JP2021179363A - 機械加工品質判定システム、機械加工品質判定方法、及び機械加工品質判定プログラム - Google Patents

機械加工品質判定システム、機械加工品質判定方法、及び機械加工品質判定プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2021179363A
JP2021179363A JP2020084773A JP2020084773A JP2021179363A JP 2021179363 A JP2021179363 A JP 2021179363A JP 2020084773 A JP2020084773 A JP 2020084773A JP 2020084773 A JP2020084773 A JP 2020084773A JP 2021179363 A JP2021179363 A JP 2021179363A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
value
machining
machining quality
quality determination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020084773A
Other languages
English (en)
Inventor
宏幸 田中
Hiroyuki Tanaka
衛 上田
Mamoru Ueda
悟 西井
Satoru Nishii
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nadex Co Ltd
Original Assignee
Nadex Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nadex Co Ltd filed Critical Nadex Co Ltd
Priority to JP2020084773A priority Critical patent/JP2021179363A/ja
Publication of JP2021179363A publication Critical patent/JP2021179363A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

【課題】機械加工を用いて製造される部品の品質の判定をより信頼性の高いものとする機械加工品質判定システムを提供する。【解決手段】機械加工品質判定システムは、対象部品の加工部分から発生した弾性波を取得する弾性波取得部と、対象部品に発生した弾性波の所定サンプリング周期ごとのデータを対象値aiとして取得する対象値取得部と、対象値aiに基づいて積算対象値biを得るために積算処理を行い、積算処理では、積算対象値bkは、対象値aiの文字iを1からkまで順に1ずつ増やすことで特定されるa1からakの値の全てを足し合わせて算出される、算出処理が行われる対象積算処理部と、対象積算処理部により算出された積算対象値biに基づく値と予め用意された所定閾値とを比較する比較部と、比較部で比較した結果に基づいて対象部品の加工部分の品質の良否を判定する判定部と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、機械加工品質判定システム、機械加工品質判定方法、及び機械加工品質判定プログラムに関し、特に積算を用いた機械加工品質判定システム、機械加工品質判定方法、及び機械加工品質判定プログラムに関するものである。
従来、機械加工を用いて製造される部品の品質保証において、全数検査ができない場合はロットを構成する一部の部品を抜き取って検査を行い、その検査結果を予め設定された判定基準と比較して、そのロットの品質の良否を決める抜き取り検査を行っていた。
近年では、部品の品質保証の信頼性を上げるために、機械加工中に部品から生じる振動、音、熱などを各種センサーを用いて検出し解析する手法でロットを構成する全ての部品に対して品質判定を実施し、そのロットの品質保証をする全数検査が行われるようになってきた。
具体的には、機械加工の一例として溶接工程を経て製造される部品の場合では、溶接により発生する弾性波をアコースティック・エミッション(AE)センサーにより検出し、このAEセンサーの検出信号を解析することで溶接の品質を判定していた(特許文献1参照)。
特開平6−155056号公報
しかし、AEによって生じる弾性波を検知するAEセンサーの検知信号はその特性として、ノイズの割合が比較的高く、その検知信号自体のばらつきが大きい。さらに、溶接によって生じる弾性波以外の騒音などのノイズを弾性波としてAEセンサーが検知してしまうことがある。このため、部品の品質保証をする場合はその安全率を考慮して曖昧な検出信号の態様はすべて不良品として判定せざるを得ないため、部品の品質保証としては信頼性の欠けるものとなることがあった。
そこで、本開示は、機械加工を用いて製造される部品の品質の判定をより信頼性の高いものとすることができる機械加工品質判定システム、機械加工品質判定方法、及び機械加工品質判定プログラムを提供することを目的とする。
すなわち、第1の態様の機械加工品質判定システムは、機械加工工程を経て製造される部品の機械加工工程で加工された加工部分の品質の良否を判定する機械加工品質判定システムであって、機械加工品質判定システムの判定対象となる対象部品の機械加工工程で加工された加工部分から機械加工工程時に発生した弾性波を取得する弾性波取得部と、弾性波取得部により取得された対象部品の加工部分の機械加工工程時に発生した弾性波の所定サンプリング周期ごとのデータをn個の対象値a(iは1からnまでの整数)として取得する対象値取得部と、対象値取得部により取得されたn個の対象値aに基づいてn個の積算対象値b(iは1からnまでの整数)を得るために積算処理を行い、積算処理では、積算対象値b(kは1からnの任意の整数)は、対象値aの文字iを1からkまで順に1ずつ増やすことで特定されるaからaの値の全てを足し合わせて算出される、算出処理が行われる対象積算処理部と、対象積算処理部により算出された積算対象値bに基づく値と予め用意された所定閾値とを比較する比較部と、比較部で比較した結果に基づいて対象部品の加工部分の品質を良品または不良品の何れかに判定する判定部とを備える。
第1の態様によれば、機械加工品質判定システムの判定対象となる対象部品の機械加工工程で加工された加工部分から機械加工工程時に発生した弾性波に含まれるノイズや弾性波のばらつきなどの影響を抑えつつ当該機械加工の品質を判定することができ、部品の機械加工の品質の判定をより信頼の高いものとすることができる。
第2の態様は、第1の態様の機械加工品質判定システムにおいて、対象部品と同種の部品であって機械加工工程で加工された加工部分の品質が良品と判定された部品の加工部分から機械加工工程時に発生した弾性波のデータを取得する良品データ取得部と、良品データ取得部により取得された弾性波のデータのうちの所定サンプリング周期ごとのデータをn個の基準値α(iは1からnまでの整数)として取得する基準値取得部と、基準値取得部により取得されたn個の基準値αに基づいてn個の積算基準値β(iは1からnまでの整数)を得るために積算処理を行い、当該積算処理では、積算基準値β(kは1からnの任意の整数)は、基準値αの文字iを1からkまで順に1ずつ増やすことで特定されるαからαの値の全てを足し合わせて算出される、算出処理が行われる基準積算処理部と、を備え、所定閾値は、前記基準積算処理部で算出された前記積算基準値βに基づき予め設定されていることとしてもよい。
第2の態様によれば、機械加工品質判定システムの判定対象となる対象部品と同じ種類の部品の良品に基づいて所定閾値を設定して品質判定をするので、当該対象部品の実際の製造工程の実態を踏まえて機械加工の品質を判定することができる。
第3の態様は、第2の態様の機械加工品質判定システムにおいて、基準積算処理部により算出された積算基準値βを一次関数に近似し一次関数の傾きを基準傾きとして取得する基準傾き取得部と、対象積算処理部により算出された積算対象値bを一次関数に近似し一次関数の傾きを対象傾きとして取得する対象傾き取得部と、を備え、所定閾値は、基準傾き取得部により取得された基準傾きであり、比較部は、対象傾きと基準傾きとを比較することとしてもよい。
第4の態様は、第3の態様の機械加工品質判定システムにおいて、基準傾き取得部と対象傾き取得部とは、最小二乗法により一次関数を得ることとしてもよい。
第4の態様によれば、基準傾き取得部と対象傾き取得部とにおいて最小二乗法を用いることで容易に一次関数を得ることができる。
