JP2021179914A - 輸送経路予測プログラム及び輸送経路予測システム - Google Patents
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Abstract
Description
日本にとっても、海上コンテナによる物資の輸出入は社会・経済活動にとって極めて重要であり、効果的に輸送を改善していく必要がある。そのためには、時間・費用その他の多様な輸送属性が輸送経路の選択に及ぼす影響について定量的かつ詳細な分析を行う手法の開発が求められる。
一方、近年、人工知能(AI:Artificial Intelligence)の研究が急速に進展しており、一部では人の認知能力を超えるものも出てきている。
また、特許文献2には、運航中の船舶の船舶情報及び港湾領域情報を含む海上交通情報をリアルタイムで提供するVTSセンターと、VTSセンターで提供する海上交通情報をリアルタイムで格納する海上交通情報データベース部と、海上交通情報データベース部から所定の範囲の海上交通情報の提供を受け、ディープラーニングアルゴリズムを利用して船舶状態及び領域状態を判断する管制基準情報を生成する海上交通管制学習部と、リアルタイムで格納される海上交通情報と管制基準情報とを比較分析して、船舶状態情報及び領域状態情報を含む海上管制情報をリアルタイムで生成する海上交通管制分析部と、生成された海上管制情報を電子海図を介して表示する海上交通管制情報表示部とを備える海上交通管制専門家システムが開示されている。
また、特許文献3には、輸送対象物の積み地、揚げ地、および輸送量から、少なくとも船舶の積載可能量、船舶数を含む時刻に依存しない制約条件を考慮して寄港順序および航海数を求める最適航海数決定工程と、最適航海数決定工程で求められた寄港順序と航海数から、運航計画を作成する最適運航計画作成工程とを有する船舶運航計画作成方法が開示されている。
また、特許文献4には、配送計画データを処理するに当たり、各レコードが住所部、サービス完了フラグ、および小包識別データを備える、論理的に順序付けられたレコードを備える配送計画を格納するメモリと、第1のレコードおよび第1のレコードは配送計画に追加されるという指示を備える配送計画更新メッセージを受信することができる無線インタフェースと、メッセージを処理し、第1のレコードの住所部内の第1の住所データに基づく論理的順番で、第1のレコードは配送計画に追加されると判定し、それにより、更新配送計画を作成することができるプロセッサであって、さらに更新配送計画作成の信号を提供することができるプロセッサと、プロセッサからの信号の受信に応えて視覚インジケータを提示することができるディスプレイであって、さらに第1のレコードに関連するテキストを提示することができるディスプレイとを備え、配送計画データを処理するポータブルデバイスが開示されている。
また、特許文献1から4は、貨物等の輸送対象物について、対象物属性や経路属性等の輸送属性を考慮し、深層学習を用いて最良の輸送経路を得るものではない。
そこで本発明は、多種類の輸送属性間の非線形かつ複雑な関係を考慮して最良輸送経路を予測する輸送経路予測プログラム及び輸送経路予測システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明によれば、多様な輸送属性が考慮された最良輸送経路を得ることができるため、個別の輸送対象物の経路推定の当否を基準に詳細な性能の検討が可能となり、例えば輸出入海上コンテナの輸送に利用する港を適切に選定すること等ができる。なお、最良輸送経路には、陸路、海路、空路の何れも含むことができる。
請求項2に記載の本発明によれば、輸送対象物の出発地、到着地、及び種類が考慮された、より適切な最良輸送経路を得ることができる。なお、輸送対象物の種類には人を含むことができる。
請求項3に記載の本発明によれば、輸送時間及び輸送費用が考慮された、より適切な最良輸送経路を得ることができる。
請求項4に記載の本発明によれば、経由地及び輸送手段が考慮された、より適切な最良輸送経路を得ることができる。
請求項5に記載の本発明によれば、輸送経路の候補経路データを作成して候補経路の作成等に利用することができる。
請求項6に記載の本発明によれば、輸送経路の全ての組み合わせを考慮したより適切な候補経路データを得ることができる。
請求項7に記載の本発明によれば、学習済みの経路推定モデルを作成することができる。
請求項8に記載の本発明によれば、最良のモデルを選出することにより、より適切な学習済みの経路推定モデルを得ることができる。
請求項9に記載の本発明によれば、候補経路の差分を分析することで、より適切な最良輸送経路を得ることができる。
請求項10に記載の本発明によれば、多様な輸送属性が考慮された最良輸送経路を得ることができるため、個別の輸送対象物の経路推定の当否を基準に詳細な性能の検討が可能となり、例えば輸出入海上コンテナの輸送に利用する港を適切に選定すること等ができる。
請求項11に記載の本発明によれば、輸送経路の候補経路データを作成して候補経路の作成等に利用することができる。
請求項12に記載の本発明によれば、学習済みの経路推定モデルを作成することができる。
請求項13に記載の本発明によれば、候補経路の差分を分析することで、より適切な最良輸送経路を得ることができる。
請求項14に記載の本発明によれば、例えば候補経路の作成から最良輸送経路の予測までをサーバで行うことができる。
請求項15に記載の本発明によれば、サーバに対して離れた地点からでもアクセスし最良輸送経路を得ることができる。
請求項16に記載の本発明によれば、最良輸送経路を画面に表示、又はファイルとして保存することができる。
輸送経路予測システムは、深層学習を用いて貨物又は人といった輸送対象物の輸送経路を予測する。
