JP2021145548A - ENGaseまたはその変異体を用いた4本鎖糖鎖を有するIgG抗体の調製方法 - Google Patents

ENGaseまたはその変異体を用いた4本鎖糖鎖を有するIgG抗体の調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 コアフコ−スの有無にかかわらず、4本鎖糖鎖が結合したIgG抗体を簡便に調製する方法を提供すること。【解決手段】 4本鎖糖鎖を持つIgG抗体の調製方法であって、IgG抗体をアクセプター基質として、4本鎖複合型糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、EndoF3またはその変異体、あるいはEndoS2またはその変異体を作用させて、4本鎖糖鎖を抗体アクセプターに転移させることを特徴とするIgG抗体の調製方法。【選択図】図2

Description

本発明は、4本鎖糖鎖を有することを特徴とするIgG抗体の調製方法に関する。本発明で表している4本鎖糖鎖とは、複合型糖鎖において、N,N‘−ジアセチルキトビオースユニット(GlcNAcβ1,4GlcNAc)の非還元末端側に結合したマンノース(Man)からα1−3またはα1−6の結合様式で結合したマンノース残基に、それぞれβ1−2結合とβ1−4結合、およびβ1−2結合とβ1−6結合したN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)を4分子有する糖鎖(GN4)、またはその非還元末端にガラクトース(Gal)が4分子結合した糖鎖(G4)である。
糖タンパク質のN結合型糖鎖には、高マンノース型糖鎖(N,N‘−ジアセチルキトビオースユニットにマンノースのオリゴマーが結合している糖鎖);複合型糖鎖(N,N‘−ジアセチルキトビオースユニットにマンノースおよびN−アセチルグルコサミン、ガラクトース(Gal)、シアル酸(Sia)の少なくとも1つが結合した糖鎖);並びに混合(hybrid)型糖鎖(N,N‘−ジアセチルキトビオースユニットに高マンノース型糖鎖と複合型糖鎖が混成している糖鎖)が存在する。構成糖、鎖長、結合様式等の違いによって様々な種類の糖鎖が存在し得る。
N結合型糖鎖の中には、糖タンパク質の機能発現に関わるものがあり、特に、糖鎖構造の違いが機能発現に重大な影響を及ぼす場合がある。例えば、免疫グロブリンG(Immunoglobulin G, IgG)抗体の場合、297番目のアスパラギン残基にN結合型糖鎖が付加しているが、このアスパラギン残基に直接結合するN−アセチルグルコサミンに、コアフコースとよばれるα1−6結合したフコース(Fuc)が付加していない複合型糖鎖を有するIgG抗体は、非常に高い抗体依存性細胞傷害活性(Antibody Dependent Cellular Cytotoxicity, ADCC)を示すが、コアフコースが付加した複合型糖鎖を有するIgG抗体は、低いADCC活性を示すことが報告されている(非特許文献1)。
通常、抗体分子には様々な糖鎖が不均一に結合している。現在、がんなどの疾患治療薬(抗体医薬品)として多くの抗体が開発されているが、糖鎖に由来する抗体分子の不均一性は、医薬品としての力価や安定性にも影響を及ぼすことが考えられ、医薬品として十分な品質管理をする上で問題である。
抗体の機能解明の観点から、IgG抗体に均一の糖鎖を結合させる糖鎖リモデリング法が試みられている(非特許文献2,3、特許文献1)。この方法は、最初にIgG抗体のFc領域に結合しているN結合型糖鎖を、エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)の一種であり、IgG抗体のFc領域の糖鎖を特異的に切断する活性を有するEndoSという酵素(非特許文献4)を用いて切断する。この際、IgG抗体の糖鎖付加部位である297番目のアスパラギンにはN−アセチルグルコサミンが一残基、あるいはコアフコースが結合した二残基が結合している(抗体アクセプター)。次に、このIgG抗体をアクセプター基質として、糖鎖の還元末端をオキサゾリン体にした糖鎖オキサゾリンをドナー基質として、EndoSの糖鎖切断活性を抑制し、かつ糖鎖転移活性を発揮するグライコシンターゼ化した変異体(EndoS D233A変異体、またはD233Q変異体)を作用させる事によって、IgG抗体へ均一の糖鎖を付加させる。
抗体機能の増強や新規機能の付与などを目指して、上記方法のような糖鎖改変技術を利用して、既存の抗体とは異なる構造をした糖鎖をもつ抗体を創製する試みが行われている(非特許文献5)。例えば、抗体医薬品として利用されているIgG抗体は、おもに2本鎖複合型糖鎖が結合しているが、均一なコアフコースつき3本鎖複合型糖鎖が結合したIgG抗体が調製されている(非特許文献6)。
