JP2021156706A - 耐火煉瓦の摩耗量を評価する評価方法 - Google Patents

耐火煉瓦の摩耗量を評価する評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐火煉瓦の評価方法を提供する。【解決手段】複数の耐火煉瓦が敷き詰められたキルンシェル内部の耐火煉瓦の摩耗量を評価する評価方法であって、3Dレーザースキャナを用いて、前記キルンシェル内部の複数箇所をスキャニングするステップと、前記スキャニングで得られた点群データから前記キルンシェル内部の3D画像データを作製するステップと、前記作製した3D画像データに基づいて前記キルンシェルの中心軸から前記耐火煉瓦の表面までの距離を算出するステップと、予め測定した前記キルンシェルの半径と、前記算出したキルンシェルの中心軸から前記耐火煉瓦の表面までの距離との差を前記耐火煉瓦の残厚として算出するステップと、を少なくとも含む。【選択図】図6

Description

本発明は、キルン内において、シェルに内張りされた耐火煉瓦の摩耗量を評価する評価方法に関する。
従来から、ロータリーキルン内部の表面に設けられた耐火煉瓦の摩耗状況を把握する方法として、キルンシェル内部に作業担当者が立ち入り、スケール等の計測器を用いて、直接測定する方法が用いられている。
特許文献1では、石油精製プラントや石油化学プラント等に設置される熱交換器チューブの腐食減肉調査において、一部の管を抜き取り、抜き取った管を縦半分に切断し半割加工を施し、半割加工により露出した管を、半割管の内面と半割管の外面をそれぞれ3Dスキャナでスキャンし、三次元形状データを算出し、三次元形状データから減肉量を算出している。
特許文献2では、キルンシェルの内径側に耐火物が設けられているキルンシェル内でレーザー光線を、キルンシェルの中心軸方向にキルンシェルと平行に照射し、レーザー光線から耐火物までの寸法を測定し、耐火物の厚さを測定している。
特許文献3では、炉体内部の耐火被覆部の厚さを測定するため、可動の台車に測定装置を取り付け、散乱されたレーザー光束の移動量から、炉体内部の耐火被覆部の残存厚さを求め、二次元の等圧線で残存厚さを分布図で表している。
特開2020−003420号公報 特開2005−195380号公報 特開H01−114705号公報
しかしながら、キルンシェル内の耐火煉瓦(以下、単に煉瓦ともいう。)の摩耗量は、煉瓦の一部のみを作業担当者がスケール等を用いて測定している。そのため、上部や手の届かない範囲は、目視によって異常がないか判断するため、作業担当者によって評価が異なる恐れがある。その結果、煉瓦の張り替え範囲の決定や、摩耗量予測を統一的に管理することが容易ではない。
一方、インフラ調査におけるトンネル内部の計測、路面計測などには3Dレーザースキャナが用いられている。3Dレーザースキャナは、現場のありのままの姿を膨大な点群データで3D画像データを作製することができ、その3D画像データをもとに、寸法計測や体積の算出、さらに2D作図を行うことも可能である。その他にも、現場作業の時間・人員の大幅削減や安全の確保、作業担当者による測定誤差がない、複雑な形状の測定が可能になる等のメリットがある。
特許文献1では、測定対象物が、大きい構造を有していたり、ロータリーキルン等のように一部を抜き取ることができない場合には、測定対象物の厚さを計測することは困難である。また、特許文献2および特許文献3では、キルンシェル内の全ての箇所の耐火物の厚さを測定するには非常に手間と時間がかかる。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、キルンシェル内の耐火煉瓦の摩耗量を把握し、耐火煉瓦の適切な管理を可能とする評価方法を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の評価方法は、複数の耐火煉瓦が敷き詰められたキルンシェル内部の耐火煉瓦の摩耗量を評価する評価方法であって、3Dレーザースキャナを用いて、前記キルンシェル内部の複数箇所をスキャニングするステップと、前記スキャニングで得られた点群データから前記キルンシェル内部の3D画像データを作製するステップと、前記作製した3D画像データに基づいて前記キルンシェルの中心軸から前記耐火煉瓦の表面までの距離を算出するステップと、予め測定した前記キルンシェルの半径と、前記算出したキルンシェルの中心軸から前記耐火煉瓦の表面までの距離との差を前記耐火煉瓦の残厚として算出するステップと、を少なくとも含むことを特徴としている。これにより、キルンシェル内全体の耐火煉瓦の摩耗状態を把握することが可能となる。
