JP2021176348A - 身体の重心安定用粉体組成物及びその製造方法とその利用 - Google Patents

身体の重心安定用粉体組成物及びその製造方法とその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP2021176348A
JP2021176348A JP2020081717A JP2020081717A JP2021176348A JP 2021176348 A JP2021176348 A JP 2021176348A JP 2020081717 A JP2020081717 A JP 2020081717A JP 2020081717 A JP2020081717 A JP 2020081717A JP 2021176348 A JP2021176348 A JP 2021176348A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gravity
center
powder composition
powder
stabilizing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020081717A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6802940B1 (ja
Inventor
正樹 小池
Masaki Koike
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Natural Ability Co Ltd
Original Assignee
Natural Ability Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Natural Ability Co Ltd filed Critical Natural Ability Co Ltd
Priority to JP2020081717A priority Critical patent/JP6802940B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6802940B1 publication Critical patent/JP6802940B1/ja
Publication of JP2021176348A publication Critical patent/JP2021176348A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

【課題】身体の重心を安定させる作用により、外的内的要因による転倒等を防止する効果を有する粉体組成物を提供する。【解決手段】微粉末状のラジウムと、微粉末状の炭粉とを含有する身体の重心安定用粉体組成物であり、例えば、本発明の身体の重心安定用粉体組成物を含有させたインキや塗料等を用いて物品に印刷を施すことによって、身体の重心安定作用を有する物品を製作することができるものである。【選択図】図1

