JP2021173589A - 土壌腐食試験装置及び土壌腐食試験方法 - Google Patents

土壌腐食試験装置及び土壌腐食試験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】土壌と評価対象の金属部材との接触状態(土圧)を制御し、より実環境に近い土壌腐食環境を模擬可能な土壌腐食試験装置を提供する。【解決手段】土壌腐食試験装置1は、土壌中における金属の耐食性の評価に用いる。土壌腐食試験装置1は、試験槽2と、土圧制御装置10とを含む。試験槽2は、模擬土壌3を収容可能、かつ、評価対象の試験体4を模擬土壌3に接触した状態で収容可能である。土圧制御装置10は、試験槽2に収容された模擬土壌3に、鉛直方向の所定の大きさの力を与える鉛直加圧装置6Vと、試験槽2に収容された模擬土壌3に、水平面内の所定方向の所定の大きさの力を与える第1水平加圧装置6H1とを備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、土壌腐食試験装置及びその装置を用いた土壌腐食試験方法に関する。
屋外で長期間使用する鋼材等の金属部材は、厳しい腐食環境に曝されることがある。例えば、鋼管杭や鋼矢板等の鋼構造物は、土木建築用の基礎構造物として土壌中に埋設される。土壌中に埋設された鋼構造物は、土壌や地下水等の電解質と接しているため次第に腐食し、時間とともに減肉していく。そのため、土壌中に埋設された鋼材の耐食性を精度よく評価することが重要となっている。
従来から、土壌中に埋設された鋼材の耐食性の評価として、日本鉄鋼連盟や、米国NBS(National Bureau of Standards)による暴露試験が行われていた。しかしながら、暴露試験では評価に時間がかかることや、土壌腐食環境が異なる場合には、別途長期にわたる検討が必要になる等の課題があった。そのため、暴露試験以外の方法による鋼材の耐食性の評価が求められていた。
暴露試験以外の方法による鋼材の耐食性の評価は、例えば、特開2017−215300号公報(特許文献1)、特許第6348454号公報(特許文献2)、特開2011−75477号公報(特許文献3)、特開2017−72592号公報(特許文献4)、及び特開2017−90399号公報(特許文献5)に開示されている。
特許文献1〜3では、実土壌や模擬土壌を試験槽内に充填し、それらの土壌の水分含有量を調整し、温度や酸素分圧等を制御して土壌中の鋼の耐食性を評価している。特許文献4では、試験槽内に模擬土壌を複数層重ねて形成し、各層で土壌中の通気量を変えて酸素濃淡マクロセル腐食を再現し、土壌中の鋼の耐食性を評価している。特許文献5では、金属構造物とともにセル内に収容された土壌に対して、加圧し、水及び所定のガスを供給して、金属構造物のマクロ腐食を試験している。
特開2017−215300号公報 特許第6348454号公報 特開2011−75477号公報 特開2017−72592号公報 特開2017−90399号公報
しかしながら、土壌腐食環境は、大気や海洋の腐食環境に比べて不均一な環境であるため、土壌中の鋼材の耐食性の評価には、土壌の締固め度合い(土壌充填度合い)や、土壌と鋼材との接触状態を精密に制御することが重要である。土壌の締固め度合いが異なると、土粒子間隙中の水分量(水分飽和度)も異なる。
ところが、特許文献1〜4の耐食性の評価では、土壌の締固め度合いは考慮されていないため、より実環境に近い土壌腐食環境を再現することが求められている。特に、鋼管杭や鋼矢板など土中の奥深くまで埋設する鋼材は、土圧の影響を大きく受けることから腐食態様が深さ方向で大きく異なると考えられている。
また、実環境において土壌中の鋼材には、土圧による応力が不均一にかかる。例えば、鋼材に対して、鉛直方向にかかる応力の大きさと、水平方向にかかる応力の大きさとは、通常は異なる。鋼材の腐食の仕方は、鋼材が受ける土圧による応力の方向による違いによっても変化する。すなわち、土圧による応力がどのように不均一であるかにより、鋼材と土壌との接触状態が変化するために、鋼材の腐食の仕方が変化する。さらに、鋼材が埋設された土壌の周辺に、建造物等の施設物、若しくは盛り土がある場合、又は土壌の一部が掘削されている場合等は、鋼材に対して、水平面内でも方向によって応力の大きさが異なることがある。
特許文献5の方法では、土壌に対する圧力は、一方向(鉛直方向)しか制御できない。しかしながら、一方向の圧力のみを制御しても、鋼材の腐食態様は、正確に評価することができない。
本発明の目的は、土壌と評価対象の金属部材との接触状態(土圧)を制御し、より実環境に近い土壌腐食環境を模擬可能な土壌腐食試験装置及び土壌腐食試験方法を提供することである。
本実施形態の土壌腐食試験装置は、土壌中における金属部材の耐食性の評価に用いる。この土壌腐食試験装置は、試験槽と、土圧制御装置とを備えている。試験槽は、土壌を収容可能、かつ、評価対象の試験体を土壌に接触した状態で収容可能である。土圧制御装置は、試験槽に収容された土壌の土圧を制御可能である。試験槽は、底板と、第1及び第2側板と、第3及び第4側板とを備えている。第1及び第2側板は、底板上に、底板に略垂直に設けられているとともに、互いに略平行に配置されている。第3及び第4側板は、底板上に、底板及び第1側板に略垂直に設けられているとともに、第1及び第2側板を挟むように、かつ、互いに略平行に配置されている。第1側板は、水平面内の所定方向に移動して第2側板に対して近接及び離間できるように構成されている。土圧制御装置は、載荷板と、鉛直加圧装置と、第1水平加圧装置とを備えている。載荷板は、試験槽に収容された土壌に、底板とは反対側から接触する。鉛直加圧装置は、載荷板を介して、試験槽に収容された土壌に、鉛直方向の所定の大きさの力を与える。第1水平加圧装置は、第1側板を介して、試験槽に収容された土壌に、所定方向の所定の大きさの力を与える。
