JP2021154206A - ハニカム構造体 - Google Patents

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佑基 高室
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【課題】全体の昇温性及び排ガス浄化性能を向上させることが可能なハニカム構造体を提供する。【解決手段】第一端面10から第二端面20まで延びる流体の流路となる複数のセル30を区画形成する多孔質の隔壁40と、隔壁40を囲繞するように配設された外周壁50とを備えるハニカム構造体100である。隔壁40は、セル30内に突出し且つセル30が延びる方向に連続して設けられた突起部41を有する。第一端面10から第二端面20までの長さL1に対する突起部41の突出高さH1の割合(H1/L1)は0.007以上である。セル30が延びる方向に直交する断面において、セル30の重心を中心とする円領域Aに位置する突起部41の面積割合が、突起部41の面積の50%以上であり、且つ円領域Aの直径がセル30の水力直径の70%である。【選択図】図1

Description

本発明は、ハニカム構造体に関する。
燃料を燃焼して動力を生成する技術分野においては、近年、環境問題に対する意識の高まりに伴い、燃料の燃焼時に発生する排ガスから窒素酸化物などの有害成分を除去する様々な技術が開発されている。例えば、自動車のエンジンから排出される排ガスから窒素酸化物などの有害成分を除去する方法として、触媒を用いて有害成分に化学反応を生じさせ、比較的無害な別の成分に変化させる方法が一般的に知られている。この排ガス浄化用の触媒を担持するための触媒担体には、ハニカム構造体が用いられている。
従来、触媒担体に用いることが可能なハニカム構造体としては、流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を備えるハニカム構造体が知られている。また、隔壁の幾何学的表面積を増大させることを目的として、隔壁より内方に突出する突起部(フィン)を設けたハニカム構造体が提案されている(例えば、特許文献1)。
特公平8−4749号公報
隔壁に突起部を設けたハニカム構造体は、排ガスと接する表面積の増加に加えて排ガスの流れを乱す作用を有することから、ハニカム構造体と排ガスとの間の熱交換を促進させることができる。そのため、ハニカム構造体の昇温性が向上することにより、排ガス浄化性能を高めることができると考えられる。
しかしながら、ハニカム構造体の昇温性の向上効果は、排ガスの流入端面側に集中して現れ易い。特に、ハニカム構造体の全長(流路方向長さ)が長くなると、排ガスの流入端面側に比べて排ガスの流出端面側が昇温され難いため、ハニカム構造体の全体としての昇温性の向上効果が十分とはいえない。よって、このようなハニカム構造体を触媒担体として用いても、排ガス浄化性能を十分に高めることができない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、全体の昇温性及び排ガス浄化性能を向上させることが可能なハニカム構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは、隔壁に突起部を設けたハニカム構造体について鋭意研究を行った結果、特定の構造とすることにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第一端面から第二端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁と、前記隔壁を囲繞するように配設された外周壁とを備え、
前記隔壁は、前記セル内に突出し且つ前記セルが延びる方向に連続して設けられた突起部を有し、
前記第一端面から前記第二端面までの長さL1に対する前記突起部の突出高さH1の割合(H1/L1)が0.007以上であり、
前記セルが延びる方向に直交する断面において、前記セルの重心を中心とする円領域に位置する前記突起部の面積割合が、前記突起部の面積の50%以上であり、且つ前記円領域の直径が前記セルの水力直径の70%である、ハニカム構造体である。
