JP2021179052A - 苔フィルター、マスク、換気機構、車内空気換気機構又は苔アート設備 - Google Patents

苔フィルター、マスク、換気機構、車内空気換気機構又は苔アート設備 Download PDF

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Abstract

【課題】上気道感染症ウイルスを吸収することのできる苔フィルター、マスク、換気機構、車内空気換気機構又は苔アート設備を提供する。【解決手段】苔又は苔成分を通して通気する構造の苔フィルターである。苔フィルターに空気を通気させることにより空気中のウイルスを吸着除去する。苔フィルターを人の口を覆う通気性のあるマスク本体11としてマスク1−1を構成する。また苔フィルターを用いて換気機構や車内空気換気機構を構成しても良い。また通気性のある支持体上に、デザインを施した苔又は苔成分を敷設することで空気の通過を伴う苔アート設備を構成しても良い。【選択図】図3

Description

本発明は、ウイルスを吸着する、苔フィルター、マスク、換気機構、車内空気換気機構又は苔アート設備に関するものである。
新型コロナウイルス(コビッド−19)で、漸く、上気道感染症ウイルスが人間にとって最も厄介なものの1つであることが認識された。一方、苔の効能効果が認められて、地球温暖化防止策などで脚光を浴びてきた。
従来の苔の利用は屋上緑化や庭の装飾などに限られていた。苔の種類は日本だけでも約3000種類位知られており、日向を好む苔から、日陰を好む苔、乾燥に強い苔や水分を好む苔と様々である。
苔の一般的な効能効果で最もよく知られていることは、COを吸収してOを放出することである。更にPM2.5 やダストなどの微粒子を吸収することも重要な特質である。これらの効果を利用して、苔は大気中の空気洗浄や、室内の健康な空間環境を提供してくれる。
一方、インフルエンザ発症者がマスクを着用することで家庭内感染を防ぐことが可能であるか検討した調査が、2008〜2009年のフランスにおけるインフルエンザ流行時期(フランスにおいてサーベイランスシステムに報告されるインフルエンザ様疾患の国内発生率が算出閾値を超えた期間)に行われた(非特許文献1)。インフルエンザ診断テスト陽性となり、48時間症状が続いている患者のいる家族を対象として、マスク着用群とコントロール群に分け、マスク着用群では発症者が他の家族と同じ部屋や限られた空間(車の中など)にいる場合にマスクを着用することを5日間実施した。その結果、調査期間中に家族がインフルエンザ様症状を示した割合は、マスク着用群は16.2%、コントロール群は15.8%で有意差はなく、マスク着用による感染予防効果は認められなかった。
日本において、医療従事者を対象にマスク着用の有無による感染予防効果を調べた報告として、医療従事者32名をマスク着用群17名、非着用群15名に分けて77日間、咽頭痛、鼻水、咳など風邪症状を記録する調査が行われた(非特許文献2)。調査期間中、マスク着用群は病院において業務中はサージカルマスクを着用し、非着用群は手術室での業務など仕事上の義務として着用が必要な場合を除き、マスクの着用はしなかった。結果として、風邪症状の重症度に有意な違いはなく、風邪症状を有した平均日数はマスク着用群が16.1±13.6日、非着用群が14.2±14.1日と統計的な有意差は見られなかったと報告されている。
また、最近の日本国内での調査としては、サージカルマスクのインフルエンザ流行時の感染予防効果について、感染制御実践看護師の所属する施設を対象として2016〜2017年流行時(2017年3月31日まで)を調査期間としたアンケート調査が実施された(非特許文献3)。111施設中71施設から回答があり、調査期間中、アウトブレイクがあった施設は55施設で、調査では[1]サージカルマスク着用の病院規定の有無、[2]サージカルマスクの着用対象者、[3]サージカルマスク着用場面、[4]サージカルマスク着用の実施期間のそれぞれについてアウトブレイク発生状況の解析が行われた。その結果、すべての項目においてアウトブレイク発生数との有意差は認められず、サージカルマスク着用を義務付けただけでは有効な予防効果はなかったと報告されており、多元的な対策効果を検討する必要が指摘されている。一方で、医療従事者がインフルエンザ感染予防を目的として、サージカルマスクとN95マスクの着用による効果の差を調べた報告がある。カナダのオンタリオ州にある8つの3次ケア病院の救急、内科、小児科の看護師446名が参加し、調査期間中、発熱患者への対応時に予めフィットテスト済みのN95マスクまたはサージカルマスクを着用する群に分けてインフルエンザ予防効果を確認したところ、N95マスク群で48名(22.9%)、サージカルマスク群で50名(23.6%)のインフルエンザ感染が生じ、マスクの種類による感染予防効果の差はみられなかったと報告されている(非特許文献4)。
