JP2021151686A - 制御装置及び制御方法、並びにノードシステム - Google Patents

制御装置及び制御方法、並びにノードシステム Download PDF

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Abstract

【課題】連動する複数のノードからなるシステムにおいて、各ノードの状態を相互監視して自ノードの動作を制御する制御装置を提供する。【解決手段】複数のノードからなるシステムにおける1つのノードを制御する制御装置は、自ノードの状態を保持する保持部と、他のノードの状態を入力する入力部と、前記保持部に保持される自ノードの状態と前記入力部から入力された他のノードの状態に基づいて、自ノードの状態を判定する判定部を具備する。前記入力部は、前記状態解除信号が入力されてから所定のデッドタイムの期間だけ他ノードの状態の入力を無効化する。【選択図】 図3

Description

本明細書で開示する技術(以下、「本開示」とする)は、連動する複数のノードからなるシステムにおけるノード毎の制御を行う制御装置及び制御方法、並びにノードシステムに関する。
医療分野では、マスタスレーブ方式の手術支援システムが導入されつつある。その他のさまざまな産業分野においても、マスタスレーブ方式の遠隔操作システムが普及してきている。マスタスレーブ方式のシステムは、基本的に、マスタ側装置とスレーブ側装置の組み合わせで構成される。マスタ側装置とスレーブ側装置は、例えば有線又は無線の通信媒体を介して相互接続されており、オペレータがマスタ側装置に対して入力した指示は通信媒体を介して転送され、スレーブ側装置は受信した指示に従って、ロボットやマニピュレータなどの駆動を制御する。また、スレーブ側でのロボットやマニピュレータなどの動作を撮影したカメラの映像は通信媒体を介して転送され、マスタ側では受信した映像をディスプレイに表示する。したがって、オペレータは、カメラで撮影した映像を確認しながら、マスタ側装置に対して次の指示を入力することができる。
マスタスレーブ方式のシステムでは、例えば、マスタ側装置とスレーブ側装置の間で、オペレータによる入力とロボットやマニピュレータの位置、及び力の状態を一致させるために、バイラテラル方式のフィードバック制御が採用される(特許文献1を参照のこと)。
マスタスレーブ方式のシステムにおけるマスタ側装置とスレーブ側装置は、それぞれ独立した装置であるが、協調して動作する。例えば、PLL(Phase Locked Loop)方式を採用してマスタ側装置とスレーブ側装置の同期をとる制御システムが提案されている(特許文献2を参照のこと)。
また、マスタ側装置とスレーブ側装置のいずれか一方が非常停止した場合には、他方の停止を補償する必要がある。例えば、マスタ側装置とスレーブ側装置の各々に安全回路を設けて、マスタ側装置とスレーブ側装置が相互監視するロボットシステムが提案されている(特許文献3を参照のこと)。
特開2019−130602号公報 特開2006−244264号公報 特開2017−100212号公報
本開示の目的は、連動する複数のノードからなるシステムにおいて、各ノードの状態を相互監視して自ノードの動作を制御する制御装置及び制御方法、並びにノードシステムを提供することにある。
本開示の第1の側面は、複数のノードからなるシステムにおける1つのノードを制御する制御装置であって、
自ノードの状態を保持する保持部と、
他のノードの状態を入力する入力部と、
前記保持部に保持される自ノードの状態と前記入力部から入力された他のノードの状態に基づいて、自ノードの状態を判定する判定部と、
を具備する制御装置である。
前記保持部は、状態解除信号が入力されるまで自ノードの状態を保持する。また、前記入力部は、前記状態解除信号が入力されてから所定のデッドタイムの期間だけ他ノードの状態の入力を無効化する。前記システムにおけるノード間の伝送遅延に基づいた前記デッドタイムが設定される。
第1の側面に係る制御装置は、自ノード内の複数種類の状態と、前記判定部が判定した状態を統合して判定する統合判定部をさらに備える。自ノードは複数の駆動部を含み、前記統合判定部の判定結果に基づいて各駆動部への制御信号の出力を制御する。
また、本開示の第2の側面は、複数のノードからなるシステムにおける1つのノードを制御する制御方法であって、
自ノードの状態を保持する保持ステップと、
他のノードの状態を入力する入力ステップと、
前記保持ステップにおいて保持された自ノードの状態と前記入力ステップにおいて入力された他のノードの状態に基づいて、自ノードの状態を判定する判定ステップと、
を有する制御方法である。
また、本開示の第3の側面は、
複数のノードからなり、少なくとも一部のノードは、
自ノードの状態を保持する保持部と、他のノードの状態を入力する入力部と、前記保持部に保持される自ノードの状態と前記入力部から入力された他のノードの状態に基づいて自ノードの状態を判定する判定部を備えた監視装置を装備する、
ノードシステムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。
本開示によれば、連動する複数のノードからなるシステムにおいて、各ノードの状態を相互監視して、他のノードの状態に高速且つ低遅延で連動して自ノードの動作を制御する制御装置及び制御方法、並びにノードシステムを提供することができる。
なお、本明細書に記載された効果は、あくまでも例示であり、本開示によりもたらされる効果はこれに限定されるものではない。また、本開示が、上記の効果以外に、さらに付加的な効果を奏する場合もある。
本開示のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
図1は、手術支援システム1の外観の構成例を示した図である。 図2は、手術支援システム1の外観の構成例示した図である。 図3は、相互監視システム300の構成例を示した図である。 図4は、図2に示した手術支援システム1のネットワークトポロジーを示した図である。 図5は、相互監視システム500の構成例を示した図である。 図6は、状態監視装置600の構成例を示した図である。 図7は、図6に示した状態監視装置600を装備するノードにおける安全動作フローを示したフローチャートである。 図8は、双腕の手術支援システムのネットワークトポロジーの変形例を示した図である。 図9は、手術支援システムのネットワークトポロジーのさらに他の構成例を示した図である。 図10は、手術支援システムのネットワークトポロジーのさらに他の構成例を示した図である。 図11は、相互監視システムにおいて一方のノードから出力した遅延計測パルスがノード間を往復して帰ってくる様子を示した図である。 図12は、相互監視システムにおいて遅延計測パルスを送受信するタイミングチャートを示した図である。 図13は、双腕の手術支援システムのネットワークトポロジーを示した図である。 図14は、図13に示した手術支援システムの動作モードと通信条件を示した図である。 図15は、安全トルクオフ判定部621、ブレーキ解除判定部623、及びレーザ出力オン判定部625が共通する回路構成を示した図である。
以下、図面を参照しながら本開示に係る技術について、以下の順に従って説明する。
A.システム構成
B.相互監視システム
C.多ノードシステムに組み込まれる相互監視システム
D.状態監視装置の詳細構成
E.安全動作フロー
F.ノードシステムの変形例
G.デッドタイムの設定
H.動作モードと通信条件
I.効果
A.システム構成
図1には、マスタスレーブシステムの一例としての手術支援システム1の外観の構成例を示している。図示の手術支援システム1は、双腕のマスタスレーブシステムである。手術台11には、患者12が仰向けに寝かせられている。また、手術台11の右側には右手用スレーブ装置13が設置され、手術台11の左側には左手用スレーブ装置14が設置されている。右手用スレーブ装置13及び左手用スレーブ装置14の先端には、鉗子や気腹チューブ、エネルギー処置具、攝子、レトラクタなどのうちいずれかからなる処置具がそれぞれ取り付けられている。
また、手術台1から離間した場所にある操作台15の右側及び左側には、右手用スレーブ装置13を遠隔操作するための右手用マスタ装置16と、左手用スレーブ装置14を遠隔操作するために左手用マスタ装置17がそれぞれ配設されている。右手用マスタ装置16の先端には、オペレータが右手で保持する操作部18が取り付けられ、左手用マスタ装置17の先端には、オペレータが左手で保持する操作部19が取り付けられている。
