JP2021167731A - 膜電位センサー - Google Patents

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Keiichi Kojima
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Abstract

【課題】本発明は、従来のロドプシン型膜電位センサーよりも高輝度の膜電位センサーを提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、ロドプシンを含む膜電位センサーであって、当該ロドプシンの蛍光輝度が0.005以上である、前記膜電位センサーであって、より具体的には、例えば、下記(a)〜(c)のいずれかに記載のタンパク質であることを特徴とする膜電位センサーを提供するものである。(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質、および、(c)配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質【選択図】なし

Description

本発明は、細胞の膜電位を検出するための膜電位センサーとその用途に関する。
脳には、膨大な数の神経細胞(ニューロン)によって構築される神経ネットワークが存在している。これら電気的信号のやりとりによって情報伝達をおこない、記憶などの高次脳機能を実現している。したがって、これら電気シグナルの伝達による神経ネットワークの活動を明らかにすることは、脳の高次機能の解明に繋がると考えられる。ニューロンの電気シグナルである細胞膜電位の変化を直接計測するための手段として、近年、遺伝子にコードされた膜電位センサー(GEVI:Genetically Encoded Voltage Indicator)の開発が著しい。GEVIは、膜電位を間接的に測定するカルシウムイメージングでは可視化できないような電位変化も検出可能であるため、脳の機能をより正確に測定することが可能である。
これまでに、幾つかのタイプのGEVIが開発されている。その代表的なものとして、イオンチャネル型GEVI、膜電位感受性ドメイン(VSD:Voltage-Sensitive Domain)型GEVIおよびロドプシン(rhodopsin)型GEVIなどが知られている(非特許文献1)。
イオンチャネル型GEVI(例えば、非特許文献2など)は初期のGEVIで、蛍光タンパク質を膜電位感受性イオンチャネルに融合させたものである。最初のGEVIは、ショウジョウバエ由来のカリウムチャネル(ShH4)のC末端リンカーに緑色蛍光タンパク質(GFP)が挿入されたイオンチャネル型センサーである。カリウムチャネルと結合したGFPの蛍光強度は、膜電位変化に応じて変化するため、膜電位変化を蛍光強度の変化として検出することができる。しかしながら、イオンチャネル型センサーは、細胞膜への局在性が悪く、細胞内に存在する蛍光性凝集体がバックグラウンドノイズを上昇させ、シグナル対ノイズ比(SNR:signal-to-noise ratio)を著しく低下させるという問題を有していた。
イオンチャネル型GEVIの膜局在性の悪さを改善するものとして、ホヤ由来Ci-VSP (Ciona Voltage Sensor-containing Phosphatase)の膜電位感受性ドメイン(VSD)を用いたVSD型センサーが開発された(例えば、非特許文献3など)。Ci-VSPは4回膜貫通ヘリックスからなるVSDとイノシトールリン脂質を脱リン酸化する酵素で構成され、4番目の膜貫通ヘリックスによる回転運動を伴う上下運動によって酵素活性が制御される。Dimitrovらは、VSDのC末端にドナーおよびアクセプター蛍光タンパク質を連結し、FRET効率変化により膜電位を検出することができるVSFP2.1を開発した(非特許文献3)。このタイプのGEVIは細胞膜に局在し、イオンチャネル型GEVIでは困難であった膜電位の検出を容易に行うことが可能である。VSD型センサーは、蛍光タンパク質を用いているため、非常に明るく、良好なSNRでイメージングを行うことができる。しかしながら、実際の電位変化と比較して、VSD型センサーの反応速度は遅くSNRも低いことから、応答性とシグナル変化率において改良の必要があった。
古細菌由来の7回膜貫通型タンパク質であるArchaerhodopsin-3(AR3)は、光駆動プロトンポンプで、光刺激に応答してプロトンを細胞外に排出し、膜電位を過分極させることができる光遺伝学ツールとして使用されてきた。その後、AR3が膜電位変化を感知すると、その内部に存在するレチナールの蛍光強度が変化し、膜電位センサーとして機能することが示され、そのD95N変異体がロドプシン型GEVIとして初めて報告された(非特許文献4)。さらに、AR3(D95N)に幾つかの変異が導入され、反応速度およびシグナル変化率が向上したQuasAr1とQuasAr2が開発された(非特許文献5)。光遺伝ツールとして利用されているチャネルロドプシンが青色光で脱分極させるのに対し、ロドプシン型GEVIの励起波長および蛍光波長が、赤色および近赤外領域であるため、ロドプシン型GEVIはチャネルロドプシンと併用可能であるという利点も有している。しかしながら、蛍光タンパク質を用いるGEVIと比較すると非常に暗い点が改善すべき課題とされていた。
InagakiおよびNagai, Curr. Opin. Chem. Biol. 2016, 33:95-100. SiegelおよびIsacoff, Neuron 1997, 19:735-741. Dimitrovら, PLoS One 2007, 2:e440. Kraljら, Nat Methods 2012, 9:90-95. Hochbaumら, Nat Methods 2014, 11:825-833.
