JP2021171271A - 信号処理システム、及びセンサシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 電波センサ信号から生成された生体情報の時系列データの精度低下を抑制することができる信号処理システム、及びセンサシステムを提供する。【解決手段】 信号処理システムは、データ推定部22bと、信頼度推定部22cと、補完部22dと、を備える。データ推定部22bは、人で反射された電波を受信する電波センサから出力された電波センサ信号Y11に基づいて、人の生体情報の第1時系列データD1を推定する時系列データ推定処理を行う。信頼度推定部22cは、第1時系列データD1の信頼度を推定する。補完部22dは、信頼度に基づいて第1時系列データD1が欠損していると判定すれば、第1時系列データD1の履歴に基づいて第1時系列データD1の欠損部分を補完することで、第2時系列データD2を生成する。【選択図】図4

Description

本開示は、信号処理システム、及びセンサシステムに関する。
特許文献1には、車両の運転座席、助手席、及び後部座席の乗員検知を行うと共に、運転座席等においては、乗員検知だけでなく、生体情報も取得する乗員状態検知システムが開示されている。
乗員状態検知システムでは、車両内に取り付けられた電波センサが電波を送信し、その反射波を受信して、反射物までの距離(変位)を検出する。乗員状態検知システムは、反射物までの距離を経時的に検出し、距離変動を算出することで、反射物までの距離が変動しているかどうかを確認する。その結果、距離変動がない、又は距離変動が一定検知の値以下であれば、車両内に人(乗員)がいないと判断する。また、距離が変動している、又は距離変動が一定値以上であれば、車両内に人が存在すると判断する。
さらに、上記生体情報の経時的変動の履歴を得ることで乗員の状態などのモニターにも利用される。
特開2018−202921号公報
上述のように、電波センサを用いて人の状態を判定する信号処理システムがある。しかしながら、電波センサの振動及び人の動きなどによって、生成された生体情報に欠損(データの欠け、劣化など)が生じることがある。生体情報に欠損が生じると、生体情報の精度が低下してしまう。
本開示の目的は、電波センサ信号から生成された生体情報の時系列データの精度低下を抑制することができる信号処理システム、及びセンサシステムを提供することである。
本開示の一態様に係る信号処理システムは、データ推定部と、信頼度推定部と、補完部と、を備える。前記データ推定部は、人で反射された電波を受信する電波センサから出力された電波センサ信号に基づいて、前記人の生体情報の第1時系列データを推定する時系列データ推定処理を行う。前記信頼度推定部は、前記第1時系列データの信頼度を推定する。前記補完部は、前記信頼度に基づいて前記第1時系列データが欠損していると判定すれば、前記第1時系列データの履歴に基づいて前記第1時系列データの欠損部分を補完することで、第2時系列データを生成する。
本開示の一態様に係るセンサシステムは、上述の信号処理システムと、前記電波センサと、を備える。
以上説明したように、本開示は、電波センサ信号から生成された生体情報の時系列データの精度低下を抑制することができるという効果がある。
第1実施形態の信号処理システムを備えるセンサシステムを示すブロック図である。 同上の信号処理システムの電波センサを示すブロック図である。 同上の信号処理システムを示すブロック図である。 同上の信号処理システムの要部を示すブロック図である。 同上の信号処理システムの電波センサ信号及び呼吸波形を示す波形図である。 同上の信号処理システムの呼吸波形の欠損を示す波形図である 第2実施形態の信号処理システムを備えるセンサシステムを示すブロック図である。 同上の信号処理システムの電波センサを示すブロック図である。 同上のセンサシステムを示す概略図である。 同上の別のセンサシステムを示す概略図である。
本実施形態は、一般に、信号処理システム、及びセンサシステムに関する。より詳細には、本開示は、電波センサを用いて生体情報を生成する信号処理システム、及びセンサシステムに関する。
以下に説明する各実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、各実施形態及び変形例に限定されない。これらの実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(1)第1実施形態
(1.1)センサシステムの概要
図1は、第1実施形態のセンサシステムA1を示す。
センサシステムA1は、電波センサ1、及び信号処理システム2を備える。本実施形態の信号処理システム2は、信号処理装置で構成される。
電波センサ1は、検出エリアG1内に電波を出力し、検出エリアG1内の物体9で反射した電波を受信して、物体9の状態に応じた電波センサ信号Y1を出力する。物体9の状態は、物体9の動き、有無、移動速度、又は位置などである。本開示では、物体9として人90を想定しており、人90の状態は、生体情報(呼吸、心拍、脈拍など)、人の存在、移動速度、又は位置などである。
具体的に、電波センサ1は、送信波101として電波を出力し、人90で反射した電波を受信波102として受信して、電波センサ1と人90との間の距離Lの情報を含む電波センサ信号Y1を出力する。なお、本実施形態の電波センサ信号Y1は、アナログの時間信号である。
信号処理システム2は、電波センサ信号Y1に信号処理を施すことで、人90の生体情報の時系列データを生成する。人90までの距離Lは、人90の移動だけでなく、人90の一部の動きによっても変化する。したがって、距離Lの情報を含む電波センサ信号Y1に信号処理を施すことで、人90の呼吸、心拍、及び脈拍などの生体情報の時系列データを得ることができる。なお、信号処理システム2は、人90の生体情報の時系列データ以外に、人90の存在、移動速度、動き、及び位置などの情報を生成してもよい。
