JP2021156011A - 作業機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】受信機による測位結果が利用不能な状況で、旋回体の旋回動作があっても掘削支援制御を継続可能な作業機械を提供すること。【解決手段】目標掘削面60を超えないように作業装置1Aを制御するコントローラ40と、走行体11に対する旋回体12の旋回角を検出する旋回角度センサ19とを油圧ショベルに備える。コントローラ40は、受信機17cによる測位結果が利用不能な場合、かつ、走行体11に対する走行操作が入力されていない場合、かつ、旋回体12に対する旋回操作が入力されている場合、受信機による測位結果が利用可能なときに測位される第1方位角φ1と、第1方位角が測位されたときに旋回角度センサ19により検出された第1旋回角θsw1と、受信機による測位結果が利用不能なときに旋回角度センサ19により検出された第2旋回角θsw2とに基づいて、受信機による測位結果が利用不能なときの第2方位角ψを算出する。【選択図】 図10

Description

本発明は作業機械に関する。
油圧ショベルを代表とする作業機械の分野では、GNSS(Global Navigation Satellte System)を利用して、複数の測位衛星からの信号(衛星信号)を受信して作業機械のグローバル位置(グローバル座標系(地理座標系)における位置)を受信機で算出し、その算出した位置データを用いて、作業機によって所望の目標掘削面が形成されるようオペレータの掘削操作を支援する制御(掘削支援制御)を実行したり、オペレータに各種情報を提示したりする技術が知られている。例えば、作業機械の掘削対象の完成形状を規定する目標掘削面は、3次元の設計データと作業機械の位置データに基づいて生成される。そのため、GNSSに基づく位置データの精度が低下したり、位置データの演算が不能になったりして受信機による測位結果が利用不能な状況になると、設計データから適切な目標掘削面が生成できず、作業機械の掘削支援制御や情報の提示が困難になり得る。また、位置データの精度低下等で掘削支援制御が一旦中断された場合には、掘削支援制御を再開する操作が必要となるため、オペレータの負担が増加したり、作業効率が低下したりし得る。
この種の課題に関して、特許文献1には、作業機(フロント作業装置)による掘削制御(掘削支援制御)を実行中に位置検出装置が基準位置データ(衛星信号)を受信できなくなることにより目標掘削地形情報(目標掘削面)を生成できなくなった場合において、作業機械(油圧ショベル)の走行が停止し、かつ作業機の旋回が停止している場合には、基準位置データを受信できなくなる前の目標掘削地形情報を用いて掘削制御を継続し、作業機械が走行しているか又は作業機が旋回している場合には掘削制御を終了する、作業機械の制御システムが開示されている。
国際公開第2015/181990号
特許文献1では、衛星信号(基準位置データ)を受信できない場合であっても、作業機の旋回が停止し、かつ作業機械の走行が停止している場合には、掘削支援制御を継続できる。しかし、作業機の旋回動作(換言すると作業機が取り付けられた上部旋回体の旋回動作)は、機体左右方向において掘削箇所を変更するときや、掘削した土砂等をダンプトラックなどに放出するとき等に行われる動作であり、掘削作業中は走行動作に比して頻繁に行われる。そのため、特許文献1の技術では旋回動作の都度、掘削支援制御が終了することとなる。すなわち、特許文献1の技術では掘削支援制御を実行できる場面は非常に限定的であり、従前と比較して作業効率が著しく向上することは困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、衛星信号に基づいて演算される作業機械の位置データが掘削支援制御に利用できない状況で、旋回体の旋回動作があっても掘削支援制御を継続可能な作業機械を提供することにある。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、走行体と、
前記走行体の上に旋回可能に取り付けられた旋回体と、前記旋回体に取り付けられた作業装置と、前記走行体の走行動作及び前記旋回体の旋回動作を指示する操作装置と、複数の測位衛星から送信される衛星信号を受信するための複数のアンテナと、前記複数のアンテナで受信された衛星信号に基づいて、前記複数のアンテナのうち少なくとも1つのアンテナの位置と前記旋回体の方位角とを測位する受信機と、前記受信機により測位された前記少なくも1つのアンテナの位置と前記旋回体の方位角とに基づいて目標掘削面を演算し、前記操作装置の操作中に前記作業装置が前記目標掘削面を超えないように前記作業装置を制御するための制御信号を出力するコントローラとを備えた作業機械において、前記走行体に対する前記旋回体の旋回角を検出する角度センサを備え、前記コントローラは、前記受信機による測位結果が利用不能な場合、かつ、前記走行体に対する操作が前記操作装置に入力されていない場合、かつ、前記旋回体に対する操作が前記操作装置に入力されている場合には、前記受信機による測位結果が利用可能なときに前記受信機により測位された第1方位角と、前記第1方位角が測位されたときに前記角度センサにより検出された第1旋回角と、前記受信機による測位結果が利用不能なときの前記角度センサにより検出された第2旋回角とに基づいて、前記受信機による測位結果が利用不能なときの前記旋回体の第2方位角を算出し、前記第2方位角と前記受信機による測位結果が利用可能なときに前記受信機により測位された前記少なくとも1つのアンテナの位置とに基づいて前記目標掘削面を演算するものとする。
本発明によれば、衛星信号に基づいて演算される作業機械の位置データが掘削支援制御に利用できない状況において旋回体が旋回動作を行っても掘削支援制御を継続できる。
本発明の実施形態に係る油圧ショベルの構成図。 図1の油圧ショベルのコントローラを油圧駆動装置とともに示す図。 油圧ショベルにおける座標系(ショベル基準座標系)を示す側面図。 油圧ショベルにおける座標系(ショベル基準座標系)を示す背面視の図。 掘削支援制御システムの構成図。 掘削支援制御によるショベル動作の例を示す図。 方位角に対して旋回角の差分の加算を示す図。 掘削支援制御で利用される目標面距離dと補正係数kの相関図。 目標面距離dに応じた補正前後のバケット先端の速度ベクトルを表す模式図。 第1実施形態に関するフローチャートを示す図。 第2実施形態に関するフローチャートを示す図。 第2実施形態に関する方位角と旋回角の関係を示す図。 第2実施形態において角度の対応関係を記憶する処理のフローチャートを示す図。 第3実施形態に関するフローチャートを示す図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、以下では、作業機械として、作業装置の先端の作業具(アタッチメント)としてバケットを備える油圧ショベルを例示するが、バケット以外のアタッチメントを備える作業機械に本発明を適用してもよい。また、旋回可能な構造物の上に、複数のリンク部材(アタッチメント、ブーム、アーム等)を連結して構成される多関節型の作業装置を有するものであれば、油圧ショベル以外の作業機械への適用も可能である。
また、以下の説明では、同一の構成要素が複数存在する場合、符号の末尾にアルファベットを付すことがあるが、当該アルファベットを省略して当該複数の構成要素をまとめて表記することがある。例えば、同一の3つのポンプ190a、190b、190cが存在するとき、これらをまとめてポンプ190と表記することがある。
<第1実施形態>
図1は本発明の実施の形態に係る油圧ショベルの構成図であり、図2は本発明の実施形態に係る油圧ショベルのコントローラ(制御装置)40を油圧駆動装置と共に示す図である。
図1において、油圧ショベル1は、多関節型のフロント作業装置(作業装置)1Aと、車体(機械本体)1Bで構成されている。車体(機械本体)1Bは、左右の走行油圧モータ3a、3b(後の図4も参照)により走行する下部走行体11と、下部走行体11の上に取り付けられ、旋回油圧モータ4によって駆動され左右方向に旋回可能な上部旋回体12とからなる。
下部走行11は、左右一対の履帯13a,13b(図4参照)を有し、この一対の履帯13a,13bは一対の走行油圧モータ3a,3bによって駆動される。
フロント作業装置1Aは、垂直方向にそれぞれ回動する複数のフロント部材(ブーム8、アーム9及びバケット10)を連結して構成されており、上部旋回体12に取り付けられている。ブーム8の基端は上部旋回体12の前部においてブームピン8a(図3参照)を介して回動可能に支持されている。ブーム8の先端にはアームピン9a(図3参照)を介してアーム9が回動可能に連結されており、アーム9の先端にはバケットピン10a(図3参照)を介してバケット10が回動可能に連結されている。ブーム8はブームシリンダ5によって駆動され、アーム9はアームシリンダ6によって駆動され、バケット10はバケットシリンダ7によって駆動される。
(油圧ショベルの姿勢および姿勢センサ)
ここで油圧ショベル1の姿勢及びそれを規定する座標系について図3及び図4を用いて説明する。前提として、各フロント部材8,9,10の幅方向の中心を通り、各フロント部材8,9,10が動作する平面であって、上部旋回体12の旋回動作とともに回転する平面をフロント平面(又は作業装置1Aの動作平面)と呼称する。図3の場合は紙面がフロント平面となる。油圧ショベル1の姿勢は、図3および図4に示すショベル基準座標系上に定義できる。このショベル基準座標系(車体座標系とも称する)は、油圧ショベル1に設定された座標系であり、上部旋回体12の旋回中心軸上において、下部走行体11が地面に接する点に原点が設定されている。上部旋回体12の旋回中心軸上にZ軸を設定し、そのZ軸上において原点から車体上方に向かう方向を正とする。下部走行対11の前後方向(進行方向)と平行な直線であって、原点においてZ軸に直交する直線上にX軸を設定し、そのX軸上において原点から車体前方(下部走行体11の前進方向)に向かう方向を正とする。Y軸は、前述のX軸とZ軸とで右手座標系を構成するように設定されている。図3の例では、フロント平面とXZ平面とが平行であり、かつ、作業装置1Aの伸ばし方向と下部走行体11の前進方向が一致するように上部旋回体12と下部走行体11の姿勢が保持されている。また、旋回角度については、フロント作業装置1AがX軸と平行になる状態(図3の状態)を0度とし、時計回りを正とした。X軸に対するブーム8の回転角をブーム角θbm、ブーム8に対するアーム9の回転角をアームθam、アーム9に対するバケット10爪先の回転角をバケット角θbk、下部走行体11に対する上部旋回体12の旋回角を旋回角θswとした。
