図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。本実施形態においては低周波パルスを使用して治療を行う電気刺激装置を例に挙げて説明するが、低周波パルスに限らず高周波パルス、超音波、電位、レーザー、超短波やマイクロ波を電気刺激として使用する電気刺激装置であっても、これらを組み合わせて使用する電気刺激装置であってもよい。
(第1の実施形態)
本実施形態では、低周波治療器を例に挙げて超音波振動子から構成される排気部を有する電気刺激装置を例に挙げて本発明を説明する。特に本実施形態では吸引ユニットを本体部に組み込んだ構成としいている。
図1は本実施形態において本発明の説明に使用する電気刺激装置1aの本体部11の斜視図である。電気刺激装置1aの本体部11は、主電源12、パイロットランプ13、治療モードを決定する3個のボタン、モードボタン15a、モードボタン15b、モードボタン15c、モードボタン15a〜15cに連動したLED18a、LED18b、LED18c、別途記載の導子を本体部11に接続する接続部23aと接続部23b、出力する周波数を変更するダイヤル21aとダイヤル21b及び出力を変更するボリューム14を有する。この他に本体部11にはAC電源に接続する電源コード、AC電源から直流電力を生成する電源基板その他の治療に必要な部分があるが、本発明の本質的な部分ではないので説明を省略する。尚、本体部11は図1の点線の位置でその内部が上下に分かれている。点線の上側である本体部11aは上記の主電源12やモードボタン15a〜15c等の各種操作手段やパイロットランプ13やLED18a〜18c等の表示手段と後述する制御装置や電源基板等を有し、下側である本体部11bは接続部23aと接続部23bが配置された部分である。上記の主電源12、モードボタン15a他、ダイヤル21a他、ボリューム14は操作手段として機能する。また、パイロットランプ13、LED18a他は表示手段として機能する。
図1の電気刺激装置1aは同時に2組の電極で、即ち全部で4個の電極を使用して2種類の低周波のパルスを患部に供給して治療を行うことができる。換言すれば電気刺激装置1aは2チャンネルの出力を持つ。チャネル数は2チャンネルに限定せず1チャネル以上でよく、例えば3チャネルの出力を備えていてもよい。或いは4チャネル以上の構成であってもよい。
図2(a)は接続部23の拡大図である。接続部23aと接続部23bは同じ構成なので接続部23bの説明は省略する。接続部23aは吸気口201と第1電極接続202と第2電極接続203を有する。図2(b)は接続部23aに接続されるコネクタ204aであり、環状の断面を有する吸気端子205と、第1電極端子206と、第ニ電極端子207から構成され、接続部23aにコネクタ204aを接続することによって、吸気口201と吸気端子205が、第1電極接続202と第1電極端子206が、第2電極接続203と第2電極端子207がそれぞれ接続される。吸気端子205は環状の断面を有するホース208に、第1電極端子206はハーネス210aに、第ニ電極端子207はハーネス210bにそれぞれ接続されている。これらのホース208とハーネス210aとハーネス210bは後述の導子301aに接続される。
図3は導子301aの断面図を示している。導子301aはカップ部であるカップ302の上部のジョイント部303aによりホース208、ハーネス210aとハーネス210bが接続されている。ホース208は先端の開口部307aとカップ302に設けられた開口部307bにより、カップ302と人体の皮膚309で形成される空洞310の空気を吸引して導子301aの外部に排気する為に使用される。空洞310内、即ちカップ内には、台座304が設けられ、台座304に第1電極305と第2電極306が配置されている。第1電極305とハーネス210aが、第2電極306とハーネス210bが、台座304に設けられているパターン311aとパターン311bによって接続されている。スポンジ308は第1電極305や第2電極306と皮膚309の間に水分を含んで配置されており、スポンジ308を介して第1電極305や第2電極306に供給される治療パルスが皮膚309から患部に供給される。電気刺激を患部に供給する場合は導子301aと同じ構成の導子301b(不図示)を使用して、例えば患部を導子301aと導子301bで挟むように導子301aと導子301bを配置して治療を行う。
図4は吸引ユニットとして機能する本体部11bを示す図で本体部11bを上側から見た断面である。図のように本体部11bは接続部23aと接続部23bにそれぞれ遮蔽領域401aと遮蔽領域401bが設けられている。遮蔽領域401aと遮蔽領域401bは同じ構成なので遮蔽領域401aのみについて説明する。遮蔽領域401aにおいて、排気口403aには排気部402a、排気口403bには排気部402b、排気口403cには排気部402c、排気口403dには排気部402dが設けられている。遮蔽領域401a内の空気は各排気口に配置された排気部により遮蔽領域外に排気することにより、例えば排気口403aに設けられた排気部402aによって遮蔽領域401a内の空気を遮蔽領域外に排出し遮蔽領域内に負圧を発生させて、接続部23aに接続されているホース208を介して、導子301aと皮膚309によって形成された空洞310の空気を排出し、導子301aが皮膚309に吸着する。
尚、本体部11aと本体部11bの間には隔壁(不図示)を設けて、遮蔽領域401aや遮蔽領域401bから排出された空気が、本体部11a内に配置された電源、基盤類、スイッチ等に影響しないような構成としてもよい。特に使用する導子が図3のように水分を含んだスポンジ308を有する構成では、遮蔽領域401aに吸気口201から流入する空気は、導子301aの開口部307aや307bから排出された空気であるので、スポンジ308に保持されている水分を含んでいる場合がある。当該水分が排気部402a他から遮蔽領域401外に排出されることにより本体部11a内の部品、例えば基板や電子部品に露結して電気的なショートを発生させて装置を誤動作させたり、部品を破損させたり、ショートを発生させないまでも基板や部品を劣化させる場合があり、多くの電気回路を多く含む本体部11a内部に空洞310から排出された空気が影響しないように本体部11aと本体部11bの間に隔壁を配置する方が望ましい。
