JP2021143644A - ガスタービンの着火検知方法及び着火検知装置、ガスタービンシステム、並びにプログラム - Google Patents

ガスタービンの着火検知方法及び着火検知装置、ガスタービンシステム、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】コスト増大を抑制しながらガスタービンの複数の燃焼器の着火状態を適切に検知可能なガスタービンの着火検知方法及び着火検知装置、ガスタービンシステム、並びにプログラムを提供する。【解決手段】ガスタービンの着火検知方法は、周方向に沿って配列される複数の燃焼器と、前記複数の燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービンと、を備えるガスタービンの着火検知方法であって、前記複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分に基づいて、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定するステップを備える。【選択図】 図1

Description

本開示は、ガスタービンの着火検知方法及び着火検知装置、ガスタービンシステム、並びにプログラムに関する。
ガスタービン燃焼器の着火検知をするために、ガスタービンにおける燃焼ガスの温度を用いることが知られている。
例えば、特許文献1には、ガスタービン燃焼器の点火時を基準とした排気温度の上昇量に基づいて、燃焼器の着火が確立したか否かを判断することが記載されている。
特開2006−83730号公報
ところで、複数の燃焼器を備えるガスタービンの場合、燃焼器への点火後、一部の燃焼器には着火したものの残りの燃焼器には着火していない部分未着火の状態が生じ得る。部分未着火の状態でガスタービンの運転をすると、未燃の燃料ガスが燃焼器から流出してバックファイア等が生じるおそれがある。このため、燃焼器の部分未着火を適切に検出することが望まれる。
この点、ガスタービンにおいて部分未着火となった場合であっても、燃料供給量等に応じて燃焼ガスの温度(排気温度等)は上昇し得るため、燃焼ガス温度の上昇量に基づく着火検知方法(例えば特許文献1の方法)では、部分未着火を検出することは難しい。また、複数の燃焼器の各々に火炎検知器を設けて各燃焼器の着火又は未着火を検知することで部分未着火を検出することはできるが、この場合、コスト上昇は避けられない。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、コスト増大を抑制しながらガスタービンの複数の燃焼器の着火状態を適切に検知可能なガスタービンの着火検知方法及び着火検知装置、ガスタービンシステム、並びにプログラムを提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの着火検知方法は、
周方向に沿って配列される複数の燃焼器と、前記複数の燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービンと、を備えるガスタービンの着火検知方法であって、
前記複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分に基づいて、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定するステップ
を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの着火検知装置は、
周方向に沿って配列される複数の燃焼器と、前記複数の燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービンと、を備えるガスタービン用の着火検知装置であって、
前記複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度の最大値との最小値との差分に基づいて、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定するように構成された着火判定部
を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンシステムは、
周方向に沿って配列される複数の燃焼器と、
前記複数の燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービンと、
上述の着火検知装置と、
を備える。
また、本発明の少なくとも一実施形態に係るプログラムは、
周方向に沿って配列される複数の燃焼器と、前記複数の燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービンと、を備えるガスタービンの着火検知をするためのプログラムであって、
コンピュータに、
前記複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度の最大値との最小値との差分に基づいて、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定する手順を実行させる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、コスト増大を抑制しながらガスタービンの複数の燃焼器の着火状態を適切に検知可能なガスタービンの着火検知方法及び着火検知装置、ガスタービンシステム、並びにプログラムが提供される。
一実施形態に係るガスタービンシステムの概略図である。 図1に示すガスタービンの燃焼器の概略的な断面図である。 ガスタービンの起動時における回転数の時間変化の一例を示す図である。 ガスタービンの起動時における燃焼器下流側の位置での燃焼ガス温度の時間変化の一例を示す図である。 燃焼器下流側の位置における複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値の差分(温度差分)の時間変化の一例を示す図である。 燃焼器の下流側の位置における複数の燃焼ガス温度の偏差(温度偏差)の時間変化の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