第5の態様は、第4の態様の機械加工品質判定システムにおいて、良品データ取得部は、対象部品と同種の部品であって加工部分の品質が良品と判定された複数の部品の機械加工工程時の加工部分から発生する弾性波のデータを複数の部品毎に取得し、基準値取得部は、良品データ取得部に取得された弾性波のデータのうちの所定サンプリング周期ごとのデータを基準値αとして複数の部品毎に取得し、基準積算処理部は、基準値取得部により取得された基準値αを積算処理して得られる積算基準値βを複数の部品毎に算出し、基準傾き取得部は、基準積算処理部により算出された積算基準値βを一次関数に近似し一次関数の傾きを基準傾きとして複数の部品毎に取得し、比較部は、基準傾き取得部で取得された複数の基準傾きのうち最小基準傾きと最大基準傾きとで規定される範囲を所定範囲と設定し、対象傾き取得部により取得された対象傾きが所定範囲に中に有るか否かを判定し、判定部は、比較部において、対象傾きが所定範囲の中に有ると判定された対象部品を良品と判定し、対象傾きが所定範囲の中に無いと判定された対象部品を不良品と判定することとしてもよい。
第5の態様によれば、複数の良品に基づいて当該機械加工品質判定システムの判定の対象となる機械加工の品質の良否の判定基準を設定するので、1個の良品に基づいて判定基準を設定する場合より信頼性の高い判定基準とすることができる。
第6の態様は、第1乃至5の態様の機械加工品質判定システムにおいて、機械加工品質判定システムの判定対象となる対象部品の機械加工工程で加工された加工部分から機械加工工程時に発生した弾性波を検出するセンサーを備えていることとしてもよい。
第7の態様は、第6の態様の機械加工品質判定システムにおいて、センサーは、アコースティック・エミッションセンサー、ピエゾ素子センサー、ひずみセンサー、静電容量センサー、渦電流センサー、レーザー干渉計の少なくとも何れかであることとしてもよい。
第8の態様は、第6又は7の態様の機械加工品質判定システムにおいて、センサーは、無線通信により機械加工品質判定システムと接続されていることとしてもよい。
第8の態様によれば、当該機械加工品質判定システムから離れた場所に判定対象に係る機械加工装置があっても当該機械加工工程装置の機械加工の品質の判定をすることができる。
第9の態様は、第6乃至8の態様の機械加工品質判定システムにおいて、センサーは、情報通信ネットワークを介して機械加工品質判定システムと接続されていることとしてもよい。
第9の態様によれば、当該機械加工品質判定システムから離れた場所に判定対象に係る機械加工装置があっても当該機械加工工程装置の機械加工の品質の判定をすることができる。
第10の態様は、第1乃至9の態様の機械加工品質判定システムにおいて、機械加工は、溶接、塑性加工の少なくとも何れかであることとしてもよい。
第11の態様は、第10の態様の機械加工品質判定システムにおいて、溶接は、レーザー溶接、アーク溶接、ガス溶接、抵抗溶接の少なくとも何れかであることとしてもよい。
第12の態様は、第10の態様の機械加工品質判定システムにおいて、塑性加工は、プレス加工であることとしてもよい。
第13の態様の機械加工品質判定方法は、機械加工工程を経て製造される部品の機械加工工程で加工された加工部分の品質の良否を判定する機械加工品質判定方法であって、機械加工品質判定方法の判定対象となる対象部品の機械加工工程で加工された加工部分から機械加工工程時に発生した弾性波を取得する弾性波取得ステップと、弾性波取得ステップにより取得された対象部品の加工部分の機械加工工程時に発生した弾性波の所定サンプリング周期ごとのデータをn個の対象値a(iは1からnまでの整数)として取得する対象値取得ステップと、対象値取得ステップにより取得されたn個の対象値aに基づいてn個の積算対象値b(iは1からnまでの整数)を得るために積算処理を行い、当該積算処理では、積算対象値b(kは1からnの任意の整数)は、対象値aの文字iを1からkまで順に1ずつ増やすことで特定されるaからaの値の全てを足し合わせて算出される、算出処理が行われる対象積算処理ステップと、対象積算処理ステップにより算出された積算対象値bに基づく値と予め用意された所定閾値とを比較する比較ステップと、比較ステップで比較した結果に基づいて対象部品の加工部分の品質を良品または不良品の何れかに判定する判定ステップとを備える。
第13の態様に機械加工品質判定方法によれば、機械加工品質判定システムの判定対象となる対象部品の機械加工工程で加工された加工部分から機械加工工程時に発生した弾性波に含まれるノイズや弾性波のばらつきなどの影響を抑えつつ当該機械加工の品質を判定することができ、部品の機械加工の品質の判定をより信頼の高いものとすることができる。
第14の態様の機械加工品質判定プログラムは、機械加工工程を経て製造される部品の機械加工工程で加工された加工部分の品質の良否を判定する機械加工品質判定システムに用いられるコンピュータに、機械加工品質判定システムの判定対象となる対象部品の機械加工工程で加工された加工部分から機械加工工程時に発生した弾性波を取得する弾性波取得機能と、弾性波取得機能により取得された対象部品の加工部分の機械加工工程時に発生した弾性波の所定サンプリング周期ごとのデータをn個の対象値a(iは1からnまでの整数)として取得する対象値取得機能と、対象値取得機能により取得されたn個の対象値aに基づいてn個の積算対象値b(iは1からnまでの整数)を得るために積算処理を行い、当該積算処理では、積算対象値b(kは1からnの任意の整数)は、対象値aの文字iを1からkまで順に1ずつ増やすことで特定されるaからaの値の全てを足し合わせて算出される、算出処理が行われる対象積算処理機能と、対象積算処理機能により算出された積算対象値bに基づく値と予め用意された所定閾値とを比較する比較機能と、比較機能で比較した結果に基づいて対象部品の加工部分の品質を良品または不良品の何れかに判定する判定機能と、を実現させることを特徴とする。
第14の態様に機械加工品質判定プログラムによれば、機械加工品質判定システムの判定対象となる対象部品の機械加工工程で加工された加工部分から機械加工工程時に発生した弾性波に含まれるノイズや弾性波のばらつきなどの影響を抑えつつ当該機械加工の品質を判定することができ、部品の機械加工の品質の判定をより信頼の高いものとすることができる。
機械加工品質判定システムを含む情報通信ネットワークの概略構成を示す図。 アーク溶接機のトーチにセンサーを取り付けた図。 機械加工品質判定システムのCPUの機能部の構成を示すブロック図。 センサーが検出した波形の経時変化を示すグラフ。 センサーが検出した波形の積算処理後のデータの経時変化を示すグラフ。 最小二乗法を説明する図。 機械加工品質判定プログラムのフローチャート。 第1実施例に係る良品の基準値αの経時変化を示すグラフ。 第1実施例に係る不良品の対象値aの経時変化を示すグラフ。 第1実施例に係る良品と不良品とを比較するグラフ。 第1実施例に係る表示部の表示画面を示す図。 第2実施例に係る表示部の表示画面を示す図。 第3実施例に係る表示部の表示画面を示す図。 第4実施例に係る表示部の表示画面を示す図。 第2実施形態に係るセンサーの取り付け位置を説明する図。 第2実施形態に係る表示部の表示画面を示す図。 第3実施形態に係るセンサーの取り付け位置を説明する図。 第3実施形態に係る表示部の表示画面を示す図。 第1の変形例に係るセンサーの取り付け位置を説明する図。 第2の変形例に係るセンサーの取り付け位置を説明する図。
本開示の機械加工品質判定システム10に係る第1実施形態について図1乃至図14を、第2実施形態について図15、16を、第3実施形態について図17、18を参照して以下に説明する。この他の変形例について図19、20を参照して説明する。また、第1実施形態の第1実施例を図8乃至図11、第2実施例を図12、第3実施例を図13、第4実施例を図14に示す。
本実施形態に係る機械加工品質判定システム10の判定の対象となる機械加工としてアーク溶接を一例にあげて3台のアーク溶接機(第1アーク溶接機、第2アーク溶接機、第3アーク溶接機)が溶接加工を行うものとして説明する。
第1アーク溶接機、第2アーク溶接機、及び第3アーク溶接機は、1つの生産ラインの中で稼働していてもよいし、複数有る生産ラインのうちのそれぞれ異なる生産ラインの中で稼働していてもよい。本実施形態では、第1アーク溶接機、第2アーク溶接機、及び第3アーク溶接機は、それぞれ異なる生産ラインの中で稼働しているものとする。アーク溶接機各々はトーチを備え、トーチはトーチ本体と溶接棒とを備える。
図1を参照して、機械加工品質判定システム10を含む情報通信ネットワーク20の構成の概略について説明する。機械加工品質判定システム10は、インターネット回線を含む情報通信ネットワーク20に接続されている。
