JP2021172029A - 成形システム、異常予測装置、異常予測方法、プログラム及び学習済みモデル - Google Patents

成形システム、異常予測装置、異常予測方法、プログラム及び学習済みモデル Download PDF

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Abstract

【課題】ゲートの摩耗状態を予測する。【解決手段】 成型品を成形する成形装置と、前記成形装置の異常を予測する異常予測装置と、を備える成形システムであって、前記成形装置は、内部にキャビティを形成し、前記キャビティ側に開口するゲートを有する金型部と、前記ゲートを経由して、前記キャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサと、を有し、前記異常予測装置は、前記保圧動作から前記保圧解除動作までの間に前記圧力センサにより検出された圧力の最大値を第1評価値として取得するデータ取得部と、前記第1評価値に基づいて、前記ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する異常予測部と、を有する、成形システム。【選択図】 図1

Description

本発明は、成形システム、異常予測装置、異常予測方法、プログラム及び学習済みモデルに関する。
複数の金型の間に形成されるキャビティへ成形材料を溶融させた融液を供給して成型品を成形する射出成形装置が知られている。例えば、特許文献1には、金型内に成形材料を射出する射出成形装置が開示されている。
特許文献1には、キャビティ内のガス残りに起因する成形不良(ガス残り不良)に対する対策として、品質チェックによりガス残り不良が確認された場合に、スクリュの前進位置を所定量後退させるように成形条件の設定変更を行う。このように、特許文献1には、キャビティ内への樹脂の充填量よりもガスの排出能力が優るように成形条件を変更する技術が開示されている。
特開2015−24568公報
射出成形では同じ金型を繰り返し使用するため、金型は成形回数が重なるごとに摩耗していく。金型の摩耗は成形品の品質に影響を及ぼすため、現在は、一定の成形回数ごとに金型を交換し、又は、射出成形を行う作業者の熟練度に基づく勘やコツにより見定めた時点で金型を交換している。このため、金型の交換のタイミングを誤ると、成型品に不良が発生したり、無駄な金型交換による工数の増加が発生したりしてしまう。
また、作業者の勘やコツにより金型の交換タイミングを決める場合、成形済みの成型品について品質チェックをし、当該成型品に金型の摩耗に基づく不良、又は不良化の傾向が有ることを見極めた後に、金型の交換を決める。当該品質チェックは、作業者の目視検査等により行うものであるため、品質チェックの精度は作業者の熟練度によるところが大きい。また、作業員の工数が必要となるため、検査にかかる負担も大きい。このため、作業者の熟練度によらず、自動的に金型の適正な交換タイミングを判定する技術が求められている。
そこで、本発明は、ゲートの摩耗状態を予測する成形システム、異常予測装置、異常予測方法、プログラム及び学習済みモデルを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る成形システムは、成型品を成形する成形装置と、前記成形装置の異常を予測する異常予測装置と、を備える成形システムであって、前記成形装置は、内部にキャビティを形成し、前記キャビティ側に開口するゲートを有する金型部と、前記ゲートを経由して、前記キャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサと、を有し、前記異常予測装置は、前記保圧動作から前記保圧解除動作までの間に前記圧力センサにより検出された圧力の最大値を第1評価値として取得するデータ取得部と、前記第1評価値に基づいて、前記ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する異常予測部と、を有する、成形システムである。
発明者らは、鋭意研究の結果、キャビティ内の成形材料の保圧工程中の最大圧力は、ゲート正常時よりもゲート異常時のほうが大きくなることを発見した。すなわち、キャビティ内の成形材料の保圧工程中の圧力の最大値に着目すれば、ゲートの摩耗による異常、ひいては当該異常により発生する成型品の異常(例えば、ボイド、ヒケ、ソリ、寸法差等)を予測できることを発見した。そこで、本発明に係る成形システムは、保圧動作から保圧解除動作までの間のキャビティ内の成形材料の圧力の最大値に基づいて、ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する。これにより、成形装置に設けられた圧力センサにより取得される情報からゲートの摩耗状態を予測することが可能となる。
(2)好ましくは、前記異常予測部は、前記ゲートの摩耗状態が正常な時に取得される前記第1評価値に基づいて生成される第1基準値よりも、予測対象となる前記成型品の成形時に取得される前記第1評価値が大きくなる場合に、前記ゲートに摩耗が発生していることを示す前記予測情報を取得する。このように構成することで、第1基準値と第1評価値との比較により、ゲートの摩耗状態を容易に予測することができる。
(3)好ましくは、前記異常予測部は、前記成形装置により予測対象となる前記成型品を複数成形し、所定の複数回にわたって連続して取得される前記第1評価値が、いずれも前記第1基準値よりも大きくなる場合に、前記ゲートに摩耗が発生していることを示す前記予測情報を取得する。このように構成することで、突発的な外乱の影響を除外し、ゲートの摩耗状態をより正確に予測することが可能となる。
(4)好ましくは、前記射出部は、溶融状態の前記成形材料を貯留し、前記金型部と接続するシリンダと、前記シリンダに挿入され、溶融状態の前記成形材料を前記金型部の方向へ押すスクリュと、を有し、前記成形装置は、前記シリンダ内の前記成形材料の圧力、又は前記スクリュが前記成形材料から受ける圧力を検出する第2圧力センサをさらに有し、前記データ取得部は、前記保圧動作から前記保圧解除動作までの間に前記第2圧力センサにより検出された圧力の最大値に基づいて、第1基準値を取得し、前記異常予測部は、前記第1評価値と前記第1基準値との差又は比に基づいて、前記予測情報を取得する。
このように構成することで、ゲートの摩耗状態が正常であるか否かを問わず、予測対象の成形品を1回成形した際に、第1基準値と第1評価値の双方を取得することができる。このため、例えば、同じ金型部を使用している最中に成形条件(与圧や型締力、成形材料の種類等)を変更した場合であっても、当該変更後に容易に第1基準値を取得することが可能となる。
(5)好ましくは、前記異常予測部は、前記第1評価値と前記ゲートの摩耗状態との相関関係を機械学習させた学習済みモデルへ前記第1評価値を入力することで、前記予測情報を取得し、前記学習済みモデルの説明変数は、前記第1評価値を含み、前記学習済みモデルの目的変数は、前記ゲートの内径、又は前記ゲートの摩耗量を含む。このように構成することで、成形条件にばらつきがある状態であっても、より正確にゲートの摩耗状態を予測することができる。
(6)好ましくは、前記データ取得部は、前記圧力センサにより検出された圧力の時系列データに基づいて、前記保圧解除動作後の前記成形材料の圧力の変化に関する第2評価値を取得し、前記異常予測部は、前記第1評価値及び前記第2評価値に基づいて、1又は複数の前記予測情報を取得する。
発明者らは、鋭意研究の結果、キャビティ内の成形材料の保圧解除動作後の圧力の変化の程度(圧力の傾き)は、ゲート正常時よりもゲート異常時のほうが負の方向に大きくなることを発見した。すなわち、キャビティ内の成形材料の保圧解除動作後の圧力の変化に着目すれば、ゲートの摩耗による異常、ひいては当該異常により発生する成型品の異常(例えば、ボイド、ヒケ、ソリ、寸法差等)を予測できることを発見した。そこで、本発明に係る成形システムは、保圧工程中の最大圧力に基づく第1評価値と、保圧解除動作後のキャビティ内の成形材料の圧力の変化に基づく第2評価値と、の両方に基づいて、ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する。これにより、成形装置に設けられた圧力センサにより取得される情報からより正確にゲートの摩耗状態を予測することが可能となる。
(7)本発明に係る異常予測装置は、成型品を成形する成形装置の異常を予測する異常予測装置であって、前記成形装置は、内部にキャビティを形成し、前記キャビティ側に開口するゲートを有する金型部と、前記ゲートを経由して、前記キャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサと、を有し、前記異常予測装置は、前記保圧動作から前記保圧解除動作までの間に前記圧力センサにより検出された圧力の最大値を第1評価値として取得するデータ取得部と、前記第1評価値に基づいて、前記ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する異常予測部と、を備える、異常予測装置である。
本発明に係る異常予測装置は、保圧動作から保圧解除動作までの間のキャビティ内の成形材料の圧力の最大値に基づいて、ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する。これにより、成形装置に設けられた圧力センサにより取得される情報からゲートの摩耗状態を予測することが可能となる。
(8)本発明に係る異常予測方法は、内部にキャビティを形成し、前記キャビティ側に開口するゲートを有する金型部と、前記ゲートを経由して、前記キャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、を備える成型品を成形する成型装置の異常を予測する異常予測方法であって、前記保圧動作から前記保圧解除動作までの間に前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサにより検出された圧力の最大値を第1評価値として取得するデータ取得工程と、前記第1評価値に基づいて、前記ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する異常予測工程と、を備える、異常予測方法である。
