第2特別図柄抽選の抽選結果が特定の有利な結果を報知可能な内容であれば、大当り以外を示す内容であってもよい。
(40)上記実施形態では、大当りであることを報知可能な情報として「当」の文字779Bを採用する構成としたが、これに限る必要はなく、大当りであることを報知可能な文字であれば、種々の文字を文字779Bとして採用できる。例えば、文字779Bが、「V」などの文字を文字779Bとして採用できる。なお、「当」など、大当りであることを報知可能な情報は、発光部779Aの表面に印刷などにより平面的に付されるものであってもよいし、発光部779Aの表面による起伏によって形成されるものであってもよい。
また、上記実施形態では、発光部779Aの表面に固定的に形成された文字779Bを、大当りであることを報知可能な情報としたが、発光部779Aの色(例えば、カバーの色や発光色)を、大当りであることを報知可能な情報としてもよい。かかる変形例では、例えば、発光部779Aの前方に色フィルタを配置し、当該色フィルタを介して発光部779Aを視認させることで、大当りであることを示す内容でない内容として遊技者に視認させる。
(41)上記実施形態では、進入口626または排出口627が文字779Bの大きさより小さく、進入口626または排出口627の周囲を不透明領域にすることで、進入口626または排出口627を介して文字779Bの一部のみが視認される構成とし、これにより、文字779Bの内容を、当該文字779Bが本来有する内容(すなわち、大当りであることを示す内容)でない内容として視認させる構成とした。文字779Bの内容を当該文字779Bが本来有する内容でない内容として視認させることが可能な構成であれば、上記実施形態にて例示した構成に限る必要はない。例えば、進入口626または排出口627と、表示対象の文字779Bとの間に、通路の曲面を介在させることで、当該曲面による屈折によって文字779Bの内容が変化して視認される構成としてもよい。
(42)上記実施形態では、可動体710が照射位置にある場合に、進入口626を介して視認される内容が、下側中始動入賞装置431の側(すなわち、下向き)を指し示す矢印(すなわち、「↓」)であるかの内容となる一方で、可動体710が初期位置にある場合には、下向きを指し示す矢印であるかの内容が排出口627を介して視認されない構成であった。可動体710が初期位置にある場合についても、可動体710が照射位置にある場合と同様に、下向きを指し示す矢印であるかの内容となるように構成してもよい。
(43)上記実施形態では、進入口626および排出口627を文字779Bの内容を変化させる窓部として構成したが、文字779Bの内容を変化させるための専用の窓部を設ける構成としてもよい。
(44)上記実施形態では、時短遊技状態は、予め設定された上限遊技回数に達した場合に終了する構成について説明したが、時短遊技状態の終了条件は、必ずしも遊技回数によって成立するものとする必要はなく、これに代えて、又は、これに加えて、他の所定の終了条件の成立によって時短遊技状態が終了するようにしても良い。例えば、1回の単位遊技毎に予め定めた終了確率(例えば、略40分の1)で終了条件が成立する終了抽選が各変動毎に実施される時短遊技状態を含めても良いし、この終了確率を複数種類に異ならせて有利な程度の異なる複数種類の時短遊技状態を含む構成としても良い。また、次回の大当り抽選に当選するまで継続する種類の時短遊技状態を含む構成としても良い。
(45)上記実施形態では、短期時短遊技状態は、1回の時短回数に設定したが、必ずしも時短回数を1回とする必要はなく、2回以上の時短回数に設定しても良い。この場合において、短期時短遊技状態における時短回数は、短期時短遊技状態の開始前に十分な単位遊技の権利が保留される構成とすることが好ましく、保留回数以下に設定することが良く、保留回数の2分の1(例えば、2回)以下に設定することが好ましく、1回とすることが好適である。
(46)上記実施形態では、短期時短遊技状態は、通常遊技状態における第1特別図柄の始動入賞より遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移し易い条件に設定され、且つ、この設定として特別遊技状態の後に遷移する時短遊技状態の時短回数の平均値が通常遊技状態における当選に比べて長く設定する構成について説明したが、必ずしも本構成とする必要はないが、遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移し易い他の条件とすることが好ましい。すなわち、上記実施形態に係る構成に代えて、又はその構成に加えて、1回の大当り当選によって通常遊技状態に戻るまでに遊技者に付与される獲得球数が多く設定しても良いし、特別遊技状態において獲得球数の多い大当り種別が選定され易く設定しても良いし、確変遊技状態へ遷移させて大当りに当選し易い遊技状態に遷移し易く設定しても良いし、通常遊技状態より遊技者に有利な上記各設定を複数種類組み合わせて設定しても良い。また、複数の遊技状態が通常遊技状態に戻るまでに発生し得る場合には、仕様上の期待値(平均値)としての獲得球数(期待獲得球数)が、通常遊技状態における1回の大当り当選より短期時短遊技状態及び長期時短遊技状態の少なくともいずれかにおける1回の大当り当選の方が高く設定されることが好ましい。
(47)上記実施形態では、特別遊技状態の後に遷移する時短遊技状態の時短回数(詳細には、大当り種別の振分確率によって計数可能な1回の大当り当選に対する平均回数)を、非時短状態と時短状態とで変化させ、且つ、図柄種別によって異ならせる設定について説明したが、必ずしもこの構成とする必要はなく、遊技状態または図柄種別の少なくともいずれか一方については共通する設定としても良く、例えば、図柄種別による時短回数の差異を無くしても良い。
(48)上記実施形態では、大当り種別として、第1大当り1〜5と、第2大当り1,2が設定される場合について説明したが、これらの少なくとも一部に代えて、又は、これらの少なくとも一部に加えて、獲得球数や時短回数の異なる他の大当り種別が含まれるようにしても良い。
(49)上記実施形態では、短期時短遊技状態及び長期時短状態における第1特別図柄に係る当選や、第2特別図柄に係る当選によって100%の確率で、長期時短遊技状態へ遷移する構成について説明したが、必ずしも100%の確率で長期時短遊技状態へ遷移させる必要はなく、それら当選の一部として長期時短遊技状態以外の遊技状態(例えば、短期時短遊技状態)へ遷移する大当り種別を含む構成としても良い。この場合において、通常遊技状態において大当り種別が選定される条件に比べて、時短遊技状態において大当り種別が選定される条件の方が遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移し易い条件とすることが好ましく、また、短期時短遊技状態によって大当り種別が選定される条件と長期時短遊技状態における条件とを比較した場合には、長期時短遊技状態における条件の方が有利な遊技状態へ遷移し易い条件とすることが好ましい。
(50)上記実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄の始動入賞に係る短期時短遊技状態中の変動演出として、共通の装飾図柄表示装置779を用いたクジラルーレット変動演出を実行する場合について説明したが、この構成に限らず、図柄種別毎に別々の装飾図柄表示装置を設けつつ共通の変動演出を実行しても良いし、共通の装飾図柄表示装置において変動表示又は結果表示の少なくともいずれかの表示態様が異なる変動演出を実行しても良い。
(51)上記実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄の計2種類の図柄種別が設定される構成について説明したが、図柄種別として単一の図柄種別(例えば、第1特別図柄のみ)としても良いし、3種以上の図柄種別が設定されていても良い。また、各図柄種別における始動入賞を発生させる始動装置の数も1又は2以上のいずれの設定にしても良い。この場合において、少なくともいずれかの始動装置には、非時短状態と時短状態とで遊技球の進入し易さを異ならせる進入規制機構と駆動手段(例えば、進入規制ソレノイドやモータ)を設けて時短状態を発生可能とする構成とすることが好ましい。例えば、右始動入賞装置432と上側中始動入賞装置632とを省略し、下側中始動入賞装置431のみの構成としても良く、この場合に、下側中始動入賞装置431に対して遊技球の進入のし易さを異ならせる進入規制機構と駆動手段とを設けても良い。
または、右始動入賞装置432を省略し、上側中始動入賞装置632に対して遊技球の進入のし易さを異ならせる進入規制機構と駆動手段とを設けても良い。この場合には、上側中始動入賞装置632に対して遊技球の進入のし易さを異ならせる進入規制機構として、第1振分部としての屋根611Bから通過口621への遊技球の進入し易さが異なるように通過口621の大きさを複数の段階に切り替えられるようにして時短遊技状態を発生可能に構成しても良いし、上側中始動入賞装置632の進入口又は、その進入口より下流側であって第2始動入賞スイッチ642より上流側の区間に別の進入口を(例えば、流下規制部623の傾斜面上を通過する遊技球が進入可能に)設け、それら進入口の大きさを複数の段階に切り替えられるようにして時短遊技状態を発生可能に構成しても良い。
(52)上記実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄の始動入賞に対して略23分の1の当選確率で大当り抽選が行われる場合について説明したが、他の当選確率に設定しても良く、図柄種別毎に異なる当選確率に設定しても良い。複数の図柄種別において同一確率で当選する設定にした場合には、抽選に用いるカウンタを共通にするなど、少なくとも一部の制御を共通化することが制御を簡略化することができて好ましい。なお、この場合に、長期時短遊技状態へ遷移する確率として第1特別図柄の始動入賞に対しては2回連続で大当り抽選に当選する必要があり、遊技者の遊技継続意欲を維持する観点から高確率の当選確率とすることが好ましく、略50分の1より高確率の当選確率に設定することとしても良く、略30分の1より高確率に設定することが更に好ましく、略25分の1より高確率に設定することが好適である。
また、第1特別図柄及び第2特別図柄の始動入賞に係る大当り抽選の当否結果を示す表示としては、複数の発光部779Aの数は、当選確率が高確率であることに対応して見た目上に当選し易く構成することが好ましく、当選確率の逆数より少ないことが良く、当選確率の逆数の70%以下とすることが好ましく、50%以下とすることが好適である。また、複数の発光部779Aの数は、見た目上において当選確率と大きく異なることのない構成することが好ましく、当選確率の逆数より少ないものの略20%以上とすることが良く、当選確率の逆数の30%以上とすることが好ましく、40%以上とすることが好適である。上記実施形態においては、略23分の1の当選確率の逆数に相当する略23に対して略48%に相当する11個の場合を例示している。
(53)上記実施形態では、時短状態における右始動入賞装置432への遊技球の進入最大許容個数を、短期時短遊技状態における時短回数と同一の数に設定したが、時短回数より多く設定しても良いし、短期時短遊技状態における時短回数が2回以上の場合には、時短回数より少なく設定することは好ましい。この場合に、主制御基板920における時短状態の制御によって、短期時短遊技状態における時短回数と一致するか、又は時短回数より少ない数を最大進入許容個数とすることが短期時短遊技状態において右始動入賞装置432へ遊技球を時短回数を超えて進入させてしまう状況を回避し易くすることができて好ましい。
(54)上記実施形態では、右始動入賞装置432が進入許容姿勢に移行した後に最大進入許容個数の遊技球の進入が始動スイッチ446によって検出された場合に進入禁止姿勢へ移行させて、後続の遊技球の進入を拒否する構成について説明したが、これに代えて、普通図柄抽選に当選した場合に短期時短遊技状態における時短回数と同一数(例えば、1個)の遊技球が進入許容姿勢をとった右進入規制機構452によって右始動入賞装置432の入口部分に支持され、後続の遊技球は、その支持された遊技球に当接して他の方向へ誘導される構成とし、最大進入許容時間が経過した場合に右始動入賞装置432が進入禁止姿勢をとり、その支持された数分の遊技球のみが右始動入賞装置432に進入可能とする構成としても良い。
(55)上記実施形態においては、時短遊技状態に遷移した場合に時短状態フラグをオフして右始動入賞装置432に対しての主制御基板920の制御を変更するタイミングとして、変動開始の設定をした直後のタイミングを例示して説明したが、その変更タイミングとしては、他のタイミングとしても良く、変動開始より前としても良いし、変動開始後に一定時間が経過した後(例えば、0.5秒後)としても良い。この場合に、時短遊技状態における上限遊技回数に達した回の変動表示より前であって、当該回の単位遊技の実行に対しての始動入賞が発生した場合に時短状態フラグをオフしても良く、これにより、右始動入賞装置432への入賞による第2特別図柄の始動入賞を上限遊技回数に一致され易くする構成とすることができる。
(56)上記実施形態では、操作報知制御として、パチンコ機100に設けられた装置を用いて遊技者の感覚にて識別可能な情報を出力する構成について説明したが、これに代えて、又はこれに加えて、パチンコ機100の外部に接続されるホールコンピュータ等の機器に対して情報を出力可能な外部出力端子によって左打ち情報出力、右打ち情報出力、発射不要情報出力の各出力に対応した別々の情報を外部出力する構成としても良い。
(57)上記実施形態では、操作報知としては、左打ち情報出力、右打ち情報出力及び発射不要情報出力の3種類が設定されている構成について説明したが、それらの少なくとも一部を省略しても良いし、左打ち遊技と右打ち遊技のどちらでも良い遊技手法に対応した情報出力など他の情報出力の種類が付加されても良い。
(58)上記実施形態では、上側始動入賞装置832が3つの始動入賞装置832A〜832Cから構成される場合について説明したが、上側始動入賞装置832を構成する始動入賞装置は、必ずしも3つであることに限らず、1または2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。上側始動入賞装置832を構成する始動入賞装置を4つ以上とした場合、上側始動入賞装置832における入口領域の広さの態様を増やすことができる。この場合において、上側始動入賞装置832への進入のし易さが少なくとも3種以上の異なる進入確率となるように、上側始動入賞装置832を構成することが好ましい。
(59)上記実施形態では、始動入賞装置832A〜832Cが左右方向に並ぶ構成について説明したが、上側始動入賞装置832を構成する複数の始動入賞装置の配置は、必ずしも、左右方向に並ぶ配置にする必要はなく、種々の配置を採用できる。例えば、始動入賞装置832A〜832Cを、遊技機正面視において上下方向にずらしつつ左右に配置する構成としてもよい。あるいは、上側始動入賞装置832が10個の始動入賞装置から構成される場合に、これらの始動入賞装置を、例えば、ボーリングのピンのように、1列目に1つ、2列目に2つ、3列目に3つ、4列目に4つ、配置するなどの構成としてもよい。
(60)上記実施形態では、上側始動入賞装置832を構成する3つの始動入賞装置832A〜832Cのうち、進入許容姿勢となる始動入賞装置の数を変動させることで、上側始動入賞装置832に遊技球を進入させる入口領域の表面積を変動させる構成について説明した。上側始動入賞装置832に遊技球を進入させる入口領域の表面積を変動させる構成としては、必ずしも上記構成であることに限らない。例えば、各始動入賞装置832A〜832Cの入口に開閉可能な開閉部材(例えば、シャッタなど)を設け、各始動入賞装置832A〜832Cに対する開閉部材の開閉を個別に制御することで、上側始動入賞装置832に遊技球を進入させる入口領域の表面積を変動させてもよい。なお、かかる場合、各始動入賞装置832A〜832Cは、常時、進入許容姿勢に相当する位置(すなわち、ステージ622Cより前方に突出する位置)とされる。あるいは、3つの始動入賞装置832A〜832Cを並べた大きさに相当する入口を有する始動入賞装置について、当該入口に設けた開閉部材の開閉量を調整することで、上側始動入賞装置832に遊技球を進入させる入口領域の表面積を変動させてもよい。
(61)上記実施形態では、10回の動作回を1サイクルとして、始動入賞装置832A〜832Cのうち、進入許容姿勢となる始動入賞装置の組み合わせが変動する構成について説明したが、1サイクルを構成する動作回は、10回に限らず、適宜の回数を採用できる。かかる場合、3つの始動入賞装置832A〜832Cにおいて、進入許容姿勢となる始動入賞装置がとり得る全ての組み合わせの数より少ない動作回から1サイクルが構成されてもよい。また、上記実施形態では、1サイクルで動作する始動入賞装置832A〜832Cの動作パターンには、始動入賞装置832A〜832Cが全て進入禁止姿勢となるパターンが含まれない構成について説明したが、始動入賞装置832A〜832Cが全て進入禁止姿勢となるパターンが含まれていてもよい。
(62)上記実施形態では、電源スイッチ909の切り替えに基づきパチンコ機100に電源が投入されたことに応じて、上側始動入賞装置832(始動入賞装置832A〜832C)の定期的な変動が開始される構成について説明したが、普通図柄抽選に当選した場合など、所定の契機が発生したことに基づいて開始される構成であってもよい。
(63)上記実施形態では、上側左駆動ソレノイド861、上側中駆動ソレノイド862、および上側右駆動ソレノイド863が、連続通電によって制御される構成について説明したが、各駆動ソレノイド861〜863の駆動制御は、必ずしも、上記構成に限られるものではない。例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御などを各駆動ソレノイド861〜863の駆動制御に採用してもよい。
(64)上記実施形態では、遊技球が接触センサ662に検出された場合に、その検出タイミングでの上側始動入賞装置832における入口領域の広さを、可動体発光装置772を用いて遊技者に報知する構成について説明した。可動体発光装置772を用いて報知される、上側始動入賞装置832における入口領域の広さは、必ずしも、上記タイミングにおける広さである必要はない。例えば、遊技球が接触センサ662に検出されてからステージ622Cから落下するまでに要するであろう期間を予め決めておき、遊技球が接触センサ662に検出された場合に、当該期間後における上側始動入賞装置832における入口領域の広さを、可動体発光装置772を用いて報知する構成としてもよい。
(65)上記実施形態では、遊技球が接触センサ662に検出されたことを契機として、上側始動入賞装置832における入口領域の広さを報知する構成について説明したが、当該報知の開始契機は、必ずしも、上記構成に限られるものではない。例えば、屋根611Bの上方に設定した特定位置に遊技球を検出可能なセンサを設け、当該センサによる遊技球の検出を契機として報知を行う構成としてもよい。あるいは、定期的なタイミングを契機として報知を行う構成としてもよい。
(66)上記実施形態では、可動体発光装置772を用いて、上側始動入賞装置832における入口領域の広さを報知する構成について説明した。当該報知に用いる装置は、可動体発光装置772に限らず、可動体発光装置771や装飾図柄表示装置779などであってもよい。また、可動体発光装置772のような可動体710に設けられた装置でなく、盤面発光装置490や装飾図柄表示装置479などを用いて報知を行ってもよい。あるいは、音響装置281,282から音声として報知してもよい。
(67)上記実施形態では、第2特別図柄に係る始動装置である上側始動入賞装置832について、入口領域の広さを変動させる構成について説明したが、入口領域の広さを変動させる入賞装置としては、第2特別図柄に係る始動装置に必ずしも限るものではない。例えば、下側中始動入賞装置431のような第1特別図柄に係る始動装置や、単に賞球の付与に係る一般入賞装置について、入口領域の広さを変動させる構成としてもよい。また、複数の入賞装置について、入口領域の広さを変動させる構成としてもよい。
(68)上記実施形態では、遊技盤400の基体401や中央構造体420を光透過可能な材質から構成することで、排出通路871〜875を通過する遊技球を表側から視認できる構成について説明したが、表側から遊技球を視認できる排出通路は、排出通路871〜875の一部であってもよい。
かかる場合、少なくとも、中央大入賞装置434や、右大入賞装置433や、右始動入賞装置432など、上側始動入賞装置832または始動装置836への遊技球の進入に基づく抽選の結果が好ましい結果(例えば、大当りや小当り)である場合に通過する排出通路(すなわち、排出通路872,873,875)を表側から視認可能とすることが好ましい。このように、好ましい抽選結果に対応する排出通路を通過する遊技球を少なくとも視認可能とすることで、遊技者は、かかる排出通路を通過する遊技球を視認した場合に、好ましい抽選結果が得られたことを認識できる。
