JP2021141314A - プラズマ処理装置用部材とその製造方法、及びプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置用部材とその製造方法、及びプラズマ処理装置 Download PDF

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史朗 石川
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悠都 倉田
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Ichiro Shiono
一郎 塩野
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Tsukasa Yasojima
司 八十嶋
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琢磨 片瀬
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Abstract

【課題】耐熱性と耐プラズマに優れた伝熱材を備え、長期間にわたって高い均熱性を有するプラズマ処理装置用電極板及びその製造方法を提供する。【解決手段】プラズマ処理装置用部材は、プラズマ処理装置用部材であって、基材と、前記基材の一方の表面に設けられた伝熱層とを有しており、前記伝熱層は、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ処理装置用部材とその製造方法、及びプラズマ処理装置に関する。
半導体デバイス製造プロセスに使用されるプラズマエッチング装置やプラズマCVD装置等のプラズマ処理装置は、真空チャンバー内に、上下方向に対向配置された一対の電極が備えられている。一般に上側の電極には、プラズマ生成用のガスを通過させるための通気孔が形成されており、下側の電極は、架台となっており、ウェハなどの被処理基板が固定可能とされている。そして、上側電極(天井電極板ともいう)の通気孔からプラズマ生成用のガスを下側電極に固定された被処理基板に供給しながら、その上側電極と下側電極間に高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させ、被処理基板にエッチング等の処理を行う構成とされている。
上記の構成のプラズマ処理装置では、上側電極の下側電極との反対側の面(背面)に冷却板(クーリングプレートともいう)が配置されていて、プラズマとともに生成する熱を、上側電極を介して冷却板に放熱できるようにされている。上側電極と冷却板との熱伝導性を向上し、電極の均熱性を確保するために、上側電極と冷却板との間に伝熱材を配置することが検討されている。例えば、上側電極と冷却板との間に、アルミナフィラーを含むシリコーン樹脂を配置することが検討されている(特許文献1)。
また、熱によるエッチング処理の条件の変動を抑えるために、被処理体の周縁部で支持する円環状の支持リング(フォーカスリング)と、そのフォーカスリングが配置される架台(載置台)との間に、熱伝導度が高い伝熱材(伝熱シート)を配置することが検討されている(特許文献2)。特許文献2には、伝熱材としては、アルミナ粒状態を含む耐熱性シリコーンゴムが記載されている。
特許第5762798号公報 特開2012−9563号公報
上側電極として用いるプラズマ処理装置用電極板の均熱性を長期間にわたって確保するためには、プラズマ処理装置内の熱を、プラズマ処理装置用電極板を介して冷却板に効率よく長期間にわたって伝熱することが重要である。したがって、プラズマ処理装置用電極板と冷却板との間に配置する伝熱材は、熱やプラズマ、副生成物のラジカル(広義のプラズマ)による劣化が起こりにくく、長期間にわたって高い伝熱性を有することが好ましい。また伝熱材の劣化によるコンタミ(被処理基板に対する汚染)を防ぐためにも、伝熱材は高い耐プラズマ性を有することが好ましい。また、被処理体の周縁部を支持する円環状のフォーカスリングと架台との間に配置する伝熱材についても同様である。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、耐熱性と耐プラズマに優れた伝熱材を備え、長期間にわたって高い均熱性を有するプラズマ処理装置用電極板やフォーカスリングなどのプラズマ処理装置用部材及びその製造方法を提供することもその目的とする。さらに本発明は、コンタミが発生しにくいプラズマ処理装置を提供することもその目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のプラズマ処理装置用部材は、プラズマ処理装置用部材であって、基材と、前記基材の一方の表面に設けられた伝熱層とを有しており、前記伝熱層は、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含むことを特徴としている。
この構成のプラズマ処理装置用部材によれば、伝熱層は、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含むので耐熱性と耐プラズマが優れている。よって、プラズマ処理装置用部材は長期間にわたって高い均熱性を有しており、またコンタミが起こりにくくなる。
ここで、本発明のプラズマ処理装置用部材においては、基材を形成している材料が、Si又はSiCであることが好ましい。
この場合、基材がSi又はSiCを含むので、基材の伝熱性が向上する。このため、プラズマ処理装置用部材の均熱性が向上する。
また、本発明のプラズマ処理装置用部材においては、前記伝熱層がフィラーを含むことが好ましい。
この場合、伝熱層がフィラーを含むので、伝熱層の熱伝導性が向上する。このため、プラズマ処理装置用部材の均熱性がより向上する。
