JP2021163809A - 成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】収容部の下部からの輻射による基板の裏面の加熱量を抑制し、基板に反りが発生することを防ぐ。【解決手段】基板に成膜処理を行う成膜装置であって、誘導加熱される収容部と、収容部の内部に設けられた載置台と、を備え、前記収容部は、前記載置台に載置された基板に沿ったガスの流れを形成するための開口を、前記載置台の側方に有し、前記載置台は、前記収容部の下部と前記基板の裏面との間となる位置に、遮蔽部材を有し、前記遮蔽部材は、前記基板と垂直方向の熱伝導率が、前記基板と平行方向の熱伝導率より低くなるように、炭素繊維強化炭素複合材料または熱分解炭素から形成され、前記基板の裏面側からみて、前記基板全体を覆うように形成され、前記成膜処理時に、前記基板の表面側からみた外周部が、グラファイトから形成されたカバー部材で覆われる。【選択図】図2
Description
本開示は、成膜装置に関する。
特許文献1の成膜装置では、回転ステージに回転軸が接続されており、複数のウェハが、回転軸の中心軸線に対して周方向に配列された複数の載置領域に載置されて、回転ステージによって保持される。回転ステージは、サセプタの内部空間に収容されており、この内部空間において、ガス供給機構が、回転ステージの外側から上記中心軸線に直交する方向に沿った処理ガスの流れを形成する。また、サセプタを誘導加熱によって加熱するためのコイルが設けられている。この成膜装置では、ウェハ上に炭化ケイ素(SiC)をエピタキシャル成長させる際には、複数のウェハを保持した回転ステージが回転される。また、コイルによる誘導加熱により、サセプタが加熱され、サセプタからの輻射によって、ウェハが加熱される。
本開示にかかる技術は、収容部の下部からの輻射による基板の裏面の加熱量を抑制し、基板に反りが発生することを防ぐ。
本開示の一態様は、基板に成膜処理を行う成膜装置であって、誘導加熱される収容部と、収容部の内部に設けられた載置台と、を備え、前記収容部は、前記載置台に載置された基板に沿ったガスの流れを形成するための開口を、前記載置台の側方に有し、前記載置台は、前記収容部の下部と前記基板の裏面との間となる位置に、遮蔽部材を有し、前記遮蔽部材は、前記基板と垂直方向の熱伝導率が、前記基板と平行方向の熱伝導率より低くなるように、炭素繊維強化炭素複合材料または熱分解炭素から形成され、前記基板の裏面側からみて、前記基板全体を覆うように形成され、前記成膜処理時に、前記基板の表面側からみた外周部が、グラファイトから形成されたカバー部材で覆われる。
本開示によれば、収容部の下部からの輻射による基板の裏面の加熱量を抑制し、基板に反りが発生することを防ぐことができる。
近年、半導体パワーデバイスといった電子デバイスに、SiCが用いられるようになっている。このような電子デバイスの製造では、単結晶の基板上に基板結晶と同じ方位関係を有する膜を成長させるエピタキシャル成長によって、SiC基板上にSiC膜が成膜される。
エピタキシャル成長によるSiC膜の成膜装置として、誘導加熱される収容部の内部空間に、基板が載置される載置台が設けられたものが知られている(特許文献1参照)。この成膜装置では、成膜時には、載置台の側方から、載置台の基板の載置面に沿った処理ガスの流れが形成される。また、成膜時には、誘導加熱された収容部からの輻射によって、基板が加熱される。
成膜の際、載置台上の基板の表面は、当該表面と対向する収容部の上部からの輻射によって加熱される一方で、載置台の基板の載置面に沿って流れる処理ガスによって冷却される。それに対し、載置台上の基板の裏面は、当該裏面と対向する収容部の下部からの輻射によって加熱されるが、上記処理ガスによっては冷却されない。したがって、成膜の際、基板の裏面が表面と比べて高温となり、その結果、基板の中央部が裏面側に凹み周縁部が表側に立ち上がるように、反りが発生することがある。このように基板に反りが発生すると、処理ガスの流れが乱され、基板面内で均一な膜厚及び濃度で成膜することができないおそれや、立ち上がった基板の周縁部に集中的に処理ガスが噴き付けられ、基板面内での温度分布が不均一となるおそれがある。また、反りが発生すると、基板が載置された載置台を回転させたときに、その回転に基板が追従しないおそれ等もある。
この点において、特許文献1に開示の成膜装置は改善の余地がある。
この点において、特許文献1に開示の成膜装置は改善の余地がある。
そこで、本開示にかかる技術は、収容部の下部からの輻射による基板の裏面の加熱量を抑制し、基板に反りが発生すること、具体的には、基板の中央部が裏面側に凹み周縁部が表側に立ち上がるような、反りが発生することを防ぐ。
以下、本実施形態にかかる成膜装置を、図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る成膜装置の構成の概略を模式的に示した図である。
図1の成膜装置1は、略直方体状の処理容器11を備える。
処理容器11には、排気ライン12が接続されており、処理容器11は、排気ライン12により所定の減圧状態(圧力)に調整することが可能となっている。排気ライン12は、処理容器11に一端が接続される排気管12aを有する。排気管12aは、排気マニホールド等から成り、処理容器側とは反対側にメカニカルブースターポンプ等からなる真空ポンプ12bが接続されている。排気管12aにおける処理容器11と真空ポンプ12bとの間には、APC(自動圧力制御)バルブや比例制御弁等からなる、処理容器11内の圧力を調整する圧力調整部12cが設けられている。また、処理容器11には、圧力計13が設けられており、圧力調整部12cによる処理容器11内の圧力の調整は、圧力計13での計測結果に基づいて行われる。
図1は、第1実施形態に係る成膜装置の構成の概略を模式的に示した図である。
図1の成膜装置1は、略直方体状の処理容器11を備える。
処理容器11には、排気ライン12が接続されており、処理容器11は、排気ライン12により所定の減圧状態(圧力)に調整することが可能となっている。排気ライン12は、処理容器11に一端が接続される排気管12aを有する。排気管12aは、排気マニホールド等から成り、処理容器側とは反対側にメカニカルブースターポンプ等からなる真空ポンプ12bが接続されている。排気管12aにおける処理容器11と真空ポンプ12bとの間には、APC(自動圧力制御)バルブや比例制御弁等からなる、処理容器11内の圧力を調整する圧力調整部12cが設けられている。また、処理容器11には、圧力計13が設けられており、圧力調整部12cによる処理容器11内の圧力の調整は、圧力計13での計測結果に基づいて行われる。
