JP2021157356A - 画像処理装置、画像処理システムおよびプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理システムおよびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】被処理画像の画質を見本画像の画質に合わせる画像処理を行う際に、画像処理後の被処理画像の画像が不自然な結果となることを低減する画像処理装置等を提供する。【解決手段】プロセッサを備え、プロセッサは、画像の印象を見本画像に合わせる画像処理を行なう被処理画像および見本画像について、輝度に関する成分を抽出し、画像を構成する各画素が有する画素値を基に、画素値を輝度に関する成分に基づく重みで重み付けをして、被処理画像および見本画像についての特徴量を抽出し、被処理画像の特徴量を見本画像の特徴量に合わせ調整することを特徴とする画像処理装置10。【選択図】図4

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理システム、プログラムに関する。
近年、デジタルカメラ等の普及によりデジタル画像を撮影・閲覧するユーザーが増加している。また、スマートフォンやタブレットの普及によって、希望の画像を得るためにこれまでPC(Personal Computer)の画像編集ソフトウェアを利用して行っていた画質調整を、より直感的な操作で行いたい、というニーズが高まっている。
デジタル画像の画質調整には、例えば、RGB、CIEL、HSVなどの色空間上で色度や輝度、色相、彩度の成分値やそれらのコントラストの調整を行うものがある。その中でユーザが見本となる見本画像を指定し、被処理画像の画質を被処理画像の全体に対してこの見本画像の画質に合わせる画像処理を行う場合がある。これにより、例えば、被処理画像の印象を見本画像の印象とする画像処理を行うことができる。
特許文献1には、画像の印象を見本画像に合わせる画像処理を行なう被処理画像および見本画像について色度成分および輝度成分を取得する色変換部と、被処理画像および見本画像について色度成分および輝度成分の特徴量を抽出する特徴量抽出部と、色度成分の特徴量を使用し被処理画像の色度成分を見本画像の色度成分に合わせ調整する色度成分調整部と、輝度成分の特徴量を使用し暗部領域以外の非暗部領域では、被処理画像の輝度成分を見本画像の輝度成分に合わせ調整し、暗部領域では、調整の際の調整量を非暗部領域に対して行う調整を適用したときの調整量より小さくする輝度成分調整部と、を備えることを特徴とする画像処理装置が開示されている。
特開2016−177500号公報
しかしながら、例えば、被処理画像に暗い画素が多いと、画像処理後の画像が、不自然な結果となることがある。
本発明は、被処理画像の画質を見本画像の画質に合わせる画像処理を行う際に、画像処理後の被処理画像の画像が不自然な結果となることを低減する画像処理装置等を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像の印象を見本画像に合わせる画像処理を行う被処理画像および当該見本画像について、輝度に関する成分を抽出し、画像を構成する各画素が有する画素値を基に、当該画素値を前記輝度に関する成分に基づく重みで重み付けをして、前記被処理画像および前記見本画像についての特徴量を抽出し、前記被処理画像の特徴量を前記見本画像の特徴量に合わせ調整することを特徴とする画像処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、前記被処理画像および前記見本画像を構成する各画素が有する画素値の平均および散布度を特徴量として算出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記プロセッサは、前記平均を、各画素が有する画素値を前記重みで重み付けした加重平均として算出し、前記散布度を、各画素が有する画素値を前記重みで重み付けした上で当該加重平均を用いることで求められる標準偏差として算出することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記プロセッサは、前記輝度に関する成分に基づく重みで重み付けをして、前記被処理画像の特徴量を前記見本画像の特徴量に合わせ調整することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記プロセッサは、前記被処理画像を構成する各画素が有する画素値を、前記重みで重み付けをしてアルファブレンドすることで、当該被処理画像の特徴量を前記見本画像の特徴量に合わせ調整することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、前記輝度に関する成分と前記重みとの関係が単調増加関数となるように、当該重みを設定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記輝度に関する成分を前記重みとすることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置ある。
請求項8に記載の発明は、前記プロセッサは、前記輝度に関する成分と前記重みとの関係が非線形の単調増加関数となるように、当該重みを設定することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記プロセッサは、前記見本画像のシーンに応じて前記重みを変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記プロセッサは、前記見本画像が夜景のときに、前記輝度に関する成分と前記重みとの関係が単調減少関数となるように、当該重みを設定することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置である。
