JP2021153782A - 電気掃除機の吸込口体およびそれを備えた電気掃除機 - Google Patents

電気掃除機の吸込口体およびそれを備えた電気掃除機 Download PDF

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Abstract

【課題】操作性および清掃性に優れた電気掃除機の吸込口体を提供すること。【解決手段】吸込口本体の被清掃面上での前進を促す方向に回転ブラシが回転した状態において、吸込口本体の被清掃面上での前進に連動して吸込口を被清掃面に接近させ、かつ、吸込口本体の被清掃面上での後退に連動して吸込口を被清掃面から離間させるように構成された変位機構部を備えた電気掃除機の吸込口体。【選択図】図4

Description

本発明は、電気掃除機の吸込口体およびそれを備えた電気掃除機に関する。
従来の電気掃除機の吸込口体として、駆動モータにて一方向(吸込口体の前進を促す方向)のみに回転する回転ブラシを備えたものがある(従来技術1)。
また、モータ駆動式の回転ブラシを備えた吸込口体として、特許文献1では、回転ブラシを正回転または逆回転に切り替え可能なものが提案されている(従来技術2)。
特開2007−313101号公報
従来技術1の吸込口体では、回転する回転ブラシによって前進が促されるため、スムーズに前進させることができるが、後退時は回転する回転ブラシが抵抗となって後退を妨げるため、後退時には前進時よりも強い力が必要となる。さらに、高速回転する回転ブラシによって絨毯に付着したダストを掻き出しながら後退する際、回転ブラシが絨毯に反発して上下に振動してしまい、ダストの掻き出し性能を維持できなくなっていた。
従来技術2の吸込口体では、吸込口体の移動方向に応じて回転ブラシの回転方向を切り替えることができる。しかしながら、ユーザーによって吸込口体を前後方向に往復移動させるスピードに、駆動モータの回転切り替えのタイミングおよび切り替え後の回転ブラシの回転自体が追いつかないのが実情であり、吸込口体の前後移動を補助することが困難であった。
本発明は、以上のような事情を考慮してなされた電気掃除機の吸込口体およびそれを備えた電気掃除機を提供することを目的とする。
本発明によれば、被清掃面と対面する底部と、前記底部に設けられた吸込口とを有し、被清掃面に沿って前後方向に移動しながら前記吸込口から被清掃面上の塵埃を吸引可能な吸込口本体と、
前記吸込口本体内における前記吸込口付近に左右方向の軸心を中心として回転可能に設けられた回転ブラシと、
前記回転ブラシを回転させるように前記吸込口本体内に設けられた駆動部と、
前記吸込口本体に設けられ前記底部の被清掃面に対する高さを変位可能な変位機構部とを備え、
前記変位機構部は、前記吸込口本体の被清掃面上での前進を促す方向に前記回転ブラシが回転した状態において、前記吸込口本体の被清掃面上での前進に連動して前記吸込口を被清掃面に接近させ、かつ、前記吸込口本体の被清掃面上での後退に連動して前記吸込口を被清掃面から離間させるように構成された電気掃除機の吸込口体が提供される。
また、本発明によれば、塵埃を吸引し集塵する掃除機本体と、前記掃除機本体と直接または延長管を介して接続される前記吸込口体とを備えた電気掃除機が提供される。
本発明によれば、スムーズに前後往復移動させながら回転ブラシにてダストを効率よく掻き込んで吸引除去することができる。
本発明の第1実施形態の吸込口体を備えた電気掃除機を示す斜視図である。 第1実施形態の吸込口体の斜め前方から視た斜視図である。 第1実施形態の吸込口体の前進時の部分左側面図である。 第1実施形態の吸込口体の後退時の部分左側面図である。 第2実施形態の吸込口体の前方から視た部分断面図である。 第2実施形態の吸込口体の前進時の部分左側断面図である。 第2実施形態の吸込口体の後退時の部分左側断面図である。 第3実施形態の吸込口体の前進時の部分左側断面図である。 第3実施形態の吸込口体の後退時の部分左側断面図である。 第4実施形態の吸込口体の概略底面図である。 第5実施形態の吸込口体の概略底面図である。
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
(第1実施形態)
〈電気掃除機の全体構成〉
図1は本発明の第1実施形態の吸込口体を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
