JP2021148849A - 画像形成装置及び画像位置調整方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、画像形成中に定期的にトンボ等の見当画像をサンプル画像に合成して画像形成させて出力するとともに、画像の位置ズレを発生しうる要因が検出された際に、見当画像を画像形成させて出力する処理方法が提案されている。
原稿画像情報に基づいて用紙に画像を印刷して印刷物を生成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により生成された印刷物を読み取って印刷画像情報を取得する読取手段と、
前記原稿画像情報に基づいて用紙に画像を印刷した場合の印刷イメージを表す比較画像情報と前記印刷画像情報とを比較して互いの画像コンテンツを位置合わせすることにより、前記画像形成手段により用紙に印刷された画像の位置のずれを検出し、前記画像の位置ずれを調整するための調整値を算出し、算出した前記調整値に基づいて、前記画像形成手段により用紙に印刷される画像の位置を調整する制御手段と、
を備える。
前記制御手段は、前記画像コンテンツの中から前記位置合わせの対象として用いる画像パターンを特定し、前記特定された画像パターンを用いて前記位置合わせを行う。
前記画像パターンは、少なくとも前記画像コンテンツの四隅の画像パターンのうちの一つを含む。
前記画像パターンは、前記画像コンテンツを構成する少なくとも一つのオブジェクトであり、前記画像コンテンツを構成する複数のオブジェクトの中から選択されたオブジェクトである。
前記制御手段は、前記画像コンテンツ全体を前記位置合わせの対象として用いて前記位置合わせを行う。
前記制御手段は、前記読取手段により取得された複数の印刷画像情報と、前記複数の印刷画像情報のそれぞれに対応する原稿画像情報及び比較画像情報とに基づいて、前記画像形成手段により用紙に印刷された画像の色調の変化を検出し、検出した前記色調の変化に基づいて、前記画像形成手段により用紙に印刷される画像の色調を補正する。
前記制御手段は、前記位置合わせの対象を、前記位置合わせのしやすさ又は位置ずれの検出のしやすさの視点で評価する。
前記画像形成手段は、前記原稿画像情報に基づく本印刷に先立って、前記原稿画像情報に基づく画像と位置調整用のマークとを用紙に印刷してマーク付き印刷物を生成し、
前記制御手段は、前記マーク付き印刷物を前記読取手段で読み取ることにより得られた印刷画像情報における前記マークと前記用紙のエッジとの位置関係に基づいて算出した前記調整値と、前記位置合わせに基づいて算出した前記調整値とを比較することで前記評価を実施する。
前記制御手段は、複数の位置合わせ方法で前記位置合わせを行って前記比較を行い、位置の差分が最も小さい位置合わせ方法を前記本印刷時の前記位置合わせに用いる位置合わせ方法として選択する。
前記マークが前記画像コンテンツと重なる場合、前記画像コンテンツに重なる前記マークは印刷しない、前記マークを付与した前記マーク付き印刷物と前記マークを付与しない印刷物の2枚を印刷する、前記マークの位置を前記画像コンテンツに重ならない位置に移動させて印刷する、のいずれかをユーザーが選択するための選択手段を備える。
前記調整値は、複数の調整項目の調整値を含み、
前記制御手段は、前記位置合わせの対象の、前記複数の調整項目のそれぞれの前記位置合わせのしやすさ又は位置ずれの検出のしやすさを評価し、その評価の結果に基づいて、前記複数の調整項目のそれぞれについての前記調整値の算出方法を決定する。
前記評価の結果を印刷時の用紙種別情報に対応付けて保存する保存手段を備え、
前記制御手段は、前記評価の結果に対応付けて保存された前記用紙種別情報の用紙を前記画像形成手段で用いた場合は、前記用紙種別情報に対応する前記評価の結果を利用して前記位置合わせの対象の評価を行う。
前記制御手段は、前記評価の結果に応じて、前記原稿画像情報に基づく一連の印刷の終了後に、前記画像形成手段により用紙に印刷された位置調整用のマークと用紙エッジとの位置関係に基づく画像位置調整を自動的に実施するか、又は次のジョブ前に前記画像位置調整を実施するようユーザーに通知する。
下記の(1)、(2)を含む複数の選択肢の中から前記比較画像情報として用いる情報を選択する比較画像選択手段を備える。
(1)本印刷前に前記画像形成手段において前記原稿画像情報に基づいて試し印刷を行うことにより生成されるプルーフを前記読取手段で読み取ることによって取得される印刷画像情報
