JP2021153820A - 皮膚柔軟性の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 皮膚の柔軟性を測定する方法、特に、従来の測定方法に比べて、より高感度に皮膚の柔軟性を測ることができる測定方法を提供する。さらに、基剤等を皮膚に塗布した状態での皮膚の柔軟性の測定に適した測定方法を提供する。【解決手段】 (a)皮膚の対象部位に一対の接触子を押し当て、(b)当該接触子を皮膚表面に沿って互いに離間する方向に所定距離移動させ、(c)前記(b)において前記接触子に生じる最大応力を測定することを含み、前記最大応力の値を皮膚の柔軟性の指標とすることを特徴とする、皮膚の柔軟性を測定する方法。【選択図】 図5

Description

本発明は、皮膚の柔軟性を測定する方法に関する。より詳細には、簡便かつ従来に比較して高感度で皮膚の柔軟性を評価できる測定方法に関する。
皮膚は、日光(紫外線)や様々な外的刺激に起因して、あるいは加齢により柔軟性が失われる傾向があり、実年齢に対して、皮膚の粘弾性(皮膚の柔軟性あるいは弾力)等に基づいて算出される「肌年齢」といった指標も知られるようになっている。化粧品の分野においても、使用者の皮膚の状態に応じて適切な化粧品を提供することが望まれてきており、皮膚の柔軟性を客観的に把握する方法が求められている。
従来、皮膚の粘弾性特性を測定する方法として、キュートメーターを用いた陰圧吸引法が汎用されていた。この方法は、皮膚表面に陰圧状態のプローブ開口部を押し当てて皮膚を開口部内に引き込み、引き込まれた皮膚長を測定し、次いで吸引を解除したときの変位長(戻り)を測定し、これらの値をパラメータとして粘弾性率を求める方法である。しかしながら、皮膚表面を陰圧状態で吸引する方式のため、基剤等を塗布した皮膚では当該基剤を吸い込んでしまう懸念があるため、測定前に化粧を落とす必要があった。
特許文献1には、測定対象である皮膚の表面と接触する一対の接触子と、当該接触子を皮膚の表面に沿った方向に動作させる動力部と、接触子の運動によって生じる反力(応力ともいう)を検知する検知部と、検知したデータを処理する処理部とを備えた装置を用い、皮膚の表面と接触した接触子を、接触子間距離を縮める接近動作と、接触子間距離を維持する保持静止動作と、接触子間距離を元に戻す復帰動作からなるサイクルにて複数回繰り返し動作させ、皮膚変形により生じる反力を測定することにより、皮膚の表面及び内部構造の物性を測定する方法が記載されている。この方法は簡便に実施することができ、化粧を施した皮膚へも適用可能である。特許文献1では、当該測定により得られる老化やシワの形成に関連するパラメータとして、接近動作による収縮時の反力の最大値、保持静止動作において減衰する反力の最大値、復帰動作における収縮解放時に減衰する反力の最大値、及び、保持静止動作の維持時において反力が最大値からF2/e(F2=保持静止動作の維持時における減衰する反力の最大値、e=2.718)まで減衰するのにかかる時間が挙げられている。
特許文献2には、特許文献1と同様の操作で得られる反力(応力)波形から選択するパラメータとして、皮膚収縮時の最大反力に対して前記保持静止ステップで前記最大反力がどれだけ保持されているかを表す反力保持率を選択し、複数回の測定サイクルの内の2つのサイクル間での前記反力保持率の増加率を求めることを特徴としており、当該反力保持率の増加率が年齢や見た目のたるみとの高い相関があるとされている。
しかし、特許文献1及び2に記載された測定方法では、測定により得られる反力(応力)の値が小さく、皮膚の柔軟性を正確に評価するのに十分な感度を備えていなかった。そこで、より高感度に皮膚の柔軟性を測ることができる測定方法の開発が望まれていた。