本発明によれば、全体の昇温性及び排ガス浄化性能を向上させることが可能なハニカム構造体を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るハニカム構造体のセルが延びる方向に直交する断面を模式的に示す断面図である。 図2のa−a’断面を模式的に示す断面図である。 図2の断面における1つのセルを拡大して模式的に示す拡大断面図である。 本発明の他の実施形態に係るハニカム構造体のセルが延びる方向に直交する断面における1つのセルを拡大して模式的に示す拡大断面図である。 本発明の更に他の実施形態に係るハニカム構造体のセルが延びる方向に直交する断面における1つのセルを拡大して模式的に示す拡大断面図である。 実施例においてハニカム構造体を配置した排気系を説明するための概略図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対し変更、改良などが適宜加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
(1)ハニカム構造体
図1は、本発明の一実施形態に係るハニカム構造体のセルが延びる方向に直交する断面を模式的に示す断面図である。図2は、図1のa−a’断面(セルが延びる方向に平行な断面)を模式的に示す断面図である。図3は、図1の断面における1つのセルを拡大して模式的に示す拡大断面図である。
図1〜3に示されるように、ハニカム構造体100は、第一端面10から第二端面20まで延びる流体の流路となる複数のセル30を区画形成する多孔質の隔壁40と、隔壁40を囲繞するように配設された外周壁50とを備えている。また、隔壁40は、セル30内に突出し且つセル30が延びる方向に連続して設けられた突起部41を有する。
なお、第一端面10及び第二端面20は、いずれか一方を排ガスの流入端面とし、他方を排ガスの流出端面とすることができる。以下では、第一端面10を排ガスの流入端面、第二端面20を排ガスの流出端面とした場合を例にして説明する。
第一端面10から第二端面20までの長さ(ハニカム構造体100の全長)L1に対する突起部41の突出高さH1の割合(H1/L1)は、0.007以上、好ましくは0.009以上、より好ましくは0.011以上である。H1/L1を上記の範囲に制御することにより、排ガスの流出端面(第二端面20)側でも昇温効果が確保されるため、ハニカム構造体100の全体としての昇温性を向上させることができる。よって、このハニカム構造体100を触媒担体として用いた場合に排ガス浄化性能を向上させることができる。一方、H1/L1の上限値は、特に限定されないが、好ましくは0.050以下、より好ましくは0.040以下、更に好ましくは0.030以下である。
なお、突起部41の突出高さH1とは、セル30が延びる方向に直交する断面において、突起部41の頂点(突起部41の最も高い点)から、突起部41の底辺までの最短距離のことをいう。
ここで、突起部41の突出高さH1は、以下の方法で求めることができる。まず、ハニカム構造体100の第一端面10を投影機(例えば、Mitutoyo社製のプロファイルプロジェクタ;Profile Projector)を用いて撮像する。第一端面10の形状は、第二端面20又はセル30が延びる方向に直交する断面の形状と同じであるため、第一端面10の代わりに、第二端面20又はセル30が延びる方向に直交する断面を撮像してもよい。次に、得られた画像を、画像解析ソフト(例えば、Mitutoyo社製の画像解析ソフト)によって画像解析し、突起部41の突出高さH1を測定する。測定に際しては、撮像した画像を所望の倍率に適宜拡大して測定することが好ましい。
なお、セル30が延びる方向に直交する断面における後述する各特徴についても、上述した投影機によって撮像した画像を用いて測定することができる。
セル30が延びる方向に直交する断面において、セル30の重心Gを中心とする円領域Aに位置する突起部41の面積割合は、突起部41の面積の50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。ここで、円領域Aは、直径D1がセル30の水力直径D2の70%である。円領域Aに位置する突起部41の面積割合を上記の範囲に制御することにより、セル30の中央領域まで突起部41が突出した構造となるため、排ガスと接する表面積を増加させつつ、排ガスの流れを分断して乱し、セル30内で排ガスの流れの局所的な集中を抑制することができる。その結果、排ガスの流出端面(第二端面20)側でも昇温効果が確保されるため、ハニカム構造体100の全体としての昇温性を向上させることができる。よって、このハニカム構造体100を触媒担体として用いた場合に排ガス浄化性能を向上させることができる。一方、円領域Aに位置する突起部41の面積割合の上限値は、特に限定されないが、突起部41の面積の好ましくは90%以下、より好ましくは87%以下、更に好ましくは85%以下である。
突起部41の突出高さH1とセルピッチH2とは、下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。
0.15≦H1/H2≦0.40 ・・・ (1)