請求項11に記載の発明は、前記プロセッサは、前記見本画像が夜景以外のときに、前記輝度に関する成分と前記重みとの関係が単調増加関数となるように、当該重みを設定することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置である。
請求項12に記載の発明は、前記プロセッサは、前記輝度に関する成分の補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項13に記載の発明は、前記プロセッサは、前記輝度に関する成分の補正を行うことで、画像処理の程度を調整することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置である。
請求項14に記載の発明は、画像を表示する表示装置と、前記表示装置に表示される被処理画像に対し画像処理を行う画像処理装置と、を備え、前記画像処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像の印象を見本画像に合わせる画像処理を行う被処理画像および当該見本画像について、輝度に関する成分を抽出し、画像を構成する各画素が有する画素値を基に、当該画素値を前記輝度に関する成分に基づく重みで重み付けをして、前記被処理画像および前記見本画像についての特徴量を抽出し、前記被処理画像の特徴量を前記見本画像の特徴量に合わせ調整することを特徴とする画像処理システムである。
請求項15に記載の発明は、コンピュータに、画像の印象を見本画像に合わせる画像処理を行う被処理画像および当該見本画像について、輝度に関する成分を抽出する機能と、画像を構成する各画素が有する画素値を基に、当該画素値を前記輝度に関する成分に基づく重みで重み付けをして、前記被処理画像および前記見本画像についての特徴量を抽出する機能と、前記被処理画像の特徴量を前記見本画像の特徴量に合わせ調整する機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項1の発明によれば、被処理画像の画質を見本画像の画質に合わせる画像処理を行う際に、画像処理後の被処理画像の画像が不自然な結果となることを低減する画像処理装置を提供することができる。
請求項2、3の発明によれば、特徴量の抽出がより容易になる。
請求項4、5の発明によれば、被処理画像の非暗部領域では、見本画像の特徴量がより大きく反映され、被処理画像の印象が見本画像の印象となりやすく、暗部領域では、見本画像の特徴量があまり反映されず、暗部のまま維持されやすい。
請求項6の発明によれば、より的確な重みを設定することができる。
請求項7の発明によれば、重みの算出がより容易になる。
請求項8の発明によれば、画像処理後の被処理画像の画像が、自然になりやすい。
請求項9の発明によれば、シーンに応じ、被処理画像の画像処理を行うことができる。
請求項10の発明によれば、見本画像が夜景の際に、より的確な重みを設定することができる。
請求項11の発明によれば、見本画像が夜景以外の際に、より的確な重みを設定することができる。
請求項12の発明によれば、被処理画像への見本画像の印象の反映の程度を調整することができる。
請求項13の発明によれば、被処理画像への見本画像の印象の反映の程度をユーザが調整することができる。
請求項14の発明によれば、ユーザが被処理画像の画質を見本画像の画質に合わせる画像処理を、より容易に行うことができる画像処理システムを提供することができる。
請求項15の発明によれば、被処理画像の画質を見本画像の画質に合わせる画像処理を行う際に、画像処理後の被処理画像の画像が不自然な結果となることを低減する機能をコンピュータにより実現できる。
本実施の形態における画像処理システムの構成例を示す図である。 (a)〜(c)は、被処理画像の画質を見本画像の画質に合わせる画像処理として、従来方法による第1の例について示した図である。 (a)〜(d)は、被処理画像の画質を見本画像の画質に合わせる画像処理として、従来方法による第2の例について示した図である。 第1の実施における画像処理装置の機能構成例を示したブロック図である。 本実施の形態による画像処理を行った被処理画像について示した図である。 (a)〜(b)は、輝度成分と重みとの関係を示した図である。 第3の実施における画像処理装置の機能構成例を示したブロック図である。 (a)〜(b)は、輝度成分と重みとの関係が単調減少関数となる場合を示した図である。 画像処理システムの動作について説明したフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像処理システム全体の説明>
図1は、本実施の形態における画像処理システム1の構成例を示す図である。
図示するように本実施の形態の画像処理システム1は、表示装置20に表示される画像の画像情報に対し画像処理を行う画像処理装置10と、画像処理装置10により作成された画像情報が入力され、この画像情報に基づき画像を表示する表示装置20と、画像処理装置10に対しユーザが種々の情報を入力するための入力装置30とを備える。
画像処理装置10は、例えば、所謂汎用のパーソナルコンピュータ(PC)である。そして、画像処理装置10は、OS(Operating System)による管理下において、各種アプリケーションソフトウェアを動作させることで、画像情報の作成等が行われるようになっている。
画像処理装置10は、演算手段であるCPUと、記憶手段であるメインメモリ、およびHDDやSSD(Solid State Drive)等のストレージを備える。ここで、CPUは、プロセッサの一例であり、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアを実行する。また、メインメモリは、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、ストレージは、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