(1.2)電波センサ
本実施形態の電波センサ1は、FMCW(Frequency-Modulated Continuous-Wave)方式の電波センサである。電波センサ1は、図2に示すように、送受信器1a、送信アンテナ1b、及び受信アンテナ1cを備える。送受信器1aは、周波数(送信周波数)が時間の経過に伴って変化する送信波101を送信アンテナ1bから出力し、周波数(受信周波数)が時間の経過に伴って変化する受信波102を受信アンテナ1cを介して受信する。そして、送受信器1aは、送信周波数と受信周波数との周波数差に等しい周波数(ビート周波数)のビート信号を電波センサ信号Y1として生成する。信号処理システム2は、電波センサ1から電波センサ信号Y1を受け取り、電波センサ信号Y1のビート周波数に基づいて人90までの距離Lを求めることができる。なお、送信波101は、マイクロ波であることが好ましい。特に、送信波101の周波数は、24.15GHzであることが好ましい。但し、送信波101は、マイクロ波に限らず、ミリ波であってもよく、送信波101の周波数は特定の値に限定されない。
具体的に、FMCW方式を用いる送受信器1aは、送信波101の周波数(送信周波数)を上昇させた後に下降させるスイープ処理を繰り返す。スイープ処理では、送信周波数は、掃引時間Taの間に掃引周波数幅Δfaだけ上昇する。光速をCとすると、送信波101が出力されてから時間2L/C後に、送受信器1aは反射波を受信する。反射波の周波数(受信周波数)は、送信周波数と同様に、時間の経過に伴って変化する。そして、送受信器1aが、送信周波数と受信周波数との周波数差に等しい周波数(ビート周波数)fbのビート信号を生成し、電波センサ信号Y1として出力する。ビート周波数fbは、fb=[(Δfa・2L)/(C・Ta)]となる。故に、人90までの距離Lは、以下の式1で表される。
L=(fb・C・Ta)/(2・Δfa) ……… 式1
そして、電波センサ1は、電波センサ信号Y1(周波数fbのビート信号)として、同相(In-phase)成分及び直交(Quadrature)成分を含むIQ信号を出力する。なお、以降の説明では、同相成分をI成分と呼び、直交成分をQ成分と呼ぶことがある。
また、FMCW方式の電波センサ1を用いた微動生体波形の抽出では、距離Lに対してレンジゲートを設けて、レンジゲート内の特定の距離における人90の動きを抽出してもよい。
(1.3)信号処理システム(信号処理装置)
(1.3.1)信号処理システムの概要
信号処理システム2は、図3に示すように、受信部21、信号処理部22、判定部23、及び通信部24を備える。
受信部21は、電波センサ信号Y1を電波センサ1から受け取るインタフェース機能を有する。信号処理部22は、電波センサ信号Y1から、人90の生体情報の第2時系列データD2を生成する。判定部23は、生体情報の第2時系列データD2に基づいて、人90の状態を判定する。
通信部24は、判定部23の判定結果を、判定信号Y2として通知システム3へ送信する。通信部24と通知システム3との間の通信は、通信線を介した有線通信、又は無線信号を用いた無線通信によって行われる。有線通信は、例えばツイストペアケーブル、専用通信線、またはLAN(Local Area Network)ケーブルなどを介した有線通信である。無線通信は、例えばWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した無線通信、あるいは赤外線通信などの無線通信である。
上述の信号処理システム2は、コンピュータシステムを備えることが好ましい。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における信号処理システム2としての機能の少なくとも一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリにあらかじめ記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む一ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1乃至複数の電子回路で構成される。
また、コンピュータシステムは、1又は複数のコンピュータで構成されるシステムであってもよい。例えば、受信部21、信号処理部22、判定部23、及び通信部24の少なくとも一部の各機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
通知システム3は、サーバ、パーソナルコンピュータ、専用端末、スマートフォン、又はタブレット端末などの少なくとも1つを含み、判定部23の判定結果に基づいた通知動作、又は警報動作などを行う。
(1.3.2)信号処理
本実施形態では図3に示すように、信号処理部22は、前処理部22a、データ推定部22b、信頼度推定部22c、補完部22d、及び記憶部22eを備える。
(前処理部)
前処理部22aは、電波センサ信号Y1を増幅する増幅機能、及びデジタル信号に変換するAD変換機能を有しており、増幅されたデジタルの電波センサ信号Y11を生成する。さらに、前処理部22aは、電波センサ信号から異常値を除去又は減衰させるフィルタを備えていてもよい。電波センサ信号Y11は、電波センサ信号Y1に増幅処理、AD変換処理、及びフィルタ処理を施した信号であり、電波センサ信号Y1と実質的に同じ信号である。したがって、電波センサ信号Y1及び電波センサ信号Y11はともに、電波センサ1から出力された電波センサ信号とみなすことができる。なお、電波センサ1が、前処理部22aを備えてもよい。この場合、電波センサ1が、電波センサ信号Y11を出力する。
(データ推定部)
データ推定部22bは、電波センサ信号Y11に基づいて、人90の生体情報の第1時系列データD1を推定する時系列データ推定処理を行う。すなわち、データ推定部22bは、時系列データ推定処理によって、生体情報の推定結果である第1時系列データD1を生成する。