(2)また、本発明の評価方法において、前記キルンシェルの中心軸と直交する断面上で、前記キルンシェルの半径を初期位置から予め定められた角度まで回転させ、回転後の前記キルンシェルの半径と前記回転後のキルンシェルの半径上の中心軸から耐火煉瓦表面までの距離を用いて、耐火煉瓦の残厚を算出することを特徴としている。これにより、耐火煉瓦の摩耗状態をより正確に把握することが可能となる。
(3)また、本発明の評価方法において、前記キルンシェルの中心軸と直交する2つの断面上で、前記キルンシェルの半径を初期位置から予め定められた角度まで回転させたときに、回転前後における前記半径と前記キルンシェルの内周との4つの交点から評価範囲を定め、前記評価範囲内で最小の残厚を前記評価範囲の残厚とすることを特徴としている。これにより、耐火煉瓦の摩耗状態をより正確に把握することが可能となる。評価範囲において、2つの断面間の距離は、1cm以上10cm以下が好ましい。また、評価範囲において、半径の回転角は、3度以下が好ましく、1度以上3度以下がより好ましい。
(4)また、本発明の評価方法において、前記キルンシェルの中心軸と直交する2つの断面上で、前記キルンシェルの半径を初期位置から予め定められた角度まで回転させたときに、回転前後における前記半径と前記キルンシェルの内周との4つの交点から評価範囲を定め、前記評価範囲内の残厚の平均値を前記評価範囲の残厚とすることを特徴としている。これにより、耐火煉瓦の摩耗状態をより正確に把握することが可能となる。評価範囲において、2つの断面間の距離は、1cm以上10cm以下が好ましい。また、評価範囲において、半径の回転角は、3度以下が好ましく、1度以上3度以下がより好ましい。
(5)また、本発明の評価方法において、前記点群データから取得した前記各耐火煉瓦の座標値、および、前記評価範囲に基づいて、2次元的に前記各耐火煉瓦の摩耗量を示す展開図を作製するステップをさらに含み、前記展開図は、前記各評価範囲の残厚に応じて色分けされていることを特徴としている。これにより、耐火煉瓦の摩耗状態、分布などを容易に把握することができ、張り替えが必要な耐火煉瓦も容易に特定することが可能となる。
(6)また、本発明の評価方法において、前記展開図において、残厚が、所定の閾値以下となっている評価範囲を特定する情報を付加するステップをさらに含むことを特徴としている。これにより、煉瓦の張り替え範囲の決定や、摩耗量予測を統一的に管理することが可能となる。
(7)また、本発明の評価方法において、前記キルンシェルの中心軸と直交する2つの断面間の距離は、1cm以上10cm以下であることを特徴としている。これにより、耐火煉瓦1個の表面の残厚を、複数の評価範囲、つまり、3Dコンター図および2Dコンター図において複数のマスで表現されるため、個々の耐火煉瓦の摩耗状態を正確に把握することが可能となる。
(8)また、本発明の評価方法において、前記予め定められた角度は、3度以下であることを特徴としている。これにより、耐火煉瓦1個の表面の残厚を、複数の評価範囲、つまり、3Dコンター図および2Dコンター図において複数のマスで表現されるため、個々の耐火煉瓦の摩耗状態を正確に把握することが可能となる。
本発明によれば、キルンシェル内部全面の形状の3D画像データを作製し、3D画像データから各耐火煉瓦の残厚を把握することができる。その結果、煉瓦の張り替え範囲の決定や、摩耗量予測を統一的に管理することが可能となる。
キルンシェル内をスキャニングする様子を示す図である。 キルンシェルの概略とキルンシェルの3D画像データを示す図である。 基準座標の調整過程を示す図である。 キルンシェルの中心軸(Z軸)方向の断面の概略を示す図である。 評価範囲を示す図である。 キルンシェル内全体の耐火煉瓦の残厚を示す3Dコンター図である。 3Dコンター図およびそれを展開したキルン展開図を示す概略図である。 キルン展開図の一部を示す図である。 3Dコンター図から作製したキルン展開図(2Dコンター図)である。 張り替え可否を示したキルン展開図である。 摩耗量(残厚)の予測方法を示す図である。