輸送経路予測システムは、例えば輸送対象物として輸出入海上コンテナ貨物が与えられた際、当該貨物がどのような輸送手段及び経路で輸送されるかを多階層のニューラルネットワーク(Deep Neural Network)により推定する。ニューラルネットワークでは多くの変数とその組合せを利用可能であり、それら変数間の非線形かつ複雑な関係も評価できるため、輸送経路の推定精度が向上する。また、問題に沿った適切な学習構造を一度作成してしまえば、学習データの項目数などが変わっても、ネットワークの次元、階層、活性化関数等のハイパーパラメータの調整のみで対応しやすい。
また、輸送経路予測システムは、サーバ1と、各ユーザが有する端末2を備える。 サーバ1は、ハードディスク等の情報記憶部70と、画面等の情報表示部80を有する。情報記憶部70には、輸送対象物データ5が記憶されていると共に、輸送経路データベース71と、輸送対象物データベース72と、学習データベース73が格納されている。サーバ1は、クラウドコンピューティング型でもオンプレミス型でもよい。端末2は、パーソナルコンピューターやタブレット型コンピュータ等である。本実施形態では、ユーザA、ユーザB、及びユーザCが端末2をそれぞれ有している。
候補経路作成手段20は、候補経路データ3を作成する候補経路データ作成部21を有する。これにより、輸送経路の候補経路データ3を作成して候補経路の作成等に利用することができる。なお、入力手段10で入力された輸送属性に関わる対象物属性及び輸送経路の経路属性を直接サーバ1に取り込んで利用してもよいが、輸送属性取得部22を設けてこれらを取得し情報記憶部70に蓄えて利用することもできる。
モデル適用手段30は、学習済みの経路推定モデル4を作成する学習済モデル作成部31を有する。これにより、学習済みの経路推定モデル4を作成することができる。
輸送経路予測手段40は、複数の候補経路のトーナメントを実施する候補経路トーナメント実施部41と、複数の候補経路に修正を加えてトーナメントを実施する修正候補経路トーナメント実施部42と、候補経路のトーナメントの実施結果と修正を加えた候補経路のトーナメントの実施結果との差分を求める差分計算部43と、差分を分析する差分分析部44を有する。候補経路の差分を分析することで、より適切な最良輸送経路を得ることができる。
また、ユーザCの端末2は、記憶部100を備える。記憶部100には、予測経路出力手段50から出力された最良輸送経路を記憶することができる。
入力手段10及び情報提供手段60は、通信手段90を介してサーバ1に接続されている。これにより、各ユーザはサーバ1に対して離れた地点からでもアクセスし最良輸送経路を得ることができる。通信手段90は、有線又は無線LANに接続するためのルータ等である。なお、サーバ1の機能は、分離することもできる。例えば輸送経路データベース71、輸送対象物データベース72、学習データベース73等は、別の情報記憶手段、又はそれぞれ別の情報記憶手段をもって構成することもできる。また、サーバ1は複数のサーバに機能を分散して設けることも可能であり、例えば輸送属性取得部22の機能を端末2に持たせることも可能である。
ユーザは、入力手段10を用いて、輸送対象物の輸送属性に関わる対象物属性及び輸送経路の経路属性を端末2に入力する。なお、経路属性が既に設定されている場合は、必要に応じて経路属性の修正を行う。入力する対象物属性としては、輸送対象物の数量や重量、混載の有無、コンテナの種類、及び申告価格等が挙げられるが、少なくとも輸送対象物の出発地、到着地、及び種類(品目)を含むことが好ましい。輸送対象物の出発地、到着地、及び種類を含むことにより、輸送対象物の出発地、到着地、及び種類が考慮された、より適切な最良輸送経路を得ることができる。なお、輸送対象物の種類には人を含むことができる。
また、対象物属性及び輸送経路の経路属性の入力は、端末2に表示される選択項目を選択することによっても可能であり、直接の入力と表示の選択を組み合わせて行うことも可能である。
また、ユーザは、輸送属性として、さらに経由地と輸送手段を端末2に入力することもできる。これにより、経由地と輸送手段が考慮された、より適切な最良輸送経路を得ることができる。
ユーザが入力した対象物属性、経路属性、及び経由地や輸送手段等の輸送属性は、端末2からサーバ1に送信される。これにより、サーバ1が輸送属性を取得する(輸送属性取得ステップS1)。
候補経路作成手段20は、候補経路作成ステップS4を実行するにあたり、候補経路データ3が作成済みか否かを判定する(候補経路データ作成判定ステップS2)。
候補経路作成手段20は、候補経路データ作成判定ステップS2において「NO」、すなわち候補経路データ3が作成済みでないと判定した場合は、候補経路データ作成部21で輸送経路データベース71のデータに基づいて、候補経路データ3を作成し(候補経路データ作成ステップS3)、その後に候補経路作成ステップS4を実行する。なお、候補経路データ作成ステップS3の詳細については後述する。
一方、候補経路作成手段20は、候補経路データ作成判定ステップS2において「YES」、すなわち候補経路データ3が作成済みであると判定した場合は、候補経路データ作成ステップS3を行うことなく候補経路作成ステップS4を実行する。
モデル適用手段30は、モデル適用ステップS7を実行するにあたり、学習済みの経路推定モデル4が作成済みか否かを判定する(経路推定モデル作成判定ステップS5)。
モデル適用手段30は、経路推定モデル作成判定ステップS5において「NO」、すなわち学習済みの経路推定モデル4が作成済みでないと判定した場合は、学習済モデル作成部31で学習済みの経路推定モデル4を作成し(学習済モデル作成ステップS6)、その後にモデル適用ステップS7を実行する。なお、学習済モデル作成ステップS6の詳細については後述する。
一方、モデル適用手段30は、経路推定モデル作成判定ステップS5において「YES」、すなわち学習済みの経路推定モデル4が作成済みであると判定した場合は、学習済モデル作成ステップS6を行うことなくモデル適用ステップS7を実行する。
なお、予測経路出力手段50において、最良輸送経路のみならず他の輸送経路や、入力した輸送属性やフローチャートにおける各ステップで処理した任意の結果も併せて出力することができる。