具体的に、データ推定部22bは、図4に示すように、第1学習モデルM1を用いて、電波センサ信号Y11から、人90の生体情報の第1時系列データD1を推定する。第1学習モデルM1は、再帰型のニューラルネットワーク(ディープラーニング)によって構築されたデータ推定用の学習モデルである。データ推定部22bは、再帰型のニューラルネットワークとして、リカレントニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)、長短期記憶ユニット(LSTM:Long Short Term Memory)、又はゲート付き再帰型ユニット(GRU:Gated Recurrent Unit)を用いる。第1学習モデルM1は、多数の学習用の電波センサ信号Y11を学習データ(教師データ)として用いた教師あり学習によって予め生成されている。データ推定部22bは、上述の予め生成された再帰型のニューラルネットワークによって構築された第1学習モデルM1を用いることで、時間に沿って変動する第1時系列データD1の推定精度を向上させることができる。ニューラルネットワーク学習時における学習データには、人体に直接装着される接触式センサ等によって得られた信頼性の高い生体情報が用いられることが好ましい。
学習データは、静止している人90及び静止している電波センサ1にそれぞれ対応する電波センサ信号Y11だけでなく、揺動している人90及び振動している電波センサ1にそれぞれ対応する電波センサ信号Y11も含むことが好ましい。すなわち、学習データとして、人90の生体情報のみが含まれている電波センサ信号Y11だけでなく、人90の揺動及び電波センサ1の振動などの外乱による外乱成分を含む電波センサ信号Y11も用いることが好ましい。この場合、実動作時には真の生体信号は存在しないが、学習済みの第1学習モデルM1を用いて、外乱成分を含む電波センサ信号Y11から生体情報の第1時系列データD1を推定できる確率がより高くなる。
データ推定部22bは、第1学習モデルM1にRNN、LSTM、又はGRUを用いることで、前ステップのニューラルネットワークのいずれかの層(例えば隠れ層)の出力が、次ステップのニューラルネットワークに再帰的に入力される。すなわち、データ推定部22bは、電波センサ信号Y11を用いるだけでなく、第1時系列データD1の過去データを再帰的に参照することで、生体情報の第1時系列データD1を推定する。この結果、データ推定部22bは、電波センサ信号Y11だけでなく、過去の生体情報も反映させて、現在の生体情報を推定することができる。したがって、データ推定部22bは、電波センサ信号Y11に基づいて、時間に沿って変動する生体情報を高精度に推定することができる。さらに、データ推定部22bは、学習済の外乱が発生したとしても、第1学習モデルM1を用いることによって、生体情報の第1時系列データD1を推定できる。一般的に第1学習モデルM1などの学習モデルは、上述のように過去データを利用して現在値の推定を行うが、現在値と過去データの両方を利用して、現在より前の値を推定してもよい。
データ推定部22bが推定した生体情報の第1時系列データD1は、記憶部22eに格納される。すなわち、記憶部22eは、生体情報の第1時系列データD1の履歴を記憶する。
本実施形態のデータ推定部22bは、人90の生体情報の第1時系列データD1として、人90の呼吸の時系列データである第1呼吸波形D11を推定する。図5の上段は、電波センサ信号Y11のI成分Y11a、及び電波センサ信号Y11のQ成分Y11bの各波形を示す。図5の下段は、第1呼吸波形D11を示す。データ推定部22bは、第1学習モデルM1を用いて、電波センサ信号Y11のI成分Y11a及びQ成分Y11bから、第1呼吸波形D11を推定する。第1呼吸波形D11では、人90が息を吸う吸気期間T1と人90が息を吐く呼気期間T2とが交互に繰り返される。記憶部22eは、データ推定部22bが推定した第1呼吸波形D11の履歴を記憶する。
図5では、データ推定部22bは、第1学習モデルM1を用いて第1呼吸波形D11を推定する時系列データ推定処理を時間t0に開始している。しかしながら、時間t0の直後では、今回の時系列データ推定処理による第1呼吸波形D11の過去データがまだ蓄積されていない。したがって、データ推定部22bは、時系列データ推定処理を開始した直後の初期期間T0では、第1学習モデルM1が過去データとして用いる第1呼吸波形D11のデータ(初期データ)を必要とする。そこで、データ推定部22bは、記憶部22eに格納されている第1呼吸波形D11の履歴を初期データとして用いて、電波センサ信号Y11から第1呼吸波形D11を推定する。このとき、データ推定部22bは、第1呼吸波形D11の履歴内の所的期間における第1呼吸波形D11、第1呼吸波形D11の履歴に統計処理(平均化、又は正規化など)を施した統計データ、又は第1呼吸波形D11の履歴の代表データなどを初期データとする。あるいは、データ推定部22bは、初期データとして、予め決められている定型の呼吸波形のデータを用いてもよい。
したがって、データ推定部22bは、第1呼吸波形D11の過去データがまだ蓄積されていない初期期間T0では、初期データを過去データとして用いることで、第1呼吸波形D11を推定することができる。
(記憶部)
データ推定部22bが推定した生体情報の第1時系列データD1は、記憶部22eに格納される。すなわち、記憶部22eは、生体情報の第1時系列データD1の履歴を記憶する。本実施形態では、記憶部22eは、生体情報の第1時系列データD1として、第1呼吸波形D11のデータを記憶する。
なお、記憶部22eは、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、又はフラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリであることが好ましい。
(信頼度推定部)