上記事情に鑑み、本発明は、既存のロドプシン型膜電位センサーよりも高輝度な膜電位センサーの提供を目的とする。
さらに、本発明は、当該膜電位センサーを用いた新たな膜電位検出方法の提供を目的とする。
また、本発明は、当該膜電位センサーを含む脂質二重膜の提供を目的とする。
さらにまた、本発明は、当該膜電位センサーを使用した、膜電位を変化させる物質のスクリーニング方法の提供を目的とする。
発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行ったところ、シアノバクテリア由来のプロテオロドプシン(proteorhodopsin)に属するGloeobacter rhodopsin(以下「GR」とも記載する)が膜電位センサーとして機能し、しかもその輝度が既存のAR3からなる膜電位センサーよりも非常に高輝度であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(9)である。
(1)ロドプシンを含む膜電位センサーであって、当該ロドプシンの蛍光輝度が0.005以上である、前記膜電位センサー。
(2)前記ロドプシンがGloeobacter属のシアノバクテリア由来のロドプシン(Gloeobcter rhodopsin、以下「GR」とする)またはGRと実質的に同一のロドプシンであることを特徴とする上記(1)に記載の膜電位センサー。
(3)前記GRが、Gloeobacter violaceus由来のロドプシンであることを特徴とする上記(2)に記載の膜電位センサー。
(4)前記ロドプシンが下記(a)〜(c)のいずれかに記載のタンパク質であることを特徴とする上記(2)に記載の膜電位センサー。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質、および、
(c)配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の膜電位センサーを含む脂質二重膜。
(6)ほ乳類細胞由来であることを特徴とする上記(5)に記載の脂質二重膜。
(7)人工的であることを特徴とする上記(5)に記載の脂質二重膜。
(8)膜電位を計測する方法であって、上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の膜電位センサーを用いることを特徴とする、前記方法。
(9)膜電位を変化させる物質のスクリーニング方法であって、上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の膜電位センサーにより膜電位を計測することを特徴とする、前記方法。
本発明にかかる膜電位センサー(GRから構成される膜電位センサー)は、従来のロドプシン型膜電位センサーと比較して、約4〜5倍もの蛍光輝度を有する。
また、本発明にかかる膜電位センサーは、細胞膜にも効率良く局在化でき、細胞膜電位依存的に蛍光が変化する。従って、例えば、神経細胞などの膜電位変化を高い精度で検出することが可能である。
さらに、本発明にかかる膜電位センサーは、チャネルロドプシンなどの光遺伝学ツールとクロストークフリーに併用することができ、電極を使用することなく、全光学的(all-optical)に細胞の活動操作と活動計測が同時に可能である。
以上の本発明の効果により、既存の膜電位センサーを使用した場合と比べて、より正確な細胞の同定および膜電位イメージングが可能となる。
実施例で用いた本発明の膜電位センサーの構成を示す。本発明の実施例で使用した膜電位センサーは、ヒトコドン最適化したGRおよび緑色蛍光タンパク質(EGFP)から構成されている。GRとEGFPはリンカー配列で結合されている。また、EGFPの5'末端にカリウムチャネルKir2.1由来の膜輸送シグナル配列(TS)、3'末端にカリウムチャネルKir2.1由来の小胞体輸送シグナル(ER)がそれぞれ付加されている。さらに、mRNAの安定化の目的で、WPRE配列が導入されている。 神経細胞におけるGRの発現と局在を観察した結果を示す。 GRが膜電位センサーとして機能し得るかを評価した結果を示す。ホールセル記録とGRの膜電位イメージングを同時におこない、活動電位に対する膜電位センサーの蛍光変化を観察した。 GRからなる膜電位センサーを用いた全光学的な活動操作と活動計測を行った結果である。膜電位センサー(GR)と光遺伝学ツール(CoChR)を同一ニューロンに発現させ、LED(470 nm)で光刺激をおこなったところ、光刺激によって誘導された活動電位を膜電位センサーによって検出できることを確認した。
本発明の第1の実施形態は、ロドプシンを含む膜電位センサーである(以下「本発明の膜電位センサー」とも記載する)。