Canini L, Andreoletti L, Ferrari P, et al.:Surgical mask to prevent influenza transmission in households:a cluster randomized trial. Plos One 2010;5:e13998.[online],[令和2年5月11日検索],インターネット<URL:http://journals.plos.org/plosone/article/file?id=10.1371/journal.pone.0013998&type=printable> Jacobs JL, Ohde S, Takahashi O, et al.:Use of surgical face masks to reduce the incidence of the common cold among health care workers in Japan:a randomized controlled trial. Am J Infect Control. 2009;37:417-419. [online],[令和2年5月11日検索],インターネット<URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19216002> 岡崎悦子、森山由紀、小林寛伊:サージカルマスクのインフルエンザ予防効果. 東京医療保健大学大学院編. 医療関連感染. 2017;10:9-17. Loeb M, Dafoe N, Mahony J, et al.:Surgical mask vs N95 respirator for preventing influenza among health care workers:a randomized trial. JAMA 2009;302:1865-1871.[online],[令和2年5月11日検索],インターネット<URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19797474> Aiello AE, Murray GF, Perez V, et al.:Mask use, hand hygiene, and seasonal influnza-like illness among young adults: a randomized intervention trial. J Infect Dis. 2010;201:491-498. [online],[令和2年5月11日検索],インターネット<https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20088690>
上述のように、従来のマスクでは、呼吸器系ウイルス感染症に対する防御効果は薄い。これはウイルスが超微細構造であることが所以である。このため、従来、ウイルスの吸着性を高める素材を用いたマスクの製品化が求められているが、その成果は充分とは言えなかった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、呼吸器系ウイルス感染症に対する防御効果の高い苔フィルター、マスク、換気機構、車内空気換気機構又は苔アート設備を提供することにある。
本願発明者は、苔が一つの大事な特質を持っていることを見出した。以下、説明する。即ち、苔の葉の表面細胞は単細胞層の構造になっていて、外的物質との輸送が直接行われる。したがって、PM2.5やダストは去苔胎内に入り込むことが出来る。一方ウイルスが生体内に入る場合は、生体側にある供与体レセプターに吸着してから生体内に取り込まれるのが普通である。そして本願発明者は、インフルエンザウイルスやコロナウイルスは直径が80−120nmであり、容易に苔の単細胞膜を通過出来ることを見出した。即ち、本願発明者は、インフルエンザウイルスやコロナウイルスも去苔胎内に入り込むことが出来る特質を見出した。本発明は、上記苔の特質に基づいてなされたものである。