アーク溶接時に溶接部で生じるアコースティック・エミッション(AE)による弾性波をセンサーによって検出する。AEによる弾性波は、その周波数帯が超音波領域にあり周波数が高い。AEによる弾性波は空間を伝播する音響信号として検出することができるが、本実施形態では、周波数の高い信号は空間での減衰が大きいので、AEによる弾性波は材料の中を伝播するものを検出する。
超音波領域の信号波形を検出するセンサーとしては、AEセンサー、ピエゾ素子センサー、ひずみセンサー、静電容量センサー、渦電流センサー、レーザー干渉計などが適している。本実施形態では、AEによる振動波を検出するセンサーとして、AEセンサーを例にして説明する。
センサーは、ノイズなど外乱の侵入を避けるためにトーチ本体の溶接棒に近いところに取り付けられるのが望ましい。第1アーク溶接機の第1トーチ71に第1センサー61が取り付けられ、第2アーク溶接機の第2トーチ72に第2センサー62が取り付けられ、第3アーク溶接機の第3トーチ73に第3センサー63が取り付けられる(図2参照)。
図1に示すように、第1センサー61は、第1センサーアンプ51に接続され、第1センサー61から出力された検知信号は電気信号として第1センサーアンプ51により増幅される。そして、第1センサーアンプ51は第1送信機41に接続され、第1センサーアンプ51により増幅された電気信号が第1送信機41により無線信号に変換されて受信機30に向けて送信される。なお、第1センサーアンプ51及び第1送信機41は、少なくとも何れかが第1センサー61と一体にされていてもよい。
第2センサー62は、第2センサーアンプ52に接続され、第2センサー62から出力された検知信号は電気信号として第2センサーアンプ52により増幅される。そして、第2センサーアンプ52は第2送信機42に接続され、第2センサーアンプ52により増幅された電気信号が第2送信機42により無線信号に変換されて受信機30に向けて送信される。なお、第2センサーアンプ52及び第2送信機42は、少なくとも何れかが第2センサー62と一体にされていてもよい。
第3センサー63は、第3センサーアンプ53に接続され、第3センサー63から出力された検知信号は電気信号として第3センサーアンプ53により増幅される。そして、第3センサーアンプ53は第3送信機43に接続され、第3センサーアンプ53により増幅された電気信号が第3送信機43により無線信号に変換されて受信機30に向けて送信される。なお、第3センサーアンプ53及び第3送信機43は、少なくとも何れかが第3センサー63と一体にされていてもよい。
機械加工品質判定システム10は、情報通信ネットワーク20を介して受信機30と繋がっている。受信機30で受信した第1センサー61、第2センサー62、第3センサー63からの検出信号は、それぞれ情報通信ネットワーク20を介して機械加工品質判定システム10へと入力される。
上述したように、機械加工品質判定システム10は、第1センサー61、第2センサー62、及び第3センサー63と、無線通信及び情報通信ネットワーク20を介して接続されている。本開示に係る機械加工品質判定システムの実施は、これに限定されるものではない。機械加工品質判定システム10は、無線通信を用いること無く、有線ケーブル及び情報通信ネットワーク20を介して第1センサー61、第2センサー62、及び第3センサー63と接続されていてもよい。又は、機械加工品質判定システム10は、情報通信ネットワーク20を介すること無く、無線通信を介して第1センサー61、第2センサー62、及び第3センサー63と接続されていてもよい。
又は、機械加工品質判定システム10は、無線通信及び情報通信ネットワーク20を介することなく、有線ケーブルにより直接的に第1センサー61、第2センサー62、及び第3センサー63に接続されていてもよい。さらに、第1センサー61、第2センサー62、及び第3センサー63は、ともに共通する方法で機械加工品質判定システム10に接続されている必要はない。即ち、例えば、第1センサー61は有線ケーブルにより機械加工品質判定システム10に接続され、第2センサー62及び第3センサー63は無線通信若しくは情報通信ネットワーク20を介して機械加工品質判定システム10に接続されていてもよい。
機械加工品質判定システム10は、I/Oインターフェース11、ROM12、RAM13、記憶部14、CPU100、出力部15、表示部16等を備えて構成されている。機械加工品質判定システム10は、I/Oインターフェース11を介してインターネット回線を含む情報通信ネットワーク20に対しデータの送受信を行う。
記憶部14は記憶装置として利用でき、後述する機械加工品質判定プログラムを実行するために利用されるアプリケーション及び各種データや、他のアプリケーションなどが記憶される。出力部15は、表示部16に表示するデータの入出力を制御する。表示部16は、液晶ディスプレイなどの表示装置である。
機械加工品質判定システム10は、後述する機械加工品質判定プログラムをRead Only Memory(ROM)12若しくは記憶部14に保存し、Random Access Memory(RAM)13などで構成されるメインメモリに機械加工品質判定プログラムを取り込む。そして、CPU100は、機械加工品質判定プログラムを取り込んだメインメモリにアクセスして、機械加工品質判定プログラムを実行する。
図3を参照して、機械加工品質判定システム10のCPU100の機能部の構成について説明する。機械加工品質判定システム10は、後述する機械加工品質判定プログラムを実行することで、CPU100に、良品データ取得部110、弾性波取得部120、基準値取得部130、対象値取得部140、基準積算処理部150、対象積算処理部160、基準傾き取得部170、対象傾き取得部180、比較部190、判定部200を備える。
良品データ取得部110は、機械加工品質判定システム10の判定対象となる対象部品と同種の部品であって機械加工工程で加工された加工部分の品質が良品と判定された部品の加工部分から機械加工工程時に発生した弾性波のデータを取得する。
本実施形態では、良品データ取得部110は、機械加工品質判定システム10の判定対象となる対象部品と同種の部品であって加工部分の品質が良品と判定された複数の部品の機械加工工程時の加工部分から発生する弾性波のデータを複数の部品毎に取得する。良品データ取得部110は、取得した複数個の良品のアーク溶接工程時に発生した弾性波のデータを記憶部14、若しくはRAM13などに記憶する。
この良品のデータは、第1センサー61、第2センサー62、第3センサー63を用いて検出されたデータであって、機械加工品質判定システム10を用いて良品と判定された良品のデータであっても良い。また、第1センサー61、第2センサー62、第3センサー63を用いずに検出されたデータであって、機械加工品質判定システム10を用いて良品と判定された良品のデータであっても良い。
また、この良品のデータは、第1センサー61、第2センサー62、第3センサー63を用いて検出されたデータであって、機械加工品質判定システム10とは異なる機械加工品質判定システムを用いて良品と判定された良品のデータであっても良い。また、第1センサー61、第2センサー62、第3センサー63を用いずに検出されたデータであって、機械加工品質判定システム10とは異なる機械加工品質判定システムを用いて良品と判定された良品のデータであっても良い。
また、良品として用意された複数の部品は、その全てが1つの機械加工品質判定システムによって良品と判定されている必要はない。つまり、複数の良品は、異なる機械加工品質判定システムによって良品と判定されたものであってもよい。ただし、良品と判定するために用いられる判定基準は同一の判定基準、つまり複数の良品の全ては共通する判定基準の下で良品と判定されていなければならない。
弾性波取得部120は、機械加工品質判定システム10の判定対象となる対象部品の機械加工工程で加工された加工部分から機械加工工程時に発生した弾性波を取得する。すなわち、弾性波取得部120は、第1センサー61、第2センサー62、第3センサー63が検出したAEによる弾性波を取得し、記憶部14若しくはRAM13に保存する。
なお、弾性波取得部120は、第1センサー61、第2センサー62、第3センサー63とは異なるセンサーにより検出されたAEによる弾性波を取得して、記憶部14若しくはRAM13に保存してもよい。
基準値取得部130は、良品データ取得部110により取得された弾性波のデータのうちの所定サンプリング周期ごとのデータをn個の基準値α(iは1からnまでの整数)として取得する。
