以下に、本開示の情報処理方法、情報処理装置、プログラム及び情報処理システムについて、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
監視エリア内に不審行動を行う不審行動者がいる場合に、保護すべき通行人(保護対象者)に注意喚起を行う情報処理システムについて説明する。図1及び図2は情報処理システムの構成例を示す模式図である。本実施形態の情報処理システム100は、例えば人通りの少ない道路を監視エリアとして、監視エリアに分散配置された複数の監視装置10、監視エリア内の通行人(ユーザ)が携帯しているユーザ端末20、ユーザ登録した各ユーザの情報を管理する管理サーバ30等を含む。監視エリアは、人通りの少ない道路のような屋外のほかに、電車及びバス等の車両内、建物の玄関及びエレベータホール等の屋内、電車の駅のプラットホーム等であってもよく、過去に不審行動者が出没した場所及び不審行動者の出没頻度が多い場所を監視エリアとしてもよい。
監視装置10、ユーザ端末20及び管理サーバ30のそれぞれは、インターネット等のネットワークNに接続されており、ネットワークN経由で情報の送受信を行うように構成されている。監視装置10は、カメラ13(図3参照)を用いて撮影を行い、得られた撮影画像に基づいて撮影範囲内における不審行動者の有無を監視する。監視装置10(撮影装置)は、例えば図1に示すように道路に設置された街灯毎に設けられており、監視エリア内に死角が生じないように配置されていることが好ましい。ユーザ端末20は、監視エリア内にいるユーザ(通行人)が携帯している端末装置である。ユーザ端末20はスマートウォッチ等のウェアラブルデバイス、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等で構成されている。監視エリア内にいるユーザは、歩行者のほかに、自転車、二輪車、スケートボード、キックスケーター等を使用している人を含む。なお、ユーザは、自身のユーザ端末20の情報を予め管理サーバ30にユーザ登録している人を意味しており、通行人は、ユーザ登録しているユーザに加えて、ユーザ登録していない人も含む。
管理サーバ30は、情報処理システム100による見守り機能(不審行動者がいる場合に通知を受ける機能)を利用するためにユーザ登録している各ユーザの情報を保持しており、更に、各ユーザのユーザ端末20から現在地情報を取得して管理している。管理サーバ30は、種々の情報処理及び情報の送受信処理が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータ又はパーソナルコンピュータ等である。管理サーバ30は、複数台設けられてもよいし、1台のサーバ装置内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されてもよいし、クラウドサーバを用いて実現されてもよい。管理サーバ30は、ネットワークN経由でユーザ端末20からユーザ端末20の現在地情報を取得する処理、監視装置10からの要求に応じて所定位置にいるユーザ(ユーザ端末20)の情報を監視装置10へ提供する処理等を行う。
本実施形態の情報処理システム100では、監視装置10は、カメラ13によって撮影した撮影画像に基づいて、撮影範囲内における通行人の有無を検知し、通行人を検知した場合、検知した通行人が不審行動を行う不審行動者であるか否かを判断する。そして、不審行動者であると判断した場合、監視装置10は、この不審行動者から保護すべき対象者の有無を判断し、保護対象者がいる場合、この保護対象者のユーザ端末20に注意情報を送信して注意喚起を行う。なお、本実施形態では、監視装置10はユーザ端末20に対してネットワークN経由で情報の送信を行う構成とするが、監視装置10及びユーザ端末20は例えばブルートゥース(登録商標)による無線通信によって情報を送受信するように構成されていてもよい。
図3は、監視装置10及びユーザ端末20の構成例を示すブロック図である。本実施形態の監視装置10は、制御部11、記憶部12、カメラ13、通信部14、通知部15、読み取り部16等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pを適宜実行することにより、本開示の情報処理装置が行うべき種々の情報処理及び制御処理を監視装置10に実行させる。
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部12は、制御部11が実行する制御プログラム12P及び制御プログラム12Pの実行に必要な各種のデータ等を予め記憶している。また記憶部12は、制御部11が制御プログラム12Pを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。更に記憶部12は、機械学習によって学習させた学習済みモデル(学習モデル)である不審行動判別モデルMを記憶する。不審行動判別モデルMは人工知能ソフトウェアの一部として機能するプログラムモジュールとしての利用が想定される。
カメラ13は、レンズ及び撮像素子等を有する撮像装置であり、レンズを介して被写体像の画像データを取得する。カメラ13は、制御部11からの指示に従って撮影を行い、1枚(1フレーム)の画像データ(撮影画像)を順次取得する。カメラ13は、例えば1秒間に60フレーム、30フレーム又は15フレームの映像データを取得するように構成されており、カメラ13にて取得された映像データは順次記憶部12に記憶される。なお、カメラ13は、監視装置10に内蔵された構成のほかに、監視装置10に外付けされる構成でもよい。この場合、監視装置10は、外部カメラの接続が可能な接続部又は外部カメラとの無線通信が可能な無線通信部を備え、外部カメラが撮影した映像データを接続部又は無線通信部を介して取得する。またカメラ13は、所定位置に設置された固定カメラに限定されず、例えば床面上又は地面上を移動する移動体、或いは、室内又は屋外を飛行する無人航空機(ドローン)等に取り付けられたカメラであってもよい。更にカメラ13による撮影画像の代わりに、人工衛星に搭載されたセンサによって取得される衛生画像を用いてもよい。
通信部14は、有線通信又は無線通信によってネットワークNに接続するためのインタフェースを有し、ネットワークNを介して他の装置との間で情報の送受信を行う。通知部15は、ライト、回転灯、ブザー、スピーカ等を含み、ライトの点灯又は点滅、回転灯の点灯、ブザーの鳴動、スピーカによる音声メッセージの出力等を行うことにより、監視装置10の周囲の人に所定の状況を通知する。なお、通知部15は、制御部11からの指示に従って、所定の処理を行うことによって通知処理を実現する。
読み取り部16は、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード等を含む可搬型記憶媒体1aに記憶された情報を読み取る。記憶部12に記憶される制御プログラム12P及び各種のデータは、制御部11が読み取り部16を介して可搬型記憶媒体1aから読み取って記憶部12に記憶してもよい。また、記憶部12に記憶される制御プログラム12P及び各種のデータは、制御部11が通信部14を介して他の装置からダウンロードして記憶部12に記憶してもよい。
本実施形態の監視装置10は上述した構成のほかに、監視装置10を操作するユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部11へ送出する入力部、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等の表示部を備えていてもよい。
ユーザ端末20は、制御部21、記憶部22、無線通信部23、通知部24、測位部25、入力部26、表示部27等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。ユーザ端末20の制御部21、記憶部22、無線通信部23及び通知部24のそれぞれは、監視装置10の制御部11、記憶部12、通信部14及び通知部15と同様の構成であるので詳細な説明は省略する。なお、ユーザ端末20は携帯端末であるので、無線通信部23は無線通信によってネットワークNに接続するためのインタフェースを有することが好ましい。また、ユーザ端末20の通知部24は、ライト、ブザー、スピーカ、バイブレータ等を含み、ライトの点灯又は点滅、ブザーの鳴動、スピーカによる音声メッセージの出力、バイブレータによる振動等を行うことにより、ユーザ端末20のユーザに所定の状況を通知するように構成されている。
測位部25は、ユーザ端末20の現在地を検出し、現在地を示す現在地情報(例えば、経度及び緯度の座標値)を取得する。測位部25は、例えばGPS(Global Positioning System )衛星から送信される電波を、ユーザ端末20に設けられたGPSアンテナ(図示せず)を介して受信し、受信した電波に基づいて現在地を検出する。なお、現在地の検出方法はGPS衛星からの電波に基づく方法に限らない。入力部26は、ユーザ端末20を操作するユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部21へ送出するする。表示部27は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部21からの指示に従って各種の情報を表示する。入力部26及び表示部27は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