Description

本発明は、身体の重心バランスを整える作用を有する粉体組成物に関し、より詳細には、靴用インソール、シャツ、床用シート、アクセサリー等、様々な物品に印刷等の手段によって適用可能であるため、形状や材質を問わず広範囲の物品に対して接近者に対して身体の重心を安定させる効果を付与することができる粉体組成物に関する。
世界的に人口増加が叫ばれる中、わが国においても総人口に対する65歳以上の老年人口の割合が増加傾向であり、いわゆる高齢化社会への移行が言われ始めて久しい。そして、老年人口の増加に伴い、転倒事故の増加が問題となっている。これは、加齢に伴う筋力低下や視力の衰え等により転倒し易くなってしまうことが大きな要因になっている。加えて、高齢者では骨密度低下が起きやすいことや、反射神経の衰えにより、転倒したときに若年層であれば軽度の怪我で済むような場合でも、高齢者では骨折などの大きな怪我に繋がり易く、場合によっては寝たきりにつながる重大事故のおそれもある。また、高齢者に限らず、睡眠時間の不足や服薬状況によって感覚が鈍くなることによる注意不足の発生、怪我や疲労によって一時的に力が入らない状況となる、視力の衰えによって視野が狭くなる等、バランス感覚の悪化による転倒のおそれは若年層も含めた幅広い年齢層に起き得る問題である。
このような転倒事故を防止するために、建物のバリアフリー化が推奨されることもある。このようなバリアフリー化の例としては、自宅の玄関や床等の段差をなくす、廊下や浴室等のすべりやすい場所に手すりを設置する等の方法がとられている。
また、もっと手軽な方法によるものとして、転倒し難い特殊な形状や材質の履物や、足裏部分に滑り止め加工を施した靴下等、転倒防止のための様々な提案がなされている。このようなものとしては、例えば、履物のソール部分に衝撃吸収要素を埋め込んだものがある。
特表2018−518232号公報
しかし、建物のバリアフリー化は、リフォーム工事が必要となるため費用面での負担が大きいのが実情である。その点、特殊形状とした履物等は比較的安価かつ手軽に対策できる利点があるが、そのような特殊な形状を有する履物は、限られたデザインのものしか流通していないという実態がある。このため、各人が自分の好みのデザインのものを入手することは難しく、ファッション性の好みの問題から利用が躊躇されることもある。また、デザインが限られることから、カジュアル、フォーマルを適切に使い分けて場面に応じて利用するといったことが難しい側面もある。本願発明は、このような実情を鑑み、どのような物品にも応用可能な粉体形状であり、かつ、確実に身体の重心安定性を改善する効果を有する粉体組成物を提供するものである。
本発明者は、鋭意検討した結果、微粉末状のラジウムと微粉末状の炭粉とを含有する粉体組成物が、極めて優れた身体の重心安定作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の身体の重心安定用粉体組成物の発明は、微粉末状のラジウムと、微粉末状の炭粉とを含有することを特徴としている。
請求項2に記載の身体の重心安定用粉体組成物の発明は、請求項1に記載の発明において、更に、微粉末状のゲルマニウムおよび微粉末状の銅の少なくとも1つを含有することを特徴としている。
請求項3に記載の身体の重心安定用粉体組成物の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記炭粉はケイ素を含有することを特徴としている。
請求項4に記載の身体の重心安定用粉体組成物の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、前記炭粉は天然植物材料を炭化することにより得られるものであることを特徴としている。
請求項5に記載の身体の重心安定用粉体組成物の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明において、前記炭粉はもみ殻くん炭を微粉末状に粉砕したものであることを特徴としている。
請求項6に記載の身体の重心安定用粉体組成物の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の発明において、ラジウムを5〜20質量%、炭粉を少なくとも50質量%含有することを特徴としている。
更に、請求項7に記載の身体の重心安定用粉体組成物の製造方法の発明は、ラジウムを含有する鉱石を破砕して微粉末状の粉砕物を作成し、天然植物材料を炭化して粉砕することにより微粉末状の炭粉を作成し、前記粉砕物と炭粉とを混合することを特徴としている。
更に、請求項8に記載のインキまたは塗料の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の身体の重心安定用粉体組成物を含有することを特徴としている。
更に、請求項9に記載の布または板材の発明は、請求項8に記載のインキまたは塗料を塗布もしくは含浸させたことを特徴としている。
本発明の身体の重心安定用粉体組成物は、粉体であるため、広く種々の物品に適用可能である。具体的には、本発明の身体の重心安定用粉体組成物を、例えばインキや塗料に配合して印刷手段を介して物品に適用することにより、多種多様な種々の物品へ優れた身体の重心安定効果を付与することができ、転倒リスクを軽減することできる。本発明の粉体組成物によれば、工事が必要となる建物のバリアフリー化等に比べると大幅に安価であると共に、履物を始め日常的に使用される種々の物品に対して手軽に適用できるため、好みのデザインである物品に対して簡便に転倒防止効果を付与することが可能となる。
具体的な一例を挙げれば、例えば靴の場合には、本発明の粉体組成物を配合したインキを用いて、印刷や塗布等により靴用インソールへ本発明の粉体組成物を適用(付加)することで、当該インソールに転倒防止効果を付与することが可能となる。これにより、靴のサイズさえ自身に適合するものであれば、どのような外観デザインの靴であっても、本発明の粉体組成物を適用したインソールを靴の中敷きとして使用するのみで、好みの靴に対して手軽に転倒防止効果を付与することが可能となる。また、床材に対して本発明の粉体組成物を適用した場合には、当該床材の上に存在する者に対して身体の重心安定効果を生じることとなり、物品の存在を意識することなく転倒リスクを軽減することが可能となる。
本発明の実施例の1形態である靴用インソールの一例を示す図である。 本発明の実施例の1形態である靴用インソールの他の一例を示す図である。 本発明の実施例の1形態であるシートの一例を示す図である。 <立位による重心動揺の測定>試験における測定結果のイメージ例を示す図である。(実施例3) <立位による重心動揺の測定>試験における測定結果の平均値を比較したグラフである。(実施例3) <下方加重時 重心安定度試験>における被験者全員の平均値を示す図である。(実施例4) <下方加重時 重心安定度試験>における一被験者の測定結果を示す図である。(実施例4) <下方加重時 重心安定度試験>における加重時の重心位置の測定結果について各座標に存在するデータの数(頻度)を示すグラフである。(実施例4) <前方加重時 重心安定度試験>における被験者5名の重心動揺範囲の計測結果を示す図である。(実施例5)
本発明の身体の重心安定用粉体組成物は、微粉末状のラジウムと微粉末状の炭粉を含有するものである。
