JP2021151007A - 層間短絡検知装置および層間短絡検知方法 - Google Patents

層間短絡検知装置および層間短絡検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ブラシレス励磁機を有する回転電機において、容易に巻線の層間短絡の有無を検知する。【解決手段】ブラシレス励磁機の界磁巻線の印加電圧の計測値および当該界磁巻線の界磁電流の計測値を取得する計測値取得手段61と、前記計測値取得手段により取得された計測値を用いて、前記ブラシレス励磁機の電機子巻線によって前記ブラシレス励磁機の界磁巻線に誘起される電機子反作用電圧を計算する電機子反作用電圧計算手段71と、前記計測値取得手段により取得された界磁電流の計測値と予め用意された界磁電流の基準値との差、および、前記電機子反作用電圧計算手段により計算された電機子反作用電圧の計算値と予め用意された電機子反作用電圧の基準値との差に基づき、前記ブラシレス励磁機の界磁巻線、前記ブラシレス励磁機の電機子巻線、および回転電機本体の界磁巻線のいずれかで発生し得る層間短絡の有無を検知する層間短絡検出手段76とを具備する。【選択図】図6

Description

本発明の実施形態は、層間短絡検知装置および層間短絡検知方法に関する。
一般に、タービン発電機などの巻線界磁形回転電機は、その回転子もしくは固定子内に、磁界を発生させるための界磁回路を有している。
界磁回路内において、磁界を発生させる界磁巻線は、一般に互いに絶縁された複数の層状の導体からなる。この界磁巻線に電流を供給する方法としては、ブラシを用いた直接励磁方式の他、ブラシレス励磁機を用いた方法がある。
ブラシレス励磁機は、回転電機本体とは別途に、この本体より小型の回転電機部として設けられ、静止部にブラシレス励磁機の界磁巻線を有し、回転部に電機子巻線を有する。回転電機本体の回転子が回転すると、ブラシレス励磁機の界磁巻線が作る磁界が、ブラシレス励磁機の電機子巻線に鎖交して発電が行われる。この電機子巻線の電流が整流回路を通じて整流され、回転電機本体の界磁巻線に直流電流が供給される。
回転電機本体の界磁巻線およびブラシレス励磁機の電機子巻線を構成する導体間には、層間絶縁が導体に挟まれるような形で設けられており、導体間を絶縁し、導体間に短絡電流が流れるのを防いている。
層間絶縁の劣化もしくは損傷などの原因により、層間短絡と呼ばれる、導体間の短絡が発生すると、巻線の有効な巻数が減少するため、発生する磁界が減少するなど、回転電機の性能低下を招く。そのため、層間短絡の早期の検知は重要な技術とされている。層間絶縁は、経年的な劣化に加えて、運転状態の変化に伴う巻線の温度上昇によっても、劣化が加速される場合もあり、運転条件が変動するような運用が多い回転電機においては、層間短絡の可能性が高くなるため、その検知は特に重要である。
特開平6−245368号公報
ブラシレス励磁機を有する回転電機を運転している状態において、巻線の層間短絡が、ブラシレス励磁機の界磁巻線あるいは電機子巻線発生した場合、もしくは回転電機本体の界磁巻線で発生した場合、正常なときに比べて前者の場合は本体への界磁巻線への入力が低下し、後者の場合は回転電機の発電出力が低下する。すなわち、いずれの場合もブラシレス励磁機の界磁巻線の電流・電圧が正常時より変化するが、層間短絡の発生による変動よりも、一般には回転電機の出力や力率の変化に応じて起こる必要な界磁入力の変化に起因した変動の方が大きく、ブラシレス励磁機の界磁巻線の電流・電圧の変化量のみを観測しても、巻線の層間短絡の有無を検知することは難しい。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、ブラシレス励磁機を有する回転電機において、容易に巻線の層間短絡の有無を検知することができる、層間短絡検知装置および層間短絡検知方法を提供することを目的とする。
実施形態の層間短絡検知装置は、ブラシレス励磁機を有する回転電機に適用される巻線の層間短絡検知装置であって、少なくとも前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の印加電圧の計測値および当該界磁巻線の界磁電流の計測値を取得する計測値取得手段と、前記計測値取得手段により取得された計測値を用いて、前記ブラシレス励磁機の電機子巻線によって前記ブラシレス励磁機の界磁巻線に誘起される電機子反作用電圧を計算する電機子反作用電圧計算手段と、前記計測値取得手段により取得された界磁電流の計測値と予め用意された界磁電流の基準値との差、および、前記電機子反作用電圧計算手段により計算された電機子反作用電圧の計算値と予め用意された電機子反作用電圧の基準値との差に基づき、前記ブラシレス励磁機の界磁巻線、前記ブラシレス励磁機の電機子巻線、および回転電機本体の界磁巻線のいずれかで発生し得る層間短絡の有無を検知する層間短絡検出手段とを具備する。
ブラシレス励磁機を有する回転電機において、容易に巻線の層間短絡の有無を検知することができる。
各実施形態に係る層間短絡検知装置が適用される回転電機の構成の一例を示す図。 回転電機本体200の界磁巻線30の構造の一例を示す概念図。 回転電機本体200の界磁巻線30が配置される回転電機の一部の構造の一例を示す概念図。 図1に示した回転電機に備えられる電気回路等を説明するための概念図。 図4中に示される電機子反作用電圧AR12、電圧V、電機子反作用電圧AR34、電圧Vの算出に使用できる回路方程式の例を示す図。 第1の実施形態に係る層間短絡検出装置300の機能構成の一例を示す図。 同実施形態における層間短絡検知装置300の動作の一例を示す図。 第2の実施形態に係る層間短絡検出装置300の機能構成の一例を示す図。 同実施形態における層間短絡検知装置300の動作の一例を示す図。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