図5(a)は排気部402aの断面を示している。排気部402a等は超音波振動を行う超音波振動子を有する圧電ポンプ501で構成され、吸気部502から遮蔽領域401a内の空気を吸い込んで、圧電ポンプ501の開口503から排気する。超音波振動子は超音波素子、圧電振動子又は圧電素子とも呼ばれ、ピエゾ素子等であってもよく、本明細書においては、これらを超音波振動子という。圧電ポンプ501は例えば特許文献2に記載の原理により動作して排気を行うことができる。圧電ポンプは配置された超音波振動子にパルスを付加することよって当該超音波振動子を変形させて当該超音波振動子が配置された空間を拡張して当該空間に空気を吸い込み、超音波振動子に付与するパルスを反転させて当該超音波振動子を逆方向に変形させることで当該空間を収縮させて、当該空間に吸い込まれた空気を一気に排出させることで、ブロア又はポンプとして作用させることができる。ここでは当該原理については詳細な説明は省略するが圧電ポンプを電気刺激装置の吸引ユニットに使用することにより、従来の機械式ポンプを使用する場合に比較して、次の効果が得られる。第1に静穏性が挙げられる。排気部402aは回転あるいはスライドのような機械的な駆動が行われず機械駆動部分が無く、機械的な振動が一切発生しない。さらに駆動部分は超音波を発するのみであって人間は当該超音波を認識できず、排気部402aの圧電ポンプ501の駆動音を認識することはできない。よって従来の機械式吸引ポンプのようなポンプ自体の駆動音や駆動時の振動に対する対策が一切不要となり、駆動時のポンプ自体の制音や制振の対策を一切行うことなく、病院や美容施設での使用が実現できる。
また、圧電ポンプは通常数cm四方のサイズで厚みは数ミリ、重さも数グラムであり、この為に排気部402aも非常に小型化及び軽量化が可能であり例えば2cm四方、厚み3mm、重さ2g程度で構成できる。よって従来の吸引ユニットのように、治療器と別体に吸引ユニットを構成する必要がなく、治療器と吸引ユニットを一体的に構成することができる。尚、排気部402aの排気能力が不足する場合は、本実施形態のように排気部を複数配置してもよい。本実施形態に於いては排気部402a〜402dまで4個の排気部を併用する構成としている。排気部402b〜402dは排気部402aと同じ構成であるので説明を省略する。排気部の数は4個に限定されず、1個以上であればよく、2個や3個でもよく、5個以上であってもよい。
さらに各排気部に使用される圧電ポンプは1個に限定されず、複数の圧電ポンプを使用して各排気部を構成してもよい。例えば2個の圧電ポンプを重ねて、或いは並べて配置して1個の排気部として構成し、図4のように4個の排気部を配置、即ち8個の圧電ポンプを配置して併用してもよい。
また、排気部402aを構成する圧電ポンプ501は超音波振動子を有するので、もし導子301aから水分が流入した場合であっても当該水分は当該超音波振動子によって霧化されるだけであり、機械式ポンプのように水分によってポンプがダメージを受けることもなく、防水対策も不要で本実施形態のように水分を含んだスポンジを使用する導子に対する吸引装置として望ましい。
但し、一度に大量の水分が流入しうる場合、例えばスポンジ308に水分を含ませすぎた場合などは、多すぎた水分がホース208を使って排気部402aに到達し、排気部402a内の超音波振動子に付着して、当該超音波振動子による霧化が発生しづらくなり、排気が困難となり得る。このような場合は排気部402a等に流入抑制部を配置して、一時的な水分の流入を抑制するような構成、換言すれば流入する水分を分散させるような構成としてもよい。流入抑制部としてはスポンジ等の多孔質部材を配置してもよい。流入抑制部は一度に大量の水分が吸気部502に流入することを抑制、即ち一度に流入する水分量を低減又は軽減できばよく、スポンジ等の多孔質部材の他に遮蔽板を配置する構成でもよい。図5(b)は遮蔽板504を配置した例である。遮蔽板として、例えばアルミやステンレスで構成された遮蔽板504でもよい。遮蔽板504は排気部402aに取付けられる構成でも良いし、排気部402aと一体的に樹脂で構成されてもよい。遮蔽板504により、例えば大粒の水滴が吸気部502への空気の流れに乗って当該吸気部502に到達した場合であっても、当該水滴は遮蔽板504に衝突することによって四方八方に分散してより小さな水滴に分散させることで一時的に大量の水が吸気部502へ流入することを防止できる。
上記のように流入抑制部は、導子301aからの空気の流れにそって、飛翔した水滴が圧電ポンプ501に到達し、直接圧電ポンプ501に飛び込むこと、即ち一時的に比較的多量の水分が圧電ポンプ501に流入するのを防止できればよく、スポンジのように水分を一時的に保持したり、水分の移動速度を低下させたりすることによって、圧電ポンプへの一時的に多量の水分流入を防止するような構成や、遮蔽板のように空気の流れに乗って飛来する水滴を分散させて圧電ポンプへの一時的に多量の水分流入を防止するような構成でもよい。
よって流入抑制部としてはスポンジや、アルミやステンレス鋼のような金属板の他にゴムブレードや樹脂板でもよく、さらに、遮蔽板は平板に限らず、凸型や凹型や波型、この他にランダムな凹凸や突起部を有する構成でも半球的な形状でも、折れ曲がったような構成でも良い。又は遮蔽板を飛翔する水滴に対して傾斜させるような構成でも良い。或いは遮蔽板に小さな穴を1個又は複数有するような構成でも良い。
或いは遮蔽板として望ましい特徴の複数を組み合わせてもよい。例えば図5(c)のように遮蔽部505を流入抑制部として配置してもよい。遮蔽部505は板面を傾斜させると共に、一部、即ち図面右側端に突起部506を持たせている。当該構成により、比較的大きな水滴が飛翔して遮蔽部505に衝突した場合に、より小さな水滴に分散させると共に当該水滴は傾斜によって図面向かって左方向に主に飛散し、吸気部502に直接流入することを防止できると共に、仮に飛散した水滴が図面右方向に飛散した場合であっても突起部506によって吸気部502に直接流入する水滴を軽減できる。
尚、配置する流入抑制部としてはスポンジや遮蔽板や遮蔽部の1種類に限定されるものでなく、遮蔽板やスポンジ等、或いは遮蔽部を併用して流入抑制部とするような構成でもよい。