データ推定部22bは、第1学習モデルM1を用いて、電波センサ信号Y11から、第1時系列データD1として第1呼吸波形D11を推定する。しかしながら、想定外の外乱が生じると、第1呼吸波形D11に欠損(第1呼吸波形D11のデータの欠け、第1呼吸波形D11のデータの劣化などを含む)が生じることがある。例えば、電波センサ1の想定外の振動、又は人90の想定外の揺動などのように、第1学習モデルM1にとって未学習、学習不足、又は長時間の強い外乱が生じると、第1学習モデルM1が推定する第1呼吸波形D11に欠損が生じることがある。すなわち、想定外の外乱によって、第1呼吸波形D11の信頼性が低下することがある。
そこで、信頼度推定部22cは、第1時系列データD1の信頼度として、第1呼吸波形D11の信頼度を推定する。第1時系列データD1の信頼度は、生体情報の信頼度であり、生体情報の推定精度と言い換えることができる。
具体的に、信頼度推定部22cは、図4に示すように、第2学習モデルM2を用いて、電波センサ信号Y11から第1呼吸波形D11の信頼度を推定し、信頼度を表す信頼度データR1を生成する。第1呼吸波形D11の信頼度は、第1呼吸波形D11に欠損が生じていない可能性の指標であり、例えば0%〜100%の範囲のいずれかの値に設定される。欠損が生じていない可能性が高いほど、信頼度は高くなり、欠損が生じていない可能性が低いほど、信頼度は低くなる。すなわち、欠損が生じている可能性が高いほど、信頼度は低くなる。
第2学習モデルM2は、再帰型のニューラルネットワークによって構築された信頼度推定用の学習モデルである。信頼度推定部22cは、再帰型のニューラルネットワークとして、RNN、LSTM、又はGRUを用いる。第2学習モデルM2は、多数の学習用の電波センサ信号Y11を学習データとして用いた教師あり学習によって予め生成されている。学習データは、欠損を生じていない正常な電波センサ信号Y11、並びに一部に欠損を生じている電波センサ信号Y11を含む。例えば、第2学習モデルM2の学習データには、第1学習モデルM1により推定された第1呼吸波形D11と第1学習モデルM1の学習データ(接触式センサ等によって得られた信頼性の高い生体情報)との差の関数が用いられる。
また、第2学習モデルM2は、より簡単な構造の多層パーセプトロン(MLP:Multi Layer Perceptron)などを利用してもよい。
以下、再帰型のニューラルネットワークによって構築された第2学習モデルM2について説明する。
信頼度推定部22cは、第2学習モデルM2にRNN、LSTM、又はGRUを用いることで、前ステップのニューラルネットワークのいずれかの層(例えば隠れ層)の出力が、次ステップのニューラルネットワークに再帰的に入力される。すなわち、信頼度推定部22cは、現在の電波センサ信号Y11を用いるだけでなく、過去の電波センサ信号Y11を再帰的に用いることで、生体情報の第1時系列データD1の信頼度(推定誤差)を推定する。この結果、信頼度推定部22cは、過去の電波センサ信号Y11も反映させて、現在の信頼度を推定することができる。したがって、信頼度推定部22cは、時間に沿って変動する信頼度を高精度に推定することができる。
図6は、欠損が生じている第1呼吸波形D11を示す。図6では、時間t11において、第1呼吸波形D11を表す関数が不連続になっている。第1呼吸波形D11を表す関数が不連続になると、第1呼吸波形D11の振幅及び周期などの少なくとも1つが乱れてしまう。この場合、時間t11から第1呼吸波形D11を表す関数が再び連続になって安定するまでの期間が欠損部分であり、信頼度推定部22cは、当該欠損部分を欠損期間T11とする。欠損期間T11では第1呼吸波形D11が乱れており、第1呼吸波形D11の欠損が生じていると推定される。そこで、信頼度推定部22cは、欠損期間T11における信頼度を、正常時よりも低下させる。すなわち、信頼度推定部22cは、第1呼吸波形D11を表す関数が時間t11で不連続となれば、欠損期間T11における信頼度を、欠損期間T11以外の正常期間における信頼度よりも低下させている。
(補完部)
補完部22dは、信頼度推定部22cが推定した信頼度に基づいて第1呼吸波形D11が欠損しているか否かを判定する。具体的に、補完部22dは、信頼度データR1を参照し、信頼度を予め決められた閾値と比較する。補完部22dは、信頼度が予め決められた閾値未満であれば、第1呼吸波形D11は欠損していると判定する。補完部22dは、信頼度が閾値以上であれば、第1呼吸波形D11は欠損していないと判定する。例えば、補完部22dは、図6の欠損期間T11における信頼度が閾値未満であるので、欠損期間T11において第1呼吸波形D11は欠損していると判定する。
補完部22dは、第1呼吸波形D11が欠損していると判定すれば、第1呼吸波形D11の履歴に基づいて第1呼吸波形D11の欠損部分(例えば、欠損期間T11)を補完する。そして、図4に示すように補完部22dは、補完した第1呼吸波形D11を第2呼吸波形D21として判定部23へ引き渡す。また、補完部22dは、第1呼吸波形D11が欠損していないと判定すれば、第1呼吸波形D11を補完しない。そして、補完部22dは、補完していない第1呼吸波形D11を第2呼吸波形D21として判定部23へ引き渡す。なお、第2呼吸波形D21は、第2時系列データD2に相当する。
補完部22dは、第1呼吸波形D11を学習モデルなどによって推定せず、予め決められたルールにしたがって(ルールベースで)第1呼吸波形D11の欠損部分を補完する。本実施形態のルールでは、補完部22dは、欠損部分より前の正常期間における第1呼吸波形D11のデータを用いて、欠損部分を補完する。
例えば、補完部22dは、図6の欠損期間T11より前の正常期間T21における第1呼吸波形D11のデータを用いて、欠損期間T11を補完する。この場合、補完部22dは、正常期間T21における第1呼吸波形D11のデータを欠損期間T11に挿入する。正常期間T21の時間長さは、欠損期間T11の時間長さと同じである。このとき、欠損期間T11における第1呼吸波形D11が、欠損期間T11の前後の第1呼吸波形D11と不連続にならないように正常期間T21を設定することが好ましい。