(2)前記原稿画像情報に基づいて画像処理により生成した前記印刷イメージを表す画像
前記制御手段は、ジョブの実行中に前記画像形成手段により印刷される画像の位置を調整する場合、複数の調整項目のうち、少なくとも倍率調整の実施を行わないように制御する。
1つのジョブの印刷が終了し、次のジョブの印刷を開始する際、これまでにジョブで更新されてきた調整値をそのまま利用して印刷を始めるか否かを選択するための更新選択手段を備える。
原稿画像情報に基づいて用紙に画像を印刷して印刷物を生成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により生成された印刷物を読み取って印刷画像情報を取得する読取手段と、を備える画像形成装置における画像位置調整方法であって、
前記原稿画像情報に基づいて用紙に画像を印刷した場合の印刷イメージを表す比較画像情報と前記印刷画像情報とを比較して互いの画像コンテンツを位置合わせすることにより、前記画像形成手段により用紙に印刷された画像の位置のずれを検出し、前記画像の位置ずれを調整するための調整値を算出する工程と、
算出した前記調整値に基づいて、前記画像形成手段により用紙に印刷される画像の位置を調整する工程と、
を含む。
まず、本発明の実施形態における画像形成装置100の構成について説明する。
図1は、画像形成装置100の各部の機能的構成を示す機能ブロック図、図2は、画像形成装置100の各部の機械的構成要素を示す図である。
搬送部106は、搬送経路及びレジストローラー対等の複数の搬送ローラー対を有し、給紙部105から給紙された用紙を画像形成装置100内で搬送する。また、搬送部106は、反転機構106aを有し、用紙の表裏を反転させて画像形成部150に搬送することが可能である。
定着部160は、用紙上に印刷されたトナーによる画像を熱と圧力とで用紙に定着させる。
なお、図2においては、画像形成部150をいわゆる電子写真方式の画像形成部として図示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、インクジェット方式の画像形成部であってもよい。
次に、画像形成装置100における画像位置調整の動作について説明する。
画像形成装置100は、ジョブの実行中に、印刷対象ページの原稿画像情報に基づいて用紙に画像を印刷した場合の印刷イメージを表す比較画像情報を生成し、生成した比較画像情報の画像コンテンツと、当該原稿画像情報に基づいて生成された印刷物を出力物読取部170で読み取ることによって得られた印刷画像情報の画像コンテンツとを位置合わせすることにより位置ずれを検出し、検出した位置ずれ量に基づいて画像位置の調整値を算出する。そして、以降に印刷されるページの印刷時に、算出した調整値に基づき画像位置調整を行う。この画像位置調整方法によれば、用紙にトンボ等の位置調整用マークを原稿画像情報に基づく画像とともに印刷する必要が無いため、後工程の断裁が必要なく、また、定期的な位置調整用マークが形成された用紙をジョブ中に定期的に印刷する必要もないため、ジョブ途中の余計なヤレ紙発生や印刷効率の低下も無い、リアルタイムな画像位置調整を実現できる。
なお、本願において、画像コンテンツは、原稿画像情報に基づく画像であり、用紙の画像領域に描画され、用紙の余白に付与される位置調整用マーク(トンボ)は含まれない。
第1の印刷モードは、本印刷前(ジョブに基づく印刷前)に画像形成部150により用紙に印刷される画像の位置を調整し(事前調整と呼ぶ)、用紙に対して画像が正しく収まる状態でジョブを開始し、ジョブの実行中にリアルタイムで画像位置調整(リアルタイム調整と呼ぶ)を行う動作モードである。
第2の印刷モードは、1組の印刷物を複数部印刷するジョブに基づく印刷前に、品質確認用の試し印刷としてプルーフを1部印刷してからジョブを開始し、ジョブの実行中にリアルタイム調整を行う動作モードである。
なお、第1の印刷モードで印刷を行うか第2の印刷モードで印刷を行うかは、例えば、操作表示部103によりユーザーが設定可能である。
以下、第1の印刷モードにおける処理の流れについて説明する。
図4は、制御部101により実行される第1の印刷モード処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す第1の印刷モード処理は、ジョブが選択され、印刷開始が指示された際に、制御部101のCPUとRAMに記憶されているプログラムとの協働により実行される。