図4は、不審行動判別モデルMの構成例を示す模式図である。本実施形態の不審行動判別モデルMは、例えば図4に示すように物体検出アルゴリズム(ニューラルネットワーク)及びLSTM(Long Short-Term Memory)を組み合わせて構成されている。物体検出アルゴリズムには、R−CNN(Regions with Convolution Neural Network )、Fast R−CNN、Faster R−CNN、Mask R−CNN,SSD(Single Shot Multibook Detector)、YOLO(You Only Look Once)等を用いることができる。不審行動判別モデルMは、人(通行人)が撮影された時系列の撮影画像(動画データ)を入力とし、入力された撮影画像に基づいて、撮影された人が不審行動を行っているか否か(不審行動者であるか否か)を演算し、演算した結果を出力するように学習した学習済みモデルである。なお、不審行動とは例えば、つきまとい、待ち伏せ、ひったくり、暴力行為、誘拐、盗撮、痴漢等がある。
図4に示す不審行動判別モデルMは、畳み込み層及びプーリング層、LSTM層、全結合層を含む。本実施形態の不審行動判別モデルMでは、所定の単位時間に亘る複数フレームの画像データ(時系列の画像データ)が入力層を介して入力される。入力層を介して入力された各フレームの画像データ(撮影画像)は、畳み込み層でフィルタ処理等によって画像の特徴量が抽出されて特徴マップが生成され、プーリング層で圧縮されて情報量が削減される。畳み込み層及びプーリング層は複数層繰り返し設けられており、複数の畳み込み層及びプーリング層によって生成された特徴マップは、全結合層に入力された後、LSTM層に入力され、更に全結合層に入力される。全結合層及びLSTM層のそれぞれは、入力された特徴マップに基づいて、各種の関数や閾値等を用いて各層のノードの出力値を算出し、算出した各層のノードの出力値を順次後の層のノードに入力し、最後段の全結合層は出力層の各出力ノードにそれぞれの出力値を与える。
図4に示す不審行動判別モデルMでは、出力層から出力される出力情報は、入力された撮影画像に対して、不審行動を行っていると判断された人の領域を囲むバウンディングボックス(実線で示す矩形)と、判別された不審行動を示す判別ラベルとが付加された情報となる。なお、本実施形態の不審行動判別モデルMでは、撮影画像中の人がつきまとい行動、待ち伏せ行動、ひったくり行動、暴力行為のいずれの不審行動を行っているかを判別し、判別した不審行動を示す判別ラベルが付加される。図4に示す例では、不審行動判別モデルMが、撮影画像中の人がつきまとい行動を行っていると判別した場合の出力情報を示す。なお、不審行動判別モデルMの出力情報において、判別ラベルと共に判別ラベルに対する判別確率が付加されていてもよい。不審行動判別モデルMにおいて、入力層の入力ノードの数、畳み込み層、プーリング層及び全結合層のそれぞれの層数は図4に示す例に限定されない。例えば不審行動判別モデルMが判別する不審行動の種類は4つに限定されず、例えば、誘拐行為、盗撮行為、痴漢行為等の不審行動を含めてもよく、不審行動ではない通常行動を判別対象の行動に含めてもよい。
不審行動判別モデルMは、それぞれの不審行動を示す情報(正解ラベル)と、それぞれの不審行動を行っている人を撮影した撮影画像(動画データ)とを含む教師データを用いて学習する。不審行動判別モデルMは、教師データに含まれる撮影画像が入力された場合に、教師データに含まれる正解ラベルが示す不審行動に対応する判別ラベルを出力するように学習する。学習処理において不審行動判別モデルMは、各層のノードを結合する重み付け係数及び関数の係数を最適化するように学習する。これにより、撮影画像(動画データ)が入力された場合に、撮影画像中に写っている人が行っている不審行動を特定(判別)し、特定した結果(不審行動に関する情報)を出力するように学習された学習済みの不審行動判別モデルMが得られる。なお、教師データに用いる撮影画像は、例えばつきまとい行動、待ち伏せ行動、ひったくり行動、暴力行為等の不審行動を行う歩行者、自転車、二輪車、スケートボード、キックスケーター等を使用している人(不審行動者)を撮影した画像を、それぞれの不審行動の画像として用いることができる。例えば物陰等に身体を隠す行動、同一の通行人から一定の距離だけ離れて追尾する行動、一定距離毎に停止する行動等のように不審行動者が行いがちな挙動を撮影した画像を教師データに用いることができる。また、不審行動を行う前の行動及び状態を撮影した画像を教師データに用いてもよい。
本実施形態の不審行動判別モデルMでは、例えばカメラ13で順次撮影される複数フレームの撮影画像が入力されてもよく、カメラ13で撮影された撮影画像から所定時間(例えば1秒)毎に抽出された複数フレームの撮影画像が入力されてもよい。不審行動判別モデルMの学習は、他の学習装置で行われるが、監視装置10で行われてもよい。不審行動判別モデルMは、図4に示すようなニューラルネットワーク(深層学習)に限定されず、種々の機械学習のアルゴリズムによって構築された学習モデルを用いることができる。
図5は管理サーバ30の構成例を示すブロック図である。管理サーバ30は、制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、表示部35等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。管理サーバ30の制御部31、記憶部32、通信部33は監視装置10の制御部11、記憶部12、通信部14と同様の構成であり、管理サーバ30の入力部34及び表示部35はユーザ端末20の入力部26及び表示部27と同様であるので詳細な説明は省略する。なお、管理サーバ30の記憶部32は、制御部31が実行する制御プログラム32Pに加えて、後述するユーザDB(データベース)32a及び監視装置DB32bを記憶する。
図6は、管理サーバ30に記憶されるDB32a,32bの構成例を示す模式図である。図6AはユーザDB32aを、図6Bは監視装置DB32bをそれぞれ示す。ユーザDB32aは、情報処理システム100による見守り機能を利用するためにユーザ登録したユーザに関する情報を記憶する。図6Aに示すユーザDB32aは、ユーザID列、ユーザ情報列、宛先情報列、現在地情報列等を含み、ユーザIDに対応付けて、ユーザ及びユーザが携帯しているユーザ端末20に関する各情報を記憶する。ユーザID列は、各ユーザに割り当てられた識別情報(ユーザID)を記憶する。ユーザ情報列は、年齢(年齢層)及び性別等のユーザに関する情報を記憶する。なお、ユーザに関する情報に、ユーザの氏名、住所、電話番号等の個人情報が含まれていてもよい。宛先情報列は、ユーザ端末20とネットワークN経由で通信を行う際の宛先情報を記憶する。現在地情報は、ユーザ端末20から取得するユーザ端末20の現在地を示す情報を記憶する。ユーザDB32aに記憶されるユーザIDは、新たなユーザの情報がユーザDB32aに登録される際に、制御部31によって発行されて記憶される。ユーザDB32aに記憶される他の情報は、制御部31が入力部34又は通信部33を介して追加又は変更の指示を受け付ける都度、制御部31によって追加又は変更される。ユーザDB32aの記憶内容は図6Aに示す例に限定されない。例えばユーザ端末20の現在地情報に基づく移動経路履歴等がユーザDB32aに記憶されてもよい。
監視装置DB32bは、設置されている監視装置10に関する情報を記憶する。図6Bに示す監視装置DB32bは、監視装置ID列、位置情報列等を含み、各監視装置10に割り当てられた識別情報(監視装置ID)に対応付けて、監視装置10が設置されている位置を示す位置情報を記憶する。監視装置IDは、制御部31が入力部34又は通信部33を介して、新たに設置された監視装置10の位置情報を取得した場合に、制御部31によって発行され、発行された監視装置IDと、取得された位置情報とが対応付けて監視装置DB32bに記憶される。監視装置DB32bの記憶内容は図6Bに示す例に限定されない。例えば監視装置10の設置位置に関する情報、監視装置10のスペック及び機能等に関する情報が監視装置DB32bに記憶されてもよい。
以下に、本実施形態の情報処理システム100において、監視装置10による監視処理(見守り処理)について説明する。具体的には、監視装置10のカメラ13の撮影範囲内に不審行動者がいる場合に保護対象者に注意喚起を行う際に各装置が行う処理について説明する。図7は監視処理手順の一例を示すフローチャート、図8は監視処理を説明するための模式図である。図7では左側に監視装置10が行う処理を、右側に保護対象者のユーザ端末20が行う処理をそれぞれ示す。以下の処理は、監視装置10の記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pに従って制御部11によって実行され、ユーザ端末20の記憶部22に記憶してある制御プログラム22Pに従って制御部21によって実行される。以下の処理の一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。
本実施形態の情報処理システム100において、監視装置10の制御部11は、カメラ13を用いて撮影可能なエリア(撮影範囲)を撮影する(S11)。例えば制御部11は、図8Aに示すような撮影画像を取得する。なお、制御部11はカメラ13による撮影を常時行う構成でもよい。また、監視装置10が撮影範囲内又は監視装置10の近傍における動体の有無を検知する動体センサを有する場合、制御部11は、動体センサによって動体の存在が検知された後にカメラ13による撮影を開始してもよい。制御部11(画像取得部)は、カメラ13による撮影によって撮影画像を取得し、取得した撮影画像に基づいて、撮影画像中に(撮影範囲内に)通行人がいるか否かを検知する(S12)。例えば制御部11は、テンプレートを用いたパターンマッチングによって、撮影画像中に通行人がいるか否かを判断してもよい。この場合、一般的な歩行者、自転車、二輪車、スケートボード、キックスケーター等を使用している人を撮影した撮影画像のテンプレートを予め記憶部12に記憶しておき、制御部11は、撮像画像からテンプレートに一致する領域の有無を判断することにより、撮影画像中の通行人の有無を判断できる。また、制御部11は、カメラ13にて順次撮影した時系列の撮影画像の差分を算出し、差分情報に基づいて撮影範囲内に通行人がいるか否かを判断してもよい。