この調製方法は、まずエンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼの一種であるEndoF3をリツキシマブに作用させて、IgG抗体の糖鎖付加部位であるアスパラギンにコアフコースの結合したN−アセチルグルコサミンが残ったIgG抗体を調製する。つぎに、このIgG抗体をアクセプター基質として、均一な3本鎖複合型糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、EndoF3の糖鎖切断活性を抑制し、かつ糖鎖転移活性を発揮するグライコシンターゼ化した変異体(EndoF3 D165A変異体)を作用させて、3本鎖複合型糖鎖が結合したリツキシマブを調製している。
上記方法による抗体アクセプターへの糖鎖転移については、これまでに2本鎖および3本鎖複合型糖鎖の転移反応が実施されているが、4本鎖複合型糖鎖の転移反応については報告されていない。一般に、EndoF3やEndoS、およびその類似酵素のEndoS2(非特許文献7)といった酵素には4本鎖複合型糖鎖の切断活性がなく、同様にこの糖鎖は、これら酵素の水解反応の逆反応である転移反応の基質にもならないと考えられている。
一方、4本鎖複合型糖鎖が結合したIgG抗体の調製法としては、特定構造の2本鎖複合型糖鎖が結合した抗体に対し、GnT−IVおよびGnT−VといったN−アセチルグルコサミン転移酵素を連続的に作用させて、抗体上に4本鎖糖鎖を形成させる方法があるが(特許文献2)、この方法では反応に数十から数百時間を要するとともに、反応条件が至適化されていないと反応が完全に進まず、必ずしも均一構造をした4本鎖糖鎖を形成できない場合がある。従ってこの方法にかわり、短時間で効率よく4本鎖糖鎖を有する抗体を調製できる方法が求められている。
国際公開公報WO2013/120066号 特開2019−835372号 特開2020−22440号
Toyohide Shinkawa et al., J. Biol. Chem. 278, 3466−3473 (2003) Wei Huang et al., J.Am. Chem. Soc. 134, 12308−12318 (2012) Masaki Kurogochi et al., PLoS One 10, e0132848 (2015) Mattias Collin et al., EMBO J. 20, 3046−3055 (2001) Feng Tang et al., Nat.protoc. 12, 1702−1721 (2017) John P. Giddens et al., J. Biol. Chem. 291, 9356−9370 (2016) Jonathan Sjogren et al., Biochem. J. 455, 107−118 (2013) Michihiko Aoyama et al., MABS. 11, 826−836 (2019) Chin−Wei Lin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 112, 10611−10616 (2015) Tiezheng Li et al., J. Biol. Chem. 291, 16508−16518 (2016)
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、前記問題点を解決し、4本鎖複合型糖鎖が結合したIgG抗体を簡便に調製する方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、IgG抗体の糖鎖付加部位であるアスパラギンにコアフコースの付加したN−アセチルグルコサミンが結合したIgG抗体をアクセプター基質とし、GN4型またはG4型の4本鎖複合型糖鎖(図1)のオキサゾリン体をドナー基質として、EndoF3またはその変異体を作用させることによって、4本鎖複合型糖鎖が結合したIgG抗体を調製できることを見出した。さらに、経時的にオキサゾリン基質を反応系に追加すると、転移効率が改善されることを見出した。またGN4型糖鎖の転移については、EndoS2を作用させると、コアフコースが付加していない抗体アクセプターに対しても4本鎖糖鎖の転移がおこることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、IgG抗体上にGN4型の4本鎖複合型糖鎖を形成させた後に、UDP−GlcNAcを糖供与体としてGnT−IX(GnT−VB)、またはGnT−VIを作用させることによって、IgG抗体上に5本鎖複合型糖鎖(GN5)が形成されると考えられる。