H1/H2を0.15以上に制御することにより、突起部41によって排ガスの流れを分断して乱し、セル30内で排ガスの流れの局所的な集中を抑制することができる。また、H1/H2を0.40以下に制御することにより、圧力損失の増大を抑制することができる。これらの効果を安定して得る観点から、H1/H2は0.20〜0.30であることが好ましい。
なお、ハニカム構造体100のセルピッチH2とは、対向配置された2つの隔壁40間の距離に、各隔壁40の厚さの半分の値を加算した距離のことをいう。
突起部41の形状は、特に限定されず、各種形状とすることができる。例えば、セル30が延びる方向に直交する断面において、図3に示されるような矩形状であってもよいし、図4に示されるような台形状であってもよい。また、突起部41の形状は、図示は省略するが、三角形、半円形状、半楕円形状であってもよく、例示した各種形状の組み合わせとしてもよい。なお、図4は、ハニカム構造体100のセル30が延びる方向に直交する断面における1つのセル30を拡大して模式的に示す拡大断面図である。
突起部41の形状が、図4に示されるような台形状である場合、突起部41は、頂部の幅W1に対する底部の幅W2の割合(W2/W1)が0.5〜0.9であることが好ましく、0.6〜0.8であることがより好ましい。W2/W1を上記の範囲に制御することにより、円領域Aに位置する突起部41の表面積が多くなるため、排ガスと接触し易くなり、昇温性を向上させることができる。
突起部41は、セル30の1つの面に対して1個設けられていることが好ましい。このような構成とすることにより、セル30内で排ガスの流れが淀むことを抑制することができる。
1つのセル30に設けられる突起部41の数は、特に限定されないが、一般的に1〜4つ、好ましくは2つである。突起部41の数を2つとすることにより、排ガスと接する表面積を増加させて昇温性を向上させつつ、圧力損失の増大を抑制することができる。
また、2つの突起部41は、1つのセル30の対向する2つの面に設けられていることが好ましい。このような構成とすることにより、突起部41の数が過剰に増加することを抑制し、排ガスの流れが淀むことを安定して抑制することができる。
突起部41は、図5に示されるように、セル30が延びる方向に直交する断面において、第一の辺X1に設けられた突起部41aの頂部の幅方向中央部から第一の辺X1に垂線をおろした点Pから第一の辺X1の両端に位置する他の辺X3,X4までの距離をL2及びL3(ただし、L2≧L3)とし、且つ第一の辺X1と対向する第二の辺X2に設けられた突起部41bの頂部の幅方向中央部から第二の辺X2に垂線をおろした点Qから第二の辺X2の両端に位置する他の辺X3,X4までの距離をL4及びL5(ただし、L4≧L5)とした場合に、下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
L3/L2+L5/L4≧1 ・・・ (2)
第一の辺X1及び第二の辺X2に設けられた突起部41の位置は、各辺の中央からずれると排ガスとの接触性が低下する傾向にあるが、上記式(2)の関係を満たすように制御することにより、排ガスとの接触性を確保することができるため、昇温性を向上させることができる。このような効果を安定して得る観点から、L3/L2+L5/L4は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは1.8以上である。なお、図5は、ハニカム構造体100のセル30が延びる方向に直交する断面における1つのセル30を拡大して模式的に示す拡大断面図である。
隔壁40は多孔質である。隔壁40の気孔率は、特に限定されないが、好ましくは30〜65%、より好ましくは40〜60%である。気孔率を30%以上とすることにより、排ガス浄化用触媒を担持させた場合に圧力損失の上昇を抑えることができる。また、気孔率を65%以下とすることにより、機械的強度を確保することができる。
なお、隔壁40の気孔率は、水銀圧入法によって測定された気孔率を意味する。隔壁40の気孔率の測定は、例えば、Micromeritics社製のオートポア9500(商品名)を用いて行うことができる。
隔壁40の厚さは、特に限定されないが、好ましくは0.05〜0.153mm、より好ましくは0.05〜0.110mmである。隔壁40の厚さを0.05mm以上とすることにより、機械的強度を確保することができる。また、隔壁40の厚さを0.153mm以下とすることにより、ハニカム構造体100の圧力損失の上昇を抑制することができる。なお、隔壁40の厚さとは、突起部41が設けられていない部分の厚さのことである。