撮影画像中に(撮影範囲内に)通行人を検知できないと判断した場合(S12:NO)、制御部11はステップS11の処理に戻り、カメラ13による撮影を継続する。撮影画像中に(撮影範囲内に)通行人を検知したと判断した場合(S12:YES)、制御部11は、撮影画像において、検知した通行人に通行人マークを付加する(S13)。例えば、図8Bは、図8Aの撮影画像から通行人を検知した結果を模式的に示しており、検知した通行人の領域をバウンディングボックス(破線で示す矩形)で示すと共に「通行人」マークを付加してある。なお、図8Bに示すように撮影画像中に複数の通行人を検知した場合、制御部11は、それぞれの通行人について通行人マークを付加する。
次に制御部11は、通行人マークを付加した通行人が、不審行動を行う不審行動者であるか否かを判断する(S14)。ここでは、制御部11(検知部)は、撮影画像を不審行動判別モデルMに入力し、不審行動判別モデルMからの出力情報に基づいて、撮影画像中に写っている通行人が不審行動者であるか否かを判別(検知)する。例えば制御部11は、不審行動判別モデルMからの出力情報において、判別された判別ラベルに対する判別確率が所定値(例えば0.7)以上であった場合に、判別された判別ラベルに対応する不審行動を、撮影画像中に写っている通行人が行っている行動に特定する。即ち、不審行動判別モデルMにおいて、判別された判別ラベルに対する判別確率が所定値以上であった場合、制御部11は、撮影画像中に写っている通行人は不審行動者であると特定する。一方、不審行動判別モデルMにおいて、判別された判別ラベルに対する判別確率が所定値(例えば0.7)未満であった場合、制御部11は、撮影画像中に写っている通行人は不審行動者ではないと特定する。また制御部11は、不審行動者を撮影した撮影画像に基づいて不審行動者の移動経路を特定し、保護対象者を撮影した撮影画像に基づいて保護対象者の移動経路を特定し、それぞれ特定した移動経路に基づいて、不審行動者が不審行動を継続しているか否かを判断してもよい。例えば不審行動者が保護対象者の後を追尾するような移動経路である場合、不審行動者が不審行動を継続していると判断できる。なお、不審行動者及び保護対象者の移動経路は、例えば不審行動者及び保護対象者が管理サーバ30(ユーザDB32a)に登録されているユーザである場合、ユーザDB32aに記憶してある現在地情報の履歴から特定されてもよい。
なお、制御部11は、撮影画像中に複数の通行人を検知した場合、それぞれの通行人について、不審行動者であるか否かを判断する。また、制御部11は、撮影画像を不審行動判別モデルMに入力する代わりに、撮影画像から通行人の領域(撮影領域)を抽出し、抽出した領域を不審行動判別モデルMに入力してもよい。この場合でも、制御部11は、不審行動判別モデルMからの出力情報に基づいて、撮影画像中の通行人が不審行動者であるか否かを判別できる。また本実施形態では、監視装置10が、不審行動判別モデルMを用いて撮影画像中の通行人が不審行動者であるか否かを判断するが、この判断処理は、ネットワークNに接続された所定のサーバで行われてもよい。この場合、制御部11は、逐次取得する撮影画像をネットワークN経由で所定のサーバへ送信し、所定のサーバで判断された判断結果(撮影画像中の通行人が不審行動者であるか否か、又は通行人が行っている不審行動の種類)を取得し、取得した判断結果に従って、撮影画像中に通行人が不審行動者であるか否かを特定してもよい。
制御部11は、撮影画像中の通行人が不審行動者であると判断した場合(S14:YES)、ステップS13でこの通行人に付加した通行人マークを不審行動者マークに変更する(S15)。例えば図8Bの撮影画像において、左側の通行人が不審行動者であると判断された場合、図8Cに示すように、この通行人に付加している通行人マークを「不審行動者」マークに変更する。なお、図8Bでは通行人を破線のバウンディングボックスで示していたが、図8Cでは一点鎖線のバウンディングボックスで不審行動者を示している。撮影画像中の通行人が不審行動者でないと判断した場合(S14:NO)、制御部11は、この通行人が保護すべき保護対象者であるか否かを判断する(S17)。例えば制御部11は、通行人の周辺領域(例えば5mの範囲内)に不審行動者(不審行動者マークが付加された通行人)がいるか否かを判断し、いる場合に、この通行人は保護対象者であると特定する。また制御部11は、通行人の周辺領域に同じ不審行動者が所定時間に亘って存在する場合に、この通行人は保護対象者であると特定してもよい。また制御部11は、不審行動者の行動内容に応じて、通行人が保護対象者であるか否かを判別する際の条件(通行人と保護対象者との距離等)を異ならせてもよい。例えば暴力行為を行っている不審行動者がいる場合、つきまとい行動を行っている不審行動者よりも広い範囲を保護対象とし、例えば、暴力行為を行っている不審行動者から10mの範囲内にいる通行人を保護対象者としてもよい。
制御部11は、撮影画像中の通行人が保護対象者でないと判断した場合(S17:NO)、即ち、この通行人の周辺領域に不審行動者がいない場合、ステップS11の処理に戻る。即ち、この通行人には通行人マークが付加された状態が維持される。撮影画像中の通行人が保護対象者であると判断した場合(S17:YES)、制御部11は、ステップS13でこの通行人に付加した通行人マークを保護対象者マークに変更する(S18)。例えば図8Bの撮影画像において、右側の通行人が保護対象者であると判断された場合、図8Cに示すように、この通行人に付加している通行人マークを「保護対象者」マークに変更する。なお、図8Bでは通行人を破線のバウンディングボックスで示していたが、図8Cでは二点鎖線のバウンディングボックスで保護対象者を示している。
ステップS15の処理後、制御部11は、不審行動者マークを付加した通行人(即ち不審行動者)の周辺領域(例えば5mの範囲内)に保護対象者がいるか否かを判断する(S16)。不審行動者の周辺領域に保護対象者がいないと判断した場合(S16:NO)、制御部11はステップS11の処理に戻る。なお、ステップS15で不審行動者マークが付加された通行人は不審行動者として管理される。不審行動者の周辺領域に保護対象者がいると判断した場合(S16:YES)、又はステップS18の処理後、制御部11は、保護対象者のユーザ端末20の宛先情報を取得する(S19)。具体的には、不審行動者の周辺領域に保護対象者がいると判断した場合(S16:YES)、制御部11は、いると判断した保護対象者のユーザ端末20の宛先情報を取得し、ステップS18で保護対象者マークに変更した通行人(即ち保護対象者)のユーザ端末20の宛先情報を取得する。例えば制御部11は、監視装置10の位置情報(設置場所の情報)をネットワークN経由で管理サーバ30へ送信し、監視装置10の設置位置の周囲にいるユーザ端末20の宛先情報を管理サーバ30から取得する。このとき管理サーバ30の制御部31は、監視装置10から受信した位置情報を現在地情報とするユーザ端末20をユーザDB32aの登録情報から特定し、特定したユーザ端末20の宛先情報をユーザDB32aから読み出して監視装置10へ送信する。
なお、制御部11は、監視装置10の位置情報に基づいて、検知した保護対象者の位置情報を算出し、算出した位置情報を現在地情報とするユーザ端末20の宛先情報を管理サーバ30から取得してもよい。監視装置10の位置情報は、例えば記憶部12に記憶されていてもよく、監視装置10が測位部を有する場合、測位部によって監視装置10の現在地情報(例えば、経度及び緯度の座標値)を取得してもよい。また制御部11は、撮影画像から保護対象者の特徴(例えば年齢層及び性別等のユーザ情報)を抽出し、抽出したユーザ情報及び位置情報に基づいて、保護対象者のユーザ端末20の宛先情報を管理サーバ30から取得してもよい。
制御部11(出力部)は、ステップS19で取得した宛先情報に基づいて通信部14を介して、保護対象者のユーザ端末20に対して、近傍に不審行動者がいることを通知する通知情報を送信(出力)する(S20)。保護対象者のユーザ端末20の制御部21は、監視装置10から送信された不審行動者の通知情報をネットワークN経由で無線通信部23によって受信した場合、通知部24による通知処理を実行する(S21)。例えば制御部21は、通知部24がライトを有する場合、ライトの点灯又は点滅を行い、通知部24がブザーを有する場合、ブザーの鳴動を行い、通知部24がスピーカを有する場合、スピーカによるメッセージの音声出力を行い、通知部24がバイブレータを有する場合、バイブレータによる振動を行う。これにより、ユーザ端末20のユーザ(保護対象者)に不審行動者が存在することを通知できる。また通知部24は表示部27にメッセージを表示させることにより、ユーザ端末20のユーザに不審行動者が存在することを通知してもよい。なお、ライト、バイブレータ又は表示部27を用いて通知した場合には、不審行動者に気付かれずにユーザ端末20のユーザに不審行動者が存在することを通知することができる。また制御部11は、不審行動者の通知情報をユーザ端末20へ出力する場合に、ステップS14で不審行動者であると判断した際に用いた撮影画像又は撮影画像から抽出した不審行動者の特徴情報を通知情報に含めてユーザ端末20へ送信してもよい。なお、不審行動者の特徴情報は、例えば不審行動判別モデルMで生成された特徴マップを用いてもよく、撮影画像から推測される不審行動者の年齢層、性別又は服装等の特徴情報を用いてもよい。また、不審行動者の特徴情報に、不審行動者の個人を特定できないように、撮影画像から不審行動者の顔領域を削除した画像データ、撮影画像中の不審行動者の顔領域にモザイク処理等を行った画像データ等を用いてもよい。この場合、通知情報を受信したユーザ端末20は、通知情報に含まれる撮影画像又は不審行動者の特徴情報を表示部27に表示することにより、不審行動者の撮影画像又は特徴情報をユーザ(保護対象者)に通知することができる。よって、保護対象者は、近傍に不審行動者がいることだけでなく、どの通行人が不審行動者であるかを容易に判断できるので、早期の避難が可能となる。また、監視装置10の制御部11は、不審行動者がいることだけでなく、不審行動者の行動内容も保護対象者に通知してもよい。例えば、制御部11は、「後をつけられていますよ」「待ち伏せされていますよ」等のメッセージをユーザ端末20へ送信してもよく、この場合、ユーザ端末20は受信したメッセージを表示又は音声出力することにより保護対象者に通知できる。