また、本発明のプラズマ処理装置用電極板においては、前記フィラーがアルミナ及び窒化ホウ素の少なくとも一方であることが好ましい。
この場合、伝熱層がアルミナ及び窒化ホウ素の少なくとも一方を含むので、伝熱層の熱伝導性がより確実に向上する。このため、プラズマ処理装置用部材の均熱性がさらに向上する。
また、本発明のプラズマ処理装置用部材においては、前記フッ素系樹脂及び前記フッ素系エラストマーがパーフルオロポリエーテル基を有する化合物であることが好ましい。
この場合、伝熱層がパーフルオロポリエーテル基を有する化合物を含むので、伝熱層の耐熱性と耐プラズマ性がより向上する。このため、プラズマ処理装置用部材は、より長期間にわたって高い均熱性を有し、コンタミが起こりにくい。
また、本発明のプラズマ処理装置用部材においては、前記伝熱層の厚さが20μm以上1mm以下の範囲内にあることが好ましい。
この場合、伝熱層の厚さが20μm以上であるので、伝熱層をプラズマ処理装置の冷却板や架台に密着させやすくなり、伝熱層と冷却板との間や伝熱層と架台との間の熱伝導性が向上する。また、伝熱層の厚さが1mm以下であるので、伝熱層の熱伝導性も高くなる。このため、プラズマ処理装置用部材の均熱性がさらに向上する。
また、本発明のプラズマ処理装置用部材は、プラズマ生成用のガスを通過させる通気孔を有するプラズマ処理装置用電極板であってもよい。
この場合、前記プラズマ処理装置用電極板は、前記基材が、多数の通気孔を有する基板であって、前記伝熱層が、前記基板の一方の表面に設けられている構成であってもよい。
さらに、前記基板は、円板状であって、厚さが1mm以上20mm以下の範囲内にあり、前記通気孔の直径が0.1mm以上1mm以下の範囲内にあり、前記通気孔のアスペクト比が3以上である構成であってもよい。
また、本発明のプラズマ処理装置用部材は、前記プラズマ処理装置用部材が、フォーカスリングであってもよい。
この場合、前記フォーカスリングは、前記基材が、円環状の平坦部と、前記平坦部の一方の面の外周側に形成さられた突起部とを有する円環状基材であって、前記伝熱層が、前記平坦部の前記突起部が形成された面とは反対側の面に設けられている構成であってもよい。
本発明のプラズマ処理装置用部材の製造方法は、基材を用意する準備工程と、前記基材の一方の表面に、加熱又は紫外線の照射によって、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を生成するフッ素系化合物を含むコーティング組成物を塗布して塗布層を形成する塗布工程と、前記塗布層を加熱して、又は前記塗布層に紫外線を照射して、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含む伝熱層を生成させる伝熱層形成工程と、を含む。
この構成のプラズマ処理装置用部材の製造方法によれば、あらかじめ所定の形状に形成した基材に対して、コーティング組成物を塗布して、伝熱層を生成させるので、プラズマ処理装置用電極板やフォーカスリングなどの種々の形状のプラズマ処理装置用部材を効率よく製造することができる。さらに、伝熱層と基材との接触がよく、熱抵抗を低くできる。また、得られたプラズマ処理装置用部材は、伝熱層がフッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含むので耐熱性と耐プラズマが優れていて、長期間にわたって高い均熱性を有しており、またコンタミが起こりにくくなる。
ここで、本発明のプラズマ処理装置用部材の製造方法においては、前記コーティング組成物がフィラーを含むことが好ましい。
この場合、コーティング組成物がフィラーを含むので、形成される伝熱層はフィラーを含み、熱伝導性が向上する。このため、均熱性がより向上したプラズマ処理装置用部材を製造することが可能となる。
また、本発明のプラズマ処理装置用電極板の製造方法においては、前記基材が、多数の通気孔を有する基板であって、前記コーティング組成物を前記基板の一方の表面に塗布するようにされていてもよい。
この場合、多数の通気孔を有する基材に対して伝熱層を形成するので、基材の通気孔と伝熱層の通気孔の位置を合わせやすい。よって、通気孔を有するプラズマ処理装置用電極板を効率よく製造することができる。また、プラズマ処理装置用電極板の製造方法として、多数の通気孔を有する伝熱材(伝熱層)を別に作製し、この伝熱材を基材に載置する方法が考えられる。この場合、伝熱材を基材に載置する際に位置ずれが起こりやすい。このため、伝熱材の通気孔を、位置ずれを吸収できるサイズにする必要があるが、その場合、プラズマ処理装置の冷却板と伝熱材との接触面及び伝熱材と基材との接触面積が小さくなり、熱が効率的に伝わらない。さらに、独立した伝熱材に通気孔を形成する際は、伝熱材の通気孔が多いと、伝熱材自体の機械強度が弱くなってしまい、独立した伝熱材として取り扱いにくい。特に、フィラー充填量が多い場合は、伝熱材自体の機械強度がさらに弱くなってしまうため、フィラー充填量を多くすることができない。これに対して、上記の製造方法によれば、伝熱層を独立して分離する必要がないため、フィラー充填量が多い伝熱層の形成が可能となる。したがって、上記の製造方法によって、均熱性、熱安定性を有するプラズマ処理装置用電極板を製造することが可能となる。
また、本発明のプラズマ処理装置用電極板の製造方法においては、前記基材が、円環状の平坦部と、前記平坦部の一方の面の外周側に形成さられた突起部とを有する円環状の基板であって、前記コーティング組成物を前記平坦部の前記突起部が形成された面とは反対側の面に塗布するようにされていてもよい。
この場合、基材が、円環状の平坦部と、前記平坦部の一方の面の外周側に形成さられた突起部とを有する円環状の基板であるので、フォーカスリングを効率よく製造することができる。
