以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
図1に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。なお、パチンコ遊技機100は、排出口117に流入する遊技球からなるアウト球を検出するアウト球検出スイッチ(SW)227(後述する図4参照)を備えている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。なお、図1において、ゲート124は、遊技領域111の左右にそれぞれ設けられており、左側のゲート124は124Lと記載し、右側のゲート124は124Rと記載している。また、ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口121および第2始動口122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212)が設けられている。そして、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
パチンコ遊技機100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、当選確率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。そして、所定の条件に基づいて低確率状態と高確率状態とのいずれかの状態に制御される。
また、パチンコ遊技機100は、遊技状態として、第2始動口122への入賞機会が少ない電サポ無状態と、電サポ無状態よりも第2始動口122への入賞機会が多い電サポ状態とを有している。そして、例えば、大当たりや特別図柄抽選の抽選回数を契機とするなど所定の条件において、電サポ無状態と、電サポ状態とのいずれかの状態に制御される。電サポ状態とは、例えば、普通図柄変動時間を短縮すること、電動チューリップ123の開時間を延長すること、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にすること、のいずれか一つまたは複数の組合せによって制御される遊技状態である。
また、パチンコ遊技機100は、遊技状態として、特別図柄変動時間が長い時短無状態と、時短無状態よりも特別図柄変動時間が短い時短状態とを有している。
なお、本実施の形態においては、電サポ状態と時短状態とは同時に制御されるものとする。また、以下の説明においては、電サポ状態かつ時短状態のことを単に時短状態とし、電サポ無状態かつ時短無状態のことを単に時短無状態とする。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。そして、大入賞口125には、大入賞口125を開閉する大入賞口扉125Dが設けられている。以下の説明において、大入賞口扉125Dの開閉状態や開閉動作のことを、便宜的に、大入賞口125の開閉状態や開閉動作として説明する場合がある。
本実施の形態では、遊技盤110の左下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
ところで、図1に示すパチンコ遊技機100において、電動チューリップ123を備えた第2始動口および大入賞口125は、遊技領域111のうち右側の領域に配置されている。したがって、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、第2始動口122や大入賞口125に入賞させようとする場合には、遊技領域111のうち右側の領域に遊技球を流下させるようにする。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、パチンコ遊技機100を後側から見た場合のパチンコ遊技機100の背面図である。図2において、パチンコ遊技機100の紙面上側を「上側」と称し、紙面下側を「下側」と称し、これらの方向を「上下方向」と称することがある。また、パチンコ遊技機100の紙面左側を「左側」と称し、紙面右側を「右側」と称し、これらの方向を「左右方向」と称することがある。また、パチンコ遊技機100の紙面前側を「前側」と称し、紙面後側を「後側」と称し、これらの方向を「前後方向」と称することがある。
パチンコ遊技機100には、電源プラグ158と、電源基板ユニット4と、遊技制御基板ユニット2と、演出制御基板300Bと、画像制御基板310Bと、ランプ制御基板320Bと、払出制御基板330Bと、枠制御基板360Bとが設けられている。電源プラグ158は、枠部材150に設けられている。また、電源基板ユニット4および枠制御基板360Bは、枠部材150の裏面に取り付けられている。また、遊技制御基板ユニット2、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、および払出制御基板330Bは、遊技盤110の裏面に取り付けられている。
電源プラグ158が変圧器Tのコンセントに差し込まれた状態で、パチンコ遊技機100が設置されるホールのコンセント(不図示)に変圧器Tのプラグが差し込まれると、商用電源から変圧器Tに交流(AC:Alternating current)100Vの電力が供給される。変圧器Tは、供給されたAC100VをAC24Vに変換する。変圧器Tに変換されたAC24Vの電力は、電源プラグ158を介して、パチンコ遊技機100に供給される。
電源基板ユニット4は、電源基板40と、電源基板40を収容する電源基板ケース60とを有する。
電源基板40は、電源プラグ158と電気的に接続されている。また、電源基板40には、商用電源との接続のONおよびOFFを切り替える電源スイッチ412(後述)が設けられている。電源スイッチ412がONになると、電源基板40は、商用電源から変圧器Tを介して供給された交流の電力を受給する。そして、電源基板40は、受給した交流の電力を、直流(DC:Direct Current)の電力に変換し、変換した電力を、遊技制御基板ユニット2、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、払出制御基板330Bおよび枠制御基板360Bへ供給する。また、電源スイッチ412がOFFになると、電源基板40への電力の供給が遮断される。これにより、パチンコ遊技機100の電源が遮断される。
なお、電源基板40および電源基板ケース60の構成については、後に詳述する。
遊技制御基板ユニット2は、遊技制御基板200Bと、遊技制御基板200Bを収容する遊技制御基板ケース200Cとを有する。遊技制御基板200Bは、特別図柄の当選の判定等を行う。
演出制御基板300Bは、演出を統括的に制御する。
画像制御基板310Bは、画像および音による演出を制御する。
ランプ制御基板320Bは、各種の盤ランプ116および可動役物115による演出を制御する。
払出制御基板330Bは、賞球の払い出しを制御する。
枠制御基板360Bは、各種の枠ランプ157等による演出を制御する。
遊技制御基板200B、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、払出制御基板330B、および枠制御基板360Bは、電源基板40から電力を供給されることにより動作する。
図3は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、図3(a)は、遊技盤110の左下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、図3(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図であり、図3(c)は遊技盤の左下に配設されたサブ情報表示器80の一例を示す拡大図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図3(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止表示させて抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止表示させて抽選結果を表示する。第1特別図柄表示器221および第2特別図柄表示器222は、表示態様の変化を1サイクル(=256ms)とするサイクル変動(サイクル表示)を複数回行い、特別図柄の変動時間が経過すると停止表示する。
普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止表示させて抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。
なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220に表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、3個のLEDを配列した表示装置で構成されている。3個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。また、他の1つは、パチンコ遊技機100の状態が、特別図柄変動時間が短い時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。さらに他の1つは、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知するものである。
また、表示器130は、特別図柄抽選の抽選結果に応じて行われる大当たり遊技において大入賞口125が作動される際のラウンド数を表示するラウンド数表示器225を備えている。なお、大当たり遊技については後述する。ラウンド数表示器225は、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって大当たり遊技における大入賞口125の作動ラウンド数が表示される。
また、表示器130は状態確認表示器226を備えている。状態確認表示器226は、1個のLEDで構成され、後述する設定変更モード又は後述する設定確認モードに設定されていることを示すためのものであり、設定変更モード又は設定確認モードに移行するとLEDの点灯を開始し、設定変更モード又は設定確認モードが終了するとLEDを消灯する。このように、状態確認表示器226が遊技機の正面(表面)に設けられているので、設定変更モード又は設定確認モードに設定されているか否かを容易に確認することが可能となっている。なお、状態確認表示器226の設置位置はパチンコ遊技機100の正面(表面)であればよく、その他の場所に設置してもよい。
また、本実施形態では、設定変更モードと設定確認モードの何れに設定されていても同じ表示態様(点灯表示)で表示するようになっているが、何れのモードに設定されているのかを認識可能に表示してもよい。例えば、設定変更モードでは状態確認表示器226を点灯表示するようにし、設定確認モードでは状態確認表示器226を点滅表示するようにしてもよいし、その逆にしてもよい。
また、本実施形態では、設定変更モードや設定確認モードに設定されていることを示すために専用の表示器として状態確認表示器226を設けているが、他の表示器と兼用としてもよい。例えば、設定変更モードや設定確認モードにおいては、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、ラウンド数表示器225、状態表示器224などは消灯しているので、これら表示器の1つ又は複数のLEDを点灯させるようにしてもよい。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図3(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。図示の例において、複数の画像の中から1つの画像を選択する操作を受け付ける演出を行う場合を考える。この場合、例えば、遊技者が十字に配列された4つのキーからなる演出キー162を操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを指示し、演出ボタン161を操作することにより、指示した画像を選択するような演出を行うことができる。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやハンドル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技領域111の内側に、サブ第1変動表示器81、サブ第2変動表示器82、サブ第1保留表示器83、サブ第2保留表示器84、サブ普図変動表示器85、サブ普図保留表示器86、サブ右打ち表示器87からなるサブ情報表示器80を備えている。
このサブ情報表示器80については、基本的にはLEDによって構成されており、ダイナミック点灯が行われるようになっている。なお、サブ情報表示器80には、状態確認表示器226のような設定変更モードや設定確認モードに設定されていることを示す表示器は設けられていない。
サブ第1変動表示器81は、第1特別図柄が変動表示中であるか否かを表示(報知)するためのものであり、サブ第2変動表示器82は、第2特別図柄が変動表示中であるか否かを表示(報知)するためのものであり、それぞれ1個のLEDによって構成されている。そして、対応する特別図柄の変動表示が開始されるとLEDが所定周期(1秒)で点滅(0.5秒点灯→0.5秒消灯)し、対応する特別図柄が停止表示されると点灯する。言い換えると、サブ第1変動表示器81およびサブ第2変動表示器82は、一回の点滅を1サイクル(=1秒)とするサイクル表示を繰り返し行い、対応する特別図柄が停止表示されると点灯する。
なお、サブ第1変動表示器81やサブ第2変動表示器82で特別図柄の大当たり判定の結果を報知するようにしてもよい。この場合には、大当たりの場合にはLEDが点灯し、ハズレの場合にはLEDが消灯するようにするとよい。
サブ第1保留表示器83は、後述する第1保留情報の個数(第1保留数)を表示するためのものであり、サブ第2保留表示器84は、後述する第2保留情報の個数(第2保留数)を表示するためのものであり、それぞれ2個のLEDによって構成されている。そして、保留数が「0」のときに左右のLEDが消灯し、保留数が「1」のときに左側のLEDが点灯すると共に右側のLEDが消灯し、保留数が「2」のときに左右のLEDが点灯し、保留数が「3」のときに左側のLEDが点滅すると共に右側のLEDが点灯し、保留数が「4」のときに左右のLEDが点滅する。
サブ普図変動表示器85は、当り抽選の結果を表示(報知)するためのものであり、1つのLEDによって構成されている。そして、普通図柄の変動表示が開始されるとLEDが所定の間隔で点滅(変動表示)する。そして、普通図柄が停止表示されると当り抽選の結果を示す態様(当たりの場合には点灯、ハズレの場合には消灯)が停止表示される。
なお、サブ普図変動表示器85において、普通図柄の変動表示中であるか否かのみが把握できるように、普通図柄の変動表示中に点滅し、停止表示されると点灯又は消灯するようにしてもよい。
サブ普図保留表示器86は、普図保留記憶の個数(普図保留数)を表示するためのものであり、2個のLEDによって構成されている。そして、普図保留数が「0」のときに左右のLEDが消灯し、普図保留数が「1」のときに左側のLEDが点灯すると共に右側のLEDが消灯し、普図保留数が「2」のときに左側のLEDが点滅すると共に右側のLEDが点灯し、普図保留数が「4」のときに左右のLEDが点滅する。
サブ右打ち表示器87は、遊技領域111の右側領域に向けて遊技球を発射すること(所謂右打ち)を促すためのものであり、1個のLEDによって構成されている。そして、大当たり状態(特別遊技)中及び時短遊技状態中にLEDが点灯し、それ以外の遊技状態でLEDが消灯する。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図4は、本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。
図5は、本実施の形態の画像/音響制御部およびランプ制御部の説明図である。
図4に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部330と、を備えている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の遊技状態を、高確率状態または低確率状態のいずれか、時短無状態または時短状態のいずれかで制御する。これにより、パチンコ遊技機100の遊技状態は、高確率状態および時短状態である高確率時短遊技状態、低確率状態および時短状態である低確率時短遊技状態、高確率状態および時短無状態である高確率時短無遊技状態、低確率状態および時短無状態である低確率時短無遊技状態のいずれかとなる。そして、遊技制御部200は、所定の条件に基づき、高確率状態と低確率状態とを切り替え、時短無状態と時短状態とを切り替える。また、遊技制御部200は、時短状態において、時短無状態よりも普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、電動チューリップ123の開時間を延長する等の制御を行う。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞したことを契機として特別図柄抽選を行う。そして、特別図柄抽選の判定結果に応じて大当たり遊技等の特別遊技を行う。特別遊技において、遊技制御部200は、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。そして、遊技制御部200は、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
また、遊技制御部200は、ゲート124を遊技球が通過したことを契機として普通図柄抽選を行う。そして、普通図柄抽選の判定結果に応じて電動チューリップの作動を制御する。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動中に遊技球が第1始動口121または第2始動口122へ入賞したことにより発生する保留や、普通図柄変動中に遊技球がゲート124を通過したことにより発生する保留の設定を行う。
さらに、遊技制御部200は、特別図柄抽選および普通図柄抽選の判定結果、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報、保留の設定情報等の遊技制御に伴う情報を、後述するコマンドにより演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部330に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部330に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部330に指示しない。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、検知手段として、図4に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125の大入賞口扉125Dを閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口扉開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、特別図柄の変動中に第1始動口121へ入賞した未変動分の保留個数を表示する第1特別図柄保留表示器218と、特別図柄の変動中に第2始動口122へ入賞した未変動分の保留個数を表示する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄の変動中にゲート124を通過した未変動分の保留個数を表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口扉開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
また、遊技制御基板の表面側には、遊技制御部200のRAM203の記憶内容をクリア又は遊技の有利度合いの段階である(大当たりと判定される確率の)設定値を更新するための信号を入力するRAMクリアスイッチ228、設定キーを用いた操作によって後述する設定変更モードや設定確認モードに移行させるための信号を入力する設定キースイッチ229、遊技機の実性能を把握可能とする性能情報や設定値を表示するための情報表示器230、その他の電子部品等が実装されている。
情報表示器230は、左右方向に並べられた4つの7セグメント表示器(230a〜230d、後述の図61参照)で構成されている。そして、左から2つの7セグメント表示器230a及び230bによって性能情報の種類(データ種別)を示す識別情報を表示するための識別セグが構成され、右から2つの7セグメント表示器230c及び230dによって設定値や性能情報の数値を示す数値情報を表示するための数値セグが構成されている(図60参照)。なお、設定値を表示する場合にはスタティック点灯が行われ、性能情報を表示する場合にはダイナミック点灯が行われるようになっている。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板350が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部330から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板350を介してホストコンピュータに送信する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部330には、払出駆動部334により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部335と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部336と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部337と、が接続されている。そして、払出制御部330は、払出球検出部335、球有り検出部336および満タン検出部337にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部330は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
さらに、演出制御部300には、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、が接続されている。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、図5に示すように、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、VDP(Video Display Processor)314と、CGROM315と、SNDROM316とを備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、CGROM315には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。また、SNDROM316には、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。
CPU311は、演出制御部300から送られた保留数コマンドもしくは変動演出開始コマンドに基づいて、アニメーションパターンの解析や、描画に関するコマンドをまとめたディスプレイリストの作成、およびディスプレイリストのVDP314への送信などを行う。
VDP314は、CPU311から受信したディスプレイリストに基づいて、CGROM315やSNDROM316にそれぞれ記憶された画像データや音響データを読み出す。さらには、VDP314は、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための描画処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。そして、VDP314は、描画処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、VDP314は、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
なお、本実施の形態では、VDP314が描画処理に併せて音声処理も行うよう構成しているが、これに限定されず、音声処理を専用で行うプロセッサを別途設けても構わない。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
なお、枠ランプ157を制御する制御部が、ランプ制御部320とは別に設けられてもよい。この場合に、枠ランプ157を制御する制御部は、枠制御基板360Bに設けられてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、払出制御部330は、それぞれ、遊技制御基板200B、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、払出制御基板330Bに設けられている。また、RAMクリアスイッチ228、設定キースイッチ229、および情報表示器230は、何れも、遊技制御基板200Bに設けられている。
また、図5を参照して説明した構成例では、演出ボタン161および演出キー162は、演出制御部300に接続され、演出制御部300によって制御されるが、これに限定されない。演出ボタン161および演出キー162は、ランプ制御部320に接続され、このランプ制御部320によって制御されてもよい。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図6は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部237と、電動チューリップ動作制御部238と、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
乱数取得部231は、特別図柄抽選に用いられる乱数値と、普通図柄抽選に用いられる乱数値とを取得する。特別図柄抽選に用いられる乱数値の場合、具体的には、第1始動口121や第2始動口122に遊技球が入賞したことを条件として、乱数の種類ごとに、所定の範囲の数値の中から1つの数値(乱数値)が選択(取得)される。取得された乱数値は、特別図柄判定部234による判定に用いられる。詳しくは後述するが、特別図柄抽選に用いられる乱数としては、大当たりか否かを示す大当たり乱数、大当たりの種類を示す図柄乱数、変動パターン乱数、リーチ乱数等が有る。
また、普通図柄抽選に用いられる乱数値の場合、具体的には、ゲート124を遊技球が通過したことを条件として、所定の範囲の数値の中から1つの数値(乱数値)が選択(取得)される。取得された乱数値は、普通図柄判定部232による判定に用いられる。なお、普通図柄抽選に用いられる乱数としては、当たりか否かを示す当たり乱数の他、当たりの種類を示す図柄乱数や変動パターン乱数等が設定される場合もある。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄抽選が行われた場合に、抽選結果に応じて、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部234は、特別図柄の変動開始時に、後述する図42に示すような乱数テーブルを用いて、特別図柄抽選の抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部231は、検知手段である第1始動口スイッチ211または第2始動口スイッチ212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部231および特別図柄判定部234における処理のことをいう。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に応じて複数の種類に分けられる。具体的には、時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態かの組み合わせによって大当たりの種類が決まる。すなわち、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づく大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短遊技状態の大当たり)、低確率時短遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短無遊技状態の大当たり)、低確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。例えば、「長当たり」では、大入賞口125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(例えば15回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.9秒)だけ大入賞口125が開状態となるラウンドが所定回数(例えば2回)繰り返される。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、一定時間(例えば0.9秒)だけ大入賞口125が開状態となる態様が所定回数(例えば2回)行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部235は、第1特別図柄表示器221や第2特別図柄表示器222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。具体的には、変動パターン選択部235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果および特別図柄変動にともなう装飾図柄変動演出においてリーチ演出を行うことが可能な変動パターン(例えば13.5秒以上)とするか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部235および特別図柄変動制御部233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部232は、普通図柄の変動開始時に、後述する図42(d)に示すような乱数テーブルを用いて、普通図柄の抽選結果が「当たりか否か」を判定する。すなわち、普通図柄判定部232は、乱数取得部231により取得された普通図柄抽選用の乱数値に基づいて、電動チューリップ123を開閉作動させる補助遊技を行うか否かを判定する。また、普通図柄抽選において複数の種類の当たりが設定される場合は、普通図柄判定部232は、判定結果が当たりであった場合の「当たりの種類」を判定する。なお、普通図柄抽選は、乱数取得部231および普通図柄判定部232により行われる処理である。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選が行われた場合に、抽選結果に応じて、普通図柄表示器223による普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部238は、普通図柄判定部232により普通図柄抽選において「当たり」と判定された場合に、電動チューリップ123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップ123のこのような開放状態を発生させない。電動チューリップ123の作動パターンについては後述するが、例えば0.15秒の開放時間で1回開く作動パターン、および1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンなどがある。
大入賞口動作制御部237は、特別図柄判定部234により特別図柄抽選において「大当たり」と判定された場合に、大当たり遊技として、当選した大当たりの種類に基づいて特定される作動パターンで大入賞口125の開放動作を制御する。また、大入賞口動作制御部237は、特別図柄判定部234により特別図柄抽選において「小当たり」と判定された場合に、小当たり遊技として、規定時間および規定回数だけ大入賞口125を開放する。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、乱数取得部231が所定のタイミングで取得する各種の乱数値を更新する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、パチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の遊技制御部200は、電源が投入されると、起動時の基本処理として、各種装置の初期化や初期設定を行う。そして、基本処理を行った後、遊技制御部200は、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を繰り返し実行する。また、電源を遮断する際には、遊技制御部200は、一連の電源遮断時処理を実行する。
図7は、遊技制御部200による基本処理の動作を示すフローチャートである。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源が投入されると、まず、RAM203(図4参照)へのアクセスを許可する(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)601)。そして、遊技制御部200は、RAM203をクリアするためのRAMクリアスイッチがONとなっているか否かを判断する(S602)。
RAMクリアスイッチがOFFである場合(S602でNo)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時の動作に関するバックアップフラグがONとなっているか否かを判断する(S603)。
バックアップフラグがONである場合(S603でYes)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時に作成されたチェックサムが正常か否かを判断する(S604)。
チェックサムが正常である場合(S604でYes)、次に、遊技制御部200は、復帰処理を実行する(S605)。この復帰処理において、遊技制御部200は、電源が遮断された状態からの復帰に伴う、演出制御部300等のサブ制御手段の設定を行う。具体的には、遊技制御部200は、電源が遮断される際におけるパチンコ遊技機100の遊技状態(大当たり遊技中か否か、高確率状態と低確率状態のいずれか、時短状態と時短無状態のいずれか)を反映させるように、サブ制御手段を設定するためのコマンドを演出制御部300へ出力する。また、この復帰処理において、遊技制御部200は、バックアップフラグをOFFにする。
一方、RAMクリアスイッチがON(S602でYes)、バックアップフラグがOFF(S603でNo)、チェックサムが異常(S604でNo)のいずれかに該当する場合、次に遊技制御部200は、初期化処理として、RAM203の記憶内容をクリアし(S606)、RAM203の作業領域を設定する(S607)。そして、遊技制御部200は、サブ制御手段を設定(初期化)するためのコマンドを演出制御部300へ出力し、サブ基板(サブ制御手段)の設定を行う(S608)。サブ基板の設定には、各サブ基板に搭載されているRAM303、RAM313、RAM323をクリアすること等が含まれる。
復帰処理(S605参照)が終了した後、またはサブ基板の設定(S608参照)が終了した後、遊技制御部200は、遊技制御に用いられる各種のカウンタおよびタイマーを設定する(S609)。そして、遊技制御部200は、割り込み許可(S610)、割り込み禁止(S611)、図柄乱数制御処理(S612)、初期値乱数更新処理(S613)、電源遮断フラグがONとなっているか否かの判断(S614)をループ処理として繰り返し実行する。
ここで、割り込み許可(S610)および割り込み禁止(S611)は、このループ処理(S610〜S614)の実行中に割り込み処理の実行を可能とするために設けられている。本実施の形態では、この割り込み処理により、遊技制御における主制御処理が実行される。主制御処理の詳細については後述する。
図柄乱数制御処理(S612)において、遊技制御部200は、特別図柄抽選で用いられる変動パターン乱数の更新を行う。
初期値乱数更新処理(S613)において、遊技制御部200は、遊技制御において用いられる各種の乱数値の初期値を更新する。
電源遮断フラグの判断において、電源遮断フラグがOFFである場合(S614でNo)、パチンコ遊技機100の電源は遮断されず、遊技制御部200は、ループ処理(S610〜S614)と共に割り込みによる主制御処理を繰り返し実行する。一方、電源遮断フラグがONである場合(S614でYes)、遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源を遮断するための処理(電源遮断時処理)を開始する。
図8は、遊技制御部200による電源遮断時処理の動作を示すフローチャートである。
電源遮断時処理において、遊技制御部200は、まず、各種の出力を行うための出力ポートの設定をクリアする(S701)。次に、遊技制御部200は、チェックサムを作成し、RAM203に格納する(S702)。次に、遊技制御部200は、バックアップフラグをONにし(S703)、RAM203へのアクセスを禁止して(S704)、無限ループに移行する。
(電源基板40)
次に、電源基板40について説明する。
図9は、電源基板40における電子回路の構成を示す図である。
電源基板40は、外部電源の一例としての商用電源Pから供給され変圧器Tに変換されたAC24Vの電力を受給する。また、電源基板40は、受給した電力から、予め定められた電圧を作成する。予め定められた電圧としては、例えば、DC36V、DC12V、DC5V等が挙げられる。そして、電源基板40は、作成した電圧の電力を、遊技制御基板200B、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、払出制御基板330B、枠制御基板360Bへ供給する。
電源基板40には、電子回路において後述する複数の電子部品が設けられており、この複数の電子部品により、電力を作成する機能や作成した電力を各種基板へ供給する機能が実現される。電源基板40における複数の電子部品は、互いに、導電性の配線パターン(電路)により電気的に接続されている。
電源基板40には、交流回路41と、整流回路43と、直流回路50とが設けられている。
交流回路41は、交流電圧が供給される回路である。交流回路41には、AC24Vが供給される。
整流回路43は、交流回路41を経た交流電圧を直流電圧に変換する回路である。整流回路43は、AC24VをDC24Vに変換する。
直流回路50は、整流回路43を経た直流電圧が供給される回路である。直流回路50には、力率改善(PFC:Power Factor Correction)回路44と、電力作成回路48と、バックアップ回路49とが設けられている。
PFC回路44は、電力の力率を改善する回路である。PFC回路44は、電力の力率を改善することに伴い、整流回路43を経た直流電圧を、DC36Vに昇圧する。
電力作成回路48は、PFC回路44を経たDC36Vを用いて、DC12VおよびDC5Vを作成する回路である。
バックアップ回路49は、パチンコ遊技機100に用いられるバックアップとしての電力を作成する回路である。
(交流回路41)
図10は、電源基板40における交流回路41の構成を示す図である。
なお、以下では、電源基板40における各電子部品に設けられている端子のうち、電圧が入力される側の端子を「入力端子」と称し、電圧を出力する側の端子を「出力端子」と称することがある。
交流回路41には、交流接続コネクタ411と、電源スイッチ412と、入力側ヒューズ413と、双方向型サージ吸収素子414と、コネクタ側ヒューズ415と、CR接続コネクタ416とが設けられている。また、交流回路41には、ノイズフィルタ回路42が設けられている。
交流電圧入力部の一例としての交流接続コネクタ411は、変圧器Tに変換されたAC24Vが供給される電線と、交流回路41とを接続するコネクタである。AC24Vは、交流接続コネクタ411を介して、交流回路41に入力される。
電源スイッチ412は、一方側入力端子412aと、他方側入力端子412bと、一方側出力端子412cと、他方側出力端子412dとを有する。一方側入力端子412aには、交流接続コネクタ411を介して入力されたAC24Vのうちの一方側が入力される。他方側入力端子412bには、AC24Vのうちの他方側(一方側入力端子412aに入力されない側)が入力される。以下では、AC24Vのうちの一方側入力端子412aに入力される電圧をAC24Vaと称し、AC24Vのうちの他方側入力端子412bに入力される電圧をAC24Vbと称することがある。一方側出力端子412cは、AC24Vaを出力する。また、他方側出力端子412dは、AC24Vbを出力する。
電源スイッチ412は、一方側入力端子412aと一方側出力端子412c、および他方側入力端子412bと他方側出力端子412dとについて、電気的に接続されている状態および電気的に接続されていない状態の何れか一方に切り替える。パチンコ遊技機100が設けられているホールの店員が電源スイッチ412をONにすると、一方側入力端子412aと一方側出力端子412c、および他方側入力端子412bと他方側出力端子412dとが、電気的に接続される。この場合、電源基板40における各種の回路に電力が供給され、また、電源基板40から、各種の基板に電力が供給される。また、店員が電源スイッチ412をOFFにすると、一方側入力端子412aと一方側出力端子412c、および他方側入力端子412bと他方側出力端子412dとが、電気的に非接続になる。この場合、電源基板40への電力の供給が遮断される、これにより、パチンコ遊技機100の電源が遮断される。