ここで、第1の実施形態における「ロドプシン」(以下「本発明のロドプシン」とも記載する)とは、蛍光輝度(Brightness)(算出法は「数2」を参照のこと)が0.005以上、好ましくは0.007以上、より好ましくは0.009以上であるロドプシンのことである。
より具体的には、本発明のロドプシンとは、特に限定はしないが、例えば、Gloeobacter 属のシアノバクテリア由来のロドプシン(Gloeobcter rhodopsin、以下「GR」とする)およびGRと実質的に同一のロドプシンのことである。ここで、GRと実質的に同一のロドプシンとは、当該GRと同程度の輝度を示し、当該GRのアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質、および、配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質のことである。
さらに具体的には、GRとして、特に限定はしないが、例えば、Gloeobacter violaceus由来のロドプシンであって配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質を挙げることができる。また、GRと実質的に同一なロドプシンとして、例えば、Gloeobacter violaceus由来のロドプシンと同程度の蛍光輝度(例えば、蛍光輝度が0.0075〜0.015程度。表1を参照のこと)を示すタンパク質であって、配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質、および、配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質を例示することができる。
本明細書において、「1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列」と記す場合、置換、欠失、挿入および/または付加したアミノ酸の数は、特に限定はしないが、たとえば、1個以上、より具体的には、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個程度が好ましい。また、本明細書において、「90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列」は90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列であれば、何%であってもよく、たとえば、90%以上、91%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上または99%以上であるものがより好ましい。上記アミノ酸の置換、欠失、挿入および/または付加は、タンパク質をコードする核酸に元々存在した変異であってもよく、また、該核酸を当該技術分野で公知の手法によって改変することによって新たに導入したものであってもよい。
本明細書において、「膜電位センサー」とは、脂質二重膜によって隔てられた組成の異なる溶液の間に発生する電位差(膜電位)、例えば、細胞の場合には、細胞膜によって隔てられる細胞の外側と細胞内側の間に発生する電位差の変動を感知するセンサーのことである。本発明者らは、GRを神経細胞に発現させたところ、細胞膜に局在すること、活動電位と連動してGRの蛍光が変化することを見出し、GRが膜電位センサーとして機能することを初めて見出した。GRの蛍光輝度は、既知のロドプシン型膜電位センサーであるArchaerhodopsin-3の蛍光輝度と比べて、約4〜5倍にも達した。なお、本発明の膜電位センサーには、本発明のロドプシンの他にペプチドおよび/またはタンパク質、例えば、蛍光タンパク質、細胞膜への局在性を向上させるためのシグナルペプチドの他、リンカーペプチドおよびタグペプチドなど、当該膜電位センサーの機能を損なわず、あるいは、当該機能を向上させるようなペプチドおよび/またはタンパク質が含まれていてもよい。
また、本発明の実施形態における「脂質二重膜」とは、主としてリン脂質などで構成される層が、疎水性部分を内側に、親水性部分を外側に向けて二層になった膜構造体のことである。典型的な例として、細胞膜を挙げることができるが、本実施形態における「脂質二重膜」は、生物由来(例えば、ほ乳類細胞由来を挙げることができるが、これに限られるものではない)の細胞膜(例えば、神経細胞の細胞膜などを挙げることができるが、これに限られるものではない)のみならず、人工的に作製した脂質二重膜(例えば、Funakoshiら, Anal. Chem. 2006, 78:8169-8174、Bartschら, Methods in Molecular Biology, vol. 1033, DOI 10.1007/978-1-62703-487-6_22およびJapanese Journal of Applied Physics 2018, 57, 03EA01などを参照のこと)も含む。