なお、上記実施形態では、排出通路872,873,875が、それぞれ、右大入賞装置433、中央大入賞装置434、および右始動入賞装置432の裏側(後側)を通る通路であり、排出通路872,873,875を通過する遊技球が、開口433A、開口434A、および開口432Aに達するまで視認可能である構成について説明した。かかる構成に限らず、遊技球が、排出通路872,873,875を通過することで、右大入賞装置433、中央大入賞装置434、または右始動入賞装置432に向かう(近づく)様子を遊技者に視認させるが、当該遊技球を開口433A、開口434A、および開口432Aに達する前に視認できなくなる構成としてもよい。
(69)上記実施形態では、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく抽選の結果が大当りである場合に、遊技球が、中央大入賞装置434に向かう排出通路873を通過する構成について説明したが、大当りであり、かつ、特定の大当り種別である場合に、遊技球が排出通路873を通過する構成としてもよい。
(70)上記実施形態では、上側始動入賞装置832または始動装置836への遊技球の進入に基づく抽選の結果が好ましい結果である場合に通過する排出通路(すなわち、排出通路872,873,875)が、中央大入賞装置434や、右大入賞装置433や、右始動入賞装置432など、当該抽選結果に関連する箇所に向かって延びる通路である構成について説明した。抽選結果が好ましい結果である場合に遊技球を通過させる排出通路の経路としては、抽選結果に関連する箇所に向かう経路であることに限らず、例えば、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく抽選の結果が小当りである場合に、遊技球が中央大入賞装置434に向かう排出通路873を通過する経路としてもよい。
また、抽選結果が好ましい結果である場合に遊技球を通過させる排出通路の経路としては、抽選結果に関連する装置に向かう経路であることに限らず、遊技領域上における特定の箇所であればよい。遊技者は、遊技領域上の特定の箇所に向かう遊技球を視認したことで、好ましい抽選結果が得られたことを認識できる。このとき、特定の箇所を抽選結果に応じて複数設定してもよい。
(71)上記実施形態では、排出通路871から分岐する排出通路として、中央大入賞装置434に向かって延びる排出通路872と、右大入賞装置433に向かって延びる排出通路873とを設ける構成について説明したが、いずれか一方の排出通路のみを排出通路871から分岐させる排出通路として設ける構成としてもよい。かかる場合、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく抽選結果が、最も好ましい結果である大当りである場合に動作する中央大入賞装置434に向かって延びる排出通路872とすることが好ましい。あるいは、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく抽選結果が大当りまたは小当り以外の抽選結果である場合に動作する入賞装置が設けられている場合には、排出通路872または排出通路873とは別に、排出通路871から分岐して当該入賞装置に向かって延びる排出通路を設ける構成としてもよい。
(72)上記実施形態にて説明した排出通路871〜875の経路は一例であり、適宜の経路を採用できる。例えば、上記実施形態では、排出通路874が、シャッタ882の下流側にて合流する構成としたが、第2始動入賞スイッチ642とシャッタ881との間にて合流する構成としてもよい。排出通路871と排出通路874とがシャッタ881より上流側にて合流することにより、上側始動入賞装置832に進入した遊技球の排出通路と、始動装置836に進入した遊技球の排出通路との共通部分をより長くすることができるので、限られた領域に排出通路の確保する点において都合が良い。
また、上記実施形態では、排出通路872,873が、排出通路871上における各々異なる分岐位置から分岐する構成としたが、排出通路873は、排出通路871から分岐した排出通路872からさらに分岐する通路としてもよい。また、上記実施形態では、排出通路871は、装飾図柄表示装置479の右側を通過する経路としたが、装飾図柄表示装置479の左側を通過する経路であってもよい。
(73)上記実施形態では、第1特別図柄または第2特別図柄に係る始動装置のうち、上側始動入賞装置832について、上側始動入賞装置832に進入した遊技球が通過する排出通路871〜873が抽選結果に応じて異なる構成について説明したが、右始動入賞装置432や下側中始動入賞装置431についても、上側始動入賞装置832と同様に、抽選結果に応じて異なる排出通路を設ける構成であってもよい。
(74)上記実施形態では、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく抽選結果が大当りまたは小当りである場合には、遊技球が排出通路872または排出通路873を通過し、遊技球が排出口401Aに向かうことがない構成について説明したが、上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく抽選結果が大当りまたは小当りである場合であっても、その一部について、遊技球が排出口401Aに向って排出通路871を流下する構成であってもよい。上側始動入賞装置832への遊技球の進入に基づく抽選結果が大当りまたは小当りである場合に、遊技球が、排出通路872または排出通路873を通過するか、排出口401Aに向って排出通路871を流下するかは、予め決められた変更パターンで変更してもよいし、抽選によっていずれの排出通路を通過するかを選択してもよい。
(75)上記実施形態では、3つの始動入賞装置832A〜832Cのそれぞれに進入した遊技球がいずれも第2始動入賞スイッチ642により共通して検出される構成について説明したが、始動入賞装置832A〜832Cのそれぞれに対し、第2始動入賞スイッチ642と同様の第2始動入賞スイッチを個別に設ける構成としてもよい。
(76)上記実施形態では、切替ソレノイド(図示せず)の駆動によって動作するシャッタ881〜883の各姿勢に応じて、遊技球を通過させる排出通路を切り替える構成について説明したが、排出通路の切り替えは、必ずしも、上記例示したシャッタ881〜883の形態に限らない。例えば、磁石などで遊技球を誘導することで、遊技球を通過させる排出通路を切り替える構成などであってもよい。
(77)上記実施形態では、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434のいずれも、中央構造体420に対して右側を流下した遊技球が進入可能な位置に配置され、特別遊技状態において右打ち遊技手法によって遊技を行う場合について説明したが、右大入賞装置433及び中央大入賞装置434のいずれか一方(例えば、中央大入賞装置434)は、左打ち遊技手法によって遊技を行うことで遊技球が進入可能であって、他方は、右打ち遊技手法によって遊技を行うことで遊技球が進入可能な位置に配置される構成としても良い。この場合には、2つの排出通路872,873のうちいずれの排出通路を通過したかによって、その後に遊技球を流下させる必要のある遊技領域が異なることとなり、その遊技球の流下位置を事前に判り易く示唆することで遊技をスムースに進行させることができる。
(78)上記実施形態では、左ワープ通路828が、遊技球を下方に案内した後に、奥側へと案内し、当該奥側にて右側に案内して、奥側から手前側に案内する構成について説明したが、必ずしも、遊技球を奥側に案内する通路部分と、奥側にて遊技球を右側に案内する通路部分と、奥側から手前側に遊技球を案内する通路部分とがこの順で存在する通路であれば、これらの各通路部分が連設されている必要はない。例えば、左ワープ通路828に進入した遊技球をまず奥側に案内した後、当該遊技球を下方に案内し、次いで、右側に案内する構成などであってもよい。
(79)上記実施形態では、中央構造体820の左側に設けられた左ワープ通路828について、奥側に向かった後、当該奥側にて右側へ向かい、そして、奥側から手前側に向かう蛇行通路を設けることについて説明したが、中央構造体820の右側にワープ通路が設けられる場合には、奥側にて右側に向かう通路部分を左側に向かう通路部分とすることで、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
(80)上記実施形態では、左ワープ通路828には、ステージ825が延びる方向に対して略直交する壁部828Dが出口828Bの近傍に形成される構成について説明したが、ステージ825が延びる方向に対する壁部828Dの角度は、壁部828Dに衝突した遊技球が、当該衝突によって右側の速度が適度に失われる程度に、左側(つまり、ステージ825に向かう側とは反対側)の成分を持って反発される角度であれば、適宜の角度を採用できる。
(81)上記実施形態では、釘811によって遊技球を跳ね上げさせながら遊技球を転動させる構成について説明したが、遊技球を跳ね上げさせながら転動させる構成はこれに限られるものではない。例えば、左から右へと下降傾斜して延びる梯子状の板や、所定間隔で凸部が形成された板など、遊技球を跳ね上げながら転動可能な適宜の部材を遊技球を跳ね上げさせながら転動させる構成として利用できる。
(82)上記実施形態では、釘811を設けない除外領域854を、左ワープ通路828の出口828Bの直下よりやや上流側に設ける構成としたが、跳ね上がる遊技球が飛び込み部815に飛び込むことが第1配列領域853Aと比較して抑制される程度であれば、釘811などの遊技球を跳ね上げ可能な部材を除外領域854に相当する区間に設ける構成としてもよい。例えば、除外領域854に相当する区間に、飛び込み部815への飛び込みが第1配列領域853Aと比較して抑制されるように、第1配列領域853Aより広い間隔で釘811を設ける構成としてもよい。
(83)上記実施形態では、転動面825Dの勾配として、最も勾配の大きな部分が70度程度であることを例示したが、65度以上や85度以上など、右から左に向かって転動しながら上る遊技球がステージ825を超えて、出口828B手前の排出領域側に進入することが抑制される程度の勾配であれば適宜の大きさの勾配を採用できる。また、転動面825Dの勾配は、最も勾配の大きな部分が90度を超えていてもよい。
(84)第1実施形態から第3実施形態として説明した各特徴や、上述した各変形例を適宜組み合わせて実施する構成としてもよい。例えば、第2実施形態として説明した、上側始動入賞装置832に進入した遊技球を排出するための排出通路871〜873を、第1実施形態の上側中始動入賞装置632に進入した遊技球を排出するための排出通路として適用してもよい。
また、第3実施形態として前述した中央構造体820における特徴的な各構成(例えば、左ワープ通路828、ステージ825、飛び込み部815など)を、第1または第2実施形態のパチンコ機100に適用してもよい。つまり、第1または第2実施形態にて前述した遊技性を提供するパチンコ機100において、第3実施形態として前述した特徴的な各構成を、それらに対応する構成と置換させてもよい。
(85)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
<特徴10>
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技機であって、
前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な進入部(通過口621)を有し、前記遊技領域を流下する遊技球を、遊技機正面視において前記遊技領域の入口に近い側である第1の側、または、遊技機正面視において前記遊技領域の入口から遠い側である第2の側に振り分ける振分部(屋根611B)と、
前記振分部により前記第2の側に振り分けられた遊技球を、前記振分部に対して前記第1の側に形成された特定の遊技領域(中央構造体420に対して左側から下流側の下側中始動入賞装置431を含む左側遊技領域)に案内する第1経路(右流下通路653、流下規制部623)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。
かかる従来の遊技機において、遊技領域を流下する遊技球による遊技の興趣を向上させるために、遊技球の移動経路に関する様々な工夫がなされている。例えば、遊技盤の中央に配設された中央構造体の上部に遊技球を左右に振り分ける振り分け部を設けることで、遊技球の移動経路を構造的に変化させる遊技機が存在する(例えば、特開2004−254955号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。すなわち、従来の遊技機では、遊技球の移動経路が多様化されるものの、右に振り分けられた遊技球はそのまま右側を流下するなど、振分部による振り分けられた遊技球の挙動が下流側への遊技球の流下位置にも影響する。このため、遊技者が狙う遊技球の流下開始位置が画一的になって、遊技に関する特典が付与され易い一方側を多数の遊技球が流下するように遊技者の発射操作が限定され易く、意外性に欠けていた。
これに対し、特徴10に記載の遊技機であれば、振分部により構造的に振り分けられた遊技球を、遊技の興趣向上に好適な移動経路で移動させることができる。すなわち、振分部によって遊技領域の入口から遠い側(第2の側)に振り分けられた遊技球を、遊技領域の入口から近い側(第1の側)に移動させることができるので、遊技者が発射操作により狙う位置が多様化され、意外性を持たせることができる。また、第2の側に遊技球が多く流下するように発射操作をしても第1の側に遊技球を戻すことができるので、遊技者には、第1の側から進入部への進入を狙うだけでなく、第2の側から進入部への進入を狙って多くの遊技球を流下させても特定の遊技領域における遊技の特典を付与することができる。これにより、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
なお、特徴10における「第1の側」および「第2の側」は、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合(すなわち、遊技領域の入口が左側である場合)、遊技領域における左側が「第1の側」に相当する。かかる場合、遊技領域における右側が「第2の側」に相当する。
同様に、特徴10における「特定の遊技領域」もまた、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合、「特定の遊技領域」は、中央構造体420に対して左側からの遊技領域(すなわち、左側遊技領域)に相当する。
<特徴11>
特徴10に記載の遊技機であって、
前記振分部により前記第1の側に振り分けられた遊技球を、前記特定の遊技領域に案内する第2経路(左流下通路652、流下規制部623)を備えていることを特徴とする遊技機。
近年において、中央構造体の大型化などにより、遊技領域において遊技球を流下させる領域の大きさや配置が制限される傾向にある。これに対し、特徴11に記載の遊技機であれば、振分部によって第1の側に振り分けられた遊技球も、第2の側に振り分けられた遊技球も、共通する遊技領域(振分部に対して第1の側に形成された特定の遊技領域)に案内することができるので、限りある遊技領域を有効に活用できる。
<特徴12>
特徴10または11に記載の遊技機であって、
前記特定の遊技領域の下流側には、通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典を付与する領域である第1の有利領域(下側中始動入賞装置431)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴12に記載の遊技機であれば、遊技球が振分部によって第2の側に振り分けられたとしても、その遊技球を、振分部に対して第2の側とは異なる側(第1の側)に形成された遊技領域(特定の遊技領域)にて、当該特定の遊技領域の下流側に配置された第1の有利領域を通過させることが可能となる。よって、遊技者は、振分部によって第1の有利領域が設けられている側とは異なる側に振り分けられた遊技球に対し、その遊技球技遊技球が第1の有利領域を通過するかもしれないという期待を抱くことができる。これにより、遊技の興趣をより好適に向上させることができる。
なお、特徴12における「通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典」とは、通過したことに基づき与えられる各種抽選の権利や、賞球などの遊技価値の付与などが例示される。通過したことに基づき与えられる各種抽選の権利は、例えば、下側中始動入賞装置431に通過(進入)したことに基づき与えられる第1特別図柄抽選の権利である。
<特徴13>
特徴12に記載の遊技機であって、
前記振分部は、前記進入部により進入した遊技球が通過可能な領域であって、通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典を付与する領域である第2の有利領域(上側中始動入賞装置632)を備え、
前記第1経路は、遊技球が前記進入部に進入することなく前記振分部により前記第2の側に振り分けられた場合に、当該遊技球を前記特定の遊技領域に案内することを特徴とする遊技機。
特徴13に記載の遊技機であれば、第2の側から進入部への進入を狙うように遊技球を発射した場合に、遊技球が進入部に進入せず第2の有利領域への通過機会が失われた場合であっても、その遊技球が振分部により第2の側に振り分けられることで、第1の有利領域への通過可能性が発生する。これにより、第2の有利領域への進入機会が失われたことによる遊技者の失望感を軽減させることができ、その点においても、遊技の興趣を向上させることができる。
<特徴14>
特徴13に記載の遊技機であって、
前記進入部を通過した遊技球が、前記第2の有利領域を通過することなく、前記第2の有利領域の位置より前記第2の側を通過して、前記第1経路に合流する第3経路(凹部622D,凹部622F)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴14に記載の遊技機であれば、遊技球が進入部に進入したにもかかわらず、第2の有利領域を通過しなかった場合であっても、その遊技球が第3経路を経由して第1経路に合流することができる。これにより、遊技者は、第2の有利領域に遊技球を通過させることができなかったとしても、その遊技球が第1の有利領域を通過するかもしれないことを期待できる。
特に、第3経路は、第2の有利領域の位置より第2の側を通過して第1経路に合流させる経路であるので、遊技者は、遊技球の移動経路に対して意外性を抱きつつ、その意外な経路により移動する遊技球に対し、その遊技球が第1の有利領域を通過するかもしれないという期待を抱くことができる。これにより、遊技の興趣をより好適に向上させることができる。
また、従来の典型的な遊技機では、進入部に進入した遊技球が第2の有利領域のような有利領域を通過しなかった場合、その遊技球はパチンコ機100の外部へ排出されていた。これに対し、特徴14に記載の遊技機であれば、進入部に進入した遊技球が第2の有利領域を通過しなかったとしても、その遊技球は、パチンコ機100の外部へ排出されることなく、再度、第1の有利領域への通過のチャンスが与えられる。よって、進入部に進入した遊技球が第2の有利領域を通過しなかったことによる遊技者の失望感を軽減させることができ、その点においても、遊技の興趣を向上させることができる。
<特徴15>
特徴12から14のいずれかに記載の遊技機であって、
前記振分部は、遊技機正面視において、前記第1の有利領域に対して上下方向において少なくとも一部が重なる位置に設けられ、
前記第1経路は、前記振分部と前記第1の有利領域との間に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴15に記載の遊技機であれば、振分部により第2の側に振り分けられた遊技球が、第1経路を移動して特定の遊技領域に案内された後、第1の有利領域に至るまでの経路を、略S字などの経路とすることができる。よって、遊技者は、振分部により第2の側に振り分けられた遊技球が第1の有利領域に至るまでの移動経路が、単純に流下する経路とは全く異なるものであることから、その移動経路を明確に意識できる。これにより、遊技者は、特定の遊技領域から離れた側を狙って遊技球を発射したとしても、その遊技球が第1の有利領域を通過する可能性があることを明確に把握しながら発射操作を行うことができる。
<特徴16>
特徴13から15のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1の有利領域または前記第2の有利領域の少なくとも一方を遊技球が通過した場合に前記有利な遊技状態を発生させるか否かを抽選する抽選手段と、
