JP2021162302A - 携帯用ミストファン - Google Patents

Abstract

【課題】携帯用ミストファンに関する。着用時にミスト噴霧を作動させる都合のよい方法を提供するとともに、意図しない作動を阻止する、コンパクトなネックレス型ミストファンを提供する。【解決手段】ネックレス型ミストファンは、ハウジング、このハウジング内の水タンク、噴霧ポンプシステム、電力供給部、ファンおよびモータならびにハウジングの正面に設けられた空気流入口およびハウジングの上面に設けられた空気流出口を含んでいる。ファン電源スイッチおよび噴霧ポンプアクチュエータは、ハウジングに組み付けられている。ハウジングの上面に設けられた噴霧ノズルは、水平方向で空気流出口から離間しており、噴霧ポンプアクチュエータが作動させられた場合に、噴霧水を概して鉛直方向で上方に、かつ空気流出口から概ね鉛直方向で上方に排出空気流に対して斜めに排出するように適合され、かつ構成されている。【選択図】図１

Description

本開示の分野
本開示は、携帯用ミストファンに関する。より詳細には、本開示は、携帯用の手持ち型またはウェアラブル型のミスト（噴霧）ファンに関する。

背景
携帯用電気ファン（扇風機）は、屋外および気候制御されていない別の環境において涼をとるための広く普及している手段である。これらのファンには、手持ち型のもの、首から提げるためにネックレスや紐に接続するもの、扇風機による空気流を補うために、水タンクおよび噴霧に結合するものがある。空気流中のミストは、この空気流がユーザの肌に到達する前に、蒸発により空気流を冷却することができることに加え、ミストの一部は、液相でユーザの肌に到達し、ユーザの肌からの蒸発によりユーザの肌を直接冷やすことができる。さらに、着用時に使用者の胸部または腹部に対してフラットな形状を有し、着用時にミスト噴霧を作動させる都合のよい方法を提供するとともに、意図しない作動を阻止する、コンパクトなネックレス型ミストファンが望まれている。

発明の概要
本開示の１つの態様は、ミストファンである。ミストファンのハウジングは、ハウジングの上面に設けられた上面壁と、ハウジングの底面に設けられた底面壁と、ハウジングの第１の横方向面に設けられた第１の側壁と、ハウジングの第２の横方向面に設けられた第２の側壁と、ハウジングの正面にある正面壁と、ハウジングの背面にある背面壁とを有している。上面は、底面から鉛直方向で上方向に離間しており、底面は、上面から鉛直方向で下方向に離間しており、ここで下方向は上方向とは逆方向である。第１の横方向面は、第２の横方向面から第１の水平方向で離間しており、第２の横方向面は、第１の横方向面から第２の水平方向で離間しており、第２の水平方向は、第１の水平方向とは反対方向である。ファン区画は、ハウジング内に配置されている。遠心ファンは、ファン区画内に収容されており、遠心ファンは、ファン軸線を中心として回転するように適合され、かつ構成されている。ファン軸線は、水平方向軸線の前方向、水平方向軸線の後方向およびこの軸線に直交する半径方向を規定する。したがって、ハウジング正面は、ハウジング背面から前方向に離間しており、ハウジング背面は、ハウジング正面から後方向に離間している。ハウジングの正面に設けられた空気流入口は、ハウジングの外部およびファン区画と流体接続している。ハウジングの上面に設けられた空気流出口は、ハウジングの外部およびファン区画と流体接続している。遠心ファンは、この遠心ファンがファン軸線を中心として回転させられた場合に、空気がハウジングの外部から空気流入口を通じて吸気流でファン区画内に吸い込まれ、かつ空気がファン区画内から空気流出口を通じて排出空気流でハウジングの外部に概ね上方に排出されるように適合され、かつ構成されている。ハウジング内には、水タンクが収容されている。水タンクは、充填開口と、水タンク閉鎖部材とを有している。閉鎖部材は、充填開口を覆って密閉するために充填開口に取外し可能に係合するように適合され、かつ構成されている。噴霧ノズルは、空気流出口から水平方向に離間して、ハウジングの上面に配置されている。ハウジング内の噴霧ポンプは、水タンク内の水および噴霧ノズルと流体接続するように適合され、かつ構成されている。噴霧ポンプは、作動されて水タンク内の水と流体接続した場合に、水タンクから噴霧ポンプに水を引き込み、噴霧ポンプから噴霧ノズルへ、かつ噴霧ノズルを通じてハウジングの外部へと水を推進するように適合され、かつ構成されている。噴霧ノズルは、水が噴霧ノズルを通じてハウジングの外部に向けて推進された場合に、噴霧水が噴霧ノズルからハウジングの外部に向けて排出され、噴霧水の少なくとも一部が概ね上方向に排出されるように適合され、かつ構成されている。噴霧ポンプアクチュエータは、ハウジングに運動可能に組み付けられており、噴霧ポンプアクチュエータをハウジングに対するホームポジションから、ハウジングに対する作動ポジションへと運動させるために噴霧ポンプアクチュエータに作動力が加えられた場合に、噴霧ポンプを作動させるように適合され、かつ構成されている。