ここで、身体の重心安定とは、何らかの理由で身体の重心が、例えば前方や後方へ移動した場合に、その重心移動を少なく抑えることで重心バランスを崩さない方向へ働く安定性のことをいう。一般的に、内的もしくは外的要因により身体の重心が急速に大きく動いたときにバランスを崩して転倒しやすくなる。このため、身体の重心が安定しているほど、そのような要因が加わったときでも、転倒という事態にまで至らずに耐えることが可能となる。従って、本発明の有する身体の重心安定効果によれば、通常であれば重心が大きく動いてしまうような何らかの要因が加わった場合でも、重心の動きを最小に抑えることが可能となるためバランスを保ちやすく、転倒にまで至らずにすむこととなる。
本発明である身体の重心安定用粉体組成物について詳述する。
本発明の身体の重心安定用粉体組成物は、微粉末状ラジウムと微粉末状の炭粉の他に、更に、微粉末状のゲルマニウムおよび微粉末状の銅の少なくとも1つを含有させることができる。以下、それらの微粉末状物について具体例を示して説明するが、本発明に用いることができる物がそれらに限定されるものではない。
本発明における微粉末状のラジウムとは、ラジウムを含む化合物、例えば、酸化ラジウム、水酸化ラジウム、フッ化ラジウム、塩化ラジウム、臭化ラジウム、ヨウ化ラジウム、炭酸ラジウム、硫酸ラジウム、硫化ラジウム、過酸化ラジウム等のラジウム化合物の他、ラジウムを含有する天然鉱石を原料として、これらの物質を公知の方法で微粉末状にしたものをいう。
本発明における微粉末状のゲルマニウムとは、ゲルマニウムを含む化合物、例えば、二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシド等のゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフェノレート、ゲルマニウム−β−ナフトレート等のゲルマニウムフェノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウム、次亜リン酸ゲルマニウム等のリン含有ゲルマニウム化合物および酢酸ゲルマニウム化合物等のゲルマニウムを含む化合物の他、ゲルマニウムを含有する天然鉱石や天然鉱物を原料として、これらの物質を公知の方法で微粉末状にしたものをいう。
本発明における微粉末状の銅とは、銅を含む化合物、例えば、酸化第一銅、酸化第二銅、塩化第一銅、塩化第二銅、硫化第一銅、硫化第二銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅、硫酸第一銅、硫酸第二銅等の銅化合物の他、精製銅や銅鉱物を原料として、これらの物質を公知の方法で微粉末状にしたものをいう。なお、以上のゲルマニウム、ラジウム、銅の各化合物については、水溶液等の液状態のものを以下に述べる炭粉に含浸させてもよい。
本発明における微粉末状の炭粉とは、炭素を含有する物質を微粉末状にしたものを用いることができる。グラファイトや石墨、黒鉛等の結晶質物質であってもよいし、非晶質物質である植物材料を焼成して作成したいわゆる炭であってもよい。炭の場合には、木炭や竹炭等の他、ヤシ殻、石炭、木炭等を原料とした活性炭等、炭素を含有するものであれば用いることができる。炭を用いる場合には、自身で焼成した炭を微粉末状にしたものであってもよいし、粉末の炭(パウダー状の炭)、炭の粉、木炭微粉、粉炭、炭パウダー等の種々の名称で市販されているものを用いてもよい。
本発明における微粉末状の炭粉は、ケイ素を含むものをより好ましく用いることができる。上記の結晶質炭素を粉末にしたものに、ケイ素化合物の粉末を混合したものであってもよいし、天然の植物材料を炭化させた炭を原料として作成した炭粉であれば植物由来のケイ素が含まれるためそれを用いてもよい。ケイ素化合物としては、シリカ(二酸化ケイ素)、合成非晶質シリカ(二酸化ケイ素)、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、炭化ケイ素、ケイ藻土等のケイ素含有化合物を広く用いることができる。天然の植物材料を炭化させたものとしては、安価に広く流通しているもみ殻くん炭やその他のくん炭を用いることもできるし、自ら木材、竹、もみ殻等の植物材料を焼成した炭やくん炭を用いてもよい。
自ら植物材料を焼成して炭やくん炭を作る場合には、植物材料を高温短時間で焼成したものを好ましく用いることができる。焼成条件は800〜1200℃で2〜4時間焼成が望ましい。焼成時には、焼成開始時からできるだけ早く800〜1200℃の焼成温度にまで到達させることが望ましく、例えば焼成炉の電圧を一気に上げて焼成開始時から30〜60分で焼成温度に到達させて焼成することが特に望ましい。微粒子状のラジウムに、このように高温短時間で焼成した炭やくん炭から作成されるケイ素含有率の高い炭粉を混合することで、特に好ましい本発明の粉体組成物とすることができる。
本発明に用いる微粉末状物質を作成する方法としては、上記のそれぞれの化合物を、例えばミルと分級機を用いて粉砕し微粉末状にする等の公知の方法を用いることができる。粉砕後の粒径は特に限定されず、用途に合わせて粗くしてもよいし、微細粉としてもよい。扱い易さの点で、粒径は3μm〜0.1mmが好ましく、5μm〜7μmが特に好ましい。
微粉末状にしたそれぞれの化合物を混合する方法は、特に限定されない。ある程度まで均一に混合されていれば本発明の効果を得るのに十分であるので、公知の一般的な方法にて混合することができる。
本発明の重心安定用粉体組成物における各成分の混合比は、ラジウム1重量部に対して微粉末状の炭粉を3〜100重量部加えて混合したものが本発明の有意な効果を得るために好ましく、特に好ましくはラジウム1重量部に対して微粉末状の炭粉を4〜19重量部加えて混合したものが顕著な効果を得るために好ましい。更に、微粉末状のゲルマニウムもしくは微粉末状の銅を混合する場合には、それぞれ重量比でラジウム1重量部に対して微粉末状のゲルマニウムもしくは微粉末状の銅をそれぞれ0.1〜5重量部加えることができる。微粉末状のゲルマニウムもしくは微粉末状の銅を更に加えることで、効果を補強することができると共にゲルマニウムの使用量を減量することができる。微粉末状のゲルマニウムもしくは微粉末状の銅は、それぞれどちらか一方を加えることもできるし、両方をそれぞれ上記の比率で加えることもできる。
本発明の粉体組成物は、次のような方法で使用することができる。たとえば、本発明の粉体組成物をそのまま容器等に入れてそれを身に付ける等の手段により身体に接近させることで、身体の重心安定効果を得ることができる。他の方法としては、例えば本発明の粉体組成物をインキや塗料に混合させ、当該インキや塗料を用いて目的物品に印刷あるいは塗布をする方法がある。このように本発明の粉体組成物を適用させた物品に対して、身体を接近させれば本発明の重心安定効果を得ることができる。
また、本発明の粉体組成物は、例えば液体に分散させて流体形態としてもよいし、公知の方法により固化させて固形状としてもよい。どのような形態へ加工しても本発明の有する身体の重心を安定させる効果が失われることはないため、使用目的や流通の利便性等により適宜最適な形態での使用が可能である。
以下、具体的な使用方法についていくつか詳述するが、本発明はこれらの使用方法や使用形態に限定されず、どのような方法であれ、本発明の粉体組成物に対して身体が接近した状態となるように用いることで本発明の重心安定効果を得ることができる。
第一の実施形態として、本発明の粉体組成物を含有させたインキや塗料を用いて目的物に付与することで、当該物品に本発明の身体の重心安定効果を具有させる方法がある。