最初に、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る層間短絡検知装置が適用される回転電機の構成の一例を示す図である。なお、この図1は、後述する第2の実施形態においても使用される。
図1に示される回転電機は、回転軸0を中心に回転する回転子1に回転整流器2を備え、ブラシレス励磁機100と回転電機本体200を有する発電機である。
ブラシレス励磁機100は、回転電機の静止部に界磁巻線10を備え、回転電機の回転部(即ち回転子1)に電機子巻線20を備える。一方、回転電機本体200は、回転電機の回転部(即ち回転子1)に界磁巻線30を備え、回転電機の静止部に電機子巻線40を備える。
この回転電機は、電気回路として、ブラシレス励磁機100の静止部に配置される回路51、ブラシレス励磁機100と回転電機本体200とに跨がる形で回転電機の回転部(即ち回転子1)に配置される回路52、及び、回転電機本体200の静止部に配置される回路53を有する。
回路51は、界磁巻線10を含む。回路52は、電機子巻線20と回転整流器2と界磁巻線30とを含む。回路53は、電機子巻線40を含む。
ここで、当該回転電機で使用される界磁巻線もしくは電機子巻線の構造について説明する。
図2は、回転電機本体200の界磁巻線30の構造の一例を示す概念図である。なお、ブラシレス励磁機100の電機子巻線20の構造も、図2と同様のもしくは類似する構造である。また、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10や回転電機本体200の電機子巻線40の構造も、図2と同様のもしくは類似する構造であってもよい。
例えば、界磁巻線30は、図2に示されるように、界磁巻線導体31が層間絶縁32を介して積層された状態でコイル状に巻回されており、回転子鉄心内部分30aと回転子鉄心外部分30bを有する。2つの導体端部31fは、回転子鉄心外部分30bにあり、図2ではその一方のみを示している。
図3は、回転電機本体200の界磁巻線30が配置される回転電機の一部の構造の一例を示す概念図である。
回転子鉄心3には、その径方向の表面近傍に、周方向に互いに間隔をあけて軸方向に貫通した複数の回転子スロット4が形成されている。また、互いに周方向に隣接する回転子スロット4により回転子ティース5がそれぞれ形成されている。回転子ティース5には、界磁巻線導体31が収納されている。界磁巻線導体31は、径方向に層間絶縁32を介して積層される。それぞれの回転子ティース5内に収納されている界磁巻線導体31の径方向外側には、楔6が設けられている。楔6は、その周方向両側の互いに隣接する回転子ティース5と互いに嵌合して回転子ティース5に支持されている。楔6は、回転子1の回転による界磁巻線導体31の径方向外側への遠心力に抗して、界磁巻線導体31を保持する。
図4は、図1に示した回転電機に備えられる電気回路等を説明するための概念図である。
ブラシレス励磁機100の界磁巻線10の巻数をNとし、ブラシレス励磁機100の電機子巻線20の巻数をNとし、回転電機本体200の界磁巻線30の巻数をNとし、回転電機本体200の電機子巻線40の巻数をNとする。
また、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10に印加される電圧をVとし、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10に流れる電流をI、抵抗をrとする。なお、Vは電圧源によって印加されてもよいし、永久磁石の磁束によって発電した電力を用いて印加してもよい。
回転子1が回転している状態において、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10が作る磁界が、ブラシレス励磁機100の電機子巻線20に鎖交することで、発電が行われる。これによりブラシレス励磁機100の電機子巻線20に発生する電圧をV12とし、電流をI、抵抗をrとし、回転整流器2で整流される前の電圧をVとする。
ブラシレス励磁機100の電機子巻線20にて発電が行われることで、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10に電機子反作用電圧が誘起される。この電機子反作用電圧をAR12とする。
ブラシレス励磁機100の電機子巻線20に流れる電流は交流であるが、この電流は回転整流器2により整流されて直流となり、回転電機本体200の界磁巻線30に供給される。回転整流器2で整流された後の電圧(回転電機本体200の界磁巻線30に印加される電圧)をVとし、回転電機本体200の界磁巻線30に流れる電流をI、抵抗をrとする。
回転電機本体200の界磁巻線30が作る磁界が、回転電機本体200の電機子巻線40に鎖交することで、発電が行われる。これにより回転電機本体200の電機子巻線40に発生する電圧をV34とし、電流をI、抵抗をrとし、電力系統Pに供給される電圧をVとする。
回転電機本体200の電機子巻線40にて発電が行われることで、回転電機本体200の界磁巻線30に電機子反作用電圧が誘起される。この電機子反作用電圧をAR34とする。