本発明のプラズマ処理装置は、プラズマ生成用のガスを通過させる通気孔を有するプラズマ処理装置用電極板及びフォーカスリングを備えたプラズマ処理装置であって、前記プラズマ処理装置用電極板及び前記フォーカスリングの少なくとも一方は、伝熱層を有し、前記伝熱層は、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含むことを特徴としている。
この構成のプラズマ処理装置によれば、プラズマ処理装置用電極板及びフォーカスリングの少なくとも一方は、伝熱層がフッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含むので耐熱性と耐プラズマが優れているので、高い均熱性を有しており、またコンタミが起こりにくくなる。
本発明によれば、耐熱性と耐プラズマに優れた伝熱材を備え、長期間にわたって高い均熱性を有するプラズマ処理装置用電極板及びその製造方法を提供することが可能となる。さらに本発明によれば、コンタミが発生しにくいプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
本実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板の一例の斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 本実施形態に係るプラズマエッチング装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るフォーカスリングの一例の斜視図である。 図4のV−V線断面図である。 本実施形態に係るプラズマエッチング装置の別の一例を示す概略構成図である。
以下に本発明の実施形態であるプラズマ処理装置用部材とその製造方法、及びプラズマ処理装置について添付した図面を適宜参照して説明する。
本実施形態に係るプラズマ処理装置は、例えば、半導体デバイス製造プロセスに使用されるプラズマエッチング装置やプラズマCVD装置等のプラズマ処理装置である。本実施形態に係るプラズマ処理装置用部材は、プラズマ処理装置の内部で使用される部材であり、例えば、プラズマ処理装置用電極板、フォーカスリングである。本実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板は、例えば、半導体デバイス製造プロセスに使用されるプラズマエッチング装置やプラズマCVD装置等のプラズマ処理装置の真空チャンバー内に備えられる一対の電極のうちの上側電極として用いられるものである。本実施形態に係るフォーカスリングは、例えば、プラズマ処理装置の真空チャンバー内に配置される被処理体を、その周縁部で支持する円環状の支持リングである。
図1は、本実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板の一例の斜視図であり、図2は、図1のII−II線断面図である。
図1及び図2において、プラズマ処理装置用電極板10は、円板状とされており、プラズマ生成用のガスを通過させる通気孔11が複数個形成されている。プラズマ処理装置用電極板10は、基材12と、基材12の表面に形成された伝熱層13とを有する。
通気孔11は、例えば、直径が0.1mm以上1mm以下の範囲内にあってもよい。基材12における通気孔11のアスペクト比(基材12の厚さ/通気孔11の直径)は1以上であってもよいが、3以上であることが好ましい。また、通気孔11のアスペクト比は200以下であってもよい。
基材12を構成する材料は、特に制限はないが、Si(シリコン)又はSiC(炭化ケイ素)であることが好ましい。基材12の直径は、例えば、200mm以上400mm以下の範囲内にあってもよい。基材12の厚さは、例えば、1mm以上20mm以下の範囲内にあってもよい。
伝熱層13は、フッ素系樹脂(フッ素樹脂、フッ素含有樹脂)及びフッ素系エラストマー(フッ素エラストマー、フッ素含有エラストマー)の少なくとも一方を含む。伝熱層13は、フッ素系樹脂を単独で含んでいてもよいし、フッ素系エラストマーを単独で含んでいてもよいし、フッ素系樹脂とフッ素系エラストマーとの混合物として含んでいてもよい。フッ素系樹脂は弾性を有することが好ましい。伝熱層13は、フィラーを含むことが好ましい。伝熱層13は、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方をマトリックスバインダーとし、このマトリックスバインダー中にフィラーが分散された構成であることが好ましい。
フッ素系樹脂は、フッ素含有基を主鎖に有するものであることが好ましい。フッ素系エラストマーは、フッ素含有基と三次元架橋構造を有するフッ素含有三次元架橋性化合物であることが好ましい。フッ素含有基としては、パーフルオロアルキレン基−(CF−(xは1以上の整数)及びパーフルオロポリエーテル基を挙げることができる。パーフルオロポリエーテル基としては、例えば、−(CFCFO)(CFO)−(m、nは1以上の整数)、−(CFCFCFO)−(pは1以上の整数)、−(CFCF(CF)O)q−(qは1以上の整数)などを挙げることができる。三次元架橋構造としては、ケイ素と炭素の結合を有する有機ケイ素構造、シロキサン結合を有するシリコーン構造、エポキシ結合を有するエポキシ構造、ウレタン結合を有するウレタン構造などを挙げることができる。フッ素含有三次元架橋性化合物は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
フィラーの材料としては、アルミナ(Al)、アルミナ水和物、窒化アルミニウム(AlN)、シリカ(SiO)、炭化珪素(SiC)、酸化チタン(TiO)、窒化ホウ素(BN)などを用いることができる。これらの材料の中では、アルミナ及び窒化ホウ素が好ましい。なお、フィラーの形状は、特に制限はなく、例えば、球状、扁平状、繊維状であってもよい。アルミナは、α−アルミナであることがより好ましい。窒化ホウ素は、顆粒状窒化ホウ素であることがより好ましい。