保護素子の一例としての入力側ヒューズ413は、入力端子が電源スイッチ412の一方側出力端子412cと電気的に接続されている。また、入力側ヒューズ413は、交流回路41において、ノイズフィルタ回路42よりもAC24Vの入力側に設けられている。
入力側ヒューズ413は、電源スイッチ412を介して交流回路41に供給されたAC24Vを下流側へ供給する。また、入力側ヒューズ413の定格値よりも大きい電流が入力側ヒューズ413に流れると、入力側ヒューズ413が溶断する。これにより、定格値よりも大きい電流が、入力側ヒューズ413よりも下流側に流れることが防止される。定格値は、例えば、店員が、商用電源Pとパチンコ遊技機100とを変圧器Tを介さずに接続することで、AC100Vが入力側ヒューズ413に入力された場合に、入力側ヒューズ413が溶断するように定められる。
双方向型サージ吸収素子414は、双方向型サージ吸収素子414の定格値よりも高い電圧が双方向型サージ吸収素子414よりも出力側に出力されることを抑制する素子である。双方向型サージ吸収素子414は、一端が入力側ヒューズ413の出力端子と電気的に接続され、他端が電源スイッチ412の他方側出力端子412dと電気的に接続される。
双方向型サージ吸収素子414は、定格値よりも高い電圧が入力された場合に短絡する。双方向型サージ吸収素子414が短絡すると、交流接続コネクタ411と、電源スイッチ412と、入力側ヒューズ413と、短絡した双方向型サージ吸収素子414とで形成された回路C1に大電流が流れる。回路C1に大電流が流れると、入力側ヒューズ413が溶断し、回路C1が開かれる。これにより、回路C1よりも下流側に電圧が入力されることが防止される。
双方向型サージ吸収素子414としては、例えば、半導体型のサージアブソーバや、放電管型のサージアブソーバ等が挙げられる。また、双方向型サージ吸収素子414としては、定格値よりも高い電圧の電流が一端および他端の何れから入力された場合であっても短絡する双方向型のものが用いられる。また、本実施形態では、サージ電圧やAC100Vが双方向型サージ吸収素子414に入力された場合に短絡するように定格値が定められた双方向型サージ吸収素子414が用いられる。
ノイズフィルタ回路42は、交流回路41に供給されたAC24Vに含まれるノイズを除去する回路である。ノイズフィルタ回路42には、入力側コンデンサ421と、一方側バリスタ422と、他方側バリスタ423と、フレームグランド(FG:Frame Ground)側サージ吸収素子424と、FG接続コネクタ425と、抵抗側サージ吸収素子426と、抵抗器427と、チョークコイル428と、出力側コンデンサ429とが設けられている。
入力側コンデンサ421は、AC24Vに含まれるノーマルモードノイズを除去する。入力側コンデンサ421は、一端が入力側ヒューズ413の出力端子と電気的に接続され、他端が電源スイッチ412の他方側出力端子412dと電気的に接続されている。また、入力側コンデンサ421は、交流回路41において、出力側コンデンサ429よりも電圧の入力側に設けられている。また、入力側コンデンサ421は、双方向型サージ吸収素子414と並列に接続されている。
入力側コンデンサ421は、特定の周波数成分を入力させることで、この特定の周波数成分がAC24Vの出力側へ出力されることを抑制する。特定の周波数としては、ノイズとして定められた周波数が挙げられる。入力側コンデンサ421としては、例えば、セラミックコンデンサやフィルムコンデンサ等が挙げられる。
保護素子の一例としての一方側バリスタ422は、AC24Vに含まれるコモンモードノイズを除去する。一方側バリスタ422は、一端が入力側ヒューズ413の出力端子と電気的に接続され、他端がFG側サージ吸収素子424と電気的に接続されている。
保護素子の一例としての他方側バリスタ423は、AC24Vに含まれるコモンモードノイズを除去する。他方側バリスタ423は、一端が電源スイッチ412の他方側出力端子412dと電気的に接続され、他端がFG側サージ吸収素子424と電気的に接続されている。
一方側バリスタ422および他方側バリスタ423は、定格値よりも高い電圧が供給されると、電気抵抗が低下する。この場合、定格値よりも高い電圧は、一方側バリスタ422および他方側バリスタ423を介して、FG側サージ吸収素子424が設けられている側に供給されやすくなる。言い換えると、定格値よりも高い電圧は、抵抗側サージ吸収素子426が設けられている側や、チョークコイル428が設けられている側に供給されにくくなる。本実施形態では、電源基板40に設けられている電子部品を保護できるように定格値が定められた一方側バリスタ422および他方側バリスタ423が用いられる。
FG側サージ吸収素子424は、AC24Vに含まれるノイズを除去する。FG側サージ吸収素子424は、一端が一方側バリスタ422および他方側バリスタ423と電気的に接続され、他端がFG接続コネクタ425と電気的に接続されている。また、FG側サージ吸収素子424は、抵抗側サージ吸収素子426よりもFG接続コネクタ425側に設けられている。
FG側サージ吸収素子424は、定格値よりも高い電圧が供給されると、電気抵抗が低下する。この場合、定格値よりも高い電圧は、FG側サージ吸収素子424を介して、FG接続コネクタ425に供給されやすくなる。本実施形態では、電源基板40に設けられている電子部品を保護できるように定格値が定められたFG側サージ吸収素子424が用いられる。
FG接続コネクタ425は、交流回路41と、FGとしてのパチンコ遊技機100の筐体とを接続するコネクタである。パチンコ遊技機100のFGは、パチンコ遊技機100が設けられている店舗にて接地される。そのため、FG側サージ吸収素子424を介してFG接続コネクタ425に入力されたノイズは、FGへ誘導された後に、除去される。
抵抗側サージ吸収素子426は、AC24Vに含まれるノイズを除去する。抵抗側サージ吸収素子426は、一端が入力側ヒューズ413の出力端子と電気的に接続され、他端が抵抗器427と電気的に接続されている。
抵抗側サージ吸収素子426は、定格値よりも高い電圧が供給されると、電気抵抗が低下する。この場合、定格値よりも高い電圧は、抵抗側サージ吸収素子426を介して、抵抗器427に供給されやすくなる。言い換えると、定格値よりも高い電圧の電流は、チョークコイル428が設けられている側に供給されにくくなる。本実施形態では、電源基板40に設けられている電子部品を保護できるように定格値が定められた抵抗側サージ吸収素子426が用いられる。
コイルの一例としての抵抗器427は、所定の抵抗値を有する。抵抗器427が有する抵抗値に応じて、抵抗器427への電圧の供給が制限される。抵抗器427は、一端が抵抗側サージ吸収素子426と電気的に接続され、他端が接地されている。
チョークコイル428は、AC24Vに含まれるコモンモードノイズを除去する。チョークコイル428は、一方側入力端子428aと、他方側入力端子428bと、一方側出力端子428cと、他方側出力端子428dとを有する。一方側入力端子428aには、入力側ヒューズ413の出力端子が電気的に接続されている。また、他方側入力端子428bには、電源スイッチ412の他方側出力端子412dが電気的に接続されている。チョークコイル428において、一方側入力端子428aにはAC24Vaが入力され、他方側入力端子428bにはAC24Vbが入力される。また、チョークコイル428において、一方側出力端子428cはAC24Vaを出力し、他方側出力端子428dはAC24Vbを出力する。
チョークコイル428は、一方側入力端子428aと他方側入力端子428bとにコモンモードのノイズが入力された場合に、このノイズを打ち消す起電力を発生することで、ノイズを減衰する。
出力側コンデンサ429は、AC24Vに含まれるノイズを除去する。出力側コンデンサ429は、一端がチョークコイル428の一方側出力端子428cと電気的に接続され、他端がチョークコイル428の他方側出力端子428dと電気的に接続されている。また、出力側コンデンサ429は、交流回路41において、入力側コンデンサ421よりもAC24Vの出力側に設けられている。
入力側コンデンサ421は、特定の周波数からなる電圧を入力させることで、この電圧が交流回路41におけるAC24Vの出力側へ供給されることを抑制する。特定の周波数としては、ノイズとして定められた周波数が挙げられる。出力側コンデンサ429としては、例えば、セラミックコンデンサやフィルムコンデンサ等が挙げられる。
コネクタ側ヒューズ415は、入力端子が入力側ヒューズ413の出力端子と電気的に接続され、出力端子がCR接続コネクタ416と電気的に接続されている。また、コネクタ側ヒューズ415は、入力側ヒューズ413よりもCR接続コネクタ416側に設けられている。
コネクタ側ヒューズ415は、入力されたAC24Vを、CR接続コネクタ416側へ供給する。また、コネクタ側ヒューズ415の定格値よりも大きい電流がコネクタ側ヒューズ415に流れると、コネクタ側ヒューズ415が溶断する。これにより、コネクタ側ヒューズ415の定格値よりも大きい電流がCR接続コネクタ416に流れることが防止される。
CR接続コネクタ416は、交流回路41と、CRユニット(不図示)とを接続するコネクタである。電源スイッチ412、入力側ヒューズ413、双方向型サージ吸収素子414、入力側コンデンサ421、一方側バリスタ422、他方側バリスタ423、およびコネクタ側ヒューズ415を介してCR接続コネクタ416に入力されたAC24Vの電流は、CRユニットに供給される。
また、交流回路41に入力されたAC24Vは、双方向型サージ吸収素子414、入力側コンデンサ421、一方側バリスタ422、他方側バリスタ423、抵抗側サージ吸収素子426、チョークコイル428、出力側コンデンサ429によりノイズが低減される。ノイズが低減されたAC24Vの電流は、整流回路43に入力される。
以上の通り、本実施形態では、交流回路41は、交流電圧が供給される電路に接続され、所定電圧よりも高い電圧が印加された場合に交流回路41を短絡させる双方向型サージ吸収素子414と、商用電源Pと双方向型サージ吸収素子414との間の電路に接続され、所定電流よりも大きい電流から電子部品を保護する入力側ヒューズ413とを有する。
この場合、電源基板40に対して所定電圧よりも高い電圧が供給されると、双方向型サージ吸収素子414が短絡し、回路C1に大電流が流れる。また、回路C1に大電流が流れると、入力側ヒューズ413が溶断して回路C1が開かれ、回路C1よりも下流側に電圧が供給されることが防止される。そのため、電源基板40において回路C1よりも電圧の出力側に設けられる電子部品の不具合を抑制することができる。
なお、本実施形態では、入力側ヒューズ413が電源基板40に設けられていることを説明したが、これに限定されない。
入力側ヒューズ413は、例えば、電源基板40よりもAC24Vの入力側に設けられてもよい。すなわち、入力側ヒューズ413は、双方向型サージ吸収素子414よりもAC24Vの入力側に設けられれば、電源基板40とは異なる部分に設けられてもよい。
また、本実施形態では、入力側コンデンサ421、抵抗器427、チョークコイル428、および出力側コンデンサ429は、商用電源Pと双方向型サージ吸収素子414との間の電路に接続されず、双方向型サージ吸収素子414と整流回路43との間の電路に接続される。
電源基板40に対して所定電圧よりも高い電圧が供給されると、この電圧が回路C1よりも出力側へ供給される前に、回路C1が開かれる。そのため、電源基板40に対して大電流が入力された場合であっても、入力側コンデンサ421、抵抗器427、チョークコイル428、出力側コンデンサ429等の不具合を抑制することができる。
また、本実施形態では、交流回路41は、交流回路41に設けられる電子部品を保護する保護手段を有する。ここで、保護手段は、例えば、入力側ヒューズ413や双方向型サージ吸収素子414等である。そして、交流接続コネクタ411は、商用電源Pと保護手段との間の電路に接続される。
この場合、交流接続コネクタ411を経て入力された交流電圧は、入力側ヒューズ413や双方向型サージ吸収素子414に供給される。そのため、商用電源Pと交流接続コネクタ411との間の電路に入力側ヒューズ413や双方向型サージ吸収素子414が接続される場合に比べて、入力側ヒューズ413や双方向型サージ吸収素子414よりも整流回路43側に設けられる電子部品の不具合を抑制できる。
また、本実施形態では、一方側バリスタ422や他方側バリスタ423とチョークコイル428との間の電路には、他の電子部品が接続されていない。
この場合、交流回路41におけるコモンモードノイズが除去される。言い換えると、コモンモードノイズに主として含まれる放射ノイズを除去することができる。そのため、放射ノイズに起因して電源基板40の電子部品に不具合が発生することを抑制できる。
また、本実施形態では、一方側バリスタ422や他方側バリスタ423と入力側コンデンサ421との間の電路には、他の電子部品が接続されていない。
この場合、入力側コンデンサ421により、特定の周波数からなるノイズを除去することができる。また、一方側バリスタ422や他方側バリスタ423により、所定電圧よりも高い電圧の電流に含まれるノイズを除去することができる。すなわち、入力側コンデンサ421、および、一方側バリスタ422や他方側バリスタ423を用いて、それぞれ異なる種類のノイズを除去することができる。そのため各種のノイズに起因して電源基板40の電子部品に不具合が発生することを抑制できる。
特に本実施形態では、入力側コンデンサ421として、セラミックコンデンサまたはフィルムコンデンサが用いられる。そのため、入力側コンデンサ421として電解コンデンサが用いられる場合に比べて、特定の周波数からなるノイズを除去しやすくなる。
また、一方側バリスタ422、他方側バリスタ423、および抵抗側サージ吸収素子426は、定格値よりも高い電圧に含まれるノイズを除去するため、主に静電気ノイズを除去する。言い換えると、一方側バリスタ422、他方側バリスタ423、および抵抗側サージ吸収素子426は放射ノイズよりも、静電気ノイズの方が除去しやすい。一方、入力側コンデンサ421、チョークコイル428、および出力側コンデンサ429は、静電気ノイズおよび放射ノイズを何れも除去する。
(整流回路43)
図11は、電源基板40における整流回路43およびPFC回路44の構成を示す図である。
整流回路43は、全波整流回路である。本実施形態の整流回路43には、全波整流回路として、単相ブリッジ整流回路が用いられている。
整流回路43には、四つのダイオードが設けられている。以下では、整流回路43の一方の入力端子43aに接続されている二つのダイオードのうちの、図中右側のダイオードを第1ダイオード431と称し、図中左側のダイオードを第2ダイオード432と称することがある。また、整流回路43の他方の入力端子43bに接続されている二つのダイオードのうちの、図中右側のダイオードを第3ダイオード433と称し、図中左側のダイオードを第4ダイオード434と称することがある。
整流回路43の一方の入力端子43aは、第1ダイオード431のアノードと、第2ダイオード432のカソードとに電気的に接続されている。また、整流回路43の他方の入力端子43bは、第3ダイオード433のアノードと、第4ダイオード434のカソードとに電気的に接続されている。また、整流回路43の一方の入力端子43aにはAC24Vaが供給され、他方の入力端子43bにはAC24Vbが供給される。
交流回路41を経た交流電圧は、整流回路43で直流電圧に変換される。これにより、整流回路43から、DC24Vが出力される。
なお、整流回路43として用いられる整流素子は、ダイオードに限定されない。
例えば、整流回路43には、トランジスタが整流素子として用いられてもよい。この場合に、整流回路43として、FET(Field effect transistor)ブリッジ回路が用いられてもよい。
また、電源基板40には、整流側コンデンサ435が設けられている。整流側コンデンサ435は、PFC回路44よりも整流回路43側に設けられている。整流側コンデンサ435は、整流回路43から出力された脈流を平滑化する。整流側コンデンサ435は、一端が整流回路43の一方の出力端子43cと電気的に接続され、他端が接地されている。整流側コンデンサ435としては、例えば、セラミックコンデンサ、フィルムコンデンサ等が挙げられる。
(PFC回路44)
PFC回路44には、昇圧回路45と、入力検出回路46と、出力検出回路47と、電流検出部441と、第1平滑化コンデンサ442と、第2平滑化コンデンサ443とが設けられている。
昇圧回路45は、整流回路43から出力された電力における力率の改善に伴い、この電力における電圧を昇圧する。昇圧回路45には、インダクタ451と、ダイオード452と、トランジスタ453と、回路制御部454とが設けられている。
入力検出回路46は、PFC回路44に入力された直流電圧を検出する。入力検出回路46には、第1抵抗461と、第2抵抗462とが設けられている。第1抵抗461および第2抵抗462は、直列に接続されている。
第1抵抗461は、一端が整流回路43の一方の出力端子43cと電気的に接続され、他端が第2抵抗462と電気的に接続されている。
第2抵抗462は、一端が第1抵抗461と電気的に接続され、他端が接地されている。
また、入力検出回路46のうちの第1抵抗461と第2抵抗462との間の部分は、回路制御部454と電気的に接続されている。PFC回路44に入力された直流電圧は、第1抵抗461および第2抵抗462により分圧され、分圧された電圧の値である入力分圧値V1が回路制御部454に入力される。
出力検出回路47は、昇圧回路45にて昇圧された電圧を検出する。出力検出回路47は、第3抵抗471と、第4抵抗472とが設けられている。第3抵抗471および第4抵抗472は、直列に接続されている。
第3抵抗471は、一端がダイオード452のカソードと電気的に接続され、他端が第4抵抗472と電気的に接続されている。
第4抵抗472は、一端が第3抵抗471と電気的に接続され、他端が接地されている。
また、出力検出回路47のうちの第3抵抗471と第4抵抗472との間の部分は、回路制御部454と電気的に接続されている。昇圧回路45にて昇圧された直流の電圧は、第3抵抗471および第4抵抗472により分圧され、分圧された電圧の値である出力分圧値V2が回路制御部454に入力される。
電流検出部441は、一端が整流回路43の他方の出力端子43dと電気的に接続され、他端が回路制御部454と電気的に接続されている。電流検出部441は、整流回路43から出力された電流の値である電流値I1を検出する抵抗器である。電流検出部441に検出された電流値I1は、回路制御部454に入力される。
コイルの一例としてのインダクタ451は、一端が整流回路43の一方の出力端子43cと電気的に接続され、他端がダイオード452のアノードと電気的に接続されている。インダクタ451およびダイオード452は、直列に接続されている。
トランジスタ453は、MOSFETなどのスイッチである。トランジスタ453は、ゲートが回路制御部454に接続され、ドレインがインダクタ451とダイオード452との間の部分に接続され、ソースが接地されている。
回路制御部454は、PFC回路44における電力を制御する集積回路(IC:Integrated Circuit)である。回路制御部454は、入力分圧値V1、出力分圧値V2、および電流値I1を取得すると、取得したこれらのパラメータに基づき、電力の力率を改善する。より具体的には、回路制御部454は、入力分圧値V1および出力分圧値V2に基づき、電圧の基準値Vsを設定する。そして、電流検出部441における電圧値が基準値Vsになるように、トランジスタ453のONおよびOFFを切り替えながら制御することで、電流検出部441における電流を正弦波に近づけるようにする。電流検出部441における電圧値は、電流値I1および電流検出部441の抵抗値から算出される。
回路制御部454によるトランジスタ453の制御において、トランジスタ453がONになると、PFC回路44に入力されたDC24Vがインダクタ451に蓄えられる。そして、トランジスタ453がOFFになると、PFC回路44に入力された電圧に加えて、インダクタ451に蓄えられた電圧が、下流側に出力される。これにより、DC36Vに昇圧された電圧が、昇圧回路45から出力される。
また、回路制御部454は、PFC回路44が動作していないときに入力検出回路46から取得した入力分圧値V1が予め定められた上限値以上になると、PFC回路44を動作させる。また、回路制御部454は、PFC回路44が動作しているときに入力検出回路46から取得した入力分圧値V1が予め定められた下限値以下になると、PFC回路44を停止させるとともに、上述した電源遮断フラグ(図7のS614参照)をONにする。そのため、回路制御部454および入力検出回路46は、パチンコ遊技機100における停電を監視する停電監視回路として捉えられる。
また、回路制御部454は、PFC回路44が動作しているときに出力検出回路47から取得した出力分圧値V2が予め定められた下限値以下になると、PFC回路44を停止させる。そのため、回路制御部454および出力検出回路47は、停電監視回路として捉えられる。
なお、停電監視回路は、上述した例に限定されない。停電監視回路は、例えば、交流回路41に設けられてもよい。
第1平滑化コンデンサ442および第2平滑化コンデンサ443は、並列に接続されている。第1平滑化コンデンサ442および第2平滑化コンデンサ443は、一端がダイオード452のカソードと電気的に接続され、他端が接地されている。第1平滑化コンデンサ442および第2平滑化コンデンサ443は、昇圧回路45から出力された電力の充放電を行う。また、第1平滑化コンデンサ442および第2平滑化コンデンサ443は、昇圧回路45から出力された脈流を平滑化する。第1平滑化コンデンサ442の容量および第2平滑化コンデンサ443の容量は、入力側コンデンサ421の容量、出力側コンデンサ429の容量、および整流側コンデンサ435の容量の何れよりも大きい。より具体的には、第1平滑化コンデンサ442および第2平滑化コンデンサ443は、電源基板40に設けられているコンデンサのうちの最も容量が大きいコンデンサである。第1平滑化コンデンサ442および第2平滑化コンデンサ443としては、例えば、電解コンデンサが挙げられる。
また、電源基板40には、第1コネクタ側ヒューズ445と、第1基板接続コネクタ446と、第2コネクタ側ヒューズ447と、第2基板接続コネクタ448と、第3基板接続コネクタ449とが設けられている。
第1コネクタ側ヒューズ445は、入力端子がダイオード452のカソードと電気的に接続され、出力端子が第1基板接続コネクタ446と電気的に接続されている。また、第1コネクタ側ヒューズ445は、第2コネクタ側ヒューズ447よりも、第1基板接続コネクタ446側に設けられている。第1コネクタ側ヒューズ445は、PFC回路44から出力されたDC36Vを第1基板接続コネクタ446へ供給する。また、第1コネクタ側ヒューズ445の定格値よりも大きい電流が第1コネクタ側ヒューズ445に流れると、第1コネクタ側ヒューズ445が溶断する。これにより、第1基板接続コネクタ446に大電流が流れることが防止される。
第1基板接続コネクタ446は、電源基板40と、遊技制御基板200B、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、払出制御基板330Bおよび枠制御基板360Bとを接続するコネクタである。第1基板接続コネクタ446に入力されたDC36Vは、遊技制御基板200B、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、払出制御基板330Bおよび枠制御基板360Bに供給される。
第2コネクタ側ヒューズ447は、第1コネクタ側ヒューズ445と並列して設けられている。第2コネクタ側ヒューズ447は、入力端子がダイオード452のカソードと電気的に接続され、出力端子が第2基板接続コネクタ448と第3基板接続コネクタ449とに電気的に接続されている。第2コネクタ側ヒューズ447は、PFC回路44から出力されたDC36Vを第2基板接続コネクタ448および第3基板接続コネクタ449へ出力する。また、第2コネクタ側ヒューズ447の定格値よりも大きい電流が第2コネクタ側ヒューズ447に流れると、第2コネクタ側ヒューズ447が溶断する。これにより、第2基板接続コネクタ448および第3基板接続コネクタ449に大電流が流れることが防止される。
第2基板接続コネクタ448は、電源基板40と、遊技制御基板200B、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、払出制御基板330Bおよび枠制御基板360Bとを接続するコネクタである。第2基板接続コネクタ448に入力されたDC36Vは、遊技制御基板200B、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、払出制御基板330Bおよび枠制御基板360Bに供給される。
第3基板接続コネクタ449は、電源基板40と、遊技制御基板200B、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、払出制御基板330Bおよび枠制御基板360Bとを接続するコネクタである。第3基板接続コネクタ449に入力されたDC36Vは、遊技制御基板200B、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、払出制御基板330Bおよび枠制御基板360Bに供給される。
なお、第1基板接続コネクタ446、第2基板接続コネクタ448および第3基板接続コネクタ449は、遊技制御基板200B、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、払出制御基板330Bおよび枠制御基板360Bの何れにも接続される構成でなくてもよい。第1基板接続コネクタ446、第2基板接続コネクタ448および第3基板接続コネクタ449の各々は、遊技制御基板200B、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、払出制御基板330Bおよび枠制御基板360Bのうち何れかに接続されなくてもよい。
以上の通り、本実施形態では、直流回路50は、直流電圧が供給される電路に接続されるインダクタ451と、インダクタ451を経た直流電圧が供給される電路に接続される第1平滑化コンデンサ442や第2平滑化コンデンサ443とを有する。
この場合、インダクタ451を経て流れる脈流を平滑化することができる。
また、本実施形態では、整流回路43を経た直流電圧が供給される電路に接続される第1平滑化コンデンサ442や第2平滑化コンデンサ443が設けられている。
この場合、整流回路43を経て流れる脈流を平滑化することができる。
また、本実施形態では、第1平滑化コンデンサ442や第2平滑化コンデンサ443として、電解コンデンサが用いられる。そのため、第1平滑化コンデンサ442や第2平滑化コンデンサ443としてセラミックコンデンサやフィルムコンデンサが用いられる場合に比べて、充電できる容量が多くなる。
また、本実施形態では、交流回路41および直流回路50に、それぞれコンデンサが設けられている。
この場合、交流回路41に設けられた入力側コンデンサ421や出力側コンデンサ429にはノイズを除去させることができる。また、直流回路50に設けられた整流側コンデンサ435、第1平滑化コンデンサ442、および第2平滑化コンデンサ443は、脈流を平滑化させることができる。すなわち、各コンデンサに、コンデンサが設けられている回路に応じた機能を発揮させることができる。
また、本実施形態では、交流回路41に設けられているチョークコイル428は、ノイズを除去する。また、直流回路50に設けられているインダクタ451は、入力された直流を蓄える。すなわち、交流回路41に設けられているコイルと、直流回路50に設けられているコイルとでは、特性が異なっている。
また、本実施形態では、大電流が流れることにより電源基板40の電子部品に不具合が生じることを抑制するために、交流回路41に入力側ヒューズ413が設けられている。また、過電圧が入力されることにより電源基板40の電子部品に不具合が生じることを抑制するために、交流回路41に一方側バリスタ422や他方側バリスタ423が設けられている。さらに、直流回路50に交流が流れることにより電子部品に不具合が生じることを抑制するために、整流側コンデンサ435、第1平滑化コンデンサ442、第2平滑化コンデンサ443等が設けられている。すなわち、電子部品の不具合を抑制する抑制手段が、複数種類設けられている。
この場合、電子部品に不具合が生じる原因としての複数種類の原因の各々に対応することができる。
また、パチンコ遊技機100において、電源プラグ158から、ノイズフィルタ回路42が設けられている電路(配線パターン)までの距離を、距離Aとする。また、ノイズフィルタ回路42が設けられている電路から整流回路43が設けられている電路までの距離を、距離Bとする。さらに、整流回路43が設けられている電路から第1基板接続コネクタ446が設けられている電路までの距離を、距離Cとする。この場合、本実施形態では、距離A>距離C>距離Bの関係が成立する。
この場合、距離Bが距離Aよりも長い場合に比べて、ノイズフィルタ回路42から整流回路43までの間にノイズが生じることを抑制できる。
なお、距離Aの一端の基準は、ノイズフィルタ回路42が設けられている電路における特定の位置であってもよい。例えば、距離Aは、電源プラグ158からチョークコイル428が設けられている電路までの距離であってもよい。また、距離Bおよび距離Cの一端の基準は、整流回路43が設けられている電路ではなく、PFC回路44が設けられている電路であってもよい。また、距離Bおよび距離Cの一端の基準は、例えば、整流回路43が設けられている電路とPFC回路44が設けられている電路との間の電路の位置であってもよい。
(電力作成回路48)
図12は、電源基板40における電力作成回路48およびバックアップ回路49の構成を示す図である。
電力作成回路48には、12V作成回路481と、5V作成回路482とが設けられている。12V作成回路481および5V作成回路482は、並列に設けられている。
12V作成回路481は、12Vからなる電力を作成する。12V作成回路481には、インダクタ4811と、12V制御部4812と、第1コンデンサ4813と、第2コンデンサ4814とが設けられている。
インダクタ4811は、一端が12V制御部4812と電気的に接続され、他端が第1基板接続コネクタ446、第2基板接続コネクタ448および第3基板接続コネクタ449と電気的に接続されている。
12V制御部4812は、12Vの電力を作成するICである。12V制御部4812には、不図示のトランジスタおよびダイオードが設けられている。12V制御部4812がトランジスタをONにすると、PFC回路44(図11参照)から入力された電力がインダクタ4811に蓄えられる。そして、12V制御部4812がトランジスタをOFFにすると、インダクタ4811への電力の供給が止まり、インダクタ4811に蓄えられていた電力が、インダクタ4811よりも電力の出力側へ出力される。このようにして、12V制御部4812がトランジスタのONおよびOFFを切り替えながら制御することにより、インダクタ4811よりも電力の出力側へDC12Vが出力される。
第1コンデンサ4813および第2コンデンサ4814は、並列に設けられている。第1コンデンサ4813および第2コンデンサ4814は、一端がインダクタ4811と電気的に接続され、他端が接地されている。第1コンデンサ4813および第2コンデンサ4814は、インダクタ4811から出力された電力の充放電を行う。また、第1コンデンサ4813および第2コンデンサ4814は、インダクタ4811から出力された脈流を平滑化する。第1コンデンサ4813の容量および第2コンデンサ4814の容量は、入力側コンデンサ421の容量、出力側コンデンサ429の容量、および整流側コンデンサ435の容量の何れよりも大きい。第1コンデンサ4813および第2コンデンサ4814としては、例えば、電解コンデンサが挙げられる。
5V作成回路482は、5Vの電力を作成するICである。5V作成回路482には、インダクタ4821と、5V制御部4822と、コンデンサ4823とが設けられている。
インダクタ4821は、一端が5V制御部4822と電気的に接続され、他端が第3基板接続コネクタ449と電気的に接続されている。
5V制御部4822は、5Vの電力を作成する。5V制御部4822には、不図示のトランジスタおよびダイオードが設けられている。5V制御部4822がトランジスタをONにすると、PFC回路44(図11参照)から入力された電力がインダクタ4821に蓄えられる。そして、5V制御部4822がトランジスタをOFFにすると、インダクタ4821への電力の供給が止まり、インダクタ4821に蓄えられていた電力が、インダクタ4821よりも電力の出力側へ出力される。このようにして、5V制御部4822がトランジスタのONおよびOFFを切り替えながら制御することにより、インダクタ4821よりも電力の出力側へDC5Vが出力される。
コンデンサ4823は、一端がインダクタ4821と電気的に接続され、他端が接地されている。コンデンサ4823は、インダクタ4821から出力された電力の充放電を行う。また、コンデンサ4823は、インダクタ4821から出力された脈流を平滑化する。
コンデンサ4823の容量は、入力側コンデンサ421の容量、出力側コンデンサ429の容量、および整流側コンデンサ435の容量の何れよりも大きい。コンデンサ4823としては、例えば、電解コンデンサが挙げられる。
(バックアップ回路49)
バックアップ回路49には、ダイオード491と、バックアップコンデンサ492とが設けられている。
ダイオード491は、アノードが5V作成回路482のインダクタ4821と電気的に接続され、カソードが第3基板接続コネクタ449と電気的に接続されている。
バックアップコンデンサ492は、一端がダイオード491のカソードと電気的に接続され、他端が接地されている。バックアップコンデンサ492の容量は、入力側コンデンサ421の容量、出力側コンデンサ429の容量、および整流側コンデンサ435の容量の何れよりも大きい。バックアップコンデンサ492としては、例えば、電解コンデンサが挙げられる。
パチンコ遊技機100の電源が投入されているとき、5V作成回路482から出力されたDC5Vの電力は、バックアップコンデンサ492に充電される。そして、パチンコ遊技機100の電源が遮断されると、バックアップコンデンサ492が放電を開始する。これにより、パチンコ遊技機100の電源が遮断されている状態であっても、バックアップコンデンサ492に蓄えられていた電力が第3基板接続コネクタ449を介して遊技制御基板200Bに供給され、遊技制御基板200BのRAM203に各種の情報が保持される。また、バックアップコンデンサ492に蓄えられていた電力が第3基板接続コネクタ449を介して払出制御基板330Bに供給され、払出制御基板330BのRAM333に各種の情報が保持される。
以上の通り、本実施形態では、交流回路41には、双方向型サージ吸収素子414、FG側サージ吸収素子424、抵抗側サージ吸収素子426等のサージ吸収素子が設けられている。一方、整流回路43および直流回路50には、サージ吸収素子が設けられない。
電源基板40の直流回路50に供給される電圧は、交流回路41におけるサージ吸収素子を経た電圧である。そのため、交流回路41にサージ吸収素子を設けることにより、直流回路50にサージ吸収素子を設けない場合であっても、直流回路50に過電圧が供給されることが抑制される。
また、本実施形態では、交流回路41には、入力側コンデンサ421および出力側コンデンサ429等のコンデンサが設けられている。一方、直流回路50には、整流側コンデンサ435、第1平滑化コンデンサ442、第2平滑化コンデンサ443、第1コンデンサ4813、第2コンデンサ4814、コンデンサ4823、バックアップコンデンサ492等のコンデンサが設けられている。すなわち、本実施形態では、直流回路50に設けられているICの各々を保護するためにコンデンサを設ける結果、交流回路41に設けられているコンデンサの数よりも、直流回路50に設けられているコンデンサの数の方が多くなっている。直流回路に設けられているコンデンサは、それぞれ、直流回路50に設けられている各ICの付近に設けられている。
また、本実施形態では、PFC回路44、12V作成回路481、および5V作成回路482に、それぞれ、コンデンサが設けられている。そのため、各電力の充放電が可能になる。
また、パチンコ遊技機100において、12V制御部4812から第3基板接続コネクタ449までの距離を、距離Dとする。また、5V制御部4822から第3基板接続コネクタ449までの距離を、距離Eとする。この場合に、本実施形態では、距離Dよりも距離Eの方が長くなっている。
なお、本実施形態では、電源基板40にPFC回路44が設けられていることを説明したが、これに限定されない。
電源基板40には、PFC回路44が設けられなくてもよい。この場合に、整流回路43において、交流が直流に整流されるとともに昇圧されてもよい。すなわち、整流回路43において、AC24VがDC36Vに変換されてもよい。
(変形例)
図13は、変形例としての電源基板40Aにおける電子回路の構成を示す図である。
図9乃至図12では、電源基板40における電子回路の構成について説明したが、電源基板40の電子回路は、上記の構成に限定されない。
以下では、図13および図14を参照しながら、変形例としての電源基板40Aにおける電子回路の構成を説明する。
電源基板40Aは、商用電源Pから供給され変圧器Tにより変換されたAC24Vを受給する。また、電源基板40Aは、受給した電圧から、予め定められた電圧を作成する。予め定められた電圧としては、例えば、DC36V、DC12V、DC5V等が挙げられる。そして、電源基板40Aは、作成した電力を、遊技制御基板200B、演出制御基板300B、画像制御基板310B、ランプ制御基板320B、払出制御基板330B、枠制御基板360Bへ供給する。
電源基板40Aには、交流回路41と、整流回路43と、PFC回路44と、電力作成回路48とが設けられている。一方で、電源基板40Aには、バックアップ回路49(図12参照)が設けられていない。この変形例においては、遊技制御基板200Bにバックアップ回路が設けられる。そのため、パチンコ遊技機100の電源が遮断されると、遊技制御基板200Bのバックアップ回路から、遊技制御基板200Bや払出制御基板330Bへ電力が供給される。
図14は、変形例としてのPFC回路44の構成を示す図である。
電源基板40AのPFC回路44には、昇圧回路45が設けられている。一方で、PFC回路44には、入力検出回路46(図11参照)および出力検出回路47が設けられていない。言い換えると、電源基板40Aには、停電監視回路が設けられていない。この変形例においては、遊技制御基板200Bに停電監視回路が設けられる。そのため、遊技制御基板200Bにおける電圧の変化から、パチンコ遊技機100の電源が遮断されたか否かが検知される。なお、払出制御基板330Bに停電監視回路が設けられてもよい。
続いて、電源基板ユニット4における電源基板40および電源基板ケース60の構造等について説明する。
図15は、本実施形態の電源基板ユニット4の全体斜視図である。
図15に示すように、電源基板ユニット4は、電源基板40と、電源基板40の少なくとも一部を覆うことで電源基板40を収容する電源基板ケース60とを有している。なお、電源基板40と電源基板ケース60とは、不図示の固定部によって互いに固定される。
そして、電源基板ユニット4は、電源基板40を構成する基板400の板面400L(後述の図16参照)が遊技盤110(図1参照)の盤面に沿うように、パチンコ遊技機100に設置される。また、電源基板ケース60は、箱状に形成されている。そして、電源基板ケース60は、電源基板40の前側に設けられ、電源基板40に実装されている各種の電子部品を覆う。
図16は、本実施形態の電源基板40を前側から見た場合の電源基板40の上面図である。
図16に示すように、本実施形態の電源基板40は、矩形状に形成された基板400を有している。そして、電源基板40の概形は、左右方向の長さが上下方向よりも長い矩形状になっている。そして、電源基板40は、基板400に、上述した交流回路41、整流回路43および直流回路50を構成する各種の部品が実装される。
本実施形態の電源基板40は、図16に示す電源基板40の左右方向がパチンコ遊技機100の左右方向(図2参照)に沿うように設置され、図16に示す電源基板40の上下方向がパチンコ遊技機100の上下方向(図2参照)に沿うように設置される。
電源基板40は、上述した形状を有し、上述した向きに設置されることで、電源基板40の長手方向が左右方向に沿うように設けられる。すなわち、電源基板40は、短手方向(短辺方向)が上下方向に沿うように設けられる。このように、電源基板40の短手方向が上下方向に沿うように設けられることで、電源基板40において上下方向に沿って並ぶ電子部品の数は、例えば電源基板40の長手方向が上下方向に沿うように設けた場合よりも少なくなる。
ここで、ある電子部品にて発生した熱は、伝熱のうち熱伝達に関しては、自然対流により、上下方向に沿って上側へと移動する。そして、本実施形態では、電源基板40において上下方向に沿って並ぶ電子部品の数を比較的少なくすることで、電子部品同士の熱の影響を小さくしている。
そして、図16に示すように、交流回路41は、概ね、電源基板40の左右方向における左側の領域に配置される。特に、交流接続コネクタ411、電源スイッチ412、CR接続コネクタ416およびFG接続コネクタ425は、電源基板40の左側の端部にて、上下方向に沿って並べて配置される。
また、整流回路43は、概ね、電源基板40の左右方向における左側の領域に配置され、交流回路41に対して右側に配置される。
