JP2021146881A - シフト装置、および、シフト装置の制御方法 - Google Patents

シフト装置、および、シフト装置の制御方法 Download PDF

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陽介 堀内
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Abstract

【課題】操作部材を回動させて車両のシフトレンジを切り替える構成において、操作位置に対応するシフトレンジを、運転者が容易に認識できるようにする。【解決手段】車両のシフト装置であって、車両に対して回動可能に取り付けられた操作部材と、操作部材の位置を検出する位置検出部と、操作部材により選択されたシフトレンジを判定するシフト判定部と、操作部材の回動に抵抗を付与する抵抗機構と、後退レンジからニュートラルレンジへ切り替える操作に対して第1レベルの抵抗を付与し、走行レンジからニュートラルレンジへ切り替える操作に対して第2レベルの抵抗を付与し、駐車レンジから駐車レンジとは異なるシフトレンジへ切り替える操作に対して、第1レベル及び第2レベルよりも抵抗の大きい第3レベルの抵抗を付与する制御部と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、シフト装置、および、シフト装置の制御方法に関する。
従来、車両のシフト装置として、ダイヤル式の操作部材等を備えたものが知られている。この種のシフト装置は、車両を駐車させる際に選択されるP(パーキング)レンジや、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)等を含む複数のシフトレンジを有し、操作部材を回転させてシフトレンジを選択する。具体的には、P、R、N、D、Sの各シフトレンジが並べて配置され、操作部材を回動させる操作に応じて操作部材の位置に対応するシフトレンジが選択される。
特開2013−47074号公報
特許文献1に記載された構成のように、操作部材を回動させることでシフトレンジを切り替える場合、運転者が、操作部材の位置に対応するシフトレンジを認識しにくいという課題があった。
本発明の目的は、操作部材を回動させて車両のシフトレンジを切り替える構成において、操作位置に対応するシフトレンジを、運転者が容易に認識できるようにすることにある。
本発明の一の態様は、駐車レンジ、後退レンジ、ニュートラルレンジ、及び、走行レンジを含む複数のシフトレンジを有する車両のシフト装置であって、前記車両に対して回動可能に取り付けられた操作部材と、前記操作部材の位置を検出する位置検出部と、前記操作部材の位置に基づき、前記操作部材により選択されたシフトレンジを判定するシフト判定部と、前記操作部材の回動に抵抗を付与する抵抗機構と、前記操作部材によって前記後退レンジから前記ニュートラルレンジへ切り替える第1の操作に対し、前記抵抗機構により第1の回動抵抗を付与し、前記走行レンジから前記ニュートラルレンジへ切り替える第2の操作に対して第2の回動抵抗を付与し、前記駐車レンジから前記駐車レンジとは異なる前記シフトレンジへ切り替える第3の操作に対し、前記抵抗機構によって、前記第1の回動抵抗及び前記第2の回動抵抗よりも強い第3の回動抵抗を付与する制御部と、を備える、シフト装置である。
本発明の他の態様によると、前記制御部は、前記後退レンジから前記駐車レンジへ切り替える第4の操作に対し、前記抵抗機構により、前記第1の回動抵抗及び前記第2の回動抵抗よりも強く、前記第3の回動抵抗より弱い第4の回動抵抗を付与する。
本発明の他の態様によると、前記シフトレンジに、前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであって前記走行レンジよりも減速比が高い減速レンジを含み、前記制御部は、前記走行レンジから前記減速レンジへ切り替える第5の操作に対し、前記第1の回動抵抗及び前記第2の回動抵抗よりも強い第5の回動抵抗を付与する。
本発明の他の態様によると、前記操作部材の操作範囲において、前記後退レンジが選択される第1位置、前記ニュートラルレンジが選択される第2位置、及び、前記走行レンジが選択される第3位置が並べて配置され、前記制御部は、前記ニュートラルレンジから前記後退レンジへ切り替える第6の操作に対し、前記第1の回動抵抗及び前記第2の回動抵抗よりも強い第6の回動抵抗を付与し、前記ニュートラルレンジから前記走行レンジへ切り替える第7の操作に対し、前記第1の回動抵抗及び前記第2の回動抵抗よりも強い第7の回動抵抗を付与する。
本発明の他の態様は、駐車レンジ、後退レンジ、ニュートラルレンジ、及び、走行レンジを含む複数のシフトレンジを有する車両のシフト装置の制御方法であって、前記車両に対して回動可能に取り付けられた操作部材の位置を検出し、前記操作部材の位置に基づき、前記操作部材により選択されたシフトレンジを判定し、前記操作部材によって前記後退レンジから前記ニュートラルレンジへ切り替える第1の操作に対し、抵抗機構により第1の回動抵抗を付与し、前記走行レンジから前記ニュートラルレンジへ切り替える第2の操作に対して第2の回動抵抗を付与し、前記駐車レンジから前記駐車レンジとは異なる前記シフトレンジへ切り替える第3の操作に対し、前記抵抗機構によって、前記第1の回動抵抗及び前記第2の回動抵抗よりも強い第3の回動抵抗を付与する、シフト装置の制御方法である。
本発明によれば、操作部材を回動させてシフトレンジを切り替える車両において、運転者が、操作部材を操作する際の抵抗の強さにより、操作部材の位置に対応するシフトレンジを認識できる。
実施形態に係る自動車の駆動系の概略図。 自動車の運転席周辺の概略斜視図。 操作ユニットの平面図。 操作ユニットの要部断面図。 自動車の制御系のブロック図。 シフト操作部材に付与される回動抵抗の概要を示す説明図。 制御ユニットの動作を示すフローチャート。
[1.自動車の変速制御の概要]
図1は、本発明を適用した実施形態に係る自動車1の駆動系の概略図である。図2は、自動車1の運転席周辺の概略斜視図である。