ブーム8、アーム9、バケット10の回転角(回動角度)θbm、θam、θbk(図3参照)を測定可能なように、ブームピン8aにブーム角度センサ30、アームピン9aにアーム角度センサ31、バケットリンク14(図1参照)にバケット角度センサ32が取付けられている。
上部旋回体12には上部旋回体12の姿勢センサとして車体IMU(IMU:Inertial Measurement Unit(慣性計測装置))33が設置されている。車体IMU33によって、上部旋回体12の重力方向に対する前後方向への傾き(ピッチ角θp)や左右方向への傾き(ロール角θr、図4参照)をそれぞれ検出することが可能である。また、車体IMU33によって、上部旋回体12の旋回時の角速度(ヨー角速度)を検出可能である。また、車体IMU33によって、上部旋回体12の前後方向または左右方向における加速度を検出可能である。
なお、フロント部材の角度センサ30、31、32はそれぞれ基準面(例えば水平面)に対する角度を検出する角度センサ(例えば、IMU)に代替可能である。または各油圧シリンダ5、6、7のストロークを検出するシリンダストロークセンサに代替し、得られたシリンダストロークを角度に換算する構成としても良い。
上部旋回体12と下部走行体11の回転中心近傍に、下部走行体11に対する上部旋回体12の相対的な旋回角度(旋回角θsw)を検出可能な旋回角度センサ19が取り付けられている。旋回角度センサ19としては例えばポテンショメータが利用できる。
5つの角度センサ30,31,32,33,19を上部旋回体(機械本体)12及びフロント作業装置1Aの姿勢情報を検出する姿勢センサ53(図4参照)と総称することがある。
(GNSSシステム17)
上部旋回体12には、2つのGNSSアンテナ17a、17bが取り付けられている。2つのGNSSアンテナ17a、17bはGNSS受信機17c(図4参照)と接続されている。GNSS受信機17cは、2つのGNSSアンテナ17a,17bがそれぞれ受信した複数の衛星信号を利用してグローバル座標系における2つのGNSSアンテナ17a,17bの位置(「グローバル位置データ」と称することがある)と、上部旋回体12の方位角φ(換言すると作業装置1Aの方位角)を測位する。
また、GNSS受信機17cによる測位結果(具体的には、2つのGNSSアンテナ17a,17bの位置のうち少なくとも1つのGNSSアンテナの位置と、上部旋回体12の方位角φ)がコントローラ40の制御(例えば、掘削支援制御)に利用不能になった場合には、GNSS受信機17cはコントローラ40に通信エラーを出力する。上記の「GNSS受信機17cによる測位結果が…利用不能になった場合」には、GNSSアンテナ17a,17bが衛星信号を受信できない場合(測位演算自体が不可能な場合)や、測位精度又はその指標値が所定の閾値dp1よりも低い場合が含まれる。測位精度の指標値には、測位結果の値のばらつき、GNSS測位解の種類(例えば、Fix解、Float解)、捕捉した衛星数、DOP値等が含まれる。なお、GNSS測位解に関して、上記閾値dp1よりも低い場合とは測位解がFloat解の場合とし、閾値dp1以上の場合とは測位解がFix解の場合とする。以下では、GNSS受信機17cによる測位結果が利用不能になった場合として、測位精度が所定の閾値dp1よりも低い場合を例示して説明する。
なお、受信機17cによる測位としては、車体外に設置された基準局(図示せず)が複数の測位衛星から受信した衛星信号に基づいて生成したGNSS補正データを受信するための無線機(図示せず)を上部旋回体12に搭載し、無線機で受信したGNSS補正データを利用するRTK(Real Time Kinetic)測位を実施してもよい。また、無線機が基準局から受信したGNSS補正データを一方のGNSSアンテナ17a(17b)から他方のGNSSアンテナ17b(17a)に送信することで2つのGNSSアンテナ17a,17b間の相対位置を演算するムービングベースRTKを利用しても良い。演算した相対位置からは一方のGNSSアンテナ17a(17b)から他方のGNSSアンテナ17b(17a)までの方向と距離(すなわちベクトル)が算出できる。2つのGNSSアンテナ17a,17bが旋回体12に固定された位置は既定位置であり、それらのショベル基準座標系における座標値は既知であるため、旋回体12の方位角φが算出できる。ムービングベースRTKを利用すれば,2つのGNSSアンテナ17a,17bのうち一方のアンテナの位置を演算すれば旋回体12の方位角φを算出できる。なお、本実施形態では2つのアンテナ17a,17bの位置を共通の受信機17cが演算するが、アンテナ17a,17bごとに受信機を搭載しても良い。
なお、本稿では、上記のGNSSアンテナ17a、17bと、GNSS受信機17cとを、GNSSシステム17(図4参照)と総称することがある。
(操作装置(操作レバー22,23))
上部旋回体12に設けられた運転室内には複数の油圧アクチュエータ3a,3b,4,5,6,7を操作する操作装置として操作レバー22,23が設置されている。このうち操作レバー23a,23bは下部走行体11の走行動作を指示し、操作レバー22bは上部旋回体12の旋回動作を指示する。具体的には、走行右油圧モータ3a(下部走行体11)を操作するための走行右レバー23aと、走行左油圧モータ3b(下部走行体11)を操作するための走行左レバー23bと、ブームシリンダ5(ブーム8)及びバケットシリンダ7(バケット10)を操作するための操作右レバー22aと、アームシリンダ6(アーム9)及び旋回油圧モータ4(上部旋回体12)を操作するための操作左レバー22bが設置されている。以下では、これらを操作レバー22、23と総称することがある。
上部旋回体12に搭載された原動機であるエンジン18は、油圧ポンプ2とパイロットポンプ48を駆動する。図2に示すように、油圧ポンプ2としては可変容量型ポンプを選択でき、パイロットポンプ48としては固定容量型ポンプを選択できる。各ポンプ2,48は複数にしても良い。
本実施形態においては、図2に示すように、操作レバー22、23は電気レバー方式が利用できる。コントローラ40は、オペレータによる操作レバー22、23の操作情報(例えば,操作量,操作方向)を、操作レバー22,23に取り付けられたロータリエンコーダやポテンショメータ等のオペレータ操作量センサ52a,52b,52c,52d,52e,52fで読み取り、その読み取った操作情報に応じた電流指令を電磁比例弁47a、47b、47c、47d、47e、47f、47g、47h、47i、47j、47k、47l(以下では,電磁比例弁47a−lと総称することがある。)に出力する。
電磁比例弁47a−lは、パイロットライン150に設けられており、コントローラ40からの指令が入力された場合に駆動され、流量制御弁(コントロールバルブ)15にパイロット圧を出力し、これにより流量制御弁15が駆動する。
流量制御弁15は、旋回油圧モータ4、アームシリンダ6、ブームシリンダ5、バケットシリンダ7、走行右油圧モータ3a、走行右油圧モータ3bのそれぞれに、操作レバー22,23の操作情報(電磁比例弁47a−47fから流量制御弁15へのパイロット圧)に応じたポンプ2からの圧油を供給できるよう構成されている。
なお、電磁比例弁47a−bは旋回油圧モータ4に、電磁比例弁47c−dはアームシリンダ6に、電磁比例弁47e−fはブームシリンダ5に、電磁比例弁47g−hはバケットシリンダ7に、電磁比例弁47i−jは走行右油圧モータ3aに、電磁比例弁47k−lは走行右油圧モータ3bに圧油を供給する流量制御弁15にパイロット圧を供給する。
パイロットライン150において、パイロットポンプ48と電磁比例弁47a−lの間には、コントローラ40と接続されたロック弁39が備わる。運転室内のゲートロックレバー(図示しない)の位置検出器がコントローラ40と接続され、ゲートロックレバーがロック位置にある場合にはロック弁39がロックされパイロットライン150に圧油は供給されず、ロック解除位置にある場合には、ロック弁39は解除され、パイロットライン150に圧油が供給される。
油圧ポンプ2から吐出された圧油は、パイロット圧によって駆動される流量制御弁15を介して、走行右油圧モータ3a、走行左油圧モータ3b、旋回油圧モータ4、ブームシリンダ5、アームシリンダ6、バケットシリンダ7に供給される。供給された圧油によってブームシリンダ5、アームシリンダ6、バケットシリンダ7が伸縮することで、ブーム8、アーム9、バケット10がそれぞれ回動し、バケット10の位置及び姿勢が変化する。また、供給された圧油によって旋回油圧モータ4が回転することで、下部走行体11に対して上部旋回体12が旋回する。そして、供給された圧油によって走行右油圧モータ3a、走行左油圧モータ3bが回転することで、下部走行体11が走行する。以下では、走行油圧モータ3、旋回油圧モータ4、ブームシリンダ5、アームシリンダ6、バケットシリンダ7を総称して、油圧アクチュエータ3−7と総称することがある。
(システム構成)
図5は本実施形態の油圧ショベルが備える掘削支援制御システムの構成図である。掘削支援制御システムは、コントローラ40と、複数のオペレータ操作量センサ52と、旋回角度センサ19や角度センサ30、31、32、車体IMU33から構成される複数の姿勢センサ53と、GNSSアンテナ17a,17b及びGNSS受信機17cを含むGNSSシステム17と、オペレータに掘削支援制御の状態を報知する報知装置46と、複数の電磁比例弁47とを備えている。