処理容器11は、両端に開口部を有する中空の四角柱状の処理容器本体11aと、上記開口部を塞ぐように処理容器本体11aの両端それぞれに接続される側壁部11bとにより構成されている。
処理容器本体11aの外側には、高周波電源14aに接続された誘導コイル14が設けられている。誘導コイル14は、処理対象の基板を加熱するものであり、例えば、後述のサセプタ30等を誘導加熱し、誘導加熱されたサセプタ30からの輻射熱や熱伝導により処理対象の基板等を加熱する。
処理容器本体11aの外側には、高周波電源14aに接続された誘導コイル14が設けられている。誘導コイル14は、処理対象の基板を加熱するものであり、例えば、後述のサセプタ30等を誘導加熱し、誘導加熱されたサセプタ30からの輻射熱や熱伝導により処理対象の基板等を加熱する。
処理容器11内には、処理ガス供給機構15により成膜の原料となる原料ガス等の処理ガスが供給されるよう構成されている。処理ガス供給機構15は、処理容器11に接続されるガス供給管15aと、該ガス供給管15aに接続されるガス供給管15b1〜15b6とを有する。
ガス供給管15b1〜15b6にはそれぞれ、質量流量コントローラ(MFC)15c1〜15c6とバルブ15d1〜15d6とが設けられている。
ガス供給管15b1には、ガス供給源15e1が接続され、該供給源15e1からSiH4ガスが供給される。同様に、ガス供給管15b2〜15b6にはそれぞれガス供給源15e2〜15e6が接続され、各ガス供給源15e2〜15e6からC3H8ガス、H2ガス、N2ガス、ClF3ガス、Arガスが供給される。
ガス供給管15b1には、ガス供給源15e1が接続され、該供給源15e1からSiH4ガスが供給される。同様に、ガス供給管15b2〜15b6にはそれぞれガス供給源15e2〜15e6が接続され、各ガス供給源15e2〜15e6からC3H8ガス、H2ガス、N2ガス、ClF3ガス、Arガスが供給される。
処理対象のSiC基板上に、エピタキシャル成長によるn型のSiC膜の成膜を行う場合には、成膜のための原料ガスとして、ガス供給管15b1〜15b4からSiH4ガス、C3H8ガス、H2ガス、N2ガスが処理容器11に供給される。
また、処理容器11のクリーニングの際には、ガス供給管15b5〜15b6からClF3ガス、Arガスのうちの1種が、または、これらのガスが混合されて、処理容器11に供給される。
また、処理容器11のクリーニングの際には、ガス供給管15b5〜15b6からClF3ガス、Arガスのうちの1種が、または、これらのガスが混合されて、処理容器11に供給される。
また、成膜装置1は制御部Uを備えている。制御部Uは、例えばCPUやメモリ等をコンピュータにより構成され、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、MFC15c1〜15c6やバルブ15d1〜15d6、高周波電源14a、圧力調整部12c等を制御して、成膜装置1における後述の成膜処理を行うためのプログラムが格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体から制御部Uにインストールされたものであってもよい。また、プログラムの一部または全ては専用ハードウェア(回路基板)で実現してもよい。
続いて、処理容器11内の構成について説明する。図2は、処理容器11内の構成の概略を模式的に示した断面図である。
処理容器11の内部には、図2に示すように、載置台20と、収容部としてのサセプタ30とが設けられている。載置台20は、SiC基板である基板Wが1枚載置されるものであり、サセプタ30は、載置台20を収容する空間を内部に有し、誘導コイル14により誘導加熱されるものである。なお、以下では、「基板Wの表面」とは、載置台20に載置された状態の基板Wの表面を意味し、「基板Wの裏面」とは、載置台20に載置された状態の基板Wの裏面を意味する。
処理容器11の内部には、図2に示すように、載置台20と、収容部としてのサセプタ30とが設けられている。載置台20は、SiC基板である基板Wが1枚載置されるものであり、サセプタ30は、載置台20を収容する空間を内部に有し、誘導コイル14により誘導加熱されるものである。なお、以下では、「基板Wの表面」とは、載置台20に載置された状態の基板Wの表面を意味し、「基板Wの裏面」とは、載置台20に載置された状態の基板Wの裏面を意味する。
載置台20は、サセプタ30の下部と基板Wの裏面との間となる位置に、遮蔽部材21を有する。遮蔽部材21は、載置台20に載置された基板Wと垂直方向(すなわち上下方向(図のZ方向))の熱伝導率が、同基板Wと平行方向(すなわち水平方向(図のX方向及びY方向))の熱伝導率より低くなるように、炭素繊維強化炭素複合材料から形成されている。つまり、遮蔽部材21は、上下方向の熱伝導率が低く且つ水平方向の熱伝導率が高くなるように、炭素繊維強化炭素複合材料から形成されている。なお、炭素繊維強化炭素複合材料は、例えば、その繊維軸と平行な方向の熱伝導率が20〜40W/m・K、繊維軸に垂直な方向の熱伝導率が4〜12W/m・Kである。したがって、上下方向と一致する遮蔽部材21の厚さ方向と、炭素繊維強化炭素複合材料の繊維軸とが垂直になるように、遮蔽部材21は形成される。
また、遮蔽部材21は、基板Wの裏面側からみて、当該基板Wの外周部まで覆うように、すなわち、当該基板Wの全体を覆うように、形成されている。具体的には、遮蔽部材21は、平面視において基板Wと同径または基板Wより大径に形成されている。
遮蔽部材21は、円板状に形成された上部21aと、当該上部21aと同心且つ円柱状に形成された下部21bとを有する。遮蔽部材21の上部21aの上面に、基板Wが直接載置される。つまり、本実施形態においては、遮蔽部材21上に基板Wが直接載置される。
また、遮蔽部材21は、平面視中央部に、後述の昇降部材41が挿通される貫通孔21cを有する。貫通孔21cは、遮蔽部材21の円板状の上部21aと円柱状の下部21bとを貫通するように形成されている。