本実施形態で説明する自動車1は、駆動源としてエンジン2を搭載しており、エンジン2の出力をトランスミッション4およびドライブシャフト5を介して駆動輪に伝達する。なお、図示例では、自動車1は前輪6fを駆動輪とする前輪駆動車であるが、後輪6rを駆動輪とする後輪駆動車または前後両車輪6を駆動輪とする四輪駆動車とすることもできる。図1に、自動車1が前進するときの進行方向を符号Fで示す。
自動車1が搭載するトランスミッション4は、後述する制御ユニット11の制御により自動変速を行うオートマティックトランスミッション(AT)である。本実施形態では、トランスミッション4として、前進4段、後退1段のステップ式ATを例に挙げて説明するが、より多段のATであってもよいし、連続可変トランスミッション(CVT)であってもよい。また、トランスミッション4の機械的構成の制限はなく、トルクコンバータを有する構成であってもよいし、DCT(デュアルクラッチトランスミッション)であってもよい。トランスミッション4は、シフト機構の一例に対応する。
自動車1は、駆動源としてエンジン2の代わりにモータ・ジェネレータ3を搭載する電気自動車(EV)であってもよい。また、自動車1は、駆動源としてエンジン2とともにモータ・ジェネレータ3を搭載するハイブリッド車(HEV)であってもよい。モータ・ジェネレータ3は、車両走行用の電動機として機能するほか、回生用の発電機として機能してもよい。インバータ8は、二次電池であるバッテリ7からの電力供給とバッテリ7に対する電力供給(充電)とを制御し、減速時に減速エネルギを電力に変換回生して回生制動を発生する回生制動手段として機能する。自動車1は、複数のモータ・ジェネレータ3を搭載してもよい。例えば、エンジン2を始動するスタータ・モータ及びエンジン2の動力により発電する発電機として機能する第1のモータ・ジェネレータ3と、車両走行用の第2のモータ・ジェネレータ3とを備えてもよい。
自動車1は、自動車1の駆動系を制御する制御ユニット11を備える。制御ユニット11は、例えば、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、周辺回路、入出力インターフェイス、各種ドライバ等を備える。
自動車1は、自動車1を加速させるアクセル操作部としてアクセルペダル17を備え、自動車1を減速させる制動操作用の操作部としてブレーキペダル18を備える。制御ユニット11には、自動車1の車速を検出する車速センサ32、アクセルペダル17の操作量を検出するアクセルペダルセンサ33、及び、ブレーキペダル18の操作を検出するブレーキペダルセンサ34が接続される。
自動車1は、アクセルペダル17がエンジン2のスロットル装置に機械的に連結された構成であってもよいし、制御ユニット11がアクセルペダルセンサ33の検出結果に基づきスロットル装置を制御する、いわゆるドライブバイワイヤを採用した車両であってもよい。また、自動車1は、ブレーキペダル18が自動車1の制動機構に機械的に連結された構成であってもよいし、制御ユニット11がブレーキペダルセンサ34の検出結果に基づき制動機構を制御する、いわゆるブレーキバイワイヤを採用した車両であってもよい。また、アクセルペダル17に替えて、レバー形状や、その他の形状のアクセル操作部を採用してもよく、ブレーキペダル18についても同様である。
自動車1は、トランスミッション4の変速を制御する構成として、制御ユニット11を含むシフト装置10を備える。シフト装置10は、制御ユニット11のほか、トランスミッション4のシフトレンジの変更操作に供されるシフト操作部材14と、シフト操作部材14の操作を検出する角度検出器31と、を備える。また、シフト装置10は、シフト操作部材14の操作を制限する電磁ブレーキ機構50を備える。シフト装置10は、車速センサ32、アクセルペダルセンサ33、及び、ブレーキペダルセンサ34を含んでもよい。シフト装置10は、シフト操作判定装置の一例に対応する。
自動車1には、障害物センサ36が設けられる。障害物センサ36は、自動車1の周囲の障害物を検出するセンサであり、例えば、超音波を利用して自動車1の車体から所定距離以内の物体を検出するソナーセンサが挙げられる。障害物センサ36は、レーザー光を利用して障害物を検出する光センサや、カメラの撮像画像をもとに障害物を検出する装置であってもよい。自動車1には、例えば図1に示すように、車体の前部および後部において、左右の端部に1個ずつ障害物センサ36が配置される。障害物センサ36は、不図示の制御線により制御ユニット11に接続され、検出結果を制御ユニット11に出力する。シフト装置10は、障害物センサ36を含んでもよい。
制御ユニット11は、エンジン2の駆動制御の他、シフト操作部材14の操作に応じてトランスミッション4のシフトレンジを選択するとともに、選択したシフトレンジに従ってトランスミッション4のギヤ段を変更するシフト制御を行う。なお、ギヤ段の変更は、トランスミッション4に接続する油圧回路に設けられた図示しないシフトソレノイドバルブを開閉駆動することによって行われる。また、自動車1が電気自動車またはハイブリッド車である場合、制御ユニット11はモータ・ジェネレータ3の駆動/回生も制御する。また、制御ユニット11は、自動車1が搭載する灯火機等を制御する機能や、自動車1のその他の機能を有していてもよい。以下ではトランスミッション4の制御に関する機能を説明する。
シフト操作部材14は、ダイヤル式の円柱状のつまみであり、自動車1を操縦する運転者の手によってシフト操作部材14を回動させる操作が行われる。運転者は、シフト操作部材14を回動させて、自動車1のトランスミッション4の変速モード、すなわちシフトレンジを切り替える操作を行うことができる。シフト操作部材14は、操作部材の一例に対応する。
自動車1のシフトレンジは、自動車1を駐車するときに選択されるP(パーキング)レンジ、自動車1を後退させるためのR(リバース)レンジ、トランスミッション4からドライブシャフト5に駆動力を伝達しない状態であるN(ニュートラル)レンジ、及び、自動車1を前進させるD(ドライブ)レンジを含む。Pレンジは駐車レンジに対応し、Rレンジは後退レンジに対応し、Dレンジは走行レンジに対応する。トランスミッション4は、Pレンジでドライブシャフト5の回転を規制し、Nレンジでドライブシャフト5に駆動力および制動力のいずれも与えない構成であってもよい。