図1に示すように、この電気掃除機1は、掃除機本体10と、掃除機本体10に着脱可能に装着されるバッテリ40と、掃除機本体10に着脱可能に接続される一端61aを有する延長管60と、延長管60の他端61bと着脱可能に接続される吸込口体70とを備えたスティック型電気掃除機である。また、電気掃除機1においては、延長管60を介さずに、掃除機本体10に吸込口体70を直接接続してハンディ型電気掃除機として使用することもできる。
なお、本発明はキャニスター型電気掃除機またはアップライト型電気掃除機であってもよい。
掃除機本体10は、駆動装置20と、駆動装置20に着脱可能に装着される集塵装置30とを備える。
駆動装置20は、図示しない電動送風機や回路基板等を収納する電気部品収納部21aと、電気部品収納部21aに連設されたハンドル部21bと、電気部品収納部21aのハンドル部21b側に設けられたバッテリ装着部21cと、電気部品収納部21aのハンドル部21bとは反対側に設けられたパイプ部21dと、ハンドル部21bに連設された操作スイッチ部21eとを有する。
集塵装置30は、集塵容器30aと、集塵容器30aと着脱可能なフィルタ部30bとを有するサイクロン方式の集塵装置であり、駆動装置20のパイプ部21dに沿って装着される。
延長管60は、管本体61と、管本体61に沿って設けられた図示しない導電ケーブルとを備える。延長管60の導電ケーブルは、掃除機本体10から吸込口体70へ電力を供給するものである。
〈吸込口体について〉
図2は第1実施形態の吸込口体の斜め前方から視た斜視図であり、図3は第1実施形態の吸込口体の前進時の部分左側面図であり、図4は第1実施形態の吸込口体の後退時の部分左側面図である。なお、図2〜図3において、吸込口体を使用する使用者から視た吸込口体の前後左右上下方向を矢印にて示しており、吸込口体の構造はこれに基づいて説明される。
図1〜図4に示すように、吸込口体70は、吸込口本体71と、前後方向の第1軸心P1(図3参照)を中心として回動可能に吸込口本体71と結合した関節部78と、第1軸心P1と直交する第2軸心P2(図3参照)を中心として回動可能に関節部78と結合した接続管部79とを備える。なお、吸込口本体71と関節部78と接続管部79とは通風路にて連通している。
吸込口本体71は、底部72aに吸込口72bを有する筐体72を備える。
底部72aの前端側は前方へ向かって上方へ湾曲している(図3参照)。なお、湾曲部分から後方の底部72aに亘って、起毛布を貼付してもよい。
また、筐体72の前端にはバンパー72cが設けられると共に、筐体72の底部72aにおける吸込口72bの後方には左右方向に延びる起毛ブラシ72d(図3、図4参照)が設けられている。
筐体72内には、吸込口72b近傍に左右方向の第3軸心P3を中心として回転可能に設けられた回転ブラシ73(図3〜図5参照)と、駆動部とを備える。この駆動部は、本実施形態の場合、回転ブラシ73を回転させる回転ブラシ用モータ74(図2参照)と、回転ブラシ用モータ74の回転力を回転ブラシ73に伝達するプーリ・ベルト機構75(図5参照)とを有してなる。なお、図5は後述する第2実施形態の吸込口体の前方から視た部分断面図であるが、回転ブラシ73およびプーリ・ベルト機構75の構成は第1実施形態と第2実施形態では概ね同様である。よって、第1実施形態における回転ブラシ73およびプーリ・ベルト機構75の構成を図5を用いて説明する。
図5に示すように、回転ブラシ73は、左右方向に延びる軸部73aと、軸部73aの周囲に設けられたブラシ部73bとを有する。
軸部73aの外周面には複数の螺旋溝が設けられており、ブラシ部73bを構成する複数のブラシユニットが各螺旋溝に取り付けられている。なお、ブラシユニットは、可撓性の帯状基材にブラシ毛が設けられたものである。
また、軸部73aは、その長手方向の両端に設けられた一対の小径部73aaと、各小径部73aaの端面に軸心(第3軸心P3)上で突出するように固定された一対のピン形芯部73abと、各ピン形芯部73abの先端にベアリングを介して取り付けられた軸受け部73acとを有する。
軸部73aの左側の小径部73aaは、右側の小径部73aaよりも長くなっており、その外周部にはプーリ・ベルト機構75のプーリ75aが一体に設けられている。
また、プーリ・ベルト機構75において、他方のプーリ(不図示)は回転ブラシ用モータ74(図2参照)の出力軸に固定されており、一方のプーリ75aと他方のプーリとがベルト75bにて連結されている。なお、第1実施形態においては、回転ブラシ73と回転ブラシ用モータ74とは、プーリ・ベルト機構75の替わりに複数のギアにて連結される構成としてもよい。