なお、本明細書において、インキ(インク)または塗料とは、一般的な意味でのインキ、塗料の他、塗装材、顔料、染料等を含む幅広い意味で用いている。
本発明の粉体組成物は、適用対象である目的物品に、どのような手段であるかを問わず、付着、付加、含有等、物品に対していわゆる適用された状態とすることで、当該物品に接近した身体に対して重心安定効果を示すものである。このため、たとえば、本発明の粉体組成物を分散、混合、溶解等の公知の方法でインキや塗料等に含有させ、当該インキや塗料等を用いて、印刷、塗布、含浸、表面に接着させる等の公知の手段により目的物品へ適用させることで、重心安定効果を持つ物品を製作することが可能となる。
適用方法としては、印刷もしくはそれに類する手段の他、例えば、本発明の粉体組成物を接着剤に分散させて当該接着剤を物品表面に塗布する方法でもよいし、粉体組成物を分散させた水や油等の液体を目的物品に含浸させることで物品に適用する方法であってもよい。本明細書におけるインキまたは塗料とは、このようにどのような方法であるかを問わず、目的物品に粉体組成物を適用するために用いることができる液体や粘性物、個体等を含む広い意味で用いるものである。
本発明の粉体組成物を含有させたインキや塗料の作成方法は特に限定されず、一般的な方法を用いて本発明の粉体組成物がインキや塗料に含まれた状態となればよい。本発明の粉体組成物がある程度均一に分散した状態のインキや塗料であれば、本発明の効果を得ることができる。例えば、通常用いられる印刷用インキに本発明の粉体組成物を混入させてよく撹拌して混合する方法であってもよい。本発明の粉体組成物のインキへの配合量の目安は、印刷により適用した目的物品の1mあたり粉体組成物10g以上が含まれるように配合することで、本発明の重心安定効果を有意に得ることができる。
インキや塗料に混ぜることで、布、紙、ゴム、塩ビ、金属板等広い素材に例えば印刷を介して本発明の粉体組成物を適用することが可能となり、多種多様な物品に本発明の重心安定効果を付与することが可能となる。一例を挙げれば、靴の中敷きとして使用する布製のインソールの表面に、本発明の粉体組成物を含有させたインキを用いて印刷を施すことで、重心安定効果を有するインソールを作成することができる。
また、熱転写紙のインキに本発明の粉体組成物を含有させ作成した熱転写シートを用いて、いわゆるアイロンプリントの方法で靴下やシャツ等に本発明の粉体組成物を適用することもできる。この場合、本発明の重心安定効果が付与された物品を家庭でも手軽に作成可能となる。
本発明の粉体組成物の適用対象は、このように印刷手段によって物品へ適用する場合には、対象物は印刷可能な物であれば、紙、布、不織紙、木材、プラスチック、金属等、どのような材料へも適用可能である。また、印刷を施すのが難しい材料の場合には、本発明の粉体組成物を分散させた適当な接着剤や溶剤を塗布や含浸させる等の手段によって物品へ適用することもできる。その他、方法を問わず物品に本発明の粉体組成物を付加、付着、含有した状態とすれば、当該物品に身体の重心安定作用を付加することが可能である。すなわち、薄くてペラペラした紙状の物質、ある程度の厚みや固さを有する板状基材等、あらゆる素材に対して、本発明の粉体組成物を含有させたインキや塗料等を塗布または含浸させることで、本発明の重心安定効果を有する布や板材等の材料を作成することが可能である。これは、これらの布や板を用いて物品を製作すれば、本発明の重心安定効果を有する多種多様な製品を製造できることを意味している。
物品に印刷される内容は特に制限されず、ドットパターンのような繰り返しパターンでもよいし、文字やイラスト等のデザインされたものでもよい。一例として、帆布を用いて作成した靴用インソールの表面に本発明の粉体組成物を印刷を介して適用した例を図1および2に示した。図1は言語的意味を持たないドットパターンを印刷した例であり、図2は文字を印刷した例である(図2は2枚のインソールを重ねた状態を示したものであり、また、印刷されたSPAOREの文字は商標である)。ドットパターン、文字のどちらであっても本発明の身体の重心安定効果に違いは生じない。このように、どのような文字や画像であっても本発明の効果に影響はないため、印刷される内容は物品のデザイン性を優先した図柄等であってもよいし、靴下の滑り止めパターンのような実用的なパターン模様等としてもよい。靴下の滑り止めパターンであれば、滑り止め用凹凸の生成材料に本発明の粉体組成物を含有させて凹凸を作成することで、靴下に本発明の重心安定効果を付与することもできる。
第二の実施形態としては、床材に本発明の粉体組成物を適用させて使用することもできる。床材に適用させる方法としては、床の上に敷くカーペットのようなものに適用させて使用する方法の他、床材の表面に印刷等を介して適用させることもできる。また、床の下に敷設される建築材料のようなものに適用して使用することもできる。身体と直接接触せずとも身体と接近した状態であれば、本発明の粉体組成物の有する重心安定効果が得られるため、シートと身体の間に床材が存在するような使用方法でも本発明の効果を得ることができる。本発明の粉体組成物は、このように広くいろいろな使用方法に対応することが可能である。また他の方法として、本発明の粉体組成物を含有させた塗料等を階段や床へ直接塗布する方法によっても本発明の効果を得ることが可能である。
また、第三の実施形態として、本発明の粉体組成物そのものを身につける方法であってもよい。例えば、小瓶のような小さな容器に本発明の粉体組成物を封入し、それをペンダントのようなアクセサリー形態として身につける方法でも本発明の重心安定効果を得ることができる。
更に第四の実施形態として、本発明の粉体組成物を添加した成型材料を用いて種々の成型製品を製造することもできる。例えば、本発明の粉体組成物を添加したプラスチック樹脂やラバー樹脂等の合成樹脂を用いて杖やステッキ、ゴルフクラブのグリップ(握り)部分を成型製造することで、身体の重心安定効果を有する杖やステッキ、ゴルフクラブを製造することができる。
以下、実施例に基づいて本発明の実施態様を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
各成分を表1に示した比率(重量部)で混合して、比較例および本発明の実施例の重心安定用粉体組成物を作成した。ラジウムは、ラジウム天然鉱石を粉砕して」微粒粉末とした市販品を用いた。ゲルマニウムについても同様に天然鉱石から作成された市販品を用いた。炭粉は、入手した稲のもみ殻を燃焼炉により800℃で3時間焼成してもみ殻くん炭を作成し、それを粉砕して微粒粉末としたものを用いた。銅は、精製銅を粉砕して微粒粉末として用いた。それぞれの微粒粉末の粒径は概ね7μmとした。
Figure 2021176348
表1の比率(重量部)で混合した各サンプル番号の粉体組成物1gをそれぞれガラス製の小瓶に入れて封印し、各サンプルとした。
<重心安定の感覚試験>
成人男女30人に、サンプル番号1〜15のうちから無作為に抽出した5サンプルを割り当てた。ただし、サンプル番号1つあたりの被験者は10人となるように調整をおこなった。各被験者は粉体組成物を封入した小瓶を首から掛けるか、服のポケットに入れてもらう等の態様でサンプルを1つずつ身に付けてもらって試験をおこなった。
[試験方法]
まず、被験者には力を抜いた状態で起立してもらい、両腕を下へ伸ばした状態で腰の前あたりで手にひらを上方に向けて手を組んでもらう。次に、別の人間が被験者の組んだ手のひらの上に手を置き、声をかけながら下方に向けて手に力を加える方法で加重した。そして、被験者がその押す力に対して耐えきれず倒れそう又はよろけた感覚を持ったのか、それとも力に負けることなく耐えられるとの感覚を持ったのかを評価してもらった。そして、各サンプル毎に、耐えられるとの感触を持った被験者の割合により以下のように評価した。