自動車1は、Dレンジとは異なる前進用の1または複数のシフトレンジを有する。この種のシフトレンジは、Sレンジ、Lレンジ、D2レンジ、Bレンジ等と呼ばれる。
自動車1は、エンジン2またはモータ・ジェネレータ3の動力をトランスミッション4に伝達する不図示の駆動軸を有する。上記のSレンジ、Lレンジ、D2レンジ、Bレンジ等のシフトレンジは、駆動軸に対するドライブシャフト5の減速比が、Dレンジよりも大きい。以下の説明では、これらのシフトレンジを減速レンジと呼ぶ。本実施形態のトランスミッション4は、減速レンジとしてSレンジを備える。
減速レンジは、例えば、エンジンブレーキや回生によってDレンジよりも強い制動力をドライブシャフト5に発生させる目的や、ドライブシャフト5にDレンジよりも大きい駆動トルクを与える目的で、運転者により選択される。
シフト操作部材14は、自動車1のインストルメントパネル19におけるステアリングホイール13の左側下方に設けられている。インストルメントパネル19において、シフト操作部材14が設けられた部位は、運転者がシフト操作部材14を操作しやすいように他の部位に比べて突出形成されていてもよい。シフト操作部材14の位置は図2の例に限られず、センターコンソールに設けてもよいし、他の位置に設けてもよい。
シフト操作部材14は、自動車1において選択されているシフトレンジを表示する表示パネル21とともにユニット化されて、操作ユニット25を構成する。
[2.操作ユニットの構成]
図3は、操作ユニット25の平面図である。
図3に示すように、シフト操作部材14は、時計回り方向(図中CW)および反時計回り方向(図中CCW)に回動可能である。操作ユニット25には、シフト操作部材14の上方に、表示パネル21が配置される。表示パネル21には、トランスミッション4のシフトレンジであるP、R、N、D、Sの表示が、シフト操作部材14の回転方向であるCW方向に沿って、順に配置されている。
運転者が、シフト操作部材14をCW方向またはCCW方向に回動させることにより、トランスミッション4のシフトレンジを選択する操作が行われる。
表示パネル21には、レンジ表示部22のP、R、N、D、Sの表示にそれぞれ対応する位置に、インジケータ23が配置されている。インジケータ23は、レンジ表示部22のP、R、N、D、Sの各位置にそれぞれ対応するインジケータ23a、23b、23c、23d、23eを含む。インジケータ23aは、LED等の光源を備え、トランスミッション4のシフトレンジとしてPレンジが選択されている状態で発光する。同様に、インジケータ23b、23c、23d、23eは、それぞれLED等の光源を備える。インジケータ23bは、トランスミッション4のシフトレンジとしてRレンジが選択されている状態で発光する。インジケータ23cはNレンジが選択されている状態で発光し、インジケータ23dはDレンジが選択されている状態で発光し、インジケータ23eはSレンジが選択されている状態で発光する。図3には、一例として、Pレンジが選択され、インジケータ23aが発光している状態を示す。
自動車1では、メーターパネル12において、表示パネル21と同様の表示がなされる構成であってもよい。例えば、メーターパネル12に、トランスミッション4のシフトレンジであるP、R、N、D、Sの表示が配置され、選択中のシフトレンジの表示を発光させる構成としてもよい。
シフト操作部材14の回動方向には、トランスミッション4のシフトレンジの数に対応する選択位置P1、P2、P3、P4、P5が設定される。シフト操作部材14はCW方向およびCCW方向に無限に回転可能であり、後述するように、一定角度ごとに節度感(クリック感)が得られるようになっている。詳細には、選択位置P1、P2、P3、P4、P5に相当する角度毎にクリック感が得られる。例えば、シフトレンジPが選択されている状態で、シフト操作部材14をCW方向に回動させると、選択位置P2、P3、P4、P5でクリック感が得られる。また、シフトレンジSが選択されている状態で、シフト操作部材14をCCW方向に回動させると、選択位置P4、P3、P3、P2でクリック感が得られる。これにより、シフト操作部材14を、レンジ表示部22のP、R、N、D、Sの表示に合わせて段階的に回動させることが容易になり、シフトレンジを選択する操作の操作性が高められる。
シフト操作部材14と、選択位置P1−P5との相対位置は固定されない。シフト操作部材14は、選択位置P1からCCW方向に回動させる操作、および、選択位置P5からCW方向に回動させる操作が可能であり、この場合、選択中のシフトレンジは、PレンジまたはSレンジで変化しない。
図3は一構成例を示しており、自動車1は、トランスミッション4のシフトレンジとしてP、R、N、D、S、Lの6段階の選択が可能な構成であってもよい。また、SレンジやLレンジを有しない構成であってもよい。これらの場合、インジケータ23の数や選択位置の数は、シフト操作部材14の操作により選択されるシフトレンジの数に応じて、適宜に変更すればよい。また、レンジ表示部22におけるシフトレンジの配列は図3の例に限定されず、例えば、左回りではなく右回りに各シフトレンジの表示を配置した配列や、Lレンジの代わりにBレンジがある配列とすることもできる。
図4は、操作ユニット25の要部断面図であり、図3のA−A´断面の要部を示す。
シフト操作部材14は、操作ユニット25のケース41の上面に配置される。ケース41は、操作荷重生成器44、増速機構46、電磁ブレーキ機構50、及び、角度検出器31を収容する。
シフト操作部材14は、回動中心である軸14aを有し、軸14aは操作荷重生成器44によって支持される。
操作荷重生成器44は、例えば、シフト操作部材14の回動方向に沿って所定角度おきに形成されたカムと、カムに摺動するローラーとを備える。操作荷重生成器44は、軸14aを回動可能に支持し、軸14aの回転方向においてカム位置に対応する角度ごとに、軸14aの回動に抵抗を発生させる。これにより、シフト操作部材14を回動させる操作に対してクリック感を発生させる。