別の特徴および利点ならびに運転を、添付の図面を参照しながら以下で詳細に説明する。

１つの実施形態によるネックレス型ミストファンの右上正面から見た斜視図である。 図１に示したファンを左側から見た立面図である。 図１に示したファンを右側から見た立面図である。 図１に示したファンを正面から見た立面図である。 アクチュエータが押された状態で、図１に示したファンを正面から見た立面図である。 図１に示したファンを背面から見た立面図である。 図１に示したファンの上面図である。 図１に示したファンの底面図である。 図１に示したファンを左上正面から見た斜視図である。 バッテリ区分カバーを取り除いた状態で、図１に示したファンを背面から見た分解斜視図である。 図１に示したファンの背面壁を左側正面から見た斜視図である。 背面壁を取り除いた状態で、図１に示したファンを右上背面から見た斜視図である。 図１に示したファンの正面壁を左上背面から見た斜視図である。 正面壁を取り除いた状態で、図１に示したファンを正面から見た立面図である。 図１に示したファンの噴霧水ポンプアセンブリを時計回りに回転させた正面図である。 図１に示したファンの水タンクを左下正面から見た分解斜視図である。 図１に示したファンの断面を正面から見た立面図である。

明細書および図中の参照数字は、対応する部材を示す。

詳細な説明
本開示によるミストファン１０の１つの実施形態が、図１〜図１６に図示されている。ミストファン１０は、ハウジング１２を有しており、このハウジング１２は、ハウジング１２の上面１６に設けられた上面壁１４と、ハウジング１２の底面２０に設けられた底面壁１８と、ハウジング１２の第１の横方向面２４に設けられた第１の側壁２２と、ハウジング１２の第２の横方向面２８に設けられた第２の側壁２６と、ハウジング１２の正面３２に設けられた正面壁３０と、ハウジング１２の背面３６に設けられた背面壁３４とを有するハウジング１２を備えている。図示された実施形態では、正面壁３０と背面壁３４とが接合されて、クラムシェルアセンブリを形成する。このクラムシェルアセンブリにおいて、正面壁３０および背面壁３４のそれぞれの横方向フランジ部分が、第１の側壁２２および第２の側壁２６を形成するように合わせられている。ミストファン１０の説明において参照される方向は、以下のように、ハウジング１２に関して定義することができる。上面１６は、底面２０から鉛直方向で上方向に離間しており、底面２０は、上面１６から鉛直方向で下方向に離間しており、下方向は上方向とは反対方向である。第１の横方向面２４は、第２の横方向面２８から第１の水平方向に離間しており、第２の横方向面２８は、第１の横方向面２４から第２の水平方向に離間しており、第２の水平方向は、第１の水平方向とは反対方向である。ミストファン１０は、ハウジング１２内のファン区画３７を含んでいて、ファン区画３７内に遠心ファン４０を含む。遠心ファン４０は、ファン軸線を中心として回転するように適合され、かつ構成されており、ファン軸線は、この軸線に平行である水平方向軸線の前方向と、前方向とは反対方向の水平方向軸線の後方向と、この軸線に対して垂直な半径方向とを規定する。ハウジング正面３２は、ハウジング背面３６から前方向に離間しており、ハウジング背面３６は、ハウジング正面３２から後方向に離間している。

ハウジング１２の正面３２には、空気流入口４２が含まれている。この空気流入口４２は、ハウジング１２の外部およびファン区画３７と流体接続している。ハウジング１２の上面１６には、空気流出口４４が設けられており、この空気流出口４４は、ハウジング１２の外部およびファン区画３７と流体接続している。遠心ファン４０は、この遠心ファン４０がファン軸線を中心として回転した場合に、空気がハウジング１２の外部から空気流入口４２を通じて吸気流でファン区画３７内へと吸い込まれ、この空気は、ファン区画３７内から空気流出口４４を通じて排出空気流でハウジング１２の外部へ概ね上方に向かって排出されるように、適合され、かつ構成されている。