一方、層間短絡検知装置300は、少なくとも上述したブラシレス励磁機100の界磁巻線10に印加される印加電圧Vの計測値および当該界磁巻線10に流れる界磁電流Iの計測値を、図示しない電圧検出器および電流検出器を通じて取得する機能を有する。
また、層間短絡検知装置300は、取得したそれぞれの計測値を用いて、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10に誘起される電機子反作用電圧AR12を計算する機能を有する。
また、層間短絡検知装置300は、取得した界磁電流Iの計測値と予め用意された界磁電流Iの基準値との差、および、計算した電機子反作用電圧AR12の計算値と予め用意された電機子反作用電圧AR12の基準値との差に基づき、所定の演算処理および判定処理を行うことにより、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10、ブラシレス励磁機100の電機子巻線20、および回転電機本体200の界磁巻線30のいずれかで発生し得る巻線の層間短絡の有無を検知する機能を有する。
本実施形態では、界磁電流Iの基準値として、過去に(例えば一定時間前に)取得した界磁電流Iの計測値を採用するものとし、この値をI’と呼ぶ。また本実施形態では、電機子反作用電圧AR12の基準値として、過去に計算した電機子反作用電圧AR12の計算値を採用するものとし、この値をAR12’と呼ぶ。
なお、回転電機本体200の運転状態が変動しているとき(出力・力率などが変動しているとき)は、V、Iの変動が大きく、その変化が運転状態の影響なのか層間短絡の影響なのかを判別することが難しくなるため、基準値となる計測値の取得は、ある一定期間運転状態がほぼ変化していない、定常運転時に行うことが望ましい。
図5は、図4中に示される電機子反作用電圧AR12、電圧V、電機子反作用電圧AR34、電圧Vの算出に使用できる回路方程式の例を示す図である。
電機子反作用電圧AR12は、図5中の(1)式から求めることができる。(1)式は、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10の回路方程式を表す。(1)式の右辺における右端の項(リアクタンスを含む項)が、電機子反作用電圧AR12に相当する。なお、(1)式中のvは、図4中のVに相当すると見なすことができる。また、(1)式中のi,iは、図4中のI,Iに相当すると見なすことができる。
電圧Vは、図5中の(2)式から求めることができる。(2)式は、ブラシレス励磁機100の電機子巻線20の回路方程式(d−q座標系数式モデル)を表す。(2)式の右辺における右端の項が、電圧V12に相当する。なお、(2)式中のv ,v は、図4中のVに相当すると見なすことができる。また、(2)式中のi ,i は、図4中のIに相当すると見なすことができる。また、(2)式中のiは、図4中のIに相当すると見なすことができる。
電機子反作用電圧AR34は、図5中の(3)式から求めることができる。(3)式は、回転電機本体200の界磁巻線30の回路方程式を表す。(3)式の右辺における右端の項(リアクタンスを含む項)が、電機子反作用電圧AR34に相当する。なお、(3)式中のvは、図4中のVに相当すると見なすことができる。また、(3)式中のi,iは、図4中のI,Iに相当すると見なすことができる。
電圧Vは、図5中の(4)式から求めることができる。(4)式は、回転電機本体200の電機子巻線40の回路方程式(d−q座標系数式モデル)を表す。(4)式の右辺における右端の項が、電圧V34に相当する。なお、(4)式中のv ,v は、図4中のVに相当すると見なすことができる。また、(4)式中のi ,i は、図4中のIに相当すると見なすことができる。また、(2)式中のiは、図4中のIに相当すると見なすことができる。
本実施形態においては、上述した(1)〜(4)式のうち、(1)式を利用して電機子反作用電圧AR12の値を求める。
図6は、第1の実施形態に係る層間短絡検出装置300の機能構成の一例を示す図である。
層間短絡検出装置300は、各種の機能として、計測値取得部61、演算部62、記憶部63、および出力部64を有する。記憶部63は、I記憶部63aおよびAR12記憶部63bを含む。演算部62は、電機子反作用電圧計算部71、I参照部72、I差分算出部73、AR12参照部74、AR12差分算出部75、および層間短絡検出部76を含む。層間短絡検出部76は、ブラシレス励磁機の電機子巻線層間短絡判定部76a、ブラシレス励磁機の界磁巻線層間短絡判定部76b、および回転電機本体の界磁巻線層間短絡判定部76cを含む。これら各種の機能の全てまたはその一部は、例えばプロセッサが実行するプログラムとして実現してもよい。
計測値取得部61は、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10に印加される印加電圧Vの計測値および当該界磁巻線10に流れる界磁電流Iの計測値を取得する。このとき、取得する計測値は、瞬時値であってもよいが、瞬時値ではなく、その前後の時間平均や移動平均としてもよい。取得した各計測値は、記憶部63に保管される。
演算部62は、界磁巻線10、電機子巻線20、界磁巻線30のいずれかで発生し得る層間短絡の有無を検知するために必要な演算処理や判定処理などを行う。
記憶部63は、計測値取得部61により取得された各種の計測値を記憶するほか、演算部62が演算処理や判定処理において使用する情報として、例えば、抵抗rの値、過去に取得された界磁電流Iの計測値、過去に計算された電機子反作用電圧AR12の計算値などを記憶する。