前記抽選手段により抽選された結果に応じた識別情報を、遊技機正面視において前記振分部と前記第1の有利領域との間に表示する表示装置を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴16に記載の遊技機であれば、遊技機正面視において振分部と第1の有利領域との間に表示装置が設けられるので、遊技者は、振分部により遊技球が第2の側に振り分けられた場合に、その遊技球の移動経路を追いつつ、当該遊技球が第1の有利領域を通過した場合には、視線を第1の有利領域の位置から上方に上げることで、遊技球が第1の有利領域を通過したことに基づく抽選の結果に応じた識別情報を視認することができる。遊技者は、表示装置の様子を確認した後、さらに視線を上げることで、当該表示装置より上方に位置する振分部にて遊技球が振り分けられる様子を再度視認することができるので、遊技者の視線が散漫に振り回されることを抑制できる。
<特徴20>
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技機であって、
遊技球を受けて、当該遊技球を、受けた位置から、遊技機正面視において前記遊技領域の入口に近い側である第1の側、または、遊技機正面視において前記遊技領域の入口から遠い側である第2の側に移動させて特定の遊技領域(一般入賞装置639を含む左側遊技領域)に案内する流下規制部(流下規制部623)を備え、
前記特定の遊技領域は、通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典を付与する有利領域(一般入賞装置639)を備え、
前記流下規制部は、遊技球を受けた位置に応じて、当該流下規制部から前記特定の遊技領域へ排出される遊技球の加速態様が異なるように構成され、
前記有利領域は、前記流下規制部が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。
かかる従来の遊技機において、遊技領域を流下する遊技球による遊技の興趣を向上させるために、遊技球の移動経路に関する様々な工夫がなされている。例えば、遊技盤の中央に配設された中央構造体の上部に遊技球を左右に振り分ける振り分け部を設けることで、遊技球の移動経路を構造的に変化させる遊技機が存在する(例えば、特開2004−254955号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。すなわち、従来の遊技機では、遊技球の移動経路が多様化されるものの、その移動経路は、単に移動方向を変化させるためのものであるに過ぎず、当該移動経路から排出される際の遊技球の挙動については考慮されていなかった。また、有利領域への遊技球の進入は、有利領域付近に設けられる釘等の流下変化部材の配置により定まり易く、有利領域から離れた位置での遊技球の挙動は有利領域への進入に影響することが少ないため、遊技者が遊技領域の一部における遊技球の挙動にしか、興味を抱き難いという問題点があった。
これに対し、特徴20に記載の遊技機であれば、流下規制部は、遊技球を、受けた位置から、遊技領域の入口に近い側(第1の側)または遊技領域の入口から遠い側(第2の側)に移動させて特定の遊技領域に案内する。かかる流下規制部は、遊技球を受けた位置に応じて、当該流下規制部から特定の遊技領域へ排出される遊技球の加速態様が異なるように構成される。そして、特定の遊技領域には、通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典を付与する有利領域が、流下規制部が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設けられている。これにより、流下規制部が受けた遊技球の位置に応じて、遊技者が有利な特典を受けることができる可能性を変化させ得る。よって、遊技者は、流下規制部にて遊技球を移動させる遊技を楽しむことができるので、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
なお、特徴20における「第1の側」および「第2の側」は、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合(すなわち、遊技領域の入口が左側である場合)、遊技領域における左側が「第1の側」に相当する。かかる場合、遊技領域における右側が「第2の側」に相当する。
<特徴21>
特徴20に記載の遊技機であって、
前記流下規制部は、前記第1の側または前記第2の側の一方から他方に向けて下降傾斜する傾斜部として構成されることを特徴とする遊技機。
特徴21に記載の遊技機であれば、流下規制部は、一方から他方に向けて傾斜する傾斜部として構成されるので、当該流下規制部を自重で転動する遊技球の位置エネルギーは、出口から遠いほど高い。これにより、流下規制部から特定の遊技領域へ排出される遊技球の加速態様が異ならせることができる。
なお、特徴21における「通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典」とは、通過したことに基づき与えられる各種抽選の権利や、賞球などの遊技価値の付与などが例示される。通過したことに基づき与えられる賞球などの遊技価値の付与は、例えば、一般入賞装置639に通過(進入)したことに基づき与えられる賞球である。
<特徴22>
特徴20または21に記載の遊技機であって、
前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な進入部を有し、前記遊技領域を流下する遊技球を、前記第1の側または前記第2の側に振り分ける振分部を備え、
前記流下規制部は、遊技機正面視において前記振分部の下方に設けられ、前記振分部により前記第1の側または前記第2の側に振り分けられた遊技球を受けて、当該遊技球を前記特定の遊技領域に案内することを特徴とする遊技機。
特徴22に記載の遊技機であれば、振分部により振り分けられた遊技球を、流下規制部を経て特定の遊技領域に排出させることができる。
<特徴23>
特徴22に記載の遊技機であって、
前記流下規制部は、前記第2の側から前記第1の側に向けて下降傾斜する傾斜部として構成され、
前記特定の遊技領域は、前記振分部に対して前記第1の側に形成された領域(中央構造体420に対して左側から下流側の下側中始動入賞装置431を含む左側遊技領域)であり、
前記流下規制部は、前記振分部により前記第2の側に振り分けられた遊技球を、前記傾斜部の中央より前記第2の側にて受け、前記振分部により前記第1の側に振り分けられた遊技球を、前記傾斜部の中央より前記第1の側にて受けることを特徴とする遊技機。
特徴23に記載の遊技機であれば、振分部によって遊技領域の入口から遠い側(第2の側)に振り分けられた遊技球であっても、その遊技球を、流下規制部により、振分部に対して入口に近い側(第1の側)に形成された遊技領域(特定の遊技領域)に設けられた有利領域への通過可能性を得ることができる。よって、遊技者が発射操作により狙う位置を多様化することができるので、振分部により遊技球を振り分ける遊技の興趣を好適に向上させることができる。
また、遊技球が振分部により第1の側または第2の側のいずれに振り分けられるかに応じて、流下規制部から特定の遊技領域へ排出される遊技球の加速態様を異ならせることができる。つまり、有利領域が設けられた位置に応じて、遊技球が第1の側に振り分けられた場合と、第2の側に振り分けられた場合とで、遊技者が有利な特典を得られる可能性を変化させることができる。この点においても、振分部により遊技球を振り分ける遊技の興趣を好適に向上させることができる。
なお、特徴23における「特定の遊技領域」は、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合、「特定の遊技領域」は、中央構造体420に対して左側からの遊技領域(すなわち、左側遊技領域)に相当する。
<特徴24>
特徴23に記載の遊技機であって、
前記有利領域は、前記流下規制部が前記振分部により前記第2の側に振り分けられた遊技球を受けた場合に、前記流下規制部が前記振分部により前記第2の側に振り分けられた遊技球を受けた場合に比べて通過可能性が高い位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴24に記載の遊技機であれば、遊技者が、振分部によって第2の側に振り分けられるよう位置を狙って発射操作を行うことで、有利領域への通過可能性を高くすることができるので、所定位置を狙って遊技球を発射することに対する興趣を向上させることができる。
<特徴30>
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技機であって、
裏側を視認可能に構成されるともに、発光することで装飾を施す装飾部(飾り本体612A,613A)と、
前記装飾部の裏側に形成された遊技球通路(左流下通路652,右流下通路653)と、
前記遊技球通路内に、当該遊技球通路の連続方向に沿って延びる少なくとも1の通路表示部(突起部612D,613D)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。
かかる従来の遊技機において、遊技領域を流下する遊技球による遊技の興趣を向上させるために、遊技球の移動経路に関する様々な工夫がなされている。例えば、遊技盤の中央に配設された中央構造体の外側から内側へ遊技球を誘導するワープ経路を設け、当該ワープ経路を用いて、始動装置へ誘導可能なステージに遊技球を案内する遊技機が存在する(例えば、特開2004−254955号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。すなわち、従来の遊技機では、ワープ経路は中央構造体の内部または背面側に設けられているため、遊技機正面から視認することが難しかった。そのため、遊技球がワープ経路に進入した場合、遊技者は、その遊技球を見失い、その行方を確認することができなくなる。よって、遊技者は、遊技球がワープ経路から出てこないかも知れないという不信感や、確認できないことに対する苛立ちなどを感じることで、たとえ一時期であっても遊技を楽しめなくなる虞があった。
そのような課題に対し、中央構造体を透明にしてワープ通路を視認可能にすることが考えられる。しかしながら、近年では、その内部に設けた発光体を発光させることで中央構造体を装飾させる遊技機が主流となっている。そのため、中央構造体を透明に構成したとしても、遊技者は、中央構造体を装飾する光によってワープ経路の位置を見失い易く、それに伴い、ワープ経路を通過する遊技球も見失い易くなるため、上述の課題は解決されないままである。
これに対し、遊技機30に記載の遊技機であれば、装飾部の裏側に形成された遊技球通路内に、当該遊技球通路の連続方向に沿って延びる通路表示部が設けられているので、装飾部が発光することで装飾を施すものであっても、遊技者は、遊技球通路を遊技の開始前に把握し易い。よって、遊技球通路に進入した遊技球に対する不信感などを遊技者に感じさせることを抑制できるので、遊技者は、遊技球通路に遊技球を進入させることで開始される遊技を楽しむことができる。これにより、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
<特徴31>
特徴30に記載の遊技機であって、
前記通路表示部は、前記遊技球通路の連続方向に対して交差する方向に複数並ぶことを特徴とする遊技機。
特徴31に記載の遊技機であれば、通路表示部は、遊技球通路の連続方向に対して交差する方向に複数並べて設けられているので、遊技者は、これら複数の通路表示部によって遊技球通路をより把握し易い。
<特徴32>
特徴30または31に記載の遊技機であって、
前記装飾部は、当該装飾部の表側に形成された装飾起伏面と、当該装飾部の裏側に形成された、前記遊技球通路の連続方向に沿って延びる筋状の突起部(突起部612D,613D)とを備え、
前記通路表示部は、前記筋状の突起部から構成されることを特徴とする遊技機。
特徴32に記載の遊技機であれば、装飾部の表側に形成された装飾起伏面によって高度な装飾性を提供しつつ、その裏側に形成された突起部によって、遊技球通路の視認性を良好に確保することができる。つまり、装飾性と遊技球通路の良好な視認性とを両立させることができる。
<特徴33>
特徴32に記載の遊技機であって、
前記遊技球通路は、前記装飾部の裏面と、当該裏面に対向する通路面とを含んで構成されるとともに、遊技機正面視において上下方向に連なる通路であり、
前記通路面は、前記筋状の突起部が形成された位置に、当該突起部に対応する凹部が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴33に記載の遊技機であれば、突起部と凹部との間に形成される経路によって、遊技球通路の通過経路を、垂直落下でなく、凹部に沿って蛇行する経路として構成できる。かかる蛇行部分において、遊技球通路を通過する遊技球の速度を減速させることができる。
<特徴34>
前記特徴33に記載の遊技機であって、
前記筋状の突起部は、前記装飾部における設置面からの高さが、当該突起部の端部から内側に向けて徐々に高くなるよう形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴34に記載の遊技機であれば、遊技球通路において突起部と凹部とにより形成される蛇行部分を緩やかにすることができるので、遊技球通路を蛇行させたことによって当該通路に遊技球が詰まることを抑制できる。
<特徴35>
特徴33または34に記載の遊技機であって、
前記突起部により区画された、前記遊技球通路の連続方向に延びる各区画の当該連続方向に対して交差する方向の長さは、遊技球の幅より狭いことを特徴とする遊技機。
特徴35に記載の遊技機であれば、突起部により区画された、遊技球通路の連続方向に延びる各区画の当該連続方向に対して交差する方向の長さが、遊技球の幅より狭いので、遊技球を、遊技球通路の連続方向に延びる各区画に沿って通過させることができる。これにより、遊技球通路を通過する遊技球は整流されるので、当該通路に遊技球が詰まることを抑制できる。
<特徴36>
特徴30から35のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な進入部(通過口621)を有し、前記遊技領域を流下する遊技球を、遊技機正面視において前記遊技領域の入口に近い側である第1の側、または、前記遊技領域の入口から遠い側である第2の側に振り分ける振分部(屋根611B)を備え、
前記遊技球通路は、前記振分部により振り分けられた遊技球の通路であることを特徴とする遊技機。
特徴36に記載の遊技機であれば、振分部により振り分けられた遊技球を遊技球通路に進入させることができる。遊技者は、振分部により振り分けられた後の遊技球の行方を、通路表示部を用いて把握することができる。
なお、特徴36における「第1の側」および「第2の側」は、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合(すなわち、遊技領域の入口が左側である場合)、遊技領域における左側が「第1の側」に相当する。かかる場合、遊技領域における右側が「第2の側」に相当する。
<特徴37>
特徴36に記載の遊技機であって、
前記振分部により前記第2の側に振り分けられた遊技球を通過させる前記遊技球通路の下流側に設けられ、遊技球を、遊技機正面視において前記第2の側から前記第1の側に向けて移動させることで、前記振分部に対して前記第1の側に形成された特定の遊技領域(中央構造体420に対して左側から下流側の下側中始動入賞装置431を含む左側遊技領域)に案内する流下規制部(流下規制部623)を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機37に記載の遊技機であれば、振分部によって遊技領域の入口から遠い側(第2の側)に振り分けられた遊技球は、遊技球通路および流下規制部を経て、遊技領域の入口から近い側(第1の側)に形成された特定の遊技領域に案内される。かかる場合、遊技球は、振分部により振り分けられた後、特定の遊技領域に進入するまでに、比較的長い経路を通過することになるが、通路表示部の存在によって、遊技者は、上述のように、遊技球通路を遊技の開始前(すなわち、遊技球が特定の遊技領域に進入する前)に把握し易い。これにより、遊技球通路を含む、特定の遊技領域に到達するまでの比較的長い経路に進入した遊技球に対する不信感などを遊技者に感じさせることを好適に抑制できる。
なお、特徴37における「特定の遊技領域」は、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合、「特定の遊技領域」は、中央構造体420に対して左側からの遊技領域(すなわち、左側遊技領域)に相当する。
<特徴38>
特徴37に記載の遊技機であって、
前記流下規制部は、前記第2の側から前記第1の側に向けて下降傾斜する傾斜部として構成され、前記遊技球通路を通過した遊技球を受けて、当該遊技球を、受けた位置から、前記第1の側に移動させて前記特定の遊技領域に案内するものあり、
前記特定の遊技領域は、通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典を付与する有利領域(下側中始動入賞装置431)を備え、
前記流下規制部は、遊技球を受けた位置に応じて、当該流下規制部から排出される遊技球の加速態様が異なるように構成され、
前記有利領域は、前記流下規制部が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴38に記載の遊技機であれば、流下規制部は、遊技球通路を通過した遊技球を受けて、当該遊技球を、受けた位置から、遊技領域の入口に近い側(第1の側)に移動させて特定の遊技領域に案内する。かかる流下規制部は、遊技球を受けた位置に応じて、当該流下規制部から特定の遊技領域へ排出される遊技球の加速態様が異なるように構成される。そして、特定の遊技領域には、通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典を付与する有利領域が、流下規制部が受けた遊技球の位置に応じて通過可能性が異なる位置に設けられている。このように、遊技球通路を通過した遊技球は、当該遊技球を受けた流下規制部の位置に応じて、遊技者が有利な特典を受けることができる可能性が変化するので、遊技者は、遊技球通路を通過した遊技球を流下規制部にて移動させる遊技を楽しむことができ、それにより、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
なお、特徴38における「通過した場合には通過しない場合に比べて有利な特典」とは、通過したことに基づき与えられる各種抽選の権利や、賞球などの遊技価値の付与などが例示される。通過したことに基づき与えられる賞球などの遊技価値の付与は、例えば、一般入賞装置639に通過(進入)したことに基づき与えられる賞球である。
<特徴40>
通過することで遊技における所定の特典が付与される第1領域(下側中始動入賞装置431)が下流側に位置する箇所を少なくとも含む複数の排出箇所(凹部625A〜625C)へ遊技球を振り分け可能な第1振分部(ステージ625)と、
通過することで遊技における所定の特典が付与される、前記第1領域とは異なる第2領域(上側中始動入賞装置632)が下流側に位置する箇所を少なくとも含む複数の排出箇所(凹部622D〜622F)へ遊技球を振り分け可能であって、前記第1振分部とは異なる位置に設けられた第2振分部(ステージ622C)と、を備え、
前記第1振分部および前記第2振分部は、遊技球の転動挙動に関して類似する形状に構成された転動面を有することを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。
かかる従来の遊技機には、2つの始動口を設けることで遊技の興趣向上を図ったものがある。そのような遊技機の中には、ステージによる振り分けを利用して、2つの始動口のうち、一方の始動口に対する入球確率を変化させることでさらなる興趣の向上を図っている遊技機も存在する(例えば、特開2015−173875号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。すなわち、従来の遊技機では、ステージによる振り分けによって、2つの始動口のうち、一方の始動口に対する入球確率を変化させることができるものの、当該振り分けは、他方の始動口に対する入球確率に寄与するものではない。そのため、遊技者は、特定の始動口以外の始動口について、ステージによる振り分けの遊技性を享受することができない。