上記の流入抑制部は、吸気部502に配置してもよいし、吸気口201に配置してもよい。或いは、導子301aに配置してもよい。即ち空洞310から排出された空気の流路に構成されていればよい。例えば開口部307aや307bに配置されていてもよい。さらに、これらに例示した場所の1箇所のみに配置することでもよいが、これらの場所に複数配置することでもよい。
複数の流入抑制部を使用する場合は、総ての流入抑制部としてスポンジや遮蔽板を使用する構成でも良いが、一部をスポンジ、残りを遮蔽板とすることも可能である。例えば開口部307aと307bの間にスポンジを配置し、吸気部502に図5(b)や(c)のように遮蔽板や遮蔽部を配置するような構成でも良い。
上記ように排気部402a他は超音波振動子を使用した圧電ポンプを使用しているので基本的に水滴が当該圧電ポンプ内に侵入した場合は超音波振動子によって霧化されて排気される。しかし、例えば本体部11から当該霧化された水分が直接排気された場合は、たとえそれが水蒸気であっても患者や使用者は発煙している或いは発火の可能性があると誤認する場合が多い。よって本実施形態においては図4のように排気は一旦本体部11b内に排出され、その後、排気スロット404から装置外に排出されるように構成している。即ち吸引ユニットである本体部11bは排気滞留部405を有するように構成している。図4では本体部11b内部であって、遮蔽領域401aや401bが排気滞留部に該当する。この構成により、排気部402a他によって排気口403a他から排出された空気は、それが霧化された水分を含んでいる場合であっても、一定時間は本体部11b内に即ち吸引ユニット内に留まり、水蒸気が黙視できない或いは非常に目視しづらい状態となった後に排気スロット404から装置外に排出される。よって排気を使用者や患者が発煙であると誤認することがない。尚、排気滞留部としては上記に限定されず、別途領域を設けてもよい。
尚、上記のような圧電ポンプを使用した装置においては、上記の如く動作音は全くしないが、開口503等から排気される空気によって、空気音又は風切り音(以下、これらを排気音という)が発生する場合がある。この場合は、開口503等にディフューザーや整流板等の排気音を抑制又は解消する排気音抑制部を配置するような構成でも良い。図5(b)は排気音抑制部としてドーム507を配置している。
同図(c)では排気音抑制部として整流部508を配置している例を示している。これにより排気音は軽減又は解消することができる。
また、ドーム507には排気音抑制部としてさらに微細な消音口509を配置している。このように一つ以上の消音口509を排気音抑制部として配置してもよい。もちろん、ドーム507のみによって十分に排気音が抑制できる場合は消音口509を設ける必要はない。尚、ドーム507は向かって左側に開口部を有するがこれに限定されず、密閉式のドームとして配置すると共に多数の消音口をドームに配置するようにして排気音抑制部を構成しても良い。
さらに、消音口509を一つ以上配置したプレートを排気音抑制部としてドーム507の代わりに配置してもよい。尚、当該消音口509はドーム507に限らず、整流部508についても設けて整流部508と消音口509を併用してもよい。
排気音抑制部はこれらに限定されるものではく、排気音が抑制又は解消できればよく、開口503にスポンジを配置するような構成でも良く、或いは排気音抑制部として別途新たな部材を配置するのではなく、図4のような構成でも良い。即ち図4の構成では、排気音が仮に発生した場合であっても排気音は本体部11b内部に発生するのみであり、本体部11の外部には漏れないか非常に小さく抑えられる。よって新たな部材を追加することなく最も簡単に排気音抑制部を構成することができる。この意味で上記排気滞留部405は排気音抑制部であるといえる。
以上のように、本発明により、超音波振動子を使用したポンプを使用したので機械的な駆動部品が無く、信頼性を大きく向上させることができる。さらに、ポンプの駆動音や振動を人間が知覚できないので防音や防振の対策が不要となる。また、装置自体を非常に小型化及び軽量化できる。さらに、一時的に多量の水分流入対策を除いて水分に対するポンプの対策が不要で水分によるダメージを回避することができる。
図6は本体部11aに内蔵されている、本体部11の制御を主に行う制御装置601aのブロック図である。本体部11a内には当該制御装置601aの他に電源部(不図示)や導子に治療の為の電気刺激を供給するトランス(不図示)等が内蔵されているが、本発明とは直接関係はないので説明を省略する。図中の操作部IF602は主電源12、ボリューム14、ダイヤル21a等に接続されていて、使用者が本体部11にどのような設定を行ったか、或いはどのように操作したかを示す情報を制御部603に通知する。制御部603は操作部IF602からの情報に従って、設定や動作状況等を表示するための情報を表示部IF604に通知する。表示部IF604は当該情報に従って必要なLEDの点灯行うなどの表示を行う。本実施形態では表示部IF604はパイロットランプ13やLED18a等に接続されており、操作や設定状態に応じてこれを点灯させる。本実施形態では操作手段と表示手段を別々に設ける構成であるがこれに限らず例えばタッチパネルによって操作と表示が同時に行えるような構成であってもよい。
本実施形態の電気刺激装置1aでは本体部11の主電源12が押されるとその情報は操作部IF602から制御部603に送られ、制御部603はパイロットランプ13を点灯させるように表示部IF604に指示を出し、これに従ってパイロットランプ13に電力が供給されてパイロットランプ13が点灯する。
続けて使用者はモードボタン15a〜15cのいずれかを選択して操作することによって治療モードが選択される。本実施形態ではモード1は導子301aの第1電極305と第2電極306に同じ周波数の低周波パルスが治療パルスとして使用されるモードであり、モード2は第1電極305と第2電極306に異なる周波数のパルスが付与されるモードであり、モード3も第1電極305と第2電極306に異なる周波数のパルスが付与されるモードであるが第2電極306に付与される治療パルスが所定の範囲でスイープされるモードである。これら3つのモードはモードボタン15a〜15cに連動しており、モードボタン15aを押すとモード1が、モードボタン15bを押すとモード2が、モードボタン15cによってモード3が選択できる。