(コントローラ40)
コントローラ(制御装置)40としては、例えば,CPU等の演算処理装置(図示せず)と、RAM,ROM等の半導体記憶装置又はHDD等の磁気記憶装置からなる記憶装置(図示せず)と、各種センサやアクチュエータなどとの間で情報をやり取りする入出力インタフェース(図示せず)とを備えたコンピュータが利用可能であり、単体または複数のコンピュータから構成できる。また、コントローラ40の一部または全てを、油圧ショベル1上の各種装置とネットワークを介して通信可能に接続されるサーバ等の外部のコンピュータで構成してもよい。
コントローラ40は、コントローラ内の記憶装置に格納されたプログラムを演算処理装置に実行させることで、姿勢演算部71、バケット位置情報演算部72、センサエラー処理部73、グローバル位置情報選択部74、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77、電磁比例弁制御部78、報知制御部79として機能する。すなわち、図5でコントローラ40内に矩形で示した各部はコントローラ40が演算処理を行って発揮する機能をブロックで分類したものである。
コントローラ(制御装置)40は、GNSS受信機17cによる測位結果が利用不能な場合、かつ、下部走行体11に対する操作が走行操作レバー23a,23bに入力されていない場合、かつ、上部旋回体12に対する操作が操作レバー22bに入力されている場合には、GNSS受信機17cによる測位結果が利用可能なときにGNSS受信機17cにより測位された第1方位角φ1と、第1方位角φ1が測位されたときに旋回角度センサ19により検出された第1旋回角θsw1と、GNSS受信機17cによる測位結果が利用不能なときに旋回角度センサ19により検出された第2旋回角θsw2とに基づいて、GNSS受信機17cによる測位結果が利用不能なときの上部旋回体12の第2方位角ψを算出し、第2方位角ψとGNSS受信機17cによる測位結果が利用可能なときにGNSS受信機17cにより測位された少なくとも1つのGNSSアンテナの位置とに基づいて目標掘削面60を演算する。
なお、2つのGNSSアンテナ17a、17bを利用したGNSS測位を行う受信機17cの機能は、コントローラ40内の機能の一部として取り込んでも良いし、上述のようにコントローラ40から独立した装置としても良い。
以下、コントローラ40内の各部で行われる処理の詳細について説明する。
(姿勢演算部71)
姿勢演算部71は、姿勢センサ53に含まれる旋回角度センサ19からの出力信号に基づき、ショベル基準座標系における上部旋回体12の旋回角度θswを演算する。また、同様に姿勢センサ53に含まれるブーム角度センサ30、アーム角度センサ31およびバケット角度センサ32からの出力信号に基づき、ショベル基準座標系における作業装置1Aの姿勢(各フロント部材8,9,10の姿勢)を演算する。
(バケット位置情報演算部72)
バケット位置情報演算部72は、ショベル基準座標形におけるバケット10の位置を演算する。バケット位置情報演算部72は、例えば、フロント平面におけるバケット10の爪先位置を演算できる。フロント平面とは、先述のように、各フロント部材8,9,10が動作する仮想的な平面であり、上部旋回体12の旋回動作に伴って回転する平面である。バケット位置情報演算部72は、コントローラ40内の記憶装置内にあらかじめ記憶した、図3に示すブーム8の長さLbm、アーム9の長さLam、及びバケット10の長さLbkと、姿勢演算部71から取得するブーム角θbm、アーム角θam、バケット角θbkを用いて、ショベル基準座標形におけるバケット10の位置(例えば、フロント平面におけるバケット爪先位置)を演算できる。
(センサエラー処理部73)
センサエラー処理部73は、操作量センサ52から出力される操作レバー22,23の操作量を示す信号と、GNSSシステム17から出力される通信エラーとを入力しており、当該通信エラーが発報された後に上部旋回体12の方位角ψを演算する。以下ではこのようにセンサエラー処理部73が演算した方位角を代替方位角ψと称することがある。
通信エラーの発報後にセンサエラー処理部73が方位角ψを演算する方法は、走行操作と旋回操作の内容の組み合わせに応じて、次の4パターンに分類される。以下では、通信エラー発報時以前の時刻(但し通信エラー発報時に近い方が好ましい)であって、測位精度が閾値dp1以上に保持されている時刻を時刻t1と称し、センサエラー処理部73が代替方位角ψを演算する時刻であって通信エラーの発報後の時刻を時刻t2(t2>t1)と称する。なお、時刻t1は通信エラー発報時でもよい。
(パターン1)下部走行体11に対する操作が走行操作レバー23a,23bに入力されていない場合(走行操作なし)、かつ、旋回体12に対する操作が操作レバー22bに入力されている場合(旋回操作あり)
この場合、センサエラー処理部73は、通信エラーの発報以前(すなわち測位精度が閾値dp1以上のときであって受信機17cによる測位結果が利用可能なとき(以下同じ))の時刻t1に受信機17cにより演算された方位角φ1(第1方位角)と、当該通信エラーの発報以前(すなわち測位精度が閾値dp1以上のとき)の時刻t1に旋回角度センサ19により検出された旋回角θsw1(第1旋回角)とに基づいて、当該通信エラー発報後(すなわち測位精度が閾値dp1未満のときであって受信機17cによる測位結果が利用不能なとき(以下同じ))の時刻t2の上部旋回体12の方位角ψ(第2方位角)を受信機17cに代替して算出する。
具体的には、センサエラー処理部73は、時刻t1に旋回角度センサ19により検出された旋回角θsw1(第1旋回角)と、測位精度が閾値dp1未満に低下した後の時刻であって代替方位角ψ(第2方位角)を算出する時刻t2に旋回角度センサ19により検出されたθsw2(第2旋回角)との差分Δθswを演算し、演算した差分Δθswを時刻t1に受信機17cにより演算された方位角φ1に加算することで代替方位角ψ(第2方位角)を算出する。これを式に表すと下記式(1)となる。
ψ=φ1+(θsw2−θsw1) …式(1)
なお、車体IMU33で検出される上部旋回体12のピッチ角θp及びロール角θrがゼロでない場合には、それらを考慮して旋回角θsw1,θsw2を補正することが好ましい。この点は、以下に出てくる式(他の実施形態も含む)において旋回角θsw1,θsw2を利用する場合でも同様である。
図7に、センサエラー処理部73が通信エラー発生後の方位角(代替方位角ψ)を演算する場合の概念図を示す。時刻t1においてGNSSシステム17に通信エラーが生じた際、センサエラー処理部73は、時刻t1以降の時刻t2に上部旋回体12の方位角の演算するために、時刻t1から時刻t2までの旋回角度の差分Δθswを、時刻t1に受信機17cが演算した方位角φ1に加算することで代替方位角ψを算出する。
(パターン2)下部走行体11に対する超信地旋回操作が走行操作レバー23a,23bに入力されている場合(超信地旋回操作あり)、かつ、上部旋回体12に対する操作が操作レバー22bに入力されていない場合(旋回操作なし)
この場合、センサエラー処理部73は、車体IMU33(角速度センサ)により検出される上部旋回体12のヨー角速度ωに基づいて、方位角φ1(第1方位角)が受信機17cにより演算された時刻t1(第1時刻)から測位精度が閾値dp1よりも低下した後の時刻t2(第2時刻)までの上部旋回体12のヨー角速度ωの積分値を演算し、演算した積分値を時刻t1の方位角φ1(第1方位角)に加算することで代替方位角ψ(第2方位角)を受信機17cに代替して算出する。これを式に表すと下記式(2)となる。ただし式(2)における「∫ωdt」は、上部旋回体12のヨー角速度ωの時刻t1から時刻t2までの積分値を示す。
ψ=φ1+∫ωdt …式(2)
超信地旋回操作の有無の判定は操作量センサ52e,52fで走行操作レバー23a,23bの操作量を検出することで次のように行う。すなわち、左右の走行操作レバー23a,23bに、方向が逆で、大きさが略等しい操作が入力されている場合には、超信地旋回操作が走行操作レバー23a,23bに入力されていると判定し、それ以外の操作の場合には当該操作は入力されていないと判定する。なお、左右の走行操作レバー23a,23bの操作量の大きさが略等しいかどうかの判定は、例えば、操作量を複数の区間に分割して、左右の走行操作レバー23a,23bの操作量が同じ区間に位置するか否かで判定することができる。
超信地旋回(スピンターン)では、上部旋回体12の旋回中心を中心軸として、下部走行体11が回転するため、油圧ショベルの旋回中心軸の位置はグローバル座標系に対して変化しないが、上部旋回体12の方位角は変化し得る。そのため上記式(2)により代替方位角ψが演算できる。
(パターン3)下部走行体11に対する超信地旋回操作が走行操作レバー23a,23bに入力されている場合(超信地旋回操作あり)、かつ、上部旋回体12に対する操作が操作レバー22bに入力されている場合(旋回操作あり)
この場合、センサエラー処理部73は、車体IMU33(角速度センサ)により検出される上部旋回体12のヨー角速度ωに基づいて、方位角φ1(第1方位角)が受信機17cにより演算された時刻t1(第1時刻)から測位精度が閾値dp1よりも低下した後の時刻t2(第2時刻)までの上部旋回体12のヨー角速度ωの積分値を演算する。そして、時刻t1に旋回角度センサ19により検出された旋回角θsw1(第1旋回角)と、時刻t2に旋回角度センサ19により検出された旋回角θsw2(第2旋回角)との差分を演算し、演算した積分値と、演算した差分とを時刻t1の方位角φ1(第1方位角)に加算することで代替方位角ψ(第2方位角)を受信機17cに代替して算出する。これを式に表すと下記式(3)となる。つまり、上記式(1)と式(2)の組み合わせとなる。
ψ=φ1+(θsw2−θsw1)+∫ωdt …式(3)
(パターン4)下部走行体11に対する操作が走行操作レバー23a,23bに入力されていない場合(走行操作なし)、かつ、旋回体12に対する操作が操作レバー22bに入力されていない場合(旋回操作なし)