伝熱層13のフィラーの含有量は、50質量%以上90質量%以下の範囲内にあることが好ましい。フィラーの含有量が50質量%以上であると伝熱層13の熱伝導性が向上し、フィラーの含有量が90質量%以下(マトリックスバインダーの含有量が10質量%より多い)であることによって、シート形成性が向上する。
伝熱層13の厚さは、20μm以上1mm以下の範囲内にあることが好ましく、20μm以上500μm以下の範囲内にあることが特に好ましい。
次に、本実施形態のプラズマ処理装置用電極板10の製造方法について説明する。
プラズマ処理装置用電極板10は、下記の工程を含む方法によって製造することができる。
(1)多数の通気孔11を有する基材12を用意する準備工程。
(2)基材12の一方の表面に、加熱又は紫外線の照射によって、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を生成するフッ素系化合物を含むコーティング組成物を塗布して塗布層を形成する塗布工程。
(3)塗布層を加熱して、又は塗布層に紫外線を照射して、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含む伝熱層13を生成させる伝熱層形成工程。
準備工程において、基材12に通気孔11を形成する方法としては特に制限はない。例えば、ドリルを用いて機械的に通気孔11を形成する方法、レーザを照射して熱的に通気孔11を形成する方法などのプラズマ処理装置用電極板10の通気孔11を形成する方法として利用されている各種の方法を用いることができる。なお、通気孔11を形成した基材12では、通気孔の周囲にバリが発生し、また通気孔を形成していない面の平坦性が低下することがある。通気孔の周囲にバリが存在している、あるいは通気孔を形成していない面の平坦性が低下していると、次の塗布工程で塗布むらが発生する要因となる。このため、通気孔11を形成した基材12は、塗布工程を行う前にバリをエッチング処理により取り除いた後、基材12の上下表面をポリッシングして平坦性を向上させることが好ましい。
塗布工程で用いるコーティング組成物は、フッ素系化合物と、フィラーとを含む組成物であることが好ましい。コーティング組成物は、さらに、フッ素系オイル、揮発性溶媒を含んでいてもよい。
フッ素系化合物は、加熱又は紫外線の照射によって、フッ素系樹脂及び/又はフッ素系エラストマーを生成する化合物である。フッ素系化合物は、加熱又は紫外線の照射によって、フッ素含有三次元架橋性化合物を生成するフッ素含有架橋性化合物であることが好ましい。フッ素含有架橋性化合物としては、フッ素含有架橋性有機ケイ素化合物、フッ素含有架橋性シリコーン化合物、フッ素含有架橋性エポキシ化合物、フッ素含有架橋性ウレタン化合物を用いることができる。フッ素系化合物の市販品の例としては、信越化学工業株式会社製のSHIN−ETSU SIFEL(登録商標)を挙げることができる。
フッ素系オイルは、コーティング組成物の粘度調整剤として作用する。フッ素系オイルは、パーフルオロポリエーテル基を有する液状のポリマーであることが好ましい。パーフルオロポリエーテル基の例は、上記フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの場合と同じである。フッ素系オイルのポリマーは、パーフルオロポリエーテル基に、直鎖状又は分岐鎖状の飽和又は不飽和の炭化水素基、芳香族基、ヘテロ原子を含む炭化水素基が結合していてもよい。フッ素系オイルの市販品の例としては、ソルベイ社より販売されているフォンブリン(登録商標)、ダイキン工業株式会社より販売されているデムナム(登録商標)、ケマーズ社より販売されているクライトックス(登録商標)等が挙げられる。揮発性溶媒の市販品の例としては、3M社より販売されているNovec(登録商標)が挙げられる。
塗布工程において、基材12の一方の表面に、コーティング組成物を塗布する方法としては、スクリーン印刷法を用いることが好ましい。また、コーティング組成物を塗布する前に、基材12の通気孔11にマスキング材を配置することが好ましい。スクリーン印刷に用いるマスキング材はメタルマスクでもあってもよく、メッシュマスクでもあってもよい。また、基材12の通気孔11にマスキング材を配置する代わりに、通気孔11を塞ぐようにパターニングされたマスクを用いてもよい。
伝熱層形成工程では、塗布層を加熱して、又は塗布層に紫外線を照射して、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含む伝熱層13を生成させる。加熱温度又は紫外線の照射量は、フッ素系化合物がフッ素系樹脂及び/又はフッ素系エラストマーを生成する条件である。
以上の工程によって、本実施形態のプラズマ処理装置用電極板10が製造される。
プラズマ処理装置用電極板10は、プラズマ処理装置の真空チャンバー内に上側電極として用いられる。図3は、本実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板10を用いたプラズマエッチング装置の一例を示す概略構成図である。