上述した処理により、監視装置10は、カメラ13を用いて撮影した撮影画像に基づいて、撮影範囲内に不審行動者がいるか否かを監視している。そして、不審行動者と不審行動者から保護すべき保護対象者とを検知した場合、保護対象者のユーザ端末20に対して不審行動者がいることを通知し、注意喚起を行うことができる。よって、保護対象者は、自身のユーザ端末20を介して不審行動者の存在を把握できるので、不審行動者から避難する行動を早期に開始することができる。これにより、保護対象者が不審行動者による事故又は事件に巻き込まれるリスクが抑制できることが期待される。
本実施形態の監視装置10では、不審行動判別モデルMを用いることにより、撮影画像中の撮影対象者の行動及び挙動等から不審行動者であるか否かを判定する。よって、例えば不審行動者が顔を隠している状況のように撮影対象者の顔を適切に撮影できない撮影環境であっても、撮影対象者が不審行動者であるか否かを精度よく特定できる。また、例えば不審行動者が保護対象者を背後から追尾するつきまとい行動を行っている場合、保護対象者は自身の背後の状況に気付かない可能性が高い。これに対して、本実施形態の監視装置10を用いることにより、保護対象者は自身の眼だけでなく、監視装置10(カメラ13)によっても自身の周囲の状況を把握できるので、危険な状況の発生を早期に把握できる。
本実施形態では、監視装置10が自装置10のカメラ13で撮影した撮影画像に基づいて撮影範囲内の状況を監視する処理を行う構成であるが、この構成に限定されない。例えば、複数の監視装置10で撮影された撮影画像をまとめて1つの監視装置10で処理するように構成することができる。即ち、複数の監視装置10で撮影された撮影画像が1つの監視装置10へ送信され、1つの監視装置10が複数の撮影画像に基づく監視処理を行うように構成してもよい。この場合、監視処理を行う1つの監視装置10が、監視処理の結果、保護対象者のユーザ端末20に不審行動者の通知処理を行えばよい。また、それぞれの監視装置10で撮影された撮影画像が、ネットワークN経由でクラウドサーバに集約され、クラウドサーバで、それぞれの監視装置10による撮影画像に基づく監視処理が行われるように構成することもできる。
本実施形態において、電車及びバス等の車両内を監視エリアとして車両内に監視装置10を設けてもよい。この場合、車両内の各乗客を不審行動者、保護対象者又は通行人(単なる乗客)のいずれかに分類して監視することができる。このような構成において、例えば監視装置10が、車両内に不審行動者を検知した場合に、車両に乗車している車掌又は運転士、近隣の駅の駅員等に不審行動者の存在を通知するように構成されていてもよい。また、監視装置10は、不審行動者の撮影画像又は撮影画像から抽出された特徴情報を不審行動者の通知情報として送信してもよく、この場合、通知を受けた車掌等は、どの乗客が不審行動者であるかを容易に判断できる。なお、ここでも、不審行動者の特徴情報として、不審行動判別モデルMで生成された特徴マップ、撮影画像から推測される不審行動者の年齢層、性別又は服装等の特徴情報、撮影画像中の不審行動者の顔領域に対して削除又はモザイク処理等を行った画像データを用いてもよい。このように車両内に監視装置10を設けることにより、例えば新幹線のように多数の車両が連結されている場合であっても、監視装置10からの通知によって不審行動者が存在する車両及び車両内の場所を容易に把握できる。
本実施形態において、監視装置10は、撮影画像中に不審行動者又は保護対象者を検知した場合、検知した不審行動者又は保護対象者を撮影した撮影画像、即ち、不審行動の発生現場を撮影して得らえた映像を記憶部12に記憶してもよい。このとき監視装置10は、不審行動者の検知日時と共に、撮影した映像情報を記憶部12に記憶してもよい。このような映像情報は、不審行動者による事故又は事件が発生した場合に、証拠映像として利用できる。
(実施形態2)
監視エリア内に不審行動者を検知した場合に、不審行動者に警告を行う情報処理システムについて説明する。なお、本実施形態の情報処理システムでは、警告を行っても不審行動者が不審行動をやめない場合に、保護対象者に注意喚起を行うものとする。本実施形態の情報処理システム100は、実施形態1の情報処理システム100と同様の装置にて実現可能であるので、構成についての説明は省略する。
図9は、実施形態2における監視処理手順の一例を示すフローチャートである。図9に示す処理は、図7に示す処理において、ステップS16のYESとステップS19との間にステップS31〜S32を追加したものである。図7と同じステップについては説明を省略する。
本実施形態の情報処理システム100において、監視装置10の制御部11は、図7中のステップS11〜S18と同様の処理を行う。これにより、監視装置10は、監視エリア(撮影範囲)内における通行人の有無を検知し、検知した通行人が、不審行動者であるか、保護対象者であるか、又はそれ以外(通行人)であるかを判別する処理を行う。これにより、監視装置10の撮影範囲内にいる各通行人をそれぞれ不審行動者、保護対象者又は単なる通行人のいずれであるかを管理できる。
ステップS16で不審行動者の周辺領域に保護対象者がいると判断した場合(S16:YES)、又はステップS18の処理後、制御部11は、通知部15(警告装置)を用いて不審行動者に対して警告処理を行う(S31)。例えば制御部11は、通知部15のライトを点灯又は点滅、通知部15の回転灯を点灯、又は通知部15のブザーを鳴動させることにより、不審行動者に警告又は注意を発する。また制御部11は、例えば「不審行動が疑われる可能性があります」等の音声メッセージを通知部15のスピーカから出力することにより、不審行動者に警告してもよい。このような警告処理を行うことにより、不審行動者に対して警告できるだけでなく、保護対象者に不審行動者の存在を通知でき、更に近傍の通行人にも不審行動者の存在を通知できる。
制御部11は、例えばカメラ13で撮影する撮影画像に基づいて、警告対象の不審行動者が不審行動を継続しているか否かを判断する(S32)。例えば制御部11は、不審行動判別モデルMを用いて、警告対象の不審行動者を順次撮影した撮影画像に基づいて、この不審行動者が不審行動を継続しているか否かを判断する。具体的には、制御部11は、不審行動者の撮影画像を不審行動判別モデルMに入力した場合に不審行動判別モデルMから出力された情報に基づいて、この不審行動者が不審行動を行っている(継続している)か否かを判断する。また制御部11は、逐次取得する撮影画像中に不審行動者がいなくなった場合、即ち、不審行動者が撮影範囲外に出た場合、制御部11は、警告対象の不審行動者が不審行動をやめたと判断してもよい。なお、不審行動者が撮影範囲外に出た場合、制御部11は、撮影範囲外に出た不審行動者の移動先にある他の監視装置10宛に、不審行動者が移動したことを通知してもよい。
警告対象の不審行動者が不審行動を継続していると判断した場合(S32:YES)、制御部11は、ステップS19の処理に移行し、保護対象者のユーザ端末20の宛先情報を取得し(S19)、取得した宛先情報に基づいて、保護対象者のユーザ端末20に対して不審行動者の通知情報を送信する(S20)。不審行動者が不審行動をやめたと判断した場合(S32:NO)、制御部11は、ステップS11の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。
上述した処理により、本実施形態の監視装置10では、カメラ13で撮影した撮影画像に基づいて撮影範囲内に不審行動者及び保護対象者を検知した場合に、監視装置10に設けられた通知部15を用いて不審行動者に警告処理を行う。これにより、不審行動者に自身の行動が不審行動であることを知らせることができ、不審行動をやめるように促すことが可能となる。また、警告処理を行っても不審行動者が不審行動を継続する場合には、保護対象者のユーザ端末20に対して不審行動者の存在を通知することにより、保護対象者に対して、不審行動者から避難するように促すことが可能となる。
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、不審行動者に対して警告を行うことができるので、警告処理によって不審行動者に退散を促すことが可能となる。また、不審行動者が自身の不審行動を自覚していない場合には、不審行動であることの自覚を促すことが可能となる。本実施形態においても、上述した実施形態1で適宜説明した変形例の適用が可能である。
(実施形態3)
保護対象者のユーザ端末20が、監視装置10から不審行動者の通知情報を受信した場合に、予め登録してある端末に不審行動者の通知情報を送信(転送)する情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システム100は、実施形態1の情報処理システム100と同様の装置にて実現可能であるので、構成についての説明は省略する。
図10は、実施形態3における監視処理手順の一例を示すフローチャート、図11は画面例を示す模式図である。図10に示す処理は、図7に示す処理において、ステップS20,S21の後にステップS41〜S49を追加したものである。図7と同じステップについては説明を省略する。また図10では図7中のステップS11〜S18の図示を省略している。本実施形態の情報処理システム100において、監視装置10の制御部11は、図7中のステップS11〜S20と同様の処理を行う。これにより、監視装置10は、監視エリア(撮影範囲)内に不審行動者及び保護対象者を検知した場合に、保護対象者のユーザ端末20に対して不審行動者の存在を通知することができる。