記憶部63aには、過去に取得された界磁電流Iの計測値(即ち、I’)が記憶される。記憶される値は、瞬時値であってもよいが、瞬時値ではなく、その前後の時間平均や移動平均としてもよい。
AR12記憶部63bには、過去に計算された電機子反作用電圧AR12の計算値(即ち、AR12’)が記憶される。記憶される値は、瞬時値であってもよいが、瞬時値ではなく、その前後の時間平均や移動平均としてもよい。
出力部64は、演算部62により検知された結果などを画面表示や音声により出力する。
電機子反作用電圧計算部71は、計測値取得部61により取得された印加電圧Vの計測値および界磁電流Iの計測値を用いて、界磁巻線10に誘起される電機子反作用電圧AR12を計算する。
具体的には、電機子反作用電圧算出部71は、界磁巻線10の抵抗r、印加電圧V、および界磁電流Iから、電機子反作用電圧AR12を推定する。電機子反作用電圧AR12は、前述した図5中の(1)式に基づく下記の(5)式から求められる。
AR12=V−r …(5)
この電機子反作用電圧AR12の計算においては、巻線の抵抗値の影響が加わり、その抵抗値は温度によって前後するが、抵抗の温度変化の影響は、一般には電磁気的反作用に対して小さい場合が多いため、抵抗rの温度変化は無視してもよい。ただし、必要であれば、界磁巻線10周辺の冷却ガス温度やコイル温度を計測し、その温度に応じて抵抗rの値を補正してもよい。
参照部72は、I記憶部63aに既に記憶されている、過去に取得された界磁電流Iの計測値(即ち、I’)を取得し、この値を界磁電流Iの基準値とする。
差分算出部73は、現時刻において取得されたIとその基準値I’とを用いて、それぞれの差分(基準値からの偏差)を求める。この差分をdIとする。dIは、下記の(6)式から求められる。
dI=I−I’ …(6)
AR12参照部74は、I記憶部63bに既に記憶されている、過去に計算された電機子反作用電圧AR12の計算値(即ち、AR12’)を取得し、この値を電機子反作用電圧AR12の基準値とする。
AR12差分算出部75は、現時刻において計算されたAR12とその基準値AR12’とを用いて、それぞれの差分(基準値からの偏差)を求める。この差分をdAR12とする。dAR12は、下記の(7)式から求められる。
dAR12=AR12−AR12’ …(7)
層間短絡検出部76は、I,dI,AR12,dAR12,N,N,Nの各値を用いて、複数の判定式による演算処理や判定処理を行うことにより、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10、ブラシレス励磁機100の電機子巻線20、および回転電機本体200の界磁巻線30のいずれかで発生し得る層間短絡の有無を検知する。以下では、これらの巻線10,20,30のそれぞれの層間短絡の有無の判定に使用される複数の判定式に関して説明する。
ブラシレス励磁機100を有する回転電機において、各部の電流と電圧の関係を図5に示したが、これらは基本的に変圧器の関係とみなせる。図5の式から、その磁気結合度合いは回転速度や形状などに依存するが、層間短絡の検知に至っては、巻数の影響が主であるので、各部の電流と電圧の関係は、変圧器の基本式から以下のように簡略化して表現できる。
(V/V)=(N/N) …(8)
(I/I)=(N/N) …(9)
また、
(V/V)=(N/N) …(10)
(I/I)=(N/N) …(11)
ここで、
=αI …(12)
(但し、α=1)
よって、IとIとの関係は、以下の通りとなる。
=(N/N)(N/N)・I …(13)
この式から、以下のことが言える。
ブラシレス励磁機100の電機子巻線20が層間短絡した場合は、Nが減少してIが増えるため、必要なIが減少する。一方で、Nが減少すると、AR12が減少する。
また、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10が層間短絡してNが減少すると、Iは減少し、必要なIは増加する。さらにNが減少するのでブラシレス励磁機100の電機子巻線20との磁気結合が減少し、AR12も減少する。
また、回転電機本体200の界磁巻線30が層間短絡してNが減少すると、電機子Iは減少し、必要なIは増加する。一方で、Nの変化はブラシレス励磁機100には影響しないため、AR12は変化しない。
以上の理論に基づき、層間短絡検出部76は、以下に示す複数の判定式を用いて、巻線の層間短絡の有無を判定する。
ブラシレス励磁機の電機子巻線層間短絡判定部76aは、下記に示す(14)式および(15)式の2つの条件が共に成立する場合に、ブラシレス励磁機100の電機子巻線20の層間短絡の発生を検知する。
(dI/I)<−(1/(N−1)) …(14)
(dAR12/AR12)<−(1/(N−1)) …(15)
ブラシレス励磁機の界磁巻線層間短絡判定部76bは、下記に示す(16)式および(17)式の2つの条件が共に成立する場合に、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10の層間短絡の発生を検知する。
(dI/I)>(1/(N−1)) …(16)
(dAR12/AR12)<−(1/(N−1)) …(17)
回転電機本体の界磁巻線層間短絡判定部76cは、下記に示す(18)式および(19)式の2つの条件が共に成立する場合に、回転電機本体200の界磁巻線30の層間短絡の発生を検知する。
(dI/I)>(1/(N−1)) …(18)
(dAR12/AR12)=0 …(19)