図2〜図4に示すように、筐体72は、回転ブラシ73を収納する回転ブラシ収納部72xと、回転ブラシ収納部72xの後端から後方へ突出する後方突出部72yと、回転ブラシ用モータ74を収納するように回転ブラシ収納部72xの後端部と後方突出部72yの左側面との間部分に設けられたモータ収納部72zとを有する。
回転ブラシ収納部72xは、左右方向に延びており、その底部72a側に吸込口72bが設けられている。また、第1実施形態において、回転ブラシ収納部72xの左右の内壁面には、回転ブラシ73の一対の軸受け部73ac(図5参照)が清掃中に動かないように保持するための一対の保持部がリブにて形成されている。
後方突出部72yは、補助輪としての後輪76の軸76aを回転自在に保持する部分であり、左右の側壁72yaを有すると共に、左右の側壁72yaに変位機構部77が設けられている。回転ブラシ73および後輪76は協働して被清掃面F上に載置された吸込口本体71を支持する。
変位機構部77は、吸込口本体71における吸込口72bの被清掃面Fに対する高さを変位可能に構成されている。
本実施形態の場合、変位機構部77は、後輪76の軸76aの両端を前後方向にスライド可能に保持する一対の溝状ガイド部77aを備えた補助輪用の変位機構部である。これら一対の溝状ガイド部77aは、左右の側壁72yaの各内面に長円形のリブが前方から後方へ向かって上昇するように傾斜して設けられることによって形成されている。
なお、変位機構部77は、一対の溝状ガイド部77aの替わりに、左右の側壁72yaを貫通する一対のスリット状ガイド部であってもよい。これら一対のスリット状ガイド部も、前方から後方へ向かって上昇するように傾斜している。
吸込口体70において、接続管部79には複数のピン形受電端子79a(図2参照)が外部露出状に設けられており、この複数のピン形受電端子79aは図示しない導電ケーブルにて回転ブラシ用モータ74と電気的に接続されている。
吸込口体70と延長管60とが接続された状態において、吸込口体70の複数のピン形受電端子79aは、延長管60の前記複数の導電ケーブルの一端に設けられたクリップ形給電端子(不図示)に差し込まれて電気的に接続されている(図2参照)。
また、延長管60と掃除機本体10とが接続された状態において、延長管60の前記複数の導電ケーブルの他端に設けられたピン形受電端子(不図示)が、掃除機本体10のパイプ部21dの接続口に設けられた複数のクリップ型給電端子(不図示)に差し込まれて電気的に接続されている(図1参照)。
この構成により、バッテリ40、掃除機本体10、延長管60および吸込口体70が電気配線系にて互いに電気的に接続され、バッテリ40の電力が吸込口体70の回転ブラシ用モータ74に供給される。
なお、延長管60を介さずに、掃除機本体10に吸込口体70を直接接続して使用する場合、掃除機本体10のクリップ形給電端子に吸込口体70のピン形受電端子79aが差し込まれて電気的に接続される。
このように構成された吸込口体70によれば、図3に示すように、回転ブラシ73が矢印R方向に回転している状態で、ユーザーが吸込口体70を被清掃面F上で前進させて(矢印A方向に移動させて)清掃するとき、後輪76の軸76aは変位機構部77の一対の溝状ガイド部77aの最も高い後端位置までスライドし、その位置において後輪76は被清掃面F上を矢印C1方向に回動する。吸込口体70を前進させる場合、矢印C1方向は、矢印A方向と同じ回転方向である。このとき、後方突出部72yの下端(後端)が被清掃面Fに近い高さまで下降し、吸込口体70の吸込口72bと被清掃面Fとの間隔S1は起毛ブラシ72dが被清掃面Fに接触できる程度に狭くなっている。言い換えれば、底部72aと被清掃面Fとが近接する状態となり、底部72aと被清掃面Fとはほぼ平行な状態で対向している。
このような前進時の吸込口体70による清掃では、回転ブラシ73の回転によって吸込口体70の前進が補助されるため、ユーザーは軽い力で吸込口体70を前進させることができる。また、回転ブラシ73には吸込口本体71、関節部78、接続管部79等の重量が掛かるため、被清掃面Fが絨毯である場合には回転ブラシ73が絨毯に強く擦れてダストを効率よく掻き出すことができる。それに加え、吸込口72bが被清掃面Fに接近するため、強い吸引力でダストを吸引することができる。