本実施形態の土壌腐食試験方法は、上記土壌腐食試験装置を用いる。この土壌腐食試験方法は、準備工程と、鉛直土圧制御工程と、水平第1土圧制御工程とを含む。準備工程では、土壌を試験槽に収容し、土壌と試験体とを接触させる。鉛直土圧制御工程では、準備工程後、土圧制御装置の鉛直加圧装置によって土壌の鉛直方向の土圧を制御する。水平第1土圧制御工程では、準備工程後、土圧制御装置の第1水平加圧装置によって、第1側板の高さ位置における土壌の上記所定方向の土圧を制御する。
本発明による土壌腐食試験装置及び土壌腐食試験方法によれば、土壌と評価対象の金属部材との接触状態を制御し、より実環境に近い土壌腐食環境を模擬可能である。
図1は、第1実施形態に係る土壌腐食試験装置の縦断面図であり、土壌を加圧する前の状態を示す。 図2は、第1実施形態に係る土壌腐食試験装置の上面図であり、土壌を加圧する前の状態を示す。 図3は、第1実施形態の土壌腐食試験装置の縦断面図であり、土壌を加圧している状態を示す。 図4は、第2実施形態の土壌腐食試験装置の縦断面図であり、土壌を加圧する前の状態を示す。
本実施形態の土壌腐食試験装置は、土壌中における金属部材の耐食性の評価に用いる。この土壌腐食試験装置は、試験槽と、土圧制御装置とを備えている。試験槽は、土壌を収容可能、かつ、評価対象の試験体を土壌に接触した状態で収容可能である。土圧制御装置は、試験槽に収容された土壌の土圧を制御可能である。試験槽は、底板と、第1及び第2側板と、第3及び第4側板とを備えている。第1及び第2側板は、底板上に、底板に略垂直に設けられているとともに、互いに略平行に配置されている。第3及び第4側板は、底板上に、底板及び第1側板に略垂直に設けられているとともに、第1及び第2側板を挟むように、かつ、互いに略平行に配置されている。第1側板は、水平面内の所定方向に移動して第2側板に対して近接及び離間できるように構成されている。土圧制御装置は、載荷板と、鉛直加圧装置と、第1水平加圧装置とを備えている。載荷板は、試験槽に収容された土壌に、底板とは反対側から接触する。鉛直加圧装置は、載荷板を介して、試験槽に収容された土壌に、鉛直方向の所定の大きさの力を与える。第1水平加圧装置は、第1側板を介して、試験槽に収容された土壌に、所定方向の所定の大きさの力を与える(第1の構成)。
第1の構成の土壌腐食試験装置において、鉛直加圧装置と、第1水平加圧装置とにより、試験槽に収容された土壌に対して、上方から加圧するとともに、側方から加圧することができる。これにより、土壌に埋められた試験体(評価対象の金属部材)に対して、鉛直方向の土圧と、水平面内の一方向の土圧とを個別に(独立に)制御することができる。したがって、土壌と試験体との接触状態を正確に制御し、より実環境に近い土壌腐食環境を模擬可能である。
第1側板において、第2側板に対向する面には、載荷板の端部を収容可能な第1溝が形成されていることが好ましい(第2の構成)。第2の構成の土壌腐食試験装置では、第1溝に載荷板の端部が収容されていない状態で、試験槽内に土壌及び試験体を入れ、その後、第1溝に載荷板の端部が収容されるように第1側板を移動させることにより、第1側板を第2側板に近接させる。これにより、土壌を側方から加圧することができる。
第1又は第2の構成の土壌腐食試験装置において、第2側板は、所定方向に移動して第1側板に対して近接及び離間できるように構成されていることが好ましい。この場合、土圧制御装置は、第2側板を介して、試験槽に収容された土壌に、所定方向の所定の大きさの力を与える第2水平加圧装置をさらに備えていることが好ましい(第3の構成)。
第3の構成の土壌腐食試験装置は、試験槽に収容された土壌に水平方向の力を与える手段として、第1水平加圧装置に加え第2水平加圧装置を備えている。これにより、試験槽に収容された土壌に、水平面内の所定方向に沿う土圧を効率的に生じさせることができる。
第3の構成の土壌腐食試験装置において、第2側板において、第1側板に対向する面には、載荷板の端部を収容可能な第2溝が形成されていることが好ましい(第4の構成)。第4の構成の土壌腐食試験装置を用いて、第2溝に載荷板の端部が収容されていない状態で、試験槽内に土壌及び試験体を入れ、その後、第2溝に載荷板の端部が収容されるように第2側板を移動させることにより、第2側板を第1側板に近接させて、土壌を加圧することができる。
第1〜第4の構成のいずれかの土壌腐食試験装置は、底板と第1側板との間に配置され、所定方向に移動できるように構成された第1加圧ブロックをさらに備えていることが好ましい。この場合、土圧制御装置は、第1加圧ブロックを介して、試験槽に収容された土壌に所定方向の所定の大きさの力を与える第3水平加圧装置をさらに備えていることが好ましい(第5の構成)。
第5の構成の土壌腐食試験装置を用いて、試験槽において、第1側板の高さ位置における所定方向の土圧と、第1加圧ブロックの高さ位置における所定方向の土圧とを、個別に制御することができる。したがって、水平面内の所定方向の土圧が実環境において深さ方向に変化する場合を、適切に模擬することができる。