また、5本鎖複合型糖鎖を有するIgG抗体を調製する際、GnT−IX(GnT−VB)を用いた場合には、つぎにGnT−VIを作用させることによって、IgG抗体上に6本鎖複合型糖鎖(GN6)が形成されると考えられる。同様に、5本鎖複合型糖鎖を有するIgG抗体を調製する際、GnT−VIを用いた場合には、つぎにGnT−IX(GnT−VB)を作用させることによって、IgG抗体上に6本鎖複合型糖鎖が形成されると考えられる。また、GN4型の4本鎖複合型糖鎖が結合したIgG抗体に対し、UDP−GlcNAcを糖供与体としてGnT−IIIを作用させることによって、IgG抗体上にbisecting GlcNAc構造をもつ複合型糖鎖を形成することもできる。
上記のようにIgG抗体上にGN4〜GN6型の複合型糖鎖を形成させた後に、UDP−Galを糖供与体としてガラクトース(Gal)転移酵素を作用させる事によって、糖鎖の非還元末端側に存在しているGlcNAcにGalを結合させて糖鎖を伸長することができる。また、付加したGalに対して、CMP−シアル酸(Sia)を糖供与体としてシアル酸転移酵素を作用させる事によって、糖鎖の非還元末端側に存在しているGalにSiaを結合させて糖鎖を伸長することができる。さらに、アセチル基転移酵素や硫酸転移酵素を作用させることによって、伸長したシアル酸やガラクトースを修飾することもできる。また、GDP−Fucを糖供与体としてフコース(Fuc)転移酵素を作用させる事によって、Fucを結合させた糖鎖を伸長することができる。
すなわち、本発明は、4本鎖複合型糖鎖を持つIgG抗体の調製方法であって、以下の工程(1)、工程(2)、工程(3)のいずれかを行うことを特徴とするIgG抗体の調製方法を提供するものである。
(1)IgG抗体の糖鎖付加部位であるアスパラギンにコアフコースの付加したN−アセチルグルコサミンが結合したIgG抗体をアクセプター基質とし、GN4型またはG4型の4本鎖複合型糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、EndoF3またはその変異体を作用させて4本鎖糖鎖を抗体アクセプターに転移させる工程
(2)IgG抗体の糖鎖付加部位であるアスパラギンにコアフコースの付加した、あるいは付加していないN−アセチルグルコサミンが結合したIgG抗体をアクセプター基質とし、GN4型の4本鎖複合型糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、EndoS2またはその変異体を作用させて4本鎖糖鎖を抗体アクセプターに転移させる工程
(3)工程(1)または(2)を実施する際に、経時的にオキサゾリン基質を反応系に追加して転移効率を向上させる工程
また、本発明は、上記IgG抗体の調製方法によって調製した4本鎖複合型糖鎖を持つIgG抗体を提供するものである。
本発明によれば、前記問題点を解決し、酵素による糖転移反応という簡単なステップにより、短時間で効率よく、4本鎖複合型糖鎖が結合したIgG抗体を調製することができる。また、ここで調製されたIgG抗体に、N−アセチルグルコサミン転移酵素、ガラクトース転移酵素、シアル酸転移酵素などを糖供与体とともに作用させて、さらに分岐した、あるいは伸長した糖鎖構造を有するIgG抗体を調製することもできる。このようにして調製されたIgG抗体は、「特定の糖鎖構造を有するIgG抗体の機能および安定性」等の検討に利用することができる。
GN4型糖鎖およびG4型糖鎖の構造を示した図である。 4本鎖糖鎖を有するIgG抗体の調製方法の概念図である。 IgG抗体の糖鎖付加部位であるアスパラギンにコアフコースの付加したN−アセチルグルコサミンが結合したリツキシマブをアクセプター基質とし、GN4型またはG4型の4本鎖複合型糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、EndoF3、EndoF3 D165A変異体、またはEndoS2を作用させて転移反応を実施し、その反応産物をSDSポリアクリルアミド電気泳動にて解析した結果である。 図3の各酵素によるGN4型糖鎖転移反応の3時間時における反応産物を質量分析で解析した結果を示した図である。転移産物に由来するGN4F型糖鎖のシグナル、コアフコースが付加したN−アセチルグルコサミンが結合したペプチド由来のシグナル(Pep+GnF)、N−アセチルグルコサミンが結合したペプチド由来のシグナル(Pep+Gn)が検出されている。 