学習データを作成するためには、輸送対象物の発着地に対する候補経路データ3を用意する必要がある。候補経路の作成のための輸送モデルは、輸送対象物の発着地、港、及び航路等により構成される。なお以下では、輸送対象物を貨物とする。
候補経路データ作成部21は、先ず、輸送経路(地点・経路)の全ての組み合わせを計算する(組合計算ステップS31)。
組合計算ステップS31では、全ての輸送パターンについて、全ての地点と経路の全ての組み合わせが計算される。輸送パターンは、輸送対象物の発着地、港、及び航路により構成される。
発着地は、例えば文献“全国輸出入コンテナ貨物流動調査(国土交通省:平成15年,20年,25年全国輸出入コンテナ貨物流動調査,2004,2009及び2014.)”の非集計データを用いて設定する。これは国土交通省により通常5年に一度、11月に実施される輸出入海上コンテナ貨物の1か月間の全数調査である。このデータでは対象物属性、経路属性、及び海外の積降し港までの輸送属性(輸送手段、経由地等)の情報を利用可能である。
国内の輸送対象物の発着地は、全国輸出入コンテナ貨物流動調査のデータのコンテナ詰め場所、又は取り出し場所とする。具体的には、例えば文献“国土交通省:第4回(2005年)全国幹線旅客純流動調査207生活圏ゾーン,2007.”を参考に、国内を207に分類した生活圏の、中核自治体の主たる役所所在地とする。
また国外の輸送対象物の発着地は、全国輸出入コンテナ貨物流動調査のデータでは海外の最終船降し港、又は最初の船積み港となる。
国内港は、例えば、全国輸出入コンテナ貨物流動調査のデータに出現した国内港を全て用いることとし、国内で海上コンテナの輸出入機能を持つ港(中枢国際港湾に準拠)である「主要港」と、国内で海上コンテナの輸出入を行う港で主要港でない港、又は内航フィーダーの発着港として用いられる港である「地方港」の2種に分類する。
海外港については、海外の発着港は多数あることから、簡単化のため、日本に関する輸出入経路を考える際の重要性を鑑みて世界を24地域に分類し代表港を定めるとともに、うち6港についてはフィーダー機能を設定する。海外港は、輸出の場合の最終の船降し港、又は輸入の場合の最初の船積み港であって、フィーダー機能を設定しない港である「海外港」と、輸出の最終船降し港、輸入の最初の船積み港であって、フィーダー機能を設定する港である「海外フィーダー港」の2種に分類する。
内航部分については、使用した輸送対象物データ5が利用した全ての航路を対象とする。
外航部分については、設定した代表港間の全ての航路を想定し、例えば文献“赤倉康寛・渡部富博:東アジア域内航路の船型動向に関する分析−基幹航路の大型化によるカスケード効果の影響−,運輸政策研究,Vol.11,2008.”を参考に、東西基幹航路及びフィーダー港間の航路(基幹航路の一部であることも多い)については6,000TEU積のコンテナ船、それ以外については2,000TEU積みのコンテナ船による輸送とみなす。航行速度は同文献より、6,000TEU積みのコンテナ船が24.5ノット、2,000TEU積みのコンテナ船が20.9ノットとする。
(1)生活圏→中枢港→海外港/海外フィーダー港
(2)生活圏→中枢港→海外フィーダー港→海外港/海外フィーダー港
(3)生活圏→地方港→海外港/海外フィーダー港
(4)生活圏→地方港→中枢港→海外港/海外フィーダー港
(5)生活圏→地方港→海外フィーダー港→海外港/海外フィーダー港
(6)生活圏→中枢港→中枢港→海外港/海外フィーダー港
(7)生活圏→地方港→地方港→海外港/海外フィーダー港
この7パターンにおいて、生活圏と国内港の間は海上コンテナ用トレーラで輸送する。国内港間は、内航コンテナ船又は内航一般貨物船で内航フィーダー輸送を行うものとする。
なお、上記輸送パターンは輸出の例であり、輸入については輸出の逆向きの輸送であるため記載は省略する。
輸送属性は、各経路についての所要時間や輸送費用等である。本実施形態では、次のように輸送距離、所要時間、及び輸送費用を各種属性として設定する。
陸上輸送時間(運行計画を加味しないもの)について、陸上輸送の移動所要時間はNITASにより輸送距離と共に算出された値を用いる。これは基本的には距離を平均移動速度で割ったものである。
また、陸上輸送時間(運行計画を加味したもの)について、トラック運送業界の労働時間等に関する基準としては厚生労働省の定めた「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」、いわゆる改善基準告示を用いる。改善基準告示にはドライバの拘束時間、休息・休憩時間、運転時間等についての様々なルールが記載されており、それに従い運行計画を立てた場合の輸送時間を計算する。改善基準告示の関係個所の概要を下表1に示す。
また、荷役時間について、ここでの荷役時間は、搬入後の荷積み待ち時間又は荷揚後の搬出待ち時間であり、また、輸出入時には更に通関時間を含むものとする。
内航コンテナ船によるフィーダー輸送においては、コンテナは一般に入出港日の前日搬入・翌日搬出が基本であることから、上記相当時間として24時間を想定する。
外航コンテナ船においては、国内の輸出港又は輸入港の荷役時間は全国一律と見做す。また海外側の最終の船卸港又は最初の船積み港は貨物により不変であるため、任意の値を設定しても貨物経路推定結果に差は生じない。そのため外航コンテナ船の荷役時間としては国内港と海外港でそれぞれ共通のダミー値を設定する。
また、横持ち所要時間について、横持ち所要時間は、同一国内港において内・外航船を乗り換える際に、通常の荷役時間に加えて必要となる時間である。横持ちの所要時間は船舶の組み合わせや港湾レイアウト、手配の状況により多様であり数値化は容易ではない。ここでは上記より時間がかかる点を組み込むことを優先し、一括して6時間と設定する。
また、海外フィーダー港のトランシップ時間について、文献“港湾事業評価手法に関する研究委員会:港湾投資の評価に関する解説書2011,2011.”に基づき、24時間と設定する。