本発明の第2の実施形態は、本発明の膜電位センサーを含む脂質二重膜である。
本実施形態にかかる脂質二重膜は、上述の通り、天然に存在する脂質二重膜であっても、人工的な脂質二重膜であってもよい。また、本発明の膜電位センサーを「含む」(または本発明の膜電位センサーが「含まれる」)とは、本発明の膜電位センサーが脂質二重膜中に存在し、膜電位の変化に応じてその蛍光強度(本発明のロドプシンの蛍光強度)が変化し得る状態のことである。また、本発明の実施形態の脂質二重膜は、細胞を構成する細胞膜全体であっても、その一部であってもよい。また、「その一部」である場合には、例えば、膜電位を測定する装置に固定された状態の脂質二重膜であってもよい。
本実施形態の脂質二重膜が細胞由来である場合、当該脂質二重膜が由来する細胞は、いかなる生物由来の細胞であってもよく、例えば、ほ乳類などの動物細胞や微生物由来の脂質二重膜などを例示することができる。
本発明の第3の実施形態は、膜電位を計測する方法であって、本発明の膜電位センサーを用いることを特徴とする、前記方法である。
本発明の膜電位センサーを、細胞膜などの脂質二重膜に取り込ませる(または、発現させる)と、膜電位の変動に応じて当該膜電位センサーが発する蛍光強度が変化する。従って、本発明の膜電位センサーの蛍光の変化を検出することで、当該膜電位センサーが取り込まれている脂質二重膜の膜電位の変化を計測することができる。脂質二重膜に本発明の膜電位センサーを取り込ませる手段は、特に限定されず、当業者であれば容易に選択することができる。細胞膜への取込は、細胞中で本発明のロドプシンを発現させ、細胞膜に局在化させることにより実施可能である。この場合、細胞膜への局在性を向上させるために、当該ロドプシンに各種シグナル配列(例えば、チャネルタンパク質由来の膜輸送シグナル配列や小胞体輸出配列など)を融合させて発現させてもよい。人工的に作製された脂質二重膜への取込については、例えば、前出のFunakoshiら, Anal. Chem. 2006, 78:8169-8174、Bartschら, Methods in Molecular Biology, vol. 1033, DOI 10.1007/978-1-62703-487-6_22およびJapanese Journal of Applied Physics 2018, 57, 03EA01などを参照の上、実施することができる。
また、ロドプシンからの蛍光の検出は、如何なる方法を用いて行ってもよく、特に限定されず、例えば、CMOS (Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラによる蛍光イメージングによる方法、EMCCD(Electron Multiplying Charge Coupled Device)カメラによるイメージング方法および光電子増倍管(Photomultiplier Tube、PMT)によるイメージング方法などを挙げることができる。
本発明の第4の実施形態は、膜電位を変化させる物質のスクリーニング方法であって、本発明の膜電位センサーにより膜電位を計測することを特徴とする、前記方法である。 第4の実施形態は、細胞膜の膜電位を過分極側または脱分極側にシフトさせる活性を有する物質の探索を行うにあたり、膜電位の変化を本発明の膜電位センサーにより計測する点に特徴を有する。例えば、第4の実施形態は、細胞膜上に存在するイオンチャネルなどを標的とする物質の探索に使用することができる。従って、第4の実施形態は、例えば、抗てんかん薬、疼痛治療薬および神経変性疾患治療薬などの神経関連疾患の治療薬、不整脈、高血圧などの循環器疾患治療薬および抗精神病薬などの薬剤のスクリーニングにも使用することが可能である。
より具体的には、例えば、本発明の膜電位センサーおよび所望の膜電位誘導因子(例えば、イオンチャネルや各種受容体など、膜電位を発生させることが知られている因子)を含む脂質二重膜(ほ乳類などの動物細胞や微生物由来であっても、人工的な脂質二重膜であってもよい)に、候補物質を接触させた後、本発明の膜電位センサーによって計測される膜電位の変化を検出することにより、当該候補物質が所望の機能(例えば、膜電位を過分極または脱分極側にシフトさせる機能)を有するかどうか評価することができる。
本明細書において引用されたすべての文献の開示内容は、全体として明細書に参照により組み込まれる。また、本明細書全体において、単数形の「a」、「an」、および「the」の単語が含まれる場合、文脈から明らかにそうでないことが示されていない限り、単数のみならず複数のものを含むものとする。
以下に実施例を示してさらに本発明の説明を行うが、実施例は、あくまでも本発明の実施形態の例示にすぎず、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