本実施形態のユーザ端末20において、制御部21は、監視装置10から不審行動者の通知情報を受信した場合、通知部24による通知処理を実行し(S21)、その後、予め記憶部22に登録してある宛先情報(登録宛先)を取得する(S41)。本実施形態のユーザ端末20では、ユーザ端末20のユーザが保護対象者となった場合に、その旨を通知すべき端末(通知先端末)の宛先情報が予め登録してあり、登録された宛先情報は記憶部22に記憶してある。なお、通知先端末は図示しないが、例えばユーザの保護者、家族、警備会社等の端末を用いることができる。制御部21は、記憶部22から読み出した宛先情報に基づいて、予め登録してある通知先端末に対して、ここでのユーザ端末20のユーザ(保護対象者)の近傍に不審行動者がいることを通知する通知情報を送信する(S42)。
通知先端末は、ユーザ端末20から不審行動者の通知情報を受信した場合、受信した情報を表示部に表示することにより、通知先端末のユーザにユーザ端末20のユーザの近傍に不審行動者が存在することを通知できる。よって、通知先端末のユーザ、即ちユーザ端末20のユーザの保護者、家族、警備会社の担当者等が、ユーザ端末20のユーザが不審行動者に遭遇する可能性を把握でき、救助等の対応を取ることができる。なお、通知先端末の宛先情報はユーザ端末20に登録しておけばよく、管理サーバ30に登録しておく必要はないが、管理サーバ30に登録する構成とした場合、管理サーバ30が、通知先端末に対して不審行動者の通知情報を送信することができる。
また本実施形態のユーザ端末20において、制御部21は、自端末20のユーザを現在地から安全な場所に誘導するための安全エリア情報(誘導情報)を取得し(S43)、取得した安全エリア情報を表示部27に表示する(S44)。図11は安全エリア情報の表示例を示しており、図11に示す画面では、ユーザ端末20のユーザ(保護対象者)の現在地から所定範囲における地図が表示してあり、地図上にユーザの現在地及び安全エリアの場所が表示されている。なお、安全エリア情報は、ユーザの現在地に基づく地図情報と、地図上に予め設定された安全エリアの位置情報とを含んでおり、このような安全エリア情報は、例えば記憶部22に予め記憶されていてもよく、管理サーバ30の記憶部32に記憶されていてもよい。よって、制御部21は、記憶部22から、又は、ネットワークN経由で管理サーバ30から、ユーザの現在地に応じた安全エリア情報を取得することができる。ユーザ端末20は、このような安全エリア情報を表示することにより、ユーザ端末20のユーザに安全エリアへの避難を誘導することができ、ユーザ(保護対象者)は、安全エリア情報による誘導に従って安全エリアに移動(避難)することができる。なお、安全エリア情報は例えば、不審行動者がいない場所、人通りの多い場所、こども110番の家、警察署及び交番等の位置情報、並びに、これらの場所に不審行動者に遭遇せずに避難できる経路の情報を含んでもよい。
一方、本実施形態の監視装置10において、制御部11は、保護対象者のユーザ端末20に不審行動者の通知情報を送信した場合、カメラ13を用いた撮影を継続し(S45)、順次取得する撮影画像に基づいて、保護対象者が安全エリアに避難したか否かを判断する(S46)。例えば制御部11は、カメラ13にて順次取得する撮影画像に基づいて、保護対象者を追跡する処理を行い、保護対象者が安全エリア内に入った場合に、保護対象者が安全エリアに避難したと判断する。なお、保護対象者が撮影範囲外に出た場合、制御部11は、撮影範囲外に出た保護対象者の移動先にある他の監視装置10宛に、保護対象者が移動したことを通知してもよく、この場合、移動先の他の監視装置10において、この保護対象者が安全エリアに避難したか否かの判断処理を継続する。また制御部11は、不審行動者が不審行動をやめたか否かに応じて、保護対象者が安全エリアに避難したか否かを判断してもよく、不審行動者が不審行動をやめた場合に、保護対象者が安全エリアに避難できたと判断してもよい。
保護対象者が安全エリアに避難していないと判断した場合(S46:NO)、制御部11は、ステップS45の処理に戻り、カメラ13による撮影を継続する。保護対象者が安全エリアに避難したと判断した場合(S46:YES)、制御部11は、ステップS19で取得した宛先情報に基づいて、保護対象者のユーザ端末20に対して、不審行動者から避難して安全な状態であることを通知する安全情報を送信する(S47)。保護対象者のユーザ端末20の制御部21は、監視装置10から送信された安全情報を無線通信部23にて受信した場合、ステップS21で実行(開始)した通知部24による通知処理を終了する(S48)。これにより、ユーザ端末20のユーザ(保護対象者)の近傍に不審行動者がいなくなった場合に、ユーザ端末20は通知部24による通知処理を終了する。このとき制御部21は、通知部24による他の通知処理を行うことによって、保護対象者が安全状態であることを通知するように構成されていてもよい。
その後、制御部21は、ステップS41で取得した宛先情報に基づいて、所定の通知先端末に対して、安全状態となったことを通知する安全情報を送信し(S49)、処理を終了する。通知先端末は、ユーザ端末20から受信した安全情報を例えば表示部に表示することにより、通知先端末のユーザにユーザ端末20のユーザが安全な状態となったことを通知できる。よって、通知先端末のユーザ、即ちユーザ端末20のユーザの保護者、家族、警備会社の担当者等は、ユーザ端末20のユーザが安全状態となったことを把握できる。
上述した処理により、本実施形態では、保護対象者のユーザ端末20に対して不審行動者の通知情報が送信された場合に、このユーザ端末20に対して予め登録してある通知先端末に、不審行動者の通知情報を送信(転送)することができる。よって、保護対象者の保護者、家族又は警備会社の担当者が、保護対象者を保護するための行動を早期に行うことが可能となる。また、本実施形態のユーザ端末20では、保護対象者を安全エリアに誘導するための地図情報を提供することができるので、保護対象者(ユーザ端末20のユーザ)は、慌てることなく安全エリアに避難することが可能となる。また、本実施形態の監視装置10では、カメラ13で撮影した撮影画像に基づいて保護対象者が安全エリアに避難できたか否かを監視しており、避難できたことが検知された場合、保護対象者及び通知先端末に安全状態を通知できる。
本実施形態では、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、保護対象者(ユーザ端末20のユーザ)だけでなく、予め登録してある通知先端末にも不審行動者の存在が通知されるので、通知先端末のユーザも保護対象者の危険な状態を早期に把握することが可能となる。よって、不審行動者による不審行動が事故又は事件に発展する前に何らかの対応を行うことが可能となる。本実施形態においても、上述した各実施形態で適宜説明した変形例の適用が可能である。また本実施形態の構成は実施形態2の監視装置10にも適用可能であり、実施形態2の監視装置10に適用した場合であっても同様の効果が得られる。
(実施形態4)
監視エリア内に不審行動者を検知した場合に、保護対象者に不審行動者の存在を通知すると共に、周囲の通行人にも不審行動者の存在を通知して救援を要請する情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システム100は、実施形態1の情報処理システム100と同様の装置にて実現可能であるので、構成についての説明は省略する。
図12は、実施形態4における監視処理手順の一例を示すフローチャートである。図12に示す処理は、図7に示す処理において、ステップS20の後にステップS61〜S64を追加したものである。図7と同じステップについては説明を省略する。また図12では図7中のステップS11〜S18の図示を省略している。本実施形態の情報処理システム100において、監視装置10の制御部11及び保護対象者のユーザ端末20の制御部21は、図7中のステップS11〜S21と同様の処理を行う。これにより、監視装置10は、監視エリア(カメラ13の撮影範囲)内に不審行動者及び保護対象者を検知した場合に、保護対象者のユーザ端末20に対して不審行動者の存在を通知することができる。また保護対象者のユーザ端末20は、通知部24による通知処理によって、不審行動者の存在を保護対象者に通知することができる。
監視装置10の制御部11は、ステップS20の処理後、検知した不審行動者の周囲に通行人(通行人マークを付加した人)がいるか否かを判断する(S61)。例えば制御部11は、カメラ13で撮影した撮影画像内に通行人がいるか否かを判断し、いると判断した場合(S61:YES)、通行人が携帯しているユーザ端末20の宛先情報を管理サーバ30から取得する(S62)。ここでは制御部11は、監視装置10の位置情報(設置場所の情報)又は、監視装置10の位置情報から算出(推測)される通行人の現在地情報をネットワークN経由で管理サーバ30へ送信し、送信した位置情報が示す位置の周囲(予め設定された所定範囲内)にあるユーザ端末20の宛先情報を要求する。そして制御部11は、要求したユーザ端末20の宛先情報を管理サーバ30から取得する。なお、管理サーバ30の制御部31は、監視装置10から要求されたユーザ端末20をユーザDB32aの登録情報から特定し、特定したユーザ端末20の宛先情報をユーザDB32aから読み出して監視装置10へ送信する。また制御部11は、監視装置10の位置情報(設置場所の情報)を管理サーバ30へ送信し、送信した位置情報が示す位置の周囲にあるユーザ端末20の宛先情報を管理サーバ30から取得した場合に、不審行動者の周囲に通行人がいると判断してもよい。この場合、制御部11は、不審行動者の周囲に通行人がいると判断できると共に、この通行人のユーザ端末20の宛先情報を取得できる。