また、遮蔽部材21は、平面視中央部に、後述の昇降部材41が挿通される貫通孔21cを有する。貫通孔21cは、遮蔽部材21の円板状の上部21aと円柱状の下部21bとを貫通するように形成されている。
さらに、載置台20は、基板Wの表面側からみて、遮蔽部材21の最外周部を覆うカバー部材としてのリング部材22を有する。リング部材22は、基板Wの表面側からみて、円環状に形成されている。また、リング部材22は、その内径が基板Wより大きく、外径が遮蔽部材21の外径以上である。このリング部材22は、グラファイトから形成されている。また、リング部材22は、SiCで被覆されている。SiCでの被覆は、成膜装置1内で成膜処理に先立って行われてもよいし、成膜装置1の外部で行われてもよい。
載置台20が有する遮蔽部材21の上部21aは、周縁部の上面に比べて中央部の上面が高く形成されている。遮蔽部材21の上部21aの中央部の上面が、基板Wが載置される基板載置面21dとなり、遮蔽部材21の上部21aの周縁部の上面が、リング部材22が載置されるリング部材載置面21eとなる。なお、遮蔽部材21の上部21aの中央部がリング部材22内に嵌るように、リング部材22は設けられる。
また、リング部材22は、例えば、その上面が基板の表面と高さが略一致するように設けられる。
また、リング部材22は、例えば、その上面が基板の表面と高さが略一致するように設けられる。
上述の載置台20は、脚部40に支持されており、具体的には、脚部40に軸支されており、脚部40の中心軸線Pを中心に回転可能に構成されている。また、載置台20に対して、昇降部材41が設けられている。
脚部40は、その一端が載置台20の下部21bの下面中央に接続され、他端が処理容器11の底部を突き抜けてその下方に至り、回転駆動機構(図示せず)に接続されている。この脚部40が上記回転駆動機構によって回転することにより、載置台20が回転する。載置台20が回転することにより、載置台20上の基板Wも回転する。脚部40は、例えば筒状に形成されている。
昇降部材41は、成膜装置1の外部の基板Wの搬送装置(図示せず)と載置台20との間で基板Wを受け渡すためのものである。この昇降部材41が昇降駆動機構(図示せず)によって昇降することにより、基板Wが昇降する。昇降部材41は、遮蔽部材21の貫通孔21c及び筒状の脚部40内の空洞に挿通されるように、設けられている。
サセプタ30は、互いに対向する二つの面に開口30a、30bが設けられた直方体状に形成され、一方の面の開口30aから処理ガスが供給され、他方の面の開口30bから処理ガスが排出される構造となっている。開口30a、30bは、載置台20の側方の位置に形成されており、具体的には、開口30a、30bは、載置台20の遮蔽部材21の側端の斜め上方に形成されており、開口30aから処理ガスが供給されたときに、載置台20に載置された基板Wに沿ったガスの流れが形成される。
サセプタ30は、耐熱性が高くかつ誘導加熱による加熱が容易な導電性材料で形成されており、例えば、全面がSiCによりコーティングされたグラファイト製の部材から構成される。
サセプタ30は、耐熱性が高くかつ誘導加熱による加熱が容易な導電性材料で形成されており、例えば、全面がSiCによりコーティングされたグラファイト製の部材から構成される。
また、サセプタ30の外周には、当該サセプタ30と処理容器11とを断熱する断熱材50が設けられている。断熱材50は、例えば、空隙率が大きい繊維状のカーボン材料を用いて形成される。
なお、図示は省略するが、断熱材50の外側には、断熱材50を処理容器11から離間させた状態で該断熱材50を保持するための保持構造体が設けられている。
なお、図示は省略するが、断熱材50の外側には、断熱材50を処理容器11から離間させた状態で該断熱材50を保持するための保持構造体が設けられている。
次に、成膜装置1による成膜処理を説明する。
まず、基板Wが、処理容器11内に搬入される(ステップS1)。具体的には、まず、基板Wを保持した、成膜装置1の外部の搬送装置(図示せず)が、搬入出口(図示せず)を介して、処理容器11内に挿入される。そして、上記搬送装置に保持された基板Wが、載置台20の上方へ移動される。次に、昇降部材41の上昇が行われ、これにより、上記搬送装置から昇降部材41へ、基板Wが受け渡される。次いで、上記搬送装置の処理容器11からの抜き出しと、昇降部材41の下降が行われ、これにより、基板Wが載置台20上に載置される。
基板Wの搬入後、処理ガス供給機構15から処理ガスとしての原料ガスとキャリアガスが処理容器11に供給されると共に、基板Wが加熱され、エピタキシャル成長で基板W上にn型のSiC膜が形成される(ステップS2)。具体的には、バルブ15d1〜15d4が開状態とされ、MFC15c1〜15c4で流量が調整され、処理容器11内にSiH4ガス、C3H8ガス、H2ガス、N2ガスが供給される。また、高周波電源14aから高周波電力が供給された誘導コイル14によって誘導加熱された、サセプタ30からの輻射により、基板Wが加熱される。これにより、エピタキシャル成長で基板W上にn型のSiC膜が形成される。ただし、サセプタ30からの輻射で基板Wを加熱する際、サセプタ30の下部からの輻射による基板Wの裏面の加熱量は、抑制されている。なぜならば、載置台20の遮蔽部材21が、基板Wの裏面とサセプタ30の下部との間に設けられており、この遮蔽部材21が、上下方向(図のZ方向)の熱伝導率が低くなるように、炭素繊維強化炭素複合材料から形成され、且つ、基板Wの裏面側からみて、当該基板Wの全体を覆うように形成されている、からである。
なお、成膜中において、処理容器11内の圧力は例えば10Torr〜600Torrであり、SiH4ガス、C3H8ガス、H2ガス、N2ガスの流量はそれぞれ例えば10〜600sccm、10〜600sccm、10〜200slm、10〜1000sccmであり、基板Wの温度は例えば1500℃〜1700℃である。なお、n型ではなくp型のSiC膜を形成する場合には、N2ガスに代えてTMA(トリメチルアルミニウム)ガスを原料ガスに添加すればよい。