本発明に係る異常予測方法は、保圧動作から保圧解除動作までの間のキャビティ内の成形材料の圧力の最大値に基づいて、ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する。これにより、成形装置に設けられた圧力センサにより取得される情報からゲートの摩耗状態を予測することが可能となる。
(9)本発明に係るプログラムは、内部にキャビティを形成し、前記キャビティ側に開口するゲートを有する金型部と、前記ゲートを経由して、前記キャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、を備える成型品を成形する成型装置の異常を予測するためのプログラムであって、前記保圧動作から前記保圧解除動作までの間に前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサにより検出された圧力の最大値を第1評価値として取得するデータ取得工程と、前記第1評価値に基づいて、前記ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する異常予測工程と、をコンピュータ装置に実行させる、プログラムである。
本発明に係るプログラムは、保圧動作から保圧解除動作までの間のキャビティ内の成形材料の圧力の最大値に基づいて、ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する処理をコンピュータ装置に実行させる。これにより、成形装置に設けられた圧力センサにより取得される情報からゲートの摩耗状態を予測することが可能となる。
(10)本発明に係る学習済みモデルは、内部にキャビティを形成し、前記キャビティ側に開口するゲートを有する金型部と、前記ゲートを経由して、前記キャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、を備える成型品を成形する成型装置の異常を予測するための学習済みモデルであって、説明変数は、前記保圧動作から前記保圧解除動作までの間に前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサにより検出された圧力の最大値に基づいて取得される第1評価値を含み、目的変数は、前記ゲートの内径又は前記ゲートの摩耗量を含む、学習済みモデル。
本発明に係る学習済みモデルは、説明変数を保圧動作から保圧解除動作までの間のキャビティ内の成形材料の圧力の最大値に関する第1評価値とし、目的変数をゲートの内径又はゲートの摩耗量としているため、学習済みモデルへ当該第1評価値を入力すれば、予測したゲートの摩耗状態が出力される。これにより、圧力センサの検出値に基づいて取得される第1評価値により、ゲートの摩耗状態を予測することができる。
本発明によれば、成形装置のゲートの摩耗状態を予測することができる。
第1実施形態に係る成形システムを模式的に示すブロック図である。 図1に係る成形装置を概念的に示す説明図である。 図1に係る成形装置を概念的に示す説明図である。 充填工程の終了時の様子を模式的に示す金型部の断面図である。 図4の矢印Vの切断線により切断した金型部を示す断面図である。 図4の矢印VIの切断線により切断した金型部を示す断面図である。 圧力の時系列データを示すグラフの一例である。 ゲート正常時における、保圧工程の開始及び終了時の様子を模式的に示す説明図である。 ゲート異常時における、保圧工程の開始及び終了時の様子を模式的に示す説明図である。 第1実施形態に係る学習装置の機能構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る評価値を模式的に説明するグラフである。 第1実施形態に係る異常予測装置の機能構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る成形システムを模式的に示すブロック図である。 第2実施形態に係る異常予測装置の機能構成を示すブロック図である。 変形例に係る異常の判定方法を模式的に説明するグラフである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
<成形システムの全体構成>
図1は、第1実施形態に係る成形システム10を模式的に示すブロック図である。成形システム10は、複数の成形装置20と、学習装置30と、異常予測装置40と、入力部50と、表示部60とを備える。
成形装置20、学習装置30、異常予測装置40、入力部50及び表示部60は、それぞれ無線又は有線により通信可能に設けられている。学習装置30及び異常予測装置40は、演算部(例えば、CPU、GPU等)と、記憶部(例えば、HDD、SSD等)とを有する情報処理装置(コンピュータ装置)により構成されている。学習装置30及び異常予測装置40は、同一の情報処理装置により構成されてもよいし、別々の情報処理装置により構成されてもよい。
本実施形態では複数の成形装置20が1個の学習装置30及び1個の異常予測装置40に接続され、学習装置30及び異常予測装置40は複数の成形装置20から送信される各種のデータに基づいて学習及び異常予測を行う。なお、成形装置20は学習装置30及び異常予測装置40と1対1で対応していてもよい。すなわち、成形システム10において、成形装置20は1個であってもよいし、学習装置30及び異常予測装置40は複数備えられていてもよい。
入力部50は、例えばキーボードやマウスであり、オペレータからの各種の入力を受付ける。表示部60は、例えばディスプレイやスピーカであり、成形システム10における各種の情報を表示する。入力部50及び表示部60は、例えばタッチパネルのように一体となっていてもよい。また、入力部50及び表示部60は、携帯型の端末装置として、成形装置20、学習装置30及び異常予測装置40から離れた場所に移動可能に設けられていてもよい。
<成形装置の概略構成>
図2及び図3は、成形装置20を概念的に示す説明図である。図2及び図3において、断面として示す部分にはハッチングを付す。成形装置20は、ベッド21と、射出部22と、型締め部23と、金型部24と、圧力センサ25と、温度センサ26と、制御盤27とを有する。図2は、金型部24が開放されている状態の成形装置20を示しており、図3は、金型部24が組み合わされている状態の成形装置20を示している。成形装置20は、型締め式の射出成形を行う装置である。
制御盤27は、制御部271と、通信部272とを有する。制御部271は成形装置20の各駆動部(モータ237等)と電気的に接続し、当該各駆動部へ動作指令を出力する。また、制御部271は成形装置20の各センサ(圧力センサ25等)と電気的に接続し、当該各センサにより検出された信号が制御部271へ入力される。制御部271は、演算部(例えば、CPU、GPU等)と、記憶部(例えば、HDD、SSD等)とを有する情報処理装置により構成されている。
通信部272は、成形システム10の他の各部(学習装置30等)と通信を行う。通信部272は、例えば、当該各センサにより検出された信号を学習装置30又は異常予測装置40へ送信する。また、通信部272は、後述の判定情報及び予測情報を異常予測装置40から受信する。
型締め部23は、固定盤231と、可動盤232と、タイバー233と、ボールねじ234と、支持盤235と、型締め力センサ236と、モータ237とを有する。固定盤231及び支持盤235は、ベッド21に固定されている。支持盤235はボールねじ234を支持している。ボールねじ234はモータ237と接続している。制御部271の動作指令によりモータ237が回転されると、ボールねじ234は移動する。ボールねじ234のうち、モータ237と接続されている端部とは反対側の端部には、可動盤232が固定されている。
ここで、成形装置20において、ボールねじ234が移動する方向を「軸方向」と称する。ボールねじ234に対してモータ237が位置する側を軸方向の「一方側」と称し、ボールねじ234に対して可動盤232が位置する側を軸方向の「他方側」と称する。
可動盤232は、ボールねじ234の移動に伴って、軸方向に移動する。可動盤232には、軸方向に貫通している貫通孔232aが形成されている。タイバー233は、軸方向一方側の端部が支持盤235に固定され、軸方向他方側の端部が固定盤231に固定されている。タイバー233は可動盤232の貫通孔232aに挿入されている。これにより、タイバー233は、可動盤232の軸方向の移動を案内する。
型締め力センサ236は、ボールねじ234から支持盤235に加えられる圧力(型締め力の反力)を検出する。型締め力センサ236は、圧力に関する検出信号を、制御部271に出力する。なお、型締め力センサ236は、後述の金型部24における型締め力を検出できる位置であれば、他の位置に設置されていてもよい。固定盤231には、軸方向他方側に径が広がる貫通孔231aが形成されている。貫通孔231aには、後述のシリンダ222が挿入される。
金型部24は、複数の金型241、242を有する。金型241は、可動盤232に固定されている。ボールねじ234が軸方向に移動すると、可動盤232とともに金型241も軸方向に移動する。すなわち、金型241は可動金型である。金型242は、固定盤231に固定されている。すなわち、金型242は固定金型である。金型242には、流路243が形成されている。
図3を参照する。ボールねじ234により金型241が軸方向他方側に移動し、金型241が金型242に接触すると(すなわち、複数の金型241、242が組み合わされると)、金型241、242の間にはキャビティC1が形成される。本実施形態のキャビティC1は、成形材料が充填される円環状の空間である。
図2を参照する。射出部22は、ホッパ221と、シリンダ222と、スクリュ223と、ボールねじ225と、モータ226と、与圧センサ227と、圧力センサ227aと、移動量センサ228と、ヒータ229とを有する。ホッパ221は、シリンダ222と接続しており、シリンダ222内に成形材料を供給する。シリンダ222は軸方向に延びる中空の円筒形状を有する部材である。シリンダ222の軸方向一方側の端部は、径方向一方側の最端に近づくにつれて径が狭くなっており、シリンダ222の軸方向一方側の最端にはノズル224が設けられている。ノズル224は、金型242の流路243と接続している。
