以下、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の一実施形態について説明する。
本明細書において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、枠体Wを備える。枠体Wは、機体を島設備に固定するための外枠WSと、各種の遊技部品を搭載するための中枠WN、及び前枠WMと、を備える。中枠WNは、外枠WSの開口前面側に開閉、及び着脱自在に支持されている。前枠WMは、中枠WNの前面側に開閉、及び着脱自在に支持されている。本実施形態において、中枠WN、及び前枠WMは、扉部材の一例である。中枠WNには、後述する遊技盤YBが組み付けられる。前枠WMには、遊技盤YBを視認可能とする窓口WMaが形成されている。詳しくは後述するが、遊技盤YBには、遊技領域YBaが形成されている。前枠WMは、保護ガラスGを備える。図1において保護ガラスGは、一部を残して図示が省略されているが、実際には前枠WMの窓口WMaの全体を覆っている。
パチンコ遊技機10は、施錠装置SSを備える。パチンコ遊技機10では、施錠装置SSによって中枠WN、及び前枠WMの開放が規制されており、遊技場の管理者(以下、単に管理者という)が所有する枠キー(鍵)を用いて施錠装置SSを解錠しなければ、中枠WN、及び前枠WMを開放できない。本実施形態において、中枠WNが開放されている状態は、枠体が開放されている状態の一例となる。パチンコ遊技機10は、外枠WSに対する中枠WNの開放を検知する開放検知センサSE7を備える(図4参照)。
前枠WMは、前面側にスピーカSPを備える。スピーカSPは、所定の音声(楽曲、及び効果音など)を出力する演出(以下、音声演出という)を実行可能であるとともに、所定の音声を出力する報知(以下、音声報知という)を実行可能である。また、前枠WMは、前面側に装飾ランプLA1,LA2を備える。装飾ランプLA1,LA2は、内蔵された発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出という)を実行可能であるとともに、点灯、点滅、及び消灯による報知(以下、発光報知という)を実行可能である。
前枠WMは、前面下部に発射ハンドルHDを備える。前枠WMは、前面下部に遊技球の貯留部を有する球皿としての上皿Sa、及び下皿Sbを備える。前枠WMは、演出の一例である操作演出に用いる演出ボタンBT、及び貸し球を貸し受ける際に用いる球貸操作部TSなどを備える。
図2に示すように、遊技盤YBの前面には、正面視で略円形状の遊技領域YBaが画成されている。遊技領域YBaの左方には、発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球を遊技領域YBaへ案内する発射通路20が形成されている。遊技領域YBaの略中央には、表示窓口YBbが形成されているとともに、この表示窓口YBbから視認可能となるように、画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。例えば、演出表示装置11は、液晶ディスプレイである。演出表示装置11では、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出という)を実行可能である。演出表示装置11が実行する表示演出には、複数列の演出図柄(飾り図柄)を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームという)、及び大当りの予告演出などがある。演出ゲームは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に停止表示された演出図柄の組み合わせ(以下、図柄組み合わせという)によって、大当り、又ははずれを認識可能である。演出ゲームは、リーチを形成して行うリーチ演出を含む場合がある。また、演出表示装置11は、所定の画像を表示する報知(以下、表示報知という)を実行可能である。
遊技領域YBaには、遊技球が入球可能な複数の入賞口(入球口)が形成されている。入賞口には、第1始動口12と、第2始動口13と、大入賞口14と、第1普通入賞口15と、第2普通入賞口16と、がある。第1始動口12は、後述する特別図柄変動ゲーム(以下、特別ゲームという)の始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第1始動口12は、演出表示装置11の下方にあり、常時、遊技球を入球させることができるように開口している。遊技盤YBは、第1始動口12へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞センサSE1を備える(図4参照)。第2始動口13は、特別ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第2始動口13は、第1始動口12の右方にある。第2始動口13は、扉状であることを一例とする開閉片を備えており、後述する普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖されている。そして、第2始動口13は、普通当り抽選に当選して普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。第2始動口13の開閉片は、アクチュエータから動力を受けて開放する。遊技盤YBは、第2始動口13を開放させるアクチュエータとして、普通ソレノイドSL1を備える(図4参照)。また、遊技盤YBは、第2始動口13へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞センサSE2を備える(図4参照)。第2始動口13は、所謂「普通電動役物」である。
大入賞口14は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。大入賞口14は、演出表示装置11の右下方にある。大入賞口14は、扉状であることを一例とする開閉片を備えており、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができないように閉鎖されている。大入賞口14は、当り抽選の一例である特別当り抽選にて大当りに当選して大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。本明細書において、単に「大当り確率」と示す場合、特別当り抽選において大当りに当選する確率(大当り判定において大当りと判定される確率)を意味する。大入賞口14の開閉片は、アクチュエータから動力を受けて開放する。遊技盤YBは、大入賞口14を開放させるアクチュエータとして、特別ソレノイドSL2を備える(図4参照)。また、遊技盤YBは、大入賞口14へ入球した遊技球を検知する特別入賞センサSE3を備える(図4参照)。
第1普通入賞口15、及び第2普通入賞口16は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。第1普通入賞口15は、遊技領域YBaの左方領域にあり、第2普通入賞口16は、遊技領域YBaの右方領域にある。普通入賞口15,16は、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。遊技盤YBは、第1普通入賞口15へ入球した遊技球を検知する第1普通入賞センサSE5を備える(図4参照)。遊技盤YBは、第2普通入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2普通入賞センサSE6を備える(図4参照)。
遊技領域YBaには、ゲート17が配設されている。ゲート17は、遊技領域YBaの右方領域であって、第2始動口13、及び大入賞口14の上方にある。ゲート17には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口17aを有する。ゲート口17aには、入球し、通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4が配設されている(図4参照)。ゲート17は、普通図柄を用いた普通図柄変動ゲーム(以下、普通ゲームという)の始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入球口である。ゲート17は、遊技球が入球しても賞球の払出条件が成立しない。遊技領域YBaの最下方には、第1始動口12、第2始動口13、大入賞口14、第1普通入賞口15、及び第2普通入賞口16の何れにも入賞しなかった遊技球を機外に排出するためのアウト口18が形成されている。
遊技盤YBは、所定の情報を表示可能な情報表示装置19を備える。例えば、情報表示装置19は、遊技盤YBにおいて、遊技者が視認可能な位置に設けられている。情報表示装置19は、第1特別図柄表示部19aを備える。第1特別図柄表示部19aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームという)を実行可能である。情報表示装置19は、第2特別図柄表示部19bを備える。第2特別図柄表示部19bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームという)を実行可能である。
特別図柄は、特別当り抽選の結果を報知するための識別情報である。以下、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームを総称して「特別ゲーム」という。また、特別ゲーム、及び演出ゲームを総称して「変動ゲーム」という。特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄と、が少なくともある。パチンコ遊技機10では、始動条件の成立を契機とした当り抽選にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が停止表示され、当該特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。
情報表示装置19は、第1特別保留表示部19cを備える。第1特別保留表示部19cは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置19は、第2特別保留表示部19dを備える。第2特別保留表示部19dは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。
情報表示装置19は、普通図柄表示部19eを備える。普通図柄表示部19eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通ゲームを実行可能である。普通図柄は、普通当り抽選の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、が少なくともある。本実施形態では、普通当り抽選に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。情報表示装置19は、普通保留表示部19fを備える。普通保留表示部19fは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。なお、表示部19a〜19fは、1つの表示装置に設けられていることに限らず、異なる部分に設けられていてもよい。また、情報表示装置19は、所謂「右打ち」を指示する情報を表示する右打ち表示部や、後述するラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部を備えていてもよい。
遊技盤YBは、所定の動作を行う演出用の可動体としての第1可動体EK1、及び第2可動体EK2を備える。第1可動体EK1は、原位置P0aと、演出位置P1aと、の間で変位可能に支持されている。原位置P0aは、第1可動体EK1が表示窓口YBbの下縁部よりも下方であって、遊技盤YBの裏側に配置される位置である。演出位置P1aは、第1可動体EK1が原位置P0aから上方へ変位し、正面視における表示窓口YBbの中央寄りに配置される位置である。
遊技盤YBは、第1可動体EK1を動作させるアクチュエータとして、演出ソレノイドESを備える。演出ソレノイドESは、フレームと、固定鉄芯と、固定鉄芯を囲うように配置されたコイルと、プランジャー(可動鉄芯)と、を備える。第1可動体EK1は、演出ソレノイドESのプランジャー(可動鉄芯)と固定されている。演出ソレノイドESでは、コイルが通電状態になると、固定鉄芯に磁界が発生し、プランジャーがフレーム内に向けて引き込まれる。これにより、第1可動体EK1は、原位置P0aに配置される。一方、コイルが非通電状態になると、固定鉄芯の磁界が消失し、バネなどの付勢力によってプランジャーが突出する。これにより、第1可動体EK1は、演出位置P1aに配置される。
第1可動体EK1は、演出としての動作である演出動作と、電源投入時の確認のための動作である初期動作と、を実行可能である。第1可動体EK1の第1初期動作は、演出位置P1a→原位置P0aのように変位する動作である。第1可動体EK1の第2初期動作は、原位置P0a→演出位置P1a→原位置P0a→演出位置P1bのように変位する動作である。第2初期動作では、第1初期動作に比して、動作時間が長く、変位距離が長く、変位回数が多い。第1可動体EK1の演出動作は、演出位置P1a→原位置P0a→演出位置P1bのように変位する動作である。以下の説明では、第1可動体EK1の演出動作による演出を「第1可動演出」と示す。本実施形態において、第1可動体EK1は、第1特定装置の一例となる。遊技盤YBは、第1可動体EK1が原位置P0aに位置しているときに、第1可動体EK1を検知する第1原位置センサSEaを備える(図4参照)。一例として、第1原位置センサSEaは、第1可動体EK1と演出ソレノイドESとを接続する接続部に設けられた検知片を検知することにより、第1可動体EK1が原位置P0aに位置していることを検知可能である。
第2可動体EK2は、原位置P0bと、演出位置P1bと、の間で変位可能に支持されている。原位置P0bは、第2可動体EK2が表示窓口YBbの上縁部に沿って配置される位置である。演出位置P1bは、第2可動体EK2が原位置P0bから下方へ変位し、正面視における表示窓口YBbの中央寄りに配置される位置である。遊技盤YBは、第2可動体EK2を動作させるアクチュエータとして、演出ステッピングモータSMを備える(図4参照)。第2可動体EK2は、演出としての動作である演出動作と、電源投入時の確認のための動作である初期動作と、を実行可能である。本実施形態では、第2可動体EK2の演出動作及び初期動作は、原位置P0b→演出位置P1b→原位置P0bのように変位する動作である。以下の説明では、第2可動体EK2の演出動作による演出を「第2可動演出」と示す。本実施形態において、第2可動体EK2は、第2特定装置の一例となる。遊技盤YBは、第2可動体EK2が原位置P0aに位置しているときに、第2可動体EK2を検知する第2原位置センサSEbを備える(図4参照)。
パチンコ遊技機10において、遊技者は、発射ハンドルHDの操作により、遊技球の発射強度を調整し、表示窓口YBbより左方にある左方領域、及び表示窓口YBbより右方にある右方領域に遊技球を打ち分ける。遊技者は、第1始動口12、第2始動口13、大入賞口14、普通入賞口15,16、又はゲート17へ遊技球を入球させることが可能となる。例えば、発射強度を強めに調整して遊技球を発射した場合(以下、右打ちという)、遊技球は、右方領域に流下案内され易く、第2始動口13、大入賞口14、第2普通入賞口16、又はゲート17へ入球する可能性がある。右打ちは、遊技球を右方領域へ到達させるために勢いよく発射させる必要があることから、発射強度を最大強度又は最大強度よりも若干弱い強度に調整して行う。一方、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(以下、左打ちという)、遊技球は、左方領域に流下案内され易く、第1始動口12、又は第1普通入賞口15へ入球する可能性がある。左打ちは、右打ちのときほど遊技球を勢いよく発射させる必要がないため、発射させた遊技球が右方領域へ到達しない程度の強度に調整して行う。本実施形態では、右打ちした場合、第1始動口12や第1普通入賞口15に遊技球が入球し得ないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。遊技部品は、右打ちしたときに第1始動口12、及び第1普通入賞口15への入球を規制するように配置されていてもよいし、左打ちしたときに比して、第1始動口12、及び第1普通入賞口15へ入球し難いように配置されていてもよい。
本実施形態における「左方領域」は、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線Cよりも左側に位置する領域である。本実施形態における「右方領域」は、遊技盤YBを正面視したときに前記中心線Cよりも右側に位置する領域である。発射ハンドルHDの操作によって発射された遊技球は、遊技領域YBaの左側にある発射通路20に案内され、遊技領域YBaに到達する。このため、左方領域は、発射通路20寄りの領域でもあり、右方領域は、発射通路20から離れた領域でもある。左方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域YBaの中央に位置する演出表示装置11の左側を通り、遊技領域YBaの最下方に位置するアウト口18へ向かう。一方、右方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域YBaの中央に位置する演出表示装置11の右側を通り、アウト口18へ向かう。
次に、大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口14を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口14は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
次に、パチンコ遊技機10に搭載された各種の機能について説明する。
パチンコ遊技機10は、確率変動機能(以下、確変機能という)を搭載している。
確率変動機能は、大当り確率を変動させるための機能である。即ち、パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なり得る状態として、確変機能が作動しない低確率状態と、確変機能が作動する高確率状態と、を備える。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって極めて有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
パチンコ遊技機10は、入球補助機能を搭載している。
入球補助機能は、普通電動役物である第2始動口13への入賞を補助することにより、ベース(遊技球の発射個数に対する賞球個数の割合)を変動させるための機能である。即ち、パチンコ遊技機10は、ベースが異なり得る状態として、入球補助機能が作動しない低ベース状態と、入球補助機能が作動する高ベース状態と、を備える。本実施形態における高ベース状態は、低ベース状態に比して、遊技球が第2始動口13へ入球する確率が高い。高ベース状態では、遊技球が第2始動口13へ入球する確率が高まり、第2始動口13への遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)となる。高ベース状態は、所謂「電サポ状態」であり、低ベース状態は、所謂「非電サポ状態」である。
例えば、高ベース状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことによって実現できる。第1の制御は、普通ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口13の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口13の開放回数を低ベース状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口13の1回の開放時間を低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高ベース状態は、次に説明する第4の制御を組み合わせて実現してもよい。第4の制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低ベース状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高ベース状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低ベース状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって遊技状態が規定される。以下の説明では、低確率状態、且つ低ベース状態である遊技状態を「低確低ベース状態」と示し、高確率状態、且つ低ベース状態である遊技状態を「高確低ベース状態」と示す。また、低確率状態、且つ高ベース状態である遊技状態を「低確高ベース状態」と示し、高確率状態、且つ高ベース状態である遊技状態を「高確高ベース状態」と示す。
パチンコ遊技機10は、設定機能を搭載している。