制御部101は、例えば、ジョブの設定情報から印刷に用いる用紙の種別(サイズ、色調等)に関する情報や、原稿画像情報に基づく画像を用紙に印刷する際のレイアウトに関する情報等を取得し、印刷対象ページの原稿画像情報を画像処理により加工して比較画像情報を生成する。この比較画像情報は、原稿画像情報に基づいて印刷された印刷物を出力物読取部170で読み取ることにより得られる印刷画像情報と比較されるものであるため、例えばY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色で構成された原稿画像情報が印刷画像情報と比較可能な、R(赤)、G(緑)、B(青)で構成される画像情報に変換されて生成される。
なお、図7、図8、図9、図15、図17、図18においては、画像コンテンツを配置可能な領域を点線で示している。
(1)各画像情報から位置合わせの対象となるエッジを抽出し、エッジパターンのパターンマッチングを行う
(2)各画像情報から位置合わせの対象となる特徴点を抽出し、同一特徴点同士の位置関係を比較する
(3)2つの画像情報そのもの(画像コンテンツ全体)の階調値の差分が最小となるよう、相互の画像位置を調節する。
(3)の画像同士の直接比較では、各々の全体の色調の差分が大きいような場合や、各々の画像が細かい線描や点描で描かれているような場合に、階調値の差分が小さくならず、最適解が得られない場合がある。そのような場合は、全体の色調をそろえるための階調合わせ(例えばヒストグラム正規化等の既存の方法を用いる)処理や、微細な線や点を階調の分布に置き換えるための画像の平滑化(公知の各種空間フィルタ処理が利用可能)処理を前処理として用いることができる。
(a)円や円弧、単純な繰り返しパターン、のような、各々の画像形態が一致する条件が複数ある場合
(b)緩やかなグラデーションのみで構成され、エッジや特徴点が見出しにくい画像コンテンツ(画像パターン)
(c)極端に階調差が小さい画像コンテンツ(画像パターン)
(d)極端に小さいオブジェクトのみからなる画像コンテンツ
一方、たとえば明瞭な矩形や十字など、位置合わせの比較対象として好ましい画像パターン(図9参照)もあり、これら((以下、条件(e)とする)の形態が画像コンテンツ中に存在する場合、これらの画像パターンを位置合わせの対象として特定することで、位置合わせの精度が向上する可能性がある。
つまり、統計量が類似していれば、新たに信頼度を算出する画像コンテンツ(画像パターン)が、信頼度の算出経験のある画像コンテンツ(画像パターン)と類似していると判断し、その類似した画像コンテンツ(画像パターン)の信頼度を、新たに印刷するコンテンツ(画像パターン)の信頼度に流用する。
これらの統計的評価は用紙サイズや用紙種別の影響を受ける可能性があるため、評価結果(統計量と信頼度との関係)を印刷時の用紙種別情報に対応付けて記憶部104に保存しておき、記憶部104に記憶されている用紙種別情報の用紙を用いて印刷を行った場合には、用紙種別情報に対応付けて保存されている評価結果を用いて画像コンテンツや画像パターンの評価を行うようにしても良い。用紙種別として用紙の物性を計測可能なセンサを画像形成装置100に組み込み、印刷時に通紙された用紙を実測し、その実測値を用紙種別情報として用いても良い。
そこで、例えば、信頼度に応じて調整の効き目(反映の程度)を強めたり弱めたりすることが好ましい。具体的には、信頼度が高い場合は、調整の効きを強め、信頼度が低い場合は、調整の効きを弱めたりする。例えば、後段のステップS7において、信頼度が高いページについては、位置ずれ量に基づいて算出された調整値に1に近い係数を乗じた値を実際の調整値とし、信頼度が低い場合は、位置ずれ量に基づいて算出された調整値に0に近い係数を乗じた値を実際の調整値として算出する。
また、位置合わせの精度が出しにくい(すなわち、信頼度が低い)(c)や(b)が連続する場合、複数枚の平均で緩やかに位置ずれを調整値に反映させれば、安定した結果を得ることができる。その際、平均に用いる印刷枚数(ページ数)を、評価結果から得られる信頼度に応じて決定すればよい。例えば、信頼度が低い場合、平均に用いる枚数を増やすことで、位置合わせ結果のばらつきに起因する調整値の誤差を平均化して小さく抑えることができる。この場合の平均に用いる印刷枚数は、ジョブを構成する画像の構成に依存して決まるので、複数部印刷の最初の1部の印刷時に、各々のページの画像を評価して信頼度を算出し、平均に用いる印刷枚数を決定し、2部目以降の調整値算出と更新の計画を作成して、印刷と画像位置調整を実施するようにしてもよい。