なお、成膜中において、処理容器11内の圧力は例えば10Torr〜600Torrであり、SiH4ガス、C3H8ガス、H2ガス、N2ガスの流量はそれぞれ例えば10〜600sccm、10〜600sccm、10〜200slm、10〜1000sccmであり、基板Wの温度は例えば1500℃〜1700℃である。なお、n型ではなくp型のSiC膜を形成する場合には、N2ガスに代えてTMA(トリメチルアルミニウム)ガスを原料ガスに添加すればよい。
成膜完了後、基板Wが処理容器11から搬出される(ステップS3)。具体的には、バルブ15d1〜15d4が閉状態とされ、原料ガスの供給が停止された後、昇降部材41の上昇が行われ、基板Wが、載置台20から昇降部材41に受け渡されると共に上昇される。次に、上述の搬送装置が、ゲートバルブを介して処理容器11内に挿入される。その後、昇降部材41の下降が行われ、これにより、基板Wが昇降部材41から上記搬送装置に受け渡される。次いで、上記搬送装置の処理容器11からの抜き出しが行われ、これにより、基板Wが処理容器11から搬出される。
これで一連の成膜処理が終了する。
これで一連の成膜処理が終了する。
なお、リング部材22としてSiCにより被覆されていないものを用いる場合は、上述の成膜処理に先立って、上記ステップS1と同様な工程が行われ、リング部材22がSiC膜で被覆される。この際、載置台20上には、基板Wと同形状のダミー基板を載置してもよい。また、リング部材22をSiC膜で被覆する際の処理条件は、上記ステップS1のときと異ならせ、例えば、リング部材22へのSiC膜の密着性が良くなる条件としてもよい。
また、成膜処理が終了する毎、または、成膜処理が所定回数行われる毎に、クリーニング処理が行われる。クリーニング処理では、処理ガス供給機構15から処理容器11にClF3ガスと希釈用のArガスが供給される。これにより、成膜時に基板W以外の部分に付着した不要な反応生成物が除去される。クリーニング処理中において、処理容器11内の圧力は例えば10Torr〜100Torrであり、ClF3ガスの流量は例えば100〜2000sccmであり、サセプタ30の温度は例えば400℃〜600℃である。
以上のように、本実施形態では、基板Wに成膜処理を行う成膜装置1が、誘導加熱されるサセプタ30と、サセプタ30の内部に設けられた載置台20と、を備えている。また、サセプタ30が、載置台20に載置された基板Wに沿ったガスの流れを形成するための開口30aを、載置台20の側方に有している。さらに、載置台20が、サセプタ30の下部と上記基板Wの裏面との間となる位置に、遮蔽部材21を有している。そして、遮蔽部材21が、上記基板Wと垂直方向(すなわち上下方向)の熱伝導率が低くなり、上記基板Wと平行方向(すなわち水平方向)の熱伝導率が高くなるように、炭素繊維強化炭素複合材料から形成され、且つ、基板Wの裏面側からみて、基板全体を覆うように形成されている。遮蔽部材21の上下方向の熱伝導率が低いため、本実施形態によれば、成膜処理の際に、サセプタ30の下部からの輻射による基板Wの裏面の加熱量を、抑制することができる。したがって、基板Wの中央部が裏面側に凹み周縁部が表側に立ち上がるような、反りが発生することを防ぐことができる。さらに、この反りに起因した不具合(例えば、処理ガスの流れが乱されることによる膜厚及び不純物濃度の基板面内不均一性や、立ち上がった基板周縁部に処理ガスが吹き付けられることによる温度の基板面内不均一性)を防ぐことができる。また、遮蔽部材21の水平方向の熱伝導率が高いため、サセプタ30の下部からの輻射熱は、基板Wの裏面へ伝わったとしても、遮蔽部材21を介して、基板Wの面内で均一に伝えられる。よって、成膜処理時の温度の基板面内均一性を改善することができ、成膜処理時に基板Wの全体を目標温度域に収めることができるため、欠陥を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、遮蔽部材21の、基板Wの表面側からみた最外周部が、成膜処理時に、グラファイトから形成されたリング部材22で覆われている。本実施形態と異なりリング部材22が設けられていない場合、遮蔽部材21の上記最外周部におけるサセプタ30の開口30a側が、開口30aから流入したガス(具体的にはH2ガス)が噴き付けられることにより、冷却される。その一方で、遮蔽部材21の上記最外周部における、サセプタ30のもう1つの開口30b側は、処理容器内11内で加熱されたガスが流れるため、開口30a側に比べて冷却されない。したがって、リング部材22で覆われていない場合、遮蔽部材21の水平方向の熱伝導率が高いため、遮蔽部材21に水平方向の温度差が生じてしまう。また、その温度差の程度によっては、遮蔽部材21が割れてしまうことがある。それに対し、本実施形態では、遮蔽部材21の上記最外周部が上述のようにリング部材22で覆われている。そのため、本実施形態によれば、遮蔽部材21の上記最外周部における、サセプタ30の開口30a側が、開口30aから流入したガスに直接的に接することがないため、冷却されることが抑制される。また、本実施形態では、リング部材22が、グラファイトから形成されており、遮蔽部材21に比べてサセプタ30と共に誘導加熱されやすいため、遮蔽部材21の上記最外周部における、サセプタ30の開口30a側を保温することができる。したがって、遮蔽部材21に水平方向の温度差が生じるのを防ぐことができ、水平方向の温度差に起因した遮蔽部材21の割れ等を防ぐことができる。
さらに、本実施形態では、遮蔽部材21の、基板Wの表面側からみた最外周部が、成膜処理時に、グラファイトから形成されたリング部材22で覆われている。本実施形態と異なりリング部材22が設けられていない場合、遮蔽部材21の上記最外周部におけるサセプタ30の開口30a側が、開口30aから流入したガス(具体的にはH2ガス)が噴き付けられることにより、冷却される。その一方で、遮蔽部材21の上記最外周部における、サセプタ30のもう1つの開口30b側は、処理容器内11内で加熱されたガスが流れるため、開口30a側に比べて冷却されない。したがって、リング部材22で覆われていない場合、遮蔽部材21の水平方向の熱伝導率が高いため、遮蔽部材21に水平方向の温度差が生じてしまう。また、その温度差の程度によっては、遮蔽部材21が割れてしまうことがある。それに対し、本実施形態では、遮蔽部材21の上記最外周部が上述のようにリング部材22で覆われている。そのため、本実施形態によれば、遮蔽部材21の上記最外周部における、サセプタ30の開口30a側が、開口30aから流入したガスに直接的に接することがないため、冷却されることが抑制される。また、本実施形態では、リング部材22が、グラファイトから形成されており、遮蔽部材21に比べてサセプタ30と共に誘導加熱されやすいため、遮蔽部材21の上記最外周部における、サセプタ30の開口30a側を保温することができる。したがって、遮蔽部材21に水平方向の温度差が生じるのを防ぐことができ、水平方向の温度差に起因した遮蔽部材21の割れ等を防ぐことができる。