また、図4に示すように、回転ブラシ73が矢印R方向に回転している状態で、ユーザーが吸込口体70を被清掃面F上で後退させて(矢印B方向に移動させて)清掃するとき、後輪76の軸76aは変位機構部77の一対の溝状ガイド部77aの最も低い前端位置までスライドし、その位置において後輪76は被清掃面F上を矢印C2方向に回動する。吸込口体70を後退させる場合、矢印C2方向は、矢印A方向と逆回転方向である。このとき、後方突出部72yの下端(後端)が被清掃面Fから離れるように上昇し、吸込口体70の吸込口72bと被清掃面Fとの間隔S2が広がる。言い換えれば、底部72aと被清掃面Fとは、前方側から後方側に向かうにつれて離間する状態で対向している。
このような後退時の吸込口体70による清掃では、間隔S2の広がりによって吸込口体70の被清掃面Fへの吸い付きが弱くなる。また、吸込口体70を引っ張り上げる方向に力が働くため、回転ブラシ73が被清掃面Fから離れる方向に移動することで、回転ブラシ73の被清掃面Fに対する擦れが弱くなる。そのため、被清掃面Fが絨毯である場合には、ユーザーは吸込口体70を前記従来技術1よりも軽い力で引くことができる。また、回転ブラシ73の絨毯に対する反発が弱くなるため、従来技術1のような回転ブラシの反発による上下振動が抑制され、回転ブラシ73による絨毯に付着したダストの掻き出し性能が向上する。
また、吸込口体70が前進または後退することにより、後輪76が連動して(自動的に)変位機構部77の一対の溝状ガイド77aの後端位置または前端位置に移動し、それによって吸込口体70の前進清掃時に適した姿勢または後退清掃時に適した姿勢に自動的に切り替わる。したがって、従来技術2のような回転ブラシ用モータの回転方向を切り替える制御が不要であり、かつ、吸込口体70の前進清掃時に適した姿勢または後退清掃時に適した姿勢に迅速に切り替わることができる。
(第2実施形態)
図5は第2実施形態の吸込口体の前方から視た部分断面図であり、図6は第2実施形態の吸込口体の前進時の部分左側断面図であり、図7は第2実施形態の吸込口体の後退時の部分左側断面図である。なお、図5〜図7において、図1〜図4中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
第2実施形態の吸込口体170は、第1実施形態の吸込口体70の変位機構部77とは異なる構成の変位機構部177を備えること以外は、第1実施形態と概ね同様に構成されている。以下、第2実施形態における第1実施形態とは異なる点を主に説明する。
第2実施形態の吸込口体170において、後方突出部72yの左右の側壁72yaの各内面には一対のボス部72ybが設けられており、一対のボス部72ybに後輪76の軸76aの両端が回転自在に嵌め込まれている。
また、第2実施形態の吸込口体170において、変位機構部177は回転ブラシ用の変位機構部である。
第2実施形態において、変位機構部177は、回転ブラシ73の両端を回転可能に保持するブラシ保持部177aと、ブラシ保持部177aを吸込口本体171内で移動可能に支持する支持部177bと、回転ブラシ73を吸込口72b側へ移動させる方向に支持部177bを付勢する付勢部材177cとを備えた回転ブラシ用の変位機構部である。
図5に示すように、ブラシ保持部177aは、左右の側壁177aaと、左右の側壁177aaの上端を連結する上壁177abとを有する横長アーチ形に形成されている。
ブラシ保持部177aの左右の側壁177aaにおいて、下端には回転ブラシ73の両端の小径部73aaを回転可能に保持する貫通孔177acが設けられており、上端には釘形ピン177adが左右外方へ突出して設けられている。
ブラシ保持部177aの上壁177abにおいて、上面には長手方向に所定間隔で一対のボス部177aeが設けられている。また、吸込口本体171の回転ブラシ収納部172xの内面における一対のボス部177aeと対向する位置には、一対のボス部171xaが設けられている。
付勢部材177cは、圧縮コイルバネであり、下の一対のボス部177aeと上の一対ボス部177xaとの間に圧縮コイルバネが設けられている。
支持部177bは、吸込口本体171の回転ブラシ収納部172xの内面に垂設された左右一対のリブであり、一対のリブの下端には一対の釘形ピン177adを挿通させる上下方向に長い長孔177baが設けられている。
また、第2実施形態の場合、吸込口本体171の回転ブラシ収納部172x内の左右には、回転ブラシ73の両端の一対の軸受け部73acを保持する一対の保持部171xbが設けられている。これら一対の保持部171xbは、一対の軸受け部73acが上下にスライド可能なように上下方向に長い溝状に形成されている。