×:0〜10%の被験者が倒れずに耐えられると感じた。
△:50〜60%の被験者が倒れずに耐えられると感じた。
○:70〜100%の被験者が倒れずに耐えられると感じた。
なお、倒れずに耐えられると感じた被験者の割合が20〜40%の範囲となったサンプルはなかった。
評価結果を表1に示した。各成分比が本発明の範囲内である実施例は、いずれも少なくとも半分の被験者が本発明の効果を実感すると回答した。それに対して、各成分比が本発明の範囲外である比較例では、効果を実感する被験者がほとんどいないという結果となった。本実施例の試験は、被験者の感覚的なものであり、主観が入ることを完全に除外できるものではないため、以下、測定機器を用いて効果を数字化する方法での試験をおこなった。
実施例1におけるサンプルNo.12の粉体組成物をインキに混ぜてよく攪拌し、インキ中に均等に分散させ、印刷用インキとした。使用したインキは、東京インキ製油性黒色インキを用いた。このようにして作成したインキを用いて図3に示したシートを作成した。具体的には、1000mm×600mmのシート状の帆布21の表面全面に図3に示したドットパターン22を印刷し、本発明の粉体組成物を適用したシート2とした。
<姿勢矯正試験>
身体バランスの偏りは姿勢に表れる。本発明の粉体組成物の持つ身体バランスを安定に保つ効果を確認するために成人男女から構成される被験者15名について姿勢の測定をおこなった。
使用ソフト: 姿勢計測ソフト「姿勢計測ゆがみーる」(株式会社ジースポート製)
測定部位: 腰水平角を測定した
試験方法: シートがない状態で立ってもらって測定した値を比較例とし、本発明の粉体組成物を適用したシートの上に立ってもらって測定した値を実施例とした。測定は、正面および側面の全身を撮影して、上記のソフトを用いて腰水平角を計測した。ここで、腰水平角とは、腰部分について身体の右側と左側の高さの差を角度で表したものである。これにより、体幹に大きく影響する骨盤の傾きやゆがみがどの程度あるかを知ることができる。撮影は、起立した状態を立位とし、膝を少し曲げて立った状態を屈位として行った。
結果を表2に示す。改善率(%)は、[1−{(実施例の腰水平角度)/(比較例の腰水平角度)}]×100で表したものである。
この結果により、使用時である実施例の腰水平角は、未使用時である比較例の値に比べて、ほぼ全ての被験者で立位および屈位における腰水平角が小さくなっており、本発明の粉体組成物を身に付けることで骨盤の傾き、ゆがみの改善が認められた。このことから、本発明の粉体組成物により、姿勢の改善が期待されるものである。そして、姿勢の改善により身体の重心も安定することが期待できることが判明した。
Figure 2021176348
実施例1で述べたサンプルNo.12の粉体組成物をインキに混ぜてよく攪拌し、インキ中に均等に分散させた。使用したインキは、東京インキ製の油性黒色インキである。このようにして作成したインキを用いて図1に示した靴用インソールを作成した。具体的な作成方法は、帆布11に図1に示したドットパターン12を上記インキを用いて印刷し、図1に示した形状(つま先ハーフ型)にカットしてインソール1とした。帆布は安価で入手でき、広く多様な布製品への加工が可能であるとともに、加工後の製品耐久性高い点でも、本発明の粉体組成物の適用対象として最適である。出来上がったインソール1のサイズは、85mm×70mmである。
<立位による重心動揺の測定>
三半規管の機能を検査するために行われている平衡機能検査において一般的に用いられている重心動揺計を使用し、本発明の重心安定粉体組成物により身体の重心動揺にどのような影響を与えるかを測定した。
被験者に重心動揺計の上に起立してもらい、目を閉じた状態で両足立ちで20秒間、片足立ちで2秒間の測定時間内に、重心の位置が左右・前後の方向にどれくらい揺れるかを測定した。なお、片足立ち時の測定時間が2秒であるのは、閉眼の片足立位において、ある程度バンランスを保てた時間が、最短であった被験者で約2秒間だったためである。
被験者: 成人男女4名
測定パターン: 1.両足立位(目を開く/目を閉じる)、2.片足立位(目を開く/目を閉じる)、の4パターンでおこなった
測定データ: 左右方向への重心移動距離、前後方向への重心移動距離を測定した
市販のスリッパの未加工品(ダミー品)を履いて起立した状態で測定したものを比較例とし、本発明の粉体組成物を適用した上記のインソールを市販スリッパの内部に挿入加工した加工品を履いて起立した状態で測定したものを実施例とした。ダミー品と加工品は外観同一にし、て被験者はまったく区別できない状態として測定した。また、被験者には測定意図は知らせず、測定順はランダムとして「慣れ」によるバイアスが生じるのを極力排除して測定をおこなった。
分析方法: 測定により得られる測定結果のイメージ例を図4に示した。両足の真ん中にプロットされている黒点が測定時の重心位置を示している。このデータを用いて、(被験者4名)×(両足・片足それぞれ開眼・閉眼の4パターン)×(実施例/比較例の2種)×(左右/前後の2方向)の64個に統合したデータ要素を分析した。
[結果]
結果を表3に示し、平均値をグラフにしたものを図5に示した。単位を、単位目安:cmとしたのは、図4に示したように測定数値は検査機上の「座標」であって、正確にセンチメートル単位に区切られていないため「単位目安」の表記にしたものである。これらの結果より、比較例に比べて、実施例ではほとんどの測定パターンにおいて重心動揺の範囲が縮小しており、身体の重心の安定性が増していることが分かる。
表中に示した縮小率(%)=[1−{(実施例の平均値)/(比較例の平均値)}]×100は、左右方向の場合には31.92%減少し、前後方向では28.44%の減少であった。通常、単に立っているだけでも身体の重心には動揺が見られる。実施例のスリッパを履いた場合と比較例のスリッパを履いた場合を比べた場合、明らかに実施例の方が動揺範囲は狭くなっており、身体のバランスの維持に優れていることが認められた。
Figure 2021176348
<下方加重時 重心安定度試験>
検査機器:シート型圧力測定機X3 Pro Electoronics(XSENSOR社製)
被験者数:6名(男性23歳、52歳、81歳、/女性17歳、50歳、77歳))
検査方法:両足をやや開いた状態で測定機の上で起立してもらい、固定具を用いて脇の角度を固定したうえで、15Kgの重りを持たせて加重した。加重後5秒間の重心位置(センタープレッシャー)の動きを計測した。
印刷を介して粉体組成物を適用した本発明品のシートは、実施例2で作成したものと同じものを用いた。実施例は本発明品シートとし、比較例は、本発明の粉体組成物を含まない通常の東京インキ製の油性黒色インキを用いて本発明品シートと同一のドットパターンを印刷し、見た目を本発明品シートとまったく同じとしたものを使用した。更に、測定時には、それぞれのシートを測定機の下に敷いて測定をおこなったため、被験者には実施例と比較例のどちらのシートが敷かれているかの判別ができない状態で計測を行った。
[結果]
図6に被験者全員の平均値をプロットしたものを示した。楕円上の枠内の点の集まりが重心位置を示している。この結果より、実施例では、比較例に比べて重心位置の動きが小さくなっており、加重時においても身体のバランスが崩れずに重心の安定が維持されていることが分かる。