第1〜第5のいずれかの構成の土壌腐食試験装置において、底板と第2側板との間に配置され、所定方向に移動できるように構成された第2加圧ブロックをさらに備えていることが好ましい。この場合、土圧制御装置は、第2加圧ブロックを介して、試験槽に収容された土壌に所定方向の所定の大きさの力を与える第4水平加圧装置をさらに備えていることが好ましい(第6の構成)。
第6の構成の土壌腐食試験装置を用いて、試験槽に収容された土壌に、第1側板の高さ位置における所定方向の土圧と、第2加圧ブロックの高さ位置における所定方向の土圧とを、個別に制御することができる。
本実施形態の土壌腐食試験方法は、第1〜第6の構成のいずれかの土壌腐食試験装置を用いる。この土壌腐食試験方法は、準備工程と、鉛直土圧制御工程と、水平第1土圧制御工程とを含む。準備工程では、土壌を試験槽に収容し、土壌と試験体とを接触させる。鉛直土圧制御工程では、準備工程後、土圧制御装置の鉛直加圧装置によって土壌の鉛直方向の土圧を制御する。水平第1土圧制御工程では、準備工程後、土圧制御装置の第1水平加圧装置によって、第1側板の高さ位置における土壌の上記所定方向の土圧を制御する(第7の構成)。
第7の構成の土壌腐食試験方法によれば、鉛直土圧制御工程と、水平第1土圧制御工程とにより、試験槽に収容された土壌に対して、鉛直方向の土圧と、水平面内の一方向の土圧とを個別に(独立に)制御することができる。したがって、土壌と評価対象の金属部材との接触状態を正確に制御し、より実環境に近い土壌腐食環境を模擬可能である。
第7の構成の土壌腐食試験方法において、第3又は第4の構成の土壌腐食試験装置を用いて、準備工程後、土圧制御装置の第2水平加圧装置によって、第2側板の高さ位置における土壌の所定方向の土圧を制御する水平第2土圧制御工程をさらに含むことが好ましい(第8の構成)。
第8の構成の土壌腐食試験方法により、水平面内の所定方向の土圧を制御する工程として、水平第1土圧制御工程に加え、水平第2土圧制御工程を含む。これにより、試験槽に収容された土壌に、水平面内の所定方向に沿う土圧を効率的に生じさせることができる。
第7又は8の構成の土壌腐食試験方法において、第5の構成の土壌腐食試験装置を用いて、準備工程後、土圧制御装置の第3水平加圧装置によって、第1加圧ブロックの高さ位置における土壌の所定方向の土圧を制御する水平第3土圧制御工程をさらに含むことが好ましい(第9の構成)。
第9の構成の土壌腐食試験方法により、試験槽において、第1側板の高さ位置における所定方向の土圧と、第1加圧ブロックの高さ位置における所定方向の土圧とを、個別に制御することができる。したがって、水平面内の所定方向の土圧が実環境において深さ方向に変化する場合を、正確に模擬することができる。
第7〜第9のいずれかの構成の土壌腐食試験方法は、第6の構成の土壌腐食試験装置を用い、準備工程後、土圧制御装置の第4水平加圧装置によって、第2加圧ブロックの高さ位置における土壌の所定方向の土圧を制御する水平第4土圧制御工程をさらに含むことが好ましい(第10の構成)。
第10の構成の土壌腐食試験方法により、試験槽に収容された土壌に、第1側板の高さ位置における所定方向の土圧と、第2加圧ブロックの高さ位置における所定方向の土圧とを、個別に制御することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
《第1実施形態》
[土壌腐食試験装置]
図1は、本発明の第1実施形態に係る土壌腐食試験装置の縦断面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る土壌腐食試験装置の上面図である。図1及び図2には、土壌を加圧する前の状態の土壌腐食試験装置を示している。土壌腐食試験装置1は、試験槽2と、土圧制御装置10とを含む。
[試験槽]
試験槽2は、土壌を収容可能である。土壌は、耐食性を評価する環境を模擬して人工的に作られた模擬土壌であってもよく、腐食環境を調査する場所の実土壌であってもよい。以下、試験槽2には、土壌として、模擬土壌3が収容されるものとして説明する。模擬土壌3は、例えば、水道水を含水させた中性土、パイライトを添加した酸性土等である。土壌腐食試験の際には、試験槽2の所定の高さまで模擬土壌3が収容される。
試験槽2は、底板2Bと、第1側板2S1、第2側板2S2、第3側板2S3、及び第4側板2S4を備えている。第1側板2S1〜第4側板2S4は、いずれも、底板2B上に、底板2Bに略垂直に設けられている。第1側板2S1と第2側板2S2とは、互いに略平行に対向配置されている。
第1側板2S1において、第2側板2S2に対向する面には、第1溝G1が形成されている。第1溝G1は、第1側板2S1において、その幅方向(第1側板2S1と第2側板2S2との対向方向及び鉛直方向VDに直交する方向)にわたって延びている。同様に、第2側板2S2において、第1側板2S1に対向する面には、第2溝G2が形成されている。第2溝G2は、第2側板2S2において、その幅方向(第1側板2S1と第2側板2S2との対向方向及び鉛直方向VDに直交する方向)にわたって延びている。
第1溝G1と第2溝G2とは、ほぼ同じ高さ位置に形成されている。より詳細には、第1溝G1の下端と第2溝G2の下端とは、ほぼ同じ高さ位置にあり、第2溝G2の上端と第1溝G1の上端とは、ほぼ同じ高さ位置にある。
