JP2021156015A - 建設作業支援システムおよび建設作業支援方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば下記特許文献1は、建設機械の周囲に注意喚起領域を適切に設定して、該注意喚起領域を、建設機械の周囲の人に適切に認識させることを目的としている。建設機械の周囲に注意喚起領域を設定し、該注意喚起領域に可視光情報を発生させる。注意喚起領域は、建設機械の旋回動作又は走行動作の動作状態(旋回速度、旋回方向、走行速度、走行方向)に応じて、位置又は大きさが変化するように設定される。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、作業管理者の負担を軽減しつつ、建設現場の安全性を向上させることにある。
本発明にかかる建設作業支援方法は、建設現場における作業を支援する建設作業支援方法であって、レーザスキャナにより前記建設現場の3次元点群データを取得する点群データ取得工程と、前記建設現場における建設対象物の3次元設計データと前記3次元点群データとを比較するデータ比較工程と、前記データ比較工程での比較結果に基づいて、前記建設現場で今後実施される作業内容と関連する注意事項を注意事項記憶部から抽出し、前記建設現場での作業に従事する作業員に提示する注意事項提示工程と、を含んだことを特徴とする。
図1は、実施の形態にかかる建設作業支援システムの概要構成を示す図である。
建設作業支援システム10は、建設現場における作業進捗を管理する。建設現場とは、ビルやマンション、倉庫などの建築建設現場であってもよいし、ダムや橋、トンネルなどの土木建設現場であってもよい。
建設作業支援システム10は、作業支援装置12、自動巡回移動体14(14A,14B)、設計データ作成装置16を備える。
作業支援装置12は、例えば建設現場の管理棟など建設現場の近傍に設置されており、建設現場の作業員や作業管理者等に利用される。図1では、作業支援装置12をノート型パソコンとして図示しているが、デスクトップ型パソコンやタブレット端末等であってもよい。
また、レーザスキャナ18に内蔵されたカメラによって計測箇所で画像を撮影し、画像の色やレーザの反射強度(計測対象の材質や色によって変化するレーザの反射具合)に応じて点群データを着色することもできる。
また、1か所からでは計測ができない計測対象の裏側や広範囲なエリアでも、複数のスキャンデータ間でターゲットを共通点にして合成したり、座標付けをすることができる。
また、ドローン14Aや台車ロボット14Bを自動巡回させるのではなく、遠隔操作により巡回およびスキャン作業を実施するようにしてもよい。
図1では、設計データ作成装置16をデスクトップ型パソコンとして図示しているが、ノート型パソコン等であってもよい。
設計データ作成装置16は、過去に建設した建設物の設計データ(後述するBIMモデル)である過去設計データ160(図2参照)を記憶している。設計者は、今回の建設対象物と類似する建設物の3次元設計データを、過去設計データ160内から検索し、類似する箇所を部分的に再利用したり、参考にしながら設計作業を行う。これにより、設計作業を効率化することができる。
BIMでは、コンピュータ上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを建設作業の各フェーズで活用する。BIMモデルは、建設対象物を構成する各部材(パーツ)の部材モデルを含んでいる。部材モデルには、部材の寸法(幅や奥行き、高さ等)に加え、素材や組み立てる工程(時間)なども含めることができる。
なお、3次元設計データはBIMモデルに限らず、同等の機能を実現できればどのような形式のデータであってもよい。
注意事項は、作業を行う際に注意すべき事項を具体的に指摘するテキスト(文言)であり、一般的な注意事項の他、過去の事故の事例なども考慮して作成されている。
より詳細には、設計者が建築対象物のBIMモデルを作成する際、過去設計データ160内のBIMモデルと類似する箇所を部分的に再利用したり、参考にする。この時、BIMモデルの再利用部分(または参考部分)の構成部品に注意事項(注意事項データ)が登録されている場合、現在作成中のBIMモデルの同種の部品に当該データをインポートすることにより、今回作成するBIMモデル内に注意事項を含めることができる。