スクリュ223は、シリンダ222の軸方向他方側の端部からシリンダ222内に挿入されている。スクリュ223の軸方向他方側にはボールねじ225が接続されており、ボールねじ225の軸方向他方側にはモータ226が接続されている。制御部271の動作指令によりモータ226が回転すると、ボールねじ225は軸方向に移動する。これに伴いスクリュ223も軸方向に移動する。このとき、スクリュ223は、軸方向を中心軸とする周方向に回転する。
与圧センサ227は、ボールねじ225からモータ226へ加えられる圧力(スクリュ223の押込み力の反力)を検出する。すなわち、与圧センサ227は、スクリュ223が成形材料L1から受ける圧力を検出する。与圧センサ227は、圧力に関する検出信号を、制御部271に出力する。なお、与圧センサ227は、スクリュ223の押込み力を検出できる位置であれば、他の位置に設置されていてもよい。
圧力センサ227aは、シリンダ222の内周面に設置され、シリンダ222が成形材料L1から受ける圧力を検出する。圧力センサ227aは、圧力に関する検出信号を、制御部271に出力する。与圧センサ227及び圧力センサ227aの少なくとも一方が、本発明の「第2圧力センサ」として機能する。
移動量センサ228は、ボールねじ225の軸方向の移動量を検出する。移動量センサ228は、移動量に関する検出信号を、制御部271に出力する。なお、移動量センサ228は、ボールねじ225の軸方向の移動量を検出できる位置であれば、他の位置に設置されていてもよい。
ヒータ229は、例えば抵抗線をコイル状に巻回した抵抗加熱ヒータである。ヒータ229は、制御部271の動作指令により当該抵抗線へ電流が流されることで、抵抗熱によりシリンダ222内を加熱する。
圧力センサ25(本発明の「圧力センサ」)は、金型241、242のうちキャビティC1に露出する面に設置されている。より具体的には、圧力センサ25は、キャビティC1に露出する面のうち後述するゲート243b(図4)に近接する面に設置されている。圧力センサ25は、キャビティC1内の圧力を検出する。特に、圧力センサ25は、キャビティC1内に供給された成形材料(溶融状態もしくは固化状態、又は溶融状態と固化状態とが混在した状態)の圧力を検出する。圧力センサ25は、圧力に関する検出信号を制御部271に出力する。本実施形態において、圧力センサ25は金型242に、1個設置されている。しかしながら、圧力センサ25は、金型241、242の双方に、それぞれ複数個設置される構成であってもよい。
温度センサ26は、金型241に内蔵されており、金型241の温度を検出する。温度センサ26は、温度に関する検出信号を制御部271に出力する。なお、温度センサ26は、金型241のうちキャビティC1に面する領域に設置されてもよいし、金型242に設置されてもよい。また、温度センサ26は、シリンダ222内に設置されてもよい。すなわち、温度センサ26は、キャビティC1内に供給される成形材料の温度を直接的に又は間接的に検出することができればよい。
<成形装置による製造方法>
図2から図5を適宜参照しながら、成形装置20による成型品の製造方法について説明する。成形装置20による成型品の製造方法は、前工程ST1と、型締め工程ST2と、充填工程ST3と、保圧工程ST4と、保圧解除工程ST5と、離型工程ST6とが、この順で実行される。本実施形態において、成型品は、転がり軸受に用いられる樹脂製の保持器である。しかしながら、これは成型品の一例であり、本発明に係る成形装置により成形される成型品は、その他の形状及び用途の成型品であってもよい。
図2を参照する。はじめに、前工程ST1が実行される。前工程ST1では、モータ226によりスクリュ223が回転し、ヒータ229によりシリンダ222内が加熱されている状態で、ホッパ221から成形材料のペレットがシリンダ222内へ供給される。成形材料のペレットは、スクリュ223の回転に伴う摩擦熱と、ヒータ229による加熱とにより、シリンダ222内において溶融し、溶融状態の成形材料L1となる。シリンダ222内に、所定量の成形材料L1が貯留されると、前工程ST1が終了する。
次に、型締め工程ST2が開始されると、図2の状態の成形装置20において、制御部271の動作指令によりボールねじ234が軸方向他方側に移動し、図3に示すように金型241を金型242に接触させる。このように金型241と金型242とを組み合わせた状態で、さらにボールねじ234が軸方向他方側へ所定の型締め力により金型241を金型242へ押さえつける。すなわち、複数の金型241、242を締め付ける。これにより、複数の金型241、242の間に円環状のキャビティC1が形成される。以上により、型締め工程ST2が終了する。
ここで、型締め力は、成形条件のひとつであり、金型241、242の形状等、その他の成形条件に応じて決定される。型締め力は、型締め力センサ236により検出される。
続いて、充填工程ST3が開始されると、上記の型締め力を維持している状態で、ボールねじ225が軸方向一方側へ移動する。これにより、スクリュ223が軸方向一方側へ成形材料L1を押し、シリンダ222のノズル224から金型242の流路243を介してキャビティC1へ溶融状態の成形材料L1が射出される(充填動作)。
図4は、充填工程ST3の終了時の様子を模式的に示す金型部24の断面図である。図5は、図4の矢印Vの切断線により切断した金型部24の断面図である。図6は、図4の矢印VIの切断線により切断した金型部24の断面図である。
図4を参照する。流路243は、ノズル224側に開口する第1開口部243aと、キャビティC1側に開口する第2開口部243bとを有する。第2開口部243bは、流路243からキャビティC1内へ成形材料L1を供給するゲートとして機能するため、以下、「ゲート243b」と称する。
図5を参照する。本実施形態において、キャビティC1は環状に形成されている。また、本実施形態において、圧力センサ25は、キャビティC1のうちゲート243bに最も近接する領域に面するように設置されている。例えば、圧力センサ25は、図5のように軸方向にキャビティC1を見たとき、ゲート243bが向かう方向(本実施形態ではキャビティC1の径方向)に近接して設置されている。
図6を参照する。本実施形態において、ゲート243bは円形状の内周面を有する。また、ゲート243bは、流路243の他の部分の内径よりも小さい内径を有する。このように構成することで、成型品を成形した際の良好なゲートカット(キャビティC1部分の成型品と、流路243部分のランナーとの接続を切断すること)を実現することができる。一方で、ゲート243bは流路243の他の部分よりも内径が小さいために、摩耗しやすいという特性を有する。ゲート243bの摩耗は、成型品の品質に特に影響を及ぼすため、ある程度ゲート243bが摩耗すると、金型部24を交換する必要が生じる。
図4、図5及び図6に示すように、流路243からキャビティC1へ成形材料L1が供給され、キャビティC1内がすべて成形材料L1により充填されると、充填工程ST3が終了する。充填工程ST3において、溶融状態の成形材料L1は、金型241、242の表面付近から徐々に固化しながらキャビティC1内へ供給される。
続いて、保圧工程ST4が開始されると、スクリュ223がさらに軸方向一方側へ成形材料L1を押し、シリンダ222のノズル224からキャビティC1へ成形材料L1がさらに射出される。これにより、キャビティC1内に充填されている成形材料L1に所定の圧力(例えば、数十〜数百MPa)が印加される。そして、スクリュ223はこの状態を所定時間保持することで、所定の圧力を所定時間(例えば、数秒間)だけ成形材料L1に与え続ける(保圧動作)。スクリュ223がキャビティC1へ成形材料L1を押し出す圧力(与圧)は、与圧センサ227及び圧力センサ227aにより検出される。
続いて、保圧解除工程ST5が開始されると、スクリュ223は軸方向他方側へ移動し、成形材料L1の圧力の保持を解除する(保圧解除動作)。保圧解除動作後、所定時間が経過してキャビティC1内の成形材料L1の圧力が所定値以下になると、保圧解除工程ST5が終了する。その後、離型工程ST6が開始されると、金型部24が冷却されることで、キャビティC1内の成形材料L1が固まり、成型品が形成される。そして、ボールねじ234が軸方向一方側へ移動し、金型241が金型242から離れることで、成型品が取り出される。なお、金型部24の冷却は、保圧解除工程ST5と同時に開始されてもよい。
図7は、充填工程ST3、保圧工程ST4及び保圧解除工程ST5において、成形装置20の各センサにより検出される圧力の時系列データを示すグラフの一例である。図7において、縦軸は圧力Pであり、横軸は時間tである。グラフ線F0は、与圧センサ227により検出される圧力の時系列データ(本発明の「第2時系列データ」)である。グラフ線F1、F2は、圧力センサ25により検出される圧力の時系列データ(本発明の「時系列データ」)である。
グラフ線F1は、ゲート243bに摩耗がない、又は摩耗があっても成型品の品質に悪影響を及ぼさない程度の摩耗である場合(以下、適宜「ゲート正常時」と称する。)に、圧力センサ25により検出される圧力の時系列データである。例えば、グラフ線F1は、金型部24により初めて成形を行う際に検出される圧力の時系列データである。グラフ線F2は、ゲート243bに異常な摩耗がある(より詳しくは、成型品の品質に悪影響を及ぼす程度の摩耗がある)場合に、圧力センサ25により検出される圧力の時系列データである。
本実施形態において、時間の原点(t=0)は、制御部271がモータ226へスクリュ223の軸方向他方側への移動を動作指令した時点である。すなわち、充填工程ST3において射出部22が金型部24へ成形材料L1の供給を開始した時点である。なお、時間の原点(t=0)はこれに限られず、与圧センサ227又は圧力センサ227aが所定の圧力を検出した時点であってもよいし、移動量センサ228が所定の移動量を検出した時点であってもよい。
グラフ線F0に着目する。グラフ線F0は、ゲート243bの正常時・異常時にかかわらず、成形条件(型締め力、与圧、保圧時間等)が同一であれば、略同一のグラフが取得される傾向がある。グラフ線F0は、充填工程ST3において圧力Ps1まで立ち上がる。