図3の各酵素によるG4型糖鎖転移反応の3時間時における反応産物を質量分析で解析した結果を示した図である。転移産物に由来するG4F型糖鎖のシグナル、コアフコースが付加したN−アセチルグルコサミンが結合したペプチド由来のシグナル(Pep+GnF)、N−アセチルグルコサミンが結合したペプチド由来のシグナル(Pep+Gn)が検出されている。 IgG抗体の糖鎖付加部位であるアスパラギンにN−アセチルグルコサミンが結合したトラスツズマブをアクセプター基質とし、GN4型の4本鎖複合型糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、EndoS2またはEndoS2 D184M変異体を作用させて転移反応を実施し、その反応産物をSDSポリアクリルアミド電気泳動にて解析した結果と、反応3時間時における反応産物を質量分析で解析した結果を示した図である。 リツキシマブをアクセプター基質とし、GN4型またはG4型の4本鎖複合型糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、EndoF3を作用させて転移反応を実施した。その際、1時間おきにそれぞれの反応において4本鎖糖鎖オキサゾリンを追加した。その反応産物を経時的にサンプリングしてSDSポリアクリルアミド電気泳動にて解析した結果である。 上段は図7のGN4型糖鎖転移反応の4時間時における反応産物を、下段は図7のG4型糖鎖転移反応の5時間時における反応産物を、それぞれ質量分析で解析した結果を示した図である。
以下、本発明の実施態様および実施方法について詳細に説明するが、本発明は、以下の具体的形態に限定されるものでなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
<本発明の4糖鎖複合型糖鎖を有するIgG抗体の調製方法>
本発明の多分岐糖鎖を有するIgG抗体の調製方法は、以下の工程(1)、工程(2)、工程(3)のいずれかを行うことを特徴とする。
(1)IgG抗体の糖鎖付加部位であるアスパラギンにコアフコースの付加したN−アセチルグルコサミンが結合したIgG抗体をアクセプター基質とし、GN4型またはG4型の4本鎖複合型糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、EndoF3またはその変異体を作用させて4本鎖糖鎖を抗体アクセプターに転移させる工程
(2)IgG抗体の糖鎖付加部位であるアスパラギンにコアフコースの付加した、あるいは付加していないN−アセチルグルコサミンが結合したIgG抗体をアクセプター基質とし、GN4型の4本鎖複合型糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、EndoS2またはその変異体を作用させて4本鎖糖鎖を抗体アクセプターに転移させる工程
(3)工程(1)または(2)を実施する際に、経時的にオキサゾリン基質を反応系に追加して転移効率を向上させる工程
上記の4本鎖複合型糖鎖を有するIgG抗体の調製方法の例として、GN4型糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、EndoF3またはその変異体、あるいはEndoS2またはその変異体を作用させて、コアフコースを含有した抗体アクセプターに4本鎖糖鎖を転移させる工程の概念図を図2に示すが、本発明はこの概念図の例に限定されるものではない。
本明細書中において、「4本鎖糖鎖」とは、複合型糖鎖において、N,N‘−ジアセチルキトビオースユニット(GlcNAcβ1,4GlcNAc)の非還元末端側に結合したマンノースからα1−3またはα1−6の結合様式で結合したマンノース残基に、それぞれβ1−2結合とβ1−4結合、およびβ1−2結合とβ1−6結合したN−アセチルグルコサミンを4分子有する糖鎖(GN4)、またはその非還元末端にガラクトースが4分子結合した糖鎖(G4)である(図1)。このほかに、GN4型糖鎖の非還元末端にガラクトースが1分子、2分子、または3分子結合したG1GN4型糖鎖、G2GN4型糖鎖、あるいはG3GN4型糖鎖も存在し得るが、いずれも本明細書において記載される「4本鎖糖鎖」の範疇に属するものである。
糖鎖のオキサゾリン体の調製法、および抗体アクセプターの調製法は、特許文献1、非特許文献2、3などに開示されている。
エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)は、酵素番号EC3.2.1.96に分類される酵素で、N結合型糖鎖の基本骨格を構成するN,N‘−ジアセチルキトビオースユニット構造を切断する活性を有するが、この加水分解反応の逆反応である糖転移活性を同時に有する酵素も存在する。本発明の4本鎖糖鎖を有するIgG抗体の調製の際に工程(1)において用いるEndoF3、または工程(2)において用いるEndoS2は、加水分解活性と糖転移活性を有する微生物由来のエンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼの一種である。これらの酵素については、非特許文献6、7などに開示されている。また、工程(1)あるいは工程(2)において用いる両酵素の変異体は、糖転移活性は発揮するものの、加水分解活性が抑制されている酵素である。本明細書では、これらの酵素は大腸菌で発現させた組換え酵素を用いるが、同様の活性を示す酵素であれば、当該酵素を生産する菌から精製した酵素や、動植物あるいは大腸菌以外の微生物に発現させた組換え酵素を用いても構わない。
本発明では、上記の工程(3)において、反応系にオキサゾリン基質を追加するが、追加する量や追加するタイミングは、糖転移反応の効率が向上されるのであれば、適宜変更されても構わない。
上記工程(1)、(2)または(3)ののちに、最終生成物を分離する工程には、一般的なクロマトグラフィ−操作によって、基質由来のアクセプター抗体や、抗体分子を形成する2分子のモノマー(モノマー1分子は重鎖と軽鎖からなる)のうち、一方のモノマーにしか4本鎖糖鎖が転移されなかったIgG抗体(ヘミ体)と、最終生成物である2分子のモノマーの両方に4本鎖糖鎖が転移されたIgG抗体(フル体)を分離し、これを精製取得する工程が含まれる。一般的なクロマトグラフィ−操作とは、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロ−ス等のレジンを用いた陰イオン交換クロマトグラフィ−法、スルホプロピル(SP)セファロ−ス等のレジンを用いた陽イオン交換クロマトグラフィ−法、ブチルセファロ−ス、フェニルセファロ−ス等のレジンを用いた疎水性クロマトグラフィ−法、分子篩を用いたゲルろ過法、アフィニティ−クロマトグラフィ−法、クロマトフォ−カシング法、等電点電気泳動等の電気泳動法等の手法のことであり、これらを単独あるいは組み合わせて用い、最終生成物である「4本鎖糖鎖を持つIgG抗体」の精製標品を得ることができる。
本発明で提供される調製方法により調製される4本鎖糖鎖を有するIgG抗体には、コアフコ−スを有さないIgG抗体およびコアフコ−スを有するIgG抗体が含まれる。また4本鎖糖鎖がGN4型糖鎖であるIgG抗体、及びその非還元末端にガラクトースが1から4分子結合したG1GN4型糖鎖、G2GN4型糖鎖、G3GN4型糖鎖、およびG4型糖鎖が結合したIgG抗体が含まれる。さらに上記抗体が非キメラ抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体であるIgG抗体が含まれる。さらに具体的には、トラスツズマブ、リツキシマブ、モガムリズマブといった抗体医薬品として利用されているIgG抗体が含まれる。
以下に記載する実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>4本鎖糖鎖のオキサゾリン体を用いた糖転移反応により、4本鎖糖鎖を有するリツキシマブを調製する方法
リツキシマブはCD20陽性の非ホジキンリンパ腫などの治療に用いられる抗体医薬品である。リツキシマブに結合する糖鎖の大部分(95%以上)にはコアフコ−スが付加している(www.afiscientifica.it/all/BERNAREGGI SESSIONE II.pdf)。このコアフコ−スを有するリツキシマブに、3本鎖複合型糖鎖のオキサゾリン体とEndoF3変異体を用いた糖転移反応によって、3本鎖複合型糖鎖結合させる方法は公知である(非特許文献6)。一方、EndoF3は3本鎖複合型糖鎖の切断活性はもつものの、4本鎖複合型糖鎖の切断活性はもたないため、同様の糖転移反応によって4本鎖複合型糖鎖を有するIgG抗体が調製できるかは不明である。本発明ではこの課題の克服のため、4本鎖糖鎖を有するIgG抗体の調製方法の確立に取り組んだ。
リツキシマブにEndoSなどのエンドグリコシダーゼを作用させて、リツキシマブの抗体アクセプタ−を調製する方法が開示されている(非特許文献8,9)。この方法を参考にして、本発明者らもコアフコースを含有するリツキシマブの抗体アクセプタ−を調製した。
4本鎖糖鎖のオキサゾリン体の調製に際し、ヒトのN−アセチルグルコサミントランスフェラ−ゼ(GnT)−IV、GnT−V、およびガラクトース転移酵素B4GalT1は、各酵素の発現ベクターをヒト胎児腎臓由来のHEK293細胞に導入し、本細胞に生産させた酵素をアフィニティー精製したものを使用した。