本発明者らは、キルンシェル内部に内張りされた複数の耐火煉瓦の摩耗状態を正確に把握することが困難であることに着目し、3Dレーザースキャナを用いて、キルンシェル内部全面の形状の3D画像データを作製し、3D画像データから各耐火煉瓦の残厚を把握できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の評価方法は、複数の耐火煉瓦が敷き詰められたキルンシェルの内部耐火煉瓦の摩耗量を評価する評価方法であって、3Dレーザースキャナを用いて、前記キルンシェル内部の複数箇所をスキャニングするステップと、前記スキャニングで得られた点群データから前記キルンシェル内部の3D画像データを作製するステップと、前記作製した3D画像データに基づいて前記キルンシェルの中心軸から前記耐火煉瓦の表面までの距離を算出するステップと、予め測定した前記キルンシェルの半径と、前記算出したキルンシェルの中心軸から前記耐火煉瓦の表面までの距離との差を前記耐火煉瓦の残厚として算出するステップと、を少なくとも含むことを特徴としている。これにより、本発明者らは、キルンシェル内すべての耐火煉瓦の残厚を把握することを可能とした。以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
セメントは、石灰石、粘土、けい石などの主原料を粉砕、乾燥、混合させ粉体原料を作製する原料・粉砕工程、原料・粉砕工程で作製した粉体原料を所定の温度になるまで加熱し、焼成させ、化学反応を起こすことで、セメントの元となるクリンカを生成する焼成工程、そして、焼成工程で生成されたクリンカに石こうを加え、細かい粉末になるまで粉砕する仕上げ工程を経て製造される。
焼成工程では、ロータリーキルンと呼ばれる円筒状の回転窯を用いてクリンカが生成される。ロータリーキルンの内周側には、耐火煉瓦が隙間なく内張りされており、キルンの高温に耐える構造となっている。内張された耐火煉瓦は、焼成工程において、高温にさらされ、原料に接触するなどして摩耗するため、定期的に摩耗した耐火煉瓦を取り換える必要がある。
本実施形態では、3Dレーザースキャナを用いて、ロータリーキルンの内部の3D画像データを作製し、耐火煉瓦の残厚を算出し、耐火煉瓦の摩耗量を評価する。耐火煉瓦の摩耗量の評価方法について、以下に説明する。
(摩耗量の評価方法)
[1.3Dレーザースキャナ]
本実施形態で用いる3Dレーザースキャナについて説明する。本実施形態では、3Dレーザースキャナは、FARO社製の三次元測定器を用いた。3Dレーザースキャナの測定方式は、非接触方式を採用し、3Dスキャナによる測定原理は、位相差方式を用いている。位相差方式は、測定対象物にレーザー光を照射し、レーザー光の放射波と反射波との位相差により、測定対象との距離を測る方法であり、測定対象上の三次元座標を取得することができる。また、本実施形態で用いる3Dレーザースキャナは、計測部が360度垂直回転し、本体全体が180度水平回転する構造を有している。このように、計測部を360度回転させながら、本体全体を180度水平回転するため、短時間で高精度のデータを取得することが可能となる。具体的には、4000万点/3分間の座標を計測することが可能となる。
[2.耐火煉瓦の摩耗量の測定]
(1)3Dレーザースキャナによるスキャニング
図1は、キルンシェル内部を3Dレーザースキャナでスキャニングする様子を示す図である。まず、図1に示すように、耐火煉瓦の摩耗量を測定するために、キルンシェル100の内部を、3Dレーザースキャナ11を用いてスキャニングする。測定対象物であるキルンシェル100は、円筒状のキルンシェルであり、耐火煉瓦が内張りされている。キルンシェル100の全長は54m、キルンシェル100の半径(設計値)は3.5mである。また、内張りされている耐火煉瓦の1個の大きさ(摩耗前)は、縦10cm×横20cm×高さ20cmである。
上述した3Dレーザースキャナ11(FARO社製)を使用し、スキャンスピード約12万点/秒、精度:±2mm(範囲〜130m)、10m距離における測定ピッチ6.3mmで、測定を行う。キルンシェルの半径は、煉瓦摩耗量算出の基準面(以下、単に基準面ともいう)となるため、キルンシェル100の内壁が露出している箇所も測定を行う。なお、キルンシェル100の半径は、設計値を用いてもよい。
測定間隔は10mとし、キルンシェル100内部にランダムに配置した複数のリファレンスボール13を目印として、各測定で得られた複数の点群データ合成を行う。このように、リファレンスボール13等の目印を置くことで、各画像(点群データ)の繋ぎ合わせが容易となる。
なお、点群データの点数が煉瓦1枚あたり10点以上得る場合は、点群は照射角度や対象物の凹凸により整列した状態にならないため、計測データの点数が適切になるよう、機器の設定を行う。また、本実施形態の測定対象物であるキルンシェル100においては、10m距離における測定ピッチは5〜15mmが好ましく、12mm程度がより好ましい。また、3Dレーザースキャナ11の移動・設置間隔は10〜20mが好ましく、15mがより好ましい。