ここで、圧力Ps1は、保圧工程ST4の「設定圧力」である。すなわち、保圧工程ST4の間、与圧センサ227により検出される圧力がPs1に維持されるように、制御部271がモータ226をフィードバック制御する。このため、保圧工程ST4の間、与圧センサ227により検出される圧力はPs1で略一定となる。保圧工程ST4は、時点X1に開始され、時点X2に終了する。すなわち、保圧時間は、(X2−X1)である。その後、保圧解除工程ST5において圧力は低下する。保圧解除工程ST5は、時点X2から開始される。すなわち、保圧解除動作は、時点X2に実行される。
次に、グラフ線F1に着目する。グラフ線F1は、充填工程ST3においてグラフ線F0が立ち上がった後に立ち上がり、保圧工程ST4において圧力が最大圧力Pt1まで上昇し、その後圧力が減少していき、保圧解除工程ST5において圧力が急激に低下する。
次に、グラフ線F2に着目する。グラフ線F2は、充填工程ST3においてグラフ線F0が立ち上がった後に立ち上がり、保圧工程ST4において圧力が最大圧力Pt2まで上昇し、その後圧力が減少していき、保圧解除工程ST5において圧力が急激に低下する。
ここで、グラフ線F1(ゲート正常時)と、グラフ線F2(ゲート異常時)との主な相違点は、2点ある。1点目は、保圧工程ST4における最大圧力である。グラフ線F1の最大圧力Pt1よりも、グラフ線F2の最大圧力Pt2の方が、大きくなる傾向がある。これは、ゲート243bの内径が摩耗により正常時よりも大きくなることで、ゲート243bにおける流路抵抗が正常時よりも低くなるため、射出部22からキャビティC1内の成形材料L1に与えられる圧力が減衰しなくなる結果、最大圧力が大きくなることに起因する。すなわち、保圧工程ST4におけるキャビティC1内の成形材料L1の最大圧力は、ゲート243bの内径が大きいほど(すなわち、ゲート243bが摩耗するほど)、大きくなる。
2点目は、保圧解除動作後(すなわち、時点X2後)の圧力の変化の程度(すなわち、圧力の傾き)である。グラフ線F1の保圧解除動作後の圧力の傾きよりも、グラフ線F2の保圧解除動作後の圧力の傾きの方が、負の方向に大きくなる傾向がある。この原因について、図8及び図9を用いて説明する。
図8は、ゲート正常時における、保圧工程ST4の開始時(時点X1)及び終了時(時点X2)の様子を模式的に示す説明図である。図8(a)及び(b)は、図5のゲート243bを含む領域を拡大して示す図である。また、図8(a)は、充填工程ST3が終了し、保圧工程ST4が開始される時点の様子を示している。ゲート243bの内径d1は、成型品の品質に影響を及ぼさない正常な内径である。保圧工程ST4の開始時(時点X1)において、キャビティC1内及び流路243内の成形材料L1はほとんど溶融状態である。
図8(b)は、保圧工程ST4が終了し、保圧解除工程ST5が開始される時点の様子を示している。保圧工程ST4の間、成形材料L1は、金型242により熱が奪われることで、流路243の縁の部分において一部が凝固し、凝固体S1となる。そして、保圧工程ST4が終了するまでに凝固体S1がゲート243bを全て覆い、図8(b)に示すようにキャビティC1と流路243とが凝固体S1により寸断される「ゲートシール」状態となる。
ゲートシール状態になった後、保圧解除動作が行われることで、キャビティC1内の成形材料L1はキャビティC1内に留まったまま凝固及び収縮する。これにより、保圧解除動作後のキャビティC1内の成形材料L1の圧力は、図7のグラフ線F1に示されるように、急激に減少する。
図9は、ゲート異常時における、保圧工程ST4の開始時(時点X1)及び終了時(時点X2)の様子を模式的に示す説明図である。図9(a)及び(b)は、図5のゲート243bを含む領域を拡大して示す図である。また、図9(a)は、充填工程ST3が終了し、保圧工程ST4が開始される時点の様子を示している。ゲート243bの内径d2は、正常時の内径d1よりも大きく、成型品の品質に影響を及ぼす異常な内径である。保圧工程ST4の開始時(時点X1)において、キャビティC1内及び流路243内の成形材料L1はほとんど溶融状態である。
図9(b)は、保圧工程ST4が終了し、保圧解除工程ST5が開始される時点の様子を示している。保圧工程ST4の間、成形材料L1は、金型242により熱が奪われることで、流路243の縁の部分において一部が凝固し、凝固体S1となる。しかしながら、径d2が正常時よりも大きいため、保圧工程ST4が終了するまでに凝固体S1はゲート243bを全て覆いつくせない。このため、図9(b)に示すように、ゲート243bの凝固体S1に隙間G1が残り、キャビティC1と流路243とが凝固体S1により寸断されない。このような状態を、「ゲートシール未了状態」と称する。
そして、ゲートシール未了状態のまま、保圧解除動作が行われることで、キャビティC1内の成形材料L1が流路243へ(すなわち、矢印AR1の方向へ)逆流する。また、キャビティC1内に残った成形材料L1は、凝固及び収縮する。これにより、保圧解除動作後のキャビティC1内の成形材料L1の圧力は、図7のグラフ線F2に示されるように、成形材料L1の流路243への逆流がある分だけ、グラフ線F1よりも急激に減少する。
このように、ゲートシール未了状態のまま保圧解除動作が行われると、成形材料L1の流路243への逆流がある分だけ、キャビティC1内の成形材料の充填量が減少するため、成型品の寸法、重量、品質(例えば、強度)のばらつきが大きくなるという悪影響が生じる。また、成形材料の充填量が減少すると、成型品にボイド(成型品の内部に生じる意図しない空間)、ヒケ(成型品の外面に生じる意図しない凹み)、ソリ(成型品の意図しない変形)、といった不良が生じるおそれがある。このため、ゲート243bの異常を成形装置20においてセンシングし、自動的に判定できる技術が重要となる。
上記に説明したように、発明者らは、鋭意研究の結果、キャビティC1内の成形材料L1の保圧工程ST4中の最大圧力は、ゲート正常時よりもゲート異常時のほうが大きくなる(Pt1<Pt2)ことを発見した。すなわち、キャビティC1内の成形材料L1の保圧工程ST4中の圧力の最大値(以下、「第1評価値R1」と適宜称する。)に着目すれば、ゲートの摩耗による異常、ひいては当該異常により発生する成型品の異常(例えば、ボイド、ヒケ、ソリ、寸法差等)を予測できることを発見した。
また、発明者らは、鋭意研究の結果、キャビティC1内の成形材料L1の保圧解除動作後の圧力の変化の程度(圧力の傾き)は、ゲート正常時よりもゲート異常時のほうが負の方向に大きくなることを発見した。すなわち、キャビティC1内の成形材料L1の保圧解除動作後の圧力の傾き(以下、「第2評価値R2」と適宜称する。)に着目すれば、ゲートの摩耗による異常、ひいては当該異常により発生する成型品の異常(例えば、ボイド、ヒケ、ソリ、寸法差等)を予測できることを発見した。
そこで、本実施形態に係る成形システム10では、学習装置30において第1評価値R1及び第2評価値R2と、とゲート243bの摩耗状態との相関関係を学習させた学習済みモデルTm1を生成し、異常予測装置40において学習済みモデルTm1と第1評価値R1及び第2評価値R2とに基づいて、ゲート243bの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する。以下、学習装置30及び異常予測装置40について説明する。
<学習装置の説明>
図10は、本実施形態に係る学習装置30の機能構成を示すブロック図である。学習装置30は、訓練データ取得部31と、学習演算部32と、成形情報記憶部33と、学習済みモデル記憶部34とを有する。これらの各部は、CPU等の演算部とHDD等の記憶部とを有するコンピュータ装置により実現される。
成形情報記憶部33には、各種の成形情報が記憶されている。成形情報は、例えば各種の第1情報と第2情報とを対応付けしたテーブル形式の情報である。例えば、第1情報が金型の種類である場合、第2情報には金型の各種寸法、キャビティC1の容積が含まれる。第1情報が成形材料の種類又はロット番号である場合、第2情報には成形材料の物性(粘度、含有水分等)が含まれる。
訓練データ取得部31は、成形システム10の各部から訓練データに関する情報を取得する。訓練データは、後述の第1評価値R1と、第2評価値R2と、第3評価値R3と、成形情報と、ゲート243bの摩耗情報とを含む。訓練データは、例えば学習対象の成型品を成形した際に、成形システム10の各部(例えば、圧力センサ25)において検出されるデータに基づいて取得される。
例えば、訓練データ取得部31は、圧力センサ25及び与圧センサ227においてそれぞれ検出された圧力に基づいて、保圧工程ST4中のキャビティC1内の成形材料L1の最大圧力を第1評価値R1として取得する。具体的には、与圧センサ227により検出される圧力が設定圧力Ps1になっていることに基づいて、保圧工程ST4の開始時点X1と終了時点X2を取得する。そして、時点X1(保圧動作時点)から時点X2(保圧解除動作時点)の間に、圧力センサ25により検出された圧力の最大値Ptnを第1評価値R1として取得する。
また、訓練データ取得部31は、圧力センサ25により検出された圧力の時系列データに基づいて、時点X2(保圧解除動作時点)以降の成形材料L1の圧力の変化(傾き)に関する第2評価値R2を取得する。
図11は、本実施形態に係る第2評価値R2について模式的に説明するグラフである。図11(a)は、図7の時点X2以降のグラフ線F1、F2を拡大して示すグラフである。まず、X2から所定時間T1ごとに時点を区切る。例えば、時点X3はX2+T1となる時点であり、時点X4はX3+T1となる時点である。図11(a)では時点X3〜X6の4個の時点に区切るが、これより多くの時点(例えば、10個)で区切ってもよい。
そして、時点X2から時点X3までのグラフ線F1、F2の変化の割合を、それぞれの圧力の傾きとして取得する。例えば、図11(a)に示すように、グラフ線F1の場合、時点X2における圧力がPa1であり、時点X3における圧力がPa2であるため、圧力の傾きdPa1は、(Pa2−Pa1)/(X3−X2)となる。