操作荷重生成器44は、シフト操作部材14の回動量が最低操作角度に満たない場合、カムに沿ってローラーが逆方向に移動するので、シフト操作部材14を回動前の位置に戻す作用を有する。このため、運転者がシフト操作部材14を回動させた回動量が小さい場合、シフト操作部材14が回動前の位置に戻るので、例えば運転者が意図しないシフトレンジの切り替えを防止できる。最低操作角度は、例えば、上記所定角度の半分である。
シフト操作部材14にはギヤ43が固定されている。ギヤ43は、シフト操作部材14とともに軸14aを中心として回動する。
増速機構46は、ギヤ43に係合する小径のギヤ46aを有し、軸54に接続される。増速機構46は、ギヤ43とギヤ46aとの歯数の比に応じた増速比で、ギヤ43の回転を増速して軸54に伝達する。
電磁ブレーキ機構50は、シフト操作部材14の回動を規制する規制機構の一例であり、後述する電磁ブレーキ制御部117とともに規制部を構成する。電磁ブレーキ機構50は、円筒形状のヨーク51、ヨーク51の内部に配置されたコイル52、及びアーマチュア53を有する。コイル52は制御ユニット11に接続され、制御ユニット11により、コイル52への通電のオンおよびオフの切り替え、及び、コイル52に流れる電流が制御される。
アーマチュア53は、軸54の下部に連結され、軸54とともに回転可能である。
コイル52に通電されていない状態では、アーマチュア53は軸54とともに回転自在に支持される。この状態では、シフト操作部材14の回動に伴い、アーマチュア53が回動する。
コイル52に通電されると、ヨーク51が磁化されて、ヨーク51の磁力によってアーマチュア53の回動が規制される。このため、軸54の回動が規制され、シフト操作部材14の回転に対して抵抗する力が発生する。この力は、シフト操作部材14を回動させる操作を阻む力であり、以下では回動抵抗と呼ぶ。上述のように、シフト操作部材14を回動させる操作に対しては操作荷重生成器44が荷重を付与するが、電磁ブレーキ機構50は、操作荷重生成器44の荷重に加えて回動抵抗を発生させる。電磁ブレーキ機構50は、抵抗機構の一例に対応する。
シフト操作部材14の回動抵抗の大きさは、コイル52を流れる電流の大きさにより変化する。制御ユニット11は、後述するように、コイル52を流れる電流を調整することで回動抵抗の大きさを制御する。電磁ブレーキ機構50がシフト操作部材14に対して与える回動抵抗の大きさは任意であるが、例えば、最大の回動抵抗を与える場合に、シフト操作部材14が回動不能となる程度であってもよい。また、制御ユニット11はコイル52に流れる電流をオフにし、回動抵抗を最小にすることができる。
軸54の下端には被検出体56が連結される。被検出体56は、角度検出器31の内部に位置し、増速機構46及び軸54とともに回転する。角度検出器31は、被検出体56の回転量を検出するセンサであり、位置検出部の一例に対応する。角度検出器31は、被検出体56の回転量の検出結果を制御ユニット11に出力する。制御ユニット11は、角度検出器31の検出結果と増速機構46の増速比に基づく演算を行うことにより、シフト操作部材14の回転角度を検出できる。
電磁ブレーキ機構50は、電磁的にアーマチュア53の回動を規制する。このため、コイル52に流れる電流を調整することにより、コイル52の通電中に僅かなアーマチュア53の回動を許容する状態とすることができる。つまり、電磁ブレーキ機構50の回動抵抗が最大となって、シフト操作部材14の回動を阻止する状態であっても、シフト操作部材14を僅かに回動可能な状態とすることができる。この場合、コイル52の通電中に運転者がシフト操作部材14にCW方向またはCCW方向の操作力を加えると、この操作力によって僅かにシフト操作部材14が回動する。この操作力が解除されると、操作荷重生成器44の作用により、シフト操作部材14が回動前の位置に戻される。
コイル52の通電中にシフト操作部材14に操作力が加わった場合、及び、操作力が解除された場合のシフト操作部材14の動きは、角度検出器31により検出可能である。従って、制御ユニット11は、角度検出器31の検出結果に基づいて、電磁ブレーキ機構50が回動を規制している間のシフト操作部材14への操作力の印加、及び、操作力の解除を検出できる。例えば、制御ユニット11は、コイル52の通電中にシフト操作部材14への操作力の解除を検出した場合に、コイル52への通電を停止する。
図4に示す構成は一例であり、例えば、操作荷重生成器44は、公知のディテント機構等を採用してもよい。また、角度検出器31は、被検出体56の回転量を磁気的に検出する構成であってもよいし、光センサを用いて検出する構成であってもよく、その他の検出方式を採用してもよい。また、電磁ブレーキ機構50がシフト操作部材14の回動を規制している間にシフト操作部材14に加わる操作力を検出する構成は、例えば圧電素子を用いてもよく、その他のセンサにより実現してもよい。
[3.制御ユニットの構成]
図5は、自動車1の制御系のブロック図である。
自動車1を制御する制御ユニット11は、ECU101、シフト制御部103、インターフェイス105、及び、シフト操作判定部110を備える。
シフト操作判定部110は、ブレーキ操作検出部112、シフト判定部113、及び、電磁ブレーキ制御部117を備える。また、シフト操作判定部110は、アクセル操作検出部111を備えてもよい。制御ユニット11が備える各機能部は、独立したハードウェアで構成されてもよいし、1のハードウェアが複数の機能部を構成してもよい。例えば、プロセッサがプログラムを実行することにより、シフト操作判定部110の各部の機能を実現してもよい。
ECU101は、上述のように、アクセルペダルセンサ33及びブレーキペダルセンサ34の検出結果に基づいて、エンジン2やインバータ8を制御して、自動車1を走行させる。
シフト操作判定部110は、シフト操作部材14、及びブレーキペダル18の操作を検出することにより、運転者の操作に対応するトランスミッション4のシフトレンジを判定する。