さらに、直流回路50は、概ね、電源基板40の左右方向における右側の領域に配置される。特に、第1基板接続コネクタ446、第2基板接続コネクタ448および第3基板接続コネクタ449は、電源基板40の左右方向における右側であって上下方向における下側の端部に、左右方向に沿って並べて配置される。
本実施形態の整流回路43は、整流回路43を構成する電子部品がパッケージ化され、矩形状に形成されている。そして、整流回路43は、基板400の板面400Lに対して切り立つように、板面400Lに対する垂直方向に沿って設けられる。また、整流回路43は、面積が最も大きくなる2つの面がそれぞれ左右方向を向くように実装される。
さらに、整流回路43には、放熱部材43hsが設けられる。放熱部材43hsは、アルミニウムなどの熱伝導性が比較的高い材料によって構成されている。放熱部材43hsは、整流回路43を囲うように整流回路43に沿って設けられる。そして、放熱部材43hsは、整流回路43が発した熱を吸熱し、整流回路43外に放出する。
そして、本実施形態の整流回路43および放熱部材43hsは、電源基板40の上下方向に沿って延びて設けられることで、電源基板40にて生じる熱が上下方向の上側に抜け易くしている。例えば、整流回路43および放熱部材43hsを電源基板40において左右方向に沿って延びて設けた場合には、整流回路43および放熱部材43hsの下側に熱が滞留する可能性が高くなる。これに対して、本実施形態の電源基板40は、整流回路43および放熱部材43hsによる熱の滞留が抑制される。
また、本実施形態の回路制御部454は、整流回路43と同様にパッケージ化され、矩形状に形成されている。そして、回路制御部454は、整流回路43と同様に設置される。さらに、回路制御部454には、整流回路43と同様に、放熱部材454hsが設けられる。
さらに、本実施形態の電源基板40において、他の電子部品と比較して発熱量が大きい電子部品は、電源スイッチ412から遠ざけて配置されている。すなわち、本実施形態の電源基板40では、発熱量が比較的大きい電子部品と、電源スイッチ412との間に、他の電子部品を介在させている。この場合に、他の電子部品の高さは、基板400の板面400Lを基準とした場合に、電源スイッチ412よりも高いことが好ましい。
本実施形態の電源基板40において、発熱量が最も大きい電子部品は、PFC回路44における回路制御部454である。そこで、本実施形態の電源基板40では、回路制御部454と電源スイッチ412との間に、入力側コンデンサ421、整流側コンデンサ435およびチョークコイル428を配置している。
なお、本実施形態の回路制御部454には、放熱部材454hsが設けられる。従って、電源基板40において、放熱部材454hsと電源スイッチ412との間に、他の電子部品を介在させると捉えることができる。この場合においても、他の電子部品の高さは、板面400Lを基準とした場合に、電源スイッチ412よりも高いことが好ましい。
また、本実施形態の電源基板40では、コンデンサとコイルとの間に、放熱部材が設けられるようにしている。コンデンサやコイルは、電流が流れることによって内部の抵抗成分により発熱が生じる。そこで、本実施形態の電源基板40では、コンデンサとコイルとの間に放熱部材が介在するように配置することで、コンデンサやコイルにて発生した熱が放熱部材によって吸熱されるようにしている。本実施形態の電源基板40では、例えば、整流側コンデンサ435とチョークコイル428との間に放熱部材43hsを配置している。
また、本実施形態の電源基板40に設けられる複数の電子部品の中には、前側部品情報400jを有するものがある。前側部品情報400jは、電子部品における前側を向く面に設けられ、型番やスペックなど電子部品に関わる情報を示す。そして、前側部品情報400jは、電源基板40を前側から見た場合に、最も視認し易くなっている。また、本実施形態の前側部品情報400jは、白色の文字(以下、数字や記号も含む)によって構成されている。
図16に示すように、本実施形態の第1平滑化コンデンサ442と第2平滑化コンデンサ443とは、前側を向く面に、それぞれ前側部品情報400j(例えば、「KLM 10000μF 50V」)をそれぞれ有している。また、本実施形態のコンデンサ4823は、前側を向く面に、前側部品情報400j(例えば、「680μF 25V」)を有している。また、本実施形態の入力側コンデンサ421は、前側を向く面に、前側部品情報400j(例えば、「HT DDT29」)を有している。
さらに、各々の電子部品の前側部品情報400jとしての文字の大きさは、第1平滑化コンデンサ442(または第2平滑化コンデンサ443)、コンデンサ4823、入力側コンデンサ421の順に大きくなっている。なお、本実施形態において、前側部品情報400jとしての文字の大きさは、板面400Lからの電子部品の高さに応じて設定している。この文字の大きさと電子部品の高さとの関係については、後述する。
また、図16に示すように、電源基板40は、パチンコ遊技機100を製造するメーカ名を示すメーカ名情報400mと、電源基板40を特定可能な基板識別情報400iと、を有している。そして、本実施形態のメーカ名情報400mおよび基板識別情報400iは、後述する前側導電層4002をメーカ名情報400mおよび基板識別情報400iの文字に対応する形状にすることで形成される。つまり、メーカ名情報400mおよび基板識別情報400iは、前側導電層4002において、配線パターンと同様に形成される。
メーカ名情報400mは、パチンコ遊技機100を製造するメーカを特定できれば良く、メーカの名称や、メーカを特定可能な登録商標などを用いることができる。図16に示す例では、メーカ名情報400mは、パチンコ遊技機100を製造するメーカである「アイウ株式会社」に対応して、「アイウ」の文字により構成されている。
基板識別情報400iは、電源基板40を管理等するために設けられ、例えば、種類の異なる他の電源基板や、遊技制御基板などの他の基板と区別するための情報である。基板識別情報400iは、文字によって構成されている。図16に示す例では、基板識別情報400iは、「EFG0123」の文字により構成されている。
そして、メーカ名情報400mおよび基板識別情報400iは、基板400の外周部に設けられる。つまり、メーカ名情報400mおよび基板識別情報400iは、基板400の端部に設けられる。従って、電源基板40において、メーカ名情報400mおよび基板識別情報400iよりも外側(基板400の縁側)には、電子部品が配置されていない。
図17は、本実施形態の電源基板40を後側から見た場合の電源基板40の背面図である。
図17に示すように、電源基板40は、基板400の後側に、後側メーカ名情報400m2および後側基板識別情報400i2を有している。本実施形態の後側メーカ名情報400m2および後側基板識別情報400i2は、後述する後側導電層4004を後側メーカ名情報400m2および後側基板識別情報400i2の文字に対応する形状にすることで形成される。つまり、後側メーカ名情報400m2および後側基板識別情報400i2は、後側導電層4004において配線パターンと同様に形成される。
そして、後側メーカ名情報400m2および後側基板識別情報400i2は、基板400の表面側のメーカ名情報400mおよび基板識別情報400iと同様に、電源基板40における外周部に設けられる。
ただし、後側メーカ名情報400m2および後側基板識別情報400i2は、基板400の前後方向(つまり、厚み方向)において、前側のメーカ名情報400mおよび基板識別情報400iとは異なる位置に配置される。すなわち、後側メーカ名情報400m2および後側基板識別情報400i2と、前側のメーカ名情報400mおよび基板識別情報400iとは、左右方向および上下方向において異なる位置に設けられる。
さらに、図17に示すように、本実施形態の電源基板40は、基板400の裏面側に、基板識別情報シール400sを有している。基板識別情報シール400sは、紙やフィルム状のプラスティックに粘着剤が塗布されたものである。そして、基板識別情報シール400sには、電源基板40を管理等するために設けられ、例えば遊技制御基板204などの他の基板等と区別するための情報である。基板識別情報シール400sは、文字などが含まれている。図17に示す例では、基板識別情報シール400sには、「0123CBA」の文字が設けられている。基板識別情報シール400sは、下地部が板面400Lの色とは異なる白色であり、文字部が黒色となっている。
次に、電源基板40に設けられる電子部品の高さについて詳細に説明する。
図18は、本実施形態の電源基板40を上側から見た場合の電源基板40の側面図である。
なお、図18には、電源基板ケース60の主面部61(後述)の位置を合わせて表示している。
図18に示すように、電源基板40は、板面400L側に複数の電子部品が設けられる。なお、本実施形態の電源基板40では、リードなどの電子部品の一部が基板400に差し込まれて実装される所謂DIP(Dual-in-line package)部品が用いられる。なお、本実施形態の電源基板40には、電子部品の一部が基板400に差し込まれずに、基板400の板面400Lに電子部品が電気的に接続される所謂SMD(表面実装:Surface Mount Device)部品は設けられない。
また、本実施形態の電源基板40に設けられる複数の電子部品の中には、側面部品情報400fを有するものがある。側面部品情報400fは、電子部品において左右方向側を向く面である側面に設けられ、型番やスペックなど電子部品に関わる情報を示す。そして、側面部品情報400fは、電源基板40を左右方向側から見た場合に、最も視認し易くなっている。
そして、図18に示すように、電源基板40では、板面400Lを基準とした場合の各電子部品同士の高さの関係は以下のようになっている。まず、第1平滑化コンデンサ442と第2平滑化コンデンサ443とは、構造が同じ部品であり、高さも略同じである。そして、第1平滑化コンデンサ442の高さH1は、コンデンサ4823の高さH2よりも高い。つまり、第2平滑化コンデンサ443の高さH1は、コンデンサ4823の高さH2よりも高い。
また、インダクタ451(コイル)の高さH3は、第1平滑化コンデンサ442(または第2平滑化コンデンサ443)の高さH1よりも高い。
さらに、放熱部材43hsの高さH4は、第1平滑化コンデンサ442(または第2平滑化コンデンサ443)の高さH1よりも高い。ただし、放熱部材43hsの高さH4は、放熱部材454hsの高さH5よりも低い。
また、放熱部材454hsの高さH5は、インダクタ451(コイル)の高さH3よりも高い。そして、本実施形態の電源基板40では、放熱部材454hsの高さH5が、電源基板40に設けられる電子部品のうち最も高くなっている。また、放熱部材43hsの高さH4は、放熱部材454hsの高さH5よりも低いものの、他の電子部品よりは高くなっている。このように、放熱部材43hsや放熱部材454hsの高さを他の電子部品よりも高くすることで、本実施形態の電源基板40では、放熱部材43hsや放熱部材454hsからそれぞれ熱が放出される際に、放出された熱の移流が他の電子部品によって阻害され難くしている。
また、本実施形態の電源基板40において、直流回路50(図16参照)に設けられるコンデンサの高さは、交流回路41(図16参照)に設けられるコンデンサよりも高くなっている。
なお、図18に示すように、本実施形態の電源基板ユニット4において、基板400の板面400Lと電源基板ケース60の主面部61とは略平行に設けられている。従って、電源基板40に設けられる電子部品と主面部61との距離は、上述した電子部品の高さに応じて短くなる。例えば、本実施形態の電源基板40において最も高い放熱部材454hsは、主面部61との距離が最も短くなる。この板面400Lを基準とした電子部品の高さと、電子部品と主面部61との距離との関係は、他の電子部品においても同様である。
そして、所定の高さの一の電子部品と、一の電子部品よりも高い他の電子部品があった場合に、一の電子部品に設けられる前側部品情報400j(図16参照)としての文字のサイズは、他の電子部品に設けられる前側部品情報400jとしての文字のサイズよりも大きくなっている。例えば、本実施形態の電源基板40では、上述のとおり、コンデンサ4823の高さは、第1平滑化コンデンサ442よりも低くなっている。従って、コンデンサ4823の前側部品情報400jとしての文字のサイズは、第1平滑化コンデンサ442の前側部品情報400jとしての文字のサイズよりも大きくしている。
ここで、電源基板40を前側から見た場合、高さが低い電子部品は、高さが高い電子部品よりも遠くに位置することになる。そして、仮に、高さが低い電子部品に設けられる前側部品情報400jとしての文字サイズを、それよりも高い電子部品に設けられる前側部品情報400jとしての文字サイズと同じか、あるいは小さくしてしまうと、より遠くに位置することになる高さが低い電子部品の前側部品情報400jが見え難くなってしまう。そこで、本実施形態では、高さが低い電子部品の前側部品情報400jとしての文字のサイズを、高さが高い電子部品よりも大きくすることで、確認し易くしている。
また、図16に示すように、本実施形態の電源基板40では、前側のメーカ名情報400mまたは基板識別情報400iとしての文字のサイズは、電子部品の前側に設けられる前側部品情報400jの文字のサイズよりも大きくなっている。電源基板40を前側から見た場合に、メーカ名情報400mまたは基板識別情報400iは、電子部品の前側に設けられる前側部品情報400jよりも遠くに位置する。そこで、前側のメーカ名情報400mまたは基板識別情報400iとしての文字のサイズを、電子部品の前側部品情報400jよりも大きくすることで、メーカ名情報400mまたは基板識別情報400iを認識しや易くしている。
図19は、本実施形態の基板400の一部の断面図である。
なお、図19には、説明のために、電子部品の一例として抵抗器40Rを併せて表示している。
図19に示すように、電源基板40は、各種の電子部品が実装される基板400を有している。そして、基板400には、上述した、交流回路41、整流回路43および直流回路50(図16参照)を構成する複数の電子部品が実装される。
本実施形態の基板400は、例えばガラスエポキシ樹脂などを材料に用いた絶縁性を有する板状の基材4001と、基材4001の前側に設けられ、導電性を有するとともに配線パターンが形成される前側導電層4002と、絶縁性を有して基材4001の前側および前側導電層4002を覆う前側レジスト層4003とを備える。さらに、基板400は、基材4001の後側に設けられ、導電性を有するとともに配線パターンが形成される後側導電層4004と、絶縁性を有して基材4001の後側および後側導電層4004を覆う後側レジスト層4005とを備える。
なお、本実施形態において、板面400Lは、前側レジスト層4003の前側の面を例示することができる。
そして、本実施形態の基板400は、電子部品が実装される位置に対応して、貫通孔400Hを有している。そして、基板400に実装される電子部品は、基板400と電気的に接続する部位であるリードが貫通孔400Hを貫通して設けられる。例えば、図19に示す抵抗器40Rは、リード40Lが基板400を貫通するように設けられる。そして、抵抗器40Rのリード40Lは、はんだHdによって前側導電層4002または後側導電層4004に電気的に接続される。
次に、電源基板40における情報表示の前後方向における位置関係について説明する。
図19に示すように、本実施形態の電源基板40では、前後方向(つまり、基板400の厚み方向)において、前側から後側に向けて、部品実装情報400g、前側のメーカ名情報400mまたは基板識別情報400i、後側メーカ名情報400m2または後側基板識別情報400i2、基板識別情報シール400sの順に、各種の情報が配置されている。
図20は、本実施形態の基板400に設けられる部品実装情報400gの説明図である。
なお、図20(A)は、電子部品が実装される前の状態の電源基板40を示し、図20(B)は、電子部品が実装された状態の電源基板40を示している。
図20に示すように、本実施形態の基板400は、電子部品の実装に関する情報を示す部品実装情報400gを有している。部品実装情報400gは、電子部品が実装される位置に応じて設けられる。また、本実施形態の部品実装情報400gは、白色の文字によって構成されている。本実施形態の部品実装情報400gは、基板400の板面400L(前側レジスト層4003上(図19参照))に印刷されることで形成される。
本実施形態の部品実装情報400gは、電子部品の種類に応じてそれぞれ異なる内容となっている。
図20(A)に示すように、例えば、サージ吸収素子40S(図20(B)参照)が設けられる箇所には、部品実装情報400gとして、サージ吸収素子40Sを示す「SA1」というテキスト情報s1と、サージ吸収素子40Sを示す回路図記号s2とが表示されている。
また、抵抗器40R(図20(B)参照)が設けられる箇所には、部品実装情報400gとして、抵抗器40Rを示す「R4」というテキスト情報r1と、抵抗器40Rを示す回路図記号r2とが表示されている。
また、例えばPFC回路などのパッケージ化された部品であるICパッケージ40P(図20(B)参照)が設けられる箇所には、部品実装情報400gとして、ICパッケージ40Pを示す「IC3」というテキスト情報p1と、ICパッケージ40Pの実装位置を示す矩形状の枠p2とが表示されている。
また、コネクタ40N(図20(B)参照)が設けられる箇所には、部品実装情報400gとして、コネクタ40Nを示す「CN2」というテキスト情報n1と、コネクタ40Nの実装位置を示す枠n2とが表示されている。枠n2は、コネクタ40Nの外形に対応した形状をしており、コネクタ40Nの上下方向および左右方向の向きを示す。
また、コンデンサ40C(図20(B)参照)が設けられる箇所には、部品実装情報400gとして、コンデンサ40Cを示す「C7」と「C8」というテキスト情報c1と、コンデンサ40Cの実装位置を示す円形状の枠c2とが表示される。また、枠c2の内側には、コンデンサのマイナス極を示す有色(本実施形態では白色)の塗りつぶし領域c21と、コンデンサのプラス極を示す非塗りつぶし領域c22とが設けられる。さらに、枠c2の外側には、コンデンサのプラス極を示す「+」という記号c3が設けられる。
そして、図20(B)に示すように、基板400における対応箇所に対して各々の電子部品が実装される。
例えば、サージ吸収素子40Sが基板400に実装されると、回路図記号s2(図20(A)参照)は、板面400Lの垂直方向から見て、少なくとも一部がサージ吸収素子40Sによって隠されて、視認不可能または視認困難になる。一方で、テキスト情報s1は、サージ吸収素子40Sが基板400に実装されても、視認可能または視認容易である。
また、抵抗器40Rが基板400に実装されると、回路図記号r2(図20(A)参照)は、板面400Lの垂直方向から見て、少なくとも一部が抵抗器40Rによって隠されて、視認不可能または視認困難になる。一方で、テキスト情報r1は、抵抗器40Rが基板400に実装されても、視認可能または視認容易である。
また、ICパッケージ40Pが基板400に実装されると、テキスト情報p1および枠p2は、それぞれ板面400Lの垂直方向から見て、視認可能または視認容易である。
また、コネクタ40Nが基板400に実装されると、テキスト情報n1および枠n2は、それぞれ板面400Lの垂直方向から見て、視認可能または視認容易である。
コンデンサ40Cが基板400に実装されると、テキスト情報c1、枠c2および記号c3は、それぞれ板面400Lの垂直方向から見て、視認可能または視認容易である。一方で、塗りつぶし領域c21および非塗りつぶし領域c22は、板面400Lの垂直方向から見て、少なくとも一部がコンデンサ40Cによって隠されて、視認不可能または視認困難になる。
そして、本実施形態において、部品実装情報400gは、複数の部品同士が比較的密集して配置される場合には、複数の電子部品同士の間に挟まれる領域ではなく、複数の電子部品によって形成される群の外側に配置される。例えば、図20(B)に示すように、複数のコンデンサ40Cが隣り合って設けられる場合、複数のコンデンサ40Cの群の外側に、テキスト情報c1を設ける。これによって、本実施形態の電源基板40では、複数の電子部品が基板400に実装された状態で、部品実装情報400gのうち少なくともテキスト情報c1が電子部品の間に隠れて見え難くならないようにしている。
さらに、本実施形態の電源基板40は、パチンコ遊技機100の上下に、基板400に設けられるテキスト情報(s1、r1、p1、n1、c1)としての文字の上下が対応するようにしている。つまり、テキスト情報としての文字における上側がパチンコ遊技機100の上側となり、文字における下側がパチンコ遊技機100の下側となるようにしている。なお、本実施形態の電源基板40では、文字における上側がパチンコ遊技機100の下側となるようなテキスト情報を、基板400に設けないようにしている。また、本実施形態の電源基板40において、複数のテキスト情報は、文字のサイズやフォントを同じにしている。
このように、基板400に設けられるテキスト情報としての文字の向きを揃えておくことで、電源基板ユニット4をパチンコ遊技機100に設置する際に、作業者が電源基板ユニット4の向きを間違え難くしている。すなわち、基板400に設けられるテキスト情報(s1、r1、p1、n1、c1)としての文字の上下が、パチンコ遊技機100の上下方向に対応するように電源基板ユニット4を取り付けることで、作業者が、電源基板ユニット4の取り付け方向を間違えないようにしている。
なお、基板400にテキスト情報を形成する際に、基板400に設けられる電子部品の配置の都合で、テキスト情報としての文字の上下が、パチンコ遊技機100の左右方向に沿うように設けざるを得ない場合もある。このような場合には、文字の上下が上下方向に対応するテキスト情報の数を、文字の上下が左右方向に沿うテキスト情報の数よりも多くすることで、作業者が電源基板ユニット4を取り付ける向きを間違え難くすることができる。
以上の通り、本実施形態では、電源基板40は、電源基板40の厚さ方向において互いに異なる位置に設けられた複数の情報の識別表示を有する。
電源基板40に不具合が発生した場合、電源基板40を確認して不具合が発生している箇所を特定する必要が生じることがある。この場合に、電源基板40の厚さ方向において異なる位置に複数の識別表示が設けられていると、厚さ方向において同一の位置に複数の識別表示が設けられる場合に比べて、識別表示ごとの区別が容易になる。そのため、不具合の発生元の特定が早期に行われる分だけ、特定した不具合に対する対処が早期に行われることで、不具合の進行を抑えることができる。
続いて、電源基板ケース60について詳細に説明する。
本実施形態の電源基板ケース60には、例えばポリカーボネートなどの樹脂材料を用いることができる。また、電源基板ケース60は、少なくとも可視光を透過する透光性を有するように構成している。従って、電源基板ケース60は、電源基板ケース60の外側から内側に設けられる電源基板40の各種の電子部品を視認できるように構成されている。
図15に示すように、電源基板ケース60は、前後方向における前側に設けられるとともに基板400の板面400Lに対して略平行に設けられる主面部61を有する。また、電源基板ケース60は、上下方向における上側に設けられるとともに基板400の板面400Lに対して略垂直に設けられる上側壁面部62と、上下方向における下側に設けられるとともに基板400の板面400Lに対して略垂直に設けられる下側壁面部63と、を有する。さらに、電源基板ケース60は、左右方向における左側に設けられるとともに基板400の板面400Lに対して略垂直に設けられる左側壁面部64と、左右方向における右側に設けられるとともに基板400の板面400Lに対して略垂直に設けられる右側壁面部65と、を有する。そして、電源基板ケース60は、左側壁面部64に対して左側に、操作面部66を有する。
そして、電源基板ケース60は、主面部61、上側壁面部62、下側壁面部63、左側壁面部64および右側壁面部65によって、電源基板40に設けられる各種の電子部品を覆う。ただし、電源基板ケース60は、第1基板接続コネクタ446、第2基板接続コネクタ448および第3基板接続コネクタ449と、これらコネクタの周囲における基板400の板面400Lの一部は、覆わない。また、操作面部66は、交流接続コネクタ411、電源スイッチ412、CR接続コネクタ416およびFG接続コネクタ425の前側の一部を露出させた状態で、これらの電子部品を覆う。
主面部61は、平面状に形成されている。本実施形態の電源基板ケース60において、主面部61は、電源基板ケース60を構成する上側壁面部62、下側壁面部63、左側壁面部64、右側壁面部65および操作面部66のいずれの構成部よりも面積が大きい。
そして、主面部61には、後述するケースシール600を貼付するための取付部61Sと、電源基板ケース60を管理するための識別情報60iとを有している。なお、これらケースシール600、取付部61Sおよび識別情報60iについては、後に詳しく説明する。
また、本実施形態の主面部61は、上側壁面部62および下側壁面部63に設けられ、主面部61まで延びて形成される後述の通気孔60Hを除いて、貫通孔が形成されていない。例えば、本実施形態のパチンコ遊技機100では、電源基板ユニット4の前側(すなわち、主面部61側)に、電源基板ユニット4に積層するように、他のユニットが設けられる場合がある。この場合に、他のユニットにて発生した熱が電源基板ユニット4に対して前後方向から伝達する可能性がある。そこで、本実施形態では、他のユニットにて発生した熱が電源基板ユニット4における前後方向から電源基板ユニット4に伝達し難くするために、主面部61に貫通孔を設けないようにしている。
ただし、本実施形態の電源基板ユニット4において、主面部61に貫通孔を設けないことに限定するものではない。
主面部61に貫通孔を設ける場合、主面部61の貫通孔は、例えば通気孔60Hとは異なる形状にすることができる。また、主面部61の貫通孔は、通気孔60Hの開口面積よりも小さくする。また、主面部61に設けられる複数の貫通孔の合計の開口面積は、複数の通気孔60Hの合計の開口面積よりも小さくする。
また、電源基板ケース60は、電源基板40の後側に、例えば板状の底面部を有していても良い。底面部は、電源基板40を間に挟んで、主面部61と対向するように設けられる。このように、底面部を設ける場合、電源基板ケース60は、電源基板40を、上下方向、左右方向、および前後方向の全ての方向から覆うことができる。
そして、この場合に、底面部は、主面部61、上側壁面部62、下側壁面部63、左側壁面部64および右側壁面部65と同じ樹脂部材とすることができる。あるいは、底面部に金属部材などを用いて、主面部61、上側壁面部62、下側壁面部63、左側壁面部64および右側壁面部65とは異なる材料で構成しても良い。
また、電源基板ケース60に底面部を設ける場合、底面部には、貫通孔を設けない。これによって、例えば、他のユニットにて発生した熱が電源基板ユニット4の前後方向から電源基板ユニット4に伝達し難くすることができる。
ただし、本実施形態の電源基板ユニット4において、底面部に貫通孔を設けないことに限定するものではない。底面部に貫通孔を形成する場合、底面部の貫通孔は、例えば通気孔60Hとは異なる形状にすることができる。また、底面部の貫通孔は、通気孔60Hの開口面積よりも小さくする。また、底面部に設けられる複数の貫通孔の合計の開口面積は、複数の通気孔60Hの合計の開口面積よりも小さくする。
さらに、上側壁面部62または下側壁面部63は、底面部との接続をするための接続箇所を設けても良い。この場合、電源基板ケース60の上下方向に沿って、接続箇所と通気孔60Hとを並べて配置する。例えば、接続箇所を、上側壁面部62または下側壁面部63と底面部とを係合する構造とする場合に、接続箇所と通気孔60Hとを並べて配置することで接続箇所が比較的変形し易くなり、係合する際の作業が容易になる。
図21は、本実施形態の電源基板ユニット4を上側から見た場合の側面図である。
なお、図21(A)は、電源基板ユニット4の全体の側面図を示し、図21(B)は、後述する通気孔60Hの拡大図である。
図22は、本実施形態の電源基板ユニット4を右側から見た場合の側面図である。
図23は、本実施形態の電源基板ユニット4を左側から見た場合の側面図である。
図21(A)に示すように、上側壁面部62は、複数の通気孔60Hを有している。各々の通気孔60Hは、上側壁面部62において上側壁面部62の上下方向に貫通して形成されている。また、各々の通気孔60Hは、前後方向に沿って長く延びて形成される。そして、複数の通気孔60Hは、左右方向において並べて形成される。
図21(B)に示すように、通気孔60Hは、左右方向の開口幅が、長手方向において異なっている。本実施形態では、通気孔60Hは、前側の開口幅W1が後側の開口幅W2よりも大きくなっている。つまり、通気孔60Hは、前後方向において前側から後側に向かうに従って、開口幅が小さくなるように形成されている。
また、本実施形態の通気孔60Hの左右方向の開口幅(例えば、最も幅が大きい部分)は、放熱部材43hsまたは放熱部材454hsの左右方向の幅よりも小さくなっている。そして、放熱部材43hsまたは放熱部材454hsは、通気孔60Hと上下方向に対向するように、左右方向の位置が定められている。
さらに、通気孔60Hの前後方向の長さは、コンデンサ4823の前後方向の長さよりも長く、第1平滑化コンデンサ442(または第2平滑化コンデンサ443)の前後方向の長さよりも短くなっている。また、通気孔60Hの前側の端部は、板面400Lを基準とした場合に、前後方向において放熱部材454hsよりも前側に位置している。
なお、通気孔60Hの開口幅は、パチンコ遊技機100の遊技に用いられる遊技球の外径(直径)よりも小さくなっている。これによって、電源基板ケース60は、遊技球が電源基板ケース60内に侵入することを抑制している。この内容は、通気孔60Hに限らず、電源基板ケース60に設けられる各種の開口においても同様である。
そして、図21(A)に示すように、通気孔60Hの前側の端部は、上側壁面部62の前側の端部に設けられる。通気孔60Hの後側の端部は、上側壁面部62の中央部に設けられる。すなわち、通気孔60Hは、上側壁面部62の前後方向において、前側の端部から、後側の端部に向けた途中まで形成される。そして、上側壁面部62には、通気孔60Hが設けられる通気孔領域62R1と、通気孔60Hが設けられない非通気孔領域62R2とが形成される。上述のとおり、通気孔領域62R1は、上側壁面部62における前後方向の前側に設けられ、非通気孔領域62R2は、前後方向の後側に設けられる。そして、本実施形態の上側壁面部62において、通気孔領域62R1が前後方向に占める領域の幅は、非通気孔領域62R2が前後方向に占める領域の幅よりも大きくなっている。
そして、通気孔領域62R1は、電源基板ケース60の内側において電源基板40から生じた熱が電源基板ケース60の外側へと排出される経路を形成する。
また、電源基板ユニット4を上下方向の上側から見た場合に、非通気孔領域62R2は、基板400の板面400Lに対向する位置に形成される。さらに、本実施形態の非通気孔領域62R2は、電子部品と板面400Lとの間の隙間Wsに対向する。これによって、非通気孔領域62R2は、電子部品と板面400Lとの間の隙間Wsに埃などの異物が入り込むことを抑制したり、電子部品と基板400との電気的な接続箇所(例えば、コンデンサ40Cのリード40L)に異物が接触したりすることを抑制する。
また、図15に示すように、下側壁面部63は、上側壁面部62と同様に、複数の通気孔60Hを有している。そして、下側壁面部63に設けられる通気孔60Hと、上側壁面部62に設けられる通気孔60Hとは、左右方向においてずれている。
そして、図22に示すように、上側壁面部62は、水平方向HLに対して角度θ1だけ傾斜している。本実施形態の上側壁面部62は、前後方向の後側から前側に向かうに従って、下側に下がるように傾斜している。上側壁面部62は、傾斜していることで、例えば上側壁面部62上に遊技球や埃などの異物が乗った場合に、それらが停滞したり堆積したりしないようにしている。
なお、本実施形態の下側壁面部63も同様に、水平方向HLに対して角度θ2だけ傾斜している。
続いて、電源基板ケース60の左側壁面部64について説明する。
図23に示すように、本実施形態の左側壁面部64は、貫通孔を有していない。ここで、上述のとおり、電源基板40においては、電子部品が発熱することによって、温度が上昇する。そして、本実施形態の電源基板ユニット4では、電源スイッチ412と隣り合う左側壁面部64に貫通孔を設けないことで、操作者が電源スイッチ412を操作する際に操作者が熱を感じ難くしている。
ただし、左側壁面部64に貫通孔を設けないことに限定するものではない。例えば、左側壁面部64に貫通孔を設ける場合には、少なくとも電源スイッチ412におけるオフ(例えば、図16に示す「〇」)の部分に対向する部分には貫通孔は設けず、その他の部分に貫通孔を設ければ良い。電源基板ユニット4において、電源スイッチ412をオンにする際には、それまでの時点までは電源が入っていないため電源基板40の温度は低い。一方で、電源スイッチ412をオフする際には、既に電源が入っているため、電源基板40の発熱に伴って電源基板40の温度が高くなっている。そこで、左側壁面部64に貫通孔を形成する場合には、少なくとも電源スイッチ412におけるオフ(例えば、図16に示す「〇」)の部分に隣り合う部分には貫通孔を設けずに、左側壁面部64の他の箇所に貫通孔を設ければ良い。
なお、本実施形態の電源スイッチ412では、電源基板ユニット4において温度が比較的高くなる上側にオン(例えば、図16に示す「−」)を配置し、温度が比較的低くなる下側にオフ(例えば、図16に示す「〇」)を配置している。
次に、電源基板ケース60の右側壁面部65について説明する。
本実施形態の右側壁面部65は、貫通孔を有していない。図18を参照しながら説明したとおり、例えば、本実施形態の第2平滑化コンデンサ443は、前側部品情報400j(図16参照)よりも高さが低い位置に設けられ、左右方向側を向く側面部品情報400fを有している。そして、この側面部品情報400fは、電源基板ユニット4における左右方向から見た場合に最も認識しやすい情報である。ここで、例えば上側壁面部62や下側壁面部63には、通気孔60Hが設けられている。そして、通気孔60Hは、上側壁面部62に凹凸を形成するため、電源基板ケース60の外側から内側に設けられる第2平滑化コンデンサ443の側面部品情報400fを視認し難くなる。そこで、本実施形態の右側壁面部65には、通気孔60Hを形成せずに、電源基板ケース60の内側に設けられる電子部品を外側から視認し易くしている。
ただし、右側壁面部65において貫通孔を設けないことに限定するものではない。例えば、右側壁面部65に貫通孔を設ける場合には、例えば側面部品情報400fが設けられる電子部品と対向する箇所には貫通孔を設けずに、側面部品情報400fが設けられる電子部品と対向していない他の箇所に貫通孔を設ければ良い。
さらに、電源基板ケース60の操作面部66について説明する。
図23に示すように、操作面部66は、内側に電子部品が貫通して設けられる開口部を有するとともに、開口部の周囲が面状に形成された部分である。なお、開口部の周囲の面上の部分は、板面400Lに対して略平行になっている。
操作面部66は、交流接続コネクタ411およびCR接続コネクタ416に対して設けられる第1操作面部661と、FG接続コネクタ425に対して設けられる第2操作面部662と、電源スイッチ412に対して設けられる第3操作面部663と、を有している。
そして、基板400の板面400Lに対する第1操作面部661および第2操作面部662の高さは、それぞれ高さH11であり略同じである。また、基板400の板面400Lに対する第3操作面部663の高さH12は、第1操作面部661および第2操作面部662の高さH11よりも高くなっている。また、主面部61の高さH13は、第3操作面部663の高さH12より高くなっている。つまり、電源基板ケース60における各面部の高さは、第1操作面部661および第2操作面部662の高さH11、第3操作面部663の高さH12、主面部61の高さH13の順に高くなっている。
そして、操作面部66と各電子部品との関係は、以下のとおりである。
ここで、本実施形態の電源基板40では、CR接続コネクタ416の高さH6、FG接続コネクタ425の高さH7、交流接続コネクタ411の高さH8、電源スイッチ412の高さH9の順に高くなっている。これに対して、第1操作面部661の高さH11は、CR接続コネクタ416の高さH6および交流接続コネクタ411の高さH8よりも低くなっている。また、第2操作面部662の高さH11は、FG接続コネクタ425の高さH7よりも低くなっている。また、第3操作面部663の高さH12は、電源スイッチ412の高さH9よりも低くなっている。なお、第3操作面部663の高さH12は、コネクタのうち最も高い交流接続コネクタ411の高さH8よりも高くなっている。
続いて、ケースシール600および識別情報60iについて詳細に説明する。
図24は、本実施形態の電源基板ケース60の説明図である。
図24(A)に示すように、本実施形態のケースシール600は、電源スイッチ412の近傍に設けられる。ケースシール600は、電源基板ユニット4の取り扱いに関する警告や管理情報等の電源基板ユニット4に関する情報を伝えるものである。
ここで、本実施形態の電源基板ユニット4において、操作者が操作を行うのは、電源スイッチ412である。そして、電源スイッチ412は、上下方向における上側であって、左右方向における左側の端部に配置されている。そこで、ケースシール600は、主面部61において、電源スイッチ412側となる上下方向における上側であって、左右方向における左側の端部に設けられている。これによって、操作者が電源スイッチ412の操作を行う際に、近傍に設けられるケースシール600の内容を確認し易くしている。
また、ケースシール600が貼付される取付部61Sは、ケースシール600よりも一回り大きく形成される。さらに、図24(B)に示すように、取付部61Sは、主面部61において前後方向の後側に窪んで形成される。そして、取付部61Sに貼付されたケースシール600は、主面部61よりも前側に突出しないようになっている。これによって、例えば電源基板ユニット4を取り扱う際に、ケースシール600付近に操作者の手が触れた際、ケースシール600が剥がれ難くしている。
図24(C)に示すように、ケースシール600は、文字などの情報を伝える情報表示部610と、ケースシール600における下地となる下地部620とを備えて構成されている。
そして、本実施形態の情報表示部610は、黒色によって印刷されている。ここで、上述した前側部品情報400j(図16参照)は、白色の文字によって構成されている。そこで、本実施形態の電源基板ユニット4においては、ケースシール600に設けられる文字や罫線(枠)の色と、基板400や基板400に実装される電子部品に設けられる文字の色とを異ならせることで、各々の情報をそれぞれ視認し易くしている。
なお、本実施形態の情報表示部610の文字のサイズやフォントを、基板400や基板400に実装される電子部品に設けられる文字のサイズやフォントと異ならせても良い。この場合においても、情報表示部610に設けられる文字の情報と、電源基板40に設けられる文字の情報を視認し易くすることができる。
そして、情報表示部610は、電源基板ユニット4を管理等するための管理情報611と、ユーザに対する警告を図形により喚起する警告マーク612と、ユーザに対する警告を文字で喚起する警告テキスト613とを有する。また、情報表示部610は、ユーザに対して警告内容を具体的に示す第1警告文614、第2警告文615および第3警告文616を有する。第1警告文614は、例えば「ケースを開けないでください」といったように、電源基板ケース60の取り扱いに関する警告を示す。また、第2警告文615は、例えば「高温に注意してください」といったように、電源基板40の温度に関する警告を示す。さらに、第3警告文616は、例えば「通気孔を塞がないでください」といったように電源基板ケース60の環境に関わる警告を示す。
さらに、情報表示部610は、電源基板40のスペックに関するスペック情報617と、電源基板40のメンテナンスなどに関するメンテナンス情報618とを有する。本実施形態においては、スペック情報617は、電源基板ユニット4に対する入力電圧を示す。また、メンテナンス情報618は、ヒューズに関わる電流値を示す。
また、本実施形態の下地部620は、少なくとも可視光を透過可能に構成されている。これによって、ケースシール600が設けられる箇所であっても、ケースシール600の後側に配置されている電源基板40を、ケースシール600を通して視認することができる。
なお、下地部620は、透明であることに限定されるものではない。例えば、下地部620は、基板400に設けられる文字の色と同系統にしても良い。例えば、本実施形態の基板400のテキスト情報s1(図20参照)は、白色にしている。この場合、下地部620は、白色にすることができる。
また、本実施形態においては、ケースシール600は、電源基板40において最も高い電子部品とは前後方向において対向しない箇所に設けられる。例えば、本実施形態においては、放熱部材454hsが最も高さが高い電子部品である(図18参照)。そこで、ケースシール600は、放熱部材454hsが設けられる中央部ではなく、中央部から外れた主面部61における端部に配置している。仮に、ケースシール600に対して電子部品が前後方向において近接して設けられていると、ケースシール600の情報表示部610を視認し難くなる可能性が高くなる。そこで、本実施形態においては、ケースシール600は、最も高さが高い放熱部材454hsに対向する箇所とは異なる位置に設けるようにしている。
さらに、本実施形態において、電源基板40においてケースシール600と前後方向において対向する箇所(以下、シール対向領域)に設けられている複数の電子部品の密度は、電源基板40においてケースシール600と対向しない箇所(以下、非シール対向領域)に設けられている複数の電子部品の密度よりも低くしている。ここで、シール対向領域に設けられる複数の電子部品の密度が高いと、ケースシール600の情報表示部610を認識し難くなる可能性が高くなる。そこで、本実施形態の電源基板40では、シール対向領域における複数の電子部品の密度を比較的低くすることで、情報表示部610を認識し易くしている。