また、例えば設計用アプリケーションに、現在設計中の建設対象物と類似度が高い過去データ内の注意事項を抽出する機能を持たせてもよい。設計者は、必要に応じて抽出された注意事項を、今回設計するBIMモデル内の部材モデル内に含ませる。類似度が高い、とは、例えば建物の用途や種類、構造、利用者層、施主が共通する場合などである。
作業支援装置12は、上記CPUが上記制御プログラムを実行することにより、点群データ取得部122、データ比較部124、注意事項提示部126、注意事項登録部128として機能する。
また、作業支援装置12の記憶領域(ストレージ)であるEEPROMには、建設現場での作業の注意事項を含むBIMモデルが記憶されている。すなわち、作業支援装置12の記憶領域は、BIMモデル記憶部120および注意事項記憶部120Aとして機能する。
なお、BIMモデルおよび注意事項の記憶場所は作業支援装置12内に限らず、作業支援装置12がアクセス可能な外部ストレージ等であってもよい。
BIMモデルには、建設対象物を構成する全ての部材が含まれているため、建設途中における3次元点群データと比較した場合でも、各点に対応する部材が存在するはずである。
例えば心材が露出した状態の壁をスキャンした点群データとBIMモデルとを比較すると、点群としてスキャンされた心材の位置とBIMモデル上の心材の位置が略一致する。
よって、データ比較部124は、建設現場上の同一領域に対応する3次元点群データとBIMモデルとを比較して、それぞれの部材の存在範囲に点群が存在する否かを判断する。
1.未着手:注目する部品の存在範囲に点群データが存在しない。
2.完了:注目する部品の形状と当該部分の点群データの形状との誤差が所定範囲内に収まっている。
3.仕掛:注目する部品の形状と当該部分の点群データの形状との誤差が所定範囲内に収まっていないが、注目する部品の存在範囲に点群データは存在する。
なお、分類判定の誤りを防止するため、データ比較部124による部材の分類結果(特に「完成」について)は、作業管理者等が実際に部材の作業状況を確認してから承認するようにしてもよい。
注意事項提示部126は、例えば上記「仕掛」および「未着手」に分類された部品モデルに登録されている注意事項を抽出する。作業管理者(または作業員)は、抽出された注意事項から、現場での作業進捗状態に応じて今回のミーティング(朝礼や昼礼)で提示する注意事項を選択する。また、例えば注意事項提示部126が予め定められた作業予定(作業支援装置12に登録された作業予定データ)に基づいて、当日に作業予定の部材を特定し、この部材に関連づけられた注意事項を抽出するようにしてもよい。
注意事項提示部126は、例えばBIMモデルをフロアごとの平面図に展開するとともに、平面図上の部材を起点とする吹き出し内に上記の方法で抽出した注意事項を表示した資料を出力することにより注意事項を提示する。これらの平面図(資料)は、例えば印刷紙に印刷出力してもよいし、作業支援装置12のディスプレイ12A(図1参照)上に表示出力してもよい。例えばミーティング時に作業管理者が印刷出力された平面図を見ながら注意事項を作業員に伝えるようにしてもよい。
その他、例えば個々の作業員が携帯する携帯情報端末に注意事項を送信するなど、注意事項提示部126による注意事項の提示方法は、従来公知の様々な方法を採ることができる。
作業管理者や作業員は、例えば実際の建設現場で注意喚起すべき事項に気づいた場合には、注意事項登録部128に対して部材を指定して注意事項を登録する。また、例えば注意喚起したにもかかわらず、結果として建設現場で事故や不具合が発生した場合なども、次回以降の新たな注意事項として当該箇所(当該箇所に対応する部材)に登録する。
注意事項登録部128は、例えば作業管理者や作業員から新たな注意事項の入力を受けると、BIMモデル内の指定された部材モデル内に注意事項を含める。また、注意事項登録部128は、例えば設計データ作成装置16の過去設計データ160内に記憶された当該建設対象物のBIMモデルを更新し、次回以降の設計データに今回登録された注意事項を反映できるようにしてもよい。