図3に示すように、設定機能は、大当り確率の設定を変更可能な機能である。パチンコ遊技機10において、大当り確率は、内部的に記憶されている設定値によって規定される。本実施形態において、設定値には、第1設定値、第2設定値、及び第3設定値の全3段階がある。以下の説明では、「第n設定値が設定されている」ことを、単に「設定n」と示す場合がある(但し、n=1〜3)。設定1の大当り確率はK1であり、設定2の大当り確率はK2であり、設定3の大当り確率はK3である。大当り確率K1〜K3は、大当り確率K1<K2<K3の順に高確率であり、大当りに当選し易い。大当り確率K1〜K3は、低確率状態であるときの大当り確率と、高確率状態であるときの大当り確率と、をセットにしたものである。このように、パチンコ遊技機10では、設定値に応じて大当り確率が変化する。なお、設定値は、3段階である必要はなく、2段階でもよく、4段階以上であってもよい。本実施形態における設定値は、大当り確率を定めた情報(大当り確率を定めた特定情報)の一例である。詳しくは後述するが、本実施形態のパチンコ遊技機10には、設定値に関する制御モード(制御状態)として、設定値を変更可能な設定モードと、設定値を確認可能な確認モードと、が用意されている。
パチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。
バックアップ機能は、外部電源からの電力供給が停止した場合でも遊技制御に関する情報(以下、遊技情報という)を含む各種情報を記憶し、電力供給が開始されたときには前記各種の情報に基づいて復帰可能とする機能である。詳しくは後述するが、バックアップの対象となる遊技情報には、大当り確率を定めた情報(つまり設定値)が含まれる。
パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図4に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主基板40と、副基板50と、電源ユニット60と、を備える。主基板40、副基板50、及び電源ユニット60は、中枠WNに搭載された遊技盤YBの裏側にあるため、施錠装置SSを解錠し、前枠WMとともに中枠WNを開放させることで視認可能となる。主基板40と、副基板50とは、主基板40から副基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。主基板40は、所定の処理を実行し、副基板50へ制御信号を出力する。副基板50は、主基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
最初に、主基板40について詳しく説明する。
主基板40は、マイクロプロセッサ41、クリアスイッチ42、設定器43、エラー表示器44、及び設定表示器45を備える。即ち、マイクロプロセッサ41、クリアスイッチ42、設定器43、エラー表示器44、及び設定表示器45は、同一基板に実装されている。以下、詳細に説明する。
マイクロプロセッサ41は、処理部としてCPU41aを備える。本実施形態における41aは、制御部の一例を構成する。CPU41aは、主制御プログラムを実行することにより、所定の処理として、遊技の進行に関する処理などを実行する。マイクロプロセッサ41は、記憶部(メモリ)として、情報の読み出しが可能であって情報の書き込みが不能なROM領域(以下、ROM41bという)と、情報の読み出し及び書き込みが可能なRWM領域(以下、RWM41cという)と、を備える。ROM41bは、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。ROM41bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームなどの変動内容(演出内容)を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組み合わせが停止表示される変動内容となる。はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組み合わせが停止表示される変動内容となる。RWM41cは、CPU41aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RWM41cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路41dを備える。マイクロプロセッサ41は、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。
クリアスイッチ42は、押込み操作によってオン(ON)になり、押込み操作をしないとオフ(OFF)になる。設定器43は、鍵穴に設定キーを挿し込んだ状態にて所定方向へ回動させるとオンになり、反対方向へ回動させるとオフになる。設定器43は、切替え後の操作状態を人的操作なしに戻ることなく維持可能である。設定器43は、オフに操作されていなければ、鍵穴から設定キーを引き抜くことができない。
エラー表示器44は、発生中であるエラーを特定可能な情報の表示(以下、エラー表示という)を行う。例えば、エラー表示器44は、7セグメント型の表示器であり、1桁の情報(数値、記号、又は文字)を表示可能である。エラー表示は、エラー報知ともいえることから、エラー表示器44は、所定の報知を可能に構成された手段の一例である。
設定表示器45は、後述する設定モード、及び確認モードであるときに、内部的に設定されている設定値を特定可能な情報の表示(以下、設定値表示と示す)を行う。例えば、設定表示器45は、ドットつきの7セグメント型の表示器であり、1桁の情報(数値、記号、又は文字)を表示可能である。設定値表示は、設定値報知ともいえることから、設定表示器45は、所定の報知を可能に構成された手段の一例である。
主基板40は、第1始動入賞センサSE1、第2始動入賞センサSE2、特別入賞センサSE3、ゲートセンサSE4、第1普通入賞センサSE5、及び第2普通入賞センサSE6と接続されている。CPU41aは、各センサSE1〜SE6が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。主基板40は、開放検知センサSE7と接続されている。CPU41aは、開放検知センサSE7が中枠WNの開放を検知して出力する開放信号を入力可能である。本実施形態において、開放検知センサSE7は、枠体の開放を検知可能に構成された手段の一例となる。以下の説明において、所定のセンサについてオン(ON)と示す場合、当該所定のセンサの検知対象が検知されていることを意味する。
主基板40は、情報表示装置19(各表示部19a〜19f)と接続されている。CPU41aは、情報表示装置19(各表示部19a〜19f)の表示内容を制御可能である。主基板40は、ソレノイドSL1,SL2と接続されている。CPU41aは、第2始動口13、及び大入賞口14の開放態様を制御可能である。主基板40は、クリアスイッチ42と接続されている。CPU41aは、クリアスイッチ42がオンに操作されたときに出力する操作信号を入力可能である。CPU41aは、設定器43と接続されている。CPU41aは、設定器43がオンに操作されたときに出力する操作信号を入力可能である。CPU41aは、エラー表示器44と接続されている。CPU41aは、エラー表示器44の表示内容を制御可能である。CPU41aは、設定表示器45と接続されている。CPU41aは、設定表示器45の表示内容を制御可能である。
次に、副基板50について説明する。
副基板50は、CPU50aと、ROM50bと、RWM50cと、を備える。CPU50aは、副制御プログラムを実行することにより、所定の処理として、演出に関する処理などを行う。ROM50bは、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。ROM50bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び可動演出に用いる可動演出データなどを記憶している。RWM50cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RWM50cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。副基板50は、CPU50aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。副基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
副基板50は、演出表示装置11と接続されている。CPU50aは、演出表示装置11の表示内容を制御可能である。副基板50は、装飾ランプLA1,LA2と接続されている。CPU50aは、装飾ランプLA1,LA2の発光態様を制御可能である。副基板50は、スピーカSPと接続されている。CPU50aは、スピーカSPの出力態様を制御可能である。副基板50は、第1原位置センサSEaと接続されている。CPU50aは、第1原位置センサSEaが第1可動体EK1の検知片を検知したときに出力する原位置信号を入力可能である。副基板50は、第2原位置センサSEbと接続されている。CPU50aは、第2原位置センサSEbが第2可動体EK2を検知したときに出力する原位置信号を入力可能である。このように、CPU50aは、可動体EK1,EK2がそれぞれ原位置にあるか否かを特定可能である。
副基板50は、演出ソレノイドESと接続されている。CPU50aは、演出ソレノイドESの動作を制御することにより、第1可動体EK1を変位させることができる。ここで、演出ソレノイドESは、常には接点を閉じているリレー(所謂ブレイク接点)と接続されている。演出ソレノイドESは、電源投入がされると、コイルが通電状態となってプランジャーが引き込まれ、第1可動体EK1が原位置P0aへ変位する。一方、演出ソレノイドESは、リレーの動作によって接点が開かれると、コイルが非通電状態となってプランジャーが突出し、第1可動体EK1が演出位置P1aへ変位する。副基板50は、上記リレー(不図示)と接続されている。CPU50aは、リレーの動作を制御することにより、演出ソレノイドESの通電状態を制御し、演出ソレノイドESの動作を制御する。つまり、CPU50aは、第1可動体EK1の動作を制御可能である。副基板50は、演出ステッピングモータSMと接続されている。CPU50aは、演出ステッピングモータSMの動作を制御することにより、第2可動体EK2を変位させることができる。つまり、CPU50aは、第2可動体EK2の動作を制御可能である。本実施形態において、CPU50aは、第1特定装置の動作を制御する手段、及び第2特定装置の動作を制御する手段を構成する。副基板50は、演出ボタンBTと接続されている。CPU50aは、演出ボタンBTがオンに操作されたときに出力する操作信号を入力可能である。
次に、電源ユニット60について説明する。
電源ユニット60は、遊技場などの外部電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧V1に変換するとともに、その変換後の電源電圧V1を各基板40,50へ供給すべき電源電圧V2に変換する。電源ユニット60は、電源スイッチ60aを備える。電源スイッチ60aは、オン及びオフの何れかに切り替える操作を可能であって、切替え後の操作状態を維持する。本実施形態において、パチンコ遊技機10を起動するためには、電源スイッチ60aをオンに操作したまま、外部電源からの電力供給を開始するか、外部電源からの電力供給をしている状態のまま、電源スイッチ60aをオフからオンに操作する。電源ユニット60は、演出ソレノイドES、及び演出ステッピングモータSMにも接続されており、これらのアクチュエータに対しても電力供給を行う。
電源ユニット60は、バックアップ電源(不図示)を備える。バックアップ電源は、電源断がされた後にも、主基板40のRWM41cに対して電力を供給する。主基板40のRWM41cは、バックアップ電源から電力の供給を受けることにより、電源断時におけるRWM41cの記憶内容を電源断の後にも保持可能である。本実施形態におけるRWM41cは、各種の情報を記憶することが可能であって、記憶している情報のうち大当り確率を定めた情報(つまり設定値)を含む少なくとも一部の情報を電源断がされた後にも保持可能に構成された手段の一例となる。例えば、RWM41cは、電力の供給を受けない状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断がされた後にも記憶している情報を保持可能であってもよい。
ここで、バックアップの対象となる遊技情報は、第1種と、第2種と、に少なくとも分類される。第1種の遊技情報には、大当り確率を定めた情報(つまり設定値)を含み、第2種の遊技情報には、特別ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、遊技状態に関する情報、賞球の払出しに関する情報、及び後述するCPU41aの制御モードに関する情報を含む。例えば、特別ゲームに関する情報は、特別当り抽選の抽選結果を特定可能な情報、特別ゲームの変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで停止表示される特別図柄を特定可能な情報などである。大当り遊技に関する情報は、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。遊技状態に関する情報は、高確率状態や高ベース状態(入球率向上状態)であるか否かを特定可能な情報などである。賞球の払出しに関する情報は、未出力の賞球信号を特定可能な情報などである。制御モードに関する情報は、何れの制御モードであるか否かを特定可能な情報などである。
パチンコ遊技機10は、外部端子板70を備える。主基板40は、外部端子板70と接続されている。外部端子板70は、外部装置(不図示)とパチンコ遊技機10とを接続する基板である。例えば、外部装置は、遊技店に設置されたパチンコ遊技機の稼働状況を管理するためのホールコンピュータ、及び遊技島に設置されたデータ表示器などである。外部端子板70は、外部装置と接続可能な1又は複数の接続端子を備える。CPU41aは、接続端子と接続された外部装置に対する外部信号の出力を制御可能である。外部信号には、特定の接続端子から出力可能なセキュリティ信号がある。本実施形態において、外部端子板70は、外部信号を出力可能に構成された手段の一例となり、セキュリティ信号は、特定の外部信号の一例である。
次に、CPU41aの制御モード(制御状態)について説明する。
図5に示すように、CPU41aの制御モードには、遊技の進行に関する通常遊技処理を実行可能とする通常モードと、設定スイッチの操作によって設定値を変更可能とする設定モードと、設定値を表示して確認可能とする確認モードと、予め定めたエラーの発生により通常遊技処理の実行を制限する制限モードと、がある。以下、各制御モードの概要について説明し、その具体的な制御内容については後述する。
図6に示すように、設定モードでは、設定スイッチを操作する毎に、設定1→設定2→設定3→設定1→…というように、設定値がループするように変更できる。設定モードであるとき、設定表示器45では、設定値を特定可能な情報の一例としてドット付きの数値が表示され、設定値表示が行われる。例えば、設定1を特定可能な情報は「1.」であり、設定2を特定可能な情報は「2.」であり、設定3を特定可能な情報は「3.」である(図3参照)。
設定モードであるとき、演出表示装置11では、設定モードであることを特定可能な情報としての画像(一例として、「設定モード中」の文字列)を表示する表示報知が行われる。スピーカSPでは、設定モードであることを特定可能な情報としての音声(一例として、「設定モード中です」のセリフ)を出力する音声報知が行われる。装飾ランプLA1,LA2では、設定モードであることを特定可能な情報としての発光パターン(一例として、緑点滅)にて発光する発光報知が行われる。設定モードであることを特定可能な情報の報知は、設定モードへの移行とともに開始され、設定モードの終了とともに終了する。なお、エラー表示器44では、設定モード、又は確認モードであることを特定可能な情報の一例として「−」が表示され、エラー表示が行われない。
確認モードでは、設定スイッチを操作しても設定値を変更できない。確認モードであるとき、設定表示器45では、設定値を特定可能な情報の一例としてドット無しの数値が表示され、設定値表示が行われる。例えば、設定1を特定可能な情報は「1」であり、設定2を特定可能な情報は「2」であり、設定3を特定可能な情報は「3」である(図3参照)。確認モードであるとき、演出表示装置11では、確認モードであることを特定可能な情報としての画像(一例として、「確認モード中」の文字列)を表示する表示報知が行われる。スピーカSPでは、確認モードであることを特定可能な情報としての音声(一例として、「確認モード中です」のセリフ)を出力する音声報知が行われる。装飾ランプLA1,LA2では、確認モードであることを特定可能な情報としての発光パターン(一例として、青点滅)にて発光する発光報知が行われる。確認モードであることを特定可能な情報の報知は、確認モードへの移行とともに開始され、確認モードの終了とともに終了する。なお、エラー表示器44では、設定モード、又は確認モードであることを特定可能な情報の一例として「−」が表示され、エラー表示が行われない。
制限モードでは、通常遊技処理が実行されず、遊技の進行が制限される。制限モードであるとき、エラー表示器44では、発生しているエラーを報知するエラー表示が行われる。ここで、制限モードへの移行を伴うエラーには、設定値に関わるエラー(以下、設定エラーという)の一例として、設定エラー1及び設定エラー2がある。本実施形態において、RWM41cにおいて設定値を示す情報として記憶されている数値に異常がある状況は、設定エラー1として定められている。本実施形態において、上述した設定モードにおいて電源断がされた場合であって、次回以降の電源投入時に設定モードへ移行されていない状況は、設定エラー2として定められている。以下の説明では、設定エラー1に起因した制限モードを「制限モード1」と示し、設定エラー2に起因した制限モードを「制限モード2」と示す。その他、本実施形態では、各種の状況がそれぞれエラーとして定められている。例えば、中枠WNが外枠WSに対して開放されている状況は、扉開放エラーとして定められている。例えば、RWM41cの記憶内容の少なくとも一部が初期化(以下、RWMクリアという)がされた状況は、厳密にいえばエラーではないが、エラーに類する報知の一対象として取り扱われている。ここで、本実施形態のRWMクリアには、第1RWMクリアと、第2RWMクリアと、がある。第1RWMクリアでは、第1種の遊技情報が初期化されず、第2種の遊技情報が初期化される。第2RWMクリアでは、第1種の遊技情報、及び第2種の遊技情報の何れも初期化される。RWMクリアの詳細については後述する。例えば、RWMクリアがされないで通常モードへ移行された状況は、通常復帰(所謂、復電)であり、厳密にいえばエラーではないが、エラーに類する報知の一対象として取り扱われている。
パチンコ遊技機10では、制限モード1、又は制限モード2であるとき、原因となった設定エラーの種類に応じて各種の報知が行われる。
演出表示装置11では、制限モード1,2の何れであっても、設定値に関する情報としての画像を表示する表示報知が行われる。ここで、本実施形態において、演出表示装置11にて報知する「設定値に関する情報」は、設定値の再設定(大当り確率の再設定)を促す情報であるが、設定値に関するエラーを報知する情報であってもよい。例えば、設定値の再設定を促す情報としての画像は、「設定を行ってください」の文字列である。例えば、設定値に関するエラーを報知する情報としての画像は、「設定エラー」の文字列である。
スピーカSPでは、制限モード1,2の何れであっても、設定値に関する情報としての音声を出力する音声報知が行われる。ここで、本実施形態において、スピーカSPにて報知する「設定値に関する情報」は、設定値の再設定を促す情報であるが、設定値に関するエラーを報知する情報であってもよい。例えば、設定値の再設定を促す情報としての音声は、「設定を行ってください」の文字列(セリフ)を読み上げた音声である。例えば、設定値に関するエラーを報知する情報としての音声は、「設定エラー」の文字列(セリフ)を読み上げた音声である。
装飾ランプLA1,LA2では、制限モード1,2の何れであっても、設定値に関する情報としての発光パターンにて発光する発光報知が行われる。ここで、本実施形態において、装飾ランプLA1,LA2にて報知する「設定値に関する情報」は、設定値の再設定を促す情報であるが、設定値に関するエラーを報知する情報であってもよい。例えば、設定値の再設定を促す情報としての発光パターン、及び設定値に関するエラーを報知する情報としての発光パターンは、赤点滅である。
エラー表示器44では、発生しているエラーを特定可能な情報としての数値が表示される。例えば、エラー表示器44では、設定エラー1が発生中である制限モード1の場合に「1」が表示され、設定エラー2が発生中である制限モード2の場合に「2」が表示される。以上のように、本実施形態では、特定エラー状態の一例である設定エラー1,2の発生に基づいて、特定エラー状態の報知が行われる。一方、設定表示器45では、全ての発光部が消灯とされるなど、設定値を特定可能な情報が表示されない。
通常モードでは、詳しくは後述するが、通常遊技処理の実行によって、変動ゲームを実行したり、大当り遊技を付与したりできる。上述のように、演出表示装置11、スピーカSP、及び装飾ランプLA1,LA2は、各種の報知を実行可能であるほか、それぞれ演出を実行するための装置としても兼用されている。通常モードであるとき、エラーが発生していない場合には、演出表示装置11にて表示演出が行われ、スピーカSPにて音声演出が行われ、装飾ランプLA1,LA2にて発光演出が行われる。通常モードであるとき、エラーが発生している場合には、発生中であるエラーの報知が行われる。なお、本実施形態における第1可動体EK1、及び第2可動体EK2は、演出を実行するための装置であって、各種の報知を実行しないようになっている。