第3側板2S3と第4側板2S4とは、互いに略平行に対向配置されている。第3側板2S3及び第4側板2S4は、第1側板2S1に略垂直に設けられているとともに、第1側板2S1及び第2側板2S2を挟むように配置されている(図2参照)。第3側板2S3及び第4側板2S4は、底板2Bに対する位置が固定されているか、固定可能に構成されている。水平な断面において、試験槽2の形状は四角形である。試験槽2の上部は開口している。この開口を介して、模擬土壌3を試験槽2内に入れることができる。試験槽2は、いわゆる土槽を構成する。
試験槽2(底板2B、及び第1〜第4側板2S1〜2S4)の材質は、特に限定されない。ただし、土壌腐食試験の際に試験槽2内の模擬土壌3に大きな応力が加わる場合は、試験槽2が変形又は破壊しないように、試験槽2は十分に大きな剛性及び強度を有することが好ましい。このような要件を満たす試験槽2の材質として、例えば、塩化ビニルやアクリル等の樹脂を挙げることができる。
試験槽2は、模擬土壌3に加えて、土壌腐食試験において評価対象となる試験体4を収容可能である。試験体4は、金属部材である。試験体4は、模擬土壌3に接触した状態で、試験槽2に収容可能である。土壌腐食試験の際には、試験体4は、模擬土壌3中に埋設される。試験体4は、耐食性を評価する対象であり、例えば、JIS G 3101(2015)に準拠した土木建築用鋼材等である。試験体4は、任意の形状を有し得る。
[土圧制御装置]
土圧制御装置10は、載荷板5と、鉛直加圧装置6Vと、第1水平加圧装置6H1と、第2水平加圧装置6H2とを含む。図2では、鉛直加圧装置6V、第1水平加圧装置6H1、及び第2水平加圧装置6H2は、図示を省略している。
載荷板5は、平面視において、土壌を加圧する前の試験槽2の内面に対応した形状及び大きさを有する板である。より詳細には、平面視において、土壌を加圧する前の試験槽2の内面は矩形であるところ、載荷板5は、この試験槽2の内面とほぼ同じ形状及び大きさを有する矩形である。ただし、第1側板2S1と第2側板2S2との対向方向に関して、載荷板5の長さは、土壌を加圧する前の第1側板2S1と第2側板2S2と間隔よりも長くてもよい。
載荷板5は、試験槽2内に収容される模擬土壌3の上方に配置される。載荷板5の厚さは、第1溝G1の幅(鉛直方向VDに沿う長さ)及び第2溝G2の幅よりも小さい。このため、載荷板5と第1溝G1とが適切な位置関係にあるとき、第1溝G1に載荷板5の一端部を収容可能である。また、載荷板5と第2溝G2とが適切な位置関係にあるとき、第2溝G2に載荷板5の他端部を収容可能である。
鉛直加圧装置6Vは、バー7を介して載荷板5の上面に取り付けられている。鉛直加圧装置6Vは、フォースゲージを含む。フォースゲージは、周知の構成であるので詳細な説明は省略する。鉛直加圧装置6Vにより、鉛直上方から下方に向かって載荷板5に任意の荷重を加えることが可能である。これにより、試験槽2に収容された模擬土壌3に、鉛直方向VDの所定の大きさの力を与えることができる。鉛直加圧装置6Vが模擬土壌3に加えることができる荷重は可変である。すなわち、「所定の大きさの力」とは、所望の任意の大きさの力であって、必ずしも一定の(大きさが固定された)力ではない(以下、「所定の大きさの力」との記載については、同様)。
載荷板5の材質は、特に限定されない。ただし、鉛直加圧装置6Vにより土壌に荷重を加える際に載荷板5が変形又は破壊しないように、載荷板5は十分に大きな剛性及び強度を有することが好ましい。このような要件を満たす載荷板5の材質として、例えば、塩化ビニルやアクリル等の樹脂を挙げることができる。
第1水平加圧装置6H1は、第1側板2S1に対して第2側板2S2とは反対側(試験槽2の外部)に配置されているとともに、第1側板2S1に取り付けられている。第1水平加圧装置6H1は、フォースゲージを含む。第1水平加圧装置6H1により、水平面内の所定方向(以下、「水平所定方向」という。)HDに、第1側板2S1に任意の荷重を加えることができる。より詳細には、水平所定方向HDは、第1側板2S1と第2側板2S2との配列方向(図1において左右方向)である。第1水平加圧装置6H1は、第1側板2S1に、第2側板2S2に向かう方向(以下、「右向き」という;試験槽2の内側に向かう方向)の任意の荷重を加えることが可能である。これにより、試験槽2に収容された模擬土壌3に、水平所定方向HD右向きの所定の大きさの力を与えることができる。
第2水平加圧装置6H2は、第2側板2S2に対して第1側板2S1とは反対側(試験槽2の外部)に配置されているとともに、第2側板2S2に取り付けられている。第2水平加圧装置6H2は、フォースゲージを含む。第2水平加圧装置6H2により、水平所定方向HDに、第2側板2S2に任意の荷重を加えることができる。第2水平加圧装置6H2は、第2側板2S2に、第1側板2S1に向かう方向(以下、「左向き」という;試験槽2の内側に向かう方向)の任意の荷重を加えることが可能である。これにより、試験槽2に収容された模擬土壌3に、水平所定方向HD左向きの所定の大きさの力を与えることができる。
載荷板5、第1側板2S1、及び第2側板2S2により荷重が加えられた模擬土壌3は、土圧が上昇し、締め固められる。鉛直加圧装置6V、第1水平加圧装置6H1、及び第2水平加圧装置6H2は、互いに独立に荷重を設定することができる。したがって、土圧制御装置10は、試験槽2に収容された模擬土壌3について、鉛直方向VDの土圧、及び水平所定方向HDの土圧を個別に制御可能である。