ハウジング１２内には、水タンク４６が含まれており、この水タンク４６は、充填開口４８（図１５、図１６を参照）と、充填開口４８を覆って密封するために充填開口４８に取外し可能に係合するように適合され、かつ構成された水タンク閉鎖部材５０とを有している。水タンク４６は、図１５に示されているように、前方部材４７ａと後方部材４７ｂとを備える２部分から成るクラムシェル構造であってもよく、後方部材４７ｂは、水タンク４６内の水位を快適に見るために、たとえば図５に示されているように、ハウジング背面壁３４の開口５１（図１０）に整合するように適合され、かつ構成された窓４９を備えている。好適には、充填開口４８は、ハウジング１２の底面２０に配置されており、底面２０は、充填開口４８への快適なアクセスを提供するコンパクトな領域を有している。閉鎖部材５０は、好適には、リビングヒンジとして動作するフレキシブルな材料の帯材５３（図５、図７）などによって、ハウジング１２に取り付けられている。帯材５３は、充填のために水流に対してハウジング１２を前方または後方に傾けた場合に、閉鎖部材５０が水流から離れるように旋回することができるように、図５および図７に示すように充填開口４８の後方または充填開口４８の前方（図示せず）でハウジング１２に取り付けることができる。代替的には、帯材５３は、別の適切な位置においてハウジングに取り付けることができる。

ハウジング１２の上面１６に、噴霧ノズル５２が設けられており、この噴霧ノズル５２は、空気流出口４４から水平方向で離間している。ハウジング１２内には噴霧ポンプ５４が含まれており、この噴霧ポンプ５４は、水タンク４６内の水および噴霧ノズル５２と流体接続するように適合され、かつ構成されており、噴霧ポンプ５４は、作動されて水タンク４６内の水と流体接続した場合に、水タンク４６からディップチューブ５５を通じて噴霧ポンプ５４へと水を引き込み、噴霧ポンプ５４から噴霧ノズル５２へと、かつ噴霧ノズル５２を通じてハウジング１２の外部へと水を推進させるように適合され、かつ構成されている。噴霧ノズル５２は、噴霧ノズル５２を通じてハウジング１２の外部へと水が推進された場合に、噴霧水が噴霧ノズル５２からハウジングの外部へと概ね上方に向かって排出されるように適合され、かつ構成されている。たとえば、噴霧水または噴霧水の一部を、水平面から少なくとも４５度、より好適には少なくとも６０度、さらにより好適には少なくとも７５度傾斜した方向に排出することができる。好適には、噴霧水の少なくとも一部は、着用者の顔に向かう方向から過度の噴霧をそらすことなしに、空気流出口４４に向かう上方向の成分とわずかな水平方向の成分とを有する斜めの方向に排出される。すなわち、噴霧水の一部は、排出された空気流内へと向けられるように、排出空気流に対して斜めに、好適にはミストの形で排出されるので、排出空気流中のミスト粒子の蒸発は、排出空気流の冷却に役立ち、空気流によってユーザの肌に運ばれた液滴は、肌からの蒸発によってユーザの肌を直接冷却するために役立つ。限定するものではないが、本明細書における「ミスト」という用語は、空気中の多数の小さな水滴を意味し、水滴は、重力によって地球に向かって加速されるのではなく、空気中で蒸発するか、または浮遊する傾向にあるように、十分に小さい。噴霧が空気を通って落下するために十分な大きさの水滴を含んでいたとしても、噴霧は「ミスト」であってよい（または「ミスト」を含んでいてよい）。

ミストファン１０は、ハウジング１２に運動可能に取り付けられた噴霧ポンプアクチュエータ５６をさらに含んでいる。噴霧ポンプアクチュエータ５６は、図４Ａに示される、ハウジング１２に対するホームポジションから、図４Ｂに示されるような、ハウジング１２に対する作動ポジションへと噴霧ポンプアクチュエータ５６を運動させるために噴霧ポンプアクチュエータ５６に作動力が加えられた場合に、噴霧ポンプ５４を作動させるように適合され、かつ構成されている。