非特許文献3に開示されている方法に従い、シアル酸が結合した2本鎖複合型糖鎖を含有するシアリルグリコペプチド(伏見製薬所)に酸処理を施してシアル酸を除去したのち、ガラクトシダーゼ処理を施してガラクトースを除去したG0型糖鎖が結合した糖ペプチド(G0−ペプチド)を調製した。2.5mMのこの糖ペプチド(9.794mg/2mL)とGnT−V(40μg)を25mM MOPS緩衝液(pH7.4)、10mM UDP−GlcNAc、5mM MnCl、25mM NaCl、および100μgの牛血清アルブミンを含む溶液中(2mL)で37℃、73.5時間、振盪しながら反応させた。この際、少量の反応液を質量分析に供し、反応状況を確認した。
上記反応により、GN3a型の3本鎖糖鎖が形成されたことを確認したのち、反応液にGnT−IV(40μg/20μL)と0.2M UDP−GlcNAc 50μLを加え、さらに37℃で221時間反応させた。ここで少量の反応液を質量分析に供し、GN4型の4本鎖糖鎖がペプチド上に形成されたことを確認した。
GN4型糖鎖に4分子のガラクトースが結合したG4型糖鎖をもつ糖ペプチドについては、まず2.5mMのG0−ペプチド(0.9794mg/0.2mL)とGnT−V(6μg)を25mM MOPS緩衝液(pH7.4)、10mM UDP−GlcNAc、5mM MnCl、25mM NaCl、および10μgの牛血清アルブミンを含む溶液中(0.2mL)で37℃、137時間、振盪しながら反応させた。その後、反応液にGnT−IV(6μg)と0.2M UDP−GlcNAc 5μLを加え、さらに37℃で126時間反応させた。この反応液に、さらにガラクトース転移酵素B4GalT1(11.4μg)と、UDP−Galを17.6mMになるように加え、37℃で94時間反応させた。ここで少量の反応液を質量分析に供し、G4型の4本鎖糖鎖がペプチド上に形成されたことを確認した。
GN4型およびG4型の4本鎖糖鎖をもつ糖ペプチドからエンドグリコシダーゼを用いて糖鎖を切り出したのち、非特許文献3に開示されている方法に従って、これらの4本鎖糖鎖をオキサゾリン体にした。なお、GN4型糖鎖をもつ糖ペプチドに対しては、エンドグリコシダーゼとして特許文献3に記載されているEndo−Tsp1263を作用させた。またG4型糖鎖をもつ糖ペプチドに対しては、エンドグリコシダーゼとして特許文献3に記載されているEndo−Bac1008を作用させた。
EndoF3およびEndoF3 D165A変異体は、非特許文献6,8などに開示されている方法を参考にして、大腸菌で発現させたそれぞれの組換え酵素を調製した。また、EndoS2およびEndoS2 D184M変異体は、非特許文献7,10などに開示されている方法を参考にして、大腸菌で発現させたそれぞれの組換え酵素を調製した。
4本鎖糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、EndoF3、EndoF3 D165A変異体、およびEndoS2によるリツキシマブの抗体アクセプターへの糖転移反応を実施した。リツキシマブアクセプター(10μg)と酵素(5から6μg)、および1.835mMの4本鎖糖鎖オキサゾリンを50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)の溶液中(2.5μL)で混合し、37℃で3時間反応させた。この間、1時間おきに反応液をサンプリングし、それらをSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にて解析した結果を図3に示す。GN4型の4本鎖糖鎖の場合、いずれの酵素の反応でも泳動パターン上でIgG重鎖より高分子側に転移産物が検出された。一方、G4型糖鎖の場合は、泳動パターン上ではEndoF3、EndoF3 D165A変異体による反応では同様の転移産物が検出できたが、EndoS2による反応ではほとんど検出できなかった。
反応3時間時の反応液を質量分析に供した結果を図4、5に示す。質量分析による解析は、抗体(5μg)を50mM炭酸水素アンモニウム水溶液(37.5μl)に溶かして、100℃で15分間加熱した後に、シ−クエンスグレ−ドのトリプシン(Roche社製、0.5μg)を加えて、37℃で12時間反応させた。その反応溶液を、Zorbax 300SB−C18 1.0×150mm カラムを繋げたThermoScientific製LC−ESI MS装置(Ultimate3000+VelosPro)を用いてMS測定を行い、ペプチド鎖(EEQYNSTYR)及びそのペプチド鎖に糖鎖(GN4およびG4)が結合した糖ペプチドのイオンをモニタリングして、イオン量より各種のモル量を計算した。