また、シール対向領域に設けられる複数の文字(例えば、テキスト情報s1(図20参照))の密度は、非シール対向領域に設けられている複数の文字の密度よりも低くしても良い。これによって、ケースシール600の情報表示部610に対して後側に設けられる文字が煩雑でなくなり、ケースシール600の情報表示部610を認識し易くすることができる。
さらに、シール対向領域に設けられる複数の文字の向きを、ケースシール600の情報表示部610における文字の向きと異ならせても良い。これによって、ケースシール600の情報表示部610と、基板400に設けられる文字とを区別し易くなり、ケースシール600の情報表示部610を認識し易くすることができる。
また、図24(A)に示すように、主面部61には、識別情報60iが設けられる。識別情報60iは、主面部61を成型する際に一体で形成される。そして、図24(B)に示すように、識別情報60iは、主面部61において前後方向における後側の面に形成されている。これによって、例えば、電源基板ケース60の外側から物が接触した場合であっても、識別情報60iが影響を受け難くしている。
そして、識別情報60iとケースシール600の情報表示部610とは、同様に情報を伝えるものであるが、前後方向における位置が異なっている。つまり、図24(B)に示すように、基板400の板面400L(図18参照)を基準とした場合、板面400Lからのケースシール600の距離L1は、識別情報60iの距離L2よりも長くなっている。つまり、電源基板ケース60を外側からみる操作者にとっては、識別情報60iよりもケースシール600の方が近くになる。ここで、操作者に対して警告等の情報を伝えるという点では、識別情報60iよりもケースシール600の方が重要である。そこで、本実施形態では、ケースシール600の方が識別情報60iよりも近くなるように配置している。
続いて、上述した図13および図14に示す変形例の電源基板40Aの構造について説明する。
図25は、変形例の電源基板40Aを前側から見た上面図である。
図25に示すように、変形例の電源基板40Aは、電源基板40とは異なり、入力検出回路46、出力検出回路47およびバックアップ回路49を有していない。
また、電源基板40Aは、所謂DIP部品に加えて、所謂SMD部品が用いられる。
さらに、変形例の電源基板40Aは、上述した電源基板40に設けられていたメーカ名情報400mが設けられず、この例では、基板識別情報400iだけが設けられている。上述のとおり、電源基板40Aには、SMD部品が複数設けられている。SMD部品は、板面400Lにおいてはんだ付けが行われるため、板面400Lの面方向において占有する面積が比較的大きくなる。その結果として、電源基板40Aの基板400においてメーカ名情報400mを設けるスペースに制約が生じる。そこで、本実施形態の電源基板40Aでは、メーカ名情報400mは設けずに、基板識別情報400iのみを設ける構成としている。
(遊技制御基板ユニット2)
次に、遊技制御基板ユニット2について説明する。
図26は、遊技制御基板ユニット2の正面図である。
遊技制御基板ユニット2においては、遊技機制御基板ケース200Cと、遊技制御基板200Bとが重なって設けられている。遊技制御基板ケース200Cは、遊技制御基板200Bよりも前側に設けられている。遊技制御基板ケース200Cには、情報表示シール250が貼り付けられている。また、遊技制御基板ケース200Cは、光の透過性を有する材料により構成されている。
図27は、情報表示シール250を示す図である。
情報表示シール250は、パチンコ遊技機100に関する情報が表示されている。この情報表示シール250には、コード部2501と、識別表示部2502と、記載領域2503と、透過部2504とが設けられている。
コード部2501においては、白色の下地に、黒色のQR(Quick Response)コード(登録商標)が表示されている。コード部2501に表示されているQRコードが端末装置(不図示)に読み取られると、この端末装置の表示画面(不図示)に、遊技制御基板200Bに関する情報が表示される。遊技制御基板200Bに関する情報としては、例えば、遊技制御基板200Bの納入先を示す情報が挙げられる。また、遊技制御基板200Bに関する情報としては、例えば、遊技制御基板200Bの管理番号を示す情報が挙げられる。
識別表示部2502には、遊技制御基板200Bを識別する情報が表示されている。より具体的には、識別表示部2502には、白色の下地に、遊技制御基板200Bの管理番号が黒色により表示されている。そのため、情報表示シール250は、遊技制御基板200Bの管理番号が示された管理番号シールとしても捉えられる。識別表示部2502においては、テキストが左右方向に並んで表示されている。図示の例では、遊技制御基板200Bの管理番号として、「XX001」のテキストが黒色により表示されている。また、識別表示部2502においては、テキストの上下方向が、遊技制御基板200Bの上下方向に沿っている。
記載領域2503には、白色の下地が設けられている。記載領域2503には、遊技制御基板ケース200Cを開封した開封者(遊技制御基板ユニット2を検査する検査者)の名前や、遊技制御基板ケース200Cが開封された年月日等が記載される。
透過部2504は、光の透過性を有する部分である。そのため、遊技制御基板200Bが遊技制御基板ケース200Cに収容されている状態であっても、検査者は、情報表示シール250の透過部2504を介して、遊技制御基板200Bを確認することができる。
図28は、遊技制御基板200Bの正面図である。
遊技制御基板200Bには、基板本体200Sが設けられている。この基板本体200Sには、上述したRAM203、RAMクリアスイッチ228、設定キースイッチ229、および情報表示器230が取り付けられている。また、基板本体200Sには、複数の電子部品が取り付けられている。本実施形態の遊技制御基板200Bには、電子部品として、IC(Integrated Circuit)251、コネクタ252、抵抗器253、コンデンサ254が設けられている。これらの電子部品は、何れも、基板本体200Sに差し込まれているDIP(Dual inline Package)部品である。
なお、遊技制御基板200Bに、上述したものの他にさらに電子部品が設けられてもよい。
遊技制御基板200Bには、ROM203の他に、6個のIC251が設けられている。各IC251には、型式表示部2511が設けられている。型式表示部2511は、IC251の型式を示すテキストが白色により表示されている。
ここで、型式表示部2511が「CD01」、「EF01」、「EF02」であるIC251においては、この型式表示部2511のテキストが左右方向に並んで表示されている。また、これらのテキストの上下方向は、遊技制御基板200Bの上下方向に沿っている。一方、型式表示部2511が「GH01」、「GH02」、「IJ01」であるIC251においては、この型式表示部2511のテキストが上下方向に並んで表示されている。また、これらのテキストの上下方向は、遊技制御基板200Bの左右方向に沿っている。
また、型式表示部2511が「IJ01」であるIC251は、遊技制御基板200Bのうちの、情報表示シール250が設けられている領域と前後方向に重なる重畳領域REに位置している。
また、基板本体200Sには、各IC251に対応する識別表示部2512が表示されている。識別表示部2512には、IC251を識別するためのテキストが白色により表示されている。各識別表示部2512は、それぞれ対応するIC251の付近に設けられている。
ここで、識別表示部2512が「IC2」、「IC3」、「IC4」であるIC251においては、この識別表示部2512が左右方向に並んで表示されている。また、これらの識別表示部2512に示されたテキストの上下方向は、遊技制御基板200Bの上下方向に沿っている。一方、識別表示部2512が「IC5」、「IC6」、「IC7」であるIC251においては、この識別表示部2512が上下方向に並んで表示されている。また、これらの識別表示部2512に示されたテキストの上下方向は、遊技制御基板200Bの左右方向に沿っている。
また、遊技制御基板200Bには、3個のコネクタ252が設けられている。また、基板本体200Sには、各コネクタ252に対応する識別表示部2521が表示されている。識別表示部2521には、コネクタ252を識別するためのテキストが白色により表示されている。各識別表示部2521は、それぞれ対応するコネクタ252の付近に設けられている。また、各識別表示部2521は、何れも、左右方向に並んで表示されている。また、各識別表示部2521に示されたテキストの上下方向は、遊技制御基板200Bの上下方向に沿っている。
また、遊技制御基板200Bには、6個の抵抗器253が設けられている。また、基板本体200Sには、各抵抗器253に対応する識別表示部2531が表示されている。識別表示部2531には、抵抗器253を識別するためのテキストが白色により表示されている。また、各識別表示部2531は、何れも、上下方向に並んで表示されている。また、各識別表示部2531に示されたテキストの上下方向は、遊技制御基板200Bの左右方向に沿っている。
また、識別表示部2531が「R6」である抵抗器253は、重畳領域REに設けられている。
また、遊技制御基板200Bには、コンデンサ254が設けられている。コンデンサ254は、遊技制御基板200Bに設けられている電子部品のうちの、最も高い(前後方向に長い)電子部品である。コンデンサ254としては、例えば、電解コンデンサが用いられる。また、基板本体200Sには、コンデンサ254に対応する識別表示部2541が表示されている。識別表示部2541には、コンデンサ254を識別するためのテキストが白色により表示されている。識別表示部2541は、左右方向に並んで表示されている。また、識別表示部2541に示されたテキストの上下方向は、遊技制御基板200Bの上下方向に沿っている。このコンデンサ2541は、基板本体200Sのうちの重畳領域REとは異なる領域に設けられている。
図29は、コンデンサ254よりも前側からコンデンサ254を眺めた場合の図である。
コンデンサ254の側面には、型式表示部2542と、容量表示部2543とが設けられている。
型式表示部2542には、コンデンサ254の型式を示す情報が白色により表示されている。図示の例では、型式表示部2542に「KL01」のテキストが示されている。
容量表示部2543には、コンデンサ254の容量を示す情報が白色により表示されている。図示の例では、容量表示部2543に「680μF」のテキストが示されている。
以上の通り、本実施形態では、遊技制御基板ケース200Cに設けられている情報表示シール250に印字される文字の色と、遊技制御基板200Bの基板本体200Sに印字される文字の色とを異ならせている。ここで、情報表示シール250に印字される文字としては、例えば、識別表示部2502に示されているテキストが挙げられる。また、基板本体200Sに印字される文字としては、例えば、識別表示部2512、識別表示部2521、識別表示部2531、識別表示部2541等が挙げられる。
また、本実施形態では、情報表示シール250に印字される文字の色と、遊技制御基板200Bに実装された電子部品に印字される文字の色とを異ならせている。ここで、遊技制御基板200Bに実装された電子部品に印字される文字としては、例えば、IC251の型式表示部2511等が挙げられる。
上述の通り、遊技制御基板ケース200Cは光の透過性を有するため、検査者が遊技制御基板ユニット2を目視検査する場合に、遊技制御基板ケース200Cを介して、遊技制御基板200Bに印字されている文字も検査者に見えることになる。この場合、検査者が、遊技制御基板200Bに印字された文字が情報表示シール250に印字された文字であると誤認する可能性があり、目視検査を阻害するおそれがあった。
そこで、本実施形態では、情報表示シール250に印字される文字の色と、遊技制御基板200Bに印字される文字の色とを異ならせることで、遊技制御基板200Bに印字された文字が情報表示シール250に印字された文字であると検査者に誤認されることを抑制している。
また、本実施形態では、遊技制御基板ケース200Cに設けられている情報表示シール250に印字される文字のサイズと、遊技制御基板200Bの基板本体200Sに印字される文字のサイズとを異ならせている。ここで、情報表示シール250に印字される文字としては、例えば、識別表示部2502に示されているテキストが挙げられる。また、基板本体200Sに印字される文字としては、例えば、識別表示部2512、識別表示部2521、識別表示部2531、識別表示部2541等が挙げられる。ここで、遊技制御基板ケース200Cに設けられている情報表示シール250に印字される文字のサイズよりも、遊技制御基板200Bの基板本体200Sに印字される文字のサイズの方を大きくしてもよい。また、遊技制御基板200Bの基板本体200Sに印字される文字のサイズよりも、遊技制御基板ケース200Cに設けられている情報表示シール250に印字される文字のサイズの方を大きくしてもよい。また、遊技制御基板ケース200Cに設けられている情報表示シール250に印字される文字のフォントと、遊技制御基板200Bの基板本体200Sに印字される文字のフォントとを異ならせてもよい。
また、本実施形態では、情報表示シール250に印字される文字のサイズと、遊技制御基板200Bに実装された電子部品に印字される文字のサイズとを異ならせている。ここで、遊技制御基板200Bに実装された電子部品に印字される文字としては、例えば、IC251の型式表示部2511等が挙げられる。ここで、情報表示シール250に印字される文字のサイズよりも、遊技制御基板200Bに実装された電子部品に印字される文字のサイズの方を大きくしてもよい。また、遊技制御基板200Bに実装された電子部品に印字される文字のサイズよりも、情報表示シール250に印字される文字のサイズの方を大きくしてもよい。また、情報表示シール250に印字される文字のフォントと、遊技制御基板200Bに実装された電子部品に印字される文字のフォントとを異ならせてもよい。
また、本実施形態では、基板本体200Sの重畳領域REに設けられる電子部品の数よりも、基板本体200Sのうちの重畳領域RE以外の領域に設けられる電子部品の数の方が多くなるようにしている。また、基板本体200Sの重畳領域REに印字される文字の数よりも、基板本体200Sのうちの重畳領域RE以外の領域に印字される文字の数の方が多くなるようにしている。また、基板本体200Sの重畳領域REに設けられる電子部品に印字される文字の数よりも、基板本体200Sのうちの重畳領域RE以外の領域に設けられる電子部品に印字される文字の数の方が多くなるようにしている。
また、本実施形態では、情報表示シール250のうちの文字が書き込まれる領域の色(白色)は、基板本体200Sに印字される文字の色(白色)や、基板本体200Sに設けられる電子部品に印字される文字の色(白色)と、同系統の色である。情報表示シール250のうちの文字が書き込まれる領域としては、例えば、コード部2501における下地の部分、識別表示部2502における下地の部分、記載領域2503における下地の部分などが挙げられる。基板本体200Sに印字される文字としては、例えば、識別表示部2512、識別表示部2521、識別表示部2531、識別表示部2541等が挙げられる。基板本体200Sに設けられる電子部品に印字される文字としては、例えば、IC251の型式表示部2511等が挙げられる。
この場合、情報表示シール250のうち文字が書き込まれる領域には、基板本体200Sに印字される文字の色や、基板本体200Sに設けられる電子部品に印字される文字の色とは異なる色の文字が書き込まれる。そのため、書き込まれた文字と、基板本体200Sに印字される文字や基板本体200Sに設けられる電子部品に印字される文字とを検査者が誤認することを抑制できる。
〔遊技機の主制御処理〕
次に、パチンコ遊技機100の主制御処理を説明する。
遊技制御部200は、主制御処理において、パチンコ遊技機100における遊技を制御すると共に、サブ制御手段である演出制御部300に対して演出の制御を指示し、払出制御部330に対して賞球の払い出しの制御を指示する。
図30は、遊技制御部200の主制御処理を示すフローチャートである。
主制御処理は、遊技制御における一連の処理からなり、予め設定された一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。本実施の形態において、遊技制御部200は、予め設定された一定時間ごとに割り込みを発生させ、図7に示すループ処理の中で割り込みが許可(S610参照)されると、割り込み処理として主制御処理を実行する。図30に示すように、主制御処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(S801〜S806)。
乱数更新処理(S801)では、遊技制御部200は、乱数制御部241の機能(サブルーチン)を呼び出し、遊技制御部200による遊技制御で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(S802)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図4の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。また、詳しくは後述するが、第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212において事前判定処理を行う場合は、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、事前判定のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図4のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(S803)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
普通図柄処理では、遊技制御部200は、普通図柄判定部232および普通図柄変動制御部236の機能(サブルーチン)を呼び出し、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(S804)としては、大入賞口処理および電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部237の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて特別電動役物である大入賞口125の開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部200は、電動チューリップ動作制御部238の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて普通電動役物である電動チューリップ123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(S805)では、遊技制御部200は、賞球処理部239の機能(サブルーチン)を呼び出し、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(S806)では、遊技制御部200は、出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出し、演出制御用のコマンドを演出制御部300へ出力し、払い出し制御用のコマンドを払出制御部330へ出力する。演出制御用コマンドは、S802からS804までの各処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。払い出し制御用コマンドは、S805の処理において生成され、RAM203に設けられた制御用コマンドの格納領域に格納(セット)される。RAM203には、制御用コマンドの種類ごとに格納領域が設定されている。
出力制御部240は、RAM203の各制御用コマンドの格納領域を順に調べ、個々の格納領域に制御用コマンドが格納されていれば(すなわち、S802〜S805の処理で制御用コマンドが生成されていれば)、その制御用コマンドを読み出し、出力先(演出制御部300または払出制御部330)へ出力する。
本実施の形態では、図30に示したように、一連の主制御処理の最後に出力処理を行う。すなわち、第1の処理手段としての上記各機能によるS802〜S805の各処理において生成されたコマンドを、その各処理においてはRAM203の対応する格納領域に格納しておく。そして、これらの処理の後に、第2の処理手段としての出力制御部240が、RAM203の格納領域に蓄積された、各処理で生成されたコマンドをまとめて出力する。言い換えれば、本実施の形態では、主制御処理を1サイクル実行すると、その1サイクルの実行において生成されたコマンドが、その1サイクルの実行における最後のコマンド生成が行われた後に、出力される。
〔遊技機の基本動作の変形例〕
なお、図7、図8および図30を参照して説明した動作例では、基本処理におけるループ処理の部分で割り込みを許可し、割り込み処理として一連の処理からなる主制御処理を実行した。しかしながら、主制御処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されるように構成されていれば良く、具体的な実現手段(実行手順)は、図7、図8および図30に示した例には限定されない。例えば、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れておき、所定のタイミングで経過時間を計測し、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに主制御処理へ戻る構成としても良い。また、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れる一方で、図7、図8および図30を参照して説明した動作と同様に、一定時間ごとに割り込みを発生させ、割り込みが発生したならば基本処理中に組み入れられた主制御処理へ戻る構成としても良い。
また、基本処理で生成されたコマンドを出力する場合は、原則として、コマンドを生成する度に、RAM203のコマンド格納領域に格納し、第2の処理手段である出力制御部240の機能を呼び出して出力する。基本処理は、遊技の進行に関わる主制御処理とは異なり、電源投入時にのみ行われる初期動作等の特別な処理である。また、基本処理は、電源投入時のパチンコ遊技機100の状態等の条件に基づく分岐により処理手順が変動する場合があるため、出力処理に漏れが無いように、生成したコマンドを速やかに出力する処理である。なお、関連する複数の処理により連続的にコマンドが生成される場合等、具体的な処理の要請に応じて、複数のコマンドをRAM203のコマンド格納領域に格納し、まとめて出力する処理手順を採っても良い。
〔遊技制御部による乱数更新処理〕
特別図柄抽選等の遊技制御における各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、カウンタによって計数され、所定の初期値から始まって、図30に示す主制御処理の乱数更新処理(S801)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図31)およびゲートスイッチ処理(図32)で取得され、特別図柄処理(図33)や普通図柄処理(図38)で使用される。この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、計数された乱数値が、設定されている乱数の最大値(例えば、後述する図42(a)に示した大当たり乱数では299)に達した後は、再び初期値に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、更新間隔や初期値の情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、主制御処理から図7に示す基本処理に戻った後、S613の初期値乱数更新処理において、各乱数の初期値をランダムに変更する。
〔遊技制御部による始動口スイッチ処理〕
図31は、図30のS802に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図31を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(S901)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(S902)。図31に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(S902でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(S902でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による判定のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S903)。ここでは、第1始動口121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、S801の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態と低確率状態、長当たり、短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときに後述のリーチ演出を実行可能な変動パターン(変動時間)にするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S904)。事前判定処理とは、始動口における入賞により乱数の取得が既に行われているが後述する特別図柄処理によって乱数の判定が未だ行われていない入賞球(保留球)について、特別図柄処理によって乱数が判定されるよりも前にその乱数の判定を行う(事前判定)処理である。
そして、本実施の形態の演出制御部300は、事前判定処理によって判定された乱数の判定結果(事前判定結果)に基づいて、特別図柄処理によって乱数が判定され、その判定結果が報知されるよりも前に、その判定結果を示唆する予告演出を行うことができる。この予告演出は、例えば、始動口における入賞により乱数の取得が既に行われているが特別図柄処理によって乱数の判定が未だ行われていない入賞球(保留球)の発生に応じて、画像表示部114に表示される保留表示演出(後述)等を用いて行われる。この事前判定に基づく予告演出により、予告演出に係る事前判定に対応する保留球に関して、その後に特別図柄処理による乱数の判定が行われた際の判定結果が遊技者に示唆される。これによって、遊技者は、保留球に対して期待を抱きながら遊技を行うことができる。事前判定に基づく予告演出の詳細については後述する。
そして、遊技制御部200は、保留数U1の値を1加算する(S905)。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S904の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S906)。
さらに、遊技制御部200は、S905による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S907)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
次に、第2始動口122における入賞に対する処理が行われる。図31を参照すると、次に遊技制御部200は、第2始動口122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212がONとなったか否かを判断する(S908)。第2始動口スイッチ212がONとなったならば、次に、遊技制御部200は、第2始動口122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(S909)。図31に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(S909でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(S909でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S910)。ここでは、第2始動口122の入賞なので、上記のS903と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、S801の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部200は、事前判定処理を行う(S911)。この事前判定処理の内容は、上記のS904と同様である。
そして、遊技制御部200は、保留数U2の値を1加算する(S912)。
この後、遊技制御部200は、事前判定結果を演出制御部300に通知するために、S911の事前判定処理による事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S913)。
さらに、遊技制御部200は、S912による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S914)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部によるゲートスイッチ処理〕
図32は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(S1001)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(S1002)。図32に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(S1002でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(S1002でYes)、遊技制御部200の乱数取得部231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAM203に格納する(S1003)。ここでは、ゲート124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
次に、遊技制御部200は、保留数Gの値を1加算する(S1004)。
S1004で保留数Gの値が加算された後、遊技制御部200は、S1004による保留数Gの増加を演出制御部300に通知するための保留数G増加コマンドをRAM203にセットし(S1005)、ゲート124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部による特別図柄処理〕
図33は、図30のS803に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1101)。ここで、大当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。
大当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(S1101でYes)。一方、大当たり遊技フラグがOFFである場合(S1101でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、パチンコ遊技機100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(S1102)。特別図柄変動中でない場合(S1102でNo)、次に特別図柄変動制御部233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図31参照)に関する処理を行う(S1103〜S1106)。本実施の形態では、第1始動口121の入賞に係る保留数U1と第2始動口122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部233は、まず第2始動口122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(S1103)。保留数U2が1以上である場合(S1103でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U2の値を1減算する(S1104)。一方、保留数U2=0である場合は(S1103でNo)、特別図柄変動制御部233は、次に第1始動口121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(S1105)。保留数U1が1以上である場合(S1105でYes)、特別図柄変動制御部233は、保留数U1の値を1減算する(S1106)。一方、保留数U1=0である場合は(S1105でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(S1116)。
なお、本実施の形態では、第2始動口122の入賞に係る保留数U2に関する処理を優先させて行う。すなわち、保留数U2が1以上である場合は保留数U2に関する処理を行い、保留数U2=0である場合に保留数U1に関する処理を行う(S803〜S806参照)。これに対し、第1始動口121と第2始動口122のどちらの入賞かに関わらず、入賞した順に保留数U1、U2を減算していくような制御とすることも可能である。
S1104またはS1106で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部233は、RAM203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(S1107)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(S1116、後述する図37参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(S1108、S1109)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図3に示す第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222により表示される特別図柄の変動を開始する(S1110)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAM203にセットする(S1111)。S1111でセットされた変動開始コマンドは、図30のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
S1102で特別図柄変動中と判断された場合(S1102でYes)、またはS1111で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部233は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1112)。すなわち、S1110で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がS1109の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1112でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(S1112でYes)、特別図柄変動制御部233は、まず、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222における特別図柄の変動をS1108の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(S1113)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAM203にセットする(S1114)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(S1115)。停止中処理の内容については後述する。S1114でセットされた変動停止コマンドは、図30のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図34は、大当たり判定処理(図33のS1108)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(S1201)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(S1202、S1205)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図31のS903またはS910で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図42(a)参照)。
S1201の乱数判定の結果が大当たりだった場合(S1202でYes)、次に特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(S1203)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率時短遊技状態の大当たり、低確率時短無遊技状態の大当たりなど)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図31のS903またはS910で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図42(b)参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S1204)。
S1201の乱数判定の結果が小当たりだった場合(S1202でNo、S1205でYes)、次に特別図柄判定部234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S1206)。
S1201の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(S1202、S1205でNo)、次に特別図柄判定部234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする(S1207)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図35は、変動パターン選択処理(図33のS1109)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短無状態か時短状態か、および高確率状態か低確率状態か)を参照する(S1301)。そして、大当たり判定処理(図34)のS1202の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1302)。そして、大当たりだった場合(S1302でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1303)。
一方、大当たりしなかった場合(S1302でNo)、次に変動パターン選択部235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(S1304)。リーチ演出を行うか否かは、図31のS903またはS910で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図42(c)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(S1305でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1306)。また、リーチ演出を行わない場合(S1305でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1307)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間3秒、7秒、13秒、15秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部235は、図31のS903またはS910で取得した変動パターン乱数値およびS1303、S1306、S1307でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(S1308)。すなわち、変動パターン選択部235は、RAM203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、パチンコ遊技機100の遊技状態(時短状態か時短無し状態か、および高確率状態か低確率状態か)、特別図柄抽選の結果(大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か)等の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部235は、S1308で選択した変動パターンを設定情報としてRAM203にセットする(S1309)。S1309でセットされた変動パターンの設定情報は、図33のS1111でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図30のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。本実施の形態で選択される変動パターンおよびその設定の詳細については後述する。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図36は、停止中処理(図33のS1115)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1401)。時短フラグがONである場合(S1401でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(S1402)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(S1403)。そして、抽選回数J=0であれば(S1403でYes)、時短フラグをOFFにする(S1404)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図39)における遊技状態設定処理(図40)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(S1401でNo)またはS1404で時短フラグをOFFにした後、あるいはS1402で減算した後の抽選回数Jの値が0でない場合(S1403でNo)、次に遊技制御部200は、RAM203のフラグ設定において高確率状態であることを示すフラグ(以下、高確フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1405)。なお、この高確フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態であり、高確フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態である。