1.材料および方法
1−1.大腸菌発現用プラスミドの作製
大腸菌を用いてロドプシンを発現させるためのプラスミドは、ロドプシンArchaerhodopsin-3(AR3)(Genbank accession number:WP_092921078)ならびにGloeobacter violaceus rhodopsin(GR)(Genbank accession number:WP_011140202)のcDNAを大腸菌発現用ベクターであるpKI81(Novagen)、またはpET22b(+)(Novagen)のマルチクローニングサイトのNdeI(5’側)、XhoI(3’側)の切断部位に挿入することにより構築した。ロドプシンのcDNAの3’末端にはXhoI配列(CTCGAG)を介してHisタグ配列(CACCACCACCACCACCAC)(配列番号2)が付加し、さらにXhoI配列由来のLEを介してヘキサヒスチジン配列(LEHHHHHH)(配列番号3)を付加した。
1−2.精製タンパク質試料の調製
タンパク質発現の宿主として大腸菌BL21(DE3)株を使用し、プラスミドをヒートショック法(42℃、45 秒)によって導入した。大腸菌培養の培地には、アンピシリン(終濃度50 μg/mL)を含むLB培地を用いた。前培養を37℃、旋回培養で約14時間行った後、前培養液をアンピシリンが含まれるLB培地に加え、波長660 nmにおける培養液の濁度(OD660)が1.2〜1.6となるまで培養した。その後、培養液にall-trans retinal(終濃度10 μM)(Sigma-Aldrich)を加えた。発現誘導のため、AR3にはL(+)-アラビノース(終濃度0.1%(w/v))、GRにはisopropyl β-D-1-thiogalactopyranoside(IPTG)(終濃度1 mM)をそれぞれ加えて、37℃で3時間培養を行った。常法により、菌体回収後、Buffer(50mM Tris-HCl (pH 7.0)、300 mM NaCl)に懸濁させて超音波破砕をおこなった。破砕液の遠心分離をおこない、大腸菌膜画分を沈殿物として得た。この膜画分を前記Bufferで再懸濁してホモジナイズした後、界面活性剤n-dodecyl-β-D-maltoside(DDM)(終濃度1%(w/v))(同仁化学)を加えて膜画分を可溶化させた。この溶液を遠心して可溶性画分を回収した。その後、可溶化されたタンパク質が含まれる上清をHisTrapHPカラム5 mL(GEヘルスケア)に吸着させ、目的タンパク質に付加されたHisタグとNi2+との親和性を利用したアフィニティークロマトグラフィーによって目的タンパク質を精製した。カラムに吸着したタンパク質は、イミダゾールの連続的濃度勾配を用いて溶出させ、目的タンパク質を分離した。精製したタンパク質をAmicon Ultra-4フィルター(Merck)を用いた遠心による限外濾過法によって濃縮した後、測定用のBuffer(50 mM Tris-HCl (pH7)、1M NaCl、0.05% (w/v) DDM)へ交換した。精製試料は、各ロドプシンの吸収極大波長での吸光度(O.D.)が0.5(10〜11μM)となるように希釈して測定に供した。
1−3.紫外・可視吸収スペクトル測定
紫外・可視吸収スペクトルについて、UV2450 spectrophotometer(Shimadzu)を用いて測定した。測定波長は250〜750 nmとし、測定は室温で行った。
1−4.モル吸光係数の算出
各ロドプシンの精製試料(O.D. = 0.5)にヒドロキシルアミン(終濃度100 mM)(Sigma-Aldrich)を加えて、レチナールオキシムを遊離させ、吸光度変化を測定した。モル吸光係数(ε)の算出には、下記の式を用いた。ΔAロドプシンはロドプシンの吸収極大波長における吸光度(O.D.)の変化量、ΔAオキシムはレチナールオキシム生成に由来する波長360 nmの吸光度(O.D.)の変化量を示す。レチナールオキシムのモル吸光係数(εオキシム)は33,600 M-1 cm-1とした。
Figure 2021167731
1−5.走査型蛍光分光器を用いた精製タンパク質試料の蛍光測定
走査型蛍光分光器(F-7100形分光蛍光光度計、日立ハイテクサイエンス)を用いて、ロドプシンの励起・蛍光スペクトルを測定した。励起スペクトルの測定波長は400〜600 nm、蛍光スペクトルの測定波長は600〜850 nmとし、蛍光検出器の前にはロングパスフィルターO58(GR)、R60(AR3)を設置することで励起光によるBufferの散乱光成分を取り除いた。励起および蛍光スペクトルの測定には、線形性が保たれている濃度領域で高い信号強度で測定を行うため、吸光度(O.D.)を0.50に調整した精製試料を用いた。また、励起光の強度はNDフィルターを用いて0.47〜0.96 mW/cm2となるように調整した。励起スペクトルは蛍光スペクトルの極大波長を、蛍光スペクトルは励起スペクトルの極大波長をそれぞれ用いて測定した。
