JP2021165268A - シンデカン−1および線維芽細胞増殖因子受容体を標的とする二重特異性結合物質を含む医薬組成物 - Google Patents

シンデカン−1および線維芽細胞増殖因子受容体を標的とする二重特異性結合物質を含む医薬組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】シンデカン−1に結合する抗体部分およびFGFR3に結合するフィノマー部分を含む二重特異性結合物質ならびに新生物の処置のためのその使用を提供する。【解決手段】(a)シンデカン−1(CD138)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分および(b)線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)に特異的に結合するフィノマーを含む二重特異性結合物質であって、フィノマーは、(i)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQIL(X1)(X2)(X3)(X4)GPYWEARSL(X5)TGETG(X6)IPSNYVAPVDSIQまたは(ii)GVTLFVALYDYEVMSTTALSFHKGEKFQILSQSPHGQYWEARSLTTGETG(X7)IPSNYVAPVDSIQのアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、二重特異性結合物質である。【選択図】なし

Description

本発明の実施形態は、CD138(シンデカン−1)に特異的に結合する抗体部分および線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)に特異的に結合するフィノマー(Fynomer)部分を含む二重特異性結合物質を含有する医薬組成物、ならびに該二重特異性結合物質の薬物コンジュゲートを含む医薬組成物、およびその使用に関する。本明細書において開示される医薬組成物は、新生物を効率的に処置するために、単独で、または他の薬剤と組み合わせて使用され得る。
シンデカンファミリーは、主に細胞表面に存在する4つの膜貫通ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)を含む。これらの異なるシンデカンの構造は、脊椎動物および無脊椎動物において高い相同性を示す。4種のシンデカンすべてが、変動する数のグリコサミノグリカン(GAG)側鎖で装飾されたコアタンパク質で構成されている。シンデカンは、主にこれらのGAG鎖を介してその機能を発揮するが、コアタンパク質の異なるドメインは、同様に別個の役割を有する。シンデカン−1およびシンデカン−3は、ヘパラン硫酸(HS)およびコンドロイチン硫酸(CS)鎖の両方を保持するのに対し、シンデカン−2およびシンデカン−4は、HS鎖のみを保持する。シンデカンは、成長および分化、細胞伸展、細胞接着、細胞遊走、細胞骨格構築、浸潤および脈管形成を含む広範な生物学的プロセスに関与している。
シンデカン−1は、N末端細胞外ドメイン、膜貫通ドメインおよびC末端細胞内シグナル伝達ドメインを含む膜貫通(1型)ヘパラン硫酸プロテオグリカンである。ヒトでは、シンデカン−1(CD138)は、310アミノ酸長のコアタンパク質を含み、SDC1遺伝子によってコードされる。SDC1遺伝子は、5つのエクソンからなり、ヒト染色体2に位置する。第1のエクソンは、シグナルペプチドをコードし、第2のエクソンは、ヘパラン硫酸の付着部位をコードし、第3および第4のエクソンは、コンドロイチン硫酸結合のための部位をコードし、第5のエクソンは、膜貫通および細胞質ドメインをコードする。
シンデカン−1は、成体組織では上皮細胞の基底膜側で、発達中は間葉系細胞で、分化の別個の段階の間はリンパ球系細胞で発現される。シンデカン−1は、肝細胞増殖因子(HGF)を結合でき、種々の増殖因子と相互作用でき、細胞遊走、細胞−マトリックス相互作用、成長、増殖および生存を達成する複数のシグナル伝達経路の活性化をもたらす共受容体として作用できる。いくつかの研究が、シンデカン−1および/または種々の新生物の病態形成におけるその機能障害性シグナル伝達活性もしくは過剰発現に関与してきた。
線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)は、種々の細胞内シグナル伝達経路に関与する高度に保存された膜貫通チロシンキナーゼ受容体のファミリーである。FGFRは、2〜3の免疫グロブリン様ドメイン(D1、D2およびD3)を含む細胞外リガンド結合領域、1回膜貫通領域およびチロシンキナーゼ活性を有する細胞質領域から構成される。複数のスプライス変異体を有し、そのほとんどが、受容体のエクソンIII(ドメインD3に対応する)において生じる、4つの主要なFGF受容体(FGFR1〜4)がある(例えば、Holzmann et al. (2012) J. of Nucleic Acids 2012:950508を参照されたい)。D3ドメインは、3つのエクソン:(IIIa、IIIbおよびIIIc)によってコードされる2つのパートを含有し、遺伝子スプライシング事象によって、IIIbまたはIIIc部分のいずれかと組み合わされた、遺伝子の不変のIIIa部分から転写されるD3ドメインにつながる。これらのスプライス変動によって7つの高度に相同なヒトFGFR:FGFR1b、FGFR1c、FGFR2b、FGFR2c、FGFR3b、FGFR3cおよびFGFR4が生じ、これらは別個の組織分布およびリガンド特異性を有する。
ヒトでは、FGFRは、22種の既知線維芽細胞増殖因子(FGF)リガンドのうち1つまたは複数の過剰発現によって、または結合によって活性化され得る。FGFR3活性化は、胚形成、発達、細胞増殖、細胞生存、遊走、分化および成長停止において重要な役割を果たす。FGFR3の活性化は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)およびPI3K−AKT経路を含む発癌性シグナル伝達に関わるいくつかの重要な経路の活性化につながり得る。
シンデカン−1に結合する抗体部分およびFGFR3に結合するフィノマー部分を含む二重特異性結合物質ならびに新生物の処置のためのその使用が、本明細書において示される。
一部の態様では、抗体部分(例えば、抗体またはその抗原結合部分)および1つまたは複数のフィノマーを含む二重特異性結合物質が、本明細書において示され、抗体部分は、シンデカン−1(CD138)に特異的に結合し、1つまたは複数のフィノマーは、線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)に特異的に結合する。したがって、ある特定の実施形態では、シンデカン−1に特異的に結合し、FGFR3または1つもしくは複数のFGFR3のアイソフォームに特異的に結合する二重特異性結合物質が、本明細書において示される。一部の実施形態では、二重特異性結合物質のフィノマー部分は、FGFR3bおよび/またはFGFR3cに特異的に結合する。ある特定の態様では、シンデカン−1(CD138)に特異的に結合する抗体部分(例えば、抗体またはその抗原結合部分)および線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)に特異的に結合するフィノマーならびに抗悪性腫瘍剤または毒素を含む二重特異性結合物質。
一部の実施形態では、二重特異性結合物質の抗体部分は、(i)配列番号2〜15から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−L1(軽鎖CDR1)、(ii)配列番号16〜26から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−L2(軽鎖CDR2)、(iii)配列番号27〜33から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−L3(軽鎖CDR3)、(iv)配列番号45〜59から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−H1(重鎖CDR1)、(v)配列番号60〜71から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−H2(重鎖CDR2)および(vi)配列番号72〜81から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−H3(重鎖CDR3)から選択される1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)を含み、抗体またはその結合部分は、ヒトシンデカン−1に特異的に結合する。二重特異性結合物質の抗体部分は、表1から選択される任意の適したCDR−L1、表2から選択される任意の適したCDR−L2、表3から選択される任意の適したCDR−L3、表6から選択される任意の適したCDR−H1、表7から選択される任意の適したCDR−H2および表8から選択される任意の適したCDR−H3を含む場合があり、抗体またはその結合部分は、ヒトシンデカン−1に特異的に結合する。一部の実施形態では、二重特異性結合物質の抗体部分は、配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号73のアミノ酸配列を含むCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ、配列番号2、17、27、47、61および73のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ、配列番号2、16、27、45、60および72のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ、配列番号2、16、27、45、61および72のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ、配列番号2、17、27、47、61および73のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ、配列番号5、21、30、50、64および75のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号4、20、29、50、63および75のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号4、19、29、48、63および74のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。一部の実施形態では、二重特異性結合物質の抗体部分は、ヒト抗体(例えば、IgG)の1つまたは複数の定常領域を含む。一部の実施形態では、二重特異性結合物質の抗体部分は、ヒト化モノクローナル抗体またはそのヒト化抗原結合部分を含み、可変領域配列は、ヒト化されている。
一部の実施形態では、二重特異性結合物質のフィノマーは、(i)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQIL(X)(X)(X)(X)GPYWEARSL(X)TGETG(X)IPSNYVAPVDSIQ(配列番号99)(ここで、アミノ酸(X)、(X)、(X)、(X)、(X)および(X)は、任意のアミノ酸である)、(ii)GVTLFVALYDYEVMSTTALSFHKGEKFQILSQSPHGQYWEARSLTTGETG(X)IPSNYVAPVDSIQ(配列番号113)(ここで、(X)は、任意のアミノ酸である)、(iii)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILNSSEGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ (配列番号101;FF2L4C3)、(iv)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRGGQGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ(配列番号103;FF44L65G12)、(v)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRGGDGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ(配列番号105;FF44L65G7)、(vi)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILKGGSGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ(配列番号107;FF48L66G7;「G7」)、(vii)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRKGKGPYWEARSLATGETGLIPSNYVAPVDSIQ(配列番号109;FF43L65D5)、(viii)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRRGSGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ(配列番号111;FF44L65B7)、および(ix)GVTLFVALYDYEVMSTTALSFHKGEKFQILSQSPHGQYWEARSLTTGETGWIPSNYVAPVDSIQ(配列番号116;FF40L54A5)のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドから選択されるポリペプチドを含む。
一部の実施形態では、二重特異性結合物質のフィノマーは、配列番号107のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むかまたはからなる。一部の実施形態では、二重特異性結合物質のフィノマーは、配列番号107のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、二重特異性薬剤は、ドラスタチン、オーリスタチン、マイタンシン、ツブリシン、カリケアマイシン、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、デュオカルマイシン、ドキソルビシン、シュードモナス外毒素−A(PE38)、イリノテカンおよびそれらの誘導体からなる群から選択される抗悪性腫瘍剤を含む。ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質は、次化学式I:
Figure 2021165268
[式中、
およびZは、両方ともNであり、
およびZは、両方ともCであり、
二重破線
Figure 2021165268
は、単結合または二重結合を表し、
nは、1〜10であり、
およびRの各々は独立に、HまたはC1〜4アルコキシルであり、
およびRの各々は独立に、H、C1〜5アルキル、C3〜6シクロアルキル、C2〜5アルケニルおよびRで適宜置換されたフェニルからなる群から選択され、
は、−NH、−NHRおよび次構造
Figure 2021165268
を有するRで置換されたピペラジニルからなる群から選択され、
(ここで、Rは、連結基を含み、
は、HまたはC1〜5アルキルである)、
は、ヌル、保護基であるかまたは連結基を含み、
は、ヌル、保護基であるかまたは連結基を含み、
、X、RおよびRのうち1つのみが連結基を含み、
およびYの各々は独立に、ヌル、OHまたはSOHのいずれかであり、
ただし、
(i)Xが連結基を含む場合には、
Figure 2021165268
はN−Cであり、
(ii)Xが連結基を含む場合には、
Figure 2021165268
はN−Cであり、
(iii)Xが保護基である場合には、
Figure 2021165268
はN−Cであり、
(iv)Xが保護基である場合には、
Figure 2021165268
はN−Cである]
の構造を含むピロロベンゾジアゼピン毒素を含み、
ヌルは、必要な原子価を完成するための部分がないことまたは1つもしくは複数の水素の存在を意味する。
ある特定の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、式Iのピロロベンゾジアゼピン毒素および連結基を含み、ピロロベンゾジアゼピン毒素は、連結基と結合され、連結基は、本明細書において記載される二重特異性薬剤に結合される。ある特定の実施形態では、連結基は、次化学式(A):
Figure 2021165268
[式中、アスタリスクは、ピロロベンゾジアゼピン毒素との結合点を示し、波線は、結合物質との結合点を示し、
mは、1〜20であり、
qは、1〜10であり、
Eは、接続基である]
および次化学式(B):
Figure 2021165268
[式中、アスタリスクは、ピロロベンゾジアゼピン毒素との結合点を示し、波線は、結合物質との結合点を示し、
Eは、接続基を含み、
vは、0〜10であり、
uは、0または1であり、
uが1である場合には、tは、1〜10である]
の構造から選択される構造を含む。
一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、以下の式II:
Figure 2021165268
[式中、mは8である]、
以下の式III:
Figure 2021165268
[式中、mは、8であり、pは、3であり、Xは、保護基である]、
以下の式V:
Figure 2021165268
[式中、mは、8である]、
以下の式VI:
Figure 2021165268
[式中、tは、8であり、vは、1である]
および以下の式VII:
Figure 2021165268
[式中、波線は、結合物質との結合点を示す]
からなる群から選択される構造を含む。
一部の実施形態では、本明細書において記載される二重特異性結合物質および医薬上許容される賦形剤、希釈剤、添加物または担体を含む医薬組成物が、本明細書において示される。
一部の態様では、新生物を有するか、または有すると疑われる対象を処置する方法であって、対象に、本明細書において記載される二重特異性結合物質または医薬組成物の治療上有効な量を投与することを含む方法が、本明細書において示される。ある特定の実施形態では、新生物は、癌腫、肉腫、神経芽細胞腫、神経膠芽腫、骨髄腫、リンパ腫、黒色腫または固形もしくは軟部組織腫瘍から選択され、新生物は、シンデカン−1および/またはFGFR3を発現する。一部の実施形態では、新生物を有するか、または有すると疑われる対象は、新生細胞の細胞表面でヒトシンデカン−1および/またはヒトFGFR3を発現する新生細胞を有するまたは抱えるヒトである。
技術のある特定の態様は、以下の説明、実施例および特許請求の範囲および図面にさらに記載されている。
図面は、技術の実施形態を例示するが、制限ではない。明確化および例示を容易にするために、図面は、縮尺するように作成されておらず、一部の場合には、種々の態様が、特定の実施形態の理解を促進するように誇張してまたは拡大して示されている場合もある。
図1は、ヒト、カニクイザル(cyno)およびマウスに由来するシンデカン−1タンパク質のアラインメントを示す。免疫処置のために使用されるペプチドは、四角で囲まれた区域に由来していた。
図2は、F12P16F6の蛍光標識細胞分取(FACS)ヒストグラム(図2A)およびH929細胞上のCD138への別の代表的な陽性ハイブリドーマクローンF12P16G3(図2B)結合を示す。
図3は、167nM(L1A1)〜10.4nM(L1A4)での、ヒトCD138への結合についての、代表的ハイブリドーマF12P16F6(「12P16F6」として図では示されている)の動態学的結合分析(すなわち、SPRセンサーグラム)の結果を示す。
図4は、代表的キメラ抗体12P16F6 hIgG1(「chF6」、図4A)および13P30A7 hIgG1(「chP30A7」、図4B)の、ヒトCD138発現細胞(ヒト)およびカニクイザルCD138発現細胞(cyno)への結合を示す。対照抗体(「Sec」、すなわち、セクキヌマブ)は、CD138への特異的結合をわずかしか示さないか、または全く示さなかったY軸は、抗体chF6、13P30A7またはセクキヌマブの濃度を表す。
図5Aは、親マウスF12P16F6(「P16F6 VH」)のものと比較されたヒト化重鎖を示す。名称cdrは、CDRグラフティングアプローチを示し、名称abbは、省略されたCDRのグラフティングアプローチを示し、名称sdrは、SDR移送(SDR−transfer)アプローチを示し、名称fraは、フランケンシュタインアプローチを示し、名称venは、ベニヤリング(Veneering)アプローチを示す。名称repairは、可変領域が第2ラウンドのヒト化に付されたことを示す。 図5Bは、親マウスF12P16F6(「P16F6 VH」)のものと比較されたヒト化軽鎖を示す。
図6は、11種の代表的なヒト化抗体の分子量(キロダルトン、kDa)および純度を例示する、還元条件下でのSDS−PAGEゲル実施の写真を示す。レーン1=12P16F6 hIgG1(chF6)、レーン2=F6 aka−rep、レーン3=F6 aks−rep、レーン4=F6 akf−rep、レーン5=F6 cka−rep、レーン6=F6 ckf−rep(hF6)、レーン7=F6 f2ka−rep、レーン8=F6 f2ks−rep、レーン9=F6 f2kf−rep、レーン10=F6 f1ka−rep、レーン11=F6 f1ks−rep、レーン12=F6 f1kf−repおよびMW=分子量マーカー。分子量マーカーは、ゲルの右側に表示されている。
図7は、11種の代表的なヒト化抗体の、多発性骨髄腫細胞株KMS−11(図7B)および膀胱癌株RT112/84(図7A)の表面上のヒトCD138への細胞表面結合のFACS分析を示す。セクキヌマブを陰性対照として使用した。
図8は、1.95Å分解能で解析された、抗体Fab断片との複合体中のヒトシンデカン−1ペプチドから導かれたX線結晶構造の例示を示す。非対称ユニットあたりシンデカン−1ペプチドおよびFab各々の1つのコピーがある。図8は、シンデカン−1−Fab結合界面を例示する。Fab重鎖は、図の左にリボン側鎖炭素原子の形態で示されている。Fab軽鎖は、図の右にリボン側鎖炭素原子の形態で示されている。シンデカン−1ペプチド炭素原子は、Fab重鎖と軽鎖の間に挟まれて示されている。シンデカン−1ペプチドのある特定のアミノ酸およびFab断片のある特定の側鎖は、その対応する3文字アミノ酸略語および位置で表示されている。
図9は、配列番号101、109、103、105、107および111の抗FGFR3フィノマーのアラインメントを示す。
図10は、FF2L4C3(配列番号101)、FF2L4D4、FF3L6G2、FF5L7D3、FF5L7D4、FF15L31B1およびFynSH3(陰性対照)と名付けられた抗FGFR3フィノマーの内部移行特性を示す。
図11は、FGFR3陽性KMS−11細胞の表面上のFGFR3に特異的に結合するフィノマーポリペプチドのFACS結合プロファイルを示す。図11Aは、FF2L4C3(配列番号101)、FF43L65D5(配列番号109)、FF44L65B7(配列番号111)、FF44L65G7(配列番号105)、FF44L65G12(配列番号103)、FF48L66G7(配列番号107)および抗FGFR3モノクローナル抗体(陽性対照)の、FGFR3陽性KMS−11細胞への特異的結合を示し、一方で、図11Bは、示されたフィノマーの、FGFR3陰性対照細胞株N87への結合がないことを示す。
図12−1は、x軸に示されるような、プレーティングされコーティングされたヒトFGFR3b(huFGFR3b)、ヒトFGFR3c(huFGFR3c)、カニクイザルFGFR3c(cyFGFR3c)、マウスFGFR3c(muFGFR3c)、ヒトFGFR3 D1ドメイン(huFGFR3−D1)、ヒトFGFR3c D2ドメイン(huFGFR3−D2)、ヒトFGFR3 D1およびD2ドメイン(huFGFR3−D1D2)、陰性対照ポリクローナル抗体(IgG)およびコーティングされていないプレート(PBS)と結合するFGFR3−フィノマーFF2L4C3−配列番号101(図12A)およびFF43L65D5−配列番号109(図12B)のELISAを示す。 図12−2は、x軸に示されるような、プレーティングされコーティングされたヒトFGFR3b(huFGFR3b)、ヒトFGFR3c(huFGFR3c)、カニクイザルFGFR3c(cyFGFR3c)、マウスFGFR3c(muFGFR3c)、ヒトFGFR3 D1ドメイン(huFGFR3−D1)、ヒトFGFR3c D2ドメイン(huFGFR3−D2)、ヒトFGFR3D1およびD2ドメイン(huFGFR3−D1D2)、陰性対照ポリクローナル抗体(IgG)およびコーティングされていないプレート(PBS)と結合するFF44L65B7−配列番号111(図12C)およびFF44L65G7−配列番号105(図12D)のELISAを示す。 図12−3は、x軸に示されるような、プレーティングされコーティングされたヒトFGFR3b(huFGFR3b)、ヒトFGFR3c(huFGFR3c)、カニクイザルFGFR3c(cyFGFR3c)、マウスFGFR3c(muFGFR3c)、ヒトFGFR3 D1ドメイン(huFGFR3−D1)、ヒトFGFR3c D2ドメイン(huFGFR3−D2)、ヒトFGFR3 D1およびD2ドメイン(huFGFR3−D1D2)、陰性対照ポリクローナル抗体(IgG)およびコーティングされていないプレート(PBS)と結合するFF44L65G12−配列番号103(図12E)およびFF48L66G7−配列番号107(図12F)のELISAを示す。
図13は、毒素がコンジュゲートしているフィノマーFF2L4C3(図13A、BおよびC)、FF43L65D5(図13B)、FF44L65G7(図13B)、FF44L65G12(図13B)、FF48L66G7(図13B)およびFF44L65B7(図13C)の細胞傷害性効果を実証する内部移行アッセイを示す。細胞質mycタンパク質、FynSH3と結合するマウスモノクローナル抗体9E10および薬剤なし(細胞のみ)を陰性対照として含めた。
図14は、2つのIg重鎖および2つのIg軽鎖ポリペプチドを有する抗体部分ならびにフィノマー部分を各々含む二重特異性結合物質の4つの実施形態の例示を示し、フィノマー(球として表される)は、抗体の異なる部分に結合される。図14Aは、抗体の重鎖のC末端に結合されるフィノマーを示す。図14Bは、抗体の重鎖のN末端に結合されるフィノマーを示す。図14Cは、抗体の軽鎖のC末端に結合されるフィノマーを示す。図14Dは、抗体の軽鎖のN末端に結合されるフィノマーを示す。
図15は、作製され、還元条件下でSDS PAGEに付された4種の代表的な二重特異性結合物質を示す。レーン7には、シンデカン−1に特異的に結合する全長抗CD138モノクローナル抗体P16F6がロードされた。レーン7は、結合されたフィノマーの不在下での重鎖(上側のバンド)および軽鎖(下側のバンド)の分子量の参考を提供する。レーン2〜6は、抗体の重鎖のN末端に結合される(レーン2および6)、抗体の重鎖のC末端に結合される(レーン4)、抗体の軽鎖のN末端に結合される(レーン5)および抗体の軽鎖のC末端に結合される(レーン3)、P16F6抗体およびFGFR3結合フィノマーG7(配列番号107)を含む二重特異性結合物質の実施形態を示す。レーン2、4および6中の重鎖の分子量の増大は、結合しているフィノマーの存在の証拠である(対照レーン7における重鎖と比較して)。レーン3および5中の軽鎖の分子量の増大は、結合しているフィノマーの存在の証拠である(対照レーン7における軽鎖と比較して)。
図16は、代表的な二重特異性結合物質「hF6−HN−G7」およびヒト化モノクローナル抗体「hF6」の、トランスフェクトされたCHO細胞の表面上に発現されたFGFR3c(図16A)およびFGFR3b(図16B)への細胞表面結合を示すFACsヒストグラムを示す。hF6は、配列番号44の軽鎖および配列番号93の重鎖を含む。hF6−HN−G7は、配列番号44の軽鎖および配列番号107(G7)のフィノマーと配列番号93の重鎖を含む融合タンパク質を含み、G7のC末端は、ペプチド結合によって重鎖のN末端に接続されている。
図17は、トランスフェクトされていないCHO細胞(図17A)、FGFR3bを発現するCHO細胞(図17B)およびFGFR3cを発現するCHO細胞(図17C)で実施されたインビトロ(in vitro)細胞傷害性アッセイを示す。細胞生存力が、y軸に示され、結合物質の濃度が、x軸に示されている。試験された薬剤には、式IIのPBD毒素に確率論的にコンジュゲートされたセクキヌマブ(インターロイキン−17Aに特異的に結合するモノクローナル抗体)(セクキヌマブ−II)、重鎖N末端および式IIのPBD毒素に特異的にコンジュゲートされた部位でG7フィノマーとともに発現されるセクキヌマブ融合物(セクキヌマブ−S119C−HN−G7−II)および式IIのPBD毒素に特異的にコンジュゲートされた代表的な二重特異性結合物質hF6−S119C−HN−G7(hF6−S119C−HN−G7−II)が含まれる。二重特異性結合物質hF6−S119C−HN−G7のhF6抗体部分は、配列番号44の軽鎖および配列番号93の重鎖を含む。したがって、hF6−S119C−HN−G7は、配列番号107(G7)のフィノマーおよび配列番号93の重鎖が、融合タンパク質として発現され、G7のC末端がペプチド結合によって重鎖のN末端に接続されているhF6抗体である。S119Cは、PBD毒素(すなわち、抗悪性腫瘍剤)の共有結合のためにhF6の重鎖定常領域の119位のセリンが、システインに突然変異されたことを示す。この実験に使用された代表的なPBD毒素は、式IIの毒素であった。毒素は、マレイミド化学を使用して119位のシステインのスルフヒドリル基に共有結合によって結合された。
図18は、式IIの例示的抗悪性腫瘍剤を示す。
図19は、式IIの抗悪性腫瘍剤に確率論的にコンジュゲートされた全長hF6抗CD138モノクローナル抗体(「hF6−II」)、式IIの抗悪性腫瘍剤に確率論的にコンジュゲートされたhF6−HN−G7(hF6−HN−G7−II)および式IIの抗悪性腫瘍剤に確率論的にコンジュゲートされたhF6−LN−G7(hF6−LN−G7−II)を用いて、細胞株KMS−11(図19A)、OPM−2(図19B)およびARH−77(図19C)で実施されたインビトロ細胞傷害性アッセイを示す。
図20−2は、式IIの抗悪性腫瘍剤に部位特異的にコンジュゲートされたhF6−T289C−HN−G7(hF6−T289C−HN−G7−II)、式IIの抗悪性腫瘍剤に部位特異的にコンジュゲートされたhF6−S119C−HN−G7(hF6−S119C−HN−G7−II)、式IIの抗悪性腫瘍剤に部位特異的にコンジュゲートされたhF6−V282C−HN−G7(hF6−V282C−HN−G7−II、図20Cおよび20Dのみ)、hF6−II(図20Aおよび20Bのみ)ならびに式IIのPBD毒素にコンジュゲートされた対照抗体セクキヌマブ(セクキヌマブ−II)を用いて、細胞株KMS−11(図20A)およびRT−112(図20B)で実施されたインビトロ細胞傷害性アッセイを示す。 図20−2は、式IIの抗悪性腫瘍剤に部位特異的にコンジュゲートされたhF6−T289C−HN−G7(hF6−T289C−HN−G7−II)、式IIの抗悪性腫瘍剤に部位特異的にコンジュゲートされたhF6−S119C−HN−G7(hF6−S119C−HN−G7−II)、式IIの抗悪性腫瘍剤に部位特異的にコンジュゲートされたhF6−V282C−HN−G7(hF6−V282C−HN−G7−II、図20Cおよび20Dのみ)、hF6−II(図20Aおよび20Bのみ)および式IIのPBD毒素にコンジュゲートされた対照抗体セクキヌマブ(セクキヌマブ−II)を用いて、細胞株AN3CA(図20C)およびHCC1806(図20D)で実施されたインビトロ細胞傷害性アッセイを示す。
図21Aは、示された二重特異性結合物質の、マウスに埋め込まれたAN3CA細胞(図21A)を死滅させるか、またはその成長を阻害する能力を試験するインビボ(in vivo)異種移植研究の図的結果を示す。 図21Bは、示された二重特異性結合物質の、マウスに埋め込まれたHCC1807細胞を死滅させるか、またはその成長を阻害する能力を試験するインビボ異種移植研究の図的結果を示す。
多数の新生細胞は、その細胞表面に線維芽細胞増殖因子受容体3(その1つまたは複数のアイソフォームを含むFGFR3)およびシンデカン−1(CD138)を発現する。シンデカン−1およびFGFR3に高親和性で結合する二重特異性結合物質が、本明細書において示される。これらの二重特異性結合物質は、標的受容体の両方を発現する新生細胞に高親和性および高選択性で結合し得ることが決定された。一部の実施形態では、本明細書において記載される二重特異性結合物質は、標的受容体(すなわち、CD138およびFGFR3)の一方または両方に結合すると、結合物質の内部移行を誘導する。さらに、二重特異性結合物質を毒性ペイロードとコンジュゲートすることによって、二重特異性結合物質は、標的受容体の一方または両方を発現する新生細胞を特異的に死滅させることができる。また、毒素が、内部移行および細胞質プロテアーゼによる連結基の切断後でのみ結合物質から放出されるように、毒性ペイロードと二重特異性結合物質の間にプロテアーゼによって切断可能な連結基を組み込むことによって、オフターゲット細胞傷害性を有意に低減することができる。本明細書における二重特異性結合物質は、有害事象を低減しながら新生細胞のより効率的および選択的な死滅を提供する次世代の生物製剤に相当する。
一部の実施形態では、本明細書において示される二重特異性結合物質は、抗体部分(例えば、抗体またはその抗原結合部分)およびフィノマー部分(すなわち、フィノマー)を含み、フィノマーは、抗体部分に結合されている。一部の実施形態では、フィノマーは、共有結合によって抗体部分に結合されている。一部の実施形態では、抗体部分は、シンデカン−1(すなわち、シンデカン−1ポリペプチド、例えば、CD138)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分またはその細胞外部分を含む。ある特定の実施形態では、フィノマー部分は、FGFR3(例えば、FGFR3またはその1つもしくは複数のアイソフォーム)に特異的に結合するフィノマーを含む。一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、細胞傷害性ペイロードを含む。
一部の実施形態では、本明細書において示される二重特異性結合物質は、対象において新生物の処置、予防および/または診断のために使用される。
シンデカン
ヒトシンデカン−1(例えば、配列番号1)は、一般に、N末端からC末端に番号付けられた、アミノ酸1〜22のN末端単一配列、およそアミノ酸23〜254の細胞外ドメイン、およそアミノ酸255〜275の膜貫通ドメインおよびおよそアミノ酸276〜310の細胞質ドメインを含む310個のアミノ酸の免疫ポリペプチド配列を含む。シンデカン−1受容体のリーダー配列、細胞外ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを同定する方法は、公知であり、適した哺乳動物種由来のシンデカン−1ポリペプチド配列内のこのようなドメインまたは領域を同定するために、任意の適した方法が使用され得る。
一部の実施形態では、シンデカン−1は、哺乳動物シンデカン−1である。シンデカン−1は、任意の哺乳動物種に由来し得る。一部の実施形態では、シンデカン−1ポリペプチドは、ヒトシンデカン−1である。ある特定の実施形態では、シンデカン−1の細胞外ドメインは、通常、無傷の哺乳動物細胞の細胞表面に発現されるシンデカン−1ポリペプチドのN末端部分を含む。ある特定の実施形態では、シンデカン−1の細胞外ドメインは、細胞質および/または膜貫通ドメインを欠く、可溶性または非膜結合形態で発現される。ある特定の実施形態では、シンデカン−1および/またはシンデカン−1の細胞外ドメインは、1つまたは複数のアミノ酸付加、欠失または置換を含む。シンデカン−1ポリペプチドは、配列番号1のシンデカン−1ポリペプチドに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または100%同一のアミノ酸配列を含み得る。ある特定の実施形態では、シンデカン−1ポリペプチドは、シンデカン−1タンパク質の(例えば、部分配列の)部分を含む。一部の実施形態では、シンデカン−1の部分は、シンデカン−1の細胞外ドメインまたはその部分を含む。
抗体およびそのAg結合部分
一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、シンデカン−1(CD138)に特異的に結合する抗体またはその部分(例えば、その結合部分またはその抗原結合部分)を含む。シンデカン−1(CD138)に特異的に結合する抗体またはその結合部分は、本明細書において抗CD138抗体と呼ばれることもある。本明細書において記載される二重特異性結合物質において使用するために企図される抗CD138抗体およびその結合部分は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる国際特許出願番号PCT/JP2018/016847に詳述されている。
一部の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体またはその結合部分である。抗体のある特定の限定されない例として、モノクローナル抗体、キメラ抗体、CDRグラフト抗体、ヒト化抗体およびヒト抗体が挙げられる。ヒト抗体は、適した方法によって得ることができる。例えば、ヒト抗体は、完全ヒト抗体を産生するように操作されたトランス染色体動物から得ることができる。ある特定の実施形態では、抗体は、ポリクローナルではない、および/またはポリクローナル抗体ではない。
抗体またはその結合部分は、適した方法によって作製、製造または産生され得る。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、適した種から由来する、産生される、得られる、単離されるおよび/または精製される。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、ウサギ、ヤギ、ウマ、ウシ、ラット、マウス、魚類、鳥類またはラマから由来する、産生される、得られる、単離されるおよび/または精製される。例えば、一部の実施形態では、抗体は、鳥類(例えば、ニワトリまたは鳥卵)から由来する、産生される、得られる、単離されるおよび/または精製される。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、植物から由来する、産生される、得られる、単離されるおよび/または精製される(例えば、遺伝子操作された植物によって産生された組換え抗体またはその結合部分)。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分、適した哺乳動物から由来する、産生される、得られる、単離されるおよび/または精製される。ある特定の実施形態では、適した哺乳動物は、ヒト重鎖および/またはヒト軽鎖またはその部分を含む抗体を産生するように操作された遺伝子変更された哺乳動物(例えば、トランス染色体またはトランスジェニック哺乳動物)である。一部の実施形態では抗体またはその結合部分は、原核細胞または真核細胞から産生される、得られる、単離される、または精製される(例えば、遺伝子操作された細胞によって産生された組換え抗体またはその結合部分)。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、ウイルスから産生される、得られる、単離される、または精製される(例えば、遺伝子操作されたウイルスによって産生された組換え抗体またはその結合部分)。
抗体またはその結合部分または二重特異性薬剤は、適した発現系から発現、単離および/または精製されてもよく、その限定されない例として、適した細菌、ファージ、昆虫、ウイルス、植物または哺乳動物発現系が挙げられる。例えば、抗体をコードする核酸は、抗体を発現し、細胞培養培地中に分泌する適した哺乳動物細胞株中に導入され得る。任意の適した哺乳動物細胞株を使用して、抗体または二重特異性結合物質を作製してもよい。抗体または二重特異性結合物質またはその部分を生成する方法は、(i)適した細胞株中に1つまたは複数の核酸を導入し、核酸が、抗体、二重特異性結合物質またはその部分の発現を指示すること、(ii)適した培養法を使用して細胞株を、抗体または二重特異性結合物質の発現を可能にする期間培養すること、(iii)細胞株を回収すること(例えば、溶解物を作製することによって)または細胞株によって生成されたコンディショニングされた培地を回収すること(例えば、抗体または二重特異性結合物質が培地中に分泌される場合)および(iv)適した方法を使用して抗体または二重特異性結合物質を単離および/または精製することのうち1つまたは複数を含み得る。
修飾語句「モノクローナル」は、特定の方法による抗体またはその結合部分の生成を必要とすると解釈されるべきではない。モノクローナル抗体またはその結合部分は、任意の適した方法によって生成され得る。例えば、ある特定の実施形態では、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法(例えば、Kohler et al., Nature, 256:495 (1975))によって記載されるようなまたはその変法によって作られる。一部の実施形態では、モノクローナル抗体またはその結合部分は、組換えDNA法によって作られる。例えば、モノクローナル抗体またはその結合部分は、適した発現系(例えば、ファージディスプレイ発現系)を使用して組換えライブラリーをスクリーニングすることによって作られ得る。一部の実施形態では、モノクローナル抗体またはその結合部分は、ファージライブラリーから、例えば、Clackson et al., Nature, 352:624-628 (1991)および/またはMarks et al., J.Mol.Biol., 222:581-597 (1991)に記載される技術またはその変法を使用することによって単離される。
ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、哺乳動物抗体の1つまたは複数の構造部分を含む。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、1つまたは複数の定常領域(例えば、抗体、例えば、哺乳動物抗体に由来する定常領域)を含む。抗体またはその結合部分は、抗体またはその1つまたは複数の部分の任意の適した定常領域を含み得る。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、抗体軽鎖の定常領域および/または抗体重鎖の定常領域を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、ラムダ(λ)軽鎖定常領域またはその部分を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、カッパ(κ)軽鎖定常領域またはその部分を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、哺乳動物抗体またはその部分の軽鎖定常領域のポリペプチド配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%同一であるポリペプチドを含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、ヒト抗体の軽鎖定常領域のポリペプチド配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%同一であるポリペプチドを含む。一部の実施形態では、抗体の結合部分は、軽鎖定常領域を含まない。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、軽鎖定常領域の1つまたは複数の部分を含まない。
抗体またはその結合部分は、任意の適した重鎖定常領域またはその部分を含み得る。哺乳動物では、抗体は、別個の重鎖定常領域またはその部分(例えば、CH1、CL、CH2、CH3ドメイン)の存在によって決定されるIgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMと表される少なくとも5つの種類/クラスのIg重鎖を有し得る。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、IgM、IgD、IgAまたはIgEアイソタイプまたはその部分の1つまたは複数の重鎖定常領域を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、IgG、IgG、IgGまたはIgGまたはその1つもしくは複数の部分の重鎖定常領域を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、哺乳動物抗体の重鎖定常領域のポリペプチド配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%同一である、または100%同一であるポリペプチドを含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、ヒト抗体の重鎖定常領域のポリペプチド配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%同一である、または100%同一であるポリペプチドを含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、定常領域への1つもしくは複数の付加、欠失および/または修飾を含む。抗体またはその結合部分は、抗体クラスまたは抗体のアイソタイプを変更するように修飾されることもある。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、抗体またはその結合部分の1つまたは複数の機能を修飾するように、例えば、血清半減期、Fc受容体結合、補体結合(例えば、C1q結合)、グリコシル化、シアリル化、細胞毒性、抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)などを消失させる、増強するまたは減少させるように、1つまたは複数の付加、欠失および/または修飾(1つまたは複数のアミノ酸置換、欠失または付加)を含む。一部の実施形態では、抗体の結合部分は、重鎖定常領域を含まない。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、重鎖定常領域の1つまたは複数の部分を含まない。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、抗体またはその部分の1つまたは複数の可変領域を含むかまたはからなる。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、1つまたは複数の軽鎖可変領域またはその部分を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、1つまたは複数の重鎖可変領域またはその部分を含む。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、少なくとも1つの軽鎖可変領域および少なくとも1つの重鎖可変領域を含む。軽鎖可変領域および重鎖可変領域は、同一ポリペプチド上にある場合も、異なるポリペプチド上にある場合もある。
哺乳動物では、抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域は各々、フレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3およびFR4)によって分離および/または隣接される、一般に、CDR1、CDR2およびCDR3と呼ばれる3つのCDR(相補性決定領域)に寄与する。用語「CDR」とは、本明細書において使用される場合、相補性決定領域として同定されるポリペプチドのアミノ酸配列を指す。ある特定の実施形態では、CDRポリペプチド配列の決定的な描写および抗体またはその結合部分の結合部位を含む残基の同定は、抗体またはその結合部分の構造を解析することおよび/または抗体抗原複合体の構造を解析することなどによって達成される。ある特定の実施形態では、これは、任意の適した方法、例えば、X線結晶学および/またはコンピュータモデリングによって達成される。ある特定の実施形態では、種々の分析方法が使用されて、抗体またはその結合部分の配列を同定するかまたは近似される。例えば、抗体、その結合部分またはその可変領域のポリペプチド配列中のアミノ酸配列および/またはCDRの位置は、適した方法を使用して同定され、その限定されない例として、KabatまたはEUシステム(例えば、Kabat, E. A., et al., 1991、Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, NIH Publication No. 91-3242ならびにJohnson, G. and Wu, T. T. 2000, Nucleic Acids Researchを参照されたい)および/またはChothia番号付けスキーム(例えば、Chothia & Lesk, (1987) J.Mol.Biol., 196:901-917、Chothia et al., Nature, (1989) 342:878-883およびAl-Lazikani et al., (1997) JMB 273,927-948)が挙げられる。一部の実施形態では、抗体のアミノ配列および/またはCDRの位置は、AbM法および/または接触法を使用して同定される。「AbM」定義は、抗体構造をモデル化するOxford Molecular Groupによって製造されたコンピュータプログラムの統合スイートを使用する(例えば、Martin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. (USA), 86:9268-9272 (1989); "AbM(Trademark), A Computer Program for Modeling Variable Regions of Antibodies," Oxford, UK; Oxford Molecular, Ltd.を参照されたい)。AbM定義は、知識データベースとアブイニシオ(ab initio)法の組合せ、例えば、Samudrala et al., "Ab Initio Protein Structure Prediction Using a Combined Hierarchical Approach," in PROTEINS, Structure, Function and Genetics Suppl., 3:194-198 (1999)によって記載されたものを使用して一次配列から抗体の三次構造をモデル化する。ある特定の実施形態では、接触定義は、利用可能な複合体結晶構造の分析に基づく(例えば、MacCallum et al., J.Mol.Biol、5:732-45 (1996)を参照されたい)。
一部の実施形態では、抗体は、少なくとも6つ別個のCDR(例えば、3つの別個の重鎖CDRおよび3つの別個の軽鎖CDR)を含む。ある特定の実施形態では、抗体の結合部分は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つまたは少なくとも6つの別個のCDRを含む。一部の実施形態では、抗体の結合部分は、3〜6つの別個のCDRを含む。
ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、軽鎖可変領域の1つ、2つまたは3つのCDRを含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分の軽鎖可変領域は、1つまたは複数のCDR(例えば、1つ、2つ、3つまたはそれより多いCDR)を含む。抗体の軽鎖可変領域中のCDRに相当するアミノ酸配列は、CDR−L1(軽鎖CDR1)、CDR−L2(軽鎖CDR2)およびCDR−L3(軽鎖CDR3)と呼ばれ、軽鎖可変領域のアミノ末端(N末端)からカルボキシ末端の方向に連続して番号がつけられている(すなわち、L1、L2およびL3)。例えば、抗体またはその結合部分の軽鎖可変領域に相当するポリペプチドでは、CDR−L1は、存在する場合には、最もN末端の軽鎖CDRであり、CDR−L3は、存在する場合には、最もC末端の軽鎖CDRであり、CDR−L2は、存在する場合には、抗体の軽鎖可変領域または結合部分の(i)CDR−L1とCDR−L3の間に、(ii)CDR−L3のN末端側に、または(iii)CDR−L1のC末端側に位置する。用語「CDR−L1」、「CDR−L2」および「CDR−L3」とは、幾分かは、抗体の相補性決定領域(例えば、軽鎖可変領域のCDR)として同定される、または本明細書において開示されるポリペプチドのアミノ酸配列を指す。CDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3のアミノ酸配列の限定されない例は、それぞれ表1〜3に提供される。抗体の軽鎖可変領域または抗原結合部分は、本明細書において開示されるCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3の任意の組合せを含む場合があり、抗体の結合部分は、シンデカン−1またはその部分への特異的結合を保持する。ある特定の実施形態では、抗体の軽鎖可変領域または抗原結合部分は、表3から選択されるCDR−L3に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む単一軽鎖CDRを含む。ある特定の実施形態では、抗体の軽鎖可変領域または抗原結合部分は、表3から選択されるCDR−L3および/または別の適したCDR−L2および/またはCDR−L1ポリペプチド配列に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含み、抗体またはその結合部分は、シンデカン−1またはその部分への特異的結合を保持する。ある特定の実施形態では、抗体の軽鎖可変領域または抗原結合部分の軽鎖CDRは、CDR−L3およびCDR−L2からなり、CDR−L3は、表3から選択されるCDR−L3に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含み、CDR−L2は、表2から選択されるCDR−L2に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、抗体の軽鎖可変領域または抗原結合部分は、表3から選択されるCDR−L3に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列および表2から選択されるCDR−L2に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列および任意の他の適したCDR−L1ポリペプチド配列を含み、抗体またはその結合部分は、シンデカン−1またはその部分への特異的結合を保持する。ある特定の実施形態では、抗体の軽鎖可変領域または抗原結合部分は、表3から選択されるCDR−L3に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列、表2から選択されるCDR−L2に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列および表1のCDR−L1に対して少なくとも70%同一の選択されたアミノ酸配列からなる3つの軽鎖CDRを含む。ある特定の実施形態では、抗体の軽鎖可変領域または抗原結合部分は、表3から選択されるCDR−L3に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列、表2から選択されるCDR−L2に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列および表1から選択されるCDR−L1に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含み、抗体またはその結合部分は、シンデカン−1またはその部分への特異的結合を保持する。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、表1、2または3において列挙されるCDR配列のうちいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%同一である1つまたは複数の軽鎖CDRを含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、表1に示される配列のうちいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%同一であるCDR−L1を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、表1に示される配列のうちいずれか1つのCDR−L1を含む。
Figure 2021165268
一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表2に示される配列のうちいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%同一であるCDR−L2を含む。一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表2に示される配列のうちいずれか1つのCDR−L2を含む。
Figure 2021165268
一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表3に示される配列のうちいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%同一であるCDR−L3を含む。一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表3に示される配列のうちいずれか1つのCDR−L3を含む。
Figure 2021165268
一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表4のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、75%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%の同一性を有する軽鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表4の軽鎖可変領域配列を含む。
Figure 2021165268
一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表5の配列に対して少なくとも70%、75%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%の同一性を有するヒト化軽鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表5のヒト化軽鎖可変領域配列を含む。
Figure 2021165268
ある特定の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、重鎖可変領域の1つ、2つまたは3つのCDRを含む。一部の実施形態では、重鎖可変領域は、1以上の別個のCDR(例えば、1つ、2つ、3つまたはそれより多い別個のCDR)を含む。抗体の重鎖可変領域中のCDRに相当するアミノ酸配列は、CDR−H1(重鎖CDR1)、CDR−H2(重鎖CDR2)およびCDR−H3(重鎖CDR3)と呼ばれ、重鎖可変領域のアミノ末端(N末端)からカルボキシ末端の方向に連続して番号がつけられている(すなわち、H1、H2およびH3)。例えば、シンデカン−1抗体またはその結合部分の重鎖可変領域に相当するポリペプチドでは、CDR−H1は、存在する場合には、最もN末端のCDRであり、CDR−H3は、存在する場合には、最もC末端のCDRであり、CDR−H2は、存在する場合には、重鎖可変領域の(i)CDR−H1とCDR−H3の間に、(ii)CDR−H3のN末端側に、または(iii)CDR−HのC末端側に位置する。用語「CDR−H1」、「CDR−H2」および「CDR−H3」とは、幾分かは、シンデカン−1抗体またはその結合部分の相補性決定領域(例えば、シンデカン−1抗体重鎖可変領域のCDR)として同定される、または本明細書において開示されるポリペプチドのアミノ酸配列を指す。CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3のアミノ酸配列の限定されない例は、それぞれ表6〜8に提供される。シンデカン−1抗体の重鎖可変領域または抗原結合部分は、CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3の任意の組合せを含む場合があり、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、シンデカン−1またはその部分への特異的結合を保持する。ある特定の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分の重鎖可変領域または抗原結合部分は、表8から選択されるCDR−H3に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列からなる単一重鎖CDRを含む。ある特定の実施形態では、シンデカン−1抗体の重鎖可変領域または抗原結合部分は、表8から選択されるCDR−H3および任意の他の適したCDR−H2および/またはCDR−H1ポリペプチド配列に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含み、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、シンデカン−1またはその部分への特異的結合を保持する。ある特定の実施形態では、シンデカン−1抗体の重鎖可変領域または抗原結合部分の重鎖CDRは、CDR−H3およびCDR−H2からなり、CDR−H3は、表8から選択されるCDR−H3に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含み、CDR−H2は、表7から選択されるCDR−H2に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、シンデカン−1抗体の重鎖可変領域または抗原結合部分は、表8から選択されるCDR−H3に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列、表7から選択されるCDR−H2に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列および任意の他の適したCDR−H1ポリペプチド配列を含み、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、シンデカン−1またはその部分への特異的結合を保持する。ある特定の実施形態では、シンデカン−1抗体の重鎖可変領域または抗原結合部分は、表8から選択されるCDR−H3に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列、表7から選択されるCDR−H2に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列および表6のCDR−H1に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列からなる重鎖CDRを含む。ある特定の実施形態では、シンデカン−1抗体の重鎖可変領域または抗原結合部分は、表8から選択されるCDR−H3に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列、表7から選択されるCDR−H2に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列および表6から選択されるCDR−H1に対して少なくとも70%同一のアミノ酸配列を含み、シンデカン−1抗体は、シンデカン−1またはその部分への特異的結合を保持する。
一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表6、7または8のCDRのいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%の同一性を有する1つまたは複数の重鎖CDRを含む。一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表6に示される配列のうちいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%同一であるCDR−H1を含む。一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表6に示される配列のうちいずれか1つのCDR−H1を含む。
Figure 2021165268
一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表7に示される配列のうちいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%同一であるCDR−H2を含む。一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表7に示される配列のうちいずれか1つのCDR−H2を含む。
Figure 2021165268
一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表8に示される配列のうちいずれか1つに対して少なくとも70%、75%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%同一であるCDR−H3を含む。一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表8に示される配列のうちいずれか1つのCDR−H3を含む。
Figure 2021165268
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、表1のアミノ酸配列のうちいずれか1つに対して少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、表2のアミノ酸配列のうちいずれか1つに対して少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、表3のアミノ酸配列のうちいずれか1つに対して少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、表6のアミノ酸配列のうちいずれか1つに対して少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、表7のアミノ酸配列のうちいずれか1つに対して少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および表8のアミノ酸配列のうちいずれか1つに対して少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号2または3のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号16、17または18のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号27または28のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号45、46または47のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号60または61のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号72または73のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号47のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号60のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号73のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号17のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号47のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号73のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号16のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号45のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号60のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号72のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号2、16および27のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびにそれぞれ配列番号45、60および72のアミノ酸配列を含むCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号2、16および27のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびにそれぞれ配列番号46、61および72のアミノ酸配列を含むCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号2、16および27のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびにそれぞれ配列番号45、61および72のアミノ酸配列を含むCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号4または5のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号19、20または21のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号29または30のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号48、49または50のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号62、63または64のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号74または75のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号21のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号30のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号62または64のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号75のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号29のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号63のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号75のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号4、19および29のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびにそれぞれ配列番号48、63および75のアミノ酸配列を含むCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号4、19および29のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびにそれぞれ配列番号49、63および75のアミノ酸配列を含むCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号4、19および29のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびにそれぞれ配列番号49、63および74のアミノ酸配列を含むCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号4、19および29のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびにそれぞれ配列番号48、63および74のアミノ酸配列を含むCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号6または7のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号22のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号29または30のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号50または51のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号62、63または64のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号76のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号22のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号30のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号63のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号76のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号6のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号22のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号29のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号63のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号76のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号6、22および29のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびにそれぞれ配列番号51、63および76のアミノ酸配列を含むCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号8または9のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号31のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号52または53のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号65または66のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号77のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号9のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号31のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号66のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号77のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号31のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号65のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号77のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号8、23および31のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびにそれぞれ配列番号52、65および77のアミノ酸配列を含むCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号10または11のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号29または30のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号50または54のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号62、64または67のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号78または79のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号11のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号30のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号62または64のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号79のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号29のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号67のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号79のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号10、24および29のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびにそれぞれ配列番号54、67および78のアミノ酸配列を含むCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号12または13のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号25のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号55または56のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号68または69のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号80のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号13のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号25のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号69のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号80のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号12のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号25のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号68のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号80のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号12、25および32のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびにそれぞれ配列番号55、68および80のアミノ酸配列を含むCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号14または15のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号26のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号33のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号57、58または59のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号70または71のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号81のアミノ酸配列に対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号15のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号26のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号33のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号59のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号70のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号81のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含むかまたはからなる。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号15、26、33、57、70および81のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含むかまたはからなる。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号14のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L1、配列番号26のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L2、配列番号33のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−L3、配列番号59のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H1、配列番号71のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H2および配列番号81のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも90%または100%同一であるアミノ酸配列を含むCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号14、26および33のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびにそれぞれ配列番号58、71および81のアミノ酸配列を含むCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、それぞれ配列番号14、26および33のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびにそれぞれ配列番号57、71および81のアミノ酸配列を含むCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。
一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表9の配列に対して少なくとも70%、75%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%の同一性を有する重鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表9の重鎖可変領域配列を含む。
Figure 2021165268
一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表10の配列に対して少なくとも70%、75%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または少なくとも99%の同一性を有するヒト化重鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、シンデカン−1抗体またはその結合部分は、表10のヒト化重鎖可変領域配列を含む。
Figure 2021165268
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号82〜92のアミノ酸配列のうちいずれか1つに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および/または配列番号34〜43のアミノ酸配列のうちいずれか1つに対して少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含むかまたはからなる。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号89〜92のアミノ酸配列のうちいずれか1つに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号41〜43のアミノ酸配列のうちいずれか1つに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%もしくは100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、配列番号90のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号41のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、表4および5の軽鎖可変領域から選択される1つまたは複数のCDRを含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、表9および10の重鎖可変領域から選択される1つまたは複数のCDRを含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、表4および5の軽鎖可変領域から選択される1つまたは複数のCDRならびに表9および10の重鎖可変領域から選択される1つまたは複数のCDRを含む。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、表4および5の軽鎖可変領域のうちいずれか1つから各々選択されるCDR−L1、CDR−L2およびCDR−L3ならびに表9および10の重鎖可変領域のうちいずれか1つから各々選択されるCDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。CDR(例えば、CDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3)のアミノ酸配列は、本明細書において記載されるか、または当業者に公知の任意の適した方法によって、本明細書において開示される重鎖または軽鎖可変領域内で同定され得る。
一部の実施形態では、抗体は、配列番号93のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または100%同一のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、表1〜10から選択される1つまたは複数の適した配列を含み、選択されたポリペプチド配列は、0〜5、1〜5、0〜10、1〜10、0〜15または1〜12のアミノ酸修飾、付加、欠失および/または置換を含む。一部の実施形態では、アミノ酸置換は、あるアミノ酸が、同様の構造の、または同様の生化学的特徴を有する別のアミノ酸と置き換えられる保存的置換である。保存的置換の限定されない例として、親水性アミノ酸を別の親水性アミノ酸で置換すること、疎水性アミノ酸を別の疎水性アミノ酸で置換すること、酸性アミノ酸を別の酸性アミノ酸で置換すること、塩基性アミノ酸を別の塩基性アミノ酸で置換すること、および中性電荷を有するアミノ酸を別の中性電荷を有するアミノ酸で置換することが挙げられる。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、1つまたは複数のアミノ酸類似体、非天然アミノ酸またはアミノ酸誘導体を含む。
ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分、1つまたは複数のフレームワーク領域(FR)を含む。フレームワーク領域は、抗体の重鎖もしくは軽鎖可変領域またはその結合部分のCDRの間に位置する、および/またはCDR配列に隣接することが多い。哺乳動物では、重鎖可変領域は、4つのフレームワーク領域を含むことが多く、軽鎖可変領域は、4つのフレームワーク領域を含むことが多い。抗体中の、抗体の可変領域またはその結合部分中の1つまたは複数のフレームワーク領域を同定するために、任意の適した方法が使用され得る。抗体またはその結合部分は、以下に論じられるように未修飾である、または修飾されている(例えば、最適化されている)、合成または天然に存在するフレームワーク領域を含み得る。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、キメラ、グラフト化および/またはヒト化されている。キメラ、グラフト化および/またはヒト化抗体は、シンデカン−1またはその部分に対する結合特異性を維持しながら、修飾または置換された定常領域および/またはフレームワーク領域を含むことが多い。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、ヒト抗体に由来する定常領域、フレームワーク領域またはその部分を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、完全合成部分、天然抗体分子中には見出されない、1つまたは複数のアミノ酸またはアミノ酸の配列を含む。
天然に存在するフレームワーク領域またはその部分は、任意の適した種から得てもよい。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分の軽鎖および重鎖可変領域の相補性決定領域(CDR)が、同一または別の種から得たフレームワーク領域中にグラフトされる。例えば、抗体またはその結合部分の1つまたは複数のフレームワーク領域は、げっ歯類種(例えば、マウスまたはラット)または霊長類種(例えば、ヒト)に由来し得る。
ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分の軽鎖および/または重鎖可変領域のCDRは、コンセンサスヒトフレームワーク領域にグラフトされる。コンセンサスヒトフレームワーク領域を作出するために、ある特定の実施形態では、いくつかのヒト重鎖または軽鎖アミノ酸配列から得たフレームワーク領域がアラインされて、コンセンサス配列が同定される。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分の重鎖または軽鎖フレームワーク領域が、異なる重鎖または軽鎖可変領域から得た1つまたは複数のフレームワーク領域またはその部分と置き換えられる。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、1つまたは複数のヒトフレームワーク領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のヒトフレームワーク領域を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、1つまたは複数のマウスフレームワーク領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のマウスフレームワーク領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、1つまたは複数のヒトフレームワーク領域および1つまたは複数のマウスフレームワーク領域を含む。
例えば、フレームワーク領域またはその部分を修飾、置換または欠失することによって、キメラ、ヒト化および/または最適化された抗体またはその結合部分を作製する方法は、公知である。CDRグラフティングの限定されない例は、例えば、米国特許第6,180,370号、同6,054,297号、同5,693,762号、同5,859,205号、同5,693,761号、同5,565,332号、同5,585,089号および同5,530、101号に、およびJones et al., Nature, 321 :522-525 (1986)、Verhoeyen et al., Science, 239:1534-1536 (1988)およびWinter, FEBS Letts., 430:92-94 (1998)に記載されている。キメラ、グラフト化および/またはヒト化抗体を作製する追加の限定されない例として、米国特許第5,530,101号、同5,707,622号、同5,994,524号、同6,245,894号、Queen et al., (1988) PNAS 86:10029-10033、Riechmann et al., Nature (1988) 332:323-327、Antibody Engineering: Methods and Protocols, Vol. 248 of Methods in molecular biology, edited by Benny K. C. Lo, Springer Science & Business Media, (2004)およびAntibody Engineering, Vol. 1, Roland E. Kontermann, Stefan Duebel, Edition 2, Publisher Springer Science & Business Media, (2010)が挙げられる。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、1つまたは複数のフレームワーク領域またはその部分(例えば、1個または複数のアミノ酸)を、ヒト抗体から得た1つまたは複数のフレームワーク領域またはその部分と交換することによってヒト化される(例えば、"Humanization of Antibodies" by Eduardo A. Padlan Publ. Landes BioScience 2002を参照されたい)。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、ドナー抗体の結合特異性を維持しながら、ドナー抗体(例えば、マウスモノクローナル抗体)からアクセプター抗体(例えば、ヒト抗体)に1つまたは複数のCDR(例えば、1、2、3、4、5または6つすべてのCDR)を移すことによって、ヒト化されるか、またはグラフト化される。ある特定の実施形態では、キメラ、グラフト化またはヒト化抗体を作製するプロセスは、抗体の定常領域またはフレームワーク領域またはその結合部分において1つまたは複数のアミノ酸置換、付加または欠失を行うことを含む。ある特定の実施形態では、ヒト化抗体またはその結合部分を生成するために、「再形状化(reshaping)」、「超キメラ化(hyperchimerization)」または「ベニヤリング/リサーフェイシング(resurfacing)」などの技術が使用される。(例えば、Vaswami et al., Annals of Allergy, Asthma, & Immunol. 81 :105 (1998)、Roguska et al., Prot. Engin., 9:895-904 (1996)および米国特許第6,072,035号を参照されたい)。一部の態様では、抗体またはその結合部分は、免疫原性を低減するように、上記で論じられた方法によって、または別の適した方法によって修飾される(例えば、Gilliland et al., J. Immunol、62(6):3663-71 (1999)を参照されたい)。
ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分のアミノ酸配列は、標的(例えば、シンデカン−1)に対する結合親和性、種交差反応性、溶解度および/または機能(例えば、アゴニスト活性またはその欠如)を最適化するように修飾される。一部の実施形態では、本明細書において開示されるCDRの特定の組合せは、シンデカン−1への結合について、および/または抗体またはその結合部分の機能もしくは特徴を最適化するように最適化される。例えば、本明細書において開示される特性決定された軽鎖可変領域(例えば、配列番号34〜43のうちいずれか1つの軽鎖可変領域)は、適した発現系を使用して、特性決定された重鎖可変領域(例えば、表6または7から選択される重鎖可変領域)のCDR−H1およびCDR−H2を含む重鎖可変領域のライブラリーと同時発現されてもよく、これでは、CDR−H3は、例えば、表8の1つまたは複数のCDR−H3領域を含み得るCDR−H3配列のライブラリーと置き換えられる。得られた軽鎖/重鎖抗体は、シンデカン−1への結合について、および/または特定の機能についてスクリーニングされ得る。適した方法によって、最適化された抗体を同定することができ、CDR−H3のアミノ酸配列は同定することができる。抗体またはその結合部分に、改善された結合特異性、結合親和性および/または機能を提供する、CDRの特定の組合せまたは特定の最適化されたCDR配列(例えば、アミノ酸置換、付加または欠失を含むCDR配列)を含む抗体またはその結合部分を同定するために、上記のスクリーニング法が使用され得る。抗体またはその結合部分をスクリーニングし、最適化するこのような方法は公知である(例えば、Portolano et al., (1993) Journal of Immunology 150:880-887およびClarkson et al., (1991) Nature 352:624-628を参照されたい)。このような参考文献は、相補性可変領域のライブラリーをスクリーニングすることにより既知軽鎖可変鎖、既知重鎖可変鎖またはその部分(例えば、そのCDR)を使用することによって、特定の抗原に結合する抗体を生成する方法を教示する。
ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、抗体またはその結合部分の親和性および/または機能を最適化するためにグリコシル化部位を排除または付加するように修飾される(例えば、Co et al., Mol. Immunol、30:1361-1367 (1993)を参照されたい)。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分中のグリコシル化部位の数および/または種類が、修飾されるかまたは変更される。N結合型グリコシル化部位は、配列Asn−X−SerまたはAsn−X−Thrによって特性決定されることが多く、Xと名付けられたアミノ酸残基は、プロリンを除く任意のアミノ酸残基である。この配列を作出するためのアミノ酸残基の置換は、N結合型炭水化物鎖の付加のための有望な新規部位を提供する。あるいは、この配列を排除する置換は、既存のN結合型炭水化物鎖を除去する。また、ある特定の実施形態では、1つまたは複数のN結合型グリコシル化部位(通常、天然に存在するもの)が排除され、1つまたは複数の新規N結合型部位が作出されるN結合型炭水化物鎖の再配列も提供される。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、未修飾抗体またはその結合部分と比較して、1個もしくは複数のシステイン残基を欠失することまたは1個もしくは複数のシステイン残基を別のアミノ酸(例えば、セリン)と置換することによって修飾される。ある特定の実施形態では、システイン変異体は、発現、分泌および/または溶解度を最適化するために有用である。
ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、抗体またはその結合部分のタンパク質分解に対する感受性を低減するように、抗体またはその結合部分の酸化に対する感受性を低減するように、血清半減期を増大するように、および/または抗体またはその結合部分の他の物理化学的、薬物動態的もしくは機能的特性を付与もしくは修飾するように設計もしくは意図された、ある特定のアミノ酸付加、置換または欠失を含むように修飾される。
本明細書において記載される二重特異性結合物質の抗体部分は、CD138に特異的に結合する抗体の抗原結合部分(例えば、結合部分)を含み得る。抗体の結合部分とは、抗体の抗原結合部分を指す。ある特定の実施形態では、抗体の結合部分は、少なくとも、抗原(例えば、シンデカン−1またはその部分)に特異的に結合するのに十分である抗体の最小部分を含む。ある特定の実施形態では、抗体の結合部分は、CD138への特異的結合を指示するのに必要であり、十分である抗体の1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)を含む。ある特定の実施形態では、抗体の結合部分は、抗体の重鎖および軽鎖可変領域を含む。ある特定の実施形態では、抗体の結合部分は、単一ポリペプチドを含むかまたはからなる(例えば、一本鎖抗体)。一本鎖抗体は、抗体の重鎖および/または軽鎖に由来する1つまたは複数のCDRを含み得る。一部の実施形態では、抗体の結合部分は、2つのポリペプチド(例えば、重鎖可変領域および軽鎖可変領域)を含むかまたはからなる。一部の実施形態では、抗体の結合部分は、1つまたは複数の構造部分(例えば、足場、構造ポリペプチド、定常領域および/またはフレームワーク領域)を含む。一部の実施形態では、抗体または抗体の結合部分は、担体または基質(例えば、ポリマー、非有機材料、シリコン、ビーズ、粒子など)に結合されている。
二重特異性結合物質は、抗体の1つの結合部分を含む場合も、抗体の複数の結合部分を含む場合もある。二重特異性結合物質が、抗体の複数の結合部分を含む場合には、各結合部分は、同一抗原(例えば、シンデカン−1またはその部分)に特異的に結合する。一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、抗体の1、2、3、4、5、6、7、8、9または10またはそれより多い結合部分を含む。
抗体の結合部分の限定されない例として、一本鎖抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、一本鎖Fv(scFv)、scFv−Fc、(scFv)2−Fc、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、VL(軽鎖可変鎖)、VH(重鎖可変鎖)、ダイアボディー(Dab)、トリアボディー(三価)、テトラボディー(四価)、ミニボディー((scFV−CH3)2)、IgGdeltaCH2、ナノボディー、scFv−Ig、SVD−Igなどおよびそれらの組合せが挙げられる。