高確フラグがONである場合(S1405でYes)、遊技制御部200は、高確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(S1406)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(S1407)。そして、抽選回数X=0であれば(S1407でYes)、高確フラグをOFFにする(S1408)。なお、高確フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図39)における遊技状態設定処理(図40)で行われる。
高確フラグがOFFであった場合(S1405でNo)またはS1408で高確フラグをOFFにした後、あるいはS1406で減算した後の抽選回数Xの値が0でない場合(S1407でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1409)。そして、大当たりだった場合(S1409でYes)、次に遊技制御部200は、大当たりの種類を判断する(S1410)。なお、ここでは大当たりの種類の判断の一例として、長当たりか否かが判断される。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図34)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図42(b)の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、S1409でYesである。大当たり判定処理によりRAM203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、S1409でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(S1410でYes)、遊技制御部200は、長当たり遊技フラグをONにする(S1411)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図39)における遊技状態設定処理(図40)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(S1410でNo)、遊技制御部200は、短当たり遊技フラグをONにする(S1412)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
S1411またはS1412で大当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(S1413)。また、遊技制御部200は、S1401において時短フラグがONであって、S1403において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(S1414)。同様に、S1405において高確フラグがONであって、S1407において抽選回数Xが0でなかった場合に、高確フラグをOFFにする(S1414)。
S1413で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部200は、オープニング動作を開始する(S1417)。ここで、オープニング動作の内容は、S1411、S1412の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。言い替えると、特別図柄抽選の判定結果に応じたオープニング動作が設定される。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(S1418)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図30のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
これに対し、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(S1409でNo)、次に遊技制御部200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(S1415)。小当たりでなかった場合は(S1415でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(S1415でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(S1416)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図37は、客待ち設定処理(図33のS1116)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(S1501)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(S1501でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部200は、客待ちコマンドを生成してRAM203にセットし(S1502)、客待ちフラグをONにする(S1503)。S1502でセットされた客待ちコマンドは、図30のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図38は、図30のS803に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1601)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップ123が後述の電動チューリップ処理(図41)にしたがって開放され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(S1601でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(S1601でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、パチンコ遊技機100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(S1602)。普通図柄変動中でない場合(S1602でNo)、次に普通図柄変動制御部236は、普通図柄の未変動分の保留数G(図32参照)が1以上か判断する(S1603)。保留数G=0である場合は(S1603でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(S1603でYes)、普通図柄変動制御部236は、保留数Gの値を1減算する(S1604)。そして、普通図柄判定部232が、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(S1605)。当選したか否かは、図32のS1003で取得した当たり乱数の値が、後述する図42(d)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(S1606)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAM203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部236は、普通図柄の変動時間の設定を行う(S1607)。この変動時間は、図36におけるS1404、S1414、後述の図40におけるS1804、S1807等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、S1607による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部236は、S1607の設定内容に基づき、図3(a)に示す普通図柄表示器223における普通図柄の変動を開始する(S1608)。なお、普通図柄の変動パターンを抽選により決定することもできる。この場合、例えば、遊技球がゲート124を通過した際に、乱数取得部231が普通図柄の変動パターン乱数値を取得し、S1607において、普通図柄変動制御部236が普通図柄の変動パターン乱数値を判定することにより、変動時間が設定される。
S1608で普通図柄の変動を開始した後、またはS1602で普通図柄変動中と判断された場合(S1602でYes)、普通図柄変動制御部236は、変動時間を経過したか否かを判断する(S1609)。すなわち、S1608で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がS1607で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(S1609でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(S1609でYes)、普通図柄変動制御部236は、普通図柄表示器223における普通図柄の変動を停止する(S1610)。そして、普通図柄変動制御部236は、S1605の判定結果が当選であったか否かを判断する(S1611)。当選であったならば(S1611でYes)、補助遊技フラグをONにする(S1612)。一方、抽選にはずれたならば(S1611でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図39は、図30のS804に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において大当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1701)。大当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(S1701でNo)。一方、大当たり遊技フラグがONである場合(S1701でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図36)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(S1702)。
パチンコ遊技機100がオープニング中である場合(S1702でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(S1703)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1703でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(S1703でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動設定を行い(S1704)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(S1705)、大入賞口125の作動のラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(S1706)、大入賞口125を作動開始(開放)する(S1707)。
S1704の作動設定では、大入賞口125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口125が作動する場合の例としては、特別図柄抽選で、長当たりまたは短当たりの大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。なお、大当たり遊技においては、大入賞口125の作動を複数回(複数ラウンド)連続して行うことが規定されている。一例としては、長当たりの場合、例えば、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たりの場合、例えば、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を1回行う。さらに説明をすると、0.9秒開放して1.0秒閉鎖した後、0.9秒開放する。一方、小当たりの場合、例えば、0.9秒開放して1.0秒閉鎖した後、0.9秒開放する。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤110上の大入賞口125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
なお、小当たりの際には、大入賞口125の開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、大入賞口125を複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、大入賞口125が2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部237は、S1704で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(S1708)。大入賞口125での開放状態が開放時間を経過していない場合(S1708でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(S1709)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1709でNo)。一方、開放時間を経過したか(S1708でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(S1709でYes)、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125を作動終了(閉口)する(S1710)。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数RがS1704で設定された最大値に達したか否かを判断する(S1711)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(S1711でNo)。
大入賞口125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(S1711でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング動作を開始する(S1712)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技において設定されたエンディング動作のうち、大当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において大当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(S1713)。このエンディングコマンドは、図30のS806に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部237は、大入賞口125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(S1714)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(S1717)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(S1717でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(S1717でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、遊技制御部200による遊技状態設定処理を経た後(S1718)、大当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(S1719)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
S1702で、パチンコ遊技機100がオープニング中ではないと判断した場合(S1702でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、エンディング中か否かを判断する(S1715)。そして、エンディング中であるならば(S1715でYes)、上記S1717以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機100がエンディング中でもないならば(S1715でNo)、次に大入賞口動作制御部237は、大入賞口125が作動(開放)中か否かを判断する(S1716)。そして、作動中でないならば(S1716でNo)、上記S1705以降の動作を実行し、作動中であるならば(S1716でYes)、上記S1708以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(S1717でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(S1718)の内容を図40に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図39のS1701で大当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図40に示すように、遊技制御部200は、まず、その大当たりの種類を判断する(S1801、S1802、S1803、S1806)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図34)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図34)のS1202、S1203、S1205と概ね同様であるので、S1202、S1203、S1205の判断結果を用いても良い。
小当たりである場合(S1801でYes)、遊技状態は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
大当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1801でNo、S1802、S1803でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(S1804)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(S1805)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、大当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1801でNo、1802でYes、S1803でNo)、遊技制御部200は、時短フラグ、高確フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAM203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
大当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1801、S1802でNo、S1806でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにし(S1807)、抽選回数Jの初期値を設定する(S1808)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では10000回である。また、遊技制御部200は、高確フラグをONにし(S1809)、抽選回数Xの初期値を設定する(S1810)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では10000回である。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、大当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりである場合(S1801、S1802、S1806でNo)、遊技制御部200は、高確フラグのみをONにし(S1809)、抽選回数Xの初期値(10000回)を設定する(S1810)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が10000回行われたならば、高確率時短無遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図41は、図30のS804に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部200の電動チューリップ動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1901)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップ123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(S1901でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(S1901でYes)、次に電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123が作動中か否かを判断する(S1902)。
電動チューリップ123が作動中でない場合(S1902でNo)、電動チューリップ動作制御部238は、電動チューリップ123の作動パターンの設定を行い(S1903)、設定した作動パターンで電動チューリップ123を作動させる(S1904)。ここで、作動パターンは、図36におけるS1404、S1414、図40におけるS1804、S1807等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、S1903による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短状態のとき)は、電動チューリップ123が長時間、複数回開放され、第2始動口122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。なお、時短フラグがONの場合またはOFFの場合における電動チューリップ123の作動パターン(補助遊技の種類)を複数用意し、普通図柄処理(図38参照)で判定される当たりの種類に応じて、作動パターンを設定するように構成しても良い。
S1902で電動チューリップ123が作動中と判断された場合(S1902でYes)、またはS1904で電動チューリップ123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部238は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(S1905)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップ123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(S1905でNo)。一方、開放時間を経過したならば(S1905でYes)、電動チューリップ動作制御部238は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(S1906)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図34)、変動パターン選択処理(図35)、普通図柄処理(図38)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図42は、本実施の形態において特別図柄抽選および普通図柄抽選で用いられる乱数(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図42(a)には特別図柄抽選で用いられる大当たり乱数の構成例、図42(b)には特別図柄抽選で用いられる大当たり図柄乱数の構成例、図42(c)には特別図柄抽選で用いられるリーチ乱数の構成例、図42(d)には普通図柄抽選で用いられる当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図42(a)を参照すると、大当たり乱数の判定値として、大当たり判定時のパチンコ遊技機100の遊技状態が低確率状態の場合の大当たりと大当たり判定時の遊技状態が高確率状態の場合の大当たりの2種類と、小当たりとが設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は、何れも0〜299の300個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つだけが設定され、当選確率は1/300である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個設定され、当選確率は10/300(=1/30)である。すなわち図示の例では、高確率状態で始動口121、122に入賞し特別図柄抽選が行われると、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、当選確率が10倍となる。また、小当たりの当選値は、低確率状態か高確率状態かに関わらず3個設定され、当選確率は3/300(=1/100)である。
ここで、低確率状態の特別図柄抽選を例に説明をすると、上記第1始動口121または第2始動口122への入賞を契機として取得した大当たり乱数値(S903、S910参照)が、図42(a)における低確率状態の大当たり抽選の当選値である「5」と一致するかが判定される。詳細な説明は省略するが、高確率状態の特別図柄抽選および小当たりの特別図柄抽選についても同様である。
図42(b)を参照すると、大当たり図柄には、低確率図柄A、低確率図柄B、高確率図柄A、高確率図柄B、潜確図柄の5種類が用意されている。ここで、低確率図柄Aおよび低確率図柄Bは、低確率状態の大当たりであることを表す図柄であり、このうち低確率図柄Aは長当たり(8ラウンド)かつ低確率時短遊技状態の大当たりであることを示す。低確率図柄Bは長当たり(4ラウンド)かつ低確率時短遊技状態の大当たりであることを示す。高確率図柄Aおよび高確率図柄Bは長当たり(15ラウンド)かつ高確率時短遊技状態の大当たりであることを示す。高確率図柄Cおよび高確率図柄Dは、長当たり(8ラウンド)かつ高確率時短遊技状態の大当たりであることを示す。高確率図柄Eは、短当たり(2ラウンド)かつ高確率時短無遊技状態の大当たりであることを示す。潜確図柄は、短当たり(2ラウンド)かつ高確率時短無遊技状態の大当たりであることを表す図柄である。したがって、高確率図柄Bと潜確図柄とは大当たり遊技後の遊技状態が同じであるが、潜確図柄は、高確率状態であることを遊技者に明確に報知しない潜伏演出を行う条件とするために高確率図柄Bとは分けて設けられている。乱数の値の範囲は0〜249の250個である。また、大当たり図柄乱数では、特別図柄抽選が行われる契機となる第1始動口121と第2始動口122の各々について当選値が設定される。
低確率図柄Aでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として35個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Aでの当選となる確率は、35/250(=7/50)である。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
高確率図柄Aでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として20個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、20/250(=2/25)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として150個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、150/250(=15/25)である。
高確率図柄Bでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として5個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、5/250(=1/50)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
高確率図柄Cでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Cでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として10個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、10/250(=1/25)である。
高確率図柄Dでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Dでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として10個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Dでの当選となる確率は、10/250(=1/25)である。
高確率図柄Eでは、第1始動口121に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Eでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として5個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Eでの当選となる確率は、5/250(=1/50)である。
潜確図柄では、第1始動口121に入賞した場合の当選値として100個の値が割り当てられている。したがって、第1始動口121に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に潜確図柄での当選となる確率は、100/250(=2/5)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
ここで、低確率図柄Aを例に説明をすると、上記第1始動口121または第2始動口122への入賞を契機として取得した大当たり図柄乱数値(S903、S910参照)が、図42(b)における低確率図柄Aの当選値である「0〜34」と一致するかが判定される。詳細な説明は省略するが、低確率図柄Bなどの特別図柄抽選についても同様である。
以上のように、第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤110における第1始動口121と第2始動口122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口121と第2始動口122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機100は、遊技の有利度合いの段階である設定値を設定可能になっている。パチンコ遊技機100では、設定値は、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」および「6」の例えば6段階のいずれかに設定可能である。
パチンコ遊技機100では、設定値が「1」に設定された場合には、当選確率が最も低くなっている。例えば、設定値が「1」であって低確率状態であるときには、当選確率は、1/300になっている。また、設定値が「1」であって高確率状態であるときには、当選確率は、10/300になっている。
また、パチンコ遊技機100では、設定値が「6」に設定された場合には、当選確率が最も高くなっている。例えば、設定値が「6」であって低確率遊技状態であるときには、当選確率は、1/285になっている。また、設定値が「6」であって高確率状態であるときには、当選確率は、10/285になっている。
このように、パチンコ遊技機100では、当選確率は、設定値「1」<「2」<「3」<「4」<「5」<「6」の順に高くなるように設定されている。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。なお、リーチ乱数は、後述するように保留数に応じて設定されている。ここでは、例として保留数が0個であるときの、リーチ乱数について説明をする。
図42(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を実行可能な変動パターン(変動時間)とする(例えば、13.5秒以上)抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を実行可能な変動パターンとしない(例えば、13.5秒未満)抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。ここで、リーチ演出は、特別図柄変動時に画像表示部114において行われる演出である。以下、リーチ演出を実行可能な変動パターンとしない特別図柄変動時の演出をリーチ無し演出と呼び、これに対応してリーチ演出を実行可能な変動パターンとする特別図柄変動時の演出をリーチ有り演出と呼ぶ。
ここで、リーチ有を例に説明をすると、上記第1始動口121または第2始動口122への入賞を契機として取得したリーチ乱数値(S903、S910参照)が、図42(c)におけるリーチ有の当選値である「0〜21」と一致するかが判定される。詳細な説明は省略するが、リーチ無の特別図柄抽選についても同様である。
多くの場合、特別図柄変動時には、第1特別図柄表示器221および第2特別図柄表示器222(以下、これらを区別しない場合は特別図柄表示器221、222と記載)の表示制御に連動させて、画像表示部114において装飾図柄を用いた演出が行われる。装飾図柄は、例えば、1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列表示されて構成される。そして、特別図柄表示器221、222における特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、画像表示部114に表示された装飾図柄がスクロールを開始する。また、特別図柄の変動表示の開始(装飾図柄のスクロール開始)から所定時間経過後、特別図柄が停止表示されるのと同時に、装飾図柄も確定停止する。一般に、特別図柄抽選の判定結果が大当たりである場合、装飾図柄の停止表示では、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が三つ揃って並ぶ。この特別図柄の変動表示に伴って行われる装飾図柄を用いた演出を変動演出と呼ぶ。
リーチ有り演出においては、変動演出として、装飾図柄に関して次のような動作が行われる。まず、縦(横)方向にスクロールする装飾図柄を確定停止するまでに、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に仮停止する。このとき、横(縦)または斜めにわたる一直線上に同一の数字が仮停止される。さらに説明をすると、装飾図柄が縦方向にスクロールしていれば、横方向の一列で同一の数字が仮停止される。
次に、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が三つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。そして、最後の一列が仮停止した後、3つの図柄が確定停止する。
ここで、リーチ有り演出では、3つの図柄を確定停止させる前に、SPリーチ演出やSP・SPリーチ演出が行われる場合がある。なお、SPリーチ演出は、一般にスーパーリーチやスペシャルリーチと呼ばれ、リーチよりも大当たりすることを期待させる演出であり、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりする動画像の演出である。また、SP・SPリーチは、一般にスーパースーパーリーチやスペシャルスペシャルリーチと呼ばれ、SPリーチよりも大当たりすることを期待させる演出であり、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりする動画像の演出である。
また、後述する図43に示すように、本実施の形態では、変動時間がより長い(例えば90秒や60秒)場合に、SPリーチやSP・SPリーチ演出を実行するように設定している。なお、リーチ有り演出と共に行われる上記の変動演出をリーチ時変動演出とも呼ぶ。
一方、リーチ無し演出においては、縦(横)方向にスクロールする装飾図柄が確定停止するまでに、リーチ有り演出のような遊技者に期待感を与える演出がなされることなく、横(縦)または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が確定停止される。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像表示部114においてリーチ演出を実行可能な変動パターンとするリーチ有り演出を行うか、リーチ演出を実行可能な変動パターンとしないリーチ無し演出を行うかを決定する。また、リーチ乱数は、保留数に応じてリーチ有り演出の実行割合を変えるなどして、効率の良い遊技進行を可能にしつつ、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が行われ、最終的に横(縦)または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が確定停止する態様とすることができる。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が確定停止する。
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図42(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選が行われると、9/10の確率で当選する。
ここで、時短フラグOFFを例に説明をすると、上記ゲート124、第1始動口121または第2始動口122の遊技球の通過を契機として取得した当たり乱数値(S1003参照)が、図42(d)における時短フラグOFFの当選値である「0」と一致するかが判定される。詳細な説明は省略するが、時短フラグONの普通図柄抽選についても同様である。
また、特に図示していないが、普通図柄抽選で当たりと判定された場合に行われる補助遊技の内容(電動チューリップ123の開放パターン)が異なる複数の当たりを設定することができる。この場合、例えば、特別図柄抽選における大当たりの種類を特定する大当たり図柄乱数(図39(b)参照)と同様に、普通図柄抽選における当たりの種類を特定するための当たり図柄乱数が設定される。そして、遊技制御部200は、乱数取得部231により、ゲートスイッチ処理(図32参照)で当たり乱数の乱数値と共に、当たり図柄乱数の乱数値を取得し、普通図柄判定部232により、取得された乱数値に基づいて当たりの種類を特定する。
なお、図42の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔変動パターンの設定例〕
次に、図35に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例について説明する。
図43は、図35に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンとテーブルの設定例を示す図である。なお、図43には、低確率時短無遊技状態の設定例を示している。図示は省略するが、高確率時短遊技状態など他の遊技状態に関しては、変動パターン選択処理において選択される変動パターンの設定のテーブルが個別に設けられる。