図2(a)は、測定対象物であるキルンシェル100の概略を示す図である。図2(b)は、図2(a)を3Dレーザースキャナで測定した3D画像データ(点群データ)のうち、縦2.4m×横2.8m程度の範囲を示した図である。図2(b)に示すように、3D画像データ(点群データ)から各耐火煉瓦の摩耗状態がわかる。このように、3Dレーザースキャナを用いて、キルンシェル100内部をスキャニングすることで、キルンシェル100内部の形状や特徴を正確に取得することができる。
(2)基準座標の調整
次に、スキャニングにより取得したキルンシェルの三次元座標データ(以下、3D画像データともいう。)を用いて、キルンシェルのフランジ部分の断面の中心部分が、三次元座標の原点となるように、3D画像データの基準座標を調整する。基準座標の調整作業について、以下説明する。
図3は、基準座標の調整過程を示す図である。まず、スキャニングにより取得した3D画像データのキルンシェル200において、キルンシェルの中心軸をZ軸とし、耐火煉瓦が除去されキルンシェルの内壁が露出している箇所(図3(a)シェル露出部分B)を直径とする円筒を、Z軸方向に延長し(図3(a)矢印)、耐火煉瓦の摩耗量を算出する際に基準となる基準面を作製する(図3(a))。なお、残厚0mmの基準面は、測定により得られた値(耐火煉瓦が除去されキルンシェル100が露出している箇所の直径)ではなく、キルンシェル100の半径の設計値を用いて、残厚0mmの基準面を作製することもできる。また、キルンシェル100外部を3Dレーザースキャナでスキャニングし、外部の形状を示す点群データおよびキルンシェル100の厚さ(設計値)を用いて、キルンシェル100の半径を算出し、残厚0mmの基準面としてもよい。
次に、スキャニングで取得した点群データを、直交座標から、3D画像データで表されたキルンシェル200のフランジ面の中心部分を三次元座標の原点とする円柱座標に変換を行う(図3(b))。
(3)耐火煉瓦の残厚の算出
図4は、キルンシェルの中心軸(Z軸)と直交する断面の概略を示す図である。耐火煉瓦の残厚は、キルンシェルの半径をr1とし、中心軸から耐火煉瓦表面21までの距離をr2とすると、r1−r2により算出することができる。このように、キルンシェル内全体の各耐火煉瓦の残厚を算出することで、耐火煉瓦の摩耗状態を把握することができる。具体的には、例えば、算出例1から算出例3のように算出することにより、キルンシェル内全体の各耐火煉瓦の残厚を算出する。
(算出例1)
図4に示すように、3D画像データのキルンシェル200の中心軸と直交する断面上で、3D画像データのキルンシェル200の半径を、初期位置から予め定められた角度(θ)まで回転させ、回転後のキルンシェルの半径(r1)と回転後のキルンシェルと同半径上の中心軸から耐火煉瓦表面21までの距離(r2)を用いて、耐火煉瓦の残厚を算出する。この作業を、断面上360度行い、中心軸方向の一定間隔(t)の断面上においても同様に行う。これにより、キルンシェル内全ての耐火煉瓦の残厚を把握することが可能となる。
(算出例2)
図5(a)(b)に示すように、3D画像データのキルンシェル200において、キルンシェル200の中心軸と直交する2つの断面上で、3D画像データのキルンシェル200の半径を、初期位置から予め定められた角度(θ)まで回転させたときに、回転前後における3D画像データのキルンシェル200の半径と3D画像データのキルンシェル200の内周との4つの交点から評価範囲Aを定め、評価範囲A内で最小の残厚を評価範囲Aの残厚とする。この作業を、断面上360度行い、中心軸方向の一定間隔(t)の断面上においても同様に行う。なお、2つの断面間の距離は、中心軸方向の一定間隔(t)である。これにより、キルンシェル内全ての耐火煉瓦の残厚を把握することが可能となる。
(算出例3)
また、図5(a)(b)に示すように、3D画像データのキルンシェル200において、キルンシェルの中心軸と直交する2つの断面上で、3D画像データのキルンシェル200の半径を初期位置から予め定められた角度(θ)まで回転させたときに、回転前後における3D画像データのキルンシェル200の半径と3D画像データのキルンシェル200の内周との4つの交点から評価範囲Aを定め、評価範囲A内の残厚の平均値を評価範囲の残厚とする。この作業を、断面上360度行い、中心軸方向の一定間隔(t)の断面上においても同様に行う。なお、2つの断面間の距離は、中心軸方向の一定間隔(t)である。これにより、キルンシェル内全ての耐火煉瓦の残厚を把握することが可能となる。