二重特異性結合物質、抗体またはその結合部分の1つまたは複数のポリペプチドをコードする核酸またはその部分は、当業者に公知の方法によって、適したクローニング手順を使用して組換え発現のためにクローニング、サブクローニング、再編成または修飾され、その後、適した発現系を使用して発現され得る(例えば、Maniatis et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, 1982、Antibody Engineering: Methods and Protocols, Vol. 248 of Methods in molecular biology, edited by Benny K. C. Lo, Springer Science & Business Media, 2004、Antibody Engineering, Vol. 1, Roland E. Kontermann, Stefan Duebel, Edition 2, Publisher Springer Science & Business Media, 2010、Antibody Phage Display: Methods and Protocols, Biomed Protocols, Vol. 178 of Methods in molecular biology, Editors Philippa M. O'Brien, Robert Aitken, Springer Science & Business Media, 2004を参照されたい)。
一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、哺乳動物シンデカン−1またはその部分に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、10−5以下、10−6以下、10−7以下、10−8以下、50nM以下、10nM以下または1nM以下の結合親和性(KD)で哺乳動物シンデカン−1またはその部分に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、約10−5〜10−15M、10−6〜10−15M、10−7〜10−15M、10−9〜10−15M、10−9〜10−14M、10−9〜10−13Mまたは10−9〜約10−12Mの結合親和性(KD)で哺乳動物シンデカン−1またはその部分に特異的に結合する。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、哺乳動物シンデカン−1またはその部分の細胞外ドメインまたは細胞外領域に特異的に結合する。ある特定の態様では、抗体またはその結合部分は、天然に見られない変更されていない(遺伝子修飾されていない)哺乳動物の細胞によって産生された野生型シンデカン−1に特異的に結合する。ある特定の態様では、抗体またはその結合部分は、天然に存在するシンデカン−1変異体に特異的に結合する。ある特定の態様では、抗体またはその結合部分は、1つまたは複数のアミノ酸置換、付加または欠失を含むシンデカン−1に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコまたはげっ歯類(例えば、マウスまたはラット)の細胞の表面で産生および/または発現されたシンデカン−1に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部は、1つもしくは複数のシンデカン−1ポリペプチドまたは配列番号1および126〜130のうちいずれか1つのアミノ酸配列を含むその部分(例えば、細胞外メイン)に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、1つもしくは複数のシンデカン−1ポリペプチドまたは配列番号1および126〜130のうちいずれか1つのアミノ酸配列を有するその部分に、50nM以下、10nM以下または1nM以下の結合親和性(KD)で特異的に結合する。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、ヒトシンデカン−1に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、ヒトシンデカン−1の細胞外ドメインに特異的に結合する。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、ヒトシンデカン−1および/またはその細胞外ドメインに特異的に結合する。
ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、AGEGPKEGEAVVLP(配列番号94)またはGPKEGEAVVLP(配列番号95)のアミノ酸配列を含むかまたはからなるポリペプチド配列に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、AGEGPKEGEAVVLP(配列番号94)またはGPKEGEAVVLP(配列番号95)のアミノ酸配列を含むかまたはからなるポリペプチド配列に、10−5以下、10−6以下、10−7以下、10−8以下、50nM以下、10nM以下または1nM以下の結合親和性(KD)で特異的に結合する。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、GXKEXEAXVLP(配列番号96)(式中、X、XおよびXは、任意のアミノ酸から選択される)のアミノ酸配列を含むかまたはからなるポリペプチド配列に特異的に結合する。一部の実施形態では、Xは、プロリン、アラニン、システイン、グリシン、セリン、トレオニンおよびバリンから選択され、および/またはXは、プロリン、アラニン、システイン、グリシン、セリン、トレオニンおよびバリンから選択され、および/またはXは、プロリン、アラニン、システイン、グリシン、セリン、トレオニン、バリン、メチオニン、ロイシン、イソロイシンおよびフェニルアラニンから選択される。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、GXKEXEAXVLP(配列番号96)のアミノ酸配列を含むかまたはからなるポリペプチド配列に、50nM以下、10nM以下または1nM以下の結合親和性(KD)で特異的に結合し、Xは、プロリン、アラニン、システイン、グリシン、セリン、トレオニンおよびバリンから選択され、Xは、ロリン、アラニン、システイン、グリシン、セリン、トレオニンおよびバリンから選択され、Xは、プロリン、アラニン、システイン、グリシン、セリン、トレオニン、バリン、メチオニン、ロイシン、イソロイシンおよびフェニルアラニンから選択される。ある特定の実施形態では、Xは、プロリンであり、Xは、アラニン、グリシンまたはセリンから選択され、Xは、アラニン、グリシンおよびバリンから選択される。
FGFR
異常に活性化されたFGFRは、いくつかのヒト悪性腫瘍に関与しており、FGFR3の過剰発現は、いくつかの動物モデルにおいて発癌性形質転換を誘導するのに十分である。FGFRを標的とする抗体および抗体薬物コンジュゲート(ADC)を作製するいくつかの試みがなされてきた。しかし、これらの抗体は、FGFRの1つのアイソフォームのみを認識し、種々のFGFRアイソフォームの間で結合親和性において有意差を示すことが多い。
FGFR3の1つまたは複数のスプライス形態と高親和性および特異性で結合するフィノマーを含む二重特異性結合物質が、本明細書において示される。一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、結合の際に標的細胞中に内部移行されることが可能である。
フィノマー
一部の実施形態では、フィノマーは、ヒト癌原遺伝子チロシンタンパク質キナーゼFynのSH3ドメインに由来する非免疫グロブリン足場を含む小さい抗原結合ポリペプチド(例えば、5〜10kDa、一部の実施形態では、約7kDa)である(p59−FYN、Slk、Syn、MGC45350、遺伝子ID2534)。したがって、ある特定の実施形態では、フィノマーは、組換え技術を使用して核酸配列から発現され得る、または化学的に合成され得る(例えば、適した固相化学を使用することによって)N末端(N末端アミノ酸)およびC末端(C末端アミノ酸)を含む一本鎖ポリペプチドである。Fyn SH3由来フィノマーは、当技術分野で公知であり、例えば、Grabulovski et al. (2007) JBC, 282, p. 3196-3204、WO2008/022759、Bertschinger et al. (2007) Protein Eng. Des. Sel. 20(2):57-68およびGebauer and Skerra (2009) Curr. Opinion in Chemical Biology 13:245-255に記載されている。フィノマーは、50〜80個のアミノ酸長のポリペプチドを含み得る。一部の実施形態では、フィノマーは、50〜70または60〜70個のアミノ酸長のポリペプチドを含む。一部の実施形態では、フィノマーは、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69または70個のアミノ酸長のポリペプチドを含む。フィノマーは、しばしば、2つの可変ループ(RTループおよびsrcループ)のランダム突然変異によって、選択した抗原標的に高親和性および特異性で結合するように操作され得るが、一方で、フィノマーの周囲の配列は、フィノマー配列間で実質的に保存されている構造足場を提供する。これら2つの可変ループのアミノ酸配列および時には、可変ループに直接隣接するアミノ酸は、選択された抗原標的に対するフィノマーの特異性および結合親和性に実質的に寄与すると考えられる。可変ループの外側のフィノマー配列は、主に構造足場を提供するが、足場領域内のある特定のアミノ酸は、構造または結合特異性の実施素敵な喪失を伴わずに置換され得ると理解される。
本明細書において示されるフィノマーのアミノ酸配列は、FGFR3または1つもしくは複数の特定のアイソフォームまたはその変異体に特異的に結合する。一部の実施形態では、本明細書において記載されるフィノマーは、FGFR3または1つもしくは複数の特定のアイソフォームまたはその変異体に特異的に結合する。一部の実施形態では、本明細書において記載されるフィノマーは、線維芽細胞増殖因子受容体3、アイソフォーム3b(FGFR3b)に特異的に結合する。一部の実施形態では、本明細書において記載されるフィノマーは、線維芽細胞増殖因子受容体3、アイソフォーム3c(FGFR3c)に特異的に結合する。一部の実施形態では、本明細書において記載されるフィノマーは、FGFR3bおよびFGFR3cの両方に特異的に結合する。一部の実施形態では、FGFR3は、哺乳動物FGFR3である。一部の実施形態では、FGFR3は、ヒト、マウス、ラットまたはサルFGFR3タンパク質またはそのアイソフォームである。一部の実施形態では、FGFR3は、ヒトFGFR3またはそのアイソフォームである。ヒトFGFR3bのアミノ酸配列は、配列番号97に示されており、ヒトFGFR3cのアミノ酸配列は、配列番号98に示されている。一部の実施形態では、本明細書において記載されるフィノマーは、ヒトFGFR3bおよび/またはヒトFGFR3cに特異的に結合する。
一部の実施形態では、フィノマー(例えば、本明細書において開示される二重特異性結合物質のフィノマー部分)は、FGFR3またはそのアイソフォームに、1×10−7以下のK、1×10−8以下のK、1×10−9以下のKで、または1×10−10以下のKで結合する。一部の実施形態では、フィノマー(例えば、本明細書において開示される二重特異性結合物質のフィノマー部分)は、アイソフォームFGFR3bおよび/またはFGFR3cの一方または両方に、1×10−7以下のK、1×10−8以下のK、1×10−9以下のKで、または1×10−10以下のKで結合する。一部の実施形態では、フィノマーは、アイソフォームFGFR3bおよびFGFR3cの両方に、10−7〜10−12MのK、10−8〜10−12MのKまたは10−9〜10−12MのKで結合する。一部の実施形態では、フィノマーは、アイソフォームFGFR3bおよび/またはFGFR3cの一方または両方に特異的に結合し、他の関連タンパク質、例えば、FGFR1、FGFR2またはFGFR4と実質的に結合しない。一部の実施形態では、FGFRと実質的に結合しないフィノマーは、検出可能な特異的結合を全く実証しないまたはFGFRに、5×10−6Mよりも大きいKで結合するフィノマーである。
一部の実施形態では、本明細書において開示される二重特異性結合物質のフィノマー部分は、受容体が結合しているリガンド(例えば、FGF1)の存在下でFGFR3またはそのアイソフォームに結合する。したがって、一部の実施形態では、本明細書において開示される二重特異性結合物質のフィノマー部分は、FGFR3リガンド(例えば、FGF1)の、FGFR3への結合を遮断、抑制または阻害しない。一部の実施形態では、本明細書において開示される二重特異性結合物質のフィノマー部分は、FGFR3リガンド(例えば、FGF1)のFGFR3への結合を遮断、抑制または阻害しない。一部の実施形態では、本明細書において開示される二重特異性結合物質は、FGFR3リガンド(例えば、FGF1)のFGFR3への結合を遮断、抑制または阻害しない。一部の実施形態では、本明細書において開示される二重特異性結合物質のフィノマー部分および/または本明細書において開示される二重特異性結合物質は、受容体が結合しているリガンド(例えば、FGF1)の存在下でFGFR3またはそのアイソフォームに結合する。
ある特定の実施形態では、フィノマーは、アミノ酸配列GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQIL(X )(X )(X )(X )GPYWEARSL(X)TGETG(X)IPSNYVAPVDSIQ(配列番号99)(ここで、アミノ酸X〜Xは独立に、任意のアミノ酸から選択される)に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。一部の実施形態では、配列番号99のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一の配列を有するフィノマーは、FGFR3(例えば、ヒトFGFR3)に特異的に結合する。一部の実施形態では、配列番号99のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一の配列を有するフィノマーは、FGFR3bおよびFGFR3cの両方に特異的に結合する。本明細書において提供されるフィノマー配列のN末端RTループおよびC末端srcループには、単に例示目的で下線が引かれている。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号99のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、(i)アミノ酸X〜Xは独立に、任意のアミノ酸から選択され、(ii)配列番号99のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号99のアミノ酸位置37および38のアミノ酸PおよびYは保存されている。
ある特定の実施形態では、Xは、N、R、HおよびKから選択される。ある特定の実施形態では、Xは、N、RまたはKである。ある特定の実施形態では、Xは、S、G、A、VおよびPから選択される。ある特定の実施形態では、Xは、S、G、A、V、Pおよび任意の塩基性アミノ酸から選択される。ある特定の実施形態では、Xは、S、G、KまたはRである。ある特定の実施形態では、Xは、S、G、A、VまたはPである。ある特定の実施形態では、Xは、SまたはGである。ある特定の実施形態では、Xは、任意の電荷を有する、塩基性または酸性アミノ酸から選択される。ある特定の実施形態では、Xは、S、G、A、VおよびPから選択される。ある特定の実施形態では、Xは、E、Q、D、SまたはKである。ある特定の実施形態では、Xは、S、G、A、V、P、SおよびTから選択される。ある特定の実施形態では、Xは、TまたはAである。ある特定の実施形態では、Xは、任意の疎水性アミノ酸から選択される。ある特定の実施形態では、Xは、任意の極性アミノ酸から選択される。ある特定の実施形態では、Xは、Q、N、H、S、T、Y、C、W、A、L、VおよびIから選択される。ある特定の実施形態では、Xは、Y、WまたはLである。
ある特定の実施形態では、Xは、N、RまたはKであり、Xは、S、G、KまたはRであり、Xは、SまたはGであり、Xは、E、Q、D、SまたはKであり、Xは、TまたはAであり、および/またはXは、Y、WまたはLである。
一部の実施形態では、フィノマーは、配列番号99のアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、(i)アミノ酸位置X〜Xは、任意のアミノ酸配列であってよく、(ii)同一性決定は、アミノ酸位置X〜Xを除外し、(iii)配列番号99のアミノ酸位置12〜19におけるアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号99のアミノ酸位置37および38におけるアミノ酸PおよびYは保存されており、(iv)フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。
一部の実施形態では、フィノマーは、配列番号99のアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、(i)Xは、N、RまたはKであり、Xは、S、G、KまたはRであり、Xは、SまたはGであり、Xは、E、Q、D、SまたはKであり、Xは、TまたはAであり、Xは、Y、WまたはLである、(ii)同一性決定は、アミノ酸位置X〜Xを除外し、(iii)配列番号99のアミノ酸位置12〜19におけるアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号99のアミノ酸位置37および38におけるアミノ酸PおよびYは保存されており、(iv)フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。
ある特定の実施形態では、フィノマーは、GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILNSSEGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ(配列番号101;本明細書においてFF2L4C3と呼ばれることもある)のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号101のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、配列番号101のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号101のアミノ酸位置37および38におけるアミノ酸PおよびYは保存されており、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号101のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、配列番号101のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号101のアミノ酸位置32〜38のアミノ酸配列NSSEGPY(配列番号102)は保存されており、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。一部の実施形態では、配列番号101のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3(例えば、FGFR3bおよび/またはFGFR3c)に特異的に結合するフィノマーは、フィノマーの、FGFR3に特異的に結合する能力を取り除かないかまたは大幅に低減しない、0〜12、0〜8、0〜5または1〜2つのアミノ酸置換、付加および/または欠失を含むフィノマーである。特異的結合の大幅な低減は、配列番号101のフィノマーのヒトFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性の20%を超える結合親和性(すなわち、K)の低減である。当業者ならば、日常的な方法を使用してフィノマーのFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性を容易に決定でき、このような決定は、過度の実験を必要としないであろう。したがって、当業者ならば、配列番号101のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3に特異的に結合するフィノマーを作製する方法を容易に決定できる。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号101のアミノ酸配列を含むかまたはからなる。
ある特定の実施形態では、フィノマーは、GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRGGQGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ(配列番号103;本明細書においてFF44L65G12と呼ばれることもある)のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号103のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、配列番号103のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号103のアミノ酸位置37および38におけるアミノ酸PおよびYは保存されており、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号103のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、配列番号103のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号103のアミノ酸位置32〜38のアミノ酸配列RGGQGPY(配列番号104)は保存されており、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。一部の実施形態では、配列番号103のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3(例えば、FGFR3bおよび/またはFGFR3c)に特異的に結合するフィノマーは、フィノマーの、FGFR3に特異的に結合する能力を取り除かないかまたは大幅に低減しない、0〜12、0〜8、0〜5または1〜2つのアミノ酸置換、付加および/または欠失を含むフィノマーである。特異的結合の大幅な低減は、配列番号103のフィノマーのヒトFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性の20%を超える結合親和性(すなわち、K)の低減である。当業者ならば、日常的な方法を使用してフィノマーのFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性を容易に決定でき、このような決定は、過度の実験を必要としないであろう。したがって、当業者ならば、配列番号103のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3に特異的に結合するフィノマーを作製する方法を容易に決定できる。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号103のアミノ酸配列を含むかまたはからなる。
ある特定の実施形態では、フィノマーは、GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRGGDGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ(配列番号105;本明細書においてFF44L65G7と呼ばれることもある)のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号105のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、配列番号105のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号105のアミノ酸位置37および38のアミノ酸PおよびYは保存されており、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号105のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、配列番号105のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)および配列番号105のアミノ酸位置32〜38のアミノ酸RGGDGPY(配列番号106)は保存されており、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。一部の実施形態では、配列番号105のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3(例えば、FGFR3bおよび/またはFGFR3c)に特異的に結合するフィノマーは、フィノマーの、FGFR3に特異的に結合する能力を取り除かないかまたは大幅に低減しない、0〜12、0〜8、0〜5または1〜2つのアミノ酸置換、付加および/または欠失を含むフィノマーである。特異的結合の大幅な低減は、配列番号105のフィノマーのヒトFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性の20%を超える結合親和性(すなわち、K)の低減である。当業者ならば、日常的な方法を使用してフィノマーのFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性を容易に決定でき、このような決定は、過度の実験を必要としないであろう。したがって、当業者ならば、配列番号105のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3に特異的に結合するフィノマーを作製する方法を容易に決定できる。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号105のアミノ酸配列を含むかまたはからなる。
ある特定の実施形態では、フィノマーは、GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILKGGSGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ(配列番号107;本明細書においてFF48L66G7または「G7」と呼ばれることもある)のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号107のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、配列番号107のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号107のアミノ酸位置37および38のアミノ酸PおよびYは保存されており、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号107のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、配列番号107のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)および配列番号107のアミノ酸位置32〜38のアミノ酸KGGSGPY(配列番号108)は保存されており、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。一部の実施形態では、配列番号107のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3(例えば、FGFR3bおよび/またはFGFR3c)に特異的に結合するフィノマーは、フィノマーの、FGFR3に特異的に結合する能力を取り除かないかまたは大幅に低減しない、0〜12、0〜8、0〜5または1〜2つのアミノ酸置換、付加および/または欠失を含むフィノマーである。特異的結合の大幅な低減は、配列番号107のフィノマーのヒトFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性の20%を超える結合親和性(すなわち、K)の低減である。当業者ならば、日常的な方法を使用してフィノマーのFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性を容易に決定でき、このような決定は、過度の実験を必要としないであろう。したがって、当業者ならば、配列番号107のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3に特異的に結合するフィノマーを作製する方法を容易に決定できる。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号107のアミノ酸配列を含むかまたはからなる。
ある特定の実施形態では、フィノマーは、GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRKGKGPYWEARSLATGETGLIPSNYVAPVDSIQ(配列番号109;本明細書においてFF43L65D5と呼ばれることもある)のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号109のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、配列番号109のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号109のアミノ酸位置37および38のアミノ酸PおよびYは保存されており、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号109のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、配列番号109のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)および配列番号109のアミノ酸位置32〜38のアミノ酸RKGKGPY(配列番号110)は保存されており、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。一部の実施形態では、配列番号109のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3(例えば、FGFR3bおよび/またはFGFR3c)に特異的に結合するフィノマーは、フィノマーの、FGFR3に特異的に結合する能力を取り除かないかまたは大幅に低減しない、0〜12、0〜8、0〜5または1〜2つのアミノ酸置換、付加および/または欠失を含むフィノマーである。特異的結合の大幅な低減は、配列番号109のフィノマーのヒトFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性の20%を超える結合親和性(すなわち、K)の低減である。当業者ならば、日常的な方法を使用してフィノマーのFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性を容易に決定でき、このような決定は、過度の実験を必要としないであろう。したがって、当業者ならば、配列番号109のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3に特異的に結合するフィノマーを作製する方法を容易に決定できる。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号109のアミノ酸配列を含むかまたはからなる。
ある特定の実施形態では、フィノマーは、GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRRGSGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ(配列番号111;本明細書においてFF44L65B7と呼ばれることもある)のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、フィノマーは、FGFR3またはそのアイソフォーム(例えば、FGFR3bおよび/またはFGFR3c)に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号111のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、配列番号111のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号111のアミノ酸位置37および38のアミノ酸PおよびYは保存されており、フィノマーは、FGFR3(例えば、FGFR3bおよび/またはFGFR3c)に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号111のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、配列番号111のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号111のアミノ酸位置32〜38のアミノ酸RRGSGPY(配列番号112)は保存されており、フィノマーは、FGFR3(例えば、FGFR3bおよび/またはFGFR3c)に特異的に結合する。一部の実施形態では、配列番号111のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3(例えば、FGFR3bおよび/またはFGFR3c)に特異的に結合するフィノマーは、フィノマーの、FGFR3に特異的に結合する能力を取り除かないかまたは大幅に低減しない、0〜12、0〜8、0〜5または1〜2つのアミノ酸置換、付加および/または欠失を含むフィノマーである。特異的結合の大幅な低減は、配列番号111のフィノマーのヒトFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性の20%を超える結合親和性(すなわち、K)の低減である。当業者ならば、日常的な方法を使用してフィノマーのFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性を容易に決定でき、このような決定は、過度の実験を必要としないであろう。したがって、当業者ならば、配列番号111のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3に特異的に結合するフィノマーを作製する方法を容易に決定できる。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号111のアミノ酸配列を含むかまたはからなる。
ある特定の実施形態では、フィノマーは、GVTLFVALYDYEVMSTTALSFHKGEKFQILSQSPHGQYWEARSLTTGETG(X)IPSNYVAPVDSIQ(配列番号113)のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、アミノ酸(X)は、任意のアミノ酸から選択される。ある特定の実施形態では、Xは、任意の疎水性アミノ酸から選択される。ある特定の実施形態では、Xは、任意の極性アミノ酸から選択される。ある特定の実施形態では、Xは、Q、N、H、S、T、Y、C、W、A、L、VおよびIから選択される。ある特定の実施形態では、Xは、Y、WまたはLである。ある特定の実施形態では、Xは、Wである。
ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号113のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、(i)X位のアミノ酸は、任意のアミノ酸であってよく、(ii)同一性決定は、アミノ酸位置Xを除外し、(iii)配列番号113のアミノ酸位置12〜18のアミノ酸配列EVMSTTA(配列番号114)および配列番号113のアミノ酸位置31〜35のSQSPH(配列番号115)は、保存されており、(iv)配列番号113のアミノ酸位置37および38のアミノ酸QおよびYは、保存されており、(v)フィノマーは、FGFR3(例えば、FGFR3bおよび/またはFGFR3c)に特異的に結合する。
ある特定の実施形態では、フィノマーは、GVTLFVALYDYEVMSTTALSFHKGEKFQILSQSPHGQYWEARSLTTGETGWIPSNYVAPVDSIQ(配列番号116;本明細書においてFF40L54A5と呼ばれることもある)のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号116のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、(i)配列番号116のアミノ酸位置12〜18のアミノ酸配列EVMSTTA(配列番号114)、(ii)配列番号116のアミノ酸位置31〜35のアミノ酸配列SQSPH(配列番号115)は、保存されており、(iii)配列番号116のアミノ酸位置37および38のアミノ酸QおよびYは、保存されており、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号116のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、(i)配列番号116のアミノ酸位置12〜18のアミノ酸配列EVMSTTA(配列番号114)は、保存されており、(ii)配列番号116のアミノ酸位置31〜38のアミノ酸配列SQSPHGQY(配列番号117)は、保存されており、フィノマーは、FGFR3に特異的に結合する。一部の実施形態では、配列番号116のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3(例えば、FGFR3bおよび/またはFGFR3c)に特異的に結合するフィノマーは、フィノマーの、FGFR3に特異的に結合する能力を取り除かないかまたは大幅に低減しない、0〜12、0〜8、0〜5または1〜2つのアミノ酸置換、付加および/または欠失を含むフィノマーである。特異的結合の大幅な低減は、配列番号116のフィノマーのヒトFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性の20%を超える結合親和性(すなわち、K)の低減である。当業者ならば、日常的な方法を使用してフィノマーのFGFR3bまたはFGFR3cに対する結合親和性を容易に決定でき、このような決定は、過度の実験を必要としないであろう。したがって、当業者ならば、配列番号116のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、FGFR3に特異的に結合するフィノマーを作製する方法を容易に決定できる。ある特定の実施形態では、フィノマーは、配列番号116のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むかまたはからなる。
二重特異性結合物質のフィノマー部分は、任意の適した方法を使用して任意の適した位置で二重特異性結合物質の抗体部分に結合され得る。フィノマーは、抗体またはその結合部分に共有結合によって、または非共有結合によって結合され得る。フィノマーは、抗体またはその抗原結合部分のN末端(N末端アミノ酸)および/またはC末端(C末端アミノ酸)に結合され得る。一部の実施形態では、フィノマーは、抗体またはその抗原結合部分の重鎖のN末端および/または軽鎖のN末端に結合され得る。一部の実施形態では、フィノマーは、抗体またはその抗原結合部分の重鎖のC末端および/または軽鎖のC末端に結合される。一部の実施形態では、フィノマーは、抗体またはその抗原結合部分の定常ドメイン内の適した位置に結合される。
ある特定の実施形態では、フィノマーは、ペプチド結合によって抗体または抗体内に結合される。一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、フィノマーおよび抗体のポリペプチド(例えば、重鎖、軽鎖または一本鎖)を含む融合タンパク質を含み、フィノマーおよび抗体ポリペプチドは、ペプチド結合によって接合される。したがって、一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、核酸が、フィノマーおよび抗体またはその部分(例えば、軽鎖または重鎖)を含むポリペプチドを、単一ポリペプチドとして発現するように構成される組換え技術を使用して作られる。一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、フィノマーおよび抗体またはその抗原結合部分を含み、フィノマーのC末端アミノ酸は、ペプチド結合によって、抗体のN末端アミノ酸(例えば、重鎖のN末端アミノ酸または軽鎖のN末端アミノ酸)に連結される。一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、フィノマーおよび抗体またはその抗原結合部分を含み、フィノマーのN末端アミノ酸は、ペプチド結合によって抗体のC末端アミノ酸(例えば、重鎖のC末端アミノ酸または軽鎖のC末端アミノ酸)に連結される。ある特定の実施形態では、フィノマーペプチドは、抗体のポリペプチド内に組み込まれる。
一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、FGFR3に特異的に結合する1つまたは複数のフィノマーを含む。例えば、二重特異性結合物質は、2つの重鎖および2つの軽鎖を有する抗体ならびに抗体の重鎖の一方または両方のN末端に結合されたフィノマー、軽鎖の一方または両方のN末端に結合されたフィノマー、重鎖の一方または両方のC末端に結合されたフィノマーおよび/または軽鎖の一方または両方のC末端に結合されたフィノマーを含み得る。したがって、ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質は、1〜12、1〜8または1〜4のフィノマーを含む。一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、1、2、3、4、5、6、7または8のフィノマーを含む。
一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、フィノマーと抗体の間にリンカーを含む。適したリンカーの限定されない例として、アミノ酸、ペプチド(例えば、2個またはそれより多いアミノ酸)、適宜置換されたC1〜C50アルキル、適宜置換されたC2〜C50アルケニル、アルキニル、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アミノカルボニル、アジド、カルボキシ、シラン、チオール、スルホキシド、スルホン、スルホネートエステル、シアノ、アミド、アミノ、エステル、ホスホン酸、ポリエチレングリコール(PEG)など、その誘導体、そのポリマーおよびその組合せが挙げられる。リンカーを使用して2つまたはそれより多い分子を結合する方法は、当業者には公知であり、このような方法は、「架橋」と呼ばれることもある。
一部の実施形態では、リンカーは、2個またはそれより多いアミノ酸、2〜100個のアミノ酸、5〜100個のアミノ酸、2〜50個のアミノ酸、5〜50個のアミノ酸、2〜25個のアミノ酸、5〜25個のアミノ酸、2〜20個のアミノ酸、5〜20個のアミノ酸、2〜10個のアミノ酸または5〜10個のアミノ酸を含むペプチドを含む。一部の実施形態では、リンカーは、2、3、4または5個のアミノ酸を含むペプチドを含む。一部の実施形態では、リンカーは、(GGGGS)(X=1、2、3、4、5、6、7、8、9または10)の、またはGGGGSGGGGSGGGGSのモチーフを含む。
用語「同一パーセント」または「同一性パーセント」とは、2つのアミノ酸配列間の配列同一性を指す。一部の実施形態では、同一性は、比較目的でアラインされ得る各配列中の位置を比較することによって決定される。比較される配列中の同等の位置が同一アミノ酸によって占められる場合には、分子はその位置で同一である。同等の部位が同一または類似のアミノ酸残基(例えば、立体的および/または電子的性質において類似)によって占められる場合には、分子は、その位置で相同な(類似)と呼ばれ得る。相同性、類似性または同一性のパーセンテージとしての表現は、比較される配列によって共有される位置での同一または類似アミノ酸の数の関数を指す。相同性、類似性または同一性のパーセンテージとしての表現は、比較される配列によって共有される位置での同一または類似アミノ酸の数の関数を指す。FASTA、BLASTまたはENTREZを含め、種々のアラインメントアルゴリズムおよび/またはプログラムが使用され得る。FASTAおよびBLASTは、GCG配列分析パッケージ(ウィスコンシン大学、ウィスコンシン州、マディソン)の一部として入手可能であり、例えば、デフォルト設定を用いて使用され得る。ENTREZは、米国国立生物工学情報センター、米国国立医学図書館、米国国立衛生研究所、メリーランド州ベセスダから入手可能である。一実施形態では、2つの配列の同一性パーセントは、1のギャップ重みを用いるGCGプログラムによって決定することができ、例えば、各アミノ酸ギャップは、2つの配列間の単一アミノ酸またはヌクレオチドミスマッチであるかのように重み付けされる。
アラインメントのための他の技術は、Methods in Enzymology, vol. 266: Computer Methods for Macromolecular Sequence Analysis (1996), ed. Doolittle, Academic Press, Inc., a division of Harcourt Brace & Co., San Diego, Calif., USAに記載されている。一部の実施形態では、配列をアラインするために、配列中のギャップを許容するアラインメントプログラムが利用される。Smith−Watermanは、配列アラインメント中のギャップを許容する1つの種類のアルゴリズムである。Meth. Mol. Biol. 70:173-187 (1997)を参照されたい。また、配列をアラインするために、NeedlemanおよびWunschアラインメント法を使用するGAPプログラムも利用され得る。代替検索戦略は、MPSRCHソフトウェアを使用し、これは、MASPARコンピュータで実施する。MPSRCHは、Smith−Watermanアルゴリズムを使用して、大規模並列処理コンピュータで配列をスコア化する。このアプローチは、遠く関連するマッチを選び取る能力を改善し、小さいギャップおよびヌクレオチド配列エラーに特に強い。タンパク質およびDNAデータベースの両方を検索するために、核酸によってコードされるアミノ酸配列が使用され得る。
用語「特異的に結合する」とは、例えば、適したインビトロアッセイ(例えば、ELISA、イムノブロット、フローサイトメトリーなど)によって決定されるように、他の分子または他のペプチドに結合することに優先して、標的タンパク質、ペプチドまたはエピトープに結合する二重特異性結合物質、フィノマー、抗体またはその部分を指す。特異的結合相互作用は、非特異的結合相互作用を約2倍以上、多くの場合、約10倍以上、時には、約100倍以上、1000倍以上、10,000倍以上、100,000倍以上または1,000,000倍以上上回って区別する。
一部の実施形態では、シンデカン−1またはその部分に特異的に結合する抗体またはその結合部分は、シンデカン−1またはその部分(例えば、シンデカン−1の細胞外ドメイン)に、100nM以下、50nM以下、25nM以下、10nM以下、5nM以下、1nM以下、900pM以下、800pM以下、750pM以下、700pM以下、600pM以下、500pM以下、400pM以下、300pM以下、200pM以下または100pM以下の結合親和性定数(KD)で結合する抗体またはその結合部分である。一部の実施形態では、シンデカン−1またはその部分に特異的に結合する抗体またはその結合部分は、ヒトシンデカン−1またはその部分(例えば、ヒトシンデカン−1の細胞外ドメイン)に、100nM以下、50nM以下、25nM以下、10nM以下、5nM以下、1nM以下、900pM以下、800pM以下、750pM以下、700pM以下、600pM以下、500pM以下、400pM以下、300pM以下、200pM以下または100pM以下の結合親和性定数(KD)で結合する抗体またはその結合部分である。一部の実施形態では、シンデカン−1またはその部分に特異的に結合する抗体またはその結合部分は、非ヒト種(例えば、非ヒト霊長類またはげっ歯類;例えば、マウスまたはラット)に由来するシンデカン−1またはその部分に、100nM以下、50nM以下、25nM以下、10nM以下、5nM以下、1nM以下、900pM以下、800pM以下、750pM以下、700pM以下、600pM以下、500pM以下、400pM以下、300pM以下、200pM以下または100pM以下の結合親和性定数(KD)で特異的に結合する抗体またはその結合部分である。ある特定の実施形態では、本明細書において開示される抗体またはその結合部分は、ヒトシンデカン−1またはその部分に特異的に結合し、非ヒト霊長類に由来するシンデカン−1またはその部分に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、本明細書において開示される抗体またはその結合部分は、ヒトシンデカン−1またはその部分に特異的に結合し、げっ歯類(例えば、マウスまたはラット)に由来するシンデカン−1またはその部分に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、抗体またはその結合部分は、(i)ヒトシンデカン−1またはその部分(例えば、ヒトシンデカン−1の細胞外ドメイン)に10nM以下または1nM以下の結合親和性(KD)で特異的に結合する、(ii)ラットまたはマウスシンデカン−1またはその部分(例えば、ラットまたはマウスシンデカン−1の細胞外ドメイン)に、100nM以下、90nM以下、80nM以下、70nM以下、60nM以下、50nM以下、40nM以下、30nM以下、20nM以下または10nM以下の結合親和性(KD)で特異的に結合する。
ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質は、シンデカン−1への、または配列番号94、95もしくは96のアミノ酸配列を含むポリペプチドへの結合について、本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体と競合する抗体またはその結合部分を含む。ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質は、シンデカン−1への結合について、本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体と競合する抗体部分を含み、本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体は、表1〜10に示される1つもしくは複数のCDRまたは表1〜10に示されるものと実質的に同様の1つもしくは複数のCDRを含む。ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質は、シンデカン−1への結合について、本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体と競合する抗体部分を含み、本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体は、表1から選択されるCDR−L1、表2から選択されるCDR−L2、表3から選択されるCDR−L3、表6から選択されるCDR−H1、表7から選択されるCDR−H2および表8から選択されるCDR−H3を含む。ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質は、シンデカン−1への結合について、本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体と競合する抗体部分を含み、本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体は、それぞれ配列番号2、17、27、47、61および73のアミノ酸配列を含むCDR−L1、CDR−L2、CDR−L3、CDR−H1、CDR−H2およびCDR−H3を含む。ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質は、本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体と同一の、シンデカン−1のエピトープに結合する抗体または抗体部分を含む。ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質は、本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体と同一の、シンデカン−1のエピトープに特異的に結合する抗体または抗体部分を含む。ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質は、配列番号94、95または96のアミノ酸配列に特異的に結合する抗体または抗体部分を含む。