また、例えば(d)の場合、倍率や回転、台形ひずみの検出はしにくい(誤差が発生する可能性が高い)が、少なくとも、小さいコンテンツが存在する箇所における位置ずれ量は、正しく把握できる可能性がある。そこで、(d)のような画像コンテンツが一連のジョブ中に複数ページある場合(例えば、図18参照)、複数ページの組み合わせによって、複数の異なる箇所の位置ずれの関係が分かるので、倍率や回転、台形ひずみ等の位置ずれ量も正しく検出することが可能になる。この場合、調整値が算出可能となるまでに、一連のジョブ印刷の特定ページまで印刷と測定が進む必要がある。この特定ページは、ジョブを構成する画像コンテンツの構成に依存して決まるので、複数部印刷の最初の1部の印刷時に、各々のページの画像を評価して信頼度を算出し、特定ページを判断し、2部目以降の調整値算出と更新の計画を作成して、印刷と画像位置調整を実施するようにしてもよい。
なお、算出された調整値と、実機の現在の位置調整量は、基本は単純加算でかまわない。
まず、印刷が進むにしたがって用紙サイズが大きくなる方向に変化する場合、比較画像情報の用紙外形と印刷画像情報の印刷外形のサイズを合わせた上で画像コンテンツの位置合わせを行うと、用紙サイズが大きくなるにつれて、画像コンテンツが拡大される方向に調整値が算出される。
そこで、制御部101は、印刷結果から算出された画像位置調整の各種調整項目の調整値のうち、倍率調整の調整値の更新に制限を加えることにより、倍率調整を実施しないように制御する。具体的には、一連の印刷(ジョブ)中には倍率の調整値を更新しない制御とする。これにより、印刷が進むにしたがって用紙サイズが変化(WP→WP’、LP→LP’)した場合も、用紙上に印刷された画像コンテンツのサイズに変化が生じない(WI、LIのまま変化しない)ため、後工程の断裁で不都合が生じることが無い。
なお、倍率調整を制限しながら、用紙エッジと画像コンテンツとの距離Dを一定に保つ制御は、倍率調整を行う際に基準となる位置(倍率調整しても画像位置が変化しない位置)を知ることで実現できる。もし、特定用紙エッジを基準に画像の描画が開始される機構であれば、倍率調整を制限するのみで、距離Dを一定に保つ制御が実現できるし、それ以外の場合、特定用紙エッジと用紙上の画像書き込み開始位置との距離と、制限された倍率調整値とに応じて、画像位置を目的の位置に制御することができる。
次に、第2の印刷モードにおける処理の流れについて説明する。
図13は、制御部101により実行される第2の印刷モード処理の流れを示すフローチャートである。図13に示す第2の印刷モード処理は、ジョブが選択され、印刷開始が指示された際に、制御部101のCPUとRAMに記憶されているプログラムとの協働により実行される。
なお、第2の印刷モード処理において、ステップS11の前に、上述の事前調整を行うこととしてもよい。
ステップS11において、制御部101は、ユーザーによる操作表示部103の操作に応じて画像形成部150を制御して、用紙上の余白部(用紙エッジから所定の距離の位置)に、図14に示すトンボT11〜T14を付与しながら、原稿画像情報に基づく画像が形成されたプルーフを1部印刷する。
ステップS12では、トンボT11〜T12に基づいて画像位置調整の調整値を算出し、算出した調整値と、上述の比較画像情報と印刷画像情報の画像コンテンツの位置合わせ結果に基づいて算出した画像位置調整の調整値とを比較し、比較結果に基づいて、信頼度を算出する。
トンボT11〜T12に基づく調整値の算出においては、ステップS12で取得した印刷画像情報を画像解析部180により解析して、用紙エッジとトンボT11〜T14(各用紙エッジに対向するトンボ)との距離を取得する。そして、画像解析部180は、取得した用紙エッジとトンボT11〜T14との距離に基づいて、各調整項目の調整値を算出する。
比較画像情報と印刷画像情報の画像コンテンツの位置合わせ結果に基づく調整値の算出は、図4のステップS6〜S7で説明したものと同様である。なお、比較画像情報の生成方法は、図4のステップS3で説明したものと同様である。
信頼度の算出方法としては、例えば、ジョブの複数ページにわたり、トンボT11〜T14に基づく調整値と位置合わせに基づく調整値を算出して比較し、各ページごとの一致度に応じてページごとの画像コンテンツの信頼度を算出する。信頼度は、一致度が高いほど高い。なお、位置合わせを特定の画像パターンを対象として行った場合、ここで算出される信頼度は、実質的に位置合わせの対象となった画像パターンの信頼度とみなすことができる。