本実施形態では、基準値取得部130は、良品データ取得部110に取得された弾性波のデータのうちの所定サンプリング周期ごとのデータを基準値αとして複数の部品毎に取得する。nはサンプリング数である。
所定サンプリング周期は例えば0.01秒などである。なお、機械加工品質判定システム10の運用者は、サンプリング周期は、第1センサー61、第2センサー62、第3センサー63などのAEによる弾性波の検出状況などを考慮して、このサンプリング周期を適宜調節して変更可能である。
ここでのサンプリング周期は、少なくとも検出の対象となる弾性波の周期の2分の1以下に設定される必要があり、弾性波の波形を正確に記録するためにはこの弾性波の周期の10分の1以下の周期に設定されることが望ましい。ただし、サンプリング周期を小さくすると基準値αの数が増え、即ち、nの値が膨大になりCPU100への負荷が過多となる場合がある。
対象値取得部140は、弾性波取得部120により取得された対象部品の加工部分の機械加工工程時に発生した弾性波の所定サンプリング周期ごとのデータをn個の対象値a(iは1からnまでの整数)として取得する。対象値aはAEのエネルギーの大きさである。
対象値取得部140のサンプリング周期は、基準値取得部130のサンプリング周期と同じ値のものを使用する。後に対象値aと基準値αとを積算し、この両者の積算した値を比較するためである。図4は対象値aの経時変化の様子を示すグラフである。横軸が時間軸であり、縦軸が弾性エネルギーの大きさである。サンプリング周期は10mm秒である。
基準積算処理部150は、基準値取得部130により取得されたn個の基準値αに基づいてn個の積算基準値β(iは1からnまでの整数)を得るために積算処理を行い、当該積算処理では、積算基準値β(kは1からnの任意の整数)は、基準値αの文字iを1からkまで順に1ずつ増やすことで特定されるαからαの値の全てを足し合わせて算出される、算出処理が行われる。本実施形態では、基準積算処理部150は、基準値取得部130により取得された基準値αを積算処理して得られる積算基準値βを複数の前記部品毎に算出する。
基準積算処理部150は、例えば、基準値取得部130により取得されたn個の基準値αを数式(1)でもって積算処理して積算基準値βを算出する。
Figure 2021179363
対象積算処理部160は、対象値取得部140により取得されたn個の対象値aに基づいてn個の積算対象値b(iは1からnまでの整数)を得るために積算処理を行い、当該積算処理では、積算対象値b(kは1からnの任意の整数)は、対象値aの文字iを1からkまで順に1ずつ増やすことで特定されるaからaの値の全てを足し合わせて算出される、算出処理が行われる。
対象積算処理部160は、例えば、対象値取得部140により取得された対象値aを数式(2)でもって積算処理して積算対象値bを算出する。図5は積算対象値bの経時変化の様子を示すグラフである。横軸が時間軸であり、縦軸が弾性エネルギーの大きさである。サンプリング周期は10mm秒である。
なお、積算対象値b(iは1からnまでの整数)をグラフ化する際に、積算対象値biのn個全てを用いてもよい。また、n個の積算対象値bを用いて描いたグラフを再現できる程度にn個の積算基準値bの内の一部を間引き、残りの積算対象値bを座標平面上に描いてもよい。
例えば、iの1からnまでの整数のうちの偶数のみ或いは奇数のみの積算対象値bを座標平面上に描いてもよい。或いは、iの1からnまでの整数のうちの中間点以降或いは中間点以前の積算対象値bを座標平面上に描いてもよい。或いは、iの1からnまでの整数のうちの中間領域の所定間隔の積算対象値bを座標平面上に描いてもよい。
Figure 2021179363
基準傾き取得部170は、基準積算処理部150により算出された積算基準値βを一次関数に近似し一次関数の傾きを基準傾きとして取得する。本実施形態では、基準傾き取得部170は、基準積算処理部150により算出された積算基準値βを一次関数に近似し、一次関数の傾きを基準傾きとして複数の部品毎に取得する。基準傾き取得部170は、最小二乗法により一次関数を得る。
なお、基準積算処理部150により算出された積算基準値βが既に一次関数と見なすことができる場合は、基準傾き取得部170における一次関数に近似する処理は省略することができる。以下に述べるのは、基準積算処理部150により算出された積算基準値βは一次関数への近似が必要な場合の基準傾き取得部170における処理についての説明である。
座標平面上に複数の点(x,y)が与えられた時に、xとyとの相関関係を一次関数で近似することを直線回帰といい、その傾きを回帰係数という。本開示の発明者らは、積算基準値βの座標点を直線回帰し、得られた回帰直線の回帰係数を機械加工の品質の状態を推測する目安に用いることを見出した。
回帰直線を求める方法は最小二乗法を用いた。最小二乗法とは、2変数の組(x,y)が複数与えられた時に、xとyとの関係を表す最も確からしい関数y=f(x)を求める方法であり、関数y=f(x)と(x,y)との間の誤差の二乗の和を最小にする関数y=f(x)を求める。この誤差はy−f(x)で表される。
Figure 2021179363
即ち、数式(3)で表される値が最小になるように関数y=f(x)を求めることである(図6参照)。
Figure 2021179363
関数f(x)を数式(4)で表したとき、基準傾きは傾き「a」で表され、基準傾き取得部170は基準傾き「a」を、複数の良品毎にそれぞれ算出する。
対象傾き取得部180は、対象積算処理部160により算出された積算対象値bを一次関数に近似し、一次関数の傾きを対象傾きとして取得する。対象傾き取得部180は、最小二乗法により一次関数を得る。
なお、基準積算処理部150の場合と同様に、対象積算処理部160により算出された積算対象値bが既に一次関数と見なすことができる場合は、対象傾き取得部180における一次関数に近似する処理は省略することができる。以下に述べるのは、対象積算処理部160により算出された積算対象値bは一次関数への近似が必要な場合における対象傾き取得部180における処理についての説明である。
本開示の発明者らは、積算基準値βと同様に、積算対象値bの座標点を直線回帰し、得られた回帰直線の回帰係数を機械加工の品質の状態を推測する目安に用いることを見出した。
積算対象値bが近似される一次関数を数式(5)で表したとき、対象傾きは傾き「c」で表され、対象傾き取得部180は対象傾き「c」を算出する。対象傾き取得部180の対象傾き「c」の算出は、基準傾き取得部170の基準傾き「a」の算出と同様であるので、ここでの説明は省略する。
Figure 2021179363
関数f(x)を数式(5)で表したとき、対象傾きは傾き「c」で表され、対象傾き取得部180は対象傾き「c」を算出する。
比較部190は、基準傾き取得部170で取得された複数の基準傾き「a」のうち最小基準傾き(amin)と最大基準傾き(amax)とで規定される範囲を所定範囲(amin〜amax)と設定し、対象傾き取得部180により取得された対象傾き「c」が所定範囲(amin〜amax)に中に有るか否かを判定する。
また、積算基準値β及び積算対象値bが一次関数に回帰するまでもなく既に一次関数と見なすことができる場合、比較部190における積算基準値βと積算対象値bとの比較方法について以下に説明する。
比較部190は、複数の積算基準値β(iは1からnまでの整数)を仮想化空間内の座標平面上にグラフとして描く。すなわち、複数の積算基準値β毎に、それぞれ積算基準値βを仮想化空間内の座標平面上に横軸をi(iは1からnまでの整数)、縦軸をβとして描く。
なお、比較部190は、積算基準値βのn個全てを仮想化空間内の座標平面上に描いてもよい。また、n個の積算基準値βを用いて描いたグラフを再現できる程度にn個の積算基準値βの内の一部を間引き、残りの積算基準値βを座標平面上に描いてもよい。
例えば、iの1からnまでの整数のうちの偶数のみ或いは奇数のみの積算基準値βを座標平面上に描いてもよい。或いは、iの1からnまでの整数のうちの中間点以降或いは中間点以前の積算基準値βを座標平面上に描いてもよい。或いは、iの1からnまでの整数のうちの中間領域の所定間隔の積算基準値βを座標平面上に描いてもよい。
次に、比較部190は、積算基準値βが描かれた仮想化空間内の座標平面と同じ座標平面上に積算対象値bを描く。そして、仮想化空間内の座標平面上において、グラフとして描かれた積算対象値bが何れか2本の積算基準値βに挟まれているか否かを判定する。
判定部200は、比較部190において、対象傾き「c」が所定範囲(amin〜amax)の中に有ると判定された対象部品を良品と判定し、対象傾き「c」が所定範囲(amin〜amax)の中に無いと判定された対象部品を不良品と判定する。