(ガスタービンシステムの構成)
図1は、一実施形態に係るガスタービンシステムの概略図である。図1に示すように、ガスタービンシステム100は、ガスタービン1と、ガスタービン1の着火状態を検知するための着火検知装置90と、を備える。
ガスタービン1は、圧縮空気を生成するための圧縮機2と、圧縮空気及び燃料を用いて燃焼ガスを発生させるための燃焼器4と、燃焼ガスによって回転駆動されるように構成されたタービン6と、を備える。発電用のガスタービン1の場合、タービン6には不図示の発電機が連結される。
圧縮機2は、圧縮機車室10側に固定された複数の静翼16と、静翼16に対して交互に配列されるようにロータ8に植設された複数の動翼18と、を含む。圧縮機2には、空気取入口12から取り込まれた空気が送られるようになっており、この空気は、複数の静翼16及び複数の動翼18を通過して圧縮されることで高温高圧の圧縮空気となる。
燃焼器4は、燃焼器車室20によって支持されている。燃焼器4には、圧縮機2からの圧縮空気が、燃焼器車室20の内部空間を介して燃焼器4に供給されるとともに、燃料ポートから燃料が供給されるようになっている。燃焼器4では、燃料と圧縮空気が混合され、燃焼され、タービン6の作動流体である燃焼ガスが生成される。図1に示すように、燃焼器車室20内にロータ8を中心として周方向に沿って複数の燃焼器4が配置されている。
タービン6は、タービン車室22内に形成される燃焼ガス流路28を有し、該燃焼ガス流路28に設けられる複数の静翼24及び動翼26を含む。静翼24はタービン車室22側に固定されており、ロータ8の周方向に沿って配列される複数の静翼24が静翼列を構成している。また、動翼26はロータ8に植設されており、ロータ8の周方向に沿って配列される複数の動翼26が動翼列を構成している。静翼列と動翼列とは、ロータ8の軸方向において交互に配列されている。なお、タービン6の複数の動翼26は、複数の動翼26のうち燃焼ガス流路28において最も下流側に位置する最終段動翼26Aを含む。
タービン6では、燃焼ガス流路28に流れ込んだ燃焼器4からの燃焼ガスが複数の静翼24及び複数の動翼26を通過することでロータ8が回転駆動され、これにより、ロータ8に連結された発電機が駆動されて電力が生成されるようになっている。タービン6を駆動した後の燃焼ガス(排気)は、排気室29介して外部へ排出される。
排気室29には、ロータ8を回転可能に支持するための軸受30を支持するように構成された複数のストラット32が設けられている。複数のストラット32は、排気室29のケーシングとロータの間を延びるように設けられている。複数のストラット32は、径方向に沿って延在していてもよく、あるいは、径方向に傾斜した方向に沿って延在していてもよい。
図2は、図1に示すガスタービン1の燃焼器4の概略的な断面図である。図2に示すように、複数の燃焼器4は、周方向に沿って配列されている。なお、図2に示すガスタービン1は、8個の燃焼器4(4a〜4h)を有するが、燃焼器4の個数はこれに限定されない。燃焼器4の各々は、火炎を伝播させるための伝播管34を介して隣合う燃焼器4に連結されている。
燃焼器4には、該燃焼器4に供給される燃料と圧縮空気の混合物に点火するための点火栓36が設けられている。点火栓36は、スパークを発生させることで上述の混合物に点火するように構成されていてもよい。点火栓36は、通常、複数の燃焼器4のうちの一部に設けられる。図2に示す例示的な実施形態では、燃焼器4a及び燃焼器4hの2つの燃焼器4に点火栓36が設けられている。
ガスタービン1の起動時に、点火栓36により燃焼器4への点火が行われる。点火栓36が設けられた燃焼器4(燃焼器4a,4h)では、点火栓36での点火により燃料と圧縮空気の燃焼反応が起こり、火炎が形成されて燃焼器4が着火された状態となる。燃焼器4a,4hで形成された火炎は、伝播管34を介して隣り合う燃焼器4に次々に伝播され、複数の燃焼器4が順次着火された状態となる。ただし、燃焼器4への点火後、火炎の伝播がうまくいかない等の何等かの理由で、複数の燃焼器4のうち1以上が着火されない未着火の状態となる場合がある。
着火検知装置90は、複数の燃焼器4よりも燃焼ガス流れの下流側の位置にて、周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度に基づいて、複数の燃焼器4の着火又は未着火を判定するように構成される。複数の温度計測位置は、ガスタービン1の周方向において等間隔に設けられていてもよい。
燃焼ガス温度は、温度センサ40(図1参照)を用いて計測されてもよい。すなわち、複数の燃焼器4よりも下流側の位置にて、周方向における複数位置の燃焼ガス温度をそれぞれ計測するための複数の温度センサ40が設けられていてもよい。図1に示す例示的な実施形態では、温度センサ40は、燃焼ガス流れの方向において、最終段動翼26Aよりも下流側かつストラット32の上流側に設けられている。温度センサ40は、ガスタービン1のケーシング(タービン6の車室22又は排気室29のケーシング等)に支持されていてもよい。また、温度センサ40で取得された温度データ(温度を示す信号)が着火検知装置90に送られて該着火検知装置90で処理されるようになっていてもよい。
着火検知装置90は、プロセッサ、メモリ(RAM)、補助記憶部及びインターフェース等を含む計算機によって構成されていてもよい。着火検知装置90による処理内容は、プロセッサにより実行されるプログラムとして実装され、補助記憶部に記憶されていてもよい。プログラム実行時には、これらのプログラムはメモリに展開される。プロセッサは、メモリからプログラムを読み出し、プログラムに含まれる命令を実行するようになっている。