さらに、画像処理装置10は、外部との通信を行うための通信インタフェース(以下、「通信I/F」と表記する)と、キーボード、マウス、タッチパネル、スタイラスペン等の入力デバイスとを備える。
表示装置20は、表示画面21に画像を表示する。表示装置20は、例えばPC用の液晶ディスプレイ、液晶テレビあるいはプロジェクタなど、加法混色にて画像を表示する機能を備えたもので構成される。したがって、表示装置20における表示方式は、液晶方式に限定されるものではない。なお、図1に示す例では、表示装置20内に表示画面21が設けられているが、表示装置20として例えばプロジェクタを用いる場合、表示画面21は、表示装置20の外部に設けられたスクリーン等となる。
入力装置30は、キーボードやマウス等で構成される。入力装置30は、画像処理を行うためのアプリケーションソフトウェアの起動、終了や、詳しくは後述するが、画像処理を行う際に、ユーザが画像処理装置10に対し画像処理を行うための指示を入力するのに使用する。
画像処理装置10および表示装置20は、DVI(Digital Visual Interface)を介して接続されている。なお、DVIに代えて、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やDisplayPort等を介して接続するようにしてもかまわない。
また画像処理装置10と入力装置30とは、例えば、USB(Universal Serial Bus)を介して接続されている。なお、USBに代えて、IEEE1394やRS−232C等を介して接続されていてもよい。
詳しくは後述するが、本実施の形態では、被処理画像の画質を見本画像の画質に合わせる画像処理が行われる。これにより、被処理画像の印象を見本画像の印象に合わせることができる。
このような画像処理システム1において、表示装置20には、まず最初に画像処理を行う前の画像である被処理画像、および見本画像が表示される。そしてユーザが入力装置30を使用して、画像処理装置10に対し画像処理を行うための指示を入力すると、画像処理装置10により被処理画像の画像情報に対し画像処理がなされる。この画像処理の結果は、表示装置20に表示される画像に反映され、画像処理後の被処理画像の画像が描画されて表示装置20に表示されることになる。この場合、ユーザは、表示装置20を見ながらインタラクティブに画像処理を行うことができ、より直感的に、またより容易に画像処理の作業を行える。
なお本実施の形態における画像処理システム1は、図1の形態に限られるものではない。例えば、画像処理システム1としてタブレット端末を例示することができる。この場合、タブレット端末は、タッチパネルを備え、このタッチパネルにより画像の表示を行うとともにユーザの指示が入力される。即ち、タッチパネルが、表示装置20および入力装置30として機能する。また同様に表示装置20および入力装置30を統合した装置として、タッチモニタを用いることもできる。これは、上記表示装置20の表示画面21としてタッチパネルを使用したものである。この場合、画像処理装置10により画像情報が作成され、この画像情報に基づきタッチモニタに画像が表示される。そしてユーザは、このタッチモニタをタッチ等することで画像処理を行うための指示を入力する。
図2(a)〜(c)は、被処理画像の画質を見本画像の画質に合わせる画像処理として、従来方法による第1の例について示した図である。
このうち、図2(a)は、画像処理前の被処理画像Hであり、図2(b)は、見本画像Mを示している。なお、本実施の形態で、「被処理画像」とは、画像処理の対象となる画像であり、「見本画像」とは、ユーザが希望する印象の画像を有し、被処理画像Hの画質を見本画像Mの画質に合わせる画像処理を行うための見本となる画像である。
実際には、被処理画像Hおよび見本画像Mは、液晶パネルや液晶ディスプレイ等の表示装置20に表示される。そしてタブレット、スマートフォン、PC等で動作する画像編集ソフトウェアにより画像情報を処理することで画像処理が行われる。ユーザは、画像編集ソフトウェアの動作により、被処理画像Hや見本画像Mとともに表示装置20に表示されるメニュー等を操作することで画像処理の操作を行う。この操作は、タブレットやスマートフォンの場合は、ユーザの指やタッチペンでタッチパネルである液晶パネルをタッチ等することで行う。またPCの場合は、PCに接続されたキーボードやマウス等を使用して行う。
図示する被処理画像Hおよび見本画像Mは、近景の画像である前景Fと遠景の画像である後景Bとからなる。被処理画像Hの前景Fおよび後景Bは、明度が低い暗部領域からなる。即ち、被処理画像Hは、全体として暗い画像である。一方、見本画像Mは、前景Fは、明度が低い暗部領域であるが、後景Bは明るい非暗部領域であり、全体としても明るい画像となっている。
そして、ユーザは、被処理画像Hの画像処理を行い、被処理画像Hを見本画像Mと同様の印象を有する画像にしたいものとする。これは例えば、見本画像Mの後景Bが赤色の空の画像であり、被処理画像Hの後景Bが青色の空の画像であったときに、被処理画像Hの後景Bを赤色の空の画像にするような場合である。
図2(c)は、従来の方法による画像処理後の被処理画像H’の画像を示している。
この場合、見本画像Mの方が被処理画像Hよりも、全体として明るいため、画像処理後の被処理画像H’は、本来は暗部領域である前景Fの輝度が高くなりすぎ、不自然な画像となりやすい。これは従来の画像編集ソフトウェアでは、一般的な仕様であり、例えば、Adobe Systems Incorporated製のAdobe Photoshop等でもこのような画像処理が行われる。