また、本実施形態では、グラファイトから形成されたリング部材22は、SiCで被覆されており、成膜処理時には、リング部材22のSiC被覆膜の上にSiC膜が形成される。一方、本実施形態と異なり、リング部材22が設けられていない場合、成膜時に、遮蔽部材21上に、SiC膜が形成される。リング部材22のSiC被覆膜上のSiC膜は、この遮蔽部材21上のSiC膜と比べて、密着性が高いため、膜剥がれ等が生じにくい。したがって、パーティクルが発生しにくく、基板W上に付着した上記パーティクルに起因した欠陥(ダウンフォール)が発生するのを防ぐことができる。
なお、リング部材22のSiC膜での被覆処理は、成膜装置1の外部で行うと、成膜装置1での成膜処理前に、当該被覆処理を成膜装置1で行う必要がないため、生産性を向上させることができる。
また、本実施形態では、基板Wの裏面と対向する部分が、SiCではないため、SiCの昇華に起因した、基板Wの裏面への不要な成膜を防止することができる。
さらに、本実施形態では、成膜処理時の温度の基板面内均一性を改善することができるため、さらに以下の効果がある。すなわち、基板に温度が高い部分が存在すると、その部分の周囲ではN2ガスの分解量が増加し、窒素(N)の取り込み量が増加し、不純物濃度の均一性が悪化する。それに対し、本実施形態では、成膜処理時の基板の温度が面内均一であるため、窒素の取り込み量を基板面内で均一にすることができ、不純物濃度を基板面内で均一にすることができる。
以上では、遮蔽部材21の材料に、炭素繊維強化炭素複合材料を用いていたが、熱分解炭素を用いてもよい。
リング部材22は、当該リング部材22を昇降させる昇降部材によって、遮蔽部材21に対し着脱自在に設けられていてもよい。この構成により、成膜装置1の外部に設けられた搬送装置と上記昇降部材との間でリング部材22を受け渡すことで、基板Wと同様にリング部材22を処理容器11に搬入出することができる。つまり、この構成により、リング部材22の交換やメンテナンスを、成膜装置1の外部に設けられた搬送装置を用いて行うことができる。
リング部材22を昇降させる昇降部材には、基板Wを昇降させる昇降部材とは別の昇降部材を用いてもよいし、基板Wとリング部材22を選択的に昇降させる昇降部材を用いてもよい。後者の昇降部材は、例えば、その中心軸を中心に回転自在に構成され、当該昇降部材の向き(角度)によって、当該昇降部材の係合先を、基板Wと、リング部材22を支持する別途設けられる部材とで切り替えることができ、これにより昇降対象を選択することができるものである。
図3は、遮蔽部材21の他の例を説明する図である。
図3の例の遮蔽部材21は、その基板載置面21fに段差が形成されており、基板載置面21fの外周部が内周部より高い。そのため、遮蔽部材21の基板載置面21f上に基板Wが直接載置されたときに、基板Wにおいて半導体デバイスとして利用される中央部の裏面に、遮蔽部材21が当接せず、半導体デバイスとして利用されない基板Wの周縁部の裏面にのみ、遮蔽部材21が接触する。したがって、遮蔽部材21の基板載置面21fに、遮蔽部材21の材料に由来した模様が存在しても、基板Wの中央部の裏面に上記模様が転写されることがない。
図3の例の遮蔽部材21は、その基板載置面21fに段差が形成されており、基板載置面21fの外周部が内周部より高い。そのため、遮蔽部材21の基板載置面21f上に基板Wが直接載置されたときに、基板Wにおいて半導体デバイスとして利用される中央部の裏面に、遮蔽部材21が当接せず、半導体デバイスとして利用されない基板Wの周縁部の裏面にのみ、遮蔽部材21が接触する。したがって、遮蔽部材21の基板載置面21fに、遮蔽部材21の材料に由来した模様が存在しても、基板Wの中央部の裏面に上記模様が転写されることがない。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る成膜装置の構成を説明するための図であり、本実施形態に係る成膜装置が備えるサセプタ30内の構成の概略を模式的に示した断面図である。
図4は、第2実施形態に係る成膜装置の構成を説明するための図であり、本実施形態に係る成膜装置が備えるサセプタ30内の構成の概略を模式的に示した断面図である。
第1実施形態では、図2を用いて説明したように、載置台20が有する遮蔽部材21上に1枚の基板Wが直接載置されていた。それに対し、本実施形態では、載置台100が有する遮蔽部材101上に、複数枚の基板Wが、搬送用ホルダHを介して載置されている。搬送用ホルダHは、成膜装置の外部に設けられた搬送装置によって、複数枚の基板Wをまとめて搬送する際に、当該複数枚の基板Wを保持する部材である。搬送用ホルダHは、例えばSiCにより被覆されたグラファイト製の部材から構成される。
遮蔽部材101は、円板状に形成された上部101aと、当該上部101aと同心且つ円柱状に形成された下部101bとを有する。遮蔽部材101の上部101aは、周縁部の上面に比べて中央部の上面が高く形成されている。遮蔽部材101の上部101aの中央部の上面が、搬送用ホルダHが載置されるホルダ載置面101cとなる。なお、遮蔽部材101の上部101aの周縁部の上面が、リング部材22が載置されるリング部材載置面21eとなる。