この場合、油圧ショベル1の走行と旋回は発生しないので、通信エラーの発報前後で旋回体12の方位角及び旋回中心位置に変化は無い。そのため、センサエラー処理部73は、通信エラー発報時またはその直前に受信機17cで演算された方位角φを代替方位角として算出する。例えば、通信エラー発報以前の時刻t1のときから走行と旋回が無い場合には、代替方位角ψ=φ1となる。
(グローバル位置情報選択部74)
グローバル位置情報選択部74は、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力する上部旋回体12のグローバル位置データと方位角を選択する部分である。
・方位角の選択
まず、上部旋回体12の方位角の選択について説明する。測位衛星との通信に異常がない通常の場合(つまりGNSSシステム17からの通信エラーの発報が無い状態)には、GNSSシステム17(受信機17c)が出力する方位角φを選択して出力する。
一方、通信エラーが発報された場合には、グローバル位置情報選択部74は、センサエラー処理部73において時刻t2に演算された代替方位角ψを選択して出力する。
・グローバル位置データの選択
次に上部旋回体12のグローバル位置データの選択について説明する。通信エラー17の発報の無い通常の場合には、GNSSシステム17(受信機17c)が出力するグローバル位置データを選択して出力する。
一方、通信エラーが発報された場合には、センサエラー処理部73が代替方位角ψの演算に利用する方位角φ1(第1方位角)の演算時刻t1に受信機17c(GNSSシステム17)が演算したグローバル位置データP1を選択して出力する。つまり、時刻t2に受信機17cで演算されるグローバル位置データP2は出力されない。ただし、通信エラーの発報以後に旋回中心位置の変化を伴う上部旋回体12の移動が検出された場合には、グローバル位置データP1(時刻t1のグローバル位置データ)の選択及び出力は中断し、掘削支援制御不可フラグを出力する。掘削支援制御不可フラグが出力されると、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等で行われる掘削支援制御に関する処理が中断される(後述)。
「旋回中心位置の変化を伴う上部旋回体12の移動」の有無は、走行操作レバー23a,23bへの入力操作や、車体IMU33により検出される上部旋回体12の前後方向あるいは左右方向における加速度の積分値から利用できる。前者に関し、操作量センサ52e,52fにより超信地旋回ではない走行操作が検出されたとき(例えば、前進動作)には、旋回中心位置の変化を伴う上部旋回体12の移動が有ったとしてグローバル位置データP1の選択及び出力を中断する。後者に関し、車体IMU33により検出される加速度の積分値が所定の速度閾値V1を超えたときには、旋回中心位置の変化を伴う上部旋回体12の移動(走行操作を伴わない滑り等による移動)が有ったとしてグローバル位置データP1の選択及び出力を中断する。
以下では、通信エラー発報後にグローバル位置情報選択部74が出力する、通信エラー発報以前の時刻t1におけるグローバル位置データP1と、通信エラー発報後の時刻t2における代替方位角ψとを、「通信エラー対応位置情報」と総称することがある。
(目標地形データ格納部75)
目標地形データ格納部75には、作業現場における3次元の設計データである目標地形データが格納されている。目標地形データ格納部75は、グローバル位置情報選択部74から出力されるグローバル位置データと方位角に基づき、油圧ショベル1の近傍(例えばショベル基準座標系を基準とした所定範囲)の目標地形データを抽出して目標掘削面情報抽出部76に出力することができる。
ただし、グローバル位置情報選択部74から掘削支援制御不可フラグを入力した場合は、目標地形データ格納部75は目標地形データの出力を中断するものとする。
以下では、目標地形データはグローバル座標系に定義されているものとして説明するが、独自に設定した座標系(例えば現場に座標原点を設定した現場座標系)に定義してもよい。
(目標掘削面情報抽出部76)
目標掘削面情報抽出部76は、目標地形データ格納部75から取得した目標地形データと、フロント面(作業装置1Aの動作平面)との交線を演算し、当該交線を目標掘削面60として抽出する。目標地形データとフロント面の位置を共通の座標系に変換すれば両者の交線である目標掘削面60の演算が容易であるが、ここではその一例として、グローバル座標系におけるフロント面の位置を演算することで、目標地形データとの座標系の共通化を図る。グローバル座標系におけるフロント面の位置は、バケット位置情報演算部72から取得できるショベル基準座標系におけるフロント面の位置と、グローバル位置情報選択部74から入力するグローバル座標系における上部旋回体12の位置(グローバル位置データ)及び方位角とから演算できる。
ただし、グローバル位置情報選択部74から掘削支援制御不可フラグを入力した場合は、目標掘削面情報抽出部76は目標掘削面60の抽出を中断するものとする。
上記のように目標掘削面60の抽出(換言するとフロント面の位置の演算)には上部旋回体12のグローバル位置データ及び方位角を利用しているため、GNSSシステム17による衛星測位の精度が低下して正確なグローバル位置データや方位角が取得できない場合には、フロント平面を正確な位置に設定できない。その結果として、正確な目標掘削面60が抽出されず、本来必要な位置に所望の目標形状を整形できない可能性が高まってしまう。
(目標動作演算部77)
目標動作演算部77は、操作レバー22a,22bが操作されている間に作業装置1Aが目標掘削面60を超えないように(例えば目標掘削面60の上方に作業装置1Aが位置する場合には、作業装置1Aの動作範囲が目標掘削面60上及びその上方に制限されるように)作業装置1Aの動作に係る複数のアクチュエータ(油圧シリンダ)5,6,7の目標速度を演算できる部分であり、掘削支援制御の実行に必要な各アクチュエータ5,6,7の目標速度を演算できる。
ただし、目標動作演算部77がグローバル位置情報選択部74から掘削支援制御不可フラグを取得した際は、各アクチュエータ5,6,7がオペレータ操作量に基づくアクチュエータ速度に従うように、各アクチュエータ5,6,7の目標速度を電磁比例弁制御部78に出力する。
掘削支援制御の実行時における各アクチュエータ5,6,7の目標速度は、目標掘削面60とバケット10の爪先までの目標面距離dに基づいて演算できる。目標面距離dはバケット爪先位置と目標掘削面60の位置から演算できる。例えば掘削支援制御時の目標速度は下記の演算により演算できる。
まず、目標動作演算部77は、まず、操作量センサ52cの検出信号(ブーム操作量)から操作レバー22aによるブームシリンダ5への要求速度(ブームシリンダ要求速度)を計算し、操作量センサ52bの検出信号(アーム操作量)からアームシリンダ6への要求速度を計算し、操作量センサ52dの検出信号(バケット操作量)からバケットシリンダ7への要求速度を計算する。この3つの要求速度と姿勢演算部71で演算された作業装置1Aの各フロント部材8,9,10の姿勢から、バケット爪先における作業装置1Aの速度ベクトル(要求速度ベクトル)V0(図9の左の図参照)を計算する。そして、速度ベクトルV0において目標掘削面60に鉛直方向(目標面鉛直方向)の速度成分V0zと、速度ベクトルV0において目標掘削面60に水平方向(目標面水平方向)の速度成分V0xも計算する。
次に、目標動作演算部77は、距離dに応じて決定される補正係数kを演算する。図8はバケット爪先と目標掘削面60の距離dと速度補正係数kとの関係を表すグラフである。バケット爪先(作業装置1Aの制御点)が目標掘削面60の上方に位置している時の距離を正、目標掘削面60の下方に位置している時の距離を負として、距離dが正の時は正の補正係数を、距離dが負の時は負の補正係数を、1以下の値として出力する。なお、速度ベクトルは目標掘削面60の上方から目標掘削面60に近づく方向を正としている。
次に、目標動作演算部77は、距離dに応じて決定される補正係数kを、速度ベクトルV0の目標面鉛直方向の速度成分V0zに乗ずることによって速度成分V1z(図9の右の図参照)を計算する。この速度成分V1zと、速度ベクトルV0の目標面水平方向の速度成分V0xとを合成することで合成速度ベクトル(目標速度ベクトル)V1を計算し、この合成速度ベクトルV1を発生可能なブームシリンダ速度と、アームシリンダ速度(Va1)と、バケットシリンダ速度をそれぞれ目標速度として演算する。この目標速度の演算の際には、姿勢演算部71で演算された作業装置1Aの各フロント部材8,9,10の姿勢を利用しても良い。目標動作演算部77は、計算した各油圧シリンダ5,6,7の目標速度を電磁比例弁制御部78に出力する。
図9はバケット爪先における距離dに応じた補正前後の速度ベクトルを表す模式図である。要求速度ベクトルV0の目標面鉛直方向の成分V0z(図9の左の図参照)に速度補正係数kを乗じることにより、V0z以下の目標面鉛直方向の速度ベクトルV1z(図9の右の図参照)が得られる。V1zと要求速度ベクトルV0の目標面水平方向の成分のV0xとの合成速度ベクトルV1を計算し、V1を出力可能なアームシリンダ目標速度と、ブームシリンダ目標速度と、バケットシリンダ目標速度とが計算される。
(電磁比例弁制御部78)
電磁比例弁制御部78は、目標動作演算部77で演算された各油圧シリンダ5,6,7の目標速度に基づいて、対応する流量制御弁15への制御信号(パイロット圧)を演算し,その演算したパイロット圧を発生するために必要な電磁比例弁47c,47d,47e,47f,47g,47hへの電気信号を演算し,その演算した電気信号を対応する電磁比例弁47c,47d,47e,47f,47g,47hに出力することで電磁比例弁47c,47d,47e,47f,47g,47hを制御する部分である。電磁比例弁制御部78が制御する電磁比例弁47c,47d,47e,47f,47g,47hによって、各油圧シリンダ5,6,7は目標動作演算部77で計算された目標速度に従って動作する。