これに対し、特徴40に記載の遊技機であれば、通過することで遊技における所定の特典が付与される領域の1つである第1領域に向けて遊技球を振り分けることが可能な第1振分部が設けられているとともに、通過することで遊技における所定の特典が付与されるもう1つの領域である第2領域に向けて遊技球を振り分けることが可能な第2振分部とを備えている。よって、遊技者は、第1領域および第2領域の両方について、それぞれ、第1振分部または第2振分部による振り分けの遊技性を享受することができる。これにより、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
また、第1振分部および第2振分部は、遊技球の転動挙動に関して類似する形状に構成された転動面を有しているので、当該転動面上での遊技球の転動挙動が両振分部において類似したものとなる。よって、遊技者は、第1振分部および第2振分部による遊技球の振り分けを見た目上で同様に楽しむことができる。
なお、特徴40における「遊技における所定の特典」とは、通過したことに基づき与えられる各種抽選の権利や、賞球などの遊技価値の付与などが例示される。通過したことに基づき与えられる賞球などの遊技価値の付与は、例えば、一般入賞装置639に通過(進入)したことに基づき与えられる賞球である。
<特徴41>
特徴40に記載の遊技機であって、
変動表示されて抽選結果を表示する図柄を表示可能な画面を有する第1表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
前記第1表示手段の側方側から前記第1振分部へ向かう第1経路(左ワープ通路628)と、を備え、
前記第1振分部および前記第2振分部の各転動面は、凹面と凸面との組み合わせからなる遊技機正面視における左右方向に略対称に形成された面を含み、
前記第1振分部は、前記第1表示手段に対し遊技機正面視において下方に設けられ、
前記第2振分部は、前記第1表示手段に対し遊技機正面視において上方に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴41に記載の遊技機であれば、第1振分部および第2振分部は、凹面と凸面との組み合わせからなる遊技機正面視における左右方向に略対称に形成された面を含む転動面を有するので、これらの振分部の形状は遊技機正面視における左右方向に延びたものとなる。典型的な遊技機において、第1表示手段は、遊技機正面視における左右方向の長さが、上下方向の長さに比べて長く構成されるとともに、遊技領域の中央付近に設けられるので、左右方向に延びる形状の第1振分部および第2振分部を、第1表示手段を介して上下に設けることで、第1表示手段の左右方向に遊技球を流下させるための遊技領域を好適な大きさで確保することができる。
このとき、第1表示手段の側方側から第1振分部へ向かう第1経路が設けられているので、第1表示手段に対する左右方向に設けられた遊技領域を流下する遊技球を、第1経路を介して、第1表示手段の下方に設けられた第1振分部に案内することができる。よって、第1表示手段の周囲の遊技領域を有効活用できる。
<特徴42>
特徴41に記載の遊技機であって、
前記第2振分部における前記複数の排出箇所のいずれかから排出された遊技球が前記第2領域を通過しなかった場合、当該遊技球を前記第1振分部に案内可能な第2経路(流下規制部623、左側遊技領域)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴42に記載の遊技機であれば、第2振分部における複数の排出箇所のいずれかから排出された遊技球が第2領域を通過しなかった場合であっても、その遊技球を第1振分部に案内可能な第2経路を有しているので、所定の特典を得るための再度のチャンスが遊技者に与えられる。よって、第2振分部による振り分けの結果として所定の特典を得ることができなかったとしても、それによる遊技者の失望感が軽減され、それにより、遊技の興趣が向上される。
また、第2振分部により振り分けられた遊技球が第2経路を通って第1振分部に案内された場合、遊技者は、第1振分部において先の第2振分部と同様の転動挙動で遊技球が振り分けられる様子を目にすることになる。よって、この点においても、所定の特典を得る再度のチャンスが得られたと遊技者に感じさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、特徴42おける「第2経路」は、「第1経路」を含むものであってもよく、「第1経路」を含まないものであってもよい。
<特徴43>
特徴42に記載の遊技機であって、
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が進入可能な進入部を有し、前記遊技領域を流下する遊技球を、遊技機正面視において前記遊技領域の入口に近い側である第1の側、または、遊技機正面視において前記遊技領域の入口から遠い側である第2の側に振り分ける第3振分部(屋根611B)と、
前記第3振分部により前記第2の側に振り分けられた遊技球を、前記振分部に対して前記第1の側に形成された特定の遊技領域に案内する第3経路(流下規制部623)と、を備え、
前記第2振分部は、前記進入部から進入した遊技球を振り分けるものであり、
前記第2振分部における前記複数の排出箇所のいずれかから排出された遊技球が前記第2領域を通過しなかった場合、当該遊技球は前記第3経路に合流し、
前記第2経路は、前記合流後に通過する前記第3経路を含むことを特徴とする遊技機。
特徴43に記載の遊技機であれば、遊技球が進入部に進入したにもかかわらず、その遊技球が第2振分部による振り分けの結果として第2領域を通過しなかった場合であっても、第3経路に合流することで、所定の特典を得るための再度のチャンスが遊技者に与えられる。これにより、第2振分部による振り分けの結果として所定の特典を得ることができなかったとしても、それによる遊技者の失望感を軽減させることができる。
また、従来の遊技機には、遊技盤の中央に配設された中央構造体の上部に遊技球を左右に振り分ける振り分け部を設けることで、遊技球の移動経路を構造的に変化させるものが存在する(例えば、特開2004−254955号公報参照)。しかしながら、従来の遊技機においては、遊技球の移動経路が多様化されるものの、右に振り分けられた遊技球はそのまま右側を流下するなど、振分部による振り分けられた遊技球の挙動が下流側への遊技球の流下位置にも影響する。このため、遊技者が狙う遊技球の流下開始位置が画一的になって、遊技に関する特典が付与され易い一方側を多数の遊技球が流下するように遊技者の発射操作が限定され易く、意外性に欠けていた。
これに対し、特徴43に記載の遊技機であれば、第3経路を設けたことで、第3振分部により構造的に振り分けられた遊技球を、遊技の興趣向上に好適な移動経路で移動させることができる。すなわち、第3振分部によって遊技領域の入口から遠い側(第2の側)に振り分けられた遊技球を、遊技領域の入口から近い側(第1の側)に移動させることができるので、遊技者が発射操作により狙う位置が多様化され、意外性を持たせることができる。また、第2の側に遊技球が多く流下するように発射操作をしても第1の側に遊技球を戻すことができるので、遊技者には、第1の側から進入部への進入を狙うだけでなく、第2の側から進入部への進入を狙って多くの遊技球を流下させても特定の遊技領域における遊技の特典を付与することができる。よって、その点においても、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
なお、特徴43における「第1の側」および「第2の側」は、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合(すなわち、遊技領域の入口が左側である場合)、遊技領域における左側が「第1の側」に相当する。かかる場合、遊技領域における右側が「第2の側」に相当する。
同様に、特徴43における「特定の遊技領域」もまた、遊技機において遊技領域の入口が設けられた側に応じて変化する。例えば、上述した実施形態のように、発射通路401Bの出口が遊技領域の左側に位置する場合、「特定の遊技領域」は、中央構造体420に対して左側からの遊技領域(すなわち、左側遊技領域)に相当する。
<特徴45>
特徴40から44のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1振分部および前記第2振分部は、凹面と凸面との組み合わせからなる面を前記転動面として含み、
前記第1振分部における前記複数の排出箇所と前記第2振分部における前記複数の排出箇所は、それぞれ前記転動面において互いに対応する位置に設けられており、
前記第1振分部における前記複数の排出箇所のうち少なくとも一箇所の排出箇所は、前記第2振分部における対応する排出箇所と排出方向が異なることを特徴とする遊技機。
特徴45に記載の遊技機であれば、第1振分部と第2振分部とで、転動面上での遊技球の転動挙動が類似しつつも、少なくとも一箇所の対応する排出箇所において排出方向が異なるので、排出方向の違いによって各振分部の違いを遊技者に直感的に区別させることができる。これにより、第1振分部と第2振分部とで遊技球の転動挙動が似ていることで感じるかもしれない遊技の単調さを回避できる。
<特徴46>
特徴40から45のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1振分部および前記第2振分部は、2つの凹面とそれらの凹面の間に位置する凸面とを前記転動面として含み、
前記第1領域は、前記第2振分部における前記複数の排出箇所のうち、1または複数の特定の排出箇所から排出された遊技球が通過可能な位置に固定的に設けられた領域であり、
前記第2領域は、前記第2振分部における前記複数の排出箇所のうち、1または複数の特定の排出箇所からそれぞれ排出された遊技球が通過可能な範囲内を移動可能に設けられた領域であることを特徴とする遊技機。
特徴46に記載の遊技機であれば、第2領域が、第2振分部における複数の排出箇所のうち特定の排出箇所からそれぞれ排出された遊技球が通過可能な範囲内を移動可能に設けられた領域であるので、特定の排出箇所から排出された遊技球が第2領域を通過する確率は、その領域が特定の排出箇所から排出された遊技球が通過可能な位置に固定的に設けられた場合に比べて低くなる。よって、遊技球が第1振分部に進入した場合と第2振分部に進入した場合とで、第1領域または第2領域を通過することに対する期待感を異ならせることができる。これにより、第1振分部と第2振分部とで遊技球の転動挙動が似ていることで感じるかもしれない遊技の単調さを回避できる。
<特徴47>
特徴40から46のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技球が前記第2領域を通過することで付与される特典と、遊技球が前記第1領域を通過することで付与される特典とは、それらの各特典から期待可能な価値が異なることを特徴とする遊技機。
特徴47に記載の遊技機であれば、遊技球が第1領域を通過する場合と、遊技球が第2領域を通過する場合とで、価値に対する期待感を異ならせることができるので、第1振分部と第2振分部とで遊技球の転動挙動が似ていることで感じるかもしれない遊技の単調さを回避できる。
<特徴50>
変動表示されて抽選結果を表示する図柄を表示可能な画面を有する第1表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
所定の作動条件が成立した場合に、前記画面に表示される図柄を前記作動条件に応じた所定方向に移動させる図柄移動手段(副制御基板940)と、
通過することで遊技における所定の特典が付与される第1領域(下側中始動入賞装置431)と、
通過することで遊技における所定の特典が付与される、前記第1領域とは異なる領域であって前記第1領域に比べて通過可能性が低く構成された領域である第2領域(上側中始動入賞装置632)と、を備え、
前記作動条件は、前記第2領域への遊技球の通過可能性が発生したことに基づき成立し、
前記作動条件に応じた所定方向は、前記第2領域の側を示す方向であることを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。かかる従来の遊技機には、2つの始動口を設けることで遊技の興趣向上を図ったものがある(例えば、特開2015−173875号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。すなわち、従来の典型的な遊技機では、2つの始動口は互いに近傍する位置に上下に設けられているため、始動口に入球することを願いながら遊技球の流下挙動を追う遊技者の視線は比較的狭い範囲に限られてしまい、遊技者が遊技に対して単調さを感じる虞があった。かかる問題に対し、2つの始動口を互いに離れた位置に設けることも考えられるが、注目すべき箇所が離れたことで、遊技者の意識は一方の始動口に偏り易くなるため、遊技者が他方の始動口への入球を見逃す可能性がある。始動口への入球は抽選の契機となる事象であり、遊技者に興趣を与える事象の1つである。よって、遊技者は、始動口への入球を見逃すことで、興趣を得る機会を1つ失うことになる。
これに対し、特徴50に記載の遊技機であれば、第2領域への遊技球の通過可能性が発生したことで所定の作動条件が成立した場合に、第1表示手段の画面に表示される図柄が、当該作動条件に応じた所定方向に移動される。よって、遊技者は、図柄の移動とその移動方向とから、所定の作動条件、すなわち、第2領域への遊技球の通過可能性が発生したことを認知できる。これにより、遊技者は、第2領域における遊技球の通過を見逃し難く、第2領域を遊技球が通過することによる興趣を好適に得ることができる。
特に、変動表示されて抽選結果を表示する図柄は、遊技者が最も意識を傾け易い箇所の1つであるので、遊技者は当該図柄の移動を高確率で捕らえることができる。よって、かかる図柄を移動させることで、第2領域への遊技球の通過可能性が発生したことを好適に遊技者に認知させることができる。また、第2領域への遊技球の通過可能性が発生したことによる図柄の移動方向は、第2領域の側を示す方向であるので、遊技者は、図柄の移動に合わせて視線を動かすことで、自身の視線を第2領域に自然に向けることができる。よって、遊技者は、第2領域における遊技球の通過を好適な確率で目撃することができる。
ここで、第2領域は、第1領域に比べて通過可能性が低いため、通過することに対する遊技者の期待が第1領域に比べて高い領域である。また、第1領域に比べて通過可能性が低い第2領域は、第1領域に比べて遊技者が目を離し易い領域である。これに対し、特徴50に記載の遊技機であれば、第2領域における遊技球の通過を好適な確率で遊技者に目撃させることができるので、より好適な興趣を遊技者に提供できる。
なお、特徴50における「遊技における所定の特典」とは、通過したことに基づき与えられる各種抽選の権利や、賞球などの遊技価値の付与などが例示される。通過したことに基づき与えられる賞球などの遊技価値の付与は、例えば、一般入賞装置639に通過(進入)したことに基づき与えられる賞球である。
<特徴51>
遊技機50に記載の遊技機であって、
前記第1領域は、前記第1表示手段に対し遊技機正面視において下方に設けられ、
前記第2領域は、前記第1表示手段に対し遊技機正面視において上方に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴51に記載の遊技機であれば、第1領域と第2領域との間に第1表示手段が介在されるので、通過可能性が低い第2領域に対する遊技者の意識は薄れ易く、第2領域における遊技球の通過もより見逃し易くなる。しかし、そのような第2領域であっても、遊技球の通過可能性の発生が、遊技者が最も意識を傾け易い図柄が第2領域の側を示す方向に移動することで示唆されるので、遊技者は、第2領域における遊技球の通過を好適な確率で目撃することができる。
<特徴52>
特徴50または51に記載の遊技機であって、
遊技球が前記第1領域を通過した場合、前記所定の特典として所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)を備え、
前記図柄は、前記抽選手段による抽選結果を表示するためのものであることを特徴とする遊技機。
特徴52に記載の遊技機であれば、遊技球が第1領域を通過したことで行われた抽選結果を表示するための図柄を用いて、第2領域への遊技球の通過可能性の発生が示唆される。よって、第2領域への遊技球の通過に対する期待感を、当該第2領域と何ら関連しない第1領域を遊技球が通過したことで行われた抽選結果に対する期待感と同時に遊技者に与えることができる。
<特徴53>
特徴50から52のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技球が前記第2領域を通過することで付与される特典により期待可能な価値は、遊技球が前記第1領域を通過することで付与される特典により期待可能な価値に比べて高いことを特徴とする遊技機。
特徴53に記載の遊技機であれば、第1領域に比べて高い価値を期待できる第2領域への遊技球の通過が遊技者に目撃され易くなったことにより、遊技者に好適な興趣を提供できる。
<特徴54>
特徴50から53のいずれかに記載の遊技機であって、
前記作動条件が成立した場合に、前記画面に表示される図柄を縮小する図柄縮小手段(副制御基板940)を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機54であれば、第2領域への遊技球の通過可能性が発生したことで所定の作動条件が成立した場合には図柄が縮小されるので、図柄が移動した後に、画面における図柄の非表示領域がある程度の大きさで形成される。よって、かかる非表示領域を利用して、図柄の移動の他の方法(例えば、可動体を非表示領域上にて動作させたり、図柄とは異なるキャラクタを表示させる、など)で、第2領域への遊技球の通過可能性が発生したことを遊技者に示唆することが可能となる。
<特徴55>
特徴50から54のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1表示手段の画面に重なる位置を少なくとも含む範囲で所定方向に移動可能な可動体(可動体710)と、
前記作動条件が成立した場合に、前記可動体を前記第1表示手段の画面に重なる位置にて前記作動条件に応じた所定方向に移動させる可動体移動手段(副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴55に記載の遊技機であれば、第2領域への遊技球の通過可能性が発生したことで所定の作動条件が成立した場合には、可動体を作動条件に応じた所定方向(すなわち、第2領域の側を示す方向)に移動させるので、遊技者は、可動体の移動とその移動方向とから、第2領域の位置、および、当該第2領域への遊技球の通過可能性の発生を認知できる。特に、可動体は第1表示手段の画面に重なる位置にて移動されるので、遊技者は、図柄の移動を視認しつつ、同時に可動体の移動を視認できるので、第2領域への遊技球の通過可能性が発生したことをより好適に認知することができる。
<特徴56>
特徴50から55のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第2領域が下流側に位置する箇所を少なくとも含む複数の排出箇所へ遊技球を振り分ける第2振分部(ステージ622C)と、
前記第2振分部に進入する遊技球を検出する検出手段(接触センサ662)と、を備え、
前記検出手段により前記第2振分部に進入する遊技球が検出された場合に、前記第2領域への遊技球の通過可能性が発生することを特徴とする遊技機。
特徴56に記載の遊技機であれば、検出手段により第2振分部に進入する遊技球が検出された場合に、第2領域への遊技球の通過可能性が発生したとして可動体を移動させるので、第2振分部による遊技球の振り分けを遊技者に注目させることができる。これにより、第2振分部により遊技球を振り分ける遊技を遊技者に楽しませることができる。
<特徴57>
特徴50から56のいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1表示手段の画面は、キャラクタを表示可能であり、
前記作動条件が成立した場合に、当該作動条件に応じた所定方向を示唆するキャラクタを表示するキャラクタ表示手段(副制御基板940)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴57に記載の遊技機であれば、第2領域への遊技球の通過可能性が発生したことで所定の作動条件が成立した場合には、作動条件に応じた所定方向(すなわち、第2領域の側を示す方向)を示唆するキャラクタが表示されるので、遊技者は、表示されたキャラクタに基づき、第2領域の位置、および、当該第2領域への遊技球の通過可能性の発生を認知できる。
<特徴60>
第2所定条件(所定条件)が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
所定方向に移動可能な可動体(可動体710)と、