即ち、本願発明は、苔又は苔成分を通して通気する構造の苔フィルターにある。苔又は苔成分は、通気性を有するシート内に収納し、または当該シートの表面に敷設しておくことが好ましい。
呼吸器系ウイルスが人から人に感染する場合、咳やくしゃみによって飛び散った飛沫の中に潜んでいるウイルスが、喉にあるレセプターに吸着し細胞に入り込む。一方、苔にウイルスが吸着して、苔の単細胞層表面の半透析膜から苔の細胞内に入り込む現象は上記人の生体にウイルスが入り込む方法と似ている。すなわち、空気中に存在するウイルスは苔に吸着され、取り除くことが可能となることを発見した。後述する実験に示しているように、一旦苔の細胞内に取り込まれたウイルスは、細胞内生成物と結合して細胞外には出てこない。このことは飛沫から排出されるウイルスを苔が吸収して、感染防止を可能にすることを意味する。ここで苔成分とは、植物レクチン様物質のことである。
また本発明は、上記特徴に加え、苔又は苔成分の含水率は60%以下であることを特徴としている。
一般に、苔は水分5%程度の乾燥状態でも、生きている状態であれば、ウイルスの吸着現象は生じる。
また本発明は、前記苔フィルターを、人の口を覆う通気性のあるマスク本体として用いたことを特徴とするマスクにある。
即ち、上記苔フィルターを人の口を覆う通気性のあるマスク本体として用いることで、マスクに苔のウイルス吸着機能を持たせることができる。マスクにウイルス吸着機能を持たせるには、苔またはその成分をマスク本体内に収納することによって行えばよい。このマスクを用いれば、ウイルスは、口腔内レセプターに吸着する前に、マスク本体内の苔又は苔成分に吸着するので、効果的な感染防除作用が発揮される。
また本発明は、前記苔フィルターを、換気扇又は換気扇の換気用空気通路に設置してなることを特徴とする換気機構にある。この換気機構は、例えば、建物内の居室、トイレ、浴室などの壁や自動車などに設置する、換気扇やその換気用空気通路に適用でき、また扇風機などにも適用できる。
新型コロナウイルスの集団感染があったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で感染が確認された人の客室を国立感染所研究所のグループが調べたところ、症状が出ていなかった人が滞在していた部屋からも新型コロナウイルスの遺伝子が検出されたことが判明した。当該グループでは、多くの感染者が出たクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で乗客が下船したあと、客室内のどのような場所から当該ウイルスの遺伝子が検出されるかを、PCR検査を使って調べた。その結果、感染者が滞在した33部屋のうち21部屋で当該ウイルスの遺伝子が確認された。詳しく見てみると、ユニットバスのトイレの床からは全体の39%にあたる13部屋で、ベッドの枕からは34%に当たる11部屋で、またテレビのリモコンからは21%に当たる7部屋で当該ウイルスの遺伝子が検出された。また、このうち感染は確認されたものの、検査をした当時症状が出ていなかった人が滞在していた13部屋については、54%に当たる7部屋のトイレの床から、38%に当たる5部屋の枕から、23%に当たる3部屋のリモコンから、それぞれ上記ウイルスが検出された。これらの事実から、トイレや居室の換気用の換気扇やその換気用空気通路などに本発明を用いることの有効性が伺える。
また本発明は、前記苔フィルターを、自動車の車室内に空気を供給する換気用空気通路に設置してなることを特徴とする車内空気換気機構にある。
また本発明は、通気性のある支持体上に、デザインを施した苔又は苔成分を敷設することで構成される、空気の通過を伴う苔アート設備にある。
空気の通過を伴う支持体に、デザインした苔又は苔成分を敷設することで、デザイン的にも優れたアート設備にウイルス吸着機能を持たせることができる。
さらに苔又はその成分を布地に織り込むことによって、カーテンや病院のガウン、白衣などに応用する展開も図ることができる。また、枕のクッション材に苔又は苔成分を収納することで、コロナウイルスを吸着させることが出来る。