また、図43には、第1始動口121に遊技球が入賞した場合の設定例を示している。第2始動口122に遊技球が入賞する場合に関しては、変動パターン選択処理において選択される変動パターンの設定のテーブルが個別に設けられてもよいし、第1始動口121に遊技球が入賞した場合に参照するテーブルを共用して参照するようにしてもよい。
図43に示すように、特別図柄変動制御部233は、特別図柄抽選の判定結果が大当たりの場合(図35のS1302でYesの場合)、大当たり図柄および変動パターン乱数に基づいて変動パターンを決定する。具体的には、特別図柄変動制御部233は、乱数取得部231によって大当たり乱数値とともに取得された変動パターン乱数値(S903参照)が、大当たり図柄ごとに割り振られた変動パターン乱数値のいずれと一致するかに基づいて、変動パターンを決定する。例えば、大当たり図柄が「高確率図柄A」であり、変動パターン乱数が「51」である場合、図43における「高確率図柄A」に割り振られた変動パターン乱数範囲「50〜69」に一致するので、変動パターンとして「PB3」が選択される。なお、この「PB3」における特別図柄変動時間は、「90.18秒」である。
また、特別図柄変動制御部233は、特別図柄抽選の判定結果がはずれの場合(図35のS1302でNoの場合)、第1特別図柄抽選の保留数U1、リーチ乱数、および変動パターン乱数に基づいて変動パターンを決定する。具体的には、特別図柄変動制御部233は、第1特別図柄抽選の保留数U1が「0」である場合、乱数取得部231によって大当たり乱数値とともに取得されたリーチ乱数値(S903参照)が、図43における「はずれ」の保留数「0」に割り振られたリーチ乱数範囲「0〜21」に割り振られるのか、リーチ乱数範囲「22〜249」に割り振られるのかを判定する。そして、この取得されたリーチ乱数がリーチ乱数範囲「0〜21」に含まれる場合、乱数取得部231によって大当たり乱数値とともに取得された変動パターン乱数値(S903参照)が、リーチ乱数範囲「0〜21」に割り振られた変動パターン乱数値のいずれと一致するかに基づいて、変動パターンを決定する。例えば、変動パターン乱数が「51」である場合、変動パターン乱数範囲「50〜89」に一致するので、変動パターンとして「PR4」が選択される。
上記のように、遊技制御部200は、遊技球が始動口121、122に入賞した際に取得した変動パターン乱数値(図31のS903、S910参照)と、パチンコ遊技機100の遊技状態、リーチ演出の有無、保留数等の条件とに基づいて特別図柄の変動パターンを決定する。そして、決定された特別図柄の変動パターンの情報は、変動開始コマンドに含まれて、遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。演出制御部300では、後述するように、特別図柄変動時の演出として、変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報に基づいて特定される変動時間に対応する(その変動時間で実行可能な)演出が選択されて実行される。
〔事前判定に基づく予告演出を行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
続いて、事前判定に基づく予告演出を実行するための、本実施の形態における遊技制御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303の構成について説明する。
図44は、本実施の形態に係る遊技制御部200のRAM203(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図44(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図であり、図44(b)は、図44(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図44(a)に示すように、RAM203は、大当たり乱数抽選により取得した大当たり乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域204を備えている。この記憶領域204は、第1始動口121の保留数と第2始動口122の保留数の最大値に対応する8つの記憶部を有している(各保留数の上限値が4の場合)。具体的に説明すると、記憶領域204は、第1記憶部204a、第2記憶部204b、第3記憶部204c、第4記憶部204d、第5記憶部204e、第6記憶部204f、第7記憶部204g、第8記憶部204hを有している。
また、図44(b)に示すように、これらの記憶部204a〜204hの各々は、入賞した始動口(第1始動口121または第2始動口122)の別を表す情報が記憶される領域と、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リーチ乱数が記憶される領域と、変動パターン乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち、記憶部204a〜204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。
ここで、各乱数は、第1記憶部204aから順に記憶していく。より具体的に説明すると、例えば、第1記憶部204a〜第8記憶部204hの何れにも乱数が記憶されていないときには、取得した乱数が第1記憶部204aに記憶されることになる。また、例えば、第1記憶部204a〜第4記憶部204dに乱数がすでに記憶されているときには、取得した乱数が第5記憶部204eに記憶されることになる。
図45は、本実施の形態に係る演出制御部300のRAM303(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図45(a)は、保留記憶領域305、306の構成を示すブロック図であり、図45(b)は、図45(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図45(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306を備えている。この第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306は、第1始動口121への入賞に対する保留および第2始動口122への入賞に対する保留にそれぞれ対応しており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域305は、第1記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305dを有している。また、第2保留記憶領域306は、第1記憶部306a、第2記憶部306b、第3記憶部306c、第4記憶部306dを有している。
また、図45(b)に示すように、これらの記憶部305a〜305d、306a〜306dの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをON/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、各記憶部305a〜305d、306a〜306dごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば第1始動口121への入賞による保留数が3である場合、第1〜3記憶部305a、305b、305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがONとなる。報知フラグは、個々の保留球に関して事前判定結果に基づいて予告演出を行うか否かを設定するためのフラグである。本実施の形態のパチンコ遊技機100では、演出制御部300において、遊技状態や演出の状況に応じて事前判定結果に基づく予告演出を行うか否かを設定可能としている。そこで、予告演出を行う場合には報知フラグをONとし、予告演出を行わない場合には報知フラグをOFFとする。例えば上記3つの保留球のうち3番目の保留球に対して予告演出を行う場合は、第3記憶部305cの報知フラグ記憶領域において、報知フラグがONとなる。
また、特に図示しないが、図44(a)に示した構成とは別に、RAM203は、事前判定情報が記憶される領域(以下、事前判定情報格納領域)を有する。事前判定情報とは、上記の各乱数に基づく事前判定処理(図31のS904、S911参照)によって得られた情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(図33参照)における各種の判定結果として得られる情報と同様であり、具体的には、大当たりしたか否か(および小当たりしたか否か)、大当たりであった場合にはその大当たりの種類、変動パターン(変動時間)がリーチ演出を実行可能な長さであるか、変動パターンの内容といったことを示すための情報である。事前判定情報格納領域に格納された事前判定情報は、事前判定処理が行われた入賞球(保留球)に対応する保留に関する情報(以下、保留情報)と共に、あるいはこの保留情報とは別に独自のタイミングで、事前判定結果コマンドに含められて遊技制御部200から演出制御部300へ送られる。
〔事前判定処理〕
次に、事前判定処理(図31のS904、S911参照)について詳細に説明する。
本実施の形態における事前判定処理では、遊技制御部200では、図42や図43を参照しながら説明した乱数の構成例と同様の乱数テーブルを用いて以下のとおり事前判定を行う。
図46は、本実施の形態に係る事前判定処理(図31のS904、S911)の内容を示すフローチャートである。
図46に示すように、遊技制御部200は、まず、遊技状態が高確率状態か否かを判断し(S2401)、高確率状態であると判断すると(S2401でYes)、高確率状態用のテーブルを選択して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S2402)。一方、S2401でNoと判断した場合には、低確率状態用のテーブルを選択して、大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定を行う(S2403)。
S2402またはS2403の大当たり乱数および大当たり図柄乱数の事前判定の後、遊技制御部200は、遊技状態が時短状態か否かを判断し(S2404)、時短状態であると判断すると(S2404でYes)、時短状態用のテーブルを選択して、リーチ乱数の事前判定を行う(S2405)。さらに、時短状態用のテーブルを選択して、変動パターン乱数の事前判定を行う(S2406)。
一方、S2404でNoと判断した場合には、時短無状態用のテーブルを選択して、リーチ乱数の事前判定を行う(S2407)。さらに、時短無状態用のテーブルを選択して、変動パターン乱数の事前判定を行う(S2408)。
この後、遊技制御部200は、上述のとおり得られた大当たり乱数の事前判定の結果、大当たり図柄乱数の事前判定の結果、リーチ乱数の事前判定の結果、および変動パターンの事前判定の結果を、事前判定情報として事前判定情報格納領域に記憶する(S2409)。さらに、演出制御部300に事前判定情報を送信するために、事前判定情報を含む事前判定結果コマンドをRAM203にセットする(S2410)。
ここで、上述の事前判定は、始動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得された乱数値(図31のS903、S910参照)と、大当たり判定処理で用いられる判定テーブル(図42参照)と同様の構成の判定テーブルとを用いて行った。すなわち、使用する判定テーブルを選択した後の判定自体は、大当たり判定処理における判定(図34のS1201参照)と同様である。そこで、本実施の形態では、特別図柄処理(図33参照)で用いた大当たり判定処理のサブルーチン(図33のS1108および図34参照)を呼び出し、上記の事前判定における乱数の判定を行う。
このような構成としたことにより、本実施の形態では、事前判定処理における乱数の判定を行うために、大当たり判定処理とは別に乱数を判定する処理機能(サブルーチン)を用意する必要がない。そのため、制御命令の数を削減し、大当たり判定処理および事前判定処理に関するプログラムのサイズの増大を抑制することができる。また、上記のように、事前判定に用いる判定テーブルを大当たり判定で用いる判定テーブルと同様の構成とする場合には、大当たり判定で用いる判定テーブルを事前判定においても用いるようにしても良い。
また、ここでは特別図柄抽選に関する事前判定(大当たりか否か)についてのみ説明したが、本実施の形態では、特別図柄の変動表示および停止表示を行う際の変動パターンについても、先読み(事前判定)を行う。特別図柄抽選における変動パターンの選択は、始動口121、122への遊技球の入賞に応じて取得された変動パターン選択用の乱数値(図31のS903、S910参照)と変動パターンテーブル(図43参照)とを用いて行われる(図33のS1109および図35参照)。したがって、変動パターンの先読みにおいても、入賞時に取得した変動パターン選択用の乱数値と、特別図柄処理の変動パターン選択処理で用いた変動パターンテーブルと同様の構成の先読みテーブルを用いて、選択される変動パターンを先読みすることができる。
この場合、変動パターン選択処理で選択される変動パターンを先読みするために、特別図柄処理(図33参照)で用いた変動パターン選択処理のサブルーチン(図33のS1109および図35参照)を呼び出して用いることができる。また、変動パターン選択の先読みに用いる先読みテーブルに関しても、特別図柄処理の変動パターン選択処理で用いられる変動パターンテーブルを用いて良い。このように構成すれば、変動パターン選択の先読みに関する制御命令の数を削減し、プログラムのサイズの増大を抑制することができる。
なお、事前判定処理と特別図柄変動時の大当たり判定処理とを、同様の判定テーブル群を用い同じサブルーチンにて行った場合、各処理の実行時が異なるために、事前判定結果と特別図柄変動時の大当たり判定処理による判定結果とが異なる場合があり得る。すなわち、事前判定処理の実行後、特別図柄変動開始時までにパチンコ遊技機100の遊技状態(高確率状態か低確率状態か、時短状態か時短無状態か)が変化した場合である。この場合、判定テーブルは遊技状態に応じて異なる種類のものが用いられるため、事前判定処理の実行時と大当たり判定処理の実行時とでは、判定に用いられる具体的な判定テーブルが異なることになる。そのため、始動口121、122への入賞時に獲得した同一の乱数値を使用しても、事前判定結果と大当たり判定処理の判定結果と異なる場合がある。このような場合、演出制御部300において、事前判定処理の実行後、特別図柄変動の開始時までに遊技状態が変化する場合は、事前判定結果に基づく演出を不実行とする(禁則)制御等を行っても構わない。
なお、上記のように遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドに従い、演出制御部300は、例えば画像表示部114、盤ランプ116、スピーカ156、枠ランプ157などを制御する。例えば、扉開放エラー開始を示すコマンドを演出制御部300が受信した際には、演出制御部300は、「係員を呼んで下さい。」とのメッセージや、異常状態を示す画像などを画像表示部114に表示させる。また、演出制御部300は、スピーカ156から、異常状態を示す警報などを出力させるとともに、楽曲や音声、効果音などを出力させることを制限する。また、演出制御部300は、異常状態を示す態様として、例えば赤色で盤ランプ116や枠ランプ157を点灯させる。
付言すると、ここでは、演出制御部300が画像表示部114、盤ランプ116、スピーカ156、枠ランプ157の全てを用いてエラーが発生したことを報知することを説明したが、これらのうちの一部を用いる態様であってもよい。また、エラーの内容に応じて、報知する態様を切り替えてもよい。例えば、扉開放エラーが発生した場合には、上述のように画像表示部114、盤ランプ116、スピーカ156、枠ランプ157の全てを用いてもよい。また、払い出しエラーが発生した場合には、画像表示部114およびスピーカ156によりエラーが発生したことを報知する。このことにより、遊技店(パチンコホール)の店員などが、遊技機で発生したエラーの緊急度を容易に判別することが可能となる。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図47は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図47(a)に示すメイン処理と、図47(b)に示す割り込み処理とからなる。図47(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(S2501)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(S2502)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(S2503)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、S2502で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図47(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部300は、遊技制御部200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(S2511)。このコマンド受信処理において、演出内容(演出パターン)が選択される。また、演出制御部300は、遊技者による演出ボタン161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(S2512)。この後、演出制御部300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信するコマンド送信処理を行う(S2513)。これにより、画像表示部114への画像表示や音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図48は、コマンド受信処理(図47(b)のS2511)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドを受信したか否かを判断する(S2601)。なお、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図31に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(S906、S907、S913、S914)、図30に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
そして、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドを受信したと判断した場合(S2601でYes)、RAM303に保持されている保留数の値を1加算する(S2602)。さらに、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づいて、事前判定演出選択処理を行う(S2603)。なお、事前判定演出選択処理の内容については後に説明する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドでない場合(S2601でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(S2604)。この変動開始コマンドは、遊技制御部200において、図33に示した特別図柄処理においてセットされ(S1111)、図30に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(S2604でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(S2605)。また、変動開始コマンドを受信した際は、演出選択処理において用いられる演出制御用の乱数値が取得される。この乱数値は、図47(a)に示すメイン処理のS2503で定期的に更新される乱数値である。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンドおよび変動開始コマンドでない場合(S2601およびS2604でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(S2606)。この変動停止コマンドは、遊技制御部200において、図33に示した特別図柄処理においてセットされ(S1114)、図30に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(S2606でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(S2607)。なお、変動演出終了中処理においては、演出制御部300は、受信した変動停止コマンドを解析し、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAM303にセットする。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(S2601、S2604およびS2606でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり遊技のオープニング動作を開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(S2608)。このオープニングコマンドは、図36に示した停止中処理においてセットされ(S1418)、図30に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(S2608でYes)、演出制御部300は、大当たり演出選択処理を実行する(S2609)。大当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(S2601、S2604、S2606およびS2608でNo)、演出制御部300は、受信したコマンドが大当たり遊技のエンディング動作を開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(S2610)。このエンディングコマンドは、図39に示した大入賞口処理においてセットされ(S1713)、図30に示した出力処理(S806)で演出制御部300へ送信されたコマンドである。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(S2610でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(S2611)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが事前判定結果コマンド、保留数増加コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(S2601、S2604、S2606、S2608およびS2610でNo)、次に演出制御部300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(S2612)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図49は、図48の事前判定演出選択処理(S2603)および演出選択処理(S2605)の内容を示すフローチャートである。
事前判定演出選択処理において、演出制御部300は、まず、遊技制御部200から受信した事前判定結果コマンドを解析する(S2801)。さらに、演出制御部300は、遊技制御部200から受信した保留数増加コマンドを解析する(S2802)。そして、演出制御部300は、事前判定結果コマンドおよび保留数増加コマンドに基づいて、事前判定演出で用いられる演出パターン(事前判定演出パターン)を選択する(S2803)。
ここで、事前判定演出パターンとしては、特別図柄処理による乱数の判定結果に基づく変動の開始以前に、その特別図柄処理による乱数の判定結果を予告するような各種の演出パターンを設けることができる。例えば、保留表示演出や、連続予告演出等の演出を事前判定演出パターンとして設けることができる。本実施の形態では、保留球が発生した際、保留球数を表す表示を、表示器130の第1特別図柄保留表示器218および第2特別図柄保留表示器219に表示する(図3参照)と共に、画像表示部114に保留の発生や保留数を示唆する保留表示を行う(保留表示演出)。そこで、この保留表示演出において、保留表示の表示態様等に事前判定結果を反映させることにより、その保留球に関して、その後に特別図柄処理による乱数の判定が行われた際の判定結果を遊技者に示唆する事前判定演出とすることができる。
なお、ここでは保留表示演出を事前判定演出として用いる場合について説明したが、特別図柄処理による乱数の判定結果に基づく変動の開始以前に行われる各種の演出内容に反映させることで、多様な予告演出を行うことが可能になる。例えば、画像表示部114に表示される演出画像を用いた演出、盤ランプ116や枠ランプ157の発光による演出、可動役物の動作による演出、楽曲や効果音等の音響出力による演出等を事前判定演出パターンとして設定することができる。
また、事前判定演出は、事前判定が行われた入賞球(保留球)に対する図柄変動よりも先に行われる他の入賞球に対する図柄変動に伴って実行される。本実施の形態では、保留球は、一つの始動口(第1始動口121または第2始動口122)につき4個を上限としている(図31参照)。また、第2始動口122の保留球の消化を優先するものとする。この場合、例えば、第2始動口122のある保留球について事前判定を行ったならば、その保留球についての図柄変動が行われる前に、現在変動中の変動(当該変動と呼ぶ)を含め、最大で4個の入賞球についての図柄変動が行われることとなる。事前判定が行われた保留球に係る予告演出において、その保留球についての図柄変動が行われる前に複数回の図柄変動が行われる場合、その複数回の図柄変動にまたがる予告演出(連続予告演出)を行っても良い。
そして、演出制御部300は、加算後の保留数の値と、事前判定演出選択処理において選択された事前判定演出パターンの情報とが含まれる保留数コマンドをRAM303にセットする(S2804)。なお、保留数コマンドには、画像/音響制御部310のCPU311に対して選択された事前判定演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情報が含まれる。CPU311は保留数コマンドを受信することで、選択された事前判定演出パターンに対応する画像や音響をVDP314に描画、出力処理させるためのディスプレイリスト等の作成を行う。VDP314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択された事前判定演出パターンを表すための画像データや音響データをCGROM315やSNDROM316から読み出して、事前判定演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現する。
演出選択処理において、演出制御部300は、まず、受信した変動開始コマンドを解析する(S2811)。また、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(S2812)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)などに基づき、画像表示部114に表示する画像による図柄変動の変動演出パターンを選択する(S2813)。
最後に、演出制御部300は、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットする(S2814)。なお、変動演出開始コマンドには、CPU311に対して選択された変動演出パターンを通知するために、当該パターンを示す情報が含まれる。CPU311は変動演出開始コマンドを受信することで、選択された変動演出パターンに対応する画像や音響をVDP314に描画、出力処理させるためのディスプレイリスト等の作成を行う。VDP314は当該ディスプレイリスト等に基づいて、選択された変動演出パターンを表すための画像データや音響データをCGROM315やSNDROM316から読み出して、変動演出を画像表示部114やスピーカ156を用いて表現する。
詳述しないが、S2813における図柄変動の変動演出パターンの選択処理では、変動パターンに基づいて変動演出パターンが決定される。ここで決定された変動演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出等が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器221または第2特別図柄表示器222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。なお、本実施の形態とは異なり、変動パターンに対して複数の変動演出パターンが設定されている場合には、演出乱数(図47(a)のS2503において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得)を用いて、抽選により変動演出パターンを選択してもよい。
図50は、図48の大当たり演出選択処理(S2609)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンド(大当たり図柄の種別についての情報を含む)を解析し(S3001)、演出のパターン(大当たり演出パターン)を選択する(S3002)。そして、演出制御部300は、選択した大当たり演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する大当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、大当たり演出選択処理を終了する(S3003)。これにより、大当たり中の演出が決定される。なお、大当たり演出パターンの選択(S3002)において、コマンド受信時に取得される乱数値に基づく判定を行っても良い。
図51は、図48のエンディング演出選択処理(S2611)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンド(大当たり図柄の種別についての情報を含む)を解析し(S3101)、演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(S3102)。そして、演出制御部300は、選択したエンディング演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(S3103)。なお、エンディング演出パターンの選択(S3102)において、コマンド受信時に取得される乱数値に基づく判定を行っても良い。
図52は、図48の客待ちコマンド受信処理(S2612)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(S3201)。客待ちコマンドを受信した場合(S3201でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(S3202)、RAM303において計測フラグをONにする(S3203)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(S3201でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(S3204)。計測フラグがOFFであれば(S3204でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(S3204でYesまたはS3203でONにした後)、次に演出制御部300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間(例えば、10秒)に達したか否かを判断する(S3205)。タイムアップしていない場合(S3205でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(S3205でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグをOFFにし(S3206)、客待ち演出(デモ演出)を行うための客待ち演出コマンドをRAM303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(S3207)。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAM303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、大当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
図53は、演出ボタン処理(図47(b)のS2512)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン161等の操作手段が所定の受付期間(有効期間)中に操作されたか否かを判断する(S3301)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタン161等の操作手段が操作されたならば(S3301でYes)、演出制御部300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAM303にセットして演出ボタン処理を終了する(S3302)。
この後、演出制御部300は、図47(b)のコマンド送信処理(S2513)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAM303にセットされたコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送信する。そして、画像/音響制御部310およびランプ制御部320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部114への画像表示、音響出力、可動役物115の動作、盤ランプ116や枠ランプ157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔各遊技区間における情報表示器の表示情報〕
次に、図54を用いて、各遊技区間における情報表示器230の表示情報について説明する。図54の表示情報の表には、区間カウンタ値(遊技区間の種類)と、通常中アウト数と、データ選択カウンタ値と、情報表示器230の表示内容とが対応付けられている。
ここで、図54に示す第1遊技区間は、初回の電源投入で開始する。また、総アウト6万個という設定は、1分間に100発のパチンコ遊技機の1日の稼働分をおよそ担保できる程度の値となっている。通常中ベース値については、数値セグに必ず2桁で表示される。また、通常中アウト数が「0」の場合、および、通常中ベース値が100以上の場合には、数値セグに「99.」が表示される。
情報表示器230の識別セグに表示される識別情報としては、現在の遊技区間の通常ベース値であることを示す「bL.」、1回前の遊技区間の通常ベース値であることを示す「b1.」、2回前の遊技区間の通常ベース値であることを示す「b2.」、及び、3回前の遊技区間の通常ベース値であることを示す「b3.」がある。
情報表示器230の数値セグに表示される数値情報としては、算出された通常中ベース値がないことを示す「−−」、通常ベース値が「0」又は通常中アウト数が「0」であることを示す「00」、通常中アウト数が「1」以上であって通常ベース値が「1」〜「99」であることをそれぞれ示す「01」〜「99」、及び、通常ベース値が「100」以上であることを示す「99.」がある。なお、通常ベース値が「10」未満の場合には、数値情報の十の位が必ず「0」となって2桁で表示されるようになっている。
そして、数値セグに表示される数値情報については、遊技区間や通常中アウト数に拘らず表示態様が変化しない(点灯表示される)が、識別セグに表示される識別情報については、遊技区間や通常中アウト数等(算出された通常ベース値の有無や算出された通常ベース値の信憑性の有無)によって表示態様が変化する(点滅表示又は点灯表示される)ようになっている。
具体的には、第1〜第4遊技区間では、算出された通常ベース値がない遊技区間の識別情報を表示する場合には、識別情報が点滅表示されることになる。また、第2遊技区間以降の遊技区間では、現在の遊技区間の識別情報(「bL.」)を表示する場合には、算出された通常ベース値の信憑性が低い期間(通常中アウト数が0〜5999個)だと、識別情報が点滅表示されることになる。それ以外の場合には、識別情報が点灯表示される。
ここで、情報表示器230の表示について一例を示すと、区間カウンタ値が「1」であって、通常中アウト数が0〜5999個の範囲内であって、データ選択カウンタ値が「0」であって、ベース記憶領域の第1領域に記憶された通常ベース値が「35」の場合、情報表示器230の識別セグには、「bL.」が点滅表示され、数値セグには「35」が点灯表示されることになる。
このように、通常ベース値が「99」以下の場合には、数値セグに「00」〜「99」という7セグメント表示器のデシマルポイントDPを用いていない性能情報が表示される一方、通常ベース値が「100」以上の場合には、数値セグに「99.」という7セグメント表示器のデシマルポイントDPを用いた性能情報が表示されるため、異常な通常ベース値であること把握し易くなる。
また、通常ベース値が「10」未満の場合には、数値セグの十の位に必ず「0」が表示されて2桁(例えば「01」等)で表示されるため、数値セグとしての2つの7セグメント表示器を有効に使用して分かり易い表示とすることが可能となる。
また、現在の遊技区間の通常ベース値を表示する場合であって、現在の遊技区間の通常中アウト数が通常ベース値を算出するために十分な数量に達していない0〜5999個である場合には、識別セグに表示される識別情報「bL.」が点滅表示されるため、現在表示されている通常ベース値が信憑性の低い情報であることを把握し易くなる。
また、算出された通常ベース値がない場合には、数値セグに数値ではない「−−」が表示されるため、識別セグに表示される識別情報に対応する遊技区間では通常ベース値が算出されていないことが把握し易くなる。
なお、遊技球計数処理、性能情報算出処理、及び、性能表示データ設定処理を情報用プログラムとして実行するのではなく、何れか1つ又は2つを遊技用プログラムとして実行する(例えば、遊技球計数処理を各種スイッチ類からの信号入力の有無を監視している入力制御処理内で実行する)一方、残りを情報用プログラムとして実行するようにしてもよい。
また、情報表示器230に性能情報を表示するための表示データを出力する処理を、遊技用プログラムである出力制御処理において実行するのではなく、性能用プログラムで実行するようにしてもよい。
また、アウト球検出スイッチ227によって、普通入賞口126、第1始動口121、第2始動口122および大入賞口125に入賞した遊技球、及び、排出口117に流入した遊技球からなるアウト球を検出するのではなく、アウト球検出スイッチ227によってアウト口に流入した遊技球のみを検出するようにしてもよい。その場合には、アウト球検出スイッチ227、普通入賞口スイッチ217、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、大入賞口スイッチ215で遊技球を検出する毎にアウト数(総アウト数、通常中アウト数)を1ずつ加算するとよい。
(統括制御部のメイン処理)
図55を用いて、画像/音響制御部310のメイン処理を説明する。図55は、画像/音響制御部310のメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、電源基板(不図示)から電源電圧が供給されることで発生するシステムリセットがCPU311に入力されることで行われる。
まず、CPU311は、ステップT1において、全割込を禁止し、ステップT2において、初期設定処理を行う。具体的には、内蔵レジスタの設定などのCPUの初期設定、RAM313へのアクセス許可、RAM313の全RAM領域の初期化(0クリア)、タイマ割込を発生させるためのCTC(カウンタタイマサーキット)の起動等を行い、ステップT3において、全割込を許可する。
CPU311は、ステップT4において、調整モード切替処理を行う。具体的には、遊技店員が操作可能な切替スイッチ(不図示)からの入力信号を参照してスピーカ156から出力される演出音の音量(値)や画像表示部114のバックライトの光量(値)の調整、及び、音量や光量の調整に係る調整モード(音量調整の可否、光量調整の可否、音量値の初期値(0〜5の何れか)や光量値の初期値(0〜5の何れか)、音量値の調整範囲(0〜5又は1〜5)や光量値の調整範囲(0〜5又は1〜5))を切り替えるための処理を行う。
ここで、切替スイッチ(不図示)は、メイン基板としての遊技制御基板に設けられ、スピーカ156から出力される演出音の音量や表示装置(画像表示部114、サブ表示装置(画像表示部114とは別に演出に関する画像を表示する表示装置))や各種照明装置(枠ランプ157、盤ランプ116)の光量の調整に関わる調整モードを切り替える。
なお、切替スイッチ(不図示)による音量値や光量値の設定(調整)については、パチンコ遊技機100が電源ONの状態(画像/音響制御部310の起動後)であれば常時行うことが可能となっている。
CPU311は、ステップT5において、音量調整処理を行う。具体的には、遊技者が操作可能な演出キー162の操作を検出する検出スイッチからの検出信号(左ボタン検出信号、右ボタン検出信号)に基づいて、スピーカ156から出力される演出音の音量(値)を調整するための処理を行う。