具体的に、パチンコ遊技機10では、電源投入に伴ってRWMクリアが行われている場合、通常モードへ移行すると、RWMクリアがされたことを特定可能な情報の報知(以下、RWMクリア報知という)が行われる。例えば、スピーカSPでは、RWMクリアがされたことを特定可能な情報としての音声(RWMクリア報知音声)を出力する音声報知が行われる。装飾ランプLA1,LA2では、RWMクリアがされたことを特定可能な情報としての発光パターン(RWMクリア報知パターン、一例として全点灯)にて発光する発光報知が行われる。なお、演出表示装置11では、初期図柄の一例として初期図柄組み合わせが表示され、エラーの表示報知は行われない。エラー表示器44、及び設定表示器45では、全ての発光部が消灯とされるなどして所定の情報が表示されない。
パチンコ遊技機10では、電源投入に伴ってRWMクリアが行われていない場合、通常モードに移行すると、復電(いわゆる通常復帰)がされたことを特定可能な情報の報知(以下、復電報知という)が行われる。例えば、スピーカSPでは、復電がされたことを特定可能な情報としての音声(復電報知音声)を出力する音声報知が行われる。装飾ランプLA1,LA2では、復電がされたことを特定可能な情報としての発光パターン(復電報知パターン、一例として全点灯)にて発光する発光報知が行われる。なお、演出表示装置11では、復電図柄の一例として復電図柄組み合わせが表示され、エラーの表示報知は行われない。本実施形態において、復電図柄組み合わせは、初期図柄組み合わせとは異なる図柄組み合わせであるが、一部又は全部が同一の図柄組み合わせであってもよい。エラー表示器44、及び設定表示器45では、全ての発光部が消灯とされるなどして所定の情報が表示されない。
パチンコ遊技機10では、通常モードであるとき、中枠WN(扉部材)が開放されると、中枠WNの開放を特定可能な情報の報知が行われる。例えば、スピーカSPでは、中枠WNの開放を特定可能な情報としての音声(一例として、「扉が開いています」のセリフ)を出力する音声報知が行われる。装飾ランプLA1,LA2では、中枠WNの開放を特定可能な情報としての発光パターン(一例として、白点滅)にて発光する発光報知が行われる。なお、演出表示装置11では、中枠WNの開放を特定可能な情報としての画像は表示されず、エラーの表示報知は行われない。エラー表示器44、及び設定表示器45では、全ての発光部が消灯とされるなどして所定の情報が表示されない。また、通常モードであるとき、演出表示装置11、スピーカSP、及び装飾ランプLA1,LA2では、発生中であるエラーの報知が行われ得る。
次に、電源投入に伴う制御モードの移行態様について説明する。
図5に示すように、CPU41aは、電源投入に伴って起動すると、電断時の制御モードと、開放検知センサSE7による検知結果と、クリアスイッチ42の操作状態と、設定器43の操作状態と、の組み合わせに応じた制御モードへ移行する。以下、電源投入に伴う制御モードの移行態様について説明する。以下、開放検知センサSE7によって中枠WNの開放が検知されていることを「扉開放」といい、開放検知センサSE7によって中枠WNの開放が検知されていないことを「扉閉鎖」という。また、RWM41cに記憶されている設定値を特定可能な数値が正常値であること(又は正常値である可能性が高いこと)を「設定値が正常」といい、異常値であること(又は異常値である可能性が高いこと)を「設定値が異常」という。なお、詳しくは後述するが、本実施形態において設定値が正常であるか否かは、バックアップ機能によりバックアップされた遊技情報の全体として判定される。
また、クリアスイッチ42がオフであり、且つ設定器43がオフである操作状態を「指示なし」といい、クリアスイッチ42がオンであり、且つ設定器43がオフである操作状態を「クリア指示」という。また、クリアスイッチ42がオフであり、且つ設定器43がオンである操作状態を「確認指示」といい、クリアスイッチ42がオンであり、且つ設定器43がオンである操作状態を「変更指示」という。本実施形態において、クリア指示は特別指示の一例となり、確認指示は特殊指示の一例となり、変更指示は特定指示の一例となる。そして、クリアスイッチ42は第2操作部の一例となり、及び設定器43は第1操作部の一例となるとともに、クリアスイッチ42、及び設定器43は、所定の指示操作を可能に構成された手段の一例を構成する。
通常モードであるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉開放がされており、且つ設定値が正常であるときには、CPU41aは、指示なしであれば通常モードへ移行し、クリア指示がされておれば第1RWMクリアを行ってから通常モードへ移行する。同様の場合において、CPU41aは、確認指示がされておれば確認モードへ移行し、変更指示がされておれば設定モード(第1RWMクリアを伴う)へ移行する。本実施形態において、確認モード、及び設定モードは、設定器43がオフに操作されると終了する。確認モードの終了後、及び設定モードの終了後、CPU41aは、通常モードへ移行する。
確認モードであるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉開放がされており、且つ設定値が正常であるときには、CPU41aは、指示なしであれば通常モードへ移行し、クリア指示がされておれば第1RWMクリアを行ってから通常モードへ移行する。同様の場合において、CPU41aは、確認指示がされておれば確認モードへ移行し、変更指示がされておれば設定モード(第1RWMクリアを伴う)へ移行する。
このように、本実施形態では、クリアスイッチ42がオフであり、且つ設定器43がオンであることによって、第1特定条件が満たされることとなる。そして、CPU41aは、第1特定条件が満たされた状態にて電源投入がされると、設定値を確認するための確認モードへ移行し、設定器43がオフになることによって、所定の解除条件が成立すると確認モードを終了し、遊技に関する制御を行いうる通常モードへ移行する。また、本実施形態では、クリアスイッチ42がオンであり、且つ設定器43がオンであることによって、第2特定条件が満たされることとなる。そして、CPU41aは、第2特定条件が満たされた状態にて電源投入がされると、設定値を設定するための設定モードへ移行し、設定器43がオフになることによって、所定の解除条件が成立すると設定モードを終了し、遊技に関する制御を行いうる通常モードへ移行する。
設定モードであるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉開放がされており、且つ設定値が正常であるときには、CPU41aは、指示なしであれば制限モード2へ移行し、クリア指示がされておれば制限モード2へ移行する。同様の場合において、CPU41aは、確認指示がされておれば制限モード2へ移行し、変更指示がされておれば設定モード(第1RWMクリアを伴う)へ移行する。このように、本実施形態において、CPU41aは、設定モードであるときに電源断が発生した後、前記第2特定条件が満たされていない状態にて最初の電源投入がされると、特定エラー状態の一例として設定エラー2の発生を特定することとなる。
制限モード1であるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉開放がされており、且つ設定値が正常であるときには、CPU41aは、指示なしであれば制限モード1へ再移行し、クリア指示がされておれば制限モード1へ再移行する。同様の場合において、CPU41aは、確認指示がされておれば制限モード1へ再移行し、変更指示がされておれば設定モード(第2RWMクリアを伴う)へ移行する。本実施形態において、制限モード1、及び制限モード2は、電源断をしなければ終了(解除)されない。
制限モード2であるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉開放がされており、且つ設定値が正常であるときには、CPU41aは、指示なしであれば制限モード2へ再移行し、クリア指示がされておれば制限モード2へ再移行する。同様の場合に、CPU41aは、確認指示がされておれば制限モード2へ再移行し、変更指示がされておれば設定モード(第2RWMクリアを伴う)へ移行する。本実施形態において、制限モード2では、他の制御モードへ移行することが制限されている。
電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉開放がされており、且つ設定値が異常であるときには、電源断がされたときの制御モードが何れの制御モードであっても(つまり制御モードに関係なく)、CPU41aは、指示なしであれば制限モード1へ移行し、クリア指示がされておれば制限モード1へ移行する。同様の場合において、CPU41aは、確認指示がされておれば制限モード1へ移行し、変更指示がされておれば設定モード(第2RWMクリアを伴う)へ移行する。
通常モードであるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉閉鎖がされており、且つ設定値が正常であるときには、CPU41aは、指示なしであれば通常モードへ移行し、クリア指示がされておれば第1RWMクリアを行ってから通常モードへ移行する。同様の場合に、CPU41aは、確認指示がされておれば通常モードへ移行し、変更指示がされておれば第1RWMクリアを行ってから通常モードへ移行する。
確認モードであるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉閉鎖がされており、且つ設定値が正常であるときには、CPU41aは、指示なしであれば通常モードへ移行し、クリア指示がされておれば第1RWMクリアを行ってから通常モードへ移行する。同様の場合において、CPU41aは、確認指示がされておれば通常モードへ移行し、変更指示がされておれば第1RWMクリアを行ってから通常モードへ移行する。
設定モードであるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉閉鎖がされており、且つ設定値が正常であるときには、CPU41aは、指示なしであれば制限モード2へ移行し、クリア指示がされておれば制限モード2へ移行する。同様の場合において、CPU41aは、確認指示がされておれば制限モード2へ移行し、変更指示がされておれば制限モード2へ移行する。
制限モード1であるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉閉鎖がされており、且つ設定値が正常であるとき、CPU41aは、指示なしであれば制限モード1へ再移行し、クリア指示がされておれば制限モード1へ再移行する。同様の場合に、CPU41aは、確認指示がされておれば制限モード1へ再移行し、変更指示がされておれば制限モード1へ再移行する。
制限モード2であるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉閉鎖がされており、且つ設定値が正常であるとき、CPU41aは、指示なしであれば制限モード2へ再移行し、クリア指示がされておれば制限モード2へ再移行する。同様の場合に、CPU41aは、確認指示がされておれば制限モード2へ再移行し、変更指示がされておれば制限モード2へ再移行する。
電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉閉鎖がされており、且つ設定値が異常であるときには、電源断がされたときの制御モードが何れの制御モードであっても(つまり制御モードに関係なく)、CPU41aは、指示なしであれば制限モード1へ移行し、クリア指示がされておれば制限モード1へ移行する。同様の場合において、CPU41aは、確認指示がされておれば制限モード1へ移行し、変更指示がされておれば制限モード1へ移行する。
以上のように、電源投入に際してクリアスイッチ42、及び設定器43を用いた変更指示がされているときには、設定モードへ移行させる制御が行われる。つまり、設定モードは、特定制御状態の一例となる。そして、設定モード中に設定器43がオフに操作されて解除条件(終了条件)が成立すると設定モードを終了し、遊技が可能になる通常モードへ移行させる制御が行われる。つまり、通常モードは、通常制御状態の一例である。本実施形態では、電源投入に際してクリアスイッチ42がオンであるが、設定器43がオフ状態であるときには、設定モードへ移行させる制御が行われない。
電源投入に際してクリアスイッチ42、及び設定器43を用いた確認指示がされているときであって、制限モード1,2へ移行させる制御が行われないときには、確認モードへ移行させる制御が行われる。つまり、確認モードは、特殊制御状態の一例となる。そして、確認モード中に設定器43がオフに操作されて解除条件(終了条件)が成立すると確認モードを終了し、通常モードへ移行させる制御が行われる。
そして、設定モード中に電源断がされたときであって、且つ、電源投入に際してクリアスイッチ42、及び設定器43を用いた変更指示がされていないときには、設定モードへ移行させる制御、及び通常モードへ移行させる制御が行われないとともに、制限モード2へ移行させる制御が行われる。上述のように、制限モード1では、特定エラー報知の一例として設定エラー報知が行われる。つまり、制限モード1は、特定エラー報知状態の一例である。また、制限モード2では、特殊エラー報知の一例として設定エラー報知が行われる。つまり、制限モード2は、特殊エラー報知状態の一例である。
本実施形態において、制限モード1、及び制限モード2では、他の制御モードへ移行することが制限されている。つまり、CPU41aは、電源断及び電源投入を介さずに、制限モード1、及び制限モード2から、通常モード、確認モード、及び設定モードの何れへも移行することがない。このように、本実施形態において、制限モード1、又は制限モード2へ移行させる制御が行われたときには、通常モードへ移行させる制御が行われず、遊技の進行が規制されることとなる。制限モード1又は制限モード2であるときに電源断がされ、次回の電源投入に伴って移行した設定モードからは、通常モードへ移行することが可能である。換言すれば、制限モード1、又は制限モード2に移行した場合には、電源断してから電源投入し、設定モードへ移行させなければ、通常モードへ移行させることができない。つまり、一旦、制限モード1、又は制限モード2に移行した場合には、電源断してから電源投入し、設定モードへ移行させなければ、同じ制限モードへ移行され続けることとなる。このように、制限モードへ移行させる制御は、予め定めた解除条件が成立するまで、電源投入がされる毎に行われることとなる。そして、制限モード1、及び制限モード2の各解除条件は、設定モードへの移行により成立する。このため、制限モードへ移行させる制御が行われた後には、設定モードへ移行するまでは、電源投入に際して確認指示がされていても、電源投入がされる毎に制限モードへ移行させる制御が行われる。なお、本実施形態において、CPU41aは、通常モードから、確認モード、及び設定モードへ移行せず、確認モードから設定モードへ移行せず、且つ設定モードから確認モードへ移行することもない。
また、電源投入に際してクリアスイッチ42、及び設定器43を用いたクリア指示がされているときであって、制限モード1,2の何れかへ移行させる制御が行われないときには、設定モードへ移行させる制御が行われずにRWMクリアを行う初期化制御(後述のRWMクリア処理)が行われる。一方、制限モード1,2の何れかへ移行させる制御が行われた後には、設定モードへ移行するまでは、電源投入に際してクリア指示がされていても、電源投入がされる毎に制限モードへ移行させる制御が行われることとなる。
CPU41aによる電源断処理について説明する。
CPU41aは、電源電圧が規定電圧よりも低下したときに電源ユニット60が出力する電断信号を入力すると、電源断処理を実行する。電源断処理において、CPU41aは、RWM41cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値をRWM41cに記憶させる。また、CPU41aは、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)をRWM41cに記憶させる。その後、CPU41aは、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときにRWM41cに記憶されている各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
次に、CPU41aによる電源投入処理について説明する。
CPU41aは、電源投入に伴って、主基板40への供給電圧がCPU41aの動作に必要な電圧に達すると起動処理(ブート処理)を行って起動する。以下に説明する電源投入処理は、起動処理によって起動した後に実行される。なお、CPU41aは、開放検知センサSE7から開放信号を入力しているか否かに基づいて、扉部材(一例として中枠WN)が開放されているか否かを特定する。CPU41aは、クリアスイッチ42から操作信号を入力しているか否かに基づいて、クリアスイッチ42がオンに操作されているか否かを特定する。CPU41aは、設定器43から操作信号を入力しているか否かに基づいて、設定器43がオンに操作されているか否かを特定する。
図7に示すように、CPU41aは、バックアップされた遊技情報が正常かを判定するバックアップ正常判定を行う(ステップS101)。ステップS101において、CPU41aは、バックアップされている遊技情報が正常であるか否かを判定する。ステップS101の処理を行うCPU41aは、電源投入がされたときに、RWM41cに記憶されている情報が正常であるか否かを判定する手段の一例を構成する。ステップS101の処理において、CPU41aは、バックアップフラグがRWM41cに記憶されているか否かを判定する。CPU41aは、RWM41cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。CPU41aは、バックアップフラグが記憶されており、且つチェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に否定と判定する。ここで、バックアップフラグが記憶されていない状況、及びチェックサム値が一致しない状況は、バックアップされている遊技情報の一部、又は全部に異常が発生している可能性が高い。つまり、これらの状況は、大当り確率を定めた情報(つまり設定値)に異常が発生している可能性が高い。
バックアップされた遊技情報が正常ではない場合(S101:NO)、CPU41aは、中枠WNが開放されているか否かを判定する(ステップS102)。中枠WNが開放されている場合(ステップS102:YES)、CPU41aは、設定器43がオンであるか否かを判定する(ステップS103)。設定器43がオンである場合(ステップS103:YES)、CPU41aは、クリアスイッチ42がオンであるか否かを判定する(ステップS104)。クリアスイッチ42がオンである場合(ステップS104:YES)、CPU41aは、第2初期化処理を行う(ステップS105)。
第2初期化処理においてCPU41aは、第1種の遊技情報、及び第2種の遊技情報を初期化する。第1種の遊技情報には、大当り確率を定めた情報(つまり設定値)を含む。設定値を初期化する場合、CPU41aは、RWM41cの記憶領域のうち、設定値を特定可能な数値を格納する領域に初期値を格納する。第2種の遊技情報を初期化する場合、各遊技情報を格納する領域にそれぞれ初期値を格納する。また、ステップS105の処理において、CPU41aは、外部端子板70からセキュリティ信号の出力を開始させる。
次に、CPU41aは、設定処理を行う(ステップS106)。CPU41aは、設定処理を行うことによって、設定値を変更可能な設定モードへ移行する。設定処理の詳細については後述する。CPU41aは、設定モードが解除されて設定処理を終えると、所定の制御コマンド(以下、初期指定コマンドという)を副基板50へ出力する(ステップS107)。この場合、セキュリティ信号は、設定処理において出力が停止されるまで継続して出力される。その後、CPU41aは、初期化された遊技情報に基づいて復帰し、通常モードへ移行する。一方、CPU41aは、中枠WNが開放されていない場合(ステップS102:NO)、設定器43がオフである場合(ステップS103:NO)、又はクリアスイッチ42がオフである場合(ステップS104:NO)、CPU41aは、第1エラー処理を行う(ステップS108)。CPU41aは、第1エラー処理を行うことによって、制限モード1(設定エラー1)へ移行する。第1エラー処理の詳細については後述する。
バックアップされた遊技情報が正常である場合(ステップS101:YES)、CPU41aは、中枠WNが開放されているか否かを判定する(ステップS109)。中枠WNが開放されていない場合(ステップS109:NO)、CPU41aは、バックアップされた遊技情報のうち制御モードを特定可能な情報を読み出し、電源断がされたときの制御モードが設定モードであったか否かを判定する(ステップS110)。電源断がされたときに設定モードであった場合(ステップS110:YES)、CPU41aは、第2エラー処理を行う(ステップS111)。CPU41aは、第2エラー処理を行うことによって、制限モード2(設定エラー2)へ移行する。第2エラー処理の詳細については後述する。
電源断がされたときに設定モードではなかった場合(ステップS110:NO)、CPU41aは、クリアスイッチ42がオンであるか否かを判定する(ステップS112)。クリアスイッチ42がオンである場合(ステップS112:YES)、CPU41aは、第1初期化処理を行う(ステップS113)。第1初期化処理においてCPU41aは、バックアップされた遊技情報のうち、第1種の遊技情報を初期化せず、第2種の遊技情報を初期化する。つまり、大当り確率を定めた情報(設定値)は、初期化されない。また、ステップS113の処理において、CPU41aは、外部端子板70からセキュリティ信号の出力を開始させる。さらに、CPU41aは、デバイス設定を行う。デバイス設定において、CPU41aは、各センサSE1〜SE6による検知結果の読み込みを開始する。つまり、電源投入から無効であった各センサSE1〜SE6が何れも有効となる。また、CPU41aは、外部端子板70からのセキュリティ信号の出力を停止させる。ここで、CPU41aは、セキュリティ信号の出力を開始してから、セキュリティ信号の出力を停止するまでの出力期間が最低出力時間(例えば50ms)に満たない場合、セキュリティ信号の出力を最低出力時間が経過するまで延長する。その後、CPU41aは、初期指定コマンドを副基板50へ出力する(ステップS114)。その後、CPU41aは、初期化された遊技情報に基づいて復帰し、通常モードへ移行する。