本発明によれば、飛沫に入っているウイルスが、苔又は苔が施してあるフィルター表面で接触破壊をおこし、飛沫から飛び出したウイルスが苔の葉の表面の単細胞膜から取り入れられて吸着される。これによって、呼吸器系ウイルス感染症に対する防御効果の高い苔フィルター、マスク、換気機構、車内空気換気機構又は苔アート設備を提供することができる。
実験1,2の実験方法とそれらの実験結果を示す図である。 実験3の実験方法とその実験結果を示す図である。 苔フィルターを用いて構成されたマスク1−1の一例を示す図である。 苔又は苔成分を用いて構成された枕1−2の一例を示す図である。 苔又は苔成分を用いて構成された携帯用(首掛け型)扇風機1−3の一例を示す図である。 苔又は苔成分を用いて構成された換気扇1−4の一例を示す図である。 苔又は苔成分を用いて構成されたパーテーション1−5の一例を示す図である。 苔又は苔成分を用いて構成された苔アート設備1−6の一例を示す図である。
上述のように、呼吸器系ウイルスであるインフルエンザウイルスやコロナウイルスは0.08-012μmの超微細構造であり、苔の単細胞層を通過して吸着されることを本願発明者が見出したことに基づいて、苔フィルター、当該苔フィルターを用いたマスク、当該苔フィルターを用いた換気機構、当該苔フィルターを用いた車内空気換気機構、さらには苔アート設備を完成するに至った。
〔実験1〕
図1は、本発明の実験1,2の実験方法とそれらの実験結果を示す図であり、その上段に実験に用いる検査装置、中段に実験1の実験結果、下段に実験2の実験結果を示している。まず同図の上段に示すように、検査装置は、内径50mmの筒体内に、直径50mmの苔フィルターを、筒体内を塞ぐように設置し、その上流側と下流側にそれぞれウイルス検知用のセンサーA,Bを設置して構成されている。センサーA,Bは、何れもデンカ生研株式会社製のインフルエンザウイルス迅速診断キットFlu2を用いている。
そして苔フィルター内に含有させる苔の含有量(ng)を変化させ、前記筒体の一端側の開口からインフルエンザウイルスB型(精製不活化)47.5μg/mLを、2mL噴霧し、前記センサーA,Bによってインフルエンザウイルスの有無(陽性/陰性)を判定した。
判定結果は、図1の中段に示すように、苔フィルターにおける苔の含有量が0gを場合は、両センサーA,Bにおいてインフルエンザウイルスを同様に検出したが、苔フィルターにおける苔の含有量を増やしていくと、苔フィルターを通過した後のセンサーBでのインフルエンザウイルスの量が減少し、苔フィルターにおける苔の含有量が2gを超えると、センサーBでのインフルエンザウイルスの検出ができなくなった。
〔実験2〕
前記検査装置を用意し、苔フィルター内に含有させる苔の含有量を5gとし、前記筒体の一端側開口から噴霧するインフルエンザウイルスA型精製浮遊液(純度99%以上、大阪大学微生物研究所由来)を、図1の下段に示す各濃度になるように希釈して、2mL噴霧し、前記センサーA,Bによってインフルエンザウイルスの有無(陽性/陰性)を判定した。
判定結果は、図1の下段に示すように、浮遊液濃度が低い場合から高い場合まで、センサーAでのインフルエンザウイルスの量に対して、苔フィルターを通過した後のセンサーBでのインフルエンザウイルスの量の方が少なかった。
〔実験3〕
図2は、実験3の実験方法と、その実験結果とを示す図である。この実験は、インフルエンザウイルス浮遊液中における苔のインフルエンザウイルス吸着能についての実験である。
実験方法は、インフルエンザウイルスA型精製浮遊液(純度99%以上、大阪大学微生物研究所由来)45μg/mLを、1:400希釈(0.1125μg/mL)して、100mLビーカーに入れる。当該ビーカー内の液体(A液)の赤血球凝集反応(HA)と、インフルエンザウイルス抗原迅速診断による定性試験を行う。次に乾燥苔20gを前記ビーカーに投入し、1時間低速攪拌する。その後、苔をビーカーから取り出し、ビーカー内の液体(B液)の赤血球凝集反応(HA)と、インフルエンザウイルス抗原迅速診断による定性試験を行う。
これらの実験の結果、図2の下段に示すように、何れの実験においても、A液よりもB液の方が、インフルエンザウイルスの浮遊液中のインフルエンザウイルスの濃度が減少していることが分かった。言い換えれば、苔がインフルエンザウイルスを効果的に吸着したことが分かった。
〔実験4〕