実際に付与される治療パルスの周波数として30Hzから800Hz程度の周波数がダイヤル21aと21bによって決定される。例えばモード1が選択された場合はダイヤル21aによって選択された周波数が第1電極305と第2電極306に付与され、モード2では第1電極305に付与するパルスの周波数はダイヤル21aで、第2電極306に付与するパルスはダイヤル21bで選択する。モード3では第1電極に付与するパルスの周波数はダイヤル21aで選択することで第1電極305に付与されると共に、ダイヤル21aで選択された周波数に対して所定の範囲で周波数が順次変更されて第2電極306に付与される。
第1電極305や第2電極306に付与される治療パルスの強さはボリューム14によって決定される。このような操作手段によって設定された設定内容は操作部IF602を経由して制御部603に入力され、制御部603はその入力に従って表示部IF604を経由して表示手段によって表示を行う。同時に制御部603は設定された情報を治療波形発生部605に入力し、設定値に基づいて波形出力606aと606bからトランス(不図示)を経由して治療パルスとして第1電極305と第2電極306に供給される。
本実施形態では、モードボタン15a〜15cのいずれかが選択された場合に、その情報が操作部IF602から制御部603に供給され制御部603はその情報に基づいて圧電ポンプ制御部607aに圧電ポンプを駆動するよう、即ち排気部402他を駆動するように指示を行う。当該指示に従って圧電ポンプ制御部607aは圧電ポンプを駆動するパルスを生成する駆動パルス生成回路部である駆動パルス生成回路部608a〜608dに電力を供給し各駆動パルス生成回路部を起動し、圧電ポンプ駆動用のパルス(以後、駆動パルスという)、例えば30kHz程度の周波数で14Vpp程度の振幅の駆動パルスを発生させる。当該駆動パルスは各圧電パルス発生回路部608a〜608dのそれぞれに設けられた出力610a〜610dにより各排気部を構成する圧電ポンプ、例えば排気部402aを構成する圧電ポンプ510に供給される。例えば駆動パルス生成回路部608aは排気部402aと遮蔽領域401bに設けられたいずれかの排気部の圧電ポンプに供給される。以下、同様に駆動パルス生成回路部608bからの駆動パルスは出力610bを経由して遮蔽領域401aと401bに設けられた排気部のいずれか一つずつに供給されて当該排気部の圧電ポンプを駆動することによって排気部を駆動して導子301aや301bを患者に吸着させる。残りの圧電ポンプについても同様に駆動パルス生成回路部608cや608dから残りの排気部に出力が供給される。駆動パルスの周波数や振幅は上記に限定されず、圧電ポンプの特性や水分の霧化条件に応じて適宜設定すればよい。或いは駆動パルスを経時的に切り替えるような制御であってもよい。例えば吸引に最適な周波数や振幅と水分の霧化に最適な周波数や振幅が異なる場合は、手動で或いは自動でこれらの周波数や振幅を切り替えるように構成してもよい。
尚、本実施形態では導子301aや導子301bの吸着はモードボタン15a他に連動していたがこれに限定されず、例えば出力制御を行うボリューム14に連動させてもよい。ボリューム14により出力がゼロ以外に設定されている場合にのみ導子301a等が吸着するように制御部603が制御してもよい。或いは別途吸着の開始や停止を指示するオンオフスイッチを設けてこれによって導子301a他の吸着の開始や停止を制御してもよい。
本実施形態に、吸着力を制御する為の吸着力操作手段を別途配置して、容易に吸着力を制御することができる。本実施形態においては排気部が4個ずつ配置されているので吸着力が大き過ぎる場合は、そのうちの1個以上の排気部を動作させないようにして吸着力を制御することができる。即ち、駆動する排気部の個数或いは圧電ポンプの個数を制御することにより導子301a他の吸着力を制御できる。例えば吸着力操作手段として強と弱の2種類を選択可能なトグルスイッチを配置し、強が選択された場合は4個の排気部を総て駆動する一方で、弱が選択された場合は1個の排気部を駆動しないように制御することもできる。例えば弱が選択された情報は操作部IF602によって制御部603に入力され、制御部603はその入力に従って3個の排気部のみを使用するように、圧電ポンプ制御部607aに指示を出す。圧電ポンプ制御部607aは当該指示に従って例えば遮蔽領域401aの排気部402aと402b及び402cのみを駆動し、402dを駆動しないように駆動パルス生成回路部608aと608bと608cのみに電力を供給する。このようにして導子の吸着力が容易に制御でき、吸着力が強すぎる場合に発生する痛みや皮膚の赤変を軽減又は解消することができる。尚、上記では吸着力の制御は強と弱の2段階であったがこれに限定されず、強と中と弱の3段階でもそれ以上であってもよい。
また、吸着力の制御は上記のように使用する排気部或いは圧電ポンプの数を変更する場合に限らず、駆動パルス生成回路部608a等から出力される駆動パルスの振幅や周波数やデューティその他の駆動パルスを決定するパラメータを変更することでもよい。上記のように駆動する排気部の数による制御にくらべると、圧電ポンプの駆動パルスを規定するパラメータを制御する方がより柔軟で自由度の高い制御が可能となる。さらに駆動パルスのパラメータを変更すると共に使用する排気部の個数を変更することによって吸着力を制御してもよい。
駆動パルスのパラメータは上記制御部603により変更され、圧電ポンプ制御部607aに供給されて、圧電ポンプ制御部607aにより駆動パルス生成回路部608a等に供給される電力や周波数を変更することによって出力610a他から出力される駆動パルスの制御を行ってもよい。或いは制御部603はどの程度駆動パルスを制御するかを圧電ポンプ制御部607aに入力することによって圧電ポンプ制御部607aが駆動パルスのパラメータを制御してもよく、この意味で、駆動パルスの制御は制御部603のみで行ってもよいし制御部603と圧電ポンプ制御部607aによって制御されてもよく、圧電ポンプ制御部607aのみによって具体的な制御がされてもよい。