GN4型糖鎖の転移反応の場合、リツキシマブアクセプター上の糖鎖付加部位にあるコアフコースが結合したN−アセチルグルコサミンにGN4型糖鎖のオキサゾリン体が転移した結果、質量分析ではコアフコースを含んだGN4F型糖鎖のシグナルが検出される。このシグナルをもとに反応3時間時におけるGN4型糖鎖が転移された抗体分子の割合を算出した結果、EndoF3による反応では31.8%、EndoF3 D165A変異体による反応では25.5%、EndoS2による反応では30.5%だった(図4)。
また、G4型糖鎖の転移反応の場合、リツキシマブアクセプター上の糖鎖付加部位にあるコアフコースが結合したN−アセチルグルコサミンにG4型糖鎖のオキサゾリン体が転移した結果、質量分析ではコアフコースを含んだG4F型糖鎖のシグナルが検出される。このシグナルをもとに反応3時間時におけるG4型糖鎖が転移された抗体分子の割合を算出した結果、EndoF3による反応では23.6%、EndoF3 D165A変異体による反応では15.5%、また泳動パターン上では転移産物がほとんど検出できなかったEndoS2による反応では、その割合は2.25%だった(図5)。以上の結果により、コアフコースが結合したN−アセチルグルコサミンを有する抗体アクセプターに、上記の酵素を用いてGN4型およびG4型の4本鎖糖鎖が転移できることが明らかになった。
<実施例2>4本鎖糖鎖のオキサゾリン体を用いた糖転移反応により、4本鎖糖鎖を有するトラスツズマブ(コアフコース非含有)を調製する方法
トラスツズマブはHER2過剰発現が確認された乳がんおよび胃がんの治療に用いられる抗体医薬品である。本抗体はそのエフェクター機能としてADCC活性を示すことが知られているが、高ADCC活性を発揮させるためには、抗体に結合している糖鎖にコアフコースが存在しないことが望まれる。<実施例1>では、コアフコースを含有するリツキシマブアクセプター対する4本鎖糖鎖の転移反応を実施したが、ここでは、コアフコースを含有しないトラスツズマブアクセプターを調製し、それに対する4本鎖糖鎖の転移反応を実施することにした。
フコシダーゼを作用させてコアフコースを含有しない抗体アクセプターを調製する方法が、非特許文献9に開示されている。そこでまず、コアフコースを含有するトラスツズマブアクセプターを、リツキシマブアクセプターを調製したときと同様にして調製し、これに対してフコシダーゼを作用させて、コアフコースを含有しないトラスツズマブアクセプターを調製した。
つぎに、GN4型4本鎖糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、EndoS2およびEndoS2 D184M変異体によるコアフコースを含有しないトラスツズマブアクセプターへの糖転移反応を実施した。トラスツズマブアクセプター(10μg)と酵素(6から8μg)、および1.835mMの4本鎖糖鎖オキサゾリンを50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)の溶液中(2.5μL)で混合し、37℃で3時間反応させた。この間、1時間おきに反応液をサンプリングし、それらをSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にて解析した結果と、反応3時間時の反応液を<実施例1>のときと同様にして質量分析に供した結果を図6に示す。上段はEndoS2、下段はEndoS2 D184M変異体による反応産物の解析結果を示すが、いずれの酵素の反応でも泳動パターン上でIgG重鎖より高分子側に転移産物が検出された。なお、EndoF3やその変異体は、コアフコースを含有する糖鎖を基質として特に好むが、コアフコースを含有しないトラスツズマブアクセプターはこれらの酵素の基質にならないため、転移反応は実施しなかった。
GN4型糖鎖の転移反応の場合、トラスツズマブアクセプター上の糖鎖付加部位にあるN−アセチルグルコサミンにGN4型糖鎖のオキサゾリン体が転移した結果、質量分析ではGN4型糖鎖のシグナルが検出される。このシグナルをもとに反応3時間時におけるGN4型糖鎖が転移された抗体分子の割合を算出した結果、EndoS2による反応では20.0%、EndoS2 D184M変異体による反応では2.81%だった(図6)。以上の結果より、コアフコースを含有しない抗体アクセプターにも4本鎖糖鎖を転移できることが明らかになった。
<実施例3>4本鎖糖鎖のオキサゾリン体を用いた糖転移反応において、転移効率を向上させる方法