これらの選択肢は、例えば、操作表示部103上のボタン操作等でユーザーが適宜選択できるようになっていても良い。
プルーフ印刷時に付与したトンボT11〜T14の位置に基づいて画像位置を設計の位置に調整し、その後のジョブ印刷における画像位置調整は、比較画像情報として図4のステップS3で説明した方法の画像処理により生成された原稿画像情報に基づく画像を用いて印刷画像情報と位置合わせする方法もある。この場合、実際のジョブはプルーフの画像位置ではなく、設計上の画像位置に制御されることになる。
あるいは、ジョブの最初の1部(又は数部)の印刷物を出力物読取部170で読み取ることで比較画像情報を生成してもよい。
上述のいずれの方法で比較画像情報を生成するかは、例えば、操作表示部103上のボタン操作等でユーザーが適宜選択できるようになっていても良い。
ステップS14においては、まず、各ページの比較画像情報を分割し、各々の分割領域毎にR、G、Bそれぞれの平均値を取得する(これをRGB情報とする)。
次いで、図15に示すように、対応する各ページの印刷画像情報を、比較画像情報と位置合わせ(図4のステップS6で説明した位置合わせ)をした上で、比較画像情報と同じように分割し、分割領域ごとにR、G、Bそれぞれの平均値を取得するとともに、各々の平均階調値を算出する。ここで、各々の分割領域について、比較画像情報の元画像である原稿画像情報の色構成に基づいて、平均階調値(Y、M、C、K)を算出して分類し、集計する。分類は、例えば、1次色(Y、M、C、K)、2次色(R、G、B)、3次色(3Cグレー)、4次色(YMCKグレー)、のように9つの色に分類する。分割領域によっては、9つの分類に仕分けできない領域が存在する。例えば赤に近い色調だが、YとMの構成比が1:1から大きく外れ、CやKも存在するような場合である。このような領域の測定値は集計に含めなくてもよいし、一番近い分類に、重みづけを小さくして含めてもよい。
なお、分割は、オブジェクト境界を含まないように分割すればよいが、単に細かな格子で分割しても良い。その場合、各々の矩形内にパターン境界が存在する可能性があるが、矩形各々の階調値として、画素ごとの単純平均を求めてもよいし、画素信号を一旦反射率情報に変換し、平均後に濃度等、解析向けの階調情報に変換(濃度の場合、これを大面積透過濃度と呼ぶ)してもよい。
そして、図16に示すように、横軸に比較画像情報(RGB情報)、縦軸に、比較画像情報に対応する印刷画像情報(RGB情報)をとったグラフ(特性図)を上述の色分類各々で作成する。これが色変動検出用特性図(初期値)(図16に点線で示す)である。ここで、例えば、1次色のMに対応するグラフを作成する場合、Mの色素はRGB情報のうち、Gに変化が現れるから、Gのみ作図すればよい。1次色のMに対応するグラフを作成する場合、Yの色素はRGB情報のうち、Bに変化が現れるから、Bのみ作図すればよい。1次色のCに対応するグラフを作成する場合、Cの色素はRGB情報のうち、Rに変化が現れるから、Rのみ作図すればよい。
作成された色変動検出用特性図(初期値)は、RAM又は記憶部104に記憶される。
ステップS15では、例えば、各ページについて算出した画像コンテンツの信頼度に基づいて、何ページ分の印刷結果から調整値を算出するか、1回の調整の効きの程度(例えば、調整値をそのまま反映する場合を1として、0〜1の間のいずれか)等を決定する。
なお、図17、図18における矢印の太さは、画像位置調整のフィードバックの強さを表現している。
位置ずれ量の検出の方法については、図4のステップS6で説明したものと同様であるので説明を援用する。また、色変動検出用特性図の作成方法については、ステップS14で説明したものと同様であるので説明を援用する。なお、検出した位置ずれ量は、当該位置ずれ量を用いて画像位置調整の調整値が算出されるまで、RAM又は記憶部104に一時的に記憶される。また、作成された色変動検出用特性図は、新たなページの位置合わせが行われるごとに更新され、当該色変動検出用特性図に基づいて色調整が行われるまでRAM又は記憶部104に記憶される。
調整値算出タイミングではないと判断した場合(ステップS20;NO)、制御部101は、ステップS22に移行する。
ステップS21において、制御部101は、画像解析部180により、ステップS15で決定された調整方法に基づいて調整値を算出し、記憶部104に記憶されている各調整項目の調整値を更新する。更新された調整値は、次に印刷が実施される際の画像位置調整に用いられる。なお、算出された調整値と、実機の現在の位置調整量は、基本は単純加算でかまわない。