算出例1から算出例3の方法を用いることで、キルンシェル内全ての耐火煉瓦の残厚を正確に把握することが可能となる。なお、本実施形態では、θ=3度、t=5cmとして算出した。
(4)3Dコンター図の作製
図6は、キルンシェル内一部の耐火煉瓦の残厚を示す3Dコンター図である。図6は、残厚0mmの基準面として、(3)で説明したように、各断面の各角度で耐火煉瓦の残厚を算出し、3D画像データに取り込むことにより作製した3Dコンター図である。なお、図6は、キルンシェル全長54mのうち、20m程度の範囲を示したものである。このように、キルンシェル内全体の耐火煉瓦の残厚を示す3Dコンター図を作製することにより、キルンシェル内全体の耐火煉瓦の摩耗量を容易に把握することが可能となる。その結果、耐火煉瓦の張り替えが必要な範囲を、容易かつ統一的に判断することができる。
耐火煉瓦の残厚を算出する際に用いた、予め定められた角度(θ)および中心軸方向の一定間隔(t)によって定まる評価範囲は、3Dコンター図の1マスに該当することとなる。個々の煉瓦の摩耗状態を把握することが好ましいため、耐火煉瓦1個の表面を、3Dコンター図の複数のマスで表現するよう、角度(θ)を設定する必要がある(詳細は後述する)。本実施形態においては、キルンシェルの大きさ、耐火煉瓦の大きさから、θ=3度以下が好ましく、1度以上3度以下がより好ましい。
[3.キルン展開図]
キルンシェル内には、複数の耐火煉瓦が敷き詰められているため、耐火煉瓦の残厚の算出後、どの耐火煉瓦を張り替える必要があるか、張り替えが必要な耐火煉瓦の位置や数を把握する必要がある。本実施形態では、耐火煉瓦の位置や数を把握する方法として、キルンシェル内全体の耐火煉瓦の残厚を表した3Dコンター図を展開した展開図(以下、キルン展開図と呼称する。)を用いる。キルン展開図について、以下に説明する。
(1)キルン展開図の作製
図7(a)(b)は、3Dコンター図およびそれを展開したキルン展開図を示す概略図である。図8(a)(b)は、キルン展開図の一部を示す図である。図7(b)に示すキルン展開図は、図7(a)に示すように、3Dコンター図を、中心軸と直交する断面の円周方向を縦軸、中心軸方向を横軸として展開することで作製することができる。つまり、図6に示したキルンシェル内全体の耐火煉瓦の残厚を示す3Dコンター図を、円周方向を縦軸、中心軸方向を横軸として展開し、キルン展開図を作製する。図8(b)は、図8(a)の点線囲い部分Xを拡大した図であり、中心軸方向に一定区間(t=5cm)ごとの断面において、円周方向3度ごとに区分けされた評価範囲ごとに算出した耐火煉瓦の残厚が、2Dコンター図で示されている。本実施形態の測定対象物であるキルンシェル内の耐火煉瓦のサイズは、図8に示す2Dコンター図の4マスに相当する。つまり、本実施形態で作製される3Dコンター図および2Dコンター図から、個々の煉瓦の摩耗状態を把握することが可能となる。
図9は、3Dコンター図から作製したキルン展開図(2Dコンター図)である。図9に示した2Dコンター図の1マスの大きさは、3Dコンター図で一定区間に区分けされた評価範囲に対応しており、θ(縦)=3度、t(横)=5cm(50mm)である。図9に示すように、2Dコンター図で表されたキルン展開図を用いることで、キルンシェル内全体の耐火煉瓦の摩耗量を容易に把握することが可能となる。また、個々の煉瓦の摩耗状態を把握することが可能であるため、全体の摩耗状況を把握することができるほか、張り替えが必要な耐火煉瓦の位置や数も把握することが可能となる。
[4.煉瓦の張り替え判断基準]
3Dコンター図やキルン展開図を用いることで、全体の摩耗状況を把握し、張り替えが必要な煉瓦を特定することが可能になることは上述した通りである。さらに、ここでは、作業者による煉瓦の張り替え範囲の決定を、統一的に管理することが可能となる方法について、説明する。
判断基準を統一する方法として、予め煉瓦残厚の閾値を設定する方法がある。例えば、取り換え対象とする煉瓦残厚の閾値を、100mmとし、計測した煉瓦残厚が閾値以上か未満かによって、キルン展開図のマスを色分けして表示することにより、即時に判断することが可能となる。図10は、張り替え可否を示したキルン展開図である。例えば、残厚が100mm以上の煉瓦を示すマスは白色、残厚が100mm未満の煉瓦を示すマスは黒色とし(図10(a))、キルン展開図に表示することで、統一された判断基準に基づき、煉瓦の張り替えを行うことが可能となる(図10(b))。本実施形態では、白と黒を用いたが、赤と青など他の色を用いてよく、補色などを用いるのがより好ましい。