特許第3939984号公報 特開2013−13628号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、皮膚の柔軟性を高感度で測定でき、それにより被験者の皮膚の状態を正確に把握できるような測定方法を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、皮膚の対象部位に一対の接触子を押し当てながら前記接触子を移動させて応力(反力)を測定する方法において、前記接触子を互いに離間する方向に移動させたときに生じる応力が、従来のように接近させたときに生じる応力より格段に大きく、より高感度に皮膚の柔軟性を測定できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(a)皮膚の対象部位に一対の接触子を押し当て、
(b)当該接触子を皮膚表面に沿って互いに離間する方向に所定距離移動させ、
(c)前記(b)において前記接触子に生じる最大応力を測定することを含み、
前記最大応力の値を皮膚の柔軟性の指標とすることを特徴とする、皮膚の柔軟性を測定する方法を提供する。
本発明の測定方法では、接触子を互いに離間する方向に移動させる際に当該接触子に生じる応力を検知するが、その応力値は接触子を接近させる際に生じる応力値に比較して大きい。そのため、皮膚の柔軟性と関連する応力値を高感度で測定することができる。したがって、皮膚の柔軟性の微妙な変化を正確に検知することが可能になる。皮膚の柔軟性は、被験者の皮膚の加齢による変化、外的刺激による変化、あるいは皮膚に塗布した化粧料等の基剤による皮膚柔軟化効果と関連しているため、被験者の肌年齢などの皮膚状態を表す指標や化粧料の効果等を簡便かつ感度よく測定することができる。
本発明の方法を実施するのに適した装置の一部を示す断面模式図である。 本発明の一態様における接触子間距離の変化(a)と、当該変化に応じて接触子で検知される応力の変化(b)とを示す説明図である。 離間/復帰サイクルで接触子を動作させたときに得られる応力波形の典型例を示す模式図である。 実施例1において測定した最大応力と被験者の年齢との相関を示すグラフである。 実施例2において皮膚に保湿剤を塗布した後の最大応力の経時変化を示すグラフである。 実施例3における化粧料基剤塗布前後での最大応力の変化を示すグラフである。 実施例4における皮膚のストレッチ(伸展)処理による最大応力の変化を示すグラフである。
以下、本発明の方法の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の方法を実施するのに好適な装置の一部の構造を示す断面模式図である。当該装置は、一対の略棒状の接触子(1)を備え、当該接触子(1)には接触子にかかる応力を検知する検知器(例えば、歪み計(ストレンゲージ)等)(2)が接続されている。
前記接触子(1)は、当該接触子を図1における水平方向に移動させる動力部(モーター等)に接続され、前記検知器(2)は、検知した応力を電気信号として伝達するための伝達手段に接続されている。
前記接触子(1)、検知器(2)及び動力部は1つのユニットとしてプローブ(3)内に収容されているのが好ましい。
また、接触子(1)の移動、すなわち動力部の操作はコンピュータ等の制御手段により制御されているのが好ましく、検知器(2)からの検知した応力に応じた電気信号も伝達手段を介して制御部に伝達され、表示、保存、あるいは演算されて所望の形式で出力されるようにするのが好ましい。
上記したような図1に例示する装置は、例えば特許文献1及び2に記載されている測定装置であってよい。
本発明に係る皮膚の柔軟性の測定方法は、まず、一対の接触子(1)を皮膚の対象部位に押し当てる(工程(a))。図1を参照すれば、接触子(1)の先端(11)を皮膚(100)の表面(101)に押し当てる。
本明細書における「押し当てる」とは、強い(過度の)力を加えて押し付けることではなく、接触子(1)と皮膚(100)との接触部分で滑りが生じない程度の適度な力で接触子(1)を皮膚(100)に当接することを意味する。なお、接触子(1)の先端(11)と皮膚表面(101)との間に粘着層や高摩擦層等の滑り抑制手段を設け、接触子(1)を移動させる際の滑りを更に防止してもよい。当該粘着層は、例えば、接触子(1)の先端(11)に両面粘着テープを貼り付ける、あるいは接着剤を塗布する等の手法で設けることが可能である。当該高摩擦層は、接触子(1)の先端(11)にゴムや紙やすりを付ける等の手法で設けることが可能である。