これまでの実施例で示した4本鎖糖鎖の転移反応では、その転移効率は最も高いものでも31.8%であった。抗体分子は重鎖と軽鎖からなるモノマーが二量体を形成した形で存在するため、重鎖上の糖鎖付加部位は1分子の抗体分子中、実質2カ所存在する。そのため、転移効率が低いと、両方の糖鎖付加部位に4本鎖糖鎖が結合した抗体の割合が低くなり、その単離精製による取得においても収率が低くなると考えられる。ここでは、4本鎖糖鎖の転移反応の転移効率を向上させる方法について検討することにした。
GN4型およびG4型の4本鎖糖鎖オキサゾリン体をドナー基質として、EndoF3によるリツキシマブの抗体アクセプター(コアフコース含有)への糖転移反応を実施した。リツキシマブアクセプター(10μg)と酵素(GN4転移、5.3μg;G4転移、10μg)、および1.835mMの4本鎖糖鎖オキサゾリンを50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.0)の溶液中(2.5μL)で混合し、37℃で4から5時間まで反応させた。この間、1時間おきに反応液0.3μLをサンプリングするとともに、残りの反応液に50mMの4本鎖糖鎖オキサゾリン溶液0.09175μLを追加した(最終サンプリング時には追加せず)。サンプリングした反応液をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にて解析した結果を図7に示す。
その結果、経時的にオキサゾリン基質を追加するとともに、反応時間を延長し、場合によっては反応に使用する酵素量を増加させたことで、最終的な転移産物では、これまでの転移反応とくらべて転移効率の向上が認められた。GN4型糖鎖の転移の場合、反応4時間時での転移効率を質量分析により算出したところ、81.9%であった(図8上段)。また、G4型糖鎖の転移の場合、反応5時間時での転移効率を質量分析により算出したところ、77.2%であった(図8下段)。すなわち、本法により4本鎖糖鎖の転移反応の転移効率を向上できることが明らかとなった。
本発明は、4本鎖糖鎖を有するIgG抗体を簡便に調製、製造することができる。したがって、4本鎖糖鎖を有するIgG抗体の機能や安定性の検討、およびそれらの改善、純品の標品としての使用が可能になるので、医薬品業界等において利用可能である。

Claims (3)

  1. 4本鎖複合型糖鎖を持つIgG抗体の調製方法であって、IgG抗体の糖鎖付加部位であるアスパラギンにコアフコースの付加したN−アセチルグルコサミンが結合したIgG抗体をアクセプター基質とし、GN4型またはG4型の4本鎖複合型糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、(1)配列表の配列番号1に記載されるアミノ酸配列を有するEndoF3、または(2)配列表の配列番号1に記載されるアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換および/または付加を有するアミノ酸配列を有し、糖転移活性を発揮するEndoF3変異体を作用させて、4本鎖糖鎖を抗体アクセプターに転移させることを特徴とするIgG抗体の調製方法。
  2. 4本鎖複合型糖鎖を持つIgG抗体の調製方法であって、IgG抗体の糖鎖付加部位であるアスパラギンにコアフコースの付加した、あるいは付加していないN−アセチルグルコサミンが結合したIgG抗体をアクセプター基質とし、GN4型の4本鎖複合型糖鎖のオキサゾリン体をドナー基質として、配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列を有するEndoS2、または配列表の配列番号2に記載されるアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換および/または付加を有するアミノ酸配列を有し、糖転移活性を発揮するEndoS2変異体を作用させて、4本鎖糖鎖を抗体アクセプターに転移させることを特徴とするIgG抗体の調製方法。
  3. 請求項1ないし請求項2に記載のIgG抗体の調製方法において、経時的にオキサゾリン基質を反応系に追加して、転移反応の効率を向上させる方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022211075A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 日本マイクロバイオファーマ株式会社 抗体薬物複合体の製造方法及びそれに用いる酵素

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