1−6.量子収率、輝度の算出
量子収率(QYAlexa = 0.36)とモル吸光係数(ε = 183,000 M-1 cm-1)が既知である蛍光色素分子Alexa 680(Thermo Fisher Scientific)を用いて、励起・蛍光スペクトルを測定し、AR3とGRの量子収率と蛍光輝度(Brightness)を下式より算出した。Flは蛍光強度、cは濃度を示す。Alexa 680は吸収極大波長(679 nm)で吸光度が0.005 となるように希釈して用いた。
Figure 2021167731
1−7.培養神経細胞発現用のプラスミドの作製
pCAGベクターのCAGプロモーターの下流にGRのヒトコドンに最適化した(GenScript)cDNA(配列番号4)をサブクローニングした。次に、GRの3’末端側に、EGFP(配列番号5)を、リンカー配列(配列番号6)を介して融合した。さらに、GRの発現および膜局在性を改善するため、カリウムチャネルKir2.1由来の膜輸送シグナル配列(TS)(配列番号7)をEGFP配列の5’末端に、カリウムチャネルKir2.1由来の小胞体輸出配列(ER)(配列番号8)を3’末端にそれぞれ付加した。GR、リンカー、TS配列、EGFPおよびER配列を融合したDNA配列を配列番号9として示す。
神経活動を誘導する光遺伝学ツールとして、Chloromonas oogama由来のチャネルロドプシン(CoChR)を使用した(Klapoetkeら, Nature Methods 2014, 11:338-346.)。CoChRのcDNAはAddgene(Plasmid #59070)から入手し、pCAGベクターにサブクローニングした。
1−8.培養神経細胞の作製と遺伝子導入
初代培養神経細胞は、生後0日目のC57BL/6マウスを用いて準備した。摘出した海馬(CA1/CA3領域)をトリプシン(T4674、Sigma-Aldrich)で処理を行い、マトリゲル(354234、BD)でコーティングしたガラスボトムディッシュ(P35G-0-10-C / H、MatTek)あるいは直径12 mmのカバースリップに80,000〜120,000 cells/dishで播種した。培養神経細胞は、10%FBS/ MEM-GT培地にGlutaMAX(35050061、Gibco)、インスリン(I5500、Sigma-Aldrich)、B-27サプリメント(17504-044、Gibco)を加えた培養液を用いて、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)で培養した。MEM-GT培地は、500 mLのMEM培地(51200-038、Life Technologies)に2.5 mgグルコース、100 mg NaHCO3、50 mg Bovine Transferrin(20572、Millipore)を加えて作成した。播種から48時間後、培地の半分量を8 μM Ara-C(C6645、Sigma-Aldrich)を含む5%FBS / MEM-GT培地に置き換えた。その後、3日おきに培地の半分量を新しい5%FBS / MEM-GT培地に交換した。
培養神経細胞への遺伝子導入は、培養開始から7日目に、リン酸カルシウム法を用いておこなった。膜電位センサー 2 μgと2M CaCl2 1.875 μLの混合液に滅菌水を加え、最終容量15 μLとした。全光学的な活動操作と活動計測(図4)では、膜電位センサーのプラスミド1 μgと光遺伝学ツールのプラスミド1 μgに2M CaCl2 1.875 μLの混合液に滅菌水を加え、最終容量15 μLとした。この溶液に、2×HBSを15 μLを加え、室温で20分間インキュベートした。培養神経細胞のディッシュの5%FBS / MEM-GT培地を取り除き、37℃に温めておいたMEM培地400 μLに交換した。取り除いた5%FBS/MEM-GT培地は別のチューブに移し、CO2インキュベーター内に保管した。プラスミドDNAを含む混合液をディシュに加え、CO2インキュベーター内で45分間インキュベートした。その後、MEM培地 1 mLで3回洗浄後、オリジナルの5%FBS/MEM-GT培地を加えた。
1−9.培養神経細胞におけるGRの蛍光ならびに局在の確認
遺伝子導入から5日後、ロドプシンを発現させたマウス培養海馬神経の蛍光について、共焦点顕微鏡を用いて観察をおこなった(図2)。共焦点顕微鏡はLeica SP8 顕微鏡(Leica)を使用した。その際、細胞外液はTyrode緩衝液(125 mM NaCl、2 mM KCl、3 mM CaCl2・2H2O、1 mM MgCl2・6H2O、10 mM HEPES、30 mM D-(+)-Glucose、pH 7.4、320 Osm)を使用した。画像は63×/ 1.40の油浸対物レンズで取得した。ロドプシンとEGFPの蛍光を観察するため、励起光には白色光レーザー(WLL)を使用し、HyDハイブリッド検出器で蛍光を検出した。GRの蛍光については、560 nmの励起光を照射し、670〜746 nmの波長領域で蛍光を検出した。EGFP蛍光については、488 nmの励起光を照射し、500〜550 nmの波長領域で蛍光を検出した。