本実施形態においても、遮蔽部材101の上下方向の熱伝導率が低いため、成膜処理の際に、サセプタ30の下部からの輻射による基板Wの裏面の加熱量を、抑制することができる。したがって、基板Wの中央部が裏面側に凹み周縁部が表側に立ち上がるような、反りが発生することを防ぐことができる。また、本実施形態においても、遮蔽部材101の水平方向の熱伝導率が高いため、サセプタ30の下部からの輻射熱は、基板Wの裏面へ伝わったとしても、遮蔽部材101を介して、基板Wの面内で均一に伝えられる。よって、成膜処理時の基板Wの面内における温度ばらつきを低減させることができる。さらに、本実施形態においても、リング部材22が設けられているため、遮蔽部材101に水平方向の温度差が生じるのを防ぐことができ、水平方向の温度差に起因した遮蔽部材101の割れ等を防ぐことができる。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態に係る成膜装置の構成を説明するための図であり、本実施形態に係る成膜装置が備えるサセプタ30内の構成の概略を模式的に示した断面図である。
図5は、第3実施形態に係る成膜装置の構成を説明するための図であり、本実施形態に係る成膜装置が備えるサセプタ30内の構成の概略を模式的に示した断面図である。
本実施形態では、図5の載置台110が有する遮蔽部材111が、当該遮蔽部材111を昇降させる昇降部材によって着脱自在に設けられている。具体的には、遮蔽部材111が、当該遮蔽部材111を昇降させる昇降部材によって、脚部40に対し着脱自在に設けられている。この構成により、成膜装置の外部に設けられた搬送装置と上記昇降部材との間で遮蔽部材111を受け渡すことで、基板Wと同様に遮蔽部材111を処理容器11に搬入出することができる。つまり、この構成により、遮蔽部材111のメンテナンスや交換を、成膜装置の外部に設けられた搬送装置を用いて行うことができる。
遮蔽部材111を昇降させる昇降部材には、基板を昇降させる昇降部材とは別の昇降部材を用いてもよいし、図5に示すように、基板Wと遮蔽部材111を選択的に昇降させる昇降部材120を介して行ってもよい。昇降部材120は、例えば、その中心軸を中心に回転自在に構成され、その上端部の外周に係合突起121を有する。昇降部材120は、当該昇降部材120を上昇させたときに、昇降部材の向き(角度)によって、以下の(A)、(B)が切り替わるように構成されている。
(A)係合突起121が遮蔽部材111と係合し遮蔽部材111が上昇する場合
(B)係合突起121が遮蔽部材111と係合せず、昇降部材120が貫通孔21cを介して遮蔽部材111の基板載置面21fから突出し、基板Wが上昇する場合
(A)係合突起121が遮蔽部材111と係合し遮蔽部材111が上昇する場合
(B)係合突起121が遮蔽部材111と係合せず、昇降部材120が貫通孔21cを介して遮蔽部材111の基板載置面21fから突出し、基板Wが上昇する場合
本実施形態では、上述のように、成膜装置の外部に設けられた搬送装置を用いて、遮蔽部材111の交換やメンテナンスを行うことができる。また、遮蔽部材111と共にリング部材22も搬送されるため、リング部材22の交換やメンテナンスも同時に行うことができる。そのため、処理容器11を大気開放することなく、成膜処理時の基板Wの近傍を清浄にすることができる。したがって、パーティクルの発生や所謂オートドープによる不純物濃度の面内均一性の悪化を、生産性を損ねることなく、防ぐことができる。
なお、本実施形態においても、リング部材22は、当該リング部材22を昇降させる昇降部材によって、遮蔽部材111に対し着脱自在に設けられていてもよい。この場合、リング部材22を昇降させる昇降部材には、基板Wや遮蔽部材111を昇降させる昇降部材とは別の昇降部材を用いてもよいし、基板W、遮蔽部材111及びリング部材22のいずれか1つを選択的に昇降させる昇降部材を用いてもよい。後者の昇降部材は、例えば、その中心軸を中心に回転自在に構成され、当該昇降部材の向き(角度)によって、当該昇降部材の係合先を、基板Wと、遮蔽部材111と、リング部材22を支持する別途設けられる部材と、で切り替えることができ、これにより昇降対象を選択することができるものである。
遮蔽部材111が昇降部材によって脚部40に対し着脱自在に設けられ、且つ、リング部材22が昇降部材によって遮蔽部材111に対し着脱自在に設けられている場合、例えば、所定回数の成膜処理が終了する毎に(言い換えると、SiC膜の累積膜厚が所定量になる毎に)、遮蔽部材111またはリング部材22が搬出される。前者の場合、搬出後、遮蔽部材111に取り付けられていたリング部材22が取り外され、反応副生成物が除去されたリング部材22もしくは新品のリング部材22が、清掃された遮蔽部材111に取り付けられ、搬入される。後者の場合、搬出後、反応生成物が除去されたリング部材22もしくは新品のリング部材22が搬入される。
なお、遮蔽部材111やリング部材22だけでなく、サセプタ30にも反応副生成物も付着する。サセプタ30からこの反応副生成物を除去する場合は、リング部材22が取り付けられた遮蔽部材111が搬出された後、クリーニング用板状部材(図示せず)が搬入され、遮蔽部材111の代わりに、載置台110の脚部40に取り付けられる。クリーニング用板状部材は、例えば、クリーニング用ガスであるClF3ガスに対する耐性が高い、熱分解炭素のバルク材からなる円盤形状の部材であり、接ガス面側に、基板を収容する溝が形成されておらず、また、リング部材22は取り付けられていないものである。このようなクリーニング用板状部材を用いてクリーニングする場合、同様な形状を有するSiCからなる部材(ダミーウェハ)を用いてクリーニングする場合と比較し、クリーニング時に部材自身が摩耗しないため、ClF3ガスを効率良くサセプタ30の表面のクリーニングに用いることができる。
遮蔽部材111やリング部材22の交換、メンテナンスに加えて、上述のようにサセプタ30のクリーリングも行うことで、処理容器11を大気開放する頻度をさらに低くすることができるため、さらに生産性を改善することができる。
(第4実施形態)
図6は、第4実施形態に係る成膜装置の構成を説明するための図であり、本実施形態に係る成膜装置が備えるサセプタ30内の構成の概略を模式的に示した断面図である。
図6は、第4実施形態に係る成膜装置の構成を説明するための図であり、本実施形態に係る成膜装置が備えるサセプタ30内の構成の概略を模式的に示した断面図である。
本実施形態では、図示するように、載置台130が有する遮蔽部材131上に、平面視で遮蔽部材131より大径の中間部材140を介して、1枚の基板Wが載置されている。なお、中間部材140は、平面視で遮蔽部材131と同径であってもよい。また、中間部材140は、グラファイトから形成されており、SiCで被覆されている。