ミストファン１０は、ハウジング１２内にモータ５８を含んでおり、モータ５８は、ファン軸線を中心とした遠心ファン４０の回転を駆動するように適合され、かつ構成されている。図１６に断面で図示されているような標準的な単三電池であってもよく、代替的には、好適にはハウジング１２に組み付けられた充電ポートを備えた再充電可能な電池、または二次電池であってもよい電力供給部６０が、モータ５８に作動的に接続され、モータ５８に電圧を加えるために電力を供給する。第２の側壁２６に組み付けられているように図示されている電源スイッチ６１は、モータ５８への電力をオンおよびオフに切り替えるように適合され、かつ構成されている。電力供給部６０は、ファン区画３７の下かつ水タンク４６の上でハウジング１２内に配置されている。電力供給部６０のこの中間位置は、ファン区画３７がハウジング１２の上面１６上に設けられた空気流出口４４に接続して配置されることができるようにハウジング１２の上部を都合よく残すと同時に、水タンク４６がハウジング１２の底面２０に都合よく隣接して配置されることができるようにハウジング１２の下部を都合よく残す。したがって、図示の実施形態では、空気流出口４４を有する排出格子板がハウジングの上面壁１４を構成し、水タンク４６の底面壁がハウジングの底面壁１８を構成する。

好適には、ミストファン１０は、恒久的にまたは取外し可能にハウジング１２に接続されるネックレスまたは紐３８を含んでいる。この場合、ネックレスまたは紐３８は、ネックレスがユーザの首周りに掛けられた場合に、ハウジング１２が直立した配置になるように、すなわち、ハウジングによって規定される下方向が重力方向と一致するようにされる。したがって、空気流出口４４と噴霧ノズル５２とは、空気流と噴霧水との冷却コンビネーションの排出をユーザの首、顎および／または顔に向けるように整列されている。図示された実施形態では、第１の横方向面２４は、ハウジング１２の左側であり、第２の横方向面２８はハウジング１２の右側である。このことは、ネックレス３８によりミストファン１０を着用しているユーザに、ハウジング１２の正面を横切って右手を伸ばし、第２の側壁２６および噴霧ポンプアクチュエータ５６でハウジング１２を掴み、典型的には人差し指、中指、薬指および小指のうちの少なくとも２本の隣り合う指を含む右手の２本以上の指を使用して、右手の親指または付け根を第２の側壁２６に対して固定した状態で、噴霧ポンプアクチュエータ５６を押圧することを快適に可能にする。ミストファン１０のこれらの構成要素に関して鏡像配置の構成要素を有しているミストファンの代替的な実施形態（図示せず）は、ユーザの左手による同様の動作を可能にする。

ミストファン１０は、ハウジング１２とアクチュエータ５６との間に動作可能に接続された付勢部材６２をさらに含んでいて、付勢部材６２は、アクチュエータ５６をホームポジションに向かって付勢するように適合され、かつ構成されている。図１４において確認することができるように、付勢部材６２は、噴霧ポンプ５４に組み込まれたコイルばねである。好適には、付勢部材は、作動力が０．５ｌｂｆよりも大きい場合にのみ噴霧ポンプの作動を可能にするように、より好適には、作動力が１ｌｂｆよりも大きい場合にのみ作動を可能にするように、さらにより好適には、作動力が１．５ｌｂｆよりも大きい場合にのみ作動を可能にするように適合され、かつ構成されており、作動力は、抵抗が最も少ない概ねの方向に、かつ抵抗が最も少ないアクチュエータ上の概ねの位置に加えられる。たとえば、噴霧ポンプアクチュエータ５６のような旋回可能に組み付けられたアクチュエータのためには、付勢部材６２は、好適には、旋回軸線から作動面上の最も遠い点において、または最も遠い点の近傍で、旋回軸線に対して概ね垂直方向に加えられる少なくとも１．０ｌｂｆ、より好適には少なくとも１．５ｌｂｆの作動力を必要とするように動作する。