クリアスイッチ42がオフである場合(ステップS112:NO)、CPU41aは、第1初期化処理を行わず、復電指定コマンドを副基板50へ出力する(ステップS115)。その後、CPU41aは、バックアップされた遊技情報に基づいて復帰し、通常モードへ移行する。なお、ステップS110にて否定判定される場合は、ステップS101にてバックアップされた遊技情報が正常と判定されていることから、電源断時がされたときに制限モードであったことはなく、実質的に通常モード、又は確認モードであったといえる。
図8に示すように、中枠WNが開放されている場合(ステップS109:YES)、CPU41aは、設定器43がオンであるか否かを判定する(ステップS116)。設定器43がオンである場合(ステップS116:YES)、CPU41aは、クリアスイッチ42がオンであるか否かを判定する(ステップS117)。クリアスイッチ42がオンである場合(ステップS117:YES)、CPU41aは、第1初期化処理を行う(ステップS118)。ステップS118の処理において、CPU41aは、外部端子板70からセキュリティ信号の出力を開始させる。次に、CPU41aは、設定処理を行い、設定モードへ移行する(ステップS119)。CPU41aは、設定モードが解除されて設定処理を終えると、初期指定コマンドを副基板50へ出力する(ステップS120)。この場合、セキュリティ信号は、設定処理において出力が停止されるまで継続して出力される。その後、CPU41aは、初期化された遊技情報に基づいて復帰し、通常モードへ移行する。
クリアスイッチ42がオフである場合(ステップS117:NO)、CPU41aは、電源断がされたときに設定モードであったか否かを判定する(ステップS121)。電源断時がされたときに設定モードであった場合(ステップS121:YES)、CPU41aは、第2エラー処理を行い、制限モード2(設定エラー2)へ移行する(ステップS122)。一方、電源断がされたときに設定モードではなかった場合(ステップS121:NO)、CPU41aは、確認処理を行う(ステップS123)。CPU41aは、確認処理を行うことによって、確認モードへ移行する。CPU41aは、確認モードが解除されて確認処理を終えると、復電指定コマンドを副基板50へ出力する(ステップS124)。その後、CPU41aは、バックアップされた遊技情報に基づいて復帰し、通常モードへ移行する。なお、ステップS121にて否定判定される場合は、ステップS101にてバックアップされた遊技情報が正常と判定されていることから、電源断時がされたときに制限モードであったことはなく、実質的に通常モード、又は確認モードであったといえる。
設定器43がオフである場合(ステップS116:NO)、CPU41aは、クリアスイッチ42がオンであるか否かを判定する(ステップS125)。クリアスイッチ42がオンである場合(ステップS125:YES)、CPU41aは、電源断がされたときに設定モードであったか否かを判定する(ステップS126)。電源断がされたときに設定モードであった場合(ステップS126:YES)、CPU41aは、第2エラー処理を行い、制限モード2(設定エラー2)へ移行する(ステップS127)。
一方、電源断がされたときに設定モードではなかった場合(ステップS126:NO)、CPU41aは、第1初期化処理を行う(ステップS128)。ステップS128の処理において、CPU41aは、外部端子板70からセキュリティ信号の出力を開始させる。さらに、CPU41aは、デバイス設定を行う。また、CPU41aは、外部端子板70からのセキュリティ信号の出力を停止させる。CPU41aは、セキュリティ信号の出力を開始してから、セキュリティ信号の出力を停止するまでの出力期間が最低出力時間(例えば50ms)に満たない場合、セキュリティ信号の出力を最低出力時間が経過するまで延長する。その後、CPU41aは、初期指定コマンドを副基板50へ出力する(ステップS129)。その後、CPU41aは、初期化された遊技情報に基づいて復帰し、通常モードへ移行する。なお、ステップS126にて否定判定される場合は、ステップS101にてバックアップされた遊技情報が正常と判定されていることから、電源断時がされたときに制限モードであったことはなく、実質的に通常モード、又は確認モードであったといえる。
クリアスイッチ42がオフである場合(ステップS125:NO)、CPU41aは、電源断がされたときに設定モードであったか否かを判定する(ステップS130)。電源断がされたときに設定モードであった場合(ステップS130:YES)、CPU41aは、第2エラー処理を行い、制限モード2(設定エラー2)へ移行する(ステップS131)。電源断がされたときに設定モードではなかった場合(ステップS130:NO)、CPU41aは、復電指定コマンドを副基板50へ出力する(ステップS132)。その後、CPU41aは、バックアップされた遊技情報に基づいて復帰し、通常モードへ移行する。なお、ステップS130にて否定判定される場合は、ステップS101にてバックアップされた遊技情報が正常と判定されていることから、電源断時がされたときに制限モードであったことはなく、実質的に通常モード、又は確認モードであったといえる。
以上のように、CPU41aは、通常モードへ移行する場合、そのタイミングにおいて、初期指定コマンド、又は復電指定コマンドを副基板50へ出力することとなる。具体的に、電源投入処理において第1初期化処理及び第2初期化処理のうち少なくとも一方を行ってから通常モードへ移行する場合、CPU41aは、初期指定コマンドを副基板50へ出力する。一方、電源投入処理において第1初期化処理及び第2初期化処理の何れも行わずに通常モードへ移行する場合、CPU41aは、復電指定コマンドを副基板50へ出力する。なお、ここでいう「電源投入処理を行って通常モードへ移行する場合」とは、設定モード、及び確認モードの何れも介することなく通常モードへ移行する場合の他、設定モードを経由して通常モードへ移行する場合、及び確認モードを経由して通常モードへ移行する場合を含む。
次に、設定処理について説明する。本実施形態において、CPU41aは、設定処理を実行することによって、大当り確率を定めた情報としての設定値を設定する制御を行う手段の一例を構成する。
図9に示すように、CPU41aは、設定モードへ移行したことを特定可能なコマンド(以下、設定モード報知コマンドという)を副基板50へ出力する(ステップS201)。ステップS201の処理において、CPU41aは、設定モードであることを特定可能な情報を報知する表示を行うようにエラー表示器44を制御する。一例として、CPU41aは、「−」の記号が表示されるようにエラー表示器44を制御する。また、CPU41aは、専用の設定報知パターンによる表示を行うように、特別図柄表示部19a,19bを制御する。
次に、CPU41aは、設定値を表示させる(ステップS202)。ステップS202の処理において、CPU41aは、その時点においてRWM41cに記憶されている設定値を読み出すとともに、読み出した設定値を報知する表示を行うように設定表示器45を制御する。つまり、設定モードへ移行して最初に表示される設定値は、直近の電源断がされたときに設定されていた設定値であって、且つ、バックアップ機能によって記憶保持されている設定値、又は第2初期化処理によって初期化された設定値となる。なお、設定値の表示は、設定モードへの移行を契機とし、所定の操作部の操作を必要としない。
次に、CPU41aは、設定スイッチとして兼用されるクリアスイッチ42が操作されたか否かを判定する(ステップS203)。設定スイッチが操作された場合(ステップS203:YES)、CPU41aは、仮選択中である設定値を次の設定値に変更する(ステップS204)。ここで、CPU41aは、設定スイッチが操作される毎に、…→第1設定値→第2設定値→第3設定値→第1設定値→…というように、仮選択中である設定値をループするように切り替える。ステップS204の処理において、CPU41aは、仮選択中である変更後の設定値を報知する表示を行うように設定表示器45を制御する。
ステップS204の処理を終えた場合、又は設定スイッチが操作されていない場合(ステップS203:NO)、CPU41aは、設定器43がオフであるか否かを判定する(ステップS205)。設定器43がオフでない場合(ステップS205:NO)、CPU41aは、ステップS203の処理へ戻る。一方、設定器43がオフである場合(ステップS205:YES)、CPU41aは、仮選択中である設定値を確定し、新たな設定値としてRWM41cに記憶させるとともに、第1初期化処理を行う(ステップS206)。次に、CPU41aは、デバイス設定を行う(ステップS207)。ステップS207の処理において、CPU41aは、各センサSE1〜SE6による検知結果の読み込みを開始する。つまり、電源投入から無効であった各センサSE1〜SE6は、何れも有効になる。ステップS207の処理において、CPU41aは、設定報知パターンによる表示を終了するように、特別図柄表示部19a,19bを制御する。このとき、CPU41aは、初期特別図柄(例えばはずれ図柄)の表示を行うように、特別図柄表示部19a,19bを制御する。
次に、CPU41aは、外部端子板70からのセキュリティ信号の出力を停止させる(ステップS208)。CPU41aは、ステップS106における設定処理であれば、ステップS105においてセキュリティ信号の出力を開始してから、セキュリティ信号の出力を停止するまでの出力期間が最低出力時間(例えば50ms)に満たない場合、セキュリティ信号の出力を最低出力時間が経過するまで延長する。同様に、CPU41aは、ステップS119における設定処理であれば、ステップS118においてセキュリティ信号の出力を開始してから、セキュリティ信号の出力を停止するまでの出力期間が最低出力時間(例えば50ms)に満たない場合、セキュリティ信号の出力を最低出力時間が経過するまで延長する。その後、CPU41aは、設定処理を終了し、電源投入処理へと戻り、初期化された遊技情報に基づいて復帰して、通常モードへ移行する。つまり、CPU41aは、設定処理を開始することにより設定モードへ移行し、設定処理を終了することにより設定モードを終了(解除)する。
次に、確認処理について説明する。
図10に示すように、CPU41aは、外部端子板70からセキュリティ信号の出力を開始させる(ステップS301)。次に、CPU41aは、確認モードへ移行したことを特定可能なコマンド(以下、確認モード報知コマンドという)を副基板50へ出力する(ステップS302)。ステップS302の処理において、CPU41aは、確認モードであることを特定可能な情報を報知する表示を行うようにエラー表示器44を制御する。一例として、CPU41aは、「−」の記号が表示されるようにエラー表示器44を制御する。ステップS302の処理において、CPU41aは、上述した設定報知パターンによる表示を行うように、特別図柄表示部19a,19bを制御する。
次に、CPU41aは、設定値を表示させる(ステップS303)。ステップS303の処理において、CPU41aは、その時点においてRWM41cに記憶されている設定値を読み出し、読み出した設定値を報知する表示を行うように設定表示器45を制御する。つまり、確認モードへ移行して表示される設定値は、直近の電源断がされたときに設定されていた設定値であって、且つ、バックアップ機能によって記憶保持されている設定値である。
次に、CPU41aは、設定器43がオフであるか否かを判定する(ステップS304)。設定器43がオフでない場合(ステップS304:NO)、CPU41aは、ステップS303の処理へ戻る。つまり、CPU41aは、設定器43がオフに操作されるまで、現在の設定値を報知する表示を継続するように設定表示器45を制御する。なお、ここで設定スイッチ(クリアスイッチ42)が操作されても、CPU41aは、設定値を書き換えない。つまり、確認モードにおいて、CPU41aは、設定値を変更しない。
設定器43がオフである場合(ステップS304:YES)、CPU41aは、デバイス設定を行う(ステップS305)。ステップS305の処理において、CPU41aは、各センサSE1〜SE6による検知結果の読み込みを開始する。つまり、電源投入から無効であった各センサSE1〜SE6が何れも有効になる。ステップS305の処理において、CPU41aは、設定報知パターンによる表示を終了するように、特別図柄表示部19a,19bを制御する。このとき、CPU41aは、初期特別図柄の表示を行うように、特別図柄表示部19a,19bを制御する。
次に、CPU41aは、外部端子板70からのセキュリティ信号の出力を停止させる(ステップS306)。CPU41aは、ステップS301の処理にてセキュリティ信号の出力を開始してから、セキュリティ信号の出力を停止するまでの出力期間が最低出力時間(例えば50ms)に満たない場合、セキュリティ信号の出力を最低出力時間が経過するまで延長する。本実施形態において、設定モードと確認モードとでは、セキュリティ信号の最小出力時間が同じである。その後、CPU41aは、確認処理を終了し、電源投入処理へと戻り、遊技情報に基づいて復帰して、通常モードへ移行する。つまり、CPU41aは、確認処理を開始することにより確認モードへ移行し、確認処理を終了することにより確認モードを終了する。
次に、第1エラー処理について説明する。
第1エラー処理において、CPU41aは、設定エラー1が発生していることを特定可能な情報として「1」の数字を表示するように、エラー表示器44を制御する。CPU41aは、制限モードへ移行したこと(設定エラーが発生したこと)を特定可能な制御コマンド(以下、設定エラーコマンドという)を副基板50へ出力する。そして、CPU41aは、電源断がされるまで待機する。つまり、CPU41aは、通常モード、確認モード、及び設定モードへ移行することがない。これにより、パチンコ遊技機10では、通常遊技処理が実行されることがなく、遊技の進行が規制されることとなる。また、CPU41aは、デバイス設定をすることもないから、各センサSE1〜SE6を無効のままとする。そして、制限モード1における各種の報知は、電源断をしなければ解除できない。
次に、第2エラー処理について説明する。
第2エラー処理において、CPU41aは、設定エラー2が発生していることを特定可能な情報として「2」の数字を表示するように、エラー表示器44を制御する。CPU41aは、設定エラーコマンドを副基板50へ出力する。そして、CPU41aは、電源断がされるまで待機する。つまり、CPU41aは、通常モード、確認モード、及び設定モードへ移行することがない。これにより、パチンコ遊技機10では、通常遊技処理が実行されることがなく、遊技の進行が規制されることとなる。また、CPU41aは、デバイス設定をすることもないから、各センサSE1〜SE6を無効のままとする。そして、制限モード2における各種の報知は、電源断をしなければ解除できない。
次に、遊技を進行させるための通常遊技処理について説明する。
通常遊技処理には、特別入力処理、特別開始処理、大当り処理、及び遊技状態処理がある。本実施形態では、通常モードへ移行することにより、これらの処理が通常遊技処理として実行され、遊技を進行させることが可能になる。
最初に、特別入力処理について説明する。
最初に、CPU41aは、第1始動入賞センサSE1から検知信号を入力すると、第1特別ゲームの保留上限数を超えていないことを上限として、第1特別ゲームの保留数に1加算する。CPU41aは、大当り乱数を含む各種乱数の値を取得するとともに、該取得した各種乱数の値を特定可能な乱数情報をRWM41cに記憶させる。CPU41aは、第2始動入賞センサSE2から検知信号を入力すると、第2特別ゲームの保留上限数を超えていないことを上限として、第2特別ゲームの保留数に1加算する。CPU41aは、乱数回路41dから、大当り乱数を含む各種乱数の値を取得するとともに、該取得した各種乱数の値を特定可能な乱数情報をRWM41cに記憶させる。つまり、本実施形態では、通常モードへ移行することにより、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの始動条件を成立させることが可能になる。そして、CPU41aは、第1特別ゲームの乱数情報、及び第2特別ゲームの乱数情報をRWM41cに記憶させることにより、各特別ゲームの実行を保留することができる。
次に、特別開始処理について説明する。
CPU41aは、特別ゲームを実行中ではなく、且つ大当り遊技中ではない場合であって、第1特別ゲームの保留数が1以上であるとき、RWM41cに記憶されている第1特別ゲーム用の大当り乱数の値を取得するとともに、当該大当り乱数の値をもとに大当り抽選(特別当り抽選)を行う。ここで、CPU41aは、RWM41cに記憶されている設定値に定められた当選確率であって、且つ確変機能の作動の有無に応じた当選確率となるように大当り抽選を行う。その結果、本実施形態では、設定1であるときに大当り確率K1となり、設定2であるときに大当り確率K2となり、設定3であるときに大当り確率K3となる。CPU41aは、大当り抽選の結果に基づいて、第1特別ゲーム用の変動パターンを決定する。CPU41aは、第1特別ゲームにて停止表示させる第1特別図柄を決定する。そして、CPU41aは、大当り抽選の結果、第1特別図柄、及び変動パターンを特定可能な1又は複数の制御コマンド(以下、変動ゲームコマンドという)を副基板50へ出力する。また、CPU41aは、第1特別図柄表示部19aを制御し、決定した変動パターンに定められた変動時間にわたって所定の図柄を変動表示させ、上述のように決定した第1特別図柄を最終的に停止表示させる。つまり、本実施形態では、通常モードへ移行することにより、第1特別ゲームを開始させることが可能になる。
同様に、CPU41aは、特別ゲームを実行中ではなく、且つ大当り遊技中ではない場合であって、第2特別ゲームの保留数が1以上であるとき、RWM41cに記憶されている第2特別ゲーム用の大当り乱数の値を取得するとともに、当該大当り乱数の値をもとに大当り抽選を行う。CPU41aは、大当り抽選の結果に基づいて、第2特別ゲーム用の変動パターンを決定する。CPU41aは、第2特別ゲームにて停止表示させる第2特別図柄を決定する。そして、CPU41aは、大当り抽選の結果、第2特別図柄、及び変動パターンを特定可能な1又は複数の変動ゲームコマンドを副基板50へ出力する。また、CPU41aは、第2特別図柄表示部19bを制御し、決定した変動パターンに定められた変動時間にわたって所定の図柄を変動表示させ、上述のように決定した第2特別図柄を最終的に停止表示させる。なお、CPU41aは、第2特別ゲームを第1特別ゲームに比して優先的に実行させるように構成されていてもよく、実行が保留された順序に従って実行させるように構成されていてもよく、2つの特別ゲームを並行して実行させるように構成されていてもよい。このように、本実施形態では、通常モードへ移行することにより、第2特別ゲームを開始させることが可能になる。
次に、大当り処理について説明する。
CPU41aは、何れかの特別ゲームにおいて大当り図柄を停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を行う。CPU41aは、特別開始処理にて決定した大当り図柄に基づいて、大当り遊技の種類を特定するとともに、当該特定した種類の大当り遊技を付与する。最初に、CPU41aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副基板50へ出力する。CPU41aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、CPU41aは、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口14を開状態とする。CPU41aは、ラウンド遊技の実行中に第1条件、又は第2条件が成立すると、大入賞口14を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を終了する。CPU41aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、CPU41aは、ラウンド遊技を開始するごとに、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副基板50へ出力する。CPU41aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を副基板50へ出力する。CPU41aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。つまり、本実施形態では、通常モードへ移行することにより、大当り遊技を付与することが可能になる。以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、設定値に応じた大当り確率にて大当り抽選を行い、大当り抽選に当選すると大当り遊技を付与するように構成されている。
次に、遊技状態処理について説明する。