次に、図7のフローチャートを参照して、第1の実施形態における層間短絡検知装置300の動作の一例を説明する。
層間短絡検知装置300は、以下に示す動作を一定時間毎に繰り返し実行する。
回転電機が運転中の状態にあるときに(S11)、計測値取得部61は、V,Iの計測値を取得する(S12)。
次に、電機子反作用電圧計算部71は、計測値取得部61により取得されたV,Iの計測値を用いて、界磁巻線10に誘起される電機子反作用電圧AR12を計算する(S13)。
次に、I参照部72は、I記憶部63aに既に記憶されている、過去に取得された界磁電流Iの計測値(即ち、I’)を取得し、この値を界磁電流Iの基準値とする(S14)。
また、AR12参照部74は、I記憶部63bに既に記憶されている、過去に計算された電機子反作用電圧AR12の計算値(即ち、AR12’)を取得し、この値を電機子反作用電圧AR12の基準値とする(S15)。
なお、ステップS12において取得されたIおよびステップS13において計算されたAR12は、次回の演算で使用するため、それぞれ、I記憶部63aおよびAR12記憶部63bに保管される(S16,S17)。
次に、I差分算出部73は、現時刻において取得されたIとその基準値I’とを用いて、それぞれの差分dI(Iの変化量)を求める(S18)。
また、AR12差分算出部75は、現時刻において計算されたAR12とその基準値AR12’とを用いて、それぞれの差分dAR12(AR12の変化量)を求める(S19)。
次に、層間短絡検出部76は、I,dI,AR12,dAR12,N,N,Nの各値を用いて、複数の判定式による演算等を行う(S20)。
層間短絡検出部76は、判定部76aにより、前述した(14)式および(15)式の2つの条件が共に成立するか否かを判定する(S21)。成立する場合には、ブラシレス励磁機100の電機子巻線20の層間短絡が発生したと判定し(S22)、その旨を出力部64に伝える。一方、成立しない場合には、ステップS23の判定処理へ進む。
次に、層間短絡検出部76は、判定部76bにより、前述した(16)式および(17)式の2つの条件が共に成立するか否かを判定する(S23)。成立する場合には、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10の層間短絡が発生したと判定し(S24)、その旨を出力部64に伝える。一方、成立しない場合には、ステップS25の判定処理へ進む。
次に、層間短絡検出部76は、判定部76cにより、前述した(18)式および(19)式の2つの条件が共に成立するか否かを判定する(S25)。成立する場合には、回転電機本体200の界磁巻線30の層間短絡が発生したと判定し(S26)、その旨を出力部64に伝える。一方、成立しない場合には、いずれの巻線にも層間短絡が発生していない正常な状態にあると判定し(S27)、一連の処理を終える。
第1の実施形態によれば、回転電機の運転中にブラシレス励磁機100の界磁巻線10の電流と電圧の計測結果を取得し、設計情報であるNとNとNを利用することで、回転電機を停止することなく、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10、ブラシレス励磁機100の電機子巻線20、および回転電機本体200の界磁巻線30のいずれかで発生し得る層間短絡の有無を検知することができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。以下では、第1の実施形態と共通する部分の説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。前述した図1乃至図5で説明した事項は、この第2の実施形態にも適用される。
前述した第1の実施形態では、ある定常運転中に、ある時点でのIの測定値およびAR12の計算値と、その一定時間前のIの測定値およびAR12の計算値との差分を用いて、巻線の層間短絡の発生を検知する場合を例示した。その場合、ある定常運転状態の期間中に発生した巻線の層間短絡を検知することはできるが、非定常運転中に巻線の層間短絡が発生した場合は、それ以後の巻線の層間短絡を検知することが難しい場合がある。この第2の実施形態では、そのような課題を解決する。
図8は、第2の実施形態に係る層間短絡検出装置300の機能構成の一例を示す図である。なお、前述した図6と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
前述の第1の実施形態では、界磁電流Iの基準値として、過去に取得した界磁電流Iの計測値(即ち、I’)を採用し、電機子反作用電圧AR12の基準値として、過去に計算した電機子反作用電圧AR12の計算値(即ち、AR12’)を採用する場合を例示した。
これに対し、第2の実施形態では、界磁電流Iの基準値として、正常運転時におけるブラシレス励磁機100の界磁巻線10の界磁電流Iの推定値を採用するものとし、この値をI”と呼ぶ。また第2の実施形態では、電機子反作用電圧AR12の基準値として、正常運転時におけるブラシレス励磁機100の界磁巻線10の印加電圧Vおよび界磁電流Iの値を用いて計算される電機子反作用電圧AR12の計算値を採用するものとし、この値AR12”と呼ぶ。
計測値取得部61は、前述した界磁巻線10の印加電圧Vおよび界磁電流Iの各計測値を取得することに加え、さらに電機子巻線40の電機子電圧V、電機子電流I、力率PFの各計測値、および、回転電機本体200の冷却ガスもしくは電機子巻線40の代表点温度Tの計測値をさらに取得する。取得した各計測値は、記憶部63に保管される。