また、積算基準値β及び積算対象値bが一次関数に回帰するまでもなく既に一次関数と見なすことができる場合、比較部190において仮想化空間内の座標平面上のグラフとして描かれた積算対象値bが何れか2本の積算基準値βに挟まれていると判定された対象部品について、判定部200は良品と判定する。一方、比較部190において仮想化空間内の座標平面上のグラフとして描かれた積算対象値bが何れか2本の積算基準値βに挟まれていないと判定された対象部品について、判定部200は不良品と判定する。
続いて、図7の機械加工品質判定プログラムを示すフローチャートを用い、本開示の機械加工品質判定方法を機械加工品質判定プログラムとともに説明する。本開示の機械加工品質判定方法は、機械加工品質判定プログラムに基づいて、機械加工品質判定システム10のCPU100により実行される。
機械加工品質判定プログラムは、図1のCPU100に対して、良品データ取得機能、弾性波取得機能、基準値取得機能、対象値取得機能、基準積算処理機能、対象積算処理機能、基準傾き取得機能、対象傾き取得機能、比較機能、判定機能などの各種機能を実行させる。これらの機能は図7に示す順序で処理を行う場合を例示したが、これに限らず、これらの順番を適宜入れ替えて機械加工品質判定プログラムを実行しても良い。なお、各機能は前述の機械加工品質判定システム10の説明と重複するため、その詳細な説明は省略する。
良品データ取得機能は、機械加工品質判定システム10の判定の対象となる対象部品と同種の部品であって機械加工工程で加工された加工部分の品質が良品と判定された部品の加工部分から機械加工工程時に発生した弾性波のデータを取得する(良品データ取得ステップ:S110)。
本実施形態では、良品データ取得機能は、機械加工品質判定システム10の判定の対象となる対象部品と同種の部品であって加工部分の品質が良品と判定された複数の部品の機械加工工程時の加工部分から発生する弾性波のデータを複数の部品毎に取得する(良品データ取得ステップ:S110)。
弾性波取得機能は、機械加工品質判定システム10の判定対象となる対象部品の機械加工工程で加工された加工部分から機械加工工程時に発生した弾性波を取得する(弾性波取得ステップ:S120)。
基準値取得機能は、良品データ取得機能により取得された弾性波のデータのうちの所定サンプリング周期ごとのデータをn個の基準値α(iは1からnまでの整数)として取得する(基準値取得ステップ:S130)。
本実施形態では、基準値取得機能は、良品データ取得機能に取得された弾性波のデータのうちの所定サンプリング周期ごとのデータを基準値αとして複数の部品毎に取得する(基準値取得ステップ:S130)。
対象値取得機能は、弾性波取得機能により取得された対象部品の加工部分の機械加工工程時に発生した弾性波の所定サンプリング周期ごとのデータを対象値a(i=1〜nの整数)として取得する(対象値取得ステップ:S140)。
基準積算処理機能は、対象値取得機能により取得されたn個の対象値aに基づいてn個の積算対象値b(iは1からnまでの整数)を得るために積算処理を行い、当該積算処理では、積算対象値b(kは1からnの任意の整数)は、対象値aの文字iを1からkまで順に1ずつ増やすことで特定されるaからaの値の全てを足し合わせて算出される、算出処理が行われる(基準積算処理ステップ:S150)。
本実施形態では、基準積算処理機能は、基準値取得機能により取得された基準値αを積算処理して得られる積算基準値βを複数の部品毎に算出する(基準積算処理ステップ:S150)。
対象積算処理機能は、対象値取得機能により取得されたn個の対象値aに基づいてn個の積算対象値b(iは1からnまでの整数)を得るために積算処理を行い、当該積算処理では、積算対象値b(kは1からnの任意の整数)は、対象値aの文字iを1からkまで順に1ずつ増やすことで特定されるaからaの値の全てを足し合わせて算出される、算出処理が行われる(対象積算処理ステップ:S160)。
基準傾き取得機能は、基準積算処理機能により算出された積算基準値βを一次関数に近似し一次関数の傾きを基準傾きとして取得する(基準傾き取得ステップ:S170)。本実施形態では、基準傾き取得機能は、基準積算処理機能により算出された積算基準値βを一次関数に近似し一次関数の傾きを基準傾きとして複数の前記部品毎に取得する。なお、基準傾き取得機能は、最小二乗法により一次関数を得る。
対象傾き取得機能は、対象積算処理機能により算出された積算対象値bを一次関数に近似し一次関数の傾きを対象傾きとして取得する(対象傾き取得ステップ:S180)。また、対象傾き取得機能は、最小二乗法により一次関数を得る。
比較機能は、対象積算処理機能により算出された積算対象値bに基づく値と予め用意された所定閾値とを比較する(比較ステップ:S190)。また、所定閾値は、基準積算処理機能で算出された積算基準値βに基づき予め設定されてもよいし、基準傾き取得機能により取得された基準傾きに基づき予め設定されてもよい。本実施形態では、所定閾値は、基準傾き取得機能で取得された複数の基準傾きのうち最小基準傾き(amin)と最大基準傾き(amax)とで規定される範囲を所定範囲(amin〜amax)とする。
比較機能は、対象傾き取得機能により取得された対象傾きと基準傾きとを比較してもよい。本実施形態では、比較機能は、対象傾き取得機能により取得された対象傾きが所定範囲(amin〜amax)に中に有るか否かを判定する。
判定機能は、比較機能で比較した結果に基づいて対象部品の加工部分の品質を良品または不良品の何れかに判定する(判定ステップ:S200)。本実施形態では、判定機能は、比較機能において、対象傾きが所定範囲(amin〜amax)の中に有ると判定された対象部品を良品と判定し、対象傾きが所定範囲(amin〜amax)の中に無いと判定された対象部品を不良品と判定する。
次に、本実施形態に係る機械加工品質判定システム10の実証実験の第1実施例の実験結果を図8乃至図11に示して、第2実施例の実験結果を図12に示して、第3実施例を図13に示して、第4実施例を図14に示して説明する。当該実証実験の第1実施例から第4実施例では、アーク溶接によるメッキ有り板厚1.2mmの鉄板の重ね溶接を実施した。アーク溶接に用いられる溶接ワイヤーは直径1.2mmである。アーク溶接時のシールドガスは混合ガス(アルゴンと炭酸ガスの混合)を用いた。AEの測定に用いたAEセンサーのサンプリング周波数は60kHzである。溶接長は60mmである。
第1実施例から第4実施例では、各種溶接欠陥を有する不良品と良品とを比較する実証実験を行った。良品・不良品ともに5個ずつ用意した。第1実施例から第4実施例を通して共通の良品を用いた。良品の溶接条件は、溶接電流130A、アーク電圧13.8V、溶接速度3.5m/分とした。溶接時に使用した混合ガスは15リットルとした。
第1実施例について、図8乃至図11を参照して説明する。第1実施例ではブローホールによる溶接欠陥の有る不良品と良品とを比較する実証実験を行った。ブローホールによる溶接欠陥の有る不良品の溶接条件は、良品と同じであり、溶接電流130A、アーク電圧13.8V、溶接速度3.5m/分であった。ブローホールの発生原因の一つとしてシールドガスの不良が挙げられるため、溶接時に使用した混合ガスは5リットルと少なくした。
図8は5個の良品の基準値α、即ち、アーク溶接時の良品のAEのエネルギーの大きさの経時変化を示したグラフである。図8は良品5個分(1−5)のグラフが重なって描かれている。
図9は5個の不良品の対象値a、即ち、アーク溶接時の不良品のAEのエネルギーの大きさの経時変化を示したグラフである。図9は不良品5個分(6−10)のグラフが重なって描かれている。
図10は良品の積算基準値βと不良品の積算対象値bとを比較するためのグラフである。実線が良品を示し、破線が不良品を示している。第1実施例によれば、図10が示す通り、良品と不良品とが目視でも明確に区別することができ、機械加工品質判定システム10がアーク溶接工程の加工における溶接欠陥であるブローホールの有無に係る品質の良否の判定に有用であることが分かった。
図11は当該実証実験の第1実施例に係る機械加工品質判定システム10の表示部16の表示画面を示している。図11の上段左側に上述した図8を表示し、上段右側に上述した図9を表示し、下段に上述した図10を表示している。表示部16に図11を表示することにより、機械加工品質判定システム10の運用者は、良品の基準値α、不良品の対象値a、及びこれらが積算処理された積算基準値β及び積算対象値bを一度に見ることができるため良品と不良品との判別を容易に行うことができる。