色調整タイミングではないと判断した場合(ステップS22;NO)、制御部101は、ステップS24に移行する。
色調整タイミングであると判断した場合(ステップS22;YES)、制御部101は、ステップS14で作成した色変動検出用特性図(初期値)と、ジョブ中に作成(更新)された色変動検出用特性図とに基づいて、色調整を行う(ステップS23)。
ステップS23においては、ステップS14で作成した色変動検出用特性図(初期値)のグラフとジョブ中に作成(更新)された色変動検出用特性図のグラフとを比較して、色変動が生じたか否かを検出する。例えば、図16に示すように、色変動検出用特性の初期値と直前に更新された色変動検出用特性を比較し、特性が変化している場合、色調変化が生じたと判断し、色調補正を行う。例えば、色調補正用のカラーパッチを用いた色調補正を自動的に実施するか、色調補正を実施を促すメッセージを操作表示部103に表示する。あるいは、グラフの変化を相殺できるよう、画像処理部140や画像形成部150の制御パラメーターを調整する。例えば、グラフの変化を相殺できるよう、プリンタの階調変換カーブを調整する。例えば、図16に示すような特性の変化が生じている場合、矢印が示す方向にYMCKの原稿画像情報の階調を変化させるよう、階調変換カーブを調整する。例えば、図16に示すグラフが1次色MのG情報のグラフであれば、原稿画像情報のうち、M色の階調変換カーブに対し、図16の矢印に相当する階調変化を加える補正を実施する。なお、前述の、色変動検出用特性の初期値と直前に更新された色変動検出用特性を比較し、特性が変化したことを判断する指標は、特性の変化量を、所定の閾値と比較し、所定の閾値より大きい場合に、変化した、と判断すればよい。この閾値は、あらかじめ実験で求められた固定値でもよいし、図16において、実線で表される特性曲線と、実測点のプロットとの距離から、プロットのバラツキ範囲を測定し、これに基づいて、閾値を設定してもよい。また、前述のようにグラフの変化を相殺できるよう画像処理部140や画像形成部150の制御パラメーターを調整する際、前記プロットのバラツキの程度に応じて、パラメーターの調整量を変えるように構成されてもよい。例えば、前記プロットのバラツキが大きい場合、ここで検出された特性変化の信頼度が低いと判断し、制御パラメーターの調整量を、本来の調整値より、変化が小さくなるよう、緩和することもできる。
設定された部数の印刷が終了したと判断した場合(ステップS24;YES)、制御部101は、第2の印刷モード処理を終了する。
また、第2の印刷モードにおいて、複数ジョブを連続的に実行する場合に、前のジョブのフローで更新されて記憶された調整値をそのまま用いて繰り返すか、別途、第1の印刷モード処理で説明した事前調整を起動させ、各種調整して調整値をリセットするか、を操作表示部103の操作によりユーザーが選択できるように構成されても構わない。
例えば、各々のページについて位置ずれ量を算出し、ページ間のバラツキに基づいて、各ページの信頼度を決定してもよい。本来、連続印刷であれば、ページ間の位置ずれ量のばらつきは印刷の単純バラツキの範囲を超えないが、ページ間でこれを超えるようなバラツキが見られた場合(バラツキが所定の範囲を超えた場合)、例えば、上述の(a)〜(d)のような画像コンテンツでページが構成されていると推測できるので、そのページについては、そのバラツキの程度に応じて、位置合わせの信頼度が低い(位置ずれ検出の信頼度が低い)と判断する。
この際、位置合わせ方法(1)〜(3)の各々を用いるに当り、例えば位置合わせする2画像のいずれか(比較画像情報又は印刷画像情報)を予め変形して位置合わせを試す方法を加えてもよい。変形には、例えば、リサイズ、回転等が利用可能である。もし2画像が位置合わせしやすい(位置合わせ結果の信頼度が高い)場合は、変形の影響分だけ位置合わせ結果が変化するため、変形の影響分だけ位置合わせ結果が変化した場合は信頼度が高いと判断することができ、それ以外の変化が見られた場合、位置合わせの信頼度が低いと判断することができる。
あるいは、第1の印刷モード処理で説明したのと同様に、位置合わせの対象となる画像パターン(画像コンテンツ)に基づいて信頼度を算出してもよい。