ポンプ／噴霧システムの接続性および構成要素は、図１４に最もよく示されている。ミストファン１０は、噴霧ポンプコネクタ６３およびコネクタチューブ６５をさらに含んでいて、噴霧ポンプコネクタ６３は、入口区分６６および出口区分６８を有していて、コネクタチューブ６５は、第１の端部７０および第２の端部７２を有していて、噴霧ポンプコネクタの入口区分６６は、水平方向に向いていて、かつ噴霧ポンプ５４に接続されており、噴霧ポンプコネクタの出口区分６８は、上方に向いていて、かつコネクタチューブ６５の第１の端部７０に接続されており、コネクタチューブ６５の第２の端部７２は、噴霧ノズル５２に接続されている。噴霧ポンプアクチュエータ５６は、作動力が加えられた場合に、噴霧ポンプコネクタ６３を水平方向に運動させるように適合され、かつ構成されており、噴霧ポンプ５４は、噴霧ポンプコネクタ６３が水平方向に運動させられた場合に作動するように適合され、かつ構成されており、コネクタチューブ６５は、噴霧ポンプコネクタ６３が水平方向に運動させられた場合に、撓み、噴霧ポンプコネクタ６３および噴霧ノズル５２に接続されたままであるように適合され、かつ構成されている。好適には、コネクタチューブ６５は、ファン区画３７の、ファン軸線に近傍の横方向面にあり、ファン区画３７の、空気流出口４４へと延びる横方向面の反対側にある。このことは、ファン４０がハウジング１２内において横方向でセンタリングされていることを可能にする一方で、ファン区画３７およびコネクタチューブ６５を並べて収容するためのハウジング１２に要求される内部幅を制限する。したがって、図示されているように、コネクタチューブ６５は、ファン区画３７と、ハウジング１２の第１の横方向面２４との間に配置される。代替的には、ファン区画３７の配向を逆にして、たとえば、ミストファン１０の構成要素の、上述の鏡像配置において、コネクタチューブ６５をファン区画３７とハウジング１２の第２の横方向面２８との間に配置し、ミストファン１０の右利き用の噴霧ポンプ作動と同様の左利き用の噴霧ポンプ作動を提供することができる。

アクチュエータ５６は、作動面６４を有している。ホームポジションにおける作動面６４は、上端部７４と下端部７６とを有し、作動面６４は、ホームポジションにおいて、概ね第１の水平方向に向いている。第１の側壁２２は、ホームポジションにおいて作動面の下端部７６の下側に延びる下側の第１の側壁部分７８を有していて、第１の側壁２２は、ホームポジションにおいて作動面の上端部７４の上側に延びる上側の第１の側壁部分８０を有している。本開示によるネックレス型ミストファンの噴霧ポンプアクチュエータの作動面は、好適には、少なくとも２本の典型的な成人の指を横に並べて収容するために十分な「広幅」であるので、２本以上の指が、作動力を加えるために快適に協働することができる。たとえば、図示の実施形態では、作動面６４は、上端部７４から下端部７６まで鉛直方向で測定して、少なくとも１．０インチ、またはより好適には少なくとも１．５インチの高さを有していてよい。好適には、ハウジング１２の高さ、すなわち、ハウジング底面２０からハウジング上面１６までの最大の鉛直方向の距離と、作動面６４の高さとの比は、４．０よりも小さく、より好適には３．０よりも小さい。

噴霧ポンプアクチュエータは、ハウジング１２のスロット内に組み付けられており、スロットは、ハウジングの第１の横方向面２４、ハウジング正面３２およびハウジング背面３６の開放領域によって定義されている。特に、ハウジングの第１の横方向面２４は、上側の第１の側壁部分８０から下側の第１の側壁部分７８にまで鉛直方向に延び、かつハウジング正面３２からハウジング背面３６にまで水平方向に延びる、ハウジングの第１の横方向面の開放領域８２を有している。ホームポジションにある作動面６４は、下側の第１の側壁部分７８から上側の第１の側壁部分８０にまで垂直方向へと、実質的に、ハウジングの第１の横方向面の開放領域の全高にわたって延びている。ハウジングの第１の横方向面の開放領域８２は、作動面６４の高さを収容するような、実質的な高さを有している。好適には、ハウジングの第１の横方向面の開放領域８２は、約１．０インチ以上、より好適には約１．５インチ以上、さらにより好適には約１．７５インチ以上の高さを有している。ハウジング正面３２は、ハウジング正面の開放領域８４を有していて、ハウジング背面３６は、ハウジング背面の開放領域８６を有していて、ハウジング正面の開放領域８４とハウジング背面の開放領域８６とはそれぞれ、ハウジングの第１の横方向面の開放領域８２に隣接していて、ハウジングの第１の横方向面の開放領域８２から第２の水平方向に延びている。好適には、ハウジング正面の開放領域８４とハウジング背面の開放領域８６とはそれぞれ、下側の第１の側壁部分７８から上側の第１の側壁部分８０まで、ハウジングの第１の側壁の開放領域８２に並んで鉛直方向に延びている。