次に、図12から図14を参照して、第2実施例から第4実施例について説明する。図12から図14は、機械加工品質判定システム10の表示部16の表示画面を示している。図12から図14に示す表示部16上段左は5個の良品の基準値α、即ち、アーク溶接時の良品のAEのエネルギーの大きさの経時変化を示したグラフであり、良品5個分(1−5)のグラフが重なって描かれている。
図12から図14に示す表示部16上段右のグラフは5個の不良品の対象値a(図12:11−15、図13:16−20、図14:21−25)、即ち、アーク溶接時の不良品のAEのエネルギーの大きさの経時変化を示したグラフであり、不良品5個分のグラフが重なって描かれている。
図12から図14に示す表示部16下段は、良品の積算基準値βと不良品の積算対象値bとの経時変化を示したグラフであり、良品の積算基準値βと不良品の積算対象値bとを比較するためのグラフである。実線が良品を示し、破線が不良品を示している。
当該表示部16下段のグラフが示す通り、良品と不良品とが目視でも明確に区別することができ、機械加工品質判定システム10がアーク溶接工程の加工における各種溶接欠陥の有無に係る品質の良否の判定に有用であることが分かった。
第2実施例について、図12を参照して説明する。第2実施例では穴あきによる溶接欠陥のある不良品と良品とを比較した実証実験を行った。穴あきによる溶接欠陥の有る不良品の溶接条件は、良品と同じであり、溶接電流130A、アーク電圧13.8V、溶接速度3.5m/分であった。溶接時に使用した混合ガスも、良品と同じ15リットルであって。穴あきの溶接欠陥が生じ易いように不良品に用いた鉄板の中央部の板厚を薄くした。図12上段右のグラフは不良品5個分(11−15)のグラフが重なって描かれている。
第2実施例によれば、図12の下段のグラフが示す様に、良品と不良品とが目視でも明確に区別することができ、機械加工品質判定システム10がアーク溶接工程の加工における溶接欠陥である穴あきの有無に係る品質の良否の判定に有用であることが分かった。
第3実施例について、図13を参照して説明する。第3実施例では脱線による溶接欠陥のある不良品と良品とを比較した実証実験を行った。脱線による溶接欠陥の有る不良品の溶接条件は、良品と同じであり、溶接電流130A、アーク電圧13.8V、溶接速度3.5m/分であった。溶接時に使用した混合ガスも、良品と同じであり、15リットルであった。脱線の溶接欠陥が生じるようにアーク溶接をする際に溶接ワイヤーの狙い位置を5mmずらした。図13上段右のグラフは不良品5個分(16−20)のグラフが重なって描かれている。
第3実施例によれば、図13の下段のグラフが示す様に、良品と不良品とが目視でも明確に区別することができ、機械加工品質判定システム10がアーク溶接工程の加工における溶接欠陥である脱線の有無に係る品質の良否の判定に有用であることが分かった。
第4実施例について、図14を参照して説明する。第4実施例では母材の溶け込みが浅いために生じる溶接欠陥のある不良品と良品とを比較した実証実験を行った。母材の溶け込みが浅いために生じる溶接欠陥の有る不良品の溶接条件は、溶接電流82A、アーク電圧12.6V、溶接速度2m/分であった。溶接時に使用した混合ガスは20リットルであった。溶接電流を抑えることで母材の溶け込みを浅くし、溶接欠陥を起こさせた。図14上段右のグラフは不良品5個分(21−25)のグラフが重なって描かれている。
第4実施例によれば、図14の下段のグラフが示す様に、良品と不良品とが目視でも明確に区別することができ、機械加工品質判定システム10がアーク溶接工程の加工における溶接欠陥である母材の溶け込みが浅い箇所の有無に係る品質の良否の判定に有用であることが分かった。
第1実施形態の第1実施例から第4実施例によれば、アーク溶接の品質の不良の原因がブローホール、穴あき、脱線、及び母材の溶け込みが浅いための溶接欠陥である場合に、機械加工品質判定システム10はアーク溶接工程で加工された加工部分の品質の良否を判定することが可能であることが実証された。
本開示に係る第2実施形態についえ、図15及び図16を参照して説明する。第2実施形態では、機械加工品質判定システム10の加工品質の良否の判定対象をレーザー溶接機210による溶接とした。レーザー溶接機210では、レーザー光220を用いて溶接を実施する。その際に材料75をクランプ230によって固定をする。センサー60はクランプ230の表面に固定する。
第2実施形態に用いられる母材板は、板厚1.2mmの二枚のI型の開先の鉄板を突き合わせて両者をレーザー溶接により接合した。レーザー溶接の出力は2000Wとした。センサー60は、AEセンサーを用い、サンプリング周期は100Hzである。AEセンサーの出力信号に150kHzのハイパスフィルターを用いた。
第2実施形態に係る機械加工品質判定システムは、第1実施形態に係る機械加工品質判定システム10と同じ構成である。第2実施形態に係る機械加工品質判定システム10はレーザー溶接工程で加工された加工部分における突き合わせた二枚の母材板間の隙間によって生じる溶接欠陥を判定対象として実証実験を行った。
当該実証実験では、二枚の母材板間の隙間幅(GAP)を0.2mm、0.1mm、0.0mmに設定して、レーザー溶接時に発生したAEによる弾性波をセンサー60で検出した。図16を参照して、当該実証実験の実験結果について説明する。図16は、第2実施形態に係る機械加工品質判定システム10の表示部16の表示画面を示している。
図16の上段左のグラフ1は、当該隙間が無い場合、従って、当該隙間幅(GAP)を0.0mmに設定した場合の対象値a、即ち、AEによる弾性波のエネルギーの大きさの経時変化を示したグラフである。図16の上段中央のグラフ2は、当該隙間幅(GAP)を0.1mmに設定した場合の対象値aの経時変化を示したグラフである。図16の上段右のグラフ3は、当該隙間幅(GAP)を0.2mmに設定した場合の対象値aの経時変化を示したグラフである。
図16の下段のグラフは、グラフ1から3の対象値aを積算処理した積算対象値bの経時変化を示したグラフである。当該グラフから分かるように、グラフ1から3を明確に識別することができる。従って、当該隙間幅(GAP)の違いにより積算対象値bの経時変化を示したグラフに違いが現れたことを実証することができた。
仮に、当該隙間幅(GAP)が0.2mm以上は不良品であると判定基準を設定した場合に、当該グラフ1から3を明確に識別することができることから、グラフ1及び2に係る部品のレーザー溶接に係る品質は良品、グラフ3に係る部品のレーザー溶接に係る品質は不良品と判定することができる。以上より、本開示の第2実施形態に係る機械加工品質判定システム10がレーザー溶接工程の加工における隙間幅(GAP)による溶接欠陥の有無に係る品質の良否の判定に有用であることが分かった。
本開示に係る第3実施形態について、図17及び図18を参照して説明する。第3実施形態では、塑性加工の一例としてプレス加工を例に挙げて説明する。第3実施形態に係る機械加工品質判定システムは、第1実施形態に係る機械加工品質判定システム10と同じ構成である。
第3実施形態に係る機械加工品質判定システム10は、機械加工工程でプレス加工された部品の加工部分の品質の良否を判定する。プレス加工に用いられる機械は、トランスファー型のプレス機械80であり、加圧能力は3500トンである。プレス速度は毎分21Shot(1個当たり約2.85秒)である。
プレス機械のモータはクランク角度の90度から270度の間で通電され、この通電時間は約1.43秒である。センサー60はAEセンサーであり、そのサンプリング周波数は10kHzである。センサー60はプレス機械80の下型90の下面に取り付けられている(図17参照)。
図18を参照して、第3実施形態に係る機械加工品質判定システム10の実証実験の実験結果について説明する。この実証実験では、トランスファー型のプレス機械80によるプレス加工の良品と不良品との比較を行った。プレス加工の欠陥は、異物などの噛み込みに伴うプレス加工の不良を例とした。
図18は第3実施形態に係る機械加工品質判定システム10の表示部16の表示画面を示している。図18上段は1個の良品の基準値α、即ち、プレス加工時の良品のAEによる弾性波のエネルギーの大きさの経時変化を示したグラフである。図18中段は1個の不良品の対象値a、即ち、プレス加工時の不良品のAEによる弾性波のエネルギーの大きさの経時変化を示したグラフである。
図18下段は、3個の良品の積算基準値βと3個の不良品の積算対象値bとの経時変化を示したグラフであり、良品の積算基準値βと不良品の積算対象値bとを比較するためのグラフである。実線が良品を示し、破線が不良品を示している。図18下段のグラフが示す通り、良品と不良品とが目視でも明確に区別することができ、第3実施形態に係る機械加工品質判定システム10がプレス加工の品質の良否の判定に有用であることが分かった。