CPU41aは、特定の特別図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RWM41cに記憶された情報であって、確変機能が作動中であるか否かを特定可能な情報(以下、確変フラグと示す)をオンに変更する。つまり、CPU41aは、確変機能を作動させ、高確率状態に制御する。一方、CPU41aは、非特定の特別図柄に基づく大当り遊技を終了すると、確変フラグをオンに変更しない。即ち、CPU41aは、確変機能を作動させず、低確率状態に制御する。また、CPU41aは、大当り遊技を終了すると、RWM41cに記憶された情報であって、入球補助機能が作動中であるか否かを特定可能な情報(以下、入球補助フラグと示す)をオンに変更する。つまり、CPU41aは、入球補助機能を作動させ、高ベース状態に制御する。CPU41aは、非特定の特別図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数の特別ゲームが終了すると、入球補助フラグをオフに変更する。つまり、CPU41aは、大当り遊技の終了後、作動回数の特別ゲームが終了すると、入球補助機能を非作動に切り替え、高ベース状態を終了する。CPU41aは、特定の特別図柄に基づく大当り遊技の終了後には、次回の大当り遊技が開始されるまで、入球補助フラグをオフに変更しない。つまり、本実施形態では、通常モードへ移行することにより、遊技状態を移行させることが可能になる。なお、CPU41aは、大当り遊技が付与されると確変フラグ及び、入球補助フラグを何れもオフにする。
この他にも、通常遊技処理には、デモンストレーション演出(以下、デモ演出という)を実行させるためのデモ演出処理がある。つまり、本実施形態では、通常モードへ移行することにより、デモ演出を実行させることが可能になる。一例として、デモ演出処理において、CPU41aは、何れの特別ゲームを実行させておらず、保留中である特別ゲームが存在せず、且つ大当り遊技中でもない状態となってから所定時間が経過すると、待機状態であることを特定可能な制御コマンド(以下、待機状態コマンドという)を副基板50へ出力する。通常遊技処理には、普通ゲームを実行させるための普通開始処理がある。つまり、本実施形態では、通常モードへ移行することにより、普通ゲームを開始させることが可能になる。通常遊技処理には、普通当り遊技を付与するための普通当り処理がある。つまり、本実施形態では、通常モードへ移行することにより、普通当り遊技を付与することが可能になる。
通常遊技処理には、各種のエラーを検知するためのエラー検知処理がある。CPU41aは、電源投入がされてから通常モードへ移行するまでの期間に第1RWMクリア、又は第2RWMクリアが行われた場合であって、通常モードへの移行後、開放検知センサSE7から開放信号を入力しなくなると、RWMクリアがされたことを特定可能な制御コマンド(以下、RWMクリアコマンドという)を副基板50へ出力する。つまり、本実施形態では、RWMクリアが行われたときではなく、中枠WNが閉鎖されたときにRWMクリアコマンドが出力されることとなる。例えば、エラー検知処理において、CPU41aは、開放検知センサSE7から開放信号を入力しているか否かに基づいて、扉開放エラーが発生しているか否かを特定する。CPU41aは、開放信号の入力が開始されたことにより、扉開放エラーが発生したことを特定すると、扉開放エラーの発生を特定可能な制御コマンド(以下、扉開放コマンドという)を副基板50へ出力する。CPU41aは、開放信号の入力が終了されたことにより、扉開放エラーが解除されたことを特定すると、扉開放エラーの解除を特定可能な制御コマンド(以下、扉閉鎖コマンドという)を副基板50へ出力する。なお、CPU41aは、通常モードへ移行したとき、開放検知センサSE7から開放信号を入力していない場合にも、扉閉鎖コマンドを副基板50へ出力する。エラー検知処理において、CPU41aは、扉開放エラーとは異なるエラーを検知可能であってもよい。例えば、CPU41aは、閾値を超える強度の磁気が検知される磁気エラー、閾値を超える強度の電波が検知される電波エラー、及び振動が検知される振動エラーなどを検知可能であるとよい。そして、CPU41aは、これら各種のエラーを検知すると、当該エラーの発生を特定可能な制御コマンド(以下、エラー発生コマンドという)を副基板50へ出力する。CPU41aは、発生中であるエラーを特定可能な情報を表示するように、エラー表示器44を制御する。また、CPU41aは、発生中であったエラーの解消を検知すると、当該エラーの解消を特定可能なエラー解消コマンドを副基板50へ出力する。
次に、副基板50のCPU50aが実行する各種の処理について説明する。
CPU50aは、電源投入に伴って起動すると、第1初期動作処理を実行する。ここで、本実施形態の演出ソレノイドESは、リレーにおける接点が常には閉じられていることから、電源投入がされると非通電状態から通電状態へと移行する。これにより、演出ソレノイドESのプランジャーは、フレームから突出した状態からフレーム内へ向かって引き込まれる。つまり、第1可動体EK1は、演出位置P1aから原位置P0aへ変位する。このように、第1可動体EK1の第1初期動作は、CPU50aの制御に依存せず、パチンコ遊技機10の電気的構成により行われる。なお、第1初期動作は、CPU50aが第1初期動作処理を開始するタイミング以前に実行される。第1初期化処理の説明に戻り、CPU50aは、第1原位置センサSEaからの検知信号を監視することで、第1可動体EK1及び演出ソレノイドESのうち少なくとも一方に異常が発生していないかを判定する。CPU50aは、第1可動体EK1及び演出ソレノイドESのうち少なくとも一方に異常が発生していると判定した場合、復電指定コマンド又は初期指定コマンドの入力後に所定の手段により所定の報知を行わせるとよい。
図6に示すように、CPU50aは、主基板40から入力する各種の制御コマンドに基づいて、各種の演出、及び報知を実行するように、演出表示装置11、スピーカSP、及び装飾ランプLA1,LA2を制御する。CPU50aは、設定モード報知コマンドを入力すると、設定モードであることを特定可能な情報の報知(以下、設定モード報知という)を行わせる。例えば、CPU50aは、演出表示装置11を制御し、設定モードであることを特定可能な情報として、「設定モード中」などの文字列を示す画像を表示させる。CPU50aは、スピーカSPを制御し、設定モードであることを特定可能な情報として、専用音声を出力させる。一例として、設定モード報知を構成する専用音声(設定モード音声)は、「設定モード中」の文字列を読み上げた音声を1の単位報知とし、当該単位報知を繰返す内容である。CPU50aは、装飾ランプLA1,LA2を制御し、設定モードであることを特定可能な情報として、専用発光を行わせる。一例として、設定モード報知を構成する専用発光は、専用の発光パターンによる発光を1の単位報知とし、当該単位報知を繰返す内容である。設定モード報知は、表示報知、発光報知、及び音声報知のうち1つ又は2つより構成してもよい。
CPU50aは、確認モード報知コマンドを入力すると、確認モードであることを特定可能な情報の報知(以下、確認モード報知という)を行う。例えば、CPU50aは、演出表示装置11を制御し、確認モードであることを特定可能な情報として、「確認モード中」などの文字列を示す専用画像を表示させる。CPU50aは、スピーカSPを制御し、確認モードであることを特定可能な情報として、専用音声を出力させる。一例として、確認モード報知を構成する専用音声は、「確認モード中」の文字列を読み上げた音声を1の単位報知とし、当該単位報知を繰返すことにより構成されている。CPU50aは、装飾ランプLA1,LA2を制御し、確認モードであることを特定可能な情報として、専用発光を行わせる。一例として、確認モード報知を構成する専用発光は、専用発光パターンによる発光を1の単位報知とし、当該単位報知を繰返す内容である。確認モード報知は、表示報知、発光報知、及び音声報知のうち1つ又は2つをより構成してもよい。
CPU50aは、設定エラーコマンドを入力すると、設定エラーであることを特定可能な情報の報知する設定エラー報知を行う。CPU50aは、演出表示装置11を制御し、設定エラーであることを特定可能な情報として、「設定を行ってください」などの文字列を示す画像を表示させる。スピーカSPでは、設定エラーであることを特定可能な情報として、専用音声が出力される。一例として、設定エラー報知を構成する専用音は、「設定を行ってください」の文字列を読み上げた音声を1の単位報知とし、当該単位報知を繰返す内容である。CPU50aは、装飾ランプLA1,LA2を制御し、設定エラーであることを特定可能な情報として、専用発光を行わせる。一例として、設定エラー報知を構成する専用発光は、専用の発光パターンによる発光を1の単位報知とし、当該単位報知を繰返す内容である。設定エラー報知は、画像表示演出、発光演出、及び音声演出のうち1つ又は2つより構成してもよい。
上述のように、設定エラーコマンドは、第1エラー処理、及び第2エラー処理において出力される。そして、CPU50aは、設定エラーコマンドを入力すると、設定エラー報知を行わせる。このため、第1エラー処理のときと、第2エラー処理のときとでは、設定エラー報知を構成する演出表示装置11の表示内容が同じである。つまり、演出表示装置11における制限モード1での報知と、制限モード2での報知とは、報知態様が同じである。一方、エラー表示器44における制限モード1での報知(「1」の表示)と、制限モード2での報知(「2」の表示)とは、報知態様が異なる。
CPU50aは、初期指定コマンドを入力すると、演出表示装置11を制御し、所定の背景画像、及び初期図柄組み合わせを含む初期画面を表示させる。そして、CPU50aは、初期指定コマンドに続けて、RWMクリアコマンドを入力すると、RWMクリア報知(初期化報知)を実行させる。CPU50aは、RWMクリア報知として、装飾ランプLA1,LA2を所定の発光パターンで発光させるとともに、スピーカSPからRWMクリア専用音声を出力させる。RWMクリア報知は、所定時間T1(例えば30秒)の間、実行され、当該所定時間T1の経過を契機に終了する。なお、CPU50aは、設定モード報知を実行させているときに、初期指定コマンドを入力した場合には、設定モード報知を終了させる。つまり、演出表示装置11、スピーカSP、及び装飾ランプLA1,LA2では、設定モード報知が終了する。
CPU50aは、復電指定コマンドを入力すると、演出表示装置11を制御し、所定の背景画像、及び復電図柄組み合わせを含む復電画面を表示させる。RWMクリアを経由して表示される初期画面と、RWMクリアを経由しないで表示される復電画面とは、演出図柄及び背景画像が表示される点で共通する一方、図柄組み合わせが異なり得る。そして、CPU50aは、復電指定コマンドの入力後、初回の扉閉鎖コマンドを入力すると、復電報知を実行させる。CPU50aは、復電報知として、装飾ランプLA1,LA2を所定の発光パターンで発光させるとともに、スピーカSPから復電専用音声を出力させる。復電報知は、所定時間T1(例えば30秒)の間、実行され、当該所定時間T1の経過を契機に終了する。一例として、復電報知における装飾ランプLA1,LA2の発光パターンは、RWMクリア報知における装飾ランプLA1,LA2の発光パターンと同一である。なお、CPU50aは、確認モード報知を実行させているとき、復電指定コマンドを入力すると、確認モード報知を終了させる。つまり、演出表示装置11、スピーカSP、及び装飾ランプLA1,LA2では、確認モード報知が終了する。
CPU50aは、初期指定コマンド、又は復電指定コマンドの入力後、初回の扉閉鎖コマンドを入力すると、第1可動体EK1、及び第2可動体EK2が正常に動作可能であるか否かを確認するための第2初期動作処理を行う。第2初期動作処理において、CPU50aは、第1可動体EK1が第2初期動作を行うように、演出ソレノイドESを制御する。また、第2初期動作処理において、CPU50aは、第2可動体EK2が初期動作を行うように、演出ステッピングモータSMを制御する。CPU50aは、第1原位置センサSEaからの検知信号の遷移を監視することで、第1可動体EK1及び演出ソレノイドESのうち少なくとも一方に異常が発生していないかを判定し、異常が発生している場合は、所定の手段により所定の報知を行わせるとよい。CPU50aは、第2原位置センサSEbからの検知信号の遷移を監視することで、第2可動体EK2及び演出ステッピングモータSMのうち少なくとも一方に異常が発生していないかを判定し、異常が発生している場合は、所定の手段により所定の報知を行わせるとよい。
このように、本実施形態では、通常モードへの移行後でしか、第1可動体EK1の第2初期動作が実行されない。即ち、本実施形態では、設定モード中、確認モード中、及び制限モード中、第1可動体EK1の第2初期動作の少なくとも一部が制限されるといえる。一方、第1可動体EK1の第1初期動作は、初期指定コマンド、及び復電指定コマンドが入力されていなくても実行される。つまり、本実施形態では、設定モード、確認モード、及び制限モード中、第1可動体EK1の第1初期動作が制限されない。また、第2可動体EK2の初期動作は、通常モードへの移行後でしか実行されない。即ち、設定モード中、確認モード中、及び制限モード中、第2可動体EK2の初期動作の少なくとも一部が制限されるといえる。
そして、CPU50aは、初期指定コマンド、又は復電指定コマンドを入力すると、遊技に関連した演出を実行可能な状態となり、主基板40から入力する各種の制御コマンドに基づいて演出表示装置11、スピーカSP、及び装飾ランプLA1,LA2を制御し、遊技に関連した演出を実行させる。第1可動体EK1の第2初期動作の終了後には、第1可動体EK1の演出動作も可能である。なお、第1可動体EK1の第2初期動作が終わった時点において、CPU50aは、接点を開くようにリレーを制御し、演出ソレノイドESへの電力供給を遮断した状態となる。つまり、CPU50aは、第1可動演出を非実行中となるように演出ソレノイドESを制御する。また、第2可動体EK2の初期動作の終了後には、第2可動体EK2の演出動作も可能である。
具体的に、CPU50aは、変動ゲームコマンドを入力すると、演出ゲームを実行させる。CPU50aは、変動ゲームコマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組み合わせを決定する。CPU50aは、変動ゲームコマンドに基づいて特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出内容、及び演出ゲームに関連した各種演出(一例として大当りの予告演出)の実行可否を決定し、当該決定の結果に応じた演出ゲームを実行するように演出表示装置11を制御する。
ここで、第1可動演出及び第2可動演出について説明する。
第1可動演出は、演出表示装置11の画像表示部GHのうち、正面から見たときに、演出位置P1aにある第1可動体EK1と重なる部分に所定の画像(以下、予告画像と示す)を表示し、続けて第1可動体EK1を演出位置P1aから原位置P0aへ変位させ、再び演出位置P1aへ変位させる演出である。つまり、遊技者の視点によれば、第1可動演出が実行されると、第1可動体EK1が変位することに伴って、当該第1可動体EK1によって隠されていた予告画像が視認可能となる。本実施形態の一例において、予告画像には、低期待度予告画像(例えば「・・・」の文字列)と、低期待度予告画像に比して大当り期待度が高いことを認識可能な高期待度予告画像(例えば「チャンス」の文字列)と、大当りが確定することを認識可能な確定予告画像(例えば「大当り!?」の文字列)と、がある。本実施形態では、第1可動演出なし<低期待度予告画像の第1可動演出<高期待度予告画像の第1可動演出<確定予告画像の第1可動演出の順に、大当り期待度が高く、確定予告画像は、大当り確定である。
CPU50aは、変動ゲームコマンドを入力すると、第1可動演出を実行させるか否か、及び第1可動演出を実行させる場合に表示する予告画像を抽選により決定する。なお、所定の演出の大当り期待度を高くするためには、「変動ゲームコマンドから大当りを特定できるときの決定割合」と「はずれを特定できるときの決定割合」との合算割合に占める「大当りを特定できるときの決定割合」が大きくなるようにすればよい。そして、CPU50aは、第1可動演出を実行させることを決定した場合、変動ゲームの実行中における所定時期が到来すると、第1可動演出を実行するように、演出表示装置11及び第1可動体EK1の動作を制御する。具体的に、CPU50aは、決定した予告画像を表示するように演出表示装置11を制御するとともに、接点を閉じるようにリレーを制御して演出ソレノイドESへの電力供給を開始させる。その後、CPU50aは、接点を開くようにリレーを制御して演出ソレノイドESへの電力供給を遮断させる。つまり、CPU50aは、演出位置P1a→原位置P0a→演出位置P1aの順に、第1可動体EK1が変位するように、演出ソレノイドESへの電力供給を制御する。このように、通常モードであるとき、第1特定装置の一例である第1可動体EK1は、予告動作を実行できるように構成されている。特に、本実施形態において、第1可動体EK1は、通常モードであるとき、大当りを確定的に報知する確定報知動作を実行できるといえる。
また、CPU50aは、変動ゲームコマンドを入力すると、第2可動演出を実行させるか否かを抽選により決定する。CPU50aは、第2可動演出なし<第2可動演出ありの順に、大当り期待度が高くなるように、第2可動演出の実行可否を決定する。CPU50aは、第2可動演出を実行させることを決定した場合、変動ゲームの実行中における所定時期が到来すると、第2可動演出を実行するように、第2可動体EK2の動作を制御する。具体的に、CPU50aは、第2可動体EK2が原位置P0b→演出位置P1a→原位置P0bの順に変位するように、演出ステッピングモータSMを制御する。このように、通常モードであるとき、第2特定装置の一例である第2可動体EK2は、予告動作を実行できるように構成されている。
CPU50aは、大当り遊技に関する制御コマンドを入力すると、大当り演出を実行させる。具体的に、CPU50aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行させる。CPU50aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行させる。CPU50aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させる。
CPU50aは、演出ゲーム又は大当り演出を実行させることなく所定時間が経過すると、待機状態コマンドを入力する場合がある。CPU50aは、待機状態コマンドを入力すると、デモ演出を実行させる。CPU50aは、デモ演出として、演出表示装置11に所定の画像を表示させ、スピーカSPから所定の音声を出力させ、装飾ランプLA1,LA2を所定の発光パターンにて発光させる。デモ演出は、変動ゲームコマンドの入力に基づく演出ゲームの開始の他、オープニングコマンド、ラウンドコマンド、又はエンディングコマンドの入力に基づく大当り演出の開始によっても終了する。
CPU50aは、遊技に関する演出を実行可能な状態において、扉開放コマンドを入力すると、扉開放エラーを特定可能な情報の報知(以下、扉開放エラー報知という)を実行させる。CPU50aは、扉開放エラー報知として、装飾ランプLA1,LA2を所定の発光パターンで発光させるとともに、スピーカSPから扉開放エラー専用音声を出力させる。例えば、扉開放エラー専用音声は、「扉が開いています」の文字列を読み上げた音声を1の単位報知とし、当該単位報知を繰返す内容である。例えば、音声による扉開放エラー報知は、扉閉鎖コマンドを入力するタイミング、及び報知開始から所定時間T2(例えば30秒)が経過するタイミングの何れか早いタイミングまで実行される。例えば、発光による扉開放エラー報知は、扉閉鎖コマンドを入力するタイミング、及び報知開始から所定時間T2(例えば30秒)が経過するタイミングの何れか遅いタイミングまで実行される。なお、扉開放エラーの実行中、第1可動体EK1の第2初期動作は、制限されることなく実行可能であり、可動演出の実行も制限されることなく実行可能である。また、CPU50aは、各種のエラー発生コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能なエラーの報知を行うように、演出表示装置11、スピーカSP、及び装飾ランプLA1,LA2を制御する。CPU50aは、各種のエラー解消コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能なエラーの報知を終了するように、演出表示装置11、スピーカSP、及び装飾ランプLA1,LA2を制御する。
次に、上記のように構成したパチンコ遊技機10の作用について説明する。
図11を参照し、通常モードであるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉開放がされており、設定値が正常であり、且つ指示なしである状況について説明する。この場合は、設定モード、及び確認モードを経由せず、且つRWMクリアが行われずに、通常モードへと移行(つまり復電)することとなる。なお、図11〜図16では、エラー表示器44、及び設定表示器45を纏めて「表示器」と示し、スピーカSP、及び装飾ランプLA1,LA2を纏めて「報知装置」と図示する。
時点X10では、通常モードであるときに電源断がされ、未だ電源投入がされていない状態である。時点X10では、電源投入がされていないことから、各センサSE1〜SE7、クリアスイッチ42、及び設定器43が作動していない。時点X10では、何れの設定エラーも解除されており、表示器が非表示であり、外部端子板70からは外部信号が出力されておらず、報知装置にて何れのエラー報知も行われておらず、演出表示装置11が非表示であり、CPU41aも起動していない。
最初に、管理者は、枠キーを用いて施錠装置SSを解錠し、中枠WNを開放する(時点X11)。次に、管理者は、指示なし(クリアスイッチ42、及び設定器43が何れもオフ)の状態にて電源投入を行う(時点X12)。時点X12から時点X13までの期間において、CPU41aは、ブート中となり、各種処理を実行可能な状態に立ち上がる。時点X13から時点X14までの期間において、CPU41aは、設定に関するスイッチの検知結果を読み込む。設定に関するスイッチとは、開放検知センサSE7、クリアスイッチ42、及び設定器43である。