図11(b)は、グラフ線F1、F2について、所定時間ごとに取得された圧力の傾きをプロットしたグラフである。当該グラフの縦軸は圧力の傾きであり、横軸は時間である。図11(b)において、グラフ線F1から取得された圧力の傾きは黒丸によりプロットしており、グラフ線F2から取得された圧力の傾きは白丸によりプロットしている。図11(a)では時点X2以降、4個の時点に区切っているため、各グラフ線F1、F2においてそれぞれ4個の圧力の傾きが取得される。例えば、時点X2から時点X3までのグラフ線F1の圧力の傾きdPa1は、図11(b)の時点X2上にプロットされる。
そして、これら複数の圧力の傾きの平均値(又は中央値)を、第2評価値R2として取得する。例えば、学習対象の成型品を成形した際に、圧力センサ25において検出された圧力の時系列データがグラフ線F1である場合、黒丸で示すグラフ線F1についての4個の圧力の傾きの平均値dPv1を、第2評価値R2として取得する。同様に、学習対象の成形品を成形した際に、圧力センサ25において検出された圧力の時系列データがグラフF2である場合、白丸で示すグラフ線F2についての4個の圧力の傾きの平均値dPv2を、第2評価値R2として取得する。
図11(a)や図7では、曲線として圧力の時系列データを表示しているが、実際には圧力の時系列データは複数の点により構成されている。そして、所定時点の点が他の隣接する点よりも極端に異なる値をとる「スパイクノイズ」が発生する場合がある。このため、スパイクノイズが生じている時点の圧力値のみに基づいて第2評価値R2を取得すると、正確な値が取得できない。本実施形態では、保圧解除動作後の圧力の時系列データにおいて、所定時間ごとに複数の圧力の傾きを取得し、複数の圧力の傾きの平均値又は中央値を第2評価値R2とすることで、スパイクノイズの影響を低減することができる。
なお、第2評価値R2は、保圧解除動作後の圧力の変化を示す値であれば、上記以外の方法により取得されてもよい。例えば、複数の点により構成されている圧力の時系列データから近似曲線の関数を導出し、当該関数を微分することで第2評価値R2を取得してもよい。また、圧力の傾きに代えて、圧力の変化量を第2評価値R2として取得してもよい。図11(a)の例では、保圧解除動作(時点X2)から所定時間T1の間における圧力の変化量(Pa2−Pa1)を第2評価値R2として取得してもよい。
また、訓練データ取得部31は、ゲート243bの摩耗状態を示す摩耗情報を取得する。ゲート243bの摩耗状態は、例えばゲート243bの内径、又はゲート243bの摩耗量である。学習対象の成型品を成形した後、オペレータは金型部24を例えば定規により確認し、ゲート243bの内径を計測する。そして、入力部50に計測したゲート243bの内径を入力する。これにより、訓練データ取得部31は、ゲート243bの内径を摩耗情報として取得する。
また、ゲート243bの摩耗量を摩耗情報として取得する場合、はじめに、金型部24の初期状態(例えば、1回も成形を行っていない状態)におけるゲート243bの内径(初期内径)を計測する。次に、学習対象の成型品を成形した後、オペレータは定規によりゲート243bの内径を測定し、当該内径からゲート243bの初期内径を減算する。これにより、ゲート243bの初期内径からの摩耗量が取得される。そして、オペレータは入力部50へ算出されたゲート243bの摩耗量を入力する。これにより、訓練データ取得部31は、ゲート243bの摩耗量を摩耗情報として取得する。
なお、訓練データ取得部31は図示省略する記憶部にゲート243bの初期内径を記憶し、オペレータが入力部50に入力したゲート243bの内径と、当該初期内径とに基づいて、訓練データ取得部31がゲート243bの摩耗量を算出するように構成してもよい。
また、訓練データ取得部31は、複数の第3評価値R3を取得する。第3評価値R3は、例えば、温度センサ26において検出された温度に関する値と、図示省略するその他のセンサ(例えば、湿度センサ)において検出された成形装置20の周辺及び内部の環境に関する値と、を含む。
図10を参照する。訓練データ取得部31は、入力部50にオペレータが入力する情報と、成形情報記憶部33とに基づいて、成形情報を取得する。例えば、学習対象の成型品を成形する際に、オペレータは当該成型品に関する成形材料のロット番号を入力する。訓練データ取得部31は、当該ロット番号に対応する成形材料の物性(例えば、粘度)に関する成形情報を、成形情報記憶部33から取得する。
訓練データ取得部31は、例えば学習対象の成型品を1個成形する際に、1組の訓練データ(当該成型品の成形の際に取得される第1評価値R1、第2評価値R2、第3評価値R3、成形情報及び摩耗情報のセット)を取得する。同様に、学習対象の成型品を複数成形する際に、複数組の訓練データを取得する。
学習演算部32は、複数組の訓練データに基づいて、教師あり機械学習を行う演算をすることで、第1評価値R1と、摩耗情報との相関関係をモデル化した学習済みモデルTm1を生成する。また、学習演算部32は、複数組の訓練データに基づいて、教師あり機械学習を行う演算をすることで、第2評価値R2と、摩耗情報との相関関係をモデル化した学習済みモデルTm2を生成する。すなわち、本実施形態では、2個の学習済みモデルTm1、Tm2を生成する。
本実施形態では、機械学習モデルとして、畳み込みニューラルネットワーク(CCN:Convolutional Neural Network)を用いるが、その他のモデルを用いてもよい。例えば、データのグループ分けに関するモデルである回帰木モデルであってもよい。
具体的には、学習済みモデルTm1を生成する際には、第1評価値R1、第3評価値R3及び成形情報(これら3種類の情報を「第1評価情報」と総称する。)を説明変数とし、摩耗情報を目的変数とすることで、第1評価情報と摩耗情報との相関関係をモデル化する。また、学習済みモデルTm2を生成する際には、第2評価値R2、第3評価値R3及び成形情報(これら3種類の情報を「第2評価情報」と総称する。)を説明変数とし、摩耗情報を目的変数とすることで、第2評価情報と摩耗情報との相関関係をモデル化する。
学習演算部32により生成された学習済みモデルTm1、Tm2は、学習済みモデル記憶部34に記憶される。学習済みモデル記憶部34に記憶された学習済みモデルTm1、Tm2は、学習装置30に新たな情報が入力され、訓練データ取得部31において新たな訓練データが取得されると、当該訓練データの内容に応じて適宜更新される。また、学習済みモデルTm1、Tm2は、学習装置30から後述の異常予測装置40へ送信され、異常予測装置40の学習済みモデル記憶部45にも記憶される。
なお、本実施形態では、圧力の最大値に関する第1評価値R1と、圧力の傾きに関する第2評価値R2とを別々にして、それぞれ学習済みモデルTm1、Tm2を生成する。しかしながら、第1評価値R1、第2評価値R2、第3評価値R3及び成形情報(これら4種類の情報を「第3評価情報」と総称する。)を説明変数とし、摩耗情報を目的変数とすることで、第3評価情報と摩耗情報との相関関係をモデル化した学習済みモデルTm3を生成するように構成してもよい。また、本実施形態では、2個の学習済みモデルTm1、Tm2を生成するが、いずれか一方の学習済みモデルのみを生成するように構成してもよい。
<学習済みモデルの生成方法>
次に、学習装置30による学習済みモデルTm1、Tm2の生成方法について説明する。学習済みモデルTm1、Tm2の生成方法は、訓練データ取得工程と、学習演算工程とを備える。はじめに、訓練データ取得工程が開始されると、訓練データ取得部31は、複数組の訓練データを取得する。例えば、圧力センサ25により検出された圧力の時系列データに基づいて、第1評価値R1及び第2評価値R2を取得する。また、当該第1評価値R1及び第2評価値R2が取得された成型品を成形した金型部24を作業員が実際に検査することで、摩耗情報を取得する。次に、学習演算工程が開始されると、学習演算部32は、複数組の訓練データに基づいて学習済みモデルTm1、Tm2を生成する。
<異常予測装置の説明>
図12は、本実施形態に係る異常予測装置40の機能構成を示すブロック図である。異常予測装置40は、データ取得部41と、異常予測部42と、出力部43と、成形情報記憶部44と、学習済みモデル記憶部45とを有する。これらの各部は、CPU等の演算部とHDD等の記憶部とを有するコンピュータ装置により実現される。演算部は、記憶部に記憶されているプログラムに基づいて、後述のデータ取得処理と、異常予測処理とを実行する。
成形情報記憶部44には、成形情報記憶部33と同様に、各種の第1情報と第2情報とを対応付けしたテーブル形式の成形情報が記憶されている。学習済みモデル記憶部45には、学習装置30により生成された学習済みモデルTm1、Tm2が記憶されている。
成形情報記憶部44及び学習済みモデル記憶部45は、コンピュータ装置のうち、学習装置30の成形情報記憶部33及び学習済みモデル記憶部34と同じ記憶領域により実現されてもよいし、別の記憶領域により実現されてもよい。すなわち、学習装置30及び異常予測装置40が、同じ成形情報記憶部33及び学習済みモデル記憶部34を共有するように構成されてもよいし、学習装置30及び異常予測装置40がそれぞれ独立した成形情報記憶部33、44及び学習済みモデル記憶部34、45を有するように構成されてもよい。
データ取得部41は、成形システム10の各部から異常予測を行うための情報を取得するデータ取得処理を実行する。異常予測を行うための情報は、例えば予測対象の成型品を成形した際に取得される1組の第1評価値R1、第2評価値R2、第3評価値R3及び成形情報である。
異常予測部42は、学習済みモデルTm1へ、データ取得部41により取得された1組の第1評価値R1、第3評価値R3及び成形情報を入力する。学習済みモデルTm1は、これらの入力に基づいて、ゲート243bの摩耗状態を予測するための予測情報D1を出力する。また、異常予測部42は、学習済みモデルTm2へ、データ取得部41により取得された1組の第2評価値R2、第3評価値R3及び成形情報を入力する。学習済みモデルTm2は、これらの入力に基づいて、ゲート243bの摩耗状態を予測するための予測情報D2を出力する。