前記可動体における遊技機正面側に配設され、前記第2所定条件の成立に応じて所定態様で発光することで変動表示と前記抽選手段による抽選結果とを表示可能な発光部を有する第2表示手段(装飾図柄表示装置779)と、
前記可動体は、所定の初期位置に位置し、前記第2所定条件の成立可能性が発生した場合には、前記初期位置から前記所定方向における一方側に移動し、前記第2所定条件の成立に応じて前記第2表示手段により変動表示を実行する場合に、前記初期位置から前記所定方向における一方側に離れた変動表示位置に位置することを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている(例えば、特開2015−173875号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。すなわち、従来の典型的な遊技機では、遊技者の意識は、変動表示や抽選結果の表示を行う表示装置に向き易い傾向にあるため、遊技者が始動口への入球を見逃すことがあった。始動口への入球は抽選の契機となる事象であり、遊技者に興趣を与える事象の1つである。よって、遊技者は、始動口への入球を見逃すことで、興趣を得る機会を1つ失うことになる。
これに対し、特徴60に記載の遊技機であれば、抽選手段による抽選の契機となる第2所定条件の成立可能性が発生した場合には、可動体を所定方向に移動させるので、遊技者は、可動体の移動方向(つまり、所定方向)から、第2所定条件の成立可能性の発生を認知できる。これにより、遊技者は、抽選手段による抽選の契機となる第2所定条件の成立を見逃し難く、第2所定条件の成立によって抽選が行われる遊技の興趣を好適に得ることができる。特に、第2所定条件の成立可能性が発生した場合における可動体の移動方向は、可動体が初期位置から変動表示位置へ向かう方向であるので、遊技者は、可動体の移動が第2所定条件の成立に関連するものであることを直感的に認識できる。
また、第2表示手段が配設された可動体が、第2所定条件の成立可能性が発生したことを示唆する部品として流用されるので、第2所定条件の成立可能性が発生したことを示唆するための専用の部品を設ける必要がなく、製造コストの増大を抑制できる。
なお、特徴60において、「第2所定条件」および「第2表示手段」は、それぞれ「所定条件」および「表示手段」としてもよい。
<特徴61>
特徴60に記載の遊技機において、
前記可動体は、前記第2所定条件の成立可能性が発生した場合、前記変動表示位置より前記初期位置に近い中間位置に位置することを特徴とする遊技機。
特徴61に記載の遊技機であれば、第2所定条件の成立可能性が発生した場合には、可動体が初期位置と変動表示位置との間の中間位置に位置するので、可動体の位置に応じて、可動体の移動が、第2所定条件の成立可能性が発生したことで行われたか、第2表示手段による変動表示を行うために行われたかを、遊技者に区別させることができる。これにより、遊技者は、第2所定条件の成立可能性が発生したことを好適に認知できる。
<特徴62>
特徴60または61に記載の遊技機であって、
遊技球が通過することで前記第2所定条件が成立する第2領域(上側中始動入賞装置632)を備え、
前記第2領域は、前記可動体に対し前記所定方向における一方側に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴62に記載の遊技機であれば、可動体の移動方向は、第2所定条件の成立に関わる領域(第2領域)の側であるので、第2所定条件の成立可能性が発生した場合には、遊技者の視線を可動体の動きに合わせて第2領域に自然に向けさせることができる。これにより、遊技者は、第2所定条件の成立である第2領域における遊技球の通過を好適な確率で目撃することができる。
<特徴63>
特徴60から62のいずれかに記載の遊技機であって、
前記抽選手段は、第1所定条件が成立した場合に所定の抽選を行い、
前記第1所定条件の成立に基づき行われた前記抽選手段による抽選結果を表示する図柄を表示可能な画面を有する第1表示手段(装飾図柄表示装置479)を備え、
前記可動体は、遊技機正面視において上下方向に移動可能に構成され、少なくとも、前記第2所定条件の成立可能性が発生した場合において、前記画面に重なることを特徴とする遊技機。
特徴63に記載の遊技機であれば、可動体は、少なくとも、第2所定条件の成立可能性が発生した場合において、第1表示手段の画面に重なる位置にて移動する。第1表示手段の画面は、第1所定条件の成立に基づく抽選結果を表示する図柄が表示される部位であり、遊技者が最も意識を傾け易い部位の1つである。よって、遊技者は、第1表示手段の画面に重なる位置にて移動する可動体を認識し易く、それにより、第2所定条件の成立可能性が発生したことを好適に認知できる。
<特徴64>
特徴60から63のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技球が通過することで前記第2所定条件が成立する第2領域(上側中始動入賞装置632)と、
前記第2領域が下流側に位置する箇所を少なくとも含む複数の排出箇所へ遊技球を振り分ける第2振分部(ステージ622C)と、
前記第2振分部に進入する遊技球を検出する検出手段(接触センサ662)と、を備え、
前記検出手段により前記第2振分部に進入する遊技球が検出された場合に、前記第2領域への遊技球の通過可能性が発生することを特徴とする遊技機。
特徴64に記載の遊技機であれば、検出手段により第2振分部に進入する遊技球が検出された場合に、第2所定条件の成立可能性が発生したとして可動体を移動させるので、第2振分部による遊技球の振り分けを遊技者に注目させることができる。これにより、第2振分部により遊技球を振り分ける遊技を遊技者に楽しませることができる。
<特徴65>
特徴60から64のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技球が通過することで第1所定条件が成立する第1領域(下側中始動入賞装置431)と、
前記可動体の可動範囲内に設けられた、前記第1領域が下流側に位置する箇所を少なくとも含む複数の排出箇所へ遊技球を振り分け可能な第1振分部(ステージ625)と、を備え、
前記可動体は、前記第1振分部により遊技球が振り分けられる場合に、前記初期位置と前記変動表示位置との間の位置であり、かつ、前記第2表示手段が前記第1振分部における遊技球の転動面を照らすことが可能な位置である照射位置に位置し、
前記第2表示手段は、前記発光部の少なくとも一部が、前記第1振分部の前記転動面に沿った形状に配設され、
前記第2表示手段は、前記可動体が前記照射位置に位置する場合に、前記第2所定条件の成立とは無関係に発光することを特徴とする遊技機。
特徴65に記載の遊技機であれば、第1振分部により遊技球が振り分けられる場合には、照射位置に位置する可動体の第2表示手段が、第2所定条件の成立とは無関係に発光する。照射位置は、初期位置と変動表示位置との間の位置であり、かつ、第2表示手段が第1振分部における遊技球の転動面を照らすことが可能な位置である。よって、第1振分部による振り分け対象の遊技球は、第2表示手段によって照らされた転動面上を転動する。特に、第2表示手段は、発光部の少なくとも一部が、第1振分部の前記転動面に沿った形状に配設されているので、第1振分部の転動面を効率よく照らすことができる。
ここで、第1振分部による遊技球の振り分けは第1所定条件の成立に関わるので、遊技者は、第1所定条件の成立を期待しながら第1振分部による遊技球の振り分けに注目するので、第2表示手段により照らされた転動面上を遊技球が転動することで、転動面を照らす光が第1所定条件の成立を遊技者に期待させる演出として機能する。これにより、遊技者の期待感が煽られ、第1振分部により遊技球を振り分ける遊技の興趣を好適に向上できる。
なお、特徴65に記載の遊技機において、第2表示手段は、可動体が照射位置に位置する場合に、第2所定条件の成立に応じて発光される所定態様とは異なる態様にて発光することが好ましく、これにより、遊技者には、第2所定条件が成立したと勘違いさせる事象を回避することができる。
<特徴70>
第2所定条件が成立した場合に、成立した条件に応じた所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
所定方向に移動可能な可動体(可動体710)と、
前記可動体における遊技機正面側に配設され、前記第2所定条件の成立に応じて所定態様で発光することで変動表示と前記抽選手段による抽選結果とを表示可能な発光部を有する第2表示手段(装飾図柄表示装置779)と、を備え、
前記可動体は、所定の初期位置に位置し、前記第2所定条件の成立に応じて前記第2表示手段により変動表示を実行する場合には、前記初期位置とは異なる変動表示位置に位置し、
前記第2表示手段は、前記抽選手段による抽選結果が所定の結果(大当り)であることを報知するための結果表示部(文字779B)を備え、
前記可動体が前記変動表示位置とは異なる位置に位置する場合に、前記結果表示部が示す所定の結果に対応する内容を、当該結果に対応する内容とは異なる内容として視認させる表示変化手段(進入口626、排出口627)を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている(例えば、特開2015−173875号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。すなわち、従来の遊技機では、変動表示や抽選結果は表示装置の画面に表示させることが一般的であり、その点において、遊技者に与えることのできる興趣性には限界があった。
これに対し、特徴70に記載の遊技機であれば、所定方向に移動可能な可動体に設けた第2表示手段を用いて、第2所定条件に成立に基づく変動表示と抽選結果とを表示するので、従来の一般的な遊技機に比べて高い興趣を遊技者に与えることができる。また、特徴70に記載の遊技機であれば、可動体が変動表示位置とは異なる位置に位置する場合には、第2表示手段の結果表示部が示す所定の結果に対応する内容が、当該結果に対応する内容とは異なる内容として視認される。よって、第2表示手段が第2所定条件に成立に基づく抽選結果を表示する状況にないにもかかわらず、遊技者が所定の結果が得られたと誤認することを抑制できる。これにより、遊技者が抽選結果を誤認したことによって無意味に落胆することを抑制できるので、そのような誤認によって遊技の興趣が低下することを抑制できる。
なお、特徴70において、「第2所定条件」および「第2表示手段」は、それぞれ「所定条件」および「表示手段」としてもよい。
<特徴71>
特徴70に記載の遊技機であって、
前記結果表示部は、表面に固定的に設けられた前記所定の結果に対応する情報を含み、
前記表示変化手段は、前記第2表示手段に対して遊技機正面側に位置する所定形状の窓部(進入口626、排出口627)として構成され、前記可動体が前記初期位置から前記変動表示位置までの範囲における所定位置に位置する場合に、前記窓部を介して前記結果表示部の少なくとも一部を視認させることで、前記結果表示部に形成された情報が示す前記所定の結果に対応する内容を、当該所定の結果に対応する内容とは異なる内容として視認させることを特徴とする遊技機。
特徴71に記載の遊技機であれば、所定形状の窓部を介して結果表示部の少なくとも一部を遊技者に視認させることで、当該結果表示部の表面に固定的に形成された情報が示す内容(すなわち、所定の結果に対応する内容)を、当該所定の結果に対応する内容とは異なる内容として視認させることができる。よって、第2表示手段の結果表示部が示す所定の結果に対する誤認を、結果表示部の情報を制御的に変化させることなく、比較的簡易な構成で実現できる。
なお、特徴71において、「表面に固定的に設けられた」とは、表面に印刷などにより平面的に付されるものであってもよいし、表面による起伏によって形成されるものであってもよい。
<特徴72>
特徴71に記載の遊技機であって、
前記窓部は、遊技機正面視において前後方向に延びる通路に接続される遊技機正面側の開口であり、
前記表示変化手段は、遊技機正面視における前記開口の手前側から前記結果表示部の少なくとも一部を視認させることで、前記結果表示部が示す前記所定の結果に対応する内容を異なる内容として視認させることを特徴とする遊技機。
特徴72に記載の遊技機であれば、窓部は、遊技機正面視において前後方向に延びる通路に接続される遊技機正面側の開口であるので、遊技球の通路における遊技機正面側の開口を窓部として流用できる。よって、表示変化手段として機能する窓部を専用に設ける必要がないので、製造コストの増大を抑制できる。また、結果表示部の少なくとも一部を遊技球の通路の開口から臨む先に視認させることで、当該通路を遊技者に注目させることができる。
<特徴73>
特徴72に記載の遊技機であって、
通過することで遊技における所定の特典が付与される第1領域(下側中始動入賞装置431)と、
遊技機正面側に開口され、遊技機正面視において前後方向に延びる通路に接続される進入部(進入口626)と、
前記通路に接続され、当該通路を介して前記進入部から案内された遊技球を前記第1領域の上流側に排出する排出部(排出口627)と、
遊技球を前記進入部または前記進入部の外に振り分ける第1振分部(ステージ625)と、を備え、
前記窓部は、前記進入部であることを特徴とする遊技機。
特徴73に記載の遊技機であれば、窓部は、第1振分部により振り分けられた遊技球が進入する進入部である。進入部に進入した遊技球は排出部から第1領域の上流側に排出されるので、結果表示部の少なくとも一部が、進入口を遊技機正面側から臨んだ先に視認されることで、当該進入部に遊技球が入ることの優位性を遊技者に注目させることができる。
なお、特徴73における「遊技における所定の特典」とは、通過したことに基づき与えられる各種抽選の権利や、賞球などの遊技価値の付与などが例示される。通過したことに基づき与えられる賞球などの遊技価値の付与は、例えば、一般入賞装置639に通過(進入)したことに基づき与えられる賞球である。
<特徴74>
特徴72に記載の遊技機であって、
通過することで遊技における所定の特典が付与される第1領域(下側中始動入賞装置431)と、
遊技機正面側に開口され、遊技機正面視において前後方向に延びる通路に接続されて、当該通路を通過する遊技球を前記第1領域の上流側に排出する排出部(排出口627)と、
前記通路に接続される進入部(進入口626)と、
遊技球を前記進入部または前記進入部の外に振り分ける第1振分部(ステージ625)と、を備え、
前記窓部は、前記排出部であることを特徴とする遊技機。
特徴74に記載の遊技機であれば、窓部は、第1振分部により進入部に振り分けられた遊技球を第1領域の上流側に排出する排出部である。よって、結果表示部の少なくとも一部が、排出部を遊技機正面側から臨んだ先に視認されることで、当該排出部から遊技球が排出されることの優位性を遊技者に注目させることができる。
なお、特徴74における「遊技における所定の特典」とは、通過したことに基づき与えられる各種抽選の権利や、賞球などの遊技価値の付与などが例示される。通過したことに基づき与えられる賞球などの遊技価値の付与は、例えば、一般入賞装置639に通過(進入)したことに基づき与えられる賞球である。
<特徴75>
特徴73または74に記載の遊技機であって、
前記表示変化手段は、前記結果表示部に形成された情報が示す前記所定の結果に対応する内容を、当該結果に対応する内容でなく前記第1領域の側を示す内容として視認させることを特徴とする遊技機。
特徴75に記載の遊技機であれば、第1振分部の進入部または排出部を遊技機正面側から臨んだ場合に、その先に第1領域の側を示す内容が視認される。よって、遊技者は、かかる視認内容から、当該進入部または当該排出部と第1領域とを関連付けることができ、それにより、進入部に進入した遊技球、または、排出部から排出される遊技球に対し、第1領域を通過したことで得られる特典に関する期待感を遊技者に抱かせることができる。
<特徴80>
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技機であって、
第1所定条件(第1特別図柄の始動入賞)または第2所定条件(第2特別図柄の始動入賞)が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920の一部)と、
前記第1所定条件または第2所定条件が成立した場合に変動表示を行い、該変動表示の後に前記所定の抽選の結果に対応した結果情報を表示可能な表示装置(特別図柄表示装置471,472、装飾図柄表示装置479,779)と、
該表示装置による前記変動表示の実行中に他の所定条件が成立した場合に、当該他の所定条件の成立に対する変動表示の実行を所定の最大回数(第1所定条件の成立と第2所定条件の成立とのそれぞれに対して各4回)まで保留可能な保留手段(主制御基板920の一部)と、
遊技球が進入した場合に前記第1所定条件が成立する第1始動部(下側中始動入賞装置431)と、
遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に前記第2所定条件が成立する第2始動部(右始動入賞装置432)と、
遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値(賞球)を遊技者に付与する可変入賞部(中央大入賞装置434)と、
前記第2始動部における遊技球の進入し易さと、前記可変入賞部における遊技球の進入し易さとを少なくとも制御して複数種類の遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(主制御基板920の一部)と、を備え、
前記遊技状態として、
前記第1始動部によって前記第1所定条件を成立させて遊技を行う通常遊技状態と、
該通常遊技状態において前記所定の抽選に当選した場合に発生して前記可変入賞部が遊技球の進入し易い状態をとる期間を含む入賞容易遊技状態(特別遊技状態)と、
該入賞容易遊技状態の後に実行される1回以上の変動表示と当該1回以上の変動表示後の結果情報の表示とを含み、前記所定の抽選の非当選(ハズレ)に対応する結果情報が予め定めた上限遊技回数に達するまで表示された場合に他の遊技状態に遷移する遊技状態であって、前記結果情報として前記所定の抽選の当選(大当り)に対応する結果情報が表示される場合に前記通常遊技状態における第1所定条件の成立より遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移し易い条件によって、当該結果情報が表示された後に遷移する遊技状態が決定される有利遊技状態とが設けられ、
前記有利遊技状態として、第1有利遊技状態(短期時短遊技状態)と、該第1遊技状態より遊技者にとって有利な第2有利遊技状態(長期時短遊技状態)とが設けられ、
前記遊技状態制御手段は、
前記通常遊技状態中に前記第2始動部への遊技球の進入し易さを制御する進入通常制御(非時短状態における右始動入賞装置432の制御)と、前記有利遊技状態中に前記通常遊技状態より前記第2始動部へ遊技球が進入し易い進入容易状態を発生可能な進入容易制御(時短状態における右始動入賞装置432の制御)とを行うものであって、
前記第1所定条件が成立して前記所定の抽選に当選した場合に遷移する遊技状態に対応した第1当選種別(第1特別図柄に係る大当り種別)として、
前記通常遊技状態中に対応する第1の選定条件(非時短状態における選定条件)によって前記第1有利遊技状態へ遷移する当選種別(第1大当り2,5)と、
前記第1有利遊技状態に対応する第2の選定条件(時短状態における選定条件)によって前記第2有利遊技状態へ遷移する当選種別(第1大当り1〜5)とが設けられ、
前記第2所定条件が成立して前記所定の抽選に当選した場合に遷移する遊技状態に対応した第2当選種別(第2特別図柄に係る大当り種別)として、
前記通常遊技状態及び前記第1有利遊技状態のいずれにおいても前記第2有利遊技状態へ遷移する当選種別(第2大当り1,2)が設けられていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、通常遊技として始動口へ遊技球が進入し、その入球に基づく抽選によって大当りに当選した場合に特別遊技状態となり、特別遊技状態において遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。また、この種の遊技機においては、特別遊技状態となった後に、大当りの当選確率が通常遊技状態より高い確変遊技状態や、始動口へ遊技球が通常遊技状態より進入し易い遊技状態等が付加され、遊技を多様にするものも知られている。
しかしながら、上記の従来の遊技機においては、始動口への遊技球の進入によって行われる抽選結果によって有利な遊技状態へ遷移するか否かが定まるので、有利な遊技状態へ遷移することとなる1回毎の抽選結果を重視する等の画一的な遊技となり易いという課題があった。