車両使用期間(償却年数)を7年、月間走行距離11,500km、車両稼働日数23日/月とすると共に、当該車両に乗車するドライバの月間総拘束時間を293時間とする等により近似式を求める。
これにより、40ftコンテナの陸上運賃は、輸送距離をdroad[km]、拘束時間をh[時間]として下式(2)で表される。
また、海外貨物発着港でのコンテナ荷役費用について、海外側の最終の船卸港又は最初の船積み港は貨物毎に不変である。任意の値を設定しても輸送経路推定結果に差は生じないため、任意のダミー値を設定する。
また、海外フィーダー港のトランシップ料金は、各種文献の値を参考に設定する。
また、横持ち費用は、各種文献の値を参考として実勢料金を設定する。
このように、輸出入の発着ペアに対して、組合せ可能な輸送パターンを全てあらかじめ計算して輸送経路データベース71を作成する。ただし、内航フィーダー航路については元データに出現した航路のみを用いる。
なお、外航航路においては存在しない航路も候補経路として設定することとなるが、深層学習(ディープラーニング)による学習が進む過程ではそのような経路は使われない経路として学習されていくため、悪影響は生じない。
学習済モデル作成部31は、学習済モデル作成ステップS6において、学習データが作成済みか否かを判定する(学習データ作成済判定ステップS61)。
ここで学習データとは、深層学習による学習に用いるもので、訓練データと検証データから構成される。一方、評価用データは学習の性能検証のために用いられる、深層学習の手続きでいうところのテストデータであり、トーナメントを行うために必要な輸送対象物データ5及び候補経路データ3から構成される。
輸送対象物が貨物の場合、学習データとして利用する輸送対象物属性(貨物属性)は、各貨物について、生活圏名、都道府県名、施設区分(コンテナ詰め/取り出し場所の荷主/業者/公共/その他施設の別)、施設種別(コンテナ詰め/取り出し場所の恒温/冷凍・冷蔵/その他倉庫の別)、発着港名、州名(海外港のアジア/大洋/ヨーロッパ/北アメリカ/アフリカ/南アメリカ州の別)、海外港の国名、品目名(81分類)、品類名(8分類)、混載の有無(FCL/LCL)、コンテナの種類(ドライ/リーファー/その他)、フレートトン、申告価格の計13種類である。
上述した7種の輸送経路パターンは、発地の後、最大2か所の経由地を経て着地へ至るものである。これを踏まえ、学習データとして利用する経路属性は、各経路について、発地から第一の経由地までにつき第一の輸送手段名(外航船/内航船/トレーラ)、第一の距離、第一の時間、及び第一の経由地名と、第一の経由地から第二の経由地までにつき第二の輸送手段名、第二の距離、第二の時間、及び第二の経由地名と、第二の経由地から着地までにつき第三の輸送手段名、第三の距離、及び第三の時間と、更に共通項目としてドライバ総休息時間、ドライバ総休憩時間、ドライバ総拘束時間、総時間(運行計画加味)、総時間(運行計画加味せず)、総費用(運行計画加味)、及び総費用(運行計画加味せず)の18種である。ただし経由地が1か所のみの場合、余分な経由地と経由経路項目にはダミー値が入る。
輸送対象物データ分類ステップS62においては、輸送対象物データ5を、学習用輸送対象物データとテストデータ(トーナメント用輸送対象物データ)に分類する。
図8(a)は、全国輸出入コンテナ貨物流動調査のデータを基にした輸送対象物データベース72を示している。
全国輸出入コンテナ貨物流動調査の輸送対象物データ(貨物データ)5は輸出入共に10万行前後あり、学習データの作成段階で行数が増えることを考慮し、学習済モデル作成部31は、乱数を用いて約1/80にサンプリングしデータサイズを小さくする(サンプリングステップS621)。図8(b)は、抽出した輸送対象物データ5を示している。輸送対象物データ5の並び順はランダムである。
学習済モデル作成部31は、次に、サンプリングした輸送対象物データ5を発着地ペア毎に分類してランダムに並び替える(発着地毎分類ステップS622)。図8(c)は、抽出した輸送対象物データ5を発着地毎に分類した状態を示している。
学習済モデル作成部31は、次に、輸送対象物データ5を、訓練データ及び検証データから構成される学習用輸送対象物データと、トーナメント用輸送対象物データであるテストデータに分類する(学習用/テスト用輸送対象物データ分類ステップS623)。図8(d)は、輸送対象物データ5を、学習用輸送対象物データ(訓練データ及び検証データ)と、テストデータに分類した状態を示している。例えば、輸送対象物データ5を、訓練データに約1/2、検証データとテストデータにそれぞれ約1/4を割り当てる。
ここで、発着地毎分類ステップS622において発着地毎に輸送対象物を分類し、学習用/テスト用輸送対象物データ分類ステップS623の訓練データ、検証データ、テストデータ間のそれぞれで共通する発着地が無いようにするのは、深層学習の学習過程で対象の発着地に対して利用頻度の高い正解経路を過学習により暗記してしまう可能性を排除するためである。これにより、検証データによる汎化過程を通じて、経路推定モデル(学習済みモデル)4が未知発着地の輸送対象物に対して適切に経路選択のためのロジックを学習することができる。また、テストデータでは訓練及び検証からなる学習で全く用いることのなかった未知発着地を用いることで、適切な性能評価値を得ることができる。
学習済モデル作成部31は、次に、分類した学習用輸送対象物データをランダムに並べ替える(学習用輸送対象物データランダム化ステップS624)と共に、分類したテストデータをランダムに並べ替えて(テストデータランダム化ステップS625)、処理を終了する。
ここで、図10は訓練データと検証データから構成される学習データを示す図、図11は学習データ作成ステップのフローチャートである。
学習済モデル作成部31は、情報記憶部70から輸送対象物を一個取り出し正解経路を記憶する(正解経路記憶ステップS631)。