図3は、ガスタービン1の起動時における回転数の時間変化の一例を示す図であり、図4は、ガスタービン1の起動時における燃焼器下流側の位置での燃焼ガス温度の時間変化の一例を示す図であり、具体的には、上述の複数の温度センサ40のうち何れかで計測される複数の燃焼ガス温度の時間変化を示す図である。なお、図3及び図4の各時間軸(横軸)は共通である。
ガスタービン1の起動時、燃焼器4へ燃料及び圧縮空気を供給して点火栓36により燃焼器4(4a〜4h)への点火を行うと(図中の時刻t)、点火栓36が設けられた燃焼器4a,4hで火炎が形成され、その後、伝播管34を介して隣り合う燃焼器4に次々に伝播され、複数の燃焼器4が順次着火される。図3及び図4に示すように、燃焼器4に点火した時刻t以降、ガスタービン1の回転数及び燃焼ガス温度は徐々に上昇し、回転数はNに収束する。
回転数がNに収束した後の時刻tから、燃焼器4への燃料供給量を増加させてガスタービン1の回転数を規定値まで増加させる。図示する例では、ガスタービン1の回転数が定格回転数N_ratedとなる時刻t2まで、回転数を上昇させている。この間、燃焼ガス温度はTからTに上昇している。時刻tにおいて規定回転数(図3では定格回転数N_rated)となった後、この回転数を維持するように燃料が供給される。なお、時刻tよりも後の時刻に、発電機がガスタービン1に接続されて負荷運転を開始するようになっていてもよい。
(着火検知方法)
以下、幾つかの実施形態に係る着火検知方法の一例として、上述のガスタービン1の着火検知方法について説明する。なお、幾つかの実施形態に係る着火検知方法は、例えば上述した着火検知装置90によって実行することができる。
幾つかの実施形態では、複数の燃焼器4a〜4hよりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度(Ta,Tb,…,Th)のうち最大値(Tmax)と最小値(Tmin)との差分(以下、温度差分ともいう)(Tmax−Tmin)に基づいて、複数の燃焼器4a〜4hの着火又は未着火を判定する。複数の燃焼ガス温度(Ta,Tb,…,Th)は、上述した複数の温度センサ40によって取得されたものであってもよい。
ここで、図5は、燃焼器下流側の位置における複数の燃焼ガス温度(複数の温度センサ40で計測される複数の燃焼ガス温度;以下、単に燃焼ガス温度ともいう)の最大値と最小値の差分の時間変化の一例を示す図である。図5における曲線102(実線)は、複数の燃焼器4a〜4hのうち、一部の燃焼器4(1以上の燃焼器4)において着火されなかった部分未着火の場合の温度差分(Tmax−Tmin)を示し、曲線104(破線)は、複数の燃焼器4a〜4hの全てにおいて着火が成功した着火成功の場合の温度差分(Tmax−Tmin)を示す。なお、図5における時間軸(横軸)は、図3及び図4の各時間軸(横軸)と共通である。以下、燃焼器4の下流側の位置での燃焼ガス温度を単に燃焼ガス温度ともいう。
時刻tにおける燃焼器4への点火後、上述の温度差分(Tmax−Tmin)の時間変化は、例えば、図5に示すものとなる。着火成功(曲線104)及び部分未着火(曲線102)のどちらの場合においても、時刻tにおける燃焼器4への点火直後、火炎の伝播により複数の燃焼器4が順次着火されている段階(一部の燃焼器4は着火しているが、一部の燃焼器4には火炎がまだ到達していない状態)では、温度差分(Tmax−Tmin)は大きくなる。
その後、すべての燃焼器4に火炎が伝播して着火が成功した場合(曲線104参照)には、温度差分が減少し、ガスタービン回転数が収束する時点(時刻t)で点火時点(時刻t)と同程度になる。また、時刻t以降、ガスタービン回転数を増加させても(すなわち燃料供給量を増加させても)、温度差分はあまり大きくならない。
一方、すべての燃焼器4に火炎が伝播したにもかかわらず部分未着火となった場合(曲線102参照)には、温度差分はあまり減少せず、ガスタービン回転数が収束する時点(時刻t)となるまである程度大きい状態が続く。また、時刻t以降、ガスタービン回転数の増かに伴い(すなわち燃料供給量の増加に伴い)、温度差分は徐々に大きくなる。
このように、周方向に沿って配列された複数の燃焼器4a〜4hのうち一部が着火し一部が着火していない部分未着火の状態では、燃焼器4a〜4hよりも下流側の位置において燃焼ガスの温度に周方向の分布が生じ、該位置における燃焼ガス温度の最大値と最小値の差が大きくなる傾向がある。この点、上述の実施形態に係る方法によれば、複数の燃焼器4a〜4hよりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度(Ta〜Th)のうち最大値(Tmax)と最小値(Tmin)との温度差分(Tmax−Tmin)に基づいて、複数の燃焼器4a〜4hのうちいずれかが未着火であるか否か(すなわち部分未着火であるか否か)を、火炎検知器を用いなくても適切に判定することができる。よって、コスト増大を抑制しながら複数の燃焼器の着火状態を適切に検知することができる。
なお、上述の温度差分(Tmax−Tmin)に基づいて、複数の燃焼器4a〜4hの着火又は未着火を判定した結果、複数の燃焼器4の何れかが未着火である(すなわち部分未着火である)と判定された場合には、ガスタービン1をトリップ(停止)させる操作を行うようにしてもよい。
幾つかの実施形態では、上述の温度差分(Tmax−Tmin)と閾値との比較に基づいて、複数の燃焼器4の何れかが未着火であるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、上述の温度差分(Tmax−Tmin)が第1閾値TDthよりも大きいときに、複数の燃焼器4a〜4hのうちいずれかが未着火である(すなわち部分未着火の状態である)と判定するようにしてもよい。
上述したように、部分未着火の状態では、燃焼器4よりも下流側の位置において、燃焼ガス温度の最大値と最小値の差(温度差分(Tmax−Tmin))が大きくなる傾向がある。上述の実施形態によれば、温度差分(Tmax−Tmin)と第1閾値TDthとの比較に基づいて、複数の燃焼器4のうちいずれかが未着火であるか否か(即ち、部分未着火の状態であるか否か)を適切に判定することができる。