このように構成された吸込口体170によれば、図6に示すように、回転ブラシ73が矢印R方向に回転している状態で、ユーザーが吸込口体170を被清掃面F上で前進させて(矢印A方向に移動させて)清掃するとき、吸込口本体171を下方へ押し付けられる力が働くことに加え、吸込口本体171や変位機構部177等の重量が回転ブラシ73へ掛かる。これにより、変位機構部177の一対の付勢部材177c(圧縮コイルバネ)が吸込口本体171を上方へ付勢する力よりも吸込口本体171が押し下げられる力が上回り、この結果、後輪76の軸76aを支点として吸込口本体171の底部72aが被清掃面Fへ接近する方向へ回動し、吸込口72bが被清掃面Fに接近する。言い換えれば、底部72aと被清掃面Fとが近接する状態となり、底部72aと被清掃面Fとはほぼ平行な状態で対向している。
このとき、吸込口体70の吸込口72bと被清掃面Fとの間隔S1は起毛ブラシ72dが被清掃面Fに接触できる程度に狭くなっている。また、一対の釘形ピン177adが一対の支持部177bの長孔177baを上端までスライドし、回転ブラシ73の一対の軸受け部73acが吸込口本体171の一対の保持部171xbの上端までスライドし、一対の付勢部材177c(圧縮コイルバネ)が圧縮された状態となっている。
このような前進時の吸込口体170による清掃では、回転ブラシ73の回転によって吸込口体70の前進が補助されるため、ユーザーは軽い力で吸込口体170を前進させることができる。また、回転ブラシ73には吸込口本体171、変位機構部177、関節部78、接続管部79等の重量が掛かるため、被清掃面Fが絨毯である場合には回転ブラシ73が絨毯に強く擦れてダストを効率よく掻き出すことができる。それに加え、吸込口72bが被清掃面Fに接近するため、強い吸引力でダストを吸引することができる。
また、図7に示すように、回転ブラシ73が矢印R方向に回転している状態で、ユーザーが吸込口体170を被清掃面F上で後退させて(矢印B方向に移動させて)清掃するとき、吸込口体170を引っ張り上げる方向に力が働く。それに加え、変位機構部177の一対の付勢部材177c(圧縮コイルバネ)が吸込口本体171を上方へ付勢しているため、後輪76の軸76aを支点として吸込口本体171の底部72aが被清掃面Fから離間する方向に回動し、吸込口72bが被清掃面Fから離間する。これにより、吸込口体170の吸込口72bと被清掃面Fとの間隔S2が広がる。言い換えれば、底部72aと被清掃面Fとは、後方側から前方側に向かうにつれて離間する状態で対向している。
このような後退時の吸込口体170による清掃では、間隔S2の広がりによって吸込口体170の被清掃面Fへの吸い付きが弱くなる。また、吸込口体170を引っ張り上げる方向に力が働くため、回転ブラシ73が被清掃面Fから離れる方向に移動することで、回転ブラシ73の被清掃面Fに対する擦れが弱くなる。そのため、被清掃面Fが絨毯である場合には、ユーザーは吸込口体170を前記従来技術1よりも軽い力で引くことができる。また、回転ブラシ73の絨毯に対する反発が弱くなるため、従来技術1のような回転ブラシの反発による上下振動が抑制され、回転ブラシ73による絨毯に付着したダストの掻き出し性能が向上する。
また、吸込口体170が前進または後退することにより、吸込口72bが連動して(自動的に)被清掃面Fに対して接近または離間して、吸込口体170の前進清掃時に適した姿勢または後退清掃時に適した姿勢に自動的に切り替わる。したがって、従来技術2のような回転ブラシ用モータの回転方向を切り替える制御が不要であり、かつ、吸込口体170の前進清掃時に適した姿勢または後退清掃時に適した姿勢に迅速に切り替わり、操作性および清掃性に優れる。
(実施の形態3)
図8は第3実施形態の吸込口体の前進時の部分左側断面図であり、図9は第3実施形態の吸込口体の後退時の部分左側断面図である。なお、図8と図9において、図3〜図7中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
第3実施形態の吸込口体270は、第1実施形態の変位機構部(補助輪用の変位機構部)77および第2実施形態の変位機構部(回転ブラシ用の変位機構部)177の両方を備えたこと以外は、第1および第2実施形態と概ね同様である。
第3実施形態の吸込口体270によれば、吸込口体170の前進清掃時には、補助輪用の変位機構部77が第1実施形態で説明したように動作し、かつ、回転ブラシ用の変位機構部177が第2実施形態で説明したように動作する。