なお、鉛直加圧装置6V、第1水平加圧装置6H1、及び第2水平加圧装置6H2の具体的な構成は、特に限定されない。例えば、鉛直加圧装置6Vは、フォースゲージを含む構成に代えて、錘を含んでもよい。
[土圧の制御による効果]
本実施形態の土壌腐食試験装置によれば、土壌腐食試験中の土壌について、鉛直方向VDの土圧、及び水平所定方向HDの土圧を制御することができ、土壌と試験体(金属部材)との接触状態を正確に制御できる。鉛直方向VDの土圧、及び水平所定方向HDの土圧を制御することで、これら2方向の応力の様々な組み合わせを想定した土壌腐食試験を試験槽内に再現することができる。
例えば、実際に、金属部材が埋設される土壌の周辺に、建造物等の施設物、若しくは盛り土がある場合、又は土壌の一部が掘削されている場合等に、金属部材にかかる応力を再現することができる。さらに、金属部材が埋設される土壌の周辺に、建造物等の施設物、若しくは盛り土が事後的に設けられる場合、又は土壌の一部が事後的に掘削されている場合等に、金属部材にかかる応力の変化を正確に再現することができる。
したがって、本実施形態の土壌腐食試験装置によれば、より実環境に近い土壌腐食環境で土壌腐食試験を行うことができる。ひいては、より正確な耐食性評価を行うことができ、防食手法や腐食寿命推定、設計、材料開発等に寄与できる。
[土壌腐食試験方法]
図3は、本実施形態の土壌腐食試験装置の縦断面図である。図3には、土壌を加圧している状態の土壌腐食試験装置を示している。図1〜図3を参照して、本実施形態の土壌腐食試験方法について説明する。本実施形態の土壌腐食試験方法では、上述した本実施形態の土壌腐食試験装置を用いる。本実施形態の土壌腐食試験方法は、準備工程と、鉛直土圧制御工程と、水平第1土圧制御工程と、水平第2土圧制御工程とを含む。
鉛直土圧制御工程、水平第1土圧制御工程、及び水平第2土圧制御工程は、任意の順序で、順次実施することができる。また、鉛直土圧制御工程、水平第1土圧制御工程、及び水平第2土圧制御工程のうちの2工程以上を同時に実施してもよい。鉛直土圧制御工程、水平第1土圧制御工程、及び水平第2土圧制御工程を実施した後には、図3に示すように、載荷板5の一端部が第1溝G1に収容され、載荷板5の他端部が第2溝G2に収容された状態になる。この状態が得られるように、各工程において、載荷板5の高さ位置、及び第1側板2S1と第2側板2S2との間隔を制御する。
[準備工程]
準備工程では、模擬土壌3を試験槽2に収容し、模擬土壌3と試験体4とを接触させる。つまり、準備工程により、試験槽2内で、模擬土壌3と試験体4とが接触した状態(例えば、試験体4が模擬土壌3に埋設された状態)を得る。まず、第1側板2S1と第2側板2S2との間隔(第1及び第2溝G1、G2が形成されている部分の間隔を除く。)が載荷板5の水平所定方向HDに沿う長さと同じ又はそれより大きくなるように、第1側板2S1及び第2側板2S2を配置する。載荷板5は、試験槽2の外部に配置する。したがって、第1溝G1及び第2溝G2のいずれにも、載荷板5の端部は収容されていない。この状態の試験槽2に、模擬土壌3及び試験体4を収容する。
例えば、準備工程では、空の試験槽2に、所定量ずつ、複数回に分けて模擬土壌3を入れる。この操作の途中で、試験体4を試験槽2に入れる。さらに、その上から所定の高さまで模擬土壌3を試験槽2に入れる。これにより、試験体4が、模擬土壌3中に埋没し、全方位で模擬土壌3と接触した状態を得ることができる。なお、模擬土壌3は、第1及び第2溝G1、G2を埋め尽くさない高さまで入れることが好ましい。
[鉛直土圧制御工程]
鉛直土圧制御工程は、準備工程後に実施される。鉛直土圧制御工程では、上述した土圧制御装置10の鉛直加圧装置6Vによって、バー7及び載荷板5を介して模擬土壌3に所定の大きさの力を加える。より詳細には、模擬土壌3及び試験体4を試験槽2へ収容し終えた後、載荷板5を、試験槽2内へと下降させ、模擬土壌3に接触させる。そして、載荷板5をさらに下降させることにより、模擬土壌3に所定の大きさの力を加える。これにより、鉛直方向VDの土圧を制御する。
[水平第1土圧制御工程]
水平第1土圧制御工程は、準備工程後に実施される。水平第1土圧制御工程では、上述した土圧制御装置10の第1水平加圧装置6H1によって、第1側板2S1に水平所定方向HD右向きの所定の大きさの力を与える。これにより、模擬土壌3を加圧し、第1側板2S1の高さ位置における模擬土壌3の水平所定方向HDの土圧を制御する。ここで、第1側板2S1の高さ位置とは、第1側板2S1の上端と第1側板2S1の下端との間の範囲の高さ位置をいう。同様に、以下、ある部材の高さ位置とは、その部材の上端とその部材の下端との間の範囲の高さ位置をいう。本実施形態では、第1側板2S1の高さ位置における模擬土壌3は、実質的に、試験槽2に収容されたすべての模擬土壌3である。
模擬土壌3を加圧する際、第1側板2S1は右向きに移動する。これに伴い、載荷板5の一端部が、第1溝G1に収容される。換言すれば、第1側板2S1の移動の少なくとも一部は、第1側板2S1に第1溝G1が形成されていることにより可能となっている。
[水平第2土圧制御工程]