幾つかの実施形態では、複数の燃焼器4への点火時点(時刻t)よりも後、且つ、複数の燃焼器4の着火又は未着火の判定開始条件を満たした時点で、上述の温度差分(Tmax−Tmin)に基づく複数の燃焼器4の着火又は未着火の判定を開始するようにしてもよい。
上述したように、複数の燃焼器4を備えるガスタービンでは、通常、燃焼器4への点火時に、火炎の伝播により複数の燃焼器4が順々に着火されるため、燃焼器4への点火直後は、複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との温度差分(Tmax−Tmin)が比較的大きくなる。したがって、例えばこのような期間に燃焼器4の着火判定を行うと、未だ全ての燃焼器4への着火が完了していない段階で未着火判定をしてしまうことになり、誤検知となり得る。この点、上述の実施形態では、複数の燃焼器4への点火後、かつ、燃焼器4の着火判定開始条件を満たした時点で、燃焼器4の着火判定を開始するようにしたので、例えば、火炎の伝播により複数の燃焼器4の全てについて着火(火炎の伝播)が行われてから燃焼器4の着火判定をすることができる。これにより、複数の燃焼器4のうちいずれかが未着火であるか否か(着火に失敗したか否か)を適切に判定することができる。
上述の判定開始条件は、複数位置のそれぞれにおける複数の燃焼ガス温度(Ta,Tb,…,Th)の基準温度からの上昇量が第2閾値ΔTthを超えた時点からの規定時間経過を含んでもよい。例えば、基準温度を点火時点(時刻t)における燃焼ガス温度Tとして、周方向における複数位置のそれぞれにおける複数の燃焼ガス温度(Ta,Tb,…,Th)の基準温度Tからの上昇量が第2閾値ΔTthとなった時刻tから規定時間ΔtABだけ経過した時刻tとなったときに(図4及び図5参照)、温度差分(Tmax−Tmin)に基づく複数の燃焼器4の着火又は未着火の判定を開始するようにしてもよい。なお、この場合、上述の時刻tにおける燃焼ガス温度Tとすると、ΔTth=T−Tである。
このように、複数の燃焼ガス温度の基準温度(例えば上述の温度T)からの上昇量が第2閾値ΔTthを超えた時点から、すなわち、複数の燃焼器4の少なくとも幾つかが着火しており複数の燃焼器4について一応着火されたであろうと推定することができる時点から、規定時間(例えば上述のΔtAB)経過後に燃焼器4の着火判定を開始することにより、複数の燃焼器4のうちいずれかが未着火であるか否かを適切に判定することができる。
幾つかの実施形態では、複数の燃焼ガス温度(Ta,Tb,…,Th)の各々の基準温度(例えばT)からの上昇量が第2閾値(ΔTth)以上であり、かつ、上述の温度差分(Tmax−Tmin)が第1閾値TDth以下であるときに、複数の燃焼器4a〜4hの全てが着火している(着火成功)と判定するようにしてもよい。
このように、複数の燃焼ガス温度(Ta,Tb,…,Th)の各々が第2閾値ΔTth以上であるとき、すなわち、複数の燃焼器4の少なくとも幾つかが着火しているときに、温度差分(Tmax−Tmin)を第1閾値TDthと比較することで、複数の燃焼器4の全てが着火しているか否かを適切に判定することができる。
幾つかの実施形態では、複数の燃焼器4に点火した時刻tの後、タービン6(ガスタービン1)が定格回転数N_ratedに到達する時刻tより前の少なくとも一部の期間に、上述の温度差分(Tmax−Tmin)に基づいて複数の燃焼器4の着火又は未着火を判定するようにしてもよい。
本発明者らの知見によれば、複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値の差分(温度差分(Tmax−Tmin))は、タービン6が定格回転数N_ratedに到達する前の段階においても、後述する温度偏差等と比べて大きくなる傾向がある。この点、上述の実施形態によれば、タービン6が定格回転数N_ratedに到達する前の比較的速い段階であっても、複数の燃焼器4の着火又は未着火を適切に判定することができる。
なお、幾つかの実施形態では、タービン6(ガスタービン1)が定格回転数N_ratedに到達する時刻t以後の期間に、上述の温度差分(Tmax−Tmin)に基づいて複数の燃焼器4の着火又は未着火を判定してもよい。
幾つかの実施形態では、複数の燃焼器4に点火した時刻tの後、タービン6の加速のための燃料流量増加を開始する時刻tより前に、複数の燃焼器4の着火又は未着火を判定するようにしてもよい。
本発明者らの知見によれば、複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値の差分(温度差分(Tmax−Tmin))は、タービン6の加速のための燃料流量増加開始前の段階においても、後述する温度偏差等と比べて大きくなる傾向がある。この点、上述の実施形態では、タービン6の加速のための燃料流量増加開始前の比較的速い段階であっても、複数の燃焼器4の着火又は未着火を適切に判定することができる。
燃焼ガス温度の最大値と最小値の差(温度差分(Tmax−Tmin))と比較する第1閾値TDthは、基準時刻からの経過時間に応じて可変であってもよい。第1閾値TDthは、例えば複数の燃焼器4に点火した時点(時刻t)からの経過時間に応じて可変であってもよい。
複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分(温度差分(Tmax−Tmin))は、例えば図5に示すように、燃焼器4への点火以後、ガスタービン1の運転状態に応じて変化し得る。この点、上述のように、基準時刻(例えば複数の燃焼器4に点火した時点(時刻t0))からの経過時間に応じて第1閾値TDthを可変とすることにより、ガスタービン1の運転状態に応じて、複数の燃焼器4のうちいずれかが未着火であるか否かを適切に判定することができる。
燃焼ガス温度の最大値と最小値の差(温度差分(Tmax−Tmin))と比較する第1閾値TDthは、タービン6の回転数に応じて可変であってもよい。