通行人のユーザ端末20の宛先情報を取得した場合、制御部11は、取得した宛先情報に基づいて、通行人(保護対象者以外の人)のユーザ端末20に対して、近傍に不審行動者及び保護対象者がいることを通知すると共に、保護対象者の救援を要請する救援要請情報を送信する(S63)。通行人のユーザ端末20の制御部21は、監視装置10から送信された救援要請情報をネットワークN経由で受信した場合、通知部24による通知処理を実行する(S64)。通行人のユーザ端末20においても制御部21は、ライトの点灯又は点滅、ブザーの鳴動、スピーカによるメッセージの音声出力、バイブレータによる振動、表示部27によるメッセージの表示等を行うことにより、ユーザ端末20のユーザ(通行人)に、救援すべき保護対象者が存在することを通知する。ここでも制御部11は、救援要請情報を通行人のユーザ端末20へ送信する場合に、不審行動者の撮影画像又は撮影画像から抽出した不審行動者の特徴情報を含めて送信してもよい。この場合、救援要請情報を受信したユーザ端末20のユーザ(通行人)は、不審行動者の撮影画像又は特徴情報によって、近傍のどの人が不審行動者であるかを容易に判断できるので、早期の救援が可能となる。
制御部11は、カメラ13で撮影した撮影画像内に通行人がいないと判断した場合(S61:NO)、ステップS62〜S63の処理をスキップする。上述した処理により、本実施形態の監視装置10は、撮影範囲内に不審行動者を検知した場合に、保護対象者に対して不審行動者の存在を通知するだけでなく、周囲の通行人に保護対象者の救援を要請することができる。よって、例えば保護対象者がユーザ端末20を携帯していない場合、又は保護対象者が管理サーバ30にユーザ登録していない場合には保護対象者本人に通知することはできないが、周囲の通行人に通知することにより、周囲の通行人によって保護対象者が救援されることが期待される。
本実施形態では、監視装置10が、周囲の通行人のユーザ端末20に救援要請情報を送信する構成であるが、この構成に限定されない。例えば、保護対象者のユーザ端末20が、監視装置10から不審行動者の通知情報を受信した場合に、周囲の通行人のユーザ端末20に救援要請情報を送信するように構成されていてもよい。この場合、保護対象者のユーザ端末20の制御部21は、不審行動者の通知情報を受信した場合に、自端末20の周囲にいる通行人のユーザ端末20の宛先情報を管理サーバ30から取得し、取得した宛先情報を用いて、通行人のユーザ端末20に救援要請情報を送信してもよい。また、ユーザ端末20間で例えばブルートゥースによる無線通信が可能である場合、保護対象者のユーザ端末20は、通行人のユーザ端末20に対してブルートゥースによる無線通信によって救援要請情報を送信してもよい。
また本実施形態において、監視装置10は、撮影範囲内に不審行動者を検知した場合に、予め監視装置10に登録してある通報先端末にも不審行動者の存在を通知するように構成されていてもよい。ここでの通知先端末としては、例えば、監視装置10が設置されている地域の交番、見守り隊、小中学校等における端末を用いることができる。このような通知先端末に不審行動者の存在を通知することにより、地域の交番、見守り隊、小中学校等において不審行動者の出没を早期に把握できる。なお、不審行動者による不審行動の内容に応じて、通知先端末に通知するか否かを切り替えてもよく、通知する内容を異ならせてもよい。これにより、不審行動者の危険度に応じた通知が可能となる。
本実施形態では、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、保護対象者だけでなく、周囲の通行人にも不審行動者の存在が通知されるので、保護対象者は周囲の通行人からの救援を受けることができる。よって、不審行動者が出没した場合に、保護対象者は周囲の通行人の助けを得ながら避難することができ、不審行動者による不審行動が事故又は事件に発展することを抑制できる。本実施形態においても、上述した各実施形態で適宜説明した変形例の適用が可能である。また本実施形態の構成は実施形態2−3の監視装置10にも適用可能であり、実施形態2−3の監視装置10に適用した場合であっても同様の効果が得られる。
(実施形態5)
不審行動者を検知した場合に、複数の監視装置10に亘って不審行動者を追跡する情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システム100は、実施形態1の情報処理システム100と同様の装置にて実現可能であるので、構成についての説明は省略する。なお、以下では、同一の不審行動者を先に検知した監視装置10を第1監視装置10とし、第1監視装置10から不審行動者の通知情報を受信した監視装置10を第2監視装置10として説明する。
図13は、実施形態5における監視処理手順の一例を示すフローチャートである。図13では左側に第1監視装置10が行う処理を、右側に第2監視装置10が行う処理をそれぞれ示す。以下の処理の一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。本実施形態の第1監視装置10及び第2監視装置10は、実施形態1で説明した図7に示す処理と同様の処理を行いつつ以下の処理を実行する。よって、図7に示す処理を実行することにより、第1監視装置10及び第2監視装置10は、それぞれのカメラ13で撮影した撮影画像中に写る各通行人をそれぞれ不審行動者、保護対象者又は単なる通行人に分類して監視している。
第1監視装置10が撮影画像に基づいて不審行動者を監視している場合、即ち、第1監視装置10のカメラ13の第1撮影範囲内に不審行動者がいる場合、制御部11は、監視中の不審行動者が第1撮影範囲から出たか否かを判断する(S71)。不審行動者が第1撮影範囲から出ていないと判断した場合(S71:NO)、制御部11は、他の処理を行いつつ待機する。不審行動者が第1撮影範囲から出たと判断した場合(S71:YES)、第1監視装置10の制御部11は、不審行動者の移動先の監視装置10(第2監視装置10)を特定する(S72)。例えば制御部11は、撮影画像に基づいて不審行動者の移動方向を特定し、特定した移動方向の場所に設置されている監視装置10(第2監視装置10)を特定する。なお、各監視装置10の設置場所の位置情報は、例えば各監視装置10の記憶部12に記憶されており、第1監視装置10の制御部11は、各監視装置10の位置情報に基づいて第2監視装置10を特定できる。また各監視装置10の設置場所の位置情報は、管理サーバ30の監視装置DB32bに記憶されており、第1監視装置10の制御部11は、各監視装置10の設置場所の位置情報を管理サーバ30から取得し、取得した位置情報に基づいて第2監視装置10を特定してもよく、管理サーバ30で特定された第2監視装置10の情報(例えば宛先情報)を取得してもよい。
第1監視装置10の制御部11は、第2監視装置10を特定した場合、第2監視装置10に対して、不審行動者の移動情報をネットワークN経由で送信する(S73)。即ち、第1監視装置10は、不審行動者が第2監視装置10の監視エリア(第2監視装置10のカメラ13の第2撮影範囲)内に移動したこと、又は移動する可能性が高いことを通知する。なお、第1監視装置10は、不審行動者の移動方向の第2監視装置10として複数の第2監視装置10を特定した場合、それぞれの第2監視装置10に対して不審行動者の移動情報を送信する。また第2監視装置10の宛先情報は、各監視装置10の設置場所の位置情報と共に、各監視装置10の記憶部12又は管理サーバ30に記憶されており、第1監視装置10の制御部11は、自身の記憶部12又は管理サーバ30から第2監視装置10の宛先情報を取得することができる。更に第1監視装置10の制御部11は、不審行動者の移動情報に、不審行動者の撮影画像又は撮影画像から抽出された不審行動者の特徴情報を含めて送信してもよい。ここでも、不審行動者の特徴情報として、不審行動判別モデルMで生成された特徴マップ、撮影画像から推測される不審行動者の年齢層、性別又は服装等の特徴情報、撮影画像中の不審行動者の顔領域に対して削除又はモザイク処理等を行った画像データを用いてもよい。
第2監視装置10においても、制御部11は、実施形態1で説明した図7に示す処理と同様の処理を行いつつ以下の処理を実行する。第1監視装置10から不審行動者の移動情報を受信した第2監視装置10において、制御部11は、カメラ13を用いて第2撮影範囲の撮影を行い(S74)、取得した撮影画像に基づいて、撮影画像中(第2撮影範囲内)の不審行動者を検知する(S75)。ここでは制御部11は、第2撮影範囲の撮影画像を不審行動判別モデルMに入力し、不審行動判別モデルMからの出力情報に基づいて、撮影画像中に写っている不審行動者を特定してもよい。また第2監視装置10の制御部11は、第1監視装置10から不審行動者の撮影画像又は特徴情報を受信していた場合、第2撮影範囲の撮影画像と、第1監視装置10から受信した撮影画像又は特徴情報とに基づいて、第2撮影範囲の撮影画像中に写っている不審行動者を特定してもよい。ここでは制御部11は、パターンマッチングによって、第2撮影範囲の撮影画像中に不審行動者の撮影画像に一致する領域があるか否かを判断することにより、第2撮影範囲内における不審行動者の有無を判断してもよい。
第2監視装置10の制御部11は、第2撮影範囲の撮影画像に基づいて不審行動者を検知できたか否かを判断しており(S76)、検知できないと判断した場合(S76:NO)、ステップS74の処理に戻り、第2撮影範囲の撮影を継続する。第2撮影範囲内に不審行動者を検知できたと判断した場合(S76:YES)、制御部11は、第2撮影範囲の撮影画像において、検知した不審行動者に不審行動者マークを付加する(S77)。これにより、第1監視装置10から不審行動者の移動情報を受信した場合には、第2監視装置10の制御部11は、図7に示す処理とは別に図13に示す処理を行うことにより、第2撮影範囲内の不審行動者を早期に検知できる。その後、制御部11は、図7中のステップS16の処理に移行し、図7に示す処理を行うことにより、不審行動者から保護すべき保護対象者がいる場合に、保護対象者に不審行動者の存在を通知する処理を行うことができる。
上述した処理により、本実施形態では、第1監視装置10が追跡処理を行っていた不審行動者が第1撮影範囲から出た場合に、不審行動者の移動先の第2監視装置10へ不審行動者の移動情報を通知することにより、第2監視装置10によって追跡処理を継続できる。よって、複数の監視装置10の撮影範囲をまたいで不審行動者が移動する場合であっても追跡処理を継続できる。