プラズマエッチング装置100は、図3に示すように、真空チャンバー30と、真空チャンバー30内の上側に備えられたエッチングガス導入部1と、真空チャンバー30内の下側に備えられた被処理体支持部2とを有する。エッチングガス導入部1は、本実施形態に係るプラズマ処理装置用電極板10(上側電極)が伝熱層13を上側を向くように設けられる。また、被処理体支持部2には、上下動可能な架台(下側電極)20がプラズマ処理装置用電極板10と相互間隔をおいて平行に設けられる。この場合、上側のプラズマ処理装置用電極板10は絶縁体14により真空チャンバー30の壁に対して絶縁状態に支持されているとともに、架台20の上に、静電チャック21と、その周りを囲むSi(シリコン)又はSiC(炭化ケイ素)製のフォーカスリング(支持リング)22とが設けられており、静電チャック21上にフォーカスリング22により周縁部を支持した状態でウェハ(被処理基板)40が載置されるようになっている。また、真空チャンバー30の上側には、エッチングガス供給管31が設けられ、このエッチングガス供給管31から送られてきたエッチングガスは、拡散部材32を経由した後、プラズマ処理装置用電極板10に設けられた通気孔11を通してウェハ40に向かって流され、真空チャンバー30の側部の排出口33から外部に排出される構成とされる。一方、プラズマ処理装置用電極板10と架台20との間には、高周波電源50により高周波電圧が印加されるようになっている。
プラズマ処理装置用電極板10の背面には、伝熱層13を介して、冷却板15が固定されている。冷却板15の材料としては、熱伝導性に優れるアルミニウム等が用いられている。冷却板15にも、プラズマ処理装置用電極板10の通気孔11に連通するように、通気孔11と同じピッチで貫通孔16が形成されている。そして、プラズマ処理装置用電極板10は、背面が冷却板15に接触した状態でねじ止め等によってプラズマエッチング装置100内に固定される。
プラズマ生成用のガスは、通気孔11を上方から下方(矢印方向)に通過し、プラズマはプラズマ処理装置用電極板10の下方にて生成する。プラズマと共に発生する熱は、プラズマ処理装置用電極板10の基材12から伝熱層13を介して冷却板15に伝熱され、外部に放熱される。
次に、本実施形態に係るフォーカスリングについて説明する。
図4は、本実施形態に係るフォーカスリングの一例の斜視図であり、図5は、図4のV−V線断面図である。
図4及び図5において、フォーカスリング22は、中央が円形に開口した円環状基材23と、伝熱層24とを有する。円環状基材23は、円環状の平坦部23aと、平坦部23aの一方の面の外周側に形成さられた突起部23bとを有する。伝熱層24は、円環状基材23の突起部23bが形成された面とは反対側の面に設けられている。
円環状基材23は、例えば、直径が350mm以上500mm以下の範囲内にあってもよい。円環状基材23の中央の開口直径は、295mm以上298mm以下の範囲内にあってもよい。また、円環状基材23の突起部23bは、例えば、厚さが2mm以上8mm以下の範囲内にあってもよい。円環状基材23を構成する材料は、特に制限はないが、Si(シリコン)又はSiC(炭化ケイ素)であることが好ましい。
伝熱層24は、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含む。伝熱層24は、フィラーを含むことが好ましい。伝熱層24に含まれるフッ素系樹脂、フッ素系エラストマー及びフィラーの例は、上述のプラズマ処理装置用電極板10の場合と同じである。また、伝熱層24の厚さは、上述のプラズマ処理装置用電極板10の場合と同様に、20μm以上1mm以下の範囲内にあることが好ましく、20μm以上500μm以下の範囲内にあることが特に好ましい。
フォーカスリング22は、下記の工程を含む方法によって製造することができる。
(1)円環状の平坦部23aと、平坦部23aの一方の面の外周側に形成さられた突起部23bとを有する円環状基材23を用意する準備工程。
(2)円環状基材23の突起部23bが形成された面とは反対側の面に、加熱又は紫外線の照射によって、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を生成するフッ素系化合物を含むコーティング組成物を塗布して塗布層を形成する塗布工程。
(3)塗布層を加熱して、又は塗布層に紫外線を照射して、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含む伝熱層24を生成させる伝熱層形成工程。
準備工程において、円環状基材23を形成する方法としては特に制限はない。例えば、ドリルを用いて機械的に円環状に加工する方法を用いることができる。また。円環状基材23として、複数の円弧状部材を周方向にリング状に接着して形成したものを用いてもよい。この複数個の円弧状部材を接着して形成された構成のフォーカスリングは、特開2011−3730号公報に記載されている。この構成のフォーカスリングにおいて、複数個の円弧状部材を接着する接着剤として、上述のフッ素系樹脂及び/又はフッ素系エラストマーを用いてもよい。
塗布工程におけるコーティング組成物の塗布方法、及び伝熱層形成工程における伝熱層24の生成方法には特に制限はなく、例えば、上述のプラズマ処理装置用電極板10の場合と同様の方法を用いることができる。
図6は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置の別の一例を示す概略構成図である。図6に示すプラズマエッチング装置200は、フォーカスリング22として、上述の円環状基材23と伝熱層24とを有するものを用いたこと以外は、図3に示すプラズマエッチング装置100と同じである。このため、図6に示すプラズマエッチング装置200において図3に示すプラズマエッチング装置100と共通する部分は、同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
図6に示すプラズマエッチング装置200において、被処理体支持部2は、架台20、静電チャック21、フォーカスリング22、抜熱板25を備える。