そして、本実施形態では、中間部材140が、基板Wの表面側からみた遮蔽部材131の最外周部を成膜処理時に覆う、グラファイトからなるカバー部材を構成する。
また、本実施形態では、この中間部材140が、成膜装置の外部に設けられた搬送装置によって1枚の基板Wを搬送する際に、当該1枚の基板Wを保持する搬送用ホルダを兼ねている。
なお、本実施形態においても、後述の第6実施形態の中間部材162と同様に、中間部材140の外周を高く形成し、基板Wの表面と中間部材140の外周の上面とが同一平面になるようにしてもよい。
そして、本実施形態では、中間部材140が、基板Wの表面側からみた遮蔽部材131の最外周部を成膜処理時に覆う、グラファイトからなるカバー部材を構成する。
また、本実施形態では、この中間部材140が、成膜装置の外部に設けられた搬送装置によって1枚の基板Wを搬送する際に、当該1枚の基板Wを保持する搬送用ホルダを兼ねている。
なお、本実施形態においても、後述の第6実施形態の中間部材162と同様に、中間部材140の外周を高く形成し、基板Wの表面と中間部材140の外周の上面とが同一平面になるようにしてもよい。
なお、遮蔽部材131は、円板状に形成された上部131aと、当該上部131aと同心且つ円柱状に形成された下部131bとを有する。遮蔽部材131の上部131aの上面は平面に形成されており、当該上面が、搬送用ホルダを兼ねる中間部材140が載置される中間部材載置面となる。上部131aは、平面視で、その外径が、基板Wの直径以上、中間部材140の直径以下である。
本実施形態においても、遮蔽部材131の上下方向の熱伝導率が低いため、成膜処理の際に、サセプタ30の下部からの輻射による基板Wの裏面の加熱量を、抑制することができる。したがって、基板Wの中央部が裏面側に凹み周縁部が表側に立ち上がるような、反りが発生することを防ぐことができる。また、本実施形態においても、遮蔽部材131の水平方向の熱伝導率が高いため、サセプタ30の下部からの輻射熱は、基板Wの裏面へ伝わったとしても、遮蔽部材131を介して、基板Wの面内で均一に伝えられる。よって、成膜処理時の基板Wの面内における温度ばらつきを低減させることができる。さらに、本実施形態において、成膜処理時に、遮蔽部材131の基板Wの表面側からみた最外周部が、グラファイトからなる中間部材140で覆われているため、遮蔽部材131に水平方向の温度差が生じるのを防ぐことができ、水平方向の温度差に起因した遮蔽部材131の割れ等を防ぐことができる。
(第5実施形態)
図7は、第5実施形態に係る成膜装置の構成を説明するための図であり、本実施形態に係る成膜装置が備えるサセプタ30内の構成の概略を模式的に示した断面図である。
本実施形態では、載置台130が有する遮蔽部材131上に、平面視で遮蔽部材131より大径の中間部材150を介して、複数枚の基板Wが載置されている。なお、中間部材150は、平面視で遮蔽部材131と同径であってもよい。また、中間部材150は、グラファイトから形成されており、SiCで被覆されている。
そして、本実施形態では、中間部材150が、基板Wの表面側からみた遮蔽部材131の最外周部を成膜処理時に覆う、グラファイトからなるカバー部材を構成する。
また、本実施形態では、この中間部材150が、成膜装置の外部に設けられた搬送装置によって複数枚の基板Wをまとめて搬送する際に、当該複数枚の基板Wを保持する搬送用ホルダを兼ねている。
図7は、第5実施形態に係る成膜装置の構成を説明するための図であり、本実施形態に係る成膜装置が備えるサセプタ30内の構成の概略を模式的に示した断面図である。
本実施形態では、載置台130が有する遮蔽部材131上に、平面視で遮蔽部材131より大径の中間部材150を介して、複数枚の基板Wが載置されている。なお、中間部材150は、平面視で遮蔽部材131と同径であってもよい。また、中間部材150は、グラファイトから形成されており、SiCで被覆されている。
そして、本実施形態では、中間部材150が、基板Wの表面側からみた遮蔽部材131の最外周部を成膜処理時に覆う、グラファイトからなるカバー部材を構成する。
また、本実施形態では、この中間部材150が、成膜装置の外部に設けられた搬送装置によって複数枚の基板Wをまとめて搬送する際に、当該複数枚の基板Wを保持する搬送用ホルダを兼ねている。
本実施形態においても、基板Wの反りが発生することを防ぐことができ、また、成膜処理時の基板Wの面内における温度ばらつきを低減させることができる。さらに、本実施形態においても、遮蔽部材131に水平方向の温度差が生じるのを防ぐことができ、水平方向の温度差に起因した遮蔽部材131の割れ等を防ぐことができる。
(第6実施形態)
図8は、第6実施形態に係る成膜装置の構成を説明するための図であり、本実施形態に係る成膜装置が備えるサセプタ30内の構成の概略を模式的に示した断面図である。
図8は、第6実施形態に係る成膜装置の構成を説明するための図であり、本実施形態に係る成膜装置が備えるサセプタ30内の構成の概略を模式的に示した断面図である。
本実施形態では、図示するように、載置台160が、平面視において基板Wと同径または基板Wより大径に形成された遮蔽部材161と、遮蔽部材161に載置される中間部材162とを有する。この載置台160は、遮蔽部材161上に、中間部材162を介して、1枚または複数枚(図の例では1枚)の基板Wが載置される。中間部材162は、例えば、平面視で遮蔽部材161より大径である。ただし、中間部材162は、平面視で遮蔽部材161と同径であってもよい。また、中間部材162は、グラファイトから形成されており、SiCで被覆されている。さらに、本実施形態では、中間部材162が、基板Wの表面側からみた遮蔽部材161の最外周部を成膜処理時に覆う、グラファイトからなるカバー部材を構成する。
なお、中間部材162は、例えば、その外周端の上面が基板Wの表面と高さが略一致するように設けられる。
また、中間部材162は、基板Wを昇降させる昇降部材170が挿通される貫通孔162aを有し、遮蔽部材161の貫通孔161aに連通している。