設計者は、設計データ作成装置16の過去設計データ160(注意事項を含む)を利用しながら今回の建設対象物のBIMモデル(3次元設計データ)を作成する(ステップS300)。作成されたBIMモデルは、建設対象物の建設現場に設置される作業支援装置12に記憶される(ステップS302)。なお、当該BIMモデルは、設計データ作成装置16にも過去設計データ160として記憶される。
つぎに、注意事項提示部126は、上記「仕掛」および「未着手」に分類された部品モデルに登録されている注意事項を抽出し、さらに作業管理者が今回のミーティングで提示する注意事項を選択する(ステップS312)。そして、注意事項提示部126は、フロアごとの平面図上に注意事項を表示した資料を出力する(ステップS314)。作業管理者等は、例えば上記資料を見ながら作業員に対して注意喚起を行う。また、作業員が直接上記資料を見て注意箇所を確認するようにしてもよい。
建設現場では、作業についての注意喚起が日々実施されており、そのための準備が作業管理者や作業員にとって大きな負担となる場合がある。建設作業支援システム10で自動的に注意事項を抽出することにより、作業管理者等の負担を軽減し、その分他の業務に多くの時間を割くことができ、建設現場での生産性を向上させる上で有利となる。
また、本実施の形態では、3次元設計データの部材モデル中に注意事項を関連づけるので、部材単位で注意事項を設定することができ、きめ細かい注意喚起が可能となり、建設現場の安全性を向上させる上で有利となる。
また、他の建設物を設計する際に3次元設計データを流用することにより、簡単に注意事項を引き継ぐことができ、作業管理者や設計者等の負担を軽減する上で有利となる。
また、本実施の形態のように自動巡回移動体14により3次元点群データを取得すれば、作業員等が建設現場を巡回してスキャンを行うのと比較して、作業員等の負担を軽減し、建設作業の効率を向上させる上で有利となる。
12 作業支援装置
120 BIMモデル記憶部
120A 注意事項記憶部
122 点群データ取得部
124 データ比較部
126 注意事項提示部
128 注意事項登録部
14 自動巡回移動体
16 設計データ作成装置
160 過去設計データ
18 レーザスキャナ
Claims (5)
- 建設現場における作業を支援する建設作業支援システムであって、
前記作業に関する注意事項を記憶する注意事項記憶部と、
レーザスキャナにより前記建設現場の3次元点群データを取得する点群データ取得部と、
前記建設現場における建設対象物の3次元設計データと前記3次元点群データとを比較するデータ比較部と、
前記データ比較部の比較結果に基づいて、前記建設現場で今後実施される作業内容と関連する前記注意事項を前記注意事項記憶部から抽出し、前記建設現場での作業に従事する作業員に提示する注意事項提示部と、
を備えることを特徴とする建設作業支援システム。 - 前記3次元設計データは、前記建設対象物を構成する各部材の部材モデルを含んでおり、
前記注意事項は、個々の前記部材モデルに関連づけられている、
ことを特徴とする請求項1記載の建設作業支援システム。 - 前記部材モデルに対して新たな前記注意事項を関連づける注意事項登録部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2記載の建設作業支援システム。 - 前記レーザスキャナを搭載し、前記建設現場を自動巡回する自動巡回移動体をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の建設作業支援システム。
- 建設現場における作業を支援する建設作業支援方法であって、
レーザスキャナにより前記建設現場の3次元点群データを取得する点群データ取得工程と、
前記建設現場における建設対象物の3次元設計データと前記3次元点群データとを比較するデータ比較工程と、
前記データ比較工程での比較結果に基づいて、前記建設現場で今後実施される作業内容と関連する注意事項を注意事項記憶部から抽出し、前記建設現場での作業に従事する作業員に提示する注意事項提示工程と、
を含んだことを特徴とする建設作業支援方法。
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