ある特定の実施形態では、二重特異性薬剤は、本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体とは別個のおよび/または異なる1つまたは複数のCDR配列を有する抗体部分を含み、二重特異性薬剤は、シンデカン−1への結合について、本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体と競合する。
抗原への結合について競合する抗体を同定する方法は、公知である。二重特異性薬剤またはその抗体部分が、シンデカン−1への結合について、本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体と競合するか否かを調べるために、任意の適した方法が使用され得る。例えば、シンデカン−1抗原またはその部分が、96ウェルプレート上にコーティングされるELISAベースの方法が使用され得る。二重特異性薬剤は、付加され、コーティングされた抗原に結合することが可能となる。次いで、プレートが洗浄され、本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体がプレートに付加され、結合することが可能となる。二重特異性薬剤の存在下または不在下で本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体の結合量が測定され、二重特異性薬剤が結合について本明細書において記載される抗シンデカン−1抗体と競合するか否かが決定される。当技術分野で公知の他の適した方法も使用され得る。
一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、標識を含む。本明細書において、用語「標識」または「標識された」とは、例えば、標識されたアミノ酸の組み込みまたは標識されたアビジン(例えば、蛍光マーカーまたは光学的もしくは比色法によって検出され得る酵素活性を含有するストレプトアビジン)によって検出され得るビオチン部分のポリペプチドへの結合による、検出可能なマーカーの組み込みを指す。ある特定の実施形態では、標識またはマーカーは、診断薬を作製するために二重特異性結合物質に結合され得る。二重特異性結合物質は、任意の適した標識またはマーカーに共有結合によって結合され得る。ポリペプチドおよび糖タンパク質を標識する種々の方法が、当業者に公知であり、使用され得る。ポリペプチドの標識の限定されない例として、それだけには限らないが、蛍光標識、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光標識、金属標識、発色団、電気電気化学発光標識、リン光標識、クエンチャー(例えば、フルオロフォアクエンチャー)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)対(例えば、ドナーおよびアクセプター)、色素、酵素基質、小分子、質量タグ、量子ドット、ナノ粒子、ビオチニル基、二次リポーター(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)によって認識される所定のポリペプチドエピトープ、それらの同様のものまたは組合せが挙げられる。
一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、適した担体を含む。二重特異性結合物質は、共有結合によって、または非共有結合によって適した担体に結合され得る。一部の実施形態では、二重特異性薬剤のフィノマー部分が、担体に結合される。一部の実施形態では、二重特異性結合物質の抗体部分が、担体に結合される。担体の限定されない例として、二重特異性結合物質のインビボ半減期を変更または延長する薬剤または分子が挙げられ、ポリエチレングリコール、グリコーゲンおよび/または炭水化物(例えば、ポリペプチドのグリコシル化によって導入されるような)、デキストラン、米国特許第6,660,843号に記載されるような担体またはビヒクル、それらの同様のものまたは組合せが挙げられる。ある特定の実施形態では、二重特異性薬剤またはその部分は、グリコシル化される。一部の実施形態では、標識または担体は、適したリンカーの使用によって二重特異性結合物質に結合される。
一部の実施形態では、標識、担体、抗悪性腫瘍剤、毒素またはリンカーは、二重特異性結合物質の適したチオール基(例えば、システイン残基のチオール基)に結合される。一部の実施形態では、標識、担体、抗悪性腫瘍剤、毒素またはリンカーは、二重特異性結合物質のアミノ基の適した反応性窒素に結合される。標識、担体、抗悪性腫瘍剤、毒素またはリンカーを結合する目的で、二重特異性結合物質の任意の適したアミノ酸残基は、チオール基を含有するアミノ酸残基(例えば、システイン)または反応性窒素を含有するアミノ酸残基(例えば、リシン)と置換され得る。チオール含有アミノ酸残基または遊離アミノ基で置換され得る、二重特異性結合物質の抗体部分中のアミノ酸の限定されない例として、IgGもしくはIgGのA118、S119、S239、V282、T289、N361およびV422(EU番号付けシステムに対応する)またはIgGもしくはIgG中の対応する位置が挙げられる。したがって、一部の実施形態では、本明細書において記載される二重特異性結合物質は、ヒト重鎖定常領域を含む抗体を含み、抗体のIgG重鎖の重鎖定常領域は、A118C(118位のアラニンからシステインへの)、S119C(119位のセリンからシステインへの)、S239C(239位のセリンからシステインへの)、V282C(282位のバリンからシステインへの)、T289C(289位のトレオニンからシステインへの)、N361C(361位のアスパラギンからシステインへの)および/またはV422C(422位のバリンからシステインへの)置換を含み、抗悪性腫瘍剤または毒素は、共有結合によって示されたシステイン残基のチオール基に結合される。一部の実施形態では、本明細書において記載される二重特異性結合物質は、ヒト重鎖定常領域を含む抗体を含み、抗体のIgG重鎖の定常領域は、A118K(118位のアラニンからリシンへの)、S119K(119位のセリンからリシンへの)、S239K(239位のセリンからリシンへの)、V282K(282位のバリンからリシンへの)、T289K(289位のトレオニンからリシンへの)、N361K(361位のアスパラギンからリシンへの)および/またはV422K(422位のバリンからリシンへの)置換を含み、抗悪性腫瘍剤または毒素は、共有結合によって示されたリシン残基の遊離アミノ基の反応性窒素に結合される。標識、担体、抗悪性腫瘍剤、毒素および/またはリンカーを二重特異性結合物質に結合する他の限定されない例として、アミンをスクシンイミジルエステル(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル)、イミドエステル、ペンタフルオロフェニル(PFP)エステル、ヒドロキシメチルホスフィン、オキシラン、イソチオシアネート、ハロゲン化スルホニル、ハロアセチル誘導体または任意の他のカルボニル化合物と反応させること、カルボキシルを、カルボジイミドと反応させること、スルフヒドリルをマレイミド、ハロアセチル誘導体、ピリジルスルフィドまたはビニルスルホンと反応させること、アルデヒドを、ヒドラジンと反応させること、任意の非選択基をジアジリンまたはアリールアジドと反応させること、ヒドロキシルをイソシアネートと反応させること、ヒドロキシルアミンをカルボニル化合物と反応させること、それらの同様のものおよび組合せが挙げられる。
抗悪性腫瘍剤、毒素および連結基
ある特定の実施形態では、本明細書において開示される二重特異性結合物質は、抗悪性腫瘍剤を含む。一部の実施形態では、抗体またはその結合部分は、抗悪性腫瘍剤を含む。一部の実施形態では、フィノマーが、抗悪性腫瘍剤を含む。一部の実施形態では、二重特異性結合物質、抗体またはフィノマーが、1つまたは複数の(例えば、1〜20、1〜10または1〜5種の)抗悪性腫瘍剤を含む。一部の実施形態では、二重特異性結合物質、抗体またはフィノマーとして、1、2、3、4または5種の抗悪性腫瘍剤を含む。
任意の適した抗悪性腫瘍剤が、本明細書において開示される二重特異性結合物質、抗体またはフィノマーに結合され得る。一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、新生細胞にとって毒性である薬剤である。一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、毒性化合物、毒性分子または毒性ペイロードを含む。抗悪性腫瘍剤の限定されない例として、ドラスタチン、オーリスタチン、マイタンシン、ツブリシン、カリケアマイシン、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、デュオカルマイシン、ドキソルビシン、シュードモナス外毒素−A(PE38)、イリノテカンおよびその類似体または誘導体が挙げられる。一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤として、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)またはモノメチルオーリスタチンF(MMAF)が挙げられる。一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤として、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)毒素および/または連結基が挙げられる。
一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤が、二重特異性結合物質の抗体部分またはフィノマー部分に結合される。抗悪性腫瘍剤は、共有結合によって、または非共有結合によって二重特異性結合物質、抗体またはフィノマーに結合され得る。抗悪性腫瘍剤は、直接的に、または間接的に(例えば、リンカーまたは連結基によって)二重特異性結合物質、抗体またはフィノマーに結合され得る。例えば、一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、リンカーまたは連結基によって、共有結合によって二重特異性結合物質、抗体またはフィノマーに結合される。
抗悪性腫瘍剤は、二重特異性結合物質の任意の適した位置で二重特異性結合物質に結合され得る。一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、二重特異性結合物質のフィノマー部分および/または二重特異性結合物質の抗体部分に結合される。一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、二重特異性結合物質の抗体部分の定常領域(例えば、抗体の定常領域)に結合される。一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、直接的または間接的に(例えば、リンカーまたは連結基によって)二重特異性結合物質の抗体部分の定常領域の適したシステイン残基に結合される。
一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)毒素を含む。一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、連結基または適したリンカーを含む。一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)毒素および連結基を含む。ある特定の実施形態では、ピロロベンゾジアゼピン毒素は、共有結合によって連結基に連結され、連結基は、共有結合によって本明細書において記載される二重特異性結合物質に連結される。
PBD毒素の限定されない例およびPBD毒素を作製する方法は、以下の特許出願公開:US2011/0256157、WO2015/052322、US2016/0106861、US2007/0072846、US2011/0201803、US2010/0113425、US2008/0167293、US2014/0127239、US2015/0158869、US2015/0344482、US2015/0111880、US2015/0315196、US2016/0015828、US2014/0088089、US2013/0035484、US2011/0196148、US2013/0028919、US2013/0059800、US2014/0274907、US2014/0275522、US2014/0234346、US2013/0266595、US2014/0302066、US2014/0286970、US2014/0294868、US2016/0144052、US2016/0031887、US2014/0120118、US2016/0250344、WO2017/137553、WO2017/137555およびWO2017/186894に記載されており、その全開示内容は、その全文で参照により本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、ピロロベンゾジアゼピン毒素は、次化学式I:
Figure 2021165268
[式中、ZおよびZは両方ともNであり、ZおよびZは両方ともCであり、
二重破線
Figure 2021165268
は、単結合または二重結合を表し、
nは、1〜12であり、RおよびRの各々は独立に、HまたはC1〜4アルコキシルであり、RおよびRの各々は独立に、H、C1〜5アルキル、C3〜6シクロアルキル、C2〜5アルケニルおよびRで適宜置換されたフェニルからなる群から選択され、Rは、−NH、−NHRおよび次構造
Figure 2021165268
を有するRで置換されたピペラジニルからなる群から選択され、(ここで、Rは、連結基を含み、Rは、ヌルまたはC1〜5アルキルである)、Xは、ヌル、保護基であるかまたは連結基を含み、Xは、ヌル、保護基であるかまたは連結基を含み、X、X、RおよびRのうち1つのみが連結基を含み、YおよびYの各々は独立に、ヌル、OHまたはSOHのいずれかであり、ただし、
(i)Xが連結基を含む場合には、
Figure 2021165268
はN−Cであり、
(ii)Xが連結基を含む場合には、
Figure 2021165268
はN−Cであり、
(iii)Xが保護基を含む場合には、
Figure 2021165268
はN−Cであり、
(iv)Xが保護基を含む場合には、
Figure 2021165268
は−Cである、
ヌルは、必要な原子価を完成するための部分がないことまたは1つもしくは複数の水素の存在を意味する。
ある特定の実施形態では、PBD毒素は、1つのみの連結基を含む。例えば、化学式Iでは、X、X、RおよびRのいずれか1つは、連結基を含み得る。例えば、Xが連結基を含む場合には、X、RおよびRは、連結基を含まない。
化学式IのPBD毒素のある特定の実施形態では、nは、1〜12である。化学式IのPBD毒素のある特定の実施形態では、nは、1〜10、1〜9、1〜7、1〜5または1〜3である。化学式IのPBD毒素のある特定の実施形態では、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12である。一部の実施形態では、nは、1、3または5である。一部の実施形態では、nは、3または5である。
化学式IのPBD毒素のある特定の実施形態では、RおよびRは独立に、C1〜4アルコキシルである。化学式IのPBD毒素のある特定の実施形態では、RおよびRは独立に、−O−CHCHまたは−O−CHから選択される。化学式IのPBD毒素のある特定の実施形態では、RおよびRは両方とも−O−CHである。
化学式IのPBD毒素のある特定の実施形態では、RおよびRは独立に、H、C1〜5アルキル、C〜CシクロアルキルおよびC2〜5アルケニルからなる群から選択される。RおよびRは、同一である場合も異なる場合もある。一部の実施形態では、RおよびRは独立に、C〜CアルキルおよびC〜Cアルケニルから選択される。ある特定の実施形態では、RおよびRは独立に、−CHCHCHおよび−CHから選択される。ある特定の実施形態では、RおよびRは両方とも、−CHCHCHまたは−CHである。
化学式IのPBD毒素のある特定の実施形態では、RおよびRは独立に、C3〜C6シクロアルキルおよびRで適宜置換されたフェニルから選択され、Rは、−NH、−NHRおよび次構造
Figure 2021165268
を有するRで置換されたピペラジニルからなる群から選択され、
(ここで、Rは、連結基を含み、Rは、ヌルまたはC1〜5アルキルである)。ある特定の実施形態では、RおよびRは、異なっており、(i)C3〜C6シクロアルキルおよび(ii)Rで適宜置換されたフェニル(ここで、Rは、−NHおよび−NHRから選択され、Rは連結基を含む)から独立に選択される。ある特定の実施形態では、RおよびRは異なっており、(i)C3シクロアルキルおよび(ii)−NHまたは−NHRで置換されたフェニル(ここで、Rは、連結基を含む)から独立に選択される。ある特定の実施形態では、RおよびRは、異なっており、(i)Rで適宜置換されたフェニル(ここで、Rは、−NHおよび−NHRから選択され、Rは、連結基を含む)および(ii)RがヌルまたはC〜Cアルキルである構造を有するRで置換されたピペラジニルから独立に選択される。ある特定の実施形態では、RおよびRは異なっており、(i)Rで置換されたフェニル(ここで、Rは、−NHおよび−NHRであり、Rは連結基を含む)および(ii)次構造
Figure 2021165268
[式中、Rは、−CHである]
を有するRで置換されたピペラジニルから独立に選択される。ある特定の実施形態では、Rは、4−メチルピペラジン−1−イルで置換されたフェニルである。
化学式IのPBD毒素のある特定の実施形態では、Xはヌルであり、Yはヌルおよび
Figure 2021165268
はN=Cであり、Xはヌルであり、Yはヌルであり、および
Figure 2021165268
はN=Cである。化学式IのPBD毒素のある特定の実施形態では、Xは連結基を含み、YはOHであり、
Figure 2021165268
はN−Cであり、Xは保護基であり、YはOHである。
一部の実施形態では、PBD毒素は、以下に示される化学式VIIの構造を含む:
Figure 2021165268
[式中、Xは連結基を含む]。
一部の実施形態では、PBD毒素は、以下に示される化学式VIIIの構造を含む:
Figure 2021165268
[式中、Xは、連結基を含む]。
一部の実施形態では、PBD毒素は、以下に示される化学式IXの構造を含む:
Figure 2021165268
[式中、Rは、連結基を含む]。
一部の実施形態では、PBD毒素は、以下に示される化学式X:
Figure 2021165268
[式中、Rは、連結基を含む]
で示される構造を含む。
一部の実施形態では、PBD毒素は、適した結合、部分または基によって連結基に(例えば、共有結合によって連結されて)結合される。一部の実施形態では、PBD毒素は、カルボニル連結またはアミド結合によって連結基に(例えば、共有結合によって連結されて)結合される。一部の実施形態では、PBD毒素は、カルバメート基によって連結基に(例えば、共有結合によって連結されて)結合される。一部の実施形態では、PBD毒素は、アミド基によって連結基に(例えば、共有結合によって連結されて)結合される。連結基に結合するPBD毒素の限定されない例は、US2017/0002096、US2016/0331842、US2015/0250896、US2017/0080103、US2016/0136300、US2017/0152274、US2015/0209444、US2013/0274091、US2017/0095570、US2017/0157264、US2015/0125474、US2011/0256157、WO2015/052322、US2016/0106861、US2007/0072846、US2011/0201803、US2010/0113425、US2008/0167293、US2014/0127239、US2015/0158869、US2015/0344482、US2015/0111880、US2015/0315196、US2016/0015828、US2014/0088089、US2013/0035484、US2011/0196148、US2013/0028919、US2013/0059800、US2014/0274907、US2014/0275522、US2014/0234346、US2013/0266595、US2014/0302066、US2014/0286970、US2014/0294868、US2016/0144052、US2016/0031887、US2014/0120118、US2016/0250344、WO2017/137553、WO2017/137555およびWO2017/186894に記載されており、その全開示内容は、その全文で参照により本明細書に組み込まれる。
用語「ヌル」とは、本明細書において使用される場合、示された部分が構造から存在しないが、示された部分は、必要な原子価を完成するために1つまたは複数の水素原子によって置き換えられ得るかまたは占められ得ることを意味する。さらに、本明細書において示される任意の構造に関連して、構造中に示される炭素、窒素または酸素原子の必要な原子価を完成するために、1つまたは複数の水素が存在し得る。したがって、明確に示されない場合には、1つまたは複数の水素原子が存在し得る。
一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、適した連結基を含む。一部の実施形態では、連結基は、二重特異性結合物質と毒素(例えば、PBD毒素)の間の連結を容易にする。一部の実施形態では、連結基は、切断可能である。例えば、ある特定の実施形態では、連結基は、細胞内ペプチダーゼによって認識されるエンドペプチダーゼ切断部位を含む。エンドペプチダーゼ切断部位は、二重特異性結合物質が新生細胞中に内部移行された後に、抗悪性腫瘍剤が二重特異性結合物質から剥離および/または放出される手段を提供する。連結基の限定されない例および連結基を作製する方法は、WO2015/052322、US2015/0158869、US2015/0344482、US2014/0127239、US2017/0002096、US2016/0331842、US2015/0250896、US2017/0080103、US2016/0136300、US2017/0152274、US2015/0209444、US2013/0274091、US2017/0095570、US2017/0157264およびUS2015/0125474に記載されており、これは、その全文で参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、連結基は、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルケニル、C1〜C20アルコキシル、1個または複数のアミノ酸またはアミノ酸誘導体、1〜20個のアミノ酸を含むペプチド、フェニル基、適したポリマー(例えば、ポリエチレングリコール)またはそれらの組合せを含む。
一部の実施形態では、連結基は、次化学式A:
Figure 2021165268
[式中、アスタリスクは、連結基のピロロベンゾジアゼピン毒素との結合点を示し、波線は、連結基の二重特異性結合物質との結合点を示し、mは、0〜20であり、qは、0〜10であり、Eは、接続基である]
で示される構造を含む。化学式Aの連結基の一部の実施形態では、mは、1〜20、1〜10、1〜8、1〜6、1〜4、2〜8または4または8である。化学式Aの連結基の一部の実施形態では、mは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10から選択される。化学式Aの連結基の一部の実施形態では、qは、1〜10、1〜8、1〜6または1〜4である。化学式Aの連結基の一部の実施形態では、qは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10から選択される。化学式Aの連結基の一部の実施形態では、qは、0、1または2である。18。化学式Aの連結基の一部の実施形態では、mは、8であり、qは、2である。
一部の実施形態では、連結基は、次化学式B:
Figure 2021165268
[式中、アスタリスクは、連結基のピロロベンゾジアゼピン毒素との結合点を示し、波線は、連結基の二重特異性結合物質との結合点を示し、vは、0〜10であり、uは、0または1であり、uが1である場合は、tは、1〜10であり、Eは、接続基である]
で示される構造を含む。化学式Bの連結基の一部の実施形態では、vは、1〜10、1〜8、1〜4または0〜4である。21。化学式Bの連結基の一部の実施形態では、vは、0、1、2、3、4、5、6、7または8から選択される。化学式Bの連結基の一部の実施形態では、uが1である場合には、tは、1〜8、1〜5、1〜4または2〜5である。化学式Bの連結基の一部の実施形態では、uが1である場合には、tは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10から選択される。化学式Bの連結基の一部の実施形態では、tは、8であり、uは、1であり、vは、2である。化学式Bの連結基の一部の実施形態では、uは0であり、vは、4である。
化学式AおよびBの接続基Eは、任意の適した結合、リンカーまたは部分を含む場合があり、その限定されない例として、ジスルフィド結合、チオエーテル結合、チオエステル結合、アミド結合、アミン、ケトン、カルボキシレートエーテル、カルバメート、エステル、aチオエステル、同様のものまたはそれらの組合せが挙げられる。ある特定の実施形態では、Eは、連結基と二重特異性結合物質の間の共有結合連結を含む。一部の実施形態では、Eは、共有結合を含む。一部の実施形態では、Eは、適したコンジュゲーション反応が実施されたのちに残存する反応した部分を含む。多数のコンジュゲーション反応が当技術分野で公知であり、本明細書において開示される連結基を本明細書において開示される二重特異性結合物質に共有結合によって連結するために、そのいずれか1つが使用され得る。連結基を二重特異性結合物質に、確率論的にか、または部位特異的にのいずれかで共有結合によって結合するために任意の適したコンジュゲーション化学が使用されてもよく、その限定されない例として、Shan S. Wong (Published June 18, 1991) Chemistry of Protein Conjugation and Cross-Linking, CRC Press、Greg T. Hermanson (Copyright 2013) Bioconjugate Techniques, Third Edition, Elsevier Inc.およびThiol-X Chemistries in Polymer and Materials Science, RSC Polymer Chemistry Series No. 6 (2013) Edited by Andrew B. Lowe and Christopher N. Bowman, RCS Publishing、WO2015/052322、US2015/0158869、US2015/0344482、US2014/0127239、US2017/0002096、US2016/0331842、US2015/0250896、US2017/0080103、US2016/0136300、US2017/0152274、US2015/0209444、US2013/0274091、US2017/0095570、US2017/0157264およびUS2015/0125474に記載されるコンジュゲーション反応が挙げられ、その全開示内容は、その全文で参照により本明細書に組み込まれる。抗悪性腫瘍剤または連結基を二重特異性結合物質にコンジュゲートする他の限定されない例として、アミンまたはアミノ基を、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル、スクシンイミジルスクシネート、スクシンイミジルスクシンアミド、スクシンイミジルプロピオネート、スクシンイミジルカルボネート、オキシカルボニルイミダゾール、ニトロフェニルカルボネート、トリクロロフェニルカルボネート、トレシレート(tresylate)、無水マレイン酸、メチルマレイン酸無水物、イミドエステル、ペンタフルオロフェニル(PFP)エステル、ヒドロキシメチルホスフィン、オキシランまたは任意の他のカルボニル部分と反応させること、カルボキシル部分を、カルボジイミドと反応させること、スルフヒドリル部分を、マレイミド、ハロアセチル、ピリジルスルフィド、オルトピリジルスルフィドおよび/またはビニルスルホンと反応させること、アルデヒド部分を、ヒドラジンまたはヒドラジドと反応させること、任意の非選択基を、ジアジリンおよび/またはアリールアジドと反応させること、ヒドロキシル部分を、イソシアネートと反応させること、ヒドロキシルアミン部分を、カルボニル部分と反応させること、それらの同様のものおよび組合せが挙げられる。
したがって、Eは、連結基を二重特異性結合物質にコンジュゲートするために使用される化学によって定義されることが多い。一部の実施形態では、Eは、連結基を二重特異性結合物質に結合するように構成された適した部分を含む。一部の実施形態では、連結基は、適したスルフヒドリル−スルフヒドリル反応によって、例えば、還元システインと反応して、安定なチオエーテル結合を形成するマレイミドまたはピリジルジチオール反応性基の使用によって、二重特異性結合物質に共有結合によって連結される。反応性スルフヒドリル反応性部分のさらなる限定されない例として、ハロアセチル、アジリジン、アクリルオイル、アリール化剤、ビニルスルホン、ピリジルジスルフィドおよびTNB−チオールが挙げられる。ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質は、二重特異性結合物質のシステインチオール残基(例えば、チオール)とEの間に形成されるチオエーテル結合によってEに接続される。したがって、ある特定の実施形態では、Eは、ジスルフィド結合またはチオエーテル結合を含む。一部の実施形態では、例えば、二重特異性結合物質を連結基に共有結合によって連結するためにマレイミド反応が使用される場合には、Eは、次化学式C:
Figure 2021165268
[式中、波線は、結合剤との結合点を示し、2倍のアスタリスク(**)は、連結基との結合点を示す]
で示される構造を含む。ある特定の実施形態では、化学式Cの2倍のアスタリスクは、チオエーテル結合を表す。
抗悪性腫瘍剤、毒素、連結基または接続基は、確率論的にか、または部位特異的にのいずれかで、二重特異性結合物質の任意の適したアミノ酸にコンジュゲートされ得る。一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤、毒素、連結基または接続基は、二重特異性結合物質の1つまたは複数の適したシステイン残基にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤、毒素、連結基または接続基は、二重特異性結合物質の1つまたは複数の適したリシン残基にコンジュゲートされる。ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質の1個または複数のアミノ酸は、抗悪性腫瘍剤、毒素、連結基または接続基へのコンジュゲーションに適しているアミノ酸で置換される。チオール含有アミノ酸残基またはリシン残基で置換され得るアミノ酸の限定されない例として、IgG1もしくはIgG2定常ドメインのA118、S119、S239、V282、T289、N361およびV422(EU番号付けシステムに対応する)またはIgG3もしくはIgG4定常ドメイン中の対応する位置が挙げられる。突然変異誘発によるシステインの二重特異性結合物質または抗体への組み込みによって、例えば、ジスルフィド結合またはチオエーテル結合による、抗悪性腫瘍剤、毒素、連結基または接続基の、二重特異性結合物質または抗体上の特定の部位への直接コンジュゲーションが可能となる。例えば、二重特異性結合物質の1個または複数のアミノ酸は、システインで置換されてもよく、システインは、適した化学反応を使用する、抗悪性腫瘍剤、毒素、連結基または接続基の部位特異的コンジュゲーションのために使用され得る。抗体の定常領域の任意の適したアミノ酸は、抗悪性腫瘍剤、毒素、連結基または接続基への部位特異的コンジュゲーションのためにシステインまたはリシンに突然変異されてもよい。
一部の実施形態では、連結基は、適した酵素切断部位を含む。ある特定の実施形態では、酵素切断部位は、哺乳動物プロテアーゼの酵素認識部位を含む。したがって、一部の実施形態では、連結基またはその部分は、哺乳動物プロテアーゼによって切断可能である。連結基は、標的部位に、またはその付近に(例えば、FGFR3またはCD138タンパク質に、またはその付近に)存在する酵素によって切断され得る。標的部位に、またはその付近に存在する酵素は、細胞内、膜結合型、膜会合型または細胞外(例えば、分泌型)であり得る。例えば、連結基は、細胞表面プロテアーゼ、分泌型プロテアーゼまたは細胞内プロテアーゼ(例えば、リソソームプロテアーゼ)によって切断されるように構成され得る。酵素切断部位の限定されない例として、リソソームシステインプロテアーゼおよび/またはリソソームアスパラギン酸プロテアーゼのプロテアーゼ認識部位が挙げられる。リソソームプロテアーゼの限定されない例として、カテプシンB、C、H、I、J、K、L、M、N、O、P、S、TおよびXならびにカテプシンD、E、F、Gおよび/またはカテプシンA(カルボキシペプチダーゼA)が挙げられる。
保護基
一部の実施形態では、PBD毒素は、適した保護基を含む。保護基および保護基を作製する方法の限定されない例は、以下の特許出願公開:US2011/0256157、WO2015/052322、US2011/0201803、US2008/0167293、US2014/0127239、US2015/0158869、US2015/0344482、US2015/0315196、US2015/0315196、US2014/0302066、US2006/0264622およびUS2015/0133435に記載されており、その全開示内容は、その全文で参照により本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、保護基は、以下の化学式D:
Figure 2021165268
[式中、アスタリスクは、ピロロベンゾジアゼピン毒素との結合点を示し、wは、0〜10である]
で示される構造を含む。一部の実施形態では、wは、0〜8、0〜6、0〜4、1〜10、1〜8、1〜5または1〜4である。ある特定の実施形態では、wは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10から選択される。一部の実施形態では、wは、2である。
一部の実施形態では、保護基は、除去可能である。ある特定の実施形態では、保護基は、適した化学を使用して切断可能である。
一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、次化学式II:
Figure 2021165268
[式中、mは、8であり、波線は、結合剤との結合点を示す]
で示される構造を含む。
一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、次化学式III:
Figure 2021165268
[式中、mは、8であり、pは、1または3であり、Xは、ヌルであるか、または保護基であり、波線は、結合剤との結合点を示す]
で示される構造を含む。ある特定の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、次化学式IV:
Figure 2021165268
[式中、波線は、結合剤との結合点を示す]
で示される構造を含む。
一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、次化学式V’
Figure 2021165268
[式中、mは、8であり、Eは、適した接続基であり、波線は、結合剤との結合点を示す]
で示される構造を含む。一部の実施形態では、Eは、次構造C:
Figure 2021165268
[式中、波線は、結合剤との結合点を示し、2倍のアスタリスクは、化学式Vの抗悪性腫瘍剤との結合点を示す]
で示されるスクシンアミド部分を含む。構造Cの接続基を含む化学式Vの抗悪性腫瘍剤は、本明細書において化学式XIと呼ばれることもある。
一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、次化学式VI:
Figure 2021165268
[式中、tは、8であり、vは、1であり、波線は、結合剤との結合点を示す]
で示される構造を含む。
一部の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、次化学式VII:
Figure 2021165268
[式中、波線は、結合剤との結合点を示す]
で示される構造を含む。
一部の実施形態では、二重特異性結合物質は、化学式II、III、IV、V’、VI、VIIおよびXIのいずれか1つから選択される構造を含む抗悪性腫瘍剤を含む。
医薬組成物
一部の実施形態では、組成物または医薬組成物は、本明細書において記載される二重特異性結合物質(例えば、抗悪性腫瘍剤を含む二重特異性結合物質)を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、二重特異性結合物質および医薬上許容される賦形剤、希釈剤、添加物または担体を含む。
医薬組成物は、適した投与経路のために製剤化され得る。一部の実施形態では、医薬組成物は、皮下(s.c.)、皮内、筋肉内、腹膜内および/または静脈内(i.v.)投与のために製剤化される。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、例えば、pH、浸透圧、粘度、清澄度、色、等張性、臭気、無菌性、安定性、溶解または放出の速度、組成物の吸着または浸透を修飾、維持または保存するための製剤化材料を含有し得る。ある特定の実施形態では、適した製剤化材料として、それだけには限らないが、アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリシン)、抗菌剤、抗酸化物質(例えば、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウム)、バッファー(例えば、ホウ酸塩、重炭酸塩、Tris−HCl、クエン酸塩、リン酸塩(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)または適した有機酸)、増量剤(例えば、マンニトールまたはグリシン)、キレート化剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA))、錯化剤(例えば、カフェイン、ポリビニルピロリドン、ベータ−シクロデキストリンまたはヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン)、タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン)、着色剤、矯味剤および希釈剤、乳化剤、親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)、低分子量ポリペプチド、塩形成性対イオン(例えば、ナトリウム)、溶媒(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール)、希釈剤、賦形剤および/または医薬アジュバントが挙げられる。特に、医薬組成物は、"Remington: The Science And Practice Of Pharmacy" Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th Edition, (1995)(本明細書において以下、「Remington’95」)または"Remington: The Science And Practice Of Pharmacy", Pharmaceutical Press, Easton, PA, 22nd Edition, (2013)(本明細書において以下、「Remington 2013」)に列挙されるような、任意の適した担体、製剤または成分、それらの同様のものまたは組合せを含んでもよく、その開示内容は、その全文で参照により本明細書に組み込まれる。本明細書において列挙される種々の材料は、単独でかまたは組み合わせて、Remington’95またはRemington 2013に記載された材料中に組み込まれ得るかまたはそれとともに使用され得る。例えば、Remington’95またはRemington 2013に記載されるような、当技術分野において理解されるものを含む、任意の適した技術、担体および賦形剤が使用され得る。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、適した賦形剤を含み、その限定されない例として、付着防止剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、結合剤、充填剤、単糖、二糖、他の炭水化物(例えば、グルコース、マンノースまたはデキストリン)、糖アルコール(例えば、マンニトールまたはソルビトール)、コーティング(例えば、セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、微晶質セルロース、合成ポリマー、セラック、ゼラチン、トウモロコシタンパク質ゼイン、腸内またはその他の多糖)、デンプン(例えば、ジャガイモ、トウモロコシまたはコムギデンプン)、シリカ、色、崩壊剤、フレーバー、滑沢剤、保存料、吸着剤、甘味料、ビヒクル、懸濁剤、界面活性物質および/または湿潤剤(例えば、プルロニック、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサパル(tyloxapal))、安定性向上剤(例えば、スクロースまたはソルビトール)および張力向上剤(例えば、アルカリ金属ハロゲン化物、ナトリウムまたは塩化カリウム、マンニトール、ソルビトール)および/またはRemington’95またはRemington 2013に記載される任意の賦形剤が挙げられる。用語「結合剤」とは、本明細書において使用される場合、組み合わされた医薬混合物を維持するのに役立つ化合物または成分を指す。医薬製剤を作製するために適した、医薬錠剤、カプセル剤および顆粒剤の調製において使用される結合剤は、当業者に公知である。
一部の実施形態では、医薬組成物は、適した医薬上許容される添加物および/または担体を含む。適した添加物の限定されない例として、適したpH調整剤、無痛化剤(soothing agent)、バッファー、硫黄含有還元剤、抗酸化剤などが挙げられる。硫黄含有還元剤の限定されない例として、スルフヒドリル基を有するもの、例えば、N−アセチルシステイン、N−アセチルホモシステイン、チオクト酸、チオジグリコール、チオエタノールアミン、チオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸およびその塩、チオ硫酸ナトリウム、グルタチオンおよびC1〜C7チオアルカン酸が挙げられる。抗酸化剤の限定されない例として、エリトルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アルファ−トコフェロール、酢酸トコフェロール、L−アスコルビン酸およびその塩、L−アスコルビルパルミテート、L−アスコルビルステアレート、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、没食子酸トリアミルおよび没食子酸プロピルならびにキレート化剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、ピロリン酸ナトリウムおよびメタリン酸ナトリウムが挙げられる。さらに、希釈剤、添加物および賦形剤は、他のよく使用される成分、例えば、無機塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムおよび重炭酸ナトリウムならびに有機塩基、例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムおよび酢酸ナトリウムを含み得る。
本明細書において使用される医薬組成物は、例えば、数か月または数年ほどの長期間にわたって安定であり得る。一部の実施形態では、医薬組成物は、1つまたは複数の適した保存料を含む。保存料の限定されない例として、塩化ベンズアルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸、過酸化水素、それらの同等のものおよび/または組合せが挙げられる。保存料として、第四級アンモニウム化合物、例えば、塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンゾキソニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミド、塩化セパゾニウム、塩化セチルピリジニウムまたは臭化ドミフェン(BRADOSOL(登録商標))を含み得る。保存料は、チオサリチル酸のアルキル−水銀塩、例えば、チメロサール、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀またはホウ酸フェニル水銀を含み得る。保存料は、パラベン、例えば、メチルパラベンまたはプロピルパラベンを含み得る。保存料は、アルコール、例えば、クロロブタノール、ベンジルアルコールまたはフェニルエチルアルコールを含み得る。保存料は、ビグアニド誘導体、例えば、クロロヘキシジンまたはポリヘキサメチレンビグアニドを含み得る。保存料は、過ホウ酸ナトリウム、イミダゾリジニル尿素および/またはソルビン酸を含み得る。保存料は、例えば、商標名PURITE(登録商標)の下で知られ、市販されているような、安定化されたオキシクロロ複合体を含み得る。保存料は、Henkel KGaAから商標名POLYQUART(登録商標)の下で知られ、市販されるような、ポリグリコール−ポリアミン縮合樹脂を含み得る。保存料は、安定化された過酸化水素を含み得る。保存料は、塩化ベンズアルコニウムであり得る。一部の実施形態では、医薬組成物は、保存料を含まない。
一部の実施形態では、組成物、医薬組成物または二重特異性結合物質は、血液または血液製剤混入物(例えば、血液細胞、血小板、ポリペプチド、ミネラル、血液由来化合物または化学物質など)を実質的に含まない。一部の実施形態では、組成物、医薬組成物または二重特異性結合物質は、血清および血清混入物(例えば、血清タンパク質、血清脂質、血清炭水化物、血清抗原など)を実質的に含まない。一部の実施形態では、組成物、医薬組成物または二重特異性結合物質は、病原体(例えば、ウイルス、寄生生物または細菌)を実質的に含まない。一部の実施形態では、組成物、医薬組成物または二重特異性結合物質は、エンドトキシンを実質的に含まない。一部の実施形態では、組成物、医薬組成物または二重特異性結合物質は、無菌である。ある特定の実施形態では、組成物または医薬組成物は、二重特異性結合物質および希釈剤(例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS))を含む。ある特定の実施形態では、組成物または医薬組成物は、二重特異性結合物質および賦形剤、(例えば、クエン酸ナトリウム脱水またはポリオキシエチレン−ソルビタン−20モノオレエート(ポリソルベート80))を含む。
本明細書において記載される医薬組成物は、それらが使用される療法に従う任意の適した形態および/または量での対象への投与のために構成され得る。例えば、非経口投与(例えば、注射または注入による)のために構成された医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンの形態をとることができ、製剤化剤、賦形剤、添加物および/または希釈剤、例えば、水性または非水性溶媒、共溶媒、懸濁溶液、保存料、安定化剤または分散剤を含有し得る。一部の実施形態では、非経口(parental)投与に適した医薬組成物は、1つまたは複数の賦形剤を含有し得る。一部の実施形態では、医薬組成物は、乾燥粉末形態に凍結乾燥される。一部の実施形態では、医薬組成物は、乾燥粉末形態に凍結乾燥され、これは、適した医薬溶媒(例えば、水、生理食塩水、等張性バッファー溶液(例えば、PBS)など)を用いる再構成に適している。ある特定の実施形態では、再構成された形態の凍結乾燥医薬組成物は、哺乳動物への非経口投与(例えば、静脈内投与)に適している。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、経口投与のために構成され、錠剤、マイクロ錠剤、ミニ錠剤、マイクロペレット、散剤顆粒剤、カプセル剤(例えば、マイクロ錠剤、マイクロペレット、散剤または顆粒剤が充填されたカプセル剤)、エマルジョンまたは溶液として製剤化され得る。経口投与のために構成された医薬組成物は、有効成分(例えば、二重特異性結合物質)の放出を遅延または持続させるために適したコーティングを含む場合があり、その限定されない例として、腸溶コーティング、例えば、脂肪酸、ワックス、セラック、プラスチック、メチルアクリレート−メタクリル酸コポリマー、フタル酸酢酸セルロース(CAP)、酢酸コハク酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(酢酸コハク酸ヒプロメロース)、ポリ酢酸フタル酸ビニル(PVAP)、メチルメタクリレート−メタクリル酸コポリマー、トリメリト酸酢酸セルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼイン、植物繊維、それらの同様のものおよび組合せが挙げられる。
一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、局所投与のために構成されてもよく、結合および/または滑沢剤、ポリマーグリコール、ゼラチン、ココアバターまたは他の適したワックスまたは脂肪のうち1つまたは複数を含み得る。一部の実施形態では、本明細書において記載される医薬組成物は、局所薬物投与に全般的に向いており、当業者に公知の任意の適した材料を含む局所担体を含有する局所製剤中に組み込まれる。ある特定の実施形態では、医薬組成物の局所製剤は、局所パッチからの二重特異性結合物質の投与のために製剤化される。
ある特定の実施形態では、最適医薬組成物は、例えば、意図される投与経路、デリバリー形式および望まれる投与量(例えば、Remington’95またはRemington 2013、前掲を参照されたい)に応じて当業者によって決定されるであろう。ある特定の実施形態では、このような組成物は、本発明の抗体薬物コンジュゲートの物理的状態、安定性、インビボ放出される速度およびインビボクリアランスの速度に影響を及ぼし得る。医薬組成物は、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、粉末状、乳化、カプセル化、捕捉または打錠プロセスによってを含め、任意の適した方法によって製造され得る(例えば、Remington’95またはRemington 2013に記載される方法を参照されたい)。
一部の実施形態では、対象において新生物の処置のための医薬として使用するための組成物または医薬組成物が、本明細書において示され、組成物または医薬組成物は、本明細書において記載される二重特異性結合物質(例えば、抗悪性腫瘍剤を含む二重特異性結合物質)を含む。一部の実施形態では、新生物の処置において使用するための、抗悪性腫瘍剤またはPBD毒素にコンジュゲートされた(例えば、共有結合によって結合された)二重特異性結合物質または二重特異性結合物質を含む組成物または医薬組成物が本明細書において示される。