図3(a)〜(d)は、被処理画像の画質を見本画像の画質に合わせる画像処理として、従来方法による第2の例について示した図である。
このうち、図3(a)は、画像処理前の被処理画像Hであり、図3(b)は、見本画像Mを示している。
図3(a)に図示する被処理画像Hは、室内の画像である。また、図3(b)に図示する見本画像Mは、図2(b)と同様の画像であり、近景の画像である前景Fと遠景の画像である後景Bとからなる。
そして、ユーザは、被処理画像Hの画像処理を行い、被処理画像Hを見本画像Mと同様の印象を有する画像にしたいものとする。
図3(c)は、従来の方法による画像処理後の被処理画像H’の画像を示している。
この場合、画像処理前の被処理画像Hに対し、見本画像Mは、前景Fと後景Bとの明度の差が大きく、その結果、画像中の明度の差が大きい。これは、画像を構成する画素の画素値の輝度成分の標準偏差が大きいと言うこともできる。そしてこれに起因して、画像処理後の被処理画像H’は、図3(c)〜(d)に示すように一部のオブジェクトObが光って見え、ディフェクトが発生している。
以上説明したように、被処理画像Hや見本画像Mに暗部領域が多く、暗い画素が多いと、画像処理後の被処理画像H’が不自然な画像になったり、ノイズ、白飛び、光源色等が生じるディフェクトが発生しやすくなる。即ち、図2(a)の被処理画像Hのように、暗部領域が多く、暗い画素が多いと、画像を構成する画素の画素値の平均が小さくなる。また、図3(b)の見本画像Mの前景Fのように、暗部領域があり、暗い画素があると、画素値の標準偏差が、大きくなる場合がある。そしてこれにより、画像処理後の被処理画像H’が不自然な画像になったり、ディフェクトが発生しやすくなる。
そこで本実施の形態では、以下に説明するような画像処理を行い、画像処理後の被処理画像H’が自然となるようにする。
以下、これを実現するための画像処理装置10の説明を行う。
<画像処理装置10の構成の説明>
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態について説明を行う。
第1の実施形態では、被処理画像Hおよび見本画像Mについて、それぞれ特徴量を抽出する。この特徴量は、それぞれの画像の輝度値を重みWとして使用し、算出される。そして、被処理画像Hの特徴量を、見本画像Mの特徴量に合わせる処理を行うと、画像処理後の被処理画像H’の印象が、見本画像Mの印象になる画像処理が行える。
図4は、第1の実施における画像処理装置10の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように画像処理装置10は、被処理画像Hおよび見本画像Mの画像情報(入力画像データ)を取得し色変換を行い色度成分と輝度成分とする色変換部11と、変換後の画像情報から特徴量を抽出する特徴量抽出部12と、被処理画像Hの特徴量を見本画像Mの特徴量に合わせる処理を行う成分調整部13とを備える。
色変換部11は、表示装置20で被処理画像Hおよび見本画像Mを表示するための画像情報に対し、色変換を行う。画像情報は、この場合、RGB(Red、Green、Blue)のビデオデータ(RGBデータ)である。そして、RGBデータを例えば、IPTデータに変換する。即ち、RGB色空間の色度をIPT色空間の色度に変換する。IPT色空間は、明度(I)、赤−緑方向の色度(P)、黄−青方向の色度(T)、の3成分からなる直交座標色空間である。このうち、本実施の形態では、赤−緑方向の色度(P)および黄−青方向の色度(T)を色度成分P、Tとし、明度(I)を輝度成分Iとする。色変換部11は、被処理画像Hおよび見本画像Mについて、色度成分P、Tおよび輝度成分Iを抽出する、と言うこともできる。
特徴量抽出部12は、被処理画像Hおよび見本画像Mについて、色度成分P、Tおよび輝度成分Iの特徴量を抽出する。特徴量は、ユーザが画像を見たときに、画像の印象を決定づける指標である。本実施の形態では、被処理画像Hおよび見本画像Mを構成する各画素が有する画素値の平均および散布度を特徴量として算出する。画素値は、色度成分P、T、および輝度成分Iからなる。よって、特徴量は、色度成分P、T、および輝度成分Iのそれぞれについて抽出される。なお、本実施の形態では、平均として相加平均を使用し、散布度として標準偏差を使用する。
より具体的には、特徴量抽出部12は、被処理画像Hおよび見本画像Mのそれぞれについて、これらの画像を構成する各画素が有する色度成分P、T、および輝度成分Iの相加平均を求める。さらに特徴量抽出部12は、被処理画像Hおよび見本画像Mのそれぞれについて、これらの画像を構成する各画素が有する色度成分P、T、および輝度成分Iの標準偏差を求める。また、本実施の形態では、このとき、特徴量抽出部12は、輝度成分Iを重みWとして使用し、相加平均および標準偏差を求める。
この重みWは、第1の実施形態では、以下の数1式により定義される。なお、数1式において、Wt(i、j)は、被処理画像Hを構成する各画素の位置(i、j)における重みWである。また、It(i、j)は、被処理画像Hを構成する各画素の位置(i、j)における輝度成分Iである。さらに、Wr(i、j)は、見本画像Mを構成する各画素の位置(i、j)における重みWである。そして、Ir(i、j)は、見本画像Mを構成する各画素の位置(i、j)における輝度成分Iである。
つまり、数1式によれば、被処理画像Hおよび見本画像Mの輝度成分Iを、そのまま重みWとする。
Figure 2021157356
相加平均は、被処理画像Hおよび見本画像Mのそれぞれについて、色度成分P、T、および輝度成分I毎に求められるため、合計6つとなる。これは、以下の数2式により算出する。