架台20は平面視で円形状とされている。架台20の外周部にフォーカスリング22が配置されている。フォーカスリング22は、円環状基材23によって、ウェハ40の周縁部を支持する。架台20の中央部に抜熱板25が配置され、抜熱板25の上に静電チャック21が配置されている。架台20は、内部に冷媒流路27を有し、冷却部としても機能する。また、架台20は、アース28と接続し、電極部としても機能する。静電チャック21は、高周波電源(図示せず)と接続していてもよい。
架台20とフォーカスリング22との間には、Oリング26とが配置されている。Oリング26の周囲に、平面視で円環状に配置されている。Oリング26の材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素系エラストマーなどの耐熱性の弾性体を用いることができる。架台20とフォーカスリング22との間の少なくとも一方に中間層を設けてもよい。中間層は、アルミナ、イットリア、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などセラミックの焼結体であってもよい。
以上のような構成とされた本実施形態のプラズマ処理装置用部材(プラズマ処理装置用電極板10、フォーカスリング22)によれば、伝熱層は、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含むので耐熱性と耐プラズマが優れている。よって、プラズマ処理装置用部材は長期間にわたって高い均熱性を有しており、またコンタミが起こりにくくなる。
本実施形態のプラズマ処理装置用部材において、基材(基材12、円環状基材23)を形成している材料がSi又はSiCである場合は、基材の伝熱性が向上する。このため、プラズマ処理装置用部材の均熱性が向上する。
本実施形態のプラズマ処理装置用部材において、伝熱層13、24がフィラーを含む場合は、伝熱層の熱伝導性が向上する。このため、プラズマ処理装置用部材の均熱性がより向上する。さらに、フィラーがアルミナ及び/又は窒化ホウ素の少なくとも一方である場合は、伝熱層13、24の熱伝導性がより確実に向上する。このため、プラズマ処理装置用部材の均熱性がさらに向上する。また、本実施形態のプラズマ処理装置用部材において、フッ素系樹脂及び前記フッ素系エラストマーがパーフルオロポリエーテル基を有する化合物である場合は、伝熱層13、24の耐熱性と耐プラズマ性がより向上する。このため、プラズマ処理装置用部材は、より長期間にわたって高い均熱性を有し、コンタミが起こりにくい。さらに、本実施形態のプラズマ処理装置用部材において、伝熱層13、24の厚さが20μm以上1mm以下の範囲内にある場合は、伝熱層13、24をプラズマ処理装置の冷却板15や架台20に密着させやすくなり、伝熱層13と冷却板15との間や伝熱層24と架台20との間の熱伝導性が向上する。また、伝熱層の厚さが1mm以下であるので、伝熱層の熱伝導性も高くなる。このため、プラズマ処理装置用部材の均熱性がさらに向上する。
また、本実施形態のプラズマ処理装置用部材は、プラズマ生成用のガスを通過させる通気孔11を有するプラズマ処理装置用電極板10であってもよい。この場合、プラズマ処理装置用電極板10は、基材12が、多数の通気孔11を有する基板であって、伝熱層13が、基材12の一方の表面に設けられている構成であってもよい。さらに、基材12は、円板状であって、厚さが1mm以上20mm以下の範囲内にあり、通気孔11の直径が0.1mm以上1mm以下の範囲内にあり、通気孔11のアスペクト比が1以上である構成であってもよく、3以上であることが好ましい。この場合、プラズマ処理装置用電極板10は、プラズマエッチング装置100の冷却板15との密着性が高く長期間にわたって高い均熱性を有し、コンタミが起こりにくいので、長期間にわたって安定してプラズマ処理を実施することができる。
また、本実施形態のプラズマ処理装置用部材は、フォーカスリング22であってもよい。この場合、フォーカスリング22は、基材が、円環状の平坦部と、平坦部の一方の面の外周側に形成さられた突起部とを有する円環状基材23であって、伝熱層24が、平坦部の突起部が形成された面とは反対側の面に設けられている構成であってもよい。この場合、フォーカスリング22は、プラズマエッチング装置200の架台20との密着性が高く長期間にわたって高い均熱性を有し、コンタミが起こりにくいので、長期間にわたって安定してプラズマ処理を実施することができる。
本実施形態のプラズマ処理装置用部材の製造方法によれば、あらかじめ所定の形状に形成した基材に対して、コーティング組成物を塗布して、伝熱層を生成させるので、プラズマ処理装置用電極板10やフォーカスリング22などの種々の形状のプラズマ処理装置用部材を効率よく製造することができる。さらに、伝熱層と基材との接触がよく、熱抵抗を低くできる。また、得られたプラズマ処理装置用部材は、伝熱層がフッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含むので耐熱性と耐プラズマが優れていて、長期間にわたって高い均熱性を有しており、またコンタミが起こりにくくなる。
本実施形態のプラズマ処理装置用部材の製造方法において、基材が、多数の通気孔11を有する基材12であって、コーティング組成物を基材12の一方の表面に塗布するようにされていてもよい。この場合、多数の通気孔11を有する基材12に対して伝熱層13を形成するので、基材12の通気孔11と伝熱層13の通気孔11の位置を合わせやすい。よって、通気孔11を有するプラズマ処理装置用電極板10を効率よく製造することができる。また、プラズマ処理装置用電極板10の製造方法として、多数の通気孔11を有する伝熱材(伝熱層)を別に作製し、この伝熱材を基材に載置する方法が考えられる。この場合、伝熱材を基材に載置する際に位置ずれが起こりやすい。このため、伝熱材の通気孔を、位置ずれを吸収できるサイズにする必要があるが、その場合、プラズマ処理装置の冷却板と伝熱材との接触面及び伝熱材と基材との接触面積が小さくなり、熱が効率的に伝わらない。さらに、独立した伝熱材に通気孔を形成する際は、伝熱材の通気孔が多いと、伝熱材自体の機械強度が弱くなってしまい、独立した伝熱材として取り扱いにくい。特に、フィラー充填量が多い場合は、伝熱材自体の機械強度がさらに弱くなってしまうため、フィラー充填量を多くすることができない。これに対して、上記の製造方法によれば、伝熱層を独立して分離する必要がないため、フィラー充填量が多い伝熱層の形成が可能となる。したがって、上記の製造方法によって、均熱性、熱安定性を有するプラズマ処理装置用電極板10を製造することが可能となる。