特徴80に記載の遊技機によれば、複数回の始動条件の成立によって有利な遊技状態へ遷移する遊技性を好適に付加可能な遊技機を提供することができる。すなわち、複数回の第1始動部への遊技球の進入によって第1有利遊技状態を経由して第2有利遊技状態へ段階的に遷移する遊技性を備えつつ、第2始動部への遊技球の進入によって1回の抽選結果によって第2有利遊技状態へ遷移する遊技性を付加することができる。
また、最初の第1始動部への遊技球の進入によって第1有利遊技状態へ遷移した場合において保留手段によって変動表示の実行が保留されていれば、入賞容易遊技状態の後に、保留されていた後続の第1始動部への遊技球の進入に基づいた抽選によって他の遊技状態へ遷移するか否かの抽選結果が結果情報として表示される変動表示を開始することができる。この場合に,通常遊技状態より、遊技者にとって有利な条件によって他の遊技状態へ遷移する条件に従って遷移する遊技状態が決定されているので、遊技者は、入賞容易遊技状態の前の変動表示に対しての結果情報を期待するときよりも有利な遊技状態への大きな期待感を抱かせて当選に対応する結果情報の表示を見守る遊技性を付与することができる。よって、段階的に第2有利遊技状態へ遷移する期待感を膨らませる遊技性を付加することができる。
また、第1始動部への複数の遊技球の進入によって第1有利遊技状態を経由して第2有利遊技状態へ遷移する場合に、第2有利遊技状態へ遷移するか否かの結果情報を表示する前に入賞容易遊技状態が発生し、遊技者には、その遷移途中において一旦可変入賞部への遊技球の進入による所定の遊技価値を付与することができる。このため、第2有利遊技状態への遷移を期待しつつも非当選となった場合に、再度の第1始動部への当選を期待して遊技を継続し易くすることができる。
また、最初の第1始動部への遊技球の進入によって第1有利遊技状態へ遷移した場合に保留手段によって変動表示の実行が保留されていなければ、遊技状態制御手段によって、入賞容易遊技状態の後に進入容易制御によって第2始動部へ遊技球が進入し易い進入容易状態を発生させることができる。このため、第2有利遊技状態への遷移を期待させる変動表示の実行を速やかに行って、遊技をスムースに進行し、所定条件の成立までに多くの時間を費やすことによる遊技者の気分の落ち込みを抑制することができる。
なお、特徴80の記載において、第1有利遊技状態は、上限遊技回数が1回以上の第1回数に設定された有利遊技状態であり、第2有利遊技状態は、上限遊技回数が第1回数より多い第2回数に設定された有利遊技状態であるとしても良く、これにより、上限遊技回数の長短によって、有利遊技状態における回数の初期設定値を異ならせるだけの簡易な制御によって複数回の始動条件の成立によって有利な遊技状態へ好適に遷移する遊技性を付加することができる。
<特徴81>
特徴80に記載の遊技機であって、
前記第2始動部とは別に前記第1始動部に対して上流側又は下流側に設けられ、前記第2所定条件を成立させる第3始動部を備え、
前記抽選手段は、前記第1有利遊技状態において前記第1所定条件が成立した場合と、前記通常遊技状態において前記第2所定条件が成立した場合とにおいて、同一確率で当選する条件により抽選を行うことを特徴とする遊技機。
特徴80に記載の遊技機によれば、通常遊技状態において、遊技者が操作変更なしで、第1始動部と第3始動部との両方への遊技球の進入を狙って遊技を行うことができ、第2有利遊技状態への遷移パターンが異なる抽選が行われる第1所定条件と第2所定条件とを同時に期待可能とすることができる。
<特徴82>
特徴81に記載の遊技機であって、
前記表示装置として、前記第1有利遊技状態において前記第1所定条件が成立した場合と、前記通常遊技状態において前記第2所定条件が成立した場合とにおいて、共通の表示態様による変動表示を実行可能であって、該変動表示の後に前記所定の抽選の結果に対応した結果情報を共通の表示態様によって表示可能な表示装置を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴82に記載の遊技機によれば、第2有利遊技状態への遷移を、異なる遊技状態における異なる始動条件の成立であっても共通の態様によって表現することができるので、遊技者には遷移し得る有利な遊技状態が共通していることを判り易く示すことができる。また、第1有利遊技状態における第1所定条件の成立と、通常遊技状態における第2所定条件の成立とのうちで、いずれか一方の成立が非常に低確率で稀な設定であっても、他の所定条件の成立によって変動表示の態様を予め経験させておくことができる。このため、偶発的な所定条件の成立によって遊技がどのような状況であるかが判らずに混乱してしまう事態を回避し易くすることができる。
<特徴90>
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技機であって、
第1所定条件(第1特別図柄の始動入賞)または第2所定条件(第2特別図柄の始動入賞)が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920の一部)と、
前記第1所定条件または第2所定条件が成立した場合に変動表示を行い、該変動表示の後に前記所定の抽選の結果に対応した結果情報を表示可能な表示装置(特別図柄表示装置471,472、装飾図柄表示装置479,779)と、
該表示装置による前記変動表示の実行中に他の所定条件が成立した場合に、当該他の所定条件の成立に対する変動表示の実行を所定の最大回数まで保留可能な保留手段(主制御基板920の一部)と、
遊技球が進入した場合に前記第1所定条件が成立する第1始動部(下側中始動入賞装置431)と、
遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に前記第2所定条件が成立する第2始動部(右始動入賞装置432)と、
遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値(賞球)を遊技者に付与する可変入賞部(中央大入賞装置434)と、
前記第2始動部における遊技球の進入し易さと、前記可変入賞部における遊技球の進入し易さとを少なくとも制御して複数種類の遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(主制御基板920の一部)と、を備え、
前記遊技状態として、
前記第1始動部によって前記第1所定条件を成立させて遊技を行う通常遊技状態と、
該通常遊技状態において前記所定の抽選に当選した場合に発生して前記可変入賞部が遊技球の進入し易い状態をとる期間を含む入賞容易遊技状態(特別遊技状態)と、
該入賞容易遊技状態の後に実行される1回以上の変動表示と当該1回以上の変動表示後の結果情報の表示とを含み、前記所定の抽選の非当選(ハズレ)に対応する結果情報が予め定めた上限遊技回数に達するまで表示された場合に他の遊技状態に遷移する遊技状態であって、前記結果情報として前記所定の抽選の当選(大当り)に対応する結果情報が表示される場合に前記通常遊技状態における第1所定条件の成立より遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移し易い条件によって、当該結果情報が表示された後に遷移する遊技状態が決定される有利遊技状態とが設けられ、
前記遊技状態制御手段は、
前記通常遊技状態中に前記第2始動部への遊技球の進入し易さを制御する進入通常制御と、前記有利遊技状態中に前記通常遊技状態より前記第2始動部へ遊技球が進入し易い進入容易状態を発生させる進入容易制御とを行うものであって、
前記有利遊技状態において前記上限遊技回数に達する回の変動表示が実行されている場合に前記進入通常制御によって前記第2始動部へ遊技球が進入し易い状態を発生させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、通常遊技状態中に始動口へ遊技球が進入して始動入賞となって変動表示が実行され、その始動入賞に基づく抽選によって大当りに当選している場合には大当り当選に対応する図柄が停止表示されてから特別遊技状態となり、特別遊技状態において遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。また、この種の遊技機においては、始動入賞に基づく変動表示の実行中に他の始動入賞が発生した場合に、当該他の始動入賞に対する変動表示の実行を予め定めた最大回数まで保留可能な保留機能を有する構成も知られている。更に、この種の遊技機においては、特別遊技状態となった後に、大当りの当選確率が通常遊技状態より高い確変遊技状態となったり、通常遊技状態より始動口へ遊技球が進入し易い遊技状態等が発生し、それらの遊技状態が予め定めた上限遊技回数まで継続可能にして、遊技を多様にするものも知られている。
上記従来の遊技機において、複数種類の遊技状態間を遷移する遊技の制御について、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴90に記載の遊技機によれば、複数種類の遊技状態間を遷移する遊技の制御を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、有利遊技状態において上限遊技回数に達する回の変動表示が実行されている状況で、第2始動部へ遊技球が進入し易い状態を発生させる制御として、進入容易制御でなく、進入通常制御が選択される。このため、上限遊技回数に達した回の変動表示の実行中に第2始動部への遊技球の進入を抑制することができるので、有利遊技状態における上限遊技回数に近い回数に第2始動部への遊技球の進入数を抑制し易くすることができる。よって、第1始動部に比べて第2始動部への遊技球の進入の方が極端に遊技者に有利な遊技状態へ遷移し易い場合など、第1始動部と第2始動部とにおける遊技状態の遷移条件に差異が設けられている状況で遊技状態間を好適に遷移させることができる。
<特徴91>
特徴90に記載の遊技機において、
前記有利遊技状態として、前記保留手段によって前記変動表示の実行を保留可能な最大回数と比べて同一又は当該最大回数より少ない第1の上限遊技回数に設定された第1有利遊技状態(短期時短遊技状態)が設けられ、
前記遊技状態制御手段は、前記進入容易制御として、所定の進入容易化条件(普通図柄抽選の当選)が成立した場合に前記進入容易状態を発生させ、当該進入容易状態を発生させた後に前記第2始動部へ前記第1の上限遊技回数と同一数の遊技球の進入が検出された場合に前記第2始動部への遊技球の進入を禁止する進入禁止状態へ遷移させ、当該進入禁止状態へ遷移した後は前記進入通常制御によって前記第2始動部へ遊技球が進入し易い状態を発生させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
特徴91に記載の遊技機によれば、第1有利遊技状態の開始前に十分な単位遊技の権利が保留される構成とすることができるので、第1有利遊技状態へ遷移してから終了するまでの期間中に遊技領域へ遊技球を進入させなくて済む状況を発生させることができる。このため、第1有利遊技状態において、遊技者には、遊技領域への遊技球の進入操作なしで、その意識を実行中の変動表示と結果情報の表示に集中させることができ、第2有利遊技状態への遷移の期待感を高め易くすることができる。
また、第1有利遊技状態において上限遊技回数に達する回の変動表示が実行されている状況で、進入通常制御によって第2始動部に対する制御が行われるので、遊技領域への遊技球の進入操作を実行しなくても遊技者が不利益を被り難く、進入操作の実行有無による遊技者間の公平性を担保し易くすることができる。
なお、特徴91の記載において、第1の上限遊技回数を1回に設定することは好ましく、これにより、1回分でも保留手段によって変動表示の実行が保留されていれば、第1有利遊技状態の終了までに必要な単位遊技の権利を確保することができるし、その1回に対しての所定の抽選の当選条件を高く設定し易くすることができる。よって、第1有利遊技状態の長さを短期間に集約し、第1有利遊技状態における第2有利遊技状態への遷移の期待感を最高に高めることができる。
また、特徴91における進入容易制御の記載に代えて、遊技状態制御手段は、進入容易制御として、所定の進入容易化条件(普通図柄抽選の当選)が成立した場合に第1の上限遊技回数と同一数の遊技球を進入最大許容個数として前記進入容易状態を発生させることとしても良い。
<特徴92>
特徴90又は91に記載の遊技機において、
前記遊技状態制御手段は、前記短期時短遊技状態が開始されるタイミングにおいて前記保留手段によって前記有利遊技状態を構成する上限遊技回数分の変動表示の実行が保留されている場合には、前記時短状態を開始した後に前記進入容易制御によって1球の遊技球も前記第2始動部へ進入不能な短時間で前記非時短状態へ遷移させ、前記進入通常制御によって前記第2始動部へ遊技球が進入し易い状態を発生させる制御を行うことを特徴とする遊技機。
特徴92に記載の遊技機によれば、短期時短遊技状態が開始されるタイミングにおいて前記保留手段によって前記有利遊技状態を構成する上限遊技回数分の変動表示の実行が保留されている場合、進入容易制御によっては第2始動部へ遊技球を進入させることができない。このため、短期時短遊技状態において遊技領域への遊技球の進入操作を実行しなくても遊技者が不利益を被り難い状況を発生し易くして、第2有利遊技状態への遷移の期待感を高め易くすることができる。
<特徴A0>
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備え、該遊技領域における流下開始位置を遊技者が変更操作可能に構成され、前記遊技領域には、遊技者による所定の第1操作状態(左打ち遊技の状態)によって遊技球が流下する第1流下領域(中央構造体420の左側の流下領域)と、該第1流下領域とは異なる領域であって前記第1操作状態とは異なる第2操作状態(右打ち遊技の状態)によって遊技球が流下する第2流下領域(中央構造体420の右側の流下領域)とが設けられた遊技機であって、
第1所定条件(第1特別図柄の始動入賞)または第2所定条件(第2特別図柄の始動入賞)が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920の一部)と、
前記第1所定条件または第2所定条件が成立した場合に変動表示を行い、該変動表示の後に前記所定の抽選結果に対応した結果情報を表示可能な表示装置(特別図柄表示装置471,472、装飾図柄表示装置479,779)と、
該表示装置による前記変動表示の実行中に他の所定条件が成立した場合に、当該他の所定条件の成立に対する変動表示の実行を所定の最大回数(第1所定条件の成立と第2所定条件の成立とのそれぞれに対して各4回)まで保留可能な保留手段(主制御基板920の一部)と、
前記第1流下領域に設けられ、遊技球が進入した場合に前記第1所定条件が成立する第1始動部(下側中始動入賞装置431)と、
前記第2流下領域に設けられ、遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に前記所定の抽選条件が成立する第2始動部と、
遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値(賞球)を遊技者に付与する可変入賞部(中央大入賞装置434)と、
前記第2始動部における遊技球の進入し易さと、前記可変入賞部における遊技球の進入し易さとを少なくとも制御して複数種類の遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(主制御基板920の一部)と、
前記遊技状態制御手段によって制御される各遊技状態において、前記第1操作状態又は前記第2操作状態による遊技の実行に対応する操作指示情報を出力する操作指示情報出力手段(主制御基板920の一部、装飾図柄表示装置479、中央構造体420の発光体、音響装置281,282)と、を備え、
前記遊技状態として、
前記第2流下領域より前記第1流下領域を流下させた方が遊技者にとって有利な第1側遊技状態と、
前記所定の抽選に当選した場合に発生して前記可変入賞部が遊技球の進入し易い状態をとる期間を含む入賞容易遊技状態と、
該入賞容易遊技状態の後に実行される1回以上の変動表示と当該1回以上の変動表示後の結果情報の表示とを含み、前記所定の抽選の非当選に対応する結果情報が予め定めた上限遊技回数に達するまで表示された場合に前記第1側遊技状態に遷移する遊技状態であって、前記結果情報として前記所定の抽選の当選に対応する結果情報が表示される場合に前記第1側遊技状態における第1所定条件の成立より遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移し易い条件によって、当該結果情報が表示された後に遷移する遊技状態が決定される有利遊技状態とが設けられており、
前記操作指示情報出力手段は、
前記第1側遊技状態中に、前記第1操作状態による遊技の実行に対応する第1操作指示情報を出力する第1操作指示情報出力手段と、
前記特別遊技状態中及び前記有利遊技状態中に、前記第2操作状態による遊技の実行に対応する第2操作指示情報を出力する第2操作指示情報出力手段と、
前記特別遊技状態の終了前、又は前記有利遊技状態の終了前において、その後に遷移する前記有利遊技状態にて前記上限遊技回数に達するまでに必要な残り回数分以上の前記変動表示の実行が前記保留手段によって保留されている場合に、前記第2操作指示情報を出力しない期間を発生させる第2操作指示非出力手段を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、通常遊技状態中に始動口へ遊技球が進入して始動入賞となって変動表示が実行され、その始動入賞に基づく抽選によって大当りに当選している場合には大当り当選に対応する図柄が停止表示されてから特別遊技状態となり、特別遊技状態において遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。また、この種の遊技機においては、始動入賞に基づく変動表示の実行中に他の始動入賞が発生した場合に、当該他の始動入賞に対する変動表示の実行を予め定めた最大回数まで保留可能な保留機能を有する構成も知られている。更に、この種の遊技機においては、特別遊技状態となった後に、大当りの当選確率が通常遊技状態より高い確変遊技状態となったり、通常遊技状態より始動口へ遊技球が進入し易い遊技状態等が発生し、それらの遊技状態が予め定めた上限遊技回数まで継続可能にして、遊技を多様にするものも知られている。
上記従来の遊技機において、複数種類の遊技状態間を遷移する場合に遊技機メーカー側が遊技者に遊技に関する操作を好適に認識させることが好ましく、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴A0に記載の遊技機によれば、複数種類の遊技状態間を遷移する場合に遊技者に遊技に関する操作を好適に認識させることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、特別遊技状態の終了前、又は前記有利遊技状態の終了前において、有利遊技状態において上限遊技回数に達するまでに必要な残り回数分以上の変動表示の実行が保留手段によって保留されている場合には、既に遊技者が第2操作状態による遊技をしなくても有利遊技状態を終了するまでに必要な変動表示に対しての所定条件が成立している。この場合に、第2操作指示非出力手段によって第2操作指示情報が出力しない期間を発生させるので、遊技者に対して有利遊技状態の実行に必要な数より多くの変動表示の実行を狙って余分に遊技球を消費させてしまう事態を回避することができる。
<特徴A1>
特徴A0に記載の遊技機であって、
前記第2操作指示非出力手段が前記第2操作指示情報を出力しない期間中に前記第2操作状態による遊技の実行を少なくともしないようにするための第2操作指示禁止情報を出力する第2操作禁止情報出力手段を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1に記載の遊技機によれば、遊技者に第2操作状態による遊技の実行が不要であることを判り易く示すことができる。
<特徴B0>
遊技球が通過することで遊技における所定の特典が付与される有利領域(上側始動入賞装置832)と、
該有利領域における遊技球の入口となる入口領域の広さを、少なくとも1の遊技球が通過可能な最小領域から、最大数の遊技球が通過可能な最大領域までの範囲内で定期的に変動させる領域変動手段(駆動ソレノイド861〜863、主制御基板920)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている(例えば、特開2004−254955号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。例えば、特開2004−254955号公報に記載される遊技機のように、始動口の入口の広さが固定である場合、遊技球が始動口に入球する確率はほぼ固定的となる。