本実施形態において、例えば図6においては、各排気部に配置された圧電ポンプを駆動する為に4個の駆動パルス生成回路部を配置しているが本発明はこれに限定されない。例えば1個の駆動パルス生成回路部のみを使用して、当該1個の駆動パルス生成回路部から各排気部に配置された圧電ポンプに駆動パルスを供給することであってもよい。
この場合に排気部の個数を制御する為に、駆動パルス生成回路部と排気部との間に吸着力操作手段としてスイッチ(不図示)を配置して、圧電ポンプ制御部607aによって当該スイッチを制御することによって使用する排気部の個数を制御して、導子の吸着力を制御してもよい。或いは当該スイッチと駆動パルスのパラメータの変更を併用して、吸着力を制御してもよい。
また、上記の吸着力操作手段としては使用する排気部、或いは圧電ポンプの数を制御したり、駆動パルスのパラメータを変更することについて説明している、即ち吸引ユニットの能力自体を制御することについて説明しているがこれに限定されず、例えば導子301aや本体部11bやコネクタ204aの一部に開閉状態を変更可能なスリットを吸引力操作手段として設けて、当該スリットを開けたり閉めたり、或いは開ける度合いを変更することによって、圧電ポンプの動作能力自体は変更しないで吸引力を制御してもよい。
上記の実施形態では圧電ポンプからなる吸引ユニットを本体部と一体に形成した構成であるが、これに限定されず、吸引ユニットは本体部11から切り離して別体として構成してもよい。別体として構成した場合であっても上記のように本発明を施した吸引ユニットは上記の種々のメリットがあり、従来の機械式のポンプを使用する場合と比較して、防音、防振、防水対策が不要となる上に、はるかに小型で軽量であると共に安価に吸引ユニットを提供できる。このような吸引ユニットを別体とする構成では、使用する治療機器などの電気刺激装置を変更した場合であっても吸引ユニットを共通に使用することができるので治療機器の数だけ吸引ユニットを購入する必要がなく望ましい場合もある。
尚、吸引ユニットを別体に設ける場合は、上記において記載した吸着の開始や停止を制御するスイッチや、吸着力を制御する為の吸着力操作手段は本体部11ではなく当該別体とした吸着にユニットに設けてもよいし、本体部11と接続して本体部11の操作に連動して吸引ユニットが動作するような構成でもよい。さらに上記のように、吸着力操作手段は電気刺激装置本体に設けてもよいし、吸引ユニットに設けてもよいし、或いは導子に設けてもよい。導子に設ける場合は使用者も患者も容易に吸着力を制御できるので、わざわざ本体部や別体で設けられている吸引ユニットまで移動して操作する必要がなくより望ましい。尚、吸着力操作手段は吸引力の制御だけでなく、さらに上記のオンオフスイッチの機能を持たせて吸引の開始と停止を制御するように構成してもよい。
(第2の実施形態)
本実施形態においては、導子部に吸引ユニットを配置した構成を示している。第1の実施形態との違いは排気部402a等で構成される吸引ユニットを導子に配置していることである。即ち第1の実施形態では本体部11bに排気部が配置されているが、本実施形態では排気部が導子に配置されている。
図7は導子部に吸引ユニットを配置した構成である導子301cの断面を示している。この図において同じ符号は既述の部品等と同等、例えば符号305は図3の第1電極305と同じであるので説明を省略する。導子301cには、ジョイント部303bの壁面内側に設けられた4個のジョイント開口701a〜701dのそれぞれに、部排気部402a〜402dの4個の排気部が設けられている。図では簡単の為にジョイント開口部701aと701b、排気部402aと402dのみを記載しているが、紙面手前側のジョイント部303bの壁面内側に排気部402bがジョイント開口部701bと対応して設けられ、当該排気部402bと対抗するジョイント部303bの壁面内側に排気部402cがジョイント開口部701cと対応して配置されている。電気刺激を患部に供給する治療時には導子301cと同じ構成の導子301d(不図示)を使用して、例えば患部を導子301cと導子301dで挟むようにして配置して治療を行う。ハーネス210cは本体部11cに接続されており、ジョイント部303bの内側に配置された電極パターン(不図示)によって各排気部402a〜402dに対して駆動パルスを供給する。
導子301cでは、排気部402a他が導子に配置されている。上記のように排気部は非常に小型で軽量な超音波振動子による圧電ポンプで構成されているので導子301eのように吸引ユニットを導子に一体的に構成することができる。この意味ではジョイント部303bが吸引ユニットとして機能する。このように吸引ユニットを導子に一体的に構成することによって、導子301a等のように空洞310から排気部402a他への排気の為の流路を確保するホースが不要となる。
吸引カップタイプの導子、例えば導子301a等には吸引カップ内の空気を排出して吸引カップ内に負圧を発生させるために吸引ユニット、第1の実施形態では本体部11bと吸引カップの間にホースが必須である。ところがホースは、空気の流路を確保するためにある程度の太さが必要で、さらに流路が空気圧やねじれによって潰れや、折れ曲げが容易に発生しないように強度も必要である。強度が不十分ならば、容易にねじれたり、曲がったり、ホースがつぶれて空気の流路が確保できずに、十分な排気ができなくなる潜在的な問題があった。この為に、ホースは太く、重たくなり、あるいは曲げづらくなり、取扱いが容易ではなかった。さらに太さや重さや取り回しの不便さは導子に直接加わる負担や負荷となり、ホースの重さ等にも耐えられるように吸引カップの吸着力を必要以上に上げなければならなかった。吸着力が強いと患者が吸引による痛みを感じたり皮膚の赤変を発生させる等の問題を誘発する。導子の吸着力が低いと、ホースの重みにより導子が外れやすくなったり、吸引カップが外れないまでも吸引カップ内に配置された電極からの治療パルスが患部に十分に供給できないなど治療効率の低下や治療不良を招いていた。
以上の要因により吸引ユニットはホースに起因して、吸引カップを吸着させる為に必要な吸着力よりはるかに強い吸着力を発生させなければならず、必要以上に強いポンプが必要で通常数十センチ四方の大きさで、数キロの重さとなり、電気刺激装置と同程度のコストが必要となる場合もあった。