数2式において、Pi,jは、被処理画像Hや見本画像Mの画像を構成する各画素の位置(i、j)におけるP値である。そしてTi,jは、被処理画像Hや見本画像Mの画像を構成する各画素の位置(i、j)におけるT値である。さらにIi,jは、被処理画像Hや見本画像Mの画像を構成する各画素の位置(i、j)におけるI値である。
そしてμPtは、被処理画像HのP値の相加平均である。また、μTtは、被処理画像HのT値の相加平均である。さらにμItは、被処理画像HのI値の相加平均である。
さらにμPrは、見本画像MのP値の相加平均である。またμTrは、見本画像MのT値の相加平均である。さらにμIrは、見本画像MのI値の相加平均である。
Figure 2021157356
さらに標準偏差についても、被処理画像Hおよび見本画像Mのそれぞれについて、色度成分P、T、および輝度成分I毎に求められるため、合計6つとなる。これは、以下の数3式により算出する。
数3式において、Pi,j、Ti,j、Ii,jは、数2式と同様である。
そしてσPtは、被処理画像HのP値の標準偏差である。またσTtは、被処理画像HのT値の標準偏差である。さらにσItは、被処理画像HのI値の標準偏差である。
さらにσPrは、見本画像MのP値の標準偏差である。またσTrは、見本画像MのT値の標準偏差である。さらにσIrは、見本画像MのI値の標準偏差である。
Figure 2021157356
このように、特徴量抽出部12は、画像を構成する各画素が有する画素値を基に、画素値を輝度成分Iに基づく重みWで重み付けをして、被処理画像Hおよび見本画像Mについての特徴量を抽出する。この場合、特徴量は、画素値の平均および画素値の散布度である。そして、このとき、特徴量抽出部12は、平均を、各画素が有する画素値を重みWで重み付けした加重平均として算出し、散布度を、各画素が有する画素値を重みWで重み付けした上で加重平均を用いることで求められる標準偏差として算出する。
なお、加重平均の標準偏差は、例えば、画像の画素値が10、20、30で、その重みがそれぞれ0.2、0.4、0.6だった場合に、重みを2、4、6と読み替えて、10のデータが2個、20のデータが4個、30のデータが6個の計12のデータ、つまり10、10、20、20、20、20、30、30、30、30、30、30のデータとして一般的な標準偏差を計算する方法を用いても構わない。
成分調整部13は、特徴量抽出部12で抽出した特徴量を使用し、被処理画像Hの特徴量を見本画像Mの特徴量に合わせ調整する。
ここでは、成分調整部13は、被処理画像Hおよび見本画像Mについての相加平均および標準偏差を使用して、被処理画像Hの各画素の相加平均および標準偏差を見本画像Mの相加平均および標準偏差に近づける処理を行う。
この処理は、例えば、以下の数4式〜数6式により行う。
このうち、数4式は、P値についての算出式である。ここで、Pt(i、j)は、調整前の被処理画像Hの画像を構成する位置(i、j)のP値である。またPt’(i、j)は、調整後の被処理画像Hの画像を構成する位置(i、j)のP値である。
また、数5式は、T値についての算出式である。ここで、Tt(i、j)は、調整前の被処理画像Hの画像を構成する位置(i、j)のT値である。またTt’(i、j)は、調整後の被処理画像Hの画像を構成する位置(i、j)のT値である。
さらに、数6式は、I値についての算出式である。ここで、It(i、j)は、調整前の被処理画像Hの画像を構成する位置(i、j)のI値である。またIt’(i、j)は、調整後の被処理画像Hの画像を構成する位置(i、j)のI値である。
Figure 2021157356
Figure 2021157356
Figure 2021157356
これにより被処理画像Hの画像を構成する位置(i、j)の画素について、見本画像Mに合わせた色度成分P、T、および輝度成分Iの調整が行われる。この場合、数4式〜数6式に示すように、被処理画像Hを構成する各画素が有する画素値を、重みWt(i、j)で重み付けをしてアルファブレンドすることで、被処理画像Hの特徴量を見本画像Mの特徴量に合わせ調整する。またこれは、輝度成分Iに基づく重みWで重み付けをして、被処理画像Hの特徴量を見本画像Mの特徴量に合わせ調整する、と言うこともできる。
そしてこの後は、色変換部11が、IPTデータをRGBデータに戻す、逆変換を行い、画像処理後の被処理画像H’として、表示装置20に表示される。
また、成分調整部13は、上述した例では、重みWt(i、j)を使用して、Pt’(i、j)、Tt’(i、j)、It’(i、j)を求めたが、重みWt(i、j)を使用しなくてもよい。
この処理は、例えば、以下の数7式〜9式により行うことができる。
Figure 2021157356
Figure 2021157356
Figure 2021157356
なお、数6式および数9式で、輝度成分IであるIt’(i、j)が、0〜1の範囲を超える場合がある。その場合は、最小が0であり、最大が1となるように正規化してもよい。
図5は、本実施の形態による画像処理を行った被処理画像H’について示した図である。
この場合、図2(a)に示した被処理画像Hの印象を、図2(b)に示した見本画像Mの印象にする画像処理を、上述した方法により行った場合を示している。
図示するように、後景Bについては、図2(c)と同様の画像となり、前景Fについては、暗部領域である前景Fの輝度が過度に高くならず、暗部領域のままである。その結果、自然な画像となっている。
第1の実施によれば、被処理画像Hの画質を見本画像Mの画質に合わせる画像処理を行う際に、画像処理後の被処理画像H’の画像が不自然な結果となることを低減することができる。