インフルエンザウイルスを吸着した苔を、一昼夜、常温で静置してからホモジナイザーで細片後、さらに乳鉢で乳化液状にしてもインフルエンザウイルスは剥がれてこないことを確認した。このことは、宿主でない居所には8−12時間でインフルエンザウイルスは死滅するという従来の知見から判断すると、苔に吸着したインフルエンザウイルスはオーバーナイトで死滅することを意味する。
なお上記実験例1−4における、インフルエンザウイルスに対する苔の吸着効果及び死滅効果は、同様のウイルスである新型コロナウイルス(コビッド−19)に対しても同様に生じるものと考えられる。
〔実施例1〕
図3は、本発明に係る苔フィルターを用いて構成されたマスク1−1の一例を示す図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は図3(a)のA−A断面図である。このマスク1−1は、不織布やガーゼやその他の布などを人の顔の口及びその周辺部分を覆う寸法形状に形成されたマスク本体11の左右両側に、耳に掛けるマスク紐13,13を取り付け、さらに前記マスク本体11の内部に、苔又は苔成分15を収納して構成されている。苔又は苔成分の含水率は、60%以下であることが好ましい。
このように構成されたマスク1−1を人の顔に装着してその口及びその周囲をマスク本体11によって覆えば、人が呼吸によって空気を口腔内に取り入れる際、マスク本体11を通してその外側空間から取り入れられる空気中の飛沫に含蓄されている呼吸器系ウイルス(インフルエンザウイルスや新型コロナウイルス(コビッド−19)など)は、苔又は苔成分15に吸着され、結果として、マスク本体11を通過する呼吸器系ウイルスを減じさせることができる。これによって各種ウイルス(インフルエンザウイルスや新型コロナウイルス(コビッド−19)など)による感染症などの発病を効果的に防止することができる。
なお、上記マスク本体11は、本発明でいう、苔又は苔成分を通して通気する構造の苔フィルターに相当する。
〔実施例2〕
図4は、本発明に係る苔又は苔成分を用いて構成された枕1−2の一例を示す図である。同図に示す枕1−2の内部(例えば内部のクッション材の部分)に、苔又は苔成分21を収納している。この枕1−2を用いれば、枕1−2に付着した新型コロナウイルスが苔又は苔成分21に吸着されるので、枕1−2を清浄な状態に保つことができる。
〔実施例3〕
図5は、本発明に係る苔又は苔成分を用いて構成された携帯用(首掛け型)扇風機1−3の一例を示す図である。同図に示す携帯用扇風機1−3は、略U字状の首掛けアーム31と、首掛けアーム31の両端に取り付けられたファン33,33とを具備して構成されている。ファン33の一方または両方の面(空気を吸い込む側の面及び/又は空気を吐き出す側の面)には、これを覆うように苔フィルター35が取り付けられている。苔フィルター35は、例えば不織布やその他の通気性を有する袋内に苔又は苔成分を収納して構成されている。これによって、ファン33,33を駆動して人の顔に空気を吹き付ける際、ファン33,33に吸引される空気中の飛沫に含蓄されている呼吸器系ウイルスを苔フィルター35に吸着させ、ファン33,33から吐き出す空気中の呼吸器系ウイルスを減じさせることができる。これによって各種ウイルスによる感染症などの発病を効果的に防止することができる。この実施例3は携帯用扇風機1−3に本発明を適用しているが、それ以外の各種扇風機にも同様に本発明を適用することができる。
〔実施例4〕
図6は、本発明に係る苔又は苔成分を用いて構成された換気扇1−4の一例を示す図である。同図に示す換気扇1−4は、換気扇本体41の中央に設けた換気用空気通路42内にファン43を設置し、さらに換気用空気通路42のファン41を挟んだその両面またはいずれか一方の面を覆うように苔フィルター45を取り付けている。苔フィルター45は、例えば不織布やその他の通気性を有する袋内に苔又は苔成分を収納して構成されている。これによって、ファン43を駆動して室内又は室外に空気を流入または流出させる際、当該空気中の飛沫に含蓄されている呼吸器系ウイルスが苔フィルター45中の苔又は苔成分に吸着され、流入または流出する空気中の呼吸器系ウイルスを減じさせることができる。これによって各種ウイルスによる感染症などの発病を効果的に防止することができる。
〔実施例5〕