さらに、中間部材162は、当該中間部材162を昇降させる昇降部材によって着脱自在に設けられている。具体的には、中間部材162が、当該中間部材162を昇降させる昇降部材によって、遮蔽部材161に対し着脱自在に設けられている。この構成により、成膜装置の外部に設けられた搬送装置と上記昇降部材との間で、中間部材162を受け渡すことで、中間部材162を基板Wとは別に搬送し処理容器11に搬入出することができる。つまり、この構成により、中間部材162のメンテナンスや交換を、成膜装置の外部に設けられた搬送装置を用いて行うことができる。
中間部材162を昇降させる昇降部材には、基板Wを昇降させる昇降部材とは別の昇降部材を用いてもよいし、図示するように、基板Wと中間部材162を選択的に昇降させる昇降部材170を介して行ってもよい。昇降部材170は、その上端部の外周に係合突起171を有しており、前述の昇降部材120と同様にして、基板Wと中間部材162を選択的に昇降させる。
本実施形態においても、遮蔽部材161の上下方向の熱伝導率が低いため、成膜処理の際に、サセプタ30の下部からの輻射による基板Wの裏面の加熱量を、抑制することができる。したがって、基板Wの中央部が裏面側に凹み周縁部が表側に立ち上がるような、反りが発生することを防ぐことができる。また、本実施形態においても、遮蔽部材161の水平方向の熱伝導率が高いため、サセプタ30の下部からの輻射熱は、基板Wの裏面へ伝わったとしても、遮蔽部材161を介して、基板Wの面内で均一に伝えられる。よって、成膜処理時の基板Wの面内における温度ばらつきを低減させることができる。さらに、本実施形態において、成膜処理時に、遮蔽部材161の基板Wの表面側からみた最外周部が、グラファイトからなる中間部材162で覆われているため、遮蔽部材161に水平方向の温度差が生じるのを防ぐことができ、水平方向の温度差に起因した遮蔽部材161の割れ等を防ぐことができる。
また、本実施形態では、成膜装置の外部に設けられた搬送装置を用いて、中間部材162の交換やメンテナンスを行うことができるため、処理容器11を大気開放することなく、成膜処理時の基板Wの近傍を清浄にすることができる。したがって、パーティクルの発生や所謂オートドープによる不純物濃度均一性の悪化を、生産性を損ねることなく、防ぐことができる。
中間部材162は、その基板載置面162bに段差が形成されており、基板載置面162bの外周部が内周部より高い。そのため、中間部材162の基板載置面162b上に基板Wが直接載置されたときに、基板Wの中央部の裏面と、中間部材162の貫通孔162a周辺とが離間している。中間部材162の貫通孔162aは、誘導加熱により高温になりやすいが、上述のように基板Wの中央部の裏面と中間部材162の貫通孔162a周辺とが離間しているため、その影響を少なくすることができる。
なお、本実施形態において、中間部材162上に、複数枚の基板Wが搬送用ホルダを介して載置されてもよい。
第4〜第6実施形態にかかる中間部材140、150、162は、例えばその全体がSiCで被覆されている。ただし、第4及び第6実施形態のように、基板Wが直接載置される中間部材140、162については、SiCで被覆した場合、SiCが昇華して基板裏面に成膜されるおそれがあるため、SiCによる被覆を省略するようにしてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
1 成膜装置
20、100、110、130、160 載置台
21、101、111、131、161 遮蔽部材
22 リング部材
30 サセプタ
30a 開口
140、150、162 中間部材
W 基板
20、100、110、130、160 載置台
21、101、111、131、161 遮蔽部材
22 リング部材
30 サセプタ
30a 開口
140、150、162 中間部材
W 基板
Claims (11)
- 基板に成膜処理を行う成膜装置であって、
誘導加熱される収容部と、
収容部の内部に設けられた載置台と、を備え、
前記収容部は、前記載置台に載置された基板に沿ったガスの流れを形成するための開口を、前記載置台の側方に有し、
前記載置台は、前記収容部の下部と前記基板の裏面との間となる位置に、遮蔽部材を有し、
前記遮蔽部材は、
前記基板と垂直方向の熱伝導率が、前記基板と平行方向の熱伝導率より低くなるように、炭素繊維強化炭素複合材料または熱分解炭素から形成され、
前記基板の裏面側からみて、前記基板全体を覆うように形成され、
前記成膜処理時に、前記基板の表面側からみた外周部が、グラファイトから形成されたカバー部材で覆われる、成膜装置。 - 前記遮蔽部材は、1枚の基板が直接載置され、または、複数枚の基板が、当該複数枚の基板を搬送中に保持する搬送用ホルダを介して、載置され、
前記カバー部材は、前記表面側からみて、円環状を成す環状部材である、請求項1に記載の成膜装置。 - 前記遮蔽部材は、1枚の基板が直接載置される基板載置面を有し、前記基板載置面の周縁部が中央部より高く形成されている、請求項2に記載の成膜装置。
- 前記遮蔽部材は、当該遮蔽部材を昇降させる昇降部材により着脱自在に設けられている、請求項2または3に記載の成膜装置。
- 前記環状部材は、当該環状部材を昇降させる昇降部材により着脱自在に設けられている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の成膜装置。
- 前記遮蔽部材は、平面視で当該遮蔽部材と同径または当該遮蔽部材より大径の中間部材を介して、1枚または複数枚の基板が載置され、
前記中間部材は、グラファイトからなり、
前記カバー部材は、前記中間部材から構成される、請求項1に記載の成膜装置。 - 前記中間部材は、前記1枚または複数枚の基板を搬送中に保持する搬送用ホルダである、請求項6に記載の成膜装置。
- 前記中間部材は、基板を昇降させる昇降部材が挿通される貫通孔を有する、請求項6に記載の成膜装置。
- 前記中間部材は、当該中間部材を昇降させる昇降部材により着脱自在に設けられ、且つ、基板とは別に搬送可能に設けられている、請求項8に記載の成膜装置。
- 前記遮蔽部材は、1枚の基板が直接載置される基板載置面を有し、前記基板載置面の周縁部が中央部より高く形成されている、請求項8または9に記載の成膜装置。
- 前記成膜処理でSiC膜を形成する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の成膜装置。
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