シフト制御部103は、トランスミッション4のシフトレンジを切り替えさせる制御機能を有する。シフト制御部103は、シフト操作判定部110がシフト操作部材14の操作に応じたシフトレンジを判定すると、シフト操作判定部110の判定結果に基づき、トランスミッション4のシフトレンジを切り替える。
インターフェイス105は、制御ユニット11の外部の機器と各種信号やデータを授受する回路であり、少なくとも、ブレーキペダルセンサ34、トランスミッション4及び操作ユニット25に接続される。インターフェイス105に、アクセルペダルセンサ33や障害物センサ36が接続された構成であってもよい。図1に示したように、制御ユニット11はエンジン2及びインバータ8に接続されるが、説明の便宜のため図5では省略する。
アクセル操作検出部111は、アクセルペダルセンサ33の検出結果に基づき、アクセルペダル17の操作の有無、及び/または、アクセルペダル17の操作量を検出する。
ブレーキ操作検出部112は、ブレーキペダルセンサ34の検出結果に基づき、ブレーキペダル18の操作の有無、及び/または、ブレーキペダル18の操作量を検出する。ブレーキ操作検出部112は、制動操作検出部の一例に対応する。
シフト判定部113は、角度検出器31の検出結果に基づいて、シフト操作部材14の位置が選択位置P1、P2、P3、P4、P5のいずれに該当するかを判定する。シフト判定部113は、判定したシフトレンジのインジケータ23を点灯させる。
シフト判定部113は、シフト操作部材14が選択位置P1、P2、P3、P4、P5のいずれかに移動した場合、移動先の選択位置を、予め設定された所定時間(例えば、0.2秒)を超える時間だけ維持すると、移動先の選択位置のシフトレンジが選択されたと判定する。この判定の基準となる所定時間を時間Tとして、後に説明する。
電磁ブレーキ制御部117は、電磁ブレーキ機構50が発生するシフト操作部材14の回動抵抗を調整する。電磁ブレーキ制御部117は、コイル52に流れる電流を調整することにより、回動抵抗の大きさを調整する。電磁ブレーキ制御部117は、制御部の一例に対応する。
シフト操作部材14は、自動車1に対して無限に回転可能に取り付けられている。このため、運転者は、シフト操作部材14の操作によって選択されるシフトレンジを、レンジ表示部22やメーターパネル12を目視して認識する。本実施形態では、運転者がシフト操作部材14を回動させる際の回動抵抗の大きさを変化させることで、運転者に、選択されるシフトレンジを認識させる機能を有する。具体的には、シフト操作部材14を回動させる前に選択されているシフトレンジ、及び、シフト操作部材14の回動方向に対応するシフトレンジに応じて、シフト操作部材14の回動抵抗の大きさが異なる構成となっている。
[4.シフト操作部材の回動抵抗の調整]
図6は、シフト操作部材14に付与される回動抵抗の概要を示す説明図である。
図6には、シフト操作部材14を操作させる範囲を操作範囲RAで示し、シフト操作部材14の操作を反映して移動する操作位置を、符号SPで示す。操作位置SPは、シフト操作部材14のCW方向の回動およびCCW方向の回動に伴って、操作範囲RAの中をCW方向及びCCW方向に移動する。図6は、シフト操作部材14が回動する角度を水平方向の位置に置き換えて示しており、CW方向は図中右方向に相当し、CCW方向は左方向に相当する。シフト判定部113は、角度検出器31の検出結果からシフト操作部材14の回動を検出すると、シフト操作部材14の回動量及び回動方向に応じて、操作位置SPを移動させる。
操作範囲RAには、選択位置P1、P2、P3、P4、P5が並んで位置する。操作範囲RAには、選択位置P1を含む範囲S1、選択位置P2を含む範囲S2、選択位置P3を含む範囲S3、選択位置P4を含む範囲S4、及び、選択位置P5を含む範囲S5が設定される。シフト判定部113は、操作位置SPが範囲S1にある場合、選択されたシフトレンジがPレンジであると判定する。同様に、操作位置SPが範囲S2にある場合はRレンジと判定し、操作位置SPが範囲S3にある場合はNレンジと判定し、範囲S4にある場合はDレンジと判定し、範囲S5にある場合はSレンジと判定する。
シフト判定部113は、シフト操作部材14の回動が停止すると、操作位置SPを、選択位置P1、P2、P3、P4、P5のうち選択したシフトレンジに対応する選択位置に合わせる。例えば、シフト判定部113は、操作位置SPが範囲S1にある場合はシフトレンジをPレンジと判定し、操作位置SPを選択位置P1とする。その後にシフト操作部材14が回動すると、シフト判定部113は、選択位置P1を起点として操作位置SPを移動させる。操作位置SPが範囲S2に達すると、シフト判定部113は、Rレンジが選択されたと判定する。範囲S1と範囲S2との間の中間範囲G1は、シフト判定部113がシフトレンジを判定しない範囲である。操作位置SPが中間範囲G1に含まれる状態でシフト操作部材14が停止した場合、シフト判定部113は、Rレンジの選択を判定しない。このため、選択されるシフトレンジは、Pレンジから変化しない。中間範囲G2、G3、G4も同様であり、シフト操作部材14の操作により操作位置SPが中間範囲G1、G2、G3、G4を超えると、シフトレンジが切り替えられる。
シフト操作部材14は自由に回動可能であるため、Pレンジが選択された状態から、シフト操作部材14をCCW方向に回動させることができる。シフト判定部113は、シフト操作部材14の回動に伴い操作位置SPをCCW方向に移動させるが、操作位置SPが操作範囲RAの左端LEに達すると、操作位置SPを左端LEで停止させる。その後、シフト操作部材14が停止すると、シフト判定部113は操作位置SPを選択位置P1とする。
Sレンジが選択された状態から、シフト操作部材14がCW方向に回動した場合、シフト判定部113は、操作位置SPを選択位置P5からCW方向に移動させる。シフト判定部113は、操作位置SPが操作範囲RAの右端REに達すると、操作位置SPを右端REで停止させる。その後、シフト操作部材14が停止すると、シフト判定部113は操作位置SPを選択位置P5とする。
シフト操作部材14を回動させる際、操作荷重生成器44によって所定角度毎に操作荷重が変動する。操作荷重生成器44が発生する操作荷重は、選択位置P1、P2、P3、P4、P5の間隔と対応している。このため、シフト操作部材14を回動させた場合、操作位置SPが各選択位置P1、P2、P3、P4、P5で停止しやすく、中間範囲G1、G2、G3、G4で停止しにくい。