予測情報D1、D2は、学習済みモデルTm1、Tm2を生成する際に用いた目的変数に対応する情報である。例えば、目的変数がゲート243bの摩耗量である場合、予測情報D1は、ゲート243bの摩耗量について予測される確率を含む情報となる。より具体的には、予測情報D1は、例えばゲート243bの摩耗量について、1mm以下である第1確率と、1mmより長く3mm以下である第2確率と、3mmより大きい第3確率とを含む。一例として、学習済みモデルTm1へ1組の第1評価値R1、第3評価値R3及び成形情報を入力すると、学習済みモデルTm1は第1確率が10%、第2確率が10%、第3確率が80%である予測情報D1を出力する。予測情報D2についても、同様に出力される。
出力部43は、異常予測部42において取得された予測情報D1、D2に基づいて、ゲート243bの摩耗状態の正常・異常を判定する。出力部43は、例えば、所定のしきい値と、予測情報D1に基づいて、ゲート243bの第1予備判定情報PD1を取得する。所定のしきい値は、例えば許容される最大摩耗量(又は許容される最大内径)である。例えば、許容される最大摩耗量が3mmである場合、上記の第1確率〜第3確率のうち、第3確率が最も高いときに、出力部43はゲート243bの摩耗状態が異常であることを示す第1予備判定情報PD1を取得する(例えば、PD1=1)。また、上記の第1確率〜第3確率のうち、第1確率又は第2確率が最も高いときには、出力部43はゲート243bの摩耗状態が正常であることを示す第1予備判定情報PD1を取得する(例えば、PD1=0)。
また、出力部43は、同様に、予測情報D2に基づいてゲート243bの第2予備判定情報PD2を取得する。例えば、出力部43は、ゲート243bの摩耗状態が異常であることを示す第2予備判定情報PD2(PD2=1)、又はゲート243bの摩耗状態が正常であることを示す第2予備判定情報PD2(PD2=0)を取得する。
そして、第1及び第2予備判定情報PD1、PD2に基づいて、ゲート243bの摩耗状態が正常か異常かを判定する。例えば、第1及び第2予備判定情報PD1、PD2がいずれも異常であることを示す場合(すなわち、PD1×PD2=1の場合)にのみ、ゲート243bの摩耗状態が異常であると判定する。そして、出力部43は、ゲート243bの摩耗状態の正常・異常に関する判定の情報である「判定情報」を取得する。
ここで、第1予備判定情報PD1は、予測情報D1に基づいて取得される。予測情報D1は、保圧工程ST4中の最大圧力に基づいて取得される第1評価値R1と、学習済みモデルTm1から取得される。また、第2予備判定情報PD2は、予測情報D2に基づいて取得される。予測情報D2は、保圧解除動作後の圧力の傾きに基づいて取得される第2評価値R2と、学習済みモデルTm2から取得される。
このように、第1予備判定情報PD1と第2予備判定情報PD2は、予測対象の成形品を成形した際に得られる圧力の時系列データのうち、それぞれ異なるポイントに着目した2個の情報(第1評価値R1、第2評価値R2)に基づいて、それぞれ取得される。このため、第1予備判定情報PD1と第2予備判定情報PD2の両方が異常を示す場合にのみ、ゲート243bの摩耗状態が異常であると判定することで、ゲート243bの摩耗状態がより確実に異常である場合のみを抽出することが可能となる。これにより、金型部24の点検や交換の頻度を低減することができる。
なお、出力部43は、第1及び第2予備判定情報PD1、PD2の少なくとも一方が異常であることを示す場合(すなわち、PD1+PD2≧1の場合)に、ゲート243bの摩耗状態が異常であると判定するように構成してもよい。このように構成すれば、ゲート243bの摩耗状態が異常となる場合を漏れなく抽出することが可能となる。これにより、金型部24の異常により早く対応することが可能となり、成型品の歩留まりを向上することができる。
出力部43は、判定情報と、予測情報D1、D2とを表示部60及び制御部271に出力する。表示部60には、判定情報と、予測情報D1、D2とが表示される。特に、ゲート243bの摩耗状態が異常であると判定されている場合には、表示部60のディスプレイにおいて赤などの強調色により判定情報を表示し、スピーカにおいてアラートを発報するように構成してもよい。
また、ゲート243bの摩耗状態が異常であると判定されている場合、制御部271の動作指令により、異常判定されたゲート243bを含む成形装置20を、金型部24が開放した状態で停止させるように構成してもよい。この場合、オペレータは表示部60によるアラート等に基づいて、金型部24を点検し、必要に応じて金型部24の交換を行う。
なお、本実施形態において、出力部43を設けずに、異常予測部42において得られた予測情報D1、D2をそのまま表示部60に表示するように構成されてもよい。この場合、表示部60に表示された予測情報D1、D2に基づいて、オペレータがゲート243bの摩耗状態の正常・異常を判断するようにしてもよい。
<異常予測装置による異常予測方法>
次に、異常予測装置40による異常予測方法を説明する。異常予測方法は、データ取得工程と、異常予測工程とを備える。データ取得工程が開始されると、データ取得部41は、予測対象の成型品を成形した際に取得される1組の第1評価値R1、第2評価値R2、第3評価値R3及び成形情報を取得する。以上により、データ取得工程が終了する。
次に、異常予測工程が開始されると、はじめに、異常予測部42は、1組の第1評価値R1、第3評価値R3及び成形情報を学習済みモデルTm1へ入力することで、予測情報D1を取得する。また、異常予測部42は、1組の第2評価値R2、第3評価値R3及び成形情報を学習済みモデルTm2へ入力することで、予測情報D2を取得する。
次に、出力部43は、予測情報D1、D2から第1、第2予備判定情報PD1、PD2を取得する。そして、出力部43は、第1、第2予備判定情報PD1、PD2に基づいて、判定情報を取得する。最後に、出力部43は、当該判定情報と、予測情報D1、D2とを表示部60及び制御部271に出力する。以上により、異常予測工程が終了する。
<成形システムの作用・効果>
本実施形態に係る成形システム10は、保圧動作(時点X1)から保圧解除動作(時点X2)までの間のキャビティC1内の成形材料L1の圧力の最大値(第1評価値R1)に基づいて、ゲート243bの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する。また、本実施形態に係る成形システム10は、保圧解除動作後のキャビティC1内の成形材料L1の圧力の変化に関する値(第2評価値R2)に基づいて、ゲート243bの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する。
このような構成により、学習済みモデルTm1、Tm2が一旦生成された後は、オペレータが逐一金型部24を検査する必要がなくなり、成形装置20に設けられた各種のセンサ(圧力センサ25、与圧センサ227等)により取得される情報からゲート243bの摩耗状態を予測することが可能となる。
また、本実施形態に係る成形システム10は、第1評価値R1と摩耗情報との相関関係を機械学習させた学習済みモデルTm1へ第1評価値R1を入力することで、予測情報D1を取得する。ここで、学習済みモデルTm1の説明変数は、第1評価値R1を含み、学習済みモデルTm1の目的変数は、ゲート243bの内径又はゲート243bの摩耗量を含む。このように構成することで、成形条件にばらつきがある状態であっても、より正確にゲート243bの摩耗状態を予測することができる。
また、本実施形態に係る成形システム10は、第2評価値R2と摩耗情報との相関関係を機械学習させた学習済みモデルTm2へ第2評価値R2を入力することで、予測情報D2を取得する。ここで、学習済みモデルTm2の説明変数は、第2評価値R2を含み、学習済みモデルTm2の目的変数は、ゲート243bの内径又はゲート243bの摩耗量を含む。このように構成することで、成形条件にばらつきがある状態であっても、より正確にゲート243bの摩耗状態を予測することができる。
また、本実施形態に係る圧力センサ25は、キャビティC1のうちゲート243bに近接する面に設けられている。このように構成することで、圧力センサ25は図9(b)に示すようなキャビティC1から流路243への成形材料L1の逆流による圧力変化をより検出しやすくなるため、ゲート243bの摩耗に起因する保圧解除動作後の圧力のより急激な減少をより正確に検出することができる。この結果、第2評価値R2をより正確に取得することができる。
また、第1評価値R1及び第2評価値R2は、成形材料L1の温度にも依存する。成形材料L1の温度が高いほど、成形材料L1の粘度が低く、成形材料L1が流動しやすくなる。このため、例えば、ゲートシール未了状態の場合、成形材料L1の温度が高いほどキャビティC1から流路243へより多くの成形材料L1が逆流することになるため、第2評価値R2は負の方向に大きくなる傾向がある。本実施形態に係る成形システム10は、成形材料L1の温度に関する第3評価値R3を説明変数に含むことで、学習済みモデルTm1、Tm2を上記の相関関係が組み込まれたモデルとすることが可能となり、より正確にゲート243bの摩耗状態を予測することができる。
<第2実施形態>
以上、第1実施形態に係る成形システムを説明した。しかしながら、本発明の実施に関してはこれに限られず、種々の変形を行うことができる。以下、本発明の第2実施形態に係る成形システム11について、説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態から変更のない部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
図13は、第2実施形態に係る成形システム11を模式的に示すブロック図である。成形システム11は、複数の成形装置20と、異常予測装置40aと、入力部50と、表示部60とを備える。
本実施形態において、成形システム11の異常予測装置40aは、第1評価値R1と所定の第1基準値Rf1とに基づいて、ゲート243bの摩耗状態を予測するための予測情報D3を取得する。すなわち、成形システム11は、学習済みモデルTm1を用いずに、第1評価値R1と第1基準値Rf1との比較によりゲート243bの摩耗状態を予測する点で、第1実施形態に係る成形システム10と相違する。