しかし導子301c等ではホースが不要である為にホースに由来する総ての問題が解決できる。例えば吸引力はホースを使用する場合と比較して格段に低くしても導子301cが治療中に外れることがなく、強すぎる吸引力による痛みも皮膚の赤変も発生しない。一方、ホースが無いのでスポンジ308に水分の一部が容易に排気部402a等に到達し得る。図10の向きと逆に使用された場合、即ち排気部402aがカップ302の下になるような向きで使用されると、スポンジ308の水分は容易に排気部402aに到達する。しかし、前述の通り、排気部402aを構成する圧電ポンプが超音波振動子を使用しているので水分は霧化されて水蒸気として排気され、水滴が患者に飛び散ることも患者の衣服を濡らすこともない。
図8は導子301cや導子301dを使用する電気刺激装置1bの本体部11cを示している。電気刺激装置1aと電気刺激装置1bの違いは、本体部11cに接続部23aと接続部23bの代わりに接続部23cと接続部23dが配置されていることである。他の符号は本体部11aと同じであり、説明を省略する。接続部23cと接続部23dは同じ構成であるので接続部23cについて説明する。
図9(a)は接続部23cの拡大図である。接続部23aと接続部23cの違いは、吸気口201の代わりに共通パルス接続902が配置されていることである。共通パルス接続902は図9(b)のコネクタ204bと接続部23cを接続されることにより共通パルス端子903と共通パルス接続902が結合されてハーネス210cを経由して、排気部402a他の排気部に配置された圧電ポンプ501に駆動パルスが供給される。他のハーネス210aと210bはジョイント部303bに接続され、さらにそれぞれ第1電極端子206、第2電極端子207に接続されている。
図10は本体部11cに内蔵されている制御装置601bを示している。この図においても図6と同じ符号については説明が重複するので説明を省略する。図6との違いは駆動パルス生成回路部608eが1個だけ使用されていること及び駆動パルス生成回路部608eを制御する圧電ポンプ制御回路部607bが使用されていることである。圧電ポンプ生成回路部607bは制御部603の指示に従って駆動パルス生成回路部608eを駆動させる。駆動パルス生成回路部608eによって生成された駆動パルスは出力610aから出力され、ハーネス210cにより4個の排気部402a他に配置されている圧電ポンプに供給される。さらに導子301dに配置されている排気部の圧電ポンプにも同様に当該駆動パルスが供給される。
導子301cのような構成においても、第1の実施形態において電気刺激装置1aに関して説明したように、吸着力を制御することが可能である。既に説明したように吸着力の制御するための吸着力操作手段を別途配置して、容易に吸着力を制御することができる。例えば、駆動パルスの周波数や振幅やデューティその他の駆動パルスの波形を決定するパラメータを変更することで導子301cの吸着力を制御してもよい。
この吸着力の制御は、パラメータの制御によって実行されるので、吸着力操作手段として、例えばボリューム(不図示)を本体部11cに配置してもよいし、又は導子301cにボリュームを配置して、駆動パルスのパラメータを変更するようにしてもよい。
或いは、導子301cに吸着力操作手段として別途スイッチ(不図示)を配置して、当該スイッチをオン/オフすることにより、使用する排気部の個数を制御して、導子の吸着力を制御してもよい。又は当該スイッチと駆動パルスのパラメータの変更を併用して、吸着力を制御してもよい。尚、吸着力操作手段は導子301c等の吸着力を制御するだけでなく、オンオフスイッチの機能を持たせて吸引の開始と停止も制御するように構成されていてもよい。
尚、図10では駆動パルス生成回路部608eは1個だけを使用する構成であるが複数の駆動パルス発振回路を設けて使用してもよい。例えば図6のように4個の駆動パルス発振回路608aから608dを使用するような構成でも良い。或いは排気部或いは吸引ユニットを制御する圧電ポンプ制御部607bと駆動パルス生成回路部608e等は本体部11cに設けるのではなく、本体部11cとは別体の吸引制御ユニット(不図示)に配置する構成としてもよい。即ち、本体部11cによって電気刺激が、吸引制御ユニットによって吸引ユニット或いは排気部の駆動パルスが制御されてもよい。
さらに、各排気部402a他に、上記のスポンジや遮蔽板504、或いは遮蔽部505を流入抑制部として配置してもよい。或いは各排気部402a他に、ドーム507や整流部508のような排気音抑制部を配置してもよい。これらの流入抑制部と排気音抑制部の両方を配置するような構成でも良い。
また、上記の吸着力操作手段としては使用する排気部、或いは圧電ポンプの数を制御したり、駆動パルスのパラメータを変更することについて説明している、即ち吸引ユニットとしての能力自体を制御することについて説明しているがこれに限定されず、例えば導子301cの一部に開閉状態を制御可能なスリットや窓を吸着力操作手段として設けて、当該スリットや窓を開けたり閉めたり、或いは開ける度合いを変更することによって、圧電ポンプの動作自体は変更しないで吸引力を制御してもよい。さらに上記のように、吸着力操作手段は電気刺激装置本体に設けてもよいし、吸引制御ユニットに設けてもよいし、或いは導子に設けてもよい。導子に設ける場合は使用者も患者も容易に吸着力を制御できるので、わざわざ本体部や別体で設けられている吸引ユニットまで移動して操作する必要がなくより望ましい。
(第3の実施形態)
本実施形態では吸引ユニットが導子に設けられている点では第2の実施形態と同じであるが、駆動パルス生成回路部が電気刺激装置の本体部ではなく、導子部に設けられていることが第2の実施形態とは異なる。
図11は導子301eの断面を示している。導子301eも導子部に吸引ユニットを配置した構成である。この図において同じ符号は既述の部品等と同等、例えば符号305は図3の第1電極305と同じであるので説明を省略する。導子301eには、導子301c等と同様にジョイント部303dの壁面内側に排気部402a〜402dの4個の排気部が設けられている。使用方法は導子301aや導子301c等と同じで、導子301eと同じ構造の導子301f(不図示)を使用して、導子301eと導子301fによって患部を挟んだ状態で吸着させて患部に電気刺激を付与する。導子301c等との違いは駆動パルス生成回路部608fがジョイント部303dの上面内側に配置されており、ハーネス210dを介して本体部11dに接続されることである。