隔壁40の材料としては、特に限定されないが、セラミックスを主成分とすることが好ましい。具体的には、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム、窒化珪素、及び炭化珪素−コージェライト系複合材料からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、本明細書において主成分とは、全体に占める割合が50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上であることを意味する。
セル30が延びる方向に直交する断面におけるセル30の形状としては、特に限定されず、例えば、四角形、五角形、六角形、八角形などの多角形が挙げられる。また、異なる形状のセル30が混在していてもよい。例えば、四角形のセル30と、六角形又は八角形のセル30とが混在していてもよい。なお、本明細書においてセル30の形状とは、突起部41を除いたセル30の形状のことを意味する。
ハニカム構造体100のセル密度は、特に限定されないが、好ましくは31〜155個/cm2、より好ましくは43〜148個/cm2である。セル密度を31個/cm2以上とすることにより、機械的強度を確保することができる。また、セル密度を155個/cm2以下とすることにより、圧力損失の増大を抑制することができる。
外周壁50は、隔壁40を囲繞するように配設された壁である。外周壁50は、隔壁40と同一の材料から形成されていてよく、隔壁40と一体に形成したものであってもよい。
外周壁50の厚さは、特に限定されないが、好ましくは0.1〜0.6mm、より好ましくは0.1〜0.3mmである。外周壁50の厚さを0.1mm以上とすることにより、機械的強度を確保することができる。また、外周壁50の厚さを0.6mm以上とすることにより、ハニカム構造体100をコンパクト化することができる。
ハニカム構造体100の全長(第一端面10から第二端面20までの長さ)L1は、特に限定されないが、好ましくは20〜120mm、より好ましくは30〜100mm、更に好ましくは45〜65mmである。ハニカム構造体100の全長を20mm以上とすることにより、触媒担体として用いるのに有効な長さを確保することができる。また、ハニカム構造体100の全長を120mm以下とすることにより、排ガスの流出端面(第二端面20)側でも昇温効果が確保されるため、ハニカム構造体100の全体としての昇温性を向上させることができる。
ハニカム構造体100は、突起部41が内部に突出したセル30の他に、突起部41が内部に突出していないセル30を含んでいてもよい。この場合、ハニカム構造体100における突起部41が内部に突出したセル30の割合は、好ましくは50%以上、より好ましくは65%以上、更に好ましくは80%以上である。突起部41が内部に突出したセル30の割合を50%以上とすることにより、昇温効果を高めることができる。なお、ハニカム構造体100における突起部41が内部に突出したセル30の割合の上限は、特に限定されないが、好ましくは100%以下、より好ましくは99%以下である。
ハニカム構造体100は、隔壁40に排ガス浄化用触媒が担持されていてもよい。排ガス浄化用触媒を担持することにより、排ガスを浄化する機能を得ることができる。特に、ハニカム構造体100は、全体としての昇温性が高いため、排ガス浄化性能を向上させることができる。
また、ハニカム構造体100は、隔壁40が突起部41を有しているため、排ガス浄化用触媒を担持させると、突起部41が設けられている分だけ、突起部41が設けられていないハニカム構造体100に比べて、排ガス浄化用触媒の担持量が増大する。したがって、排ガス浄化用触媒と排ガスとの接触性が高まり、排ガス浄化性能を向上させることができる。
排ガス浄化用触媒としては、特に限定されないが、例えば、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒、NOx吸蔵触媒、酸化触媒などが挙げられる。
(2)ハニカム構造体の製造方法
本発明のハニカム構造体は、ハニカム成形工程と焼成工程とを含む方法により製造できる。以下に各工程について説明する。
(2−1)ハニカム成形工程
ハニカム成形工程では、セラミックス原料を含有するセラミックス成形材料を成形し、第一端面から第二端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁と、隔壁を囲繞するように配設された外周壁とを備えるハニカム成形体を形成する。
セラミックス成形材料に含有されるセラミックス原料としては、コージェライト化原料、コージェライト、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、ムライト、チタン酸アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。なお、コージェライト化原料とは、シリカが42〜56質量%、アルミナが30〜45質量%、マグネシアが12〜16質量%の範囲に入る化学組成となるように配合されたセラミックス原料である。そして、コージェライト化原料は、焼成されてコージェライトになるものである。