また、層間短絡検出装置300は、さらに、正常時ブラシレス出力推定部65を有する。正常時ブラシレス出力推定部65は、計測値取得部61により取得された、V,I,PF,Tの各計測値に基づき、正常運転時におけるブラシレス励磁機100の界磁巻線10の印加電圧の値(即ち、V”)および界磁電流の値(即ち、I”)を推定する。
この推定には、単に入出力の対応関係を記録したテーブルを作成し、このテーブルを参照することで推定を行うようにしてもよいし、あるいは、機械学習法を用いて入出力関係を学習により推定する推論モデルを用いることで推論を行うようにしてもよい。その場合、入力にはI,V,PF,Tを適用し、出力にはI、Vを適用すればよい。また、推論モデルを構築する際に用いる、入力のI,V,PF,Tと出力のI、Vには、正常運転時に計測した測定データを用いてもよいし、あるいは、設計時に求めた設計計算値や、コンピュータ上での数値シミュレーションを用いて作成したデータを用いてもよい。またはそれらの値を組み合わせて実際の値に合うように補正したデータを用いてもよい。
また、層間短絡検出装置300の演算部62は、さらに、計測部異常判定部76dを含む。
計測部異常判定部76dは、計測されたV,Iと、推定されたV”,I”との間に、有意な差があるか否かを判定し、有意な差がある場合に、巻線の層間短絡の検出を実施する。
有意な差があるか否かを判定するためには、例えば下記の(20)式を用いてもよい。
E=(V−V”)+(I−I”) …(20)
すなわち、この(20)式を計算し、上記Eがあらかじめ設定した閾値以上となる場合に、有意な差があると判定するようにしてもよい。
あるいは、上記Eはノイズの影響を含むため、予め正常運転時に複数計測されたV,Iおよび推定されたV”,I”の複数の組みを用いて上記Eを複数計算して当該Eの発生確率を表す確率分布を用意しておき、今回計算するEの発生確率が上記確率分布上にて予め定められた範囲内となる場合に、有意な差があると判定するようにしてもよい。
電機子反作用電圧計算部71は、計測値取得部61により取得されたV,Iの各計測値を用いて、界磁巻線10に誘起される電機子反作用電圧AR12を計算するほか、計測部異常判定部76dにより有意な差があると判定された場合には、さらに、V”,I”の各推定値を用いて、界磁巻線10に誘起されると推定される電機子反作用電圧AR12”を計算する。
参照部72は、推定されたI”を界磁電流Iの基準値とする。
差分算出部73は、現時刻において取得されたIとその基準値I”とを用いて、それぞれの差分(基準値からの偏差)を求める。この差分をdIとする。dIは、下記の(21)式から求められる。
dI=I−I” …(21)
AR12参照部74は、計算されたAR12”を電機子反作用電圧AR12の基準値とする。
AR12差分算出部75は、現時刻において計算されたAR12とその基準値AR12”とを用いて、それぞれの差分(基準値からの偏差)を求める。この差分をdAR12とする。dAR12は、下記の(22)式から求められる。
dAR12=AR12−AR12” …(22)
層間短絡検出部76は、前述した第1の実施形態の場合と同様に、ブラシレス励磁機の電機子巻線層間短絡判定部76a、ブラシレス励磁機の界磁巻線層間短絡判定部76b、および回転電機本体の界磁巻線層間短絡判定部76cにより、I,dI,AR12,dAR12,N,N,Nの各値を用いて、複数の判定式により判定処理を行うことにより、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10、ブラシレス励磁機100の電機子巻線20、および回転電機本体200の界磁巻線30のいずれかで発生し得る層間短絡の有無を検知する。なお、これらの巻線10,20,30のそれぞれの層間短絡の有無の判定に使用される複数の判定式は、前述した(14)〜(19)式と同じとなる。
次に、図9のフローチャートを参照して、第2の実施形態における層間短絡検知装置300の動作の一例を説明する。
層間短絡検知装置300は、以下に示す動作を一定時間毎に繰り返し実行する。
回転電機が運転中の状態にあるときに(S31)、計測値取得部61は、V,I,V,I,PF,Tの各計測値を取得する(S32)。
次に、電機子反作用電圧計算部71は、計測値取得部61により取得されたV,Iの計測値を用いて、界磁巻線10に誘起される電機子反作用電圧AR12を計算する(S33)。
次に、正常時ブラシレス出力推定部65は、計測値取得部61により取得された、V,I,PF,Tの各計測値に基づき、正常運転時におけるブラシレス励磁機100の界磁巻線10の印加電圧の値(即ち、V”)および界磁電流の値(即ち、I”)を推定する(S34)。
次に、計測部異常判定部76dは、計測されたV,Iと、推定されたV”,I”との間に、有意な差があるか否かを判定する(S35)。有意な差が無い場合には、いずれの巻線にも層間短絡が発生していない正常な状態にあると判定する。一方、有意な差がある場合には、ステップS37へ進む。
次に、電機子反作用電圧計算部71は、V”,I”の各推定値を用いて、界磁巻線10に誘起されると推定される電機子反作用電圧AR12”を計算する(S37)。
次に、I参照部72は、推定されたI”を界磁電流Iの基準値とする(S38)。また、AR12参照部74は、計算されたAR12”を電機子反作用電圧AR12の基準値とする(S39)。
次に、層間短絡検出部76は、I,dI,AR12,dAR12,N,N,Nの各値を用いて、複数の判定式による演算等を行う(S40)。