コントローラ40により作業装置1Aを半自動で制御し、目標掘削面60を整形する機能であるマシンコントロール(掘削支援制御)による、水平掘削動作の例を図6に示す。オペレータが操作レバー22aを操作して、矢印A方向へのアーム9の引き動作によって水平掘削を行う場合には、バケット10の先端(爪先)が目標掘削面60の下方に侵入しないように、ブーム8の上げ動作が自動的に行われるよう電磁比例弁47eが制御される。また、所定の掘削速度あるいは所定の掘削精度を実現するために、電磁比例弁47cを制御してアーム9の引き動作(クラウド動作)の速度調節(すなわち増速または減速)を行っても良い。さらに、バケット10背面の目標掘削面60に対する角度Bが一定値となり、均し作業が容易となるように、電磁比例弁47g、47hを制御してバケット10が自動で回動するようにしても良い(図7の例では電磁比例弁47hを制御して矢印C方向(ダンプ方向)にバケット10を回動している)。このように、オペレータによる操作レバー22a,22bの操作中に作業装置1Aが目標掘削面60を超えないように複数のアクチュエータ5,6,7のうち作業装置1Aを駆動する少なくとも1つのアクチュエータ(すなわち作業装置1A)を制御するための制御信号を出力する制御が掘削支援制御である。
(報知制御部79)
報知制御部79は、センサエラー処理部73によって代替方位角ψが算出されている場合、測位精度が閾値dp1未満になっていること(すなわち通信エラーが発生していること)を報知装置46が出力するように報知装置46に対して指令信号を出力する。出力された指令信号を入力した報知装置46はその指令信号が規定する報知内容を出力する。報知装置46としては、例えば、油圧ショベル1の運転室内に設置したモニタ(表示装置)、スピーカ(音声出力装置)及びランプ(警告灯)などが利用可能であり、これらのいずれか1つ又は複数の組み合わせから報知装置46を構成できる。
報知制御部79では、通信エラーが発生したためセンサエラー処理部73が演算する代替方位角を用いて掘削支援制御が行われていることや、超信地旋回操作以外の走行操作によって掘削支援制御が中断されたことや、バケット10と目標掘削面60との位置関係を示す情報などを、報知装置46が出力するように指令信号を出力しても良い。
(フローチャート(図10))
図10は第1実施形態に係るコントローラ40による掘削支援制御に関するフローチャートを示す。なお、ここでは説明を簡単にするために、時刻t1を通信エラーの発報時とする。なお、時刻t2は、既述の通り、センサエラー処理部73によって代替方位角ψが演算される時刻(t2>t1)である。
ステップS100では、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、GNSSシステム17から通信エラーが発報されたか否かを判定する(すなわち、GNSS受信機17cによる測位結果が利用不能か否かを判定する)。GNSSシステム17から通信エラーが発報された場合(すなわち、GNSS受信機17cによる測位結果が利用不能な場合)にはステップS101に進み、通信エラーの発報がない場合(GNSS受信機17cによる測位結果が利用可能な場合)にはステップS110へ進む。
ステップS101では、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、操作量センサ52e,52fの検出信号に基づいて、走行体11に対する走行操作がオペレータにより入力されているか否かを判定する。操作レバー23a,23bに走行操作が入力されているか否かは、例えば、操作量センサ52e,52fの検出信号から演算される操作量の少なくとも1つが所定の閾値を超えているか否かで判定できる。走行操作の入力がない場合にはステップS103へ進み、走行操作の入力がある場合にはステップS102へ進む。
ステップS103では、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、操作量センサ52aの検出信号に基づいて、旋回体12に対する旋回操作がオペレータにより入力されているか否かを判定する。操作レバー22bに旋回操作が入力されているか否かは、例えば、操作量センサ52aの検出信号から演算される操作量が所定の閾値を超えているか否かで判定できる。旋回操作の入力がある場合にはステップS105へ進み、旋回操作の入力がない場合にはステップS120へ進む。
ステップS105では、上記の(パターン1)に該当するため、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、上記の式(1)に基づいて上部旋回体12の代替方位角ψを演算する。例えば、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、通信エラーが発報された時刻t1に旋回角度センサ19により検出された旋回角θsw1(第1旋回角)と、代替方位角ψ(第2方位角)を算出する時刻t2(換言するとステップS105の実行時)に旋回角度センサ19により検出されたθsw2(第2旋回角)との差分Δθswを演算し、その演算した差分Δθswを通信エラー発報時の時刻t1に受信機17cにより演算された方位角φ1に加算することで代替方位角ψ(第2方位角)を算出する。演算された代替方位角ψはグローバル位置情報選択部74で選択されて、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力される。
またステップS105において、コントローラ40(グローバル位置情報選択部74)は、通信エラーが発報された時刻t1に受信機17cが演算したグローバル位置データP1を選択して、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力する。
上記のとおり、ステップS105でコントローラ40によって算出される通信エラー対応位置情報は、式(1)に基づいて演算された時刻t2における代替方位角ψと、時刻t1におけるグローバル位置データP1となる。
ステップS108では、コントローラ40(目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77および電磁比例弁制御部78)は、S105,S106,S107またはS120で演算された通信エラー対応位置情報(グローバル位置データ及び代替方位角ψ)に基づいて掘削支援制御を実行する。これにより上記で図6を用いて説明したようにフロント作業装置1Aが目標掘削面60を超えないように油圧シリンダ5,6,7の少なくとも1つが制御されて掘削支援制御が実行される。掘削支援制御の詳細については上記において既に説明済みなので省略する。
ステップS109では、コントローラ40(例えば目標動作演算部77)は、掘削支援制御の終了指示があるかどうかを判定する。掘削支援制御の終了指示は、例えば油圧ショベル1の運転室内に設けられる掘削支援制御ON/OFFスイッチ(図示せず)を介して行うことができる。掘削支援制御がONの状態で掘削支援制御ON/OFFスイッチをオペレータが押下するとコントローラ40に掘削支援制御終了指示が出力される。掘削支援制御ON/OFFスイッチは操作レバー22またはモニタ(報知装置46)の画面上に設けることができる。掘削支援制御の終了指示がある場合には、コントローラ40(例えば目標動作演算部77)はステップS112へ進む。
一方、掘削支援制御の終了指示がない場合には、ステップS108に戻り掘削支援制御を継続する。ただし、その際に利用する通信エラー対応位置は、ステップS108に初めて到達する直前に行っていた処理(すなわち、ステップS105,S106,S107,S120のいずれか)を利用して演算するものとする。
ステップS112では、コントローラ40は掘削支援制御を終了してフローチャートの処理を終了する。但し、ステップS112に進んだ際に掘削支援制御ON/OFFスイッチがONの状態の場合(すなわちステップS102でNOと判定された場合)には、当該スイッチをOFFの状態に切り替える。すなわち、この場合の掘削支援制御の再開には掘削支援制御ON/OFFスイッチを押下したONの状態にする必要がある。
次にステップS101において走行操作ありと判定された場合(すなわち、ステップS102に進んだ場合)について説明する。
ステップS102では、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、操作量センサ52e,52fの検出信号に基づいて、ステップS101で入力ありと判定された走行操作が超信地旋回操作であるか否かを判定する。この場合の判定方法の一例は既に上記で触れているので説明は省略する。走行操作が超信地旋回操作であると判定された場合にはステップS104に進み、超信地旋回操作ではないと判定された場合にはステップS112に進む。
ステップ104では、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、ステップS103と同様に、操作量センサ52aの検出信号に基づいて、旋回体12に対する旋回操作がオペレータにより入力されているか否かを判定する。旋回操作の入力がない場合にはステップS106へ進み、旋回操作の入力がある場合にはステップS107へ進む。
ステップS106では、上記の(パターン2)に該当するため、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、上記の式(2)に基づいて上部旋回体12の代替方位角ψを演算する。例えば、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、車体IMU33(角速度センサ)により検出される上部旋回体12のヨー角速度ωに基づいて、通信エラーが発報された時刻t1から代替方位角ψ(第2方位角)を算出する時刻t2(換言するとステップS106の実行時)までの上部旋回体12のヨー角速度ωの積分値を演算し、その演算した積分値を、通信エラー発報時の時刻t1に受信機17cにより演算された方位角φ1(第1方位角)に加算することで代替方位角ψ(第2方位角)を算出する。演算された代替方位角ψはグローバル位置情報選択部74で選択されて、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力される。