一部の実施形態では、本明細書において記載される組成物、医薬組成物または二重特異性結合物質(例えば、抗悪性腫瘍剤を含む二重特異性結合物質)は、新生物を有するかまたは有すると疑われる対象を処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書において記載される組成物、医薬組成物または二重特異性結合物質(例えば、抗悪性腫瘍剤を含む二重特異性結合物質)は、新生物を有するかまたは有すると疑われる対象に投与される。一部の実施形態では、新生物を有するかまたは有すると疑われる対象を処置する方法が、本明細書において示される。ある特定の実施形態では、新生物を有するかまたは有すると疑われる対象を処置する方法は、対象に、本明細書において記載される組成物または二重特異性結合物質の治療上有効量を投与することを含む。ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質または二重特異性結合物質を含む医薬組成物は、対象に投与され、二重特異性結合物質は、ヒトシンデカン−1の細胞外ドメインおよび/またはFGFR3(例えば、FGFR3、FGFR3bおよび/またはFGFR3c)に特異的に結合する。
ある特定の実施形態では、対象を処置する方法は、対象の細胞(例えば、1個または複数の細胞)を、治療上有効量の本明細書において記載される組成物、医薬組成物または二重特異性結合物質と接触させることを含む。ある特定の実施形態では、処置の方法は、対象の細胞(例えば、1個または複数の細胞)を、治療上有効量の、ヒトシンデカン−1の細胞外部分またはその変異体に、および/またはFGFR3(例えば、FGFR3、FGFR3bおよび/またはFGFR3c)に特異的に結合する二重特異性結合物質と接触させることを含む。対象の細胞は、シンデカン−1の細胞外部分を発現する細胞であることが多い。対象の細胞は、対象の内側で(例えば、インビボ)または対象の外側(例えば、インビトロまたはエクスビボ)で見出され得る。
本明細書において記載される方法によって処置され得る新生物の限定されない例として、癌腫、肉腫、神経系新生物(神経系の新生物)、リンパ腫、骨髄腫、白血病、黒色腫、中皮腫、固形または軟部組織腫瘍および続発的癌(例えば、原発部位から導かれた))が挙げられる。癌腫の限定されない例として、呼吸系癌腫、胃腸系癌腫、泌尿生殖器系癌腫、精巣癌腫、前立腺癌腫、内分泌系癌腫、皮膚の基底細胞癌、未知原発性癌腫、胆管癌、非浸潤性乳管癌(DCIS)、メルケル細胞癌腫、肺癌腫、胸腺腫および胸腺癌腫、正中線癌腫、肺小細胞癌腫、甲状腺癌腫、肝臓肝細胞癌腫、扁平上皮癌、頭頚部扁平上皮癌、乳癌、上皮性癌、副腎皮質癌、卵巣表面上皮性癌などが挙げられ、子宮、子宮頸部、結腸、膵臓、腎臓、食道、胃および卵巣癌腫をさらに含む。肉腫の限定されない例として、ユーイング肉腫、リンパ肉腫、脂肪肉腫、骨肉腫、乳房肉腫、軟部組織肉腫、カポジ肉腫、横紋筋肉腫、子宮肉腫、軟骨肉腫、平滑筋肉腫、線維肉腫などが挙げられる。神経系新生物の限定されない例として、神経膠腫、神経膠芽腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、星状細胞腫、乏突起膠細胞腫などが挙げられる。リンパ腫、骨髄腫および白血病の限定されない例として、急性および慢性リンパ性白血病、骨髄芽球性白血病、多発性骨髄腫、低分化急性白血病(例えば、赤芽球性白血病および急性巨核芽球性白血病)、急性前骨髄性白血病(APML)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、B系統ALLおよびT系統ALLを含む急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、前リンパ性白血病(PLL)、へアリー細胞白血病(HLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、非ホジキンリンパ腫および変異体、末梢T細胞リンパ腫、成体T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、大顆粒リンパ性白血病(LGF)、ホジキン病およびリード・シュテルンベルク病が挙げられる。軟部または固形組織腫瘍の限定されない例として、内臓腫瘍、セミノーマ、ヘパトーマならびに乳房、肝臓、肺、膵臓、子宮、卵巣、精巣、頭部、頸部、眼部、脳、口腔、咽頭、声帯、耳、鼻、食道、胃、腸、結腸、副腎、腎臓、骨、膀胱、尿道、癌腫、肺、筋肉、皮膚、足、手および軟部組織の他の腫瘍が挙げられる。一部の実施形態では、本明細書において開示される医薬組成物または二重特異性結合物質によって処置され得る新生物は、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、胃癌、肝臓癌、肝細胞癌、下咽頭癌、肺癌、腺癌、卵巣癌および腎癌から選択される。一部の実施形態では、本明細書において開示される医薬組成物または二重特異性結合物質によって処置され得る新生物は、膵臓癌(例えば、膵臓腺癌、膵外分泌癌または膵臓神経内分泌癌)、結腸直腸癌(例えば、結腸直腸腺癌)、小腸悪性腫瘍、胆管癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、甲状腺癌腫、食道または食道胃接合部(EGJ)癌、胃腺癌、肝臓肝細胞癌腫、頭頚部扁平上皮癌、雌生殖器悪性腫瘍、乳癌、肺小細胞癌腫、卵巣表面上皮性癌、後腹膜または腹膜肉腫、前立腺腺癌、神経内分泌腫瘍、消化管間質性腫瘍、神経膠芽腫または非上皮性卵巣癌から選択される。一部の実施形態では、本明細書において開示される医薬組成物または二重特異性結合物質によって処置され得る新生物は、乳癌であり、その限定されない例として、非浸潤性乳管癌(DCIS)、侵襲性乳管癌腫(IDC)(例えば、乳房の管状癌腫、乳房の髄様癌、乳房の粘液性癌腫、乳房の乳頭癌および乳房の篩状癌)、浸潤性小葉癌腫(ILC)、炎症性乳癌、非浸潤性小葉癌腫(LCIS)、男性乳癌、乳癌の分子サブタイプ(例えば、管腔B乳癌またはホルモン受容体陽性乳癌、トリプルネガティブ乳癌、HER2濃縮乳癌および正常様乳癌)、乳頭のパジェット病、乳房の葉状腫瘍および転移性乳癌が挙げられる。一部の実施形態では、本明細書において開示される医薬組成物または二重特異性結合物質によって処置され得る新生物は、トリプルネガティブ乳癌である。
一部の実施形態では、本明細書において記載される処置の有効性は、幾分かは、新生物または新生細胞が発現するCD138および/またはFGFR3(例えば、FGFR3またはそのアイソフォーム)の量によって決定または予測され得る。例えば、理論に制限されるものではないが、高レベルのCD138および/またはFGFR3を発現する新生物または新生細胞を有する対象は、本明細書において記載される二重特異性結合物質を用いる療法に対して、CD138またはFGFR3をわずかに発現するかまたは全く発現しない新生物または新生細胞を有する別の対象よりも良好に応じる可能性がある。新生細胞または癌細胞は、適した抗CD138抗体および適したイムノアッセイ(例えば、全細胞ELISA、FACなど)を使用してCD138の発現レベルを調べるために、迅速にアッセイされ得る。同様に、新生細胞または癌細胞は、適した抗FGFR3抗体および適したイムノアッセイを使用してFGFR3の発現について迅速にアッセイされ得る。したがって、一部の実施形態では、新生物を有するかまたは有すると疑われる対象を処置する方法は、本明細書において記載される二重特異性結合物質の治療上有効量を投与することを含み、その新生物または新生細胞は、検出可能なレベルのCD138および/またはFGFR3(例えば、FGFR3またはそのアイソフォーム)を発現する。ある特定の実施形態では、検出可能なレベルのCD138および/またはFGFR3を発現する新生物は、CD138および/またはFGFR3を発現すると知られているかまたは報告されている新生物である。ある特定の実施形態では、新生物は、CD138および/またはFGFR3を発現すると疑われる(例えば、CD138および/またはFGFR3を発現すると知られている別の新生細胞種に対して、同様の遺伝子型または表現型を有することによって)。一部の実施形態では、CD138および/またはFGFR3を発現するか、または発現すると疑われる新生物は、CD138および/またはFGFR3またはその部分をコードするRNA転写物を発現する新生物である。一部の実施形態では、CD138および/またはFGFR3を発現するか、または発現すると疑われる新生物は、その細胞表面にCD138および/またはFGFR3を発現する新生物である。CD138および/またはFGFR3発現の確認された癌の限定されない例として、副腎皮質癌、膀胱尿路上皮癌腫、浸潤性乳癌、子宮頸部扁平上皮癌、子宮頸部腺癌、胆管癌、結腸腺癌、結腸直腸腺癌、リンパ系新生物びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、食道癌腫、多形性神経膠芽腫、神経膠腫、頭頚部扁平上皮癌、腎臓嫌色素性、汎腎臓コホート(KICH+KIRC+KIR)、腎臓腎明細胞癌、腎臓腎乳頭細胞癌、急性骨髄性白血病、脳の低悪性度神経膠腫、肝臓肝細胞癌腫、肺腺癌、肺扁平上皮癌、中皮腫、卵巣漿液性嚢胞腺癌、膵臓腺癌、褐色細胞腫および傍神経節腫、前立腺腺癌、直腸腺癌、肉腫、皮膚の皮膚黒色腫、胃腺癌、胃および食道癌腫、精巣生殖細胞腫瘍、甲状腺癌腫、胸腺腫、子宮体子宮内膜癌、子宮癌肉腫およびブドウ膜黒色腫が挙げられる。
一部の実施形態では、新生物を有するかまたは有すると疑われる対象を処置する方法は、本明細書において記載される二重特異性結合物質の治療上有効量を、別の抗癌療法と組み合わせて投与することを含み、その限定されない例として、T細胞活性化剤、アジュバント、抗癌ワクチン、放射線治療、免疫療法(例えば、抗HER2または抗CD20)、化学療法およびそれらの同様のものまたは組合せが挙げられる。一部の実施形態では、T細胞活性化剤は、CD3、OX40、GITR、CD137(41BB)、CD27、HVEM、LAG−3、TIM3、VISTAまたはBTLAに結合する抗体である。
任意の適した化学療法薬が、本明細書において記載される方法のために使用され得る。一部の実施形態では、化学療法薬は、アルキル化剤、アントラサイクリン、細胞骨格破壊物質、エポチロン(例えば、エポチロン)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ボリノスタット、ロミデプシン)、トポイソメラーゼIの阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン)、トポイソメラーゼIIの阻害剤(例えば、エトポシド、テニポシド、タフルポシデアン(tafluposidean))、キナーゼ阻害剤、ペプチド抗生物質(例えば、ブレオマイシン、アクチノマイシン)、白金ベースの薬剤(例えば、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン)、DNA修復酵素ポリADPリボースポリメラーゼ−1を標的とする化合物(例えば、Parp阻害剤)、レチノイド(例えば、トレチノイン、アリトレチノイン、ベキサロテン)、ビンカアルカロイドおよび化合物(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン)、代謝拮抗物質、植物抽出物、植物アルカロイド、ニトロソ尿素、ホルモン、ヌクレオシドまたはヌクレオチド類似体およびそれらの組合せを含むかまたはからなる。アルキル化抗悪性腫瘍剤の限定されない例として、アルトレタミン(ヘキサメチルメラミン、HEXALEN(登録商標))、ブスルファン、カルムスチン(BCNU)、クロラムブシル、シクロホスファミド、ダカルバジン(DTIC)、ホテムスチン、イホスファミド、ロムスチン(CCNU)、メクロレタミン、メルファラン、プロカルバジン、セムスチン(MeCCNU)、ストレプトゾトシン、テモゾロミド、チオテパ(トリエチレンチオ−ホスホラミド)、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、単官能性アルキル化剤、ニトロソ尿素、テモゾロミド、それらの同様のものまたは組合せが挙げられる。DNAインターカレート剤の限定されない例として、アクロレイン、アントラサイクリン、ホスホラミド、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサマイシンA、エピルビシン、エチジウム、m−AMSA、ミトキサントロン、ドキソルビシン(アドリアマイシン、ドキシル、Myocet、ヒドロキシダウノルビシン、ヒドロキシダウノマイシン)、エピルビシン、イダルビシン、バルルビシン、TAS−103、MLN944(XR5944)、オバトクラックス、メクロレタミン、メトトレキサート、6−メルカプトプリン、チオグアニン、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド、5−アザシチジン(5−AZC)および5−アザシチジン関連化合物、ミトラマイシン、マイトマイシンC、ヒドロキシ尿素、カルボプラチン、オキシプラチン、ミトタン、タキサン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ジブロモマンニトール、ゲムシタビン、ペメトレキセド、それらの同様のものまたは組合せが挙げられる。細胞骨格破壊物質(例えば、タキサン)の限定されない例として、パクリタキセル、タキソールおよびドセタキセルが挙げられる。キナーゼ阻害剤の限定されない例として、ボルテゾミブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ベムラフェニブ、ビスモデギブ、それらの同様のもの、類似体および化合物が挙げられる。ヌクレオチド類似体の限定されない例として、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、シタラビン、ドキシフルリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、チオグアニン(以前は、チオグアニン)、それらの同様のもの、類似体および化合物が挙げられる。PARP阻害剤の限定されない例として、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、ベリパリブ、タラゾパリブなど、それらの類似体および化合物がある。
用語「対象」とは、哺乳動物である。任意の適した哺乳動物が、本明細書において記載される方法または組成物によって処置され得る。哺乳動物の限定されない例として、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、類人猿、テナガザル、チンパンジー、オランウータン、サル、マカクなど)、飼育動物(例えば、イヌおよびネコ)、家畜(例えば、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジおよびブタ)および実験動物(例えば、マウス、ラット、ウサギおよびモルモット)が挙げられる。一部の実施形態では、哺乳動物はヒトである。哺乳動物は、任意の年齢または発達の任意の段階(例えば、成体、10代、小児、乳児または子宮内の哺乳動物)であり得る。哺乳動物は、男性または女性であり得る。一部の実施形態では、必要とする対象は、新生物を有するかまたは有すると疑われる対象である。
対象に組成物、医薬組成物または二重特異性結合物質を投与する任意の適した方法が使用され得る。本明細書において記載される本発明の方法に従って使用するための組成物の正確な製剤および投与経路は、患者の状態を考慮して個々の医師によって選択され得る。例えば、参照によりその全文で本明細書に組み込まれるFingl et al. 1975, in "The Pharmacological Basis of Therapeutics," Ch. 1, p. 1を参照されたい。本明細書において記載される医薬組成物または二重特異性結合物質の投与のために、任意の適した投与経路が使用され得る。投与経路の限定されない例として、局所(topical)または局所(local)(例えば、皮下に、経皮的にまたは皮膚に、(例えば、皮膚または表皮上)、眼の中または眼の上、鼻腔内に、経粘膜的に、耳中に、耳の内側に(例えば、鼓膜の後ろ))、腸内に(例えば、胃腸管を通って送達される、例えば、経口的に(例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、液体、乳化、ロゼンジまたはそれらの組合せとして)、舌下、経胃栄養チューブによって、直腸性になど)、非経口投与によって(例えば、非経口的に、例えば、静脈内に、動脈内に、筋肉内に、腹膜内に、皮内に、皮下に、腔内に、頭蓋内、関節内、関節腔内、心臓内(心臓中)、空洞内注射、病巣内(皮膚病変中)、骨内注入(骨髄中)、くも膜下腔内(脊柱管中)、子宮内、膣内、膀胱腔内注入、硝子体内)、それらの同様のものまたは組合せが挙げられる。
一部の実施形態では、本明細書における組成物が、対象に提供される。対象に提供される組成物は、自己投与のために、または別のもの(例えば、非医療従事者)による対象への投与のために対象に提供されることもある。例えば、本明細書において記載される組成物は、患者が本明細書において記載される組成物または処置(例えば、処方)を提供されることを許可する医師による書面の説明書とともに提供され得る。別の例では、対象が、組成物を経口的に、静脈内に、または例えば、吸入器によって自己投与する場合に、組成物が対象に提供され得る。
あるいは、例えば、デポーまたは持続放出製剤を使用することを含めて、目的の皮膚、粘膜または領域への直接投与によって、全身方法よりも局所において、本発明の方法に従って使用するために組成物を投与できる。
一部の実施形態では、二重特異性結合物質を含む医薬組成物は、単独で(例えば、単一有効成分として(AIまたは例えば、単一活性医薬品成分(API)として)投与される。他の実施形態では、二重特異性結合物質を含む医薬組成物は、1つまたは複数のさらなるAI/APIと組み合わせて、例えば、2つの別個の組成物として、または1つもしくは複数のさらなるAI/APIが混合されて、二重特異性結合物質と一緒に医薬組成物製剤化される単一組成物として投与される。
ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質は、細胞(例えば、哺乳動物細胞)に送達される。二重特異性結合物質は、任意の適した方法を使用して細胞に送達され得る。ある特定の実施形態では、二重特異性結合物質を細胞に送達することは、二重特異性結合物質が細胞に結合することを可能にする条件下で、哺乳動物細胞を、インビトロまたはインビボで、二重特異性結合物質を含む組成物と接触させることを含む。
医薬組成物は、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、粉末状、乳化、カプセル化、捕捉または打錠プロセスによってを含め、任意の適した方法によって製造され得る。
一部の実施形態では、対象において新生物を処置する方法は、二重特異性結合物質の治療上有効量または二重特異性結合物質を含む医薬組成物の治療上有効量を対象に投与することを含む。「治療上有効量」とは、有効な治療成績を得るのに十分な量ならびに/または新生物の成長、生存力、転移、重症度、発症もしくは症状を、予防する、終結させる、遮断する、阻害する、寛解する、抑制する、減速させる、抑止する、死滅させるもしくは低減するのに必要なおよび/もしくは十分な量を意味する。一部の実施形態では、有効な治療成績は、処置の前および/または後に、対象において新生物または新生細胞の数、大きさ、生存力、成長、有糸分裂または転移を測定および/またはモニタリングすることによって決定され得る。したがって、一部の実施形態では、対象に二重特異性結合物質の治療上有効量または二重特異性結合物質を含む医薬組成物の治療上有効量を投与することは、新生物の成長、生存力、転移、重症度、発症または症状を、予防する、終結させる、遮断する、阻害する、寛解する、抑制する、減速させる、抑止する、死滅させるもしくは低減する。ある特定の実施形態では、対象に二重特異性結合物質の治療上有効量または二重特異性結合物質を含む医薬組成物の治療上有効量を投与することは、新生物の癌性細胞の一部またはすべての死滅、壊死またはアポトーシスを誘導する。治療上有効量の決定は、特に、本明細書において提供される詳細な開示を踏まえると、十分に当業者の能力内である。
一部の実施形態では、組成物中の二重特異性結合物質の量は、少なくとも治療上有効量である量および望まれない有害反応を最小にするために十分に少ない量である。二重特異性結合物質の正確な量は、対象の年齢、体重および全身状態、処置されている状態の重症度および/または投与される他の治療薬物の量に応じて対象ごとに変わる。したがって、対象の多様な群において新生物を処置するために投与され得る二重特異性結合物質の正確な治療上有効量を指定することは常に可能というわけではない。周知であるように、特定の条件下での、特定の疾患のための所与の患者の特定の投与量は、常に変わるが、各症例における最適量の決定は、簡単な常法によって容易に達成され得る。したがって、新生物を処置するために使用される二重特異性結合物質の治療上有効量は、日常的な実験を使用して当業者によって決定され得る。
ある特定の実施形態では、組成物中の二重特異性結合物質の治療上有効量は、約.01mg/kg(例えば、対象の体重1kgあたり)〜500mg/kg、0.1mg/kg〜500mg/kg、0.1mg/kg〜400mg/kg、0.01mg/kg〜300mg/kg、0.1mg/kg〜300mg/kg、0.1mg/kg〜200mg/kg、0.1mg/kg〜150mg/kg、0.1mg/kg〜100mg/kg、0.1mg/kg〜75mg/kg、0.1mg/kg〜50mg/kg、0.1mg/kg〜25mg/kg、0.1mg/kg〜10mg/kg、0.1mg/kg〜5mg/kgまたは0.1mg/kg〜1mg/kgの用量を含む。一部の態様では、二重特異性結合物質の量は、約10mg/kg、9mg/kg、8mg/kg、7mg/kg、6mg/kg、5mg/kg、4mg/kg、3mg/kg、2mg/kg、1mg/kg、0.9mg/kg、0.8mg/kg、0.7mg/kg、0.6mg/kg、0.5mg/kg、0.4mg/kg、0.3mg/kg、0.2mg/kgまたは0.1mg/kgであり得る。一部の実施形態では、二重特異性結合物質の治療上有効量は、約0.1mg/kg〜500mg/kgの間または約1mg/kgから約300mg/kgの間である。種々の投与経路に適した容積は、当技術分野で公知である。
一部の実施形態では、二重特異性結合物質または二重特異性結合物質を含む医薬組成物は、有効な治療成績を得るために必要とされるような適した頻度および/または間隔で投与される。一部の実施形態では、二重特異性結合物質を含む医薬組成物は、1時間ごとに、1日に1回、1日に2回、1日に3回、1日に4回、1日に5回および/または一定間隔で、例えば、毎日、隔日で、週に3回、毎週、隔週で、1ヶ月に1回および/または簡単に、必要とされる、もしくは医療従事者によって推奨されるような頻度もしくは間隔で投与される。
キット
一部の実施形態では、二重特異性結合物質の一定量または用量を含む医薬組成物が、二重特異性結合物質の1または複数の用量を含有し得るキット、パックまたは分配デバイス中で提供される。キットまたはパックは、例えば、1つまたは複数の適した容器、バイアルまたはブリスターパックおよび1つまたは複数の適した分配デバイスを含み得る。一部の実施形態では、キットまたはパックには、医薬品の製造、使用または販売を規制する行政機関によって規定された投与および/または通知についての使用説明書が添付され、この注意は、人間または獣医用投与のための薬物の形態の機関による承認を反映している。このような通知は、例えば、処方薬物について米国医薬品局によって承認された表示または承認された製品挿入物であり得る。
一部の実施形態では、キットまたはパックは、1日〜1年、1日〜180日、1日〜120日、1日〜90日、1日〜60日、1日〜30日またはその間の任意の日または日数、1〜4時間、1〜12時間または1〜24時間、患者を処置するのに十分な量の二重特異性結合物質を含む。
キットは、本明細書における構成成分のインビトロ、インビボもしくはエクスビボでの使用のための成分の説明または使用説明書を含む、製品ラベルまたは添付文書を含んでもよい。例示的使用説明書として、診断法、処置プロトコールまたは治療レジメンの使用説明書が挙げられる。ある特定の実施形態では、キットは、キットの構成成分を収容する物理的構造を指す、パッケージング材料を含む。パッケージング材料は、構成成分を無菌的に維持することができ、このような目的のためによく使用される材料(例えば、紙、段ボール、ガラス、プラスチック、ホイル、アンプル、バイアル、チューブなど)から製造され得る。製品ラベルまたは挿入物として、「印刷物」、例えば、紙もしくはボール紙、または構成成分、キットまたは梱包材料(例えば、箱)とは別個のものもしくはそれに張り付けられたものまたはキット構成成分を含有するアンプル、チューブもしくはバイアルに取り付けられたものが挙げられる。ラベルまたは挿入物は、コンピュータによって読み取り可能な媒体、光学ディスク、例えば、CD−もしくはDVD−ROM/RAM、DVD、MP3、磁気テープまたは電気記憶媒体、例えば、RAMおよびROMまたはこれらのハイブリッド、例えば、磁気/光学記憶媒体、FLASH媒体またはメモリータイプのカードをさらに含み得る。製品ラベルまたは挿入物は、その中の1つまたは複数の構成成分の同定情報、用量量、作用機序、薬物動態(PK)および薬動力学(PD)を含む有効成分(複数可)の臨床薬理学を含み得る。製品ラベルまたは挿入物は、製造者情報、ロット番号、製造者位置、日付を同定する情報、キット構成成分が使用され得る指示される状態、障害、疾患または症状に関する情報を含み得る。製品ラベルまたは挿入物は、方法、処置プロトコールまたは治療レジメンにおいて1つまたは複数のキット構成成分を使用するための臨床医のための、または対象のための使用説明書を含み得る。使用説明書は、本明細書において使用される方法、処置プロトコールまたは治療レジメンのいずれかを実施するための投与量、頻度または期間および使用説明書を含み得る。したがって、本発明のキットは、本明細書において記載される本発明の方法および使用のいずれかを実施するためのラベルまたは使用説明書をさらに含み得る。製品ラベルまたは挿入物は、可能性ある有害副作用および/または警告に関する情報を含み得る。
ある特定の実施形態では、キットは、既知量のシンデカン−1および/またはFGFR3を有する1つまたは複数の対照を含む。一部の実施形態では、キットは、シンデカン−1および/またはFGFR3を発現する細胞を含む。キット中の細胞は、細胞が使用される準備ができるまで、適当な保管条件下で維持され得る。
一部の実施形態では、キットは、二重特異性結合物質を含む診断キットである。診断キット中に含まれる二重特異性結合物質は、任意の適した形態をとり得る。一部の実施形態では、診断のものは、二重特異性結合物質および検出可能な標識を含む。ある特定の実施形態では、例えば、診断キットは、本発明の方法を実施するための、および例えば、カラーチャートまたは標準曲線に対して比較され得る比色分析結果を生成するための必要な試薬を含むスティックテストを含むかまたはからなる。診断キットはまた、細胞に特異的に結合する二重特異性結合物質、例えば、二次抗体を検出するために必要な構成成分を含み得る。
[実施例]
抗CD138抗体の作製
(i)高親和性および特異性で結合し、(ii)迅速な内部移行を示し、および/または(iii)カニクイザル由来CD138と交差反応性を示す、ヒトCD138に対するモノクローナル抗体を作製した。抗体を作製するために、マウス(Balb/Cマウス、雌6〜8週齢)を、CD138ペプチド1〜3(融合物12)またはペプチド4〜6(融合物13)の混合物を用いて免疫処置し、追加免疫した、表11を参照されたい。
これらのペプチドは、グリコシル化部位に対して遠位であるように、ヒトとマウスの間で不十分にしか保存されなかったが、ヒトとカニクイザル種の間では強力に保存された領域中に設計した。KLH担体タンパク質にコンジュゲートされた示されたペプチドを用い、一次注射にフロイントの完全アジュバント(CFA)およびすべてのその後の追加免疫にフロイントの不完全アジュバントを使用する免疫処置スケジュールに従ってマウスを免疫処置した。免疫処置されたマウスの抗体血清力価を、ヒトCD138およびCD138−Fc結合ELISAによって結合について評価した。高い力価を有するマウスを、融合のために選択した。最適化された方法を使用するマウスB細胞およびSP2/O骨髄腫細胞の電気融合によって、ハイブリドーマを生成した。
Figure 2021165268
伝統的な方法とは異なり、ハイブリドーマのクローニングは、単一ステップで同時に実施し、これでは、融合された細胞をHAT選択によって選択し、単細胞コロニーをHT培地を含有する96ウェルプレートに移し、制限された選択下で成長させ、上清を抗原結合についてスクリーニングした。陽性ハイブリドーマをより大きな容積に拡大増殖させ、細胞を保管のために凍結させた。
CD138陽性細胞(H929)での一次ハイブリドーマFACSスクリーニング
ウェルあたり20,000個のH929細胞を含有する96ウェルプレートを使用する蛍光標識細胞分取(FACS)によって、融合物12(プレート12〜19)から得たハイブリドーマ上清を、スクリーニングした。H929細胞は、その細胞表面にCD138を発現するヒトBリンパ球細胞株である。ハイブリドーマ上清を、H929細胞に4℃で1時間添加した。細胞を洗浄し、続いて、AlexaFluro 647抗マウス抗体を添加し、再度洗浄して、未結合抗体を除去した。細胞をFACSによって分析して結合を検出した。FACSデータをFlowjoソフトウェアによって分析した。上清抗体が、プレートの平均シグナルを上回ってレベル≧3標準偏差で細胞に結合した場合に、それらを確認FACSおよびさらなる特性決定のために選択した。融合物12から得られた合計5013のハイブリドーマが、この一次FACSスクリーニングを経て、134の陽性ヒット:一次スクリーニングにおいて2.7%の総ヒット率を得た。融合物12プレート16から得た陽性ハイブリドーマクローンのサンプルは、以下の表12に示されている。2つの代表的な陽性ハイブリドーマクローンのFACSヒストグラムは、図2に示されている。
Figure 2021165268
融合物12ハイブリドーマの二次FACSスクリーニング
一次FACSスクリーニングにおいて陽性結合を実証するハイブリドーマを選択し、さらに特性決定した。二次スクリーニングのために、ハイブリドーマ上清を、FACSによってH929(CD138発現)への陽性結合およびARH−77(陰性CD138発現)細胞への陰性結合についてアッセイした。陰性細胞をCSFE染色して、より良好に陽性と陰性細胞株を区別することを補助した。次いで、上清を、特異的CD138結合に対するその非特異的結合と比較した。代表的な二次FACSスクリーニングの結果が、表13にまとめられている。
Figure 2021165268
融合物12ハイブリドーマでの二次ELISAスクリーニング
結合特異性およびIgG型を確認することを補助するために二次スクリーニング後に、CD138およびIgG1アイソタイプELISAも実施した。組換えCD138−Flagを使用してCD138結合ELISAを実施した。データは、ELISAによって、すべてのFACS陽性ハイブリドーマはまた、CD138に結合したということを示した。IgG ELISAは、IgG陽性抗体を同定した。IgM抗体は、さらなる研究から除外した。これまでの選択プロセスの概要は、表14に示されている。
Figure 2021165268
SPRによる代表的な抗体の動態学的結合
マウスIgGをハイブリドーマ上清から精製し、IgGを動態学的結合測定のためにSPR(表面プラズモン共鳴)に付した。BioRad Proteonで、ヒトまたはマウスCD138ヒットを、50μg/mLでGLMチップ上に固定化した。次いで、抗体を、167nM〜10.4nMの濃度範囲で30μL/分の速度で結合しているチップの上に流して、動態学的結合を検出した。二価分析物フィット(bivalent analyte fit)を使用してKDを測定した。動態学的結果は、表15および図3に示されている。
Figure 2021165268
抗体発現
2つの代表的なキメラ抗体の発現を評価して、スケールアップ生成の可能性を決定した。Expi293細胞(250mL)を、12P16F6 hIgG1(「chF6」とも呼ばれる)または13P30A7 hIgG1(「chP30a7」とも呼ばれる)の発現を指示するベクターを用いて一過性にトランスフェクトした。キメラ抗体12P16F6 hIgG1は、F12P16F6のマウス重鎖可変領域(配列番号82)および軽鎖可変領域(配列番号34)およびヒトIgG1、カッパアイソタイプの定常領域を含む。キメラ抗体13P30A7 hIgG1は、F13P30A7のマウス重鎖可変領域(配列番号83)および軽鎖可変領域(配列番号35)およびヒトIgG1、カッパアイソタイプの定常領域を含む。結果は、以下の表16にまとめられている。発現された抗体をまた、SDS−PAGEおよびサイズ排除クロマトグラフィー(示されていないデータ)によって分析した。
Figure 2021165268
代表的な抗体のカニクイザル交差反応性
12P16F6 hIgG1または13P30A7 hIgG1を、カニクイザルCD138に対する交差反応性について試験した。カニクイザル(cyno)由来のCD138と交差反応する抗体は、有効性治験を実施する前に非ヒト霊長類のこの株において毒性について試験できるという利点を有する。手短には、ヒトCD138またはcyno CD138の細胞表面発現を指示するベクターをExpi293細胞にトランスフェクトした。12P16F6 hIgG1および13P30A7 hIgG1の、トランスフェクトされたExpi293細胞への結合を33.3μg/mLで始まる3倍希釈で試験した。セクキヌマブ(Sec)を陰性対照として使用して、トランスフェクトされた細胞がバックグラウンド結合を全く有さないことを確実にした。代表的な抗体12P16F6 hIgG1および13P30A7 hIgG1は、ヒトおよびcyno CD138両方への特異的結合を示した(図4)。
Figure 2021165268
実施例1において使用されたある特定の試薬および材料の定義
本明細書におけるハイブリドーマクローンの名称は、名称が使用される状況に応じて、ハイブリドーマ細胞またはハイブリドーマ細胞から産生された抗体のいずれかを指す場合があるということは留意されたい。ハイブリドーマクローンの名称は、融合物(例えば、融合物12番または13番、それぞれ略されてF12およびF13)と、それに続く、文字「P」が前につくプレート番号およびウェル番号を指すことが多い。例えば、ハイブリドーマクローンF12P16F6(本明細書において12P16F6またはP16F6とも呼ばれる)は、融合物12、プレート16およびウェルF6に由来するハイブリドーマから得られた抗体を指す。mBT−062は、IgG1、CD138結合対照抗体である。
ヒト化
本明細書において記載されるマウス抗CD138(抗シンデカン−1)抗体のヒト化版を設計し、作出するための戦略を開発し、抗体のヒト化版は、親モノクローナル抗体の特性を保持する。ヒトIgG1/カッパアイソタイプのヒト定常領域およびF12P16F6のマウス可変領域を含む、chF6と名付けられたキメラモノクローナル抗CD138抗体をヒト化する実施例が、本明細書において提供される。
本明細書において作製されたchF6のヒト化版は、親chF6キメラ抗体に対して評価されることが多かった。適切な場合には、他の陽性および陰性対照も使用した。
5つのヒト化戦略を並行して使用し、この結果、3つのヒト化F12P16F6軽鎖配列および4つのヒト化F12P16F6重鎖配列が作製された。ある特定の実施形態では、方法は、ヒトフレームワークおよび定常領域へのマウス相補性決定領域(CDR)のグラフト化を含む。得られた3つのヒト化軽鎖および4つのヒト化重鎖の各々を、互いに組み合わせて発現させ、精製し、その結果、合計12のヒト化抗CD138モノクローナル抗体が得られた。ヒト化抗体を、その発現/精製プロファイル、生物物理学的特性、CD138ペプチド抗原への結合、天然CD138への結合および特異性について分析した。代表的なヒト化抗体をまた、他の生物物理学的特性についても評価した。
方法
chP16F6の発現および精製
キメラ抗体chP16F6の発現を指示するベクターを、EXPIFECTAMINE(商標)293トランスフェクションキットを使用して250mlの容積でExpi293細胞にトランスフェクトした。上清を、pH依存性プロテインA精製を利用して精製した。キメラ抗体を、HiTrap MabSelect SuRe 5mlを使用して精製した。精製後、抗体を、Zebaスピンカラムを使用して1×DPBSにバッファー交換した。chP16F6の回収は、2.21mg/mLで7.1mgであった。
F12P16F6のヒト化
(i)重大なフレームワーク残基が保存されながら、Kabat et al. (1991) "Sequences of Proteins of Immunological Interest" 5th ed. US Department of Health and Human Services, Public Health Service, National Institutes of Health(NIH刊行物番号91−3242)によって定義されたCDRが適当なヒト足場にグラフトされる、Jones et al. (1986) "Replacing the complementarity determining regions in a human antibody with those from a mouse" Nature 321:522-525およびVerhoeyen et al. (1988) "Reshaping human antibodies: grafting an anti-lysozyme activity" Science 239:1534-1536に従って実施された、CDRグラフティング(cdrと名付けられた)、(ii)重大なフレームワーク残基が保存されながら、軽鎖中の残基27D〜34、50〜55および89〜96ならびに重鎖中の31〜35B、50〜58および95〜101として定義された省略されたCDRが、適当なヒト足場にグラフトされる、Padlan et al. (1995) "Identification of specificity-determining residues in antibodies" FASEB J 9:133-139に従って実施された、省略されたCDRのグラフティング(abbと名付けられた)、(iii)重大なフレームワーク残基が保存されながら、抗原結合に関与している可能性がある残基が、適当なヒト配列中に移植される、Padlan et al. (1995) "Identification of specificity determining residues in antibodies" FASEB J 9:133-139に従って実施された、SDR移送(sdrと名付けられた)、(iv)重大なフレームワーク残基が保存されながら、CDRが、適当なヒト抗体に由来する個々のフレームワーク領域で構成されているヒト足場にグラフトされる、Wu and Kabat (1992) "Possible use of similar framework region amino acid sequences between human and mouse immunoglobulins for humanizing mouse antibodies" Mol. Immunol. 29:1141-1146に従って実施された、フランケンシュタインアプローチ(fraと名付けられた)および(v)重大なフレームワーク残基が保存されながら、構造が公知である場合には非ヒト抗体において、または構造が公知ではない場合には相同分子において、露出されている残基が、適当なヒト抗体からの対応する残基に変更される、Padlan (1991) "A possible procedure for reducing the immunogenicity of antibody variable domains while preserving their ligand-binding properties" Mol. Immunol. 28:489-498に従って実施された、ベニヤリング(venと名付けられた)から選択される方法を使用して、重鎖および軽鎖可変ドメインのヒト化を実施した。記載された方法のすべてにおいて、「適当なヒト抗体」は、最も近いヒト配列を表すように使用される(GenBankにおいて入手可能)。用語「重大なフレームワーク残基」は、三次元構造の維持に必要と思われる(PDBにおける関連高分解能X線構造の分析から)残基を表す。時には、抗体のSECプロファイルを改善するために、ヒト化の第2の「修復された」ラウンドが実施された。第2ラウンドにおいて生成されたヒト化抗体は、repまたはrepairの名称で示される。得られたヒト化重鎖および軽鎖可変領域のアミノ酸配列は、それぞれ、図10Aおよび10Bに示されている。
ヒト化P16F6修復コンストラクトの発現および精製
4つのヒト化重鎖の各々を、3つの軽鎖の各々を用いて修復して、12の異なる抗体(表18)を得た。12のヒト化P16F6抗体を、EXPIFECTAMINE(商標)293トランスフェクションキットを使用してExpi293細胞において発現させた。すべてのコンストラクトを、F6 cks−rep(さらなる研究のためにより多くが必要とされた)および低タンパク質発現による375mlのF6 f2ka−repを除いて、125mlの容積でトランスフェクトした。上清を0.22μmフィルターを通して濾過し、プロテアーゼ阻害剤を用いて処置した。バッファー交換後>5mg/Lの発現レベルおよび≧1mg/mLを上回って濃縮する能力を提供する抗体を、さらなる分析のために選択した。
Figure 2021165268
抗体を、pH依存性プロテインA精製(HiTrap MabSelect SuRe 5 mL)を利用して精製した。精製後、抗体を、Zebaスピンカラムを使用して1×DPBSにバッファー交換した。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)分析によって決定されたような回収および相対安定性は、ヒト化抗体間で異なった(示されていないSECプロファイル)。表19には、SECによって決定されたような、回収、濃度およびモノマーパーセントがまとめられている。11の代表的なヒト化抗体のSDS−PAGE分析が、図6に示されている。命名法は、hF6 xky−repの形をとることもあり、hは、ヒト化を表し、F6は、F12P16F6由来を表し、xは、ヒト化重鎖配列を作製するために使用された最初の手順の最初の文字を表し(例えば、xは、a=abb、s=sdr、f=fraまたはc=cdrであり得る)、kは、カッパ軽鎖を表し、yは、ヒト化軽鎖配列を作製するために使用された最初の手順の最初の文字を表す(a=abb、s=sdr、f=fra、c=cdr)。用語「rep」は、「修復された」を表し、ヒト化の少なくとも第2ラウンドが、多くは異なる方法を使用して実施されたことを示す。
Figure 2021165268
FACSによるヒト化P16F6修復コンストラクトのCD138結合
FACSによって、9つの代表的なヒト化抗CD138抗体でヒトCD138への細胞表面結合の分析を実施した(図7)。セクキヌマブを陰性対照として使用した。中程度のレベルのCD138を発現する2つの細胞株を使用して、結合を試験した;多発性骨髄腫細胞株KMS−11および膀胱癌株RT112/84。これまでの実験では、12P16F6 hIgG1は、RT122/84細胞においておよそ9nMの、およびKMS−11細胞において約3nMのEC50を示した。EC50は、4パラメータフィット曲線を使用して算出した(表20)。コンストラクトをまた、CD138陰性リンパ芽球であるARH−77細胞に対して試験した。NBは、特異的結合が観察されなかったことを示す。
Figure 2021165268
ヒト化P16F6修復コンストラクトのCD138結合ELISA
CD138結合ELISAを9つの代表的なヒト化抗体を用いて実施して、免疫処置に使用した線形CD138ペプチドの部分への結合を決定した(図7)。プレートを、hCD138ペプチド(AGEGPKEGEAVVLP;配列番号94)および陰性対照ペプチド(QAAVTSHPHGGMQPGLHETSA;配列番号124)またはF12P16F6が結合しないマウスCD138ペプチドを用いてコーティングした。コーティングされたプレートを、9つの代表的な抗体各々の種々の希釈物とともに一晩インキュベートし、結合をヤギ抗ヒトIgG(H+L)−HRPを用いて検出した。EC50を、4パラメータフィット曲線を使用して決定した(表21)。ELISAも実施して、プレートにコーティングされたヒトCD138−Fcタンパク質への結合を検出した(表21)。分析および結果は同様であった。
Figure 2021165268
選択された研究結果の概要
表22は、13の代表的なヒト化抗CD138モノクローナル抗体の分析結果の概要を示す。
Figure 2021165268
結晶構造の決定
ヒト化抗CD138抗体Fab断片との複合体中のヒトシンデカン−1ペプチドのX線結晶構造を、1.95Å分解能で解析した。構造は、非対称ユニットあたりシンデカン−1ペプチドおよびFab各々の1つのコピーを含んでいた(図8)。
構造説明
ヒト化抗体Fabは、ヒト化重鎖可変領域(配列番号90)およびヒト化軽鎖可変領域(配列番号41)を含む。CDR限界構造を、PyIgClassifyデータベースに従って分析した。重鎖CDRを以下のとおりに分類した:H1−13−1(CDR−長さ−クラスター)、H2−10−1およびH3−6−1。軽鎖CDRを以下のとおりに分類した:L1−16−1、L2−8−1およびL3−9−cis7−1。シンデカン−1ペプチドは、単一Fabに結合し、複合体形成によって、シンデカン−1ペプチドおよびFabの溶媒到達可能表面積の540 T2が埋もれる(313.6Å2鎖AおよびH;226.4 Å2鎖AおよびL)。
98〜108のすべての眼に見えるシンデカン−1ペプチド残基は、Fabとの直接接触に参加する(図8)。界面に関与する特定のFab残基は、鎖Hからの31〜33、35、47、50、52、58、94〜96および101〜102ならびに鎖Lからの27〜28、32、34、46、49〜50、89〜94および96である。これは、CDR H1から4個の残基が、CDR H2からの3個の残基およびCDR H3からの5個の残基とともに界面に参加することを意味する。さらに、CDR L1からの4個の残基、CDR L2からの2個の残基およびCDR L3からの7個の残基が、界面に参加する。
1mLの、5.88mg/mLのFabのアリコート(およそ125μM)を、250μMシンデカン−1ペプチド(AGEGPKEGEAVVLP;配列番号94)と混合し、4℃で2時間インキュベートした。複合体を、20mM Tris pH7.5および150mM NaClを含有するバッファーで予め平衡化されているS200サイズ排除カラムで分画した。ピーク画分をプールし、結晶化のために濃縮した。Bradfordアッセイによって決定されたような最終タンパク質濃度は、3mg/mLであった。
蚊ロボット(TTP Labtech)を使用して、96ウェル形式で蒸気拡散のハンギングドロップ法によって、およそ400の結晶化条件をスクリーニングした。結晶成長を2つの条件で20℃で観察した:2.1M DL−リンゴ酸pH7.0および60% Tacsimate pH7.0。結晶化を24ウェル形式でさらに最適化した。
結晶冷却およびデータ収集
1.7M DL−リンゴ酸、pH7.0を含有する沈殿剤溶液を用いて24ウェルプレートで蒸気拡散のハンギングドロップ法を使用して、記載された結晶を成長させた。社内X線回折スクリーニングによって、分解能は、結晶を3.0M DL−リンゴ酸、pH7.0を含有する溶液中に24時間予め浸漬することによって改善され得るということが示された。結晶を、浸漬液滴から直接ループで捕捉し、液体窒素中に沈めることによって低温冷却した。シンクロトロンデータセットを、ESRFビームラインID30A−1で収集した。
構造解および精緻化
MOSFLM(CCP4)およびAIMLESS(CCP4)におけるデータ処理によって、最も可能性の高い空間群は、P212121であり、単位セル寸法a=60.6Å、b=132.9Åおよびc=51.2Åを有し、411706.34Åの総セル容積をもたらすことが示された。マシューズ係数(2.14Å3/Daおよび42.7%溶媒含量)の算出によって、非対称ユニットあたりほぼ確実に1つの完全Fab−シンデカン−1複合体があることが示された。分子置換法(MR)において使用するためのモデルを、PDBに対して各構成成分(Fab重鎖および軽鎖)の配列をBLAST検索することによって選択した。最高配列同一性を有するモデルは、3sqo(Fab重鎖)および4ojf(Fab軽鎖)であった。PDBに寄託されたFab結晶構造の多数は、可変および定常ドメイン間に存在するエルボー角度の多様性を明らかにした。このエルボー角度の多様性は、2つのそうでなければ高度に相同なFab断片の全体的な三次構造を有意に異なるものにし、次いで、MRを失敗させる可能性がある。この理由のために、重鎖および軽鎖の可変および定常ドメインの間のヒンジ領域を除去して、4つの別個のMR検索アンサンブル(VH、VL、CHおよびCL)を作出した。COOTにおける目視検査後にアミノ酸残基を重および軽可変ドメインモデルのCDRからトリミングして、MRを失敗させる可能性のあるあらゆる潜在的な衝突を防いだ。完全Fabを構築するために必要であるインプット検索アンサンブル(VH、VL、CHおよびCL)のうち4つすべてを、PHASER(McCoy et al., 2007)(CCP4)を使用してMRによって正しく位置付けた。MRアウトプットモデルには、REFMAC5(CCP4)を使用する20サイクルのゼリーボディ精密化を与えた。CHSINSAW(CCP4)を使用して、タンパク質配列を、Fabのものに対応するように突然変異させた。電子密度マップにおいて視認されたFabの順序付けられた領域のすべてが完成するまで、モデル構築および精密化の連続サイクルによってモデルを繰り返し改善した。重鎖および軽鎖アミノ酸を、Kabat抗体番号付け規則に従って再度番号付けした。シンデカン−1ペプチドに対応する電子密度は、明確に視認できた。COOTにおいてシンデカン−1アミノ酸残基を手作業で付加し、正しい番号付けを適用した。COOTにおいて水置換オプションを使用して水分子を付加し、完全モデルをREFMAC5(CCP4)を使用して精緻化した。最終Fabモデルは、重鎖残基1〜216(鎖H)および軽鎖残基1〜212(鎖L)を含有し、いずれの鎖にも切断はなかった。最終シンデカン−1モデルは、残基98〜108(鎖A)を含有していた。最終モデルはまた、205水分子を含有していた。最終Rwork=21.2%、Rfree=26.1%。
Figure 2021165268
FGFR3フィノマー生成
ヒトFynキナーゼのSH3ドメインを、高親和性および特異性でFGFR3標的タンパク質に結合するフィノマーポリペプチドを操作するための足場として成功裏に使用した。8.5×1010を超える個々のフィノマークローンを含有する独自のファージディスプレイライブラリーを、種々の組換えFGFR3抗原での選択に使用した。種々の選択およびスクリーニング戦略を使用した。1つの戦略では、ヒトおよび/またはサル(例えば、カニクイザル、カニクイザル(Macaca fascicularis))由来の組換えFGFR3アイソフォーム3BおよびFGFR3アイソフォーム3Cを、少なくとも2つのFGFR3スプライスアイソフォーム(例えば、3Bおよび3C)と特異的に結合するフィノマーを発現するファージクローンの選択のために使用した。種々のFGFR3抗原および/またはFGFR3抗原の組合せを使用して数ラウンドの選択を実施した。フィノマー選択プロセスの1つの目標は、(i)FGFR3bおよびFGFR3c両方への選択的結合、(ii)ヒトおよびサルに対する、およびおそらくはマウスに対する交差反応性および(iii)結合された受容体を内部移行する能力を有するフィノマーを単離することであった。この代表的な実施例は、このようなフィノマーを選択するプロセスを説明する。
組換えヒトFGFR3b−FcおよびFGFR3c−Fcを標的として使用することで、本発明者らは、ヒトFGFR3の両方のスプライス変異体(FGFR3bおよびFGFR3c)に結合可能である、Fyn SH3由来結合タンパク質のいくつかのファミリーを成功裏に選択し、単離した。本発明者らは、さらなる研究のために最も有望な候補ファミリーを用いて継続した。