また、手術台11の上方には、患者の患部の様子を撮像するカメラが先端に取り付けられたカメラ部20が設置されている。カメラはステレオカメラで、カメラ部20は3D映像を撮影するようにしてもよい。カメラ部20はオペレータが操作する操作部によって操作され撮影角度や距離、フォーカス調整などのカメラ操作のうち少なくとも1つが行われてもよいし(この場合、右手用または左手用マスタ装置による操作対象を、対応するスレーブ装置からカメラ部へ切り替える操作が必要となる)、カメラ部20が自律的に動作してもよい。一方、操作台15の近傍にはモニタ21が設置されている。モニタ21には、カメラ部20により撮影した患部の映像が映し出される。カメラ部20がステレオカメラで撮影する場合には、モニタ21には3D映像が表示される。
オペレータ(術者)は、モニタ21に映し出された右手用スレーブ装置13及び左手用スレーブ装置14の先端の処置具並びに患部の様子を見ながら、右手で右手用マスタ装置16を操作するとともに、左手で左手用マスタ装置17を操作する。右手用スレーブ装置13及び左手用スレーブ装置14は、それぞれ右手用マスタ装置16及び左手用マスタ装置17の動きに同期した動きをする。このようにして、オペレータ(術者)は、右手用マスタ装置16と左手用マスタ装置17を操作することによって、手術台11上の患者12に対して、右手用スレーブ装置13及び左手用スレーブ装置14を使って遠隔手術を行うことができる。
図2には、手術支援システム1の機能的構成例を概略的に示している。手術支援システム1は、双腕のマスタスレーブシステムであるが、バイラテラル方式のフィードバック制御が適用されることを想定している。
スレーブ側では、手術台11の上方に、患者の患部の様子を撮像するカメラ(ステレオカメラ)が先端に取り付けられたカメラ部20が設置されている。カメラは例えば顕微鏡や外視鏡、内視鏡であってもよい。CCU(Camera Control Unit)123は、カメラの撮影画像を処理して、マスタ側に転送する。マスタ側では、操作台15の近傍にモニタ21が設置されている。モニタ21は、カメラ部20により撮影した患部の映像を映し出す。カメラ部20がステレオカメラで撮影する場合には、モニタ21は3D映像を表示する。
オペレータ(術者)は、モニタ21に映し出された右手用スレーブ装置13及び左手用スレーブ装置14の先端の処置具並びに患部の様子を見ながら、右手で右手用マスタ装置16を操作するとともに、左手で左手用マスタ装置17を操作する。
右手用マスタ制御装置111及び制御プロセッサ113は、オペレータが右手用マスタ装置16を操作した量に応じた右手用スレーブ装置13の制御信号を生成して、右手用スレーブ制御装置121に転送する。また、左手用マスタ制御装置112及び制御プロセッサ113は、オペレータが左手用マスタ装置17を操作した量に応じた左手用スレーブ装置14の制御信号を生成して、左手用スレーブ制御装置122に転送する。
なお、CCU123からモニタ21への映像信号の転送と、マスタ制御装置111及び112からスレーブ制御装置121及び122への制御信号の転送は、同期がとれているものとする。
制御プロセッサ113は、右手用マスタ制御装置111、左手用マスタ制御装置112、右手用スレーブ制御装置121、左手用スレーブ制御装置122の各々を介して、右手用マスタ装置16、左手用マスタ装置17、右手用スレーブ装置13、左手用スレーブ装置14の運動制御演算を行う。具体的には、制御プロセッサ113は、これらマスタ装置及びスレーブ装置に搭載されたエンコーダや力センサの検出値を読み込んで、モータの電流指令値の計算や、モータの電磁ブレーキの制御のための演算を行う。
右手用スレーブ制御装置121は、右手用マスタ制御装置111から受信した制御信号に基づいて、右手用スレーブ装置13の駆動を制御する。また、左手用スレーブ制御装置122は、左手用マスタ制御装置112から受信した制御信号に基づいて、左手用スレーブ装置14の駆動を制御する。
したがって、右手用スレーブ装置13及び左手用スレーブ装置14は、それぞれ右手用マスタ装置16及び左手用マスタ装置17の動きに同期した動きをする。このようにして、オペレータ(術者)は、右手用マスタ装置16と左手用マスタ装置17を操作することによって、手術台11上の患者12に対して、右手用スレーブ装置13及び左手用スレーブ装置14を使って遠隔手術を行うことができる。
マスタとスレーブは、通常、10m程度離れた位置に配置される。但し、それ以上(例えば数10km)マスタとスレーブが離れていてもよい。マスタとスレーブ間の接続には光ファイバケーブル130が使用される。但し、同軸ケーブルやEthernet(登録商標)ケーブルなど別の通信メディアを使用してマスタとスレーブ間を接続してもよい。
手術支援システム1は、安全監視を除いては、基本的には各部が同期して動作する同期システムである。制御プロセッサ113は、手術支援システム1内の各部に制御信号を供給する。そして、右手用マスタ制御装置111、左手用マスタ制御装置112、右手用スレーブ制御装置121、左手用スレーブ制御装置122の各々の制御ソフトウェアは、制御プロセッサ113からの制御信号に基づいて、同期的に動作する。
B.相互監視システム
図1並びに図2に示した手術支援システム1の構成において、マスタ装置16及び17とスレーブ装置13及び14は、連動して協調動作するが、基本的には互いに独立した装置であり、各々に個別に非常停止スイッチ(図1及び図2には図示しない)が設置されることが想定される。マスタ装置16及び17を操作するオペレータ(術者)は、マスタ装置16及び17のいずれか一方に故障や動作の不具合が起きたことに気づくと、その装置の非常停止スイッチを押して停止させるが、他方のマスタ装置及びスレーブ装置13及び14もこれに高速に応答して低遅延で停止させる必要がある。また、手術台1付近で手術を補助する手術助手などは、スレーブ装置13及び14のいずれか一方に故障や動作の不具合が起きたことに気づくと、その装置の非常停止スイッチを押して停止させるが、他方のスレーブ装置及びマスタ装置16及び17もこれに高速に応答して低遅延で停止させる必要がある。
手術支援システム1は、基本的には同期がとれたシステムであり、マスタ(右手用マスタ制御装置111及び左手用マスタ制御装置112)とスレーブ(右手用スレーブ制御装置121及び左手用スレーブ制御装置122)、カメラ(CCU123)、並びに制御プロセッサ113は、外部同期回路によりクロックレベルで同期がとられている。
他方、例えばマスタ又はスレーブのいずれか一方で非常停止スイッチが押されたときには、他方も高速に応答して低遅延で連動して停止させる必要がある。例えばイーサキャットやメカトロリンクといった通信プロトコルを利用して同期方式でマスタ及びスレーブ双方の安全監視を行おうとすると、1kHzといった制御周期で非常停止スイッチが押されたことを検出して、マスタ及びスレーブの双方を停止させることができるが、高速、低遅延とは言い難い。このため、本開示に係る手術支援システム1は、高速でマスタとスレーブ間で相互監視を行うことを目的として、安全監視に関しては、通信プロトコルを用いない非同期回路で構成されている。
図2に示す手術支援システム1の構成では、右手用マスタ制御装置111、左手用マスタ制御装置112、制御プロセッサ113、右手用スレーブ制御装置121、左手用スレーブ制御装置122、及びCCU123の各々に、個別の非常停止スイッチが設置されることが想定される。そして、これらのうちいずれか1つの装置の非常停止スイッチが押されると、その他のすべての装置も、非同期で高速且つ低遅延で連動して停止される。
図3には、手術支援システム1に適用される相互監視システム300の構成例を示している。実際の手術支援システム1では、右手用マスタ制御装置111と右手用スレーブ制御装置121間、右手用マスタ制御装置111と左手用スレーブ制御装置122間、右手用マスタ制御装置111と左手用マスタ制御装置112間など、非常停止動作を高速且つ低遅延で連動させるべき複数の装置の組み合わせに対して、相互監視システム300が組み込まれることが想定される。但し、図3では、説明の便宜上、1つのマスタ側安全監視装置310及び1つのスレーブ側安全監視装置320の組み合わせからなる場合の相互監視システム300の構成例に簡素化して描いている。マスタ側安全監視装置310は、例えば右手用マスタ制御装置111又は左手用マスタ制御装置112のいずれかであり、スレーブ側安全監視装置320は、例えば右手用スレーブ制御装置121又は左手用スレーブ制御装置122のいずれかである。なお、図2及び図3では簡素化のため図示を省略したが、伝送メディアに光ファイバケーブル130を利用する場合、実際の回路構成では、例えば、送信側は伝送データをパラレルシリアル変換するPS変換器及び電気信号を光信号に変換するEO(Electrical/Optical)変換器を備え、受信側では光信号を電気信号に変換するOE(Optical/Electrical)変換器及び受信データをシリアルパラレル変換するSP変換器を備えてもよい。