またステップS106において、コントローラ40(グローバル位置情報選択部74)は、通信エラーが発報された時刻t1に受信機17cが演算したグローバル位置データP1を選択して、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力する。
上記のとおり、ステップS106でコントローラ40によって算出される通信エラー対応位置情報は、式(2)に基づいて演算された時刻t2における代替方位角ψと、時刻t1におけるグローバル位置データP1となる。
ステップS107では、上記の(パターン3)に該当するため、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、上記の式(3)に基づいて上部旋回体12の代替方位角ψを演算する。既に説明済みのため代替方位角ψの演算の詳細については省略するが、ここで演算された代替方位角ψはグローバル位置情報選択部74で選択されて、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力される。
またステップS107において、コントローラ40(グローバル位置情報選択部74)は、通信エラーが発報された時刻t1に受信機17cが演算したグローバル位置データP1を選択して、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力する。
上記のとおり、ステップS107でコントローラ40によって算出される通信エラー対応位置情報は、式(3)に基づいて演算された時刻t2における代替方位角ψと、時刻t1におけるグローバル位置データP1となる。
次に、ステップS103において旋回操作なしと判定された場合(すなわち、S120に進んだ場合)について説明する。
ステップS120では、上記の(パターン4)に該当するため、例えば、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、通信エラーが発報された時刻t1に受信機17cで演算された方位角φ1を代替方位角ψとして算出する。演算された代替方位角ψ(φ1)はグローバル位置情報選択部74で選択されて、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力される。
また、コントローラ40(グローバル位置情報選択部74)は、通信エラーが発報された時刻t1に受信機17cが演算したグローバル位置データP1を選択して、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力する。
上記のとおり、S120に進んだ場合にコントローラ40によって算出される通信エラー対応位置情報は、時刻t2における代替方位角ψ(=方位角φ1)と、時刻t1におけるグローバル位置データP1となる。
次に、ステップS100において通信エラーの発報がないと判定された場合(すなわち、S110に進んだ場合)について説明する。この場合は通信エラーの無い通常のパターンとなるため、センサエラー処理部73による代替方位角ψの演算は行われず、時刻t2に受信機17c(GNSSシステム17)が演算した方位角φ2がグローバル位置情報選択部74で選択されて、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力される。また、コントローラ40(グローバル位置情報選択部74)は、時刻t2に受信機17c(GNSSシステム17)が演算したグローバル位置データP2を選択して、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力する。すなわち、方位角φ2とグローバル位置データP2に基づいて掘削支援制御が行われる。
ステップS111では、コントローラ40(例えば目標動作演算部77)は、ステップS109と同様に掘削支援制御の終了指示があるかどうかを判定する。掘削支援制御の終了指示がある場合には、コントローラ40(例えば目標動作演算部77)はステップS112へ進む。一方、掘削支援制御の終了指示がない場合には、ステップS100に戻り、通信エラーの発報が無い場合にはステップS110において通常の掘削支援制御を継続する。
(効果)
上記のように構成した油圧ショベル1では、走行操作がなく旋回操作がある場合であっても、時刻t1の方位角φ1(第1方位角)と、時刻t1の旋回角度θsw1(第1旋回角)と、時刻t2の旋回角度θsw2(第2旋回角)と、上記式(1)とに基づいて、時刻t2の方位角(代替方位角ψ(第2方位角))を演算できる。そして、演算した時刻t2の方位角とともに、GNSSシステム17によって演算された時刻t1のグローバル位置データP1を利用することで、通信エラー発報後も掘削支援制御を継続できる。これにより通信エラー発報後の掘削作業中に、旋回操作による掘削箇所の変更やダンプトラックへの積込作業を行っても掘削支援制御をON状態に維持でき、旋回動作後も速やかに掘削支援制御を実行できるので、従前よりも油圧ショベル1による掘削作業効率を向上できる。
また、上記の油圧ショベル1では、超信地旋回操作があり旋回操作がない場合であっても、時刻t1の方位角φ1と、車体IMU33が検出する上部旋回体12のヨー角速度の時刻t1から時刻t2までの積分値と、上記式(2)とに基づいて、時刻t2の方位角(代替方位角ψ(第2方位角))を演算でき、その演算した時刻t2の方位角と時刻t1のグローバル位置データP1を利用することで掘削支援制御を継続できる。
さらに、上記の油圧ショベル1では、超信地旋回操作と旋回操作の双方がある場合であっても、時刻t1の方位角φ1(第1方位角)と、時刻t2と時刻t1の旋回角度θswの差分(第1旋回角と第2旋回角の差分)と、車体IMU33が検出する上部旋回体12のヨー角速度の時刻t1から時刻t2までの積分値と、上記式(3)とに基づいて、時刻t2の方位角(代替方位角ψ(第2方位角))を演算でき、その演算した時刻t2の方位角と時刻t1のグローバル位置データP1を利用することで掘削支援制御を継続できる。
すなわち上記のように油圧ショベル1を構成することで、上部旋回体12の旋回中心位置がグローバル座標系に対して移動しない場合には、測位衛星との通信が悪化し通信エラーが生じた際にも、掘削支援制御を維持することが可能となる。つまり、上部旋回体12の旋回操作や、超信地旋回(スピンターン)の操作があっても掘削支援制御を維持することが可能となり作業効率を向上できる。
<第2実施形態>
本実施形態は、通信エラーの発報後にセンサエラー処理部73が代替方位角ψを演算する方法が第1実施形態と異なる。ハードウェア構成を含むその他の構成については、本実施形態は第1実施形態と同じであり、以下では異なる点について説明する。
本実施形態のセンサエラー処理部73は、通信エラーなし(すなわち、受信機17cによる測位結果が利用可能なとき)且つ走行操作なしの状態で同時刻に演算(検出)された方位角φと旋回角θswの数値から、両者の数学的な対応関係を予め導出しておき、当該対応関係と或る時刻の旋回角θswの値とに基づいて当該或る時刻の方位角を代替方位角ψ(第2方位角)として演算する。但し、導出された対応関係が利用できるのは上部旋回体12の旋回中心位置に変化がない間に限られる。そのため、走行操作等によって旋回中心位置が変化する場合は、方位角と旋回角の対応関係を再度導出する。
(代替方位角ψと旋回角θswの対応関係の導出)
図13を用いてコントローラ40が代替方位角ψと旋回角θswの対応関係を導出・記憶する方法の一例について説明する。図13は代替方位角ψと旋回角θswの対応関係を演算する処理のフローチャートである。
ステップS200では、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、記憶装置内に記憶している代替方位角ψと旋回角θswの対応関係を初期化(例えば消去)する。
ステップS201では、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、GNSSシステム17から通信エラーが発報されたか否かを判定する。GNSSシステム17から通信エラーが発報されていない場合にはステップS202に進み、通信エラーの発報がある場合にはステップS200に戻る。
ステップS202では、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、操作量センサ52e,52fの検出信号に基づいて、走行体11に対する走行操作がオペレータにより入力されているか否かを判定する。走行操作の入力がない場合にはステップS203へ進み、走行操作の入力がある場合にはステップS200に戻る。
ステップS203では、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、車体IMU33が検出する上部旋回体12の前後または左右の加速度に基づいてその積分値を演算し、演算した積分値が所定の速度閾値V1未満かどうかを判定する。速度閾値V1未満の場合には下部走行体11への操作無しに上部旋回体12が移動すること(例えば下部走行体11が地面の上を滑るような動きをする場合)もないと判断してステップS204へ進み、速度閾値V1以上の場合には上部旋回体12の旋回中心位置が変化したと判断してステップS200に戻る。なお、下部走行体11が地面上を滑るような動作が発生しない場合もあるため、ステップS203は省略しても良い。
ステップS204では、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、操作量センサ52aの検出信号に基づいて、旋回体12に対する旋回操作がオペレータにより入力されているか否かを判定する。旋回操作の入力がある場合にはステップS205へ進み、旋回操作の入力がない場合にはステップS200に戻る。