好適には、ホームポジションにある携帯用ミストファンの噴霧ポンプアクチュエータは、携帯用ミストファンのハウジングから突出していないか、または最小限にしか突出していない。より好適には、図示された実施形態のように、噴霧ポンプアクチュエータ５６は、ハウジング正面の開放領域８４を超えて前方に延びておらず、ハウジング背面の開放領域８６を超えて後方に延びておらず、かつハウジングの第１の横方向面の開放領域８２を超えて第１の水平方向に延びていない。さらに好適には、かつ図示された実施形態におけるように、噴霧ポンプアクチュエータ５６は、ハウジング正面の開放領域８４から後方に引っ込んでおり、ハウジングの第１の横方向面の開放領域８２から第２の水平方向に引っ込んでおり、ハウジング背面の開放領域８６から前方に引っ込んでいる。

アクチュエータ５６のいくつかの属性は、互いに対する組み合わせにおいて有益に働く。ハウジング１２から突出していない噴霧ポンプアクチュエータ５６は、ポーチ、ハンドバッグまたはバックパックの内面のような広い平坦な表面、または札入れや本のような、ミストファン１０と一緒にこのような小包の内部で運ぶことができる別の物体の広い平坦な表面からの、実際に（非破壊的な）任意の大きさの力による、偶発的な噴霧ポンプ作動を本質的に阻止する。同時に、アクチュエータ５６の作動面６４は、並んだ２本以上の指による作動を可能にするために十分な高さを有している。このことは、ユーザの人間工学を損なうことなしに、１本の指による作動のみを可能にするアクチュエータにより可能にされるよりも、アクチュエータ５６をホームポジションに付勢するための大きな力を可能にする。より大きな付勢力は、小さな物体がアクチュエータ５６に衝突することによる噴霧ポンプの偶発的な作動の可能性を減じる。

ハウジング１２の外側寸法は、ミストファン１０に比較的平坦かつ薄いプロファイルを提供するので、ミストファン１０は、ネックレス３８によりユーザの首周りに掛けられた場合に、ユーザの胸部または腹部に対して快適かつ目立たないように配置される。上記で定義されたような高さに加えて、ハウジング１２は、ハウジング幅と、ハウジング奥行きとを有しており、ハウジング幅は、ハウジングの第１の横方向面２４上の第１の水平方向の先端点から、ハウジングの第２の横方向面２８上の第２の水平方向の先端点まで水平方向で測定され、ハウジング奥行きは、ハウジング背面３６上の最も後方の点から、ハウジング正面３２上の最も前方の点まで軸方向に測定される。好適には、ハウジング奥行きに対するハウジング幅の比は、約２．５以上かつ約４．５以下であり、ハウジング奥行きに対するハウジング高さの比は、約３．０以上かつ約６．５以下である。より好適には、ハウジング奥行きに対するハウジング幅の比は約３．０以上かつ約４．０以下であり、ハウジング奥行きに対するハウジング高さの比は約４．０以上かつ約５．５以下である。さらに好適には、ハウジング奥行きに対するハウジング幅の比は約３．５であり、ハウジング奥行きに対するハウジング高さの比は約４．７５である。絶対的な測定値としては、好適には、ハウジング高さは約３インチ以上かつ約７インチ以下であり、ハウジング幅は約２インチ以上かつ約５インチ以下であり、ハウジング奥行きは約０．４インチ以上かつ約２．０インチ以下である。より好適には、ハウジング奥行きは約１．５インチ以上かつ約０．５インチ以下であり、さらにより好適には、ハウジング奥行きは約１．０インチ以上、約０．５インチ以下である。

ミストファン１０の構成要素は、本明細書に記載されているような、任意の適切な材料で作成することができる。電子部品および回路を除いて、または他に記載されているように、ハウジング１２の構成要素およびハウジング１２内の構成要素は、好適には成形プラスチックから形成される。水タンク４６は、好適には、透明または半透明の成形プラスチックから形成され、前方部材４７ａと後方部材４７ｂとの間のシームは、水密シールを形成する。たとえば、このシームは、超音波溶着されてもよい。水タンク閉鎖部材５０は、好適には、適切なエラストマから成形される。ネックレス３８は、たとえば、適切なフレキシブルな材料から成る編組コード、ワイヤ、ケーブル、チェーンまたはストラップであってもよい。