つまり、人が画像から受ける印象は、暗い領域である暗部領域よりも、明るい領域である非暗部領域の方が、支配的である。よって、輝度成分Iを重みWとして、特徴量を求めることで、より明るい領域を重視した特徴量が抽出される。即ち、非暗部領域を主に反映した特徴量を抽出することができる。その結果、図2(a)の被処理画像Hのように、暗部領域が多く、暗い画素が多い場合でも、画像を構成する画素の画素値の平均が小さくなりにくい。また、図3(b)の見本画像Mの前景Fのように、暗部領域があり、暗い画素があっても、画素値の標準偏差が、大きくなりにくい。その結果、画像処理後の被処理画像H’が不自然な画像になったり、ディフェクトが発生することが低減される。
また、数4式〜数6式では、成分調整部13が、再び重みWを使用して、アルファブレンドし、画像処理後の被処理画像H’の画像情報を求める。これにより、重みWが大きい非暗部領域については、被処理画像Hの特徴量が、見本画像Mの特徴量に合せられる。これに対し、重みWが小さい暗部領域では、被処理画像Hの特徴量は、あまり変化しない。その結果、非暗部領域では、見本画像Mの特徴量がより大きく反映され、被処理画像Hの印象が見本画像Mの印象となりやすい。対して、暗部領域では、見本画像Mの特徴量があまり反映されず、暗部のままとなりやすい。その結果、図2(c)で示したような、画像処理後の被処理画像H’が不自然な画像になるのをさらに抑制できる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明を行う。
第1の実施形態では、数1式に示すように、被処理画像Hおよび見本画像Mの輝度成分Iを、そのまま重みWとしていた。一方、第2の実施形態では、輝度成分Iをそのまま重みWとせず、輝度成分Iに基づき重みWを算出する処理を行う。
図6(a)〜(b)は、輝度成分Iと重みWとの関係を示した図である。
ここで、横軸は、輝度成分Iを表し、縦軸は、重みWを表す。なお、ここでは、輝度成分Iと重みWとの関係を、被処理画像Hと見本画像Mとで分けて図示している。つまり、被処理画像Hについて、横軸を、It(i、j)とし、縦軸を、Wt(i、j)として図示している。また、見本画像Mについは、横軸を、Ir(i、j)とし、縦軸は、Wr(i、j)として図示している。
このうち、図6(a)は、第1の実施形態の輝度成分Iと重みWとの関係を示している。
第1の実施形態では、重みWは、輝度成分Iと同じであり、輝度成分Iと重みWとの関係は、比例関係にある。また、別の言い方をすれば、輝度成分Iと重みWとの関係は、線型の単調増加関数となる、と言うこともできる。輝度成分Iと重みWとの関係が、単調増加関数である場合、輝度成分Iが大きくなるほど、重みWは大きくなり、輝度成分Iが小さくなるほど、重みWは小さくなる。
一方、図6(b)は、第2の実施形態の輝度成分Iと重みWとの関係を示している。
第2の実施形態では、輝度成分Iと重みWとの関係は、第1の実施形態と同様に単調増加関数となっているが、非線型である。
図6(b)に図示するような関数は、例えば、ロジスティック関数を用いることで実現できる。輝度成分Iと重みWとの関係を、ロジスティック関数を用いて表した場合、例えば、以下の数10式により定義することができる。数10式で、k1、k2、k3、k4は、定数である。
Figure 2021157356
第2の実施によれば、画像処理後の被処理画像H’が、さらに自然な画像となりやすい。
なお、図6(a)〜(b)では、被処理画像HについてのWt(i、j)と、見本画像MについてのWr(i、j)とで、図示するように同様の関数を使用したが、互いに異なるようにしてもよい。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について説明を行う。
第3の実施形態では、被処理画像Hや見本画像Mのシーンを解析し、シーンにより重みWを変更する。
図7は、第3の実施における画像処理装置10の機能構成例を示したブロック図である。
図7に図示するように画像処理装置10は、図4に図示する画像処理装置10に比較して、シーン解析部14が加わる点で異なる。そして、他の色変換部11、特徴量抽出部12、成分調整部13の機能は、双方とも同様である。よって、以下、シーン解析部14について中心に説明を行う。
シーン解析部14は、見本画像Mのシーンを解析する。具体的には、シーン解析部14は、シーンとして、見本画像Mのシーンが夜景であるか否かを判断する。見本画像Mのシーンが、夜景であるか否かは、見本画像M全体に対する暗部領域の占める割合などにより判断できる。また、ディープラーニングなどの方法でも判断することができる。暗部領域であるか否かは、例えば、閾値を使用することで判断できる。即ち、輝度成分Iが予め定められた閾値以下である場合は、暗部領域であり、輝度成分Iが予め定められた閾値を超える場合は、非暗部領域であるとする。
そして、特徴量抽出部12は、見本画像Mのシーンに応じて重みWを変更する。実際には、特徴量抽出部12は、見本画像Mが夜景のときに、輝度成分Iと重みWとの関係が単調減少関数となるように、重みWを設定する。
図8(a)〜(b)は、輝度成分Iと重みWとの関係が単調減少関数となる場合を示した図である。
このうち、図8(a)で示す輝度成分Iと重みWとの関係は、以下の数11式で定義することができる。
Figure 2021157356
対して、特徴量抽出部12は、見本画像Mが夜景以外のときに、輝度成分Iと重みWとの関係が単調増加関数となるように、重みWを設定する。即ち、輝度成分Iと重みWとの関係を、図6(a)〜(b)で説明したような関係とする。
なお、輝度成分Iと重みWとの関係が単調減少関数となる場合は、図8(a)のような直線状の関数のみならず、図8(b)に示すような非線形の関数を使用してもよい。また、単調増加関数であっても、輝度成分Iが小さい箇所で、輝度成分Iを底上げするような関数であってもよい。
第3の実施によれば、シーンに応じ、被処理画像Hの画像処理を行うことができ、画像処理後の被処理画像H’の画像が不自然な結果となることをさらに低減することができる。
[第4の実施形態]
さらに、第4の実施形態について説明を行う。