複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分(温度差分(Tmax−Tmin))は、例えば図3及び図5に示すように、タービン6の回転数に応じて変化し得る。例えば、タービン6の加速のための燃料流量増加を開始する時刻t2以後は、タービン回転数の増加に伴い(すなわち燃料供給量増加に伴い)上述の温度差分(Tmax−Tmin)は大きくなる傾向がある。
この点、上述したように、タービン6の回転数に応じて第1閾値TDthを可変とすることにより、ガスタービン1の運転状態に応じて、複数の燃焼器4のうち何れかが未着火であるか否かを適切に判定することができる。
また、第1閾値TDthは、規定時刻以前は基準時刻からの経過時間に応じて可変であり、該規定時刻よりも後はタービン6の回転数に応じて可変であるように設定されてもよい。例えば、第1閾値TDthは、タービン6の加速のための燃料流量増加を開始する時刻t以前は、複数の燃焼器4に点火した時点(時刻t)からの経過時間に応じて可変であるとともに、時刻tよりも後はタービン6の回転数に応じて可変であってもよい。
このように、ガスタービン1の運転状態に応じて第1閾値TDthを適切に設定することで、複数の燃焼器4のうち何れかが未着火であるか否かを適切に判定することができる。
なお、図5に示す第1閾値TDth(鎖線で示す)は、タービン6の加速のための燃料流量増加を開始する時刻t以前は、一定の値であり、時刻tよりも後はタービン6の回転数に応じて可変となっている。
図6は、燃焼器4の下流側の位置における複数の燃焼ガス温度の偏差の時間変化の一例を示す図である。ここで、複数の燃焼ガス温度の偏差(以下、単に温度偏差ともいう。)とは、複数の燃焼ガス温度(Ta,Tb,…Th)と、該複数の燃焼ガス温度の平均値Tavgとの差(例えばTa−Tavg)であり、複数の燃焼ガス温度(Ta,Tb,…Th)の各々について算出可能な値である。図6における曲線112(実線)は、部分未着火の場合の温度偏差を示し、曲線114(破線)は、複数の燃焼器4a〜4hの全てにおいて着火が成功した着火成功の場合の温度偏差を示す。なお、図6における時間軸(横軸)は、図3〜図5の各時間軸(横軸)と共通である。
幾つかの実施形態では、複数の燃焼器4に点火した時刻t以後、かつ、タービン6の加速開始する時刻tよりも前に、複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分(温度差分(Tmax−Tmin))に基づいて複数の燃焼器4の着火又は未着火を判定するとともに、タービン6の加速開始した時刻t以後に、複数の燃焼ガス温度の温度偏差に基づいて、複数の燃焼器4の着火又は未着火を判定するようにしてもよい。なお、上述したように、複数の燃焼ガス温度の各々について温度偏差を算出することができるが、タービン6の加速開始した時刻t以後は、これらの温度偏差のうちの代表値(例えば平均値、最大値又は最小値等)に基づいて、複数の燃焼器4の着火又は未着火を判定するようにしてもよい。
本発明者らの知見によれば、タービン加速開始前(時刻tよりも前)の段階では、上述の温度差分は比較的大きいが、上述の温度偏差はあまり大きくならない傾向がある。一方、タービンの加速開始後には、上述の温度差分及び上述の温度偏差は、それぞれ、タービン回転数の上昇に応じて大きくなる傾向がある。例えば、図5及び図6に示すように、タービン加速開始時刻tより前の時刻tにおける温度差分TD(t)は比較的大きく、同時刻(時刻t)における温度偏差TE(t)は比較的小さい。また、図6に示すように、タービン加速開始時刻t以後、温度偏差は徐々に大きくなり、例えば時刻tcにおける温度偏差TE(t)は時刻tにおける温度偏差TE(t)よりも大きい。
この点、上述の実施形態によれば、タービン6の加速開始前の段階では、燃焼ガス温度の最大値と燃焼最小値との差分(温度差分)に基づいて燃焼器4の着火判定を適切にすることができる。また、タービン6の加速開始後には、燃焼ガス温度の偏差に基づいて燃焼器の着火判定を適切にすることができる。
(着火検知プログラム)
幾つかの実施形態に係るプログラムは、上述したガスタービンの着火検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。すなわち、幾つかの実施形態に係るプログラムは、コンピュータ(例えば上述した着火検知装置90)に、複数の燃焼器4よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度(Ta,Tb,…,Th)の最大値との最小値との差分(温度差分(Tmax−Tmin))に基づいて、複数の燃焼器4の着火又は未着火を判定する手順を実行させる。
上述のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたものであってもよい。すなわち、幾つかの実施形態に係る記録媒体は、上述のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。該記録媒体は、上述のプログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの着火検知方法は、
周方向に沿って配列される複数の燃焼器(4a〜4h)と、前記複数の燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービン(6)と、を備えるガスタービン(1)の着火検知方法であって、
前記複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度(Ta〜Th)の最大値(Tmax)と最小値(Tmin)との差分(Tmax−Tmin)に基づいて、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定するステップ
を備える。