また、セラミックス成形材料は、上記セラミックス原料に、分散媒、有機バインダ、無機バインダ、造孔材、界面活性剤など混合し、混練する調製することができる。各原料の組成比は、特に限定されず、作製しようとするハニカム構造体の構造、材質などに応じた組成比とすることが好ましい。
セラミックス成形材料を成形する際には、混練して得られた坏土(セラミックス成形材料)をハニカム形状に成形する。混練方法としては、例えば、ニーダー、真空土練機などを用いる方法を挙げることができる。坏土を成形してハニカム成形体を形成する方法としては、例えば、押出成形、射出成形などの公知の成形方法を用いることができる。好適な例としては、口金を用いて押出成形してハニカム成形体を形成する方法が挙げられる。口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。
口金は、以下のようにして作製したものを用いることが好ましい。まず、突起部を有さない従来公知のハニカム構造体を作製する際に使用される口金(従来型口金)を用意する。次に、従来型口金のスリット(隔壁を形成するための隙間)から、従来型口金の口金本体側に向かって、突起部と相補的な領域(坏土が入り込むことによって突起部となる領域)を形成する。上述した「突起部と相補的な領域」は、例えば、従来型口金の口金本体に対して、放電加工などを行うことにより形成することができる。以上のようにして、所定の口金を作製することができる。
このような口金を用いることで、本発明の実施形態に係るハニカム構造体の条件を満たす突起部を有するハニカム成形体を簡便に作製することができる。
ハニカム成形体の形状としては、特に制限はなく、円柱状、楕円柱状、端面が正方形、長方形、三角形、五角形、六角形、八角形などの多角柱状などを挙げることができる。
また、上記の成形後には、得られたハニカム成形体を乾燥してもよい。乾燥方法については、特に限定されず、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥などを挙げることができる。これらの中でも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥又は熱風乾燥を単独で又は組合せて行うことが好ましい。
(2−2)焼成工程
焼成工程では、ハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体を作製する。ハニカム成形体の焼成は、ハニカム成形体を構成する成形材料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保するために行われる。焼成条件(温度、時間、雰囲気など)は、成形材料の種類により異なるため、その種類に応じて適当な条件を選択すればよい。例えば、コージェライト化原料を使用している場合には、焼成温度は、1410〜1440℃が好ましい。また、焼成時間は、最高温度での保持時間として、4〜8時間が好ましい。焼成を行う装置としては、電気炉、ガス炉などを用いることができる。
このようにして得られたハニカム焼成体を、本発明の実施形態に係るハニカム構造体とすることができる。
なお、ハニカム構造体の製造方法においては、以下に示すような外周コート工程及び/又は触媒担持工程を更に含んでもよい。
(2−3)外周コート工程
外周コート工程では、得られたハニカム焼成体の外周に、外周コート材を塗布して外周壁を形成する。なお、外周壁は、ハニカム成形体の作製時に、隔壁と一体となるように形成してもよい。外周コート工程によって更に外周壁を形成することにより、ハニカム構造体に外力が加わった際にハニカム構造体が欠けてしまうことを防止できる。
外周コート材としては、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、SiC粒子などの無機原料に、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤などの添加材を加えたものに水を加えて混練したものなどを挙げることができる。外周コート材を塗布する方法は、「切削されたハニカム焼成体」をろくろ上で回転させながらゴムへらなどでコーティングする方法などを挙げることができる。
(2−4)触媒担持工程