ステップS205では、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、旋回動作中の方位角φと旋回角θswの数値から方位角φと旋回角θswから両者の数学的な対応関係を導出してコントローラ40内の記憶装置に記憶して処理を終了する。
“対応関係”の導出方法としては、例えば、通信エラーの発報前に走行操作なしの状態で360度旋回操作を行い、その間に取得された方位角φと旋回角θswの数値から両者の一般的な対応関係を規定するものがある。図12に旋回角と方位角の対応関係の一例を示す。対応関係は旋回角θswの関数f(θsw)で表わしても良い。関数f(θsw)は図12に示すように一次関数で近似できるため、当該一次関数に図12のように切片(定数項)の無い場合には或る時刻における方位角φと旋回角θswの数値(例えば図12中で時刻t1におけるφ1とθsw1)を取得できれば対応関係を規定でき、当該一次関数に切片が有る場合であっても2つの時刻で方位角φと旋回角θswの数値が取得できれば対応関係を規定できる。
(代替方位角ψを演算する場合のパターン(第1実施形態と異なるパターンのみ))
本実施形態のセンサエラー処理部73が上記の対応関係と或る時刻の旋回角(例えば時刻t2におけるθsw2)を利用して代替方位角ψを演算する場合は下記の2パターン(パターン5及びパターン6)である。パターン5は第1実施形態のパターン1に代替するパターンであり、パターン6は同パターン3に代替するパターンである。なお、以下では対応関係を旋回角θswの関数f(θsw)で表した場合を例に挙げて説明する。
(パターン5)代替方位角ψと旋回角θswの対応関係(以下では「角度の対応関係」と称することがある)が記憶されている場合、かつ、下部走行体11に対する操作が走行操作レバー23a,23bに入力されていない場合(走行操作なし)、かつ、旋回体12に対する操作が操作レバー22bに入力されている場合(旋回操作あり)
この場合、センサエラー処理部73は、予め記憶しておいた角度の対応関係と、通信エラー発報後(すなわち測位精度が閾値dp1未満のとき)の時刻t2に旋回角度センサ19により検出された旋回角度θsw1とに基づいて、通信エラー発報後(すなわち測位精度が閾値dp1未満のとき)の時刻t2の上部旋回体12の方位角ψ(第2方位角)を受信機17cに代替して算出する。
例えば、センサエラー処理部73は、通信エラー発報後(すなわち測位精度が閾値dp1未満のとき)であって代替方位角ψ(第2方位角)を算出する時刻t2に旋回角度センサ19により検出されたθsw2(第2旋回角)と角度の対応関係f(θsw)とに基づいて代替方位角ψ(第2方位角)を算出する。これを式に表すと下記式(4)となる。ただし、以下の式(4),(5)において、f(θsw2)は関数f(θsw)にθsw=θsw2を代入した値とする。
ψ=f(θsw2) …式(4)
(パターン6)代替方位角ψと旋回角θswの対応関係が記憶されている場合、かつ、下部走行体11に対する超信地旋回操作が走行操作レバー23a,23bに入力されている場合(超信地旋回操作あり)、かつ、上部旋回体12に対する操作が操作レバー22bに入力されている場合(旋回操作あり)
この場合、センサエラー処理部73は、車体IMU33(角速度センサ)により検出される上部旋回体12のヨー角速度ωに基づいて、方位角φ1(第1方位角)が受信機17cにより演算された時刻t1(第1時刻)から測位精度が閾値dp1よりも低下した後の時刻t2(第2時刻)までの上部旋回体12のヨー角速度ωの積分値を演算する。そして、時刻t2に旋回角度センサ19により検出されたθsw2(第2旋回角)と角度の対応関係f(θsw)とに基づいてf(θsw2)の値を算出し、これを演算した積分値に加算することで代替方位角ψ(第2方位角)を受信機17cに代替して算出する。これを式に表すと下記式(5)となる。つまり、上記式(4)と式(2)の組み合わせとなる。
ψ=f(θsw2)+∫ωdt …式(5)
(フローチャート(図11))
図11は第2実施形態に係るコントローラ40による掘削支援制御に関するフローチャートを示す。図中で図10と同じ符号を付した処理は図10と同じであり、以下では図10と異なる処理について主に説明する。
ステップS103で旋回操作の入力があると判定された場合にはステップS113へ進み、旋回操作の入力がない場合にはステップS120へ進む。
ステップS113では、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、現在の上部旋回体12の旋回中心位置において角度の対応関係がコントローラ40内の記憶装置に記憶済みか否かを判定する。角度の対応関係が記憶されている場合にはステップS115に進み、角度の対応関係が記憶されていない場合にはステップS112に進んで掘削支援制御を終了する。
ステップS115では、上記の(パターン5)に該当するため、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、上記の式(4)に基づいて上部旋回体12の代替方位角ψを演算する。例えば、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、代替方位角ψ(第2方位角)を算出する時刻t2(換言するとステップS115の実行時)に旋回角度センサ19により検出されたθsw2(第2旋回角)と、予め記憶しておいた角度の対応関係とに基づいて、時刻t2の代替方位角ψ(第2方位角)を算出する。演算された代替方位角ψはグローバル位置情報選択部74で選択されて、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力される。
またステップS115において、コントローラ40(グローバル位置情報選択部74)は、通信エラーが発報された時刻t1に受信機17cが測位したグローバル位置データP1を選択して、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力する。
上記のとおり、ステップS115でコントローラ40によって算出される通信エラー対応位置情報は、式(4)に基づいて演算された時刻t2における代替方位角ψと、時刻t1におけるグローバル位置データP1となる。
次にステップS104で旋回操作の入力があると判定された場合にはステップS114へ進み、旋回操作の入力がない場合にはステップS106へ進む。
ステップS114では、ステップS113と同様に、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、現在の上部旋回体12の旋回中心位置において角度の対応関係がコントローラ40内の記憶装置に記憶済みか否かを判定する。角度の対応関係が記憶されている場合にはステップS117に進み、角度の対応関係が記憶されていない場合にはステップS112に進んで掘削支援制御を終了する。
ステップS117では、上記の(パターン6)に該当するため、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、上記の式(5)に基づいて上部旋回体12の代替方位角ψを演算する。ここで演算された代替方位角ψはグローバル位置情報選択部74で選択されて、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力される。
またステップS117において、コントローラ40(グローバル位置情報選択部74)は、通信エラーが発報された時刻t1に受信機17cが演算したグローバル位置データP1を選択して、目標地形データ格納部75、目標掘削面情報抽出部76、目標動作演算部77及び報知制御部79等に出力する。
上記のとおり、ステップS115でコントローラ40によって算出される通信エラー対応位置情報は、式(5)に基づいて演算された時刻t2における代替方位角ψと、時刻t1におけるグローバル位置データP1となる。
(効果)
上記のように構成した油圧ショベル1では、走行操作がなく旋回操作がある場合であっても、時刻t1の方位角φ1(第1方位角)と、時刻t1の旋回角度θsw1(第1旋回角)と、時刻t2の旋回角度θsw2(第2旋回角)と、上記式(4)とに基づいて、時刻t2の方位角(代替方位角ψ(第2方位角))を演算でき、その演算した時刻t2の方位角と、GNSS17システムが演算した時刻t1のグローバル位置データP1とを利用することで掘削支援制御を継続できる。
すなわち、本実施形態の油圧ショベル1によれば、第1実施形態と同様に、上部旋回体12の旋回中心位置が変化しない場合には、測位衛星との通信が悪化し通信エラーが生じた際にも、掘削支援制御を維持することが可能となる。つまり、上部旋回体12の旋回操作や、超信地旋回(スピンターン)の操作があっても、掘削支援制御を維持することが可能となり作業効率を向上できる。
(角度の対応関係を記憶するための報知)
上部旋回体12の中心位置の変化後に同じ位置で掘削作業をしている場合(例えば、走行操作後に同じ位置で所定時間走行操作が無い場合)には、その位置での代替方位角ψと旋回角θswの対応関係を演算・記憶できるように、オペレータに対して、代替方位角ψと旋回角θswの対応関係を演算・記憶するための操作(走行操作なしで旋回操作を行う)を促す報知(例えば運転室内のモニタへの表示)を報知装置46を介して行ってもよい。このような報知を行えば、角度の対応関係が記憶されない場面が減り、掘削支援制御の精度と掘削作業効率の向上に寄与し得る。なお、この報知は、オペレータが掘削支援制御の実行を指示しているとき(掘削支援制御のON/OFFスイッチがON状態のとき)であれば、超信地旋回以外の走行操作が実行されて、終了する毎に行われてもよい。
<第3実施形態>
図13のフローチャートの説明でも触れたが、走行操作が入力されていない場合にも下部走行体11が地面上を滑る等して上部旋回体12の旋回中心位置が変化する場合がある。そこで本実施形態では、車体IMU33が検出する加速度の積分値を利用してそのような移動が発生していないか否かを判定する。