上述した例では、輝度成分Iを使用したが、輝度に関する成分であれば、これに限られるものではない。この場合、輝度に関する成分は、画像中の明るさを表す情報であり、輝度成分Iの他には、例えば、照明成分が挙げられる。そして、第4の実施形態では、上述した輝度成分Iの代わりに、この照明成分を使用する。
人の視覚認知の1つの特性として、網膜に入った光の1点(画像では1つの画素)の知覚量は、1点の周辺輝度の平均に影響することが知られている。周辺輝度は推定された照明成分に相当し、照明成分の推定は、例えば、移動平均法または以下の数12式のGauss関数で表されるコンボリューションを行うことで実施できる。数12式で、kは画像処理のフィルタサイズの画素分で積分した場合に1になるように正規化する係数、σは平滑化度合い(スケール)を表す。なお、このガウス関数は一例であり、同様な結果(平滑化)になるフィルタであればいかなるものでもよい。例えば、数12式を変形した形で、エッジ保存を行う平滑化フィルタとして知られるバイラテラルフィルを用いてもよい。
Figure 2021157356
そして、数12式のガウス関数を用いて、照明成分に基づく、被処理画像Hおよび見本画像Mの重みWは、以下の数13式により算出することができる。数13式の上側の式は、Wt(i、j)が、G(i、j)とIt(i、j)との畳込みで算出できることを表す。また、数13式の下側の式は、Wr(i、j)が、G(i、j)とIr(i、j)との畳込みで算出できることを表す。
Figure 2021157356
第4の実施形態によれば、画像の印象は画像の照明成分の寄与が大きいという考えのもと、輝度に関する成分として照明成分を使用し、これを重みWとして使用する。これにより、人の視覚認知の特性に合わせた画像処理を行えることが期待できる。
なお、第2の実施形態で説明した場合と同様に、照明成分に基づき重みWを求める処理を行うようにしてもよい。また、第3の実施形態で説明した場合と同様に、シーンに応じ、照明成分に基づき重みWを求める処理を変更してもよい。
[第5の実施形態]
さらに、第5の実施形態について説明を行う。
第5の実施形態では、ユーザの指示により、重みWを変更する。
以上説明した例では、特徴量抽出部12が、予め定められた方法により重みWを設定していたが、重みWをユーザが、調整できるようにすることもできる。具体的には、ユーザは、輝度に関する成分である輝度成分Iや照明成分の補正を行うことで、画像処理の程度を調整することができる。つまり、被処理画像Hの印象を見本画像Mの印象に反映させる程度を調整することができる。例えば、表示装置20に表示された、大、中、小のラジオボタンにより、ユーザが画像処理の程度を選択する。これにより、小→中→大に行くに従い、画像処理の程度が大きくなり、被処理画像Hの印象が見本画像Mの印象に近づいていく。また、表示装置20に表示されたスライドバーを操作することで、ユーザが調整を行うこともできる。
なお、輝度成分Iや照明成分ではなく、直接、重みWを調整するようにしてもよい。
第5の実施形態によれば、画像処理後の被処理画像H’として、ユーザが希望する画質のものを得やすくなる。
<画像処理システム1の動作の説明>
次に、画像処理システム1の動作について説明する。
図9は、画像処理システム1の動作について説明したフローチャートである。
まず、色変換部11が、被処理画像Hおよび見本画像Mの画像情報を取得する(ステップ101)。これは、例えば、予め用意された画像から、ユーザが、入力装置30を使用して、被処理画像Hおよび見本画像Mを選択することで行うことができる、
次に、色変換部11が、取得した画像情報を色変換し、色度成分P、T、および輝度成分Iを取得する(ステップ102)。
さらに、特徴量抽出部12が、被処理画像Hおよび見本画像Mについて、特徴量を抽出する(ステップ103)。このとき、特徴量抽出部12は、第1の実施形態〜第4の実施形態で上述した方法のように、輝度成分Iに基づく重みWを使用して、これらの画像の特徴量を抽出する。
そして、成分調整部13が、被処理画像Hの特徴量を見本画像Mの特徴量に合わせる処理を行う(ステップ104)。これにより、画像処理後の被処理画像H’が作成される。
画像処理後の被処理画像H’は、画像処理前の被処理画像Hと併せて、表示装置20に表示される。
<プログラムの説明>
なお本実施の形態における画像処理装置10が行う処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、画像処理装置10の内部に設けられた図示しないCPUが、画像処理装置10の各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
よって画像処理装置10が行う処理は、コンピュータに、画像の印象を見本画像Mに合わせる画像処理を行う被処理画像Hおよび見本画像Mについて、輝度に関する成分を抽出する機能と、画像を構成する各画素が有する画素値を基に、画素値を輝度に関する成分に基づく重みWで重み付けをして、被処理画像Hおよび見本画像Mについての特徴量を抽出する機能と、被処理画像Hの特徴量を見本画像Mの特徴量に合わせ調整する機能と、を実現させるためのプログラムとして捉えることもできる。
なお、上述した例では、数2式および数3式で示したように、相加平均および標準偏差を求める際に、双方とも重みWを使用したが、何れか一方であってもよい。
また上述した例では、平均として相加平均を使用したが、これに限られるものではなく、相乗平均等であってもよい。また上述した例では、散布度として標準偏差を使用したが、これに限られるものではなく、二乗平均平方根、分散など種々の指標を用いてもよい。