時点X14において、CPU41aは、電源投入処理を実行する。時点X14において、CPU41aは、クリアスイッチ42がオフであり、且つ設定器43がオフであることに基づいて、通常モードへ移行する。通常モードへ移行すると、CPU41aは、クリアスイッチ42、及び設定器43がオンに操作されても、これらの操作を契機とした処理を行わない。
時点X14までの期間において、エラー表示器44、及び設定表示器45は、何れも消灯される。時点X14以降の期間において、エラー表示器44は、発生中であるエラーを特定可能な情報の表示を行う。一例として、CPU41aは、磁気エラーであれば「E3」を、電波エラーであれば「E4」を、振動エラーであれば「E5」を表示させる。時点X14以降の期間において、エラー表示器44は、エラーが検知されていなければ消灯される。なお、エラー表示器44は、復電(通常復帰)、又はRWMクリアが行われたときにも消灯される。時点X14以降の期間において、設定表示器45は、消灯状態を維持する。時点X14までの期間において、外部端子板70では、何れの外部信号も出力されない。時点X14以降の期間において、外部端子板70では、エラーに応じてセキュリティ信号が出力され得る。
時点X15までの期間において、報知装置では、何れの報知も行われない。そして、通常モードへの移行後である時点X15において、管理者は、中枠WNを閉鎖したとする。この場合、時点X15から、報知装置では、所定時間T1にわたって復電報知が行われる。これにより、管理者は、復電中であることを把握できる。時点X14までの期間において、演出表示装置11は、非表示となる。時点X14以降の期間において、演出表示装置11では、復電図柄組み合わせを含む復電画面の表示が行われる。
時点X12において電源投入がされると、第1可動体EK1では、CPU41a及びCPU50aの制御動作とは独立して第1初期動作が行われる。つまり、第1可動体EK1は、第1初期動作によって原位置P0aへ変位する。よって、管理者は、第1可動体EK1が正常に動作可能であるか否かを確認することができる。第1可動体EK1は、第1初期動作によって原位置P0aへ変位すると、時点X15まで、原位置P0aに位置したまま変位しない。時点X15から、第1可動体EK1では、第2初期動作が行われる。第1可動体EK1の初期動作は、時点X16までの期間にわたって行われる。第1可動体EK1は、第2初期動作によって、原位置P0a→演出位置P1a→原位置P0a→演出位置P1aのように変位する。よって、管理者は、第1可動体EK1が正常に動作可能であるか否かを、より詳細に確認することができる。時点X15までの期間において、第2可動体EK2は、動作しない。時点X15から、第2可動体EK2では、初期動作が行われる。第2可動体EK2の初期動作は、時点X16までの期間にわたって行われる。第2可動体EK2は、初期動作によって、原位置P0a→演出位置P1a→原位置P0aのように変位する。よって、管理者は、第2可動体EK2が正常に動作可能であるか否かを詳細に確認することができる。なお、RWMクリアが行われていないことから、時点X15において、報知装置では、RWMクリア報知が行われない。同様の理由により、時点X15において、外部端子板70では、セキュリティ信号が出力されない。
電源投入がされてから、CPU41aが起動処理により立ち上がるまでの期間において、各センサSE1〜SE7、クリアスイッチ42、及び設定器43(以下、纏めてスイッチ類という)は、そもそもCPU41a自体が立ち上がっておらず、その検知結果がCPU41aによって読み込まれることもない。スイッチ類に関して無効であることは、検知結果の読み込みを行わない、又は読み込みを行えないことを意味し、スイッチ類に関して有効であることは、検知結果の読み込みを行うことを意味する。スイッチ類が無効である状況は、そもそもスイッチ類が作動していない状況、及びスイッチ類が作動しているもののCPU41aが検知結果を読み込まない状況などである。
よって、CPU41aが立ち上がるまでの期間において、全てのスイッチ類は、何れも無効である。CPU41aが立ち上がってから電源投入処理を開始するまでの期間(以下、読込期間という)において、各センサSE1〜SE6は、CPU41aによって検知結果が読み込まれることがなく無効である。読込期間において、開放検知センサSE7、クリアスイッチ42、及び設定器43は、CPU41aによって検知結果が読み込まれるため有効である。また、読込期間において、一部のセンサは、CPU41aによって検知結果が読み込まれるため有効である。一部のセンサとは、例えば、磁気センサ、電波センサ、及び振動センサなどのように、不正に関するスイッチである。通常モードへ移行後の期間において、全てのスイッチ類は、何れも有効である。
ただし、通常モードであるとき、クリアスイッチ42の検知結果は、CPU41aによって参照されず、各種処理に供されることもない。つまり、通常モードであるとき、CPU41aは、クリアスイッチ42が操作されても、RWMクリアを行わず、設定値を変更せず、且つ設定値の表示も行わない。また、通常モードであるとき、設定器43の検知結果は、CPU41aによって参照されず、各種処理に供されることもない。つまり、通常モードであるとき、CPU41aは、設定器43が操作されても、設定モードへ移行せず、確認モードへ移行せず、且つ設定値の表示も行わない。
図12を参照し、通常モードであるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉開放がされており、設定値が正常であり、且つクリア指示ありである状況について説明する。この場合は、設定モード、及び確認モードを経由せず、且つRWMクリアが行われて、通常モードへと移行することとなる。以下の説明では、既に説明した状況とは異なる点についてのみ詳しく説明し、共通する点についての詳しい説明は省略する。
管理者は、中枠WNを開放し、クリア指示(クリアスイッチ42がオン、且つ設定器43がオフ)をした状態にて電源投入を行う(時点X12)。時点X14において、CPU41aは、電源投入処理を開始し、クリアスイッチ42がオンであり、且つ設定器43がオフであることから、通常モードへ移行する。そして、CPU41aは、電源投入がされてから通常モードへと移行するまでの間に、第1RWMクリアを行うこととなる。
時点X14までの期間において、外部端子板70では、何れの外部信号も出力されない。時点X14から、外部端子板70では、RWMクリアによるセキュリティ信号が所定期間(例えば50ms)にわたって出力される。したがって、管理者は、ホールコンピュータなどの外部機器を用いることによっても、RWMクリアがされたことを把握できる。
そして、通常モードへの移行後、管理者が中枠WNを閉鎖したとする(時点X15)。時点X15までの期間において、報知装置では、何れの報知も行われない。この場合、報知装置では、RWMクリアが行われていることから、時点X15から所定時間T1にわたってRWMクリア報知が行われる。これにより、管理者は、RWMクリアがされたことを把握できる。時点X14までの期間において、演出表示装置11は、非表示となる。時点X14以降の期間において、演出表示装置11では、初期図柄組み合わせを含む初期画面の表示が行われる。
時点X12において電源投入がされると、第1可動体EK1では、CPU41a及びCPU50aの制御動作とは独立して第1初期動作が行われる。時点X15から、第1可動体EK1では、第2初期動作が行われ、第2可動体EK2では、初期動作が行われる。第1可動体EK1の第2初期動作、及び第2可動体EK2の初期動作は、時点X16までの期間にわたって行われる。
図13を参照し、電源断がされたときの制御モードを問わず、次回の電源投入がされたときに、扉開放がされており、設定値が正常であり、且つ変更指示あり(クリアスイッチ42がオン、且つ設定器43がオン)である状況について説明する。この場合は、設定モードへ移行することとなる。
管理者は、中枠WNを開放し、設定キーを用いて設定器43をオンに操作する(時点X11)。次に、管理者は、クリアスイッチ42をオンに操作した状態にて電源投入を行う(時点X12)。時点X14において、CPU41aは、電源投入処理を開始し、中枠WNの開放が検知されており、クリアスイッチ42がオンであり、且つ設定器43がオンであることから、設定モードへ移行する。
設定モード中となる時点X14から時点X17までの期間において、CPU41aは、クリアスイッチ42から操作信号を入力する毎に、仮選択中である設定値を次の設定値に変更する。設定モード中、設定表示器45では、設定スイッチの操作前であればバックアップされていた設定値が表示され、設定スイッチの操作後であれば設定スイッチが操作される毎に仮選択中である設定値が表示される。なお、設定モード中、設定表示器45では、中枠WNが閉鎖されても設定値の表示が維持される。
時点X17において、管理者は、設定キーを用いて設定器43をオフに操作したとする。CPU41aは、設定器43がオフになったことから、設定モードを終了する。このとき、CPU41aは、その時点において仮選択中である設定値を確定し、RWM41cに記憶させる。つまり、CPU41aは、仮選択中である設定値を新たな設定値として設定する。時点X17から時点X18までの期間において、CPU41aは、通常モードへの移行処理を行って通常モードへと移行する。そして、CPU41aは、電源投入がされてから、設定モードを経由して通常モードへと移行するまでの間に、少なくとも1回のRWMクリアを行うこととなる。
時点X14までの期間において、エラー表示器44、及び設定表示器45は、ともに消灯される。時点X14から時点X18までの期間において、エラー表示器44は、設定モード、及び確認モードの何れかであることを報知する表示を行う。したがって、管理者は、遊技盤YBの裏側にあるエラー表示器44の表示内容を視認することで、設定モード中、又は確認モード中であることを認識できる。時点X14から時点X18までの期間において、設定表示器45は、設定値を報知する表示を行う。したがって、管理者は、遊技盤YBの裏側にある設定表示器45の表示内容を視認することで、パチンコ遊技機10に設定されている設定値(仮選択されている設定値を含む)を認識できる。時点X18以降の期間において、エラー表示器44、及び設定表示器45は、ともに消灯状態となる。そして、時点X18の経過後において、エラー表示器44は、エラーに応じた表示を行う。したがって、時点X18以降の期間において、エラー表示器44は、エラーが検知されていなければ、消灯状態となり、設定表示器45は、消灯状態を維持する。
時点X14までの期間において、外部端子板70では、セキュリティ信号が出力されず、時点X14から時点X17までの期間において、セキュリティ信号が出力される。つまり、設定値が表示されているときには、セキュリティ信号が出力される。したがって、管理者は、ホールコンピュータなどの外部機器を用いることによっても、設定モード中、又は確認モード中であることを推認できる。このように、本実施形態では、設定モードへの移行に応じてセキュリティ信号が出力される。また、設定モードが最小出力時間以内に終了しても、セキュリティ信号が少なくとも当該最小出力時間にわたって出力される。
時点X14までの期間において、報知装置では、何れの報知も行われず、時点X14から時点X17までの期間において、設定モード報知が行われる。本実施形態において、設定モード報知の実行期間は、設定モードである期間、及び最小出力時間(例えば50ms)のうち何れか長い期間である。これにより、管理者は、機表側から設定モードであることを把握できる。例えば、設定モード報知を構成する1の単位報知に要する時間は、1秒である。一般に、管理者が設定値の変更を行うのに数分を要することから、設定モード報知を行う期間の長さは、設定モード報知の単位報知を複数回にわたって実行可能な長さともいえる。時点X14までの期間において、演出表示装置11では、何れの表示も行われず、時点X14から時点X17までの期間において、設定モードであることを報知する表示が行われる。これにより、管理者は、機表側から設定モードであることを認識できる。一方、時点X18以降の期間において、演出表示装置11では、初期図柄組み合わせを含む初期画面の表示が行われる。
そして、通常モードへの移行後である時点X19において、管理者は、中枠WNを閉鎖したとする。この場合、報知装置では、RWMクリアが行われていることから、時点X19から所定時間T1にわたってRWMクリア報知が行われる。また、時点X19から、外部端子板70では、セキュリティ信号が所定期間(例えば50ms)にわたって出力される。
時点X12において電源投入がされると、第1可動体EK1では、CPU41a及びCPU50aの制御動作とは独立して第1初期動作が行われる。それ以降、設定モードである期間を含め、時点X19までの期間において、第1可動体EK1は、原位置P0aに維持され、動作しない。時点X19から、第1可動体EK1では、第2初期動作が行われ、第2可動体EK2では、初期動作が行われる。第1可動体EK1の第2初期動作、及び第2可動体EK2の初期動作は、時点X20までの期間にわたって行われる。そして、設定モードである期間において、各センサSE1〜SE6は無効である一方、開放検知センサSE7、クリアスイッチ42、及び設定器43は有効である。また、移行処理を行う期間において、各センサSE1〜SE6は、無効のままである。
図14を参照し、通常モード、又は確認モードであるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉開放がされており、設定値が正常であり、且つ確認指示あり(クリアスイッチ42がオフ、且つ設定器43がオン)である状況について説明する。この場合は、確認モードへ移行することとなる。
時点X14において、CPU41aは、電源投入処理を開始し、中枠WNの開放が検知されており、クリアスイッチ42がオフであり、且つ設定器43がオンであることから、確認モードへ移行する。確認モードである期間において、CPU41aは、クリアスイッチ42がオンであるか否かに基づいた各種処理を行わない。つまり、時点X14以降の期間において、CPU41aは、クリアスイッチ42が操作されても、RWMクリアを行わず、設定値の変更を行わず、且つ設定値の表示も行わない。
確認モード中となる時点X14から時点X17までの期間において、CPU41aは、現在設定している設定値を表示するように設定表示器45を制御する。すなわち、確認モード中、設定表示器45では、バックアップされていた設定値が表示される。なお、確認モード中、設定表示器45では、中枠WNが閉鎖されても設定値の表示が維持される。
時点X17において、管理者は、設定キーを用いて設定器43をオフに操作したとする。CPU41aは、設定器43がオフになったことから、確認モードを終了する。時点X17から時点X18までの期間において、CPU41aは、確認モードを終了して通常モードへ移行するための移行処理を行って通常モードへ移行する。そして、CPU41aは、電源投入がされてから、確認モードを経由して通常モードへと移行するまでの間に、原則、RWMクリアを行わない。
時点X14までの期間において、エラー表示器44、及び設定表示器45は、ともに消灯状態となる。時点X14から時点X18までの期間において、エラー表示器44は、設定モード、及び確認モードの何れかであることを報知する表示を行う。したがって、管理者は、遊技盤YBの裏側にあるエラー表示器44の表示内容を視認することで、設定モード、又は確認モードであることを認識できる。時点X14から時点X18までの期間において、設定表示器45は、設定値を報知する表示を行う。したがって、管理者は、遊技盤YBの裏側にある設定表示器45の表示内容を視認することで、パチンコ遊技機10に設定されている設定値を認識できる。時点X18以降の期間において、エラー表示器44、及び設定表示器45は、ともに消灯状態となる。そして、時点X18以降の期間においては、エラー表示器44は、エラーに応じた表示を行う。したがって、時点X18以降の期間において、エラー表示器44は、エラーが検知されていなければ、消灯状態となり、設定表示器45は、消灯状態を維持する。
時点X14までの期間において、外部端子板70では、セキュリティ信号が出力されず、時点X14から時点X17までの期間において、セキュリティ信号が出力される。つまり、設定値が表示されているときには、セキュリティ信号が出力される。したがって、管理者は、ホールコンピュータなどの外部機器を用いることによっても、設定モード中、又は確認モード中であることを推認できる。このように、本実施形態では、確認モードへの移行に応じてセキュリティ信号が出力される。また、確認モードが最小出力時間以内に終了しても、セキュリティ信号が少なくとも当該最小出力時間にわたって出力される。
時点X14までの期間において、報知装置は、何れの報知も行われず、時点X14から時点X17までの期間において、確認モード報知が行われる。本実施形態において、確認モード報知の実行期間は、確認モード中である期間、及び最小出力時間(例えば50ms)のうち何れか長い期間である。これにより、管理者は、機表側から確認モード中であることを把握できる。例えば、確認モード報知を構成する1の単位報知に要する時間は、1秒である。一般に、管理者が設定値の確認を行うのに数分を要することから、確認モード報知を行う期間の長さは、確認モード報知の単位報知を複数回にわたって実行可能な長さともいえる。時点X14までの期間において、演出表示装置11では、何れの表示も行われず、時点X14から時点X17までの期間において、確認モードであることを報知する表示が行われる。これにより、管理者は、機表側から確認モードであることを認識できる。一方、時点X18以降の期間において、演出表示装置11では、復電図柄組み合わせを含む復電画面の表示が行われる。
そして、通常モードへの移行後である時点X19において、管理者は、中枠WNを閉鎖したとする。この場合、報知装置では、RWMクリアが行われていないことから、RWMクリア報知が行われない。時点X19において、外部端子板70では、セキュリティ信号が出力されない。一方、時点X19から、報知装置では、復電報知が行われる。時点X12において電源投入がされると、第1可動体EK1では、CPU41a及びCPU50aの制御動作とは独立して第1初期動作が行われる。それ以降、確認モードである期間を含め、時点X19までの期間において、第1可動体EK1は、原位置P0aに維持され、動作しない。時点X19から、第1可動体EK1では、第2初期動作が行われ、第2可動体EK2では、初期動作が行われる。第1可動体EK1の第2初期動作、及び第2可動体EK2の初期動作は、時点X20までの期間にわたって行われる。そして、確認モードである期間において、各センサSE1〜SE6は無効である一方、開放検知センサSE7、クリアスイッチ42、及び設定器43は有効である。また、移行処理を行う期間において、各センサSE1〜SE6は、無効のままである。
図15を参照し、設定モードであるときに電源断がされた場合であって、次回の電源投入がされたときに、扉開放がされており、設定値が正常であり、且つ指示なし(クリアスイッチ42がオフ、且つ設定器43がオフ)である状況について説明する。この場合は、制限モード2へと移行することとなる。
時点X14において、CPU41aは、電源投入処理を開始し、中枠WNの開放が検知されており、クリアスイッチ42がオフであり、且つ設定器43がオフであるが、直近の電源断が設定モード中に行われていたため、通常モードではなく制限モード2へ移行する。なお、CPU41aは、中枠WNの開放が検知されており、且つ変更指示(クリアスイッチ42がオン、且つ設定器43がオン)でなければ、制限モード2へ移行する。時点X14以降の期間において、CPU41aは、電源断がされるまで設定エラー2を解除しない。
時点X14までの期間において、エラー表示器44、及び設定表示器45は、ともに消灯状態となる。時点X14以降の期間において、エラー表示器44では、電源断がされるまで、制限モード2(設定エラー2)であることを報知する表示が行われる。したがって、管理者は、遊技盤YBの裏側にあるエラー表示器44の表示内容を視認することで、制限モード2であることを認識できる。なお、時点X14以降の期間においても、設定表示器45は、消灯状態を維持する。
時点X14までの期間において、外部端子板70では、セキュリティ信号が出力されない。時点X14以降の期間において、外部端子板70では、電源断がされるまで、セキュリティ信号が出力される。つまり、制限モード2であるときには、セキュリティ信号が出力される。したがって、管理者は、ホールコンピュータなどの外部機器を用いることによっても、制限モード2であることを推認できる。
時点X14までの期間において、報知装置では、何れの報知も行われない。時点X14以降の期間において、報知装置では、電源断がされるまで、設定エラー報知が行われる。したがって、管理者は、機表側から制限モード中(設定エラー中)であることを把握できる。制限モード2であるとき、パチンコ遊技機10では、各種のエラーの検出が行われず、他のエラーの報知も行われない。つまり、制限モード2は、設定エラー報知が行われるとともに当該設定エラー報知とは異なるエラー報知の少なくとも一部が制限される状態である。
時点X14までの期間において、演出表示装置11では、何れの表示も行われない。時点X14以降の期間において、演出表示装置11では、電源断がされるまで設定エラー報知の表示が行われる。一例として、演出表示装置11では、「設定を行ってください」の文字列が表示される。したがって、管理者は、機表側から、制限モード(設定エラー)中であることを認識できる。また、本実施形態の一例では、演出表示装置11に表示される文字列から、設定モードへ移行させて設定を行うことにより、設定エラーを終了できることを把握させ得る。