本実施形態のプラズマ処理装置用電極板の製造方法において、基材が、円環状の平坦部と、平坦部の一方の面の外周側に形成さられた突起部とを有する円環状基材23であって、コーティング組成物を平坦部の突起部が形成された面とは反対側の面に塗布するようにする場合は、フォーカスリング22を効率よく製造することができる。
本実施形態のプラズマエッチング装置100、200によれば、プラズマ処理装置用電極板10及びフォーカスリング22の少なくとも一方は、伝熱層13、24がフッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含むので耐熱性と耐プラズマが優れているので、高い均熱性を有しており、またコンタミが起こりにくくなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、図6に記載した本実施形態のプラズマエッチング装置200では、プラズマ処理装置用電極板10の伝熱層13及びフォーカスリング22の伝熱層24の両方がフッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含む構成とされているが、フォーカスリング22の伝熱層24がフッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含む構成とされていれば、プラズマ処理装置用電極板10の伝熱層13はフッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーを含まなくともよい。
[本発明例1]
(1)コーティング組成物の調製
パーフルオロポリエーテル基を有し、熱架橋性を有するゴム剤I(X−71−6053−6A、信越化学工業社製)を8.7質量部、パーフルオロポリエーテル基を有し、熱架橋性を有するゴム剤II(X−71−6053−6B、信越化学工業株式会社製)を9.0質量部、大粒径アルミナフィラー(AA−18、住友化学株式会社製、平均粒径(d50):18μm)を57.2質量部、小粒径アルミナフィラー(AA−3、住友化学社製、平均粒径(d50):3μm)を25.1質量部(熱伝導性フィラーの含有量:82.3質量%)の割合で混合した。得られた混合物を、自転・公転真空ミキサー(あわとり練太郎ARV−310、株式会社シンキー社製)を用いて、脱泡しながら混練してコーティング組成物を調製した。
(2)プラズマ処理装置用電極板基材の作製
Si基板に、通気孔を、ドリルを用いて形成した。次いで、Si基板の上下表面の通気孔の周囲に発生したバリをエッチング処理により取り除いた後、Si基板の上下表面をポリッシングして、プラズマ処理装置用電極板基材を作製した。
(3)プラズマ処理装置用電極板の作製
上記(2)で作製したプラズマ処理装置用電極板基材の一方の表面の通気孔にマスキング材を配置した。次いで、そのプラズマ処理装置用電極板の表面に、上記(1)で調製したコーティング組成物を、プラズマ処理装置用電極板基材の直径と同じ直径の開口部を設けたメタルマスクを用いてスクリーン印刷法により塗布し、加熱後の厚さが0.3mmとなる厚さの塗布層を形成した。塗布層を形成したプラズマ処理装置用電極板基材を、加熱炉に投入し、150℃で30時間加熱した。次いで、プラズマ処理装置用電極板基材を加熱炉から取り出し、室温まで放冷し、塗布層が硬化して伝熱層が形成されていることを確認した後、マスキング材を除去した。こうして、プラズマ処理装置用電極板を作製した。
(4)評価
(プラズマ処理装置用電極板の伝熱層の厚さ)
伝熱層成膜後のプラズマ処理装置用電極板を切断し、断面のSEM写真から膜厚を求めた。その結果、伝熱層の平均厚みは0.3mmであることが確認された。
(ラジカル照射減量率)
プラズマ処理装置用電極板の伝熱層に、反応ガスとしてO及びCFを用い、それらの流量をそれぞれ500ml/min及び10ml/min、並びに反応圧力を40Pa及びラジカル照射時間を1時間として行うOリッチ条件と、反応ガスとしてO及びCFを用い、それらの流量をそれぞれ100ml/min及び410ml/min、並びに反応圧力を100Pa及びラジカル照射時間を1時間として行うCFリッチ条件とで、ラジカル照射後のラジカル照射減量率を下記式に基づいて算出した。その結果、ラジカル照射減量率は、Oリッチ条件及びCFリッチ条件のいずれについてもラジカル照射減量率は0質量%であった。
ラジカル照射減量率(質量%)=[(照射前質量−照射後質量)/照射前質量]×100(但し、照射前質量は、ラジカル照射前のプラズマ処理装置用電極板の質量、照射後質量は、ラジカル照射後のプラズマ処理装置用電極板の質量である。)
(加熱減量率)
プラズマ処理装置用電極板について、空気中において240℃で5時間加熱した後の加熱減量率を下記式に基づいて算出した。また、空気中において240℃で75時間加熱した後の加熱減量率を同様にして算出した。その結果、240℃で5時間加熱したときの加熱減量率は0.8質量%であり、240℃で75時間加熱したときの加熱減量率は3.2質量%であった。
加熱減量率(質量%)=[(加熱前質量−加熱後質量)/加熱前質量]×100