まず、マスタ側安全監視装置310の構成について説明する。マスタ側安全監視装置310では、停止スイッチ(例えば非常停止スイッチ)が押されたときに停止信号(例えば非常停止信号)311が、ラッチ(LAT)312を介して、マスタ状態判定部313に入力される。
非常停止スイッチが一度押されると、非常停止スイッチを解除しても、非常停止スイッチが押された状態がラッチ312に保持されたままである。ラッチ312は、ラッチ解除信号314によって非常停止スイッチの非常停止状態を解除する。したがって、非常停止スイッチが一度押されて、ラッチ解除信号314が入力されるまでの間、マスタ状態判定部313には、非常停止信号311が入力され続ける。ラッチ解除信号314は、例えば、マスタ側安全監視装置310の上位ソフトウェアから出力されることを想定している。上位ソフトウェアは、マスタ側安全監視装置310の復帰シーケンスにおいて、マスタ内の各部の状態を監視して、非常停止から復帰可能かどうかを判定する。各部の状態を監視するためのセンサがマスタ内に配置されていてもよい。あるいは、上位ソフトウェアは、オペレータなど外部から入力される指示に基づいて、非常停止から復帰可能かどうかを判定するようにしてもよい。上位ソフトウェアは、非常停止状態から復帰してよいと判定したときには、ラッチ解除信号314を出力する。なお、マスタ側安全監視装置310は、スレーブ側安全監視装置320とは非同期で動作するが、復帰シーケンスを制御する上位ソフトウェアは、スレーブ側の上位ソフトウェアとともに、制御プロセッサ113からの制御信号に基づいて同期的に動作する。
また、スレーブ側安全監視装置320の状態信号327(後述)が、光ファイバケーブル130を介して伝搬され、マスタ側安全監視装置310にも入力される。スレーブ側安全監視装置320の状態信号327は、光ファイバケーブル130を介して伝搬される。マスタ側安全監視装置310及びスレーブ側安全監視装置320の一方の光モジュールから照射されたレーザ光の信号が、光ファイバケーブル130内を通過して、他方で受信処理することで、マスタ側安全監視装置310とスレーブ側安全監視装置320間の通信が実現する。光ファイバケーブル130が外れた開放状態で装置から不要なレーザ光が照射されると、被ばくによる事故が発生する危険がある。
なお、光ファイバケーブル130の配線長は、マスタ側安全監視装置310とスレーブ側安全監視装置320間の距離にほぼ等しく、例えば10m程度である。したがって、スレーブ側安全監視装置320の状態信号327がマスタ側安全監視装置310に伝搬するまでの間には、1〜10マイクロ秒程度の伝送遅延がある。この伝送遅延には、光ファイバケーブル130を介したデータ送受信時におけるPS−SP変換やEO−OE変換での遅延時間が含まれる。
マスタ状態判定部313は、AND(論理積)ゲートで構成され、非常停止信号311と、スレーブ側安全監視装置320の状態信号327との論理積をとって、マスタ自身が非常停止したネゲート状態又は非常停止が解除されたアサート状態のいずれであるかを示す状態信号317を、マスタ側安全監視装置310内の制御対象装置に出力する。マスタ状態判定部313は、非常停止信号311が入力されたとき、又は、スレーブ側安全監視装置320からネゲート状態(例えば非常停止状態)を示す状態信号が入力されたときには、ネゲート状態の状態信号317を出力する。そして、マスタ内の制御対象装置(例えば、右手用マスタ装置16、左手用マスタ装置17)は、ネゲート状態では動作を停止させ、アサート状態では動作を開始又は再開する。また、マスタ状態判定部313から出力される状態信号317は、スレーブ側にも伝送されるので、スレーブ側安全監視装置320は、マスタ側の非常停止に連動してスレーブを非常停止させることができる。
但し、スレーブ側安全監視装置320から伝送される状態信号327は、スイッチ315を介してマスタ状態判定部313に入力される。また、デッドタイム(DET)検出部316は、マスタが非常停止から復帰する際に、ラッチ解除信号314が入力されてから所定のデッドタイムが経過するのを検出する。スイッチ315は、デッドタイム検出部316がラッチ解除からデッドタイムが経過したことを検出した結果に基づいて、オフからオンに切り替わる。したがって、ラッチ解除からデッドタイムが経過するまでの間はスイッチ315がオフ状態であり、マスタ状態判定部313は、デッドタイムが経過までの間はスレーブ側安全監視装置320の状態信号327を無視又は無効化する。
ここで、デッドタイムは、非常停止からの復帰時に、マスタ状態判定部313がマスタ側の状態判定を行わない時間である。言い換えれば、マスタ側安全監視装置310が安全監視を行わない不感帯となる時間を意味する。スレーブ側安全監視装置320の状態信号327がマスタ側安全監視装置310に届くまでには、光ファイバケーブル130の配線長に応じた伝送遅延が生じる。この伝送遅延には、光ファイバケーブル130を介したデータ送受信時におけるPS−SP変換やEO−OE変換での遅延時間が含まれる。例えば、光ファイバケーブル130の配線長が10mであれば、1〜10マイクロ秒程度の伝送遅延がある。すなわち、スレーブ側が非常停止から復帰したことがスレーブ側安全監視装置320からマスタ側安全監視装置310に通知されるまでには、伝送遅延がある。
デッドタイム検出部316に、伝送遅延時間(又は、光ファイバケーブル130の配線長)に連動した最小限の時間からなるデッドタイム(DET)を設定して、マスタ内でラッチが解除されてからデッドタイムが経過するまではスイッチ315をオフにして、スレーブ側安全監視装置320の状態信号327に対する不感帯を設ける。これによって、マスタ側だけが非常停止から復帰する状況を回避して、マスタとスレーブが連動して非常停止から復帰できるようにすることができる。スイッチ315とデッドタイム検出部316は、マスタが非常停止から復帰するときのデッドタイムを設ける復帰回路318(図3中、グレーで塗り潰した領域)を構成する。復帰回路318は、デッドタイムを設定するためのレジスタなどの記憶要素や、入力をデッドタイムだけ無効化するための遅延回路などを備えている。
続いて、マスタ側安全監視装置310の動作について説明する。非常停止スイッチが一度押されると、非常停止スイッチが押された状態がラッチ312に保持される。そして、マスタ状態判定部313は、非常停止信号311と、スレーブ側安全監視装置320からの状態信号327との論理積をとって、状態信号317として、マスタ自身が非常停止したネゲート状態であることを示すネゲート信号を出力する。
また、スレーブ側安全監視装置320の状態信号327がアサート状態からネゲート状態に転じると、マスタ状態判定部313は、非常停止信号311と、スレーブ側安全監視装置320からの状態信号327との論理積をとって、状態信号317として、マスタ自身が非常停止したネゲート状態であることを示すネゲート信号を出力する。
マスタ内の制御対象装置(例えば、右手用マスタ装置16、左手用マスタ装置17)は、マスタ状態判定部313によるネゲート状態の判定結果に応答して、動作を停止する。また、マスタ状態判定部313から出力されるネゲート状態の状態信号317は、スレーブ側にも伝送される。
マスタ側で非常停止スイッチが一度押されると、非常停止スイッチを解除しても、非常停止スイッチが押された状態がラッチ312に保持されたままである。マスタ内で実行中の上位ソフトウェアは、非常停止状態から通常の動作状態に復帰してよいかどうかを判定する。そして、上位ソフトウェアは、マスタが非常停止から復帰可能であると判定すると、ラッチ解除信号314を出力して、ラッチ312が保持する非常停止状態を解除する。その結果、非常停止解除を示す非常停止信号311が、マスタ状態判定部313に入力される。
デッドタイム(DET)検出部316は、ラッチ解除信号314が入力されてから所定のデッドタイムが経過するのを検出する。デッドタイムには、伝送遅延時間(又は、光ファイバケーブル130の配線長)に連動した最小限の値が設定される(前述)。ラッチ解除からデッドタイムが経過するまでの間はスイッチ315がオフ状態であり、マスタ状態判定部313は、デッドタイムが経過までの間はスレーブ側安全監視装置320の状態信号327を無視する。すなわち、マスタ内でラッチ312が解除されてからデッドタイムが経過するまではスイッチ315をオフにして、スレーブ側安全監視装置320の状態信号327に対する不感帯を設ける。