一般的に、図6においてガイドとして示した足型のマークにおける両足のつま先同士とかかと同士を結んだ線の範囲(四角枠の範囲)から重心が外れると、転倒に繋がってしまうことが知られている。多くの人は転倒しそうになったときにはとっさに足を動かして上記の四角枠の範囲内に重心を収めようとする動きを行う。しかしながら、高齢者などはこのような足の動きをする動作が遅れることで転倒リスクが高まってしまう。ここで、実施例のように、加重時においても、重心位置の動きが小さく収まる状態というのは、そもそも足を動かすことで身体のバランスを取る必要のない状態にあると言えるので、つまずきや衝突等、なんらかの原因で身体に外力が加わったような場合でも転倒リスクは小さいと考えられる。
また、図7に、本実施例においてもっとも顕著な効果が見られた17歳女性の結果を示した。比較例に比べて、実施例の場合には前後方向のみならず左右方向へも重心の移動がほとんどなかったことを示している。一般的に、起立しているのみでも重心は前後左右方向にわずかに揺れることが知られており、本被験者における実施例の場合には、重心が全く動いていないと言ってよい程度の揺れである。本被験者は、痩せ形で体重が軽く、筋肉量自体が少ない体型であったことから考えると。本発明の粉体組成物は、筋力や体幹が弱い女性や高齢者において特に効果が表れやすいと期待できる。女性や高齢者のように、筋力や体幹が弱い場合には、少ない加重でも身体の重心が崩れやすい傾向にあるため、本発明の効果が特に有効に働くものと考えられる。なお、筋力が強い被験者の場合でも、加重量を大きくした場合には、同様の傾向が見られた。
更に、図8に、加重時における重心位置の測定結果について各座標に存在するデータの数(頻度)を表したグラフを示した。横軸は前後方向(身体の腹側←→背中側)の座標を示し、縦軸は各座標に存在するデータの数(頻度)を示している。これより、比較例では、座標位置15.5〜19.5および22付近に多くのデータが存在することがわかる。しかし、実施例では、座標位置20前後にデータが集中しており、他の座標にはほとんどデータが存在しないことが分かる。これは、本発明品であるシートを使用した実施例では、未使用である比較例に比べて、加重による身体の重心の振れ幅が小さいことを示している。また、重心位置の分布状況をみると、比較例では座標位置15.5から23.5まで広範囲に広がっているのに対して、実施例では座標位置18.5から23.0までと比較例に比べて狭い範囲に分布している。これは、同じ加重であっても本発明品を使用した場合には、身体の揺れ動く範囲が半分程度に収まることを意味している。これより、本発明品を使用することにより、身体に加重がかかった場合でも、重心安定効果が得られることがわかる。
<前方加重時 重心安定度試験>
検査機器:シート型圧力測定機X3 Pro Electoronics(XSENSOR社製)
被験者数:5名(60代男性:1名、50代女性:2名、10代女性:2名)
検査方法:歩行時を模して片方の足を前に出す状態で足を前後に開き、胸に巻いたベルトにロープを結び、前方向に20Kgを加重して重心を計測した。
被験者には計測前に同じ加重を実施し計測順による差異が出ないようにした。
実施例を本発明品シートとし、比較例として見た目はまったく同じであるが本発明の粉体組成物を適用していないシートを用意した。使用したシートは実施例、比較例共に実施例4で使用したものと同一品である。測定時に、それぞれのシートを測定機の下に敷いて測定をおこない、被験者には実施例と比較例のどちらのシートが敷かれているかの判別はできない状態で計測を行ったことも実施例4と同様である。
[結果]
図9に被験者5名の重心動揺範囲の計測結果を示した。それぞれ(a)10代女性A、(b)10代女性B、(c)50代女性A、(d)50代女性B、(e)60代男性のデータを示している。そして、表4に被験者5名の計測結果のサマリを示した。これは、各被験者の計測結果から、それぞれの最前方位置と最後方位置を読み取り、その差を動揺範囲として表し、比較例の場合に比べて実施例の場合に動揺範囲がどれだけ減少したかを減少率として計算したものである。ここで、図9において、横軸は前後方向を表し、縦軸は左右方向を表している。たとえば、(e)60代男性被験者の結果をみると、比較例においては、最前方位置4.68cmから最後方位置23.21cmまで動揺範囲は18.53cmに及んだ。また、左右方向についても、図9から読み取ると約13cm範囲に渡って重心が動揺していることが分かる。対して、同男性の実施例の場合では、最前方位置、左右方向の動揺ともに6〜7cm程の範囲内に収まっていることが分かる。また、表4から被験者5名の計測結果を比較すると、実施例では重心動揺範囲が最大で63.15%減少している。また、5名全員の減少率平均は、52.95%の減少であり、比較例に比べて実施例では明確に重心動揺範囲の減少が認められ、優れた重心安定効果を示すことがわかった。なお、計測時の被験者の挙動を観察したところ、比較例のシート使用時には、20Kgの加重に耐えられず転倒しそうになった被験者もみられたが、同被験者が実施例のシート使用時には十分に耐えたという例もみられた。
Figure 2021176348
本発明の粉体組成物について、動物に対する効果を確認すべく、以下の試験をおこなった。加齢や後遺症の麻痺等の理由により、歩行が困難となっている老犬5匹に対して、実施例3で用いた本発明の粉体組成物を適用したインソールを、被験犬が着用している犬用服に貼付して、その前後での歩行状態の変化を確認した。犬用服への貼付は、服表面へのシール接着の他、ホチキス止め、服のポケットに入れる、縫付け等の方法により貼付した。貼付場所は、犬の腰部または首部とした。
[結果]
一部の老犬において目に見える改善と言える程度の歩行状態の変化が認められた。その他の老犬でも、歩行状態が変化したことが認められた。改善の程度に差が生じたのは、被験老犬の症状の軽重や、歩行が困難となっている原因の違い等が、結果の差となって表れたと考察される。顕著な効果を示した例としては、貼付前はまっすぐ歩くことが困難なため、同じ場所をぐるぐる回る状態だった老犬が、貼付後は自力でまっすぐ歩行するのが認められた。また他の例では、歩行がヨロヨロと不安定なために段差があると躓いて転んでしまう、少し歩くだけで尻もちをついたように座ってしまう状態だった老犬が、貼付後はどんどん歩くように見え、坂道の傾斜も苦にならないように普通に登ることが観察された。更に別の例では、後脚に麻痺が残っているためにうさぎ跳びのような形で走っていた老犬が、貼付後は左右の脚を交互に使って歩くようになったことが認められた。
なお、これらの老犬において、効果が認められた後に本発明の粉体組成物を適用したシートを「外す/貼付する」を繰り返す試験をおこなったところ、いずれも外した直後は大きな変化は認められなかったが、外した状態で翌日になると従前の状態に戻ってしまうことが、全ての例において認められた。以上より、本発明の粉体組成物は動物に対しても身体の重心安定効果を示すことが期待できるものである。
本発明の身体の重心安定用粉体組成物を用いれば、種々の物品に対して身体の重心を安定させる効果を付与することが可能となるため、服飾品、健康用品、インテリア、建築材料等を始めとする幅広い分野において利用可能である。
1 靴用中敷(インソール)
11 インソール本体(帆布)
12 印刷されたパターン
2 シート
21 シート本体(帆布)
22 印刷されたパターン