[5.摩耗量(残厚)の予測]
ロータリーキルンは、定期的に休転し点検を行っている。キルンシェルの内部の耐火煉瓦についても、休転時に摩耗状況を把握し、取り換えを行っている。3Dレーザースキャナ等を用いて耐火煉瓦の残厚を都度記録しておくこと、各煉瓦の摩耗推移を把握することができる。例えば、図11に示すように、前回と前々回の点検結果(図11(a))から、次回の各煉瓦の摩耗量を予測することができ(図11(b))、煉瓦の取り換え作業を円滑に行うことが可能となる。さらに、点検結果のデータを蓄積していくことで、摩耗推移の傾向を把握することができ、その結果、煉瓦の摩耗推移の予測精度を高めることや、長期的な健全性の確認を行うことが可能である。
以上説明したように、キルンシェル内部全面の形状の3D画像データを作製し、3D画像データから各耐火煉瓦の残厚を把握することができる。その結果、煉瓦の張り替え範囲の決定や、摩耗量予測を統一的に管理することが可能となる。
100 キルンシェル
200 3D画像データのキルンシェル
11 3Dレーザースキャナ
13 リファレンスボール
21 耐火煉瓦表面
A 評価範囲
B シェル部分(基準面)

Claims (8)

  1. 複数の耐火煉瓦が敷き詰められたキルンシェル内部の耐火煉瓦の摩耗量を評価する評価方法であって、
    3Dレーザースキャナを用いて、前記キルンシェル内部の複数箇所をスキャニングするステップと、
    前記スキャニングで得られた点群データから前記キルンシェル内部の3D画像データを作製するステップと、
    前記作製した3D画像データに基づいて前記キルンシェルの中心軸から前記耐火煉瓦の表面までの距離を算出するステップと、
    予め測定した前記キルンシェルの半径と、前記算出したキルンシェルの中心軸から前記耐火煉瓦の表面までの距離との差を前記耐火煉瓦の残厚として算出するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする評価方法。
  2. 前記キルンシェルの中心軸と直交する断面上で、前記キルンシェルの半径を初期位置から予め定められた角度まで回転させ、回転後の前記キルンシェルの半径と前記回転後のキルンシェルの半径上の中心軸から耐火煉瓦表面までの距離を用いて、耐火煉瓦の残厚を算出することを特徴とする請求項1記載の評価方法。
  3. 前記キルンシェルの中心軸と直交する2つの断面上で、前記キルンシェルの半径を初期位置から予め定められた角度まで回転させたときに、回転前後における前記半径と前記キルンシェルの内周との4つの交点から評価範囲を定め、前記評価範囲内で最小の残厚を前記評価範囲の残厚とすることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
  4. 前記キルンシェルの中心軸と直交する2つの断面上で、前記キルンシェルの半径を初期位置から予め定められた角度まで回転させたときに、回転前後における前記半径と前記キルンシェルの内周との4つの交点から評価範囲を定め、前記評価範囲内の残厚の平均値を前記評価範囲の残厚とすることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
  5. 前記点群データから取得した前記各耐火煉瓦の座標値、および、前記評価範囲に基づいて、2次元的に前記各耐火煉瓦の摩耗量を示す展開図を作製するステップをさらに含み、
    前記展開図は、前記各評価範囲の残厚に応じて色分けされていることを特徴とする請求項3または請求項4記載の評価方法。
  6. 前記展開図において、残厚が、所定の閾値以下となっている評価範囲を特定する情報を付加するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5記載の評価方法。
  7. 前記キルンシェルの中心軸と直交する2つの断面間の距離は、1cm以上10cm以下であることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれかに記載の評価方法。
  8. 前記予め定められた角度は、3度以下であることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれかに記載の評価方法。
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