図12は導子301eを使用する電気刺激装置1cの本体部11dである。本体部11cとの違いは接続部23eと23fが接続部23c等の代わりに配置されていることである。その他の符号は既述の部品等と同等であるので説明を省略する。
図13(a)は接続部23eを同図(b)は接続部23eに接続するコネクタ204cを示している。接続部23eにはパルス電力接続1301が配置されており、コネクタ204c側のパルス電力端子1302と接続され、導子301e等の排気部を構成する圧電ポンプを駆動する為の駆動ポンプ生成回路部608fに必要な電力がハーネス210dを介して導子301eに供給される。その他の符号は既述の部品等と同等であるので説明を省略する。
図14は本体部11dに内蔵されている制御装置601cを示している。この図においても図6と同じ符号については説明が重複するので説明を省略する。制御装置601bとの違いは圧電ポンプの駆動パルスを生成する回路部、例えば図10における駆動パルス生成回路部608eに相当する回路部が配置されていないことである。駆動パルス生成回路部は代わりに導子301eに駆動パルス生成回路部608fとして配置されている。本実施形態において圧電ポンプ制御部607bは導子301eを吸着させる場合に、出力610eから駆動パルス生成回路部608fの駆動電力を出力し、駆動電力はハーネス210dを介して導子301eに供給されることで、ジョイント部303dの内側に配置された駆動パルス生成回路部608fに供給され、当該駆動パルス生成回路部608fを起動させる。駆動パルス生成回路部608fが起動すると駆動パルスが生成され、当該駆動パルスはジョイント部303dの内側に配置された電極パターン(不図示)によって各排気部402a〜402dに対して駆動パルスが供給され、各圧電ポンプ510が駆動され、排気部402a等により排気が実行されて空洞310内部の空気が排出されることで空洞310内部に負圧が生じ、導子301eが吸着する。尚、圧電ポンプ制御部607cを図14のように制御装置601cに、即ち本体部11dに設けるのではなく、本体部11dとは別体の吸引制御ユニット(不図示)に配置する構成としてもよい即ち、本体部11dによって電気刺激が、吸引制御ユニットによって吸引ユニット或いは排気部の駆動パルスが制御されてもよい。
第2の実施形態では駆動パルス生成回路部608eから出力された駆動パルスはハーネス210cを介して導子301c等に供給されるために、非常に長いハーネス210cがアンテナの役目を果たすこともあり、ハーネス210cから当該駆動パルスに起因する電気的なノイズが発生しやすい。当該ノイズは駆動パルス生成回路部のインピーダンスや駆動パルスのパラメータを変更することによって回避できるが、十分でない場合は、ハーネス210cとしてシールド機能を有する例えば同軸ケーブル等を使用する必要があり、コストアップやハーネス210cが重くなる場合がある。
一方本実施形態では圧電ポンプの駆動パルス発生回路部である駆動パルス生成回路部が本体部ではなく導子301eに配置されている。よってアンテナの役目を果たす部材がなく、上記のような電気的なノイズの発生が無いか非常に小さく、より望ましい。
さらに、本実施形態において、圧電ポンプ制御部607bやハーネス210dの代わりに、導子301e等にハーネス210aや210bによって供給される治療パルスを整流して電力を抽出する電力抽出部、例えば整流回路等(不図示)を配置し、治療パルスから抽出された電力によって駆動パルス生成回路部608fを駆動するような構成でも良く、この構成では圧電ポンプ制御部やハーネス210dも不要となるので更なる装置の小型化や軽量化及びコストダウンが可能となる。
尚、本実施形態においても、第2の実施形態において説明したように、吸着力を制御することが可能である。既に説明したように吸着力を制御するための吸着力操作手段を別途配置して、容易に吸着力を制御することができる。例えば、駆動パルスの周波数や振幅やデューティその他の駆動パルスの波形を決定するパラメータを変更できるように吸着力操作手段として導子301eにスイッチやボリューム等を設けて駆動パルスを制御することで導子301eの吸着力を制御してもよい。
或いは、本体部11dに別途吸着力操作手段、例えばボリュームやトグルスイッチを設け、これを変更することによって、これら吸着力操作手段による制御が行われたことが操作部IF602を経由して制御部603に入力され、その情報が圧電ポンプ制御部607bに送られる。圧電ポンプ制御部607bは出力610eから駆動パルス生成回路部608fに供給される電力、例えば電力の直流の電圧値や電流値、交流成分の振幅や周波数を変更することによって駆動パルスの振幅値を変更する、或いは周波数を変更するなど、駆動パルスのパラメータを間接的に制御して排気部402a他に配置された圧電ポンプを制御することにより、導子301eの吸引力を制御してもよい。
このような制御においては、駆動パルス生成回路部は電力として直流が供給される場合は当該直流電力の電圧や電流値に対応して駆動パルスのパラメータ、例えば振幅値や振幅等が変更されるように構成されていてもよい。駆動パルス生成回路部は電力として交流が供給される場合は当該交流電力の振幅や周波数に対応して駆動パルスのパラメータ、例えば周波数や振幅等やデューティ等が変更されるように構成されていてもよい。又は当該交流電力が直流成分でオフセットされている場合はオフセット値に対応して駆動パルスのパラメータが変更されるような構成でも良い。
或いは、導子301eに別途スイッチ(不図示)を配置して、当該スイッチをオン/オフすることにより、使用する排気部の個数を制御して、導子の吸着力を制御してもよい。又は当該スイッチと駆動パルスのパラメータの変更を併用して、吸着力を制御してもよい。尚、吸着力操作手段にこれらオンオフスイッチの機能を持たせて、吸着の開始と停止を制御できるような構成としても良い。