第3実施形態の場合、吸込口体270の前進清掃時には、図8に示すように、第1および第2実施形態と同様に吸込口本体271の底部72aおよび後方突出部72yの両方が被清掃面Fに接近した前進時清掃に適した姿勢となる。なお、第3実施形態において、前進清掃時の吸込口72bと被清掃面Fとの間の間隔S1は、第1実施形態(図3参照)の場合の間隔S1および第2実施形態(図6参照)の場合の間隔S1と同じとなっている。ただし、第3実施形態での間隔S1は、第1実施形態での間隔S1および第2実施形態での間隔S1と同じである必要はない。
また、吸込口体270の後退清掃時には、図9に示すように、吸込口本体271の底部72aおよび後方突出部72yの両方が被清掃面Fから離間する。これにより、吸込口72bと被清掃面Fとの間の間隔S2が第1実施形態での間隔S2および第2実施形態での間隔S2よりも大きくなる。そのため、毛足の長い絨毯(ラグ)の後退清掃時であっても、ユーザーは軽い力で吸込口体270を引くことができると共に、回転ブラシ73によってダストを十分に吸込口72bの方へ掻き込むことができる。
(第4実施形態)
図10は第4実施形態の吸込口体の概略底面図である。なお、図10において、図1〜図9中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
前記第1実施形態の吸込口体70(図3、図4参照)では、補助輪(後輪76)および補助輪用の変位機構部77が吸込口72bに対して後方位置に設けられた構成を例示したが、補助輪および補助輪用の変位機構部の位置は第1実施形態に限定されない。
例えば、図10に示す第4実施形態の吸込口体370のように、吸込口72bに対して左右両側位置に補助輪380および補助輪用の変位機構部377を設けてもよい。また、第4実施形態の吸込口体370は、第2実施形態と同様の変位しない後輪76と、第1実施形態と同様の変位しない回転ブラシ73とを備える。
具体的に第4実施形態の場合、吸込口本体371の底部372aにおける吸込口72bよりも後方の左右位置に一対の孔部372aaが設けられ、吸込口本体371内の各孔部372aaの左右両側に第1実施形態と同様に構成された補助輪用の変位機構部377が設けられている。この場合、各変位機構部377は、孔部372aaの左右両側に設けられた溝状ガイド部(図3、図4参照)を有するリブにて構成されている。
各補助輪380は、その軸の両端が左右の溝状ガイド部にスライド自在に取り付けられており、前進清掃時には図3に示したように溝状ガイド部の後端の最も高い位置へ移動し、後退清掃時には図4に示したように溝状ガイド部の前端の最も低い位置へ移動する。
第4実施形態の吸込口体370によれば、前進清掃時には図3に示した姿勢と同様に吸込口72bが被清掃面に接近して前進清掃時に適した姿勢となり、後退清掃時には図4に示した姿勢と同様に吸込口72bが被清掃面から離間して後退清掃時に適した姿勢となる。
(実施の形態5)
図11は第5実施形態の吸込口体の概略底面図である。なお、図11において、図1〜図9中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
図11に示す第5実施形態の吸込口体470の場合、吸込口72bに対して前方位置に補助輪(前輪)480および補助輪用の変位機構部477が設けられている。また、第5実施形態の吸込口体470は、第2実施形態と同様の変位しない後輪76と、第1実施形態と同様の変位しない回転ブラシ73とを備える。
具体的に第5実施形態の場合、吸込口本体471の底部472aにおける吸込口472bよりも前方の左右位置に一対の孔部472aaが設けられ、吸込口本体471内の各孔部472aaの左右両側に第1実施形態と同様に構成された補助輪用の変位機構部477が設けられている。この場合、各変位機構部477は、第4実施形態と同様に、孔部472aaの左右両側に設けられた溝状ガイド部(図3、図4参照)を有するリブにて構成されている。
各補助輪480は、その軸の両端が左右の溝状ガイド部にスライド自在に取り付けられており、前進清掃時には図3に示したように溝状ガイド部の後端の最も高い位置へ移動し、後退清掃時には図4に示したように溝状ガイド部の前端の最も低い位置へ移動する。
第5実施形態の吸込口体470によれば、前進清掃時には図3および図6に示した姿勢と同様に吸込口472bが被清掃面に接近して前進清掃時に適した姿勢となり、後退清掃時には図7に示した姿勢と同様に吸込口472bが被清掃面から離間して後退清掃時に適した姿勢となる。なお、第5実施形態の場合、図11に示すように、一対の補助輪480の間に吸込口前部472baを設けて前進清掃時に前方のダストを吸引しやすいように構成してもよく、吸込口前部472baを有さない吸込口472bとしてもよい。
(他の実施形態)