これに対し、特徴B0に記載の遊技機であれば、有利領域における遊技球の入口となる入口領域の広さが、少なくとも1の遊技球が通過可能な最小領域から、最大数の遊技球が通過可能な最大領域までの範囲内で定期的に変動する。よって、有利領域を遊技球が通過する確率を定期的に変動させることができ、有利領域に遊技球を通過させる遊技に減り張りを与えることができる。これにより、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
<特徴B1>
特徴B0に記載の遊技機であって、
前記領域変動手段は、前記入口領域の広さを、前記最小領域と前記最大領域とを少なくとも含む3種以上の態様で定期的に変動させることを特徴とする遊技機。
特徴B1に記載の遊技機であれば、有利領域における入口領域の広さは、最小領域と最大領域とを少なくとも含む3種以上の態様で定期的に変動するので、遊技球が有利領域を通過する確率を3種以上の確率の中から各種変動させることができる。
<特徴B2>
特徴B0またはB1に記載の遊技機であって、
前記領域変動手段によって前記入口領域の広さが変動される前記有利領域は、各々が入口を有する個々に独立する複数の領域(上側左始動入賞装置832A、上側中始動入賞装置832B、上側右始動入賞装置832C)から構成され、
前記領域変動手段は、前記複数の領域のうち、遊技球が入口から進入可能な領域の数を変化させることで、当該複数の領域からなる前記有利領域における前記入口領域の広さを変動させ、
前記複数の領域のうちいずれかを通過する遊技球を共通して検出する有利領域通過検出手段(第2始動入賞スイッチ642)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B2に記載の遊技機であれば、有利領域が、各々が入口を有する個々に独立する複数の領域から構成される一方で、それら複数の領域を通過した遊技球は共通する有利領域通過検出手段によって検出される。よって、複数の領域のそれぞれに遊技球を検出するための手段を設ける必要がないので、製造コストの増大を抑制できる。
<特徴B3>
特徴B0からB2のいずれかに記載の遊技機であって、
複数の排出箇所へ遊技球を振り分ける第2振分部(ステージ622C)を備え、
前記有利領域の入口領域は、前記複数の排出箇所のそれぞれ下流側に配置可能とされ、
前記領域変動手段は、前記複数の排出箇所のうち、下流側に前記有利領域に進入可能な入口が配置される排出箇所の数を変化させることで、前記入口領域の広さを変動させることを特徴とする遊技機。
特徴B3に記載の遊技機であれば、第2振分部による遊技球の振り分け先である複数の排出箇所のうち、下流側に前記有利領域に進入可能な入口が配置される排出箇所の数が変化する。これにより、第2振分部による振り分けによって遊技球が有利領域に進入する確率が画一的とならず、遊技の興趣を好適に向上させることが可能となる。
なお、特徴B3において、「第2振分部」は、それぞれ「所定の振分部」などとしてもよい。
<特徴B4>
特徴B3に記載の遊技機であって、
前記有利領域は、前記領域変動手段によって前記入口領域の広さが変動されない第1有利領域(下側中始動入賞装置431)と、前記領域変動手段によって前記入口領域の広さが変動される第2有利領域(上側始動入賞装置832)とを含み、
前記第2有利領域は、前記第1有利領域に対し遊技機正面視において上方に設けられ、前記第2振分部により振り分けられた遊技球が進入可能な有利領域であり、
前記第1有利領域が下流側に位置する箇所を少なくとも含む複数の排出箇所へ遊技球を振り分ける第1振分部(ステージ625)と、
前記第2振分部における前記複数の排出箇所のいずれかから排出された遊技球が前記第2有利領域を通過しなかった場合に当該遊技球を前記第1振分部に案内可能な通過経路(流下規制部623、左側遊技領域)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B4に記載の遊技機であれば、第2振分部における複数の排出箇所のいずれかから排出された遊技球が第2有利領域を通過しなかった場合に当該遊技球を第1振分部に案内可能な通過経路を有している。これにより、遊技球が第2有利領域に進入しなかったとしても、その遊技球が第1有利領域に進入すれば、遊技者は所定の特典を得ることができる。つまり、通過経路があることで、所定の特典を得るための再度のチャンスが遊技者に与えられる。よって、第2振分部による振り分けの結果として所定の特典を得ることができなかったとしても、それによる遊技者の失望感が軽減され、それにより、遊技の興趣が向上される。
また、第1有利領域は、第2有利領域とは異なり、入口領域の広さが変動されない有利領域であるので、第2振分部にて振り分けた遊技球を第2有利領域に進入させる遊技と、第1振分部にて振り分けた遊技球を第1有利領域に進入させる遊技とで、それぞれ異なる遊技性を遊技者に提供することができる。
<特徴B5>
特徴B3またはB4に記載の遊技機であって、
前記第2振分部に進入する遊技球を検出する所定位置通過検出手段(接触センサ662)と、
前記所定位置通過検出手段により遊技球が検出された場合に、前記領域変動手段により変動する前記入口領域の広さに応じた報知を行う報知手段(可動体発光装置772、副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B5に記載の遊技機であれば、第2振分部に進入する遊技球が検出された場合に、領域変動手段により変動される、有利領域における入口領域の広さに応じた報知がなされる。有利領域における入口領域の広さが広いほど、遊技球が第2有利領域に進入する確率が高まるので、遊技者は、第2振分部により遊技球が振り分けられる前に、遊技球が第2有利領域に進入する確率の程度を期待することができる。これにより、第2振分部により遊技球を振り分けるとともに、第2有利領域において入口領域の広さが変動する遊技を遊技者に楽しませることができる。
<特徴B6>
特徴B0からB4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記有利領域への遊技球の通過に応じて動作する可動体(可動体710)と、
前記可動体における遊技機正面側に配設された発光部(可動体発光装置772)と、
所定位置を通過した遊技球を検出する所定位置通過検出手段(接触センサ662)と、
前記所定位置通過検出手段により遊技球が検出された場合に、前記領域変動手段により変動する前記入口領域の広さに応じた発光態様で前記発光部を発光させることで、前記入口領域の広さを報知する報知手段(副制御基板940)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B6に記載の遊技機であれば、所定位置を通過する遊技球が検出された場合に、可動体に設けられた発光部が、領域変動手段により変動される、有利領域における入口領域の広さに応じた発光態様で発光される。可動体は、有利領域への遊技球の通過に応じて動作するものであるので、当該発光態様について、有利領域に関連する報知であると遊技者に直感的に認識させることができる。有利領域における入口領域の広さが広いほど、遊技球が有利領域に進入する確率が高まるので、遊技者は、可動体の発光部の発光態様に基づいて、遊技球が有利領域に進入する確率の程度を期待することができる。これにより、有利領域において入口領域の広さが変動する遊技を遊技者に楽しませることができる。
<特徴C0>
遊技球が流下する遊技領域が遊技機正面側となる表側に形成される遊技部材(遊技盤400)と、
前記遊技領域内に設けられた有利領域(上側始動入賞装置832、始動装置836)と、
該有利領域を遊技球が通過した場合に所定の抽選を行う抽選手段と、
前記有利領域への遊技球の通過を含む所定条件の成立によって遊技球の進入し易さが制御される特定領域(中央大入賞装置434、右大入賞装置433、右始動入賞装置432)と、
前記有利領域を通過した遊技球を排出するための排出経路であって、所定の分岐位置から連続して前記特定領域に近づくように遊技球を案内する第1経路部(排出通路872,873,875)と、前記所定の分岐位置から前記第1経路部とは別方向に連続する第2経路部(排出通路871,874)とを含む排出経路(排出通路871〜875)と、
前記所定の分岐位置に設けられ、前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に抽選対象の遊技球が第1経路部を通過するようにする切替手段(シャッタ881〜883、シャッタ881〜883を駆動する切替ソレノイド、副制御基板940とを含むもの)と、を備え、
前記遊技部材は、少なくとも前記第1経路部を表側から視認可能に構成されることを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技部材に形成された遊技領域に進入し、当該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている(例えば、特開2004−254955号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の進行状況を判別し易くするために、未だ改良の余地があった。すなわち、従来の典型的な遊技機では、遊技者によっては、特別遊技状態となって遊技球が入賞可能となる入賞口が判別し難いと判断されてしまう可能性があった。
これに対し、特徴C0に記載の遊技機であれば、切替手段を備えているので、有利領域の通過に基づく抽選結果が所定の結果である場合、抽選対象の遊技球は、所定の分岐から、第1経路部を経由して特定領域に近づくように案内される。特定領域は、有利領域への遊技球の通過を含む所定条件の成立によって遊技球の進入し易さが制御されるものであるので、第1経路部を通過する遊技球を遊技者に視認させることで、当該遊技者に、有利領域に遊技球が通過したことに基づき遊技球の進入のし易さが制御される特定領域を判別させることができる。
なお、排出経路は、前記特定領域(中央大入賞装置434、右大入賞装置433、右始動入賞装置432)の裏側を通過する第1経路部(排出通路872,873,875)と、前記特定領域の裏側を回避して通過する第2経路部(排出通路871,874)とを含む経路として構成してもよい。
また、切替手段は、前記抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に抽選対象の遊技球が前記第1経路部を通過し、前記抽選結果が前記所定の結果とは異なる結果である場合に抽選対象の遊技球が前記第2経路部を通過するように構成してもよい。
また、切替手段は、第1経路部と第2経路部とを少なくとも含む経路のいずれかを遊技球が流下するように所定の分岐位置を通過する遊技球に作用するものとしても良い。
<特徴C1>
特徴C1に記載の遊技機であって、
前記特定領域として、前記抽選手段による抽選結果が所定の第1結果(第2特別図柄に係る大当り)である場合に、遊技球が通過不可能な状態から、遊技球が通過可能な状態に切り替えられる第1特定領域と、前記抽選手段による抽選結果が所定の第2結果(第2特別図柄に係る小当り)である場合に、遊技球が通過不可能な状態から、遊技球が通過可能な状態に切り替えられる第2特定領域とを含むものであり、
前記遊技部材は、前記第1特定領域及び前記第2特定領域に対応して設けられる前記第1経路部および前記第2経路部を表側から視認可能に構成されることを特徴とする遊技機。
特徴C1に記載の遊技機であれば、特定領域のうち、第1特定領域は、抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合に、遊技球が通過不可能な状態から、遊技球が通過可能な状態に切り替えられ、第2特定領域は、抽選手段による抽選結果が所定の第1結果である場合に、遊技球が通過不可能な状態から、遊技球が通過可能な状態に切り替えられる。これにより、抽選手段による抽選結果が所定の第1結果であれば、遊技者は、当該所定の第1結果である場合に通過可な状態に切り替えられる第1特定領域に近づくように遊技球が案内される様子を視認し、その一方で、抽選手段による抽選結果が所定の第2結果であれば、遊技者は、当該所定の第2結果である場合に通過可な状態に切り替えられる第2特定領域に近づくように遊技球が案内される様子を視認することになる。よって、遊技者は、視認される遊技球の挙動によって作動する(つまり、通過可能な状態に切り替える)特定領域を直感的に認識させることができる。
<特徴C2>
特徴C0またはC1に記載の遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果を表示する図柄を表示可能な画面を有する表示手段(装飾図柄表示装置479)を備え、
前記表示手段は、前記有利領域と前記特定領域との間に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴C2に記載の遊技機であれば、有利領域と特定領域との間には、表示手段が設けられているので、排出経路を長く確保することができる。よって、切替手段による切り替えが間に合わず、第1結果でないにもかかわらず遊技球が第1経路部を通過したと、遊技者に認識されることを抑制できる。これにより、遊技者が、自身の認識と実際の結果と異なることに対する失望感や不信感を抱くことが抑制される。
<特徴C3>
特徴C0からC2のいずれかに記載の遊技機であって、
前記排出経路における前記第1経路部と前記第2経路部との分岐より上流側の経路は、複数の方向転換部(曲がり角)を含むことを特徴とする遊技機。
特徴C3に記載の遊技機であれば、排出経路における第1経路部と第2経路部との分岐より上流側の経路には複数の方向転換部が設けられているので、分岐に至るまでの経路を長く確保することができる。分岐に至るまでの経路が長く確保されたことで、切替手段による切り替えが間に合わず、第1結果でないにもかかわらず遊技球が第1経路部を通過したと、遊技者に認識されることを抑制できる。これにより、遊技者が、自身の認識と実際の結果と異なることに対する失望感や不信感を抱くことが抑制される。
<特徴D0>
進入口(左ワープ通路828の入口)と、該進入口を経た遊技球を遊技機正面視における奥側に案内する第1通路部(左ワープ通路828において遊技球を奥側に案内する通路部分)と、該第1通路部の下流側に設けられ遊技球を前記奥側にて遊技機正面視における左右方向のうち前記進入口から遠ざかる所定方向に案内する第2通路部(左ワープ通路828において遊技球を奥側にて右側へ案内する通路部分)と、該第2通路部の下流側に設けられ遊技球を前記奥側から遊技機正面視における手前側に案内する第3通路部(通路部分828C)と、該第3通路部の下流側に連設される排出口(出口828B)とを含んで構成される球通路(左ワープ通路828)と、
前記排出口の手前側に形成されて該排出口から排出された遊技球が流れ込む排出領域(出口828B手前の排出領域)と、
前記球通路の前記第2通路部に対し前記手前側であって、前記排出領域に対して上流側に形成される飛び込み部(飛び込み部815)と、
該飛び込み部より少なくとも一部が低い位置に設けられ、前記所定方向に向かって下降傾斜して遊技球を転動可能であって、遊技球の一部を跳ね上げさせて前記飛び込み部に飛び込ませることが可能な跳ね上げ部(第1の配列領域853A)と、
前記排出領域に対して前記所定方向側に設けられ、前記排出領域から流入した遊技球を下方側に凹む転動面を少なくとも含む転動面上を転動させた後に所定の排出箇所を経由して下流側に排出可能な転動部(ステージ825)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。
かかる従来の遊技機において、遊技の興趣を向上させるために様々な工夫がなされている。例えば、ワープ通路を経由して中央構造体内に進入した遊技球をステージ上で遊動させた後、所定の誘導比率で始動口に誘導する遊技機が存在する(例えば、特開2004−254955号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。すなわち、従来の遊技機では、ワープ通路から出る遊技球の速度が速い場合に、遊技球が持つ運動エネルギーでステージなどが破損し、遊技が続行できなくなる可能性があった。また、遊技球がその勢いでステージから飛び出すなど、遊技球がステージを遊動することによる遊技の興趣を遊技者に享受させ得ない事象が生じ易いという問題があった。
これに対し、特徴D0に記載の遊技機であれば、進入口から球通路に進入した遊技球は、第1通路部により奥側へと案内された後、第2通路部に進入することで左右方向のうち一方(所定方向)に案内され、続いて、第3通路部に進入することで手前側に案内されて排出口から排出される。よって、球通路を通過する遊技球は、第1通路部、第2通路部、および第3通路部を経由する際に方向転換などで球通路と衝突することで十分に減速されるので、排出口から排出された遊技球が、排出領域や転動部を、該遊技球が持つ運動エネルギーによって破損することを抑制できる。
また、球通路を通過する遊技球が排出口に至るまでの間に十分に減速されたことで、排出口から排出されて転動部に進入した遊技球が、該転動部から飛び出したり、排出領域の側に再度進入して球通路の排出口から排出された別の遊技球に弾き飛ばされたり等の各事象を抑制できる。つまり、遊技球が転動部に一旦進入したにもかかわらず、遊技球が所定の排出箇所以外から排出されてしまう各事象を抑制できる。これにより、転動部にて転動することで所定の排出領域から排出されるべき遊技球が当該所定の排出領域から排出されなかったことによる遊技者の苛立ちなどを防ぐことができるので、遊技球を転動部にて所定の排出領域から排出させる遊技の興趣を遊技者に好適に享受させることができる。
特に、遊技球を奥側に案内する第1通路部、遊技球を左右方向のうち一方(所定方向)に案内する第2通路部、および、遊技球を奥側から手前側に案内する第3通路部を、球通路に設けることで、該球通路における経路長を、進入口から排出口までの高さに対して好適に長く確保できる。かかる点においても、球通路における遊技球の減速効果を好適に高めることができる。
また、一般的に、転動部は、始動口などの有利領域を通る上下方向の軸に対して略左右対称に形成されるため、転動部の一端側に飛び込み部が形成されたことで、転動部における左右方向の長さがその分短くなる。転動部における左右方向の長さが短くなったことで、転動部に進入した遊技球が転動部から飛び出したり、排出領域の側に再度進入して球通路の排出口から排出された別の遊技球に弾き飛ばされたり等の各事象がより発生し易くなるが、特徴D0に記載の遊技機によれば、遊技球は上述したように十分に減速されて球通路から排出されるので、左右方向の長さが短い転動部であっても上記の各事象を好適に抑制できる。
また、第2通路部が、遊技球を左右方向のうち一方(所定方向)に案内する通路部として構成されたことで、跳ね上げ部により跳ね上げられた遊技球が進入可能な飛び込み部を、第2通路部に対する手前側であって、排出口から排出された遊技球が流れ込む排出領域に対して上流側(つまり、所定方向とは反対側)の箇所に形成することができる。これにより、跳ね上げ部にて飛び込み部に向けて跳ね上げられた遊技球を、排出口から排出された遊技球により妨害されることなく飛び込み部に進入させることが可能となるので、跳ね上げ部にて跳ね上げられた遊技球が排出領域を介して転動部に進入する機会の損失を抑制できる。よって、転動部に進入するはずの遊技球が進入しなかったことによる遊技者の苛立ちなどを防ぐことができ、転動部にて遊技球を所定の排出箇所から排出させる遊技の興趣を遊技者に好適に享受させることができる。
なお、遊技機D0において、転動部における「所定の排出箇所」は、1箇所であっても、複数箇所であってもよい。
<特徴D1>
特徴D0に記載の遊技機であって、
前記球通路の排出口の直下より遊技球の転動方向の上流側を少なくとも含む所定区間に、転動する遊技球が前記排出領域に進入することを抑制する進入抑制領域(除外領域854)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1に記載の遊技機であれば、転動する遊技球が排出領域に進入することを抑制する進入抑制領域が、球通路の排出口の直下より遊技球の転動方向の上流側を少なくとも含む所定区間に設けられているので、跳ね上げ部により跳ね上げられた遊技球が排出領域にて球通路の排出口から排出された遊技球に手前側から衝突することを抑制できる。これにより、排出口から排出された遊技球と、跳ね上げ部により跳ね上げられた遊技球との衝突によって一方の遊技球が弾き飛ばされて、該遊技球が転動部に進入する機会が損失することが抑制されるので、遊技球を転動部にて所定の排出領域から排出させる遊技の興趣を遊技者に好適に享受させることができる。
<特徴E0>
進入口(左ワープ通路828の入口)と、該進入口を経た遊技球を遊技機正面視における奥側に案内する第1通路部(左ワープ通路828において遊技球を奥側に案内する通路部分)と、該第1通路部の下流側に設けられ遊技球を前記奥側にて遊技機正面視における左右方向のうち前記進入口から遠ざかる所定方向に案内する第2通路部(左ワープ通路828において遊技球を奥側にて右側へ案内する通路部分)と、該第2通路部の下流側に設けられ遊技球を前記奥側から遊技機正面視における手前側に案内する第3通路部(通路部分828C)と、該第3通路部の下流側に連設される排出口(出口828B)とを含んで構成される球通路(左ワープ通路828)と、