図14は第3実施形態に係るコントローラ40による掘削支援制御に関するフローチャートを示す。図中で図10と同じ符号を付した処理は図10と同じであり、以下では図10と異なる処理について主に説明する。
ステップS118では、コントローラ40(センサエラー処理部73)は、車体IMU33が検出する上部旋回体12の前後または左右の加速度に基づいてその積分値を演算し、演算した積分値が所定の速度閾値V1未満かどうかを判定する。速度閾値V1未満の場合にはステップS104へ進み、速度閾値V1以上の場合には上部旋回体12の旋回中心位置が変化したと判断してステップS112に進んで掘削支援制御を終了する。
このように油圧ショベルを構成すると、走行操作が入力されていないときに上部旋回体12の旋回中心位置が変化した場合(例えば、下部走行体11が地面上を滑ったり、超信地旋回によって上部旋回体12の旋回中心位置が変化したりした場合)に代替方位角ψが演算されることが防止できるので、掘削支援制御の精度が向上する。
なお、図14の例ではステップS102とS104の間にステップS118を実行しているが、ステップS118の位置はこの場所だけに限られない。例えば、ステップS100とS101の間で実行しても良いし、ステップS101とS103の間、ステップS103とS105の間、ステップS103とS120の間、ステップS104とS107の間、ステップS104とS106の間などでも実行しても良い。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例が含まれる。例えば、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、ある実施の形態に係る構成の一部を、他の実施の形態に係る構成に追加又は置換することが可能である。
例えば、第1実施形態の図10のフローチャートにおいてステップS105,S106,S107,S120のうち少なくとも1つを省略し、省略した処理に進んだ場合には掘削支援制御を終了するようにフローチャートを変更しても良い。これは第2実施形態の図11、第3実施形態の図14についても同様である。
また、上記の各実施形態では、上部旋回体12のヨー角度と、前後左右方向の加速度との検出に車体IMU33を利用したが、ヨー角度の専用センサや加速度の専用のセンサを代替して利用しても良い。
上記の各実施形態では、GNSSシステム17(GNSS受信機17c)が通信エラーを出力する場合について説明したが、GNSS受信機17cとの通信状態や測位結果(GNSS受信機17cの測位結果)に基づいてコントローラ40(例えばセンサエラー処理部73)が通信エラーを発報しても良い。
上記のコントローラ40に係る各構成や当該各構成の機能及び実行処理等は、それらの一部又は全部をハードウェア(例えば各機能を実行するロジックを集積回路で設計する等)で実現しても良い。また、上記のコントローラ40に係る構成は、演算処理装置(例えばCPU)によって読み出し・実行されることでコントローラ40の構成に係る各機能が実現されるプログラム(ソフトウェア)としてもよい。当該プログラムに係る情報は、例えば、半導体メモリ(フラッシュメモリ、SSD等)、磁気記憶装置(ハードディスクドライブ等)及び記録媒体(磁気ディスク、光ディスク等)等に記憶することができる。
また、上記の各実施の形態の説明では、制御線や情報線は、当該実施の形態の説明に必要であると解されるものを示したが、必ずしも製品に係る全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
1…油圧ショベル,1A…フロント作業装置(作業装置),1B…車体(機械本体),2…油圧ポンプ,3…走行油圧モータ,4…旋回油圧モータ,5…ブームシリンダ,6…アームシリンダ,7…バケットシリンダ,8…ブーム,9…アーム,10…バケット,11…下部走行対,12…上部旋回体,13…履帯,15…流量制御弁(コントロールバルブ),17…GNSSシステム,17a…GNSSアンテナ,17b…GNSSアンテナ,17c…GNSS受信機,18…エンジン,19…旋回角度センサ,22…操作レバー,23…操作レバー,30…ブーム角度センサ,31…アーム角度センサ,32…バケット角度センサ,33…車体IMU,39…ロック弁,40…コントローラ(制御装置),46…報知装置,47…電磁比例弁,48…パイロットポンプ,52…オペレータ操作量センサ,53…姿勢センサ,60…目標掘削面,71…姿勢演算部,72…バケット位置情報演算部,73…センサエラー処理部,74…グローバル位置情報選択部,75…目標地形データ格納部,76…目標掘削面情報抽出部,77…目標動作演算部,78…電磁比例弁制御部,79…報知制御部

Claims (9)

  1. 走行体と、
    前記走行体の上に旋回可能に取り付けられた旋回体と、
    前記旋回体に取り付けられた作業装置と、
    前記走行体の走行動作及び前記旋回体の旋回動作を指示する操作装置と、
    複数の測位衛星から送信される衛星信号を受信するための複数のアンテナと、
    前記複数のアンテナで受信された衛星信号に基づいて、前記複数のアンテナのうち少なくとも1つのアンテナの位置と前記旋回体の方位角とを測位する受信機と、
    前記受信機により測位された前記少なくも1つのアンテナの位置と前記旋回体の方位角とに基づいて目標掘削面を演算し、前記操作装置の操作中に前記作業装置が前記目標掘削面を超えないように前記作業装置を制御するための制御信号を出力するコントローラとを備えた作業機械において、
    前記走行体に対する前記旋回体の旋回角を検出する角度センサを備え、
    前記コントローラは、前記受信機による測位結果が利用不能な場合、かつ、前記走行体に対する操作が前記操作装置に入力されていない場合、かつ、前記旋回体に対する操作が前記操作装置に入力されている場合には、前記受信機による測位結果が利用可能なときに前記受信機により測位された第1方位角と、前記第1方位角が測位されたときに前記角度センサにより検出された第1旋回角と、前記受信機による測位結果が利用不能なときの前記角度センサにより検出された第2旋回角とに基づいて、前記受信機による測位結果が利用不能なときの前記旋回体の第2方位角を算出し、前記第2方位角と前記受信機による測位結果が利用可能なときに前記受信機により測位された前記少なくとも1つのアンテナの位置とに基づいて前記目標掘削面を演算することを特徴とする作業機械。
  2. 請求項1の作業機械において、
    前記コントローラは、前記第1旋回角と前記第2旋回角との差分を、前記第1方位角に加算することで前記第2方位角を算出することを特徴とする作業機械。
  3. 請求項1の作業機械において、
    前記コントローラは、前記角度センサによって検出される旋回角と前記受信機によって測位される方位角との対応関係であって、前記第1旋回角と前記第1方位角の数値から規定される対応関係を前記受信機による測位結果が利用可能なときに記憶し、前記対応関係を記憶したときから前記旋回体の旋回中心位置に変化がない場合、前記第2旋回角と前記対応関係とに基づいて前記第2方位角を算出することを特徴とする作業機械。
  4. 請求項3の作業機械において、
    前記コントローラは、前記受信機による測位結果が利用不能な場合、かつ、前記走行体に対する操作が前記操作装置に入力されていない場合、かつ、前記旋回体に対する操作が前記操作装置に入力されている場合、前記第1旋回角と前記第1方位角の数値に基づいて前記対応関係を演算して記憶することを特徴とする作業機械。
  5. 請求項3の作業機械において、
    前記旋回体の前後方向または左右方向における加速度を検出する加速度センサを備え、
    前記コントローラは、前記加速度センサによって検出される加速度の積分値が所定の速度閾値未満の場合に、前記旋回体の旋回中心位置に変化がないと判断することを特徴とする作業機械。
  6. 請求項1の作業機械において、
    前記旋回体のヨー角速度を検出する角速度センサを備え、
    前記コントローラは、前記受信機による測位結果が利用不能な場合、かつ、前記走行体に対する超信地旋回操作が前記操作装置に入力されている場合、かつ、前記旋回体に対する操作が前記操作装置に入力されていない場合、前記角速度センサにより検出される前記ヨー角速度に基づいて、前記第1方位角が前記受信機により測位された第1時刻から前記受信機による測位結果が利用不能となった第2時刻までの前記ヨー角速度の積分値を演算し、前記積分値を前記第1方位角に加算することで前記第2方位角を算出することを特徴とする作業機械。
  7. 請求項1の作業機械において、
    前記旋回体のヨー角速度を検出する角速度センサを備え、
    前記コントローラは、
    前記受信機による測位結果が利用不能な場合、かつ、前記走行体に対する超信地旋回操作が前記操作装置に入力されている場合、かつ、前記旋回体に対する操作が前記操作装置に入力されている場合、
    前記角速度センサにより検出される前記ヨー角速度に基づいて、前記第1方位角が前記受信機により測位された第1時刻から前記第2方位角が算出される第2時刻までの前記ヨー角速度の積分値を演算し、
    前記第1旋回角と前記第2旋回角との差分を演算し、
    前記積分値と前記差分を前記第1方位角に加算することで前記第2方位角を算出することを特徴とする作業機械。
  8. 請求項6の作業機械において、
    前記走行体が有する左右一対の履帯をそれぞれ駆動する左右一対の油圧モータをさらに備え、
    前記コントローラは、前記左右一対の油圧モータに対して方向が逆で大きさが略等しい操作が前記操作装置に入力された場合、前記走行体に対する超信地旋回操作が前記操作装置に入力されていると判断することを特徴とする作業機械。
  9. 請求項1の作業機械において、
    前記コントローラによって前記第2方位角が算出されている場合、前記受信機による測位結果が利用不能なことを報知する報知装置を備えることを特徴とする作業機械。
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