その後、デッドタイム検出部316がラッチ解除からデッドタイムが経過したことを検出した結果に基づいて、スイッチ315はオフからオンに切り替わる。この時点で、スレーブ側安全監視装置320からアサート状態の状態信号327がマスタ状態判定部313に入力される場合には、マスタ状態判定部313は、入力の論理積をとって、アサート状態の状態信号317を出力する。その結果、マスタ内の制御対象装置(例えば、右手用マスタ装置16、左手用マスタ装置17)は動作を開始又は再開する。これによって、マスタ側だけが非常停止から復帰する状況を回避して、マスタとスレーブが連動して非常停止から復帰できるようにすることができる。また、マスタ状態判定部313から出力されるアサート状態の状態信号317は、スレーブ側にも伝送される。
続いて、スレーブ側安全監視装置320の構成について説明する。スレーブ側安全監視装置320の構成は、マスタ側安全監視装置310とほぼ同じである。非常停止スイッチが押されたときに非常停止信号321が、ラッチ(LAT)322を介して、スレーブ状態判定部323に入力される。ラッチ322は、非常停止スイッチが一度押されると、上位ソフトウェアからラッチ解除信号324が入力されるまでは、非常停止状態を保持する。上位ソフトウェアは、スレーブ側安全監視装置320の復帰シーケンスにおいて、スレーブ内の各部の状態を監視して、非常停止から復帰可能かどうかを判定する。各部の状態を監視するためのセンサがマスタ内に配置されていてもよい。あるいは、上位ソフトウェアは、オペレータなど外部から入力される指示に基づいて、非常停止から復帰可能かどうかを判定するようにしてもよい。上位ソフトウェアは、非常停止状態から復帰してよいと判定したときには、ラッチ解除信号324を出力する。なお、スレーブ側安全監視装置320は、マスタ側安全監視装置310とは非同期で動作するが、復帰シーケンスを制御する上位ソフトウェアは、マスタ側の上位ソフトウェアとともに、制御プロセッサ113からの制御信号に基づいて同期的に動作する。
また、マスタ側安全監視装置310の状態信号317(前述)が、光ファイバケーブル130を介して伝搬され、スレーブ側安全監視装置320にも入力される。光ファイバケーブル130の配線長は例えば10m程度であり、マスタ側安全監視装置310の状態信号317がスレーブ側安全監視装置320に伝搬するまでの間には、1〜10マイクロ秒程度の伝送遅延がある。この伝送遅延には、光ファイバケーブル130を介したデータ送受信時におけるPS−SP変換やEO−OE変換での遅延時間が含まれる。
スレーブ状態判定部323は、AND(論理積)ゲートで構成され、非常停止信号321と、マスタ側安全監視装置310の状態信号317との論理積をとって、スレーブ自身が非常停止したネゲート状態又は非常停止が解除されたアサート状態のいずれであるかを示す状態信号327を、スレーブ側安全監視装置320内の制御対象装置に出力する。スレーブ状態判定部323は、非常停止信号321が入力されたとき、又は、マスタ側安全監視装置310からネゲート状態(例えば非常停止状態)を示す状態信号が入力されたときには、ネゲート状態の状態信号327を出力する。そして、スレーブ内の制御対象装置(例えば、右手用スレーブ装置13、左手用スレーブ装置14)は、ネゲート状態では動作を停止させ、アサート状態では動作を開始又は再開する。また、スレーブ状態判定部323から出力される状態信号327は、マスタ側にも伝送されるので、マスタ側安全監視装置310は、スレーブ側の非常停止に連動してスレーブを非常停止させることができる。
但し、マスタ側安全監視装置310から伝送される状態信号317は、スイッチ325を介してスレーブ状態判定部323に入力される。また、デッドタイム(DET)検出部326は、スレーブが非常停止から復帰する際に、ラッチ解除信号324が入力されてから所定のデッドタイムが経過するのを検出する。スイッチ325は、デッドタイム検出部326がラッチ解除からデッドタイムが経過したことを検出した結果に基づいて、オフからオンに切り替わる。したがって、ラッチ解除からデッドタイムが経過するまでの間はスイッチ325がオフ状態であり、スレーブ状態判定部323は、デッドタイムが経過までの間はマスタ側安全監視装置310の状態信号317を無視する。デッドタイムは、スレーブ側安全監視装置320が安全監視を行わない不感帯となる時間を意味し、マスタとスレーブ間の伝送遅延に連動した値が設定される(同上)。スイッチ325とデッドタイム検出部326は、スレーブが非常停止から復帰するときのデッドタイムを設ける復帰回路328(図3中、グレーで塗り潰した領域)を構成する。復帰回路328は、デッドタイムを設定するためのレジスタなどの記憶要素や、入力をデッドタイムだけ無効化するための遅延回路などを備えている。
続いて、スレーブ側安全監視装置320の動作について説明する。非常停止スイッチが一度押されると、非常停止スイッチが押された状態がラッチ322に保持される。そして、スレーブ状態判定部323は、非常停止信号321と、マスタ側安全監視装置310からの状態信号317との論理積をとって、状態信号327として、スレーブ自身が非常停止したネゲート状態であることを示すネゲート信号を出力する。
また、マスタ側安全監視装置310の状態信号317がアサート状態からネゲート状態に転じると、スレーブ状態判定部323は、非常停止信号321と、マスタ側安全監視装置310からの状態信号317との論理積をとって、状態信号327として、スレーブ自身が非常停止したネゲート状態であることを示すネゲート信号を出力する。
スレーブ内の制御対象装置(例えば、右手用スレーブ装置13、左手用スレーブ装置14)は、スレーブ状態判定部323によるネゲート状態の判定結果に応答して、動作を停止する。また、スレーブ状態判定部323から出力されるネゲート状態の状態信号327は、マスタ側にも伝送される。
スレーブ側で非常停止スイッチが一度押されると、非常停止スイッチを解除しても、非常停止スイッチが押された状態がラッチ322に保持されたままである。スレーブ内で実行中の上位ソフトウェアは、非常停止状態から通常の動作状態に復帰してよいかどうかを判定する。そして、上位ソフトウェアは、マスタが非常停止から復帰可能であると判定すると、ラッチ解除信号324を出力して、ラッチ322が保持する非常停止状態を解除する。その結果、非常停止解除を示す非常停止信号321が、スレーブ状態判定部323に入力される。
デッドタイム(DET)検出部326は、ラッチ解除信号324が入力されてから所定のデッドタイムが経過するのを検出する。デッドタイムには、伝送遅延時間(又は、光ファイバケーブル130の配線長)に連動した最小限の値が設定される(前述)。ラッチ解除からデッドタイムが経過するまでの間はスイッチ325がオフ状態であり、スレーブ状態判定部323は、デッドタイムが経過までの間はマスタ側安全監視装置310の状態信号317を無視する。すなわち、スレーブ内でラッチ322が解除されてからデッドタイムが経過するまではスイッチ325をオフにして、マスタ側安全監視装置310の状態信号317に対する不感帯を設ける。
その後、デッドタイム検出部326がラッチ解除からデッドタイムが経過したことを検出した結果に基づいて、スイッチ325はオフからオンに切り替わる。この時点で、マスタ側安全監視装置310からアサート状態の状態信号317がスレーブ状態判定部323に入力される場合には、スレーブ状態判定部323は、入力の論理積をとって、アサート状態の状態信号327を出力する。その結果、スレーブ内の制御対象装置(例えば、右手用スレーブ装置13、左手用スレーブ装置14)は動作を開始又は再開する。これによって、スレーブ側だけが非常停止から復帰する状況を回避して、マスタとスレーブが連動して非常停止から復帰できるようにすることができる。また、スレーブ状態判定部323から出力されるアサート状態の状態信号337は、マスタ側にも伝送される。
したがって、図3に示すような相互監視システム300によれば、マスタとスレーブはそれぞれ非同期で高速に非常停止することが可能であり、また、マスタとスレーブのいずれか一方が非常停止したときには、他方も非同期で高速に連動して非常停止することができる。また、マスタ及びスレーブが非常停止から復帰する際には、マスタとスレーブ間の伝送遅延に連動した値のデッドタイムを設けてお互いの状態を確認し合うようにしている。これによって、マスタとスレーブの一方が先に復帰して他方が遅れて復帰するような状況を回避して、双方が連動して復帰できるようになっている。