周方向に沿って配列された複数の燃焼器のうち一部が着火し一部が着火していない部分未着火の状態では、燃焼器よりも下流側の位置において燃焼ガスの温度に周方向の分布が生じ、周方向の複数位置における燃焼ガス温度の最大値と最小値の差が大きくなる傾向がある。この点、上記(1)の方法によれば、複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分に基づいて、複数の燃焼器のうちいずれかが未着火であるか否か(すなわち部分未着火であるか否か)を、火炎検知器を用いなくても適切に判定することができる。よって、コスト増大を抑制しながら複数の燃焼器の着火状態を適切に検知することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、
前記最大値と前記最小値との前記差分が第1閾値(TDth)よりも大きいときに、前記複数の燃焼器のいずれかが未着火であると判定する。
部分未着火の状態では、燃焼器よりも下流側の位置において、燃焼ガス温度の最大値と最小値の差が大きくなる傾向がある。上記(2)の方法によれば、複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分と第1閾値との比較に基づいて、複数の燃焼器のうちいずれかが未着火であるか否かを適切に判定することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の方法において、
前記複数の燃焼ガス温度の各々の基準温度からの上昇量が第2閾値(ΔTth)以上であり、かつ、前記差分が前記第1閾値以下であるときに、前記複数の燃焼器の全てが着火していると判定する。
上記(3)の構成によれば、複数の燃焼ガス温度の各々が第2閾値以上であるとき、すなわち、複数の燃焼器の少なくとも幾つかが着火しているときに、前記差分を第1閾値と比較することで、複数の燃焼器の全てが着火しているか否かを適切に判定することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)の方法において、
前記第1閾値は、基準時刻からの経過時間に応じて可変である。
複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分は、燃焼器への点火以後、ガスタービンの運転状態に応じて変化し得る。上記(4)の方法によれば、基準時刻(例えば複数の燃焼器に点火した時点)からの経過時間に応じて第1閾値を可変としたので、ガスタービンの運転状態に応じて、複数の燃焼器のうちいずれかが未着火であるか否かを適切に判定することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(2)乃至(4)の何れかの方法において、
前記第1閾値は、前記タービンの回転数に応じて可変である。
複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分は、タービンの回転数に応じて変化し得る。上記(5)の方法によれば、タービンの回転数に応じて第1閾値を可変としたので、ガスタービンの運転状態に応じて、複数の燃焼器のうち何れかが未着火であるか否かを適切に判定することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの方法において、
前記複数の燃焼器への点火後、且つ、前記複数の燃焼器の着火又は未着火の判定開始条件を満たした時点で、前記差分に基づく前記複数の燃焼器の着火又は未着火の判定を開始する。
複数の燃焼器を備えるガスタービンでは、通常、燃焼器への点火時に、火炎の伝播により複数の燃焼器が順々に着火されるため、燃焼器への点火直後は、複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分が比較的大きくなる。したがって、例えばこのような期間に燃焼器の着火判定を行うと、燃焼器の部分未着火を適切に検知できない場合がある。この点、上記(6)の方法によれば、複数の燃焼器への点火後、かつ、燃焼器の着火判定開始条件を満たした時点で、燃焼器の着火判定を開始するようにしたので、例えば、火炎の伝播により複数の燃焼器の全てについて着火が行われてから燃焼器の着火判定をすることができる。これにより、複数の燃焼器のうちいずれかが未着火であるか否かを適切に判定することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の方法において、
前記判定開始条件は、
前記複数位置のそれぞれにおける前記複数の燃焼ガス温度の基準温度からの上昇量が第2閾値を超えた時点からの規定時間経過を
を含む。
上記(7)の方法によれば、複数の燃焼ガス温度の基準温度からの上昇量が第2閾値を超えた時点から、すなわち、複数の燃焼器の少なくとも幾つかが着火してから、既定時間経過後に燃焼器の着火判定を開始するようにしたので、複数の燃焼器のうちいずれかが未着火であるか否かを適切に判定することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの方法において、
前記複数の燃焼器に点火後、前記タービンが定格回転数に到達する前の少なくとも一部の期間に、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定する。
本発明者らの知見によれば、複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値の差分は、タービンが定格回転数に到達する前の段階においても、比較的大きくなる傾向がある。この点、上記(8)の方法によれば、上記(1)で述べたように複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値の差分を用いるので、タービンが定格回転数に到達する前の比較的速い段階であっても、複数の燃焼器の着火又は未着火を適切に判定することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの方法において、
前記複数の燃焼器に点火後、前記タービンの加速のための燃料流量増加開始前に、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定する。