さらに上述した例では、色変換部11で、RGBデータをIPTデータに変換したが、色度成分と輝度成分に分離できる色空間での色度データであれば、これに限られるものではない。例えば、IPTデータの代わりにCIELデータ、Lαβデータ、CAMO2データ、HSVデータ等に変換してもよい。ただしCIEL色空間などのユーザの知覚量と均等な色空間を利用したり、ユーザの心理物理的な見えを考慮したCIECAM2やiCAMによる色変換を利用することで、より的確な特徴量が取得でき、画像処理後の印象がより自然となりやすい。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、種々の変更または改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1…画像処理システム、10…画像処理装置、11…色変換部、12…特徴量抽出部、13…成分調整部、14…シーン解析部、20…表示装置、H…被処理画像、M…見本画像

Claims (15)

  1. プロセッサを備え、
    前記プロセッサは、
    画像の印象を見本画像に合わせる画像処理を行う被処理画像および当該見本画像について、輝度に関する成分を抽出し、
    画像を構成する各画素が有する画素値を基に、当該画素値を前記輝度に関する成分に基づく重みで重み付けをして、前記被処理画像および前記見本画像についての特徴量を抽出し、
    前記被処理画像の特徴量を前記見本画像の特徴量に合わせ調整する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記プロセッサは、
    前記被処理画像および前記見本画像を構成する各画素が有する画素値の平均および散布度を特徴量として算出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記プロセッサは、
    前記平均を、各画素が有する画素値を前記重みで重み付けした加重平均として算出し、前記散布度を、各画素が有する画素値を前記重みで重み付けした上で当該加重平均を用いることで求められる標準偏差として算出することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記プロセッサは、
    前記輝度に関する成分に基づく重みで重み付けをして、前記被処理画像の特徴量を前記見本画像の特徴量に合わせ調整することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記プロセッサは、
    前記被処理画像を構成する各画素が有する画素値を、前記重みで重み付けをしてアルファブレンドすることで、当該被処理画像の特徴量を前記見本画像の特徴量に合わせ調整することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記プロセッサは、前記輝度に関する成分と前記重みとの関係が単調増加関数となるように、当該重みを設定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記プロセッサは、前記輝度に関する成分を前記重みとすることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記プロセッサは、前記輝度に関する成分と前記重みとの関係が非線形の単調増加関数となるように、当該重みを設定することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  9. 前記プロセッサは、前記見本画像のシーンに応じて前記重みを変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  10. 前記プロセッサは、前記見本画像が夜景のときに、前記輝度に関する成分と前記重みとの関係が単調減少関数となるように、当該重みを設定することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記プロセッサは、前記見本画像が夜景以外のときに、前記輝度に関する成分と前記重みとの関係が単調増加関数となるように、当該重みを設定することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記プロセッサは、前記輝度に関する成分の補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  13. 前記プロセッサは、前記輝度に関する成分の補正を行うことで、画像処理の程度を調整することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 画像を表示する表示装置と、
    前記表示装置に表示される被処理画像に対し画像処理を行う画像処理装置と、
    を備え、
    前記画像処理装置は、プロセッサを備え、
    前記プロセッサは、
    画像の印象を見本画像に合わせる画像処理を行う被処理画像および当該見本画像について、輝度に関する成分を抽出し、
    画像を構成する各画素が有する画素値を基に、当該画素値を前記輝度に関する成分に基づく重みで重み付けをして、前記被処理画像および前記見本画像についての特徴量を抽出し、
    前記被処理画像の特徴量を前記見本画像の特徴量に合わせ調整する
    ことを特徴とする画像処理システム。
  15. コンピュータに、
    画像の印象を見本画像に合わせる画像処理を行う被処理画像および当該見本画像について、輝度に関する成分を抽出する機能と、
    画像を構成する各画素が有する画素値を基に、当該画素値を前記輝度に関する成分に基づく重みで重み付けをして、前記被処理画像および前記見本画像についての特徴量を抽出する機能と、
    前記被処理画像の特徴量を前記見本画像の特徴量に合わせ調整する機能と、
    を実現させるためのプログラム。
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