マスタ側安全監視装置310とスレーブ側安全監視装置320は、基本的には同一の構成でよい。なお、マスタ側安全監視装置310並びにスレーブ側安全監視装置320は、それぞれはFPGA(Field Programmable Gate Array)、ゲートIC(Integrated Circuit)、プロセッサのいずれか又はこれらの組み合わせによって構成することができる。
C.多ノードシステムに組み込まれる相互監視システム
図3には、簡素化のため、1つのマスタと1つのスレーブの組み合わせからなる2ノードシステムに組み込まれる相互監視システム300を示した。これに対し、図1並びに図2に示した手術支援システム1は、双腕のマスタスレーブシステムであり、右手用マスタ制御装置111及び左手用マスタ制御装置112と右手用スレーブ制御装置121及び左手用スレーブ制御装置122の4ノードからなる。
手術支援システム1では、右手用マスタ制御装置111及び左手用マスタ制御装置112と右手用スレーブ制御装置121及び左手用スレーブ制御装置122の4ノードのうちいずれか1つのノードが非常停止したときに、残りの3つのノードも非同期で高速に連動して非常停止する必要がある。また、これら4つのノードが非常停止から復帰する際には、ノード間の最大の伝送遅延の連動した値のデッドタイムを設けて、お互いの状態を確認し合う必要がある。
図4には、図2に示した手術支援システム1のネットワークトポロジーを模式的に示している。図示のネットワークトポロジーはツリー構造からなる。具体的には、右手用マスタ制御装置111(M1)と右手用スレーブ制御装置121(S1)が光ファイバケーブル130を介して相互接続されるとともに、左手用マスタ制御装置121(M2)と左手用スレーブ制御装置122(S2)が光ファイバケーブル130を介して相互接続されている。また、マスタ内では、右手用マスタ制御装置111(M1)と左手用マスタ制御装置112(M2)が相互接続されるとともに、右手用マスタ制御装置111(M1)と制御プロセッサ113(PC)が相互接続されている。本開示が適用されるノードシステムのネットワークトポロジーは、基本的にはツリー構造とする。
右手用マスタ制御装置111(M1)と右手用スレーブ制御装置121(S1)間の伝送遅延をD1、右手用マスタ制御装置111(M1)と左手用マスタ制御装置112(M2)間の伝送遅延をD2、右手用スレーブ制御装置121(S1)と左手用スレーブ制御装置122(S2)間の伝送遅延をD3とする。ツリー構造のノードシステムにおける最大の伝送遅延は、ルートから最長距離となるノードまでの伝送遅延である。図4に示すネットワークトポロジーにおいて、ルートは、制御プロセッサ113に接続されている右手用マスタ制御装置111であり、このルートから最長距離にあるノードは左手用スレーブ制御装置122(S2)である。したがって、図4に示すネットワークトポロジーからなるノードシステムでは、マスタとスレーブ間のファイバ長が同じであるならば、最大の伝送遅延はD1+D3ということになる。
図5には、手術支援システム1に組み込まれた相互監視システム500の構成例を模式的に示している。ここでは、手術支援システム1は、図4に示したネットワークトポロジーにより接続される、右手用マスタ制御装置111、左手用マスタ制御装置112、右手用スレーブ制御装置121、及び左手用スレーブ制御装置122の4ノードで構成されることを想定している。但し、図5では制御プロセッサ113の図示を省略している。右手用マスタ制御装置111と右手用スレーブ制御装置121間、並びに左手用マスタ制御装置112と左手用スレーブ制御装置122間は、上述したように光ファイバケーブル130を介して相互接続されている。右手用マスタ制御装置111と左手用マスタ制御装置112間、並びに右手用スレーブ制御装置121と左手用スレーブ制御装置122間を相互接続する通信メディアは特に限定されない。
右手用マスタ制御装置111と右手用スレーブ制御装置121間には、相互監視サブシステム501が配設されている。また、右手用マスタ制御装置111と左手用マスタ制御装置112間には、相互監視サブシステム502が配設されている。また、左手用マスタ制御装置112と左手用スレーブ制御装置122間には、相互監視サブシステム503が配設されている。
各相互監視サブシステム501〜503は、図3に示した相互監視システム300と同一の構成であるので、ここでは詳細な説明を省略する。但し、各相互監視サブシステム501〜503のデッドタイム検出部には、手術支援システム1の最大の伝送遅延に連動したデッドタイムが設定される。マスタとスレーブ間のファイバ長が同じであるならば、手術支援システム1の最大の伝送遅延はD1+D3である。ファイバ長が不明ならば、遅延時間計測回路を用いて最大の伝送遅延を調べる必要がある。遅延時間計測回路の詳細については後述する。
右手用マスタ制御装置111内では、相互監視サブシステム501と相互監視サブシステム502の安全監視状態を共有する。図5では結線を省略したが、右手用マスタ制御装置111内で、相互監視サブシステム501側の状態判定部が出力する状態信号を相互監視サブシステム502側の状態判定部に入力するとともに、相互監視サブシステム502側の状態判定部が出力する状態信号を相互監視サブシステム501側の状態判定部に入力することにより、相互監視サブシステム501と相互監視サブシステム502の安全監視状態を共有することができる。
同様に、右手用スレーブ制御装置121内では、相互監視サブシステム501と相互監視サブシステム503の安全監視状態を共有する。図5では結線を省略したが、右手用スレーブ制御装置121内で、相互監視サブシステム501側の状態判定部が出力する状態信号を相互監視サブシステム503側の状態判定部に入力するとともに、相互監視サブシステム503側の状態判定部が出力する状態信号を相互監視サブシステム501側の状態判定部に入力することにより、相互監視サブシステム501と相互監視サブシステム503の安全監視状態を共有することができる。
したがって、図5に示す相互監視システム500によれば、4ノードのうちいずれか1つのノードが非常停止したときに、残りの3つのノードも非同期で高速に連動して非常停止することができる。また、相互監視システム500によれば、これら4つのノードが非常停止から復帰する際には、ノード間の最大の伝送遅延の連動した値のデッドタイムを設けて、お互いの状態を確認し合うことができる。
D.状態監視装置の詳細構成
図3には、マスタ側及びスレーブ側の各々において、非常停止スイッチの操作に応答して非同期且つ連動して非常停止するマスタ側安全監視装置310とスレーブ側安全監視装置320の基本的な構成例を示した。実際には、マスタ側及びスレーブ側の各々では、非常停止スイッチの操作に基づく安全状態の他に、さまざまな状態を監視して、動作を停止し、且つ停止状態を解除して動作を復帰させる必要がある。
図3に示した安全監視回路310及び320では、非常停止スイッチと他のノードの状態信号のみを監視する基本的な構成である。実際のマスタ制御装置やスレーブ制御装置では、非常停止スイッチ以外にも、モータ駆動回路の異常、制御プロセッサ113から異常信号、ケーブルの接続状態など、さまざまな状態を監視する必要がある。もちろん、マスタやスレーブなど制御対象装置毎に監視すべき状態が異なることも想定される。
図6には、非常停止スイッチの操作に基づく安全状態の他に、制御対象装置のさまざまな状態を監視するように構成された状態監視装置600の構成例を示している。
状態判定部601には、安全監視装置603から出力される状態信号604の他に、UI(User Interface)スイッチ信号602、モータ駆動回路状態信号605、上位ソフトウェアの状態を示すWatch Dog信号606、通信ケーブルの接続状態を示す通信ALIVE信号607などが入力される。安全監視装置603の構成及び動作は、図3を参照しながら既に説明したので、ここでは詳細な説明を省略する。Watch Dog信号606は、ソフトウェアの異常状態が検出されたときに出力される。また、通信ALIVE信号607は、自ノードと他のノードを接続するケーブルに異常が発生したときに出力される。
状態判定部601は、ANDゲートで構成され、上述した入力信号601〜607、…の論理積をとって、制御対象装置全体がネゲート状態又はアサート状態のいずれであるかを示す全体状態信号610を出力する。
安全トルクオフ(Safe Torque Off)判定部621は、状態判定部601から出力される全体状態信号610と、上位ソフトウェアから出力される安全トルクオフ解除信号611との論理積をとって、モータ(図示しない)に対して安全トルクオフを解除するか否かを指示する安全トルクオフ解除信号622を出力する。