1−10.膜電位イメージングとホールセル記録の同時記録
膜電位イメージングとホールセル記録の同時記録は、培養開始後10〜14日のニューロンを用いておこなった。培養神経細胞が載ったカバースリップを正立顕微鏡(BX51WI、Olympus)の水浸対物レンズ(60×/1.1 N.A.、Olympus)下にある記録チャンバーに固定した。記録チャンバーには、室温の人工脳脊髄液(126mM NaCl、3mM KCl、2mM CaCl2、2mM MgSO4、1.1mM NaH2PO4、26mM NaHCO3、95% O2、5% CO2混合ガスで飽和)を灌流した。励起光は波長640 nmのダイオードレーザー(300~1,000 W/cm2、OBIS 640 nm LX FP、Coherent)を使用した。ダイクロイックミラーには、660 nm edge BrightLine(登録商標)single-edge standard epi-fluorescence dichroic beamsplitter(FF660-Di02-25x36、Semrock)、蛍光フィルターには708/75 nm BrightLine(登録商標)single-band bandpass filter(FF01-708/75-25、Semrock)をそれぞれ使用した。また、励起光の漏れ込みを防止するため、642 nm StopLine(登録商標)single-notch filter(FF01-708/75-25、Semrock)を導入した。GRの蛍光は、sCMOSカメラ(Orca-Flash V3、浜松ホトニクス、Frame rate = 500 Hz)で記録した。
ホールセル記録は細胞内液(120mM K-gluconate、3mM KCl、4mM Mg-ATP、0.3mM Na-GTP、20mM HEPES、14mM Tris-phosphocreatine、 pH 7.3)を充填したホウケイ酸ガラスピペット(抵抗値:5〜7 MΩ)を用いておこなった。膜電位はMulticlamp 700B(Molecular Device)を用いて10 kHzでサンプリングおこない、ベッセルフィルターにより遮断周波数4kHzで濾波し、DAQ装置(USB-6251、National Instruments)を介してコンピュータに記録した。活動電位誘導のための電流の注入(5 ms)は、LabViewベースのソフトウェアPacKIO(http://apacker83.github.io/PackIO/)を用いておこなった。
1−11.膜電位イメージングと光遺伝学操作
膜電位イメージングとホールセル記録の同時記録は、培養開始後10〜14日のニューロンを用いておこなった。培養神経細胞が載ったカバースリップを正立顕微鏡(Olympus BX51WI)の水浸対物レンズ(60x/1.1 N.A.、Olympus)下にある記録チャンバーに固定した。記録チャンバーには、室温の人工脳脊髄液(126mM NaCl、3mM KCl、2mM CaCl2、2mM MgSO4、1.1mM NaH2PO4、26mM NaHCO3、95% O2、5% CO2混合ガスで飽和)を灌流した。励起光は波長640 nmのダイオードレーザー(500 W/cm2、OBIS 640 nm LX FP、Coherent)を使用した。ダイクロイックミラーには、660 nm edge BrightLine(登録商標)single-edge standard epi-fluorescence dichroic beamsplitter(FF660-Di02-25x36、Semrock)、蛍光フィルターには708/75 nm BrightLine(登録商標)single-band bandpass filter(FF01-708/75-25、Semrock)をそれぞれ使用した。また、励起光の漏れ込みを防止するため、642 nm StopLine(登録商標)single-notch filter(FF01-708/75-25、Semrock)を導入した。GRの蛍光は、sCMOSカメラ(Orca-Flash V3、浜松ホトニクス、Frame rate = 500 Hz)で記録した。光遺伝学操作には、波長470 nmのLEDライト(M470L4、Tholabs)を用いた。活動電位誘導のための光刺激(5 ms)は、LabViewベースのソフトウェアPacKIO(http://apacker83.github.io/PackIO/)を介しておこなった。