また、本実施形態において、成形システム11の異常予測装置40aは、第2評価値R2と所定の第2基準値Rf2とに基づいて、ゲート243bの摩耗状態を予測するための予測情報D4を取得する。すなわち、成形システム11は、学習済みモデルTm2を用いずに、第2評価値R2と第2基準値Rf2との比較によりゲート243bの摩耗状態を予測する点で、第1実施形態に係る成形システム10と相違する。
図14は、本実施形態に係る異常予測装置40aの機能構成を示すブロック図である。異常予測装置40aは、データ取得部41と、異常予測部42aと、出力部43aと、成形情報記憶部44と、基準値記憶部46とを有する。これらの各部は、CPU等の演算部とHDD等の記憶部とを有するコンピュータ装置により実現される。データ取得部41は、第1実施形態に係るデータ取得部41と同様に、評価情報を取得する。
基準値記憶部46には、第1基準値Rf1及び第2基準値Rf2が記憶されている。第1基準値Rf1は、摩耗状態が正常であるゲート243bを用いて成型品を成形した際に取得される第1評価値R1(圧力の最大値)に基づいて生成される値である。第1基準値Rf1は、例えば、摩耗状態が正常であるゲート243bを用いて複数の成型品を成形した際に取得される複数の第1評価値R1の平均値又は中央値に、所定のマージンを加味した値である。所定のマージンは、ゲート243bにおいて許容される最大摩耗量(又は許容される最大内径)により決定される。
また、第2基準値Rf2は、摩耗状態が正常であるゲート243bを用いて成型品を成形した際に取得される第2評価値R2(圧力の変化に基づく値)に基づいて生成される値である。第2基準値Rf2は、例えば、摩耗状態が正常であるゲート243bを用いて複数の成型品を成形した際に取得される複数の第2評価値R2の平均値又は中央値に、所定のマージンを加味した値である。所定のマージンは、ゲート243bにおいて許容される最大摩耗量(又は許容される最大内径)により決定される。
異常予測部42aは、データ取得部41により取得された第1評価値R1と、基準値記憶部46に記憶されている第1基準値Rf1を取得する。そして、異常予測部42aは、第1評価値R1と第1基準値Rf1とを比較することで、予測情報D1を取得する。予測情報D1は、例えば、第1評価値R1と第1基準値Rf1との差、又は比である。
前述のとおり、ゲート243bが摩耗し、流路243の流路抵抗が低くなると、スクリュ223から成形材料に与えられる与圧が減衰しにくくなるため、保圧工程ST4中の最大圧力に関する第1評価値R1は、ゲート243b正常時の最大圧力に関する第1基準値Rf1よりも大きくなる傾向がある。このため、第1基準値Rf1よりも第1評価値R1が大きくなる場合、ゲート243bに摩耗が発生していることが予測される。したがって、予測情報D1には、ゲート243bに摩耗が発生しているか否かが示されている。
また、異常予測部42aは、データ取得部41により取得された第2評価値R2と、基準値記憶部46に記憶されている第2基準値Rf2を取得する。そして、異常予測部42aは、第2評価値R2と第2基準値Rf2とを比較することで、予測情報D2を取得する。予測情報D2は、例えば、第2評価値R2と第2基準値Rf2との差、又は比である。
図7から図9において説明したように、ゲート243bが摩耗し、ゲートシール未了状態で保圧解除動作が行われる場合、保圧解除動作後のキャビティC1内の圧力低下はより急激に生じるため、保圧解除動作後の圧力の変化に関する第2評価値R2は、ゲート243b正常時の圧力変化に関する第2基準値Rf2よりも小さく(すなわち、負の方向に大きく)なる傾向がある。このため、第2基準値Rf2よりも第2評価値R2が小さくなる場合、ゲート243bに摩耗が発生していることが予測される。したがって、予測情報D2には、ゲート243bに摩耗が発生しているか否かが示されている。
出力部43aは、異常予測部42aにおいて取得された予測情報D1、D2に基づいて、ゲート243bの摩耗状態が異常か否かを判定する。例えば、予測情報D1が第1評価値R1と第1基準値Rf1との差(R1−Rf1)であり、予測情報D2が第2評価値R2と第2基準値Rf2との差(R2−Rf2)である場合、出力部43aは、予測情報D1が正の値であり、かつ予測情報D2が負の値であるときに、ゲート243bの摩耗状態が異常であると判定する。なお、出力部43aは、予測情報D1が正の値である場合と、予測情報D2が負の値である場合とのいずれか一方を満たすときに、ゲート243bの摩耗状態が異常であると判定するようにしてもよい。
出力部43aは、ゲート243bの摩耗状態の判定結果に関する判定情報と、予測情報D1、D2とを表示部60及び制御部271に出力する。表示部60及び制御部271は、判定情報及び予測情報D1、D2に基づいて、第1実施形態と同様の動作を行う。
なお、本実施形態において、出力部43aを設けずに、異常予測部42aにおいて得られた予測情報D1、D2をそのまま表示部60に表示するように構成されてもよい。この場合、表示部60に表示された予測情報D1、D2に基づいて、オペレータが金型部24の状態を判断するようにしてもよい。
本実施形態に係る成形システム11によれば、第1評価値R1と第1基準値Rf1との比較、及び第2評価値R2と第2基準値Rf2との比較により、ゲート243bの摩耗状態を容易に予測することができる。なお、本実施形態では第1評価値R1、第2評価値R2の両方を用いてゲート243bの摩耗状態を予測するが、いずれか一方の評価値のみを用いてゲート243bの摩耗状態を予測してもよい。
<変形例1>
上記の第2実施形態において、第1基準値Rf1は、摩耗状態が正常であるゲート243bを用いて成型品を成形した際に取得される第1評価値R1(圧力の最大値)に基づいて生成される。しかしながら、本発明の実施に関してはこれに限られない。例えば、第1基準値Rf1は、保圧工程ST4中に、与圧センサ227により検出される圧力の最大値に基づいて生成されてもよい。また、第1基準値Rf1は、保圧工程ST4中に、圧力センサ227aにより検出される圧力の最大値に基づいて生成されてもよい。
与圧センサ227及び圧力センサ227aによりそれぞれ検出される圧力は、流路243を通過する前の成形材料の圧力であるため、流路243による流路抵抗の影響を受けない。ゲート243bの正常時には、流路243は所定以上の流路抵抗を有するため、圧力センサ25により保圧工程ST4中に検出される圧力の最大値は、与圧センサ227及び圧力センサ227aによりそれぞれ検出される圧力の最大値よりも所定値Th1以上低くなる。また、ゲート243bの摩耗時には、流路243の流路抵抗が所定未満となり、圧力センサ25により保圧工程ST4中に検出される圧力の最大値と、与圧センサ227及び圧力センサ227aによりそれぞれ検出される圧力の最大値との差が所定値Th1未満となる。
このため、データ取得部41が与圧センサ227及び圧力センサ227aによりそれぞれ検出される圧力の最大値を第1基準値Rf1として取得し、異常予測部42aが第1基準値Rf1と第1評価値R1との差(Rf1−R1)を予測情報として取得し、出力部43aが当該差(Rf1−R1)が所定値Th1より小さい場合に、ゲート243bの摩耗状態に異常があると判定するように構成してもよい。なお、異常予測部42aは、第1基準値Rf1と第1評価値R1との比を予測情報として取得し、出力部43aが当該比に基づいて、ゲート243bの摩耗状態が異常か否かを判定するように構成してもよい。
このように構成することで、ゲート243bの摩耗状態が正常であるか否かを問わず、予測対象の成形品を1回成形した際に、第1基準値Rf1と第1評価値R1の双方を取得することができる。このため、例えば、同じ金型部24を使用している最中に成形条件(与圧や型締力、成形材料の種類等)を変更した場合であっても、当該変更後に容易に第1基準値Rf1を取得することが可能となる。
なお、第1基準値Rf1と第1評価値R1は、それぞれ異なる圧力センサにより取得される値であるため、第1基準値Rf1及び第1評価値R1の少なくとも一方に、圧力センサ227、227a、25間の校正に関する補正値を加味してもよい。
<変形例2>
上記の第2実施形態において、出力部43aは、1回の成形で取得された予測情報D1、D2に基づいてゲート243bの摩耗状態を判定する。しかしながら、出力部43aは、複数回の成形で取得された情報に基づいてゲート243bの摩耗状態を判定してもよい。
図15は、本変形例に係る異常の判定方法を模式的に説明するグラフである。図15(a)は、成形回数ごとの複数の第1評価値R1を示すグラフである。グラフの縦軸は圧力であり、横軸は成形回数である。例えば成形装置20により予測対象となる成型品を複数成形し、複数の第1評価値R1を取得する。図15(a)の例では、成形1回目の第1評価値R1は、「Pta」である。また、第1基準値Rf1は、成形1回目(すなわち、ゲート243bに摩耗がない状態)の第1評価値R1にマージンTh2を加えた値Pthである。
成形装置20において成形を繰り返し行い、データ取得部41は、その都度、第1評価値R1を取得する。そして、所定の複数回(例えば、3回)にわたって連続して取得される複数の(例えば、3個の)第1評価値R1が、いずれも第1基準値Rf1よりも大きくなる場合に、ゲート243bに摩耗が発生していることを示す予測情報D1を取得する。
例えば、N1回目の第1評価値R1は、第1基準値Rf1(=Pth)未満であるため、ゲート243bに摩耗が発生しているとは予測されず、出力部43aはゲート243bが正常であることを示す予測情報D1(例えば、D1=0)を取得する。また、N2回目の第1評価値R1は、第1基準値Rf1以上であるものの、N1回目の第1評価値R1が第1基準値Rf1(=Pth)未満であるため、ゲート243bに摩耗が発生しているとは予測されず、出力部43aはゲート243bが正常であることを示す予測情報D1を取得する。同様に、N3回目の成形時にも出力部43aはゲート243bが正常であることを示す予測情報D1を取得する。
そして、N4回目の第1評価値R1は、第1基準値Rf1以上であり、N2、N3回目の第1評価値R1も第1基準値Rf1以上であるため、3回連続して第1評価値R1が第1基準値Rf1よりも大きくなる。この場合に、出力部43aはゲート243bに摩耗が発生していることを示す予測情報D1(例えば、D1=1)を取得する。