さらに、制御ユニット11は、電磁ブレーキ制御部117によって電磁ブレーキ機構50を制御し、シフト判定部113が判定したシフトレンジに対応する回動抵抗を発生させる。本実施形態では、シフトレンジを切り替える操作をシフト操作M1、M2、M3、M4、M5、M7、M8とし、図6に矢印で示す。また、操作M1−M8の各々について発生する回動抵抗を、それぞれ符号R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8を付して、図6に矢印で示す。
詳細には、RレンジからNレンジへの操作をシフト操作M1(第1の操作)とする。DレンジからNレンジへの操作をシフト操作M2(第2の操作)とする。PレンジからRレンジへの操作をシフト操作M3(第3の操作)とする。RレンジからPレンジへの操作をシフト操作M4(第4の操作)とする。また、DレンジからSレンジへの操作をシフト操作M5(第5の操作)とし、NレンジからRレンジへの操作をシフト操作M6(第6の操作)とし、NレンジからDレンジへの操作をシフト操作M7(第7の操作)とし、SレンジからDレンジへの操作をシフト操作M8とする。
回動抵抗R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は、それぞれ、第1の回動抵抗、第2の回動抵抗、第3の回動抵抗、第4の回動抵抗、第5の回動抵抗、第6の回動抵抗、第7の回動抵抗に対応する。
回動抵抗R1−R8の強さ、すなわち、運転者がシフト操作部材14を回動させる際に、回動を妨げる方向に作用する力の大きさ、それぞれ異なっていてもよい。また、回動抵抗R1−R8の強さは、段階的に設定されてもよい。
本実施形態では、回動抵抗R1、R2、R3の強さについて下記式(1)、(2)の関係が成立する。
R1<R3 …(1)
R2<R3 …(2)
この例では、Pレンジから、Pレンジ以外のシフトレンジに切り替えるシフト操作であるシフト操作M3に対し、RレンジからNレンジに切り替えるシフト操作M1、及び、DレンジからNレンジに切り替えるシフト操作M2よりも、強い回動抵抗R3が発生する。このため、運転者は、シフト操作部材14を回動させる際に強い抵抗を感じて、自動車1を停止させるシフトレンジから自動車1を駆動するシフトレンジへ切り替える操作であることを認識できる。また、自動車1を停止状態から駆動状態へ変更する操作に対して強い抵抗を発生させるので、運転者が意図しない自動車1の挙動の発生を防止または抑制できる。
また、回動抵抗R1、R2を弱くすることにより、自動車1を駐車する際等に前進と後退を繰り返す操作が容易に行えるという利点がある。
また、回動抵抗R1、R2、R4の強さについて下記式(3)、(4)、(5)の関係が成立する。
R1<R4 …(3)
R2<R4 …(4)
R4<R3 …(5)
この例では、回動抵抗R4が回動抵抗R1及び回動抵抗R2より強いため、運転者は、例えば、共通する方向への操作であるシフト操作M2とシフト操作M4とを、回動抵抗の強さにより識別できる。このため、運転者がシフト操作の種類を容易に認識することができ、意図に反してPレンジに切り替えてしまう誤操作を、より確実に防止できる。例えば、自動車1を駐車する場合など、前進と後退を繰り返す場合において運転者の意図に沿わない自動車1の挙動を抑制できる。さらに、シフト操作M4は、自動車1を駆動状態から停止状態にする操作であるため、回動抵抗R4を回動抵抗R3より弱くすることが適切である。これにより、運転者の操作を妨げない程度の適切な強さで、注意を促すことができる。
また、回動抵抗R1、R2、R5の強さについて下記式(6)、(7)の関係が成立する。
R1<R5 …(6)
R2<R5 …(7)
この例では、DレンジからSレンジへのシフトレンジの切り替えに対し、回動抵抗R1、R2より強い回動抵抗R5を発生させる。これにより、運転者は、例えば、共通する方向への操作であるシフト操作M1とシフト操作M5とを、回動抵抗の強さにより識別できる。Sレンジは、自動車1のエンジンブレーキや回生ブレーキなど、Dレンジより強い制動力が発生するため、運転者が意図せずシフト操作M5を行わないようにすることで、自動車1の挙動をより安定させる効果がある。
また、回動抵抗R1、R2、R6の強さについて下記式(8)、(9)の関係が成立する。
R1<R6 …(8)
R2<R6 …(9)
また、回動抵抗R1、R2、R7の強さについて下記式(10)、(11)の関係が成立する。
R1<R7 …(10)
R2<R7 …(11)
この例では、シフト操作M6、M7に対し、回動抵抗R1、R2より強い回動抵抗R6、R7を発生させることにより、運転者に対して、自動車1を駆動する状態への操作であることを認識させることができる。これにより、運転者の意図に反して自動車1が駆動しないように、運転者に注意を促すことができる。
また、回動抵抗R8の強さについて下記式(12)のようにしてもよい。
R8<R3、R4、R5、R6、R7 …(12)
上記の関係を満たす一具体例として、電磁ブレーキ制御部117が回動抵抗の強さを3段階に切り替え可能な構成が挙げられる。
すなわち、電磁ブレーキ制御部117が、最も弱い第1レベル、最も強い第3レベル、その間の第2レベルの3段階で回動抵抗の強さを切り替え可能とする。この場合に、下記式(13)に示すように、回動抵抗R1、R2、R8を第1レベル、回動抵抗R4を第2レベル、回動抵抗R3、R5、R6、R7を第3レベルとする例が挙げられる。
第1レベル(R1、R2、R8)<第2レベル(R4)<第3レベル(R3、R5、R6、R7)…(13)
この場合、回動抵抗R1−R8の大きさに段階的な差が生じるため、運転者が、回動抵抗の強さを容易に区別できる。このため、運転者が、シフト操作部材14を回動させたときに感じる抵抗の強さをもとに、シフト操作の種類を容易に認識できる。このため、例えば、運転者がレンジ表示部22を目視する頻度を減らすことができ、自動車1の操作性をより一層向上させることができる。
[5.シフト装置の動作]