次いで、当該一対の接触子(1)を、それらの先端を皮膚表面(101)に接触させたまま、互いに離間する方向(図1における矢印で示した方向)に所定距離移動させる(工程(b)。ここで、一対の接触子(1)は、その一方を固定し他方のみを移動させてもよいし、両方の接触子を移動させてもよい。
前記工程(b)において、接触子(1)を互いに離間する方向に移動させると、当該接触子が押し当てられた皮膚に引っ張り応力が作用し、それに応じて接触子に反力(応力)が生じる。本発明の方法では、当該反力(応力)を、検知器(2)を介して測定する(工程(c))。
図2は、皮膚表面(101)に押し当てた接触子(1)を移動させた場合の、接触子にかかる反力(応力)の変化を示す図である。図2(a)は、時間を横軸、接触子間の距離を縦軸としたグラフであり、図2(b)は、図2(a)に示したように接触子を移動させた場合に接触子にかかる応力変化を表したグラフである。
接触子間距離を所定距離(D)離間させると、応力値は急激に増大して最大値となる。接触子間距離をDに保持したまま所定時間(T0)保持すると、応力値は徐々に減少して一定値に近づく。ここで、接触子を元の位置まで戻すと、応力値は最初の定常値よりも減少した後に徐々に回復して一定値に近づく。
本発明の測定方法は、接触子を互いに離間する方向に移動させたときに生じる最大応力を皮膚の柔軟性の指標とすることを特徴としている。本発明における「最大応力」とは、図2(b)における「F」の値を意味する。すなわち、測定開始前の定常値と測定された応力の最大値との差である。
本発明では、接触子間距離を離間させるステップ、離間した状態で保持する保持ステップ、及び接触子を元の位置に戻す復帰ステップのサイクル(以下「離間/復帰サイクル」という)を実施したときに得られる「最大応力」、すなわち、図2(b)における「F」の値を皮膚の弾力性の指標として用いるのが特に好ましい。
本発明者らの検討により、離間/復帰サイクルで得られる最大応力と皮膚の柔軟性とが良好に相関していることが確認された。皮膚が硬いほど最大応力の値が大きく、皮膚が柔らかいほど最大応力の値が小さくなる傾向がある。この傾向は、皮膚の柔軟性変化の原因(加齢あるいは柔軟化化粧品等の基剤塗布)が異なる場合でも共通していた。さらに、本発明の方法は、特許文献1及び2に記載されたような接触子を相互に接近させて(皮膚を摘まんで)測定した場合に比較して高感度で測定することができた。
本発明の測定方法によれは、接触子及び検知器を備えるプローブを使用して、接触子を皮膚に押し当てて測定するだけで簡便に皮膚の柔軟性を知ることができる。したがって、測定対象部位は特に限定されず、顔面、腕等にも適用できる。
また、本発明の方法で測定される値は、皮膚の柔軟性を変化させた原因に依存せず、測定時の皮膚の柔軟性を正確に反映する。したがって、皮膚を柔軟にする機能を有する化粧料や医薬部外品といった基剤について、本発明の方法を当該基剤の塗布前後に実施することにより、当該基剤の性能を正確に評価することができる。また、例えば、本発明の方法による測定値のデータベースを構築しておくことにより、本発明の方法による被験者が、自己の年齢における標準値(範囲)と比較して、現在の皮膚の状態を客観的に把握することができるようになる。
本発明の方法では、皮膚の柔軟性の指標として、好ましくは接触子を離間/復帰サイクルで動作させたときに検知される「最大応力」を用いるが、接触子を離間/復帰サイクルで動作させたときに検知される応力波形からは「最大応力」以外にも複数のパラメータが得られる。
図3は、接触子を離間/復帰サイクルで動作させたときに得られる応力波形の典型例を示す図である(図2(b)における右側の波形に該当する)。図中の符号T1〜T5及びF1〜F5は以下を意味する。
T1:離間開始時; F1:T1における応力
T2:接触子間距離が最大値に到達した時; F3:T2における応力
T3:応力値が最大値に到達した時; F4:T2における応力
T4:復帰開始時; F2:T4における応力
T5:応力が最小値に到達した時; F5:T5における応力