触媒担持工程では、得られたハニカム構造体の隔壁に排ガス浄化用触媒を担持させる。排ガス浄化用触媒の担持方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、排ガス浄化用触媒を含む触媒スラリーをウォッシュコートした後、熱処理して焼付ける方法などを用いることができる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(ハニカム構造体の製造)
セラミックス原料に、バインダ、界面活性剤、造孔材及び水を添加して混合し、混錬することによって坏土(セラミックス成形材料)を得た。セラミックス原料としては、コージェライト化原料である、カオリン、タルク、アルミナを用いた。また、混練は、ニーダーで混練した後、真空土練機で土練することによって行った。
次に、得られた坏土を、表1に示す形状となるように設計された口金を用いて押出成形し、ハニカム成形体を作製した。突起部を有する隔壁を備えるハニカム成形体の製造では、突起部と相補的な領域(坏土が入り込むことによって突起部となる領域)が形成された口金を用いた。ハニカム成形体は円柱状とし、セルが延びる方向に直交する断面におけるセルの形状を四角形とした。
次に、ハニカム成形体を乾燥させて、ハニカム乾燥体を得た。乾燥は、マイクロ波乾燥を行った後、熱風の温度120℃で2時間の熱風乾燥を行った。次に、ハニカム乾燥体の両端部を切断して所定の長さに調整した。
次に、得られたハニカム乾燥体を脱脂した。脱脂は、450℃で5時間行った。次に、脱脂したハニカム乾燥体を焼成してハニカム構造体(ハニカム焼成体)を得た。焼成は、大気中、1425℃で7時間行った。なお、1200〜1425℃までの昇温は5時間とした。
上記で作製したハニカム構造体はいずれも、セルが延びる方向に直交する断面の直径を93.0mm、外周壁の厚さを0.3mm、嵩密度を0.56g/cm3、隔壁の気孔率を32%とした。また、セル密度は、突起部を有するものを93個/cm2、突起物を有さないものを62個/cm2とした。また、突起部を有する隔壁を備えるハニカム構造体は、1つのセルの対向する2つの面に突起部を設け、突起部が内部に突出したセルの割合を72%とした。ハニカム構造体におけるその他の構造の詳細については表1に示す。各部分の大きさなどについては、上述の方法によって測定した。各試験は、全長L1及び嵩密度を同じに設定して行った。
Figure 2021154206
次に、上記で作製したハニカム構造体の隔壁に、触媒(三元触媒)を150g/L担持させた。触媒を担持させたハニカム構造体は、電気炉を用いて、950℃で12時間エージング処理を行った。その後、触媒を担持させたハニカム構造体を図6に示す排気系に設けた。排気系は、エンジン200から排出された排ガスが流通するメイン流路201及びバイパス流路205を含み、メイン流路201及びバイパス流路205は排気ボックス210に接続した。メイン流路201には、メインバルブ202及びハニカム構造体100を設けた。バイパス流路205には、バイパスバルブ206を設けた。メイン流路201に設けたハニカム構造体100には、セルが延びる方向に直交する断面の中心であり且つ排ガスの流入端面から10mmの位置(T1)及び流出端面から10mmの位置(T2)に熱電対を挿入して配置した。
次に、エンジン200から排出された排ガスを、バイパスバルブ206を開けてバイパス流路205に導入し、排ガスが所定の流量(38.4m3/h)及び温度(約430℃)になるように調整した。次に、排ガスの流量及び温度が安定した時点で、バイパスバルブ206を閉じるとともにメインバルブ202を開けてメイン流路201に排ガスを導入することにより、ハニカム構造体100に排ガスを供給し、以下の評価を行った。
(昇温性)
ハニカム構造体に挿入した熱電対を用いてハニカム構造体のT1及びT2における温度を連続的に測定し、温度が350℃に到達するまでの時間(以下、「350℃到達時間」という)を昇温性の評価として求めた。この評価では、各試験において、突起部がない隔壁を備えるハニカム構造体の350℃到達時間に対する、突起部を有する隔壁を備えるハニカム構造体の350℃到達時間の短縮率についても算出し、以下の基準で判定した。
T1及びT2の両方における350℃到達時間の短縮率が10%以下:×(昇温性の向上効果が小さい)
T1又はT2の一方における350℃到達時間の短縮率が10%以上:〇(昇温性の向上効果がある)
T1及びT2の両方における350℃到達時間の短縮率が10%以上:◎(昇温性の向上効果が大きい)
(排ガス浄化性能)
エミッション計測器220(HORIBA製MEXA−ONE)を用いて排ガス(NOx)の浄化率を測定し、浄化率が50%になった際の排ガス温度T50を排ガス浄化性能の評価として求めた。この評価では、各試験において、突起部がない隔壁を備えるハニカム構造体の排ガス温度T50に対する、突起部を有する隔壁を備えるハニカム構造体の排ガス温度T50の低下率についても算出し、以下の基準で判定した。