水平第2土圧制御工程は、準備工程後に実施される。水平第2土圧制御工程では、上述した土圧制御装置10の第2水平加圧装置6H2によって、第2側板2S2に水平所定方向HD左向きの所定の大きさの力を与える。これにより、模擬土壌3を加圧し、第2側板2S2の高さ位置における模擬土壌3の水平所定方向HDの土圧を制御する。本実施形態では、第2側板2S2の高さ位置における模擬土壌3は、実質的に、試験槽2に収容されたすべての模擬土壌3である。
模擬土壌3を加圧する際、第2側板2S2は左向きに移動する。これに伴い、載荷板5の他端部が、第2溝G2に収容される。換言すれば、第2側板2S2の移動の少なくとも一部は、第2側板2S2に第2溝G2が形成されていることにより可能となっている。
[腐食状態の評価]
鉛直土圧制御工程、水平第1土圧制御工程、及び水平第2土圧制御工程を実施した後、任意の試験期間、鉛直方向VD及び水平所定方向HDのそれぞれについて、模擬土壌3に所定の大きさの応力を与える。より詳細には、模擬土壌3に対して、鉛直加圧装置6Vによって鉛直方向VDの所定の大きさの土圧を与えつつ、第1水平加圧装置6H1及び第2水平加圧装置6H2によって、水平所定方向HDの所定の大きさの土圧を与えた状態を維持する。必要により、所定期間の間に、鉛直方向VDの土圧及び水平所定方向HDの土圧の少なくとも一方を、1回以上変更してもよい。試験期間を経過した後、試験体4を取り出し、腐食状態を調査する。
本実施形態の土壌腐食試験方法によれば、鉛直方向の土圧と水平面内の所定の方向の土圧との様々な組み合わせを想定した土壌腐食試験を試験槽内で再現することができる。したがって、より実環境に近い土壌腐食環境で土壌腐食試験を行うことができる。
例えば、実際に、金属部材が埋設される土壌の周辺に、建造物等の施設物、若しくは盛り土がある場合、又は土壌の一部が掘削されている場合等に、金属部材にかかる応力を正確に再現して、金属部材の腐食状態を評価することができる。さらに、金属部材が埋設される土壌の周辺に、建造物等の施設物、若しくは盛り土が事後的に設けられる場合、又は土壌の一部が事後的に掘削される場合等に、金属部材にかかる応力の変化を正確に再現して、金属部材の腐食状態を評価することができる。
試験期間を経過した後に試験体4の腐食状態を調査することに代えて、又は、このような調査に加えて、試験期間中の腐食状態を調査してもよい。試験期間中の腐食状態は、例えば、試験体4を電気化学セルに接続し、電気化学インピーダンス法によって行うことができる。
《第2実施形態》
[土壌腐食試験装置]
図4は、本発明の第2実施形態に係る土壌腐食試験装置の縦断面図である。この土壌腐食試験装置1Aは、試験槽2Aと、土圧制御装置10Aとを含む。
試験槽2Aは、図1〜図3に係る実施形態における底板2B、第1〜第4側板2S1〜2S4に加えて、第1〜第14加圧ブロックB1〜B14を備えている。第1〜第14加圧ブロックB1〜B14は、互いに独立して、水平所定方向HDに移動できるように構成されている。
第1加圧ブロックB1、第3加圧ブロックB3、第5加圧ブロックB5、第7加圧ブロックB7、第9加圧ブロックB9、第11加圧ブロックB11、及び第13加圧ブロックB13は、底板2Bと第1側板2S1との間に設けられている。第1側板2S1に近い側(上側)から底板2Bに近い側(下側)に向かって、第1加圧ブロックB1、第3加圧ブロックB3、第5加圧ブロックB5、第7加圧ブロックB7、第9加圧ブロックB9、第11加圧ブロックB11、及び第13加圧ブロックB13が、この順に配置されている。
第2加圧ブロックB2、第4加圧ブロックB4、第6加圧ブロックB6、第8加圧ブロックB8、第10加圧ブロックB10、第12加圧ブロックB12、及び第14加圧ブロックB14は、底板2Bと第2側板2S2との間に設けられている。第2側板2S2に近い側(上側)から底板2Bに近い側(下側)に向かって、第2加圧ブロックB2、第4加圧ブロックB4、第6加圧ブロックB6、第8加圧ブロックB8、第10加圧ブロックB10、第12加圧ブロックB12、及び第14加圧ブロックB14が、この順に配置されている。
第3側板2S3及び第4側板2S4(図2参照)は、第2実施形態では、底板2Bの上面から第1側板2S1及び第2側板2S2の上端の高さ位置まで延びているとともに、第1側板2S1、第2側板2S2、及び第1〜第14加圧ブロックB1〜B14を挟むように配置されている。試験槽2A及びその内部空間は、鉛直方向VDに延びている。試験槽2Aは、長尺(例えば、1m以上)の試験体4を、鉛直方向VDに沿うように収容することができる。
以下の記載(参照符号を含む。)で、nは、1、3、5、7、9、11及び13のいずれかである。第1加圧ブロックB1と第2加圧ブロックB2とは、互いにほぼ同じ形状及び大きさを有しており、ほぼ同じ高さ位置に配置されている。他の加圧ブロックについても同様である。すなわち、第n加圧ブロックBnと第(n+1)加圧ブロックB(n+1)とは、互いにほぼ同じ形状及び大きさを有しており、ほぼ同じ高さ位置に配置されている。第1〜第14加圧ブロックB1〜B14の形状は、例えば、直方体状である。
土圧制御装置10Aは、図1〜図3に係る実施形態における載荷板5、鉛直加圧装置6V、第1水平加圧装置6H1、及び第2水平加圧装置6H2に加えて、第3〜第16水平加圧装置6H3〜6H16を備えている。
第3水平加圧装置6H3は、第1加圧ブロックB1に対して第2加圧ブロックB2とは反対側(試験槽2Aの外部)に配置されているとともに、第1加圧ブロックB1に取り付けられている。第4水平加圧装置6H4は、第2加圧ブロックB2に対して第1加圧ブロックB1とは反対側(試験槽2Aの外部)に配置されているとともに、第2加圧ブロックB2に取り付けられている。