上記した本実施形態に係る機械加工品質判定システムは、ガス溶接による加工の品質の判定にも適用可能である。ガス溶接の特徴は、アーク若しくはレーザーなど電気を用いることなく金属を溶融する。さらに、ガス溶接は、溶着材として溶接棒を使わず母材そのものを溶融して接合する。従って、センサーにより検出されたAEによる弾性波の波形は、アーク溶接及びレーザー溶接の場合と比べて、ノイズなどの外乱が少ない。AEによる弾性波を検出するセンサーはガス溶接機のトーチに設置することができ、若しくは、母材を固定するクランプにセンサーを設置することができる。
[変形例]
本開示は上記した第1実施形態から第3実施形態に係る機械加工品質判定システム10に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の変形例、若しくは応用例により実施可能である。以下に変形例について説明する。
図19を参照して第1の変形例について説明する。本開示の第1実施形態において、アーク溶接機による溶接加工の品質の良否を判定する場合、トーチにAEセンサーを設置した。センサー60の設置位置は、トーチに限定されるものではなく、母材74にセンサー60を設置してもよい(図19参照)。センサー60はノイズの侵入を防ぎながらAEによる弾性波を検出できればよく、母材74にセンサー60を設置することができる。
図20を参照して第2の変形例について説明する。第2の変形例では、機械加工品質判定システム10の加工品質の良否の判定対象を抵抗溶接機240による溶接とした。抵抗溶接機240を用いて溶接を実施する際に材料75がクランプ230によって固定される。センサー60はクランプ230の表面に固定することができる。
なお、上記した本開示に係る機械加工品質判定システムの判定対象は金属に限定されるものではなく、セラミックス、コンクリート、プラスチックなどでもよい。また、上記した実施形態では、センサーの一例としてAEセンサーを挙げたが、これに限定するものではない。AEによる弾性波は超音波領域の弾性波であり、材料などの個体の中を伝播する振動波を検出できるセンサーが適しており、AEセンサーの他にピエゾ素子センサー、ひずみセンサー、静電容量センサー、渦電流センサー、レーザー干渉計などを用いても良い。
10 機械加工品質判定システム。
11 I/Oインターフェース
12 ROM
13 RAM
14 記憶部
15 出力部
16 表示部
20 情報通信ネットワーク
30 受信機
40 第1送信機
42 第2送信機
44 第3送信機
51 第1センサーアンプ
52 第2センサーアンプ
53 第3センサーアンプ
60 センサー
61 第1センサー
62 第2センサー
63 第3センサー
70 トーチ
71 第1トーチ
72 第2トーチ
73 第3トーチ
74 母材
75 材料
80 プレス機械
90 下型
100 CPU
110 良品データ取得部
120 弾性波取得部
130 基準値取得部
140 対象値取得部
150 基準積算処理部
160 対象積算処理部
170 基準傾き取得部
180 対象傾き取得部
190 比較部
200 判定部
210 レーザー溶接機
220 レーザー光
230 クランプ
240 抵抗溶接機

Claims (14)

  1. 機械加工工程を経て製造される部品の前記機械加工工程で加工された加工部分の品質の良否を判定する機械加工品質判定システムであって、
    前記機械加工品質判定システムの判定対象となる対象部品の前記機械加工工程で加工された加工部分から前記機械加工工程時に発生した弾性波を取得する弾性波取得部と、
    前記弾性波取得部により取得された前記対象部品の前記加工部分の前記機械加工工程時に発生した前記弾性波の所定サンプリング周期ごとのデータをn個の対象値a(iは1からnまでの整数)として取得する対象値取得部と、
    前記対象値取得部により取得されたn個の前記対象値aに基づいてn個の積算対象値b(iは1からnまでの整数)を得るために積算処理を行い、当該積算処理では、積算対象値b(kは1からnの任意の整数)は、前記対象値aの文字iを1からkまで順に1ずつ増やすことで特定されるaからaの値の全てを足し合わせて算出される、算出処理が行われる対象積算処理部と、
    前記対象積算処理部により算出された前記積算対象値bに基づく値と予め用意された所定閾値とを比較する比較部と、
    前記比較部で比較した結果に基づいて前記対象部品の前記加工部分の品質を良品または不良品の何れかに判定する判定部と、
    を備える機械加工品質判定システム。
  2. 前記対象部品と同種の部品であって前記機械加工工程で加工された加工部分の品質が良品と判定された部品の前記加工部分から前記機械加工工程時に発生した弾性波のデータを取得する良品データ取得部と、
    前記良品データ取得部により取得された前記弾性波のデータのうちの前記所定サンプリング周期ごとのデータをn個の基準値α(iは1からnまでの整数)として取得する基準値取得部と、
    前記基準値取得部により取得されたn個の前記基準値αに基づいてn個の積算基準値β(iは1からnまでの整数)を得るために積算処理を行い、当該積算処理では、積算基準値β(kは1からnの任意の整数)は、前記基準値αの文字iを1からkまで順に1ずつ増やすことで特定されるαからαの値の全てを足し合わせて算出される、算出処理が行われる基準積算処理部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の機械加工品質判定システムであって、
    前記所定閾値は、前記基準積算処理部で算出された前記積算基準値βに基づき予め設定されていることを特徴とする機械加工品質判定システム。
  3. 前記基準積算処理部により算出された前記積算基準値βを一次関数に近似し前記一次関数の傾きを基準傾きとして取得する基準傾き取得部と、
    前記対象積算処理部により算出された前記積算対象値bを一次関数に近似し前記一次関数の傾きを対象傾きとして取得する対象傾き取得部と、
    を備えた請求項2に記載の機械加工品質判定システムであって、
    前記所定閾値は、前記基準傾き取得部により取得された前記基準傾きであり、
    前記比較部は、前記対象傾きと前記基準傾きとを比較することを特徴とする機械加工品質判定システム。
  4. 前記基準傾き取得部と前記対象傾き取得部とは、最小二乗法により前記一次関数を得ることを特徴とする請求項3に記載の機械加工品質判定システム。
  5. 前記良品データ取得部は、前記対象部品と同種の部品であって前記加工部分の品質が良品と判定された複数の部品の前記機械加工工程時の前記加工部分から発生する弾性波のデータを複数の前記部品毎に取得し、
    前記基準値取得部は、前記良品データ取得部に取得された前記弾性波のデータのうちの前記所定サンプリング周期ごとのデータを基準値αとして複数の前記部品毎に取得し、
    前記基準積算処理部は、前記基準値取得部により取得された前記基準値αを前記積算処理して得られる積算基準値βを複数の前記部品毎に算出し、
    前記基準傾き取得部は、前記基準積算処理部により算出された前記積算基準値βを一次関数に近似し前記一次関数の傾きを基準傾きとして複数の前記部品毎に取得し、
    前記比較部は、前記基準傾き取得部で取得された複数の前記基準傾きのうち最小基準傾きと最大基準傾きとで規定される範囲を所定範囲と設定し、前記対象傾き取得部により取得された前記対象傾きが前記所定範囲の中に有るか否かを判定し、
    前記判定部は、前記比較部において、前記対象傾きが前記所定範囲の中に有ると判定された前記対象部品を良品と判定し、前記対象傾きが前記所定範囲の中に無いと判定された前記対象部品を不良品と判定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の機械加工品質判定システム。
  6. 前記機械加工品質判定システムの判定対象となる対象部品の前記機械加工工程で加工された加工部分から前記機械加工工程時に発生した弾性波を検出するセンサーを備えていることを特徴とする請求項1乃至5に記載の機械加工品質判定システム。
  7. 前記センサーは、アコースティック・エミッションセンサー、ピエゾ素子センサー、ひずみセンサー、静電容量センサー、渦電流センサー、レーザー干渉計の少なくとも何れかである、ことを特徴とする請求項6に記載の機械加工品質判定システム。
  8. 前記センサーは、無線通信により前記機械加工品質判定システムと接続されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の機械加工品質判定システム。
  9. 前記センサーは、情報通信ネットワークを介して前記機械加工品質判定システムと接続されていることを特徴とする請求項6乃至8に記載の機械加工品質判定システム。