興味深いことに、29種の試験した抗FGFR3フィノマーの中で、FF2L4C3(配列番号101)と呼ばれ、RT−ループ配列「EVYGPTPM」(配列番号100)を保持するFyn SH3由来ポリペプチドが、選択プロセスの間に濃縮され、極めて有望な内部移行特性を示した(図10を参照されたい)。より詳細には、5種の他の配列ファミリーは、さらなる分析から排除された。最も有望な配列ファミリーに属するフィノマーは、最良の親和性および内部移行特性を示した。
より高い親和性および改善された内部移行特性を有するFyn SH3由来FGFR3結合剤を得るために、FF2L4C3(配列番号101)を親和性成熟のための鋳型として使用した。RT−ループ配列「EVYGPTP」(配列番号131)を一定に維持し、ランダム化n−src−ループレパートリーと組み合わせた(4〜6個のランダム化アミノ酸残基のストレッチを、配列番号99中の位置(X)〜(X)に導入した)。親和性成熟ライブラリー生成のプロセスは、ランダム化n−src−ループを用いるナイーブライブラリーのクローニングについて記載されたもの([25]に記載されるような「ライブラリー0」)と本質的に同一である。
ナイーブおよび親和性成熟選択後に、濃縮されたFyn SH3由来ポリペプチドを、溶解物ELISAによってFGFR3への結合についてスクリーニングした。Fyn SH3由来結合タンパク質をコードするDNAを、細菌発現ベクターpQE12(Qiagen)にクローニングし、その結果、得られたコンストラクトは、Grabulovski et al. [26]に記載されたようにC末端myc−ヘキサヒスチジンタグを保持していた。ポリペプチドを、96ウェル形式で大腸菌(E.coli)細菌のサイトゾルにおいて発現させ、ウェルあたり200μLの透明な溶解物を、Bertschinger et al. [27]に記載されるように準備した。手短には、形質転換された細菌コロニーを寒天プレートから選び取り、200μLの、100μg/mLのアンピシリンおよび0.1%(w/v)グルコースを含有する2xYT培地中で丸底96ウェルプレートで成長させた(Nunc、カタログ番号163320)。37℃で3時間成長させた後、1mM IPTG (Applichem、Germany)を添加して200r.p.m.で回転振盪することによって、タンパク質発現を誘導した。タンパク質をロータリーシェーカー(200r.p.m.、30℃)中で一晩発現させた。その後、96ウェルプレートを1800gで10分間遠心分離し、上清を廃棄した。細菌ペレットを、BugBuster(登録商標)およびBenzonase(登録商標)(Millipore 70750−3)を使用して溶解し、その後、溶解物を1800×gで10分間の遠心分離によって透明化した。60μLの溶解物を、170μLのPBSと混合し、あらゆる残存する細菌細片を排除するために0.45μmのMultiscreen濾紙プレート(Millipore MSHVN4510)を通して濾過した。
モノクローナル細菌溶解物をELISAに使用した。ELISAのために、5μg/mLのhuFGFR3b−Fc、5μg/mLのhuFGFR3c−Fcまたは5μg/mLのポリIgGのいずれかを用いてMaxisorpプレートを一晩コーティングし、2% MPBSを用いて少なくとも1時間ブロッキングした。C末端myc−およびヘキサヒスチジンペプチドタグを有する可溶性フィノマーを含有する透明な溶解物を、マウスモノクローナル抗mycタグ抗体、クローン9E10(Roche Applied Science 11 667 203 001)を含有する2%MPBS中で、maxisorpプレートに添加した。結合されたフィノマーを、抗マウスIgGセイヨウワサビペルオキシダーゼコンジュゲート(Sigma−Aldrich A2554)によって9E10を介して検出した。ペルオキシダーゼ活性の検出は、BMブルーPOD基質(Roche)を添加することによって行い、1M HSOを添加することによって反応を停止した。
特異的結合剤のDNA配列を、DNAシーケンシングによって検証した。
結果
FGFR3bおよびFGFR3cに特異的に結合する代表的なELISA陽性Fyn SH3由来ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号101、103、105、107、109および111に示されている。Fyn−SH3由来ポリペプチド配列番号103、105、107および109は、FF2L4C3(配列番号101)の親和性成熟後に得られた分子の大きなプールからの結合剤の選択であり、改善された親和性および内部移行特性のために本明細書において示される(本明細書において示されるような)。
配列番号101に由来する80を超えるフィノマーを得、特性決定し、各々FGFR3bおよびFGFR3cへの特異的結合を実証し、望ましい生物物理学的特性、親和性および内部移行特性を実証した。配列番号103、105、107、109および111のアミノ酸配列を有するフィノマーは、これらの結合剤のうち代表的なものである。
本発明のFyn SH3由来ポリペプチドは、ヒトFGFR3bおよびFGFR3cと高親和性で結合する
この実施例は、表面プラズモン共鳴およびフローサイトメトリー実験による好ましいFyn SH3由来FGFR3結合ポリペプチドの特性決定を示す。
方法
a)BIAcoreによる親和性測定
親和性をBIAcore T200機器を使用して測定した。CM5シリーズSチップ(GE Healthcare BR−1005−30)上の1つのフローセルを、アミンカップリングキット(GE Healthcare BR100633)を使用して、抗myc抗体9E10(Roche 11 667 203 001;6000から8000RUの範囲のコーティング密度)を用いてコーティングした。
500nMの濃度の親フィノマーFF2L4C3(配列番号101)ならびに100nMの濃度の配列番号103、105、107、109および111を有するフィノマーを、9E10表面で捕捉し、続いて、種々の濃度のhuFGFR3b−Fc、huFGFR3c−FcまたはcynoFGFR3c−Fc(親フィノマーFF2L4C3の測定のための0nM、3.9nM、7.8nM、15.6nM、31.25nM、62.5nM、125nM、250nMおよび500nM、配列番号103、105、107、109および111を有するフィノマーのための0nM、0.046nM、0.14nM、0.41nM、1.2nM、3.7nM、11.1nM、33.3nMおよび100nM)を注射した。センソグラムを記録し、BIAevaluation 2.1ソフトウェアにおいて1.1ラングミュア相互作用モデルを使用して曲線フィッティングによって見かけの動態定数を決定した。
b)フローサイトメトリーによる親和性測定
フィノマーの細胞上のhuFGFR3への結合を、FGFR3陽性細胞としてKMS−11細胞(JCRB1179)を、およびFGFR3陰性対照細胞株としてN87(ATCC、CRL−5822)を使用するフローサイトメトリーによって分析した。KMS−11およびN87細胞の両方とも、RPMI1640培地(Invitrogen 52400−25)で維持した。すべての培地に、25U/mLのペニシリン、25μg/mLのストレプトマイシンおよび10%のFCSを補給した。T150フラスコから半接着性KMS−11細胞を収集するために、上清を50mLファルコンチューブ中に回収し、細胞を10ml PBSで洗浄し、これもファルコンチューブに添加した。フラスコに2mlのアキュターゼ(Sigma A6964)を添加し、37℃で10分間インキュベートした。10ml培地の添加によってアキュターゼを不活性化し、ファルコンチューブに添加し、これを遠心分離(250×g、5分)して、細胞をペレットにした。細胞を、FACSバッファー(PBS+1% FCS+0.2%ナトリウムアジド)で1×10個細胞/mLの細胞濃度に再懸濁し、96ウェル丸底プレート(Nunc 163320)におけるフローサイトメトリー染色のためにウェルあたり100μLを使用した(1×10個細胞/ウェル)。接着性N87細胞については、上清および洗浄液を廃棄し、アキュターゼによって剥離された細胞のみを集め、準備した。
フィノマーを、マウス抗myc抗体(クローン9E10;Roche 11667149001)と同時インキュベートして、細胞結合の前にmycタグが付いたフィノマーの架橋結合を可能にした。フィノマーを1μMに希釈し、FACSバッファー中、667nMの9E10抗myc抗体(3:2モル比)と氷上でおよそ10分間同時インキュベートした。
この混合物を、0.06nMのフィノマー濃度まで4分の1で段階希釈した(合計8濃度)。対照は、二次抗体9E10のみ(フィノマーなし;667nM 9E10)、細胞のみ(FACSバッファーのみ)および10nMの濃度の抗FGFR3抗体(R&D systems;カタログ番号MAB766)を含んでいた。細胞を96ウェルプレート中で遠心分離し(250×g、5分)、上記で示されたサンプルで再懸濁し、その後、氷上で1時間インキュベートした。プレートを遠心分離し、洗浄し(PBS+0.2%ナトリウムアジド)、その後、再度遠心分離した。次いで、50μLの二次抗体抗mIgG Alexa488(Life Technologies A21202)を、細胞に4μg/mLの濃度で添加し、その後、暗所、氷上で45分間インキュベートした。プレートを遠心分離し、PBS+0.2%ナトリウムアジドで2回洗浄し、その後、FACSバッファーに再懸濁し、FACS分析(Millipore Guava easyCyte 8HT)を行った。
Prism 6を使用してFACSデータ分析を実施した。データを変換し(X=logX)、非線形フィット、log(アゴニスト)対反応−可変勾配(4パラメータ)を使用して分析した。
結果
a)BIAcoreによる親和性測定
結合特性を、BIAcoreチップでのリアルタイム相互作用分析によって分析し、選択されたFGFR3結合ポリペプチドの以下の解離定数(KD)が明らかとなった:
Figure 2021165268
FGFR3bおよびFGFR3cに結合するFyn SH3由来ポリペプチド(配列番号101、103、105、107、109および111)の測定された見かけの親和性(表24)は、1ラウンドのみの親和性成熟後にナノモル未満の値が得られたという事実を考慮して驚くほど高かった。さらに、これらの測定値によって、Fyn SH3由来ポリペプチド(配列番号101、103、105、107、109および111)の、FGFR3の両方のヒトアイソフォーム(FGFR3bおよびFGFR3c)への、およびカニクイザルFGFR3cへの(カニクイザルFGFR3bへの結合は試験されなかった)同等の結合特性が確認された。
b)フローサイトメトリーによる親和性測定
結合特性を、FGFR3陽性KMS−11細胞および陰性対照としてFGFR3陰性N87細胞を使用するフローサイトメトリーによって分析した。選択されたFGFR3結合ポリペプチドの以下のEC50値は、表25および図11に示されるように測定した。
Figure 2021165268
FGFR3を発現する細胞株で測定された、低ナノモル範囲(表25)におけるEC50値(図11A、KMS−11)によって、表面プラズモン共鳴によって測定された高い見かけの親和性が確認され(表24)、細胞表面の天然状況におけるFGFR3への結合が実証される。FGFR3に結合するすべてのFyn SH3由来ポリペプチド(配列番号101、103、105、107、109および111)は、FGFR3を発現しない細胞株で非特異的結合を示さなかった(図11B)。
FGFR3に特異的な本発明のFyn SH3由来ポリペプチドは、リガンド結合に干渉しない
両アイソフォームFGFR3bおよびFGFR3cと結合するためのFyn SH3由来ポリペプチドが、リガンド(例えば、FGF1)結合に干渉しない場合、リガンド結合部位がスプライス部位に近接して位置するように、FGFR3bまたはFGFR3cのいずれかを生じさせることが好ましいであろう。
Fyn SH3由来ポリペプチドの、そのリガンドのうちの1つの存在下でFGFR3に結合する能力を検証する目的で、FGF1の存在下または不在下でのフィノマーのFGFR3に対する親和性を測定するためにBIAcore実験を設定した(線維芽細胞増殖因子1は、FGFR3の主要なリガンドの1つである)。
親和性を測定するために使用される方法(実施例5に記載されるような)と同様に、100nMの濃度のフィノマー(500nMの濃度で使用されるFF2L4C3−配列番号101を除いて)を9E10表面で捕捉し、続いて、200nM FGF1(R&D systems 232−FA−025/CF)の存在下または不在下で、種々の濃度のhuFGFR3c−Fc(0nM、11nM、33nM、100nM)を注射した。センソグラムを記録し、BIAevaluation 2.1ソフトウェアを使用して見かけの動態定数を算出した。
結果
溶液中の200nM FGF1の有無とは独立に、Fyn SH3由来ポリペプチドの、huFGFR3cへの結合は、不変であり、フィノマーのFGFR3への結合は、リガンド結合に干渉しないことを示した。表27は、200nM FGF1の存在下または不在下で得られた動態定数を示す。
Figure 2021165268
それにもかかわらず、アッセイ変動性のために、FGF1の不在下でのKDappの値は、実施例2において示された実験において得られた値とはわずかに異なっており(表24)、この実験は、Fyn SH3由来ポリペプチドは、リガンド(この場合には、FGF1)が、リガンド結合部位に結合される場合であっても、FGFR3と結合できることを示す。このことから、本発明者らは、本明細書において記載されるFyn SH3由来ポリペプチドによって結合されるエピトープは、FGFR3の定常領域に位置すると結論付ける。
本発明のFyn SH3由来ポリペプチドは、FGFR3のドメインD1〜D2に結合する
FGFR3へのFyn−SH3由来ポリペプチド結合の特異性を、ELISAによって試験した。
種々の抗原を、プレート(Maxisorpプレート;Nunc 439454)にコーティングした:huFGFR3b−Fc、huFGFR3c−Fc、cyFGFR3c−Fc、muFGFR3c−His、huD1−Fc、huD2−Fc、huD1−D2−Fc。
プレートを、5μg/mLの100μLの抗原(0.5μg/ウェル)を用いてコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。ウェルをPBSで3回洗浄し、その後、200μLの4%MPBSを用いて室温で1時間ブロッキングした。ウェル再度を洗浄し、20μLの、15μg/mLの9E10を含有する10%MPBSを添加し、その後、250nMの80μlのフィノマーを添加した(200nM最終フィノマー濃度)。ウェルを室温で45分間インキュベートし、その後、洗浄し、100μLの、2%MPBSで1:1000希釈した抗マウスIgG−HRP(Sigma A2554)を添加した。ウェルを室温で30分間インキュベートし、その後、PBS中の0.1%Tween−20を用いて3回、次いで、PBSで3回洗浄した。各ウェルに100μLのBM POD Blue基質(Roche 11 484 281 001)を添加し、続いて、50μLの1M HSOを添加して、反応を停止させた。Tecan M1000機器を使用して吸光度450nM〜650nMを記録した。
結果
図12A〜Fに示されるように、Fyn SH3由来ポリペプチドはすべて、カニクイザルおよびマウスFGFR3cに対して交差反応性である。興味深いことに、すべての結合剤は、ドメインD1およびD2が物理的に連結されている場合にのみ存在するエピトープに対して特異的であり(図12A〜FバーhuFGFR3−D1D2を参照されたい)、実際、単一ドメインD1またはD2(hFGFR3−D1またはhuFGFR3−D2)が、ELISAプレート上に固定化されている場合には結合は観察されない。
本発明のFyn SH3由来ポリペプチドは、FGFR3の効率的な内部移行を引き起こす
内部移行は、本明細書において記載されるFyn SH3由来ポリペプチドの中心的な特徴であり、毒性ペイロードおよび/または融合されたタンパク質、例えば、抗体を細胞内に送達するためにこれらの結合剤を使用する機会を提供する。
FGFR3に結合するFyn SH3由来ポリペプチドの、標的への結合の際に内部移行する能力を評価するために、細胞傷害性薬剤の細胞内デリバリーに基づく内部移行アッセイを確立した。
アッセイは、KMS−11細胞に対するMMAF(モノメチルオーリスタチンF)がコンジュゲートしている9E10と架橋している抗FGFR3フィノマーの細胞傷害性効果を測定する。MMAFは、細胞分裂抑制薬(チュブリン重合を遮断する)であり、細胞中への内部移行の際にのみ活性である。したがって、このアッセイは、フィノマーがMMAFの内部移行をどれ程促進するか示す。50μLの、2×10個細胞/mLのKMS−11細胞を、96ウェル平底プレート(Corning Costar 3610)中に播種して、ウェルあたり10,000個細胞を得た。細胞を4時間インキュベートして、細胞を接着させた(37℃、5%CO)。フィノマーおよび9E10−MMAFを、3:1比で混合した。フィノマーの4×ストック(4μM)および9E10−MMAFの4×ストック(1.33μM)をRPMI培地で調製し(節5.4.1を参照されたい)、1:1混合した(40μl+40μL)。次いで、この混合物を、3分の1で段階希釈して、濃度範囲1000nM〜50pMを得た。50μLのサンプルを50μLの細胞に添加し(上記で播種されたように)、5日間インキュベートした(37℃、5%CO2)。適当な対照、野生型フィノマーFynSH3、フィノマーを有さないMMAF−9E10およびまた、いかなる試薬の付加も伴わない細胞が含まれた。すべてのサンプルを2連で調製した。5日後、100μLの細胞力価glo(Promega G7573)を各ウェルに添加し、穏やかに振盪しながら暗所で10分間インキュベートした。細胞生存力の読み取りとして、Tecan M1000機器を使用して発光を測定した。分析は、Prism 6を使用して実施した。データを変換し(X=logX)、非線形フィット、log(阻害剤)対反応−可変勾配(4パラメータ)を使用して分析した。
結果
本明細書において記載されるすべてのFyn SH3由来FGFR3結合ポリペプチドは、おそらくはMMAF自体の毒性のために、試験された最高濃度でのみ細胞傷害性を示す、MMAF標識された二次抗体のみ(図13Aにおける9E10)または3実験すべてにおいて示されたMMAF標識された9E10と組み合わせた野生型フィノマーFynSH3(FynSH3として示された図13A〜C)を用いて処置された細胞と比較して、細胞傷害性(例えば、内部移行)の増大を示す。図13は、種々の実験において得られた細胞傷害性プロファイルを示し、表27は、種々のFyn SH3由来FGFR3結合ポリペプチドについて得られたEC50を示す。
Figure 2021165268
図13および表27において示されたデータは、親和性の増大はまた、より効率的な内部移行につながることを示す。
優れた結合および内部移行特性を示し、種々のファミリーに由来する代替Fyn−SH3由来ポリペプチド
配列番号99に由来する配列のファミリーに加えて、本発明者らは、驚くべきことに、同様に優れた結合および内部移行特性を示し、配列番号99に由来するフィノマー(表28を参照されたい)と製造可能性および交差反応性特性を共有する、代替フィノマー、FF40L54A5(GVTLFVALYDYEVMSTTALSFHKGEKFQILSQSPHGQYWEARSLTTGETGWIPSNYVAPVDSIQ;配列番号116)を同定した。フィノマーFF40L54A5は、その配列が、極めて不十分な内部移行特性しか示さなかったフィノマーに由来したので、優れた内部移行特性を有すると予測されなかった。
表28に、フィノマーFF40L54A5の特性をまとめた。
Figure 2021165268
フィノマー−抗体二重特異性結合物質(フィノマブ(Fynomabs))
以下は、FGFR3結合フィノマーの一実施形態および抗CD138モノクローナル抗体の一実施形態を含む二重特異性結合物質を作製する限定されない例を提供する。本明細書において開示されるフィノマーの任意の実施形態は、FGFR3に、およびCD138に特異的に結合する二重特異性結合物質を作製するために本明細書において開示される抗CD138抗体またはその結合部分の任意の実施形態に結合され得る。この実施例において使用されるFGFR3結合フィノマーは、FF48L66G7(「G7」、(配列番号107))と名付けられ、hF6と名付けられたヒト化抗CD138モノクローナル抗体に結合される。hF6抗体は、配列番号93の重鎖可変領域および配列番号44の軽鎖可変領域を含むヒト化IgG1/カッパ抗体である。G7フィノマーは、マウスおよびヒトFGFR3の両方に特異的に結合する。G7フィノマーはまた、FGFR3bおよびFGFR3cの両方に特異的に結合する。G7フィノマーは、組換え技術を使用して、hF6モノクローナル抗体上の4つの異なる位置でリンカーGGGGSGGGGSGGGGSによって共有結合によって結合された。位置は、重鎖または軽鎖N末端(それぞれ、HNおよびLNと示される)ならびに重鎖または軽鎖C末端(それぞれ、HCおよびLCと示される)を含む(例えば、図14を参照されたい)。手短には、重鎖のN末端に融合されたG7を含むhF6の発現のために、リンカーをコードする配列の5’に、それとインフレームで位置するG7の発現を指示するコーディング領域およびhF6重鎖の発現を指示するコーディング領域を含む核酸コンストラクトを作製した。次いで、hF6−HN−G7コンストラクトを、CHO細胞に、hF6軽鎖の発現を指示する核酸コンストラクトと同時トランスフェクトした。得られたIgG1/カッパアイソタイプの全長hF6抗体およびG7フィノマー(hF6−HN−G7)を含む二重特異性結合物質を、細胞培養上清から単離し、精製した。
同様に、重鎖のC末端に融合されたG7を含むhF6の発現のために、リンカーをコードする配列の5’に、それとインフレームで位置するhF6重鎖の発現を指示するコーディング領域およびG7の発現を指示するコーディング領域を含む核酸コンストラクトを作製した。軽鎖のN末端に融合されたG7を含むhF6の発現のために、リンカーをコードする配列の5’に、それとインフレームで位置するG7の発現を指示するコーディング領域およびhF6軽鎖の発現を指示するコーディング領域を含む核酸コンストラクトを作製した。軽鎖のC末端に融合されたG7を含むhF6の発現のために、リンカーをコードする配列の5’に、それとインフレームで位置するhF6軽鎖の発現を指示するコーディング領域およびG7の発現を指示するコーディング領域を含む核酸コンストラクトを作製した。次いで、示されたコンストラクトをCHO細胞に、hF6の対応する重鎖または軽鎖の発現を指示する核酸コンストラクトと同時トランスフェクトした。得られたIgG1/カッパアイソタイプの全長hF6抗体およびG7フィノマーを含む二重特異性結合物質(すなわち、hF6−HC−G7、hF6−LC−G7およびhF6−LN−G7)を、細胞培養上清から単離し、精製した。得られた二重特異性結合物質の各々を、ELISAによってCD138およびFGFR3への結合についてアッセイし、その結果は、表29に示されている。
Figure 2021165268
表28では、hF6−LC−G7と名付けられた二重特異性コンストラクトは、G7フィノマーの、hF6抗体の軽鎖のC末端への結合を示し(例えば、図14Cの実施形態を参照されたい)、hF6−LN−G7は、G7フィノマーの、hF6抗体の軽鎖のN末端への結合を示し(例えば、図14Dの実施形態を参照されたい)、hF6−HC−G7は、G7フィノマーの、hF6抗体の重鎖のC末端への結合を示し(例えば、図14Aの実施形態を参照されたい)、hF6−HN−G7は、G7フィノマーの、hF6抗体の重鎖のN末端への結合を示す(例えば、図14Bの実施形態を参照されたい)。表28は、得られた二重特異性結合物質が、ELISAによって決定されるように、マウスFGFR3cおよびヒトCD138に対する特異的結合親和性を保持していたことを示す。
CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)を、細胞表面にヒトFGFR3c(図16A)またはヒトFGFR3b(図16B)を発現するようにトランスフェクトした。次いで、FACs分析によって、代表的な二重特異性結合物質hF6−HN−G7は、トランスフェクトされたCHO細胞の細胞表面に発現されたヒトFGFR3b(図16B)およびヒトFGFR3c(図16A)の両方と特異的に結合するとわかった。
表28および図16の代表的な結合データは、二重特異性結合物質が、G7フィノマーの結合特異性ならびにhF6抗CD138抗体の結合特異性を保持することを実証する。
フィノマー/抗体(フィノマブ)薬物コンジュゲート
代表的な二重特異性結合物質hF6−S119C−HN−G7を、式IIのPBD毒素に部位特異的にコンジュゲートして、hF6−S119C−HN−G7−IIと名付けられた二重特異性結合物質の代表的な薬物コンジュゲートを作製した。hF6−S119C−HN−G7−IIは、10000pM未満の濃度で、ヒトFGFR3b(図17B)およびヒトFGFR3c(図17C)を発現するCHO細胞への特異的細胞傷害性を実証したが、トランスフェクトされていないCHO細胞の特異的死滅は実証しなかった(図17A)。高濃度の薬物がコンジュゲートされた結合物質(すなわち、>10000pM)で観察された細胞傷害性は、結合とは独立に、高濃度の毒素自体による非特異的死滅による可能性が最も高い。
代表的な二重特異性結合物質薬物コンジュゲートhF6−HN−G7−IIおよびhF6−LN−G7−IIもまた、細胞株KMS−11(高度CD138発現性細胞株)およびOPM−2(中度CD138発現性細胞株)に対して特異的細胞傷害性を実証したが、ARH−77(陰性対照細胞株)(例えば、図19を参照されたい)には実証しなかった。
二重特異性結合物質hF6−HN−G7の抗体部分(すなわち、hF6)を、hF6抗体重鎖定常領域中の5つの位置(すなわち、S119、V282、T289、N361およびV422)のうち1つでシステインアミノ酸置換を組み込むように操作し、それによって、hF6−S119C、hF6−V282C、hF6−T289C、hF6−N361CおよびhF6−V422Cと名付けられたシステイン置換抗体を提供した。対応する二重特異性結合物質は、それぞれhF6−S119C−HN−G7、hF6−V282C−HN−G7、hF6−T289C−HN−G7、hF6−N361C−HN−G7およびhF6−V422C−HN−G7と名付けられ、「G7」は、hF6の重鎖のN末端に結合されているFF48L66G7フィノマーの存在を示す。操作されたシステイン残基は、抗悪性腫瘍剤の、二重特異性結合物質各々への部位特異的コンジュゲーション(SSC)のためのコンジュゲーション点を提供した。親hF6−HN−G7の代表的な配列は以下に示されている。点線の下線は、シグナル伝達配列を示し、単一下線は、フィノマー部分に相当し、二重下線は、任意選択のリンカー領域に相当し、それにhF6抗体の重鎖が続く。システインに独立に突然変異されたアミノ酸各々(すなわち、A118、S119、S239、V282、T289、N361およびV422)が示されている。
配列番号125
Figure 2021165268
配列番号125(続き)
Figure 2021165268
A118C、S119C、S239C、V282C、T289C、N361CおよびV422Cの重鎖定常領域中に突然変異を有する二重特異性結合物質、すなわち、二重特異性結合物質hF6−A118C−HN−G7、hF6−S119C−HN−G7、hF6−S239C−HN−G7、hF6−V282C−HN−G7、hF6−T289C−HN−G7、hF6−N361C−HN−G7およびhF6−V422C−HN−G7のアミノ酸配列が、配列番号135〜141として提供されている。
代表的な二重特異性結合物質の各々は、式IIの例示的毒性ピロロベンゾジアゼピン(PBD)にコンジュゲートされた(図18も参照されたい)。確率論的にコンジュゲートされた二重特異性結合物質を、修飾DHAA還元プロトコールを使用して社内でコンジュゲートした。手短には、抗体剤をdPBS中1.1mgに希釈し、2×〜20×安定化TCEP(結合破壊剤(bond breaker))を用いて、25〜37℃で時折旋回させながら1〜3時間還元した。次いで、サンプルを、1mM EDTAを有するdPBSにバッファー交換して、TCEPを除去し、2.5×DHAAを使用して室温で2.5時間酸化した。抗体をdPBSにバッファー交換して、DHAAを除去し、8×の毒素IIとともに室温で1.5時間インキュベートした。次いで、コンジュゲートされた薬剤を、dPBSにバッファー交換し、ナノドロップ(nanodrop)によって濃度を決定した。部位特異的コンジュゲーションは、あまりストリンジェントではない還元条件下で達成した。得られた、部位特異的にコンジュゲートされた、薬物がコンジュゲートされた二重特異性結合物質は、hF6−S119C−HN−G7−II、hF6−V282C−HN−G7−II、hF6−T289C−HN−G7−II、hF6−N361C−HN−G7−IIおよびhF6−V422C−HN−G7−IIと名付けられた。
「高度CD138」発現性細胞株(KMS11)、「中度CD138」細胞株(RT112)および陰性対照細胞株(ARH77)を使用して、5日細胞傷害性アッセイを実施した(N=3)。細胞傷害性アッセイの結果は、以下の表および図20に示されている。
Figure 2021165268
hF6−S119C−HN−G7−II、hF6−V282C−HN−G7−IIおよびhF6−T289C−HN−G7−IIと名付けられた代表的な薬物がコンジュゲートされた二重特異性結合物質を、KMS−11細胞(高度発現性CD138細胞株)、RT−112細胞、AN3CA細胞(CD138/FGFR3陽性細胞株)、HCC1806細胞(CD138/FGFR3陽性細胞株)(例えば、図20を参照されたい)および他の細胞種に対するインビトロ毒性アッセイで試験した。細胞の細胞傷害性結果は、以下の表にまとめられている。
Figure 2021165268
hF6−S119C−HN−G7−II、hF6−V282C−HN−G7−IIおよびhF6−T289C−HN−G7−IIと名付けられた代表的な薬物がコンジュゲートされた二重特異性結合物質を、種々の用量でインビボ異種移植研究において試験した(図21)。手短には、免疫不全の雌マウス(株:Nu/Nu)に、5×10個のAn3CAまたはHCC1806細胞を用いて皮下に播種した。腫瘍をデジタルノギスを使用して測定し、腫瘍容積を、式0.5236*L*Wに従って決定した。腫瘍が175mm(AN3CA)または195mm(HCC1806)の平均に達した時点で、マウスをランダム化し、示された二重特異性結合物質を用いて静脈内に投薬した。結果は、以下の表32(AN3CA)および33(ACC1806)にまとめられている。
Figure 2021165268
Figure 2021165268
ある特定の代表的な配列
ヒトシンデカン−1(シンデカン−1)−UniProtKB−P18827
配列番号1
MRRAALWLWLCALALSLQPALPQIVATNLPPEDQDGSGDDSDNFSGSGAGALQDITLSQQTPSTWKDTQLLTAIPTSPEPTGLEATAASTSTLPAGEGPKEGEAVVLPEVEPGLTAREQEATPRPRETTQLPTTHLASTTTATTAQEPATSHPHRDMQPGHHETSTPAGPSQADLHTPHTEDGGPSATERAAEDGASSQLPAAEGSGEQDFTFETSGENTAVVAVEPDRRNQSPVDQGATGASQGLLDRKEVLGGVIAGGLVGLIFAVCLVGFMLYRMKKKDEGSYSLEEPKQANGGAYQKPTKQEEFYA
マウスシンデカン−1(シンデカン−1)−UniProtKB−P18828
配列番号126
MRRAALWLWLCALALRLQPALPQIVAVNVPPEDQDGSGDDSDNFSGSGTGALPDTLSRQTPSTWKDVWLLTATPTAPEPTSSNTETAFTSVLPAGEKPEEGEPVLHVEAEPGFTARDKEKEVTTRPRETVQLPITQRASTVRVTTAQAAVTSHPHGGMQPGLHETSAPTAPGQPDHQPPRVEGGGTSVIKEVVEDGTANQLPAGEGSGEQDFTFETSGENTAVAAVEPGLRNQPPVDEGATGASQSLLDRKEVLGGVIAGGLVGLIFAVCLVAFMLYRMKKKDEGSYSLEEPKQANGGAYQKPTKQEEFYA
ラットシンデカン−1(シンデカン−1)−UniProtKB−P26260
配列番号127
MRRAALWLWLCALALRLQPALPQIVTANVPPEDQDGSGDDSDNFSGSGTGALPDMTLSRQTPSTWKDVWLLTATPTAPEPTSRDTEATLTSILPAGEKPEEGEPVAHVEAEPDFTARDKEKEATTRPRETTQLPVTQQASTAARATTAQASVTSHPHGDVQPGLHETLAPTAPGQPDHQPPSVEDGGTSVIKEVVEDETTNQLPAGEGSGEQDFTFETSGENTAVAGVEPDLRNQSPVDEGATGASQGLLDRKEVLGGVIAGGLVGLIFAVCLVAFMLYRMKKKDEGSYSLEEPKQANGGAYQKPTKQEEFYA
アカゲザル(Macaca mulatta)(アカゲザル)シンデカン−1−UniProtKB−A0A1D5RIX8
配列番号128
MGATAYIPNSNSLSALLRGLELPHQTELLRVRALPTLLCPCALCRAPGCVQIVATNLPPEDQDGSGDDSDNFSGSGAGALQDITLSQQTPSTWKDTWLLTATPMSPEPTGLEATAASTSTLPAGEGPKEGEAVVLLEVEPDLTAREQEATPQPTETTQLPTTHQAPTARATTAQEPATSHPHRDMQPGHHETSAPAGPGQADLHTPRTEDGGPSATERAAEDGASSQLPAAEGSGEQDFTFETSGENTAIVAVEPDHRNQSPVDPGATGASQGLLDRKEVLGGIIAGGLVGLIFAVCLVGFMLYRMKKKDEGSYSLEEPKQANGGAYQKPTKQEEFYA
ハイイロオオカミ(Canis lupus)ファミリー(イヌ)(イヌ(Canis familiaris))シンデカン−1−UniProtKB−E2RT70
配列番号129
MRRAALWLWLCALALRLQPALPQIVATNVPPEDQDGSGDDSDNFSGSGAGALQDITLSQQTPSTWKDMALLTAMPTAQEPTGADDIDSSTSILLTREGPEGGEAVLVAEAEPGFTDREKETAHPPSETTPHPTTHRASTARATTAQGPATLHPHRDAQPDHHQISVLAEPSQLDPHTPRVEDGGPSATERAAEDGVSTQLPAGEGSGEQDFTFDVSGENTAGTAVEPDQRNQPPVDRGATGASQGLLDRKEVLGGVIAGGLVGLIFAVCLVGFMLYRMKKKDEGSYSLEEPKQANGGAYQKPSKQEEFYA
カニクイザル(Macaca fascicularis)(カニクイザル)シンデカン−1
配列番号130
MRRAALWLWLCALALSLQPAMPQIVATNLPPEDQDGSGDDSDNFSGSGAGALQDITLSQQTPSTWKDTWLVRATPMSPEPTGLEATAASTSTIQAGEGPKEGEAVVLLEVEPDLTAREQEATPQPTETTQLPTTHQAPTARATTAQEPATSHPHRDMQPGHHETSAPAGPGQADLHTPRTEDGGPSATERAAEDGASSQLPAAEGSGEQDFTFETSGENTAIVAVEPDHRNQSPVDPGATGASQGLLDRKEVLGGIIAGGLVGLIFAVCLVGFMLYRMKKKDEGSYSLEEPKQANGGAYQKPTKQEEFYA
ヒト、FGFR3、アイソフォームb(配列番号97)
ISESLGTEQRVVGRAAEVPGPEPGQQEQLVFGSGDAVELSCPPPGGGPMGPTVWVKDGTGLVPSERVLVGPQRLQVLNASHEDSGAYSCRQRLTQRVLCHFSVRVTDAPSSGDDEDGEDEAEDTGVDTGAPYWTRPERMDKKLLAVPAANTVRFRCPAAGNPTPSISWLKNGREFRGEHRIGGIKLRHQQWSLVMESVVPSDRGNYTCVVENKFGSIRQTYTLDVLERSPHRPILQAGLPANQTAVLGSDVEFHCKVYSDAQPHIQWLKHVEVNGSKVGPDGTPYVTVLKSWISESVEADVRLRLANVSERDGGEYLCRATNFIGVAEKAFWLSVHGPRAAEEELVEADEAGSVYAG
ヒト、FGFR3、アイソフォームc(配列番号98)
ISESLGTEQRVVGRAAEVPGPEPGQQEQLVFGSGDAVELSCPPPGGGPMGPTVWVKDGTGLVPSERVLVGPQRLQVLNASHEDSGAYSCRQRLTQRVLCHFSVRVTDAPSSGDDEDGEDEAEDTGVDTGAPYWTRPERMDKKLLAVPAANTVRFRCPAAGNPTPSISWLKNGREFRGEHRIGGIKLRHQQWSLVMESVVPSDRGNYTCVVENKFGSIRQTYTLDVLERSPHRPILQAGLPANQTAVLGSDVEFHCKVYSDAQPHIQWLKHVEVNGSKVGPDGTPYVTVLKTAGANTTDKELEVLSLHNVTFEDAGEYTCLAGNSIGFSHHSAWLVVLPAEEELVEADEAGSVYAG
ある特定の実施形態
A1.(a)シンデカン−1(CD138)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分および(b)線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)に特異的に結合するフィノマーを含む二重特異性結合物質。
A1.1.シンデカン−1が、哺乳動物シンデカン−1である、実施形態A1の二重特異性結合物質。
A1.2.シンデカン−1が、ヒトシンデカン−1、マウスシンデカン−1およびサルシンデカン−1から選択される、実施形態A1またはA1.1の二重特異性結合物質。
A1.3.二重特異性薬剤および/または抗体もしくはその抗原結合部分が、ヒトシンデカン−1およびマウスシンデカン−1に特異的に結合する、実施形態A1〜A1.2のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A1.4.二重特異性薬剤および/または抗体もしくはその抗原結合部分が、ヒトシンデカン−1およびサルシンデカン−1に特異的に結合する、実施形態A1〜A1.3のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A1.5.二重特異性薬剤および/または抗体もしくはその抗原結合部分が、ヒトシンデカン−1、マウスシンデカン−1およびサルシンデカン−1に特異的に結合する、実施形態A1〜A1.4のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A1.6.サルシンデカン−1が、マカク属のサルにおいて発現された、から得られた、またはから単離されたシンデカン−1を含む、実施形態A1.2、A1.4またはA1.5の二重特異性結合物質。
A1.7.サルシンデカン−1が、カニクイザル種(カニクイザル)のサルにおいて発現された、から得られた、またはから単離されたシンデカン−1である、実施形態A1.6の二重特異性結合物質。
A1.8.サルシンデカン−1が、配列番号128または130のアミノ酸配列を含むかまたはからなる、実施形態A1.6の二重特異性結合物質。
A2.二重特異性薬剤および/または抗体もしくはその抗原結合部分が、ヒトシンデカン−1、サルシンデカン−1および/またはマウスシンデカン−1に、50nM以下のKDで特異的に結合する、実施形態A1.2〜A1.8のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A3.抗体またはその抗原結合部分が、フィノマーに共有結合によって結合される、実施形態A1〜A2のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A4.抗体またはその抗原結合部分が、シンデカン−1の細胞外領域に特異的に結合する実施形態A1〜A3のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A5.抗体またはその抗原結合部分が、AGEGPKEGEAVVLP(配列番号94)のアミノ酸配列を含むポリペプチドに特異的に結合する、実施形態A1〜A4のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A5.1.抗体またはその抗原結合部分が、結合について、AGEGPKEGEAVVLP(配列番号94)のアミノ酸配列を含むかまたはからなるポリペプチドに特異的に結合する別の結合物質と競合する、実施形態A1〜A5のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A5.2.抗体またはその抗原結合部分が、シンデカン−1への結合について、表1から選択されるCDR−L1、表2から選択されるCDR−L2、表3から選択されるCDR−L3、表6から選択されるCDR−H1、表7から選択されるCDR−H2および表8から選択されるCDR−H3を含むかまたはからなる第2の結合物質と競合する、実施形態A1〜A5.1のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A5.3.第2の結合物質が、配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L1、配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L2、配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L3、配列番号47のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H1、配列番号60のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H2および配列番号73のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H3を含む、実施形態A5.2の二重特異性結合物質。
A5.4.第2の結合物質が、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L1、配列番号17のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L2、配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L3、配列番号47のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H1、配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H2および配列番号73のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H3を含む、実施形態A5.2の二重特異性結合物質。
A5.5.第2の結合物質が、配列番号16のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L2、配列番号45または46のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H1および配列番号72のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H3を含む、実施形態A5.4の二重特異性結合物質。
A5.6.第2の結合物質が、ヒト化軽鎖可変領域およびヒト化重鎖可変領域を含む、実施形態A5.2の二重特異性結合物質。
A5.7.第2の結合物質が、配列番号41のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するヒト化軽鎖可変領域および配列番号90のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するヒト化重鎖可変領域を含む、実施形態A5.6の二重特異性結合物質。
A5.8.第2の結合物質が、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するヒト化軽鎖および配列番号93のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するヒト化重鎖を含む、実施形態A5.6の二重特異性結合物質。
A6.抗体またはその抗原結合部分が、以下の軽鎖相補性決定領域(CDR):(i)配列番号2〜15から選択されるアミノ酸配列に対して90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−L1(軽鎖CDR1)、(ii)配列番号16〜26から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%または少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−L2(軽鎖CDR2)および(iii)配列番号27〜33から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%または少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−L3(軽鎖CDR3)を含む、実施形態A1〜A5.1のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A6.1.抗体またはその抗原結合部分が、以下の軽鎖相補性決定領域(CDR):(i)配列番号2〜15から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−L1(軽鎖CDR1)、(ii)配列番号16〜26から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−L2(軽鎖CDR2)および(iii)配列番号27〜33から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−L3(軽鎖CDR3)を含む、実施形態A1〜A5.1のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A7.抗体またはその抗原結合部分が、以下の重鎖相補性決定領域(CDR):(i)配列番号45〜59から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%または少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−H1(重鎖CDR1)、(ii)配列番号60〜71から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%または少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−H2(重鎖CDR2)、(iii)配列番号72〜81から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%または少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−H3(重鎖CDR3)を含む、実施形態A1〜A5.1およびA6〜A6.1のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A7.1.抗体またはその抗原結合部分が、以下の重鎖相補性決定領域(CDR):(i)配列番号45〜59から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−H1(重鎖CDR1)、(ii)配列番号60〜71から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−H2(重鎖CDR2)、(iii)配列番号72〜81から選択されるアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−H3(重鎖CDR3)を含む、実施形態A1〜A5.1およびA6〜A6.1のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A8.CDR−L3が、配列番号27または配列番号29から選択され、CDR−L2が、配列番号17または配列番号20から選択され、CDR−L1が、配列番号2または配列番号4から選択される、実施形態A6〜A7.1のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A9.配列番号73または配列番号75から選択され、CDR−H2が、配列番号61または配列番号63から選択され、CDR−H1が、配列番号47または配列番号50から選択される、実施形態A6〜A8のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A10.CDR−L1が、配列番号2のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−L2が、配列番号17のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−L3が、配列番号27のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H1が、配列番号47のアミノ酸配列を含み、CDR−H2が、配列番号61のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H3が、配列番号73のアミノ酸配列を含むかまたはからなる、実施形態A1〜A9のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A10.1.抗体またはその抗原結合部分が、配列番号41のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を含むかまたはからなる軽鎖可変領域および配列番号90のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を含むかまたはからなる重鎖可変領域を含む、実施形態A10の二重特異性結合物質。
A10.2.抗体またはその抗原結合部分が、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を含むかまたはからなる軽鎖および配列番号93のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を含むかまたはからなる重鎖を含む、実施形態A10.1の二重特異性結合物質。
A11.CDR−L1が、配列番号4のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−L2が、配列番号20のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−L3が、配列番号29のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H1が、配列番号50のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H2が、配列番号63のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H3が、配列番号75のアミノ酸配列を含むかまたはからなる、実施形態A1〜A9のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A12.抗体が、IgG、IgD、IgE、IgAまたはIgMの定常領域を含む、実施形態A1〜A11のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A13.抗体またはその抗原結合部分が、キメラ抗体および/またはヒト化抗体である、実施形態A1〜A12のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A13.1.キメラ抗体が、IgG1のヒト定常ドメインを含む実施形態A13の二重特異性結合物質。
A13.2.ヒト化抗体が、1つもしくは複数のヒトフレームワーク領域または対応するヒトフレームワーク領域に対して少なくとも85%、少なくとも90%同一性、少なくとも95%同一性、もしくは少なくとも100%同一性のアミノ酸配列を含むかもしくはからなる1、2、3、4、5もしくはそれより多いフレームワーク領域を含む、実施形態A13またはA13.1の二重特異性結合物質。