シフト装置10の動作を、フローチャートに従って説明する。図7は、制御ユニット11の動作を示すフローチャートであり、特に、シフト操作判定部110により実行される。
シフト操作判定部110は、角度検出器31によりシフト操作部材14の位置を検出し(ステップST1)、シフト操作部材14を回動させる操作が開始されたか否かを判定する(ステップST2)。
操作が開始されたと判定した場合、シフト操作判定部110は、トランスミッション4において選択されている現在のシフトレンジ、及び、シフト操作部材14の操作方向を特定する(ステップST4)。ステップST4の処理により、ステップST1で検出したシフト操作部材14の操作が、図6に示したシフト操作M1−M8のいずれであるかを特定できる。
シフト操作判定部110は、ステップST3で特定した結果に対応する回動抵抗の強さを設定し(ステップST4)、電磁ブレーキ機構50により回動抵抗を発生させる(ステップST5)。
シフト操作判定部110は、角度検出器31によりシフト操作部材14の位置を検出し(ステップST6)、操作位置SPが、操作完了に相当する位置に達したか否かを判定する(ステップST7)。ステップST7で、シフト操作判定部110は、操作位置SPが中間範囲G1−G4のいずれかにある場合に否定判定する(ステップST7;NO)。この場合、シフト操作判定部110はステップST7で待機し、所定時間経過後にステップST6の位置検出を実行する。
ステップST7で、シフト操作判定部110は、操作位置SPが範囲S1−S5のいずれかに達した場合に肯定判定する(ステップST7;YES)。この場合、シフト操作判定部110は、電磁ブレーキ機構50による回動抵抗を解除し(ステップST8)、本処理を終了する。図7の動作を終了した後、シフト操作判定部110は、ステップST1に戻ってシフト操作部材14の操作を待機する。
[6.まとめ]
以上説明したように、本発明を適用した実施形態に係るシフト装置10は、自動車1を駐車させるためのPレンジ、自動車1を後退駆動するRレンジ、自動車1の駆動輪に駆動力を伝達しないNレンジ、及び、自動車1を前進駆動するDレンジを含む複数のシフトレンジを有する自動車1のシフト装置10は、自動車1に対して回動可能に取り付けられたシフト操作部材14と、シフト操作部材14の位置を検出する角度検出器31と、シフト操作部材14の位置に基づき、シフト操作部材14により選択されたシフトレンジを判定するシフト判定部113と、シフト操作部材14の回動に抵抗を付与する電磁ブレーキ機構50と、シフト操作部材14によってRレンジからNレンジへ切り替える操作M1に対し、電磁ブレーキ機構50により回動抵抗R1を付与し、DレンジからNレンジへ切り替える操作M2に対して回動抵抗R2を付与し、PレンジからPレンジとは異なるシフトレンジへ切り替える操作M3に対し、電磁ブレーキ機構50によって、回動抵抗R1及び回動抵抗R2よりも強い回動抵抗R3を付与する電磁ブレーキ制御部117と、を備える。
シフト装置10、及び、シフト装置10の制御方法によれば、シフト操作M3に対し、シフト操作M1及びシフト操作M2よりも強い回動抵抗R3が発生する。このため、運転者は、自動車1を停止させるシフトレンジから自動車1を駆動するシフトレンジへ切り替える操作であることを、シフト操作部材14の抵抗により認識できる。また、回動抵抗R1、R2を回動抵抗R3よりも弱くするので、自動車1を駐車する際等に前進と後退を繰り返す操作が容易に行えるという利点がある。
電磁ブレーキ制御部117は、RレンジからPレンジへ切り替える操作M4に対し、電磁ブレーキ機構50により、回動抵抗R1及び回動抵抗R2よりも強く、回動抵抗R3より弱い回動抵抗R4を付与する。この構成によれば、回動抵抗R4が回動抵抗R1及び回動抵抗R2より強いため、運転者は、共通する方向への操作であるシフト操作M2とシフト操作M4とを、回動抵抗の強さにより識別できる。このため、運転者がシフト操作の種類を容易に認識することができ、例えば、自動車1を駐車する場合など、前進と後退を繰り返す場合において運転者の意図に沿わない自動車1の挙動を抑制できる。さらに、シフト操作M4は、自動車1を駆動状態から停止状態にする操作であるため、回動抵抗R4を回動抵抗R3より弱くすることが適切である。これにより、運転者の操作を妨げない程度の適切な強さで、注意を促すことができる。
シフト装置10のシフトレンジは、自動車1の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであってDレンジよりも減速比が高いSレンジを含み、電磁ブレーキ制御部117は、DレンジからSレンジへ切り替える操作M5に対し、回動抵抗R1及び回動抵抗R2よりも強い回動抵抗R5を付与する。
この構成によれば、運転者は、シフト操作部材14の抵抗の強さにより、例えば共通する方向への操作であるシフト操作M1とシフト操作M5とを識別できる。Sレンジは、自動車1のエンジンブレーキや回生ブレーキなど、Dレンジより強い制動力が発生するため、運転者が意図せずシフト操作M5を行わないようにすることで、自動車1の挙動をより安定させる効果がある。
シフト操作部材14の操作範囲において、Rレンジが選択される第1位置、Nレンジが選択される第2位置、及び、Dレンジが選択される第3位置が並べて配置され、電磁ブレーキ制御部117は、NレンジからRレンジへ切り替える操作M6に対し、回動抵抗R1及び回動抵抗R2よりも強い回動抵抗R6を付与し、NレンジからDレンジへ切り替える操作M7に対し、回動抵抗R1及び回動抵抗R2よりも強い回動抵抗R7を付与する。
この構成によれば、シフト操作M6、M7に対し、回動抵抗R1、R2より強い回動抵抗R6、R7を発生させる。これにより、運転者に対して、自動車1を駆動する状態への操作であることを認識させることができ、運転者の意図に反して自動車1が駆動しないように、運転者に注意を促すことができる。
[7.他の実施形態]