Claims (9)

  1. 微粉末状のラジウムと、微粉末状の炭粉とを含有する身体の重心安定用粉体組成物。
  2. 更に、微粉末状のゲルマニウムおよび微粉末状の銅の少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1に記載の身体の重心安定用粉体組成物。
  3. 前記炭粉はケイ素を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の身体の重心安定用粉体組成物。
  4. 前記炭粉は天然植物材料を炭化することにより得られるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の身体の重心安定用粉体組成物。
  5. 前記炭粉はもみ殻くん炭を微粉末状に粉砕したものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の身体の重心安定用粉体組成物。
  6. ラジウム1重量部に対して、3〜100重量部の炭粉を含有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の身体の重心安定用粉体組成物。
  7. ラジウムを含有する鉱石を破砕して微粉末状の粉砕物と作成し、天然植物材料を炭化して粉砕することにより微粉末状の炭粉を作成し、前記粉砕物と炭粉とを混合することを特徴とする身体の重心安定用粉体組成物の製造方法。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載の身体の重心安定用粉体組成物を含有することを特徴とするインキまたは塗料。
  9. 布状または板状基材に、請求項8に記載のインキまたは塗料を塗布もしくは含浸させたことを特徴とする布または板材。
JP2020081717A 2020-05-07 2020-05-07 身体の重心安定用粉体組成物及びその製造方法とその利用 Active JP6802940B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020081717A JP6802940B1 (ja) 2020-05-07 2020-05-07 身体の重心安定用粉体組成物及びその製造方法とその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020081717A JP6802940B1 (ja) 2020-05-07 2020-05-07 身体の重心安定用粉体組成物及びその製造方法とその利用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6802940B1 JP6802940B1 (ja) 2020-12-23
JP2021176348A true JP2021176348A (ja) 2021-11-11