図示はしないが、本発明に係る苔フィルターを、自動車の車室内に空気を供給(外気取入れと室内循環の両者を含む)する換気用空気通路に設置しても良い。換気用通路内であれば、送風用のファンの前後でも、空気の噴出口でも、空気の吸気口でも、それら以外の位置でも良い。苔フィルターは、例えば、不織布やその他の通気性を有する袋内に苔又は苔成分を収納して構成すればよい。これによって、ファンを駆動して車室内に空気を供給する際、当該空気中の飛沫に含蓄されている呼吸器系ウイルスが苔フィルター中の苔又は苔成分に吸着され、車室内に流入する空気中の呼吸器系ウイルスを減じさせることができる。これによって各種ウイルスによる感染症などの発病を効果的に防止することができる。
〔実施例6〕
図7は、苔又は苔成分を用いて構成されたパーテーション1−5の一例を示す図である。同図に示すように、パーテーション1−5は、例えばメッシュ状の網や、布などからなる通気性の支持体の表面の一方または両面に、苔又は苔成分を敷設して構成されている。このパーテーション1−5は、苔フィルターの一種である。このパーテーション1−5の面を空気が通過すると、当該空気中の飛沫に含蓄されている呼吸器系ウイルスがパーテーション1−5中の苔又は苔成分に吸着され、これを通過する空気中の呼吸器系ウイルスを減じさせることができる。これによって各種ウイルスによる感染症などの発病を効果的に防止することができる。
〔実施例7〕
図8は、苔又は苔成分を用いて構成された苔アート設備1−6の一例を示す図である。同図に示す苔アート設備1−6は、例えばメッシュ状の網や、布などからなる通気性の支持体の表面の一方または両面に、苔又は苔成分を、デザインを施して敷設して構成されている。この苔アート設備1−6の面を空気が通過すると、当該空気中の飛沫に含蓄されている呼吸器系ウイルスが苔アート設備1−6中の苔又は苔成分に吸着され、これを通過する空気中の呼吸器系ウイルスを減じさせることができる。これによって各種ウイルスによる感染症などの発病を効果的に防止することができる。この苔アート設備1−6には、水中ポンプ47によって水槽46内の水を苔アート設備1−6に供給・循環させる水分供給設備が設置されている。この水分供給設備を設置することで、苔をみずみずしい状態に維持することができる。苔アート設備1−6の正面側または背面側から室内を循環する空気が通過する位置に、当該苔アート設備1−6を設定することが好ましい。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
A,B センサー
1−1 マスク
11 マスク本体
13 マスク紐
15 苔又は苔成分
1−2 枕
21 苔又は苔成分
1−3 携帯用扇風機
31 首掛けアーム
33 ファン
35 苔フィルター
1−4 換気扇
41 換気扇本体
42 換気用空気通路
43 ファン
45 苔フィルター
1−5 パーテーション
1−6 苔アート設備
46 水槽
47 水中ポンプ

Claims (6)

  1. 苔又は苔成分を通して通気する構造の苔フィルター。
  2. 請求項1に記載の苔フィルターであって、
    苔又は苔成分の含水率は60%以下であることを特徴とする苔フィルター。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の苔フィルターを、人の口を覆う通気性のあるマスク本体として用いたことを特徴とするマスク。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の苔フィルターを、換気扇又は換気扇の換気用空気通路に設置してなることを特徴とする換気機構。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の苔フィルターを、自動車の車室内に空気を供給する
    換気用空気通路に設置してなることを特徴とする車内空気換気機構。
  6. 通気性のある支持体上に、デザインを施した苔又は苔成分を敷設することで構成される、空気の通過を伴う苔アート設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102528231B1 (ko) * 2022-10-21 2023-05-03 주식회사 서연이화 바이오필터를 이용한 차량용 공기정화시스템

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