層間短絡検出部76は、判定部76aにより、前述した(14)式および(15)式の2つの条件が共に成立するか否かを判定する(S41)。成立する場合には、ブラシレス励磁機100の電機子巻線20の層間短絡が発生したと判定し(S42)、その旨を出力部64に伝える。一方、成立しない場合には、ステップS43の判定処理へ進む。
次に、層間短絡検出部76は、判定部76bにより、前述した(16)式および(17)式の2つの条件が共に成立するか否かを判定する(S43)。成立する場合には、ブラシレス励磁機100の界磁巻線10の層間短絡が発生したと判定し(S44)、その旨を出力部64に伝える。一方、成立しない場合には、ステップS45の判定処理へ進む。
次に、層間短絡検出部76は、判定部76cにより、前述した(18)式および(19)式の2つの条件が共に成立するか否かを判定する(S45)。成立する場合には、回転電機本体200の界磁巻線30の層間短絡が発生したと判定し(S46)、その旨を出力部64に伝える。一方、成立しない場合には、VおよびIの値が正常運転時の場合と異なっているとみなし、巻線の層間短絡以外の何らかの要因に起因する異常が起こった可能性があることを示す警告を出力部64に伝え(S47)、一連の処理を終える。
第2の実施形態によれば、回転電機の運転中にブラシレス励磁機100の界磁巻線10の電流と電圧の計測結果を取得することに加え、さらに、および回転電機本体200の電機子巻線40の電流と電圧と力率の各計測値や、冷却ガス温度の計測値を取得することで、正常運転時におけるブラシレス励磁機100の界磁巻線10の印加電圧の値および界磁電流の値を推定することができ、それらの推定値と計測値との間に有意な差がある場合に、各巻線の層間短絡の有無の判断を行うので、非定常運転中に巻線の層間短絡が発生した場合であっても、それ以後の巻線の層間短絡を適切に検知することができ、また、いずれの巻線にも層間短絡が発生していなくてもそれ以外の異常が発生している可能性を示す警告を行うことができる。
以上詳述したように、各実施形態によれば、ブラシレス励磁機を有する回転電機において、容易に巻線の層間短絡の有無を検知することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
0…回転軸、1…回転子、2…回転整流器、3…回転子鉄心、4…回転子スロット、5…回転子ティース、6…楔、10…ブラシレス励磁機の界磁巻線、20…ブラシレス励磁機の電機子巻線、30…回転電機本体の界磁巻線、31…界磁巻線導体、32…層間絶縁、40…回転電機本体の電機子巻線、51…ブラシレス励磁機の界磁巻線の回路、52…ブラシレス励磁機の電機子および回転電機本体の界磁巻線の回路、53…回転電機本体の電機子の回路、100…ブラシレス励磁機、200…回転電機本体、300…層間短絡検知回路。

Claims (10)

  1. ブラシレス励磁機を有する回転電機に適用される巻線の層間短絡検知装置であって、
    少なくとも前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の印加電圧の計測値および当該界磁巻線の界磁電流の計測値を取得する計測値取得手段と、
    前記計測値取得手段により取得された計測値を用いて、前記ブラシレス励磁機の電機子巻線によって前記ブラシレス励磁機の界磁巻線に誘起される電機子反作用電圧を計算する電機子反作用電圧計算手段と、
    前記計測値取得手段により取得された界磁電流の計測値と予め用意された界磁電流の基準値との差、および、前記電機子反作用電圧計算手段により計算された電機子反作用電圧の計算値と予め用意された電機子反作用電圧の基準値との差に基づき、前記ブラシレス励磁機の界磁巻線、前記ブラシレス励磁機の電機子巻線、および回転電機本体の界磁巻線のいずれかで発生し得る層間短絡の有無を検知する層間短絡検出手段と、
    を具備する、層間短絡検知装置。
  2. 前記界磁電流の基準値は、前記計測値取得手段により過去に取得された界磁電流の計測値であり、
    前記電機子反作用電圧の基準値は、前記電機子反作用電圧計算手段により過去に計算された電機子反作用電圧の計算値である、
    請求項1に記載の層間短絡検知装置。
  3. 前記界磁電流の基準値は、正常運転時における前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の界磁電流の推定値であり、
    前記電機子反作用電圧の基準値は、正常運転時における前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の印加電圧および界磁電流の値を用いて計算される電機子反作用電圧の計算値である、
    請求項1に記載の層間短絡検知装置。
  4. 前記計測値取得手段は、
    前記回転電機本体の電機子巻線の電機子電圧、電機子電流、力率の各計測値、および、前記回転電機本体の冷却ガスもしくは前記回転電機本体の電機子巻線の代表点温度の計測値をさらに取得し、
    前記計測値取得手段により取得された、前記回転電機本体の電機子巻線における電機子電圧、電機子電流、力率の各計測値、および、冷却ガスもしくは前記回転電機本体の電機子巻線の代表点温度の計測値に基づき、正常運転時における前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の印加電圧および界磁電流の値を推定する正常時ブラシレス出力推定手段をさらに具備する、
    請求項3に記載の層間短絡検知装置。