したがって、ジョブ中に位置調整用マークの印刷を挟まなくても、良好な画像位置合わせを実現することが可能となる。また、用紙にトンボ等の位置調整用マークを原稿画像情報に基づく画像とともに印刷する必要が無いため、後工程の断裁が必要なく、また、定期的な位置調整用マークが形成された用紙をジョブ中に定期的に印刷する必要もないため、ジョブ途中の余計なヤレ紙発生や印刷効率の低下が無い、リアルタイムな画像位置調整を実現できる。
位置合わせの対象として用いる画像パターンは、例えば、画像コンテンツを構成する少なくとも一つのオブジェクトであり、画像コンテンツを構成する複数のオブジェクトの中から選択されたオブジェクトとすることができ、例えば、位置合わせの対象として用いる画像パターンを少なくとも画像コンテンツの四隅の画像パターンのうちの一つを含むようにすることで、良好な位置合わせが可能となる。
したがって、位置合わせを画像位置調整に用いるとともに、色調の変化を、特別な測定用パッチを印刷せずに適宜検出することができ、また必要に応じ補正することができるため、より安定性の高い印刷結果を、最低限の画像処理で実現することができる。
(1)本印刷前に前記画像形成手段において前記原稿画像情報に基づいて試し印刷を行うことにより生成されるプルーフを前記読取手段で読み取ることによって取得される印刷画像情報
(2)前記原稿画像情報に基づいて画像処理により生成した前記印刷イメージを表す画像
101 制御部
102 通信部
103 操作表示部
104 記憶部
105 給紙部
106 搬送部
110 原稿読取部
140 画像処理部
150 画像形成部
160 定着部
170 出力物読取部
180 画像解析部
Claims (17)
- 原稿画像情報に基づいて用紙に画像を印刷して印刷物を生成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により生成された印刷物を読み取って印刷画像情報を取得する読取手段と、
前記原稿画像情報に基づいて用紙に画像を印刷した場合の印刷イメージを表す比較画像情報と前記印刷画像情報とを比較して互いの画像コンテンツを位置合わせすることにより、前記画像形成手段により用紙に印刷された画像の位置のずれを検出し、前記画像の位置ずれを調整するための調整値を算出し、算出した前記調整値に基づいて、前記画像形成手段により用紙に印刷される画像の位置を調整する制御手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記画像コンテンツの中から前記位置合わせの対象として用いる画像パターンを特定し、前記特定された画像パターンを用いて前記位置合わせを行う請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記画像パターンは、少なくとも前記画像コンテンツの四隅の画像パターンのうちの一つを含む請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記画像パターンは、前記画像コンテンツを構成する少なくとも一つのオブジェクトであり、前記画像コンテンツを構成する複数のオブジェクトの中から選択されたオブジェクトである請求項2又は3に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記画像コンテンツ全体を前記位置合わせの対象として用いて前記位置合わせを行う請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記読取手段により取得された複数の印刷画像情報と、前記複数の印刷画像情報のそれぞれに対応する原稿画像情報及び比較画像情報とに基づいて、前記画像形成手段により用紙に印刷された画像の色調の変化を検出し、検出した前記色調の変化に基づいて、前記画像形成手段により用紙に印刷される画像の色調を補正する請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記位置合わせの対象を、前記位置合わせのしやすさ又は位置ずれの検出のしやすさの視点で評価する請求項2〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成手段は、前記原稿画像情報に基づく本印刷に先立って、前記原稿画像情報に基づく画像と位置調整用のマークとを用紙に印刷してマーク付き印刷物を生成し、