上述のように、補完部22dは、第1学習モデルM1が推定する第1呼吸波形D11に想定外の外乱によって欠損が生じたとしても、予め決められたルールベースで第1呼吸波形D11の欠損部分を補完することができる。したがって、信号処理部22は、電波センサ信号Y1から生成された呼吸情報などの生体情報の時系列データの精度低下を抑制することができる。
また、補完部22dは、第1呼吸波形D11に対して、フィルタ等を用いた平坦化処理を更に施してもよい。
(1.3.3)判定処理
判定部23は、生体情報の第2時系列データD2に基づいて、人90の状態を判定する。
特に、判定部23は、第2呼吸波形D21の時間変動(ばらつき)を検出し、第2呼吸波形D21の時間変動に基づいて人90の状態を判定することが好ましい。第2呼吸波形D21の時間変動は、第2呼吸波形D21のピーク値又は周期などのパラメータの変動量、分散、又は標準偏差などである。また、第2呼吸波形D21の時間変動は、第2呼吸波形D21の所定期間毎のパラメータの代表値(平均値、中央値、最大値、又は下限値など)の時間変動であってもよい。
具体的に、人90の身体及び精神の少なくとも一方の状態を生体状態として判定するために、人の自律神経の状態を判断することが有用である。そこで、判定部23は、第2呼吸波形D21に基づいて、人90の自律神経の状態を判定する。例えば、判定部23は、第2呼吸波形D21の時間変動に基づいて、自律神経における交感神経又は副交感神経の優位の程度を判定する。さらに、判定部23は、人90の自律神経の状態に基づいて、人90が感じているストレスの程度、認知機能の程度、又は覚醒度などを生体状態として判定できる。また、判定部23は、人90の自律神経の状態に基づいて、人90の居眠り、注意力の程度、又は疲労の程度などを生体状態として判定できる。
(1.3.4)通知処理
通信部24は、判定部23の判定結果を、判定信号Y2として通知システム3へ送信する。通知システム3は、判定部23の判定結果に基づいた通知動作、又は警報動作などを行う。通知システム3は、判定部23の判定結果を管理者などへ通知する。通知システム3は、例えば管理者が用いるパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、専用端末、又は車両の警報システムなどであることが好ましい。
(2)第2実施形態
図7は、第2実施形態のセンサシステムA2を示す。
センサシステムA2は、電波センサ1、振動センサ4、及び信号処理システム2Aを備える。本実施形態の信号処理システム2Aは、信号処理装置で構成される。なお、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付して、説明を省略する。
振動センサ4は、電波センサ1及び人90の少なくとも一方の振動を検出し、検出した振動に応じた振動センサ信号Y4を出力する。すなわち、振動センサ4は、電波センサ1自体の振動、人90の外乱振動による揺動、及び人90の周辺の振動などの少なくとも1つを検出する。振動センサ4の第1設置例として、振動センサ4は、電波センサ1の筐体に取り付けられる。この場合、振動センサ4は、電波センサ1の振動を検出する。振動センサ4の第2設置例として、振動センサ4は、人90の周囲の構造物に取り付けられる。この場合、振動センサ4は、人90の振動を間接的に検出する。振動センサ4の第3設置例として、振動センサ4は、人90に取り付けられる。この場合、振動センサ4は、人90の振動を直接的に検出する。なお、本実施形態の振動センサ信号Y4は、アナログの時間信号である。
本実施形態では、振動センサ4として、3軸の加速度センサを用いる。3軸の加速度センサは、振動センサ4に固定の互いに直交する3軸のそれぞれについて振動による加速度を検出し、3軸の各加速度を表す振動センサ信号Y4を出力する。振動センサ信号Y4は、振動の周波数及び振幅などの情報を含む。
電波センサ信号Y1には、人90の生体情報だけでなく、電波センサ1の検出エリアG1で生じる振動によって時々刻々と変動する信号成分(以降、振動成分と称す)が含まれる。電波センサ1の検出エリアG1で生じる振動には、電波センサ1の振動、人90の振動、及び人90の周囲の構造物(椅子、壁、塀など)の振動などが含まれる。電波センサ信号Y1に振動成分が含まれると、この電波センサ信号Y1を用いて人90の生体情報を検出し難くなる。特に、人90の生体情報を検出する場合、電波センサ信号Y1に含まれる生体情報の信号強度は比較的低いので、電波センサ信号Y1から振動成分を減衰させることは有用である。そこで、信号処理システム2Aは、振動センサ4から出力される振動センサ信号Y4に基づいて、電波センサ1から出力される電波センサ信号Y1に信号処理を施すことで、電波センサ信号Y1から振動成分を減衰させる。
具体的に、信号処理システム2Aは、図8に示すように、受信部21A、信号処理部22A、判定部23、及び通信部24を備える。
受信部21Aは、電波センサ信号Y1を電波センサ1から受け取るインタフェース機能に加えて、振動センサ信号Y4を振動センサ4から受け取るインタフェース機能を更に有する。
信号処理部22Aは、前処理部22a、データ推定部22b、信頼度推定部22c、補完部22d、記憶部22eに加えて、適応フィルタ22fを更に備える。
前処理部22aは、振動センサ信号Y4を増幅する増幅機能、及びデジタル信号に変換するAD変換機能を更に有しており、増幅されたデジタルの振動センサ信号Y41を生成する。振動センサ信号Y41は、振動センサ信号Y4に増幅処理、及びAD変換処理を施した信号であり、振動センサ信号Y4と実質的に同じ信号である。したがって、振動センサ信号Y4及び振動センサ信号Y41はともに振動センサ4から出力された振動センサ信号とみなすことができる。なお、振動センサ4が、前処理部22aを備えてもよい。この場合、振動センサ4が、振動センサ信号Y41を出力する。