1.第4実施形態の吸込口体370(図10参照)の後輪76を、第1実施形態の吸込口体70(図3、図4参照)の変位機構部77にて変位させるようにしてもよい。
2.第5実施形態の吸込口体470(図11参照)の後輪76を、第1実施形態の吸込口体70(図3、図4参照)の変位機構部77にて変位させるようにしてもよい。
3.変位機構部177によって回転ブラシ73が上下動可能な構成を備えた第2実施形態の吸込口体170において、後輪76の替わりに起毛布を後方突出部72yの下端面に貼付してもよい。
(まとめ)
本発明の電気掃除機の吸込口体は、被清掃面と対面する底部と、前記底部に設けられた吸込口とを有し、被清掃面に沿って前後方向に移動しながら前記吸込口から被清掃面上の塵埃を吸引可能な吸込口本体と、
前記吸込口本体内における前記吸込口付近に左右方向の軸心を中心として回転可能に設けられた回転ブラシと、
前記回転ブラシを回転させるように前記吸込口本体内に設けられた駆動部と、
前記吸込口本体に設けられ前記底部の被清掃面に対する高さを変位可能な変位機構部とを備え、
前記変位機構部は、前記吸込口本体の被清掃面上での前進を促す方向に前記回転ブラシが回転した状態において、前記吸込口本体の被清掃面上での前進に連動して前記吸込口を被清掃面に接近させ、かつ、前記吸込口本体の被清掃面上での後退に連動して前記吸込口を被清掃面から離間させるように構成されたものである。
この構成によれば、吸込口体の前進時には吸込口が被清掃面に接近するため、回転ブラシによるダストの掻き出しおよび吸引を効果的に行うことができると共に、回転ブラシの回転によって吸込口体の前進が促される。
また、吸込口体の後退時には吸込口が被清掃面から離間するため、被清掃面に対する吸込口体の吸い付き性が低下し、この結果、ユーザーが吸込口体を後方へ引く力が少なくて済む。それに加え、後退時に吸込口本体が後方へ引かれる際、吸込口体70を引っ張り上げる方向に力が働くため、回転ブラシ73が被清掃面Fから離れる方向に移動する。これにより、被清掃面に対する回転ブラシの押し付け力が低下し、それによって回転する回転ブラシの被清掃面に対する抵抗が低下し、この結果、ユーザーが吸込口体を後方へ引く力が少なくて済む。また、後退時に回転ブラシ(特に、高速回転時)の被清掃面に対する反発が低下するため、回転ブラシによる被清掃面(特に、絨毯、ラグ、マット等)に付着したダストの掻き出し性能を後退時においても維持することができる。
本発明の電気掃除機の吸込口体は、次のように構成されてもよく、それらが適宜組み合わされてもよい。
・前記吸込口本体を被清掃面上に載置したときに前記回転ブラシと協働して前記吸込口本体を支持するよう前記底部に設けられた補助輪をさらに備え、
前記変位機構部は、前記補助輪と前記回転ブラシのうちの少なくとも一方を前記底部に対して変位させるものであってもよい。
この構成によれば、吸込口体に備えられている既存の部品(補助輪および/または回転ブラシ)を変位機構部によって変位させる構成とすることができる。
・前記変位機構部は、前記補助輪に設けられた左右方向の軸の両端を前後方向にスライド可能に保持する一対のガイド部を備えた補助輪用の変位機構部を含み、
前記補助輪用の変位機構部において、前記一対のガイド部は、前方から後方へ向かって上昇するように傾斜した溝またはスリットをそれぞれ有するものであってもよい。
この構成によれば、部品点数を増加させることなく簡素な補助輪用の変位機構部を構成することができる。
・前記補助輪および前記補助輪用の変位機構部が、前記吸込口に対して後方位置、左右両側位置および前方位置のうちから1つ以上選択された位置に設けられてもよい。
この構成によれば、吸込口体の設計の自由度が拡大する。
・前記変位機構部は、前記回転ブラシの両端を回転可能に保持するブラシ保持部と、前記ブラシ保持部を前記吸込口本体内で移動可能に支持する支持部と、前記回転ブラシを前記吸込口側へ移動させる方向に前記支持部を付勢する付勢部材とを備えた回転ブラシ用の変位機構部を含むものであってもよい。
この構成によれば、吸込口本体の被清掃面上での後退に連動して吸込口を被清掃面から離間させる距離を大きく設定しやすくなる。
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