学習済モデル作成部31は、次に、正解経路以外の候補経路を輸送経路データベース71から取り出す(候補経路取り出しステップS632)。
学習済モデル作成部31では、n本(本実施形態では四本)から一本の正解経路を選択する形式で学習を行う。しかし、候補経路数は一定ではなく、また、最大300経路弱となることもある。そこで、図10のように学習データを構成する。
各学習データは、一つの輸送対象物データ(貨物データ)5と四本の候補経路データ3を順に並べた構造とする。ここで、候補経路データ3のうち一本は正解の経路データであり、残り三本は不正解の経路である。
一方、一つの輸送対象物データ5に対し、輸送経路データベース71からその発着地の条件を満たす数十から300個弱の候補経路一式が抽出される。このうち一個は正解経路である。正解経路を除いた残りの分をランダムに並べ替え、三本ずつ順に全数を学習データに割り当てていく。
学習済モデル作成部31は、未使用経路判定ステップS633において「YES」、すなわち未使用の経路があると判定した場合は、未使用の経路がn−1本(本実施形態では三本)以上か否かを判定する(未使用経路本数判定ステップS634)。
学習済モデル作成部31は、未使用経路本数判定ステップS634において「YES」、すなわち残る未使用の経路がn−1本以上であると判定した場合は、未使用経路をn−1本取り出す(未使用経路取り出しステップS635)。
一方、学習済モデル作成部31は、未使用経路本数判定ステップS634において「NO」、すなわち未使用の経路がn−1本未満であると判定した場合は、最後の学習データの経路本数が必要数に満たないため、経路がn−1本以上となるように他の候補経路をダミーとしてランダムに選んでセットする(ダミー候補経路追加ステップS636)。
これにより各学習データに四本の経路がそろった後、学習済モデル作成部31は、四本(n本)の順番をランダムにする(学習データ経路ランダム化ステップS638)。このような手続きにより、一個の輸送対象物に対して、10〜100個程度の学習データが作成されることとなる。
学習済モデル作成部31は、学習データ経路ランダム化ステップS638の後、学習データに輸送対象物データ5を加えて学習データベース73に格納し(学習データ格納ステップS639)、未使用経路判定ステップS633に戻る。
学習済モデル作成部31は、未使用経路判定ステップS633において「NO」、すなわち未使用の経路がないと判定した場合は、学習データを全輸送対象物について作成済みか否かを判定する(学習データ作成終了判定ステップS6310)。なお、学習データ作成終了判定ステップS6310は、学習データ作成の開始直後にも実行される。
この結果、学習データの行数は5万行程度となる。また、一つの輸送対象物について13項目、候補経路一つにつき18項目の属性要素があるため、1学習データで用いる項目数は85となる。数値データの正規化を行うとともに、ラベルデータをone−hotエンコーディングにより数値化すると、各学習データの列数は3541列となる。なお、地名データについては全てを一括してone−hotエンコーディングしてある。
学習データの例を下表2に示す。学習データは対象物属性とn本の候補経路からなる。候補経路のうち一本は正解経路である。
ここで、図12はディープニューラルネットワークの入力と出力の概要を示す図である。
実務における輸送経路の選択は、候補の中から最も良いものを選ぶという相対評価が基本である。一方、全国輸出入コンテナ貨物流動調査のデータを用いることにより、輸出入コンテナ貨物及びその貨物がどのような経路により輸送されたかに関して詳細かつ多量のデータを利用可能である。そこで、一つの輸送対象物データ(貨物データ)5に対して正解経路と共に複数の候補経路を同時に与え、経路間の相対的な優劣評価を学習させる教師あり学習をディープラーニング手法を用いて行う。
図12のように対象とする輸送対象物に対し正解経路を含んだ一定数(本実施形態では四本)の候補経路を入力として与え、正解経路番号を出力させることで学習を行う。
ここで、図13はテストデータによるトーナメントを示す図である。
ある輸送対象物について発着地が示された際、利用可能な港の配置や航路の有無等により候補となる経路の数は不定かつ多数であることが多い。候補経路が四本を超える場合は、四本毎のトーナメントをおこなうことで、最終的な推定経路を得る。
テストデータ(トーナメント用輸送対象物データ)は、評価用データとして用いられる。トーナメントは一般のディープラーニングにおけるテストに相当する段階である。
学習用データと異なり、トーナメントでは正解経路データは一か所のみでしか使用しない。四本から一本を選ぶ経路選択を繰り返すことで最終的に一本の優勝経路が求まる。優勝経路が正解経路であれば、正しく経路を推定できたこととなる。
なお、トーナメントの過程で候補経路数が四本そろわない場合は、元となる候補経路中から乱数で必要数分を補い、必要数を満たしてトーナメントを継続する。
学習済モデル作成部31は、情報記憶部70から貨物(輸送対象物)を1個取り出し正解経路を記憶する(トーナメント正解経路記憶ステップS651)。
学習済モデル作成部31は、次に、候補経路を情報記憶部70の候補経路集に格納する(候補経路格納ステップS652)。
学習済モデル作成部31は、次に、候補経路集に格納した候補経路の順番をランダムにする(候補経路ランダム化ステップS653)。
学習済モデル作成部31は、次に、候補経路集に未使用の候補経路があるか否かを判定する(未使用候補経路判定ステップS654)。
学習済モデル作成部31は、未使用候補経路判定ステップS654において「YES」、すなわち候補経路集に未使用の候補経路があると判定した場合は、未使用の候補経路の本数がn本(本実施形態では四本)以上か否かを判定する(未使用候補経路所定数判定ステップS655)。
学習済モデル作成部31は、未使用候補経路所定数判定ステップS655において「YES」、すなわち未使用の候補経路の本数がn本以上と判定した場合は、ランダムに並べられた未使用の候補経路を順にn本取り出す(未使用候補経路取り出しステップS656)。