適応フィルタ22fは、振動センサ信号Y41に基づいて振動成分を減衰させるフィルタリング処理を電波センサ信号Y11に施し、フィルタリング処理を施した電波センサ信号Y11をデータ推定部22b及び信頼度推定部22cへ引き渡す。したがって、データ推定部22b及び信頼度推定部22cは、振動成分が減衰した電波センサ信号Y11を用いてデータ推定処理及び信頼度推定処理をそれぞれ行うことができる。この結果、データ推定部22bによる第1時系列データD1(第1呼吸波形D11など)の推定精度が向上する。また、信頼度推定部22cによる第1時系列データD1(第1呼吸波形D11など)の信頼度の推定精度も向上する。
適応フィルタ22fは、適応アルゴリズム(最適化アルゴリズム)に従ってフィルタ係数(伝達関数)を自己適応させる適応フィルタ(Adaptive filter using FastFourier Transform)であり、デジタルフィルタにより実現することができる。本実施形態の適応フィルタ22fは、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を利用して適応アルゴリズムを実行する。具体的に、適応フィルタ22fは、デジタルの電波センサ信号Y11、及びデジタルの振動センサ信号Y41に、FFTをそれぞれ施すことで、電波センサ信号Y11及び振動センサ信号Y41を周波数領域の信号にそれぞれ変換する。さらに、適応フィルタ22fは、適応アルゴリズムとして、周波数領域においてLMS(Least Mean Square)アルゴリズムを実行する。すなわち、適応フィルタ22fは、FFTを利用したLMSアルゴリズムを実行する適応フィルタである。
また、適応フィルタ22fは、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform:DCT)を利用したLMSアルゴリズムを実行する適応フィルタであってもよい。また、適応フィルタ22fは、ラティスフィルタの機能を更に有していてもよい。
上述の処理は、電波センサ信号Y11自体の質を向上させるフィルタリング処理に相当するが、学習規模の増大を伴う。そこで、実施形態1において、第1モデルM1の学習データとして、接触式センサ等によって得られた信頼性の高い生体情報とともに、振動データも用いてもよい。この場合、学習規模の増大を抑えながら、電波センサ信号Y11自体の質を向上させるフィルタリング処理を実現できる。
(3)センサシステム
図9は車両C1内に設置されたセンサシステムA1(図1参照)を示す。図9では、運転座席81に存在する運転者が人90に相当する。電波センサ1は、運転座席81の背もたれ811の内部に取り付けられて、人90の後方から送信波を発する。
信号処理システム2(図3参照)は、例えばダッシュボード82内に取り付けられている。信号処理部22は、人90の第2呼吸波形D21などの生体情報の第2時系列データD2を生成する。判定部23は、例えば人90の自律神経の状態を判定する。さらに、判定部23は、自律神経の状態に基づいて人90の居眠り、注意力の程度、又は疲労の程度などを判定することで、人90の状態が車両C1の運転に適しているか否かを識別できる。
通知システム3は、車室84内に設けられているオーディオ装置又はナビゲーション装置を含み、人90の状態が運転に適さない状態であると判定すれば、車両C1内に警報(ブザー音、又はメッセージなど)を発する。この結果、車両C1を運転する人90によるヒューマンエラーを低減でき、安全性が向上する。
図10は車両C1内に設置されたセンサシステムA2(図7参照)を示す。センサシステムA2は、電波センサ1に加えて、振動センサ4を更に備える。電波センサ1及び振動センサ4は、運転座席81の背もたれ811の内部に取り付けられている。振動センサ4は、電波センサ1の振動、走行中又はエンジン駆動中などの車両C1の振動などを検出する。
信号処理システム2A(図8参照)は、例えばダッシュボード82内に取り付けられている。信号処理部22Aは、電波センサ1の振動、走行中又はエンジン駆動中などの車両C1の振動などの影響を抑制して、生体情報の第2時系列データD2を生成することができる。したがって、判定部23は、人90の状態が車両C1の運転に適しているか否かをより精度よく識別できる。
なお、電波センサ1は、車両C1の車内空間に取り付けられればよく、例えば運転座席81の座面812、ダッシュボード82内、又は天井83などに取り付けられてもよい。振動センサ4も、運転座席81の座面812、ダッシュボード82内、又は天井83などに取り付けられてもよい。
また、検知対象の人90は、運転者に限定されず、助手席、又は後部座席の人を検知対象としてもよい。この場合、電波センサ1は、助手席又は後部座席に取り付けられることが好ましい。
また、センサシステムA1、A2は、先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)に含まれてもよい。
(4)変形例
センサシステムA1、A2は、住戸、工場、事務所、また店舗などの建造物に設置されてもよい。この場合、信号処理システム2、2Aは、建造物内の人90の生体情報の第2時系列データD2を生成する。
センサシステムA1、A2は、車両C1以外の移動体に設置されてもよい。移動体は、例えば飛行機、又は船舶などであり、人90の操作によって移動する。この場合、信号処理システム2、2Aは、人90の覚醒度を判定することで、人90の居眠り、注意力の程度、及び疲労の程度などの少なくとも1つを生体状態として判定する。通知システム3は、移動体内の表示装置及び音響装置であり、表示及び音によって人90の覚醒度を向上させる。
生体情報の時系列データは、呼吸波形に限定されず、人90の脈拍波形又は心拍波形などであってもよく、さらには呼吸波形、脈拍波形、又は心拍波形などのうち2つ以上であってもよい。