次に、不審行動者が、複数の監視装置10の撮影範囲をまたいで保護対象者につきまとい行動を行っている場合に、つきまとい行動の被害者(ターゲット)である保護対象者を特定する処理について説明する。図14は、保護対象者の特定処理手順の一例を示すフローチャートである。図14では左側に第1監視装置10が行う処理を、右側に第2監視装置10が行う処理をそれぞれ示す。ここでも、第1監視装置10及び第2監視装置10は、実施形態1で説明した図7に示す処理と同様の処理を行いつつ以下の処理を実行する。よって、第1監視装置10及び第2監視装置10は、それぞれのカメラ13で撮影した撮影画像中に写る各通行人をそれぞれ不審行動者、保護対象者又は単なる通行人に分類して監視している。以下の処理では、第1監視装置10で不審行動者と判定された通行人と、保護対象者と判定された通行人とが、第1監視装置10の撮影範囲から出た後に第2監視装置10の撮影範囲に入った場合を例に説明する。
第1監視装置10が撮影画像に基づいて不審行動者及び保護対象者を監視している場合、制御部11は、監視中の不審行動者及び保護対象者が第1撮影範囲から出たか否かを判断している(S81)。不審行動者及び保護対象者が第1撮影範囲から出ていないと判断した場合(S81:NO)、制御部11は、他の処理を行いつつ待機する。不審行動者及び保護対象者が第1撮影範囲から出たと判断した場合(S81:YES)、制御部11は、不審行動者及び保護対象者の移動先の監視装置10(第2監視装置10)を特定する(S82)。そして制御部11は、特定した第2監視装置10に対して、不審行動者及び保護対象者の移動情報をネットワークN経由で送信する(S83)。ここでは、第1監視装置10の制御部11は、移動情報に第1監視装置10の情報(監視装置ID)を含めて送信する。なお、第1監視装置10の前にこの不審行動者及び保護対象者を監視していた監視装置10(第3監視装置10)がある場合、第1監視装置10は、第3監視装置10の監視装置IDを含む移動情報を第3監視装置10から取得している。この場合、第1監視装置10の制御部11は、第3監視装置10の監視装置IDと第1監視装置10の監視装置IDとを、監視していた順序に対応付けて移動情報に含めて第2監視装置10へ送信する。
なお、保護対象者が第1監視装置10の撮影範囲から出るタイミングと、不審行動者が第1監視装置10の撮影範囲から出るタイミングとは、ずれる場合がある。この場合、第1監視装置10の制御部11は、保護対象者及び不審行動者がそれぞれ第1撮影範囲から出たタイミングで、保護対象者及び不審行動者のそれぞれについてステップS82〜S83の処理を行ってもよい。また、不審行動者が保護対象者を追尾している場合、保護対象者が第1撮影範囲から出てから時間を空けずに不審行動者が第1撮影範囲から出る可能性が高い。よって、第1監視装置10の制御部11は、保護対象者又は不審行動者の一方が第1撮影範囲から出たタイミングでステップS82〜S83の処理を行って、保護対象者及び不審行動者の移動情報をまとめて第2監視装置10へ送信してもよい。以下では、保護対象者及び不審行動者の移動情報がまとめて第2監視装置10へ送信されたものとして説明する。
第1監視装置10から保護対象者及び不審行動者の移動情報を受信した第2監視装置10では、制御部11は、カメラ13を用いて第2撮影範囲の撮影を行い(S84)、取得した撮影画像に基づいて、撮影画像中(第2撮影範囲内)の不審行動者及び保護対象者を検知する(S85)。ここでは制御部11は、第1監視装置10から不審行動者及び保護対象者の撮影画像又は特徴情報を受信していた場合、第2撮影範囲の撮影画像と、第1監視装置10から受信した撮影画像又は特徴情報とに基づいて、第2撮影範囲の撮影画像中に写っている不審行動者及び保護対象者を特定する。また制御部11は、第2撮影範囲の撮影画像を不審行動判別モデルMに入力し、不審行動判別モデルMからの出力情報に基づいて、撮影画像中に写っている不審行動者及び保護対象者を特定してもよい。
第2監視装置10の制御部11は、第2撮影範囲の撮影画像中の不審行動者を検知した場合、撮影画像中の不審行動者に不審行動者マークを付加する(S86)。これにより、第1監視装置10で不審行動者として監視されていた通行人が、第2監視装置10でも不審行動者として監視できる。そして制御部11(経路特定部)は、第1監視装置10から取得した不審行動者の移動情報に含まれる、この不審行動者を監視してきた監視装置10の監視装置IDから、この不審行動者の移動経路を特定する(S87)。例えば、移動情報に含まれる監視装置IDに対応する監視順序が、第3監視装置10及び第1監視装置10の順である場合、制御部11は、第3監視装置10、第1監視装置10、第2監視装置10を移動する移動経路を不審行動者の移動経路に特定する。また第2監視装置10の制御部11は、第2撮影範囲の撮影画像中の保護対象者を検知した場合、不審行動者の移動経路と同様に、この保護対象者の移動経路を特定する(S88)。なお、制御部11は、管理サーバ30のユーザDB32aに記憶してある、この保護対象者の現在地情報の履歴から、この保護対象者の移動経路を特定してもよい。また、不審行動者が管理サーバ30(ユーザDB32a)に登録されているユーザである場合、制御部11は、ユーザDB32aに記憶してある不審行動者の現在地情報の履歴から、不審行動者の移動経路も特定してもよい。更に、1人の不審行動者に対して複数の保護対象者がいる場合、制御部11は、それぞれの保護対象者の移動経路を特定する。
そして制御部11は、特定した不審行動者の移動経路と保護対象者の移動経路とを比較し、両者が一致するか否かを判断する(S89)。両者が一致しないと判断した場合(S89:NO)、ここでの保護対象者は不審行動者による不審行動(つきまとい行動)のターゲットではない可能性が高いので、制御部11は、撮影画像において、ここでの保護対象者に通行人マークを付加する(S91)。これにより、不審行動者による不審行動のターゲットではない可能性が高い通行人を保護対象者から除外することができ、不要な監視処理を抑制できる。両者が一致すると判断した場合(S89:YES)、ここでの保護対象者は不審行動者による不審行動のターゲットである可能性が高いので、制御部11は、撮影画像において、ここでの保護対象者に保護対象者マークを付加する(S90)。これにより、制御部11(不審者特定部)は、ステップS86で不審行動者マークを付加した通行人を不審行動者に特定し、ステップS90で保護対象者マークを付加した通行人を保護対象者に特定する。よって、不審行動者を監視すると共に、不審行動者による不審行動のターゲットである可能性が高い通行人を確実に保護対象者として追跡することができる。なお、複数の保護対象者がいる場合、制御部11は、それぞれの保護対象者の移動経路が不審行動者の移動経路に一致するか否かを判断し、それぞれの判断結果に応じてステップS90又はステップS91の処理を行う。
また、複数の保護対象者がいる場合、制御部11は、不審行動者の移動経路と、それぞれの保護対象者の移動経路との類似度を算出し、算出した類似度に応じて真の保護対象者とすべきか保護対象者から除外して通行人とすべきかを判断してもよい。例えば制御部11は、移動経路の類似度が所定値以上であった場合にステップS90以降の処理を行ってもよく、この場合、この保護対象者を真の保護対象者として追跡処理を継続する。また制御部11は、移動経路の類似度が所定値未満であった場合にステップS91の処理を行ってもよく、この場合、この保護対象者を保護対象者から除外する。このように不審行動者の移動経路と一致又は類似する移動経路の保護対象者を真の保護対象者として追跡することにより、真の保護対象者に対して、例えば「つけられていますよ」、「つけられている可能性が高いですよ」のように具体的な状況を通知することができる。
ステップS90の処理後、第2監視装置10の制御部11は、図7中のステップS19の処理に移行し、ステップS19〜S20の処理を行うことにより、保護対象者マークを付加した通行人(保護対象者)に対して不審行動者の存在を通知することができる。上述した処理により、複数の監視装置10の撮影範囲をまたいで不審行動者が保護対象者につきまとい行動を行っている場合に、複数の監視装置10に亘って追跡処理を継続できると共に、不審行動者による不審行動のターゲットとされている保護対象者を正確に特定できる。よって、不審行動者のターゲットである可能性が低い通行人に対する不要な追跡処理を抑制して、不審行動者のターゲットである可能性が高い通行人(保護対象者)に対する追跡処理を確実に行うことにより、追跡処理を効率よく実行することが可能となる。
図14に示す処理において、それぞれの監視装置10で撮影された撮影画像が、ネットワークN経由でクラウドサーバに集約され、クラウドサーバが、撮影画像に基づいて不審行動者及び保護対象者を追跡する処理を行うように構成することもできる。このような構成とした場合、例えば不審行動者を撮影中の監視装置10と保護対象者を撮影中の監視装置10とが異なる場合であっても、不審行動者及び保護対象者を1セットとして、複数の監視装置10をまたいで追跡処理を行うことが可能である。
本実施形態では、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、複数の監視装置10の撮影範囲をまたいで移動する不審行動者に対しても追跡処理を行うことができる。本実施形態においても、上述した各実施形態で適宜説明した変形例の適用が可能である。また本実施形態の構成は実施形態2−4の監視装置10にも適用可能であり、実施形態2−4の監視装置10に適用した場合であっても同様の効果が得られる。
(実施形態6)
各監視装置10が不審行動者を検知した場合に、不審行動者の検知ログを管理サーバ30に蓄積する情報処理システムについて説明する。本実施形態の情報処理システム100は、実施形態1の情報処理システム100と同様の装置にて実現可能であるので、構成についての説明は省略する。なお、本実施形態の管理サーバ30は、図5に示す実施形態1の構成に加えて、記憶部12に不審行動者ログDB32cを記憶している。