一方、学習済モデル作成部31は、未使用候補経路所定数判定ステップS655において「NO」、すなわち未使用の候補経路の本数がn本未満と判定した場合は、n本になるように乱数で必要数分を加える(候補経路補充ステップS657)。
未使用候補経路取り出しステップS656の後、又は候補経路補充ステップS657の後、経路推定モデル4を使用して四本から一本を選ぶ経路選択を行い(経路選択ステップS658)、最尤経路を情報記憶部70の勝抜経路集に格納する(最尤経路格納ステップS659)。
最尤経路格納ステップS659の後は、未使用候補経路判定ステップS654に戻る。
学習済モデル作成部31は、優勝経路判定ステップS6510において「NO」、すなわち勝抜経路の数が二つ以上あると判定した場合は、勝抜経路集を候補経路集に代入して勝抜経路集を初期化し(勝抜経路集初期化ステップS6511)、候補経路ランダム化ステップS653に戻る。
一方、学習済モデル作成部31は、優勝経路判定ステップS6510において「YES」、すなわち勝抜経路の数が一つであると判定した場合は、その勝抜経路を優勝経路として決定し、処理を終了する。
学習結果保管ステップS66の後、学習済モデル作成部31は、深層学習が規定回数終了したか否かを判定する(規定回数終了判定ステップS67)。なお、規定回数終了判定ステップS67は、学習済モデル作成ステップS6の開始直後にも実行される。規定回数は、例えばモンテカルロ解析の反復回数とする。
学習済モデル作成部31は、規定回数終了判定ステップS67において「NO」、すなわち深層学習が規定回数終了していないと判定した場合は、学習データ作成済判定ステップS61に進む。
一方、学習済モデル作成部31は、規定回数終了判定ステップS67において「YES」、すなわち深層学習が規定回数終了したと判定した場合は、情報記憶部70に保管されているトーナメントの結果に基づいて最良のモデルを選出し(最良モデル選出ステップS68)、処理を終了する。深層学習は乱数を基に学習を進めるので同じ設定でも結果は毎回異なる。そのため、複数回学習を行って最も性能の良いものを選出する。
輸送経路予測手段40は、モデル適用手段30が候補経路を学習済みの経路推定モデル4に適用することにより得られた基本となる複数の候補経路を用いてトーナメントを実施する(候補経路トーナメント実施ステップS81)。
また、輸送経路予測手段40は、モデル適用手段30が候補経路を学習済みの経路推定モデル4に適用することにより得られた複数の候補経路に修正を加え(候補経路修正ステップS82)、修正した候補経路を用いてトーナメントを実施する(修正候補経路トーナメント実施ステップS83)。候補経路修正ステップS82における修正は、対象港を通る経路のみ有利にする修正とする。なお、候補経路修正ステップS82における修正を、対象港を通る経路のみ不利にする修正とすることもでき、この場合は、固定/高離反可能性顧客の判定を行うことができる。
輸送経路予測手段40は、次に、候補経路トーナメント実施ステップS81の実施結果と、修正候補経路トーナメント実施ステップS83の実施結果との差分を求め、修正により増えた対象港を通過する輸送対象物を抽出する(差分計算ステップS84)。
差分計算ステップS84の後、輸送経路予測手段40は、差分を分析し(差分分析ステップS85)、輸送経路予測の処理を終了する。差分分析ステップS85においては、増加輸送対象物の発着地や品種等といった属性を分析する。
本例では過学習を避けるためコンパクトな五層からなる全結合ネットワークを用いることとした。活性化関数は出力層でシグモイド関数を用いるほかはReLU関数を用いる。入力層及び中間層の次元は8、出力層の次元は4である。DropoutやBatch Normalizationは使用していない。損失関数にはCategorical Cross Entropyを用い、オプティマイザとしてRMSPropにより訓練を行う。Epoch数は30とし、正解率(Accuracy)が最良のモデルを採用する。
以上を高水準ニューラルネットワークライブラリであるKeras(ver.2.2.4)を用い、TensorFlow(ver.1.12.0)を間接的に実行する方式で実装した。
図16より、小数回の学習で急速に性能が向上することが分かる。これは、学習データの大部分が、正解経路と、例えば大きく迂回するような性能の低い三個の経路との間の正誤判定であるため、例えば時間、距離、又は費用等のいずれかといった単独の要素のみに着目してもかなりの程度高い正答率(基礎正答率)を確保できるからと推察できる。ただし、トーナメントを経た最終的な正答率(最終正答率)で高い値を得るには、その後に続く学習により継続的な性能改善が必要となる。
学習済モデル作成部31が作成した経路推定モデル4を用いてトーナメントを行う。学習は乱数を用いて行われるため、同一の設定で行っても結果は毎回異なる。そこで学習からトーナメント実施までを10回行い平均と最良の最終正答率を求めた。その結果、輸出では輸送対象物の個数ベースで平均82%、最良87%、輸入では輸送対象物の個数ベースで平均84%、最良86%の結果となった。
この結果により、学習済モデル作成部31による最良輸送経路の予測では最も優秀な経路推定モデル4を採用するため、輸出入において9割弱の最終正答率となるモデルを得ることができたと考えられる。
輸送経路の推定性能への各属性の影響程度を重要度解析で簡易評価した。これは評価対象項目を学習データから除き、再学習を行って最終正答率の相対的な減少程度をみるものである。評価対象は、輸送経路データの輸送手段、距離、時間、及び費用の4分類13種とする。学習の成功程度のばらつきの影響を減らすため、学習からトーナメントまでを10回行って最終正答率の平均値を求めた。
図18に示すように、輸送手段、時間、距離、及び費用のうちでは、費用が最も影響が大きく、次いで時間、距離、輸送手段の順となる。費用が支配的ではあるものの、経路推定精度を上げるため輸送手段、距離、及び時間等も組み合わせることで推定を行っていることが示唆される。