  5. 前記層間短絡検出手段は、
    前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の印加電圧および界磁電流の計測値と、正常運転時における前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の印加電圧および界磁電流の推定値との間に、有意な差があるか否かを判定し、
    有意な差がある場合に、巻線の層間短絡の検出を実施する、
    請求項4に記載の層間短絡検知装置。
  6. 前記層間短絡検出手段は、
    E=(V−V”)+(I−I”)
    ここで、
    ,Iは、それぞれ、前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の印加電圧および界磁電流の計測値を示し、
    ”,I”は、それぞれ、正常運転時における前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の印加電圧および界磁電流の推定値を示す、
    という式を計算し、前記Eがあらかじめ設定した閾値以上となる場合に、有意な差があると判定する、
    もしくは、予め正常運転時に複数計測されたV,Iおよび推定されたV”,I”の複数の組みを用いて前記Eを複数計算して前記Eの発生確率を表す確率分布を用意しておき、今回計算する前記Eの発生確率が前記確率分布上にて予め定められた範囲内となる場合に、有意な差があると判定する、
    請求項5に記載の層間短絡検知装置。
  7. 前記層間短絡検出手段は、
    (dI/I)<−(1/(N−1))
    かつ、
    (dAR12/AR12)<−(1/(N−1))
    ここで、
    は、前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の界磁電流の計測値を示し、
    dIは、Iと予め用意された基準値との差を示し、
    は、前記ブラシレス励磁機の電機子巻線の巻数を示し、
    AR12は、前記ブラシレス励磁機の界磁巻線に誘起される電機子反作用電圧の計算値を示し、
    dAR12は、AR12と予め用意された基準値との差を示す、
    という条件が成立する場合に、
    前記ブラシレス励磁機の電機子巻線の層間短絡が発生したと判定する、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の層間短絡検知装置。
  8. 前記層間短絡検出手段は、
    (dI/I)>(1/(N−1))
    かつ、
    (dAR12/AR12)<−(1/(N−1))
    ここで、
    は、前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の界磁電流の計測値を示し、
    dIは、Iと予め用意された基準値との差を示し、
    は、前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の巻数を示し、
    AR12は、前記ブラシレス励磁機の界磁巻線に誘起される電機子反作用電圧の計算値を示し、
    dAR12は、AR12と予め用意された基準値との差を示す、
    という条件が成立する場合に、
    前記ブラシレス励磁機の電機子巻線の層間短絡が発生したと判定する、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の層間短絡検知装置。
  9. 前記層間短絡検出手段は、
    (dI/I)>(1/(N−1))
    かつ、
    (dAR12/AR12)=0
    ここで、
    は、前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の界磁電流の計測値を示し、
    dIは、Iと予め用意された基準値との差を示し、
    は、前記回転電機本体の界磁巻線の巻数を示し、
    AR12は、前記ブラシレス励磁機の界磁巻線に誘起される電機子反作用電圧の計算値を示し、
    dAR12は、AR12と予め用意された基準値との差を示す、
    という条件が成立する場合に、
    前記ブラシレス励磁機の電機子巻線の層間短絡が発生したと判定する、
    請求項1乃至8のいずれか1項に記載の層間短絡検知装置。
  10. ブラシレス励磁機を有する回転電機に適用される巻線の層間短絡検知方法であって、
    計測値取得手段により、少なくとも前記ブラシレス励磁機の界磁巻線の印加電圧の計測値および当該界磁巻線の界磁電流の計測値を取得することと、
    電機子反作用電圧計算手段により、前記計測値取得手段により取得された計測値を用いて、前記ブラシレス励磁機の電機子巻線によって前記ブラシレス励磁機の界磁巻線に誘起される電機子反作用電圧を計算することと、
    層間短絡検出手段により、前記計測値取得手段により取得された界磁電流の計測値と予め用意された界磁電流の基準値との差、および、前記電機子反作用電圧計算手段により計算された電機子反作用電圧の計算値と予め用意された電機子反作用電圧の基準値との差に基づき、前記ブラシレス励磁機の界磁巻線、前記ブラシレス励磁機の電機子巻線、および回転電機本体の界磁巻線のいずれかで発生し得る層間短絡の有無を検知することと、
    を含む、層間短絡検知方法。
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