A14.抗体またはその抗原結合部分が、ヒトシンデカン−1の細胞外ドメイン、サルシンデカン−1の細胞外ドメインおよび/またはマウスシンデカン−1の細胞外ドメインに特異的に結合する、実施形態A1〜A13.2のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A15.抗体またはその抗原結合部分が、ヒトシンデカン−1、サルシンデカン−1および/またはマウスシンデカン−1の細胞外ドメインに、50nM以下の結合親和性(KD)で特異的に結合する実施形態A1〜A13のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A16.FGFR3が、ヒト線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)である、実施形態A1〜A15のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A17.ヒトFGFR3が、FGFR3アイソフォーム3bまたはFGFR3アイソフォーム3cを含む、実施形態A1〜A16のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A18.フィノマーが、ヒトFGFR3アイソフォーム3bおよびFGFR3アイソフォーム3cに特異的に結合する、実施形態A16またはA17の二重特異性結合物質。
A19.フィノマーが、アミノ酸配列EVMSTTA(配列番号114)を含むかまたはからなるRTループおよびアミノ酸配列SQSPH(配列番号115)を含むかまたはからなるSRCループを含む、実施形態A1〜A18のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A20.フィノマーが、アミノ酸配列GVTLFVALYDYEVMSTTALSFHKGEKFQILSQSPHGQYWEARSLTTGETG(X)IPSNYVAPVDSIQ (配列番号113)に対して少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むかまたはからなり、位置(X)のアミノ酸が、任意のアミノ酸である、実施形態A1〜A19のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A20.1.フィノマーが、GVTLFVALYDYEVMSTTALSFHKGEKFQILSQSPHGQYWEARSLTTGETG(X)IPSNYVAPVDSIQ (配列番号113)のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むかまたはからなり、位置(X)のアミノ酸が、任意のアミノ酸である、実施形態A1〜A19のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A21.(X)が、N、R、WおよびKから選択される、実施形態A20またはA20.1の二重特異性結合物質。
A22.フィノマーが、アミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)を含むかまたはからなるRTループを含む、実施形態A1〜A18のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A23.フィノマーが、アミノ酸配列GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQIL(X)(X)(X)(X)GPYWEARSL(X)TGETG(X)IPSNYVAPVDSIQ(配列番号99)に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むかまたはからなり、アミノ酸(X)、(X)、(X)、(X)、(X)および(X)が、任意のアミノ酸から選択される、実施形態A1〜A18またはA22のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A23.1.フィノマーが、アミノ酸配列GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQIL(X)(X)(X)(X)GPYWEARSL(X)TGETG(X)IPSNYVAPVDSIQ(配列番号99)を含むかまたはからなり、アミノ酸(X)、(X)、(X)、(X)、(X)および(X)が、任意のアミノ酸から選択される、A23の二重特異性結合物質。
A24.(X1)が、N、RまたはKであり、
(X2)が、S、G、KまたはRであり、
(X3)が、SまたはGであり、
(X4)が、E、Q、D、SまたはKであり、
(X5)が、TまたはAであり、
(X6)が、Y、WまたはLである、実施形態A23またはA23.1の二重特異性結合物質。
A25.フィノマーが、
(配列番号101;FF2L4C3)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILNSSEGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ;
(配列番号103;FF44L65G12)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRGGQGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ;
(配列番号105;FF44L65G7)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRGGDGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ;
(配列番号107;FF48L66G7;「G7」)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILKGGSGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ;
(配列番号109;FF43L65D5)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRKGKGPYWEARSLATGETGLIPSNYVAPVDSIQ;
(配列番号111;FF44L65B7)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRRGSGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ;および
(配列番号116;FF40L54A5)GVTLFVALYDYEVMSTTALSFHKGEKFQILSQSPHGQYWEARSLTTGETGWIPSNYVAPVDSIQ
から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一である、少なくとも90%同一である、少なくとも95%同一であるかまたは100%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、実施形態A1〜A18のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A25.1.フィノマーが、配列番号107のアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一である、少なくとも90%同一である、少なくとも95%同一であるかまたは100%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、配列番号107のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号107のアミノ酸位置37および38のアミノ酸PおよびYが保存され、フィノマーが、FGFR3に特異的に結合する、実施形態A1〜A18のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A25.2.フィノマーが、配列番号107のアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一である、少なくとも90%同一である、少なくとも95%同一であるかまたは100%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含み、配列番号107のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)ならびに配列番号107のアミノ酸位置32〜38のアミノ酸が保存され、フィノマーが、FGFR3に特異的に結合する、実施形態A1〜A18のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A25.3.フィノマーが、配列番号107のアミノ酸配列を含むかまたはからなるポリペプチドを含むかまたはからなる、実施形態A1〜A18のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A25.4.フィノマーが、ヒトFGFR3アイソフォームbおよびFGFR3アイソフォームcの両方と特異的に結合する、実施形態A1〜A25.3のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A26.フィノマーが、FGFR3、FGFR3bまたはFGFR3cの細胞外領域に特異的に結合する、実施形態A1〜A25.4のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A27.フィノマーが、FGFR3、FGFR3b、FGFR3cまたはその部分に、約10−5M〜約10−15Mの結合親和性(KD)で特異的に結合する、実施形態A1〜A26のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A28.フィノマーが、FGFR3、FGFR3b、FGFR3cまたはその部分に、10−8以下の結合親和性(KD)で特異的に結合する、実施形態A1〜A27のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A29.フィノマーが、グリコシル化される、実施形態A1〜A28のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A30.フィノマーが、リンカーによって抗体またはその抗原結合部分に共有結合によって結合される、実施形態A1〜A29のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A30.1.リンカーが、ペプチド結合を含むかまたはからなる、実施形態A30の二重特異性結合物質。
A31.リンカーが、1個もしくは複数のアミノ酸、5〜100個のアミノ酸、5〜50個のアミノ酸、5〜25個のアミノ酸、5〜20個のアミノ酸または5〜10個のアミノ酸を含むかまたはからなるペプチドを含むかまたはからなる、実施形態A30またはA30.1の二重特異性結合物質。
A32.リンカーが、適宜置換されたC1〜C50アルキル、適宜置換されたC2〜C50アルケニル、適宜置換されたC2〜C50アルキニル、アシル、アシルオキシ、アルキルオキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアシル、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ(aminocarboyloxy)、アジド、フェニル、シクロアルキルアシル、アルキルチオ、アリールチオ、オキシスルホニル、カルボキシ、チオ、スルホキシド、スルホン、スルホネートエステル、チオシアノ、アミド、アミノ、エステル、ハロゲン化アルキルまたはそれらの組合せを含むかまたはからなる、実施形態A30、A30.1またはA31の二重特異性結合物質。
A33.抗体またはその抗原結合部分が、結合対によってフィノマーに非共有結合によって結合される、実施形態A1〜A29のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A34.フィノマーが、抗体またはその抗原結合部分の重鎖または軽鎖のN末端に結合される、実施形態A1〜A33のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A35.1.フィノマーが、ペプチド結合によって、抗体の重鎖のN末端に共有結合によって結合される、実施形態A1〜A33のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A35.2.フィノマーのC末端アミノ酸が、ペプチド結合によって、抗体の重鎖のN末端アミノ酸に共有結合によって結合される、実施形態A35.1の二重特異性結合物質。
A35.3.フィノマーのC末端アミノ酸が、ペプチド結合によって、抗体の軽鎖のN末端アミノ酸に共有結合によって結合される、実施形態A35.1の二重特異性結合物質。
A35.4.フィノマーが、抗体またはその抗原結合部分の重鎖または軽鎖のカルボキシ末端に結合される、実施形態A1〜A33のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A35.5.フィノマーのN末端アミノ酸が、ペプチド結合によって、抗体の重鎖のカルボキシ末端アミノ酸に共有結合によって結合される、実施形態A35.4の二重特異性結合物質。
A35.6.フィノマーのN末端アミノ酸が、ペプチド結合によって、抗体の軽鎖のカルボキシ末端アミノ酸に共有結合によって結合される、実施形態A35.4の二重特異性結合物質。
A35.7.(i)フィノマーおよび配列番号125の重鎖アミノ酸配列ならびに(ii)配列番号44の軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項A1からA29のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A35.8.(i)フィノマーおよび配列番号125のアミノ酸位置213のセリンが、システインに突然変異されている配列番号125の重鎖アミノ酸配列、(ii)配列番号44の軽鎖アミノ酸配列ならびに(iii)システインに共有結合によって結合される新生物剤を含むかまたはからなる、請求項A1からA29のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A36.抗悪性腫瘍剤をさらに含む、実施形態A1〜A35.7のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A37.抗悪性腫瘍剤が、オーリスタチン、ドラスタチン、マイタンシン、ツブリシン、カリケアマイシン、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、デュオカルマイシン、ドキソルビシン、シュードモナス外毒素−A(PE38)、イリノテカンおよび前記のうちいずれか1つの誘導体からなる群から選択される実施形態A35.8またはA36の二重特異性結合物質。
A38.抗悪性腫瘍剤が、二重特異性結合物質に共有結合によって、または非共有結合によって結合される、実施形態A35.8、A36またはA37の二重特異性結合物質。
A39.抗悪性腫瘍剤が、抗体またはその抗原結合部分に結合される、実施形態A38の二重特異性結合物質。
A40.抗悪性腫瘍剤が、フィノマーに結合される、実施形態A38の二重特異性結合物質。
A41.抗悪性腫瘍剤が、結合対によって二重特異性結合物質に非共有結合によって結合される、実施形態A35.8〜A40のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A42.抗悪性腫瘍剤が、リンカーによって二重特異性結合物質に共有結合によって結合される、実施形態A35.8〜A40のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A43.抗悪性腫瘍剤が、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)またはモノメチルオーリスタチンF(MMAF)を含む、実施形態A35.8〜A42のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A44.抗悪性腫瘍剤が、ピロロベンゾジアゼピン毒素および連結基を含むかまたはからなり、
ピロロベンゾジアゼピン毒素が、連結基に共有結合によって結合され、連結基が、二重特異性結合物質に共有結合によって結合される、
実施形態A35.8〜A40およびA42のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A45.ピロロベンゾジアゼピン毒素が、次化学式I:
Figure 2021165268
[式中、
およびZが、両方ともNであり、
およびZが、両方ともCであり、
Figure 2021165268
は、単結合または二重結合を表し、
nは、1〜10であり、RおよびRの各々は独立に、HまたはC1〜4アルコキシルであり、RおよびRの各々は独立に、H、C1〜5アルキル、C3〜6シクロアルキル、C2〜5アルケニルおよびRで適宜置換されたフェニルからなる群から選択され、
は、−NH、−NHRおよび次構造
Figure 2021165268
を有するRで置換されたピペラジニルからなる群から選択され、
(ここで、Rは、連結基を含み、Rは、HまたはC1〜5アルキルである)、
は、ヌル、保護基であるかまたは連結基を含み、Xは、ヌル、保護基であるかまたは連結基を含み、X、X、RおよびRのうち1つのみが連結基を含み、YおよびYの各々は独立に、ヌル、OHまたはSOHのいずれかであり、
ただし、
(i)Xが連結基を含む、または連結基からなる場合には、
Figure 2021165268
はN−Cであり、
(ii)Xが連結基を含む、または連結基からなる場合には、
Figure 2021165268
はN−Cであり、
(iii)Xが保護基である場合には、
Figure 2021165268
はN−Cであり、
(iv)Xが保護基である場合には、
Figure 2021165268
はN−Cである]
の構造を含むかまたはからなり、
ヌルが、示された部分が化学式Iの構造にないことを意味するか、または1つもしくは複数の水素の存在を示し、または明確に指定されない場合には、必要な原子価を完成するために1つもしくは複数の水素が存在し得る、実施形態A44の二重特異性結合物質。
A46.nが、3、4または5である、実施形態A45の二重特異性結合物質。
A47.RおよびRが両方とも、−O−Hである、実施形態A45またはA46の二重特異性結合物質。
A48.RおよびRが両方とも、メチルである、実施形態A45〜A47のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A49.RおよびRが両方とも、−CH=CH−CHである、実施形態A45〜A47のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A50.Rが、シクロプロピルである、実施形態A45〜A47のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A51.Rが、4−メチルピペラジン−1−イルで置換されたフェニルである、実施形態A45〜A47のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A52.Rが、Rで適宜置換されたフェニルであり、Rが、−NHRであり、Rが、連結基を含むかまたはからなる、実施形態A50またはA51の二重特異性結合物質。
A53.Xが、ヌルであり、Yが、ヌルであり、
Figure 2021165268
がN=Cであり、Xがヌルであり、Yがヌルであり、
Figure 2021165268
が、N=Cである、実施形態A45〜A47およびA50〜A52のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A54.Xが連結基を含むかまたはからなり、YがOHであり、
Figure 2021165268
がN=Cであり、Xがヌルであり、Yがヌルである、実施形態A45〜A51のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A55.Xが、連結基を含むかまたはからなり、YがOHであり、
Figure 2021165268
がN−Cであり、Xが保護基であり、YがOHである、実施形態A45〜A51のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A56.連結基が、カルバメート基によってピロロベンゾジアゼピン毒素に結合される、実施形態A44〜A55のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A57.連結基が、アミド基によってピロロベンゾジアゼピン毒素に連結される、実施形態A44〜A55のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A58.連結基が、次化学式A:
Figure 2021165268
[式中、アスタリスクは、ピロロベンゾジアゼピン毒素との結合点を示し、
波線は、結合物質との結合点を示し、
mは、1〜20であり、
qは、0〜10であり、
Eは、接続基である]
の構造を含むかまたはからなる、実施形態A44〜A57のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A59.mが、4または8である、実施形態A58の二重特異性結合物質。
A60.qが、0、1または2である、実施形態A58またはA59の二重特異性結合物質。
A61.mが、8であり、qが、2である、実施形態A58の二重特異性結合物質。
A62.連結基が、次化学式B:
Figure 2021165268
[式中、
アスタリスクは、ピロロベンゾジアゼピン毒素との結合点を示し、
波線は、結合物質との結合点を示し、
Eは、接続基であり、
vは、0〜10であり、
uは、0または1であり、uが1である場合には、tは、1〜10である]
の構造を含むかまたはからなる、実施形態A44〜A57のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A63.vが1である、実施形態A62の二重特異性結合物質。
A64.uが1であり、tが8である、実施形態A62またはA63の二重特異性結合物質。
A65.uが0であり、vが4である、実施形態A62の二重特異性結合物質。
A66.結合物質が、結合物質のシステインチオール残基とEの間に形成されたチオエーテル結合によってEに接続される、実施形態A58〜A65のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A67.Eが、次化学式C:
Figure 2021165268
[式中、波線は、結合物質との結合点を示し、2倍のアスタリスクは、連結基との結合点を示す]
の構造を含むかまたはからなる、実施形態A58〜A66のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A68.保護基が、以下の構造(D):
Figure 2021165268
[式中、アスタリスクは、ピロロベンゾジアゼピン毒素との結合点を示し、
wは、1〜5である]
を有する、実施形態A45〜A67のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A69.wが2である、実施形態A68の二重特異性結合物質。
A70.保護基が、切断可能な保護基である、実施形態A45〜A69のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A71.抗悪性腫瘍剤が、
Figure 2021165268
[式中、mは8である]、
Figure 2021165268
[式中、mは8であり、pは3であり、Xは保護基である]、
Figure 2021165268
[式中、mは8である]、
Figure 2021165268
[式中、tは8であり、vは1である]および
Figure 2021165268
[式中、波線は、結合物質との結合点を示す]
からなる群から選択される構造を含む、実施形態A44の二重特異性結合物質。
A72.Xの保護基が、以下の構造(D):
Figure 2021165268
[式中、アスタリスクは、抗悪性腫瘍剤との結合点またはPBD毒素を示し、wは、1〜5である]
を有する、実施形態A71の二重特異性結合物質。
A73.結合物質の少なくとも1個のアミノ酸が、システインに突然変異され、システインが、チオールエーテル結合によって連結基に共有結合によって連結される、実施形態A44〜A72のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A73.1.抗体が、IgGまたはIgGのヒト重鎖定常領域を含み、抗体の重鎖定常領域の119位のセリンが、システインに突然変異され、システインが、チオールエーテル結合によって連結基に共有結合によって連結される、実施形態A73の二重特異性結合物質。
A73.2.結合物質の少なくとも1個のアミノ酸が、リシンに突然変異され、リシンの遊離アミノ基が、連結基に共有結合によって結合される、実施形態A44〜A72のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A74.抗悪性腫瘍剤が、次化学式(II):
Figure 2021165268
[式中、mは8であり、波線は、結合物質のチオール基との結合点を示す]
の構造を含むかまたはからなる、実施形態A44またはA73.2の二重特異性結合物質。
A75.実施形態A1〜A74のいずれか1つの二重特異性結合物質および医薬上許容される賦形剤、希釈剤、添加物または担体を含む医薬組成物。
A76.無菌の凍結乾燥散剤として製剤化される、実施形態A75の医薬組成物。
A77.哺乳動物への静脈内投与用に製剤化される、実施形態A75またはA76の医薬組成物。
A77.1.新生物の処置において使用するための、実施形態A75〜A77のいずれか1つの医薬組成物。
A77.2.新生物が、シンデカン−1を発現する新生細胞または癌細胞を含む、実施形態A77.1の医薬組成物。
A77.3.新生物が、癌腫、肉腫、神経系新生物、リンパ腫、骨髄腫、白血病、黒色腫、中皮腫、固形または軟部組織腫瘍および続発性癌からなる群から選択される、実施形態A77.1〜A77.2のいずれか1つの医薬組成物。
A77.4.新生物が、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、胃癌、膵臓癌、食道癌、肝臓癌、肝細胞癌、下咽頭癌、肺癌、腺癌、卵巣癌および腎癌からなる群から選択される、実施形態A77.1〜A77.3のいずれか1つの医薬組成物。
A77.5.新生物が、膵臓腺癌、膵神経内分泌癌、結腸直腸腺癌、小腸悪性腫瘍、胆管癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、甲状腺癌腫、食道または食道胃接合部(EGJ)癌、胃腺癌、肝臓肝細胞癌腫、頭頚部扁平上皮癌、雌生殖器悪性腫瘍、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、肺小細胞癌腫、卵巣表面上皮性癌、後腹膜または腹膜肉腫、前立腺腺癌、神経内分泌腫瘍、消化管間質性腫瘍、神経膠芽腫および非上皮性卵巣癌からなる群から選択される、実施形態A77.1〜A77.3のいずれか1つの医薬組成物。
A77.6.新生物が、多発性骨髄腫、卵巣癌腫、子宮頸癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、精巣癌、腎臓癌腫、胆嚢癌腫、移行細胞膀胱癌、胃癌、前立腺癌、前立腺腺癌、乳癌、肺癌、結腸癌腫、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫および多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、T−細胞急性リンパ性白血病(T−ALL)、−細胞悪性腫瘍、−細胞急性リンパ性白血病(−ALL)、急性骨髄芽球性白血病(AML)、固形組織肉腫、結腸癌腫、非小細胞肺癌、扁平細胞肺癌腫、結腸直腸癌腫、肝細胞癌、膵臓癌、脳癌(例えば、神経芽細胞腫または髄膜腫)、皮膚癌(例えば、黒色腫、基底細胞癌または扁平上皮癌)および頭頚部癌腫からなる群から選択される、実施形態A77.1〜A77.3のいずれか1つの医薬組成物。
A78.新生物を有するかまたは有すると疑われる対象を処置する方法であって、
a)新生物を有するかまたは有すると疑われる対象を提供することと、
b)対象に実施形態A1〜A74のいずれか1つの二重特異性結合物質または実施形態A75〜A77のいずれか1つの医薬組成物の治療上有効量を投与することと
を含む、方法。
A79.投与後に、二重特異性結合物質が、癌の成長、生存力または転移を遮断、阻害、寛解、抑制または抑止する、実施形態A78の方法。
A80.投与後に、二重特異性結合物質が、癌の一部またはすべての死滅、壊死またはアポトーシスを誘導する、実施形態A78〜A79のいずれかの方法。
A81.新生物が、癌腫、肉腫、神経系新生物、リンパ腫、骨髄腫、白血病、黒色腫、中皮腫、固形または軟部組織腫瘍または続発性癌を含むかまたはからなる、実施形態A78〜A80のいずれか1つの方法。
A82.新生物が、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、胃癌、膵臓癌、食道癌、肝臓癌、肝細胞癌、下咽頭癌、肺癌、腺癌、卵巣癌または腎癌を含むかまたはからなる、実施形態A81の方法。
A83.新生物が、膵臓腺癌、膵神経内分泌癌、結腸直腸腺癌、小腸悪性腫瘍、胆管癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、甲状腺癌腫、食道または食道胃接合部(EGJ)癌、胃腺癌、肝臓肝細胞癌腫、頭頚部扁平上皮癌、雌生殖器悪性腫瘍、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、肺小細胞癌腫、卵巣表面上皮性癌、後腹膜または腹膜肉腫、前立腺腺癌、神経内分泌腫瘍、消化管間質性腫瘍、神経膠芽腫または非上皮性卵巣癌を含むかまたはからなる、実施形態A81またはA82の方法。
A84.新生物が、多発性骨髄腫、卵巣癌腫、子宮頸癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、精巣癌、腎臓癌腫、胆嚢癌腫、移行細胞膀胱癌、胃癌、前立腺癌、前立腺腺癌、乳癌、肺癌、結腸癌腫、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫および多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、T細胞急性リンパ性白血病(T−ALL)、B細胞悪性腫瘍、B細胞急性リンパ性白血病(B−ALL)、急性骨髄芽球性白血病(AML)、固形組織肉腫、結腸癌腫、非小細胞肺癌、扁平細胞肺癌腫、結腸直腸癌腫、肝細胞癌、膵臓癌、脳癌(例えば、神経芽細胞腫または髄膜腫)、皮膚癌(例えば、黒色腫、基底細胞癌または扁平上皮癌)および頭頚部癌腫からなる群から選択される、実施形態A81の方法。
A85.化学療法薬を対象に投与することをさらに含む、実施形態A78〜A84のいずれか1つの方法。
A86.対象がヒトである、実施形態A78〜A85のいずれか1つの方法。
A87.新生物を有するかまたは有すると疑われる対象の処置において使用するための、実施形態A1〜A74のいずれか1つの二重特異性結合物質または実施形態A75〜A77のいずれか1つの医薬組成物。
A88.新生物が、シンデカン−1またはFGFR3を発現する新生細胞または癌細胞を含む、実施形態A78〜A87のいずれか1つの方法または使用。
A89.FGFR3が、ヒトFGFR3である、実施形態A78〜A87のいずれか1つの方法または使用。
A90.細胞の表面に発現されるシンデカン−1への結合の際に、および/または細胞の表面に発現されたFGFR3への結合の際に、細胞中に内部移行される、実施形態A1〜A89のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A91.(i)フィノマーおよび配列番号125の重鎖アミノ酸配列ならびに(ii)配列番号44の軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項A1からA90のいずれか1つの二重特異性結合物質。
A92.(i)フィノマーおよび配列番号125のアミノ酸位置213のセリンが、システインに突然変異されている配列番号125の重鎖アミノ酸配列ならびに(ii)配列番号44の軽鎖アミノ酸配列を含み、ピロロベンゾジアゼピン毒素が、システインのチオール基に共有結合によって結合される、請求項A1からA90のいずれか1つの二重特異性結合物質。
B0.(a)シンデカン−1(CD138)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分および(b)抗悪性腫瘍剤を含む結合物質。
B1.抗体またはその抗原結合部分が、抗悪性腫瘍剤に共有結合によって、または非共有結合によって結合される、実施形態B0の結合物質。
B2.抗体またはその抗原結合部分が、シンデカン−1の細胞外領域に特異的に結合する、実施形態B0またはB1の結合物質。
B3.シンデカン−1が、哺乳動物シンデカン−1である、実施形態B0〜B2のいずれか1つの結合物質。
B4.抗体またはその抗原結合部分が、AGEGPKEGEAVVLP(配列番号94)のアミノ酸配列を含むかまたはからなるポリペプチドに特異的に結合する、実施形態B0〜B3のいずれか1つの結合物質。
B5.抗体またはその抗原結合部分が、以下の軽鎖相補性決定領域(CDR):(i)配列番号2〜15から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性または少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−L1(軽鎖CDR1)、(ii)配列番号16〜26から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性または少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−L2(軽鎖CDR2)および(iii)配列番号27〜33から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性または少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−L3(軽鎖CDR3)を含む、実施形態B0〜B4のいずれか1つの結合物質。
B6.CDR−L1が、配列番号2および配列番号4から選択され、CDR−L2が、配列番号17および配列番号20から選択され、CDR−L3が、配列番号27および配列番号29から選択される、実施形態B5の結合物質。
B7.抗体またはその抗原結合部分が、以下の重鎖相補性決定領域(CDR):(i)配列番号45〜59から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性または少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−H1(重鎖CDR1)、(ii)配列番号60〜71から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性または少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−H2(重鎖CDR2)および(iii)配列番号72〜81から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性または少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−H3(重鎖CDR3)を含む、実施形態B0〜B6のいずれか1つの結合物質。
B8.CDR−H3が、配列番号73および配列番号75から選択され、CDR−H2が、配列番号61および配列番号63から選択され、CDR−H1が、配列番号47および配列番号50から選択される、実施形態B0〜B7のいずれか1つの結合物質。
B9.CDR−L1が、配列番号2のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−L2が、配列番号17のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−L3が、配列番号27のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H1が、配列番号47のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H2が、配列番号61のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H3が、配列番号73のアミノ酸配列を含むかまたはからなる、実施形態B0〜B8のいずれか1つの結合物質。
B10.CDR−L1が、配列番号4のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−L2が、配列番号20のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−L3が、配列番号29のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H1が、配列番号50のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H2が、配列番号63のアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H3が、配列番号75のアミノ酸配列を含むかまたはからなる、実施形態B0〜B8のいずれか1つの結合物質。
B11.抗体が、IgG、IgD、IgE、IgAまたはIgMの定常領域を含む、実施形態B0〜B10のいずれか1つの結合物質。
B12.抗体またはその抗原結合部分が、ヒト化される、実施形態B0〜B11のいずれか1つの結合物質。
B13.抗体またはその抗原結合部分が、ヒトシンデカン−1に、50nM以下の結合親和性(KD)で特異的に結合する、実施形態B0〜B12のいずれか1つの結合物質。
B14.抗悪性腫瘍剤が、リンカーによって抗体またはその抗原結合部分に共有結合によって結合される、実施形態B0〜B13のいずれか1つの結合物質。
B15.リンカーが、1個もしくは複数のアミノ酸、5〜100個のアミノ酸、5〜50個のアミノ酸、5〜25個のアミノ酸、5〜20個のアミノ酸または5〜10個のアミノ酸を含むペプチドを含むかまたはからなる、実施形態B14の結合物質。
B16.リンカーが、適宜置換されたC1〜C50アルキル、適宜置換されたC2〜C50アルケニル、適宜置換されたC2〜C50アルキニル、アシル、アシルオキシ、アルキルオキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアシル、アミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、アジド、フェニル、シクロアルキルアシル、アルキルチオ、アリールチオ、オキシスルホニル、カルボキシ、チオ、スルホキシド、スルホン、スルホネートエステル、チオシアノ、アミド、アミノ、エステル、ハロゲン化アルキルまたはそれらの組合せを含む、実施形態B14の結合物質。
B17.抗体またはその抗原結合部分が、結合対によって抗悪性腫瘍剤に非共有結合によって結合される、実施形態B0〜B16のいずれか1つの結合物質。
B18.抗悪性腫瘍剤が、抗体またはその抗原結合部分の重鎖または軽鎖のアミノ末端に結合される、実施形態B0〜B17のいずれか1つの結合物質。
B19.抗悪性腫瘍剤が、抗体またはその抗原結合部分の重鎖または軽鎖のカルボキシ末端に結合される、実施形態B0〜B18のいずれか1つの結合物質。
B20.抗悪性腫瘍剤が、オーリスタチン、ドラスタチン、マイタンシン、ツブリシン、カリケアマイシン、デュオカルマイシン、ドキソルビシン、シュードモナス外毒素−A(PE38)、イリノテカンおよび前記のいずれか1つの誘導体からなる群から選択される、実施形態B0〜B19のいずれか1つの結合物質。
B21.抗悪性腫瘍剤が、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)またはモノメチルオーリスタチンF(MMAF)を含む、実施形態B0〜B20のいずれか1つの結合物質。
本明細書で引用される各特許、特許出願、刊行物、または任意の他の参考文献または文書の全体は、参照により組み込まれる。対立する場合には、定義を含む明細書が支配する。
任意の特許、特許出願、刊行物または任意のその他の文書の引用は、前述のいずれかが関連する先行技術であることを認めるものではなく、これらの刊行物または文書の内容または日付に関する何らかの承認を構成するものでもない。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似または同等の方法および材料を本発明の実施または試験に使用できるが、適した方法および材料は、本明細書に記載されている。
本明細書に開示されるすべての特徴は、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本明細書に開示されている各特徴は、同一、同等の、または同様の目的を果たす代替特徴によって置き換えることができる。したがって、特に明記しない限り、開示された特徴(例えば、抗体)は、同等または同様の特徴の属の例である。
本明細書において使用される場合、すべての数値または数値範囲は、文脈で別に明確に示されていない限り、そのような範囲内の整数および値の分数または範囲内の整数を含む。さらに、値のリストが本明細書に記載されている場合(例えば、約50%、60%、70%、80%、85%または86%)、リストは、そのすべての中間値および小数値(例えば、54%、85.4%)を含む。したがって、例示するために、80%以上の同一性への言及は、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%など、ならびに81.1%、81.2%、81.3%、81.4%、81.5%など、82.1%、82.2%、82.3%、82.4%、82.5%など、その他を含む。
より多い(より大きい)またはより小さい整数への言及は、それぞれ、参照数よりも大きいまたは小さい任意の数を含む。したがって、例えば、100未満への言及は、99、98、97などを、数字1(1)の最後まで下がって含み、10未満は、9、8、7などを、数字1(1)の最後まで下がって含む。
本明細書において使用される場合、すべての数値または範囲は、文脈で別に明確に示されていない限り、そのような範囲内の値の分数および整数、およびそのような範囲内の整数の分数を含む。したがって、例示するために、1〜10などの数値範囲への言及は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10ならびに1.1、1.2、1.3、1.4、1.5など、その他を含む。したがって、1〜50の範囲への言及は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20など、最大で50を含めて、ならびに1.1、1.2、1.3、1.4、1.5など、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5など、その他を含む。
一連の範囲への言及は、一連のもの内の異なる範囲の境界の値を組み合わせる範囲を含む。したがって、例示するために、例えば、1〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜75、75〜100、100〜150、150〜200、200〜250、250〜300、300〜400、400〜500、500〜750、750〜1,000、1,000〜1,500、1,500〜2,000、2,000〜2,500、2,500〜3,000、3,000〜3,500、3,500〜4,000、4,000〜4,500、4,500〜5,000、5,500〜6,000、6,000〜7,000、7,000〜8,000または8,000〜9,000の一連の範囲への言及は、10〜50、50〜100、100〜1,000、1,000〜3,000、2,000〜4,000などの範囲を含む。
技術の基本的な側面から逸脱することなく、前記ものに修飾を行うことができる。技術を1つまたは複数の特定の実施形態を参照してかなり詳細に記載してきたが、当業者は、本出願で具体的に開示された実施形態に変更を行うことができることを認識するであろうが、これらの修飾および改善は技術の範囲および趣旨の範囲内である。
本発明は、一般に、多数の実施形態および態様を説明するために肯定的な言葉を使用して本明細書に開示される。本発明はまた、物質または材料、方法のステップおよび条件、プロトコールまたは手順など、特定の主題が完全にまたは部分的に除外される実施形態も具体的に含む。例えば、本発明のある特定の実施形態または態様では、材料および/または方法のステップが除外される。したがって、本発明は、本発明において明示的に除外されない態様を本発明が含まないという点で本明細書に全般的に表現されていないが、それにもかかわらず、本明細書に開示されている。
本明細書に例示的に記載されている技術は、本明細書に具体的に開示されていない要素(複数可)の不在下で適宜実施され得る。したがって、例えば、本明細書の各場合において、「含む(comprising)」、「本質的にからなる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」という用語のいずれかを、他の2つの用語のいずれかに置き換えることができる。使用されてきた用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、そのような用語および表現の使用は、示され、説明された特徴またはそのセグメントの任意の同等物を排除するものではなく、特許請求される技術の範囲内で様々な修飾が可能である。「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、1つの要素または2つ以上の要素のいずれかが記載されているかが文脈上明確でない限り、それが修飾する要素の1つまたは複数を指すことができる(例えば、「試薬」は1つまたは複数の試薬を意味できる)。本明細書で使用される場合「約」という用語は、基礎となるパラメータの10%以内の値(すなわち、プラスマイナス10%)を指し、一連の値の始まりでの「約」という用語の使用によって、各値が修飾される(すなわち、「約1、2および3」は、約1、約2および約3を指す)。例えば、「約100グラム」の重量には、90グラムから110グラムの間の重量を含めることができる。本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、「少なくとも95%」、「少なくとも96%」、「少なくとも97%」、「少なくとも98%」、または「少なくとも99%」を意味する値修飾語を指し、100%を含む場合がある。例えば、実質的にXを含まない組成物は、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満のXを含む場合があり、および/またはXが組成物中に存在しないか、検出されない場合がある。
したがって、本技術は、代表的な実施形態および任意選択の特徴によって具体的に開示されているが、本明細書に開示される概念の修飾および変形は、当業者によって頼ることができ、そのような修飾および変形は、本技術の範囲内と考えられる。

Claims (139)

  1. (a)シンデカン−1(CD138)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分および(b)線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)に特異的に結合するフィノマーを含む二重特異性結合物質であって、フィノマーは、(i)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQIL(X1)(X2)(X3)(X4)GPYWEARSL(X5)TGETG(X6)IPSNYVAPVDSIQ(配列番号99)または(ii)GVTLFVALYDYEVMSTTALSFHKGEKFQILSQSPHGQYWEARSLTTGETG(X7)IPSNYVAPVDSIQ(配列番号113)のアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、アミノ酸(X)、(X)、(X)、(X)、(X)、(X)および(X)は、任意のアミノ酸から選択される二重特異性結合物質、および
    医薬上許容される賦形剤、希釈剤、添加物または担体を含む医薬組成物。
  2. 抗体またはその抗原結合部分が、フィノマーに共有結合によって結合される、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 抗体またはその抗原結合部分が、シンデカン−1の細胞外領域に特異的に結合する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 抗体またはその抗原結合部分が、AGEGPKEGEAVVLP(配列番号94)のアミノ酸配列を含むポリペプチドに特異的に結合する、請求項1から3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 抗体またはその抗原結合部分が、AGEGPKEGEAVVLP(配列番号94)のアミノ酸配列を含むポリペプチドに特異的に結合する別の結合物質と結合について競合する、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 抗体またはその抗原結合部分が、以下の軽鎖相補性決定領域(CDR):(i)配列番号2〜15から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−L1(軽鎖CDR1)、(ii)配列番号16〜26から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−L2(軽鎖CDR2)および(iii)配列番号27〜33から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−L3(軽鎖CDR3)を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 抗体またはその抗原結合部分が、以下の重鎖相補性決定領域(CDR):(i)配列番号45〜59から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−H1(重鎖CDR1)、(ii)配列番号60〜71から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−H2(重鎖CDR2)および(iii)配列番号72〜81から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むCDR−H3(重鎖CDR3)を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. (i)CDR−L1が、配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号47のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号60のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号73のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. (i)CDR−L1が、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号17のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号47のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号73のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7または8に記載の医薬組成物。