ブレーキ解除判定部623は、状態判定部601から出力される全体状態信号610と、上位ソフトウェアから出力されるブレーキ解除信号612との論理積をとって、モータ(図示しない)に対してモータの電磁ブレーキを解除するか否かを指示するブレーキ解除信号624を出力する。
レーザ出力オン判定部625は、状態判定部601から出力される全体状態信号610と、上位ソフトウェアから出力されるレーザ出力オン信号613との論理積をとって、レーザ(図示しない)に対して出力をオンにするか否かを指示するレーザ出力オン信号626を出力する。上位ソフトウェアは、不要なレーザ光の出力による被ばくを回避するために、レーザ出力をオンするかどうかを慎重に判断する。
状態監視装置600は、右手用マスタ制御装置111、左手用マスタ制御装置112、右手用スレーブ制御装置121、左手用スレーブ制御装置122の各々に装備することができる。
安全トルクオフ判定部621、ブレーキ解除判定部623、及びレーザ出力オン判定部625はいずれも、ANDゲートで構成されるが、状態判定部601が自ノードと他のノードの状態に基づいてハードウェア的に安全かどうかを判定した状態信号と、上位ソフトウェアからの制御信号との論理積をとって、デバイスへの制御信号を出力するという点で共通する(図15を参照のこと)。ここで言うデバイスは、モータ駆動回路、モータの電磁ブレーキ、レーザ光モジュールなどである。
なお、図6に示す状態監視装置600の構成例では、UIスイッチ信号602、モータ駆動回路状態信号605、Watch Dog信号606、及び通信ALIVE信号607はいずれも、状態判定部601に直接(又は、バッファを介して)入力されているが、これらの信号の伝送路上にそれぞれラッチを配設して状態判定部601の入力端子に接続し、且つ、上位ソフトウェアの慎重な判断によるラッチ解除指示があるまではラッチの状態を保持するように構成してもよい。
E.安全動作フロー
図7には、図6に示した状態監視装置600を装備するノードにおける安全動作フローをフローチャートの形式で示している。図示の安全動作フローは、ノードにおいて実行される上位ソフトウェアによって実施される。ここで言うノードは、右手用マスタ制御装置111、左手用マスタ制御装置112、右手用スレーブ制御装置121、及び左手用スレーブ制御装置122のうち少なくとも1つに相当する。
まず、制御プロセッサ113で初期設定が実施される(ステップS701)。初期設定処理には、ノードシステムにおけるケーブル長又は最大伝搬時間などのデッドタイムを検出するために必要な情報を取得する処理や、マスタスレーブシステムが双腕又は単腕のいずれであるか(言い換えれば、システム内のノード数)に関する情報を取得する処理が実施される。ノードシステム内の各ノードは、制御プロセッサ113が実施した初期設定の情報を取得する。
次いで、自ノード内の状態の読み取りが実施される(ステップS702)。ノードが図6に示した状態監視装置600を備える場合には、UIスイッチ信号602、非常停止スイッチ信号604、モータ駆動回路状態信号605、Watch Dog信号606、通信ALIVE信号607、…を読み取る。そして、自ノード内で異常が発生していないかどうかをチェックする(ステップS703)。
ここで、自ノード内で読み取った信号から異常が検出された場合には(ステップS703のYes)、このノードにおいて安全シーケンスを実施する(ステップS709)。安全シーケンスの内容は任意であり、ノード毎に異なることも想定される。ここでは安全シーケンスの詳細については説明を省略する。
一方、自ノード内で読み取った信号から異常が検出されなかった場合には(ステップS703のNo)、ステップS701の初期設定において取得した情報に基づいて、安全監視装置内のデッドタイムを設定する(ステップS704)。続いて、他のノードの状態の読み取りを行って(ステップS705)、他のいずれかのノードにおいて異常が発生していないかどうかをチェックする(ステップS706)。
他のいずれかのノードにおいて異常が検出された場合には(ステップS706のYes)、このノードにおいて安全シーケンスを実施する(ステップS709)。安全シーケンスの内容は任意である。
自ノード及び他のノードのいずれでも異常が検出されない場合には(ステップS706のNo)、このノードは、図3に示した安全監視装置又は図7に示した状態監視装置により、自ノード及び他のノードの定常監視を開始する(ステップS707)。そして、自ノード及び他のノードのうちいずれかで異常が検出された場合には(ステップS708のYes)、このノードにおいて安全シーケンスを実施する(ステップS709)。安全シーケンスの内容は任意である。
F.ノードシステムの変形例
図4には、図2に示した双腕の手術支援システム1のネットワークトポロジーを示した。図8には、双腕の手術支援システムのネットワークトポロジーの変形例を示している。図8に示すネットワークトポロジーは、右手用マスタ制御装置(M1)と右手用スレーブ制御装置(S1)が相互接続され、マスタ内では右手用マスタ制御装置(M1)と左手用マスタ制御装置(M2)が相互接続され、さらに左手用マスタ制御装置(M2)と左手用スレーブ制御装置(S2)が相互接続される、というツリー構造からなる。
右手用マスタ制御装置(M1)と右手用スレーブ制御装置(S1)間の伝送遅延をD1、右手用マスタ制御装置(M1)と左手用マスタ制御装置(M2)間の伝送遅延をD2、左手用マスタ制御装置(M2)と左手用スレーブ制御装置(S2)間の伝送遅延をD3とする。ツリー構造のノードシステムにおける最大の伝送遅延は、ルートから最長距離となるノードまでの伝送遅延である。図8に示すネットワークトポロジーにおいて、ルートは、制御プロセッサ(PC)に接続されている右手用マスタ制御装置(M1)である。マスタとスレーブ間のファイバ長が同じであるならば、このルートから最長距離にあるノードは左手用スレーブ制御装置(S2)であり、図8に示すノードシステムの最大の伝送遅延はD1+D2である。ファイバ長が不明ならば、遅延時間計測回路を用いて図8に示すノードシステムの最大の伝送遅延を調べる必要がある。遅延時間計測回路の詳細については後述する。
図9には、手術支援システムのネットワークトポロジーのさらに他の構成例を示している。手術支援システムは、第1乃至第3のマスタ及び第1乃至第3のスレーブ(いずれも図示しない)を備える3腕のシステムであり、第1のマスタを制御する第1のマスタ制御装置(M1)、第2のマスタを制御する第2のマスタ制御装置(M2)、第3のマスタを制御する第3のマスタ制御装置(M3)、第1のスレーブを制御する第1のスレーブ制御装置(S1)、第2のスレーブを制御する第2のスレーブ制御装置(S2)、第3のスレーブを制御する第3のスレーブ制御装置(S3)を想定している。そして、図9に示すネットワークトポロジーは、マスタ内では第1のマスタ制御装置(M1)と第2のマスタ制御装置(M2)が相互接続され、第2のマスタ制御装置(M2)と第3のマスタ制御装置(M3)が相互接続されている。そして、第1のマスタ制御装置(M1)は第1のスレーブ制御装置(S1)と相互接続され、第2のマスタ制御装置(M2)は第2のスレーブ制御装置(S2)と相互接続され、第3のマスタ制御装置(M3)は第3のスレーブ制御装置(S3)と相互接続される、というツリー構造からなる。
第1のマスタ制御装置(M1)と第1のスレーブ制御装置(S1)間の伝送遅延をD1、第1のマスタ制御装置(M1)と第2のマスタ制御装置(M2)間の伝送遅延をD2、第2のマスタ制御装置(M2)と第2のスレーブ制御装置(S2)間の伝送遅延をD3、第2のマスタ制御装置(M2)と第3のマスタ制御装置(M3)間の伝送遅延をD4、第3のマスタ制御装置(M3)と第3のスレーブ制御装置(S3)間の伝送遅延をD5とする。ツリー構造のノードシステムにおける最大の伝送遅延は、ルートから最長距離となるノードまでの伝送遅延である。図8に示すネットワークトポロジーにおいて、ルートは、制御プロセッサ(PC)に接続されている第3のマスタ制御装置(M3)である。マスタとスレーブ間のファイバ長が同じであるならば、このルートから最長距離にあるノードは第1のスレーブ制御装置(S1)であり、図9に示すノードシステムの最大の伝送遅延はD1+D2+D4である。ファイバ長が不明ならば、遅延時間計測回路を用いて図8に示すノードシステムの最大の伝送遅延を調べる必要がある。遅延時間計測回路の詳細については後述する。