上述の点を考慮すると、上述のミストファンは、先行技術に比べていくつかの利点があることは明らかである。

また、特許請求の範囲または例示的な実施形態に関する上記の説明において要素を導入する場合、「備える（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」、「含む（ｉｎｃｌｕｄｉｎｇ）」、および「有する（ｈａｖｉｎｇ）」という用語は、オープンエンド形式であることを意図しており、記載された要素以外の追加の要素があってもよいことを意味することを理解すべきである。さらに、「部分」という用語は、この用語が修飾する項目または要素の一部または全部を意味すると解釈されるべきである。さらに、第１、第２、および第３のような識別子の使用は、制限の間で相対的な位置または時間的な順序を表す形式で解釈すべきではない。

本発明の範囲から逸脱することなしに、本明細書に記載および図示された構造および方法に様々な変更を加えることができるので、前述の説明に含まれる、または添付の図面に示されるすべての事項は、限定的ではなく例示的なものとして解釈されることが意図されている。したがって、本発明の幅および範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても制限されるべきではなく、本明細書に添付された以下の請求項およびその等価物に従ってのみ定義されるべきである。

Claims (20)

1. ミストファンであって、
   ハウジングであって、該ハウジングの上面に設けられた上面壁と、前記ハウジングの底面に設けられた底面壁と、前記ハウジングの第１の横方向面に設けられた第１の側壁と、前記ハウジングの第２の横方向面に設けられた第２の側壁と、前記ハウジングの正面に設けられた正面壁と、前記ハウジングの背面に設けられた背面壁とを有し、前記上面は、前記底面から離間しており、前記第１の横方向面は前記第２の横方向面から離間しており、かつ前記ハウジングの前記正面に設けられた空気流入口と、前記ハウジングの前記上面に設けられた空気流出口とを有している、ハウジングと、
   前記ハウジング内のファン区画と、
   前記ファン区画内に配置された遠心ファンであって、該遠心ファンは、ファン軸線を中心として回転するように適合され、かつ構成されていて、かつ前記ハウジングの外部から前記空気流入口を通じて前記ファン区画内に空気を吸い込み、前記空気流出口を通じて前記ハウジングの外部に前記ファン区画から空気を排出するように適合され、かつ構成されている、遠心ファンと、
   前記ハウジング内の水タンクであって、充填開口と、該充填開口を覆って密閉するために前記充填開口に取外し可能に係合するように適合され、かつ構成されている水タンク閉鎖部材とを有する水タンクと、
   前記ハウジングの前記上面に設けられた噴霧ノズルであって、前記ハウジングの前記上面にわたる前記空気流出部から横方向に離間している噴霧ノズルと、
   前記ハウジング内に設けられた噴霧ポンプであって、前記水タンク内の水および前記噴霧ノズルに流体接続しているように適合され、かつ構成されており、作動されて前記水タンク内の水と流体接続した場合に、前記水タンクから前記噴霧ポンプへと水を引き込み、前記噴霧ポンプから前記噴霧ノズルへ、かつ前記噴霧ノズルを通じて前記ハウジングの外部へと水を推進するように適合され、かつ構成されている噴霧ポンプと、
   噴霧ポンプアクチュエータであって、前記ハウジングに運動可能に組み付けられており、前記噴霧ポンプアクチュエータを前記ハウジングに対するホームポジションから、前記ハウジングに対する作動ポジションへと運動させるために前記噴霧ポンプアクチュエータに作動力が加えられた場合に、前記噴霧ポンプを作動させるように適合され、かつ構成されており、前記底面壁に隣接した前記第１の側壁に配置されている、噴霧ポンプアクチュエータと
   を備える、ミストファン。
2. モータであって、前記ハウジング内に設けられていて、前記ファン軸線を中心として前記遠心ファンを回転駆動するように適合され、かつ構成されている、モータと、
   電力供給部であって、前記ハウジング内で前記ファン区画の下かつ前記水タンクの上に設けられており、前記モータに接続されている、電力供給部と
   をさらに備える、請求項１記載のミストファン。
3. ネックレスをさらに備え、該ネックレスが、ユーザの首周りに掛けられた場合に、前記ハウジングの前記上面が前記ユーザの顔に向かって配向されているように、前記ハウジングに接続されている、請求項１記載のミストファン。