データ推定部22bの第1学習モデルM1は、粒子フィルタ、又はバックプロパゲーション型の多層パーセプトロンによって構築されたデータ推定用の学習モデルであってもよい。第1学習モデルM1が粒子フィルタによって構築されている場合、第1学習モデルM1は、過去データを参照して生体情報の第1時系列データD1を推定できる。第1学習モデルM1がバックプロパゲーション型の多層パーセプトロンによって構築されている場合、第1学習モデルM1は、実装性(リアルタイム性)が高くなる。
信頼度推定部22cの第2学習モデルM2は、粒子フィルタ、又はバックプロパゲーション型の多層パーセプトロンによって構築されたデータ推定用の学習モデルであってもよい。第2学習モデルM2が粒子フィルタによって構築されている場合、第2学習モデルM2は、第1時系列データD1の信頼度を事後分布の信用区間に基づいて推定する。第2学習モデルM2がバックプロパゲーション型の多層パーセプトロンによって構築されている場合、第2学習モデルM2は、線形回帰などの手法を用いて第1時系列データD1の信頼度を推定する。
信頼度推定部22cの第2学習モデルM2は、電波センサ信号Y11及び第1時系列データD1の少なくとも一方から信頼度を推定すればよい。すなわち、第2学習モデルM2は、第1時系列データD1から信頼度を推定してもよい。この場合、第2学習モデルM2は、多数の学習用の第1時系列データD1を学習データとして用いた教師あり学習によって予め生成されている。あるいは、第2学習モデルM2は、電波センサ信号Y11及び第1時系列データD1の両方から信頼度を推定してもよい。この場合、第2学習モデルM2は、多数の学習用の電波センサ信号Y11及び多数の学習用の第1時系列データD1を学習データとして用いた教師あり学習によって予め生成されている。
電波センサ1は、PMCW(Phase Modulated Continuous Wave)方式の電波センサであってもよい。また、電波センサ1は、複数の送信用アンテナ及び複数の受信用アンテナを有するMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式の電波センサであってもよい。また、センサシステムA1、A2は、複数の電波センサ1を備えてもよい。
また、距離情報が不要であれば、電波センサ1として、ドップラセンサを用いてもよい。
振動センサ4は、3軸のジャイロセンサであってもよい。3軸のジャイロセンサは、互いに直交する3軸のそれぞれについて振動による角速度を検出し、3軸の各角速度を表す振動センサ信号を出力する。また、センサシステムA2は、複数の振動センサ4を備えてもよい。
また、信号処理システム2は、サーバに設けられてもよい。この場合、電波センサ信号、及び振動センサ信号は、インターネットなどのネットワーク経由でサーバに送信され、信号処理システム2が電波センサ信号、及び振動センサ信号を受け取る。信号処理システム2の検出結果は、ネットワーク経由で通知システム3へ送信される。
なお、上述の各実施形態、応用例、及び変形例は、適宜組み合わせることができる。
(5)まとめ
上述の実施形態に係る第1の態様の信号処理システム(2、2A)は、データ推定部(22b)と、信頼度推定部(22c)と、補完部(22d)と、を備える。データ推定部(22b)は、人(90)で反射された電波を受信する電波センサ(1)から出力された電波センサ信号(Y11)に基づいて、人(90)の生体情報の第1時系列データ(D1)を推定する時系列データ推定処理を行う。信頼度推定部(22c)は、第1時系列データ(D1)の信頼度を推定する。補完部(22d)は、信頼度に基づいて第1時系列データ(D1)が欠損していると判定すれば、第1時系列データ(D1)の履歴に基づいて第1時系列データ(D1)の欠損部分を補完することで、第2時系列データ(D2)を生成する。
上述の信号処理システム(2、2A)は、電波センサ信号(Y11)から生成された生体情報の時系列データの精度低下を抑制することができる。
実施形態に係る第2の態様の信号処理システム(2、2A)では、第1の態様において、データ推定部(22b)は、再帰型のニューラルネットワークによって構築されたデータ推定用の学習モデル(M1)を用いて、電波センサ信号(Y11)から前記第1時系列データ(D1)を推定することが好ましい。
上述の信号処理システム(2、2A)は、再帰型のニューラルネットワークによって構築された学習モデル(M1)を用いることで、時間に沿って変動する第1時系列データ(D1)の推定精度を向上させることができる。
実施形態に係る第3の態様の信号処理システム(2、2A)では、第2の態様において、データ推定部(22b)は、電波センサ信号(Y11)から第1時系列データ(D1)の推定を開始するときに、学習モデル(M1)が用いる初期データとして、データ推定部(22b)が推定した過去の第1時系列データ(D1)又は予め決められた時系列データを用いることが好ましい。
上述の信号処理システム(2、2A)は、第1時系列データ(D1)の過去データがまだ蓄積されていない初期期間では、初期データを過去データとして用いることで、第1時系列データ(D1)を推定することができる。
実施形態に係る第4の態様の信号処理システム(2、2A)では、第1乃至第3の態様のいずれか1つにおいて、信頼度推定部(22c)は、第1時系列データ(D1)を表す関数が不連続となれば、信頼度を低下させることが好ましい。
上述の信号処理システム(2、2A)は、時間に沿って変動する信頼度を高精度に推定することができる。
実施形態に係る第5の態様の信号処理システム(2、2A)では、第1乃至第4の態様のいずれか1つにおいて、信頼度推定部(22c)は、再帰型のニューラルネットワークによって構築された信頼度推定用の学習モデル(M2)を用いて、電波センサ信号(Y11)及び第1時系列データ(D1)の少なくとも一方から信頼度を推定することが好ましい。