図15(b)は、成形回数ごとの複数の第2評価値R2を示すグラフである。グラフの縦軸は圧力の傾きであり、横軸は成形回数である。例えば成形装置20により予測対象となる成型品を複数成形し、複数の第2評価値R2を取得する。図15(b)の例では、成形1回目の第2評価値R2は、「dPva」である。また、第2基準値Rf2は、成形1回目(すなわち、ゲート243bに摩耗がない状態)の第2評価値R2からマージンTh3を減算した値dPthである。
成形装置20において成形を繰り返し行い、データ取得部41は、その都度、第2評価値R2を取得する。例えばN1回目の第2評価値R2が第2基準値Rf2(=dPth)以上であり、N2〜N4回目の第2評価値R2が第2基準値Rf2未満である場合、出力部43aはN3回目まではゲート243bが正常であることを示す予測情報D2(例えば、D2=0)を取得し、N4回目においてゲート243bに摩耗が発生していることを示す予測情報D2(例えば、D2=1)を取得する。
すなわち、所定の複数回(例えば、3回)にわたって連続して取得される複数の(例えば、3個の)第2評価値R2が、いずれも第2基準値Rf2よりも小さくなる場合に、ゲート243bに摩耗が発生していることを示す予測情報D2を取得するように構成する。
突発的に外乱(例えば、振動)などが成形装置20に加えられると、ゲート243bには異常がないものの、単発で異常値となる第1評価値R1や第2評価値R2が取得される場合がある。上記のように、複数回にわたって第1評価値R1及び第2評価値R2を監視することで、このような外乱の影響を除外し、ゲート243bの摩耗状態をより正確に予測することが可能となる。
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の成形システムは、図示する形態に限られず、本発明の範囲内において他の形態であってもよい。
10、11 成形システム
20 成形装置 21 ベッド 22 射出部
221 ホッパ 222 シリンダ 223 スクリュ
225 ボールねじ 226 モータ 227 与圧センサ
227a 圧力センサ 228 移動量センサ 229 ヒータ
224 ノズル 23 型締め部 231 固定盤
231a 貫通孔 232 可動盤 232a 貫通孔
233 タイバー 234 ボールねじ 235 支持盤
236 力センサ 237 モータ 24 金型部
241 金型 242 金型
243 流路 243a 第1開口部
243b 第2開口部(ゲート) 25 圧力センサ
26 温度センサ 27 制御盤 271 制御部
272 通信部 30 学習装置 31 訓練データ取得部
32 学習演算部 33 成形情報記憶部 34 学習済みモデル記憶部
40、40a 異常予測装置 41 データ取得部
42、42a 異常予測部 43、43a 出力部
44 成形情報記憶部 45 学習済みモデル記憶部
46 基準値記憶部 50 入力部 60 表示部
C1 キャビティ L1 成形材料
F0、F1、F2 グラフ線F Ps1 圧力(設定圧力)
X1 (保圧動作の)時点 X2 (保圧解除動作後の)時点
Pt1、Pt2 最大圧力
d1 (ゲート正常時の)内径
d2 (ゲート異常時の)内径
S1 凝固体 G1 隙間
R1 第1評価値 R2 第2評価値
R3 第3評価値 T1 所定時間
Tm1、Tm2、Tm3 学習済みモデル
D1、D2、D3、D4 予測情報
PD1 第1予備判定情報 PD2 第2予備判定情報
Rf1 第1基準値
Rf2 第2基準値
Th1 所定値 Th2、Th3 マージン

Claims (10)

  1. 成型品を成形する成形装置と、前記成形装置の異常を予測する異常予測装置と、を備える成形システムであって、
    前記成形装置は、
    内部にキャビティを形成し、前記キャビティ側に開口するゲートを有する金型部と、
    前記ゲートを経由して、前記キャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、
    前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサと、
    を有し、
    前記異常予測装置は、
    前記保圧動作から前記保圧解除動作までの間に前記圧力センサにより検出された圧力の最大値を第1評価値として取得するデータ取得部と、
    前記第1評価値に基づいて、前記ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する異常予測部と、
    を有する、成形システム。
  2. 前記異常予測部は、前記ゲートの摩耗状態が正常な時に取得される前記第1評価値に基づいて生成される第1基準値よりも、予測対象となる前記成型品の成形時に取得される前記第1評価値が大きくなる場合に、前記ゲートに摩耗が発生していることを示す前記予測情報を取得する、
    請求項1に記載の成形システム。
  3. 前記異常予測部は、前記成形装置により予測対象となる前記成型品を複数成形し、所定の複数回にわたって連続して取得される前記第1評価値が、いずれも前記第1基準値よりも大きくなる場合に、前記ゲートに摩耗が発生していることを示す前記予測情報を取得する、
    請求項2に記載の成形システム。
  4. 前記射出部は、
    溶融状態の前記成形材料を貯留し、前記金型部と接続するシリンダと、
    前記シリンダに挿入され、溶融状態の前記成形材料を前記金型部の方向へ押すスクリュと、を有し、
    前記成形装置は、前記シリンダ内の前記成形材料の圧力、又は前記スクリュが前記成形材料から受ける圧力を検出する第2圧力センサをさらに有し、
    前記データ取得部は、前記保圧動作から前記保圧解除動作までの間に前記第2圧力センサにより検出された圧力の最大値に基づいて、第1基準値を取得し、
    前記異常予測部は、前記第1評価値と前記第1基準値との差又は比に基づいて、前記予測情報を取得する、請求項1に記載の成形システム。
  5. 前記異常予測部は、前記第1評価値と前記ゲートの摩耗状態との相関関係を機械学習させた学習済みモデルへ前記第1評価値を入力することで、前記予測情報を取得し、
    前記学習済みモデルの説明変数は、前記第1評価値を含み、
    前記学習済みモデルの目的変数は、前記ゲートの内径、又は前記ゲートの摩耗量を含む、
    請求項1に記載の成形システム。
  6. 前記データ取得部は、前記圧力センサにより検出された圧力の時系列データに基づいて、前記保圧解除動作後の前記成形材料の圧力の変化に関する第2評価値を取得し、
    前記異常予測部は、前記第1評価値及び前記第2評価値に基づいて、1又は複数の前記予測情報を取得する、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の成形システム。
  7. 成型品を成形する成形装置の異常を予測する異常予測装置であって、
    前記成形装置は、
    内部にキャビティを形成し、前記キャビティ側に開口するゲートを有する金型部と、
    前記ゲートを経由して、前記キャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、
    前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサと、
    を有し、
    前記異常予測装置は、
    前記保圧動作から前記保圧解除動作までの間に前記圧力センサにより検出された圧力の最大値を第1評価値として取得するデータ取得部と、
    前記第1評価値に基づいて、前記ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する異常予測部と、
    を備える、異常予測装置。
  8. 内部にキャビティを形成し、前記キャビティ側に開口するゲートを有する金型部と、前記ゲートを経由して、前記キャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、を備える成型品を成形する成型装置の異常を予測する異常予測方法であって、
    前記保圧動作から前記保圧解除動作までの間に前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサにより検出された圧力の最大値を第1評価値として取得するデータ取得工程と、
    前記第1評価値に基づいて、前記ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する異常予測工程と、
    を備える、異常予測方法。
  9. 内部にキャビティを形成し、前記キャビティ側に開口するゲートを有する金型部と、前記ゲートを経由して、前記キャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、を備える成型品を成形する成型装置の異常を予測するためのプログラムであって、
    前記保圧動作から前記保圧解除動作までの間に前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサにより検出された圧力の最大値を第1評価値として取得するデータ取得工程と、
    前記第1評価値に基づいて、前記ゲートの摩耗状態を予測するための予測情報を取得する異常予測工程と、
    をコンピュータ装置に実行させる、プログラム。
  10. 内部にキャビティを形成し、前記キャビティ側に開口するゲートを有する金型部と、前記ゲートを経由して、前記キャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、を備える成型品を成形する成型装置の異常を予測するための学習済みモデルであって、
    説明変数は、前記保圧動作から前記保圧解除動作までの間に前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサにより検出された圧力の最大値に基づいて取得される第1評価値を含み、
    目的変数は、前記ゲートの内径又は前記ゲートの摩耗量を含む、
    学習済みモデル。
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