1:電気掃除機、 10:掃除機本体、 20:駆動装置、 21a:電機部品収納部、 ハンドル部:21b、 21c:バッテリ装着部、 21d:パイプ部、 21e:操作スイッチ部、 30:集塵装置、 30a:集塵容器、 30b:フィルタ部、 40:バッテリ、 60:延長管、61:管本体、 61a:一端、 61b:他端、 70:吸込口体、 71:吸込口本体、 72:筐体、 72a:底部、 72b:吸込口、 72c:バンパー、 72d:起毛ブラシ、 72x:回転ブラシ収納部、 72y:後方突出部、 72ya:側壁、 72yb:ボス部、 72z:モータ収納部、 73:回転ブラシ、 73a:軸部、 73aa:小径部、 73ab:ピン形芯部、 73ac:軸受け部、 73b:ブラシ部、 74:回転ブラ使用モータ、 75:プーリ・ベルト機構、 75a:プーリ、 75b:ベルト、 76:後輪(補助輪)、 76a:軸、 77:変位機構部、 77a:溝状ガイド部、 78:関節部、 79:接続管部、 79a:ピン形受電端子、 170:吸込口体、 171:吸込口本体、 172x:回転ブラシ収納部、 171xa:ボス部、 171xb:保持部、 177:変位機構部、 177a:ブラシ保持部、 177aa:側壁、 177ab:上壁、 177ac:貫通孔、 177ad:釘形ピン、 177ae:ボス部、 177b:支持部、 177ba:長孔、 177c:付勢部材、 177xa:ボス部、 270:吸込口体、 271:吸込口本体、 370:吸込口体、 371:吸込口本体、 372a:底部、 372aa:孔部、 377:変位機構部、 380:補助輪、 470:吸込口体、 471:吸込口本体、 472a:底部、 472aa:孔部、 472b:吸込口、 472ba:吸込口前部、 477:変位機構部、 480:補助輪、 A:矢印、 B:矢印、 C:矢印、 F:被清掃面、 P1:第1軸心、 P2:第2軸心、 P3:第3軸心、 R:矢印、 S1:間隔、 S2:間隔

Claims (6)

  1. 被清掃面と対面する底部と、前記底部に設けられた吸込口とを有し、被清掃面に沿って前後方向に移動しながら前記吸込口から被清掃面上の塵埃を吸引可能な吸込口本体と、
    前記吸込口本体内における前記吸込口付近に左右方向の軸心を中心として回転可能に設けられた回転ブラシと、
    前記回転ブラシを回転させるように前記吸込口本体内に設けられた駆動部と、
    前記吸込口本体に設けられ前記底部の被清掃面に対する高さを変位可能な変位機構部とを備え、
    前記変位機構部は、前記吸込口本体の被清掃面上での前進を促す方向に前記回転ブラシが回転した状態において、前記吸込口本体の被清掃面上での前進に連動して前記吸込口を被清掃面に接近させ、かつ、前記吸込口本体の被清掃面上での後退に連動して前記吸込口を被清掃面から離間させるように構成されていることを特徴とする電気掃除機の吸込口体。
  2. 前記吸込口本体を被清掃面上に載置したときに前記回転ブラシと協働して前記吸込口本体を支持するよう前記底部に設けられた補助輪をさらに備え、
    前記変位機構部は、前記補助輪と前記回転ブラシのうちの少なくとも一方を前記底部に対して変位させる請求項1に記載の吸込口体。
  3. 前記変位機構部は、前記補助輪に設けられた左右方向の軸の両端を前後方向にスライド可能に保持する一対のガイド部を備えた補助輪用の変位機構部を含み、
    前記補助輪用の変位機構部において、前記一対のガイド部は、前方から後方へ向かって上昇するように傾斜した溝またはスリットをそれぞれ有する請求項2に記載の吸込口体。
  4. 前記補助輪および前記補助輪用の変位機構部が、前記吸込口に対して後方位置、左右両側位置および前方位置のうちから1つ以上選択された位置に設けられている請求項2または3に記載の吸込口体。
  5. 前記変位機構部は、前記回転ブラシの両端を回転可能に保持するブラシ保持部と、前記ブラシ保持部を前記吸込口本体内で移動可能に支持する支持部と、前記回転ブラシを前記吸込口側へ移動させる方向に前記支持部を付勢する付勢部材とを備えた回転ブラシ用の変位機構部を含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の吸込口体。
  6. 塵埃を吸引し集塵する掃除機本体と、前記掃除機本体と直接または延長管を介して接続される請求項1〜5のいずれか1つに記載の吸込口体とを備えた電気掃除機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023238624A1 (ja) * 2022-06-10 2023-12-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 掃除機

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