本発明者らの知見によれば、複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値の差分は、タービンの加速のための燃料流量増加開始前の段階においても、比較的大きくなる傾向がある。この点、上記(9)の方法によれば、上記(1)で述べたように複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値の差分を用いるので、タービンの加速のための燃料流量増加開始前の比較的速い段階であっても、複数の燃焼器の着火又は未着火を適切に判定することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの方法において、
前記複数の燃焼器に点火後、前記タービンの加速開始前に、前記燃焼ガス温度の最大値と前記燃焼ガス温度の最小値との前記差分に基づいて前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定し、
前記タービンの加速開始後に、前記複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置の各々で計測される燃焼ガス温度の偏差に基づいて、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定するステップを備える。
本発明者らの知見によれば、タービン加速開始前の段階では、上述の差分は比較的大きいが、上述の偏差はあまり大きくならない傾向がある。一方、タービンの加速開始後には、上述の差分及び上述の偏差は、それぞれ、タービン加速開始前に比べて大きくなる傾向がある。上記(10)の方法によれば、タービンの加速開始前の段階では、燃焼ガス温度の最大値と燃焼最小値との差分に基づいて燃焼器の着火判定を適切にすることができる。また、タービンの加速開始後には、燃焼ガス温度の偏差に基づいて燃焼器の着火判定を適切にすることができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れかの方法において、
前記燃焼ガス温度は、前記タービンの最終段動翼(26A)の下流側、且つ、前記タービンの排気室(29)のストラット(32)よりも上流側の位置で計測される。
上記(11)の方法によれば、タービンの最終段動翼の下流側の、燃焼ガス温度が適度に低下した位置にて燃焼ガス温度を計測するため、一般に入手可能な温度センサを用いて燃焼ガス温度を適切に計測することができる。また、上記(11)の方法によれば、タービンの排気室のストラットよりも上流側の位置で燃焼ガス温度を計測するようにしたので、燃焼ガスの周方向における混合が進む前に温度計測ができる。このため、周方向における燃焼ガスの温度分布が平均化される前に温度検出することができ、最大値と最小値の差分を適切に検出しやすい。また、なるべく上流側の位置で温度計測することで、複数の燃焼器の着火判定を迅速に行うことができる。
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンの着火検知装置(90)は、
周方向に沿って配列される複数の燃焼器(4)と、前記複数の燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービン(6)と、を備えるガスタービン用の着火検知装置であって、
前記複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度(Ta〜Th)の最大値(Tmax)との最小値(Tmin)との差分(Tmax−Tmin)に基づいて、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定するように構成される。
上記(12)の構成によれば、複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分に基づいて、複数の燃焼器のうちいずれかが未着火であるか否か(すなわち部分未着火であるか否か)を、火炎検知器を用いなくても適切に判定することができる。よって、コスト増大を抑制しながら複数の燃焼器の着火状態を適切に検知することができる。
(13)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンシステム(100)は、
周方向に沿って配列される複数の燃焼器(4a〜4h)と、
前記複数の燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービン(6)と、
上記(12)に記載の着火検知装置(90)と、
を備える。
上記(13)の構成によれば、複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分に基づいて、複数の燃焼器のうちいずれかが未着火であるか否か(すなわち部分未着火であるか否か)を、火炎検知器を用いなくても適切に判定することができる。よって、コスト増大を抑制しながら複数の燃焼器の着火状態を適切に検知することができる。
(14)本発明の少なくとも一実施形態に係るプログラムは、
周方向に沿って配列される複数の燃焼器(4a〜4h)と、前記複数の燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービン(6)と、を備えるガスタービン(1)の着火検知をするためのプログラムであって、
コンピュータに、
前記複数の燃焼器(4a〜4h)よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度(Ta〜Th)の最大値(Tmax)との最小値(Tmin)との差分(Tmax−Tmin)に基づいて、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定する手順を実行させる。