本発明の方法で皮膚の柔軟性の指標として使用する「最大応力(F)」は、図3の記載に従えば、「F=F4−F1」と定義できる。なお、T2は接触子を移動させる速度に依存して変化し、移動速度を早くするとT2とT3(すなわちF3とT4)がほぼ一致するようになる(図2(b))。
特許文献1においては、(F4−F1)、(F4−F2)、(F2−F5)、T3の時点からF4が(F4−F2)/eだけ減衰するまでの時間がパラメータとされ、特許文献2においては、[(F2−F1)/(F4−F1)]×100(応力(反発力)保持率)がパラメータとされているのは上述の通りである。
上記以外のパラメータとして以下のものが例示される。
・立上がり応答率:
Figure 2021153820
式中、F(t)は時間tにおける応力値を示す。この値は、時間T1〜T2の間での応答曲線に囲まれる面積の直線応答と仮定した場合の面積に対する比率であり、皮膚に応答遅れがあるほど小さな値となり、皮膚に欠陥(ガタ)がある可能性を示唆すると考えられる。
・応力(反発力)ヒステリシス:
[(F2−F5)/(F4−F1)−1]×100
この値は、立上り応力(最大応力)に対する立下り応力の比であり、負荷を加えた場合の皮膚の弾力要素が元に戻らない状況を表す。マイナスの値が大きくなるほど復元力が低下していることを示すと考えられる。
しかしながら、特許文献1及び2のような従来の方法では、接触子を接近させる方向に移動させたときの応力を検知していたため、検知される応力の絶対値が小さく、いずれのパラメータを使用しても得られる測定感度には限りがあった。本発明では、接触子を互いに離間する方向に移動させることで大きな応力値を検知できるため、高感度かつ精密な測定が可能になる。
以上のような利点を持つ本発明の測定方法は、測定した時点での被験者の皮膚の柔軟性を正確に高感度で反映するため、様々な応用が可能である。
例えば、本発明の測定方法を実施した被験者について、その測定値(第1の最大応力)を記録しておき、任意の時間が経過した後に再度本発明の測定方法を実施し、その測定値(第2の最大応力)を、記録しておいた過去の測定値(第1の最大応力)と比較することにより、経時的な(加齢による)皮膚の柔軟性変化や、その間に被験者が過ごした環境の皮膚柔軟性への影響等を評価することができる。
また、所定の被験者について本発明の測定方法を実施して測定値(処理前の最大応力)を記録し、当該被験者に所定の美容処理(医療行為は除く)を施し(工程(d))、任意に所定時間が経過した後に、同一被験者について本発明の測定方法を再度実施した測定値(処理後の最大応力)を記録し(工程(e))、処理前の最大応力と処理後の最大応力とを比較する(工程(f))ことにより、皮膚柔軟性の変化を把握し、当該美容処理の皮膚柔軟性に与える効果を正確に評価することができる。前記美容処理としては、皮膚柔軟化作用又は皮膚硬直化作用を持つ化粧料の塗布、皮膚を手指等でストレッチ(伸展)する処理等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
詳細には、以下に示すプロトコールに従って、20代、40代、60代の各10名ずつを被験者とし、本発明の測定方法を実施して最大応力を測定した。測定結果を図4に示す。
測定装置:
サイズが横幅0.5cm、縦幅1.0cm、高さが約3cmの一対の接触子を備え、当該接触子と測定対象物を粘着層(両面テープ等)や高摩擦層(紙やすり又はゴム)で固定させて、動力部(モーター)で1〜3mmの幅を水平方向に移動させ、当該接触子にかかる応力を歪み計(ストレンゲージ)で検知する測定装置。
測定条件(離間/復帰サイクル):
離間幅=2mm(接触子間距離の初期値:6mm;離間後の距離:8mm)
離間後の保持時間=3秒
離間速度=1mm/秒
恒温高湿室(室温22±2℃、湿度45±5%)
表4に示した結果では、本発明の測定方法で測定した皮膚の柔軟性は、年齢が高くなるに従い硬くなる(最大応力が増加する)傾向が見られた。
(実施例2)