なお、図8及び図9はいずれも、マスタとスレーブが1対1に対応する手術支援システムのネットワークトポロジーを示している。1つのマスタに複数のスレーブが接続され、又は複数のマスタに1つのスレーブが接続されるという手術支援システムも想定される。図10には、第1のマスタ(図示しない)を制御する第1のマスタ制御装置(M1)に、第1のスレーブ(図示しない)を制御する第1のスレーブ制御装置(S1)、並びに第2のスレーブ(図示しない)を制御する第2のスレーブ制御装置(S2)が直列接続されているネットワークトポロジーを示している。
G.デッドタイムの設定
上述したように、安全監視装置内のデッドタイム検出部には、ノードシステムにおける最大の伝送遅延に連動した値のデッドタイムが設定される。遅延時間はノード間を接続するケーブルの配線長に依存する。したがって、配線長や遅延時間計測回路を用いて、ノード間の伝送遅延を推定することができる。
ノード間が光ファイバケーブルを使って接続される場合には、一方のノードから発光した光を他方のノードで受光した光のレベルに基づいて、ケーブル長を推定することができる。
また、一方のノードから遅延計測パルスを出力し、他方のノードに到達した遅延計測パルスが一方のノードに戻るまでのラウンドトリップ時間に基づいて、伝送遅延を推定することができる。例えば、図3に示した相互監視システム300において、復帰回路内に遅延計測回路を組み込んで、遅延計測パルスを出力するように構成することができる。図11には、一方のノードから出力した遅延計測パルスがノード間を往復して帰ってくる様子を示している。また、図12には、復帰回路に組み込まれた遅延計測回路において、遅延計測パルスを送信して、他方のノードから戻ってくる遅延計測パルスを受信するときのタイミングチャートを示している。図12には、ノード間の伝送遅延による遅延時間を示している。
要するに、一方のノードから照射したレーザ光の他方のノードでの受光レベルに基づいてケーブル長を計測する方法や、遅延計測パルスのラウンドトリップ時間に基づいて遅延時間を計測する方法などを使用して、ノード間の伝送遅延を推定することができる。ノードシステムでは、伝送遅延を自動計測し、且つ伝送遅延に連動したデッドタイムを各ノードの安全監視回路に自動で設定するようにしてもよい。もちろん、ノード間の伝送遅延の計測結果に基づくデッドタイムを、手動で各ノードの安全監視回路に設定するようにしてもよい。
H.動作モードと通信条件
ケーブルで接続された複数のノードからなるノードシステムでは、ノード間のケーブル接続状態から動作モードの切り替えが行われる。
例えば、図13に示すような、右手用マスタ制御装置(M1)と右手用スレーブ制御装置(S1)が相互接続され、マスタ内では右手用マスタ制御装置(M1)と左手用マスタ制御装置(M2)が相互接続され、さらに左手用マスタ制御装置(M2)と左手用スレーブ制御装置(S2)が相互接続される、双腕の手術支援システムでは、右手用のマスタ及びスレーブが動作する単腕(R)モードと、左手用のマスタ及びスレーブが動作する単腕(L)モードと、両手のマスタ及びスレーブが動作する双腕モードの3つの動作モードと、すべての動作が停止した停止モードを有する。但し、制御プロセッサ(PC)は右手用マスタ制御装置(M1)と相互接続しており、右手用マスタ制御装置(M1)がツリー構造のルートとする。
図13において、右手用マスタ制御装置(M1)と右手用スレーブ制御装置(S1)を接続するケーブルをC1、右手用マスタ制御装置(M1)と左手用マスタ制御装置(M2)を接続するケーブルをC2、左手用マスタ制御装置(M2)と左手用スレーブ制御装置(S2)を接続するケーブルをC3とする。単腕(R)モード、単腕(L)モード、双腕モード、停止モードの各動作モードにおける各ケーブルC1〜C3の通信条件は、図14に示す通りとなる。
単腕(R)モードでは、右手用マスタ制御装置(M1)と右手用スレーブ制御装置(S1)を接続するケーブルC1のみが接続状態オンであればよい。単腕(L)モードでは、左手用マスタ制御装置(M2)と左手用スレーブ制御装置(S2)を接続するケーブルC3が接続状態オンであるとともに、左手用マスタ制御装置(M2)がルートである右手用マスタ制御装置(M1)とも接続状態オンである必要がある。また、双腕モードでは、すべてのケーブルC1〜C3が接続状態オンである。他方、停止モードでは、すべてのケーブルC1〜C3は接続状態オフである。
右手用マスタ制御装置(M1)に接続されている制御プロセッサ(PC)は、例えば図7に示した安全動作フローのステップS701で実行する初期設定において、ノード間の接続状態に基づいて、手術支援システムが単腕(R)モード、単腕(L)モード、双腕モード、停止モードなどのモード切り替えを行う。そして、動作モードに応じて、マスタ装置及びスレーブ装置のモータやブレーキ、レーザなどの駆動部の駆動条件を決定する。また、決定した動作モードに応じて最大の伝送遅延が決まるので、安全監視装置(図3を参照のこと)内のデッドタイム検出部に、動作モードに応じた伝送遅延に連動するデッドタイムを設定する。
例えば、手術支援システムが双腕モードから単腕(R)モードに切り替わったときには、ケーブル長が短縮されるので、安全監視装置に設定するデッドタイムをケーブル長に応じた短い値に切り替えることによって、非常停止からの復帰時間を短縮することができる。
I.効果
本開示を手術支援システム又はノードシステムに適用することによって得られる効果についてまとめておく。
(1)非同期式の相互監視システムにおいて、各ノードの安全監視装置に、ノード間を接続するケーブル長又は最大の伝送遅延に連動したデッドタイムを設定する。したがって、各ノードはそれぞれ非同期で高速に非常停止し、他のノードも非同期で高速に連動して非常停止することができ、且つ、非常停止からの復帰時にはデッドタイムを設けてノード間で状態を確認し合うことができる。また、ノードシステムのモード切り替え(例えば、双腕モードから単腕モードに切り替えたとき)に応じて短いデッドタイムを設定することで、復帰時間を短縮することができる。
(2)ノード間を接続するケーブルの挿抜や断線に連動して、各ノードの状態監視回路(図6を参照のこと)が切り替わる。これによって、モータの暴走や電磁ブレーキの忘れ、開放状態にある光ファイバケーブルからの不要なレーザ光照射による被ばくを回避することができる。
(3)ノード間を接続するケーブルの挿抜や断線によって、ノードシステムのモード切り替え(例えば、手術支援システムにおける双腕モード、単腕モード、停止モードの切り替え)を自動的に行うことができる。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本開示について詳細に説明してきた。しかしながら、本開示の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、本開示をマスタスレーブ方式の手術支援システムに適用した実施形態を中心に説明してきたが、本開示の要旨はこれに限定されるものではない。医療以外のさまざまな産業分野で使用されるマスタスレーブシステムにも同様に本開示を適用することができる。また、本開示の適用対象はマスタスレーブシステムには限定されず、連動する複数のノードからなり、必ずしも各ノードの間にマスタとスレーブの関係が成立しない、さまざまなタイプのシステムに対して同様に本開示を適用することができる。
要するに、例示という形態により本開示について説明してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本開示の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
なお、本開示は、以下のような構成をとることも可能である。
(1)複数のノードからなるシステムにおける1つのノードを制御する制御装置であって、
自ノードの状態を保持する保持部と、
他のノードの状態を入力する入力部と、
前記保持部に保持される自ノードの状態と前記入力部から入力された他のノードの状態に基づいて、自ノードの状態を判定する判定部と、
を具備する制御装置。
(2)前記保持部は、状態解除信号が入力されるまで自ノードの状態を保持し、
前記入力部は、前記状態解除信号が入力されてから所定のデッドタイムの期間だけ他ノードの状態の入力を無効化する、
上記(1)に記載の制御装置。
(3)前記保持部は、自ノードの非常停止スイッチの操作に基づく非常停止信号が示す状態を保持し、自ノードで実行されるソフトウェアからの非常停止解除信号に応じて、保持している状態を解除する、
上記(2)に記載の制御装置。
(4)前記システムにおけるノード間の伝送遅延に基づいた前記デッドタイムが設定される、