全国輸出入コンテナ貨物流動調査は5年毎に調査が行われ、一定の集計及び編集期間を経て利用可能となる。そのため、最長で6年程度前のデータを用いて学習した経路推定モデル4を使うこととなる。そこで、時間の経過を経ることで、最終正答率がどの程度変化するかの評価を行った。
輸出入について、2003年データで学習を行ったモデルを用いて2008年データでトーナメントによる経路推定を行い、また2008年データで学習を行ったモデルを用いて2013年データの経路推定を行って推定精度(最終正答率)を計算する。ここで、経路推定モデル4は当該年における学習を10回行い、最も最終正答率の良いものを最良のモデルとして用いる。
ただし、上述した学習済モデル作成部31による学習データの作成においては訓練データ、検証データ、テストデータを分けたが、これは同時点における未知発着地データに対する経路推定性能を確認するためであって、輸送経路予測手段40による輸送経路予測の段階において全数が未知(未来)のデータに対して経路推定する際には、学習に用いた発着地であるか否かを区別する必要はない。そこで全てのデータを用いて経路推定精度の評価を行う。評価の際は、例えば2003年の経路推定モデル4に対しては、2008年の全発着地のテストデータを用いて精度を計算する。
この結果、図19に示すように、学習から5年の時間が経過しても8割強の最終正答率となり十分な推定性能を有することが分かった。
また、輸送属性取得ステップS1で取得する対象物属性には、輸送対象物の出発地、到着地、及び種類を含むことで、輸送対象物の出発地、到着地、及び種類が考慮された、より適切な最良輸送経路を得ることができる。
また、輸送属性取得ステップS1で取得する経路属性には、輸送時間及び輸送費用を含むことで、輸送時間及び輸送費用が考慮された、より適切な最良輸送経路を得ることができる。
また、輸送属性取得ステップS1で取得する輸送属性として、さらに経由地と輸送手段を含むことで、経由地及び輸送手段が考慮された、より適切な最良輸送経路を得ることができる。
また、候補経路作成ステップS4において、輸送経路の候補経路データ3が作成済みでない場合に、候補経路データ3を作成する候補経路データ作成ステップS3をさらに実行することで、輸送経路の候補経路データ3を作成して候補経路の作成等に利用することができる。
また、候補経路データ作成ステップS3は、輸送経路の全ての組み合わせを計算する組合計算ステップS31と、組み合わせた輸送経路の計算結果について輸送属性を計算する輸送属性計算ステップS32と、組み合わせた輸送経路の計算結果と輸送属性の計算結果とを候補経路データ3として輸送経路データベース71に保管するデータ保管ステップS33を有することで、輸送経路の全ての組み合わせを考慮したより適切な候補経路データ3を得ることができる。
また、モデル適用ステップS7において、学習済みの経路推定モデル4が作成済みでない場合に、学習済みの経路推定モデル4を作成する学習済モデル作成ステップS6をさらに実行することで、学習済みの経路推定モデル4を作成することができる。
また、学習済モデル作成ステップS6は、輸送対象物の輸送対象物データ5を分類する輸送対象物データ分類ステップS62と、分類した輸送対象物データ5に基づいて学習データを作成する学習データ作成ステップS63と、学習データを用いて深層学習を実施する学習実施ステップS64と、深層学習の結果と輸送対象物データ5に基づいてトーナメントを実施するトーナメント実施ステップS65と、トーナメントの結果に基づいて最良のモデルを選出する最良モデル選出ステップS68を有することで、最良のモデルを選出することにより、より適切な学習済みの経路推定モデル4を得ることができる。
また、輸送経路予測ステップS8は、複数の候補経路のトーナメントを実施する候補経路トーナメント実施ステップS81と、複数の候補経路に修正を加えてトーナメントを実施する修正候補経路トーナメント実施ステップS83と、候補経路のトーナメントの実施結果と修正を加えた候補経路のトーナメントの実施結果との差分を求める差分計算ステップS84と、差分を分析する差分分析ステップS85とを実行することで、候補経路の差分を分析することで、より適切な最良輸送経路を得ることができる。
また、本発明は、例えばRORO/フェリー船社が、既存RORO/フェリー航路の潜在貨物の発見、固定/高離反可能性顧客判定、新規RORO/フェリー航路の貨物量及び内容等の予測等に用いることもできる。
また、本発明は、輸出入事業者の貨物の輸送経路の選択や、輸出品の製造事業者の輸送経路の選択に利用することもできる。
また、海上貨物に限らず、トラック輸送事業者や空輸事業者等が扱う貨物、輸送機関等による旅客の需要分析や輸送経路選択にも利用可能である。
3 候補経路データ
4 学習済みの経路推定モデル
5 輸送対象物データ
10 入力手段
20 候補経路作成手段
21 候補経路データ作成部
22 輸送属性取得部
30 モデル適用手段
31 学習済モデル作成部
40 輸送経路予測手段
41 候補経路トーナメント実施部
42 修正候補経路トーナメント実施部
43 差分計算部
44 差分分析部
50 予測経路出力手段
60 情報提供手段
71 輸送経路データベース
90 通信手段
S1 輸送属性取得ステップ
S3 候補経路データ作成ステップ
S31 組合計算ステップ
S32 輸送属性計算ステップ
S33 データ保管ステップ
S4 候補経路作成ステップ
S6 学習済モデル作成ステップ
S62 輸送対象物データ分類ステップ
S63 学習データ作成ステップ
S64 学習実施ステップ
S65 トーナメント実施ステップ
S68 最良モデル選出ステップ
S7 モデル適用ステップ
S8 輸送経路予測ステップ
S81 候補経路トーナメント実施ステップ
S83 修正候補経路トーナメント実施ステップ
S84 差分計算ステップ
S85 差分分析ステップ
S9 予測経路出力ステップ
Claims (16)