上記(14)の構成によれば、複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分に基づいて、複数の燃焼器のうちいずれかが未着火であるか否か(すなわち部分未着火であるか否か)を、火炎検知器を用いなくても適切に判定することができる。よって、コスト増大を抑制しながら複数の燃焼器の着火状態を適切に検知することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 ガスタービン
2 圧縮機
4(4a〜4h) 燃焼器
6 タービン
8 ロータ
10 圧縮機車室
12 空気取入口
16 静翼
18 動翼
20 燃焼器車室
22 タービン車室
24 静翼
26 動翼
26A 最終段動翼
28 燃焼ガス流路
29 排気室
30 軸受
32 ストラット
34 伝播管
36 点火栓
40 温度センサ
90 着火検知装置
100 ガスタービンシステム

Claims (14)

  1. 周方向に沿って配列される複数の燃焼器と、前記複数の燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービンと、を備えるガスタービンの着火検知方法であって、
    前記複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度の最大値と最小値との差分に基づいて、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定するステップ
    を備えるガスタービンの着火検知方法。
  2. 前記最大値と前記最小値との前記差分が第1閾値よりも大きいときに、前記複数の燃焼器のいずれかが未着火であると判定する
    請求項1に記載のガスタービンの着火検知方法。
  3. 前記複数の燃焼ガス温度の各々の基準温度からの上昇量が第2閾値以上であり、かつ、前記差分が前記第1閾値以下であるときに、前記複数の燃焼器の全てが着火していると判定する
    請求項2に記載のガスタービンの着火検知方法。
  4. 前記第1閾値は、基準時刻からの経過時間に応じて可変である
    請求項2又は3に記載のガスタービンの着火検知方法。
  5. 前記第1閾値は、前記タービンの回転数に応じて可変である
    請求項2乃至4の何れか一項に記載のガスタービンの着火検知方法。
  6. 前記複数の燃焼器への点火後、且つ、前記複数の燃焼器の着火又は未着火の判定開始条件を満たした時点で、前記差分に基づく前記複数の燃焼器の着火又は未着火の判定を開始する
    請求項1乃至5の何れか一項に記載のガスタービンの着火検知方法。
  7. 前記判定開始条件は、
    前記複数位置のそれぞれにおける前記複数の燃焼ガス温度の基準温度からの上昇量が第2閾値を超えた時点からの規定時間経過を
    を含む
    請求項6に記載のガスタービンの着火検知方法。
  8. 前記複数の燃焼器に点火後、前記タービンが定格回転数に到達する前の少なくとも一部の期間に、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定する
    請求項1乃至7の何れか一項に記載のガスタービンの着火検知方法。
  9. 前記複数の燃焼器に点火後、前記タービンの加速のための燃料流量増加開始前に、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定する
    請求項1乃至8の何れか一項に記載のガスタービンの着火検知方法。
  10. 前記複数の燃焼器に点火後、前記タービンの加速開始前に、前記燃焼ガス温度の最大値と前記燃焼ガス温度の最小値との前記差分に基づいて前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定し、
    前記タービンの加速開始後に、前記複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置の各々で計測される燃焼ガス温度の偏差に基づいて、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定するステップを備える
    請求項1乃至9の何れか一項に記載のガスタービンの着火検知方法。
  11. 前記燃焼ガス温度は、前記タービンの最終段動翼の下流側、且つ、前記タービンの排気室のストラットよりも上流側の位置で計測される
    請求項1乃至10の何れか一項に記載のガスタービンの着火検知方法。
  12. 周方向に沿って配列される複数の燃焼器と、前記複数の燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービンと、を備えるガスタービン用の着火検知装置であって、
    前記複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度の最大値との最小値との差分に基づいて、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定するように構成された
    ガスタービンの着火検知装置。
  13. 周方向に沿って配列される複数の燃焼器と、
    前記複数の燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービンと、
    請求項12に記載の着火検知装置と、
    を備えるガスタービンシステム。
  14. 周方向に沿って配列される複数の燃焼器と、前記複数の燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービンと、を備えるガスタービンの着火検知をするためのプログラムであって、
    コンピュータに、
    前記複数の燃焼器よりも下流側の位置にて周方向における複数位置のそれぞれで計測される複数の燃焼ガス温度の最大値との最小値との差分に基づいて、前記複数の燃焼器の着火又は未着火を判定する手順を実行させるための
    プログラム。
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