尚、図11では駆動パルス生成回路部608fは1個だけを使用する構成であるが複数の駆動パルス発振回路を設けて使用してもよい。例えば図6のように4個の駆動パルス発振回路608aから608dを使用するような構成でも良い。さらに上記のように、吸着力操作手段は電気刺激装置本体に設けてもよいし、吸引制御ユニットに設けてもよいし、或いは導子に設けてもよい。導子に設ける場合は使用者も患者も容易に吸着力を制御できるので、わざわざ本体部や別体で設けられている吸引ユニットまで移動して操作する必要がなくより望ましい。
さらに、各排気部402a他に、上記のスポンジや遮蔽板504、或いは遮蔽部505その他の流入抑制部を配置してもよい。或いは各排気部402a他に、ドーム507や整流部508或いはその他の排気音抑制部を配置してもよい。これらの流入抑制部と排気音抑制部の両方を配置するような構成でも良い。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な組み合わせや他の電気刺激機器への応用等をすることが可能である。例えば以下のような展開が可能である。
図15は超音波を患部に供給する為の導子である超音波導子1501を示している。超音波導子1501は基本的に図11と同じであるが、第1電極305、第2電極306、台座304等の代わりに超音波振動子を内蔵した超音波ヘッド1502が配置されている。超音波ヘッド1502内の超音波振動子にはハーネス210aや210bにより超音波振動子を駆動する例えば1.6MHz又は3MHzのパルスが供給されて超音波を発生させる。
図16は、超短波若しくはマイクロ波を患部に供給する為の導子である超短波導子1601を示している。超短波導子1601は基本的に図15と同じであるが、超音波ヘッド1602の代わりに超短波ヘッド1602が配置されて例えば800MHzから2.4GHz程度の超短波或いはマイクロ波を患部に照射できる。超短波ヘッド1602にはハーネス210aや210bにより超短波を生成する電力が供給される。この図では超短波ヘッド1602と皮膚309は離間しているがこれに限定されず、超短波ヘッド1602と皮膚309は接触するような構成でも良い。
上記の図15や図16に於いては、駆動パルス生成回路部608fが導子に配置されているが、本発明はこれに限定されず、第2の実施形態のように駆動パルス生成回路部は本体部又は本体部とは別体に構成された吸着制御ユニットに配置されるような構成であってもよい。或いは吸着制御ユニットに圧電ポンプ制御部を配置するような構成でも良い。さらに吸着力操作手段や流入抑制部や排気音抑制部を配置してもよい。
上記の図15や図16に於いては、排気部402a他が導子に配置されている即ち吸引ユニットが、導子に設けられているが、本発明はこれに限定されず、第1の実施形態のように排気部402aは吸引ユニットとして本体部11に設けられていてもよい。或いは排気部402aは吸引ユニットとして本体部11とは別体として独立して設けられていてもよい。
上記導子301aから導子301fの各導子や超音波導子1501、超短波導子1601の各導子には空洞310内の負圧の発生状況について患者以外が直接確認することは難しい。例えば、カップ302が透明であれば、皮膚の盛り上がり方や色等により、吸着状態がある程度は判断できるように思われが、導子を吸着させる位置や、患者の健康状態や個人差により、実際は容易ではない。よって別途圧力センサ(不図示)を設けて吸着度合いを確認するような構成でも良い。例えばカップ302内に圧力センサを配置し、当該圧力センサによる圧力を表示する圧力表示部(不図示)をジョイント部等に配置し、空洞310内の負圧による吸着度合いを確認してもよい。圧力表示部はメータタイプの表示部でもよく、デジタルメータであってもよいしアナログメータであってもよく、或いはLEDを複数使用して圧力センサの出力に応じて点灯する数を変更するインジケータ等でもよく、圧力の度合いが確認できればよい。又は圧力表示部はこれらのメータ等に限定されず負圧が得られていることのみを表示できるような構成でも良く、例えば負圧であることが圧力センサで検出された場合に点灯するLEDであってもよい。尚、これらの圧力表示部は導子に配置されていてもよいし、本体部や吸引ユニットに配置されていてもよい。これらの圧力表示部によって導子が患者に密着しているか否かの確認が容易となる。
さらに別途配置した吸着力操作手段によって各導子の吸着力を変更して最適な吸着が得られるような構成でも良い。この構成は、吸着力が弱すぎる又は強すぎることを回避できるのでより望ましい構成である。この場合に圧力表示部と吸着力操作部は出来るだけ近くに配置さする方がよく、導子に圧力表示部と吸着力操作部を配置してもよく、吸引ユニットに圧力表示部と吸着力操作部を配置してもよく、本体部11等に圧力表示部と吸着力操作部を配置してもよい。
或いは、吸着力操作手段による手動での吸着力の変更に限らず、圧力センサからの出力をフィードバックして自動で吸着力を制御する構成がより望ましい。例えば圧電ポンプの制御を行う圧電ポンプ制御部607a〜607cに相当する圧力ポンプ制御部であって圧力センサの出力を入力できる圧電ポンプ制御部607d(不図示)を使用し、圧力センサからの出力に応じて所望の吸着力が得られるように、圧電ポンプ制御部607dが駆動パルスのパラメータを自動で制御するような構成としてもよい。このような構成の方が、導子が患者に適切に密着するだけでなく、良好な密着状態を維持できるのでより望ましい。さらに、上記のような圧力表示部を併用する構成としてもよく、圧力の自動調節によって導子が患者に密着していることを圧力表示部によって容易に確認できる為により望ましい。この構成ではさらに吸着力操作部をさらに配置して導子の吸着力を調整するような構成でもよい。
(1)本発明の他の形態としては、電気刺激装置であって、電気刺激を人体に供給する導子と、超音波振動子を有する排気部を有し、前記排気部は前記導子と前記人体によって形成される空洞内部の空気を前記空洞から排出することを特徴としている。
(2)さらに本発明の他の形態としては、前記電気刺激装置は、複数の前記排気部を有すると共に、使用する排気部の個数を制御することにより前記導子の吸着力を制御する制御部を有する。
(3)本発明の他の形態としては、前記電気刺激装置は前記超音波振動子を駆動する駆動パルスを決定するパラメータを変更することによって吸着力を制御する制御部を有する。
(4)本発明の他の形態としては、前記排気部に流入する水分を低減する流入抑制部を有する。