  10. 前記機械加工は、溶接、塑性加工の少なくとも何れかである、ことを特徴とする請求項1乃至9に記載の機械加工品質判定システム。
  11. 前記溶接は、レーザー溶接、アーク溶接、ガス溶接、抵抗溶接の少なくとも何れかである、ことを特徴とする請求項10に記載の機械加工品質判定システム。
  12. 前記塑性加工は、プレス加工であることを特徴とする請求項10に記載の機械加工品質判定システム。
  13. 機械加工工程を経て製造される部品の前記機械加工工程で加工された加工部分の品質の良否を判定する機械加工品質判定方法であって、
    前記機械加工品質判定方法の判定対象となる対象部品の前記機械加工工程で加工された加工部分から前記機械加工工程時に発生した弾性波を取得する弾性波取得ステップと、
    前記弾性波取得ステップにより取得された前記対象部品の前記加工部分の前記機械加工工程時に発生した前記弾性波の所定サンプリング周期ごとのデータをn個の対象値a(iは1からnまでの整数)として取得する対象値取得ステップと、
    前記対象値取得ステップにより取得されたn個の前記対象値aに基づいてn個の積算対象値b(iは1からnまでの整数)を得るために積算処理を行い、当該積算処理では、積算対象値b(kは1からnの任意の整数)は、前記対象値aの文字iを1からkまで順に1ずつ増やすことで特定されるaからaの値の全てを足し合わせて算出される、算出処理が行われる対象積算処理ステップと、
    前記対象積算処理ステップにより算出された前記積算対象値bに基づく値と予め用意された所定閾値とを比較する比較ステップと、
    前記比較ステップで比較した結果に基づいて前記対象部品の前記加工部分の品質を良品または不良品の何れかに判定する判定ステップと、
    を備える機械加工品質判定方法。
  14. 機械加工工程を経て製造される部品の前記機械加工工程で加工された加工部分の品質の良否を判定する機械加工品質判定プログラムであって、
    機械加工品質判定システムに用いられるコンピュータに、
    前記機械加工品質判定システムの判定対象となる対象部品の前記機械加工工程で加工された加工部分から前記機械加工工程時に発生した弾性波を取得する弾性波取得機能と、
    前記弾性波取得機能により取得された前記対象部品の前記加工部分の前記機械加工工程時に発生した前記弾性波の所定サンプリング周期ごとのデータをn個の対象値a(iは1からnまでの整数)として取得する対象値取得機能と、
    前記対象値取得機能により取得されたn個の前記対象値aに基づいてn個の積算対象値b(iは1からnまでの整数)を得るために積算処理を行い、当該積算処理では、積算対象値b(kは1からnの任意の整数)は、前記対象値aの文字iを1からkまで順に1ずつ増やすことで特定されるaからaの値の全てを足し合わせて算出される、算出処理が行われる対象積算処理機能と、
    前記対象積算処理機能により算出された前記積算対象値bに基づく値と予め用意された所定閾値とを比較する比較機能と、
    前記比較機能で比較した結果に基づいて前記対象部品の前記加工部分の品質を良品または不良品の何れかに判定する判定機能と、
    を実現させることを特徴とする機械加工品質判定プログラム。
JP2020084773A 2020-05-13 2020-05-13 機械加工品質判定システム、機械加工品質判定方法、及び機械加工品質判定プログラム Pending JP2021179363A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020084773A JP2021179363A (ja) 2020-05-13 2020-05-13 機械加工品質判定システム、機械加工品質判定方法、及び機械加工品質判定プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020084773A JP2021179363A (ja) 2020-05-13 2020-05-13 機械加工品質判定システム、機械加工品質判定方法、及び機械加工品質判定プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021179363A true JP2021179363A (ja) 2021-11-18

Family

ID=78509753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020084773A Pending JP2021179363A (ja) 2020-05-13 2020-05-13 機械加工品質判定システム、機械加工品質判定方法、及び機械加工品質判定プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021179363A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Grad et al. Feasibility study of acoustic signals for on-line monitoring in short circuit gas metal arc welding
US5086207A (en) Monitoring of arc welding by analyzing modulation of radiation from carrier signals superimposed on weld current
US3986391A (en) Method and apparatus for the real-time monitoring of a continuous weld using stress-wave emission techniques
KR102235832B1 (ko) 포터블형 용접 결함 검사장치 및 검사방법
US20200363376A1 (en) Process for forming and quality proofing a friction stir welded plate
XIA et al. Recent advances and analysis of quality monitoring and control technologies for RSW
US20220023978A1 (en) Method for monitoring the quality of ultrasonic welding
Zhang et al. The measurement of weld morphology and inclusions using ultrasonics
JP5456259B2 (ja) 溶接検査方法および装置
JP2021179363A (ja) 機械加工品質判定システム、機械加工品質判定方法、及び機械加工品質判定プログラム
JPH01197069A (ja) 自己診断機能付自動溶接装置
JPH11197854A (ja) 超音波溶着装置及び超音波溶着装置における溶着状態 検査方法
CN1078947C (zh) 应用涡流技术的焊缝检验方法
JP3284492B2 (ja) 裏側部材の取付位置検知装置
JPH05154510A (ja) 突合せ溶接時の溶接部形状検出方法ならびにその装置
JPH0440359A (ja) スポット溶接部の非破壊検査方法
JP2014181917A (ja) 溶接部検査方法及び溶接部検査装置
RU2721338C1 (ru) Способ определения качества монтажа подложек во время ультразвуковой микросварки
Shahriari et al. Determination of flaw type and location using an expert module in ultrasonic nondestructive testing for weld inspection
JP3104563B2 (ja) 躯体鉄骨非破壊検査方法及び装置
JPS60127458A (ja) 溶接部検出装置
JP2022169938A (ja) 鋼管の衝合部評価方法
JPS6057250A (ja) 溶接欠陥の判別方法
Samvatsar Mathematical Modeling of Acoustic Signals Generated During Gas Tungsten Arc Welding Process
JP2005227119A (ja) 超音波探傷検査方法における告知方法とそれを用いる超音波探傷検査装置