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、シフト操作M1−M7に対して発生させる回動抵抗R1−R8の強さをそれぞれ異ならせる例を説明し、一例として3段階に設定する構成を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、回動抵抗R1−R8を2段階に分けてもよいし、回動抵抗R1−R8の一部を、抵抗ゼロとしてもよい。すなわち、電磁ブレーキ機構50により抵抗を発生させない状態を含んでもよい。
また、操作ユニット25は図4に示した構成に限定されない。例えば、シフト操作部材14に回動抵抗を与える構成は、電磁ブレーキ機構50に限定されず、例えば、増速機構46や軸54に制動部材を当接させるブレーキであってもよいし、流体を用いるブレーキであってもよい。或いは、シフト操作部材14に、操作された方向とは逆方向の回転力を与えるモータであってもよい。また、角度検出器31の構成は、シフト操作部材14のギヤ43や軸14aの回転量を検出するロータリーエンコーダや光センサであってもよいし、ギヤ43に噛み合うギヤを有する検出器であってもよい。或いは、シフト操作部材14に磁性体を装着し、この磁性体の位置を磁気的に検出する検出器であってもよい。
また、上記実施形態では、ダイヤル形状のシフト操作部材14を例示したが、本発明はこれに限定されない。操作部材は、自動車1に対して回動可能に設置され、運転者が操作部材を回動させることでシフト操作を行うものであればよく、星形や幾何学形状等であってもよい。また、上記実施形態では、制御ユニット11がECU101とともにシフト操作判定部110を備える構成としたが、シフト操作判定部110が、ECU101とは別体として構成されてもよい。
本発明は、図1に示した自動車1に限らず、貨物車両、大型自動車、三輪自動車など、オートマティックトランスミッションにより駆動される全ての車両に適用可能である。
本発明を適用する装置のハードウェア構成は、図5の例に限定されない。また、図7は、処理手順を便宜的にフローチャートの各ステップに分割した操作例であり、本発明を適用した装置の動作は、図7に示す順序に限定されない。
1 自動車(車両)
2 エンジン
3 モータ・ジェネレータ
4 トランスミッション(シフト機構)
5 ドライブシャフト
6 車輪
10 シフト装置
11 制御ユニット
12 メーターパネル
13 ステアリングホイール
14 シフト操作部材(操作部材)
17 アクセルペダル
18 ブレーキペダル
19 インストルメントパネル
22 レンジ表示部
23 インジケータ
25 操作ユニット
31 角度検出器(位置検出部)
32 車速センサ
33 アクセルペダルセンサ
34 ブレーキペダルセンサ
36 障害物センサ
41 ケース
44 操作荷重生成器
46 増速機構
50 電磁ブレーキ機構(抵抗機構)
101 ECU
103 シフト制御部
105 インターフェイス
110 シフト操作判定部
111 アクセル操作検出部
112 ブレーキ操作検出部
113 シフト判定部
117 電磁ブレーキ制御部(制御部)

Claims (5)

  1. 駐車レンジ、後退レンジ、ニュートラルレンジ、及び、走行レンジを含む複数のシフトレンジを有する車両のシフト装置であって、
    前記車両に対して回動可能に取り付けられた操作部材と、
    前記操作部材の位置を検出する位置検出部と、
    前記操作部材の位置に基づき、前記操作部材により選択されたシフトレンジを判定するシフト判定部と、
    前記操作部材の回動に抵抗を付与する抵抗機構と、
    前記操作部材によって前記後退レンジから前記ニュートラルレンジへ切り替える第1の操作に対し、前記抵抗機構により第1の回動抵抗を付与し、前記走行レンジから前記ニュートラルレンジへ切り替える第2の操作に対して第2の回動抵抗を付与し、前記駐車レンジから前記駐車レンジとは異なる前記シフトレンジへ切り替える第3の操作に対し、前記抵抗機構によって、前記第1の回動抵抗及び前記第2の回動抵抗よりも強い第3の回動抵抗を付与する制御部と、を備える、シフト装置。
  2. 前記制御部は、前記後退レンジから前記駐車レンジへ切り替える第4の操作に対し、前記抵抗機構により、前記第1の回動抵抗及び前記第2の回動抵抗よりも強く、前記第3の回動抵抗より弱い第4の回動抵抗を付与する、請求項1に記載のシフト装置。
  3. 前記シフトレンジに、前記車両の前進方向の駆動力を出力するシフトレンジであって前記走行レンジよりも減速比が高い減速レンジを含み、
    前記制御部は、前記走行レンジから前記減速レンジへ切り替える第5の操作に対し、前記第1の回動抵抗及び前記第2の回動抵抗よりも強い第5の回動抵抗を付与する、請求項1または2記載のシフト装置。
  4. 前記操作部材の操作範囲において、前記後退レンジが選択される第1位置、前記ニュートラルレンジが選択される第2位置、及び、前記走行レンジが選択される第3位置が並べて配置され、
    前記制御部は、前記ニュートラルレンジから前記後退レンジへ切り替える第6の操作に対し、前記第1の回動抵抗及び前記第2の回動抵抗よりも強い第6の回動抵抗を付与し、前記ニュートラルレンジから前記走行レンジへ切り替える第7の操作に対し、前記第1の回動抵抗及び前記第2の回動抵抗よりも強い第7の回動抵抗を付与する、請求項1から3のいずれか1項に記載のシフト装置。
  5. 駐車レンジ、後退レンジ、ニュートラルレンジ、及び、走行レンジを含む複数のシフトレンジを有する車両のシフト装置の制御方法であって、
    前記車両に対して回動可能に取り付けられた操作部材の位置を検出し、
    前記操作部材の位置に基づき、前記操作部材により選択されたシフトレンジを判定し、
    前記操作部材によって前記後退レンジから前記ニュートラルレンジへ切り替える第1の操作に対し、抵抗機構により第1の回動抵抗を付与し、前記走行レンジから前記ニュートラルレンジへ切り替える第2の操作に対して第2の回動抵抗を付与し、前記駐車レンジから前記駐車レンジとは異なる前記シフトレンジへ切り替える第3の操作に対し、前記抵抗機構によって、前記第1の回動抵抗及び前記第2の回動抵抗よりも強い第3の回動抵抗を付与する、シフト装置の制御方法。
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