他の水平加圧装置と加圧ブロックとの関係も同様である。図4において、第(n+2)水平加圧装置6H(n+2)、及び第n加圧ブロックBnは、左側に配置されているところ、右側に配置された第(n+1)加圧ブロックB(n+1)との関係は以下の通りである。すなわち、第(n+2)水平加圧装置6H(n+2)は、第n加圧ブロックBnに対して第(n+1)加圧ブロックB(n+1)とは反対側(試験槽2Aの外部)に配置されているとともに、第n加圧ブロックBnに取り付けられている。
図4において、第(n+3)水平加圧装置6H(n+3)、及び第(n+1)加圧ブロックB(n+1)は、右側に配置されているところ、左側に配置された第n加圧ブロックBnとの関係は以下の通りである。すなわち、第(n+3)水平加圧装置6H(n+3)は、第(n+1)加圧ブロックB(n+1)に対して第n加圧ブロックBnとは反対側(試験槽2Aの外部)に配置されているとともに、第(n+1)加圧ブロックB(n+1)に取り付けられている。第3〜第16水平加圧装置6H3〜6H16の各々は、フォースゲージを含む。
第3〜第16水平加圧装置6H3〜6H16により、それぞれ、水平所定方向HDに、第1〜第14加圧ブロックB1〜B14に任意の荷重を加えることができる。第(n+2)水平加圧装置6H(n+2)は、第n加圧ブロックBnに、右向きの任意の荷重を加えることが可能である。これにより、試験槽2Aに収容された模擬土壌3に、水平所定方向HD右向きの所定の大きさの力を与えることができる。第(n+3)水平加圧装置6H(n+3)は、第(n+1)加圧ブロックB(n+1)に、左向きの任意の荷重を加えることが可能である。これにより、試験槽2Aに収容された模擬土壌3に、水平所定方向HD左向きの所定の大きさの力を与えることができる。
[土壌腐食試験方法]
本実施形態の土壌腐食試験方法は、準備工程と、鉛直土圧制御工程と、水平第1〜第16土圧制御工程とを含む。鉛直土圧制御工程、水平第1〜第16土圧制御工程は、任意の順序で、順次実施することができる。また、鉛直土圧制御工程、及び水平第1〜第16土圧制御工程のうちの2工程以上を同時に実施してもよい。
準備工程は、第1実施形態における準備工程と同様に実施する。試験体4Aは、鉛直方向VDに沿うように収容する。試験体4Aは、第1側板2S1及び第2側板2S2の高さ位置から第13加圧ブロックB13及び第14加圧ブロックB14の高さ位置に至る長さを有する。鉛直土圧制御工程は、第1実施形態における鉛直土圧制御工程と同様に実施する。したがって、載荷板5は、第1側板2S1に形成された第1溝G1の下端及び第2側板2S2に形成された第2溝G2の下端の高さ位置までは下げられ得るが、第1〜第14加圧ブロックB1〜B14の高さ位置までは下げない。
水平第1土圧制御工程及び水平第2土圧制御工程は、第1実施形態における水平第1土圧制御工程及び水平第2土圧制御工程と同様に実施する。ただし、本実施形態における水平第1土圧制御工程及び水平第2土圧制御工程では、第1側板2S1及び第2側板2S2の高さ位置における模擬土壌3の水平所定方向HDの土圧を制御する。これらの工程では、第1〜第14加圧ブロックB1〜B14の高さ位置における模擬土壌3の土圧は必ずしも制御しない。
水平第(n+2)土圧制御工程は、水平第1土圧制御工程と同様に実施する。水平第(n+2)土圧制御工程では、それぞれ、第n加圧ブロックBnの高さ位置における模擬土壌3の水平所定方向HDの土圧を制御するが、これ以外の高さ位置における模擬土壌3の土圧は必ずしも制御しない。同様に、水平第(n+3)土圧制御工程は、水平第2土圧制御工程と同様に実施する。水平第(n+3)土圧制御工程では、それぞれ、第(n+1)加圧ブロックB(n+1)の高さ位置における模擬土壌3の水平所定方向HDの土圧を制御するが、これ以外の高さ位置における模擬土壌3の土圧は必ずしも制御しない。
鉛直土圧制御工程、水平第1〜第16土圧制御工程を実施した後、所定の試験期間、鉛直方向VD及び水平所定方向HDのそれぞれについて、模擬土壌3に所定の大きさの応力を与える。水平所定方向HDの土圧は、例えば、高さ位置が高くなるほど大きくなるように制御することができる。
その後、試験体4Aの腐食状態を、第1実施形態における試験体4の腐食状態の調査と同様に調査する。この際、試験槽2A内における試験体4Aについて、第1側板2S1及び第2側板2S2並びに第1〜第14加圧ブロックB1〜B14それぞれの高さ位置の少なくとも2つに対応する部分で、腐食状態を調査する。これにより、土壌中の各深さ位置における金属部材の腐食状態を評価することができる。
以上、本実施形態の土壌腐食試験装置及び土壌腐食試験方法について説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
例えば、試験槽に複数の種類の模擬土壌を積層して試験体を複数土壌の境界をまたぐように埋設し、試験体の酸素濃淡マクロセル腐食に対する耐食性を評価してもよい。また、第2実施形態において、長尺の試験体4Aの代わりに、十分に小さな複数の試験体を、第1側板2S1及び第2側板2S2並びに第1〜第14加圧ブロックB1〜B14の高さ位置の少なくとも2つに配置して土壌腐食試験を行ってもよい。これによっても、土壌中の各深さ位置における金属部材の腐食状態を評価することができる。