上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の制御装置。
(5)前記システムにおけるノード間を接続するケーブルの配線長に基づいた前記デッドタイムが設定される、
上記(4)に記載の制御装置。
(6)前記システムにおけるノード間を接続するケーブルの配線長又はノード間の遅延時間計測回路による計測結果に基づいた前記デッドタイムが設定される、
上記(4)又は(5)のいずれかに記載の制御装置。
(7)前記遅延時間計測回路は、ノード間の信号のラウンドトリップ時間に基づいてノード間の伝送遅延を推定する、
上記(6)に記載の制御装置。
(8)ノード間の接続状態に基づく前記システムの動作モードの切り替えに応じて前記デッドタイムが設定される、
上記(4)乃至(7)のいずれかに記載の制御装置。
(9)前記入力部においてデッドタイムを設定する記憶要素、又は入力をデッドタイムだけ無効化するための遅延回路を備える、
上記(2)乃至(8)のいずれかに記載の制御装置。
(10)自ノード内の複数種類の状態と、前記判定部が判定した状態を統合して判定する統合判定部をさらに備える、
上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の制御装置。
(11)自ノードは複数の駆動部を含み、
前記統合判定部の判定結果に基づいて各駆動部への制御信号の出力を制御する、
上記(10)に記載の制御装置。
(12)複数のノードからなるシステムにおける1つのノードを制御する制御方法であって、
自ノードの状態を保持する保持ステップと、
他のノードの状態を入力する入力ステップと、
前記保持ステップにおいて保持された自ノードの状態と前記入力ステップにおいて入力された他のノードの状態に基づいて、自ノードの状態を判定する判定ステップと、
を有する制御方法。
(13)複数のノードからなり、少なくとも一部のノードは、
自ノードの状態を保持する保持部と、他のノードの状態を入力する入力部と、前記保持部に保持される自ノードの状態と前記入力部から入力された他のノードの状態に基づいて自ノードの状態を判定する判定部を備えた監視装置を装備する、
ノードシステム。
(14)前記保持部は、状態解除信号が入力されるまで自ノードの状態を保持し、
前記入力部は、前記状態解除信号が入力されてから所定のデッドタイムの期間だけ他ノードの状態の入力を無効化する、
上記(13)に記載のノードシステム。
(15)前記保持部は、自ノードの非常停止スイッチの操作に基づく非常停止信号が示す状態を保持し、自ノードで実行されるソフトウェアからの非常停止解除信号に応じて保持している状態を解除する、
上記(14)に記載のノードシステム。
(16)前記システムにおけるノード間の伝送遅延に基づいた前記デッドタイムが設定される、
上記(13)乃至(15)に記載のノードシステム。
(17)ノード間の接続状態に基づく前記システムの動作モードの切り替えに応じて前記デッドタイムが設定される、
上記(16)に記載のノードシステム。
(18)前記入力部においてデッドタイムを設定する記憶要素、又は入力をデッドタイムだけ無効化するための遅延回路を備える、
上記(14)乃至(17)に記載のノードシステム。
(19)自ノード内の複数種類の状態と、前記判定部が判定した状態を統合して判定する統合判定部をさらに備える、
上記(13)乃至(18)のいずれかに記載の制御装置。
(20)前記少なくとも一部のノードは、自ノードは複数の駆動部を含み、前記統合判定部の判定結果に基づいて各駆動部への制御信号の出力を制御する、
上記(19)に記載のノードシステム。
1…手術支援システム、11…手術台、13…右手用スレーブ装置
14…左手用スレーブ装置、15…操作台、16…右手用マスタ装置
17…左手用マスタ装置、18,19…操作部、20…カメラ部
21…モニタ
111…右手用マスタ制御装置、112…左手用マスタ制御装置
113…制御プロセッサ、121…右手用スレーブ制御装置
122…左手用スレーブ制御装置、123…CCU
300…相互監視システム、310…マスタ側安全監視装置
311…非常停止信号、312…ラッチ、313…マスタ状態判定部
314…ラッチ解除信号、315…スイッチ
316…デッドタイム(DET)検出部、317…状態信号
318…復帰回路
320…スレーブ側安全監視装置、321…非常停止信号
32…ラッチ、323…スレーブ状態判定部、324…ラッチ解除信号
325…スイッチ、326…デッドタイム(DET)検出部
327…状態信号、328…復帰回路
500…相互監視システム、501〜503…相互監視サブシステム
600…状態監視回路、601…状態判定部
602…UIスイッチ信号、603…安全監視装置、604…状態信号
605…モータ駆動回路状態信号、606…Watch Dog信号
607…通信ALIVE信号、610…全体状態信号
611…安全トルクオフ解除信号、612…ブレーキ解除信号
613…レーザ出力オン信号
621…安全トルクオフ判定部、622…安全トルクオフ解除信号
623…ブレーキ解除判定部、624…ブレーキ解除信号
625…レーザ出力オン判定部、626…レーザ出力オン信号

Claims (13)

  1. 複数のノードからなるシステムにおける1つのノードを制御する制御装置であって、
    自ノードの状態を保持する保持部と、
    他のノードの状態を入力する入力部と、
    前記保持部に保持される自ノードの状態と前記入力部から入力された他のノードの状態に基づいて、自ノードの状態を判定する判定部と、
    を具備する制御装置。
  2. 前記保持部は、状態解除信号が入力されるまで自ノードの状態を保持し、
    前記入力部は、前記状態解除信号が入力されてから所定のデッドタイムの期間だけ他ノードの状態の入力を無効化する、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記保持部は、自ノードの非常停止スイッチの操作に基づく非常停止信号が示す状態を保持し、自ノードで実行されるソフトウェアからの非常停止解除信号に応じて、保持している状態を解除する、
    請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記システムにおけるノード間の伝送遅延に基づいた前記デッドタイムが設定される、
    請求項1に記載の制御装置。
  5. 前記システムにおけるノード間を接続するケーブルの配線長に基づいた前記デッドタイムが設定される、
    請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記システムにおけるノード間を接続するケーブルの配線長又はノード間の遅延時間計測回路による計測結果に基づいた前記デッドタイムが設定される、
    請求項4に記載の制御装置。
  7. 前記遅延時間計測回路は、ノード間の信号のラウンドトリップ時間に基づいてノード間の伝送遅延を推定する、
    請求項6に記載の制御装置。
  8. ノード間の接続状態に基づく前記システムの動作モードの切り替えに応じて前記デッドタイムが設定される、
    請求項4に記載の制御装置。
  9. 前記入力部においてデッドタイムを設定する記憶要素、又は入力をデッドタイムだけ無効化するための遅延回路を備える、
    請求項2に記載の制御装置。
  10. 自ノード内の複数種類の状態と、前記判定部が判定した状態を統合して判定する統合判定部をさらに備える、
    請求項1に記載の制御装置。
  11. 自ノードは複数の駆動部を含み、
    前記統合判定部の判定結果に基づいて各駆動部への制御信号の出力を制御する、
    請求項10に記載の制御装置。
  12. 複数のノードからなるシステムにおける1つのノードを制御する制御方法であって、
    自ノードの状態を保持する保持ステップと、
    他のノードの状態を入力する入力ステップと、
    前記保持ステップにおいて保持された自ノードの状態と前記入力ステップにおいて入力された他のノードの状態に基づいて、自ノードの状態を判定する判定ステップと、
    を有する制御方法。
  13. 複数のノードからなり、少なくとも一部のノードは、
    自ノードの状態を保持する保持部と、他のノードの状態を入力する入力部と、前記保持部に保持される自ノードの状態と前記入力部から入力された他のノードの状態に基づいて自ノードの状態を判定する判定部を備えた監視装置を装備する、
    ノードシステム。
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