CPU311は、ステップT6において、光量調整処理を行う。具体的には、遊技者が操作可能な演出キー162の操作を検出する検出スイッチからの検出信号(下ボタン検出信号、上ボタン検出信号)に基づいて、画像表示部114のバックライトの光量(値)を調整するための処理を行う。
なお、演出キー162による音量値や光量値の設定(調整)については、変動演出の開始時、変動演出の終了(装飾図柄41の停止)時においては規制(制限)されるようになっている。また、パチンコ遊技機100の電源がONしてから遊技の進行制御が開始されるまでの間(具体的には、設定変更モード中、RAMクリア準備モード中、設定確認モード中、各種駆動源の初期動作中等の遊技制御基板でタイマ割込が開始されるまでの間)、皿満杯エラーや払出異常よりも優先して報知を行うべき重要な(セキュリティレベルの高い)異常(電源投入、電源復旧、不正入賞、異常入賞、磁気エラー、電波エラー、扉開放エラー)の報知(報知音の出力)中においても規制(制限)されるようになっている。
また、異常の報知音の出力中にあっては、現在の音量値が最大の音量値よりも低い音量値となっている場合であっても、スピーカ156から出力されている各種演出音(BGM等)の音量をそれまでの音量よりも低下させ、異常の報知音の出力が終了する場合に、各種演出音の音量を低下前の音量に復帰させるようになっている。
CPU311は、ステップT7において、エコモード制御処理を行う。具体的には、画像表示部114のバックライトの光量を低下させて電力消費を抑えるエコモードの開始や終了を制御するための処理を行う。
CPU311は、ステップT8において、演出制御部300から送信される演出指示コマンド又は報知指示コマンドを受信したか否かを判定する。演出指示コマンド又は報知指示コマンドを受信していない場合には、ステップT11に処理を移し、演出指示コマンド又は報知指示コマンドを受信している場合には、ステップT9に処理を移す。
CPU311は、ステップT9において、アニメパターン設定処理を行う。具体的には、受信した演出指示コマンド又は報知指示コマンドに対応する種類のアニメグループからアニメパターンを決定してRAM313の所定の領域に設定(セット)する処理を行う。
CPU311は、ステップT10において、サウンドパターン設定処理を行う。具体的には、受信した演出指示コマンド又は報知指示コマンドに対応する種類のサウンドグループからサウンドパターンを決定してRAM313の所定の領域に設定(セット)する処理を行う。
CPU311は、ステップT11において、RAM313に画像表示部114の表示画像を更新するフレーム更新タイミングであることを示すフレーム切替フラグがセットされているか否かを判定する。フレーム切替フラグがある場合には、ステップT12に処理を移し、フレーム切替フラグがない場合には、ステップT4に処理を移す。
なお、フレーム切替フラグは、VDP314から1/30秒(1フレーム分の演出画像の描画・表示が完了する予定の時間)毎に送信されるVブランク信号を画像/音響制御部310が受信する毎に実行されるVブランク割込処理でセットされるようになっている。そのため、以下に説明するステップT12〜T15の処理は、Vブランク割込処理が実行される(フレーム更新タイミング)毎に実行されることになる。
CPU311は、ステップT12において、RAM313にセットされているフレーム切替フラグをクリアし、ステップT13において、シーン更新処理を行う。具体的には、上述したVブランク割込処理で更新されるシーン切替カウンタ、ウェイトフレームカウンタ及びフレームカウンタを参照し、上記ステップT9で決定されたアニメパターンに基づいてアニメシーンのアドレスを更新すると共に、上記ステップT10で決定されたサウンドパターンに基づいてサウンドシーンのアドレスを更新する処理を行う。
CPU311は、ステップT14において、描画制御処理を行う。具体的には、アニメシーンが属するアニメグループの優先順位(描画順序)に従って、更新したアドレスにあるアニメシーンの1フレームの表示情報(スプライトの識別番号、表示位置等)から描画制御コマンド群からなるディスプレイリストを生成し、このディスプレイリストをVDP314に出力すると共に、ディスプレイリストに基づく表示画像の描画を指示する処理を行う。
これにより、VDP314では、ディスプレイリストに基づく表示画像を描画用フレームバッファに描画すると共に、表示用フレームバッファに描画されている画像(演出画像、異常報知画像)を画像表示部114に表示する処理が行われることになる。つまり、フレーム更新タイミングが画像表示部114で行われる種々の演出(保留表示、変動演出、大当たり予告演出、先読み演出等の画像表示や音出力)の開始タイミングや終了タイミングになるようになっている。なお、演出制御部300やランプ制御部320に直接制御される演出(可動役物115の演出動作)については、フレーム更新タイミングと一致する場合もあれば、フレーム更新タイミングと一致しない場合もある。
CPU311は、ステップT15において、音声制御処理を行う。具体的には、更新したアドレスにあるサウンド情報から音声制御コマンドを生成し、この音声制御コマンドを画像/音響制御部310に出力する処理を行う。
これにより、画像/音響制御部310では、音声制御コマンドに基づく各種の演出音や報知音をスピーカ156から出力する処理が行われることになる。本処理を終了すると、ステップT4に処理を移す。
このように、変動演出の開始時、変動演出の終了(装飾図柄41の停止)時においては、遊技店員が操作可能な切替スイッチ(不図示)による音量調整や光量調整は可能だが、遊技者が操作可能な演出キー162による音量調整や光量調整は規制(制限)されるようになっている。そのため、変動演出の開始や変動演出の終了といった重要なポイントを遊技者が見逃しにくくなり、遊技の興趣が低下することを防止することが可能となる。
また、皿満杯エラーや払出異常よりも優先して報知を行うべき重要な(セキュリティレベルの高い)異常(電源投入、電源復旧、復帰不可能エラー、不正入賞、異常入賞、磁気エラー、電波エラー、扉開放エラー)の報知(報知音の出力)中においては、遊技店員が操作可能な切替スイッチ(不図示)による音量調整や光量調整は可能だが、遊技者が操作可能な演出キー162による音量調整や光量調整は規制(制限)されるようになっている。そのため、音量調整や光量調整を行おうとしている遊技者が異常の発生に気付かないといった不都合を回避しつつ、遊技店側の音量調整や光量調整に関する利便性を向上させることが可能となる。
また、異常の報知音の出力中にあっては、現在の音量値が最大の音量値よりも低い音量値となっている場合であっても、スピーカ156から出力されている各種演出音(BGM等)の音量をそれまでの音量よりも低下させ、異常の報知音の出力が終了する場合に、各種演出音の音量を低下前の音量に復帰させるようになっている。そのため、各種演出音によって異常の報知音に気付かないといった不都合を回避することができ、遊技機のセキュリティを担保することが可能となる。
なお、異常の報知(報知音の出力)中においては、遊技者が操作可能な演出キー162による音量値や光量値の設定(調整)を不能としてもよいし、音量値や光量値の調整範囲を例えば0〜2の間に制限するようにしてもよい。
(ランプ制御部の役物初期処理)
図56を用いて、ランプ制御部320の役物初期処理を説明する。図56は、ランプ制御部320の役物初期処理を示すフローチャートであり、本処理は、ランプ制御部320において所定周期(4ミリ秒)毎に実行されるタイマ割込処理内で実行される。
CPU321は、ステップR101において、遊技制御部200から電源ON時コマンド(電源投入指定コマンド、電源復旧指定コマンド)を受信したか否かを判定する。電源ON時コマンドを受信した場合には、ステップR102に処理を移し、電源ON時コマンドを受信していない場合には、ステップR103に処理を移す。
CPU321は、ステップR102において、役物初期処理の各処理において更新される初期処理番号に役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示)、演出ボタン161)の原点復帰処理を実行するための「1」をセットする。
CPU321は、ステップR103において、初期処理番号が「1」であるか否かを判定する。初期処理番号が「1」でない場合には、役物の原点復帰処理を実行しないものとしてステップR105に処理を移し、初期処理番号「1」である場合には、ステップR104において、原点復帰処理を行い、今回の役物初期処理を終了する。具体的には、位置検出センサからの入力信号に基づいて役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示)、演出ボタン161)の原点位置への復帰動作を実行したり、初期処理番号を「2」にセットしたりするなどの処理を行う。なお、原点復帰処理の詳細は後述する。
CPU321は、ステップR105において、初期処理番号が「2」であるか否かを判定する。初期処理番号が「2」でない場合には、役物の初期動作処理を実行しないものとして今回の役物初期処理を終了し、初期処理番号「2」である場合には、初期動作処理を行い、今回の役物初期処理を終了する。具体的には、役物が正常に作動するか否かを確認するための初期動作及び初期発光を行わせたり、初期処理番号を「0」にセットしたりするなどの処理を行う。なお、初期動作処理の詳細は後述する。
このように、図56に示した役物初期処理によれば、各種役物の原点位置への復帰動作を行うための原点復帰処理と、各種役物の初期動作及び初期発光を行うための初期動作処理とを同時に実行しないようになっている。そのため、各種役物の原点位置への復帰動作と、各種役物の初期動作及び初期発光とが混在することがなくなり、復帰動作と初期動作及び初期発光とを切り分けて確認することが可能となる。
また、図56に示した役物初期処理によれば、初期動作処理の前に原点復帰処理を実行するようになっている。そのため、各種役物が原点位置から初期動作することになり、各種役物の動作に異常があるか否かを把握し易くすることが可能となる。
(ランプ制御部の原点復帰処理)
図57を用いて、ランプ制御部320の原点復帰処理を説明する。図57は、ランプ制御部320における原点復帰処理を示すフローチャートである。
CPU321は、ステップR105−1において、盤役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示))の原点復帰状況の推移を示す盤役物処理番号が「0」であるか否かを判定する。盤役物処理番号が「0」でない場合には、ステップR105−3に処理を移し、盤役物処理番号が「0」の場合には、ステップR105−2において、原点復帰させる駆動対象を可動役物115(可動演出装置)に設定し、ステップR105−5に処理を移す。
CPU321は、ステップR105−3において、盤役物処理番号が「1」であるか否かを判定する。盤役物処理番号が「1」でない場合には、ステップR105−12に処理を移し、盤役物処理番号が「1」である場合には、ステップR105−4において、原点復帰させる駆動対象をサブ表示装置(不図示)に設定し、ステップR105−5に処理を移す。
CPU321は、ステップR105−5において、駆動対象の役物が原点位置(待機位置)にあるか否かを判定する。具体的には、各盤役物が原点位置にあることを検出する位置検出センサからの入力信号を判定する。駆動対象の盤役物が原点位置にない場合には、ステップR105−6に処理を移し、駆動対象の盤役物が原点位置にある場合には、ステップR105−11に処理を移す。
CPU321は、ステップR105−6において、駆動対象の盤役物が原点位置に戻るように、駆動対象の盤役物を移動させるための駆動モータを駆動させ、ステップR105−7において、盤役物が所定時間内に原点位置に復帰しない復帰異常の発生を判定するための盤役物異常判定タイマを+1更新する。
CPU321は、ステップR105−8において、更新後の盤役物異常判定タイマが上限値(例えば5秒)であるか否かを判定する。盤役物異常判定タイマが上限値である場合には、駆動対象の盤役物に復帰異常が発生したものとしてステップR105−9に処理を移し、盤役物異常判定タイマが上限値でない場合には、ステップR105−12に処理を移す。
CPU321は、ステップR105−9において、駆動対象の盤役物に復帰異常が発生したことを示す復帰異常情報(可動演出装置復帰異常情報、サブ表示装置復帰異常情報)をRAM323にセットし、ステップR105−10において、盤役物異常判定タイマをクリアする。
CPU321は、ステップR105−11において、盤役物処理番号を+1更新する。具体的には、盤役物処理番号が「0」であったならば、サブ画像表示部(不図示)を駆動対象とすべく盤役物処理番号を「1」に更新し、盤役物処理番号が「1」であったならば、盤役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示))を原点復帰させる処理を終了すべく盤役物処理番号を「2」に更新する。
CPU321は、ステップR105−12において、枠役物(演出ボタン161)の原点復帰状況の推移を示す枠役物処理番号が「0」であるか否かを判定する。枠役物処理番号が「0」である場合には、ステップR105−13に処理を移し、盤役物処理番号が「0」でない場合には、ステップR105−20に処理を移す。
CPU321は、ステップR105−13において、演出ボタン161が原点位置(待機位置)にあるか否かを判定する。具体的には、演出ボタン161が原点位置にあることを検出する位置検出センサからの入力信号を判定する。演出ボタン161が原点位置にない場合には、ステップR105−14に処理を移し、演出ボタン161が原点位置にある場合には、ステップR105−19に処理を移す。
CPU321は、ステップR105−14において、演出ボタン161が原点位置に戻るように、演出ボタン161を移動させるための演出ボタン駆動モータを駆動させ、ステップR105−15において、演出ボタン161が所定時間内に原点位置に復帰しない復帰異常の発生を判定するための枠役物異常判定タイマを+1更新する。
CPU321は、ステップR105−16において、更新後の枠役物異常判定タイマが上限値(例えば5秒)であるか否かを判定する。枠役物異常判定タイマが上限値である場合には、演出ボタン161に復帰異常が発生したものとしてステップR105−17に処理を移し、枠役物異常判定タイマが上限値でない場合には、今回の原点復帰処理を終了する。
CPU321は、ステップR105−17において、演出ボタン161に復帰異常が発生したことを示す復帰異常情報をRAM323にセットし、ステップR105−18において、枠役物異常判定タイマをクリアする。
CPU321は、ステップR105−19において、枠役物処理番号を+1更新する。具体的には、枠役物処理番号が「0」であったならば、枠役物(演出ボタン161)を原点復帰させる処理を終了すべく枠役物処理番号を「1」に更新する。
CPU321は、ステップR105−20において、盤役物処理番号、及び、枠役物処理番号が終了条件を満たすか否かを判定する。具体的には、盤役物処理番号が「2」であって枠役物処理番号が「1」であるか否かを判定する。終了条件を満たす場合には、ステップR105−21に処理を移し、終了条件を満たさない場合には、今回の原点復帰処理を終了する。
CPU321は、ステップR105−21において、盤役物処理番号、及び、枠役物処理番号をクリアし、ステップR105−22において、上述した初期処理番号に役物の初期動作処理を実行するための「2」をセットし、今回の原点復帰処理を終了する。
このように、図57に示した原点復帰処理によれば、電源ON時において演出位置(移動領域)が重複する可動役物115とサブ画像表示部(不図示)とが原点位置(待機位置)にない場合、両者を同時(同時期)に原点位置(待機位置)に復帰させずに所定の順序(可動役物115→サブ画像表示部(不図示)の順)で原点位置に復帰させるようになっている。そのため、各種の盤役物が原点位置に復帰したか否かを確認し易くすることが可能となる。また、可動役物115とサブ画像表示部(不図示)とが離間困難に接触しているような場合に、双方の役物が互いに負荷をかけあうことを抑制でき、双方の役物が同時に破損するような不都合を抑制することが可能となる。
また、図57に示した原点復帰処理によれば、盤役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示))の原点位置への復帰動作と、枠役物(演出ボタン161)の原点位置への復帰動作とを同時(同時期)に実行可能となっている。そのため、各種役物の復帰動作にかかる時間を短縮することができ、次に実行される各種役物の初期動作にスムーズに移行することが可能となる。
また、図57に示した原点復帰処理によれば、各役物の原点位置への復帰動作の時間に上限を設けている。そのため、いつまでも各種役物の復帰動作が終了しないといった不都合を抑制することが可能となる。そのため、変動演出中にも各種役物が復帰動作を行っていて演出動作が行われないといった事態を回避することができ、遊技の興趣が低下することを防止することが可能となる。
また、図57に示した原点復帰処理によれば、盤役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示))の原点位置への復帰動作と、枠役物(演出ボタン161)の原点位置への復帰動作の両方が終了した場合に、初期動作処理へ移行するための処理が行われるようになっている。そのため、各種役物の原点位置への復帰動作と、各種役物の初期動作とが同時に実行されることがなくなり、各種役物の復帰動作と初期動作とを切り分けて確認することが可能となる。
なお、可動役物115とサブ画像表示部(不図示)とが所定の順序(可動役物115→サブ画像表示部(不図示)の順)で原点位置に復帰するようになっているが、同時に原点位置に復帰する動作を開始するようにしてもよい。このようにすると、可動役物115およびサブ画像表示部(不図示)の復帰動作にかかる時間を短縮することができ、次に実行される各種役物の初期動作にスムーズに移行することが可能となる。
(ランプ制御部の初期動作処理)
図58を用いて、ランプ制御部320の初期動作処理を説明する。図58は、ランプ制御部320の初期動作処理を示すフローチャートである。
CPU321は、ステップR107−1において、盤役物の初期動作状況の推移を示す盤役物処理番号が「0」であるか否かを判定する。盤役物処理番号が「0」である場合には、ステップR107−2に処理を移し、盤役物処理番号が「0」でない場合には、ステップR107−7に処理を移す。
CPU321は、ステップR107−2において、RAM323に盤役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示))の復帰異常情報がセットされているか否かを判定する。復帰異常情報がセットされていない場合には、盤役物の初期動作及び初期発光を行うものとしてステップR107−4に処理を移し、復帰異常情報がセットされている場合には、ステップR107−3において、盤役物の初期動作を行わないものとして盤役物処理番号に「2」をセットし、ステップR107−7に処理を移す。
CPU321は、ステップR107−4において、盤役物の初期動作パターンを決定するための盤役物初期動作パターン決定テーブル(図59(a)参照)を選択する。なお、盤役物初期動作パターン決定テーブルの詳細は後述する。
CPU321は、ステップR107−5において、盤役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示))の初期動作パターンを決定し、RAM323にセットする。具体的には、図59(a)に示す盤役物初期動作パターン決定テーブルを参照し、電源ON時コマンドの種類、及び、復帰異常情報の有無に基づいて、複数の初期動作パターンの中から1つの初期動作パターンを決定する。
CPU321は、ステップR107−6において、盤役物処理番号を+1更新する。具体的には、盤役物処理番号が「0」であったならば、盤役物の初期動作を実行すべく盤役物処理番号を「1」に更新する。
CPU321は、ステップR107−7において、盤役物処理番号が「1」であるか否かを判定する。盤役物処理番号が「1」でない場合には、ステップR107−11に処理を移し、盤役物処理番号が「1」である場合には、ステップR107−8において、RAM323にセットされている盤役物の初期動作パターンに応じて盤役物の初期動作を実行させる。
CPU321は、ステップR107−9において、盤役物の初期動作が全工程終了したか否かを判定する。盤役物の初期動作が全工程終了していない場合には、ステップR107−11に処理を移し、盤役物の初期動作が全工程終了した場合には、ステップR107−10において、盤役物処理番号を+1更新する。具体的には、盤役物処理番号が「1」であったならば、盤役物の初期動作させる処理を終了すべく盤役物処理番号を「2」に更新する。
CPU321は、ステップR107−11において、枠役物(演出ボタン161)の初期動作状況の推移を示す枠役物処理番号が「0」であるか否かを判定する。枠役物処理番号が「0」である場合には、ステップR107−12に処理を移し、枠役物処理番号が「0」でない場合には、ステップR107−17に処理を移す。
CPU321は、ステップR107−12において、RAM323に演出ボタン161の復帰異常情報がセットされているか否かを判定する。復帰異常情報がセットされていない場合には、枠役物の初期動作を行うものとしてステップR107−14に処理を移し、復帰異常情報がセットされている場合には、ステップR107−13において、枠役物の初期動作を行わないものとして枠役物処理番号に「2」をセットし、ステップR107−17に処理を移す。
CPU321は、ステップR107−14において、枠役物の初期動作パターンを決定するための枠役物初期動作パターン決定テーブル(図59(b)参照)を選択する。なお、枠役物初期動作パターン決定テーブルの詳細は後述する。
CPU321は、ステップR107−15において、枠役物(演出ボタン161)の初期動作パターンを決定し、RAM323にセットする。具体的には、図59(b)に示す枠役物初期動作パターン決定テーブルを参照し、電源ON時コマンドの種類に基づいて、複数の初期動作パターンの中から1つの初期動作パターンを決定する。
CPU321は、ステップR107−16において、枠役物処理番号を+1更新する。具体的には、枠役物処理番号が「0」であったならば、枠役物の初期動作を実行すべく枠役物処理番号を「1」に更新する。
CPU321は、ステップR107−17において、枠役物処理番号が「1」であるか否かを判定する。枠役物処理番号が「1」でない場合には、ステップR107−21に処理を移し、枠役物処理番号が「1」である場合には、ステップR107−18において、RAM323にセットされている枠役物の初期動作パターンに応じて枠役物の初期動作を実行させる。
CPU321は、ステップR107−19において、枠役物の初期動作が全工程終了したか否かを判定する。枠役物の初期動作が全工程終了していない場合には、ステップR107−21に処理を移し、枠役物の初期動作が全工程終了した場合には、ステップR107−20において、枠役物処理番号を+1更新する。具体的には、枠役物処理番号が「1」であったならば、枠役物の初期動作させる処理を終了すべく枠役物処理番号を「2」に更新する。
CPU321は、ステップR107−21において、盤役物処理番号、及び、枠役物処理番号が終了条件を満たすか否かを判定する。具体的には、盤役物処理番号が「2」であって枠役物処理番号が「2」であるかを判定する。終了条件を満たす場合には、ステップR107−22に処理を移し、終了条件を満たさない場合には、今回の初期動作処理を終了する。
CPU321は、ステップR107−22において、盤役物処理番号、及び、枠役物処理番号をクリアし、ステップR107−23において、上述した初期処理番号をクリアし、今回の初期動作処理を終了する。
このように、図58に示した初期動作処理によれば、盤役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示))の初期動作と、枠役物(演出ボタン161)の初期動作とを同時(同時期)に実行可能となっている。そのため、各種役物の初期動作にかかる時間を短縮することができ、遊技中における各種役物の演出動作を阻害することを防止することが可能となる。
また、図58に示した初期動作処理によれば、盤役物を構成する可動役物115及びサブ画像表示部(不図示)に復帰異常がある場合には、可動役物115及びサブ画像表示部(不図示)の初期動作を実行しないようになっている。そのため、復帰異常が発生している盤役物を無理やり初期動作させることで盤役物が完全に故障したり、破損したりすることを防止することが可能となる。
また、図58に示した初期動作処理によれば、枠役物を構成する演出ボタン161に復帰異常がある場合には、演出ボタン161の初期動作を実行しないようになっている。そのため、復帰異常が発生している演出ボタン161を無理やり初期動作させることで演出ボタン161が完全に故障したり、破損したりするような不都合を防止することが可能となる。
また、図58に示した初期動作処理によれば、復帰異常が発生した盤役物の初期動作が実行されない場合でも、復帰異常が発生していない枠役物の初期動作は実行し、復帰異常が発生した枠役物の初期動作が実行されない場合でも、復帰異常が発生していない盤役物の初期動作は実行するようになっている。そのため、復帰異常が発生していない方の役物の動作に異常がないか否かを確認することが可能となる。
また、図58に示した初期動作処理によれば、盤役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示))の初期動作と、枠役物(演出ボタン161)の初期動作の両方が終了した場合に初期動作処理が終了するようになっている。そのため、盤役物、及び、枠役物の一方が初期動作を行っているのにも拘らず、他方が演出動作を行うといった初期動作なのか演出動作なのかが不明な状態が発生することがなくなる。
(盤役物初期動作パターン決定テーブル)
図59(a)は、盤役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示))の初期動作パターンを決定するための盤役物初期動作パターン決定テーブルを示す図である。
盤役物初期動作パターン決定テーブルには、電源ON時コマンドの種類、復帰異常情報の有無、選択される初期動作パターンが対応付けられており、参考として初期動作時の作動態様、及び、初期動作の工程数が記載されている。
初期動作パターンには、電源投入指定コマンドを受信している場合に決定されるパターン01〜03や、客待ち状態中であることを示す第1電源復旧指定コマンドを受信している場合に決定されるパターン04〜06や、特別図柄の変動表示中であることを示す第2電源復旧指定コマンド又は大当たり遊技中であることを示す第3電源復旧指定コマンドを受信している場合に決定されるパターン07〜09が設定されている。
「可動演出装置小下降」とは、可動役物115が待機位置から待機位置よりも僅かに下方の途中位置に移動(下降)する動作となっており、「可動演出装置大下降」とは、可動役物115が待機位置から途中位置よりも下方の演出位置まで移動(下降)する動作となっており、「可動演出装置原点復帰」とは、可動役物115が待機位置に復帰する動作となっている。
「サブ表示装置移動」とは、サブ画像表示部(不図示)が待機位置から演出位置まで上昇する動作となっており、「サブ表示装置原点復帰」とは、サブ画像表示部(不図示)が待機位置に復帰する動作となっている。
「可動演出装置LED」とは、可動役物115に設けられた複数のLEDのことであり、「サブ表示装置LED」とは、サブ画像表示部(不図示)の画面周囲に設けられた複数のLEDのことである。
なお、初期動作パターン02、初期動作パターン05、及び、初期動作パターン08において、可動演出装置LEDの点灯色が記載されていないが、この点は第1可動部材115aの復帰異常によって可動演出装置LEDが異常報知のために赤点滅となるからである。
また、初期動作パターン03、初期動作パターン06、及び、初期動作パターン09において、サブ表示装置LEDの点灯色が記載されていないが、この点はサブ画像表示部(不図示)の復帰異常によってサブ表示装置LEDが異常報知のために赤点滅となるからである。
図59(a)に示した盤役物初期動作パターン決定テーブルの第1の特徴としては、RAM203の初期化を伴う電源投入時と、RAM203の初期化を伴わない電源復旧時とで、盤役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示))の初期動作の動作態様(工程数、各工程の動作)が同一となっている点が挙げられる。そのため、電源投入であるか電源復旧であるかに拘らず、盤役物の動作に異常があるか否かを適切に確認することが可能となる。
なお、初期動作の動作態様が同一とは、少なくとも各工程における盤役物の動きのパターンが同じであればよく、各工程における動作時間が同一であってもよいし、各工程における動作時間が異なっていてもよい。
また、電源投入時と電源復旧時とで、可動役物115及びサブ画像表示部(不図示)の一方の初期動作の動作態様(工程数、各工程の動作)を異ならせてもよいし、可動役物115及びサブ画像表示部(不図示)の両方の初期動作の動作態様(工程数、各工程の動作)を異ならせてもよい。このようにすると、電源投入による初期動作である(遊技の制御状態が初期化された)のか、電源復旧による初期動作である(遊技の制御状態が復旧した)のかを簡単に把握することが可能となる。
また、電源投入時と電源復旧時とで、可動役物115及び/又はサブ画像表示部(不図示)の初期動作の動作態様(工程数、各工程の動作)を異ならせる場合に、電源投入時の初期動作にはない動作を電源復旧時の初期動作で実行させたり、電源復旧時の初期動作にはない動作を電源投入時の初期動作で実行させたりするようにしてもよい。このようにすると、電源投入による初期動作である(遊技の制御状態が初期化された)のか、電源復旧による初期動作である(遊技の制御状態が復旧した)のかをより簡単に把握可能となる。
図59(a)に示した盤役物初期動作パターン決定テーブルの第2の特徴としては、電源投入時と、客待ち状態に復旧する電源復旧時とで、盤役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示))の初期動作中における初期発光の発光態様が異なる点が挙げられる。そのため、電源投入による初期動作である(遊技の制御状態が初期化された)のか、電源復旧による初期動作である(遊技の制御状態が復旧した)のかを把握することが可能となる。
図59(a)に示した盤役物初期動作パターン決定テーブルの第3の特徴としては、電源投入時と、客待ち状態に復旧する電源復旧時とで、可動演出装置LEDの初期発光の発光態様が同一である一方、サブ表示装置LEDの初期発光の発光態様が異なる点が挙げられる。そのため、電源投入による初期動作である(遊技の制御状態が初期化された)のか、電源復旧による初期動作である(遊技の制御状態が復旧した)のかを把握することが可能となる。
なお、電源投入時と、客待ち状態に復旧する電源復旧時とで、可動演出装置LEDの初期発光の発光態様が同一である一方、サブ表示装置LEDの初期発光の発光態様が異なるようになっているが、それとは逆に、電源投入時と、客待ち状態に復旧する電源復旧時とで、可動演出装置LEDの初期発光の発光態様を異ならせる一方、サブ表示装置LEDの初期発光の発光態様を同一にしてもよい。
また、電源投入時と、客待ち状態に復旧する電源復旧時とで、可動演出装置LEDの初期発光の発光態様、及び、サブ表示装置LEDの初期発光の発光態様の両方を異ならせてもよい。このようにすると、電源投入による初期動作である(遊技の制御状態が初期化された)のか、電源復旧による初期動作である(遊技の制御状態が復旧した)のかを把握し易くすることが可能となる。
図59(a)に示した盤役物初期動作パターン決定テーブルの第4の特徴としては、電源投入時と、特別図柄の変動表示中、又は、大当たり遊技中に復旧する電源復旧時とで、盤役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示))の初期動作中における初期発光の発光態様が異なる点が挙げられる。そのため、電源投入による初期動作である(遊技の制御状態が初期化された)のか、電源復旧による初期動作である(遊技の制御状態が復旧した)のかを把握することが可能となる。
図59(a)に示した盤役物初期動作パターン決定テーブルの第5の特徴としては、客待ち状態に復旧する電源復旧時と、特別図柄の変動表示中、又は、大当たり遊技中に復旧する電源復旧時とで、盤役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示))の初期動作中における初期発光の発光態様が異なる点が挙げられる。そのため、客待ち状態に復旧する電源復旧による初期動作であるのか、特別図柄の変動表示中、又は、大当たり遊技中に復旧する電源復旧による初期動作であるのかを把握することが可能となる。
なお、特別図柄の変動表示中、又は、大当たり遊技中に復旧する電源復旧時において、可動演出装置LED及びサブ表示装置LEDの両方が消灯するようになっているが、可動演出装置LED及びサブ表示装置LEDを客待ち状態に復旧する電源復旧時と同じ発光態様で点灯させるようにしてもよい。
図59(a)に示した盤役物初期動作パターン決定テーブルの第6の特徴としては、電源投入時であるか電源復旧時であるかに拘らず、可動役物115に復帰異常があってサブ画像表示部(不図示)に復帰異常がない場合には、可動役物115の初期動作を行わずにサブ画像表示部(不図示)の初期動作を行い、可動役物115に復帰異常がなくてサブ画像表示部(不図示)に復帰異常がある場合には、可動役物115の初期動作を行ってサブ画像表示部(不図示)の初期動作を行わないようになっている点が挙げられる。このようにすることで、復帰異常の有無に応じて好適な初期動作を行うことが可能となる。
(枠役物初期動作パターン決定テーブル)
図59(b)は、枠役物(演出ボタン161)の初期動作パターンを決定する場合に参照される枠役物初期動作パターン決定テーブルを示す図である。
枠役物初期動作パターン決定テーブルには、電源ON時コマンドの種類、選択される初期動作パターンが対応付けられており、参考として初期動作時の作動態様、及び、初期動作の工程数が記載されている。
「演出ボタン大上昇」とは、演出ボタン161が待機位置(初期位置)から演出位置(上方位置)まで上昇する動作となっており、「演出ボタン原点復帰」とは、演出ボタン161が待機位置に復帰する動作となっている。
図59(b)に示した枠役物初期動作パターン決定テーブルの第1の特徴としては、RAM203の初期化を伴う電源投入時と、RAM203の初期化を伴わない電源復旧時とで、枠役物(演出ボタン161)の初期動作の動作態様(工程数、各工程の動作)が異なる点が挙げられる。そのため、電源投入による初期動作である(遊技の制御状態が初期化された)のか、電源復旧による初期動作である(遊技の制御状態が復旧した)のかを簡単に把握することが可能となる。
図59(b)に示した枠役物初期動作パターン決定テーブルの第2の特徴としては、電源投入時の演出ボタン161の初期動作には、電源復旧時の演出ボタン161の初期動作にはない動作を実行させるようになっている点が挙げられる。そのため、電源投入による初期動作である(遊技の制御状態が初期化された)のか、電源復旧による初期動作である(遊技の制御状態が復旧した)のかをより簡単に把握することが可能となる。
なお、電源投入時と電源復旧時とで、演出ボタン161の初期動作の動作態様(工程数、各工程の動作)を同一にしてもよい。このようにすると、電源投入であるか電源復旧であるかに拘らず、枠役物の動作に異常があるか否かを適切に確認することが可能となる。
図59(b)に示した枠役物初期動作パターン決定テーブルの第3の特徴としては、電源投入時と、客待ち状態に復旧する電源復旧時とで、枠役物(演出ボタン161)の初期動作中における初期発光の発光態様が異なる点が挙げられる。そのため、電源投入による初期動作である(遊技の制御状態が初期化された)のか、電源復旧による初期動作である(遊技の制御状態が復旧した)のかを把握することが可能となる。
図59(b)に示した枠役物初期動作パターン決定テーブルの第4の特徴としては、電源投入時と、特別図柄の変動表示中、又は、大当たり遊技中に復旧する電源復旧時とで、枠役物(演出ボタン161)の初期動作中における初期発光の発光態様が異なる点が挙げられる。そのため、電源投入による初期動作である(遊技の制御状態が初期化された)のか、電源復旧による初期動作である(遊技の制御状態が復旧した)のかを把握することが可能となる。
なお、特別図柄の変動表示中、又は、大当たり遊技中に復旧する電源復旧時において、演出ボタンLEDが消灯するようになっているが、演出ボタンLEDを客待ち状態に復旧する電源復旧時と同じ発光態様で点灯させるようにしてもよい。
図59(b)に示した枠役物初期動作パターン決定テーブルの第5の特徴としては、電源投入時の演出ボタン161の初期発光における発光色数と、電源復旧時の演出ボタン161の初期発光における発光色数が異なるようになっている点が挙げられる。そのため、電源投入による初期動作である(遊技の制御状態が初期化された)のか、電源復旧による初期動作である(遊技の制御状態が復旧した)のかをより簡単に把握することが可能となる。
なお、電源投入時の演出ボタン161の初期発光における発光色数の方が、電源復旧時の演出ボタン161の初期発光における発光色数よりも多くなっているが、それとは逆にしてもよい。
図59(b)に示した枠役物初期動作パターン決定テーブルの第6の特徴としては、電源投入時の演出ボタン161の初期発光における発光色には、電源復旧時の演出ボタン161の初期発光における発光色にはない発光色が含まれている点が挙げられる。そのため、電源投入による初期動作である(遊技の制御状態が初期化された)のか、電源復旧による初期動作である(遊技の制御状態が復旧した)のかをより簡単に把握することが可能となる。
なお、電源復旧時の演出ボタン161の初期発光における発光色に、電源投入時の演出ボタン161の初期発光における発光色にはない発光色を含ませるようにしてもよい。
図59(b)に示した枠役物初期動作パターン決定テーブルの第7の特徴としては、電源投入時や電源復旧時において演出ボタン161が振動する時間が、変動演出の実行中に発生する有効期間において演出ボタン161が操作されることで実行される操作演出中に演出ボタン161が振動する時間とは異なる点が挙げられる。そのため、演出ボタン161の初期動作における振動であることを把握することが可能となる。
図59(b)に示した枠役物初期動作パターン決定テーブルの第8の特徴としては、原点位置にあるか否かの検出が行われないボタン振動モータの初期振動については、原点位置にあるか否かの検出が行われる演出ボタン161の初期動作に被せて実行するようになっている点が挙げられる。そのため、演出ボタン161の動作確認とボタン振動モータの動作確認を同時に行えることになり、動作確認にかかる時間を短縮することが可能となる。
(設定変更中に各種駆動源を初期動作させる場合の具体例)
図60を用いて、設定変更中に各種駆動源を初期動作させる場合の具体例について説明する。図60は、設定変更中に各種駆動源を初期動作させる場合のタイミングチャートと演出例を示す図である。
まず、T0のタイミングにおいて、パチンコ遊技機100の電源がOFFとなっている。このとき、所定領域(第2始動口122、第1大入賞口125)に遊技球が入球するか否か(入球難易度)を変化させる等の遊技の結果に影響を与える可動体(電動チューリップ123、大入賞口扉125D)を動作させるための各種駆動源(電動チューリップ開閉部213、大入賞口扉開閉部216)が停止した状態となっている。
また、ラウンド遊技中において大入賞口(第1大入賞口125)を所定態様で発光させることになる大入賞口LEDが消灯しており、表示器130(第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、ラウンド数表示器225、状態表示器224、状態確認表示器226)、画像表示部114、及び、情報表示器230が非表示(非作動、消灯、消去)の状態となっている。
T1のタイミングにおいて、設定キースイッチ229がONであり且つRAMクリアスイッチ228がONである状態で、電源スイッチ412がOFFからONに切り替えられ、パチンコ遊技機100の電源がONになる。パチンコ遊技機100の電源がONになった後も、RAMクリアスイッチ228がONの状態が継続される。
なお、設定キースイッチ229には、鍵穴(不図示)が設けられている。設定キースイッチ229がOFFの状態において、設定キースイッチ229に鍵が挿されてこの鍵が90°時計回りに回転されると、設定キースイッチ229がONになる。
また、RAMクリアスイッチ228は、押しボタンである。RAMクリアスイッチ228が押されている間、RAMクリアスイッチ228は、ONの状態を維持する。RAMクリアスイッチ228が押されなくなると、RAMクリアスイッチ228は、OFFになる。
パチンコ遊技機100の電源がONになってから所定時間(この例では3秒)が経過するT2のタイミングまで、RAMクリアスイッチ228がONの状態であると、遊技制御部200では設定変更モードが開始されて遊技の進行制御が開始される前の開始前状態となる。
このとき、状態確認表示器226に設定変更中であることを示す状態確認表示が表示されると共に、各種駆動源の初期動作として作動(駆動源=ON)が開始される。また、設定変更中であること及び各種駆動源の動作確認を促すための設定変更報知(設定変更中画面の表示、設定変更中音声「設定変更中です」と初期動作確認音声「ソレノイドの動作も確認して下さい」の交互出力)が開始される。また、情報表示器230のうちの右端の7セグメント表示器230dに現在の設定値(ここでは「6」)が表示される。