本実施形態の土壌腐食試験装置及び土壌腐食試験方法は、土壌中における金属部材の耐食性の評価に用いることができる。
1、1A:土壌腐食試験装置
2、2A:試験槽
2B:底板
2S1:第1側板
2S2:第2側板
2S3:第3側板
2S4:第4側板
3:模擬土壌
4、4A:試験体
5:載荷板
6V:鉛直加圧装置
6H1:第1水平加圧装置
6H2:第2水平加圧装置
6H3:第3水平加圧装置
6H4:第4水平加圧装置
7:バー
10、10A:土圧制御装置
B1:第1加圧ブロック
B2:第2加圧ブロック
G1:第1溝
G2:第2溝

Claims (10)

  1. 土壌中における金属部材の耐食性の評価に用いる土壌腐食試験装置であって、
    土壌を収容可能、かつ、評価対象の試験体を前記土壌に接触した状態で収容可能な試験槽と、
    前記試験槽に収容された前記土壌の土圧を制御可能な土圧制御装置と、
    を備え、
    前記試験槽は、
    底板と、
    前記底板上に、前記底板に略垂直に設けられているとともに、互いに略平行に配置された第1及び第2側板と、
    前記底板上に、前記底板及び前記第1側板に略垂直に設けられているとともに、前記第1及び第2側板を挟むように、かつ、互いに略平行に配置された第3及び第4側板と、
    を備え、
    前記第1側板は、水平面内の所定方向に移動して前記第2側板に対して近接及び離間できるように構成されており、
    前記土圧制御装置は、
    前記試験槽に収容された土壌に、前記底板とは反対側から接触する載荷板と、
    前記載荷板を介して、前記試験槽に収容された土壌に、鉛直方向の所定の大きさの力を与える鉛直加圧装置と、
    前記第1側板を介して、前記試験槽に収容された土壌に、前記所定方向の所定の大きさの力を与える第1水平加圧装置と、
    を備えた、土壌腐食試験装置。
  2. 請求項1に記載の土壌腐食試験装置であって、
    前記第1側板において、前記第2側板に対向する面には、前記載荷板の端部を収容可能な第1溝が形成されている、土壌腐食試験装置。
  3. 請求項1又は2に記載の土壌腐食試験装置であって、
    前記第2側板は、前記所定方向に移動して前記第1側板に対して近接及び離間できるように構成されており、
    前記土圧制御装置は、前記第2側板を介して、前記試験槽に収容された土壌に、前記所定方向の所定の大きさの力を与える第2水平加圧装置をさらに備えた、土壌腐食試験装置。
  4. 請求項3に記載の土壌腐食試験装置であって、
    前記第2側板において、前記第1側板に対向する面には、前記載荷板の端部を収容可能な第2溝が形成されている、土壌腐食試験装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の土壌腐食試験装置であって、
    前記底板と前記第1側板との間に配置され、前記所定方向に移動できるように構成された第1加圧ブロックをさらに備え、
    前記土圧制御装置は、前記第1加圧ブロックを介して、前記試験槽に収容された土壌に前記所定方向の所定の大きさの力を与える第3水平加圧装置をさらに備えた、土壌腐食試験装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の土壌腐食試験装置であって、
    前記底板と前記第2側板との間に配置され、前記所定方向に移動できるように構成された第2加圧ブロックをさらに備え、
    前記土圧制御装置は、前記第2加圧ブロックを介して、前記試験槽に収容された土壌に前記所定方向の所定の大きさの力を与える第4水平加圧装置をさらに備えた、土壌腐食試験装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の土壌腐食試験装置を用いる土壌腐食試験方法であって、
    前記土壌を前記試験槽に収容し、前記土壌と前記試験体とを接触させる準備工程と、
    前記準備工程後、前記土圧制御装置の前記鉛直加圧装置によって前記土壌の鉛直方向の土圧を制御する鉛直土圧制御工程と、
    前記準備工程後、前記土圧制御装置の前記第1水平加圧装置によって、前記第1側板の高さ位置における前記土壌の前記所定方向の土圧を制御する水平第1土圧制御工程と、
    を含む、土壌腐食試験方法。
  8. 請求項3又は4に記載の土壌腐食試験装置を用いる、請求項7に記載の土壌腐食試験方法であって、
    前記準備工程後、前記土圧制御装置の前記第2水平加圧装置によって、前記第2側板の高さ位置における前記土壌の前記所定方向の土圧を制御する水平第2土圧制御工程をさらに含む、土壌腐食試験方法。
  9. 請求項5に記載の土壌腐食試験装置を用いる、請求項7又は8に記載の土壌腐食試験方法であって、
    前記準備工程後、前記土圧制御装置の前記第3水平加圧装置によって、前記第1加圧ブロックの高さ位置における前記土壌の前記所定方向の土圧を制御する水平第3土圧制御工程をさらに含む、土壌腐食試験方法。
  10. 請求項6に記載の土壌腐食試験装置を用いる、請求項7〜9のいずれかに記載の土壌腐食試験方法であって、
    前記準備工程後、前記土圧制御装置の前記第4水平加圧装置によって、前記第2加圧ブロックの高さ位置における前記土壌の前記所定方向の土圧を制御する水平第4土圧制御工程をさらに含む、土壌腐食試験方法。
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