- 輸送対象物の輸送経路を深層学習を用いて予測するプログラムであって、
コンピュータに、
入力された前記輸送対象物の輸送属性に関わる対象物属性及び前記輸送経路の経路属性を取得する輸送属性取得ステップと、
前記輸送属性に基づいて前記輸送経路の候補経路を作成する候補経路作成ステップと、
前記候補経路を前記深層学習を用いた学習済みの経路推定モデルに適用するモデル適用ステップと、
前記経路推定モデルで得られた前記輸送対象物の前記候補経路を分析し最良輸送経路を予測する輸送経路予測ステップと、
前記予測した前記最良輸送経路を出力する予測経路出力ステップと
を実行させることを特徴とする輸送経路予測プログラム。 - 前記輸送属性取得ステップで取得する前記対象物属性には、前記輸送対象物の出発地、到着地、及び種類を含むことを特徴とする請求項1に記載の輸送経路予測プログラム。
- 前記輸送属性取得ステップで取得する前記経路属性には、輸送時間及び輸送費用を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の輸送経路予測プログラム。
- 前記輸送属性取得ステップで取得する前記輸送属性として、さらに経由地と輸送手段を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の輸送経路予測プログラム。
- 前記候補経路作成ステップにおいて、前記輸送経路の候補経路データが作成済みでない場合に、前記候補経路データを作成する候補経路データ作成ステップをさらに実行することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の輸送経路予測プログラム。
- 前記候補経路データ作成ステップは、前記輸送経路の全ての組み合わせを計算する組合計算ステップと、組み合わせた前記輸送経路の計算結果について前記輸送属性を計算する輸送属性計算ステップと、組み合わせた前記輸送経路の計算結果と前記輸送属性の計算結果とを前記候補経路データとして輸送経路データベースに保管するデータ保管ステップを有することを特徴とする請求項5に記載の輸送経路予測プログラム。
- 前記モデル適用ステップにおいて、前記学習済みの経路推定モデルが作成済みでない場合に、前記学習済みの経路推定モデルを作成する学習済モデル作成ステップをさらに実行することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の輸送経路予測プログラム。
- 前記学習済モデル作成ステップは、前記輸送対象物の輸送対象物データを分類する輸送対象物データ分類ステップと、分類した前記輸送対象物データに基づいて学習データを作成する学習データ作成ステップと、前記学習データを用いて前記深層学習を実施する学習実施ステップと、前記深層学習の結果と前記輸送対象物データに基づいてトーナメントを実施するトーナメント実施ステップと、トーナメントの結果に基づいて最良のモデルを選出する最良モデル選出ステップを有することを特徴とする請求項7に記載の輸送経路予測プログラム。
- 前記輸送経路予測ステップは、複数の前記候補経路のトーナメントを実施する候補経路トーナメント実施ステップと、複数の前記候補経路に修正を加えてトーナメントを実施する修正候補経路トーナメント実施ステップと、前記候補経路のトーナメントの実施結果と前記修正を加えた候補経路のトーナメントの実施結果との差分を求める差分計算ステップと、前記差分を分析する差分分析ステップとを実行することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の輸送経路予測プログラム。
- 輸送対象物の輸送経路を深層学習を用いて予測するシステムであって、
前記輸送対象物の輸送属性に関わる対象物属性及び前記輸送経路の経路属性を入力する入力手段と、前記輸送属性に基づいて前記輸送経路の候補経路を作成する候補経路作成手段と、前記候補経路を前記深層学習を用いた学習済みの経路推定モデルに適用するモデル適用手段と、前記経路推定モデルで得られた前記輸送対象物の前記候補経路を分析し最良輸送経路を予測する輸送経路予測手段と、前記予測した前記最良輸送経路を出力する予測経路出力手段と、出力された最良輸送経路を情報として提供する情報提供手段とを備えたことを特徴とする輸送経路予測システム。 - 前記候補経路作成手段は、候補経路データを作成する候補経路データ作成部を有することを特徴とする請求項10に記載の輸送経路予測システム。
- 前記モデル適用手段は、前記学習済みの経路推定モデルを作成する学習済モデル作成部を有することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の輸送経路予測システム。
- 前記輸送経路予測手段は、複数の前記候補経路のトーナメントを実施する候補経路トーナメント実施部と、複数の前記候補経路に修正を加えてトーナメントを実施する修正候補経路トーナメント実施部と、前記候補経路のトーナメントの実施結果と前記修正を加えた候補経路のトーナメントの実施結果との差分を求める差分計算部と、前記差分を分析する差分分析部を有することを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の輸送経路予測システム。
- 前記候補経路作成手段と、前記モデル適用手段と、前記輸送経路予測手段と、前記予測経路出力手段とをサーバをもって構成したことを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の輸送経路予測システム。
- 前記入力手段及び前記情報提供手段を、通信手段を介して前記サーバに接続したことを特徴とする請求項14に記載の輸送経路予測システム。
- 前記情報提供手段には、画面又はファイルを含むことを特徴とする請求項10から請求項15のいずれか1項に記載の輸送経路予測システム。
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