排ガス温度T50の低下率が0%以下:×(排ガス浄化性能の向上効果が小さい)
排ガス温度T50の低下率が0%超過1%未満:〇(排ガス浄化性能の向上効果がある)
排ガス温度T50の低下率が1%以上:◎(排ガス浄化性能の向上効果が大きい)
(総合判定)
総合判定は、以下の基準で行った。
昇温性の判定及び排ガス浄化性能の判定の両方が×であるもの:×
昇温性の判定及び排ガス浄化性能の判定の一方が〇、他方が〇又は×であるもの:△
昇温性の判定及び排ガス浄化性能の判定の一方が◎、他方が〇又は×であるもの:〇
昇温性の判定及び排ガス浄化性能の判定の両方が◎であるもの:◎
上記の各評価結果を表2に示す。
Figure 2021154206
表2に示されるように、試験1〜5において、突起部を有する隔壁を備えるハニカム構造体は、突起部がない隔壁を備えるハニカム構造体に比べて、昇温性及び排ガス浄化性能を向上させることができた。また、突起部を有する隔壁を備えるハニカム構造体のうち、ハニカム構造体の全長(第一端面から第二端面までの長さL1)に対する突起部の突出高さH1の割合(H1/L1)を0.007以上及び円領域Aに位置する突起部の面積割合を50%以上とすることにより、昇温性及び排ガス浄化性能の向上効果を大きくすることができた。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、全体の昇温性及び排ガス浄化性能を向上させることが可能なハニカム構造体を提供することができる。
10 第一端面
20 第二端面
30 セル
40 隔壁
41,41a,41b 突起部
50 外周壁
100 ハニカム構造体
200 エンジン
201 メイン流路
202 メインバルブ
205 バイパス流路
206 バイパスバルブ
210 排気ボックス
220 エミッション計測器

Claims (9)

  1. 第一端面から第二端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁と、前記隔壁を囲繞するように配設された外周壁とを備え、
    前記隔壁は、前記セル内に突出し且つ前記セルが延びる方向に連続して設けられた突起部を有し、
    前記第一端面から前記第二端面までの長さL1に対する前記突起部の突出高さH1の割合(H1/L1)が0.007以上であり、
    前記セルが延びる方向に直交する断面において、前記セルの重心を中心とする円領域に位置する前記突起部の面積割合が、前記突起部の面積の50%以上であり、且つ前記円領域の直径が前記セルの水力直径の70%である、ハニカム構造体。
  2. 前記突起部の突出高さH1とセルピッチH2とが下記式(1)の関係を満たす、請求項1に記載のハニカム構造体。
    0.15≦H1/H2≦0.40 ・・・ (1)
  3. 前記隔壁の厚さが0.05〜0.153mmである、請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記突起部の頂部の幅W1に対する前記突起部の底部の幅W2の割合(W2/W1)が0.5〜0.9である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  5. 1つの前記セル内に2つの前記突起部が設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  6. 2つの前記突起部が、1つの前記セルの対向する2つの面に設けられている、請求項5に記載のハニカム構造体。
  7. 前記セルが延びる方向に直交する断面において、第一の辺に設けられた前記突起部の頂部の幅方向中央部から前記第一の辺に垂線をおろした点Pから前記第一の辺の両端に位置する他の辺までの距離をL2及びL3(ただし、L2≧L3)とし、且つ
    前記第一の辺と対向する第二の辺に設けられた前記突起部の頂部の幅方向中央部から前記第二の辺に垂線をおろした点Qから前記第二の辺の両端に位置する他の辺までの距離をL4及びL5(ただし、L4≧L5)とした場合に、
    下記式(2)の関係を満たす、請求項6に記載のハニカム構造体。
    L3/L2+L5/L4≧1 ・・・ (2)
  8. 第一端面から第二端面までの長さL1が45〜65mmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  9. 前記隔壁に排ガス浄化用触媒が担持されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
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