上述の信号処理システム(2、2A)は、再帰型のニューラルネットワークによって構築された学習モデル(M2)を用いることで、時間に沿って変動する信頼度を高精度に推定することができる。
実施形態に係る第6の態様の信号処理システム(2A)は、第1乃至第5の態様のいずれか1つにおいて、適応フィルタ(22f)を更に備えることが好ましい。適応フィルタ(22f)は、振動センサ(4)から出力された、電波センサ(1)及び人(90)の少なくとも一方の振動に応じた振動センサ信号(Y41)に基づいて、振動の信号成分を減衰させるフィルタリング処理を電波センサ信号(Y11)に施す。
上述の信号処理システム(2A)は、振動成分が減衰した電波センサ信号(Y11)を用いてデータ推定処理を行うことができるので、第1時系列データ(D1)の推定精度が向上する。
実施形態に係る第7の態様の信号処理システム(2、2A)では、第1乃至第6の態様のいずれか1つにおいて、第1時系列データ(D1)は、人(90)の呼吸波形(D11)であることが好ましい。
上述の信号処理システム(2、2A)は、生体情報として有用ない人(90)の呼吸波形の精度の低下を抑制することができる。
実施形態に係る第8の態様の信号処理システム(2、2A)は、第1乃至第7の態様のいずれか1つにおいて、第2時系列データ(D2)に基づいて人(90)の状態を判定する判定部(23)を更に備えることが好ましい。
上述の信号処理システム(2、2A)は、人(90)の自律神経の状態、人(90)が感じているストレスの程度、認知機能の程度、覚醒度、居眠り、注意力の程度、又は疲労の程度などを人(90)の状態として判定できる。
実施形態に係る第9の態様の信号処理システム(2、2A)は、第7の態様において、第2時系列データ(D2)に基づいて人(90)の呼吸波形(D21)の時間変動を検出し、時間変動に基づいて人(90)の状態を判定する判定部(23)を更に備えることが好ましい。
上述の信号処理システム(2、2A)は、人(90)の状態を高精度に判定することができる。
実施形態に係る第10の態様のセンサシステム(A1、A2)は、第1乃至第9の態様のいずれか1つの信号処理システム(2、2A)と、電波センサ(1)と、を備える。
上述のセンサシステム(A1、A2)は、電波センサ信号(Y11)から生成された生体情報の時系列データの精度低下を抑制することができる。
実施形態に係る第11の態様のセンサシステム(A1、A2)では、第10の態様において、電波センサ(1)は、車両(C1)の座席(81)に配置されることが好ましい。
上述のセンサシステム(A1、A2)は、車両(C1)内の人(90)によるヒューマンエラーを低減でき、安全性が向上する。
1 電波センサ
2、2A 信号処理システム
22b データ推定部
22c 信頼度推定部
22d 補完部
22f 適応フィルタ
23 判定部
4 振動センサ
81 運転座席(座席)
90 人
Y1、Y11 電波センサ信号
Y4、Y41 振動センサ信号
D1 第1時系列データ
D11 第1呼吸波形(呼吸波形)
D2 第2時系列データ
D21 第2呼吸波形(呼吸波形)
M1 第1学習モデル(データ推定用の学習モデル)
M2 第2学習モデル(信頼度推定用の学習モデル)

Claims (11)

  1. 人で反射された電波を受信する電波センサから出力された電波センサ信号に基づいて、前記人の生体情報の第1時系列データを推定する時系列データ推定処理を行うデータ推定部と、
    前記第1時系列データの信頼度を推定する信頼度推定部と、
    前記信頼度に基づいて前記第1時系列データが欠損していると判定すれば、前記第1時系列データの履歴に基づいて前記第1時系列データの欠損部分を補完することで、第2時系列データを生成する補完部と、を備える
    信号処理システム。
  2. 前記データ推定部は、再帰型のニューラルネットワークによって構築されたデータ推定用の学習モデルを用いて、前記電波センサ信号から前記第1時系列データを推定する
    請求項1の信号処理システム。
  3. 前記データ推定部は、前記電波センサ信号から前記第1時系列データの推定を開始するときに、前記学習モデルが用いる初期データとして、前記データ推定部が推定した過去の前記第1時系列データ又は予め決められた時系列データを用いる
    請求項2の信号処理システム。
  4. 前記信頼度推定部は、前記第1時系列データを表す関数が不連続となれば、前記信頼度を低下させる
    請求項1乃至3のいずれか1つの信号処理システム。
  5. 前記信頼度推定部は、再帰型のニューラルネットワークによって構築された信頼度推定用の学習モデルを用いて、前記電波センサ信号及び前記第1時系列データの少なくとも一方から前記信頼度を推定する
    請求項1乃至4のいずれか1つの信号処理システム。
  6. 振動センサから出力された、前記電波センサ及び前記人の少なくとも一方の振動に応じた振動センサ信号に基づいて、前記振動の信号成分を減衰させるフィルタリング処理を前記電波センサ信号に施す適応フィルタを更に備える
    請求項1乃至5のいずれか1つの信号処理システム。
  7. 前記第1時系列データは、前記人の呼吸波形である
    請求項1乃至6のいずれか1つの信号処理システム。
  8. 前記第2時系列データに基づいて前記人の状態を判定する判定部を更に備える
    請求項1乃至7のいずれか1つの信号処理システム。
  9. 前記第2時系列データに基づいて前記人の呼吸波形の時間変動を検出し、前記時間変動に基づいて前記人の状態を判定する判定部を更に備える
    請求項7の信号処理システム。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1つの信号処理システムと、
    前記電波センサと、を備える
    センサシステム。
  11. 前記電波センサは、車両の座席に配置される
    請求項10のセンサシステム。
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