4. 前記充填開口が、前記ハウジングの前記底面に設けられている、請求項１記載のミストファン。
5. 前記噴霧ノズルは、該噴霧ノズルを通じて前記ハウジングの外部に促進された水が、前記噴霧ノズルから前記ハウジングの外部に排出されるミストを形成するように、適合され、かつ構成されている、請求項１記載のミストファン。
6. 前記ホームポジションにおける前記噴霧ポンプアクチュエータが、前記ハウジングから突出しない、請求項１記載のミストファン。
7. 前記噴霧ポンプアクチュエータが、前記ハウジングの前記第１の横方向の側壁に設けられたスロット内に配置されている、請求項１記載のミストファン。
8. 前記第１の横方向の側壁が、前記スロットから前記ハウジングの前記底面に向かって延びる下側の第１の横方向の側壁部分を有しており、前記第１の横方向の側壁が、前記スロットから前記ハウジングの前記上面に向かって延びる上側の第１の横方向の側壁部分を有しており、前記上側の第１の横方向の側壁部分が、前記下側の第１の横方向の側壁部分よりも長い寸法を有している、請求項７記載のミストファン。
9. 前記上側の第１の横方向の側壁部分から前記下側の第１の横方向の側壁部分にまで前記スロットをわたる距離が、少なくとも１インチである、請求項８記載のミストファン。
10. 前記噴霧ポンプアクチュエータが、前記スロットにわたって延びている、請求項７記載のミストファン。
11. 前記噴霧ポンプアクチュエータが、前記ハウジングに旋回可能に接続されている、請求項１記載のミストファン。
12. 噴霧ポンプコネクタおよびコネクタチューブをさらに備えており、前記噴霧ポンプコネクタが、入口区分および出口区分を有しており、前記コネクタチューブが、第１の端部および第２の端部を有しており、前記噴霧ポンプコネクタの前記入口区分が、横方向に向いていて、かつ前記噴霧ポンプに接続されており、前記噴霧ポンプコネクタの前記出口区分が、前記ハウジングの前記上面に向いていて、前記コネクタチューブの前記第１の端部に接続されており、前記コネクタチューブの前記第２の端部が、前記噴霧ノズルに接続されている、請求項１記載のミストファン。
13. 前記噴霧ポンプアクチュエータは、前記作動力が前記アクチュエータに加えられた場合に、前記噴霧ポンプコネクタを横方向に運動させ、前記噴霧ポンプを作動させるように適合され、かつ構成されている、請求項１２記載のミストファン。
14. 前記ハウジングと前記噴霧ポンプアクチュエータとの間に動作可能に接続された付勢部材をさらに備えており、該付勢部材が、前記ホームポジションに向けて前記アクチュエータを付勢するように適合され、かつ構成されており、前記付勢部材は、前記作動力が０．５ｌｂｆよりも大きな場合に、前記作動ポジションへと前記噴霧ポンプを運動させるように適合され、かつ構成されている、請求項１記載のミストファン。
15. 前記ハウジングが、前記第１の横方向面と前記第２の横方向面との間の最大距離に対応する幅を有しており、前記ハウジングが、前記正面と前記背面との間の最大距離に対応する奥行きを有しており、前記ハウジング奥行きに対する前記ハウジング幅の比が、約２．５以上かつ約４．５以下である、請求項１記載のミストファン。
16. 前記ハウジングが、前記上面と前記底面との間の最大距離に対応する高さを有しており、かつ前記第１の横方向面と前記第２の横方向面との間の最大距離に対応する幅を有しており、前記ハウジング幅に対する前記ハウジング高さの比が、約０．６以上かつ約３．５以下である、請求項１記載のミストファン。
17. 前記ハウジングが、前記上面と前記底面との間の最大距離に対応する高さを有しており、かつ前記正面と前記背面との間の最大距離に対応する奥行きを有しており、前記ハウジング奥行きに対する前記ハウジング高さの比が、約３．０以上かつ約６．５以下である、請求項１記載のミストファン。
18. 前記ハウジングが、前記上面と前記平面との間の最大距離に対応する高さを有しており、前記ハウジング高さが、約３インチ以上かつ約７インチ以下である、請求項１記載のミストファン。
19. 前記ハウジングが、前記第１の横方向面と前記第２の横方向面との間の最大距離に対応する幅を有しており、前記ハウジング幅が、約２インチ以上かつ約５インチ以下である、請求項１記載のミストファン。
20. 前記ハウジング奥行きが、約０．４インチ以上かつ約２．０インチ以下である、請求項１５記載のミストファン。

Images