T3のタイミングにおいて、各種駆動源の作動時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)し、以降はT3のタイミング〜T10のタイミングまで各種駆動源の作動と停止が繰り返される。
T7のタイミングにおいて、RAMクリアスイッチ228が押されると、情報表示器230のうちの右端の7セグメント表示器230dに表示される設定値が「5」に切り替わる。このように、本実施形態では、RAMクリアスイッチ228が、パチンコ遊技機100の設定値を変更する設定変更スイッチとしても用いられる。また、RAMクリアスイッチ228が押されるたびに、一つずつ低い設定値が設定される。また、設定値が「1」であるときにRAMクリアスイッチ228が押されると、設定値が「6」になる。
T11のタイミングにおいて、T10のタイミングから開始された各種駆動源の作動時間が経過していない状態で設定値確定操作(設定キースイッチ229がOFF)が行われると、設定変更モード及び設定変更報知が終了すると共に、即座に各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)して各種駆動源の初期動作が終了し、情報表示器230の右端の7セグメント表示器230dでの設定値の表示も終了する。そして、遊技制御部200では開始前状態から遊技の進行制御が行われる遊技可能状態に移行する。
このとき、表示器130での各種表示(特別図柄の表示、普通図柄の表示、特図保留数の表示、普図保留数の表示等)が開始されると共に、上述した電源投入報知が開始される。また、演出制御部300によって制御される各種役物(可動役物115(115a、115b)、サブ画像表示部(不図示)、演出ボタン161)の復帰動作及び初期動作が開始されると共に、情報表示器230において全ての7セグメント表示器230a〜230dが全点灯して点灯確認が開始される。なお、各種役物の初期動作は情報表示器230の点灯確認の終了後に終了する。また、画像表示部114に、RAM203がクリアされたことを報知するテキストが表示される。
T12のタイミングにおいて、情報表示器230の点灯確認が開始してから確認時間(ここでは5秒)が経過すると、7セグメント表示器230a〜230dが所定時間(ここでは5秒)全消灯する。そして、7セグメント表示器230a〜230dの全消灯が終了して性能情報(ここでは現在の遊技区間の通常ベース値)の表示が開始される。その後は、表示切替時間(5秒)が経過する毎に、現在の遊技区間と過去の3つの遊技区間からなる4つの遊技区間の性能情報(通常ベース値)が順に表示されることになる。
(RAMクリア準備中に各種駆動源を初期動作させる場合の具体例)
図61を用いて、RAMクリア準備中に各種駆動源を初期動作させる場合の具体例について説明する。図61は、RAMクリア準備中に各種駆動源を初期動作させる場合のタイミングチャートと演出例を示す図である。
まず、T0のタイミングにおいて、パチンコ遊技機100の電源がOFFとなっている。このとき、所定領域(第2始動口122、第1大入賞口125)に遊技球が入球するか否か(入球難易度)を変化させる等の遊技の結果に影響を与える可動体(電動チューリップ123、大入賞口扉125D)を動作させるための各種駆動源(電動チューリップ開閉部213、大入賞口扉開閉部216)が停止した状態となっている。
また、ラウンド遊技中において大入賞口(第1大入賞口125)を所定態様で発光させることになる大入賞口LEDが消灯しており、表示器130(第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、ラウンド数表示器225、状態表示器224、状態確認表示器226)、画像表示部114、及び、情報表示器230が非表示(非作動、消灯、消去)の状態となっている。
T1のタイミングにおいて、パチンコ遊技機100の電源がONしたときにRAMクリア操作(RAMクリアスイッチ228がON)が行われると、遊技制御部200ではRAMクリア準備モードが開始されて遊技の進行制御が開始される前の開始前状態となる。
このとき、状態確認表示器226にRAMクリア準備中であることを示す状態確認表示が表示されると共に、各種駆動源の初期動作として作動(駆動源=ON)が開始される。また、RAMクリア準備中であること及び各種駆動源の動作確認を促すためのRAMクリア準備報知(クリア準備画面の表示、「再度RAMクリアを押してください」の報知音声と「ソレノイドの動作を確認して下さい」の初期動作確認音声の交互出力)が開始される。
T2のタイミングにおいて、各種駆動源の作動開始から作動時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)し、以降はT3のタイミング〜T10のタイミングまで各種駆動源の作動と停止が繰り返される。
T10のタイミングにおいて、T9のタイミングから開始された各種駆動源の作動時間が経過していない状態でRAMクリア承認操作(RAMクリアスイッチ228がON)が行われると、RAMクリア準備モード及びRAMクリア準備報知が終了すると共に、即座に各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)して各種駆動源の初期動作が終了し、遊技制御部200では開始前状態から遊技の進行制御が行われる遊技可能状態に移行する。
このとき、表示器130での各種表示(特別図柄の表示、普通図柄の表示、特図保留数の表示、普図保留数の表示等)が開始されると共に、上述した電源投入報知が開始される。また、演出制御部300によって制御される各種役物(可動役物115(115a、115b)、サブ画像表示部(不図示)、演出ボタン161)の復帰動作及び初期動作が開始されると共に、情報表示器230において全ての7セグメント表示器230a〜230dが全点灯して点灯確認が開始される。なお、可動役物115の初期動作は情報表示器230の点灯確認の終了後に終了する。また、画像表示部114に、RAM203がクリアされたことを報知するテキストが表示される。
T11のタイミングにおいて、情報表示器230の点灯確認が開始してから確認時間(ここでは5秒)が経過すると、7セグメント表示器230a〜230dが所定時間(ここでは5秒)全消灯する。そして、7セグメント表示器230a〜230dの全消灯が終了して性能情報(ここでは現在の遊技区間の通常ベース値)の表示が開始される。その後は、表示切替時間(5秒)が経過する毎に、現在の遊技区間と過去の3つの遊技区間からなる4つの遊技区間の性能情報(通常ベース値)が順に表示されることになる。
なお、RAMクリアの手法は、上記の例に限定されない。
RAMクリアスイッチ228がONである状態で、電源スイッチ412がOFFからONに切り替えられ、パチンコ遊技機100の電源がONになる。そして、RAMクリアスイッチ228がONの状態で所定時間(例えば3秒)が経過すると、RAM203がクリアされてもよい。このとき、情報表示器230において全ての7セグメント表示器230a〜230dが全点灯して点灯確認が開始される。情報表示器230の点灯確認が開始してから確認時間(ここでは5秒)が経過すると、7セグメント表示器230a〜230dが所定時間(ここでは5秒)全消灯する。そして、7セグメント表示器230a〜230dの全消灯が終了して性能情報(ここでは現在の遊技区間の通常ベース値)の表示が開始される。また、RAM203がクリアされると、画像表示部114に、RAM203がクリアされたことを報知するテキストが表示される。
(設定確認中に各種駆動源を初期動作させる場合の具体例)
図62を用いて、設定確認中に各種駆動源を初期動作させる場合の具体例について説明する。図62は、設定確認中に各種駆動源を初期動作させる場合のタイミングチャートと演出例を示す図である。
まず、T0のタイミングにおいて、パチンコ遊技機100の電源がOFFとなっている。このとき、所定領域(第2始動口122、第1大入賞口125)に遊技球が入球するか否か(入球難易度)を変化させる等の遊技の結果に影響を与える可動体(電動チューリップ123、大入賞口扉125D)を動作させるための各種駆動源(電動チューリップ開閉部213、大入賞口扉開閉部216)が停止した状態となっている。
また、ラウンド遊技中において大入賞口(第1大入賞口125)を所定態様で発光させることになる大入賞口LEDが消灯しており、表示器130(第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、ラウンド数表示器225、状態表示器224、状態確認表示器226)、画像表示部114、及び、情報表示器230が非表示(非作動、消灯、消去)の状態となっている。
T1のタイミングにおいて、電源スイッチ412がOFFからONに切り替えられパチンコ遊技機100の電源がONしたときに設定確認操作(設定キースイッチ229がON)が行われると、遊技制御部200では設定確認モードが開始されて遊技の進行制御が開始される前の開始前状態となる。
また、画像表示部114に、パチンコ遊技機100の設定値を確認中であることを報知するテキストが表示される。また、画像表示部114には、演出ボタン161を模した画像が表示されている。
このとき、状態確認表示器226に設定確認中であることを示す状態確認表示が表示されると共に、各種駆動源の初期動作として作動(駆動源=ON)が開始される。また、設定確認中であること及び各種駆動源の動作確認を促すための設定確認報知(設定確認中画面の表示、設定確認中音声「設定確認中です」と初期動作確認音声「ソレノイドの動作も確認して下さい」の交互出力)が開始される。また、情報表示器230のうちの右端の7セグメント表示器230dに現在の設定値(ここでは「6」)が表示される。
また、演出ボタン161が操作されると、画像表示部114に、設定履歴画面が表示される。設定履歴画面は、パチンコ遊技機100の設定値の履歴を示す画面である。設定履歴画面には、「No」、「内容」、「日時」が示されている。「内容」には、設定変更モードおよび設定確認モードの何れが行われたかが示されている。また、設定変更モードが行われた場合、「内容」には、変更された設定値が示されている。また、設定確認モードが行われた場合、「内容」には、設定確認モードが行われたときの設定値が示されている。また、「日時」には、設定変更モードおよび設定確認モードの何れかが行われた日時が示されている。ここで、「No」が小さいほど、「日時」が新しいことを意味する。また、設定履歴画面が表示されているときに演出ボタン161が操作されると、画像表示部114には、パチンコ遊技機100の設定値を確認中であることを報知するテキストが再び表示される。
なお、設定履歴画面は、設定変更モード中に表示されてもよい。
T2のタイミングにおいて、各種駆動源の作動開始から作動時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)し、以降はT3のタイミング〜T10のタイミングまで各種駆動源の作動と停止が繰り返される。
T10のタイミングにおいて、T9のタイミングから開始された各種駆動源の作動時間が経過していない状態で確認終了操作(設定キースイッチ229がOFF)が行われると、設定確認モード及び設定確認報知が終了すると共に、即座に各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)して各種駆動源の初期動作が終了し、情報表示器230の右端の7セグメント表示器230dでの設定値の表示も終了する。そして、遊技制御部200では開始前状態から遊技の進行制御が行われる遊技可能状態に移行する。
このとき、表示器130での各種表示(特別図柄の表示、普通図柄の表示、特図保留数の表示、普図保留数の表示等)が開始されると共に、上述した電源復旧報知が開始される。また、演出制御部300によって制御される各種役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示)、演出ボタン161)の復帰動作及び初期動作が開始されると共に、情報表示器230において全ての7セグメント表示器230a〜230dが全点灯して点灯確認が開始される。なお、可動役物115の初期動作は情報表示器230の点灯確認の終了後に終了する。
T11のタイミングにおいて、情報表示器230の点灯確認が開始してから確認時間(ここでは5秒)が経過すると、7セグメント表示器230a〜230dが所定時間(ここでは5秒)全消灯する。そして、7セグメント表示器230a〜230dの全消灯が終了して性能情報(ここでは現在の遊技区間の通常ベース値)の表示が開始される。その後は、表示切替時間(5秒)が経過する毎に、現在の遊技区間と過去の3つの遊技区間からなる4つの遊技区間の性能情報(通常ベース値)が順に表示されることになる。
このように、本実施形態によれば、遊技の進行制御が開始される前の開始前状態において、遊技の結果に影響を与える可動体(電動チューリップ123、大入賞口扉125D)を動作させるための各種駆動源(電動チューリップ開閉部213、大入賞口扉開閉部216)を初期動作させるようになっているため、パチンコ遊技機100の工場出荷時や遊技店での入れ替え時において、遊技の進行制御を行う主制御手段によって制御される駆動源の動作確認を容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、遊技の結果に影響を与える可動体を動作させるための各種駆動源を初期動作させているとき(開始前状態中)には、状態確認表示器226を除く表示器130(第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、ラウンド数表示器225、状態表示器224)を非表示(非作動)の状態としているため、余計な処理負担を遊技制御部200に与えないようにすることができると共に、各種駆動源の動作確認に集中させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、遊技の結果に影響を与える可動体を動作させるための各種駆動源を初期動作させているときに、設定変更中であること及び各種駆動源の動作確認を促すための設定変更報知(RAMクリア準備中であること及び各種駆動源の動作確認を促すためのRAMクリア準備報知、設定確認中であること及び各種駆動源の動作確認を促すための設定確認報知)を行うようになっているため、各種駆動源の動作確認を行うタイミングであることをパチンコ遊技機100の動作確認を行う作業者(工員、遊技店員)に知らしめることができ、適切に動作確認を行わせることが可能となる。
また、本実施形態によれば、設定変更モード(RAMクリア準備モード、設定確認モード)において遊技の結果に影響を与える可動体を動作させるための各種駆動源を初期動作させるようになっているため、遊技の進行制御が開始される前の開始前状態において複数の状態を創設せずに済み、パチンコ遊技機100の開発コストの低減(開発期間の短縮等)を図ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、設定値確定操作(RAMクリア承認操作、確認終了操作)があって開始前状態が終了するときには、各種駆動源の作動時間が経過する前であっても即座に各種駆動源の作動を終了させるようになっているため、各種駆動源の初期動作が遊技可能状態に行われることがなくなり、遊技の進行に応じた各種駆動源の作動と混同してしまうような不都合を回避することが可能となる。
また、本実施形態によれば、遊技の進行制御が行われる前の開始前状態において遊技の結果に影響を与える可動体を動作させるための各種駆動源の初期動作を行い、遊技の進行制御が行われる遊技可能状態において遊技の結果に影響を与えない可動役物115の初期動作を行うようになっているため、2種類の初期動作を順番に確認することができ、動作確認を適切に行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、大入賞口扉125Dを動作させるための各種駆動源を初期動作させているときは、大入賞口LEDを消灯したままとしているため、大入賞口LEDからの光によって大入賞口扉125Dの動作確認を行いにくくなるといった不都合を回避することができ、動作確認を適切に行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、大入賞口扉125Dを動作させるための各種駆動源を初期動作させているときは、第1大入賞口125が開放しているにも拘らず開放中信号を出力しないようになっているため、余計な処理負担を遊技制御部200に与えないようにすることができると共に、パチンコ遊技機100から出力される情報を収集するホールコンピュータ等の情報収集装置が遊技の進行に応じない情報を収集してしまう等の不都合を回避することが可能となる。
また、本実施形態によれば、遊技機の電源ONから遊技の進行制御が開始されるまでは、情報表示器230に遊技機の性能情報(通常ベース値)が表示されない(性能情報の表示が規制される)ようになっているため、余計な処理負担を遊技制御部200に与えないようにすることが可能となる。
また、本実施形態によれば、遊技の進行制御が開始された後に遊技機の性能情報(通常ベース値)が表示される(性能情報の表示が許容される)ようになっているため、遊技の進行制御が開始されているか否かの確認を行うことができると共に、性能情報が遊技に関するものであることを知らしめることが可能となる。
また、本実施形態によれば、設定変更モード中や設定確認モード中において、現在の設定値が表示されている7セグメント表示器230d以外の7セグメント表示器230a〜230cにも性能情報を表示しないことで、現在の設定値を適切に報知することができ、遊技店側の利便性を確保することが可能となる。
なお、本実施形態では、設定変更報知やRAMクリア準備報知や設定確認報知において、各種駆動源の初期動作の目視確認を促す「駆動源初期動作中」又は「ソレノイドの動作を確認して下さい」等の文字を表示しないようになっていたが、そのような文字を表示するようにしてもよい。
また、本実施形態では、遊技の進行制御が開始された後に情報表示器230の全ての7セグメント表示器230a〜230dを全点灯させて点灯確認を行うようになっているが、設定変更モードやRAMクリア準備モードや設定確認モードの後においては点灯確認を行わないようにしてもよい。
(各種駆動源を初期動作させる場合の変形例)
以下、各種駆動源を初期動作させる場合の変形例について図面を参照しながら具体的に説明する。なお、この変形例では、設定変更モードやRAMクリア準備モードや設定確認モードの終了後に駆動源処理動作処理を行う点で上記実施形態と相違する。
(設定変更後に各種駆動源を初期動作させる場合の具体例)
図63を用いて、変形例における設定変更後に各種駆動源を初期動作させる場合の具体例について説明する。図63は、変形例における設定変更後に各種駆動源を初期動作させる場合のタイミングチャートと演出例を示す図である。
まず、T0のタイミングにおいて、パチンコ遊技機100の電源がOFFとなっている。このとき、所定領域(第2始動口122、第1大入賞口125)に遊技球が入球するか否か(入球難易度)を変化させる等の遊技の結果に影響を与える可動体(電動チューリップ123、大入賞口扉125D)を動作させるための各種駆動源(電動チューリップ開閉部213、大入賞口扉開閉部216)が停止した状態となっている。
また、ラウンド遊技中において大入賞口(第1大入賞口125)を所定態様で発光させることになる大入賞口LEDが消灯しており、表示器130(第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、ラウンド数表示器225、状態表示器224、状態確認表示器226)、画像表示部114、及び、情報表示器230が非表示(非作動、消灯、消去)の状態となっている。
T1のタイミングにおいて、パチンコ遊技機100の電源がONしたときに設定変更操作(設定キースイッチ229がON、RAMクリアスイッチ228がON)が行われると、遊技制御部200では設定変更モードが開始されて遊技の進行制御が開始される前の開始前状態となる。このとき、状態確認表示器226に設定変更中であることを示す状態確認表示が表示され、上述した設定変更報知が開始される。また、情報表示器230のうちの右端の7セグメント表示器230dに現在の設定値(ここでは「6」)が表示される。
T2のタイミングにおいて、設定値確定操作(設定キースイッチ229がOFF)が行われると、設定変更モード及び設定変更報知が終了して各種駆動源の初期動作が開始され、情報表示器230の右端の7セグメント表示器230dに表示されていた設定値が消去されて非表示となる。このとき、状態確認表示器226での状態確認表示が終了し、各種駆動源の動作確認を促すための初期動作報知(初期動作中画面の表示、初期動作確認音声「ソレノイドの動作を確認して下さい」の出力)が開始される。
T3のタイミングにおいて、初期動作報知が開始されてから作動待機時間(ここでは7秒)が経過すると、各種駆動源の1回目の作動(駆動源=ON)が開始され、T4のタイミングにおいて、各種駆動源の作動時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)する。
T5のタイミングにおいて、各種駆動源の作動が停止してから停止時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の2回目の作動が開始され、T6のタイミングにおいて、各種駆動源の作動時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)する。
T7のタイミングにおいて、各種駆動源の作動が停止してから停止時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の3回目の作動が開始され、T8のタイミングにおいて、各種駆動源の作動時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)する。
T9のタイミングにおいて、各種駆動源の作動が停止してから停止時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の初期動作及び初期動作報知が終了し、遊技制御部200では開始前状態から遊技の進行制御が行われる遊技可能状態に移行する。
このとき、表示器130での各種表示(特別図柄の表示、普通図柄の表示、特図保留数の表示、普図保留数の表示等)が開始されると共に、上述した電源投入報知が開始される。また、演出制御部300によって制御される各種役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示)、演出ボタン161)の復帰動作及び初期動作が開始されると共に、情報表示器230において全ての7セグメント表示器230a〜230dが全点灯して点灯確認が開始される。なお、各種役物の初期動作は情報表示器230の点灯確認の終了後に終了する。
T10のタイミングにおいて、情報表示器230の点灯確認が開始してから確認時間(ここでは5秒)が経過すると、7セグメント表示器230a〜230dの全点灯が終了して性能情報(ここでは現在の遊技区間の通常ベース値)の表示が開始される。その後は、表示切替時間(5秒)が経過する毎に、現在の遊技区間と過去の3つの遊技区間からなる4つの遊技区間の性能情報(通常ベース値)が順に表示されることになる。
(RAMクリア後に各種駆動源を初期動作させる場合の具体例)
図64を用いて、変形例におけるRAMクリア後に各種駆動源を初期動作させる場合の具体例について説明する。図64は、変形例におけるRAMクリア後に各種駆動源を初期動作させる場合のタイミングチャートと演出例を示す図である。
まず、T0のタイミングにおいて、パチンコ遊技機100の電源がOFFとなっている。このとき、所定領域(第2始動口122、第1大入賞口125)に遊技球が入球するか否か(入球難易度)を変化させる等の遊技の結果に影響を与える可動体(電動チューリップ123、大入賞口扉125D)を動作させるための各種駆動源(電動チューリップ開閉部213、大入賞口扉開閉部216)が停止した状態となっている。
また、ラウンド遊技中において大入賞口(第1大入賞口125)を所定態様で発光させることになる大入賞口LEDが消灯しており、表示器130(第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、ラウンド数表示器225、状態表示器224)、画像表示部114、及び、情報表示器230が非表示(非作動、消灯、消去)の状態となっている。
T1のタイミングにおいて、パチンコ遊技機100の電源がONしたときにRAMクリア操作(RAMクリアスイッチ228がON)が行われると、遊技制御部200ではRAMクリア準備モードが開始されて遊技の進行制御が開始される前の開始前状態となる。このとき、上述したRAMクリア準備報知が開始される。
T2のタイミングにおいて、RAMクリア承認操作(RAMクリアスイッチ228がON)が行われると、RAMクリア準備モードが終了して各種駆動源の初期動作が開始される。このとき、各種駆動源の動作確認を促すための初期動作報知(初期動作中画面の表示、「ソレノイドの動作を確認して下さい」の初期動作確認音声の出力)が開始される。
T3のタイミングにおいて、初期動作報知が開始されてから作動待機時間(ここでは7秒)が経過すると、各種駆動源の1回目の作動(駆動源=ON)が開始され、T4のタイミングにおいて、各種駆動源の作動時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)する。
T5のタイミングにおいて、各種駆動源の作動が停止してから停止時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の2回目の作動が開始され、T6のタイミングにおいて、各種駆動源の作動時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)する。
T7のタイミングにおいて、各種駆動源の作動が停止してから停止時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の3回目の作動が開始され、T8のタイミングにおいて、各種駆動源の作動時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)する。
T9のタイミングにおいて、各種駆動源の作動が停止してから停止時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の初期動作及び初期動作報知が終了し、遊技制御部200では開始前状態から遊技の進行制御が行われる遊技可能状態に移行する。
このとき、表示器130での各種表示(特別図柄の表示、普通図柄の表示、特図保留数の表示、普図保留数の表示等)が開始されると共に、上述した電源投入報知が開始される。また、演出制御部300によって制御される各種役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示)、演出ボタン161)の復帰動作及び初期動作が開始されると共に、情報表示器230において全ての7セグメント表示器230a〜230dが全点灯して点灯確認が開始される。なお、各種役物の初期動作は情報表示器230の点灯確認の終了後に終了する。
T10のタイミングにおいて、情報表示器230の点灯確認が開始してから確認時間(ここでは5秒)が経過すると、7セグメント表示器230a〜230dの全点灯が終了して性能情報(ここでは現在の遊技区間の通常ベース値)の表示が開始される。その後は、表示切替時間(5秒)が経過する毎に、現在の遊技区間と過去の3つの遊技区間からなる4つの遊技区間の性能情報(通常ベース値)が順に表示されることになる。
(設定確認後に各種駆動源を初期動作させる場合の具体例)
図65を用いて、変形例における設定確認後に各種駆動源を初期動作させる場合の具体例について説明する。図65は、変形例における設定確認後に各種駆動源を初期動作させる場合のタイミングチャートと演出例を示す図である。
まず、T0のタイミングにおいて、パチンコ遊技機100の電源がOFFとなっている。このとき、所定領域(第2始動口122、第1大入賞口125)に遊技球が入球するか否か(入球難易度)を変化させる等の遊技の結果に影響を与える可動体(電動チューリップ123、大入賞口扉125D)を動作させるための各種駆動源(電動チューリップ開閉部213、大入賞口扉開閉部216)が停止した状態となっている。
また、ラウンド遊技中において大入賞口(第1大入賞口125)を所定態様で発光させることになる大入賞口LEDが消灯しており、表示器130(第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、ラウンド数表示器225、状態表示器224、状態確認表示器226)、画像表示部114、及び、情報表示器230が非表示(非作動、消灯、消去)の状態となっている。
T1のタイミングにおいて、パチンコ遊技機100の電源がONしたときに設定確認操作(設定キースイッチ229がON)が行われると、遊技制御部200では設定確認モードが開始されて遊技の進行制御が開始される前の開始前状態となる。このとき、状態確認表示器226に設定確認中であることを示す状態確認表示が表示され、上述した設定確認報知が開始される。また、情報表示器230のうちの右端の7セグメント表示器230dに現在の設定値(ここでは「6」)が表示される。
T2のタイミングにおいて、確認終了操作(設定キースイッチ229がOFF)が行われると、設定確認モード及び設定確認報知が終了して各種駆動源の初期動作が開始され、情報表示器230の右端の7セグメント表示器230dに表示されていた設定値が消去されて非表示となる。このとき、状態確認表示器226での状態確認表示が終了し、各種駆動源の動作確認を促すための初期動作報知(初期動作中画面の表示、初期動作確認音声「ソレノイドの動作を確認して下さい」の出力)が開始される。
T3のタイミングにおいて、初期動作報知が開始されてから作動待機時間(ここでは7秒)が経過すると、各種駆動源の1回目の作動(駆動源=ON)が開始され、T4のタイミングにおいて、各種駆動源の作動時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)する。
T5のタイミングにおいて、各種駆動源の作動が停止してから停止時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の2回目の作動が開始され、T6のタイミングにおいて、各種駆動源の作動時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)する。
T7のタイミングにおいて、各種駆動源の作動が停止してから停止時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の3回目の作動が開始され、T8のタイミングにおいて、各種駆動源の作動時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の作動が停止(駆動源=OFF)する。
T9のタイミングにおいて、各種駆動源の作動が停止してから停止時間(ここでは0.512秒)が経過すると、各種駆動源の初期動作及び初期動作報知が終了し、遊技制御部200では開始前状態から遊技の進行制御が行われる遊技可能状態に移行する。
このとき、表示器130での各種表示(特別図柄の表示、普通図柄の表示、特図保留数の表示、普図保留数の表示等)が開始されると共に、上述した電源投入報知が開始される。また、演出制御部300によって制御される各種役物(可動役物115、サブ画像表示部(不図示)、演出ボタン161)の復帰動作及び初期動作が開始されると共に、情報表示器230において全ての7セグメント表示器230a〜230dが全点灯して点灯確認が開始される。なお、各種役物の初期動作は情報表示器230の点灯確認の終了後に終了する。
T10のタイミングにおいて、情報表示器230の点灯確認が開始してから確認時間(ここでは5秒)が経過すると、7セグメント表示器230a〜230dの全点灯が終了して性能情報(ここでは現在の遊技区間の通常ベース値)の表示が開始される。その後は、表示切替時間(5秒)が経過する毎に、現在の遊技区間と過去の3つの遊技区間からなる4つの遊技区間の性能情報(通常ベース値)が順に表示されることになる。
このように、本変形例によれば、遊技の進行制御が開始される前の開始前状態において、遊技の結果に影響を与える可動体(電動チューリップ123、大入賞口扉125D)を動作させるための各種駆動源(電動チューリップ開閉部213、大入賞口扉開閉部216)を初期動作させるようになっているため、パチンコ遊技機100の工場出荷時や遊技店での入れ替え時において、遊技の進行制御を行う主制御手段によって制御される駆動源の動作確認を容易に行うことが可能となる。
また、本変形例によれば、遊技の結果に影響を与える可動体を動作させるための各種駆動源を初期動作させているとき(開始前状態中)には、状態確認表示器226を除く表示器130(第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、ラウンド数表示器225、状態表示器224)を非表示(非作動)の状態としているため、余計な処理負担を遊技制御部200に与えないようにすることができると共に、各種駆動源の動作確認に集中させることが可能となる。
また、本変形例によれば、遊技の結果に影響を与える可動体を動作させるための各種駆動源を初期動作させているときに、各種駆動源の動作確認を促すための初期動作報知を行うようになっているため、各種駆動源の動作確認を行うタイミングであることをパチンコ遊技機100の動作確認を行う作業者(工員、遊技店員)に知らしめることができ、適切に動作確認を行わせることが可能となる。
また、本変形例によれば、遊技の進行制御が開始される前の開始前状態であっても、設定変更モード(RAMクリア準備モード、設定確認モード)が終了した後に遊技の結果に影響を与える可動体を動作させるための各種駆動源を初期動作させるようになっているため、設定変更(RAMクリア、設定確認)を行いながら各種駆動源の動作確認を行うといった複雑なことせずに済み、動作確認を適切に行うことが可能となる。
また、本変形例によれば、設定変更モード(RAMクリア準備モード、設定確認モード)が終了した後に作動待機時間を経てから遊技の結果に影響を与える可動体を動作させるための各種駆動源の作動が開始されるようになっているため、設定変更(設定確認)が終了してから各種駆動源の動作確認を行うまでの時間的余裕を持たせることができ、動作確認を適切に行うことが可能となる。
また、本変形例によれば、遊技の結果に影響を与える可動体を動作させるための各種駆動源の初期動作が設定変更モードの終了後であるか、RAMクリア準備モードの終了後であるか、設定確認モードの終了後であるかに拘らず、同一の初期動作報知を行うようになっているため、初期動作報知の制御を簡便なものにすることができ、パチンコ遊技機100の開発コストの低減(開発期間の短縮等)を図ることが可能となる。
また、本変形例によれば、大入賞口扉125Dを動作させるための各種駆動源を初期動作させているときは、大入賞口LEDを消灯したままとしているため、大入賞口LEDからの光によって大入賞口扉125Dの動作確認を行いにくくなるといった不都合を回避することができ、動作確認を適切に行うことが可能となる。
また、本変形例によれば、遊技の進行制御が行われる前の開始前状態において遊技の結果に影響を与える可動体を動作させるための各種駆動源の初期動作を行い、遊技の進行制御が行われる遊技可能状態において遊技の結果に影響を与えない可動役物115の初期動作を行うようになっているため、2種類の初期動作を順番に確認することができ、動作確認を適切に行うことが可能となる。
また、本変形例によれば、大入賞口扉125Dを動作させるための各種駆動源を初期動作させているときは、第1大入賞口125が開放しているにも拘らず開放中信号を出力しないようになっているため、余計な処理負担を遊技制御部200に与えないようにすることができると共に、パチンコ遊技機100から出力される情報を収集するホールコンピュータ等の情報収集装置が遊技の進行に応じない情報を収集してしまう等の不都合を回避することが可能となる。
また、本変形例によれば、遊技機の電源ONから遊技の進行制御が開始されるまでは、情報表示器230に遊技機の性能情報(通常ベース値)が表示されない(性能情報の表示が規制される)ようになっているため、余計な処理負担を遊技制御部200に与えないようにすることが可能となる。
また、本変形例によれば、遊技の進行制御が開始された後に遊技機の性能情報(通常ベース値)が表示される(性能情報の表示が許容される)ようになっているため、遊技の進行制御が開始されているか否かの確認を行うことができると共に、性能情報が遊技に関するものであることを知らしめることが可能となる。
また、本変形例によれば、設定変更モード中やRAMクリア準備モード中や設定確認モード中において、現在の設定値が表示されている7セグメント表示器230d以外の7セグメント表示器230a〜230cにも性能情報を表示しないことで、現在の設定値を適切に報知することができ、遊技店側の利便性を確保することが可能となる。
また、本変形例によれば、各種駆動源の初期動作中において、情報表示器230に設定値や遊技機の性能情報を表示しないようになっているため、各種駆動源の初期動作の確認に対して遊技店の従業員の意識を集中させることができ、各種駆動源の故障を的確に判断することが可能となる。
また、上記実施形態では、大当たり判定において大当たりと判定された場合、大当たり遊技を行い、大当たり遊技を経由して遊技状態が変更される遊技機について説明した。他の実施形態では、大当たりと判定されなかった場合においても、低確率時短無遊技状態から時短遊技状態に移行させてもよい。例えば、低確率時短無遊技状態での特別図柄の変動回数(大当たり判定においてハズレと判定した連続回数)が、所定の上限回数(例えば、900回)に達した場合、その変動において大当たりと判定されなくても、所定回数(例えば50回。100回以上でもよい)の時短遊技状態に移行させてもよい。この場合、特別図柄が所定回数変動するまでに大当たりにならなければ時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態に戻る。あるいは、大当たり判定の結果がハズレであっても(すなわち、始動口への入賞時に取得された特別図柄抽選のための乱数値がハズレを示す値であっても)、入賞時に取得された特別図柄抽選のための乱数値(大当たり図柄乱数値)が所定の値である場合には、所定回数の時短遊技状態に移行させてもよい。また、特別図柄の変動回数に基づいて時短遊技状態に移行させる場合において、上記所定の上限回数は、可変であってもよいし固定であってもよい。例えば、所定の上限回数が可変である場合、特別図柄の変動回数が第1の回数になった場合に時短遊技状態が付与されるときと、特別図柄の変動回数が第2の回数になった場合に時短遊技状態が付与されるときとがあってもよい。この場合、特別図柄の変動回数に応じて付与される時短回数を異ならせてもよく、変動回数が多いほど時短回数が多く設定されてもよい。また、大当たり図柄乱数値に基づいて時短遊技状態に移行させる場合では、取得された大当たり図柄乱数値によって付与される時短回数が異なってもよい。例えば、取得された大当たり図柄乱数値が第1の値の場合には第1の時短回数が付与され、取得された大当たり図柄乱数値が第2の値の場合には第2の時短回数が付与されてもよい。また、特別図柄の変動回数に基づいて時短遊技状態に移行させる場合と、大当たり図柄乱数値に基づいて時短遊技状態に移行させる場合とがあってもよい。この場合、特別図柄の変動回数に基づいて時短遊技状態に移行させる場合と、大当たり図柄乱数値に基づいて時短遊技状態に移行させる場合とで、付与する時短回数を異ならせてもよい。例えば、特別図柄の変動回数に基づいて時短遊技状態に移行させる場合には、50回の時短遊技状態に移行させ、大当たり図柄乱数値に基づいて時短遊技状態に移行させる場合には、それよりも少ない30回の時短遊技状態に移行させてもよい。逆に、特別図柄の変動回数に基づいて時短遊技状態に移行させる場合よりも、大当たり図柄乱数値に基づいて時短遊技状態に移行させる場合の方が時短回数を多くしてもよい。また、このように大当たりを経由せずに時短遊技状態に移行させた場合において、その移行された時短遊技状態中に、さらに大当たりを経由せずに時短遊技状態が付与される場合には、新たに付与される時短回数だけ、時短遊技状態が継続してもよい。例えば、大当たりを経由せずに50回の時短遊技状態が付与され、時短遊技状態において特別図柄が30回変動したときに、大当たりを経由せずに50回の時短遊技状態が付与された場合、50回の時短遊技状態に移行させてもよい。あるいはこの場合、時短回数が上乗せされてもよい。例えば、大当たりを経由せずに50回の時短遊技状態が付与され、時短遊技状態において特別図柄が30回変動したときに、大当たりを経由せずに50回の時短遊技状態が付与された場合、残りの20回に新たに付与される50回が追加されて、70回の時短遊技状態が付与されてもよい。また、このような大当たりを経由しない時短遊技状態中は、大当たりを経由しない時短遊技状態を付与させないようにしてもよい。また、大当たりを経由せずに、特別図柄の変動回数又は大当たり図柄乱数値に基づいて時短遊技状態に移行させる構成において、時短遊技状態への移行を示唆する時短示唆演出が行われてもよい。例えば、特別図柄の変動回数が上記所定の上限回数に近い場合は、時短示唆演出が実行され易く構成されてもよい。逆に、特別図柄の変動回数が上記所定の上限回数に近い場合は、時短示唆演出がされ難く構成されてもよい。
以上、パチンコ遊技機100の種々の演出について説明したが、説明した内容の全部または一部を他の演出や制御等に応用ないし組み合わせることは、特に言及がない場合であっても可能である。また、種々の実施形態や変形例についても言及したが、かかる実施形態や変形例の内容を他の演出等に応用することや組み合わせることは、本書に言及がない場合であっても可能である。また、種々の実施形態や変形例同士を組み合わせることや、一部を入れ替えることは、本書に言及がない場合であっても可能である。