前記制御手段は、前記マーク付き印刷物を前記読取手段で読み取ることにより得られた印刷画像情報における前記マークと前記用紙のエッジとの位置関係に基づいて算出した前記調整値と、前記位置合わせに基づいて算出した前記調整値とを比較することで前記評価を実施する請求項7に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、複数の位置合わせ方法で前記位置合わせを行って前記比較を行い、位置の差分が最も小さい位置合わせ方法を前記本印刷時の前記位置合わせに用いる位置合わせ方法として選択する請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記マークが前記画像コンテンツと重なる場合、前記画像コンテンツに重なる前記マークは印刷しない、前記マークを付与した前記マーク付き印刷物と前記マークを付与しない印刷物の2枚を印刷する、前記マークの位置を前記画像コンテンツに重ならない位置に移動させて印刷する、のいずれかをユーザーが選択するための選択手段を備える請求項8又は9に記載の画像形成装置。
- 前記調整値は、複数の調整項目の調整値を含み、
前記制御手段は、前記位置合わせの対象の、前記複数の調整項目のそれぞれの前記位置合わせのしやすさ又は位置ずれの検出のしやすさを評価し、その評価の結果に基づいて、前記複数の調整項目のそれぞれについての前記調整値の算出方法を決定する請求項7〜10のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記評価の結果を印刷時の用紙種別情報に対応付けて保存する保存手段を備え、
前記制御手段は、前記評価の結果に対応付けて保存された前記用紙種別情報の用紙を前記画像形成手段で用いた場合は、前記用紙種別情報に対応する前記評価の結果を利用して前記位置合わせの対象の評価を行う請求項7〜11のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記評価の結果に応じて、前記原稿画像情報に基づく一連の印刷の終了後に、前記画像形成手段により用紙に印刷された位置調整用のマークと用紙エッジとの位置関係に基づく画像位置調整を自動的に実施するか、又は次のジョブ前に前記画像位置調整を実施するようユーザーに通知する請求項7〜12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 下記の(1)、(2)を含む複数の選択肢の中から前記比較画像情報として用いる情報を選択する比較画像選択手段を備える請求項7〜13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
(1)本印刷前に前記画像形成手段において前記原稿画像情報に基づいて試し印刷を行うことにより生成されるプルーフを前記読取手段で読み取ることによって取得される印刷画像情報
(2)前記原稿画像情報に基づいて画像処理により生成した前記印刷イメージを表す画像 - 前記制御手段は、ジョブの実行中に前記画像形成手段により印刷される画像の位置を調整する場合、複数の調整項目のうち、少なくとも倍率調整の実施を行わないように制御する請求項1〜14のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 1つのジョブの印刷が終了し、次のジョブの印刷を開始する際、これまでにジョブで更新されてきた調整値をそのまま利用して印刷を始めるか否かを選択するための更新選択手段を備える請求項1〜15のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 原稿画像情報に基づいて用紙に画像を印刷して印刷物を生成する画像形成手段と、
前記画像形成手段により生成された印刷物を読み取って印刷画像情報を取得する読取手段と、を備える画像形成装置における画像位置調整方法であって、
前記原稿画像情報に基づいて用紙に画像を印刷した場合の印刷イメージを表す比較画像情報と前記印刷画像情報とを比較して互いの画像コンテンツを位置合わせすることにより、前記画像形成手段により用紙に印刷された画像の位置のずれを検出し、前記画像の位置ずれを調整するための調整値を算出する工程と、
算出した前記調整値に基づいて、前記画像形成手段により用紙に印刷される画像の位置を調整する工程と、
を含む画像位置調整方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2020045914A JP2021148849A (ja) | 2020-03-17 | 2020-03-17 | 画像形成装置及び画像位置調整方法 |
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