時点X12において電源投入がされると、第1可動体EK1では、CPU41a及びCPU50aの制御動作とは独立して第1初期動作が行われる。それ以降、設定エラー報知が行われている時点X14以降の期間においても、第1可動体EK1は、原位置P0aに維持され、動作しない。つまり、設定エラー2に起因して、設定エラー報知が行われているときには、第1可動体EK1の第2初期動作の少なくとも一部が制限される。これにより、管理者は、第1可動体EK1が第2初期動作を行う場合に比して、演出表示装置11における設定エラー報知に注目できる。一方、第1可動体EK1の第1初期動作は、設定エラー報知が開始する迄には行われるから、第1可動体EK1が正常に動作可能であるか否かを、最低限の範囲で確認できる。
また、第2可動体EK2では、時点X14までの期間において、動作しない。設定エラー報知が行われている時点X14以降の期間においても、第2可動体EK2は、原位置P0bに維持され、動作しない。つまり、設定エラー2に起因して、設定エラー報知が行われているときには、第2可動体EK2の初期動作の少なくとも一部が制限される。これにより、管理者は、第2可動体EK2が初期動作を行う場合に比して、演出表示装置11における設定エラー報知に注目できる。
時点X13までの期間において、全てのスイッチ類は、何れも無効である。時点X13以降の期間において、各センサSE1〜SE6は無効である一方、開放検知センサSE7、クリアスイッチ42、及び設定器43は有効である。なお、時点X14以降の期間において、クリアスイッチ42、及び設定器43の検知結果は、CPU41aによって参照されず、各種処理に供されることもない。つまり、制限モード2であるとき、CPU41aは、クリアスイッチ42が操作されても、RWMクリアを行わず、設定値を変更せず、設定値の表示も行わない。また、CPU41aは、設定器43が操作されても、設定モードへ移行せず、確認モードへ移行せず、且つ設定値の表示も行わない。
図16を参照し、電源断がされたときの制御モードを問わず、次回の電源投入がされたときに、扉開放がされており、設定値が異常であり、且つ指示なし(クリアスイッチ42がオフ、且つ設定器43がオフ)である状況について説明する。この場合は、制限モード1へと移行することとなる。
時点X14において、CPU41aは、電源投入処理を開始し、中枠WNの開放が検知されており、クリアスイッチ42がオフであり、且つ設定器43がオフであるが、バックアップされた遊技情報(設定値を含む)が異常であるため、通常モードではなく制限モード2へ移行する。なお、CPU41aは、中枠WNの開放が検知されており、且つ変更指示(クリアスイッチ42がオン、且つ設定器43がオン)でなければ、制限モード1へ移行する。時点X14以降の期間において、CPU41aは、電源断がされるまで設定エラー1を解除しない。
時点X14までの期間において、エラー表示器44、及び設定表示器45は、ともに消灯状態となる。時点X14以降の期間において、エラー表示器44では、電源断がされるまで、制限モード1(設定エラー1)であることを報知する表示が行われる。したがって、管理者は、遊技盤YBの裏側にあるエラー表示器44の表示内容を視認することで、制限モード1中であることを認識できる。なお、時点X14以降の期間においても、設定表示器45は、消灯状態を維持する。
時点X14までの期間において、外部端子板70では、セキュリティ信号が出力されない。時点X14以降の期間において、外部端子板70では、電源断がされるまで、セキュリティ信号が出力される。つまり、制限モード1であるときには、セキュリティ信号が出力される。したがって、管理者は、ホールコンピュータなどの外部機器を用いることによっても、制限モード1であることを推認できる。
時点X14までの期間において、報知装置では、何れの報知も行われない。時点X14以降の期間において、報知装置では、電源断がされるまで、設定エラー報知が行われる。したがって、管理者は、機表側から制限モード(設定エラー)であることを把握できる。制限モード1であるとき、パチンコ遊技機10では、各種のエラーの検出が行われず、他のエラーの報知も行われない。つまり、制限モード1は、設定エラー報知が行われるとともに当該設定エラー報知とは異なるエラー報知の少なくとも一部が制限される状態である。
時点X14までの期間において、演出表示装置11では、何れの表示も行われない。時点X14以降の期間において、演出表示装置11では、電源断がされるまで設定エラー報知の表示が行われる。一例として、演出表示装置11では、「設定を行ってください」の文字列が表示される。したがって、管理者は、機表側から、制限モード(設定エラー)中であることを認識できる。また、本実施形態の一例では、演出表示装置11に表示される文字列から、設定モードへ移行させて設定を行うことにより、設定エラーを終了できることを把握させ得る。
時点X12において電源投入がされると、第1可動体EK1では、CPU41a及びCPU50aの制御動作とは独立して第1初期動作が行われる。それ以降、設定エラー報知が行われている時点X14以降の期間においても、第1可動体EK1は、原位置P0aに維持され、動作しない。つまり、設定エラー1に起因して、設定エラー報知が行われているときには、第1可動体EK1の第2初期動作の少なくとも一部が制限される。これにより、管理者は、第1可動体EK1が第2初期動作を行う場合に比して、演出表示装置11における設定エラー報知に注目できる。一方、第1可動体EK1の第1初期動作は、設定エラー報知が開始する迄には行われるから、第1可動体EK1が正常に動作可能であるか否かを、最低限の範囲で確認できる。
また、第2可動体EK2では、時点X14までの期間において、動作しない。設定エラー報知が行われている時点X14以降の期間においても、第2可動体EK2は、原位置P0bに維持され、動作しない。つまり、設定エラー1に起因して、設定エラー報知が行われているときには、第2可動体EK2の初期動作の少なくとも一部が制限される。これにより、管理者は、第2可動体EK2が初期動作を行う場合に比して、演出表示装置11における設定エラー報知に注目できる。
時点X13までの期間において、全てのスイッチ類は、何れも無効である。時点X13以降の期間において、各センサSE1〜SE6は無効である一方、開放検知センサSE7、クリアスイッチ42、及び設定器43は有効である。なお、時点X14以降の期間において、クリアスイッチ42、及び設定器43の検知結果は、CPU41aによって参照されず、各種処理に供されることもない。つまり、制限モード1であるとき、CPU41aは、クリアスイッチ42が操作されても、RWMクリアを行わず、設定値を変更せず、設定値の表示も行わない。また、CPU41aは、設定器43が操作されても、設定モードへ移行せず、確認モードへ移行せず、且つ設定値の表示も行わない。
このように、第1特定装置の一例である第1可動体EK1は、電源投入に伴って通電状態となっており、特定エラー状態の非発生によってCPU41aから特定の制御信号(初期指定コマンド又は復電指定コマンド)が出力される通常状況であるとき、所定の動作の一例である第1初期動作を開始できる。また、第1可動体EK1は、電源投入に伴って通電状態となっているが、特定エラー状態の発生によってCPU41aから特定の制御信号が出力されない特別状況であるときであっても、所定の動作の一例である第1初期動作を開始する。つまり、第1可動体EK1は、前記通常状況、及び前記特別状況の何れであっても所定の動作を開始し、前記特別状況であるときと前記通常状況であるときとで動作状況(動作態様)が同じである。そして、第1可動体EK1では、通常モードへ移行したときには動作状況(本実施形態では演出位置P1a)が維持さる。一方、第2特定装置の一例である第2可動体EK2は、前記特別状況であるときには所定の動作(初期動作)を開始せず、前記通常状況であるときには所定の動作を開始し、前記特別状況であるときと前記通常状況であるときとで動作状況(動作態様)が異なり、通常モードへ移行したときには動作状況が変更されうるようになっている。
次に、図17(a)〜(f)を参照し、設定モード報知、確認モード報知、RWMクリア報知、及び復電報知について、その作用とともに説明する。
図17(a)に示すように、設定モード報知は、設定モードであることを報知するために、音声報知、発光報知、表示報知、及び設定表示を含んで構成される。一例として、設定モード報知は、専用音声による報知、専用発光パターンによる報知、「設定モード中」の文字画像からなる専用画像による報知(図17(c)参照)、及び設定値の表示からなる専用の設定表示による報知によって構成される。一方、確認モード報知は、音声報知、発光報知、表示報知、及び設定表示を含んで構成される。具体的に、専用音声による報知、専用発光パターンによる報知、「確認モード中」の文字画像からなる専用画像の表示(図17(d)参照)、及び設定値の表示からなる専用の設定表示による報知によって構成される。
また、図17(e)に示すように、設定表示器45は、8の字型に配置した7つの発光体45a〜45gと、ドットとなる1つの発光体45hと、を有する。そして、設定モードでは、発光体45a〜45gの発光及び非発光により、設定されている設定値、又は仮選択中である設定値を示す数字が表示されるとともに、何れの設定値を表示する場合であっても発光体45hが発光する。確認モードでは、発光体45a〜45gの発光及び非発光により、設定中である設定値を示す数字が表示される一方、何れの設定値を表示する場合であっても発光体45hが発光しない。つまり、設定モードでは、発光体45hが発光する一方、確認モードでは、発光体45hが発光しない。本実施形態では、設定表示器45による設定モード報知が第1報知に相当し、設定表示器45による確認モード報知が第2報知に相当し、第1報知の態様と第2報知の態様とは異なる態様(一例としてドットの有無)である。また、発光体45a〜45hにより第1発光手段が構成され、発光体45a〜45gにより第2発光手段が構成される。
以上のように、設定モード、及び確認モードでは、スピーカSP、装飾ランプLA1,LA2、演出表示装置11、及び設定表示器45といった同一の手段を用いて報知を実行するが、設定モードであるか、確認モードであるか、によって報知内容を異ならせている。つまり、本実施形態では、設定モード、及び確認モードの何れであるかを把握可能である。また、設定モード報知、及び確認モード報知に関して、スピーカSP、装飾ランプLA1,LA2、及び演出表示装置11では、異なる態様にて報知がされることから、設定モード、及び確認モードの何れであるかが特定し易い。一方、設定表示器45による設定表示は、設定モードと確認モードとで、発光体45hの発光の有無のみが異なることから、設定モード、及び確認モードの何れであるかが特定し難い。
図17(b)に示すように、本実施形態では、RWMクリアが行われてから通常モードへ移行すると、RWMクリア報知が実行される。RWMクリア報知は、RWMクリア報知音声による音声報知、RWMクリア報知パターンによる発光報知、及び初期画面による表示報知を含んで構成される。一方、本実施形態では、RWMクリアが行われずに通常モードへ移行すると、復電報知が実行される。復電報知は、復電報知音声による音声報知、RWMクリア報知パターンと兼用化された報知パターンによる発光報知、及び復電画面による表示報知を含んで構成される。本実施形態では、設定モードを経て通常モードへ移行するときと、設定モードを経ずに通常モードへ移行するときと、では報知態様が同じである。また、RWMクリア報知と、復電報知とは、音声報知及び表示報知が異なる一方、発光報知が同じである。
次に、図18(a)〜図18(c)を参照し、制限モードにおけるエラー表示器44の表示内容、及び演出表示装置11の表示内容について、その作用とともに説明する。
制限モード1へ移行すると、エラー表示器44では、「1」の数字が表示され、エラー表示器44にて設定エラー1が報知される(図18(a)参照)。制限モード2へ移行すると、エラー表示器44では、「2」の数字が表示され、エラー表示器44にて設定エラー2が報知される。このように、制限モード1へ移行した場合と、制限モード2へ移行した場合とでは、エラー表示器44の表示内容が異なる。したがって、制限モードへ移行した場合、エラー表示器44の表示内容を確認すれば、どのような状況に起因して制限モードへと移行したかについて、推測することができる。
一方、図18(c)に示すように、制限モード1及び制限モード2の何れへ移行した場合であっても、演出表示装置11では、「設定を行ってください」の文字画像を表示することにより、表示報知が行われる。この「設定を行ってください」の文字画像は、設定モードへ移行させることを推奨することを報知する内容を含んでいる。また、「設定を行ってください」の文字画像は、電源投入に際して、開放検知センサSE7により中枠WNの開放が検知されている状態にて、クリアスイッチ42をオン、且つ設定器43をオンとすることを推奨する報知を含むともいえる。
このように、制限モード1へ移行する場合と、制限モード2へ移行する場合とでは、演出表示装置11の表示内容が同一である。したがって、何れかの制限モードへ移行した場合、演出表示装置11の表示内容からは、どのような状況に起因して制限モードへと移行したかについて特定し難い。一方、演出表示装置11には、「設定を行ってください」の文字画像が表示されることによって、設定モードへ移行させること、つまり、設定モードへ移行させるための条件を満たす行為を認識させることができる。
以下、本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、制限モード2(設定エラー2状態)は、設定値を設定するための設定モードが電源断により中断された状態であり、遊技場の管理者等が意図する通りの設定値となっていない可能性が高い状態である。そのような前提のもと、第1可動体EK1については、設定エラー2の発生によって特定の制御信号が出力されるか否かに依存せず、通電状態となることによって、第1初期動作を行う。一方、第2可動体EK2については、特定エラー状態の非発生によって特定の制御信号が出力される場合にのみ、初期動作を行うことができる。このため、管理者等に対して十分に意識を向けさせることが好ましい「設定エラー報知」を阻害してしまうことを抑制しつつも、第1可動体EK1の動作確認を可能にできる。このように、簡便な構成で動作を確認できる。
(2)本実施形態によれば、第1可動体EK1は、大当りを確定的に報知する確定報知動作を、いわゆる演出としての動作として実行する装置であり、重要度が高い装置である。このような第1可動体EK1について、設定エラー2が発生していても動作確認を可能とし、管理者等が適切な処置をすることができるようになる。
(3)本実施形態によれば、設定モード中に電源断がされた場合、設定値が変更されていない状態で電源断がされることとなる。このとき、本実施形態では、予め定めた解除条件が成立するまで、電源投入がされる毎に制限モード2へ移行し、設定エラー報知を行うことで、設定値が変更されていない状態で遊技が行われることを抑制できる。また、設定エラー報知が行われる制限モード2では、設定エラー報知とは異なるエラー報知の少なくとも一部が制限される。このため、本実施形態では、設定エラー報知とは異なるエラー報知が何ら制限されない構成に比して、設定エラー報知に注目させることができる。これにより、本実施形態では、管理者が意図する設定値とは異なる設定がされたまま、パチンコ遊技機10が遊技者の遊技に供されてしまうことを抑制できる。したがって、遊技者の興趣を向上させることができる。
(4)本実施形態によれば、制限モード2へ移行させる制御が行われたときは、設定モードへ移行するまで、電源投入がされる毎に設定エラー報知が行われる。したがって、設定モードへ移行させ、管理者等が意図するように、設定値を設定することを促し得る。
(5)本実施形態によれば、制限モード2へ移行させる制御が行われたときは、遊技の進行が規制されるから、管理者等が意図しない設定値が設定されたまま、パチンコ遊技機10が遊技者の遊技に供されてしまうことをさらに抑制できる。
(6)本実施形態によれば、セキュリティ信号の最小出力時間が同じであるから、パチンコ遊技機10に接続された外部装置は、設定モード、及び確認モードの何れに制御されていたのかを特定し難くなる。
(7)本実施形態によれば、変更指示は、クリアスイッチ42、及び設定器43の操作状態の組み合わせによってなされる。このため、本実施形態では、例えば、一の操作部の指示操作により容易に設定モードへ移行できてしまうことを抑制することができる。つまり、本実施形態では、誤操作のほか、不正な遊技者による操作によって設定モードへ移行できてしまうことを抑制することができる。
(8)本実施形態によれば、制限モード2へ移行させる制御が行われたときは、電源投入に際してクリア指示がされていても、電源投入がされる毎に設定エラー報知が行われる。したがって、電源投入に際してクリア指示がされていても、管理者が意図しない設定値が設定されたまま、パチンコ遊技機10が遊技者の遊技に供されてしまうことを抑制できる。
(9)本実施形態によれば、制限モード2へ移行させる制御が行われたときは、電源投入に際して確認指示がされていても、電源投入がされる毎に設定エラー報知が行われる。したがって、電源投入に際して確認指示がされていても、管理者が意図しない設定値が設定されたまま、パチンコ遊技機10が遊技者の遊技に供されてしまうことを抑制できる。
(10)本実施形態によれば、電源投入がされると可動体EK1,EK2の初期動作を実行可能であるが、制限モード2へ移行し、設定エラー報知が行われているときは、第1可動体EK1の第1初期動作、及び第2可動体EK2の初期動作の少なくとも一部が制限される。このため、第1可動体EK1の第1初期動作、及び第2可動体EK2の初期動作が何ら制限されない構成に比して、設定エラー報知に注目させることができる。
(11)本実施形態によれば、クリア指示がされたとしても、設定モードへと移行されるまでは、電源投入がされる毎に、第1可動体EK1の第1初期動作、及び第2可動体EK2の初期動作の少なくとも一部が制限され続ける。これにより、本実施形態では、管理者が意図しない設定値が設定された状態となってしまったまま、パチンコ遊技機10が遊技者の遊技に供されてしまうことをさらに抑制でき、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
(12)本実施形態によれば、制限モード2へ移行させる制御が行われたときは、設定モードへ移行するまで、電源投入がされる毎に設定エラー報知が行われるとともに、第1可動体EK1の第1初期動作、及び第2可動体EK2の初期動作の少なくとも一部が制限され続ける。したがって、設定モードへ移行するまで、第1可動体EK1の第1初期動作、及び第2可動体EK2の初期動作が何ら制限されない構成に比して、設定エラー報知に注目させることができる。これにより、設定モードへ移行させ、管理者等が意図するように、設定値を設定するように促すことができる。
(13)本実施形態によれば、クリア指示がされていても、電源投入がされる毎に設定エラー報知が行われるとともに、第1可動体EK1の第1初期動作、及び第2可動体EK2の初期動作の少なくとも一部が制限され続ける。したがって、電源投入に際してクリア指示がされていても、設定モードへ移行するまで、第1可動体EK1の第1初期動作、及び第2可動体EK2の初期動作が何ら制限されない構成に比して、設定エラー報知に注目させることができる。これにより、設定モードへ移行させ、管理者等が意図するように、設定値を設定するようにさらに促すことができる。
(14)本実施形態によれば、制限モード2へ移行させる制御が行われたときは、電源投入に際して確認指示がされていても、電源投入がされる毎に設定エラー報知が行われるとともに、第1可動体EK1の第1初期動作、及び第2可動体EK2の初期動作の少なくとも一部が制限される。したがって、電源投入に際して確認指示がされていても、管理者が意図しない設定値が設定されたまま、パチンコ遊技機10が遊技者の遊技に供されてしまうことを抑制できる。
(15)本実施形態によれば、電源投入がされたときに記憶されている遊技情報(所謂バックアップ情報)には、少なくとも設定値が含まれており、設定値が正常でないと判定された場合には、正常な情報に基づいて遊技を行うことができない。このとき、電源投入時に設定エラー報知を行うことで、正常でない情報に基づいて遊技が行われることを抑制でき、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
(16)本実施形態によれば、制限モード1であるときは、制限モード2であるときと同様に、設定エラー報知とは異なるエラー報知の少なくとも一部が制限される。このため、設定エラー報知とは異なるエラー報知が何ら制限されない構成に比して、設定エラー報知に注目させることができる。そして、制限モード1へ移行させる制御が行われたときは、設定モードへ移行するまで、電源投入がされる毎に設定エラー報知が行われる。したがって、設定モードへ移行させ、管理者等が意図するように、設定値を設定するように促すことができる。
(17)本実施形態によれば、制限モード2へ移行させる制御が行われたときと同様に、制限モード1へ移行させる制御が行われたときにも、遊技の進行が規制されるから、電源投入がされたときに記憶されている設定値が正常でない状態のまま、パチンコ遊技機10が遊技者の遊技に供されてしまうことをさらに抑制できる。
(18)本実施形態によれば、制限モード1、又は制限モード2に制御されているとき、演出表示装置11による報知態様により、制限モード1、及び制限モード2の何れに制御されているのかを特定し難くすることができる。一方、エラー表示器44による報知態様により、制限モード1、及び制限モード2の何れに制御されているのかを特定し易くできる。
(19)本実施形態によれば、制限モード1、及び制限モード2の何れに制御されている場合でも、同じ条件(設定モードへの移行)によりエラーを解除することができる。