該球通路の排出口の手前側に形成されて該排出口から排出された遊技球が流れ込む排出領域(出口828B手前の排出領域)と、
該排出領域に対して前記所定方向側に設けられ、前記排出領域から流入した遊技球を下方側に凹む転動面を少なくとも含む転動面上を転動させた後に所定の排出箇所を経由して下流側に排出可能な転動部(ステージ825)と、を備え、
前記転動部における転動面は、前記排出領域に向かって遊技球が転動した場合に上側へ進行する設定とされ、遊技球が前記転動部を超えて前記排出領域の側に進入することを抑制することを特徴とする遊技機。
従来の典型的な遊技機において、遊技者の操作に応じて発射された遊技球は、遊技盤に形成された遊技領域に進入し、該遊技領域を流下する。遊技領域を流下する遊技球が始動口に入球した場合に、その入球に応じて抽選が行われる。そして、その抽選において大当りに当選した場合に、特別遊技状態となって遊技球が入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている。
かかる従来の遊技機において、遊技の興趣を向上させるために様々な工夫がなされている。例えば、ワープ通路を経由して中央構造体内に進入した遊技球をステージ上で遊動させた後、所定の誘導比率で始動口に誘導する遊技機が存在する(例えば、特開2004−254955号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるには、未だ改良の余地があった。すなわち、従来の遊技機では、ワープ通路から出る遊技球の速度が速い場合に、遊技球が持つ運動エネルギーでステージなどが破損し、遊技が続行できなくなる可能性があった。また、遊技球がその勢いでステージから飛び出すなど、遊技球がステージを遊動することによる遊技の興趣を遊技者に享受させ得ない事象が生じ易いという問題があった。
これに対し、特徴E0に記載の遊技機であれば、進入口から球通路に進入した遊技球は、第1通路部により奥側へと案内された後、第2通路部に進入することで左右方向のうち一方(所定方向)に案内され、続いて、第3通路部に進入することで手前側に案内されて排出口から排出される。よって、球通路を通過する遊技球は、第1通路部、第2通路部、および第3通路部を経由する際に方向転換などで球通路と衝突することで十分に減速されるので、排出口から排出された遊技球が、排出領域や転動部を、該遊技球が持つ運動エネルギーによって破損することを抑制できる。
また、球通路を通過する遊技球が排出口に至るまでの間に十分に減速されたことで、排出口から排出されて転動部に進入した遊技球が、該転動部から飛び出したり、排出領域の側に再度進入して球通路の排出口から排出された別の遊技球に弾き飛ばされたり等の各事象を抑制できる。つまり、遊技球が転動部に一旦進入したにもかかわらず、遊技球が所定の排出箇所以外から排出されてしまう各事象を抑制できる。これにより、転動部にて転動することで所定の排出領域から排出されるべき遊技球が当該所定の排出領域から排出されなかったことによる遊技者の苛立ちなどを防ぐことができるので、遊技球が転動部にて所定の排出領域から排出させる遊技の興趣を遊技者に好適に享受させることができる。
特に、遊技球を奥側に案内する第1通路部、遊技球を左右方向のうち一方(所定方向)に案内する第2通路部、および、遊技球を奥側から手前側に案内する第3通路部を、球通路に設けることで、該球通路における経路長を、進入口から排出口までの高さに対して好適に長く確保できる。かかる点においても、球通路における遊技球の減速効果を好適に高めることができる。
また、転動部における転動面は、排出領域に向かって遊技球が転動した場合に上側へ進行する設定とされ、遊技球が転動部を超えて排出領域の側に進入することを抑制するよう構成されているので、転動部に一旦進入した遊技球が、排出領域の側に再度進入することが抑制され、それにより、排出領域の側に進入した遊技球が球通路の排出口から排出された遊技球に衝突することを抑制できる。これにより、一方が他方によって弾き飛ばされる事象を抑制することができ、かかる点においても、転動部にて転動することで所定の排出領域から排出されるべき遊技球が当該所定の排出領域から排出されなかったことによる遊技者の苛立ちなどを防ぐことができる。
特に、遊技球は上述したように十分に減速されて球通路から排出されるので、転動部における転動面を前記構成としたこととの相乗効果で、転動部に進入した遊技球が排出領域の側に再度進入することを好適に抑制することができる。
なお、特徴E0において、上側へ進行するとは、最も勾配の大きな部分が65度以上の上方側へ遊技球が進行する設定としてもよく、70度以上が好ましく、85度以上が好適、90度を超えてもいい。また、上側へ進行するとは、排出領域へ向かって転動した遊技球が転動面から離れた場合には上方へ飛び上がった後に、排出領域側に進行することなく、再び転動面に戻る程度に上側へ進行するとしても良い。
また、遊技機E0において、転動部における「所定の排出箇所」は、1箇所であっても、複数箇所であってもよい。
<特徴E1>
特徴E0に記載の遊技機であって、
前記第3通路は、前記所定方向に向かいつつ前記手前側に向かう通路として構成され、前記所定方向の反対側の成分を持って遊技球を反発させる壁面が前記排出口近傍に形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴E1に記載の遊技機であれば、所定方向(排出口に対して転動部が設けられている方向)に向かいつつ手前側に向かって案内された遊技球が排出口近傍に形成された壁面に衝突した場合、当該遊技球は所定方向の反対側の成分を持って反発される。よって、遊技球を所定方向の速度成分が好適に失われた状態で排出口から排出させることができる。これにより、球通路を通過した遊技球が転動部に進入する際の進入速度を十分に抑制できるので、転動部に進入した遊技球が排出領域の側に再度進入することを好適に抑制できる。
なお、特徴E1における遊技球を反発させる壁面を有する第3通路は、当該壁面で反発させた遊技球が第3通路の上流側に進行することがない構成とすることが好ましく、例えば、当該壁面に遊技球が衝突した状態で球通路の排出口から当該遊技球の一部が突出する構成としても良い。
<特徴E2>
特徴E0またはE1に記載の遊技機であって、
前記転動部の下方に設けられ、遊技球が通過することで遊技における所定の特典が付与される有利領域(下側中始動入賞装置431)と、
前記転動部に対し前記所定方向に該転動部に隣接して設けられる飾り部(V飾り829)と、を備え、
前記転動部は、前記所定の排出箇所として前記転動部の略中央に設けられた排出箇所が前記有利領域の直上に位置するとともに、前記有利領域を通る遊技機正面視における上下方向の軸に対して略左右対称に形成されることを特徴とする遊技機。
特徴E2に記載の遊技機であれば、転動部が有利領域を通る上下方向の軸に対して略左右対称に形成されているので、飾り部が隣接して設けられたことで、転動部における左右方向の長さがその分短くなる。転動部における左右方向の長さが短くなったことで、排出領域の側に再度進入する可能性が高まるが、そのような遊技機であっても、転動部における転動面が前記構成とされているので、転動部に進入した遊技球が排出領域の側に再度進入することを好適に抑制できる。
なお、特徴10〜E2に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
100…遊技機、281,282…音響装置、431…下側中始動入賞装置、432…右始動入賞装置、434…中央大入賞装置、471,472…特別図柄表示装置、479,779…装飾図柄表示装置、611B:屋根、612A,613A…飾り部、612D,613D…突起部、620…通過口、622C…ステージ、623…流下規制部、639…一般入賞装置、652…左流下通路、653…右流下通路、652A,653A…凹部、832…上側始動入賞装置、871〜875…排出通路、881〜883…シャッタ、815…飛び込み部、825…ステージ、828…左ワープ通路、853A…第1の配列領域、854…除外領域、920…主制御基板
請求項1に記載の遊技機は、上記の課題を解決するために、
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備え、該遊技領域における流下開始位置を遊技者が変更操作可能に構成され、前記遊技領域には、遊技者による所定の第1操作状態によって遊技球が流下する左側流下領域と、前記第1操作状態とは異なる第2操作状態によって遊技球が流下する右側流下領域とが設けられた遊技機において、
第1所定条件または第2所定条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段と、
前記第1所定条件または第2所定条件が成立した場合に変動表示を行い、該変動表示の後に前記所定の抽選の結果に対応した結果情報を表示可能な表示装置と、
該表示装置による前記変動表示の実行中に他の所定条件が成立した場合に、当該他の所定条件の成立に対する変動表示の実行を所定の最大回数まで保留可能な保留手段と、
遊技球が進入した場合に前記第1所定条件が成立する第1始動部と、
遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に前記第2所定条件が成立する第2始動部と、
遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値を遊技者に付与する可変入賞部と、
前記第2始動部における遊技球の進入し易さと、前記可変入賞部における遊技球の進入し易さとを少なくとも制御して複数種類の遊技状態を発生させる遊技状態制御手段と、
所定の指示条件の成立に基づいて前記第1操作状態に対応する第1の指示情報または前記第2操作状態に対応する第2の指示情報を表示することが可能な操作指示情報表示手段とを備え、
前記遊技状態として、
前記第1始動部によって前記第1所定条件を成立させて遊技を行う通常遊技状態と、
該通常遊技状態において前記所定の抽選に当選した場合に発生して前記可変入賞部が遊技球の進入し易い状態をとる期間を含む入賞容易遊技状態と、
該入賞容易遊技状態の後に移行可能な有利遊技状態として、短期有利遊技状態と、該短期有利遊技状態より変動表示の実行可能回数が多く設定された長期有利遊技状態とが設けられ、
前記遊技状態制御手段は、
前記通常遊技状態中に前記第2始動部への遊技球の進入し易さを制御する進入通常制御と、前記有利遊技状態中に前記通常遊技状態より前記第2始動部へ遊技球が進入し易い進入容易状態を発生可能な進入容易制御とを行うものであって、
前記有利遊技状態においては上限に達する回数の変動表示が実行されることを条件に、前記第2始動部への遊技球の進入し易さの制御が前記進入容易制御から前記進入通常制御へと移行し、
前記短期有利遊技状態と前記長期有利遊技状態とのいずれにおいても、前記第2始動部への遊技球の進入し易さの制御が前記進入容易制御から前記進入通常制御へ移行した場合に、当該進入通常制御へ移行したタイミングにおいて、前記進入容易制御によって前記第2始動部が遊技球の進入し易い進入許容姿勢をとっている場合は、当該進入許容姿勢をとることが可能な最大進入許容時間を経過する前に、前記第2始動部へ遊技球が進入できない進入禁止姿勢へと前記第2始動部の状態が移行するように制御が行われ、
前記短期有利遊技状態において前記進入容易制御から前記進入通常制御へと移行した後であって、前記最大進入許容時間を経過する前に前記進入禁止姿勢へ前記第2始動部の状態が移行した後の所定期間中に実行される表示演出は、前記通常遊技状態において実行される通常の変動表示演出とは異なる特定の変動表示演出により構成され、前記特定の変動表示演出の実行中は、前記操作指示情報表示手段による前記第1の指示情報と前記第2の指示情報の表示を実行しない制御が行われることを特徴とする。
また、請求項2に記載の遊技機は、
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備え、該遊技領域における流下開始位置を遊技者が変更操作可能に構成され、前記遊技領域には、遊技者による所定の第1操作状態によって遊技球が流下する左側流下領域と、前記第1操作状態とは異なる第2操作状態によって遊技球が流下する右側流下領域とが設けられた遊技機において、
第1所定条件または第2所定条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段と、
前記第1所定条件または第2所定条件が成立した場合に変動表示を行い、該変動表示の後に前記所定の抽選の結果に対応した結果情報を表示可能な表示装置と、
該表示装置による前記変動表示の実行中に他の所定条件が成立した場合に、当該他の所定条件の成立に対する変動表示の実行を所定の最大回数まで保留可能な保留手段と、
遊技球が進入した場合に前記第1所定条件が成立する第1始動部と、
遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に前記第2所定条件が成立する第2始動部と、
遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値を遊技者に付与する可変入賞部と、
前記第2始動部における遊技球の進入し易さと、前記可変入賞部における遊技球の進入し易さとを少なくとも制御して複数種類の遊技状態を発生させる遊技状態制御手段と、
所定の指示条件の成立に基づいて前記第1操作状態に対応する第1の指示情報または前記第2操作状態に対応する第2の指示情報を音響装置により出力することが可能な操作指示音出力手段とを備え、
前記遊技状態として、
前記第1始動部によって前記第1所定条件を成立させて遊技を行う通常遊技状態と、
該通常遊技状態において前記所定の抽選に当選した場合に発生して前記可変入賞部が遊技球の進入し易い状態をとる期間を含む入賞容易遊技状態と、
該入賞容易遊技状態の後に移行可能な有利遊技状態として、短期有利遊技状態と、該短期有利遊技状態より変動表示の実行可能回数が多く設定された長期有利遊技状態とが設けられ、
前記遊技状態制御手段は、
前記通常遊技状態中に前記第2始動部への遊技球の進入し易さを制御する進入通常制御と、前記有利遊技状態中に前記通常遊技状態より前記第2始動部へ遊技球が進入し易い進入容易状態を発生可能な進入容易制御とを行うものであって、
前記有利遊技状態においては上限に達する回数の変動表示が実行されることを条件に、前記第2始動部への遊技球の進入し易さの制御が前記進入容易制御から前記進入通常制御へと移行し、
前記短期有利遊技状態と前記長期有利遊技状態とのいずれにおいても、前記第2始動部への遊技球の進入し易さの制御が前記進入容易制御から前記進入通常制御へ移行した場合に、当該進入通常制御へ移行したタイミングにおいて、前記進入容易制御によって前記第2始動部が遊技球の進入し易い進入許容姿勢をとっている場合は、当該進入許容姿勢をとることが可能な最大進入許容時間を経過する前に、前記第2始動部へ遊技球が進入できない進入禁止姿勢へと前記第2始動部の状態が移行するように制御が行われ、
前記短期有利遊技状態において前記進入容易制御から前記進入通常制御へと移行した後であって、前記最大進入許容時間を経過する前に前記進入禁止姿勢へ前記第2始動部の状態が移行した後の所定期間中に実行される表示演出は、前記通常遊技状態において実行される通常の変動表示演出とは異なる特定の変動表示演出により構成され、前記特定の変動表示演出の実行中は、前記操作指示音出力手段による前記第1の指示情報と前記第2の指示情報の出力を実行しない制御が行われることを特徴とする。
また、請求項3に記載の遊技機は、
所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備え、該遊技領域における流下開始位置を遊技者が変更操作可能に構成され、前記遊技領域には、遊技者による所定の第1操作状態によって遊技球が流下する左側流下領域と、前記第1操作状態とは異なる第2操作状態によって遊技球が流下する右側流下領域とが設けられた遊技機において、
第1所定条件または第2所定条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段と、
前記第1所定条件または第2所定条件が成立した場合に変動表示を行い、該変動表示の後に前記所定の抽選の結果に対応した結果情報を表示可能な表示装置と、
該表示装置による前記変動表示の実行中に他の所定条件が成立した場合に、当該他の所定条件の成立に対する変動表示の実行を所定の最大回数まで保留可能な保留手段と、
遊技球が進入した場合に前記第1所定条件が成立する第1始動部と、
遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に前記第2所定条件が成立する第2始動部と、
遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値を遊技者に付与する可変入賞部と、
前記第2始動部における遊技球の進入し易さと、前記可変入賞部における遊技球の進入し易さとを少なくとも制御して複数種類の遊技状態を発生させる遊技状態制御手段と、
所定の指示条件の成立に基づいて前記第1操作状態に対応する第1の指示情報または前記第2操作状態に対応する第2の指示情報を、所定の発光体の態様を変化させて、出力することが可能な操作発光出力手段とを備え、
前記遊技状態として、
前記第1始動部によって前記第1所定条件を成立させて遊技を行う通常遊技状態と、
該通常遊技状態において前記所定の抽選に当選した場合に発生して前記可変入賞部が遊技球の進入し易い状態をとる期間を含む入賞容易遊技状態と、
該入賞容易遊技状態の後に移行可能な有利遊技状態として、短期有利遊技状態と、該短期有利遊技状態より変動表示の実行可能回数が多く設定された長期有利遊技状態とが設けられ、
前記遊技状態制御手段は、
前記通常遊技状態中に前記第2始動部への遊技球の進入し易さを制御する進入通常制御と、前記有利遊技状態中に前記通常遊技状態より前記第2始動部へ遊技球が進入し易い進入容易状態を発生可能な進入容易制御とを行うものであって、
前記有利遊技状態においては上限に達する回数の変動表示が実行されることを条件に、前記第2始動部への遊技球の進入し易さの制御が前記進入容易制御から前記進入通常制御へと移行し、
前記短期有利遊技状態と前記長期有利遊技状態とのいずれにおいても、前記第2始動部への遊技球の進入し易さの制御が前記進入容易制御から前記進入通常制御へ移行した場合に、当該進入通常制御へ移行したタイミングにおいて、前記進入容易制御によって前記第2始動部が遊技球の進入し易い進入許容姿勢をとっている場合は、当該進入許容姿勢をとることが可能な最大進入許容時間を経過する前に、前記第2始動部へ遊技球が進入できない進入禁止姿勢へと前記第2始動部の状態が移行するように制御が行われ、
前記短期有利遊技状態において前記進入容易制御から前記進入通常制御へと移行した後であって、前記最大進入許容時間を経過する前に前記進入禁止姿勢へ前記第2始動部の状態が移行した後の所定期間中に実行される表示演出は、前記通常遊技状態において実行される通常の変動表示演出とは異なる特定の変動表示演出により構成され、前記特定の変動表示演出の実行中は、前記操作発光出力手段による前記第1の指示情報と前記第2の指示情報の出力を実行しない制御が行われることを特徴とする。

Claims (2)

  1. 所定の入口を経由した遊技球が流下する遊技領域を備えた遊技機であって、
    第1所定条件または第2所定条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段と、
    前記第1所定条件または第2所定条件が成立した場合に変動表示を行い、該変動表示の後に前記所定の抽選の結果に対応した結果情報を表示可能な表示装置と、
    該表示装置による前記変動表示の実行中に他の所定条件が成立した場合に、当該他の所定条件の成立に対する変動表示の実行を所定の最大回数まで保留可能な保留手段と、
    遊技球が進入した場合に前記第1所定条件が成立する第1始動部と、
    遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に前記第2所定条件が成立する第2始動部と、
    遊技球の進入し易さが異なる複数の状態をとり、遊技球が進入した場合に所定の遊技価値を遊技者に付与する可変入賞部と、
    前記第2始動部における遊技球の進入し易さと、前記可変入賞部における遊技球の進入し易さとを少なくとも制御して複数種類の遊技状態を発生させる遊技状態制御手段と、を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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