  10. CDR−L2が、配列番号16のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H1が、配列番号46または配列番号45のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H3が、配列番号72のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7から9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  11. (i)CDR−L1が、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号16のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号45のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号60のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号72のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7または8に記載の医薬組成物。
  12. 抗体またはその抗原結合部分が、ヒト化されている、請求項7から11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. 抗体またはその抗原結合部分が、配列番号41、42および43からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖可変領域ならびに/または配列番号89、90、91および92からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むヒト化重鎖可変領域を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  14. 抗体またはその抗原結合部分が、配列番号41のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかもしくはからなるヒト化軽鎖可変領域および/または配列番号90のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかもしくはからなるヒト化重鎖可変領域を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  15. 抗体またはその抗原結合部分が、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかもしくはからなるヒト化軽鎖および/または配列番号93のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかもしくはからなるヒト化重鎖を含む、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. (i)CDR−L1が、配列番号5のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号21のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号30のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号64または62のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号75のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7に記載の医薬組成物。
  17. (i)CDR−L1が、配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号29のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号63のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号75のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7または16に記載の医薬組成物。
  18. CDR−L2が、配列番号19のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H1が、配列番号48または49のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、CDR−H3が、配列番号74のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7、16および17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  19. (i)CDR−L1が、配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号22のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号30のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号64または62のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号76のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7に記載の医薬組成物。
  20. CDR−L1が、配列番号6のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    CDR−L3が、配列番号29のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    CDR−H1が、配列番号51のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    CDR−H2が、配列番号63のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7または19に記載の医薬組成物。
  21. (i)CDR−L1が、配列番号9のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号31のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号66のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号77のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7に記載の医薬組成物。
  22. (i)CDR−L1が、配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号31のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号53のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号65のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号77のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7または21に記載の医薬組成物。
  23. CDR−H1が、配列番号52のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7、21または22に記載の医薬組成物。
  24. (i)CDR−L1が、配列番号11のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号30のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号64または62のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号79のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7に記載の医薬組成物。
  25. (i)CDR−L1が、配列番号10のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号29のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号50のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号67のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号79のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7または24に記載の医薬組成物。
  26. CDR−H1が、配列番号54のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    CDR−H3が、配列番号78のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7、24または25に記載の医薬組成物。
  27. (i)CDR−L1が、配列番号13のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号25のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号69のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号80のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7に記載の医薬組成物。
  28. (i)CDR−L1が、配列番号13のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号25のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号56のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号68のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号80のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7または27に記載の医薬組成物。
  29. CDR−H1が、配列番号55のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7、27または28に記載の医薬組成物。
  30. (i)CDR−L1が、配列番号15のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号26のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号33のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号57または59のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号70のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号81のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7に記載の医薬組成物。
  31. (i)CDR−L1が、配列番号14のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号26のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号33のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号59のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号71のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号81のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7または30に記載の医薬組成物。
  32. CDR−H1が、配列番号58のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項7、30または31に記載の医薬組成物。
  33. 抗体またはその抗原結合部分が、ヒト化軽鎖可変領域および/またはヒト化重鎖可変領域を含む、請求項1から7および16から32のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  34. 抗体が、ヒト軽鎖定常領域および/またはヒト重鎖定常領域を含むキメラ抗体である、請求項1から33のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  35. 抗体またはその抗原結合部分が、ヒトシンデカン−1に、50nM以下の結合親和性(KD)で特異的に結合する、請求項1から34のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  36. FGFR3が、FGFR3アイソフォーム3bまたはFGFR3アイソフォーム3cである、請求項1から35のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  37. フィノマーが、ヒトFGFR3アイソフォーム3bおよびFGFR3アイソフォーム3cに特異的に結合する、請求項36に記載の医薬組成物。
  38. フィノマーが、配列番号99のアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、配列番号99のアミノ酸位置12〜19のアミノ酸配列EVYGPTPM(配列番号100)が保存され、配列番号99のアミノ酸位置37および38のアミノ酸PおよびYが保存される限り、同一性決定が、位置(X)〜(X)のアミノ酸を除外する、請求項1から37のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  39. フィノマーが、配列番号113のアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含み、配列番号113のアミノ酸位置12〜18のアミノ酸配列EVMSTTA(配列番号114)が保存され、配列番号113のアミノ酸位置37および38のアミノ酸QおよびYが保存される限り、同一性決定が、位置(X)のアミノ酸を除外する、請求項1から37のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  40. (X)が、Y、WまたはLである、請求項1から37および39のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  41. (X)が、WまたはLである、請求項40に記載の医薬組成物。
  42. (X)が、N、RまたはKであり、
    (X)が、S、G、KまたはRであり、
    (X)が、SまたはGであり、
    (X)が、E、Q、D、SまたはKであり、
    (X)が、TまたはAであり、
    (X)が、Y、WまたはLである、請求項38に記載の医薬組成物。
  43. (X)が、RまたはKであり、
    (X)が、G、KまたはRであり、
    (X)が、Sであり、
    (X)が、Q、D、SまたはKであり、
    (X)が、TまたはAであり、
    (X)が、WまたはLである、請求項42に記載の医薬組成物。
  44. フィノマーが、
    (配列番号101;FF2L4C3)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILNSSEGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ;
    (配列番号103;FF44L65G12)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRGGQGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ;
    (配列番号105;FF44L65G7)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRGGDGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ;
    (配列番号107;FF48L66G7;「G7」)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILKGGSGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ;
    (配列番号109;FF43L65D5)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRKGKGPYWEARSLATGETGLIPSNYVAPVDSIQ;
    (配列番号111;FF44L65B7)GVTLFVALYDYEVYGPTPMLSFHKGEKFQILRRGSGPYWEARSLTTGETGLIPSNYVAPVDSIQ;および
    (配列番号116;FF40L54A5)GVTLFVALYDYEVMSTTALSFHKGEKFQILSQSPHGQYWEARSLTTGETGWIPSNYVAPVDSIQ
    から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む、請求項1から37のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  45. フィノマーが、FGFR3の細胞外領域に特異的に結合する、請求項1から44のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  46. フィノマーが、FGFR3またはその部分に、約10−5M〜約10−15Mの結合親和性(KD)で特異的に結合する、請求項1から45のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  47. フィノマーが、FGFR3またはその部分に10−8M以下の結合親和性(KD)で特異的に結合する、請求項1から46のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  48. フィノマーが、グリコシル化される、請求項1から47のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  49. フィノマーが、リンカーによって抗体またはその抗原結合部分に共有結合によって結合される、請求項1から48のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  50. リンカーが、ペプチド結合を含む、請求項49に記載の医薬組成物。
  51. リンカーが、1個もしくは複数のアミノ酸、5〜100個のアミノ酸、5〜50個のアミノ酸、5〜25個のアミノ酸、5〜20個のアミノ酸または5〜10個のアミノ酸を含むペプチドを含む、請求項49または50に記載の医薬組成物。
  52. リンカーが、適宜置換されたC1〜C50アルキル、適宜置換されたC2〜C50アルケニル、アルキニル、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アリールオキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、アリール、アミノカルボニル、アジド、カルボキシ、チオ、スルホキシド、スルホン、スルホネートエステル、シアノ、アミド、アミノ、エステルまたはそれらの組合せを含む、請求項49、50または51に記載の医薬組成物。
  53. フィノマーが、抗体またはその抗原結合部分の重鎖または軽鎖のアミノ末端に結合される、請求項1から52のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  54. フィノマーが、抗体またはその抗原結合部分の重鎖または軽鎖のカルボキシ末端に結合される、請求項1から52のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  55. 抗悪性腫瘍剤をさらに含む、請求項1から54のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  56. 抗悪性腫瘍剤が、ドラスタチン、オーリスタチン、マイタンシン、ツブリシン、カリケアマイシン、ピロロベンゾジアゼピン(PBD)、デュオカルマイシン、ドキソルビシン、シュードモナス外毒素−A(PE38)、イリノテカンおよび前記のうちいずれか1つの誘導体からなる群から選択される、請求項55に記載の医薬組成物。
  57. 抗悪性腫瘍剤が、二重特異性結合物質に共有結合によって結合される、請求項55または56に記載の医薬組成物。
  58. 抗悪性腫瘍剤が、抗体またはその抗原結合部分に結合される、請求項55から57のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  59. 抗悪性腫瘍剤が、フィノマーに結合される、請求項55から57のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  60. 抗悪性腫瘍剤が、リンカーによって二重特異性結合物質に共有結合によって結合される、請求項55から59のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  61. 抗悪性腫瘍剤が、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)またはモノメチルオーリスタチンF(MMAF)を含む、請求項55から60のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  62. 抗悪性腫瘍剤が、ピロロベンゾジアゼピン毒素を含む、請求項55から61のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  63. 抗悪性腫瘍剤が、連結基を含み、ピロロベンゾジアゼピン毒素が、連結基に共有結合によって連結され、連結基が、二重特異性結合物質に共有結合によって連結される、請求項62に記載の医薬組成物。
  64. ピロロベンゾジアゼピン毒素が、次化学式I:
    Figure 2021165268
    [式中、
    およびZは、両方ともNであり、
    およびZは、両方ともCであり、
    二重破線
    Figure 2021165268
    は、単結合または二重結合を表し、
    nは、1〜10であり、
    およびRの各々は独立に、HまたはC1〜4アルコキシルであり、
    およびRの各々は独立に、H、C1〜5アルキル、C3〜6シクロアルキル、C2〜5アルケニルおよびRで適宜置換されたフェニルからなる群から選択され、
    は、−NH、−NHRおよび次構造
    Figure 2021165268
    を有するRで置換されたピペラジニルからなる群から選択され、
    (ここで、Rは、連結基を含み、
    は、HまたはC1〜5アルキルである)、
    は、ヌル、保護基であるかまたは連結基を含み、
    は、ヌル、保護基であるかまたは連結基を含み、
    、X、RおよびRのうち1つのみが連結基を含み、
    およびYの各々は独立に、ヌル、OHまたはSOHのいずれかであり、
    (i)Xが連結基を含む場合には、
    Figure 2021165268
    はN−Cであり、
    (ii)Xが連結基を含む場合には、
    Figure 2021165268
    はN−Cであり、
    (iii)Xが保護基である場合には、
    Figure 2021165268
    はN−Cであり、
    (iv)Xが保護基である場合には、
    Figure 2021165268
    はN−Cである]
    の構造を含み、ヌルが、必要な原子価を完成するための部分がないことまたは1つもしくは複数の水素の存在を示す、請求項62または63に記載の医薬組成物。
  65. nが、3、4または5である、請求項64に記載の医薬組成物。
  66. およびRが両方とも−O−CHである、請求項64または65に記載の医薬組成物。
  67. およびRが両方ともメチルである、請求項64から66のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  68. およびRが両方とも−CH=CH−CHである、請求項64から66のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  69. が、シクロプロピルである、請求項64から66のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  70. が、4−メチルピペラジン−1−イルで置換されたフェニルである、請求項64から66のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  71. が、Rで適宜置換されたフェニルであり、Rが、−NHRであり、Rが、連結基を含む、請求項69または70に記載の医薬組成物。
  72. が、ヌルであり、Yが、ヌルであり、
    が、ヌルであり、Yが、ヌルであり、
    Figure 2021165268
    がN=Cであり、Xがヌルであり、Yがヌルであり、
    Figure 2021165268
    が、N=Cである、N=Cである、請求項64から66および69から71のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  73. が、連結基を含み、Yが、OHであり、
    Figure 2021165268
    がN=Cであり、Xが、ヌルであり、Yが、ヌルである、請求項64から70のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  74. が、連結基を含み、Yが、OHであり、
    Figure 2021165268
    がN−Cであり、Xが、保護基であり、Yが、OHである、請求項64から70のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  75. 連結基が、カルバメート基によってピロロベンゾジアゼピン毒素に結合される、請求項64から74のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  76. 連結基が、アミド基によってピロロベンゾジアゼピン毒素に結合される、請求項64から74のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  77. 連結基が、次化学式(A):
    Figure 2021165268
    [式中、
    アスタリスクは、ピロロベンゾジアゼピン毒素との結合点を示し、
    波線は、結合物質との結合点を示し、
    mは、1〜20であり、
    qは、0〜10であり、
    Eは、接続基である]
    の構造を含む、請求項634から76のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  78. mが、4または8である、請求項77に記載の医薬組成物。
  79. qが、0、1または2である、請求項77または78に記載の医薬組成物。
  80. mが8であり、qが2である、請求項77に記載の医薬組成物。
  81. 連結基が、化学式(B)
    Figure 2021165268
    [式中、
    アスタリスクは、ピロロベンゾジアゼピン毒素との結合点を示し、
    波線は、結合物質との結合点を示し、
    Eは、接続基を含み、
    vは、0〜10であり、
    uは、0または1であり、
    uが1である場合には、tは、1〜10である]
    の構造を含む、請求項64から76のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  82. vが1である、請求項81に記載の医薬組成物。
  83. uが1であり、tが8である、請求項81または82に記載の医薬組成物。
  84. uが0であり、vが4である、請求項81に記載の医薬組成物。
  85. 結合物質が、結合物質のシステインチオール残基とEの間に形成されるチオエーテル結合によってEに接続される、請求項77から84のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  86. Eが、次化学式(C):
    Figure 2021165268
    [式中、波線は、結合物質との結合点を示し、2倍のアスタリスクは、連結基との結合点を示す]
    の構造を含む、請求項77から85のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  87. 保護基が、以下の構造(D):
    Figure 2021165268
    [式中、アスタリスクは、ピロロベンゾジアゼピン毒素との結合点を示し、wは、1〜5である]
    を有する、請求項64から86のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  88. wが2である、請求項87に記載の医薬組成物。
  89. 保護基が、切断可能な保護基である、請求項64から88のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  90. 抗悪性腫瘍剤が、
    Figure 2021165268
    [式中、mは8である]、
    Figure 2021165268
    [式中、mは8であり、pは3であり、Xは保護基である]、
    Figure 2021165268
    [式中、mは8である]、
    Figure 2021165268
    [式中、tは8であり、vは1である]および
    Figure 2021165268
    [式中、波線は、結合物質との結合点を示す]
    からなる群から選択される構造を含む、請求項64に記載の医薬組成物。
  91. の保護基が、以下の構造(D):
    Figure 2021165268
    [式中、アスタリスクは、新生物剤との結合点を示し、wは、1から5である]
    を有する、請求項90に記載の医薬組成物。
  92. 結合物質の少なくとも1個のアミノ酸が、システインに突然変異され、システインが、チオールエーテル結合によって連結基に共有結合によって連結される、請求項64から91のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  93. 抗悪性腫瘍剤が、次化学式(II):
    Figure 2021165268
    [式中、mは8であり、波線は、結合物質のチオール基との結合点を示す]
    の構造を含む、請求項64または92に記載の医薬組成物。
  94. 抗体またはその抗原結合部分が、シンデカン−1への結合について、配列番号2〜15から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L1、配列番号16〜26から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L2、配列番号27〜33から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L3、配列番号45〜59から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H1、配列番号60〜71から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H2および配列番号72〜81から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H3を含む第2の結合物質と競合する、請求項1から93のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  95. 第2の結合物質が、配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L1、配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L2、配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L3、配列番号47のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H1、配列番号60のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H2および配列番号73のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H3を含む、請求項94に記載の医薬組成物。
  96. 第2の結合物質が、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L1、配列番号17のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L2、配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L3、配列番号47のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H1、配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H2および配列番号73のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H3を含む、請求項94に記載の医薬組成物。
  97. 第2の結合物質が、配列番号16のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−L2、配列番号45または46のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H1および配列番号72のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するCDR−H3を含む、請求項95に記載の医薬組成物。
  98. 第2の結合物質が、ヒト化軽鎖可変領域およびヒト化重鎖可変領域を含む、請求項94から97のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  99. 第2の結合物質が、配列番号41のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するヒト化軽鎖可変領域および配列番号90のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するヒト化重鎖可変領域を含む、請求項98に記載の医薬組成物。
  100. 第2の結合物質が、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するヒト化軽鎖および配列番号93のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%同一のアミノ酸配列を有するヒト化重鎖を含む、請求項98または99に記載の医薬組成物。
  101. 対象における新生物の処置のための、請求項1から100のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  102. 新生物が、シンデカン−1を発現する新生細胞または癌細胞を含む、請求項101に記載の医薬組成物。
  103. 新生物が、癌腫、肉腫、神経系新生物、リンパ腫、骨髄腫、白血病、黒色腫、中皮腫、固形または軟部組織腫瘍および続発性癌から選択される、請求項101または102に記載の医薬組成物。
  104. 新生物が、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、胃癌、膵臓癌、食道癌、肝臓癌、肝細胞癌、下咽頭癌、肺癌、腺癌、卵巣癌または腎癌を含む、請求項101から103のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  105. 新生物が、膵臓腺癌、膵神経内分泌癌、結腸直腸腺癌、小腸悪性腫瘍、胆管癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、甲状腺癌腫、食道または食道胃接合部(EGJ)癌、胃腺癌、肝臓肝細胞癌腫、頭頚部扁平上皮癌、雌生殖器悪性腫瘍、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、肺小細胞癌腫、卵巣表面上皮性癌、後腹膜または腹膜肉腫、前立腺腺癌、神経内分泌腫瘍、消化管間質性腫瘍、神経膠芽腫または非上皮性卵巣癌を含む、請求項101から104のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  106. 新生物が、多発性骨髄腫、卵巣癌腫、子宮頸癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、精巣癌、腎臓癌腫、胆嚢癌腫、移行細胞膀胱癌、胃癌、前立腺癌、前立腺腺癌、乳癌、肺癌、結腸癌腫、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄芽球性白血病(AML)、T細胞急性リンパ性白血病(T−ALL)、固形組織肉腫、結腸癌腫、非小細胞肺癌、扁平細胞肺癌腫、結腸直腸癌腫、肝細胞癌、膵臓癌、脳癌(例えば、神経芽細胞腫または髄膜腫)、皮膚癌(例えば、黒色腫、基底細胞癌または扁平上皮癌)および頭頚部癌腫からなる群から選択される、請求項101から105のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  107. 新生物が、副腎皮質癌、膀胱尿路上皮癌腫、浸潤性乳癌、子宮頸部扁平上皮癌、子宮頸部腺癌、胆管癌、結腸腺癌、結腸直腸腺癌、リンパ系新生物びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、食道癌腫、多形性神経膠芽腫、神経膠腫、頭頚部扁平上皮癌、腎臓嫌色素性、汎腎臓コホート(KICH+KIRC+KIR)、腎臓腎明細胞癌、腎臓腎乳頭細胞癌、急性骨髄性白血病、脳の低悪性度神経膠腫、肝臓肝細胞癌腫、肺腺癌、肺扁平上皮癌、中皮腫、卵巣漿液性嚢胞腺癌、膵臓腺癌、褐色細胞腫および傍神経節腫、前立腺腺癌、直腸腺癌、肉腫、皮膚の皮膚黒色腫、胃腺癌、胃および食道癌腫、精巣生殖細胞腫瘍、甲状腺癌腫、胸腺腫、子宮体子宮内膜癌、子宮癌肉腫およびブドウ膜黒色腫からなる群から選択される、請求項101から105のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  108. 投与後に、二重特異性結合物質が、新生物の成長、生存力または転移を遮断、阻害、寛解、抑制または抑止する、請求項101から107のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  109. 投与後に、二重特異性結合物質が、新生物の一部またはすべての死滅、壊死またはアポトーシスを誘導する、請求項101から107のいずれか一項に記載に記載の医薬組成物。
  110. 化学療法薬と組み合わせて投与されるものである、請求項101から109のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  111. 対象がヒトである、請求項101から110のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  112. 新生物が膀胱癌である、請求項101から111のいずれか一項に記載の方法。
  113. 新生物が多発性骨髄腫である、請求項101から111のいずれか一項に記載の方法。
  114. 新生物が食道癌である、請求項101から111のいずれか一項に記載の方法。
  115. (a)以下の相補性決定領域(CDR):
    (i)配列番号3のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−L1、
    (ii)配列番号18のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−L2、
    (iii)配列番号28のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−L3、
    (iv)配列番号47のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−H1、
    (v)配列番号60のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−H2、
    (vi)配列番号73のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなるCDR−H3
    を含み、シンデカン−1(CD138)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分および
    (b)配列番号107のアミノ酸配列に対して少なくとも85%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むかまたはからなり、線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)に特異的に結合するフィノマー
    を含む医薬組成物。
  116. (i)CDR−L1が、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号17のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号47のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号61のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号73のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項115に記載の医薬組成物。
  117. (i)CDR−L1が、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (ii)CDR−L2が、配列番号16のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iii)CDR−L3が、配列番号27のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (iv)CDR−H1が、配列番号45のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (v)CDR−H2が、配列番号60のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなり、
    (vi)CDR−H3が、配列番号72のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかまたはからなる、請求項115に記載の医薬組成物。
  118. 抗体またはその抗原結合部分が、配列番号41のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかもしくはからなるヒト化軽鎖可変領域および/または配列番号90のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかもしくはからなるヒト化重鎖可変領域を含む、請求項115、116または117に記載の医薬組成物。
  119. 抗体またはその抗原結合部分が、配列番号44のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかもしくはからなるヒト化軽鎖および/または配列番号93のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含むかもしくはからなるヒト化重鎖を含む、請求項118に記載の医薬組成物。
  120. 抗体またはその抗原結合部分が、サルシンデカン−1の細胞外ドメインに特異的に結合する、請求項115から119のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  121. 抗体またはその抗原結合部分が、ヒトシンデカン−1、サルシンデカン−1およびマウスシンデカン−1の細胞外ドメインに、50nM以下の結合親和性(KD)で特異的に結合する、請求項115から120のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  122. 抗体が、ヒトIgGの重鎖定常領域を含み、重鎖定常領域が、A118C(118位のアラニンからシステインへ)、S119C(119位のセリンからシステインへ)、S239C(239位のセリンからシステインへ)、V282C(282位のバリンからシステインへ)、T289C(289位のトレオニンからシステインへ)、N361C(361位のアスパラギンからシステインへ)、V422C(422位のバリンからシステインへ)、A118K(118位のアラニンからリシンへ)、S119K(119位のセリンからリシンへ)、S239K(239位のセリンからリシンへ)、V282K(282位のバリンからリシンへ)、T289K(289位のトレオニンからリシンへ)、N361K(361位のアスパラギンからリシンへ)およびV422K(422位のバリンからリシンへ)から選択されるアミノ酸置換を含む、請求項115から121のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  123. 抗体が、ヒトIgGの重鎖定常領域を含み、重鎖定常領域が、重鎖定常領域の119位でのセリンのシステインへのアミノ酸置換を含む、請求項115から121のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  124. フィノマーが、ヒトFGFR3アイソフォーム3bおよびヒトFGFR3アイソフォーム3cに特異的に結合する、請求項115から123のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  125. フィノマーのカルボキシ末端(C末端)が、抗体またはその結合部分の重鎖可変領域のアミノ末端(N末端)に接続され、フィノマーが、ペプチド結合によって抗体重鎖可変領域に接続される、請求項115から124のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  126. 二重特異性結合物質が、抗悪性腫瘍剤を含む、請求項115から125のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  127. 抗悪性腫瘍剤が、ピロロベンゾジアゼピン毒素を含む、請求項126に記載の医薬組成物。
  128. ピロロベンゾジアゼピン毒素が、以下に示される化学式VIII:
    Figure 2021165268
    [式中、Xは、連結基を含む]
    の構造を含む、請求項127に記載の医薬組成物。
  129. ピロロベンゾジアゼピン毒素が、以下に示される化学式II:
    Figure 2021165268
    [式中、mは8であり、ピロロベンゾジアゼピン毒素は、抗体またはその抗原結合部分の重鎖に共有結合によって結合され、波線は、ピロロベンゾジアゼピン毒素の、結合物質のチオール基との結合点を示す]
    の構造を含む、請求項127または128に記載の医薬組成物。
  130. (i)抗体が、ヒトIgGの重鎖定常領域を含み、(ii)重鎖定常領域が、重鎖定常領域の119位でのセリンのシステインへのアミノ酸置換を含み、(iii)ピロロベンゾジアゼピン毒素が、重鎖定常領域の119位に位置するシステインのチオール基に共有結合によって結合される、請求項129に記載の医薬組成物。
  131. フィノマーおよび配列番号125の重鎖アミノ酸配列および配列番号44の軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項115から130のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  132. (i)フィノマーおよび配列番号125のアミノ酸位置213のセリンが、システインに突然変異されている配列番号125の重鎖アミノ酸配列ならびに(ii)配列番号44の軽鎖アミノ酸配列を含み、ピロロベンゾジアゼピン毒素が、システインのチオール基に共有結合によって結合される、請求項127から130のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  133. 新生物を有するかまたは有すると疑われる対象を処置するための、請求項115から130のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  134. 新生物が、癌腫、肉腫、神経芽細胞腫、神経膠芽腫、骨髄腫、リンパ腫、黒色腫または固形もしくは軟部組織腫瘍を含む、請求項133に記載の医薬組成物。
  135. 新生物が、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、胃癌、膵臓癌、食道癌、肝臓癌、肝細胞癌、下咽頭癌、肺癌、腺癌、卵巣癌または腎癌を含む、請求項133に記載の医薬組成物。
  136. 新生物が、膵臓腺癌、膵神経内分泌癌、結腸直腸腺癌、小腸悪性腫瘍、胆管癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、甲状腺癌腫、食道または食道胃接合部(EGJ)癌、胃腺癌、肝臓肝細胞癌腫、頭頚部扁平上皮癌、雌生殖器悪性腫瘍、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、肺小細胞癌腫、卵巣表面上皮性癌、後腹膜または腹膜肉腫、前立腺腺癌、神経内分泌腫瘍、消化管間質性腫瘍、神経膠芽腫または非上皮性卵巣癌を含む、請求項133に記載の医薬組成物。
  137. 新生物が、多発性骨髄腫、卵巣癌腫、子宮頸癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、精巣癌、腎臓癌腫、胆嚢癌腫、移行細胞膀胱癌、胃癌、前立腺癌、前立腺腺癌、乳癌、肺癌、結腸癌腫、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄芽球性白血病(AML)、T細胞急性リンパ性白血病(T−ALL)固形組織肉腫、結腸癌腫、非小細胞肺癌、扁平細胞肺癌腫、結腸直腸癌腫、肝細胞癌、膵臓癌、脳癌(例えば、神経芽細胞腫または髄膜腫)、皮膚癌(例えば、黒色腫、基底細胞癌または扁平上皮癌)および頭頚部癌腫からなる群から選択される、請求項133に記載の医薬組成物。
  138. 新生物が、膀胱癌、多発性骨髄腫または食道癌である、請求項133に記載の医薬組成物。
  139. 新生物が、シンデカン−1および/またはFGFR3を発現する新生細胞または癌細胞を含む、請求項131から138のいずれか一項に記載の医薬組成物。
JP2021064845A 2020-04-07 2021-04-06 シンデカン−1および線維芽細胞増殖因子受容体を標的とする二重特異性結合物質を含む医薬組成物 Pending JP2021165268A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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