Family

ID=73836123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020081717A Active JP6802940B1 (ja) 2020-05-07 2020-05-07 身体の重心安定用粉体組成物及びその製造方法とその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6802940B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023096920A (ja) * 2021-12-27 2023-07-07 株式会社ナチュラルアビリティ 血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上のための粉体組成物及びその製造方法とその利用

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200376189Y1 (ko) * 2004-11-30 2005-03-10 조용숙 천연 소재 기능성 광물질을 함유한 벽지 겸용 장판지
JP2007197569A (ja) * 2006-01-26 2007-08-09 Nakagawa Yoshie 樹脂材及びその樹脂材を用いた成形体
CN201097696Y (zh) * 2007-08-02 2008-08-13 友邦公司 多功能机能性健康养生自净鞋垫
JP2010022624A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Sharp Corp 足湯装置および足湯水製造方法
JP2010520792A (ja) * 2007-03-12 2010-06-17 ノベコ トレーディング 2008 エルエルシー 多功能、機能性の健康養生及びセルフ−クリーン効果を有する靴素材
JP2017525400A (ja) * 2014-05-05 2017-09-07 マルチプル エナジー テクノロジーズ エルエルシー バイオセラミック組成物およびその生体修飾的使用
CN206675323U (zh) * 2016-11-29 2017-11-28 美佳德科技(无锡)有限公司 一种具有保暖保健功能的床垫
JP2018518232A (ja) * 2016-02-19 2018-07-12 浙江吉利控股集団有限公司Zhejiang Geely Holding Group Co.,Ltd. 捻挫防止、衝撃吸収バランスソール及び履物
CN109602121A (zh) * 2018-12-11 2019-04-12 叶小剑 一种具有防臭和发热功能的鞋垫及制备方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200376189Y1 (ko) * 2004-11-30 2005-03-10 조용숙 천연 소재 기능성 광물질을 함유한 벽지 겸용 장판지
JP2007197569A (ja) * 2006-01-26 2007-08-09 Nakagawa Yoshie 樹脂材及びその樹脂材を用いた成形体
JP2010520792A (ja) * 2007-03-12 2010-06-17 ノベコ トレーディング 2008 エルエルシー 多功能、機能性の健康養生及びセルフ−クリーン効果を有する靴素材
CN201097696Y (zh) * 2007-08-02 2008-08-13 友邦公司 多功能机能性健康养生自净鞋垫
JP2010022624A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Sharp Corp 足湯装置および足湯水製造方法
JP2017525400A (ja) * 2014-05-05 2017-09-07 マルチプル エナジー テクノロジーズ エルエルシー バイオセラミック組成物およびその生体修飾的使用
JP2018518232A (ja) * 2016-02-19 2018-07-12 浙江吉利控股集団有限公司Zhejiang Geely Holding Group Co.,Ltd. 捻挫防止、衝撃吸収バランスソール及び履物
CN206675323U (zh) * 2016-11-29 2017-11-28 美佳德科技(无锡)有限公司 一种具有保暖保健功能的床垫
CN109602121A (zh) * 2018-12-11 2019-04-12 叶小剑 一种具有防臭和发热功能的鞋垫及制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023096920A (ja) * 2021-12-27 2023-07-07 株式会社ナチュラルアビリティ 血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上のための粉体組成物及びその製造方法とその利用
JP7385643B2 (ja) 2021-12-27 2023-11-22 株式会社ナチュラルアビリティ 血流促進、リラクゼーション及び運動能力向上のための粉体組成物及びその製造方法とその利用

Also Published As

Publication number Publication date
JP6802940B1 (ja) 2020-12-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7500324B1 (en) Convertible therapeutic sandals
AU776603B2 (en) Footwear for a dynamic, rolling walking-action
WO2009097642A1 (en) Sock
JP6802940B1 (ja) 身体の重心安定用粉体組成物及びその製造方法とその利用
US9782887B2 (en) Grip enhancing composition and method of use
AU2018201318A1 (en) Proprioceptor stimulation material
Musiba et al. Swift and sure‐footed on the Savanna: A study of Hadzabe gaits and feet in Northern Tanzania
JP2009533132A (ja) 機能性履物
Massó et al. Study of muscle activity during relevé in first and sixth positions
Svensson et al. Standing balance on inclined surfaces with different friction
Kerr et al. Analysis of balance and body positioning in ballerinas with different levels of skill science
JP5481635B2 (ja) 防滑性板状基材、その製造方法およびその用途
US20190365019A1 (en) Physiological footwear with dynamic configuration of microparticles applied to the insole, and uneven arrangement applied to the shoe sole
JP3093347U (ja) 滑り止め靴下類
CN204048293U (zh) 一种可机洗运动休闲两用鞋
Ryew et al. Effect of slipper wearing and carrying positions of infant on dynamic stability and kinetic variable during level walking
Park et al. A study on changes in lower limb joint angles during stair walking with high heel
Yamaguchi et al. Experimental analyses of load carrying effects on the peak traction coefficient between shoe sole and floor during walking
Cardoso Filho et al. Les Trésors de Lily [P8993-Bolso cuero hecho a mano'Soleil Du Sud'marrón 23.5 x21x5 cm.
Tu et al. General Considerations in Basketball: Court Type, Shoes, and Protective Gear
CN106723639A (zh) 一种具有按摩与磁疗功能的鞋底
Cardoso Filho et al. XUHANG Bolso bandolera de piel sintética para mujer y niña
JP3078614U (ja) 滑り止め靴下
Apps The biomechanical and neuromuscular responses to shoe-surface instability
Hsieh Effects of Pressure Sensor Amount on Accuracy of Predicting Gait Kinetic Parameters

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200513

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200513

A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20200515

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200923

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6802940

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250