(但し、加熱前質量は、加熱前のプラズマ処理装置用電極板の質量、加熱後質量は、加熱前のプラズマ処理装置用電極板の質量である。)
[本発明例2]
円環状の平坦部と、平坦部の一方の面の外周側に形成さられた突起部とを有するSiで形成された円環状基材を用意した。この円環状基材の突起部が形成された面とは反対側の面に、本発明例1の(1)で調製したコーティング組成物を、スクリーン印刷法により塗布し、加熱後の厚さが0.3mmとなる厚さの塗布層を形成した。塗布層を形成した円環状基材を、加熱炉に投入し、150℃で30時間加熱した。次いで、円環状基材を加熱炉から取り出し、室温まで放冷し、塗布層が硬化して伝熱層が形成されていることを確認した。こうして、プラズマ処理装置用フォーカスリングを作製した。
得られたプラズマ処理装置用フォーカスリングについて、本発明例1と同様に、伝熱層の厚さ、ラジカル照射減量率、加熱減量率を測定した。その結果、伝熱層の厚さは0.3mm、ラジカル照射減量率は0質量%、240℃で5時間加熱したときの加熱減量率は0.8質量%、240℃で75時間加熱したときの加熱減量率は3.2質量%であった。
1 エッチングガス導入部
2 被処理体支持部
10 プラズマ処理装置用電極板
11 通気孔
12 基材
13 伝熱層
14 絶縁体
15 冷却板
20 架台(下側電極)
21 静電チャック
22 フォーカスリング
23 円環状基材
23a 平坦部
23b 突起部
24 伝熱層
25 抜熱板
26 Oリング
27 冷媒流路
28 アース
30 真空チャンバー
31 エッチングガス供給管
32 拡散部材
33 排出口
40 ウェハ(被処理基板)
50 高周波電源
100、200 プラズマエッチング装置

Claims (15)

  1. プラズマ処理装置用部材であって、
    基材と、前記基材の一方の表面に設けられた伝熱層とを有しており、
    前記伝熱層は、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含むことを特徴とするプラズマ処理装置用部材。
  2. 前記基材を形成している材料が、Si又はSiCである請求項1に記載のプラズマ処理装置用部材。
  3. 前記伝熱層がフィラーを含む請求項1又は請求項2に記載のプラズマ処理装置用部材。
  4. 前記フィラーがアルミナ及び窒化ホウ素の少なくとも一方である請求項3に記載のプラズマ処理装置用部材。
  5. 前記フッ素系樹脂及び前記フッ素系エラストマーは、パーフルオロポリエーテル基を有する化合物である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置用部材。
  6. 前記伝熱層の厚さが20μm以上1mm以下の範囲内にある請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置用部材。
  7. 前記プラズマ処理装置用部材が、プラズマ生成用のガスを通過させる通気孔を有するプラズマ処理装置用電極板である請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置用部材。
  8. 前記プラズマ処理装置用電極板は、前記基材が、多数の通気孔を有する基板であって、前記伝熱層が、前記基板の一方の表面に設けられている請求項7に記載のプラズマ処理装置用部材。
  9. 前記基板は、円板状であって、厚さが1mm以上20mm以下の範囲内にあり、前記通気孔の直径が0.1mm以上1mm以下の範囲内にあり、前記通気孔のアスペクト比が3以上である請求項8に記載のプラズマ処理装置用部材。
  10. 前記プラズマ処理装置用部材が、フォーカスリングである請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置用部材。
  11. 前記フォーカスリングは、前記基材が、円環状の平坦部と、前記平坦部の一方の面の外周側に形成さられた突起部とを有する円環状基材であって、前記伝熱層が、前記平坦部の前記突起部が形成された面とは反対側の面に設けられている請求項10に記載のプラズマ処理装置用部材。
  12. 基材を用意する準備工程と、
    前記基材の一方の表面に、加熱又は紫外線の照射によって、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を生成するフッ素系化合物を含むコーティング組成物を塗布して塗布層を形成する塗布工程と、
    前記塗布層を加熱して、又は前記塗布層に紫外線を照射して、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含む伝熱層を生成させる伝熱層形成工程と、
    を含むプラズマ処理装置用部材の製造方法。
  13. 前記基材が、多数の通気孔を有する基板であって、
    前記コーティング組成物を前記基板の一方の表面に塗布する請求項12に記載のプラズマ処理装置用部材の製造方法。
  14. 前記基材が、円環状の平坦部と、前記平坦部の一方の面の外周側に形成さられた突起部とを有する円環状の基板であって、
    前記コーティング組成物を前記平坦部の前記突起部が形成された面とは反対側の面に塗布する請求項12に記載のプラズマ処理装置用部材の製造方法。
  15. プラズマ生成用のガスを通過させる通気孔を有するプラズマ処理装置用電極板及びフォーカスリングを備えたプラズマ処理装置であって、
    前記プラズマ処理装置用電極板及び前記フォーカスリングの少なくとも一方は、伝熱層を有し、
    前記伝熱層は、フッ素系樹脂及びフッ素系エラストマーの少なくとも一方を含むことを特徴とするプラズマ処理装置。
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