本発明の方法で皮膚の柔軟性を測定した被験者の皮膚に保湿剤を塗布し、塗布後所定時間(5分、10分、15分、及び30分)が経過した時点で本発明の方法を実施して、皮膚の柔軟性(最大応力)を測定した。測定条件は実施例1と同様であるが、接触子の離間幅を1mm(9mm〜10mm)[接触子間距離の初期値9mmから接触子間距離10mmまで、1mm離間させたことを意味する]とした。
保湿剤塗布前の測定値を100%とし、塗布してから5分後、10分後、15分後、及び30分後の時点の最大応力を、塗布前の最大応力に対するパーセントでプロットしたのが図5である。比較のため、接触子を10mm間隔(初期値)で皮膚に押し当て、接触子を接近させる方向に1mm移動させて同様の測定した結果を図5に併せて示す。
図5に示すように、接触子を互いに離間させる本発明の方法(a)及び接触子を互いに接近させる従来方法(b)のいずれの測定においても、保湿剤塗布による皮膚の柔軟化の傾向が測定値の変化に反映された。しかし、測定値変化幅の絶対値は、接触子を離間させて測定した場合の方が、接触子を接近させて測定した場合に比べて格段に大きく、皮膚の柔軟性変化を高感度で測定できることが明らかとなった。
(実施例3)
19名の被験者の前腕部の皮膚に、下記表1に示す組成の皮膚柔軟化作用を有する化粧料基剤を塗布する前及び塗布後に本発明の測定方法を実施して得られた結果(最大応力)を図6に示す(測定結果は5回の測定の平均値である)。測定条件は実施例1と同様であるが、接触子の離間幅を1mm(7mm〜8mm)とした。
Figure 2021153820
図6に示すように、本発明の測定方法は、皮膚の柔軟性に関連する化粧料基剤の効果を確認する方法としても優れていることが確認された。
(実施例4)
17名の被験者の顔面部について、左右の一方の頬には皮膚のストレッチ(伸展)処理を行わず(未処理)、他方の頬には約1.2Hz(72回/60秒)の速さで皮膚のストレッチ(伸展)処理を毎日30分間施した。処理開始(0日)から3日後及び10日後に、両方の頬の皮膚に対して本発明の測定方法を実施した。得られた結果(最大応力)を図7に示す(測定結果は3回の測定の平均値である)。
なお、測定条件は実施例1と同様であるが、接触子の離間幅を2mm(6mm〜8mm)とした。
図7に示すように、本発明の測定方法は、低周波(1.2Hz)でのストレッチ(伸展)による肌の柔軟化効果を反映するものであった。即ち、本発明の方法は、化粧料による肌の柔軟化のみならず、ストレッチ(伸展)による柔軟化効果を確認する方法としても優れていることが確認された。

Claims (5)

  1. (a)皮膚の対象部位に一対の接触子を押し当て、
    (b)当該接触子を皮膚表面に沿って互いに離間する方向に所定距離移動させ、
    (c)前記(b)において前記接触子に生じる最大応力を測定することを含み、
    前記最大応力の値を皮膚の柔軟性の指標とすることを特徴とする、皮膚の柔軟性を測定する方法。
  2. 最大応力の測定は、接触子に貼り付けられたストレインゲージセンサーを用いて実施されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. (a)皮膚の対象部位に一対の接触子を押し当て、
    (b)当該接触子を皮膚表面に沿って互いに離間する方向に所定距離移動させ、
    (c)前記(b)において前記接触子に生じる処理前の最大応力を測定し、
    (d)前記皮膚の対象部位に美容処理(医療行為を除く)を施し、
    (e)前記(a)、(b)及び(c)を繰り返して処理後の最大応力を測定し、
    (f)前記処理前の最大応力と前記処理後の最大応力とを比較することを含む、美容処理による皮膚柔軟性の変化を測定する方法。
  4. 前記美容処理が、皮膚柔軟化作用又は皮膚硬直化作用を有するスキンケア化粧料を塗布することである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記美容処理が、皮膚のストレッチ(伸展)処理である、請求項3に記載の方法。
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