図15は不審行動者ログDB32cの構成例を示す模式図である。不審行動者ログDB32cは、それぞれの監視装置10で検知された不審行動者に関する情報を記憶する。図15に示す不審行動者ログDB32cは、不審行動者ID列、行動内容列、日時列、監視装置ID列、ステータス列等を含み、不審行動者IDに対応付けて不審行動者に関する各情報を記憶する。不審行動者ID列は、監視装置10で検知された不審行動者に割り当てられた識別情報(不審行動者ID)を記憶し、行動内容列は、不審行動者が行った不審行動の内容を記憶する。日時列は、不審行動者が不審行動を行った日時を記憶し、監視装置ID列は、不審行動者を検知した監視装置10の監視装置IDを記憶する。ステータス列は、不審行動者が現在監視中(追跡中)であるか否かを示す情報を記憶し、監視中である場合は「追跡」が記憶され、監視中でない場合(監視処理が終了した場合)は「解除」が記憶される。不審行動者ログDB32cに記憶される不審行動者IDは、新たに検知された不審行動者の情報を制御部31が受け付けた場合に、制御部31によって発行されて記憶される。不審行動者ログDB32cに記憶される他の各情報は、制御部31が通信部33を介して監視装置10から取得した場合に制御部31によって記憶される。なお、ステータスの情報は、監視装置10で不審行動者の各情報に基づいて判定されて管理サーバ30へ送信される。不審行動者ログDB32cの記憶内容は図15に示す例に限定されず、不審行動者に関する各種の情報、不審行動者を検知した監視装置10に関する各種の情報を記憶することができる。例えば、不審行動者の撮影画像から特定された年齢層、性別、服装、不審行動者の撮影画像から抽出した特徴情報(特徴マップ)等、不審行動者を特定できるような情報が記憶される構成でもよい。また、不審行動者の個人を特定できないように、撮影画像から不審行動者の顔領域を削除した画像データ、撮影画像中の不審行動者の顔領域にモザイク処理等を行った画像データ等が記憶される構成でもよい。更に、監視装置10の設置場所を示す位置情報、監視装置10の設置場所から推定される不審行動者の出没場所を示す位置情報、監視装置10の設置場所と保護対象者の位置情報(現在地情報)との位置関係から算出された不審行動者の位置情報(緯度及び経度の情報)等が記憶される構成でもよい。
図16は、実施形態6における監視処理手順の一例を示すフローチャートである。図16に示す処理は、図7に示す処理において、ステップS15,S16の間にステップS101を追加したものである。図7と同じステップについては説明を省略する。本実施形態の情報処理システム100において、監視装置10の制御部11は、図7中のステップS11〜S15と同様の処理を行う。これにより、監視装置10は、カメラ13の撮影範囲内の通行人が不審行動者であると判断した場合に、この通行人に不審行動者マークを付加して管理する。不審行動者を新たに検知した場合、制御部11は、検知した不審行動者に関する情報(検知履歴データ)を管理サーバ30へ送信し、管理サーバ30の不審行動者ログDB32cに登録する(S101)。なお、制御部11は、検知した不審行動者が行った不審行動(行動内容)及び検知日時と、自装置10の識別情報(監視装置ID)と、「追跡」のステータス情報とを管理サーバ30へ送信して不審行動者ログDB32cへの登録を要求する。なお、不審行動者が行った不審行動は、不審行動判別モデルMからの出力情報に基づいて特定された不審行動を用いることができる。その後、制御部11は、ステップS16の処理に移行し、図7と同様の処理を行うことにより、不審行動者から保護すべき保護対象者がいる場合に、保護対象者に不審行動者の存在を通知する処理を行うことができる。
管理サーバ30の制御部31は、監視装置10が新たに検知した不審行動者の情報を受信した場合、不審行動者IDを発行し、発行した不審行動者IDと、監視装置10から受信した不審行動(行動内容)、検知日時、監視装置ID、ステータス情報(「追跡」)とを対応付けて不審行動者ログDB32cに登録する。これにより、監視装置10が新しい不審行動者を検知した場合に、この不審行動者の情報が管理サーバ30の不審行動者ログDB32cに記憶される。
次に、監視装置10が、検知済みの不審行動者を追跡する処理について説明する。なお、本実施形態では、監視装置10は、不審行動者を追跡しつつ、不審行動者の情報を管理サーバ30へ送信し、管理サーバ30の不審行動者ログDB32cに蓄積する。図17は追跡処理手順の一例を示すフローチャートである。図17では左側に監視装置10が行う処理を、右側に管理サーバ30が行う処理をそれぞれ示す。以下の処理の一部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。本実施形態の監視装置10は、図16に示す処理を行いつつ図17に示す処理を実行することにより、既に検知している不審行動者の追跡処理を行う。
監視装置10の制御部11は、カメラ13を用いて撮影を行い(S111)、取得した撮影画像に基づいて、撮影画像中(撮影範囲内)の不審行動者を検知する(S112)。ここでは制御部11は、取得した撮影画像を不審行動判別モデルMに入力し、不審行動判別モデルMからの出力情報に基づいて、撮影画像中に写っている不審行動者を特定する。また制御部11は、直前の撮影画像(不審行動者の撮影画像)と、ステップS111で撮影した撮影画像とに基づいて、撮影した撮影画像中に写っている不審行動者を特定してもよい。即ち、制御部11は、パターンマッチングによって、撮影した撮影画像中に不審行動者の撮影画像に一致する領域があるか否かを判断することにより、撮影した撮影画像中における不審行動者の有無を判断してもよい。
制御部11は、検知した不審行動者が不審行動を継続しているか否かを判断する(S113)。ここでは制御部11は、撮影した撮影画像を不審行動判別モデルMに入力し、不審行動判別モデルMからの出力情報に基づいて、撮影画像中に写っている不審行動者が不審行動を行っているか(継続しているか)否かを判断する。不審行動を継続していると判断した場合(S113:YES)、制御部11は、図16中のステップS101と同様に、不審行動者に関する情報を管理サーバ30へ送信し(S114)、管理サーバ30の不審行動者ログDB32cに記憶させる。ここでは制御部11は、検知した不審行動(行動内容)及び検知日時と、監視装置IDと、「追跡」のステータス情報とを管理サーバ30へ送信する。管理サーバ30の制御部31は、監視装置10から不審行動者の情報を受信した場合、対応する不審行動者IDに対応付けて、監視装置10から受信した不審行動(行動内容)、検知日時、監視装置ID、ステータス情報(「追跡」)を不審行動者ログDB32cに記憶する(S115)。
不審行動を継続していないと判断した場合(S113:NO)、制御部11は、この不審行動者が不審行動をやめてから所定時間が経過したか否かを判断する(S116)。所定時間が経過していないと判断した場合(S116:NO)、制御部11は、不審行動者に関する情報を管理サーバ30へ送信し(S114)、管理サーバ30の不審行動者ログDB32cに記憶させる。なお、ここでは制御部11は、検知日時と、監視装置IDと、「解除」のステータス情報とを管理サーバ30へ送信する。なお、不審行動(行動内容)については「不審行動なし」等の情報を管理サーバ30へ送信してもよい。管理サーバ30の制御部31は、監視装置10から不審行動者の情報を受信した場合、対応する不審行動者IDに対応付けて、監視装置10から受信した検知日時、監視装置ID、ステータス情報(「追跡」)を不審行動者ログDB32cに記憶する(S115)。
制御部11は、所定時間が経過したと判断した場合(S116:YES)、不審行動者に対する追跡処理の終了を示す情報(追跡解除情報)を管理サーバ30へ送信し(S117)、管理サーバ30の不審行動者ログDB32cに記憶させる。なお、ここでは制御部11は、検知日時と、監視装置IDと、「解除」のステータス情報とを管理サーバ30へ送信する。管理サーバ30の制御部31は、監視装置10から不審行動者の追跡解除情報を受信した場合、対応する不審行動者IDに対応付けて、監視装置10から受信した検知日時、監視装置ID、ステータス情報(「解除」)を不審行動者ログDB32cに記憶する(S118)。
また監視装置10の制御部11は、追跡処理を行っていた不審行動者に対して付加していた不審行動者マークを通行人マークに変更し(S119)、処理を終了する。上述した処理により、本実施形態では、監視装置10で検知された不審行動者に関する情報を管理サーバ30で蓄積できる。このような情報は、各地域における危険エリア及び安全エリアの把握に用いることができ、例えば、地域の見守り隊、警察官、警備会社等によるパトロールを強化すべきエリアを選定する場合等に利用できる。また、本実施形態では、不審行動者が不審行動をやめた場合であっても、所定時間は監視(追跡処理)を継続し、所定時間が経過した後に追跡処理を終了する。よって、不審行動者が監視装置10の撮影範囲から一旦離れた場合であっても、再度撮影範囲に入った際に、追跡処理を継続することができる。
本実施形態では、上述した各実施形態と同様の効果が得られる。また本実施形態では、不審行動者が一時的に不審行動をやめた場合、又は監視装置10の撮影範囲から一時的に出た場合であっても、次に監視装置10によって検知された際に、追跡処理を継続できる。よって、不審行動者を確実に追跡することができ、不審行動者による事故又は事件の発生を抑制することが可能となる。本実施形態においても、上述した各実施形態で適宜説明した変形例の適用が可能である。また本実施形態の構成は実施形態2−5の監視装置10にも適用可能であり、実施形態2−5の監視装置10に適用した場合であっても同様の効果が得られる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。