(20)本実施形態によれば、設定モード中に電源断がされた場合、次回の電源投入に際して、中枠WNが開放されている状態にて変更指示がされているときと、中枠WNが開放されていない状態にて変更指示がされているときとでは、異なる報知が実行される。設定モード中に電源断がされたとき、電源投入に際して、中枠WNが開放されていない状態にて変更指示がされていた場合、例えば、管理者等ではなく、不正行為が行われている可能性がある。このような場合には、中枠WNが開放されている状態にて変更指示がされていた場合とは異なる報知が実行される。このため、管理者等が、不正行為を特定し易くなり、不正な操作を抑制することができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(21)本実施形態によれば、設定表示器45により、設定モード中には、第1報知が行われ、確認モード中には、第2報知が行われるが、両者の態様は、異なる。例えば、管理者等のような、第1報知及び第2報知の報知態様を理解している者は、設定表示器45による報知により、設定モード、及び確認モードの何れの状態に制御されているのかを把握し、設定値の設定に関する操作や確認に関する操作を行うことができる。そして、設定モード中に電源断がされた場合、設定値が変更されていない状態で電源断がされることとなる。このとき、本実施形態では、予め定めた特殊解除条件が成立するまで、電源投入がされる毎に設定エラー報知を行うことで、設定値が変更されていない状態で遊技が行われることを抑制できる。
(22)本実施形態によれば、設定表示器45は、1又は複数の発光部を含んで構成されるとともに兼用化されており、発光部の発光により第1報知及び第2報知が行われる。このため、パチンコ遊技機10の管理者等に対して、理解し易い報知を提供できる。
(23)本実施形態によれば、制限モード1、又は制限モード2へ移行させる制御が行われた場合、電源投入に際して、少なくとも中枠WNを開放させておかなければ設定モードへ移行させることができず、解除条件を成立させ得ない。よって、枠キーを所有しない者による不正な操作を抑制できる。
(24)従来のパチンコ遊技機では、設定変更を可能な状態であるときに電源が遮断されると、変更前の設定値が維持されるようになっている。このような場合には、例えば、管理者が意図する設定値とは異なる設定値が設定された状態となってしまい、遊技者の興趣を向上させることが難しくなる虞があった。本実施形態によれば、このような課題を解決できる。
(25)本実施形態によれば、第1可動体EK1については、設定エラー1の発生によって特定の制御信号が出力されるか否かに依存せず、通電状態となることによって、第1初期動作を行う。このように、簡便な構成で動作を確認できる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態において、第2可動体EK2は、LEDなどの発光体を搭載してもよい。本変更例において、CPU50aは、第2可動体EK2に演出動作を行わせる場合、第2可動体EK2に搭載された発光体を制御し、演出用の発光パターンにて発光させるとよい。また、本変更例において、CPU50aは、設定エラーコマンドを入力すると、第2可動体EK2に搭載された発光体を制御し、設定エラー報知用の発光パターンにて発光させてもよい。これによれば、設定エラーが発生しているとき、第2可動体EK2が初期動作を行わないものの、設定エラー報知を行うための装置として兼用できる。つまり、第2特定装置は、特定エラー状態が発生すると、特定エラー状態に対応した報知動作により、特定エラー状態の報知を行うことができる構成であってもよい。本変更例によれば、第2可動体EK2については、特定エラー状態が発生すると、初期動作に代えて特定エラー状態に対応した報知動作を行い、特定エラー状態の報知を行う。このため、遊技場の管理者等に対して、特定エラー状態の発生を把握させることができる。
さらに、本変更例において、CPU50aは、設定エラーコマンドとは異なるエラーを特定可能なエラー発生コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能なエラーに対応した発光パターンにて発光するように、第2可動体EK2に搭載された発光体を制御してもよい。つまり、第2特定装置は、特定エラー状態とは異なるエラー状態が発生すると、当該異なるエラー状態に対応した報知動作を実行できる構成であってもよい。本変更例によれば、第2可動体EK2は、特定エラー状態とは異なるエラー状態の報知も可能である。このため、第2可動体EK2について、エラー状態の報知を行う装置として位置づけ、各種のエラー状態の報知をより印象付けることができる。そして、本変更例によれば、第2可動体EK2は、いわゆる演出としての予告動作も可能である。このため、第2可動体EK2について、エラー状態の報知を行う装置だけではなく、予告報知を行う装置として兼用することも可能になる。よって、遊技機としての構成を簡略化できる。
・本実施形態において、第1可動体EK1は、LEDなどの発光体を搭載してもよい。本変更例において、CPU50aは、第1可動体EK1に演出動作を行わせる場合、第1可動体EK1に搭載された発光体を制御し、演出用の発光パターンにて発光させるとよい。ただし、本変更例において、CPU50aは、第1初期動作を行わせるとき、及び第2初期動作を行わせるとき、第1可動体EK1に搭載された発光体を点灯させるが、その発光色を変更させない構成であることが好ましい。つまり、第1特定装置は、発光体を含んで構成され、少なくとも所定の動作を行っている間の発光色が変化しないようになる。本変更例によれば、少なくとも所定の動作(所謂、初期動作)を行っている間の発光色が変化しない。このため、第1特定装置の動作確認を可能としつつも、発光色の変化によって過度に管理者の注意を惹きつけないようにできる。また、本変更例において、CPU50aは、第1初期動作を行わせるとき、及び第2初期動作を行わせるとき、第1可動体EK1に搭載された発光体を点灯させない構成であってもよい。
・本実施形態において、第1可動体EK1、及び第2可動体EK2の一方又は両方は、予告動作を行わない構成であってもよい。例えば、これらの可動体は、大当り期待度がない単なる賑やかし演出としての動作を行う構成であってもよい。
・本実施形態において、設定モードと確認モードとでは、セキュリティ信号の最小出力時間が同じであったが、これに限らず、設定モードと確認モードとでは、セキュリティ信号の最小出力時間が異なっていてもよい。本変更例によれば、パチンコ遊技機10に接続された外部装置は、セキュリティ信号の最小出力時間に基づいて、設定モード、及び確認モードの何れに制御されていたのかを特定し易くできる。
・本実施形態において、設定モード中のセキュリティ信号の出力時間、及び確認モード中のセキュリティ信号の出力時間は、長さが不定であったが、これに限らず、長さが固定であってもよい。本変更例において、設定モード中と確認モード中とでは、セキュリティ信号の出力時間の長さが異なっていてもよい。この構成によれば、パチンコ遊技機10に接続された外部装置は、設定モード中、及び確認モード中に出力されるセキュリティ信号の出力時間に基づいて、設定モード、及び確認モードの何れに制御されていたのかを特定し易くできる。また、本変更例において、設定モード中と確認モード中とでは、セキュリティ信号の出力時間の長さが同じであってもよい。この構成によれば、パチンコ遊技機10に接続された外部装置は、設定モード中、及び確認モード中に出力されるセキュリティ信号の出力時間に基づいて、設定モード、及び確認モードの何れに制御されていたのかを特定し難くできる。
・本実施形態において、設定モードの終了後にはセキュリティ信号が出力される一方、確認モードの終了後にはセキュリティ信号が出力されなかったが、これに限らず、設定モードの終了後、及び確認モードの終了後の何れもセキュリティ信号が出力されるようにしてもよい。本変更例において、設定モードの終了後と確認モードの終了後とでは、セキュリティ信号の出力時間の長さが異なっていてもよい。この構成によれば、パチンコ遊技機10に接続された外部装置は、設定モードの終了後、及び確認モードの終了後におけるセキュリティ信号の出力時間に基づいて、設定モード、及び確認モードの何れに制御されていたのかを特定し易くできる。また、本変更例において、設定モードの終了後と確認モードの終了後とでは、セキュリティ信号の出力時間の長さが同じであってもよい。この構成によれば、パチンコ遊技機10に接続された外部装置は、設定モードの終了後、及び確認モードの終了後におけるセキュリティ信号の出力時間に基づいて、設定モード、及び確認モードの何れに制御されていたのかを特定し難くできる。
・本実施形態において、制限モード1の解除条件、及び制限モード2の解除条件は、設定モードへの移行によって成立したが、これに限らず、設定モードへ移行し、且つ大当り確率を定めた情報(設定値)が設定されることによって成立するようにしてもよい。つまり、解除条件は、設定モードへ移行し、設定器43がオフに操作されて設定値が確定することによって成立するようにしてもよい。本変更例によれば、何れかの制限モードへ移行させる制御が行われたときは、設定モードへ移行させる制御が行われても、設定値が新たに設定されるまでは、電源投入がされる毎に設定エラー報知が行われる。したがって、制限モードに移行し、設定値が設定されるまでは、管理者が意図する設定値とは異なる設定のまま、パチンコ遊技機10が遊技者の遊技に供されてしまうことを抑制できる。また、制限モードの解除条件は、仮選択中である設定値が変更されることにより成立してもよく、変更後の設定値が確定されることにより成立してもよい。また、制限モードの解除条件は、第1RWMクリアが行われることであってもよく、第2RWMクリアが行われることであってもよい。
・本実施形態において、制限モード1の解除条件、及び制限モード2の解除条件は、同じ条件であったが、これに限らず、異なる条件であってもよい。
・本実施形態において、制限モード1の報知、及び制限モード2の報知は、何れも同じ設定エラー報知であったが、これに限らず、一部又は全部の態様が異なっていてもよい。
・本実施形態において、設定モードであるとき、確認モードであるとき、及び制限モードであるときに、第1可動体EK1の第2初期動作、及び第2可動体EK2の初期動作の全部が制限されたが、これに限らず、一部が制限されるようにしてもよい。例えば、一部が制限された初期動作としては、原位置P0aにて振動させることを定めてもよく、複数ある第2可動体EK2のうち、一部の第2可動体EK2にのみ初期動作を行わせることを定めてもよい。また、第1可動体EK1の第2初期動作、及び第2可動体EK2の初期動作は、設定モード、確認モード、及び制限モードのうち任意に選択できる1つ、又は複数の制御モードにおいてのみ制限され得る構成であってもよい。
・本実施形態において、第1可動体EK1、及び第2可動体EK2は、配設位置、動作範囲、形状、及び意匠を変更してもよい。例えば、第1可動体EK1は、回転動作を行う可動体であってもよく、複数の第1可動体EK1を画像表示部GHの前方に突出させて恰も合体するかのような動作を行う可動体であってもよい。また、第1可動体EK1は、前枠WMに備えてもよく、中枠WNに備えてもよい。第2可動体EK2についても同様に変更できる。
・本実施形態において、設定モード、又は確認モードへ移行するには、中枠WNが開放されていること、つまり開放検知センサSE7から開放信号を入力していることを必要としたが、これに限らず、中枠WNが開放されているか否かを参照しない構成であってもよい。本変更例において、CPU41aは、開放検知センサSE7から開放信号を入力しているか否かに関係なく、クリア指示がされておればRWMクリアを行い、確認指示がされておれば確認モードへ移行し、変更指示がされておれば設定モードへ移行するとよい。
・本実施形態において、設定モード中に電源断がされた場合であって、電源投入に際して変更指示がされたとき、中枠WNが開放されているか否かに応じて異なる報知を行ったが、これに限らず、同じ報知を実行してもよい。また、設定モード中に電源断がされたとき、電源投入に際して、変更指示がされていた場合、中枠WNが開放されているかに関わらず、設定モードへ移行させる制御が行われてもよい。本変更例によれば、管理者は、パチンコ遊技機10を島設備などから取り外した状況などにおいて、中枠WNが開放されている状態に限らず、中枠WNが開放されていない状態でも、電源投入に際して、変更指示をすることで設定モードへ移行させることができる。さらに、このとき、中枠WNが開放されているかに関係なく、同じ報知が行われるため、中枠WNの開放状態により異なる報知が行われる場合に比して、設定モードへ移行したことを特定し易くなる。また、本変更例によれば、簡便に制限モードを解除することもできる。
・本実施形態において、制限モード1中に電源断がされたとき、中枠WNが開放された状態にて変更操作をしなければ、設定モードへ移行させ得なかったが、これに限らず、電源投入に際して変更指示がされていた場合、中枠WNが開放されているかに関わらず、設定モードへ移行させる制御が行われるようにしてもよい。本変更例において、中枠WNが開放されているかに関わらず、同じ報知が行われるようにすれば、中枠WNの開放状態により異なる報知が行われる場合に比して、設定モードへ移行したことを特定し易くなる。一方、本変更例において、中枠WNが開放されているかに応じて、異なる報知が行われるようにすれば、中枠WNの開放状態によらずに同じ報知が行われる場合に比して、不正な操作を特定し易くなる。
・本実施形態において、設定表示器45による、設定モード中の第1報知と、確認モード中の第2報知とは、異なる報知態様であったが、これに限らず、同じ報知態様であってもよい。本変更例によれば、設定表示器45による報知により、設定モード、及び確認モードの何れかに制御されていることを特定し易くなる一方、設定表示器45による報知のみでは、設定モード、及び確認モードの何れに制御されているかまでは特定し難い。したがって、例えば、不正な遊技者等が、設定表示器45による報知により設定モードであることを把握することで、設定値の不正な操作を行うことを抑制することができる。
・本実施形態において、設定表示器45は、第1報知、及び第2報知を行う表示器として少なくとも一部の発光部が兼用されていたが、これに限らず、別体であってもよい。また、全部が兼用されていてもよい。この場合、第1報知と第2報知とで点滅の有無にて区別できるようにするとよい。
・本実施形態において、エラー表示器44、及び設定表示器45は、それぞれ他の表示器と兼用されていてもよい。例えば、エラー表示器44、及び設定表示器45は、ベース値と、ベース値の種類を特定するための識別子と、を表示するための表示器(所謂、性能表示モニタ)と兼用されていてもよい。
・本実施形態において、エラー表示器44、及び設定表示器45は、7セグメント型の表示器であったが、これに限らず、7セグメント型の表示器とは異なる1又は複数の発光部により構成された表示器であってもよいし、液晶表示器であってもよい。
・本実施形態において、電源断がされたときの状態が設定モードであるか否かを判定するように構成されていたが、確認モードであるか否かを判定するように構成してもよい。そして、電源断がされたときに、確認モードに制御されていたか否かに応じて、異なる制御モードへ移行するようにしてもよい。例えば、CPU41aは、確認モード中に電源断がされた場合、次回の電源投入に際して、中枠WNが開放されている状態にて、指示なしである場合、又はクリア指示がされている場合に、制限モード2へ移行するように構成してもよい。
・本実施形態において、RWM50cの記憶内容はバックアップされないようになっていたが、これに限らず、バックアップされてもよい。例えば、CPU41aが第1初期化処理、又は第2初期化処理を行った場合、CPU50aは、バックアップされたRWM50cの記憶内容を初期化するように構成してもよい。
・本実施形態において、設定スイッチは、クリアスイッチ42と兼用されたが、これに限らず、専用の操作部であってもよい。また、設定スイッチの操作は、押しボタン式に限らず、レバー式、及びダイアル式など、任意に変更してもよい。
・本実施形態において、エラー報知の解除操作を可能なエラー解除スイッチを設けなかったが、これに限らず、エラー解除スイッチを設けてもよい。設定スイッチは、クリアスイッチ42ではなくエラー解除スイッチと兼用されていてもよい。
・本実施形態において、設定モードに制御されているときには、設定に関するスイッチを除く全てのスイッチが無効であってもよい。また、確認モードに制御されているときには、設定に関するスイッチを除く全てのスイッチが無効であってもよい。
・本実施形態において、設定制御に関わる構成を、主基板40に備えたが、主基板40とは別の基板に備えていてもよい。具体的には、設定制御用の基板を別に備えてもよいし、主基板40に情報を送信可能な払出制御基板に備えてもよい。
・本実施形態において、設定モード報知、確認モード報知、RWMクリア報知、復電報知、及び扉開放エラー報知に優先度を定め、相対的に優先度が高い報知を優先的に実行させるようにしてもよい。例えば、ある報知の実行中、より優先度が高い報知を行う条件が成立したときには、当該優先度が高い報知のみを実行し、それまでに実行していた報知を終了又は中断するとよい。
・本実施形態において、設定スイッチは、特定の設定値を設定可能な構成であってもよい。例えば、設定スイッチは、第1設定値への変更を指示する操作部、第2設定値への変更を指示する操作部、及び第3設定値への変更を指示する操作部を有する構成としてもよい。
・本実施形態において、クリアスイッチ42の機能と、設定器43の機能と、を兼ね備えた操作可能な手段としてもよい。例えば、当該手段は、第1状態と、第2状態と、第3状態と、第4状態と、に操作可能に構成してもよい。そして、第1状態とすることが指示なしとなり、第2状態とすることがクリア指示となり、第3状態とすることが確認指示となり、第4状態とすることが変更指示となるように構成するとよい。
・本実施形態において、施錠装置SSを解錠する枠キーと、設定器43を操作する設定キーと、は同一であってもよい。具体的に、設定器43の操作を行うためには、施錠装置SSを解錠したキーを抜く必要があり、施錠装置SSを施錠するためには、設定器43を操作したキーを抜く必要があるように構成されていてもよい。
・本実施形態において、設定値を変更不能であるときに、設定値の変更が不能であることを特定可能な情報の報知(以下、設定不能報知という)を実行可能に構成されていてもよい。例えば、確認モード、制限モード1、及び制限モード2において、設定表示器45では、「−」を表示するなど、設定不能報知が行われるように構成されていてもよい。
・本実施形態において、中枠WNが開放されずに、クリアスイッチ42、及び設定器43が操作され、通常モードとなった場合には、中枠WNが開放されていなかったことにより設定モードとならなかったことを特定可能な報知を行なってもよい。
・本実施形態において、設定モードを経て通常モードとなる場合、RWMクリア報知に加えて、「設定値を設定しました」の文字画像を演出表示装置11に表示してもよいし、「設定値を設定しました」の文字列を読み上げる音声をスピーカSPから出力させてもよい。本変更例における表示報知と音声報知は、何れか一方を実行させてもよいし、両方を実行させてもよい。
・本実施形態において、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。また、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、遊技球が特定領域を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
・本実施形態において、特別当り抽選にて大当りに当選した後、大当り遊技の付与開始を待機する大当り待機状態に制御されるように構成してもよい。そして、大当り待機状態において所定の入球口(例えば、ゲート17)への入球を契機に、大当り待機状態を終了し、大当り遊技の付与が開始されるように構成してもよい。このように構成する場合であっても、少なくとも特別当り抽選に当選したことが、大当り遊技の付与の条件となる。本実施形態において、パチンコ遊技機10として、遊技球が特定領域を通過することを契機に大当り遊技を付与する仕様(所謂、1種2種混合機)を採用できる。
・本実施形態において、特別当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。特別当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低ベース状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
・本実施形態において、パチンコ遊技機10として、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することによって大当り遊技が生起される。
・本実施形態において、主基板40に搭載される遊技の進行を制御する手段をワンチップマイクロコンピュータとしていたが、主基板40に搭載される遊技の進行を制御する手段の機能を複数のチップに分散させてもよい。
・本実施形態において、遊技盤YBの具体的な構成は任意に変更してもよい。
・本実施形態において、副基板50をサブ統括制御基板とし、副基板50とは別に演出表示装置11を専門に制御する表示制御基板、装飾ランプLA1,LA2を専門に制御する発光制御基板、スピーカSPを専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板に主基板40のCPU41a及び副基板50のCPU50aを搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(1)前記第1特定装置は、発光体を含んで構成され、少なくとも前記所定の動作を行っている間の発光色が変化しない。