2.結果
2−1.GRの蛍光特性
蛍光特性の報告がされていないシアノバクテリア由来ロドプシンGRを大腸菌に発現させ、精製タンパク質試料として調製し、蛍光特性の定量をおこなった。精製タンパク質試料の紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、GRの吸収極大波長は525 nmであった。次に、それぞれの励起・蛍光スペクトルを測定したところ、励起スペクトルの極大波長は550 nm、蛍光スペクトルの極大波長は723 nmであった。さらに、モル吸光係数(QY)は 26 x 10-5、量子収率()は4.3 x 104、輝度(Brightness)は0.0110であった(表1)。膜電位センサーとして機能することが唯一報告されていたAR3と比較して、GRはAR3の実に4.6倍もの輝度を有することが明らかとなった。
Figure 2021167731
2−2.膜電位センサーのデザイン
神経細胞に発現させる膜電位センサーを作製した。膜電位センサーの具体的な構成は図1のとおりである。ヒトコドン最適化したGRおよび緑色蛍光タンパク質(EGFP)から構成されている。GRとEGFPはリンカー配列で結合している。また、EGFPの5’末端にカリウムチャネルKir2.1由来の膜輸送シグナル配列(TS)、3’末端にカリウムチャネルKir2.1由来の小胞体輸出シグナル(ER)をそれぞれ付加した。さらに、mRNAの安定化の目的で、WPRE配列が導入した。プロモーターはCAGプロモーターを使用した。海馬由来の培養神経細胞に膜電位センサーを発現させたところ、GRおよびEGFPが細胞の膜に局在していることが確認できた(図2)。
2−3.膜電位センサーとしての機能評価
膜電位センサーを発現した神経細胞に対して、ホールセル記録をおこないながらGRの蛍光イメージングをおこなった。電流を注入して単一活動電位を誘導したところ、電位依存的な蛍光変化を観察できた(図3)。
2−4.All-optical(全光学的)な神経細胞の活動操作と活動計測
神経細胞に膜電位センサーと緑藻類クロロモナス由来のチャネルロドプシン(CoChR)を発現させ、GRの蛍光イメージングをおこなった。イメージング中に波長470 nmのLEDライトを照射すると、CoChRによって誘導された活動電位をGRで検出できた(図4)。この結果より、膜電位センサーGRとチャネルロドプシンCoChRはクロストークフリーに使用することができ、電極を使用せず、All-optical(全光学的)に細胞の活動操作と活動計測が同時に可能であることが分かった。
本発明にかかる膜電位センサーは、光によって細胞の膜電位を正確に計測することができる。また、従来の方法よりも高速かつ簡便に計測が可能であることから、ドラッグスクリーニングにも使用可能である。さらに、本発明にかかり膜電位センサーを含む脂質二重膜は、前記ドラッグスクリーニングに好適に利用することができる。以上のように、本発明は、医学分野の他、創薬の分野などにおける利用が期待される。

Claims (9)

  1. ロドプシンを含む膜電位センサーであって、当該ロドプシンの蛍光輝度が0.005以上である、前記膜電位センサー。
  2. 前記ロドプシンがGloeobacter属のシアノバクテリア由来のロドプシン(Gloeobcter rhodopsin、以下「GR」とする)またはGRと実質的に同一のロドプシンであることを特徴とする請求項1に記載の膜電位センサー。
  3. 前記GRが、Gloeobacter violaceus由来のロドプシンであることを特徴とする請求項2に記載の膜電位センサー。
  4. 前記ロドプシンが下記(a)〜(c)のいずれかに記載のタンパク質であることを特徴とする請求項2に記載の膜電位センサー。
    (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
    (b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質、および、
    (c)配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の膜電位センサーを含む脂質二重膜。
  6. ほ乳類細胞由来であることを特徴とする請求項5に記載の脂質二重膜。
  7. 人工的であることを特徴とする請求項5に記載の脂質二重膜。
  8. 膜電位を計測する方法であって、請求項1ないし4のいずれかに記載の膜電位センサーを用いることを特徴とする、前記方法。
  9. 膜電位を変化させる物質のスクリーニング方法であって、請求項1ないし4のいずれかに記載の膜電位センサーにより膜電位を計測することを特徴とする、前記方法。
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